くにさくロゴ
1980/04/21 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第14号
姉妹サイト
 
1980/04/21 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第14号

#1
第094回国会 大蔵委員会 第14号
昭和五十六年四月二十一日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     板垣  正君     古賀雷四郎君
     竹田 四郎君     和田 静夫君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     近藤 忠孝君     宮本 顕治君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     藤井 孝男君     吉田  実君
     宮本 顕治君     近藤 忠孝君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     吉田  実君     藤井 孝男君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君     江藤  智君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     三治 重信君     中村 鋭一君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
    大河原太一郎君     野呂田芳成君
     中村 鋭一君     三治 重信君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君    大河原太一郎君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     丸谷 金保君
     大木 正吾君     藤田  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                衛藤征士郎君
                嶋崎  均君
                藤井 裕久君
                穐山  篤君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
                岩本 政光君
               大河原太一郎君
                梶木 又三君
                片山 正英君
                河本嘉久蔵君
                古賀雷四郎君
                塚田十一郎君
                藤井 孝男君
                鈴木 和美君
                和田 静夫君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
   政府委員
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省理財局長  渡辺 喜一君
       大蔵省理財局次
       長        宮本 保孝君
       国税庁直税部長  小幡 俊介君
       国税庁間税部長  小泉 忠之君
       国税庁調査査察
       部長       岸田 俊輔君
       農林水産政務次
       官        野呂田芳成君
       農林水産大臣官
       房予算課長    京谷 昭夫君
       農林水産大臣官
       房経理課長    宇賀神治夫君
       農林水産省畜産
       局長       森実 孝郎君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    漆間 英治君
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   内田 文夫君
       文化庁文化部文
       化普及課長    石井 久夫君
       文化庁文化財保
       護部管理課長   石田正一郎君
       厚生省医務局総
       務課長      水田  努君
       農林水産省構造
       改善局次長    浅原 辰夫君
       運輸大臣官房海
       洋課長      森平 倫生君
       運輸大臣官房国
       際課長      向山 秀昭君
       運輸省船舶局管
       理課長      早川  章君
       建設省計画局不
       動産業課長    末吉 興一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○財政運営に必要な財源の確保を図るための特別
 措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十三日、野呂田芳成君が辞任され、その補欠として江藤智君が、また昨二十日、対馬孝且君及び大木正吾君が辞任され、その補欠として丸谷金保君及び藤田進君がそれぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中村太郎君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最近におけるわが国の財政は、特例公債を含む大量の公債発行に依存せざるを得ない状況にありますが、こうした状況から一刻も早く脱却して、財政の対応力を回復しておくことがぜひとも必要であります。
 政府といたしましては、このような考え方に立って、財政の健全化に全力を傾注しているところでありますが、昭和五十六年度予算の編成に当たりましては、公債発行額を前年度当初予算よりもさらに二兆円減額することとし、自然増収を最優先的にこれに充てることといたしました。
 これを受けて歳出面においては、一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費について根底から見直すなど、思い切った節減合理化を図ることとしたところでありますが、福祉、文教等の行政水準を維持するためには、なお相当の財源が必要であります。
 このため、蔵入面において徹底した見直しを行うこととし、現行税制の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずるとともに、特殊法人からの臨時特例的な国庫納付等を実施して税外収入の増収を図ることとしたところであります。
 このような歳出歳入両面の見直しを通じ、公債発行額の二兆円の減額は、そのすべてを特例公債の減額によることといたしましたが、昭和五十六年度においてもなお引き続き特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。
 このように国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、ここに本法律案を提出し、当面の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、租税収入以外の歳入に係る特別措置を定めようとするものであります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、昭和五十六年度の特例公債の発行等についてであります。
 まず、昭和五十六年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることとしております。
 次に、租税収入の実績等に従って、特例公債の発行額の調整を図るため、昭和五十七年六月三十日まで特例公債の発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は、昭和五十六年度所属の歳入とすることとしております。
 また、この法律の規定に基づき、特例公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その公債の償還の計画を国会に提出しなければならないこととしております。
 なお、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は、行わないものとしております。
 第二に、日本中央競馬会は、昭和五十六事業年度については、通常の国庫納付金のほか、剰余金を基準とする国庫納付金の額が五百億円に満たない場合においては、特別積立金のうち五百億円と剰余金を基準とする国庫納付金の額との差額に相当する金額を昭和五十七年三月三十一日までに国庫に納付しなければならないこととしております。
 第三に、日本電信電話公社は、昭和五十六事業年度から昭和五十九事業年度までの間、積立金のうち四千八百億円に相当する金額を、四年均等割りで、毎事業年度末までに国庫に納付しなければならないこととしております。
 第四に、日本開発銀行及び日本輸出入銀行については、昭和五十六事業年度から昭和五十九事業年度までの措置として、利益金の処分の特例を設けることとしております。
 すなわち、日本開発銀行及び日本輸出入銀行は、利益金から一定の準備金積立額を控除した残額を国庫に納付することとされておりますが、この準備金積立額を計算する場合における貸付金残高に係る積立率を現行の千分の七から千分の五に引き下げることとするものであります。
 第五に、一般会計の歳出の財源に充てるため、昭和五十六年度から昭和五十九年度までの措置として、産業投資特別会計から、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れることができることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 なお、本法律案は、その施行日を「昭和五十六年四月一日」と提案しておりましたが、その期間を経過しましたので、衆議院におきまして「公布の日」に修正されておりますので御報告いたします。
 以上でございます。
#5
○委員長(中村太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより本案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○和田静夫君 まず、予算委員会で時間切れになったものを二、三最初に質問いたしたいと思いますが、東洋信販のあの事件ですけれども、その後の検討結果、大蔵省か厚生省どうですか。
#7
○政府委員(吉田正輝君) 東洋信販の件でございますけれども、その後いろいろ報道も出されておりますので、私どもとしては関係省庁と協力しながら調査している段階でございます。
#8
○和田静夫君 建設省見えていますね。――これはさまざまな情報、その後ずっと私のところにも入ってきているんですが、不動産業の認可について再検討されるつもりはありませんか。
#9
○説明員(末吉興一君) 不動産に関する免許基準は宅地建物取引業法に基づいて行っておりまして、現在のところ免許基準について検討するという段階にはございません。
#10
○和田静夫君 ちょっと東洋信販の事件について厚生省、調査結果報告してください。
#11
○説明員(水田努君) 東洋信販の件につきましては、大臣から早急に事実関係を調査するように指示を受けておりまして、私ども関係省庁の御協力を得ながら情報の収集に当たっているところでございますが、現段階におきましては厚生省関係についての違反事実を把握するに至っておりませんが、私どもの所掌しております法律関係に、東洋信販の指導を得た結果、医療機関においてそういう違反行為があることが明らかになった場合には厳正に処分をするつもりでおります。
#12
○和田静夫君 別荘地の分譲に関してかなり多くの詐欺事件の被害者が出ています。警察としても私は捜査を開始すべきだと思っているんですが、第一に警察はどう考えていらっしゃいますか。まだ匿名を希望されていますから、ここで医師の名前を特定するわけにはいきませんが、ある医者の証言では、この会社のドクタービレッジに関して詐欺事件が発生をして、被害者は東京都内だけで二十名に及んでいるわけであります。私のところに訴えてきたこの人は二千万の詐欺にかかっているわけであります。別荘地の温泉契約をしたけれども、温泉が引かれていないなどの欠陥分譲が明らかになっていますが、警察はどの程度お調べになっていますか。
#13
○説明員(内田文夫君) お答えいたします。
 そのような事実について私ども、現在承知しておりませんけれども、御質問のように温泉が出るということで出る事実がなかったというような問題がありますれは、宅建業法違反とかあるいは詐欺罪とか、そういう問題も場合によっては考えられることもあるのではないかと思っています。
#14
○和田静夫君 新聞にもすでに報道された部分もありますが、この会社は、もちろんお医者さんでありますが、出資者、これに対して住宅ローンの名義貸しを要求しています。これはその覚書なんですけれども、このローンの名義提供者の側には百三十万円程度の土地を提供しているわけです。これについては大蔵省並びに警察庁の見解を伺いたいんですが、勤労者の住宅取得のための住宅ローンがこういうようなことに使われていることについて私は憤りを覚えます。昨年二月の埼玉でのローン事件という前例のあることでありますから、厳正な処分をされてしかるべきだと思っていますが、いかがですか。
#15
○政府委員(吉田正輝君) 先生ただいま御指摘の、東洋信販が個人から名義借り受けをして住宅ローンを受けていたかどうかについては、私どもの方ではまだ調査中で確認している段階ではございません。ただ、個々の直接な事情を聞いてみないとそこのところはよくわかりませんけれども、一般論で申し上げさせていただきますと、二つの問題があるかと思います。
 一つは、金融機関がそれでいいのかどうかということが一つ。それからそういうことが私法上正しいのかどうかという問題であろうかと思いますけれども、金融機関の側といたしましては、住宅ローンの場合には本人であるかどうか、担保が取れるかどうかということをしながら善意として貸し出しているケースが多いかと存じます。それからもう一つ、受け取った側の方の問題といたしましては、それが一般的に住宅ローンということでございますので、金利やなんかも、特に各市中金融機関は配慮して、なるべく低率にしているような実情でございます。でございますので、少なくとも、金融機関の側の方の問題は別といたしましても、全体としては好ましくないことであるというふうに考えております。
#16
○和田静夫君 警察はどうですか。
#17
○説明員(漆間英治君) 御質問のように四月十七日付の読売新聞で、「住宅ローン不正取得」という記事が報道されたことはよく承知をいたしておりまして、関心を持っておりますけれども、これだけの事実で直ちに詐欺になるかどうかという点につきましては、現在のところまだ判断できる段階ではございません。今後もう少し状況を見まして、詐欺罪に当たるかどうかということを見きわめてまいりたいというふうに考えております。
#18
○和田静夫君 さらに新しい文書を入手しているんですけれども、これもいまの住宅ローンの名義貸しと同様の性格を持つと私は思いますが、これは「親しい株主の先生方へ特別限定条件の物件お預かりのお願いと取決書」というものでありまして、社長大谷さんのサイン入り、一九七六年の文書です。これは頭金は会社持ちで、二十年のローンで五年間北海道半月湖の別荘地を買ったことにする。五年後に会社が買い戻す。その際の買い戻しの条件は、出資者の一切の支出金の二倍だというわけです。平均で年率四割の投資になりますと、こういうふうに書いてあるわけです。会社側はこのメリットについてはイからチまであるわけでありますが、優良物件を五年間先生に肩がわって保有してもらえる。銀行の積み残しローン枠を金融の締まらないうちに二十年間確保しておくなどなどであります。これは大蔵省どういう見解をお持ちですか。
#19
○政府委員(吉田正輝君) ただいま初めて伺ったケースでございますので、実態がどうなっておるかをよく伺ってみないと、出資法上の問題というのはいろいろの要件がございますので、直ちに成立するかどうかについてはただいま即答をここで申し上げるのはなかなか困難だと思っております。
#20
○和田静夫君 建設省改めて申しますが、いまの論議を聞いておって、これでもやっぱり不動産業認可についての再検討というのは考えないということですか。
#21
○説明員(末吉興一君) 東洋信販は四十六年に大臣免許を受けた不動産業者でございます。新聞に出まして、十八日の日に東洋信販の取締役の営業部長さんから事情聴取をいたしたところでございます。
 私どもとしましては、この事態の進展を待ちまして、宅地建物取引業法に抵触するような事業が判明いたしますれば、宅地建物取引業法に照らしまして措置をしてまいりたいと思っております。
#22
○和田静夫君 この会社はまだまだ突つけば疑惑の出てくる会社でありまして、たくさんの資料がありますから、引き続いて他の時間を割きながら論議をいたしますが、関係当局の厳密な調査をこの機会に求めておきます。
 それから銀行局、これも予算委員会で残したことですが、札幌トヨペットの岩沢氏の株式投機に絡んで東海銀行が外国銀行に融資紹介状を書いた事件について、この大蔵省の調査結果を聞かしてください。
#23
○政府委員(吉田正輝君) 個別の取引でございますので、詳しくは申し上げにくいことではございますけれども、実際上東海銀行が、外国銀行に岩沢グループに関して紹介、あっせんをしたかどうかということでございますけれども、これにつきましては、似たような感じの……これは法律的に、たとえばそれがそういう実際の保証になるのかどうかというような問題がございますけれども、そういうケースがあった、それに似たようなケースがございます。この点につきましては、法律的にそれが保証として成り立つのかどうか、ただいま銀行の中でもあるいは私どもの方でも注目しておるとこうでございますけれども、一般論として言いますと、外銀がただいまわりあい日本の中で融資先を開拓するのにいろいろと工夫をしあるいはやや無理をしているケースがございます。そういう場合に、融資先の開拓を図るために邦銀に紹介を求めるとかあるいは邦銀の方で、一方コルレス先との関係緊密化を図るというようなことで、外銀に取引先を紹介するというようなことがございます。この紹介がどの程度外銀について影響したかどうかということでございますけれども、一般的には融資についての最終的責任は、基本的には融資を行った銀行自身がみずからの判断で行うべきものと思いますけれども、銀行間で申しますと、紹介したとか何かについてはある程度のモラルの問題はあろうかと存じております。
#24
○和田静夫君 たとえば報道機関が報ずるところによれば、紹介状も明らかになっています。銀行側のコメントも頭取の話として出ている。これはやっぱり銀行の責任というものを考えなきゃなりませんし、もう一つは、銀行の姿勢に私はやっぱり安易さがあったと考えるわけですね。そういう意味ではきちんとした指導が必要なんだと思うんですが、この二点について答えておいてください。
#25
○政府委員(吉田正輝君) 本件がどの程度銀行間で責任があるかどうかということでございますけれども、確かに単に紹介状だけで貸し出しを行うとかいうようなケースというのは、やはり融資管理としては問題があろうかと思います。そういうことでございますので、私どもも最近改めまして、こういう点につきましても大臣が国会で今後抑制方を指導していきたいと、こういうふうに申した経緯がございます。で、私どもの方といたしましても、かねてからそういう株式思惑の資金を融資することについては差し控えるように指導してきたのでございますけれども、今回改めてそういうような安易な審査で融資をするというようなことにつきましては、金融機関は何と申しましても公共性がございますし、社会的批判を受けるようなことがあってはいけませんので、厳に自粛するように口頭で指導いたしたところでございます。
#26
○和田静夫君 最後に、懸案の東京信金の問題ですが、まず、東京の決算承認金庫を挙げてください。
#27
○政府委員(吉田正輝君) 決算承認金庫という制度はございますけれども、これは信用秩序とか預金者保護とか、金融機関の信用にかかわる問題でございますので、御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#28
○和田静夫君 ここからは昭和五十五年度の決算予想表が報告をされているはずですが、どんな状況ですか。
#29
○政府委員(吉田正輝君) 大変恐縮ですが、五十五年度でございますか。
#30
○和田静夫君 はい。
#31
○政府委員(吉田正輝君) 五十五年度の決算は五十六年の五月の総会に報告されることでございますので、ただいまのところ確定したものはございません。
#32
○和田静夫君 予想表が出ているでしょう。
#33
○政府委員(吉田正輝君) 一般的な信用金庫の決算状況でございましょうか。
#34
○和田静夫君 はい。
#35
○政府委員(吉田正輝君) 大変恐縮でございます、全体の信用金庫の決算状況でございますか。
#36
○和田静夫君 いえいえ、東京信金。
#37
○政府委員(吉田正輝君) これは確かに五十五年の総会の段階で総代等に対してそういう決算の報告がなされますけれども、ただいまのところそこまでの段階に至っておりませんので、ここで答弁を申し上げるわけにはいきませんし、現実にまだ私どもも手にしておらない状況でございます。
#38
○和田静夫君 私は持っているんですけれども、それじゃ、手にされておらぬのなら後で一遍あれしましょう。
 そこで、この信金の決算の予想ですが、比較的よい状態、あるいは可もない不可もない状態、あるいは悪い状態、この三つのうちのどんな状態だと予想されますか。
#39
○政府委員(吉田正輝君) 特定の金融機関について金融当局――金融行政を預かっておりますので、それが悪いとか何とかということの御答弁は御容赦いただきたいと思います。
#40
○和田静夫君 少し立ち入って聞きますが、これは通告してあることですから一応聞いておきますが、法定準備金あるいは貸し倒れ積立金その他の積立金、あるいは役員賞与、これらの状況についてもここでは答弁できませんか。
#41
○政府委員(吉田正輝君) 五十四年度の分は出ておりますので申し上げさせていただきますけれども、法定準備金、貸し倒れ引当金その他の積立金はルールどおり処理されておりまして、ただ役員賞与は返上していると申しますか、なしということでございます。
#42
○和田静夫君 五十四年度のやつは前のときに終わっていますので、私は五十五年度の予想について言っているわけであります。私はこの金庫の決算状態は非常に悪い状態にある、貸出金償却は六億円ぐらいになるかあるいは近いとにらんでいます。これはまだ不良貸し出しの一部にすぎません。こういうような状態では準備金、積立金は計上できない。できたとしてもごくわずかだろうと推測がされます。銀行局長が昨年十月、私の質問に対して著しく赤字になるというような現状ではないと答えられたんです。現在でもその答えを変えられませんか、局長はいないんだけれども。
#43
○政府委員(吉田正輝君) 先生の御質問にあえてお答えいたしますと、赤字にはならないということだけは申し上げることができると思います。
#44
○和田静夫君 私は、この問題取り上げて御存じのとおりすでに三年であります。まあ大光相互銀行が五年かかったことを思えば三年ですから、まだ時間的にはもっともっとかけていくということにならなければ明るくならぬのでしょうが、大蔵省はその都度調査すると約束をされて、適正に指導しますと銀行局長が答えられました。なるほどそれなりの指導をされたでありましょうし、ゆめゆめ私は疑いません。しかし浅野前理事長、現会長の姿勢は全く変わっていない。で、まあ大蔵省出身の現理事長がいらっしゃるのでありますが、金庫の経営から全く除外をされて、個室があてがわれて、何の発言権もないという状態に置かれているということは、もはや周知の事実なんですね。時間がたてばたつほど金庫の財務状態は悪化して、職員はやる気をなくしてきている。ことしは決算をうまく操作して赤字を出さずに済むかもしれないけれども、しかし来期は、私の見るところ赤字は必至ではなかろうか、こういう状態であります。これを放置しておいては、厳正な指導を怠ってきたと大蔵当局が言われても仕方がない状態になるのではなかろうか、そういうことを危惧をいたします。ことしの三月に東京信用金庫を良くする会という組織が発足したこと、これは大蔵省御存じですか。
#45
○政府委員(吉田正輝君) そういう会ができているということは、直接その会との接触はございませんけれども、いろいろの宣伝物と申しますか、刊行物と申しますか、そういうのが当局に届けられているという事実がございます。それが、ただいまそれと接触とか、そういうことはございませんけれども、そういうものを通じまして存在しているということは承知しております。
#46
○和田静夫君 この会の趣旨というのも御存じですね、そうすれば。
#47
○政府委員(吉田正輝君) 私の記憶によりますと、その会の趣旨は文字どおり、東京信金の経営を刷新してそして働きやすい環境の金庫をつくり、かつその金庫の内容をよくしていこうと、そういうものであると私は考えております。
#48
○和田静夫君 私は、信用金庫の内部の職員が代表権を持つ会長の退陣まで要求をして良くする会をつくるというのは、これは全く異常な事態だろうというふうに考えるのでありますが、そうはお思いになりませんか。
#49
○政府委員(吉田正輝君) ただいまの御指摘の会がそういうことを標榜しているということは承知しておりますが、経営の個々の内容でございますので、ここで私どもがその会についての評価あるいは今後の個別の金庫についての私どもの考え方をはっきりと申し上げるわけにはいきませんけれども、やはりこの信用金庫についてはいろいろと言われておりますので、いろいろと調査しながら今後慎重に対処していきたいと、こういうふうに考えております。
#50
○和田静夫君 前にも触れました浅野会長のインターナショナル・リベート事件について、新しい疑惑が生まれてきているんですが、この件については金庫から関財に報告が上がっていると聞いていますけれども、いかがですか。
#51
○政府委員(吉田正輝君) インターナショナル・クレジット事件という件は、先生の御指摘のものは、それは東京信用金庫に対する新宿支店の売却代金の件と承知してよろしゅうございますか――その件につきましてはいろいろと国会でも御指摘がございまして、たしか新宿支店の一部を売却してその正規の代金のほかに別途金を受領しているのではないかという事実の件だと承知いたします。で、これにつきましては、私どもいろいろと金庫から調査を、報告を徴求している段階でございます。
#52
○和田静夫君 そうすると、内容はまだ報告を受けていないというんですか。
#53
○政府委員(吉田正輝君) 本件大分古い、たしか五、六年前にこの問題の発生があると思いますが、何分古いケースでございますので、その間にいろいろの事実が発生しているということでございます。それでそれにつきましてはなかなか事実の把握がむずかしいわけでございますので、何度でもこの信用金庫から報告を徴求し、疑問点がございますときはそれをさらに再調査を要求するというようなことで、大変に関東財務局も努力しておりますけれども、最後のところの確証がまだつかめてないというようなことでございます。調査は大変熱心にやっておるところでございます。
#54
○和田静夫君 あと二、三問でやめますが、この浅野会長の説明では、七二年四月に受け取った九千六百万円のうちの九千二百万円を本店のほか三支店に分散して架空名義で預金をした。最初、浅野会長はこの金をおろして三越から日本画、ダイヤ、金の地金計九千二百五万円を買ったと主張された。ところがこれら三品の購入口と架空名義の預金の払い出し日が一致せずに、これら三品は自分の普通預金をおろして買ったと言いかえた。いずれにせよこれらの三品を七八年の一月に金庫に返した。さらにリベートと三品の差額三百九十五万円及び利息の一部、合計千七百万円をことしの一月に返した。これが会長側が主張する事件のてんまつなんですね。
 まず一般論としてお聞きしたいんですが、一たん横領したものを事件が明るみに出されたので返したということで、警察庁、その罪は消えますかね。
#55
○説明員(漆間英治君) 前提となる横領罪が成立している限り、その額を返しましてもそれは情状の問題にすぎません。
#56
○和田静夫君 各支店に分散預金された金というのは、七四年から七六年にかけて払い出されているわけですね。三越からの三品購入は七三年、七四年なんですね。ここのところはいままでの調査で間違いありませんか。
#57
○政府委員(吉田正輝君) 大体そのようなことでございます。
#58
○和田静夫君 この会長浅野さんの側の説明の問題点は次の点なんです。第一に、三越から購入した三品の領収書がない。正規の領収書がないということは資産計上金額を確定できないはずだと私は思うんですが、にもかかわらず経理処理は行われた。この時点で三越から出された領収書とおぼしきものはこれなんですよ。三越の便せんに
  宝石ピンクダイヤ
     ¥六〇、〇〇〇、〇〇〇
   昭和四十九年四月末日
             株式会社 三越
              外商部
              西村武彦
という判を押してある、こういうものなんですね。これは領収書とは言えるだろうか。これは国税庁、こういうようなのは適法な処理ですかね。
#59
○政府委員(小泉忠之君) 御質問の領収書でございますが、昭和四十九年四月末発行というふうに承りましたが、印紙税法がございまして、当時の税法で解釈いたしますと、記載金額は一万円以上になっておりますので、それにつきましては二十円の印紙税が課税される。それが張ってございませんと三倍の過怠税が課税されるということになりますが、国税通則法の七十条四項第二号によりまして過怠税の賦課決定は文書作成の日から五年を経過したものは行うことができないということになっておりますので、四十九年の四月でございますと七年の経過ということになるわけでございます。
#60
○和田静夫君 私は三越側がとった措置も大変疑問なんですが、この宝石ピンクダイヤの価格について実は疑惑が持たれていまして、本当に六千万円なのかどうかという点もあるわけであります。これは一環の調査の中で銀行局、調査を続けてもらいたいと思うんです、ここのところは。よろしいでしょうか。
#61
○政府委員(吉田正輝君) 古い事件でございますけれども、そういういろいろの証拠を含めまして信憑性その他を今後も調査を続行してまいりたいと思います。
#62
○和田静夫君 第二の問題点は、七四年から七六年にかけて払い出された架空名義の定期預金は九千六百万円ではなく、私はもっと多かったのではないかといういろいろの調査結果を持っています。この点も大蔵、警察、調査をしておいてもらいたいと思うんですが、よろしいですか。
#63
○政府委員(吉田正輝君) いたします。
#64
○説明員(漆間英治君) 警察は直接的な監督官庁ではありませんので大蔵省のような調査の仕方はできませんけれども、それなりの仕方で対処してまいります。
#65
○和田静夫君 本題に入らしてもらいますが、まず大蔵大臣、先週の閣議後の記者会見で、防衛費を聖域扱いにしないとしながらも特別扱いをするように示唆されたと四月十七日の日経が伝えていますが、その真意をお聞かせください。
#66
○国務大臣(渡辺美智雄君) さあ、新聞を読んでいないからよくわかりませんが、それはいつの話で……。
#67
○和田静夫君 四月十七日の日本経済新聞。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはいつの年度の予算についてですか。
#69
○和田静夫君 五十七年度。
#70
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年度の予算につきましてはまだスタートいたしておりませんので、これからシーリング枠等を設定しようということで、具体的な協議には入っておりません。
#71
○和田静夫君 防衛費も他の予算と同じく全く白紙である、よろしいですか。
#72
○国務大臣(渡辺美智雄君) 防衛費といいましても、これについては聖域はございません。五十六年度と同じような取り扱いをいたします。
#73
○和田静夫君 私は、最近の政府の財政再建論議を聞いていてどうも不思議でならないわけでありますが、政府は財政再建というものをどのようにお考えになっているのか。財政再建とは、端的に言って特例公債、赤字国債をなくすことそれだけなのか、これは大蔵大臣いかがですか。
#74
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政再建というのはかなり意味は広くも狭くもとれるわけでございますが、われわれといたしましては通常の財政状態にしなければならぬ、まあ税制調査会などではともかく歳出の八〇%ぐらいは通常の収入、つまり税収をもって賄うというのが最小限度ではないか、こう言われておるわけでございまして、国家の財政は国民の租税負担によって賄うというのは通常の姿でございます。しかしながら、時と場合によっては財政の中に公債を取り入れでいろいろな景気対策、その他のことに用いることも世界じゅうの通例となっております。しかし日本のように、ともかく国債依存率が五十五年では三三・五%という世界に例のないほど借金依存だと、こういうことを継続していくことはこれは異常な状態でございますから、こういうような異常な状態から脱却をすると、特にわれわれといたしましては消費的経費に用いられる赤字国債というものは五十九年度までに脱却をしたい、そういうことでいわゆる財政の健全化、このことが国民生活に重大な影響を及ぼしますから、どうしてもそれはなし遂げなければならないという意味で敗政再建ということを言っておるわけであります。
