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1980/06/04 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第16号
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1980/06/04 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第094回国会 農林水産委員会 第16号
昭和五十六年六月四日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                北  修二君
                坂元 親男君
                鈴木 正一君
                川村 清一君
                中野  明君
    委 員
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                下条進一郎君
                鈴木 省吾君
                田原 武雄君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                三浦 八水君
                宮田  輝君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                山田  譲君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                下田 京子君
                田渕 哲也君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        野呂田芳成君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     矢崎 市朗君
       農林水産大臣官
       房審議官     高畑 三夫君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       食糧庁長官    松本 作衞君
       食糧庁次長    石川  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部景
       品表示指導課長  波光  厳君
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   内田 文夫君
       文部省体育局学
       校給食課長    奥田與志清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○農林年金制度の改善に関する請願(第四号外四
 件)
○昭和五十六年度農林年金制度改善に関する請願
 (第一一八号)
○学校給食用牛乳供給事業に関する請願(第一七
 二号)
○米の消費拡大対策強化に関する請願(第一七三
 号)
○漁業者老齢福祉共済制度の創設に対する助成等
 に関する請願(第一八〇号)
○農業基盤整備事業の予算わくの拡大に関する請
 願(第一八一号)
○学校給食用牛乳供給事業の継続実施と拡大に関
 する請願(第一八二号)
○農業改良普及事業の縮減反対に関する請願(第
 一八三号)
○さけ・ます増殖事業の拡充強化に関する請願
 (第一八四号)
○水田利用再編第二期対策における飼料穀物等の
 制度改善に関する請願(第二三四号)
○蚕糸業の振興に関する請願(第五八三号外一
 件)
○飼料用稲を転作作物の対象に加えること等に関
 する請願(第七二四号)
○食管制度の堅持・健全化に関する請願(第一七
 六七号)
○畜産対策に関する請願(第一八一七号)
○食糧管理制度に関する請願(第一八一八号)
○昭和五十六年度畜産物政策価格並びに畜産経営
 の安定強化に関する請願(第一八一九号)
○林業の振興と木材の国内自給体制の確立に関す
 る請願(第一八七〇号)
○食管制度の堅持等に関する請願(第一九四七
 号)
○食管制度改悪反対等に関する請願(第二〇五三
 号外三件)
○木材関連産業の不況対策に関する請願(第二一
 九三号)
○畜産経営危機打開に関する請願(第二二七九
 号)
○食管制度堅持等に関する請願(第二三六七号)
○食糧管理制度充実強化に関する請願(第二四四
 五号外一件)
○昭和五十六年度の糸価の引上げ等に関する請願
 (第二四四六号外一件)
○畜産経営の安定強化に関する請願(第二四四九
 号外一件)
○農業災害補償法の改正に関する請願(第二五一
 三号)
○日ソ漁業交渉の促進等に関する請願(第二五九
 八号)
○日ソさけ・ます漁業交渉に関する請願(第二七
 一五号)
○異常豪雪による農林水産業の被害等に関する請
 願(第二七一七号)
○食管制度改善等に関する請願(第三四六五号外
 一二件)
○食糧管理法の一部を改正する法律案に関する請
 願(第三九二六号外七件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○坂倉藤吾君 食管の法改正について質問をいたしますが、その前に、いま緊急事態といいますか、さきの委員会でも同僚の山田委員の方から要望がございましたように、いわゆる低温被害といいますか、そういう立場で――大変な事態が発生をしているわけでございます。きょう何か、養蚕関係について緊急の対策会議等で、二瓶局長もそれに出席をされるというふうにお聞きをしていますから、対策は順次とられておるというふうに思いますが、少なくとも、群馬の養蚕の関係、あるいは、東北、北陸におきますいわゆる水稲あるいは麦、これらに対する被害、大変緊急に対策を要する課題ではないのかというふうに思うわけであります。これの被害救援対策について、いまどう対処をされておるのか、まず、それをお聞きをいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(亀岡高夫君) 各県からの報告の集計でございますが、大体九十億ほどの被害になっておりますが、統計調査部の方の資料はいま急いで取りまとめ中でございます。これは各県からの報告でございます。特に群馬県、長野県、それから福島県等が被害が多いようでございます。特に養蚕関係の桑類、それからたばこ、それから野菜等でございます。たばこも大分ひどいと当初思ったわけでありますが、専売公社の方との連絡をとってみますと、たばこは芽を出して、被害地でも若干の収穫は期待できるのじゃないか、こういうことでございます。したがいまして、それぞれの作目ごとの共済でどう取り扱うかといったような問題、さらには、天災融資法の条件に合致するところまでいくのかいかないのか、そういう点を早く調査をして、手はずを整えて手続をとるようにということを事務当局に指示をいたしておるところでございます。
#5
○坂倉藤吾君 いずれにいたしましても、ちょうどこれから一番重要な作物にとっての時期でしてね。その肝心の時期に被害をこうむるわけでありますから、大変な事態であると判断をするわけであります。ぜひ、きちっとした対策を早期に確立をしていただく。もちろん、これは現状把握が第一の課題でありますから、ぜひ、遺漏のないように取り組みをしていただくように要望を申し上げておきたいと思います。
 第一に、きょうは米の管理制度の基本に関して若干の御質問を申し上げたいと思います。
 提案理由の説明によりますと、米穀を自主流通米も含めて管理をするという現行制度の基本は維持をする、こういうふうに説明をされているわけです。そこで、現行制度の基本というもの、いわゆる今日まで食管の根幹、こういうふうに言われてきたと思うのです。この国会の中ではこの根幹が基本ということになったのですが、これは基本と根幹と私は同一語であろうというふうに思いますが、現行制度のこの根幹、これは一体何を指すのか、どういう認識なのか。どうも今日までの審議内容を通じておりましてもよく理解ができないのですが、明確にひとつその根幹についての御説明をいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(亀岡高夫君) 根幹と基本と一口に言って変わりはないと、同じであるという御認識でございますが、私どももそのように実は思っておる次第でございます。したがって、根幹、基本とは何かということでございますが、やはり国民の基本的な食糧である米の必要量を確保をして、国民経済の安定を図るために政府が米の需給及び価格を調整をして、米の流通について必要な規制を行うこと、これが基本であるというふうに認識をいたしております。
 しからばそれを実施するための手法はどういうことを言うのかということでございますが、まず、米の需給や価格を調整するために、必要な米は生産者から食管法第三条に基づいて政府が買い入れをするということ。政府の買い入れ価格は食管法の規定に基づいて米の再生産を確保することを旨として決めていくということ。それから、消費者に対しては必要な米の供給を確保する。したがいまして、政府の米の売り渡し価格は消費者の家計の安定を旨として定めるということ。さらに、米の輸出入については政府がこれを規制をする。これらの具体的な手法を一応食管の基本と、こういうふうに私どもは考えている次第でございます。
#7
○坂倉藤吾君 一つずつお尋ねをしますが、いま説明をざっとされました。
 そこで、米の全量を政府が買い入れる、これは義務なんです。これは現行法の三条、四条、八条、三十二条、こういうふうに理解をするんですが、これは柱でしょうか。あるいは、私がいま米の全量を政府が買い入れる義務があると言ったのは間違いなのか。この辺はいかがですか。
#8
○政府委員(松本作衞君) 米の全量について政府が管理をするという考え方が基本であろうと思っておりますが、その管理の方法といたしましては、直接政府が買い入れ、売り渡しをする管理と、それから自主流通米等のような形の、政府が規制を加え、定められた流通ルートに基づいて流通をさせるというような管理と、両面があるかと考えております。
#9
○坂倉藤吾君 食管法の歴史は、大正十年の四月、米穀法、これに始まりまして、昭和八年十一月に米穀統制法、それから、昭和十四年の四月に米穀配給統制法、こういう経過を踏まえて昭和十七年二月に今日のいわゆる食管法の柱が確立をされたのですね。そのときに、当時の井野農相ですが、一月二十四日に提案理由説明が行われておると思うのです。その中で、「米麦ノ国家管理ヲ単ニ臨時応急ノ措置タルニ止ラズ、恒久的制度トシテ確立スルコトが緊要デアルト信ズル」「主要食糧ニ関スル限り、農民ガ安ンジテ生産ニ従ヒ得ルヤウニ、生産セラレタル米麦ハ、必ズ政府が之ヲ買フト云フ態勢ヲ明カニ」して、「国民食糧ノ確保ト国民経済ノ安定ヲ図」るものである。この提案理由の趣旨というものが、これが現行法の中の骨組みとしてきちっと据えられた。したがって、いま必要量を管理をする、こういう立場の松本長官のお話ですが、それから行きますと、この提案趣旨と、それから先ほど申し上げました三条、四条、八条、三十二条等の条項から言って、解釈にきわめて大きな隔たりが生じている、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#10
○政府委員(松本作衞君) 御指摘のように、食管法を制定いたしましたときの提案理由の中には、御指摘ありましたように、政府が必ずこれを買い上げるという趣旨の表現があるわけでございますが、私ども、このような考え方は、この食管法が制定されました戦争中の食糧の不足した時代において、当然生産されたものは全量必要なものであるということで、いわゆる全量というものと必要量というものとの食い違いということは本来考える必要がないという時点においての御説明であったかと思うわけでございますが、その後需給事情が非常に緩和をしてまいりまして、国民の必要量とそれから生産される全量との間の食い違いというものが出てくるような時点になりましてからは、やはり必要量を管理するというような考え方に基づいて食管法の運営をいたしておるわけでございまして、その点につきましては、昭和四十四年に自主流通米制度を設けました際、または四十六年に買い入れ限度数量を設けました際にも種々御議論のあった点でございますが、その当時から、私どもとしては必要量を管理するということを食管法の基本と考えておるわけでございます。
#11
○坂倉藤吾君 そうしますと、骨組みというものは、当初の情勢を踏まえて全量買い入れが当時の情勢に見合って骨組みとして必要であったのだ、しかし、時代の流れと、その当時予測をしていなかった米の生産が大いに上がってきた、いわゆる需給調整の関係から言って、全量賢い上げから全量管理に変化をせざるを得なかった、こういうふうに理解していいわけですか。
#12
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘があったような大筋で考えておるわけでございます。
#13
○坂倉藤吾君 そうしますと、第一の柱というのは全量管理である。これは確認できますね。
#14
○政府委員(松本作衞君) 管理の形態はいろいろ含まれておるわけでございますが、考え方としては全量管理ということでございます。
#15
○坂倉藤吾君 またおいおい聞いていきますから、余分な説明してもらう必要はないですよ。全量管理が今日の現行法の柱であるというふうに確認ができますかと、こう聞いているのです。
#16
○政府委員(松本作衞君) そのとおりでございます。
#17
○坂倉藤吾君 それから二つ目の柱は、生産者米価、それから消費者米価、それぞれを異なったいわゆる原理で定める二重米価制、これも現行食管法の重要な柱、いわゆる根幹である、こういうふうに確認をしたいのですが、これは三条、四条ですね。間違いありませんか。
#18
○政府委員(松本作衞君) 生産者価格については再生産を確保することを旨とし、消費者価格については消費者の家計の安定を旨として定める。それぞれの法律的な根拠に基づいて両米価を定めるという考え方でございます。
#19
○坂倉藤吾君 米の流通を国が一元的に管理をする。これも食管の根幹の重要な柱だというふうに確認できますか。
#20
○政府委員(松本作衞君) そのとおりに考えております。
#21
○坂倉藤吾君 いまのように答弁してください。二点目の問題もそうだったんですがね。それだけで十分なんです。
 四点目の柱としては、米麦の輸出入を国家がこれまた一元的に管理をする、こういうふうに確認してよろしいですか。
#22
○政府委員(松本作衞君) そのとおりに考えております。
#23
○坂倉藤吾君 そういたしまして、大体私が骨組みであろうと思うことについては確認ができたわけですが、そこで、先ほどもちょっと答弁の中に出てまいりました自主流通米制度、これは、昭和四十四年産のものから導入が行われましたね。四十四年の五月に、法の改正を行わないで施行令のみの改正で、私に言わせれば強行してきた、こうなるのです。それ自体私は、この現行法から精神が、先ほど言いましたように全量買い上げからいわゆる全量管理へという質的な変化でありますから、当然法について抜本的に見直し、法の改正の要があるかどうか、このことが国会の場で審議される、こういう経路をやはり通じて、そうして改正を行うべきであったというふうに考えるのですが、この法改正をしないで施行令だけで変化をさしている、これは、私は法の趣旨を踏みにじってきたのではないのか、こういうふうに言わざるを得ぬのですが、これはいかがなものでしょうか。
#24
○政府委員(松本作衞君) 食管法の法律の規定におきまして、命令の定めるところにより政府が買い上げるということになっておるわけでございまして、その命令の定める定め方によりまして自主流通米という形の制度が可能であるという点につきましては、この自主流通米制度を発足いたしました際にも国会でも十分御議論のあったことというふうに承知をいたしておるわけでございまして、政府といたしましては、この従来の食管法の枠内においても自主流通米という制度が可能であるということに考えてまいった次第でございます。
#25
○坂倉藤吾君 これは後でまた触れますけれども、たとえば減反政策、水田利用再編の問題、これらも国会では論議しています。していますが、これらに絡まって、たとえば政府の側から事前に、どうあるべきなのか、こういう投げかけというのはありませんでしたですね。ちょうどいまの鈴木総理が農林大臣をやっておられました。私自身がよく記憶をしているのですが、各県の担当の局長、部長を集めまして、そして資料配付をしながら、いわゆる減反、水田利用再編の方針を説明をされた。ところが、国会の方にもうその資料さえも配られてなくて、私が指摘をしてそして初めて資料を私どもが見せてもらう、こういう状況がございました。
 同じようなことをやっているのじゃありませんか。私はこれはもう重要な、全量買い上げから名前は全量管理と、同じ全量がついていますけれども、管理をするということと買い上げをするというのはこれはだれが考えましても本質的な変化ですよ。その本質的な変化を、これを論議があったからということで――論議するのはあたりまえでありましてね、現実が変わるのですから。論議にならない方がおかしいのでありまして、ただ、意欲的にそれを政府の側が求めたのか、あるいはわれわれの側からそれの論議をしていったのか、ここには私は本質的な大きな違いがあると思うのですよ。そういうことをきちっと組まないで、そして論議がありましたからというようなことで、施行令を、いわゆるもとの動く問題を省内で論議をして、そして形の上で実施をしている。これはまさに私は権力側の横車でしかない、こういうふうに思うわけです。これが自主流通米制度を採用した、そうして今日まで強行してきたここの一つの問題点じゃないのか。確かに現状の需要供給の立場から言ってその制度がやむを得ないというのなら、もう少し堂々と肩ひじ張って、今回の法改正で初めていわゆる限度数量制が法の中に明確になる、そして自主流通米が当然そこで基本法の中に含まれてくる。今日手直しをしなければならぬ理由というのは何にもないじゃありませんか、もしそうだとするなら。私はちょっといまの答弁というのは大変な言いくるめに無理がある、こういうふうに指摘をせざるを得ません。
 さらに、生産米の政府買い入れ制限、いわゆる予約限度数量制、これも四十六年の二月、法改正を伴わないで、政府に売り渡すべき米穀に関する政令、それから食管法施行令、この二つでもってやってしまっているわけですね。これは当然生産者の側からと政府とでは大変大きな問題になったと思うのです。しかし、これまたいま言いましたように、重要性を明確に政府の方から国会に提起をし、そして論議をして、そうして手続をとるのじゃなくて、問題を強行した。これも同じようなことじゃないのか、こういうふうに言わざるを得ませんが、その辺はいかがなものです。
#26
○政府委員(松本作衞君) 予約限度数量制度を設けました四十六年当時におきましても、ただいま御指摘がありましたように、食管法の中で読めるのかどうかという議論がされた点でございますが、政府といたしましては、先ほど申しました第三条の政府の買い入れ規定におきまして、「命令ノ定ムル所ニ依リ」ということで、政府の措置によって限度数量を設けることが可能であるという考え方に基づきまして、政府に売り渡すべき米穀に関する政令の、政令においてこの限度数量を明確にするという形で手続をとり、今日に及んでおる次第でございます。
#27
○坂倉藤吾君 まあ政府側の答弁は、そういう見解でなければこれは強行できなかったはずですから、当然の答弁だと思うんですね。
 しかし、大臣、どうでしょうか。政治家の立場からながめましていまの答弁を受けとめますと、大変私は権力を持っている者というのは勝手なものだな、こういうふうに思うのですが、それをむしろチェックをしていく役割り、これが政治家であり、大臣の任務じゃないのだろうか。まあ今回法改正の中にそれを入れるというのですから、それはそれなりの評価としまして、どういうふうにお考えになりますか。
#28
○国務大臣(亀岡高夫君) 憲法で与えられた行政権は、そこから生まれてくる果実はこれは全部国民に帰さなければならないわけでありますので、そういう意味におきまして、法律で読める範囲内のことということで、政府が責任を持ってこれが農政の基本になり、農民のためになるということで実行をされてきたものと、こう考えるわけでございますけれども、私といたしましては、やはりそういうものは議論の中から一つの方向づけをしてきちんとしておくべきであるということも、これも大事でございます。ましてや、国権の最高機関の国会において十分に論議を尽くして、そうしてその方向を確定をして、その確定された法のもとにおいて行政権限を行使をする、これがまあ最もいいことであるという御指摘は私もそのように考えます。したがいまして、私も政治家でありますので、農林水産大臣に就任以来、この食管法はぜひ改正をしてその辺のところをきちんとすべきである、こういうことで今回提案を申し上げて、そして深く広く御論議をしていただいておるということで、私はおくればせながらもその道を、先生の指摘された道を進みつつあると、こういうふうに理解をいたします。
#29
○坂倉藤吾君 現行の制度に大きく影響を与えるような運用、改正になれば、当然これは――ところが改正というのじゃなくて、運用の中で現行とられてきたものが、それが大きく変えられてしまう。物事にはやっぱり幅があります、これ。左端を通っているのと右端を通っているのではまるっきり性格が変化をしますね。そういう運用も、ある意味ではいまの自主流通米制度あるいは予約限度数量制、これらはまさに私はそうだと思うのですね。そうなりますと、そのように――ほかの制度でもそうなんですが、それが大きく変化を与えるようなものについては、先ほどの大臣のお答えの筋から言えば、根回しをする前に当然これは国会の場で論議をする機会を農水省としては提起をしていく、こういうふうに受けとめていいでしょうか。
#30
○国務大臣(亀岡高夫君) まあ根回しをする先にとか後にとかじゃなくて、お互いに問題を提起をしながら、各界各層の意見のあるところを落ちなくやはり吸収をしてまいるという努力、これは私は許されるべきもの、当然であると、こういうふうに考えておりますので、とにかく国会で論議をするということは、私は大変これはもういいことでありまして、それはやらなければならない、こう考えております。
#31
○坂倉藤吾君 私があえて余分なことを言いましたのは、従来からのそういう大事なものというのは、必ずそれに反対をする意見もいろいろ出ますね。それがあるものだから、大体ながめておりますと、先に手を打って実績をつくることがきわめて上手でありまして、逆に言いますとそれが先行していまして、肝心の論議をする段階では、もういまはそれを巻き返すという話にならぬというようなケースの方が多いわけですね。ですから、それではやっぱり実際の論議になりません、正直申し上げて。したがって、ここで私が確認をいたしたいのは、そういう具体的な数字まで示したりなんかしながら、もうすでに指令が行き渡っているようなかっこうの相談じゃなくて、私はそういうふうに変化を求める場合の大きな論議を、それを求める、国会の場に求める、こういう姿勢をぜひ貫いてもらいたいという立場で申し上げておるのです。よろしいですか。
#32
○国務大臣(亀岡高夫君) 法律の精神に基づいて政令等を政府の責任で定めて、これを実行してまいるという仕組みをとっているわけでございます。そういう中におきましても、重要な問題、行政措置としての重要な問題をやる場合においても、やはりできるだけ多くの意向を吸収をして、これを行政面に反映をしていくという努力は私は当然していかなければならないと、こう考えます。そういう際に、やはりこれは政党政治でございますので、そういう点、行政府としては区別をつけずに各党にも十分連絡を申し上げるという配慮を尽くすべきであるということは当然かと思います。
#33
○坂倉藤吾君 やることについて全部手足をもぎ取るということで私言っているのじゃありませんから、ぜひその点は約束を守ってもらいたい。
 そこで次に入っていきますが、予約限度数量制、その制度を四十六年から出したために、いわゆる限度超過米、これが新たに、物は一緒でありますが、新たに流通の一つの流れに加わることになったと思います。この超過米というのは、これはもう自主流通米と違って全く政府の買い入れの対象にならない性格のものですね。ただ、自主流通制度にルートとしては乗せ込んでいく、こういうことになっていると思うのですが、この自主流通制度に乗らなかったものというのはどうなるのでしょうか。これはどういうふうな管理の仕方になりますか。乗らないものがあるのでしょうか。
#34
○政府委員(松本作衞君) 限度超過米につきましては、ただいま御指摘ありましたように、政府といたしましては、自主流通ルートに乗せて、これを規制の対象にして管理をしていくという考え方になっておるわけでございますが、この自主流通ルートに乗らない、政府の管理の及ばないところのものがもし出るといたしますと、それはいわゆる不正規米ということになろうかと思います。
#35
○坂倉藤吾君 いわゆるやみ米、推測でいきますと年間百万トン超すのじゃないか、こういうふうに言われていますが、それの出どころの大半はここにきているのじゃありませんか。
#36
○政府委員(松本作衞君) やみ米の出どころといたしましては、一つは生産者段階からの発生と、流通段階からの発生とがあるかと思いますが、生産者段階での発生の中には、農家が必要とする保有米以上のものが豊作等によって超過米として生産される、そのものがやみに流れるというようなものも含まれることはあろうかと考えております。
#37
○坂倉藤吾君 結局、政府の買い入れ米、それから自主流通米、これは限度数量の中に含まれる。で、実際には供給計画、基本計画の中で出されてくる数字以上に、天候がよく農家の方々の努力が実って増産になる。増産になったものは保有米、あるいは保有米に加わらない部分はいわゆる超過米、こうなるのですね。そうすると、その超過米というのは、それは農家がルートに乗せなければ、買い入れ業者の手に渡らなければそれはやっぱり残っているわけですから、それは当然農家であるか、流通ルートであるかは別として、やみ米の一番大きな原因じゃありませんか。違いますか。
#38
○政府委員(松本作衞君) 農家の手元に残ったものがやみ米の原因になるという可能性は十分あるというふうに思っております。
#39
○坂倉藤吾君 過日の審議の中で、その超過米の問題に対して、自主流通ルートには乗せるけれども自主流通米に対する助成と同様な助成は一切しない、こういうふうに態度表明をされたというふうに聞いておるのですが、間違いありませんか。
#40
○政府委員(松本作衞君) そのとおりに考えております。
#41
○坂倉藤吾君 四十七年度の超過米、これは販売促進費がありますね。それから四十八年産には販売促進費と流通促進奨励金、それから五十年産にはさらにこの二つに加わって特別販売奨励金、こういう助成の経過がありますね。五十二年産米、五十三年産米、これも助成がされてますね。私は、この超過米に対して何らかの助成が行われておれば、助成は数量を把握をしないことには助成がないわけですから、一つの管理の方法だと。金がついていくのですから、量を把握をしないで助成するという話にはならぬでしょう、こういうふうに思うのです。ところが、この助成を一切打ち切る。これからは見ませんよ、こういうことになりますと、数量の把握も必要がなくなる、こういうことになると思うのです。まさにこれは生産される米の全量管理の立場から言っても私は問題があると思うのですが、いかがなものでしょうか。
#42
○政府委員(松本作衞君) 超過米につきましては、需給事情によって、特に五十年のような時期におきまして助成をしたことも事実でございますが、その後、過剰傾向の中におきましてこの助成を打ち切っておるわけでございますが、この点はやはり、超過米はいわゆる必要とする数量を超えるものでございますし、農家にとりましても、いわゆる超過して生産される余分の収入になる部分でもございますので、この限度内とそれから超過部分とを区別するというたてまえからいたしまして、限度内と同様の取り扱いをする、助成をするということは困難であろうかと考えておるわけでございますが、ただいま御指摘のように、この把握につきましては、今後とも、農家の生産量をできるだけ把握していくということに努めていくとともに、こういった超過米についての集荷体制の万全を期するようにいたしまして、できるだけ農家の売り渡し可能のものを全量集荷をしていくというふうな体制をつくり上げていきたいというふうに考えております。
#43
○坂倉藤吾君 どうも答弁に私は無理があると思いますし、その前にやはりきちっとしておかなきゃならぬのは、これは制度運用上の非常に重要なポイントだと思いますよ。今日のたとえば助成をしておる段階であっても、先ほど言いますように、やみ米は絶対ないと言い切れないわけでしょう。そういう状況の中で、今度は助成の対象にもしない、こうなりますと、明らかにこれは放棄ですよ。量の掌握をも、ただ全量管理のたてまえでやるだけの話でありましてね。これはお話にならぬことになりませんか。私はここはきちっと、全量管理のたてまえから言えば見直すべきである。ただ助成をしないということじゃなくて、私は管理の一つの手段としてもこの問題についてはきちっと対応策というものを考えるべきである、こういうふうに思いますが、これは大臣、政策的な立場で、これは長官の答弁じゃ無理でしょうから、大臣、ひとつお答えいただけませんか。
#44
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもとしては、食管制度が米作農家のやはり農政の基本であるという立場から、この制度を守ろう、守っていくためには、やはり食糧管理制度の実態というものをよく生産者の皆さんにも認識していただいて、相ともにやはり協力して守るという立場から、この超過米、これはもう天候によって、天候のいいときに出る可能性を持っておるわけでありますので、先ほど長官から答弁したような線でやっていかざるを得ないという結論に立って今回の法案を提案を申し上げておる、こういうことでございます。
#45
○坂倉藤吾君 どうも私の質問と大臣の答弁とはぴたっと発想が一致をしておりません、いまの御答弁からいきますと。まあ後でもう一遍論議をしますが、私はこれはもう明らかに部分管理の問題になるのじゃないのか、こういうふうに思えてなりません。
 次へ移っていきますが、農家保有米につきましてはどういうふうな管理をしておられるのでしょうか。保有米の数量の算出の根拠、それから都市の一人当たりの消費量、農村地域の一人当たりの消費量、これは相違があるのかどうか、こうした問題。それから、この消費量と保有米の数量との関係、こうしたものについてはどういうふうに計算されておるのか、ちょっと教えてくれませんか。
#46
