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1980/06/04 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第16号
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1980/06/04 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 文教委員会 第16号

#1
第094回国会 文教委員会 第16号
昭和五十六年六月四日(木曜日)
   午前十時四十六分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     仲川 幸男君     江藤  智君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     江藤  智君     仲川 幸男君
  ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                小野  明君
                勝又 武一君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                井上  裕君
                田沢 智治君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                松浦  功君
                粕谷 照美君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
       発  議  者  勝又 武一君
   衆議院議員
       文教委員長   三ツ林弥太郎君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       文部省体育局長  柳川 覺治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
   説明員
       厚生省医務局医
       事課長      斎藤 治美君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保
 に関する法律の一部を改正する法律案(勝又武
 一君外一名発議)
○学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正す
 る法律案(勝又武一君外一名発議)
○日本学校健康会法案(第九十三回国会内閣提
 出、第九十四回国会衆議院送付)
○私学に対する大幅国庫助成等に関する請願(第
 三号外一〇七件)
○義務教育教科書の無償配布等に関する請願(第
 一一号)
○義務教育諸学校における教科書無償制度継続等
 に関する請願(第二三号外六件)
○金沢大学教育学部に養護教諭養成課程(四年
 制)
 新設に関する請願(第四四号)
○義務教育諸学校の新増設に対する国庫負担等に
 関する請願(第一三一号外三件)
○大幅私学助成に関する請願(第一三二号外一
 件)
○文書館設立に関する請願(第一五六号外一件)
○大幅な私学助成に関する請願(第三二五号)
○幼稚園類似施設への「幼稚園就園奨励費補助
 金」交付に関する請願(第三四八号)
○小学校学習指導要領における森林・林業教育復
 活に関する請願(第五七〇号外一件)
○文書館法(仮称)制定に関する請願(第五八四
 号外」件)
○養護教諭全校必置等に関する請願(第七五四号
 外一〇件)
○婦人差別撤廃のため教育の男女不平等是正に関
 する請願(第一〇〇〇号外七四件)
○学級編制基準改善等に関する請願(第一〇〇二
 号外一〇八件)
○高校新増設に対する国庫補助増額等に関する請
 願(第一〇四八号)
○身体障害者に対する学校教育改善に関する請願
 (第一二三六号外一九件)
○教育における男女平等に関する請願(第一四二
 三号外三件)
○国立身体障害者短期大学(仮称)設立構想に関
 する請願(第一七八五号外二件)
○公立大学助成拡充に関する請願(第二五八五号
 外一件)
○大学格差の是正及び充実発展に関する請願(第
 三〇一七号)
○学校現業職員に「女子教職員の出産に際しての
 補助教職員の確保に関する法律」等の適用に関
 する請願(第三四八三号外一二件)
○四十人学級の早期実現等に関する請願(第三五
 二六号外五六件)
○受験地獄解消のため公立高校新増設促進に関す
 る請願(第三五二七号外五五件)
○日本学校安全会の存続に関する請願(第四〇八
 八号外五件)
○公立学校に勤務する女子事務職員の育児休業制
 度適用に関する請願(第四一一九号外九件)
○国旗国歌法制化に関する請願(第四一六五号)
○幼稚園の増設と教育内容改善等に関する請願
 (第四七四二号外一一件)
○障害児学校教職員定数法の制定等に関する請願
 (第五〇八五号)
○私立幼稚園教育振興に関する請願(第五一八七
 号外二三件)
○教育の充実に関する請願(第五四〇三号外一
 件)
○学校災害の防止と学校災害補償法の制定に関す
 る請願(第五四二二号)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○理事の辞任及び補欠選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 勝又武一君外一名発議に係る女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び勝又武一君外一名発議に係る学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案はすでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○田沢智治君 女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部改正案に対して第一に御質問さしていただきます。
 この法律案を提出された趣旨と経緯について社会党よりお答えをいただきたいと存じます。
#4
○勝又武一君 児童生徒の教育に直接従事する教育職員、そういうこの直接する職員以外の職員の重要性とか必要性につきましては、必ずしも十分ではないというように思っております。どういたしましても直接教育に携わるということが重点になりがちでございまして、特にこの学校教育法の中で必要なときに置くことができる職員として、その職名及び職務内容が明らかになっていない職員がございます。学校図書館司書とか、養護職員とか、学校給食調理員とか、用務員とか、警備員とか言われる職務内容の方々でございまして、その方々の地位なり待遇の保障というのはきわめて不十分だと言わざるを得ません。これらの職員につきましては、多くの場合に各学校におきまして一名程度しか配置されておりませんし、特に本法案に直接かかわります出産の場合、産前産後の休暇を十分にとることができませんし、無理な勤務を行わなくてはならないという状況に追い込まれておるのでございまして、それではございませんで、こういう状況が学校運営上さまざまな障害を生じているのでございまして、これらの方々が産休で休みますと、特に直接教育に携わる教育職員へのしわ寄せもございますし、あるいは学校の給食内容の低下ということや教育環境の整備、保全がおろそかになることなど多くの問題がございます。こういうような問題をできるだけ早く解決をしたいというのが本提案の趣旨でございます。
#5
○田沢智治君 そうしますと、現在の法律の対象となっている教員、実習助手、寮母、学校栄養職員及び事務職員というのは位置づけられているんですけれども、そのほかに、今回対象にしたいという職員名は、学校図書館の司書、養護職員、学校給食の調理員、用務員、警備員等であるということで理解してよろしゅうございますか。
#6
○勝又武一君 原則的には、田沢委員御指摘のとおりでございます。
 ただ、ちょっと補足させていただきますと、たとえば、高等学校には技術職員と申しまして、いろいろの職種がございます。たとえば実習夫というのもございますし、農業高校等には農務員とか農牧夫――農夫とも言われますが、ございますし、工業高校には工務員というのもありますし、なおまた、水産高校等になりますと、甲板員とか操機員とか、あるいは司厨員、機関員等々、余りこの文教委員会でも御議論にならないような職種もございます。
 なお、盲学校、養護学校、聾学校等になりますと、最近は、通学上のバスの添乗員、あるいはこういう身体不自由な児童生徒のための介助員、こういうような職種の方々もございます。
#7
○田沢智治君 いま勝又委員より説明になった具体的な職名というものを今回の法律案では規定せず、「その他政令で定める職員」となっているのでございますが、このような規定の仕方をした理由は何かございますでしょうか。
#8
○勝又武一君 ただいま申し上げましたように、まさに大変な職種と職名に置かれておりますし、これらの職種なり職名というのは、歴史的な経過もございまして、それぞれの各県での違いも私はあるというふうに思っておりますし、なお、農業高校、工業高校あるいは水産高校、そしてまた盲、聾、養護学校等々のように、それぞれの学校の違いの中でございます。そういう意味で、いま申し上げましたような職員の方々につきましては、学校におきます仕事の内容がきわめて多様でございます。そして、名称や職務内容も法律で明確に定まってございません。実態についても明らかだということでも十分でございません。それらの点で、直ちに法律の中でこれらの職名を挙げ連ねることが果たしてよいのかどうなのか。私たちの趣旨から言いますと、もっともっと慎重に、かつそれらの現状に合わせまして、十分な御検討をいただきたい。その方がより本法案の趣旨に沿うであろう。そういう意味からいきますと、法律にそれらを明記するよりは、十分な検討をいただきまして、政令の中で定める、そういう委任事項にしておいた方がより適切であるというように考えた次第でございます。
#9
○田沢智治君 もしこの法律案が成立した場合、新たにその対象者となる職員数と、その中の女子職員数及び今後産休を必要とされると思われる職員の割合について、どのようにお考えになられていますか。
#10
○勝又武一君 ちょっとお待ちください。
#11
○田沢智治君 勝又先生、それは重要なことではございませんので、後でその資料をいただければ……。
 次に、文部省にちょっとお伺い申し上げたいのですが、現行法での適用対象になっている女子教職員のうち、実際年間どのくらい産休を取っているか、その実情がわかればお聞かせいただきたいと存じますが。
#12
○政府委員(三角哲生君) 産休をお取りになっているそのときそのときのこの実情については、私どもは一々報告を求めておりませんので、これは取っておらないのでございます。ただ、ちょっと古くなりますが、昭和四十八年度中に実態調査を一回やっておりまして、その際に出産休暇教員の数とそれに対応する措置について調べておりますが、その際の調べでは、出産休暇教員数が一万五千三百二十一人、これに対しまして、いわゆる産休法の三条一項に基づきまして、臨時的な任用措置で代替の手当てを行った人数が一万四千九百三十七人、これが全体の九七・五%でございます。それから、法三条二項の規定によりまして、すでに県として教員枠として措置しております者をもって充てまして、穴埋めをいたした、こういう者が三百八十四人で、二・五%でございます。したがいまして、出産休暇教員数のすべてに対して、いずれかのやり方で代替の措置を講じたという調査結果が出ております。
#13
○田沢智治君 そうすると、産休を取った教職員に対しては、一応十分な手当てはできていると、こう理解してよろしゅうございますか。
#14
○政府委員(三角哲生君) そのように御理解いただいて結構だと思います。
#15
○田沢智治君 そうしますと、本改正案について、文部省としてはどういうような見解をとられますか。
#16
○政府委員(三角哲生君) 現在、いわゆる産休法の適用対象としては、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、常勤の講師、実習助手、寮母、学校栄養職員及び事務職員、これが対象になっております。この適用対象をさらに調理員、用務員等にまで拡大しようということでございますが、これはそのことだけとらえますと、御提案の趣旨のことが言われるわけでございますけれども、やはりこういった制度は、国全体のいろいろな仕組みなりあるいは他の学校以外のところに勤務しておられます同じようなお仕事の内容の職員の処遇、これらともあわせて、トータルに考える必要があると思いますので、私どもとしては、今回の御提案の事柄はなおいろいろ問題があると、こういうぐあいに思っております。
#17
○田沢智治君 結局、社会党案に対しては、私もこう思うんですね、やっぱりこの法律案が、新たに産休法の対象となる職員がふえるということになると、他の機関に勤務する同種の職員との均衡上問題が生ずるおそれがあるのではないだろうか。教育職関係のみが優先していく世情に対して、やはりいろいろ批判が出てきておる情勢でもあるし、また行革期において公務員の数を減らすべきであるという世論もかなり強いというような情勢から見て、現在の対象者になっている者については、ほぼ一〇〇%その体制を確保しておるというような運営の実態から見た場合、この問題についてはもう少し慎重に対処する必要性があると私は思うんです。社会党案でこの法律の適用対象に加えようという職員については、教員等と違って、特に専門的な資格を有する職種ではないようにも思われるし、学校教育法上必ず置かなきゃならない職員とされていないという点が、やはり私は問題があると思うんです。結局、いまの学校の運営全体から見ますと、先ほど勝又委員が申されたように、多様化し複雑化し高度化している学校教育の中で、いろいろな職種、職能が交差して現在の教育体制を支えていると私は思っておるんでございます。そういう意味で、必ず置かなきゃならぬと規定されていない現在の法体制そのものにもかなり問題があるのではないかと、こう思うのでございます。
 この種の職員採用については、これは必要に応じて設置者が任用するような制度に一応なっておるんですか、文部省としては。
#18
○政府委員(三角哲生君) この種の、調理員の方でございますとか、あるいは養護職員というのはよくはっきりしない面がございますけれども、警備員、用務員等は、現在の制度では設置者がその必要に応じて、必要を認めた場合に学校に配置するそういう職員でございます。
#19
○田沢智治君 そうしますと、設置者が必要としないとすれば任用しないというようなあいまいな一つの職種といいますか、一地位であるというふうにも思われるのでございますが、結果において、いろいろ問題を整理整とんしなきゃならない時期に来ている。私は、そういう意味で近年学校の規模が大きくなったり、学校教育内容が多様化し複雑化し高度化する中で、学校に期待される役割りもかなり増大していると思うんです。その結果、いわゆる教員や事務職員のほかにいろいろな職務に従事する職員が必要とされる現在、いろいろな職種で働いている方々の立場と職務内容を位置づける作業が当然なければ、その人たちに対しても申しわけないと思うし、またその人たちがいないと学校運営が円滑に教育効果を果たすということもできない。私は学校関係者ですからよくわかるんですが、将来性の中で、そういう職種の方々に対して将来位置づけしなければならないと思う考え方に対し、文部省はどういうようなお考えを持たれますか。
#20
○政府委員(三角哲生君) 現行法令上、職名が特記されていないこういう職員の場合も、これは先ほどの御質問にございましたが、その学校の設置者が、これはどうしても必要だと認めて任用しておる職でございます。そういう意味で学校運営にこれは必要な職員であるということでございまして、その職員の職務の重要性というものは、法律に特記されておる職員と別段程度の差があるというふうには考えないわけでございます。
 ただ、先ほど提案者の方からも御説明ございましたように、いろいろな職種がございまして、そしてそれぞれの設置者が必要を認めて任用される。したがって、任用する設置者の側においては、当然、どういう職務であり、どういう職の名前であり、どういう責任を負担していただくかということは、その場面においてはっきりさせておくということであろうかと思いますが、これを全体に一つの国の法令の段階で、非常に種々にわたっておる職務を一つ一つ規定していくということは困難でございますので、これは法令上現在の段階で規定するということは無理があるであろうと、こう思っております。
#21
○勝又武一君 先ほど田沢委員の御質問にありました点でお答えを申し上げます。
 提案理由の中に、昭和五十四年度におきまして国公私立の小・中・高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園にこれらの職員が配置されている数は約十四万六千であり、そのうち約九万五千人が女子職員でありますと、こうございます。ただ、このことはすでに提案理由にありましたので、さらにもう少し細かい御答弁を申し上げたいと思って資料を探しておりまして、おくれまして恐縮でございました。
 さらにこの点を補足いたしますと、このうちで給食調理員というのが約八万名でございまして、給食調理員の九七%から九八%は女子の学校現業職員でございます。そういう点からいきますと、女子現業職員の数というのは、用務員、養護職員などを含めまして、全体を通して約六割、七万八千名程度になろうというように思います。さらに、この女子職員の方々のうちから出産をされる状況等いろいろ考えてみますと、約七五%程度と考えますと、これは五万八千名ということになりますし、大体一年間の出産率等を五%程度といたしますと、該当される方は約三千四百名程度という数に相なろうというように試算をいたしております。
#22
○田沢智治君 ありがとうございます。
 私は、先ほど文部省よりの見解を求めたのでございますけれども、今回対象にしようとする職種の方々が学校教育法の中に位置づけされていない。位置づけされていないあいまいになっている法的な立場とは実態においてはかなり差があり、実態の中では、そういう方々がいなければ円滑な学校運営がある意味においてなし得ない面も出てきているのではないだろうか。そうするとするならば、この職種はどうしても必要なんだと、この職種はまだその段階ではないというような整理整とんをしながら、もう少しコンクリート的な次元に詰めて法案等を提出された方がよかったのではないかと私は思うのでございますが、社会党として今回提出されるについて、そういうような内的な議論はなされたかどうかお伺いしたいと思うんですが。
#23
○勝又武一君 これは大変むずかしい御質問でございまして、田沢委員御指摘のように、学校全体を総体的に見まして整理をし、そして十分な検討を行うべきだという御意見は、発議者といたしましてもよく理解できるところでございます。しかし、学校現場といいますのは、日々やはり生きて活動をやっているのでございまして、私たちは、完全になるまで十分な成熟を待つということよりは、やはり現状の中で一歩一歩前進するということもあってよろしいんじゃないんだろうかという立場をとったわけでございまして、たとえば産休に伴います代替職員の確保等を見ますと、実は三十年のときに小・中・高校の教職員に成立をいたしたのが最初でございますので、二十五年ぐらいたっているわけでございまして、その間、たとえば三十六年には幼稚園、三十九年に高等学校の実習女子の方々、そしてまた五十三年には学校事務職員と学校栄養職員の方というように、それぞれの要求の強さというのはもちろん皆さん全く同じなのでございますけれど、どうしてもそのときのいろいろの状況の中から一歩一歩といいましょうか、一つずっといいましょうか、そういう形になってきたわけでございまして、今回は、私たちは、そういう意味では、あと学校の現業職員の方々につきまして、できるだけ網羅的にといいますか、今度こそ落ちのないようにすべての、教育を直接やっている教職員の方々と同じようにやっている現業の方々でございますので、これらの方々を、今回はできるだけ田沢委員御指摘のように総合的に取りまとめて提起をしている。しかし、それらの細かな規定につきましては、今後とも検討の上で、政令の中で、その職名なり職種等を御検討いただく、こういうように考えた次第です。
#24
○田沢智治君 私は、文部省が学校教育法関係法規で定められた教職員に対して産休代替職員の手当てを一〇〇%に近くやっている、これはすばらしいことだと思うんです。ですから、いま勝又委員が申されたように、一つ一つ積み重ねながら職種をふやしつつ今日の法律が運用されているとするならば、その中でたとえば給食調理員が特に必要なんだとすれば、やっぱりそういう具体的な名称を設置して法的に位置づけて、それに対して産休代替手当てをしていくというように、日本が民主的に、平和的に運用していくとするならば、明記しつつ合意を得ながら実施していくという約束事を推進した方が、あいまいな形での政令に定めるという次元で、政令がもしはっきりしなければ法律ができても実際運用面で利益を得ない、恩恵に浴さないというようなことでは私は意味がないんじゃないだろうか、こう思うんです。
 そこで、私の考えは、そういう意味において産休代替職員の採用は当面設置者が必要に応じて任用しているということであるとするならば、不都合のないような弾力的な運用を図ることによって、将来学校教育関係法規の整備を進める中で抽象的な規定を除いて、学校運営上必要な職種、職員を位置づけることが大切だと私は思うんです。そういう次元の中でこういう問題を一つ一つ明確化し、納得させながら学校運営を図っていくという前進が望ましいのではないかと思うのでございますが、文部省の見解と社会党の見解をお聞かせいただきたいと存じます。
#25
○勝又武一君 大臣と初中局長がいらっしゃいまして、いま田沢委員の御意見を拝聴されていたと思いますから、私大変ありがたいのでありますが、私も田沢委員の御指摘のように、これを文部省が提起してくださって法律で決めていただくということになればより望ましいのでありまして、決して私たちそのことに反対するものではございません。ひとつ大臣と局長が前向きに、積極的にこれらの職種を法律で決めていただく、こういうことをぜひきょう御決意いただくならば、私たちはあえて社会党のこの議員立法に拘泥するものでは決してございません。要は、いま田沢委員御指摘のように、総体的に法律で規定をされた中でこれが実っていくということにさえなればよろしいのでございまして、決して社会党が議員立法出したからとかいうような、メンツとかそんなつまらないことに拘泥するつもりはさらさらございません。そういうことでございますので、ぜひひとつこの点は、文部省、特に大臣等にさらに前進した御検討をいただきたい。そうでない場合にはいろいろ時間的な点なり、さらに検討すべき事項があるので政令にゆだねたという意味の私たちの苦衷もお察しをいただきたいというように思います。
#26
○政府委員(三角哲生君) 先ほども一度申し上げたところでございますが、現行法令上、職名が規定されていないいわゆるその他の職員というものも、これは現実にそれぞれの設置者が任用しておる限り、これは学校運営に必要な職員であるということは異論のないところでございまして、現在でもそういった事柄につきましては、学校教育法二十八条で、その他「必要な職員を置くことができる。」、こういうぐあいに規定しておるわけでございます。で、法令で職名等が具体的に規定されておりませんでも、その職員の業務というものはこれは必要なわけでございますが、さまざまな職務を一つ一つ規定をいたしますことは、やはりそこにはいろいろな意味の困難がございまして、現在のところそういった規定を設けることは考えておらないわけでございます。
