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1980/06/02 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第15号
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1980/06/02 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第15号

#1
第094回国会 文教委員会 第15号
昭和五十六年六月二日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     内藤  健君     安孫子藤吉君
     小西 博行君     伊藤 郁男君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     安孫子藤吉君     吉田  実君
     伊藤 郁男君     小西 博行君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     小谷  守君
  ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                勝又 武一君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                田沢 智治君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                松浦  功君
                小野  明君
                粕谷 照美君
                本岡 昭次君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
       発  議  者  小野  明君
       発  議  者  粕谷 照美君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省社会教育
       局長       高石 邦男君
       文部省体育局長  柳川 覺治君
       文部省管理局長  吉田 壽雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局次長    林  博男君
       労働省労働基準
       局安全衛生部計
       画課長      山田 正美君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施
 設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休
 業に関する法律の一部を改正する法律案(小野
 明君外一名発議)
○義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施
 設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休
 業に関する法律の一部を改正する法律案(粕谷
 照美君外一名発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 小野明君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案及び粕谷照美君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括議題といたします。
 両案はすでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○本岡昭次君 欧米各国では、勤労婦人の職業と育児を両立させていくために、育児休業制度がいろいろな形で広く普及されていると聞いています。わが国における育児休業制度、これもすでに発足しておりますが、その施策はいまどのように行われていますか、ひとつ簡単に御説明をお願いします。
#4
○小野明君 わが国におきましては、育児休業の法律が昭和五十年に成立をいたしまして非常に大きな役割りを果たしているわけでございます。それに先行をいたしまして、昭和四十七年に勤労婦人福祉法というのが制定をされておるところでございます。ただ、この勤労婦人福祉法というのは努力事項といいますか、「便宜の供与を行なうように努めなければならない。」、こういう義務規定ではない規定があるわけでありまして、これに伴ってそれぞれ奨励の施策が行われているところでございます。
 そこで、チェコあるいは諸外国におきましては、育児休業がわが国のように一年ではありませんで、二年あるいは三年、こういうふうに比較にならないぐらいの年数が育児休業について与えられているわけでありまして、この点は育児休業制度にはいろいろ今後わが国の制度としても、その職種の拡大、あるいは無給でありますからわが国の国情に合わせた有給の制度等拡充をしなければならない問題が多く所在をすると思います。
#5
○本岡昭次君 ただいまの答弁の中にも、昭和四十七年に勤労婦人福祉法が制定されて育児休業制度の導入が奨励をされてきたということであります。しかし、政府はその法の趣旨に沿って積極的に施策を推進する責任があったのでありますが、私の見る限り政府はその責任を果たしていない、こう考えています。現場の教職員の大変な熱意と努力に政府も動かされ、自民党を初めとする各政党も教育の振興、発展のために遅まきながら昭和五十年に育児休業法の制定をしましたが、その法の内容はまだまだ不十分であります。したがって、育児休業法の適用を拡大していくという努力がいま必要であるわけですが、先ほど説明のありましたその勤労婦人福祉法、いわゆる精神規定の程度にとどまっておりますけれども、いわゆる基本的な法律がそこにあります。
 また、昭和五十年に制定された育児休業法の趣旨が、いろいろ不十分ではありますけれども、現在どのように政府の施策として生かされているのか。一応これから論議をしていくために、この勤労婦人福祉法と育児休業法が具体的にどのような内容として、施策として婦人の勤労と育児を両立させるために現在行われているか説明をお願いいたします。
#6
○粕谷照美君 先ほど小野委員からお答えをしましたように、確かに勤労婦人福祉法で育児休業制度をやる事業があった場合には、国の方から一定額の奨励金が支給をされるということになりました。現在、中小企業が一企業三十万円、大企業が二十五万円、こういうことになっているのであります。ですから、労働省としても一生懸命にやるために五十五年度、昨年度からは婦人少年室に育児休業制度普及指導員というものを配置してこれを督促をしている。それから、そういう施策の結果どれだけの数字が実績が上がったかといいますと、昭和四十六年で二・三%であったものが四十九年には五・七%、五十五年には六・六%と漸次増加をしているということがありますけれども、パーセンテージでは私どもはなかなかその実態をつかむことができない。それで、労働省にきのう質問状を出して答弁をとってきたわけですが、実績としては昨年度一年間に中小企業でわずかに百十五企業、大企業では二十企業、それだけしか実施をしていないということでありまして、いかにこの法律そのものが積極性を欠くかということを物語るのではないかというふうに考えております。
#7
○本岡昭次君 私の質問の中で勤労婦人福祉法の状況のいま答弁はありました。しかし、育児休業法の問題についても現在その適用を受けている教職員の利用率等について報告をお願いいたします。
#8
○小野明君 数字の問題になりますが、五十年に制定されました育児休業法によります女子教育職員ですが、この利用率は第一年次におきましては出産者の二四%程度でございます。漸次その数が増大をいたしておりまして、第三年次におきましては五〇%を超えております。第四年次には七十数%に達しておりまして、いろいろ現在の育児休業法、問題はあるにいたしましても、教育職員のために役立っておるということが指摘できると思います。
#9
○本岡昭次君 いまの御報告で育児休業法がだんだん現場になじんできたということが言えると思います。しかし、七〇%では三〇%の人がまだこの育児休業法をとらない、恐らくこの三〇%のうちに、育児のためにせっかく大学を出て教職につきながらやめた婦人教師もいるでしょうし、無給であるがために生活と両立させるために休業法をとらずに働いたという人もあろうかと思います。
 その問題はまた別の観点からとらえていくことにしまして、先ほどチェコスロバキアの育児休業の状況について少し触れられましたが、何も諸外国の例をすべて日本が適用できるということにはならないまでも、やはりこれは参考にすべき事項はたくさんあると思います。そこで、提案者としてつかんでおられる限りの諸外国の育児休業の実情はどういうものがあるか、これについて御説明をいただければありがたいと思います。
#10
○小野明君 これ、諸外国の育児休業の問題をとらえる場合に非常に問題になりますのは、日本の場合はこれ無給ですよね。共済年金の掛金しか支給をされない。私どもはこの育児休業につきましては七〇%程度あるいは最低三〇%の給与を支給すべきである、こういう主張をしたんですが入れられない。したがって、なかなか先ほど申し上げましたようにまだ三〇%の利用者がいないということは、その辺にも原因があるわけです。ですから、この育児休業の制度を論じますには、やはりいま当該国の育児休業期間における社会保障の制度がどういう状況になっておるか、そういう問題とあわせてこれを見なければならないと思うんですね。しかし、外形的に見ますならば、チェコスロバキアでは育児のために二年以下の休暇を要求することができるようになっております。ドイツ民主共和国では、子供が満一歳になるまで無給休暇をとることができますし、さらに満三歳に達するまでは、保育園に入れることができるまで無給休暇を要求することができるようになっているようであります。ハンガリーでは、子供が三歳に達するまで無給休暇をとることができますし、ポーランドにおいても三年間の無給休暇をとる権利が与えられております。ソ連におきましても、一年以内の無給休暇をとることができる。大体外形的には以上のようですが、この実質は、わが国における育児休業の実態とは充実度において相当開きがあるものと、このように推測がされると思います。
#11
○本岡昭次君 そこで文部省にお伺いします。
 いま議題となっておりますこの法律、そして私が質問しておりますこの最大の問題は、学校教育職員、いわゆる学校に働く教職員の中で育児休業の適用を受けている人と受けない人がいる。その法律の中で適用を受けられない学校事務職員、栄養職員、ともに一つの学校を支え、子供たちの健全な成長発達を願って働いておられる人たちです。職種はもちろん学校事務職員であり栄養職員ということですが、子供たちから見れば皆同じように先生です。先生先生という子供との人間関係があり、事務職員の方も栄養職員の方も、そうした自分の職種の問題を離れて、子供との関係においては自分が教師として先生として積極的に子供たちの成長発達のためにかかわっておるというのがこの義務制の諸学校の偽らざる状況であるわけなんです。そうした学校事務職員や栄養職員の中に、特に栄養職員は大部分がこれ女子の職員でもあります。学校事務職員の中にも女子の職員が相当多いというふうに私は見ていますが、文部省が統計上つかんでおられる数として、学校事務職員、栄養職員の中に女子の職員が実際はどのぐらいおられるのか、ひとつ知らしていただきたい。
#12
○政府委員(三角哲生君) 国立、公立学校の事務職員は昭和五十四年度で約六万三千人弱おりまして、そのうちの約三万五千人強が女子でございまして、比率で計算いたしますと五六・六%でございます。それから学校栄養職員は、同じ五十四年度で申し上げますと、国公立の学校に約七千人置かれておりまして、そのうちの九八・二%が女子でございます。また、栄養職員といたしましては、そのほかに共同調理場に勤務をしておる者がおりまして、これは五十五年度の数字になりますけれども、これは約二千九百人置かれておりますが、これについてはさきに申し上げましたような調査をしておりませんので正確には承知しておりませんが、やはり御指摘のように大部分は女子の職員であるというふうに考えております。
#13
○本岡昭次君 そこで、文部省にいまの問題に関連してお尋ねしますが、わかればひとつお答えいただきたいんです。学校事務職員の方が五六・六%、約三万五千人の女子の職員がおる。栄養職員ではほとんどが女子職員ということで、育児休業を問題にする立場から、年齢を言うのはこれは女性の問題で非常にちょっと失礼かもしれませんが、この女子職員の平均年齢というのは一体どのくらいか、おわかりであればひとつお知らせいただきたい。
#14
○政府委員(三角哲生君) ただいま申し上げましたように、一般の事務職員に比べまして女子が多いということはわかっておるんでございますが、平均年齢につきましては、これは調べて計算して出しておりませんので承知しておりません。それから、栄養職員についても同様でございます。
 ただ、東京都の実態をちょっと聞いてみますと、栄養職員の場合には三十五歳以下が七四%ぐらいの数値がございまして、平均年齢で申しますと約三十三歳という数字が出ておりますが、これは東京都の場合に限ってのお話でございます。
#15
○本岡昭次君 それでは続いて文部省にお尋ねをいたします。
 学校事務職員や栄養職員は義務教育の諸学校に配置された歴史が新しくて、特に五十年度以降に定数配置が改善されて、全校配置とかいうこともやっと実現をしつつあるというふうな状況です。したがって、先ほど年齢を聞きましたのも、歴史が非常に新しいということで、それぞれ年齢が非常に若いのではないかということを想像してお尋ねをいたしました。
 そこで問題は、育児休業を適用するにしても、つきまとうのは、予算がどのぐらいかかるのかとか、あるいはまた裏づけのための代替定数をどれほどつくらなければならないのかと、こういった事柄が問題になってきます。
 そこで、文部省として学校事務職員並びに栄養職員の昭和五十年度以降の定数増、これはどのように事実行われ、今後その予定が計画としてあるか、こういう点についてひとつ説明をいただきたい。
#16
○政府委員(三角哲生君) いま五十年度以降の五年間につきましてちょっと資料を探しておりますが、五十五年度からの第五次の義務教育諸学校職員定数改善十二ヵ年計画につきまして申し上げますと、事務職員は合計で六千三百九十二人を予定しております。それから、栄養職員といたしまして四千四百七十五人を予定しておりまして、これの内容は、事務職員につきましては非常に小規模の学校――一学級あるいは二学級の学校を別としまして、三学級の学校については少なくとも四校に三人は配置しよう、それから、それ以上の学校には全部配置する、こういうことで、一、二学級を除きますと全学校の九八%に配置する、こういう計画でございます。
 学校栄養職員の方は、児童生徒数が七百人以上の給食校に一人。それから、七百人未満の給食校につきましては四校につき一人。それから、七百人未満しかない給食校が三校以下、こういった町村の場合に町村に一人置く。それから、共同調理場につきましては三千人以下の場合に一人。三千人以上の共同調理場につきましては二人を配置する、こういうことで計画をいたしまして、先ほど申し上げましたような人数を整備しようと、こういうことをいたしております。
 ちょっと前回の計画いま手元に資料がございませんので、後ほど御報告を申し上げます。
#17
○本岡昭次君 以上で大体基礎的な問題は明らかになったわけです。
 まず一つは、学校事務職員の場合、現在で五六・六%女子の職員がいる。栄養職員は一〇〇%近い女子の職員で占められている。こういうことで、しかも平均年齢というのは明らかにできませんでしたが、恐らくまだ結婚前あるいは結婚されて育児をいま現にしておられる人、そういう人も非常に多いというふうにまず前提としてつかんでもいいと思います。したがって、いま社会党が議員提案としてここで出しております育児休業法を学校事務職員あるいはまた栄養職員に適用をするという問題の必然性というものは当然そこにあると思います。しかし、現在育児休業法が適用をされていないわけで、学校に一人事務職員配置です。複数配置というのはまれにしかないわけです。また、栄養職員は、これはもう一人ということで、結婚して子供が生まれて、そして産休が終わった後、育児と職業を両立させながらやっている、しかも、一人しかその仕事を担当する者が学校の中にいないというふうな状況では学校も大変苦労するだろうし、御本人も両立のために大変厳しい状況に追い込まれると思うんですが、提案者の立場から、具体的に学校事務職員や栄養職員が育児のためにどのような苦労をしているのか、また、働きながら育児をしていくということが具体的な職場でどのような問題を起こしているのかという点について、ここで御説明を賜りたいと思います。
#18
○粕谷照美君 学校事務職員に限らず、すべての婦人労働者について申し上げますと、大体保育所の数が足りない、足りないというだけではなくて勤務時間と保育所で子供を預かる時間というものが一致しているわけですから、勤務しているところに行くための通勤時間というものは子供を一体どうしたらいいのか、それから自分の仕事が終わって帰るまで、その間保育所に預かっている子供をどうするか、この問題があるわけで、どうしても保育所そのものの子供を預かる時間帯というものを変えてもらわなければ事務職員や栄養職員――育児休業のある、産休の制度のある教職員にしてみましてもどうしても二重保育というものが必要になってくるわけですね。非常な苦労をしているわけです。
 それでも教職員は産代制度がありますから安心していままでお産の間休めました。事務職員はそれがなくてずいぶん苦しんで、ついにがんばって、先回事務職員にも産休の制度ができるようになりました。しかし、それでもなおかつ、その保育所は零歳児保育というものが非常に少ないわけですから、そういう子供を育てるための苦労というものは筆舌に尽くせないものがあります。これは若い方々は男性の方でもよくおわかりだというふうに思いますけれども、その一つのあらわれが、先回マスコミでも大きく取り上げられてきましたあのベビーホテル問題だと思います。
 あのベビーホテルに預けている親の職業をTBSで調査したのを私は調べてみましたけれども、公務員というのが非常に多いのです。その中で公務員のほかにわざわざ教職員という言葉が出ておりますが、学校の教師、職員、この人たちが預けているんですね、劣悪な状況の中に。そうしなければ勤められないからでありまして、やっぱり零歳児保育が非常に数の少ない現状の中では育児休業の制度というものは必要である。そして、同じ職場の中で外されております栄養士、学校事務職員あるいは養護学校の看護婦さん、これはまことに申しわけない話ですけれども、病院の看護婦さんに該当していて養護学校の看護婦さんが外されているなんて、こういうことを私どもは黙っているわけにはいかないということであります。
#19
○本岡昭次君 いまもありましたように、何も問題は学校事務職員や栄養職員の問題だけでなく、勤労婦人が育児と労働を両立させようと思えば両立させ得る制度というものが国の施策で、あるいはまた事業所の事業としてそうしたものがなければならない。そうしたものが非常に不備な状態であるからこそ、いまもありましたベビーホテルのああした問題が生まれるし、すべて育児が原因だとは言いませんが、現在の青少年の校内暴力とかあるいは家庭内暴力とかさまざまな非行の現象のよって来る原因がやはり乳幼児から幼児そして児童というふうに、それぞれの育つべき時代が人間として成長発達するように育てられたのかどうなのかということから問い直していかなければならないというところにいまの子供たちの大問題があると、私はこう見ています。
 そういう意味で、学校という一つの職場を限定して見たときに、教員に適用されて学校事務職員、栄養職員に適用されていないというのは、それは婦人労働と、あるいは勤労婦人という一つの問題ではなくって、それは教育職員と事務職員という仕事の内容によって、そこに不当に差別をされた状況が学校の中に起こっていると私は見ています。私も現場におりまして、育児休業法成立の問題に深くかかわってきましたから、育児休業法が成立したときは非常に喜びました。しかし、一方では同じ職場で働く婦人という立場、女性という立場からしたときに、そこに差別が起こったということについては非常に悲しくも思い、腹を立てました。何か政府の政策、考え方の中に、勤労婦人全体の社会的地位をどう高めていくかとか、勤労とそれから育児を両立させていくという福祉の基本というものを考えていくことに大きな欠陥があるということを考えておりました。
 そこで、改めて提案者にお伺いをするんですが、先ほど言いましたように、仕事の中身は直接子供を教える、あるいは教えないということで違いがあっても、勤労婦人、女性として同じ立場にありながら異なった労働条件下に置かれているという現在の不均衡、不平等であろうと思います。これがなぜ第七十五回国会で育児休業法が成立した際に事務職員あるいは栄養職員ともに育児休業法の適用を受けられなかったのか、なぜその対象にならなかったのか、そうした理由というものが恐らく明確にあったろうと考えます。この際、その問題をまずここではっきりさして、果たして適用をさせなかったことが現在のさまざまな実態あるいは法制度のもとでいかに不当であるかという問題を追及しなければならないと思うんですが、その対象にならなかった理由をここでできるだけ詳しく御説明を賜ればありがたいと思います。
