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1980/06/04 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 法務委員会 第11号
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1980/06/04 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 法務委員会 第11号

#1
第094回国会 法務委員会 第11号
昭和五十六年六月四日(木曜日)
   午前十時十三分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     降矢 敬雄君     大石 武一君
     衛藤征士郎君     野呂田芳成君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君     真鍋 賢二君
     安井  謙君     成相 善十君
  ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 一弘君
    理 事
                大石 武一君
                上條 勝久君
                寺田 熊雄君
                藤原 房雄君
    委 員
                臼井 莊一君
                戸塚 進也君
                成相 善十君
                平井 卓志君
                真鍋 賢二君
                円山 雅也君
                八木 一郎君
                安井  謙君
                近藤 忠孝君
                中山 千夏君
   国務大臣
       法 務 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       法務政務次官   佐野 嘉吉君
       法務大臣官房長  筧  榮一君
       法務省入国管理
       局長       大鷹  弘君
       外務大臣官房審
       議官       関  栄次君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       厚生省児童家庭
       局長       金田 一郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       社会保険庁年金
       保険部長     新津 博典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥村 俊光君
   説明員
       法務大臣官房参
       事官       山本 達雄君
       外務省アジア局
       難民対策室長   今川 幸雄君
       厚生省年金局企
       画課長      長尾 立子君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        福永 徳一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○出入国管理令の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入
 国管理令その他関係法律の整備に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○スパイ防止法制定促進に関する請願(第一七一
 号)
○スパイ防止法制定に関する請願(第二三三号)
○婦人差別撤廃のため国籍法改正に関する請願
 (第九九八号外一一件)
○国籍法の改正に関する請願(第一四一七号外三
 件)
○在留外国人に対する国民年金法の適用等に関す
 る請願(第三三〇九号)
○スパイ防止法の制定促進に関する請願(第三三
 六〇号)
○法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の
 大幅増員に関する請願(第三五九五号)
○治安維持法等による犠牲者に対する国家賠償に
 関する請願(第三九二四号外一一件)
○スパイ防止法の制定に関する請願(第三九七六
 号外一〇三件)
○在日韓国人に対する国民年金法の全面適用に関
 する請願(第四七七八号外三九件)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨三日、降矢敬雄君及び衛藤征士郎君が委員を辞任され、その補欠として大石武一君及び野呂田芳成君が選任されました。
 また、本日、野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として真鍋賢二君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木一弘君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大石武一君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(鈴木一弘君) 出入国管理令の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○寺田熊雄君 前回、入管局長の方から詳細な御説明をいただきましたけれども、この法律の適用につきましては、従来、非常に厳しい規制が行われておったという歴史的な経緯があります。それから、国の態度が過度に現場の第一線の職員に浸透しておったのでしょうか、関係者が窓口に行きました場合に、窓口の対応が非常に冷たいという印象をすべての関係者が持っておるようであります。
 そこで、今回の法改正によりまして、外国人、難民を含めまして、規制が、どういいますか、国際的になったといいますか、やや緩やかになるということは事実でありますけれども、なお関係者が、この点、果たして本当にこのとおり運用されるかどうかという点の疑念を解消し切れないという状態があるようであります。したがって、さらにまたくどいようでありますけれども、局長にこの点について再度確認をするという意味でお尋ねをしたいわけであります。
 男女の差別の問題につきまして、入管局長、参事官、お二人とも、決して男女の差別はいたさないというお答えがあったわけでありますけれども、もう一遍お尋ねをいたしますと、日本人の男性が外国人の妻を伴って外国から日本に帰国する、こういう場合がありますね。まあ婚姻が真実であるということは大前提ですから、これは真実ということを前提にしてお答えをいただきたいと思うんですが、そして日本に居住するという意思もあなた方が確認された場合でありますが、この場合は無条件で入国を許可しておられるというのが現実なんでしょう。いかがですか。
#7
○政府委員(大鷹弘君) 一応そういう場合でも入国の審査はいたすたてまえでございますけれども、実際上、そういう方を同伴してお帰りになるというような場合には、入国が認められているわけでございます。
#8
○寺田熊雄君 もちろん審査をしてでありますけれども、大体無条件で認められる。その場合、実際問題として、夫である男性のいわば生活能力というふうなものは審査して、それがあることが条件になりますか、その点どうでしょう。