 なお、法令で一つ一つ職名を規定してその職務内容を定めるかどうかは、やはりいろいろな事情が絡んでくると思いますけれども、その職の職務内容というものがほぼ定型化されているというようなこと、それから各種の他の法令の規定との関係なりつり合いがどうなるかということ、さらには定数の標準でございますとか財源措置でございますとか、そういったことを総合的に判断して決めるべきものでございます。ただ、設置者の側で、これは任用する際には当然辞令が渡るわけでございまして、設置者の人事関係の諸規定の中では、職名なり職務内容なり、それからその職務の責任なり、それに応じた処遇なりというものはきちんと規定されておらなければならないし、現在もこれは職務の内容と責任に応じまして、たとえば調理師、警備員、用務員等につきましても、それぞれの職種区分によります処遇、条件等は定められておるわけでございます。
#27
○田沢智治君 そうしますと、結局今回対象にしようとする人でも、任用されている人が妊娠したということになった場合、産前産後については六週間ずつ、これは基準法で決まっておるんですが、そういう場合は代替に現実に弾力的に運用しているということは言えるわけですね。
#28
○政府委員(三角哲生君) そういった具体の事柄につきましても、いま一々各自治体から私どもとしては報告を求めてはおりませんけれども、それはたとえば学校給食の調理員なら調理員でございますれば、出産の前後におきましてどうしても休まなければならない場合には、当該自治体のやはり判断と責任において必要な措置を講じていただかなければならないと思いますし、そのように取り計らわれているというふうに理解いたしております。
#29
○田沢智治君 弾力的に運用面において徹底していくということは当分私は必要だと思うんです。そういう中で、今後総体的にそういう職種についてどのように位置づけ、どういうような運用の中で意図する内容を具現していくか。これは福祉国家を志向するわが国にとってやはりそういう前向きの姿勢が私は大切であると思いますので、現段階におきましてはまだ整理されてない状況の中でこの法律案を通すということについては私は賛成しかねるのでございます。その点を述べまして次に移りたいと存じます。
 次に、第五号でございますが、学校教育法及び教育職員免許法の一部改正についての法律案に対し御質問をさせていただきます。
 現在の盲・聾・養護学校数及びそのうち寄宿舎を設置している学校数についてお伺いしたいと思うんですが。
#30
○政府委員(三角哲生君) 昭和五十五年五月一日現在で全国の盲・聾・養護学校の総数が八百六十校ございますが、そのうち二百九十九校、率にいたしまして三四・八%に寄宿舎が設置されておりまして、そこに入って生活をしております児童生徒数は一万四千二百六十五人というふうになっております。
#31
○田沢智治君 そうしますと、まだまだ全体の半分には至ってないということが言えるわけでございますか。
#32
○政府委員(三角哲生君) ただいま申し上げましたのは全体の合計でございますが、そのうち盲学校で申しますと、寄宿舎を設けている学校の数が九五・九%、それから聾学校で七六・四%でございまして、これらは盲、聾の両方合わせてかなり長い歴史を持っていますので、このあたりで一応定着をして落ちついているという感じは持っておりますが、やはり歴史の浅い養護学校の方が全体で二一・四%、こういう数値でございます。ただ、その中でもやはり必要度の高い肢体不自由児の学校の設置率は三六・九%で、高くなっておりますが、精神薄弱児を対象とする養護学校、これは実は学校数も、肢体不自由学校が五十五年の状況で百六十八校でございますが、精神薄弱児を対象とする養護学校は四百十四校ございまして、かなり配置の密度が高くなっておりますので、そういう意味で通学ができるという体制が多いためもありまして、こちらは設置率が一七・四%と低くなっております。
 それから病弱児の方は、一一・六%ということで、なお低いんでございますが、これは中には病院併置というような形でやっておりますので、寄宿舎というものの必要度といいますか、要請が必ずしも肢体不自由の場合と同一ではないというようないろいろな事情が絡んでおりますが、いずれにしても、ただ養護学校の場合はなお寄宿舎について整備を進める必要があろうかと、こういうふうに思っております。
#33
○田沢智治君 寮母一人当たりについて寄宿舎の生徒数は何人ぐらいになりますか。
#34
○政府委員(三角哲生君) 同じく五十五年五月一日現在で申し上げますと、全体平均が寮母一人当たり三二人の子供の数ということでございます。
 それで、これを学校種別に申しますと、盲学校が三・五人、聾学校が二・三人、精神薄弱児の養護学校が三・七人、それから肢体不自由児の養護学校の場合は二・六人、それから病弱関係の養護学校の場合が二・七人、養護学校の三つの種類の全体の平均値が三・二人と、こういうことで盲、聾含めた全体の平均が三・一人でございます。
#35
○田沢智治君 そうしますと、この種の実態は現行法よりも高い水準で維持していると理解していいんですか。
#36
○政府委員(三角哲生君) 通常五人に一人、肢体不自由の場合四人に一人、それについてまた現在の改善計画ございますけれども、現状ではそういうことでございますかち、私どもの定数基準より高くなっております。
#37
○田沢智治君 私は非常にそれはすばらしいことだと思うんです。やっぱり、こういう方々については温かく接し、少ない生徒児童に対してやっぱりやさしく接していくということが大事だと思います。そういう意味で、寮母という職種等について、私は寮母の仕事の内容については、寄宿舎において掃除、洗たく、食事などのお世話、日常生活の中での生活指導を主とした養育ということで理解したいのでございますが、この法律で言う養育とはそういうような職務内容を意味するのかどうか、文部省当局の見解を聞かしてもらいたいのですが。
#38
○政府委員(三角哲生君) この特殊教育諸学校の寄宿舎における寮母の職務内容でございますが、これはただいま田沢委員申されましたように、児童生徒の養育に従事することでございまして、具体的にはただいまのお話のように、やはり日常生活の世話ということでございまして、食事あるいは排せつ、入浴、睡眠、清掃、洗たく、それから遊んだり、レクリエーション的なことをやったり、それからやはり生活でございますから、各種のしつけですとか、自主的な活動をしむけるといいますか、そういった意味の生活指導、こういったものも含んでの日常生活の世話でございます。
#39
○田沢智治君 そうしますと、今回社会党より改正案が出された寄宿舎の教諭の職務内容について「寄宿舎における児童、生徒又は幼児の教育及びこれに必要な世話」となっておるのでございますが、ここで言う教育と世話は分かれておるのでございますが、その具体的内容はどんなような職務内容になるか、お教えいただきたいと思うんですが。
#40
○勝又武一君 私は、先ほど田沢委員からありましたうちで、一つ二つその前に感じますのは、一つは寮母の数です。文部省の御説明の中で、田沢委員は現在の定数法よりも上回っているから非常によろしいという評価をされましたが、私などは現場を見ますと、実は学校によりましてはそういう基準までいっていない学校まだたくさんあるのでありまして、たとえばある県の盲学校等へ行きましても、いま局長お答えになっているような基準にさえも寮母の数が足りない盲学校というのが幾つもございます。こういう点で、どこも全部、定数法以上の寮母が十分に行き渡っているという実情にはまだまだないという点も改めて御理解を賜りたいと思います。
 それから、いまの御質問でございますが、確かに現行法では養育という言葉になっております。しかし、その前は寮母の仕事は世話と教育ということでした。ですから、私たちも寮母という仕事の中に世話という部分と教育という部分の両方があることは否定をいたしません。ただ・養育という言葉になる以前は、寮母の仕事の大部分がもう世話ということが非常に多くて、教育ということは非常に付随的なことだった。私たちが今度この法案を提案している最も大きな理由は、やっぱり養育という言葉に変わってから教育という、何といいましょうか、考え方なり仕事の範囲というものはなくなってしまった。ですから、やはり寮母の仕事というのは、生活指導を中心にした教育ということが一番大きな仕事なんだ。そしてまた、その生活指導を中心にした、教育に付随をしたいろいろな世話ということは当然出てきます。たとえば、きわめて重度の身体障害の方をめんどうを見る場合に、食事の世話から衣服の着がえから、こういうことが現実的にございますから、そのことについて、そういう方々の世話をすることをいとうものでございません。当然そういうことは寮母の仕事としてまいりますが、ただそういう世話だけではなくって、むしろ基本的にはそういう重度障害の方に対しまして生活指導を中心にした教育ということがまず大前提として行われるべきである、そして、それに付随した世話を行っていくというのが寮母という考え方でございますので、本法案で提起をいたしています寮母の教育という範疇についてはそのように考えている次第です。
#41
○田沢智治君 そうしますと、結局、文部省で言う養育の実態と社会党で言う教育とお世話という実態には大差はない、ただ精神的な意味で教育というものの領域を重視しているんだというような位置づけで理解してよろしゅうございますか。
#42
○勝又武一君 一つ、二つ例を挙げますと、養育というのは養い育てるということだというように法律の改正になったプロセスからいいましてもそうなっておりまして、私は提案者といたしましては率直に申しまして、「養育」という言葉から受けるいまの寮母の与えられている仕事なり、特に現場における寮母の実情というものがそうなってきている経緯等を考えますと、教育を主にして生活指導を主にした教育、そしてそれに伴う世話をするということとは大変大きく違っているというように思っております。たとえば、前の、世話及び教育という時代には三等級適用の寮母の方々が教育職の二等級への渡りということが各県どこの県でも行われておりました。ところが、この養育という言葉にかわってからは、寮母の方は養育なんで、教育じゃないから三等級から二等級への渡りは相ならぬというようになっているという歴史的な経過を一つ見ましても、各県の対応が大きく違ってきているということを考えましても、ぜひひとつこの際教育と世話ということに転換をしていただきたいというように切に考えている次第です。
#43
○田沢智治君 多少言葉のニュアンスはあったにしても、実質的に現在の寮母さんのやっている仕事の内容が、この部分はどかへ移して教育が優先するんだということじゃなくて、実際行われている実態はそのまま継承しながら、内容的な分野の位置づけを明確化したいというふうに私は理解せざるを得ないのでございます。そういう意味において、現在の寮母についてその年齢構成、学歴、免許状のあるなし等の資料があれば、文部省より、まあ正確なものでなくてもよろしゅうございますけれども、大体おわかりになった程度のものをひとつお答えいただければと思いますが。
#44
○政府委員(三角哲生君) 私どもは、国全体の調査というのはいたしてございませんが、昨年の四月に十の都道県の抽出調査をいたしてございます。それに、抽出でございますので、ここからひとつ類推をするということになりますけれども、この調査におきます寮母の方が七百六人でございますが、そのうち大学卒業者が百十五人、一六・三%、短期大学の卒業者が二百六十九人、三八・一%、高等学校の卒業者が三百十人、これが四三九%、中学校卒業者などが十二人で一・七%、こういうぐあいになっております。また、いま御質問の免許資格の所有状況でございますが、これは教員免許状所有者二百六十一人、三七%、この中には若干保母の資格もあわせて持っている方が入っております。それからそのほかに、保母の資格の所有者が百二十六人で一七・九%、その他の資格として栄養士あるいは准看護婦などの資格の所有者が四十九人、六・九%、それからいずれの資格なども持たない者が二百七十人で三八・二%となってございます。
#45
○田沢智治君 いまお聞きいたしますと、大体中高五〇%、まあ短大、大学が半分ぐらい、免許状を持っているのは三七%前後というような実態のようでございますが、私は、寮母については学歴や免許で制限するよりも、むしろ熱意と愛情を持って心身障害児童の養育に当たってくれる幅の広い人間的な味のある方を求めるのが本来の姿ではないだろうか。なぜならば、やはりこういう職種の教育の実態というのは、一般教諭においては教え育てるという分野と、もう一つの分野は、ともに生きる喜びをかみしめながら互いにみがき合って向上し、社会復帰を求めていくという人間的愛情をもとにして、結局生活の実態の中での触れ合いを求めていく職種が相まってこそこの種の学校の運営がより効果的に、より教育的に、より児童的な次元の中で教育の効果が上がるのではないかと、私はそう考えるのでございますが、文部省としてはどうですか、そういう見解に対しては。
#46
○政府委員(三角哲生君) ただいま田沢委員のおっしゃいました考え方につきましては、私どももほぼ同じように考えておる次第でございまして、寮母の方々につきましては、先ほどの実態にもございますけれども、それは資格を持った方ももちろんよろしいわけでございますけれども、これを制度として資格を設けるということはいたしませんで、やはり熱意を持って障害児の養育に当たってくれる人々を広く求めるということに現在しておるわけでございまして、やはりこういったやり方で本当に必要な人材を確保するということの方が実際的には事柄がうまくいくというふうに考えております。
#47
○田沢智治君 私の経験の中では、大学を卒業したり、教員免許を取ったりすると、おれは先生なんだというようなやっぱり一つのプライドなり、一つのけじめを自分自身に持つと思うんです。しかし、いまの寮母さんの実態を見ると、中学卒業してもなれるのだと、高校卒業してもなれるのだということになると、やはりボランティアという活動がかなり社会的に普及し、認識も高くなり、多くの方々もひとつそういう次元の中で自分もそういう仕事に挺身してみたいという、学歴を持っていない方々のうちでも、大変人間的な高い心を持った人たちが、反面において最近ふえつつあると思うんです。ですから、そういう方々にこういう職種において関心を持ち、こういう職種の分野にどんどん進んでいただくということが、結果の中でその子供が喜びを本当に分かち合っていけるような幸せ感を満たし得る条件が整うと私は思うんです。ですから、寮母になるについて教員免許を取らなければならぬというようなことで、そういう方々の職場進出の道を枠組みするということに対して果たしていいものかどうかと私は思うのでございますが、社会党としては勝又先生いかがですか。
#48
○勝又武一君 田沢委員御指摘の、人の一生として中学卒業であろうが、高校卒業であろうが、学歴にとらわれないで熱意ある者がということについては私なりによく理解できるつもりでおります。ですから、そのことはそのことで、確かに学歴だけがオールマイティーではございませんし、そういう一面を理解しながらも、しかし現実私たちの社会の実情なり、学校の現場というものを見ると、果たしてそういう理想的な考え方だけでいくだろうかということが、率直にいって私はやはり人間社会の中にあるということを思わざるを得ません。たとえば、いま文部省から免許状の点お話がありましたが、短大卒以上は確かに五四・五%です。しかし、教員免許状を持っている人は四割以上、その他の免許状も含めますと現在の寮母の約七割は何がしかの免許状を実は持っている方々でありまして、学歴の取得の仕方というのは私はいろいろ工夫されていいんじゃないか。だから、そういう意味で、過日もいろいろの意味での学歴の打破という意味での放送大学の議論とか、大学の開放とか、あるいは昼夜開講制とか、働きながら勉強できることをやっていこうという趣旨が私たちにも一つございまして、そういう意味での夜間なり通信教育なり放送大学なり、そういう開放された勉強をするという意味での学歴相当額の取得ということを含めまして、私はやはり何らかの学歴なり資格をさらに取っていくということがさらに熱意あるということにつけ加えてよりよろしいんではないか。まさにその学歴だけあればいい、大学だけ出れば熱意がなくてもやれるなんというそんななまやさしいものでは寮母というものはないということを私は現場の寄宿舎へ行きまして実感として感じているわけです。同時にまた、寮母というのが女性の方が多いので「母」という名前がついておりますが、最近は男性の方が多くなってきておるのでございまして、特に盲・聾・養護学校等におきます実情を見ますと、この男の方の進出、男性の寮母ということも相考えますと、私なりにそういう学歴相当額なりあるいは資格なりということをお与えいただく、このことはさらに待遇改善なり社会的な地位の向上にもなりますので、ぜひそういう意味で考えているという点も一層と御理解を賜りたいというふうに考えます。
#49
○田沢智治君 私は社会党案が実質的に現在の寮母の制度の中で少しずつ具現されているんじゃないだろうか。ですから、あえて寄宿舎教諭というような教員免許を持たなければ寮母になれないんだというような枠組みよりも、いま言うように三七%教員免許を取っている人がすでに寮母になっているし、大学卒業が半分以上になっているというような現実を見た場合、現状の寮母というものの運用の中で質的な面は大いに向上してきている。あえて寄宿舎教諭というものを設ける必要性は私はないと、もっともっと中学卒業生、高校卒業生、少なくとも寮母的な社会的に高い、ある意味において人間的に貴重な職業につく人を領域でとどめることじゃなくて、開放的な職種で、学歴じゃない、人間的に生きられるんだというようなそういう現状の寮母の位置づけを強化し、かつ処遇なり待遇なり身分的な内容について国が真剣にもっと考えるような法改正の方向に提起するのが基本的筋じゃないだろうかと私は思うんです。
 なぜならば、寄宿舎教諭というものになっても洗たくや掃除や食事などは別にだれかがやるわけじゃないし、その先生が、やっぱりその職員がやることによってその児童との人間的なスキンシップがとれるし、人間的な向上があるとするならば、やはり現行法の運用を推進する中でそういう職種への向上、充実というものを図っていくということが私は必要ではないかと、こう思うのでございます。
 そこで、もし寄宿舎教諭という免許制度を設けた場合、現在の寮母さんで持っていない方々との格差の扱い、それと、また寄宿舎教諭と養護教諭と同じ教員でありながら、職務内容が全然違うというものに対する差別感などが、ある意味において感じられる面が出てくるんじゃないかと思うんですが、そういうものがもし出たとするならば、学校運営上、円滑な教育の現場が果たしてうまく回転するであろうかという面についての疑義を、私は率直に言って持つのでございますが、勝又先生、そういう面に対する考えはいかがでございますか。
#50
○勝又武一君 第一点といたしまして、御指摘がございました洗たくとか掃除とかあるいは食事とか、こういう食事をつくるとかそういうことは私たちやっぱりそれぞれ専門的な方々にやっていただくと、職務分担というものを明確にしていくことが寄宿舎教育というものをよりよくしていくんじゃないかというように一つは考えます。
 もう一つの、他の職種の方々と差別が生ずるんじゃないかという点の御指摘でありますが、この点につきましては、私たちは学校における教育課程に基づいて教育をやっていくという分野の先生と、それから生活指導を主にして寄宿舎の教育をつかさどる寄宿舎教諭――いままでの寮母の方々ですが、これらの方々につきましては、私たち提案者といたしましてはそういう形の中で何かそういう差別が生ずるということはないというように確信をいたしているところでございます。
#51
○田沢智治君 社会党案に対して文部省の見解をお聞きいたしたいと思いますが。
#52
○政府委員(三角哲生君) 私どもとしては、先ほども申し上げた次第でございますが、寮母の仕事の内容それから現在の実態からも見まして、これに特段の資格というのを仕用の要件として定めまして、そこでふるいにかけるということは現状からいっては果たしてどうかという気がいたしておりまして、むしろ幅広くこういった障害児の養育に当たってくれる情熱と、それからその仕事に必要な能力を持った方々を求めていくという現在のやり方を改正する必要はむしろないんじゃないか、こういうふうに思います。
#53
○田沢智治君 最後に、私はやはりこれは教育の本義だと思うんです。特に養護学校の生徒さんたちの気持ちを思えば、私はやはりその子の悩み、悲しみ、苦しみはわが悩み、悲しみ、喜び、苦しみと思うという基本的な人間的愛情の一体感があってこそ、人間的にまたその子とともに生きるという中で、その子がこの先生とともに、この寮母さんとともに生きる喜びを私はお互いにかみしめることができる。ここに教育の原点があるとするならば、生活の時間帯から見ると、三分の二以上寮母さんと一緒に生活しておる寄宿舎の子供にとってみれば、地位ではない、身分ではない、やっぱり人間的おおらかさ、人間的愛情の心の深さというものを、人材として中学卒業生から、大学卒業生まで多種多様なる人たちが入り得るんだというような、そういう現行制度の中で位置づけることがより具体的であり、そういう寮母さんに対して国も当然なすべきことをなしていくという前向きの姿勢をあえて強調することが私は大事だとこう思うんですが、文部大臣の所見をお聞き申し上げて終わりといたしたいと思いますが。
#54
○国務大臣(田中龍夫君) 田沢先生の朝来のいろいろな御質問、これに対します提案者のお答えを通じまして、現場のいろいろとむずかしい諸問題について改めてよく理解できるような気がいたします。
 ただいま御提案に対しまして、政府側といたしましては局長を通じましてお答えを申し上げた次第でございますが、この問題は、人と人との心の触れ合い、同時にまた、こういうことは愛情という問題がやはり教育の原点であるという見解に対しましても私は深く理解を持てる問題だと思うのでありますが、制度といたしましての一つの問題になりますと、そこにはおのおの規格なりあるいはまた統制なりいろいろな職務上の問題がございますので、なお御質問や御答弁に対しましてのあれを通じまして、当局といたしましても十分配意してまいりたい、かように考えております。
#55
○粕谷照美君 私は、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案、つまり第三号議案についてのみ質問をいたします。
 おおむね田沢委員の方から御質問がありましたので、質問通告していなかった部分についてもありますので御了解いただきたいと思います。
 この法律が通りますと、学校に勤務する全女子教職員に産休の補助の方が入るというように理解をしてよろしいですか。
#56
○勝又武一君 提案者といたしましては、いま御質問者がおっしゃっていますような趣旨に政令の中で検討をいただいて、漏れなく女子教職員の方々全般に行き渡っていただきますように期待もいたしておりますし、そのことが本法案を提案をしている趣旨でございます。
#57
○粕谷照美君 と申しますのは、こういうことなんです。学校教育法二十八条職員の項に「置かなければならない」職員というのがありますね。この「置かなければならない」職員というのは昭和三十年、いわゆる女子教職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律で適用がされました。このときには教員と――校長、教頭もありますけれども、校長先生が出産されるなんてこと考えられませんから教員とそれから寮母が入っているんですね。あとの者は削られているわけです。これはその「置かなければならない」方に属しますから、一番早く法律の中に適用されたというのは当然のことだというふうに思います。その次に、この二十八条にはまた「置くことができる」という言葉があります。この「置くことができる」職員の中でその後含まれたものがあるんですね。五十三年に学校事務職員が入りました。それから、ずっと前に、三十九年に実習助手が該当しているわけです。「置くことができる」養護教諭につきましては早々と該当して、三十年に該当していますから、これもまた同じ「置くことができる」職員の中でも差があるんですね。この差というのは重要度かどうなのかという疑問が一つ出てきますが、またこの「置くことができる」という職員の中で、技術職員――学校教育法五十条です、「高等学校には、前項のほか、養護教諭、養護助教諭、実習助手、技術職員その他」とこうなっているんですが、「技術職員」という言葉がありながらこれが入っていないんですね。そうしますと、この政令に該当するという提案理由を読んでみますと、技術職員が抜けちゃうのではないかという疑問をいましたものですから、後で十分御検討いただくようにお願いをしたいと思います。私もここのところいま気がついたものですから、自分で調べてくることができませんで、それで質問をいたします。しかし、これは読み方によっては「技術職員その他」というのですから、技術職員がその他の中に入るのかもしれませんので、お調べいただきたいと思います。