#20
○小野明君 本岡委員が御指摘になりますように、校内暴力あるいは非行というのが非常に大きないま社会問題にまで発展をいたしているわけであります。
 そこで、この問題は、言われますように、学校という一つの共同社会における和といいますかね、こういうものが教育職員のみにとどまらず教職員全体を含めた一致協力の和というものが必要であるということは、これは自民党の運動方針にも書いてある。これはもう本岡委員が御指摘のとおりである。それでは、なぜ一致協力ができないかと。いろいろこれは原因がございますけれども、そういう制度的な一つの差別といいますか、言葉が適当であるかどうかわかりませんが、そういうものがありますことも、これは大きく原因として挙げられなければならぬと思っております。そして、これは女子教職員の和も必要だし、これは男女ともに協力しなければならぬ問題ですが、今回私どもが提案をいたしておりますのは、御指摘になりますように、事務職員、それから養護学校の看護婦さん、それから栄養職員と、こういうことになっておるんですが、事務職員と、それからこの栄養職員の方には、第八十四回国会で差休代替の職員の確保に関する法律というのが全会一致で改正をされまして、御承知のとおりでありますが、適用対象に加えられているわけであります。いわば専門性、特殊性というものがここで確認をされたと、こういうことが言えると思うわけでございます。
 それでは、どうして育児休業法が審議をされた際に、それらの方々が適用を除外されたかという点は非常に大きな問題であると思うんですが、一言で言えば、これは明らかな立法上のミスである、こう言わざるを得ないわけであります。これが今回私どもがこういう立法上のミスを補うために提案をしていると。特にまた、養護学校の看護婦さん等につきましては、五十四年から養護学校が義務制に必置になっておるわけでありまして、ほかの医療施設、社会施設における看護婦さんが適用されて、養護学校の看護婦さんが適用されないというのは、これはまた非常に大きな片手落ちな制度になっておる。こう指摘せざるを得ないわけでありまして、こういう明らかな立法上のミスというものは、早急に与野党一致で是正をさるべき筋のものである。現行法制上の大きなミスだと、こう指摘せざるを得ないと思います。
#21
○本岡昭次君 教員と、それから教員の中には養護教員も入っていますが、それから事務職員、栄養職員ということで、そこに教育職といわば事務職というふうな形に法の基礎的な適用が分けられて、教員は教育公務員として教特法の適用があってその専門性が云々される。しかし、事務職員、栄養職員は、いわば教育職じゃなくて、行政職という立場で、県庁、市庁に働く地方自治体職員との関係においてその労働条件等が決められていくと、こういうことがあった。いわば一つの学校の中に二つの法律に根拠を置く職員がおるということがあって、そのことが産前産後の休暇に際して裏づけの代替職員がとれるかどうか、休めるかどうかという問題の大きな隘路になっていたんですが、それはいま提案者が言われたように、事務職員、栄養職員にも産休代替の職員の確保ができるということが法律によってここに定められたことから、いわゆる教育職員、行政職員と、教育職、行政職というその二つに明確に分けて、この学校の中の教職員を見ていくということでなく、やはり学校教育にともに携わる職員であるということから、事務職員にも栄養職員にも教育職との関係における専門性というものを見ていこうというふうになったということは、私は非常に前進だと思うし、学校教育にとって非常にすばらしいことだと思う。そういうふうに一歩前へ進めていったいままでの政府なり文教委員会のこの学校に働く教職員に対する考え方の前進について、私はいままでも敬意を表していたわけで、そういう点からすれば、いま提案者がおっしゃったように、いまになって育児休業法の中に事務職員、栄養職員が入ってないというのはまさに立法政策上のミスだというふうに私も思うわけです。
 そこで、先ほどもちょっと触れましたが、いま行革が花盛りで、とにかく公務員の首を切る、あるいは退職金も減らして何とか支出を減らしたい、また労働者の賃金もできるだけ上げないようにしよう、仲裁裁定の議決案件というようなもの、公務員の人事院勧告もどうなるかわからぬというような状況下で事務職員あるいは栄養職員そのほかさまざまな方に対して育児休業法の適用をしたときに、またお金がかかるではないかということにならぬとも限らぬわけです。したがって、やはり考えておかなければならないのは、育児休業法を適用すれば、それではまずお金の面で現在とどう違うのか。もしこれが成立したとすればどれだけの費用が要るのかという問題もやはり検討しておかなければならぬ、こう思いますが、その点については提案者いかがですか。
#22
○小野明君 この点は、行革問題全体にも触れられたわけですが、これは本当に国民のための行政改革、ニーズにこたえる行政改革という原点に立った臨調であり、行革でなければならぬと思います。現在のところ補助金一律カットということで、いいものも悪いものも一律に切ってしまうというような誤った方針があるやに聞かれておりますが、それはわれわれとしてはそういうものには反対をしなければならぬ。無用なものを切り、有用なものは残していくという基本方針でなければならぬと思います。
 そこで、この国庫あるいは地方公共団体におきます給与負担が過大になるのではないか、こういう御質問であったと思いますが、これは育児休業を受けます女子教育公務員については、その期間、御承知のように、この附則第二項、第三項の「処遇に関する当分の間の措置」ということで、現在はわずかに共済組合掛金相当分、きわめて軽微なものであります。また育児休業で許可をもらった場合には代替職員が雇用されることになっております。これは産休代替法によりましてそうなっておるんですが、代替職員としての臨時職員の給与というのは本務職員よりも非常に劣悪でございます。そこで、育児休業に入りました職員の共済組合掛金、臨時職員の給与、こういうものを合計をいたしましても、育児休業職員が育児休業に入らなかった場合に支給される給与額よりも低いわけです。そこで、この適用範囲を拡大いたしましても、現在よりも国庫や地方公共団体の負担が増大するということは、これは決してございません。これは断言してよろしかろうと思います。
#23
○粕谷照美君 補足。
 私はそれについて予算委員会で質問をいたしまして、文部省の答弁が議事録に載っておりますので説明をしたいと思います。
 昭和五十一年に九千八百件、五十二年に一万二千件、五十三年に一万三千件、育児休業を現在の女子教職員がとっている。そうして、その人たちの平均的な産後の休暇の後の賃金というものは二百八十一万円で、かわりの人の賃金は二百三十七万円ですから、四十四万円ここに差が出てくる、そうして共済組合の掛金を引きますので、大体その休業給が十五万五千六百円ですから、国の予算としては二十八万四千四百円残るという計算が出るわけです。私はもうかると言いましたら、大変しかられましたけれども、育児休業をとることによって国庫の財政が困難になるということではない。ましてや零歳児保育所をたくさんつくっていくというこの国庫予算投入に比べれば、国の予算としてはきわめて大きな、何というんですか、残るという言葉になるんでしょうかね、そういう状況が出てくるということです。
#24
○本岡昭次君 大体私の質問の時間はこれでなくなってきておるんですが、最後に、義務制の諸学校の栄養職員あるいは事務職員、またこれは高等学校の事務職員あるいは養護学校の看護婦さん等々が育児休業法の適用から除外をされているという問題がここにあって、職場の中で同じ勤労婦人という立場から見れば差別的状況が起こっているし、実態としても、学校事務職員の例をとっても、私の持っているこの資料では小中学校の場合、福井県、奈良県、高知県では九〇%以上が女子の職員である。また、八〇%以上を見ても、広島、富山、新潟、山梨、滋賀、徳島、岡山、静岡、香川、千葉等十県もあるわけで、栄養職員はこれはもうほとんどですから、おればほとんど女子ということです。そうして、これらが大部分一人配置ということですので、結婚をしてそして育児ということになれば、すべて先ほど論議したような問題が起こります。学校教育にも大きく影響を受けていくわけで、教育活動そのものにも支障を来します。教育活動に支障を来すということは、これは子供に影響があるわけで、そういう意味で産休の代替法の適用を受けるようになったというその歴史的経過、また、この文教委員会が育児休業法を成立させ、そして産休代替法の適用の拡大を図り、一つ一つ着実に教育の条件整備のために、学校教育現場に働くこの婦人のために積み上げてきたこのいままでの努力をさらに一歩進めて、いま議題にしておりますこの適用拡大の問題をこの文教委員会の総意によって何とか早期に成立をさせて、学校教育現場にこの朗報が伝わって、さらに現場での活気ある、活力ある教育活動が子供たちのために進められることを私はここで強く要望し、文部大臣には質問しませんでしたけれども、私はすべて文部大臣に訴え、文部大臣に質問するつもりで言いましたので、よくひとつそれはおくみ取りいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#25
○国務大臣(田中龍夫君) 本岡委員の御質問並びに御答弁を通じまして、御意見のほどはよく拝聴いたしました。
#26
○大島友治君 昭和五十年に成立したこの育児休業法について、いまいろいろ質問の中でのやりとりがあったわけでございますが、私も基本的に、ひとつ二、三伺っておきたいと思います。
 第一に、この育児休業の適用の対象職種としまして、医療施設あるいは社会福祉施設等の看護婦、それから助産婦、保健婦及び保母等、また義務教育諸学校等の教諭、養護教諭等に限定をされていますことは、法律で明文化されておるわけでございますが、なぜこれらのものに限定したんだろうということについて、その理由を提案者の方からちょっとお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#27
○粕谷照美君 提案者の方で質問をすることが許されませんから問題はあるわけですけれども、たとえば諸外国の育児休業の制度を見ますと、女子教職員だけとか、あるいは清掃婦だけとか、あるいは事務職員だけとかというように、婦人労働者の仕事の内容で育児休業を適用するというようなことはやってないんですね。一つの国の全部の婦人労働者に対して育児休業を適用するかしないかという、そういう法律をつくっております。
 では、なぜわが国でまず最初に女子教職員の育児休業法だけをやっていったか、それはやっぱり必要は発明の母という言葉がありますが、どうしても育児休業を欲しいという、そういう願いが運動になってきて、その運動をやっぱり整合性をつけながら取り上げていった。そしてその先端を切り開くことによって全婦人労働者に開いていこうという、こういういろいろな考え方が錯綜しながら女子教職員における育児休業法という法律が私はつくられたと思います。
 そういう中で、なぜこういう特殊なものにだけ決めたのかということになりますと、この仕事は重要でこの仕事は重要でないなどということはないわけですが、私どもがやっぱり考えてみますに、人間の心身の発達の上で、何らかの形で直接保障しているそういう社会的な役割りがあるということが一つの条件だろうというふうに思います。たとえば、教員というのは教え子がいるわけです。それから、看護婦さんというのは病人がいるわけです。養護に関係する保健婦さんだとかという方々もやっぱり対象が人間の心身の発達に関係をする。それが一つの条件だろうというふうに思います。
 もう一つは、そういう方々の中で、きわめて一定の資格を持つ専門性が高い、つまり人材を確保しておかなければならないという、こういう特殊性が一つはあろうかと思います。それから、伝統的に女の比率の高い職種、あるいは女の職場、こういうふうにされてきたところが、最初に育児休業の対象にされていた、このように理解していただければいいのではないかと思います。
#28
○大島友治君 いま御説明いただいたように、ある面においては理解はできるわけですが、この育児休業法の中でもはっきりされておるように、育児休業というものは結局、職務が非常に専門的である、あるいはまた経験を必要としておるのだというような条件もあるし、また職員に対しても、慣熟した者の離職というものが業務の円滑な実施に支障を来すから、そういうことがないようにというような職種に限定されておるということは、いまの答弁からもわかりますが、この改正案として出されておるものの中で、育児休業の適用対象に加えられようとしておる養護学校等の看護婦、それから学校事務職員、それから学校栄養職員、それぞれの専門性等、育児休業の適用対象に加えなければならないという理由は、いま説明された中との関連もございますが、これはすべてがいまの御趣旨に沿うものであるかどうかということについても若干問題があるんじゃないかということなんで、これらの対象を適用させるということの理由について、ひとつ御説明を願いたいと思います。
#29
○小野明君 学校事務職員にしましても学校栄養職員にしましても、これは学校教育法あるいは標準定数法の中にそれぞれ規定をされておる専門的な職員なんですね。ところが、同じように学校教育法や標準定数法の中に規定をされておる教育職員その他の職員には適用があって、同じように法律上の規定があるものについて適用がない事務職員あるいは栄養職員、しかもこの両者は、先ほど御説明申し上げましたように、産休代替による補助教職員の確保という法律によっても裏づけされておる。こういう法的な根拠から見ましても、さらに学校という社会におけるその職務の重要性というものはきわめて高いわけでございまして、それに適用がないということは、これは法律上にも大変奇異な感を受けるといいますか、確かに欠陥だと、こういうふうに私は言えると思います。
 さらに、先ほども申し上げましたが、他の医療施設あるいは社会施設等の看護婦さん等には適用がありまして、養護学校には特に必置になっておる看護婦さんに適用がないというのも、これまた明らかな立法上のミスということを先ほど申し上げたわけですが、いずれも法の体系から見て、あるいは職務の重要性から見まして非常に片手落ちな法の面構えになっておる、こういうふうに申し上げた方がよかろうかと思います。以上でございます。
#30
○大島友治君 今回は新たな適用を全面的にということなんですが、養護学校の看護婦であろうと病院の看護婦であろうと、その任務、職種の重要性から言えば看護婦に変わりはない。それが抜かれたというのは、これは片手落ちじゃないかということは、一応理解できますが、あとは事務職員の方の問題もございますので、若干また突っ込んで伺いたいと思うのですが、制度的には一応いままで限定されているわけでございますね。そこで、新たにある職種をその対象に加える場合には、私はやはり合理的な理由が必要になってくるんじゃないか。だから、単なる片手落ちだということだけでは済まされない、問題を追求してのものでなけりゃならぬのじゃないか。そうでないと、やはり日本の社会においては育児休業をとることのできない大部分の女性というものがあるわけですから、先ほどもお話がありましたように、外国の場合のように、女性の立場を対象とした普遍的な条件の中でこの法の性質ができておるということであればいざ知らずでございますが、現行法から言えば、やはり同じ職種でありながら対象になっているものとなっていないというようなものがあるので、それを一挙に全部対象にするということについては、もちろん外国の場合と同じようであれば結構でございますが、ただ、特定のものだけを加えていくということになると、大部分の女性が今回の改正案の中では含まれるかどうかということになると、やっぱり疑問が私は生じてくるんじゃないかと。そういう点から、今回の適用範囲を拡大してもなおかつ大部分の女性が対象にならないというときには、女性の方から、それでは偏ったことで違法的なものではなかろうかというようないわゆる批判も受けざるを得ないんじゃないかというようなことで、国民的な同意というか、そういうものを得られない点も出てくるというふうに私は考える。こういう意味からして、この立法についての措置というものは、私は慎重にやらなければならないんじゃないかというふうに考えます。
 こういう点から、学校の事務職員と学校栄養職員についてちょっとお伺いしますけれども、まず学校事務職員に育児休業を保障しようとしておりますけれども、学校事務職員と一般行政事務職員との専門性とか勤務形態、これらについての差だとか、あるいはまた医療施設、社会福祉施設等の事務職員というのは、これはいろいろ施設にはございますが、その中にもやはり事務職員というのは当然おるわけでございます。これらの職員との専門性等の違い、それからそのことはまた学校事務職員にのみ育児休業を認めなければならないという理由がどういうことであるかということについてもひとつ説明をしていただきたい。
 それからまた、学校事務職員の場合、これは学校の事務職員と同様に、県あるいは市町村の事務職員というのも、これは当然おりまして、これらの相互の人事交流というようなことも行われます。その場合に、学校事務職員の場合は、今回の改正によって適用対象になってくるけれども、一般行政の事務職員は市町村の場合ないと。そうすると、そこに非常ないわゆる先ほどのような差別待遇的な現象が出てくる。こういうこともございますので、この対象を拡大していくということについては相当の合理性を持たなきゃならないということも私は考えられるので、その辺のいま申し上げましたような学校事務職員と一般行政事務職員との食い違いが出てくるというようなことについてはどうかというようなこともございますので、それらの点につきましても、ひとつどういうふうに提案者としてお考えになっているか、御説明をいただきたいと思います。
#31
○小野明君 結論から申し上げれば、一般行政の事務職員にも女性保護の立場からこれは適用を拡大さるべきだと私はこう思います。ただ、職務の専門性、重要性がなければ、合理性がなければ育児休業の拡大の理由にならぬではないかという御質問でございますが、まことにごもっともな御質問だと思いますが、この提案理由の説明の中に書き上げておりますように、学校事務職員というのは、これは学校の中でも非常に重要な職務を担当しておる。縁の下の力持ちちといいますか、プロデューサーといいますか、
   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
そういうような仕事を行いながら一般的な文書、統計、給与、経理の事務、特に学校特有な学校教育の理念あるいはカリキュラム、そういったものまでも理解をしておきませんと適切な事務処理ができない。また、PTAの業務といいますか、そういう地域の父母にかかわります諸活動もこの事務職員が結局媒体になって、これが中心になって、そういう業務を任されておる。学校教育というのは授業をするということだけではなくて、家庭教育あるいは学校教育あるいは地域社会というものが一体となってやらなければならぬということは先生も御案内のとおりなんですが、そういうふうに学校というものの中で事務職員の果たす役割りというのはきわめて重いものがありますし、先ほど申し上げましたように、原則としてすべての学校に置かなければならない、こういう法的な裏づけもございます。現在は大体一名ないし複数配置、二名ぐらいなんですが、非常に大きな役割りを持たされている。いわば学校における庶務のほとんどの役割りをこの事務職員が果たしておる。非常に重要な役割りであるということが言えると思うのです。
 それから、学校栄養職員も、これは子供の、あるいは児童生徒の栄養管理という面では、家庭科の教師と連絡をとりながら栄養管理、栄養指導というものを非常にやっておられるわけでありまして、初中局長、体育局長の通達の中でも、この標準定数法にも明確になっておるんですが、学校栄養職員が、栄養管理に当たる教育的専門職員、こういう定義をされておるわけでございます。児童生徒の健康管理に欠くべからざる役割りを果たしているんだと、こういうことを申し上げたいと思うわけでございます。
 なお、これ答弁につきましては粕谷委員が非常に詳しいですから、さらに補足をさせたいと思います。
#32
○粕谷照美君 大体その人が休んだら困るから何とかしてかわりを入れなければならない、こういうことが法律的に取り上げられたのが昭和三十年、お産のかわりに入れなければなりませんよといったその産休法が成立したのが昭和三十年ですね。それから六年たちまして、その産休法のときには寮母さんは適用されているんですね。事務職員の中に入っている寮母さんが適用されていて、事務職の中でも落とされている職種がいっぱいあるわけです。三十六年になりましてこの法律が改正されまして、必ず補助教員を入れなければなりませんよと、こういう法律ができまして、そのときに幼稚園に適用されたり私立学校に適用されたりしました。その後また三年たちまして第二次の改正がありまして、今度は実習助手がその中に入りました。実習助手もこれ事務職員なんですね。ですから事務職員といってもいろいろの種類がありまして、その中から実習助手が入ったり寮母がこの産休法の中に入っていって、学校事務職員だけが取り残されているわけですね。したがって、何とかしてこの産休法、つまり大事な人だからいなくなったら困る、必ずかわりを入れなさいという法律が満場一致でできましたのが昭和五十三年八十四国会で、そのときに事務職員と栄養士が入った。つまり、事務職員と栄養士はそれほど重要な役割りを果たしているんだということが認められたわけですから、産代法で認められた人たちは当然育休法にも認められるべきである、こういう理論が成り立つと思います。