#75
○和田静夫君 赤字国債をなくすることは、それ自体は悪いことではないわけですが、それを行う姿勢はどうなんだというところが問題であります。赤存国債をやめるのはなぜか。財政運営にとって都合が悪いからやめるわけでしょうけれども、この赤字国債の害毒というものはこれは大蔵大臣、何なんでしょうか。
#76
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、現在国債に二種類ございまして、建設国債、これは御承知のとおり国家のいろんな資本形成に役立つように使われておるものでございます。いわゆる特例国債の方は、その年の消費的な支出に使われておるということであって、これがどんどんふえていくということは、その年、年になくなってしまうんですから、建設国債のように財産で残るということになりますと、後年度の世代の人がそれを利用するわけであって、それは後年度にわたって負担をしてもそれはいいじゃないかという考え方がございます。しかしながら、当年度にいろいろな恩恵を受ける人があっても、その借金だけが十年とか何年とかと後に延ばされると後年度の人がそれを負担しなきゃならないと、いまの人が利益を受けるだけで後年度の人が負担をするということでは、世代間の不公平が生ずるということが一つでございます。
 もう一つは、それを続けて発行していけば、国の財政をいびつにするということも当然でございますし、やはり一つの信用造出でございますから、これは程度によってはインフレマネーがそれだけ余分にばらまかれるということにもなって、やはり時の物価その他への影響もございます。また金融事情にも大きな影響を及ぼします。そういう点で弊害が、程度を越せばあるということは事実でございます。
#77
○和田静夫君 国が借金するということを家計になぞらえて倫理的に間違っているという説明は、これは古典派以来の論理といいますか、説明の仕方でありますが、この財政インフレについて貨幣数量説の影響が出ているのかどうかわかりませんけれども、政策当局の姿勢が私は大変甘いような気がするんです。
 で、最近はやりのブキャナンなどの書いた、訳されたものを読んでみますと、赤字財政は必ずルーズなマネーサプライをもたらすというふうに言っていますね。ブキャナンの考え方と私の考え方とは、かなり読んだ限りでは違いますけれども、長期的に見た場合に、赤字財政というのはやっぱりインフレを呼び起こすということは理論的には正しいのではないだろうかと思うんですが、これは大蔵大臣、どうお考えになっていますか。
#78
○国務大臣(渡辺美智雄君) 赤字財政といっても程度問題であって、国債を発行すれば赤字財政ということになるわけでございましょうが、これもどの程度かということが問題でございます。そこらにはいろいろな説があろうかと思っております。一概にどこできちっと線を引くかというふうに、学問的に必ずしも一定の数字で立証するということはまだ確立されていないんじゃないかというように思います。
#79
○和田静夫君 それでは公債発行がクラウディングアウトを引き起こすという考え方ですがね、これはどうでしょうか、民間資金の枯渇、投資の減退を引き起こすということが言えそうな気がしますがね。現にクラウディングアウトというのは起こっていると見るわけですかね。
#80
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまあ起こっていると言えば起こっているし、まだそこまでいってないのだという人もあるし、これも説がいろいろあるわけですよ。われわれは、現実に公債の出過ぎということが非常にいろんな点で弊害を金融界の中で起こしていると、民間資金をかなりいままで圧迫しているということも事実でございましょう。
 その証拠は、要するに国債は安全確実なものであるにかかわらず、非常に高い利率――実際利回りは高くなっておって、そうしなければ売れないということで、すでに五十兆円もが市中にばらまかれておるわけでございますから、その分だけはしわ寄せがどっかにいっていることは間違いないと。日本経済全体の中から見てもうすでに限界であって、これ以上GNPの伸び以上の国債発行が行われれば、私はクラウディングアウトという現象がはっきり出てくるんでないかというようにも考えております。
#81
○和田静夫君 従来から公債歯どめ論というのが絶えず繰り返されてまいりました。大変繰り返しの議論がたくさんあります。たとえば一九六七年の十二月の財政制度審議会の報告を読んでみますと、「公債政策を弾力的に行なうためには、現在の公債依存度を極力引き下げていかなければならないが、このことは、健全にして弾力性に富む財政にとって不可欠の前提である。従って公債依存度は、ここ数年の間に五%以下に引き下げることを目標とすべきである」、こういうふうに言っているわけです。すでに六七年の段階でこうした警告がされているわけであります。十年以上この警告は財政当局によって無視され、ほごにされてきた。で、なぜそういうふうになったんでしょうか。
#82
○政府委員(西垣昭君) ちょっと事実を申し上げますと、一九六七年、つまり昭和四十二年度の財政審の答申だったと思いますが、そのときにも五%程度に下げるというふうなことが事実ございまして、現実に四十四年度は七・二%、四十五年度は五・四%、四十六年度は四・五%、こういうふうに下げることは下げてきたわけでございます。その後石油危機の後の、一つには不況対策、それからもう一つは、そういった不況のもとにおける国民福祉を維持、向上させるという一つの強い要請がございまして、まあ今回非常に公債依存度が大きくなったということは事実でございますけれども、そういった臨時、異例の状況のもとで財政がそういう対応を迫られたと、そういうふうに私どもは理解いたしております。
#83
○和田静夫君 それじゃ一九七六年、七七年度にも公債歯どめ論が展開されましたね。で、このときには、公債依存度を三〇%というふうにされたわけです。ところが七七年から八〇年度までは三〇%を超えたと、これはなぜですか。この時期の経済というのは回復基調にあったわけですね。で、減らそうと思えば減らすことができたと私たちは考えているから、たくさんの論議が――ここに国会論議案持っていますけれどもね、わが党の木村禧八郎さんを初めとして、有能な論理が展開されていますよ。それにもかかわらず、政府はその努力を怠った――怠ったと言ったらあなた方怒るかもしれないけれどもね、客観的、結果的に見ればそういうことになる。そういうふうに私たちは考えるのですがね、これは大臣いかがですか。
#84
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ怠ったのか怠らなかったのか、そこらのところはよくわからないのですがね。要は、確かに景気が回復の状況に向かえば当然国債を減らすというのが原則だと私は思います、これは。しかし惰性がついておって、特にこの福祉とか文教とか、そういうような問題については、せっかくこれまでヨーロッパ先進国にもう少しで追いつくというところまで来たんだから、それはどんどん進めるという強い要望もございまして、やはりそれは当然に租税負担あるいはその他の社会保険料等の負担の中で福祉水準等を高めることならば、それは私は問題ないと思うのだけれども、やはりそういうような税またはそれに類するものを取って、それが歳出の要求に充てるということは正当なことであるが、現実にはなかなか増税したりなんかすることは、一方景気の問題等もあるし、抵抗も強いということになって、一方は、どんどんともかく政府は金を出せということになると、ややもすれば安易に流れる。結局、税を取るよりも国債を発行することの方が抵抗が少ない、その場しのぎになりやすいという傾向は、私は否めない事実であったと。それがだれの責任であったかということになると、形式上は政府の責任ということでしょうが、形式上は。しかし、実態論かと言うと、やはり税金収入がないのに支出の増大を要求した側にも責任はないとも言えないのではないかと、そう思っております。
#85
○和田静夫君 余り実りのない論議をしてもしょうがありませんからあれですが……。実はわが党は六五年の不況以来政府が公債を発行することに反対をして、さまざまな根拠を挙げて反論をしてきました。一九六五年十二月二十二日の衆議院の大蔵委員会で、社会党の武藤現政審会長がこういう質問をしているんですね。「特例法をつくれば、大蔵省の都合のいいように、あるいは政府の都合のいいように、国債発行でもどんどんこう簡単にやれるんだ、こういう考え方は財政法を無視してしまう結果になると私は思います。こういう方法をとるということは、まことに私は許され得ない財政法の侵犯であると思います」、こう言っているわけです。この質問に、当時の大蔵大臣はどう答えたと思われますか。
#86
○政府委員(西垣昭君) 昭和四十年の当時の議論でございますが、その当時は、政府は公債発行をしてなかった時期でございます。で、当時の議論は、要するに、財政の機能の中で資源配分機能と所得再配分機能のほかに、景気調整機能の一つの形態といたしまして公債を発行して、必要に応じて景気調整機能を営むということもまた必要であるというような、そういうコンテクストの中で公債発行自体が悪いごとではないと、それは程度にもよるし、場合によってはそういった公債発行は必要であるというふうなことが言われたのだろうと思います。ちょっといま資料がここにありませんが、当時、たとえば経済全体に占める国の公債の残高の割合とかそういったものを見ますと、いまと全く状況が違いまして、そういう状況の中での御議論であったというふうに思います。
#87
○和田静夫君 当時の福田大蔵大臣は、「特に特例として本年度限りの措置としてお願いする、」と言っているわけです。または十二月の二十一日の参議院本会議において亡き木村禧八郎さんは、「赤字に対する処理は一体どうされるのか。これは公債発行によってまかなったら、これは財政法四条の違反であります。」とただしているわけです。福田大蔵大臣はこれに対して、「今日は申すまでもなく、もう日本の国力は相当発展してきております。世界第五の生産をあげる地位まできております。こういう時点において、幾らか政府が借金をした、そういうことは、信用上、私は何の支障もないと思う。」、こういう姿勢なんですよ。で、これどう思うんでしょう、大蔵大臣。当時は世界第五位で、いまは世界第二位だから三〇%ぐらいの公債依存度でもいいじゃないか、何の差しさわりもない。この議論を現在に引き伸ばせば、私がいま引き伸ばしたような理屈になるわけです。当時の政府の姿勢に大変な甘さがあったというふうに、大蔵大臣、これは共通に認識されますね。
#88
○政府委員(西垣昭君) 先ほど数字を申し上げなかったのでございますが、四十一年度当時の公債の日本経済全体に占める割合、つまりGNPとの比較で見ますと二・三%でございます。で、当時福田大蔵大臣がおっしゃいましたのは、この程度のことは問題がなかろうということをおっしゃったのだろうと思います。
 五十六年度それならどんな状態であるかというふうに申しますと、GNPに対する公債の残高が三一・〇%と、先進国の中で最高水準というようなことでございまして、これ以上こういう状態を続けるわけにいかないと。つまり、四十あるいは四十一年度の段階といまとは全く状況が違っていると、こういうふうに私どもは理解いたしております。
#89
○和田静夫君 私はきょう少し振り返って論議をしておかなければならないと思ったのは、必ずしもそういう認識に立たないからなんですよ。われわれはちゃんと一九七〇年度の後半、最終段階まで見通して、私も出てきたときから論議に参加させてもらいましたが、十年、十五年後を見通しながら私たちは物を言ってきましたよ。そうしてちゃんとわれわれが指摘したとおりの結果に財政危機的な状態という面から見ればなっていることは間違いがないわけです。したがって、過去を少し振り返ってもう一遍論議をしてみたい、こういう気持ちでいま謙虚にやっているのですが、当時の佐藤総理大臣は、六七年の五月四日の参議院予算委員会で「公債政策に踏み切りました場合に、財政の弾力性を保ち、しかも、公債を発行した場合に生ずる弊害、」「それに陥らないように、これは注意しなければならない」、こういうふうに答弁されました。市中消化、建設公債、それから経済情勢に対する適正規模の三原則を挙げているわけですね。この原則は、遺憾ながら歴代政府によってほごにされてきたと私は言わざるを得ないんですよ。この三原則について、渡辺大蔵大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#90
○政府委員(西垣昭君) 市中消化の原則、建設公債――特例債というのはあくまでも特例であって、これは恒常的に許さるべきものではない。それから公債を大量に発行して景気調整機能を営むことがあってもそれはそのときの問題であって、財政が許せば少しでも健全な状態に、つまり公債依存度を引き下げるような努力をしなければならない、これはそのとおりだと思います。さっきブキャナンのことを引かれましたけれども、ブキャナンも指摘しておりますように、一度公債を出し始めますと非常に財政節度を保ちにくくなるということで、そこのところはよほど慎重にやらなければならないという点につきましては御説のとおりだと思います。
#91
○和田静夫君 ちょっと確認しますが、さっきの三原則はいまでも生きているというふうに見ていいんですか。
#92
○政府委員(西垣昭君) 確認いたしますと、いまおっしゃいましたのは建設公債が原則であって、特例債はこれは異例の公債だ、これはそのとおりでございます。それから市中消化原則、これは財政法五条だったかと思いますが、これもそのとおりでございます。それから経済規模とのバランスを崩してはならない、これも当然のことだと思います。
#93
○和田静夫君 一九六七年三月の参議院予算委員会で水田大蔵大臣は、建設公債というのは社会資本の蓄積になると言っているわけですね。「この資産は将来長く国民経済に寄与する、貢献するものでございますので、」「そういう長きにわたって国民経済に役に立つ資産を税金だけでやっていくか、それとも、民間に蓄積された中からこれを活用していくという方法で対処していったらいいかということになりますと、公債というものを発行することは決して悪いことじゃない」とおっしゃっておられるんです。これは渡辺大蔵大臣、当然反論があってしかるべきでしょうね。
#94
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は建設国債がみんな悪いというふうには思っておりません。それはやはり適正な規模で、それで容易に市中消化をされる、必要な立ちおくれの社会資本というものを急速に拡大し、それがあわせて景気対策につながって失業者を少なくしていくというような状態のもとであるならば、そういう運用はあって差し支えない。しかしながら、建設国債といえども国債であることは間違いない。別に、特例国債と建設国債と色違い、金に色がついているわけじゃありませんから、だから建設国債でも、問題は程度問題であって、やはり金利のかかることも事実、後代の負担になることも事実でございますから、ましてそれが出過ぎるということになれば、先ほど言ったように、いろんな金融上の弊害を起こすことも事実。したがって問題は、程度問題だというふうに思っております。
#95
○和田静夫君 ともかく私は、当時の政府というのはやっぱり国債に対する認識が甘かったんだというふうに思うんです。これはいまも言われましたが、建設国債であろうが赤字国債であろうが、同じく甘かった。そのツケがいまに回ってきているわけであります。
 そこで、当時の議論として、私はきわめつきの議論と思うのでちょっと紹介をして過去を振り返ることの最後にしたいのでありますが、そして大蔵大臣の見解を伺いたいんですが、一九六九年二月十七日衆議院大蔵委員会で福田大蔵大臣は、「公債は全然なくすることがいいかというお話でございますが、私は二、三千億の程度の公債というものは残しておいたほうがいいと思う。つまり、今後財政が景気調整機能を持つ上においての弾力弁のその火を消してはならない。火種としての公債は、財政の状況が非常にいい場合におきましても残しておいたほうがいい、」「そういう状態になりますれば、もし財源に余裕がありますれば、これは勇敢に減税に回していく、そのときこそ税率調整も、また課税最低限の引き上げもと、両々考えるぐらいな気持ちで減税をやっていくことが適当である、」と答弁されているわけです。これがあの有名な公債火種論であります。この火種論こそが今日の財政危機をもたらしたそのもとの一つであると私は考えているんですが、大蔵大臣はこの火種論を否定されますか、肯定されますか。腹蔵のない見解をお聞かせください。
#96
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもどういうふうな財政規模の中で幾らぐらいの公債で、ネグリジブルなものかどうかという問題もございますので、その当時の状況を詳しく分析した上でなければ肯定も否定もできません。
#97
○和田静夫君 私は大体いままでのことを振り返りながら、歴代政府の公債政策の甘さというものが客観的に見ればある意味では十分掘り下げられたと思っているんですが、八一年の国債引き受けでありますが、資金運用部による国債引き受けを一兆円増額して三兆五千億円となっているわけですね。シ団の引き受け、公募入札を減額しているわけですが、その理由というのは何でしょうか。
#98
○政府委員(渡辺喜一君) 御承知のように、市中の金融事情というものは、市中金融機関にとってかなり厳しい状況になっておるわけでございます。一方、国債の発行総額は五十六年度において二兆の減額ということになったわけでございますが、それでもなお十二兆を超える規模の国債を発行しなければならない。したがいまして、それの円滑な消化ということはなかなか大変なわけでございます。そういう状況を踏まえまして、総枠を減額しながらも、なおかつできるだけ市中の金融情勢というものを勘案した市中引受規模にしたいと、こういう考え方で資金運用部の国債引き受けをできるだけ増額を図ったわけでございます。資金運用部資金というのは、もちろんその主要な使命として財政投融資というものがあるわけでございます。財政投融資の方もかなり資金需要が強い状況にあったわけでございますけれども、こちらの方は厳しく査定をいたしまして、対前年度で七・二%と、一けたの増というふうにできる限りの圧縮を図りました。一方、国債の引き受けにつきましては一兆円の増額ということを行ったわけでございます。
#99
○和田静夫君 新規国債の保有状況を見てみますと、七四年度末では資金運用部シェアが四二・七%あった。そういうものが七九年度の末では一四・四%に落ちてきているわけですね。次に、市中金融機関の状態というものを見てみますと、これは今度は逆になりまして、一九・七%から四二%にふえてきているわけです。ちょうど逆転をしたわけでしょう。素直にこれを考えてみますと、運用部引き受けをもう少しふやしてもいいということになるんじゃないでしょうかね。どうでしょう、これは。
#100
○政府委員(渡辺喜一君) 資金運用部の引受比率というのはここ二、三年急激に増加しているわけでございます。たとえば五十二年度は運用部の引受比率というのが国債発行総額の中で二・八%にすぎなかったわけでございますが、五十四年度は一九・七%、五十五年度は二八・一%というふうに急激にふやしてまいっておるわけでございます。ただいま先生がおっしゃった数字というのは保有の方でございます。市中金融機関、特に都市銀行等は一たん引き受けた国債を途中で売却をいたしておりますので、したがって保有額といたしましてはそう急激にふえない。その結果いまおっしゃったような数字になっておるんだろうと思います。
 ちなみに、保有残高につきまして五十五年度の状況を見ますと、資金運用部は一六・九%を保有しておる、かなりふえておるわけであります。それに対しまして市中金融機関は三四%ということで、こちらの方はかなり減っておる。市中金融機関の比率というのは、都市銀行のみならず余資金融機関――農中でございますとか、そういう余資を持っておる金融機関も全部含めた数字でございます。したがって、たとえば都市銀行の売却した国債というのはそういう余資金融機関にかなりの量流れるわけでございますから、金融機関総体としては、仮に都市銀行等が売却をいたしましてもそう急激に減らないという状況にあるわけでございます。その中においても五十五年度は五十四年度の、いまおっしゃいました四二%から三四%に落ちておる。特に都市銀行だ付をとってみますと、これは非常に急激に保有割合は減っておるわけでございます。たとえば五十年度一六・三%でございましたのが五十四年度は一四%、五十五年度は九・二%というふうにかなり急激に減っておるわけでございます。
#101
○和田静夫君 郵政大臣、どうでしょう、この辺は。同じ質問についてどういう御見解をお持ちですか。
#102
○国務大臣(山内一郎君) 郵便局で大切な国民の金を預っておりますので、これの運用につきましては非常に重大な一つの問題であると、こういうふうに考えておるわけであります。いまは御承知のとおりに、大蔵省に資金運用部資金として運用いたしてもらっております。したがって、私が答えるべき問題がどうかわかりませんけれども、郵政省の立場から言って国債を買って運用していただくのも結構ですし、さらに基本的には簡易保険と同じように郵便貯金の運営をどういうふうにやったらいいかというような検討は、一つの考え方としていまやっているところでございます。
#103
○和田静夫君 大蔵大臣、どうでしょうかね。高度成長時代と違って財投の役割り、比重も低下してきているわけですから、かなりの不用額が出てきていることも私がもらった資料で明らかですが、運用部資金のあり方の全面的見直しをそろそろしてもいい時期に来ているんじゃないだろうかと考えるんですが、いかがですか。
#104
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、運用部資金というのは郵貯だけじゃございませんで、御承知のとおり厚生年金その他特会、いろいろなものの金をみんな集めて、一括的に総合的に効率的な、しかも弾力的な運用を図っていくと、そして財政金融政策との整合性をうまく持たしていくというところにあるわけでございますから、現下の状況下においては、やっぱり一括した運営の方が財政金融政策とうまくマッチしていくと、そういうように私どもは考えております。
#105
○和田静夫君 ちょっと何か大臣の引っ張り合いでがたがたするものだから、まとまった論議ができないんですがね。
 大蔵大臣、あなたは先ごろ私の予算委員会における質問に答えられまして、来年度予算編成を早めるなどという話は全然知らないと、わしが知らぬのだから間違いないと、こうあなたはお答えになったんですよね。ところがその後、新聞紙上によると、だんだんだんだんシーリングが早まってきているわけですが、実際あのとき私が聞いたとおりの状態であったようですね。したがって大蔵大臣、正直な人ですから、あのときもし本当に知らなかったんならば、あなたはどこかに置かれていて、大蔵官僚だけがさっさと仕事をしておったと、こういうことになるわけですが、官僚の独走ということになるわけですけれども、大蔵大臣がチェックができていなかったのかなと思うんですが、行管庁長官、シーリングを早めることについてどうお考えですか。
#106
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨時行政調査会が七月の半ばごろまでに答申を出すことになっておりまして、そういう審議の状況を見ますと、シーリングを早めないと八月いっぱいに概算請求が各省から出にくいと、そういう全般を考えると、それは事務的にやむを得ず早めざるを得ないであろうと。シーリングで大体粗ごなしで水準を決めて、各省がその水準によって自分たちの分野を事前に予備的に調整をやってみると。その過程で、途中で第二臨調から答申が、第一次報告が出まして中身が出てくるわけですから、それで裏づけされて調整が実質的に進められて、八月末までに概算請求を大蔵省に出すと、こういう段取りにせざるを得ぬではないかという感じが前からしておりまして、きのうの政府・与党の行革推進本部でそういう方針が決まったわけでございます。
#107
○和田静夫君 少し大蔵大臣との論議は後にしましてあれですが、余り脈絡がなくなりますが、歳出削減のために補助金の整理が問題になっています。私も先日の予算委員会でこれを取り上げてきたんですが、その後第二臨調が動き出すに一つれて、補助金整理問題はより具体的なものになってきているようです。その中で、補助金の一括整理、一律整理、一〇%削減などという話も出てきているわけですが、これはどなたですか――大蔵大臣ですか、こういうことをお考えですか。大蔵大臣としてはどうお考えです、これは。
#108
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも議論の一つというだけのことでありまして、まだそういうことが決まっておるわけでも何でもない。この前の予算委員会で、和田委員の質問で、私は早まることを知らないと申し上げたんですが、それは承知してないという意味でございます。ただいま行管長官の言ったとおりで、そういういろいろ経過がありまして、技術的な問題として早めざるを得ないということになったわけです。それと同じように、議論としては補助金の整理の仕方等についていろんな考え方があるというだけのことであって、いまどれを採用してどうするかということは今後の問題で、そういう方針でやるんだということも決まっておりませんし、いろいろな議論が出ておるということでございます。
#109
○和田静夫君 行管庁長官、この補助金の見直し、整理というとすぐ何か一括整理という話が出てくる。私はこれはきわめてイージーだと思っているんですがね。その一つ一つを吟味していくことが私は一番よいと思う。きょうも少し後でやらせてもらいますがね、それには大層時間がかかる、手間もかかる。私は整理の基準、原則をきちんと立てて、そして整理すべきものを洗い出すことが必要ではないかというふうに考えるんですが、長官いかがですか。
#110
○国務大臣(中曽根康弘君) これは第二臨調におきまして委員が、特に専門委員が専門にその適否について議論する中心課題の一つになるだろうと思っております。したがいまして、われわれの方が予断を持って先にいろいろ議論することは差し控えたいと、彼らにフリーハンドで自由な議論をしていただくことが適当であろうと、さように考えておりますので、議論は差し控えさせていただきたいと思います。
#111
○和田静夫君 農水大臣、何かお急ぎなようですから、農業構造改善事業について行政監察報告が五十四年一月に出されておる。まず、事実関係としてどういうことが判明したのか、行管庁説明してください。
#112
○政府委員(中庄二君) お答え申し上げます。
 農業構造改善の勧告の中には多様なものがございます。先生も御承知かと思いますが、かいつまんで申し上げますと三点ございまして、まず第一が農業機械や施設の整備事業につきましての補助の合理化問題が第一でございます。二番目が、担い手農家の経営規模の拡大のための施策をもう少しきめ細かくやったらどうか。それから三番目が、農業構造改善事業のような長期の事業でございますと中間の時点でも見直しをしたらどうか。かいつまんで申しますと、こういう三点になろうかと存じます。
#113
○和田静夫君 その調査時点ですね――昭和五十二年の十月から五十三年の二月ですね、その時点で調査八土地区中の五十五地区が事業完了、それと二百二十億円投入して二千五百戸の自立農家が育成されることになっていた。実際には七百三十五戸ですね。つまり目標の三分の一以下だったわけですよ。導入した機械や施設で全然使わないものも多い、作物の選択の指導が誤っている点も大きいというわけですが、端的に言って相当にむだがあったということに行管守なりますか。
#114
○政府委員(中庄二君) お答え申し上げます。
 ただいま先生からの御指摘のは、近代化施設の整備事業のお話かと存じますが、私どもの見ました中でございますと、農業機械なり施設の利用実績が非常に低調であったというものもございますし、その導入自体が自立経営の育成に余り寄与していない面があるものがある、そういう面。それからさらに一般では、相当普及しているものにも補助がいっておるんではないかというような点等を指摘してございます。
#115
○和田静夫君 補助対象から外すべきだという具体的な指摘がありますよね。
#116
○政府委員(中庄二君) 畜舎の問題とか温室等につきましては、先生の御指摘のような事実がございました。
#117
○和田静夫君 そこで農水大臣、行管庁の指摘する補助対象からお外しになりますか。
#118
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生から御指摘のございました温室、畜舎等の施設を補助対象としてどのように取り扱うかという問題につきましては、私どもただいま御指摘ございました監察結果等々も考えまして、個別利用度の高いものにつきましては極力これを融資事業に切りかえるというふうな考え方で、五十五年度からそういった指導を強めております。ただ、補助対象といたしております中には、共同利用施設としてモデル的な機能を果たすものが多々ございますので、そういうものにつきましては引き続き補助対象にしてまいっておりますけれども、ただいま申し上げましたように、個別利用性の高いものについては極力融資への切りかえを図ってまいるよう努力しておるところでございます。
#119
○和田静夫君 補助金で温室の設置できる事業、一体何種類の補助金がありますか。
#120
○政府委員(京谷昭夫君) 温室が補助対象として定められておる事業、各種の目的別に分けられた補助制度がございまして、ただいま数字を、事業の数が的確に幾らあるかということを申し上げかねるわけでございますが、恐らく十種類以上にわたって温室を整備することを事業内容にした事業があろうかと存じます。
#121
○和田静夫君 これは私は予算委員会のときにちゃんとあれしてあなた方にプリント行っているんですが、正確に答えてください。十三あるわけですね、十三ある。
 農作業機械の導入には何種類の補助金がありますか。
#122
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま温室について申し上げましたように、各種の事業が農作業機械の導入をも補助対象にしておるわけでございますが、ほぼ二十種類以上の事業につきまして補助対象にしておるというふうに理解をしております。
#123
○和田静夫君 畜舎の設置には何種類あります。
#124
○政府委員(京谷昭夫君) 畜舎を補助対象といたします仕事につきましては、現在の仕組みでございますと十五、六種類の事業が畜舎を補助対象として仕組まれておるというふうに理解をいたしております。
#125
○和田静夫君 それで農水大臣、いまの補助金名と補助目的をそれぞれ言ってみてください。とてもメモなしては、いかにあなたみたいにすぐれた大臣だって言えないでしょう。
#126
○国務大臣(亀岡高夫君) 一々覚えるのに非常に苦労しておるというのが実態でございます。
#127
○和田静夫君 私は、何も好んで農林水産大臣いじめようと思ってやっているわけじゃありませんが、繰り返しますが、農業機械、畜舎、温室などは広く普及しております。補助対象とすべきでないという行管庁が指摘をしているわけですね。少なくとも十種類以上も十重二十重の補助をする時代では私はないんじゃないかと思うんです、これは。大幅に整理すべきだと考えていますが、農水大臣としていかがお考えですか。
#128
○国務大臣(亀岡高夫君) 和田委員御承知のように、日本の農業というものは、もう非常に零細農家から適格、中核農家まで幅広く存在をいたしておるわけでございます。したがいまして、その集落のあり方にそれぞれ特徴、そういうもう各種各様、それから作目につきましてもあらゆる作目、畜産にいたしましても養鶏、養豚、乳牛、肉牛といったような非常に広範なものに対して、農家の希望する施設を農家自身ではとてもこれはつくっていくことができないという見地から、われわれの先輩が日本の農政を伸展させるという立場で、これらのもろもろの施策が考えられ発想がされて、今日の補助施策が行われておる、こういうふうに受け取っております。しかし、やはり昨年国会で決議もいただきましたとおり、自給力の強化という決議をちょうだいをし、八〇年農政の基本方向を示され、われわれも十年後の生産と需要の見通しも立てた今日でございますので、もう行管から指摘を受けるまでもなく、やはりそういう体制に向かった新たなる農政のスタートというような立場から、五十六年度予算を組みますときにも補助金の統合、いま御指摘のありましたようなたくさんあるやつをできるだけ簡明にわかりやすいのに統合をしてまいる。さらにはメニュー化して、そしてそのメニューの中から農村のそれぞれの地域の農家の諸君、あるいは農業法人をつくっておる諸君、組合の諸君等々が、自分たちの地域に最も合った制度を採用していくことのできるようなメニュー方式というようなものを奨励をいたしておるところでございます。しかるところ、来年の五十七年度の予算編成に当たりましては行政改革という、もう至上命令を実行してまいらなければなりませんので、そういう面は心を固めて、内閣としてのこの行革を有終の美をもたらすような努力をそういう面においてもきちんとしていきたい、こう考えております。