 さて、それで先回もいろいろの話があったんですが、昭和三十年のこの産休法が成立をしたときには寮母と教諭、三十六年には幼稚園が適用された。
   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
そして、三十九年には実習助手が入った。五十三年には事務職員と栄養職員が入った。いまその他の職員を入れようということでありますが、こういうふうにそれぞれの職種ごとに年を追って産休法が適用されるということは、本当に一括してばっと入ればよかったものですけれども、その辺の歴史的な経過というのはどういうふうに理解をしたらよろしいでしょう。
#58
○勝又武一君 粕谷委員の御質問は二つございまして、最初の御質問は二十八条にかかわる問題でございます。私たち提案者といたしましても一番これは気になるところでございますし、なお田沢委員の御質問で初中局長との応答の中で、それぞれこの点も明らかになっているところでございますが、「置かなければならない」というのと、「置くことができる」という法律二十八条の考え方、確かに私たちも重い軽い、軽く扱う、こういう違いが法律上あるんだろうか、置くことができるというのと置かなくちゃならないというのは確かに日本語の国語的解釈からいけば重さ軽さということにウエートの違いありますね。しかし、学校という現場を実際考えてみますと、私は決してそうではないと、置くことができるということで置いている職員が軽くて、置かなくてはならないという教員の方が重いなんという、そういう教育現場の実情には私は決してないというように考えております。
 ただ問題は、「その他必要な職員を置くことができる」ということからくる職員について、さまざまなそういうことが出されてくる。たとえばいま粕谷委員から御指摘の、技術職員という問題が提案者は落ちているのか落ちていないのか、後で検討すべきだという意味の御指摘がございましたが、私はこの技術職員もすべて含んでいるというようにこれは考えております。そういう意味で、提案理由の中にもあります中でも、特に先ほども田沢委員の御質問にお答えいたしましたように、職種を挙げましたときに農業高校あるいは工業高校、水産高校等の場合の細かい職種、たとえば先ほど言いました実習とか、甲板員とか、操機具とか、こういうものにかかわる人たちを含めての技術職員というように考えておりますが、なおひとつ政令事項を検討の際には、明確にそれらの技術職員を含んで提案者は考えているということでお願いをいたしたいと思います。
 二つ目の、産休法成立の過程に伴う問題でございます。率直に申しまして、この点も私たち提案者といたしまして、御質問者がおっしゃっておりますように、すべて一緒に産休法の代替職員の適用ということが最も望ましかったというように、これは率直に思っておりますが、法律ができますときには、いろいろの政党の方々もいらっしゃいますし、もちろんまた文部省が提案をされて議論をされるという場合の法律と違いまして、議員立法という場合には、趣旨には全く賛成なんだけど、文部省の考えもあるし、国の財政もあるし、教育の現場の実情も考えて、まず一歩一歩というところから、最初は教員であり、あるいはそれに実習助手、そしてまた学校事務職員、いや学校事務職員のときにはこの際栄養職員も加えたらどうだというように議論等がございまして、その際にいまありますような現業の方々も全部加えればよかったんじゃないかという点、まさに御指摘のとおりでありますが、当時の議員立法成立の過程を、私も当時かかわった一人といたしまして考えてみますと、国の財政だとか、それぞれの政党の皆さんのお考えとか、議員立法という性格上そういうようになってきたと。ただ、私は、その際に、この法律で規制をされていない人についてはもう全然問題にならぬと、やらなくていいというようなことは決してなかったというように思っております。やっぱり一歩一歩行こうという意味の中には教員がされ、実習助手がされ、事務職員がされ、栄養職員がされたというプロセスでおわかりのように、一歩一歩という意味の中には、さてその次には機会があったらなっていない人もやろうじゃないかという趣旨が十分そのときあったというように理解をしております。そういう意味で、ぜひ私たちの提案の趣旨を御理解賜りたいと思います。
#59
○粕谷照美君 三角局長にお伺いしますけれども、二十八条の「置かなければならない」職員と、その中に事務職員が入っていながら、同じ二十八条で特別の事情あるときは「置かないことができる」と、こういうふうに打ち消しておりますね。
   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
それからまた、養護教諭につきましても、百三条で、当分の間「置かないことができる」と、こうなっていますね。同じ養護教員でありながら、高等学校になりますと、「置かなければならない」職員ではなくて「置くことができる」職員の中に入っている。小中では「置かなければならない」職員として養護教諭が入っている。高等学校へ行くと「置くことができる」という職員の中に入っています。私は、高等学校の生徒というのは、ちょうど人間で言えば少年期から大人の中に入っていく非常に重要な青春時代というか、青年期でありますので、そういう時期に、高等学校に「置くことができる」養護教員じゃなくてそれこそ「置かなければならない」養護教員というふうに法的には位置づけるべきであったと思いますが、この「置かなければならない」職員と「置くことができる」職員というのは重い軽いがあるのかどうか。それから、「その他必要な職員」というので必要だから置いたのだと先ほどからおっしゃっていますけれども、しかしこの産休法適用などを考えてみるとちょっと軽くあしらわれているのではないかなという気持ちもいたしますが、その辺はやっぱり、学校運営にとっては、どの職種にいらっしゃる人もみんな重要な役割りを果たすのだというように理解をしたらよろしいのか、その辺お答えください。
#60
○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問の、たとえば「養護教諭、養護助教諭、実習助手、技術職員その他必要な職員」ということで、「その他必要な職員」というものについて幾つかの例示を挙げてそういう規定をしておるわけでございますけれども、この「置くことができる」ということにいたしておりますところの職員は、これは国が法律で必ずかくかくしかじかにすべしと、こういうことではなくて、高等学校なら高等学校の設置者の判断によりまして必要と認めた場合にはこれを置くと、こういう制度でございますが、これは必要と認めて置かれました以上は、やはりその職というのは必要であり、かつ大事な職であるということについては、これは異論を差しはさむところではない問題でございます。
#61
○粕谷照美君 それで、養護教諭などはもう高等学校の中で全部配置されているのではないですか。その辺は実態調査はありますでしょうか。
#62
○政府委員(三角哲生君) 手元に正確な資料はございませんけれども、私の記憶に関する限りでは、少なくとも高等学校の本校では全校配置であると思っております。
#63
○粕谷照美君 小学校を準用するということになっていながら養護教員についてはその準用がされていない、そういう扱いについても私たちは非常に不思議な感じを持っているわけですが、それでは提案者にお伺いをいたします。
 「その他必要な職員」と、こういうことですけれども、提案理由を読んでみますと、「特に学校教育法上、必要なときに置くことができる職員として、その職名及び職務内容が明定されるに至っていない職員、すなわち学校図書館司書、養護職員、学校給食調理員、用務員、警備員等の職務内容の確立」云々と、こうなっているわけですね。何かこう小学校も中学校も障害児学校も高等学校もみんな一緒になってこういう提案になっていますので、少し整理をして教えていただきたいと思うのですが、まず最初に、小中に「その他必要な職員」というのはどういうものがあるんでしょう。
#64
○勝又武一君 小中学校では、特に学校用務員とそれから学校給食調理責、それから警備員、養護職員、こういうことになろうと思います。
 どういうことをやっているかということはよろしゅうございますか。
#65
○粕谷照美君 いえ、ちょっと教えてください。
#66
○勝又武一君 これらの職種の人たちの職務内容につきましては、もう大体おわかりと思いますが、学校給食調理員というのは学校の共同調理場での給食調理に携わっております。学校用務員は、学校教育法施行規則の中で「学校の環境の整備その他の用務に従事する。」となっていますが、実際の仕事を見ますと大変ないろいろの仕事をやっておりまして、校地とか校舎の清掃、整備及び美化、管理、施設設備の整備及び営繕、校務連絡及び庶務、非常災害等の緊急業務、こういうものもございますし、養護教員は養護教諭にかわりまして職務を行っておるものでございます。さらに、図書館司書としての職務についている者もいるのが実態でございます。
#67
○粕谷照美君 いま学校用務員というふうにおっしゃいましたけれども、これは余り人数がいないように思いますね。一つの学校に一人とか、多くて二人ぐらいのように思いますが、どうもこのごろ用務員室なんて名前を書いてないところがたくさんあるんですけれども、なぜこの用務員という言葉が法律の上にありながら現場にはなくなっているんでしょう。
#68
○勝又武一君 戦前から戦後にかけましても、まだまだその用務員の方々の身分の確立なり待遇改善、あるいは職務の明確化等が不十分でございまして、お年を召していらっしゃる委員の方はよくおわかりと思いますが、戦前はまさに小使さんと言いまして、学校の小使室で常に寝泊まりの二十四時間勤務、こういうことが行われておりまして、そこの部屋で全部寝食ともにしたというような状況でございました。ところが、もう戦後まさにそういう形よりは変わりまして、通勤をしている用務員の方々等も圧倒的に多くなりましたし、若い女性の方、男性の方等はいまや用務員の方々の中での支柱になってきつつあるのでございまして、そういう意味から言いますと、私なりに当然そういう設備の完備等がなされてしかるべきだというように思いますが、教育現場を回ってみますと、特に小中学校におきましては一層とそういう点については御指摘になっているとおり不備だと思いますし、まさにそのことが、文部省当局におきましてもその改善策等について十分な御指導を賜りたいというように考えております。
#69
○粕谷照美君 東京あたり見ますと、管理員室なんていう言葉が入っていまして、いわゆる用務員の方々が管理員さんというような名前で呼ばれているというのも、やっぱり用務員という言葉から小使さんというイメージを払拭するためにそういう言葉で正式に通用しているのではないか、こういうふうに考えております。
 それでは、障害児学校と高等学校などで「その他必要な職員」というのはどんな職種がありますか。
#70
○勝又武一君 障害児学校につきましても、同じように、学校用務員、学校給食調理員、あるいは警備員、養護職員等がおりますが、特に盲学校、聾学校、養護学校等につきましては、先ほどもお答えいたしておりますように、介助員の方、特にスクールバスヘの添乗員あるいは運転手、ボイラーマン等々がございますし、特にまた介助員等につきましては、最近の重度障害児の方々の教育の充実という点を考えまして一層とこれらの方々の重要性が増しているのでございます。
 高校におきましては、同じように、学校用務員、図書館司書、寄宿舎のある学校や定時制の場合の学校給食調理員、あるいはまた警備員、ボイラーマン等が一般的になされておりますが、先ほどから触れましたように、職業高校、農業高校におきます実習夫、農務員、自動車運転手、水産高校におきます実習船の甲板員、操機員、あるいは司厨員、機関員等々がございます。以上でございます。
#71
○粕谷照美君 実習船などは女は乗らないわけですから、司厨員なんていってもそう産休法が必要ということはないと思いますけれども、この障害児学校の介助員というのはいないと大変なんですね。車にも乗ることができないし、いま大変問題になっているのは、養護学校に来るのに一時間半もかかるとか、もう交通渋滞のときには二時間もかかるとか、通学だけで大変くたびれちゃうなんというのがあるんですけれどもね。妊娠をしたりしますと、そんなして車に乗っているということだってやっぱり非常に大きな問題だというふうに思いますので、私はぜひこの法律が一日も早く通ってもらいたい、こういうふうに思っているところでございます。
 さてその次ですけれども、現在学校図書館事務職員というのが配置をされていますけれども、その職員の持っている資格あるいは職務内容、その実態について文部省にお伺いをしたいと思います。
#72
○政府委員(三角哲生君) 学校図書館の事務担当の事務職員の資格につきましては、これは法令上は特に規定は設けられておりません。それから、職務内容でございますが、これは司書教諭等の学校図書担当教員の指示のもとに図書資料の整理、保存、その他の学校図書館に関する事務を処理するというようなことが挙げられると思っております。
 それからなお、ちょっとお許しを得て先ほどの私のお答えを訂正したいんでございますが、養護教諭の高等学校における配置の問題でございますが、養護教諭と養護助教諭と両方合わせますと、養護教諭の方が三千七百人余りおりまして、助教諭が百人余りおりますので、両方で三千八百人余りでございまして、私ども、高等学校の校長先生の数が約三千六百人でございますので、それで先ほどちょっと全校配置じゃないかというぐあいに申し上げましたけれども、高等学校の場合には定時制の学校などもありまして、校長の方は兼務をしているという場合もありますので、なおやはり小規模校においては未配置の学校が現実にありまして、定数措置上もそういったところが残っておりますので、今回のいわゆる十二年計画で四学級とかあるいは三学級の学校――高等学校ですが、これに対して九百人余りの措置をしたい、こういう計画にいたしております。
 ただ、現実の配置は定数配置とは必ずしも一致いたしませんけれども、先ほど本校においては全校配置じゃないかと申し上げましたけれども、そうでない学校もあると思いますので、ちょっと訂正させていただきます。
#73
○粕谷照美君 文部省といたしましては、先ほどから田沢委員がこの社会党の法律案についてどう思うかということについて、よその職種と比べていかがかと思うというようなニュアンスの御答弁をいただきました。確かに高等学校の事務職員という方々は県庁の事務職員と交流があるわけですね。そうすると、県庁に産休のあれがなくて、学校へ行ったら産休補助教員がつく、こういうのはおかしいという理論があっていままでこの法律が通らなかったわけでありますけれども、この学校事務職員が通ったわけでありますね。その他の職員にこの法律が適用されるということについては他との関連では何も問題がないのではないか、こういうふうに思いますけれども、いかがですか。
#74
○政府委員(三角哲生君) 事務職員につきましては、確かに特に高等学校なんかの場合には人事異動と申しますか、交流があるわけでございますので、ただいま粕谷委員御指摘のような全体の状況から見ますと、ここだけが突出しているといいますか、あるいは逆の言い方もできるかと思いますけれども、そういう状態になっておりますことは事実だと思います。
 ただ、やはりさらにその状況を広めると申しますか、そういうことは果たしていかがでございましょうか。やはり他のいろいろな機関にも、たとえば病院、診療所あるいは児童福祉施設、保育所などにも看護婦さんや付添婦、保母、電話交換手、清掃要員、炊事の要員等もございますわけで、そういったことから、私どもとしてはやはりこういった制度を考えます場合には全体の均衡ということを十分におもんぱかって検討していく必要があるんじゃないか、こういうふうに思うんでございます。
#75
○粕谷照美君 提案者にお伺いいたしますけれども、いまの文部省の答弁というのは確かに行政の立場から見ればそういうことが言えるかもしれません。しかし、働いている人たち自身にとってみれば、同じ学校の中で何でこんなに差別があるのか、こういう憤りは大変大きいというふうに思います。それから、その先生方に大変な御指導をいただく生徒の立場に立ってみれば、あるいは学校用務員さんなどというのはもう本当に大変なお仕事をされているわけで、子供たちにとってはもう先生に言えないことでも用務員さんのところに行って相談するというような子供たちも出てくる。そんなこともあったりする中で、やっぱり用務員さんのかわりが必ず入りますよというのは非常にすばらしいことだ、だからこそ提案しているんだというふうに思いますけれども、いかがでしょう。
#76
○勝又武一君 御指摘は全くそのとおりでありまして同感でございますが、特に先ほどの田沢委員の御質問の際にも、文部省では各県各現場で十分そういう辺がなされているであろうというような御答弁もございましたが、私は決してそうではない、まだまだ十分な代替職員がない中で多くの他の職種の方々へのしわ寄せがずいぶんございますし、そういう意味では一刻も早くこの代替職員制度というものをこれらの方々について十分確立をしていただきたい。提案者の気持ちと全く同じだということを申し上げまして答弁といたします。
#77
○粕谷照美君 それでは最後の質問をいたします。
 学校の教師というのは、もう昭和の初めごろからお産をしたときには休んでもいいですよという法律があったわけですね。では安心して休めたかと言うとそうではないのですね。私なんかも、母が小学校の教師をしていましたので、一時間日に授業やろうと思ったら陣痛が起きましてそうして家へ帰って私を産みました。だから、出産直前まで働いているというのが当時の教師のこれ宿命だったわけです。休んでいる間はどうなったかといいますと、たまたま私の場合はかわりの先生を校長が入れてくださった。でも、あなたの月給の中からそのかわりの先生の分引いてあげますよと言って差し引いた分だけ持ってくるわけですね。そうして産後の休みは三週間ですよ、出てきなさいというあいさつがある。そういう中で母体も十分ではなかったし、非常に困難な中で日本の婦人教師たちは日本の教育を守ってきたと思うんです。そういう願いがあったからこそ、昭和三十年にこの国会で産休法が成立をした。ところが、法律は制定されてもかわりを入れなさいという法律がないから安心して休むことができない。したがって、かわりを入れなさいという法律をつくりましょうというので、昭和三十六年にこの法律ができたのでありまして、いま三角局長がおっしゃるように、それぞれの自治体で用務員さんについても何とか手当てができているだろう、あるいは休職者についても何とかかわりが入っているだろう、そういうふうにやられることを期待するという言葉もありますけれども、休んでいる人にしてみれば全然だめなわけでありまして、せっかくこの法律が成立をするように努力をいただきたい、こういう要望を申し上げまして、私の意見を終わりたいと思います。
#78
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十五分まで休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十八分開会
#79
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、勝又武一君外一名発議に係る女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案、勝又武一君外一名発議に係る学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○佐藤昭夫君 私は、ただいま議題となっております二つの法案について積極的に賛成をする立場から幾つかの問題について発議者並びに政府・文部省に質問をいたしたいと思います。
 まずその一つは、寄宿舎の障害児の発達に果たす教育的機能についてお尋ねをするわけでありますが、一九七九年に養護学校が義務化をされ三年目に入っていますが、特にことしは国際障害者年も迎えておるそういう状況のもとで、養護学校障害児教育に対する国民の関心は大きく高まっています。
 そうして、いわゆる寄宿舎について言うならば、近年、寄宿舎に入舎をする生徒も人数的にもふえてきていますし、重度の障害児も寄宿舎に入舎をするという傾向が増大をしている。私は養護学校の教職員や障害児を持つ父母の皆さん方からも障害児教育をめぐってのいろんな要望を各地で聞いているわけでありますが、寄宿舎の増設、そして寮母の増員の問題は最も切実な訴えの一つになっています。それは、今日までの文部省の障害児教育施策の中で最もおくれている部分の一つにこれがなっているのではないかというふうに考えざるを得ません。
 そこで、まず発議者にお尋ねをいたしますが、寄宿舎が障害児教育、障害児の発達を保障をする教育の上でどういう教育的機能を担っているか、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
#81
○勝又武一君 御質問がございましたように、近年とみに重度の障害の子供たちもふえておりますし、その点に関する教育の重要性がきわめて強調をされておりまして、そういう、特に盲・聾・養護学校等におきましては寄宿舎が必要不可欠のものになっているのでございまして、それは学校教育という中だけではでき得ない範疇が多くあると思います。もちろん通学ということもございますけれども、学校と寄宿舎とを合わせたいわば一貫した教育の場に寄宿舎が位置づけられていると思いますし、同時に、寄宿舎は主として学校の近くに近接をしているのでございまして、恐らく寄宿舎の過半数以上は廊下その他によりまして直接学校建物と結びついている、そしてまた寄宿舎へ移動するようにされているわけでございます。寄宿舎の中には、それぞれプレイルーム等も含めました設備等が最近は徐々に完備をされているのでございまして、そういう点を考えますと、年間の行事計画の中で、綿密な年間の指導計画を立てた中で、寄宿舎教育の中に果たす教育的な機能というものが近年とみに重要視されてきているというように私たちは考えておりまして、特にそういう盲・聾・養護学校等におきます場合には、寄宿舎の果たす教育的な役割りというのが非常に重要になってきているというように考えております。
#82
○佐藤昭夫君 文部省はどういう位置づけでしょうか。
#83
○政府委員(三角哲生君) 特殊教育関係の諸学校は、これは小学校、中学校に比べますとどういたしましても数が少ないわけでございますので、その配置等の関係から、子供たちの住まいが遠隔にあるというようなことによります通学の困難を解消するために原則として寄宿舎を置くというふうになっているわけでございます。したがいまして、この寄宿舎は、いわば子供たちの家庭と申しますか家と申しますか、そのかわりになる場所でございますから、寄宿舎におきましては、児童生徒の養育、すなわち起居その他の日常の世話、さらには生活指導などを行うことをその機能としているわけでございます。
#84
○佐藤昭夫君 いまの局長の答弁によりますと、通学遠距離の場合、原則として設置をするという言い方でありますが、本当に寄宿舎というのが障害児の教育、発達に教育的に見て欠かせない施設だという認識、位置づけに立てば、別に子供が遠距離であろうと近距離であろうと、そのことにはかかわりなく、寄宿舎に入れて障害児の子供を教育をするということが当然必要になってくるはずですね。ところが、いまの答弁であるとどうもそこらの点が依然として文部省としてはあいまいな態度ではないかというように思うんです。
 この寄宿舎の子供の発達に及ぼす影響について幾つかの報告が出ているわけでありますが、たとえば一例ですが、昨年滋賀大学で開かれた特殊教育学会、ここで報告をされている事例でありますけれども、麻子ちゃんという十二歳の肢体不自由児の例でありますが、この麻子ちゃんは学校にも非常に近い、またバス路線もあってバスでも通学できるというところに住んでいるわけですが、しかし、ことし中学一年生でありますが、小学校五年生のときに初めて一週間寄宿舎に入った。六年生で二週間、ことしが三度目として一ヵ月入舎をするということになっている。家庭では、家族が、この麻子ちゃんが障害児であることから大変大切にかばいつつ、そういうもとで麻子ちゃんが生活をしてきたため、精神的にも自立性が乏しい状況が続いていた。そうして寄宿舎に入った初めごろは、泣きわめいて家へ帰りたがる、こういう状況が続いていたわけですけれども、寮母の皆さん方の励ましやら支えやら、そういうことでだんだんと自立心、主体性、そういうものを身につけて、子供たちの中での親をむしろ招待するそういうパーティーの司会役をこの麻子ちゃんが務めるというところにまで非常に自立心が成長をしてくるという姿が、この大会で感動的に報告をされたわけですね。
 障害児といえども、いつかは父母、家族から離れてみずからの力で生活ができるような、そういう力をどうつけさしていくのかという意味で、この寄宿舎教育というのは欠かすことができない、親と子供とのワン・ツー・ワンの関係じゃなくて、子供同士の人間的な触れ合い、励まし合い、高め合い、こういう意味でこの寄宿舎というのが欠かすことのできない教育的役割りを果たすのだということが非常に報告されていることは文部省当局もよく御存じのはずだと思うんです。であればこそ、学校教育法の第七十三条の二、ここで「盲学校、聾学校及び養護学校には、寄宿舎を設けなければならない。」と規定して寄宿舎の設置を明確に定めているわけですね。しかし、実際は、今日そういう障害児学校において寄宿舎を設置している学校は率にするとどれくらいあるのか、文部省はどのように調査をし把握をされていますか。
#85
○政府委員(三角哲生君) 寄宿舎につきましては、これはやはり特殊教育諸学校の就学の形態というのがいろいろあり得るわけでございまして、ただいまお話のありましたようなケースももちろんあるわけでございますが、子供ないしはその保護者によりましては、住居の関係もありまして、寄宿舎からの通学、あるいは委員もおっしゃいましたがスクールバスなどによる通学もありますし、それから障害の状況、障害の種類によりましては、福祉施設や医療機関へ学校が併設されている場合もある、あるいは隣接をしている場合もある、そういったさまざまな形態がございますので、寄宿舎というのは必要でございますけれども、必ずすべての子供たちがそこから通学しなければいけないと、こういうことにはいたしていないものでございます。
 そこで、ただいまの設置率の問題でございますが、盲学校につきましては九五・九%、聾学校につきましては七六・四%、養護学校につきましては二一・四%というふうになっております。
#86
○佐藤昭夫君 いま数字的に回答をされましたように、法律では原則的にこの障害児学校には寄宿舎という施設を設置をする必要があるんだということを掲げながら、いま数字的にも言われましたように、必ずしも全校寄宿舎を持っているという状況にはないわけですね。それはこの法の定めに「ただし」というただし書きが後について、置かなくてもいい場合も定めていると、こういう抜け穴のついたこの法律の定めになっていますから、実際はこういう状況が生まれてくる。私が指摘いたしました寄宿舎に入るのは、もちろん子供に、あるいはその親に強制をするということはできないでしょう。しかし、家庭で親が障害児の子供を見守っているこれとは違った集団としての子供の触れ合いを通して子供たちが発達をしていく、そういう家庭ではやれないような寄宿舎としてのこの独自の教育的機能、これは文部省はお認めになっていますか。
#87
○政府委員(三角哲生君) まあ障害児の障害の種類、程度にもよるわけでございますけれども、いま仰せになりましたような集団の中での一つの学習と申しますか、あるいは人格の陶冶と申しますか、そういうことは本来特殊教育諸学校の学校そのものがまずそういう機能を果たすということでございまして、そしてもちろん学校が終わりました後、寄宿舎に参りますれば、そこの寄宿舎というのは当然一つの集団的な生活、一定の規律のもとにおいて進められる集団的生活でございますから、先ほど来、佐藤委員が御指摘のような、ある種の教育的効果と申しますか、そういうものが当然期待されるわけでございますけれども、逆にそういった面は学校の生活の間にもやっておりますので、子供によりましては、家庭に戻りまして家庭でのいわゆる家庭教育なり、家庭における直接両親の手による何と申しますか、しつけなり、訓育なり、こういうこともまた行われてしかるべき場合もあるわけでございまして、そのいずれかということは、もちろんその条件によりまして親の希望によって寄宿舎へ、先ほどのように短期間に、一週間とか、一月とか入れられる場合もそれはよろしいでございましょうし、それからその家庭が遠隔の地にあるために、どうしても寄宿舎に入れることによって養護学校なり、盲学校なりの教育を受けると、こういう状況に置かれるという場合もあるわけでございます。
#88
○佐藤昭夫君 まああなたのいまの御答弁でも、私の提起していることを頭から否定をされているわけではない。もちろん家庭で親が子供たちをどういうふうに育てていくかという、こんなことでは障害児はすくすくとは育っていかないという、そんなこと何も言っているわけじゃない。家庭は家庭の役割り、同時に学校、そうして起居をともにする寄宿舎、この教育的機能、これは家庭では果たせない教育的機能があるんだということを一つはしっかり認識をした上で、しかし、実際にこの文部省のやっているこの施策にこの点が欠落をしているんじゃないかという感じがしてならぬのですね。たとえば養護学校義務化に向けて、その設置の年次計画というのを文部省はつくりました。しかし、その年次計画の中に寄宿舎を必ずつくるということも加えた年次計画になっていませんね。
 で、お尋ねをするんですが、さらにもう一つ、この文部省の学校基本調査というのがありますね。文部省の基本的な統計になっていますけれども、学校基本調査、この中では寮母、それから舎生数――寄宿舎に入っておる子供の数、こういうものは調査項目として挙がっていますけれども、寄宿舎それ自体の数、そういうものを文部省の統計調査に当たっては項目として挙げて調査をしようともしないという、ここらあたりにも私は端的に文部省の寄宿舎軽視の考え方が、またそういった行政があらわれているのじゃないか。
 ことしは、繰り返し言うようですけれども、国際障害者年ですが、これを契機に文部省としても寄宿舎設置を一段と増強をしていく、そのための具体的指導をやるべきじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
#89
○政府委員(三角哲生君) やはり本来どうしても必要な集団の中での一員としての適応なり、あるいはその中で独立して個性を発揮していくというようなそういう訓育は、学校自体の教育でできるだけ十分にやっていくというのがたてまえでございます。もちろん寄宿舎に行った場合にもそれと類似の効果が出てくる、そしてそのために寄宿舎にお勤めになっている寮母さんたちもいろいろな意味での御努力をなさっているということは否定するわけでございません。
 そういうことで、先ほども申し上げましたけれども、特殊教育諸学校への就学は寄宿舎から通学する場合もありますけれども、家庭から通学する場合もある。それから病院と隣接して学校が設けられておりまして、病院から渡り廊下でやってくると、こういうような場合もあって、さまざまの形態が考えられますので、ただいま御指摘の寄宿舎の設置なり整備なりの問題につきましては、私どもとしては特殊教育諸学校の設置者でございます各都道府県におきまして、それぞれのいま申しましたような就学形態その他の実態、実情に応じましてしかるべく対応をしていくべきことと考えておりますので、国が国の側から設置者に対してかくかくしかじかというふうな整備計画をつくってこれを持ちかけるということは現在やっておりませんし、考えておらないのでございます。
 なお、都道府県におきまして、そういう対応として寄宿舎の新増設を行います場合には、その施設整備費については、これを国庫補助の対象としておることは御承知願っておるかと存じます。
 なお、寄宿舎自体の数の調べというのは、確かに御指摘のように、指定統計上の要目にしておりませんが、私どもとしましては寄宿舎の設置校数などは調べておりまして、それから施設の関係におきましては、なお都道府県の方と連絡をとりまして、必要がありますれば、収容人数の収容定員数なり、あるいは整備面積の量なりということは、これは状況によりましてその都度調べることができると、こういうぐあいに思っております。
#90
○佐藤昭夫君 その寄宿舎を設置するかどうかというのは、設置者である都道府県、ここがどれだけまず決断をするか、そこが問題だというお話ですけれども、そしてそういうことを決断をすれば、国としては予算上の補助もやると。しかし、この予算面での補助が非常に少ないという、このことが都道府県として財政的な理由もあって、なかなか事がうまく進んでいかぬ一つの重要な原因になっているじゃないですか。国がもっと積極的施策をどう講じて、都道府県教育委員会を督励しつつ、障害児のための豊かな施設をどうつくっていくかということを積極的にことし考えるべきときではないかということで提起をしているわけですね。
 この文部省の寄宿舎の必要性についての認識の一つのバロメーターになると思いますけれども、養護学校の在校生のどれくらいが寄宿舎へ入りたいという希望を持っているか、何か調査したことありますか。
#91
○政府委員(三角哲生君) 文部省としては、いまのお話の入寮希望者と申しますか、そういう段階の調査はいたしておりません。
#92
○佐藤昭夫君 やはり、そこが学校教育法でも、片や置かなくちゃならぬと、こう定めながら、ただし置かなくてもいい場合もありますよというただし書きをつけてみたりということになってくる。そして、その後、言葉の上では寄宿舎というのは家庭だけでは果たせない教育的役割りがあるんですということを言いながら、寄宿舎をどんどんふやしていくその積極施策を依然としてとろうとしない状況になっておるそのあらわれが、やっぱりいまはしなくも障害児学校に在校生の中でどれぐらい寄宿舎の希望があるかという状況さえ十分調査もしていないということになってあらわれているんじゃないんですか。
 私は京都ですので、京都に向日が丘養護学校というところがありますが、その状況をお聞きをしたわけですけれども、家庭に対するアンケートで調べますと、寄宿舎へ入れたいという希望を持っている親は在校生の約八〇%。その理由としては、生活経験が豊かになる、身辺の自立に役立っていく、集団生活を経験させたい、生活する力、生活のリズムをつけさせたい、こういうさまざまな具体的理由を挙げて、八〇%からの親が、わが子、障害児を寄宿舎に入れて集団的に子供たちの中で触れ合いをさせていこうということを希望しているわけですね。やはり家庭だけでは果たし得ない役割りを寄宿舎でやってもらえるという期待があればこそ、こういう数字になってきていると思うんです。
 もう一遍お聞きしますけれども、寄宿舎というのは通学距離が非常に長い、遠い、その子供にとって必要ということだけじゃなくて、通学距離が近い子供でも、教育的に見て重要な役目が寄宿舎にはあるというふうに文部省は本当に考えていますか。
#93
○政府委員(三角哲生君) 冒頭に申し上げましたように、やはり寄宿舎というのは本来住居が遠隔にありまして、通学の困難な場合にその困難を解消するためのものでございまして、一つの就学のための施策と申しますか、対策でございまして、したがって寄宿舎ではやはり児童生徒の起居その他の日常生活の世話や生活指導などの養育を行う場所でございます。やはり子供の教育は当該の特殊教育学校の学業として行うものでございます。そういうことでございますので、それは、いろいろな観点から入寮を希望する方がおられるということは事実かもしれませんが、そういった寄宿舎本来の目的に照らして対応していくのがまず第一義だと思うわけでございます。
 それから、そういった意味合いでの寄宿舎の設置の問題でございますが、これは施設の補助金の方は私の所管ではございませんけれども、私が理解している限りでは、特殊教育関係の施設は、寄宿舎も含めまして、この施設の整備は、これまで他の種類の事柄に比して予算の措置にいたしましても、その執行にいたしましても、優先して取り扱ってきたはずでございます。
#94
○佐藤昭夫君 文部大臣、いろいろやりとりをお聞きいただいておったと思いますけれども、養護学校といいますか、障害児学校の学校を建てること自身は、これは各県義務化という、こういう方針で一定数進んできましたね。ところが、さっき局長が答弁をなさったその数字の中にもありましたが、養護学校についていうと、寄宿舎を並設をしている学校というのは二一・四%だと。五分の一程度。こういう状況で、局長がいま寄宿舎の予算は優先的にやってますと、こう言うけど、果たしてそんなになっているんだろうかというふうに思わざるを得ませんね。二割ぐらいしか寄宿舎が並設をされていないという状況でありますので、先ほど来るる家庭――家庭での役割りというのは何も否定しているものではない。家庭は家庭。しかし、家庭では果たし得ない教育的役目が寄宿舎というものにあると、こういう立場から、そして局長が言ってるように、出発の当初は、寄宿舎制度というものをつくった当初は遠距離の通学用の便のためということで仮にあったにしても、いまはそういう状況ではないということで、ぜひ文部大臣、この障害者年に当たって障害児教育を豊かに前進をさせていく上で寄宿舎を増設していく、この方向での積極的な検討をひとつ文部省内でやってもらいたいというふうに思いますが、どうですか。
#95
○国務大臣(田中龍夫君) 局長の御説明にもございましたように、この設置率が盲学校は九五・九でありますか、聾学校が七六・四に引き比べまして養護学校の二一・四というのは、これは本当に他の面と比べまして非常に低いのでございますが、やはりいろいろとこうなりましたにつきましても、当初の気持ちと現実の問題との乖離が出ておるわけでございます。
 私は、やはり実際問題といたしましての費用の問題とか、あるいはまた養護していただく方との関係とか、いろんな理由はございましょうけれども、われわれが持っておる方針とか理想とかいうふうなものにできるだけ近づけていかなきゃならない努力をこれはいたさなきゃならぬと、かように局長の方の説明を聞きますだに考える次第でございますが、ぜひとも努力をしていきたい、かように考えております。
#96
○佐藤昭夫君 この問題だけやってるわけにまいりませんので、次に寮母の問題についてお尋ねをいたしますが、社会党の発議者にお尋ねをしますけれども、寮母の障害児学校における教育的役割り、この点についてはどういう位置づけでしょうか。
#97
○勝又武一君 ただいま御質問者が再三文部省にお聞きになっておりましたように、寄宿舎におけるまず基本的な生活指導という役割りはきわめて重要だと思っておりますし、同時に先ほど法律案の関係資料というのをお配りいたしましたが、この資料で見ましても明らかなように、教育的目的というので入舎しているのが東京、京都、沖繩と圧倒的に九〇%近くあるのでございまして、そういう意味でも、まず寄宿舎におきます寮母が果たす教育的役割りというのがいかに父母から期待をされているかということがまず一つあると思います。
 そういう意味で寄宿舎におきまして寮母はそういう基本的な生活習慣を養わせる。遊びとか行事とか、特に自治活動、そしてまた自発的な学習、特にまた寄宿舎におきます仕事とか労働を通しての指導ということもございます。そういうように、寮母の果たす教育的な役割り、あるいは教育的な領域といいますか、このものは非常に大きいというふうに思いますし、同時にそれは、先ほどの御質問者もおっしゃっていましたように、自治活動を通しての自立能力を養っていく、仲間と集団との中での役割りでありますが、そのことをただ子供たちにやらせるんじゃなくて、寮母が専門的なやはり生活指導という教育的な力量を持つことが私はきわめて重要だと思います。重度障害児の子供たちのおしめをかえていくというようなことも一つの世話の分野ではございますし、それを決していとうものではございません。しかし、同時に、それだけではなくて、たとえば身体障害の子供のボタンをかけてやるのを、かけてやるのではなくて、かけてやりながら、こういうようにして生活習慣というのを養っていくんですよということを寮母が系統的な生活指導という教育的力量を身につけた中で指導していくということがきわめて重要だと、このように大きく期待をされているというように考えております。
#98
○佐藤昭夫君 ただいまも勝又さんの方から詳しくありましたように、家庭における母親の役割りでは果たし得ない役割りを障害児学校の寄宿舎における寮母の皆さん方がやっているんだということだと思いますが、ところが非常に毎日多忙であり、激しい仕事になっているということから、寮母の方たちの健康破壊が大変な状況になっているという訴えを、各種の研究会やら、また私どものところでもいろいろ聞いているわけです。
 私、すでに昨年の十月、当文教委員会で定数の問題に関係をしてこのことを指摘してまいりました。そのときにも引用をしたわけでありますが、たとえば長野県では過去三ヵ年間の調査をやられているわけですけれども、障害児学校六校で三十一例の妊娠、その中で昨年の三月時点で妊娠中の人が六例ありますから、その差二十五例。二十五例のうち流産が十例。四〇%の流産率になっている。そして妊娠中の異常が九%。しかも、異常の内容はかなり重い。入院を伴うようなそういう事例が数多く報告をされているわけであります。
 また、さっき引用しました京都の向日が丘養護学校の実情を聞いてみますと、これは昨年度の数字ですが、二十一名の職員、男子七名、女子十四名、そのうちコルセットをはめた者は十名、健康を壊して通院中だというのが十二名。その十二名は、医師の診断によりますと、椎間板腰痛五名、脊椎分離症三名、頸腕二名、椎間板ヘルニア二名という医師の診断になっているわけです。本当に他の職種に比べてみても非常に激しい労働量になっておる、そのために健康破壊をしておる。こういう寮母の健康の実態について文部省何か調べたことありますか。
#99
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の、寄宿舎の寮母の方々の健康状態につきまして、文部省として特に全国的にまとめたものはございませんが、各県におきまして、先生いま御指摘のような調査をいたしておりまして、その報告によりますと、御指摘のいわゆる腰痛症その他の症状を訴える方々がかなり指摘されておるところでございます。
#100
○佐藤昭夫君 文部省として全国的な調査をしたことはないけれども、いろいろ聞いている報告では相当健康問題が重大化をしているということはお認めになっているわけですけれども、結局定員が足らないという問題があるわけですね。
 昨年の十月の委員会でもこれも指摘をしておったわけですけれども、文部省の定数改善十二ヵ年計画、その中の障害児教育関係を見ますと、教員及び肢体不自由児養護学校寄宿舎の寮母、この増員計画は含まれているけれども、盲学校、聾学校、精神薄弱及び病弱養護学校の寄宿舎の寮母の増員計画、これはいま文部省が持っている十二ヵ年計画の中には入っていない。かつては九ヵ年計画の中には含まれていたということで、重大な後退ではないか。単に年数が延びたということだけの問題じゃないということで私は指摘をして、文部省としてこの年次計画の改善の方向をぜひ一遍検討しなさいということを強く提起をしてきましたけれども、その後何か改善方向を検討していますか。
#101
○政府委員(三角哲生君) 寮母の定数につきましては、長年にわたりましてこれまで改善を図ってきたところでございまして、この結果第一次計画の完成年度の昭和三十八年度時点では、各設置者ごとに生徒七人に一人という配置でございまして、いわゆる最低保障というものはまだその時点では行われておらなかったわけでございますが、ただいま御指摘の第四次計画の完成年度の昭和五十三年度になりますと、これは設置者ごとではなくて、各学校ごとに肢体不自由児の養護学校では生徒四人に一人、その他の特殊教育諸学校、盲聾学校等では生徒五人に一人、そういうふうに改善が行われまして、さらに最低保障は八人とする、こういうぐあいにしたわけでございます。さらにその上の改善として、五十五年度を初年度とする第五次改善計画というものをつくっておるわけでございますが、これは肢体不自由児養護学校におきます寮母の定数を、先ほど申し上げました四次の時点で完成いたしました児童生徒数四人に一人ということから、さらに三人に一人というふうに改善しようと、こういう計画にいたしておりまして、そして寮母の最低保障定数も、これも八人から十人に改善するということにしておるわけでございます。これは、ただいま委員も御指摘になりましたが、肢体不自由児養護学校の寄宿舎においては、特に生活全般にわたりましていろいろな介護を必要とする、そういう寄宿児童生徒が多くなっております実態を考えますとともに、さらに小規模の寄宿舎における寮母の勤務条件の改善を図る、そういうためにいたしたものでございます。
 なお、個々の学校に対する寮母の配置は、具体的にはこれは都道府県が決めておりまして、都道府県ごとに標準法で算定されました定数と寮母の実数と比較してみますと、大部分の都道府県はおおむね定数に見合う実数の寮母の配置がなされておるわけでございます。
#102
○佐藤昭夫君 いまのような答弁、去年の十月になさった答弁と変わりないわけですからね。それでは不十分だと、もっと増強、改善の方向を具体的に検討をする必要があるんじゃないかということで指摘をしてきたということですが、ちょっと時間がありませんので、最後に一つお尋ねをしておきますが、こうした健康破壊、中でも妊娠をされた皆さん方に対する特別の配慮をどういうふうにやっていくかということで、現在、京都、東京、大阪――京都の例で言いますと、「障害児教育諸学校、学級における妊娠中の教員に対する児童、生徒の指導軽減措置要項」というものをつくって、一九七八年から実施をしているわけですけれども、この中には、当然、教員というタイトルにはなっていますが、寮母も含んでいる。妊娠四ヵ月までの間及び産前休暇中――その前六週間ですね。これを対象として、該当をする教員なり寮母の万なりの申し出た期間に基づいて、非常勤講師の補助者を配置をする、そしてその期間の労働について特別な配慮をしていこうということを定めている。東京、大阪もほぼ同様の内容ですけれども、こうした標準法による定数配置というのが実態に合わない、そのために健康破壊がますますひどくなっていくだろう。そういうもとでどうやって障害児学校の教職員の健康を守っていくか、とりわけ婦人教職員の、妊娠中の婦人教職員に対する特別な配慮をどうしていくのかという問題については、単に各県任せではなくて、文部省としても一定の指導方向を出して、いろいろやり始めている県の前進的な取り組みは、これはこれとして励ましていく、まだ手をつけていない県に対して指導をしていく、こういう積極方向をぜひいまの段階として文部省として考えるべきじゃないかというふうに思いますが、その点どうですか。
#103
○政府委員(三角哲生君) 妊娠中の女子につきましては、これは母体保護の観点から、産前休暇を初め軽易労働でございますとかあるいは通勤緩和などの保護措置が講じられておりまして、今後ともそういった措置の適正な運用が行われるように努めてまいる考えでございます。
 なお、県によりましてはただいま御指摘がありましたような、あるいはその他の独自の保護措置を講じているところもあるのでございますが、現段階では、それはそれぞれの実情に応じた各県の判断によるものでございまして、これをただいま国として奨励すると申しますか、そういった事柄につきましては、いろいろな意味での均衡その他の上から困難であると考えております。
 また、地方公務員の勤務条件につきましては、国及び他の地方公共団体の職員との間に、権衡を失わないように適当な考慮が払われなければならないことになっているところから、やはりそういった意味でいろいろお考えになっておやりになるわけでございましょうけれども、独自の措置を講じるに当たっては、それはそれなりにやはり慎重に検討した上でやっていただきたい、こういうふうに思うのでございます。
#104
○高木健太郎君 まず最初に、女子教職員の出産についての補助教職員の確保、こちらの方の御質問を申し上げたいと思います。
 その前に、私の考え方でございますけれども、妊娠それからお産ということは人間の一つの生理的な現象でございますので、常日ごろ体を十分大事にしておって、そして異常分娩であるとか、あるいはそのために長く休まなきゃならぬとか、そういうことのないように、保健医その他と十分な連絡をとって常に快適な職場で働けるように、このように私は心がくべきであると。ただ、妊娠あるいは分娩ということは、いかに生理的なものであったとしましても、体の中に三キロ程度のものを入れておるということで、かなりその労働力というものは落ちていると考えなきゃなりませんので、こういう意味では他の達者な者と健康な者がこれを支えてやっていくということが私は根本精神でなくてはならぬと思うわけです。現代の医療も非常に進んではおりますけれども、余りに人間を構うということはその人間のかえって健康を損なう。医療の本体というものはその人の自立性を養ってやるということに私はあると思いますので、その意味で将来いろいろな問題があるでしょうけれども、自分の自立性を失わないで、しかもある部分においては依存をしていく、あるいはそれを援助していく、この精神を失わないということが福祉の根本であろうかと思っておるわけでございます。
 それにいたしまして、いま産休法というものが出ておるわけでございますが、まずお聞きしますが、私が小学校のときには女子の職員というものはほとんどいなかったわけでございまして、大体戦後女子職員というものは男子職員とどれぐらいの比率でふえておりまして、現在は大体どれくらいの比率になっておりますか、少しおわかりでしたらお知らせいただきたい。これ提案者の方にお聞きいたします。大体の比率でよろしゅうございますから、中、小学校でどれくらいの男女比率になっているのか。
#105
○勝又武一君 特に小学校と中学校とで事情が違うのでございまして、小学校の場合にはやはり女子が非常に多くなっている傾向にございまして、恐らく、いま教員だけで限定をしてみますと、やはり六十数%は女子であろうというように考えておりますが、中学の場合にはまた逆になっておりまして、いま教員についてはそうでございますが、特にこの法案にかかわります現業職員について見ますと、この提案理由でも申し上げましたように、女子職員は大体九万五千人ぐらいということでございます。
#106
○高木健太郎君 これは何%ぐらいになりますか、九万五千人、男女比ですね。
#107
○勝又武一君 学校の現業職員全体の数は、公立の幼稚園、小・中・高校全部合わせますと約十三万名でございまして、そのうちの九万五千ですから、その程度の数字でございます。
#108
○高木健太郎君 非常に多いということがわかっただけでも結構でございます。
 この九万五千人の中にはお年寄りもおいででしょうし、あるいはまだ未婚の女子の方もおいでになる、こういうことで、この中の年間の出産率というのはどれくらいのパーセントで、何人ぐらいになるとお考えですか。
#109
○勝又武一君 この辺も、実はお産ということでございまして、私などもその方に関しては全く専門でないわけでございますので、大変つらいのでありますが、女性のお産をするということでございますので、それが約七割ぐらいというように言っていいんでしょうか。その辺がひとつ――もちろん年齢がありますから、何歳ぐらいまでがお産をされるのかという微妙なお話もあるでしょうし、ちょっと答弁しにくいんでありますが、出産率というのは大体大筋五%ぐらいというように言われております。
#110
○高木健太郎君 また、このうち御主人が職を持っておられるということで二人でその家計を持っておられるという方もかなりおられると思いますし、そのお母さんの手にかかっているという御家庭もあろうかと思います。そういうものについては何かお調べになったことがございますか。また、それに対しては何もお考えになっておられないでしょうか。
#111
○勝又武一君 もう一度ちょっと……
#112
○高木健太郎君 御主人がおいでですね。その家計の主たる負担者というものがその女子職員にかかっているという場合もあろうかと思うんですね。そういう方に対して何か特別にお考えになっておりますかということです。その方が休むとかそういうことによって非常に大きな打撃をその家計が受けるということについては何かお考えになっておられるでしょうかということです。これとは直接関係ございませんけれども。
#113
○勝又武一君 学校の中における職種の代替――かえる職員という意味でなくて、家庭の方の事情でございますか。
#114
○高木健太郎君 そうです。
#115
○勝又武一君 家庭の方につきましては、やはり考え方の中には、育児休業制度で一昨日御議論いただきましたように、
   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
せめて一年未満の間ぐらいは自分で子供を育てたいということもございますでしょうし、同時にまた、それが御主人との共働きの中で、なかなかいま若い方々の場合に生活が大変だということも経済的な事情等もありまして、育児休業制度がない中で御苦労が多いと思うんですけれども、いまの場合はいろいろ個人的な努力がされているというだけでございまして、私たちは基本的には育児休業制度なりあるいは託児所の増設とか、そういう公的なものについてはかねがね努力を続けておりますが、個人的な形のものについて具体的なという点については御質問者の御指摘のようなこと、余りまだそういう点について手をつけておりません。
#116
○高木健太郎君 いろいろ家庭の事情もあって、同じ産休であるとかあるいはその後の育児休業であるとかということによりましても家庭に対する響きが非常に違うわけですからして、この点はこれは社会党のこの案とは別でございますけれども、国家としてはやはりその点は、その期間の間の生活というものを保障してやるような方策は将来やっぱり考えていかなければならぬのではないかというふうに思いましたので、一応私この発言をさしていただいたわけでございます。
 勝又先生は男性でいらっしゃいますので余りお得意でないと思いますが、正常分娩と異常分娩というのはどのぐらいとお考えですか。
 また、異常分娩になった場合にはそれだけ休暇を延ばさなきゃならぬわけですが、そのときには正常分娩の十二週間というところから、よけいそれだけ休めるということになっているんでしょうか。
#117
○勝又武一君 この点については私たちもかねがね努力もしておりますし、文部省当局も努力をしておりまして、各県段階の中でそれぞれの違いはありますけれども、各対応がなされていると思います。
   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
特に異常分娩の場合等におきます期間の延長の問題にしてもそうでございますが、各県段階の中での違いはあると思いますけれども、そういう対応がなされているというように思っております。
#118
○高木健太郎君 これはいわゆる疾病による健康保険からの支給があるように切りかえられるということであろうかと思いますが、そういうこともなかなか本人が寝ておってできないということもございますし、いろいろ本人にとってはかなり精神的な負担にもなるんだろうと思うんですね。そういうことまでひとつ細かに配慮していただくと休んでおる方もいいのじゃないかと思いましたので、わざわざこんな妙なことをお話ししたわけでございます。
 そこで、次は文部省側にお聞きいたしますが、女子職員の産休が適用されたという場合に、今度は学校によりましてはPTAとかその他によりまして、あるいは教職員の御都合によりまして私費で雇用をしておられるという方がおられるのではないかと思います。この場合、一体化が乱れるということになりますね。そうすると、その私費雇用の方に非常に不満が起こりはしないかということも考えるわけでございます。それからまた、これと関係がございますけれども、私立学校とか一般行政職員にはどのように、この産休のときの代替職員その他の制度が適用されているものでしょうか。その点について文部省当局の御意見を伺いたいと思います。
#119
○政府委員(三角哲生君) 高木委員御指摘のように、現在学校には、これは制度的なものではもちろんないわけでございますけれども、PTA等が雇用をいたしまして、そして給与を支給して、そしてその方々の労務と申しますか、それを学校に提供をしているというそういう形の職員がおられるわけでございます。これらはいわゆるいまおっしゃいました私費雇用の職員とも申せるものでございますが、これは公務員ではございませんために、仮に同じ用務員の仕事をしておりましても、公務員である用務員の方にもしたただいま御提案のようなことで産休法が適用されたといたしましても、PTA等によります私費雇用の用務員が産休に入った場合には、その同じような扱いにはなりませんで、直接この法律の規定から代替職員を雇用しなければならないということにはならないわけでございます。したがって、その意味においては制度上取り扱いを異にする、こういうことでございます。
 もし、これが、仮の場合ですが、そういったことになった場合どうするかということですが、これはやはりそういった私費雇用職員が産休に入った場合、もし代替職員を手当てしなければならないとすれば、やはりそのPTA等、本来の産休に入った用務員について手当てをしておる方の方で負担するということになるであろうと。これは仮の話でございますが、それが一番常識的な成り行きと申しますか線ではないかと、こういうふうに思います。
#120
○高木健太郎君 これは私は苦い経験がございますのでそういうことを特に申し上げたわけでございますが、大学なんかでは研究費や交際費がございまして、その中で特に忙しい場合には臨時雇いを置くというようなことをやっているわけですね。私費ではございませんが、いわゆる個人的に雇っている。だから正式的な文部省との雇用関係はないという人間が入っているわけです。これは、ほかにもあるだろうと思いまして、こういうことを聞いたわけですが、その場合にボーナスもなければ、あるいは保険という保障もない。それからまた、こういう産休もないというようなことになりますと、問題はそこから起こりまして、それで非常に中の統一が乱れてくる。やっている仕事は同じではないか、なぜわれわれに対してはそういうものが保障されないのかという問題が起こりますので、これは提案者の方に一度お聞きしておきたいのでありますけれども、もしそういうことがあるなれば、この際、こういうことをおやりなる前に、あるいはおやりになったと同時に、こういう問題については十分そこを固めておかれないと、せっかくのことがかえって内部的に非常な混乱を起こすということになろうと思いますので、こういう御質問をしたわけでございます。そういう私費といいますか、そういうものはこの中にございますでしょうか、そういう職員、正式雇用でない職員。
#121
○勝又武一君 確かに学校現場では、俗にPTA職員というような言葉がございます。これは全くPTAの費用から学校事務職員のまたその補助をやっている、本当にお手伝いというようなかっこうでやらしているのがございますし、特に高等学校の場合などは、図書館司書教諭というのが法的に決まっておりましても少ないわけでして、そうするとまた、そういうことの補助をやる、いわば学校図書館なり学校の事務室の補助をやらせるというのが、国や県や市町村の費用、財源が足りないのでPTAから出させているというのがあります。この点は高木先生御指摘のとおりでありまして、私たちはやはりPTAから給与が出るなんというのは全くの間違いだと、当然こういう人たちを正式の職員とすべきだという運動をやっておりますが、さてこの法案ができたときに、じゃPTAの職員までこの法案でやれというわけにはいきませんので……
#122
○高木健太郎君 いや、法案ではなくてね。
#123
○勝又武一君 ですから、私たちはPTA採用の職員についてはそういうように正式の職員に切りかえるということを努力をしているところでございます。
#124
○高木健太郎君 次に、この法律を適用しようという女子職員の方々の職種を見てみますと、図書館の司書があり、あるいは給食の調理員等、かなり特殊な専門的な職種に属しておられる方が多いように思います。これを産休で当該職員がお休みになったときに、さああすからといったところで、その場所場所によってもやり方が違うでしょうし、従来やっておったのと急にそこで変わってしまうということも非常に困ることではないか、そう思いますが、その引き継ぎのときにどのようにされるのか。産休が十二週間あると、その十二週間の中に食い込んでお互いの引き継ぎをおやりになるのか、あるいはあらかじめ何か研修期間というのを設けて、しばらくの間そこで引き継ぎのことをおやりになっておいてから十二週間休むのか、そういうところはどういうふうにおやりになるおつもりでございますか。
#125
○勝又武一君 いまの御質問にお答えする前に、先ほど高木委員の御質問に男女比の比率の問題がございました。私、小学校の女子教員はたしか六五%ぐらいと申しましたが、(本を示す)ここに「我が国の教育水準」という文部省発行のりっぱなのがございますので、これで正式にまた十分見ていただけるとわかると思いますが、率直に言いまして小学校では約六割、こういうふうに私の先ほどの答弁を訂正しておきたいと思います。中学では約三一%ぐらい、こういうような状況のようでございます。
 先ほどもありましたけれども、確かにいまの司書、調理員あるいは学校の図書館の方々、こういう方々についての研修なり引き継ぎ業務の問題についての高木委員からのきめ細かい御質問で、私たちまことに恐縮するのでありますが、率直に言ってこういう研修引き継ぎ期間というのは明確に定められていないと思っておりまして、これは御指摘のように欠陥だと思います。当然私たちもやはりこのことを産前産後と別にいたしまして確保すべきだと思いますが、現在私たちの調査によりますと、県によりましては、この引き継ぎ期間を認めているところは六県程度あるようでございまして、ただし日数は非常に不十分でして、二日から五日間ぐらいという程度のようでございます。
#126
○高木健太郎君 これは私かなり大事なことでないかと思うんですね。というのは、調理員というのは子供に食事を出すわけですから、それまで出しておった味つけだとかいろんなものが全然変わってしまうというようなことはあると思うんです。あるいは図書館の司書になりますと、図書の分類とかいろんなものがその学校によっていろいろ違っていると、急にかわって十二週間の間にその人が十分な業務ができるかというと、私はできないんじゃないかと思うんですね。だから、少なくとも一週間ぐらいの前の引き継ぎ期間というようなことは、ぜひこれはとっておくべき必要があるんじゃないか。あるいはまた、特殊な人ですからどなたでもよいというわけにはいかないと、それの研修というものは何かあるとか、あるいは資格だとか、そういうものも十分これ考えておかなきゃならぬことではないかと思うんです。
 それから、産休に六週間というものをおとりになって――まあこれは医者が決めたんだと思いますけれども、これ聞くのはあれですが、前後合わせて十二週間、これは絶対休まなきゃいけないんですか、あるいはそれよりかぐあいよければ休まないでもいいという、そういうものですか。十二週間は絶対に休まなきゃいかぬと、こういうものでしょうか。どういうものでしょうか。それで、十二週間休まなくって来ておっても休んだとしての給与をもらうのか、これどないなっておるんでしょうか。たとえば十二週間休みがある。おまえ休めといって、それでも給与を幾らかもらえるわけですね。しかし、私は休みたくないといって五週間ぐらいでやっちゃったと。そのときにはどうなるんですか、給与のことは。あるいは休まなきゃならぬというものですか。これはどれだけの強制力があるんでしょうか。
#127
○勝又武一君 これは、医療の方ではまさに専門家の高木先生の御質問でございますけれども、私なんかがあれですけれども、率直に申しまして産前と産後との違いがあると思っております。産後の方の六週間は、これは母体保護ということもございますし、労働基準法上からも最低六週間ということが認められておりまして、各県によりましてはさらに二週間プラスしまして八週間という県が、いまたしか四十七県のうちで過半数以上、ほとんどがそうなってきております。それから、産前の六週間については、先生御指摘のように、何といいますか、個人差というものもございますでしょうから、産休に入られる点についての選択というものは確かに私はあると思っております。
 ただ、いま現実はどうかといいますと、やはり産前の六週間と産後の八週間、合計の十四週間というのがほとんどでございますし、さらに産前の六週間プラス二週間で前後八週間ずつ、合計十六週間ということでしている県が各県の中でも相当数ふえてきているというのが現状だろうというふうに思いますし、そういうようだと思っております。
#128
○高木健太郎君 はいわかりました。
 もう一つ、最後に育児休業のことについてお聞きしたいと思うんですけれども、産休というのは身体的にやむを得ず休まなきゃならぬということですが、育児休業、おとといございましたけれども、私、育児というのは非常に重要なものじゃないか。――これは文部大臣もぜひ聞いていただきたいと思うんですけれども、子供は一歳の間に大体のものができ上がっちゃうわけです。愛情であるとか、よく愛国心という話も出ますけれども、親だあるいは兄弟だ、その他のものに対する愛情というものはこの一年間の間にできるということが大体学者の定説であろうと思うわけです。その間に母は職業のために外へ出なきゃならぬということは実は異常なことなんですね。この現代社会における異常状態としてそういうものが起こっているので、動物を見ましても何で見ましても、産んだ子供というのは自分のそばにしばらくは置いておくというのが正常なわけです。だから、現代の文明社会がやむを得ずそういう形をとっている、私はそういうふうに考えておるわけです。だから、産休も大事でございましょうが、育児休業というものはより大事じゃないかというふうに私は思うわけです。そういう意味では、現在産児休業から育児休業へ連続してやるときに、育児休業になるといまのところは何か給与は切っちゃうわけですね。それが三〇とか六〇とかいうふうに粕谷委員がおっしゃっておりましたが、できれば、私これは少しでもおつけになる方が将来の日本の国家にとっては重要じゃないかなと、こう実は思っているわけです。これはぜひ、この際ではございませんけれども、お考えいただいたらどんなものであろうか。その後大きな金をおかけになるよりもここでかけておいた方が経済的に言ってもいいんじゃないかという気さえしますので、私、発言させていただいたわけでございます。
 それから、大学には、いろいろ経過がございましたが、大学局長よく御存じだと思いますけれども、大学におきましては、いわゆる託児所というような問題で大変がたがたした時代がございます。いまでは組合で置いているところもございますし、いろいろな運営方法がございますけれども、ある程度託児所というものを置いているわけです。中、小学校の方ではどのようになっておりますでしょうか、提案者の方から先にお答えいただきまして、そういうまたお考えがあるのか、このこともちょっとお伺いしておきたい。
#129
○勝又武一君 先生からいろいろ示唆に富んだ御質問をいただいたわけでありますが、私たち基本的には先生と全く同意見でございまして、特に産休だけでない育児休業についてもぜひ拡大してまいりたいというのが一昨日以来の私たちの提案している趣旨です。しかしなかなかそうまでいかない。いかない理由の中には、きょう御議論をいただいております職種の方々につきましては、代替職員の確保というのがまだ法的に完備していない、だから産休でさえなかなか休めないし、産休をとった場合にはそのしわ寄せが多くの皆さんのところへ来る、そのことがひいては教育効果を低下させているということになりますので、ぜひ本法案について一層の御理解をいただきたいと思いますし、高木先生の、少なくとも満一歳までの間に子供のすべてが決定をしていくという示唆に富んだ御指摘も私同感でありまして、そういう意味では、ぜひひとつ、この育児休業の問題についても金を惜しまずにやれという御指摘だと思いますので、文部大臣が隣におりますので、わが党のこの法案の趣旨もくんで、ぜひ前向きの点をお願いをしたいと思います。
 それから、最後にございました小中学校における託児所の問題です。これは高木先生御努力いただいた大学等の場合において相当されているわけでありますが、ましてこの小中学校に至っては、託児所の問題というのは全くもっておくれているわけでございまして、他の公設の託児所の増設ということしかありませんで、本来なら私たちはもっともっと、たとえばある程度の小中学校をあわせたプール機関的なものでもいいんでしょうけれども、理想的に言えば小中学校、高等学校含めた教員の託児所的なものを公設でやっていくというようなことをぜひ望みますけれども、まだまだ思いは遠く、せめて本法案をまず先にやっていただいて、そしてひとつまた、小中学校の教員、職員の皆さんの託児所問題等が前進しますように、また先生のお力添えもお願いをいたしたいというように思うわけです。
#130
○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問でございますが、大学局長も来ておるわけでございますが、やはり大学というのは、何と申しましても、先生もとより御承知のように非常にスケールの大きい組織でございまして、特に医学部などがございますれば、当然そこに附属病院がございまして、そして看護婦さんなども大ぜい働いておるということで、特に看護婦さんの場合を中心にして、学内で一種の職域保育所と申しますか、あるいは託児所、授乳施設といったようなものをどういうぐあいに整備していくかという、そういう非常に努力なり苦しみが重ねられてきた時期もございますし、現在でもそういう問題を持っているところがあるかと思います。
 ただ、御指摘の小中学校の場合には、これは大学ほどの人員がいるわけでもないということもございますし、それから、やはりこれは地域の中にいろいろとたくさん置かれておる状況でございますので、どういたしましても、やはり実情といたしましては、地域の保育所の方にお世話になる、こういうことが実態ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
 それから、ちょっと簡単に補足いたしますが、先ほどちょっと答弁漏れがございましたので、一般行政職員にはこういう代替の制度はございません。それから、私立学校の場合でございますが、これは現行法で、私立学校も同様の方向で措置をするように努めるべしという努力義務の規定がございまして、産休の場合がございますれば、やはりそれは私立学校でございますかち、その間、子供たちの学習をどうするかということを当然考えて何らかの措置をとっておると思いますが、これはまあ私学が独自性、自主性でやっておりますことでございますので、これについては私どもは一々報告を求めてはおりませんが、私学でひとつそこのところはしかるべく適切な配慮をしてもらわなければならない、こう思っておる次第でございます。
#131
○高木健太郎君 私学の問題もありますし、一般行政職じゃまだだということもございますし、それからまた託児所は、大学というようなところの特殊性ということもあるので、そう理想的に何もかもいくとは私は思ってはおりません。おりませんが、私学でどのようにおやりになるかは一度お調べいただいて、もっと効率のよい方法があれば別に託児所を置かなきゃならぬというようなこともないと思いますし、地域の託児所をひとつ利用していくというような方法もあろうかと思います。とにかく一年保育というのは非常に重要なことだと思いますので、お互いに考えていかなきゃならぬ問題かと思っております。また、せっかく休暇をおとりになりましたならば、それを各人は有効にこれを使っていく。決して休みをやったということじゃなくて、できるだけ短い期間でそれを過ごしていく。いわゆる自分の自立性を失わないという精神がしんにあって、しかもそういう補助機関があるというふうに私考えていくべきだと思っておるわけです。
 じゃ次に、養護学校のことについてお尋ねいたします。
 一万五千名の障害児、これは盲聾合わせてそういう数であると思いますが、その中の特に身体障害者ですか、肢体不自由者といいますか、そういう方はこのうちどれぐらいおいでになるだろうかということと、それから、ちょっとこれはわかりにくいかと思いますが、これも後でお聞きいたしますけれども、腰痛というのが非常に多いということですけれども、大体体重がどれくらいになっているのか、それから平均の年齢の分布は大体どれぐらいになっているのか、そういうことをお聞きしたいと思います。
#132
○勝又武一君 腰痛の場合には、たとえばここに長野県のある養護学校の例がございまして、十五名の寮母のうちで十三名が腰痛、十三名が背中の痛み、肩の痛みが八名、頭痛が九名、胃腸障害が九名、こういうようなきわめて全員に健康破壊の状況があるようでございます。これらは特に顕著な例だとは思いますけれども、大なり小なり全国的な状況になりつつあるというようになっておりまして、たとえば京都府の場合におきましても、先ほど佐藤委員からも御指摘ありましたが、約七三%ぐらいが身体に何らかの異常があるということを訴えていらっしゃるようでございます。
 なお、先ほどお手元に配付いたしましたこの法律案関連資料というざら紙の資料集の二ページの「健康破壊の割合」というのにも、いま申し上げましたのがグラフにしてございますし、症状例といたしまして、そこに個別の事例等を挙げてございます。
 それから、御指摘のありました年齢の構成というんでしょうか、こういうような点につきましては、私の方で資料がございませんので、まことに申しわけありませんが、お答えできませんので、お許しいただきたいと思います。
#133
○高木健太郎君 これ見ますと、コロニーと非常に似ているわけです。いろんな療養所がございますが、その状況と非常に似ておりますが、残念なことに、その対照がないわけですね、ということが私一つのこの表の欠点だと思うわけです、一般の人とどれぐらい違うのかということですね。
 それから、この原因の究明がないということです。重い物を抱えたのか。頭が痛いというのは重い物を抱えたからというわけはないので、そういう意味ではその原因の究明をはっきりしておかなきゃいかぬ。たとえば暑い部屋と寒い部屋に入ったり出たりするというようなことが書いてありますが、そういうことかもしれません。だけれども、それもわれわれの日常生活でもあることでございますので、この表をお出しになるにつきましては、ぜひその環境をよく記録をしておいて、それから対照との間の関連を十分はっきりさせておく、そうして腰痛ということを訴える、これは特殊なことであると。そうすればその原因を取るようなやっぱり工夫を環境面からやっていくということが私はまず最初に重要だと思います。それだけを申し上げたいと思うわけです。確かに、しかし腰痛は起こるのじゃないか。そうすれば重い物を抱えると。重い体になりまして、わりと歩かないでたくさん食べますからどんどん太るわけなんですね。だから、初め五十キロぐらいで入った者が七十キロぐらいになる。で、中にはまじめにどうやったら太らないで済むかという研究をしている人もあるわけなんです。だから、やはりこれは体重というものは十分この際私は分析しておく方が大事だと思います。そういうことですが、これによって体がぐあいが悪いために入院されるとか、職場を離れるとか、あるいは退職をするとかいう人がおられると思いますが、これはどれぐらいになっておるものでしょうか。これは文部省おわかりでございますか、こういう養護学校の方で。要するに、普通の教職員とこういう特殊の学校の方の離職率とかあるいは罹患率とかそういうものはわかりませんか。
#134
○政府委員(三角哲生君) ただいま御質問の養護学校における先生ですとか介助員とか、そういう方々の離職率というのは、私どももちょっと調べてございません。
 ただ、一つ申せますことは、養護学校にお務めになる方はわりと長いこと一つの学校に続けられる、非常に熱意を持ってそこにおられるという方が多うございまして、一般の学校よりは異動のインターバルと申しますか、それが長くなっております。
#135
○高木健太郎君 身体障害者の方々というのは非常にお気の毒な方で、何とか世話を絶えず見ていなければいけないという職場の方ですから、それに対する報酬というようなものも特にお考えになっているのかもしれません。あるいは身障者の場合には二人に一人であるとか、それから目のお悪い方は四人にお一人とかというような数が決まっているようでございますけれども、そのほか、私ちょっと勝又先生には申し上げにくいことですけれども、日教組の方でストをおやりになるというようなことがあるんじゃないかと思うんですね。こういうところはストからはずさなきゃぼくはいけないと思うんですね。それはどういうふうにお考えでしょうか。非常に申し上げにくいんですけれども。というのは、病院の医師とかそういう者は全部そのときストはしてはいけないことになっている。こういう方はそれに非常に近い職場でおありになるので、そういう場合は特別の何か措置をお考えいただきたい。これは私からお願いを申し上げておきます。これはお答えいただかなくても結構です。
#136
○勝又武一君 いまの点は、私はもちろんいまは当事者であるわけではございませんので、私からとやかく言う問題ではありませんが、先生の御指摘になっていらっしゃる意味合いは非常によくわかります。特にそういうような場合におきましても恐らくいろいろの配慮が私はなされているであろうし、なされることもまた工夫されることも必要であろうというふうに考えます。事実そういうのを指定しまして、あなたはこういうときにはストライキから外れてそういう業務に携っていなさいということをやっている事例は、私はあるというように仄聞をいたしておりますので、もちろんいま私が何々組合の委員長で指令を発動している立場ではございませんので、それ以上は容喙できませんけれども、そのように認識をいたしております。
#137
○高木健太郎君 どうも失礼なことをお願い申し上げまして……。ぜひそうお願いしたいと存じます。
 それから、寮母のことをお聞き申し上げますが、寮母という名前はどうして「母」という字がつきましたのか、その名前を、いま男性が少しふえているようでございますが、これでいまいただきました資料によりますと、先生が法案の提出のときに――これは五十四年度の統計でございますが、計で四千五百四十八人、そのうち男性が百八十六人おられる。五十五年になりますと、二百十一人の男性がおられる。これは四十一年のときには二千三百人のうちの四名であった。これが五十五年になりますと二百十一人であるというふうにふえているわけですね。これはどういう経過で寮母というものをおつけになり、それがどういうことで男性がふえていき、そして今度の教諭という名前にしたい、あるいは待遇を確立したいということとどのようなつながりがあるのか、ちょっと御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#138
○勝又武一君 この点は、私たちの本法案の一つは命とも言うべき一番重要な核心に触れているところだというように認識をいたしておりまして、本来午前中からの御議論にもございましたように、まず寄宿舎というのは、文部省からありましたように通学不可能というところという要素が圧倒的に多かったのですが、先ほどの議論にありましたように、最近は教育的見地で寄宿舎に入っているというのが非常に多くなってきている、これが一つ大きく違うと思います。ですから、最初は寮母というのは、まさに家庭のかわりに学校が遠いから自宅からは通えないので寄宿舎に住み込む、そういうことはまさに家庭であり母親がわりである。つまりお母さんがわりなんだからというので、この寮の母親というので、非常にやさしく表現しますと、寮の家庭のお母さんがわりだという意味が寮母という言葉を生んだというのでございまして、まさに母がわりというのは、現在の寮母の職務内容や仕事から言いますときわめて不適切だということに相なっておるのでございます。先ほど言いましたように、まさに家庭のかわりではなくて、いまでは教育的見地で九十何%が寮に入りたいというわけでありますから、まさにそれは生活指導を中心にした教育とそしてそれに附随する世話というので考えております。
 それから二つ目に、男性がふえてきた主要な要因というのは、私はやはり女性の方だけでは受け持ち得ないところがあるというように思います。それは、一つは先ほど粕谷委員の御指摘にもありましたように、たとえば盲学校、聾学校、養護学校等での介助員という問題もございますでしょうし、先生が先ほどおっしゃった平均体重をちゃんとはかっておけというように体重のふえているのもございますし、なかなか女性の方だけでは仕事の職種としても困難であるし、むしろ男性の方の方がよろしいという面が実際の職務からも出てきている。
 それからもう一つは、やはりこれも私たちのころといまの時代の違いかもしれませんが、性教育というのは私は女性だけかと思っていたら大変しかられちゃいましてね、男性にも必要なんだと、ぼくらの中学のころはというように先ほど冗談話したのですが、実際にいまそういう寄宿舎における男子の性教育というようなことも、たとえば考えてみますと、それはやはり女性の方よりは男性が受け持つという守備範囲もあるんじゃないかというのが率直に言って現場の方々の声であります。これらを総合して考えてみまして、同時に寮母というのは単なる世話でない。もちろん重度障害者の方のおしめをかえていくというようなことをいとうわけでは決してございませんし、そのことも私たち世話として行うわけでありますが、基本的には一番大きな仕事は、この生活指導を中心にした専門的な能力を備えて、そしてそのことが指導できる、そういう男性も女性も含めた寮における生活指導という教育に携わるという職種だということになりますとどうしても寮母では不適切でございまして、寄宿舎教諭という名称がこの際一番適切ではないかということでこの法案を作成した次第でございます。
#139
○高木健太郎君 ここで、五十五年度だと、寮母の数の中の男性が四・五%、女性が九五・五%。この四・五%というのは大体そういう肉体的の労働を必要とすると、そういうところを振り向けられているんでしょうか。そうばっかりではなくて、たまたまこういう数字が出ているものなんでしょうか。
#140
○勝又武一君 先ほど小学校、中学校におきます男女の比率の御質問がございましてお答えをいたしましたが、私はやはりこれはそのときの社会的な状況等によっていろいろ生まれてくるというように思います。たとえば三十年前には村役場の職員というのは非常に入りやすかったけれども、いまの市役所の職員というのは大変むずかしいというようなことが一例ありますように、そういう社会的な進歩の状況等でも一つは変わってくるというようにも思いますし、そういう意味で、この寮母という社会的な評価といいましょうか、社会的な職業に対する一般的な認識といいましょうか、私は先ほど言いましたように、学歴取得の面からも、免許状所有の面から言いましても、だんだん上がってきまして非常に重要視されてきているというように見ます。そういう意味で、女性だけであった職種にそういうことが生まれてきていますし、これは同時に看護婦というのがそうでございますように、「婦」が「夫」という男の看護夫もいまは出てきているわけでございまして、ただ何か肉体的に重い荷物を持つのだけが男性の寮母だというのではなくて、先ほど私が言いましたように、たとえば性教育という問題もあるでしょうし、あるいは大きな寮になりますと男の方と女の方の寄宿舎教諭がいらっしゃった方がより総合的な生活指導という面でプラスになっていくというようなことで、私は男性の方の職業としてさらにこれは増加をしていく傾向になるんじゃないかというように考えている次第です。
#141
○高木健太郎君 私も、こういう病気の状態とか、あるいはその職務の一端をお聞きしたわけでございますが、もともとの寮母の職務というものが文部省では決められているんではないかと思うんですが、いま勝又委員のお話を聞きますと、その職務が次第に移りつつあると、しかもこれは子供の性格を見ながら将来そういう身障者であっても十分社会的に自立ができるように、あるいは目の悪い方も自分で何とかやっていけるような訓練をそこですべきじゃないかと思うんですね。それの一端を、これまでの寮母、これからのいわゆる寮の教諭ですか、そういう方が担っていかなきゃならぬということで、寮母を改めて教諭あるいは助教諭というものを置きたいというふうに考えておられるわけです。それに対して、文部省としてはそういうことじゃないとお考えなのかどうか。それからもう一つ、そうするとすれば、やはりそれだけの資格なり研修をどこかで与えなきゃならぬのじゃないかと。ある程度の医学的知識も要りますし、あるいは心理学的教育も要るんじゃないかと。その点については文部省はどのようにお考えでございますか。また、そうしなければ、私、教諭として与えるということはどうもまずいんじゃないか。しばらくいまの方もおられるので、十五年ですか、十五年の間このままで、その後にはしっかりした教育を受けた者をここに当てたいというふうに、いま提案者は言っておられるようです。その点について文部省の御意見を承りたいと思うんです。
#142
○政府委員(三角哲生君) 寮母の役割りはどうかということから御質問でございますが、私は、先ほど提案者である勝又委員がおっしゃいましたように、まずはやはりお母さんがわりということから出発していると思います。やはり母のふところに抱かれると、こういうことであろうかと思います。何と申しましても父親はどうしても家庭におりませんから、そういうことで寮母という字も、まあ外国語でもハウスマザーという字がありまして、いまそれどうなっているかちょっと調べてございませんけれども。ただ、このごろは男も女の役をちゃんとやれというそういう御主張も出ておりますけれども、逆に申せば、このごろは女性も非常に強い女性が多くなっておりまして、男顔負けの女性が大変多いわけでございます。そこで、寮母でございますけれども、私はいま二百十一人という男の、寮母さんと申すとちょっとおかしいんですが、おりますが、これはまだ二百十一という数字でございますから、全国の特殊教育諸学校の寮の傾向をここからはちょっと判断できないと思います。かなり県なり学校によって男の方を多く任用しているところもあるようでございます。原因は、やはりまず体力の問題が非常に肢体不自由児の場合にはかかってまいりますので、そういう意味合いも出ておるかと思います。それで、私どもとしては、ただいろいろ教育的な見地ということは大事であると思いますが、教育そのものはやはり特殊教育の学校そのものでやっていただくのであって、寄宿舎の方へ帰りますれば、これはやはりまずは学校の勉強からとりあえず解放されて、そこでくつろぐ場でもあるし、そういうことで日常生活の取り仕切りをし、かつ生活指導をしていくということが本来でございますので、そこで学校が終わってからもまた専門的な立場からの教育を受けるということでは子供の方も大変だろうという気もいたします。そういうことで、逆に申しますれば、寮母の先生方に余りにそういう意味の専門的な意味合いを込めた責任を重くすることについては問題があるんじゃないかと、こういうぐあいに思っておるんでございます。
 ただ、ただいま高木委員御指摘のように、寮母さんもあくまでそういった心身に障害のある子供たちを相手にしてやっていただく、そういう仕事でございますので、文部省としましては毎年全国の盲・聾・養護学校の寄宿舎の寮母さんを対象といたしまして講習会を開催しておりまして、その内容としては寄宿舎における基本的生活習慣についての指導のあり方、あるいはレクリエーションの指導、あるいは寄宿舎において必要な医学的基礎知識、こういったようなテーマのもとに講義や研究協議を行うなどいたしまして、寮母さん方の資質の向上を図っておるところでございます。
#143
○高木健太郎君 できるだけ、私、積極的に、学校で教えたからもううちではいいということじゃなくって、いまは家庭も学校も一体になって教育が行われるというのが理想だと思いますし、特に身障者の場合にはその点が私は重要だと思いますので、やはりある程度の研修なりあるいは勉強をさせてやると。そして、帰ってきてから何も仕込むというわけじゃなくて、やはり日常いろいろ見ていることで生活習慣を覚えていくということになりますので、必要最小限度のものは私は寮母さんといいますか、この教諭が教えていくべきじゃないかと思うわけです。その意味の資格なり研修はぜひ文部省としてもお考えいただきたい。それであってこそ、初めていま御提出の教諭という形がはっきりするんだと思うので申し上げるわけでございます。
 以上で、私、社会党提案のこの法案につきましての質問を終わらせていただきますが、ちょっと時間を十分ばかりいただきまして献体のことについて話させていただいてよろしゅうございましょうか。
#144
○委員長(降矢敬義君) 持ち時間の範囲内で。あと七分ばかりございます。
#145
○高木健太郎君 これはもうお聞き及びのことと思いますが、教職員の産休とかあるいは寮母さんのことについてではございませんが、ちょうど厚生省の方もお見えになりましたし、大学局長さんもお見えいただきましたので、ここでちょっとお聞き申し上げたいと思います。
 これは学生解剖用の遺体の件につきましてお話しするわけですが、現在の遺体の必要量というのは、昭和五十四年度で五千百九という数字が出ておりまして、これに対して解剖の実数は二千六百八十六体でございます。先般文部省のお答えでは約七〇%の充足率があるというお話でございましたが、これは非常に統計のとり方がむずかしゅうございまして、文部省にいい数字が行ってるかもしれませんし、こちらの方がわざわざ悪い数字を出したのかもしれませんので私は自信がございませんが、大体六〇%平均、それくらいの充足率であろうと思います。ただ、ここで私問題になるのは、平均ではこれはいかないのではないか。というのは、ある学校では一〇〇%充足している学校もあるわけです。そうすると、他の学校では二〇%、三〇%切るところもございまして、一人の遺体に対して十名の学生がかかるという学校もあるやに聞き及んでおります。こうなりますと、もう二、三人しか死体にはかかれませんからして、残りの六、七人というのはもう休んで、そこからのぞいているというだけのことになります。これは医師が、悪い医師もいい医師もできてもいいというんならそれでもいいんですけれども、医師というものは人体を預かりますので、もうある程度以上の実力を持たないと人間の体を預けられないのでございますから、平均幾らというのは私はこれはよくないと思います。だから、やはり充足率が八〇なら八〇、全部が八〇であるということにならなければ私はいけないと、こういうふうに思っておりますので、この五〇%あるいは六〇%というものをもう少し上げて、そして各大学で同じような遺体が扱えるように私は工夫をすべきではないか。これは医学教育に携わる文部省の一つの責任であろうというように思うわけです。
 それで、このうち自分の死体を解剖用に提供してもよろしいという篤志遺体というのが九百七十六体でございまして、全体の解剖実数のうちの三六・四%に当たります。その他の約六五%というものは、遺族の意思でなされるか、たとえば病院に入院しておったから、お世話になりましたと、本人は何も言わなかったけれども、この遺体は差し上げますということが大体六〇%ぐらいでございまして、あとの五%から一〇%未満のものが実は行路病・死者ですね。行き倒れの人であるとかあるいは身元引受人のない方の遺体でございます。それらが大体五%から一〇%ぐらいであるということなんです。そうしますと、現在解剖用の遺体は、だから足りないわけなんですね。足りませんが、しかも死体解剖保存法というのがございますが、これによって死体を賄おうとしているわけですが、それによって来るものは実は一〇%以内であるということ、ほとんどが篤志解剖、本人の意思によって差し上げますという方で、五十年が二五・一%、五十一年が二六・八%、五十二年が二九・五%、五十三年が三二・九%、五十四年が三六・四%と、だんだんそれがふえておりまして、これに依存せざるを得ないような状況にだんだんなっているわけです。
 ところが、その法律の方では、身元引受人のないものは市町村長に届け出て、市町村長がこれは大学の方へやってもよろしいという許可を与える、そういう法律しかないわけです。だから、私の死体を大学にやって、そこで解剖していただいても結構ですと、そういったものに対する法律は全然ないわけです。だからして、せっかく自分が差し上げたいと思う方は全然やみで自分の死体を差し上げているという状態になりまして、医学のために、あるいは社会でお世話になりました、ぜひ私の体を使ってくださいとおっしゃっている方の意思に報いる法律というのがゼロなんです。何もないわけなんですね。だから、出される方も非常に張り合いのないことになるわけでございまして、この死体解剖保存法というものをぜひ何かもう一度改正をしていただきまして、そこの中に本人の意思によって遺体を差し上げようというものはどういうふうにすると、そういう一言入れていただければ、私はもっともっと解剖用の死体が集まるのではないか。これがよい医師をつくる一つの根本になるんじゃないか、こういうように思いますので、わずかなことでございますから、ぜひこの点をひとつお考えをいただきたい。これはもう昭和四十五年から日本解剖学会の解剖体委員会及び篤志解剖全国連合会というような人たちが、熱心にこれに対して厚生省及び文部省に対していろいろお願いをされているわけでございますが、まずいことには、これが文部省とも関係がある、厚生省にも関係がございまして、両方のちょうど間になっておるものでございますから、両方ともうんと力を入れていただけないようなそういう気持ちがするわけです。ちょっとめんどうだからお前の方でやらぬかというように、いわば省際的な問題である。そのために、十何年という長い間、これがそのままで放置されているという悲運を味わっているわけでございまして、そのような非常に無条件、無報酬で自分の体を社会のために差し上げたいという人の意思をぜひ文部省及び厚生省においては尊重していただきまして、この法のわずかな改正ででございますから、その点をひとつお考えいただきたいと思うのでございます。
 貴重な時間をいただきましたけれども、私からこれだけ申し上げておきます。
#146
○政府委員(宮地貫一君) かねて解剖体の問題については、先生から当委員会におきましても御指摘をいただいている点でございまして、また献体のことにつきまして、先生みずから実践されておられるということも伺っているわけでございます。
 一つには、解剖体の基準そのものについても、今日解剖学についての教育方法の改善ということなどと関連いたしまして、その検討もやはり必要ではないかなと、かように考えております。
 もちろん御指摘の法制化の問題についても、十分御指摘をいただいている点は検討課題というぐあいに考えているわけでございますが、要は社会的なそのことに対する価値判断と申しますか、そのことの実態をどう把握し、それをどう盛り込んでいくかということが基本的に問題点ではないかと、かように考えております。御指摘の趣旨は十分踏まえまして対応さしていただきたい、かように考えております。
#147
○説明員(斎藤治美君) 先生の御指摘の趣旨十分承りました。厚生省といたしましても、文部省とよく連絡をとらしていただきまして、対応をすべき点については検討さしていただきたいというふうに考えます。
#148
○高木健太郎君 ぜひ早急に実施に移していただきたい。それにつきましては、解剖学会の方もあるいは篤志団体の方もまた私も、できるだけのひとつ御協力を申し上げたいと思いますので、早急にひとつこの点はお進めいただきたい。そうでないと、私いろんないやなことを耳にいたします。死体というのは物でございますから、しかもそれがかなり不足ということになりますと、これ経済関係の中に入ってきまして、こういうものが非常に悪い面に使われ始めたということも私耳にしております。また、そういう団体も、やはり人間でございますので、いろいろのことで間違いを起こしやすいということもあるわけです。そういうことの起こらないうちに、あるいはそれが表面に出ないうちに、ぜひひとつ法制化を早く進めていただきまして、せっかくの善意を無にされないようにひとつお願いするわけでございます。
#149
○国務大臣(田中龍夫君) 私からもお答えいたします。
 先生のいまのお話は数回承っておりまして、本当に先生が一生懸命にこの問題と取り組んでおられることはよくわかる次第でございますが、これをじんぜん放置いたしておくことは、わが国の医学の上から申しましても私は重大な問題であろうと存じます。通り一遍の御返答ではなく、本当に両省が一日も早くこの問題を解決するように督励をいたしたいと思います。ありがとうございました。
#150
○高木健太郎君 どうぞよろしくお願いいたします。終わります。
#151
○小野明君 学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案、発議者は勝又武一、粕谷照美両君であります。
 私は、この法律案について、発議者並びに文部省に質問をいたしたいと思います。
 この内容は、すでに御承知のように、寮母の仕事の業務の重要性にかんがみまして、この名称を変更すること、そしてこの身分の確立を求める、こういう内容のものであります。
 そこで、大臣が四時から衆議院の方に行かれるようでございますので、先に文部省の方に質問を申し上げたいと思います。
 障害児学校の寄宿舎の寮母、この定数につきましては昨年の九十一国会で決められた十二ヵ年計画、これによりますと、肢体不自由養護学校の寄宿舎の児童生徒数、これを四分の一を三分の一に改善をする。次に、最低保障を八名から十名に引き上げる。さらに三番目として舎監――これは教員ですが、これを一名ずつ増配するとなっているのであります。しかしながら、小規模でない盲学校、聾学校、精神薄弱及び病虚弱の養護学校の寮母、これにつきましては十二年たちましても一名も増加をしないわけであります。仮に舎監をふやしたといたしましても、そのことは寮母増になるとは言えないわけであります。小規模でない盲学校、聾学校、精視薄弱及び病虚弱養護学校の寄宿舎の寮母、これについての増員計画をつくるべきであると思いますが、この点は初中局長、いかがでしょうか。
#152
○政府委員(三角哲生君) ただいま小野委員が申されましたとおりの計画を定めたわけでございます。全体として非常に財政状況の厳しい折からでございますが、第五次定数改善計画として実施に入っておるわけでございますが、ただいま御指摘の肢体不自由児養護学校以外の特殊教育諸学校につきましては第四次の計画ですでに児童生徒五人に一人という寮母定数を定めておりまして、そうしてこの配置率は今回引き上げていないということは御指摘のとおりでございます。
 ただ、大規模になりますれば五人に一人の割りで寮母の配置は現在のこの標準でも措置はされるわけでございますが、それに合わせまして、実はこれまで特に小規模寄宿舎の最低保障の定数の引き上げの要望が強かったので、今回の改善計画では、ただいまおっしゃっていただきましたように、最低保障定数を八人から十人に引き上げる、こういうことでございます。それで、やはり今回の改善計画では、先ほどもちょっと申し上げましたが、特に肢体不自由児養護学校の寄宿舎の場合に、生活全般にわたりましていろいろな介護を必要とする児童生徒が多くなってきているそういう傾向と申しますか、実態を考えました場合に、これらの学校の寮母にあっては児童生徒四人について寮母一人ではいろいろな意味での無理もあろうか、こういうことでこの部分につきまして児童生徒三人に一人という改善をいたしたわけでございまして、私どもとしては、先ほどは、なおさらにこれを改善しなければいけないじゃないかという御指摘もありましたけれども、今回、これはいま申し上げました意味合いでかなりの改善を第五次として始めたばかりのことでございまして、こういったことで対処してまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#153
○小野明君 肢体不自由の養護学校の寄宿舎の児童生徒数、これを改善をするということは、これはこれで私はよろしいと思うわけです。しかしながら、これあと大臣が向こうにお出かけになりますから、この十二年計画の中で盲学校、聾学校、精神薄弱、病虚弱の養護学校、この寮母の改善計画、これが必要でない、こういうふうにおっしゃるのではないだろうと思うんです。
 そこで大臣にお尋ねをいたしますが、いま私が申し上げた学校種別の寮母の定数、これについて改善をされるおつもりがおありになるのかどうか。このまま放置して十分である、こういうふうにお考えであるのかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#154
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま小野委員からのお話の内容でございますが、私がお答え申し上げるべき内容は局長からお答え申しましたので、重複を避けますけれども、五十五年の定数でこういうふうに決めてまいったのでありまして、今後もちろんこれを介護の面におきましても、養護の面におきましてもさらに増員をいたしたいというわれわれの考え方、皆様方の御希望に対しましては、問題は定数の問題と存じますが、今後ともに改善を図ってまいりたいという気持ちを持って私はお話を承っておる次第でございます。
 いまこれをお約束するということはちょっとできがたいのではないか。ということは、五十五年に決めたばかりであるという点と、もう一つは、今後のあり方につきましていろいろと客観情勢におきましても、定数その他はなかなか厳しいものがあるということは御承知のとおりでございます。
 しかし、何とか改善を図ってまいりたいということを考えておりますことは先生と同じでございます。
#155
○小野明君 どっちをとっていいのか私にちょっとわからぬ。改善をしたいという気持ちは持っておりますと、しかしながら云々と、そして最後にまた改善をしたい、こういうふうにおっしゃるわけですね。
 五十五年に――三角さん、あんたそこで要らぬ知恵つけぬでいい。五十五年でこれは改善をしたわけですよね。肢体不自由の方はやった。当然こちらで、十二年計画の中でこれを軽視をしておるわけじゃないでしょう、いわゆる盲学校とか聾学校、病虚弱の学校あるいは精薄。大臣としては、これらも早急の間に非常に大切であるとお考えになるならば、改善をいたすつもりでございますと、玉虫色でなくて、大臣の決意というものをひとつ――三角さんまたそこで。いいんだよ、大臣が答えなければいかぬわけだ。大臣ひとつ答えてくださいよ。
#156
○国務大臣(田中龍夫君) 私の先ほどのお答えは別に局長から示唆されたものではございませんが、しかしただいまお答え申し上げたように、定数の問題というのはなかなかむずかしいものでございまして、十二年計画と申しますか、そういうふうなあれでは予定されておりますと申しながら、今日のあるいはシーリングの問題でありますとか、あるいは臨調の問題でありますとか、非常に厳しい客観情勢がございますということを申し上げ、気持ちは先生と同じでございますが、なかなかしかく簡単にお約束ができないということを申し上げた次第でございます。
#157
○委員長(降矢敬義君) 暫時休憩いたします。
   午後四時休憩
   ――――・――――
   午後四時四十一分開会
#158
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、勝又武一君外一名発議に係る女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案、勝又武一君外一名発議に係る学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#159
○小野明君 この寮母の規定につきましては、学校教育法の七十三条の三で書かれておるわけですね、局長。さらに給与についてはどの給与表が適用されておりましょうか。
#160
○政府委員(三角哲生君) 教育職俸給表の(二)であったと思います。
#161
○小野明君 教育職(二)の三等級の適用ですね。
#162
○政府委員(三角哲生君) さようでございます。
#163
○小野明君 寮母の規定については学校教育法の七十三条の三、給与は教育職(二)の三、ところが勤務の内容になりますと、これは労働基準法でどの条項が適用されておりましょうか。
#164
○政府委員(三角哲生君) 勤務の態様につきましては、労働基準法第八条第十三号に位置づけております。
#165
○小野明君 この基準法の八条の十三号といいますと、「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」、こういう内容になっております。
 この適用の根拠はどういうことでしょうか。
#166
○政府委員(三角哲生君) 盲・聾・養護学校に置かれます寄宿舎は、心身に障害を持つ児童等の起居その他日常生活の世話、生活指導上の養育を行う寮母さんを置いておるわけでございまして、いま申し上げましたようなことが寮母の主たる業務内容でございます。また、寄宿舎の管理運営が学校からある程度やはりそういう意味で独立して行われているということから、この寄宿舎の事業はただいま申し上げましたように労働基準法第八条第十三号の事業に該当すると、そういうふうに解されておりまして、これに基づきまして労働基準法上は寮母の勤務時間につきましても一般教職員と異なる取り扱いがなされておるところでございます。それは、労働基準法第六十二条四項によりまして女子の深夜労働禁止という規定がございますが、それが適用されないような措置になっておるわけでございます。これは、寮母の勤務態様につきましては、子供たちが寄宿舎におります夜間、早朝、これが勤務時間になるということなどがございまして、そういう意味で一般教職員と比べまして特殊なものであるということから、そういうふうに法律上の解釈が行われておるわけでございます。
#167
○小野明君 この八条十三号ですね、十三号該当というのは、昭和三十八年の二月二日付文部省初中局長通達によってその規定がなされた、こういうふうに思いますがいかがですか。
#168
○政府委員(三角哲生君) ただいま御指摘の昭和三十八年二月二日付初中局長通達で寮母の勤務等について言っておるわけでございますが、これは公立の盲・聾・養護学校の寮母の勤務時間その他の勤務条件につきまして、法令の解釈及び条例規則上の取り扱いについて若干の疑義がありましたのでこのような通達を出しておるわけでございまして、その中で寮母の深夜における勤務について触れておるわけでございます。
#169
○小野明君 ですから、この三十八年の初中局長通達によってこれを適用するということになったわけですね。
#170
○政府委員(三角哲生君) 通達そのものは根拠ではございませんで、やはりあくまでその根拠は十三号でございますが、疑義がございましたので当時の初中局長から労働省の方にこの十三号の解釈について照会をいたしまして、確認の上通達をしておると、こういうことでございます。
#171
○小野明君 この寮母の規定、「寮母は、寄宿舎における児童、生徒又は幼児の養育に従事する。」、こういうふうに規定されたのは昭和四十九年ですね。
#172
○政府委員(三角哲生君) さようでございます。
#173
○小野明君 そうしますと、まあ三十八年から約十年後になって寮母が学校教育法上に規定をされたわけです。先ほどから質問しお答えになっておりますように学校教育法によって業務内容は規定をされておる。給与は教育職の(二)表の三である。こういうことになっておりながら、にもかかわらず、労働基準法上の規定においては、八条十三号、まあ医療施設、社会福祉施設等における勤労者といいますか、従事者と同じような規定というのはこれはいかにもおかしいといいますか、矛盾があるのではないですか。これは当然労働省に対しても、基準法の八条の十二、「教育、研究又は調査の事業」、この項が勤務の態様に該当すると、こういうふうに変更をすべきだと思いますが、いかがですか。
#174
○政府委員(三角哲生君) これは、労働基準法の適用上につきましては、その最終的な判断はやはり労働省の判断によるべきものでございまして、御指摘の三十八年の通知を出しました場合も当然労働省の方にこれについてお聞きをした上で出しておるわけでございますから、先ほど申し上げましたので重複いたしますけれども、寮母の勤務というのがこれは学校がひけてから夜間にまでわたりまして、そしてまた子供たちが学校へ出ます前の早朝から勤務をするというようなことで、そういう意味でただいま御指摘の十二号の方に定めておりますような一般の教職員と申しますか、「教育、研究又は調査の事業」に従事する職員等と比べますとやはり特殊なものでございますので、そういう意味で労働基準法の六十二条四項によります女性の深夜労働禁止の規定の解除を必要とする上からも、私どもとしては、労働基準法の適用に関しまして現在の解釈が妥当なものではないかと、こう思っておるのでございますが、最終的な判断は労働省の判断にゆだねるべきものであろうかと、こういうぐあいに考えます。
#175
○小野明君 どうもそこが局長、寮母の業務の内容、外側の規定は全部教育関係法規で規定されておる。寮母の業務内容について全然教育的な面を認めていない。先ほどの局長の答弁でも、寮母の「養育」という言葉について世話――何と言われましたかね、「養育」というのは日常生活の世話だけだと、こういうふうな解釈を、これはどなたかの質問でお答えになっておるんだが、この寮母の仕事の内容というのはやはりそういう世話もあるが、教育的な面を認めない限りは、私はこの寮母の仕事の業務の内容を正確に、しかも教育的な見地から把握をしていると言えないと思うんです。そうなれば普通の施設と全然変わらない。ですから、むしろこれは文部省の方から議を起こしてこの基準法の八条の十二号に適用を変更するように相議すべきであると私は思います。この点はそういうお気持ちがありますかどうか、いかがでしょうか。
#176
○政府委員(三角哲生君) 先ほども申し上げましたが、寄宿舎というものの運営と申しますか、それが必ずしも学校に付設されているものでございますから、学校と非常に密接な関係がございますけれども、学校の教室なり学校施設そのものの運営とはまた別個の態様があると思っております。
 確かに学齢の子供を集団で預かるわけでございますから、そこの運営というものには教育的な配慮が必要でございますし、いろいろな意味の教育的見地からの心やりというものが当然必要でございますけれども、ただこれは昼間にその子供たちが通っている養護学校等の学校そのものとはまた別個でございますので、狭い意味の教育ということとはまた別ではなかろうかと、先ほど来の御質疑にもございましたように、家庭のかわり、母親のかわり、そういうことでございますから当然家庭教育的な意味での教育とか、母親が子供に対します生活指導、しつけ、そういったことのかわりを務めるということはあるわけでございますけれども、教育の授業そのものであるかどうか。寮の態様というのは、そこはやはり学校そのものとは異なっている面があるのではないかと思うんでございます。そうして、この労働基準法の解釈は、これは労働法の体系の中のいろいろな規定といたしまして、労働省がその体系の論理なり構成なりに基づいて解釈をするわけでございますので、この十二号、十三号というのが、単に字面だけをとらえましてどちらがよかろうかということを私どもとしてはここの場で御意見を申しにくいのでございます。そして、すでに三十八年の時点で公式にこういう照会をして労働省からの公的見解を承っておるわけでございますので、そういう前提があるわけでございますけれども、なお小野委員の御質問のようなこともありますので、私どもは労働省の方に勉強の意味でいろいろ聞いてみたいとは思いますけれども、これは現在そういうことで事柄がすでに定着して進んでおることでございますので、私どもとしては、その意味で公的な立場では現行の解釈が妥当なものであると、先ほど申し上げたように考えざるを得ないのでございます。
#177
○小野明君 だから私どもがこういう法律案を提案せざるを得ないわけですが、そうすると寮母の仕事というのは日常生活の世話ということだけで、その中に教育的な意味というものは、内容というものは全然お認めにならぬですか。
#178
○政府委員(三角哲生君) 先ほど申し上げましたように、家庭のかわりであり、かつ母親のかわりであり、さらにその上に同じような障害を持つ子供たちを集団で規律ある生活を進めていくということでございますから、当然家庭にも教育的意味があるわけでございまして、その上にさらに若干そういういろんな意味でのプラスアルファ的要素があると思いますので、教育的意味が当然寮母の仕事の中にはあると思いますけれども、しかし、それはたとえば一般の学校の教諭の先生たちが有しておりますような意味での専門的な学校教育、プロパーとしての教育というふうには解しがたいというふうに思うのでございます。
#179
○小野明君 プロパーのように解釈せいと、こう言っておるわけではない。寮母の仕事には家庭と違う教育的な意味というのがある。それを全然認めていない。給与は教育職、いわば母体は文部省にありながら仕事の内容は労働省に責任をおっかぶせると。これは非常に問題だ。そこで、その点は後ほど発議者の方にお尋ねをしてまいりますが、もう一問だけ。
 これは先ほどどなたかの質問にもありましたが、学校基本調査統計に寄宿舎の数というものは全然載せていない。同時にまた、寄宿舎での生活指導と、こういうものについての指導書すらないと、これは非常に寮生といいますか舎生の寄宿舎における生活の意味、あるいは日常生活にかかわる教育指導の意味というものを軽視するもはなはだしいと私は思います。大臣、この学校基本調査統計に寄宿舎の数が載ってないというのは、これは文部省の怠慢ではないですか、いかがでしょうか。
#180
○政府委員(三角哲生君) ああいう建物の数というのはなかなかこれ計算むずかしい面があるんでございます、ちょん切れていてそこを渡り廊下でつながっているような場合もありますし。ですから、私どもの調べといたしましては、学校基本調査は確かにおっしゃいますように特殊教育諸学校の数を調べておりまして、それは昭和五十五年五月一日現在で八百六十校でございますが、一方、業務調査をいたしておりまして、その寄宿舎の棟数とかそういうことではございませんで、その寄宿舎を保有しておる学校数というものを調べておりまして、それは先ほど別の委員の先生の御質問にもお答えしましたように、二百九十九校でございますから、いま三四・八%に寄宿舎が設置をされておりまして、そこに入っております児童生徒数は一万四千二百六十五人、寮母の数が四千六百五十八人と、こういうふうになっておるわけでございます。
 それから、一方、都道府県が寄宿舎を設置――新設、増設しようといたします場合には管理局の方で補助をしておるわけでございますが、そちらでは寄宿舎のやはり面積等については調べておりまして、現在、特殊教育諸学校の寄宿舎全体で申しますと保有面積が四十万八千平方メートルと、こういうことになっておりまして、現行の基準による必要面積で申しますと三十三万八千平方メートルでございますので、基準を約二〇%上回って寄宿舎が設けられておる、そういうデータは私どもとしては持っておるわけでございます。
#181
○小野明君 いや、それだけわかっておれば、渡り廊下だなんとかいろんなことを言いますけれども、寄宿舎の数ぐらいはこれははっきり基本調査統計に挙げるべきだと私は思いますよ、大臣どうですか。寄宿舎の数が挙がってないんですよ、基本調査にね。まことにこれは不熱心で研究が足りないと私は思います、どうですか。これぐらいは大臣、きちっとやっぱり挙げられて……
#182
○国務大臣(田中龍夫君) ただいままことに申しわけない次第でございますが中座をいたしておりまして、前後の関係はよくわかりませんが……
#183
○小野明君 前後は何もないんです。寄宿舎の数を言っておるんです。
#184
○国務大臣(田中龍夫君) 大体建築というものは、私は平米か何かで表現されているんじゃないかと思うんでありますが、数よりも平米の方が的確じゃないかと思っておりますが、どうでありましょうか。
#185
○小野明君 そんなばかなことはないですよ。じゃ全国に学校幾つありますかと――平米の方が正しいですか、どうですか。
#186
○国務大臣(田中龍夫君) そういう前後の関係でございますか。それではよく局長の方にもさらに連絡いたしまして、先生の御満足いくようなものができたらばお答えいたさせます。
#187
○政府委員(三角哲生君) 学校基本調査は大臣官房の方で担当しておりますので、私が出しゃばって余り答えられないんでございますけれども、いま担当に聞きましたら、寄宿舎の数というのは報告はとっておるそうでございますが、これをやはり電算で取り出して掲記するかどうかの問題があるようでございます。それで、報告をとっておることのすべてを掲記をすることになると、学校基本統計調査のこの報告書がもう物すごい部厚なものになりますと同時に、余りに厚過ぎるとそれの利用についてもかえって不便になるというようなことがあるのではないかという気がいたしますが、そこのところで、従来からそれに掲記する事項を特定しております関係で数が出てないと、こういうふうにいま担当者の方から私自身説明を受けましたので、先生に申し上げておるわけでございます。
 ただ、その寄宿舎の数というのはどういうぐあいにとっているか、これはちょっと私も不勉強で申しわけありませんが、大臣官房の方に聞いてみたいと思いますが、各学校で寄宿舎をつくっている場合、それを一つとして計算するのか、あるいは先ほどちょっと申し上げましたが、これ建物についてはいつでもその校舎の数というようなことで寄宿舎に限らず問題になるのでございますが、棟ごとに何棟というような調べ方が非常にむずかしい場合が多うございますので、どういうぐあいにとっているかは、これは私自身ちょっと尋ねてみたいと思います。
#188
○小野明君 まあ、どういうぐあいにとるとかなんとかというようなことでなくて、そんなあなた寄宿舎の数を調べるのに、統計を出すのにそんな部厚いものになりますか、寄宿舎の数を言うのに。そんなばかなことはないでしょう。だから、大臣の指示のようにきちっとひとつ寄宿舎の数ぐらいは、これは基本統計に入れるように――所管はあなたのところだから。それで、まあ大臣官房が直接そういう統計調査に当たるならば、そこにきちっとひとつ伝えてくださいよ。発表しますか。
#189
○政府委員(三角哲生君) いま聞きましたところでは、そういうデータは何か電算の中に入っているそうでございます。ただ、その本に入れるかどうかは、寄宿舎だけでなくてほかのいろんなことも関連して大臣官房の調査統計部局でこれまでの連続性、継続性等を考えながら方針を立ててやっておることでございますので、きょうの御質疑のやりとりのその趣旨は官房の方に伝えたいと思いますけれども、それ以上はちょっと私からは申し上げにくいのでございます。
#190
○小野明君 大臣、まことにこれは、役人というのはおもしろいいろんな表現がありましてね。大臣、どうですか、寄宿舎の数を書くのにそんな膨大な資料なんて必要ないでしょう。数が幾つと、こういうふうに大臣の指示ですから、それを忠実に局長は守ればいいわけです。また、官房の方も守ればいいわけです。大臣はそういうように答弁されておるんだから、そのとおりにいたしますという答弁がありさえすればよろしいんです。
#191
○政府委員(三角哲生君) ちょっと私、先ほど大臣が御答弁なさっているときに、その実態を後ろから聞いておりましたので、大臣がどうお答えになったか確認できておらないんでございますけれども、正直なところ、私先ほどるる御説明申し上げたとおりでございまして、何も寄宿舎の事柄だけを入れるのには、そう何十ページというページ数は恐らく要らないと思いますが、寄宿舎に限らず、そういうぐあいに基本的なことにしぼっておるしぼり方というのがありますので、それをやり出すと全体のまたやり直しみたいなことになります。ですから、できるだけ基本的なことにしぼるというプロセスの中でいまのスタイルが決まっておるんだろうと思いますので、その辺のところは調査統計部局の方の考えがございますということを申し上げさしていただきたいのでございます。
#192
○小野明君 こういう問題ばかりやりとりしていると時間がもうないから、大臣の御答弁のように――その基本的な統計とか云々でいろいろ言っているんじゃないんですよ、簡単なことですよ。寄宿舎の数、これをきちっとわかるように出してください。
 それから、これは発議者の方にお尋ねしますが、先ほど午前中からの議論も、いま初中局長の理解の仕方も、寄宿舎の寮母は母親がわりだと。まあ、これは寮生と悩み苦しみをともにしてスキンシップでやるのが、これは寮母の役割りであって、何もその身分づけ、格づけというものは必要ないと、こういうふうな御意見もありますが、こういう誤った、と私は思いますが、いまの局長の答弁もそうだと思うんですがね、母親がわりということだけでこの寮母の仕事は規定をしてよろしいですか。
#193
○勝又武一君 先ほど私も答弁いたしましたが、最初は母親がわりというような思想から寮母という名前がつき、あるいは二十四時間勤務、炊事とか洗濯とかそして母親にかわった身の周りのしつけ、それが文部省の言う「養育」という言葉にもあらわれてきた経過は確かにあると思いますが、現状は全くそうではございませんし、また事実寄宿舎における寮母の仕事はそうあってはならないと思っております。
 つまり、寄宿舎における教育というのは家庭のかわりではございません。家庭と同じで母親が自分の子供を育てるように個人的にやっているというような状況では全くないのであります。まさにそういう意味では母親がわりではございません。やはり寄宿舎の仕事というのは、先ほどからありましたように、生活指導そして子供の自立性を高める、ここが基本でございまして、そのためには母親が自分の子供を育てるというそういう養育という観点ではなしに、むしろ集団的な中での子供の教育に携わる、特に生活指導ということも専門的な知識を必要といたしますし、そういう学校教育の中における分野と同じように寄宿舎におきます生活指導というものをもっと専門的に、そしてまた系統的に位置づけていく必要が重要でございます。そういう意味では、私たちはまさにこの法案で提起をいたしておりますように、教育を主にいたしまして、それに寮生活の中における世話の分野というものをつけ加えて寮母の仕事というものを考えている次第です。
#194
○小野明君 初中局長の頭の中にも寮母というのは日常生活の世話であるということにもうこり固まっているような感じがいたします。
 そこで、そこに教育的な面はないのかというと、まあ多少あるようなないようなあいまいな答弁を責任者がしておる。
 そこで発議者に、それでいま少し進んで寄宿舎内における教育という面はどういうところがありましょうか。その特徴点を挙げていただきたいと思います。
#195
○勝又武一君 やはり寄宿舎には、集団的な子供たちの生活でございますから、まず行事がございます。これは全くもう家庭行事、家庭における母親が自分の子供だけを育てるというようなものとは全く異質のものでございます。同時に、子供たちの生活でありますから、そこには当然自治活動というものがございます。同時にまた、学校の生徒の寄宿舎でありますから、そこには当然家庭とはまた違った意味での集団的な学習というものが私は保障されてしかるべきだというように思います。同時にまた、そういう意味での学校教育の延長としての校外指導、そういう意味での生活習慣を基本的に養っていくという意味での分野があると思います。これらはまさに母親という分野ではなくて、そういうことに対しての専門的な知識なり能力といいましょうか、そういうものを当然寮母は身につけていなければいけないというように思いますし、その中を通して、そのことがいわゆる一年間を通しての学校におけるカリキュラムと同じように、当然学期を通し、年間を通しての指導計画というものを立てなければなりません。そういう意味では、寮における教育という分野が、局長がお答えになっております養育という分野における世話という中にちょっと家庭教育と何か同じようなものがあるんだというようなニュアンスの御答弁でありましたが、私たちはそれとは全く違うものだというように考えております。
#196
○小野明君 局長は、母親がわりの世話というのが九九%で、教育という面は一%ぐらいというようなそういう答弁の印象を受けるわけです。
 これは大臣もよく理解をしてもらっておきたいと思いますが、それでは勝又委員に再度お尋ねをしますが、局長はたびたび世話だ世話だと、こう言う。寮母の職務は世話だ。この世話というのはどういうふうにお考えになっていますか。
#197
○勝又武一君 確かに一般的に世話と言いますと、そこのところについては自分ではできないからそれを手伝ってあげる、こういうことがあると思います。先ほど私おしめをかえてやるということを言いましたが、確かに重度の重複障害の方などの場合には私はやっぱりそういうこともあり得るというように思いますし、特にまた盲・聾・養護学校等の児童生徒で寄宿舎にいる場合におきましては、大変肉体的な障害があるわけでございますから、衣服の着がえ、ボタンをかける、そういうことについても自分ではなかなか困難だという児童生徒がいることもあると思います。そういうようなことを世話をするという分野が寮生活の中においてあると思います。
 しかし、先ほど局長が言っておりますように、そのことが全部ではございませんので、寄宿舎で取り組んでおる寮母の職務の中の世話ということで言いますとそういう分野が入ると思いますが、たとえば、そういう一つずつ世話をしてあげることについても、何かボタンがかけられないからいつでも寮母がボタンをかけてやるということではなくて、この次には一歩前進して自分でできるように訓練をする、そして訓練の積み重ねの中で自分ができるようになっていく、こういうことだろうと思います。これは、いまテレビなり新聞等でもよくありますが、私たちがテレビを見て涙の出るような場面によくぶつかります。本当に手先が不自由で体が不自由なのが足の親指を使って絵をかいているとかというようなことも訓練の中でできてきておりますし、そういうようなことは私はやはりその個人の努力だけでなくて、そのことを手伝ってあげて、そしてそこまで到達をしてくるというとうとい仕事というのがあると思っています。そういう意味で、何かできない子供の世話をするというだけでない寮母の果たす役割りの大きさということをそういう意味でも痛感する次第です。
#198
○小野明君 そこに私は本当の教育というものが存在するんだ、こう思います。ですから、それこそ本当の私は悩み、苦しみをともにして教育をしていくという本来の教育の姿があるんではないか、こういうふうに思います。同感です。
 それでは、子供の寄宿舎に入る理由、いろいろあると思うんですが、これはどうなっておるんでしょうか。
#199
○勝又武一君 これは、先ほど委員の方々にも御配付をいたしました関連資料にもグラフでお示ししてありますように、岩手と東京、京都、沖繩等の事例が掲げてございます。確かに四県だけでございますので、私もこれが全国的な状況だというようにまではあえて思いません。ですから、確かにこれは教育目的が沖繩の場合には九二・五%、京都は教育目的が八〇・九%、東京は教育目的が七三%、岩手は逆に通学困難だという理由で寮に入るというのが九二%、こうありますから、全国四十七都道府県を見ますと、私は全部が教育目的だけだというようには言うつもりはございません。確かに初めはどこの県でも私は通学困難だという理由から寮に入るというのが圧倒的に多かったと思いますが、この事例を見てもおわかりのように、最近は通学困難ということだけでなくて、家庭にいたら母親とのスキンシップということもありますけれども、やっぱり母親は甘いものでありまして、どうしてもつい甘くしがちであります。子供が肉体的な苦痛を訴えれば、まあいいよということで終わってしまう。ところが、先ほど事例を挙げましたように、足の親指で絵をかくというようなことの指導は、やっぱり私はそういう集団的な中でも生まれてくるでしょうし、これは一つの例に過ぎませんが、寮の中での集団的教育の中で、特に体の不自由な障害を持っている子供たちがより素質を伸ばしていけるというように、事を考えて、親の立場で、寮に入る理由が教育目的で入るという理由がだんだんふえてきているということが確かにこの資料からも言えますし、教育目的で寮に入りたいというのがふえてきているということが言えると思います。
#200
○小野明君 それでは、寄宿舎に入っている子供の実態ですね、これについてはどういう状況なのでしょうか。
#201
○勝又武一君 小野委員の御指摘になっていますことが的確に把握できないのでありますが、寮にいる子供たちが、特に盲学校、聾学校、養護学校というような場合には、きわめて障害の子供が多いと思いますので、たとえばお配りしてあります法律案の関連資料の二枚目を見ますと、健康破壊の状況や症状例等もありますが、特に、そのまた左側には身辺自立していない子供の実態というようなことで挙げてございまして、食事をするのに十分できないというのが二三・六%とか、排せつの世話までさせるのは二〇・八%とか、入浴が自立してできないというのが約半分の五〇%、洗面の歯みがき等ができない子供が三〇%、衣服の着たり脱いだりすることが困難なのが二八・一%とかという事例もそこにございますし、生徒のIQの状況なども、N県N養護学校の実情というようなことで、そこにグラフでお示しをしているような実情にございますし、肢体不自由児の寄宿舎におきまして、やはり自立でき得ない子供たちなども、六県の平均値でございますが、グラフにお示しをしてございます。それらをまたごらんいただきまして、御理解を深めていただきたいと思います。
#202
○小野明君 いまのお答えで結構だと思います。
 この資料の三枚目に、IQの問題だけで表現するのはいかがかと思う点もありますが、一応参考までにIQが載っておりますし、食事、排せつ、入浴、洗面と、そういう数字が的確に挙げられておりますので、身辺自立をしていない子供の実態というのが大体想定できるわけであります。いまの答弁で結構です。
 いま一つ最後にお尋ねをいたしたいと思うんですが、最近男性の寮母がふえておると聞いております。これは男性を寮母と言えるかどうか。これは男性の寮母が名称変更を強く求めておると聞いておりますが、私も男性を寮母というのはどうかと。これは、だれでも常識ある人は思うんですが、この実情はいかがなものでしょうか。
#203
○勝又武一君 実情につきましては、先ほど数字等を挙げて私からも申し上げておりますし、初中局長から二百何名という点での数の報告もありました。確かに、全体の数から見るとまだごくわずかでございますが、私が先ほど御答弁いたしましたように、一つは重複重度障害児、こういう方々のめんどうを見る場合、介助員とか自動車に付き添う場合にいたしましても、特に移動等に当たりましては男手を必要とするということは十分予測をされるところでございまして、これが第一の理由。第二番目に、私は先ほど男性の性教育の必要性ということも挙げました。それから三番目には、やはり女だけでの教育ということは不十分でございまして、大きな寮になりますと寮母は何人か必要でございますから、その中に、やはりバランスをとりました女の寮母、男の寮母というのがいた方がよろしいんじゃないか、こういう点が三つ目に挙げられると思います。
 そういう意味からいけば、まさに男の寮母というのは全くおかしいのでありまして、寮父というのも変でございますし、そういう意味で寮母、寮父合わせまして寄宿舎教諭という名称が適切だというように思います。婦人の「婦」でない「夫」の看護夫というのがいまございます。同時に、私は、もう一つ幼稚園、保育園に参りますと、最近は保母でない保父というのがふえておりまして、こちらは保父という言葉を使っております。
 過日、私はここの文教委員会で、私の地元の富士宮のN保育園のお話をいたしましたが、あそこへ行きますと、これは身体障害者が使う保育園なんですが、保父が四人おります。まさにこれは福祉大学を出たそうそうたる二十代の人たちです。この保父の人たちが保育園の中で果たしている役割りの大きさを、私は目の前にしみじみ見てまいりました。幼稚園の保母さんと一緒に二十代の若い保父の人が手に手をとって保育活動を続けているという点に、私はいま日本の保育あるいは幼稚園教育というものが徐々に新しい運動を起こしているということを目の当たり見ているわけでございまして、その意味で申し上げましても、寄宿舎におきます男の寮母、つまり寄宿舎教諭となるべき人たちの果たす役割りの大きさというものを痛感をする次第でございます。
#204
○小野明君 最後に大臣にお尋ねいたしますが、男性がここへ行きましても寮母と言われる。私は、母といえば大体女を意味しますよね。そうでしょう、大臣。それで、男がこの仕事をやって寮母と言われる。私は、母ではないと、こういう抵抗感を持つのは、これごく自然じゃないでしょうか、大臣。しかも、いま勝又委員から説明がありましたように、男性でこの仕事に従事をする人がだんだんふえておる。また、男でなきゃできない仕事が多いわけですよね。それをしも、かつ寮母だと、こういうふうに言っておる。この矛盾は、これはやはり早急に私は是正しなきゃいかぬと。これは、何とかバーじゃあるまいし、やっぱり青森県では寄宿舎教諭、寄宿舎指導員というような名前をつけておるようですよ。ですから、ここらあたりにも私どもが寄宿舎教諭というふうに是正を求めているんですが、これは寄宿舎指導員、こういう名前もあるんでしょうが、男を寮母と言ってこれをばそのまま直さないというのは、大臣、これは非常におかしいことじゃないでしょうか。どうでしょうか、大臣。
#205
○国務大臣(田中龍夫君) まことに貴重な御意見でございます。
 どうせ――どうせという言葉はいけませんが、またいずれの日かまことにりっぱないい名称がございましたらば改めなきゃならぬだろうと存じます。多分これ法律の別表かなんかに――条文ですか、本文の条文で規定されておるようでございますから、結局、法の改正を要するんだろうと存じます。またそのときに改めてりっぱな名前をひとつお考えをいただきたい。
#206
○小野明君 そのりっぱな名前の方がいいに決まってますけれども、ふさわしい名前をやはり早く法改正をしてくださいと、こう言っておるんです。大臣、答えてください。
#207
○国務大臣(田中龍夫君) なかなか結構でございます。
#208
○小野明君 終わります。
#209
○委員長(降矢敬義君) 両案に対する審査は、本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#210
○委員長(降矢敬義君) 次に、日本学校健康会法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中文部大臣。
#211
○国務大臣(田中龍夫君) 日本学校健康会法案の提案理由を申し上げます。
 このたび、政府から提出いたしました日本学校健康会法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 児童、生徒等の健康の保持増進を図り、心身ともに健康な国民の育成を期することは、教育の重要な課題であります。このため、児童、生徒等の健康に関する諸施策の推進に努め、その一環として、学校給食及び学校安全について日本学校給食会及び日本学校安全会を特殊法人として設立し、それぞれその業務を遂行してまいりました。
 特に最近、児童、生徒等の心と体の健康に関する種々の問題が生じており、児童、生徒等の健康の保持増進に関する諸施策を総合的に推進することは、文教行政の重要な課題となっております。
 今回、行政機構の合理的再編成を図る観点から、日本学校給食会と日本学校安全会とを統合し、それらの業務を総合的に推進することにより心身ともに健康な児童、生徒等の育成に資するため日本学校健康会を設立することとし、この法律案を提出いたした次第であります。
 この法律案におきましては、日本学校健康会に関し、その目的、組織、業務、財務、会計、監督等につきまして所要の規定を設けるとともに、従来の両法人の解散等につきましても規定することといたしておりますが、その内容の概要は次のとおりであります。
 まず第一に、日本学校健康会は、児童、生徒等の健康の保持増進を図るため、学校安全及び学校給食の普及充実、義務教育諸学校等の管理下における児童、生徒等の災害に関する必要な給付、学校給食用物資の適正円滑な供給等を行い、もって心身ともに健康な児童、生徒等の育成に資することを目的とするものであります。
 第二に、日本学校健康会は、法人といたしますとともに、役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事二人以内並びに非常勤の理事二人以内を置き、理事長及び監事は文部大臣が、理事は文部大臣の認可を受けて理事長が、それぞれ任命することとし、その任期はいずれも二年としております。なお、役員数につきましては、行政改革の趣旨に沿って統合の前に比べその数を縮減いたしております。また、法人運営の適正を期するため、理事長の諮問機関として運営審議会を置くこととし、業務の運営に関する重要事項について審議することといたしております。
 第三に、日本学校健康会の業務につきましては、従来の両法人の業務を承継して、学校安全及び学校給食の普及充実に関すること、義務教育諸学校等の管理下における児童、生徒等の災害に関する災害共済給付並びに学校給食用物資の買い入れ、売り渡しその他供給に関する業務を行うことといたしております。また、この法人は、これらの業務を行うほか、文部大臣の認可を受けてその目的を達成するため必要な業務を行うことができることといたしております。
 なお、災害共済給付事業につきましては、災害共済給付契約、給付基準、学校の管理下における児童、生徒等の災害の範囲、学校の設置者の損害賠償責任に関する免責の特約、共済掛金等に関し、学校給食用物資の供給に関する業務につきましては、売り渡し価格、供給の制限等に関し、従前と同様の規定を設けることといたしております。
 第四に、日本学校健康会の財務、会計、監督等につきまして、一般の特殊法人の例にならい所要の規定を設けることといたしております。
 第五に、従来と同様に保育所の管理下における児童の災害につきましても災害共済給付を行うことができる規定を設けることといたしておりますほか、日本学校健康会の設立と日本学校給食会及び日本学校安全会の解散等につきまして所要の規定を設けるとともに、関係法律の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
#212
○委員長(降矢敬義君) この際、本案の衆議院における修正部分について衆議院文教委員長三ツ林弥太郎君から説明を聴取いたします。三ツ林衆議院文教委員長。
#213
○衆議院議員(三ツ林弥太郎君) ただいま議題となりました石本学校健康会法案に対する衆議院の修正につきまして御説明申し上げます。
 本修正は、自由民主党の提案に係るものであります。
 修正の要旨は、身体の障害に関する用語を適切なものとするため、災害共済給付の規定の「廃疾」を「障害」に改めるとともに、昭和五十五年度と予定していた本法の施行が昭和五十六年度となることに伴い、関連規定について所要の整備を行う等の措置を講ずることとしております。
 以上をもちまして修正の趣旨の説明を終わります。
#214
○委員長(降矢敬義君) 以上で説明の聴取は終わりました。本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
  ―――――――――――――
#215
○委員長(降矢敬義君) これより請願の審査を行います。
 第三号私学に対する大幅国庫助成等に関する請願外五百三十九件を議題といたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#216
○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。
 第三号私学に対する大幅国庫助成等に関する請願外百九十五件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第十一号義務教育教科書の無償配布等に関する請願外三百四十三件は保留と決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#217
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#219
○委員長(降矢敬義君) 継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本学校健康会法案、小野明君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案、粕谷照美君外一名発議に係る義務教育諸学校等の女子職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律一案、勝又武一君外一名発議に係る女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び勝又武一君外一名発議に係る学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案の五法案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、五法案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#222
○委員長(降矢敬義君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。教育、文化及び学術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#223
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#225
○委員長(降矢敬義君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
 勝又武一君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小野明君を指名いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時四十七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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