 それから、国家公務員にもずいぶん行政職給料適用者がいっぱいいるじゃないか、地方公務員にもいっぱいいるじゃないか、その人たちとの間で差が出るではないかという大島委員の御指摘はまことにごもっともであります。したがいまして、そういう方々が、では育児休業法を事務職員にだけ適用するのはけしからぬと言っているか、絶対にそんなことはありません。どうぞあなた方、学校事務職員のこの育児休業法適用はがんばってください、こういう応援を私たちいただいているわけであります。では、そういう一般事務の方々は何をしているか。それは自分の県の知事さんに交渉したり、市長さんや町長さんや村長さんに交渉して、そうして条例の中に取っているんですね。
 いまから五年前の一九七六年八月の二十二日から二十三日、自治労の第二十一回婦人部定期大会がありまして、そのときの資料を見てみますと大変なことがわかりました。この法律では昇給換算率というのは十ヵ月休めば半分、こういうふうに認められるという昇給換算率ですけれども、一〇〇%昇給、つまり同期生と同じだという、こういう条件をかち取っている市町村もありますし、保母さんや看護婦さんだけではない、全職種に適用しますよ、一般事務の人たちにも適用しますよということをちゃんと条例の中に持ち込んでいるところもありますし、この法律では無給でありますけれども、有給で一番いいところは三〇%給料出しますよというところもあります。もう共済組合掛金程度というのはこれは当然の話であります。
   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
それから、枠の拡大でいえば、全職種のほかに、この法律と同じようなもののほかに、給食調理員にも適用しますよ、こういうことをやっているところがありますので、法律が前進をしていけば必ず各自治体ではもっともっと前進をするので、そんなに学校事務職員はけしからぬという声は上がらないものというふうに思っております。
#33
○大島友治君 いま学校事務職員等、特に一般行政事務職員との関連等について大分細かい説明がありましたが、まあ申されるように簡単に拡大強化してできることならこれは結構ですけれども、そこらにやっぱり問題があってのいままでのこの現行法になっているんじゃないかという点もわかるわけです。昭和四十九年から、学校給食法の関係に基づいて、病院の栄養士の専門性というものと学校の栄養職員というものとの差異があるのかないのか、あるんじゃないかというふうに考えられますが、その辺の説明ひとつお伺いします。
#34
○粕谷照美君 御質問の内容がちょっとわかりづらかったんで答えづらいんですけれども、学校栄養職員についても教育的な要素だとかあるいはその資質というものは非常に厳しく要請されている点では事務職員と私は変わらないというふうに思っております。学校給食の意義だとか、その年間の計画だとか、大変むずかしい問題がたくさんあるわけですから、私はその点では事務職員と同様だと言うことができるというふうに思います。それから、育児休業の対象範囲というのは、先ほど申し上げましたように、順次拡大していくべきであって、指摘されました職種にも将来は育児休業が適用されるように私どもは望んでおります。
#35
○大島友治君 それから、学校給食の現場においては、学校の栄養士とそれから給食の調理員ですか、もちろんこの両者というものが本当に一致協力してやらなければならないということはもうこれは当然のことでありますが、学校栄養士にのみ育児休業という制度を保障した場合には、いわゆるその内部のチームワークというのに事欠いてくるというようなことが出てきはしないかというふうな感じを持つんですが、その点についての考え方いかがでしょう。
#36
○粕谷照美君 確かにそういうふうに私どもは考えております。それでは、この法律の中にそこまで含めて一緒に出していった場合にどうかという点なども配慮いたしましてこういう法律を出したんでありまして、調理員だとかその他の方々については法律として別に出しておりますので、よろしく慎重審議いただきたいと思っております。
#37
○大島友治君 次に若干文部省にお伺いしたいと思うんでございますが、こういう法案を改正するように提案されておるわけでございますけれども、いま現在の状況から見まして、学校の看護婦とか学校の事務職員、それから学校の栄養職員、これらの育児休業を対象とした場合、それぞれ代替職員をどれくらいこれ確保していかなければならないか、その必要性というものはどの程度なのかという点についてお伺いします。
#38
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘のような学校の看護婦等の方々に育児休業法が適用されたとした場合の必要となります代替職員につきましては、これはやはり教員の場合と若干年齢構成なども違うでありましょうし、そういうことからして的確な推定をするということはむずかしいんでございますが、仮に現在育児休業法の適用対象となっております教員及び寮母の場合の状況を当てはめて考えてみますと、現在それらで育児休業の許可を受けた方々の比率は全女子教員及び寮母に対しまして約六・二八%でございます。五十三年度中に子供を出産して育児休業の許可を得た者の比率でございます。仮にこれと同じ率で考えてみますと、国公立学校の事務職員、学校栄養職員及び養護職員、これの中に看護婦も含めておりますが、それらの中の女子職員数が約四万四千人でございますので、それの六・二八%ということでございますと約二千八百人、こういうことになるわけでございます。
#39
○大島友治君 それから、この学校栄養職員の場合、現在の産休代替の職員の確保がやはり相当これは容易でない、困難な問題であるというふうにも承知しておりますが、無資格者に依存しないわけにはいかないというような状況もこれは指摘されておるということが現況だと私も存じておるんですが、それらについてもひとつ現状どうなっているか、また改正案のように、育児休業の対象とした場合、その代替職員に有資格者というものを確保する見込みがどの程度見通しをつけられるかという点について、ひとつ文部省の御意見を伺いたい。
#40
○政府委員(三角哲生君) 学校栄養職員の資格につきましては、学校給食法におきまして栄養士法の規定に基づく「栄養士の免許を有する者で学校給食の実施に必要な知識又は経験を有するものでなければならない。」と、こういうぐあいにされておるわけでございます。で、学校栄養職員の基礎資格でございます栄養士の免許につきましては、大学、短期大学などの栄養士養成施設の卒業者に与えられるものでございまして、学校栄養職員につきましては、これら大学等の栄養士養成施設の卒業者などを各都道府県において採用しているわけでございます。そして、これら栄養士の資格を有する栄養士養成施設卒業者数というのは毎年二万人近くございます。そして、現在その正規の学校栄養職員への就職の競争倍率も高い状況にございますこともございまして、全体的に見た場合には有資格者の確保について困難を来すというような状況はまだ私どもとしては聞いておらないのでございます。
 ただ、代替要員というような形で個々具体にその地域地域ですぐにそういう要員を確保できるかどうかということは、これはまた若干事情が異なりますので、現在の状況でこれ正確に予測することはむずかしゅうございますし、それから二万人という中にはかなり、実際にそれを実用に供することを必ずしも直ちに考えていない、いわばいわゆるペーバードライバー的な方も入っているかというぐあいに思うのでございます。ただ、申し上げましたような状況がございますので、地域の実情等によっては異なりましょうけれども、全体としてはまあそれほど困難な問題はないんじゃないかというふうに私どもは予想をしておるわけでございます。
#41
○大島友治君 次に、給与の問題について若干伺いたいと思うんですが、昭和四十一年のILOのユネスコの「教員の地位に関する勧告」という中でも無給の育児休業を規定してはいるわけでございます。またわが国の民間企業で実施されておる育児休業を見ましても、ほとんどといっていいくらい無給であるということが言えるわけです。そうした状況のもとで、改正案でこの期末、勤勉手当の支給を提案されておるようでございますが、その理由についてひとつお伺いします。
#42
○小野明君 これは提案が一九六六年ですかね、かなりこれは古いものではありますが、先ほど本岡委員に私がお答えをしましたように、無給といいましても各国によって実態がなかなか異なってくるだろうと思うんですよ、社会保障の充実等もございまして。その点で、この一般的な無給であるべきという無給の勧告というのが、それではその日本の社会制度の中でどのようにこなされるかということは、各国によって違うし、日本の場合もそれによって評価されなければならぬと思うんですが、日本の場合もこれは無給と同じですよね。この問題はいま共済組合の掛金のみという支給ですよね。だからこれはもうほとんど無給と同じ。で、むしろ各国よりも悪いんではないかと、こういうふうに私は見ておるわけです。それは社会保障の充実度から見ましても西欧先進諸国から比べるとかなり寄与率が低いですからね。そこで、問題は育児休業のこの法律案を可決されるまでには数年を要したわけです。私も当時国対におりまして自民党の文教部会とずいぶんいろいろやったんですよ。これはいろいろ折衝の経過をいろいろやるわけにはいきませんが、大体三〇%程度給与を支給するならばこのILOの勧告にも反しないであろう、また三〇%ならばそう多額のものではない。こういうことで一時は合意をしたんですけれども、その後、財政事情も悪くもないのに、政府の方でけちりまして、削りに削ってそうして――まあ内藤先生もよく御存じだと思いますが、最終的には共済組合の掛金と、これは涙金にもならない程度なんですよね。そういうことで落ちつかざるを得なかった。われわれも涙をのんでそこで落ちついたわけです。で、それはやはり育児休業というものがないために退職を余儀なくされるという女子の先生が非常に多いために、これはもろ刃のやいばなんだと思いますけれども、こういうことで現行の制度を可決をしたと、こういう経過がございます。
 そこで、せめて期末・勤勉手当だけは支給すべきであると、こういうふうに思うんですね。期末・勤勉手当は基準日に出ないといかぬと、こういうことになっておるんで、基準日前まで勤めておって基準日にたまたま育児休業に入ったために期末・勤勉手当がもらえないと、こういう不合理がありますから、その在職期間をやはり通算して育児休業者にも支給をすべきであると、こういうふうに私ども考えまして、この参議院第二号の提案はいたしておるわけでございます。育児休業はとりたくないというのは、やはり経済的な負担が非常に重いと、この期末・勤勉手当を支給しても何らILOの勧告に抵触するものではないと、当時三〇%論ならよかろうという論まで自民党内にあったわけですからね。そういうふうに思います。
#43
○大島友治君 財政がそんなに逼迫してないのにカットされたじゃないかというような点もあったが、そういう点から言いますと、今日は大変財政が逼迫しておるものですから、大分これはむずかしくなってくるのじゃないかというような感触もあります。したがいまして、この期末・勤勉手当もせめてということでもありましょうが、これもなかなか私どもむずかしい問題だとは思うんですが、一体これを入れたらどれくらい財源を必要とするか、その辺はどうですか、見当はついているんですか、ひとつちょっと伺いたいと思うんですが。
#44
○小野明君 まあ地方公務員の育児休業の行使状況がちょっとわかりませんので、地方の負担は答えられませんけれども、国の経費は五十七年――この法律案によると、初年度で約七億九千万円、八億足らずの非常にわずかなものなんですよ。ですから、これは当然第二臨調も、行革もこれは対象とすべき性格のものでもないし、また対象としなきゃならぬほどの金額でもない、こういうふうに思いますね。
#45
○大島友治君 問題もまだあるんですが、私は私立学校関係についてちょっとお伺いしたいんですが、私立学校等におきましても当然育児休業法を適用してできるだけ措置をするようにというのは、これは法律上も出ておるわけでございますが、聞くところによりますと、余り私立学校においては普及もされていないようにも考えられるし、もちろん私立学校としては私立学校独特の性格もあるので、一般行政の面からもそう積極的に指導の手が及ばない点もあるかと思いますが、この私立学校の普及の度合いはどの程度になっておるのかという点について若干ちょっとお伺いしたいと思うんですが、これは文部省ですか。
#46
○政府委員(吉田壽雄君) お答えいたします。
 私立学校における育児休業の実施につきましては、設置者であります学校法人が勤務条件の一環として決定するたてまえとなっておりまして、義務教育諸学校等の育児休業に関する法律の第十七条の規定を受けまして、文部省としてもその趣旨を都道府県知事に対して通知いたしているところでございます。
 私立学校の育児休業の普及状況でございますけれども、直接その育児休業ということに着目いたしまして調査した数字は持ち合わせておりませんけれども、一般的な教員の休職状況についての学校基本調査によりますと、昨年度でございますが、昭和五十五年度におきまして、本務教員のうち育児休業をとられた教員数は、幼稚園から高等学校までの私立学校におきまして百二十六名となっております。そういう状況でございます。
#47
○大島友治君 大分私立学校の普及の度合いというのは低いのじゃないか、そこらにいろいろ事情もあると思いますが、かてて加えて給与の問題等もこれは教員に出すことも結構でしょうが、それらの条件が入ってくるということになると、いわゆる私立学校等における優秀な人材の確保ということにもある程度影響もしてくるのじゃないかというような感じを持っておりますので、一方、この制度の改正の趣旨については私どもも十分理解できますが、最初の問題のいままで限定されているもので落ちこぼれというか、新たに対象範囲を拡大したいという点については、過去の立法上のミスだというようなこともありましたけれども、私は、部分的にはいわゆる片手落ちの点はあるかと思いますけれども、これはやはり日本の現在要求されておる対象範囲を拡大するということだけでは、まだまだ先ほども申し上げましたような大部分の女性の立場から見ると、決してこれは公正なる措置じゃないというような批判も免れないというようなこともあるので、この点についても、あるいはまた、ただいまの給与の改善ということもさることながら、やはり私立学校等における立場上の問題もこれは出てくるんじゃなかろうかと。いろいろ両面から見ましても問題は簡単にいかないというふうな感じもいたしております。確かに対象にされる日本の女性に普遍的に適用されるということは将来私は必要だということは十分理解できますが、現実の問題として、いまのような問題について国民の合意なり賛同を得るというような整合性を今後十分確立した上にこの趣旨を実現すべきじゃなかろうかということで、私といたしましては提案者の趣旨も十分理解できますが、今後の取り扱いについては慎重にやはりやるべきじゃなかろうかと、こういう御意見を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#48
○委員長(降矢敬義君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
   ――――・――――
   午後一時十八分開会
#49
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。
  ―――――――――――――
#50
○委員長(降矢敬義君) 休憩前に引き続き、小野明君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案及び粕谷照美君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#51
○柏原ヤス君 社会党が提案なさった育児休暇に関するこの法案をいろいろ拝見いたしました。
 そこで、この法案の内容に入ります前に、出産そしてそれに伴う育児、こういう問題は人類始まって以来のことであって、ずっとこうした出産とか育児という問題をいままでどのように考えられてきたか。それは、出産にしろ育児にしろ女の問題だ、女どものやることだ、こういうふうにされてきたと思います。そういう点では、これは日本に限らず世界共通の問題で、そこに歴史的な差別というものがされてきた。そういう点で女性というものは非常に不利な立場に立った面が多いと思います。この育児休暇の問題も、そうした考え方の中で取り扱われてきていると思うんです。
 しかし、婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約というものが批准されようとしている中で、この男女の差別の根本にやはり母性というものが尊重されなければならない。母性というものは女の問題だけでなくて社会の機能の一つだと、そこまで考え、社会も、また父親も母親も、この問題に対しては同じ立場に立ち、責任を持つんだ、こういうふうに言われているわけでございます。
 また、心ある小児科のお医者さんあるいは産婦人科のお医者さんなどが、こうした出産とか育児というような問題について、いままで男社会が、男優先、男が何でもやっているんだというそういう立場で世の中をリードしてきた。確かにそのために発展した社会にはなりましたけれども、こうした母性の問題、こういうものは大きな抜け穴になっている、こういうふうに言われております。そんな中でこの育児休暇の問題を議論していても、私は期待されるようなよいものにはならない、こういうふうに思います。その証拠に、長い間職場の女性が育児休暇というものを念願していた。それが制度になったときに非常に喜んだ。ところが、現実にそれが、これを期待した人たちのために、喜ばしい、そしてより前進した制度になっているかといえば、まだまだこの育児休業の問題、これには充実させなければならない問題が非常にあると思うんです。
 そういう点で、提案者の方も、また文部省、特に文部大臣も根本的な考え方というものをどういうふうにお考えになっているか、この点お聞きしたいと思います。
#52
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの私に対する御質問でございますが、女子の方々が社会にいろいろ就職をされ、特にまた女子教員の勤務条件等の問題につきましていろいろの配慮がされておりますことは御案内のとおりでございまして、あるいは女子に特有の妊娠という問題、育児という問題、さらに産前産後に関しまする問題とか生理休暇とか、こういうふうな問題につきましていろいろと保護処置がとられてまいっておりますが、やはりこういうふうな問題は、教育の場におきましても、それぞれの実情をよく把握いたしまして適正に運用しなきゃならない、こういうことを常に心がけてまいりたい、かように考えております。
#53
○小野明君 柏原委員御指摘のように、やはりあらゆる男女差別というものが根強くあることは否めない事実だと思いますが、これをやはり完全に撤廃をしてまいらなければならぬ、そこに国際条約の意義も出てくると思います。それで、そういう立場に立ちながらこの育児休業を見た場合には、まだまだようやく緒についたばかりと、こういうふうな感がいたすわけでございます。育児休業と言うように、育児というのは婦人だけにその責任を負わせるべきものかというと、提案者である私どもとしてはそうは考えていない、考えるべきでない。育児休業というのは男性にも当然これは適用されてしかるべきものではないか。育児の責任は婦人だけでなくて男性にもやっぱりこれはあるんだということを念頭に置きながら、私どもとしては一歩前進を求めてこの提案をいたしておるところでございます。
#54
○柏原ヤス君 そこで、この育児休業制度の整備はこれからの問題だという御意見、私も全くそうだと思っています。
 そうした中で、この制度だけじゃなくて、やはり保育所の問題、こういうものもあわせて考えていかなければならない。
 そこで、保育所の内容、保育時間、保育のあり方、こういうような現場の問題はいろいろあると思います。そして、そこで働いている方たちからの要望というものは、最も具体的にそして痛切な要望があると思いますが、提案者はそうした状況をどのように把握していらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#55
○粕谷照美君 まず、学校というのはどんな僻地にもありますので、どうしても一生のうち三十年働くとすれば三年間は僻地に行かなければならないとか、二回は行かなければならないとか、そういう内部的な申し合わせのようなものがありまして、夫婦別居、親子別居などして行く方もいらっしゃるわけですが、その中で一番女教師にとっても、あるいはまた子供にとっても残酷だと思うのは、育児、特に乳幼児育児の時期の僻地勤務などであるわけですね。したがいまして、やっぱり保育所をたくさんつくってもらいたい、これが一つの条件。