#9
○政府委員(大鷹弘君) 一応原則として、その場合、日本人の夫に生計能力があるかどうかということは、審査の対象になります。
#10
○寺田熊雄君 次に、日本人の女性が外国人の夫を伴って日本に帰国するとき、日本人女性自身に生活力がある、あるいは女性の両親に生計能力があれば、それは入国を許可いたしますというのが前回のたしか御答弁だったですね、もう一遍確認しますが。
#11
○政府委員(大鷹弘君) 日本人の妻に資産があるとか、あるいは給料、年金、そういう所得が十分にあるという場合には、外国人夫が就職しているという必要はないわけでございます。したがって、そういう場合には、いわゆる髪結いの亭主に当たるわけでございますけれども、こういう外国人の夫の入国は認められる、これから認めていくと、そういう方向で考えているわけでございます。
#12
○寺田熊雄君 その場合、外国人である夫の在留というのは、これは四条の一項十六号、外務省令、昭和二十七年、十四号の一項三号、これによる在留許可でしょうか。
#13
○政府委員(大鷹弘君) そのとおり、通常四−一−一六−三という在留資格が与えられております。
#14
○寺田熊雄君 この場合、日本に入りますね。入って、妻が日本人でありますからして、今度の改正法によりますと、夫に生計能力があるとか、あるいは素行善良であるとかという点の条件は考慮せずに、日本人の配偶者ということで永住許可を認めるという法改正が二十二条にできましたね、今度。これによって、外国人である夫の永住許可は直ちに許可されますか。
#15
○政府委員(大鷹弘君) 今度の二十二条の改正の結果、二つの要件は確かに取り払われます。これは、日本人あるいは永住者の配偶者または子供である場合でございますけれども、ちなみにこの場合、配偶者という言葉を使っておりまして、男女の差別はございません。
 ただ、この場合、すぐに永住許可が与えられるかどうかということになりますと、やはり私どもといたしましては、この婚姻が擬装婚でないかどうかということを確かめる観察期間が必要だと思っております。もちろん、ケースによってはそういう擬装婚の疑いは全くないというような場合もございましょう。たとえば、すでにお二人は結婚しておられて、しかもお子さんまでできているというような場合などは、当然こういう観察期間というものは非常に短いものになろうと思います。しかし、そうでない場合もございますので、一応の観察期間を置いて永住の許可が出ると、こういう段取りになるわけでございます。
#16
○寺田熊雄君 いや、それがたとえば裁判所でこういうことが問題になりますと、裁判官が証拠調べをして、これは本当の婚姻だということの心証を得れば、期間なしにこれが身分関係を認める判決を下し得るわけですがね。ところが、行政官庁の場合には、事実を調査して心証をとって判断をするというだけの法的な訓練がないというか、それだけの能力がないというか、したがって、調べて心証をとって判断をするという手続をせずに、一定の時間の経過を見て、その時間の経過という客観的な事実によって判定を下すと、こういうことになるわけですよね。そこが司法と行政との差でやむを得ないかもしれません、これはね。しかし、いま局長がおっしゃいましたように、子供までできておるということですね、そういういろんな諸般の事情を考慮して、そう長くなくても許可できると思いますとおっしゃる、その期間というのが問題なわけです。
 たとえば、いま局長のおっしゃった四条一項十六号、それから外務省令十四号一項三号ですか、これは三年以内ということになりますね。三年も置かれちゃかなわないというのが、本当に結婚をした真実の夫婦の間の話なわけです。なぜ三年も置いちゃかなわないかというと、その閥にたとえば就職の問題もありますし、住宅金融公庫の貸し付けも得られないとか、銀行からローンを得られないとか、いろいろな関係が出てきますから、その期間はできるだけ短い方がいいわけです。真実であるということがまずあなた方の心証を得られた場合、どの程度の期間を最低限度御要求になるんでしょう。
 というのは、ずいぶんそういうことを調べておる婦人の団体があります。たとえば、男性がフランスの婦人である妻を伴って来た場合には、フランスの婦人なんか即座に永住許可が与えられた例があると言うんです。ですから、真実だという心証を得れば、そんなに長い期間置かぬでもいいじゃないかというのが、そういう人々のやっぱり訴えなんですよ。どのぐらいの期間を最小限度御要求になりますか。
#17
○政府委員(大鷹弘君) 先生御指摘のとおり、この観察期間というものはいろいろな事情によって変わるので、ケース・バイ・ケースで違うわけでございます。しかし、一般的に言えば、新婚の場合には結婚して三年ぐらいは観察しなくちゃいけないと考えておりますし、日本に入国してからの場合でも一年ぐらいは見たいという、そういう気持ちがございます。したがって、大まかに言いまして、大体一年ないし三年ぐらいの期間、これを観察に当てたいというふうに考えておるわけでございます。
#18
○寺田熊雄君 法務大臣、お聞きになってどういうふうにお考えになりますか。つまり裁判所だったら、調べて心証をとれば、もうすぱっと正式の婚姻だということを認めて判決が下せますよ。行政官庁の場合は、いま局長がおっしゃった一年から三年ぐらいの経過を見たいとおっしゃる。ところが、本当の婚姻をしておる御夫婦は、長いと言うんですよ。確かに擬装婚というのがあります。しかし、擬装婚があるというその事実のために、正規の結婚をしている私どもに被害を及ぼさなくてもいいじゃありませんか、そこをあなた方が、国家機関が判断してくださればいいじゃありませんかという訴えです。大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#19
○国務大臣(奥野誠亮君) 寺田さんは一般の良識ある方々を頭に描いて質問しておられますし、事務当局の方はしばしばそういうことを行う関係者を頭に描いて答弁しているから食い違いが起こるのだなと、こう思いながら聞いておったところでございます。寺田さんがお考えになっておるような方向で私は運営されるものだと思っておるわけでございますけれども、しかし、常時そういう手段で来る関係者がいるものですから、用心して政府当局が答えているということだと思います。よくおっしゃっていることは理解できるわけでございますので、運営については十分相談してみたいと思います。
#20
○寺田熊雄君 これは局長、いまの大臣の御答弁もよくわかりますし、局長のお気持ちもよくわかるんですが、真実の夫婦は非常にそれで迷惑をこうむっているし苦痛をこうむっていますので、できるだけ早く認定するように努力してください。これはお約束していただけるでしょう。
#21
○政府委員(大鷹弘君) ただいま大臣からのお話もございましたので、大臣のお考えに沿って措置したいと考えます。
#22
○寺田熊雄君 そうすると、大臣のお考えが非常に重要になります。大臣、よろしくお願いします。
 いまの問題は、資力の問題が夫婦いずれにも十分でないために、日本人の女性が外国人の夫を伴って、そして親族訪問で日本に参りますね。そして、親族訪問を今度の二十条の第三項の特別の事情を認定してもらって、そして先ほどの外務省令、二十七年の十四号一項三号に在留目的を切りかえてもらう、これはできるということをおっしゃったですね。これはよろしいですね、もう一遍確認しますが。
#23