#129
○和田静夫君 大臣離してくれという話ばかりなものですから、落ちつかないんですが、それじゃ、もう二、三問やって、あれしましょう。この補助金の事務の繁雑さが驚くべき状態なんですよ。で、農業構造改善事業ですがね、促進対策費補助金で計画認定に係る計画書の提出に要する書類と図面、これ大臣、述べることができますか。
#130
○国務大臣(亀岡高夫君) 堪能なる農林省の職員諸君が十二分にこれをこなして今日の成果を挙げてきておる、こう確信しております。私自身、一々そのあれを記憶はいたしておりません。
#131
○和田静夫君 ちょっと事務的にこの名称を言ってみてください。
#132
○説明員(浅原辰夫君) 第二次農業構造改善事業促進対策費につきます関係資料を申し上げますと、計画地区指定の申請時点におきまして計画地区総括表、地区概要表、地区指定調書、添付図面といたしまして計画地区位置図、関連土地基盤整備状況図、各種指定事業実施図、地区構造図ということになっております。
#133
○和田静夫君 大臣、これで大臣質問やめますが、書類が十二種類、添付図面が七種類も必要なんですよ。しかもまだ、年度ごとにこの八種類の書類、二種類の図面が必要です。それから計画変更に八種類、補助金額確定とともに八種類必要です。で、繁雑な書類の代表で、この大幅な簡素化が自治体からずうっと要求されているんですよ。もう全国市長会などというのは提言をずうっとし続けてきているんですが、まあ農水省はいままでは一顧だに与えなかった、こういう状態なんです。たとえば年度ごとの提出書類は計画認定時に提出済みのものを再提出させる。それで地方自治体の職員の数が多いとかなんとか言って、行管庁なんか一生懸命にいま言っているんですがね。冗談じゃないですよ。こうやらなかったならばどうにもならない状態に皆さん方縛りつけておいて、そして自治体が云々というようなことになってきているわけですね。この辺のところは、やっぱり十分考えなきゃいかぬと思うんです。むだが非常に多い、改善すべきだと思うんです。こういう点は率直に、農水大臣。
#134
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、事務の合理化、能率化、これはもう当然進めておるところでございます。しかるところ補助申請書、測量をして土台をつくって、そうしてそこに施設をつくると、農業土木の粋を集めてつくるという際には、やはりそれ相当の法律的根拠と申しますか、そういうものを基準にしていかなければなりませんので、まあ最小限の書類を提出させなければならないということも御理解いただけると思うんです。ですから、そういう最小限の書類で、しかも十二分に先ほどから申し上げております仕事の目的を達することができて、できた仕事が子々孫々にまでその効果をもたらすことのできるようなりっぱなものと、こういうふうになるようなふうに努力をいたしておるわけでありますが、今後ともこういう行革の断行をしなければならない今日を契機といたしまして、一層御指摘のような点を改善をしてまいりたい、こう考えます。
#135
○和田静夫君 次に述べる補助金がいつついたかというのを、農水省ちょっと答えてもらいたいんですよ。開始された年ですよ。特殊病害虫緊急防除費補助金、漁港修築費補助、森林計画樹立費補助金、植物防疫事業費補助金、森林病害虫等防除推進費補助金。
#136
○政府委員(京谷昭夫君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のございました補助金でございます。名称が同一でございますが、特殊病害虫緊急防除費補助金というのは明治四十四年でございます。それから、森林病害虫予防費でございましたでしょうか。
#137
○和田静夫君 森林計画樹立費。
#138
○政府委員(京谷昭夫君) 森林計画樹立費補助金については昭和十四年でございます。それから、漁港修築費補助につきましては大正十五年でございます。それから、病害虫発生予察でございましたでしょうか、森林。
#139
○和田静夫君 そうです。森林病害虫等防除推進費補助金。
#140
○政府委員(京谷昭夫君) 森林病害虫等予防費につきましては昭和十七年でございます。
 いずれもただいま申し上げた時点に発足をしておりますけれども、事業内容につきましては、その時代時代の状況に応じまして変遷をしてきておるところでございます。
#141
○和田静夫君 このほかに家畜伝染病予防費補助金であるとか焼却埋却費補助金だとか、へい殺畜等棄却手当補助金だとか、大体明治四十四年から昭和十九年までについた、いわゆる戦前からのものであります。こういう戦前からつくられた補助金、明治時代の補助金いまも生きている。私は、古いからといって、いま言われたように変遷がありますから、必ずしも一律に全部不必要だと言おうと思ってはいません。いませんけれども、しかし一定の年次を経たものは見直してみる必要があると私は思うんです。たとえば、来年度は十五年以上経過した補助金は全面的に洗い直して、極力廃止するものはするというような手段などというようなことは、行管庁長官どうです。
#142
○国務大臣(中曽根康弘君) 行管庁では法律等について、五年経過したらその結果を検討してみるとか、成績を見るという制度がたしかあったと思いますが、補助金についても同様な考慮が必要ではないかという気がしております。
#143
○和田静夫君 農水大臣いなくなったんだが、いまの行管庁長官の方針を受けて農水省どうですか。
#144
○政府委員(野呂田芳成君) 補助金についてはただいま御指摘のような問題が確かに多くあるわけでありますけれども、農水省としてはすでに目的を達したものとか、あるいは社会的、経済的実情に合わなくなったものにつきましては、その整理等をずっとやっているわけで、たとえば五十六年度だけ見ましても、合理化廃止をしたものが八十二件、統合したものが四十五件中十七件を統合いたしました。また、定員削減等に伴うものが二十二件というふうに、かなり大幅な整理統合、メニュー化を実施しておりまして、これからもこういう問題について真剣に取り組んでいきたいと思っております。
#145
○和田静夫君 電電公社の国庫納付金問題は、結局電話料金の引き上げにつながる、電話料金引き上げの口実に使われるんじゃないかと、本会議質問でもありました。まあそういう疑いが私も強いと思うんですが、郵政大臣、大蔵大臣、こういう心配についてはどうお考えになっていますか。
#146
○国務大臣(山内一郎君) 今回、臨時国庫納付ということを行われることに相なったわけでございますが、まだ御審議でございますけれども、その影響をなるべくないように、これは勘定が二つございますが、損益勘定で納付いたしますと直ちにその影響が出てくるということでございますので、資本勘定の方で外部の資金を借りることによって納付いたしまして、影響が少なくなるような仕組みにはしているわけでございます。しかし、いずれ返さなければいけない金でございますので、電電公社でも私は大変だと思いますけれども、最近の財務状況を見ますと非常によくやっていただいておりますので、今後いろいろ研究をしていただいて、あるいは技術の向上の問題、あるいは合理化の点をさらに進めていただいて、そういう点は吸収できるというふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても大変でございますので、今後大いにそういう点で検討しつつ、現在の料金ができるだけひとつ維持できるように、こういうふうに一生懸命やってまいりたいと考えております。
#147
○和田静夫君 大蔵大臣の答弁、後でもらいます。
 年間約二千四百億円の収入減が出るわけですが、私はどうも値上がりにつながる心配があってしようがないんですが、料金引き上げというのは実質的な増税ですからね。私は、もう増税のカムフラージュであってもらっては困る。この辺はっきりちょっとしておいてください。
#148
○国務大臣(山内一郎君) 先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、料金を引き上げるというのは過去にも何回もやりましたけれども、これはどうしてもやむを得ない場合というふうに、できるだけ抑えつつやっておりますが、そういう考え方をさらに強くやりまして、できるだけ現在の料金を維持するようにやってまいりたいと、こういうように考えております。
#149
○和田静夫君 特殊法人、公社に対する民営化論が出ているわけですが、特殊法人から剰余金を納付させることは、これは逆行するものではないだろうかということを考えます。政府の公営企業政策はそういう意味で御都合主義と言わざるを得ないわけですが、なぜ公営企業なのか、公営企業とは何なのか、ここをやっぱりはっきりこの機会にもう一遍させなきゃいかぬと思っているんです。公営企業とは何ですか。
#150
○国務大臣(山内一郎君) まあ考え方いろいろあると思いますけれども、電電公社の例をとれば、公共的であるということ、それから独占的であるという二点がやはり特色があると思いますので、そういう点で公営企業と、こういうようにいっているというふうに私は考えております。
#151
○和田静夫君 中曽根長官、公営企業の独立性について、それはどういう根拠に基づいているとお思いになりますか。
#152
○国務大臣(中曽根康弘君) 実定法的にはおのおのの設置法等で記載されているところであると思いますが、要するに、自分の独自に得た収入で自分の歳出を支払う、そういう原則を持って準拠して行うように設立法人定款等で決められているものがそういう性格のものだろうと思います。
#153
○和田静夫君 中央競馬会からの納付金の問題ちょっと触れますが、中央競馬会のこの特別積立金の処分については政令で定めるということになっている、これも本会議の質問あったんですが、農林省、この政令はまだ出ていませんよね。
#154
○政府委員(森実孝郎君) この政令案は出しておりません。
#155
○和田静夫君 あのときも答弁がありましたけれども、もう一遍ここで答弁しておいてもらいたい。どういうときに出すんですか。
#156
○政府委員(森実孝郎君) 国庫納付との関係が一つ議論があるだろうと思うんでございますが、国庫納付自体については、現在中央競馬会法の二十七条で規定されているという経過がございます。そこで、その特別積立金の処分とは、結局競馬会の目的その他から考えまして、欠損がある場合あるいは馬の改良、増殖等に特別の目的を持って充当する場合ということになるだろうと思います。そういう意味においては、具体的な目的とか金額が特定した時点において制定すべきものではなかろうかと存じております。
#157
○和田静夫君 とすると、この特別積立金は現在のところはたまる一方ということになりますね。競馬会はこの資金をどういうように運用を現実にはしていますか。
#158
○政府委員(森実孝郎君) 特別積立金につきましては、その大部分は実は設備投資に充当されておりまして設備になっております。一部は流動資産として保有されておりまして、預金あるいは農林大臣の承認を受けまして特定の債券の購入等をやっているわけでございます。この性格はいわば準備金としての性格を持っておりまして、一つは次の段階における設備投資の準備と、それからもう一つは、競馬でございますので非常に売り上げが激減したり、あるいはまた開催中止というふうな事例も考えられますが、そういった場合における準備という性格を持っているものと理解しております。
#159
○和田静夫君 現実運用は。
#160
○政府委員(森実孝郎君) 現在、中央競馬会が持っております剰余金のうち、流動資産として保有しておりますものが九百十五億円でございます。これについては、先ほど申し上げましたように預金、債券等で保有をしているわけでございます。
#161
○和田静夫君 私は、公営ギャンブル売り上げがどういうように運営されているかという点で大変問題があると実は思っていた。たまたま最近文芸春秋に鎌田慧さんという人が船舶振興会のルポを書いているのを読んだ。ますますこれは問題だと思うんですが、中央競馬、地方競馬、それから競輪、オートレース、そして競艇、この七九、八〇、八一年の売上額、実績見込み、これを示してください。
#162
○政府委員(森実孝郎君) 私どもが所掌しておりますのは中央競馬と地方競馬でございます。中央競馬は御存じのように中央競馬会が所掌し、地方競馬はそれぞれの自治体が所掌しているところでございます。
 売り上げの金額を申し上げますと、中央競馬は五十五年は一兆三千六百億円。それから地方競馬は八千八十六億円になっております。その他はそれぞれ所掌が違いますので、他の所管庁から御答弁いただきたいと思います。
#163
○政府委員(西垣昭君) これは私どもの所管ではございませんけれども、資料を持ち合わせておりますので、五十四年度――ちょっと古い資料でございますがお答えさしていただきますと、競輪が一兆二千二百五十億、五十四年でございますが、オートレースが二千百二十六億、競艇が一兆五千百五十九億でございます。
#164
○和田静夫君 これで、五十四年と五十五年ですから若干のあれがありますが、競艇も中央競馬とほぼ同額の売り上げを示しているわけですね、むしろ多い。この売り上げがどのように配分されているわけですか。この売上高というのは防衛予算に匹敵するほどの額であると私は思うんですがね。
#165
○説明員(早川章君) お答え申し上げます。
 モーターボート競走約一兆五千億の船券の売り上げがございますが、それに対しましてその七五%がもう一回払い戻されるわけでございます。残りました二五%というものが開催経費であるとかあるいは施行者の収入とか、あるいは船舶振興会への交付金という形でございますが、五十四年度の実績で申しまして開催経費が一〇・五%。船舶振興会に入りますところの法第十九条一号交付金と二号交付金が合わせまして三・三%。それから地方のそれぞれのモーターボート競走を実施いたします競走会というのがございますが、その競走会への交付金が一・二%。それから、これは施行者が限定されているために全国への均てん化という観点から行われておる暫定措置でございますが、公営企業金融公庫への納付金が〇・九%。施行者の収入が五十四年度実績では九・六%ということになっております。
#166
○和田静夫君 日本船舶振興会へのこの三・三%ですか、これは金額に直すとどれぐらいになるんですか。
#167
○説明員(早川章君) お答え申し上げますが、第一号交付金と二号交付金と二つございますが、一号交付金の関係が概算でございますが二百六十五億円、それから二号の交付金が二百五十一億円ということになっております。
#168
○和田静夫君 中央競馬会と同様のシステムで国に納付されるとその金額は幾らに換算されますか。
#169
○説明員(早川章君) 中央競馬会の仕組みというのは私十分存じませんが、御承知のとおりこれは施行者が地方公共団体でございまして、いわば各市町村なり県なりが施行者として競走の実施に当たります。したがいまして、中央競馬会の場合はいわば国と申しますか、中央競馬会が直接競走の施行に当たるかと思いますので、国庫に納付されるというような関係のものあるいは中央競馬会の収入になるというものは、施行者収入の九・六%の部分が原則として該当するのではないか、それに開催経費等の関係がその中央競馬会の経費として出てくるのかどうか、その辺について私余りつまびらかにいたしておりません。
#170
○和田静夫君 あんまり答弁になっていませんけれども、時間もありますから、船舶振興会が交付する補助金が非常に膨大な額ですね。で、ごく簡単に言ってこれはどのぐらいですか。
#171
○説明員(早川章君) お答え申し上げます。
 補助金として船舶振興会が関係のところに支出いたしておりますものは、五十五年度で約三百五億円程度かと思います。
#172
○和田静夫君 笹川船舶振興会会長が関与する団体が、文春でも挙がっているわけですが、たとえば財団法人日本吟剣詩舞振興会、ここに一億円の補助金が交付されていますね。資産は七億七千万円。詩吟の団体がどうして七億七千万円の資産が必要なのだろうかという疑問が文春の執筆者の中でも、ルポライターもこう提起しているわけです。私も同感なんですが、大蔵大臣、この辺は何か見解お持ちですか。
#173
○説明員(早川章君) 吟剣詩舞の関係は所管されておりますお役所は文部省でございます。したがいまして、文部省のいわば公益上の御判断というのを参考にさせていただくわけですが、具体的に申し上げますと、船舶振興会が補助金を出す際には、各団体からの申請を受け付けた後、文部省なり厚生省なりそれぞれの事業を所管する官庁の御意見を承り、その上でいわば部内の手続を経まして決定をいたす、こういうことになっております。
 私どもの方が、船舶振興会の予算の認可承認の際に、それぞれの事業団体の関係につきまして一応の御説明を承り、さらに、それにつきましての文部省なり厚生省なり事業所管官庁の御意見というものも参考にさせていただきながら決定いたしますものでございますので、この吟剣詩舞の具体的な公益性につきましては文部省の方から御説明をいただかないと、ちょっと私の方では答弁申し上げかねます。
#174
○和田静夫君 この文春で一覧が出ていますがね、表を見ますと、趣旨のはっきりしない団体、またはモーターボートと無関係な団体がたくさん挙げられているわけです。
 じゃそう言われる答弁ならば、運輸省と厚生省と文部省に一つずつ聞きますがね、いまの詩吟振興会、これは文部省ですね。それから財団法人マラッカ海峡協議会、財団法人春日顕彰会、同じく財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団、それから財団法人ライフ・プランニング・センター、これらの団体の監督官庁、先ほど指摘したとおりですが、これらの団体の設立趣旨及び補助金の使途について説明してください。
#175
○説明員(石井久夫君) 日本吟剣詩舞振興会についてお答えいたします。
 四十二年に設立されておりまして、詩吟、詩舞、剣舞の向上、振興を図るということを目的にしているわけでございます。そしてただいまお話がありましたとおり、船舶振興会から約一億の補助を受けておるわけでございます。
#176
○説明員(水田努君) 財団法人ライフ・プランニング・センターについて御説明申し上げます。
 この法人は四十七年に設立をされておりまして、理事長は聖路加看護大学の学長をしておられます日野原先生が理事長に御就任――創設以来やっていただいておりまして、やっております事業は、生活様式あるいは生活環境が健康に及ぼす要因の研究あるいは健康における自主管理の、いわゆる自己管理の徹底教育、それから医療を支える研究システムの開発等の事業を行っているところでございます。
 なお、五十五年度の事業規模は約五億強でございます。
#177
○説明員(向山秀昭君) マラッカ海峡協議会でございますが、この協議会はマラッカーシンガポール海峡におきます船舶の航行の安全を図るために、同海域におきます航路の整備を行うことを目的としまして、昭和四十四年から事業を行っております。
 過去十年間に行ってきました主な事業といたしましては、同海峡の水路測量、それから灯台、灯浮標、ブイ等の航行援助施設の整備等の事業でございます。
 五十六年度の事業といたしましては、水路測量に基づきます海図の作製のために船舶振興会から五千万円ほどの補助金を受けるという予定になっております。
#178
○説明員(森平倫生君) B&G財団についてお答えいたします。
 B&G財団、すなわちブルーシー・アンド・グリーンランド財団でございますけれども、主といたしまして青少年を対象に海洋性レクリエーション事業を軸といたしました実践活動を通じまして海事思想の普及を図りますとともに、その人間形成と体力向上を図ることを目的といたしまして、昭和四十八年の三月に設立されております。
 この財団では、この目的を達成いたしますために三つばかりの事業を行っておりまして、一番目に海外及び国内の体験航海、これを実施しております。二つ目といたしまして全国各地に艇庫、プールあるいは体育館等を備えました海洋センターの建設を行っております。三つ目といたしまして、海洋性レクリエーション指導者の養成でありますとか、あるいは各種海洋性スポーツ大会の実施等の事業を実施いたしております。
#179
○説明員(石田正一郎君) 春日顕彰会についてお答えを申し上げます。
 春日顕彰会は、春日大社にかかわります各種の文化財の保存、活用ということを目的といたしまして、昭和四十九年六月に設立された財団法人でございます。
 春日大社は藤原氏の氏寺として奈良時代に創建されたと言われている非常に伝統のある神社でございますので、そこには非常に多くの宝物類、古代、中世から続きます宝物類、あるいはそこに伝わります舞楽を初めといたします芸能がございます。あるいは春日大社の境内にはルーミスシジミというチョウ、あるいはナギという木の林あるいはシカ、その他の天然記念物がございます。そういう文化財についての研究調査あるいは保存につきまして助成を船舶振興会からちょうだいし、あるいはその公開、普及ということについても助成をちょうだいしているわけでございます。
 補助金額は、昭和五十五年度で二千五百六十万という状況でございます。
#180
○和田静夫君 これらの団体は笹川氏及び笹川氏の親族によって運営されている。それだけではなくて、運輸省の天下り先になっている等々、少し突っ込んだ論議をしたかったんですが、もう時間もありませんから、こういう実態というものを明らかにされる用意をしておいていただきたいと思います。後日また論議をいたします。
 そこで、こういう状態というものを、実態というものを踏まえながら、一九七九年六月の公営競技調査議員懇談会の答申はその後どうなっているわけですか、この答申を受けてどういうような施策がとられたわけでしょうか。
#181
○説明員(早川章君) 五十四年六月に公営競技調査議員懇談会から総理府総務長官あてに意見書が提出されたことは先生の御指摘のとおりでございます。これにつきましては、総理府審議室を中心にいたしまして関係省庁の連絡会というのを設けておりまして、それぞれの競技団体と申しますか、競技関係につきましていろいろとこの答申あるいは意見書の趣旨に沿った検討を進めていくということで、数回かと存じますが、連絡会を開催いたしまして議論を進めていると、こういう段階でございます。
#182
○和田静夫君 私はこの答申でも実は甘いと思っているんですが同じことが文春のあれの中でも「遠慮がちな答申」というふうにして鎌田氏が指摘をいたしています。
 そこで、行管庁並びに大蔵大臣、モーターボート競技のあり方について私は検討されるべきときに来ているのではないかと思う。三百億から五百億の金がいま言ったような形でもって動いているわけですね。この辺の見解をお二人から求めておきたいわけです。
#183
○国務大臣(中曽根康弘君) 公営競技につきましては、いろいろな御議論もございまして、総理府を中心にして懇談会で検討もし、その答申もございました。その線に沿って実施されなければならぬと思っております。ただわれわれが考えておりますと、いわゆる官庁に補助金を求めていろいろ仕事をやりたいという場合になかなかぎくしゃくして、いわゆるお役人流でスムーズにいかなかったり、あるいはいわゆる民間的発想というものに対して理解が少ないというようなこともいままで間々あったと思うんです。公営競技のような場合には、もちろん監督官庁の許可あるいは監督のもとにそういうことが行われるわけでありますが、わりあいに民間的発想というものを尊重して社会の落ち穂を拾ってやっているというようなものもなきにしもあらずであります。そういう面についてはわれわれもやはり反省しなければならぬところもあると思いまして、いずれにせよ、国家、社会がよくなればいいことでありますから、やり方につきましてはよく注意をして誤解を受けないようにやる必要があると思っております。
#184
○国務大臣(渡辺美智雄君) 船舶振興会あるいは自転車の関係の何というんですかなこれは、自転車振興会ですか、そういうようなものなど直接国の関係機関でないものですから、私は勉強不足なんでございますが、そういうようなところで、それは国家財政に貢献していただけることならば大変ありがたいことだと私は思っております。しかし、いま中曽根長官から言ったように、その船舶振興会から、私は厚生大臣やったことがありますが、何でも厚生省で毎年七、八十億円ぐらいですかね、ちょっと記憶が薄いんでございますが、いま言ったように、補助基準にぴったり合わないがほとんどそれに近いと、したがって予算の方で見られないというような特別養護老人ホームその他の福祉団体等に厚生省が添書を出して補助を受けておるということも事実でございます。しかし、その他の問題等についていろんな誤解があれば、そういうようなものが誤解されないように、それぞれの監督官庁等においてきちっとした経理その他について御監督をいただきたい、かように考えております。
#185
○和田静夫君 もとの軸に戻りますが、大蔵省は財政の中期展望を作成しているわけですが、改めて伺うんですが、そのねらいは何ですか。
#186
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政の中期展望は、かねて国会におきましても、要するに財政計画のようなものをこしらえろと、こういうような御要望がかなり強かったわけでございます。したがって、大蔵省は財政収支試算というものを発表したんですが、それではだめだと。財政計画に近いようなものを積み上げ方式でつくれないかというようなことで、財政計画というものはできない。非常に目まぐるしく社会が変動いたしますからそれはできませんが、積み上げ方式によってある数年を見通して、現在の制度等の中でどういうように経費がふえていくか、財政支出が着実に伸びるか。またそいつに対する収入についてはこれはこの七ヵ年計画をもとにしてある一定のGNPの伸びというものの仮定のもとに、税金がこれくらい収入が上がるということでそいつを示したわけであります。それによって、しかしながらカバーし切れないだけの誤差が、誤差といいますか差ができる。それを調整額という形であらわしたわけでございますが、このねらいというのは、やはり今後の収入の見通しと歳出の見通し、それにその多くの差ができる。したがって、この差というものをどういう形で解消をしていくか、そういうことの参考のためにこしらえたものであります。
#187
○和田静夫君 かなり要調整型の財政計画の部分に触れて御答弁があったわけでありますが、もうちょっと要調整型の財政計画というのは一体何なんだろうかということを素人にわかるようにも少し説明してくれませんか。
#188
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは最初から言っているように財政計画じゃないんですよ。要するに現在のこの七ヵ年の経済見通しですね。そのもとで一定のGNPが伸びますよと、それに物価もある程度伸びますということになると、いままでの税の弾性値というものを十年間とればこういうふうになります。したがって、収入がこれぐらいしか現在の法律制度のもとでは入りません。しかし一方、現在の制度をそのままにしておくと支出の方はこういうように着実に伸びますと、そこに差ができるわけですね、収入よりも支出の方が多いわけですから。ということになれば、まず歳出をどれぐらい切り詰めていくか。それが切れなければ収入をどうして伸ばすか、並行的にやるかというような御議論をしていただくために、財政の三年とか四年とかの中期的な見通しをおおよそ明らかにした。それによって国民の間で、特に国会においてどういうふうに持っていくべきだという御議論を願うたたき台に出したということでございます。
#189
○和田静夫君 そういうことだろうと思うんですが、結局は欠損だけを浮き彫りにするものであるということですかな、邪推ですかなそれは。
#190
○国務大臣(渡辺美智雄君) 欠損を浮き彫りにするというんじゃなくして、ありのままの姿をかいたわけですよ、ありのままの姿。したがって、いまの制度というものをそのとおり持続をしていけば、それはもうこれだけの金が、二兆七千億ですか五十七年度においてはそれは不足金と言っちゃ何ですが出ます。しかし、それは抑さえ込めば抑さえ込めるわけですから。したがって、今回は自然増収の以外には大型の増税をやらないということになりますというと、収入をもっとふやすということは考えない。そういうことになれば、その差額というものを歳出の切り詰めということでやらざるを得ないということで、そいつの判断の材料を与えるだけであって、別に赤字だけを強調したわけでなくて、それは経費を切り詰めるという方法もございます。どういうふうな手段を選択をするかはこれは国会の問題、国民の理解の上に立ったその代表である国会の最終的には結論ということになろうかと思っております。
#191
○和田静夫君 ちょっと事務的なペースに入りますが、予算委員会の席で、私の方の竹田質問がありまして、主要な経費の推計数値、推計方法を提出する、こういうふうに約束されたわけですね、大蔵当局は。ここに提出てきますか。
#192
○政府委員(西垣昭君) 予算委員会で竹田先生から御要望がありましたものにつきましては竹田先生の方にお渡しいたしてございます。
#193
○和田静夫君 本人だけに渡したの。
#194
○政府委員(西垣昭君) 竹田先生と御相談の上これでよろしいということで……
#195
○和田静夫君 あれは結局あなた、理事会で予算要求資料になっているのに予算委員会に渡さなけりゃ……。私はいつまでも出てこないものだからまだ出てないものだと思っていた。そういうのは困るじゃないかな。じゃ、わが方にも出してくださいよ。正式にやっぱり理事会にちゃんと出してくださいよ。
#196
○政府委員(西垣昭君) 御相談させていただきまして出すようにいたします。
#197
○和田静夫君 それは大臣、相談なんというものじゃないですよ。あそこで約束したんだから。論議できないじゃないか。
#198
○政府委員(西垣昭君) 竹田先生にお出ししたものをお出しするということにさせていただきたいと思います。
#199
○和田静夫君 出すようにね。
 いただいてまた検討させてもらいますけれども、ちょっとそれがあればこんな質問しなくてもよかったんだろうと思うんですが、中期展望で「ファイナンス」読んでみると、「昭和五十六年度予算における制度・施策を前提とし、その運営方針に変更がない等一定の仮定の下に、これを将来に投影する後年度負担類推計を基本とするもの」、藤井主計企画官お書きになっているんですが、国会でもそういう答弁がございました、予算委員会で。ところがこの推計の考え方がどうも統一されていない――私の方が統一されないのかわかりませんけれどもね、ような気がするんです。
 ちょっと次のものの算出要領をここで述べてくださり
 まず第一は税収です。名目GNPの額、伸び率は何に基づいているのか。その数字、弾性値を幾つと見ているのか。ここは弾性値の答弁はあったんですがね。それから二番目は、公共投資の額は何に基づいて決められているのか。三番目は、四条公債据え置きの根拠ですね。以上三つ。
#200
○政府委員(西垣昭君) あと主税局から補足していただくといたしまして、いまの三点につきまして簡単に御説明申し上げます。
 租税弾性値につきましては、過去十年間四十五年度から五十四年度までの平均税収弾性値を使っております。
 それから公共投資につきましては、今回の七ヵ年計画の見直しで、六十年度まで七ヵ年百九十兆円という公共投資の額が決められておりますので、それを達成するのに必要な一般会計の国費ということで積み上げております。
 それから四条公債につきましては、これは現在の起債市場の状況からいきまして、どの程度発行できるかわからないという問題が一つございますのと、それから公共投資につきましては、これは七ヵ年百九十兆ということでございますけれども、年度ごとにどの程度のものが出ていくかというのは、これは行ったり来たりになりますが、マーケットの状況あるいは景気の状況、財政全般の判断というふうなもので年によって違ってまいります。そういったことも勘案いたしまして、一応五十六年度と同額ということで置いてございます。
 それから、GNPとおっしゃいました。GNPだけじゃありませんで、CPIとかWPIも同じでございますけれども、七ヵ年計画の見直しで六十年度の数値は決まっております。われわれといたしましては、先ほどお話がありましたように、現行制度、施策を前提といたしまして、原則として積み上げをいたしておりますけれども、その場合に何を材料にして価格を見るかとかそういったことはございますので、七ヵ年計画に一応準拠いたしまして、五十六年度を初項として六十年度まで大体平均で見るということでやっております。
#201
○和田静夫君 飛び飛びになって恐縮ですけれども、その公共投資でちょっとあれですが、この八〇、八一年度は対前年比でいずれもマイナスですね。ところが、そうであるにもかかわらず、八二年から八四年度というのは九・六%横並びですね。大臣、私はこれは七ヵ年計画にそろえたからだろうと思うんですが、いかにも極端だという感じがするんですよ。松下主計局長は予算委員会で、公共役賢の赤字は一応経常部門の赤字と切り離して弾力的に措置していくべきものであるというふうに答えられていましたがね、大臣、この辺はどうなんですか。
#202
○政府委員(西垣昭君) 七ヵ年計画も政府の計画でございまして、この一月に正式に決定されたばかりでございますので、一応それを前提としてここではお示ししていると。先ほども申し上げましたように、各年度の公共投資をどうするかということにつきましては、そのときの経済情勢あるいは財政の状態、それから四条公債の発行ということもございますので、起債市場の状況そういったものをにらみながら年度間の調整を図っていくと、こういう考え方でございます。