 それから、その保育所は非常に遠くにある場合があるわけですから、数さえあればいいというものではありませんので、適正な保育所の配置というものが必要になろうかと思います。それから、教員の場合は転勤というものが大変多くて、通勤時間というのが一時間二十五分あるいは二時間などという例がたくさんあるわけです。また、田舎へ行けば行くだけに、また山手線のように二分置き三分置きなどという電車間隔でありませんので、一分乗りおくれればもうとてもじゃないけれども三時間も学校におくれるなどというような状況もありますので、とにかく二重保育などというものが現実にたくさんあるわけですし、それから父母参観、それから日曜出勤のクラブ活動――これは音楽の問題もありますけれども、体育クラブなどというのは大変なわけです。あるいは運動会などもわざわざ日曜日にやるなどというのがありますが、そういうときに保育所が休みだったりいたしますと、本当に核家族の女教師は勤めることができないという実態にもなりますので、保育所そのものの保育の内容も変質をしていただかなければならないというふうに考えています。
 また、学童保育もこれ必要であります。一年生になった途端に五時まで預かってもらえないというようなことでは困りますので、その辺の充実もまた大事であります。民間企業なんかで婦人労働者が多いときには企業内保育所というものを設けています。国立病院などにもありますし、郵便局だとか電報電話局などにも労働組合としてつくっているところがありますので、できればそういうような状況をつくることができないかといろいろ努力をしているようでありますけれども、これも大変困難であるというのが実情だと思います。それと同時に、なかなか保育所にはいれませんので幼稚園に入れます。それで、幼稚園の午前中の時間が終わった後は保育にしてくれるように、つまり幼保の一元化というものが強く望まれているというように私どもは把握をしております。
#56
○柏原ヤス君 そこで文部省にお伺いいたしますが、婦人教師がずっと長く勤めたいという希望を持っていながらやめざるを得なかった、こういう理由についてアンケート調査をして、その調査の結果を行政に生かすと、こういうようなお考えがおありなのか。そんなことは考えていないということなのですか。どちらですか。
#57
○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問は、婦人教員と申しますか、女子教員の現場におけるいろいろな勤務条件の問題にかかわる御質疑だと存じますが、これにつきましては、先ほど大臣からも申されましたような各種の保護措置というものは講ぜられておるわけでございますが、私どもとしましては、これが各教育委員会を通じまして現行のこの保護措置ができるだけ適正な運用が行われるように努力していかなければならないと、こういうふうに思っているのでございますが、御提案のようなアンケートというような形による調査を行うことはただいま考えておらないわけでございますが、必要に応じまして各教育委員会から実情については情報をいただきまして実態を把握していくようにいたしたいと、こういうふうに思っております。
#58
○柏原ヤス君 いたしたいですか、しているんですか。
#59
○政府委員(三角哲生君) いままでもそういうことでやりまして、適正な運用について都道府県を指導しておりますけれども、今後なお努力をさらに重ねてまいりたいと、こう思っております。
#60
○柏原ヤス君 これは提案者及び文部省の両方にお聞きしたいんですが、ある民間会社では、育児のために退職した後子育てが終わって数年後、または場合によっては十数年後でも再就職を保障していると、こういうところがある。また、そういうものがふえてきている。私は教員にこそこうした再就職の道を開くべきじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、提案者に先にお答えいただき、文部省の御見解を伺いたいと思います。
#61
○粕谷照美君 いま雇用の際に、女であるということが理由で、親元から通勤しなければだめですとか、あるいは結婚しているからだめだとか、子供がいるからだめだとかというこういう断り方をされます。それで、こういう雇用における男女差別をなくしてくださいという動きが大変強まっています。それと同じように、年をとっているから仕事ができないんだということはないじゃないか、若いから仕事ができるということではないじゃないかということで、年齢における雇用の差別というものも非常におかしいということでの運動が起きていることも私たちは十分承知をしています。先日も、イギリスの男女差別撤廃運動をやっていらっしゃる政府の機関の方々が私どもと話をされたときに、一たん退職をされた女教師は原職に戻ることは非常にイギリスにおいても困難であると、そういう退職をした人たちをパートの教師に頼んでいるんだ、そういうことをやりなさいという運動をやっているんだというようなお話がありました。
 しかし、私どもは考えてみますと、こんなに暴力問題が校内で起きたり、いろいろな事故が起きているときに、本当に大学のように二時間だけ持ちますとか、二こま持ちますとか、そういう教師というのが義務制などにおいて果たして教育の役割りを果たすことができるのだろうかという疑問を持たないわけにはまいりません。しかし十分な資格を持ち、そして一たん退職をされて非常に大きな視野を広げていかれているわけですね。教師をしていたんでは得ることのできない視野を広げて内部に充実したものを持っていらっしゃる方々が大ぜいいらっしゃるわけでして、そういう方々が再就職をして現場に入ってくるということは現役の教師にとっても大変大きなすばらしい影響があるというふうに考えますので、現実的には十年過ぎてというのはちょっと問題がありますけれども、ある某デパートのように、三年間は育児休業を上げますけれども、その後はあなたの籍はここにありますからいつでも就職をさせますよというような制度があってもしかるべきだというふうに考えております。
#62
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の御指摘のような、そういう女子教員の勤務条件につきましても、先ほど申しましたようないろいろな保護措置が現在講ぜられておりますが、文部省といたしましては今後ともにそういった措置の適正な運用が行われまするよう努めてまいる考えでございます。個々の人によりますけれども、ただいま御答弁がございましたような経験豊かな方を再び登用するということもそれなりに大切なことでございまするし、また産休代替教員等に充てるというふうな配慮をいたしておる面もございますが、現在のところ一般的に女子教員についてのみ御提案のような制度を設けるということはいささか困難であろうかと、かように考えております。
#63
○柏原ヤス君 提案者の方からも非常にこれは望んでいるという積極的なお話を承り、また文部大臣からも前向きの御答弁と受けとめて、さらにそれならば教員試験がどういうふうにいま行われているかというのを調べますと、三十歳を過ぎて子育てにも余裕ができた、再就職しようと正式に教員試験を受けるわけですけれども、三十歳過ぎると認めないと、こういう県が現にあるわけです。この辺を私はまず改むべきじゃないか、文部省としてはそうした県にもっと指導していただきたい。こういう点で提案者はこういう実態をどういうふうに受けとめていらっしゃるか、また文部省として、三十歳を過ぎれば教員の試験が受けられないという、こういう問題をまず検討していただきたいと、そのおつもりがあるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#64
○粕谷照美君 先ほども申し上げましたように、年齢による差別をなくしてくれという運動は、教員だけではなくていろいろな職場にその問題が出ているということを申し上げたつもりでありますが、教師の社会におきましてもそうでありまして、教育委員会に対して、三十歳で切るのはおかしいということでもっての声が届いているというふうに思いますし、また、それぞれの各県に教員組合がありまして、この年齢制限をもっと上に上げなさいと、こういうふうにして運動しているところもあるわけですね。養護教員なんかが非常に足りないようなところでは、養護教員に限っては四十歳までとか、こういうふうに延ばしてもおりますので、ぜひこれはやっぱり採用してもらいたいと言う側の声が大きくならなければ、行政は若い方がよろしいわけですから、そういうことを打ち破ることができないというふうに思います。
 先ほど文部大臣の方からそういう方々については産休代替だとか、あるいは育休代替、病気代替などの仕事があるというふうにおっしゃいましたけれども、仕事は同じ仕事をやっている。あなたは育休代替だからこの仕事しなくてもいいなんてことはひとつもありません。同じ仕事をやって、そしてもし子供がそのために事故を起こしたなどといえば同じように責任をとらなければならない。責任が同じで、仕事が同じで、給与だけはもう徹底的に悪い。有給休暇もとれないというようなことであっては、正規の就職というふうには私ども考えませんので、その三十歳については御質問のとおりに考えております。
#65
○政府委員(三角哲生君) ただいま、年齢制限については、新規採用につきましては四十五県と十の指定都市がやはり年齢制限というものがございます。三十歳ということにいたしておりますところが二十五県、三十五歳というのが十四県、四十歳が六県、制限なしというのが二県と、こういうふうになっておりまして、それが実態でございますが、これはそれぞれ任命権者がおのおのの自治体の事情に応じまして、教職員定数の状況でございますとか、あるいは県全体、それからさらには、個々の学校ごとの教職員の年齢構成についてのやはり均衡というようなものを考えていこうとか、そういったいろんな観点からの要素を勘案して、ある程度長期的な人事計画というものに基づいて採用をやっておると、こういうことでございますので、やはりこれは基本的には中央政府の文部省がそのイニシアチブをとるということではなくて、それぞれの任命権者がやはり諸種の諸要素を十分に御考案になって、一番実情に即しておるというやり方を判断していくということが大切なんじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
#66
○柏原ヤス君 次に、文部省にお伺いいたしますが、育児休業の利用状況、これを国、そして公立の学校別に、おわかりでしたら教えていただきたい。
 また、育児休業期間、これについてもお願いいたします。
#67
○政府委員(三角哲生君) 公立学校教職員のこの育児休業の適用状況につきましては、昭和五十三年度中に子供を出生した女子教職員が、私どもの調べでは二万四千二百八十八人となっておりますが、その中で、一万三千二百十人、率で申しますと五四%、こういった方が育児休業の許可を得ておるわけでございます。
 それから、育児休業の期間別で申し上げますと、四ヵ月以内の者が四千七百十七人、これは育児休業の許可を受けた女子教職員総数に対する三六%に当たります。
 それから四ヵ月以上八ヵ月以内の者が四千百七十七人、これは三二%でございます。
 それから八ヵ月以上の者が四千三百十六人で三三%、そういうふうになっております。
 なお、国立学校教職員の利用状況については現在調査中でございまして、いま手元に数値を持っておりません。
#68
○柏原ヤス君 公立学校教員の五十三年度の育児休業利用率というのは五四・四と私もそのように調べたんですが、利用率がこの程度だと、こういうふうに残念に思うんですが、その原因、これを提案者はどういうふうにお考えになっていますか。
#69
○粕谷照美君 五四%という育児休業取得率が非常に少ないから残念だというふうに理解をしたらいいのか、保育をしてもらう条件をつくりながら育児休業とらないで働き続ける婦人教師が多いということの方がいいことだというふうに理解するのかは、育児のあり方をめぐっての討論の分かれ道だというふうに思います。
 私たちがこの育児休業法をつくったときには、もう預けようがなくてなくて、やめなきゃならないような人たちを何とかこの制度をつくることによって食いとめましょうということですから、できれば継続して働き続けるということの方が先行するというふうに考えていましたので、五四%もとるのか、こんなに利用されているのかという思いで、学校の現場の仕事がどんなに厳しいものかということをしみじみと思い知らされる数字だというふうに、柏原委員とはその点はちょっと理解を違うように考えております。
 さて、なぜ五四%ぐらいで終わっているのかという問題ですが、何といっても無給だということですね。去年取った月給に対して、税金は育児休業中も降りかかってくるわけですから払わなければなりません。その他ローンだとかいろいろな借金などある場合にはこれまた出ていくわけでありまして、無給だということが一番厳しいわけですから、何としてもがんばろうという人たちが多いと思います。
 それからまた、昇給面で二分の一の期間しか保障されていないというそのことが退職にもはね返ると。それはもう二十年、三十年先のことを考えるというのはがめついとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし、そのことは大きな差になるわけですから、この辺のところが問題点だというふうに思います。
 それから、やっぱり休んでいても生徒の顔が目に見えてくる、そのことが落ちついて休むことができないというふうに考えております。
 それで、私は、先日、日教組の育児休業についての資料をちょっと見さしてもらっていたわけですけれども、その中でやっぱり育児休業を本人が選択したくないと言うにもかかわらず校長から選択するように押しつけられた、あるいは児童の側から見まして、育児休業期間中に先生が二人かわったとか三人かわったなどというようなことがありまして、親の方からのやっぱり問題も出てくるなどといいますと、代替者をめぐりまして、落ちついてこの制度をとることができないということもあり得るのではないかというふうに考えています。
#70
○柏原ヤス君 無給であるという点が私は最大のポイントだと、こう思っております。
 そこで現在、育児休業法の附則二項、三項で、育児休業制度の普及定着のため、当分の間、「必要な給付」が行われることになっている。この「必要な給付」というのはどのぐらいの金額なのか文部省にお伺いしたいと思います。
#71
○政府委員(三角哲生君) いわゆる育児休業法の附則の二項、三項の規定によりまして一般職の職員の給与に関する法律の改正が行われまして、昭和五十一年四月一日から育児休業給というものが支給されておるわけでございますが、この育児休業給は共済組合の長期給付、短期給付、それから福祉事業、これらにかかる組合員の負担する掛金に相当する額でございまして、その額は公立学校の場合で申し上げますと給料、これには教職調整額と給料の調整額を含めておりますが、それの千分の八十八・七と、こうなっております。これは、月額にいたしまして、これを受給しております教員一人当たりで平均を出してまいりますと、約一万四千円と、こういう金額でございます。
#72
○柏原ヤス君 提案者にお聞きしたいんですが、育児休業中に必要な育児のための費用とか、自己研修のための費用とか、また互助会の掛金、こういうようなものがあるように思いますが、この実態はつかんでいらっしゃいますか。
#73
○小野明君 これは、日教組の方で五十三年度に調査をいたしたものがございます。これによりますと、ミルクなどの食費が月額一万円前後、それからおむつ等の衣類が月額六千五百円前後、衛生費が月額二千五百円前後、その他諸雑費が月額一万一千円程度ですね。合計で月額が約三万円でございます。次に自己研修のための費用の問題ですが、月額が約一万五千円ぐらい。それから、第三点の互助会の掛金ですが、これは県によって多少差があるんですが、月額が二千円から大体三千円程度、こういう五十三年度の調査の結果が出ております。
#74
○柏原ヤス君 これは提案者と人事院の方にお願いいたします。
 育児休業期間中の期末勤勉手当の支給、これは私は大賛成でございます。さらに抜本的には無給制度、これを改めることが、問題は大きいけれども、これに向かって前進をしていかなきゃならないと思っております。また附則による給付の額、これを共済掛金の額にとどめているようですが、これも大幅改善を図る必要性、これを痛感いたします。そういう点で現場の意見を踏まえた提案者の御見解を伺いたいと思います。そして、これについて人事院はどういうふうにお考えであるかをおっしゃっていただきたいと思います。
#75
○粕谷照美君 私も、柏原委員のおっしゃるとおりに、やっぱり有給にするということがまず肝要かというふうに思います。この法律をつくるように私も初めから運動していたわけで、ここにいらっしゃる内藤委員だとか、あるいは世耕委員などはずいぶんこのために一生懸命にやっていただいて、自民党側の方から、ここにいらっしゃる小野委員、特にその時代は国対などをやっておられたわけで、その当時から三〇%ぐらいではどうだろうかとか、あるいは山下婦人議員から五〇%でどうだろうとか、もうあのころは有給のパーセンテージを六〇にするか八〇にするか、五〇にするか三〇にするかという議論でやってきていたのが、急遽こういうふうな形になったということを残念に思って、私どももまさにこの無給を何とか有給にしていきたいということは念願をしております。
 先ほどからILOの問題が大きくなって世界的にも無給という方向が確認をされているではないかといいますけれども、確かに給料としては無給であっても、社会保障としてその点を保障していれば、これは受ける側にとっては無給だというふうには思わないわけであります。たとえばオーストリアなどは失業手当として出しているわけですね。それからイタリアなどでは、昨年のデンマークの世界婦人会議の後、私も柏原委員と一緒にあそこの婦人議員とお話をしたわけですけれども、あそこでは疾病保険として出しておりますね。ハンガリーでは児童手当であります。スウェーデンがこれが給料の九〇%、これは国民保険から出しているんですね。だから、有給といっても、何も給料として出さなくてもいろいろな出し方があるのではないか、こういうふうに考えております。せめて三〇%ぐらいは最低保障してほしいものだというふうに念願しております。
#76
○説明員(林博男君) 私ども直接おあずかりしておりますのは国家公務員の給与でございますけれども、私どもの方の給与制度ではいわゆるノーワーク・ノーペイという大原則がございまして、職員の方が実際に職務に従事されないという場合には特別の理由がない限り給与は支給しない、こういう基本的な原則でやっておるわけでございます。
 ただ、育児休業中の職員の方でございますけれども、こういう方につきましては制度自体の趣旨というものから、特別な取り扱いということでございまして、育児休業法自体の中に復職時の調整とかいろいろ有利な取り扱いが定められていることでもございますし、それから対象の職員、これが非常に限られておりまして、女子の教員あるいは看護婦さん、保母さんといったような方々でございます。したがいまして、こういった制度の適用のない女子の職員の方もおられますし、あるいは育児休業をとらないでずっと続けて職務に当たっておられるという方々もおられるわけでございますから、そういった面でのやはり均衡関係も考えなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、育児休業法の附則で、当分の間育児休業給ということで、共済掛金に相当する給付をやっておるわけでございますけれども、これは制度の趣旨から申しましてて非常に経験熟達された職員の方に職にとどまっていただくという意味の特別な措置でございますから、そういった意味で身分を引き継いでもらうために必要な経費を最小限保障するというような意味でございます。したがいまして、そういう意味から申しますと冒頭に申し上げましたノーワーク・ノーペイという原則にこれは抵触するものではないというふうに考えておるわけでございます。
#77
○柏原ヤス君 次に文部省にお伺いいたしますが、育児休暇を取ったことによって昇給とか退職手当の額に影響しているのか、そういうことはないと、こういうふうにお考えなのか、いかがですか。
#78
○政府委員(三角哲生君) 育児休業期間の取り扱いでございますが、これは育児休業の許可を受けました女子教育職員につきましては、昇給あるいは退職手当等に関しましては、その育児休業期間の二分の一に相当する期間をそれぞれこれは勤務をしたというふうにして取り扱うように調整を行っております。半分ということで、ある意味で有利な取り扱いを入れておるわけでございます。
#79
○柏原ヤス君 ですから、影響しているということですか、していないということですか。
#80
○政府委員(三角哲生君) 普通でございますと、その間休んだわけでございますので、休んだ期間は定期昇給がその期間分だけ後に来るとか、それから退職手当の計算の場合に、その期間は計算の中に入らないんでございますけれども、それを半分は入るように取り扱っているということでございますので、休んだということを土台に考えますと、その分だけ有利な取り扱いをしていると、こういうふうに思っているわけでございます。
#81
○柏原ヤス君 提案者はどういうふうにお考えですか。
#82