○政府委員(大鷹弘君) たとえば、その外国人の夫が入国しますときに、入管令の四条一項四号で入ります。入国した後で就職先が見つかったという場合、たとえばその就職先が大きな商社であるとか、メーカーであるような場合には、これは四−一−五という資格が申請できます。今度の法改正によりましてそういう場合、四−一−四からでも在留資格の変更ができるようになりましたので、したがって、そういう場合には四−一−四からその方は四−一−五に変更できるわけでございます。また、その就職先が大きな会社でないというような場合には四−一−五が適用になりませんので、四−一−一六−三という資格に変更ということに相なろうかと思います。
#24
○寺田熊雄君 ただ、その場合に、まだ親族訪問の目的で入った六ヵ月の間では就職が見つからない。しかし、鋭意努力して、いま世話になっている人の紹介で見つかる可能性があるんですよという場合には、それは延長になりますか。いま言ったように、一六−三、それから十四の一の三ということになりますか、どちらでその場合処理されますか。
#25
○政府委員(大鷹弘君) ケース・バイ・ケースでございますけれども、期間の延長を認める場合もございますし、それから四−一−一六の三という在留資格で滞在を認めるというケースもあろうかと思います。
#26
○寺田熊雄君 そうして在留目的を変更してもらって、その間に先ほどの二十二条の改正によって永住許可を申請するということもあり得ますね。ただ、これはやっぱり局長の言ったように期間の問題になるでしょうけれども、その期間の点さえ解決すれば、やはりその在留目的を変更していただいた段階で、永住許可申請ができるわけですね。
#27
○政府委員(大鷹弘君) それは当然できるわけでございます。
#28
○寺田熊雄君 先ほどちょっと冒頭にお話ししたのですが、きのうも入管局の詳しい方に来ていただいて、そういう外国人と結婚した婦人の団体がありまして、その人たちの代表のいろんな疑問にお答えをいただいたわけなんですが、その人たちは、たとえば入管の現場に行っても、永住許可というその申請をする窓口はいつも閉まっていると言うんですね。それで、無理にたたいてあけてもらって交渉をしても、一体何年あなたは住んでいるんですと、一体何年住んでいるかということを冒頭に聞いて、何年も住んでいるということを言わないと頭から相手にしないと、いままではですよ。それじゃ困るんだ、もっと親切に対応してくれ、窓口はいつもオープンしておいてくれと、こういう訴えがあったわけです。これは局長、よくひとつ配慮していただきたいと思います。
#29
○政府委員(大鷹弘君) 現在は、永住申請の窓口はいつもあいているというふうに私ども承知しております。いずれにしましても、今度こういう永住要件の緩和であるとか、あるいは特例永住とか、いろんなそういうあれがとられるわけでございますけれども、窓口における応接につきましては、できるだけ親切にするように指導したいと思います。現に、私ども、いろんな研修の機会であるとか、あるいは全国の地方入管局の関係者の会合とか、そういう機会をとらえて、そういう教育は加えているわけでございます。
#30
○寺田熊雄君 次に、いわゆる法律百二十六号二条六項該当者であったんだけれども、刑罰法令に触れたために、この該当者であるという資格を失って、これはいままでの入管令五十条によるんでしょうね、特別在留資格というものを与えた者がおります。こういう人々は、今回の改正で永住資格を取得できるわけでしょうね、すっと。
#31
○政府委員(大鷹弘君) 結論から先に申し上げますと、できます。一二六−二−六の該当者につきましては、特例永住を受ける唯一の条件は、引き続きわが国に在留しているということだけでございます。この在留というのは、適法に在留、住んでいるという意味でございますが、いまの刑罰法令違反者の場合には、退去強制手続がとられましたけれども、法務大臣の特別在留許可がおりているわけで、したがって、引き続き適法に在留しているということになるわけでございます。したがって、そういう方も特例永住の対象になるわけでございます。
#32
○寺田熊雄君 いま最後に局長がおっしゃったのは、そういう場合でも永住許可ができるということですね。
#33
○政府委員(大鷹弘君) 特例永住の対象になると申し上げたわけでございます。
#34
○寺田熊雄君 ただ、戦後に入国したという事実がわかって特別在留になった者、これを、ちょうど日韓地位協定に基づく永住申請があったときに、その前年の六月の二十二日に法務大臣声明によって、そういう人々も一般永住権を取得できたという歴史的な事実がありますね。それにならって、今度もやはり永住許可を与えてほしいんだがどうだろうかという訴えがありますが、この点はどうなんでしょう。
#35
○政府委員(大鷹弘君) そういう方々につきましては、ただいま寺田先生御指摘のとおり、四十年の六月二十二日に法務大臣の声明が出されまして、特別在留許可が与えられることになっております。したがって、そういう人たちにつきましては、多くの場合、すでに永住資格を取っていらっしゃると私ども見ておるわけでございます。
#36
○寺田熊雄君 そうすると、たまたま落ちておったという方はどうなるのですか。
#37
○政府委員(大鷹弘君) そういう人につきましては、先ほど申し上げました特例永住の対象にはなりませんけれども、その人が日本人とか、永住許可者の配偶者であるとか、あるいはその子供であるという場合には、今度の改正によりまして、素行善良、独立生計維持能力の要件を満たさなくても、永住許可が与えられる道が開かれたわけでございます。
#38
○寺田熊雄君 次に、今度の改正で、日本人の出帰国、外国人の出入国の際に旅券に証印を押しておったことが、今度は「確認」という表現に変わりましたね。これはどういう理由によるんでしょうか。
#39
○政府委員(大鷹弘君) 外国人の出国に際しましては、やはり旅券にいま証印を押すのが原則でございますけれども、外国人によってはいわゆる特例上陸許可書をもらって日本に入国している人がおります。こういう人たちは、出国するに際しましてその許可書を回収するというかっこうで出国を確かめるという、そういう措置をとっております。したがいまして、「出国の証印」というのは少しいま狭いので、いま申し上げたようなケースもカバーできるように、「出国の確認」ということに言葉を変えたわけでございます。
 なお、非常に長い、長期の展望に立って申し上げれば、いずれ、この出入国行政の合理化ということで電算機を活用するという時代が来ますと、たとえば出国の確認も電算機が字を読み取るという時代が来るかもしれません。そういうときにはもちろん証印ではなくて確認ということになるので、そういうことも念頭に置きまして「出国の確認」という言葉に直したわけでございます。
#40
○寺田熊雄君 再入国の許可の制度は、今度は相当の理由のあるときは一年を限度にして期間延長を認めることができるということに改正されておりますが、これは非常に厳格な解釈によりますと、規定が一年というから一年だということで厳格に解釈をいたしますと、たとえば病気のときに例をとりますと、これは再入国できなくなってしまいますね。それから、病気が続いた場合再入国できなくなる、あるいはその国の内乱その他の事情で飛行機が飛ばないと、やはり一年以内に帰れない、そうすると再入国できないというようなこともこれは当然予想せられますからして、延長を余儀なくせしめるような事情が終了したときというふうな表現に変えることができないのだろうかと考えますが、この点はどうでしょうか。
#41