#203
○和田静夫君 その新七ヵ年計画なんていうのは、経済企画庁の中でもどれだけリアリティーがあるんだろうかといっていろいろ論議があるところでしてね、そんなものに基づいて財政計画ができ上がるというのは一体どういうことなんだろうということをわれわれ素人大変困惑をしているんですが、公共投資の伸びをいま的確にお答えがありませんでしたが高く見る一方で、建設国債の方は据え置いていくということになりますね。そうすると、建設国債に対する大臣のお答えがさっきあったんですがね、建設国債をある程度公共投資との見合いで動いてきている。八〇、八一年度が据え置かれた。これは公共投資の伸びと関係があるわけでしょう。それでいいんですかな。
#204
○政府委員(西垣昭君) 計画期間中の公共投資の額からいきますと、据え置かれた分は計画上は後年度でその分を消化しなくちゃならないという意味で、関係がございます。
#205
○和田静夫君 そうすると、公共投資と建設国債との間に相関があるとすれば、投資を伸ばすなら国債も伸ばさなきゃならない、国債を減らそうとするならば公共投資も減らさなきゃならない、こういう理屈は成り立つでしょう。
#206
○政府委員(西垣昭君) そこのところが投資部門の要調整額ということでございまして、もしも九・六%で伸ばさなくちゃならないと、公債以外の歳入については大きなものは期待できないということになりますと、この要調整額につきましても四条公債を発行しなくちゃならない。ただ、マーケットの状況で四条公債が発行できないというような状況でございますと、この九・六%は伸ばせない。たとえは特定財源でございますとかその他の歳入の増加が図れるというような条件があれば別でございますけれども、もしそういったことがありませんと、ここのところは片っ方がふえなければ片っ方は減ると、こういうことになります。
#207
○和田静夫君 経済企画庁が行政改革のデフレ効果を予測するためのプロジェクトチームを発足させたという報道がありました。まあ報道ですが、これは景気対策という観点から行政改革を牽制しようとするものだろうというふうに一面評価できると思うんですね。そうすると、大蔵省としては行政改革と景気対策とを比べてどちらに優先順位を持つんですか。
#208
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはなかなかむずかしい話なんですよ。ともかく景気が予定したものよりも落ち込んでしまえば、これは税収が落ち込んでしまうわけですから、これは全体の計画に狂いがくる。したがって、景気の持続というものは図っていかなきゃならない。しかしその図る方法としては、われわれはいま言ったように物価の安定という問題が最優先だと。個人消費を伸ばす。まあ財政負担でいっぱい払うといっても、現在のような状況のもとでは財政には限界がございます。しかしながら、運用については御協力いたしますということで、七〇%上半期前倒しというようなこともやってまいりましたし、金融問題において公定歩合の引き下げというようなこともやってまいっておるわけでございます。ですから、景気の問題はやっぱり景気の持続ということでございまして、それがうまく何とかいくだろう。しかし公共事業をいっぱいふやして景気を高めると言いましても、財源が必要なわけでございますから、その財源をどこに求めるか。全体としての公共事業のシェアというのは、実際は日本のGNPが大きいから、いま九%しかないんですよ。昔は一五%もGNPの中にあった。ですから、そこへしかし仮に少しふやすといっても、何千億という金目は財政的にはかなりきつい話でございますので、私は公共事業をふやしてバックアップするということは、いまのところ考えられないというように思っております。
#209
○和田静夫君 もう時間がなくなりましたから余り突っ込んだ論議ができませんが、一つだけ残された時間で、いろいろ予算委員会あるいはこの大蔵委員会を通じて論議これからも深まるわけですが、大蔵省はこういう国会の議論を踏まえて、中期展望なりというようなものの計算をもう一遍し直して見る必要があるんじゃなかろうかと実は私は思っているんです。そうして私は、それがたとえば一枚の表あるいは一つのケースだけではなくて、幾つか予想されるケースがあっていいんじゃないか、これだというだけじゃなくてね。そういうふうに思うんです。何か大蔵省の側はそんな権威のないことできないと言われるかもしれませんがね。私は当然客観的な分析なり、前提なりというものの違いに基づいて幾つかのケースがあらわれるのはあたりまえだと思っているんです。
 で、具体的にちょっと考えてみますと、たとえばGNPの伸び率あるいは税収の変化、あるいは公共投資の伸びの幾つかのケース、それらに応じた幾通りかの複数の財政予測というようなものを立ててみる。で、そういう意味では財政計画に幅を持たせるといいますかね、そして国民に示す。そして国民の判断を仰ぐ。これが私は民主主義的な、あるいは民主的な財政計画あるいは財政の民主化とでもいいますか、そういうものの根底にあってもいいんじゃないだろうか。大蔵大臣いろいろの発想をされますし、思い切って物をやられるわけですから、どうでしょう、私のこういうような提案、複数の財政計画を一遍ぐらいやってみるぐらいの心境になりませんか。
#210
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは余り仮定の問題ばかり並べまして発表するということは、財政当局としては人を惑わすことになるから、私は慎重な方がいいんじゃないかと。しかしながら、仮に現在出ている中期展望というものは、現在の制度、施策の中でつくられているわけですから、これが仮に行管が第二次臨調を出して、国会がそれを承認をして、それで現在の制度、施策を変えるということになりますれば、当然変わった制度、施策のもとで別な中期展望が出てあたりまえ。出なければおかしいことでございますから、いまのままではないと、こういうことでございます。ですから、それがどういうように変わるのか。変わることがわからなければ出せないわけですね。変わるだろうという前提の上でここまで変わったならばこうだ、ここまで変わったらこうだとか、やたらに四つも五つも出すわけにいかないので、やはり私は、最終的には、もし秋に臨時国会開くかどうかわかりませんが、そういうところで権威のある一つの方向づけができた中でもう一遍練り直す、それは結構でございます。
#211
○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#212
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#213
○矢追秀彦君 最初に、この財源確保法の本旨について伺いたいと思いますが、財源確保法では特例届債の発行と中央競馬会、電電公社、輸銀、開銀の国庫納付金を五十九年度までの間行う、こうなっておりますが、私もさきの予算委員会で質問いたしましたように、新経済社会七ヵ年計画でまいりますと政府は増税を含めた計画を立てておるわけですが、私は、私なりの計算によりまして租税負担率の繰り上げ達成ができる、増税なしでできる、こういうふうに大蔵大臣とも議論をしたわけですが、政府も五十七年度は新増税をしないで財政再建をしていきたい、そのためにはいわゆる歳出の見直し、行政改革、こういうことで最近第二臨調あたりにおいてもそういった旨が発言をされております。したがいまして、いままでは増税による財政再建と言われてきたのが、増税なしの行政改革、歳出をカットする方向での財政再建へ少し方向転換をしてきておられるように私は思うわけです。これはまことに結構なことでありますが、そこでお尋ねをするのは、五十九年度までの間の国庫納付、こういうふうにした理由は何ですか。
#214
○政府委員(西垣昭君) 財確法の趣旨でございますが、いま著しく財政収支が不均衡な状況にございまして、歳出の削減に努めるあるいは五十六年度につきましてはできる限り既存の税の見直しによりまして増税を行っていただくといたしましても、財源が不足するということで、特例債とあわせまして電電公社あるいは競馬会等からの納付金も納付していただいて、それで財源に充てるということでこの財源確保法を御審議いただいているわけでございますが、電電公社につきましては特に、四千八百億というものを一度に納付してもらうということは電電公社の状況からいきまして非常に無理があるということもございまして、四千八百億という額は決めたわけでございますけれども、それを四年にわたって納付していただく。それから他方、国の財政の状況からいきましても五十九年度まで安定的に財源確保をすることが望ましいということもありまして四年間ということにいたしました。そういったことでございまして、輸開銀につきましても、さしあたっての国の財政状況でございますので、それに合わせるという意味で五十九年度までという措置にいたしたわけでございます。
#215
○矢追秀彦君 仮に五十九年度において財政再建が完了しない、赤字国債の発行がゼロにできなかった場合は六十年度にずれ込む。今度は逆に、財政再建がうまくいって五十九年度以前に財政再建が達成された場合は、この国庫納付の、本法の措置というのはどうなるわけですか。
#216
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十九年度前に赤字国債が完全にゼロになるという事態になってくれれば、それはもうこんなに幸福な話はないわけですが、なかなか五十七、八年とか何かで五兆五千億円もまだあるわけですから、それが消えるということはそう簡単ではない、私はこう思っております。しかし五十九年度以後にまで続くということも、これもだらしのないことになるので、何が何でも五十九年度までには脱却したい、するつもりでいまやっているわけですから、それ以外のことは余り考えないんです。それ以上考えますとどっかでおかしくなりますから、考えないでやる、こういうことでございます。
#217
○矢追秀彦君 まあそれ以上言えないということはよくわかりますが、もし達成できないとなれば本法が延長と、こういうことにもなるわけですね。それからいま大臣確かに、こんな幸福なことはないと言われておるわけですが、私は決して楽観説をとるわけではございませんけれども、政府もこれから歳出カットを一生懸命おやりになる――もちろんことし五十六年度の経済の動きに大きな影響をもたらしますし、また五十七年度の予算編成ということが、大変私はこの五十六年度の景気の動き、経済の動き、また五十七年度の予算編成のあり方、これが大きな影響をすると思いますが、私がいままで質問もしてまいりましたし、私なりにいろいろ考えますと、まあ経済がめちゃくちゃなことになれば別ですが、現在のような、一面においては不景気もありますし倒産もたくさん出ておりますが、日本経済がいまのような状況のままにずっと推移していくとすれば、私はかなり五十九年度以前に財政再建はできる可能性を大蔵省は見通しているんじゃないか、こう思うわけです。そういった場合、本法では五十九年度まで国庫納付をもらうといってとですから、その金が余ってくるわけですね。これはどういうふうにされてくるのか、歳出増に回していくのかあるいは減税に回すのか、そういった問題もお伺いしたいんですが、それ以上に私は、五十九年度までしなくても、いま電電の話をされましたけれども、単年度主義の予算をとっているたてまえですから、その年その年でよかったんじゃないか、わざわざ五十九年度まで引っ張った理由というのはどこにあるのか、二つお伺いしたいんですけれども。
#218
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいま次長からお話しをしたように、およそ五千億円というごとだったんですが四千八百億円ということになりまして、それを一挙にというわけにはいかない、したがって四年間という話になったものですから、そういう話し合いがついたので四年間にしたというだけのことでございまして、特別な理由はほかにはない、向こうでまとめてそんな一挙にはできないということですし、それもそうだろうということで四年間にした。だからそれ以前にこれはもう脱却できるという見通しがうんとつくとすれば、これはとらぬタヌキの皮算用という話がありますが、やっぱり大蔵省はとらぬタヌキの皮算用をしますと、それは入る話なんかした日にゃこの何倍もの圧力で今度出せと言われますから、何倍もの圧力で。だから私は、とってみないことにはタヌキの皮はわからぬわけですよ。
 それから、税収の問題も現実に収納されてみなければわからないということでございまして、やはりどちらかと言えば、大蔵省は堅実主義という――近ごろなかなか不堅実なところもあるんだけれども、堅実主義ということをたてまえにしてやっておりますので、それだけのことであります。いまから余ったときの分配の話なんというのに応ずるわけにはいかない、いまから。
#219
○矢追秀彦君 私はなぜそういうことを言うかといいますと、やっぱりこの法律は運用次第によっては財政当局の予算編成の裁量を広げてしまう、本法の趣旨というものが守られないおそれというのが出てくるのではないかと、こう言わざるを得ないわけです。
 五十六年度の予算編成でも、国債発行の前年対比二兆円の減額圧縮ですね、これが確定しますと一兆四千億円の増税があるいは本法の国庫納付による財源の確保というものをすぐ考え出してきて、それで出てきた分は特例国債をさらに減らすのに使わないでほかの方に使われているわけですね。それは必要なものもあったでしょう。それは大臣もさんざん言われていますからいまおっしゃることは必要ないんですが、結局やむを得ず要るんだからという、自然増もあるからということでなったんでしょうが、そういうものを取ってやつぱりそっちに充てておると、財政再建がそれだけおくれているということにもなるわけです。
 したがって私は、この本法の趣旨を徹底実現するためには五十九年度までの間の規定というものを特例公債から脱却するまでの間と、むしろこういうふうに改めた方が本法に係る国庫納付金は特例公債の発行額減額の財源に特定することが必要だと、こう考えるわけです。だからさっき言ったように、単年度主義という立場ですから単年度でいくか、もし仮に五十九年度まで何年かということを言うならばきちんと五十九年と言わずに特例公債からの脱却の期間中と、むしろこっちに改めた方がいいんじゃないかと、それはうまくいけば余るし、足りなければまたまた延びる、こういうことになるわけです。しかしこうしないと、せっかくゼロの目標立てたんだからそうならないという議論が出てくるかと思うんですけれども、目標は目標として、中期財政展望もあるわけですし、新経済社会七ヵ年計画もあるわけですから、私は、この法律では特例公債から脱却するまでの間と改めるべきではないかとこう思うんですが、いかがですか。
#220
○国務大臣(渡辺美智雄君) よくその財政再建期間中とか、特例国債からの脱却の間とかという話も出るんですよ。出るんですが、これは余り漠然としちゃいまして、やはりそういうふうに早く脱却できる、あるいはもっと遅くかかるというようなことを言っておっては非常に不安定であると、したがって五十九年度までに脱却するという前提に立っておりますから、それで話し合いがついて納付をする方の側に立ってもいつ脱却するのかわからないし、それからある年はふえるのか、ある年は減るのかでもちょっと予定が立たぬというようなこともございましょう。いずれにしても、話し合いの上で五十九年度までに平均で千二百億円ずつというように決まったわけでございまして、それ以上の意味は実はないわけであります。
#221
○矢追秀彦君 それ以上の意味なかったら別にいいんじゃないですかね、それこそ。特例公債脱却までの期間として、ほかには目標ちゃんと出しているんですから、いかがですか。
#222
○国務大臣(渡辺美智雄君) それではやっぱり不安定なわけですよ、いつ脱却するんだかわからぬという話になりますから。だから五十九年度ということをはっきり書いておけば納める方も安心なんですよ、これ。実際は本当に納めないで済むということを考えればそれでいいのかもしらぬけれども、もっと長くなるかもわからないということになっても困るわけでして、千二百億円ずつともかく脱却できなかったらもう続けて十年間とか言われたって向こうだって困るでしょうから、だからともかく千二百億円ずつ四年間という異例な措置でございます。それはもう電電公社といいますか、郵政省と話し合いをした結果そういうことがいいということで、大蔵省だけでこれは決めたわけじゃございませんで、両省間で相談をして、その方が安定をするし、出す方も目安が立つし、こちらいただく方も安定的な財源になるしというようなことでそういうことに決めたわけでありまして、いつ脱却できるのだかわからない、だから脱却きないときにはもう長くなるし、脱却できたら短くなるしということでも困る。だから四年間であんまりあわてて脱却と言ったって景気の状態その他から言ってなかなかむずかしいだろう。そうかといってのんべんだらりと長々とやってもこれはもう大変なことだと。そういうことでやはり六十年から国債の償還が始まるわけですから、その前の五十九年度までに脱却しようという一つの政治方針でございますから、その政治方針を法律に書くというわけにもいかないので、五十九年度脱却ということで四年間ということを入れたわけです。
#223
○矢追秀彦君 その辺意見の分かれるところでございますが、この辺にしておきます。
 次に、国庫納付金の繰り入れの問題ですが、本法では開銀、輸銀の国庫納付について第七条において産投会計から予算の定めるところにより、一般会計に繰り入れる、こうしておるわけですが、五十六年度では開銀の国庫納付金は幾ら産投会計へ入れられ、そしてことしはどうなったのか、ちょっと説明してください。
#224
○政府委員(西垣昭君) 問題が二つ言われたんじゃないかと思います。一つは、五十六年度から五十九年度までの間予算の定めるところにより、という規定になっております。その立法趣旨のところが一つ。それからもう一つは、五十六年度の予算措置がどうなっているかということかと思います。
 第一の点につきましては、先ほど大臣が御説明いたしましたように、輸銀、開銀の納付金につきましては、五十六年度から五十九年度までの特例措置として納付をする、法定準備金の引き下げをすることによって納付する力を与える。そういったことで五十六年度につきましては額がはっきりしているわけでございますが、五十七年度、五十八年度、五十九年度につきましてはいまから額がはっきりいたしておりません。そういったことで予算の定めるところにより、国会で御審議をいただく予算の中で具体的な額が決定する、こういう仕組みにしたわけでございます。
 それから第二の五十六年度の額でございますが、開銀から産投特別会計に納付される額が百六十五億でございまして、それで、そのうちで法定準備金の引き下げによる分が九十五億でございまして、それを受けまして一般会計に繰り入れられる額が五十億でございます。
#225
○矢追秀彦君 ここでいままでの仕組みは国庫納付金が産投会計に入ってきたわけですけれども、今回財政再建ということで一般会計に五十億を入れる、こうなったわけでありますが、この開銀の納付金を直接一般会計に産投を経由せずして入れるということの方が財政再建の趣旨にかなうのではないか。その中から産投会計の必要な部分を、従来も一般会計からは出してきたわけですね、昭和五十五年度は二十九億出しておるわけですし、その前はもっとたくさん出ておりました。そういうことで、した方がいいのではないかと。この辺についてはすでに予算委員会でわが党の同僚委員である桑名委員の方からも質問が出され、大蔵大臣、また松下主計局長の答弁も出ておりまして、それなりの理由というのは私はわからないではないんです。違法だとは私は言いませんが、やはりこの財政再建ということは、もちろん産投会計もメスを入れなきゃいけませんけれども、やっぱり一般会計ということを私は最重要課題と考えなければいけない、一般会計の収支というものを第一に考える、その次に産投会計のあり方を考えると。こうした場合、この開銀からの国庫納付金を直接一般会計に入れることは今回できなかったのかどうか、その点について。
#226
○政府委員(西垣昭君) これも恐らく予算委員会でお答えしたんだろうと思うんでございますが、一般的に言いまして政府関係機関からの国庫納付金につきましては出資会計に戻すというのが原則でございまして、今回もそれによっているわけでございます。一般会計の収支の改善というのがねらいでございますけれども、産投会計からの出資につきましても、一般会計と同じように厳しい査定をしているつもりでございまして、実質的には一般会計に戻した上で産投会計に繰り入れをするというふうな仕組みをとった場合と結果としては同じことになっているというふうに私どもは考えております。
#227
○矢追秀彦君 ここで私がこれから、私が言っていることと大蔵省と考え方が違うわけですけれども、その一つとしてまずお伺いをしたいんですが、五十六年度に各公庫への出資をしておりますね。これが五十六年度とどれだけ違ってきておるか、どれだけふえておるのか、これちょっと数字で言ってください。
#228
○政府委員(西垣昭君) 御質問は、個々の機関ではなくて産投会計全体としての……
#229
○矢追秀彦君 産投会計の中の各機関。
#230
○政府委員(西垣昭君) 各機関でございますね。
 五十六年度が百八十九億でございまして、その内訳といたしましては公営公庫七億、北東公庫二十億、輸銀百五十億、金属鉱業事業団八億、沖繩振興国発金融公庫四億、先ほど申しましたように合計で出資金が百八十九億でございます。
 なお、この規模が全体としてどう推移してきているかということを申しますと、順次さかのぼりますと、五十五年度が百六十九億でございまして、五十五年度と対比いたしますと五十六年度は全体としての規模は二十億ふえております。なお、五十四年度は二百九十一億、五十三年度は三百七億、五十二年度は五百七十一億ということでございまして、産投会計の出資の規模といたしましては、この数年間で大変小さくなっているということが言えようかと思います。
#231
○矢追秀彦君 五十五年度よりこの出資金は一番ふえておるのが輸銀の三十億、それから沖繩が一億ですね。したがってそれがふえた分ですね。それから歳出の減らした分がございますね、国債整理基金特別会計への繰り入れが減っているわけです。そういうことで私は、これまた後で問題にしたいんですけれども、もちろん数字としては一般会計に五十倍入るようになる点は、結果としては同じだという点については私もよくわかるんですけれども、いままでのずっとこの産投会計への出資というのは様子がだんだん変わってきているわけですね。たとえばこの開銀への出資というものがこれはいままでどういうふうに行われてきたか、ことしもありませんね、去年も出資していませんね、開銀へは。ほかへは出していますけれども。それから貸し付けですね、最近は貸し付けも行われていませんね。昔は出資と貸し付けと、従来はずっと貸し付けが行われて、それから出資になって、最近ではだんだん出資も減ってきておる、開銀の方へはゼロになっておる、こういうことです。その状況を大まかで結構ですから、特に開銀はいつまでが貸し付けで、いつから出資になって、いつから出資もやめておるのか、それを伺いたいんです。
#232
○政府委員(西垣昭君) 開発銀行につきましては、最近はずっと出資はございませんで、いままでの出資の実績といたしましては三十二年度、つまり二十数年前に十億という実績が残っているだけでございます。
 それから融資につきましては、一番最近の例が四十二年度でございまして四十七億、それから四十二年度が八十五億でございます。それからそれ以前にさかのぼりますと、三十八年度それから三十年度、二十九年度、二十八年度に融資の実績がございます。
#233
○矢追秀彦君 これは開銀だけですね。
#234
○政府委員(西垣昭君) 開銀に対する融資です。
#235
○矢追秀彦君 開銀から融資された利息が運用収入という形になってきているわけですけれども、運用利息金収入になってきているわけですけれども、この問題、まあちょっと後にしまして……。
 その産投会計の規模が去年と比べて輸銀が三十億も多いわけですけれども、これだけ出される、規模を大きくした、それから去年一般会計から出したのが二十九億ですから大体九十五億分がふえた、百六十五億産投会計に入る、そのうち五十億とれば九十五億ふえた分、大体四十八億ですね、残す金が、従来のあれでいきますと。その産投会計をここまで上はなくちゃ、規模を大きくしなきゃならぬのかという問題、特に輸銀の三十億はふやすことが適切であったのかどうか。御承知のようにもう財投の方へ資金運用部資金からも金が相当出ていますよね。これも去年五十五年度と比べますと少し滅っていますよね、こっちでちょっとふえているけれども、出資金の方が。もちろんその出資金の方がいいには決まっていますけれども、輸銀としてはそれだけ力がついていると見ていいわけですから、私はこの三十億ふやすのを少し減らすことによって一般会計へのこの五十億もふやすことができたし、私が言っているその直接入れることによって、この産投会計の方をむしろ締めるということもできたのではないかと、ずっと過去の産投会計というのはそれなりの意味はあったと思いますけれども、最近の産投会計のいわゆる出資金というのは、もちろん必要ないとは言いませんけれども、昔と比べれば果たしてどうなのかと、特に財投のお金がずっと使われているわけですから、その点についてこんなに多く残す必要はないんじゃないか。だからたとえば輸銀の場合、これも予算委員会で桑名委員からも指摘をされておりましたが、輸銀の場合も計画が五十二年度で八千八百六十四億円に対して実行額はわずか千九百三十億円、実行率が二一・八%。五十四年度も八千二百億円の計画に対し、実行額は二千三百六十億円、実行率が二八・八%、大体三分の一しか使われていない。で、他の法人はこんなに低くはありませんが、実行率は良好とは言えないと。しかも無償出資の産投資金すら、五十三年度は十億円、五十四年度は二億円の使い残しが出ているわけです。したがって財投の方からも出しておるわけですから、この産投分の出資金というのはもうちょっと圧縮する必要があるのではないか。財投自身も圧縮をしているわけですから、こちらの方も圧縮をできたんではないか。となると、やはり財政再建、財政の見直しと言いながら、この産投会計に去年よりむしろふやす分のお金を入れたと。今度国庫へ五十倍入れるようになったのは開発銀行のおかげで入れたわけでしてね。だからそれはそれでいいんですよ、入れること反対じゃないんですけれども、全額を入れて、その中から産投の会計も見直して、特に輸銀の三十億のプラスは、ここまでやらなくてもよかったんじゃないかと。事実いま言ったような実行率は低いし、実際使い残しも出ておると。こういうことから言うと、財政再建という大変な大きな命題の中でちょっとこれはいかがかと。だから私はさっきも言いましたように、出資金としてやってきたんだから、あるいは貸し付けをやってきたんだから、ここへ入れるんじゃなくて、最近は特に開銀の場合などもうとまっているわけですから、政令の第二条を改めてやれば、私は一般会計へ直接入れて問題ないんじゃないかと、こう思うんですが、その前に、いま申し上げた産投会計を特に輸銀についてこれだけ伸ばす必要があったのかどうか、百二十億を百五十億にね。この辺はいかがですか。
#236
○政府委員(西垣昭君) 産投会計の出資金の予算計上が甘かったんではないかと、特に五十六年度は五十五年度に比較しますと二十億ふえておると、その二十億ふえたについては、輸銀への出資がその他減ったもの十億ございますけれども、それをのみ込んで三十億もふえておると、要するに輸銀に対する出資金の計上の仕方が甘かったんではないかと、こういう御議論かと思います。それが一つ。それからそれとの関連で、輸銀についてはずいぶん使い残しがあると、で不用もずいぶん出しておるんで、財投も余っているし、それとあわせて出資金も減らせたんではないかと、こういうお話かと思います。
 それで、執行状況につきましてはあるいは理財局から御説明いただいた方がいいかと思うんですが、私どもが輸銀の出資金を三十億増額することが必要だと考えたその考え方につきまして私から御説明申し上げますと、その輸銀への産投出資というものは、事業規模を確保する、これももちろんございますけれども、そのためというよりも、低利の輸出入金融や直接借款、これを輸銀はやっておるわけでございますが、その輸銀の経理基盤を強化するというねらいを持っておりまして、その貸付規模と直接的な比例関係で出資額を決めるというふうには必ずしも考えていないわけでございます。この場合輸銀の適正な経理水準といたしましては、貸し倒れ引当金計上後の収支が相償うことを一つの目安といたしておりますけれども、最近の内外金利の変動等に伴いまして非常に収支状況が厳しいものになりつつございます。
 五十六年度の損益見通しについて申し上げますと、年度末の貸し倒れ引当金繰入率を今回引き下げまして、千分の五から千分の三といたしておりますけれども、この千分の三をも下回りまして千分の二・四程度にとどまるのではないかと、こういう見込みでございます。それで、こういった厳しい損益収支の状況でございますので、貸付金に対します自己資本の比率も、たとえば五十年度におきましては一三・三%ございましたものが、五十五年度の見込みでは六・七%になりますし、それから今回百五十億の出資をいたしましても二・八%というふうなことになっているわけです。で、自己資本比率が落ちますと、今後の金利動向にもよりますけれども、調達資金コスト全体が上がるような形になりまして、今後輸銀に政策金融として期待しているその期待がかなえられないと、こういうような状況もございますので、この辺をにらみながらやはり出資金を決めていかなくちゃならない、こういうふうに考えておりまして、私どもといたしましては百五十億程度の出資というものはぜひとも必要であるというふうに考えております。
 それから財投の実行状況、輸銀の融資の状況でございますけれども、五十三年度当時と比べますと、非常に財投計画の見方も厳しくなっておりまして、大変な改善を示しておるということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
 あと必要ございましたらば理財局の方からお答えさしていただきます。
#237
○矢追秀彦君 いま出資金が三十億ふえるのは、必要だということはこれはよくわからないでもないんですが、それじゃ資金運用部の方は大分減らしていますよね、幾ら減らしていますか。
#238
○政府委員(宮本保孝君) いま先生御指摘いただきましたとおり、輸銀につきましては、五十三年度及び五十四年度にかなりの不用額を出したわけでございますが、これにつきましては、輸出入銀行の場合にはどうしても相手国の事情があるわけでございまして、相手国の政変であるとかあるいは景気変動というふうなことで、大型プロジェクトが延期になるとかやめてしまうとかいうような事情が一つございます。もう一つやはり為替相場とかそれから内外金利差によりまして、借りている金ないしは借りようとするお金につきまして大変変動が出てまいりますので、そういう特殊な事情があります場合には大変不用等出たわけでございますけれども、確かに御指摘のとおり、そういうことがありましても余りにも不用が出ることにつきましては、十分注意しなければいけない点でございますので、私どもといたしまして五十五年度につきましては、一三・六%貸付規模を減額いたしておりますし、それから五十六年度につきましては四・六%減額いたしております。そして財政投融資の額につきましては、五十五年度は八・三%の減額、五十六年度につきましては〇・九%それぞれ減額いたしているところでございます。
#239
○矢追秀彦君 資金運用部資金では百億減っているわけですね。これでいいですか。
#240
○政府委員(宮本保孝君) 百億でございます。
#241
○矢追秀彦君 だからさっきのお話とちょっと私わからないんですが、片方においては銀行の財政が厳しいので、出資金三十億要ると。確かに出資金というのは利息のつかないお金ですから、それなりに私はわからないでもないんですが、厳しいならどうして資金運用部がこれを百億も減らしたのかと。確かに自己資金等もこれは減っていることも事実ですけれども、財投で百億も減っていると。そうなりますと、何かこの辺で調整がとれなかったのか。私は絶対減らせとも言いませんし、もちろんふやす必要があるものについてはふやさなきゃならぬと思いますけれども、何か産投会計、さっき言った開銀からお金を入れてこっちへ入れるというふうなことと財政再建ということから考え、また不用額ということも見合せましてこういうことを言っておるわけですが、その辺ちょっとふっ切れぬものを感ずるわけなんです。だから、たとえば出資金を百二十億を百四十五億ぐらいにふやす、そのかわりこの資金運用部の資金はこんな減らさないでもう少しふやすと、こういうことにした方がよかったのではないか。しかし確かに利息のつかない金が多い方がいいことはいいんですけれども、やっぱり財政再建という大きな命題があるんですから、お互いみんなしんほうしなければならぬわけですから、その点はいかがですか。
#242
○政府委員(西垣昭君) いまの御指摘は、外国の事情もあって輸銀の貸し付けがおくれているということはよくわかると、それに対応する仕方として財投資金の方はそれに対応して減らしているのに出資金の方は減らさないところかふやしているのはおかしいではないか、こういう御趣旨だと思うんです。
 事実資金運用部の方は落としております。しかし、先ほども申し上げましたように自己資本の充実の度合いを見てみますと、産投出資を続けましてもたとえば開銀におきましては法定準備金を積み立てた上で納付ができるというような状況になっておりますのに、輸銀の方は法定準備金の積み立てをやって納付をするというような余裕が全くない。それから貸し倒れ準備金につきましても、引き下げられた準備率までも積み立てができない、こういうような状況でございまして、自己資本の充実が大変おくれておる、こういう状況でございますので、出資の方は事業とパラレルではございませんけれども、それなりに充実させる必要があると、こういうふうに私どもは考えておるということを先ほど申し上げたわけでございます。
#243
○矢追秀彦君 それでは、このいまの一般会計に直接入れる入れないの問題でもう一つお伺いしたいのは、この運用収入の方の運用利殖金収入、これの中身なんですが、これの中身について少し説明をしていただけますか。といいますのは、できましたら五十三年度から五十六年度までこの運用利殖収入のトータルと、うちの開銀の納付金、それとその他のいわゆる利子収入ですね、利息収入、どれを分けていただいて教えていただきたいんですが。
#244
○政府委員(西垣昭君) 輸銀につきましては対照がございませんので、開銀について申し上げますと……。
#245
○矢追秀彦君 間違えるといけませんのでもう一回追加しますけど、産投会計の歳入ですよ、全体の。その運用収入の中の運用利殖金収入、全体でこれ出ていますよね。たとえば今年度百七十四億四千八百万、このうちの大部分が開銀の納付金ですね。それ以外の利息というのは何と何で幾らになっているのか、これ利息は大変少ないですよね。開銀がもう大きなウエートを占めているわけです。それが五十三年、五十四年、五十五年、五十六年度予算と、うち開銀の納付金は幾ら、その他の利息収入は幾ら、こういうふうに分けて教えていただきたいというわけです。
#246
○政府委員(西垣昭君) 五十三年度以降ということでございますが、ちょっと手元に五十六年度と五十五年度しか持ってまいりませんでしたので、とりあえず五十五、五十六だけ申し上げさしていただきます。
 五十六年度につきましては、運用利殖金収入が合計で百七十四億四千八百二十一万円でございまして、その中で開銀納付金が百六十五億一千六百十三万二千円でございます。そのほかのものは貸付金利息でございまして、九億三千二百七万八千円でございます。これはいずれも旧余剰農産物特別会計を引き継いだ分でございます。
 それで内訳といたしましては、私どもの手元にございます資料では四十二年度以前分と四十三年度以降分というふうに分けてございまして、四十二年度以前分には電発、水資源、農林公庫等が含まれておりますが、その分が五億六千八百五十五万九千円、それから四十三年度以降分、これは電発だけでございますが、三億六千三百五十一万九千円でございます。それから、五十五年度でございますが、運用利殖金収入全体が六十六億九千七百四十六万八千月でございまして、その中で開銀の納付金が五十五億八千八百一万二千円、その他が貸付金利息でございまして十一億九百四十五万六千円、これがいずれも旧余剰農産物特別会計分であるということは五十六年度分と同じでございます。その内訳といたしまして、四十二年度以前分が七億一千六百二十三万七千円、四十三年度以降分が三億九千三百二十一万九千円でございます。
#247
○矢追秀彦君 まあ五十五年度、五十六年度だけを比べましてもやはり圧倒的に開銀の納付金がウエートを占めておるわけですね。この開銀の納付金を取りますと、いわゆる昨年度の分あるいはことしの九億、去年の十一億ですね、これは全部過去に貸し付けた利息ですね。したがって、私はこの開銀の納付金といわゆる運用利殖収入、こういうふうにはっきりと運用利殖金収入となっているわけですから、あくまでもそのお金を運用したその結果利息として入ってきた分と、こういうのがテーマですよね、予算書もそうなっているわけですね。だから私は、開銀の納付金というお金と一緒くたになってますけれども、分けて考えてこちらの方はあくまでも利息だと、こっちは国庫納付金であると。したがって今回この九十五億円去年よりふやす、合計で百六十五億円開銀から国庫納付金として産投会計に入ると、こういうことですから、いわゆる利息金とは違うお金ですよね。配当みたいなもんですけれども、それを利息なんだと言われてしまえばそれは利息に入るかもわかりませんけれども、そういうことでいままではやむを得なかったとしても、五十六年度にこの財源確保法というのをつくって、いわゆる財政再建のために五十九年度までお金をいただきますと。それからには私はやっぱり最初申し上げたように、一般会計の収支のバランスというものをまず第一に考え、その次に産投会計の収支のバランスを考えて節約をしていくと。そういう立場に立ては、ここで政令の第二条の国庫納付金、国庫に納付するという、政令ですから法律じゃありませんので、政令を改めて、今後財政再建期間中は少なくとも開銀の国庫納付金というものは直接一般会計に繰り入れをする。そして一般会計で押さえておいて、その上で財投でどうしても足りない――この輸銀にせよ、いろんな公庫に対する出資というものを産投会計で必要とあらば後で入れると、去年まではそれ出してきたわけですから、一般会計から。ゼロになっただけでもいいし、うんと取ろうというのも結構ですけれども、やっぱりそういうふうにした方が私は財政再建のやり方にかなっておるのではないか。やっぱりお金の中身もちょっと開銀の国庫納付金とその他の利息金収入というものは違うと、こう考えてもいいのではないか。そういうことで、したがってこの九億三千二百万だけにしておいて、後四十八億ですか、一般会計は入れればいいわけで、それで百六十五億そのまま一般会計入れると、こういう形をしても結果は一緒かもしれませんけれども、ちょっとまた財政の節度というか、そういった面では違いが出てくるのではないかと、こういうことで直接入れてはどうかと。まあいままで言いました理屈プラスいまの納付金と利息とは少し違うと、そういうことでまあお伺いをしておるわけです、主張をしておるわけですが、その点はいかがですか。
#248
○政府委員(西垣昭君) 先生の御意見はそれなりにお気持ちよくわかると思います。ただ納付会計につきましては、繰り返して恐縮でございますけれども、出資会計に帰属させるというのが原則でございます。その一般会計に帰属させるべきだという御主張の御趣旨は、産投特会に入れるがゆえに一般会計を通すよりも甘い査定をしてはならないという点にあろうかと思いますが、その点につきましては、私どもも今回も十分に厳しい査定をした上で百五十億という輸銀の出資を決めたというふうに思っておりますし、今後とも引き続き厳しく臨みたいと思います。
 ただ、ちょっとニュアンスを変えまして、この開銀の納付金が運用利殖金収入の一部ということでわかりにくいではないかという御議論がございました。それにつきましては、私ども五十五年度も開銀の納付金を運用利殖金収入の中に入れておりまして、その中の額がふえたという点につきましては変わりはありませんけれども、扱いとしては同じでございまして、そこのところにつきましてはそれほど問題はないというふうに考えていた次第でございます。ただ、制度をつくるにつきましてはできるだけわかりやすくということでございまして、予算の説明等の場をかりましてその辺の仕組みはできるだけ明らかにすると、わかりやすくするというふうな努力はしたつもりでございますけれども、その努力が足りないという御指摘でありましたらばさらに工夫をしてみたいというふうに考えます。
#249
○矢追秀彦君 いま予算書のわかりにくい問題はまたもうちょっと後に譲らしていただいて――私が聞いている先ほど申し上げた一般会計直接入れてやる、財政の節度という面についての話、いま言われたのでいいんですが、私がさっきから聞いているもう一つは、産投会計から出資をしているんだから産投へ戻すんだと、それが筋であると、これに対してほかのものはわかりますけれども、開銀についてはいままでは出資もしてたでしょうが、最近は先ほど御説明あったようにしていないわけですよね。実際出資金は最近はないと、かなりないわけですね、十年以上ない。したがって過去はそうであったにせよ、いま開銀というのは産投会計の出資をしなくてもやっていけるというより、むしろ開銀の方はもうほとんどといいますか、全部これは資金運用部ですよね、資金運用部と自己資金どこの二つでやっておる、あとのところから全然入っていない。そういうことですから、先ほど言ったように開銀への国庫納付金というものとほかの利息収入とはちょっとお金の性質が違う。しかも開銀に出資はもう最近されていない。だから一般会計へ入れることも別に構わぬのではないか、政令さえ変えておけばそれで問題ないのではないかというのが私の趣旨なんですが、その点はあくまでも出資を過去もしてきたから、いまはしてなくても過去してきたんだからやっぱり産投会計入れなきゃいかぬと、こういう議論になるのかどうか、その点はいかがですか。
#250
○政府委員(西垣昭君) 過去に出資があって現在は新たな出資は行ってないというような機関は幾つかございます。それぞれの出資はそれぞれの会計のいわば財産として会計帰属の出資金と、こういう扱いになっておりまして、それらを通じてルールといたしまして出資会計に配当なり納付金は納めるというのが大原則になっているわけです。そういった意味で開銀が過去に産投会計から受けた出資に対する配当というような性格のものにつきましては、産投特別会計に帰属させるというのが国の財政を通ずるルールになっているわけでございまして、私どもはそこのところを変えるわけにはいかないのではないかというふうに考えている次第でございます。
#251
○矢追秀彦君 それはよくわかるんです。ただ、産投会計でいま出資をしておるから、だから配当というものは入らなきゃならぬ、それはルールであると、それも私よく理解しますが、現実問題としてこの産投会計のあり方そのものもいわゆる戦後あるいは高度成長期、それとはずいぶん変わってきておる、だからこの産投会計自身そのものも私は見直ししていかなければならない時期ではないかと、全部やめてしまえとは言いません。だから、そういう一環として今回たまたまこういう開銀から昨年度よりは九十五億円、合計百六十五億もふやすと、こういうふうなことが出てきたわけです。
 そこで、この国庫納付金というのがサーチライトが当たってきたわけで、出資したから入れる、これもわかるんですけれども、過去に出資した金額に対する返しといいますかね、そういうものはもうずいぶん終わっているんじゃないですかね。それよりも、もう産投会計に頼らずこちらの財投の資金運用部資金で十分開銀は賄っておると、こういう時代ですから、産投会計そのもののあり方の再検討、それからまた国庫納付金のあり方の再検討、依然として古い時代のものがそのまま続いている、こういう状況ですから、私は法律違反とかそういうこと言うんじゃなくて、やっぱり抜本的に見直しをして、新しい時代に対応した新しいやり方に変えていかなくちゃならぬのじゃないかと、こう思うんですが、これは来年度以降の問題としてどういうふうに御検討されますか。
#252
○政府委員(西垣昭君) 御趣旨が、大きな制度改正があるいは見直しが行われるときには当然こういったものも見直されるべきだと、こういう御趣旨のようでございます。そういった意味では私どもも当然そうあるべきだというふうに考えます。
#253
○矢追秀彦君 それで次に、先ほど少しお触れになった予算書についてなんですけれども、事実私も今回この質問するのでいろいろ勉強しまして、大変大きな間違いをしたわけなんです。というのは、要するに九十五億増というのがこれに出てこないわけですよね、予算書では。この説明していただいているこれに初めてこう出てきていると、「法律案の概要」というところでこれで九十五億というのがあると。最初ぱっとこの予算書を見てその次にこの説明書を見ますと、大変運用利殖金収入が去年よりめちゃくちゃにふえておると、これふえたのは開銀の方からたくさん入ったんだなと、何だか百六十億だ、それ減したら今度は利息金が余りにも少な過ぎるし、九億しか入ってないと、一体どうなったかという、ちょっとぱっと見て間違いを起こしたわけなんです。それでよく計算いたしますと、つじつまが合うと、五十億しか一般会計へ繰り入れできないと。最初は何か百億ぐらいできるんじゃないかという錯覚に実は恥ずかしい話ですけれども陥ったんです。おまえは予算書の見方を知らぬと言われたら、素人だと言われたら、これはしようがないんですけれども、そういう点で去年まではこれでよかったと思うんですね。ことしから大きく変わったわけですから、少なくもこの運用利殖金収入という産業投資特別会計の中の運用収入の項目の中にはここに何にも書いてませんから、私はここで九十五億増というのを説明の中にでも入れておいていただければ親切ではなかったのかと、こう思うわけです。これがこれとこれと説明書の方でもいいですよ、どっちも何も書いてないから計算間違っちゃったわけなんですよ。その点はいかがですか。
#254
○政府委員(西垣昭君) 確かに先生おっしゃいますように、この分は予算の歳入に運用利殖収入の一部分になっておりまして、そこを見ただけではわからないというのはそのとおりでございます。ただ予算というのは歳入、歳出を通じまして膨大な積算項目を積み上げたものでございますので、ある程度まとめるというのはどうしても必要でございまして、私どもは運用利殖金収入のところもそういった性質に応じまして分類整理するということで、このような形でまとめるのが最も適当であるというふうに考えているわけでございます。ただ御指摘のように、今度のような改正があったのに何見てもさっぱりわからぬというふうなことであってはいけないわけでありまして、重要な内容につきましては予算書の中で明らかにできなくても、たとえば予算の説明の中ではっきりと説明をするというようなことが必要であろうということで、予算の説明その他の参考資料におきましてはできるだけわかりやすく書くということで今回の予算の説明の中の産業投資特別会計の項におきましては、本文の中で、「五十六年度は、「財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律」(仮称)に基づき、この会計から一般会計へ五十億円を繰り入れることとしている。」ということをはっきり書き込む。それからその下に、歳入歳出予算の大要の表を載せました下の注書きの中で、「五十六年度の運用利殖金収入のうちには、日本開発銀行からの国庫納付金の受入見込額として、」財確法(仮称)「に基づく法定準備金の積立率の改定による見込額九十四億七千八百万円及び貸倒準備金の繰入率の改定による見込額七十億三千八百万円の合計百六十五億千六百万円が含まれている。」というような説明書きはして、できるだけわかりやすくするという努力はしたつもりでございます。先ほども申し上げましたように、さらに努力しろという御主張でございますならば、いろいろと工夫はしてみたいというふうに考えております。
#255
○矢追秀彦君 そこでひとつ、もしそういう前向きに検討していただけるなら、私提案ですが、この産業特会の予算書の運用利殖金収入のこの基礎の後の「見積の事由及び計算の基礎」のところに「貸付金等につき本年度において受け入れる利子等の収入見込額を計上」となっていますね。これは実際は、さっき私が指摘しましたように、五十六年度などはもう比率の上からいっても圧倒的に開銀からの国庫納付金が多い。過去を見ましても全部多いわけですよね。五十五年度はいま説明されたとおりですが、五十四年度にいたしましても運用利殖金収入は四十三億六千六百万円のうち開銀納付金が三十億九千八百万、実際の利子というのは十二億六千八百万、五十三年度が三十億四千百万円、利息の方は十五億七千八百万円、こういう状況ですから利子よりも開銀納付金の方が多いわけですよね。だからむしろ、この文章を改めていただいて、いわゆる国庫納付金及びとか、これは利子が主体になっている考え方ですね。現在で言えば、最近の状況では実際の利子というのは少ないわけですから、その辺を改めておけば、ああこの中には開銀から国庫納付金が百六十倍入っているから大きいんだな、そのうち今度の改正によって九十五億円増になったんだなということがわかれば、さっき私がやったような間違いは起こさなかったわけでございまして、この点についても、予算委員会でも少し大臣からも答弁をいただいておりますけれども、具体的にはいま申し上げたように、ここの基礎の項目ですね、現実とは離れている、こういう点については改められますか、いかがですか。
#256
○政府委員(西垣昭君) 予算書の整理の仕方とか書き方につきましては、いろいろと約束事でございますとかバランスでございますとか、そういった問題もございますので、ひとつ研究させていただきたいと思います。
#257
○矢追秀彦君 大臣、席を立っておられましたので、その間の質問で二つだけ大臣の答弁としてお伺いしておきたいのは、いま申し上げた、検討するとおっしゃいましたので、ひとつこれはぜひ――何も私むちゃくちゃな要求しているんじゃなくて、現実と少し違うんじゃないかというのが一つ。いま言ったように産投特会の利子の収入の方が少なくて、いまはもう開銀の国庫納付金が圧倒的にふえておる、特に今年度からはもう、片方は九億で片方は百六十五億ですから全然国庫納付金の方がふえている。にもかかわらず、予算書では「貸付金等につき本年度において受け入れる利子等の収入見込額を計上」と、こうなっているのは実情に合わないのではないか。これを書きかえていただくこと、そういうことがあって、もう少し詳しく書かれておれば――私、事実計算をちょっと間違えまして、一般会計への繰入五十億が百億ぐらいいくんじゃないかというふうに勘違いをしたわけです。これはその運用の利殖金収入のところの百六十五億開銀から入ってきた。その前の年も幾らか入っておる。ふえた分は九十五億ふえだというのをこちらのいただいた表をよく見ておけばよかったのに、これを見ないで、ただ百六十億そっくり来ていると、こういうふうに見たんで、やっぱり去年も幾らか来ておった。去年よりこの率を変えることによってふえた分は九十五億というのはちょっと頭になかったので計算間違ったんですけれども、それで間違いを起こしたので、今回は、改正になった年ぐらいはもうちょっときちんと書いてほしかった。説明書に書いたからいいと言われればそれまでですが、説明書は説明書であって予算書ではないわけですから、その点予算書にできる限りこういう変動時にはしてほしかった。これが一つ。
 もう一つは、いま言ったこちらの文章というのは実情と合わなくなっている。実際にはもう利息というのは少なくなっています。これは何も五十六年度ではなくて、五十五年度、五十四年度、五十三年度、全部利息の方が半分ぐらいですよね。開銀の国庫納付金がもう圧倒的に多いわけです、三分の二を占めておるわけですから。そういった点で実情と合わないので、この文章ぐらいはこれはきちっと来年度から変えていただきたい。この点が一つです。
 それからもう一つは、その前の議論は、要するに開銀からの国庫納付金は産投会計に入れる、これは出資をしたところだからもとへ入れるのがあたりまえだと、これはよくわかるんですが、最近では開銀への出資はもうずっとないわけです。したがって、この運用利殖金収入というものの中身は、さっきも言いましたような開銀の国庫納付金が圧倒的に多くなって、実際の利息というのはもう少ない。であるから、むしろ開銀の国庫納付金をストレートに一般会計に入れても別に問題はないのではないか、政令の第二条を改正するだけで問題はないんじゃないか。しかし、財政のルールということを先ほどずっと説明されまして、それもよく私はわかりますが、財政再建、始末をしていくということになれば、この開銀からの国庫納付金を直接一般会計に入れて、それから従来のように産投会計に少し入れる。また産投会計のあり方自身も、これは高度成長期あるいはまた戦後の混乱期、そういうものを支えてきた重要な会計であったことは事実ですが、現実としてはたとえば、開銀の場合であればもう資金運用部資金で十分運営ができている。だから産投会計の出資はなくなっているわけです。ただ輸出入銀行とか、二、三必要であるところは私は必要ゼロとは言いません。しかし、産投会計のあり方というものもこの際ひとつ見直していくべきではないかと、こういう点、三点お伺いをしてきたんですが、その点大臣から改めて……。
#258
○国務大臣(渡辺美智雄君) 細かいことは私は実際のところわからぬものですからね、事務的な問題は。事務的な問題については事務当局がよろしいと言えば私もよろしいということであります。
#259
○矢追秀彦君 それじゃいかぬ、政治家として。まあよう勉強してください。ひとつ私の考えもそれは財政の本来の趣旨から間違っている面があるかもわかりませんが、事務当局がいいと言ったらイエスと、そんなあなたお役人さんに言われっ放しの大臣じゃしようがない。まあようわかりますが、ひとつ勉強していただきたい。
 私は、大蔵省を大変評価しているんですよ。いままで私が質問したことでいいことは全部ちゃんと来年度から、百点はつけられないけれども七、八十点は全部直していただいております。ほかの役所はなかなかしてくれません、質問したって。大蔵省というのは非常によくやってくれましたので、ひとつよく勉強していただいて、お願いをしたいと思います。
 それから次に国債の問題に入りたいと思いますが、その前に、済みません、ちょっとこれは質問通告しておりませんでしたので急な質問になって恐縮なんですが、いまの予算書の問題で、「昭和五十六年度農林水産省主管歳入予算明細書」、これの納付金のところの中央競馬会納付金、これを五十五年度と五十六年度に分けまして考えた場合に、この大蔵省からいただいた資料に第一国庫納付金、第二国庫納付金というのがありますね。五十五年度の予算に出てきた金額というのは、これは第一国庫納付金のみなのか、両方足してあるのか、五十六年度は片方だけのか、両方足してあるのか、これはいかがですか。
#260
○政府委員(西垣昭君) 日本中央競馬会納付金、これは五十六年度につきましては第一納付金と第二納付金と両方をここに計上してございます。それから前年度予算額のところで千三百八十一億九千五百六十万とございますのには、第一納付金だけが計上してございます。つまりここのところの書き方は、前年度と五十六年度とは変えてあります。
#261
○矢追秀彦君 変えてあるのはいいんですけれどもね。この文章のところに「及び剰余金」というところが変わっているわけですね。たしかそうだったと思うんですけれどもね。
#262
○政府委員(西垣昭君) そのとおりでございます。
#263
○矢追秀彦君 これも私はちょっと混乱を来したわけです。要するに、「及び剰余金」というのが入っていますからこんなことだろうという推測はしたんですけれども、最初えらいふえているので、一体この五百億ふえたのはどうなったのか、そういうことでこの大蔵省からいただいた書類を見ていろいろ研究しますと、千八百三十八億というのは一、二足したのがわかってきたわけでして、ちょっとこれもぼやっとしているとわからない。だからここで、もちろん文章も必要でしょうけれども、やっぱり数字として何らかの説明ができなかったのか、このように考えるわけなんですけれども、その点はいかがですか。
#264
○政府委員(西垣昭君) 従来計上しておりませんでしたのは、剰余金がどの程度発生するのかよくわからないというような事情もございまして、第一納付金だけを計上していたということのようでございます。
 それから、今回は合わせて五百億という規定でございますので、特別納付金と合わせて五百億、そのうち三百億が第二納付金ということで、今回の制度改正に絡めまして第二納付金をここに計上した。五十五年度との違いは、御指摘のように「剰余金」と書き込むことによってそこが変わっているということをお示しした、こういうふうに理解していただいてよろしいかと思います。
#265
○矢追秀彦君 いずれにせよ、これだけ資料が「特別積立金の推移」ということで来ているわけですし、一、二も書いてあるわけですから、今回大きな変動があったわけですから、五百億というものを捻出しなきゃならぬ、そんなところからこういう、下にまた二百億というのが入ってきているわけですから、ここで無理をしてこういうようになったのかなと私は思うんですけれども、そのわりには私がさっき言ったと同じように、予算書の書き方というものにもう少し親切が欲しかった、こういうわけなんです。私もちょっとよく気がつかなくて実際の、よくこっちを見てからわかってきたわけですから、その点、大臣いかがですか。さっきのことも含めまして、予算書、なかなかこんな小さいところへそんなにたくさん書けるかという議論もあろうかと思いますけれども、その点、いかがですか。
#266
○政府委員(西垣昭君) 技術的な問題でございますので、かわりましてお答えいたしますが、できるだけわかりやすくという御趣旨は私どもできるだけ尊重して、努力できるところはいろいろ工夫してみたい、こう思います。
#267
○矢追秀彦君 次に国債の問題ですが、国債の償還ということも大変重要な問題で、そのために赤字国債を五十九年度までにゼロにしなければならぬ、こういうことでいま行政改革ということが非常にやかましく言われておるわけですが、私は今後のいわゆる国債発行、と言うより、いまたまっておるストックの国債、特に赤字国債、特例債というものをどう償還をしていくのか、この点について少しお伺いをしたいと思います。
 一つは、これはどうしてもキャッシュで返さなくちゃいけないということになっております。それで、大蔵省で出されておるこの仮定計算ですね、二種類ありまして、その一つずつにまた二つありますから四種類いただいておりますけれども、「(その1)」でいきますと、昭和六十一年までは予算繰り入れ、これはゼロになっておりまして、六十二年から一兆三千四百億予算繰り入れ、そして余裕金はこのときにもうゼロになってしまう。それからずっと、六十四年にはもう五兆四千七百億、六十五年には六兆四千四百億というふうにふえできています。それから「(その2)」の方にしましても、これは六十年から予算繰り入れをやって、そのかわり余裕金は残しておくというやり方になっておりますけれども、これでもかなり、一番多いときでも昭和六十五年度は三兆八千二百億予算繰り入れ、こういうことになってくるわけですね。それからもう一つの方の仮定計算「A−22−2」の「(その1)」でいきますと、これでも昭和六十二年から予算繰り入れ、余裕金はこの時点からゼロ、それからもう一つの方は、これも大体一緒ですが、六十年から予算繰り入れ、こちらは余裕金は置いておりますが、一番多いので三兆四千五百億が出るのが昭和六十六年ですか、こういうふうに六十年以降ですね、非常に問題になるのが。この場合余裕金をつぶしてしまうやり方、それからそれでも足りないで予算繰り入れ、余裕金を残してその分予算繰り入れもやっていく、こういうふうないろんなことが出ておりますが、もちろん先のことですからなかなかむずかしいと思うんですけれども、最終的にどうなっていくのか、特に六十年以降特例債を返さなければならぬ場合、特例債の借りかえというのは一応いまできないことになっています。量後のとどのつまりは、やっぱり特例債の要するに借りかえをしなければならぬのじゃないかと、そういうふうな気もしないではありません。今後この特例債の償還について、どういうところをどういうふうに努力をしてどうしようとされておるのか、ずいぶん先のことですけれども、基本的な方針というのをまずお聞きをしたい。
 どういうことかと言いますと、いま言った余裕金を全部崩すやり方でいくのか、あるいは予算繰り入れということでいくのか、どちらにどうウエートを置いていくのか、最悪の場合はどういう時点になったら特例債の借換債を認めていくのか、その点はいかがですか。
#268
○政府委員(西垣昭君) お話がございましたように、六十年度以降特例債の現金償還、そのときの国債整理基金の状況はどうなっているかということを予算委員会の提出資料ということで私どもがお出ししたものを見ましても、これはもう大変な状態でございます。そういう状況でございますので、極力その特例債からの脱却を急がなくちゃならないということで、五十九年度には特例債依存から脱却するという方針のもとに私ども努力しているところでございます。それとあわせまして、総合的な減債制度ということで定率繰り入れあるいは剰余金の二分の一というルールを極力全額繰り入れるというような財政運用、それから予算繰り入れというこの三本柱でもってできるだけ国債整理基金の原資を充実させるということをやりながら、しかもその特例公債から脱却するように財政再建に努めるというふうなことで、一日も早く特例債から脱却をして、予算繰り入れに先行して平準的に国債償還ができるような体制に持っていくということが大事だと思いまして、私どもといたしましてはできるだけ早く特例債から脱却するという意味での財政再建を急ぎたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#269
○矢追秀彦君 そういう話はよくわかっておりますんでね、実際どこに力点を置かれていくのか。いま言われた五十九年で赤字国債からの脱却、これはもう大変な大事なことで、それはもう基本にあることはあたりまえなんですが、それはそれとして、これはできたという仮定でできているわけでしょう。じゃ予算の方に余裕ができるような方向へ持っていかれるのか。私は借りかえもやむなしという事態、これは確かにいまそういうことは言えないと思いますよ、いま。これは私だって反対という立場をやっぱりとらざるを得ませんから。
 しかし現実問題として、じゃどうなったときに――余裕金もなくなってしまった、予算の繰り入れはもう限界が来た、じゃ特例債の何%に限っては借りかえをやると、そういうことになるのか、あくまでもいまの二つの線、余裕金も使っていく、それからこれがゼロになったら、あとは予算繰り入れと、もうこれしか残らぬわけで、そのためには予算に余裕を浮かさなくちゃならぬので、そのためには行政改革そしてまた赤字国債からの脱却と、こういうことになるんですけれども、その予算繰り入れも大変金額が大きくなっていますよね、五兆四千七百億なんていうのも途中で出てくるわけですから。この辺あたりになると、三兆ぐらいまでは何とかがんばっても、これ五兆まで来たときには、これはちょっと大変じゃないかと。五兆、六兆ですね、「(その1)」の表でいきました場合。仮に「(その2)」の方にしたとしても三兆八千億という大きなのも出てくる。四兆近いお金というのは、なかなかこれは一般予算からはというのはむずかしいんじゃないかと。この場合はこっちの余裕金があるからそれを崩せばいいというようなことになるかもわかりませんけれども、この余裕金を一応崩したという形で行った場合は、こっちで六兆というお金が出てきている。その辺が可能なのかどうか、その点はいかがですか。
#270
○政府委員(西垣昭君) 現在の時点で、どこに重点を置いてどういう道筋をたどって現金償還に必要な予算繰り入れを可能にするのかということについてお答えすることは非常にむずかしいと思います。ただ、私ども五十年度の国会論議を踏まえまして、五十一年度以降の特例債の法律の中に現金償還原則をうたっております。その精神は、とにかく現金償還が可能なように、極力早く財政の健全化を図るんだと、図るべきだという、そういう大原則がうたわれておるわけでございまして、私どもはそれを尊重しながら、その努力を一歩一歩積み上げていくと。それを積み上げていくことによっておのずから道が開いていくんではないかと、こういうふうに考えているわけです。
#271
○矢追秀彦君 大臣いかがですか。
#272
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう六十年以降、実際六十三年とか四年とか五年とかになりますと、表を見ただけで気の遠くなるような実際話なんですよ、正直のところ。果たしてこれがうまく返済できるのかどうか、見方によってはそろそろ十年もたちますか、七、八年たってますから、財政規模も現在の何倍になりますか、これは景気の状況、物価の状況、いろんな問題がございますから断定的には申し上げられませんが、現在六兆円負担するよりは楽だと思います、それは。ですから、そのときの財政規模、景気の状況によっても変わってくると思いますが、いずれにしてもこれは大変な出来事であって、いまわれわれが言えることは、これ以上もう国債を増発はできないと。もうこういう事態を考えると一刻も早く、建設国債といえども書きかえると言ったってやっぱり利息がかかる話でございますから、ですから現在の借りたものを書きかえるだけだって精いっぱいのところですから、建設国債の増発ということも私は余り賛成しないんです、実際は。だから先々のことまではっきり言えと言われても、ちょっと私もこれ言えないというのが事実でありまして、赤字国債までも返済ができなくて借りかえると、そういうような事態にならないように何とか持っていきたいというだけのこと。それ以上のことはちょっと私、確約できません。
#273
○矢追秀彦君 大変先の話ですから、確かに大臣のおっしゃるとおりですが、それだけ真剣に受けとめていろいろおやりになっていると思うんです。もう質問通告した質問は大体終わってしまいましたので、あと一般的なことで少しこの際お伺いをしておきたいと思います。
 行政改革についていろいろ議論もされ、いろいろ言われておりますし、私もこの前も大臣に申し上げましたけれども、第二臨調等のスケジュールがございますが、大臣、これも先の話でまだ言えぬとおっしゃるかもわかりませんが、五十七年度予算編成ですね、これへ向かってのスケジュール――サマーレビューそれから概算要求、こうなるわけですけれども、予算を早く組むという話も出てきておりますし、その点五十七年度予算編成、私先ほども申し上げましたが、この五十六年度の景気の動向、経済の動向と五十七年度予算編成というのがこの財政再建が五十九年度までに赤字国債脱却、ゼロになるという、赤字国債からの脱却のできるかできないかのかぎは私はことしの経済の動きと五十七年度予算編成にあると、こう見ておるわけなんです。ということは、五十七年の経済運営ということにもなるかもわかりませんが、そういった上でこの予算編成が非常に重要な、大事な問題になってきます。それだけに今後どういうふうな形で、いままでやってこられなかったサマーレビューということもやられるようになって、少しは一歩前進が見られておるわけですけれども、今度はサマーレビュー程度のものでは私はなかなかむずかしいと思います。第二臨調の答申の時期等の絡みもあるでしょうし、今度は相当真剣な議論というのが、これは政府はもちろん、やはり各政党ともやっていかなきゃならぬと思いますけれども、こういう五十七年度予算編成に対する大蔵大臣のいままでと違った新しい何らかのスケジュールあるいはまた何らかのやり方、こういうのは検討されておるわけですか。
#274
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十六年度の予算が上がったばっかりで、それで五十七年度の予算をいま編成するといってもそれはできないことです。何と言ったって一番問題は景気の見通しの問題ですから、これは景気の見通しが違っちゃったらでっかい違いが出てくるわけですからね。だけれども、景気はわれわれとしては予定どおり維持して、そうして名目九・一、実質五・三というような景気をちゃんとつくっていこうという前提に立っているわけです。その中でも、要はことしは一兆四千億円の増税をやったんですが、いままでの状況だと二兆円以上の新規需要がふえると、それに対して大型増税というのはやらないという前提に立ちますから、やはり歳出の削減ということを最重点にやらなきゃならぬと。ことしもやったのはやったんですが、八千五百億円ぐらいのものは抑え込んだり後回しにしたりやっているんです、かなり。やってはいるけれども、規模が違いますから、これはもう二兆円以上の話になってくるわけですからね、普通の尋常一様の方法ではできっこない。そこで一番違うところは何かと言われますというと、徹底した、本当に文字どおり徹底した既存の制度等にメスを入れて歳出の削減を図ると。そうなりますと、とてもいままでのようなパターンではできない。ですから大蔵省としても、できればいままでは七月の末にシーリング枠というものを各省に示したんですけれども、少なくともそれよりも一ヵ月以上、一ヵ月と十日になるか一ヵ月と二十日になるかわかりませんが、一ヵ月以上早目に、六月の下旬かもっと少し前かぐらいまでには各省との折衝をしながら一応シーリング枠を示すという前例のないことをまずやりましょうと。
 それからもう一つは、行管との連携もとりながらもちろんやるわけですから、そこで検討項目はもうすでに表にも出ているわけですから、行管だけがやるわけじゃなくて、各省庁においてもわれわれの大蔵省においても、それぞれの立場で検討項目に沿って、検討項目があれば検討項目よりもふえる行管の勧告が出るはずはないのであって、それよりも減る。ことは決まっているわけですから、何ぼ減らせるのかということについて勉強しながら進もうと。それで七月の中ごろになるんですかね、七月の二十日ごろになるんですか、行管の第二次臨調というものが出ると。出たときには、待ってましたとは言わないが、ともかく大体そんなに目新しいという話じゃなくて、下準備をしているわけですから、そいつを上に出すというような努力をしていかなきゃならぬ。それにしても前例がないことだから、二ヵ月ぐらいの各省とを余裕期間がなければ概算要求の締め切りはできない、こういうことになろうかと存じます。
 そして、その答申の中で既存の制度についても削減しなさいよということになれば、大蔵大臣だって法律守らないわけにはいかないわけですから、たくさんの法律があるわけですから、その法律の手直しをしてもらわなければこれはできないと。そういうものを今度はいままでのパターンで予算と同じく一緒に国会に出せなんて言われたって、なかなか混乱しちゃって私はむずかしいのじゃないかという気がするわけです。だから、できることならばその前に処理しておいてもらえれば、それは法律に従って予算の査定、編成というものはやりやすくなることは事実なんです、これは。だからそこらのところはどう扱うか、これは決まっておりません、まだ。決まっておりませんが、いずれにしても必要があれば秋の臨時国会というものはお願いせざるを得ないんじゃないかという気がしておるわけであります。中身がどういうふうに違いがあるか、どう違うんだということは一切決まっておらないということでございます。
#275
○矢追秀彦君 これは新聞なんですけれども、けさの読売新聞ですが、三和銀行が、「本年度予算一兆四千億円歳入欠陥税収見積もり甘い」と、こういうあれが出ておるんですが、これはどうお考えになりますか。まだお読みになっていませんか。
#276
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう新聞とか雑誌とかいろんなことを書きますからね。それ一々答えていた日にはもう体幾つあっても間に合わないような話なんだけれども、しかしながら、やっぱり相当な調査機関が調査をしてやるわけですから、そいつを黙殺なんていうことはできない。それはわれわれとしては、そういうようなある程度権威のある機関が出したものについては、やはり慎重に謙虚に検討さしてもらいたいと、こう思っておるんです。現実の問題として、この本年度というのは五十五年度なのか五十六年度か、いまからそんな欠陥だなんて言われたって困るんで、実際欠陥にならないようにひとつやっていかなければならないということでございますが、景気見通しについてはいろいろな見方がございますから、われわれは買気の維持、持続というものにさらに力を入れて、こういうような新聞の御指摘のようなことにならないようにひとつ努力をしてまいりたいと思っております。
#277
○矢追秀彦君 最後にしますが、最近アメリカの経済がやや上向いてきておると、こういうことが言われておるわけですけれども、アメリカの経済がよくなることは非常に結構でございまして、日本とも大変大きなかかわりがありますので。インフレも少しおさまりつつあると、それから経済の成長率も伸びてきておると、こういうふうなことなんですが、しかし一方においては、まだ失業がたくさんあるとか自動車摩擦に見られるような何かアメリカの経済が大変厳しいんだと、こういうこともあるんですが、大臣としてはどう認識をしておりますか、これからのアメリカの経済。経企庁と違いますからあれかもわかりませんけれども、その点伺って終わりたいと思います。
#278
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も専門的に調べておるわけではございませんが、ともかくアメリカもインフレの抑制というものを第一義的にいま考えておると、それによって金利なんかもかなり高金利でございますが、ほかに抑える方法がない、インフレのうまい手だてが。そういうことでやっておって、インフレが鎮静化するということになれば、景気の方も実際め購買力も出てくるだろうと。それからやはり歳出カットその他減税等も合わしてやって、後半には何とかプラス成長に持っていきたいという政府は努力をしておるようでございますから、やはりその努力については額面どおり受け取っていいんじゃないかと。ヨーロッパあたりの専門家筋も大体後半はそんなにうまくはならぬが、プラスのところには足がかかってくるんじゃないかというような見方の人が多いので、私どももそのようにいま思っておるところでございます。特別にどういう根拠でどういう数字ではじいてそう言うのだと言われましても、別に特別なりっぱな根拠を持っておるわけではございません。
#279
○三治重信君 まず事務的な関係の方から御質問に入りたいと思うんですが、今度の財源確保法の法律の中で、競馬会だけ国庫納付金が入れられているわけなんですが、そのほかにこれと同じ性格と思われる日本船舶振興会、日本自転車振興会、これはいままでも国には国庫納付金、国は財源としてはやってないわけですね。ところがこの間見に行ったら、地方の公共団体には国と同じ、国が競馬会から国庫納付金として納めている一〇%前後ですかを関係主催の市町村が歳入として入れているようなことだから、恐らく全体的にも船舶振興会及び自転車振興会の方も一〇%程度関係市町村の方へ、主催者の市町村の方へ入っているんじゃないかと思うんですが、この競馬会だけ今度は特別こう入れると、地方の方もこういうふうに特別もう少し、悪く言えば上前を余分に取れというようなことはやったのかやらぬのか。また、国の財政の非常の事態ということで、できる限りこういうふうに何百億円でも入れるということについて、私は一つの考えだと思っておるんですが、そのほかの二つのギャンブルの会の納付金の関係はどういうふうにお考えになったんですか、その処理の仕方をひとつ考え方を伺いたい。
#280
○政府委員(西垣昭君) 中央競馬会につきましては――五十六年度予算を編成するに当たりまして、歳出の削減については徹底して行うと。しかし歳出だけでは十分ではございませんで、税制の見直しもすると。しかし税というような一般的な負担を国民に与えるだけではなくて、国の政府関係機関でありますとか特殊法人につきましても見直しをして、納付金を納められるどころから納めるべきではないかというふうな御議論がございまして、結局行政管理庁とも協議をしながら、それから諸官庁とも協議をしながら、電電公社、中央競馬会、それから輸開銀。今回御審議いただいております法案の中で、成果がこういった形で出たようなところが納付金を納めていただくということになったわけです。そのほかにももちろん日航の株式を売却するとかそんな努力もいたしました。
 それで、いま先生おっしゃっておられますのは、そこで今度は日本中央競馬会と公営競技等、そういう中央競馬、地方競馬、競馬と競輪、競艇というふうな関係でそっちはどうするんだと、こういうお尋ねだと思うんですが、これは国の財政にプラスになるようなそういったことができればそれは非常にありがたいことではございますけれども、競艇、競輪等の地方公営競技の場合は中央競馬会とは仕組みが違いまして、いずれも地方公共団体が施行いたしまして売上高の一定割合を、たとえば日本船舶振興会でございますとか日本自転車振興会等に交付いたしまして、それで造船あるいは車両の関係事業あるいは公益事業の振興資金等に充てる、それから収益は当該地方公共団体の住民福祉等の財源にする、こういった仕組みになっておりまして、中央競馬会と違う形でございます。そのあり方につきましてはいろいろと問題がございまして、五十四年の六月でございますか、総理府総務長官の諮問機関であります公営競技問題懇談会という学識経験者を中心にしました懇談会で、仕組みは仕組みとして配分については十分適正に効率的にやるようにというふうな答申が出まして、その答申に従ってそれぞれの諸官庁において合理化に努めておられる、こういう段階でございますので、財政当局といたしましては目下のところはその進捗状況を見守るというようなことで来ているわけでございます。
#281
○三治重信君 私の質問の仕方が若干、ちょっと理解しにくいような質問の仕方になったかと思うんですが、私は競艇や競輪を国の財源に入れろということではなくして、競馬会から余分に繰り入れるなら、国の財政ばっかりじゃなくて地方の財政だって同じ状況なんだから、国の全体の予算、財源を持つ大蔵省としては、地方財源は地方でやっているわけだから、こういうような地方のやつも同じなら、競馬会だけから取り上げるということでなくて、こういう船舶振興会や自転車の方もそれはそれぞれの目的で使うようになっているけれども、地方財政にもう少し貢献させろというようなことで歩調を合わして、地方も――自治大臣に質問することかもしれぬけれども、歩調を合わした財源のやり方も、国だけよくなりゃいいということでなくして、地方もそういうことについて議論をしたのかしないのかということがちょっと聞きたかったんですが、今後の議論に待つと、こういうことですからいいんですが、この地方の財源になっているやつは地方の財源になっていて、まあ私は個人的には特定の市町村だけが特別の大きな財源を持つというのはどうもやはり、いまとなっては当初の船舶振興会や自転車振興会の、主催市町村の趣旨とかけ離れてきているのじゃないか。再編成すべきじゃないかということですけれども、これは大蔵当局自身の問題じゃないわけですからいいわけですが、こういう財源確保の、財源の一つの目安として、中央地方を通じて考え方が出たのか出なかったのかということについてお聞きしたかったんですが、どうも余り出なかったみたいですな。
 それから次に、まず今度赤字国債を減らしていこうという、これは特例だというのですが、特例がいま常例化してしまっているけれども、ことし二億を減らす、あと五十九年度までに減らすとするともうあとわずかのときで、発行する方はなくなっていくわけなんですが、今度は償還の方の計画、これは一般の財政法による建設公債の方のやつは、しっかりした償還計画というのですか、一応法律上六十年だからそれぐらいの間にはまたいろいろ何とかなるだろうと思うんですが、いまのこの特例公債は特例だからといって借りかえはしないわという計画になって、あと償還計画では全額払うと、こういうふうなことになっているけれども、いざこれを六十年度から償還と言ってみても、とてもじゃないがいまの毎年度出される償還計画では足していくというと天文学的な数字になる。恐らくこれを毎年二億円ずつ減って五十九年まで減らしていっても、ちょっと計算しても約四十兆円ぐらいの公債になるんですか。それを発行したやつを全部借りかえなしで十年以内にやるとすれば、四十兆円だと一年間四兆円強の実額を返していかなくちゃならない。その上に利子があるわけです。こういうようなことなんですが、こういうような償還計画についてはいよいよ発行がとまってくれば累積した赤字国債についての――いままでは仮の償還計画で、今度は実際の財政の、予算や整理基金特別会計の実際の財政運用からいって、そういう償還計画をつくる考え方はございませんか。またそうしないと、やはりゼロにした後の償還はどうするんだという問題が再燃してくると思うんですが、どうですか。
#282
○政府委員(西垣昭君) 先生御指摘のように、特例公債につきましては五十年度から発行してきておりまして、六十年度になりますと本格的に償還しなくちゃならない。五十一年度以降の根拠法の中に現金償還原則がうたってありますので、これは建設公債と違いまして借りかえはできない、こういったてまえになっているわけでございます。
 それで、六十年度以降どういう状況になるかというと、そこのところは本当に大変でございまして、国債整理基金の剰余金も六十二年度にはゼロになってしまうということで、六十二年度からは従来からの定率繰り入れあるいは剰余金の繰り入れだけでは十分ではありませんで、予算繰り入れをしなければ償還できないというふうな状況になっております。その額といたしましては、これは予算委員会にお示しいたしましたように、今度の中期展望にございますように四条債を五十六年度以降も同額と置いた場合におきましても、六十二年度には一兆三千四百億の予算繰り入れが要る。それから六十五年度にはその額が六兆四千四百億になる。それで、六十年度以降予算繰り入れが必要な額が小さく見ても二十五兆ぐらいになる。大変な状況でございます。
 それをどうするんだということで、いまその償還計画みたいなものをつくらなければだめじゃないかという御意見のようでございますけれども、いまの時点で具体的にどういうふうな道筋で償還するんだというふうなことは、これは不可能だと思います。私どもといたしましては、これはいままで予算委員会の場等で大臣もお答えしているところでございますけれども、少しでも早く特例債依存体質から脱却して、特例債を発行しなくてもいいようにしなくちゃいけない。そういった形を通じまして、財政の弾力性を回復しながら予算繰り入れができいいような体質に直していく。具体的には国債償還の総合的な減債制度と申しておりますけれども、定率繰り入れあるいは剰余金繰り入れ、さらにあるいは余裕ができてまいりました場合には予算繰り入れと、こういう三つの手段を活用いたしまして償還をしていく。五十九年度に特例債依存から脱却するというのも大変でございますけれども、そういう努力を一年一年積み上げていくことによって将来の展望を開いていく。非常に月並みな言い方ですけれども、一歩一歩そういった形で財政の健全化を図っていく、これしか道はないんじゃないのかなというふうに考えているところでございます。
#283
○三治重信君 そうすると、六十年度からのやつは借りかえしないという原則だと、その原則を破るというのはまた特例法が毎年要るんですか。
#284
○政府委員(西垣昭君) いまの御質問の御趣旨が借換債、現金償還ができなかった場合には借りかえの法律をつくるのかと、こういう御質問だとすると、私どもはそんなことにならないように努力したいと、こういうふうにお答えするよりないと思います。
#285
○三治重信君 それは事務的にはそういうことかもしれぬけれども、それは膨大などでも不可能な数字だとおっしゃるから、やはりこの特例公債の発行のやつを毎年出しているわけですよね、法律をつくっているわけでしょう。それがなくなったから今度は償還のやつが現金償還、当初つくったとおりのやつで、予算措置とすれば、いわゆる国債費という計上で、予算措置で二兆円でも三兆円でも国債整理基金に入れられれば別に法律は要らぬわけでしょうということなんです。だけれども、それがなかった場合には法律が要るのか。この国債費では国債の利子とそれから国債特別会計へ入れるための費目の計上をするでしょう。五十六年度は六兆六千億が大きな項目で入っているわけですね。この中に利子と国債の償還財源も入るわけでしょう。だけれども、それが特例公債でいくというと借りかえができぬようになって全部現金償還だという原則で特例公債の法律を毎年つくっているわけだから、そいつが期限切れたときには返せなかったら新しく法律をつくるのか、または特別な計画をつくって、そういうような、毎年つくらぬでもある程度原則を決める立法をしていくのか、その方向、見当ぐらいはつけなければ来年ぐらいになるとおかしなことになりゃせぬかと、こういうわけだ。五十九年度でもう特例公債のやつが終わるわけだから。
#286
○政府委員(西垣昭君) 立法技術論から言いますと、十年物といたしますと、五十年度発行の国債の期限は六十年度に参ります。五十年度の特例債につきましては、法律には定めはございませんでしたが、国会の審議の過程で当時の大平大蔵大臣が、これは現金償還しますということを非常にはっきり言っておられます。それから五十一年度発行のものは六十一年度に十年物は償還期限が来るわけです。六十二年度以降もそういうふうに五十二年度発行のもの、五十三年度発行のものが十年ごとに償還期が参りまして、その償還財源があるかないかということがその年度ごとに問題になるんだろうと思うんです。だから立法技術といたしましては、その年度償還期日が来たものについての扱いをどうするかというのがそのときの立法技術上の問題にはなると思うんでございますけれども、私どもといたしましては、国会の論議を経てそういった立法をされた以上は、それを尊重していくということで努力するよりないんではないかというふうに考えている次第でございまして、いまは立法論としてもそこの議論をするのはいかがかなと、こんな感じがいたしているところでございます。
#287
○三治重信君 大臣、それは理屈からいけばそのとおりかもしれぬけれども、やはり四十兆円からの赤字国債の累積があって、六十年から始まる、六十年、六十一年はこれ十年たっても二兆円と三兆円だから、いまみたいに二兆円ずつ毎年減らすという心構えでやれば、あるいは予算上の措置だけでいけるかもしれぬけれども、この四十兆円に及ぶ赤字国債の償還のやつを、ただたてまえがそういうことだけだからということで、その場になってからということではいかぬ。検討時期に来年からいかぬと、またそういうことについてのいろいろ問題がないと、考え方を示されないと、これはえらいまた――これは国民のわれわれの方から見れば、その考え方いかんによって増税の問題が常にすぐくるわけです、そのための財源というものは、それじゃもう結局足らぬとなれば、みんな増税を考えて、増税でくるんだろうと、こういうことになるんですが、ある程度緩やかなものや臨機応変の措置をとって償還をしていくということになれば、増税の問題も極端な苛斂誅求はなくて、GNPの増強とともに財政の方も緩やかな増加で余り急激な負担でなくていけるんだなという見当もつくわけだと思うんですが、その点は早くやらぬと、それは見通しはそのときにならなくちゃと、こう言っているんだが、国民の方から見ると、常に増税の頭がこれから頭へくるわけだから、それに対する安心感といいますか、合理的な判断をするためにもできる可能性に近づける計画を持っているべきだと思うんですが、いかがでございますか。
#288
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう本質的な問題でございましてね、やはり国債の発行というのは、私は財政演説でも言ったように、目に見えない増税なんですね、これは。要するに、一時しのぎに金は借りても、それは後年度負担で利子をつけて返さなければならない金なんですから、国債発行ということは目に見えない増税なんですよ。だから私どもとしては、しかし現実にもう発行してしまったわけですから、これは払わないというわけにはいかないわけなんです。払うときになって、じゃ六兆円も七兆円も現金で払えるんですかということになると、それはそのときの経済、財政事情にならなければわからないわけです。しかしいまよりはもっと大きな経済規模、大きな財政規模になるだろうということはだれも一応は考えますね。どれくらいの規模になってどれくらいの何なんだと言われましても、三年先までだってなかなか正確に当たらないんで、きょうのあなたの新聞の話じゃないが、いま組んだばかりの予算に一兆円もともかく金足りないんじゃないかと言われるくらいの世の中ですから、ある人から言えば税金の取り過ぎたという人もございますしね、同じ国会の中の論議をとっても。取り足らないという人もあるし、だれだってもうぴしっとしたことは一〇〇%わからないというのが正直なところじゃないか。しかしいずれにせよ、そういうような事態にならないようにしなきゃならない。そういう事態を迎えないための最善の努力をしていく必要がある。そのためには何と言っても景気の持続ということが大事であるし、それからもう一つは、これ以上国債の残高をふやさないように極力努力をする。そうしてさらに、払えなくて仮に今度は借りかえると言っても、借りかえするときに新しい国債をまた発行するという状態だと、ダブって発行する話になるわけですから、借りかえるといったって。借りかえるといったって、だれかにかわってしょってもらわなきゃならぬわけですから、ダブって国債の発行ということになるんですよ、これは。だれがそんなたくさんのものをしょってくれるんだということになりますから、そういうような事態が来ないようにすることが一番先だが、万一来たときも国債の発行高がうんと少なくなっているということになれば、借りかえというのは新しい発行と同じですから、ある意味では。それは消化できる範囲内にとどまればいいということにもなります。しかしそこまでは考えないで、ともかく既定の方針どおり、まず償還できるような体制をつくっていくということで精いっぱい努めたいと、こう考えております。
#289
○三治重信君 まだこの赤字公債の発行をとめるのが精いっぱいで、その後の十年の期限が来て、後の償還の問題は現金で返せるのかあるいはまた新しい赤字公債をある程度借りかえでやらなくちゃならぬかというのは、全くまだそのときになってみにゃわからぬということでございますが、しかしその点を、めどをつける体制をどういう方針でいくか。ということは、ぜひひとつ早く、もう赤字公債の新しい発行のめどは、五十九年あるいは一年延びても六十年、だから六十一年以降はどうするんだということについての考え方、具体的な数字は出ぬまでも考え方を国民に示すことが、やはり増税だとおっしゃる、その点は一つの考え、この増税のやつがどこで現実に国民が負担するのか、こういう問題についてやはり見通しをつけるような考え方、措置をひとつ大蔵当局としてはできる限り早くすべきであると、こういうふうに思いますので、要望にしておきます。
 それから、この建設公債のやつはきょうの法案そのものには直接関係ないんですけれども、今後も相当赤字公債の処理に忙殺されて建設公債はその後回しになるだろうと。その中でひとつ私は、公共事業をいろいろやっていく場合に一番うまく行われないのもまた土地だと、こういうことになるし、それから住宅政策がうまくいかないのも土地政策、こういうふうに言われておりますが、その中で私は、土地を、こういう公共事業は借り上げ制度で、予算措置はひとつ賃貸費用でして、土地の借り上げのやつは随時建設公債で処理をできるような関係を、たてまえを変えていくことの方がこの地価の値上がりも抑えるし、建設公債としての使い方もうまくいくんじゃないかと思うんですが、こういう考え方についてどういうふうにお考えになりますか。
#290
○政府委員(西垣昭君) 御趣旨は、公共事業の予算の中で相当額のものが土地に回っていると、それはもったいないから、土地は買わないで借り上げて工事費に回した方がいいじゃないかと、こういう御趣旨だと受けとめましたが、そういうことでよろしゅうございますか。
#291
○三治重信君 いま公共事業で大体土地の費用が二割とこう言われ、それはほとんど買収費ですわね。だからその買収費を地代費に変えると、これはぐっと一割以下に圧縮されますよね。だから、それだけ結局建設公債の発行が当初は減っていく。しかし借りたやつについては、いずれ地主から返してくれと言ったって、道路にしたり学校にしたりすれば返せぬわけだから、買ってくれと言えば買うと。しかし、私たちの経験だと、いままで借りたやつを買ってくれと言っても、予算がないからと言って、三年も五年も借りた土地に対して、地主に対してどうしようもないわけで、大蔵省が予算入れてくれぬことには、公共施設でも何でも借りた土地について。それをなくしていくために結局借りることができなくなっておるわけなんですよね。だからそれを、地主が売りたいときにはいつでも買い上げますという制度を特別会計でひとつつくって、それは財源としてどうせこの建設公債が発行されていくわけだから公債で出していくと、そうすれば、いわゆる土地の買収について非常な苦労も要らないし、それから土地の値上げの刺激を、結局公共事業やそういうものの買い上げによっての、いやだと言えば少しずつつり上げると、つり上げて結局金で工事を急げば解決せざるを得ない。それが一たんせり上げてごね得になった土地は、これはそれ以降また下がることはない。それ以上に、さらにプラスアルファでまた土地が売買される。土地の値上げをするのは、そういう意味において私は、国や地方公共団体がやる公共事業の土地の買い上げが大きな原因であろうと思うわけなんです。住宅公団なんかも同じことだと思うんです。
 だからそこでひとつ借り上げをやろう、こういうことが一つ発想の方法として私はぜひ必要なことじゃないかと思う。私は各地でいろいろ聞いて竜、田舎においてはもはや土地を売らぬで、もう市が学校をつくるんなら土地は貸しますからひとつ買い上げないでくれ、そのかわり地代をうんとくれと。それでいくなら幾らでも話がつくと、こういうわけですよね。そういうふうに変わった理由は何かと、こういうことを考えてみると、やはりもういまは金持ちになってきて、もうえらいたくさんの、何千万円とか億の値段の土地を買っても、その地主そのものがそれだけの金を運用する才能もなければ、不安があるわけです、インフレや……。もう何に投資したか、投資したものが下落したりすればですね。だからそういう意味において、土地というものが資産として非常な自分の家や将来の子孫に対する生活上の安定にもなる。それを市町村や国が預かっていてくれればなおその保証があるという考え方に非常に変わってきたと思うんですよね。
 それから前は、一時はこれは貸すとみんな土地を取られたと同じことになる。だから賃貸借は戦後なくなっちゃったわけですよね。これは何かというと、農地のいわゆる解放で全部小作地が小作人に買い取られた。このときにはちょうど物すごいインフレだうたから、小作人にしてみればただみたいで買えた。地主にしてみれば、売ったというものだけれども、これは取られた取られたと、まあ税金の一種ぐらいに思っている。しかし、いまはもう大体そういうことがなくなって、また改めて農業を展開していくためには、いわゆる賃貸借をやらぬことには農業の規模の拡大や自立農家ができないということで農地法も改正した。農地法も改正してその土地の売買を奨励して拡大しようかということよりか、やはり農民の、田舎の方の農家の小作人が土地を買って、自作農になったその土地は手放すまいとしているわけですよな、自分のうちの財産として残していこうと。そのかわり百姓やらぬようになればそれはやりたい人にお使いくださいというように気分が非常に変わってきたわけだ、だから、土地の所有と利用についての分離の体系を市民の考え方、農民の考え方、地主の考え方もぼくは非常にいま転換しつつあると思う。これをちょっと先鞭をつけていけば社会の――だんだんみんな生活状態がよくなうそれから所得もふえてきたと、それに対するいわゆる貯蓄が財産に転換していく場合の価値の保存をどうしていくかといったら、やはり土地が一番価値の保存とすれば安心だと、こういう見込みになってくる。そうしたら売りたくないということになってくるわけだ。だから、それは国が預かってくれれば一番安心じゃないかという結論が出てくるんじゃないかと、こういうことになってくると、もう無理して地価を上げるようなことをして、一生懸命になって公債まで出して土地を買わぬでも、預けてもらって、そして、まあそれは毎年その地代を予算で払うのは損だということが大蔵省のお役人さんの考え方かもしれぬけれども、それはもう税金で取って、わずかの毎年のやつだからね、若干それはトータルにおいては買い上げた方が得ということになるかもしれぬけれども、国民経済全体からいけば、やはり地価を値上げをし、そして大きな公債発行して、その償還にまた無理せにゃならぬという利害得失からいくと、少々高目に地代を払ってもいいじゃないかと、こういう発想なんです。
#292
○政府委員(西垣昭君) 先生おっしゃるような面もあると思うんです。公共事業や施設の用地につきましては、その施設のための権原、これを取得すれば足りるわけでございまして、必ずしも所有権を取得するという必要がないというのはそのとおりだと思うんです。ただ、将来にわたりまして、将来公共施設として使用できるということがどうしても必要で、その点については考慮しておく必要があるように思うんです。
 たとえば河川とか道路が一つの例でございますが、いわば永久的な構造物でしかも用地が特定されているというようなものにつきましては、特に権利関係の安定性というものが大事だと。それから土地提供者にとりましても、将来返還される可能性がない。まあ一度道路にしてしまえばいつまでも道路でございましょうし、河川になりましたら、返してくれと言ってみてもそれはもう河川であるわけですから、土地提供者にとりましても借地として提供して所有権を保持しておく意味がないというようなそういうことでございますので、河川とか道路みたいな公共事業につきましては、所有権という形で権原を取得するのがやはり一般的じゃないかという感じがいたします。ただ、私どもの知っている例では、国立劇場のような施設の場合、これは施設の恒久性とか用地の特定性等を考えますと、道路や河川と違う性質を持っておりますので、こういったものにつきましては、場合によっては借地という形をとるということも合理的じゃないかと。現に国立の文楽劇場につきましてはこれは借地ということでやっております。先生挙げられました学校につきましても、これはケース・バイ・ケースだと思いますけれども、用地取得という形じゃなくて借地でやるということは十分考えられると思います。要は借地が原則だというようなことまではいかないと思いますけれども、ケース・バイ・ケースで処理できる問題ではないかと、こういうふうに思っております。
#293
○三治重信君 くどいようですけれども、そういうこと、やすきから入っていかれるということも結構だし、現にもういままでも役所をつくったりなんかするときでも、土地の取得がむずかしいときには、借地でも上屋の予算は大蔵省つけていたわけですからね。だからいままでもやっていることだということで、それで言えばもう話は終わっちゃうわけだ。ところが、こういう公債を抱えた財政を持っていくときに、また今後一番重要な土地の値上がり、また土地の値上がりによる住宅の建築の困難さということと、もう一つはやはり国民の資産の保有の選好状態、債券か不動産かという場合に、不動産というのはだんだん物量的には埋め立てしていく以上になくなっていくわけですよね、どんどんどんどん国や地方公共団体が買い上げていけば。だから非常な競り上がりになると、こういうことからいって、国が真っ先に買い上げてしまうについては、この際ひとつ積極的にそういう姿勢を直す特別立法をやって、そうして欲しいときには買い上げますよと、いつ何ときでも――いまあなたがおっしゃったいわゆる国に貸して河川敷地になったり道路になったら、いつ返してくれるかわからぬから、もう価値がないと、こう認められる人はいつでも買い上げますと、いわゆる時価で買い上げますと。しかし、そうでなければやっていくと。現に戦前の地主は、土地は売らぬけれども貸すのは幾らでも貸しますというのが一般の大地主の大体の考え方ですよね。いまはもう土地は貸さぬと、売るならまあと、こういうことになる。そいつがいま道路をつくっても個つくっても、山林で税金が一銭もないような土地でも坪何万円なんというようなことで買い上げたり何かして、全国的には買い上げてやっているわけですよね。それからもう宅地にする場合でも、税金のほとんど上がらぬような山林の地目になっているやつを、いざ団地に開発するとかなんとかいうことになってくると坪何万円なんという値段をつけるから、そうするとその辺はすべてそれ以上の値段になると。これはやはり公共事業が地価をつり上げる原因者だと、こう言っても過言ではないと思うし、またそういうことをいまから繰り返してやっていけば、これはさらに余裕金を土地の獲得に持っていくと、まあ仮需要がどんどんできてくる。