○小野明君 御指摘のとおりだと思います。この法律を当初私どもが提案をいたしました底にあるものは、やはり働く婦人の権利として制定をしたいということで産休法とできれば同じような扱いにすべきだと、こういう考えでやったわけです。ですから、いまのように、人事院の説明を聞きましても、附則の二項、三項いろいろ見ましても何ら不合理はないというふうにも法解釈上はとれますし、やはり、同期の者におくれるというようなことがないような措置というものがあって私はしかるべきではないかと。柏原委員のお考えと同様に考えます。
#83
○柏原ヤス君 次に、育児休業中の臨時任用代替教員の身分の確立、これは非常に大事な問題であると思っております。しかし、現場での各県では、夏休みは解雇された、旅費は出さない、通勤手当ももちろん出さないと、こういうようなところがある。また、契約を変更して三ヵ月とか六ヵ月また一年と非常にばらばらだと。こうした実態について提案者の立場でどういうふうにこれを掌握していらっしゃるか、また文部省はこうした状況をどういうふうにつかんでいらっしゃるかをお聞かせいただきたいと思います。
#84
○粕谷照美君 その問題について調査したものがありましたので、私も目を通してみますと、実にそれぞれの県、それぞれの地域でさまざまになっているということが実態だろうというふうに思います。
 一つには時間講師ということでの採用方法があります。たとえば、岩手県などやっていますね。それから、給料などにつきましても、三等級の給料で採用するところを二等級の給料で採用するところなどというのもあるわけですね。
 それから、期限つき採用というのが一番多うございまして、これは六ヵ月ごとに更新をするわけです。何か日給月給みたいな形になっていまして、夏休みはもう金払うのもったいないから、七月の、一学期終わったところで首を切って、二学期の初めからまた採用しますということです。ところが、その間にプール指導があるわけですね、あるいは登校日というのが夏休み中にあるわけです。そうすると、そのクラスの生徒だけは担任の先生がいらっしゃらない、こういう実態なんかも出てきて、非常に不満の声が大きく上がってきております。
 一番いいのはどういうのがいいのかと言うと、たとえばプール制というのがありまして、千葉県などで、二十人ぐらい定員の中に入れておくわけです。そうして、その二十人ぐらいは残念だけれども大体採用試験を受けて受からなかった。そういう方々で、働く気があるのかどうかというのを聞きまして、それで働く気があるということになりますと、その方々を配置をいたしまして、そしてあの学校へ、この学校へと、まあ渡り鳥みたいな形で本当にお気の毒ではありますけれども、それでも一年間の身分が続くという制度があります。できれば、そういうような安定した採用方法をやることが教育をきちんと守っていくということになるのではないだろうかというふうに考えております。
#85
○政府委員(三角哲生君) これは臨時的に任用される代替教員、そういう問題でございます。女子教員に育児休業の許可を与える場合の期間は、これは本人の申請に基づいて決められることになっておりますが、その当該のお子さんが一歳に達するまでの間で、その申請に基づきまして任命権者が定める日までと、こういうことでございますが、これに伴う臨時的任用の代替教員はその育児休業期間と同一の期間任用されると、こういうことでございますので、したがいまして育児休業の期間に応じまして臨時的任用の期間も区々になるわけでございます。給与等につきましても、これは一般職の職員として、これはそれぞれ条例で定めるところによって支給されることになっておりますが、大多数の県では、代替教員に対しましては、新卒の一般教員の場合と同一、それに見合う給与額を支給するということにしているのでございます。
 諸手当の支給状況について申し上げますと、一般教員と同じ支給をしておりますものが三十四県、それから、たとえば扶養手当とか、あるいは寒冷地手当とか住居手当とか、まあいろんな手当がございますが、それらの一部について支給をしないという取り扱いをしている県が十三県ありまして、そういったことが実情でございます。
#86
○柏原ヤス君 そこで文部省に期待するわけですけれども、こうした臨時任用の代替職員の処遇が非常に悪いと、これでは優秀な教員は集まらないだろう。待遇を何とかできないものか、そして育児休業を普及し、定着させる障害を除いていくべきだと、こう思いまして、重ねて文部省の対策、またそういうものがあるのか、考えてないのか、その点お聞かせいただきたいと思います。
#87
○政府委員(三角哲生君) 給与の水準が果たして高いか低いか、どのあたりが適当かということは、お考えの立て方によって意見が分かれるところではあろうかと存じますけれども、私どもとしては、この臨時的任用によります代替教員の処遇については、ただいま申し上げましたように、一般職の職員という形で、それぞれ条例という形で各地方公共団体が議会の審議を経て定めてやっておりまして、そして新卒の一般教員の場合と同一のそれに見合った給与を支給するということにしておりますので、ほかの職員との均衡などもあわせて考えました場合に、これが処遇として劣悪であるというふうには申し上げられないんじゃないか、こういうふうに思っておるのでございます。
#88
○柏原ヤス君 それでは最後に、この育児休業は、本来はすべての女性労働者に保障されるべきものだと思っております。それには、今後順次拡大させていかなければならない。法律が成立したときも、適用対象者の範囲の拡大というのは附帯決議がされております。学校、病院、福祉施設、保育所、もちろん拡大する範囲としてはもう早くやるべきだ、そしてあらゆる分野に広げていくべきだと考えております。そういう点で、提案者のお考えは聞くまでもないと思いますけれども、ひとつ力強いお考えを述べていただきたい。また、文部大臣はそれに対して、やはり法律が成立したときにそのように附帯決議がされているのですから、お答えいただきたいと思います。
#89
○小野明君 いま一段と委員長の声も大きいようですが、御趣旨に全く賛成であります。
 それで、附帯決議にもありますように、全婦人の労働者にこの育児休業制度が早急に普及されるようにすべきである。同時に、現在最も緊急性がある、必要性がある、必要度が高い、また欠陥があるというものを早急に是正をすべきである。それをしながら、全婦人労働者に拡大をすべきであるということを確信をしておりますし、かつ柏原委員の御意見に全く賛成であります。
#90
○粕谷照美君 いまの小野委員につけ加えまして、たとえば先ほど申し上げました自治体でもそういう運動が進んでおりまして、実績も上がっているわけですし、電報電話局の婦人労働者にはすでにこのことが労使協約の中できちんとかち取られているわけであります。学校現場の中にも、差別がないようにということで、私たちは後の法律も出しているところですが、非常に心強いのは、一昨年になりますが、昭和五十四年六月十五日、「家庭基盤の充実に関する対策要綱」というのが自由民主党政務調査会で出されているわけです。この内容については、私は非常に反対をするところがたくさんあるんですけれども、その中でこれだけは大変いいと思うところがあるんです。「育児休業制度の全産業への適用立法化」という言葉がありまして、いろいろ書いてある中で、「このような育児休業制度は欧州諸国のほとんどすべてが採用しており、」――大変分析も正しいわけです――「国際的な見地からも我が国として実施に踏み切るべき時が来ている。」。大変力強く言っておられますので、多分ここにいらっしゃるそれぞれの委員もそれぞれの会派に帰られまして努力をしていただけるというふうに心から期待をしております。
#91
○国務大臣(田中龍夫君) 柏原先生を初め、本件につきましては、御案内のとおり予算委員会当時から御答弁を申し上げておる次第であります。
 女性のこういうふうな問題につきまして、われわれも先生同様にいろいろと考えておりますが、本件につきましては、政府全体としてこれを受けとめてまいりたい、かように考えております。
#92
○佐藤昭夫君 私も、ただいま議題となっております法案に積極的に賛成をする立場から、できるだけすでに同僚委員御質問なさっている課題と重複を避けつつ、幾つかの問題について御質問をいたしたいと思います。
 まず、議論の前提として文部大臣にお尋ねをいたしますが、言うまでもなく、近年学校における女子教職員の占める比率というのが年々急速に上昇をしております。こういう中で、日本の未来にかかわる教育を発展させていく上で、女子の教職員が安んじて教育活動に専念できるよう、女子教職員の母性保護を初めとする労働条件を改善する必要性について、まず大臣の基本的な御意見を伺っておきたいと思います。
#93
○国務大臣(田中龍夫君) 女子教員の勤務条件につきましては、男女平等の原則にもかんがみまして、合理的な理由なく男子と異なった取り扱いをするということは別といたしまして、女子と男子とでは身体的また生理的諸条件に相違がありますことでございますので、女子教員の勤務条件につきましては、一般女子職員との均衡を考慮いたしながら、現在各種の保護処置、と申しますのは、先ほど申し上げましたごとき、あるいは産前産後の休暇でありますとか、妊娠中の軽労働及び通勤緩和でありますとか、あるいは生理休暇でありますとか、育児時間の保障、その他いろいろな保護処置が講ぜられておるところでございまして、今後ともにその適正な運用が行われまするように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#94
○佐藤昭夫君 そこで、近年学校現場では、昨今言われます教育荒廃のもとで一層多忙化をしてきている、忙しくなってきている。そのための教職員の健康破壊、特に女子教職員の健康が損われておる、そういう実情について文部省は具体的に把握をしておられますか。
#95
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の教職員の健康状況につきましては、文部省といたしましては学校基本調査におきまして、休職者につきまして、その休職の事由、職務上の負傷、疾病によるものあるいは結核によるもの、その他の事由によるものなどの別に毎年度実態を把握いたしてまいってきております。先生御指摘の、特に女子教員のみについてこれを対象とした健康状況に関する実態調査はいままで行っておりません。
#96
○佐藤昭夫君 一昨年、東京の都教組が七九年度のこの調査を行っておりますが、それを拝見をしますと、何らかの異常を訴えている人は男性で七〇%、女性で八〇%以上、健康であると自覚をしている人は男性でほぼ三〇%、女性はもっと低く二〇%にも満たない。すなわち、この数字が示しますように、男性以上に女性が健康破壊がひどくなっているということがうかがえると思いますが、私の住んでおります京都の教職員組合に聞いたわけですけれども、同じ一九七九年度、妊娠をした女子教職員二百五十人のうち、異常出産が三四%あったということでありますが、提案者は全国的な状況について何か数字を把握しておられますか。
#97
○粕谷照美君 私も文部省の方にそういう調査があるかどうかを質問したんですけれども、やっておりませんということでしたので、それでは、そういう統計をとっているのは一体何かと、やはり最大の教職員団体の日教組であろうということを考えまして、その資料を取り寄せてみました。全部の県ではありませんから確実にということでありませんが、その傾向を見ることはできると思いますので報告をいたします。
 まず、とにかく現場の中は忙しさがまさってきているということは事実だろうというふうに思います。そして、いま文部大臣もおっしゃいましたように、女子にとっては母性保護のいろいろな権利があるんだ、こう言われました。たとえば生理休暇ですね、生理休暇をとっているのは一体どれだけいるんだろうか。この調査にしたってきわめて微々たるもので、生産休暇などとっていたんでは子供たちの教育をやっていくことができないという数字になっています。年休だってほとんど余しています。年休をとることができないくらい忙しいわけです。病気休暇、これも、私は大体一年間に千ぐらいの学校を回りますけれども、必ず、マスクをかけて、目が熱のために涙ぐんだり、あるいは歯をきのう抜いたばっかりだなどと言いながらマスクをかけている、病気をがまんしながら出てきている教師がいかに多いかということを見ることができました。
 それから、妊娠をすれば軽労働に変わる、こういうふうに確かに法律にはあります。では、軽労働というのは何だろう。あなたはプールの当番しなくてもいいよ、プールの指導しなくてもいいよ、遠足にも行かなくてもいいよ、こういうことになりましても、先生としては、行かなければ自分の生徒がたまらないわけですから無理をして出ていくという実態がありまして、そういうような無理をする中から、これは昨年度の調査ですけれども、二十九県集約で、四月以降十二月までの現職の教師の死亡者が四百四十名で、そのうち百二十人が婦人だとなっております。自殺者が十四名、そのうちの三人が婦人教師である。とにかく、一ヵ月当たり平均して四十九名死亡という大変な実態になっているということが言われております。その死因の多くは、極度な疲労が原因と思われる心臓病、脳出血、がん、自殺、事故死などであって、年代的には四十、五十のきわめて学校の中でも中枢の場所で働かなければならないという人たちに集中をしているということは非常に問題点であるというふうに考えないわけにはまいりませんでした。
#98
○佐藤昭夫君 教職員の健康破壊の問題というのは、やはりすべての議論の出発点になるわけですね。
 そうした点で、文部省がさっき答弁をなさっていますが、十年一日のごとく行っておる学校基本調査、この一環として健康問題の調査をしていますということで済ますんじゃなくて、一遍、これを機会に、もっとリアルに、具体的に、学校現場の教職員、とりわけ婦人の健康状態がどうなっておるのか、それをできるだけ正確に調査をするということを文部省当局として検討する意思はありませんか。
#99
○政府委員(柳川覺治君) 教職員の健康管理につきましては、教職員の方々自身の健康保持及び能率増進という観点から当然に留意しなければならぬことでございます。また、教職員の方々の健康いかんが、保健上及び教育上に、児童生徒等に対する影響はきわめて大きいということは御指摘のとおりであろうと思います。
 このことにかんがみまして、学校の設置者が学校保健法の規定に基づきまして定期あるいは臨時の健康診断を行いまして、その結果に応じまして治療についての指示または勤務の軽減等の適切な事後措置を講ずるようにしてまいってきております。このような体制のもとに常に教職員の健康状態を十分設置者として把握していくということに努めておりますので、文部省としては、今後とも教職員に対する健康管理がより適切に行われるよう指導してまいるという考え方でおるわけでございます。
#100
○佐藤昭夫君 総理の私的諮問機関である婦人問題企画推進会議が、本年、五十六年の二月十七日に提言を行っておりますが、母性の尊重の問題にかかわって、「母性の社会的機能としての重要性について認識を深め、母性の尊重・保護が男女差別の理由となってはならないという理解をより一層深めるための啓発活動が必要である。」、二つ目に、「母性保障については、家庭婦人および勤労婦人を含めて、かつ、母性機能および妊娠中から産後に至る問題も含めて、また国際的視野に立って、そのあり方について検討を急ぎ、具体的方策を実施すべきである。」というふうにここでは提言をしています。
 ところが、この提言を受けて、しばらくたって、五十六年五月、先月に、総理府の婦人問題企画推進本部が、「婦人に関する施策の推進のための「国内行動計画」後期重点目標」案というものを発表いたしました。それを見ますと、「育児休業制度普及のための今後の施策の在り方については、次代を担う健全な子供を育成するという責任は、男女で負うことが必要であるとの観点も踏まえ、長期的に検討する。」と、具体的方策どころか長期的検討という方向へ問題をそらしているわけであります。
 この婦人問題企画推進会議でさえ、具体的な施策の推進が後半期出発に当たっていよいよ大事だということを提起しているにもかかわらず、それに沿った方向になっていないということで、まず、文部省についてお尋ねをしますが、文部省がみずから責任を負っておる範囲、学校関係、教育関係の分野について、ここで言っています後半期計画の具体策として、母性保護の課題などの問題について、どのような具体策を検討しているんですか、お尋ねします。
#101
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御質問の後期重点目標の中の女性保護の観点といたしまして、文部省といたしましては、各種の家庭教育施策を充実するとともに、本年度、新たに家庭教育学級の一環として、これから親になる新婚、妊娠期の男女を対象とした「明日の親のための学級」というものを奨励普及することといたしておりますが、また、育児休業につきましては、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律に基づきまして、女子教員がその満一歳に満たない子供を養育するための必要がある場合につきましては育児休業の許可が与えられることになっておりまするし、現在、その活動が図られておりまするところであります。今後ともに、そういった問題の円滑な運用を期しておる次第でございます。
#102
○佐藤昭夫君 私は、いま大臣の答弁を聞きまして、文部省の具体的方策もずいぶん貧弱だなあという感じを強く持たざるを得ません。「明日の親のための学級」ですか、それと育児休業の措置について触れられましたけれども、先ほど来同僚委員もいろいろ指摘をされております現在の制度の内容改善をどういうふうに後半期の中でやっていくかという積極的見解は大臣の口からは回答がないわけです。
 私は思うんですけれども、いま議題となっております社会党提案のこの二法案、これは、つとに文部省から当然提案があってしかるべき問題じゃないか。ところが、この議論の中では、何か財政上の理由とかあるいは民間企業との対比だとかいろんな言いわけがされておりますけれども、本来文部省みずからがつとに提案をされておってしかるべき問題じゃないか。しかし、いまの局面はこういう本日の議論のような局面にあるわけですけれども、これからの五年間の後半期に当たって、たとえば育児休業の内容改善について文部省としてどういう検討を始めているのか、全くないのか、何か考えているのか、どうですか。
#103
○政府委員(高石邦男君) 先ほど御質問のありました婦人問題企画推進会議の意見では、一般的に「家庭と育児」という項目のもとで、ただ育児休職という制度の問題だけではなくして、広く家庭、育児という観点で意見が述べられているわけであります。
 そこで、政府が後半期の具体的重点目標として掲げておりますのは、その意見を尊重し、その意見を踏まえて具体的な事項を整理しながら述べているわけであります。一つはそういう観点における教育訓練の充実という問題でございますし、一つは母性の尊重と健康づくりの促進という観点でございますし、もう一つはいま具体的におっしゃいました育児休業制度の普及促進という三つの項目で、政府の後期の重点事項は述べているわけでございます。
 確かに後期の重点事項の中には現行制度の円滑な推進と、そして民間において行われている内容についての指導を深めていくということで、制度全体については長期的展望に立って検討していくということでございますので、後期の具体的目標の中では具体的な事項について触れてないということはそのとおりでございます。
 ただ、この育児休業制度につきましては、単なる学校における問題だけではなくして、一般の女子に対することを原則として考えていかなければ改善について限界があるというようなことから、いままで論議されているような形で文部省としてもすでに教員については実施されていると。それを一体どこまでどうするかという際には一般の女子の問題とのかかわり合いがあるということで、それを突破して文部省だけで解決できる問題ではないということかと思うわけでございます。
#104
○佐藤昭夫君 いろいろ長い答弁をなさいましたけれども、たとえば育児休業制度を内容的に改善をする具体的な検討はやってないという、こういう実情を理解をしただけであって、これは後いろいろ角度を変えて質問をいたしますけれども、後半期計画をいよいよ開始をするに当たって、文部省として、文部省が責任を負っておるこの分野、範囲について婦人の母性保護のためにどういう具体的施策をさらに一歩進めるかというこの問題を、ぜひ具体的な検討を開始をしてもらう必要があるということを強調しておきたいと思います。
 それで、大臣の口からも、あなたからも全く触れられない二つほどの問題について、これから角度を変えてお尋ねをしたいと思いますが、一つは女子教職員の母性保護のための学校における休養室の問題です。
 労働省においでを願っておりますが、この労働安全衛生法を根拠にして、労働安全衛生規則において休養室の設置の義務づけが法令上なされておると思うのですけれども、その根拠、休養室を必要とする理由、その内容、それをまず御説明願いたいと思います。
#105
○説明員(山田正美君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、私ども労働安全衛生法を所管しているわけですけれども、労働安全衛生法の第二十三条という規定がございまして、ここで、事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、健康保持等のために必要な措置を講じなければならないという規定がございます。その規定の中に休養に必要な措置ということが出ておりまして、それが御指摘の点だろうと思いますが、その法律に基づきまして、これも御指摘のように、労働安全衛生規則の中に休養室等の規定がございます。これは労働者数が一定以上の事業場について労働者が休養をとるために必要な施設を設けなければならないというような規定の内容になっております。この規定につきましては、これは作業場におきまして労働者が一時的に休養を必要とするような場合が生じたときに備えまして、労働者の健康保持の観点からこういう休養室の規定を設けているというふうに理解をいたしております。
#106
○佐藤昭夫君 そこで、文部省としては学校においてこういう休養室を設置をするという問題について現状はどういう状態にあり、どういう指導を行っているんですか。
#107
○政府委員(三角哲生君) ただいま御説明のありましたようなことで、休養室というものが設けられなければならないと、こういうことでございますが、学校におきましてもやはりこれは学校の場合は児童生徒もおるわけでございますけれども、教職員にいたしましても、何らかの必要があるとき、あるいはぐあいが悪いときなどに横になることができる部屋を設けることにつきましては、それぞれの学校設置者の側において配慮されているものというふうに考えておりますし、今後とも私どもとしてもそういった状況がきちんとできておりますような指導は配慮していかなければならないと、こういうふうに思っております。
#108
○佐藤昭夫君 御答弁によると、それぞれの設置者、すなわち府県ないしは市町村、ここが設置をする問題でありましょうという、いわばそこ任かせのような、他人事のようなそういう答弁をされておるわけですけれども、そういうことで済ますんじゃなく、法令にも定めているんですから、とりわけ婦人教職員の疾労回復のための休養、健康維持のための休養、そういう休養室を文部省として積極的に各学校に設けるべく具体的な指導をやってしかるべきじゃないですか、どうですかその点。
#109
○政府委員(三角哲生君) 学校にはいろいろな部屋がございますので、設置者の側において適切な判断によりまして、ただいま御指摘のような事柄に対応できるようにしてもらうことがよろしいし、必要だと思っております。
 それから、御指摘のような指導はやはり労働省の方からもやっていただくということでございますけれども、必要に応じまして私どもの方も配慮してまいりたい、こう思っております。
#110
○佐藤昭夫君 それぞれの学校には空き部屋もあるでしょうしと、それは空き部屋があるのはよほど過疎のどんどんどんどんと子供が減っていくようなそういう地域の学校には、場合によれば空き部屋もあるかもわからぬ。しかし、この大都市の人口がますます上昇をしていくような、ふえていくような、そういう地域の学校では、空き部屋なんというものはあろうはずがないですね。そういう文部省の認識で事が進むはずがないわけで、たとえば休養室を設けるために、その必要な予算上の措置は文部省はやっているんですか。
#111
○政府委員(三角哲生君) 学校には「休養室」という看板をかけてあるところももちろんあると思いますが、そういう休養室と、専用ということじゃなくても宿直室でございますとか、更衣室でございますとか、教員のための特別の教員室以外の部室がいろいろあるわけでございます。
 ただいまの御質問でございますけれども、公立学校に対する国庫補助の基準面積というものは、これは学校の規模に対応いたしまして基準がございまして、そして面積を決めておる。で、管理諸室を含めまして所要のいろいろな部室がとれるように配慮されておりますが、そして基準の改定というのもつい先ごろ順次進めてきておりますので、現在の補助基準面積の中で御指摘のような休養室を設けることは十分可能であると、こういうぐあいに考えております。
 それから、学校施設設計指針というものを決めておりますが、これにおきまして、実際の設計の際に、所要の部屋の種類、数、面積等の検討に当たりましては、設置者学校側と十分これらが協議をしていただくように指導しているところでございます。
#112
○佐藤昭夫君 大臣にお尋ねをしますけれども、大臣も御存じだと思いますけれども、学校の婦人教職員の流産を初めとする異常出産ですね、これは全産業の婦人労働者の中でも異常出産の率のわりあい多い職種が、学校の婦人の教職員がその一つになっていると思う。そういう現状の上に立って、どうやって母性保護を推進をしていくかということで、すべての学校に休養室がきちっと設けられるような方向に、文部省の具体的な必要な予算上の措置も含めて、その推進策を図るという課題を、前段で申し上げておりました国連婦人十年の後半期計画の具体的な項目の一つとしてぜひ検討を開始していただきたいというふうに思いますが、文部大臣どうでしょう。
#113
○政府委員(高石邦男君) すでに「「国内行動計画」後期重点目標」につきましては、政府として内容を取り決めておりまして、この内容の実現にそれぞれ努力していかなければならないわけでございます。
 ただいま具体的にお話しのありましたような事細かなことについては、これで触れられていないわけでございまして、今後具体的な対応については、この重点目標の掲げるところに従って推進をしていくというつもりでございます。
#114
○佐藤昭夫君 大臣、どうですか。
#115
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま政府委員からお答えいたしたとおりでございます。
#116
○佐藤昭夫君 その重点目標は出ていますけれども、「案」とついておるわけですね。案ですから今後いろんな婦人の関係の諸団体やら国会の意見やら、こういうものもよく取り入れて本当に期待に沿うものに仕上げていこうということがあればこそ案となっているわけですから、もうこれで完結したものですということでは全くないだろう。そういう意味でぜひこの休養室の問題を、文部省としてはひとつ検討課題にのせていくということでぜひやっていただきたい。よろしいですね。
#117
○政府委員(三角哲生君) 先ほど休養室の予算と申されましたけれども、先ほど申し上げましたように、現在の補助基準面積の中で設置者がこれを考えるということは可能なもう措置ができておりますので、私どもといたしましては、実際の指導は労働省にやっていただきますけれども、必要に応じまして文部省側からもそういう指導の配慮をいたしたい、そういうことで対応したいと思っております。
#118
○佐藤昭夫君 もう同じような答弁いいですよ。
#119
○政府委員(高石邦男君) いや、ちょっと誤解を生みます。五十六年の……
#120
○佐藤昭夫君 ちょっと、私が先。
#121
○委員長(降矢敬義君) ちょっと待ってください。
#122
○佐藤昭夫君 その予算上の措置をすでにしておりますと言いながら――それなら、あなたたち実際に現場を回ってごらんなさいよ、どれだけ休養室を置いている学校があるのか。文部省として十分な手を打ってますと言うんであれば各学校に置かれているはずですよ。ところが、置かれてないという現実があるから、予算上の措置の増強を図るということも含めて具体的な推進策を検討しなさいと言っているんです。
#123
○政府委員(三角哲生君) 予算上の補助上の措置は申し上げたとおりでございますが、指導のことにつきましては労働省に御協力をいたしまして、必要に応じて配慮してまいるようにいたしたい。こう申しておるのでございます。
#124
○佐藤昭夫君 文部省は指導しないの。
#125
○政府委員(三角哲生君) 文部省としても配慮いたしたいと思っております。
#126
○政府委員(高石邦男君) ちょっと誤解があるようでございますので、「「国内行動計画」後期重点目標」は、すでに五月の十九日閣議に報告されて正式に決定されている内容でございます。
#127
○佐藤昭夫君 この問題だけやっているわけにいきませんので次の問題に移りますが、看護休暇の問題ですね、配偶者や父母、子供などが病気のために、特にこの主婦である学校の婦人教職員が、そうした家族の看病のために学校を休まなくちゃならないという、これがかなり退職の理由の一つにもなってきているという今日深刻な事態が生まれておると思うんですけれども、こうした問題の改善、解決のために文部省としては何か方策を考えていますか。
#128
○政府委員(三角哲生君) 女子教員の勤務条件については、先ほど来、質疑応答がございましたように、現在各種の保護措置が講じられておりまして、私どもとしては、それらについて今後とも適切な運用が行われるように努めてまいる考えでございますが、教員だけに、しかも女子教員だけに特定して御提案のような制度を設けることは現実問題としてはなはだ困難であるというふうに考えております。
#129
○佐藤昭夫君 しかし、現状は文部省がなかなか積極的措置をとってくれないからということで、幾つかの府県が独自にこの婦人教職員の要望に沿って幾つかの方策を打ち出しているわけですね。たとえば京都、この京都府は看護休暇三十日というのを保障するということで、年休一年間二十日間、これをさらに超えて看護のために休まざるを得ないという場合には、そのための承認休暇を三十日与えるという方向になっていますし、同様の方向が奈良県、ここでも大体そういう方向に進もうとしておる。あるいは秋田などでは、無給ではありますが一年間休暇を保障する等々、そのほか相当の県で、この県の教職員組合との交渉によって、具体的な看護休暇、またはそれに匹敵するようなそういう措置をいろいろ検討を始めている。文部省として当然こういう状況はつかんでいますか。
#130
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘のような状況については特別の調査ないしは報告を受けておりません。
#131
○佐藤昭夫君 文部省は頭からそんなような制度はいまはむつかしいということで投げているから、各府県がどういう取り組みを始めておるか、この実情もつかもうとしていないということかと思うんですね。しかし、せっかく幾つかの府県がそういう方向をとろうとしておるこういう時期に、文部省がそれを励まし促進するような積極方向をぜひ打ち出してもらう必要があるんじゃないかというふうに私は思いますね。とにかく、これも実際に調査をしてみれば文部省としてもわかることだと思いますけれども、婦人の教職員の退職理由、この退職の退職勧奨なんかが始まる年齢のそれをはるかにそこへまだ到達をしない間にやめる人たちが少なからずあるわけですけれども、そういう人たちの相当大きな部分の理由に家族の病気、看護のためというのがあるわけです。そこを救うために何らかの特別休暇の措置を認めていく、そういうことがあってしかるべきじゃありませんか。他の産業との関係と言うんだけれども、育児休業制度それ自身がまず学校現場のこの関係からその制度をつくろうということで始まってきた。これがおいおい看護婦さんとか、保母とか、あるいは電通の関係とか等々、そういうところへずっと拡大をしてくるそういう糸口を、役割りを、この教育のこの分野が果たしてきた。そういう意味では、文部省の一定のこの積極的措置をとってきた、こういう歴史的経緯にかんがみて、この看護休暇の問題についても文部省として積極的方策をぜひ検討したらどうですか。
#132
○政府委員(三角哲生君) 私も別段先入観念でもって物事を投げているとかそういうふうに振る舞うつもりはございませんので、ただいま御指摘のような事例がもしあるのでございますれば、私どもの方としても、聞いてみまして勉強をし、研究をいたしたいと思っておりますが、これはやはり都道府県なり市町村なりが任命権者としてその公共団体の中の諸事情、教員の採用の状況、あるいは年齢構成その他いろいろな要素を勘案して独自に単独でいろいろなやり方なり仕組みを工夫なさるということは、これは当然のことでございまして、先ほど来の御指摘もありましたような、たとえば新採用の教員試験の年齢制限の問題にいたしましても、あるいは勧奨退職をどういうぐあいに実際上の取り扱いとしてやっていくかとかいうことなども同様のことでございまして、これはそれぞれの任命権者がしかるべく検討をし、判断していいことでございますが、御指摘のような看護休暇のような問題も含めまして、これを果たして国として全国一律の一つのシステムにするかどうかについては、これはどうしましてもやはり全体の問題状況の検討の中で慎重に取り組んでいかなければならないということがあると思います。
 したがいまして、冒頭申し上げましたように、御提案のようなことを教員だけについて考える、あるいは教員の中でも女子教員だけについて考えてはどうかというようなことでございますが、これはやはり制度としていまそういうことに取り組むということは困難である、こういうふうに申し上げざるを得ません。
#133
○佐藤昭夫君 いまのような答弁繰り返しなさっているわけですけれども、やはりそういう答弁にあらわれておる文部省の考え方が非常に保守的であるというか、現場の婦人の教職員から熱望されている問題に、他省庁に先駆けて文部省はまず一つ口火を開こうと。ただ、いよいよ最終的に実施をするに当たっては、他省庁との関係もあるから、いますぐここでやりますというふうにお約束できませんという、そういう答弁であるのか、よそを理由にして文部省もとてもとても無理な話ですという形で逃げまくっていく、そういう態度なのか、ここに文部省の姿勢が問われておる根本問題があると思うんですよ。すべての問題がそうです。たとえばそれならば、文部省がやる気になったら他省庁と関係なくできる問題――育児休業制度をいま大学の関係が適用されていませんね。大学は大学附属病院の看護婦だけ適用されているけれども、大学の教職員については育児休業制度は適用されていない。これはなぜやらないんですか、いつ始めるんですか。
#134
○政府委員(三角哲生君) これは現在の法律に基づいてやっておることでございますので、私どもはこの現行法にのっとりましてこの制度が円滑に適正に実施されるように心がけておるわけでございまして、これ以上のことは現在考えておらないわけでございます。
#135
○佐藤昭夫君 いまの法律が大学を適用の対象に置いていないということはようわかっている。わかっているからこそ聞いているんです。いまの法律のそういう不備があるわけですね。同じ教職員といいながら、学校関係といいながら、だれが見たってなぜ大学だけが外されているのかということについては納得ができない問題でしょう。
 社会党の提案者の方のお考えはどうでしょうか。
#136
○小野明君 これは先ほどから御答弁申し上げておりますように、すべての女子の勤労者に適用が拡大をさるべきであるというのが私ども提案の趣旨でありますが、同時に、現在のこの育児休業法の是正しなければならぬ必要、緊急性あるいは法の欠陥というものを是正しようというのが私どもの提案でありますから、御趣旨のように、文部省としてもこれは早急に大学にも当然適用を拡大すべきである、こう思います。
 ちなみに、いま佐藤委員が言われるのは国立大学ですね、国立大学の女子教職員という問題であろうかと思いますが、これが全体で二万五、六千人おるわけですよ。それで、この中で附属の小中高の教員あるいは看護婦さん、あるいは女子教員、女子医療職員、女子事務職員、検査技師、女子の図書館司書、当面適用されなければならぬ方が一万二、三千人おられるわけです。大学の教員ということになりますと、なかなか代替というものがむずかしいわけですが、これについても、当初申し上げました原則に従って早急に是正対処さるべきであるというふうに思います。
#137
○佐藤昭夫君 最後に、法案には直接関係ありませんが、きわめて緊急を要する問題でありますので、一問お尋ねをしておきます。
 北九州市の若松区波打地区、ここでいわゆる同和奨学金が、市当局の不当な窓口一本化のために、部落解放同盟に属していない人には支給されないという問題が起こって、これが裁判になってまいりました。一審でも市当局は敗訴をし、引き続く福岡高裁の二審でも敗訴をした。すでにこの判決が確定をしておりますが、北九州市はこの問題だけでなく、同和行政について裁判で二十回ほど連続をして敗訴をしておる問題もありますけれども、しかし市当局はみずから上告を断念をしておきながら、判決の趣旨に沿った行政を是正をしようということになっていない。このことについては、すでに地元出身のわが党の小沢、三浦両衆議院議員からも文部省の指導を要望してきたところでありますが、最近、北九州市の担当者が文部省へ参りまして、市の行政方針をこれまでどおり続けていきたいと説明して文部省の了解を得てきたということで、地元で発言をしておるということでありますので、まさか文部省が裁判によって確定をしたそういう問題を曲げてでも、従来どおり、北九州の方針どおりやった方がいいんだという、そういう指導をなさるはずはないというふうに私は思っているわけですけれども、事実はどうかということと文部省の見解、今後の指導方向についてお尋ねをしておきたいと思います。
#138
○政府委員(三角哲生君) 私ども、ただいま御発言のありましたようなそういう事実関係はございません。
 同和対策進学奨励費の支給の問題でございますが、これは関係地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じまして独自の支給の方法等を定めておるわけでございますが、どういった方法をとるにせよ、本件奨学金が対象としておりますところの同和地区住民子弟に公平に及ぶものでなければならない、こう考えております。このことは昭和四十八年の各省事務次官通達をもって各地方公共団体に示したところでございますし、北九州市につきましてもこの通達の趣旨が徹底するように指導しているわけでございまして、今後とも私どもはそういう指導に努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
   〔委員長退席、理事大島友治君着席〕
#139
○勝又武一君 私は本日の質問の終わりでございますし、なお本日は多くの委員の皆さんからそれぞれの観点で御質問がありました。重複を避けまして、できるだけお聞きをしてまいりたいと思っております。
 まず最初に、提案者の方にお伺いいたしますが、この育児休業の行使の状況ですね、特にそのうちで行使期間というのは一年未満、大変多いような感じもいたしますが、その辺の状況について特にお聞かせをいただきたいと思います。
#140
○粕谷照美君 提案理由の中にも、大体五十三年度は五四%、五十四年度は七〇%と、こうなっておりますというふうに御報告申し上げましたし、行使状況については先ほど文部省の調査で一ヵ月から四ヵ月も大体三分の一、それから八ヵ月も大体三分の一、九、十と八ヵ月以上が三分の一というような数字の御報告もありましたので、それで私は結構だというふうに思いますが、日教組の婦人部の調査を見まして大変特徴的なことがあるなと思いますのは、やっぱり目いっぱい使う、なるべく長期間休むという数字が出ているということです。十ヵ月が二〇%、九ヵ月が二・六、八ヵ月が二・四ですから、学期の初めというようなことで区切りをつけられるのでありましょうけれども、ずいぶん長くとる、一年間近くとるということが一つの特徴。
 もう一つは、三ヵ月で打ち切ると、俗に昔からの言葉で言うと、首がすわる時期ですね。その時期が終わりますと学校へ出てくるという数字が出ておりまして、非常に目立つところです。だから、それは子供が首がすわるようになったから安心して出ていかれるというのではなくて、もう無給に耐えられなくなって、とにかく何とかして早く出るという一つの接点が三ヵ月というところにあるのではないかというふうに考えています。
#141
○勝又武一君 私も現場におりましたころは、特にこの育児休業を全国的にもう一番最初に唱え出した方でございまして、そのころの現場のことをよく考えてみますと、一年どころか二年、三年にしてほしいという要望があったことをいまでもよく覚えているのでありまして、そういう点からいきますと、やはり一年未満という状況の中で、できるだけなら一年に近い形が私はより望ましい、条件さえあればそうしたいという方が多いというように私は思われていると思うんですが、特にいまお話のありましたような、三ヵ月というような短期間でがまんしなければならないという、この理由といいますかね、事情といいますかね、その辺は一体どういうことが一番多いというふうに提案者はお考えになりますか。
#142
○粕谷照美君 やっぱり先ほど申し上げたように、とにかく無給であるということが原因であります。お金が入らないというだけじゃなくて、入らないのに出産前と同じように金が出ていくのであります。それ以上に子供の養育費というのは、覚悟はしていても、思わぬお金がたくさん出ていくものですから、それで打ち切らざるを得ないというふうに考えています。
#143
○勝又武一君 育児休業制度が議論をされた際にも、この行使期間というのはいろいろの観点でいろいろの議論があったというように思っています。先ほども二年、三年という話もありましたが、一番現実的な当面の対応策ということで一年というようになったというように私は思いますが、特にそういう意味で、教育というのが相手が子供でありますから、児童生徒でありますから、これに対する影響ということを、当時のこの法案を成立させる際にも多くの皆さんがお考えになったんだろうというように思うわけです。
 そういう意味では、私はやはりこの三ヵ月程度というのは、実はいろいろの意味での教育面での悪影響といいましょうか、代替者の問題も含め、それから現場のそういう実情等を考えますと、この辺が一番心配になるのでございますが、そういうような点で学校現場で児童生徒に対するしわ寄せとか、あるいは混乱とまでは言いませんけれども、代替者との間にスムーズな状況がされているのかどうなのか、この辺については提案者はいかがでしょうか。
#144
○粕谷照美君 子供というのは大変複雑なものでして、三ヵ月たったから首がすわって、とにかく扱いやすくなって安心して勤められると思ったらそうではなくて、またそのころからぐあいが悪くなったり、
   〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
あるいは出産をした婦人教師そのものがやっぱりぐあいが悪くなったりいたしまして、一たん育児休業、産休が終わって出ていっても、やっぱり育児休業に入りたいと、こういうふうにして一ヵ月後なり二ヵ月後なりに育休に入る人もいます。そして、産休に引き続いて育児休業をとって、一学期が終わって二学期から出るようにしようと、そう思って出た途端にやっぱり何かの故障でもって途中からまた育児休業に再度入らなければならないと、こういうような実態も現実にあるわけです。
 そうしますと、その休むこと自体はどうということはありませんけれども、そのたびにやっぱりかわりの先生を探さなければならないということが出てきますし、生徒にとってみますと、一ヵ月習ったらまた違う先生、また三ヵ月たったらまた違う先生というようなことが出たりなどをいたしまして、非常に問題は、事実あるということは私も指摘せざるを得ません。
#145
○勝又武一君 この育児休業制度が無給制度だということについてのいろいろの議論がございました。人事院の方がノーワーク・ノーペイというようなこともお話しになったりしておりましたが、この無給制度ということについて、法律が成立しましたときにももちろん議論があったところでありますが、再度この附帯決議を拝見をいたしてみますと次のようになっているわけですね。これは七十五国会ですからもうちょうど五年ぐらいたつんでしょうか、当時の参議院文教委員会での附帯決議は五項目ありますが、特にそのうちの第一項、「政府及び人事院は、本法の施行に際し、次の点について留意すべきである。」その第一ですね、「育児休業の許可を受けた女子教育公務員等に係る給付に関する人事院勧告の内容については、本俸によってなされ、十分な額であることを期待し、政府は、この勧告に係る財政措置について配慮すること。」こうあるわけですが、ここの「十分な額であることを期待し、」というのは、先ほどからいろいろ議論がありますように、何ですか、共済組合だか、その他何とかの掛金程度だということみたいですが、果たしてこのときの附帯決議に言われた「十分な額であることを期待し、」というのはその程度のことであったのかどうなのか、特にこの辺、提案者にお聞きをしたいところです。
#146
○粕谷照美君 いえ、「十分な額」というのは、最初に私どもが法律をつくって出しましたとにかく八〇%支給と、これが「十分な額」だというふうに思います。しかし、これは政府が出す法律でありませんで、議員立法ですから各党の皆さんからの御理解をいただかなければならないわけで、その間に五〇%ではどうかとか、六〇%ではどうかとか、じゃ三〇でもって国会対策委員会の段階では手を打ちましょうなどというような話がいろいろある中で、最終的にゼロということになったのでまことにもう残念きわまりないというふうに考えております。
#147
○勝又武一君 文部省にお伺いしますが、先ほども文部省からもお話のありました利用率五四%程度というのを文部省はどう評価されるのか、あるいはいまお話しになったような使用する期間が非常に短い。これらについて、一体それは文部省としてはその程度で是認をなさっているのか、いやその点は非常にまだまだいろいろな欠陥があるので不満なのか、教育という観点から現場の教育を本当によくするという意味で、そのことは一体いまどういうようになっているのか。五年たった中でどうそれをいま評価をされているのか、この辺についていかがですか。
#148
○政府委員(三角哲生君) 五十二年度におきまして四七%、五十三年度におきまして五四・四%とだんだんにこの育児休業の制度を利用なさると申しますか、活用なさる方がふえてきておるわけでございまして、その点はやはりそれぞれの先生方の状況なり、あるいはお考えなり必要なりに応じてこの制度が十分に活用されてしかるべきだ、こういうふうに思っております。あくまで御本人の申請に基づきまして任命権者がこれを許可をする、こういうことでございまして、そうして申請があれば私どもの調べではこれは全部許可されておりますので、そういう意味では非常に自発的なお考えに基づいてこれを受けとめていくということであります。これがふえていく傾向にあるということ自体は、やはりこの制度がかなりそういった先生方の育児をしっかりやっていく上で機能しておるんじゃないか、こういうぐあいに見ておるわけでございます。
 なお、期間の問題につきましては、これはまあそれぞれの先生方の受け持っておられる子供たちへの配慮とかそういうことももちろんあると思いますけれども、さらにはやはりさきに申し上げましたようなそれぞれの御家庭の事情とかいろんなものがかみ合っておると思いますので、私ちょっとこれについて評価を的確にするということはむずかしいと思いますけれども、それはやはりもし必要でありますれば必要な期間休業をおとりいただいてしかるべきなんで、一年間満一歳になるまでこれは認められるということになっているわけでございますので、そこのところもこれは御本人の状況なりお考えなりこれにゆだねていいんじゃないか、こう思っております。
#149
○勝又武一君 重ねて局長に伺いますけれども、この育児休業を利用される教職員の皆さんが本当に次のもう一度現場へ戻って教育をやっていくために、子供を育てるその期間いろいろの苦労がありますね。そのためにはいろんな経費もかかる。それは育児のためのこともあるし、もう一度教育現場に出たときに同僚の皆さんに絶対おくれないようにするためには自己研修もしなければならないし、いろんなことがありますね。そういう意味で私はいろいろの苦労をされている中でこれを行使されていると思うんですよね。だから、何か局長の話を聞くと、非常にいまの制度がもう万々歳なんだと、だから大いにどんどんどんどん行使者がふえているんだというようにはよもやお考えにはなっていらっしゃらないと思うんですが、そういう意味での、法律ができて五年たって、法律ができるときの経過もよく知っていますけれど、できるならそういういろいろの経費なりあるいは費用といいますかね、それから特に教育現場へ戻ったときに十分活動できるような、そういうような意味合いも含めたそういうものについては、文部省はやっぱり必要だと――いま払える払えないの問題は別ですよ、法律上は。そういう点についてはどんなですか。
#150
○政府委員(三角哲生君) この現在の法律が立案され審議されましたときも、まあ議員立法という形で行われたわけでございますが、ただいまおっしゃいましたようなことも含めていろいろな御議論があったと聞いております。そうして、御審議の結果いろいろな検討を経まして現在の制度ができておるわけでございます。それは、いかなる制度につきましても、あるいはいかなる職員の待遇、処遇の問題につきましても、少しでもよくすればそれの適用される職員にとっては好ましいに決まっておることでございますけれども、やはりこういった非常に一つの新しい、そして特例的な措置につきましては、どういたしましても現在の日本の経済社会なり財政なりの状況のもとにおきまして、そういう幾つかのほかのまたいろいろな職種なりあるいは職場なりの状況、全体の状況の中でのどうしましてもつり合いとか、そういったものを考えた上で一つの制度として落ちつくものになりますので、それは御指摘のように女子教員の立場だけ考えて何かしようと思えば、それはまだまだいろいろなことが考えられますけれども、いま申し上げましたようなことでやはり国の全体的な制度というものは成り立つものでございますから、私どもとしては、現在のこの制度ができるだけ現場の女子の先生方に活用されることが望ましいというふうに先ほど来申し上げておるわけでございます。
#151
○勝又武一君 先ほども発議者の方からも、この法案ができるときのそれぞれ各党の最大公約数的な苦心話の一端が御披露されましたけれども、私もそこはよく理解できるつもりです。特にこの附帯決議というのは全会一致の附帯決議でございまして全党賛成の附帯決議ですから、そういう意味でも、この附帯決議はそれぞれの皆さんの最大公約数ということもよく理解できます。
 そこで、さらに局長に伺いたいんですが、「政府及び人事院は、」と、こうございまして、先ほど読み上げた一項があります。それから二項には、「任命権者は、本法の運用に当たっては、各職種の特殊性について十分に配慮すること。」、こうございますし、四項には、「政府は、民間における育児休業制度の設置を一層促進するため、財政措置等について努力すること。」というようなこともございます。ですから、こういうことを考えますと、この附帯決議が期待をしているところですね、特にこれは文部省に。そういう意味で、私は五年間たったんですから、やっぱり人事院に対して文部省が何らかの具体的に行動があってしかるべきだと。せめて育児休業制度について文部省としてはかくかく思うと、教育現場の実態に立って教育を本当によくするという意味だったら、ここは人事院よこうすべきだというようなことがあってしかるべきだというように私は思うんですが、ありましたら大変恐縮なんですが、寡聞にして余り聞いておりませんので、人事院に対する文部省がとられた五年間の、何というんですかね、動きといいますか、そういう点について、たとえば具体的にはこういう申し入れをしたとか、そういうようなことについてひとつ局長からお聞かせください。
#152
○政府委員(三角哲生君) これは現行法の附則の二項、三項の問題に関連しているかと思いますが、その条項におきまして、当分の間、育児休業の許可を受けた女子教職員等に対し、必要な給付を行うことができると、こういうふうに言っておるわけでございまして、そして人事院がこの給付について必要な事項を勧告するものとしておるわけでございますが、この育児休業給の支給額につきましては、先ほどの御質疑で人事院の方からも御説明があったわけでございますが、先ほどの御説明のような趣旨で昭和五十一年三月にその勧告が出されましたわけでございます。そして、その勧告を受けまして、この勧告を尊重して一般職の職員の給与に関する法律の規定が整備されたと、こういう状況になっておるわけでございまして、私どもとしては、この現行の育児休業法に基づきます育児休業給というものにつきましては、人事院において諸般の事情を考慮されまして検討の結果なされた勧告に基づいて決められておるものでございますので、これはこれで一つの、何と申しますか、育児休業給というものとしてでき上がったものである、こういうことでございまして、現在のいろいろな状況のもとにおいてはこれが妥当なものであると、こういうふうに思っておるのでございます。
#153
○勝又武一君 五十一年までのことをお聞きしたんじゃなくって、人事院の勧告が出された後、もうそれで終わりだということではなくって、それ以降、局長が言っていらっしゃるように公私立の問題もあるし、そういうような点で文部省としてこういう点についてはさらにこうすべきだというようなことを、それからもう五年たっているわけですから、人事院が勧告をした後、五十一年以降、文部省としてはさらにあってよかったんじゃないか。育児休業給というのはこれで確定したんだからあとはもう一切知らぬだと、こういうことではなくって、やるべきだ、やるべきではなかったか。具体的に何かおやりになったのか、こういうことをお聞きしているんです。おやりになりましたか。
#154
○政府委員(三角哲生君) 五年前のこの法律に基づきます育児休業の許可を受けた女子教育公務員等に対する処遇の問題は、この法律に基づきます処遇の問題としては私どもとしてはちょっと変な言葉ですが、一件落着した事柄であると、こういうふうに思っておりますので、その後ただいま御質疑のような措置はやっておらないわけでございます。
#155
○勝又武一君 一件落着していないことをぼつぼつお聞きしようと思いますけれども、そこで提案者にお聞きしますけれども、実は期末勤勉手当というのを支給されているわけでありますが、普通の一般教職員、これは一般職の給与に関する法律ですか、当然それに基づいているわけでありますが、この育児休業に入っている方々の中に、実は育児休業に入る前に、もちろん教職員をやっているわけですから勤務していた期間がある。だから、当然私は期末勤勉手当をもらえる、そういう支給されるべき期間に勤務していたんだからというように思っていらっしゃる方のうちで期末勤勉手当が支給されないという不満をよく聞くのでありますが、この辺の事情はどうなんでしょうか。提案者の方に御説明をいただきたいんです。
#156
○粕谷照美君 いま勝又委員がおっしゃるように、確かに一定期間の在職期間がないと期末手当と勤勉手当は支給をしないということになっています。やがて六月十五日が夏期手当の支給日でありますけれども、その在職期間のほかに六月の一日現在にいなければこれはもらえないと、こういうことになっているわけですね。したがいまして、五月の二十七日に産休が終わりましたと。本当は育児休業に引き続いて入りたいんだけれども、六月一日にいないと夏期手当がもらえないということで、無理をして六月の二日ぐらいまで勤めるわけです。それから育児休業に入れば、この夏期手当はもらえるわけですね。そうしますと、その四日なり五日なりというものは出勤いたしますから、産休のときの代替の職員はそこで首になるわけです。そしてまた五日後にあなたは引き続いて育児休業の代替職員に来てくださいますかと言ったって、そうは代替の方だって、はいはいというわけにはいかない。引き続いてこそいいけれどもということで行くのを拒否されたり、あるいはまた違う先生が来たりする。そうすると、一学期のうちにその子供たちは、まず産代の先生、そして本物の先生、また別の育休の代替の先生と、こういう実態も出てくるということになると思います。
#157
○勝又武一君 先ほど人事院の方はノーワーク・ノーペイということをおっしゃいました。育児休業に入ってからノーワーク・ノーペイだから払わない、無給だという、このことは一つの理論として別途置いておきましょう。
 いま提案者の方が説明されたように、これから局長にお聞きしますけれども、五月二十七日なら五月二十七日までずっと勤めていた。つまり在職していた。手当の支給対象となる在職期間、教員なり職員として働いていた。これは事実ですね。六月一日といういわゆる基準日にたまたま育児休業に入ったと、三日の違いで。そうすると、この人は当然手当支給対象となる在職期間働いていたにもかかわらず、期末勤勉手当が支給されないといういまの法律、条例になっていますね。局長、私はこれ労働基準法違反じゃないか。労働基準法の十一条、十二条を見ましても、この労働した期間に対する当然の保障がされていない。簡単に言っちゃえば労働基準法に言う労働の対価として払うべきものを払っていないと。はなはだおかしいじゃないかと考えるんですが、いかがですか。
#158
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘になっておられる問題はお聞きしておりまして私も理解はできるつもりでありまして、不利な状況だというお話だと思います。その点はわかるつもりなんでございます。
 ただ、現行制度上、基準日におきまして無給の職員に該当した場合は、これは期末勤勉手当の支給対象から除外されるということにされておるのでございます。したがって、その育児休業をしておられる方も、原則、無給の職員として同様の取り扱いとされるものであるものですから、これを育児休業の場合についてだけ、基準日に無給の職員という形になっておっても支給をするということにいたしますのは、他の無給職員との均衡の上からも、それからもう一つは、育児休業制度の適用のない職員の人たちもいるわけで、そういった方々との均衡上からもきわめて問題がある事柄であると、こう申し上げざるを得ないんでございます。これは、局長の考えはどうかと聞かれましたけれども、現在の給与法の全体の体系の上でそうなっておりますものでございますから、ちょっと私からはこれについての意見を申し上げにくいと、こういうことでございます。
#159
○勝又武一君 初中局長が答えられなくて、だれがお答えになるんですか。大臣、答えてくれますか。これはだめですよ。そうじゃなくて局長、こうしたことははっきりしてくださいよ。
 私が言っているように、当然、労働の対価として払うべきものであると、これがまず第一点。いいですね、働いた期間だもの。働いていた期間も払わなくていいなんていうことがありますか。これはまさに労働基準法違反です。だから、基準日という議論別にしましょう。基準日という議論は別にして、ともかく働いていた期間については払わなくちゃいけないというのは労働基準法上あたりまえでしょう。そこはいいでしょう。
#160
○政府委員(三角哲生君) 期末・勤勉手当、期末手当、これは基準日、支給日が決まっておるわけでございまして、そのときにたとえば退職しておれば、これは支給されない、こういうことでございますから、これは全体の公務員の給与制度、給与法の問題でございますので、私、文部省だけでこれに対する考え方なり何なりは申し上げるのが無理であると、こういうふうに先ほどお答えさせていただいたわけでございます。
#161
○勝又武一君 それおかしいんじゃないですか、局長。これは一般職の給与に関する法律の十九条の三を見ましても、確かに基準日ということはあるけれども、「基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した職員についても、同様とする。」。この十五日という概念があるでしょう。それから、「一箇月十五日未満」「三箇月未満」、このいわゆる在職期間の切り方に基づいた割合ですね、百分の百とか、百分の八十とか、百分の六十とか、百分の三十とか、この一般職の職員の給与に関する法律の十九条の三からいきましても、基準日という概念を別にすれば、ともかく在職期間働いていた人については期末・勤勉手当は払おうという思想でしょう。そうじゃなかったらおかしいんじゃないですか。働いた期間も払わなくたっていいなんてことが労働基準法上許されますか。たまたま期末・勤勉手当は三月一日と六月一日と十二月一日の基準日に在職した職員ということになっているだけであって、その前のやつまで払わなくたっていいなんていう話がどこにありますか。それはいかがですか。
#162
○政府委員(三角哲生君) ちょっと私も御説明が不十分だったかと思いますが、期末手当につきましては、その基準日に在職する職員でございましても、無給の休職者でございますとか、停職者でございますとか指定がございまして、そして、育児休業職員の場合も本質的には無給という、先ほども御説明にあったようなことで、それに該当しておる者でございますから除外されると、こういうことで人事院規則の上で定められておる、そういうことでございます。
#163
○勝又武一君 これは全然違うんですよ、局長。いま言っているのは期末・勤勉手当の人事院規則九−四〇というこれでしょう。これの方は育児休業に入っている者は無給、払わないということですよ。そうじゃなくて、私の言っているのは育児休業に入る前の期間、五月二十七日までずっとやっていたというのあるわけでしょう。六月一日から育児休業に入るという職員について、それにも全部支給をしないということでしょう。それについては考え直されたらいかがですか。たまたまその基準日にいたかいないかということだけが議論になっているわけだから。基準日にいたということを変えさえすればいいわけでしょう。基準日に在職していたという、その日にいないということだけだから三日の違いでしょう、先ほど提案者がおっしゃっているように。五月二十七日までは支給される方だと、勤務をしていた期間だというのもあるわけですよ。わかりますか、私の言っている意味。産休が終わってもう一度戻ってまた育児休業に入る場合もあるでしょう。そういう場合も含めて考えますと、この三月一日、六月一日、十二月一日にたまたまいたかいないかということで、本来ならば当然支給されるべき期末・勤勉手当がされていない職員について、救済措置を講ずべきだというのがこの法律の趣旨ですから、給与法との関係はあるでしょうからね。その他の職員とのバランスについては、給与法なり人事院規則を変えるための努力を大いに文部省やるべきじゃないですか、そう聞いているんです。
#164
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘のありました規則の九−四〇の第一条で、無給休職者、刑事休職者、停職者、非常勤職員、未帰還職員、専従休職者、無給派遣職員、育児休業職員と、こういうぐあいに人事院の方で決められておりまして、これはやはり一つの給与の制度としての体系として考えられておることだと思いますので、私ども必ずしもそういう給与制度そのものの専門ではございませんが、御指摘を聞いておりますと、育児休業をとる時期によって、人によって扱いが必ずしも同一でないということが起こり得るのだと、こういうことはわかりますので、私どもとして研究をしてみたい。その上でまた、どういうぐあいな方策があるかは考えさせていただきたいと、こういうぐあいに思います。
#165
○勝又武一君 これは二つ三つのことから検討してもらいたいという意味で、局長にもう一つお聞きしますと、午前中のこれは大島委員の質問に対する答弁のやりとりの中でもありましたけれども、このための費用が約七億幾らというお話ございましたね。ところが、実際にはこの七億というお金は新たにやるんじゃなくって、当然この人たちがいまの基準日に育児休業をとらなければ予算化をされている、財源化をされているお金である、こういうように私は理解しますけれども、局長いかがですか。
#166
○政府委員(三角哲生君) こういった給与の経費というのは、ある程度の期間の実施の結果の姿を得まして、そして一種の平年度化と申しますか、平均化と申しますか、そういう姿を出しませんと、本来所要額というのは出ないわけでございますけれども、理論的に考えてみますと、先ほどの人事院の御説明のように、本来無給であるという者に対してああいう措置を考えたわけでございますから、そういう意味で、それはそのための経費として特出できると、こういうことでございます。
#167
○勝又武一君 これは大臣、特にお願いしたいんですが、いま局長からは文部省として具体的に研究してみたいということですから、私もそうお願いしたいんですが、特に大臣にお願いしておきたいのは、技術的なことは別です。いま私が言いましたように、この問題の争点は基準日にいるかいないかということだけなんです。その前に三ヵ月ちゃんと勤めていても、たまたま三月一日とか、六月一日とか、十二月の一日に育児休業に入っちゃいますと、その前の三ヵ月期間の期末勤勉手当をもらえるべき対象期間に勤めていた人がゼロになるということなんです。そうなりますと、それじゃ二、三日のことだから三月の一日だけ出ていよう、六月の一日だけ出よう、十二月の一日だけは育児休業に入らないで学校にいることにしよう、こういうことをやると支給になる、やらなければならない。まさに教育的でないわけですよ。そういう意味では、まさに教育の現場であり、教育的な観点を最も重視する文部省ですから、この辺の矛盾を解決する方途というのは私はあると。だから、そういう意味で、これはやっぱり教育的な観点で、何かそういうことで少し技術的にどうこうしたら支給され、どうこうしたらされないというようなことではない点での文部省としての御検討をぜひいただきたいというように、この点は特に大臣にもお願いをいたします。
#168
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど来からの御議論も拝聴いたしておりました。事実問題といたしましてははっきりとしてあるわけであります。それに対しまする解釈論なり、あるいはまた各省庁との関係もございましょうが、よく検討いたしまして善処いたしたいと思います。
#169
○勝又武一君 次に、私に与えられました時間も本日は少ないので、臨時的職員の任用の問題について最後にお伺いをしてまいりたいと思います。
 この育児休業に伴います臨時的職員の任用につきましてもいろいろ議論がされておりますけれども、特にこの代替者の配置等についてはいろいろの問題があると思いますが、そういう点につきまして、現状なりあるいは発議者としましてそれらについてお感じになっている問題点等ございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#170
○粕谷照美君 この任用につきましては、地公法二十二条、育休法十五条によって採用されることになっております。
 実態はどうかということになりますが、私も調査をしてみますと、五十四年度を見ますと大体九九%と、定着をしているというように理解をしていいかと思います。しかし、おっしゃられたような問題がないわけではありません。とにかく一人が代替教職員として担当すると、これが原則ですけれども、二人あるいは三人と産休中あるいは育休中に交代するという事実もありますし、また、夏休み期間なんていうのは代替教職員なるがために身分を打ち切られるということがありますね。教育の場所というのは、夏休みに先生の目を離れた子供たちが一体地域でどういう生活をしているかというのを見守るというのも教員としては非常に大事なことなんでありまして、そのために自転車に乗って走ったり、川のあたりを歩いてみたり、プールのあたりや盛り場などをもう一生懸命になって歩いているわけなんです。これ、身分を打ち切られればそういうことをしないでもいいですよということになりまして、教育的には大変な問題点があるということが指摘をされているわけであります。それからまた、年度末になりますと、これもまた不思議なんですけれども、予算がなくなったと、こんなことで打ち切られるなどという行政上の問題もあります。
#171
○勝又武一君 関連して幾つかお聞きしたいんですが、特にいまありました夏休み、夏季休業期間中の問題について、これは文部省にお伺いしたいんですが、いま発議者の方からお話をお聞きすると、どうも両面ございますね。一つは、この代替教職員の方も賃金がなくなるわけですね、夏季休業中打ち切られちゃうと身分がなくなるから。そしてまた、九月に出てこいというと、この人は一ヵ月間まさに勤めてないから給料は何も払わないと、こうなっちゃいますね。それから、学校の方では、先ほどからいろいろお聞きしてみますと大変な御苦労があるようですね、プールの監督から登校日から。こういうような両方の困難点が発議者から披露されているんですけれども、文部省としてはこういうことは全然知らぬ顔していらっしゃるんですか、それともまずいことだから何か直そうとでもお考えになっていらっしゃいますか、どうなんでしょうか。
#172
○政府委員(三角哲生君) この育児休業の許可を与える場合の期間は、先ほど柏原委員の御質問にもお答えして申し上げたのでございますが、本人の申請に基づきまして、その子供が一歳に達するまでの間で任命権者の定める日までと、こうされておりますが、それに伴って臨時的に任用をされる代替教員の任用期間はその育児休業期間と同一ということでございます。ただ、その臨時的任用でございましても、もし不幸にして子供さんが亡くなったりしまして育児の必要がなくなればその許可が失効しまして、そういった法定の事由による場合は途中で解雇されるということはあり得るのでございますけれども、やはりその育児休業の期間中は任用されるということでございまして、ですから夏休みがかかっている場合でも、夏休みにしかるべき子供の指導なりあれば、それはやはりその臨時任用の代替教員にやっていただくということでなければいけないと思います。
#173
○勝又武一君 局長はいけないとおっしゃっているんですけれども、現場の方では全然違うという話なんですけれどもね。同じ日本の国の話なんでしょう。全然文部省はそういう実態をお知りになっていらっしゃらないのか、知っているんだけれども局長はそういう一般的答弁をされればいいというように理解されているのか。全国状況についてはどう把握をされていらっしゃいますか。そのいまの夏休みだけ、夏季休業中の問題だけに限定してお答えくださいませんか。
#174
○政府委員(三角哲生君) いま御指摘のようなことは私ども聞いておりません。
 で、やはり先ほどお答え申し上げましたような方針で指導をいたしたいと思いますけれども、これは本来は、それぞれの地方公共団体におきます任命権者が責任を持っておることでございますけれども、私どもはさっき申し上げましたような原則にのっとって指導してまいりたいと、こういうふうに思います。
#175
○勝又武一君 これは局長、いまおっしゃったように、私たちはそういうことを存じていない、しかし実際にあった場合には指導するということですけれども、少なくともいま夏季休業中の問題がこうして明らかにされているわけですから、文部省としてはそういうことはもう一切やめさせるということでなければいけないんじゃないですか。何か方針だけはちゃんと答弁だけはしているけれども、あとは何かまただんだん声が小さくなってそれは各任命権者がおやりになることですなんて、大体ほかのことでは文部省はずばずばっとおやりになっていてこういうことになるとだんだん違ってくるというのは全くおかしいんじゃないですか。だから、夏季休業中の問題は、いま初中局長がお答えになったようにやっていないところはそういうふうにやらせますと。当然これは法律でしょう。法律に基づいて、やっていないところについては毅然たる態度でやられるのはあたりまえじゃないんですか。だから、局長が言うようにやっていないような県があれば――夏季休業中、期間があるのに打ち切ってしまったりね、そういうところは当然そういう毅然たる態度をもって当たるというようなことはあたりまえでしょう。その点は確認してよろしゅうございますね。
#176
○政府委員(三角哲生君) 夏季の児童生徒の休業期間中に、仕事がなければ別かもしれませんけれども、仕事がある以上はしかるべく先ほど御説明申し上げましたような措置をとっていただくということが必要であると思っております。
#177
○勝又武一君 もう一つ、この臨時的職員の任用の問題で、これはその代替職員の方もいろいろの待遇上の困難さがあると思いますけれども、それ以上に私は教育現場の方での問題点が出てくる。特に、たとえば中学や高校の教科担任の場合の代替教職員というのが適切に確保されているのかどうなのか、その辺の状況は一体どうなのかということが一つございますし、同時にもう一つは、この代替職員の方は共済組合員の資格も恐らくないんじゃないか。そうなると健康保険とかそういうことは一体どういうふうになっているんだろうかということについてもお聞きをしたいと思いますし、同時に、そういう意味で、賃金とか健康保険とか、あるいは共済組合が適用になれなければ長期給付がないわけでありますから、それでは、じゃ厚生年金に入れるかといえば恐らく厚生年金にも入っていらっしゃらないでしょうし、そういう意味での人材の確保という点で大変な悪影響が出ているのじゃないんだろうか、こういうようにも思いますので、これは提案者の方にその辺の状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
#178
○粕谷照美君 まず最初に、中学校の代替教員が適切に確保されているかという問題では、たとえば国語ですとか、あるいは数学――数学もちょっと困難なんですけれど、社会、こういう教科に関すればわりとあると思います。しかし、それでは僻地の先生がそうなったから僻地へ来てくれるかわりの人がちょうどいらっしゃるかというと、これまた困難なことも事実上はあると思います。では、体育の先生に体育の免許を持った方がかわりに来てくださるか、この辺のところも大変困難だといいますのは、現実に中学校の正規の教員そのものが無免許運転をやって授業をやっているわけですからね。まして、かわりの方が適切に入るということはきわめて困難でありますけれども、しかし、それでも全然いらっしゃらないよりは何とかそれに近づける努力をするということが大事で、皆さん必死の努力でかわりの先生が適切に配置されるようにがんばっていらっしゃると思います。
 それではそういう方々がちゃんと入れるような状況になっているかどうかというお尋ねですけれども、確かに共済組合には入れません。しかし、労働基準法などを考えてみますと、健保というのは三ヵ月以上いますと入れなきゃならないというふうになっていますので、この共済組合の問題ももう少し組合当局あるいは労働省のそういう雇用関係の保険の関係の方とやっぱり折衝をしながらきちんと保障されるような努力をしないと安心して働きに来ていただくわけにはいかない。もしその間にいろんな事故が起きたときには一体どういうふうに任命権者はその責任をとるのかという点でも問題があろうかというふうに思います。したがって、人材確保をするためには、一応きちんとした賃金についての条件を明示をしていく、これは雇用関係においてはもう当然の話だというふうに思いますけれども、その明示すらない県があるわけですので、その辺のところも持ち出して努力をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。そして、できれば、臨採ではなくて正規の採用にする。全員を正規の採用にいたしますと、育児休業をとった先生が帰ってくる、正規の採用の先生ですから、私はどこへもいきませんと言うと、育休の先生が現職復帰もできません。確かにそういう問題はありますから、全員を正規にというわけにはいきませんけれども、しかし、この育児休業をとる方々が多いような県におきましては一定の人数をプールをしておく、先ほども申し上げましたように、千葉県のように何十人かをプールしておいて正規採用にしておいて、そして育休の後を回したり、産休の後を回していったりするというようなことが非常に大事になってくるのではないか。そういう観点に立ちましてこの法律を出しているところであります。
#179
○勝又武一君 これは初中局長、ちょっと守備範囲違うかもしれませんけれど、いま提案者が説明されたように、共済組合員の取り扱い等については、私も、これは――あ、いらっしゃいましたらお答えいただきたいんですけれどもね、共済組合員の適用等については、これ文部省がちょっと工夫して少し努力していただければいまのような問題点の解決は生まれてくるんじゃないかとも思うんですが、いかがでしょうか。
#180
○政府委員(三角哲生君) 管理局長からお答えする前にちょっと状況を申し上げたいと存じます。
 これは五十五年四月一日現在での状況でございますが、公立学校共済組合加入の有無につきましては、育児休業の臨時任用の代替職員につきましては、加入しておるというのが十二県、それから加入していないというのが三十五県、こういうふうになっておりまして、加入ありというところは、しかし半年以上の場合とか、県によりましては一年を超えておる場合とか、そういうふうになっております。
#181
○政府委員(吉田壽雄君) 国家公務員なりあるいは地方公務員の共済組合制度は、御案内のとおり、継続的な雇用関係を前提として成り立っているわけでございます。で、いわゆる臨時職員であった期間で年金の基礎となる期間は、常勤の公務員について定められております勤務時間以上勤務した日が二十二日以上ある月が引き続いて十二ヵ月を超えるに至り、しかもその超えるに至った日以後、引き続き当該勤務時間により勤務することなど一定の要件に該当したものに限られているわけでございます。これは共済組合法並びにその施行令にそういう規定がございます。したがいまして、いわゆる臨時職員が採用当初から共済年金に加入するということはできないことになっております。なお、こういう代替教員で独身の方はたてまえとして国民健保に加入することになりますし、また国民年金に加入する、そういうたてまえになっているわけでございます。すでに結婚しておりまして夫が共済組合の組合員であるという場合には、この国民年金というのは任意加入でございますが、そういうことで短期給付につきましても、長期給付につきましても、そういう道は一応制度的に開かれておるということを申し添える次第でございます。
#182
○勝又武一君 特に臨時的な職員、代替職員を正規の教育職員に任用をすべきだと、このことが一番いま出ているいろいろの問題を解決できるただ一つの一番いい方法だというように私も思います。
 それは、理由を幾つか挙げますと、一つは、学校という職場がたった一つじゃないわけです。単位は県ですよね、これは大臣もうよくおわかりのように。これが、設置者がどうだとか、任命権者がどうだとか、いろいろな議論がありますけど、いま申し上げているように、すでに県ですから、一つの県という範疇で考えれば、学校があり、教職員がおり、そしてまた、ますます女子教職員がふえる趨勢を考えますと、まさにこれはもう日本国が続く限り永久に続くわけですよ、どこか途中でなくなっちゃうなんという困ることじゃないわけですから。しかも、一年間の代替の件数といいますか、それも大筋の予測ができる。こんなにやさしい算術はないんじゃないでしょうか。だから、学校があり、女子教職員があり、出産ということが予測をされ、産休があり、育児休業ということを考えれば、あとは行使率の問題と、それから行使期間の問題をどれだけ考えるかということですけれども、五年間たっていますから、そうすれば、大体年間何人ぐらい必要だということがわかるわけです。そうすると、どこの学校の教員にするかという問題が残るだけでしょう。この人たちは私はたとえば県の教育委員会へ配属しておいてもいい。県によっては地方教育事務所というのがございますね、この教育事務所の配属にしておいてもいい、あるいは市町村教育委員会へ配属しておいてもいい。つまり発議者もプール制ということをおっしゃいましたけれども、私も方法は考えれば幾らでも出てくるんです。ただ、ある学校の、何というんでしょうか、任命にならないということだけであって、教育職員としての身分というのは完全に保持される。
 それから、局長にお伺いしますけれどもね、三角局長よろしいですか、関連してるんです。それから、お金のことですけれども、先ほど局長はたしか一般教員と同じのが三十四県というように先ほど答弁されましたね。ということを考えますと、お金の面だって大して矛盾はないんでしょう。正式に教育職員に任用できないのかという問題点というか、困難点というのはなくなってきているんです。一体あと何があるのか。まさに学校に任命できないだけであって、配属さえ工夫して、そして仕事は育児休業に回ってもらう、産休に回ってもらう。その間いろいろ仮にあいたときには研修という方法もある。幾らでも考えられるわけですから、正規の教育職員の任用について、やっぱりもうそういう時期だと思いますので、文部省ではこの点もやっぱり思い切って踏み込んで検討すべきだと。給与についても先ほどの三十四県という点からいけばそう違ってないんです。共済組合のような問題も解決をする。特に私が一番力説したいのは、そういう代替職員の方の正式教育職員としての身分確保だけでなくて、待遇改善だけでなくて、教育という問題の方がはるかに効果が大きくなるわけでしょう、そのことによって。この辺は大臣の決意をお伺いしたいし、入って困る困難点というか、一切任用できないというような問題点はないというように思いますけれども、そういう意味で局長にこれらの諸点について具体的な検討に入っていただきたいというように再度お願いをするわけですが、この点について大臣と局長の見解をお聞きをしたいと思います。
#183
○政府委員(三角哲生君) 勝又委員からの一つの御提案があったわけでございますし、先ほど提案者の粕谷委員からは、全部ではなくても一定の発生率というか、利用率と申しますか、これが確実な見込み数の範囲内でそれの人員をプールをして、それを正式な任用にするという方法の御示唆もあったわけでございますけれども、現在の法律制度では、御承知のように、育児休業法におきましても臨時的任用による代替職員ということになっておりますし、それから教職員定数の標準に関する法律におきましても、これは教職員定数に含まない数ということにしておるわけでございます。育児休業をとられる方がどこの学校で何人出るかということは、これはその年によって区々になるわけでございます。
 おっしゃいますように、県で全部人間の数をまとめますと頭数になるわけでございます。ただ、個々の学校の人事配置の問題になりますと、これはそのときどきで異動がございますので、ですから同じ身分の方にするというふうになりますと、じゃその同じ身分の方のどの方が、いい言葉が見当たりませんが、遊軍みたいな形であちらへ行かれ、こちらへ行かれと、そしてその方のやはりお住まいの場所というようなこともまた関係してまいりますし、でございますので、私どもとしてはまだやはりこの現行の制度にのっとりまして、この育児休業の間を補てんしていただくのはいまのやり方でやるしか現在のところはないのではないか。ただ、実際にその方をお願いする場合には、先ほど来の御提案にもちょっとございましたけれども、かつて教職の経験があったような方で、そういうところに熱意を持ってひとつやってやろうというような方をできるだけ任命権者の方で確保しておいて、そして教育に当たっていただく、こういうことではないかというふうに思っておるのでございます。
#184
○国務大臣(田中龍夫君) 先生のいまのお話は、確かに大数観察の統計学的に見ますとそのとおりであろうと存じます。やはり一定の員数に対しまして必ずいろんな育休、産休その他の方が出るわけでありますから、それをずうっと統計的に見ますとそうなりましょうけれども、ただ局長がるるお話申し上げたように、一人一人が貴重な人材であると同時に、やっぱり職場の問題も、家庭がありましたり、あるいはまたその人の履歴の問題だとか、そう将棋のこまを動かすような機械的にはならないことも、またよく先生の御承知のとおりであります。この問題は確かにわれわれのような中央において考えておりますことと教育現場の具体的なケースケースにのっとっての先生方のお話と、この辺の調整がうまくできればよろしいけれども、なかなかできない面も多々あることも御承知のとおりであります。しかしながら、この教育現場ができるだけ充実できますように、また子弟の教育というものの重要性という問題から、単に法律やその他の問題にこだわっておるだけでもならぬと思うんでありまして、よく本省におきましても現地のまた教育委員会ともよく御連絡いたしまして、その辺はもっと研究さしていただきたいと存じます。
#185
○委員長(降矢敬義君) 両案に対する審査は本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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