○説明員(山本達雄君) 御指摘の点は、再入国許可制度の基本に触れる問題でございます。わが国に在留する外国人は一度出国いたしますと、わが国における在留は消えてしまうわけでございます。それで、わが国に入りたいという場合には、改めてビザを取りまして正規の入国の手続を経なければならない。しかし、そういうことでありますと、わが国に長期間在留している外国人が外国に旅行しづらくなるわけでございます。そこで、そういうちょっと一時外国に旅行するという方に対しましては、再入国の許可を受けていただく。そういたしますならば、外国に出ましても在留という面では引き続きわが国におるのと同じようにみなされまして、したがいまして、帰ってまいります前もビザを取り直さなくともそのまま帰ってこれる。帰ってくれば従前の在留資格、在留期間が引き続き続くと、こういう制度でございます。
 そういうことでございますので、しからば再入国の期間あるいは期間延長の期間、これをどの程度にするかといいますならば、結局、その人がわが国に引き続き在留しておるとみなされるおのずからの時間的な制約があるわけでございます。で、その期間はしからばどれぐらいかと申しますと、それは一年だ、また延長も一年だと、こういうふうに考えておるわけでございます。それ以上長くなりますと、一体その人がわが国におるのかいないのか、在留しているのかいないのか、在留の実体がなくなるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 ちなみに、アメリカの例をとりましても、やはり当初の再入国の許可期間は一年、また延長できる期間も一年ということになっております。
#42
○寺田熊雄君 すると、実際の運用はどうなりますか。もう一遍ビザを取って入ってくると。再入国許可書を持っているから自由に入れるんですか。それはもう期間が過ぎちゃったら入れなくなって、もう一遍ビザを取ってと言うけれども、そのビザを取る場合には、パスポートみたいなものは持ってないですわね、その人は。どうしてもう一遍ビザを取って入ってこれますか。入ってきた場合に、どういう資格で入って、それからまたもう一遍永住許可を取り直すのか、その辺ちょっと説明してくれませんか。
#43
○説明員(山本達雄君) まず、その人は外国に旅行されるわけですから、旅券を持っておられるはずでございます。旅券がなければ外国に旅行できません。また無国籍者、その他何らかの理由で旅券を取得し得ないやむを得ない事情がある人に対しましては、旅券と同じスタイルの再入国許可書というものを発給いたします。これも旅券にかわるものとして通用するというように考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、そういう意味におきまして、その人はまず旅券を持っておる。したがいまして、御指摘の旅券を持ってないのじゃないかという点の御心配はないのではないかと考えます。それから次に、御指摘のとおりビザを取っていただくわけでございます。ビザを取っていただきまして、入国が許可になりますと、その段階でまた新たに在留資格、在留期間が与えられるということになるわけでございます。その人はもと日本で永住許可を受けていたといたしましても、改めて入国する場合には、即座に永住が再び与えられるかどうかはわかりません。恐らく、先ほどからよく出ております四−一−一六−三という在留資格が与えられるはずでございます。
 しかしながら、その人はもと日本で永住許可を受けていた人である、それから再入国許可を受けて出国した、一年以内に帰ってくるつもりでおったということもこれはわかるわけでございます。しかるに一年以内に帰ってこれなかったのが、大病したとか何かまことにやむを得ない理由で、二年三年と延びたのだということもこれはわかるわけでございます。そういう事情がわかります以上は、もと永住許可を受けていたということは十分考慮されまして、やがて近い将来、資格変更の手続によりまして永住が許可されることになるわけでございます。
#44
○寺田熊雄君 大体いまの御説明でわかりましたけれども、そうすると、一年の期間で再入国許可書を持って出国をする、しかし、やむを得ない事情で一年延びたと、それもその国の事情なり、あるいは本人の健康状態で一年以内に帰れなかったという場合でも、その再入国許可書の有効性には変更はないと、こういうふうに伺っていいわけですね。
#45
○説明員(山本達雄君) いえ、それは再入国許可は失効しておるわけでございます。期間が徒過しておりますので、効力がなくなっておる。したがいまして、新たにビザを取り直していただかなければいけないということでございます。ただし、もとわが国でどういう資格で在留していたか、あるいはどうしてその再入国期間内に帰ってこれなかったかということは、これは十分わかるわけでございますから、そういう事情は十分に本人の有利にしんしゃくされるわけでございます。
#46
○寺田熊雄君 そうすると、失効した再入国許可書を基準とせずに、ただ外国にある日本の領事館に行ってビザを申請すればいいと、こういうことになりますね。
#47
○説明員(山本達雄君) そういうことでございます。
#48
○寺田熊雄君 最後に、法務大臣にお尋ねをするわけですが、先ほど外国人を夫に持つ日本人女性の問題でいろいろ悩みがあるという、その人々の訴えを申し上げて、法務大臣もよくわかったので十分しんしゃくするという趣旨のお答えをいただいたんですけれども、入管局長は大臣の御方針に従ってということで、一に大臣の指示ということを基準にするわけですね。これは当然のことですが、私は最後に、やはりこういう規定の運用に当たっては、男女差別、これが現実にあってはならない。
 したがって、先ほど申し上げたように、日本人の男性に伴って来たフランス人の妻は即座に永住許可が与えられたというような事実がある以上は、やはり外国人男性を夫に持つ日本人女性の場合、この外国人男性に永住許可を与える場合についても、一年から三年という期間を余り厳格に運用すべきではないので、もう少し弾力的に男女の差別がないようにそれを至上命令としてお考えをいただくということにしていただきたいんです。この点を最後にお伺いします。
#49
○国務大臣(奥野誠亮君) 国会でいろいろ御意見を伺っておりますので、法案が成立した暁に、もう一遍出入国管理行政を見直したらいいのじゃないだろうかなと、こう思っております。そういう際には、当然両性の本質的平等、それにそぐわないような運営があったかどうか、できるだけ検討をして、そういうそしりを受けないような運びにしたいと、こう思っております。
#50
○寺田熊雄君 終わります。
#51
○委員長(鈴木一弘君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 出入国管理令の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#52
○委員長(鈴木一弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#54
○委員長(鈴木一弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日、参考人として住宅金融公庫理事福永徳一君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#56
○委員長(鈴木一弘君) 難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る二日の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#57
○寺田熊雄君 最初に、外務省の方々にお尋ねをしたいんですが、まず難民の受け入れ状況、現在の生活状況などについて御説明をしていただきたいと思います。
#58
