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1980/04/09 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第6号
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1980/04/09 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第6号

#1
第094回国会 社会労働委員会 第6号
昭和五十六年四月九日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     丸谷 金保君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     石破 二朗君
     田代由紀男君     松浦  功君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     石破 二朗君     関口 恵造君
     松浦  功君     田代由紀男君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     野呂田芳成君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君     関口 恵造君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     沓脱タケ子君     小笠原貞子君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     沓脱タケ子君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     森下  泰君     松尾 官平君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 甚市君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                高杉 廸忠君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                松尾 官平君
                丸茂 重貞君
                丸谷 金保君
                安恒 良一君
                沓脱タケ子君
                柄谷 道一君
                前島英三郎君
   国務大臣
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
   政府委員
       労働大臣官房長  谷口 隆志君
       労働省労働基準
       局長       吉本  実君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       労働省職業安定
       局失業対策部長  加藤  孝君
       労働省職業訓練
       局長       森  英良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       総理府統計局調
       査部労働力統計
       課長       山田 隆夫君
       労働大臣官房参
       事官       山口 泰夫君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部企
       画課長      小村 雅男君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部賃
       金課長      八島 靖夫君
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  野見山眞之君
       労働省職業安定
       局雇用保険課長  守屋 孝一君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  若林 之矩君
       労働省職業訓練
       局訓練政策課長  野崎 和昭君
       自治省財政局財
       政課長      津田  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関
 係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤尾労働大臣。
#3
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま議題となりました雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 雇用関係の給付金につきましては、それぞれの時代ごとの必要に応じ積み重ねられてまいりましたが、その結果、現在においてはその種類が百を超えるという複雑多岐にわたるものとなっており、これらを整理統合し、わかりやすいものとすることが急務となっております。また、今後の重要な課題である高年齢者の雇用の延長の促進、高年齢者、心身障害者その他就職が特に困難な者の雇用機会の増大等を進めていく上で、雇用関係各種給付金がこれらの重要課題に即して十分に活用され効果の上がるものとなるよう、その体系、内容の充実を図ることがきわめて重要となっております。
 このような観点から、先般、中央職業安定審議会その他の関係審議会から、今後の雇用関係各種給付金等のあり方について建議等がなされたところであり、政府といたしましては、関係審議会の建議等に基づき、複雑多岐にわたる給付金を統合するとともに、これら給付金等の整備充実を図ることとし、ここに雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案として提案いたした次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、雇用保険法の一部改正であります。
 雇用保険法においては、失業の予防、雇用機会の増大、雇用構造の改善、労働者の能力の開発向上のための事業の一環として各種の給付金制度を設けておりますが、これら給付金の整備充実を図ることといたしております。
 その一は、雇用安定事業について、高年齢者、心身障害者その他就職が特に困難な者の雇用機会の増大を図るため、それらの者を雇い入れる事業主に対して必要な助成及び援助の事業を行うこととするほか、失業の予防のための事業を整備充実することであります。
 その二は、雇用改善事業について、高年齢者の雇用の延長を促進するため、定年の引き上げ、定年に達した者の再雇用等を行う事業主に対して必要な助成及び援助の事業を行うこととすることであります。
 その三は、能力開発事業について、労働者の職業生活の全期間を通じてその能力の開発向上を促進するため、段階的かつ体系的な事業内職業訓練計画に基づく職業訓練を行う事業主等に対して必要な助成及び援助を行うこととすることであります。
 第二は、駐留軍関係離職者等臨時措置法その他特定の離職者に関する特別法の一部改正であります。
 駐留軍関係離職者等の特定の離職者につきましては、その有する能力に適合する職業につくことを容易にし、及び促進するための給付金制度がそれぞれの特別法に基づき別々に設けられておりますが、根拠法を統一し、わかりやすいものとするため、これらの給付金はすべて雇用対策法の規定に基づき支給するものとすることとしております。
 第三は、雇用促進事業団法の一部改正であります。
 雇用促進事業団の業務について、定年の引き上げ等を促進するため、新たに、高年齢者の作業を容易にするため必要な施設の設置等に要する資金の貸し付けの業務を行うこととしておりますほか、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金制度等の改善に伴い所要の整備を行うこととしております。
 以上、雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(片山甚市君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(片山甚市君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、森下泰君が委員を辞任され、その補欠として松尾官平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(片山甚市君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○安恒良一君 私は、ただいま議題となりました雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案について、以下の質問をしたいと思います。
 まず第一に、御承知のように五十四年八月の十日に第四次雇用対策基本計画が決定をされておりますし、また新経済社会七カ年計画が策定をされています。そういう中におきまして、八〇年代前半におけるところの完全失業率の問題とか有効求人倍率問題等もおおよそ計量的に計算をされておりまして、私がこれらのものを読む限りにおきまして、大体八〇年代の前半、八五年といいますかぐらいのところで完全失業率一・七%程度以下、それから有効求人倍率一・〇に近い水準というふうにほぼ計画は策定をされていると思いますが、私は最近の雇用情勢の急速な悪化、これは御承知のように二月の雇用情勢について完全失業者百三十五万人、総理府の発表、労働省の発表等がございます。
 こういうような観点から考えまして、果たして八〇年代前半における雇用情勢、特に最近の非常に急速に雇用情勢が悪化をしている中で、これが計画どおりにいくのだろうかどうだろうか。どうも私は、残念ながらわが国の八〇年代の前半は、大体完全失業者は百二十万から百三十万ぐらいのところをずっと維持をするんではないだろうか。また失業率も、残念ながら二%を割るということはほぼないんじゃないだろうかと、場合によると少し悪くなりはしないかなと、こういう実はこの八〇年代前半の雇用状況を、私は私なりに、いろいろ政府がいままで発表されました諸統計資料を見ながら考えるわけであります。
 そういう点について、まず雇用情勢全体について八〇年代の前半、まあことしは八一年でありますから約八五年ぐらいまでの展望と、今回のこの法律案の関係についてそれらをどのように勘案をして、どのように今回の法律案について――法律案の中身についてはいま大臣から御説明がございましたから――こたえていこうとされているのか、まずその二つについてお考えをお聞かせを願いたいと思います。
#8
○政府委員(関英夫君) 八〇年代前半の今後の雇用情勢をどう見るべきかということがまず第一点だと思いますが、先生御指摘の雇用対策基本計画あるいは新経済社会七カ年計画におきまして、政府といたしまして一応の計画を立てておるところでございまして、経済成長率を五%強のところで考えていけば、八五年ごろには完全失業率で一・七%程度と、求人倍率でおおよそ一倍と、こういう状態に持っていけるんではないかと一応の想定をいたしておるところでございます。ただ、その後におきまして雇用、失業構造といいますか、そういうものの変化も先生の御指摘のようにあるわけでございまして、想定いたしましたよりも、たとえば女子の労働市場への進出が進むとか、あるいは予想以上に高齢化がスピードを速めていくとか、いろいろな点がございますが、そういった点につきましては毎年毎年フォローアップをいたしながら、何とかこの計画で持っている目標に向けて、今後努力を続けていきたいというふうに考えているところでございます。
 で、今回の法案の作成に当たりましては、複雑多岐にわたる諸給付金を、できるだけ簡素合理化を図って、活用されやすいものにしたいということと同時に、最近の雇用、失業情勢、そういうものを勘案いたしまして、特に急速に高齢化に向かっているこれからの雇用情勢を考えまして、高齢者の雇用の確保あるいはその雇用の促進、その他高齢者と同じように就職が困難な身体障害者、その他特定の求職者の雇用の促進、そういったことにできる限り重点を置いて、この給付金制度が活用されるようなことを考えていきたいと、こういった意図を持って今回の法案の作成に当たったところでございます。
#9
○安恒良一君 問題は、私は二つ聞いているわけですね。八五年度には何とか持っていきたいと、こう言われていますから、たとえば新経済計画で経済成長率五・五%ということでありますが、去年は四・八%、ことしの政府原案は五・三なんですね。その五・三すら問題がいろいろ出てきているわけで、ですから私はとても八五年までに、平均して五・五%の経済成長があれば結構なことですが、いわゆる石油問題一つを考えましても、また貿易摩擦一つを考えましても、そう簡単に五・五%程度の経済成長率は残念ながら私は困難だというふうに、こう見ています。ですから、いまそのことよりも――あなたは、それは毎年毎年これはフォローアップしていくということでありますが、一番いま問題になるのは、今回の法律を改正すると直ちにこれは適用をしていくわけでありますが、衆議院でこれを議論したときと違って、かなり雇用情勢が急速に悪化ということが総理府並びに労働省自体の発表にもあるわけですね。でありますから、あなたたち自身が警戒水域と判断をして調整金の弾力的支給などについても通達を出されているわけですから、それと今度の改正との関係について私はお聞きをしているわけでありまして、持っていきたいということといけるということは違うわけなんですよね。ですから、一応政府としては計画を出すと、土壇場になるまで、あああの計画は誤りでしたとは言わない。たとえば物価でもそうですよ。六・四と言って七と言って、私たちは早々と七・八になるんじゃないかとか言っておったのを、やっと最近になって七・八を認めていると。自分が一遍計画を立てると、なかなかその途中から計画がむずかしくなっても――私はそういう場合には大胆に、計画がむずかしくなればフォローアップするものはしていかなきゃならぬと思いますが、まあそのことを論争しようとはきょうは思っていませんが、いわゆる雇用情勢の急速な悪化と、こういうのが……。
 それで、しかも私はどうもきょうは経企庁来てもらおうと思ったんですが、四十分しかありませんから来てもらいませんでしたが、ことしのこれからの景気情勢についてきょうの日経新聞もいろいろ四−六の経済見通しについて専門的に詳しく、どうもこの状況さらに続くだろうと、こういうことなんですよね。ですから、当初在庫調整なんかが、たとえば一−三にできるじゃないかとか四−六にできるじゃないかと言っとったけれども、もう四−六なんかできっこないこと明らかですね。じゃ、その次の四半期にできるかと言ったら、それもどうも非常にむずかしいと、こういうことにきょうの日本経済新聞が主要業種全体の分析をしています。
 こういうことから言いますと、いわゆる公共事業の前倒しというのはありますが、残念ながら産業全体の景気というのは、相当景気が上向いてくるのが遅くなると、こういうことになりますと、雇用情勢の急速な悪化という状態がさらにことしは続くというふうに思いますが、そこらはどういうふうにお考えになりますか。
#10
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘の問題は、非常に重要な国際間との関連を持っております。国際経済の趨勢をよく見てみなければならぬわけでございますが、大体アメリカもヨーロッパもことし、つまり私どもの五十六年度といいまするものの、もうすでに前半から少しその兆しを見せておるわけでございまするけれども、OECDの統計、見通し、そういったものによりましても、本年度の後半にはヨーロッパあるいはアメリカの景気は上昇に転ずるであろうということで、その指標も多少出てきておるわけでございます。でございますから、そういった関連から見てまいりまして、私ども日本経済の趨勢を拝見をいたしまして、私どもは五・三%の経済目標を立て、そうしてそれに対する雇用といいまするものを考えていくわけでございますけれども、御指摘のとおり、昨年の暮れから私どもが恐らく適正水準に近づいていくであろうと思っておりました在庫の調整が御指摘のとおりでございますが、一−三月の期待、それが四−六月になり、いま御指摘のように、業種によりましてはそれが七−九に延びていくであろう、そういった傾向もないではないわけでございます。
 したがいまして、そういった傾向に対しまして私ども政府といたしましては、御案内のとおりの総合経済政策といいまするものを去る三月十七日に決定をし、そうしてその中にもそういった傾向があるということをともかくも私どもは腹の底に入れまして、雇用対策の面で雇用調整給付金制度を積極的に活用していかなければ、私どもの雇用の安定を期していくわけにはいかぬじゃないかということで、そのこと自体を、政策内容の中の一つの重要な柱として採用をしてもらったわけでございます。
#11
○安恒良一君 いや、経済論争をしているわけじゃないんですよ。経済論争は大臣はごく一部だと言われるけれども、これ主要業種ほとんどだと書いてあるんですからね。あなたよりもこっちの方がやっぱり専門ですからね、経済。ですから、そんな論争きょうここでしているわけじゃない。私は雇用問題に問題をしぼって、そういう中で見通しを聞いているわけじゃないんです。たとえば、調整金の弾力支給などということは思い切ってどういうことをするのか。どうも私は四−六だけじゃない、九月から以降にもまだずっとこれはずれ込むだろうと、ほとんどこう書いてあるわけですからね。これかなり専門記者が一生懸命分析して。そういう状況にあるわけですから、そこでたとえば調整金の弾力支給などということについてどういう中身でどのように今日のこれからの四月から六月、秋へかけてのいわゆる雇用情勢の急速な悪化に対処されようとしているのか、このことを聞いているんです。
#12
○政府委員(関英夫君) 現在、雇用調整給付金制度の運用に当たりましては、業種の実態に即応してできる限り積極的に認定するというような形で活用を図ってきたところでございまして、業種のとり方あるいは地域的な限定、そういうことまでもいたしまして必要に応じて指定を毎月毎月やってきております。
 今後におきましても、各都道府県に指示をいたしまして地域別、業種別の雇用失業情勢を的確に把握して、早期に私どもへの連絡をとるように特に指示をいたしておりまして、そういった情勢に基づきまして、また、関係業界あるいは関係省庁と密接に連絡いたしまして、この雇用調整給付金制度をできる限り活用していこうというふうに考えているところでございます。
#13
○安恒良一君 どうも大変抽象的ですが、時間が四十分しかありませんから、これ以上突っ込むのやめておきます。
 そこで、まずお聞きしたいんですが、やはり私は雇用情勢を、いわゆる完全雇用に近づくためには一つはわが国における定年制の延長と時間短縮問題をかねがね取り上げて論争をしているわけですが、そこできょうは同じことを聞こうと思ってるわけじゃないんです。六十年までに達成します、うまくいっていますと、こういう話がいつもあるわけですから。
 私がお聞きしたいのは、わが国の労働者の雇用状況の中で、いわゆる労働組合が組織されているところが約千二百万ないし千三百万と言われている、それから労働組合が組織されてないところが二千七百万、これが今日の現状です。そういう状況の中で、いわゆる雇用された労働者の定年の延長がどういうふうにいっているのか。それから時間短縮はどういっているのか。それから労働組合のないところの状況がどうなっているのか。これをひとつ数字的に教えていただきたい。でないと、それらを込みにして、たとえば定年が六十歳以上がすでに約四九%ですかになったとか、こういう説明をいつも聞いていますが、込みではなくして、私はやはり正確にそれがうまくいくかどうかというのは、なぜかと言うと、あなたたちは労使の話し合いによってこれは進めていくように行政指導を誘導するというわけですね。ところが、労働組合のあるところはそういう意向を受けてどんどん話し合いが進むと思いますが、労働組合のないところはなかなか進まないわけですよ。ですから、定年延長状況がいわゆる労働組合のあるところとないところ、それから時間短縮の総労働時間が労働組合のあるところの時間が年間幾らか。それから、労働組合のない約二千七百万と言われている労働者の年間総労働時間が幾らか、このことについてちょっと説明してください。
#14
○政府委員(関英夫君) 定年の現状についてまず申し上げたいと思いますが、現在、定年延長の状況を把握しております統計といたしましては、一月一日現在で行います雇用管理調査、こういったものでやっておりますが、この調査は九大産業に属する常用労働者三十人以上の民間企業から七千企業を抽出してやっております。
 ただ、御指摘のような労働者ベースでの集計といったようなものは従来やっておりません。
 それからまた、労働組合の有無別の調査というものもやっておりません。それが現状でございます。
#15
○安恒良一君 私は、大臣、それはぜひ早急に調査をしていただいて、それ基づいた対策――それはなぜかというと、この前も大臣とやりとりしまして、私はたとえばアメリカ等における高年齢を理由とする解雇制限法をつくったらどうかということを提起したんですが、いや、あくまでも行政で誘導していくと、最近特に六十歳定年がふえているじゃないかと、そうすると、ある一定の段階になると加速度的にうまくいって六十年には六十歳になるだろうと、こう言われているんですよね。ところが、いま局長が言われた統計資料を私も持って中身を拝見していますが、最近六十歳定年がどどっと進んだのは、私鉄、鉄鋼、電機等々の労働組合が組織をされ、労使の話し合いの中で進んだものが統計に入ってきますから、いわゆる率はばっと上がっているわけですよ。
 ところが大臣、二千七百万という未組織の労働者がおるわけですね、労働組合がないんですから。そういうところのことをそのままにしておって、あなたたちがおっしゃるように六十年になったら定年制は六十歳になる、これからいわゆる時間短縮もおおむね欧米水準に向けることができる、こういうことには現実にはならないわけです。ですから、やっぱり調査の仕方、統計のとり方にいろいろ問題がある。
 でありますから、少なくとも労働省ともあろうものが未組織の労働者がどういう定年の延長状況になっているのかとか、もしくは時間短縮がどのような形で進んでいるのかということを調べられないまま、トータルでいわゆるうまくいっている、うまくいっているということでは私はいけないと思う。ですから、いま調査がないことを幾ら言ってもしようがありませんから、私は一遍、本当にこれから低経済成長の中において政策的に誘導して時間短縮もやっていこう、定年も延長していこうというなら、そこのところをまず調査をされて、それに基づいた適切な施策というものがないと、六十年になってみたら何のことはないうまくいかなかった、こういうことになりはしないかと思いますが、大臣そういう点についてどうお考えになるか、調査していただけますか。
#16
○国務大臣(藤尾正行君) いま御指摘の問題は非常に大きな問題で、私どもがその調査に手をつけていなかった、これを調査をして対策を打つべきではないかという御指摘は私はそのとおりだと思います。だから、これはやらせます。
 しかしながら、御案内のとおり、いまの雇用の実態といいまするものを考えてみましても、大企業等におきましては、卒業期に若い方々をどんどん入社させることができる。ところが組織をされないような中小企業、特に零細企業におきましては、そういった若い方々の労働力の導入がなかなか困難である。こういうところで当然必要とする労働力といいまするものは、中高年齢の導入という以外にない。現状見てみましても、中小企業の、小さな零細の方向にかなり高年齢者層のお働きといいまするものをいただいておる、そういう例が多いわけでございます。
 これは実態を調査しておりませんから、いま先生からそれじゃどれだけできているんだと、こう言われれば私どもその応答に困りますけれども、これは調査いたしますから、そのうちに御回答できるかもしれませんけれども、そういう一つの傾向というものを考えてみまして、なおかつ、零細、中小の企業が伸びていかれるためにはこういった方々に存在をし、発展をしていただかなければならぬわけでございますから、そこには当然、その延長といたしまして、時間短縮の方はこれ問題がまた別にあるかもしれませんけれども、定年制度の方は、多少とも私どもが考えておりまするようにわりあいに容易な展開が開けてくるんじゃないか、そういう気が私にはいたしております。
#17
○安恒良一君 お互いに感じで物を言うとそんな印象になるかもわかりませんが、私は、労働省の統計資料の中でも、きょういただいている資料なんかでも、たとえば年齢階層別有効求人倍率の推移などというのも後で議論にしようと思っていただいておりますけれども、いま申し上げたような観点の調査というのはほとんどないんですよね。ですから、たとえばいま大臣は、中小企業には中高年齢がよけい働いておる、大企業の方が少ないという点なんかも、じゃ、具体的な数字で、こういうふうに現実に安恒君なっておるじゃないかとおっしゃれば私は納得できますが、感じで物を言われてもいけないわけですから、ですから私は、これもう時間ありませんからこれ以上議論をしようとも思いませんが、少なくとも、いわゆる第四次雇用対策基本計画や新経済社会七カ年計画を達成をしていく、そのことが雇用情勢を安定をし、いま関さんが言われたようなことにするためには、一番おくれているところにメスを入れなければならない、そしてそれが一番早い達成率は、私は、一つは定年の延長であるし、時間短縮だと思うんです、ここまで来ますと。そうしますと、その場合に、未組織の約二千七百万と言われている中小零細企業で働いている労働者のところの時間短縮は進むし、定年延長が進めば――大企業は大体ほとんど最近ここのところ、もう定年延長についてすべて話し合いが済んでいるわけですから、そういう政策誘導がきちっとされなければなりません。それがためには、基本的な資料がない限り幾ら論争しても論争になりませんから、このことはぜひひとつ調査をしてほしいと思います。
 そこで、具体的中身にひとつ入っていきますが、中高年齢者雇用開発給付金の四十五歳から六十五歳を今回は五十五歳から六十五歳にする、こういう点で衆議院でもかなり論争になっていますね。私は手元に、きのう労働省に要求しまして、「年齢階層別有効求人倍率の推移」を見ましたときに、直ちに私は中高年齢はこれは高年齢ということになるんですか、五十五は高年齢と言えるかどうかわかりませんが、引き上げられる理由がわからないわけです。現在の、ずっとここに私は、年齢階層別の有効求人倍率の推移表を、一番新しいので五十五年のをいただいていますが、私は、やはりちょっとここのところ性まだ時期尚早じゃないんだろうかと。これは衆議院でも同僚委員からかなり問題になっていますが、いまさっき申し上げましたように、雇用情勢の急速な悪化、しかもどうもことしは残念ながら百二、三十万ということでずっと推移していく、もうちょっと悪くなるかもわからない、そういう状況。それから、現行における年齢階層別有効求人倍率の推移表を見ましても、直ちにこれを、五十五歳から今回の法改正によって六十五歳に開発給付金の支給対象の年齢を設定するということについては時期尚早じゃないかと思いますが、その点どうですか。
#18
○説明員(守屋孝一君) 今回、中高年齢者の雇用開発給付金を改めて特定求職者の雇用開発助成金といたしました際に、この年齢を切る点、これは審議会等でも私ども相当詰めた議論をやっております。
 そこで一つは、基本的な考え方としては、いままでありました中高年の雇用開発給付金は、これはやはり何といいましても臨時緊急時の対策であったということであります。
 そこで、この中高年の雇用開発給付金それ口外につきましても、これは先生御承知と思いますが、最初にこの給付金ができましたときは、やはり五十五歳以上を対象にして二分の一助成で、たしかあれは三カ月だったと思いますが、それがそのうち六カ月になり、やがて一年になり、その間に四十五歳の人も入ってきたと。これはある意味では、そのときどきの雇用失業情勢の態様に応じまして、弾力的といいますか、そのときどきに合わせて逆用してきたわけであります。今回、この中高年の雇用開発給付金はこの六月七日でもって廃止することとしておりますが、これにかわるという意味ではございませんで、いままでありましたいろいろなこういう雇用奨励金、これは実は五分の四助成という中高年の雇用開発給付金と違いまして、月額一万五千円程度という非常に低い助成金であったわけでありまして、そのときにも、これはすべての労働者が雇用される場合に出すというのではありませんで、特定の手帳持ちであるとか、あるいは五十五歳以上の人にその程度の額が出されておったというわけであります。
 そこで私どもは、今回まず、この臨時緊急的な中高年の雇用開発給付金をここでやめるという意味におきましても、まず四十五歳というのでなくて五十五歳というところからスタートして、後は、特に同じように雇用の困難な方々、身体障害者であるとか、あるいは寡婦の方とか、あるいは同和対策対象地域住民の方々、こういう社会的あるいは身体的にある意味でのハンデを背負って就職が困難という方については特段の措置を講じよう、また、五十五歳とすべての人をするわけじゃございませんで、特定の政策の中で、犠牲者と言うと語弊があるかもしれませんが、たとえば炭鉱離職者とか、こういう方々について、特別法がある方々についてはこれは四十五歳まで持っていこうよ、こういう考え方でございます。
 それともう一点は、やはり何といいましても、年齢別の求人求職倍率をごらんいただきますと、確かに、四十五から五十四歳のあたり、それより前に比べれば悪いことは悪いんでありますが、格段とがくんと落ちるのは実は五十五歳以上であります。若干数字を申し上げますと、四十五から
#19
○安恒良一君 時間がないから……。
#20
○説明員(守屋孝一君) そういう状況でございまして、緊急時にはまたそれなりに対応を考えてまいりたいというように考えております。
#21
○安恒良一君 資料をもらっているから……。
 大臣、たとえば、いま言われたんですが、いまの数字は五十四年で〇・六八が五十五年は〇・六四ですね、有効求人倍率が。五十歳から五十四歳が〇・五一が〇・五一ということで、それに加えて、雇用情勢がどうも悪化してきて、その状況が一時的な現象じゃなくて、残念ながらことしも続きそうだ、こういうことなんですから、私はここのところはぜひひとつ、もう一遍よく御検討しておいていただきたいと思います。
 時間がもうありませんから、そこで次に聞きたいんですが、どうもこの中で、私がずっと法律を読んでいきますと、三つぐらい法律を通した後、政令もしくは関係審議会の意見を聞いて決めるということがありますが、そこはどことどこですか。それからどの程度の議論をしているんですか。それをまず整理して聞かしてください。でないと、この法律に賛成するに当たって、そこのところをきちっとしておかないと困りますから、ひとつ、三つの点について聞かしてください。
#22
○説明員(守屋孝一君) まず一つは、雇用調整給付金につきまして、景気変動の場合の業種指定と、企業転換の場合の業種指定の基準が現在違っております。現在、景気変動の場合の業種指定の基準は、簡単に言いますと、業界につきまして生産の落ち込みが一〇%を超える場合、こういうことになっております。私どもは、これは高度経済成長期におきましてはなるほどそういうことでよかったかと思いますが、最近の経済の動きからいいますと一〇%というのは高かろうと。そこでこれをどこまで落とすかということでございますが、一つの目安は五%にするかどうか、あるいは七%ぐらいにとめるかというところでございまして、この辺がまだ審議会で煮詰めておりませんので、審議会マターという話を衆議院でしておったわけでございます。
 それからもう一点は、臨時緊急時にける特定求職者の雇用開発助成金の話でありまして、これもいろいろな段階があるわけでありまして、また延ばす――ただ単に率を上げるとか対象者をふやすとか、どれか一つをやるというのでなくで、これはやる方法は三通りぐらいあります。ですから、どういう段階でどれを活用するかというのが、一つのこれまた審議会マターになっておる問題でございます。
 それからあともう一つは、現在の継続雇用奨励金、これが今度高齢者の雇用確保助成金と変わるわけでありますが、ここの問題点は、六十歳以上についての継続雇用というのをどういう範囲を継続雇用と考えるか。同一企業の中でなきゃいかぬのか、子会社の場合は考えるか、たとえば連結決算で出てくるような会社まではいいかどうかというのがこれはまだ議論が煮詰まっていない、この辺はすべて審議会マターで考えさせてほしいということであります。
#23
○安恒良一君 大臣、お聞きのとおり審議会で煮詰まっていないからということを言われるとそれまでなんですが、いま言われた三点、この法律の中身にとってかなり重要なところなんですよね。ですから、私はこの次からお願いしておきたいんですが、たとえばいま一〇%と言われた。一〇%は問題があるから私はやっぱり下げるべきだと思っていますし、私どもから言ったら、やはり五%なら五%ぐらいにやるべきだという意見を持っているんですね。ところが、肝心なそういうところは全部、私も資料として各審議会の答申をいただいて見ていますが、審議会ではそこまでは議論ができなくてこの次と、こうなっておりまして、そして法律改正だけお持ちになるわけですね。しかし、国会というのはこういう問題については最高のいわゆる権限を持っているところですから、できるだけそういうものは法律の中できちっとするものはする、もしくは法律条項じゃなくて政令条項であってもこういうことにしたいと思いますと、この法律が通ったら。こういうことを明らかにしてもらって、その法律に賛成なのか反対なのか、一部修正するのかと、こういうことに審議をぜひ進めたいと思います。ですから、今回はやむを得ませんが、これからこの種の法律を国会にお出しくださるときには、まあそういうことでないと思いますが、一番するいやり方は、もうもめそうなところは全部審議会マターにして本法だけ通してもらう、そして後で審議会の中で適当にやる、それは三者構成だからいいじゃないかということに、こういう問題ではなるかもわかりませんけれども、私はやっぱりそういうやり方はよくないと思うんです。ですから、これは私の意見として、今回はいま言われたとおりに、私もこの法律ずっと読み、衆議院の議論を読んでみますと、そういう肝心なところがいわゆるいずれも審議会マターと、こういうことになっている。少しの考え方はいま聞かせてもらいましたけれども、審議会マターになりますと、なかなかここで私どもが突っ込んでも、いま守屋さんが言った以上のことは言うと今度は審議会からしかられますと、こういう隠れみのになるわけですよね。しかし、私ども国会で責任を持ってこの法律を決めていく以上は、ポイントになるところはやっぱり審議会マターにしないようにぜひ今後はやってもらいたいと思いますが、大臣どうですか。いま三点説明されてよくおわかりになったと思います。
#24
○国務大臣(藤尾正行君) 包括いたしまして、ただいま御指摘のとおり、私どもは隠れみのに審議会を使っておるわけではございませんので、この法律の趣旨からいきましても、その実効を上げるためにやっていかなきゃならぬことをやっていかなきゃならぬ。その場合に、残念ながらいままでの審議会の速度がそこまで行かなかった、それが残っちゃった、こういうことでやむを得ずそういうことにしておるわけでございますから、これは私はありがたいことでございまして、国会の権威から考えてみましても、そういったことを決める際にはきちっとその折り目筋目を立てたものにしていく、私は当然のことだろうと思うんです。そこで、これは当然委員長初め委員の皆様方十二分に御感得でございますから、そういったものは国会の意思といたしまして強い附帯決議等々で、そちらの方向に行くんだということをお示しをいただきまして、その筋道を踏んで私どもが行けますようなそういう措置をとっていただきますことが、私どもといたしましては、審議会に隠れるというようなずるいやり方をしない行政の展開ができるんじゃないかと、かように思いますので、この点はひとつ委員長にもお願いを申し上げまして、私どもに指針を与えていただきますることをお願いを逆に申し上げておきます。
#25
○安恒良一君 あと三分しかありませんから、二つ聞きますから同時にお答えを願いたいと思いますが、まず、特定求職者雇用開発助成金についても、これ衆議院でかなりやりとりがあっていますが、緊急時には特例措置をやると、こう言っていますね。その特例措置は何を基準にするかというのは、失業率とか中高年齢の求人倍率とか、こういうことをいろいろ言われていますが、たとえば失業率がこうなったときというその中身が、衆議院では時間の関係があったかどうかは知りませんが、論議されていません。その考え方をひとつ聞かせてください。
 それから第二の問題は、御承知のようにここのところ連日のように行政改革問題が新聞で議論されていますが、私は今回、これだけ非常に百あったのが三分の一になりますから、その意味から言うと一つの行政改革だと思います。そうしますと手続もかなり簡素化してくると思いますから、これによってどれぐらいの作業量、人員が浮くのかと、またその浮いた人員はそれをどのように活用されていくのか。たとえば私大臣に申し上げますと、労働省の中で活用するということになると、一番いまおくれていますのはいわゆる基準監督行政なんです。特に基準監督官が少ない。ことしは国際障害者年ですが、障害者の中の大半が労働災害に基づく障害者が多いわけです。それからあとは、中高年齢になっての障害者が多いわけです。そういう意味から言いますと、基準監督行政なんか非常におくれていますから監督官の増員を常に言っておりますが、いわゆる総定員法によってなかなかふやせない。ところが、幸い今回これだけの整理をされますと、こちらの方面から余剰人員が浮いてくると思いますから、ほかの省に行けということだったら大変だと思いますが、労働省の中でそういう人員の異動をやって、いま一番人手の足らないところへやると、こういうのが真の意味の行政改革になると思いますが、後のところはひとつ大臣に、前の方は局長からお答えください。
#26
○説明員(守屋孝一君) 一番最初はちょっと事務的な話でございますから私からお答えさせていただきます。
 これは失業率をとるか求人倍率をとるか、そのほかのどんな指標をもとにして考えるか、またそれぞれの段階、段階でどの程度の期間であるとか率であるとか対象者であるとかを、どの範囲でどうやるかということが非常に議論の錯綜するところでありまして、まさに衆議院でお話ししましたとおり失業率が、先ほども先生がおっしゃいましたように、二%というのが残念ながら日本に定着しているというような考えもわれわれも確かにそういうような感じもいたしますので、ここをどうするかが非常に問題なんで、これを審議会で議論しまして、この間結論が出ませんで、さらに持ち越してこれは議論せざるを得ないやむを得ぬところでございますので、その辺御理解いただきたいと思います。
#27
○国務大臣(藤尾正行君) この百幾つあるものを非常にこれは圧縮するわけでございますから、その運用よろしきを得ればそこでかなりの人員が私は浮いてくる、これは当然のことだろうと思います。私どもは、これはまたこれで非常にありがたいことだと、かように考えますので、その人員を行政需要の足りないところに持っていく、これは当然の私どもの責任だろうと思います。しかし、考えてみますと、これはみんな職業安定行政をいままでずっとやってきた方々でございますから、そういった面から考えてみまして、職業安定行政の中でも、特段とこれから高年齢者あるいは身体障害者、特に国際障害者年を迎えまして、そのような点を十二分に手厚くやっていきますために、手薄なところもたくさんあるわけでございますから、まずそこに充足をし、そうしてなおかつ、それでも私どもが余剰人員を得ることができるということでありましたなら、当然先生のおっしゃられるように一番大事な手薄な点を充足をする、そのように考えるのは当然だろうと思います。
#28
○安恒良一君 じゃ最後ですが、どの程度余剰人員が、もしくは作業量としてどの程度これで浮くというお考えなんでしょうか。その点は大臣じゃなくて局長で結構ですから。
 それから守屋さん、その前のところはそういうこと、審議会というのはわかっていますが、あなたたちの考えはどうなんですかと、審議会マターというのはわかっているんだ、前の答えで。ところが、少なくともあなたたちは何と何を指標にしてどの程度のことを考えておられますかと、その程度のことはここで聞かせてもらってもいいでしょうと、こういう意味で言ったんですよ。
#29
○説明員(守屋孝一君) それがまさに申し上げかねるほどこれは非常にいろんな意見がございまして、私もまたその確たる結論を得るところに至っておりませんので、まことに申しわけないと思っておりますが、審議会で十分議論させていただきたいと思います。
#30
○政府委員(関英夫君) 安定所の規模等によりましていろいろ違いがございまして、これを具体的に、この統合によってどの程度の人員が浮いてくるかということの計算は非常に困難でございます。現に私どもの定数、職業安定行政に従事する職員数は四十五年から五十六年の間に約千入減ってきております。その間行政需要もふえてきておりますので、この辺で浮いてくる人間を、先ほど大臣のお答えにもございましたように、できる限り最重点業務に振り向けていこうというふうに考えている次第でございます。
#31
○安恒良一君 もう終わります。
 それじゃ、それはきょうは無理なら一遍、大臣、積算をやっぱりしてみていただく必要があると思うんですよ。どの程度浮いてくるかわからぬといって――役人というのは、パーキンソンの法則で部課が減ることを絶対反対するんですよ。だからこの前、予算委員会であれだけ各大臣は決意を表明されたが、いざ自分のところになると全然抵抗して、もうちゃんと大臣にも答弁を入れ知恵をこうしているわけですから。ぜひひとつ計算をしてみてください。それだけ申し上げて終わります。
 以上です。
#32
○丸谷金保君 主として高齢者対策の問題を中心に、今度の法改正との連動する中でお伺いをしたいと思います。
 最初にお伺いいたしたいんですが、おたくの方からいただいた「新旧各種給付金の体系」と、この中で百くらいのがこういうふうにまとめて減らしていきました、というのをちょうだいいたしております。その中で、現行どおりのものがそのままになっているのはわかるんですけれども、継続雇用奨励金というのが高年齢者雇用確保助成金と名前だけが変わってこれ統廃合になっていない制度が一本あるんです。これは、統廃合してたくさん全部まとめたという趣旨から言うと、これは名前だけを変えて制度が変わるわけですが、この制度の変わり方というのはどういうことなんでしょうか。
#33
○説明員(守屋孝一君) これはちょっと、御説明にお渡ししました絵が不十分であったかと存じますが、現在あります継続雇用奨励金というのはどういうものかというのをまず申し上げたいと思います。
 これは、六十歳以上の定年制を現にしいている企業で、定年後にさらに継続してその労働者を雇用しようという場合、その場合に奨励金として出す給付金でございます。これは、今回新たに名前を変えましたのは、ただ名前を変えただけではございませんで、中身につきましては、その六十歳以上継続雇用する場合、いままでは、事業主の方が一人でも二人でも恣意的に選択して雇用しても奨励金を出すということになっております。今回は、これを企業が制度的に、希望する人は制度的にこれを雇用していくという場合に奨励金を出しましょうということです。その場合、じゃ、定年延長奨励金とどう違うかということであります。定年延長奨励金の方は、これは常用労働者としてずっと引き続いて定年というところまで雇用していけと、こういうことになるわけでございますが、こちらの方は、必ずしもそういう厳密な意味での常用ということではなくても、要は企業の外に、企業外労働市場に排出しないように、企業の中で抱えてもらえるようなところまで持っていってくれればこの奨励金を出そうという意味で、少し定年延長の場合よりも幅広くしたわけでございます。そういう形で、言い方を変えれば、定年延長奨励金と現在の継続雇用奨励金が一つになったという意味で統合になるわけでございます。
 ただ、定年延長奨励金は統合といいましても、これは、昭和六十年度まではいまのままの姿でそのまま置こうということになっておりますから、その統合する意味が将来においての統合ということになりますので、ちょっと非常におわかりづらい絵のかき方をした資料を差し上げたかと存じますが、実質的には、これは二つの奨励金が統合になるというように御理解いただきたいと思います。
#34
○丸谷金保君 そうすると、その次にある定年延長奨励金というのが六十一年度に廃止になった場合には、ここに一本になると、それまでは二本立てでいくと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#35
○政府委員(関英夫君) 定年延長奨励金を六十一年度に廃止いたしますのは、六十年度までに六十歳定年を一般化する、これを私どももう至上命令としてとにかく実現したい。したがって、六十年度以降については六十歳までの定年延長というのはもう奨励すべき対象ではないと、そういう意味で廃止する。しかし、六十歳以上の定年延長というものは、その後も促進していかにゃなりませんが、定年延長一本やりで六十歳以上対策をやることには、ちょっと無理があるんじゃないか。定年延長だけでなくて、勤務延長とか、あるいはその他嘱託制度とか、いろんな形が多様化して出てくるであろう。そういうものも含めて定年延長ももちろん、それ以外の多様化した形も含めて、この新しい助成金で助成していこう。したがって、六十歳以上の定年延長ももちろんこの対象として助成するわけでございます。
#36
○丸谷金保君 そうしますと、この制度自体は、一つの枠組みをつくった事業者にのみ今度は当たるということになっていくわけですわね。これらのあれですか、新しい制度に移行する場合の要綱とかそういうふうなものは、もうすでにできておるんでございますか。
#37
○説明員(守屋孝一君) これはいま御審議いただいております法律が、いずれ参議院本会議で成立しました暁には、先ほども安恒委員からお話が出ておりましたような、ああいう審議会でその大組みをさらにもう一遍固めぬといかぬわけでございます。というのは、われわれ、これは審議会に諮問せずにそのままやってしまうというわけにはいきませんから、これは必ず諮問いたします。ただ、じゃ考え方としてはどうかと言われると、大体これはもうすでにこの部分は安定審議会の建議の方にその結論が出ております。したがって、それを私どもは忠実に実行していきたいということでございまして、決してこれは審議会を隠れみのにしていまお話をしようということではございません。
#38
○丸谷金保君 そうすると、これは参議院の調査室の方で――この建議案が出てきておりますが、これは尊重すると。そうして要綱はこれの意見を十分尊重してつくると、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
#39
○説明員(守屋孝一君) おっしゃるとおりでございます。
#40
○丸谷金保君 ただ、この高年者の場合、制度にしますわね。制度にしても、非常に私はいままでも不思議に思っていることがあるんです。総理府の調査室ですか、統計局か――総理府統計局、おいでになっておりますね。
 大体いままでお聞きしておりますと、こうしたいろんな政策を組み立てていく場合の基本になるのは、総理府統計局の数字だというふうに承っておるんです。ところが、私たち地方におりまして、なかなかそういう調査を受けたことがないんです、地方自治体で。この仕組みはお伺いしますと、何か抜き出してやるということなんですが、一体その仕方がいまのままで正確を期するというふうなことに自信を持ってお答えできるのか、ちょっとそこら辺をひとつ御説明願いたいと思うんです。
#41
○説明員(山田隆夫君) 総理府統計局ではいろいろな調査をやっておりまして、国勢調査のような大規模な調査でございますというと、県それから市町村、調査員というふうに市町村を通じて調査をするということをやっておりますが、労働力調査のような場合は、これは毎月毎月の全国の動きを調べるということでございますので、やはり抄本調査でやる。抄本調査でございますというと数も少なくなりますので、市町村を全部調査するということではございませんので、県が直接調査員を雇って調査をするということをやっておりますが、しかしその調査いたしておりますのは、全国を代表するように理論的に考えまして、三万三千世帯、七万二千人を調査しているわけでございまして、市町村といたしましては約三千ございますけれども、三分の一の一千市町村を調査しております。そういうことで大体私どもとしましては、全体の動きを代表するようには選んでいるというふうに考えております。
#42
○丸谷金保君 ランダムでとられるんだろうと思いますけれども、たとえばこの労働力調査の要綱拝見しました。ここに申告義務者というのがあるんです。一体この申告義務者には罰則があるんですか、申告しなかった場合、どうなんです、これらは。
#43
○説明員(山田隆夫君) 国の指定統計調査として調査を実施しておりまして、統計法によりまして、もしその理由なくして拒否をすれば罰則は適用されるということになります。
#44
○丸谷金保君 具体的に、この労働力調査に協力しないということで、罰則の適用を受けた場合があれば御説明願いたいし、それからまた、その罰則の上限といいますか、重い方の上限はどこまであるんでしょうか。
#45
○説明員(山田隆夫君) 具体的には、実は統計法を引用いたしまして調査を拒否された方を処罰したということはございません。
 私ども統計調査を実施する場合において、罰則を適用して必ずしも正しい調査ができるとは思っておりませんで、むしろ拒否をされるような方がおりました場合においては、この調査の重要性を説得いたしまして協力していただくようにというふうに努力いたしております。
#46
○丸谷金保君 あの上限・・
#47
○説明員(山田隆夫君) 実は統計法に要件は書いておりますけれども、たしか罰金が幾らというふうになっておりますが、私、実は細いことをいま記憶しておりませんので、もし御必要であれば後ほど資料を提出したいと思います。
#48
○丸谷金保君 ちょっとね、おたくが統計法上の罰則の上限を知らないんですか、それはちょっとおかしいですよ。そんな答弁じゃちょっと納得できないですね。
 実は私は、この統計調査員にいろいろ聞いたんですが、罰則のあることを知っているかを三人にきのう電話でずっと聞いたんです。だれもいないんですよ、仕方がない、やっているという感じなんです、みんな。ですから、いまはっきりさしておいていただきたいと思います。
#49
○説明員(山田隆夫君) 統計法にはっきりと罰則のことは書いておりますんですが、はっきりと、実は手元に統計法を持ってきておりませんのでお答えできないということでございまして、たしか罰金幾らというふうなことに書いておったというふうに記憶しておるのでございます。
#50
○丸谷金保君 終わるまでに・・それは統計法の法律くらいないんですか、だれも持ってきていないの・・こんなことじゃ審議できないですよ。これ、いまのはすぐあれしてくださいよ。
 それで先に進みますけれど、実はこの中で私が非常に前々から疑問に思っていたことなんですが――課長、ちょっといてもらわぬと困るんだがな――この労働力調査、これについてランダムでとるんですが、一体勉強会というか、今度はおたくがその地域に当たったからこういうふうにしてちゃんとやってくださいというふうなことは、都道府県で多分やっていると思うんですが、どのようなシステムでやっていますか。
#51
○説明員(山田隆夫君) 市町村を選定いたしました場合に、県の方にこの市町村が当たりましたのでよろしくということと、それから該当いたしました市町村に対して、直接総理府統計局長の名で調査に御助力くださるようにということをお願いしております。
#52
○丸谷金保君 それで、この中で新聞等でもことしの失業者、特に最近また急激にふえてきたと、雇用状況悪化したというふうな新聞報道が行われておりますけれども、この失業者のとり方なんですが、六十を過ぎた高年齢者の場合の失業者のとり方はどういうとり方になります。
#53
○説明員(山田隆夫君) 年齢別ということで特に調査をすることではございませんで、国勢調査の調査区を選定いたしまして、大体国勢調査の調査区は五十世帯を基準としてつくっておりますが、その中から三分の一ぐらいの世帯をランダムに抜きまして、その世帯の十五歳以上の方について就業の動向を聞くということをやっております。
#54
○丸谷金保君 十五歳以上はわかるんです、ここにありますから。問題は、そのうち失業者の中で高齢者、いわゆる六十以上の方が幾らいるか、それともう一つは、六十以上のお年寄りを失業者の対象とする調査方法なんです。たとえば寝たきり老人はどうなんだとか、これは失業者に入らないとか、どこまでを限度として就業可能能力として調査対象にするのか、これがはっきりしませんと、本当の意味で労働政策としての高年者の対策というのは出てこないと思いますんで、そこら辺をどのように取り扱っているかお伺いしたいと思います。
#55
○説明員(山田隆夫君) 失業者と申しますのは、働く能力がありまして、そして働く意思を持っていて仕事を探しておるという者が失業者でございますので、
   〔委員長退席、理事高杉廸忠君着席〕
したがいまして、働く能力があって、意思があって仕事を探しておると、そしていま就くことができれば、これはみなその年齢にかかわりなく失業者となるわけでございまして……。
#56
○丸谷金保君 ちょっと時間があれなんでちょっといいわ。
#57
○理事(高杉廸忠君) 準備して。
#58
○丸谷金保君 私、総理府統計局にしつこく聞くのは、労働省側に聞くと、統計は総理府のものを援用していますということなのでどうしても聞かざるを得ないんですが、労働大臣、どうなんですか、
   〔理事高杉廸忠君退席、委員長着席〕
労働省として別途にそれぞれの政策立案のために、あるいは失業者の数、内閣統計局では百五十万とか百二十七万とかと言いますね。これ以外の調査を別にやっているんですか、どうなんです。
#59
○政府委員(関英夫君) 失業者数につきましては、私ども総理府でやっていただいております労働力調査、これをひとつの指標として、それを見ながらその意味するところをくみ取りつつ、私どもが独自に私どもの行政の上で、たとえば求職者数がどう動いているか、求人数がどう動いているか、あるいは雇用保険の受給者数がどうなっておるか、こういうものとかみ合わせながら、雇用失業情勢を判断しつつ雇用政策を行っていくというようなことをやっておるわけでございます。
 それから、先ほどたとえば六十歳以上の方の失業率のお話しございましたが、寝たきり老人というような方は当然私は労働力には入らないというふうに考えております。
#60
○丸谷金保君 寝たきり老人は当然入らないということの例として私出したんで、入ると思って出したわけじゃないんです。これは入らないでしょうという意味なんで。
 そうしますと、総理府の統計局の出す労働力調査の数字、これを読みながら労働省としては眼光紙背に徹して別にやっておるというふうに受けとっていいですか、どうなんです。
#61
○政府委員(関英夫君) 先ほど申し上げましたように、雇用保険の受給者の状況、こういったものは私ども直接わかるわけでございます。それと求人求職の状況、そういうものと照らし合わせつつ全体の判断をいたしておると、こういうことでございます。
#62
○丸谷金保君 そういう大変心強い御答弁いただいたんで、引き続いてその問題でお伺いするんですが、それじゃ六十歳以上の失業者数というのは労働省ではどういうふうに押さえておられるか、何名というふうに。
#63
○政府委員(関英夫君) 年齢別の労働力調査によります失業者数でございますが、たとえば五十四年では六十から六十四歳の失業者数が九万、六十五歳以上が四万、合わせて十三万でございます。五十五年もこれはくしくも全く同じでございまして、六十−六十四歳層で九万、六十五歳以上で四万、合わせて十三万でございます。
#64
○丸谷金保君 大臣、いま数字お聞きになったと思います。私が冒頭申し上げました高年齢者の問題を制度的に、政策的にとらえる場合に数字が大事だというのはここなんです。やっぱり統計局の数字を下敷きにしますと、そういう数字しか出てこないんですよ。これは、やっぱり一般の国民の持っておる六十以上の失業者数の感触とはずいぶん違うものなんです。大臣どうですか、いまお聞きになって、大臣自身の感触としてそんなものだろうとお感じになりますか。
#65
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、根拠を何も持っておりませんものですから、それが多いとか少ないとか私がこの場で言いますと大問題になりますわけで、総理府の統計局は一体何をしておるんだということになっちまっても気の毒でございますから、そういった酷なことは申しませんけれども、私の感じといたしましては、何といいましても、私どもが中高年齢者、特段と高年齢者の職業の開拓を重点的に進めにやならぬというぐらいでございますから、その点が非常に重くなっておるということだけは私どもの感じで感得ができると、かように思います。
#66
○丸谷金保君 断定的なお答えは非常にむずかしいと思いますが、いまの労働行政の中における高年齢者の問題が、総理府統計局のその程度の数字を基礎にして組み立てられているというところに、実際の社会の中における高年齢者の働きたくても働けないでいる者との実数との私は乖離があるんではないかと、こう思うんです。そのことについては、なかなかそうはっきりというわけにはいかないと思うんですが、あわせまして、実は高年齢者の問題で先ほど安恒委員からも質問がございましたが、いまの行成改革といいますか、これとの関連でございます。
 実は企業の分についてはそれでも五万とか七万とか十何万とかという数字をもとにしてでも予算措置をして、何とか労働省のサイドで救っていこうと、再就職させていこうというための事業がここに盛られております。ところが、自治省来ておると思うんですが、地方自治体、これは国家公務員も同じだと思うんですがね、地方自治体でたとえば六十歳勧奨退職、いま定年制のこと問題になっておりますけれど、やめた場合の再雇用について自治体が、市町村がそれを再雇用するというような場合に、それに対して国がめんどうを見るというふうな財源措置、こういうふうなものございますか。
#67
○説明員(津田正君) 現在の地方財政計画あるいは地方交付税におきましては、標準的な行政水準を確保するための給与関係経費あるいは一般行政経費の中に所要の賃金というものを織り込んでおるわけでございまして、特に再雇用分というような特別の計上の仕方をいたしておりません。
#68
○丸谷金保君 基準財政需要額の中には入っていないというふうに理解してよろしゅうございますね。
#69
○説明員(津田正君) 入っている、入っていないというよりも、抱括的に必要な給与関係経費あるいは賃金を組んでおるわけでございまして、これが再雇用分、あるいはそうじゃない全く別のものと申しますか、要するに先生いま議論されております中高年齢じゃなくて若い方の給与だとか、そういうものを抱括的に組んでおるわけでございまして、必要な行政の執行の全体としての給与費あるいは賃金等を組んでおるという、こういうことでございます。特に計上しておるわけでございません。
#70
○丸谷金保君 それじゃ異例的な例で申します。ある事業主体がいままで課長で使っていた、六十定年でやめたと。そうしてそれがその事業の工場の中の掃除をやるというふうなことで再雇用をその企業がした。こういう場合にこれは先ほどから出ておりました継続雇用奨励金、これの対象になりますね。
#71
○説明員(守屋孝一君) 私どもの方はこれは実は先生、雇用保険制度の枠内でやっておりまして、はなはだ申しわけないんですが、雇用保険は国、地方公共団体、三公社、これは外れておりまして、保険料いただいておりませんので、まず保険制度の面・・
#72
○丸谷金保君 そうでなくて、国の方を言っているんじゃないの、事業主体の方を。
#73
○説明員(守屋孝一君) だから、民間ならば私どもの対象になります。
#74
○丸谷金保君 質問にお答えいただければいいんで、ほかの方のことは御心配なくどうぞひとつ・・。
 それで、その場合には当然雇用保険法に基づいて国も財政負担しておりますね。どうですか。はいとだけ言ってくれればいいですよ。
#75
○説明員(守屋孝一君) 四事業は財政負担ございません。
#76
○丸谷金保君 そうするとあれですか、高年齢者の雇用確保助成金というふうなものについては、国の財政負担は全然ないということですか。
#77
○説明員(守屋孝一君) ございません。
#78
○丸谷金保君 わかりました、これにはないわけですね。
 これは、そうすると雇用保険法に基づいて保険経理から出ると。特別会計になっておりますか、それから出るということですが、こういう再雇用関係にはそうすると、保険の制度だけでその保険には国は財政援助を全くしてないと。そうすると再雇用関係の国が財政援助をしておるのはどういうものありますか。一、二の例で結構ですが。
#79
○説明員(守屋孝一君) これは一般会計から出ますのは、雇用対策法に基づく部分、それから今回統合する前の現時点におきましては、それぞれの特別対策法、炭鉱離職者以外が一般会計から出る部分がございます、似たような雇用奨励金で。
#80
○丸谷金保君 そうすると事業主体が、要するに事業内再雇用という場合には、雇用保険に基づいて行うので国の財政支出というのは全くないと、こういうことでございますね。そうすると、そこの事業をやめたと、今度新たに別なところで再就職するというふうな場合についてはどういう制度がございます。
#81
○政府委員(関英夫君) まず雇用保険の仕組みからちょっと先に申し上げたいと思いますが、雇用保険が失業に対する給付をする、これが一つの大きな事業でございます。これは労使の保険料と国の財政負担とで賄うと、こういうことになっております。そのほかに付帯といいますか、もう一つ、四つの事業をやっております。これは事業主だけの保険料負担にいたしております。そして事業主のいわば共同連帯として高齢者を雇用した場合とか継続雇用をした場合とか、そういうときにその事業主負担の保険料をもとに助成すると、こういう仕組みになっております。したがいまして、いま先生の挙げられました例で、ある民間事業所に雇用されていた者がそこを定年退職してほかの事業所に雇用される場合、こういった場合には、この方は雇用保険の被保険者になっておりますし、民間事業ですから両者とも雇用保険の適用事業所ございます。その場合には、この四事業に基づくいま御審議いただいている助成金、高齢者雇用確保奨励金、特定求職者の雇用開発助成金が支給されるという場合に当たると思います。そういう雇用保険の被保険者でないような方、たとえば心身障害者でそれまでずっとお勤めになれずにおった方なんかは、一般会計から助成するというような例があるわけでございます。
#82
○丸谷金保君 そうすると、雇用保険でもあれですね、国が一部負担して、職が変わって高年齢者で再就職するというふうな場合の助成の制度はあるわけですね、要するに保険金以外に。
#83
○政府委員(関英夫君) 失業者が安定所に来てもらう失業中の手当といいますか、給付としての失業給付は、国の負担も含めて労使の保険料で賄っておりますが、再就職した場合あるいは定年延長した場合の助成金などは、国の負担なしの雇用保険特別会計の中で、事業主のみの保険料負担を財源として助成措置をしております。
#84
○丸谷金保君 統計局の出ましたか。
#85
○説明員(山田隆夫君) 統計法の五条で、「政府、地方公共団体の長又は教育委員会は、指定統計調査のため、人又は法人に対して申告を命ずることができる。」という規定がございまして、これに対しまして、十九条で罰則といたしまして「左の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役若しくは禁錮又は五千円以下の罰金に処する。」「第五条の規定により申告を命ぜられた場合申告をせず、又は虚偽の申告をした者」というふうになっております。
#86
○丸谷金保君 大変厳しい罰則がありますわね。ところが、調査員自体がほとんどそのことをよく知らないんではないですか、この労働力調査などというふうなものに。四年に一遍やる国勢調査については非常によく勉強していますし、これはやらなきゃというふうなことで皆さんよくあれしますけれど、この種のやつにつきましては、どうもそういう点でのPRといいますか、あれが足りないような気がするんですけれど、まあその点はひとつ十分注意していただきたい、それがやはり基礎になるものですから。
 それで、実は行政改革と絡んでくる問題なんですが、非常にいまの数値のとり方等にも私は問題あると思いますけれど、同時に、いただいた数字で見ますと、たとえば北海道は大体定員その他からいっても公共職業安定所あるいは労働基準監督署等についても全国の二十分の一なんです。この二十分の一ということは人口比にすると大体二十分の一で合うわけですけれど、つい一昨日も羅臼から水産加工なんかやっている事業主の方が見えました。この方に安定所まで行くのにはどう行くんだと言いましたところが、車で五十キロ、あと汽車に乗って十二、三キロ、まあそれは数字ははっきりわかっていませんけれど、だから車で走ると六十二、三キロ走るというんです。ちょっとした県ならもう隣の県に出てしまいますわね。そこまで行って分室しかないんです、羅臼の中標津というところには。こういう状態の中で人口割合と同じじか北海道に配置されてないなんというようなことだと、これはなかなか労働行政というのが浸透しないのは当然だなと。かりそめにもそういうところが行政改革の対象になるというふうなことになると、これは何も各論で反対するわけじゃないんですがね、そういう実態だということを大臣特に踏まえていただきたい。
 時間がないので結論を急ぎますけれど、私はこの労働行政もう少し市町村に任せたらどうなんだろうか。これはいずれまた個々の具体的な例挙げて申しますが、どうも市町村に任せる認定業務というふうなものが、安定所なり監督署なりというのががっちり持っていてなかなか市町村に任せない。そのためにどうしても疎遠になる。特に北海道のように遠隔の地にしかない場合には、なかなか相談といってもそうはいきませんし、二十分の一のいわゆる人口割りでの定数の中では安定所なり監督署なりの職員にしても、出ていってやるといっても本州方面の町村のようにはいかないんです。それだけに、私たち市町村におりましていつも感じていたことなんですが、特にその点を要望して、もう時間ですからきょうは終わりたいと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#87
○国務大臣(藤尾正行君) 確かに人口と地域の広さといいまするものが必ずしも同じではないということを私どもが考えながら、いろいろな変革を考えていかなきゃならぬ、それは私は御指摘のとおりだと思います。しかしながら、そうだからと申しまして、一つの整理を国の政策として展開をいたします場合に、ここは特別広いんだから、それとはこれは別にしてというようなわけにはいかぬ場合が多いわけでございまして、私も内閣の閣僚といたしまして、一つの方針が出ましたならば、その方針に沿って実情を考え合わせながらその実行を促進していかなきゃならぬ、そういう立場が、ございます。
 それからいま一つ、労働基準監督の行政でありますとか職業安定等の行政問題を、これを県なり市町村なりに委託してはどうだという御提案でございまして、これは私どもも、これから先十二分に考えながらやっていかなければならぬ大方針の中の一つだと思います。恐らくいま第二臨調がこれからいろいろなことをお考えになられると思いますけれども、そういった第二臨調のいろいろなお仕事の中にもそのような問題は必ず入るであろう、かように考えますし、これがこれから取り組んでいかれるこの時点におきまして、私の方から、それはそうすべきであるとかそうすべきでないとかということをいま私が申し上げるのは適切ではない、かように考えます。
#88
○丸谷金保君 大臣、念のため申し添えておきますけれども、たとえばいまのお年寄りの、働きたくて働く能力もあって、失業人員となっていないような数字は、市町村が調べればぼくはもういまの何倍と出てくると思います。そういうこと一つとってみても、もう少し市町村を大事にしていただきたいということだけ要望して終わります。
#89
○高杉廸忠君 私は、本法案の審議に際しまして、衆議院の社会労働委員会あるいはまた先ほど同僚の各委員から指摘されました雇用の情勢の悪化について確認の意味でまず伺うわけでありますが、本年二月完全失業者は百三十五万、こういうふうに増加をしております。最近の雇用失業情勢は急速に悪化している現状でありまして、先行きが懸念されているところであります。この雇用情勢悪化の要因及び今後の見通しについて伺い、さらに第四次雇用対策基本計画の昭和六十年の政策と目標、この達成状況、その見通しについてこの際明らかにしていただきたいと、こういうふうに思います。まず伺います。
#90
○政府委員(関英夫君) 最近の経済の状況といたしましては、設備投資が引き続き順調でございますけれども、民間のたとえば住宅あるいは民間の在庫投資、そういったものが落ち込み、個人消費が総じて低い伸びになるというようなふうに、よく言われますように内需が全体として伸びが鈍く、したがって経済の拡大テンポが非常に緩やかになってきていると、こういう経済状況、これを反映いたしまして最近の雇用情勢が弱含みというような状況になっているのだというふうに考えておるところでございます。そういう状況に対しまして、三月十七日のいわゆる総合経済対策、そういうものを受けての雇用対策、こういったものに積極的に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
 第二に、第四次雇用対策基本計画の達成状況ということでございますが、この第四次は昭和六十年に向けての計画でございます。一つは、昭和六十年までに六十歳定年を一般化するとか、あるいは労働時間等についても、欧米先進諸国の水準に近づけるとか、あるいはまた雇用全体として求人と求職がバランスをとる、そういった形の、求人倍率で申せばおおよそ一程度、失業率で申せば一・七%程度を目標として掲げて雇用対策を行うことにしておるわけでございます。まだその達成状況というものを具体的に数字で申し上げる段階に至っておりませんが、この目標に向けて私ども、定年延長の促進あるいはまた労働時間短縮についてそれぞれ計画をつくり、あるいは個別企業に対する実地の行政指導、そういったことを強化して、この基本計画の目標を達成すべく現在行政努力を続けている段階でございます。
#91
○高杉廸忠君 すでに産業界においては、雇用調整の動きが出始めたとも言われておりますけれども、これに対応して雇用調整給付金の弾力的運用等について通達を行ったと言われておりますけれども、その通達の内容、これが第一であります。
 それから、第一次石油ショック後の百万人にも及んだ雇用調整の経験から見ても、第一に中高年齢者の失業防止、その対策、これが重要であることは言うまでもないと思うんですが、この積極的対応策をこの際示すべきだと思いますけれども、いかがですか。
#92
○説明員(野見山眞之君) 先ほど局長から御説明申し上げましたように、雇用情勢がやや弱含みになってきているということで、先般各都道府県に対しまして、雇用調整給付金制度等の積極的な活用のほか、産業雇用情勢を早期に把握する、あるいは積極的に求人開拓を行う、あるいは公共事業における就労機会の確保等を内容とする当面の緊急的な雇用対策の推進を指示したところでございまして、その中で、雇用調整給付金制度等の運用に当たっては、これまで建設投資の低迷によりまして、建築関連産業等につきましての指定を随時行ってきたわけでございますが、今後とも対象業種の指定につきましては、それを業種の実態に応じて機動的に行うとともに、特に業況が地域的に跛行性が見られるような場合には、地域を限った指定も行うというような内容で指示したわけでございます。
#93
○高杉廸忠君 今回の法改正で中高年齢者、心身障害者などの特に就職の困難な者の雇用の増大及び失業の防止を柱にしていると言われておりますけれども、この雇用調整給付金、これを具体的にどういうように改善されるのか、これが第一であります。
 第二はその対象、それから内容、要件等については、失業防止に効果的に役立つものとして積極的改善を図るべきではないかと、こういうように考えるんですが、この点はいかがですか。
#94
○説明員(守屋孝一君) 雇用調整給付金の今回の改善点幾つか申し上げますと、一つは、いままで景気変動の場合の業種の指定基準と、事業転換の場合の業種の指定基準と二本建てになっておりました。どちらかというと、景気変動の方が生産の落ち込みはシビアに見ております。先ほどの安恒委員の御質問にもありましたように、ここの点を私どもは、いわゆる業種の指定基準の生産の落ち込みの仕方を少し緩和して、できることならば業種の指定基準を一本に統一しようというのが今回の考え方でございます。
 それからもう一つは、これは休業した場合にこの給付金が出るわけでありますが、それはいままで全一日の休業を対象としておりまして、時間短縮は入れておりませんでした。しかし今回は、その事業場の全労働者が時間単位で、何といいますか操業短縮するというような場合もこれを対象にしたいという考え方を持っておりまして、これも実は、またくどいようですが、安定審議会にお諮りしてそのような方向で決めていけるものならしていきたいというふうに考えております。
#95
○高杉廸忠君 また今回の改正では、百を超える雇用関係各種給付金を三分の一程度に統合する先ほどのお話も伺いました。その内容を整備、充実したと言うけれども、中高年齢者雇用開発給付金、これを三分の一程度に減額するというのは、その理由はどうだろうかというのが一つ。
 それから、これでは中高年齢者の雇用確保対策の後退ではないかと、こういうふうに、思うんです。その実効性について私はぜひ確認をしたいと思います。伺います。
#96
○政府委員(関英夫君) 現行の中高年雇用開発給付金制度は、御承知のように、石油ショック後の非常に深刻な失業情勢に対処して臨時の緊急措置としてとられたものでございまして、制度発足当初は、先ほども御議論ございましたように、五十五歳以上の高齢者だけ三カ月というような制度で緊急措置としてとられたものを、雇用情勢がますます悪化するということで現行の形まで持ってきたわけでございますが、これはあくまで臨時応急の措置でございます。今回、特に高齢者に重点を置きました特定求職者の雇用確保助成金、こういったものを新設する考え方としては、そういった緊急時ではなく、通常の状態において特に就職が困難な高齢者に手厚くしていこうという考え方のもとにやっているわけでございます。それならば、じゃ、雇用情勢が本当に悪化したらどうするかということは、これはまた非常に御議論が出たところでございますが、緊急時の措置としてこういったものの率なり、あるいは支給の期間なりあるいは支給対象の年齢の幅を広げるなり、いろいろな対応をこれからも臨時応急的にやっていかなければならないだろう、こういうふうに考えておりまして、その辺は関係審議会に十分お諮りして機動的、弾力的に対処していきたいと考えておるところでございます。
#97
○高杉廸忠君 いまのように、第一次石油ショック後の構造不況の中で設けられた本制度ですから、一定の役割りを果たした評価はできると思うんですけれども、特に、中小企業における政策効果が大きかったのに反して、大企業における雇用効果というのはなかったというような、労働省のこれは労働組合の調査報告が出ているわけでありますが、この点はどういうようにお考えになっておりますか。
#98
○政府委員(関英夫君) 中高年雇用開発給付金の受給資格決定状況、こういうのを見ますと、全体では大企業は約一三%、残りすべてが中小企業と、こういうような割合になっておりまして、割合からいいまして大企業の割合が少ないということは数字の上で言えるかと思いますが、御承知のとおり、大企業は通常、定期採用によって主に学卒者を対象として必要な人員を確保して、中途採用というものが余り多くは行われないというようなわが国の雇用慣行がその底にあろうかと思います。また、特に中高年雇用開発給付金は中小企業に私ども大企業よりも手厚い助成措置にいたしております。そういう意味で、安定所が実際に職業紹介をする場合にも、中小企業の方が手厚いものですから、どうしてもそちらに力が入るといったようなこともあるいは影響しているかもしれませんが、基本的には大企業の雇用慣行、こういったものが根っこにあるんじゃないかと考えております。
#99
○高杉廸忠君 また、開発給付金を活用した中高年齢者の中には、先ほど来からも指摘がありましたように臨時雇いが一割以上含まれておる、したがって、給付期間が終了するとともに約一八%の者が再就職をしていると言われているわけです。こうした点について、その実態をどういうように把握されているのか、あるいはまた、今回の改正によって具体的な改善、こういう点があるなら伺いたいと思うんですが、どうでしょう。
#100
○説明員(山口泰夫君) 中高年齢者雇用開発給付金の対象者は、制度的に常用労働者というものに限られているわけでございまして、御指摘のような臨時雇用者といいますのは名称が臨時ということであって、実態的には常用労働者に等しい者というものと理解しております。ただ御指摘のように、支給期間の途中あるいは終了しました後に、たとえば仕事に適応できなかったとかあるいは病気その他の本人の都合によりまして一部の者が退職をしたというような事例は聞いておるところでございます。しかしながら、この給付金がいまの制度のような高率助成になりましたのが、しかも率ばかりでなくて、一年ないし一年六カ月にもわたるものになりましたのが五十四年の六月からでございまして、その支給終了後の実態については、まだ把握するに至っていないというふうに申し上げざるを得ません。いずれにいたしましても、こういう事例がございます以上、われわれといたしましては、今後ともできる限り給付金の支給終了後の退職というようなことがございませんように、制度の適正な運用を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
#101
○高杉廸忠君 大臣ね、お聞きのような中高年齢者をめぐる雇用、失業情勢は常に厳しい状況にあるわけですね。したがって、本制度はそのまま継続すべきであると考えるのです。今後、改正後も雇用情勢がさらに悪化した場合、万全の措置がとれるのかどうか、ぜひとっていただきたいし、その具体的な措置、そういうものをぜひこの際、大臣の決意を伺いたいと思うのです。いかがでしょう。
#102
○国務大臣(藤尾正行君) 御趣旨のとおりいたさせます。
#103
○高杉廸忠君 ぜひひとつ、具体的な措置を強く要望しておきます。
 時間の関係から、各委員から指摘されましたから、私は職業訓練関係の給付金について質問をしたいと思うのですけれども、今回の法改正で職業訓練関係の各種給付金についても整備充実すると言っておりますけれども、具体的にどういうようなお考えを持っておられるのか。それからまた、施行期日を昭和五十七年四月としているこの理由、これは何なんでしょう。
#104
○政府委員(森英良君) お答え申し上げます。
 この改正は、中央職業訓練審議会の建議を受けまして民間事業主の行う中高年齢者の教育訓練に対し助成を行うためのものでございます。すなわち、昨年十一月の同審議会の建議におきましては、高齢化社会への移行に対応いたしまして中高年齢者の教育訓練の振興を図るために、現行の各種給付金を統合充実する、そして事業主が、生涯訓練の基本理念に立った段階的かつ体系的な事業内職業訓練計画をつくることを助成の条件といたしまして、その要件による新たな給付金を設けるということを建議されておりまして、これを受けて、事業主の行う中高年齢者の教育訓練というものに対する助成を行うために、所要の改正をお願いしておるところでございます。なお、施行期日を五十七年度からというふうにいたしましたことは、ただいま申し上げましたとおり、この給付金におきましては、事業主が生涯訓練の基本理念に立った段階的かつ体系的な事業内職業訓練計画というものをつくることが助成の要件になっているわけでございますが、現状を見ますと、事業内職業訓練計画いずれもよくつくられておるのでございますけれども、これまでのところは、主として新たに職業生活に入った者に対する基礎的な教育訓練あるいは職位の上昇に伴う階層別の教育訓練というものが中心になっておりまして、中高年齢者に対する職業能力の開発、向上のための教育訓練というものはまだどうも手がついていないという状況でございます。
 したがいまして、この給付金につきましては関係法律の整備をまず行いまして、その後民間の事業主に、新しい生涯訓練の基本理念に立った事業内職業訓練計画をつくることを奨励し、かつ指導いたしまして、その上で五十七年度から実際には助成を行っていくというふうにしたいということで考えたのがその理由でございます。
#105
○高杉廸忠君 中高年齢者の職業能力の開発、向上ですね。これについて今回の法改正によって職業訓練法第九条第二項に、「事業主は、その雇用する労働者に対する職業訓練を段階的かつ体系的に行うために必要な計画を作成するよう努めなければならない。」こういうふうに規定することにしているんですけれども、具体的に本法との関係でですね、民間等も含めて具体的にひとつ教えていただきたいと思うのですが。
#106
○政府委員(森英良君) 先ほど御説明申し上げましたように、新しくできます助成金は事業主が生涯訓練の基本理念に立った段階的かつ体系的な訓練計画というものを事業内でつくることを要件にしておるわけでございます。したがいまして、職業訓練法におきましても、今回の給付金関係の改正に伴いまして、もともと職業訓練法は職業訓練の基本理念として、生涯訓練体制ということを言っておるわけでございますから、それに即した事業内の計画を事業主につくっていただくことを努力義務として課していこうというのが、今回の職業訓練法の改正の趣旨でございます。
#107
○高杉廸忠君 次に、生涯訓練助成金の支給要件について伺うんですが、どういうような内容で職業訓練計画というものを作成させるのかですね。
 それから生涯訓練体制については、まず基礎的な養成訓練が行われて、その上にそれぞれの専門に応じて必要な訓練が積み上げられるべきであると、こういうふうに考えるんです。そうした場合に寸職種転換ができる訓練、これが多角的にまた体系的に実施されることでなければならないと、こういうふうに思うんです。すなわちその養成訓練、向上訓練、職種転換訓練、これが有機的にまた多角的に実施されることによって、給付金も私は効果的なものになると、こういうふうに思うんです。この点はどうでしょう。
#108
○政府委員(森英良君) 生涯訓練助成金の内容につきましては、五十七年度からの実施ということもございまして、今後さらに具体的な内容を詰めるところでございまして、その過程で改めて中央職業訓練審議会の意見も十分お聞きしながら、具体的に固めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 ただ、昨年十一月の中央職業訓練審議会においてすでに建議がございますので、その建議の趣旨に沿って、現在行っております定年退職予定者の教育訓練に対する助成のほかに、企業内において中高年齢者を新たな職務につかせるための必要な教育訓練、あるいは技術の進歩等に対する適応性の増大のための訓練、その他中高年齢者の活性化ということのための必要な職業訓練を、ホワイトカラー等を含めまして、できるように検討してまいりたいというふうに考えております。
#109
○高杉廸忠君 次に、労働基準行政についてただしたいと思うんですが、先ほど安恒委員等からも指摘されましたが、労働基準局の定員に関して、昭和五十六年度に、第五次の定員削減計画によって労働省全体で、聞くところによりますと約七十名の削減がされたと、こういうふうになっているんですが、第一次定員削減計画が実施されて以降今日まで、何名ぐらいの削減がなっているんですか。
#110
○政府委員(吉本実君) 基準関係の点でございますが、昭和四十三年度から定員削減計画が実施されておりますが、それの第一次の実施以来、地方の労働基準関係職員につきましては五百人を超える純減というような実情になっております。
#111
○高杉廸忠君 言うまでもなく、労働基準監督行政、これは労働基準法あるいは労働安全衛生法等、広範に及んでいるわけですね。で、違反件数もかなり多い。そういう情勢の中で、私は監督行政の充実強化、これはしばしば要望してきたところなんです。
 具体的に私、ちょっと地元の問題でありますけれども、茨城県の太田労働基準監督署、これを見ますと、署長のもとに二課があるんですけれども、一課は課長と庶務主任の一人なんです。二課は課長と技官、それから事務官、それぞれ一名ずつで、署長入れまして六人という現状なんですね。今日の対象の事業所数というのは相当数にこれは及んでいるわけです。こういう陣容では、私は十分な監督行政ができるというふうには思っていないんです。大臣どうでしょう、こういう現状を見て。しかも、多数の労働基準法の違反がある、労働安全衛生法で今やそういう環境を守らなきゃならぬ、こういう現状の実態ですね、これについてどういうふうにお考えになっておられますか。
#112
○政府委員(吉本実君) 行政コストの軽減を図るために、数次にわたります定員削減というものが行われて、大変厳しい状況にあるわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、私ども基準行政の第一線監督機関について充実していかなきゃならぬということで、いろいろと苦労をしておるわけでございますが、先ほど御指摘のように労働災害の防止対策だとかあるいはいろいろな労働条件の確保のために、労働基準監督官やあるいは労働安全専門官、あるいは労働衛生専門官といったようなところにも増員に努めてきているところでございます、しかしながら、こういった状況の厳しい中でございますから、私ども局なり署、それぞれの役割り、分担というものを十分創意工夫いたしまして、機動力の増強なども含めて行政推進のための効率化に努めていこうと、こういうことで、現在鋭意努力をしているところでございます。
#113
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘の点は、私も十分考えておりまするけれども、何と申しましても、国の政策的な方針といいまするものが先行をいたすものでございますから、非常にそういった第一線に働かれる方々にお気の毒でございまするけれども、そういった環境下にありますだけに、ただいま基準局長が申し上げましたように、十二分に機動性を発揮し、かつまた頭を使ってその需要を充足をしてもらわなきゃならぬと、かようにお願いをいたしておるところであります。
#114
○高杉廸忠君 ひとつ、行政改革の一環として定員削減計画が進められているようでありますが、いま申し上げました現状を見ても、十分な基準行政体制ではないと思いますから、その充実強化について一層の御尽力をいただきたいと、こういうふうに特に要望をいたしておきます。
 時間の関係がありますから次に進めさせていただきますが、労働行政体制の充実について、先ほど来から雇用失業情勢に対応する労働行政の体制の確立、これを強く私も要望してきたんですけれども、この際、職業安定行政、労働基準行政についてやはり十分な機能を果たす、こういう意味から、失業給付が終了した中高年齢者の求職のうちの、安定所の紹介で再就職できる者はわずかに十数%にすぎないと言われている現状でありますから、こういう現在の職安体制についても十分機能していくように、私は特に要望しておきます。こういう現状についてどういうように対応されていくのか、その方向をひとつ示してもらいたいと思うんです。
#115
○政府委員(関英夫君) 公共職業安定所の関係におきましても、四十三年以降の定員削減によりまして、約千五百人の定員が削減になってきております。一方で雇用を取り巻く情勢は、石油危機以降ますます重要性を増してきておりますので、まず私ども第一には、安定所の中の所内体制を再編整備しようと、そして求職者の態様に応じた職業紹介をやっていこうと。たとえば自主的に求人を見て閲覧できるように求人を公開いたしまして、それを見て自主的に選択して就職できるものは、自主的にやっていただくと。中高年齢者や心身障害者のように、特別のきめ細かな相談を要する人は、そういう係に行っていただくというような形でできる限り合理的に、効率的に職業相談、職業紹介をやっていこう。
 それからまた、今回の給付金の整理統合なり、あるいは雇用保険の業務をすべてこれを電算機で処理する。そういうことによって効率化を図って、その浮いた人員をもって先ほどの就職困難な人の紹介、相談に充てる、あるいは求人開拓に充てる。こういうようなことで対応しようということでやってきておりますが、今後とも国民の期待にこたえられるような、そういった公共職業安定所にすべく努力を続けたいと思います。
#116
○高杉廸忠君 だんだん時間がありませんから結論的に申し上げたいと思うんですけれども、労働行政の積極的推進について、要望も含めて申し上げたいと思うんです。
 さきの本委員会に、私は労働省の民間の活力を基本とする行政指導中心の諸施策の実態について、その限界について私は質問をいたしました。低成長経済と景気のかげりの中で政府は緊急の総合経済対策、これを打ち出しましたが、雇用情勢は、なお楽観を許さない情勢であることは、いままでの質疑を通じて明らかであります。
 そこで、労働行政の重点的施策について、雇用の安定化のためには雇用機会の拡大創出が重要である、言うまでもありません。雇用開発委員会ですね、このことについて活動状況、これは一体どういうふうにいまなっておりますか、この委員会の活動状況について伺います。
#117
○政府委員(関英夫君) 雇用開発委員会には中央と地方とございます。
 中央につきましては、まず今後発展が見込まれるような職種を中心に、そういった職種の情報、それに参入するためにはどういった勉強、資格が必要か、どういった訓練を受けたらいいか、そこの現在の労働条件はどうか、今後のその職種の発展見込みはどうか、そういった雇用情報をハンドブックとしてこしらえて、関係方面に十分利用してもらうようにというようなまず中間報告をいただきました。現在その後、今後の雇用開発という観点から第三次産業の実態なりその見通し、そういったようなことを御検討いただきまして、今年度末ぐらいにはまた御報告がいただけるものと思っております。
 また地方におきましては、当初特定不況産業等を抱えた地域を中心として、五県に地方の雇用開発委員会を置き、その後五十五年に、大都市と第三次産業を多く抱えているような府県に置き、そして五十六年は第一次産業のウエートの高い五県に地方開発委員会を置きたいと思っておりますが、当初置かれました不況産業を抱えている地域の五つの地方雇用開発委員会におきましては、今年度中に今後の雇用拡大についての御報告をいただけるものと思っております。
 こういった御報告をもとに雇用の開発に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
#118
○高杉廸忠君 この昭和五十四年度に設置されて三年ですね。これは会議はまあ聞くところによりますと年平均五、六回程度というわけですけれども、調査研究費、会議費、こういうものが予算措置が十分講ぜられているのかなというような疑問を持つんですが、その点はどうでしょう。
#119
○説明員(野見山眞之君) 地方の雇用開発委員会につきましては、一県当たり約四百四十万円の予算で実施いたしておりますが、その内訳は、会議等に必要な経費のほか、雇用開発に関連して専門的な機関に調査を委託するというための経費を同時に約二百万円組んで実施いたしておりまして、額の多寡は別といたしまして、各委員会につきましてはそれぞれの地域に応じた委託調査、たとえば北海道におきましては、今後の雇用創出のために必要な望ましい産業構造のあり方ですとか、あるいは特に不況地域を抱えました地域では、不況産業の雇用の実態調査、その他の調査分析が行われているところでございます。
#120
○高杉廸忠君 その調査研究ですね、これは結局委託調査というふうに聞いているんですけれども、この報告書、こういうものは具体的にどういうふうになっておりますか。それが一つであります。
 それから、委員会としての結論というのはいつ出されるのか。
 それから、われわれは雇用開発委員会が設置される際に、特に雇用創出のための調査研究の結果を、速やかに具体的施策に反映するよう要望しているわけです。こういう要望についてはどういうように具体化されようとしているわけですか。
#121
○説明員(野見山眞之君) 委託調査の結果でございますが、五十四年度に行いました五つの委員会につきましては、すでに先ほど申し上げましたようなそれぞれのテーマに応じまして報告書をいただいております。また五十五年度に発足いたしました五県につきましても、本年度それぞれのテーマに応じて調査を実施する予定でございます。
 二番目の委員会の結論でございますが、先ほど局長より御説明申し上げましたとおり、五十四年度に発足いたしました五つの委員会につきましては、五十六年度中に報告をいただく予定で現在最終的な御検討の段階に入っております。
 それから、委員会の出していただきました結論につきましては、今後の雇用拡大のための方策を含めて、御提言等をいただくことになっておりますが、それぞれの地域におきまして、地域の実態に応じて実施すべき対策、あるいは国の場におきまして考えていくべき方策その他が出てまいると思いますけれども、それぞれの分野におきまして、具体的な施策に反映させるべく努力してまいりたいと考えております。
#122
○高杉廸忠君 時間が参りましたから、最後に要望を申し上げて終わりたいと思うんですけれども、大臣もお聞きのように、いままでの質疑を通じ、あるいはまた委員会のいままでのお答えも聞きまして、中高年齢者、心身障害者等に関する調査研究などもまとめを急いでいただきたいし、雇用創出拡大の施策というものを積極的に講ずるべきであると、こういうふうに考えております。
 本法の審議に際しまして特に提案理由の中でも、「各種給付金がこれらの重要課題に即して十分に活用され効果の上がるものとなるよう、その体系、内容の充実を図ることがきわめて重要」であると、こういうふうにもう提案理由でも述べられております。大臣、いままで私どもの本法の審議に際して指摘をし、要望をいたしました、これらについても、積極的なこれからの取り組みについて大臣の決意を伺い、質問を終わります。
#123
○国務大臣(藤尾正行君) 本委員会におきまする委員各位の御指摘、御教導、きわめて適切なことが多いわけでございますけれども、いずれもそういった御指摘をちょうだいをいたしまして、これを外し、あわせて今日私どもがお願いをいたしておりまする各種委員会等々の御建議等々とあわせまして十二分に考えて、そうして効率の高い行政を実現をいたしますように努力をしてまいります。
#124
○委員長(片山甚市君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十二分開会
#125
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#126
○小平芳平君 午前中の質疑に出ていたことでありますが、重要課題なので改めて質問をいたします。
 それは昭和六十年までに六十歳定年を一般化しようということであります。まず最近の傾向としまして、六十歳定年が実現したというものが何%ふえたか、それからいまなお五十五歳定年、五十五歳以下定年で立ちどまっているものが何%ありますか。
#127
○政府委員(関英夫君) 現在、全国的な統計として申し上げられるのは五十五年一月一日現在の状況でございます。五十六年一月の状況につきましては、五月ごろまとまってくると思います。そういう意味で非常に古い数字でまことに申しわけないと思いますが、それで申し上げますと、定年年齢が六十歳以上という企業の割合が三九・七%、それから五十五歳という定年年齢の企業が三九・五%ということになっておりまして、非常にわずかですが、初めて六十歳以上定年の方の企業割合が多くなったという状況になっております。また同時に、昨年の一月でございますが、その時点で定年年齢を引き上げることを予定している、検討しているという企業が多くて、これを含めますと、二年ぐらいのうちに六十歳定年とするような企業の割合が四七・五%に高まるという調査結果が出ております。この五十五年一月一日以降の定年延長の動きもいろいろ見られますので、ことしの一月の状況はさらに改善が図られているのではないかと推測いたしておるところでございます。
#128
○小平芳平君 ニュースなどで見ますと、相当六十歳定年がふえているではないかというふうに思われるわけですが、しかし実際には、いま局長が言われたような数字では六十歳以上が三九・七%に対して、五十五歳定年は三九・五%。確かにわずかながらではありますが、六十歳以上定年がふえ、五十五歳を追い越してはいるんですが、しかし、なおかつ約四割ですね、五十五歳定年が約四割。ですから、私たちの仲間、同級生なんかも定年でやめているわけですよね。その定年も十人に四人は五十五歳でやめている人がいるわけです。ですから、労働省としては法制化することは必要ない、必要ないというか、法制化する考えはないと言うんでしょうけれども、それでもそうこうしているうちにも定年になりましたといってやめなくちゃならない人が毎年毎月出てくるわけですね。そういう現状にある。しかし、その人たちはとにかく食べていかなくちゃならない、生活していかなくちゃなりませんので、そういう深刻な問題があるわけです、現実には。そこで、要するに雇用審議会では六十歳定年が六十年までに達成できるという見通しでやっておられたか。政策推進労組会議などでは六十年代半ばまでいくんじゃないかというような見通しもありますけれども、その辺の見通しはいかがでしょう。
#129
○政府委員(関英夫君) 昨年の一月の数字は先ほど申し上げたとおりでございますが、先ほども申し上げましたとおり、その後もたとえば一昨年の鉄鋼、私鉄に続きまして、昨年は繊維とか電力とか銀行、生命保険、従来、定年延長がおくれているといわれたようなところで非常に定年延長が進んできてまいっておりますので、私ども、もはや六十年までに六十歳定年をということは社会的コンセンサスを得たというふうに考えておりまして、一つの大きな社会の流れになってきたというふうに思っておりまして、これをより確実に、できるだけ早期に達成するように行政指導を強化したいと考えておるところでございます。そういうことで、六十年にはこの雇用対策基本計画で立てました目標を何とか達成できるんではないか、また達成しなければならないと思っておるところでございます。
#130
○小平芳平君 いま言われた、鉄鋼、私鉄、銀行というふうに言われましたが、そういう鉄鋼、私鉄、銀行などでは六十歳定年が実現したかのようにニュースで聞くわけですね。しかし、実際企業間の交渉が続いているか、あるいは課題として取り組んでいるかですね。その辺が雇用審議会の建議ですか、建議では必ずしも明らかにしてないわけですね。ですから、その点労働布で把握していたらお答えいただきたいんですが、鉄鋼は段階的に実施の予定というふうになっておりますが、これは実際の働いている人が定年が延長になって、六十歳までは働けるという環境ができるのはいつか、そういう点に着目して御答弁いただきたいですが、私鉄も各社別交渉に入るような文章になっておりますがどうか。化学は無理なのか、化学は非常に困難があるように書いてありますがどうか。銀行は五十六年四月から三和銀行が実施するのか、あるいはほかの銀行はどうか。そういう点を具体的にお答えいただきたい。
#131
○政府委員(関英夫君) 鉄鋼につきましては、労使間のお話し合いによりまして五十六年四月から二・一・一・一方式と言われておりますが、五十六年四月から、まず二歳上げ、その後順を追って一歳ずつ上げていくと、こういう形で定年延長を実施しようということで労使間で合意されておるわけでございます。したがいまして、現在五十五歳の定年が五十六年から五十七歳になり、五十八、五十九、六十と、こういうふうに延びていくわけでございます。
 それから、こういう方式をとりますものが、似たようなものが私鉄にもございますが、私鉄は多くは現在五十七歳の定年でございまして、これを五十六年三月からあるいは会社によっては五月からとか十一月からというところがございますが、五十六年から一歳ずつ引き上げるという形で六十歳へ持っていこうと、こういう形をとっておりますので、六十年前に六十歳定年というものが出てくるというふうに思います。
 銀行の場合には、多くは一挙に現行五十五歳を六十歳に引き上げようというものでございまして、実施期日は五十六年四月からと、四月には六十歳定年に。するというものが多うございます。
 それから化学のお話ございました。化学は非常に多種の業態ございまして、一遍に六十歳に五十六年四月には引き上げますというものから、石油関係では五十六年から一歳ずつ四年かかって引き上げようというようなものもございますし、いろいろでございます。
 先生の御指摘にありましたように、鉄鋼、私鉄の場合も、大筋の合意とそれからそれをさらに具体化する芳純交渉が行われまして、そして最終的に確定していくわけでございまして、一昨年の鉄鋼、私鉄が大筋で合意いたしました後、それぞれ各社別に話し合いが進みまして具体化してきたのは、最近具体的に決まってきたということが言えると思います。
#132
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま局長から申し上げましたとおりでございますけれども、この問題で相関関係にありますものが、御案内のとおりの賃金改定の問題がこれとくっついておりまして、年功序列型の賃金アップというものが、五十五歳を過ぎてなお上がり続けるということに対するいろいろな配慮が労使間でそれぞれにおいて行われておりまして、そのために各個ばらばらな体制になっておるということで、全部六十歳をもとにいたしまして、中には六十二、六十三なんというのもございますけれども、そこまでは定年を延長しようということだけはもう決まっておりまして、それに対する条件づくりが、それぞれの会社におきましていま検討を続けておるというところが多いということをつけ加えさしていただきます。
#133
○小平芳平君 大臣の御説明はわかりますが、現実に定年を迎える人が出るわけですから、次から次へ出てくるわけですから、ひとつ早く対処していただきたいということをお願いして次へ進みます。
 次に、この点も午前中に出ていた問題ですが、特定求職者雇用開発助成金についてでありますが、この雇用開発助成金は、要するにいままでの制度なら該当した人が、この新しい制度になって外されるというものが出てきはしないかという点です、従来の制度なら雇用開発給付金と雇用奨励金、各種の雇用奨励金というものがあったわけですが、その制度のまま行けば該当するのに、給付を受けられるのに、新しい制度になるがゆえに落ちていくという人は出ませんか。
#134
○説明員(守屋孝一君) これは中高年の雇用開発給付金、現在の雇用開発給付金が、これが御承知のように四十五歳からと、これはもちろん臨時緊急事態の場合ということで四十五歳からになっております。これがこの新しい特定求職者雇用開発助成金になりますと、原則として五十五歳というところに線を引いております。この部分の御指摘かと思いますが、ただこれは特別法――炭鉱、駐留軍、沖縄等の特別法に基づく手帳をお持ちの求職者につきましては、これはいままでどおりの、いままでどおりといいますか、四十五歳というところに線を持ってきておりますので、その面では、私ども必要なところにより手厚い助成をしようという今回の給付金の統合の趣旨からいたしまして、やはりこのようにするのが最も効果が高いというように考えたわけでございます。
#135
○小平芳平君 四十五歳から五十五歳の人で、その人が駐留軍等の場合は手厚くなるわけですか。
#136
○説明員(守屋孝一君) これは格段に手厚くなります。と言いますのは、現在一月当たり一万五千円という奨励金でございます。ところが、今度は中小企業の場合は三分の一、大企業の場合四分の一ということになります。そうすると、現在の再就職賃金等から見ますと大体倍以上、場合によっては二・五倍ぐらいの支給率になるというように考えております。
#137
○小平芳平君 それはわかりますが、中年労働者ですね、中年で再就職する場合に、従来なら給付を受けられた、新しい制度だと落ちるという場合はありませんか。
#138
○説明員(守屋孝一君) それが先ほど申しました中高年齢者雇用開発給付金の現在四十五というのを、今度は原則として五十五にしたというところの部分でございます。
#139
○小平芳平君 それで、その人たちが、四十五歳以上の中年労働者が雇用情勢がよくなったということはないわけでしょう。
#140
○説明員(守屋孝一君) これはいままでの求人求職の年齢別の求人倍率をの割合を見てまいりますと、これはやはり一時期の五十一年の非常な不況の時期から見ますと若干の改善は見られております。ただ、確かに先生おっしゃるように、四十五歳未満のあたりほどの改善はないというのは、午前中も御説明したとおりでございます。
 ただ私どもは、蛇足になるかもしれませんが、いまの中高年の雇用開発給付金を発動したときと同じような、ああいう時期になれば、その段階、段階に応じて過去の経験等を踏まえまして年齢を下げるなり、あるいは期間を広げるなり助成率を高めるなり、今後は弾力的に運営していくつもりでおります。
#141
○小平芳平君 次に、いま言われた弾力的の内容ですが、特例措置ですね、特例措置はどう対処していかれるか、具体的には示してないようですけれども。
#142
○政府委員(関英夫君) 中高年雇用開発給付金の経緯を振り返ってみましても、当初はまず高齢者だけ五十五歳以上、そして助成期間は三カ月、助成率も出発当初は低かったわけでございますが、雇用情勢に応じてそれを逐次拡大していったわけでございます。
 で、今後の特定求職者雇用開発助成金につきましても、これを雇用情勢に応じて弾力的に運用するとすれば、まず考えられますのは三点でございまして、一つは助成の率をもっと引き上げる。あるいは二つ目には助成の期間を延長する。それから三つ目は助成対象。まずはたとえば年齢について言えば、五十五歳というのを引き下げていくと、四十五歳というような点に持っていくとか、そういう三点がまず考えられるわけでございます。
 それを具体的にどういうときに発動し、どの程度ならどういう措置をとるかというようなことにつきましては、この法案を作成しますまでの関係審議会の論議においてそこまで十分煮詰まりませんでしたので、とりあえずこの法案をお出ししたわけでございますが、今後そういった点については関係審議会で十分御議論をいただいて、その結論によって弾力的に対処していくようにいたしたいと考えておるところでございます。
#143
○小平芳平君 統合したことによりまして、部分的に、地域とか業種とか部分的に不況になったと、特例措置が発動されるということがやりにくくはなりませんか。
#144
○説明員(守屋孝一君) これにつきましては、現在、不況業種法、不況地域法の二本の特別法がございます。この法律と、今回給付金を整理統合して雇対法に統一いたしますが、これとは連動する関係にございます。したがいまして、この不況業種として入ってき、あるいは不況地域として入ってくるならば、その入ってきた段階において、その地域、業種については、現在私どもは、いまの平時においても四十五歳のところまで下げるというつもりでおりますので、先生の恐らく御指摘の点については、このような面でカバーができるんじゃないかというように考えております。
#145
○小平芳平君 ちょっと話が戻りますが、五十四年度予算編成のころですね、十万人の雇用創出ということで大分国会でも論議があったわけです。その十万人の雇用創出ということは、労働省はどのように評価しておられるか。若干景気が上向いたために雇用が増大したとか、あるいは所定外労働時間の延長が困難になった時点から雇用が増大したというような、そういう見方もあるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#146
○政府委員(関英夫君) 五十四年の六月から始めまして、具体的に申請が出てまいりますのが翌月になりますから、七月から統計とってみますと、一年間で十万人を超えるこの開発給付金による雇用ができたわけでございますが、その政策効果というお尋ねでございますが、安定所に対する求人は不況のときでも若い人には求人の方が多いというようなことがございまして、とかくわが国の雇用慣行からして、求人は若年者に偏りがちでございます。そういった状況に対してこの中高年雇用開発給付金制度が、中高年齢者に対する求人意欲を起こさせるといった形で雇用に結びついたということが言えるんではなかろうかと思います。確かに、幾ら手厚い助成制度がございましても、求人そのものがないときには効果はないわけでございますけれども、ちょうど五十四年後半から五十五年前半にかけては経済活動も活発になってまいりまして、雇用関係についても多少の改善を見た時期でございます。そういう意味で先生御指摘のように、労働時間で対処するというようなこともそれまでは行われておったわけではございますが、経済活動の状況を反映して求人を出そうというときにこの制度があったということは、若年者に対する求人を、中高年齢者の求人に誘導するといいますか、そういう効果もあったのではなかろうかと思うわけでございます。この開発給付金制度そのものが、雇用をゼロのところをプラスにして、雇用をつくり出すという効果はないかもしれませんが、安定所の職業紹介による就職の状況なんかを見ましても、高齢者、中高年齢者の雇用率がこの五十四年以降上がっておりまして、そういう意味で政策的な効果はあったんじゃないかと見ております。
#147
○小平芳平君 まあ機動的に対処されることを要望いたします。なかなか政策的に雇用をつくり出すということは容易なことじゃないと局長が言われたとおりだと私も思います。したがって、ある場合には長い期間の努力が必要でもありましょうし、ある場合には、機動的に速やかに対処することも必要でありましょうから、時期を失しないように、政策を実行されたいというふうに希望しておきます。
 次に、職業訓練についてお尋ねしますが、今回の企業内職業訓練ですね。これも先ほどの質疑にありましたが、五十七年度から実施するんだということでありますが、それでこの企業独自の組み方をすれば、生涯訓練という点からは相反するものが出てきやしないか、そういう点はいかがでしょうか。
#148
○政府委員(森英良君) お答えいたします。
 御承知のように、職業訓練法におきましては、職業訓練は労働者の職業生活の全期間を通じて、段階的かつ体系的に行われることを基本的理念とするということになっておるところでございます。したがいまして、いろいろな段階にわたって体系的な訓練がなきゃならぬわけでございますが、終身雇用慣行を特徴とするわが国におきましては、このような生涯訓練の基本理念を達成しますためには、やはり事業主の行う職業訓練というものが非常に大きなウエートを占めるというふうに考えるところでございます。ところが現在、企業において広く行われております職業訓練の体系は、主として新たに入ってきました社員に対する基礎的な教育訓練と、それからあとは職位の上昇に伴いまして職位階層別の教育訓練というものが中心となっておりまして、今後、高齢化社会の進展に伴いまして重要性を増すと思われます中高年齢者の職業能力の開発、向上ということをはっきり意識して行われる訓練というものは、きわめてまだ乏しいという状況にあるわけでございます。
 したがいまして、高齢化社会への移行に対応しまして、各企業の教育訓練の体系を改めて見直していただきまして、中高年齢者にも十分焦点を当てた全事業内訓練計画というものをつくっていただくと、そういうことを要件にいたしまして、そういう計画に基づきまして行われます中高年齢者に対する教育訓練につきましては、今回お願いしております法律改正の考え方によりまして、新しい補助を考えるというのが今回の法律改正の趣旨でございまして、もちろんそれ以外の企業外の訓練につきましても、たとえば能力開発訓練というようなものにつきましては従来同様、今後ともさらに拡充を図っていくということも同時に考えておるところでございます。
#149
○小平芳平君 いや、そういう趣旨はもちろん賛成ですが、企業で訓練を計画した場合、それは企業の都合が優先して生涯訓練というものと矛盾することが起きませんかということ。
#150
○説明員(野崎和昭君) 御指摘のとおり、企業が教育訓練を行います場合には、どうしても企業の直接な必要ということに応ずる教育訓練になりがちであるのは否めない事実かと思います。ただいま局長が申し上げましたように、中高年の教育訓練が企業の教育訓練の体系の中で、まだ不十分であるというのもそういう企業の現実を反映したものかと思いますけれども、そういう点につきまして、この高齢化社会に対応して改めていただくと、そういう努力をしていただくことを今回の改正でねらっているわけでございます。
#151
○小平芳平君 たいてい公共職業訓練所は基礎的な訓練が多いわけですね、基本的なことを教えておりますから、旋盤にしてもタイル工とかそういう職種にしましても。ですから道具も古いし、設備も古いしという場合が多いと思うんですね。ですから、中高年の場合、特に中年層などはより技術を進歩させるための訓練というようなそういう場が必要じゃないですか。
#152
○政府委員(森英良君) 公共訓練施設におきまして若干古いものが残っておって、なかなか更新が進まないという点もある程度あると思いますが、設備の更新につきましてもそれなりに一応配慮いたしまして、順次新しいものにかえていく努力はやっておるつもりでございます。もちろん中高年齢者の職業訓練につきましても、職業訓練を行いますからには、その中高年齢者があるいは職場転換をする場合には、そのための訓練でありますとかそういうものもありますけれども、同時にその仕事につきまして、もっと進んだ技能を身につけるための向上訓練ということも当然中心になるわけでございまして、そういうものも含めまして、新しい教育の中では助成を考えてまいりたいというふうに考えております。
#153
○小平芳平君 それから、この中央職業訓練審議会の建議の最後の部分ですが、「労働者の自発性のみに基づく自己啓発に対する援助のあり方について、別途、新たな視点から早急に検討を加える必要がある。」と、こういうふうに述べられておりますが、この点についてはどうでしょうか。
#154
○政府委員(森英良君) 現在行っております給付金といたしましては、主として定年退職前の方々に対しまして、職業訓練あるいは職業講習を行うというような関係の給付金でございますとか、そのための派遣の奨励というための給付金等もあるわけでございますが、これらを統合しかつ拡充しまして、生涯訓練助成金というものをつくります中におきましては、御指摘の自己啓発のための措置であります有給教育訓練休暇の助成の給付金がございますが、そういうものを取り込みまして、同様に事業主が生涯訓練の理念に基づいてつくる段階的、体系的な訓練計画がありまして、それに基づいてそういう措置が行われます限り、同様に助成してまいるということを考えておるところでございます。
#155
○小平芳平君 言うまでもないことですけれども、中高年齢者の訓練が再雇用に結びつくことが望ましいわけですが、もちろんそのために訓練を受けるわけですが、失業給付の支給期間が終わってから、訓練手当を受けるためにやむを得ず訓練所へ入る、そういうようなことの繰り返しにならないようにと思いますが、いかがですか。
#156
○政府委員(森英良君) 御趣旨のとおりでございまして、なるべく実質的な職業訓練ができますように配慮してまいりたいと思います。
#157
○小平芳平君 次に労働時間についてお尋ねします。
 まず、週休二日制はどのくらい実施されておりますか。
#158
○説明員(小村雅男君) 統計的な数字でございますので私から御説明申し上げますが、週休二日制は五十四年の九月現在という数字しか現在押さえてないところでございます。五十四年九月現在で、企業単位で申し上げまして何らかの意味の週休二日制と申しますものが四六・一%、労働者単位で押さえまして七二・九%という方々に何らかの意味の週休二日制が行われております。
#159
○小平芳平君 この辺は労働大臣どう考えられますか。週休二日制というものは、何でもかでも実現しさえすればいいというわけにもいかないでしょうし、いろんな企業の実情とか、また日本経済の何かというようなこともあるでしょうけれども、基本的にいまの御説明のように、何らかの形で週休二日制と言われる場合は欧米の週休二日とは違うわけですね。四週五休とかいろいろ実態が違うわけですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#160
○国務大臣(藤尾正行君) この労働時間の水準を、週休二日制をまずもって実行いたしまして、昭和六十年度に欧米主要国と同じようなところまで持っていこうということでやっておるわけでございますけれども、この私どもの願いといいますものは、掛け値ない週休二日を六十年までに行き渡らせようということでございます。ただ、その手がかりといたしまして、たとえば公務員というような場合に、一遍にそこまで飛び上がるわけにもいかないものでございますから、とりあえずその試行といたしまして、それでは一週間二日休んでみたら、たとえば警察はどうなるだろうか、消防署はどうなるだろうかというようなことを含めまして、いま、まことに申しわけのないことでございますけれども、実験的試行をやらしていただいておるということでございまして、その試行期間をできるだけ短くいたしまして、完全週休二日に持っていくべき私どもは措置をやらなければならぬ、かように考えております。
 昨年の十二月に、えらい長い名前で恐縮千万でございますけれども、週休二日制等労働時間対策推進計画というようなものをつくりまして、この計画に従いまして労使間で努力をしてもらいたいということでいまやっておるわけでございますけれども、かなりこの理解が進んでまいったということは言えると思います。でございますから、これまた定年制と同じようなことでございますけれども、ある程度まで参りましたならば、あとはそういう一つの定着した方向に行っておるんだからこれにならってくれという、いままでは御理解を願って推進していただきたい程度のものでございますけれども、それから先は、やはりこれを実行していただきますために、どのようなことになるかという御計画をいただいて、その御計画どおりに進めていただくということをお約束を願うというところに、私どもの連動が推進されるだろうと、かように考えております。
#161
○小平芳平君 掛け値なしの週休二日制が六十年までに実現すれば一番いいわけであります。
 で、ちょっとそれらと関連しまして、過労働時間を四十八時間から四十時間へ持っていこうということについては、労働省はどのようなことを考えておられますか。
#162
○政府委員(吉本実君) ただいまの四十八時間を四十時間にするということは、具体的には週休二日制を推進していくということに実質的にはなろうかと思います。そういった意味で、先ほど大臣が申したとおり、週休二日制を含めまして、先ほどの推進計画に基づきましていろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#163
○小平芳平君 それで、完全な週休二日なんという表現、掛け値なしの週休二日なんというのがおかしいんですけれども、どのくらい実施されていると考えておられますか、現在の状態では。
#164
○説明員(小村雅男君) 完全週休二日制につきましては、先ほどの五十四年九月の段階でございますが、企業割合で三十人以上の経営といたしましては五・六%、労働者、働いている人の単位で数えますと二三・五%ということでございまして、労働者単位で見ますと四分の一近くの方が完全週休二日制のもとで働いていらっしゃるということでございまして、もちろん企業規模によりまして普及度というものは違いまして、大企業の方で完全週休二日制の方は割合が非常に高い、中小企業ではおくれているというような状況があるわけでございます。
#165
○小平芳平君 六十歳定年よりもこの方がむずかしいみたいな感じを受けますね。
 それで、ちょっとそれに関連しますが、時間外労働、休日労働、これは協定でいま無制限にできるようですが、これを時間外労働、休日労働を法律で制限するということは考えておられませんか。
#166
○政府委員(吉本実君) 時間外・休日労働につきましては、私ども行政指導としまして、たとえばいわゆる三六協定の届け出等を通じまして具体的な指導を行っているところでございまして、この時間外労働についての上限を法律で設定するということにつきましては、現在そういった各企業の実態、また基準法のいわゆる監督権を行使することを前提としました最低労働条件を定める法律という観点からも、法律でこれを是正していくということは考えておりません。
#167
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま基準局長から申し上げたとおりでございますけれども、私は先生のおっしゃられるとおり、週休二日よりはこちらの方がむずかしいと思います。がしかしながら、それやっていこうというわけでございますから、できるだけのことをやってみましてどこまでいきますか、それを見まして、そうしてこれはもうどうしても強制力をもってしてでなければいかぬということであれば、これはそのときに十二分に各審議会等々にお諮りをいたしまして御相談をさしていただきますけれども、私どもといたしましては、法律によらないでやっていただくというのが理想でございますから、できるだけその姿勢を貫いていきまして、最後の土壇場まで努力をしてみたいというのが偽らざる私の考えでございます。
#168
○小平芳平君 いまの大臣が週休二日よりもこの方がと表現されましたが、定年六十歳よりもこの方がという意味でよろしゅうございますね。
#169
○国務大臣(藤尾正行君) はい。
#170
○小平芳平君 次に、時間外の割り増し賃金、これを引き上げることは考えておられないかどうか。まあそういう課題は昔から出ておりますけれども、いまどう考えておられるか。
#171
○説明員(小村雅男君) 時間外の割り増し率を引き上げるべきではないかという御議論は、かねてからあるところでございます。ただこれにつきましては、五十四年に労働基準法研究会の賃金関係についての御報告もいただいておるところでございますが、時間外割り増し率を引き上げるというのは、いわゆる過重な、恒常的な時間外労働を防ぐために、そういう引き上げ的なことで残業規制の効果を期待するわけでございますが、そのような割り増し率を引き上げた場合に、そういう抑制効果が当然あるわけでございますが、片方でやはりお金がほしいという率直な感じもあって、そのように有効に時間外労働規制に役に立つかどうかという点については、まだ完全に議論が一致しておらない。この問題はもうしばらく労使で、それぞれの企業内で時間外割り増しをどの程度にすべきかという御議論が詰まっていくのを待って考えるのが大筋であろうと、このような御指摘をいただいておりまして、私どもも時間外割り増しの問題につきましては、労使の御議論の中で、それは現在でも法律の二割五分を三割でやっているというような事例は幾つもあるわけでございます。そういう御議論の深まることを期待してまいりたい、このように考えております。
#172
○小平芳平君 次に、時間外割り増しの基礎賃金の範囲を拡大する、これは当然の要求でもありますけれどもね、これはいかがですか。
#173
○説明員(小村雅男君) やはり先ほど申し上げました研究会の御議論の中で、御指摘の割り増しの基礎賃金の範囲と申しますと、ボーナスを含めるべきではないかという御指摘かと思うんでございますが、ボーナスを入れるべきではないかという意味の御議論がかねて労働組合の方からも提起されておるわけでございますが、技術的に非常にむずかしゅうございまして、六カ月単位というボーナスと、残業割り増しというのは毎月毎月計算するものでございまして、技術的な問題がちょっと現在のところ対応できないということで、これは基本的な割り増しの毎月毎月のものの基礎にはむずかしいんではないかというような御指摘いただいております。
#174
○小平芳平君 技術的にむずかしいだけであって、考え方には賛成ですか。
#175
○説明員(小村雅男君) 技術的に困難と申しましたが、現実的にそのようなさかのぼった形のものとなりますと、法理念的に申し上げましても、いわば毎月払いという原則があるわけでございます、残業賃金を踏まえまして。ところが、六カ月後にならなければ仮にボーナスを入れた場合に計算ができないということになりますと、極端な場合、六カ月遅配の割り増し賃金を払うということで、これは基準法が要請しております毎月払いの原則にも触れかねない問題もございまして、単なる技術論で申し上げましたが、言葉不足でございまして、基準法の毎月払うという賃金支払いの基本原則にも触れかねない要素も持っておるということでございます。
#176
○小平芳平君 次に、年次有給休暇をどのくらい利用しておられるか、とっておられるか、これは中労委の調査が発表になっておりますが、労働省ではそういう調査はないかどうかですね。五十五年に六三・六%ということで五十三年の六七・〇%より下がっているという中労委の発表ですね。これなどはどう考えておられますか。
#177
○説明員(小村雅男君) 先生御指摘の中労委の調査、私どもも拝見してございますが、これは中労委の調整、あっせんの対象になるいわば大企業のデータでございます。中小企業含めての数字につきましては、私どもの方で実施しております賃金労働時間制度調査というものと、それから労働者福祉施設制度調査というもの、その両方の結果からの推計という作業が可能なんでございます。その結論で申し上げますと、大体六一%というような数字を押さえてございます。大企業の数字と若干違ってきておるわけでございます。
#178
○小平芳平君 年次有給休暇がとりにくくなったんじゃ逆行ですね、これは。労働大臣が非常に熱心に、年次有給休暇をとるべきだというふうに言われた大臣もありましたですがね。欧米の慣行とは、日本としての慣行があってなかなか欧米のようには日本はいきませんけれども、またやる必要もありませんけれども、少なくともこうした年次有給休暇というような基本的なものは消化する、消化してくださいという政策が必要じゃないですか。大臣のお考えを伺いたい。
#179
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおりでございまして、私どもいまお願いをいたしておりまするような六十年までに欧米の方々と同じような水準にまで労働時間を短縮したい、それを達成をいたしますためには、もちろん週休二日制の徹底も必要でございまするけれども、あわせて年次の有給休暇を消化をしていただくということは非常に大切でございますから、私どもといたしましては、各企業の方とお会いをさしていただくそういう機会には、必ずそのことを申し上げておるわけでございます。ただ、ここで非常にむずかしい問題は、それではその年次有給休暇を消化しなかった場合にどうするんだということになってまいりますと、これは私どもといたしましてはとにかく何にも方法がないわけでございまして、そのようにお願いしますというその姿勢のほかちょっとそのアプローチのしようがないということで、いま実は悩んでおるところでございます。しかし、何とかいたしまして日本的な一つの労働体制、労働条件といいまするものの中におきましても、休むということが悪だというような物の考え方をやはり取り去るだけの努力は続けていかなければいけないじゃないかと、かように考えております。
#180
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間でございますので二点ほどにわたってお伺いをしたいと思っております。
 これ、鈴木総理も今国会の冒頭、所信表明でもゆとりある生活の大切さということを強調されました。ところが、労働の分野で見ますと、これは昨年からの景気のかげりで雇用情勢というのは大変暗くなってきているのは、同僚委員からの御質問の中でも出ておるとおりでございます。二月には百三十五万人の完全失業者が出た、前年同月比で二十四万ふえたというのは、やはり相当な危険な情勢に来ていると思うわけでございます。そういう中で、本当に今日の雇用情勢の中での問題点を幾つか実はお伺いをしたいと思っていたわけですけれども、何と言っても労働時間の短縮の問題、定年延長の問題、賃金の引き上げの問題、加えて健康の確保、保持の問題等々幾つかお聞きをしたいと思っておりましたけれども、時間の都合もありますので、定年延長のことについて、これは同僚委員の皆さん方からも集中的に出ておるところでございますので、私もこの点についてお伺いをしたいと思っています。
 雇用情勢の悪化の中でこそ、いよいよ定年延長というのが推進をしていかなければならないと思うわけでございます、すでに先ほどからも御報告があっておりますように、六十年までに六十歳定年をということで御推進になっておられるようでございますけれども、先ほども御説明がありましたが、五十五年の一月現在の統計では、六十歳以上の定年制のところが三九・七%、約六割が五十九歳未満ということになっているんですね。その中で、それじゃ企業別、企業規模別に見たらどうなんだろうかということですが、それはどうでしょう。
#181
○説明員(若林之矩君) 先ほどの雇用管理調査の結果でございますけれども、まず、五十五歳定年の方からまいりますが、産業の計で申しますと、いま先生おっしゃいましたように三九・五%でございますけれども、五千人以上で三五・三%、千人から四千九百九十九人で三八・九%、三百人から九百九十九人で四五・一%、百人から二百九十九人で四四・四%、三十人から九十九人で三七・一%でございます。
 他方、六十歳定年でございますが、平均はただいま先生御指摘のように三九・七%でございますが、五千人以上は二七・六%、千人から四千九百九十九人が二四・五%、三百人から九百九十九人が二六・一%、百人から二百九十九人が三三・二%、三十人から九十九人が四四・一%という結果でございます。
#182
○沓脱タケ子君 いまお聞きのとおり、いわゆる定年延長についても、規模別に見ても大企業の達成率というのは低いわけですね、平均が三九・七ですね。ところが、実際には五千人以上の企業で二七・六ですね、千人から四千九百九十九人の規模では二四・五ですか、それから三百人から九百九十九人までが二六・一と。で、九十九人以下の一番小さい規模のところでは四四・一ですね。やっぱりこの分野でも大企業の達成率というのはおくれているのが数字を見ますと示していると思うわけでございます。今後、やはり六十年までに、特に今日の雇用情勢を見まして、定年延長を推進していくという点を考えますならば、これは社会的影響力の大きい大企業に対する定年延長の指導というのは強化しなければならないと、数字が示していると思うんですが、これはいかがですか。
#183
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおりでございまして、五十五年一月の時点におきましては、ただいま御論議になられました数字ということになっております。しかしながら、そういった数字であればこそ、私どもはその一番成績の悪いやつからどんどんと成績をよくしてもらうための指導をやるということでございまして、このところ急速に改善をいたしておりますのは、その一番悪いところのやつがいまどんどんどんどん改善をしつつあるということでございまして、私どもは六十年までになどというのんきなことは言っていられない。実は、そのころになりまして、たとえば年金というようなものを考えてみましても、それがどうなっていくかということを、これは非常におぼつかないわけでございますから、そういったことを考えてみましても、できるだけ早くそういう支障の起こるようなことにならないようにということでございますので、まずもって、そういう能力を持っています大きなやつが成績が上がらぬなんということでこれを放置しておくわけにはまいらぬわけでございますから、私が腕によりをかけましても、一番悪いやつに一番厳しく指導をさせるというのは当然のことでございますから、さよういたさせます。
#184
○沓脱タケ子君 大変力強い御答弁をいただきました。ところが、たとえば身障者の雇用率を見ても、大企業が悪い、定年延長を見ても大企業の率が悪い、こうなってくるとやっぱり格段の御指導の強化というのが要るであろうと思いますので、大臣の御答弁に期待をいたしまして、この次の統計にはどういうふうにあらわれるかということで御期待を申し上げたいと思うわけでございます。
 で、高齢者の雇用対策の推進についていろいろと労働省では御指導なさっておられるようでございます。御指導に当たって通達等もお出しになっておられるので、私も拝見をいたしましたが、五十四年の一月二十三日には労働省の職安局長名で各府県知事あてにお出しになっておられます。なかなか丁寧な御指導になっているんですね。五十四年一月二十三日の「個別企業の指導」のところには、「基本的な考え方」として、「定年延長の障害となる賃金源資の増加や人事の停滞等の問題点を解消するため、延長後は、」ということで三つの基本を出しておられる。
 一つは「労働能力、労働内容に応じ、横ばいないし低下するような賃金体系」
 二番目は「延長後の期間を加算しない退職金制度」
 三が「ラインからスタッフへ移行するような人事管理システム」
 大変親切に書いておられる。さらに、それから五十四年の十一月の十九日には、基準局長と職安局長の連名で、これまた通達をお出しになっております。これ聞いたっていいんだけれども、資料をいただいているから私申し上げますが、これも一層懇切な御指導になっているようですね。この通達の三ページの(4)のところに、定年延長を円滑に進めるための指導の内容ということで、
 イの「賃金雇用慣行の改善については、基本的には労使の自主的な話合いによって決定するのが原則であるので、賃金・退職金制度、人事管理制度の改善指導に当たっては、この点に十分に留意すること。」ということで、わざわざ「五十二年十二月の賃金制度研究会報告「定年延長どこれからの賃金制度」を活用するとともに」云々ということで、「報告の内容の骨子は以下の通りである。」ということで、また一、二、三というふうに御指導になっています。
 この(イ)には「定年延長を阻害している年功的自動昇給を四十五歳−五十歳程度以上の年齢層については緩和ないし停止し、このような年齢層については仕事や能力に応じて昇給するシステムに改善すること。
 なお、゛賃金カーブ゛を旧定年年齢前の四十五歳−五十歳程度から修正する場合には、この層は生計費がピークを示す年齢層であるので、この層については賃金水準をできるだけ改善しておくこと。」
 (ロ)「また、退職金制度についても、現状では退職金額が勤続年数に応じて累進的に増加するような仕組みのものが多く、このことが定年延長の阻害要因の一つとなっていると考えられるので、定年延長を円滑に進めるという観点からは、一定勤続年数以降は退職金額が累進的に増加するような方式を改善すること。」
 大変懇切な指導がなされているわけです。私は、この問題についてちょっと疑義を感じるわけです。と言いますのは、労働省が、賃金の問題についてはこれは不介入の原則だという原則を立ててきておられた。だから、この十一月の通達でも、基本的には「賃金・雇用慣行の改善については、基本的には労使の自主的な話合いによって決定するのが原則である」が、ということをわざわざお書きになっているんですが、指導の内容はこんなに、賃金は定年延長以後は上げぬでもいいと、停滞ないしは下げてもよろしいとか、そんな、退職金は定年延長になったらどんどん上げぬでも、もうとめておいたらよろしいというようなことまで指導するというのは、これは、そういうやり方を労働省の指導によって奨励をするというふうなことになっていると思うのですが、これについては御見解いかがですか。
#185
○説明員(八島靖夫君) 定年延長に関しまして、定年延長の意義、必要性につきましては、労働基準局におきましてはいろいろな機会を利用いたしまして、関係労使に対しまして周知徹底を図っているところでございます。
 また、定年延長を進めるに当たりまして、従来の年功的な賃金、退職金制度が阻害要因となっていると、こういうふうなケースが間々あるわけでございます。このような場合に、そのような企業の労使から基準局に対しましてお求めがありましたときには、私どもは、そのような制度の改善の具体的な事例、あるいはいま先生からお話ございました、賃金制度研究会の報告の内容などを一つの参考資料として情報提供しているわけでございます。私どもそういうことで、一定の考え方を企業の労使に押しつけるということでは。ございません。
#186
○沓脱タケ子君 いや、それはもう、企業に押しつけるなんてなことを言われたら、えらいことですよ。押しつけないのは当然のことなんです。しかし、ちゃんと通達の文言に書いて指導しているということになると、労働省がそういう方向で企業に対して指導をするという結果になるわけです。そしたら、定年延長というのが、老齢化社会を迎えてどういう対策を総合的にとらなきゃならないかという、総合対策の一つとして定年延長の問題もあるわけなんですが、こんなものもう従来の定年過ぎた以上は、給料上げぬでもよろしい、下げでもよろしい、退職金は横ばいでもよろしいというようなことを言うたら、定年を延長して働いていくという勤労者に対しては、これは恩恵で働かせているんだというふうな、こういう観念を与える結果になることはもう明らかですよ。これは、今日の高齢化社会を迎えての総合対策の一環としてやられていく定年延長を推進するという施策としては、きわめて不適切だと思うわけです。第一、労働省という省の設置基準から言ってもこれはおかしいです。そんなこと言わぬでも、現実に下がってきている。これは「賃金と社会保障」に出ております資料を見ましても、一九七三年と七九年のモデル定年退職金を比較してみましても、時間がありませんから詳しく言いませんけれども、実質的には退職金は八四・二名に目減りをしていると。もう間飛ばして言うたんですけど、こういう結果が現実には進行しているのに、さらに労働省がそういう方針で指導をされますと、これは大変なことになると思うわけでございます。
 そこで、むしろ高齢化社会を迎えた今日では、企業が定年延長等において社会的責任としての義務を負うという立場でのこれは指導をなされるべきであって、そこが基本ではないかと思うんですね。その点はどうですか。
#187
○説明員(八島靖夫君) 先ほど申し上げましたように、定年延長を進めるに当たりましての賃金制度、退職金制度の改善などにつきましては、基本的に労使の方々が十分お話し合いの上決めていただく、この基本的姿勢には変わりございません。
#188
○沓脱タケ子君 それなら、こんな誤解を招くような通達は変更なさいますか。これまあはっきりした方がいいですよ。
#189
○説明員(八島靖夫君) この通達は、ただいま先生がお読み上げになりましたように、この賃金制度研究会の報告の内容を骨子としてここに掲げてあるものでございまして、先ほど申し上げましたように、この考え方を当該労使に押しつけるというものでないということは先ほども申し上げたとおりでございます。
#190
○沓脱タケ子君 社会的責務を果たすために必要だからということで定年延長奨励金を出しているんでしょう、それは。そういうことならね、これはあれでしょう、恩恵的にやってくれということと違うでしょう。国の施策として、これは、それぞれの企業の社会的責任を果たしてその任務を推進してもらいたいと、そのためには政府も援助をいたしましょうということで、定年延長奨励金というような制度をつくって指導をしてきているわけでしょう。そこが基本であって、とにかく、給料は下げでもよろしい、退職金はふやさぬでよろしいというような指導は、労働省がやるべき指導ではなかろうと思うんですが、その辺はもうはっきりしてもらって、はっきりしているんなら、こんなもの通達変更しなさいよ。
#191
○説明員(八島靖夫君) 定年延長を進めます場合には、企業の実情によりましていろいろなケースがあるわけでございます。中には賃金制度などの改善、変更をしなくても定年延長ができる企業もございます。しかしながら他方、定年延長を進めるに当たりまして、賃金制度、退職金制度の変更はせざるを得ない企業があることも、これもまた事実でございます。そのような場合には、変更しなければならない場合には、関係労使が十分お話し合いの上、納得した上でなければ恐らく定年延長というものも実現できない、そういうことだろうと思っております。したがいまして、私どもといたしましては、実際に定年延長した企業の経験なり、知恵なり、そこににじみ出ておりますところの労使の努力とか知恵というものを広く関係者の方々に情報として提供しておるわけでございます。賃金制度研究会の報告も、そうした考え方の一例として私たち提供してるわけでございます。
#192
○政府委員(関英夫君) 定年延長を阻害する要因といたしまして一般的に言われておりますのが、まずは人件費コストの問題であり、それから人事管理上の諸問題であり、まあそのほかにもございますが、その点は、この定年延長の実効ある方策、立法化問題を含めて審議しております雇用審議会のことしの一月に出されました答申の中でも触れられていることでございまして、そういった阻害要因については、これは単に使用者側が言ってるだけでなく、組合側からも、年功的賃金、退職金制度を何らかの形で修正していく必要があることが指摘されているというふうに言われておるわけでございまして、定年延長を政府の施策として、昭和六十年までに六十歳定年を一般化するということを強力に進めますためには、この阻害要因の解決方策について、労使で自主的に交渉して決められるところはもちろんそれで済むわけでございますけれども、一つの参考的な考え方、そういったものをお示しした上で、口主的に判断して定年延長を進めていただくということは、政府としては非常に必要な施策だというふうに私ども考えて、今後ともそういう考え方で進めていきたいと思います。
#193
○沓脱タケ子君 労働組合がそういう考え方をお出しになるのは、これは御自由です。そういう労働組合もあるわけですからね。労働省は一体だれのための労働省なんです。下げてもよろしいと一部の労働組合がそういう意見を出したからいうことで、引き続きこういうやり方で指導しますと、こんなこと公然と言っていいですか。そうではないでしょう。あくまで賃金の問題、定年延長後の賃金の問題、あるいは退職金の問題というのは、労使間で自主的にお決めになるのが原則でしょう、あなたのところに書いてあるでしょう。賃金不介入の原則をここでは貫くのか、これはもうストップさせるのかという境目ですよ。だから聞いておるんです。
#194
○国務大臣(藤尾正行君) いまおっしゃられるとおり、賃金というような問題の決定に私どもが介入をすべきではない、大原則でございますから、これはどこまでもその原則は生きておるわけでございます。そういった、その原則が生きております中でいろいろな施策をやっていくわけでございますけれども、それをやります場合に、いままでは五十五歳の定年制度という枠組みの中でいろいろな給与体系をそれぞれお考えでございますから、これを六十歳まで延長していただく、あるいはさらに六十二歳でも五歳でも延長していただくということを私どもお願いしなければならぬ立場でございますから、そういうことをしていただきますためにはそれ相当の考え方の変更が私はあっても仕方がないではないか、こういうこともございますので、そういったことを頭に置いて参考にして、そうして労使のそれぞれの御相談でお決めを願いたいというのが恐らく私は通達の趣旨であったろう、かように思います。その辺のところは御聡明な沓脱先生のことでございますから、十二分におわかりになった上で言っておられるのだろうと思いますけれども、私どもがそういったことで賃金形成といいまするものの大木を侵そうなどという、そういった不逞な気持ちは毛頭持ってないということを申し上げておきます。
#195
○沓脱タケ子君 こんな時間かけようと思わなかったんだけれどもね。本当に大臣のおっしゃったように賃金不介入の大原則を侵すようなおそれのある通達はやっぱりよくないと思う。現実に、私が申し上げたように、そう言わなくても社会情勢の推移というのは、これは退職金一つを見ましても八四%まで実質目減りというのが起こっているわけですよ、実際にはね。だから、全体としてそういう方向に来ているというのは、労使が自主的にやられていてそういうことになっているわけだから、これは労働省がわざわざ定年延長したのなら、従来どおり賃金上げなくてもよろしいんだと、退職金もそうそう値上げしなくてもよろしいんだというような具体的な御指導は、これは必要ないですよ。それこそ企業に自主的にやらしたらいいわけで、労使が自主的に相談をしてお取り決めになればいいことだと思うので、そういう誤解を招くような通達というのは、大原則に触れるようなおそれのある通達については、変更すべきだと私は思います。
 もう一つ聞きたいと思ったんだけれども、時間がないんですがね。
 一つだけもう簡潔に申し上げますが、それは、身体障害者の雇用促進の問題に絡んでなんです。まあ加薬を抜きまして、問題はもうさんざんやられてきております雇用率の引き上げの問題、それから納付金の見直しの問題ということなんですね。これは決定されて五年になるわけですから当然見直しの時期になっている。もう一つは知恵おくれの人たちの雇用率というのが法定化されていない、対象外ですね。これは、国際障害者年でもこの問題については行動計画で国内活動の中では「障害者の教育及び雇用に関し、起り得る差別的な慣習を除去するため現存する法律を見直すこと。」などということが出ております。
 時間がありませんので一つにしぼって聞きたいと思いますが、障害者雇用を推進していく上で、やっぱり労働省としてきちんとしてほしいなと思いますのは、この納付金の問題なんです、一つは。これは、この制度が改正され納付金制度が取り入れられるときに、三万円では、これはどんどん雇用率が上がるというのではなしに三万円出して雇わぬ方が楽だみたいなことになったんでは困るという論議は私どももいたしましたし、各方面からそういう指摘が出てまいりました。ところが、私はやっぱりこれはもう国際的に見ても安いし、障害者団体の要求から言っても非常に少ないと思うんですが、もう一つの面から見ますと、たとえば労働省で発行されている資料によりますと、五十四年度の現金給与以外の労働費用という一覧を拝見した、これですね、(資料を示す)これはおたくから出ている資料です。これ見ますと、五千人以上の企業では給与以外のいわゆる何と言うんですかな、労働者一人雇ったら要るという、いわゆる現金給与以外の労働費用というのが五千人以上の企業では六万三千八百十八円、千人から四千九百九十九人までで四万九千百十一円です。三百人から九百九十九人の企業では三万九千百二十四円なんです。全部三万円以上なんですね。一人雇ったら六万円以上もかかるということであれば、これはもう障害者であろうが健常者であろうがかかるわけですが、それだったら三万円払うておいた方が半分以下で済んだら楽やということになるんですよね。こういう点なども見ますと、これはもう御検討になっておられると思いますけれども、まあ罰金ではないと言っても、障害者を雇用するより三万円払うておいた方が安上がりやと、こういう事態というものはやっぱり一日も早く改善をするべきだと思いますが、これは大臣に最後に御見解を伺っておいて――どんなふうにしているかというのはもう知っているんですよ、十分論議に参加をしておりますので、しかし、この面から見てもこういうことになるじゃないかという点を御指摘申し上げておりますので、大臣、最後に一言お伺いをしたいと思います。
#196
○国務大臣(藤尾正行君) これは沓脱先生の御意見に私はその点は全面的に賛成でございますけれども、とにかく身体障害者にお働きの場を差し上げるというようなことを金勘定で、六万円だからこれは三万円にしておけば半分で済むというような、そういうばかな考え方で対処されるというような、それほど私は非常識な人はかりいるとは思いません。
 そこで私どもといたしましては、ちょうどこの五年目の節目に当たっておるわけでございますから、現にこれは検討をお願いいたしております。と同時に、私どもはいかなる犠牲を払いましても、この国際障害者年という一つの意義のあるこの時点において、できるだけ可能な限り身体障害あるいは心身障害の方々のお喜びのために、生きがいを見つけていただくために、その場をつくっていただきたい、そのためには、私どもがこうやって集めておりますお金もどんどんお出しをいたしますよということでやっておるわけでございますから、本来、私どもが集めさしていただいております金がゼロになって、マイナスになっていくような状態が望ましいわけでございます。必ず私はそこまでこの運動を展開していかなければならぬと思います。そういうことは、私どもだけでなくて、この審議に参加をしておられまする審議委員の方々は私ども以上にお考えでございますから、その点は私どもが考えておりまするような恐らく議決をなすっていただいて私どもに御建議をいただけるものだと、私どもさように期待をいたしておるわけでございます。
#197
○柄谷道一君 複雑多岐にわたっております雇用関係の各種給付金を整理統合して、給付金が有効に活用されるように抜本的に見直すべきである、私はこの問題を再三本委員会で主張してまいりました。そうした意見も入れられましてこの法律案が提案されたことを、まず評価いたしたいと思います。しかし、その内容につきまして、なお若干解明を要する問題がございますので、以下、逐次御質問をいたしたいと思います。
 まず第一は、定年延長奨励金の廃止についてでございます。政府は、昭和六十年を目途に六十歳定年制の普及をさらに推進する、そして六十歳定年制が定着すると、それを前提として定年延長奨励金は昭和六十年十二月末までのものといたしまして、
   〔委員長退席、理事高杉廸忠君着席〕
その後は、六十一歳以上への定年延長や継続雇用の制度を設けている企業に対して、新たに高年齢者雇用確保助成金制度を創設する、これがこの構想でございます。
 それでは昭和六十年の十二月末日までに完全に六十歳定年制が定着するという見通しと確信があるのかどうか、これが問題であろうと思います。衆議院の社労委員会における政府答弁をずっと読んでみましたが、昭和六十年六十歳定年の実現はそれを一般化したいという目標は強調されております。しかし、およそこれから二年ぐらい後に六十歳以上の定年制を持つ企業は四七・五%ぐらいになるであろうという見通しは述べておられますけれども、定着の確信については全く触れられておりません。また、職業安定審議会では「今後の定年延長の進展の状況に応じ、必要があれば現行の定年延長奨励金の廃止の時期について改めて見直しを行う」、こう建議されております。
 私はこういう実態から見まして、具体的にお伺いしますが、政府は五十八ないし五十九年ごろに定年延長の進展状況を再度把握をして、六十歳定年制がまだ一般化していないと、こういう状況の場合は廃止の時期をおくらすこともあり得ると、こういうことに理解してよろしゅうございますか。
   〔理事高杉廸忠君退席、委員長着席〕
#198
○国務大臣(藤尾正行君) 非常に柄谷さん、せっかくの非常な御親切な御質問でございますけれども、私は労働大臣といたしまして、その給付金の支給時期をおくらせるなどということは夢にも考えていないわけでございます。絶対にやらしてみせるというのが私の信念でございまして、私が政治家である以上はこれはやらせますから、必ずそれは御信頼をいただきたいと思います。そのころはもうすでに六十歳じゃ間に合わないわけですよ。私どもはその際には六十五歳ぐらいの定年に向けて、かなりの確信を持って前に進んでなきゃいけない、それぐらいの私どもの心構えでやっておるわけでございますから、いまさら六十年までに六十歳定年制、偉そうなこと言ってやれるかという話はちょっとこの際御勘弁を願って、それから先をしっかりやれぐらいのことを言っていただきたい。私はさようにお願いをいたしたいわけでございます。
#199
○柄谷道一君 大臣の決意は大いに評価するんですよ。しかし、衆議院の答弁見たら、昭和五十八年くらいになっても四七・五%ぐらいしか六十歳以上の定年制はないでしょうと、こう政府が答えておられるんですね。六十年というとそれから二年ですよ。これ大臣が命がけられるかどうかは別にして、実態はなかなかむずかしい。そこで、審議会もそういうときには見直しを行いなさいと建議しておるんですから、大臣がいま言われたことはこの建議を無視するということになりませんか。
#200
○国務大臣(藤尾正行君) 建議の御親切はわかりますけれども、私どもは政治をやるわけでございますから、さようなことのないようにするということでやっておりますし、また事実、いまもうすでに傾向といたしまして、四七・何%なんということを言っておりますけれども、現実には半分ぐらい、半分以上世間はみんなそんなことはあたりまえだと、こう思っておられるわけでございますから、そのような考え方がすでに行き渡っておるという段階になりましたならば、これはやってもらいたいということを私が強く要請して、それこそあなたこれひざ詰め談判すればいいわけでございますから、御懸念のようなことは私はない。ただ、労働省のお役人の方々が正式なこういう公の場でそれだけのことを言う勇気は持っておりませんから、非常に慎み深く、むにゃむにゃというようなことを言っておるわけでございましょうけれども、そのようなことは私はさせませんから大丈夫でございます。
#201
○柄谷道一君 大臣のいまの答弁、私は記憶にしっかりととどめまして、まだ参議院議員としての任期ございますから、公約が守られていない場合はひとつ大臣にそれこそ本気になって怒りたいと思います。
 そこで、いま大臣の強力な行政指導の姿勢は伺いました。にもかかわらず、仮にも六十年十二月末までに六十歳定年制が実施できないという企業は、特別の事情が存在するか、または高齢化社会の雇用政策について全く理解、認識を欠く企業と、こう言わざるを得ないと思うのでございます。その際、何らのペナルティも課すことなく、仮に定年延長奨励の措置を廃止するということになったとすれば、それはそのような六十歳未達のまま、大臣の表現をかりればきわめて遺憾千万な企業を放置するという結果になるわけですね。
 雇用審議会は本年一月に中間答申を行っておりますが、それによりますと、立法化問題についてなお労使の意見には大きな隔たりがあるので、今後の定年延長の進展の動向を見きわめつつ検討を続ける、こう大臣に答申がされております。私は、いま言いました定年問題は審議会からの答申を待つという受身の姿勢ではなくて、大臣がそこまで強く六十歳定年制の実現を求められるとすれば、六十歳定年制を定着させるために当面は強力な行政指導を推進する、しかし、その進展の動向によっては法制化を検討せざるを得ないと、これくらいの意思を表明されていわゆるリーダーシップを発揮するのが、私は労働省の雇用政策を完全に実現させる道ではないか、こう思うのでございます。私たちはいま定年制の法制化を要求しておりますけれども、それができないとすれば、一定の時期には情勢を見てそれらのことは考えると、これぐらいのことを申していただけませんか。
#202
○国務大臣(藤尾正行君) 先ほどから申し上げておるわけでございますけれども、私は法律を決めて、縄つきでも出さなければやれないというような政治は愚の愚だと思うんです。私どもは政治の軽重を世間、国民の前に問うわけでございますから、そのような縄つきまで出してやらなきゃならぬほどの力ではこれは話にならぬわけでございますから、そのようなことのないようにということで、それまでに必ず達成をいたしますということをこうやって申し上げておるわけでございますが、このことはこの委員会で私は申し上げますと同時に、これは国民全体に私どもの意思を表示するわけでございますから、このことを世間でごらんになられて、企業者の方々が、藤尾というやつは参議院の権威ある社労委員会でそんなことを言っているけれども、やれるものならやってみろというようなことでせせら笑うというようなことになりましたならば、これは政治自体が無視されておるということに通ずるわけでございます。そのようなことをさせるわけにはいかぬわけでございますから、それ相当な私は決意を持って申し上げておるということをおくみ取りをいただいて、そこら辺のところは、それは私も人間でございますから一つぐらい残るかもしれませんけれども、そのときにこの野郎というときに、この野郎と言えるような法制があった方がいいのではないかと、御親切はわかります。しかしそのようなことがなくても私どもは必ずその目標を到達することはできるというのが私どもの信念でなければいけない、私はかように考えております。
#203
○柄谷道一君 大臣が昭和六十年の十二月まで労働大臣で在任しておられれば問題はないのですけれども、これはそう長期の労働大臣というのは慣例がございませんから、その時点で果たして労働大臣かどうか、これははなはだ失礼でございますが、伺えません。しかしこれはいまの大臣の御答弁は、この労働省の大臣の継続する問題でございますから、その決意を十分に語り継ぎ受け継がれまして、いま大臣答弁のようにこの六十年には六十歳定年が完全に定着しておる、このようなひとつ最も強力な指導をこれは一応期待して見守りたいと思います。
 次に、新たに創設される高年齢者雇用確保助成金の支給対象事業主のうち「六十歳以上の定年制を設けているもの」という点は疑問はございません。
 「新たに、労働協約又は就業規則により、六十一歳以上まで継続して雇用する制度を設けるもの」というのはその内容がいわゆる漠としておるわけでございます。すなわち、私は六十歳以上の継続雇用制度の形態につきましては、定年延長のほかにこれから再雇用制度、勤務延長制度、嘱託や臨時工、パート等による常用雇用者より短い労働時間での雇用や、子会社や関連会社における継続雇用といったように、その実態はきわめて多様な姿があらわれてくると予測されるわけでございます。これらの内容につきましては、引き続き職安審議会で当然検討されるものと思っておりますが、私は新助成金は、制度の趣旨に照らして幅広く活用されるようにすることが基本であるとこう思うのでございます。この内容は省令等でこれを定められるということになると思いますが、審議会の答申を待つとしても、その基本的なお考えについてお伺いをしておきたい。
#204
○説明員(守屋孝一君) 先生いまおっしゃいましたとおりの考え方でございます。要は、私どもは企業の外に労働者を排出しないように、企業内にとめ置いていただくような形での雇用の維持ということを考えております。ただ、余り範囲を広げますと乱用の危険も出てきますので、そこら辺は節度を持った基準にしたいと、そういう点で審議会でさらに詰めさせていただきます。
#205
○柄谷道一君 次に、高齢化社会へと急速に移行していく中で技術革新の進展、職業生涯の長期化というものに伴いまして、生涯訓練体制の整備が非常に重要になってくると思います。このためには、民間の職業訓練の果たす役割りが特に重要になってくると、こう認識するわけでございます。その振興のために、労働省としてどのような施策を講じていく考えなのか、また従来の各種給付金につきましては、支給要件が画一的で弾力性を欠いているんではないか、そのために活用されないという面があったのではないか、こう私は思います。新しく設けられる生涯訓練助成金の支給要件につきましては、訓練対象労働者の多様なニーズ、個々の企業の実態に的確に対応できるようにできるだけ弾力的なものにするということが本法の趣旨を生かすゆえんではないか、こう思いますが、いかがでございますか。
#206
○政府委員(森英良君) 民間における教育訓練の実情につきましては、これはもうそれぞれの企業の死活にかかわる問題でございますので、非常に熱心に教育訓練をやっていらっしゃるというのが一般的な状況であろうかと思います。ただ、その内容を見ますと、これまでのところ若年労働者等に対する教育訓練、これは非常に熱心に行われておるわけでございますが、おおむね四十歳程度を境といたしまして、それ以上の中高年齢者に対する教育訓練というものが管理者、監督者あたりは別としますと十分に行われていないというのが実態でございまして、そういう実態にかんがみまして、今回お願いしております法律改正で、企業に生涯訓練の理念に基づく段階的、体系的な訓練計画をつくっていただきまして、その計画に基づく中高年齢者のための訓練というものを、広く助成の対象にしたいということでやっておるわけでございます。
 なお、新しい生涯訓練助成金の支給要件の問題でございますが、これはもう先生御指摘のとおりでございまして、私どももその助成金につきましては、具体的にはこれから審議会の意見を聞きながら詰めていく問題でございますが、中高年齢者の場合には、対象者がすでに相当の職業能力を持っておるという実態でございますし、またその訓練ニーズも多種多様なものでございますので、実質的に適切な訓練が助成できるように、画一的な固定的な基準は避けまして、できるだけ弾力化を図ってまいりたいというふうに考えております。
#207
○柄谷道一君 次に、特定求職者雇用開発助成金について質問したいと思います。これは従来、臨時緊急のものと通常時のものがあった給付金と奨励金を統合いたしまして、通常時の制度のみとし、緊急時における特例措置は、雇用状況がきわめて悪化した場合はその状況に応じて特例措置を講ずることができる、そのような道を開こう、こういう趣旨であろうと理解をいたします。しかし、特定不況業種や特定不況地域の労働者など、従来四十歳から救済の措置が講ぜられてまいりました手帳所持者などには、不安を持つ者が多いこともまた事実であろうと思います。そこで、労働省は衆議院社労委員会の段階で、緊急時の内容準拠については労働省は予断を持っておらず、関係審議会で十分議論をしていただきたい、その場合の措置についても助成率の引き上げ、助成期間の延長、対象年齢の引き下げ等の方法がある、どういう状況のときに、これらのうちどのような措置をとるかについても、関係審議会で十分論議していただきたいと思っている、これが終始一貫した答弁であったと思うのでございます。
 しかし、職安審の答申には、迅速かつ適切に対応することを特に求めております。そのときどきの情勢に即時対応するためには、私は直ちに職安審議会で活動基準と措置内容をあらかじめ確立しておくことが必要ではないか、それがありませんと、検討に時間がかかって緊急時の対応に間に合わないという結果を招くおそれがあると思うのでございます。この点に対する御見解と、特に三つの対応を例示しておられますけれども、再確認の意味でございますが、対応の中には、たとえば不況業種手帳所持者については年齢を四十歳にすることも含まれると、こう理解してよろしいか、この二つについてお伺いします。
#208
○説明員(守屋孝一君) まず四十歳の方から申し上げます。これにつきましては、現在の年齢別求人求職倍率から見まして、非常に大きく断層が出ますのは四十五歳が分岐点でございます。ですからこれはよほどの不況期といいますか、よほどの事態のない限り、私はこれからの高齢化社会に対応する給付金といたしましてそこを議論する余地は非常に薄いんじゃないかというように考えております。もっとも、いまも先生もおっしゃいました対象者の範囲であるとか、助成率とか、助成期間、こういうことにつきましては、これは安定審議会でできるだけ早く結論を得るように議論いたしたいと思っておりますので、その結論を待って一つの基準をつくりたいと思っております。ただ一言申し上げておきますが、この開発助成金というのは、景気が悪くなりかけたときに出る給付金じゃございません。景気が悪くなりかけたときに出る給付金は雇調金でございます。それから底になったときに出てくる給付金は就職促進手当であるとかあるいは保険金とか、こういうものでございまして、景気が若干上り坂になるときに出てくる給付金がこの特定求職者雇用開発助成金であろうというように考えております。したがいまして、そのときどきの雇用情勢等を見た上で、できるだけ早く対処するという趣旨には合うことになろうかというように存じております。
#209
○柄谷道一君 一般論はそういうことであったろうと思うのです。ただたとえば繊維産業のような場合は地場産業を形成しているわけですね。したがって、全国的に言えば年齢別有効求人倍率は御指摘のとおりかもしれませんが、状況によりましては特定地域に、特に中高年齢、いわゆる四十歳以上の雇用者について不安が生ずることはあり得ると思うんですね。私は、何もいまどういうときに発動せいということを聞いているんじゃないんです、含まれるのかと聞いているんですよ。それを、よほどのことがなければ含まれませんという答弁でははなはだ不満です。局長どうですか。
#210
○政府委員(関英夫君) 雇用情勢が悪化した場合の対処の仕方としては、先ほど来申し上げておりますし、また先生も御指摘になりましたように三点が考えられるわけでございまして、給付の率、それから期間、それから対象者、それは年齢で言えば年齢を引き下げていくことでございますから、その三つの中に年齢問題はもちろん入っているということでございますし、私は要は、先ほど来の御意見を拝聴いたしておりまして、機動的に遅滞なく手を打っていけということだろうと思います。今回のように法律改正を要します場合は別といたしまして、法律が決まっておりまして、政省令なり支給要領、そういったものの変更によって対処し得る仕方といたしまして、従来の中高年雇用開発給付金の場合も、時々の情勢に応じて、その都度その都度改定を加えて今日に来ておるわけでございまして、そういう意味では、私どもいままでも雇用情勢に応じて機動的にやってきたというふうに考えておりますし、今後とも先生の御意見を踏まえまして、情勢に応じていたずらに審議に時間をとることなく機動的に運用していくということを心がけていきたいと思います。
#211
○柄谷道一君 次に、景気の変動等に伴う失業予防策としての雇用調整助成金について御質問したいと思います。
 審議会は、現行の景気変動等指定業種、業種転換等指定業種の指定基準の統合を図るに当たり、要件の緩和を求めております。私は、現行の指定基準は景気変動によるものは最近三カ月の生産規模が一〇%以上の減、事業転換の場合は五%以上の城となっておりますけれども、これはかつての高度経済成長期から低経済成長期に移る際の落ち込みとしては適切な一つの基準であったと思うのでございますが、現在の産業の実態に果たしてこれが適応しているかどうかには、大いに疑義を持つものでございます。これに対しての緩和の方針をこの際明らかにしてもらいたいと思います。
#212
○政府委員(関英夫君) 景気変動の場合の生産量の増減の率のお話でございます。確かに高度成長期から石油危機を経て生産調整を行いました場合には、非常に大幅な生産調整ということが行われまして、一〇%という基準でも非常にこの制度が活用されたという経緯があったと思いますが、そういった減量経営を企業が行いました後においては、非常に企業体質も引き締まっておりますので、景気が悪くなるからといって生産調整する余地が少なくなっている面があるんじゃなかろうかということも言えるかと思います。あるいは、傾向的にやや調子の悪いような業種におきましては、徐々に徐々に生産量が落ちていくというようなことがございますと、前年同期と比べて一〇%ということはないけれども、もっと長期に比べると非常に落ちているというようなこともあろうかと思います。いろいろな意味で、この一〇%についてはもう少し緩和すべきじゃないかというような御意見が審議会でも行われておったところでございます。ただ、この法案提案までにどこをどうするかというような御議論まで行われておりませんでしたので、そういう点を含め、あるいはまた、全一日の休業のみを対象としているけれども、時間単位の休業も対象とすべきではないかということも労働者側から出ております。そういう点も含め、さらに御議論を願って現状よりも緩和し、活用されやすい基準にいたしたいと考えております。
#213
○柄谷道一君 いまの答弁の中にもあったんですが、慢性的な不況が続いて毎日数%ずつ生産が落ち込んでおるというのは、従来の基準からするとこれは何ら適用にならなかったわけですね。こうした面の改善と基準の適正化、これについてもぜひ審議会で現実に適応するようにひとつ考えていただきたい。
 それから第二には、いまも答弁の中に触れられましたけれども、休業の場合、一日単位の休業という方法ではなくて、全従業員が所定労働時間を一定時間短縮する、そのことによって景気変動に対応する、こういうケースも考えられてくると思うんです。私はこれは当然この指定業種の基準の中に配慮されてしかるべき問題ではないかと、こう思います。
 この二つは局長うなずいておられますので、時間の関係から答弁求めません。
 そこで、二つお伺いしたいんですが、一つは在職出向の場合どうか、これが一つです。
 第二には、現在、事業転換は所管官庁の政策方針が一つの要件になっております。私は、放漫経営の場合は別としても、立法の精神に照らしまして、この所管官庁の政策方針という要件についてはその見直しと改善が必要ではないかと、こう思います。この二つについて御質問いたします。
#214
○説明員(守屋孝一君) いまの先生がおっしゃいましたまず所管官庁の問題でございますが、これは、現在の業種指定の基準が二つございますが、その片方についているわけでございまして、これがどこまで一致させ得るかということとの絡みが出てくると思います。というのは、景気変動の方は所管官庁云々ということはございませんし、そこの基準がどこまで一致させ得るかによって、ここら辺があとどう処理できるかという問題がありますので、この点審議会でのさらにちょっと煮詰める点がございますので、はなはだ申しわけないんですが審議会マターということにさしていただきたいと思います。
 それからもう一つの、在職出向の問題でございますが、これはわれわれ簡単にその在職出向という言葉を使っておりますけれども、その意味するところ、一体在職出向とは何かという定義が、これは実は審議会でも相当議論になりまして、ここももう一遍含めて、その出向の場合の扱いをどうするかというのを議論しようということでございます。したがいまして、その在職出向という言葉が、まあわれわれは平易に使っておりますが、いいのかどうか、もう一遍ここも一緒に議論しようということになっておるということを御理解いただきたいと思います。
#215
○柄谷道一君 私は時間の関係もありましたので、法案の内容、主要な点についてただしてまいりましたけれども、私は大臣、労働行政が果たさなければならない課題というのは余りにも多く、かつその内容はきわめて重要であろうと思うのでございます。第四次雇用対策基本計画の目標である昭和六十年完全失業率一・七%以下、有効求人倍率一・〇達成のための積極的な雇用政策、雇用機会の創出と増大の問題、また、同じ基本計画による昭和六十年二千時間以内という労働時間短縮目標の推進と実現、及びワークシェアリングヘの取り組みの問題、昭和六十年六十歳定年制の定着と六十代前半層の雇用確保施策の確立、また、三月三十一日私が予算委員会の分科会で質問したところでございますが、パート、派遣労働者など不安定雇用労働者対策の樹立、職業訓練体系の立体的整備及び職業紹介、職業安定事業の連携の強化の問題。国際障害者年を契機とした身障者に対する職業訓練と雇用促進の施策、労働災害の防止と労災保険の拡充など、労働者の安全確保のための施策の拡充、男女雇用平等法や勤労婦人の母性保障の向上などの婦人対策、景気変動、産業構造改革に対応する雇用安定対策の充実、挙げれば一つ一つがきわめて重大な意味を持つわけでございます。しかし、これは何としてもなさねばならぬ諸課題でございます。
 この問題に対する大臣の抱負と決意をお伺いいたしますとともに、特に最近、国際摩擦が非常に起きているわけですね。これの中には自動車等日本の輸出によって生ずる国際摩擦、化学素材産業、繊維産業などのように日本への輸入に対する国際摩擦、双方の面でこれ起きておるわけです。ところが、私がこの政府の対応を見ておりますと、前面に立っておるのは外務省であり通産省なんですね。この国際摩擦の中でいかにして日本の雇用の安定を図るか、この労働省の施策が前面に押し出されていないということをはなはだ残念に思うわけでございます。私は、労働省は事後処理官庁ではない、二流官庁であってはならぬ、こう思うんであります。本当に何よりも雇用の安定が大切だとすれば、こうした国際摩擦の前面に、労働省の雇用安定というものを基幹としたその方針が政府の中に強力に反映される、これが基本ではないかと思うのでございます。
 この二つに対する大臣の明解な答弁を求めまして、私の質問を終わります。
#216
○国務大臣(藤尾正行君) いま述べられました、私ども労働省といたしまして果たさなければならぬ諸行政、こういったものについて、どう進めていくかという御要望でございますけれども、きちっとやるべきことはきちっとやる、積極的姿勢をもちまして私どもの持っておりますあらゆる機関を全面的に、十二分に活用いたしましてその実現を図るということでやっていきたいと思います。
 後段でお述べになられました貿易摩擦、両々相まってあるわけでございますけれども、こういった問題の解決に外務省あるいは通産省がいま前面に立ってやっておる、御指摘のとおりでございますけれども、こういった問題は外務省や通産省だけでやれる問題ではないわけでございまして、これは内閣といたしまして国を挙げて取り組むべき問題でございますから、私も閣僚の一員といたしまして、そういった問題に労働問題という領域から取り組むことはもちろんでございますけれども、そういったことだけでなくて、私が場合によれば第七ぐらいの外務大臣になるかわかりませんし、あるいは場合によると第四ぐらいの通産大臣になるかわかりませんけれども、いずれにいたしましてもそういった所管の人だけでやれるということではないということをしかと心得まして、内閣としての力がフルに発揚されますようなそういう姿勢で問題の処理に取り組んでいきたい、かように考えております。
#217
○委員長(片山甚市君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#219
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ及び一の会の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   雇用に係る給付金等の整備充実を図るための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一、労働者の雇用の安定を促進するため、定年延長、労働時間の短縮と週休二日制の実施をなお一層推進し、その早期実現を期すること。
 二、高齢化社会への移行及び今後の雇用情勢に対応して、特に高年齢者、心身障害者等の雇用を確保するため、各種給付金制度の一層の充実を図るとともに、就業分野の拡大に努めること。
 三、今後雇用情勢が極めて悪化した場合、その状況に応じて、特定求職者雇用開発助成金の対象労働者の範囲、助成内容等につき、さきの中高年齢者雇用開発給付金の実施などの経緯を踏まえ、緊急時における特例措置について万全を期すること。
 四、景気の変動に伴う失業予防策としての雇用調整助成金の対象業種の指定基準については、関係審議会の意見を十分聞いたうえ、経済状況の実態に適応したものとすること。
 五、生涯訓練体制を確立するよう、職業訓練関係の各種給付金についても、一層の充実を図るとともに、労働者のニーズに即応した教育訓練機会の確保に努めること。
 六、今回の改正による雇用関係各種給付金の具体的な運用基準については、関係審議会等を通じて関係労使の意見を十分聞いたうえ、定めるとともに、関係者への周知徹底、手続の簡素化に努めること。
 七、日雇失業給付について、段階制の是正等その改善について所要の措置を講ずること。
 右決議する。
 以上であります。
#220
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤尾労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤尾労働大臣。
#222
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力をいたす所存でございます。
#223
○委員長(片山甚市君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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