くにさくロゴ
1980/05/28 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第14号
姉妹サイト
 
1980/05/28 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第14号

#1
第094回国会 文教委員会 第14号
昭和五十六年五月二十八日(木曜日)
   午前十時八分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     村沢  牧君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     本岡 昭次君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     吉田  実君     安孫子藤吉君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     安孫子藤吉君     内藤  健君
  ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                勝又 武一君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                田沢 智治君
                玉置 和郎君
                内藤  健君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                松浦  功君
                小野  明君
                粕谷 照美君
                本岡 昭次君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       文部政務次官   石橋 一弥君
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送大学学園法案(第九十三回国会内閣提出、
 衆議院送付)(継続案件)
○放送大学を設置するための国立学校設置法及び
 放送法の一部を改正する法律案(勝又武一君外
 一名発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 放送大学学園法案及び放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○勝又武一君 放送大学につきましての質疑が継続をされておりますが、いままで出ましたうちで、まだ文部省の御答弁、大臣の御答弁の中でいろいろと不十分な点があると思いますので、幾つかお聞きをしてまいりたいと考えます。
 まず第一にお聞きしたい点は、ここの文教委員会では大分熱っぽい議論が続き、一昨日も逓信との連合審査が行われていろいろと白熱的な御論議もございましたが、さて、国会を出まして外へ出てみると、一体どの程度放送大学というのが燃えているんだろうか、国民の間にどの程度議論されているだろうかということを感じます。外へ出るどころか国会を一歩出まして、来ている人に、実は放送大学と言うと、はあ、何のことですかという調子でございまして、一体国民の関心というのはいまどの程度だというように、大臣なり局長は御判断されていますでしょうか。
#4
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま勝又先生からお話しのごとくに、この放送大学という問題がもうすべての人の重大な関心事になっておるといったような、つまり新聞記事を非常ににぎわすような内容ではないものでありますから、放送大学というものの社会教育あるいはまた国家全体の文教政策の上から言いまして非常に重大であるということは皆さん方よく御承知とは思いながら、われわれの集まった中におきましても、まだそれは国会の方の審議にお任せしてあるというような気分で受け取られておると思うんであります。しかし、常識的に言いまして、今日のほどにラジオとかテレビとかというものが普及いたしておるのに、それを教育の場に活用しないのがおかしいといったようなのが私は一般常識ではないかと。通信教育その他のものがあるといたしましても、そういう面ではいい意味で好意的な意味であけて通していただいておると、かように考えております。
#5
○勝又武一君 請願は一件ぐらいございましたでしょうか。
#6
○政府委員(宮地貫一君) 請願として出されたものは、私ども承知をいたしておりません。
 ただ、請願ではもちろんございませんが、放送大学に関します要望というようなものについて若干申し上げてみますと、相当私どものところにも、たとえば都道府県教育委員長協議会から早期開設についての要望でございますとか、あるいは都市教育長協議会、関東一都九県議会議長会、関西経済連合会――これは特に関西の方で誘致をしたいというような趣旨の陳情でございます。そのほか高等学校定時制通信制教育振興会等から御要望というようなものは私どもいただいているわけでございます。
#7
○勝又武一君 新聞の投書等はどの程度だったでしょうか。
#8
○政府委員(宮地貫一君) 新聞につきましては、特に五十四年度予算から放送大学学園の予算が計上されまして、新聞の論説その他については何度か、特に国会の審議に際しまして、放送大学についての大きい新聞で論説等でも何度か取り上げられたケースがございます。
#9
○勝又武一君 論説と新聞投書というのは私は大きく違うと思うんですね。確かに論説では幾つか拝見をいたしておりますが、新聞の投書というのはやっぱり一つの国民の放送大学に対するバロメーター、いわば関心度を示すやはり民主的ないまの私たちの社会機構の中では重要視すべきものだと思っておりますが、残念ながら新聞の投書というのを私は寡聞にして余り知っていないわけです。
 そういう意味で一つ伺いたいのは、一体この放送大学というものを予測調査をなさっていらっしゃいますね。しかし、その点についてはいろいろ小西委員等を初めとして多くの方が指摘をされている。しかし、それからも、私はまだ寡聞にして、文部省当局が、文部大臣が、国民に対して放送大学というものについて本当にわかってもらおうという啓蒙宣伝活動なり、情報活動なり、どの程度真剣になさっていらっしゃるのかはなはだ疑問でありまして、この点についてどういうようなことを一体なさっていらっしゃったのか、お聞きをいたします。
#10
○国務大臣(田中龍夫君) まず、局長の事務当局の方のお話もございましょうが、私自身のことにつきましては、文教の問題を、会合がありますたびごとに、特に意識的に放送大学という重大な問題と取り組んでいるんだということを、私は講演その他で申してまいりました。特にこれはすでに文部大臣でありました有田さん以来、あの人が特別委員長になりましてからもう十一年目になります問題でありますから、われわれの方の関係者はまだかまだかといったような話もございますので、特に会合の際には私から放送大学の問題を常に話しておりました。
#11
○政府委員(宮地貫一君) 先ほども申し上げましたように、それぞれ関係の団体の方々からは御要望もいただいておりますし、私どもも特に放送大学ということで大学をつくることでございますので、国立大学協会でございますとか、あるいはそういう大学の関係者には、それぞれ団体等の責任者に対しまして放送大学についての今日までの進捗状況につきましては、その都度御説明を申し上げ、御理解を深めていただくように努力をしてきておるわけでございます。
 御指摘のように、放送大学に対する教育需要調査は、これは昭和五十年度に実施したものでございまして、いろいろ御指摘の点もございますが、私どもといたしましては専門家に調査を御依頼をして、その内容的な点で申し上げますと、繰り返し、その点はやってきております。
 ただ、さらに国民に広くもう少し啓蒙なり、国民に対しての努力が十分でないんじゃないかという点でございますが、私どもそういう関係者への説明とか、あるいは文部広報というようなものを通じての説明はいたしておるわけでございますが、やはり具体的に国会で法案の御審議が行われているというような状況でございましたので、たとえば国民全般に対します放送大学についてのPRと申しますか、そういう点については、国民にその点を私ども理解をいただく資料は十分用意はいたしておるわけでございますけれども、そういう点でおのずから限度もあったという点はひとつ御理解をいただきたいわけでございます。
#12
○勝又武一君 放送大学という名称そのものにもいろいろ御議論があると思いますが、放送大学がまずどういうものなのか国民に放送する必要があるんじゃないかというぐらいにさえ思うわけですよ。これは少し冗談も含まれていますけれどもね。つまりそういう、お聞きする意味は、国民的合意の問題がいろいろ議論されてまいりました。ですから、やっぱり国民的な合意が得られない中で政府案の強行するのはいけないんじゃないかという、そういう意味合いを込めてお聞きをしているつもりなんです。
 そういう意味では、やはり私は何かマスコミ――新聞、テレビがある問題についてきわめて大きく取り上げる取り上げないということよりは、むしろやっぱり教育の問題というのはきわめてじみな問題でございますし、一面トップを飾らなくっても、やはり三十、五十年のこの長期にわたる日本の教育を決めるという意味で、そういう点できわめて重要だと。だから、新聞に出るとか出ないとか、一面トップを飾るとか飾らないとかということを言っているわけじゃございません。そういう意味じゃなくて、予測調査のことは後でお聞きしますが、予測調査をやられる前提というようなものについても、やっぱり文部省として、もっとそういう意味で国民に知らせる努力なり、あるいは情報宣伝なり、まさに国民に対して放送する必要がある。そういう意味での観点でお聞きをしているんですが、何かそういう点で、これからも文部省としてお考えになることはございませんか。
#13
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、放送大学は国民に開かれた大学として全く新しいものを目指してつくっていくわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、従来から御説明をいたしておりますが、ただいま御提案申し上げておりますこの放送大学学園法案は、特殊法人としての設置形態をお決めいただく法案でございまして、この法案を成立させていただければ、具体的にこの放送大学学園が放送大学をつくる段取りに、これは文部大臣に設置認可申請を出すというようなことで、次の手続に進むことになるわけでございます。
 私どもといたしましては、放送大学――これは仮称でございますけれども、具体的なそういう大学づくりに実際に取りかかるに際しましては、やはり本当に国民に開かれた大学となっていくために国民に広く理解を求めるということも御指摘のとおり必要なことであろうかと考えております。そういうようなことについては今後一層努力をいたしたい、かように考えております。
#14
○勝又武一君 私の言う意味は、文部省が積極的に自分たちの考えを国民に対して知らしていくということの必要性を一面言いました。しかし同時に、文部省としてはもう一面があると思うんですね。逆に国民の学習要求というものは一体どういうものなのか、国民の教育要求というものは一体どういうものなのか、それをこそ文部省はもっとシビアに、もっと的確に把握すべきだというように考えます。いろいろといま学習要求が多様化しているわけですね。そういう意味では放送大学が正規の大学教育という厳しい条件を一面付しているわけです。同時に、大学の公開講座なりNHKの大学講座なり朝日のカルチャーセンターなり、そういうものから受ける国民の放送大学に考えるイメージですね、四年制の大学かということと、もっと国民的な幅広い教養講座というように考えているものと何か私はまだまだチャンポンになっているきらいがあると思いますね。
 そういう中で、五十年六月に実は調査が行われている。そういう意味で、多くの皆さんが指摘されていますように、結論を言いますと、教育需要の予測調査というのは、私はもう一度やり直していただきたい。そういう意味で五十年六月のたとえば「放送大学の基本計画に関する報告」、青表紙のこれにございます五十年六月の五千人のサンプル調査、満十八歳以上の人口の八%ですか、六百二十万人と推定、学習の中絶者が毎年二〇%、放送大学の常時登録四十五万人、この出た数字というのは私はきわめて甘い、そう指摘せざるを得ません。問題は、いろいろな方が指摘されていますが、私はやはり設問の仕方ですね、選択肢のとり方に非常にやっぱり問題があったんじゃないかと思います。先ほども言いましたように、大学卒業の資格を取りたいという願望、この数が多いことは私も否定はいたしません。しかし、大学卒業の資格を取るためにはこれこれのこういう厳しい条件が前提としてあるんだ、四年どころかそれが五年も六年も八年もかかる、こういうこともあるでしょうし、教育課程に頼る必要がある。繰り返しますけれども、通信教育の方々が一〇%程度だということもございましたし、広島の地方公聴会におけるあの学生の方の公述人は十年やっていらっしゃるというお話もあって、たびたびここで御披露されているわけですね。そういう点で、そういう実態というものに具体的に合った設問の仕方でなかった。同時に衆議院、参議院の文教委員会を中心にした議論も受けて文部省の答弁もいろいろ変わっていらっしゃる。もちろん前向きになっていらっしゃる点も認めます。ですから、そういうことを整理されて国民の学習要求なり教育要求なりというものをもう一度この放送大学と照らし合わせて、さらに設問の仕方なり選択肢のとり方について、もっと具体的に再検討いただいて、この教育需要の予測調査というのをやり直す、このことが絶対必要だというように私は思いますが、その御決意なり御計画はいかがでしょうか。
#15
○政府委員(宮地貫一君) 私どもこの五十年の調査はもちろん専門家に調査をしていただいたわけでございまして、私どもなりに十分な項目を立てて調査をいたしたと考えております。しかしながら、この法案の審議の過程におきましてもいろいろ御指摘を受けた点もございます。そういう点を踏まえまして、この調査そのものもまた五十年の時点での調査でございまして、今日まで相当時間も経過をしているという点も確かにございます。そういう点を受けまして、私どもとしましては実際に放送大学そのものをつくりますのは、従来からも御説明しているわけでございますが、この特殊法人の放送大学学園が放送大学という具体的な大学づくりを文部大臣に認可申請をするという段取りになるわけでございまして、私どもといたしましてはこの法案が国会の御審議を経まして特殊法人としての出発をお許しいただけるならば、その特殊法人みずからが大学づくりの前に本当に放送大学というものについての御指摘の需要調査というようなものを設問のところ、あるいは具体的な大学の単位を取るに当たってのいろいろ問題点、そこらも踏まえまして本当に国民全体のニーズを、私ども五十年の調査で従来ずっと御説明をしてきておるわけでございまして、もちろんそれを受けまして今日計画を立てておるわけでございます。それらをこの学園みずからがさらに調査をするということについては、私どももそういうものに積極的な対応で取り組んで、調査をした上で取り組むということも必要なことではないか、かように考えております。
#16
○勝又武一君 私が委員会で再三出ている点をもう一度きょう復唱をしている意味合いは、まず文部省は発足をさせてくれ、与党のある方の言葉をかりますと先行試行型だというお話もございましたが、まず出発をさせてくれ、それからだと。私はやっぱり逆なんで、このことがはっきりしなければ、放送大学は成功しない、失敗に終わる、私はこういうふうに思うからなんです。ですから、そういう意味で、ぜひいまお答えになっていらっしゃる、たとえば調査を再度検討してやるという意味合いの御答弁でありますけれども、この決意ですね、これがやっぱり私は放送大学を成功させるかさせないかということに大きくかかわっていくと思いますので、その点についてさらに具体的な計画というものをお立てになって、そのことの御提示もお願いをしたいと思います。
 そこで次に、そういう第一期計画におきます入学の希望者あるいは二年目以降の各年次における進学者の数、卒業者の数、これらもこの五十年六月の時点とは――私はいろいろの討論の中から再検討すべきだというようにも思うわけです。そうして、そういう点で、具体的なデータの変更に伴って、もう一度この計画というものを考え直すべきだ、むしろ厳しい予測、そういうデータに基づいて再検討するということがぜひ必要だと思います。
 そういう意味で、何か文部省の御答弁はまず出発をさせてくれ、発足をさせてくれたらそれはひとついろいろとやるんだということでありますが、それは実は逆でありまして、そのことについての明確な現段階での文部省の方針というのをぜひ立てていただきたい。くどくなりますが、このことをあえて指摘をいたしておきます。
 それから次に、関連をしましていろいろと学生の問題があると思うんです。この学生の問題も、たとえばいままで出ております単位の互換の問題あるいは編入なり転学する問題ですね、そうしてまた入学した後の単位の認定なり卒業資格の認定の問題、これらについてもきわめてあいまいだということが指摘をされてきています。こういう点について、この第一期計画の中でこれらの点が非常にあいまいだと指摘されている点について、何か文部省として委員会での答弁だけでなしに、これらについて何らかの文章化を図るなり、そういう点の明確化を図るというようなお気持ちはございませんか。
#17
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学の学生の入学についてのお尋ねかと思うわけでございまして、従来御説明をしている点でございますけれども、高等学校卒業を基本的な入学資格とするのは、これが正規な大学である以上、そういうことでございますけれども、やはり広く国民に新しい時代の大学教育の機会を提供するということでもございますので、たとえば高等学校卒業資格は持っていないけれども同等以上の能力があると認められる方には広く門戸を開放するというような考え方は積極的にとっていきたいということは従来からも申し上げている点でございます。たとえば、具体的にはそういう方々が科目履修生なり、あるいは専科履修生として一定の単位を修得をしたというような場合であれば、やはり十分履修能力がある者というような判定もできるわけでございまして、そういう方々がさらに全科目を履修して大学卒業資格を得たいという際には、もちろん受け入れて、所定の単位を修得すれば卒業資格を認めるというようなことは当然考えられる事柄の一つではないかと、かように考えております。
 それから、単位の互換の問題につきましても、従来既存の大学につきましても単位の互換ということは、高等教育なり大学教育全体の弾力化という観点から私どもも積極的な姿勢で対応をしてきておるわけでございますけれども、特にこの放送大学においては、もちろん国公私立のほかの大学の教官の方々にも多数御参加をいただかなければならない大学でございますし、そういう点で他大学の学生ももちろん特別聴講生として積極的な姿勢で受け入れるわけでございます。そうすることによって、この放送大学と既存の大学との単位の互換ということが特に積極的に行われるように、私どもはこれを一つの契機として、高等教育全体の弾力化と申しますか、そういうことを図っていきます一つの契機といたしたいというぐあいにも考えているわけでございます。
 たとえば、放送大学は従来御説明申し上げておりますとおり、教養学部ということで予定をいたしておるわけでございますが、たとえば、ほかの既存の一般大学、たとえば単科の大学等において一般教育科目についてはこの放送大学の科目をもって充てるというようなことが順次浸透していくことになれば、やはりこの放送大学の持っている意味合いというものが非常にはっきりしてくるんではないかというぐあいに私ども考えているわけでございます。これは、もちろん放送大学の授業内容なりそういうものがほかの大学にも高く評価をされるということが必要でございまして、そういう評価を得るような方向でぜひともいま申し上げましたような点が実現できるように努力をしていただきたいと、かように考えているわけでございます。
#18
○勝又武一君 局長の答弁の一番おしまいのところですね、相当の高い評価を受けるという個所です。これは一昨日の連合審査の際にも委員の方の御指摘がありましたね。東大と早稲田、慶応との比較というような議論がややございましたけれども、私は必ずしもその立場ではありませんけれども、やはりいま局長のおっしゃっている意味での他の大学との均衡なり単位の互換なり、そういうことになると、やはり放送大学の一定の水準を保つという点について単位互換なり卒業資格の認定ということが重要な問題になると思います。そういう意味で、この放送大学が一定の水準を保つためにはどういうような具体的な方法というものを今後検討なさるんですか。
#19
○政府委員(宮地貫一君) 具体的には、やはり大学の教育の中身としては、りっぱな教官を得るということが一番基本ではないかと、かように考えます。もちろん、先ほど来御説明をいたしておりますように、この放送大学学園が放送大学の設置認可申請を文部大臣あてに提出いたしますと、具体的には大学設置審議会でございますが、大学設置審議会で教官組織についてももちろん審査を受けるわけでございまして、この点はほかの一般の大学と全く同様の仕組みになるわけでございます。そういう意味で、教官の資質というものについても十分確保される、仕組みとしてはそういう仕組みになっておるわけでございます。もちろん、従来からも申しておりますように、教官スタッフについては国公私立大学の関係者の御協力をいただいて十分優秀なスタッフをそろえるということ、そのことがこの放送大学の内容を評価していただくための一番大事なポイントではないかと、かように考えております。その点にまず努力をすべきであると、仕組みといたしましてはそういう仕組みで保障されているものと、かように考えております。
#20
○勝又武一君 これらに関連して、当委員会におきましても、中で余り議論をされていないことが一つあると思うんです。それは入学資格の問題です。
 いまお話がありましたように、私は一定の水準を保ち、厳しい条件を付して、やはり他の大学に劣らない、三流とか五流とかという話の出ない、そういうためには、学生には大変ですけれども、厳しい教育内容、そしてまた単位の認定なり卒業資格認定ということをしていく。しかし、入る方は緩やかでいいんじゃないですか、学歴社会を打破するという基本なんですからね。入学資格に、たとえば高校卒業ということさえ私は外していいんじゃないかと思う、もっと端的に言えば。たしか外国の例でも年齢だけというように考えているところもございますね、このオープンユニバーシティーなんかもそうだと思いましたね。だから、そういう意味では別に高校を卒業していなくたって本気でやる人がいたらいいんじゃないか、こういうことさえ私は――入るときは緩める、出るときは厳しい、昔そういう専門学校がありましたけれども、そういう点はいかがですか。
#21
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点はまさにそのとおりであろうかと思います。やっぱり入るのはやさしいけれども、大学卒業としての単位の修得という点は十分なものを修得していただくことが必要ではないかと、基本的なお考えは御指摘のとおりであろうかと思います。
#22
○勝又武一君 ぜひその点は、そういうことが入学資格について学歴打破ということができるような配慮を、これも大臣にも、いま局長の答弁のとおりだと思いますので、ぜひこれはそういう点でお願いをしたい。
 もう一つ、これも余り出ていない問題ですが、私は放送大学こそ心身障害者を積極的に受け入れるべきだと、また思いついたようにことしが何とか年だというような、そういう気持ちで言っているわけでは決してございません。国際障害者年だから何かそのことに便乗してというような根性ではなくて、放送大学ということを本当におやりになるんなら、まさにそういう隔絶されがちな心身障害者の方々を積極的に受け入れるべき具体的な方針なり条件整備についてどんなお考えでしょうか。
#23
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御指摘のとおりでありまして、開かれた大学としてぜひそういうふうな姿でありたいと。この放送大学というものの今回のスタートは、わが日本の文教政策から申しましても非常に画期的な私は大きなエポックメーキングになると、かように考えております。
#24
○勝又武一君 さらに大臣にひとつお願いをしたいんですが、これも各委員の方々から多く出されております学生の側の条件を整えてあげるということですね。たとえば、教育有給休暇制度をつくれとか、週休二日制の確立をさらに一歩前向きに前進させろとか、これはもう各委員の方もおっしゃっていますし、それから地方公聴会でも出ていますし、ここで陳述された参考人の方々も言っていらっしゃる。私は文部省の答弁も非常にそういうことで前向きだと思うんですが、さてその拡充のための具体的日程ということになると一歩も前進しない。一つ方法があると思うんですがね。これ、文部省だけでできないんだから、大臣がひとつこういう点について、この間おっしゃいましたね。総理が物すごく積極的で、何回もこれは激励されているんだと、こうおっしゃるんですから、どうでしょうかね、閣議申し合わせ等でこの点について前進をさせると、こういうようなことも文部大臣から閣議で御提起願えませんか。
#25
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま私はそのことは考えておりませんでしたが、先生の御意見は御意見として拝聴いたしておきます。同時にまた、そういうふうなお考えに対しましては、われわれもだんだんと機が熟するに従いまして、開かれた大学というと同時に、諸条件の整備もいたしてまいりたい、かように考えております。
#26
○勝又武一君 当委員会におきまして、参考人の方々においでいただき、地方公聴会をやり、現地調査をやってきました。それぞれ、たとえば現地調査の際には大学局長なり監理官なり御同道願って、現状も一緒に見ていただいた。そういう意味で、委員会での質疑なり討論がアウフヘーベンされているといういい意味の前進があるというふうに私も思います。ただ、何か委員会で言いっ放しというようなきらい、あれは後で会議録を見たら答えているからいいんじゃないかということではないやり方ですね。
 言いたい意味はこういう意味なんですよ。地方公聴会での意見とか要求とか要望がいろいろございました。大学の夜間部なり通信教育学生、そういう学生側からの要求というものもいろいろあると思うんですね。今後もこれは含めてなんですが、どういうような方法で一体それらの要求や要望を文部省は把握をされようとしているのか、まずこれつかまなきゃなにもなりませんから、どういう方法で把握されるのか。それを把握したら反映しなくちゃなりませんから、大学運営にそのことをどう反映するのか。そういう方法なりシステムですね、そういうような点について具体的なお考えはございませんか。
#27
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、大変当委員会での審議に、具体的な現地調査その他の際、私どもも同行させていただきまして、非常に参考になる点もございまして、そういう点を今後具体化していくに際して、私どもとしても御指摘のありましたような点は、もちろん十分生かしていく心づもりで取り組む考えでございます。
 御指摘の、具体的に学生からの声というものをどう吸い上げるかという点でございますが、これは学生の場合で申しますと、学習センターでのスクーリングというような機会がございまして、もちろんカウンセリングとか、その他学生からのいろいろ意見なり、そういうようなものを吸い上げる態様といたしましては、具体的には学習センターでの対応というようなことなどがまず第一に考えられるわけでございます。そのための仕組みといいますか、そういうようなものについては、やはり学習センターの責任者でございますとか、そういう教学スタッフの方々で――これはもちろん大学内での事柄の処理でございまして、教学関係の方々の適切な、そういう学生の意向なり、そういうものを吸い上げる仕組みというものを、委員会組織でございますとか、そういうようなもので考えていくべき課題ではないかと、かように考えております。そしてまた、従来からも言われておる点でございますが、それ以外の方々の、いわゆる学生ではないけれども、もちろん一般の方々が広く視聴する機会があるわけでございまして、そういう方々からもいろんな御意見というものが寄せられることも予想されるわけでございます。基本的な一番根っこのところで申し上げますと、学園に学外の方々の声を反映させる組織として運営審議会という仕組みが法定はされているわけでございますが、それ以外にさらに具体的な放映されました――これは大学の授業そのものでございますが、それについての一般の視聴者の、学生以外の方々の声というものも当然寄せられることは考えられるわけでございます。それらについては、大学の実際に教学を担当している方々のところで、そういう本当に学生以外の方々の御意見も受けとめるような仕組みというものは、やはり大学みずからでお考えになって、適切な委員会組織と申しますか、そういうようなもので受けとめて、さらにそれを実際に今後の大学の講義なり、そういうようなものの改善、向上のために反映させるという努力というものは必要なことではないかと、かように考えます。それは、この大学が放送というような手段を用いるからこそ、むしろそういう意味で、開かれた大学として広く一般の方々の声も寄せられることになるという点が、従来の既存の大学と本当にまさに違う点でございまして、そういう意味で、それらについては大学みずからそういう声を積極的に吸い上げて、それをさらに大学の改善のために役立てていくような努力というものをすべきではないかと、かように考えております。
#28
○勝又武一君 たとえば、これは一例にすぎませんけれども、地域学習センターの拡充と、ここではそう抽象的に言うわけですね。ところが、地方公聴会とか、具体的にそういう方々と会いますと、県庁所在地に一つ地域学習センターがあっても、そこへ来るまでには山の中から四時間、五時間かかって出てくるんですと、いや、実は一泊しなければとてもできないんですという話が出るわけですね。そうすると、たとえば、私言いたいのは、具体的にそうなると、それは宿泊施設についてはどうやってくれるんだろうかという要望が出てきます。これはお江戸の真ん中にいる運営審議会の中だけでは私は理解できない。だから、そういうような地域の生の声をどう集約をして吸い上げて、それを具体化するにはどういうシステムなり方法があるか、こういう意味でお聞きしたんですが、何か委員会組織をつくって吸い上げて検討していくという意味の局長の御答弁だと思うんですが、私はその辺が心配なんですね。その辺が私たちが、特殊法人形式がきわめて欠陥が多いと、やっぱり雲の上の存在になりかねないと言っている意味も一つそこにあります。
 そういう意味で、再度これは重ねてお聞きしますが、通信指導、添削ですね、特にいろいろ問題が出ましたスクーリングなり、あるいは、私も強調しましたけれども、ゼミナールの問題なり、この地域学習センターの、私がいま言ったような具体的な宿泊施設という、たとえばそういう問題も含んだ拡充整備の問題等、私は、やっぱりそれをいままでの答弁ではなくって、それらについての具体的な計画を発足前に明らかにすべきである、こういうふうに考えますけど、この点についてはいかがですか。
#29
○政府委員(宮地貫一君) 確かに、学習センター、スクーリングの問題について、いろいろ従来の私立大学で行っております通信教育についても、スクーリングのところが一番実際に単位を取るに当たって非常にむずかしい点であるという点が言われてきておったわけでございまして、そういう意味で、この放送大学におきましては、スクーリングの場所を一ヵ所に集中するしとなく、それぞれ地域に設けると。第一期の計画で申せば、関東地域でそれぞれ県内に一ヵ所ということで計画を立てているわけでございます。
 御指摘の点は、県内一ヵ所でなお学生がスクーリングを受けるという点で、いろいろ十分でない点もあるんではないかという御指摘ではないかと思います。
 それらの点については、やはり現実にどういう地区にどれだけの学生がいるかということを把握した上で対策というものを考えていかなければならぬ点も出てまいるかと思っております。必要に応じては、たとえば学習センターのブランチのようなものをどういう形で具体化していきますか、それは具体的なことは大学で御検討いただかなければならない事柄でございますので、それ以上さらに詰めたところまで御説明が困難でございますけれども、やはり県内一ヵ所の学習センターでは必ずしも十分でないというような事柄などが明らかになれば、さらに学習センターにブランチのようなものを考える。そのブランチというようなものが、たとえば地域の公民館というようなものと連携できるかどうか。そういうような、従来のような固定的な考え方ではなくて、相当弾力的にそういう公民館と連携できるかどうかというような事柄なども含めて弾力的な対応というものを積極的に考えていかなければならないのではないか、かように考えます。
#30
○勝又武一君 この問題が一番重要であるから何回も議論されている問題だと思うんですが、教育の機会均等の問題です。これはもう問題点は明らかでありますので、多くを言うつもりはありませんけれど、教育の機会均等ということが私はやはり何よりも優先をされなくてはいけない。この基本方針が間違うと放送大学はやってみたけれど、関東周辺だけで十年たとうが十五年たとうがそこだけだったということになりかねない。ですから、これはまさに大臣なり文部省の決意のほどだと思うんですが、放送大学を出発させる以上は、まず教育の機会均等というこのことを最大の眼目にしてそれに近づけるための最大の努力をするんだという、言葉でなくて、これは本当にそうお考えですか、くどいですけれども。
#31
○国務大臣(田中龍夫君) お答え申すまでもなく当然のことでございまして、放送大学構想それ自体が私は教育の機会均等の大きな一つの第一歩であり、同時にまた、さらに宇宙衛星というものが使われるようになりますればなおさらでございますが、われわれの理想はそこにございます。
#32
○勝又武一君 そうしますと、やっぱり十年だか十五年たたなければならないというその辺の計画を再検討なさるというお気持ちが私はまだまだ薄弱だと思う。ですから、文部省の答弁はいろいろな技術的なことも含め、いまの可能な方法としてはまず関東周辺なんだ、そしてそれを放送衛星で全国ネットワークに乗せるんだという言い方ですね。今度は地方へ出れば、当然大学の多い関東周辺よりは大学の少ない地域から優先さしてくれという要求が出てくるのはこれはもうあたりまえであります。ですから、私たちはいろいろ苦労をしてNHKに担当さしたらどうかという対案を提起をしたわけですけれど、それについてはいろいろとまた議論があって実っていかない。ですから、ここの問題はどうなんでしょうか。本当にそういういまの大臣のお気持ちなら、もっと全国ネットワークに乗せる具体的な方途を真剣に再検討なさる−何か大学局長の言葉を聞いていますと、NHKに協力を受けるという言い方は技術的な点はいろいろ参考になるんだという言い方にしかとれないんですけれど、そういう点で、ここの点を、やはり関東周辺を優先ではなくって、地方優先ということで大英断を振るってやるというお考えは再度ありませんか。
#33
○政府委員(宮地貫一君) 従来御説明をいたしておりますように、放送大学の第一期の計画といたしましては、諸般の事情を考慮しました上で関東地域からスタートをさせていただくということで御提案を申し上げておるわけでございます。地方公聴会等で地方での声というのは大変大きいということももちろん承ったわけでございますし、そういう点で、第一期の計画の後、全国的にこれを広げていくに際しましてはさらに放送衛星の問題その他、なお検討課題がいろいろあるわけでございます。それを広げる努力というものは、もちろん大臣も御答弁申し上げましたように、教育の機会均等という観点から私どもとしてもなるだけ早く実現をするように努力はいたしたい、かように考えております。
 そこで、地方の声に何らかこたえる手だてというものを積極的に考えたらどうかというようなお尋ねも先般いただいたわけでございまして、これは私は放送大学学園なり大学自身でお考えいただかなければならない課題でございますが、たとえばということで申し上げた点でございますけれども、放送大学が関東地域からスタートをするわけでございますが、それぞれ国公私立大学に御協力をいただき、関東地域以外の地域でも、いろいろな先ほどのような調査とかその他ももちろん実施をするわけでございまして、そういう特に非常に希望の強いような地方において正規の大学の課程という形にはならないかもしれませんけれども、やはりたとえば、公開講座というような形をそれぞれ地方の大学とタイアップしながら実施をしていくというような形でそういう声にこたえるこたえ方ということも考えなければならない課題ではないか、かように考えております。
 それらの点については、なお関東地域からスタートするのを、具体的な事柄については、やはりこれは、現実には放送大学と地方の国立大学との間で具体的な事柄をお決めいただかなければならない事柄でございますから、私どもとしてはそういう形もやはり地方の要望にこたえる一つの手だてではないか、かように考えております。
#34
○勝又武一君 私は、やはり放送大学というのは、国民が期待している点は、一つは、厳しい条件はございますよ。厳しい条件はあるし、学生にとって大変な負担がかかりまずけれど、いつでもどこでもだれでもがそういうことで自分が本当にやる気にさえなっていけばいけるという、そういうことにこたえなくちゃいけない。それがなければ全く放送大学やめた方がいい、そうもさえ思うわけです。そういう意味で非常にこの点はまだまだあいまいだし、不十分だと思うんです。ですから、そのことができなければもう放送大学の出発は見合わせる、このくらいの英断を大臣は持つべきだと思うんですが、いかがですか。
#35
○国務大臣(田中龍夫君) この法案の趣旨から申しましても、一つは大学といたしましてのりっぱな大学をつくるということと、もう一つは一般教養という意味の社会教育という問題と、二つを兼ね持っておるというところにこの放送の眼目がございます。視聴者並びに勉強をなさるという方々がその二つの構想のいずれを選んで修学なさるかということでございます。
#36
○勝又武一君 これは、大臣に技術的なことでなくて、非常に基本的なことで二、三伺いたいと思いますので、ぜひ率直にお答えいただきたいと思うんですが、それは財政上の問題なんです。財政上の問題といっても別に大学局長にお聞きしなければわからないというような意味合いではございませんので、ぜひお願いをしたい。
 それは、先ほどから大臣お答えになっていらっしゃるように、放送大学というのは教育の機会均等の立場で全国的にやっていくんだ、その気持ちには変わりない。しかし、全国的にやるにはいますぐにはいかない、もう少し時間をかしてくれ、これが大臣の気持ちだと思いますが、さて実際に全国ネットワークに乗せるには相当なお金がかかりますね。そして大臣は、この間二度も繰り返されて、私は総理から激励を受けているし、総理から放送大学ぜひやれということでの強い、何というんでしょうかね、合意といいますか、そういう意味合いの御答弁をされているわけです。だから、勇気りんりん――何とおっしゃったかな、勇気りんりんとかという言葉があったような気もしましたがね。
 そこで、お聞きしたい点は、一体大臣、これ相当なお金がかかるわけです、正直に言いまして。第一期計画だけだって一千何百億と言われているんですから、これ全国ネットワークに乗せていくには大変なお金がかかっていくんです。そうすると、いま鈴木総理は大いに大臣がんばってやれということでありますが、さてこれから財政難財政難でやってきたときに、文部大臣がいまおっしゃっている点で、教育の機会均等のために、長期的な財政投資を伴う問題ですから、それについていろいろの困難が出ようが一切はねのけてやっていくと、こういう点はいかがですか。
#37
○国務大臣(田中龍夫君) もちろん、大学をつくります以上、所要の経費というものは充足しなけりゃならないのでございます。ただいまお話しのような全国ネットワークを完成いたしますまでの大変なお金、あるいはまた宇宙衛星になります場合におきましても、いろいろな出費というものは当然かかります。その経費というものは当然充足しなきゃなりません。ただいまその問題と法案を成立通過させていただくという問題とはいささか私は論点を異にいたすのでございまして、法案が通過することができない、誕生しなければお金の問題にまでも至らないのでありまして、やはり何はともあれ、ひとつ生み出すだけのところの御努力は御協力を賜わりまして、後、産んだ子供がどう生き生きとして育っていくかという問題はまたその問題といたしまして、国家財政として十分に配慮をいたさなけりゃならぬ、かように考えております。
#38
○勝又武一君 大臣、いま大変なことを私おっしゃったというふうに思うんですよ。
 それは、大臣はやっぱり生み出すのは生み出してくれと、後は大いに努力するということなんですけれども、実はそのところの、いま私がお聞きしているところがないと、大臣や文部省が考えている意味の放送大学という子供は育っていきませんよ。大変な子供になっちゃいますよ。
 こういう話さえあるわけですよ。理事とか監事の数が少ないですね。これ大臣、お認めになるでしょう。一般の特殊法人よりは理事の数も少ないし監事の数も少ないし、評議員の数なんかも少ない。簡単に言えば、地方の私立の学校法人の幼稚園の理事や評議員の数よりも少なくて済むような特殊法人ですよね。それを、こういうことさえ言う人いるんですよ。そういうように数を少なくしているのは、行政管理庁や大蔵当局の文部省に対する圧力があって、文部省がそれに屈服しているからだという大変な批判さえあるくらいですよ。
 何でそんな程度のことでりっぱな子供に育ちますか。産むだけは産ましてくれ、後の金はこれからだというのじゃだめです。後の金も一千億かかろうが何千億かかろうが教育の機会均等のためには放送大学については惜しみなく金を使う、このことがなくて何で子供を産めますか。何で責任を持ってオーケーが出せるでしょうか。私は、大臣のお言葉ですけれども、ここは大変違いますよ。その決意を大臣がお持ちになるかならないかで、子供を産んでいいか悪いか決まると思うんですね。それはいかがですか。
#39
○国務大臣(田中龍夫君) お言葉を返すようでございますが、幼稚園の理事の数と大学の理事の数、数だけで律せられない問題でございます。しかしながら、本当にただいまの放送大学をりっぱにつくり、そしてさらに日本の文教政策の上から申しまして画期的な本大学の設立につきましては重大な決意を持って臨んでおります。
#40
○勝又武一君 そこで二、三関連しますけれども、これもやっぱりお言葉を返すわけじゃございませんが、幼稚園の数と特殊法人のいま理事、監事の数を言ったのは、私が言ったんじゃない。それは行政管理庁や大蔵省が文部省をそう見ていますということをいろいろ多くの新聞記者やテレビの方々がそういう批判を持っていますよ、それが私たちの耳に入ってきますよ、そういう意味で申し上げたんです。これはそういう意味でお受け取りいただきたい。
 そこで、大蔵省や行政管理庁がいろいろの意味を持っているんだという批判の中で、何千億もかかる大学を誕生させるのですから、大臣が一人で、よしおれががんばると、それで総理から激励をされているんだと、これだけではだめです。私はそれだけでは子供は産めないと思います。
 きょうは、実はそういうことになると思いましたので、昨日、自民党の理事の方や委員部の方に、私はきょう総理の出席を求めました。それで、これは文教委員長もお聞きの上で、きょう総理の出席ができるように最大限の努力をしてくれました。昨日の理事会でもこのことも議論になり、その他の政党の方々からも、野党の方々からも総理の出席の話もございました。何かきのう一日努力してもらいましたけれども、どうしても総理の出席がきょうできないと、こういうことでありますので、大臣に言うしかありませんので申し上げますけれども、大臣はそういう決意だと、総理は大臣の肩をたたいて、おいがんばれと、こう言ったというのですけれども、それだけでは全くだめですよ、具体的にしてくださいよ。行政管理庁や大蔵省がさっき言ったような世論的な批判じゃなくて、との放送大学には何千億かかろうが、教育の機会均等のために、全国ネットワークに乗せるために変な子供は産みません、産んだら関東周辺だけで終わるようなちゃちなものではありません、必ずそうしますということを約束さしてくれませんか。それはもう閣議決定をしていただくしか私はないと思いますけれども、そのことを閣議決定してもらうための大臣としての御努力をされる決意はいかがですか。
#41
○国務大臣(田中龍夫君) もちろん、この法案を通します以上は、先ほど来申しておりまするように、政府なりまた代表する総理なりと私はお話をしておるわけでありまして、しかしながら、先生がおっしゃいましたように、特にまだ概算要求も出さない、しかも臨調というものを控えまして、今日ただいまそれを政府から前もって約束させろということは、これはけだし言うべくして――よしんばそういうお答えをしたといたしましても、それはまた問題だろうと思うんであります。その点は、私も一国の国務大臣といたしまして文教政策をお預かりいたしておる者でございます。私のこのお答えをもって政府の意思にかえると、それだけのことは責任を持っております。
#42
○勝又武一君 私はそこはやはり大臣と意見を異にいたします。行政管理庁、大蔵省が立ちはだかっているわけですよね。確かに総理の激励を受けて勇気りんりんだという大臣の御答弁はありました。それは文教委員会での大臣の御答弁でありまして、大臣のいまの言葉の中にも、すぐ目の前に行革があるというお話もある。まして、そういう客観情勢の中であるだけに、何か関東周辺だけの放送大学に終わらないという意味のものですね、それはやっぱりあたりまえじゃないでしょうか、その程度の閣議決定、閣議了解をするのは。それは、私はいまの大臣としてのまさに最低の責任だと、政治的責任だというように考えますよ。だから、放送大学を誕生さしてくれと、そうなら、よしわかった、こういうことで政府一体になってやるんだと、こういうことがあれば私たちもこれ検討するにやぶさかではありません。何か総理大臣もいつかわるかわからない、大臣もいつかわるかわからないという日本の政治情勢の中ですから、その辺はひとつど根性を決めて、決意のほどをはっきりしていただけませんか。
#43
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまお話のように、ど根性を据えてはっきりと私はお答えを申し上げます。
#44
○勝又武一君 私はぜひひとつ閣議決定をすると、このことを最低の条件、閣議決定ということがなければ、何かくどくなりますけれども、放送大学の前途まさに憂うべきものがある。本当に大臣や文部省が言っているような子供に育たない。そういう心配を感ずるがゆえに、この際、本当にあえてこの点は声を大にして強調しておきたい。ぜひひとつ、これは大臣の責任で検討をいただきたいと思います。
 そのことは、実は放送大学を成功させるための学問の自由、大学の自治と放送の自由を確保するという問題とあわせて、これからの放送大学の前途に横たわっている多くの困難、先ほど大学局長が言っていらっしゃった多くの困難が山積をしているわけですよ。そういう問題をやるためにも、やっぱり一番かかるのは金なんだ。しかも、財政難とこうくるわけですから、そういう意味でお願いをしたい旧そうでないと、お茶の間の主婦の、何ですかうまく言えませんが、よく言われているんですね、放送大学はお茶の間の主婦の何か暇なときの教養番組の楽しみだという程度に終わってしまうんじゃないかという批判に対して文部省は堂々と答えられない。だから無用じゃないかという無用論も退けられない。そういう意味でくどいようですが申し上げた次第です。
 一つ落としましたけれども、そういう意味で申し上げたいのは、この財政上の問題に関連しまして、予算、決算、こういうやっぱり承認の問題とか、非常にやはり理事長権限、理事、評議会の中で縛られておりますね。そういう点で、何かやっぱり文部省の仕組みの中で、しかも行政管理庁、大蔵省の批判を受けやすい中に入り込みやすい、こういう感じを率直に持つわけです。
 そこで、これはイギリスのOUの場合にも言えると思うんですが、何か三年ごとに補助金を決定するような財政の仕組み、オープンユニバーシティーですね。めんどうですから以下OUと略させていただきますが、そういう日本のような単年度主義でない、そういうこの放送大学については、特に長期的な会計年度といいますかね、長期的な財政計画といいますかね、財政支出というか、そういうようなことがやっぱり私は必要じゃないか。これはいままで余り議論に出ていないところでありますので、そういう点について、何かイギリスのOUあたりの経験に学んで、大臣の趣旨に沿うようなそういう意味の検討というようなものはお考えになる余地ございませんかね。これは局長いかがでしょうか。たとえばこういうことを言いたいわけですよ。大臣ね、防衛費なんかは、たとえばP3CやF15にしても、大変だから国庫債務負担行為になりますね。つまり単年度会計でないんです。複式簿記でいえば長期になるわけですよね、国庫債務負担行為ですから。それと同じように、私はむしろ防衛豊以上に、F15やP3C以上に、自衛官以上に、放送大学をやるなら、これは全国ネットワークだから、これからの十年間の長期債務負担行為ですよと、このくらいの会計年度方式という点もメスを入れた検討というものがあっていいんじゃないか。つまり、イギリスのOUの場合の三年間ごとの補助金というようなことも、私は一つは、そういう意味の単年度国家財政というものをぶち破っているやり方だと思いますね、素人でよくわかりませんけれども。だから、そういう意味で全国ネットワークに乗せるということが教育の機会均等で本当に必要だというなら、単年度会計というものをぶち破ったいわば長期債務負担行為に類するような形でこの分については持ちますと、しかしお金は単年度に三分の一ずつ、あるいは五分の一ずつ出していきますと、このくらいなくて何で教育の機会均等で勇気りんりんですか。F15やP3Cに負けないぐらいのね。そういう点ではいかがですか。
#45
○国務大臣(田中龍夫君) 戦前と異なりまして、戦後単年度方式がとられるようになりました。私は、いまの当該放送大学の問題もきることでありますけれども、いろいろな国家行政の運営の面から申しまして、いわゆる通年予算というもののみならず、さらにいわゆる長期にわたっての計画的な予算というものの必要性を感じております。そういうことから申しましても、ただいまのお話のような特に文教政策の面等におきましても、やはりわれわれはいまの予算形式というものに対しては改めるべき点が非常に多い、かように考えております。
 いま御指摘の防衛費と教育費、どっちが大事なんだというような御議論、それもさることでございますけれども、いまの……
#46
○勝又武一君 どっちが大事なんて言ったんじゃないですよ。
#47
○国務大臣(田中龍夫君) そういう問題とは違いまして、われわれはやっぱり予算制度の上から言いまして、長期のこういうふうなものは計画性を持って現行の制度を改めたいということは、先生と同じ気持ちを持っております。