 こういうことを考えていくと、建設公債を抱えた国が財政をやっていく場合に、やはり土地対策の一環としても、または建設公債の有効な使い方からいってもぜひひとつできるだけ政府は土地を買わぬで借り上げていくと。ことに高速道路や何かつくる場合や、それから河川の山の中の谷なんかを、そんなものを坪何万円かで買わぬでも、借り上げしておけば、相当高い地代を出しても、地価の上がることもないし、相当新しい土地に対する価値の考え方を変更するためにもなる。余り何でも一挙両得ばかりじゃなくて、三得、四得ということもやると何かまゆつばにとられるかもしらぬけれども、私は、これは農地の政策の問題や土地政策の問題から、もう長年ずっと考えている。現に農地法がいわゆる自作自営主義からもう賃貸借を認めていかなければ自立農家をつくることができないということ。すなわち賃貸を認めていかなければ、また賃貸を奨励していかなければ自立農家ができないという考え方に農民もなり、また農協もみんななってきたわけだ。いつまででも、政府が土地を買わなければ、大地主にならなけりゃ事業をやらぬと、こういうことになって、地価ばかりつり上げていくという考え方はどうかと思う。
 なぜかというと、まだ大蔵省は、もう社会資本が足りないんだと、もっともっと公共事業をやっていかにゃいかぬと、それも景気政策にも使うんだと。また基本的にも社会資本を外国並みに、公園もつくれば道路もつくれば、あらゆる公共施設もつくっていくんだと、こういうぐあいになっていくと、これは一般の資産の余裕を持つ、財産、小金を持ったのと、大きな政府の金と土地の奪い合いになるわけだ。そうすると、大きなやつがつかまえたときの値段がさらに上がっていくということになるということで土地経済をひとつ特に考えてもらいたいと思う。それは建設公債を抱えていくときに考え方として非常にいい発想になり、いままでみたいに赤字公債や公債は出さぬということになってくると、そんなに高いやつは将来に負債を残すようなことはできぬと、こういうこと。逆のことになるけれども、そういうことについてひとつ、本当は大画に答弁聞きたかったんだけれども、これはやはり大臣はすぐかわっちゃうから、財政の事務当局で、本当にこれはいわゆる所有権を持たなければ仕事やいろいろの将来のことができぬということと、実際の土地に対する社会観念も変わり、また一番土地をよけい使う農業も賃貸借でやらなければ農業の発展ができないということにもうみんな認識が変わってきたんだから、そういう意味において、公共事業関係あらゆることも再検討して、買うなということじゃない。買うのは後にして、一時は借りていく、そのための特別立法を、借りる特別立法。それから、いわゆる安心を与えるための対策を考えていったらどうか、こういうことですから、よく検討するということ答弁いただければまあいいわ。
#294
○政府委員(西垣昭君) 道路とか河川みたいないつまでも返る当てのないような土地につきまして、売るのはいやだけれども貸すのはいいということに本当になるのかどうか。それからもう一つ、いま先生おっしゃいましたような買うから土地の値段が上がるんであって、借りる地代の方はそれほど上がらないというようなことに本当に経済ルールがそういうふうに動いていくのかどうか。そういったところにもいろいろと問題があると思いますので、研究してみたいと思います。
#295
○野末陳平君 一時ギャンブル税が話題になっていましたけれども、ぼくも興味を持っていたんですけれども、これについて当局はいままでどんな検討をしてきたのかをちょっとまとめて簡単に説明してほしいんですね。どんな形の税金を考えたか、そしてその問題点は何であったかということを聞かせてください。
#296
○政府委員(矢澤富太郎君) ギャンブル税につきましては、最近では昭和五十一年に税制調査会で御検討をいただいております。そのときは例の一般消費税を含めまして、土地増価税でございますとか富裕税あるいは広告課税、こういった新税の検討をしようと、その一環として検討が行われたわけでございます。
 当時ある委員から具体的な案を出してひとつそれをたたき台として議論をしようじゃないかということで案の提示があったわけでございますが、その案は、売上金に対して課税を行おうと、率等は具体的な明示はございませんでした。そして骨子といたしましては、競馬、競輪等の施行者を納税者とし、勝馬投票券等の発売金額に対して課税を行う。ギャンブル税相当額は勝馬投票券等の購入者の負担とするという案で御検討をいただいたわけでございます。
 で、これにつきましての問題点といたしましては、課税によりまして払い戻し率が下がりますとノミ行為がふえるんではないかとか、あるいは払い戻し率を下げますと売り上げが低下して施行者の収入が減少し、したがって、従来公営競技収益金に依存してきた地方公共団体等の財政を圧迫するんではないかというような御議論がございました。さらに、仮にギャンブルに担税能力があるといっても、その税収は地方財源に充てるべきではないかというような御議論、あるいはギャンブルにつきましては地方公共団体間の収益の均てん化、収益をどう配分し行き渡らせるかということが問題であって、いま現在全国的な均てん化といたしましては、公営企業金融公庫へ売上金の一%を納付するという納付金の制度がございますが、そういった問題とあわせて検討すべきであるというような御意見があったわけでございます。
 その結果が五十二年十月のいわゆる中期答申、「今後の税制のあり方についての答申」でまとめられまして、お読みいたしますと、「ギャンブル課税については、ギャンブルの収益金は各種の形で公共支出への寄与がなされているところであって、問題はむしろその収益の均霑化をどう推し進めるかという点にあり、このような観点からなお検討を進めるべきであると考える。」という御客申をいただいております。その後最近では、昨年五十五年の十一月に「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」という答申をいただいておりますが、そこでのギャンブル税に関する文章を朗読させていただきますと、「ギャンブルに対する課税については、その収益金は各種の形で公共支出への寄与がなされており、問題はむしろその収益金の適正な配分をどのように推し進めるかという点にあると考えられる。この点については、関係機関において、公営競技のあり方の一環として審議が行われているので、その状況を考慮しつつ検討を進めるのが適当である。」という御答申をいただいている次第でございます。
#297
○野末陳平君 そうしますと、大体答申の内容ももっともだと思われる部分が多いんですが、大蔵省としては、じゃこれについては検討を今後するとか、あるいはもう全く新税というかそういう面では余り魅力がないと、そういうような受け取り方をしてもいいですか。
#298
○政府委員(矢澤富太郎君) 今後も検討は続けてまいりたいと思っておりますが、いままでの検討過程でいろいろ問題が明らかになってきております。で、その一つは、ギャンブル税を課税する場合に、現在払い戻しの率が七五%となっておりますが、これをたとえば七〇にいたしまして五%分をそのギャンブル税に充てるかというまず考え方につきましては、現在の払い戻し率の七五という数字は外国に比べまして特に高いというわけでもございませんので、これは競馬あるいは公営競技のファンの方々の納得が得られないと、そこがなかなか手が突っ込めない問題ではないかというのが第一点でございます。第二点は、そういうことになりますと、今度は、七五を引きました売り上げの二五%、いわゆる控除率と言っておりますが、その中での配分をどうするかという問題になろうかと思います。
 この配分問題につきましては、昭和五十二年に総理府に公営競技問題懇談会というのが設置されまして、十六回にわたる審議を行いました結果、昭和五十四年の六月に報告書を出しております。その報告では結論は出しておりませんが、問題点の指摘といたしまして、全国的な均てん化の問題、つまり収益金を全国的にどういうふうに行き渡らせるか、恩恵に浴させるかという問題について検討したくだりがございます。そこでは、たとえば現在全国的均てん化の方法といたしまして、先ほど申し上げましたように、公営企業金融公庫に対する納付金がございます。一%、金額にいたしまして五十五年では約三百六十億円になるはずでございますが、これは従来どおり公営企業金融公庫の納付金というかっこうをとるべきかどうか。むしろとらないでもいいんじゃないかという意見が出たということが言われております。それからまた、そのかわりに地方交付税特別会計に繰り入れたらどうかとかあるいは地方の基準財政収入の算定の際にその分を控除したらどうかとかいういろいろな御意見がありまして、この報告では結論を出さず関係官庁で検討すべきであるということでございまして、ただいまその検討が行われております。
 私どもといたしましては、そういった全国的均てん化の問題の一環といたしまして、ただいま申し上げましたような問題につきましての関係官庁の検討の結果を見ながら、さらに検討を続けていきたいというのがただいまのポジションでございます。
#299
○野末陳平君 よくわかりましたが、ぼくも一時こだわって、なかなかこれは抵抗の少ない税金になるんじゃないかなと思ったりしていろいろ考えてみたですけれども、問題もあるようでしたね。いまの説明でかなり納得しますが、大臣は個人的にどうですか、農林省にもおられたし、競馬については。
#300
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も税制調査会の党の委員をやっぱり十何年やりまして、ギャンブル税、広告税というのは私は提案者なんですよ。ところがいまのように非常に抵抗が強い、特に自治団体とか主催者側はもちろんですが、非常に強い。それから日本で二五%も取っているんだから、この間のお話じゃないが、次郎長だって五%しか場銭取らないのに国が二五%も取っているんじゃないかと、世界で一番高いじゃないか、そのほかにもっと取るとはけしからぬとか、そういう抵抗が強くて、いままではまだ何とかそれまで抵抗の強いところをやらなくても税収が賄えたというようなこともあって、ちょっと出ては立ち消え、ちょっと出ては立ち消えというのを繰り返してきたというのが実情なんです。しかし、これは何かうまい方法でもう少し検討してもいいんじゃないか。ギャンブルがどんどんどんどんふえる必要もないんだから、ブレーキにもなるしね、ある意味では。だから大体取ったってそんな減ることもないし、そんなに伸びなくたっていいんだし、そういう意味では私は引き続き検討するということが正しい受けとめ方ではないだろうかと思っております。
#301
○野末陳平君 その場合に、やはり社会的な競馬とか競輪とか競艇などのイメージもいろいろまだありますしね、問題もね。でもノミ屋の問題もどうもひっかかるんですね。事実いまの当局の答えにもありましたけれども、やはりノミ屋にお金が流れていってしまえば結果的にはいいことになりませんしね。
 そこで、農林省も来ていると思いますけれども、ノミ屋にどのくらいの金が流れていると推定されるのか。データというほどのものじゃないでしょうけれども、やはりこれがかなり馬券の資金ですか、吸い上げていることは事実であると思うんですが、どんなものでしょうか。
#302
○政府委員(森実孝郎君) 実は、ノミ屋に流れている全自体を全体として推計したものはございません。警視庁防犯課の調べによりますと、五十五年度で千八十八件、五千七百七十三名の検挙者があります。そういう意味においては、かなり広範にノミ屋の活動が行われているということは否めないだろうと思います。
#303
○野末陳平君 ちょっと大蔵省から離れて、農林省で競馬の運営その他について二、三お聞きしながら財確法のことを考えてみたいんですが、なぜノミ屋に金が流れているか分析なさっていますか。
#304
○政府委員(森実孝郎君) やっぱり率直に申しまして、競馬場はもちろん、場外馬券売り場も非常に混雑しているし、個所数も少ないということが一つあるだろうと思います。それからもう一つは、これは推計でございますが、いままでで検挙された事例等から見ますと、ノミ屋の方がどちらかというと投票者に対する還元率、売り戻し等の還元率が若干国が行う場合、競馬会が行う場合よりも手厚くなっているんじゃないだろうかということがそんたくされるわけでございます。
#305
○野末陳平君 そうなると、これはファンの方がノミ屋を歓迎するということになりまして、これを取り締まる云々という話も大分複雑な面が出てきますが、ただ考えるのは、返還率が高いかもしれないが、いわゆる競馬ファンの生活というか、これはサラリーマン中心ではないと思いますけれども、かなり生活が今後も変わっていくと思うんですね。たとえば土曜、日曜日なんかに馬券を買うといっても会社に出てくるのはなかなかむずかしくて、特に家が遠くなったりすると場外馬券売り場なんかはとうてい無理だと。そういう生活環境の変化、それからふところももちろん苦しくなるとは思いますが、あれやこれや考えるとどうも馬券を買いにくい環境に今後ますますなるであろうと。そう思うと、ますますノミ屋が便利になっちゃって、で、現在ノミ屋はどうも暴力団関係だけじゃなくて、もうやむを得ず普通のすし屋や喫茶店までがお客さんに頼まれてやっていると、素人がやっているということですね。そんなこともありまして、決して好ましくはないんでしょうけれども、これからますますノミ屋というのは、幾ら取り締まりの対象にしても減っていくことはないと、むしろふえていくと。こう考えると、中央競馬というものもちょっと馬券の売り方、考えなきやならぬと思うんですよ。
 参考までに、最近の競馬人口と言っていいかどうかわかりませんが、競馬ファンの数といいますか、それからそれがわからなければ売り上げですね、その辺の実績はどういうふうに推移していますか。
#306
○政府委員(森実孝郎君) ファンの数については、ネットでは推計がございませんが、実は中央競馬の競馬場に集まる方だけで、延べで申しますと一千万を越えております。それからそれ以外に、場外馬券売り場はすでに売り上げの三分の二に達しているという実態から見ますと、恐らく一千万を超える広範な競馬人口があることは否めないだろうと思っております。
 なお、売り上げにつきましては、年々これも増加しておりまして、たとえば昭和五十年には九千億だったものが五十五年は一兆三千六百億という売り上げになっております。
#307
○野末陳平君 伸び率といいますか、どんどん売り上げが上がっているんだと思いますが、一時のような競馬ブームといいますか、そんな感じは最近どうなりました。感じとしてはぼくは大分ここのところ鎮静化というか、伸びてないような気もしますがね、数字的には。
#308
○政府委員(森実孝郎君) 実は一番高い伸び率を示したのは、御指摘のように昭和四十年代だったわけでございますが、五十年を越えまして、伸び率は大体一割またはそれ以内ということで、やっぱり伸び率がはっきり鈍化してきていることは事実でございますが、反面中央競馬については非常にファン層がふえて、大衆娯楽としてかなり定着してきたという要素は見受けられるかと思います。
#309
○野末陳平君 国庫納付金を考える場合に、やはりこの競馬の売り上げは無視できない視点だとは思うんですけれども、何しろノミ屋に金がどれだけ流れているかが現実につかめないとなれば、お客の立場を考えて、できるだけ馬券が買いやすいという環境をこちらでつくらなきゃいけないと思うんですね。ファンサービスということがよく言われますけれども、やはりこれは売り場の拡張以外にはないわけですね。馬券を買いやすい環境をつくれば自然に売り上げも上がるということになると思うんですが、いま三分の二が場外馬券売り場だとおっしゃいましたね。
 そこで、この場外馬券の売り場ですがね。ときどきぼくも質問しているんですが、競馬会や農林省に。なかなか思うようにふえない事情もわかりますが、最近ではどのくらいふえて、それが売り上げに寄与した実績などはわかりますか。
#310
○政府委員(森実孝郎君) 五十三年の三月に一ヵ所、五十三年の十月に一ヵ所、五十四年の三月に一ヵ所増設されております。
 五十三年の三月に増設されました札幌の静内の売り上げは、これちょっと五十四年の数字しかございませんが、五十四年で四十六億、それから札幌の、五十四年の三月に設置されました札幌のいわゆるセンターの売り上げは、これは二百五十億、それから五十三年の十月に設置されました道頓堀の売り上げは二百三十五億ということになっております。
#311
○野末陳平君 それにしても、テレビやラジオで競馬中継をやりますから、全国的にかなりの買いたいファンというのはいるわけで、まだ場外馬券の売り場は足りないだろうと思うんですが、さて具体的な見通しですね。これから場外馬券の売り場というのはふえていきますか。場所を聞くわけじゃありませんが、どうなんでしょう。
#312
○政府委員(森実孝郎君) 私ども、場外馬券売り場をふやすことは射幸心をそそるという一部の御批判もございますが、はっきり申し上げて、やはり大衆の健全娯楽という要素が非常に強くなってきている。それからいま先生御指摘のように、既存の場外売り場の混雑が大変著しくて、ファンにも迷惑をかけているし、周辺住民にも迷惑をかけている。さらに基本的には、何といってもノミ行為が相当膨大にあって、これが暴力団の資金源にもなっている。そういう意味で、先ほど御答弁もありました公営競技の問題の懇談会でも場外売り場の設置については弾力的に検討してよいという指摘も受けているわけなのでございまして、私どもとしてはできるだけ――はっきり申し上げるとかなり消費人口を持った地域で中央競馬の場外売り場のない都市に新設するとか、それからあるいは既存の売り場が非常に狭隘な大都市についてはその増設を図るという形で、現に九ヵ所ばかりの増設が論議されております。ただ現実の問題といたしましては、なかなかこれは地域住民とのあつれき、摩擦が多くて地域社会にどこまで合意を得られるかという問題がありまして、個々のケースごとには難航しているという状況があることは否定できません。私どもとしては、やはり自然な形で地域の合意を得ながら、やはり基本的にはいま申し上げた四つの政策視点に立って増設を図るのが筋道だろうと思っているわけでございます。
#313
○野末陳平君 その住民の問題ですけれども、これは確かにむずかしいというか、やはりこれは反対運動はちょっとあれですね、うまい解決の方法はないように思うんですね。ぼくのところも練馬の方で、豊島園でそんな話があったようだし、新宿でもそんな話があったようですけれども、やはりこれはいまだに競馬は悪役ですからね、どっちかというと。反対する方にどうしても理があるかのごとく受けとられてしまうんで、地域住民とうまくやりながら場外馬券売り場をふやしていくというのは、これは非常に実現性に乏しいという気もするんですよ。だから、それはそれでもいいんですよね。いま言ったようにどんどんふやしていけば射幸心をあおったり、また過熱してもいけないしと、そういう面もありますが、やはり売り場がふえればノミ屋も自然に減ってきたりという、そういういい面も考えて、結果的にはまだ足りない、そういうふうにぼくも思うんですがね。その場合にどう考えたらいいんですかね、何かまだ農林省の方に、競馬というものがかなりレジャー化してきてはいるけれども、どうもいわゆる健全なレジャーであるとは言い切れなくて、何となくひけ目というか遠慮がちなところがあって、つい積極的になれないというような面はないですかね。それはそういう面なしに余りずうずうしくどんどんやっていくのも困るんでしょうが、ちょっと時代が変わっているからね。ここら辺でもう、いわゆるギャンブルという言葉そのものもぼくは余りよくないと思うんですけれども、やはりレジャーとして農林省がはっきりいままでの発想の転換をするということは大事だと思うんですが、どんなものですか。
#314
○政府委員(森実孝郎君) 先般、ただいま御審議を願っております法律を閣議で決定いただく際にも、私どもの大臣からやはり健全娯楽としての競馬の育成という視点、国庫への貢献という視点、さらにノミ行為の抑止という視点から場外馬券売り場の問題には前向きに取り組みたいということを申し上げているわけでございます。
 私どもとしてもやはり時代が変わった、これだけ広範な大衆娯楽として定着しているという実態の上から、先ほど申し上げましたように実情に応じて場外馬券売り場をふやすことは前向きに指導してまいりたいと思います。
 ただ、現実の問題は射幸心をあおるというよりも、周辺住民から交通混雑とか教育環境というふうな意味からいろいろ営業上の理由、家庭教育の理由から反対がかなり出てくる、そこら辺をどういうふうに吸収していくか、そういう摩擦抵抗が少ないところでございますと、たとえばビル街等ですと今度は日曜日に人が集まらぬというふうな問題がありましてなかなか総論は割り切れるんですが、何と申しましても過密な都市構造なものでございますから、そこら辺をやはり気を長くして、じっくり地元の合意を取りつけてやっていく以外にないと思います。その場合、やはり交通混雑とかある種の迷惑を継続的に地元にかけるわけでございますから、いろいろ御議論があると思いますが、やはり数年前から認めております中央競馬のいわゆる環境整備事業の支出等もできるだけ活用して地元に貢献しながら、つまり道路整備等に貢献しながらそういう増設を図っていく必要があるのではないかと思っているわけでございます。
#315
○野末陳平君 その意味で電話投票をやっていますね。あれはこのごろどのぐらいまで伸びたかちょっと覚えていないんで、それも教えてほしいんですね。というのは、電話投票という一種の実験的な売り方が果たしてファンの不満を解消するところまでいくのか、あるいはこれが新しい馬券売り場増設にかわる案として定着するのか、その辺が知りたいんですがね。電話投票はいまどのぐらいの人数になって、あとどの程度の目標をお持ちになっていますか。
#316
○政府委員(森実孝郎君) 五十五年末の加入者数が六万八千七百人でございまして、五十五年度の発売金が五百四十三億に達しております。全体の四%の売り上げというところに来ております。
 われわれといたしましては、少し息の長い話でございますが、昭和六十五年までにはやっぱり三十万人ぐらいを目途に電話投票の拡充を図ったらどうか、これはわりあいに地域住民との摩擦の少ない方法でございますので、この手法を――わりあいに売り上げに貢献する一人当たりの購入金額は小さくなりますが、これはやはり続けていった方がいいんじゃないか、本年中に九万人ぐらいをふやしてまいりたい、こんなことでいま競馬会が検討を進めているところでございます。
#317
○野末陳平君 そうすると、これは費用の点その他を考えて、やはり六十五年というのはずいぶん先ですけれども、競馬会としては、農林省としてといいますか、まずまずの将来性のあるアイデアだったわけですね、そうですか。
#318
○政府委員(森実孝郎君) そう大きく急に伸びるものではありませんが、やはり健全なファンの育成という視点からも迷惑をかけないで売り上げをふやしていく方法としても私ども適切な方法だと思っております。
#319
○野末陳平君 そうなりますと、この方は今後目標どおりにやっていただけるとして、さっきの場外売り場の話に戻りますと、やはり交通の混雑とか教育環境を乱すとかいうような反対は、これは少々の説得じゃやはり無理でして、たとえばぼくのうちの近所に来るとなって周りの人が反対をした場合に、競馬は健全なレジャーだからと言って説得しても、これは無理ですよ。レジャーと混雑とはまた違いますしね。ですからこの場外売り場の増設あるいは拡大という方向で、そもそもいままでのようなかなり大きなものを考えずに別の発想は持てないかなというふうに思うんですがね。当然そちらでも御検討あるでしょうけれども、ヨーロッパの国のように街角で売っている、お店で馬券を売っているようですが、それがすぐ日本でできるとは思いませんけれども、こういうミニ売り場ですか、ミニ売り場を日本でつくっていくような考え方についてはどんな意見をお持ちですか。
#320
○政府委員(森実孝郎君) これは実は私どもも、一つのアイデアではないかと思っていろいろ議論はさせた経過がございます。これからも少し検討はしてみたいと思います。
 ただ、率直に言うとかなり問題があるような気がいたします。と申しますのは、現在のファンの馬券の購入金額がかなり日本の場合大きいんですよ、ヨーロッパ等に比べますと。そういう意味では多額の現金の取り扱いとか保管を必要とするという意味においては、かなり保安上問題があるという問題があるだろうと思います。それから、いまの競馬ファンの推理と申しますか、予想というのはなかなか進んできておりまして、やはりオッズとか情報提供というものがないとなかなか満足していただけない。そういう意味においては非常に末端の、たとえばたばこ屋等でやらせるとしましても、情報提供なり払い戻しということを頭に置きましたシステムをうまく組めるのかどうか、ここら辺になかなか日本の競馬ファンの現実から言うとむずかしい点があると思いますが、まあ私ども、いろいろな意味でやはり現在あります場外馬券売り場の混雑も回避していかなきゃなりませんし、ノミ行為の吸収も必要だと思います。いろんな形でひとつ御提案はこれから検討さしていただきたいと思います。
#321
○野末陳平君 本当は競馬法の改正と言っちゃ早いかもしれませんけれども、いろいろな点が問題ありますから、そっちの方が大事だとは思うんですけれども、法改正をしないでもできることがあればどんどんやっていった方がいいと、そんな意味でちょっと個人的な考え方をいましゃべってみたんですけれども。喫茶店とかスナックの中で馬券を売ることが、そんなにいろいろな問題があって困難かなというのを考えると、できなくもないような気もするんですね。というのは、現実にいまやっているわけだからね。いわゆるインチキなんだけれどももぐりのノミ屋というか、ノミ屋そのものがもぐりだからこれ何と言うべきか、とにかくノミ屋ではないけれども、喫茶店に集まってテレビ見たりあるいは買う代行をやったりしながら中で結構やっていると。そうすると、やはりあれをもっと合理的にいろいろシステムを考えるということは大事だと思うんですよ。いまのお金の問題でもありましたけれども、やはり農協とか信金などの協力も得たりとか、あるいはオッズの問題もこれもどういうふうに考えるか知りませんけれども、コンピューターなどもたくさん簡単なものが一般にも使われているわけだし、あれこれ問題点を詰めていけば、喫茶店やスナックもミニ売り場として地域住民との摩擦なしに競馬ファンをある程度吸収し、ノミ屋問題の解決にもひいては役立つんじゃないかなと、そんなふうに思っているわけですよ。ですからいろんなむずかしい問題点はあるけれども、こういう方向も考えておかないと場外売り場の拡張というのはなかなか見通しが立てにくいわけで、そればかりを考えているとかわる方法として何もないと、結果的にはいまのままで終わってしまうということなんですよ。ですからまあ検討してほしいと思うんですがね、その場合にいろいろな法律上の問題その他は何かありますか、なければ安心ですが。
#322
○政府委員(森実孝郎君) 中央競馬会が開設する形をとれば私は問題がないと思います。結局まあ御指摘がありましたようなケースも含めて、ミニの場外馬券売り場をどの程度整備する必要があるかという意味だろうと思います。少し検討さしていただきたいと思います。なかなか技術的な点がむしろあるのではないかと思いますが、これからのことを考えると十分考慮に値する御提案だと思いますので、少し検討さしていただきたいと思います。
#323
○野末陳平君 ちょっと競馬にこだわり過ぎましたけれども、大蔵大臣はまあもともとこの問題にも興味がおありじゃないかと思うんですけれどもね。どんなもんですかね、やはり場外売り場というのを大きくやるにはもうこれからは無理だろうと思うんで、かと言ってたばこ屋というわけにはいきませんがね。日本の場合、たばこ屋というのは大分イメージが違いますから、おばあちゃんの暇仕事みたいな面もあったりするし。でも、喫茶店やスナックというのはある程度お客を収容できるし、それから電話も使えるし、ミニ売り場として整備されていけば、中央競馬会の厳しい条件のもとに許認可制といいますか、そんなこともできなくはないなと思うんですが、個人的な見解で結構ですから、一言。
#324
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は政務次官二回やって、農林大臣やったんですが、競馬はやったことないんです、一回も。競馬場へ行ったことは一回だけあります。余り詳しく知りませんが、あなたのは非常にいいアイデアで、私は映画館だっていいんじゃないかと、映画館なんというのはいま暇なんだから。だから競馬の日だけね、そこでちゃんとテレビでも何でもでかいものでもって快さして、スクリーンにばあっとやってのほかに、金はいただき、そこで売るとかね、やっぱり工夫をすれば幾らでもあるでしょう、それは。要するにいままでは競馬は悪いものと、したがって、長沼答申というのがあってふやさせないということで来ていますから、ふやしてもいいんだという発想を転換をすれば、もっと健全にふえる方法は幾らでもあると、私はそう思っています。問題は考え方の違いだけだと思うんでございます。
#325
○野末陳平君 じゃ、まあこの次に農林大臣になっていただいたときには大いに積極的にやっていただいて――まあ別にこれは売り上げふやして納付金ふやしてとか、そういう単純なことじゃありませんけれども、ノミ屋がこれからますますふえるだろうと思うし、素人がノミ屋に結果的に手を出さざるを得ないような環境をそのままにしておくのもいけないしと、あれこれ考えますと、やはり売り場拡張というのを別の発想からした方がいいと、そんなことなんですね。今後の検討をお願いしておきまして、大蔵省の方に戻りますけれども。
 まあ今度の財確法もいろいろ苦心されてあちこちから集められているようですが、とりあえずことしは増税がありましたね。来年はもう増税しないということになっておりますけれども、何か新聞でちょっと見ましたけれども、びっくりしたんですが、二分二乗方式を採用するかのごとき、あるいはそれを検討するかのごとき記事がありましたですけれども、ちょっと唐突なんですが、それはどうなんですか。
#326
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は二分二乗と言ったわけじゃなくて、要するに資産合算の問題は見直さなきゃならぬとか、それからもう七五%、両方で八〇%以上の税率のままで合算をするといったってなかなか問題がございますしね。これはもう監獄へ入ったって脱税するやつあるわけですから、現実には。だから問題は、やっぱり脱税が行われたらだめなわけですから、そこらのところは現実的に、世界の標準というのがあるんですから、世界じゅうに大体が。だからそういうようなことを何か考えるとか、今後所得税全体の見直しということになれば、やはり二分二乗という問題等も見直しの中に入ってきていいんじゃないかと、私はそう思っております。ただ財源が、現在の状態の中では所得税を大減税するようなほど財源に余裕がないということも事実なので、それは所得税全体の見直しのときに一緒にやったらいいんじゃないかと、そう思っております。
#327
○野末陳平君 この委員会で、かねがね大蔵大臣の一千万を超える所得の合算についての意見はお聞きしていたんです。だけれども、いわゆる二分二乗方式ということでは御答弁がなかったもので、ちょっと驚いたんですが、じゃ二分二乗を、仮にこの考え方を検討するとして、相当な減税になるのじゃないかと思うのですよね。それは額がどのくらいとはわかりませんけれども、この二分二乗をもし取り入れたら、これは税制の根本にかかわる部分もかなり多くありますから、何かこれについてのいままで検討した数字などはあるんでしょうか。これは非常に喜ばれるとは思うし、反面また、今度は資産家優遇だという批判も出るかもしれないし、非常にむずかしいところだと思うのですが、いままでについて、何か数字的にこれがどの程度の減税になるかというようなのがあったらば参考にちょっと聞かしてほしいんです。
#328
○政府委員(矢澤富太郎君) まだ数字的にも具体的に検討したことはございません。
#329
○野末陳平君 じゃ、これはまた後日あれこれ機会を見てしていきたいと思います。
 そしてもう一つ、国債についてちょっと最近思うところありまして大臣にお聞きしたいんですが、これから仮に金利が下がっていくとなると、国債を個人が持ちたいと――当然特別マル優の枠がありますから、国債を個人が持ちたいなと思った場合に、低利の国債というのはいままでの例からいってまあ魅力がないわけですね。仮に金利の上昇に転じた場合には非常に売りにくくなったりあるいは利率が低いというようなことで、低利のときの国債はマル優の枠がそれほど魅力ではなくなってしまうと、そういうふうに思うのですね。ぼくが思うというよりも、購入者自身が。そうなると、今後国債の個人消化というものは、もともとそれほど大きいものではないけれども、せっかく特別マル優という恩典を与えているにもかかわらず魅力が薄いとなると、いい金利のときの国債と低いときの金利の国債とでは特典の効き目が全然違うと、そういう考え方を買う立場はするだろうと思うのですよ。
 そこで、果たしてこういうことができるかどうか、ちょっと乱暴なんですが、ある利率以下の、それほど魅力のない国債を個人がマル優枠を生かして買おうとする場合には、普通の三百万プラスアルファ分を認めるというようなことを特例として考えた方がいいんじゃないかと。というのは、高ければこの枠は十分に魅力があるけれども、金利が低ければ魅力がないとすると、特別マル優三百万はあるんだといって、退職金やあるいは小金持った人たちは利用したくても何か困っちゃうと、損するみたいで。となれば、今後グリーンカードなども導入されてくるとこの枠というのは、特別マル優の三百万という枠はそのときそのとき発行される金利によって全く魅力の薄いものになったり、あるいは魅力のあるものになったりしますね。そういうアンバランスをなくすために、常に特別マル優の枠を一般の人が生かせるように考えると、やはり低利の国債についてはマル優枠をちょっとおまけしてやるぐらいのことは考えられないかなと、そうなると個人消化もそれなりにはかどっていくのかなと。特に五十九年以降のグリーンカード導入後においては一つの検討課題じゃないかなと、こう考えているのです。ですから、それについて大臣の御所見をお伺いして、時間来ましたからやめたいと思いますが。
#330
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは衆議院議員渡辺美智雄の発想と同じなんです、これは。大蔵大臣はまだそこまでいっていないということでございますが、一つの問題点であることは確かでございまして、将来の問題として研究をしてみたいと思っております。
#331
○野末陳平君 わかりました。
#332
○近藤忠孝君 最初に、国債の問題について総論的に、国債の大量発行の否定的な影響はどんな点があるか、これについてお答えいただきたいと思います。国債発行の否定的な影響、悪い面……。
#333
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはプラスとマイナスと両方あるわけでございまして、一つは、そのマイナスの面ということは程度問題だと私は思います。やはり財政インフレというような問題、あるいは国債を安易に発行することはどうしても肥満体の政府をつくってしまうと、税金を取るよりも国債を発行した方がやっぱり抵抗が少ないですから、どうしても財政支出が放漫経営に流れがちだということが言えるんじゃないかと。そのほかにもあるかと存じますが、気のついた点はそう考えます。
#334
○近藤忠孝君 そこで、それぞれの中身についてお伺いしますが、まず最初に、日本銀行の国債保有額の推移、それから日本銀行の発行銀行券の推移、それから発行銀行券に対する国債保有額の割合の推移、これについて述べてもらいたいと思います。
#335
○政府委員(吉田正輝君) 国債保有額と発行券の推移でございますけれども、便宜昭和四十年から現在までのところで申し上げさせていただきますと、先生のおっしゃっておられます国債の場合には、短期国債と長期国債がございます、短期国債の場合には、いわゆる短期証券でございますけれども、恐らく長期国債に着目しておっしゃっておられるんだろうと思いますので、長期国債の方で申し上げさせていただきますと、昭和四十年に日銀の保有しておりました長期国債は二千二十四億でございまして、五十四年度末ではそれが八兆四千三百七十一億になっています。日銀券の発行高は、対応して申し上げますと、昭和四十年度には二兆二千八百四億が十六兆六千三百六十でございますので、四十年度における比率で申し上げますと、長期国債の日銀券発行高に対する比率は八・九%、約九%に対しまして、昭和五十四年度末では五〇・七%、約五〇%ということに相なります。
#336
○近藤忠孝君 比率については多少途中のでこぼこはありますけれども、一貫してふえ続けておると、こう聞いてよろしいでしょうか。
#337
○政府委員(吉田正輝君) 昭和四十七年度ぐらいまではでこぼこがございますが、それ以降につきましては、四十八年が一八・五%、四十九年が二九%、五十年度以降四六%から五〇%の間でございます。
#338
○近藤忠孝君 それから、日本銀行法で規定されております銀行券の発行高に対して、同額の保証物件、これを保有しなきゃならぬということになっていますが、この保証物件というのはどういうものがありますか。
#339
○政府委員(吉田正輝君) 日本銀行法の三十二条でございますが、発行の保証がございます。「日本銀行ハ銀行券発行高二対シ同額ノ保証ヲ保有スルコトヲ要ス」、それでその中から、一応第二項に一号から六号まで掲げてございますが、商業手形、銀行引受手形その他の手形、それから手形を担保とする貸し付け、それから国債、それから商業手形、銀行引受手形その他の手形等の債券の売買によるというような債券、それから外国為替、それから地金銀でございます。
#340
○近藤忠孝君 この関係でいま国債が問題になりますが、この場合には長期、短期両方ですね。
 そこで、今度は長期、短期合わせたものの先ほどの割合をひとつ言っていただけませんか。
#341
○政府委員(吉田正輝君) 合わせた割合でございますが、昭和四十年度が、国債の保有高は三千三百六十二億でございまして、五十四年度末が十三兆二千でございます。それに対しまして、日銀券発行高は先ほど申し上げたことでございますので、比率で申し上げますと、昭和四十年度が一四・七%、五十四年度が七九・四%に相なります。
#342
○近藤忠孝君 そこで、これははっきりしておこうと思うんですが、国債発行とM2増大とはこれは密接な関係があると思いますが、どうでしょうか。
#343
○政府委員(吉田正輝君) 私どもから見ますと、国債発行は、M2に象徴されますマネーサプライに、必ずしもその増加がマネーサプライの増加に結びつくというふうには考えておりませんで、そのときどきの経済金融全般の動向、あるいは経済運営の仕方にあるかと思っております。ただ、大量に国債を発行いたしましても、金融政策がよろしきを得るとか、経済政策がよろしきを得るとか、そういうことでうまいマネージメントができますならば、必ずしもマネーサプライがそのまま国債の増加のために増加するとは考えておりませんけれども、たとえば高圧経済のような状況でございまして、その国債の発行が民間の資金需要を圧迫して、これを避けるために、たとえば金融政策が安易に流れるとか、民間のクラウディングアウトを防止するために金融を続けるというようなことになりますと、マネーサプライの増加を招くおそれがあるという点は気をつけなければならない点かと存じております。
#344
○近藤忠孝君 いろいろな要因はあると思うのですが、主因の一つであることは間違いないと思うんです。これは「レファレンス」三百四十五号ですが、その七十二ページに「M2増の主因が国債を中心とする政府向け信用にあることは明白であろう。」、こう指摘しているのですね。これは間違いないことだろうと思うんです。
 そこで大臣、全体を見て私ちょっと奇異に思うのは、国債を発行するからM2ふえますね。そうすると、銀行券の担保の対象が国債などである、こういう関係にあるんですね。そうしますと一体、日本銀行券は本当に信用が置けるんだろうか、こういう心配が出てくるのですが、そういう点は心配ないでしょうか。
#345
○政府委員(吉田正輝君) 私、先ほど国債の発行が直ちにM2の増加には結びつかないというふうに申し上げたんで、ただそれが、そのときの経済情勢あるいは経済政策の運営、金融政策の運営等とか、あるいは民間の資金需要が非常に旺盛であるとか、そういういろいろの事情の中でそういう政策の運営とかがうまくいかない場合にはそういう状況もあり得るということを申し上げたんで、国債発行高の増加がマネーサプライの増加に直ちに結びつくようなことはないというふうに申し上げたつもりでございます。
#346
○近藤忠孝君 直ちに結びつかなくても、いろいろな要因があるのですが、ただ主因の一つにあるということは、大体すでにある意味では言い尽くされてきたことですね。現に私自身の調査でも、大蔵省の資料をずっと見てみますと、発行銀行券に対する国債保有の割合、たとえば昭和四十六年には国債の保有額は一兆五千四百三十一億円ですが、二四・一%。四十七年にはちょっと減りまして一二%ですが、その後ぐんぐん、年々ふえまして、五十四年で国債保有額十三兆二千七百三十四億円、六九・六%。そして発行銀行券の方は十九兆。五十五年にしてもさらにそれが十九兆三千四百七十二億円と発行銀行券はふえていますが、国債保有はさらにふえておって、十五兆八千三百五十一億円、八一・八%。こうなっておるんで、いろいろな経過はあるにしましても、これは間違いない事実関係があるわけですね。
 そこで、今度は大臣にお聞きしたいんですが、そのように日銀券の担保の対象が国債である、その国債発行はどんどんふえ、そしてしかも日銀が持っているわけですよ、担保として。しかもこれを調べてみますと、発行銀行券に対する割合が五十五年度は八一・八%、こうなりますと、あと買い入れ手形とか割引手形、それが大体一七・七%だから、ほぼ発行銀行券に見合うものが国債とか手形なんです。いろいろな手形に比べて国債が一番信用できるものだと言われていますね。そうしますと、それ自身借金なんですね。そうすると日銀券の担保の対象が借金である、こういうことになってくるわけです。そうなると、金本位制でないものだから、兌換できませんね。そうすると、日銀券の担保としては大変心細い限りじゃないかとこう思うんですが、大蔵大臣としてはどうなんですか。
#347
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも程度問題、すべて程度問題でございまして、やはりある一定の限度以上に国債ばかり抱え込むことになれば、あなたの言うことも私は一つの筋道だと思っております。
#348
○近藤忠孝君 そうしますと、かつては昭和四十六年ごろあるいは四十七年には一二・三%、発行銀行券に対して国債保有が。それがもう八一。八%と、こうふえているというのは、やはりこれは危機と見なきゃいけないんじゃないでしょうか。
#349
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほど次長からお話があったように、直ちに結びつくものじゃない。そのときの国の経済事情、生産力、個人の貯蓄の動向、これはいろんなものの関係でございますから、直ちには結びつきませんが、やはりこれ以上にことに赤字国債がどんどんふえていくということは決して国の財政、経済にいい結果はもたらさないというように私は思っております。だからこそ真剣に、国債の減額というものはつらいけれどもやっていかなきゃならぬということを提唱しているわけです。
#350
○近藤忠孝君 そうしますと、大臣の立場から見ても、現在の国債発行並びに日銀の国債保有の状況というのはもうそろそろ限度に来ている、現在のところは辛うじて信用何とか保たれているけれども、これ以上多くなると国の信用自身も危なくなってくる、こういう状況なんでしょうか。
#351
○国務大臣(渡辺美智雄君) 危機的状態であるかどうかは、私もよく――じゃどういうところに危機があるんだか科学的に説明しろと言われましても、はっきりした証拠もございませんが、現実の問題として国債がいろいろいままではそれなりの効用があったけれども、市中の金利問題等に関しましても、いろいろネックに、だんだん調べていくと国債の出過ぎというのにぶつかることも事実なんですよ。ですから、日本の経済力の大きさからすればまだいまのところはいいけれども、これが、経済が停滞する中で国債だけが伸びるということは黄色信号よりももう薄赤ぐらいの方になるんじゃないですかね、これは。そう思っています。警戒しています。
#352
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど先生からいろいろと、国債が保有されている状態はたとえば日銀の資産として健全であるかどうか、あるいは日銀券発行の見合いとして持っていていいものであるかどうか、それが大変ふえているという御指摘がございましたけれども、ちょっと補足させていただきますと、日本銀行は成長通貨を供給しなければならないという役割りを持っておるわけです。日本経済も成長を続けておるわけでございます。実は、昭和三十八年までは日本銀行はオーバーローンを続けておったわけですが、貸出資金を見合いといたしまして、貸出資金の債務――先ほどの日銀法の関係でございますけれども、貸出債権を見合いといたしまして日銀券を発行してまいりました。それ以降成長もだんだん安定成長になってきていること等、それからやはり貸出債権でなくて、債券つまり市場操作による債券なんかをその日銀券の発行見合いにした方がいいということで、貸し出しから債券へ日銀券発行高の見合いに変えていったのが実態でございます。そこへちょうど国債が発行されてきた。それまでは金融債とか政府保証債を見合いに次第に貸出債権をそういう債券に切りかえておったわけですが、次第に国債が出てきたということで国債に切りかえておるというのが実態でございまして、それ以降で見ますと、これは大変ある意味ではラフな意見かもしれませんけれども、成長通貨の供給という面で申しますと、昭和四十年の名目GNPに対しまして、大体先ほどの数字で申しますと、昭和五十四年度に日本経済も六・八倍ほどの成長を遂げておるわけでございます。それに対しまして日本銀行の発行券も七・三倍と、両方とも約七倍ということでございまして、必ずしもその中身が、日銀券の発行、発行券に対する見合いの中身が変わっているというだけで不健全とかそういうことはないと、かように考えております。
#353
○近藤忠孝君 先ほど大臣は、日本経済全体が薄赤信号の状況だと言ったんですが、経済の一番中心はやっぱりどうしても日銀券ですね、これはやっぱりその信用が相当物を言うわけで、私は大臣の認識としては、日銀券に対する信用自身も、日本経済全体の問題として、その中の中心としてやはり薄赤信号になっている、こういう御認識だと思うんですが、どうでしょうか。いまの全体の経済の成長との関係申しましたけれども、しかしやっぱり国債保有とそれから日銀券に占める割合ですね、日銀券に対する国債保有の割合というのは八一・八%となっているという、そのこと自身私はそう見るべきだと思うんですが、どうですか。
#354
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は日本銀行券に対する信用がなくなったと言っているわけじゃないんです。私は、国債発行のスピードというものと経済成長というものを比べて、経済が安定成長に入ってきている中で、国債だけがいままでのような形でGNPの伸び以上に発行をしていくということは赤信号だと、赤信号にだんだん近くなるということを言っておるわけです。
#355
○近藤忠孝君 じゃ次へ進みます。
 そこで、今度は国債費がどんどんまたふえてきておりますけれども、昭和五十年以降の全体の予算に占める割合、これはどうでしょうか。
#356
○政府委員(西垣昭君) 昭和五十年度以降の国債費の一般会計に占める割合でございますが、五十年度から五十四年度までは決算の数字で申し上げます。
 五十年度五・三%、五十一年度七・五%、五十二年度八・〇%、五十三年度九・五%、五十四年度二・三%、五十五年度は補正後予算でございますが、一二・六%、五十六年度はこれは当然のことながら当初予算でございますが、一四・二%でございます。
#357
○近藤忠孝君 確実にふえて、またこれからさらに大変なことになるということは先ほど来議論されておるんですが、そうなってしまったことの責任問題を問われると、先ほど大臣言ったとおり、形式上は政府の責任かもしれぬけれども、財源がないのに支出を要求した側にも責任があるということで、国会の側にも責任があるかのような発言をされたんですが、私経過を見ていると、そうじゃないと思うんですね。私はやっぱり形式だけじゃなくて、実質的にも政府の責任が大変大きいと思うんです。
 というのは、昭和五十年ごろからこの問題をずいぶん議論してまいったんですが、その当時のやりとりを見てみますと、国債の増発を防ぎ得た場面がずいぶんあったんじゃないか、それを政府のやはり安易な態度がそいつをむしろふやしてしまった、こういう感じがしてならないんです。私はその一つは償還の問題だと思うんですね。償還については法律で決められた方法がありますけれども、それをまずきちっとやり抜くという姿勢が政府に欠けておったんじゃないか。これは昭和五十年の三月の大蔵委員会で、当時四十八年度の歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案が審議されたんですね。自然増収などで六千八百億円の剰余金が出た、本当は半分返さなきゃいかぬけれども、五分の一にしてくれという、そういう点の議論があったんですね。そのとき私こういう指摘をしたんですが、借りかえ自身問題だけれども、そいつは別として、借りかえに加えて余った金も返さない、こういう姿勢が将来増発、増発になって、まさに国債増発の恒常化をもたらすんじゃないか、こういう指摘をしたんです。それに対して当時の大平大蔵大臣は、どっちみち剰余金を半分返した場合には、法律どおり返した場合にはその分また新しく赤字公債を出さなきゃいけないから同じなんだと。だから余ったやつをそのまま使うだけの話なんだと。こういう話だったんですね。私が指摘したことは、まず返すと、まず返してしまって、そしてそのないということを前提で次の支出を考えるという、こういう姿勢が必要ではないかと。こう指摘をしたけれども、額がそれほど多くなかったせいかどうか知りませんけれども、どうか御勘弁をと、よく渡辺さんも言うように、大平さんも同じなんだから何とか御勘弁をということで通ってしまったわけですが、そういう安易な姿勢、その延長がやっぱり今日の事態を招いているんじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
#358
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは私は反省しなければならないところもあるんじゃないかという気がしますよ。しかし政府だけの問題でなくして、たとえば剰余金二分の一以上は国債の返還の方に、基金に入れるんだよと法律に決まっておっても、国会で、いやそんなことをしないでともかく余ったものはみんな分けっこしちゃうおうと、減税で、という話もあるわけですから、だから政府ばっかり責められましても困るわけですよ、実際は。
#359
○近藤忠孝君 その問題出たから、ちょっとこれは横道になりますが申しますと、わが党はちょっと横の方に置かれて決まってしまったものですからね。決してそれに、余り賛成じゃないんですわ。ただ減税という大義名分があるから、一応渋々消極的に賛成することにしたわけですけれども、やっぱり考えは、返すべきものはまず返すということを第一に考える、これが必要だと思うんですね。その点は間違いないと思うんですが、どうですか。
#360
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はそうあるべきだと思っております。
#361
○近藤忠孝君 では、その点をこれからひとつ貫いてほしいと思うんです。
 そこで、問題が償還の問題になったので、償還問題を若干お聞きしますが、赤字国債の場合も六十分の一ずつ繰り入れして、したがって十年後には繰り入れ合計は六十分の十にすぎない。そこで六十分の五十を一遍に返すわけですね。これもいまの姿勢から見ますと、毎年十分の一ずつ繰り入れしていくというこの姿勢をとるべきだと思うんですが、どうですか。
#362
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ十年たったら返すんだから、理屈から言えば、ともかくいまから十分の一ずつ積み立てると、これもりっぱな私は御意見だと思います。しかしながら、建設国債の場合はまた別でございますからね。赤字国債の規模がそんなに大きくなければ経済の成長の中で消化できるというようにも考えられるわけですよ。ただ赤字国債の額が、割合がふえますとやはりあなたの言うようなことが私は正しいんじゃないかという気もします。
#363
○近藤忠孝君 まあとにかく一生懸命返していくという立場を貫いてほしいと思うんですが、そこであとは、もう一つは、自分の周りにあるお金もどんどん整理すべきものは整理して返していくと、償還に充てると、あるいは財源にしていくと、こういう姿勢が必要だと思うんです。
 そこで、これは一括してお聞きしますが、財政法四十四条による資金としてこれはどんなものがありますか。その目的と内容について説明してほしいと思います。
#364
○政府委員(西垣昭君) 財政法四十四条では、「国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる。」と、こういう規定がございまして、この規定に基づきまして幾つかの資金があるわけでございます。それで、この規定に基づいて設置されておりまして現在ございます資金及びその現在高でございますが、まず一般会計に所属するものといたしまして、国税収納金整理資金というのがございます。
#365
○近藤忠孝君 中身はいいですわ、項目を聞くだけですから。
#366
○政府委員(西垣昭君) 中身はよろしいですか。これは五十五年三月末でございますが六百八十二億円。それから特別調達資金というのがございますが、これは同じく五十五年三月末で三十二億円。それから農業近代化助成資金、これが二十三億円。それから決算調整資金、これは五十五年七月末でございますが二千二百三十八億円。それから特別会計に所属するものといたしまして補助貨幣回収準備資金、これが一兆百六十四億円。それから資金運用部資金、これは八十四兆六千九百七十一億円。外国為替資金、これが二千百五十八億円。それから食管特会の調整資金が一千七億円。それから労働保険特会の雇用安定資金が二千二百七十八億円。以上でございます。
#367
○近藤忠孝君 いま挙げられたうちのかなりの部分は、その資金の性格そのものからして財源にできないものがあると思うんですが、ただこの中でピックアップしてみますと、特別調達資金、それから農業近代化助成資金、補助貨幣回収準備資金、外国為替資金、これはそのお金を一般財源の方に入れること可能だと思うんです。
 で、この点について、いままで一般財源への取り崩しについて検討したことがあるかどうか。あるとすればなぜこれは繰り入れしなかったのか、その辺の問題について。
#368
○政府委員(西垣昭君) 御指摘のように、五十六年度予算の編成に際しましては厳しい財政事情でございましたので、財源対策につきましてはいろいろと検討いたしました。で、その結果として、今回御審議をいただいております財確法というようなものをお願いしている次第でございますが、これ以外にも日本航空の株式の売却とか、公庫あるいは銀行の滞貨償却引当金の繰り入れ率の引き下げ等の措置も講じております。
 それで、御指摘の資金を取り崩したらどうだという問題につきましてもそれぞれ検討いたしましたが、たとえば特別調達資金につきましては、駐留軍労務者の給与の支出あるいは物資の調達につきまして政府が立てかえ払いを行うのに必要な回転資金でございまして、これを取り崩しますことはこういった業務の円滑な支払いに支障を生ずることになるという検討結果で、これはできないという結論を出したわけでございます。
 それから農業近代化助成資金につきましては、農業近代化資金について利子補給補助を行うために必要な財源を確保する目的のものでございます。で、実は昭和四十一年度におきまして資金残高十億円を残しまして二百八十四億円を取り庫して一般会計の歳出の財源として一般会計に納付するということをいたしたわけでございまして、さらにこの資金残高を取り崩してしまうということは、農業近代化資金をどうするかという、その制度の問題について考えなくちゃならないということで、農業近代化資金の融資の動向等を見きわめる必要があるということで今回は取り崩さない。今後とも検討するということで残っているものでございます。
 それから補助貨幣回収準備資金につきましては、補助貨幣の引きかえ、回収に充てるために補助貨幣発行高に見合う準備資産を保有して補助貨幣に対する信認の維持を図ろうというものでございまして、この制度の趣旨、沿革にかんがみますと一般財源として取り崩すことは適当ではないというふうに考えられます。
 それから外為資金特別会計の積立金につきましては、一方におきまして同会計の保有外貨の評価替えによる多額の評価損を計上しておりまして、これをあわせ考えますと差し引き赤字の状態でございます。したがいまして、これを取り崩して一般会計の財源に充てることはできない。こういった検討結果でございます。
#369
○近藤忠孝君 あと時間十分なので、一つずつ触れたいんですけれども、まあ後日に譲るとして、補助貨幣準備資金の問題についてちょっと触れてみたいと思うんです。これは結局補助貨幣に対する信頼を保つため、そしてまた摩耗したときの交換のための資金と、このように言われておるんですが、理由はそれだけですね。
#370
○政府委員(渡辺喜一君) 発行されます補助貨幣に見合った同額を資金として積み立てるということでございまして、それは政府が発行いたします補助貨幣についての信認を維持するということが主たる目的でございます。
#371
○近藤忠孝君 そうだとすれば大臣、先ほどの日本銀行券との兼ね合いから見まして、ここに五十六年度末で一兆二千億円の財源が出てくるんです。むしろこれは私ぜひ財源とすべきだと思うんですが。先ほど議論したのは、日本銀行券を結局担保するのは国債が八一%ですね、圧倒的多数がもう国債なんですね。言ってみればこれは結局税金ですよ。税金を担保にしたのが日本銀行券。補助貨幣は一兆二千億円積んでおるんです。ちょっと均衡を失していや心ないか、言い方はちょっとおかしいんですがね。価値の高い方が税金を対象にしている。それから補助貨幣の方はそれに加えて、税金に加えざらに札束を積んでおる。少しこちらの方が保護のし過ぎじゃないか。大臣は先ほど日本銀行券の信用性はあるとこう言われたわけですから、補助貨幣について信用性は十分じゃないかと思うんですが、どうですか。
#372
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろ物の考え方の問題でございますから、なかなか安易なこともできない。しかし、いろいろ研究はしてみたいと思っています。
#373
○近藤忠孝君 研究するとおっしゃるけれども、これは考え方の問題になるんですね。いわば発想の転換ですよ。だから大臣がこれがないととても補助貨幣は信用性がなくなってしまうとこう思うのか、なくてもこれは大丈夫だと、税金で大いに担保しようと、こう思って自信持って進んでいくのか、その違いだと思うんです。
 そこでこれは外国の例をお聞きしますが、諸外国ではこれはどうなっていますか。
#374
○政府委員(渡辺喜一君) 諸外国の例を全部調査はいたしておりませんが、大体アメリカ、ヨーロッパ主要国等においてはわが国のような制度はとっていないわけでございます。
#375
○近藤忠孝君 大蔵省から聞いたところによると、アメリカ、西ドイツ、イギリス、カナダ、イタリア、フランスなどは要するに税金が担保になっている。それから日本と同じ制度がベルギーである。それから中央銀行の補助貨幣としてこれを積んでいる、積み立てしている、これがノルウェー、アルゼンチン、アフリカ諸国。こう見てみますと、いわゆる先進国ですね。資本主義国としても強国が要するに税金を担保にして堂々と補助貨幣もやっておるんですよ。となればこの機会に思い切れば一兆円出てくるんですが、その発想の転換はこれはできませんですか。
#376
○政府委員(渡辺喜一君) 中央銀行が発行している国はこれは銀行券と同じでございますのでちょっと性格が違うかと思いますが、政府が補助貨幣を発行している場合に、おっしゃるように、主要先進国はわが国のようなやり方をとっていないわけでございます。ただ、どちらがいいか適当かという点につきましては、私はわが国のやり方の方が適当であると考える次第でございます。この補助貨幣の製造コストというのは貨幣の表面金額よりはかなり低いわけでございまして、何にも政府が見返りなしにそれを発行するということは、まさに発行コストと表面金額との差額を全く何にも代償なしに政府が手に入れるということでございまして、それこそまさにその部分はインフレマネーの発行につながるわけでございます。できるだけそういうものにつきましては十分の準備を持ってやるというのが正しい行き方ではないかと考えておる次第でございます。
#377
○近藤忠孝君 その方が確かに信用は二重三重でそれはいいと思うんですね。ただ私申し上げたとおり、日銀券との関係でいったらどうなのか。せんじ詰めれば日銀券は税金が担保なんですから、その補助貨幣をさらに三重、三重の保護をする意味はどこにあるのか。そこで、いいことは決まっているんです。だけれども問題は、こういう財政危機の折から、たとえて言いますと、先ほどの償還の問題と関係しますけれども、期限が来ても借りかえ借りかえでいくというやっと、それから半分返すべきところを五分の一しか返さぬとか、これはよく借金した場合ルーズな男がやることですね。それに加えてポケットのあちこちにたくさんこれ金あるんですわ。その方が確かに見えもいいし、表から見て信用性もあるように見えるんだと思うんですね。だけれども、それを抜いたところでその人間の力に余り力の差が出てこない、多少見えは悪くなるかもしれぬけれども大したことはない。となれば、こういう借金して本当に財政危機であればもうきれいにする。そして少なくとももう赤字国債の発行をぐっと減らしていくと、一兆円減らせるんですからね、これで。単年度という制限つきであるけれども、しかし来年度予算でぐっと減らせれば、これはもう赤字国債の額を場合によったらばゼロにすることだってこれは可能になってくるんです。となれば、大臣この機会に大いに決断すべき問題であろうと、こう思うんですが、私は渡辺さんの性格からいっても余りじゃらじゃら身につけているのは余り好きな性格じゃないと、こう思うから申し上げるんですが、どうでしょうか。
#378
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は先ほど答弁したとおりなんですよ。これは考え方の問題でございますが、いろいろ歴史もございますしね。補助貨幣の信認度というものも大事なんであって、日本に貨幣法という法律があって、そこで貨幣をつくるたって一々国会へかけなきゃならない。一万円札はかけなくていいんだろう――一万円札は自由に発行できるというアンバランスがあるじゃないかという言い分、アンバランスがあるわけですから、そういうような問題については金本位制時代の思想というものはまだ貨幣の方にあるかもわからない。いろんな問題があるんですよ。だから研究してみますということを申し上げたんで、幾ら近藤さんか身言われましても、ここではいわかりましたとは残念ながら申し上げられないわけでございます。
#379
○近藤忠孝君 これは私は、大蔵省の中でも意見がたとえば理財局と主計局とで分かれて、片方はよこせと、片方は出せないと言っている問題もあろうかと思いますし、また衆議院の方でも大蔵省出身の代議士がやっぱり触れたということはまさに考え方の問題だと思うんですね。ですから、私はそこでひとつ考え方の問題を一歩進めるということを要望したいと思います。
 あと時間が来てしまったのでほかの質問できませんが、政府系金融機関のあり方について一言だけお聞きをしたいと思うんです。
 今回、輸開銀からこういう措置をとったわけですが、これをなぜ恒常的にしないのか、してしかるべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#380
○政府委員(西垣昭君) ずばり申し上げますと、日本開発銀行の法定準備金というものは、この銀行に対しまして昭和二十九年度以降国の出資を行っておりません。そういう状況から考えますと、開銀にとりましてはほとんど唯一の自己資本蓄積の手段でございます。そういった意味からいきまして、今後これを恒久化するというふうなことにつきましてはよほど慎重に考えなくちゃいけない。開銀につきましては、その開銀に課されました政策金融の使命がございますので、できるだけ経営基盤を安定させるというような要請もございますので、いまのところはさしあたって四年間ということで千分の三ということでやりたいと思っているところでございます。
#381
○近藤忠孝君 じゃ時間が来ましたので、そのような問題は次回にしたいと思います。
#382
○委員長(中村太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#383
○委員長(中村太郎君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、農林水産委員会及び逓信委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#384
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#385
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#386
○委員長(中村太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#387
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#388
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト