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1980/03/26 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第9号
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1980/03/26 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第094回国会 大蔵委員会 第9号
昭和五十六年三月二十六日(木曜日)
   午後三時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君     福岡日出麿君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                衛藤征士郎君
                嶋崎  均君
                藤井 裕久君
                穐山  篤君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
                岩本 政光君
               大河原太一郎君
                梶木 又三君
                片山 正英君
                河本嘉久蔵君
                古賀雷四郎君
                塚田十一郎君
                福岡日出麿君
                藤井 孝男君
                大木 正吾君
                鈴木 和美君
                対馬 孝且君
                和田 静夫君
                多田 省吾君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省証券局長  吉本  宏君
       国税庁直税部長  小幡 俊介君
       国税庁間税部長  小泉 忠之君
       国税庁調査査察  岸田 俊輔君
       部長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○有価証券取引税法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として福岡日出磨君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中村太郎君) 物品税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○鈴木和美君 大臣、どうも連日御苦労さんでございます。
 一番最初に、本当に秋に臨時国会が開かれるみたいな話がいまぼつぼつ出てるんですが、第二臨調をめぐっての動きで、そういう決意とか動きとか、本当にあるんでございましょうか、
#5
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは正式な話でなくて、新聞辞令みたいなものでございますが、ともかく第二次臨調の中間答申を受けて、大型新税のような増税は頭に考えないでそれで歳出のカットに臨むというようなことになると、やはり法律に関係する問題もかなり出てくるのではないかと、そういうことになれば、当然に国会との関係があるわけですから、予算編成前にやっぱり国会は開かなくちゃならぬだろうなという程度ぐらいしか、私も実は知らないわけでございますし
#6
○鈴木和美君 鈴木内閣ができ上がって、やっぱり秋に臨時国会を開くぐらいの話をするのであれば、何で五十六年度予算のときにそれだけの決意で臨まなかったのか、非常にそれは不満なんです、私は、もちろん歳出のカット、大切なことだと思います。しかし内閣がこれを、全く予算が上がらないうちからそんな話が飛び出るということは、大変私は遺憾なことだと思うんですが、そういう気持ちを表明だけとりあえずしておきます。
 さて、物品税の問題についてお尋ねいたしますが、必ずしも私も物品税専門家でございませんので、ある意味ではおさらいになるかとも思います。同時に私に教えてもらいたい点もございます。
 そういう意味で、まず最初にお尋ねしたいことは、物品税の課税の趣旨というのが、私は奢侈品に対して、つまりぜいたく品に対して課税をするというように承っておったんですが、物品税の課税の趣旨というか目的といつか、そういうものについてお尋ねをしたいと思うんです。
#7
○政府委員(高橋元君) 物品税が昭和十二年に創設されました際には、確かにいま仰せのありますように、戦争の当初のことでございますので、奢侈品を選んでかけ税しておったことは事実でございます。
 最初の課税品は十品目ございますが、貴石、真珠、貴金属、べっこう、さんごといったようなぜいたく品、それから物で申しますと写真機、フィルム、蓄音機、レコード、楽器という、昭和十二年当時にすればかなり高級なものであったわけでございます。しかしながら、その後まあ財政の需要ということ、また戦時下における消費の抑制というようなこともございまして、毎年品目は著しく追加されまして、昭和十九年に百四の品目になりました場合には、極端なもので申し上げますと、たとえば仁丹、それからバター、ソーセージ、チーズ、ベーコン、それからカレンダー、お茶、それから割りばしというようなものまでかかったことがございます。
 で、昭和二十一年から後、また戦後のことでございますからやみ市等のことがありまして、小売課税でありましたものが逐次製造課税に移されて、製造段階で把握できるものというようなことで品目の入れかえがあって、それ以後物品税は見直しをして、そういう日用雑貨のようなものを次第次第に外してきたわけでございます。
 昭和三十三年に、まあ税制調査会、当時は臨時税制懇談会であったわけですが、そこで物品税が、いまの法形式でもそうでございますが、法律で決めたものに物品税をかけると、いまの法形式で申しますと別表に掲げる物品には物品税をかけるということになっておるだけでございまして、どういう品目を選んでかけるかということについて整理が行われたわけでございます、そこでいまも鈴木委員からお話しがございました奢侈品に限らず、比較的高価な便益品、趣味、娯楽品、身辺の細貨類と、そういった身の回り品の中の比較的高級なもの、そういうものに限定をするという考え方をとりまして、その物品の消費の背後に相応の担税力があると認められる物品に対して税負担を求めるというふうに整理が行われたわけでございます。
 まあ、これも蛇足でございますけれども、戦後消費水準というのは著しく向上してまいりまして、昭和二十五年には、当時自動車が二十五万台であったそうでございますが、それに課税をいたしました。昭和二十九年には、テレビがまだはしりの時代に、テレビも取り込んできたわけでございます、テープレコーダーも昭和三十年代になって課税をするというような形で、消費生活の変遷に応じましていま申し上げましたような花形商品というものを物品税の課税対象にしてまいって、その結果が三十七年に、先ほどの繰り返しになりますけれども、奢侈品、便益品、趣味、娯楽用品、身辺用細貨というようなものを選びまして課税をするという考え方になりまして、その後品目の整理は若干行われておりますが、この改正前、つまり五十五年現在で申しますと六十八品目になっておるというのがいまの課税の根拠でございます。
#8
○鈴木和美君 いまの物品税の考え方は個別消費税と承ってよろしゅうございましょうか一
#9
○政府委員(高橋元君) そのとおりでございます。
#10
○鈴木和美君 税の課し方に蔵出し課税と小売課税の二つの方式がありますが、これはどうしてこう分けているような方式になっているんでしょうか。
#11
○政府委員(高橋元君) これは消費税でございますから、消費者が税負担を負担していただくわけでございます。で、理論的に申しますと、消費に示される担税力に着目してかけるのが消費税でございますから、消費に一番近いところで課税をするということが理論上の原則であろうとは思います。しかしながら、そうなりますとすべてのものが小売課税かということになるわけでございますけれども、小売課税ということになりますと、これは納税義務者の数が非常にふえます。それから小売課税になりますと、どうしてもふえる納税義務者の中に零細の方が多くなってまいります。そうなりますと執行上の困難、そこから生じてまいります税務上の水平的な不公平というものが当然問題になってまいりますので、現在のわが国の物品税では製造課税段階というものがむしろ原則でございます。これは規格的にかなり大量につくられる商品につきましてはそういうことで十分対処できるわけでございますが、しかしながら、製造段階に必ずしもなじまないものがございます。たとえば金、宝石といったようなものは、これは生産できるものではございませんで、何回でも流通をいたすわけでございます。そういうものでございますとか、それから農家の副産品となりますような大きな段通というんでございますか、非常に高価なじゅうたん、こういうものは製造段階で課税するとまたこれは事務の複雑とか、それから執行上の困難というのが起こってまいりますので、そういうようなものにつきましては、現在たしか五つの品目について小売課税というものを残しておるわけでございます。
#12
○鈴木和美君 第一種というのが小売課税と理解してよろしゅうございましょうか。
#13
○政府委員(高橋元君) そのとおりでございます。
#14
○鈴木和美君 第一種の小売課税の問題について、法第五条の二及び三十五条の二が新しく追加されたというように聞いているんですが、その新しく追加されるときの背景とか理由などについてお聞かせいただきたいと思います。
#15
○政府委員(高橋元君) ただいまのお尋ねは、宝石の販売に際しまして、販売業者証明書制度というものを四十八年の改正で導入したその趣旨は何かということと理解いたします。
 宝石は実は非常に課税のむずかしいものでございます、戦後これは製造課税ということでやったことがあるわけでございますが、たしか昭和二十八年まで製造課税、つまり加工をしまして指輪にして売るとか、石を磨いた段階で課税したことがあるんでございますけれども、なかなか製造と申しましても物が小さくて非常に値が高いわけでございますから、実際問題として逋脱が多かったわけでございます。昭和二十九年でございますか、製造から小売に移しまして、小売の段階で課税することにしましたときに、課税標準額が二十五倍になったという記憶がございます。そういうようなことで、製造課税から小売課税に移ったわけでございますが、小売にいたしましても、大きなお店を構えてやっておられる方はそうでないんですけれども、いわゆるかばん屋というのがございます、先生御存じのように、かばんの中に宝石を入れて行商して歩くというような人がございまして、そういう方は、小売課税ですと本来なら物品税を払っていかなきゃいけないわけでございますが、納税義務を免れるということが往々にしてある。そこで正規に課税をして納税をしておられる納税義務者とかばん屋さんとの間のアンバランスというのは当然問題になりますので、もぐり業者の脱税が横行して正規業者が圧迫されることのないように業界の申し合わせで販売業者証明書制度というものを実はっくったわけでございます。業者の中で、これはしっかりした方がお互いに証明書を持ちまして、これはいわば卸と子卸の関係になるわけですから、卸や子卸のときには税金をかけません、この証明書を持って行けば。持っていない人に売るときには税金を取ってください。取ってというか、税金込みで売ってくださいと、こういうことにしたわけでございますが、どうも自主的な制度では必ずしもうまくいいきませんので、四十八年度の改正で、もぐり業者による脱税を排除して正規の販売を促進するという見地から、税務署長が認定をいたしました販売業者に証明書を交付しまして、証明書を持ってきた販売業者に売る場合には非課税、業者間販売というふうに認定をいたす制度を導入して今日に及んでおるわけでございます。
 先ほど私お答えの中で二十九年と申し上げましたのは二十八年の間違いでございます。
#16
○鈴木和美君 そうしますと、免許書といつか、そのものを持っている人の間で品物が動くときには税金は課されないんですか。
#17
○政府委員(高橋元君) これは小売でございませんので、いわば卸売に該当するわけでございますから、証明書を持った人に売るときは卸売として小売課税はしないわけでございます。証明書を持たない人に売る場合に小売というふうに判別をいたすというのがこの証明書制度でございます。
#18
○鈴木和美君 そうしますと、一番最後にかばん屋さんから品物が売られたとしましょうか、売られたときに、一番最後の売った人に課税になるんですか。
#19
○政府委員(高橋元君) 一番最後に販売業者の証明書を持っておる人が持たない人に売った場合――消費者ということが多いと思いますが、その場合に、持っておられる販売業者に納税義務が発生するということでございます。仰せのとおりでございます。
#20
○鈴木和美君 一番最後に売ったかばん屋さんがだれかに頼まれたと言ったらどうなりましょう。
#21
○政府委員(高橋元君) 委託販売の場合でも販売業者証明書が要るわけでございます。つまり委託をする人がそういう証明書を持っております場合、その場合には要らないということになると思います。
#22
○鈴木和美君 Aの人が一番最後に売りますね、その品物がBの人から頼まれたと。お互いに免許を持っておるんですよ、免許を持っている人同士で頼まれたというときには、どこのところに一体課税すればいいんですか。
#23
○政府委員(高橋元君) これは執行の問題ではございますけれども、考え方は、免許を持っておると申しますか、証明書を税務署長から交付を受けておる方、その方の間の販売はすべて非課税でございますから、そういう方が何も持ってないいわば消費者ですね、そういう方たちに売った段階で納税義務が起こってくるわけでございます。
#24
○鈴木和美君 それはわかるんですよ。一番最後のところはわかるんだけれども、その免許を持っている人が免許を持っている人から頼まれておれは売ったんだというときにはどうなりますかと聞いているんです。
#25
○政府委員(小泉忠之君) 執行の問題でございますので国税庁の方からお答えさしていただきますが、原則としてこれは免許ではございませんで、販売業者証明書と、この証明書を交付いたします際には業者としての適性を十分判断しまして交付するわけですが、原則的には委託の関係になりましても、委託を受けた方が販売業者証明書を持っておりませんとその方が納税義務者になる、こういう関係になります。
#26
○鈴木和美君 それはわかるんですよ。つまりたらい回しされて売ったときに、だれが課税されるのかということが釈然としてないと思うんですよ。別な聞き方をすると、物品税というのは、間接税そのものは大体消費者からのつまり預りというように理解していいですか、その税は。物品税というのは消費者からのつまり一時預りなんだと、そういうふうに理解していいですか、別な角度から聞きますけれども。
#27
○政府委員(高橋元君) 納税義務者は業者でございますけれども、税を負担される方は消費者ですから、まさに鈴木委員おっしゃるように、消費者から税金を預っておるということになるわけであります。
#28
○鈴木和美君 その場合大体物品税というのは預り金だから、払わなかった場合には罰則が裏に担保されているわけですね。だから預りということになるんだと思うんです。その担保されているのがあればいいんですけれども、私がさっき質問したかばん屋みたいなものは、ぐるぐるぐるぐる回っているうちに、三十五条の二を見ても、五条の二を見ても罰則の担保がないんですよね、これは、だからどこでどう売っているかわからぬと、つまり捕捉ができないというような関係にあると思うんですがいかがですか。
#29
○政府委員(高橋元君) 偽りその他不正の手段で証明書をもらった場合、これは四十五条違反でございますから罰則の適用ございまして、十万円以下の罰金または科料、それから人の証明書を借りてきた、人に証明書を貸した、または人に証明書をやったという場合も同様に罰金または科料、それから人の証明書を使って買ってきたという場合も同様でございます。ですから、言葉は悪いんですが、インチキな証明書を使った場合には、証明書を使ったことについて罰則がございます。
 それから、物品税は全体といたしまして罰則がございまして、「偽りその他不正の行為により物品税を免れ、又は免れようとした」場合には、「五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と。し間接国税でございますから、御案内の国犯法の規定によりまして通告処分という形もとられているわけであります。
#30
○鈴木和美君 そこではっきりしてくることは、先ほどの話にまた戻りますが、そのかばん屋さんが、自分が証明書を持っておって、一番末端のところで売ったときにはその人が払わなきゃならぬということになりますね、預かり金ですから。だけれども、この人が証明書を持っている人から頼まれた、またそっちからも頼まれたと。ぐるぐる回っていくと、つまり捕捉をしようとしてもなかなかできないんじゃないですか、そういう問題が私はあると思うんですが、いかがですか、
#31
○政府委員(小泉忠之君) 法律によりまして、物品税法によりまして、その証明書を所持している方に売った場合には――証明書の番号がございます、番号を帳簿に記載するかあるいは税務署の方へ申し出ていただく、こういう制度になっておりまして、したがい土して、販売業者証明書を所持してない方に売った場合にはすべて小売とみなしまして売られた方に課税が行われる、こういう仕組みになっております一したがいまして、その後に調査をいたしました場合に、販売業者証明書を所持していない方に売られた場合には、これは小売ということでここは割り切って課税を行っていると、こういうことでございます。
#32
○鈴木和美君 私が聞いているのはそうじゃないんですよ。証明書を持っているかばん屋がずうっとたらい回しをしてきて、一番最後に小売になるんだけれども、そこで課税しようとしたら、いや、私は頼まれたと言うんですわ。それでそこのところを追及したら、またその人も頼まれたと言うんです。その次もまた頼まれた。ぐるぐる頼まれた頼まれたと言ったら、つまりどこでだれが手渡したのかというのがわからないと思うんですね。
 それで、物品税というのは大体が推計税になかなか立ちにくいでしょう、罰金を科すときにつまりそのときでなきやいかぬわけですから、捕捉がどうやってできるのかということを聞きたいんですよ。
#33
○政府委員(小泉忠之君) 販売業者証明書をお持ちの方同士の売買といいますか、先ほど局長からもお答えございましたが、卸の段階で転々するといった場合にはこれは課税は行われないわけでございまして、最終的に、ですから販売業者証明書をお持ちの方が持ってない方に売られたときに小売課税ということになるわけでございまして、したがいまして、転々と流通する場合には、すべて販売業者証明書をお持ちの方同士で売買が行われるという場合にはこれは課税をいたしておりません。したがいまして、最終の、終点のところで押さえるということにその場合にはなろうかと思います。
#34
○鈴木和美君 それはもうさっきから聞いているようにわかるんですよ。つまり捕捉をしないとわからないんじゃないかということを言っているんですよ。一番最後のところで小売に回るときに課税される、これはわかりますよ、しかし課税される業者が、おれは頼まれたんだと言ったらそこにいかなきゃいかぬでしょう、頼まれたと言ったら。そこへ行ったらまた頼まれたと言ったら、またそこへも行かなきゃならぬのじゃないですか、そういう捕捉というものをおやりになるわけですか。
#35
○政府委員(高橋元君) 執行の問題は国税庁からお答えしますが、受託関係がございましても受託者が小売をいたしました、つまり消費者に渡した場合には受託者に納税義務が発生するわけでございます。
 そこで、いま仰せのことは、そういう場合に納税義務が履行されたかどうかどうやって確認するのかという仰せかと思いますけれども、その点は物品税法上、課税物品を売ります場合には記帳の義務がございまして、どこから幾らで仕入れて、いつ幾らで売ったということを書くことになっておりますので、そういう記帳義務を通じて担保されますし、また国税庁からお答えがあると思いますが、随時検査もいたしておるということでございます。
#36
○鈴木和美君 これ以上言いませんけれども、現実はそういうふうになっているんですけれども、かばん屋というのは大変巧妙に歩いているわけですよ。だからこの対策をしっかり立てないと、お答えはそういうお答えになるんだと思いますけれども、非常にわかりにくいということが実態だと思うんです。
 そこで、その捕捉というのは、やっぱり税務署の、つまり物品税を取り扱っている職員がずうっと捕捉していかないことにはわからないわけですよ。私はそう思うんですわ。そういう意味から、現在の物品税の国税の全体の収入に対する割合がどのぐらいになっているのか、同時に間税担当の職員がどのぐらいおって、そして各監視部門ごとに国税の犯則取締法を適用する件数がどのぐらいあって、一人当たりどのぐらいの仕事をやっているのかということについてお尋ねしたいんです。
#37
○政府委員(矢澤富太郎君) 税収の数字でございますが、五十六年度予算額で、特別会計、専売納付金を含んだところの国税収入の総額が三十二兆七千九百六十二億円でございます。物品税収はそのうち一兆三千七百九十億円、比率は四・一%でございます。
#38
○政府委員(小泉忠之君) 後段の御質問にお答え申し上げますが、現在五十五年度の定員で御説明申し上げますと、税務署の総体の総人員が四万二千名でございますが、そのうち間税職員は八・五%、三千五百九十三名になっております。
 で、御指摘の点、犯則事案でございますが、これは最近は年間大体七百件から八百件ということでございまして、五十四年度の間接国税の犯則事件の検挙件数、これは七百五十九件ということになっております。そのうちで物品税関係は五百五十八件ということでございまして、それのうち八〇%程度はやはり宝石類の事案という第一種物品の事案ということになっております。最近では宝石類の販売業者、特に各地のホテル等を会場といたしまして極端な割引広告によって客集めをするという、展示販売業者による大口の脱税といったものも最近では目立ってきております。
 で、対象となります第一種物品の業者数でございますが、ほぼ十万三千件というようなことになっておりまして、全体として御指摘の間税職員一人当たりの調査対象場数、これをはじきますと、間接税関係は十四税目ございますので、酒税とかあるいは揮発油税等も含めましてこれを計算いたしますと大体一人当たり百二十件程度ということになっておりまして、十年前と比べますと、十年前が八十七件でございますのでかなりの増加になっておる、こんな状況でございます。
#39
○鈴木和美君 大臣、私が立つといつもしつこく国税職員のことばっかり言って申しわけないんてすが、いま申し上げていることは本当に執行上の問題として大変問題があるわけですよ、それは直税にしても間税にしても。そういう意味から、ぜひ大臣の全体の職員に対する考えをもう一度ここでお聞かせいただけませんか。
#40
○国務大臣(渡辺美智雄君) 間接税関係は全体の国税の中で占める割合は少ないわけです。非常に物がこういうような物ですから細かくなってきますから。しかしながら、そういうような不正が放置されておるということは、ほかの納税に影響がありますから重点的に取り締まりをしなきゃならぬ、そう思っております。
 国税全体の人員をふやす問題については、これはもう重ねて私は何回も言っているように、今日これで十分だというふうには考えておりませんので、今後とも充実に努力はしていきたいと思っております。
#41
○鈴木和美君 主税局にかばん屋についての具体的な取り締まりというか対策というか、特別あればいまお聞きかせいただきませんか。
#42
○政府委員(小泉忠之君) かばん屋対策、執行上の問題でございますのでお答え申し上げますが、先生御指摘のように、貴宝石類は小型で非常に高価なものでございまして、やはり購入者であります消費者まで税務署が目を届かせるということは従来からなかなかむずかしくて、脱税の事案が非常に多いということでございますけれども、先ほど局長からもお答え申し上げましたように、販売業者証明制度を導入いたしまして、四十八年以来かなりその点は正常化されつつあるということでございますが、いずれにしても根絶することはなかなかむずかしいというような状況でございます。
 で、問題はやはり宝石類が裏商品化するということが問題でございまして、そういった意味では販売業者証明書制度というのは非常に有効ではあるわけでございますが、やはりかいつまんで申し上げますといろんなケースがございまして、どうも裏商品化する道を根絶するわけにはいかないと、たとえば販売業者証明書を持っておられる業者が倒産するといったような場合には、それがそのまま裏商品へ流れるというような可能性もございますし、それから消費者から買い取り、買いかえのときに下取り品で入手したものが裏商品化するとか、あるいは海外旅行で仕入れてきたものが裏商品化する、あるいは金融業者が入手した換金物が裏商品化するというようなことがございまして、やはりそれを一つ一つ正していかなければならないということになりますと、やはり何といっても情報、資料が必要であるということでございまして、現在は間税部挙げて情報、資料を積極的に収集して、何とか裏商品化が過大にならないように食いとめておるというような状況でございます。
#43
○鈴木和美君 どうぞこれから関係者の皆さんの努力を期待します。
 さて、物品税の今回の問題に入りますが、先ほど物品税は奢侈品の課税からずっと歴史をいまお尋ねしたんですが、そういう歴史的な過程を踏まえながら今回のこの増税を見ますと、一方で高級な衣類とか建具とかスキーとか、高級スポーツ用品などが非課税になっていながら、最も大衆が使用する家電製品などがずっと軒並みに入っていることは、非常に本来の物品税法の目的から反しているというふうに私は思うんですが、いかがでしょう。
#44
○政府委員(高橋元君) 家電製品というお話でございますけれども、家電製品の中でもたとえばテレビでございますとか電子レンジでございますとか、今回課税をという案をつくりまして御審議をお願いしておりますビデオテープレコーダー、こういうものはかなり高いものでございますし、そういうものの購入ということ、消費ということ、それの背後に担税力を想定をいたしまして物品税の負担をお願いをいたすということは、これは私どもはしかるべき方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。それに比べて、たとえば一着百万円の着物それが課税になっていない、それから非常にりっぱな建具が課税になっていない、スポーツ用品でも課税がされていないではないかという御指摘がございます。
 昭和二十四年までは織物消費税というものをかけさしていただいておったわけですが、二十九年それから三十四年それがやめになりまして、二十九年と三十四年に織物消費税法を国会にお出ししたわけでございますけれども、いずれも結果的には廃案になりました。そのときの理由は製造者がきわめて零細である、たとえば西陣――名前を挙げても悪いんですが、西陣あたりは金糸銀糸の縫い取りでございますとか非常に高級な染めでございますとか、そういう伝統的な技術というものがあるというようなことで、とても納税の負担にたえないし、伝統的な製造、制作技術を保存する必要があるということから課税が実現を見なかったわけでございます。建具はこれは物品税でございますから物品にかけるということになっておりまして、たとえばふすま、それから欄間の彫り物というもの、かなり高いものがあると思うんです。ところが建物に組み込まれてしまいますものですからちょっと物品という判断がなかなかつきませんので、建具の中には物品にならないものが、物品と認められないものがかなりある、原則として物品ではないのではないかというふうに考えております。それからスキーでございますけれども、これは先ほど御説明を申し上げておりました昭和十四年以来の歴史では、スキー、スケートその他すべてのスポーツ用品は課税されておったわけですが、昭和三十七年に課税を廃止いたしました。その理由は、やはり納税義務者の需要規模が非常に小さいということでございます。今回改正をお願いいたしております案の中でも、案をつくります際にも、審議をお願いしております課税案をつくります際にも、いろいろ検討はいたしたわけでございますが、やはり従来の考え方で比較的高価な便益品、趣味、娯楽品、奢侈品というものを対象として既存の課税物品と競合するものについて新規の課税に取り込むことについて案をつくりまして御提出をいたしておるということでございます。
#45
○鈴木和美君 もう一つの問題は、先ほどお尋ねしましたように、物品税は個別消費税の考え方で踏襲をしているというお話なんですが、今回いろんなものが取り込まれたということから見ると、これは推測の域を出ませんけれども、かねて大蔵省自体が直税と間税の比率の問題をめぐって、間接税の比率を高めたいという考え方があるやに私は聞いているんですが、そういう考え方からして、今回のつまり、個別消費税の物品税であるのにたくさん取り込むことによって間接税を高める布石じゃないかというように私は勘ぐるのですけれども、そういう考え方は現にあるんですか。
#46
○政府委員(高橋元君) 先ほども申し上げたわけでございますが、今回の物品税改正案は、従来の個別消費税としての物品税、この考え方に従いましてその後の四十八年以来改正をお願いいたしておりませんので、その後の世の中の消費水準の変化、新規物品の開発等によりまして課税をバランス上した方が妥当であるというようなものについて、物品を拡張する案をつくりましてお願いをいたしておるわけでございます。
 これによりまして国税全体の中に占めます物品税の割合は、五十五年度の四・〇から五十六年度四・一と〇・一%上がりますけれども、従来からの考え方の踏襲であると申し上げましたゆえんは、間接税の比率というものを大きくこれによって広げていることではない点を御認識いただきたいと思うわけでございます。
 直間の比率をどうするかということは、国税というのは二十数種の税目を組み合わせまして全体として所得、それから消費、流通、そういったことを課税の何といいますか、標準と言ったら言葉は過ぎますが、課税の原因としまして組み合わせによって各所得階層にそれぞれ負担をお願いをしていくということでございますから、超越的に、アプリオリにどういう直間比率が正しいかということは実はなかなかないわけでございます。むしろ直間比率が現在七一対二九になっておりますが、それはむしろ沿革の所産であるという点がかなり多いと思いますけれども、バランスのとれた税制をどういうふうに考えていくかという点については、それはそういう大きな問題として引き続いて検討課題であろうとは存じます。
#47
○鈴木和美君 大臣にちょっとお尋ねしますけれども、大型間接税はやらない。一般消費税についても国会決議などもあってなかなかやりにくい。他方では、現行の物品税の法律の考え方からいけば、もうある程度現在の物品税の法の体系の中では限度に来ているように私は思うのですよ、いろいろなものにかける税率、かけ方も、そうすると一体、これからどういうふうにしていくのかということが、基本的な点がみんなぼけているように思うのです。しゃきっとしたところの方針が貫かれていないみたいに思うのですが、この点についてはどう思いますか。
#48
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうざっくばらんに言って御指摘もあろうかと存じます。問題は、所得税には手をつけないというようなこともございまして、一方御承知のとおり、八千億円程度の歳出カットはいたしたわけですけれども、その一方でどうしても一兆九千億円程度の当然増というものがあるわけですから、自然増収は国債の減額と地方交付税と国債費でもうなくなっちゃっているということになりますと、やはり財源を調達しない場合には歳出増に応じられないということですね、第一は、したがって多くの税目から薄く広くまあお願いをしたということですよ、それは結局は、分配されたのが社会保障と文教と科学技術と、そういうもので三分の二以上全部いってしまうわけですから、ですからどういうことに分配されたかという、分配された一般歳出の増の中で、一兆三千億円ふえたけれども、その中でどういうものがふえたかと、みんな四・三%、平均で四・三%しかないんだけれども、ふえるものはかなりもう六十億円も社会保障だけでふえるわけですから、ですからそういうようなことで、まあ理屈を言えば、なるほどもっと筋道のきちっと立ったような取り方があるんじゃないかという私は御批判もあろうかと思います。しかしなるべく物品税の中でほかとのバランス等も考えて品目を追加したと。カラーフィルムとかテレビとかなんかあるのにビデオがないということ、ビデオの方が高級品ですから、どちらかと言えば、まだ。そういうことでそいつが野放しになっていると。じゃこれもやめたらいいじゃないか、あれもやめたらいいじゃないかということになったら、税収をふやそうと思うのに逆に税収減っちまうというようなこともあって、とにかくやらしていただいたということであります。
#49
○鈴木和美君 一番最後に、これからどうするかということをお伺いしますが、その前に、今回六十八品目の課税の中で二十二ですか、新しく課税対象にされたのは。この課税対象にされた物品の客観的な選考の基準というのは、何でこう選んだんでしょう。
#50
○政府委員(高橋元君) 現行の課税物品といわばその同じような効用を提供しておりまして、同じような消費税としてのたてまえから競合するという観点から課税をお願いをいたすもの、今回法案でお出ししておりますビデオテープレコーダー、テレビのカメラ、ビデオのプロジェクター、こういうものはテープレコーダー、それから写真機、それからムービーの撮影機、テレビジョンの受像機、こういうものとのバランスから、大臣からもお話がありましたように、むしろより高級なものと言ってもよろしいものということで課税をいたしておるわけであります。
 それから、四百リッター以上の大型冷蔵庫というのを政令の改正で課税をいたすようにいたすわけでございますが、従前は四百リットル以上非課税であったわけでございますが、四百リットル以上七百リットルぐらいまでの冷蔵庫というものが家庭にかなり入ってきております。で、その方が二〇%の物品税を払わないということもバランス上おかしい。三百何十リッターという冷蔵庫には課税があって、四百リッターから七百リッターの冷蔵庫に課税がない。同じように家庭で消費されるということであるのはやはりバランス上問題があるということで、これは課税をお願いいたしておるわけでございます。
 それから、法律上ライトバンというのを新規の課税物品にしてお願いをしておるわけですが、これは乗用車と同じように乗用するという点に着目をいたしますと、輸送という便益を自動車によって得ておるわけでございますから、税率上貨物積載部分があるという点について配慮をいたしまして、一七・五%対一〇%という税率の格差はつけておりますが、これも新規の課税にお願いをしておるわけでございます。
 それから、政令で五十ccから九十ccの間の二輪自動車、いわゆるミニバイクでございますが、課税をお願いいたしておりますのも、現在九十ccから上を課税しておるわけですが、これと五十ccと九十ccの間、いわゆる二種の原付全体について課税をお願いした方がよろしいという考え方であります。
 それから、これも政令になりますが、全自動の洗たく機というのを今度課税をする予定にいたしております。これは電気掃除機などと同じように通常の洗たく機はたしか百五十ワット以下ですから課税にならないのですが、洗たく機の中で全自動のものは、これは大体全体の洗たく機の消費の六分の一ぐらいを占めておりますけれども、これはより高級な便益を提供するという形で課税をお願いする、これが新規課税物品についていろいろ例を挙げまして在来からありますものとのバランスで課税をさしていただくということを考えました理由でございます。
#51
○鈴木和美君 もう一つの理由を聞きたいのは、五十八品目ある製造段階での課税物品の中から、自動車が抜き出されて課税される、これはどういう理由ですか。
#52
○政府委員(高橋元君) 税率は、物品税は分類差等税率と申しまして、標準の税率をいま一五というふうに考えておりますが、それよりもより高い消費を反映しておると思われますものについては三〇%、二〇%という税率を設けております。より何と申しますか、軽減すべき消費と考えますものには一〇%、五%という税率をしております。たとえば白粉あたりは五%でございます。それから小型自動車は一五%でございます。大型の冷蔵庫は二〇%、それからモーターボートですと一番高級なのは三〇%、こういう課税になっております、そういう分類差等課税という頭でございますが、その中で自動車、いまお話がございましたが小型自動車二千cc以下の普通の五ナンバーでございますが、これは従来は一五%でございました。大型冷蔵庫が二〇%で小型の自動車が一五%と、そこはやはり税率上おかしいではないかという考え方が従来からございまして、今回大型のオートバイ、二百五十cc以上の大きなオートバイ、それから自動車、四輪自動車の中の小型、それから二千cc以上の大型の乗用車と、それらにつきまして税率の引き上げをお願いをいたしたわけでございます一。
#53
○鈴木和美君 昨日参考人の皆さん三人からいろいろな御意見を聞きまして、特にVTRの問題について大変私は業界の強い意見があったことをいまでも記憶しているんですが、このVTRというか、電気のテレビ関係というか、そのものはいままでのずっと経過を見ますと、大体普及率が一〇%以上になったときにばっと普及が強くなっていますね。出現在VTRなどは、業界のお話の中でも五%もしくはいま六%だと、すでに研究費それからいろいろな設備投資のお金が大変かかっておると、そういうときに、いま段階的な課税の方法がとられたにしても大変影響力が出ちゃって取り返すのに大変だと、こういうようなお話がございまして、できれば一年ぐらい猶予を持てないかというお話が大変強く進藤さんからも当委員会において意見表明があったわけですね。で、参考人の皆さんの意見をこの委員会に出席している委員さんみんな、なるほどとこう思ったんですわ。そういうことについての対応の考え方、いかがでしょう。
#54
○政府委員(高橋元君) 個別物品税、個別消費税でございますものですから、課税の対象になります品目は法律改正で追加をしていただくわけでございます。
 先ほど冒頭にお答えを申し上げておりましたように、戦後消費水準が非常に上がってまいりまして、家庭に耐久消費財がどんどん入ってまいりました。その過程で、たとえば一般の世帯にはラジオがずっとありますところへテレビが普及を始めた段階で、昭和二十九年にテレビに課税をお願いをしたわけですが、当時の普及率は〇・三%であったわけでございます。それから小型の車も昭和二十四年から課税をお願いしておるわけですが、その時代には、いまから考えられないことですけれども、日本じゅうの乗用車というのは二十五万台しかなかった、その時代から課税をお願いいたしておるわけであります。それからテープレコーダーにしても三十四年に課税をお願いしたときは五%未満ということでございました。既存の消費財との課税上のバランスということから申しますと、できるだけ早くから課税をお願いした方がむしろ理論的であるというふうには考えられますが、昭和四十八年以来長いこと物品税の改正をいたしませんでしたので、今回VTRについて課税をお願いするようになったわけでございます。
 で、急激に税負担がふえると価格が上がって需要が減退するではないかという御指摘でありますけれども、VTRは今度一五%の標準税率でお願いをいたすわけですが、ことしの十月から来年の十月までの一年間は五%、次の一年間は一〇%、三年目になりまして一五%というふうに暫定軽減税率を設けまして、消費者に急激な影響がないような配意を行っておるわけでございますので御理解をいただきたいと思います。山
#55
○鈴木和美君 私の聞き違いかどうかしりませんけれども、きのうの進藤さんのお話では、仮に五%、一〇%、一五%という段階を設けてもらったと、しかしその五%の段階でも現在のシェアが五、六%のときにはその需要において六%落っこちちゃうと言うんですよ。だからいまお話しの、テレビの三%時代のときから課税が始まったと言うけれども、経済的な背景が大分違うし、そういうことから見ると、いまのお話と業界のお話とは大分食い違うように思うんですが、業界の言い分に対してどの程度つかんでいらっしゃるんですか。
#56
○政府委員(高橋元君) 参考人から小売価格が五%上がりますと売り上げが六%下がる、こういうお話がありましたことは私も承知しておりますが、実は物品税が五%課税されますのは製造場においてでございますから、流通マージンがどう推移するかはよくわかりませんけれども、その税額がずっと末端まで行きました場合には、小売価格への反映は三%またはそれ以下であろうと思います。通常、製造場課税は、小売りの段階に行きますと半分になると私ども考えておるわけですが、三%、大体三・三%ぐらいという計算をいたしておりますけれども、三・三%ぐらい小売価格が上がりました場合に、これは自動車の場合でも同様な問題があるわけですが、どれだけいわゆる価格弾性値があるかという問題になります。で、新規に開発されてブームが始まっておりますものにつきましては、通常非常に価格弾性値が小さいわけでございまして、自動車にしましてもテレビにしましてもかつて課税されました場合に、それによって需要の伸びが緩んだということではないように過去の経験からは推察をしておるわけでございます、で、自動車のように非常に大きな耐久消費財になりますと、学問的にも価格弾性値が幾らであるかという計算はできているわけですけれども、VTRの場合にはそういう計数がございませんけれども、やはり私どもは、進藤参考人からお話があった売り上げ六%ダウンというのは、いま御説明をしておりますようなプロセスで少し見込みとしては悲観的ではないかと、悲観的に過ぎておるのではないかという考え方を持っておるわけであります。
#57
○鈴木和美君 私はきのう進藤さんのお話を聞いておって、いま局長が言うみたいな展望というか推測とは大分違う、深刻な受けとめ方をなさっているように私は受け取ったんですよ。
 で、現に経済的な背景が、こう消費がぱたっと現在とまっているような状況の中での増税ですから、かつての伸びるときとは非常に状況が違うと思うんですね。ましてや、こういう業界というのは競争の激しいところでもありますし、下手なことをすればポストカラーテレビと言われているような品物に対して大変なダメージを与えるんじゃないかと思うんですよ。経済的な背景から見ると、つまり従来のような推測だけではいかないんじゃないか、やっぱり消費がとまっちゃうんじゃないかと、私はこう見るんですけれども、もう一度その辺の推測についてお尋ねします、山
#58
○政府委員(高橋元君) 手元に昨年の八月までの生産、それから国内の出荷、輸入輸出等の数字がございますが、家庭用のVTR、二分の一インチのカセットテープをはめるやつでございますが、これの国内生産は五十三年が百四十七万台、五十四年が二百十九万九千台、五十五年は一−八月の間に二百四十一万七千台というふうに、非常にふえてきておるわけであります。一方で輸入は六万台、いま幾らかふえておりますが、大体国内生産は圧倒的にふえておりまして、それから国内出荷も順調に四十万台が四十八万台になり、一−八月で昨年は八十三万台というふうに伸びてきております、その伸びが非常に急激であったために、ここで足踏みが起こっておるのかという点のお尋ねもあるわけでございますけれども、業界の見込みで申しますと、五十三年に四十万台国内向けに売ったのが、五十四年には四十八万台、五十五年に八十三万台売れるであろう。これだけ伸びますと五十六年には百万台ぐらいという見込みでございます。こういう伸びの趨勢を持っておるものでございますから、一時的な足踏みというものはあるにしても、堅調にビデオテープレコーダーとしては、生産、出荷ともに伸びていくというふうに私どもは考えまして課税案を作成いたした次第でございます。
#59
○鈴木和美君 私は、VTRの問題については、やはり見解として一年ぐらい余裕を持たせるべきであるというような見解にいまでも立っています。
 さて次の問題は、昨年の冷夏によって電気製品、ルームクーラーから始まって扇風機までの間に大変な手持ち在庫がたくさんあるんだと、そういうふうに承っているんですが、政府の方として手持ち在庫の状況はどの程度につかんでおられましょうか。
#60
○政府委員(矢澤富太郎君) ただいま具体的な計数は持っておりませんが、この冷夏によりましてかなりの在庫が発生しておるということは承知しております。
#61
○鈴木和美君 家電業界が中小企業をバックにしているという関係などもあるし、競争が非常に激しいということもあるし、そういう意味では今回の増税の問題がすぐ小売価格に転嫁できない、競争のためになかなか転嫁できないというようなことがあって、業界そのものが倒産がむしろ今後はふえるんじゃないか、そんな私は心配しているんですけれども、先行きの業界の展望についてどのような見解に立っていましょうか。
#62
○政府委員(高橋元君) 直接のお答えにならないかもしれませんが、これまでの物品税の課税実績で申しますと、いまお話しのルームクーラーでございますけれども、一昨年、五十四年は爆発的に伸びたわけでございます。五十四年の三、四、五、六月までの出荷は、五十三年の対応月に比べまして五割近く伸びています、五十五年のその需要期を控えましての出荷はそれに比べて、これは冷夏の影響もあったわけでございますが、前年よりはやや低いぐらい、九十数%ということでございました。確かにこれは建築の進みぐあいとか消費者のふところとか、いろんなことはあるんでございましょうけれども、長い目で見ますと、クーラーは非常に伸びる力を持っておるんでございましょうが、電力料金が上がりましたとか、または夏が涼しかったというようなことで、昨年確かに流通在庫、製品在庫ともにふえておるということ、これはもう先ほど審議官から申し上げたとおりでございますが、これらがやはりはけていくということは、私どもとしては期待もいたしておりますし、そういう見込みも立ち得るというふうに思います。
 ちょっと余談でございますが、一昨年の夏は先生もよく御存じのように、電話かけてもなかなかクーラーの在庫がなくて取りつけが二週間かかった、三週間かかったということがございました。そういうときがあって、そのときの状況で生産をして見込み生産が多過ぎたという点もあるのかもしれませんけれども、財貨を課税対象としております私どもの、課税をお願いをいたしております私どもの立場からしますと、やはりこういう家電製品についても一時の波はあるにしても引き続き伸びていくという考え方を持っているわけであります。
#63
○鈴木和美君 自動車の方はどうでしょう。きのう大熊参考人のお話によれば、業界としてもライトバンなどはいままで課税がされていなかったから、横並びから見ればライトバンあたりには課税されるのはやむを得ないというように考えるけれども、いま国際競争力で大変な問題になっているときに、それでなくとも自動車が国際価格から比較すると大変高いと、そういう状況にあるときに増税が行われるということは業界としても大変不満だという業界の意見が述べられておりましたね。私は大変問題だと思うんですわ。
 そこで、まず自動車の問題についてお伺いするのには、自動車税の問題をちょっとお尋ねしますが、物品税とそれから自動車取得税というのはどう違うんですか。
#64
○政府委員(矢澤富太郎君) 物品税は、自動車を購入いたしましたときに消費に対して課税される消費税でございます。これに対しまして自動車取得税は、これは地方税でございますけれども、いわば道路損傷負担金的な意味合いを持つものでございまして、これによります税収も、道路の特定財源として地方で使われているという性質のものでございます。
#65
○鈴木和美君 大変自動車税についてたくさんありますね、自動車関係について。物品税、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、それに今度は燃料ですね、この辺の掛かりが大変複雑になっていると思うんですね、金額。増税するしないを別にして、この自動車税について何か整理するというような考え方はございますか。
#66
○政府委員(高橋元君) 仰せのように、確かに自動車には九種類の税金がかかっているわけでございます。消費税としては物品税でございますが、自動車が固定資産的な性格と道路損傷負担的な性格を持っておるということから自動車税がかかっております。それから自動車税の一部が分離しまして、これはたしか市町村税だと思いますが、軽自動車税というものができております。これは二つ合わせて考えていただいてもいいかもしれません。これは保有課税でございます。それからいま審議官からお答えしました取得税と申しますのは、自動車を買った場合に――これは特定財源として使われるわけですけれども、道路損傷負担金的な負担を求める流通税でございます。もう一つ自動車重量税というのがございまして、これは車検を受けるときに二万五千六百円ですか、現在ですと払っていただくわけでございますけれども、これは自動車の走行から生ずる社会的な費用というようなもの、また自動車が道路といった社会的資本をどうしても必要としてくる、そういうことからいわば自動車を走らせることができる権利というものを創設する、いわゆる設権税としてつくられておるわけでございます。
 油につきましては、揮発油と地方道路税、これはガソリン税としてかかっております、まとめてガソリンに対する消費課税でございますが、ディーゼルにつきましては軽油の引き取り税というのがございますし、LPGについては石油・ガス税というのがあるわけでございます。これは九種類と申しましても、燃料税はガソリンか軽油かLPGか、それぞれによってかかってくるわけですから、これは一つと考えていただいてもよろしいわけですが、自動車の車体について六本、五本の税金がかかっておる点は多きに過ぎるんではないかという御指摘はたびたびいただいておりますが、ただいま私がくどくど申し上げましたように、それぞれの課税の趣旨が違う。やはり消費したときに消費税として一般財源でいただくのが物品税でございますし、それから自動車を持っておることにかかっていく固定資産税的な自動車税、これも地方の一般財源でございます。これは県税でございますが、それから自動車を走らすことによって起こる社会的費用を負担していただく自動車取得税、それから自動車重量税、それぞれ課税の趣旨とその使い方が違っておりますので、これは長い間政府の税制調査会でも議論をされてきたことでございますけれども、自動車関係の税金を九種類をもっと統合すべきじゃないかという非常に強い御議論がありますことはよく承知しておりますが、現時点でにわかにこれを統廃合するということには、それぞれ地方財源、国の財源、特定財源、一般財源ということもございまして、なかなかむずかしい点がありまして、長期的に検討課題であるというふうに承知しておりますが、本年度すぐ答えが出てきておらないわけでありますことを御了承いただきたいと思います。
#67
○鈴木和美君 日本の自動車はなぜ高いかということできのうお話を承りまして、わざわざ業界が百万円の乗用車保有に課せられる税負担の国際比率という資料を出していただきまし、日本は五十五万九千九百四十円である。これを一〇〇にした場合にアメリカは一二であり、イギリスは八九・五、西ドイツは五五・五、フランスは八六・二という業界の資料を出していただいたんですが、なぜ日本の車は高いんですか。アメリカはなぜ安いんですか、これは。
#68
○政府委員(高橋元君) これは自工会の試算はすべての自動車が百万円であるという前提なんでございます。ところが実際に私どもが、名前を挙げても恐縮ですがブルーバード、日本の例にとりまして、これは千六百ccの車でございますけれども、これと見合う車をイギリス、アメリカ、ドイツ、フランスでそれぞれ選び出しまして、それの小売価格を最近時点で比較してみますと、日本のブルーバードは百四万六千円でございます、これは増税前で、増税額を込みにしております、アメリカが百十七万円、イギリスが二百三十六万円、ドイツが二百三万円、フランスが二百十六万円、同じ便益を提供する同じくらいの大きさの車で、いま申し上げたように日本の車はフラン又の半分ぐらいの値段で売られておるわけでございますから、したがって効用を取得するための自動車に対する支出という点からしますと、日本の車が安くて、物品税がいわゆる従価税として価格に対して一五%、今度は一七・五%負担をお願いするという点からしますと、むしろ安くて済むわけでございます。そういう検討が加えられてないというのが一つの問題だと思います。
 それからもう一つの問題は、どのくらいの期間車が走るかということでございますけれども、自工会の試算はたしか八年ということでございますし、それから私どもは法定耐用年数の六年間ということで比較をしてみた方が実際的ではないかというふうに考えます、
 もう一つ、自工会は車体に対する課税だけを取り上げておられますが、やっぱり車だけではだめなので、燃料課税も加えて考えてみる必要がある。こういう考え方をもって自工会の試算について私どもなりに計算をいたしてみますと、日本の車が六年間、千六百ccの車が走りまして、車体課税と燃料課税を負担するわけでございますけれども、一応年平均しますと、日本が今回お願いしております物品税引き上げ後で十四万一千円でございます。イギリスが二十二万六千円、ドイツが十五万円、フランスが二十三万六千円で、アメリカだけは二万七千円でございますが、日本とヨーロッパと比べれば、いま申し上げました数字のように、日本の自動車に対する税負担は車体、燃料を通じて見ますと、かなり差があるということは申し上げられるというふうに考えます。
#69
○鈴木和美君 自動車業界の推定では、いま大変消費が落ち込んじゃって、輸出でカバーするということも大変規制条件が強い。そういう中で年率八%ぐらい落っこっている、そこに今回増税が行われると、どうしてもやはりメーカーにくるか、販売店にくるか、消費者の方に転嫁するということになるんでしょうけれども、そのために需要が落ち込むという見方をしているわけですね。
 それで、御案内のように、自動車を取り巻く関係人口というのは四百万ぐらいおるんじゃないでしょうか、そういう落ち込みと、四百万人に対する影響というのは私は大変な影響をもたらすんじゃないかと思うんです。したがいまして、この自動車の税の上げと今後の消費傾向というものをどういうふうにつかんでおられるのか、お聞きしたいと思うんです。
#70
○政府委員(高橋元君) 増税をお願いをいたしますと末端の小売価格が上がるわけでございますが、今回二・五%税負担の引き上げをお願いいたしております。それが末端までそのままいきますとどのくらいの小売価格の引き上げになるかという試算でございますけれども、大体一・六五%ぐらいであろうというふうに思います。で、一・六五%乗用車の値段が上がった場合に、需要がどれだけ減るかということでございます。自工会がいろいろ試算をなさっておられるのを拝見いたしますと、価格が一〇%上がると需要は八%減る。弾性値はマイナス〇・八、こう言っておられますが、アメリカでの事例とか、いろいろ日本につきましても計算をしておられる学者があるわけですが、そういう方々の数値を見ますと、マイナス〇・四とか、〇・六とか、いろいろな数字がございます。私どもいままで余り自動車の増税をしておりませんので、増税による直接の弾性値というのはよくわからないんですが、いろいろの学説それから試算値等を総合いたしますと、弾性値はマイナス〇・六、つまり価格が一〇%上がりますと需要が六%減るというようなことを考えるのが一番いいんではないかと思います。一・六五%末端価格が上がります場合に乗用車の需要は〇・九%減るというふうに考えております。
 それがGNPに及ぼす影響、鉱工業生産に及ぼす影響をついでに申し上げますと、GNPには一万分の一、鉱工業生産指数を一万分の二引き下げるという影響であろうかと思いまして、いま申し上げました一%弱の需要減ということは自動車のこれからの需要の中で十分消化がお願いができるんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#71
○鈴木和美君 今回の物品税の改正に伴って、これは風間ですから確実なところは私もつかんでいるわけじゃないですけれども、アメリカがこの物品税の改正について非常な関心を持って、何か日本政府に対しても直接か間接か知りませんけれども、何らかの申し入れというか、アプローチというかあったように聞いているんですが、そういう事実があればお聞かせいただきたいと思うんです。それに対してどういうふうに日本政府として答えたのかお聞かせいただけませんか。
#72
○政府委員(高橋元君) ブロック通商代表、ホーマッツ国務次官補、こういう方々がアメリカの議会の公聴会で述べられておりますのは、物品税率を一律に引き上げ普通車と小型車の価格差を拡大させることに失望している、こういう御発言があったように聞いておりますへ。
 しかし、自動車について私どもとしては今回二・五%という税率の引き上げをいたしましたのは、先ほどもお答えした大型冷蔵庫が二〇で小型の自動車が一五と、そういうことが問題ではないかという考え方からしますと五%の引き上げという方がむしろ分類差等税率の理論からしますといいわけでございますけれども、その上げ幅を抑制いたしましたのは日米間の自動車の問題にも配慮をいたしたわけでございまして、その間の事情につきましては私どもなりにまた関係の方面を通しましてアメリカに対して十分説明をしておりまして、今後ともアメリカ側の理解を深めるように努力をいたしてまいりたいと考えております。
#73
○鈴木和美君 私の持ち時間が四十分までだそうですから、物品税はまたあしたも聞く時間がございますので、印紙税についてちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
 まず、印紙税というのはどういう歴史的な経過を持っているのか、概略でいいですから教えていただきたいと思うんです。
#74
○政府委員(高橋元君) これは非常に沿革の古い税金で、もうできましてから百数年の経過を経ております。明治六年に「受取諸証文印紙貼用心得方規則」というのがございまして、それから始まりまして証文には印紙を張るということでございます。財産権の創設、移転、変更ということを証明すべき文書はすべて課税するという考え方でまいりまして、除外されておりません証書にはすべて印紙を張らなければならないということでございました。それが三十一号証書で、その他の証書と言われておりましたのが非常に課税トラブルがありましたこと等もありまして、昭和四十二年に現行――ごらんいただいております印紙税法ができましたときに、二十五種類の課税文書に限って限定列挙主義で印紙の貼付をお願いをするという制度になっておるわけでございます。
#75
○鈴木和美君 何か取引とか契約とか、そういうのがあると必ずその印紙を張らにゃいかぬということですか。
#76
○政府委員(高橋元君) 印紙税法上課税のされる文書が二十五決まっておりまして、たとえば不動産の譲渡契約書とか、消費貸借の契約書、請負の契約書、手形、商品券、株券、受取書、それから預貯金の証書、保険証券、並べますと全体で二十五でございますが、そういう特に文書がつくられまして行使される背後に担税力が推定できる文書というものを限定例挙して課税をいたしておるわけでございます。
#77
○鈴木和美君 権利の譲渡とか担税力が移るというためのしるしの印紙なんですか、何のためにあれは張るんですか。
#78
○政府委員(高橋元君) 明治の三十年ごろまでは、たとえば証文に印紙を張っておりませんと裁判所に持ってまいりましても証拠力がないということをいたしておった時代もございますが、現在はそういうふうに印紙税はなっておりません。印紙税を仮に捕脱しております文書でも裁判上の証拠力としては差がないという扱いでございますけれども、印紙税の本質と申しますのは、印紙税の課税文書、先ほど申し上げましたような手形とか受取書、契約書、そういう文書をつくります場合に、その背後に経済取引があるわけでございます。その経済取引に着目をして非常に軽い税金で課税をお願いするこれは流通税でございます。経済取引に課税をするわけですから、すべての経済取引に課税されるかと言いますと、やはりその場合に文書がつくられなければならぬ。たとえば受取でございますが、受取は現在階級定額率になっておりますが、同じ金銭の受領書でも銀行の口座で口座振り込みといいますか、口座振替といいますか、ああいうことをやります場合には受取書がつくられませんので、したがって課税されない、金銭の受領でも受領書がつくられました場合だけ課税されると、そういう意味ではこれは文書税でございます。そういうふうに、経済取引に際して作成される文書というものに着目いたしまして、その背後にある経済取引というものに、担税力に着目をして課税をしておるというのが現在の印紙税でございます。
#79
○鈴木和美君 もう一度お尋ねしますが、昔と今とは変わったわけなんですか一つまり印紙というのは権利が移ったとか、そういう意味で後に争いを起こさないために何かを張った、つまり証拠ですね。そういうために張るのか、本当に経済の取引のそれなのか、もう本当に変わっちゃったんですか、これは。
#80
○政府委員(高橋元君) ちょっとお答えが悪くて申しわけなかったんですが、文書がつくられるということに課税をいたしますのが印紙税でございます、私ちょっとさっき混乱をするような説明を申し上げて恐縮だったんですが、それが裁判上の証拠になるかならないかというのはむしろ二次的な問題でございまして、文書がつくられました場合に印紙を張っていただく。ただ昭和四十二年以前はすべての文書に印紙を張っていただくことになっておりましたが、四十二年以後は法律に書いてございます二十五の文書についてだけ印紙を張っていただくように改まったということでございます。
#81
○鈴木和美君 この印紙税の中に一律定額の課税と階級定額の課税がありますね。これは何でこういうふうに区分けされるんですか、どうして。
#82
○政府委員(高橋元君) これはたとえば会社の定款でございますとか、それから通い帳でございますとか、それから預貯金の証書などになりますと、必ずしもいかほどの記載金額になるかというのがはっきりしないということもございますが、そういうものに比べまして不動産の売買契約、それから手形、株券、商品券と、こういうものになりますと、つくられております課税文書に書いてある金額によってより重い経済的利益より大きい経済的利益があって、それに対してより大きい税負担をお願いしていいと、その方がむしろバランスがとれておるという考え方なんでございます。古くは大正時代を通じまして不動産の譲渡契約とか、請負契約、それから借金証文、消費貸借契約でございますが、こういうものにつきましては比例課税ということをやっておりました。万分のたしか五という税金でお願いをしておったわけですが、余りに複雑でございますし、たくさんの印紙を用意しておかなきゃならぬというような問題がありますので、もっと簡明な階級定額税率というものをとっておりますが、思想といたしますとこれは比例税率でございます。比例になじむ文書には階級定額税率をお願いし、それから比例になじまないものについては定額税率でお願いをしておるというのが現行の印紙税でございます。
#83
○鈴木和美君 領収書というのは、あれはもともと一定率だったんですか。それが最近階級に変わったみたいに私は承知したんですが、その背景や理由はどういうわけなんでしょう。
#84
○政府委員(高橋元君) 四十九年に改正をしたわけでございますが、そのときの税制調査会の答申の中では二つのことが言われております。「現在一律の定額課税が行われているもののうち階級定額課税に移行することが適当である売上代金の受取書」については階級定額を使います、採用いたしますと、そういう考え方でありまして、たとえば手形、それから不動産の譲渡契約、請負契約書、そういうものと同じように作成される文書に書いてあります金額が大きいほど、たとえば金銭の受領、それによって背後に推計される担税力が大きいというふうに考えた方がむしろよろしいわけで、たとえば三万円の受取書と十億円の受取書とは税負担に差があった方がむしろいいんじゃないかという考え方で、四十二年以来受取書について階級定額税率を導入しておるわけでございます。
#85
○鈴木和美君 今度改正される中で、不動産、鉱業権、航空機、地上権などなどのまず号別の一ですね、一に書いてある中で、記載金額のないものは百円から二百円にすると、こう書いてあるんですが、この記載金額のないものというのは何ですか、これは。
#86
○政府委員(高橋元君) これはたとえばこういう例があるわけでございます。請負契約書でございますと、二号にも記載金額のないものと書いてございますが、別紙見積書のとおりと書きまして建築の請負契約をやる。その場合には請負契約書には記載金額がないわけでございますね、別紙というか別紙の見積書に書いてあるわけですから。したがって記載金額がない請負契約書になってしまいまして、今度の改正はそこの改善、改正をお願いしておるわけですが、従来は百円の印紙で済んじゃったわけでございます。五千万円ぐらい……、何千万、まあ二、三千万円の家を建てる場合には、三千万円の請負契約書をつくりますと、一万円従来なら印紙を張らなきゃいけなかったわけですが、別紙の見積書のとおりと書けばそれが百円で済んでしまう、こういう点で、記載金額のないものというものにはいろんな問題があったわけでございます。
#87
○鈴木和美君 よくわからないんですが、十万円以下のときにはいままで百円だったんでしょう、それが今度二百円になるわけですね。いまお話しのように記載金額のないものということになると、たとえば一億円のやつやっても、金額が入ってなければ百円でいいんですか。
#88
○政府委員(高橋元君) 極端なことを申しますと、一億円の家を建てる場合でも、その証文に一億円ということがわかることが書いてなければそれは百円でよかったわけです。ただ私申し上げましたのは極端な例をお答えしたんでございますけれども、通常の場合は契約金額の記載のないものというのは、原始契約がございましてそれについてはしかるべき階級定額の税金を払っておられて、その支払い方法を変更する、たとえば分割払いに直しますとか、それから手形で払いますとか、そういうふうに支払い方法を直すというような、契約を変更する場合が多いようでございます、実際の実例は。ただしこの百円と定額税率で定められておることについては、先ほどお答えしたようないろんな不合理な問題があったわけでございます。
#89
○鈴木和美君 よくわからないんです、正直言って。どいうわけなんでょう。記載金額のないものというのは幾ら契約してももう一番安いところの百円で済んでしまうというのはどうも納得いかないですね。何が問題なんです、これは。
#90
○政府委員(高橋元君) 記載金額がない場合というのは確かにあるわけでございます。私が申し上げましたように、もとの契約の金額を変更しないで契約の金額以外の部分を変更する契約書というのがございます。たとえば工事の完了期間を直すとか代金の支払い方法を直すとか、そういう記載金額に関係のない契約書というのはあるわけでございます。それは従前どおり定額の印紙税でいいわけですが、今回は法律の中で改定をお願いいたしておりますのは、別紙の見積書のとおりと書いて、本当の契約書には金額を書かずにいわば脱法的に百円で済ましておった分については、今度印紙税法の通則というところを改正をいたしまして、別紙の見積書の金額で課税をするように改める案をつくって御審議をお願いいたしておる、こういうわけでございます。
#91
○鈴木和美君 いまのやつは何ですか、今度この国会ですか、不備な点は出すというんですか、すでに出ているというんですか。
#92
○政府委員(高橋元君) ただいま御提案しております印紙税法の中に、「別表第一 課税物件表の適用に関する通則」という部分がございまして、それの4のイ、ロ、ハ、ニのニというところか今回改正をお願いしておるわけでございます。「第一号又は第二号に掲げる文書に当該文書に係る契約についての契約金額又は単価、数量、記号その他の記載のある見積書、注文書その他これらに類する文書」の「名称、発行の日、記号、番号その他の記載があることにより、当事者間において当該契約についての契約金額が明らかであるとき又は当該契約についての契約金額の計算をすることができるときは、当該明らかである契約金額又は当該計算により算出した契約金額を当該第一号又は第二号に掲げる文書の記載金額とする。」という改正規定を入れております。これは私が先ほど来御説明しております、いわば脱法的に記載金額のない文書として百円の定額税率で済ませておったものに対して、それをより合理的な方法に改める改正でございます。
#93
○鈴木和美君 あしたまた私もそこのところ見てから御質問します。どうも納得がいきません。
 それから、手形の中に三の号ですが、一覧払いなどのものというのがありますね。これはどういう意味です。
#94
○政府委員(高橋元君) 一覧払いの手形は、小切手と取引上同じような性格ないし効用を持っておりますので、これにつきましては定額の税率で済ませておるという考え方であります。
#95
○鈴木和美君 白紙で手形を渡しておいて、後から書いてくれというようなことがあったら、それはどういうことになりましょう。
#96
○政府委員(高橋元君) 金額の記載がないわけですから、それは非課税であります。後から金額を補充したときに課税になります。
#97
○鈴木和美君 それはどこでそういうものを捕捉するんですか。その白紙で出した手形が後から書かれるという、書かれたか書かれないかというのは、だれがどこで捕捉するんです。
#98
○政府委員(高橋元君) 現在の印紙税法では、非課税物件という規定がございまして、約束手形または為替手形は階級定額税率で課税をするわけですが、手形金額の記載のない手形というものは課税の対象外になっております。手形の複本、謄本、それから手形の金額の記載のない手形及び十万円未満の手形、これは現在、手形であっても課税はざれません。
#99
○鈴木和美君 それは局長としてどうです、おかしいと思いますか、思いませんか。
#100
○政府委員(高橋元君) 支払い金額が書いてないわけでございますが、そのままでは手形として意味をなしませんので、いつの日かそこに金額を書き込むわけでございます。金額を書き込んだときに課税の文書の作成があったとして課税をするように現在の法律でもそう手当てをいたしております。白地の手形だけを渡したときは、これは何でもないわけですが、そこに金目を書き込んだときに印紙税を張っていただくということでございます。
#101
○鈴木和美君 白紙の手形を渡しておったときに、そこで契約書つくりますわ。それで後からどうぞ入れてくださいと、入れますね。そのとき白紙だから印紙はそれこそゼロなんです、そうするとそのときに金額入れるときには、どういうとき入れたということがわかるんですか。
#102
○政府委員(高橋元君) それは印紙税は自主納付の税金でございますから、すべて証文なり証書類をおつくりになったその方が張られるわけでございます。張られるわけでございますから、金額の補充があったときには課税文書の作成とみなすという、現在印紙税法の四条という規定があるわけですけれども、その規定が確実に履行されておるというふうに思いますが、それは別に税務署の方で見ておるわけじゃございませんけれども、随時印紙税については実際に納税が行われておるかどうかということはこれは調査をいたしております。おりますということでそれは担保されておるわけでございますが、白地の手形について金額を書き込みましたときに、それは為替手形の作成としてそれぞれ必要な所要の税額の印紙を張っていただくことに法律上なっておるわけでございます。
#103
○鈴木和美君 張らないでそのままにしておったらどういうことになるんですか。
#104
○政府委員(高橋元君) ずっと白地のままでありますれば非課税文書でございます。
#105
○鈴木和美君 どうも納得いかないんですが、そうすると最後までもう白紙にしておけば一銭もかからぬということですな。そういう現行の法体系であると、そういうふうに理解していいですか。
#106
○政府委員(高橋元君) それを手形でございますから提示して支払いを求める、そのときに金額が書いてなければどういう金額の支払いを求めるかという問題がありますから、必ずそれを行使するときには金額を書き込むんだと思います、ですから債権者がその金額を書き込んだときに、そのときに印紙を張っていただくわけでございます。したがって白地手形であれば手形用紙と同じようなものでございますから、これは非課税物件でございます。
#107
○鈴木和美君 こういう印紙税みたいなものは外国にはあるんですか、これと同じようなものは。
#108
○政府委員(矢澤富太郎君) 国によりさまざまでございますが、アメリカでは外国保険会社が作成する証書、証券のみにかけられているというので、ほとんどないと言ってよろしいと思います。ヨーロッパにまいりますと、西ドイツでは手形だけに印紙税がございますしそれからフランス、イタリアにつきましては手形にも印紙税がございますし、受取書にも印紙税がございますし、それから不動産の譲渡契約書等の契約書関係は日本とほぼ同じようなカバレージでございます。さらにフランスにおきましては身分証明書とかパスポート、運転免許証等にも印紙税がかかるとか、あるいはイタリーにおきましては小切手、それから計算の請求書、仕送り状、こういったものにも印紙税がかかるというようなことで、かなり広範に印紙税の課税対象があるようでございます。
 なお、税収全体の中の比率を申し上げますと日本の場合は一・四%、今回御提案申し上げております改正案が通りましたときには、予算では二・三%ということでございますが、イギリスが一・一、フラン又が一・七、西ドイツが〇・一、イタリアが五・六というようなことで、ほぼ似たような割合を示しております。
#109
○鈴木和美君 この改正案の中を見さしていただきまして、階級累進税額をずうっと書いてありますね。これのつまり百円から二百円とか  百円は二百円になるんですね。今度は、二百円は四百円になりますね。この二百円、四百円、六百円、千円、二千円、四千円、六千円、一万円というこの刻みですね、これはどういう根拠でこういう刻みが出るんですか。
#110
○政府委員(高橋元君) 受取書でございますと、大体万分の一という税負担をお願いするわけでございますが、たとえば百十万円の受取に百十円張るときは非常に半端でございますから、万分の一から万分の二の間でこういうふうに階段をつくりまして、ほぼ比例税率になるように設計をしてあるわけでございます。印紙の種類が百円、二百円というような単位でございますから、それに見合って納税ができるように階級定額率を決めております。
#111
○鈴木和美君 この印紙税というのは、売買契約したときにどっちが払うものなんですか、これは。売り手買い手、どっちが払うことになっていますか。
#112
○政府委員(高橋元君) まあ受取でございますと、普通は金をもらった人が出すわけでございますから、金を受け取った方がつくって印紙を張って相手に渡すわけでございますね。たとえばそれがまた不動産の請負契約書になりますと、恐らく証文を取り交わすことになりましょう。そうしますと、それは請負者と発注者と両方がつくって、両方がそれぞれ張ったものを交わすということになろうと思います。
#113
○鈴木和美君 いまのお話は、法律か何かにも決まっているのですか、そういうふうにするものであると、
#114
○政府委員(高橋元君) 印紙税法上は文書の作成者が貼付して納税をするわけであります。
#115
○鈴木和美君 作成者が……。
 もう一つは、印紙税の脱税というのがあるんですか、どのくらいありますか、脱税は。
#116
○政府委員(小泉忠之君) 印紙税の脱税という御質問でございますが、印紙税につきましては先ほども主税局長お答え申し上げましたように、自主納付がたてまえでございまして、それを適脱した場合にいわゆる刑事訴追ですね、これをいたす場合と、それから過怠税という制度がございまして、その逋脱した税額の三倍の印紙税の追徴を行うという制度が、特に印紙税につきましては印紙税法上規定されておりまして、現在はその後者、過怠税、いわゆる行政制裁になりますが、これを追徴を行うということで処理をいたしておるものが大部分でございます。直接告発をして刑事訴追をするということも理論上は考えられるわけでございますが、非常に印紙税の場合は一般にこの犯罪事実を立証する課税文書が多数の方に分散所持されておるということで、その収集には相当の時間と労力を要するというような問題もございますし、それから一般に印紙不貼付の形で発見された場合には形式的に発見されるわけでございますから、その場合に積極的な不正行為の立証ができるかどうかというような問題もございます。そういうような関係がございまして、現在は過怠税の制度が活用されておるわけでございますが、昭和五十四年度のこの過怠税の総額は九億円ということになっております。
#117
○鈴木和美君 もう一つ聞き落としたんですが、これは番号別の十九ですね、「物品又は有価証券の譲渡に関する契約書」をつくった場合には百円で済むんですね、これ。前の方は担税力及び債権の移転というような理由からそれぞれ金額がこう比例的に決まっておるというお話なんですが、十九番みたいな「物品又は有価証券の譲渡に関する契約書」なんというのは、大変金額が私は大きいものだと思うのですが、それ何で百円で済むんですか、
#118
○政府委員(高橋元君) 確かにいま検討をさしていただくに値する問題だと思いますが、現実には物品はキャッシュで売り買いされることが多いと思うのでございます。そういう場合には、キャッシュの売り買いには契約書はつくりませんで、直接これを下さい、金を払いますという形で受取書になるわけでございます。その方が実際の取引としては多いということで、物品については定額税率にとどめておるというのが現行でございますが、物品についてかなり高額の譲渡契約というのが文書によって作成される場合が多ければ、いま鈴木委員の御指摘のような問題も検討をしてまいるべきことかと、こういうふうに考えております。
#119
○鈴木和美君 きょうの最後ですが、印紙税というような問題は、これは大臣にお尋ねした方がいいのですが、予算の支出と収入と数字の合わせっこしているうちに、どうも金が足りなくなったから、これちょっといじってこう上げようじゃないかというような、つじつま合わせの場合が往々にして私はあるのじゃないかなと思うのですよ、金額がそれほど多いものではないものですから。だから国税に占める印紙税のつまり位置づけというか、非常にこれは弱いと私は思うのですが、そんなことはございませんでしょうか。
#120
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど局長から話があったように、一・四%とか、この決算ベース二・三とかいうわけですから、それはでっかい数字でないと言えばでっかい数字じゃないかもしれませんが、こういうのが集まってまたでっかい数字になってくるわけですから、せっかくいまでもやっておったことなんで、この財政再建の折から、これをやはりなくすというようなわけにはなかなかいかないと。酒の税金で二千八百億ですが、こういう小さなものだと言ってお酒の場合はあれだけ大騒ぎしているわけですね、これは三千七百億円ぐらいになるはずです。ですから、それは大きな問題にならないわりあいには案外金目が張るんですよ。ということになりますと、財政当局としてはこれは大変貴重な財源ということで、うちを買ったり何なりなんということは普通はそう一生に何回もあることじゃありませんから、登記をするとか、公証役場へ行って定款をつくってもらうとかということですから奮発をしても別に納める方もどうこうという気持ちも余りないし、やっぱり印紙が張ってないと権利がないような錯覚まで起きちゃいますからね、いまは。その権威づけるという点においてもやっぱり印紙が張ってあることの方が私はいいんじゃないかということで、各国でもやっていることですから、古い税金ではございますが、私としては、現在の段階では貴重な財源の一つで、これがやっぱり社会保障とか、文教その他に使われるということも考えると、やはりこれはひとつ何とか御賛成を願いたいと、こういうわけで、私のは理論的説明ではありませんが、そういうわけでございます。
#121
○鈴木和美君 またあした時間があるようですから、きょうはこのぐらいにして有価証券、物品税などについてもまた後日やらしていただきたいと思います。本日は終わります。
#122
○矢追秀彦君 初めに、有価証券取引税に関しまして、最近株式投資にまつわる不祥事が新聞紙上をにぎわしておりますが、大蔵大臣はこういう現象をどうごらんになっておりますか。
#123
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も新聞を見て初めて知ったんですが、ともかく常識ではちょっと、自分の会社関係から金を借り出してああいう投資の仕方をやるということについて、本当に実はびっくりしているんです。
#124
○矢追秀彦君 株式投資においては個人の株主の育成というのがやっぱり重要な私は課題だと思うわけです。ところが最近の出来事を見ますと、もう個人の株主なんていうのは極端に言うとこわくてなれないと、そういうふうな状況すらあるわけですけれども、やっぱりこの個人の株主を育成していくためには、特に最近いま問題になっておりますとにかく目に余る投機ですわね、これはやっぱり一つ問題ですし、それからその傾向としては、だんだんそういうことで個人の株主のシニアというのが低下している、これはどういうふうにこれからやっていかれるのか。これは自由経済ですからお役所の方からどうこうというようなことはなかなかむずかしいと思いますけど、やっぱり行き過ぎは是正しなくちゃならぬと思うんですが、その点はいかがですか。
#125
○国務大臣(渡辺美智雄君) 資本主義社会といいましても、だんだん年代が過ぎますと非常に変質をしてまいりまして、やはりこういうふうな資本主義社会と言うよりも、自由社会と言った方がむしろいいんじゃないかと、その中では労使関係というものも平等な立場になってまいりまして、やはり最近は会社でも従業員に株式を割り当てるというような会社もぽつぽつかなり出ております、したがって私は、やはりこの自由社会が中産階級がふえて安定をするというためには、こういうような個人株主というものがふえてやはり定着をすると、それによって配当などを受けまして、それを楽しみに株の値上がりとか、極端な値上がりは必要ないにしても、自分が若いときに買った、会社からもらった株が孫の代まで続くというようなことの方が私は安定した社会をつくるためにはむしろいいんじゃないかと。したがって個人株主がふえるようにやっぱり何か工夫をする必要があると、私はそう思っているんですが、それと反対に、現実の世界は個人株主がどんどん減っちゃっているというところに問題が実はあるわけです。しかしその中にはいろいろの原因もありましょうが、余り投機的な株の動きというものは私が考えているような安定した個人株主を逃してしまっているんじゃないかという気もいたします。したがってやはり、ある程度株ですから変動はこれはやむを得ないにしても、目に余る投機的な変動ということは一般の素人筋は余り好まないんじゃないかという気がいたします。
#126
○矢追秀彦君 それで一つ問題になっているのは、いま言われた個人の株主が減る理由の一つはやっぱり法人が投資をしていると、もう一つは大手の証券会社、これはやっぱりかなり市場を独占しつつある、こういうふうな点も考えられると思うわけです。
 それからそこで、もう一つの問題点は、新聞等読んでおりますと、そういう大手のいわゆる法人が投資をする資金に都市銀行まで絡んでいると、こういうようなことが出ております。事実かどうかその点は私もよくわかりませんし、この問題そういう個々の追及という意味ではきょうはやりませんが、そういうふうなことになると、やっぱり銀行としてもまずいんじゃないかと、こう思うわけです。その点どうお考えでありますか。
#127
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も規則やなんか詳しいことは知りませんから、常識的に銀行が投機の金だということをわかっておって金を貸すというようなことはいかがなものであるか、何かどっかに問題があるんじゃないかと。ただ今回の場合は、恐らくそれぞれの会社はみんな黒字経営の業績のいい会社ですから、何かそういう会社で使うんだというような名目で銀行から借りたんじゃなかろうかというようにも考えられます。個別案件で、内容については私よりも銀行局の方がよく知っていると思いますから、事務当局の方から聞いていただきたいと思います。
#128
○政府委員(吉田正輝君) お尋ねの件でございますけれども、最近発生しておりますのを調査開始しておりますけれども、いまだその確実な詳細はわかっておりませんので正確にお答えできませんが、ただいまのところ金融機関は、ただいま大臣が申し上げましたとおり、聴取したところによりますと、株式売買を目的とする融資ということではなくて、運転資金とか設備資金ということでその企業の本来業務に関係する方で貸しているという形をとっているようでございます。
#129
○矢追秀彦君 そういうふうなことは銀行が貸すときにも、ある程度私は、わからないと言えばわからないかもわかりませんけれども、やはりにおいといいますかね、大体わかるでしょうね。われわれのところにもよく中小企業の方も御相談にいろいろ来られますけれども、やっぱり本来と違う目的に使うという意図というのは話をしておったら大体わかる。これはまずいよということになるわけでして、そういう点はひとつ銀行側も貸し出しについてやっぱり厳正なチェックというものはぜひお願いしたいと思います。
 それから、この問題最後にいたしますが、やはり証券界の健全な発展と公正な市場機能、これを生み出すことが重要な課題だと思います。これについて具体的にどういうふうにされていくのか、これが一つと。
 もう一つは、私は大阪ですが、だんだん大阪のいわゆる北浜の証券街のシェアというのは下がる一方で最近はもう一〇%、逆に東京はもう八割を超えると。昔は三割近くありました、要するに大阪ですらそうですから、その他の名古屋、福岡、札幌なんというのは話にならないぐらい下がってしまっている。いろんな理由はあると思います。しかしそういった面で、やはり大阪あるいは名古屋、福岡といったいわゆる地方の中核都市の証券界というものを育てていかなきゃならぬと思うんですが、この二点についてお伺いしたいと思います。
#130
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的なことはわかりませんが、やっぱり私はマスコミ、コミュニケーションが非常に自動化されまして、コンピューターなどで非常に情報が早く入るとかいたしますから、昔のように長距離電話がけるのに十分も二十分もかからないというようなことになると、全国各地に証券会社が、証券取引所があってもやはり中心になるところに直接つながりますから、その日の値段もすぐわかるというようなことなども時代の流れとして私は影響があるんじゃないかというような気がいたします。商品取引なんかも似たような傾向がございます。
 その他委細については、証券局長から説明いたさせます。
#131
○政府委員(吉本宏君) 大阪の市場のウエートがだんだん下がってきておるということは、先生御指摘のとおりでございます。一〇%そこそこというところではないかと思います。
 この原因は、ただいま大臣からも御答弁ございましたように、結局市場集中と申しますか、やはり集中して売買が行われるという一種の経済的な趨勢というものが基本になっているんであろうと思います。大阪の関係者、非常に努力をしておりまして、何とか局面を打開して大阪の市場振興を図ろうということで努力をしております。それなりの効果も上げておると思いますけれども、現状ではなかなかむずかしいというのが率直なところでございます。
#132
○矢追秀彦君 さっきの、前段の質問。
#133
○政府委員(吉本宏君) それから、こういった過度の投機現象に対してどういう対策があるのかということでございますが、私ども今回の誠備グループの案件につきまして非常に憂慮をしております。ただいま関係の証券会社を調査をしておりまして、それによって誠備グループの実態を十分解明して、それに即した対策を講じていく必要があるんじゃないかと、このように考えているわけであります。
 第一には、やはり投資グループが、何といいましょうか、投資グループの十分な各投資家の意思を確認しないで代表者が投資をやっていると、その投資グループの主宰者が証券会社の外務員であると、外務員がそれを実質的に支配しているということであります。投資グループと外務員と証券会社の関係、この辺についてなお十分解明を要するんではないか、このように思っております。し
 それからもうちょっと長期的な問題でございますけれども、個人株主の対策、この点につきましては、なかなかこれといった切り札になる対策ございません。しかしこれも、いろんな対策を組み合わせまして法人の持ち株の増大を何とか抑制していく、個人の持ち株をふやしていくということにつきまして今後も努力をしてまいりたい、このように考えております、
#134
○矢追秀彦君 次に、物品税の問題に移らしていただきます。
 物品税は奢侈品、趣味、娯楽用品ないし便益品的な性格を持つ特定の消費財の消費の背後に予想される担税力に対して応能的に課税することをたてまえとした間接消費税であるといわれておるわけですけれども、現行の物品税法の課税対象や税率面がこのたてまえから見て妥当であると、こう考えておられるのか、まずこの現行制度についての御所見、これは大臣からお伺いしたいと思います。先ほど来いろいろ議論出ておりましたが、後でまた詰めていきます。
#135
○政府委員(高橋元君) いまお話しのとおり、奢侈品、比較的高価な便益品、趣味、娯楽品というものを課税対象にいたしまして物品の選定をしておるわけでございます。六十八品目現在法律で課税対象にしておるわけでございますが、四十八年以降新規の開発物品または消費の多様化というようなことが起こりまして、現行の法制がやや時代おくれになっておるという点も考えまして、今回改正案を作成いたしまして六十八品目を八十品目に拡充をするということについて御審議を仰ぐ次第でございます。そういう意味では、矢追委員おっしゃいますように、改正後の物品税によりまして現在の物品税の趣旨というものは達成されておるというふうに考えておる次第でございます。
#136
○矢追秀彦君 私いろいろ今回の値上げについて一つずつ課税物品調べてみたんですが、その基準が非常によく理解できないわけです、いま言われた、私がさきに指摘しましたようなそういうふうなこともありますけれども、じゃ物品税の基準というのは一体何なのか、こういうふうに詰めますとどうもはっきりしない。たとえばテレビとかラジオあるいは冷蔵庫、これはもういまや生活必需品になり大衆一般に普及しております。みんなの家庭にある、これらも依然として課税対象になっておるわけです。そうすると奢侈品と言えるか言えないかという議論、いろいろ出てくると思いますけれども、そうすると、じゃこれらのものについては本来の租税目的とは違ってきているのではないか、そういうことでいま申し上げたように、一体基準というのは何なのか、これがもう一つ茫漠としているのではないかこう思いますので、重ねて伺いたいと思います。
#137
○政府委員(高橋元君) いまお話のございましたラジオ、テレビというものはどこの家庭にでもある、普及率は一〇〇%近くなっておるわけでございます。そういうものは生活必需品だから物品税の課税対象から外す方が相当ではないかという御指摘かというふうに伺いましたけれども、これらが比較的高価な便益品であるという性格は、普及率と必ずしも、普及率が上がってまいったからそういう性格が失われるというふうに考えておりません。したがいまして、いまお示しのありましたような品目につきましては、やはり物品税の課税の基準でございますところの比較的高価な便益品という性格を満たしていると思いますし、たとえばハンドバッグとか口紅、白粉というものにつきましては、身辺用細貨と申しますか、身の回り品という形で課税をお願いをいたしておるわけでございます。
#138
○矢追秀彦君 いまも言われた、その点をいま言おうと思っていたんですけれども、たとえば高級紳士服あるは婦人用の服地だってこれは物品税でない、それはいま言われたように、生活――いわゆる身の回りに関係するからこれは外しているんだと。一方たんす類などですね、わが国の非常に独特な風俗には欠かせない、そういう物もこれは課税対象になっているわけですね。これは便益品だからなっているんだろう、あるいはたんすはちょっと高級だから入れているのであるのか。そういうことで、どうも産業界の方、つくっている方からも問題が出てくるし、消費者の方からも一体どうなんだと、こういうふうな点で、私は物品税の課税基準というものはもう少し説得力があるといいますか、もうちょっと考え方をもう少しきちんとしてもいいのではないかと、私はその点をやはりきちんとした上でなければ、ただ財政再建で税金を取らなきゃいかぬからどこか取るところはないか、血眼になって探して今度六十八から八十に十二ふやしたと、こういうのでは国民は納得できない。こう思いますので、重ねていま言ったようなことも含めましていわゆる課税の基準についてどう考えておられるのか、あくまでもそのときそのときの、私はしゃくし定規的な方程式までつくってとは言いませんけれども、行き当たりばったりでは困るような気もするわけです山その点いかがですか。
#139
○政府委員(高橋元君) 確かに仰せのように、課税物品相互のバランスというものを重視していくべきことは当然でございまして、政府の税制調査会でもすでに課税廃止されたものを含めて現行の課税物品とバランスをとって課税物品の見直しをやれという御指摘をたびたびいただいておるわけでございます。
 しばしば高級衣料それからキリだんす、こういう物がなぜ課税されないのかというお話がございますが、また先ほど鈴木委員からは、たとえば非常に高級な建具などなぜ課税しないんだというお話もございました。物品税は設備には課税できないたてまえでありまして、物品に課税しておるわけでございます。したがいまして、今回は改正案で、個々の設備の部品でありますエアコンディションという設備としては課税できませんので、エアコンのそれぞれの部分をなしますチラーでございますとか、それからファンコイルとか、そういうものについて課税物品にお願いしているわけですが、そういう制約を一つ持っておる。それからもう一つは、これは製造場課税または小売課税いずれかという形の課税をお願いをするわけでございます。衣料品につきましては、製造段階でこれにわかに課税しがたい、非常に取引工程がめんどうでございます。染色、整理、加工、縫製、いろいろな段階を経ると思います。どの段階で完成品になるのか、どの段階で製造場課税が起こるのか、またそれが名人の一品仕上げであります場合にはなかなか実際上製造場で課税できない。そういう問題が一つの物品税の課税上の制約でございます。キリだんすにつきましても、伝統的な手づくりの一品生産というものをどうやってつかまえるか――言葉が悪うございます、直さしていただきます。どうやって課税の対象にするかということについてはいろいろな工夫があるわけですが、これは小売課税にできるものは小売課税にしますけれども、小売課税にできないものはやはり課税の対象外に置かざるを得ない。
 そういう点で、仰せのように物品税を卒然と見ますと、どうしてそういう物が抜けておるのかという御疑問があることは私どもも理解してその点は改善に努めておるわけでございますが、現行の体系はそういう制約のもとで、私どもとしてはできる限りの努力をしてバランスを図ったものであると思いますし、今回の改正案では、新規開発物品で現行の課税物品と消費面で競合する物、それから物品の多様化によって出てまいった物品で現行の課税物品と消費面で競合する物、それから従来からあります物品でありますけれども、現行物品とのバランス上課税することが適当と認められる物、こういう物を新しく課税対象に入れることにして御審議をお願いをいたしておるわけであります。
#140
○矢追秀彦君 いま言われた原則からいきますと、大型冷蔵庫、これはさっきも少し出ておりましたが、今度七百リットルに引き上げられた、これはどれに当たるわけですか。
#141
○政府委員(高橋元君) 物品の多様化により出現した物品で現行課税物品と消費面で競合する物という御説明を申し上げました。それが四百リットル以上の大型冷蔵庫というものの課税の理由と考えております。
#142
○矢追秀彦君 今回の改正で免税点が一部引き上げられておりますが、貴石等の第一種物品及びたんす尊家具の免税点が五〇%引き上げられるようになっております。しかし、その他の品目は免税点が四十九年以降据え置かれている物もありますし、そういった点で物価上昇率等を考えた場合はやはり適宜見直した方がいいのかどうか、また、今回その上げた物と据え置かれた物との違いですね、どういうところを基準にしてそういうふうにされたのか、この点をお伺いしたい。
#143
○政府委員(高橋元君) 石油ショックの後で非常に物の値段が上がりました時代に、四十九年、五十年と物品税の免税点の見直しを行いました。それ以来数年を経ておるわけで、すべての物品についてやはり原材料の高騰または加工賃の高騰があるではないかという御指摘があるわけでございますけれども、今回ベッドを除きます木製の家具それから貴金属、その二つの物に限りまして免税点の引き上げをいたします理由は、主要な原材料が海外要因によって異常に上がっておると、こういうことでありまして、一般的な免税点の引き上げは、こういう財政事情のもとでございますので、また課税対象の拡大や税率の引き上げをお願いいたしておりますという全体の物品税の改正案の背景ということから今回は御勘弁を願っておるということで御理解を賜りたいと存じます。
#144
○矢追秀彦君 まあいま言われた理由よくわかるわけですし、また免税点の引き上げられた物については一応評価をいたします。
 ただ物品税というのは、まあ極端な言い方をいたしますと一品目について一業界、一つの圧力団体、これがあると考えていいわけですね。そうなりますと、この免税点にしてもまた物品税がかる、かからないというのは、つくる方から言いますとあるいは売る方から言いますと大変な問題になってまいります。そういうことで、その業界の中で今度は不公平感というのが出てきては大変問題があると、こう思うわけですね、そういった点でこの税率、免税点の引き上げというものが果たして今回はそういう意味での不公平感というのは絶対にないのかどうか。いま言われた理由によってこれだけの物品については免税点を上げられた点は私はわかりますし、評価もしますが、じゃ今度はほかのところから見たら、いやうちだって同じ理由でここまできているのにこれはもうやめられたと、そういうのは恐らく出てくると思うんですが、その点はいかがですか。
#145
○政府委員(高橋元君) 物品税の免税点は引き上げないというのが原則でございます。ただ先ほどお答えしましたような特別の限られた品目につきまして、海外要因で主要原材料が値上がりするというものに限定をして今回改定をいだそうという考え方でおります。したがいまして、物品税の免税点、その裏にありますコストの上昇ということによって、まあいろいろな何といいますか、御希望と申しますか、ありますことは私どもはそう理解はしておるわけですけれども、ただし現在の物品税の改正案を作成します背後の財政事情なり物品税についての考え方ということから、全体についてこの際免税点の引き上げはお許しをいただくという考え方であります、
#146
○矢追秀彦君 まあお許しをいただくと言ってもなかなか取られる方は大変なことですので……。
 それから、もう一つは税率の引き上げですが、これについてもその税率を上げた物上上げない物、その辺の関係ですね。それからまた、税率を各年度でどんどん上げていくと、今回かなり五十六年あるいは五十七年、五十八年、五%ずつ上がるものが多いですね。そういった点の基準といいますか、根拠というものを伺いたい。
   〔委員長退席、理事衛藤征士郎君着席〕
#147
○政府委員(高橋元君) 現在、物品税は一五%という製造場課税を中心に考えておるわけでございます。で、それよりもたとえば小型の乗用車ですと一五%、大型の乗用車ですとこれは元来三〇%なんですが、措置法で二〇%に引き下げております。冷蔵庫でいきますと、普通の冷蔵庫は一五%で大型冷蔵庫は二〇%というふうになっております。もっと高級な物、たとえば大型のモーターボート、ヨット、これあたりは三〇%という税率を設けております、それから比較的価格の安い物と申しますか、担税力が小さいと考えられる物、たとえば香水、これは一〇%でありますし、白粉は五%であります。そういう差等を設けておるわけでございまして、今回税率は一般的にはいじっておらないわけでありますが、自動車だけ、これは小型乗用車が一五%で大型の冷蔵庫がなぜ二〇%なのか、物品税は分類差等税率と申しますか、そういうものを設けておることによって担税力照応の負担をお願いをするという体系でございますが、その中で特に自動車関係の税率がいわばバランスを失しておるという考え方からこれについて二・五%の引き上げをお願いしておるわけであります。
 お尋ねのもう一つの点は、暫定軽減税率を設けている考え方は何かということかと思いますが、新規に課税をお願いします二十二品目につきましては、本則税率一五%の物は、五%、一〇%、一五%と、三年にわたって引き上げていくわけであります。ことしの十月から五、来年の十月から一〇、再来年の十月から一五になる。それから本則二〇という大型のビデオプロジェクターのようなものは、ことしの十月から一〇、来年の十月から一五、再来年の十月から本則になりまして二〇ということになります。ライトバンのように本則一〇の物は、ことし五、来年一〇と、こういう五%ずつ上が各段階税率というものを設けて課税によりまして消費者への転嫁ということが可能なように配慮をしておるわけでございます。
#148
○矢追秀彦君 もう一つ、私が大変これはまあ素人考えかもわかりませんがちょっと解せないのは、いままでの推移を見ましても、たとえばお茶の課税一つ見ましても、昭和十六年の十二月ですかこのときは小売課税になって、それが二十一年になると製造課税、それからまた三十四年五月で小売に戻って、それから四十一年四月で廃止と。この間にまあいろんな戦時中、戦後初期あるいは高度成長、それからまた四十年以降と、こういうふうにいろいろ経済の流れというのは違ってきていることは認めますけれども、同じ物が小売課税になって、製造課税になって、また小売に戻って最後はなくなると、――なくなるのはいいですけれども、ジグザグ行進をしているのが大分あるわけです、ほかのいろんな物を見ますと、この表を。たとえば非常に技術革新で、さっきのお話聞いていますと、いわゆる製造過程がむずかしくなった物等はわかりますけれども、お茶関係といったらそんな音といまも変わっていないんじゃないかと、こう思うわけです。その点の、非常にこう動いている点については、その基準はどういうふうなことでやられたのかお伺いしたいと思います。
#149
○政府委員(高橋元君) 零細な製造、生産者であります場合には、小売課税の方が執行上の問題が少ないわけでございますから、昭和十二年に創設されました際も、貴石、真珠製品、貴金属製品といったような物は小売であり、それから写真機、写真フィルム、蓄音機、レコード、楽器という物は製造であったわけでございます。そういう形で、それぞれ適当な課税段階に応じまして両方の品目をふやしていって、昭和十九年で見ますと二十九が小売課税、七十五が製造課税でございました。ところが、戦後になりまして、やみ市というのが日本じゅうにできてしまいまして、やみ市で小売課税といっても、これは実際上できないわけでございます。昭和二十一年に一品目を残しまして全部製造課税に移しました。で、移してしまったわけでございますが、先ほども御説明を申し上げたことですけれども、たとえば宝石のような物、これは製造課税といいましても飾り職人さんがやられるわけですから、うまくつかまらないわけでございます。そこで実際小売課税といっても猛烈に逋脱があったわけであります。二十八年にこれをまた製造から小売に戻したわけでございますが、戻した段階で一挙に課税対象が二十五倍にふえたというふうな経験も経ておりますが、小売課税は理論的ではありますけれども、執行上逋脱の可能性が非常に大きい。ただし製造が非常に零細なもの、これはやはり小売の段階で負担をお願いするということが相当だと思います、その辺の考え方をミックスをいたしまして、現在の小売課税が十品目、それから製造課税が五十入品目、合計六十八品目という課税段階にいたしております。今回の品目の追加で、小売課税が十、製造課税が七十、合計八十というのが課税対象の物品になるわけでございます。
#150
○矢追秀彦君 まあいままでいろいろ申し上げてきたのは、何度も言うように、先ほど来ある程度の物品税の課税基準ということを言われましたけれども、非常に私はまだすっきりしないわけでして、どうも課税基準というのはちょっとあいまいな気がしてならぬわけです一で、いろんな考え方が入り込んでることはよくわかるんですけれども、やっぱり国民、特に消費者側といいますか、もちろん業界側にも言い分があることもよくわかりますけれども、非常にこの納得がいきにくいと、どうもいままでの説明ではもう一つよくわからない。同じような物がこっちではかからない、こっちではかかっている、やっぱりその後ろに圧力団体でもいるんじゃないかと、この業界は非常に政治的な圧力が強いから物品税から外されたと、こっちは弱かったからかけられたという面があるような気がしてならないほど、私はこう何かアンバランスがあるような気がしてなりませんので、こういった基準というものをきちんとしていただきたいということでいろいろお伺いをしたわけです。まあ、かなり主税局長のお話の点について、私も全然理解しないわけじゃありませんが、もう一歩私は、何らかのきちんとした考え方というものをまあ国民にわかるようにこういう目的、こういう物についてこういうふうな形で、だから小売課税はこう、製造課税はこう、それから税率はこう、それからさっき言った年度で上げていく問題も含めて、私はきちんとすべきだと思うんですが、大蔵大臣いかがですか。
#151
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまあ前からのそういうことになっておるんで、なかなか理詰めで言われますとね、明快に説明をそれは確かにつかぬですよ。何で香水が一〇%で灰ざらが何で二〇%だとか、科学的に説明しろとか言われたってね、ちょっと私もこれは説明つかない。前からこうなっていますみたいな話になっちまう、実際は。そこで結局、一番やっぱり公平なのは、高い物には高い値段がかかると、安い物には安い値段がかかるというんだと一番公平なんですね、これは実際は、同じ率なら、五%でも高い物には、百万円の物は五万円かかるんだし、十万円の物は五千円という話ですから、一番簡単でわかりがいい。だから私は  やるというわけじゃないですよ、やるというわけじゃないが、この業界というのは、何でおれたちだけ取られるんだと、取られないのもあるじゃないかと、西陣織も取られないじゃないか、日本ギリのたんすも漆のたんすも、何とかも取られないじゃないかなんとか言うわけですよ、おかしいじゃないかと、これも理屈だ、確かに。それなら、みんなかかれば本当は一番いいんですね、これは実際は。そこで、この人たちだけは一般消費税大賛成なんです、この団体は。おれたちだけがかぶっているんだ、だから薄くやるんだったも、みんなで平等にやるんなら――食料品だけ除くとかいってね、みんなに平等ならいいけれども、われわれだけが取られていると仁理屈で攻められると、実際私も、何でこの差があるんですか言われたら、大型自動車と小型自動車の差がありますよとかね、説明つきますよ、それは。だけれども、それじゃ貴金属がうんと安くて一五%で、何で寝台とかライターなんか二〇%で、何で金の指輪は一五%なんだというね、実際の話がそういう理屈が出てくるわけですよ、まあ沿革もある、歴史もある、だから値段だけで一律にかかるんなら一番簡単なわけですわな。これは値段の高いやつは高いんだし、低いやつは低いんだから、そこで大蔵省が  大蔵省ということないが、学者が考えた末の案があるわけでしょう、それは。確かにこれは公平なんです、確かに公平なんですよ。ですから、公平問題は勉強は避けて通れないといってなかなか主税局なんかで放さない理由もよくわかるんです。私も、政治的にどうかという問題は別だけれども、こういうものが広がっていけば実際、事実上は課税されている話なんです。その中には矛盾が、品目ごとにやると矛盾が出てくるという問題もありますから、私は勉強はいいじゃないかということを言っておるんですが、本当にもうそれは矢追委員、皆さんから追及をされましても、私も明快に本当に答えられない。というのは、昔からそうなっておるんで、いまさら直しようがございませんということなんです、実際。本当に申しわけないけれども。
#152
○矢追秀彦君 まあ大蔵大臣はそういうことを言われると思っていたんですよ。これはもういいところへ来たと、一般消費税の話をしようと。これは一番公平だと。まあこの問題は議論しますと、またいろいろ――せっかくもう来年度はやらないとおっしゃっているんですから、また寝ている子を起こすことになりますから、これはやめますけれども、ただ私はいま申し上げたように、大臣もようおわかりですけれども、ある程度納得のできるような、先ほどの主税局長の話だけではちょっとまだ総論過ぎると、もう少し練ったものをこれはぜひつくってもらいたい。
 それからこれは一つ、これは私、個人的な考えでもあるんですが、今回も十二品目について物品税の新規課税対象ということですが、民間企業の技術革新などによって開発した物品を物品税の課税対象とすることについては、企業のいわゆる先行投資の努力ですね。これをやっぱり私は配慮をしてもらいたいと思うんです、まあ今後新たに開発される――今回ビデオがかかりましたけれども、こういう場合非常に慎重にしてもらいたいのは、仮にそういう物にやむを得ずかけるという場合、将来これが技術革新によって今度は消費者側から見れば値段が安くなる物がありますね。まあ昔から見れば、ずいぶんいまカメラにしてもテレビにしてもあるいはビデオだってそうですよ、最初のころよりは安くなっていることは事実です。しかしまだ高いですね、そういう今後技術革新が進むことによって消費者には絶対迷惑をかけない、むしろ企業の方も努力によってどんどん値段が下げられる、こういう物にもし物品税をかけた場合、それがむしろ促進される作用もあるような気もするんです。またそうもしてもらいたいと思いますし、ただその場合税金取るから、安くしてもうけなきゃいかぬからやるというそんなんじゃなくて、やはりその場合、ある程度そういったそういう意味での技術革新のための投資ですね。先行投資といいますか、そういったものについては現在は少ししかありませんね、試験研究者の法人税額の特別控除制度があるわけですけれども、こういうものだけではなくて、もっと物品税との関係も考えまして、そういうことを一つはやる。私もある会社へ行きましたら、いま三〇%かかっていると、何とか下げてくれいと、もうここまでがんばって、もう値段がずっと据え置かれていますと、もうこれはぼつぼつ限界ですと、そういうのもあるわけです。そういう物品税が三〇%かかると、最初は高かったけれども、一生懸命がんばって、普通だったら上がっているところが下がっているあるいは横ばいである、それで必死になって物品税を納めていると、こういうところもあるわけでして、そういった点についてどういうふうに考えていくのか。やはり企業の開発意欲というものも、これは物品税が入ることによって促進される場合もあるかもしれませんし、また逆にこれが減退、減速になる場合もある。この辺私もよく研究がまだ足りませんので、本当に私見的な考え方ですが、一つは、いま申し上げた技術車新によって値段の下げられるそういう投資についてある程度考えていただくと。その上で、ある程度物品税もほかの絡みにおいてやむを得ないという原則であれば、これはやむを得ないと思うんですけれども、ない方がいいに決まっていますけれども、そういう点についてはどうお考えになりますか。
#153
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは要するに、物品税は個別ごとに決まっているわけですから、これは非常に大量につくられるようになったとか一般化したとかいうようなことをやると、しょっちゅうこれは税率を動かさなくちゃならないわけですね。三〇%の物はさらに三年たったら一〇%にするとか五%にするとか、またしょっちゅうこれはもう動かさなければならない、非常に煩わしい、これは法律を直さなければならぬわけですから。ですから、それをもう毎年毎年入れかえて直すんだということになると、またそこにはいろいろ今度は利害関係が出てくる。騒ぎが起きるわけですよ。だから、本当にこれは個別ごとで理屈にかなったやつを毎回毎回提案をして入れかえていくということは大変な騒動であるということも間違いないんですよ。ゴルフ道具にしたって、ゴルフが始まったころこれはできたんでしょう、三〇%というのは、ゴルフの球は三〇%の物品税がかかるというわけでしょう、ということになると、ゴルフがこんなに普及しちゃって、何でそれは三〇%ゴルフの球はかかるんだと。それはダイヤモンドの指輪よりも高い話だから、税率が、そういうのを毎回毎回これはどれくらい普及したら入れかえるということになると、これは容易でない話です、実際は。だからやはりこういうものは時代に応じて、これはもうある税率だけで自動的に全部がかるんだというようなことがいいのかもしらぬのですよ。それは先ほど言ったように。レースの御婦人の着物というのは何十万円もするんですからね。大量生産ですよ、これは。何万も、何十万もかかって、デザイナーのやったレースの着物なんていうのは。そういうものがありますから、だから西陣織ですか、西陣織の問題何百万円とするわけですね、そういう物は製造業者じゃ非常に零細だというんなら売る方にかけたらいいんじゃないかという話になりましても、それはなかなか理屈に合わないのがあるわけですよ。暮れのとき共産党の議員が六人来たんだ、ぼくのところに、だからうんと緞子の税金でも上げろとか、何かぜいたくなものを上げて家庭用のやつを下げろと言うのかと思った。そうしたところが、要するに西陣織の税金を上げないでくれという話なんだ。話違うじゃないですかと、ぜいたくなやつは高くするんだ、安いやつは下げるんだからと言ったら、いや実は選挙区の関係で……。(笑声)共産党の国会議員が六人来ましたよ、本当の話、陳情書持って。それくらいやっぱり矛盾した話になっちゃうんです、実際は。ですからこれについては、やはりそれはもう個別になってくるといろいろ問題がある。したがってこれはやはり物品税の議論を通しまして――来年はやると言いませんよ、私は。言いませんが、将来コンスタントに不公平のないような、景気不景気にかかわらなくていい何か財源というものが、支出がある以上財源が必要なわけですから。これはやっぱり冷静に、もう感情問題で物を言っても仕方がない話で、国家を形成する以上財政が必要なんで、何かそういうふうなことで、冷静なある判断で勉強ができないかというように思っております。まことにお答えにならなくて申しわけないかもしれませんが……。
#154
○矢追秀彦君 結局大臣、一般消費税の宣伝をまた始められたと、こういうことで、いまの問題はまあその程度にしまして、次に物品税法の四十二条というのはどういう規定ですか。
#155
○政府委員(高橋元君) これは小売店で物品税額を区分表示するという趣旨でございます。「課税物品の製造者又は販売業者」が販売のために店頭その他の場所に陳列する場合には、「課税物品につき納付された、又は納付されるべき物品税額に相当する金額とその他の金額とを区分して表示」しろとなっております。たとえばダイヤの指輪は、これは小売課税でございますから、百分の十五という税金が含まれておるわけですから、たとえば百十五万円のダイヤであれば十五万円が税金で、百万円がダイヤの本体の値段であるということを区分して書くようにという、これは訓示規定であります。
#156
○矢追秀彦君 実際これは守られていますか。
#157
○政府委員(高橋元君) これは国税庁の方でお答えをすることかもしれませんが、私どもは守られていない場合が多いと思っております。
#158
○矢追秀彦君 実際何を見てもほとんど書いてないわけですね。これは小売課税にせよ製造課税にせよ私は同じだと思いますので、これはちょっとカタログ、電気製品もらってきましたけれども、これは現在のですから、また今度は変わりますけれども、たとえば同じ冷蔵庫並べましても、免税のと課税されているのと、全然わからぬわけですね、消費者は。いまですよ、これは、十月以降じゃなくて仁要するに四百リットル以上の分とそうでない分と、これ並べてあるけれどもわからぬと。まあこれ全部表示するといったら大変な騒ぎになると思うんですけれども、法律にある以上は私は何か考えなきゃいかぬのじゃないか。これは大臣いかがですか。法律を変えるか守らせるか、どっちかしかないと思いますね。
#159
○政府委員(高橋元君) 先ほど私、この規定は訓示規定であるということを申し上げましたが、「しなければならない。」と書いてありますが、これを強制する方法がないわけでございます。
 こういう中途半端な規定を置きました沿革から御説明を申し上げたらと思いますが、アメリカの関税法というものは輸入品の課税標準を、輸出国の市場価格または輸出価格のうちいずれか高い方によるというふうになっておるそうであります。そこで、日本からアメリカに輸出されるものについての輸入品の課税表示について誤解を与えないために、それが、物品税を含まないものがわが国の市場価格であるということを明らかにする趣旨で二十六年に設けられたわけでございます。
 ところが、これを現実に強制的に執行させるということになりますと大変めんどうな問題がある。製造場から移出します場合の課税価格というものが課税標準に原則としてなるわけですけれども、これが製造者の建て値かというとそうでない。大きな卸屋さんに卸します場合と小さい卸屋さんに卸す場合と建て値もまた違うようでありますが、それだけじゃなくて、割り戻し金があったり運送賃があっあり、それからまあ自分のところの系列の販売会社を使います場合には実売価格を安くしてしまって物品税の課税を免れますから、それを否認していたり、いろんなことがございますから、直ちに製造場から移出します場合に建て値だけ書いて残りは物品税と、こういうわけにもいかないようでございます、そういうことや、また小売屋さんが、それではそのテレビの物品税は幾らかと。何々の一〇〇何型は幾らで、何々型は幾らということを一々書くといってもこれは大変な手間になってまいりまして、区分表示し、区分決済をするというような規定を励行してほしいというのが法律の趣旨でございますけれども、これを必ず守れというようなことは取引の実情からすると大変困難な事情があるということで、こういう大変言葉は悪いんですけれども、中途半端な規定になっているわけでございます。
#160
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も矢追さんと同じ考えを持ちまして、法律に書いておく以上はやっぱり守らせるのが本当じゃないか、守らせないんだったら法律改正しちゃった方がいいわけだから、現実は、という話をしたんですよ。そうすると、やっぱり小売屋さんや何かの方で、原価がわかっちゃうとか――いまむずかしいこと何か言ったけれども、いろいろ利害関係があるらしいんですな、実際の話は、それで非常に喜ばないとそうするとこっちにしてみれば、問題は税金を上げてもらえばいいわけですから、私の方は。だからこれはむしろ公取委かどっかの話じゃないのかと。いずれにしても、しかし何とか便乗値上げというようなものをやらせないためには、少なくともこれは税金が幾らありますと書いてもらった方が、納める方も税金がこれだけかかっているのかという気持ちになってかえって納税意識があっていいんじゃないかと。それから便乗値上げも余りできないと。税金がこんな上がりましたからお高くなりましたなんて言われたら、田舎の農家の人はわからぬもの。たんすでもね、税金が上がったって、どれだけ上がったかわからないわけだから。だから私は、書いた方がいいじゃないかと思うんだが、なかなか実際問題として業界は賛成しないというのも実情です。
 しかし、この問題はどっちかに決着をつけなきゃいかぬじゃないか。本当にやらせないんなら、こんな訓示規定なんか置いたら法の権威なくなるばっかりなんですからなくしちゃった方がいいんだし、やらせるんだったらもう少しきちっとしたものをやったらいいんだし、中途半端なものなら私はない方がいいという規定じゃないかという気がします、本当に。ですからこの次の改正までにはどっちかにするか、今回は御勘弁いただくとしても、そこのところを詰めて、本当にできないものか、できたら本当にそんな弊害があるのか、メリット、デメリットを比べてみますから少し時間をかしていただきたいと思います。
#161
○矢追秀彦君 これはいつできたんですか、この四十二条は。
#162
○政府委員(高橋元君) 昭和二十六年にいまの規定を設けました。
#163
○矢追秀彦君 三十年たっておるわけですね、大蔵大臣。その間議論はなかったんですか。
#164
○政府委員(高橋元君) 確かに間接消費税の何といいますか、負担感というものを世の中に出すと、それから大臣からお話がございましたような便乗値上げとかそういうことを避けるためにも書いた方がいいという御議論がかなり強いわけでありまして、私はしばしばそういう御意見も承っておりました。いろいろ検討を続けてきて、まだ中途半端なまま残っておるというのが正直な現状でございます。
#165
○矢追秀彦君 大蔵大臣はこういうことは前から知っていたんでしょう、あんた税理士さんだから。
#166
○国務大臣(渡辺美智雄君) 余りよく知らなかったな。
#167
○矢追秀彦君 私の質問で初めて知ったというわけですか、
#168
○国務大臣(渡辺美智雄君) いや、そうでもないがね。
#169
○矢追秀彦君 私が言いたいのは、要するに三十年もたっておりながら、いまいろいろ議論はあったにせよ、これだけいろいろ物品税自身も基準があいまいである。しかも先ほど大蔵大臣がつけた方がいいという考え方もあるということでむしろ私は大蔵大臣はつける方の側がなと思っておるわけですけれども、確かにそれは小売業者や製造業者の立場に立てはそれは厳しいものだと思いますよ。しかしやっぱり消費者の側に立ては、これはもうあった方がいいに決まっています。しかしそれが三十年間、どっちに決着するにせよ、置いておいたこと自身大変な怠慢だし、ただこれが精神的にこういうのが歯どめになってちゃんと行われたかどうか、私はこれも疑問だと思うんですよ、そういう意味で私はやっぱりちょっと怠慢過ぎると思いますよ。だから今度は御勘弁いただいて、勘弁しないと言ったってするしないで終わりで、これ以上私も詰めませんけれども、渡辺大蔵大臣時代にひとつきちんとした、大蔵省だけでいかなかったら先ほどの国税あるいは公取、その辺ともよく御相談をいただいて、私は早急にきちんとした結論をつけた方がいいと思いますし、また今後国民の納税意識というものを高める上においても――私はいまだめなものはやめたらいいということも言いましたけれども、それは皆さんの立場も考えて言ったことで、私らやっぱりきちんと明示をした方がよりベターである、というのは、ほかのものですね、これは税金ではなくて、私自身ちょっと表示にはかなり興味を持ちまして、たとえばビールの製造年月日まではいきませんけれども、上旬、中旬、下旬は私の質問がきっかけになって大蔵省の強力な指導で入るようになりましたし、そのほかいろんなものがやられているわけです。たばこの製造年月日についても一歩前進を私の質問がきっかけでさしていただきまして、そのために金がかかったと言って専売公社から私はぼやかれておるわけですけれども、そういうことは別として、国民の消費ということから考え、国民の納税意欲ということから考えましても、私はやっぱり三十年間ほうっておいたというのは大変政府に責任があると思いますよ。これはひとつ大蔵大臣きちんとしていただきたいと思います。いかがですか。
   〔理事衛藤征士郎君退席、委員長着席〕
#170
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は昔記憶があるんですけれども、要するにテレビ、ラジオとか何か定価がちゃんときちんと明確になって、小売価格幾ら税額幾らとやった時代が私はあったんじゃないかと思います、化粧品なんかも。いわゆる再販価格問題なんかそれはやかましくなりまして、メーカーが末端の売り値まで指示しちゃいかぬということになってきましたね。競争原理なんだから、強制価格じゃないのだから。そういうものとの私は絡みもあるんじゃないかという気がする、実際は、だからメーカーの出し値は幾ら、卸は幾ら、小売は幾らで売れ、そのかわり値引きはするな、値段はそのうち税金は何ぼというようなことがいいのか、自由競争で品物をたくさんつくれば安く売らして競争さして、そういうふうな統一的なことをやらせないということがいいのか、それとの関係というのが私はあるんじゃないかと思うんです、実は。したがいまして、この法案を出すときにも私は提案したんです、実は、あなたのようなことを、ところがそういうような問題がいろいろあるという関係上、私もそれでいけという自信がないから、じゃもう少し研究してみなければいかぬということでこれは研究課題にしてあるんです。各省、通産省、その他との関係もございますから、いずれにしてもこの次の改正までにはそこらのところをもっと学問的にも実態的にも調べて、どっちかに決着をつけると、中途半端は困ると、私はそうやりたいと思っております。
#171
○矢追秀彦君 次の改正まで言わないで、ひとつできるだけ早くやっていただきたいというふうに思います。
 先ほど物品税の基準の方からずっと一般消費税云々ということになってきたわけですけれども、まあすぐやるんじゃありません、ありませんとおっしゃっておりますけれども、やっぱり政府というのは今後やはり三本柱ということはお考えになっているわけでしょう。ここは直間比率の問題とも絡むわけですけれども、要するに直間比率はこのままでいくということなのか、それが一つ。
 それからもう一つは、さっき言われた法人税と所得税と一般消費税という三本柱にして、これから安定的な税収を図っていこうと、こういうことを相当強く出しておられると思うんですが、しかしはっきりとした言葉ではまだおっしゃってませんですよね、いままで。ただ一般消費税導入ということは言われて、これはもう選挙でうんとそのときは減ったわけでしてね、自民党さんが。で、まあ引っ込められたわけですけれども、まず直間比率のことと、それからいまの問題、どうお考えですか、
#172
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも役所で別に決まったわけでも何でもないんですよ。だから何でもなくて、私は各国の税制を見ておって、まあフランスが六割ですね、間接税六割、直接税四割ですよ。それからイギリスが半々ぐらいかな。ドイツが四、六ぐらいか。日本は三、七と。直接税が七割、間接税が三割という状態なんです。そこで私としては、まあフランスやイギリスはもう非常に大衆課税の国で悪い国だというばかりも世間でだれも思ってないし、ドイツだってもう日本によく似ておりますけれども、それでも四割の間接税のシェアを持っておるというような点から考えると、逆進性の問題というのに配慮しなければならないけれども、もう少し間接税のシェアというものを広げて、そのかわり所得税のようなものはむしろもう少し緩めるということの方がいいんじゃないかなというような気が、私は実は昔からそういう論者なんです、私は。だけれども、これもやはり国民の理解と協力がなければ国民の代表である国会がなかなか賛成しませんから、世論の動向というものに一番やっぱり敏感でございますからね。したがって時間がかかるだろう。それはどういうふうな方法をとるかは別として、私はそう思っておる、しかし直接税のやり方等もいろいろございましょうから、今後の検討課題にさしていただきたいと思っております。
#173
○矢追秀彦君 私は一番いま国民が考えているといいますか感じていることは、やっぱり不公平感だと思うんですよね。やっぱりそれが果たして所得税を中心とした方がいいのか、あるいは間接税をもっと広げ一般消費税までいってしまうと、そういうのがいいのか、これはいろいろな議論があると思いますよ。しかし私は、少なくもいまの段階ではまだまだむしろそういう一般消費税的なあるいは間接税をうんと広げる、それよりもやっぱり所得税中心のいわゆる直接税というものの比率を高くしておいた方が不公平感というのは少ないのではないか、こう思うわけですよね。だからと言って、所得税減税やるなというんじゃないんですよ。これはもうこれで国会で決まってやってもらわなきゃ困りますけれども、そういう議論とはまた別にして、純粋な理論的な話をしておるんですけれども。そういう意味でやっぱり日本の伝統的なある程度こう定着してきているものは、それはそのままにしておいた上で私はやった方がいいんじゃないかと、やっぱり不公平感を取り除くということが一番いまの国民の願っていることではないかとこう思うんですが、いかがですか。
#174
○国務大臣(渡辺美智雄君) 物は程度問題じゃないかと私は思うんです。よく農家の人がいいうちへ入って、もう中にはそれは何万、何十万という欄間をくっつけて入っておると。欄間は税金がからないというんだから、実際は、物品税もね。それで結局、絹布の布団に寝ておっても、それから高いドレスやいい洋服を着て歩いても、これは税金がからぬわけだから、物品税は。だからそういうようで、やはり蓄積のある人はもともとお金を持っておるから入った収入みんな使っちゃっても、ほかに財産があるからいざというとき貯金もする必要ないし、生命保険をいっぱい掛けなくたって、いざというときには畑一枚も売れば心配ないという安心感もありますわな。だからそういうような関係を考えると、やはり消費というものについてまあ現在の物品税の対象になっているようなものはみんな取られるとしても、それ以外のものはいっぱいあるわけだから、高級なものをどんどん消費する人には、消費したときにある程度税金がかかるというようなことも、決して社会的不公正に私はなるとは思わないんですね。ですからそういうような点などもいろいろ考えて、不公平感を取るということは私も賛成でございますので、今後ともそれについて十分謙虚に皆さんの御意見にも耳を傾けていきたいと思っております。
#175
○近藤忠孝君 最初に、大臣が言われた西陣の問題ですが、これは昨年の暮れの段階では課税強化の対象になっておったわけですね。私も行きましてね、京都選出の衆参議員と一緒に、となりますと、われわれが行ったので、共産党がそうまで言うならばというんでこれは外したわけですか。
#176
○国務大臣(渡辺美智雄君) いや、それは共産党だけ来たわけじゃないですから、自民党も前尾さんを初めみんな来たわけですから、自民党議員も。ただ、共産党議員さんまでおいでになったという話を私がしたわけだ。
#177
○近藤忠孝君 だから、共産党まで加わった結果であるということですね。われわれの立場から申しますと、物品税の増税そのもの絶対反対ですから、一貫しておるわけです、われわれは。だから私は、この西陣外したんだからほかの物品税も増税やめるかと思ったんです。そうあるべきだと思うんですね。この中身についてはまたあした申し上げたいと思うんです。
 最初に、直間比率の問題です。これを改善して間接税の比率をふやそうと、その理由としていままでの渡辺さんの説明聞いておりますと、一つは直接税の方は最高九五%の税負担でもうこれ以上限界に来ているというのが一つ。それから外国に比べて間接税の比率は低いということのようです。
 しかしこの第一の点ですが、これは私も予算委員会で一昨日申し上げたように、分離課税や特別措置など、課税漏れなどがあるわけですから、実効税率はそれほど累進性はないんではないかというのが第一点です。それから外国との比較の問題ですが、一義的な一面だけの問題じゃいかぬと思うんです。現にこれは税調の昭和回十三年の答申ですがこう言っています。「もとより直間比率の望ましい姿は、税体系を構成する各税ごとの適正な負担を求めた結果として与えられるべき」だろう、まさに正論だと思うんです。こういう点から申しますと、直間比率のこと、いま手をつける前に、既存の個別税制の見直し、これが先ではないかとこう思うんですが、いかがですか。
#178
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから私は間接税をいますぐふやせと言ってないんですよ、ふやせとは。イギリスやドイツやなんか間接税もっといっぱい取っておると、だからといって、ああいう国は悪い国だというばかりみんな言っている人もないので、日本でも少し勉強してみたらどういうものかということを申し上げているのであって、その勉強の中には、いまあなたのおっしゃったようなことなども当然勉強しなきゃならぬと。結果的にだからそれを、間接税をとーんとふやすんだということは、私一つも言ってないんです。ただそういうものはどうだろうかという提案をしているだけなんです。
#179
○近藤忠孝君 それからこれも一昨日の議論の中で、私は間接税は結局これをふやすと逆進性がこれはやっぱり強まるんじゃないか、こう申し上げたのについて、答弁としては、間接税にもいろいろあって、そうではない、そういう面ばかりではない、州もあると、こうおっしゃったんですが、しかしこれは統計を見れば明白に逆進性になるんです、その点はどうですか。
#180
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全然逆進性がないということは言えませんけれども、程度の問題だと私は思うんです。中身にもよりますし、どういう物を対象にするか。酒、たばこが一番逆進性が強いと言われていますね。ですからそういうような物もあるし、そうでない物品もあるわけですから、それは中身によって一概には言えないんじゃないか、そう思っています。
#181
○近藤忠孝君 それから外国との比較ですが、これは間接税と比較すべき対象は、直接税全体じゃなくて所得税と比較するのが正しいんじゃないかと、こう思うんです一たとえばアメリカなどは個人所得税が六六・七、間接税が九・二。それからイギリスの場合には所得税で見てみると四六・三、間接税が三八。西ドイツの場合にはほぼ両方同じですね。その方が私は正確な見方ではないかと、こう思いますが、いかがですか。
#182
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、所得税の全体の量で見るのか、同じような人の所得の中に占める税で見るのか、これはいろいろ問題があるところだと思うんです。日本で所得税が多いというのは、やっぱり中産階級といわれる層が非常に幅広くふえているということなども、一人当たりにすればそんなに大した金額ではなくとも、そういう人の数が多い。そのためにその所得の税額が予算規模の中で大きいということも言えることであって、ただ歳入に占める所得税の割合が大きいから、それは日本のやり方が悪いんだということには直ちにはつながらないんじゃないか、こう思っています。可処分所得というものが標準層でどれぐらいになっているかということも検討しなければならぬだろうと思います。
#183
○近藤忠孝君 では、後は与えられた時間を有価証券取引税の問題にしぼって質問したいと思います。
 私たちは、今回の法案は課税の公平、適正化を図るという点で、これは賛成です。まあ渡辺さんのやること、余りふだん賛成できないけれども、これだけは賛成でありまして、これを契機にわれわれが賛成できる法案をもっともっと出してほしい、そう思うんですが、ただ、この取引税の改正問題について一つ問題点を指摘しますと、第一種の中と、これは第二種株券ですね、いままでほぼ一定の比率で上がってきたんです、ところが今回だけは第二種の方だけが上がって、第一種は上がらない。となりますと、いままでの比率がここで崩れるんですが、これは一体どういうことなんでしょうか、
#184
○政府委員(高橋元君) 一種の甲と申しますのは、株式であって証券会社が売却する場合でございますが、この場合の税率はいま一万分の十八でありますのを据え置いておるわけであります。この点についての御指摘と思いますけれども、証券会社が行う売りつけというものは、証券会社がディーラー業務として行う株式の売買でございます。そういう売買は市場における出合いをよくして証券取引の円滑化を図るという目的で行われております。したがって株式のディーラー業務だけ取り出してみますと、株式の自己売買による利益率というのは非常に低いわけであります。自己売買の差益率は全国の証券業者で〇・一五八、つまり一万分の十五、十六。その中で本省管理会社でございますが大証券会社、これは一万分の六ぐらいであります。マージンが非常に低い。また中小証券ほど株式のディーラー業務のウエートが高い。たとえば三十億円以上の会社のディーラー業務は全体の二割でございますけれども、五億円未満の証券会社の株式売買は全体の八割、八三%を占めておるわけであります。こういうような実情でございます。したがってその証券会社が行う自己売買業務に基づく株式の売りつけというものは、有価証券が商品的な性格を持ちまして流通全体としての証券流通の一局面にすぎませんので、またその行われます趣旨も市場における出合いをよくして取引の円滑化を図るということで行われるわけでございます。そこで一般投資家の場合に万分の四十五という負担をお願いし、今回万分の五十五に上げたいという案を御提出しておるわけですが、非常に早く回転をする、それから利益率が低い、中小証券会社ほどディーラー業務のウエートが高いという点を考慮して一種の甲の税率を現行のまま据え置いたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#185
○近藤忠孝君 その問題については私は同じように実は上げてもよかったんではないか、こう思いますが、それだけでこれ別に全体の法案に反対することはないと思いますので前に進みたいと思うんです。
 そこで、先ほども指摘があった証券業界の問題です。誠備問題をきっかけにして株式市場のあり方がいま問い直されておるんですが、もうすでにいままでの議論でも明らかなように三つばかり論点があると思うんです。一つは目に余る投機化、それから第二は個人株主の比率が極端に減少して、大衆を疎外した法人投資家本位の市場になっていること、三番目には大手証券会社が市場を独占的に支配していること、こういう点ですが、その認識は大臣ございますか。
#186
○政府委員(吉本宏君) ただいま御指摘の点は、第一に投機化の現象が非常に進んでいるんではないかという問題。それから個人株主比率が非常に下がっているんではないか、一方法人の持ち株がふえているんじゃないかという御指摘。それから第三番目が大手の証券会社の寡占と申しますか、そういった現象が進んでいるんではないかと、こういう御指摘であったかと思います。
 これにつきましては、私どもも十分認識を持っております、まあ特に投機化の問題でございますけれども、何と申しましても現在の株の配当の利回りが一・四%から一・五%程度である、こういうことになりますと、貯蓄として株を持つと申しますよりも、やはりキャピタルゲインねらいと申しますか、投機的な動きがより高まってくると、こういうことでございます。
 それから、それとうらはらに個人の持ち株がだんだん減ってきて法人の持ち株がふえてくる。これはやはり安定株主工作とかそういった問題で企業の系列化が進んでいくということであろうかと思います、これらにつきましては、私どもも十分認識を持っておりまして、特に過当な投機に対しては市場管理の問題、最近投資グループによる過当な投機ということが社会的に非常に問題になったわけでございますけれども、こういった問題につきまして十分調査をした上で対策を講じなければいかぬと、このように考えておるわけでございます。
 それから、個人の持ち株比率の問題につきましてはなかなか決め手になる対策がございませんけれども、しかしたとえば配当をもっとふやせとか、株主の還元ルール、現在時価発行で株式が発行されているわけですが、そういった場合の時価発行の場合のプレミアムの還元をできるだけやってもらいたい、あるいは今度商法の改正が行われまして、それによって法人の持ち株について若干の規制が行われる、こういうことも聞いております。あるいはプレミアムの資本組み入れ比率を若干改定する、こういうようなこともございますので、こういった法制上の点も含めましてできるだけの努力をしてまいりたいと、このように考えているわけです。
 それから、大子の寡占の問題でございますが、これは株式に関する限りはむしろ四社のシェアは下がってきております山むしろいわゆる地場証券と申しますか、中小証券のウエートが相対的には高まっているということでございます、公社債等につきましては、やはり四社のウエートが非常に高いということは否定できないと思います。
#187
○近藤忠孝君 これは先ほど大臣も驚かれたように、大変な投機化の状況です。極端な投機市場化しているという点で、国民生活から全く遊離したばくち場化していると。新聞でも「逃げ出す大衆まるで”バクチ場”」ということなんですね。そうしますと、証券局長はまるではくち場の管理人で、大蔵大臣はその親分ということにこれはなってしまうわけですけれども、そういう条件の中で証券業界にいろいろ問題が起きていると思うんです。たとえば株式をめぐる事故、クレーム、これは日増しに激増していると言われています。それから証券事故の件数、事故金額は年を経るごとに急上昇している。いまや社会問題、政治問題化している。こういう状況は証券局つかんでおられますか。
#188
○政府委員(吉本宏君) 証券事故でございますが、これは件数は必ずしもふえておりませんけれども、金額が大きくなっているということが言えるかと思います。やはりたとえば外務員による事故とか従業員による手張りによる事故とか、そういったことがかなり多うございます。私どもは業界に対しては、やはりそういった事故によって結局証券会社自身の財務内容に対して非常にダメージを与えることになることでもございますし、ぜひひとつ事故について管理体制をきちっとしてもらいたいということを申しております。
#189
○近藤忠孝君 ばくち場にはいろいろ問題のある金が集まってくるように、証券市場にも非課税預貯金がかなりあると。今回の誠備が動員したのもそのごく一部だと、こう言われておるわけです。こういう非合法資金の存在をそのままにしておくことが、私はさらにこの株式市場投機化の原因になっていくと、こう思いますが、その点いかがでしょうか。
#190
○政府委員(吉本宏君) ただいまの非課税の預貯金が株式市場に流れておる、それが一つの投機化の原因になっているんじゃないかという御指摘かと思います。
 確かに、個人の金融資産の伸びに対しまして株式の供給が少ないということが、いわゆる株式の流動性が少なくなりまして、浮動株が少なくなりまして、その結果いわゆる投機化の傾向を増大さしているということは言えるかと思います。たとえば個人の金融資産を昭和四十五年度末と五十四年度末、四十五年から五十四年まで十年間をとってみまして、大体個人の金融資産は四・二倍になっております。それに対しまして株式の供給は、上場株式数で申しますと一・九倍になっております。しこういうことで、非常に一般的な個人金融資産の伸びに対して株の供給が少ないということが、やはり投機化の一つの原因であるということを私どもは常々考えているところであります。
#191
○近藤忠孝君 こういう条件の中で株式売買益の脱税問題も私は起きてくる、そういう要素があると思うんですね。今回の誠備摘発の武器となったのが、証券取引法など証券面じゃなくてむしろ脱税問題という、いわばこれはからめ手だったと思うんです。
 そこで一つお聞きしたいのは、こういう脱税をなくしていくという立場から、証券局の方の証券市場管理、そういう面から脱税を見つけ出すことは可能なのかどうか、いかがですか。
#192
○政府委員(吉本宏君) 私ども証券会社を監督しておりまして、いろいろのデータを要求しております。しかしこれは一般的に、証券会社の財務内容とかあるいは投資者保護の観点から私どもが必要とする資料を徴求しておりまして、特に税金面の観点から資料を徴求しているわけではございませんので、証券行政上特にいわゆる脱税の発見とか、そういうことはやはり観点が違うんじゃないかと、このように考えております。
#193
○近藤忠孝君 これは国税庁にお聞きしますけれども、今回の誠備事件については告発し、とうとう起訴までなったわけですね。その場合に、これはどのように脱税を把握したのか。いまの話ですと、どうも証券局の方からの資料あるいは証券局の方の市場管理と、そういう面ではとてもそれはっかみ得ないと思うんですが、その点どうでしょうか。
#194
○政府委員(岸田俊輔君) 先生御指摘の吉永の事件でございますが、それの端緒につきまして、これは言うべくは捜査のテクニックのようなものでございますので、この場で申し上げるのは差し控えさせていただきたいんですが、ただ私どもといたしましては、まあ最近株の譲渡の問題が相当大きな問題になっておりますので、そこら辺の発見の端緒につきましては相当研究をいたしている状況でございます。
#195
○近藤忠孝君 何も具体的にどうやったかということまではそれはいいんですけれども、もう少し抽象的に、たとえば証券局の方の資料は役に立ったのか立たぬのかね、そんなような問題、抽象的にはどういう点から入っていったのか、その点どうですか。
#196
○政府委員(岸田俊輔君) 若干個別の内容に入りますのですが、やはり私どもの調査の端緒は、一つは収支の面から入るのと資産の面から入るのと二つございますが、この場合は資産面の留保面から調査をいたしたと聞いております。
#197
○近藤忠孝君 実は結局個別調査と、あるいは情報提供というようなことを総合して積み重ねていったと、そういうことだと思うんですね。だから国税庁としては、むしろ証券局の方でもっといろいろ資料を集めておって、そして調べやすいというような状況が望ましいと思うんですが、どうですか。
#198
○政府委員(岸田俊輔君) 確かに情報があらゆる角度から入ってまいりますのが非常に望ましいことかと思いますが、それぞれの行政目的もございますのでそれを尊重しなければいけないという立場でございますので、私どもといたしましては大変苦労が多いかと思いますが、直接証券局の方からお願いをするということは御遠慮している次第でございます。
#199
○近藤忠孝君 ここで私は具体的な問題提起に入っていきたいと思うんですが、この問題は予算委員会でも大蔵大臣は減税したいけれども財源がないと、財源があればそれはやることはやぶさかでないという、こういうことでしたので、財源を示す意味でもこの点ちょっと指摘したいんですが、私は基本的には有価証券譲渡益が原則非課税になっているということが問題で、そのこと自身が私は不公平税制の最たるものだと思っているのです。だからまず基本的問題としては、いますぐでなくても、方向としてはこの全体を、有価証券譲渡益の全体を課税対象にする、そういうことが必要じゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
#200
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は先ほど言っているように、やはり今後は要するに証券民主化というか、多くの国民に日本の企業の株を持ってもらうということは非常にいいことじゃないかと、そういう意味である程度そいつに対する優遇措置といいますかね、一つの政策があってもそれはいいと、そう思いますが、余りそこに差があり過ぎても困ると。それはもう売買によって巨億の利益が得られるというようなのを野放しにすることはいいことか悪いことか、非常に問題がある。ただしきわめて技術的な問題で、その所得の捕捉が非常にむずかしいと。それからもう一つは、もうかるとばかり限らぬでしてね、今度のように何百億も損した人があるわけですから、現実に。損する人もあると。損と得との問題をどういうふうにするのか。ただ損したときだけ言ってきましてね、ほかの方から引いてくれとか言ってね、もうかったときは知らぬふりしてしまうというのでは逆効果になっちゃうわけですね、これは。そこらのところの兼ね合いで技術的にどういうふうな捕捉の仕方があるか。私は原則的にはやっぱり非課税というよりも、ある一定限度の免税は認めてもいいがそれ以上のものは課税をするというのが本筋じゃないかなという気がしております、学問的なことは主税局長から答弁してもらいます。
#201
○近藤忠孝君 いいです。で、この非課税の問題が不公平だという批判が高まる中で、年五十回かつ二十万株以上の取引には課税されると、いま大臣言われた点がそこだと思うんですね。さらにこの脱法を防ぐために一銘柄二十万株以上の譲渡益には課税するということになったわけです。ところがいまも大臣言ったとおり、もうかったときには知らんぷりというのが多いんですね、その実情がどうかということで、これに該当するうち、申告件数どれぐらいになっているんですか。
#202
○政府委員(小幡俊介君) 昭和五十四年分の有価証券譲渡益の申告状況を申し上げますと、いろんな態様があるわけですが、第一番目に、継続的取引による所得、これは五十回以上かつ二十万株以上というケースでございますが、これが七十三件でございます。それから第二番目に、買い占めによる所得の例、これはございません。それから第三番目に、同一銘柄二十万株以上の譲渡による所得の場合、これが八件でございます。それから特別報告銘柄二十万株以上売買したことによる所得というケース、これはございません。それからその次に、事業等の譲渡に類似する所得のケース、これが二百十一件、以上でございます。
#203
○近藤忠孝君 これが実際にある該当すべき譲渡益に比べたごく一部で、結局この法律はざる法だというのは、むしろ私は証券業界も含めて常識になっているように思うんです。問題はなせざる法になっているかというと、申告だけであって、片方で抑える、要するに証券会社の側への顧客資料の提出義務がないと。だから隠せば隠しおおせるという点があるかと思うんですが、この顧客資料の提出義務を課すことはどうでしょうか。
#204
○政府委員(高橋元君) 申告所得税は良心税だと、こういうふうに私ども一言で申し上げておりますが、実際にやってみますと、なかなか良心税というだけでは課税の公平を期しがたい面もあることは御指摘のとおりであります。そこで支払い調書というような制度を設けて、支払い調書をなるべく広範に出していただいて、それによって課税の公平を期していくという制度で補完をしているわけでございます。
 いま有価証券の譲渡益につきましては、先ほど大臣からお話のありましたように、原則としては総合課税の方向に向かっていくということだと思いますが、実際の売買面の把握が大変むずかしい。昭和二十五年に理論的に有価証券譲渡益を課税するということを決めましてから、二十八年にとても執行上公平を期しがたいという理由で廃止されて現在に及んでいるわけで、六つの場合に課税されるということになっておりますが、それはこれから先総合課税の方向に進むといたしましても、譲渡益の把握をどうするかということが問題であります。一般に売買の場合に、すべての売買について相手方から資料をとるという制度がないわけでございますが、そういうことと、いまお示しのような方向で証券会社の店頭から資料をとるということ、これは所得税全体の制度でございますから、特に有価証券の譲渡益についてだけ全部反面資料を相手方からとるということが、それが可能であるか公平であるか、またそれが簡易に執行できるかという問題もございます。いずれにしても広い角度から検討してまいらなければならないというのが私の考えてあります。
#205
○近藤忠孝君 前の改正のときに証券業界ではむしろほっとしたと、あの程度の改正でほっとしたというのが実情だと、その点はいま言った顧客資料の提出義務が盛り込まれなかったからと、だからある証券会社の担当者は本気で課税する気があるんだろうか。だからこれはポーズだけで要するに金持ちにも課税しますよというポーズを大蔵省が示しただけだという、これは当時の新聞にそう書いてあるんですね。それで、いま局長言いましたけれども、良心税だと言いますけれども、先ほども言ったように賭博場化しているところに良心を期待する方がむしろこれは無理なわけで、具体的にいま言ったとおり、証券市場の側からも課税対象を把握していくというこの努力が必要だと思うんです。現にこれは証券局の方で各証券会社ごとに一定以上の売買についてこれは報告をさせているんじゃないでしょうか。
#206
○政府委員(吉本宏君) 個別の取引については報告を徴求しておりません。
#207
○近藤忠孝君 ですから、その各年の上位何名とか、そういうような報告はしているんじゃないでしょうか。
#208
○政府委員(吉本宏君) そういうものはしておりません。
#209
○近藤忠孝君 そうであれば、よけい私はこの機会に課税強化をしていくべきだと思うんですが、ただ問題は、証券業界だけを締めますと金がほかへ行ってしまうということを心配すると思うんです、だからこれはやっぱり全体的の問題で、ここで言ういわゆる非課税資金、これがいわば課税をさらに免れてあちこち回るという、それをそれぞれで押さえていく必要があると思うんですね。証券業界だけじゃなくて、たとえば今度金の方へ行けば金を押さえるとか、あるいは絵の方に回ればその方に対しても強化をしていくとか、全体をきっちり押さえる中で証券業界についても一定以上の譲渡益があればこれはきちっと課税していく。それを捕捉を確実にするために先ほど言ったような資料の提出義務、これをむしろ課して初めて全体の公正が保てるんじゃないかと思うんです。それについて反論があるんですが、一銘柄二十万株と言ってもこれは一年間だからなかなか大変なんですと、わからないんですと、恐らく証券局こう言うと思うんですね。そうだとすれば、課税対象のものをそのまま報告させるんじゃなくて、もう少し低い段階、二十万株が課税対象ですから、たとえば一回一万株とか、その辺になると相当数あるようです、となれば、そこまでについて、課税対象でないけれども、それはその都度あるいは年まとめてもいいけれども報告をさせる。そうなりますと国税局の方では全体をつかみ得ますね、さらに架空名義も押さえていくと、なれば私は、この分野について課税強化ができて、そして渡辺さんが待望している財源ができて、そして減税の方に回せると、そういうことになると思うんですが、いかがですか。
#210
○政府委員(高橋元君) アメリカの国税庁でも適正な所得の把握ということに非常に苦心をしておりまして、あそこは、ちょっと余談で恐縮でございますが、実徴率が二%ぐらいで非常に低いわけであります。したがっていろんな資料からします課税所得の把握漏れというのもかなりある。それを基本的に詰めていくにはどうしたらいいかと言いますと、これは一番いいのは源泉徴収だということで、利子所得については源泉徴収をするような法案を出して、まだ通っておりませんけれども。そういうことが第一にある。第二は情報申告書と言っております、日本で言えば法定資料になるものですが、それを充実していくという考え方を述べられておるようであります。先ほど直税部長からお答えがありましたが、五十四年の一銘柄二十万株という申告の事例が非常に少ないではないかということからの御指摘かとも思いますが、実は五十四年改正は五十四年の四月以降について適用しておりますので、三月以前に売られた二十万株の一部を売っておられればそれは課税になっていないわけであります、私どもは五十五年の実績についてもできるだけ把握をいたしまして、これから国税庁当局とも相談をして、どういうような基準でどういうような課税資料というものをいただいた方がいいのか、また国税庁の執行でどこまでやっていけるのか、執行の面も考え、また株式市場だけどうしてそう売り買いする都度資料をとらなきゃならないのか。一般の売買の場合には国税庁ないし税務署の調査でありますから、そういうことについての問題も考え、いずれにしても先ほどお答え申し上げましたように、広い角度から検討を進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
#211
○近藤忠孝君 大臣から答えてもらって終わります。
#212
○委員長(中村太郎君) 大蔵大臣、簡潔に願います。時間が来ております。
#213
○国務大臣(渡辺美智雄君) きわめて技術的な問題でございますから、私はそういうところで非常に所得を免れるということがあってはいかぬと。それをどういうふうにしたら押さえていけるか、技術問題については検討をしてみたいと思います。
#214
○野末陳平君 先ほど矢追委員から物品税の税額の表示ですね、区分して表示すべきであるというようなあの訓示規定のところ出ましたけれども、ぼくもこれを質問しようと思っておりましたが、大臣のお考えがわかりましたからこれは割愛します。ただし、一つだけ個人的な意見をつけ加えさしていただきたいんですが、税額を表示できればこれはもう二番納税者にとっては納税意識の向上にもなるし、自分が幾ら税を負担したかということがはっきりしていい買い物になると思います。でも業者のいろんな事情も考えますと、税額を表示できるほど、つまり小売価格と税額ですね、これは非常にむずかしいだろうと、次の改正までにとおっしゃられたけれども、いつになるかわからないことだし、これを目指すのは非常にむずかしいんで、ぼくはこれを暫定的にこう考えていたんですね。要するにすぐに税額表示をするんじゃなくて、小売価格に星印でも何でもつけてもいいんですが、物品税込みの価格であるというこの表示はそれほどめんどうではないんではないかと、こう思ったんです。もちろんこれはなぜこうなったかといいますと、買い物をする消費者で物品税の存在そのものを知らない人の方がはるかに多いわけですね、そうすると税額幾らかというよりも、まず物品税というものがいままで六十八品目、今度八十になると、これを認識してもらうことの方が免じゃないかと思いまして、ですから、端数のついた税額を出すよりもいわゆる表示の上で税込み価格であると、こういうアピールはどうかなと、これならすぐとは言いませんが、わりと早く今度の改正をきっかけに実現の方向に踏み出せるんじゃないかと、まあそう考えていたわけなんです。そういうことをお聞きしようと思ったんで、この表示については、これに対してそちらのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#215
○国務大臣(渡辺美智雄君) 物品税がこの商品にかかっていますというだけのことになりますね、そうすると。
#216
○野末陳平君 はい、そうです。
#217
○国務大臣(渡辺美智雄君) それだけのメリットがあるかどうか、それだけでは……。検討してみます。
#218
○野末陳平君 それはあると思うんですね。自分の買う物が税込みなのか税がないのかということすら知らない以上は、まず第一歩としてはそれを認識させること。次はじゃどのくらいの税額かということを、もちろん第二段階としてこちらが作業をしなきゃいけないわけですから、それだけで終わるというんじゃありませんが、早急にやらないと、いつまでもこの訓示規定が空文のままでいるということは好ましくないと思うんです。そんなわけで検討をお願いしておきます。
 それから、いま近藤委員からも質問ありましたけれども、有価証券の取引税に関することですが、いつも、前回もそうなんですが譲渡益に関して課税すべきであるという意見が出ますと、これは技術上非常に捕捉がむずかしいということで通っているんです。そうすると今回もまたそうなる。事実むずかしいことは非常によくわかるんですが、毎度同じ理由でお答えが来る、これはもう無理なんだと。たてまえだけ非課税を通すけれども、現実にはもう無理だということと同じなんですね。そうすると半歩の前進もないというのはどうも質問する側としても張り合いかないんで、ここもいろいろなことを当局がお考えの上で技術上の捕捉がむずかしいという結論なんだとは思いますが、ある程度は強引なことも考えなきゃならないと思うんですね。
 そこで、まず譲渡益の課税がほぼむずかしいというならば、そのかわりというのはもちろん乱暴な考え方ですけれども、もう少しこの取引税は上げてしかるべきじゃないかというふうに考えるので、何かもう少し幅が欲しいなと、そう思いますけれども、どんなものでしょうか、今後の方向ですが……。
#219
○政府委員(高橋元君) 有価証券取引税が二十八年に創設されましたときに、あたかも同じときに有価証券の譲渡益課税がやまったわけでございますので、しばしば代替税ではないかという御指摘があるわけですが、これはもうすでに御承知のように、流通税でございまして、代替税という性格はない。で、まあ売り買いの場合に損をしても得をしても、今度の改正後で申しますと一万分の五十五の税金を払っていただくわけでございます。で、もうかった場合――もうかっているかもうかってないかわからないけれども、全体として一万分の五十五をさらに上げたら利益者の所得課税がそれによって帳消し――帳消しといいますか、代替できるのではないかということには代替税の性格上ならないと思いますが、いま御指摘の点は、有価証券譲渡益の把握についてさらに工夫をせようという御指摘だというふうに伺いまして、その点につきましては先ほど近藤委員にお答えをしておりましたように、私どももむずかしいと申し上げておりますが、いろいろと工夫を重ねてまいりたいというふうに考えます。
#220
○野末陳平君 これはちょっと暴論になるかもしれませんけれども、いま問題になっていますグリーンカードなどすぐ適用しろというわけにもこれいきませんけれども、そんなのがもし幅広い運用ができるならば、この譲渡益の課税というものに対して別の角度から何かアイデアが出るんじゃないかとも考えてみたんですが、その点については主税局長どうなんでしょう。
#221
○政府委員(高橋元君) グリーンカードでございますと、配当を受け取ります際に、グリーンカードを提示するということになりますんで、どういう名義であろうと配当の受領者本人はわかるわけでございます。そういう点からしますと、所得がだれに帰属するかということを判別するために一番いい手がかりであることは確かに御指摘のとおりであります。
 いろいろ先ほど来申し上げておりますように、体制整備を図るために取引の実態を把握するという必要がございます。私ども、証券界の方ともそういう証券税制懇談会というような名前の懇談会をいろいろ設けておりまして、会合を持っておるところでございますが、先ほど来いろいろお示しのありますことも含めまして、今後ともそういう会合の際に実務的にどういう方法があるか研究をしていきたいと思っております。
#222
○野末陳平君 何ら実現性のない考え方かもしれませんけれども、売買伝票などにもしカード番号がなくちゃいけないというような、そんなことを言っても、実は証券会社があれこれ策を弄せば何にもならないかもしれませんが、そんなことも考えてみたわけなんで、今後キャピタルゲインに対する課税という問題はもう技術上捕捉がむずかしいという理由だけで延ばすというわけにいかなくなったと思うんで、ひとつ十分なる検討をお願いしておきます。
 そこで、そのグリーンカードがらみで株の話なんですが、何か株がダウで新高値とかいって活況を呈しているように一見見えるんで気になりますが、どうなんでしょう、ここ半年ぐらいで例のグリーンカードの影響というか、それを恐れた一部の金が果たして株に流れたのかどうか、実情はどうなっているか、データがありましたらば。
#223
○政府委員(吉本宏君) 個人の株式の売買状況でございますが、五十五年の四月から五十六年の一月までの計数で申し上げますと七千十一億円の売り越しになっております。
#224
○野末陳平君 個人ですね。
#225
○政府委員(吉本宏君) 個人物でございます。
 そういうことでございまして、最近の株高の問題もむしろまあ外人の投資とかそういったものが主力になっておりまして、遺憾ながら個人物ではそういうことで売り越しであるということを申し上げたいと思います。
#226
○野末陳平君 そうしますと、例の去年の秋一番金が流れたであろうと、まあ郵便貯金に行ったということですけれども、その場合には個人で株を取得するという傾向が特に強かったとか、そんなことはありませんですか。
#227
○政府委員(吉本宏君) 特にそういうことはなかったと思います。
#228
○野末陳平君 証券会社などで聞きますと、数は決して多くはないようですけれども、やはりかなり一部の資産家といいますかあるいはないしょの金の持ち主といいますか、グリーンカードを恐れまして何がいいだろうと、こういう相談をしていると、これはある程度人情としても考えられるんですが、その際に、また業者も勧めるのは無責任なように思いますけれども、たとえば無配株なんか買っておけば税務署にわからないと、そんなことを言ってるらしいんですね。で、ちょっと利口な人ならばそんなところに金持っていかないとは思いますけれども、しかし税務署にわかっちゃこわいんだというこの一念が、無配株でリスクをしようということよりも優先しまして、そっちへ金を持っていく人がいるかもしれませんね。あるいは無配株はこれ以上下がらないんだから、仮に上がれば譲渡益には課税もされないし、もうけ物だよというような言い方だってできるかもしれませんね。そんなことで、無配株に金が流れているかどうか全くわかりませんが、そういう考え方を営業上セールスマンが勝手にやるんでしょうが、何か非常に不愉快なんですね。ですから証券会社に対しても、別に大げさに当局からあれこれ言うことはないんでしょうが、何か結果的にお客の弱みというか、税務署こわさの一念にうまいことつけ込んで変な商売やるという、こういうことがあるとしたらやはりよくないと思いますので、無配株がもし売れているような、そういう事実でも仮に発見したらば、これは非常に警告を発する時期だと思うんです。でも、そういうことはどうなんですか、ここのところありましたですか。
#229
○政府委員(吉本宏君) 特にそういった調査をしたことはございませんけれども、御指摘の点もよくわかりますので、一度業界に対しても警告をしておきたいと、このように思います。
#230
○野末陳平君 それから同時に、無配株でなくて配当つきでも、さっきの証券局長の答えもありましたけれども、要するに配当なんてもらったって合わないわけですから、そうなると、配当つきの株を買うんだけれども、名義の書きかえに出さないと、配当を捨てても税務署に見つからない方がいいんだと、こういうことが今後出てくるんじゃないかと、そういう想像もできなくはないんですね。要するに株は損することもあるし得することもあるし、資産としては非常に不安定でよくないと思いながらも、そこまではわかっても、税務署にばれちゃ困るんだと、グリーンカードでほかの堅実な貯蓄じゃもう問題が致命的になってきて困るんだからということで、株の方に走るという、これはまあ本人が損するんだからどうでもいいじゃないかと言えば言えますけれども、このグリーンカードの影響でそうする、税務署のこわい金がそっちへ行くと、これもやはり結果的に黒い金が、何と言うのかな、横へ流れることを黙認したことになりますからね。こういうことがあってもやはりいけないと思うんですよ。
 そこで何を望みたいかと言いますと、要するに恐らくグリーンカードになっても株などにお金は流れないでしょうと、理屈で言えばそんなものは資産にならないから、と言うのは簡単なんですが、錯覚に陥りましてね、税務署こわいんだと、とにかくばれないことが先なんだという、一種の錯覚でもって金を、何というのかな、株にかえる動きがこれから出ないとは限らない。少なくも五十八年ぐらいになればどういう動きになるか、全くわからないんですね。これはね、無知だとは言いませんけれども、よく知らない人が、ついセールスマンなどの勧誘に乗ってどんな動きを示すか見当つきませんからね、その意味でもグリーンカードというものの実態を正しくPRする一環として、証券会社にも篤とこういう、何というんですかな、動きを牽制するようなことを徹底さしてほしいと思うんですがね。それについて大臣、どうでしょうか。
#231
○国務大臣(渡辺美智雄君) 野末議員の言うのは私は非常に現実性があると思うんですね。ある人が私に言ったんですよ、お金というのは人の見えないところへ行きたがると、たんすの中とか、金庫の中とか、へそくりなんていったらどっかへ隠しちゃうとかね、そういう習性があるんだと。だから人にわかりそうになると、人の気のつかないようなところへどっか変えたがるというどうも習性があると。その学説か俗説か知りませんが、その俗説が事実だとすれば、やはりグリーンカード実施に当たりましてはPRをして、勘違いをしないようにしてもらわぬと、多くの人が勘違いされるとね、大変なことが起きるんですよ。――はずですから、ですから実施前までにはまだ時間がありますので、よくグリーンカードというものは普通の人は何も関係ないんですよと、免税を受けるための要するに免税符なんでございますよと、免税を受ける人だけが必要があるんであって、免税がない人はいいんですから、そういうことをよく知ってもらうような工夫もしなければなりませんし、それから何といいますかね、所得税全体の見直しというものも、いろいろ矛盾点が私はあると思うんです、皆さんのところでも言ったかもしれませんが、要するにたとえばグリーンカードで総合課税になるということになると、いま夫婦共かせぎというのは普通の状態で、昔は奥さんは働かない、だんなさんは働くというのが常識。したがって奥さんの貯金の利息や配当もだんなさんの所得に合算するんですよという規則が現行あるわけですから、今度はグリーンカードで分離課税はなくするということになれば、そういうものについては合算だといういまの制度は私は適当でないと思いますね。資産合算の制度というものは見直ししていかなきゃならぬ。それからまた、九三%も高額所得者から取るよといったって、世界にそんな国はどこ行ったってないわけですから、これは。分離課税、多少泳いでいるところがあるから、実際はそれよりも低いという税率でいまはいいかもしらぬが、今度は全部表に出るとなったら。九三%、国税、地方税両方でそれだけ取っちゃうんだということになれば、これはやっぱり勤労意欲もなくなるし、そんならみんな使っちまえという話にもなってくるし、いろいろ問題がある、したがってそうすれば、世界に例のないような高額所得の税率というものをもっと下げるとかね、表に出てくるんだから全部。何かそういうような手当てとか、それからやはりそれまで利子・配当についてきちっとしたことをやるんならば、いわゆるキャピタルゲインについても、いまのままで果たしていいのかどうなのか、そこのところが逃げ口があるとすればそこへばかりまた集中するようなことになって、弊害が起きる危険性もないとは言えない。ですから総合的に所得税体系の見直しということは、グリーンカード実施という時期までには私はやる必要があるんじゃないか、そのときには当然法人税の問題等についても理論的にも一遍再検討することがある時期必要じゃないか、そう思っておるんです、これは別に決まったわけじゃもちろんございません。大蔵省にも学者いっぱいいますから、ここにもいますけれども、そのほかにも学者がいますし、いろんな皆さんの御意見を聞いて、混乱のないしかも実務的な、社会の経済の発展や何かにも役立つような形で、しかも公平の確保もできる、社会的公正の確保もできるというような措置をとりたいと思っております。
#232
○野末陳平君 いまの大臣のお答え、なかなか興味のあるお答えでしたので、今後また所得税全体のいろいろな問題点については質問さしてもちいたいと思います。
 そこで、それからこの間も質問したんですが、そのときちょっとデータが出ませんでしたので、最初に繰り返しておきますと、グリーンカードの絡みの問題ですけれども、これはもちろんグリーンカードの影響ではないと思いますけれども、郵貯の伸びが著しかったのが事実ですね。一番最近のデータではどうなりましたでしょうか。郵便貯金の伸び、それから銀行預金などの比較で去年の秋のような異常さはないと新聞などにも出ていましたけれども、正確なところではどんなあれになっていますか。
#233
○政府委員(吉田正輝君) 最近の動きということでございますけれども、昨年四月からことしの二月にかけましての様子で申しますと、郵貯は最近の増勢はやや落ちつきぎみでございます、年明け後でございますけれども。ただ昨年四月から本年二月の間まででは、前年同期を三八%――これは増加額ベースでございますけれども、前年同期を三八%方上回る大幅増加をしております、最近ということでございますので、一月と二月で申し上げさしていただきますと、一月は前年同期に比べまして増加額ベースで一六・六%の増加、二月はこれは微増でございまして二・六ということでやや落ちつきぎみでございます。ただ金融機関の方では、都銀がわかってございますけれども、二月で申しますとマイナス三・九ということで、やはり減少傾向を示しておるわけでございます。
#234
○野末陳平君 二月は余り金が大体動いてないようなんですけれども、三月ですね、もちろんまだデータ出てないはずですが、利下げが四月にありますね。そうすると利下げに向かいますと、やはり去年の秋と同じように高金利を確保したいという動きが出るかもしれませんですね。その辺については、見通しと言っちゃなんですが、どういうふうにお考えになっておりますか。再びこの利下げを前にして郵貯が伸びるであろうというのか、それとも増加の傾向は大体歯どめがかかったと、ごく常識的に穏やかになったと、こういうことなんでしょうか、どちらですか。
#235
○政府委員(吉田正輝君) 最近の個人預金の傾向を見ておりますと、やはり金利選好感というのが非常に強まっておりまして、金利が先安になるというと定期性預金、郵貯で申しますと定額貯金などに集中する傾向がございます。それからもう一つは、そういう意味では債券投資というようなものもふえてきているわけでございます、したがいまして、全体の傾向から見ますといま即、何といいますか、数字を持ってございませんし、見通しを申し上げるようになるかもしれませんが、依然としてその傾向が続くのではないかと見る方が常識的ではないかと思っております。
#236
○野末陳平君 いずれにせよ郵貯が仮に三月、四月と伸びたとしても、これはグリーンカードの影響であるとは全く私は思いませんけれども、データが出てから改めてまた検討さしていただきたいと思います。
 あと次は、ちょっと郵政省も絡みますので、きょうはこの辺でやめます。
#237
○三治重信君 物品税のことについてお尋ねいたしますが、今度の物品税の中で税目、新しく課税するのが十二品目と、こうやって、いままでの既存の物品税目の中で税率を引き上げるのは自動車だけと、こういうことになっているのはどういうわけかと。考え方ですな。ひとつ篤と……。自動車の関連の方の人のは、自動車が非常に普及してきたものですから、また非常に取りやすい税として次から次へ税金を取ろうとしてやっておると。今後のでも物品税の中で自動車だけが税率を高めておると、こういうふうになってくると今後何かあるというと自動車にまた税金をかけられるんじゃないかという非常に恐怖感がある、またこれが労働者にも、自分たちが一生懸命で働いていても、うまいところ安く供給しようとすればするだけどんどん税金を次から次へかけてくるじゃないかと、こういうふうな非常にデカダン的な空気が出てくる可能性が非常に強い。こういう意味から言っても、ひとつ物品税のこういうような税率を上げる考え方、いわゆるつまみ食い的な考え方はどういう考え方か。ましていわんや、いま日米自動車問題が起きているのに、先日、日米の自動車問題でアメリカからの輸入の大型の自動車には租税特別措置法でわざわざ三〇%のやつを二〇%に下げて、そうしてこの日米通商問題を大した犠牲もなくて解決しているにかかわらず、大した金でないのにこの際またわざわざ国内の自動車の物品税を上げんがために、このアメリカを刺激するような二・五%上げていく、こういうかっこうになっているんですが、一体租税特別措置法で決めた普通乗用車の二・五%上げることによってどれだけの税収があるかという問題もひとつ答えていただきたいと思うわけなんです。
 こういうことを考えると、今度の自動車の税率の引き上げというのはあらゆる点から見ても非常に得策ではないじゃないか、こういうふうに考えて非常な不満を持つわけなんですが、それについて篤と納得のいく説明をしていただきたい。
#238
○政府委員(高橋元君) 先ほど大臣からお答えもありましたが、いまの物品税では一五%が中心的な税率でありますが、それよりもより担税力の大きいものは二〇、さらには三〇という税率を設けているわけであります、そこで小型乗用車の税率を一五ということでバランスがとれておるかということでありますが、これは三十七年の、大分古いことになりますが、改正のときからこういう問題はございました。大型冷蔵庫がしばしばお答えしておりますように二〇%であって、その何倍か高い普通の乗用車が一五と、そのバランスはどうもおかしいというのが四十年の改正で実現をいたしまして、四十年に一六、一八とだんだん上げていきまして、四十一年に本則を二〇とするという改正をしたわけでございますが、四十一年不況でもってまたもとへ戻って一五ということになっておるわけであります。
 物品税は、まさに課税物品相互間の税率バランスというものが消費の背後にあります担税力に見合ってつくられておるという必要があるわけでございまして、今回は乗用自動車それから大型二輪自動車、大型三輪自動車、これにつきまして同一税率が適用されます物品相互間ないしは二〇%税率が適用されております物品との比較ということで税負担の引き上げをお願いしておるわけであります。つまみ食いということではなくて、物品の税率のバランスを回復する、こういう理由でございます。
 日米の関係でございますけれども、大型は本則三〇でありますのを、たしか昭和四十八年でございましたか、暫定的に二〇に特別措置法で下げておるわけでございますが、小型自動車につきまして一五を一七・五に改正をいたします際に、やはり大型もより高い消費を代表しておるという意味で二・五上げていただいて二二・五という改正をするわけで、これは分類差等課税の税率の訂正という意味で、これは国内車それから輸入車両方に適用されるわけでありますから、内国税の政策の問題であるというのが基本的な考え方でございます。
 先ほど御質問もございましたけれども、アメリカから懸念ないし不満の意が漏らされているわけでございますけれども、これにつきましては、私どもアメリカ側にしかるべきいろいろな御理解をいただくための説明等をしておるわけでありまして、現在の輸入車は、大型の自動車、二二・五%が適用されます自動車の中で四分の三は国産車でありまして、四分の一が輸入車でありまして、その大体六割ぐらいがアメリカからの輸入だと記憶しておりますが、大型車全体の増収額は初年度ベースで約七十億でございますから、輸入車に負担をしていただく部分というのはそんなに大きくないわけでございます。
 もう一つ、アメリカの自動車は国内の売り値が高いから、したがって税負担の引き上げ率も大きいはずだと、こういうふうに一般に思われておりますけれども、国内の販売のディーラーマージンというのが非常に大きいわけでございまして、横浜なら横浜のCIFの価格で申しまして、それが課税標準になるわけですが、それに今回の引き上げ率を掛けてみますと、大体米国車の場合は一台三万円ぐらいで、国産の二千cc以上の車、三ナンバーの車の場合は一台五万円ぐらいというふうに概算されまして、引き上げ額――それが国内の競争性ということからすれば引き上げ額は一つの基準となると思いますけれども、引き上げ額ということからすればむしろ国産車の方が引き上げ額が大きいということも現実であるということをあわせて申し上げて御理解をいただきたいというふうに思います。
#239
○三治重信君 ほかの大型冷蔵庫が二〇%になっているからというような話なんですが、これは、自動車は自動車重量税というものをわざわざ二年ごとの車検ごとにかけているんだが、それは物品税をかけてから自動車重量税をかけているわけなんで、自動車重量税と物品税とは税の目的が違うというふうに説明になるかもしらぬけれども、自動車にかかる税金だということにおいては間違いないわけなんで、その点が配慮されるべきだと私は思うわけなんですが、この自動車重量税との関係はどういうふうに考えますか。
#240
○政府委員(高橋元君) 車が走りますといろんな社会的な費用がかかる、また道路の建設も必要になってくる。そういうことで自動車を走らせますためには車検を受けなければなりません、その車検の際に、二年間乗用車でございますと普通車検の期間があるわけですが、二年間の走行ができる地位というものを認める際のいわば権利創設税としてたしか四十六年度にできた税金であります。そういう意味で課税の趣旨が違っておりますし、また自動車につきましてはしばしば言われておりますように、燃料にも税金がかかっておるわけであります。一リッターあたり五十何円という揮発油税を負担していただいているわけでありますが、そういうものも含めて全体として自動車に対する税負担が高いではないかという御指摘もあるわけですけれども、これまたいろいろ国際比較をいたしますとくどくなりますからあれでございますが、アメリカを除けば、ヨーロッパの諸国よりは日本の一生涯にかかります自動車の総合的な税負担は低いということであります。
 で、消費課税ということだけ取り出して考えますと、日本の小型乗用車にかかります物品税率は一七・五というふうに改正をお願いしておりますが、その場合に小売価格に対して一一・三%ぐらいの税負担になるだろうと思います。フランスの付加価値税では三三・三、ドイツの付加価値税では一三、それからイギリスは一五と卸段階の一〇と足しまして二〇程度という税率であります。消費課税としても今回の物品税の引き上げは決して国際的に見て高過ぎるという水準ではないというふうに考えておるわけでございます。
#241
○三治重信君 だからそういう比較をされると、自動車重量税みたいなのは日本だけしかないんじゃないですか。
#242
○政府委員(高橋元君) ただいま申し上げましたのは、自動車重量税を含めてみても国際的に見てそれほど高くないわけでございまして、数字は申し上げませんでしたが、物品税の引き上げができた後で六年間走りました場合の千六百ccクラスの車の車体と燃料にかかります――これはもちろん重量税を含めてでございますが、一年当たり十四万一千円で、ドイツの十五万、フラン又の二十三万六千円、イギリスの二十二万六千円と比べれば、ヨーロッパに比べてかなり日本の水準は低くなっておるということでございます。
#243
○三治重信君 ヨーロッパと比較して高くはないというのは、また一遍ひとつよく資料を説明をしていただきたいと思う。われわれはものすごい、世界一高いんだということを詳細に教わっているわけなんですが、ひとつそういういまの流暢な説明を一遍資料をもってまた教えていただきたいと思います。
 それから、今度の十二品目が新たに加えられたわけなんですが、これを見ても、どうも選んだ理由が、十二品目一々御説明はいいわけなんですけれども、自動車とそれから家電、きのうの参考人のやつでも家電業界が、取りやすいところから、われわれのところばっかりから次から次へと取られるというような苦情と申しますか、悲鳴みたいなことを言っておられるわけなんですが、そういう非常に国民の消費生活の向上に伴って家電製品が世界一、自動車に次いで消費の構造、需要の向上を見てそこに目をつけられているだろうと思うんですが、そういう家電とか自動車に余り集中しちゃうということは、やはりひがみ根性を各業界に起こし過ぎるのじゃないか、こういうことになるわけだと思うんですが、それに対する御意見。
 それから、冷暖房の関係の機械について御質問があったかと思うんですけれども、中小企業の製品の割合がわりあいに多いんだと、それが課税をされると、納税なんかについて、いままで物品税に対する、製品に対する庫出税の経験がないので非常に困惑している。こういうようなことなんですが、事前にそういう部面についての説明はひとつ十分やっていただくとともに、きのう聞いていたのでも、課税標準についてやはりどうも一方的というのですか、余り理屈っぽくて具体的にわかりにくい決め方になっちゃうのではないかと思うんですけれども、そういうことで、税率は決めであるけれども、実際に課税標準、それは幾らの物と認めるかということについて非常にいろいろ問題があるようなんです。ことに、これが大企業製品と中小企業製品と同じ製品についてある場合に、自動車なんというのはほとんど全体の水準からいけば大企業製品になっちゃっている、家電製品も大体において大企業製品になってきちゃっている。空調冷凍の方のやつはまだ非常に中小企業が多いという話なんですけれども、それはどういうふうににらんでおられるか一
#244
○政府委員(高橋元君) 自動車と家電に偏っているのではないかという御質問でございますけれども、今回改正をいたしまして十二品目新たに物品税の負担をお願いいたしますのは、現在がかっております物品とバランスから見てかけないとむしろおかしいのではないかという物があるわけであります。たとえばテレビジョンにはかかっておりますがビデオプロジェクターにはどうもいまこれ課税品でございませんのでかからない。普通の写真機にはかかっておりますがテレビカメラにはかからない。テープレコーダーないしテレビにはかかっておりますがビデオテープレコーダーにはかからない。この辺がやはり現行の物品とのバランスから見て課税することがむしろ相当ではないか、それがむしろ担税力ということから見た消費税としては公平ではないかという考え方でございます。
 自動車につきましては先ほど考え方を申し上げました。
 冷凍空調のお話でございますけれども、これもいまの考え方でございますが、従来家を建てますときに家と一体となってエアコンディジョンの設備をいたしますと、これは装置または建物であって物品でないという考え方できたわけでございますが、ルームクーラーはこれは課税になっておりまして二〇%、一五%という課税でございますけれども、ルームクーラーよりはよりむしろ装置に金がかかる、家と一体になりました冷房装置の場合にこれは課税しないとむしろバランスを失するのではないか、個々の製品が中小企業製品である点が多いという御事情は私どももいろいろ勉強してみたわけでございますけれども、消費税といったてまえからいたしまして冷凍空調の関係の機器についても今度税負担をお願いをいたすという案を御提出をいたしておるわけでございます。その場合に物品税は個別の物の蔵出し価格にかかっていくので蔵出し価格がいかほどであるか計算するのが大変めんどうだという御心配でありますが、これは販売価格を決めて固定をしまして、これまたどのくらいのマージン率であるか、それぞれの取引の実情に応じまして平均したマージン率をもって小売価格から逆算をして課税をするという方法がございます。俗に一定率と言っておりまして、家電業界などはこの一定率制度を非常に広く使っておられます。冷凍空調の機器につきましても、実情に応じて一定率を政令をもって認めていくという形で課税の簡便を図りたいという考え方でおるわけでございます。
#245
○三治重信君 この何というんですか、一定率の問題のやつはあしたまた質問をいたします。
 それから、この家電の関係ではことに新規開発商品というもので、これは質問があったかと思うんですけれども、一般的に今後ともやる場合に例として家電製品で申し上げますけれども、新規開発商品に物品税をかけるという場合の、いわゆる開発商品を開発してからどの程度の需要の見当を見、またそれが伸びるというふうな判断でかけていくのか、これはまあそこに何か基準がないと、今後新しく人間生活の生活向上や環境改善に役立つだろうと思っていろいろ苦心惨たんして開発投資をしアイデアをやって開発をすると、そうしたらこれはすぐもうけ口――もうかるかもうからぬかは別にして、すぐ物品税で課税されるということになってくると開発意欲がなくなるということについての、一般論で結構ですが、そういうものに通ずる物品税の考え方の配慮というものは何か少しあってしかるべきではないかと、こういうふうに思うわけですが、どうですか。
#246
○政府委員(高橋元君) 今回いろいろ課税品を検討いたしております際に、耐久消費財として見て、たとえば布団乾燥機というのが花形商品でございましたので、布団乾燥機あたりが適格商品ではないかというような検討もしたわけでございますが、これは爆発的に売れた商品でございますけれども、現在すでに生産がないというような状態になっておるようであります。そこで消費税でございますから、すでに課税されております六十八の物品とのバランス、それを見て新しく開発された商品に対する消費というものになるべく早期に課税をするということは課税のバランス上必要になってまいるわけでございます。自動車にしましてもさっき申し上げましたが、全国で二十五万台くらいしかない時期から課税をしておりますし、テレビでも〇・二、三%の普及率の時代から課税をいたしておるわけであります。またそういうことはいかにも税務当局に都合のいい言い方だというふうなお気持ちでなくてお聞き取りいただきたいんですが、消費の伸びが非常に強くて生産が伸びていけばコストが下がる、そういう形で物品税の負担というものは吸収しやすいという利点もあろうかと思うわけであります。四十八年から七年間全く物品税を見直しておりませんでしたので、今回はやや普及率が高くなったものについて御負担を新たにお願いをするというような事情にございますけれども、基本的には現在の課税物品とのバランスということで新規の商品を課税の対象にいたしたいと思いますし、またそのやり方につきましても、技術開発とかそれの商品化ということを阻害しないようにいろいろな工夫を払っておるわけでございます。
#247
○三治重信君 税目を見てみますと、物品税がかかったのは自動車でも一番初め、戦後早くえらい高い物品税、高率の物品税をかけていたのは、これは金持ちでもいわゆる物品税の一番初めの発想法で、物品税についての考え方、何というのですかぜいたく品とか、非常に生活に直接関係のない奢侈品だとか、娯楽品、こういうふうな物品税に対する考え方、一般の消費生活に支障のないいわゆる高級生活に使われる物品というものに対する課税ということで、きっと自動車もそれからテレビなんかも少数のときから始められたんだろうと思うんです、それがだんだん国民所得の増加によってそれが普通品になればこういう考え方がなくなって、いまやこれだけの高所得水準になってくると、そういう物品税に対する奢侈品や娯楽品というような考え方を税調でも非常に考え直さにゃいかぬ。そこの迷いがいまの物品税の八十六品目と今度の十二品目の中にあるのかどうか、またそれに一つ、物品税について新しい考え方というものをどういうふうにとられていくのか。税調の方でも奢侈品や娯楽品というものについていままでかけていたこの観念が、もういま現実は変えなくちゃいかぬようなことになっているけれどもまだ結論が出ないと。結論が出なければかけにゃいいんだけれども、しかしどんどん、間接税として物品税を大蔵省としても今度相当重視をするかっこうになってきているわけなんですが、そういうことについての立場をはっきりせぬと、いわゆる取りやすいところから取る、不公平じゃないかと、こういう考え方が非常に強いわけなんですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#248
○政府委員(高橋元君) 大きく分けまして、戦後の物品税の歴史は三十七年以前と三十七年以後に分かれると思うんでございますが、三十七年以前はむしろ戦争中または戦後に非常に拡大をいたしました物品税の中で、日用身辺の物、比較的低い担税力しかあらわしていないと思われる物を外していく歴史であったわけでございます。確かに自動車が二十五万台のときに物品税をかけたと、その段階ではぜいたく品、ステータスシンボルというような考え方もあったと思いますが、三十七年以後はむしろ消費水準が非常に上がってまいって、マスコンサンプションの時代に入って、所得のいかんと消費する物品との関係が必ずしも一様でなくなったと、いわゆる消費の平準化、多様化、大衆化ということが起こってまいりました。その中で個別消費税としての物品税の機能、また税としての性格をどうやって保っていくかという形になったわけでございます。それが三十七年以後の大きく分けました物品税の課税対象物品の選び方でございます。
 そこで、高度の便益品、趣味、娯楽品、奢侈品というようなものを課税の理念とするという現在の考え方ができてきてまいったわけでございます。それ以後、バランス上新規開発物品、また消費の態様の変化に応じて新しく消費されるようになった物、そういう物について課税をお願いをするということになってまいったわけで、現在の物品税はそういう形で四十三年の答申以降、四十六年も五十二年も五十五年もそうでございますが、むしろバランスをとって新規課税物品を適当に選ぶという考え方で現在に及んでおるわけでございます。
#249
○三治重信君 それじゃ、あとはあしたにやります。
#250
○委員長(中村太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#251
○委員長(中村太郎君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次三案の趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#252
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、最近における社会情勢の変化等に対応して所得税制の整備合理化を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 第一に、家計を助ける主婦などに対する配慮として、配偶者控除及び扶養控除の対象となる者の所得要件につきまして、給与所得等に係る所得限度額を現行の二十万円から二十九万円に引き上げることといたしております。
 第二に、父子家庭のための措置として、妻と死別し、または離婚した者のうち、年間所得金額が三百万円以下であること等一定の要件を満たすものにつきまして、寡婦控除と同額の二十三万円の所得控除を認めることといたしております。
 第三に、豪雪等災害に直接関連して支出した金額が年間五万円を超える場合にその超える部分の金額を雑損控除として所得控除できることとするほか、所要の改正を行うことといたしております。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、現下の厳しい財政事情及び最近における社会経済情勢に顧み、法人税の税率を引き上げるほか、制度の整備合理化を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 第一に、財政体質の改善に資するため、相当規模の増収措置を講ずることとし、法人税の税率を一律二%引き上げることといたしております。
 第二に、中小企業に対する配慮として、中小法人に対する軽減税率の適用所得限度を年七百万円から年八百万円に引き上げることといたしております。
 第三に、現在非課税法人とされている健康保険組合等を収益事業の課税対象法人とするほか、所要の改正を行うことといたしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、現下の厳しい財政事情及び最近における社会経済情勢に顧み、法人税法における税率の引き上げに対応して配当軽課税率等の引き上げを行うとともに、租税特別措置の整理合理化等を推進するほか、エネルギー対策の促進に資するための措置その他所要の税制上の措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 第一に、法人税の配当軽課税率等の引き上げであります。
 法人税につきましては、財政体質の改善に資するため、別途提案しております法人税法の一部を改正する法律案により、その税率を二%引き上げることとしておりますが、これに対応して配当軽課税率等を一律二%引き上げることといたしております。
 第二に、既存の租税特別措置の整理合理化等であります。
 まず、企業関係の租税特別措置につきましては、適用期限の到来するものを中心に見直しを行うこととし、産業転換設備等を取得した場合の特別税額控除制度を廃止するほか、医療用機器の特別償却制度の償却割合及び汎用プログラムの開発に係るプログラム準備金制度の積立率を二割引き下げる等その整理合理化等を行うことといたしております。
 また、登録免許税の税率軽減措置等につきましても所要の整理合理化等を行うことといたしております。
 第三に、エネルギー対策の促進に資するための措置であります。
 すなわち、現下の緊急の課題とされるエネルギー対策の促進に資するため、省エネルギー設備、石油代替エネルギー関連設備及び中小企業者の取得する一定の機械等につきまして、三年間限りの措置として、一定の要件のもとに、取得価額の三〇%の特別償却と取得価額の七%の特別税額控除とのいずれかの選択を認める措置を講ずることといたしております。
 第四に、交際費課税の強化であります。
 すなわち、交際費課税制度につきましては、定額控除額を超える交際費支出額のうち、前年同期の交際費支出額を超える部分は全額損金不算入として、課税の強化を図ることといたしております。
 第五に、普通乗用自動車等に対する物品税の軽減税率の引き上げであります。
 すなわち、普通乗用自動車等に対する物品税の軽減税率につきましては、課税物品相互間の負担のバランス等を考慮して、二・五%引き上げることといたしております。
 第六に、割引債の償還差益に対する総合課税のための措置であります一。
 すなわち、割引債の償還差益につきましては、利子課税とのバランス、割引債の流通性等の配意しつつ、総合課税のための具体的方法として、発行時における源泉徴収制度、発行時から償還時まで引き続き保管の委託等がされていた場合の源泉徴収税額の一部還付制度等を定わることといたしております。
 第七に、中小企業等海外市場開拓準備金制度等適用期限の到来する特別措置について実情に応じその適用期限を延長するほか、所要の改正を行うことといたしております。
 以上、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#253
○委員長(中村太郎君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました、
 なお、三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#254
○委員長(中村太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#255
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#256
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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