 いまの二つを比較しました点は、私、修正いたします。
#48
○勝又武一君 大学局長に再度この点だけお聞きしますけれども、さっきから言っておりますように単年度ではありませんよね、まさに計画が。第一期計画だって長いし、十年、十五年かかって全国ネットワークですからね。そのことを勇気りんりん首相は約束しているというのだから、これはどうしたってその後の十年、十五年の国庫債務負担行為に類するような意味でそんなふうに約束するという、これはむしろ文部省の事務当局として私はあたりまえの政治姿勢じゃないか、そう思いますけれども、これは局長としてもひとつ、何というのですか、腹を割った答弁を聞かしてくれませんか。
#49
○政府委員(宮地貫一君) 私ども御指摘のような点を踏まえましてできる限りの努力をいたしたいと、かように考えております。
 御指摘の点で、あるいはこれは私十分理解していない点かもしれませんが、オープンユニバーシティーの場合も五年計画で、全体は五年ごとに計画が立てられまして、ただ、実際の予算につきましてはそれぞれ毎年の協議ということもあるような点も伺っております。そしてまた債務負担行為というような形のものは、これは施設の整備とかそういうような点については当然考えられる点でございます。
 それから、従来も御説明している点でございますが、第一期の計画は資本的経費で約九十七億というところでございまして、御指摘の点は全国カバーの場合の総体をしっかりやれと、こういう御指摘かと思いますので、私どももしっかりやる点はしっかりやりたいと、かように考えております。ただ、第二期以降の計画について申せば、従来からこれは申し上げている点でございますけれども、具体的な全国カバーの際の検討課題としては、なお放送衛星の問題でございますとか、いろいろとございますので、それらの点については十分関係省庁とも協議を進めながらやっていかなければならない部分もございますので、その点だけはひとつ御了承いただきたい、かように考えます。
#50
○勝又武一君 それはよくわかっているつもりなんです。ただ何回も出ている問題は省いているわけでして、実はわが党の小野委員がこの点は第一回目に綿密に、計画のずさんさ、ラフさ、それから現時点にかえたときも、消費者物価指数を使って直しただけだというような問題点、それらを後で資料として配付するというけれども、私の手元にはまだ配付されていただいていない。そういうことも考えますと、私はいままでの計画より減るなんていうことはない、どんどんふえる。同時に局長や大臣がお答えになっていることはお金を伴う問題で答えていますよ。たとえば、さっきの私が言った宿泊施設一つだってそうじゃないですか。皆さんの計画よりはふえこそすれ減るなんていうことはないんですから、そういうものはどんどんどんどんふえてもそれらに耐え得るということでなければ答弁はおかしくなりますよ。そういう意味で財政的なことを言っているつもりです。
 そこで、次の問題は、これも何回も指摘されておりますが、学問の自由と大学の自治にかかわる問題です。いろいろ皆さん言われているうちで局長も大臣も答弁されていますが、ぜひきょうは明らかにしていただきたい。それは、理事長を任命する場合、理事や評議員や運営審議会の委員を選出する場合に広く意見を聞くということはおっしゃっている。ここの問題なんです。広く意見を聞きますということはおっしゃっているわけですけれども、その聞く方法ですね、一体どういう方法で聞こうとされているのか。それからそれは推薦させるという方法なのか。そういう機関をある程度常設しようとされているのか。先ほど別のところでお聞きしたときには、何か委員会組織をつくるというようなこともちょっと別のところで局長答弁されましたが、要するにそういう理事の選出が、文部大臣が独断的に、おいこいつが気に入ったからこれだ、というような調子じゃないんだという意味の答弁をされていますが、その保障ですね、大臣や局長が答弁されている保障、文相の任命というのは決してそうじゃなくて、学問の自由、大学の自治を保障するために多くの人の意見を聞くんだというその聞き方、推薦の方法、そういう機関を常設をされるのか、その手だてですね、特に文部大臣の独断を防ぐ手だて、こういう点についてのチェック機能、こういうような点についてどんなにお考えでしょうか。これをひとつきょう明らかにしてください。
#51
○政府委員(宮地貫一君) 従来から御答弁を申し上げている点でございまして、文部大臣が役員の任命に当たりまして、この放送大学学園が大学を設置する特殊法人であるというそういう特性、これは従来の通例の特殊法人とは全く異なるわけでございまして、そういう意味で適任者を得るために、たとえば大学の関係団体の代表者の方々の御意見を聞いた上でということは従来からも御答弁を申し上げておるわけでございます。
 そこで、お尋ねはそういう常設の機関のようなものを設けるのかというようなお尋ねでございますが、先ほど、私、答弁で委員会組織というようなものを設けてと申しましたのは、あれは、発足をいたしました放送大学が、たとえばいろいろ学生の要望を聞くとか、要望を受け取る手だてとして何らか大学の内部においてそういう適宜な委員会というようなものも考えられるのではないかということで御答弁申し上げた点でございます。
 それで、お尋ねの点は、私どもは、大学を設置する特殊法人であるというような特殊な立場でございますので、そういう観点から大学の関係者の意見等も十分聞いた上で適任者の確保に努めるということで御答弁申し上げております。
 なお、申し上げますと、従来この放送大学に関します準備作業を進めてくるに当たりましても、これはいわば私的な懇談会でございますけれども、放送大学に関する懇談会というようなものを設けまして、たとえば具体的に予算が固まりました際でございますとか、あるいは法案が具体的に提案になります際でございますとか、あるいは従来の審議経過、そういうような節目節目に放送大学に関する懇談会というものを開催いたしまして、これはもちろん各界の代表の方々、たとえば私学の代表の方々でございますとか、あるいは従来放送大学の準備を進めてくるに当たりまして関与をされてまいりました学識経験者の方々でございますとか、そういう有識者にお集まりをいただきまして、従来からもその経緯を説明し、御意見を承りながら作業も進めてきておるわけでございます。私どもといたしましては、そういう形で十分な手だてを尽くしてまいりたいと、かように考えております。
#52
○勝又武一君 生むまでにはいろんな意見を聞きますということになると思うんですね。しかし生んじゃったら、ということの心配を持ちます。というのは、たとえば二代目の理事長の選出はどうするのか、あるいは三代目以降の理事長の選任はどうなるのか、これはきわめて私はいままでの答弁でも不明確だと思うんですね。だから常設と言った意味は、そういう意味も含めまして、本当に何か文部省のプライベートな私的な懇談会、メンバーは文部省お気に入りの方々だけが集まる。これじゃ全くさっき言った雲の上の、お江戸の皆様の集まりだけになってしまう。そうじゃない形を、やっぱりくどく多くの人が言われたことですからこれは繰り返しませんけれども、皆さんのおっしゃっていることがもっと生きるようなそういう何か常設されるというか、公にされた機関ですね、そんなものを私はつくっていく必要があるんじゃないか。幅広く幅広くという話ばかり出るんですけれども、結果的には私的な懇談会形式、これではきわめて不十分であります。私はきわめて不満でありまして、それではやはり文部省お気に入りの方々しか出てこない。やっぱり苦いことを堂々と言うようなそういうメンバーで構成されなければ意味がないんじゃないか。そういうことについては再度お聞きしますが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のような当委員会におきましていろいろ御審議をいただきましたそういう経過も十分踏まえまして私どもとしても最善の努力を尽くしてまいりたいと、かように考えております。
#54
○勝又武一君 この問題もきりがありませんので……。
 学問の自由と大学の自治は尊重される、保障される大学ですということは、局長再三お答えになった。特にわが社会党案を提案して私は発議者で答弁に当たっていましたときに、何というんですか、順番に私の方に質問があり局長が答えると、何か私たちの案よりも政府案の方が、学問の自由、大学の自治が尊重される、保障される大学ですという答弁が局長から繰り返しありました。意を強うしているところでありますが、そういう意味では、まさに学問の自由、大学の自治が保障されるための答弁を繰り返されておりますから、発足後の運営方針として、いままでのひとつ政府答弁というものを整理していただきたい。そして文章化しておく必要がある、私はそう思うんです。あれはいつかの委員会にこう出ていたなんということじゃなくて、ぜひ発足後の運営方針として、局長、大臣が答弁されたものをひとつ整理して文章化する。そしてそのことが今後の発足後の運営方針になるという、これはひとつ学問の自由、大学の自治ということを基本にするわけですから、これらを含めましてそういう計画なりお気持ちはございますか。ぜひやっていただきたい。
#55
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は十分踏まえまして、私どもこういう大学を生み出すために御議論いただきました点は十分参考にさしていただくように、御指摘のありましたような整理も十分さしていただきたい、かように考えます。
#56
○勝又武一君 次に、これはいまの問題のうらはらの問題ですが、放送の自由とそれから教育課程編成と番組編集権、この問題をお聞きをしたいと思います。このこともすでに幾つか指摘をされている問題でありますので、できるだけ重複を避けたいと思います。
 そこで、いままで幾つか指摘をされてきました政府のこの案ですね、この案によるいわゆる特殊法人方式の場合ですから、その場合に放送の自由をどう保障するのか、局長は、この特殊法人方式の方がわが社会党案よりは放送の自由が保障されるんだということを繰り返し強調された。私たちは、政府案の特殊法人方式の場合には、正直言って特殊法人の内部で文部大臣任命の理事長権限の強い中で、このことが国民の目にはブラインドされた中で決められていく心配がある。だから私たちは、特殊法人方式をやめて国立大学とNHKにして両者との間でそのことの調整を図っていくんだ、その方が放送の自由が保障されるんだということをかなり対立点も明確にして言ってきたつもりですが、文部省の答弁は、特殊法人方式の方が放送の自由が社会党案よりは保障されるんだということを強調されてきた。質疑の中でこの点を指摘をしてきたわけでございますけれども、再度この点について本当にかくかくだから保障されるんだということを、もう一度整理してわかるように御説明いただけませんか。
#57
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学の設置形態についての議論がずいぶんこの委員会でも御議論をいただいたわけでございますし、特に対案と申しますか、議員立法で対案を御提案をいただいたわけでございます。私は国立大学としての放送大学について学問の自由がないというようなことは決して申し上げたつもりはございません。問題は、やはり国立大学であれば、その大学がみずから放送局を持って放送を行うという方式であれば、私はそれは一つの方式ではないか、これは放送教育に関する小委員会でもそういう点が指摘をされております。ただ残念ながら、それはただいまの放送法制からすると国営放送ということになって、それが放送法制上難点があってとりがたいということが言われているわけでございます。そこで相違点は、国立大学として放送大学をつくり、放送をNHKでという形になった場合と、これは政府提案で申し上げておりますのは、特殊法人が大学と放送局とを一体のものとして設置をするという形で申し上げておるわけでございまして、その点が異なる点でございます。
 そこで、私どもの御説明を申し上げている点は、やはり設置主体が異なりますと、番組編集の自由と学問の自由とが対立をいたしました際に、御提案の点では準則に従って協議をするということが言われておるわけでございますけれども、私どもその点はなお法律的な議論があるかと思いますけれども、法律で規定をして準則というものがどこまで書けるのか。やはり本来番組編集の自由というものが放送法上与えられている、それは法律で制限はできるんだという立論で準則を法律で書けばできるんだというたてまえになるかと思いますけれども、そこはやはり非常に基本的な法制的な問題点になるんではないかと、かように考えているわけでございます。
 そこで、この特殊法人の放送大学学園が大学と放送局を設置するということになりますと設置主体が一つのものであるわけでございます。問題は、設置主体が一つでそこの協議というものがむしろ内部協議のままに過ごされるということに問題点があるんではないかという御指摘をいただいておるわけでございます。具体的な実際の仕組みといたしましては、従来から説明をしている点でございますけれども、具体的な放送教材の製作ということになれば、大学関係者によります重要科目編成のためのコースチームがつくられることになり、その中に放送の関係者も参加をして、そこでその両者が一つのコースチームをつくって、そこで議論をしてまとめられたものについて、実際に放送教材として適切なものをそこでつくり上げていくという仕組みになるという点を申し上げたわけでございます。
 御提案の案につきましても、恐らくは実際には大学のスタッフとNHK側のスタッフとが一つのチームをつくってやっていくということになれば、実態的には、実際の運用の面からいえば比較的近いものになろうかと思いますけれども、ただ法制的に、それでは番組編集の自由というものを法律で、準則というような形で本当に制限がどこまで書けるのかという点に私は疑問があるのではないかと思っております。
 そういうことで、この一つの組織体で実施をすれば、その点は協議というものはもちろん特殊法人自体の協議でございまして、私はその協議が内部であるからかえって国民の目にあらわれないところで行われるからおかしいというような点は、大学関係者と放送関係者の間においてそういう点で疑問を投げかけられるような解決ということにはならないのではないかとかように考えております。
#58
○勝又武一君 放送の自由は放送法で規定をされておりますが、この放送大学は初めての大学ですね。そこで、この放送大学が国からコントロールを受けること、コントロールをされることはあたりまえなんだと、やむを得ないんだと、正しいことだと、こういうようにお考えでしょうか。
#59
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学が国からコントロールを受けるという御指摘の点は、ちょっとあるいは正確な理解でないかもしれませんが、私どもの考え方で申し上げますと、たとえば国立大学はもちろん国立学校設置法によって設置をされる大学でございます。そして学長の任命ももちろん文部大臣が任命をいたし、もちろん教授その他も国家公務員でございまして、いずれも任命権は文部大臣ということになっておるわけでございます。しかしながら、その国立大学に対するそれではコントロールといま御指摘がございましたが、もちろん予算とかそういうような面についてはこれは国会の議決を経た予算ということで執行されることになるわけでございますけれども、大学の自治と申しますか、学問の自由と申しますか、そういう点については私は国立大学の場合にありましてももちろん自治は確立されております。それはもちろん長年の慣行と申しますか、そのための大変関係者のいろいろな努力というものの積み重ねというものが今日まであったわけでございますけれども、言うなれば、そういう国立大学が大学の自治なり学問の自由というものを確保しているということと、この放送大学がやはり同じく大学として大学の自治を確保し、学問の自由を確保するような仕組みというものについては、私ども御提案申し上げております放送大学学園法案においてもその点は最大限に配慮をいたしたつもりでございまして、従来御答弁を申し上げているとおりでございますが、そういう意味では、私はこの放送大学が、国のコントロールが、たとえば大学の自治とか学問の自由を害するというような意味での国のコントロールという意味でお使いになられたとすれば、そういう点はないと、かように確信をいたしております。
#60
○勝又武一君 何回もここで出ていることはもう私が繰り返すまでもないから、言わないだけのことなんですから、ひとつ局長の方もその点はそういう理解に立って、私が何を質問しているかというのはおわかりでしょうかち、いままで出ている人たちの意見を集約をして言っているつもりですからね。あたりまえのことですので、そこの点は簡潔にお願いをしたい。
 そういう意味で言えば、きょうは最後にここの点だけは明確にお答えをいただきたいのですが、国民の世論操作あるいは思想統制の手段に利用されやすいんだと、大学の自治、学問の自由というのは国立大学と同じようにこの特殊法人である政府案の場合にも保障するんだと、繰り返しおっしゃっていらっしゃるけど、なかなかそうじゃありません。だから、私たち社会党案は、教授会中心の国立大学案を出しているんですから、これもよく御承知の上なんで、繰り返さないだけのことな
 。だから、そういう意味の学問の自由、大学の自治を完全に守るんだということをただ抽象的にお答えになるんじゃなくて、そういう国民の世論操作なり思想統制の手段にはこの放送大学は絶対使わせない、そういうお答えなんですから、そのための心配は一切ないという保障なり手だてなり、そういうことについて具体的にこういたしますよと、こういう点がいまの政府案の中ではきわめて不明確なんです。何もわかりゃしないんです、そこは。それで、すべて理事長権限の強い中でやられがちだという、同じことを繰り返しませんよ、皆さん言っていることですから。そのための最後の、そういう心配は一切ないという手だてを、抽象的な御答弁じゃなしに、そのためには、こう考えているんです、こういう手だてを講じます、こういうことをはっきりとしていただけませんか。
#61
○政府委員(宮地貫一君) この放送大学学園の放送、これは放送大学の事業としての中身でございます。したがいまして、これは大学がみずから授業科目に従って編成をいたして、それはまさに大学がみずから決めておつくりになるものでございます。ただ、放送されるという以上は放送法制上の制約がそこにかぶさってくるということでございまして、それはもちろん放送コードがそこにかぶさると、放送法第四十四条三項でございますけれども、「政治的に公平であること。」とか、あるいは「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」ということが、放送という手だてを使われることによってそういう制約がかぶさってくるということはあるわけでございます。しかしながら、これは大学の事業そのものでございまして、それ以外の何物でもございませんので、大学がみずからおつくりになるということが影響されるものではないと、かように考えております。
#62
○勝又武一君 そうすると、一、二この点で確かめますけれども、特殊法人を採用した最大の理由というのは、同一法人内ならこの両者の調整がしやすいということを一ついままで繰り返しおっしゃっていらっしゃった。ところが、私は一番問題だと思うのは、教科書問題でさえああいう議論があるわけですから、これ放送大学でテレビで放送し始めたら、大変な不当な批判――あえて不当と言いますよ。不当な批判や圧力がうんと出てくるということはこれはもう目に見えて歴然としていますよ。あんなテレビやったじゃないか、こうなってきたときに、この不当な批判や圧力に抵抗することは必要でしょう。その抵抗することの必要な手だて、いや放送大学はそんなことだれが言ってこようが断固としてこうしますよと、いま局長の答弁されているように、それは放送学園という特殊法人でなくて放送大学の方のいわゆる教学権の問題だから、そこの教学の人たちが決めていることについては体を張って抵抗してそんなことさせませんよと、これが一つガードがなきゃいけないでしょう。そのガードはだれがやるんですか。文部省ですか、理事長ですか、特殊法人の理事の人ですか、どなたがやられるんですか。
#63
○政府委員(宮地貫一君) 大学の自治なり学問の自由をだれが守るのかというお話であろうかと思いますが、それはまさに大学みずからが確立をしみずから守られるべきでありまして、それが他の者から侵されることのないようにするということは、もちろんそういう配慮は私どもしなけりゃならぬ事柄であろうかと思いますが、それは大学みずからがお守りになるものだと、かように考えております。
#64
○勝又武一君 理事長は非常に強い権限を持っていると思いますが、前から文部省が繰り返されている同一法人内なら調整しやすいという意味合いは、理事長が強い権限を発揮して番組編集の問題まで口を出すということではございませんね。そういうことは一切やりませんね。
#65
○政府委員(宮地貫一君) 先ほども申し上げたわけでございますが、現実に放映される放送教材、これは大学の授業そのものでございますけれども、それについては、実際の作成に当たっては大学関係者が、さらには複数のコースチームをつくりましてそこに放送関係者も加わる。放送関係者というのは、具体的に画面を出すに当たってどの画面をどういうぐあいにすれば効果が上がるかとか、そういうような点でやはり放送関係者の意見も十分聞きながら作成をされていくということになるわけでございます。具体的な、たとえばこの番組の出演者と申しますか、そういう方をだれにするかというような事柄については、それは完全に教学側の方でお決めになる事柄でございますので、私はそういう意味ではこの放送大学学園は、もちろん放送事業者、放送局を持つという意味においての放送事業者としての立場がございますけれども、やはり基本は、大学をつくり、大学の授業を行い、その授業の一部を放送で実施するというのが事柄の順序であろうかと、かように考えております。
#66
○勝又武一君 繰り返しになりますが、先ほど申し上げました答弁を整理されて文章化されるというようなことの中にもいまのような点もぜひお忘れなくお願いをしたいと思います。もちろん、このことがきわめて重要であり、きょうの質疑だけで済むと思いませんけれども、このことについては最大の課題でありますので、今後の放送大学の命にかかわる問題だとさえ私は思いますので、この点はきわめて歴史的な事実として、しかも同時に今後の運営の中での重大なこととして、気持ちの中で御整理をいただきたいと思います。
 それから次に、私に与えられた時間も少なくなってきておりますので、国公私立大学放送事業者、これらとの連携協力の問題につきまして、これもいままでの出ている御質問等はできるだけ重複を避けまして新たなる問題という観点で二、三お聞きをしたいと思います。
 それはやはり放送大学の教授陣をどう充実するかということがきわめて重要だということはいままで言われているとおりです。高木先生が自分の御経験の中でうんちくを傾けてこの点御指摘されている。そういうことを繰り返しません。そこで、それらの中から私なりに、たとえば一つは、そういう他大学の教授等の協力を得るためには、任期制ということが一つありますから、この任期制というのは私はもう絶対だめだと。こんなものは検討し直すと。身分が不安定だし、人事管理の手段とされる。だから任期制にかわる手だてをひとつ考えてみたらどうだろうか。たとえば身分を現在のままで出向制度というのがよく行われておりますね、身分は現在のままで出向制度をとっている。この場合には当然もう現給保障という問題も出てくる。あるいは長期研修というようなこともある。これは私企業から来てもらうという場合は私企業の方々の了解を得なくちゃむずかしいでしょうけれども、国公立と特殊法人との関係とか、あるいは私学から来てもらう場合にも、そういう私学の身分を保障し、あるいは〇〇株式会社の身分を保障したままで出向してもらうというようなこういう手だて。あるいは、何というんでしょうか、非常勤の講師制度、あるいはこれは言われていますが、客員教員制度、あるいは奨励研究員制度、あるいは内地留学制度、あるいは研究休暇制度、そういうような長期にわたりまして、三年でも五年でもいいから、これはまあ話し合いの中でしょうけれども、そういうようなことについて積極的に教授陣の確保をする。もちろん魅力ある大学に変えなくちゃならぬということも前提ですけれども、逆に言えばりっぱな教授をそろえることで魅力ある大学にしていくということも言える。それが欠陥の是正にもつながる。そういう意味で、ひとつ文部省としては再度任期制を改めてこの辺などについての検討される余地はあるのかないのか、ぜひ私は再検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#67
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、この放送大学に優秀な教官をどうやって確保するか、その点は従来の委員会審議においても御指摘のようにいろいろと具体的にも御指摘もいただきまして、特に若手の教官を確保するというようなことがぜひ必要ではないかとか、あるいはこの放送大学の理解が、たとえば大学の関係者にしても、単に関係団体の長でございますとかそういう方々のところにとどまっておって、実際に協力をいただく若手の教官の方々なんかにも十分理解されてないのじゃないか、そういう点をもっと理解させるように努力をしなければいかぬのじゃないかという御指摘もいただきまして、私どもも、その辺は今後とも十分な努力をしなければならない課題であろうと、かように考えております。そして、国公私立大学の教官の方々に御協力いただく協力の仕方といたしましては、たとえば客員教授というような形でお入りいただくということももちろん考えなければなりません。そしてまた、非常勤の講師としていろいろと御協力いただくということも必要なことでございます。
 任期制について、その任期制の円滑な実施のためには、これはもちろん御協力をいただく国公私立大学側の理解を深めていかないとうまく円滑に回転しないではないかという御指摘もございまして、その辺について十分配慮をする点ももちろんあるわけでございますが、任期制というもののメリットと申しますか、そういう点も、ぜひメリットを十分生かすという形でその任期制というものが円滑に働くように努力をいたしたいと、かように考えております。
 御指摘の、それ以外に、たとえば特殊法人間でございますと、もちろん出向というような形で人事上処理できる事柄もあるわけでございます。そういう人事面で可能な限りのいろいろな手だてといいますか、そういうことをいたしまして、十分優秀な教官が確保できるような努力はいたさなければならないと、かように考えております。
#68
○勝又武一君 もう一つはこの放送担当者の問題です。これはまさに、教授陣の拡充、充実以上にさらに困難なむずかしい問題であろうという指摘が、これももう繰り返されておりますね。それで、そういう意味でいわゆる放送技術等に関する専門家、この人材をどう確保するつもりなのか、どのような目途を持っているのかさっぱりわかりませんね。一体金には糸目をつけないでスカウトをなさるのか、そうでなければ、そんな人たちが放送大学の放送担当の方に一体来るのか、まさに心配なんですよね。だから、金に糸目をかけないでスカウトをやるというような決意をお持ちなのか、そういう点について本当に腹をくくった目途を持っていらっしゃるのか、あるいはそれは今後のそういう人材養成については別途考えているんだと、心配するなと、こういうことなのか、この辺についてはいかがでしょうか。
#69
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の放送関係の技術者の確保という点は、確かに従来の文部行政では全く対応できない分野でございまして、その点では郵政省の関係の方々とも十分相談をさせていただいて、もちろん技術面についても、郵政省を含め、たとえば従来から御相談も、具体的な御相談はこれからになるわけでございますが、NHKを初めとして従来たとえば民教協というような組織で教育番組についてもいろいろ民間放送にも御協力をいただいて、放送教育開発センターも現実に民間のテレビで実験番組も実施をいたしておるわけでございます。そういうような従来からかかわりのあります方々でございますとか、もちろんNHKの持っております技術的なスタッフでございますとか、あるいは過去の経験、そういうようなものも十分生かせるような形で人材の確保にも努めなければならないことだと思っております。それらの点についても最大の努力をいたしたいと、かように考えております。
#70
○勝又武一君 なかなかスカウト合戦が激しい、それだけにきわめて貴重な人材のそろっているところですからね。放送大学がなくってさえそうなんだから、放送大学ができて、さあ喜び勇んで放送大学へ行ってそのことを担当するというような人が私はそう簡単には考えられない。だから、局長の答弁もだんだん微妙な変化を生じてきまして、まきにまた私たちの対案を出してからまた一歩拍車がかかって変わってきたという感じを私は率直に持っている。それはNHKに協力を得たいというあの個所の答弁ですよ。大分変わってきていると思いますよ、私の感じでは。それは、それだけNHKなり民間に協力を得るということになればなるほど、私たちが対案を出した放送はNHKに担当してもらうんだということと、一体なぜそうならないのかという辺がもうだんだんだんだんわからなくなってきてます。で、最後になると局長は、二つでやるのはいけないんで、一つの特殊法人の中だっていう、そのことしか言わなくなっちゃう。だから、やっぱり本心はそういうNHKなり民間テレビなり進んだ人たちの協力を受けなきゃやっていけないんだと、そのためには業務委託もやるんだと、こういうかっこうにだんだんだんだん変わってきているというふうに私は思う。そして、答弁から、その委託の範囲なりこの業務委託費の問題なりというのはなかなか不明確のままだと、こんなに感じているわけです。だから、放送技術者の確保の困難さと同時に、逆にいわばいまのNHKなり民放なりに業務を委託するなり協力を仰ぐというその辺のことは、一体発足をしてから任してくれというんじゃなくって、発足前にその辺はやっぱりさらに明確にすべきだと、そういうことがちゃんとしてから発足すべきだと、こう思いますけれど、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(宮地貫一君) 具体的には技術的な分野が大変多いわけでございまして、先ほど申し上げましたように、もちろんこの放送大学学園自体にもそういう技術者の確保、特に放送面での必要な技術者の確保については、もちろん郵政省御当局とも相談をしながらその人材の確保に努力をしなければならぬ点でございます。御指摘の点は、さらに具体的に、たとえば委託というようなことを考えるとすればどういうようなところを考えるのかというようなお尋ねでございまして、その点は私どもは実際の番組の制作に当たりまして、この放送大学学園のスタッフですべての科目の処理というものは実際上なかなか困難ではないかというぐあいに考えているわけでございます。前にもお尋ねがございましてお答えをしたわけでございますが、現在放送教育開発センターで実験番組を制作をしているわけでございます。具体的な実験番組の制作に当たりましても、実際の番組の制作に当たっての委託というような事柄は現実的な対応としては行われているわけでございまして、そういう従来行われております放送教育開発センターの実情等をも十分参考にしながら対応をしてまいりたいと、かように考えております。
#72
○勝又武一君 通信教育の皆さんからいろいろな御要望がありまして、これは最初のここでの参考人の意見聴取の際にも、たしか板橋参考人の発言にもございましたし、それから私大通信教育につきましては、日大も拝見さしていただいたり、当委員会にも専門の方もいらっしゃるし、そういう意味ではいろいろ出ているはずなんですが、さて全般を見ますと、この私大通信教育関係の方の問題がやや私は影が薄くなっているというように思うわけです。ところが、放送大学にとっては非常に重要なウエートを占めているわけですよね。だから、たとえば時間がなくなりましたから簡潔にしますが、たとえばこの運営審議会の委員の選任とか、定期的な協議の場とか、こういうことにつきましても、さっきから私的な懇談会をつくるんだというお話がありましたが、たしかそのときにも私学通信教育関係の方のお名前は出なかったような気がするんですよ。だから、忘れているわけじゃないんでしょうけれど、ぼくの記憶違いならごめんなさいね。そういう意味で、そういう私大通信教育関係の皆さんの過去の努力と成果を正しく評価をして、そしてそういうことを尊重して提携協力関係を図っていくと、この点について、そういたしますという答弁だけなんですけども、この点では実際にまだまだ不十分だと。ですから、この放送大学の発足前に、私はやはり私大通信教育の方々との、何というんでしょうか、定期的な協議の場というような設定についても明らかにしていただきたいし、同時にまた、これは一面がございましたね、矛盾する点が出てくると思うんですよ。私大の方からは、たとえば教員養成課程の設置とか、学部の増設は行わないでくれというようなこともあったし、今度は国民の要求の方からは学部はふやしてくれとか、あるいは広島に行ったときには、広島の局長さんは公述人として、たしか教員の単位が取れるように、教職課程の単位が取れるように考えてくれというような要望意見もありましたよね。だから、確かにそういう問題だと思うんです。こういう矛盾する問題が生まれると思いますけれども、それだけになおさら、この通信教育の方々の意見と、逆に今度は国民の側からの要望意見というものをするためにも、これは常設した機関なり非常に必要だと思うんですが、この辺はまとめて通信教育関係の方の問題お聞きしましたけれど、これらについてのこの文部省としての対処の仕方についてお伺いをいたします。
#73
○政府委員(宮地貫一君) 私立大学の通信教育とのかかわりというのはこの放送大学は特に深いというのはまさに御指摘のとおりでございます。そういう意味におきまして、私どももこの私立大学の通信教育とこの放送大学とが相ともに連携をしながら発展できるということがやはり必要なことだと、かように考えております。そういう意味から、私立大学の通信教育の関係者とこの放送大学の関係者とが常時密接に連携をとれるような仕組みというものを考えていくべきだという御指摘も、そういう点は積極的に受けとめていかなければならないことだと、かように考えております。さらに言えば、たとえば運営審議会の構成メンバーなどについても、そういう点も十分配慮したことは必要ではないかと、かように考えております。
#74
○勝又武一君 放送大学法案ですから、そのことにしぼっていろいろとお聞きをしてまいり.ましたが、私はやはり放送大学が大学の閉鎖性を打破し、大学を開放し国民に公開をしていく、そのための大きな手だてだという意味でそのことはよく理解ができます。
 しかし、最後に一つだけ明らかにしていただきたいのは大学の開放の問題なんです。放送大学だけが開放されてほかの大学が閉鎖的でいいなんていう話は毛頭ないわけでありまして、私たち文教委員会に所属する者としてはこの点はきわめて重要な課題だと思うんです。そこで、学校教育法の六十九条「大学においては、公開講座の施設を設けることができる。」とありますね。「公開講座に関し必要な事項は、監督庁が、これを定める。」、学校教育法の六十九条です。――ございましたね。そして、この「公開講座に関し必要な事項は、監督庁が、これを定める。」と、こうなっているんですが、この規程は一体いまできていますか、いませんか。
#75
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の規程はできておりません。ただ、大学の公開講座の実施という事柄そのものにつきましては、現実的には国立大学においても積極的に取り組んできておるところでございますし、そのための予算措置というものも年々私どもも拡充に努力をしてきております。
 御指摘のように、放送大学はもとよりでございますけれども、一般の特に国立大学、従来の大学が開かれたものにしていくための努力というものはもちろん必要なことでございますし、そのために私どもも大学にそういう点を積極的に進めるようにいろいろ努力をし、また必要な予算措置も講じていくということについては今後も一層努力をいたしたいと、かように考えております。
#76
○勝又武一君 大臣にお聞きをいたしますが、これは時間の関係で最後になりますので。いま御質問をいたしましたように、大臣、大学そのものの開放ですね、公開といいますか、放送大学だけが開放されたらいいんじゃないんで、いままでの国立大学にしても学校教育法で明確に六十九条で規定をしている。法律的に規定をしている。その規定さえまだ文部省は、監督官庁である文部省はされていない。私はまさにこれは怠慢もいいところだと思いますよ。これが一つです。
 それから、学校教育法の五十四条では「夜間において授業を行う学部」ということがございますし、五十四条の二では通信教育のことがございますね。そういう法律に基づいた中でこの国立大学においてもそのことがだんだん進んできている。ところが、前回の委員会のときに文部省に私資料提供を求めたんです。実に微々たるものですよ。国立大学で夜間の学部を設定しているところ、それから国立大学で昼夜開講制を開いているところ、きわめてまだ少ないわけです。それは私はやっぱり文部省当局がこの六十九条の規程をつくっていないからだと思う。いつまでつくるのか。これは大学局長に、局長担当としまして、一体いつまでなったらこの規定をつくろうとされているのかいないのか、つくらないで済ましちゃうのか。ごく近いうちにこの規程はつくりますと、こういうように局長お答えになるのかということが局長に対して一つ。
 それから大臣に、そういう意味でやはりもっともっといまある既存の国立大学のこの規定に基づいた公開講座、あるいは昼夜開講制、あるいは夜間部の設定、こういうことがやっぱり、それぞれの各県にある国立の総合大学を開放していく、このことが東大が頂点でというようなこの間のような話にならない。やっぱり放送大学でだれもがいつでもどこでもやれると同じように、地方の国立大学の開放を図っていく、このことがやっぱり私は決して忘れちゃいけないことだと。そういう意味で、既存の大学の公開講座の拡充なり、そしてまた昼夜開講制なり、夜間部の設定なり、これらにひとつ具体的に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の御決意のほどをお聞きをいたしたいと思います。
#77
○政府委員(宮地貫一君) 大臣の御答弁の前に事務的に御説明をさしていただきたいと思います。
 お尋ねの公開講座に関する事項は別にこれを定めるという規定はもちろんあるわけでございますが、具体的な定めがない点は先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。これは一定の定めを設けることを予定した規定でございますけれども、現実的には各大学においてそれぞれ大学の公開講座というものが、これは社会各層の要請を受けてそれぞれもうすでに自主的にあり方を工夫して実現をされてきておるわけでございます。その点は、それを一律的な定めを置くということについてはどうかということで今日まで定めは置いていないわけでございます。公開講座の予算そのものの拡充というのは、国立についても、先ほども申し上げましたように、相当各大学においても積極的に取り組んできておりまして、その公開講座の内容から申しますと、たとえば座学的なものから、あるいはスポーツ教室にまで非常に多様な地域の方々の御要請に応じた対応というものをいたしておるわけでございます。そういうような実情を十分踏まえまして、私どもその点についてはなお検討をさしていただきたいと、かように考えております。
#78
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の言われました開かれた大学の姿でありますが、夜間の講座でありますとか、あるいは公開講座といういろいろのお話もございましたが、このいまの開かれた大学の最も大きな問題は、やっぱり単位の互換制というような問題も含む御質問だと思うんであります。この点につきましてもたびたびお答えも申し上げ、また私どもの考えておりますこともよく御理解いただけたかと思うんでありまして、この公開の問題につきましては今後一層努力もいたしたいと存じますし、不備な点がございますればさらに整備いたしたい、かように考えております。ありがとうございました。
#79
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十七分開会
#80
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送大学学園法案及び放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○井上裕君 重要法案でありましたこの法案もいよいよ大詰めに来た感じがいたします。また、慎重審議の皆様方に敬意を表する次第であります。特にきょうは午前中、勝又議員の格調の高い質疑があったわけですが、再三にわたって私ども議員の皆さんの審議を通じまして、さらに私は文部省に対しまして御質問いたしたいと思います。
 放送大学は御案内のように生涯教育の中核的教育機関として位置づけられていますが、生涯教育の見地からどのような役割りを果たしますか、田中文部大臣の御見解を重ねてお聞きをいたしたいと思います。
#82
○国務大臣(田中龍夫君) 放送大学は学校教育法の規定に基づきました文部大臣の認可を受けて設置いたします正規の大学である。まずこの点が一点でございます。同時にまた、その対象につきましては、高等学校の新卒のみならず広く社会人や家庭婦人等に大学教育の機会を提供する。同時にまた、すでに高等教育を受けられました方々に対しては、いわゆるリカレントエデュケーションと申しますか、そういう機会をお与えするということが一つの大きな目標でございます。そのためには開設を予定いたしております授業科目につきましても、内容における、そういった配慮を加えますとともに学生の受け入れに当たりましても、学力試験を行わず先着順で抽せんをするとか、あるいはまた正規の学部学生のほかに本人の希望や必要によりまして特定の科目を履修する科目履修生や選科履修生、こういったものを加えまして、そしていわゆる放送大学は国民の生涯教育、生涯学習のための、また同時に正規の大学教育を提供するという点が本大学の眼目でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#83
○井上裕君 私どものところにも資料が届いておりまして、それによく詳しく書いてあるわけでございますが、きょう私どもも最後だということでもう一回。
 文部省は高等教育の計画的整備を推進していますが、この放送大学と高等教育の計画的整備のこの関連をお願いいたします。
#84
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の高等教育の計画的整備という問題でございますけれども、実は高等教育の計画的整備ということで、五十一年度から五十五年度までを前期の期間とし、五十六年度から六十一年度までを後期の計画期間といたしまして計画的整備ということを図ってきておるわけでございます。これは高等教育への進学の基礎になります十八歳人口の年度別の推移と申しますか、御案内のとおり戦後第一次のベビーブームがございまして、さらにそれの第二次と申しますか、第二次の児童生徒の急増の波が順次ただいま参ってきておりまして、それが将来高等教育へ進む時期と申しますのは、昭和六十六、七年ごろがピークになって二百万人台に達するという時期が参るわけでございます。そういうような全体の十八歳人口の動態というようなことを受けまして、先ほど申しましたように五十一年度から前期計画、五十六年度から後期計画ということで、六十一年度までの問の整備計画というものを立てて進めているわけでございます。
 その骨子としておりますところは、基本的には量的な拡大は抑制をしながら質の充実に努めるということを骨子といたしまして特に高等教育につきましては弾力化、柔軟化を図っていく。そしてまた、高等教育に対する多様な要求と申しますか、非常に多様化した国民の要請にこたえていこうというようなことで対応しているわけでございます。そういうことと関連いたしまして、特に高等教育の弾力化の問題でございますとか、あるいは多様化というようなことを踏まえまして、従来すでにもう十年を経過したわけでございますけれども、放送大学ということについても順次検討を続けてまいってきておったわけでございまして、申すまでもなく放送大学というのは、時間的な、場所的な、年齢的な制約を越えまして、国民の各層に高等教育の機会を提供しようというのが基本的な考え方でございます。そういう意味で、高等教育の多様化という面でも大変この放送大学が果たす機能というものは大きいものではないかと、かように考えております。さらに、今後の十八歳人口の動向ということも踏まえまして、ぜひこの時期に私どもとしても多年の懸案でございましたこの放送大学をぜひ実現さしていただきまして、積極的に高等教育の柔軟化、流動化ということも果たし、従来の既存の大学とあわせて、わが国の高等教育の全体的な姿としてはこういう新しい姿の大学もそこに加わることによりまして、既存の大学についてもまた積極的な改善が行われる一つのきっかけにもいたしたいと、そういうことも考えているわけでございまして、高等教育の計画的整備という観点の中からもぜひとも実現をお願いしたいと、かように考えております。
#85
○井上裕君 昨年の十一月二十九日に配られましたこの放送大学学園法案の国会審議の過程、これを見ますと相当長い年月、そして五十四年から五十五年の臨時国会において実に五十八時間、参議院は臨時国会六時間、今回は六十時間になんなんとする、これは恐らく文教委員会においては最高の重要法案であったわけであります。恐らく慎重審議を進めてきたわけでございますが、そこで放送大学は再三議員の方々から質問がありますが、国立大学方式とせずにその設置主体を特殊法人にした。これも社会党案の国立大学方式を出されておりまして、私どもいろいろな質疑応答も聞いたわけでございますが、その設置主体を特殊法人にしたという点をもう一回ひとつお聞かせ願いたい、このように思います。
#86
○政府委員(宮地貫一君) お尋ねの点は、従来大変慎重な審議が行われました中においても、いろいろの角度から御議論をいただいたわけでございまして、私どもとしては従来衆議院の文教委員会の中に放送教育に関する小委員会が設けられまして、その報告もいろいろ議論がなされた結果特殊法人方式、現行の法制で考えるとすれば、この特殊法人方式であれば大学と放送局を一体のものとして設置し得るという御結論をいただいたわけでございまして、その結論を受けましてただいま御提案申し上げておりますような放送大学学園というこの法案で御提案を申し上げているというのが従来の経緯でございます。
#87
○井上裕君 そこで、放送大学におきまして、放送による授業の自由と放送コードの調整について、これはどのようになっておりますか。
#88
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点も大変重要な点で、当委員会におきましても基本的な問題点ということでいろいろと御議論をいただいた点でございますが、放送大学の教育というのは、放送によります授業のほかに、たとえば印刷教材によります自学自習あるいは学習センターの面接授業というようなものが授業の形態として行われるわけでございます。
 そこで、問題となる点は、放送による授業の点でございまして、その点は大学の講義そのものではございますが、それが放送されるということになる以上は放送法制上の制約を受けるということになるわけでございまして、放送の中立公平ということが守られなければならないということで、放送法四十四条三項の規定が準用されているわけでございます。特に問題となります点は、第二号の「政治的に公平であること。」と、それから第四号の「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」という規定があるわけでございます。そういう点では、確かに放送という観点からくる制約ではございますが、基本的には「論点を明らかにする」という点について特別の規定があるわけでございますけれども、もちろん講師がみずからの学問的見解を述べるという点については禁止されているものでないと、かように私どもは理解をしておるわけでございまして、そのことによって学問の自由は保たれていると、かように考えております。
 それから政治的な問題、「政治的に公平である」という点でございますが、その点は大学の側におきまして教育内容に適正な自制をするということによりまして同じて対処ができるものと、かように考えております。いずれにいたしましても、これらの点は、この放送大学が放送を利用するという点で、基本的にいろいろ御議論が行われた点も踏まえまして、私どもとしては適切な対応をし、誤りなきを期していきたいと、かように考えております。
#89
○井上裕君 そこで、放送大学の第一期計画として、関東地域を対象地域として、発足理由の一つとして、法案第三条で、学園の「事務所を千葉県に置く。」とありますが、これは決定でございますか。
#90
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は、法案の第三条に「学園は、事務所を千葉県に置く。」ということで、法律で規定をしているものでございます。
#91
○井上裕君 これ実は議事録を読みますと、衆議院の文教委員会ではっきりと幕張地域ということを言っているわけですが、参議院の文教委員会におきましては、まだその決定は当局から言われていないわけでございますが、放送大学及び学習センターは、千葉市の幕張地域に設置するということでございますが、これは事実でしょうか。
 また、御案内のように、千葉県では、そこに長期学園構想といいまして、幕張東・西・北高校という三つの学校を、これは委員の方々にもお聞き願いたいんですが、そこで特徴のある教育を行いたい。たとえば芸術コースとして、東高校には美術、西高校には音楽、北高校には書道というような、そういうものがあるわけであります。さらにまた、その地域には新しく五十六年の四月から開校いたしました短期衛生大学、これも初めての形式ですが、看護学科とか栄養士学科とか、あるいは歯科衛生士学科とか、そういうものを置いて一大学園都市にしようとしているところであります。で、私どもやはりこの地域にすでにもう御案内のように、放送教育開発センターも設置されておりますので、ぜひひとつ幕張に決定をしたい、お願いをしたい。これはまた、千葉県の選出国会議員団の新高速鉄道と並んで大きいプロジェクトチームの一つになっているわけです。そういう点で、この問題をぜひひとつ決定なら決定ということで前向きの姿勢でお答えを願えれば幸いであります。
#92
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生のお話の学園の本部施設でございますが、これは千葉県の幕張地区の海浜ニュータウンに建設されたいという御要望にこたえまして、また文部省といたしましても、幕張地区に放送大学学園及び放送大学の本部施設、さらにまた学習センターを建設することを計画しております。
 なおまた、これに連帯いたしまして、いろいろなお話もただいまございました。右の点は事務当局からお答えいたします。
#93
○政府委員(宮地貫一君) ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、さらにこの放送大学学園法案の成立後、千葉県側とも十分協議をしながら具体的な問題については検討をさせていただきたいと、かように考えております。
 なお、敷地の面積といたしましては、放送大学関係の全体につきましては、約四万二千平方メートルを予定しているというところでございますし、建物につきましても約四万平米余りのものを、これは放送教育開発センターの部分を含めまして、あわせてそういうような計画を立てて準備は進めているところでございます。
#94
○井上裕君 先ほど申しましたように、最高の議員の皆さんの御質疑を伺ったわけであります。そこで、対象地域の早期拡大、これは私ども、札幌あるいは広島へおいでになった方々、よく内容を見ますと、やはり望んでおりますことは、早く関東地区だけでなく、私どもの過疎地域、そしてまた広げていただきたい、そういう要望の声が非常に強いわけであります。で、先ほど勝又議員のお話にありましたように、これから行政改革であるとか、あるいは大蔵の財政問題、非常にこの法案に対し、また大学が設置されるということになりましても、いろいろな大きい問題がぶつかるわけです。また、そのときに当たりまして文部大臣は、強い決意を持って、不動の決意を持ってぜひひとつこれに対処していただきたい。
 最後に、文部大臣の御決意を伺いまして、きわめて簡単ですが、私は自民党の最後の質問にかえさせていただきます。
#95
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、教育の機会均等ということ、また国民の生涯学習というこれに対応いたしまして、本放送大学構想というものは非常な期待を持たれておるのでございますが、ただいま本日の朝からの御審議にもございますように、本大学がりっぱに国民の衆望を担って、将来わが国文教政策上の一大理想の実現といたしまして、不退転の決意でこの完成を急ぎたいと、かたい決意を持って臨んでおる次第でございます。
#96
○高木健太郎君 わが国の高等教育、いわゆる大学への進学率というのは三八・何%かである。その大学及び短大への進学率ですが、男女比はどのようになっておるでしょうか。
#97
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の大学及び短大への進学率、昭和五十五年度におきましては、大学への進学率が二六・一%、短大への進学率が一一・三%、これはいずれも十八歳人口比に対してのものでございます。
 これを男女別に見ますと、大学には、男子の三九.三%、女子の一二・三%が進学をし、短大へは、勇子の二・〇%、女子の二一・〇%が進学をしているという状況でございます。
#98
○高木健太郎君 女子のことをお聞きしたいんですけれども、以前は、女子といいますのは、結婚も早かったでしょうが、子供をたくさん産みまして、その末子を育てるというときが大体二十九ぐらいで産み終わると。そしてこれが小学校へ入ったときにはもう四十ぐらいになっていると。平均寿命が五十以下でございましたからして、ほとんど一、二年しかもう残りがないという状態であったわけです。最近では女性は早く結婚しまして、子供が二人ぐらいである。そういう意味で、早く産み終わって、そうして小学校を出したときには本人は四十ぐらいであって、現在の平均寿命が女性では大体七十八歳ということになりますから、四十年ぐらいの間があるわけです。
 こういう意味で、私は今度の放送大学ということにつきましての生涯教育としましては、女子というものが非常に重要なことであろうと思いますが、これに対してこれまでの高等教育機関というのはどんなふうに変わってきたか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
#99
○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘のとおり、平均寿命が大変近年延びてまいりまして、かつ実際に子供を持ちます数が非常に少なくなってきておるという、そして全体的にここ十数年来、社会構造というものが御指摘のような方向に確かに変化をしてきておるわけでございまして、そういう意味で女性の子供の養育を終わった後の寿命と申しますか、それが非常に長くなってきておるわけでございます。そういう実態に対応しまして、たとえば大都市で申しますと、いわゆるカルチュアセンターというようなものに、そういう女性の方々が非常に勉学の機会を求めて、そういう方面に行っておられるというようなことも実態としてはずいぶん強く傾向が出てきておるわけでございます。そういう点では、そういういわば家庭婦人と申しますか、そういう方々に対します教育機会をどう考えていくかということは、大きい意味で言えば生涯学習というような観点からも非常に考えなければならない課題であろうかと思います。
 中央教育審議会におきましても、生涯教育の問題についてすでに二年来取り組みをしてきておりまして、せんだっても、生涯教育について、中間報告という形で報告もされているわけでございます。それらの中におきましても、生涯学習という観点からその点が非常に重要であるということも指摘をされております。特にお話しのような婦人に対する対応ということが必要ではないかと思っております。従来のわが国の既存の大学の対応で申しますと、そういう点が必ずしも社会的な要請に対して十分な対応をしてきていたかと申しますと、必ずしもその点は十分ではないという感じがいたしておるわけでございます。この放送大学というような新しい形の大学も、やはりそういう方々の学習意欲にこたえる一つの手だてとして十分機能するということが言えるんではないかと、かように考えております。
#100
○高木健太郎君 私もそのように思いますが、特に女性の職場のことですけれども、昭和四十二年には女性の就業者というのは三十五歳未満の人が六三%、昭和五十三年になりますというと、今度は三十五歳以上の人が五二%でございまして、女性が三十五歳以上、結婚をしてから就職をするという方が非常にふえているわけでございます。ところが、既存の大学におきましても、もちろん男女共学が行われておりますけれども、いわゆる東大だとか京大というところの女性の入学者数と、全体の入学者数に対する割合は一体どれくらいのことになっておりますか。――まあ、これは例として東大、京大を挙げたということです。
#101
○政府委員(宮地貫一君) 従来の一例ということで御指摘のございました東大、京大への女性の入学者数というお尋ねでございますが、大学におきます男女の入学者の割合というのは、これは全体でございますけれども、大学では男子が七七%、女子が二三%、短期大学では男子が九%、女子が九一%というような割合でございます。
 御指摘の一例ということで申された点でお答えを申し上げますと、東大と京大の女性の入学者の割合は、東大では七%、京大では八%というような数字になっております。
#102
○高木健太郎君 それからもう一つ、女性が少ないというのは、一つには女性が得意としていろ、いわゆる女性の一つの特性であると思われるところ、そういう分野が、これも例としてですが、旧七帝大には少ないのではないか。たとえば家庭科、外国語科あるいは芸術学部、そういうものがどれくらい旧七帝大にはあるのでしょうか。
#103
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、旧七帝大というところでは家庭学科というようなものは皆無でございますし、外国語、芸術等の学科も非常に少ないわけでございます。
 なお、文学部におきましては、外国語、芸術の授業科目を広く設けているわけでございまして、文学部におきましては全体で二十四学科、入学定員では千二百三十五人ということになっておりまして、これらの学部、学科におきましては女子学生の占める率も比較的多くなっております。ただ、旧七帝大のみの女子学生の比率につきましては、ただいまのところ手元に資料を持っていないわけでございます。
#104
○高木健太郎君 結構です。こういう意味では、今度つくろうとされているいわゆる放送大学では、そのような需要は満たしてやれるというふうにお考えでしょうか。あるいはどの程度満たして、あるいはそういうものに考慮を払っておられるのかどうか。
#105
○政府委員(宮地貫一君) 確かに御指摘のとおり、特に家庭の婦人の学習意欲というようなものにこたえる対応策ということは、今度の放送大学なども積極的に対応すべきものと、かように考えておりまして、たとえば開設予定の授業科目というふうなことで、たとえば「生活科学」で「生活と福祉」でございますとか、「発達と教育」というようなもの、あるいは人文・自然のコースで申せば、「人間の探究」というようなことで、芸術史とか芸術論でございますとか、そういうようなものも積極的に考えていく。そういう意味では広く教養を授けるという意味での教養学部ということで予定をいたしておるわけでございますが、そういう面は、御指摘のように婦人の希望する科目という点では十分要望にかなうものがあるのではないかと、かように考えております。
#106
○高木健太郎君 私はそういうことは非常に重要だと思いますので、ぜひ旧帝大では果たし得なかったことをやっていただくということも今度の放送大学の一つの意義であろうと思います。
 もう一つお聞きいたしますけれども、これもどこの大学と幾つかの大学をお挙げになっていいと思いますが、これは老人との関係ですけれども、医学部を除く現在の大学の在学生、それの年齢層というのはどんなふうになっているか。たとえば学生で三十代以上の人、あるいは三十、四十、五十ぐらいの人は何%ぐらいになっておりますか。
#107
○政府委員(宮地貫一君) 従来の大学、国公私立を合わせまして、大学の入学者のうち、高校新卒者が全体で六六%、卒業後一年ないし二年経過した者を含めますと九七%というような数字になっております。したがいまして、従来の大学は国公私立を含めまして在学者のほとんどが十八歳から二十歳前半ということが考えられるわけでございます。もちろん高齢の方がおられることはあろうかと思いますが、きわめて数としては少ないということが言えるんではないかと思います。
 なお、そういうような観点、社会人をさらに大学に受け入れる方策というものも近年徐々ではございますが、たとえば私立で申しますと、立教大学というようなところも積極的な試みとして、入学定員の枠に配慮するというようなことも、近年行われるケースは、まだ大変ケースとしては少ないわけでございますけれども、そういう配慮も次第に行われてきておるわけでございまして、そういう社会人を再教育というような形で、大学なりあるいは大学院というような形で受け入れるという姿は、これからはだんだんと浸透していくということもあろうかと思いますけれども、やはり従来の一般大学で申しますと、十八歳ないし二十歳前半というようなものを受け入れているというのが圧倒的な多数であるということが言えるかと思います。
#108
○高木健太郎君 大体私もそう思っておりまして、受け入れようとしておるということは言われておりますけれども、なかなかそれは困難なことであろうと思いますし、入学試験もございますので、なかなか入りにくいということで、開かれた大学にしたいとは思っておっても、現実はそうなっていない。
 そういう意味では、今度の放送大学は開かれた大学ということでございますから、ぜひ若年層の大学の独占ということから、女性や高年齢者というものへの受け入れということを考えていただきたい。また、その場合に、高年齢者というものは古い教育を受けておりますからして、いきなり新しい教育をそこへ持ち込んできても、なかなか私はそれを自分のものにすることはできない。だから、教育の手法におきましてもこの点を十分お考えいただいて、単に落ちこぼれだけを救うということではなしに、だから教育内容について女性、高年齢者というものを考慮したカリキュラムあるいは講義手法を考えていただきたい。これが私が第一に申し上げたいことでございます。
 第二番目は、外国人教師のことでございますが、開かれたという場合に、国際的にはどれぐらい開かれているか、開こうとしているのかということをお尋ねしたいわけです。
 イギリスでは大学が四十五校で在学者数が二十八万人ということを聞いております。ちょっとこれ古い資料かもしれません。日本の場合は大体五百幾つぐらいが大学でございまして、その卒業生もかなり多いというふうにここにございますけれども、卒業生は何十万ということになっているわけです。この場合に、人口比ではイギリスとそれから日本と比べましてどの程度になるんでしょうか。
#109
○政府委員(宮地貫一君) 最初に、先ほど女性なり高齢者の受け入れの問題について特に留意事項として御指摘をいただきまして、私どもも教育方法でございますとかそういう具体的な受け入れに当たりまして、教育方法の面で工夫をするとか、そういうことはぜひとも考えなければならないことだと、かように考えております。
 それから、外国人の教員を……
#110
○高木健太郎君 それは後でいいですから、在学生の人口比ですね。
#111
○政府委員(宮地貫一君) 在学者数に対する人口比の問題で御指摘でございますが、日本におきます大学数は、昭和五十五年度で四百四十六校、在学者数約百七十四万。短大数が五百十七校、約三十七万となっておるわけでございまして、総人口に占める在学者数の割合について見ますと、イギリスが〇.四%であるのに対して日本は一・八%というような数字になるわけでございます。
#112
○高木健太郎君 そこで、私ぜひお願いしておきたいことがございます。
 この間教育白書というのが出たわけでして、それに対する文部省のこれは調査統計課長のお話がございますが、もう一応教育は日本ではある水準に達して、そして量的の限界にきているんじゃないかというようなことをその統計課長が言ったという話でございますが、もうイギリスよりも多いわけでございまして、〇・四%で、日本は一・八%というと四倍あるということなんです。だから、放送大学をおつくりになるときに、生涯教育としてそういう方々をつくって量的にふやすということは非常に大事なことかもしれません、これも大事でございますが、かと言って、午前中に勝又委員が言われましたように、質が落ちるということはこれは非常に危険なことである。だから、量的拡大から質的充実へ現在移りつつあるという時代ではないかなと思うわけでございまして、特に現在の大学では学力が低下したとか、あるいはまた独創性が欠けているとか、個性が少ないとかそういうことを言われますので、放送大学を今度おつくりになりましたら、いろんな人が入ってまいりますので、非常に教育がやりにくいんじゃないかと。そういう意味ではなおさら学力が落ちるというようなことも考えられますので、よく個人の適性あるいは能力、あるいは独創性、あるいは個性、そういうものを考えてこれは教育をしていかなければならないと思います。学習センターとかいろいろ言われますけれども、悪口を言う人は、文部省は教育施設庁である、そういうことを言う人もございますので、余りお気にとめられる必要はないと思いますけれども、そういうことを言われないように質的の充実をぜひお図りいただきたいというのが私の申し上げたことでございます。
 それで、今度外人教師の方に移りたいと存じますが、イギリスにおける外国人の教官数でございますが、約八・五%ということなんです。これはポリテクニクを含めて八・五%で、大学教授の方は五%でございます。大体日本ではどれぐらいになっているものでしょうか。
#113
○政府委員(宮地貫一君) 日本の場合の外国人の専任教員数及びその全体に対する割合についてのお尋ねでございまして、昭和五十四年度の数字で、国立大学で二百二十七人、これが比率で申しますと〇・四九%、公立大学で二十二人、比率で申しますと〇・三九%、私立大学で六百九十一人で、比率で一・四三%でございまして、合計いたしますと九百四十人で〇・九三%というのが専任教員数並びに比率でございます。このほかに兼務教員といたしましては、国立大学で三百十五人、公立大学で百一人、私立大学で千七人、合計千四百二十三人の外国人が在職しているという数字になりまして、これらを含めた全体で申し上げますと、二・三五%というような数字になっております。
#114
○高木健太郎君 これはイギリスは英連邦というのを持っておりまして、そこからやってくるという意味でちょっと特別かと思いますけれども、しかし日本は国際的に孤立してはいけない、いわゆる国際的にオープンでなくてはいけないということはよく言われているわけでございまして、聞くところによりますと、国立、公立では公務員法というのがございまして、いわゆる正規の教授として外国人を任用するということは非常に困難である。これは、私も前に関係をしたことでございますので、御存じと思いますが、今回は特殊法人であるということでございますので、その点はいかがでございましょうか。
#115
○政府委員(宮地貫一君) この放送大学の場合には、もちろん特殊法人が設立する大学でございまして、したがって、国立大学の場合には国家公務員となるわけでございまして、公務員法上のいろいろ難点と申しますか、なお検討課題がいろいろあるわけでございますが、放送大学について申せば、そういう点での制約というものはないわけでございます。したがって、御指摘のような点についても積極的な取り組みというものが可能であり、そうすべきものではないか、かように考えます。
#116
○高木健太郎君 これは非常にほかの大学と違うところで、いわゆる外国人任用ということがまだもう少し暇がかかるというふうに考えられているときでございますので、ぜひその特殊法人という一つの方式で外国人の登用を図っていただきたい。というのは、明治以来、日本の文化の発達は外国人の貢献によるところが多かったわけです。日本はもうりっぱになったといって私は外国人をあれするわけじゃない、やはりある部門におきましてはまだまだ私、外人から学ばなければならぬところが多いと思うわけです。
 よく大学の教授選考におきましても、外国人を任用したらどうだということがあるわけなんです。この人はりっぱだからこの人を日本に連れてきて教授にしたいということがございましても、それが住居の問題、生活習慣の問題等がございまして、また法律もありますのでそれが任用できないということがございますので、この際ひとつ放送大学には外国人教官というものの任用ということを一度ぜひお考えいただきたい。
 それと、これにつけ加えて申し上げますけれども、留学生がイギリスでも非常に多いわけでございます。最近、日本では非常にふえているように聞いておりますけれども、イギリスでは百八十五ヵ国から留学生が来ている。日本では――これは昭和五十四年の大学生の統計ですが、七十九ヵ国、約〇・七%ですね。イギリスでは七・七%、こういうところでも非常にぼくは国際性が日本では劣っていると思うわけなんです。そういう意味では、最近は筑波大学等で盛んにやられておりますけれども、ぜひひとつ留学生というものの受け入れをしやすいような形に持っていくべきではないかと思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
#117
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の留学生受け入れについても積極的な対応をすべきであるという御指摘につきましては全く同感でございまして、近年留学生の受け入れについても積極的な努力をいたしておるところでございます。それらの点は今後ともなお十分に努力をしてまいりたい、かように考えます。
#118
○高木健太郎君 大変それは結構なことでございますから、ぜひ実行に移してもらいたい。
 ただ、いつでも問題になりますのは言語の違い、特に日本語は非常に言語的に他の外国とは違いますので、日本語の教育あるいは宿舎、奨学金というようなものも同時に考えてやらなければ、せっかく留学しても日本を恨んで帰るという留学生も多いと聞いておりますので、その点ひとつ手抜かりのないような十分な手当てをお考えいただきたい、これを強調しておきたいと思います。
 もう時間も余りございませんが、最後に、この放送大学というのは、大学の性質上、前々から申し上げますように、研究というよりも教育という方にどうしても重点が置かれやすいと私は思うわけです。これはどうあってもそうじゃないかと思うわけなんですね。
 ところで、人的の交流をしたいとか、あるいはもとの場所に戻るということがございますけれども、そのように教育というふうに余りにいきますともとに戻りにくいんではないか。現在、大学が非常にエリート大学からマスの大学へ、またはユニバーサルの大学へ変化しておりまして、そのために大学教育ということもユニバーサルの大学である、エリートの大学ではないということが言われまして、大学人の中でも、最近では、もっと教育の方に重点を置くべきではないかという傾向が強くなってきつつあるわけです。にもかかわらず、やはり研究というものが重きを置かれるのは、実は大学設置基準に「教員の資格」というところがあるわけですけれども、大学の教員の資格は設置基準ではどうなっているのか、教授だけで結構でございますから。大学の設置基準の中の「教授の資格」ですね。
#119
○政府委員(宮地貫一君) 設置基準におきます「教員の資格」で教授の場合についての御指摘でございますが、たとえば「博士の学位を有する者」、「研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者」、「大学において教授の経歴のある者」、「大学において助教授の経歴があり、教育研究上の業績があると認められる者」などが基本的な資格として掲げられている点でございます。
#120
○高木健太郎君 私、それで、大学はこれに対してどういうふうに対応をしているかといいますと、結局教授としての、あるいは助教授としての経験が何年以上あることということになっておりまして、そして業績が重点的でございます。そのために学生の講義なんかはどうでもいいとは思っておらぬかもしれませんが、教育よりも一枚でも自分の業績をたくさんつくる、それを提出するというと教授になるあれが多い。それをちゃんと計算して、一年に業績は二つつくらなきゃいかぬ、三つつくらなきゃいかぬ、大体十は要るというようなことばかりを考えまして教育というものがおろそかになっている。これではいけないという大学が現在反省をしつつあります。
 ところが、基準がそういうようになっておりますというと、ちっとももとに戻らない、要するに教育というのは後回しになる。
 そういう意味で、私はもうユニバーサルの大学ということになる、民衆の大学になっている、大衆の大学になりつつあるという場合には、これは教える教育ということが非常に私、重点的にだんだんなってくるんじゃないか。それならば、私は設置基準というものの中にも、教育をどれぐらいやられたか、いわゆるその人の教育業績というものはどのくらいであるか――非常に私は評価が困難であると思いますが、アメリカやドイツなんかでは学生の教官に対する評価というものも入っているわけです。それは教育面に限って入っているのでございますね。そういうことはなかなか問題もありましょうが、ぜひ私、大学の設置基準の中にその人の教育業績というものの評価を入れるべきじゃないか、また入れなければこの放送大学をつくっても現実的に私はりっぱな教官を得られない、こういうふうに思いますが、その点に関しては何かお考えございますか。
#121
○政府委員(宮地貫一君) 確かに御指摘のとおり、設置基準の規定がどうしても研究業績中心の対応になっているという点は御指摘のような点がございます。そして、お話のように教育上の業績というものを積極的に評価することが重要であることはもとよりでございまして、私どももその点については十分工夫をしなければならない点ではないか、かように考えます。
 特に、御指摘のように、放送大学の場合等においてその教育の評価というものが、任期制をうまく回転さしていく場合に、それをよく評価をするような対応ということがないと困るという点はまさに御指摘のとおりでございまして、私どももそういう点については今後改善のために努力をいたしたい、かように考えます。
#122
○高木健太郎君 これはよくやられるのは、いつでも年限ということをやかましく言われる。それから業績でも数ということをよく言われる。年限や数でははかれないものがあるわけなんですから、設置基準として基準をつくる場合には教授経験何年、業績何枚というふうにお考えになるでしょうが、これはまあ教授会でお考えになることでしょうが、設置基準というものはやはり非常に大きく響いていきまして教育の方向を変えるものでございますから、これは国大協なり何なりにお諮りになりまして、そして教官の評価というものをいかにするかということ、特に放送大学をおつくりになった以上はそこから見直さないと、放送大学というのは本当にくだらぬ人間ばっかり集まってくるということになりはせぬか、それを憂えますので、ぜひこの点は放送大学をつくるのに当たってぜひ考えておかなきゃならぬことじゃないかと思いますので申し上げるわけでございます。
 最後に、私は、既存大学の多くはミニ東大というものを目指している、東大のようになるんだ、あるいは元帝大のような形にするんだということが大学の一つの目標になっているわけです。そういうことは結局画一的ということになるわけです。ちっとも地域性とか地域の特殊性というものが出てこないということになります。全部の日本の国民の目が東大だけにいきまして、ほかの大学はミニ東大である、これはもともと言われていることでありますけれども、決して直らないですね。そういうことが学歴が頂点主義になりまして、非常に悪いものを教育の上に残しているということになります。
 ところで、放送大学をおつくりになりますと、まあ学習センターなんかをおつくりになりますけれども、結局は放送というものを通じて全国にやろうとする、またどうしても画一的にならざるを得ないのじゃないかと。ただでさえ日本の教育が画一的になろうとしているというときに、またこの放送大学を建ててそれが画一的になったんでは、日本の教育というのは非常に片ちんばな人間ができていくのではないかということを憂えるわけです。そうして、文部省が言っておられるように、今度の教育白書にもありますように、一人一人の能力、適性に応じた教育を行い、人間性豊かな創造力に富む心身ともに健康な教育、そういうことと実際に合わないじゃないかと。現在の既存の大学は、地域性あるいは地域特異性あるいは大学の特異性というものを出そうとして、自分たちの欠点も知って努力をしつつあるわけですね。だから、こういう意味では、今度放送大学をつくったときに、どちらがどのようにするかは別としまして、もう少し地域特異性あるいは大学の特異性というものを出すような工夫をこの際やっておかれないと、なおさら同じような人間ができて、今後国際的に日本が発展していくというのに対して、全く粒のそろった苦労人間みたいなやつばっかりできちゃう。これではいけないじゃないかと私は思うわけです。その点について何かお考えございましたらお教え願いたいと。これで私の質問は終わりたいと思います。
#123
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、大学がそれぞれ特徴、特性を持ちながら発展すべきことは当然のことでございます。そしてお話の点は、放送大学の場合についても特にその点をどう考えていくのかという御指摘でございますが、御指摘のように、学習センターにおいてスクーリングをするというような際には、もちろんこれはそれぞれの科目等の関連にもよるわけでございますが、たとえて申せば、地域研究というような課題になれば、もちろんその地域の特性というものを十分踏まえた形で対応していくというような点で工夫をし、そういう積極的に地域性を盛り込んだ教育指導というようなことについては、この学習センターにおきます指導などにおいて特に工夫をしなければならない課題ではないかと、かように考えております。
#124
○佐藤昭夫君 いままでこの放送大学法案の重大な問題点についていろいろ質問をしてまいりましたが、前回もいわば教育の安上がりを考えているんじゃないかということで、膨大な非常勤教員に比べて専任の教員がきわめて少ない。これはオープンユニバーシティーと対比をしても、教員一人当たりの学生数という点で見て、あるいは日本の既存の教養学部と比べてみても、あるいは既存の大学の通信教育の課程と比べてみても、教員一人当たりの学生数というのが非常に大きく放送大学の場合にはなっている。ということは、行き届いた教育ができないということのあらわれになって、どうしてもこういう状況を改善をする必要があるんじゃないかということをいろいろ指摘をしてまいりました。
 同様の点で角度を変えて、大学というのは言われていますように二つの中心の任務、そのうちの
 一つである学術研究の体制が教育の体制と並んで、この放送大学でどのように保障されているのかという問題にもう一回よく目を向けてみる必要があるだろう。
 で、いまも言いました一つは、専任の教員が非常に少ない、そのことは勢い教員の主として教育面での労働強化になって研究活動の面に十分力が注げないというこういう状況を生んでくると思うんですけれども、さっき指摘しました専任教員が非常に少ないいまのプラン、たとえば基本計画によれば、完成時において専任教員三百十人に対して非常勤教員三千三百五十八人、いわば一対十という比率で非常勤の教員が非常に多い。こういう状況を改善をする方向というのは前回指摘をしたわけですけれども、検討を始めていますか。
#125
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は、教員数についてさらに専任教員というものを積極的に多くすべきではないかという御指摘でございますし、また、この放送大学というものに実際に優秀な教員を確保するという点から申せば、やはり研究面というものも十分充実すべきではないかという御指摘であるわけでございます。もちろん、従来これらの基本計画に関する報告等で検討をされましたものも、大学の関係者等、十分それぞれ専門家にお入りをいただきまして、御検討をいただいた一つの報告として私ども受けとめているわけでございますが、さらにこういう委員会の審議等を通じまして、御指摘のありましたような事柄については、これからこの特殊法人が放送大学の設立の認可申請を文部大臣に出すことになるわけでございまして、そういう過程におきまして教員数の確保、特に専任教員数についての考え方について十分検討をさせていただきたいと、かように考えます。
 なお、具体的な事柄につきましては、これは大学通信教育に関する基準の検討結果ももちろんあるわけでございまして、それらを踏まえまして、さらに予算に、具体的に予算積算ということになりますと関係省庁とも十分協議をしてまいらなければならぬ課題でございますが、考え方といたしまして、優秀な教員の確保がまず第一であり、そのためには研究ということも十分重視すべきである。その点はまことに御指摘のとおりだと思っております。そういう点について十分配慮をしながら今後の計画は考えてまいりたいと、かように存じます。
#126
○佐藤昭夫君 この放送大学における研究の体制を十分保障していく方向としては、一つは、いまの教員の増員の問題、それからもう一つは、さまざまな研究施設がどういうふうに保障をされるのかという問題、二つの方向があろうと思うんですけれども、たとえばオープンユニバーシティーではこういった点についてはどういう努力がやられておるという文部省の理解ですか。
#127
○政府委員(宮地貫一君) オープンユニバーシティーにおきましては、いろいろ具体的な研究所等についても付設をされているというぐあいに伺っているわけでございますが、直接の対比にはならないわけでございますけれども、従来これは国立の施設になるわけでございますけれども、放送教育開発センターにおきましては、放送教育の内容、方法等に関する研究開発を行うということで、これは共同利用機関としての施設がすでにつくられているわけでございます。これはもっぱら研究開発ということが任務ということになっているわけでございます。もちろんこれは国立の共同利用機関としての施設でございますが、これからつくられてまいります放送大学、先ほどお尋ねもあったわけでございますが、具体的な予定の場所といたしましては幕張地区ということを考えておりまして、放送教育開発センターも同じく幕張地区に、これはすでに管理棟は建設をされているわけでございます。そういう意味で、今後の研究面については、私は放送教育開発センターとこの放送大学との間においても密接な連携協力ということがもちろん必要なわけでございますし、当然のことでございますが、そういう面で研究面での機能を果たす上で有意義なものがあるんではないか、かように考えております。
#128
○佐藤昭夫君 大学における教員の研究というのは、放送大学の場合、放送教育についての研究ということだけじゃなくて、それぞれの大学教員の専門についての研究体制がどういうふうに保障されるかということが欠かすことのできない問題ですね。こうした点で、ウォルター・ペリーという人の「オープンユニヴァーシティー」という本がありますが、この中でも紹介をされていますように、オープンユニバーシティーの計画委員会の報告書、そこにも書いておるように、「「専任の教官は自分の学問分野の進展に遅れをとることのないようにかなりの時間と労力を個人研究に割くものとする。そして、図書館と実験室のどちらについても充実した設備が用意される。」この目標は次のように本大学の憲章の中で確認されている。すなわち、「教育と研究によって学問の進歩を図ることを目的として大学を創設することは時宜を得たものである。……」」ということで、かなり人的配置という点でも、また施設設備の整備という点でも、いかに放送大学といえ、大学の重要な任務の一つである一人一人の教員の研究活動が旺盛にできるように保障していくかということに非常に意をそそいでおるということがこの報告書の中でも明らかだと思うんですけれども、そうした点で、たとえば各都道府県に最低一ヵ所学習センターをつくっていくというわけですが、このセンターは実習室を含めて大体十教室ぐらいつくられるんだといういままでの説明ですけれども、この計画の中に教員のいわゆる研究施設、そういうものはありませんね、現状は。
#129
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の学習センターの施設についてのお尋ねでございますので、ただいま計画をいたしております点で申し上げますと、専任教員の研究室としてはやはり一応必要な面積を確保するという考え方で考えております。
 なお……
#130
○佐藤昭夫君 それは控え室みたいなもんじゃないの。
#131
○政府委員(宮地貫一君) 通常の大学の場合におきます教員の研究室と同じ立場のものを用意するという考え方でございます。
 なお、御指摘のように、放送大学の教育研究体制という点で考えてみますと、やはり従来の既存の大学とは相当異なる点、たとえばある一定期間に集中して教材作成等の教育活動というようなことが集中するというような職務の特殊性と申しますか、そういうことも念頭に置きまして、やはり教育と研究との従事期間のあり方をどうするか。たとえばサバティカルイヤーというような考え方と申しますか、そういうような方式というようなものも考え合わせながら、実際のこの放送大学の教官の勤務の態様というものも考えた上で、それぞれその特性に即した方法で研究が十分できるような体制というものも配慮しなければならないというぐあいに私ども考えております。
#132
○佐藤昭夫君 大臣に決意をお尋ねしておきますが、いままでの議論でも、放送大学の成否はこの大学にどれだけ優秀な教員の人が協力をいただけるか、ここにかかっているんだということをいままでもう何回か答弁の中で言われておるわけですけれども、そういう点で考えてみた場合に、この放送大学が大学の名とはかけ離れて、そんなところへ行ったって教員は自分の研究が何もできない、こういう状況で優秀な人材が集まろうはずがない。こういう意味でいまの計画をもう一遍よくひとつ点検をして、一つは専任の教員の比率をふやす、それから人材が集まってきてひとつ十分な研究活動がやれるような研究の施設設備の充実を図るという方向で、ひとつ大臣としても、もう一遍よくいまの計画に対して、これに目を向け、必要な検討を加えていくということをやっていただく必要があろうと思うんですが、大臣の決意どうでしょう。
#133
○国務大臣(田中龍夫君) ただいままでのいろいろ御質問を拝聴いたしておりまして、佐藤先生のただいまのお話まことにごもっともなところでございます。
 なおまた、そういうふうな教授陣容の整備、さらにまた他大学との協調と申しますか、そういうふうな問題、それからまた施設の問題、研究棟等、非常な貴重な御注意をいただきましてありがとうございます。
#134
○佐藤昭夫君 それでは次に、この放送大学学園と放送大学が本当に国民の声や要望によく耳を傾けていく、まさに開かれた大学としての民主的な運営が保障をされるような管理運営機構がつくられているかどうか、こういう問題でいままでも何人かの方が、一つは学園における理事会というか、理事長独任制の問題をいろいろ取り上げてこられたと思うんです。この間の逓信委員会との連合審査で私どもの党から山中委員がこの点について重ねて質問をいたしました。局長の答弁は理事会という合議制にすると理事の一員に学長が加わっているから、学長がその拘束を受けて、いわば大学の自主的運営が阻害をされるおそれが出てくるんだ、そういう意味で合議制よりも理事長の独任制の方がよろしいんだ、こういう答弁をしていますけれども、こういう論法からいけば、たとえば私学について私学の法人の理事会に私学の学長ないし校長が加わっている場合もあれば、加わっていない場合もいろいろありますから、加わっている場合、この理事会は合議制よりも理事長独任制の方が学校の民主的運営になっていくんだ、こういう論法になりますね。これはもうとんでもない詭弁であって、通常このいろんな組織について独任制と合議制とどちらが民主的な組織形態かといえば、合議制の方が民主的な組織形態だというのは、このことを否定をするような人はこの国会の中でいままで余り聞いたことがない。ところが、得々とこの間あなたは、いや独任制の方がよろしいんだという論を張る、いまもそう思っているのか、
   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
本当にこの独任制の方が民主的だと思っているのかどうか。再度重ねて聞いておきたい。
#135
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、一般論といたしまして合議をして議を尽くしてやっていくということが、物事を決めていくに際して十分な論議を尽くすというような形で、合議をしながら決めていくということが望ましいということについて、私は何ら異論をはさむところはないわけでございます。そして、学校法人の場合に、理事会というような形で構成をされているということについても十分承知もいたしておるわけでございます。そして、この放送大学学園の執行機関である理事長なり理事につきましても、事実上は業務の遂行に当たりまして、もちろん理事長並びに理事の方々が合議をしながら物事を進めていくであろうということは、これは十分考えられる点でございます。ただ、法文として理事会という構成をなぜ規定しなかったかということについての御説明を申し上げたわけでございまして、その点は、教学面ではやはり学長が大学の最高責任者としているわけでございまして、その学長が大学についての最高責任者としていることを、その学長を理事会の決定というような事柄で拘束されるというようなことはむしろいかがかというような形で、この学園の全体の組織機構を検討いたしました際にその辺も十分議論を尽くしまして、私どもとしては、こういう規定を設けましたということを御説明したわけでございまして、御指摘のような一般論としてそういう議を尽くすということ、そしてまた、放送大学学園の場合にありましても、事実上はそういう議を尽くした形で仕事が進められていくということ、そのことを私は否定をするという気持ちはないわけでございまして、規定としてそういう点が、学長の大学の自主的活動という事柄を尊重する形で、むしろ合議制の理事会という規定を法定しなかったという点を御説明したわけでございます。
#136
○佐藤昭夫君 一般論としては、独任制より合議制の方が民主的な形態であるということは認められるんだけれども、しかしこの放送大学という、こういうケースについて合議制にすると学長の大学運営についての自主的権限が侵されるかもわからぬという、そういうことを依然として言われておる。そういう論法でいきますと、私学についても、これは現在、法によって私学の法人理事会は合議制になっているでしょう。こういうのも、その理事会には学長が入っている場合が往々にある。こういう私学の法人理事会も独任制の方がいいんだという論になりかねないあなたの議論というのは非常に危険な要素を含んでおる。そういう人が大学局長として今後私学の法人の指導なんかに当たられたら大変危険千万だと、よくもう一遍反省してもらいたいというふうに思うんです。同様に、大学の管理運営の重要事項を扱う機構としての教授会、評議会の問題がいままでも再々議論になってきました。この評議会の定数を、学長、副学長、これを除いて、法案では六人ないし十二人としていますね。
 一方、さっきも引用しましたが、基本計画によると、完成時において専任の職員二千人、専任の教員三百十人、非常勤職員は五千五百人、非常勤の教員三千三百五十八人という膨大な教職員を抱えるこの放送大学であるわけですけれども、
   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
一体、六人ないし十二人のわずかな評議員ということで、一人一人の教職員の人事権、これを握っていくという、こういうやり方というのが、あるいはこの学園ないし大学の運営についての教職員の総意、これをくみ取って運営をしていくという、ふさわしい仕組みかどうかという問題です。この六人ないし十二人というふうに法律に出してきた根拠は何か。私は多分に、この放送大学に実際に置かれるコースないし専攻課程の一つの試案ではあるわけですけれども、三コース、六専攻となっている。そうなると、評議員六ないし十二人というのは、この三コース、六専攻、ここから一人ずつ出れば六人、二人ずつ出れば十二人ということで、結局、評議会の構成メンバーというのは、大学本部の教員代表、ここでいわば独占される形になって、放送大学にとって非常に生命だというふうにあなた方も言っている地方の学習センターの個々の教員が、評議会に加わって必要な地方組織の意見を反映していくということにはおよそならぬのではないか。また、そんな必要がないという考えで、六人ないし十二人という人数がつくられてきているのじゃないかというふうに私は思う。この点どうですか。
#137
○政府委員(宮地貫一君) 教育上の組織といたしまして、もちろん試案でございますけれども、三コースそれぞれに二つの専攻を置くという考え方については、従来からも御説明をしているとおりでございます。ただ、御指摘のように、具体的な評議会の構成員をどう決めるかということについては、評議会みずからが決めることになるわけでございまして、御指摘のような学習センターの代表の方が構成に加わるということも私どもももちろん望ましいことだと、かように考えます。
 ただ、実際の具体の決め方については、これはやはり大学がお決めになって、最も大学としてふさわしい決め方をされるものではないかと、かように考えております。そうして、もちろんこの評議会の規定はこの法律に規定をしているわけでございますけれども、これは、言うなれば一番基本になる組織としまして法定をいたしているわけでございまして、ほかに全体的な教授会の持ち方について、やはりこれも大学みずからが教授会の持ち方というものをどういうぐあいに考えていくのか、そうしてそれぞれの学習センターにおいては、また学習センターにおいての問題、それから学習センターに共通するような全体的な問題そういうような、もちろん大学の運営全体、特に教学の面におきます運営全体については、いろいろな角度から、その問題をどう取り扱っていくかということについて、なお大学自体で十分御検討になった上で、それらの点については、必要な全体の管理運営面で最もこの大学にふさわしいあり方というものが検討されるべきもの、かように考えます。
#138
○佐藤昭夫君 その評議会をどういうふうに構成するかというのは発足をした大学自体がお考えになることだということで、すべてそういうふうに問題をそこへ逃げていくわけですけれども、少なくとも六ないし十二人というこういう人数で四十七都道府県にまたがる地方組織のそこの意見が十分くみ入れられるような形態になってないというのは、これはもうおよそ明らかだと思うのですね。
 それで、具体的に、たとえば十二人のうち六人程度は地方の代表だと、こういうことも言われるかもわからぬ。しかし、岐阜県の学習センター、そこでいろいろ起こっておる放送大学運営上のさまざまな意見、こういうものを岐阜県の意見を代弁をして愛知県の学習センターの代表が評議会に反映をするということは、これは実際問題としてできないことです。常識的に考えれば四十七人以上の代表をもって放送大学の全学最高機関をつくっていくというのがむしろ当然の常識的方向じゃないか。民主的運営を本当にやろうと思うのであれば、なぜそういう提案が出なかったのか、その点を重ねてお尋ねします。
#139
○政府委員(宮地貫一君) 評議会の法定をいたしております点は従来御説明したとおりでございますが、ただいま御指摘の点に即してお答えをするとすれば、たとえば学習センターというものがそれぞれ置かれる。さらに、全国的に完成を見た時点で申せば、四十七都道府県にそれぞれ学習センターが置かれるというようなことになるとすれば、そこは当然にこれは大学の方で御検討になることでございますが、具体的に申せば、たとえば学習センター長会議というようなものも、内部で考えられる一つの機能を果たす仕方としては、そういうものも当然に考えられるわけでございますし、また個々の学習センター内部におきます対応といたしましても、学習センターにおきます教官会議というようなものももちろんこれは個別の学習センターで持たれることになろうかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、そういう全体の組織機構、従来の大学の形態とは全く異なる新しい形でのこういう放送大学でございますので、私どもとしましては、これからつくられていく放送大学みずからが、そういう処理について、もちろん十分学内の意見を吸い上げるためのいろんな組織というものが当然に考えられ、そしてそういうものが積み重なって放送大学みずからの自治というものが行われていくことになると、かように考えております。
#140
○佐藤昭夫君 予定の時間がもう迫っておりますので、大臣に最後に一問だけお尋ねをしておきますが、午前中、勝又委員の方から、この放送大学構想には非常に膨大な財政の裏づけを必要とするんだと、しかし片や今日、国の財政再建、行政改革ということがいろいろ言われているこの時期に、果たしてこの放送大学構想についての財政的保障はあるのかという問題を重ねて質問をされていました。で、大臣は総理に対して二回となく三回、何回にもわたってその点の確認をとってきているという話、ともかく早う法案を発足をさしてほしいという言い方であったわけですけれども、私少し角度を変えてもう一遍この点を聞いておきたいのですけれども、今日の行革方針、これでいきますと、新たに特殊法人はふやさないということで、何か新しくつくるときには当然既存の特殊法人についてはこれをスクラップするというこういう方向でいろんな検討作業がやられているわけですね。文部省傘下の特殊法人について言えば、学校安全会と給食会、これを統合をして健康会というものにこれをひとつ統合していこうと、こういう法案が衆議院にも出されているということですが、文部大臣、本来この文部省がとるべき国会に対しての手続としては、これあと参議院の会期が非常に限られておる、こういう状況で、安全会と給食会を統合をして健康会一本にしていくというこの法案が、十分参議院で議熟して今度の国会で結論が出るかどうか、これはわからないわけですね。そこまでは言わなくても、いままでの手続を振り返ってみても、当然スクラップする問題、ここの結論がはっきりしていないままに新しくつくる放送大学のこの特殊法人の問題だけをやいのやいのと国会へ持ってきた、こういうやり方というのはこれで理屈通っていたというふうに思いますか。
#141
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生から御指摘の問題でございますが、これはいままでの論議の過程においていろいろ出た問題でございます。しかしながら、御心配の点につきましては順調に審議が進捗いたしておるように拝聞いたしておりますので御心配のようなことはないであろうと、これは院の議決の問題でございますからわれわれ政府側で何とも申し上げられませんけれども、かように信じておる次第でございます。
#142
○佐藤昭夫君 大臣はもう少し事実をクリアに把握をしてもらっておく必要があると思いますよ。順調に進捗していると言ったって、参議院では健康会法案というのはまだ審議入りもしていないじゃないですか、当委員会では。何が順調に進行しているのか、ちょっとあさって向いたような答弁をなさらぬように、よくこの事態をクリアに見詰めて、しかし本来もう少しさかのぼって振り返りみれば、本当言えば、まずこの特殊法人のスクラップをどうするかという問題をこれを結論を出した上で新しくこういうものをつくりたいという、こういう順番で国会への提起があってしかるべきではなかったかということを申し上げておるのです。
 以上です。
#143
○小西博行君 放送大学法案も大体終結の方向に来たというように私は考えているわけでございます。ただ、いままでの質問の経緯を踏まえまして確認というようなかっこうになろうかと思いますが、少し質問さしていただきたいと思います。
 まず、この放送大学学園ができまして、最終的には学生が四十五万人というふうな大変大きな構想になっているわけであります。そのために膨大な数の学習センターを全国に配置しなければならない。しかも、教職員の数というのは最終的には七千名以上に余るというようにも聞いているわけです。そういうような非常にたくさんの設備をして大規模な大学志向をしているわけでございますけれども、どうもそういう話を質問の中で確認しながら、現実にそれほど先を争ってこの放送大学に入りたいという方が大ぜいいらっしゃるかどうかというのが、私は実は多少疑問を持っております。と申しますのは、私はこの放送大学に期待するものというのがはっきり一つあるわけです。それは既存の大学にないものを、この放送大学の中で一般既存大学に大きなインパクトを与えていただきたい。これは唯一の大きな実は期待なんです。しかし、どうも放送大学法案ということになりますと、テレビ、ラジオでほとんどの講義をやり、そしてそれを聴講することによって、もう自然に単位が取れ、四年間で卒業できるというような多少私は誤解があるんではないだろうかなという感じが実はしているわけです。そういう意味では、どうも映像によるあるいはラジオによる大学というよりは、むしろ通信大学としてやっぱり私は完備させていく必要があるのではないかなあというように感じているのです。で、通信大学プラス、たとえば理科であるとかあるいはその他映像の方が非常に有利な科目が私はあると思います。そういう意味でテレビを有効に活用していただく。このように考えてみますと、むしろ通信大学をもっといままで以上のよいものをつくっていく、この辺に力点を置くべきではないかというふうに私は考えているわけなんですが、どのように文部省お考えでしょう。
#144
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のありましたように、この放送大学が既存の大学に対してもインパクトとなり、既存の大学についてのひとつの改革なり改善のよすがになるということも、確かに非常に波及効果として考えられる非常に大事な点ではないかと、私どももさように把握をいたしております。御指摘のテレビ、ラジオだけで大学卒の資格が得られるというような誤解を多少与えているんではないかという点がございましたが、それらの点については当委員会でも慎重な御審議をいただいている中で私どもも十分説明をしてきたつもりでございますけれども、テレビの視聴等は三分の一、スクーリングが三分の一で、印刷教材――これは添削等も含まれるわけでございますけれども、三分の一というような授業形態で考えているわけでございます。
 そして、お話しの点は、通信教育といいますか、むしろそちらの方から徹してやったらどうかという御指摘のように伺ったわけでございますが、もちろん従来の通信教育というものの考え方、そういう点に立ってはいるわけでございますけれども、要は放送を教育の機能に用いる、その使い方としてテレビ、ラジオそれぞれ一波ずつ確保して、これを単に教育以外のものに使うよりはむしろ教育のために使うべきではないかという考え方があって、まさにそれはそれとして受けとめるべき事柄ではないかと、私どももかように考えているわけでございまして、そういうことがこの放送大学というものに結実をしてまいりました今日までの経過があるわけでございまして、私どもはそういう通信教育の基本というようなものももちろん踏まえながら放送を教育に使う、それも正規の大学教育の授業の形態に取り込むという形で御提案申し上げている放送大学が、授業科目でございますとか、授業形態その他今日まで説明できる範囲内のことはもちろん御説明してきたつもりでございます。そういう意味で、先生御指摘のような意味を十分持たせるような形で、私どもとしてはこの放送大学なり放送大学学園というものの推進を図ってまいりたい、かように考えております。
#145
○小西博行君 そして、この委員会でもしょっちゅう出てまいったわけでありますが、新しい大学と、放送大学学園というのは既存の大学ではないんだ、何かすばらしい非常に新しいものなんだというようなお答えがずいぶんたくさん出てまいったわけなんですけれども、私は、その新しい大学というのは実は放送することによってすべて新しくなるというふうに考えないわけです。その放送を通じるというよりも、むしろ放送で大学を――もちろん講義はするわけでありますけれども、その内部的なもっとカリキュラムの編成その他あるいは授業のやり方、この辺に何か新しいシステムがなければ新しい大学とは言えないんではないかというふうに考えているんです。一番わかりやすいのは、たとえば英語教育だと思うんですね。たとえばずっと大学まで出るということになりますと、中学から十年間の英語教育を普通皆さん受けるわけです。しかし、日常会話もほとんどできないような英語教育というのは現在でも現存しているわけですね。そういうものに対してどういうようなシステムでテレビを通じ、あるいはラジオを通じ教育すれば英会話ぐらいは自由にできるようなそういう教育ができるのかという、ここが一つの問題点だと思いますけれども、そのように考えた場合に、じゃ新しい教育の仕方とは一体何かという問題が、私、出てくるんじゃないかと思うんですね。これは恐らく答弁としては大学をつくってからということに当然なると思うんです。ですから、あえてそのお答えは聞きませんけれども、そういう新しい大学というのは新しいシステムがあり、新しい教え方があるんだ、科目も新しいんだというところに実は私は問題点がある、力点があるんではないか、そのように考えるんですね。ですから、その辺のところをよく整理していただきたい。そうして、こうやって質問を毎回毎回皆さんやるわけなんですけれども、これは文部大臣にちょっとお尋ねしたいと思います。
 私は以前小樽の小学校のいろんな教育の問題で質問をさせていただきました。そのときに、文部省というのは責任があって権限というのは全くないんですという答弁をいただいたことがあります。そういう意味では、われわれがいま一生懸命に文部省に対して質問をして、そしてこの点は大丈夫ですかという確認を何回もしていると思います。そのことに対して、通過したら今度新しく大学ができます、そのできたときに、文部大臣の権限としてどういうようなことができるんだろうかなと、責任は当然あると思います。いろんなことを追及されると思いますけれども、その権限という意味ではわれわれがいまいろいろ発言していることがどういう形で新しい大学の準備会とかあるいは役員の方にアプライされるんでしょうか、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思うんです。
#146
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま文部大臣の権限問題につきましてのお話でございますが、この新構想大学を設立する過程におきまして、今日までいろいろな人事その他の点におきましては権限があり過ぎるじゃないかという御質問もあったような次第でございますが、いま先生のおっしゃっておられることは、新しくできた大学、そのできた大学の中における学問の自由あるいは研究の自由、そういう問題について文部大臣はどれほどの権限を持ち得るかという点に帰納されるんではないか、かように存じますが、その点につきましては、私は、今後の問題ではございますけれども、やはり大学の自治というものを高く評価して、これにつきましてはいわゆる政府その他の関係というものは控えていかなきゃならない、かように考えております。
#147
○小西博行君 その辺が私からすると非常に頼りない感じに受け取れるんです。ただ、理事長は文部大臣の任命ということになっておりますから、文部大臣の意向が十分に理事長によって反映されるというように解釈すれば、これはかなりわれわれが言っていることが確かにその大学に影響を与えるだろう、このように実は考えるわけなんですけれども、どうも責任、権限ということになりますと非常に漠然としてくるものですから、その辺が実に不安になってまいりまして、いろいろ質問してもその点の答弁の重みがわれわれにぴんとこないものですからあえて質問さしていただいたわけであります。
 それからもう一点は、最近の大学というのは特に私立大学の場合は学生数が非常に多いです。したがいまして、特に文科系の場合は学生と先生とのコミュニケーションというのが非常に問題になっております。名前すら覚えられないというのが恐らくほとんどじゃないかと思います。工学部でも恐らく百八十人とか二百人というような非常に大世帯になっております。そういう意味で今度の放送大学ができた場合には大変な数という、数の勝負だと思いますね。大変大ぜいの学生をどうやって指導するのかという、あるいはコミュニケーションを図っていくのかという、あるいは研究をやっていくのか、こういう問題が私は一番大きな要素になってくるんではないかなあと。そのためには、前回も質問したと思うんですが、やっぱりこの放送大学学園の本部とそれから学習センターの機能というものをかなり明確にしておく必要があるんではないか。そして、もうこれは言うまでもなく、その教官連中ですね、まあ若手の非常に意欲のある教官が働きやすいような、将来性が持てるようなそういう研究施設なんかの充実ということも、これは大変お金のかかることだと思いますけれども私は必要ではないかというふうに考えているわけなんです。そしてまた、この放送大学法案というのは非常に賛否ともに大変際どいと思うんです。私なんかにいたしましても何もかも全部賛成ではもちろんございませんし、むしろ問題点をたくさん持っている人間の一人です。したがいまして、五一%将来にかけて賛成するという方をとるか、いや四九%だからどうしても反対の方が二%少ないんだということで反対をとる、つまりもう九八%賛成だというのが非常に少ない法案だと思うんですね。大変不安な要素をたくさん持っておられると思うんです。これは宮地局長の場合だって一〇〇%じゃないと思うんです。こういう問題がたくさんあるなと思いながらも、これはどうしても、この際、通さなければ困るという問題だと思うんですね。その辺のところを十分委員の皆さん方は、これは自民党の方はもちろんだと思います。内部にはいろいろな問題があるわけですね。しかも、それを何とかして、この際、法案を通して新しい何か大学をつくっていただきたい、先ほど申し上げたとおりですね。で、そういうものに対する期待というのが当然あって、そしてこの法案はその数が多ければやっぱり通過するということだと私は思うんですね。その場合に、この手を離れて後の、これは勝又委員からもお話が午前中出ましたけれども、やっぱり実態調査をもう一度練っていただきたいんです、果たしてそういう放送大学に行きたいという方がどれだけおられるか。これはもう全国各地でやっていただきたいと思うんです。そのときにアンケートの内容を一遍この委員にも見せていただきたいと思うんです。たとえば、勉強したいですか、したくないですかというアンケートをとりますと、みんな、したいですと必ずおっしゃると思います。ですけれども、これは先日来、私が質問さしていただいておりますように、現実のカリキュラム、四年間で卒業するんだったら毎日四十五分の授業を六日間聞かなければいけません、なおかつ前後にやっぱり二時間ぐらいの予習復習をしてください、そして毎週スクーリングに行ってください、そして厳しい試験に合格しないと単位はもらえません、ここまでやっぱり私は明確にして、そしてその賛否を問うべきじゃないかと思うんです。そういうことが全然なしに、非常に抽象的な質問で皆さん方に回して、国民の世論はもう全部勉強したいというような方向にいっています、このようなことのないように、ぜひ皆さんに回す前にわれわれせめて委員ぐらいはその内容について多少の検討もさしていただきたい、こう思いますが、局長はどうでしょうか。
#148
○政府委員(宮地貫一君) けさほどの御質問にもあったわけでございまして、もちろんお尋ねいただいておりますことは、この放送大学が真に国民に望まれている大学というものをつくり上げていくための一つの手順として慎重にそういうことをすべきであるという御指摘と私ども承っております。
 けさほどもお答えしたわけでございますが、この放送大学学園法案を成立さしていただければ、特殊法人の放送大学学園が発足をすることになり、その学園が放送大学の設置認可申請を文部大臣に出すという手続になるわけでございます。その大学づくりに先立ちましてそういうような調査をやはりすべきであるという御指摘でございまして、私どももそういうことについては積極的に対応したいと、かように御答弁申し上げているわけでございます。そして、さらにその内容についても、十分先生方御関心をお持ちいただいているわけでございまして、それらの点についても私どもも積極的な対応で考えてまいりたいと、かように考えております。
#149
○小西博行君 単位の互換であるとか、あるいは編入転学、あるいは障害者のための教育条件ですね、こういうものを、もういまから、法案が通過したらすぐに条件整備をひとつしていただきたいというように考えているんです。
 つまり、これ「放送大学について」というのを文部省大学局が出しておりますね。このカリキュラムの内容をずうっと見せていただきますと、たとえば転学という場合、つまり放送大学で二年間やってそして一般大学へ入るという場合に、当然そこに試験がありますね。試験に対応できるような科目をやはり整備されておく必要があるんじゃないかと思うんです。これは大学によってずいぶん受け入れ側として試験のやり方というのは当然違うと思います。科目をちゃんと規定している大学もあると思いますし、あるいは論文とか、あるいは成績なんかである程度緩和していくというやり方もあると思いますけれども、これはむしろ既成大学に対する準備期間ということですね。そういうことを十分にアピールをひとつしていただいて、そして放送大学で学んだ方が自由に一般大学にも入りやすい、入れると、そういうようなカリキュラム編成をぜひやっていただきたいというように思います。
 それから最後に、これだけはぜひ申し上げたいんですが、もうずっと前から絶えず質問の中に私は言っておるんですが、放送大学の評価ですね、実際にやって一期計画で何年か当然やられるわけですけれども、この評価については本当に適正な評価内容の決定なんかもしていただきまして、普通の文章だけで全部あらわすんじゃなくて、ちゃんと評価が出るようなことを放送大学につきましてぜひ考えていただきたい。そしてさらに、それが二期、三期と、こう延ばせるような体制を一日も早くつくっていただかなくては余り意味がないんではないかというように考えるんです。
 私は率直に申し上げて、どうも放送大学というのは四十五万人構想という大きな花火を打ち上げ過ぎたんじゃないかなあと、文部省もややそういうような気持ちがあるんではないかと思います。人数ばっかりが大ぜい集まるからといって必ずしも私は社会のためになるとは考えないんです。やっぱり質のいい大学をつくっていくということが将来の発展にとって非常に私は大切な要素ではないか。そうしなかったら、既成大学に対するインパクトどころか、かえって非常に軽べつされる大学になってしまう。そういう大学になりますと当然優秀な教官は全然集まってくれない。こういうような非常に私は問題を含んでいると思いますので、その点を十分考えていただきたい。最後に大臣の決意をお願いします。
#150
○国務大臣(田中龍夫君) 小西委員からのいろいろな具体的な問題を踏まえての御注意に対しましては厚くお礼を申し上げます。
 なお、この大学が発足をいたすことになりました場合におきましては、りっぱな大学としてできますように、また、わが国の新しい文教政策にさらに一歩を加えるという点では非常に意義深いものであると考えるものでございます。今後ともにさらに一層の御協力をお願いをいたします。
#151
○小西博行君 終わります。
#152
○委員長(降矢敬義君) 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。
 この際、放送大学学園法案の修正について、佐藤君及び大島君からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。佐藤君。
#153
○佐藤昭夫君 私は、本法案の終局には反対でございますが、ただいま終局が宣言をされましたので、日本共産党を代表して、政府提出の放送大学学園法案に対し修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されておりますとおりでございますが、これより提案の理由と概要を御説明いたします。
 科学、技術、文化と国民教育の発展に伴って、高等教育の機会均等と学問の公開を求める国民の要求は年々高まっています。二十年前には一〇%にすぎなかった大学、短大などへの進学率が今日四〇%近くまで上昇している事実がこれを端的に物語っています。
 経済的事情その他の理由で高等教育機関への進学を断念せざるを得なかった人たちや、また学問の成果を改めて享受することを希望する人たちに対して、大量伝達手段であるテレビ、ラジオを教育の手段とする大学教育を行うことは、国民の教育要求にこたえ、教育の機会均等を進める上で積極的な役割りを果たし得る可能性を持っています。
 この可能性を追究する見地から、わが党はすでに十一年前からテレビ、ラジオによる民主的な大学教育の普及を提言してまいりました。
 同時にわが党は、この大学教育が、放送という一方通行的な伝達手段によって広範な国民に強い影響力を発揮し得ることから、一般の大学教育にも増して学問の自由と教育の自主性が守られ、学ぶ者も教える者も研究する者も、真実と真理にのみ忠実で、他のいかなる強制にも服さないということが制度上からも確保されることの重要性を強調してまいりました。
 それは、今日、教科書攻撃を初め、教育の反動化、解釈改憲から明文改憲に進もうとしている自民党政府のもとで、大学への官僚統制を一層進めようとしている文部省とその意を受けた一部学者らの手による思いどおりの支配がなされるような放送大学が誕生すれば、戦前のNHKが絶対主義的天皇制の護持と侵略戦争遂行の思想動員の道具として利用されたあの二の舞を踏みかねない危険性を持っているからにほかなりません。
 ところが、三たび廃案になりながら何ら修正することなく提出されている本放送大学学園法案は、これまでの審議で明らかなように、新しく設立される放送大学を二重三重の官僚統制のもとに置くきわめて危険なものとなっています。
 法案によれば、大学の設置者であり、同時に放送局となる特殊法人放送大学学園の管理運営権は理事長に集中することになり、四名の理事も理事長を補佐するにすぎず、学園の最高意思決定権はたった一人の理事長に専有されています。理事長は放送番組の編集権、理事及び大学教員の任命権を一手に握り、学長の人事についても提案権を持っています。放送大学学園の事実上の独裁者となる理事長のさらに上に文部大臣が君臨する形となるのであります。文部大臣は、理事長及び学長の任免権のほかに理事人事の認可権、学園の重要事項に関する理事長の諮問機関である運営審議会委員及び監事の任命権を持っています。
 放送大学では、大学の自治の基本として法的にも保障されていた教授会自治すら奪われ、教員の人事の選考は、教授会によってではなく、学長、副学長及び理事長任命の少数の教授によって構成される評議会にゆだねられています。
 このような仕組みのもとで、学問の自由、大学の自治、放送の自由が確保され得ないことは明らかであります。しかも、放送大学の設立に当たっては、全国の大学人の声をほとんど反映してこなかったばかりか、逆に無視したために、本大学の成否を決すると言われるスクーリングのための学習センターの全国的設置や実施指導に当たる教職員の確保の見通しも立たない現状です。
 わが党は、このような重大な欠陥を持つ法案に強く反対するとともに、国民の期待に真にこたえる方向で放送大学を設立するために、最小限、次の修正を行うよう提案するものであります。
 まず、この修正案は、第一に放送大学に対する官僚統制を排し、学問の自由、大学の自治を保障すること。第二に、放送大学が国営放送となる危険性を排し、言論、表現の自由、放送の自由を守る、その一環としての異見放送を保障すること。第三に、文部省直轄ではなく、全大学人、教育関係者の総意に基づいて設立と運営を目指すことを修正の基本としています。
 その内容の概要を申し上げます。
 第一に、放送大学の設立に当たっては、同大学が国民の期待にこたえ積極的な役割りを果たすためには、全大学人の合意のもとに英知を集めて設立されることが必要であります。このことは、放送大学完成時には今日の全国の大学生総数の二割以上の四十五万三千人にも上る登録学生を抱え、スクーリングや学習相談などのために全国の国公私立大学の教員の協力を仰ぐ必要からも当然要求されることであります。したがって、放送大学設立後、当初の教員の任命に当たっては、全国の国公私立大学の推薦を受けて日本学術会議の教員選考委員会が選考して文部大臣に推薦し、文部大臣の任命を受けるという方法を修正案はとっています。
 第二に、大学における教育、研究の基本組織である教員集団に教育、研究の専門的諸事項を自主的に決定する権限を与えてこそ、真に学問の自由と大学の自治の保障のもとに大学の目的を達成することができます。
 この保障のために、修正案では、政府原案より評議会の規定を削除し、学長、教員などの選考、任期、人事に関する基準、不利益処分等について、国立大学に準じて行うよう、教授会の権限、教員の権利を明確にしています。
 第三に、放送大学の番組編集権を文相任命の理事長に与えることは放送番組の自由を空洞化させ、放送に対する国家統制に道を開きかねません。放送の自由、学園の民主的運営を確保するためにも、放送大学学園の意思決定機関を合議制の理事会とし、理事長は理事の互選とする。理事は全国の国公私立大学の教員の推薦に基づき、日本学術会議を推薦母体とし、文部大臣の任命を受けるものとする。理事の定数を七名とし、うち一人は放送専門家をもって充てる。運営審議会の委員も、全国の国公私立大学の教員と放送関係団体の推薦を受けて理事長が任命する。学園の予算、決算はNHKと同様に国会の承認事項とすることなどを提案しています。
 最後に、放送教育はきわめて広範囲な影響力を持つため、重要な見解の相違がある場合でも、放送された教官の説が唯一の正しいものと一般に受けとられかねない危険性を持っています。したがって、本修正案では、学術上重要な異見を有する学者、研究者、教育者及び学術団体に教授会の検討を経て一定の条件のもとに異見放送の機会を提供する旨の規定を設けています。
 以上が、本修正案を提出いたしました理由とその概要であります。御審議の上、御賛同くださるようお願いいたします。
#154
○委員長(降矢敬義君) 大島君。
#155
○大島友治君 私は、放送大学学園法案に対し、修正の動議を提出いたします。
 その内容はお手元に配付されております案文どおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 放送大学学園法案の提出は昭和五十五年度でありましたが、すでに昭和五十六年度に入っておりますので、放送大学学園の最初の事業年度は、「その成立の日に始まり、昭和五十六年三月三十一日に終わるものとする。」とされているのを、「昭和五十七年三月三十一日に終わるものとする。」と改めるなどの修正をしようとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  ―――――――――――――
#156
○委員長(降矢敬義君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、安孫子藤吉君が委員を辞任され、その補欠として内藤健君が選任されました。
  ―――――――――――――
#157
○委員長(降矢敬義君) それでは、ただいまの両修正案について便宜一括して議題といたします。
 両修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、放送大学学園法案原案並びに両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#158
○勝又武一君 私は、日本社会党を代表し、内閣提出の放送大学学園法案、自由民主党・自由国民会議提出の修正案及び日本共産党提出の修正案に反対し、すでに提案され審議を行われております日本社会党の放送大学を設置するための国立学校設置法等改正案の発議者である立場に立ちまして、討論を行うものであります。
 放送大学の構想につきましては、国民の高等教育の機会を拡大するとともに、高等教育機関相互の連携協力を促進するなど大学の閉鎖性の打破にもつながること、さらには放送の効果的な活用や印刷教材の発達が教育方法の革新を導く点などメリットも多く、基本的にはその実現を期待するものであります。
 しかしながら、放送大学は、教育媒体として放送を利用することや、通学の課程を持たない通信だけの大学であること、本部と各地に学習センターを有し、通常の大学のようなキャンパスを持たないこと、また既存の国公私立大学の協力が不可欠であることなど、従来の大学とは異なる特色を有しております。したがって、その実現には、法律上あるいは実際上、解決されなければならない重要な課題が山積しているのであります。
 すなわちその第一は、学問の自由、大学の自治を保障し、国からの独立を確保することであります。第二に、放送については、その本質と公共性にかんがみ、国のコントロールを排除することであります。第三は、放送による講義に関して、大学における講義の自由と、放送の持つ特殊性からくる放送法上の制約とを適切に調整することであります。第四は、全国的に教育の機会を保障するとともに、学問や文化の多様性及び地域性を確保することであります。第五は、既存の国公私立大学及び放送事業者との連携協力体制を確立することであります。第六は、教員の研究条件を整備することであります。そして第七は、財政的な裏づけの保障と学園内部における民主的かつ教育、研究重視の予算の確立などであります。
 まず、政府から提案されている放送大学学園法案についてでありますが、これまでの審議の中で明らかなように、これらの諸点に対する配慮が以下述べるように全く不十分であり、とうてい国民の期待にこたえる大学になるとは思えないのであります。
 まず、第一点ですが、言うまでもなく、大学が教育、研究面で活力を持ち、教員や学生を引きつける原動力は、学問の自由、大学の自治が保障され、真理を求める姿勢が最大限に尊重されることにあります。ところで、放送大学は開かれた大学であるだけに、社会的な批判を受けやすく、設置者たる法人が大学の自治への強い意識を欠いたり、大学自体の管理運営機構が万全なものでない場合には、放送大学の自治は歴史的な伝統を欠くこともあって、たやすく崩壊することが懸念されるのであります。
 そこでまず問題なのは、放送大学の設置主体である特殊法人放送大学学園についてであります。学園の役員としては理事長、理事及び監事が置かれることになっております。そのうち理事長及び監事は文部大臣が無条件で任命できることとしております。また、理事については、文部大臣が任命した理事長によって任命され、さらに文部大臣の認可が必要とされており、その職務も、単に理事長を補佐するだけに限定されており、理事会方式がとられていないのであります。その上、学園の重要事項を審議すち運営審議会の委員まで文部大臣が任命することとしております。このように放送大学学園は、文部大臣の意を受けた理事長を頂点とするピラミッド組織となっており、これでは、文部大臣の支配管理も可能となり、国からの独立は保障されないのであります。したがって、放送大学学園は、学問の自由、大学の自治を生命とする大学を設置する組織たり得ないばかりか、さらには、後で触れますように、表現の自由を基調とする放送業務も行うにふさわしくない法人組織と断言せざるを得ないのであります。
 次に、放送大学の組織についてであります。今日まで、学問の自由を守り、大学における自治、管理運営について、その任に当たってきたのは教授会であります。それは、教授会が教員全員で構成されるため、最も民主的かつ基本的、中心的機関として位置づけられてきたためであります。しかるに、放送大学においては、教員が各地の学習センター等に点在するという特殊形態を理由に、学長、副学長及び若干の教授で構成される評議会を設け、これら少数の者に大学の自治の根幹であるところの人事権を付与するなど、少数の評議員中心の大学運営を予定しております。また、具体的な事柄については、特定の教員の集まりである教員会議で決定されることなども審議の中で明らかにされておりますので、放送大学の教授会は実質のない形骸化された機関とならざるを得ないのであります。大学の長い歴史の中で培われ、また憲法、教育基本法、学校教育法の精神でもある学問の自由、大学の自治なかんずく教授会の自治が、こうしていとも簡単に葬り去られようとしていることは断じて容認できないところであります。
 以上のように、学園及び大学いずれも、学問の自由、大学の自治を保障する組織、機構ではないのであります。
 第二点は、放送の自由についてであります。放送業務は表現の自由を根本精神としているため、国からのコントロールを受けることなく、放送の自由が保障されることが特に肝要であります。そのため、NHKの場合は、国費に依存せずに、受信料収入を財源としたり、経営委員の選任に当たって、国会の承認を義務づけるなど種々配慮を行っているのであります。ところで、放送大学学園の場合は、表現の自由の問題はもとより、さらに、大学教育に放送を活用する権利をほぼ独占的に有することや、教育の機会均等の立場から、政府が全額出資し、その運営費もほとんど国が補助せざるを得ないことなどからして、国からの独立性を保つことについては一層の配慮が必要であります。しかしながら、放送大学学園は、さきに述べましたように、国からの独立性がきわめて弱く、また、大学に学問の自由、大学の自治が十分保障されていないことからして、事実上の国営放送になりかねないのであります。これでは、国民の世論操作や思想統制の手段に放送大学が利用される危険性があると言わざるを得ないのであります。
 第三点は、大学のカリキュラム編成権と学園の持つ番組編集権との調整の問題であります。放送法四十四条三項では、放送事業者に対して、政治的公平や論点の多角的な取り上げなどを、番組内容への制約事項として規定しております。これと大学における講義の自由とをどのように両立させるかは、きわめて重要かつ困難な課題であります。イギリスのオープンユニバーシティーで軍縮問題の放映に関して、BBCとトラブルが生じたのもその困難さを物語っております。政府は、放送事業者と大学設置者とを同一法人とすれば番組編集権と大学の教学権との調整が可能であるとして、特殊法人方式を採用しております。しかし、それが可能であるためには、大学に学問の自由、大学の自治が保障され、学園に国からの独立が担保されることによって、両者が不当な批判や圧力に対して、毅然とした態度をとり得るという前提が必要であります。すでに述べましたように、それらが保障されていない政府案では、両者の調整が国民の目に触れないところで、しかも理事長の強い権限を背景に、番組編集権優位のもとに、安易にそれも萎縮した形で解決されるおそれが強いのであります。したがって、放送番組は無味乾燥で、水準の低い魅力の乏しいものにならざるを得ないのであります。
 第四点は、国民の全国的な教育機会をどう保障するかについてであります。放送大学の最大のメリットは、大学が近くにない人などに高等教育の機会を与えることができる点にあります。その意味では、高等教育機関の少ない地域から発足するのが当然であります。しかしながら、政府案の場合、放送大学が強く望まれる地域を後回しにし、とりあえず東京周辺地区からスタートしようとしているばかりでなく、その将来計画もあいまいであり、全国的に完成する目途も明らかにされておらず、まさに本末転倒とのそしりを免れないのであります。
 また、大学にとって重要なことは、その学問成果を地域に還元するとともに、地域からも学ぶという姿勢であります。こうしてはぐくまれる地域に密着した学問、多様な文化がそれぞれ刺激しあったり、統合する中で、学問の進歩、文化の発展が可能なのであります。しかしながら、政府案の場合は、将来も画一的な放送番組を全国一律に放送することを予定しております。これでは、地域に根差した活力のある教育、研究は相望むべくもないのであります。
 第五点は、既存の国公私立大学及び放送事業者との連携協力体制の確立についてであります。
 放送大学の教育を質の高い充実したものとするためには、研究心が旺盛で優秀な教員の確保が不可欠であります。それには、既存の国公私立大学の協力が必要でありますが、それは至難のわざと言わなければならないのであります。すなわち、放送大学における教育、研究の自由、大学の自治の保障と放送の自由の確保が十全でない上、さらに放送大学の教育、研究条件が劣悪であるため、研究者にとって魅力の乏しい大学であるからであります。また、既存の大学においても、教員の不足、研究時間の減少等教育、研究条件に余裕がある状況ではなく、放送大学の非常勤講師の確保すら困難と言わざるを得ないのであります。ところで政府案では、教員の人事交流を活発にし、教員の確保を円滑にするため任期制を採用しております。しかしながら、他の教育、研究機関のみならず、わが国の社会全体が終身雇用制の中で、放送大学だけが任期制をとった場合、教員の身分が不安定化したり、人事管理の手段と化することが考えられ、教育、研究の自由な活動に支障を来すことが危惧されるのであります。したがって、任期制は、既存の大学の教員に一定の期間、義務的、強制的な協力を求めることはできても、優秀な教員に熱意を持った教育、研究を求めることはできないと言わざるを得ないのであります。
 次に、放送大学学園は、全く新たに放送業務を行うことになるため、スタッフ、技術等いずれも既存の放送事業者の協力が不可欠であります。教育放送の分野では、特にNHKが大学講座等の実績、経験も豊富であるため、NHKから人的、物的両面にわたっていかに援助、協力を得るかが重要な課題でありますが、そのあり方や、放送番組の制作に当たっての業務委託の方針等についても、具体策が明示されておらないのであります。また、NHKも、今後第三チャンネルを中心に教育番組を一層充実する方針であり、一面では放送大学と競争関係になることもあり得るため、その協力関係の確立には万全を期す必要があります。それにもかかわらず、こうした認識を欠く放送大学の構想が成功するかどうか危惧せざるを得ないのであります。
 第六点は、教員の研究条件の整備についてであります。放送大学の教育が水準の高いものとなるためには、教員の研究条件が保障されねばならないことは申すまでもありません。しかしながら、放送大学は研究より教育中心にならざるを得ない性格を持っているのであります。すなわち、第一に、教員構成が、専任のほか多くの客員教授や非常勤講師に依存するため、学問的にまとまった教員集団でなく、教員の共同研究や教員相互の指導関係が確立しにくいこと。第二に、放送大学の対象分野からして、教員の専門が広範にわたるところから、それらの広い分野にわたって、研究施設設備を完備することが困難であること。第三に、放送大学の教員は、放送教材の製作の中心となるという重要な職務のほか、出題通信指導、スクーリングなど一般の大学の教員に比して、教育面に向けられねばならない時間と労力が多いことなどであります。したがって、十分な研究費の確保や、他大学との研究上の協力関係の確立のほか、ある期間を研究に専念できるようアメリカの大学教授に保証されているサバティカルを公認するなど、抜本的な研究推進施策が必要であります。しかし政府案では、それらについて具体的な施策を明らかにしていないばかりか、任期制を採用して長期的な研究を行いにくくしたり、従来の設置形態と全く異なる特殊法人立としたため、既存の国公私立大学との連携を行いにくくするなど、研究上むしろデメリットとなる制度がとられているのであります。
 最後に、財政面の問題についてであります。放送大学は巨額な経費を必要としており、政府は財政状況のいかんにかかわらず、それに十分な財政措置を講じなければ放送大学の成功はおぼつかないのであります。しかしながら、放送大学は特殊法人立であるため、予算の獲得に他大学と足並みをそろえることもしにくくなりますし、また任期制のもとでの教員では、本腰で大学拡充のために努力する姿勢も欠如するため、大学側の要請に応じた十分な財源措置は期待できず、政府主導の予算とならざるを得ないのであります。しかも、学園の事業計画、予算、決算等については、年度ごとに文部大臣及び郵政大臣の認可または承認を受けることが義務づけられるなど、予算、財務関係については政府の意向にがんじがらめにされておるのであります。
 また、学園内部における予算の配分につきましては、すでに述べましたように、理事長への権限集中、大学に対する学園の優位、教授会の形骸化等の状況からして、民主的かつ教育、研究重視の予算を望むことは不可能と言わざるを得ないのであります。
 以上、るる申し述べましたように、政府提案の放送大学学園法案には多くの問題点があるため、強く反対せざるを得ないのであります。
 このような政府案に対しましては、一部修正ではきわめて不十分でありますので、日本社会党は抜本的な対案を提出した次第です。
 社会党案の柱は、第一に、放送大学を国立の大学として設置すること。第二に、その教育に必要な放送はNHKが行うこと。第三に、放送番組は放送大学のカリキュラムに準拠しなければならないことなどであります。
 社会党案のメリットにつきましては、すでに提案理由の中で詳しく述べておりますので、ここでは主要な点を簡単に述べさせていただきます。
 第一に、国立大学として設置する点についてでありますが、それによって、既設の国立大学と同様に、人事権を初めとする重要な権限は教授会に属することとなり、大学運営に教員全体の意見が反映され、学問の自由、大学の自治が保障されることになります。また、放送大学に不可欠な既設の国立大学等の教員の協力を得る上でも、特殊法人方式に比べ有利であるほか、教員には教育公務員特例法上の身分保障もされ、教育、研究の自由が確保されるのであります。
 第二に、NHKが放送を行う点でありますが、NHKはさきにも述べましたように、国からの独立について種々配慮されており、放送の自由が確保されているのであります。また、多年にわたる教育、教養放送の経験、放送技術の蓄積、施設設備、スタッフ等も活用できるとともに、速やかな全国放送の実現やローカル放送の活用のほか経費等の面でも利点が多いのであります。
 第三に、放送大学のカリキュラム編成権とNHKの番組編集権との調整は、イギリスにおけるオープンユニバーシティとBBCとの関係のように、教育界における提携者の関係に立って、両者の調整が国民に開かれた形で行われることが予定されております。さらに、放送番組が放送大学のカリキュラムに準拠しなければならないことを法文化するなど、その万全を期しているのであります。
 このように、放送大学の生命である学問の自由、大学の自治を保障し、放送の自由を確保することができる日本社会党案こそ、国民の期待に真にこたえるものと確信いたしております。
 最後に、日本共産党提出の修正案についてであります。放送大学学園の役員の任命は、日本学術会議等の推薦した者のうちから行うこととするなど種々工夫は見られるものの、あくまで特殊法人方式を前提としている以上、学問の自由、大学の自治、放送の自由の保障の面での危惧を払拭しきれないため、きわめて遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。
 以上をもちまして、内閣提出の放送大学学園法案、自由民主党・自由国民会議提出の修正案及び日本共産党提出の修正案に反対し、日本社会党案の発議者としての立場を鮮明にいたしまして討論を終わるものであります。
#159
○仲川幸男君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府提出の放送大学学園法案について賛成の意見を申し述べます。
 この法律案は、近年著しい高まりを見せ、かつ多様化しつつある国民の高等教育の機会に対する要請にこたえるとともに、大学教育のための放送の普及発達を図るため、国の出資により放送大学学園を設立し、放送等により教育を行う大学を設置し、当該大学における教育に必要な放送を行うこと等の業務を行わせることを内容とするものであります。
 放送大学の設置形態に関しては、関係者等により、長年にわたり種々検討が行われた結果、現行放送法制上、国立大学方式等については困難な問題があり、大学と放送局を一体のものとして設置するための放送大学学園を設立し、大学における学問の自由と放送番組編集の自由を調和させることが最善の方法であるとされたものであり、本法律案は、その考え方を具体化したものとして、適切なものと考えます。
 放送大学の創設は、生涯教育の充実及び大学教育の改善という見地から、重要な意義を持つものであり、次のような事項を期待することができます。
 第一に、放送大学は、生涯教育機関として、広く社会人や家庭婦人に大学教育の場を提供することが期待できます。
 科学技術や経済の著しい発展に伴い、ますます複雑化、高度化の進む現代社会においては、あらゆる年齢層を通じ、人々の生活課題が多様化し、また、文化的欲求が増大しつつあり、これに対応する教育や学習の機会の整備、拡充が必要になってきています。放送大学は、このような国民の多様かつ広範な要請にこたえて、広く社会人や家庭婦人等に対し、生涯教育という見地からの高等教育の機会を保障することが期待されているところであります。
 第二に、放送大学は、新しい高等教育システムの一環として、今後の高等学校卒業者に対し、柔軟かつ流動的な大学教育の機会を保障することが期待できます。
 今後、十八歳人口の増加に伴い、高等学校新規卒業者で高等教育へ進学を希望する者の数も増加することが予想されますが、放送大学は、テレビ、ラジオによる放送を大幅に活用した新しいタイプの高等教育機関として、既存の大学等と並んで、これらの人々の高等教育への進学の要請にも柔軟に対応することが期待されているところであります。
 第三に、放送大学は、広く関係者の協力を結集する教育機関として、大学間の教員や学生の連携、交流の推進、大学教育の内容、方法の改善にも資することが期待できます。
 放送大学においては、その教育、研究の充実を図るため、広く国公私立大学等と緊密に連携し、これらの教員等の参加を求めるように努める必要があります。また、他大学との学生の単位互換、編入学等についても、これらを積極的に進めることにより、大学間の連携、交流を促進することが期待されているところであります。
 さらに、放送大学においては、最新の研究成果と放送等を利用した教育技術を活用した教育を実施し、また、ここで開発された教材が他の大学等でも活用されることにより、既設の大学の教育内容の充実や教育方法の改善の面においても大きく資するものと期待されているところであります。
 このように、放送大学は、国民の高等教育の機会に対する要請に的確に対応しようとするものでありますが、もとより従来にはなかった新しい形の高等教育機関となるわけでありますので、その計画を実施するに当たっては、従来にはなかった課題が生じてくることも予想されるところであり、また、これまでの本法律案の審議の過程においても、今後における検討課題として幾つかの点が指摘されてきたところであります。
 関係者が十余年という多年にわたり放送大学の創設に向けて取り組んできた熱意には深く敬意を表すものでありますが、今後においても引き続き、これらの検討課題をも含め、さらに調査研究を進め、この大学が、所期の目的を十分に達成することができるような、理想的な形態で実現されることを強く期待するものであります。
 以上の点を述べまして、私は、この法律案に賛成する次第であります。
#160
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、放送大学学園法案政府原案及び自由民主党提出修正案に反対し、日本共産党提出修正案に賛成する討論を行います。
 すでに、わが党の修正案の提案の際に明らかにしましたように、わが党は、本法案の審議に当たって、一、放送大学に対する官僚統制を排し、学問の自由、大学の自治を保障する。二、放送大学が国営放送となる危険性を排し、言論、表現の自由、放送の自由を守る。その一環として異見放送を保障する。三、文部省直轄ではなく、全大学人、教育関係者の総意に基づく設立と運営を目指すことなどを強く要求してまいりました。ところが、政府・文部省は、これまでの国会論議を通して指摘されてきた一連の道理ある主張を無視し、重大な問題を内包させたまま採決を強行しようとしています。したがって私は、それらの問題点を強く指摘し、本法案原案に対する反対理由を再び明らかにするものであります。
 第一の問題点は、大学の生命ともいうべき大学の自治、学問の自由が根底から脅かされる危険性をはらんでいることであります。このことは、放送大学の設置者であり、放送局となる学園の理事長が放送番組の編集権、理事と大学教員の任命権を初めとする管理運営権を一手に握るという理事長専行体制がつくられるようになっていること、しかも、その理事長の任免、理事の人事についての認可、学長の任命、運営審議会委員と監事の任命は文部大臣の権限に属するなど、文部省直轄型の仕組みとなっていること、さらに教員人事の選考権が教授会になく、学長、副学長及び理事長任命の少数の教授によって構成される評議会にゆだねられるなど、教授会の自治権が形骸化されていることなどに明白であります。
 第二の問題点は、大学の自治が保障されていないことと相まって、放送を国家統制下に導く危険性をはらんでいるということであります。
 放送大学学園における理事は理事長の補佐役にすぎず、理事会という合議制はとらずに、理事長の独任制となっています。私立学校法に基づく学校法人では、私学の自主性、公共性を確保するために理事会を合議制とし、理事長は理事の互選で選ばれることとなっており、また、放送法に基づくNHKでは、戦前の反省の上に立って、国家権力の介入を許さないために、経営委員会を最高の意思決定機関とし、業務執行機関である会長は、経営委員会の任命となっています。こうした点と比較しても、放送大学学園は、大学を設立し、放送局を持つという特殊法人にふさわしい民主的運営の法制的保障を全く欠いたものとなっています。このことは戦前、NHKが戦争遂行の思想動員の道具として利用された二の舞を踏みかねない危険性をはらんでいると言わなければなりません。
 第三の問題点は、放送大学が正規の大学たるに値する内容を伴うものかどうか、さらに高等教育の機会均等、生涯教育の充実などにとって重要な役割りを果たすことができるのかどうか、はなはだ疑わしい問題であります。
 基本計画に示された完成時の放送大学の教育、研究条件について、イギリスのオープンユニバーシティーと比較すると、教員一人当たりの学生数は十倍の百二十四人、学生一人当たりの予算は二分の一の約八万円という、きわめて安上がりの大学となることは明らかであります。
 また、文部省が示す第一期計画は、当面東京タワーから電波の届く範囲に限られ、第二期、第三期計画の内容は不明です。第一期計画にしても、学習センターの設置場所や教員確保の見通しなども不明確であり、今日の行政改革のもとでこの第一期計画の予算さえ十分確保できるかどうか危ういというのが実態です。
 最近、自民党が議員提案によって、国公私立大学の新増設を三年間ストップする法案を今国会に提案していることをあわせて考えてみるとき、今回政府・自民党が、放送大学学園法案を通して、高等教育の安上がりと国家統制の一石二鳥を一挙に図ろうとしていることは明白であります。
 私は、最後に、政府・文部省当局の放送大学に取り組む基本姿勢について触れないわけにはまいりません。
 この放送大学学園法案は三たび廃案となっています。そして、長い時間を費やしての審議過程では、多くの問題点が明らかにされ、条理を尽くした諸提案がされてまいりました。本委員会においても、政府に対する質疑のほかに二日間にわたる参考人意見聴取や地方公聴会等が行われ、これらの際にも各参考人や公述人から文部省の放送大学構想に対する強い危惧や批判がこもごも述べられました。にもかかわらず、文部省はともかく提案の形でまず実施に移し、問題点はその中で検討したいという強硬な姿勢を崩していません。
 こうした姿勢のもとでの放送大学の発足が大学人、放送関係者、広範な国民から祝福を受けるものとならないことは明白であります。
 以上、申し述べた理由から、私は本法案の成立に強く反対するものであることを表明し、反対討論といたします。
#161
○委員長(降矢敬義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより放送大学学園法案について採決に入ります。
 まず、佐藤君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(降矢敬義君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の修正案は否決されました。
 次に、大島君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#164
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、大島君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#165
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 柏原君から発言を求められておりますので、これを許します。柏原君。
#166
○柏原ヤス君 私は、ただいま可決されました放送大学学園法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の四会派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送大学学園法案に対する附帯決議(案)
  政府及び放送大学学園の関係者は、学園の設
 置する大学が広く国民に開かれた大学として充
 実発展し、わが国の高等教育の改善と、生涯学
 習の機会の拡充に役立つとともに、学問の自
 由・大学の自治と放送の公共性・公平性とが十
 分に確保されるよう、左記事項の実現に努める
 べきである。
 一、学園の役員及び運営審議会委員の選任に当
  たっては、国・公・私立大学関係団体、放送
  関係団体等の意見を聴くなど適任者の確保に
  努めること。
 二、学園が設置する大学の運営に関しては、評
  議会及び教授会の構成、運営等が、大学の自
  治の本旨にのっとり、適切に行われるよう配
  慮すること。なお、多数の非常勤教員の意見
  の吸収についても、適切な方途を講ずるこ
  と。
 三、学園が設置する大学については、
  (1) 開かれた通信制大学となるため、国・
   公・私立大学等にも広く共同利用の途を開
   くとともに、これら関係者の協力が得られ
   るよう必要な措置を講ずること。特に、私
   立大学通信教育との連携協力については、
   施設、設備、教材の利用はもとより、放送
   の利用についても、検討、配慮すること。
  (2) 全国的に教育の機会均等が保障される大
   学となるよう、再度教育需要予測調査等を
   行い、適切に対処すること。第一期計画外
   の地域においても、この大学を広く国民が
   利用できるよう公開講座の実施などに配慮
   すること。
  (3) 教育課程の編成に当たっては、地域性を
   加味するなど、画一的な教育内容にならぬ
   よう留意すること。
  (4) 教員については、研究条件の整備、待遇
   等に配慮しつつ人事交流を円滑に行い、優
   れた人材の確保に努めること。
  (5) 学生については、そのニーズの把握に努
   め、単位互換、編入転学、障害者の教育等
   を容易にするとともに、学習センターの拡
   充整備、育英資金の確保、週休二日制の一
   層の普及をはかるなど、学習条件の整備に
   努めること。
  (6) 働く人々が、この大学を積極的に利用で
   きるよう、教育課程の編成、放送時間、ス
   クーリング等についてさらに検討するとと
   もに、授業料、放送受信設備費が過大にな
   らぬよう配慮すること。
 四、学園の放送教材製作部門に多数の優れた専
  門家を確保できるよう、処遇等について配慮
  すること。
 五、放送大学の施設整備については、既存施設
  の活用をはかるなど投資効果が上がるよう配
  慮すること。
 六、第一期計画完成の際など、一定の期間ごと
  に教育の効果及び大学教育全般との関係につ
  いて見直しを行うこと。
 七、この大学の名称については、大学の目的、
  性格等を考慮し、公募等の方策を講じて適切
  に決定すること。
  右決議する。
#167
○委員長(降矢敬義君) ただいま柏原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(降矢敬義君) 全会一致と認めます。よって、柏原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田中文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田中文部大臣。
#169
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御決議につきまして、その御趣旨に十分留意をいたしまして、今後ともまいりたい所存でございます。
#170
○委員長(降矢敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト