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1980/03/17 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第3号
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1980/03/17 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第094回国会 社会労働委員会 第3号
昭和五十六年三月十七日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     丸谷 金保君     対馬 孝且君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 甚市君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                高杉 廸忠君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                丸茂 重貞君
                森下  泰君
                丸谷 金保君
                渡部 通子君
                沓脱タケ子君
                柄谷 道一君
                前島英三郎君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  園田  直君
   政府委員
       厚生政務次官   大石 千八君
       厚生大臣官房審
       議官       吉原 健二君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省環境衛生
       局長       榊  孝悌君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部長  山村 勝美君
       厚生省医務局次
       長        山本 純男君
       厚生省薬務局長  山崎  圭君
       厚生省児童家庭
       局長       金田 一郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       行政管理庁行政
       監察局監察官   塩路 耕次君
       国土庁土地局次
       長        小笠原正男君
       法務省訟務局民
       事訟務課長    鎌田 泰輝君
       国税庁直税部所
       得税課長     冨尾 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○丸谷金保君 これはどこが所管しているかということもはっきりつかめませんでしたので、一応件名を挙げてひとつこのことについてはよく教えていただきたいと思って、勉強の意味で、わからないので質問するのでそのつもりでお答えを願いたいと思うんですが、合成乳酸の関係についてでございます。
 御承知のように酒の醸造、特に清酒等では合成乳酸が使用されております。先日もある酒屋さんに行って合成乳酸というのはどうだと聞きましたところが、いや私もこれがよくわからないと。ただ○○という有力な製薬メーカーから買っているからこれは間違いないものだと思って使っていますというだけなんで、ちょっとびっくりしたんですが、ところがその○○という大メーカーがつくっているのかと思いましたら、実際につくっているのはセルロイド会社がつくってそれを納めている。そうすると、これはセルロイドと同じような性格のものなのかなというふうに思ったので、ひとつちょうどいい機会なので、これは一体どういうふうな状況なんだと、私たちの聞いているのでは、もともと原料はシアンで非常に毒性の強いものが基調になっているということを聞かされておるんですが、一体どんな状況なんでございましょうか。
#4
○政府委員(榊孝悌君) 合成乳酸についてのお尋ねでございますけれども、いまお話しの天然乳酸とは違いまして、シアン化水素というふうなものを含んでいるというふうなお話なわけでございますが、これにつきましては、食品衛生法に基づきまして食品添加物の成分規格というのがあるわけでございます。その中で、シアン化水素等の残留限度といいますか、そういうふうなものを定めておりまして、いまお話のありますような有害物質の混入防止というふうなものを、その成分規格ではかっておるわけでございます。現在、乳酸の成分規格としてシアン化水素二ppm以下というふうな基準が設けられておりまして、そういった意味で一応御心配のような安全性については十分確保されておるというふうに私どもは考えております。
#5
○丸谷金保君 予定では大臣が大分おくれるということなんで、先に勉強会をやらしてもらっているんですが、ずっといらっしゃるんですか、後。どうなんですか。
#6
○国務大臣(園田直君) 昼までは、向こうが午後の何時ごろになりますか、その間だけ向こうへ参りまして、後はずっとお供さしていただきます。
#7
○丸谷金保君 昼まではおられるんですね。
#8
○国務大臣(園田直君) はい。
#9
○丸谷金保君 それじゃこの方は少し駆け足で本論に入りたいので、二ppmということで、これはマウスか何かの試験によるデータですか、二ppm以下だと検出されないというのは。
#10
○政府委員(榊孝悌君) これは実際の製品についてはかりましたものが二ppm以下というふうな、これは従来の動物実験その他の結果から、一応安全であるというふうなものからその基準をはじき出しているわけでございます。
#11
○丸谷金保君 それで、実はたとえばまあリジンなんかの場合だと五OPP上という基準なんですよね。それからいきますと二ppmというのは非常に高い含有、特にシアン化水素というふうなものが含まれているということになりますと非常に高い水準でないかと思うんですが、これについてヨーロッパでは大体一九七九年の九月十一日、FAO、国連食糧農業機構というのがございます。ここで、主として粉乳ですけれども、幼児の安全を保証するに証拠不十分ということで禁止を呼びかけたと、こういう事実は御存じでございますか。
#12
○政府委員(榊孝悌君) いまお話しの、これはFAO、WHOの合同食品添加物部会において評価されたものでございまして、お話しのようなその乳酸の安全性といいますか合成乳酸の安全性がいろいろ議論されたわけでございます。その中で、まあ従来から乳酸については非常に安全性の高いものだというふうな評価であったわけですが、この評価の中で、生後三カ月未満の乳児につきましてはまあ代謝機能といいますか、そういうものが非常に不十分である、特に合成の中に多く含まれておりますD体、DL体というふうなそういうふうな乳酸が問題であるということで、一応そういった生後三カ月以内の新生児には使わない方がいいであろうというふうな評価がされておるわけでございます。そのことについては私ども承知いたしております。
#13
○丸谷金保君 そうすると、粉ミルクにはもうすでに使用は日本の国内においても禁止をされておるんですか、どうなんです。
#14
○政府委員(榊孝悌君) 私どもとしてはそういったことで、特に新生児といいますか、一応三カ月未満の子供が食べるようなそういうものについては、そういうものをできるだけ使わないようにというふうなことで、乳酸という形では現在使われてないというふうに理解しておりますが。
#15
○丸谷金保君 使われていないと理解しているということなんですが、これはヨーロッパの方では一応禁止するという呼びかけがございまして使用を禁止している。これは粉ミルクですね。そうすると、三カ月未満の乳幼児の粉ミルクとそれ以外の粉ミルクというのは分離はできませんですわね。そうすると、粉ミルク全体として使用を禁止しておるというふうに理解してよろしいんでございますか。
#16
○政府委員(榊孝悌君) いまお話しのように、現在の食品衛生法でお話しのような一つの年齢的な意味での決め方というふうなものがなかなか実はむずかしいわけでございまして、そういった意味で、現在行っておりますのは、あくまで行政指導という形で、そういったものについて使用しないようにしてほしいということで対処をいたしております。その辺は、いまお話しの、ある年齢からというふうな問題については、現在の食品衛生法から非常にむずかしい問題もございますので、これからいろいろ私どもとしては研究さしていただきたい、このように思っております。
#17
○丸谷金保君 これから研究をするという、実は前にも、私食品添加物の問題では非常に遺憾だと思うことがたくさんございます。たとえば昭和三十年代に、私たちは十勝ワインというワインを始めたときに、ワインに使われる赤色タール系の色素の中には、これは問題ではないかということを、田舎のもう小っちゃな二人か三人でやっているところの研究員でさえも気がつきまして厚生省に建議したことがあるんです。そのとき厚生省は何と言ったかというと、アメリカで許可しているから心配ない、こういうことです。ところが、その後私たちの指摘した色素はアメリカで昭和四十年の初期になって許可しなくなりました、発がん性の疑いがあるということで。途端に日本でもそれを許可を取り消したんです、それはいかぬということで。どうもこういう風潮があるんで、たとえばこのいまの合成乳酸の問題にしましても、ヨーロッパではすでにこれはいかぬじゃないかというふうな形のものが昨年の九月に出て、これはいち早く厚生省もその情報はキャッチしているはずなんです。いままだ、これから検討するんですか。私はそのときも当時の厚生大臣に、アメリカでだめだと言って、日本がだめだと言う前に使っている分はどうなるんだとわれわれが建議したときに、それはアメリカでいいと言っているからいいんだと言った。しかしよくなかったんです。昭和三十八年にはよくて、同じものが昭和四十二年になってよくなるはずはないんですから、最初からだめだったんですよね。
 ですから、これ大臣ね、そのときには、いや、当時の科学技術の中では、昭和三十八年当時はこれをだめだと言って不許可にするだけの根拠を持たなかったから、当時いいんだと言った人たちの行政責任はないと。それはそうでしょう、だと思います。しかし、そこが問題なんですよ。疑わしいものはまず使わせないことにしておいて、安全性が確認されてから使用許可を出すんならいいんだけれども、それには相当時間がかかります、合成添加物というのは。ところが、大体安全だろうということで疑わしいものを許可しちゃって、後から取り消し、取り消し、取り消しというのが日本の厚生行政なんです。
 この問題も、ミルクを私もいろいろ調べてみましたけれども、これはシアン化水素が入っているところの粉ミルクではないから、三カ月未満の子供にはこちらを飲ませなさいというような表示はどこの会社もやっておりませんわね。そうすれば全部同じものなんです。その中で、行政指導を局長はしたと言われるんですが、一体どういう行政指導をして、どういうふうに守らしているかという確認はしておるんでしょうか。
#18
○政府委員(榊孝悌君) 先ほど私申し上げましたのは、三カ月未満の子供が食べるようなそういうふうなものは、いまお話ございましたようにやはり入っておることは好ましくないというふうなことで、いまお話しのような調製粉乳といいますか、そういうふうなものには使わないようにというような形で私どもは指導しておるわけでございます。で、何といいますか、もっぱらそういった乳幼児が常食的に用いるようなものについては、少なくともそういうものは入らないようにというふうなことが私どもの期待でございます。そういった意味での行政指導をやっておるということでございます。
#19
○丸谷金保君 局長さんね、この問題、重点的でなく、いろいろ私自身もわからないのでお聞きしながらと思ったんですが、いまお話を聞いていて非常に心配になっているんです。期待しているということですわね。危険かもしらぬ、なるたけ使わせない方がいい、こういうことだと思うんですが、どうしてそういう場合に、たとえば、ヨーロッパで禁止して始めたものを日本でもこれはいかぬということがさっといかないんでしょうかね。これ、アメリカがやるとすぐやるんです、日本は。そこら辺が実に私は不思議なんですが。まあそれはそれとして、行政指導をしたと言うその行政指導は一体どういう行政指導をしたかということを具体的にひとつ、何月何日、どこどこの会社に対してはこういう文書で指導したとか、何月河口、どこどこの保健所の何のたれべえが何の会社へ行って口頭でこういうふうに注意をしたとか、行政指導したからには必ずその報告があると思うんですが、それらはどうでしょうか。
#20
○政府委員(榊孝悌君) 実は、いまここで正確に何月何日というのはちょっとあれなんですが、先ほど冒頭お示しがございました、昨年そういう問題になりましたときに、すぐ関係のメーカーといいますか、そういうところに対しまして、こういう問題があるので、特に新生児が使います。そういうものについてはこれは使わない方がいいので、使うことを控えてほしいというふうな形で行政指導をいたしております。
#21
○丸谷金保君 いますぐにと言っても御無理でしょうが、後ほど具体的な資料をひとつお届けいただきたいと思います。
 それとあわせて、醸造用資材規格協議会というのがございます。恐らくこれに厚生省からもどなたか入っていると思うんですが、厚生省の対応はどうでしょうか。
#22
○政府委員(榊孝悌君) 醸造……
#23
○丸谷金保君 醸造用資材規格協議会。
#24
○政府委員(榊孝悌君) ああそうですか。
 いまちょっと私そのことについてすぐお答えができませんので、後ほどまたさしていただきたいと思います。
#25
○丸谷金保君 局長さんお願いしますけれども、大蔵省あるいは農水省、酢の問題だとかいままでいろいろ手がけてまいりましたが、必ず、それは厚生省がいいと言ったからいい、こういうことで、責任は全部厚生省なんです。どんなにおかしいと言っても、それはわれわれはということで。それで私が冒頭申し上げましたように、実際つくっているのはセルロイド会社であっても、○○という大きな製薬会社をトンネルして、その製薬会社のレッテルで来れば、もう使用している者が、いや心配ないですよと言うのと同じように、厚生省のいい悪いてもう全く他の省庁は食品添加物等の問題については信頼し切っているということがございますので、こういうそれぞれのところの問題に必ずおたくの方が入っていると思います。また、そういう意味で厚生行政というのが、食品添加物については何といっても中心だということについてひとつ詳しくお調べの上、御報告いただきたいと思う次第です。
 それから、もう一つだけお聞きしておきたいんですが、合成乳酸と対比して発酵乳酸がございますね、自然の。で、同じ添加するのなら私は発酵乳酸であればまず心配はない。合成乳酸であれば多少そういう点で、――いま二ppmであれば検出されないと、ここに私、食品添加物公定書 解説書というのを、これはおたくの方で出したのだと思うんですが、細かく載っています。必ずしも絶対だとは書いてないんですよ。いろいろな分析の結果、検出されないからいいだろうという程度のことですね。絶対大丈夫だということはどこにも書いてないんです。毒性がこういうふうにあるという、非常に毒性のあることは。ただ微量であれば、たとえば肝臓障害を起こしてないとか、いろいろなそういう表現の仕方で使用を許可している。しかし、もし合成乳酸と発酵乳酸とあって、どちらの方がより安全かということになったら、使う別のものはあるんですか、そういう場合には局長さんどうお考えになりますか。自然のものと・・。
#26
○政府委員(榊孝悌君) 合成乳酸と天然乳酸との比較でございますが、先ほど申し上げましたWHOの評価でも、これは合成乳酸については、それをやはり代謝する酵素が幼児の中に欠けているというふうなことでございますし、そういったことから言いますと、天然の乳酸については、これはそういった危険性というふうなものは非常に少ないのではないかというふうに私どもは考えております。
#27
○丸谷金保君 そうしますと、天然の乳酸の方がシアン化水素等を原基とするところの合成乳酸に比べて安全度はより高いというふうに理解してよろしゅうございますか。
#28
○政府委員(榊孝悌君) 高いというふうに理解して結構だと思います。ただ、ちょっとつけ加えさせていただきますが、先ほど私、DあるいはDLという形での乳酸ということを申し上げたんですが、いろいろまた最近の研究によりますと、天然でもやはりそういうものも若干は含まれているというふうな研究もあるようでございまして、その辺は天然乳酸であってもこれはどの程度あれなのかというふうなことも十分踏まえて考えていきたいと、こういうふうに思います。
#29
○丸谷金保君 そうすると、またちょっと聞かなければならなくなっちゃうんですが、確かにそうなんですよね。たとえば天然のワインの中にでも硫化水素は多少検出されます。ゼロではないんです。しかし、それと酸化防止剤として入れる硫化水素、これとは本来違うものです。いまのお答えはそういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#30
○政府委員(榊孝悌君) 結構でございます。
#31
○丸谷金保君 次に、栄養行政の問題についてお伺いいたしたいんですが、実は、最近の数字でなくて、もう一度お聞き直ししたいと思うんですが、栄養課のお仕事の中で強化食品、それから特別用途食品、乳幼児、妊産婦に対する食品の検査、これは粉ミルクなんかが中心で、いまの引き続きの問題なんですが、これらについて行政監察局に御質問したいと思います。これらの事業につきまして行政監察局の方として改善等の勧告をしたということはございませんですか。
#32
○説明員(塩路耕次君) お答え申し上げます。
 私ども行政管理庁の行政監察局でこれに関しました調査をいたしているのが、実はごく限られた範囲なんでございますが、私どもで五十四年の一月から三月に調査を実施いたしました特別地方機関等の設置及び運営に関する調査結果報告書というそういった調査がございまして、この中でごく一部栄養指導員について触れているだけなんでございます。これにつきましてちょっと簡単に御説明いたしますと、特別地方機関と申しますのは、法律または政令によりまして地方公共団体に対しまして組織の設置を義務づけているような場合の行政機関を言いまして、私どもといたしましては、これに対する国の関与のあり方を検討する必要があるのではないかということでこの調査を実施した次第なんでございます。
 この調査結果の一部におきまして、保健所に設置されている必置の職――必ず設置しなければならないという意味の必置の職につきまして、数多くの職が保健所に設置されていると。このために兼職が多くなっておりまして、その結果といたしまして設置自体が形式化しているんではないかということで、必置のあり方を含めまして、こういった職のあり方全般の検討をすべきではなかろうかと、こういったことを報告書の中で取り上げていると、こういうことなんでございます。
 いま御質問ございました点と一致しているかどうか、私もちょっと即断いたしかねますが、最近の調査ではこの点だけを取り上げておると、以上のようなことでございます。
#33
○丸谷金保君 この栄養改善法の十二条によりまして、厚生省が行う検査がございます。ところがこれは五十三年の数字なんです。強化食品で百二十一件、特別用途食品三十四品目、乳幼児、妊産婦、これらについては三件というふうに非常に数字が少ないのです、調査の。これらについて行管の方として何か勧告をしたというふうなことはございませんか。
#34
○説明員(塩路耕次君) 私、ただいま調べてまいりましたところでは、特にないというふうに聞いておりまして、もう一度よく調べさせていただきまして御説明をさせていただければというふうに思っておりますが。
#35
○丸谷金保君 実は、この乳幼児や妊産婦の関係、年間三件くらいしかやっていない。こういうことについて行管が調査していて、こういうものが一体もう要るのだろうか、そういうふうなことについて疑点を持たないとすれば、疑点を持たないことの方にむしろ問題があると思って実は私お伺いしたんです。それで、この点について栄養課の方にお伺いいたしたいのですが、実はどうもこの栄養改善法という法律そのものが非常にもう現代には合わなくなってきているのではないか。たとえば、これはもうどう読んでも読み切れないのです。栄養改善法十二条は「販売に供する食品につき、栄養成分の補給ができる旨の標示又は乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する旨の標示をしようとする者は、厚生大臣の許可を受けなければならない。」、こうなっているんです。そうですね。そうすると結局最初の「栄養成分の補給」というのは強化食品、ビタミン類を強化したもののことですね。どうですか。
 ついでですから一緒に。特別用途食品というのは、これは乳幼児の粉ミルクだとかあるいはアレルギー疾患用のものだとか、特定な成分や加工などによっての特定疾病についてのものですね。いかがですか。
#36
○政府委員(大谷藤郎君) 先生御指摘のとおりでございます。
#37
○丸谷金保君 ところが、この法律だけを読んでいますと、添加食品、たとえば強化食品につきましても「栄養成分の補給ができる旨の標示」はこれこれだと、こうあるんですよね。ところが、じゃそれ以外のやつをどうするのだということがこの法からは――個々にいろんな強化食品でない栄養成分があるものはありますよ、麦にはビタミンがよけい含まれているとか。こういうのは一体この法ではどこでどういうふうに取り上げるんでしょうか。
#38
○政府委員(大谷藤郎君) 一般の食品につきまして、先生御指摘のように栄養素全体を標示できないかというお話でございますけれども、本来食品というものはそういった総合的な自然の産物でございまして、これを一々栄養素を調べまして標示するというふうなことは実態としてはこれはなかなか不可能なことではないかというふうに考える次第でございます。
#39
○丸谷金保君 そうしますと、昭和四十六年の四月八日、おたくの方の二百二十二号で、健康食品の栄養強化を標示し得る根拠並びに合法性を認めた通達が出ているんですね。それによると、その第二項、栄養成分が添加されていず天然に含まれている栄養成分について栄養が補給できる旨の標示はこの十二条適用除外だ、こういうことを通達しているでしょう。ちょっといまの答弁と矛盾しませんか。
#40
○政府委員(大谷藤郎君) これは簡単に申しますと、たとえば乳製品等で自然のままでありますればたとえば何かの栄養素が足りない、つまり人間の子供を育てるのには動物の牛乳等は若干そういったある種の成分につきまして足りない、それを添加すればさらに栄養として完全になる、こういうふうな場合に特殊栄養食品の標示を認める、こういうことでございまして、一般的に牛乳製品の中に何が何でビタミンがどうでホルモンがどうでというふうなことにつきまして、ことさらこれをやるというふうなことはいたしておらないわけでございますけれども、もちろん先生おっしゃいますように、特別なものについてやるというふうなことはこれは不可能ではございませんが、一般的に、食品すべてについてそういうふうなことをやるということはまことにむずかしいというふうに考えるわけでございます。
#41
○丸谷金保君 私はいま一般論を聞いているのではないんです。専門的な栄養改善法の立場で、それらをどうして適用除外品目として、天然のものが入っているものについてはここでは適用する状況でないと。それは除いて、そして例示的な強化食品というふうなものをこの十二条はうたっているのだという通達をなぜ出さなければならないのかということなんです。
#42
○政府委員(大谷藤郎君) この点についてはもう少し検討させていただきたいと思います。
#43
○丸谷金保君 それはちょっとおかしいと思う。おたくの方で通達を出しているんだよ。昭和四十六年四月八日衛発第二百二十二号。――まあそれでは先へ進めましょう。――ありましたか。
#44
○政府委員(大谷藤郎君) 自然のものについては、私どもとしては原則的に規制しないという考え方でございますが、なおこの細かい点につきましてはもう一度また先生に後ほど具体例について御説明に伺いたいと思います。
#45
○丸谷金保君 いや、いまの答えで十分なんですよ。
 そうなんですよね。自然のものについては栄養改善法で規制しない、こういうことをいま通達を出しているのですから、大変りっぱな御答弁だと思うのです。そのとおりなんです。おたくは実はそういう見解を持っているわけです。ところがここで今度は、――業務局来ておりますね、同じころに出した業務局長通達とこれがぶつかるのです。これは前に私取り上げたので実は繰り返しは避けます。避けますが、私たちの質問を受けて当時の厚生大臣の橋本さんが、それはもう前の四十六年業務局長通達というのはいろいろ問題もあるから、ひとつ新しい健康食品というふうなもののカテゴリーをつくっていこう、栄養改善法あるいは食品衛生法でも押えられない、薬事法にもなじまない健康食品というのが出てきているので、これらを何とかしましょうということで実は話が進んできたのです。それで私も大変喜んでおったのです。財団法人の健康食品研究協会というのができまして、ここでそういう谷間を埋めていくための作業をしてもらう、こういうことでしたね。
#46
○政府委員(大谷藤郎君) 先生がおっしゃっているとおりでございまして、健康食品研究協会におきまして健康食品というものについて研究をやってもらっているわけでございます。
#47
○丸谷金保君 ところが、私が質問してから二年たっているんです。それからこの協会ができてからも一年たったんです。まだ定義もはっきりしていないというじゃないですか。一年間かかってこの協会何やっていたんです。厚生省からは栄養課長毎回出ているのでしょう、何やっていたんです、これ。
#48
○政府委員(大谷藤郎君) 本来、食品というものはすべて栄養的効果あるいは保健的効果というものが期待されるものでございますし、またこれを過剰に使用すれば不健康を来す、あるいは疾病を来すというふうなものでございまして、その中でいわゆる健康食品というものをどういうふうに仕分けをするか、これは非常に実はむずかしい問題でございます。ところが、現実の問題といたしましては、何千年も昔から古来民間伝承的にこういったものはいいんじゃないかというふうなことが言われているわけでございまして、そういったものについて一般的に健康食品というふうに総称されているわけでございますが、これをそれでは科学的にしっかり分けろと、そういうことでございますが、たとえば不老長寿に効く、あるいは老化の予防に効く、いろいろな疾病の予防に効くと、こういうふうなことになりますと、これはいわゆる薬事法の医薬品ということになってそれははっきり区分されるわけでございます。しからばそういう医薬効果のないものであって健康にいいものとは一体それは何なのかと、そういうことになりますと、これは米でありましても魚でありましても、たん白質、含水炭素、いろんなものが含まれている食品すべてこれ中に入るわけでございまして、その中で、とりわけ健康食品という形で定義せよということは非常にこれはむずかしい問題なんでございますが、しかし、昔から古来そういうふうに一般にクコ茶、ハブ茶、いろんな形でそういったものが体にいいのではないかというふうなことが言われておりまして、それを一概に政府が規制をするということが、一体どういうことなのかという点で非常に疑問があるわけでございますが、しかし、厚生省といたしましては、これについてそういった疑問にこたえるために研究を続けねばならないと、こういうふうなことで、実は専門の先生方にお集まりいただきましてそこで御研究願っているわけでございますが、私何度も申し上げますように非常にこの点むずかしい点がございまして、先生が御指摘のように、早々に実は結論が出ていないというのが現状でございます。
#49
○丸谷金保君 これはそんなにむずかしくないんですよね。むずかしく持って回ればむずかしいですが、厚生省自身がちゃんと定義をつけているんですよ、おたくの方で。いまの適用除外の中で、栄養成分が添加されていず、要するに強化ですね、強化したりビタミン添加されていず、天然に含まれている栄養成分について栄養の補給ができる旨の標示、これはそれをしても――いいですか、これは栄養改善法で言うところの強化食品の適用除外だと、こう言っているんでしょう。これは健康食品にならないんですか、これは法的根拠として、どうですか。薬事法にだってこれね関係ないですよ、楽じゃないんですから。元来は薬事法というのは薬を取り締まる法律なんで、食品を取り締まる法律でないんですからね。どうですか。そう思いませんか。おたくの出している通達そのものずばり、これこそ健康食品だというふうに私は理解しているんですが、いかがですか。
#50
○政府委員(大谷藤郎君) ただいまのところ、私どもといたしましては、栄養改善法の中の特殊栄養食品以外について新しいジャンルを設けるということは非常にむずかしいというふうに考えているわけでございます。
#51
○丸谷金保君 そうすると、いろいろなそこで問題が起こってくるわけです。皆さんがむずかしいむずかしいと言って逃げるものですから、大臣ね、よく聞いておいてください。たとえば薬事法では、いまこれ栄養改善法の方では天然のそういう栄養効果、こういうものを天然のものの標示は取り締まらないと、こういうことになっているわけなんです。しかし、今度は薬事法の方ではそういうことを標示してはいかぬということで事細かに、これは前回もやったんですが、事細かな規制をしていて、その中にはもうとてもじゃないけれども常識でははかり知れないようなものがあるんです。それから用量を書いちゃいけない。コンニャク二十五キロ食って死んだという人がいるんですよね。これは実例があるんです。だからやっぱり、これは非常に天然でいいものだけれども、まあこれっくらいにしておきなさいと書くことがどうして薬事法に触れるかと思うんですが、これは大臣どうでしょうね、これはもう常識と法律との乖離が非常に大きいところで問題が起きているんです。
#52
○政府委員(山崎圭君) 大変ボーダーラインといいますか、たびたび先生の御指摘がある点でございます。薬事法のもう何といいますか、目的はもういまさら申し上げるまでもございませんで、国民の保健衛生上、薬として認識されるものについての規制を行っていくわけでございますが、ただ現在の薬事法におきましては、一般人が通常どうしてもこれは医薬品だというふうに受け取られやすい、そういうものを目的的に定義づけておる、先生も御案内のとおりでございます。そういう意味で、いま御引例になりましたようなケースは、私は薬事法に触れるとは考えてはおりませんけれども、非常にむずかしいボーダーラインが幾つもございます。そういうことで、その法律の解釈といたしまして、医薬品に当たりそうなものについての解釈を統一するべく私どもとしては通達を出しておりまして、それはその持っております。その物体の、物質の成分なり本質を踏まえまして、場合によれば用法、用量が書いてございましたり、あるいはとりわけて効能、効果として薬効をうたうというようなことについては、一般人が医薬品として受け取られやすいと。そういうことになりますと薬事法の適用ということになってしまう。で、薬事法の適用になりますれば、当然のことながら医薬品としての承認が必要であると、こういう関係に相なってくるわけでございまして、これはただ先生御指摘のような、たとえばコンニャクの用量を決めたらいかぬと、これは私ども薬事法には入らないだろうと思っておりますが、ボーダーラインケースとしてはいろいろむずかしい微妙な点があることは御指摘のとおりだと思っております。
#53
○丸谷金保君 これはコンニャクが大変ある種のものにいいとしますか。しかし、二十五キロは多いですよと、一日これくらいにしなさいと書いたら薬事法に触れますね、業務局長。
#54
○政府委員(山崎圭君) コンニャクというものはやはり食品として長年私どもは常識的に受け取ってきたものでございますから、それについては私どもは薬事法に触れるものではないと考えております。
#55
○丸谷金保君 小豆はかっけに効くと、こういうのがありますわね。しかしそうかといって、ほかの物を何も食わぬで小豆を一俵ずつ食べたらいけませんよと、かっけに効くといっても一日の用量これくらいですよと書いたら薬事法に触れませんか、そうしたら。
#56
○政府委員(山崎圭君) そういう組み合わせでいろいろと御疑問が起こるわけでございまするけれども、通常の私どもの一般の食生活におきまして、食品の範囲として認められているいま御引例のようなものにつきましては、仮に効能、効果をうたいましたといたしましてもそれは薬事法に触れるかどうか、その辺は私どもは消極的に考えておるところでございます。
#57
○丸谷金保君 そこで、いろいろそういう点で問題がたくさん起きるから、やはり定義を決めて一定の、薬事法と食品衛生法、栄養改善法との狭間の健康食というふうな、こういま世間でどんどん出てきているものについての枠組みをしていくという協会できて、一年たってまだ定義も決まらないと、その間に問題がどんどん出ているんです。
 たとえばつい二、三日前の新聞でも健康茶の問題がこう出ております。「無許可で販売」と、これは許可要らないんですからね。「無許可で販売」という、これ新聞のこの題字のつけ方もおかしいんですが、これ健康茶、これは流石(さすが)茶と言うのですが、これには「健康茶待った」となっていますけれども、健康茶のいろんな薬効を書いた広告が問題になったんで、健康茶そのものは問題になっていないんですが、新聞に出ると「健康茶待った」と、こういうふうな形になるんです。で、これを調べてみました、実はこの問題どういうのかと。
 それで法務省来ておりますか。実はこの前から私は取り上げましたスイマグの問題であるとかそれからサンクロレラの問題であるとか、それから流石(さすが)茶も、流石(さすが)茶そのものがおかしいということでもって検挙されておりますね。ところが、全部不起訴になっているんです、それら。そしてだんだんそれを調べていくと全部四十六年業務局長通達というのが基礎で、これに基づいて摘発したと。しかし調べてみると、それほどでもないんで不起訴にしたと、こういうふうなことが非常に多いんです。
 これでもう時間ですからきょうはもうこれくらいにしておきますが、これは流石(さすが)茶の社長さんから電話で聞いたんです。警察も初めはインチキ葉茶と考えられて捜査を開始されたと。至極当然と思いますと。そして捜査が進み、服用者の回答が非常によかったのでしはうか、流石(さすが)茶は国民のためになると判断され、大いに売って社会に奉仕しなさいと、発売禁止どころか口コミで販売に協力までしてくれるようになりましたと。しかし、薬事法という法があり、法治国では法に従い、薬効は言わないように末端の販売業者まで徹底せよとのことでしたと。薬事法の矛盾点も了解してくださったようです。これは警察の方が調べてみたら、非常によく効くということで被害者が出ないものだから事件にならなかったという事案なんです。これらが、どうしてこれはもう薬事法でもっていつも問題にされなきゃならぬのかと。これは私の秘書が去年の六月から飲んでいて、いいんですよ、やっぱり。実際に使ってみて、痛みがとまったんです。レントゲンで見たら石が小さくなっていて、医者が首かしげているんですよ、どうしてだかわからぬと。このお茶ずっと飲んでいるんです。
 ところが、こういうものが、これがいいんだというふうなことで、薬効とか何とか絶対言ったら薬事法違反になると。しかし、健康というのはいわゆる薬事法で言うその薬だけでなくて、小豆がかっけに効くとか、コンニャクがどうだとかと、いろいろ天然自然のものの組み合わせの中であるわけですよ。これが欠けている、これに対する法律が。で、前から私はつくりなさい、何とかしましょう、協会ができた、一年たった、定義もまだ決まりません。聞くところによると、これは風間ですから確たる証拠もございませんけれども、厚生省から課長が出ていっていつも抑え込んでしまうような発言をするんで、どうも前に進むような議論にならなくて困ったというようなことも伝わってくるんです。大臣、どうかこれ早く、この協会せっかくできたんですから、進めるように馬力をかけていただけませんか。橋本さんのとき私は言ったんです、いまあなた張り切って、そして私と同じ意見だと言って一生懸命やってくれるけれども、そちらにいる業務局長笑っているじゃないかと、せせら笑っていると私言ったんです。どうせこんな大臣一年なんだから、いなくなりゃまたかわるわいと思われてますよと言いましたね、あなたの前の局長がな。そんなことないようにひとつしっかり量後に大臣の御返事もらいたいと思います。
#58
○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言の中で、ヨーロッパでどうだから、アメリカでどうだから使っておった。アメリカでとめたからとめた。こういうことは全く見識のないことでありまして、これはもう十分今後取り締まります。やはりアメリカの人の体質とそれから量、日本人の伝統、体質も違うわけでありますから、やっぱり学問的に日本は日本ということで、やはりおかしいものは使わせない、大丈夫ということになってから使わせる、こういう御発言は全くそのとおりでありまして、十三年前、私は厚生大臣のとき、御発言と同様の発言をしたことを覚えております。これは十分注意をいたします。
 なお、いまの健康食の問題でありますが、これもいろいろ問題多いわけでありますが、近ごろ化学的な薬品は薬害があるのでなかなか使わないで、自然の食品で体を治そうというのが非常に多くなっております。そこでこれにつけ込んで健康食品がたくさん出てきておりますが、インチキな健康食品は別でありますけれども、平素から使っている健康食品、これがいろいろ見てみますと、これは薬ではありませんからどうということありませんけれども、大体おなかのすいたときに飲まれた方が効き目がありますとか、あるいは余りたくさん食べられても弊害はありませんけれども、それには切りがありますというような注意書きが書いてあるのが薬事法違反ということではこれは何にもできない、こういうことになります。そこで、法律を新しくつくるということはよく検討しますが、いまの業務局長の何年か前の通達、これについては早速業務局長と私が相談をして、誤解を受けるような点は新しい通達に変更するようにいたします。
#59
○高杉廸忠君 私は厚生大臣の所信に対する質疑として、予算の大変貴重な時間、大臣においでをいただきました関係から、主として十全会の問題、しかもそれも医療をめぐる不正の疑いや財務調査報告の内容のこの二つにしぼりまして厚生大臣の所見を伺いたい、こういうふうに思うわけであります。
 なお、お断りを申し上げておきますが、私が昨年の十一月の二十七日に本委員会で問題の提起をいたしました。その後、ことしの一月の二十七日十全会グループに対する行政措置が講ぜられております。確認でありますが、この行政措置の医療法人の運営の適正化等についての勧告について、まず大臣から確認の意味なんですが、お答えをいただき、所見を伺いたいと思っております。
#60
○国務大臣(園田直君) 十全会の問題は、御承知のごとく相当長い間いろいろうわさされながら何ともできなかった問題でございます。これを皆様初め、お力添えによってようやくこれに対する一つの対応をやったのが今回でありまして、京都府とも相談の上、勧告を出し、これをのむようにいまやっているところでありますが、しかし、これで終わったとは考えておりません。なおいろいろな問題や逐次医療法の核心に触れる問題が、あるいは保険の不正に対する問題等も出てくるというような感じがいたしますので、保険局、医務局にはその点十分注意をして、これを監視をし、いささかも緩めるなど、こう言っているところでございます。
 勧告その他の経過については政府委員からお答えをいたします。
#61
○政府委員(山本純男君) ただいま大臣から申し上げました京都府からの医療法人に対します勧告の内容を簡単に申し上げます。
 第一点は、「病院の運営の適正化について」でございまして、五十五年十二月一日及び二日に実施した医療監視の結果に基づきまして幾つかの改善事項を指摘し、その改善の実施方を勧告いたしました。
 医師及び看護婦の不足の解消を計画的に図ること。
 非常勤医師の占める割合が高いので、常勤化を計画的に図ること。
 初診時の精神症状に照らして、保護義務者の同意を必要と認められるものがあるので、点検精査した上で必要なものについては、同意書を徴収すること。
 精神病床に精神障害以外の症状を主とする患者を入院させていたが、患者の症状に応じた適正な病床に収容すること。
 ピネル病院におけるエックス線防護設備を整備すること。
 次に、医療法人の財務の運営の適正化についても勧告をいたしております。
  (1)医療法第六十八条において準用する民法第五十七条の規定に違反した無権代理行為による契約については、直ちに赤木孝から売買代金の返還を求めること。
  (2)国土利用計画法違反に係る土地取得において、多額の契約が長期にわたる返還期間で簡単に解消されているが、速やかに当該法人に売買代金に利息を付して返還させること。
  (3)法人の剰余金は、安全、確実に内部留保するとともに、施設、設備の改善、増員等医療サービスの向上等に適正に使用すること。
  (4)医療法人の不動産を関連会社の事務所等に使用させることなく、当該法人の定款に定める業務遂行のため使用すること。
 その他といたしまして医療法人の役員の刷新等でございますが、
  (1)社会的に種々の批判を受けていることを反省し、この際、信頼を回復するため、両法人の理事長は、その職を退くこと。
  (2)赤木理事長の親族及び姻族は、理事及び監事の職を退くこと。
  (3)両法人とも、定款変更を行い、社員理事以外の学識経験理事一名を置くこととし、京都府医師会の推薦する者を当てること。
  (4)両法人とも、監事二名のうち、一名は、府の推薦する税理士をもって当てること。
  (5)関連会社等の株の取得については、両法人の資金が流用されているという疑惑をもたれているので、当該株について、可及的速やかに処分を行うこと。
  (6)医療法人と関連会社との関係は、社会通念に照らし、適正な取引関係を確立すること。
 以上の内容でございます。
#62
○委員長(片山甚市君) ただいま緊急な打ち合わせができましたので、理事会を聞かしていただくために若干休憩さしていただきます。
   午前十一時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午前十一時四十六分開会
#63
○委員長(片山甚市君) これより委員会を再開いたします。
#64
○高杉廸忠君 ただいま休憩前に引き続きまして、厚生大臣に引き続き御質問をいたしたいと思います。
 私は、去る三月の十一日に片山先生と十全会に行ってまいりましたし、その際十全会の新理事長の皆さんとの若干の意見の交換もいたしてまいりました。これらに関しまして見解だとか意見、いろいろありますけれども、後日時間をかけて論議をしていただきたいと、こういうふうに思いますが、実はいま勧告の内容について確認をいたしまして、昨年私が提起してからいろいろな新聞、テレビ、週刊誌などで皆さんから報道もいただいているわけであります。私どもの方でもその後も調査をいたしまして、その結果、これはどうしてもほうっておけないなと、こういうような問題も出てまいりました。そこで私は、きょうは時間的な制約がありますから、二つの問題について御質問をしお答えをいただきたいと、こういうふうに思っております。
 第一は、十全会双岡病院で感じたのですが、どうも准看護士あるいは看護助手さんおられるんですが、登録の関係と実際に働いている場所との関係でどうも実態としては、こういう表現がいいかどうか、幽霊看護士、幽霊看護助手とこういうふうに言われる節もあるように伺うわけであります。双岡病院の事務所に、事務長とそれから同補佐と呼ばれる方々がいらっしゃるわけなんですが、これは若い事務員の方に資格をとらせまして、詰め所の中では看護士になっているわけであります。しかし実際は事務のベテランで、薬品とか食品とか、対福祉、売店、そういうようなところで仕事をしているわけでありますが、ところがそれがタイムスリーブの中に入っているわけであります。そういう実態でありますが、監視の際に、こういう登録の調査、監査、こういうものはどういうことをおやりになったのか、これが第一であります。
 また、同スリーブに看護補助として事務員までが入っている、こういうような状態なんですが、調べてみますと、これはけさの毎日新聞でも大分出ているわけであります。そこで同病院の会計の、ここにも新聞にも出ておりますように、Aさんとしておきますが、どうやら登録は東山サナトリウムのようであります。Bさんは双岡で登録をされているようであり、この両方の、AさんBさんの住所もわかっているようでありますが、これは三病院とも共通で、こういう登録と実際の仕事という関係ではどうも違いがあるんではないかという疑いがあります。
 そこで、第二点目として伺うんですが、双岡、東山サナトリウムの看護婦さんの充足ですね、これは勧告をする以前、勧告をして今日まで、こう二つに分けます。この充足については、これはどういう現時点の充足率になっていますか。これは第二の御質問でありますが。
 少ない看護婦さんの中にはこういう部分が少しあるんではないだろうかというふうに疑うわけでありますが、第三点として、実態として現時点ではどういうように把握をされておりますか、お答えをいただきたいと思うんです。
#65
○政府委員(山本純男君) 第一点の、名目上置かれている職員が実際には働いている状況とは違うのではないかという御指摘でございますが、昨年の十二月一日、二日にかけまして両法人の三つの病院に対しまして京都府、京都市合同で医療監視を行ったわけでございますが、その際には御指摘のような疑念が持たれておったことを京都府、市当局も十分自覚をいたしまして、日にちを離して別々に行うということではなく――一日ではでき切らないほどの膨大な事務であったのでございますが、日にちを詰めまして、ほぼ同時実施と言えるような態勢で監視をいたしまして、その際具体的に有資格者であるかどうかにつきましては免許証を確認し、また実際の勤務状況につきましては、出勤簿に当たってこれを調査するということでいたしたというふうに報告を受けておりますので、御疑問のような点については、私どもは一応疑念は晴れたというふうに報告を受け、了解しているものでございます。
 第二点の看護婦の充足状況についてでございますが、いま申し上げました十二月一日、二日の医療監視の結果、看護婦について調査結果が出まして、それについて改善が指示された状況を申し上げますと、十二月一日、二日現在におきまして看護婦の法定必要数は、百九十五人東山サナトリウム、二百八十四人京都双岡病院、八十三人ピネル病院ということでございますのに対して、実人員は東山百七十六人、双岡二百四十二人、ピネル六十五人、こういう状況でございまして、不足人員がそれぞれ十九、四十二、十八名ということなっておりました。これにつきましては、先ほども申し上げました京都府からの勧告の中で、五十六年十二月までに看護婦につきましては計画的な充足を図るようにということを指示いたしました結果、五十六年二月二十一円付をもちまして、五十六年十二月までに計画的に充足するという改善計画が府の方に提出されてきた段階でございます。そういう状況でございますので、いま現在これが何名増加したかはまだ報告を受けておりませんが、この十二月までに計面的に充足するという計画が今後誠実に履行されていくことにつきましては、随時京都府の方あるいは京都市の方から必要な調査等をいたしまして、その計画が履行されていく状況をフォローさせていきたいというふうに考えております。
 それから第三点の現状につきましては、いま現在、一番最近の時点の報告を受けておりませんが、計画が動き出しました状況は、逐次私どもで把握してまいりたいと考えております。
#66
○高杉廸忠君 私がいま指摘をいたしました、仮名でありますがAさんBさんとこうなっておりましたが、指摘したようにこういう事実であれば、これは一種の二重登録の疑いや適正を欠く行為であると思うのです。したがって、これについても大臣、今後こういうことも含めて厳正に調査を進めていっていただく、こういうことで、大臣お約束いただけますでしょうか。
#67
○国務大臣(園田直君) 経過その他については政府委員からいま報告いたしましたが、ただ一つ違うところは、私は疑念が晴れてはおりません。やはり看護婦、補助看護婦、お医者さん、そういうものが三病院のたらい回しをしておるのか、外部から二重登録で持ってきているのか。
 それからもう一つは、医療法で資格のない者が、いろいろなことをやっているという疑いはいまなお持っているわけでありまして、逐次いろいろな方面から御意見も承りまするし、先般委員長初め皆さんが視察に行かれた結果等も承りまして、今後とも厳正にこれを監視をし、改善をするよう全力を挙げることは、はっきりここで申し上げておきます。
#68
○高杉廸忠君 では、次に具体的にまた伺いますが、医療従事者の身分資格制度の中にメディカルセクレタリーという、医療秘書というような表現を用いておりますが、こういうのがありますかどうか、これをまず確認の意味でお尋ねをするんですが。
#69
○政府委員(山本純男君) 十全会病院に関しまして京都府から報告を受けておるところをまず申し上げますと、三病院に合わせて約五十名のメディカルセクレタリーと呼ばれる人員が置かれております。これらの職員は医師の指示を受けまして、患者の入退院時における手続事務、年金等について患者家族の相談に応ずる、食せんの返納、診療報酬請求事務などを行っているというふうに報告を受け取っておるところでございます。
 このような職員が私どもの関係で法規に照らしたものであるかどうかにつきましては、そういう制度はございませんけれども、やはり事務的な立場から必要な業務の補佐をする職員というものは、名前はいろいろかと存じますが、いずれの病院でも置かれているというふうに理解しております。それと同時に、このような者につきましては、法令上担当できます業務というものはきちんと制約があるわけでございますから、法令ののりを越えて業務に携わるということがいやしくもないよう、都道府県等を通じて十分指導しなければならないものと考えております。
#70
○高杉廸忠君 十全会について私はお尋ねしたのじゃないんですが、一般的に現行法制度上そういう身分資格制度はない、こういうことで、ひとつ確認ですが。そういうことであれば、たとえば病院内部のこれは私設制度として、仮にそういうメディカルセクレタリーという制度があったとしても、メディカルセクレタリーそのものは医療並びに医療類似行為はできないと、こういうふうに解していいんでしょう。
#71
○政府委員(山本純男君) 仰せのとおりでございまして、医師法を初めといたします身分法におきまして、ある業務ができるにはある資格が必要であるということが決められておる問題につきましては、そういう資格を持たない者は携わることができないものでございます。
#72
○高杉廸忠君 いまお答えいただいたように、医療及び医療類似行為はできないと。私どもの調べたところによりますと、先ほどお答えいただいたように、五十数人の人が現実に十全会にはいらっしゃるわけで、現にこの新聞でも指摘されているように、血圧の測定、検尿、機能訓練などをやっておられる疑いがありますし、それから、指摘をしているように、その人たちの給与の明細書の中には血圧の測定、検尿、機能訓練手当、こういうものが入っているようであります。そうしますと、メディカルセクレタリーの勤務として、しかも入院患者の病歴管理までをこの人たちがどうもやっているような節であります。そこで、メディカルセクレタリーの方々が患者さん方の病歴管理をして、この人は胃潰瘍の病歴があるから胃の透視をしなさいと、こういうようなことをエックス線の方に回しているという、こういう事実関係もあるようであります。これは、いま現行法制度の中できちんとした位置づけも、お答えいただいたように、医療並びに医療類似行為というのはできない方が現にやっているというふうになりますと、またしかも、いま私が申し上げましたように、胃潰瘍だからエックス線に行きなさいと言うこと自体が、これは一種の診断の行為であるというふうに私は考えているんですが、そういうように考えてよろしいでしょうか。
#73
○政府委員(山本純男君) 御指摘の点がございましたので、京都府を通じましてとりあえず私どもが照会をいたしましたところでは、このメディカルセクレタリーという職名を持った職員が御指摘のようなことにかかわっていることは事実のようでございますが、法令に違反するような形で携わってはいないという、一応の報告を受けております。
 具体的な例で申し上げますと、血液検査の関係ではカルテへの名前の記載、丸印をつけるチェックといったようなことを行っていることはあるようでございますが、これは医師の指示のもとに行ったものであり、かつ医師が内容を確認しているとのことでございます。また、血圧測定につきましては看護婦が行っておるということでございます。その他、検査に際します患者の衣服の着脱の手伝いをさせることはあるということでございますが、その際機器に触れるということはませていない。また、病衣の交換は看護婦の指示のもとに行っている。また、血圧測定手当等、御指摘の手当は現在支給していない、そういう報告をとりあえず受けておりますが、先生の御指摘もございますので、京都府当局とも連携をとりながら、また先ほど申し上げましたように、改善計画の実施状況をフォローしてまいる過程の中でも十分留意をいたしたいと考えております。
#74
○高杉廸忠君 京都府との御連絡で確認をしたようでありますが、私の方の調査なり聞くところによりますと、いま言ったようなことが行われているように思われるわけでありますから、これが事実であれば大変なことだと思うわけであります。
 そこで大臣、こういう非常にまだ解明をされない点もあるようでありますから、この際、大臣からこういう点についても調査と措置をきちっと、やはり大臣としてお約束をいただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#75
○国務大臣(園田直君) 私もそのように考えますので、すでに保険局、医務局には具体的に指示をしたところでございますが、今後とも監視は続けてまいります。
#76
○高杉廸忠君 いま申し上げました点は、十全会三病院に共通のような感じがいたしますから、これもあわせて申し添えておきたいと思います。
 時間の関係で次に質問をさしていただきたいと思いますが、十全会の株式投機資金捻出方法と、財務調査報告の解明についてであります。先ほどの改善勧告の中でも触れられておりますように、株式投機資金に使われた建設仮勘定について、この際私は特にただしたいと思うんですが、十全会の医療法四十二条の違反は、系列会社の株式投機への資金の大部分が二つの医療法人から出ていたことが厚生省の解明で明らかになったと思うんです。改善勧告でも、それは建設仮勘定という会計処理の方法を使って資金の捻出をしたことを認めていると思うんです。そのような方法は、決算報告によればこれは五十三年以降あらわれてきていると思うんですが、厚生省もそういうように認識をされ、理解をされているのか、この点をまず確認をいたしたいと思います。
#77
○政府委員(山本純男君) 御指摘のように、そういう財務手続の過程の中から医療法人としてふさわしくない、適切でないような取引の状況がうかがわれたことは事実でございまして、またその結果、関連法人その他の株式取得その他の活動にその資金が流用された結果になったのではないかという疑いを京都府当局が強く持ったわけでございまして、私どももまた、同様の立場から指導に当たってきたものでございます。
#78
○高杉廸忠君 国土庁に伺うんですが、国土庁が国土利用計画法上問題があると。それから京都府及び京都市から報告を受けた取引というものは、これは何件ありますか。それをまず確認をしたいと思いますし、それから、その売買当事者はだれで、金額はどの程度でありますか。この三点。
#79
○説明員(小笠原正男君) 十全会グループが行いました土地取引の中で、国土利用計画法第二十三条の届け出義務に違反して行われました取引は、全部で五件、約三・四ヘクタールでございますが、これ、五件の内訳をちょっと申し上げておきますと、一つは、売り主が関西殖産、買い主が医療法人十全会精神科京都双岡病院のもの。それから二番目に、売り主が赤木孝、買い主が同じく双岡病院のもの。それから第三、売り主が関西殖産で、買い主が同じく京都双岡病院のもの。それから第四番目に、売り主が赤木孝、買い主が医療法人十全会のもの。それから第五番目が、売り主が関西殖産株式会社、買い主が医療法人十全会のものという五件でございます。この五件のうち、三番目に申し上げました件が舞鶴市内、あとの四件は全部京都市内の土地でございます。
 全体の面積三・四ヘクタールほどでございますが、この全体の契約書をにらんでみますと、契約の総額は四十九億九千万ほどになっておりますが、この中には国土法の事前届け出対象外の土地なども含まれた一括契約になっているという点もございますので、こういうものを除きまして国土法関係の取引総額は四十二億三千八百万というふうに報告を受けております。
 なお、そのうちには、十全会の主張によれば、この中には引き渡すまでの造成費が含まれておると。したがって純粋の土地総額は二十五億円であるという主張をしているところでございます。
#80
○高杉廸忠君 いま御報告いただいたのは、私も資料としていただいております国土庁土地局の五十六年一月三十日の資料、これですね。このうち京都市山科区日ノ岡一切経谷町の土地ですね、これはこの資料によりますと契約は五十三年九月三十日となっていますが、これに相違ないかどうか、これを確認ですね。
 それからまた、今回国土利用計画法違反ということが指摘をされて、その契約を解除して内金を返済することになっている。その金額はどの程度になっていますか、この二点確認をしたいと思います。
#81
○説明員(小笠原正男君) 私どもの京都府、京都市から受けました報告によりますれば、一切経谷の土地の契約は五十三年九月三十日という報告を受けておりますが、その前に何か売買の予約のようなことがあったようなことも聞いております。
 なお、返済すべき金額等については、必ずしも今日の時点で明らかにされておりません。
#82
○高杉廸忠君 これは国土庁さん、私が登記謄本とってみたんですね。調べてみましたら、関西殖産から十全会が、その土地について売買の予約をしたのは五十一年八月七日になっているんです。資料では五十三年九月三十日と、こう食い違いがあるわけですね。この点がひとつ、どうお考えになっているか。
 で、この土地の契約日が五十三年九月三十日というものは、これは存在してないんですね、謄本土は。そこで、これは一緒に売買予約をしたと思われる三件も同様ではないだろうかと、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#83
○説明員(小笠原正男君) 契約書と登記簿の仮登記の面と必ずしも一致していない面がございまして、私どもも究明に苦労しておるところでございますが、五十一年八月七日にかなりの売買予約が行われたという事実はあるようでございます。ただし、その後売買予約が取り消されまして、それで別の買い主の方に改めて売られたというようなものもございます。
#84
○高杉廸忠君 これは大蔵省になりますか、あるいは三省の関係で厚生省になりますか、ちょっと確認をしたいんですが、いま国土庁からのお話があった、その土地の売買予約に伴って支払われる今回の解除に基づき返還される、私の方では十二億九千四百八十万円とこうなるわけですが、医療法人十全会の何年度の決算に計上されているのか、正確に把握されているのかどうか、これをまず伺いたい。
#85
○政府委員(山本純男君) 五十四年度末の財務表に載っているということでございます。
#86
○高杉廸忠君 同様なことが、国土庁の資料にもあります京都市山科区御陵の土地についても見られるところなんですね。契約日は五十三年八月三十一日となっており、買い主は十全会双岡病院となっている。当初は、医療法人十全会に五十一年八月七日に売買予約をしているものである。その際支払われた資金も、決算報告の中で何年度に計上されているのか不明確なんですね。これはどういうように調査をされた結果、正確に把握されているかどうか、もう一度確認をいたしたいと思います。これは厚生省になりますか。
#87
○政府委員(山本純男君) 昭和五十一年度中の代金支払い額は一億円である。また、これを貸付金勘定で処理をしたのは、正式な売買契約の締結に至らなかったためであるということを私どもは理解しております。
#88
○高杉廸忠君 私は、いま厚生省からの御回答がありましたが、国土庁の方にも確認をしたいと思うんですが、国土庁が把握しております京都府あるいは京都市の報告ですね、これは医療法人側からの報告で、言ってみればいまのようなずれがあって、しかも報告をされたものをそのまま資料として出しておられるような、私はそういう推測をするわけです。こういうことでありますと、系列会社を使ってすでに五十一年から宝酒造及び京都銀行の株式投機が始まっていると私どもは聞いているわけなんですね。厚生省がいま把握をされました点の財務調査と資金捻出のための不動産の売買予約、そういった点で私は大臣、まだ解明されてない点が多々あるんではないだろうかと、こういうように思うんです。そういう点について、いま私も実際登記謄本をとってその間の事情をつぶさに調べましたが、ただいまのような疑念も含めて私は持っているものですから、念のためもう一度確かめて私は資料で明らかにしていただきたい、こういうように思うんです。大臣、いかがでしょう。
#89
○政府委員(山本純男君) 御指摘のとおり私どもは、十全会の財務のあり方というものについて京都府を通じていろいろ調査をお願いいたしまして、京都府の衛生部におきましては、衛生関係の法令の定めます権限の範囲内で両法人から報告を求め、それに基づいた判断を私どもに報告してきたわけでございまして、これがそういう企業間の取引の実態を確実、正確に反映したものかどうかという点につきましては、いま申し上げました京都府としての本件についての調査の権限の制約もございますので、私どもは、京都府からの報告を一応正確なものとして受け取ったわけでございます。ただ、京都府が勧告をいたしましたことしの一月の時点におきましては、十全会関係両法人と関連会社なり赤木孝との間の財務上のそういう取引関係その他は、一応その時点としてはきちんと把握されたものと私どもは考えておりまして、それにつきまして解消すべき契約を解消し、それに伴いまして返済すべき金額、さらにはそれについての利息その他について京都府から厳重な指導をいたしたということでございまして、これは今後ことしに、これから逐次支払い、弁済ということが実施されていくということで理解しております。
#90
○高杉廸忠君 国税庁の方にこの際確認をしたいと思ってお尋ねをするわけですが、いまお聞きをしているように、建設仮勘定という会計処理の方法、こういうのをやっているわけですね。十全会については六十億円を超えるような資金捻出のために建設仮勘定というものが利用されている実態なんですが、これは税法上の課税面ではどういうふうな取り扱いになるのか、土地の売買に通常そういったような会計処理がこれは認められているのかどうか、国税庁の方ではどういうふうに御見解を持っておられるのか。
#91
○説明員(冨尾一郎君) 建設仮勘定につきましては、確かに企業会計上または税務上そのような扱いが――そのようなといいますか、多年にわたる工事等に伴って、建設をしていく過程で支出をした金額を、建設仮勘定として処理をするということは現実に行われているわけでございまして、そのこと自体は私どもとして、特に税法上から見てどうこうと申し上げることはできませんが、先生の御質問の趣旨がそのように建設仮勘定という形で、結果的に相手方に対して貸付金的な結果になっている場合の税務処理はいかがかという御質問だということにしてお答えをさしていただきたいと思います。
 税法上は、無利息で金銭の貸し付けまたは提供を受けた場合には、その場合、通常の利率で計算をした利息相当額が経済的利益ということで課税の対象になるという扱いをしているところでございます。
#92
○高杉廸忠君 時間が大体来たようでありますから、最後に、大臣に私の方は再度お願いをし、確認をいたしたいと思うんです。
 大臣もお聞きのように、医療法人の決算報告を受けている、直接的には京都府あるいは厚生省、こういったところでこの資金のからくりですね、私はまだ解明されてないと、こういうふうに思うんです。そこで大臣も先般の本委員会における所信表明の際に、特に第三点として、医療の推進に当たっては、「医療に対する信頼が回復され、今後、昨年のような事件が二度と起こらないよう、さらに効果的な対策を講じてまいりたい」と、こういうようなお考えをお述べになりました。私も大変力強く感じているわけであります。したがって、いま私が幾つかの指摘をいたしました。まだ解明をされてない、あるいはまた改善を要するところも多々あるわけであります。大臣の最後に御決意を承りまして質問を終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(園田直君) 先般、私の方針を申し上げた方針にいまも変わりはございません。
 数々の御指摘をいただきましたが、そういう改善すべきもの、疑惑があるもの、あるいはなおいろいろなことが出てくるもの、こういうことについては二度と再びこういう事件が起きないという方針のもとに、全力を挙げてこれを改正をし、改善をしてまいります。
#94
○小平芳平君 大臣の所信に対する質問の前に、一点だけお尋ねしておきたいのですが、スモン問題につきまして、厚生大臣が昨年は年内解決ということを目指して大変御努力なさったと伺っておりますが、どういう結論になりましたか、お尋ねしたい。
#95
○国務大臣(園田直君) この経過については、詳細御承知のとおりでありますが、年度内に片づけたいと思って全力を挙げたわけでありますが、残念ながら被害者、三社の調停はできませんでした。しかし、その後もこれに続いて努力をいたしておるところでございます。
#96
○小平芳平君 じゃ、もう少し具体的にお尋ねしますが、例の投薬証明のない方、この投薬証明のないという――具体的にはいろいろなケースがあるわけでありますが、その投薬証明のない方がいまだに救済されてないと、それで補償もされてないわけですが、最終的に除外されるんじゃないか、救済されないで終わっちゃうんじゃないかということを恐れているわけであります。で、投薬証明がはっきりしている人は救済を受けられますが、投薬証明がないといってもスモンであるという鑑定を受けられた方、あるいはお医者さんが明らかにキノホルムを使用しましたということをおっしゃっているんですが、カルテそのものがもう破棄されて、ないというようないろいろなケースがあるわけですが、そういう方も最終的には救済されるということになりますか。
#97
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。
 事実経過につきましては、先生も十分御案内のとおりでありますが、基本的に会社側三社は、昨年の三月の東京地裁所見を十一月の時点におきまして受諾したと、かようなことでございまして、ただこの具体的な和解が実現するためには、裁判所におきまして協議さるべき問題が残っておると、こういう状況にあるということでございまそういうことも踏まえまして考えまするに、御心配のように三社もすでにそういういわゆる投薬証明書のない患者につきましても、和解によって問題救済を図っていくと、こういうことにつきましては一致したところでございますので、そういうキノホルム剤の不特定なスモン患者の方々の切り捨てというようなことはないと、かように私どもは考えておるわけであります。
#98
○小平芳平君 法務省の方に伺いますが、民法の共同不法行為によりまして、これを法的根拠として救済されるということになりますか。
#99
○説明員(鎌田泰輝君) 共同不法行為に関します民法の規定は七百十九条にあるわけでございますが、この点につきまして、その先生御指摘の投薬証明書がない患者さん、まあブランドが特定できない患者さんにつきましての個別具体的な関係で、この共同不法行為が成立するかどうかという問題につきましては、これは学説上も若干の異論がありまして、まあ認めているものもございますが、判例は現在のところない状態でございます。ただ、昨年の三月の七日に、東京地方裁判所が示しました所見、これがあるわけでございますが、これによりますと、まあそのような場合には、どうも共同不法行為の趣旨を考えて処理をすべきではないかというふうな意向のように思えるわけでございます。それで私どもの方もこれを受諾いたしまして、その線に沿って対処しているところでございます。
#100
○小平芳平君 法務省に伺いますが、まあ具体的なケースを、こういうケースが七百十九条に該当するかどうかということは非常にむずかしい問題だと思いますが、まあ素人でよくわかりませんが、ただスモンの問題そのものがもう長年かかっております。で、国としても厚生省、法務省ともに長年もうこの事件にかかわってきておるわけでございますから、したがって、いま一番心配をしている、つまり投薬証明がない、つまり商品名がはっきりしない、確かに服用はした、しかし商品名がはっきりしないという、そういう万が最終的には全部救済されるというふうに理解してよろしいですか。
#101
○説明員(鎌田泰輝君) 私どもといたしましては、従来厚生省の方で当委員会等で御説明になっておりますように、そういう方々も同様な形で救済を受けられるべきであるというふうに考えております。
 それでまた先ほども業務局長からお話がございましたように、昨年の十一月七日に製薬三社が先ほどの東京地方裁判所の所見を受け入れまして、それに沿って協議したいという態度を示してまいりました。これは非常に価値があるものであろうと思いますので、これにのっとりまして全部解決できるつもりで進んでまいっているところでございます。
#102
○小平芳平君 厚生省に伺いますが、鑑定ですね、この鑑定は近ごろ精力的に行われておりますかどうか、鑑定の最近の状況はいかがでしょう。
#103
○政府委員(山崎圭君) 結論から申しまして、順調に行われていると理解しております。
 現在、提訴患者の数としまして五千九百八十九名、ほぼ六千名に近い患者さん方が提訴をされておるわけでございますが、そのうち四千六百八十二名の方々につきまして、裁判所から依頼を受けた鑑定人団による鑑定の報告が出ておるわけであります。そういう形では、ほぼ千三百人ぐらいの方々の鑑定の方がまだであるという御認識をいただくかもしれませんけれども、つい最近の提訴の方もございますし、それから鑑定のための必要な資料が鑑定人団に届いていないというような事情の方もあるようでございまして、そういうことでございますが、そういう方が一千名を超えるぐらいの方があるんでございますが、そういう方の状況を考えますと、それ以外の方についての鑑定は順調に進んでいると私どもは考えておるわけでございます。
#104
○小平芳平君 投薬証明を出しなさいということは鑑定には必要のないことであって、その辺が医学的な判断でしょうが、医学的に判断する場合に、キノホルムを飲んだかどうかを調べる必要があるという場合はありましょうけれども、鑑定するためにとこの商品を使用したかを追求しなければならないということはないわけですね。
#105
○政府委員(山崎圭君) 鑑定のお医者さん方がスモンであるかどうかの御判断をいただく場合に、お医者さんの診断書でございますとかあるいは当時のカルテでございますとか、そういうものがございますればそれが一番的確にスモンであるということの鑑定が可能になるわけでございます。そういう意味におきまして、できる限りそういう、鑑定資料と一括して呼んでおりまするが、そういうものを出していただくということになっているはずでございます。その中で、仮にいろいろな事情でそういう資料が整わないというケースにつきましては、これはお医者様の良識といいますか、それこそ専門的なお立場で、現在のその患者さんの現症状なり何なりからスモンであるかどうかの御判断をいただくと、こういうことだろうと思うわけであります。ただ問題は、結局スモンというものはキノホルム剤、どこの商品であるかは別にいたしまして、キノホルム剤を飲んでスモンになったということが一つの大きな前提であろうかと思うわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、鑑定人団に対しましては、そういう関係の資料が整えられていれば一番スムーズに鑑定が出る、こういう関係になっていると、かように承知しておるわけであります。
#106
○小平芳平君 ですから、私が言った趣旨で大体よろしいですか、要するに、キノホルム剤を服用したという事実がはっきりすれば。商品名がどうかということを鑑定人が調べているわけじゃないですね。
#107
○政府委員(山崎圭君) 繰り返すようでございますが、鑑定人の先生はキノホルム剤によってスモンになったということの鑑定をなさればいいわけでございまして、たとえばチバの薬を飲んでスモンになったとか、田辺の薬でスモンになったとか、そこまでは鑑定人団の職務ではないと、かように存じております。
#108
○小平芳平君 厚生大臣、年内解決を目指したが、ついに不調に終わったというふうにさっきおっしゃったですが、問題は投薬証明のない方でありますね。それで、いろいろなケースがあるわけですが、たとえば五十歳の男性の方としておきますが、この五十歳の男性の方は、ある病院で治療を受けてスモンになった。そこで投薬証明を欲しいと言ったんですが、病院側ではカルテが、昭和四十四年のカルテだそうですが、これは全部倉庫にある、だからこれは倉庫で捜しなさい、自分で捜しなさいと言われて、まあ何日がかりで倉庫に入ってカルテを一枚一枚調べていった。調べていって、ついに自分のカルテを発見したんです。そこで、すぐこれをコピーするなり投薬証明にしてもらうなりということを考えたわけです、せっかく捜したんですから。とたんにお医者さんに取り上げられちゃった。カルテというものは外へ出すものでもないし、コピーするものでもないと言ってお医者さんが取り上げてしまって、そのままになっているわけですね。で、この投薬証明のない者を救済してほしいというふうに厚生省にも何回も行動をしておられますがね。その中にこういう方がいらっしゃるわけです。こういう方は結局救済されるということがはっきり言えますね。
#109
○政府委員(山崎圭君) いまの具体的な例につきましては、私初めて承知したことなんでございますが、先ほども申しましたように、投薬証明書のない患者につきましても東京地裁の所見にのっとりまして最終的には救済さるべきであるし、救済するということで私どもは考えておるわけでございます。
#110
○小平芳平君 もう一人ですね、これは四十歳の女性の人としておきますが、この方も四十四年に発病した、下腹部からしびれてきた、当時妊娠中だったが中絶をしたと。そこで、四十四年のことでカルテは破棄してしまったと。しかし、投薬証明を欲しいと要請するわけですが、お医者さんも、あなたのことはきわめて記憶が生々しい、下腹部がしびれたり、妊娠中絶をしたり、そういうことがあったから記憶が生々しいと、二グラムとか三グラムくらいを七カ月くらい投薬し続けたということをいつでも証人にもなってあげましょうと、こう言ってくださるんですが、遺憾ながら投薬証明というそれがないわけですね。それで、やっぱり厚生省前へ何回も何回も行動をとっておられるわけです。それで、投薬証明のない者も同じように救済してほしいということを訴えていらっしゃるわけですが、こういう方も救済されるわけでしょう。
#111
○政府委員(山崎圭君) いわゆる投薬証明書がないということについて、裁判所においてもそうでございますが、私どもも同じ考えなんですが、本当の紙ですね、投薬証明書がないという姿だけで別に理解をしているわけではないわけでございます。いままさしくおっしゃいましたお医者さんの記憶が、十分裁判所の心証においてこれは大丈夫であるといいますか、その記憶が正しいものであると、こういう心証さえ形成されますならば、これは十分いままでもそういうケースについては和解が成立してきたケースが幾らもあると私どもは考えております。そういうことで、お医者さんの記憶による推定的な投薬証明書でもそれは十分受け入れられているといいますか、和解が成立しているケースが幾らもあるわけです。そういうことで、全くないといいますか、全く立証ができないというケースは全国的にはさほど多くないと私ども思っておりまして、言葉はちょっと不通当かもしれませんが、そういう灰色的な、推定的なものも含めまして、お医者さんの記憶なども含めまして、灰色の部分の方々につきましては、いわゆる東京地裁の例で申しますれば、所見の第一項というあの考え方に示されたところで、すでに過去二回にわたりまして百十九例と六十何例でしたか和解が成立していると、そういうボーダーラインケースにつきましても和解が成立していると、こういうことでございます。
#112
○小平芳平君 私もそういうふうに説明されれば理解できますし、また、いま名前を挙げませんけれど、この該当する方も安心なさると思うんですね。ところがともすると、投薬証明書という、どういう見出しでどんなことが書いてあるか知りませんけれど、その一枚の紙切れだけを探し求めて何百人の人が残っておりますね、いま。何百人の人が探し求めているということ。それから、先ほど法務省で説明をしてくださった民法の七百十九条一項後段、この民法の適用があるためにはそういうふうに努力が必要だというようなことも言われているわけですがね。しかし、努力をいとうわけではないけれども、終着点においてどうなるかということを心配しているわけですね。
#113
○政府委員(山崎圭君) 東京地方裁判所のお考えも、先ほど法務省の課長が御説明申し上げましたようなことで、民法七百十九条の趣旨を踏まえたものではなかろうかということだと思います。そこで、結局そのためには立証の問題は当然必要になってくるわけでございますが、まさしく東京地方裁判所のお考えというのは、私が先ほど申しました灰色の部分の方々をできるだけ早く和解の成立に持っていくと、こういうようなことでブランドの不明な方々を減らしていきたいと、こういうお気持ちがやはり出ているのではないかと、こういう考え、受け取り方を私どもはしておるわけでございます。そういう意味で、しかし最後にぎりぎり残った方々、あらゆる努力をされましても立証が、手段がないと、こういう方々につきましては、あの東京地方裁判所のお考えもそうでありますように、救済さるべきものだと、かように考えておりますし、私どももそういうことで切り捨てというようなことはあり得ないと、かように考えておるわけでございます。
#114
○小平芳平君 大臣ひとつはっきり意思表明なさっていただきたいんですが、先ほどおっしゃったことは、努力したけれどもとうとう不調に終わったとおっしゃったですか、何かきわめて被害者にとっては絶望のふちに突き落とされたみたいに感じますね、あれだけのお話だと。実はそれだけじゃないんだと、これこれこういうものがあるんだということを説明していただきたいんですが。
#115
○国務大臣(園田直君) 私の言葉も不適当だったと思いますが、不調に終わったというのではなくて、解決に至らなかったと、したがっていまなお努力をしておりますと、ことしになってからも三社と会ったりいろいろやっております。いま例を挙げられましたが、いま例を挙げられた方々の問題は、私は決してむずかしい問題ではないと考えております。どうしても解決しない問題は、この一般のものは解決しているわけで、投薬証明書のない方に対する問題が問題になっておるわけであります。その投薬証明書のない方というのは何にもない、証人もいない、そういう事実の手がかりもつかめない、しかもどこの会社のやつ飲んだかわからぬと、そうすれば、どこの会社のを飲んだかわからぬということについては業者負担ということで、三社が一緒に支払いをしなきゃならぬわけであります。
 そこで、何にもない、いま先生のおっしゃったのはカルテはあったが持ち出しはできない、それからお医者さんがよく覚えているが証明書は出せない、こういうのはもうはっきりわかるわけでありまして、全然そういう手がかりのない方、それをお医者さんの鑑定によって決めるということになれば、それは数はどこまでなるかわからぬじゃないかと、その場合われわれはどうするんだと、そういう具体的な詰めでなかなか話がまとまらぬ、解決できないわけでありまして、いま先生のおっしゃったようなケースはそう心配なさることはないと、こう思います。
#116
○小平芳平君 それでは、いま問題提起したような方はそう心配ないと大臣おっしゃるんですが、少しは心配があるわけですか。
#117
○国務大臣(園田直君) なかなかむずかしくありますが、いま問題になっているのはそういう方々じゃなくて、証明書もない、どこの会社のを飲んだかもわからぬ、そういう事実の手がかりもない、こういう方をお医者さんが鑑定をして、病状その他によって鑑定する以外にないわけでありますから、そういう方々のことが問題になっているわけで、そういう投薬証明書を出せないとか、あるけれども持ち出せないとか、こういうことははっきりしたあれもあるわけでありますから、心配がないというのは、私がそういう鑑定人じゃありませんから、間違いありませんと、こう言うわにはまいらぬわけでありますが、まあまあ思い切って言えば、そういう方々は最終的には御心配要りませんよと、こういうことでございます。
#118
○小平芳平君 それでは大分時間が過ぎてまいりましたが、もう少し質問を続けるというわけでありますが、次に大臣の所信表明について伺いますが、老人保健制度、それから医療法改正案、これらについて大臣が所信を述べておられます。それぞれ社会保険審議会、社会保障制度審議会に諮問なさったばかりであって、まだ本格的な審議に入ってないかとも思いますが、それで、そういう段階で大臣としては当然今国会に提出すると、両法案とも、そういうお考えだと思いますが、しかし老人保健の方にしましても新しい制度をひとつつくり出すわけですから、相当な検討事項もあるかとも思いますが、これはいつころをめどにしておられますか。
#119
○国務大臣(園田直君) いまおっしゃいましたように、両方の審議会に諮問をしておるわけでありますが、逆に言いますと老人医療の方は五十七年度から実施したいという気持ちを持っておりますので、少しおくれてはおりますが、審議会の方にも実情を言って早急に結論を出していただきたい、こういうことになっておりますので、その答申を得次第法案をつくりまして今国会で成立をお願いするように御審議を願うつもりであります。医療法の問題も同様でありますが、どちらかというと医療法の方が少しスムーズに動いているような状態でございます。
#120
○小平芳平君 たとえば医療法がスムーズに動いているということはどういうことをおっしゃっておられるか、ちょっとそれだけではわかりかねるんですが、そういうことと、それから老人保健の方はいままでも各地方でいろんな制度をとっているわけですね。それで国の制度に上乗せした制度もとっているわけですが、こういうものは、各地方の制度はそのまま認めた上で新しい制度を検討してくださいと、こういうことでありますか。その二点。
#121
○国務大臣(園田直君) 医療法改正の方がスムーズにいっているというのは、事務的にこちらの方がやや早くいっているような感じがするという意味であります。
 老人医療の問題で各地方自治体がいろいろやっていらっしゃいますが、それをどうするかと。私の方でお願いするあれと違うところはどうするか。衆議院の方ではよく地方自治体の方々とも相談して調整しますと、こう言ってありますが、もっと誤解受けないように詳しく申し上げますと、正直に言って自治体でやっている方が進んでいるというか、私の方は財源とかその他で縛られてなかなか足が運ばぬのに片っ方はぐっと進んでいる、たとえば年齢の問題であるとかあるいは負担であるとか、こういうことであります。厚生大臣の本質は、なるべくよくしたいんだが国のその他のことでしがらみが多くてなかなか自治体みたいにいけない、自治体みたいにやりたいものだなと、こう思っているのが本心でございますから、自治体でやっていらっしゃることをとめたり否定したりするつもりはございません。国の上に上積みをして自治体が実施しておられる方はそのままやっていただくことになると考えております。
#122
○小平芳平君 法案の内容については、また次の機会に提案になってからにするのが当然でありますが、これだけの所信表明をなさる中で、相当重要項目として説明をしていらっしゃる項目が、おくれて時間的に間に合わなくなりゃしないか。実際問題、いまから両審議会の答申を得て厚生省で検討してと、それから提案するということは実際上できなくなりゃしないかということをちょっと心配するわけですがね。
#123
○国務大臣(園田直君) 老人医療の問題で申し上げますと、一番皆さん方から聞かれておった大事な点は、私の方では余り明示しないで、たとえば一部負担の問題であるとか支払いの問題であるとか、そういう基本的な問題は出さずに諮問しているわけであります。これは責任を逃れるためではなくて、この老人医療の改正というものは将来の医療法の方針を示す一つの突破口になると私自身は考えておるわけであります。したがいまして、これはなかなかこちらの意見を言うよりも、向こうの御意見を聞きながら案を固めていったがいいと、こういうつもりでやっているわけでありまして、実はいいことか悪いことかわかりませんが、事務的に詰まったもの等審議会の方とは絶えず意見を交換しつつ事務的な処理が早くできるようにやっておりますので、全力を挙げて間に合うようにいたします。
#124
○委員長(片山甚市君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三十五分開会
#125
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。
    ―――――――――――――
#126
○委員長(片山甚市君) 午前に引き続き、社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#127
○小平芳平君 大臣の所信表明の続きですが、廃棄物最終処分場の確保、フェニックス計画による立法措置を講ずることになっているというふうに述べております。廃棄物の最終処分地を確保するということがきわめて大事な課題であるということ、もう相当先を見越した計画を立てていっても追いつかないくらいの廃棄物が出てくる。したがって、最終処分地が確保されてないといろいろな問題が起きる、法律違反も起きかねないということが一つ。したがって、厚生省から計画のあらましを御説明願いたい。ごく限られた時間ですから簡単で結構ですが御説明願いたい。
 それから、最終処分地を確保するとともに大事なことは、ごみをなくすこと、少なくすること、それから再利用すること。それで、その再利用の方法としては焼却場に発電機を設置するというようなこと、これはずいぶん実例があります。ごみ焼却の熱を利用して発電する、それから生ごみから堆肥をつくる、それから空きかんを回収し、鉄とアルミに分類して利用する等のことが行われております。それで、そういうような現状とそれから政府の補助、こうした再利用する場合も何らかの補助があると思いますが、それについて御説明願いたい。
#128
○政府委員(山村勝美君) ただいま御指摘のとおり、廃棄物行政にとって最終処分地の確保はきわめて重要なことと認識をいたしております。
 また、御案内のとおり、昨年の予算及び今国会にかけてフェニックス計画を実現するための法案を提出いたしておるところでございます。フェニックス計画について詳しいことは、具体的な計画につきましては実は地方公共団体レベルでセンターを設立しまして、今後二年ぐらいかけて基本計画をつくるという段取りになっておりますので、現段階では具体的なことは申し上げられませんが、過去二年間近畿圏、首都圏等で予備的な調査を厚生省としてもしてまいりました。その段階での構想について若干触れますと、とりあえず来年度からは近畿圏からスタートするということでございますが、近畿圏につきましては約八百ヘクタールの埋立地をつくる、経費は二千五百億円ぐらいと見積もって推移いたしております。これは今後各市町村あるいは産業廃棄物の動向等を再度詳細に調査をいたしまして、計画の見直しに入っているわけでございますので、当然に変更あり得るものと考えております。
 それからあと、この計画の進め方でございますが、法案の骨組みを若干申し上げますと、まず大阪湾、近畿圏において廃棄物の広域的な処理が必要であるという事態になりますと、厚生大臣がその区域を、広域的な処理対象区域を指定をいたしまして、同時に運輸大臣が海域を指定すると。この辺につくってはどうかというような海域を指定するというところから始まりまして、それを受けて、地方公共団体が発起人になって出資をし、センターを設立すると。センターが事実上の事業主体になってまいりますが、そこで基本計画をつくり、実施計画をつくって実行に入っていくと、こういう運びになってまいるわけであります。タイム的に見ますと、二年間調査をいたしまして、五十八年ぐらいから一部工事に着手すると。工期は十年ぐらいの見込みでございますが、工事がある程度進んだ段階から捨て込みを開始するというようなことを構想いたしておるところでございます。
 いずれにしましても、首都圏、近畿圏等大都市圏域におきましては廃棄物量が多い。しかも土地が高度に利用されて、捨てる場所がないという状況でございますので、着実に実施し、それが原因となっている不法投棄も防止していくというようなことを考えておるわけでございます。それから貴重な海面でございますので、御指摘のようにできるだけ廃棄物量を少なくする、減量化をすると。並行して再利用すると。これも減量化につながるわけでございますし、かつ最近の省資源、省エネルギーといった関係から発電も進めていくというようなことを考えておるわけでございます。
 で、具体的に種々御指摘がございましたが、資源、エネルギー利用の現況について若干申し上げますと、一般廃棄物について、五十年度のこれは推計資料でございますが、故紙につきましては約九%が回収されておる。金属類については二四%、ガラス類につきましては六二%、その他厨芥が六%等々となっております。平均いたしますと、二〇%ぐらいが物質回収されておるというような現状のように認識をいたしております。
 一方、エネルギー回収、発電関係でございますが、約十五年前の四十年度時点に初めて大阪市のごみ処理場において二千二百キロワットの発電を開始いたしまして、その後ずっと横ばいを続けましたが、若干ずつ増加をしまして、四十七年度には九千二百キロワットで五つの施設が発電を開始してまいりましたが、その後四十八年のオイルショックを経まして、五十五年現在十万九千百キロワット、三十八施設が稼働をいたしております。なお建設中のものを含めますと、四十九施設の十四万八千四百キロワットというふうに増大をしてまいっております。この十四万八千四百キロワットと申しますのは、ごみの発生量から換算した発電可能量が約九十万キロワットと想定されておりまして、その六分の一に相当いたします。しかし、小さいごみ処理掛では発電が技術的にもまたコスト的にも無理であるということが言われておりまして、技術的経済的に実施可能と考えられる百トン以上のごみ処理施設について見ますと、大体その半分ぐらいの四十万キロワットが限界だろうというような推計もなされております。したがいまして、実施可能なレベルからいきますと三分の一レベルの発電が行われておるというのが現状でございます。
 そのほか肥料堆肥化の問題につきましては、実は四十二年ごろをピークといたしまして、最近減少の傾向をたどってまいりました。これには堆肥の需要がなかったとか、プラスチック等が入ってきたために非常にやりにくくなったとかというような技術的な問題あるいは需要先の状況等があったようでございますが、最近、若干また盛り返しつつあるような傾向を見ております。現時点十二施設で一日五百六十トン程度の施設を保有いたしております。
 それから空きかん等の問題でありますが、最近環境問題、散在性ごみとして非常に問題視されておるところでございます。これにつきましては環境庁を中心といたしまして関係各省、生産サイドの農水、通産省あるいは環境庁、厚生省も含めた連絡協議会を設けまして、そこで具体的に検討しておるところでございます。
 それから補助金の関係でございますが、現在、国庫補助対象になっておりますものはいわゆる発電設備及び給湯と申しますか、お湯を供給するボイラー、その他の施設の新増設、改造について補助対象にいたしております。
 それから資源回収の面では不燃物や有価物の選別施設と申しますか、それから粗大ごみの処理施設、それから高速堆肥化処理施設、いわゆるコンポストというものですが、これについても補助対象にいたしております。
 また、これらを総合した形での豊橋市に例がございますが、総合処理資源化施設といったものも補助対象として実施いたしてきております。
 以上、概況でございます。
#129
○沓脱タケ子君 それでは大臣の所信に対する質疑を、ごく若干の時間でございますが、お伺いをしたいと思っております。
 財政再建で福祉見直し論が大変強くなっておりますが、一方ではばらまき福祉論とも言われているわけです。しかし、国民にとりましては本当に福祉をばらまかれているのかなと感じているのが実態でございます。五十六年度予算で見ますと、これは所信にもこういうふうに書かれているんですがね。「五十六年度政府予算案の編成に当たりましては、」というところでは、特に「恵まれない人々の生活の安定と福祉の充実に社会的公正の確保の見地から特に重点的に配慮するとともに、」云々で、「最善の努力をいたしたところであります。」というふうにお述べになっておられます。
 ところが、端的にお伺いをいたしていきますが、五十六年度予算を見ますと所得制限が幾つか強められております。その結果を見てみますと、どのくらい国の経費が節約されるのかと思って調査をしてみたわけですが、これは言っていただいたらいいんですけれども、時間の都合がありますから資料をいただいたので私が申し上げますが、老齢福祉年金を一律にせずに二万四千円と二万三千円というふうに所得制限によって格差をおつけになったわけですが、それでは一律に月額二万四千円に引き上げた場合の追加所要額というのは一体幾らであるのかというと、わずかに七億円でございます。しかも、二百七十六万人の受給者のうち十八万人が打ち切られる。わずか七億円で老齢福祉年金に落差をつけるという結果が出ております。
 さらにまた、問題になっております児童手当ですね。児童手当も所得制限を行われまして、その結果二百三十一万人の支給人員のうち十万人がカットをされるんですが、それによって国の費用がどれだけ節約をされたのかと思ったらわずかに十七億円にしかすぎません。さらに、たとえば児童扶養手当所得制限据え置きに伴う国庫負担は一体どうなるかと見ますと、これはわずか一億円の節約でございます。そしてわずかに千人の方々がこの支給対象から落ちるということになるわけでございます。
 老齢化社会を迎えるときに、福祉見直し論が福祉切り捨ての口実にされてはならないと思うわけでございます。特に私は極端な意見だと思いますけれども、たとえば、かねがね出ております産業計画懇談会などの意見によりますと、「真の福祉は、歳出の増加を通じて実現していくべきものではなくて、国民自身が自らの手で築き上げるものとするところに根拠が置かれるべきである。」などと明記をされておりますけれども、こういう風潮に安易に国政が流れてはならないし、こういう風潮を許してはならないと思うわけでございますが、まず最初に大臣の所見をお伺いをいたしたいと思います。
#130
○国務大臣(園田直君) いま、年金、児童手当の問題を例にとって発言をされましたが、児童手当を例にとりますと、制限した分で浮いた分、それからさらに手当を加えた方と差し引きすると、財政的には七億しか倹約になっておらぬわけであります。年金についてもおっしゃるとおりでございまして、おっしゃった理論はおっしゃるとおりでございますが、私としては今度の予算は、こういう状況で必死に守り抜いたというのが本音でございまして、がまんできるところはがまんしてもらう、そのかわりつらいところはうんとつらい中でも手当をやっていく、こういうことでやったわけでありまして、これで決して私は満足をしたり自慢しておるわけではありませんので、そういう理論は理論として考えながら今後も一生懸命に努力をいたします。
#131
○沓脱タケ子君 次に、医療対策の推進が第三項目に掲げられております。私は、医療対策の推進というのが今日の社会での医療問題では非常に厳しく問われているところだと思いますので、この問題について若干お伺いをしたいと思います。
 特に、薬づけと言われるような、薬のさやかせぎで医療経営を維持しなければならないというような現行の医療制度というものを改めなければならないという点はかねがね申し上げてまいりましたし、特に昨年の臨時国会でも御指摘を申し上げましたように、薬というのは原価が非常に安いのだから、原価を明らかにして適正な薬価基準をとらせるべきだ。同時に、医師や歯科医師あるいは医療技術者の技術科の適正評価、これをやって抜本的な診療報酬の改定を行って、医師を初め医療従業員が胸を張ってみずからの技術に誇りを持って医療に対処できるようにするべきであるということをかねがね申してまいりましたけれども、いよいよその時点に逢着をしていると思うわけでございますが、その点についてどう対処なさろうとしているのか、端的にお伺いをしておきたいと思います。
#132
○国務大臣(園田直君) 今日いろいろ国民の医療に対する信頼感を失うような問題が一部に起きているわけであります。大部分の医療機関に従事する方々は良心に従ってやっておられるわけでありますが、その原因はいろいろありますけれども、こういう物価の変動の激しい時期に三年間もそのままほっておったということは、私は一つのやっぱり原因であると考えております。したがいまして、いま聞かれた質問は適当な質問であって、聞かれる方は簡単かもわかりませんが、答える私の方はなかなかこれはむずかしい答弁であります。しかしながら、三年間もほっておいた医療費、これをこのままでいいとは思いません。かつまた、現在の医療費が適正であるとは私は考えておりません。医療費についても私はもっと上げるべきだ、そのかわりむだやあるいは要らないお金は締めるべきだ。医療費はもっと上げるべきだ。その医療費の上げについてはいろいろ問題がありますが、いまおっしゃいました技術料やその他、それから歯科の材料をもっと適正にやるとか、こういう点はいろいろ考えておるところでありますが、これ以上のことはお答えできませんので、もうしばらくお許しを願いたいと思います。
#133
○沓脱タケ子君 これはこの機会に抜本的な施策を踏み出されなければならないと考えます。大臣もおっしゃったように、五十三年の二月以来満三年を超す診療報酬の据え置きでございます。この間に春闘というのが四回目がいまやられている。消費者物価指数から言いましても、これは五年で見ても一四〇%以上上がっている、一四〇・五%になっていますからね。前回の診療報酬の引き上げというのが、特に無床のいわゆる開業医の人たちには非常に割合が低くて、平均をいたしますと三年前の値上げのときには約一・一%内外だと言われておりますので、無床の診療所の人たちから言わせると大体五年間放置されているに等しいのだという印象を持っているのが率直なところでございます。特に保険医療機関及び保険医療養担当規則の二条にはこういうふうに言われているのですね。「懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。」というふうに規定をされております。私は改めて拝見をしてその感を非常に深くいたしましたのは、これを実現するに足りるような診療報酬あるいは技術料の評価というものをきちんと位置づけなければ、今日医療不信等が広がっている中で、一層国民医療というもののひずみというのが大きくなってしまうであろうということを大変心配をいたします。
 具体的にちょっと伺っておきたいと思います。時間がありませんからごく簡単にしておきたいと思いますが、たとえば技術料の問題等につきましては非常にたくさん問題点がございます。手術料一つを取り上げてみましても、これはもう御承知ですから細かいことは省きますけれども、たとえば盲腸寒の手術一つをするのに二万三千五百町ですね。それから胃の全摘、全部胃を摘出するという手術で六万五千円です。胆嚢手術に至っては五万円、子宮を全部取り出すという手術、これは富士見病院で大分問題になりましたけれども、あれだって五万一千円という程度で、恐らくこれはもう技術料ところか諸経費さえもなかなか賄いきれないということになってきております。その証拠にいわゆる外科の有床診療所というところはどんどん病床を閉めてしまって無床になってきています。これはもう私ども大阪の実例を申しますと、たとえば二十万の人口の生野というところでは二十九軒の有床外科診療所があったんですね。それが今日ではわずかに二軒だけが残るというほどの変化が起こってきているということで見ましても、手術料というのが、いかに今日の必要経費、技術評価、そういうものが妥当な評価になっていないかという点を示していると思うわけでございます。
 さらに、時間がありませんから細かいことはたくさん申し上げられませんけれども、私は、医師としてのあるいは歯科医師としての技術料評価というものの正当な基準というのが非常に大事だという点をいつも申し上げているんですけれども、たとえば注射一つ見たって、皮下注射が百四十円で静脈注射が二百円でしょう。今日二百円のお金で一体何が求められるかという点を考えますと、一体どうなんだろうかというふうに思います。さらに入院料に至ってはもうこれは大変だと思うんですね。いまベッド代千円ですけれども、ユースホステルの二段ベッド三段ベッドでセルフサービスのところだって千三百円ですよ。国民宿舎の素泊まりが二千二百円ですよ。それが病院のベッドが千円ですわ。こんなことが――私はそこを高くしたらいいというだけのことを言っているんじゃないんですよ。しかし、いかにも周りの社会の物価の上がり方、変動と比べれば不十分ではないかというふうに思うわけなんでその実例を申し上げておきたいと思います。
 特に私はパラメディカル――薬剤師あるいは栄養士、看護婦ですね。これらの技術評価というのはきわめて不十分だと思うんですね。その点の一つは、看護婦の場合には、入院の病室の場合には入院看護科がやっとついたですけれども、外来の看護婦さん働いたって看護料ゼロなんですね。評価がないんですからゼロなんですよ。これはひどいと思うんですね。それなら看護婦雇わなくていいのかということに、点数のシステムから言うたら看護婦が外来では要らないみたいになっているんだけれども、医療法によるとちゃんと何人について何人の看護婦が要るということが規定されているんですから、その辺はやっぱりはっきりするべきだと思います。特に在宅ケアが重視されなければならない老齢化社会を迎えている時期には、訪問看護についてもこれはきちんと保険点数で、看護婦さんたちがただ働きを連続してやらなければならなくても済むように、そういった点の位置づけというのはきわめて大事ではなかろうかと思います。
 さらに、もうまとめてお伺いをいたしますが、薬剤師ですが、これは私は同じ薬剤師で病院の中の薬局の薬剤師が薬をつくる値段と開局薬局の薬剤師が同じ薬をつくる値段とこんなに違ったら、これは病院内薬局の薬剤師はこれは怒りますわ、現に怒ってますよ。御承知だと思いますから詳しくは言いませんけれども、第二薬局というようなものができる理由がここにあるんですよ。やっぱりきちんと必要な技術者に対する評価というものは、どこへ行っても同等の評価ができるような対処というのはきわめて必要だと思います。同じ薬つくったって、たとえば薬剤師のいない医院でつくったらあれでしょう、処方せん、処方料が八十円と調剤料の四十円で何日分つくったって百二十円ぽっきりでしょう。病院の中におる薬剤師がつくった場合にはこの百二十月に五十円つくんでしたね。薬剤師の調剤技術基本料というんですか、五十円ですわ。百七十円になるんですね。ところが調剤、その処方せんをもらっていわゆる調剤薬局で同じ薬をつくってもらったらどうなるかというと、調剤基本料というのが二百六十円でしょう。そしてそれぞれの内服調剤料の加算分がついて大体三日分ずつ同じようにつくったら病院の薬局でつくった薬は百七十円プラス薬代なんですね。ところが開局薬局あるいは調剤薬局でつくってもらいますと六百六十円プラス薬代ということになるわけですよ。こんなことをやったらやっぱり同じことをやって、保険財政から支出される金額が制度としてたくさんになる方を使うのはあたりまえなんですよね。こんなばかげた点数制度をどうしてつくったか、やっぱり薬剤師の評価というのは、病院の中におる薬剤師も開局薬剤師も正しく同等に評価をされるべきだというふうに思います。細かいことは言うたらたくさんあるのですけれども、時間の都合がありますから、たくさん言いませんが、もう一つは。歯科です。
 歯科の先生が一番怒っているのは歯科の先生は再診料がほとんどもらえないと言うんですね。それなら、歯科の先生というのは初診料だけで後はもう診断の必要がないのかと言って怒っています。こんなことは、やっぱりちゃんと制度としてやるべきだと思うんです。絵義歯の問題にしたってそうですよ。これは上、下で何か三万円余りですな、三万七百二十円かな、保険点数では。こんなものできないんですよ、実際には。技工士に払うお金だけでも一万六、七千円払うているのですからね。それをつくるまでの技術料あるいは材料費、そんなもの全部先生が持つわけですから、時間だってものすごくかかるわけでしょう。それが全然評価されないから総義歯については一般的に言われているように、三万ないし四万が自己負担プラスアルファをせざるを得ないというのが通説になっていると言われているのです。その点について、こういうところを抜本的に今度の診療報酬の改定の時期にぜひ解決をしてもらえるようにしていただきたいと思うわけですが、御見解をお伺いをしておきたいと思います。
#134
○政府委員(大和田潔君) 大変いろいろ御参考になりますお話を承ったわけでございます。要するに技術料の適正評価ということを進めるべきである、こういうお話であるというふうに受け取ったわけでございます。私ども従来から、技術料中心の診療報酬体系の確立に努力してまいったわけでございますし、また個々の技術料もさりながら、総体として医療機関の経営状態、適正な経営というものを確保するということで検討してまいったわけでございます。いずれにいたしましても、今後とも技術料の適正評価ということで、私ども適正な診療報酬体系を確立をするということで中医協の御審議を踏まえまして努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#135
○沓脱タケ子君 これは、今度の場合には本気でやっていただきたいと思うわけです。毎回言っておるのです、私、こういうチャンスには。ところがなかなかうまくいきません。ですから今度はひとつ思い切って大臣、この点については文句の出ないような技術評価が適正になされるようにぜひお願いをしておきたいと思います。
 時間がありませんから、ちょっとひとつぜひお聞きをしておきたいと思いますのは、例の口唇口蓋裂児の歯列矯正に対する問題ですが、これは何回も本院では取り上げられておりまして、従来から前厚生大臣の渡辺さんや野呂さんも、そういった点については今度の診療報酬の改定の際には必ず保険の対象にするという答弁をされてきております。私はぜひこれは実現をできるようにしてもらいたいなと思いますのは、中医協も開かれている折ですから、これはまず保険に適用してもらうということ、同時に一部負担金も自己負担にならないように育成医療の対象にするということをぜひ実現をしてほしいなと思うんです。
 といいますのは、これは御承知のように、たとえば形成手術するといったって一遍で済まないでしょう。小さい子がだんだん成長していく上でひずみが出てくるから、何回も手術をやり直さなければならない。特に歯列矯正の場合はいまは保険の対象になっていないんですね。何回でもやらなければならぬのを全部自費負担になっていて、莫大な自己負担が強いられて大変親御さんたちが御苦労なさっています。それをまたやってあげなければ発達に障害を起こしますし、同時にまた、社会的な活動の上でも要らざる損害を受けているという事態も起こっているわけでございますので、ぜひ今度の際に保険の適用にしてもらうということ、どの段階もね。そして同時に、育成医療にも該当させていくという形で解決をしていただきたいと思いますが、御見解はどうでしょう、これもう煮詰まっているところだと思いますので、端的に伺っておきたいと思います。
#136
○政府委員(大和田潔君) 御承知のように、この唇顎口蓋裂患者、非常に専門的な治療の方法が必要でございます。したがいまして、この矯正治療の適応症であるとかあるいはやり方――術式、評価といったようなことにつきまして学識経験者の方々に、これは日本歯科医師会を通じましていろいろとお願いをしておるところでございます。この検討の結果がまとまり次第、速やかにこれは中医協にお諮りをいたしまして検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#137
○沓脱タケ子君 もう時間がないようですから、ほかの問題はきょうは割愛いたしますが、この問題は私はこうだと思うんですよ。特殊な診療ですからね、どこでもやれるというものじゃないんですね。いまでも大学の特殊なところでやられているんだから。そこで、いま大学で治療して支払っている必要な経費というのが保険にやっぱり該当されるということにならないと、患者さんたちの望んでいる水準というのが実現できないわけで、その辺は学識経験者の御判断にもよると思いますけれども、どこのどの水準に保険点数を置いたらいいのかという判断は、むしろいま幾つかのところでやられている、特殊な専門科でやられている、大学の歯科でやられている基準というものが点数の基準にされるということが一番適正ではなかろうかと思うんですが、そういった点も含めまして、大臣これね、大分集中的に本院でもやられてきておる問題でもございますし、煮詰まっておりますので、ぜひ今度の機会には、いつというのは言いにくい言うたけれども、これはぜひ入れられるかどうかということだけのまあひとつ御見解を伺って、時間がありませんから、残余の問題はまた後ほどにいたしたいと思います。
#138
○国務大臣(園田直君) いま保険局長から申し上げたとおり、いろいろ経緯もあるしむずかしい問題もあるようでありますが、これは相当前から言われていることであります。私個人も、たびたび直接関係者の人からも聞いておりますから十分検討をいたします。
#139
○委員長(片山甚市君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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