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1980/06/02 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第14号
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1980/06/02 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 社会労働委員会 第14号

#1
第094回国会 社会労働委員会 第14号
昭和五十六年六月二日(火曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     柄谷 道一君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     丸谷 金保君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     柄谷 道一君     藤井 恒男君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     三治 重信君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     丸谷 金保君     対馬 孝且君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 甚市君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                高杉 廸忠君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                福島 茂夫君
                丸茂 重貞君
                村上 正邦君
                森下  泰君
                対馬 孝且君
                丸谷 金保君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                沓脱タケ子君
                三治 重信君
                山田耕三郎君
           発議者  対馬 孝且君
   委員以外の議員
           発議者  粕谷 照美君
   衆議院議員
       社会労働委員長  山下 徳夫君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  村山 達雄君
   政府委員
       内閣法制局第四
       部長       工藤 敦夫君
       厚生政務次官   大石 千八君
       厚生大臣官房審
       議官       金田 伸二君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部長  山村 勝美君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省援護局長  持永 和見君
       労働省労働基準
       局長       吉本  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部公害課長   中島 治康君
       通商産業省立地
       公害局公害防止
       指導課長     飯田 善彦君
       労働省労働基準
       局安全衛生部労
       働衛生課長    林部  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○公衆浴場法の一部を改正する法律案(田中寿美
 子君外七名発議)
○市町村が行う寒冷地世帯暖房費援助事業に係る
 国の補助に関する法律案(対馬孝且君外二名発
 議)
○公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律
 案(衆議院提出)
○調理師法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨一日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(片山甚市君) 前回に引き続き、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案を一括議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○三治重信君 きょう、柄谷委員が公務員二法の関係の内閣委員会の方で質疑がありますので、私がピンチヒッターで御質問をさせせていただきますが、まず最初に、原爆被爆者に対する特別措置法の一部改正の方から質問させていただきます。
 まず、計数的なことをお尋ねいたしますが、被爆者の手帳関係ですが、ずっといままで手帳が交付されているわけですが、五十五年三月三十一日、いわゆる五十四年度末では三十七万一千九百四十四人、こういうふうになっているわけなんですが、また、さらに新しい数字があれば結構ですが、そのいわゆる被爆者手帳をもらっている方々がいろいろの援護や手当を受けているわけですが、それがどういう種類の分類になっているか。手帳を受け取っている方々がどういうふうに、今度新しく合併をして医療特別手当という制度をつくったり、いろいろ手当もあり、健康診断もあるわけですが、その計数の分類を、ひとつ内訳を御説明いただければと存じます。
#5
○国務大臣(村山達雄君) いま政府委員がこちらに急いでおりますが、私の手元にある資料で申し上げます。
 おっしゃるように、健康手帳は三十七万一千九百四十四人でございます。それに対しまして、今度の高額の特別手当と医療手当を統合いたしまして、医療特別手当を支給する案でございますが、その対象者が二千人でございます。それから、低額の特別手当の対象、今度の案によりますと三万六千円でございますが、その対象者が一万七千人でございます。それから、いままで予算措置でやっておりました原爆小頭症手当、これが二十三人でございます。それから保健手当でございますが、これが三万五千人。それから健康管理手当でございますが、この対象者が二十一万三千人でございます。
#6
○三治重信君 そうすると、――いいですか。専門家の方、見えないですか。いいですか。何だったら後にしてもいいわけですが……。
#7
○国務大臣(村山達雄君) いますぐ参ります。
#8
○三治重信君 それじゃ後に。
 それで、この原爆被爆者の取り扱いについて、政府の方で、医療関係からまたさらに新しく手当の制度というふうに、逐年改善を加えられて、ずいぶん御配慮をされており、さらには五十五年の十二月には原爆被爆者対策基本問題懇談会の意見も出されておるわけなんですが、この原爆被爆者対象基本問題懇談会の意見について、一部のと申しますか、専門家の間や、また野党の中で、この懇談会の意見報告の中で玉虫色になっている、単なる社会保障制度ではまずいけれども、またしかし、厳密な国家補償というのはどうか、「広い意味における国家補償」こういう国家補償についての意見としては、灰色と言いますか、玉虫色になっているわけなんですが、これでもずいぶん政府の考え方から見れば数歩前進した意見の報告だと思うんですが、従来われわれが主張しておった原爆被爆者については、理念としてもっと国家補償の基本理念を明確にしてほしい、こういうものについてはちょっと物足りない、こういう意見が非常に強いと思うんですが、厚生大臣とされては、原爆被爆者に対する国家補償の問題についてどうお考えになっておりますか。
#9
○国務大臣(村山達雄君) ただいま三治委員御指摘のとおりに、基本懇で、この原爆被爆者に対する諸手当を出しておる、これが法的にどういう地位に立つか、この基本理念を特に明らかにしていただき、さらに今後、その基本理念に沿っていかなる観点に立ってどのような政策を進めるべきであるか、こういうことを基本懇にお願いいたしたわけでございます。
 御案内のように、ある意味で灰色と申しますか、一般の社会保障とはやや違うんだと。それはやはり原爆という特別の被害に基づく広い意味の国家保障である。しかし、そうかといって国の不法行為による損害賠償とか、あるいは適法行為による財産の収用等に伴う損失補償ではないんだ、だからあくまでも結果責任として考えるべきものである。そういう観点からいたしまして、たとえば戦傷者あるいは戦没者の遺族に対するいろいろな年金とはまた性質が違うんだとか、そういったことを言っているわけでございます。そういう意味で、私たちはこの広い意味での国家保障、しかし、さらばといって使用者責任を問うわけでもないし不法行為でもない、平たく申しますれば、特別のやはり厚生と言いますか福利、常識的に見ますれば、そういった見地に立つ福利政策として、現実的な必要に対応して進めるべきであるという趣旨が書かれておるように読み取れるわけでございまして、その趣旨に沿いまして、今回は従来の単に額を伸ばすというだけでなく、いろいろな制度上の改正を加えまして基本懇の構想に大体沿っているのじゃないかと、こう思われる諸制度の改正を提案いたしたわけでございます。
#10
○三治重信君 われわれの主張も、いわゆる原爆被爆者に対する援護法なりという国の保障の精神が具体的にあらわれるような法文が欲しいわけでございますが、これはいましばらく、ひとつ政府の方も前向きに検討をしていただきたいと思います。
 次に、現在、原爆の被爆者についてはいろいろ手当が行われているわけですが、またこの原爆の問題で一番心配されておりますのが、やはり遺伝にどういうふうに影響するか、あるいは放射線というものを身体に受けた者に対する治療というものは、本当に治る治療というものが発見されるのかどうか。たまたま爆弾で被爆を受けたということだけで、これを補償していけばそれで済むという問題でなくて、今後われわれ人類が原子力をいろいろ利用していく場合に予想される問題というのは、もしも将来も被曝を受ける、いわゆる原子力を利用することによってそれに関連する人たちが被曝を受けて病気になる、また、被曝ということによってどういうふうに身体に障害があるか、その障害というものは本当に医療的な手段で治る方法が発見できるのかどうか、それに対する研究成果はどうかという問題と、現在までの研究で、遺伝というものについて果たしてどの程度の遺伝があると疑われる、あるいは認定されるのか、そういう問題の専門的なことを素人的にわかりやすく、この二点についてひとつ現在までわかっているところの専門家の御意見を発表していただければありがたいと思うんです。
#11
○政府委員(大谷藤郎君) 遺伝につきましての研究につきましては、放射線影響研究所あるいは広島大学の原研等におきまして研究がなされております。広島、長崎における放射線の医学的影響の総括といたしましては、たとえば水晶体の混濁、あるいは白血病、あるいは胎内被爆者の小頭症、あるいは甲状腺がん、乳がん、肺がん、あるいはリンパ球染色体異常、若年期の成長発育の遅延といったような、こういった問題が影響があるというふうに言われております。しかし、その他の、いま先生御指摘のような被爆者の子供における先天奇型の問題でありますとか、あるいは不妊症の問題、免疫機能の異常の問題というふうな問題については、今日までの研究のところでは一般にこれは認められない、こういうふうな研究結果が出ているというふうに私どもは理解をしているわけでございます。
#12
○三治重信君 遺伝的には大きな障害状況がいまのところは出ていないということ。それからいま一つ、さきに御質問した、いわゆる被爆者の原爆によって出てくる病気について、いまの医学で、被爆をして健康が悪くなるというか病気の症状が出た場合に、それを治す医療の方法、これは開発されているのかどうか。
#13
○政府委員(大谷藤郎君) 放射能によりまして起こります疾病につきましては、先ほども申し上げましたように、たとえば目の水晶体、あるいは白血病、甲状腺がん、乳がんといったようなものでございますけれども、放射能そのものに対する治療というものについては、これは特にもうその時点で終わるわけでございますから、それは非常にむずかしいわけでございまして、後に起こりましたこういったものにつきましては、それぞれケース・バイ・ケースで、たとえばがんにはがんの治療、こういうふうなことで対処をせざるを得ないというふうに理解をしているわけでございます。
#14
○三治重信君 計数持った方お見えになりましたか、いいですか。――先ほど大臣から一部答弁いただいたわけなんですが、もう一度質問の内容を申し上げますが、五十四年度末、いわゆる五十五年三月三十一日現在で被爆者健康手帳が交付されている人が三十七万一千九百四十四人ある、こういう報告であるわけですが、それに対してこの特別措置でいろいろ手当関係が行われているわけなんですが、これの内訳を、約三十七万二千人に対する内訳の数字を言っていただきたい。私調べたのですが、どうもこの三十七万二千人に手帳を持っている人がならぬような気がするのですが、その差がどういうぐあいになっているか。
#15
○政府委員(大谷藤郎君) 繁雑でございますが、一応数字は申し上げてもよろしいのでございますけれども、いま先生おっしゃいましたように、たとえば三十七万一千九百四十四人の被爆者健康手帳所持者の方々の中には、これは健康診断を受けて、また悪い方につきましては医療を受けられるということになるわけでございますけれども、必ずしも全部の方が健康診断を受けておられるというふうなわけではございませんで、その内訳の、さらにその健康診断を受けられまして、その疾病の状況によりまして、特別手当でありますとか、あるいは保健手当でありますとか、そういったものが出されているわけでございますが、それは必ずしも三十七万人全部の方がそれぞれそれをお受けになっているわけではございませんので、中の数字を全部足しましても三十七万一千九百四十四人にはきっちりとはならないわけでございます。
 もし必要でございますれば数字をちょっと申し上げますが、医療を受けておられる認定疾病の方はそのうち一万一千八百七人、それから一般疾病の医療を受けておられるのが――ちょっと、失礼いたしました。これは一万一千八百七件でございます。要するに人数で数字をちょっと挙げておりませんで、毎月の請求件数で挙げているものでございますから、そこのところがちょっと数字がうまく合わないわけでございます。
 一般疾病の医療につきましては三百三十三万五千六百二十六件となっているわけでございます。
 それから、この疾病の態様によりまして手当を受け取っておられるわけでございますけれども、そのうち特別手当をもらっておられる方が三千七百四十九人、健康管理手当をお受けになっている方、いわゆる一般疾病の方でございますが、これが十八万六千四百二十八人、保健手当をお受けになっている方が三万二千二百六十七人、医療手当が一万八千九十一件、介護手当が二万六千百七十八件というふうになっているわけでございます。
#16
○三治重信君 それで、一般のいわゆる被爆のための疾病で受けておられる方より、被爆者であって一般疾病の人がほとんどになっているわけなんですが、それはどういうことなんですか。また、そういう被爆を受けたことによっての一般疾病ということなんですが、そうすると、どういう病気が被爆を受けたことによって一般疾病が出てくる、その関連性をちょっと御説明していただきたい。また、そういう一般疾病の出てくる症状を胃だとか肺だとか、素人にもわかる分類があったら、被爆を受けたことによって二次的に出てくるそういう病気ですね、その状況を御説明いただきたい。
#17
○政府委員(大谷藤郎君) 原子爆弾が破裂いたしまして、直接放射能の影響を受ける距離は一・五キロから二キロメートルぐらいが一番直接の影響を受けると言われております。しかし、爆弾が破裂いたしまして実際に上に舞い上がりまして、ちり、ほこりというふうになって上から落下するわけでございますが、これが風、雨の状況によりまして落下したと、こういうわけでございまして、そういった地域につきましてもいわゆる被爆の地域として認定しているわけでございます。したがいまして、直接その放射能の影響が非常に強いというのは一・五キロから二キロメートル、爆心地から二キロメートル以内の方が非常に多いわけでありまして、これがいわゆる先ほどから申し上げております白血病でありますとか、あるいはがんでありますとか、あるいは水晶体の混濁でありますとか、直接そういった影響のいわゆる原爆症と認定される疾病の方々でございます。しかし、直接の放射能ではございませんけれども、上から落下したものにつきまして、これは微量の放射能でありますけれども、これで影響を受けられた方があるかもしれないと、こういうふうなことで、遠いところでは十二キロメートルの地点までいわゆる被爆地域として指定をいたしておるわけでございます。
 そこで、そういった地域の方々も病気が出てくるのではないだろうかという大変御心配があるわけでございます。それにつきましては、もうすでに何十年とたっているわけでございまして、一体本当に直接どういう関係があるのかというのは、非常にここのところは医学的にもむずかしい問題でございます。そこで、いわゆる明らかに原爆症と言われるもの、あるいは原爆症ではないかと言われる境界領域のものにつきましては、これは認定医療といたしまして、原爆症としてこれを認定しているわけでございます。これが先ほど申し上げましたように、大体四千名から五千名という数字になるわけでございますが、それ以外の方々が、たとえば高血圧でありますとか肝臓病でありますとか、いろいろそういう病気が出てくるわけでございますが、これにつきましては、医学的にそこのところは定かではないわけでございます。しかし、現実問題といたしまして、爆弾が破裂いたしまして上から落下したというふうなことがあったという事実から、そういった疾病につきましても、これにつきまして医療費の公費負担でありますとかあるいは健康管理手当といったもので安心して治療をしていただくというふうな配慮から、健康管理手当というものを受け取っていただくというふうになっているわけでございまして、それが十八万六千四百二十八人となっているわけでございます。
 そこで、どういった疾病につきましていわゆる健康管理手当を差し上げているかと申しますと、造血機能障害、あるいは肝機能障害、細胞増殖機能障害、内分泌腺機能障害あるいは脳血管障害、循環器機能障害、腎臓機能障害あるいは水晶体混濁による視機能障害、呼吸器機能障害、運動機能障害あるいは潰瘍による消化器機能障害と、こういった十一疾病につきまして、これをいわゆる一般疾病といたしまして医療費の公費負担と健康管理手当をもらっていただくということにしているわけでございます。
#18
○三治重信君 そういうふうにこれは皆いわゆる健康診断を受けて被爆者手帳をもらった人に限るわけですね、そうして一般検査から精密検査にこう移るわけなんですが、この一般検査というのはまとまっておられるところはいいわけなんですけれども、いま今日では東京や大阪の町ばかりでなくて、あらゆる都市へも移動されているわけなんでしょうが、そういう人たちの健康管理というんですか、精密検査というのはどういうふうに行われているのか、本人が申し出ればどの医療機関でもできるのか。それから一般の検査はどの診療機関でもできるとしても、精密検査は特定な指定があるのか、また特定の指定がないと一般の人ではなかなか原爆症状、原爆の原因による医療診断というものは、やはり普通の人ではなかなかむずかしいと思うんですが、こういうような精密検査というのは特別な病院あるいは特別な医師の指定になっているのか、またそういうふうなことについてどういう配慮が行われているか。
#19
○政府委員(大谷藤郎君) 被爆者の方々が全国各地域におられるわけでございますが、しかし一方では、こういった被爆者の健康診断は特殊性もございますので、これを指定をいたすことにいたしておりまして、いわゆる指定医療機関ということでございまして、現在、一般疾病につきましては四万三千八百五十二という医療機関を全国で指定をいたしているわけでございます。
#20
○三治重信君 それはだから一般の疾病でしょう、精密検査がそれだけの医療機関で全部できるんですか。
#21
○政府委員(大谷藤郎君) いま申し上げました四万三千八百五十二の医療機関でも精密検診ができるという機関を指定しているわけでございます。
#22
○三治重信君 その精密検査をするのは、その四万三千のうちでまたさらに特別な指定をしているのか。病院を指定しているのか、人を指定しているのですか。また、どちらでもいいんですが、その点についてどれぐらいの個所、医師が指定されているのか。
#23
○政府委員(大谷藤郎君) これは医療機関を指定いたしております。
#24
○三治重信君 数はわかりませんか。
#25
○政府委員(大谷藤郎君) 数は、いま申し上げましたように、四万三千八百五十二の医療機関を一般健診及び精密検診の医療機関として指定しているわけでございます。それで、いわゆる先ほど申しました原爆症の方々の認定被爆の方々の治療につきましては四百六十二の医療機関を指定して、そこでいわゆる認定被爆者の治療というものをしていただいているわけでございます。代表的なのが広島の原爆病院、長崎の原爆病院というふうになるわけでございます。
#26
○三治重信君 私は、この一般の検査を受ける機関と、それからさらに精密検査を要するというふうに診断をするのに四万三千というのは納得がいくわけなんだけれども、それが即精密検査ができるというのは、何かどうも何のために区別しているのか。同じ機関で同じ医者がやるというのは、何かそこに安易さが少しありはせぬかと、こう思うわけなんですが、その点ひとつ。だから、私としては一般検査をやれるところからさらに精密検査ではもっと専門家にしぼってやる。あるいは、全国的に散らばっていて、それは精密検査を受ける人に酷だということになれば、そういう精密検査を受けるために旅費なり、何かある程度渡してもその方が親切じゃないか。「これは一般検査を」「はい、受けます」それで、「ちょっと危ないですね、もう一遍精密検査をやってみましょう」というのでは、どうも精密検査の意味が、この医療機関の一般水準からいくというと、やはり原爆というのは特殊な病気だからまずいと思うんですが、これは素人の考えかもしれませんけれども、その点はどういうものだろうか、こういうふうなひとつ疑問を呈しておきます。
 それから、一般疾病医療費の方は、手当として支給するようになっているのですが、認定を受けた疾病者は、これは全額国庫負担だから、ほかの保険との関係がなくなるわけですね。優先支給なわけでしょう。ところが、一般の疾病者、原爆被爆者の中の一般疾病者は特別手当なり健康管理手当というものを政府からもらって、それと自分たちの健康保険なり、あるいは国民健康保険との費用の負担の関係はどうなっているでしょう。
#27
○政府委員(大谷藤郎君) 認定被爆者につきましては、全部原爆医療費から支出しているわけでございますが、一般疾病につきましては、これはいわゆる保険の方を優先しておりまして、自己負担分につきまして公費を負担する、こういう形にしているわけでございます。
#28
○三治重信君 そうすると、これは一般疾病医療費の費用は社会保険がある。また社会保険がある人は、それが優先して、その残りの部分について本人負担の分をこの限度まで負担をする、こういうふうに理解するわけですか。そうすると、健康管理手当というのは二万四千円、今度新しい額で出す。この二万四千円は最高額だ、あるいは特別手当で三万六千円は最高額だ、この範囲内の本人負担の分は払いますよと、こういうことですか。
#29
○政府委員(大谷藤郎君) その点は、いま私が申し上げましたのは医療費についてでございまして、医療費の方はいわゆる自己負担分を公費負担しているわけでございます。いまの二万四千円というのはこれは手当でございまして、そういった医療費とは別に、御本人に二万四千冊というものを差し上げている、こういうわけでございます。これは医療費とは関係ないわけでございます。
#30
○三治重信君 わかりました。時間がありませんから、被爆者の問題についてはこの程度にしておきます。
 次に、廃棄物の問題について一、二御質問をさしていただきますが、時間が余りないから二、三、あわせて御質問しておきますが、廃棄物処理でも、一般家庭の廃棄物と産業廃棄物とやはり考え方は変えておられるようなんだけれども、ことに一般の家庭の廃棄物の処理については、非常に世の中の認識も高まって、大体高レベルの処理が行われていると思うんですが、産業廃棄物の処理については非常にお粗末である。これはどうも自己責任だからということで、どっちかといえば野方図の関係である。しかしながら、産業廃棄物の方の処理の方がいまや私はこれから非常に大きな問題で、それがたまたま、いわゆる有害物質というものが含まれた場合には社会的な問題にも大きくなるわけなんですが、どうも厚生省は、ひが目かもしらぬけれども、一般家庭から出る廃棄物の処理については熱心だけれども、産業廃棄物の処理はこれは産業者、いわゆる事業主の自己処理というふうに法律で規定しているのだから、それは自分の費用と責任においてやってもらわなければ困るということがすぐ出てくるんじゃないかと思うんですが、その基本的な問題は、この廃棄物の処理というものは、やはり厚生省がいわゆる一般家庭の廃棄物であろうが、産業廃棄物であろうが、世の中に迷惑がかからぬように、さらに環境が整備されるように、責任を持ってやっていく。こういうふうに思ってやっていただきたいと思うんですが、その点はどうなんですか。
#31
○政府委員(山村勝美君) 産業廃棄物の適正な処理について、厚生省が中心になって指導すべきであろうと考えております。ただ、それぞれの製造所等がたとえば通産省等の事業所管省庁の関係もございますし、廃棄物の発生過程は生産工程にも係る問題でもございますので、関係各省と密接な連携をとる必要があろうと考えております。
#32
○三治重信君 その場合に、いわゆる一般の廃棄物は市が直接やったり、あるいは市が指定した業者にやらすから、これは非常に責任体制がはっきりしているわけですね。ところが産業廃棄物の方は産業廃棄物を出す事業主本人が処理するのか、あるいはほかの業者に委託してやる。それはいわゆる事業者の責任ということになっているんだろうと思うんですけれども、そういう関係の法律関係をどういうふうに規定しているのか。むしろ、そういう廃棄物が出る事業についての処理の責任者というものは、届け出なり、あるいはそういうものを把握することが行われているのか。これはもう一般の家庭廃棄物の方のは市が直接やったり、きちんと業者を指定して、そしてずうっと、一日置きなり、あるいは毎日なり、またあるものは一月に二回なりというふうにしてきちっと回収から処理まで、市が責任を持って明確になっているから市民も安心をしている。しかし、産業廃棄物の方は、厚生省の方が責任があるとおっしゃるけれども、じゃ、どういうふうにその産業廃棄物を出す業者またはそれの処理について、廃棄物を出す事業主が、処理する業者に委託をしてやっているわけなんですが、これが零細企業や、または片手間にやるものや、種々雑多であって、これの責任体制がはっきりしないところに、ここに大変な問題があると思うんですが、こういう産業廃棄物を処理する責任者の規制といいますか、責任というものについて、それはもうきちんとする。そういうぐあいになっているんだというだけでは、これはもう済まぬ問題だと思うんです。
 それが一つと、それから、そういうふうなことをしっかりしていっても、捨てる場所がなければ何ば自己責任だと言ってみても、どこかへ捨ててしまう。それが川に捨てたり沼に捨てたり、道路わきに捨てたり、あるいはひどいのになると他人の山のやぶの中や林の中へ捨ててしまう。こういうようなかっこうになっているわけなんで、この体制はきちんと整備をするとともに、廃棄する場所や廃棄する業者に対する監視、監督体制といいますか、こういうような規制というものを私はとってしかるべきだと思うんですが、それの状況を御説明していただきたい。
#33
○政府委員(山村勝美君) 産業廃棄物の処理につきましては、先生御指摘のとおりPPPと申しますか、発生者の責任においてやるべきであろうという原則が置かれておりまして、それに対応して府県が産業廃棄物処理計画を定めまして、県内の廃棄物が適正に処理されるような大きな流れをつくっていくということをやっておるわけでございます。それと、県が計画を立てることと同時に当然指導、監督をする必要があるわけでございまして、環境衛生指導員等による指導、監督、あるいは業者の教育研修といったことも中央の方でもやっておるところでございます。
 また、第二点の御指摘の処分地の問題等、業者任せではなかなかいかないということから、その処理が困難な場合には都道府県がみずから公共関与という形で処分地を持ったり、あるいは中間処理施設を設置したりするような事業が現時点で三十二県ぐらいですでに行われております。さらに、まあ前後しますが、事業者が、あるいは業者が中間処理施設をつくったり処分地をつくる場合の融資でありますとか、税制上の優遇措置とかいうようなことで助成が行われておるところでございます。
 規制等につきましても、廃棄物処理法の中でかなり整備はされておると思いますが、御指摘のように実態上まだ必ずしも十分ではないという印象を持っておりまして、今後とも都道府県を通して十分に指導し、所要の優遇策についても検討してまいりたいというふうに考えております。
#34
○三治重信君 それから、最近何といいますか、いろいろ屎尿処理で問題になってきておりますのが、いわゆる下水道の普及がおくれているというのか、未発達のために、個人浄化槽がずいぶん建てられている、やられているわけなんですが、これの管理といいますか、それこそ自己責任になっている。ところが、少したつと臭いのが出てきたりとなると、環境破壊につながると言ってトラブルが出る。こういう問題についてはやはり浄化槽の管理体制というものを、つくるのは許可になっているけれども、その後の管理については、何も問題なけりゃいいわけだけれども、現実にはやはりふん尿の未処理的な、いわゆる悪臭や不衛生という問題が出てくる。これについての検査、管理体制という問題が私はやはり厚生省として考えられなけりゃならぬと思うわけなんですが、これはつくった人がわかっているわけだから、つくった人は建設業者にしても、つくらした人がわかっているわけで、所有主がわかっているからいいわけなんですが、また、こういう浄化槽の管理をやるためには業者が必要だと思うんですが、こういうふうないわゆる衛生処理の業者やそれから産業廃棄物の処理の、私はそれぞれ、衛生関係の専門の知識を持った人がおるような業者、あるいは団体としてそういう者を雇うというふうな、まあこれは役人をふやせということは――行政改革の進む中で、やはり私は新しい考え方を持ってもらいたいと思うわけなんです。
 それの一つの方法は、やはり業者の自主的な協会、またそういうことについての責任体制、責任的な処理の基準をつくるとか、そこへ厚生省がいわゆる専門家を派遣して講習をやるとか、お互いの自主管理的な業界をつくっていく。そして任意的に業界の水準を高めていくという、こういうことが、まあ役人をふやさんで今後こういう新しい問題を、環境浄化をやっていくには、やはりそこに業界みずからが一定の協会をつくり、専門家を擁して研究開発をし、そしてそれを守っていく。それに県や厚生省が援助をしていく。そういう受け入れ体制をつくっていく必要があろうかと思うんですが、そういうことについてどういうふうにおやりになっているか。また、私の意見についてどういうふうな考え方を持っておられるか、御意見を伺って私の質問を終わります。
#35
○政府委員(山村勝美君) 浄化槽は、下水がまだ十分に普及していない状況において、国民のニードであります水洗化というものを大きくカバーしておりまして、下水道の水洗化人口とほぼ匹敵する浄化槽による水洗化人口を抱えておるところでございます。
 実態として、御指摘のように水質汚濁、悪臭等の問題が生じておる地域もあるようでございます。それらに対応いたしまして、その原因を見ますと、やはり構造にも原因があったり維持管理が悪いというところに原因があったり、いろいろするようでございまして、この六月一日からも構造基準を高度化いたしまして、それに対応しての維持管理、基準の整備も済ましたところでございまして、今後とも注意をしてまいりたいと思っております。
 で、実態は個人が設置するものでございまして、その清掃、管理等は、御指摘の衛生処理業者――浄化槽清掃業者とわれわれは言っておりますが、そういうものによって清掃、管理が行われておる。あるいは産廃につきましても、産廃処理業者というのが、いずれも許可の制度のもとに一翼を担って、産廃なり屎尿浄化槽の管理に当たっておるわけですが、御指摘の、業者の協会等を通していろいろな研修もし、みずから力をつけて、民間ベースでそういう管理、あるいは処理の実施に当たるべきだという御指摘については、もっともでございまして、私どもといたしましてもそういう許可業者の団体を通して、いろいろ研修会なり講習会を毎年のようにやっておるところでございまして、御指摘の趣旨に沿って今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
#36
○渡部通子君 原爆被爆者の問題につきましては、前回の委員会で小平委員の方から御質問をしてございますので、きょう私は、廃棄物処理の問題につきまして、特に再資源化の一点にしぼって若干のお尋ねをしたいと思います。
 ごみの問題は、いま大変なことでございますけれども、何とか廃棄物の再資源化、これができないかということの必要性は非常に高まってきて、議論も行われるようになっているわけでございますけれども、それほど実情は進んでいない、この原因については、どういうふうに分析をしていらっしゃいますか。
#37
○政府委員(山村勝美君) 廃棄物の再資源化は、御指摘のとおり今日の省資源あるいは廃棄物の減量化といった適正処理の観点からも、きわめて重要であると考えております。
 五十五年度に調べました市の意識調査を見ますと、約九〇%程度が積極的に意欲を持っておるようでございます。が、実態を見ますと、現実にいわゆる資源物質、有価物を回収している市というのは約半分ぐらいでございまして、五十二年調査の三四%から見ますとかなり前進はしてきたようでございますが、なお半分は何もしていないということでございまして、御指摘のように、必ずしも実効は上がっていないというのが実態であろうと思っております。
 その理由は、一つには排出段階での資源物質を分別すること、これが徹底していない。一つは、市町村が意識を持たないために誘導もしていない、かつ自治体等の活動も活発でない。市町村並びに住民の意識がきわめて低調であるということ。が一つであろうかと思います。
 それから第二点は、分別をしますと収集系統が二つないし三つにダブってまいりますので、どうしても収集運搬経費が増高してくるというような問題。それから混合収集するといたしましても、それを選別する等の機械分別によるとすればそれだけに経費がかさんでくるということも一つの障害になろうかと思います。
 それから、資源化技術の開発がなお不十分である。分別でとってしまえばいいんですが、その混合された状態がいずれにしても残りますが、そこから資源化する技術が、かなり最近進められておりますが、なお実用化段階になるものは限られておるという実態でございます。
 それから第四点は、再生資源市場と申しますか、その流通なり需要価格が不安定であるということもネックであるというふうに考えておるところでございます。
#38
○渡部通子君 私も同じように感じます。それで、やっぱりそういう困難な問題はたくさんありましても、この再資源化、さらにリサイクル運動というものを続けていかない限り、これから人類のごみ問題というものは解決をしていかないし、多少いろいろお金がかかりましても、そういう方向というものを開拓していかなければならない時期に来ているのではないか、こう思うわけです。政府においてもやはり、資源とエネルギーを大切にする運動本部の設置あるいは財団法人クリーンジャパンセンターによる社会的回収システムの実験、技術の開発の推進等で若干の努力をしていらっしゃることはよくわかっておりますけれども、もうこれらの努力は、量的にも質的にも非常におくれをとっているのではないか、不十分ではないか、こう思います。
 そこでこの再資源化の方途というものを、政策として国のレベルできちっと位置づける必要があるのではないかと思いますけれども、この点については大臣の御所見も伺っておきたいと思います。
#39
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃるとおりに、これからの廃棄物の処理という問題は何よりも再資源化を優先していき、それの分別の問題あるいは再資源化の技術開発の問題、こういったものを一方において進めながら、他方において、やはり何といっても廃棄物を出す人が、そのつもりで何とか出さないように資源化をまず図るという方向に持っていかなくちゃならぬと思うわけでございます。そういう意味におきまして、これは市町村の固有事務ではありますけれども、特に国は助成をやっております。今後ともできるだけの助成を進め、ただいま渡部委員からのお話の線に沿って、何ができるか真剣に検討してみたいと、かように考えておるわけでございます。
#40
○渡部通子君 いま大臣からも御答弁をちょうだいいたしましたように、国として何かしなきゃならない、具体的に施策を進めるに当たっては、再資源化を総合的、計画的に長期的に立案をしていただかなければならないと思います。そうしますと、主要な有用排出物ごとにその再資源化の目標を定める、あるいは方策等について長期的、基本的な計画をつくってもらわなきゃならない、あるいはそれを事業者の事業活動になるようにしていただかなければならない、そういう意味で、各種の施策の助成などをしていただく必要があると思いますけれども、それに対しての御準備はございますか。
#41
○政府委員(山村勝美君) 国として、何らかの積極的な取り組みをしていかなければならぬと考えておりますが、従来、九月二十四日を中心とした一週間を環境衛生週間としまして、その中で住民、自治体の啓蒙等を積極的に毎年のように繰り返してきました。しかし、なお実効が上がらない状況でございますので、五十三年以降、分別収集の実態でありますとか、資源業者の実態でありますとか、さらにユーレックス計画と申しまして資源の循環プラントといったものをすでに昨年十一月運転を開始した等、種々の方策について調査、探りを入れておった段階でございますが、ある程度の成果を得ましたので、これらをマニュアルのような形でまとめることを早速検討いたしまして、それに基づいて指導したいと考えております。具体的には、産業廃棄物処理計画あるいは一般廃棄物処理計画をそれぞれ県、市がつくっていくわけでありますが、その中に具体的に折り込むように指導をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、厚生省としてはそういう点、強くやってまいりたいと思いますが、資源化技術の問題、主としてハード面につきましては通産省の工業技術院等で積極的に進められておりますので、そのソフト面と申しますか、清掃事業の中でどう折り込んでいくかという面については、厚生省が調査を進めておるところでございます。なお、資源化となりますと、その回収物質の流通、需要、価格の安定問題という問題もありますので、通産省の方とも十分連絡をとりながら、総合的に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#42