○政府委員(松本作衞君) 現在、政府の需給計画の中におきまして、生産量から売り渡し数量、その中には自主流通米も含んでおりますが、もちろん超過米で販売されるものも含んでおりますが、売り渡し数量を差し引きましたものを農家保有等という形で、農家が直接消費するもの、及び農家が保有米として縁故米等に利用するもの等を含んで考えておるわけでございますが、この農家消費等の数量は一時四百万トン程度を算定しておった時期がございますが、年々減少しておりまして、最近におきましてはこれを三百二十万トンというふうに、農家消費の減少傾向にあわせまして、農家消費等の数量、いわゆる保有米の数量につきましても是正を行っておるところでございます。その積算の基礎になります農家の消費量につきましては、農家消費動態調査等に基づいて把握をいたしておりますが、もちろん都市の消費量に比べますと農家の消費量はよけいでございますが、これらは実態を見て計算をしておるということになっております。ただ、もう一方の要素といたしましては、やはり従来、集荷を努めていたしましても集荷のできる範囲というものがございまして、その集荷の範囲にどうしても乗ってこないものにつきまして、これを保有米という形で計算をしておるという実態もあるわけでございます。
#47
○坂倉藤吾君 優等生メモを読み上げてもらっても私は余りありがたくないのですがね。したがって、私はいま言いましたように、年間農家保有等、等という文字を含めて、縁故米、贈答米を含めたもの、これが三百二十万トン、それはそれで結構ですが、問題は、算出の基礎というものが一体どうなっているのか。ここは私はやっぱり科学的にきちっと押さえるべきだろう。いま余っているから保有米を多くしておいてというような感覚じゃまずかろう。そこにはきちっとした算出根拠というものを明らかにしまして、そういう立場から農家保有米はこうなんだと、もう少し的確にやれませんかね。
 それはなぜかといいますと、先ほど言いますように、今回、特にやみ米の問題が法改正によって堂々とまかり通っていくのではないのかという心配があるわけですね。その心配に対して皆さんは、やみ米は絶対つくりませんと、こう言っている。言っているけれども、やろうとしていることは結果的にやみ米を増加をさせるということにつながるのではないだろうか。その期待にこたえるためにも、農家保有米というのはこうなんですよと、したがって、純然たる超過米に該当するものはこうなんですよということが説明できなければおかしいと思いますよ。同時に、そういう意味合いで都市と農村の関係については一人当たりの消費数量というのは一体どうなっているのか、こう聞いているわけですから、都市の場合の一人当たりは一体どうなのか、農村の一人当たりは一体どうなのか、この数量の違いというものはわれわれが判断をしてみて果たして妥当なのかどうなのか。そこまで点検ができなければこれは管理のうちに入らぬのじゃありませんか。
#48
○政府委員(松本作衞君) 現在の農家の一人一年当たりの消費量といたしましては、五十四年度におきまして百十一・五キロというふうに考えておりますし、また非農家世帯の一人一年当たりの消費量は四十五・九キロというふうに考えておりますが、この四十五・九キロの中には外食は含まれない形でございます。
#49
○坂倉藤吾君 その数字が妥当であるかどうかということは私はここで論議しませんけれども、少なくとも都市の倍以上という数字というのは最近の傾向から言って問題ありと、こういうふうにだけ言わざるを得ません。窮屈にしろというふうに私は言うわけじゃないのですが、それが適正なものになるようにもっと検討を必要とするのじゃありませんかと。そういうことからきちっと私は全量管理に対する体制というものを建て直していきませんと、言っていることと全然異なったことになるのじゃないのかというふうに言わざるを得ません。
 そこで、ずっといままでの答弁を聞いておりますと、たてまえは生産米の全量管理、こういうふうになっていますけれども、全量というのは生産される農家保有米も含めてすべての米、こういうふうになるはずなんですが、どうもその辺がちょっと問題があるのですけれども、そういうふうに理解しておいていいですか、すべてのもの。
#50
○政府委員(松本作衞君) 全量管理という考え方、先ほど申したとおり私どもそう考えておるわけでございますが、農家保有米等につきましては、これを農家が保有している段階においては、いわゆる潜在的な管理が及んでおるということで、これは流通される段階になって具体的に規制の対象になってくるというふうに考えておるわけでございます。ただいま御指摘がありました農家の段階の生産量等につきましては、いわゆる農家台帳のようなものを把握をいたしておりまして、その農家がどのような生産最をしておるか、どのような販売量をしておるかというようなことにつきましては把握をいたしておりますし、今後ともこの点の把握を十分にやっていきたいというふうに思っております。
#51
○坂倉藤吾君 いま長官の方で潜在的管理と、こういう言葉が出ました。これは先般鶴岡委員の全量の範囲の問題の質問の場合にも、同じように潜在的管理という言葉が出ているわけですね。いま流通のルートに乗せるもの、その段階で直接な管理に入るのだからと、こういう趣旨ですね、いまの御答弁は。私はこの流通というのは、たとえば金がつこうとつくまいと物が流れることが流通だと思うのですが、これは理解が間違いでしょうか。
#52
○政府委員(松本作衞君) 具体的に物が流れることを流通と考えられます。
#53
○坂倉藤吾君 そういたしますと、縁故米、贈答米というのはこれは流通じゃありませんか。
#54
○政府委員(松本作衞君) それも流通の対象になると思っております。
#55
○坂倉藤吾君 そういたしますと、縁故米、贈答米で出るときはこれはきちっとこれから数量管理を的確に行うということですか。
#56
○政府委員(松本作衞君) 縁故米、贈答米につきましては、流通ではございますが、これを具体的な規制の対象にするかどうかということは、やはり食管法上の運用の実態、または法目的に即して判断し得ると考えておりまして、従来はこれを食管法上規制の対象にいたしておりましたが、個人間のいわゆる縁故米、贈答米の中で個人間の無償の移動につきましては、これを規制の対象にいたしましても、具体的にこれを全部チェックするということは困難でございますし、また一方において、大きな営業としての流通を規制することによって食管法の目的上混乱を生ずることはないというふうに判断をいたしますので、具体的な規制の対象からはこれを外したわけでございます。
#57
○坂倉藤吾君 そういたしますと、ますますぼくは、この潜在的管理という言葉が一体何を指すのかよく理解ができなくなるのですがね。潜在的管理とは一体何なのですか、具体的に説明してくれませんか。
#58
○政府委員(松本作衞君) 食管法の今回の基本計画におきましても、総需給の見込みというようなものを立てるわけでございますので、全体の需給についての見通しを立てるというような意味で、生産される米については全体を把握をしていくわけでございます。それからまた、具体的な農家の段階におきましても、先ほど申しましたように、農家の生産量等についても把握をいたしていく考えでございますが、こういった直接規制を具体的な形でしなくても、その動きについて十分に把握をしていくというものを潜在的な管理というふうに考えております。
#59
○坂倉藤吾君 どうもよくわからぬのですね。少なくとも管理というのは、その数量、動き、こうしたものが的確に、動けば動いたで、どれだけどこからどこへ動いたのかということがつかめるから管理と言うのじゃありませんか。どうもいまの説明じゃさっぱりそれはわかりませんね。どこでチェックするのですか。
#60
○政府委員(松本作衞君) 生産者段階からの流通し得るものといたしましては、政府が買い上げるもの、自主流通によって流通するもの、その他超過米等農林水産大臣の認めるものということになるわけでございまして、これらのものについては、それぞれ集荷業者等、流通段階の規制をすることによってこれは十分に把握ができると考えておるわけでございますが、いわゆる縁故米につきましては、これを全部具体的な規制の対象にしようといたしましても、実態として個々の生産者の無償の行為をチェックしていくということは事実上困難でありますから、考え方として、先ほど申しました全量管理の考え方の中には入るわけでございますが、具体的な規制の適用というものを今回外していこうということでございます。
#61
○坂倉藤吾君 そうしますと、その管理というのは名前だけであって、それは包括的に需給バランスといいますか、需給調整の机上の数字としては掌握をされておる。しかし、実際に流れがどう出ようと、それについてはこれはもう対象にしていない。これはもう明らかに社会的に言う管理の概念からは外れているのじゃありませんか。
#62
○政府委員(松本作衞君) 縁故米等農家保有米につきましては、私どもはやはりそういった潜在的な管理の対象であると考えておりますが、具体的な流通規制という形での管理には、確かにおっしゃるようになってこないと思います。こういう意味で、私ども全量管理の考え方というのは広く考えておるわけでございます。
#63
○坂倉藤吾君 広くと言ったって、広くしますと、世の中で発生しているもの、国が権限を持っている限り全部管理ですよ。そんなものじゃないでしょうね、少なくともこの法律で言う管理というのは。無理じゃありませんか。
 じゃやみ米の流通については、これは実態を把握されておりますか。
#64
○政府委員(松本作衞君) やみ米の実態につきましては、生産者段階から出るもの、それから流通段階で出るものが考えられるわけでございますが、私どもやみ米として具体的に数量を把握をいたしておりません。
#65
○坂倉藤吾君 現実にあることはお認めになりますか。
#66
○政府委員(松本作衞君) あると考えております。
#67
○坂倉藤吾君 少なくとも全量管理と言うのなら、それの原因がどこにあり、どれぐらいの数量がどうやって隠れて動いているか、実態を突きとめないでそれの管理がこれから適正に行えるという、こういう答弁になりますか。
#68
○政府委員(松本作衞君) 不正規米につきましても、当然これを把握していくということの必要性は御指摘のとおりであろうと思いますが、現実の問題といたしまして、従来食管制度の運用の中におきまして、こういったものを全部把握することができなかった実態にあるわけでございます。
#69
○坂倉藤吾君 そうすると、その実態把握のための体制について、これはどうお考えになりますか。
#70
○政府委員(松本作衞君) 従来から、食糧事務所、都道府県等を通じまして、そのような不正規流通につきましての把握はいたしておるわけでございますが、必ずしも全体をつかまえるということではなくて、問題が起こりました場合にこれに対応をしてきたという実態になっております。
#71
○坂倉藤吾君 実態が把握ができればそれはなくなることでしょう。だから、現にあるということは、実態が把握をされていないからあるのでしょう。そのことを私は百も承知で質問しているのです。それは今回の法改正というのが、そういう意味合いで今日までもなかなかつかみ切れなかった、つかまなきゃならぬ責任を持っておりながらつかめなかった、こういうことでやみ米を許している。今度の改正になるとますますつかみにくくなる、ここが私が心配をしているところです。もっとつかみにくくなるのじゃありませんか。同時に、先ほども申し上げましたように、いわゆる超過米、これについての補助も出さないのですから、助成もしないのですから、端的に言えばこれは量すらも把握する必要がない、こういうことになるのじゃありませんか。そうすれば、これは実態から言って、やみ米の野放しだというふうに私としては言わざるを得ませんがね。ここのところは明らかに説得をしてくれませんか。
#72
○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法改正によりまして、集荷業者の指定制及び販売業者の許可制ということによりまして流通ルートを特定いたしますとともに、この業務活動につきまして十分な指導をすることにいたしております。したがいまして、ただいま御指摘がありましたようないわゆる不正規米につきましても、こういった流通ルートにおいて、できるだけこのルートに乗ってくるようにさせるということで把握が可能になってくるという点が一つあると考えております。
 もう一点は、今回の法改正によりまして、法律全体がいわゆる守れる食管法にするということでございますので、従来守ろうとしても守れない部分がいろいろありましたために、取り締まり等につきましても必ずしも十分でなかった点について、今後におきましては法律どおり適正に守ってもらうということの体制が可能になってくるものというふうに考えておりますので、そういう面からも、やみ米を排除していくということが可能であるというふうに考えております。
#73
○坂倉藤吾君 どうもよくわからぬですがね。集荷業者、販売にかかわる業者、これはいままでだって全部それはきちっとしていたのじゃありませんか。あったものが、今度法の中でどれだけ違うのですか。ただ許可制になったということだけの話じゃありませんか。全然変わりがないでしょう。これが一つです。
 それから後段のくだりは、今日までの法体系から言って、幾つか各部門に無理があったと、無理があったから、取り締まるのに現行法を当てはめていくと幾つか問題が仮に出てきて、急所を当てて取り締まりができないから、今回それを全部合わしてしまうのだ、合わしてしまうから、その合わしたかっこうの中からはみ出る部分はこれは不正規だということでやりやすくなりますと、こういう話なんですがね。一体どこがそれをやるのですか。しかも、そういう体制についてあなた自信を持って整理できますよということになりますか。私は逆にふえるのじゃないかと、こう心配しているのですよ。ふえるのではないか。そのふえるやつが、不正規米がわかりやすくなるというルールというのはどこにあるのですか、今回の中に。何もないじゃありませんか。もうちょっとはっきり答弁してくれませんかね。
#74
○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、従来からもそれは集荷業者、販売業者があるわけでございますが、従来は、法律制度上もその活動について責任を明確にするという点になっておりませんでした。今回指定制、許可制にいたしますとともに、業務運営基準を明確にいたし、また、必要に応じて行政措置を講ずるというような形をとることになりますので、いままで御指摘がありました、いわゆる全量集荷ということにつきましても十分な努力をしてもらう、また、それに対する指導もできるような体制が出てきたというふうに考えておりまして、この点は、今回の食管制度改正によってより明確になってくると考えております。
 それから、やみ米の実態につきましては、今後そういうふうに守れる食管法にするという形の中で、当然国、都道府県の行政機関においても十分これを把握し、取り締まるようにするとともに、取り締まり機関に対してもこういった要請がしやすくなってくるというふうに考えておるわけでございます。
#75
○坂倉藤吾君 大変私にとってはいまの答弁というのはむなしい答弁ですよ。余りやりとりしておってもしようがありませんけれどもね。いままでの論議をずっとながめていきますと、結局政府が責任を持って明確に管理の名前に値するもの、これは自主流通米と政府買い入れ米、これしかない、こういうことになりますね、はっきり申し上げて。これは私は明らかに必要量管理。全量管理ではない。必要量の管理で、全量管理とは私は質的に大きく違う、こういうふうに言わざるを得ません。なぜならば、全量集荷について努力すると、こういうふうに言っておられますが、冒頭やりとりをいたしましたように、実際には政府の買い入れ米、それから自主流通米、それから限度数量超過米、この限度数量超過米については自主流通ルートに乗せ込むことのできないものがあるわけでしょう。しかも、政府の限度数量の中では必要量が基本になって限度数量が決まるわけでしょう。本来必要量としないものが、これがいわゆる超過米なんでしょう。必要量としないものをいわゆる全量集荷体制をとりますと、こう言っている方が無理なんじゃありませんか。いわゆる消費に回る、需要とされるものはこれは必要量の中に当然含まれているわけでしょう。いわゆる政府が判断をして必要だと思うものは、政府買い入れか自主流通米か、どちらかの数字の中にきちっと――どちらかじゃなくて、これを合わせたものの数字の中に必要とするものについては格づけしているわけでしょう。そうなりますと、それ以外のものを自主流通ルートに乗せようということ自体が、余っているものをそれを買い取れという方が本来おかしいのじゃありませんか、理論的に言えば。そこのところが私はきわめて問題だと。結果的に、それは必要でない部分なんだから勝手にしなさいよと、こう言っていることじゃありませんか。だからたてまえ上、いわゆる潜在管理というようなむずかしい名前をつけて、問題はそれから逃げてしまいたい、そういうものはもう勝手にしてくださいよと、これが本音じゃありませんか。この辺、大臣、どうなんですかね。
#76
○国務大臣(亀岡高夫君) その点は、やはり先ほど申し上げましたように、米作農家全体を守っていこうという食管にしたいと、こういうことでありますから、しかも、不足時代には全量買い上げということで来れたわけでありますけれども、とにかく国民の、納税者の立場から見て、もうこれ以上は要りませんよという米まで全部必要な米と同等の政策的配慮をすべきかどうかという問題じゃないかと、こう思うのですね。その辺のところをきちんと詰めてまいりますと、このような超過米というような問題が出てくる、こういうわけでありますので、その点は、だからといって全量管理という立場でありますから、自主流通米の路線に一応は乗せる、こういうことにすることもやむを得ない措置としてやっておる、こういうことでございまして、その辺のことはやはり生産者と政府とよく話し合いをして、そして生産調整も協力してやっていただいておることでありますから、その点は私は賢明なる米作農家の皆さん方も、みずからを守るということでありますために、今日までもあのような厳しい中にあるにもかかわらず、生産調整に協力をしてくださってきておるということでありますので、今後も私どもも機会あるごとに団体並びに生産者あるいは市町村、自治体を通じて連絡、指導を緊密にいたしまして、私どもの改正する気持ちというものを十分理解して協力していただくことが、米作農民が生きていく最良の道であると、私どもはそう信ずるがゆえにこのような制度にいたしておるわけでございます。
 これは農業でございますから、天候によってその生産に大きく影響が出てまいるわけでありますから、工業生産のように計画的にきちんきちんと帳じりが合うような形に仕組んでいくということは非常に困難な面もあるという点も考えますとき、この線はやむを得ない措置であると、こういうふうに私自身は一応納得をいたしておる次第でございます。
#77
○坂倉藤吾君 それは大臣は担当だから、割り切るところは割り切らなきゃならぬでしょうね、法案提出者なんですから。それはそうなんでしょう。しかし、理屈からいきまして、必要なもの、必要と見込まれるものは、全部政府の数量の中で押さえているわけですね。ところが、その数量以上に出てきたものについては、全量集荷とこう言いましても、必要でないものだったら安くたたいてこの方が得ですよというふうな話をすることしかないのじゃありませんか、結果的には。だから、本来はそういう性格のものになっていくのじゃありませんか、こう聞いているのですよ。これは明らかに私は全量管理なんていうものじゃなくて、明らかな部分管理、これしか言いようがありませんよ、どれだけ強弁されましてもね。したがって、私はこれから先、まあこれは聞いたって皆さん方は腹にあったって言えるものじゃないと思うのですね、全量管理がたてまえですから。しかし、少なくとも次の法改正というものが、いわゆる部分管理へ、このままの流れを、推移をたどっていくとすれば部分管理にならざるを得ないということをこれは意味しているのじゃありませんか。これは理論的にきわめて無理なんですよ。確かに天候に支配される。しかし、その天候に支配されるような収量の問題について、それを包括的に、したがってそういう状況を踏まえた上に立って管理していこうというのがこれは食管の基本じゃありませんか。あるときはかたくななほどのかたい物差しを当てる。ところが、都合のいいところは天候に左右される、そういうものですからむずかしいのですと。これは私は御都合主義の答弁だと言わざるを得ませんよ。そういうことを含めて方針というものが明らかにならなきゃいかぬ。
 そこで、次にお聞きをしますが、米の生産に関するいわゆる生産性向上というものについては、一体どういうふうにお考えになっていますか。
#78
○国務大臣(亀岡高夫君) これはもう生産性向上は、あらゆる努力をしてこれを高めていかなければならないということでございます。
#79
○坂倉藤吾君 それは当然のことですね。だから、狭い土地でなるべく多く収穫が上がるように、技術もあるいは努力もしなきゃならぬ、それが農家の方々に求められている問題なんでしょう。ところが、いまの取り扱いから言って、いわゆる超過米、これは明らかに生産性向上を追求すれば追求するほどいわゆる超過米というものがふくれてくることになりはしませんか。そこの関係は一体どうなるのですか。そうしますと、これは余り米あるいは超過米、こういうふうなかっこうの押しつけを生産性向上を課題にされておる農民の方々に押しつけますと、一体どういうことになりますか。あるいは、それを評価をする国民の立場からいきましても、余っているものを何でそんなにどんどんどんどん生産を上げるのだ、こういう話になりはしませんか。まさにこれは、生産性向上について上げなきゃならぬという命題がありながら、むしろその意欲すらも阻害をしていくということになりはしませんか。その辺はどうなんでしょう。
#80
○政府委員(松本作衞君) 先ほど来、超過米の発生が部分管理の道を歩むのではないかという御心配でございますが、私ども、超過米というのはあらかじめ予定できるものではございませんが、豊作等の事情によってそういったものが発生する際には、これをできるだけ流通ルートに乗せていくということで供給計画の中に位置づけまして、その供給計画に基づいて超過米を管理をし、流通をさせるということにいたしておるわけでございますし、また、実際の運用におきましても、超過米が販売しやすいように政府米の販売の操作をいたしまして、超過米が吸収できるような形の地域的な配慮をいたしておるわけでございますので、この超過米をいわゆる管理外に押し出していこうという考え方は持っておらないわけでございます。
 それから生産性向上と超過米との関係でございますが、生産性の向上があることは事実でございますが、この点につきましては、現在の生産調整の考え方におきまして、全体の需給計画を立てます際に、潜在生産力が向上していきます分についてはこれを織り込んで考えておるわけでございますので、この生産性向上に対応した需給のバランスをとるという考え方で生産調整も進めておるわけでございます。政府の買い入れ限度数量につきましては、この生産調整の考え方を基礎といたしまして算定をいたしておりますので、限度数量の算定に当たりましても、この生産性向上分は織り込んで考えていくということでございます。
#81
○坂倉藤吾君 その答弁も大変私は無理があると思うのです。供給計画に組み入れて吸収のできるものなら、何でいわゆる政府の初めからの計画に組み入れないのですか。おかしいでしょう。供給計画で十分に乗せ込めるという見通しがあるものを、じゃ意識的に限度数量というのは抑えているわけですか。そうじゃないんでしょう。
 まあそれはともあれとしまして、私は少なくとも生産性向上の問題、片方では減反あるいは転作、いわゆる生産調整を行っている、こういう事情は十分にわかるのですね。わかるのですが、それがわかれば、当然基本計画を立てる、そして供給計画で、いま答弁がありましたようにそれをのせ込んでいくための努力ができるというのなら、私は収穫が確定をしました段階で予約限度数量の修正、見直しというものがあっていいのじゃないのか。いわゆる超過米、余り米というような印象というものは、私は日本の国の中からむしろ抹殺をしてほしい。少なくとも政府の買い入れ米といわゆる自主流通米という二つの流れに集約をすべきじゃないのか。それに対して金をどうするかということはまた別ですよ。少なくとも政府買い入れ米、自主流通米、さらに余り米がいわゆる超過米というようなかっこうがあること自体が不自然じゃありませんか。私は、実際天候に左右されると大臣が言っていますように、そういう産業ですから、そういう産業だけに、実際の収穫が出れば当然それによって計画を修正をする、あたりまえの話じゃありませんか。修正をしないで、机上プランで立てたものを現実に押し通そうとするから問題が出てくる、こういうふうに言わざるを得ませんが、そうしたことについて検討し取り入れてもらう考え方はないでしょうか。大臣、どうでしょうか。
#82
○政府委員(松本作衞君) 基本計画は実は農家の作付前に作成することにいたしておりまして、あくまでもその年の見通し、需要と供給の見通しを立てることにいたしておりますので、この時点におきましては需要の範囲内におきまして供給をしていただくということで、いわゆる政府の管理すべき数量、いわゆる必要量を前提にして計画を立てるわけでございます。供給計画は、出来秋になりまして作況がほぼ判明した段階においてつくりますので、その段階で必要量以上の超過部分がどれだけ出るかということが明確になってまいりますので、これは先ほど申しましたように、供給計画の中に入れて考えていくということでございます。基本計画もこの時点で修正したらいいではないかという御指摘かと思いますが、私どもといたしまして、やはり基本計画はあくまでも見通しの段階のものというふうに考えておりますので、重大な需要、供給の変化がない限りは、原則といたしまして、実態において基本計画と食い違うことがあっても、これは供給計画の面で操作をしていくというふうに考えておるわけでございます。
 したがって、供給計画の段階におきましては、必要量以上のものが出てくるということは予想されますので、これらについては、先ほど申しましたような需給操作の中で処理をしてまいる、場合によってこれが余分のものが出れば、これはさらに来年度に繰り越すというようなことも必要になってくるというふうに考えておるわけでございます。
#83
○坂倉藤吾君 考え方はわかっているのですよ。わかった上で私言っているのです。先ほど私が申し上げた質問の中心点というのは、いわゆる超過米なんてこと自体がおかしいのじゃありませんかと。確かに作付米の見通しなんだから、見通しだから誤りが出てくるのはあたりまえですよ。したがって、それを、いわゆる出発点は全量買い上げであり、今日それが全量管理になったというのなら、少なくとも見通しじゃなくて、確定した段階で修正するのはあたりまえの話じゃありませんか。政府の買い上げ数量についてこれを動かせと私は言っているわけじゃないのです。少なくとも、自主流通米に対するところの量の修正ぐらい行ったって私は間違いじゃないと思いますが、どうですか。そのことによって農民の生産意欲、先ほど申し上げましたような生産性向上への課題についてももっと真剣に取り組めることになるのじゃありませんか。私はそれを阻害をするということは、日本の国民にとっても全くの損失なんですよ。だから、単収をどういうふうに引き上げていくかということはあくまでも課題であります。しかも、それにこたえてもらわなければならぬ。しかし、全体としては、いわゆる需給の伸びがないのに無理につくってもという課題が出てくるわけですから、それは政治的な配慮でどういうふうに調整をしていくのか、次の課題じゃありませんか。少なくとも単収をふやしていくという課題について、生産性を上げていくという課題について阻害になるような対策、あるいは言葉の使い方、これというものは私は変えるべきだ、基本的に。こういうふうに主張しているのですよ。これは大臣でなければ答弁できないでしょう。
#84
○国務大臣(亀岡高夫君) 当面の農政の課題の一番大事な柱として、米の需給のバランスをとる、こういう方針が基本になっておるわけでございますので、やはりそういう方向に、無理と承知をしながらも生産調整とか、いろいろ農家の方々にも厳しい御協力をお願いをして今日まで至っておるわけでございます。したがいまして、この過剰なときの管理のあり方の一つとして、私どもはこのような処置を考えて御提案申し上げておるということでございまして、坂倉委員のおっしゃる気持ちもわからないわけではありませんけれども、私どもといたしましては、今日までずっと御説明申し上げてきました線でやってまいりたいなと、こういう気持ちであることを繰り返してお答えする次第でございます。
#85
○坂倉藤吾君 気持ちはわかるけれどもと、こう言われましても、政府の方は、自主流通米の方にふくらましますと、また助成措置をなぜ区別するんじゃと言ってしかられそうなんで、うるさくなってくるから、それが心配でできないと、こういう話のように中身としては受け取れますがね。違いますか。
 時間の関係がありますから次に移っていきます。
 次に、需給調整の問題にいきたいと思うのですが、需給調整というのは生産と消費のバランスをとることだと。当然需給調整という言葉から言えば、米の消費拡大というのは主要なこれまたこの制度を維持をするための柱である、こういう認識に立つわけですが、米は日本人にとっての基本食糧である、こういう認識については大体内外一致をしているところだと思うのですね。基本食糧でないと言う人はいないと思うのです。しかし、米飯に対するところのいわゆる米の価値、米飯の価値、ここへきますと、これはまだまだなかなか簡単に整理がされているというふうには私は思わないのですが、その辺の感覚はどうなんでしょうか。
#86
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、私もそのような考えを持っております。
 やはり、モンスーン地帯の日本は米が一番よく生産されるということでございまするし、これがまた、食品の中では最高の食品と言われておりまするし、その米が生産されるにもかかわらず消費されないという、まことにこれはもう残念なことなわけでございます。これを、なぜそうなったのかという反省もしながら、その反省の上に立って、学校給食――子供のときから、知識の上においても、米は主食としてこれを大事にしていかないと、国家としての、民族としての発展もないのだということを、それでも文部省の小学校、中学校の指導要領の中にもその点はきちんと「農業」と「水産」と、こう明記をしてあって、米の大事なことも指摘してございます。教える方はそういうふうにして教えているわけですけれども、体験上はどうかというと、粉食奨励、米を食べると高血圧になるとか、いろいろなことがかつてなされたわけでございます――最近はそうじゃございませんけれども。そういうあれが学校給食の面にあらわれまして、私どもが運動を起こす前は、もうだれも粉食奨励に疑問を持たずに、ずっと昭和二十年代、三十年の前半を行われてきた。この諸君がいま中核になって米の消費を一番拒否している、こういう状態になっておるわけでありますから、やはり、学校給食の重要さというものをここで再認識をして、国を挙げて米飯給食を奨励をしていく努力を傾けなければならないということで、文部省の方にもお願いをして、やっと週二日だけ米飯給食をやりましょうというところまでいっておるわけですが、都会、大都市においてはもうほとんどそこまでいっていないということで、その面についての学校給食の重要さの認識と、週二日以上の実施をしていかなければならないという感じを持っておるわけであります。
#87
○坂倉藤吾君 お聞きをしようと思っていたことを、大臣ずっと答弁をいただきました。
 いまも言われておりますように、私は、日本型食糧を定着をさせるためには、子供の教育の段階から非常に大きな影響を持つものだ、こう理解をするのです。言われましたけれども、確かに米の畑づくり、いわゆる水田づくりから稲作にかかわる部分というのは、社会教育の場でずいぶんと取り上げられてやられています。また、米飯給食を行われておるところでは、米飯給食についての価値、あるいはまた、いまの米づくりの段階も含めて話をされておる。大変結構なことだと私は思っております。しかし、実際に米飯そのものの価値観を評価をしてそうして日本型食糧へ持っていく、そういう立場のところまでは、今日段階残念ながら突っ込まれていないというふうに判断をするところであります。
 そこで、文部省に来ていただいておりますのでお尋ねをいたしますが、現在の米飯給食は、いま私が大臣の答弁も聞き、また私が主張しているような立場というものを踏まえられて給食の拡大に御努力をいただいているのか、あるいは、ただ、政府が消費拡大、消費拡大と言っているから、米が余るから学校の方でそれを給食に当てはめようとしてきておるのか、その辺のところを御説明をいただきたいわけであります。
 かつて、学校にパン給食が主流をなした段階では、パンに対する評価というものが大きく取り上げられまして、それから学校給食がパンに統一されていくという傾向をつかんでいった、私はそういうふうに見ているわけであります。したがって、米飯給食を行っていくというのにも、私は、そのときにパンに取り組んだような文部省としての姿勢というものが当然きちっと据えられなければいかぬだろう、こういうふうに思うわけであります。
 いま、学校で一々生徒に与えるのに、パンですと簡単に配っておける、それが御飯になりますと非常にめんどうだ、また設備も大変だというようなことでなかなか進んでいかない事情はわからぬではありません。しかし、いま米の問題というのは大変な課題でありますし、同時に、いま大臣が言われましたように、米の価値というものはこれまたきわめて高い。そういう意味で文部省のお考え方をお聞きをいたしたいのと、それから、たとえば、食糧庁で米の価値等について副読本的なものがもし作成をされて、教材としてぜひひとつ使ってもらいたいということになった場合、文部省はこれを快く受けていただけるかどうか、この辺のところを含めて御答弁いただけませんか。
#88
○説明員(奥田與志清君) 先生のお話ごもっともだと思っております。御案内のように、学校給食は学校教育の一環としてやっておりますので、御指摘のように、教育的な位置づけということが大事でございまして、私どもは、学校給食で米飯を導入しましたときに、関係の審議会からも、これの意義につきましては、食事内容を多様化し、栄養に配慮した米飯の正しい食習慣を身につけさせるという見地からは教育的に非常に意義があるというふうな御意見をちょうだいし、今日、鋭意推進を図っているところでございます。特に、学校給食に米飯を導入することによりまして、先ほど大臣からもお話ございましたように、わが国の基幹的な食糧でございます米につきまして日本人の食生活との関連で再認識をさせるというふうなことが非常に大事だということで、そういうことに十分配意しながらいま推進しているところでございます。
 それから、大臣からもお話ございましたが、学校給食を実施しているところにおきましては、米飯を導入をし、いま申し上げましたようなことを給食を通じて実施いたしておりますけれども、一部学校給食を実施していない学校もございます。そこで、学校給食以外の時間におきましても、たとえば、社会科あるいは家庭科の授業で、すべての子供に対しまして、特に米のすばらしさというふうなものを指導するというふうなことをやっておりまして、たとえば、小学校の六年生になりますと、単に知識としてこれを身につけさせるだけではなくて、米が非常に大事だというふうなことで、炊飯を実際の実習でやらせるというふうなこともいたしているところでございます。それから、御指摘ございましたように、米の関係でいろいろ十分な理解を求めていくことは学校給食でも大事でございますので、すでに食糧庁におかれましてもいろいろな資料をおつくりいただきましたし、私どもも機会あるごとにそれを利用するように、教育委員会、学校あるいは給食の関係者に働きかけているところでございます。
#89
○坂倉藤吾君 ぜひ努力をしていただきたいと思いますね。それで実習、それからあるいは家庭科あるいは社会科等の機会を通じて教育をしていただく、これは非常に重要なことなんですけれども、教育をやった後パンの給食が出ておったのではこれはちょっと問題だと思いますので、ぜひひとつ全学校にそれらができるように、これは予算の関係等もあるでしょうから大変だと思いますけれども、ぜひひとつ採用をしていっていただきたいということを要望を申し上げておきたいというふうに思います。
 で、食糧庁ですが、さっき私、副読本的なものと、こういうふうに言いましたし、いま文部省の方から必要に応じてそのつど教育になるようなもの、資料を提供されているというふうにお話がありました。まとめてもう少し整理をしたものできちっとつくられて、これは現在給食があるなしにかかわらず、全校にそれをひとつ利用してもらう、こういうようなことはお考えをいただけませんでしょうか。
#90
○政府委員(松本作衞君) 現在毎年、「データに見る日本の食糧」ということで、グラフでわかりやすくしたリーフレットを全国の小中学校に配布をいたしておりまして、これは十三万部ほど配布をいたしております。そのほか、いわゆる視聴覚の資材といたしまして、小学校高学年向けには「お米と日本人」、「お米の科学」というようなものでありますとか、中学生向けには「縁の下の力持ちご飯」というようなものでありますとか、それから「美容とお米」という女子中学生向けのものというようなものを視聴覚の資材として作成をいたしまして、都道府県に配布をしておるということでございますが、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
#91
○坂倉藤吾君 言葉じりといいますか、表現が縁の下の力持ちじゃ話にならぬわけでして、少なくともそうしたものを、いままでのものもあるわけですから、一遍整理をしていただきまして、そして子供が喜んでやっぱり勉強しよう、こういう意欲のものにしてもらわなきゃいかぬと思うのです。そういう意味では、内容も十分に実際教育に携わっておられる方々と意見交換をしてみる、こういうことが必要だと思います。そういう意味合いで、文部省に協力をいただいてぜひひとつまとめて、生徒がなるほどといって感じられるような工夫をしてもらいたいと思います。
 次に、消費と直接結びつきます小売段階における競争原理の導入の問題、これを少しお聞きをしておきたいと思うのです。
 米の販売業者で登録手続をとらない者、これはやみ米と一緒でなかなか答えられないと思いますが、登録手続をとらないで業を行っている者、これは東京にどれだけとか、あそこでどれだけとか、幾つか言われておるのですが、それらの数についてはつかまれておりますか。もしつかんでおればこれは対策が講じられておると思うので、やぼな質問になりますかしらね。
#92
○政府委員(松本作衞君) 残念ながら、いまの段階では十分な数字を把握しておりません。
#93
○坂倉藤吾君 しかし、現実にあるということは御承知でしょうか。
#94
○政府委員(松本作衞君) わかっておりまして、各都道府県段階におきまして必要に応じて警告、注意というようなものも出しておるわけでございますので、こういった実態があることは承知しております。
#95
○坂倉藤吾君 その警告、注意等を発した者がその後どうなっているか等については調査されておりますでしょうか。
#96
○政府委員(松本作衞君) 都道府県を通じて、ないしは食糧事務所の段階におきましてその動向を把握いたしておりますが、実態といたしまして、警告いたしましてもそのとおりにやめる者の数が少なく、そのまま継続されてまた再度、または三度、四度というふうな警告をしておる実態にあるわけでございます。
#97
○坂倉藤吾君 それらの者は、たとえば今回の法改正に基づくいわゆる業者としての資格条件、これが欠落をしている者と、条件はあるけれども、うまみがあってないしょでやっている者と、おおむね二つに分かれると思う。これらの関係はどうなんでしょうか。
 私はむしろ資格があって、そういうもうけが中心でやっているというふうな者等については、むしろ競争原理を導入をする立場から言えば、この法改正に合わせて新規参入をしていくべき筋合いの方が、むしろそういう不正の者をなくしていく対策になりはしないのだろうかという気がするのですが、その辺の御判断はどうでしょうか。
#98
○政府委員(松本作衞君) こういった不正規の販売が行われる原因といたしましては、やはり消費者が買いやすい場所で、または消費者の好むような物を売っておるというような面もあろうかと思いますが、今後におきましては、やはり消費者の需要に応じて地域の実態を見ながら新規参入ということを考えていくべきものであろうというふうに思っております。ただ、その際におきましても、その資格要件といたしましては遵法要件というものを決めたいと思っておりますので、指摘されるような不正行為のあった者については厳格な態度で臨みたいと考えております。
#99
○坂倉藤吾君 いま人口要件という話がありましたが、現行法からいきますと、私はこの小売業者というのは、まさにいわゆる管理統制、この統制のための末端機関だろうと。ところが、今度法改正をするという立場になりますと、これは少し意味合いが違ってくる。配給統制といういわゆる強制力をむしろ解除をするわけですから、そういたしますと、私はこの人口要件というのを余り強く打ち出して、従来の配給の対象になる地域を限定をして、そこの人たちのものを見ておってというようなやり方というのは必要ないのだろうと思います。むしろ、以前にありましたように、いわゆる混米等で品質を下げて、しかもそれが、言うてみますと独占事業のようなかっこうで特権を持って悪いことを平気でやるようなことになったのでは困る。しかも、これまぜられてもなかなか買う方の側では判断がつきかねると、こういう問題になるわけです。そうなりますと、むしろ私は小売業者等については大胆に余り人口要件等にとらわれないで参入をしていって、競争しながらいい物を安くやっぱり販売するという、こういう方向の一般競争原理というものを小売段階では大いに活用すべきじゃないのか、こういうふうな気持ちがあるのですがね。この許可条件、余り厳しくされますとお話になりませんし、これは政省令見込み事項の中にもどうも不明確なんですね。この辺はどういうふうにお考えになっていますか。
#100
○政府委員(松本作衞君) 今後の販売業者の許可制につきましては、できるだけ消費者のニーズにこたえられるような適正な流通を実現するという意味におきまして、御指摘がありましたように、競争原理の導入というようなことは考えていくべきものであろうと思っておるわけでございますが、一方におきまして、米は全体の需要量がむしろ停滞的でございますので、取り扱い数量が大きく伸びるということの期待できない商品でもございますので、経営の健全化を図っていくという観点、それからまた消費者の購買活動といたしましても、比較的同一の店から買っておるというような点からいたしまして、流通秩序を維持するというような面もございますので、こういった競争条件の導入と流通秩序の適正な維持というものの両面から考えていく必要があるのではないかと思っておりまして、これらにつきましては地域の実態によってもいろいろ差がございますので、それぞれの地域の実態に応じて関係者とも話し合いながら具体的に進めてまいりたいと思っております。
#101
○坂倉藤吾君 そういたしますと、余り規制といいますか、商いに対して強い枠組みをするという考え方はないというふうに理解していいですか。
#102
○政府委員(松本作衞君) 新規参入につきまして、ただいま申しましたように、両面から地域に応じて検討をしていくということを申しておるわけでございますが、その業務の内容につきましては、やはり消費者に対して責任を持って供給をしてもらうというための指導監督を的確に行っていきたいというふうに考えております。
#103
○坂倉藤吾君 そういうふうに言われますとこれ大変むずかしいんですよね。そんなにむずかしいものじゃないと思うんですよ。少なくとも米の販売をする――いまは米の販売だけでやっている業者というのは小売の場合少ないんじゃないですか。むしろ、たとえば常時、仮に言いますと、酒屋さんが米もあわせてやりたい、こういうような希望なんというのはどんどんあるわけじゃありませんか。先ほど言いました現行法における小売の関係というのは、確かにいわゆる昔の配給所、こういうふうに言われておった延長になっているのです。だから、そこは今度の法改正で大きく変えられるべき筋合いのものだ。したがって、今日まで考えてきたいわゆる小売店の性格、今度の法改正に伴ってある小売店の性格、この性格の相違というものは、私は具体的にもう少し変化さしていいんじゃないのか、こう思うのですが、間違いですかね。
#104
○政府委員(松本作衞君) 実は、現在のお米の購入の形といたしまして、消費者のアンケート等をとってみましても、八〇%の消費者が同じ米屋さんから米を買っておるというようなことで、流通の仕組みは比較的安定しておると考えております。それからまた、お米屋さんの専業率をとってみますと、九〇%以上の専業というのが約四五%でございますし、それから五〇%から九〇%までのお米の専業が二五%ということになりますから、約七割のお米屋さんはほぼお米を中心にやっておるということになっておりまして、お米屋さんとしての経営の面からいたしましても米が中心であるというような実態にあろうかと思っております。したがいまして、一方においては御指摘のように、消費者のニーズに合わせた円滑な供給を図るための競争条件の導入が必要でありますが、一方におきましては、やはりこれらの小売店の安定的な経営ということも考え、また適正な流通の責任を持ってもらうための体制というようなことも考えますと、現行制度との連続性というようなものも十分考えていかなければならないと思っておりまして、この両面から配慮する必要があると考えております。
#105
○坂倉藤吾君 そこまで論議をしようとは思わなかったものですから、資料は持ってこなかったのですが、専業率というのはずいぶん変化してきているのじゃありませんか、もとはこれは専業がほとんど一〇〇%近かったわけですね。それが、だんだん最近の社会的な変化に伴って、専業でなく、いわゆるほかの物も扱う、こういう形にどんどん変化しているはずなんです。だから、いま言われましたものは確かに現行の数字かと思いますね。しかし、これは大分変化をしていくだろう。そういう変化に合わせながら考えていきますと、余り従来の仕組みにのみこだわった店の考え方というのはやっぱり改めるべきだろう。
 それから、確かに専業でやられている方々のいわゆる生活権利を守る、こういう立場がありますから、あえてそれをぶち壊すようなかっこうというのはよろしくないだろう。しかし、現実に米の消費というものについてもう少し拡大をしていかなければならぬ、こういうことになりますと、そのお米屋さんが専門に購入をされているところへ向けて配達に行くというサービスはもう常態になっていますね、田舎の方では。そういう形が一つありますが、同時に、いつでも買いやすい便利なところ、こういうものが逆に言うとまた要求をされている面もあるわけです。したがって、そういうものを十分に勘案をしながら、店の許可、これらの取り扱いをしていっていただかないと、私はちょっと今回の法改正の問題というのは整理がされないのじゃないかというふうに考えるわけです。ぜひひとつその辺を配慮をして、政省令の制定に当たってはきちっとすべきところを押さえてもらえないだろうかというふうに思います。その辺の答弁をいただいて、ちょっと早いようですが終わりたいと思います。
#106
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘ありましたように、今回の販売業者の許可制の運用に当たりましては、できるだけ消費者のニーズにこたえた円滑な供給ができますよう、また消費者の利便を考えた店の配置というようなことについても十分に配慮してまいりたいと思っておりますが、一方におきまして流通秩序の維持という問題もございますので、それらの点につきましては、地域における実態に応じましてできるだけ今回の法改正の趣旨が生かされるように努力をしてまいりたい、必要に応じて、また商業調整的な機関というようなものも考えまして具体的に処理をしてまいりたいというふうに考えます。
#107
○坂倉藤吾君 終わります。
#108
○委員長(井上吉夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#109
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○中野明君 最初に、大臣にお尋ねをいたしますが、大臣はこの食管法の提案理由の説明の中でも、食糧というのは世界的に見ても中長期的には楽観を許さないものがあるというふうに述べておられます。当委員会でも、過日来審議の過程でも各委員から出ておりましたが、米麦以外の主要農産物について食管の対象とするということが答弁では困難ということはある程度私も理解できるといたしましても、この食糧事情の先行き等から考えてみまして、農産物の輸入がいまもう世界一になったわが国にとりましては、食糧の安全保障ということが重要な政治課題でございますが、これら農産物について、飼料穀物を含めて、今後やはり安全保障の観点から生産あるいは価格の安定等の対策を充実強化をしなきゃならぬと、私はこのように思いますが、大臣、最初にお考えをお述べいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(亀岡高夫君) 仰せのとおり、食糧問題につきましては非常に重大な問題でありまして、特に安定供給の確保は国政の基本であるという認識の上に立っておるわけでありまして、このために今後の農政は、昨年の農政審議会の答申、さらに国会の御決議、食糧自給力強化に関する決議を踏まえまして、長期的展望に立って国内で生産可能なものは国内で生産をしてまいるということを基本にいたしまして、総合的な食糧自給力の維持強化を図ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、水田利用再編二期対策を計画的に推進をいたしまして、米の需給調整と、小麦、大豆等の国内の生産が十分でないものの生産の増大を図ってまいる。さらに、価格政策につきましては過度の変動の防止をしてまいりますとともに、価格の持つ需給調整機能の重視を配意して適切な運用を図ってまいらなければならないという農政審の答申もございますので、このような配意も加えてまいらなけりゃならぬと考えておりまするし、農用地利用増進事業を中心といたしまして規模拡大を図ってまいる、これがために地域社会のコミュニケーションを強化していかなければならないと考えておるわけであります。さらに、技術開発を進めまして、品種改良に努力をして優良品種の造成と、栽培技術の改善、農業技術の普及向上を図っていかなけりゃならない。さらに、やはり優良農地や水資源の確保ということも大事でございますので、こういう意味からも農業基盤整備というものをできるだけ早目に早く実施をしていきたいものであるという考え方を持っておりまするし、これらの施策を進めてまいりますにも、また農用地利用増進法の円滑なる施行を図るために、すなわち規模拡大をしてまいりますために、やはり農業の地域社会の持つ役割りというものが非常に大事だと、こう思いますので、その心の通った農業の地域社会というものを建設してまいりますためのもろもろの環境整備の事業等も取り入れてまいると、こういうことを強力に進めてまいりたいと。もう農村地域、道路は建設省とか、あるいは環境は環境庁並びに厚生省とか、そういうことで農業は農業問題だけ解決していけばいいじゃないかと、ややともしますとそういう空気が最近出てきておるわけであります。そういうことをしておって、都市、都会と大体同じ速度でそういう環境整備が進んでいけばいいわけでありますけれども、もう道路――私、建設大臣もやりましたけれども、道路なんかは建設省の計画でやっていきましたとすると、農村の農道が舗装になるなんというのは何十年先かわからない、こういうことで、農村独自の要請にこたえて農道整備事業を農林省で担当すると。その結果、農村の地域社会が都市に劣ることなく環境整備、道路面等の進展を見ることができておるというような例でもわかるわけであります。現在、農村の地域社会におきましても、下水の問題でありますとか、あるいは排水の問題でありますとか、いろいろなやはり環境整備の要請が強いわけでありますので、それらを進めていくことが農政の一番大事な規模拡大を進めてまいります一つの大きな柱になると考えておりますので、それらを強力に進めてまいりたいと、こう考えております。
#112
○中野明君 そうなりますと、いま大臣が述べられたように、やはりわが国の農業というものを強力に推進をしていくということになりますと、どうしても農産物の輸入というものがいま大変な額に上っておる、これを極力抑制をするという方向に当然向いてくるわけなんですが、今回総理の訪米に経済局長が随行されて、アメリカがかなり農産物を日本に買えという攻勢をいまだにかけてきているということも聞いておるのですが、局長がアメリカに行かれて受けられた感触、向こうがどういう考えを、農産物の日本向けの輸出に対してどういう感触を持っているのか。いまの国内のいわゆる食糧安全保障という上からいけば、日本の国が極力自給力を向上していく。そうなってくると向こうの輸出攻勢をはねのけなきゃなりません。そういうことを含めて、行かれた状況をちょっと御報告いただきたいのですが。
#113
○政府委員(松浦昭君) 日米間の農産物貿易問題につきましては、先生も御案内のように、さきの東京ラウンドにおきまして一応の解決を見ているところでございますけれども、最近、たとえば四月の末にブロック通商代表が日本にやってまいりました。そのときにおける発言等から見ましても、米国は、特に柑橘、それから牛肉につきまして対日輸出機会を増大したいということで、依然として強い関心を持っているというふうに見受けられる次第でございます。特に、総理御訪米の際のいきさつでございますが、私もお供をさしていただいたわけでございますけれども、その際に、首脳会談におきましては、つまりレーガン大統領と鈴木総理のお話の上では農産物の問題は特に取り上げられなかったというふうに聞いておりますけれども、私が出席いたしました会議におきまして、特に五月九日の経済閣僚との朝食会というのがございました。この朝食会におきましては、リーガン財務長官、ボルドリッジ商務長官、リン農務副長官、ストックマン予算管理局長、ワイデンボーム経済諮問委員会委員長、マンスフィールド大使といったような向こうの経済担当閣僚のほとんどが顔をそろえておられた会議でございました。この朝食会で、特にブロック通商代表から、牛肉、オレンジ等の農産品の市場開放について日本側の配慮を得たいという発言がございました。これに対しまして総理からは、牛肉、オレンジにつきましては、東京ラウンドにおいて、すでに国内の困難な事情にもかかわらず、大きな努力をして一九八三年までの輸入枠の合意を見ている、かつその合意を誠実に実行しているところであるという趣旨を述べられますとともに、日本は米国にとって最大の農産物の輸入国であり、個々の細かい問題で日本の農民を泣かせるようなことはしないでほしいということをはっきり向こう側に述べられたという次第でございます。
#114
○中野明君 非常に、これからさらにそういうことになりますが、現在はアメリカに余りにも依存し過ぎているということもありますので、将来にわたってそういう点についてはよほど体制を固めておいていただかないと、いまのお話のように、日本の農民を泣かせる、そういうことになりますので、その点は強く要望しておきます。
 それで、この法案の審議につきましては、過日来各方面種々議論がありまして、私もお伺いをしておりましたが、確認の意味を含めてこれから何点かにわたってお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、今回の改正、これにあわして検査制度の合理化等によって食管制度の健全化を図る、こういうことになっておりますが、国会では自給力の強化の決議をいたしておりますし、昨年の農政審の答申も出ております。現在一番争点になっておりますこの行財政改革、これとにらみ合わしましたときに、今回の法改正、これとの関連をどういうように受けとめておられますか。
#115
○政府委員(松本作衞君) 行財政問題につきまして現在検討中であるわけでございますが、私どもといたしましては、今回の食管法改正は食管法自体における現実と法のたてまえとの乖離といった問題を改善いたすために準備をしてきたわけでございます。したがいまして、食管法改正自体は臨調を目的としたものではございませんが、このような形で制度改善をいたすことによりまして、運営管理の合理化ができ、特に過剰米の今後の発生を防止することができるというようなことによりまして、第二臨調が目標といたしております財政負担の合理化というような目標と一致するものというふうに考えておるわけでございます。
#116
○中野明君 第二臨調では、食管の赤字に根本的にメスを入れる、こういうようなことを言って大変意気込んでおられるようなんですが、昨日も参考人からいろいろと貴重な意見も出ておりました。そういうことも含めて、食糧庁並びに農林水産大臣として、第二臨調に、食管会計というもの、これについてよほどしっかりした姿勢で臨まれないと大変なことになるのじゃないかというように私どもも感じておるのですが、その点、第二臨調に、食管会計ですか、食管法というものをどういうふうに理解させ、事情聴取があったとしたら説明をなさったのか、この機会に明らかにしていただきたい。
#117
○国務大臣(亀岡高夫君) 臨調の審議項目として食管制度の改善、食管問題が論議の対象になっておるということは私も承知をしており、御指摘のとおりでございます。農林水産省といたしましても、同調査会に対しまして、食管制度ないし食管財政の現状と改善努力について説明を申し上げておるところでございます。その内容につきましては、それぞれ事務当局から御説明させますが、とにもかくにも答申までにはまだ間のある現段階におきましては、どういう内容の答申があるかは予期できませんけれども、私どもといたしましては、この食管がとにかく消費者からも生産者からも堅持をしてほしいという現状、どのような状態になりましても食糧問題で国民が不安を持ったという例のないような実態、そういう点をよく委員の皆さん方に御説明申し上げておるということでございまして、今日まで四十数年やっております制度を激変するというようなことはなかなか容易ではないという事情をよく説明をし、なおかつ検査制度等を通じて合理化を図っておる、過剰米の処理等についても努力をしておるということ、さらには生産調整をして需給のバランスをとる努力を講じていること等のしさいを詳細に説明をいたしておりまして、食管法改正によって制度に対する信頼を増しつつ食管の健全化を図ってまいるという点を特に強調をして説明をいたしておるところでございまして、私どもとしては、この制度は国民の食糧の安全保障の立場からもやはり堅持をしてまいらなければならないということを強く主張をいたしておるところでございます。
#118
○中野明君 少なくとも、議論にもありましたが、三K赤字というのが非常に大きな財政的な問題になっているのですが、他の二つのK、それとこの食管の赤字、これとはもう全然性格も違う、中身も違うと。この点の認識はこの第二臨調の人たちに与えることができたかどうか、その感触はどうでしょう、食糧庁。
#119
○政府委員(松本作衞君) ただいま大臣からお話ししておりますように、第二臨調の委員の先生方に対しましても、一つは、今回の食管制度の改正によりまして食管制度の基本が守られつつ、改善すべきところは改善する努力を制度的にもやっておるという点、それからまた、食管会計に対する繰入額の中には、本来国民の食生活の安定、また農民の農産物の所得維持のためにもどうしても必要な財政支出というものが含まれているという点、それからまた、これらにつきましてもそれぞれ改善の努力をしているという点等について御理解を得るよう努力しておるところでございます。
#120
○中野明君 その辺をよほど――もちろん食管赤字の中でも全部が全部というわけにはまいらぬでしょうけれども、との食管制度の持っている性格そのものが、食糧の安全保障という、国民の食糧を守るという上から出発しているわけですから、その点を明確に説明をしていただかないと、他の単なる赤字と、財政的な面だけで取り扱われるとこれは大変なことになるということを重ねて申し上げておきますので、まだまだ答申まで日にちがあると思いますが、その間事情聴取もまた何回かあるのじゃないかというような気もいたしますので、せっかくの努力をお願いしておきたいと思います。
 それから、基本計画の策定ですが、これが非常に議論が集中しておりました。米穀の需給と管理の指針であるということになっております。この策定ということが非常に今回の一つの柱でございますが、これには過日来、意見はいろいろ聞きたいというような意向も漏らしておられたようですが、やはり少なくとも米価審議会の意見はもちろんのこと、参考人からも昨日いろいろ要望が出ておりましたが、生産、消費、その間の流通、そういう方面の幅広い意見を聞いて、そして基本計画を策定するということが一番これ大切なことじゃないか、こう思いますので、その点、大臣からそういう基本計画策定に当たっての、今回の改正による基本計画をつくる場合の、一つのプロセスといいますか、いま私が申し上げているような方向でおやりになるかどうか、お答えいただきたい。
#121
○国務大臣(亀岡高夫君) 基本計画の性格はたびたび申し上げてきておるわけでありますけれども、政府自身の年々の米の流通管理の姿勢を示すものでございまして、米価や麦価のように、直接かつ具体的に生産者なり消費者なりの利害に関係してくるものではない、こういうふうに認識いたしておるわけであります。したがって、法律に基づく審議会あるいは第三者機関というようなものをそのために設置するということまでは考えておらないところでございまして、まあそうは言うものの、御承知のように大事な基本計画のことでございますから、関係者の意見を十分に反映をして策定してまいる、そうして、米のいわゆる需給の面で心配のないような計画にしていかなけりゃならぬというわけでございますので、米価審議会の懇談会等の御意見を十分にお聞きするような場を通じて、生産者なり消費者なりあるいは関係方面の意見を十分にお聞きをするという場を活用していきたい、こういうふうに考えております。
#122
○中野明君 結局この基本計画は、いつ、どこで、だれが決めたのか、わけわからぬうちにぱっと一方的に出てくるということは、やはり関係者には大変心配なところでもありましょうし、同時に、結果的にどんなりっぱな計画であったとしても、事前の理解といいますか、それがなくして協力は得られない。協力がなかったら、りっぱな計画もやはり計画倒れということにもなりかねませんので、その点をかなりの方面から心配が出ておりますので、ぜひ民意を反映させるという上からも、何らかの対応をして基本計画の策定をされるべきだ、私はこのように思います。
 またもう一つは、これまた強い心配が出ておりますが、私も本会議でお尋ねもいたしましたが、この基本計画が決まったことによって、生産調整の強制とかあるいは生産者米価の抑制ということをこれをもとにして図ってくるのじゃないかという懸念が各方面から出ているわけですが、その点の心配がないかどうか、改めて確認をしておきます。
#123
○政府委員(松本作衞君) 基本計画につきましては、ただいま大臣からお話しいたしましたような政府の管理についての指針、方向づけでございますので、これによりまして生産調整を強制するとか、または生産者米価を抑制するというような考え方は持っておりません。また、そのような運用はいたさないつもりでございます。
#124
○中野明君 それでは次は、自主流通米のことです。
 けさほど来坂倉委員の方からもお話がございましたが、これが法定されることによって自主流通米のウェートをどんどんふやして、実質的な部分管理をねらっているのではないかという心配をしている人もかなりあります。この点がどうなのかということと、それから政府米と自主流通米の比率、これは一体どの程度をお考えになっているのか、そこのところを。
#125
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米は、生産者に対しましては品質に応じた価格の形成を可能にしますとともに、また、消費者に対しましては需要の動向に対応する円滑な供給ができるというような役割りを持っておると思いまして、今後ともこれを政府管理の中において育成をしていく必要があると考えております。しかし、この自主流通米はあくまでも政府管理の対象でございますので、今回の法律改正によりまして、第三条の中で、「消費者ニ対シ計画的ニ適正且円滑ナル供給ガ為サルルモノ」というような性格づけを明確にいたしますとともに、基本計画、供給計画の中に数量的にも位置づけまして、これが政府の管理の対象であるということを明確にいたした次第でございます。したがいまして、部分管理というような方向を意図するものでは全くございません。
 また、自主流通米と政府米の割合につきましては、需給の実態によって年々変動があるわけでございますので、これを画一的に固定的に決めることは困難であると思っておりますが、私どもといたしましては、現在の自主流通米と政府米の比率というものがおおむね今後とも継続するのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#126
○中野明君 現在の比率はどう見ておられますか、政府米との。
#127
○政府委員(松本作衞君) 現在の比率は、品質別の需給の実態等から見まして、おおむね妥当な線であり、今後ともこの割合というものがおおむね継続するものというふうに考えております。
#128
○中野明君 数字で比率はどの程度になっていると見ておられるのですか、自主流通米と政府米と。
#129
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米が流通量の全体の中で約三二%ほどを占めておるわけでございますが、この三二%という固定的なことではなくて、約三分の一程度ということを念頭に置いておるわけでございます。
#130
○中野明君 それで、この自主流通米が、政府管理ということで助成それから計画の認可と、こうなってくるわけなんですが、これが全部消化できなかった場合には、やはりこの政府の買い入れというのですか、Uターンということになります。この三つの措置は管理の上から不可欠と思うんですが、その点はどうお考えになっておりますか。
#131
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、今後も自主流通計画の認可、それから自主流通米の助成及びUターンという三つの措置は今後とも継続していく必要があると考えております。
#132
○中野明君 それじゃもう一つは、これまた坂倉先生大変心配なさっておりましたが、生産調整を守ってもなお生じる超過米の取り扱い、これはどうなりますか。
#133
○政府委員(松本作衞君) 超過米につきましては、必要量という限度数量の考え方からいたしますと、これからはみ出るものでございますので、あらかじめ基本計画に入れることはいたしませんが、実際超過米が発生しました段階におきまして供給計画の中に位置づけを明確にいたしまして、また流通につきましては、政府の買い入れはいたしませんが、自主流通ルートによって規制の対象となる流通のルートで流通をさせるというふうに考えておるわけでございまして、さらにこれの円滑な流通を図るための具体的な措置というようなことにも配慮してまいりたいと考えております。
#134
○中野明君 それで、昨日の参考人の山地さんも意見を述べておられましたが、これは備蓄というのは非常に大変な問題になってまいりまして、備蓄を食管の会計で負担する、持つというのじゃなしに、備蓄はやはり別勘定でやるべきだという意見、私も賛成なんですが、それはそれとして、備蓄とそれから消費の拡大、これはやはり食管法を守っていく上においても非常に大事なことになってくると思うのですが、今回の改正案の中で、この備蓄と消費の拡大についての位置づけというのはどういうふうに考えておられるのですか、お答えいただきたい。
#135
○政府委員(松本作衞君) 備蓄と消費拡大は、今回の食管法の運営におきましても重要な内容をなすものというふうに考えておりまして、基本計画におきまして、「米穀ノ管理ニ関スル基本方針」なり、「米穀ノ管理ノ方法ニ関スル基本事項」、または「ソノ他米穀ノ管理ニ関スル重要事項」というような中におきまして、それぞれこの備蓄なり消費拡大なりについて具体的に明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
#136
○中野明君 備蓄は大変なこれからの問題になってまいると思いますので、その辺はまた改めて機会を見て私いろいろお尋ねしたいと思っております。
 次は、今回の改正で結局運用面で今後非常にむずかしい問題がたくさんあるのじゃないか、私はこのように考えますが、集荷業者、これについての法定ということになっておりまして、その適正な活動を図っていくと、こう述べておられるのですが、集荷業者の法定について少し考え方を述べていただきたいのです。
#137
○政府委員(松本作衞君) 集荷業者につきましては、農林水産大臣の指定制ということでその地位と責任を明確にしていこうと考えておりまして、そのための指定の基準というものも明らかにしてまいりたいと考えております。また、この業務の運営に当たりましては、業務運営基準というようなものを明らかにいたしまして、この業務運営基準によって適正な集荷活動を行っていただこうというふうに考えております。さらに、特に必要が生じた場合には、業務改善措置というような形で行政指導を行っていきたいと考えておるわけでございます。
 で、業務運営基準といたしましては、生産者からの適正な集荷、集荷業務の適正な実施、経理事務の適正な実施、必要な事項の報告というようなことについて基準を定めまして、そのような形で十分な指導が行き届くような措置をとってまいりたいというふうに考えております。
#138
○中野明君 これは参考人からもいろいろ意見が出ておりましたが、集荷、販売、これは非常に利害が伴ってまいりまして、これからの運営上非常に大変な苦労があるのじゃないか、私もこのように見ておりますが、いやしくもそういう許可とかこういうことについて、忌まわしい風評とかうわさが出ないようにきちっとしたものをしていただきたい、このように思います。
 それから、今回の販売業者の制度、これについても競争原理が入ってくるようなふうに私は見るわけですが、この制度を創設しての影響、こういう点についてはどうお考えになっていますか。
#139
○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正によりまして、販売業者につきましては許可制をとるとともに、その活動につきましては積極的な販売活動を期待をし、その責任を持ってもらおうということでございますが、特に消費者のニーズに対応した円滑、確実な供給を図っていくというためには、従来にも増して努力をしていただく必要があると考えておりますとともに、それに必要な運営の改善、特に競争条件の導入というような面についての改善措置が必要であるというふうに考えております。ただ、その場合には、やはり既存の小売業者との関連という影響が出てまいると思うわけでございまして、流通秩序の混乱を生ずるという危険性もございますので、このような点につきましては、地域の実態に応じまして商業調整としての措置を図っていくという必要があろうかと考えておりまして、関係者の意向も十分に聞いた上で、この商業調整についての仕組みというようなものも考えながら、実態に即した措置を講じてまいりたいと考えておるわけでございます。
#140
○中野明君 今回の改正によりましても、やはり緊急時の配給ということはこれはもういつの場合でも忘れることはできないわけでして、そういうことも含めて、まあいま答弁もございましたが、既存の業者の人たち、この人たちが結局それなりの苦労はしていままでやってきているわけですから、新規参入につきましても、いろいろそういう面で既存の業者というものが果たしてきた役割りというものを無視するわけにまいりませんし、その点は、移行に当たりまして混乱のないようにお願いをしたい、そう思います。
 それから、不正規流通米の発生でこれまたいろいろ議論があるわけですが、縁故米、贈答米というのを認められることによって不正規流通米が発生するのではないかとわれわれもすぐ想像をするわけなんですが、この縁故米、贈答米に名前をかりた不正規流通米の発生をどのように防止されようとしておるのか、お考えを述べていただきたい。
#141
○政府委員(松本作衞君) 縁故米、贈答米に名をかりた不正規米といたしましては、農家の段階ないしは消費者の段階から、業者がいわゆる営業として不正規米を扱うという形になろうかと思いますので、こういった不正の営業行為を厳重に監視、取り締まってまいりたいと考えておるわけでございまして、具体的には、集荷業者、販売業者につきましての指定制、許可制をいたし、それらの業者についての十分な指導、監督をいたしますので、この点から不正が起こらないようにしてまいりたい。それからまた、集荷業者の指定を受けていない業者または販売業者の許可を受けていない業者が不正規な取り扱いをするものにつきましては、これも法律上罰則を設けて厳重に取り締まることにいたしておりますので、こういった無資格な商業行為が行われないようにというように十分に監視、指導をしてまいりたいと思っておりますが、一般的には、より広くこういった過剰な米が流れ出ないような需給の均衡を図っていく、また、消費者の需要に即した供給をするような点に努力をするという必要もあろうかと思っております。さらには、流通についての十分な情報の管理というようなことにも今後心がけまして、こういった不正規流通が発生しないように未然の措置も十分に講じてまいりたいというふうに考えております。
#142
○中野明君 当然、縁故米、贈答米ということになりますと、農家の保有米というのですか、この保有米の限度数量が問題になってくるわけですけれども、どうなんでしょう、食糧庁の方で、縁故米とか贈答米ということについて、一定の限度量というのですか、そういうことはお考えになっておるのですか、おらぬのですか。やはり、一農家当たりべらぼうに贈答用だとか縁故米とかいって余りにも極端な量が出るということも不自然なことになりますが、その辺の限度といいますか、その辺は何かお考えになっているのですか。
#143
○政府委員(松本作衞君) 現在におきましても、農家保有米の目安基準といたしましては、世帯員一人当たり三俵というような基準を設けて保有米を算定するように指導をいたしておるわけでございますが、今後とも、農家消費の実態等を見まして、こういった農家の段階における保有米の限度の目安というようなことについても指導をしてまいりたいと考えております。
#144
○中野明君 やはり問題は、保有米の限度をどの程度に見るかということにかかってくると思うのですけれども、縁故米、贈答米に名前をかりて不正流通米が発生するということになりますと、普通考えてみてある程度の量は考えられても、余りにも一定量以上はこれは縁故米としてもあるいは贈答米としてもおかしい、そういうふうなことで、何か数量の上といいますか、それで基準みたいなものを考える必要があるのじゃないかしら、こういうふうに思ったものですからお尋ねをしているわけです。
 その次は、米の全量管理が食管の基本であるということはたびたび述べられておるのですが、緊急事態のときに政府としての役割りを十分果たすということになりますと、これは全量の管理ということがなされていなければなりません。そういう意味から、平時から全量管理を基本としての仕組みをつくっていかなければならぬ、このように思うわけですけれども、けさほど来の議論を聞いておりましても、その点が少し心配なような気がするのです。とにかくお米の流れの全部をやはり日ごろから承知していなければ、緊急のときに私はそれなりの有効な手が打てぬ、こう思うのですが、その点、どうでしょう。
#145
○政府委員(松本作衞君) 今回の法改正におきます基本計画におきましても、全体量の需給の見通しというようなものを把握することにいたしておりますので、こういった形で全体量についての需給の動向の把握を十分にするということとともに、また、流通するものにつきましてはその流通の管理を明確にしていきたい。特に、集荷、販売につきましては、流通ルートを特定をいたしまして、これらの流通ルートが適正に活動できるような日常の指導監督も行ってまいりたいと考えております。
 さらにまた、農家段階におきましても、政府に対する売り渡し義務というものを残しておきまして、これによって、緊急時においても政府の米の確保が可能なように制度的に裏づけておるわけでございますので、こういった制度的な措置を通じまして、緊急時におきましての全量管理に十分に役立てるような準備をいたしておきたいと考えておる次第でございます。
#146
○中野明君 現在は過剰があるというときでございますので、意外にこういう時代が長く続いておりますから、緊急のときというものについてのことがどうしてもおろそかになりがちですが、お互ということは政府としても絶対にゆるがせにできないことでございますので、緊急時の対応について、これはまた政令で定めるということになっているのですが、どういう措置を講ずることになるのか。先日も議論がありましたが、私は、ある日突然に緊急事態が起こってくるということは、現状の場合、少しでも、これ備蓄もあることですし、考えられないと思うのですが、その状況を国会で報告するなり、国会で論議すべきである、このように私は考えます。そしてこういう状況だ、だから、どういうふうな非常対処をするというようなことを国会で議論をすべきであると思うのですが、大臣のお考えを聞きたいのです。
#147
○国務大臣(亀岡高夫君) 緊急時におきましては、この条文を発動するに当たりましてはもちろん十分検討をし、国会の御意見もお聞きをいたしまして決めていかなければならない、そう考えております。
 緊急時におきましては、たとえば、米穀についての割り当て配給に関する計画の策定でありますとか、あるいは割り当て配給等の購入券の証書の交付、さらには、一定の手続、講入券による売買によらない譲渡、譲り受けの制限でありますとか、現行の法第八条ノ二から第八条ノ六までに規定している措置と類似した措置をとることが考えられますが、その具体的内容については、その時点における米の需給の実態、措置を講ずることの必要性及びこれにより見込まれる効果、措置の実効性等を総合的に勘案してその都度決めていくことに相なるわけであります。
 緊急時の事態の発動につきましては、事態の推移に即応しまして、時宜を失せず所要の措置をとり得るようにしておく必要がありますので、行政庁においても責任を持って適切な判断をして行うこととするが、その発動に至った経緯等については、機会があれば当委員会の方にも十分御連絡をし、論議をしていただく、こういうふうにしてまいりたいと考えております。
#148
○中野明君 さきに私申しましたように、ある日突然にというようなことは、備蓄もあることですからそう考えられない。そうなりますと、いま、こういうふうな状況になってきたということを国会で議論をして、そして、対策といいますか、それについてのことを考えていくということは国会でも大きな責任であろうと私も思いますので、ぜひこれは、いま大臣のお話にもありましたように、国会のしかるべき委員会できちんと、こういう状況だということで、こういう手を打とうと思っているのだがということで議論をするようにしていただきたい、このように思います。
 それから、今回の食管法の改正でこれまた非常に気になることなんですが、農政審の答申もございますけれども、ことしの米麦価の決定の基本的な考え方、今回の改正でこれまでと変わったやり方をなさろうとするのか、その点はどうなんでしょう。
#149
○国務大臣(亀岡高夫君) これは食管法に明記がされておりまして、米価決定の条文は現行食管法どおりでございますので、米価決定に当たりましては、その法的条文を根拠といたしまして、米価審議会の十分なる御意見、御答申をちょうだいをして適正に決めていきたい。したがいまして、いまのところ具体的にお話し申し上げる段階には至っておりません。
#150
○中野明君 じゃ基本的には変わらないというふうに私理解しておいてよろしいかと思います。
 それから、先ほどもちょっと触れましたが、食管の財政負担というのは、備蓄も含めて国のやはり国民生活を守るという上から、安全保障対策費という観点で農林水産予算とは別枠で考える、こういう考え方を私は持つのですが、大臣はどういうお考えを持っておられますか。
#151
○国務大臣(亀岡高夫君) やはり全国民的な立場からそういう考え方が成長してくることを私は期待するわけであります。やはり食糧はこれはもう国民生活の基礎物資でございますから、これを安定的に確保して供給をしてまいるということはまことに重要なことでございます。したがいまして、生産におきましても、外国米麦の輸入にいたしましても、その点はそういう意味からもやはり国民一人一人の食糧保険といったような形、安全保障の保険といったような形での考え方で食管並びに農政というものを見ていただかなければいかぬのではないかと。先生の御指摘されるような気持ちが国民の間に育ってくる。そうして一方においてはその気持ちを体して生産者の農民の諸君が規模拡大なりあるいは生産技術の向上なり品種改良なりを取り入れまして、そして生産性の高い農業を展開して、安定した価格の農産物を供給していくことができるというような形を一日も早くつくり上げていかなければならない、こう考えておるわけであります。
#152
○中野明君 大臣もそういうお考えを持っておられるようですから、ぜひあらゆる機会に、やはり農林水産省が責任を持っているわけですので、そういう方向に行くように努力をしていただきたい、このように思います。
 それから、けさほども出ておりましたが、また霜の被害、冷害ということが心配されて、群馬県方面でもかなりの被害が出ているということが報じられておるのですが、ことしもまた冷害のおそれがあるというような報道もあります。そういうことがないことを私ども祈っておるわけでありますが、そういうことで、米の需給というもの、在庫はあるようですが、果たして食べられるのはどれだけ残っているのだろうか、非常に私たちも不安を持っておるわけです。米の需給、冷害というものを含めて米の需給のことについて不安はないのかどうか、食糧庁の方はどう見ていらっしゃいますか。
#153
○政府委員(松本作衞君) 五十五年産米は非常な不作でございましたために、単年度需給では約百万トンほど不足をいたしたわけでございますが、備蓄米といたしまして五十四年産米を百七十八万トンほど持ち越しましたので、これを活用することによりまして、五十六米穀年度末、五十六年十月末には五十五年産米を八十万トンから九十万トン程度持ち越すことができる見込みになっております。この持ち越しに加えまして、五十六年産米につきましては生産調整目標を四万六千ヘクタールほど緩和をいたしまして、この分における供給余力が二十万トン余出るというふうに考えておりますので、その結果、百万トンないしは百十万トン程度の供給余力を持ち越すということになるわけでございますので、五十六年産米が非常な不作になりましても、最悪の場合去年程度になりましても、百万トン以上のものがあるということで十分耐え得ることになるというふうに考えておるわけでございます。
#154
○中野明君 それじゃ、時間がございませんので、最後に一点だけ。
 大臣も述べておられましたように、これから農業の再検討、生産性の向上ということになります。それにはやはり基盤の整備なり、それから機械化ということになってくるわけですが、非常に機械化されたことによって機械による事故が大変ふえてまいりまして、私承知しているところでは、四十五年から五十三年の八年間で、農作業中に死亡した人が男女合わせて三千百七十一名に上っておる。毎年大体四百人から五百人程度農作業中に死亡している。こういうことで、労災制度というものに加入できるようになっておるのですが、非常に加入団体数が少なくて、加入者数も七万人余り、農業就業者が七百万人としたら非常に少ないのですが、結局制限があったりして、こういうことについて安全な農業の確立という上からも問題があるのじゃないかと私思われます。この労災制度の見直しなりあるいはこの点についてのPR、この点農林水産省の考え方をお聞きしたいのです。
#155
○政府委員(二瓶博君) 農業機械作業の安全を確保するということにつきましては、農業者の福祉の向上あるいは農業機械化の円滑な推進という観点からいたしましてきわめて重要なことであるというふうに認識をいたしております。ただいま先生がお挙げになりましたように、農作業の事故調査等の結果を見ますというと、年間大体四百人程度の死亡事故があるというようなことでございます。こういうことを未然に防止するための安全意識の向上等の啓蒙指導なり、あるいは技術向上のための研修事業なり、機械そのものの安全性を高めていくというようなこともやってきておるわけでございますが、今後ともこういうものはさらに一層強化していくべきではなかろうかというふうに思っております。
 そこで、問題は不幸にして事故が起きました場合の補償制度でございますが、これは現在労働者災害補償保険法いわゆる労災法に基づきます特別加入制度があるわけでございます。先生が数字を挙げられましたように、この指定農業機械作業従事者という角度での加入というものにつきましてはまだ七万人程度の加入にしかなっておらないということでございます。ただ、これにつきましては内容を逐次やはり充実していかなければならぬということで、労働省の方にも働きかけまして、対象機種の拡大あるいは作業範囲の拡大というようなことを、四十年にこの制度ができまして以降逐次やってまいっております。昨年の四月も五機種の追加なり作業範囲の拡大を行ったわけでございます。
 したがいまして、農業機械によります事故という面につきましては、大部分この指定農業機械作業従事者としての制度でカバーできるという角度になっているわけですが、先生御指摘のとおり、ただ加入者がきわめて少ないということはそのとおりでございます。したがいまして、今後この加入の促進ということにつきまして大いに力こぶを入れていきたいということでございます。農業団体におきましても、全中等を中心にいたしまして、ことしもこの一月――三月の農閑期に加入等の問題あるいは安全意識の高揚という角度での運動を展開をされたわけでございます。今後とも農業団体等ともタイアップしながら、この加入促進というものにつきましては精力的に展開をしていきたいというふうに考えております。
#156
○中野明君 終わります。
#157
○下田京子君 法案の審議に入る前に、他の委員からもお話がありましたが、三十一日朝の霜被害によることについて、再度私の方からもお尋ねしたいと思います。
 けさほども大臣は、三十一日の霜被害によって、いまおよそ全国で被害の実態を調査中だけれども、九十億、さらには群馬、長野、福島、北海道等で被害が出ていると、こういうお話がありました。それに伴って事務当局の方でも、今後も調査を進めますし、それから共済の早期支払いあるいは技術指導等に力を入れていきたいというお話でしたが、実態調査をきめ細かく進めていただきたいという点でひとつお願いしたいわけです。といいますのは、一日の朝、私のところに電話が何本か入りました。大臣も御承知だと思うのですけれども、福島県のたばこの被害、去年の冷害そして雪害、今度はたばこでどうにもならないと、校長先生が悲鳴を上げて電話をよこしたという状態です。それから南会津から大臣の選挙区にもなりますあの養蚕地帯、大変な実情でありまして、二日の民友新聞等によりますと――地元新聞ですね、被害額四十億というふうに報道されております。県やそれぞれの出先にもお話をお聞きしましたら、いま被害の実態調査中だということなんですけれども、けさほど全体で九十億ということなので、これはそう甘いものじゃない、大変だということで、きめ細かに調査をまず急いでいただきたいということは重ねてお願いしたい。
 それから、共済問題について、いまここですぐどうせいということじゃないのですが、たばこは、私驚いちゃったのですが、福島県は全国一のたばこの生産地域ですけれども、まだ専売公社は植えつけの実態も確認していないんです。植えつけの実態を確認していない中で被害が起きました。地元の組合長さんや皆さん方がもう全滅だと言っているのですね。きょう専売公社に聞きましたら、技術指導で現地には飛んでいると、それから、横芽出して何とか助けたい、こういう話なんですが、現場では、横芽出して助かるというのがどのくらいあるだろう、とてもやってみなきゃわからないけれども、本当に全滅に近いような実態だという話をしていましたし、たばこの共済制度というのは一般の他の共済制度と違って、一筆補償にもなっていないということもあってなかなか大変なんですね。そういうような実情を踏まえて、さらに、去年の冷害のときに手を打ったと思うのですけれども、子供たちのための奨学資金の話であるとかあるいは税の減免であるとか、生活資金の貸し付けの問題だとかという点で、農水省だけじゃなくて、自治省あるいは大蔵、それぞれの所管庁と十分に連絡をとっていただいて対応いただきたいと、この御要望なんです。
#158
○国務大臣(亀岡高夫君) 大体いま御指摘になったような気持ちで、事務当局に、調査と対策の早急なる発動をするように指示をいたしておるところでございます。福島県が、この報告によりますと三十七億八千万という報告になっておりまして、新聞では四十億というふうに見ておるようですが、この三十七億になった理由を聞いてみますと、結局いまのたばこの被害をどう見るかということが、大分差が出てきた一つの問題のようでございます。これにつきましてはもう少し統計調査部の事細かな調査の実態が報告になると思いますので、それらの数字をきちんとしたのを見届けまして、各法律に示してありますところの対策の万全を期していきたいと、こう考えております。
#159
○下田京子君 それでは、おくれることのないように重ねて対応をお願いいたしまして、次に食管の質問に入ります。
 第一番目に、不正規米の問題であります。もう本当に各委員からこの問題は繰り返しいままで問題が出されてきたところなんですけれども、不正規流通の原因にどんなものがあるのだろうかということなんです。これは非常にこの法案との関係で重要な一つの柱になっているのじゃないかと思うのです。つまり、今回の政府案の中では、とにかく不正規米の流通防止に効果があるようにやるのだと、守れる食管にするのだと、こう言っているわけですから、食管法の米の全量政府管理という中で下から突き崩されているというこの不正規流通米にどう対応できるかというのが、まさに法の評価そのものにかかわる問題であるということをまず指摘しておきたいと思うのです。
 そういう点で、不正規流通米の場合にいろいろ言われておりますけれども、大きく言って、一つは、未検査米という中から出てくる問題、それからもう一つは、検査米が横流れによって出てくるというふうに言われていると思うのですが、それぞれどの程度の数量になっているか。推定数量を教えてください。
#160
○政府委員(松本作衞君) 未検査米及び検査米のやみ流通量につきましては、私どもといたしまして十分なる数字の把握をいたしかねておる実態にあるわけでございますが、生産者段階から出てきますいわゆる未検査米につきましては、農家の保有米に当たります農家消費等の数量から実際農家が消費する数量を差し引きまして、平年作の場合に約百万トン程度が残るというふうに推定されておりますので、このうちから縁故米等に移動されるもの以外がやみに流れていくという可能性を見ておるわけでございます。検査米につきましては、残念ながら具体的な数字を持ち合わしておらないわけでございます。
#161
○下田京子君 横流れの問題については後でお伺いしますが、未検査米の推定数量、平年作のときにはおおよそ百万トンという話でしたが、五十年から五十五年までそれぞれの未検査米の推定数量をお知らせください。
#162
○政府委員(松本作衞君) 五十年産米におきましては約百十六万トン、五十一年産につきましては約七十五万トン、五十二年産につきましては約百三十九万トン、五十三年産につきましては百五十一万トン、五十四年産につきましては百三十九万トン程度のものがいわゆる農家消費等の中から農家の直接消費を差し引いた残りというふうに推定をいたしております。
#163
○下田京子君 いまの数字を見てみますと、大変豊作のときに未検査米がふえている、それから不作のときに逆に減るという傾向がはっきりしているかと思うのです。念のために申し上げますと、五十年度作況指数一〇七で未検査米推定量が百十六、翌五十一年の場合には作況指数が九四という中で推定未検査の数量が七十五と、なぜこういうように不作のときに減り、そしてまた豊作になると未検査米がふえるというふうにお考えですか。
#164
○政府委員(松本作衞君) 豊作の年にはやはり農家として予想以上の手元の米が残りますので、これが不正規に出回る可能性がある、不作の際には逆にその手元に置く数量が少なくなるということであろうかと思っております。
#165
○下田京子君 そうしますと、はっきり言いまして、未検査米が増加するということがつまりは買い入れ制限というところから出てくる結果にあるのじゃないかということをはっきり示しているんじゃないかと思うのですが。つまり、不作のときには限度数量に満たないわけですから、ですから、やみ業者が幾ら積極的に買いまくっても、農家の皆さん方は、前渡金もいただいているからというかっこうで検査米の方に回すわけですね。ところが、豊作のときには、限度数量をオーバーしていますから、オーバーした分はどういう扱いになるかといえば、これは超過米ということにレッテルが張られますね。超過米になったらどんな扱いになるかといえば、検査は後回しになりますね。そして流通経費等は自分持ちになりますね。そうすると、前渡金はもらっているけれども、実際に自分が幾らもらえるかということはわからなくなりますね。そういう幾らもらえるかわからないような状態の中で、やみ屋さんがさあということでお話が来れば、ままっ子いじめされているところよりもすぐに現金になるようなやみ業者の方に検査に出さないで流れるというふうな結果が生まれる。つまり、予約限度数量、買い入れ制限という制度が、こういう形でもって超過米がいわゆる未検査米というかっこうで流れている、こういうふうに思うわけなんですけれども、どうなんでしょう。
#166
○政府委員(松本作衞君) 超過米の買い入れに当たっての検査を特に後回しにしておるということは現在はやめておりまして、並行検査をやっておりますので、この検査がおくれるという点はないかと思っておりますが、農家の手取り額が少なくなるということは、政府売り渡しに比べて少なくなることは事実でございます。ただ、超過米の価格を見てみますと、消費地における販売価格から消費地に至るまでの流通経費を差し引いた水準という形になっておりますので、やみ米に比べて特に超過米の価格形成が不利益になるということはないというふうに考えておるわけでございますが、実態といたしまして、やはり買い入れ制限以上のものが出てきた場合に不正規米に流れやすい傾向を持つという点も否定できないかと考えております。
#167
○下田京子君 否定できないということでの買い入れ制限、そして超過米の助成措置等が切られた結果、そういう点の一つの大きな原因になるということを認められたと思うのです。そういう状態を政府は認めておきながら、今度の法改正で、集荷業者について法律的に明記をしてきちんと取り締まっていくのだから大丈夫だよ、こういうことを言っているのですけれども、本当にそれが可能なのかどうかということなんですね。豊作になったときに、いま農協等では、本当に、全量集荷するためにチラシを配ったりしていろいろ苦労されているわけでしょう。だから、そういう苦労を本当にきちんと具体的にこれからどういう形でおやりになるのかということがわからないわけなんです。
 そこでお尋ねしたいのですけれども、政府の方が責任を持って全量集荷をおやりになるとかという点をずっと繰り返し言われていますから、そしてそれをやらないと、いま言うように、買い入れ制限、そして発生した超過米が不正規米に流れるということをお認めになっているわけですから、少なくとも一つは、農協等に対して超過米集荷のための経費なんかは見るのかどうか、そういうことをお考えなんですか。
#168
○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法改正によりまして、集荷業者の指定制によりましてその地位と責任を明確化するということにいたしたわけでございますが、今後におきましては、全量集荷体制をとるということにつきまして格段の努力をお願いしたいと考えております。そのために、集荷業者のあり方等につきましても所要の改善措置も講じてまいりたいと考えておるわけでございますが、関係団体に対しましても特段の御協力をお願いをしていきたいと思っております。ただ、その際に、特に国がそのための予算措置を講ずるというようなことにつきましては、現時点では考えておらないわけでございます。
#169
○下田京子君 また私繰り返し聞かなければなりませんけれども、集荷活動を活発にするのだと言って、現在活発に農協等はおやりになっているのですよ。だから、それ以上に、具体的にじゃその集荷促進費のようなお金は援助するのかと言ったら、そうはできないと。じゃ、現在たとえばそういうやみ米を買い集めているところがどこかということでいろいろ聞きましたら、雑穀商だとかあるいは肥料販売業者がかなり多いんですね。中には農機具なんというお話も一部聞きましたけれども、実際に雑穀商の方はもう堂々と集められているし、それから肥料販売の方々は、肥料の代金だということでお米をいただくというふうなことをやっているんですよ。そうすると、それを集荷業者として認めていくというふうなことをまさかお考えなんでしょうか。
#170
○政府委員(松本作衞君) 集荷業者のこれからの指定につきましては、現地の実態に応じて考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、もしも御指摘のようなやみ屋というようなものであれば、これを指定する考えはないわけでございます。
 なお、この指定集荷業者が今回の指定制によりまして活発なお仕事をしていただくということを制度上も期待をいたし、法律上も明確にいたすわけでございますが、そのことによりまして当然事業量が増加するということもあるわけでございますから、私どもといたしまして、特にそのための助成ということではなくて、本来の集荷に対する経費というものとしてお支払いをしてまいりたいと考えております。
#171
○下田京子君 とにかく、超過米がこれが未検査米の発生の一因であるということをお認めの上、それに対して具体的にどう対応するかと言ったら、まあ集荷活動を活発にしていただくんだ。しかし、それはいままで以上に新たなものを考えているというお話は、いまではお聞きできなかったわけですね。しかし、そうだとするとこれは問題であるということを私は述べておきたいと思うわけなんです。特に超過米の問題につきましては、さっき検査は並行検査等でやっているというお話でありますけれども、出かせぎなんかに行く人なんかに聞きますと――いやそれが直接どうこう、行為がどうこうというよりも、そういう行為に走らせているという事実でお話しするわけですが、検査がおくれているというのはあちこちから出てくるんですよね。それで、そのたびにいろんなお話しするというのも事実あったわけです。それから、実際にお金が幾らになるかというのは、とにかく最終支払いにならなきゃわからないというのが実態なんです。そういう点から見て、すぐ現金になるというのは魅力であって、そのことにいままでより以上の対応ができないということになれば、これは未検査米がいわゆるやみ米の一つの原因になる、つまり買い入れ制限、この仕組み、ここに問題があるのだということを重ねて申し上げておきたい。それだけにこの超過米の扱いを、財政的にも管理面でも運用面でも検討しなければならない宿題じゃないかというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、検査米の横流れの問題なんです。これ先ほど伺いましたら、長官は残念ながら数量的に実態把握しておりませんと、こう答弁がありましたが、私は、これはいみじくもいまの食糧庁の姿勢をあらわしたお話だなと思ったんです。なぜかと言いますと、現行法の中でも食管法の第十三条ですか、食管法十三条によりますと、「主要食糧ノ生産費、生産高、現在高及移動ノ調査」というふうなことで調査報告聴取、臨検検査ということがやれるようになっているのは指摘するまでもなく御承知のことと思います。それで、このことを使って、昭和四十七年から四十九年にかけてのモチ米の需給が逼迫したときに、この条項を活用して実際に在庫の調査等を進めたという経緯も御承知だと思います。さらに、直接この法律との関係ではなくとも、本年四月一日で米価改定ということもあって在庫量の調査もしているはずですね。とすれば、いま重要なこの法の審議、改正のための議論をしているときに、一番大きな問題になっておりますこの不正規流通の中の特に検査米の横流れの実態について、こういう条項を適用すれば調査できなくはなかったのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#172
○政府委員(松本作衞君) 御指摘のように、正規の取り扱い業者の流通量ないしは在庫量等につきましては適正に把握するように努力しておるわけでございますが、いわゆるやみ業者というものにつきましては、本来どこでどういうものをやっているかということが必ずしも明確でないということがあるわけでございますので、これをあらかじめ臨検調査するということにつきまして十分な手が及んでいなかったという実態にあるわけでございます。
#173
○下田京子君 十分な手が及んでいたかいなかったかではなくて、本当にやる姿勢があったかなかったかということが問われるのではないかと思います。大臣、うなずいていらっしゃるから御感想を。
#174
○国務大臣(亀岡高夫君) 今度のこの食管法の改定が御可決いただけた暁におきましては、そういう点を、やはり食糧庁職員全体といたしまして、食管制度の使命の重大さを認識しながらそういう点をきちんと仕事をやっていくように努力をしてまいりたいと考えます。
#175
○下田京子君 これは、やれたのだけれどもやる姿勢が不足していたという点が明らかになりました。
 次に、無登録の実態という点で、これは川下の方からずっと追跡していけば可能じゃないかと、こう私は思うのです。なぜならば、食糧庁からいただいた資料によりますと、五十四年度で東京、神奈川、愛知における無登録販売の警告件数、これ各自治体からつかんだものを食糧庁の資料でもらっているわけです。東京で三百六十二件、神奈川で二百十件、愛知で四百八件。ですから、県を通じて把握しようと思えばできるはずではないだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#176
○政府委員(松本作衞君) 御指摘がありましたように、それぞれの都道府県におきまして無登録店の販売に対する警告を行い、その是正について指導をいたしておるところでございますが、それらにつきましての数量的な把握につきましては必ずしも十分でないわけでございまして、この件数から逆に全体を把握するというところまで至っていないわけでございます。
#177
○下田京子君 明確に実態と合った形での数字が出てくるかどうかは別ですよ。ただし、川下から、つまりいま言うように、食糧庁にどうなんだと聞いたら、いや、これは県から報告をいただいたものですけれどもと言って警告件数が出てきているわけですから、少なくともその警告されたお店がどこにあるのか知っているわけですよね。そこから調査していけば、お米がどういうルートで、どう行っているかということがわかるよというのがほとんど大方の人たちからの意見だったと思うのです。そういう調査をなぜやれなかったんでしょうかと私は言っているのです。とにかく、やろうと思えばやれたことだけれども、やらなかったという事実はここで明らかになったと思うのです。
 その次ですけれども、東京都の実態でさらにお話し申し上げますと、東京都の米穀課に行ってお話をいろいろ伺ってまいりました。それによりますと、五十三年六月から五十六年五月末までに延べ千二百七十五業者に当たったのですね。そうして第一次警告を発表しました。その第一次警告は全体で三十六回にわたって延べ六百四十五店になります。この第一次警告により販売を中止したお店が八十四店です。それから第二次警告をさらに発送しました。十四回にわたって延べ三百八軒です。二次警告により販売を中止した店舗数は二十四軒、こういうふうに地方自治体では苦労してやっているのですね。
 この資料、今度は警告書を出すだけじゃなくて、いろいろと本当にもう実効あるものにしたいと思っているけれどもなかなかやれないという点で、一つは体制の問題を挙げておりました。都のこのお米関係の仕事をしている、職員は九人だそうです。それで、さらに十分な監視や何かをやるという点では、いろいろ後でまた述べますけれども、他県、幾つかの県にまたがって無登録業者のところに卸をしていくというようなこともあったりで、なかなか都だけでは対応できないと、こういうふうに言っているわけなのですが、この実態について食糧庁はどういうお考えですか。
#178
○政府委員(松本作衞君) 各都道府県において、特に大都市において、このやみ米の取り締まりについてわずかな人員で非常な御努力をいただいておることは十分承知をしておりまして、この点につきましては食糧事務所が一体となりまして努力をいたしておるわけでございますが、今後、先ほど大臣がお答えいたしましたように、新しい食管制度のもとにおいて十分な体制をとっていくよう漸次努力をしてまいりたいと考えております。
#179
○下田京子君 新しい食管制度の中で、こういう監視体制も含めたチェック体制で強化するというお話が後にあったのですけれども、特別に何かこういう財政的な、人的なものをお考えなんですか。それとも、そういうものではなくて、相変わらず知事任せで、そうして現状の中でいろいろとおしりをたたいていくよという話なんですか。
#180
○政府委員(松本作衞君) 販売業者の許可制につきましては、これは都道府県知事の許可ということになっておりまして、都道府県知事において第一次的に指導をお願いするという体制は従来と同様でございますが、その際におきまして、国の食糧事務所におきましてもできるだけ一体となって協力をし、指導、監視をいたしてまいりたい。それからまた、関係取り締まり機関に対しても適切な協力をお願いしたいというふうに考えておるわけでございます。
#181
○下田京子君 それはまた最後にお聞きすることにして、警察庁、いまお話お聞きいただいて御存じだと思うのですが、東京都の場合につきましては、この警告にわたる点についてはすべて警視庁の方にその旨通告しているということなんですけれども、都の方から警視庁に通告されたことについてどういうふうに対応されてきましたか。
#182
○説明員(内田文夫君) 警視庁におきまして、東京都の方から、いま先生おっしゃいましたような無登録業者に対します警告指導等が行われている状況について連絡を受けているということは承知をしております。ただ、東京都におきましても、警告等の行政措置によりましてこの無登録販売を是正するという基本方針で臨んでおるということで、したがいまして、警察に対する告発等の措置についてはきわめて慎重に考えておるというように私の方は聞いておるところでございまして、したがいまして、警察といたしましても、その所管行政庁と連絡をとりながらまたこれに対応していっているわけですが、現時点におきましては所管行政庁の考え方もそういうようなことでございまして、その所管行政庁の適正な行政措置によりまして実効を期待しているというのが現状でございます。
#183
○下田京子君 警察庁の方では、都から出先の警視庁にいろいろその警告の中身を伝えているけれども、しかし、その所管省庁である農水省がこの件については非常に慎重なので、対応も慎重にやってきたと、こういうお話かと思うのです。これは、きのう参考人の方にもお聞きしましたら、小売の皆さん方がこう言っているのですよ。やみを取り締まってくれと言って警視庁の方に行ったら、いや、あなたたち米穀購入通帳を持っていないだろうと、だから、あなたらが守っていないということになるのでなかなかこれは大変なんだと、だからみんなで監視してやってくださいよと協力を依頼されたといって、この委員会でも皆さん方がお笑いになったという経緯があるのですけれども、実際にこれだけやっていて、それが警察庁が警視庁を通じてきちんとした対応がとれないということになれば本当に問題じゃないかと、こう思うのです。今後の対応はどうします。
#184
○説明員(内田文夫君) 私の説明不十分でちょっとあれだったのかもしれませんけれども、いわゆる東京都の方から警視庁の方に連絡が来ておるわけでございます、警察庁の方へということではございませんで。そして、東京都と警視庁の方でいろいろ話をしておるわけでございます。その中において、私が申しましたのは、いま東京都がいわばこれの所管行政官庁になるわけでございますけれども、やはりいきなり警察力によってこれに対応しようとすることでなしに、警告等の行政措置の積み重ねによって対処していきたいという基本的な考え方で臨んでおる、したがって、東京都におきましても警察に対する告発等の措置をとるということについてはきわめて慎重であるということを申し上げたわけでございます。
 今後といたしましても、われわれといたしましては、これらの東京都の全般的な問題でございますが、食糧庁を初め各都道府県ともよく連絡をとりまして、もちろんこの行政措置が十分に効果が上がるよう、そのために警察的な取り締まりが必要であるということになるならばそれだけの対応をしてまいりたいと、こう思っております。
#185
○下田京子君 今後対応するというのですから、どうかということはこれは推移を見たいと、こう思います。
 ただ、一点繰り返し申し上げますと、逆に、警視庁のところに何度も警告した実態を知らせていて、指導をやってくれと言うのに逆陳情を受けるなんというようなことがないようにということは強くお願いしておきたいと思います。
 それから、東京都の問題なんですけれども、いまお聞きしていけばわかるように、本当に法律はあっても、実際になかなか食糧庁は、片やそれは知事の委任事務であるとかどうのこうのということでおやりいただけなかったわけですね、結果として。そういう中で都の方が、これは食糧庁長官御存じだと思うのですけれども、去年、五十五年の九月十三日付、都知事から、「不正規米に対する措置について」ということで要望が出ておると思うのです。この要望に対して食糧庁としてどういう指導をしたのかという点でお聞きしたいのですが、いろいろありますけれども、東京都の場合は――神奈川にやみの御三家というのがあるそうです。長官御存じですか。「神和食糧」とそれから「株式会社いちかわ」、それから「株式会社藤又」、これが神奈川のやみの御三家と言われているそうです。このやみの御三家を本当に規制したらば、東京都内にある無登録店の約八割は取り締まることができると、こう言っているのです。これはもうはっきりしていることですから、それで他県にわたりますし、だから都知事だけではどうにもならないわけです。そういう中でこの不正規米に対する措置を要望しているのですね。全部読むと時間もないから申し上げませんけれども、最後に、「東京都におけるこのような米穀流通状況を考慮のうえ、早急に不正規米に対する国の措置と、自治体に対する適確な指針を出されるよう強く要望いたします。」と。昨年九月ですから、この神奈川のやみの御三家を含めてこういう事態の中で都側から出された要請についてどう対応されたのか。
#186
○政府委員(松本作衞君) ただいまいろいろと御指摘がありましたように、また東京都の方からも、昨年の九月十三日にその御指摘のような要望書が出ておるわけでございまして、私どもといたしましては、それらの個別の問題につきましての対応というものについても努力をしなければならないことは当然でございますが、しかし、現在の食管法の体制のもとでは、実態といたしまして、法律のたてまえと実態との乖離がいろいろな点で出ておるというようなところから、取り締まりを厳格にするということにもおのずから限界があるというような事情がありますために、今回の法律改正というような形で、だれもが守れる食管法にしていきたいというような法律改正にも踏み切った次第でございまして、このような地方自治体の意向等も参酌いたしますと、できるだけこの法律を制定していただきまして、この法律に基づいた適正な指導を国、都道府県一体となって進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#187
○下田京子君 いいですか、法律のたてまえと実態が乖離しているということなんですけれども、東京都で本当に無登録業者を取り締まっていく上で神奈川のやみ御三家といわれるところにきちんと手をつけたら何とかなるんだから、だから国はどうしてくれるんだと、じゃ都はそれ以上どうしたらいいんだと、こう言っているのですよ。そのことについて、おのずと限界があるといって、おやりにもならないで限界とは何でしょうか。私はここで何も議論を交わすつもりはありませんでした。でも、いまのお話を聞いていますと、本当に食糧庁、政府はこのやみ問題ということを真剣に取り締まるという姿勢があるのだろうかと大変疑わしく思っております。といいますのは、その「いちかわ」と「藤又」の姿勢にいまの食糧庁の長官の答弁が全く反映しているわけです。なぜならば、東京都が苦労して事情聴取もしています。そうしたら、「いちかわ」のこのやみ業者は何と言っていると思いますか。東京都内には担当者二名配置しているそうです。都内には三十店から四十店舗持っていますと、堂々と都の職員の前でお話ししているのです。そして、今後の問題についてだけれども、現在の流通体制にぜひ入りたいと。それで、少なくともそうだったら、あなたおやめなさい、せめて半年でも一年でもやめたらどうだ、こう言ったら、その「いちかわ」は何と答えたと思いますか。やめろなんてとんでもない、生活権にかかわると言って強弁しているんですよ。そういう形で、この人は月の商い額が約四億円だそうです。で、扱っているお米はすべて検査米と言っております。「藤又」の場合はどうでしょうか。都内に二十五、六軒持っているそうです。そして、今後、法改正後正規の卸の資格をもらいたいと堂堂と言っています。要するに、本当にこういう実態を都側が業者を呼んでやっていると、しかし、それを、おのずと限界があるなどという言葉は、おやりになって、そして何が限界だったかという結果から出てくる言葉ではないでしょうか。なぜこういうことを野放しにしているのですか、お聞きします。
#188
○政府委員(松本作衞君) 私どもといたしましても決して野放しにしておるつもりはございませんで、都道府県と連絡をとっておるわけでございまして、その結果、ただいまお述べになりました「いちかわ」につきましても、神奈川県におきまして警告を知事名文書をもって警告書を発しております。また、「藤又」につきましても、同様に、神奈川県において警告書を発しておるというような、指導、監視をいたしておるわけでございまして、このような実態を、やる際には現地の食糧事務所とも十分連絡をとりながらやっておるわけでございますが、ただ、そのやり方につきまして十分でないというような御指摘を受ければ、そのようなことにつきまして反省をする余地があるということを申しておるわけでございます。
#189
○下田京子君 反省する余地があり――大いに反省する余地があると思います。
 さらに私は具体的な実態をまた述べますが、先日、東京都の墨田に参りました。墨田区で無登録販売をやっているお店なんですけれども、ボックス秋田というスーパーなんです。お米の特売をやっておりました。庄内ササニシキ一〇〇%で五キロ詰め二千百九十八円の大特価。十キログラムに直しますと、四千三百九十六円。正規の小売の方はとてもとても売れない、もう原価もぎりぎりと、こういうことを言っておりました。
 そこの中には、東京都で決めた表示はありません。搗精工場もなし、搗精月日もありません。もちろん価格の表示もない。ただ、いろいろとお米のおいしい炊き方といって最後に書かれていたのが気になりました。私、袋を買ってきて見せたかったぐらいなんですけれども、やみ屋さんからばからしいから買ってきませんでした。おいしい炊き万ということで、炊きたて二時間以内に食べてくださいという注意書きがあったのです。搗精工場もなぜなかったかといったら、搗精工場があったら追跡して行ったらわかっちゃうわけですね。だから入っていないんですよ。これは念のために私、写真をお見せをいたします、大臣。二枚ほど撮ってきたのですけれども、ごらんいただいておわかりでしょう。大奉仕、庄内ササニシキ一〇〇%だというんです。単品でなかなか入らないというんですね。希望しただけも入らない、しかもこの価格でなんてとても売れないと、こういう実情なので、これはもうちょっと大変だなと思いました。
 そこで、公正取引委員会にお聞きしたいのですけれども、一つは、こういう原価からいきますと、本当に中身が本物庄内一〇〇%なんだろうか。価格から推して中身との問題でこれは問題がある。
 それから、原価を割って売るというような形になりますと、不当廉売というようなことにもなるでしょうし、いろいろ問題があると思うのですが、どうですか、どういう点で問題がおありだと思いますか。
#190
○説明員(波光巖君) 御質問には表示の問題と価格の問題とあったと思いますけれども、表示の問題につきましては、従来から農水省におかれまして、配給米表示実施要領が定められておりまして、これによって指導をされてきておるところでございますので、公正取引委員会としても農水省の措置に期待をしておるところであります。もちろん、米の品質につきまして一般消費者に著しく優良であると誤認されるということで、景品表示法の不当表示の要件に該当すれば景表法の規制の対象になるということでございますが、先ほど申し上げました実施要領によりますと、必要な表示の義務づけだとかあるいは不当表示の禁止など詳細に定められておりまして、これによりまして従来から指導が行われているということでございますので、まず第一次的には農水省の規制に期待したいというところでございます。
 それからもう一つ、価格の問題でございますが、安い価格が独禁法の不当廉売に該当するか否かというところでございますが、これは一般論で申し上げれば、大規模な販売店等が仕入れ原価を下回った安い価格で販売する、これによりまして多数の小規模の小売店が著しい影響を受けるということで、公正な競争を阻害するおそれが強いものについては不当廉売になるというふうに考えております。
#191
○下田京子君 中身が違うという点で言えば不当表示、不当に安い価格で売って周りに経済的影響をということになれば不当廉売だというお話になったと思うのですね。いずれにしても、農水省にまずその対応を期待するということなんですが、こういう点で、きちっとなぜ告発等も含めて対応されて来れなかったのでしょうか。
#192
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘がありましたような不当に安い価格というものは、恐らく表示と内容とが食い違ったものではないかというふうに考えられるわけでございますが、やみ米であるというようなことでございますので、当然そういった点で明確にチェックができないという実態になっておったと思うわけでございます。このような実態がもしも正規米の世界で起こるというようなことにつきましては、従来とも十分な指導をしてきたつもりでございますが、やみ米につきましては、先ほど来御指摘がありましたように、十分な指導が行き渡っておらなかったという点を反省をいたしておる次第でございます。
#193
○下田京子君 なぜやみを取り締まれなかったかというのは、体制なんですか、それともどこに問題があっておやりにならなかったのですか。
#194
○政府委員(松本作衞君) やみ米を全く取り締まっておらないわけではないわけでございますが、やはり先ほど来申しておりますように、従来の食管制度全体が、制度のたてまえと実際との間の非常な食い違いが現実に一般化いたしておりまして、そのために食管法に対する遵法精神が低下をしておったというような実情があるわけでございまして、どこまで取り締まって法律どおりに強制をしていくかというようなことにつきましての、明確な、現実的な判断がしにくかったというような事情もあるわけでございますので、そういう意味からすれば、体制としてやみ米を徹底的に取り締まるということができにくい状況になっておったというふうに申し上げざるを得ないと思います。
#195
○下田京子君 いままでずっと私の議論を振り返って思い起こしていただければわかると思うのですが、現状追認のような形で、やみをつくっておいて、具体的に取り締まることができないでおいて、それでもっていま法律全体からいけば、この法の立法精神から低下しているんだと、こういうお話ですけれども、そうでないということは繰り返し私申し上げていますが、現行法でも、そしてなおかつ今度の改正法案でも、あの十三条等も含めていろいろ調査したりしながらやれるのですよというお話は、これは否定できないと思うのですね。やっぱり姿勢だと思うのですよ。
 これは一つそのいい例だと思うのですけれども、ことしの二月に、「食管法改正の趣旨及び内容について」ということでもって、本法の経緯をずっと述べられているのですね。その中に一つ大変気になるところがあるのです。丸紅事件の話を出しまして、「もち米買占めに係るいわゆる丸紅事件の判決では、有罪としながらも判決理由の中で「行政及び立法政策の不備が一般国民の食管法に係るじゅん法精神を失なわせていることは否定できない。」と指摘している。」と、わざわざここを取り出しているのですね、裁判でもこう言っているよと。ところが、これは全く都合のいい書き方だなと思いましたのは、裁判の判決精神全体を述べていないんですね。都合のいいところだけ述べている。有罪になったと。なぜ有罪になったかというところが大事なんですよ。有罪になっているそこのところの大きな一つの決め手になったのは、購入券制度が現実に行われていないこと、しかしそれと比べてそのやみ行為をやったということはこれはもう別なんだと、そのやみ行為をやったことそのものは非常に反社会的だと、そういうことをきちっと述べているのですよ。だから購入券制度が使われてない云々というのは別なんだと、こういうことでもって、あの丸紅事件の判決のときには有罪ということを出しているのです。そしてそのやみ行為というのが非常に問題であると、こういう指摘をしているわけなんですよ。
 ですから、こういう経過等も踏まえましたら、本当にいつでもなぜやみをきちんとやれなかったかと言うと、いやもう実態と法律が乖離しているからだ、だからだれでも守れるような法律にするんだと、こういうお話を繰り返し繰り返し言われているのですけれども、もうやろうと思ったらできたんだという話なんですよ、つまり。そして判決そのものも趣旨は違いますよと。問題点は指摘しつつも、やみそのものがいいなんということは言っていないと。ですから裁判でやればきちんと取り締まれる、有罪になるんだということをなぜ取り締まらなかったかということなんです、私の言いたいのは。大臣いかがですか。
#196
○国務大臣(亀岡高夫君) 法治国家である以上は、法律に違反した事案につきましては厳正なる態勢で臨まなければならぬことは御指摘のとおりでございます。裁判所が丸紅のモチ米の買い占め問題についてそういう判決を下したのは当然と考えます。
 したがいまして、なぜそんな空気になってしまったのかと、ここを私はこの提案理由のときも、また質問にお答えする過程におきましても、その辺の気持ちを私としては申し上げてきたつもりでございます。やはり食糧管理をしておる長年の一つの惰性とでも申しますか、もうどうせ政府は取り締まらないのだから、何をやってもいいんだという気持ちをそういう業者に与えておると。そこが私は非常にわれわれとしては、行政の立場にある者としては厳しく対処しなけりゃいかぬと。したがって、これはやはり一つの機会がありませんと、なかなか急激に変えるということも困難でございますので、まあ食管法をとにかく改善をする、改正をするということをきっかけにして、ひとつ大方の方々がまじめに法律の趣旨を生かし、それに従って営々と困難な中を仕事をしておる中で、法の意向に反して、また取り締まりや指導が適切を欠いたということをいいことにして、その法律の合間合間を抜けてもうけ仕事をする、しかもそれが主食であるというようなことは私は許しちゃいかぬと、こう思うんですね。したがって、そういう面についてはやっぱりお互い行政の立場にある者はきちんとしなけりゃいかぬ、けじめをつけなけりゃいかぬと、こう思うわけでございます。したがいまして、この食管法の問題に取り組みまして以来、今日までそういう方向で行政当局に対して厳しく指導をいたしておるわけでございますので、私は現在御指摘いただきましたそういう会社なり業界なり、業者なりがいまだにそういうことをやっておるということであれば、やはり厳重に警告を重ねてするという処置をとるべきであると、こう考えるわけでございます。
#197
○下田京子君 やみを野放しにしてきた行政の責任をお述べになりまして、何かきっかけにしてきちんと取り締まる必要がある、こういうお話かと思うのです。そのきっかけはいろいろあったと思うので、それは繰り返し申し上げませんが、それでは、政府が言われているこの法改正との関係で、私は不正規流通防止のために以下三点について確認したいのです。
 一つは、先ほども長官がお述べになりました、都知事だとか、そういう地方自治体の委任というだけでなくて、食糧事務所がきちっと積極的に対応してやっていきたいということですが、これは念のために間違いないかどうかという点でお尋ねしておきたいのは、都の職員はさっきも言いましたように九人なんですよね。都内の食糧事務所にお勤めになっている職員というのは三百十四人いるのですから、これはぜひやっぱり積極的にお願いしたい。
 それから二つ目には、今回の法の第三十一条にあると思うのですけれども、指定を受けずに業務を行った場合のいろんな罰則規定だと思いますね。三年以下あるいは三百万以下の罰金刑というふうなこともありますから、これをきちんと守って指導されるかどうか。
 それから三つ目には、まさかやみ業者を正式の業者に認めるなんということがないように、さらにはまたその不正規の卸をそのままにして代理店のようなかっこうで認めるというようなこともないように、この以上三点確認していただきたいと思います。
#198
○政府委員(松本作衞君) いまお述べになりました三点につきましては、御指示の方向で努力したいと考えております。
#199
○下田京子君 次に、消費者保護の問題なんですけれども、さっきも公取委の方にもお尋ねして、また大臣、写真もごらんになったと思うのですけれども、搗精工場や搗精年月日、それから正味の量、価格も書かれていない、こういうような状態では大変消費者にとって責任を回避していることになるのじゃないかと思うのです。食糧庁は指導されていると言っておりますし、また食糧庁のいろんなモニターによりましても、表示があればやっぱり選択の目安になって便利だというふうな人たちが約七割近くもいらっしゃるんですね。そういう点から、搗精年月日や工場等をきちんと入れさせていくということは大変重要だと思うのですけれども、どのように指導され、また、今後どういうふうに定着させていこうというお考えでしょうか。
#200
○政府委員(松本作衞君) 表示につきましては従来から消費者の方々からも適正な表示についての御要望が大きかったわけでございますので、昨年来全国的にこの表示内容を明確にいたしますようなことにしておりまして、ほぼ全県におきましてこの表示の仕組みが明確にされた次第でございます。
 この表示の内容といたしましては、ただいま御指摘ありました搗精年月日等についても明確にいたしますほか、品質別の原料構成というものを明確にいたしまして、その品質内容が消費者にも十分わかるようにというような表示をいたしておるわけでございますが、これらの表示の内容につきましてはできるだけ消費者にもよくわかっていただくように、今後ともその理解を浸透させるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#201
○下田京子君 今後も徹底しておやりになる、その姿勢は評価いたしますが、具体的にはどのように徹底されるおつもりでしょうか。
 きのうも参考人の方がお話しになっているのを長官お聞きだったと思うのですけれども、主婦連の方ですか、調査しましたら、そういう五十五年の九月から新しい表示になったことを御存じであるという結果は約四三・一%の人で、何で知ったかといったらば、マスコミで知ったというようなことなんですね。もう少し行政なんかがきちんと責任を持ってやってくれたらなという話がありましたから、それをどうやって徹底させるのかというのが一つと、それから表示を徹底させただけじゃ問題で、本当に中身と一体なのかどうかということでチェックもしなければいけないと思うのですね。だから、そういうチェック体制をどういうふうにしていくのか。
#202
○政府委員(松本作衞君) 表示の内容につきましては店頭に明確に表示をさせまして、小売店の段階で、消費者と接触する段階でまずそのPRを明確にしていきたいと考えております。
 それからまた、米の会というような形で、小売店と消費者との連絡をとる会合等を設けさせておりますので、こういった米の会との機会をつくっていくと。さらにはまた、地域ぐるみの消費拡大事業を現在やっておりますが、こういった地方公共団体等を通ずる消費者との集まりの際にも明確にしていくというような形で、そのほか情報機関等も使って、この表示の内容の徹底を図っていきたいと考えております。
 それから、その内容どおりいっているかどうかということについての指導は重要でございますので、その点は先ほども御指摘がありました、主として食糧事務所におきまして巡回指導をいたしまして、そのような表示とその内容とが一致するかどうかということについてのチェックを続けてやってまいりたいというふうに考えております。
#203
○下田京子君 一定の体制をとっているお話がありましたが、この際、大臣も含めてお聞きいただき、また検討いただきたいのですけれども、その食糧事務所がいろいろとチェックされている。ひとつどうでしょう、食糧事務所の業務内容の一つの柱に据えまして、精米検査というふうなものをきちっと位置づけるということを、いますぐはいと答弁いただくというのではなくて、検討していただけないかと。よく言われるのですけれども、お米が、生産段階の入り口では非常にいろいろ検査が厳しいのだけれども、出口ではどんなお米がどういうふうになっているかさっぱりわからぬという話でいろいろ議論になっておりますので、ぜひ検討いただけないか。
 あわせまして、この際、標準価格米をおいしくというのが非常に消費者の声にもなってきております。標準価格米をどうしたらおいしくできるかという点は、私なんかよりも食糧庁は専門だからおわかりだと思うのですけれども、新米比率を高めることだとか、あるいは輸送の方法であるとか、保管の仕方であるとか、あるいは搗精の仕方であるとか、いろいろあるわけですね、ブレンド等も含めて。だから、そういうことを検討していただくこととあわせまして、この標準価格米発足の当時は、当面ということだったんですけれども、ぜひ今後も続けていただきたいということをお願いしたいのですけれども、いかがですか。
#204
○政府委員(松本作衞君) 消費地の段階における精米検査につきましては、精白された段階での検査というのは技術的にもいろいろ問題があるわけでございますが、私どもといたしましては、精米検査にかわるものとして、ただいま御指摘がありました、いわゆる表示どおりの内容になっておるかどうかということについて、大型搗精工場等につきましてはその原料配合の段階を第三者機関がチェックをするということによって明確にすると。また、店頭精米につきましても、食糧事務所の巡回指導によりまして内容と表示を一致させるというような形で、実質上この精米における内容検査に相当するものを指導してまいりたいと考えております。
 それからまた、標準価格米につきましては、これは物統令廃止をいたしました際の暫定的、経過的な措置として設けられたわけでございますが、現時点におきまして、消費者に対しましてもほぼ定着をいたしておりますので、今後ともこの標準米の仕組みというものは継続させていきたいと考えておるわけでございます。
 なお、この標準米の内容をおいしくするという点につきましては、より値段の高い米を入れればおいしくなるわけでございますが、やはり価格を安定的にという要求との関係がございますので、なるべく現在の与えられた等級のもとで、できるだけ品質管理等に心がけてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#205
○下田京子君 次に、お米の小売店の保護の問題で二、三お願い、お聞きしたいわけですけれども、一つはさっきも何度も出してあれなんですが、スーパーの問題ですね。やみのお米を扱っているスーパーの話ですけれども、そういうところできちんと取り締まっていくということが、やっぱり既存の小売店を大事にしていくという点で、大変私は意味があるのではないかと思うのです。
 お米屋さんと言えば、みんな昔ながらであぐらをかいていてみたいな話が一方でされますけれども、やはりいままでお米屋さんが果たしてきたそういう積極的な面というものはきちんと評価すべきじゃないかと思います。そういう中で、お米がスーパーで目玉商品になったり、あるいは不当に扱われるというふうなことはちょっとやっぱり問題ですね。これは正規のお米――やみ米を扱うだけじゃなくて、登録業者のスーパー店の場合でも問題が出てくると思うのですよ。そういうスーパーというのはお米だけで商売をしているんじゃないでしょう。だから、そのことによって不当に安くなったりおとり商品に使われるということになりますと、非常にこれはやっぱりお米という商品そのものの問題も含めて、小売店の保護という点からも問題があるので、この辺はきちっとやっぱり取り締まるべきだと思うのですが、どうですか。
   〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕
#206
○政府委員(松本作衞君) 現在の小売店の流通秩序というものにつきましては、今後ともなるべく守っていきたいと考えるわけでございますが、その際にスーパー等が特別な価格で販売するということによって影響を受けるというようなことがあると、その点は望ましくないと考えますので、なかなか制度的に価格の統制をいたしておりませんので、価格を直接引き上げろという指導は困難かと思いますが、不当な競争に陥らないように、地域の実態に応じて食糧事務所等において適正な指導をしてまいりたいと考えております。
#207
○下田京子君 適正な指導の観点なんですけれどもね。これは正確に御答弁いただきたいのですが、既存のお米屋さんの果たしてきた、そしていまも果たしている役割りというものを正しく評価をしてほしいと。特に東京都なんか聞いて驚いたんですけれども、震災なんかの場合に、もう都と契約をして率先してお米をまず届けるというふうなこともちゃんと結んでいるのですね。それから消費者側から見ましても、本当にいつも信頼関係を結んで必要なお米がいただけるということになれば安心できるわけですよ。そういう点をしっかり押さえながら、特に商業活動のあり方として、一つは分野調整という問題からの基準を見なければなりませんでしょうし、それから何よりも、やっぱり大企業と中小小売店だという関係からも考えなければなりませんでしょうし、そういう点で新規参入の場合にも、既存のお米屋さんというものをやっぱり大事にしていくという点は私は必要だと思うのですが、どうですか。
#208
○政府委員(松本作衞君) 今後の小売店の許可をいたしますに当たりましては、一方におきまして消費者の利便を考えるという面と、それからただいま御指摘ありましたように、お米屋さんの経営の安定というようなことも配慮していくというような必要がございますので、従来の流通秩序が混乱するようなことがないよう、地域の実態に応じて商業調整的な観点から取り扱ってまいりたい。そのために、必要に応じて地域の商業調整的な場というようなものについても今後検討してまいりたいというふうに思っております。
#209
○下田京子君 それでは商社の米流通への進出問題でお尋ねしますが、先ほども議論してきましたが、自主流通米の問題と絡んで商社の体制がいまどのようになっているかという点なんですが、これは資料をいただいて私も驚いたわけなんです。自主流通米制度が発足したのを契機に、あの丸紅のモチ米買い占め問題も起きましたし、
   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕
それから商社がいろんな形でお米を扱う。一つは酒米ですね、それからモチ米と、そういう買い付けの代行ができるようになったことは御存じだと思うのです。それがどのようになっているかということで、これも食糧庁からいただいた資料なんですけれども、A商事の場合には、農産部米・雑穀チームというのができて十二名が配置されていて、米の貿易、そして酒米、モチ米の代行、雑穀の取り扱い等をやられていますし、それからB物産は穀物油脂部米・雑穀グループといって人員はやっぱり十二名、お米の貿易からモチ米、酒米の代行、雑穀の取り扱いなど、以下いろいろあるのです。とにかくこの自主流通米制度発足とあわせて、特に酒米、モチ米の買い付け代行がやられて以来、商社の米に対する体制が整ってきている。特に、モチは別として、酒米の場合には、主食ですから幾らでも化けられると。こういう体制をどのようにお考えになっているのか、まず感想をお聞かせください。
#210
○政府委員(松本作衞君) 商社におきましてもやはり酒米、モチ米等の買い付け代行をやっておるということは承知をいたしておりますが、ただいまの人員等につきましては、むしろ雑穀全体等をやっておりますので、米だけに主力を置いておるというふうには必ずしも理解をしておらないわけでございます。私ども、こういった商社が既存の米の流通業界に直接介入してくるというふうには考えておらないわけでございます。
#211
○下田京子君 まあ商社がお米の流通に介入してこないとみごとに断言されていますが、私は、くるかこないかと言うよりも、商社がマル自制度発足以来酒米の買い付け代行という点で、酒米というのはすぐに主食にもかわり得るのですし、さっきも言いましたが、やみ米を買いあさっているやみ業者の中で雑穀商が非常に多いということから、これは気をつけなければなりませんし、実態を見ていかなければなりませんよということは私は重ねて申し上げます。
 その次に、よく行政改革で議論になっておりますが、天下りの問題なんです。商社への天下りの問題で、これが行政と企業の癒着という構造をつくり出さないようにということを願って紹介したいわけなんですが、食糧庁がいわゆるいまのマル自制度を、自主流通米制度をスタートしたことを契機に、これは人事院の「営利企業への就職の承認に関する年次報告」というのをいただいてそれをいろいろ見ました。そこの中の主なものを拾ってみますと、四十五年の八月二十一日承認で、大阪の食糧事務所長が三井物産に天下り。それから四十六年の五月二十二日承認で、元東京食糧事務所長が三菱商事に。そして昭和四十七年に福井食糧事務所長が丸紅に。また昭和五十年に兼松江商株式会社に元沖繩食糧事務所長で食糧庁の総務部調査課長が天下っておりますし、最近は五十五年の四月、東食に事務管理改善室長が天下っております。こういう問題についてどう対応されますでしょうか。
#212
○政府委員(松本作衞君) 食糧庁といたしましては、人事管理の硬直化を避けて新陳代謝を図りますために職員の退職を勧奨いたしておるわけでございますが、この退職を円滑に進めるために、職員の再就職については、本人の能力を生かす場所があればこれは認めていくことはやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。この場合におきましても、国家公務員法等の規定にのりつつ人事院とも御相談をして運用をいたしておるわけでございまして、このような就職が、私どもとしては決していわゆる癒着というような問題にはならないというふうに考えておるわけでございます。
#213
○下田京子君 企業と行政の癒着構造という点でいろいろ批判の対象になっておりますから、そういうことがないようにという点では重ねて希望もしたいし、また監視もしなければならないということを申し上げておきます。
 次に、いろいろ商社の動きについては厳重に監視していただきたいのですけれども、特に株の取得による進出というのが私は一番これは可能性があるのではないかなと思うんです。現に千葉県に調査に行きました際に、卸業者の中での「ユアサ・フナショク株式会社」、ここはシェアは低いのですけれども、日商岩井が七十五万九千株保有しております。その他、商社ではありませんが、金融機関が三二・四%の株保有ということになっております。
 それから、東京の卸業者の中で「日本マタイ株式会社」というのがあるんですが、これは一部上場会社ですけれども、筆頭株主が三菱銀行で百五十万株です。それから三菱信託が七十万株、三菱油化が約四十九万株、この三菱グループだけでもって約一三%の株式保有割合になります。これも商社直接でないけれども、大手企業の、しかも金融機関の進出という点で、資本力に物を言わせていろいろ予想されることは否定できない。
 それから「新潟県米」の場合ですけれども、これは三井物産が二十万株で筆頭株主になっていますし、第二位が日清製粉で約十一万株と、こういう状態であります。
 ですから、衆議院の農水委員会でわが党の野間議員に対しても、こういう大手の商社の進出という点については実態を調査していくと、こういうことを申されておったかと思うのですが、許可更新時だとか、あるいは一定の必要が生じたときの在庫量の調査だとか、そういうのも含めまして、株がどういうふうに移動しているかなんという点で十分に監視の目を光らしていただきたいと思うわけです。
#214
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘がありましたような点につきましては、私ども、たとえば「ユアサ・フナショク」等につきましては米の割合が一〇%ほどの会社でございまして、それ以外のいろいろな活動との関係でそういった株の取得関係が生じておるものというふうに考えておりますが、御注意がありましたような点につきましては、今後の集荷販売業者におきます指定許可の段階において十分に注意をしてまいりたいと考えます。
#215
○下田京子君 私、自主流通米問題全体についてもお聞きしたかったのですが、限られた時間で、あと十数分しかなくなってしまいました。これはまた別途御質問したいと思うのですが、特に私は自主流通米の中でも特別自主流通米の問題で以下数点にわたり質問したいのです。
 きのうも参考人の意見を聞いておりましたら、北海道農民連盟の岡本さんですか、この方は、一俵もう農家の人が二百円も負担してそれで流通に乗せているという点で大変疑問だというお話をしていましたし、それから全中の榊常務さんも、市場リサーチという意味はあるけれども、生産者や何かの理解を得てやられているのでこれまた大変問題であるという話があったかと思うのです。この点で、生産者に対して非常に負担をかけていると思うのですが、その点をどう認識されているかという点でお聞きしたいと思います。
#216
○政府委員(松本作衞君) 四、五類米につきましては、従来政府の直接買い入れ売り渡し操作だけを行っておりましたが、その間におきまして消費地においてなかなか販売が進まないということで、全体の過剰傾向の中におきまして四、五類米の売却率が非常に落ちたという実態があるわけでございます。したがいまして、今後は生産地におきましてもこれらの四、五類米の販売努力というものを行いながら、新たな市場の開拓ということの御努力をお願いしたいということでお話し合いをいたしたわけでございますが、生産者団体におきましても、このような特別自主流通米制度をつくって市場の確保、開拓に努力をしたいということで、昨年度から四、五類米の自主流通制度がつくられ、これに対しましては政府としても自主流通米の助成をいたすこととしておるわけでございます。
 今後におきましても、私どもとしてはこの四、五類米の適正な市場における評価を確保し、さらに四、五類米の市場の拡大ということを生産者も努力をしていただいて進めていくという点におきまして重要な役割りを持つものというふうに考えておるわけでございます。
#217
○下田京子君 私は生産者にとってどんなメリットがあるかという点でまずお聞きしたと思ったのです。
 で、確認したいのですけれども、政府も一定助成しているということなんですが、現在聞いたところによりますと、政府買い入れ価格は一万七千百五十二円、これは聞いたところでなくて実際そうですよね。売り渡し価格が一万五千十三円。その他に運賃だとかいろんな経費、これが約二千円だとすると、国の助成金が現在千八百五十円だったと思いますよ。そうすると手取りで約二千三百円のマイナスになる、こういうお話なんですが、とすれば、実際に生産者にとって私はメリットになっていないのじゃないか、こう思うんですが、それはどうか、こう聞いたのです。
#218
○政府委員(松本作衞君) 直接的には御指摘のように、ことしのこの特別自主流通米の建て値が政府売り渡し価格と同額でございましたから、それから経費を差し引き、それに自主流通米の助成金を乗せましてもなお二千三百円ほどの不足が出るということは実態でございます。
 しかし、この制度の生産者に対するメリットといたしましては、やはりいままでのような形で四、五類米の評価が固定し、それによって四、五類米の需要が縮小をいたしまして生産自体に非常な問題を投げかけるということを回避いたしますためには、やはり短期的にはこういった点を御協力をいただきながら、将来に向かって市場開拓のための努力をしていただくということは、生産者にとっても長い目ではメリットになるというふうに考えておりますし、地元の生産者におかれましても、この点の御理解を得てこういった制度に踏み切っていただいたものというふうに考えておるわけでございます。
#219
○下田京子君 長い目で見てメリットになるはずだよということですが、確認したいのですが、実際に一俵当たり農家が手取り額で二千三百円マイナスになるというのは事実ですね。
#220
○政府委員(松本作衞君) 道外販売の場合が二千三百円、道内販売の場合は約千七百円程度ということになっております。
#221
○下田京子君 それから、長い目で見ればメリットになるというその市場の開拓の話なんですけれども、これはどういうことを意味しているのでしょうか。
 つまり、政府はお米は全量管理なんだよ、こう言っているわけですね。現在もなお県が希望しないと言っても、あるいは希望した場合はもちろんですけれども、いままでは割り当てでやってきたわけでしょう。今度は割り当てもなくしていくということでしょう。そういう中で市場開拓しろということは一体何を意味するのでしょうか。これは特別自主流通米に限らず、いま新潟のコシだとか何かと言われているいわゆるおいしいと言われる自主流通米の方でも、非常に売りさばくための、何といいますか、産地間競争が激しくなってきているのですよ。そういう産地間競争を非常に激しくしていくということを意味することになるのじゃないですか。
#222
○政府委員(松本作衞君) 従来、四、五類米が政府の管理、直接の買い入れ売り渡しの対象にのみなっておりましたので、やはり生産者団体において直接市場の動向を察知をするというような機会が少なかったわけでございます。したがいまして、この自主流通米という形で、生産者団体とそれから卸売団体との取引によりまして市場が開拓されていくということになりますと、市場の動向というようなものも生産者がより的確にこれを把握することが可能になってまいりますし、それに対応した品質の米の生産というようなことも可能になってくるわけでございまして、事実最近におきましては、北海道においてもこの自主流通米を契機として産米改良の熱が非常に高まっておるというふうに聞いておるわけでございますが、そういった品質改善の努力と相まって市場に対する販売を確保していくということが可能になってくると思うわけでございまして、あながち単なる市場競争というふうには考えておらないわけでございます。
#223
○下田京子君 このことが、特別自主流通米制度がきっかけになって産米改良が出たというのはやや言い過ぎじゃないかと思うんですよ。ただし、そういう機運というのはわかりますけれども、その結果どういう現象が起きているかといえば、いま現在特別自主流通米で流れているのはどんなお米かというと、北海道の中でも特に一等米を当てているわけでしょう。一等米を当てていますね。そういうことになれば、実際に政府売り渡し価格よりも市場原理だということでもって安くたたかれるという場合だって予想されるんですよ。こういうことがもし出てくれば、本当に質と価格が一致しないということだって出てくる。非常に問題だと思うのですが、どういうふうにこれは御認識されますか。
#224
○政府委員(松本作衞君) 同じく五類米と言いましても、その中で差があるわけでございますが、現在は政府が買い入れる場合には一律の価格で決めておるわけでございます。それからまた北海道の米といいましても、必ずしも五類米ばかりではなくて、それ以上の品質の米の生産も可能になってきておるわけでございますので、そういった品質に応じた価格の形成というものが自主流通米ルートを通じてできてくるということを考えておるわけでございまして、単に買いたたかれるということだけにはならないと思っております。
#225
○下田京子君 しかし、いま言いましたけれども、市場開拓というのは、いままでは割り当てだったからまあさばけたけれども、要らないよという中でしかし市場の動向を見てということになれば、いろいろ市場の動向を見て価格形成が行われるわけですからね。実際として政府はとにかく一律に一定の価格で買い取るわけですが、政府買い上げのお米よりもいい一等米であるにかかわらず、特別自主流通米だと言って市場の原理でたたかれるということは実態として起きるわけですから、そういう実態をつくり上げているという点ではやはり問題でありますし、特にこれは食管法の第三条の二項の中の「再生産ヲ確保スル」という点から言ってもまた問題である、こう思うわけです。
#226
○政府委員(松本作衞君) 政府売り渡し価格におきましては、五類米の価格とことしの特別自主流通米の五類米の価格とは同額でございますから、政府の価格よりも安くなったということにはなっておらないわけでございますが、今後の動きといたしましては品質に応じた適正な価格形成が期待されておるわけでございます。
 なお、五類米の販売につきましては、今後におきましても政府取扱米が主体になるわけでございますから、政府取扱米につきましては、それに応じた需要の確保を図っていくという努力を今後ともいたしていくわけでございまして、この自主流通米だけで五類米を流通させようというふうには考えておらないわけでございます。
#227
○下田京子君 最後になりますけれども、はっきりした点は、特別自主流通米が農家生産者にとって当面とにかく手取り額で減ると、これは実態でありますし、それから、現実の問題として、今日減反政策の拡大という中で一つの大きなてこになっているというのも事実ですし、さらにはまた市場原理を云々ということで市場開拓しなさいと。こういう中で、北海道の中で確かに産米改良等はやられているけれども、それに報われないような方向が心配されるという点で、これは再度大きな角度から検討を要す問題ではないかと。最後に大臣の答弁をいただいて質問を終わります。
#228
○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますから、答弁は簡便に願います。
#229
○国務大臣(亀岡高夫君) 御趣旨を十分体しまして食糧庁の方に善処させます。
#230
○喜屋武眞榮君 きのう六名の参考人の方のそれぞれの立場からの率直な御意見がございました。私は、それを謙虚に受けとめて、自分が考えておること、このこととつなぎ合わせて質問をいたしたいと思います。
 その前に、きのう六名の方のそれぞれの立場からの御意見の中で、たしか主婦連合会事務局長の清水鳩子さんの声だったと思いますが、こういうことを言っておられました。一体参考人の意見がどのように改正案に織り込まれるのでしょうかといったような疑問を投げかけておられました。もちろん、きのうの参考人の御意見は、委員であるわれわれの審議の参考にするための意見でありますから、直接政府の耳には入らなかったと思いますが、それを受けてわれわれは審議をするわけでありますので、間接にはその参考人の意見というものが委員を通して政府にいろんな形で質疑が行われると、こういうことになるわけでありますので、そのようにひとつ受けとめていただきたい、こういうことを最初に申し上げておきたいと思います。
 それで、農民連盟の代表の方の御意見の中で、この法は農民に大きな不安を与えておる、大きな不安を持っておると、こういうことがございました。それは、一つには価格の格差が拡大していくこと、この推移によって価格の格差が拡大していくことは避けられないのではないかという心配を持っておるということが一つ。二つには、生産者米価の引き下げにつながらないだろうか、こういう不安を述べておりました。
 また、中央会の代表は、食糧の安定、確保と自給力の向上、この点については国民的合意がどうしても必要である、こういうことも冒頭に強調しておられたわけでありますが、いまこの農民代表の不安と、それからその不安を解消していくためには国民的合意が必要であるという立場から、政府としてはどのように考えていらっしゃるかということをあらかじめお聞きしたいと思います。
#231
○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正によりまして農民の方々が不安を持つことのないように、十分法律の趣旨を理解していただくように努めてまいりたいと思っておりますが、まず、格差の拡大につきましては、今回の法律改正によって、確かに品質別の需給ということを需給操作の中で明確にいたしておりますが、これによって現在の格差を拡大をするということを念頭に置いておるわけではございません。
 それからまた、価格の水準につきましても、現在の食管法の価格の考え方を変えるつもりは全くないわけでございます。
 それから、自給力の増大を図る等の考え方におきましては、私どもとしてはできるだけ需給の均衡を図りながら消費の拡大も図っていくと。特に、流通ルートを特定するとともに、その責任において消費の拡大に努力していくということによって、できるだけ米の自給力というものを維持してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、なお米の生産からはみ出た部分につきましては、従来どおり生産調整の中で必要な農産物への転換を促進し、全体としての自給力の増大に努めてまいりたいというふうに考えております。
#232
○喜屋武眞榮君 まあ人事の天下りの話もありますけれども、この法の内容に不安を持たせないためにも、国民的なコンセンサスを十分に徹底させていくということはいつのときでもこれは非常に大事でありますが、押しつけの形で、そしてこの見通しとしていつの間にかわなに追い込まれるような、こういうことになっては大変である。こういう物言わぬ農民も、先の先を見通して心配しておるということを私は強く指摘いたしたいと思います。
 次に、関連して減反奨励金に対する不満を述べておりました。これは惰農精神につながるものであると、転作奨励金ならわかるけれども、減反奨励金というものはまさに生産意欲を減退させる惰農精神につながるものであると、こういうことを強調しておりましたが、その点についてはどのようにお考えですか、大臣。
#233
○国務大臣(亀岡高夫君) やっぱり農家というものは、種をまき、それを育て、実をとって、そうしてみんなで喜ぶというのが私は農家の気持ちだろうと思うのです。したがいまして、その精神をとうとんで農業政策の基本にしてやっていかなければならぬと思いますので、やっぱり休耕をして、そこに草を生やして荒らしてしまうということは、そういう意味から言って、確かに、一時そういうこともやりましたけれども、その当時の反省に立ってみて、配慮が足りなかったなという感じも私は当時持ちました。自来、転作の奨励金という考え方を維持してきておるわけでございまして、やはり物をつくる、そうして農民としての社会的な使命を果たす、それが農地に対する農家の構えでなければならない、こんなふうに私は考えておりますので、基本のことで大変大事なことであると、こう考えております。
#234
○喜屋武眞榮君 次に、緊急時における配給制度についてお尋ねいたしたいと思います。
 米穀の需給が著しく逼迫するケースというのはどのような場合を考えておられるでしょうか。
#235
○政府委員(松本作衞君) 需給が逼迫する場合といたしましては、なかなか予想が困難なわけでございますが、この前の石油ショックの際に石油の供給が途絶いたしまして、そのためにわが国に輸入する船舶が停止いたしまして、輸入食糧の輸入の見通しが立たなくなった時期があったわけでございますが、こういった海外における要因等によりまして輸入食糧の供給がストップしてくるというような場合などが考えられるのではないかというふうに思っております。
#236
○喜屋武眞榮君 それは内と外と両面から考える必要はありませんか。
#237
○政府委員(松本作衞君) 国内における異常な不作というような場合も当てはまってくると思うわけでございますが、どちらかと言えば海外からの要因が大きいのではないかというふうに考えております。
#238
○喜屋武眞榮君 その場合における、政府としての具体的にかつ迅速な配給体制はどのようにしたらいいかというその確立の具体化ですね。その場合における具体的にかつ迅速に、国民生活に不安を与えない、こういう具体的な対策はどのように持っておられますか。
#239
○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法におきましても、そのような緊急時にいつでも対応できるために、集荷、販売のルートを特定いたしまして、そのルートに対して責任を持たせるような体制になっておるわけでございますので、まず緊急時におきましては、これらのルートを通じまして適正な集荷と適正な配給ができるようにしてまいりたいと思いますが、その場合の法制的な裏づけといたしましては、現行の配給制度とほぼ同様の配給割り当て、配給計画の策定、購入券の発給等の措置を政令に基づいて機動的に実施をしてまいりたい、また、こういった行政を担当する行政ルートというものも、現在の食糧行政のルートを通じまして早急に確立するようにしてまいりたいというふうに考えております。
#240
○喜屋武眞榮君 いまこのルートの件のお答えがあったのですが、さらに一歩進めてお尋ねしたいことは、緊急事態別の数量確保策、それを円滑に国内生産体制を整えていくという、これは大丈夫ですかということをお聞きしたいのです。
#241
○政府委員(松本作衞君) 緊急事態の程度によっても異なってまいると思うわけでございますが、早急に緊急事態に対応するとすれば、政府の手持ちの食糧を配給ルートに乗せて配給をしていくということが第一段階であろうと思います。さらに、生産者からも必要な数量について政府に売り渡しをしていただくというような、供給の確保を図っていくということがその次の段階になってまいると思います。さらに長期化するような場合におきましては、農業生産のあり方につきましても、広く国内での緊急体制に対応するような農業生産の体制をつくり上げていくということが必要になってくる場合もあろうかと考えております。
#242
○喜屋武眞榮君 私が思うのに、この法案、いまは主として米を中心のお答えだと私受けとめますが、米以外の食糧の生産配給体制については触れられておらないのではないかと思いますが、いかがですか。
#243
○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法改正におきましては、米につきましての緊急時の対応を法律上定めたわけでございまして、米以外については法律上は触れておりませんが、農林水産省の姿勢といたしましては、緊急時におきましては米以外も含めた対応策をとることが当然に必要になってまいるというふうに考えております。
#244
○喜屋武眞榮君 これは一つの盲点だと思いますよ、私。米はもちろんですが、食糧という立場からはもっと内容も幅も広いはずであります。米以外の問題はどうするかということを十分具体的に検討をしてもらわなければいけないと、私はこう思うんですよ。やっぱり米穀の需給が逼迫した場合における対応が明確でなく、この際における生産者への強制措置が行われることになるのではないだろうかという、こういったまた不安を投げておりますよ。さっきの質問とも関連がありますですが、こういうところにこの法の盲点があるということを私は指摘いたしたいのです。そういうことに対する対応は十分心得ておられますか、どうですか。
#245
○政府委員(松本作衞君) 米以外の緊急時の対応ということにつきましては、広く国内における自給力の向上を図ること自体が、こういった緊急時に対応しても国内の食糧を確保するという観点が含まれておるわけでございまして、そのために、輸入食糧が半分に減ったような場合にはどういった体制をとるかというようなことについての検討も始めておるような状況でございますが、まだまだ十分ではないと思いますので、これらの点につきましても、今後一層検討して準備を進めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#246
○喜屋武眞榮君 とにかく不安にもいろいろありますけれども、命にかかわる、暮らしにかかわる、健康にかかわる不安というのが非常に切実なものがありますので、きめ細かに、いかなる事態に直面しても不安はないんだと、安心しなさいと、しかも食糧ですね。これが最も大事であると思いますよ。そういうことを重ねて要望申し上げておきます。
 次に、先ほど来話が出ておりましたが、自由米対策について私も尋ねたいのですが、これは野放しにしますというと販売業者が立ち行かなくなる、こういったおそれがある。ということになりますと、これは食管の根幹にかかわる重大な問題になってくるわけであります。ですから、この自由米、すなわちやみ米が広がり過ぎる現状にあるわけでありますが、その点は先ほど来話が出ておりますので、一つお聞きしたいことは、まず、この根源はどこから流れたのであるか。その流れの根源はどのように認識しておられますか、その点まずお聞きします。
#247
○政府委員(松本作衞君) 不正規流通米の根源といたしまして、一つは生産者段階におきまして、生産者のいわゆる保有米の中からこれが未検査米として不正規の流通に流れるという点と、それから、政府が管理をしております米について、これを販売した者の一部が横流しをして不正規流通米になるという検査米の不正規流通米、この両方があるかと考えております。
#248
○喜屋武眞榮君 それに対しても、昨日の参考人の皆さんも、まあ具体的にはもう触れませんが、メモしてあるのでは、管理体制を確立してもらいたいということを強調しておられる方もおられました、流通管理の確立。それから婦人代表は、断固たる措置をとってほしいと、こういうことを強調しておられましたが、その断固たる措置ということはどのように考えておられますか。
#249
○政府委員(松本作衞君) 不正規流通につきましては、一つは需要に見合った米の供給というようなことについて今後心がけることによりまして、なるべく不正規流通米のつけ入る余地を残さないようにしていきたいとともに、また、集荷業者に対しまして、できるだけ全量集荷活動を取り組んでいただく。また、販売業者に対しまして、適切な需要の動向に見合った販売を努力していただくというようなことを十分に指導してまいりたいと考えておりますが、それとともに、このような不正規の発生した場合につきましては、いわゆる指定をされた集荷業者または許可を受けた販売業者の段階で行う不正規取り締まりについても厳格に取り締まるとともに、これらの指定または許可を受けていない業者が不正規流通を取り扱うというというような場合につきましても厳格にこれを処置してまいりたいと考えておりまして、それらにつきましての罰則の規定も明確にしてある次第でございます。
#250
○喜屋武眞榮君 じゃそれに関連しまして、販売業者の登録制と許可制についてお尋ねします。
 まず最初に尋ねたいことは、従来の登録制が今回の改正で許可制になりますね。その根本の理由は何でしょうか。
#251
○政府委員(松本作衞君) 従来は、販売業者はいわゆる配給制度を取り扱う販売店というような考え方で法律上規定されておりましたので、いわば配給所という性格を持っておったわけでございますが、今回はこれを販売ルートとして特定をいたしまして、消費者のニーズに応じた適切な販売活動を自主的にしていただくというような責任を持ってもらうことにしたわけでございます。したがいまして、その責任をとっていただける業者のみを許可をしていくというような形に取り扱うことにいたしまして、それとともに行政指導も的確に行っていくというふうに考えたわけでございまして、従来の登録を特に許可に変えましたのは、そのような販売業者の地位と責任を明確にした関係でございます。
#252
○喜屋武眞榮君 その場合、きのう参考人の意見にもありましたが、許可制に切りかえる場合に現業者を最優先して許可してほしいと、こういう要望がございましたが、その点いかがでしょうか。
#253
○政府委員(松本作衞君) 許可制の運用に当たりましては、従来の流通秩序の維持というようなことを念頭において進めたいと考えておりますので、現業者との連続性というものを重視してまいりたいと思っておりますが、一方におきまして、消費者のニーズに沿った、需要の動向に対応した販売活動をするためには、新規参入というようなものも認めていく必要があろうかと考えておりますので、これらの調整を図りながら進めてまいりたいと思っております。
#254
○喜屋武眞榮君 次に、いまの許可制に関連して、集荷業者は農林水産大臣の指定制になっておりますね。それから、販売業者は都道府県知事の許可制になっておりますね。このように区分されておる理由は何でしょうか。
#255
○政府委員(松本作衞君) 販売業者につきましては、先ほど申しましたように、いわゆる一般的な消費者に対しまして米の円滑な供給をしていただく、いわゆる販売活動をしていただくということで許可制にしたわけでございますが、集荷業者につきましては、農家が政府または自主流通米として販売する際の委託をするというような形でございますし、他方政府側からいたしますと、政府が買い入れる際の代行をしてもらうというようなことでございますので、そういった農家の登録または政府の指定というような特定した関係になろうかと思いますので、指定制というような取り扱いをすることにしたわけでございます。
#256
○喜屋武眞榮君 ということは、この法の精神からもその方がよろしいと、こういった自信のもとにこうしておられるわけですね。
 それじゃ、さらに進めますが、業者に対する規制にはいろいろと、いま枠を外して考えた場合に、登録制のほかに、たとえば本法案のような、本案のは許可制になるわけですね、登録制から許可制へと。それから、家畜商とか獣医師の場合には免許制になりますね。それから、肥料の製造輸入販売業者のような場合には届け出制になりますね。それから、集約酪農地域内における酪農事業施設の新設のような場合には承認制ですね。それから、中央卸売市場の開設のような場合には認可制ですね。こういったいろいろさまざまの表現がありますね。これらの中で許可制が採用されたということは、こういったもろもろの様式から、いまのこの新しい法の許可制にしたということとの関連は、さっきも話がありましたが、いろいろの中でどういうこれとの結びつきになるわけですかな。
#257
○政府委員(松本作衞君) 今回の法改正によりまして、販売業者につきましては、消費者に対して積極的に販売活動、適切な販売活動をしていただくという責任を持ってもらうわけでございますが、こういった責任を果たしてもらうためには、やはりそれなりの地位が特定をされておる必要があるわけでございますので、特定された者に対してのみこういった活動を許可をしていくという考え方が一番適切であろうというようなことで、いま御指摘のように、この一定の行動を、行為を認めていく際の認め方の手続としてはいろいろあるわけでございますが、この許可という形が一番ふさわしいというふうに判断をいたしまして許可制をとることにしたわけでございます。
#258
○喜屋武眞榮君 次に、私は販売業を中心に二、三お尋ねしたいのですが、卸、小売の段階の合理化については一応どのように考えておられるか。ということは、現状でよろしいということなのか、あるいは改める必要があると、このように考えておられるのか、どっちでしょう。
#259
○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正によりまして、販売業者にはそれなりの責任を負ってもらうというふうに考えておりますので、やはり現状そのままではなくて、改善すべきところは改善する必要があるというふうに考えておるわけでございますが、その具体的な方法等につきましては、今後法律施行までの間に十分詰めてまいりたいというふうに考えております。
#260
○喜屋武眞榮君 具体的な問題に対する声が耳に入っておりませんでしょうか、どうでしょうか。
#261
○政府委員(松本作衞君) 具体的な要望につきましても私どもも承知しておりますし、従来から、食糧庁といたしましても六項目の流通改善案というような考え方もお示しをして検討した経過もあるわけでございますので、それらの経過等も踏まえまして、具体的な改善措置に取り組んでまいりたいと思っております。
#262
○喜屋武眞榮君 いま六項目とおっしゃったが、その六項目というのは何でしょう。
#263
○政府委員(松本作衞君) 六項目と申しますのは、流通改善を図るということの案を取りまとめた段階でございますが、小売販売業者につきまして小袋詰め精米のみを販売する販売所を設けることを考えるという点、それから小売販売店の一定規模以上の事業区域については新規参入を認めていくという問題、それから大阪、東京等の地域について現行の卸、小売の結びつきにつきまして新たな結びつきを行うかどうかということについての問題、それから業務用の大口需要者のうち、その事業活動が広範なものについて卸の直売というものを認めるかどうかという問題、さらに卸の登録要件につきまして、その規模に応じて登録の取り消しというようなことを、要件を欠く場合に取り消しを行うかどうかというような問題、それから集荷業者の事業区域を市町村単位から拡大するかどうかというような点でございますが、これは五十三年の十二月に案として考えたわけでございまして、その後、これらの問題を踏まえまして全体としての制度の改善をする必要があるというふうに考えまして、現時点におきましては、この法律改正の考え方に基づきまして改めて検討しようということになっておるわけでございます。
#264
○喜屋武眞榮君 ぜひそれらを死文化しないように、具体的にひとつこれを活性化してもらうということを強く私申し入れておきます。そうしませんと、これがまた一つの盲点となって次々と問題が出てくるおそれがないとは言えないと思います。
 次に、政府の卸業者に対する売り方、卸し方といいますか、売り方、これについてちょっとお尋ねしますが、どうですか、実情は。卸業者本位に、こういう米が欲しいという卸業者の立場に立ってそれが卸されておるのであるか、あるいは政府の立場から、あるいは言葉はどうか知りませんが、抱き合わせの形で卸されておるのか。実情はどうなんでしょうか。
#265
○政府委員(松本作衞君) 政府の管理しております米の内容にはいろいろと限定があるわけでございますので、これを販売するためには、やはりその販売が消化が可能なように販売業者の方にも御協力をいただくという面があるわけでございますが、一方におきまして、できるだけ販売業者の御意向も取り入れるというような形で運営をいたしておるわけでございまして、今後におきましてはこういった販売業者の意向というものを十分に反映できるような改善というものも考えてまいりたい、そういったものを含めまして今後の基本計画、供給計画の運用等も考えてまいりたいと思っております。
#266
○喜屋武眞榮君 要するに、この問題は生産者の立場あるいは消費者の立場、取扱者の立場、いろいろとそれぞれの立場からの利害といいますか、要望といいますか、それをどのように調整していくかということが非常に大事な問題ではないだろうかと、こういうことを私は強く申し上げたいためにそれをいまお聞きしたわけでありますが、一方的にただ形式的に機械的に押しつけてはいけないのではないか。やっぱり卸業者への売り方の問題も、民主的に合法的に最善の努力を払ってもらわなければいけないのではないか、こう思うのです。
 それから参考人のきのうの意見をいろいろ聞いておりますと、やっぱり生産者の立場あるいは消費者の立場、そして集荷、販売の流通業者の立場と申しますか、そういった三者三様の立場があるわけでありますが、特にここで一つ申し上げたいことは、消費者の立場から、もっと便利に買いやすく、そしていつでも安心をして買いやすいように、非常に端的な表現でありましたけれども、こういうことと関連して、よく日本の製品は包装過剰であるということも聞きますが、中身と包装が余りにもかけ離れて、宣伝、情報時代とも言うわけでありまして、宣伝もこれは大事なことと思うのですけれども、実質と宣伝とかけ離れて消費者が非常に迷う。安心して買っていいかどうか、あるいはうっかり情報宣伝に乗って後で困る、こういうことも現状としてはあるので、その点も強く指摘しておったわけであります。これに対する政府の考え方はどのように受けとめておられるでしょうか。
#267
○政府委員(松本作衞君) 消費者の立場からいたしまして、米の品質、内容が明確に表示されておることが重要であることは当然でございますので、食糧庁といたしましても、このための表示基準を明確にいたしまして、特に原料構成がどのような品質の米によってできておるかということをはっきりと袋に表示させるように指導をしてきておるところでございまして、これは昨年から徹底するようにいたしておりますが、ほぼ現在全県にわたりましてこういった表示の内容が徹底をしてまいったわけでございますので、これらの点についての消費者の理解を一層深めるように努力をしてまいりたいと考えております。
#268
○喜屋武眞榮君 次に、モチ米についてお尋ねしたいと思います。モチ米がなぜ政府管理米でなくして自主流通米になっておるかということですね。
#269
○政府委員(松本作衞君) モチ米につきましては、その価格形成がやはりその品質に応じて形成されるという形をとっておりましたので、自主流通米に一番なじみやすいものであるということで、自主流通米制度発足後、自主流通米としてモチ米が流通されておるわけでございます。
#270
○喜屋武眞榮君 これは五十三米穀年度によると七万トンの輸入がありますね。五十四米穀年度には二万トン、五十五米穀年度は一万トン、こういうふうにだんだん輸入が減ってはおりますが、私はこの生産計画の中にモチ米の生産も含めて計画できないのか。できないとすればなぜそれを外すのか。この点に疑問を持っておりますので、お尋ねします。
#271
○政府委員(松本作衞君) 国内で生産されますモチ米につきましては、予約限度数量の範囲内に入れておりますし、また今度の基本計画、供給計画の中においてもこれを入れて定めてまいるつもりでございます。
#272
○喜屋武眞榮君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、いまの問題に関連をして御検討願いたいのは、多くを申し上げませんが、結局四十八年の石油ショックの時点で、モチ米がやみ米、買い占めの問題になって大きな社会不安を起こした例があるわけなんですね。こういうことを思いますときに、米こそ、そういった社会不安、社会混乱を起こさないような立場に立って、政府はきちんと計画、政策の上に乗りかけていくべきじゃないか、こう私は思うのです。そういう立場から、モチ米の生産につきましてもひとつ御検討を願いたい。大臣のお答えをいただいて終わります。
#273
○国務大臣(亀岡高夫君) モチ米につきましても、計画的に需給の調整をきちんととれるように手配をしてまいります。
#274
○川村清一君 食管法の審議もいよいよ大詰めを迎えまして、私が最後の質問に立ったわけでございますが、私は最初に亀岡農林水産大臣の政治姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
 五月二十一日付の読売新聞に報道された、経団連の農政問題を考える会に大臣は出席されまして、講演をされました。その内容の記事につきまして、先日当委員会においてその真偽をお伺いしたところ、それは事実であるということを確認されましたが、これはまことに重大であります。私は、衆議院議員亀岡高夫さんが出られて何を言われてもそれを問題にする気は毛頭ございません。ただし、農林水産大臣亀岡高夫さんが行かれて、そしてあのような発言をされた。その発言が真意であるとするならば、今日食管法の審議に当たりまして、われわれ野党・社会党としては、当然のことではございますが、重大な決意を持って当たらなければならないと、かように考えております。この点について大臣の真意を明らかにしていただきたいということでお尋ねしておるわけであります。
 この発言の中には二つの問題が存在いたします。文章を読むことは省略いたしますが、水田転作に年間三千数百億円の転作奨励金を出すことを約束した、「これを打ち切ったらどうなるか。農村は、保守党信ずるに足らずと革新に走るだろう。フランスみたいになったらどうなる」、こうおっしゃったのでありますが、(「そうだ、そのとおり」と呼ぶ者あり)そのとおりだというような発言も、そういう不規則発言も先般あった次第でございますが、フランスみたいになったらどうなるか――この言葉は、これはフランス国民を悔辱したことになりませんか。フランス国民が民主的な方法によってどんな政権を選択されてもそれは自由でありましょう。日本の大臣がこれに言及され、批判されるということは内政干渉にもなることであろうと私は思うわけであります。しかも、民主主義を否定することにもつながるわけであります。社会党ミッテラン政権はそんなに悪い政権なのかどうか。日本の大臣がこのような発言をなされたということはまことに重大であると私は考えております。
 次に、第二点として申し上げなければならないことは、水田再編対策補助金は保守党政権保存を目的とする予算なのかどうか。日本の農業を守り、農民の生活を守るための補助金としてわれわれもその必要性を主張し、第二臨調の議論にも反対し、これを存続するよう、大臣よ、しっかりがんばってくれと各委員が皆こう言って大臣を激励されておるではありませんか。
 いみじくも大臣のおっしゃったことは、ここに「補助金と政権党」という本、広瀬道貞という元朝日新聞の記者でございますが、この人の書かれていることの内容を、全くそのとおりだと認められていることにつながりませんか。ここに、「自民党はなぜこんなに強いのか」と、こう書かれております。
 補助金によって自民党は強くなっているのかどうか、もしもこれが大臣の真意であるとするならば、この水田再編対策補助金等は本食管法に重大なつながりのあるものでありますから、われわれとしてはこの食管法の審議には応じられません。本法審議の最後に当たって、ぜひ大臣の本音を聞かしていただきたい。本当ならば、一番先にこれをお聞きしてから審議に入るはずであったのでありますが、まあ、最後にこのことをお聞きしておく。大臣の本当の真意をお聞かせください。
#275
○国務大臣(亀岡高夫君) 実はこの前の委員会においても、川村委員から私の経団連の懇談会の際の講演につきまして御注意の御指摘をいただいたわけでございます。実は、あれ以来、私も快々として楽しまずという日を続けてきているわけでありますが、静かに実は考えました。私もついいろいろと、農業批判を財界、産業界から出されておりまして、しかも、そういう方々ばかりの席上でありましたために、つい農業の重要さを主張したいために、自分が農林水産大臣という大事な職責を持っておるということも飛び越してしまって、私の気持ちを表現する上で配慮の足りなかった点を反省をいたしまして、これからは、大臣在任中はいかに政党人といえどもああいうことはなすべきではない、こういうふうに自分に言い聞かせてきたところでございまして、しかも、食管法という重大な法律の審議の間であるということも忘れたような形になってしまいまして、本当にいかぬことであったなと、率直に申してそんな気持ちできようは臨んでおる次第でございます。
#276
○川村清一君 大臣の釈明として私は了解いたしますが、今後慎重であっていただきたいと思うわけでございます。私は本委員会の委員として相当長く務めておりまして、幾人もの大臣とおつき合いをいただきましたが、私は亀岡農林水産大臣は、もちろん政党が違いますから主義主張は異なりますが、あなたの人柄、非常に誠実な人柄というものは高く評価し、私は敬服しておる。その真摯な大臣がこういうような軽率な発言をされたということにつきまして、まことに意外に思っておるわけです。今後十分ひとつ慎んでいただきたいということを希望いたします。
 第二点としてお伺いすることは、食糧管理法の法文でありますが、これはかたかな文で、現在の法律の文章とは全く乖離している。読んでも何を書いているのだか理解ができない。もう少し国民が読んで理解のできるような法文にすべきだという指摘が山田委員から先日なされたわけでありますが、私は法形式だけでなく、法形式の背後にある思想を問題にしたいわけであります。
 この食管法は昭和十七年に制定されまして、今日まですでに三十九年経過しております。明治憲法、天皇制時代に制定された法律でありますので、国民主権の現憲法下の法律としては国民にはなじまない法律であります。したがって、この法律の中には命令という言葉がやたらに多くある。それから何々すべし何々すべしと、すべて命令形で書かれておるわけであります。今度の改正に当たりまして、この改正個所について本法に整合性を持たせるために、法制局はずいぶん苦労されたと思うのでありますが、しかし、やはり改正案そのものも、命令が政令に変わっただけで、政省令に多くゆだねられて、内容はちっともわからないのであります。法律の内容がわからないということは、役人には都合がよいかもしれないが、国民不在の法律であると、こういうことになるわけであります。しかも、私は食管法に関係した法律を全部調べてみたのです。食糧庁が所管している法律、政令、施行規則、これには、いま読み上げますが、このようなものがある。まず食糧管理法、食糧管理法施行令、食糧管理法施行規則、政府に売り渡すべき米穀に関する政令、食糧管理特別会計法、農産物検査法、農産物検査法施行規則、農産物検査手数料令、これだけある。これをさらに見ますというと、かたかな文はこの本法である食糧管理法、それから食糧管理特別会計法、これ二つだけです。あとは全部ひらがなです。しかも、食糧管理法は昭和十七年、食糧管理法施行令は昭和二十二年、食糧管理法施行規則は昭和二十二年、政府に売り渡すべき米穀に関する政令は昭和三十年、食糧管理特別会計法は大正十年、農産物検査法は昭和二十六年、農産物検査法施行規則は昭和二十六年、農産物検査手数料令は昭和二十六年に制定されておる。したがいまして、昭和二十二年に制定されたものも、その後数回改正されているうちに全部ひらがなに変わっていっている。いまなおかたかなで残っているのは本法である食糧管理法と食糧管理特別会計法の二つだけなんです。私はこのような法律はやはり書きかえるべきである。いま審議の中で問題となりました、これから出る政省令、これは一体どういう文章で書くのですか。やはり現在、いまあるところの法律と大体合わせてできるんだろうと私は思うのであります。したがって、省政令と本法との間にこのような乖離がある。この乖離はやっぱりこれは埋めるべきでないか、こう私は考えるのでありますが、一体これはいかがなものでしょうか。
 それから、特に申し上げたいのは、単に形式を変えるというだけではなくして、やはり中身も、昭和十七年当時のこの時代と今日の状態は全然変わっておるのですから、中身も現状に合わせるような法文に改めるべきではないのか。この点につきましては、わが党の村沢委員その他の委員からも指摘されておりますように、この法律の改正に当たっては、この際単に現状追認といったようなことでなくて、もっと長期的な展望に立って、新しい立場から、自給力強化に関する国会決議の実現であるとか、農政審答申の食糧の安全保障確立のための諸方策を盛ったところの、内容は米、麦だけではなくて、大豆あるいは飼料穀物その他大事な食糧を全部この中に包含して、そして管理する総合食糧管理法に抜本的に変えるべきだと、変えるべきだったと私は思うのでありますが、こういうようなことはちっとも検討しなかったのかどうか、この点についてお答えいただきたい。
#277
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私も議院に議席を持たしていただいて以来、かたかな書きの法律というものについていろいろ、私は法律はよくわかりませんけれども、かたかなかひらがなかくらいはわかるわけでありますので、実はずっと読んでみました。そうしますと、健康保険法があれが大正十一年のかたかなでございます。五十三回改正しております。しかし、まだ国民の要求までとてもいっていない。あれもかたかな書きでございます。それから、鉄道敷設法という法律、これもたしかかたかなであったと思います。したがいまして、三Kと言われているのがみんなかたかなというのはどうかなということで読んでみました。私はその点を実は農林水産大臣になりますとすぐに事務当局に話したわけです。そして、せめておれの在任中にひらがなくらいにしてほしいなと、こう申したわけであります。しかし、よく読んでみますと、ほかの法律には目的がありません。この食管法のようにかたかな書きで目的のある法律というのは非常に珍しいということでございまして、食糧管理法には、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並ニ配給ノ統制ヲ行フコト」ということでちゃんと目的が書いてありますので、これで、この目的であるならかたかなでもこの法律はやむを得ないかなと、少し弱気になったわけでございます。それで、法制局といろいろ折衝をいたしたわけでございますけれども、法律屋さんの言うには、かたかなをひらがなにするためにはもう全面改正をしなければならないという、大変むずかしい、これも直さにゃあれも直さにゃということでとにかく大ごとになるということでございまして、とてもとても私の在任中にはそれまでの合意を得ることはとうてい困難であると。これだけの大事な一億国民の食糧を確保し、供給をするための基本法が、また一面においては米作農家の基本法が、とにかく合意を得ないままで国会に提案をして混乱をするというようなことになったのではこれは所管大臣として申しわけない、やっぱり提案する以上は、ある程度の合意を得られるという範囲内で御提案申し上げることが、国民の、特に農家の信頼を崩さないゆえんであると、そういう気持ちになりまして、実は御不満ではあったかと存じますけれども、一応の合意を得ることのできるような線で、しかも法律の条文と事実関係が乖離しているような問題をなくそうということに重点を置いて提案をさしていただいた次第でございます。気持ちにおいてはもう川村先生の気持ちと同じ気持ちを私も実は持たしていただいたわけでございましたが、なかなかやっぱり一人ではとてもとても、非力な私にとってはここまで持ってくるのが精一ぱいと、こういうことであったわけでございます。
 中身につきましても、確かに麦の問題等につきましてもと思ったわけでありましたが、これは時間がございませんで、説明不足ということで、十分了解を得る努力をしておれば時間的にも提案までに至らないということになりますので、これはネグったと、こういうことでもございまして、中身についてもこの程度に落ちつかしていただいたと、こういうことでございます。確かに、今後の食糧安全保障という大きな問題から考えました際に、米だけで食糧安保ができるのかという問題が確かにあるわけでございます。そういう問題につきましては、この食管法で今日直ちに取り上げてまいるということになりましても、これはまたなかなか合意が得られないということでございます。そういう面につきましては食糧安保の立場から農林水産省としても検討を加えておりますので、この点についてはもうしばらく時間をかしていただきたい、こう思う次第でございます。
#278
○川村清一君 大臣のおっしゃったことはわかりますが、どう考えても、命令の定むるところによって、命令をもってなんて、何を言っているのだかわからないですから。それから、米穀は「政府ニ売渡スベシ」なんて、こんな法律がいまどきとても通用するものではないと思うのです。農民に対して政府に売り渡すべしなんてそんな命令をかけたらどういうことになりますか。ですから、現実と全く乖離しているのですから、まずこういうことを改めていただきたい。そのために検討し、努力していただきたいということを望んでおきます。
 以後、わが党の議員が長時間にわたって熱心にいろいろ質疑をいたしまして、政府の方から御答弁をいただいたうちの重要な問題について、十点ほど私は再確認をする意味においてお尋ねしますので、これはもう長々とお答えいただかなくてもいいのでありまして、イエスかノーかの程度でよろしゅうございますから、簡単に、しかしはっきりと御答弁を願いたいと思います。
 第一点は、いわゆる食管の根幹論で大分議論が交わされました。政府は基本と言います。私は根幹でも基本でも、これは言葉は違っても根幹であるというふうに理解してお尋ねするわけですが、そこでわが党といたしましては、食管の根幹はあくまでも政府は全量買い上げする、そして価格は二重米価である、それから全量を政府が管理する、輸入は一元化する、これが根幹であり基本である、こういうふうに理解しておるわけでありますが、政府と若干違う点があります。それはそれとして残しておきますが、政府の答弁の中で、この食管の基本として、第一にはただいま大臣がおっしゃった第一条に目的がある。この目的は米の全量管理、こういうものを明確にしておる。次に第三条の第二項、ここには再生産の確保、つまり生産者米価というものは再生産の確保を目的として決める。次に第四条の二項には、標準の売り渡し価格は家計を安定させる、つまり消費者価格は家計を圧迫しない価格で決める。この一条と第三条の二項と第四条の二項、これは堅持するということをお答えいただいておるわけでありますが、あくまでもこれは堅持するのかどうか、ということをお答えいただきたい。
#279
○国務大臣(亀岡高夫君) 米穀の全量管理、再生産を確保する生産者の価格の決定、家計の安定を旨とする消費者の価格決定というこの点は基本でございますので、これは堅持してまいります。
#280
○川村清一君 第二点。今回の法改正で自主流通米を認知し、これをますます拡大することによっては全量管理から部分管理へ、さらには自由化の方向に漸時移行していく方針ではないかと一般的に言われる、心配されている方が多数いるわけでありますが、そのようなことは絶対ないと断言できるかどうか、これを確認いたしたいと思います。
#281
○国務大臣(亀岡高夫君) 断言できます。
#282
○川村清一君 それでは第三点。基本計画の基本的性格というのは何か。特にこれによって生産調整を強制したりあるいは生産者米価を抑制する、こういうことにならないのか。政府はないと言っているが本当にないのか、改めて確認いたしたい。
#283
○国務大臣(亀岡高夫君) 基本計画は米穀の流通管理の指針と申し上げてきておるわけでありまして、生産者、消費者、流通関係業者等がこれを指針として活動を行うことを期待して設けた仕組みでございます。したがって、生産、消費活動を直接拘束するものではなく、これによって生産調整の強制や生産者米価の算定に直結するということは考えてはおりません。
#284
○川村清一君 それでは第四点。基本計画作成に当たっては関係省の意見を十分反映させると答弁されておりますが、具体的にはどのようなことを考えているのか。特定地域の意見等も組み入れる用意があるのかどうか。これらは政令で明らかにすべきだと思いますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたい。
#285
○国務大臣(亀岡高夫君) 米価審議会の場を活用することを初めといたしまして、あらゆる機会をとらえて関係者との連絡を密にいたしまして、意思の疎通を図り、各方面の関係者の意向が的確に反映されるように努力をいたします。
#286
○川村清一君 政令は……。
#287
○国務大臣(亀岡高夫君) 正式の審議会の議を経るべきことを政省令で規定することは立法技術上困難でありますことは、るるいままで申し述べてきたところでありますが、何らかの形で関係者の意見を聞くものとする旨を政省令で規定することについては、今後検討をいたしてまいりたいと思います。
#288
○川村清一君 それでは検討という御答弁ですが、私の強い要望は、検討でなくて入れてもらいたいということですから、それを十分検討していただきたい。
 第五点。法改正の中で品質別需給計画ということが言われておりますが、これは特定地域の生産抑制につながらないのか。また生産者米価における品質格差の取り扱い、こういったようなものはどうなっていくのか。この点を明らかにしていただきたい。
#289
○国務大臣(亀岡高夫君) 特定地域の米の問題は、やっぱり全体の米の需給バランスを保つことがこれも大事でありますので、生産面、需要面の双方から取り組むことが必要な問題と考えます。したがって、基本計画策定に当たりましても、需要サイドの動向とともに、地域における稲作のそれぞれの特性を十分考慮していかなければならないと考えております。
 また、品質格差の問題につきましては、需要サイドの問題もあるわけでありますが、基本計画等におきましては、品質などの要素にも配慮することを法定したからといって、直ちに米の政府買い入れ価格における品質格差の増大というふうにつながっていくものではないと、こう考えております。
#290
○川村清一君 どうもはっきりしないのですが、特に取り上げてお尋ねいたしましたのは、特定地域の生産抑制というものにつながってこないか、またその特定地域における生産者米価というものを引き下げる、こういう方向にこれが機能していかないかどうかということを心配してお尋ねしているのです。これを明確にしていただきたい。
   〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕
#291
○国務大臣(亀岡高夫君) それぞれの地域地域で地域の特性を踏んまえて努力をしておられるわけでありまするから、いま川村委員が御指摘になったような心配の起こらぬような配慮は、これはもうしていかなきゃいかぬと、こう思っております。
#292
○川村清一君 配慮していくと理解してよろしいですね。
#293
○国務大臣(亀岡高夫君) 私もそう考えております。
#294
○川村清一君 それでは第六点。食糧安保と備蓄とは切っても切れない関連があります。農政審答申の「食料安保」という言葉には、食糧の糧という字を料理の料と書いてある。これは米麦のみを指しているのではなくて、大豆その他主要穀物、もっと拡大すると野菜から畜産物から水産物まで含めてのこれは食料と、こういうふうに考えるわけです。で、これは食糧管理法でありますからそこまでいかないとしても、農政審答申の「食料安保」という立場から言って、当然この委員会でも各委員からずいぶん熱心に主張されました大豆あるいは主要穀物、こういうものを入れていく。いまや予断を許されない世界の食糧需給のもとで、今回の法改正の中で備蓄の問題を具体的にどのように考えているか。これを簡単にひとつ説明していただきたい。
   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕
#295
○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の法改正により、備蓄の問題は基本計画において規定することといたしておるわけでございます。
 まず、現行は全量回転方式というふうな形式をとっておるわけでありますけれども、これは毎年大量に前年産米を主食用として売り渡していかなければならないという問題があるわけであります。今後の備蓄に当たりましては、まだ十分な成案とまではいっておりませんけれども、工業用の問題等も念頭に置きながら、ある程度たな上げをする形での備蓄というようなことも考えておるわけでありまして、今後の検討にまちたいと、こういうふうに考えております。
#296
○川村清一君 この問題はきわめて重大な問題であります。もうここで言うまでもなく、ことしまた冷害であるならば明らかにお米が足りなくなるわけです。ですから、悠長な考えで今後検討していきますなんて言っているうちに、さあお米が足りない、どうするかという事態が来ないとは限らないわけですから、その可能性が十分あるわけですから、備蓄の問題をもっと真剣に考えていただきたい。これはまたこれからの委員会等でひとつ議論してまいりたいと思います。
 それでは、第七項へ入りますが、自主流通米について、流通の今後の見通しをどう考えているか。現在すでに三〇%を超えておるわけでありますが、その政府全量管理の観点から言って、数量的に歯どめをかける考えはないのか。自主流通米の適正量というものは一体どの程度と政府は考え
 ているか。これを明らかにしていただきたい。
#297
○国務大臣(亀岡高夫君) 自主流通米の数量につきましては、本制度の基本である政府の全量管理の実効性を阻害しないよう、適正な水準を維持するよう配慮することといたしておるわけでありますが、最近の需給事情からして、現在程度の数量が大幅に拡大することは考えておりません。また、そのような方向に持っていくつもりもございません。
#298
○川村清一君 次に、第八点でありますが、不正規流通の根源となっております農家保有米の適正数量はどのくらいか、縁故米の適正数量はどのくらいか。全量集荷等についてどう考え、どう対処しようとしておるのか。厳正な取り締まりについての具体的な方途を明らかにしていただきたい。
#299
○国務大臣(亀岡高夫君) 不正規流通米の問題につきましては、需要に見合った米の計画的な供給、集荷業者の適切な集荷活動への取り組み、適切な販売業者制度の運営、米の流通についての的確な情報の収集、管理等によりまして不正規流通の余地を少なくしていく所存でありますことは、今日までの御審議で明らかにしてきたところであります。
 なお、不正規営業を営む者に対しましては、関係諸官庁ともよく協議をし、実効ある取り締まりを行っていきたいと考えております。
#300
○川村清一君 ただいまの御答弁は非常に具体性がなくてよくわからないのですが、いわゆる農家保有米というものが三百二十万トンか三百三十万トンということをおっしゃっておられましたが、これが適正なのかどうか。ここから縁故米といったような形で不正規流通というようなことになるのではないかということでお尋ねをしておるわけであります。
 さらに詰めて言うならば、政府の総需要量というものがある、その総需要量の中には、政府米と農家保有米というものが入って総需要量という形になっておる。そこで、農家保有米を政府はふやそうとしておることは、いわゆる政府の総需要量、政府が全部それを買い上げるといわゆる財政的に負担が大きくなるから、できるだけ政府買い上げを少なくするために農家保有米を多くして、そうして全体の総需要量をふやそうとする、そういう意図がはっきりしているからこういうことを聞いているのです。ですから、農家保有米がうんと多ければ、余ればこれがいわゆる未検米として流れていく傾向も、さっき長官が言われたように、いわゆる一番不正規流通米のそれこそ根幹をなすお米ではないか、こういう考え方で、私は一体農家保有米の適正量はどのくらいかということを尋ねている。
#301
○政府委員(松本作衞君) 農家保有米の算定につきましては、従来から実態に応じまして年々減少をさせてきておりますので、私どもといたしまして、政府管理米を減らすために農家保有米を増大するというようなことは考えておらないわけでございます。
 現在の三百二十万トンという農家保有量につきまして、今後の流通、集荷の実態に即しまして、これが妥当であるかどうかということはさらに検討してまいりたいというふうに考えます。
#302
○川村清一君 三百二十万トンのうち百万トンは縁故米として流れていっているということを長官はおっしゃっている。その百万トンというものは一体それじゃ多いのではないかと、そういう議論になるわけでありますが、その辺を十分検討してもらいたい。
 次に、第九点としてお尋ねしたいことは、緊急時には配給制度に戻ることが法の中に明示されております。この運用については、再び戦時、戦後の時代のように、強権の発動、非民主的な食糧の有事立法的性格を持つものではないかどうかということを心配している農民が多い。私もその一人である。この点明らかにされたい。
#303
○国務大臣(亀岡高夫君) 緊急時におきます配給制度の発動に当たりましては、生産者の理解と協力を前提としながら自主性を尊重して運営をやってまいりたい、こう考えております。
#304
○川村清一君 強権発動、強権供出なんということは絶対あり得ない、そう理解してよろしゅうございますか。
#305
○国務大臣(亀岡高夫君) 主権在民の政治でございますから、終戦直後のようなことはあるべきでない、こういうのが私の基本的考えであります。
#306
○川村清一君 では最後の質問でございますが、本法に伴って政省令の制定が今後あるわけでありますが、これまでの本委員会における審議の状況というものを十分踏まえ、国会の意思を反映させることが必要だと考えるが、それはどうか。
 それから、政省令につきましては、あらかじめ国会の審議にかけるか、少なくとも制定後速やかに報告し、説明を行うべきである、かように考え、要求するものでありますが、これに対する御答弁をお願いします。
#307
○国務大臣(亀岡高夫君) 川村委員の仰せのとおりに取り運びたい、こう思います。
#308
○川村清一君 以上で終わります。
#309
○委員長(井上吉夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#310
○村沢牧君 私は、日本社会党を代表して、食糧管理法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 食管法は制定以来四十年になろうとしておりますが、日本農業の主柱として、国民食糧の確保、国民経済の安定を図る上で重要な役割りを担ってきたことはだれしも認めるところであります。
 しかし、今日まで、米の生産制限や自主流通米制度、予約限度数量、消費者米価の物統令の適用除外、銘柄格差などによって食管法が空洞化されてきたことも事実であります。
 政府は米の過剰と関連をさせて食管法をなし崩しにしてまいりましたが、米の過剰の原因は、政府が需給の見通しを誤ったことであり、また食糧の膨大な輸入政策によるものであることは否定することができません。
 食糧の安全保障の重要性が叫ばれておるとき、食管法を改正しようとするならば、米麦のみならず、大豆、飼料穀物などを食管法の対象品目にして、自給率の向上を図るなどの強化改善をすべきでありますが、政府の今回の改正案は、食管制度の根幹や食糧自給力強化に関する国会決議に逆行するものであって、日本社会党としてはとうてい容認することのできないところであります。それなるがゆえに、わが党は総合食糧管理法案を今国会に提出した次第であります。
 以下、政府案に反対する主な理由を申し上げます。
 第一に、改正案は食管法の根幹に抵触するものであります。私たちは食管法の根幹とは、国民の食糧を安定確保するために、その手段として政府による米の全量買い上げ、二重米価制、政府の直接全量管理、米麦輸出入の一元的管理であると理解をしております。今回、法の目的を配給統制から流通規制に変更し、自主流通米や予約限度数量を法制化し、縁故米、贈答米の導入などは食管制度の根幹にもとるのみならず、米の直接全量管理体制から部分管理体制へ一歩踏み込んだことを示しております。
 第二は、基本計画は需給の動向に留意して定めると言っておりますが、需給の動向に即応した国内生産体制が整備されておらない実態の中では、消費者のニーズにもこたえられないし、米生産の地域特性を十分生かすこともできません。
 このことは、基本計画による需給の調整が、現行生産調整を法的に裏づけることや、生産者価格を抑制することにつながってくることのおそれを強く持つものであります。
 また、基本計画策定に当たって、関係者の意向が反映できる措置が法的に講ぜられておらないことは、政府の一方的な計画の押しつけであって、米穀の管理制度の民主化に反するものであります。
 第三は、流通の規制でありますが、その意図する点は配給制にかわって集荷、卸、小売段階の自主的商業活動にゆだね、そこから発生するリスクもまた負担させることにより、競争原理の導入を推し進めることであると言うことができます。このことは、品質別価格、用途別価格の格差を拡大し、産地間銘柄別の競争を激化させ、やがて零細な米穀業者を切り捨て、商社資本の米穀市場への進出の道を開くことは明らかであり、生産者、流通業者、消費者に不安と不利益を与えることになることを指摘せざるを得ないのであります。
 第四は、法改正の基本的な重要部分が挙げて政令にゆだねられておることであります。
 かつて政府は、自主流通米制度、買い入れ制限など、食管法の基本にかかわる事項を政令で措置して、食管法を空洞化してまいりましたが、今次改正案も、基本計画、供給計画の内容、緊急時の配給制度などを含め、ほとんどが政省令にゆだねられていることは、政省令の規定、またその運用いかんによっては法の精神を左右することになり、立法府としては認めがたいところであります。
 以上、私は日本社会党が政府改正案に反対する諸点を明らかにいたしましたが、日本農業を再建し、国民の食糧を安定的に確保するためには、食管法を強化改善しなければならないことを重ねて主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#311
○坂元親男君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、食糧管理法の一部を改正する法律案に対して賛成の討論を行います。今後の世界の食糧事情は、開発途上国の人口増加、異常気象による生産の変動、国際貿易上の不安定要因等により、中長期的に見て必ずしも楽観を許さないものと見込まれており、国民に対する食糧の安定供給をいかに確保していくかが重要な政策課題となっております。
 この場合、申すまでもなく米はわが国の主食であり、今後とも日本型食生活の中心として位置づけられるものでありますので、その確保及び適切な管理は特に重要であります。
 国による米の管理は、食糧管理法が昭和十七年に制定されて以来、同法により行なわれてきましたが、その目的とする国民食糧の確保と国民経済の安定にきわめて重要な役割りを果たしてきております。すなわち、農家に対しては米の再生産を確保するとともに、消費者に対しては、その家計の安定を旨として米の安定的供給を図ってきたところであり、このような食糧管理法の基本的役割りは今後とも高く評価されるべきものであります。
 しかしながら、食糧管理法は、食糧の絶対的不足時を前提として制定されているため、これまで運用面での改善は図られてきたものの、消費者需要の多様化等、現下の社会経済事情の変化に弾力的に対応しがたい側面を有するとともに、規制内容と経済実態との乖離が生ずるなど、種々の問題が生じていることは否めないところであります。
 このような状態を放置することは、国民の食管制度に対する認識を誤らせるのみならず、制度全体の空洞化が進行して、国民食糧の確保という食管制度本来の役割りを果たしがたくなるおそれがあります。
 このような状況のもとで今回提案されております改正案は、現行法の持つ問題点を解消し、食糧の不足時のみならず、過剰なときも含めて、いかなる需給事情にも的確に対応し得る制度に改めようとするものであって、まことに時宜を得たものであると考えます。
 また、審議の過程でも明らかなように、本改正案は、政府が国民の必要とする米を自主流通米を含めて管理するという現行制度の基本を何ら変更するものではなく、適切な米穀の管理に関する基本計画、供給の実施に関する計画の樹立、安定的な流通ルートの確立、緊急時における適切な措置を定めて、本制度を事態に即応して再編整備しようとするものであります。このような改正により、需要動向に即応した国民に対する米の安定供給が実現され、この重要な制度の維持、再生が図られることを確信するものでありまして、これをもって賛成の討論といたします。(拍手)
#312
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、食糧管理法の一部を改正する法律案に対し反対討論を行います。
 食管法の今日まで果たしてきた役割りについては、穀物自給率が三三%にも低下しているもとで、米だけは完全自給を達成し得たこと、また、さきの狂乱物価や昨年の大冷害のもとでも、主食用の米については、買い占めや異常な暴騰に遭わなかったことからも明らかです。またこのことは、戦後国民の要求運動の中で、米の政府全量管理、二重米価制など、民主的な機能が形成され、基本的に維持されてきたからでございます。
 ところが政府は、米過剰を口実に、法解釈を曲げて、自主流通米制度の導入、買い入れ制限の強行、さらに、生産者米価抑制と消費者米価の連続的値上げなど、食管制度のなし崩し的な改悪を進めてきました。特に私の質問でも明らかにしましたが、米減反押しつけのてことなっている買い入れ制限が、農家経済に大きな打撃を与えるとともに、米の政府全量管理の機能を弱め、不正規米発生の一つの原因ともなっていることです。
 本改正案は、こうした食管制度のなし崩し的改悪を法文上明記し、合法化することによって、食管制度の民主的機能を一層弱体化させ、米の生産、流通、価格にわたる国の管理責任をさらに後退させるものと言わざるを得ません。
 これが本改正案に反対する第一の理由でございます。
 反対の第二の理由は、今後の政府の運用いかんによっては、日経調など財界が主張する米の部分管理、そして大手商社など、大資本の米商品への介入を促進する結果につながりかねない規定が盛り込まれていることです。
 その一つは、農水大臣が定める基本計画です。需給調整を図るということで、食管法が米減反押しつけの根拠法的性格を持つことになること。また、用途別、品質別需給の強調が、四、五類米の特別自主流通米の拡大とも相まって、政府買い入れ価格における再生産の確保を旨として定めるという、食管法の規定に反する品質別価格差の拡大や、用途別価格差の導入につながりかねません。
 二つは、米の売り渡しにおける入札方式の導入であります。この入札方式を主食用にも適用されることになれば、消費者にとって、うまい米はますます高くなり、反対に、いわゆるまずい米は、生産者米価抑制の手段に使われることになります。政府は、私の質問に対し、当面、主食用は対象としないとしておりますが、判断は農林水産大臣にゆだねられており、法律的保証は何らございません。
 三つは、米の流通問題です。政府は、集荷業者や販売業者を特定し、不正規米流通の防止にも役立つと説明しておりますが、その具体的な基準は何ら示されていません。許可要件などの運用によっては、反対に不正規流通を事実上追認し、しかも商業活動の活発化の名のもとに、かつての丸紅事件のような大手商社や大企業の米投機への道を開き、零細業者の切り捨てにもつながりかねません。
 政府は、軍備拡大と大企業奉仕のための財政再建を口実に、食管財政や転作奨励金の圧縮を盛んに主張しています。今回の食管法改正案は、そうした食管合理化路線に沿って、米に対する国の管理責任の後退、そして農業全体に対する保護政策の一層の後退を意味するものであり、断じて容認できません。
 私は、日本農業の発展と国民生活の安定に反する本改正案に強く反対することを重ねて表明いたしまして、討論を終わります。
#313
○委員長(井上吉夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 食糧管理法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#314
○委員長(井上吉夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、鈴木正一君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木正一君。
#315
○鈴木正一君 私は、ただいま可決されました食糧管理法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    食糧管理法の一部を改正する法律案に対
    する附帯決議(案)
  政府は、食糧管理制度が国民食糧を確保し、
 国民経済の安定を図る上で重要な役割を担って
 いる実情にかんがみ、今後とも全量管理を基本
 とした制度の根幹を堅持するとともに、次の事
 項について万全を期すべきである。
 一、食糧・農業政策の遂行に当たっては、第九
  十一回国会における「食糧自給力強化に関す
  る決議」の趣旨をふまえ、需要の動向に即応
  した国内生産の拡大を基本とし、食糧安全保
  障体制の確立を旨としてその強力な展開を図
  るとともに、食糧輸入政策はこれに即して適
  正に運用すること。
 二、米穀の管理に関する基本計画の策定に当た
  っては、米穀の生産、流通、消費の各方面に
  わたる関係者の意向が十分に反映されるよう
  適切な措置を講ずること。
   また、基本計画及び供給計画における米穀
  の需給見通しについては、それによって米の
  生産調整を強制することとならないよう定め
  るとともに、品質刑数量の見通しを定めるに
  当たっては、米生産の地域特性を十分に配慮
  すること。
 三、自主流通米の数量については、本制度の基
  本である政府の全量管理の実効性を阻害しな
  いよう適正な水準を維持すること。
   なお、予約限度超過米の集荷、流通の適正
  化を図ること。
 四、米穀の政府質入価格の決定に当たっては、
  従来どおり法の定めるところにより、米穀の
  再生産を確保することを旨として定めるとと
  もに、標準売渡価格については、同様に消費
 以上でございます。
#316
○委員長(井上吉夫君) ただいま鈴木正一君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 木附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#317
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって、鈴木正一君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀岡農林水産大臣。
#318
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#319
○委員長(井上吉夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#320
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#321
○委員長(井上吉夫君) これより請願の審査を行います。
 第四号農林年金制度の改善に関する請願外六十件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、第一七二号学校給食用牛乳供給事業に関する請願外八件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第四号農林年金制度の改善に関する請願外五十一件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 つきましては、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#322
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#323
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#324
○委員長(井上吉夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#325
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#326
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#327
○委員長(井上吉夫君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中、農林水産政策に関する調査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#328
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#329
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後五時十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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