○渡部通子君 再資源化事業者というのは、現在ほとんど小規模な事業者であろうと思うんですね。その事業基盤の強化、こういったことをしてあげなければ、なかなか現実には進まないと思うんですけれども、その強化とか組織化等について、何らかの指導を行ってはいらっしゃるんでしょうか。
#43
○説明員(飯田善彦君) 通産省といたしましては、再資源化事業者の近代化あるいは合理化のために、故紙ですとか、鉄くず等の廃棄物の取扱業者につきまして、たとえば鉄くず加工処理業につきましては、中小企業近代化促進法に基づきます業種指定を行いまして、五十五年の七月に近代化計画の告示を行いましたが、その計画の中には、たとえば品質の向上ですとか、あるいはコストの低下等の目標を提示いたしまして、五十八年の目標達成時までに必要な事項、たとえば金融ですとかあるいは債務保証ですとかいろいろな点で助成措置を講じてきておるところでございます。
#44
○渡部通子君 処女資源から生産される製品との競争となると大変困難だということはわかっております。ですけれども、そこを何とか啓蒙普及活動を強化して、そしてごみを出す方にも協力をしてもらわなきゃならないし、それを請け負う方の事業者にも、何とかそこが少し経営基盤が強化されるような方向で、これが一つの大きな国策として進められるような方向へぜひ持っていっていただきたい、私はこう思うわけでございまして、再資源化製品の質の問題、あるいは需要という意味の量の増大、こういった点を計画的に確保してもらわなきゃならないと思うし、それから技術についても、いまおっしゃっていらっしゃいましたように開発をしていただかなければならないと思います。いままでおやりになっているというその御答弁はわかりますけれども、最初、前提として大臣の御答弁をいただきましたように、それをやっぱり国の一つの大きな柱として強力に進めていただく必要があるのではないか。従来のペースで、従来の事務レベルでやっているだけでは、また五十八年の目標とおっしゃっても同じような進展度しか進めないのではないか、これを危惧するわけでございまして、そういった点で、この廃棄物関係行政においては関係省庁も多いことですし、その間の連携プレーがどうなっているかということも余り定かではございませんので、再資源化行政というのはどこを中心で推進をされていくのか。いままでのペースでお互いに連絡を取り合いながら努力をしますという程度では、今後の問題としては追いつかないのではないか、この中心点というものをはっきりして、強力に推進をしていただきたいと思いますが、その点はいかがでございますか。
#45
○説明員(飯田善彦君) 通産省としましては、従来から廃棄物というよりも、資源の有効利用というふうな観点から、この廃棄物問題にも取り組みまして再資源化を進めてきたわけでございますが、先生御指摘のように、確かに総合的な施策が必要かと思われます。私どもといたしましては、産業構造審議会で「資源有限時代における再資源化政策のあり方」についてというような諮問をしたことについての答申を五十二年に受けまして、そこで各種の再資源化推進のための施策を行ってきておるわけでございますが、なお、先生御指摘のように、政府全体として総合的にという御指摘でございますが、廃棄物という観点からいたしますと、厚生省の方の関係も非常にございますので、密接に連絡をとりながら進めていきたいと思います。
#46
○渡部通子君 いま、廃棄物というと厚生省の方でという御意見でございますので、厚生省さんの方で、どこが中心でと言ってもお答えのしようがないかと思いますけれども、その辺はっきりしていただきませんと進まないのではないかという、こういう心配がありますので、厚生省の御答弁も聞きます。
#47
○国務大臣(村山達雄君) これは、廃棄物と一口に申しましても、やはり産業廃棄物になりますと、どうしても所管省で、連携はとりますけれども、そこで資源の再利用という観点からやっていただかなきゃならぬでしょうし、家庭が排出いたしますような一般廃棄物になりますと、これは当然やはり厚生省が中心になって考えねばなりませんが、そのいろいろな分別の仕方とかあるいは利用の仕方、取り方ですね、これはまた、非常にいろいろな機械とも関係しますから、これまた通産等の知恵を借りながら、厚生省の方でもう少し精密に責任体制をとっていくべきじゃないか。家庭から出る包装の問題を一つ考えてみましても、第一通産省の方でむだな包装をやらないようにまずやっていただいて、どうしても出る包装についてはやはり紙として再生できるかできないか、その経済性等も通産省、われわれの方でも共同研究いたしまして、まあ責任は厚生省にあるわけでございますから、そういうものを系統的に検討いたしまして、市町村の廃棄物の処理のやり方を合理化していく、その指導責任はもちろん厚生省にあるわけでございますので、われわれとしてはそういった面で検討してまいりたい、一口に申しますと、産業廃棄物の方はどっちかといったら所管省の方で、一般廃棄物の方はわれわれが知恵を借りながら一生懸命やって、自治体を指導しながら一緒になって廃棄物の処理に当たっていく、資源化についても同様に考えているわけでございます。
#48
○渡部通子君 まあ、大臣のおっしゃるとおりだと思うんですけれども、廃棄物といえばごみ捨て、捨てるということであり、再資源化といえばその中から何かを生かしていこうというわけですから、矛盾した一つの話か廃棄物処理法ということで何とかやっていこうというんですから、そもそもその辺に矛盾したものがあるし、世間の実態というのは、もうすでにごみを捨てるばかりではだめだと、何とかこれを再生、利用する方向へ大きく転換をしていかなきゃならないという一つの大きな人類的課題を抱えての転換期にあるわけでございますから、法律の方がずっとおくれている、これでカバーし切れない点を何とかしようという曲がり角にあるんだという認識を私も持っておりますし、そういう意味から、廃棄物処理法の一部改正が検討されているということも私は聞いております。
 こういった点で若干質疑をいたしますが、現行の法体系のもとでは、その再生資源を取り扱う業態、これをどのように法的に位置づけをされているわけですか。
#49
○政府委員(山村勝美君) 現行の廃棄物処理法の体系では、いわゆる有価物は対象といたしておりませんで、もっぱら廃棄物を規制するという立場からの法律でございまして、したがいまして再生資源業者も法体系の中には組み込まれておりません。
#50
○渡部通子君 そこが一番問題だと思うんですね。再生物を扱う業者がこの法律の中には位置づけが何もできていない。したがって、やっている人たちはもぐりとかそういう小さな人たちがこそこそやっている、それが大きな一つの社会問題になってきているという実情にあるのではないかと思うんですね。まあ東京都やらそれから大阪の方では、条例で位置づけをカバーしているようでもございます。しかし、国の法律の方にはまだ位置づけが何もないというのが、お答えのとおり実情のようでございます。こういう回収ルートが未整備であることが再資源化促進を阻む理由の一つとも考えられると思うんですけれども、この業者の位置づけもないというのもまた大きな問題だと思うんです。今後、再資源化行政を進めていく上では、これらが非常に大きな問題だと思うのですけれども、この回収業の業者を指定して、何らかの助成をしていくというようなことが法律の上で考えられるかどうか、政府としてはどのような対応を考えていらっしゃるか伺います。
#51
○政府委員(山村勝美君) 先ほども申し上げましたように、現行の廃棄物処理法は、廃棄される物を適正に処理をするといういわゆる規制法でございまして、再資源という別の概念を入れることによって法体系全体が非常に変わったものになると思いますので、相当慎重な検討が要るというふうに考えております。
#52
○渡部通子君 いまのこの法律の中には入れられない、そうするといま無認可のままでやられているのをどうなさろうとするんですか、そのままでございますか。
#53
○政府委員(山村勝美君) 今後どうするかにつきましては、資源化を指導しておられます通産省等ともよく相談していく必要があろうかと思いますが、現在、大阪、東京等で条例で一応、許可制でございましたでしょうか、登録制でございましたでしょうか、とっておりますが、これはあくまでやはり廃棄物を扱うわけでございますので、衛生規制の観点からやっておるはずでございまして、いわゆる資源業者を育成するとかそういう観点は余りないというふうに理解をいたしております。
#54
○渡部通子君 そのとおりですね。東京都では五十年施行の都条例で再生資源取扱業を公衆衛生上の視点から収集業、取扱業、消毒業等に許可制をしておるということ、それから大阪市も二十二年以来、衛生面と公安面から古物商の許可を行っている、こういうちょっとおくれた認識における許可制の実情のようです。現在でもデパートとかスーパー、工場、こういった大量の廃棄物の排出者は再生資源回収業者と直接契約をして、再生活用の要に供するものと同時に、一般廃棄物または産業廃棄物も同時に回収している場合があると聞いております。これは現行廃棄物処理法には抵触しませんか。
#55
○政府委員(山村勝美君) 廃棄物処理業としての許可を持っておれば抵触をいたしません。
#56
○渡部通子君 これは大阪、東京あたりでは条例で許可制をとっていますけれども、全体的な法の位置づけはないわけですから、法の位置づけのないところでは抵触するもしないも、もぐりそのままだということになると思うんですね。それで、法の七条、十四条で、それぞれ一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業の許可は定めておりますけれども、その許可の制約を免れるために、契約者双方が無料と口では言っておりますけれども、実情ではほとんどの業者が相当の処分料をもらっていて、そうして再生活用の可能なものの売却収入とも合わせまして、相当高額の収入を得ているというのが黙認されている実態のようなものでございますけれども、そういう状況は把握しておいででございますか。
#57
○政府委員(山村勝美君) 具体的な数字については把握いたしておりませんが、そういう実態のあることは聞き及んでおります。
#58
○渡部通子君 そういう実情で廃棄物が処理をされているということについて、何らかの法のカバーをしなければならないのではないかと、そう思うわけでございますね。そういった業者がもしも法律違反の処分を受けたとしましても、その法に規定している営業停止権、あるいは二年間不許可処分、こういう罰則を受けることにはならないんですね、そもそも法律に位置づけのない業者でありますから。むしろ法に位置づけられている業者の方は処分を受けるけれども、そういうもぐりで公然とお金になる仕事をやっていながら、法律に位置づけがないために、別に見つかったからといって処罰を受けることはない。これは許可業者と比較して不合理だと思いますけれども、いかがですか。
#59
○政府委員(山村勝美君) 現在の許可制度は、廃棄物の衛生的な適正処理という観点からの罰則とか、そういう観点でございますので、そういう観点からしますれば、資源を抜いて売るという行為は罰則には当たらないということになると思うわけでございます。で、再資源化を進める上で確かに重要な役割りを持っておることは、どうも実態のようでございまして、あるいはそういう業者が市町村と契約をして、それを資源化物質は流通系統に乗せているという実態もあるようでございまして、それなりに、いわゆる衛生規制の面からしますと問題なく稼動しておるということでございまして、今後それをどういうふうに考えていくか、通産省等ともよく相談しながら検討していきたいというふうに考えております。
#60
○渡部通子君 その辺、法律の方がずっとおくれているという現状でございますので、手早に処置をしていただきたいと思うんですけれども、お認めになったとおり、実際許可を受けてない、再生資源のためという契約のもとに業者と直接契約をして、そしてごみを受け取っていると。それは再生利用に供するものばかりではなくして、一般廃棄物や産廃等も大量に引き取っている。しかもそこで金銭をもらっている。その中で幾分再生に利用できるものがあれば、そこでまた一つの収入も得ている。そういう業者がたくさんいるということはお認めになったとおりです。しかもその後ろに暴力団等もいて、かなり強硬に行われている実態というのは全国津々浦々に幾らでもあるわけですね。そういうのがもしも見つかっても、許可業者でないがゆえに、許可業者の方は処罰を受けるのに、許可業者でないがゆえに処罰の対象にもならないというのは、全く法の矛盾点もいいところだと思うわけでございまして、そういう形を放置したまま再生利用に供するもの、あるいは産廃、一廃等が処分場でもないようなところにも捨てられているという、こういう実情に対しては、国として大きく法律をつくって適用すべきだと、そういう段階でもうぎりぎりに迫られているのではないかというのが、私の今日におけるこの問題提起でございます。そういう意味で、再生利用業者あるいは廃棄物処理業者、許可を受けた者、受けない者、こういうようなところに混乱が生じているのではないかと、こう思うわけでございます。したがって、廃棄物もしくは再生活用に供し得るものの定義、範囲等について抜本的見直しをする必要があると思いますが、いかがですか。
#61
○政府委員(山村勝美君) 廃棄物を扱う限り業の許可が要るわけでございまして、そういう意味では規制を受けておるということが言えるかと思います。そのうち有価物を別に分けて、それをどこかへ捨てることはまずあり得ないので、いわゆる生産系統に運んで、別のルートで回収、いわゆるリサイクルしていくということでございますので、有価物をめぐってのそういう不法投棄的なトラブルはないと、そういう意味で、これは適正処理の観点からしますと規制の必要はない。それからなお、たとえば廃棄物処理法の中でも、もっぱら再生利用されるもの、くず鉄とか、そういうものについては全く法から外しておるわけでございまして、そういう意味で、現在の廃棄物を扱うという観点からの許可があれば、一応の問題はないんではなかろうかというふうに考えておるわけです。もしこういうものを廃棄物処理法の体系に入れるといたしますと、結局流通問題、価格安定問題、需要の問題、それを抜きには位置づけができないということでございますので、まさに法体系が全部変わってしまう。通産行政とも非常にかかわりが出てくるということで、非常に検討すべき課題が多いというふうに考えておるところでございます。
#62
○渡部通子君 御認識のことはよくわかります。一点だけおわかりいただけてないところがあるように思うんですけれども、確かに利用再生可能なものを扱っている分については、ちっとも差し支えはないわけですね、ところが、それと一緒くたにして、産廃、一般の廃棄物を一緒に引き受けてきちゃって、そして処分場でもないところに捨ててしまっているという実情がたくさんあるということ、それらあたりがいまの法では何ともならないではないかということを私は先ほどから申し上げているわけでございまして、それは認識を少し深めていただきたいと思います。
 いまおっしゃった、法体系を混乱させるから再生利用業者というものをこの法の中で扱うことは非常にむずかしいとおっしゃる理屈は私もよくわかります。したがって、再資源化政策を一層促進するためには新たな、それこそ流通関係等も非常に見直した上での再資源化促進法とも言うべき法制度の立法化、こういったものを含めて検討しなければならない時期に来ていると思いますけれども、その点はいかがでございますか。
#63
○説明員(飯田善彦君) 私ども通産省といたしましては、先生御承知のとおりでございますが、以前に再資源化を促進するための法制化を検討したことがございました。ただ、共同行為等の規定等が必要になってまいりまして、独禁法その他との関係で非常にむずかしいという点もありまして、その時点には断念したわけでございまして、そのころに、先ほど申し上げましたような産構審の答申をいただきまして、個別、具体的な施策を従来実施してきたところでございます。いまのところは、こういう個別、具体的な施策を進めることによって対処していきたいと現在考えておるわけでございます。
#64
○渡部通子君 きょうは、再資源化の必要性と再資源化を阻害している要因とか解決方法について、全くその一端に触れたにすぎないわけでございまして、このごみ問題というのは私自身もこれから一生懸命勉強していかなきゃならない大変な課題だということはよくわかっております。しかし、いま厚生省の方では、廃棄物処理法の中では再資源化ということは法体系として扱えない。それから通産省の方では個別指導でやっていく段階だと、こうおっしゃっていらっしゃるわけです。しかし、私が再三申し上げましたように、いま再資源化をやろうとしている業者はもぐりの形です。もぐりと言っちゃ言葉が悪いですけれども、許可業者ではありません。しかし、その中に含めて一般廃棄物も大量に捨てられているというような実情が横行している。しかもごみはどんどんふえる一方、処理場は足りない、こうなってくれば、何とかしなきゃならないという実情にあると思うんです。それで、アメリカやフランス等においては根拠法をすでに制定をいたしておりますし、そういった観点から、私は何らかの立法を含めた処置が必要ではなかろうか、こう申し上げたわけで、その法律の中には、再資源化の基本計画の策定とか再資源化事業者の登録の問題だとか、あるいは官公需において再資源製品を優先的に購入させるとか、あるいは分別収集の要請だとか再資源化推進機関の法制化とか流通問題も含めて、さまざまなことを盛り込んだ一つの法としての態様が要るのではないか、こういう時期が到来しているのではないか、検討するおつもりはないかというのが私の意見でございます。
 したがって、最後にそれに対する大臣のお答えを伺って終わりたいと思います。
#65
○国務大臣(村山達雄君) 現行法制のたてまえについては、いまそれぞれ事務当局からお答えしたとおりでございますが、委員のおっしゃいますのも、まさにこれからの問題を指摘していると思います。そういう意味で、いまの御意見を踏まえながら真剣に検討してまいりまして、どのように対処すべきか、われわれ自身も真剣に検討して何らかの方法を見出したいものだ、かように考えているわけでございます。
#66
○高杉廸忠君 今国会における本委員会の厚生関係の論議も本日で終えるようであります。そこで、大臣がかわられましたこともあり、私は委員各位の御理解を賜りまして、特に確認の意味を含めまして、議題であります二法案の質疑に先立ちまして厚生大臣に見解を承りたい、このように思っております。
 私は、昨年の十一月二十七日の本委員会におきまして、健康保険法の一部改正案審議の際、最終確認事項といたしまして、社会党、公明党、民社党、この方々を代表して最終確認をしました折に、富士見産婦人科病院と十分会の両問題の完全な解明をただしました。園田前厚生大臣からは、両事件にきわめて当面重大事件である、「厚生省としては最善の努力をしてこの解明をいたします。」と、明快なお約束をいただいております。また、この約束の一つの実行といたしまして、本年一月二十七日に十分会に対する行政措置がとられました。この措置は御承知のとおりに、同会の医療不正行為の問題についてはほとんど触れられておりませんでした。したがって去る五月の八日、私どもは党の政審会長であります武藤政審会長、片山参議院社会労働委員長、そして衆議院の社労の永井、栂野両議員と私とで園田前厚生大臣に対して十分会問題の処理に関しておおよそ三点、第一に、法に基づく迅速かつ厳正に医療実態の解明を図る。第二に、三省庁閣僚協議会を開催をして協力を要請する。第三として、医療法一部改正案の早期提出を図る。こういうようなことについて申し入れを行いました。さらに、このことにつきましては五月の十四日、衆議院社会労働委員会においても論議をさせていただいているところであります。
 私どもといたしましては、前大臣とのお約束のとおり、村山厚生大臣におかれましても、これが完全解明は当然のことと存じておりますが、前大臣からどのような引き継ぎをされたか、こういうことを含めまして確認をさしていただきたいと思います。
 まず、厚生大臣の所見を伺います。
#67
○国務大臣(村山達雄君) 十分会の問題につきましては、園田前大臣からも引き継ぎを受けているわけでございまして、私も厚生大臣になる前に薄々知っておりますし、その後いろいろないままでの経緯を聞いておりますが、結論といたしましては、やはり前厚生大臣と同じようにこの問題ははっきり解明し、そして厳正な措置をとっていきたいという点につきましては、全く変わりございません。
#68
○高杉廸忠君 大臣から、解明されるという所見を伺いましたが、十分会に関して私どもの調査の結果で、若干でありますが提起をして、確認をしたいと思うんです。
 十分会の東山高原サナトリウムで、昨年、カルテの改ざんが行われたことがわかりました。私はいま、改ざん前のものと改ざん後の写しをここに持っております。これがそうです。
 そこで、この件についてただしたいと思うんですが、このカルテは二組ありまして、一つは昭和五十年六月二十七日、慢性酒精中毒症で同サナトリウムに入院をされ、同日九時三十五分に死亡された当時五十九歳のAさんに関するものであります。死因は急性心不全とされています。ところが、当時現場におられた方が書いたものによりますと、この方は、午後九時ベッドの間に頭を乗っけて、はさまれるかっこうですでに死亡していたと書かれてあるわけであります。それからが大変でありまして、当直医が駆けつけてきても、カルテに病名が付されていない。看護婦さんは看護婦さんで、自分が気づかないうちに、しかもベッドとベッドの間にはさまれるかっこうで死亡していたもので、躍起になってその事実をもみ消そうとしていたと、こういうようなことも調査の結果明らかであります。あるいは当直医であります医師にしても、この事実について「何と書いておこうか」「心不全とでも書こうか」と、こういうようなことでありました。「ベッドの間で死亡したって書けないじゃないか」と、こういうような会話がそこでなされたようであります。そして、その結果としてカルテには、心不全にて死亡と書かれたと、調査の結果、こういうふうな私ども証言をいただいております。
 そこで改ざん後のカルテを見ますと、精神的既往歴、身体的現在症あるいは精神的現在症が新たに加筆記入をされたようになっているわけであります。原本になかった血圧測定が、あたかもそれがなされたかのように三カ所に記入されている跡もはっきりしているわけであります。このほか、恐らく後から全く新しく添入されたとしか考えられないようなカルテが一枚あるのですけれども、こういう加筆をされたのは五十五年一月であるとの話も得ているわけなんです。
 二つ目は、Aさんと同様の病名で昭和四十四年三月二十七日に入院され、昭和五十年三月二十一日にこれまた急性心不全で亡くなられたBさんのものです。これについても書かれたものがありまして、これを見ますと、心臓発作のために死亡、原因はシアドマイド服用にもかかわらず飲酒したためによると、こういうふうになっているんです。午後八時の投薬に回っていたときに、Bさんがけいれんを起こしていたので、看護婦さんに伝えたというんですね。しかし看護婦さんによれば、「大丈夫ですよ。もう二度目だし、みせしめにはちょっとほうっておいた方がいい」と、こういうようなことも言っていたようであります。十時、十一時の巡回のときも、Bさんはけいれんを起こしてすごい汗をかいていたというのです。で、看護婦さんに「いいんですか」とこう聞いたら、「大丈夫よ」と繰り返すだけで、看護婦さんは病室にさえ行かなかった。朝五時、同僚に急に起こされたときには、もうBさんの脈搏はないということで、だめだったわけであります。
 そこでF棟の方へ運んで酸素テントを出したのですが、酸素のメーターが上がっていないんですね。で、中央病棟の専門の係の方を呼んできたのですけれども、二十分ぐらいしてやっと係が来たときには、メーターが故障だったというのですね。そういうことで、お医者さんがやっと来たときにも、脈と眼球を見て、「だめです。柳の下にいつもドジョウがいるとは限らないんだよ」と、こういうようなことも言って放置したと、こういう関係もわかってきたんです。それで、そういうだめだと言っていながら、点滴注射を十分やったと、こういうふうになっているんです。
 このカルテの方にも、五ケ所にわたって血圧測定が新たに書き込まれているように思われるんです。改ざんはAさんの場合と同時期と考えられるのですが、私はこれらの改ざんは、手抜きや過誤による死亡の実態を隠蔽するためになされたものであると思えるんです。この際、真相解明がなされるべきであると考えるのですが、どういうふうに厚生省の方ではお考えになっているのか。私はこれらについては明らかに医師法第二十四条第一項違反であって、同時に第三十三条の罰則が適用されなければならないと思いますが、厚生大臣並びに警察庁の見解を伺いたいと思います。
#69
○政府委員(田中明夫君) ただいま御質問の件につきましては、昨日の毎日新聞の朝刊に同じようなことが報道されておりましたので、私どもといたしましては、早速京都府の衛生部に調査を依頼いたしましたところ、本日までに電話で得ました回答は、京都府の方で十分会系の三病院の院長並びに問題の患者さんの主治医をやっておりました計四人から、病院におきまして説明を求めましたところ、五年経過をした五十五年に診療録に追加記入をするとか、あるいはまた診療録を訂正したということはないという回答を得ておるわけでございます。
 なお病院におきましては、新聞に報道されております二つの診療録のうち、加筆後とされているものは現存しているけれども、加筆前とされているものは見当たらないということであったわけでございます。御案内のとおり、カルテの保存義務の期間というのは五年でございますので、事件が起こりましてからそれ以上たっております今日、このような病院側からの答えを得たわけでございまして、なかなかこれ以上突き進むということはむずかしいような実情にあるわけでございます。
#70
○高杉廸忠君 ちょっと警察庁の方からも見解を聞きたいと思っております。
#71
○説明員(中島治康君) 警察としましても新聞の発表の内容、先生からいまお話しいただきました内容で承知している程度でございまして、事実関係を確実に掌握いたしておりませんので、いまの段階では何ともお答えいたしかねる状況でございます。
#72
○高杉廸忠君 さらに、ちょっと念を押しておきたいんですが、カルテの改ざんで警察庁に特に伺いたいんですが、この場合、報道機関からの不正の指摘があって、これへの対応として改ざんがなされて、テレビの画像を通じ事実を隠蔽しようという意図に基づいていたんではないかというふうに思うんです。したがって私は、これは刑法の「虚偽私文書作成」に当たると考えますが、この点は警察庁の御見解はどういうふうになっておりますか。
 それからまた死亡診断書にも死因として記載されているわけなんですが、したがってこれも刑法第百六十条に該当するのではないかと、こういうふうに思うんですが、この二つの点について警察庁の方でどうお考えになっておりますか。
#73
○説明員(中島治康君) カルテの改ざんが私文書偽造に当たるかどうかという問題は、これは刑法百六十条は「公務所ニ提出ス可キ診断書」それから「検案書」「死亡証書」と、こうなっておりますので、カルテの改ざんが直ちに私文書偽造になるかということについては消極に解せざるを得ないと思います。
 それから、死亡診断書に虚偽の記載があるとしますれば、これはただいま申しました百六十条の問題、あるいは医師法の問題が出てまいるかと思いますが、その辺は事実関係が明らかでございませんし、五年前の問題だとしますと、これは時効の問題もございますので、この席ではっきり結論を申し上げるわけにはまいらない次第でございます。
#74
○高杉廸忠君 大臣、十全会におけるカルテの問題というのはまだ若干あるように聞いているんです。私が聞いているところでは、昨年の十月三十、三十一日の保険指導の際、四、五日前、いや一週間程度前からもうすでに保険指導が近日中に行われるよと、こういうようなことが事前に、どういう連絡があったのかわかりませんが、すでに十分会では知っていたようなんですね。しかも、その調査の対象となるカルテも事前にちゃんと連絡ができていたということも聞いているんです。したがって、カルテの改ざんをしようと思えば、十分な時間的な余裕があるような連絡のように聞いているんです。こういうような対応がなされているということになると、一体これは保険なり厚生省の指導というのは、具体的にそんなに前から、カルテの抽出までも事前にちゃんと連絡しているのかどうか、私は非常に疑問に思っているんです。余り長くこの問題には入れませんので、その点だけちょっと確認しておきたいのは、保険指導について具体的な指導をどうされたのか。
#75
○政府委員(大和田潔君) ただいまの問題につきまして私ども調査をいたしたのでございますが、調査の日の前日の夕刻に調査対象のカルテといいますか、調査対象者を連絡をいたしたということでございます。
 もう少し具体的に私ども調査をいたしたところ、いわゆるこういったレセプトを調べるという、それにつきましては京都府が府下の政管の分であるとか、あるいは京都市の国保分というものにつきまして約二千枚のレセプトを収集をしておる。それで、前日厚生省が参りまして、その中から厚生省と京都府の共同作業で、約百五十人分の抽出を前日にいたしたわけでございます。調査日前日、指導日前日にいたしたわけでございます。それを夕方に病院に連絡をしたと、こういうような経過になっておるわけでございまして、決してそれより前に病院が知っておったということはないという調査の結果でございます。
#76
○高杉廸忠君 私は、以上指摘しましたように、このようなことがたびたび繰り返されるようなことのないように、国会においても行政においてもその真相を解明をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。私どももここ三、四年ぐらいは、少なくとも国会で牽制的にこの問題についても強く監視をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。
 そこで、大臣に締めくくりとしてお尋ねをしたいと思いますが、医療をめぐる問題が山積をしている今日であります。国民の医療に対する信頼を回復するためにも、この提起をいたしました十分会の問題に関して、厚生大臣の引き続き解明に対する決意をこの際お聞かせをいただきまして、本件については終わりたいと思います。厚生大臣から決意を伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(村山達雄君) 先ほども申し述べましたが、十分会の問題が表面化いたしましてから、厚生省としては厳正にやってきたつもりでございますし、今後も引き続き厳正にやってまいりまして、必要な措置をとってまいろうと思っておるわけでございます。
#78
○高杉廸忠君 次に、議題であります原爆被爆者の特別措置についての関連でお尋ねをいたしたいと思いますが、まず総括的に質問をいたしたいと思うんです。
 国家補償の概念について、整理をしておきたいというふうに考えるんです。そこで、内閣法制局にまず伺うんですが、行政法上の国家補償の概念はどのように区分をされるのか。また、その区分ごとにいかなる立法例があるのか。まず内閣法制局から伺いたいと思うんです。
#79
○政府委員(工藤敦夫君) 国家補償の概念につきましては、これはさまざまな分類が行われております。いまここでは、一応通説的な学説に従いまして大別いたしますと、おおよそ三つに区分されるだろうと思います。
 第一のグループは、いわゆる国家賠償でございます。公務員が行政事務を遂行するに当たりまして、違法に国民の身体あるいは財産、こういったものを侵害した場合に行われるいわゆる賠償でございます。
 それから第二のグループは、いわゆる損失補償といわれる部分でございまして、適法行為に基づきます損失補償でございます。すなわち、国の適法な行為によって発生いたします特別の損失、これに対しまして行われる補償でございます。
 それから第三のグループは、これは学者によりまして結果責任あるいは危険責任といろいろな呼び方がございますが、つまるところは、国の行為に随伴いたしまして、結果として損害が生じたと、この点に着目しまして行われる国家補償でございます。
 以上の三つのグループに大別できると思われますが、そのそれぞれの立法例という意味におきましては、第一のグループはいわゆる国家賠償法、これが基本であろうかと思います。
 それから第二のグループ、これは数多くの例がございますが、個別実定法にいろいろの例がございますが、典型的な例といたしましては、たとえば土地収用法におきます収用、これが土地収用法の二条で「収用又は使用」というのが書いてございまして、具体的に六十八条以下に書いてございます。あるいは鉱業法の五十三条以下と、こういったのが第二のグループの立法例であろうかと思います。
 それから第三のグループ、これは具体的な損害に応じましてそれぞれ個別実定法を定めておりますが、これまた範囲が一義的に決まっているものではございませんけれども、学説によりまして分類いたしますと、たとえば公務災害に対するものとしての公務員の災害補償法、あるいは公務に協力した者が災害を受けました場合の警察官あるいは海上保安官等の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律、あるいは文化財保護法におきます文化財の修理に伴うものと、こういうふうなものが立法例として挙がると思います。
#80
○高杉廸忠君 それじゃさらに伺いますが、いま御説明いただいた不法行為に基づく国家補償、適法行為に基づく国家補償、それから広い意味における国家補償、いろいろ分類がある。戦傷病者戦没者遺族等の援護法、これはいかなる範疇に属するもので、どのような性格を有するものであるのか。原爆二法とはどのような点で性格を異にしているのか、この点も明確にしていただきたいと、こう思うのですが。
#81
○政府委員(工藤敦夫君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法につきましては、ここで規定されております措置は、軍人軍属あるいは準軍属といった国と特別の関係にあった者、これが公務ないしはその勤務に関連いたしまして受けました損害に対して、国がいわば使用者責任的な見地から行うというものでございます。そういう意味におきましては、必ずしも学者等の分類ははっきりいたしませんけれども、いかなる範疇に属するものかという先生のお尋ねから言えば、第三のグループに属すると言ってもまあ間違いではないかなということでございます。
#82
○高杉廸忠君 厚生大臣に伺います。
 本案審議に際して、いままで各委員からそれぞれ同様に質問もあり確認もありましたが、基本懇並びに政府は、従来の原爆二法に基づく施策を今後は広い意味での国家補償と位置づけていきましょうと、こういうことでありますが、この法律の性格は変えないでいくのか、それとも今後は、広い意味での国家補償の精神に基づいて施策を進めていくということで、従来の施策の延長線上にあるのではないというふうに理解するのか、そのどちらなのか、この辺を、この際明確にひとつしていただきたいと、こういうふうに思うんです。
#83
○国務大臣(村山達雄君) ただいまの問題でございますが、基本懇の答申をずっと読ましていただきますと、やはり現行の原爆被爆者に対する手当法そのものが、今度の広い意味の国家補償、損害賠償でもない、また適法行為による損失補償でもない、また使用人責任として考えているものでもない。そういう意味で、広い意味の国家補償という独自の考えを、理念を根拠づけていただいて、そして、その上に立って今後必要に応じて施策を進めるべきであると、こういう御提言をいただいたと私は読んでいるわけでございます。したがいまして、この理念に沿いまして、今回はそれに相当する措置として、われわれ考えましたところを御提案申し上げているわけでございますし、今後の問題の処理に当たりましても、基本的にはそういう観点で、必要に応じて所要の措置をとってまいりたいと、このように私は考えているのでございます。
#84
○高杉廸忠君 大臣からお答えがありましたが、さらに大臣に確認の意味でお尋ねをいたしますけれども、いま言うように、広い意味での国家補償というように、国家補償の概念を私はどういうように分類をしたり、また学説の上で区分をしたりすることはいいのですが、私は要は戦争という危険な状態をつくり出して、その結果あのような惨禍に見舞われたのですから、単に国家補償という言葉の問題ではない、真に国家補償に値するものでなければならぬ、こういうふうに思うのです。私どもは、わが党初め野党が共同提案をいたしまして、衆議院で援護法を提出しましたが、議論もできなかったのですが、私はこのような援護法に近づけていくべきであると、こういうふうに考えるのです。その実現のためにも、大臣として検討を加えて、早急にひとつ取り組んでいただきたい。これは、要請も含め、大臣に所見を伺うのですが、大臣からお答えをいただきたいと思うんです。
#85
○国務大臣(村山達雄君) この問題は、基本懇の答申でも具体的に取り上げて言っているわけでございまして、いわゆる戦没者の遺族に対する年金というものは、使用者としての責任の補償という立場で言っておりまして、原爆の方の問題につきましては、やはり国民の一般的な納得が得られるように考えなくちゃならぬ。したがって、同様に年金をやることについてはなかなか納得が得られないのではなかろうかということを基本懇も言っているわけでございます。前厚生大臣の園田さんも、そういう考えはあるけれども、やはり制度論としてはなかなかむずかしいという非常に含蓄に富んだ言葉を言われておるわけでございますので、私たちはこれらの立場を踏まえまして、今後ともいろいろ考えてみたいとは思いますが、基本的にはいま言ったようなところではなかろうかというふうに思っておるところでございます。
#86
○高杉廸忠君 大臣、より国家補償的な考えを強めていくというお考えであるんですね。であるならば、従来、予算措置で進めてきました諸施策のうちで、原爆病院あるいは治療施設、原爆養護ホーム、原爆被爆者保養施設、相談所等については、私は法律上位置づけを明確にして、その運営及び施設整備の充実を図るために助成措置を確立すべきだと、こう思うんです。財政的に、非常にこれは新大臣として大変だと思いますけれども、この際政府の見解、決意を私は厚生大臣からいただきたいと思うのです。いま申し上げました点について、どうでしょう。
#87
○国務大臣(村山達雄君) 御案内のように、原爆症状、いわわゆる原爆の分につきましては、おっしゃるように公費でやっているわけでございます。その他の一般の疾病等につきましては、いわゆる患者負担分を公費でやっているわけでございますから、言いますれば、やはり広い意味の社会保障ということでございますし、その内容をどうするかという、十分か十分でないかということは別問題といたしまして、私たちは十分需要を賄っているんじゃないかと思っておりますけれども、そのように扱っておりますので、それを、この特別法の手当法の中に入れるというのはちょっと体系が違うんじゃなかろうか。まあよく検討さしていただきます。私も就任早々でございますが、そんな感じがするわけでございます。
#88
○高杉廸忠君 いままで本案養護に対して、それぞれ各委員から指摘もあり、要望がありました。そこで、本委員会における後ほどの決議についても、ぜひひとつこの実現を厚生大臣に御努力をいただきたい。こういうふうにお願いをして本案に対しての質問を終わります。
 次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法の関連で若干お尋ねをしたいと思うんですけれども、最近、全体的には労災事故の減少傾向のもとにありながら、廃棄物処理業においては、ごみ焼却施設等で死亡事故につながる事故例が多発しているんですね。この実態をどのように把握をしておられるのか、あるいはまたその原因というのはどこにあると分析をしているのか、労働省にまず伺いたいと思います。
#89
○説明員(林部弘君) いま先生から御指摘ございましたごみ焼却場等において発生いたしております死亡災害でございますが、昨年度について申し上げますと、九月の四日に五名の方が亡くなられました彦根市の清掃センターにおける事故がまず一つ挙げられるかと思いますが、これは原因としては硫化水素中毒ではないかというように考えられております。それから同じく九月の十九日に一名亡くなっておられますが、この事例は松本市の清掃センターにおけるものでございまして、原因といたしまして、酸素欠乏症によるものではないかというふうに考えられております。それから十二月の二十八日に発生をいたしました三名の方のお亡くなりになりました事例は、千葉県の市川市の清掃センターにおけるものでございまして、原因といたしましては、硫化水素中毒というように考えられておりまして、いずれも原因といたしましては酸素欠乏あるいは硫化水素中毒というようなものが挙げられております。
#90
○高杉廸忠君 死亡の原因等は、焼却施設における酸素欠乏にあるように思うんですが、当然呼吸用保護具を着用するように指導されていると考えるんです。企業自身もその必要性を認識していると思うんですが、どういうような指導、規制措置、こういうものが具体的に行われていたのか、この点もひとつ伺いたいと思うんです。
#91
○説明員(林部弘君) 先生御指摘の酸素欠乏症の防止対策に関しましては、この酸素欠乏症が最も多発をいたしました昭和四十六年に、酸素欠乏症防止規則というものを制定いたしておるわけでございまして、今日までこの規則の周知徹底に努めてきているところでございます。特に昭和五十一年以降につきましては、清掃業のうちで屎尿処理業等の業種が多発をいたしておるということでございますので、五カ年計画によりまして特別監督指導というものを実施してきております。この規則に基づきまして酸素濃度の測定でございますとか、換気の履行というものに努めるということのほか、作業主任者の選任でございますとか、監視人の配置等を重点に監督、指導を現在まで実施いたしております。
#92
○高杉廸忠君 事故例を見ると、被災者自身、当該災害の発生場所が酸素欠乏等のおそれのある場所であるということの認識というのがどうも欠けているように思われる、それが実態ではないかと思うんです。そういう場合に、酸素欠乏症等の危険性に対する認識を十分周知徹底させるのには、具体的にどうしたちいいという、あるいはどういうように今後対応としてお考えになっているのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。
#93
○政府委員(吉本実君) 先ほど来の酸素欠乏症等におきます災害発生の共通の原因といたしましては、一つは、作業の開始前に作業環境の測定なり換気が行われていないというようなこと。それから二番目には、先生御指摘の呼吸用保護具を着用せずに作業を行ったこと。またさらに、救助に入った者が二次災害に遭っている。こういうことで、労働者はもとより、事業者にもこれらの危険性についての認識の低さが指摘されるところでございます。こういったことから、労働省といたしましても、先ほど担当衛生課長から申し上げましたように、昭和四十六年に酸素欠乏症防止規則を制定いたしまして、それについて監督、指導を実施してきているところでございますが、さらに最近、こういった事例が大変多い建設、造船、食料品製造業及び本件の清掃業、こういったような四業種につきまして、特に昨年の十月二十四日に特別にまた通達を出しまして、同種災害の防止対策の徹底方を指示し、この通達におきまして御指摘のように表示その他の方法により労働者の酸素欠乏症に対する認識を十分周知させもこと、こういったことを重点にして指示をしておるところでございます。それらに基づきましてそれぞれ局所におきまして集団指導、その他関係業界への周知に努めているところでございます。今後さらにまた一層、そういった点の徹底に尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#94
○高杉廸忠君 いろいろな方法で周知徹底、教育、こういうことは重要だと思うし、特に酸素欠乏に対する認識を深めるために、酸素欠乏危険作業における従事者に対しての特別教育、これをひとつ十分やっていただいて、事故の場合の待避あるいは蘇生の方法あるいは呼吸用保護具の使用の方法、すべて私はやっぱり教育を充実して、できるだけ災害を防止するように積極的にひとつ取り組んでいただきたい、これは要請をしておきます。
 それで、廃棄物処理業には一般的に零細企業がきわめて多いわけですね、御承知のとおりに。で労働安全衛生法の規則によって、この規則が一定規模以上を対象としているのですけれども、現行法令の規制を零細企業についてはどういうようなことをやっておられるのか、あるいはまたこれからどういうふうにしていこうとするのか、その指導、対応について伺いたいと思うんです。
#95
○説明員(林部弘君) 労働安全衛生法におきましては、労働災害を防止するために、規模のいかんを問わずに事業者に対しましていろいろな措置義務を課しているわけでございます。たとえば、一般に労働者の多い大規模の事業場ということになりますと、事業者が直接労働者の作業状態なり健康状態というものを把握をいたしまして適切な措置を講ずるというためには、規模が大きいということで困難を伴う場合が多いということで、一定の規模以上の事業場につきましては、安全管理者でございますとか衛生管理者でございますとかいったような管理者の選任の問題、あるいは安全衛生委員会の設置といったような安全衛生管理体制の整備を義務づけているところでございます。また、事業者の講ずべき措置のうち、具体的かつ技術的な事項を担当させるということで、こういった管理者を選びまして労働災害の防止を図るという形になっております。このように、一定規模以上の事業場ということになりますと、やはり効果的な労働災害防止を図るための特別な義務が必要であるということで、いろいろな付加条項があるわけでございますが、そういう特別な付加条項を除きましては、労働安全衛生法は事業場の規模にかかわりませず零細な事業場の場合にも適用されると、そういう形になっているわけでございます。
#96
○高杉廸忠君 特に厚生大臣、本案の審議についていまお聞きのように、事故についても、その発生防止に努力をされていることはわかるのですが、現実に災害が多発しているわけであります。その危険性に対する認識を十分に周知徹底をさせて、労働災害の発生というものを未然に防止していく、そういうようなためにも、今後関係省庁と十分なひとつ連絡を密にしていただきまして、ぜひ厚生大臣としても積極的に御指導をお願いしたいと、こういうふうに思うんです。同時にまた、両法案について今日までそれぞれの委員からの指摘があり要望がありました。こういう点についても、厚生大臣としてもこれらを十分取り入れていただいて、そして厚生行政のために一段と御努力をいただきたい、お願いを申し上げ、最後に厚生大臣からの所見を伺いまして私の質問を終わります。
#97
○国務大臣(村山達雄君) ただいま高杉委員から御指摘いただいた点は私全く同感でございまして、この廃棄物の処理の問題につきましては、労働災害の問題あるいは資源回収の問題等各方面からいろいろな問題を含んでおりますので、今後各省庁と十分な連絡をとりまして、この問題の解決に最善の努力を尽くしていくつもりでございます。
    ―――――――――――――
#98
○委員長(片山甚市君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(片山甚市君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に。御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#101
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ及び一の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は本法施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
 一、廃棄物の処理に当たっては、減量化及び資源化を促進することとし、これに必要な処理体制の整備及び処理技術の研究開発を積極的に行うとともに、最終処分場の確保に努めること。
 また、廃棄物処理事業における労働災害の発生を未然に防止するため、関係省庁間の連経を密にし、所要の指導を行うこと。
 二、一般廃棄物処理施設の設置に関し、地方公共団体の財政負担を軽減するため、国庫補助内容の改善充実に努めること。
 三、産業廃棄物め処理について、監視指導体制の強化及び事業者処理責任の一層の徹底を図り、事業所管省庁においても所要の指導を行うとともに、特に中小企業に対しては必要な助成策を講ずるよう努めること。
 四、事業者に対し、適正な処理が困難となる製品、容器等の製造、加工、販売等を行わないよう指導を徹底するとともに、必要に応じこれを回収・処理させるよう指導を行うこと。
 右決議する。
 以上であります。
#102
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村山厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村山厚生大臣。
#104
○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#105
○委員長(片山甚市君) 次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#107
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ及び一の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、その実現に努めるべきである。
 一、原爆被爆者については、広い意味における国家補償の見地に立って、その対策が講じられるべきであるとの原爆被爆者対策基本問題懇談会の意見が出されたこと等にかんがみ、被害の実態に即応した援護対策を可及的速やかに一層拡充するよう努めること。
 二、医療特別手当については、所得制限が撤廃されたが、他の諸手当についても、被爆者の障害の実態に即して改善するとともに、医療特別手当等については、生活保護の収入認定からはずすよう検討を進めること。
 三、原爆症の認定については、被爆者の実情に即応するよう、制度と運営の改善を行うとともに、健康管理手当の認定についても、制度の趣旨が生かされるよう地方自治体を指導すること。
 四、被爆者について、死没者の状況が十分把握されていないことにかんがみ、その調査を行うこと。
 五、原爆病院の整備改善を行い、病院財政の助成に十分配慮し、その運営に当たっては、被爆者が必要とする医療を十分受けられるよう万全の措置を講ずるとともに、被爆者に対する家庭奉仕員制度の充実及び相談業務の強化を図ること。
 六、被爆者とその子及び孫に対する放射能の影響についての調査、研究及びその対策について十分配慮するとともに、原爆医療調査機関の一元一体化について検討し、その促進を図ること。
 七、放射線影響研究所の研究成果を、被爆者の健康管理と治療に、より役立てるため、運営の一層の改善、同研究所の移転、原爆病院との連携強化などにつき検討すること。
 右決議する。
 以上であります。
#108
○委員長(片山甚市君) 先ほど廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し各会派からの共同提案がございました。そのうち「自由民主党・自由国民会議」が「自由民主党・国民会議」となっておりましたから、これは訂正を委員長からさしていただきます。
 それから、ただいま原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案についても同じように「自由民主党・自由国民会議」が「自由民主党・国民会議」となっておりましたので、正式の名称に変えさしていただきます。
#109
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村山厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村山厚生大臣。
#111
○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重しまして努力をいたす所存でございます。
#112
○委員長(片山甚市君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#114
○委員長(片山甚市君) 公衆浴場法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者粕谷照美君から趣旨説明を聴取いたします。粕谷君。
#115
○委員以外の議員(粕谷照美君) ただいま議題となりました公衆浴場法の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ、第二院クラブ及び一つの会を代表いたしまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 売春防止法制定より二十五年を経過した現在、政府公認の集娼制度は解体されましたが、売春の形態は多様化し、潜在化して第三者による女性の搾取は後を絶ちません。
 「国連婦人の十年」の起点であった一九七五年の国際婦人年メキシコ会議において、婦人の人格の尊厳及び肉体の不可侵が宣言され、人身売買及び売春の禁止が決議されています。また一九七九年十二月、第三十四回国連総会において採択された婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約第六条においても、「締約国は、あらゆる形態の婦人の売買及び婦人の売春からの搾取を禁止するためのすべての立法を含む適当な措置をとる」と規定されているところであります。この条約は、昨年七月コペンハーゲンでの国連主催の世界婦人会議において、わが国も署名しているところであり、すでに、八十二カ国の署名、加入を得ているところであります。
 わが国においては売春防止法によって売春は禁止されているとはいえ、さまざまな売春の形態が存在し、社会環境は年少者の性的非行や少女売春を生み出す大きな要因となっています、また暴力団や業者による売春の強要は外国女性、主としてアジアの各国にも及んでおり、海外からの非難も浴びています。それらはしばしばトルコぶろその他各種の接客業者の仲介や強制によるものであり、このまま放置しておくならば売春防止法はその意義を全く失うものとなりましょう。中でも個室付浴場業の業態は売春の温床と化し、特殊浴場業の距離規制の悪用によって全国各地に集娼地域を発生させており、そこで役務を提供する女性に対して浴場業者は、事実上の管理売春による搾取を行っています。また、これらの業者と結託するヒモ、暴力団などによる売春の強制、搾取など、女性の人権侵害は目に余るものがあります。
 ここに、売春防止法の効力を補完するための一助として、個室において異性による役務を提供させることを禁止し、売春の温床を多少とも取り除くことを目的とした、公衆浴場法の一部改正を提案するものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#116
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案の自後の審査は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(片山甚市君) 市町村が行う寒冷地世帯暖房費援助事業に係る国の補助に関する法律案を議題といたします。
 発議者対馬孝且君から趣旨説明を聴取いたします。対馬君。
#118
○対馬孝且君 ただいま議題となりました市町村が行う寒冷地世帯暖房費援助事業に係る国の補助に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 北海道等寒冷の地域の住民にとっては、暖房は生活を維持していく上で必要不可欠のものであり、他地域に比べて多量の燃料を必要としていますが、年々高騰する石油等の燃料費の支出は、寒冷地住民の生計を圧迫し、生活保護世帯に準じた低所得世帯にとっては、ゆゆしい問題となってきております。たとえば、北海道における住民の石油等の暖房費の支出は、標準世帯で約十八万円にも及び、なお、この騰勢は恒常化しつつあり、このような低所得世帯にあっては、これに何らかの援助の手を差し伸べなければ、冬期間は多数の世帯が生活保護を受けなければならないことにもなりかねない状況になってきております。
 このような事態に対処して、一部寒冷地における地方公共団体は、母子世帯等に対し特別生活資金の貸付事業及び援助金等を支給する事業を行っております。
 しかし、現下の地方財政の実情では、地方公共団体が低所得世帯に対し、実のある暖房費の援助事業を継続して行うことは困難であります。
 そこで、市町村が行う寒冷地世帯暖房費援助事業の円滑な実施を図るため、道県が当該事業につき補助する場合における当該補助に要する費用について国が補助する必要があります。これが、この法律案を提出する理由であります。
 以下、本案の内容を説明いたします。
 第一に、寒冷地世帯暖房費事業とは、寒冷地の低所得世帯に対し、当該世帯の暖房費に係る経済的負担の軽減を図るため、暖房費に係る援助金、灯油等の金品を支給しようとするもので、国庫補助の対象となるのは、寒冷度、世帯構成員数に応じて通常必要と認められる暖房費の三分の一に相当する額として政令で定める額までの援助に限っております。なお、対象地域である寒冷地は、寒冷の度がはなはだしい地域を政令で定めることとし、対象世帯は、世帯構成員全員の所得合算額が政令で定める一定の額未満である世帯に限定するとともに、寒冷地手当受給者世帯、生活保護世帯、社会福祉施設入所世帯等を除いております。
 第二に、国庫補助は、道県が市町村に対し補助を行っている場合に限り、その補助に要する費用の三分の二を国庫補助するものとし、市町村事業費の二分の一相当額を限度額としております。
 なお、この法律は、公布の日から施行し、昭和五十六年九月一日以降の事業について適用することとしております。
 以上が、本案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#119
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案の自後の審査は後日に譲ります。
 これにて暫時休憩いたします。
   午後零時四十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時八分開会
#120
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律案、調理師法の一部を改正する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、提出者衆議院社会労働委員長山下徳夫君から三案について順次趣旨説明を聴取いたします。山下君。
#121
○衆議院議員(山下徳夫君) ただいま議題となりました公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、公衆浴場が著しく減少しつつある状況にかんがみ、公衆浴場についての特別の措置を講ずるよう努めることにより、住民の利用の機会の確保を図り、もって公衆衛生の向上等に寄与しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、国及び地方公共団体は、公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならないものとすること。
 第二に、環境衛生金融公庫または沖縄振興開発金融公庫は、公衆浴場を経営すみ者に対し、その公衆浴場の施設または設備の設置または整備に要する資金を貸し付ける場合には、通常の条件よりも有利な条件で貸し付けるように努めるものとすること。
 第三に、国または地方公共団体は、公衆浴場の確保を図るため必要と認める場合には、所要の助成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました調理師法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、近年における生活水準の向上や食生活の多様化等に伴ういわゆる外食依存の増大等により、多数人に食事を提供する施設においての調理に関する業務の質的向上等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、集団給食施設または飲食店等においては、その設置者または営業者は、施設ごとに調理師を置くように努めなければならないこととすること。
 第二に、厚生大臣は、調理師の資質の向上を図るため、調理の技術に関する審査を行うことができることとし、その事務を厚生大臣が指定する団体に委託することができることとすること。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、近年ベビーホテルと呼ばれる無認可の保育施設が大都市を中心に全国的に増加しており、これらの中には安全面や保育内容等について問題のあるものが見られることにかんがみ、これに対する規制の強化を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、厚生大臣及び都道府県知事に、無認可の児童福祉施設に対する報告徴収及び立入調査の権限を与えることとすること。
 第二に、厚生大臣は、都道府県知事と同様に無認可児童福祉施設に対して事業の停止または施設の閉鎖を命ずることができることとすること。
 第三に、報告徴収、立入調査を拒んだ者等に対して罰則を設けるとともに、関連する罰金の規定の整備を行うこと。
 第四に、この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行すること。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#122
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました、
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。――別に発言もないようですから、これより採決に入ります。
 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、理調師法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#124
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#126
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました児童福祉法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ及び一の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について配慮すべきである。
 一、ベビーホテル問題の現状にかんがみ、乳幼児の安全確保のため、無認可保育施設に対する指導指針を定め、指導、監督を厳正に実施するとともに、保育行政の充実強化に努めること。
 二、ベビーホテルに二十四時間、かつ、長期間入所している児童については、乳児院又は養護施設に入所し得るように措置手続の簡素化等を図ること。
 三、都市部において、モデル的に夜間保育を実施すること。また、夜間保育の需要は、特別の職域に多いことにかんがみ、職域保育所の整備について指導すること。
 四、通勤時間の延長等に対処するため、大都市及びその周辺部において、地域配置を考慮して保育所を選定し、実情に応じ、保育時間の延長を図ること。
 五、育児休業制度等働く母親の育児環境の改善、保育所への年度途中入所の円滑化、乳児保育を中心とする小規模保育所の設置促進について、今後検討を進め、その実現が図られるよう努力すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#127
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大石厚生政務次官から発言を求められておりますので、この際これを許します。大石厚生政務次官。
#129
○政府委員(大石千八君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して努力いたす所存でございます。
#130
○委員長(片山甚市君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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