○説明員(今川幸雄君) インドシナ難民のわが国への定住受け入れ状況等でございますが、わが国は、人道上の配慮及び国際責任分担の一環といたしまして、累次の閣議了解に基づきまして、難民のわが国における定住の枠を設定していただいておりますが、本年四月の閣議了解に基づき現在は三千人の定住枠を設けまして、インドシナ難民の定住受け入れに努力しております。
 その結果、現在までにすでに定住いたしました者は、インドシナ三国の元留学生等で政変により本国へ帰れなくなってしまった実質的な難民の方七百四十二名を含めまして、合計一千四百三十一人となっております。これらわが国に定住を希望するインドシナ難民に対しましては、神奈川県の大和市と兵庫県の姫路市に定住促進センターが設けられておりまして、ここにおきまして三ヵ月ないし六ヵ月の期間日本語教育、職業紹介等を行いまして、また必要に応じて職業訓練を行うなど、きめの細かい施策を講じておる次第でございます。
#59
○寺田熊雄君 大体の人数であるとか、それからあなた方の施策であるとかいうのはいまの御説明でわかりましたが、現実の彼らのいまの生活状況、これは大変困っているという報道もあるわけで、本当にそんなに困っておるとすると、これはわれわれとしても放置できないわけでしょう。こういう点、どうなんでしょうか。
#60
○説明員(今川幸雄君) 先ほど申しました一千四百三十一名の定住難民でございますが、これらの人は幸い現在のところ就職をしておりまして、ただ一件、はなはだ例外的なケースでございますが、生活保護をいただいているケースがあると聞いておりますが、これはわずか一件、一家族でございまして、その他の人は全員就職いたしております。
 特に、定住促進センターに来ましてそれで就職していく者でございますが、たとえば現在、五月二十一日現在でございますが、二百五十三名が就職あっせん中でございます。これらの者は、現在までのところ全員就職いたしております。四月末日現在の有効求人は二千二百六十名となっておりまして、これら定住促進センターでは本人の希望とか能力等を勘案いたしまして、できるだけ本人に適した職種への職業相談を行いまして、そのためには事業所の見学であるとか事業主との話し合いなどを行っているわけでございまして、その結果、就職しました難民でございますが、多い方から申しますと、機械工、電気組み立て工、工場、病院等の雑役あるいは事務、あるいは溶接工、縫製工等の順になっております。
 これらの人々の基準内賃金でございますが、男子の場合は十二万円から十八万五千円、女子の場合は八万三千円から十万二千円までと聞いております。これらの賃金は、経験年数を除外して日本人の従業員との格差はなく、大体中小企業のところが多いのでございますが、むしろ優遇されているということも聞いておりまして、最低の生活は十分確保されていると思っております。
#61
○寺田熊雄君 いまのあなたの御説明のようですと大変結構なことなんだけれども、過去においてわが国は難民の処遇について大変厳しい国際的な批判を受けてきましたね。これは多少前のことだけれども、政府刊行物で紹介されている外国の新聞の中に、難民を受け入れたがらない日本、これはジュート・ドイツチェという南ドイツの新聞のようですけれども、金銭の支払い――金銭というのはつまり難民に関する援助費ですね、援助費についてもしかり、それから難民の一部を受け入れるテント、受け入れを頑強に拒んでいるというような批判がありました。いまのあなたの御説明ですと、それと正反対の御説明なんですが、その間の事情をちょっと説明してください。
#62
○説明員(今川幸雄君) 約三年前でございますが、昭和五十三年のころはインドシナ難民が急激に流出してまいりまして、国際的にこの難民救済、あるいは難民の引き取りということが問題になったわけでございますが、その当時、確かに先生御指摘のような批判が外国においてもあったということは承知しております。しかし、その後わが国といたしましては、国際社会の一員といたしまして、特にアジアの一国としてインドシナ難民の救済のために果たすべき責任を自覚いたしまして、五十四年及び五十五年努力してきたわけでございまして、このインドシナ難民の救済という分野におきましてわが国の貢献は、今日では国際機関及び関係諸国の間で非常に高く評価されているものと信じております。
 特に、救済援助の面でございますが、資金協力と申しますか、昭和五十四年度では総計約九千万ドル。このうち六千五百万ドルは国連難民高等弁務官事務所、つまりUNHCRへの拠出金でございますが、こういう巨額な貢献をいたしました。また、昭和五十五年度は総計約一億ドル、このうち約六千万ドルはUNHCRへの拠出でございますが、このような大幅な援助を行いまして、この国連難民高等弁務官事務所――UNHCRのインドシナ難民救済計画に対する拠出の貢献というものはわが国は世界一となっております。
 また、難民の定住受け入れについてでございますが、先ほども申しましたとおり、現在三千名の定住枠を設けているわけでございます。もとより、国土が狭く人口の多いわが国といたしましては、アメリカとか豪州とか、あるいはカナダというような国と同じように引き受けることはできませんが、三千人の目標というものはヨーロッパの国並みと考えておりまして、そのためのいま努力をしているわけでございます。
 先ほども申しました定住促進センターにおきましては、質素ではございますけれども、実のある受け入れ策を講じまして、日本語教育とか生活指導とか、あるいは職業訓練等、日本人の特質とも言えるかと思いますが、手をとり足をとりというくらい親切にやっておりまして、実は先日来日いたしましたUNHCRの二番目の人でございますが、デ・ハーンという副高等弁務官は、日本の受け入れ体制は世界一であると、こういう折り紙をつけて評価をしてくれたこともあるわけでございます。
 それから、一時滞在の面でもわが国は、無条件で日本に運ばれてくる、救助されて連れてこられるインドシナのボートピープル、ベトナムから出てきた海路難民でございますが、この上陸を認めているわけでございまして、この点も、あるいは先ほど先生御指摘のありました出時はいろいろ制約があったかと思うのでございますが、現在は無条件で認めております。
 こういう政府の施策のみならず民間の御協力でございますが、特にボランティア活動は、かつては日本人はどこにいるのだというようなことが海外の新聞等にいろいろ言われたわけでございますが、現在では、たとえばタイのインドシナ難民キャンプには常時百二十名から百五十名の難局救援のボランティアがおりまして、誠心誠意難母のための奉仕活動をやっておりますので、ボランティアの面でも、その数及び質と申しますか、そのやっていることが非常に国際的に高く評価されるようになったと思っております。
 もとより、こういうことで慢心してはならないということは関係者皆自戒しているところでございまして、今後とも十分努力をして、わが国のインドシナ難民及びその他の難民対策において批判が生じないよう努力していきたいと思っております。
#63
○寺田熊雄君 過去においては外国の非難をこうむっても仕方がないけれども、いまはその非を改めて、この問題に関しては世界一の貢献をしていると、こう言うので、もうお尋ねすることはなくなってしまった。
 最後に、外務省のこの道のエキスパートの方にお尋ねしたいのは、難民条約と人権規約ですね。これはA規約、B規約あるけれども、この両条約の人権にかかわる問題についての共通性、それからまた特異性というか、両者の差異というか、これについてちょっと御説明をいただければ、いまわれわれが審議しようとしている法律と国際的な条約とのかかわりというものがよくわかるからして、これをちょっと説明していただきたい。
#64
○政府委員(関栄次君) 御答弁申し上げます。
 難民条約及び議定書、ただいま御審議いただいているわけでございますが、それと国際人権規約は、いずれも社会権、すなわち教育を受ける権利であるとか労働の権利、それから労働者の団結権等そういう社会権、それから自由権でございますが、思想の自由であるとか表現の自由、それから人身の自由等のいわゆる自由権を認めると、これらの社会権、自由権を規定しているということにおきましては、この難民条約及び議定書と国際人権規約の間には差はないわけでございます。ただ、対象あるいは国内的にどういう措置をとるか、それが即時性を持つか、あるいは漸進性を持つかというような点その他につきまして、若干の相違があるわけでございまして、その点をちょっと説明さしていただきたいと思います。
 まず、対象となる点でございますが、難民条約におきましては、難民条約の第一条の定義に合致する、法務大臣のいわゆる難民としての認定を受けた者が受けるべき諸種の権利あるいは義務というものが規定されているわけでございまして、この難民条約及び議定書は、あくまでも法務大臣の難民としての認定を受けた者を対象としているわけでございまして、他方、人権規約の方は、国民であるか、あるいは外国人であるかを問わず、すべての人間に対しまして社会権とか自由権を与えているわけでございます。
 それから、特に国内的な施策の面から申しますと、難民条約と人権規約との関連でございますが、難民条約の場合につきましては、社会保障その他の面につきまして国内立法を整備いたしまして、それを難民条約に規定しておりますいろいろな政府として負うべき義務等を直ちに、即時に実施しなければならないというふうに規定されておりまして、難民条約及び議定書の方は即時性を持っているわけでございますが、人権規約につきましては、この人権規約の中の、いわゆる社会権を主として規定しております通称A規約と申しますか、こちらの方は漸進性を持っておりまして、即時に実施しなくてもいい、ただし徐々に実施の度合いを高めていくということでございまして、漸進性がうたわれているわけでございますが、他方、自由権を規定しておりますB規約の方では即時性になっているわけでございます。
 それから、次に難民条約でございますが、難民条約は、難民の特殊性、すなわち迫害を逃れまして、あるいは生命の危険あるいはその他のいろいろな困難ゆえに本国を離れて他国へ出国して、他国の保護を、所在国の保護を十分に受けられていない、そういう者、そういう難民の置かれた特殊な境遇にかんがみまして、旅行証明書の発給であるとか、恐らくパスポートももう無効になっているか、あるいは所持していないということが多かろうかと思いますので、受け入れ国政府はこの旅行証明書を発給するというようなこととか、あるいは迫害が待ち受けているような国には送還してはならないというノンルフルマンの原則など、国際人権規約に定められてないところの新しい規定が難民条約、議定書には設けられておるわけでございます。
 それから、この規定の仕方でございますが、難民条約は人権規約と異なりまして、それぞれの権利ごとに内国民待遇、すなわち自国民と全く同等の待遇を与えるべき諸種の権利、それから最恵国待遇等、それぞれの待遇に応じまして規定の仕方が違ってきているわけでございまして、人権規約の方はそれほど詳細には規定されておりません。
 それから、わが国の場合につきまして特に申し上げますと、人権規約の場合、特にB規約の場合に若干の留保を付したわけでございますが、難民条約の場合には無留保ということで関係官庁と御協議申し上げまして、御賛同を得まして、無留保で加入することが実現できることになっているわけでございます。その点も、わが国につきましては一つの相違点かと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、この難民条約の加入によりまして、人権規約に規定しておられます、人権規約の中でも特にA規約に規定されている社会的ないろいろな権利の面につきまして、従来外国人に保障されていなかったいろいろな権利が、国民年金、その他の社会保障が特に際立って大きいわけでございますが、こういうものにつきまして、内外人平等の見地から大幅な前進が見られると、そういうことになろうかと思うわけでございます。
#65
○寺田熊雄君 いろいろな国際会議の場合にレフュジー、難民と訳されていますね。それと同時に、ディスプレイスト・パーソンという言葉が出てきますね。これは流民と訳していますか、あなた方は。
#66
○政府委員(関栄次君) ただいま先生御指摘のとおり、一般的にはディスプレイスト・パーソンというのは流民というふうに訳されております。ただ、難民高等弁務官府において使われております言葉のディスプレイスト・パーソンという意味の内容は、難民とほぼ同じような境遇にある者である、難民条約、あるいは議定書の定義に必ずしも完全に合致はしないけれども、ほぼ同様な境遇にある者というふうに難民高等弁務官府では解釈しているわけでございます。
 ただし、最近日本のジャーナリズム等におきましては、流民という言葉につきまして、一種特別の意味を与えているように私どもは了解いたしております。
#67
○寺田熊雄君 あなた方は、流民といいますか、難民には直接該当はしないけれども似たようなもの、ディスプレイスト・パーソンというこれについては、難民条約はこれに適用されないわね。だけれども、人権規約の精神なんというものは、やはりこのディスプレイスト・パーソンにも当然適用があるんでしょうね。
#68
○政府委員(関栄次君) 難民条約の第一条には難民の定義がはっきり規定されておりまして、その定義に合致しない者は、いわゆる条約上の難民ではないわけでございます。
 したがいまして、流民といいましても、その場その場によりましていろいろ言葉の使い方が違いますし、意味内容も違ってまいりますので、その流民と言われる人たちがすべて条約上のいわゆる難民としての資格を持つかどうかということは、これはいろいろ個々のケースにつきまして具体的に審査しないとわからないのじゃなかろうかと思います。
 その点につきましては、法務大臣のいわゆる難民認定の権限に基づきまして、一つの手続が定められているわけでございまして、その手続によって難民として認定されれば、流民の方でもいわゆる難民としての資格が与えられるということじゃなかろうかと思います。
#69
○寺田熊雄君 あなたのおっしゃることはわかるので、私もディスプレイスト・パーソンをレフュジーと一緒に扱えないということもわかるし、難民条約がそういう人々にストレートに適用できないということもわかるけれども、そのディスプレイスト・パーソン――流民と言われている人々が日本におるという、それに対しては人権規約は国内外の人種や何か問わないんでしょう。人権規約は、その流民にもストレートに適用があるんでしょう。それをお尋ねしている。
#70
○政府委員(関栄次君) 日本国内におります流民の問題につきましては、これは法務御当局の方から御答弁いただいた方がよろしいかと思いますが、その流民の方の中にも、不法に国法を侵して不法滞在しておる者、あるいはそうでない方というふうに、いわゆる日本にいるという態様がいろいろ異なってきているのじゃなかろうかと思います。
 先生おっしゃるとおりに、確かに人権規約はすべての人間を対象としているわけでございますけれども、そういうふうな不法滞在している者につきましては、やはり日本国法に照らしまして、人権規約に規定されております一つの権利というもの、幾つかの権利がそのために抑制されるという事態も発生するということは、十分考えられると思うわけでございます。
#71
○寺田熊雄君 この点で法務大臣にちょっとお尋ねしたいのは、法務大臣が、私も徹底的に調べたわけではないんですが、時間の余裕がないので新聞報道で見た程度なんですが、衆議院の法務委員会で昨年の十一月五日に、これは民社の岡田正勝議員の質問に答えて、戦後三十五年日本は見違えるように栄えてきた。それなりの役割りを果たさなければならない。国際社会の一員として尊敬されるよう十分検討していきたいという御答弁をなさったという報道があるわけですね。
 そして、流民を助けようというヒューマニズムの精神から、そういう運動に携わっておる人々は、もちろんその中には弁護士もおるわけですが、非常にその法務大臣のいまの御答弁を高く評価して新聞も大きく報道しているわけなんですが、ただ、現実は、いま審議官が言ったように、一応違法に在留しておるということで厳しい処遇があるようですが、法務大臣はそういう御答弁をなさったのかどうか。その御答弁はどういう趣旨でおっしゃって、それは流民に対してはもうちょっとやはり温かい処遇というものをお考えになっておられるのかどうか、そういう点、ちょっと御答弁願いたいと思います。
#72
○国務大臣(奥野誠亮君) インドシナ三国からのボートピープルに対しまする処遇についても、私は日本は必ずしも適当でなかったと考えます。そういう意味において、当時私、国会の場におきましても外務大臣に強く是正を求めたことがございました。そして受け入れ、さらに定住を認める措置をとるべきだと、こんなことも申し上げたことがございました。幸いにして、だんだんそういう方向になりまして、定住枠を設けられるという事態にも発展してきたわけでございます。
 同時に、流民の問題を伺っていますと、インドシナ三国を逃れて第三国に行った場合でも、そこの旅券を得て日本に入ってきている方、期間が過ぎて不法滞在になっている方々が相当おられるわけでございます。第三国の旅券というものを非常に重く見ている、それはそれでよろしいのですけれども、しかし、実態がインドシナ三国から逃れてきたとほとんど変わりがない方々もたくさんいらっしゃる。そうなってくると、第三国の旅券に重きを置くのじゃなくて、インドシナ三国の難民と同じような状態の方だという点に重きを置いて処遇を考えるべきじゃないかというような気持ちをずっと持ち続けてきておるわけでございます。
 事務当局の方でも、そういうような考え方で、先刻来流民に対する方針についてもこういたしますということを御答弁申し上げてきているわけでございまして、そういうような経過をたどってまいってきております。
#73
○寺田熊雄君 そうすると、入管局長もいまの大臣のお答えになられました趣旨を踏まえて、いわゆる流民につきましてもその実体も把握して、本当にこれはインドシナ難民と実体は同じだ、準ずべきものだという――私はよく心証という言葉を使うんだけれども、あなた方が認定なさったら難民と同じように扱ってしかるべきだと思うんですけれども、そういう御処置をおとりになることができますか。
#74
○政府委員(大鷹弘君) ただいま大臣から御説明申し上げた新しい考え方、新しい方針に基づいて、私ども一つの方針と申しますか、そういうものを策定したわけでございます。
 その中身をここでちょっと御紹介させていただきますと、まず第一に、インドシナ三国の旧旅券で本邦に入国し、そのまま不法残留となっている者については、帰る国がないという事情を考慮して在留特別許可する。
 それから二といたしまして、台湾、タイ等の第三国旅券を所持していても、それが他人名義の旅券を不正入手するなどしたものである場合には、これと同様に扱うものとする。
 三、台湾旅券等を正規に取得して本邦に入国している者については、ケース・バイ・ケースで検討、対処をするが、たとえば次のような事情にある者は、特段の忌避事由がない限り在留特別許可を考慮する。一、日本人または正規在留外国人と親族関係にある者。二、両親、兄弟等が現に第三国の難民キャンプに収容されているなどのために、本邦から出国しても適当な行き先がない者。三、その他特に在留を許可する必要があると認められる者。
 これを、先般衆議院の法務委員会の席上明らかにしたわけでございます。
#75
○寺田熊雄君 それでは、外務省の方々は結構です。御苦労さまでした。
 厚生省の方はいらっしゃいますね。――
 難民条約への加入に伴って外国人――まあこの場合は難民ですね、難民に対して年金その他の社会保険制度を適用する、その問題について、社保審なり年金審が答申をしておる中に、いずれも、複雑な事務処理が予測せられるので配慮が必要であると、こういう答申をしておりますね。これはどのような複雑な事務処理が予測せられるのか。あなた方はそれに対してどのように配慮をしようとしておられるのか、この点、ちょっと説明していただきたい。
#76
○政府委員(新津博典君) お答えを申し上げます。
 ただいま御質問がございました国民年金審議会あるいは社会保障制度審議会で御議論がございました、事務的に非常に複雑な問題があるので十分注意してやるようにということでございますが、審議の過程での基本的な問題といたしましては、国民年金制度は大変複雑な制度でございますので、新しく外国人に適用いたしまして国民年金に御加入いただきます前に、制度の中身をよくわかっていただいた上で御加入いただくように、そのためには言葉の障害等もあるので、PRその他十分に注意するようにというのが基本的な問題でございます。
 それ以外に若干細部にわたっていろいろ御議論があり、細かい御注意もあったわけでございますが、一、二の例を申し上げますと、私ども事務処理としては、外国人登録原票をもとにいたすわけでございますけれども、外国人の場合、中には外国人登録自体は御本名でされておりますが、日常の生活は通称でされておる。したがって、郵便物等の送付に当たっては、そういう通称という方も考慮して、いわば氏名等は二重に管理をしなければならない場合もあるだろうというような問題、あるいは外国人登録自体が個人単位になっておりますけれども、国民年金制度の上では、たとえば保険料の納付していただく義務の問題でございますとか、あるいは将来の給付にかかわる問題でございますとか、いずれにいたしましても世帯単位で事務処理をする必要のあるものもございますので、その辺、細かい点ではございますけれども、非常に重要な点なので、十分留意をして処理するように等々の御注意がございまして、私どもそれを受けまして、現在、法が施行されました後の事務処理の体制について、十分な対応ができるように検討中でございます。
#77
○寺田熊雄君 確かに、言葉の点は一つの大きなやはり難点でしょうね。
 それから、日本人と違って、何か夫婦が同一の姓を名のらないというようなこと。したがって、夫婦関係の確認なども困難だというようなことも聞いたんですが、どうなんでしょう。それで、いわゆる保険料などというようなものの徴収、これは現実には各自治体、市町村に任されておるのでしょうが、市町村の事務が非常にふえるというようなことも予想せられるでしょう。こういう点はどうでしょう。
#78
○政府委員(新津博典君) 先ほど来御説明いたしましたように、基本的には、新しく法律が通りまして制度の中身等を、言葉の問題を含めて、いかに広報を徹底的に行うかということで、この点につきましては、私ども社会保険庁を中心にいたしまして、国の方で極力一般広報あるいは個人にお渡しするパンフレット、リーフレットのたぐい等を含めまして、外国語のものも含めまして用意をしたいと思っておりますが、先生御指摘のように、国民年金につきましては被保険者の資格の得喪でございますとか、保険料の徴収業務でございますとか、こういうものは市町村にお願いをしておりますので、その点は法施行以後はいわば日本人と同様市町村にお願いをすることになりますので、その点については市町村の事務がふえるわけでございますが、これにつきましては日本人の場合と同様、必要な経費については市町村の交付金で見ていくということで対処してまいりたいと思っております。
#79
○寺田熊雄君 これは部長か、あるいは局長か企画課長か、どちらでも結構なんですが、難民と一般の外国人との間に、こういう社会保険制度を適用するに当たっての相違点というのがありますか。あったら説明してください。
#80
○説明員(長尾立子君) 御説明を申し上げます。
 今回の法律改正で御審議をいただいております社会保障の関連の部分におきましては、難民の方と一般の外国人の方と区別をいたしておりません。すべて同様の扱いをするということにいたしてございます。
#81
○寺田熊雄君 法的にはどうですか。たとえば難民は、先ほどこれは国連局の審議官だったか、難民条約によって即時日本人と同待遇を行うように義務づけられているということの説明がありました。その他の外国人についても差異がないということになりますと、義務づけられているような感じも受けますが、そうでないような点もありますね。その点どうなんでしょう。
#82
○説明員(長尾立子君) 御説明を申し上げます。
 先ほど外務省の審議官から御説明がございましたように、難民条約におきましては社会保障の分野におきまして内国民待遇、内外人平等ということを即時に実現するということが義務づけられておるわけでございますが、この規定を実現いたしますために、社会保障の関連分野をどのように対処するかということを検討いたしたわけでございますが、御審議いただいております国民年金法等の一般法におきまして、難民の方と外国人の方と法律上の処遇につきまして差をつけるということはできないという判断をいたしたわけでございまして、すべて外国人の方につきまして同様な処遇を即時に実現するという形で法律改正をお願いいたしておるわけでございます。
#83
○寺田熊雄君 国民年金はよくわかりました。そのほかどうですか。たとえば健康保険がありますね、国民健康保険。そのほか児童手当もあるし、その他の社会保障制度についてはどうでしょう。
#84
○政府委員(大和田潔君) 国民健康保険につきまして御説明いたします。
 国民健康保険につきましては、外国人に対する適用という問題につきましては、これは厚生省令に委任されております。厚生省令では、今回難民条約が批准されますれば厚生省令を改正いたしまして、難民につきましては国保を適用するということにいたします。
 ただ、そのほかの一般の外国人につきましては、現在、各市町村の条例によって適用するということになっております。したがいまして、これは各市町村の自主性を尊重しながらその適用を拡大させていくというような方針でもって私ども積極的な行政指導をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#85
○寺田熊雄君 現実にはどうなんでしょう。そういうふうなあなた方の御指導によって、そういう制度をもうすでに実施しておるところと実施してないところと、どの程度になっておりますか。
#86
○政府委員(大和田潔君) 外国人の多く居住いたします主として大都市につきましては、もうほとんどこれは条例でもって適用しております。全体的に見ますと、市町村の数で申しますと、外国人が居住しておる市町村に対して、ただいま申しましたように条例で外国人の適用を規定しております市町村は約七五%、四分の三でございます。
 それから、国民健康保険を適用しておる人数でございますが、人数から言いますと、約六〇%が国民健康保険の適用を受けておる。ただ、御承知のように、いわゆる被用者保険、健康保険であるとか政府管掌健康保険あるいは組合管掌、いわゆる被用者保険はもうすでに外国人の有無にかかわらず適用しておりますので、残りの四割につきまして、どの程度外国人の適用を被用者保険でやっておるかということは把握しておりませんのでございますが、日本人の適用状況から考えますと、もうかなり被用者保険で適用されているのではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、残りの方々はそれほど多くはないと思うわけでございますが、なおこの自主性に任しております関係上、条例の積極的な適用につきましてはやはり私どもは前向きに指導していきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
#87
○政府委員(金田一郎君) 最初に、先生お尋ねの社会福祉関係の手当でございますが、児童手当、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当につきましては、国民年金の場合と同様、外国人につきましては日本人の場合と全く同じ取り扱いにいたしております。
 それから次に、生活保護でございますが、生活保護の場合におきましては、昭和二十五年以来、外国人につきましても行政措置によりまして日本人と全く同様の取り扱いをいたしております。そういうことで、今回は特に法律改正はしなかったわけでございます。
#88
○寺田熊雄君 それでは、厚生省の方々は御苦労さまでございました。以上で終わりました。
 住宅金融公庫の理事の方おられますね。――
 いまだんだんお話を聞いていらっしゃると思いますが、難民についてはこれは一般の外国人と差異を設けてはいけない、一般の外国人に対しましては人権規約によってやはりできるだけ内国人と同様の福祉政策を実施しなきゃいけない。こういうことになりますと、住宅金融公庫の貸付金というのも外国人に門戸を当然開くべきだということになりますね。これは実際どうなっておりますか、ちょっと御説明いただきたい。
#89
○参考人(福永徳一君) 住宅金融公庫では、外国人に対する融資を五十五年の四月、五十五年度の最初の融資から実施をいたしております。その融資対象となります外国人の範囲につきましては、まず第一に、出入国管理令第四条六項または二十二条二項の規定により永住することを許可されている方。それから二番目に、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法第一条二項の規定により永住することを許可されている方。それから最後に、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律第二条六項の規定によりわが国に在留されている方及びその子供の方方に対して融資をいたしております。現在の実施状況はそういうことでございます。
#90
○寺田熊雄君 いまあなたから御説明のありました件は、これはやはり国家的な指導に基づくものですか。もしそうだとすると、その指導がいつ、どのようになされたか、大体のことでよろしいですが、説明してください。
#91
○参考人(福永徳一君) 大蔵省及び建設省の住宅金融公庫総裁に対する通牒に基づきまして、実施をいたしております。その通牒は、五十五年の二月八日に発せられたものでございます。
#92
○寺田熊雄君 この実際の運用状況に対する、貸付金がどの程度外国人になされておるかというようなのを、また一覧表にして当委員会に提出してください。よろしいか。
#93
○参考人(福永徳一君) 承知いたしました。
#94
○寺田熊雄君 それから、言うまでもないことだけれども、難民につきましても、いま当然一般の外国人と同じように扱うということにならざるを得ませんから、その点も運用において遺憾のないようにお願いしますが、よろしいか。
#95
○参考人(福永徳一君) 難民条約の発効後におきまして、難民の方が永住されるということで永住許可の資格を取得されれば、公庫としては融資する考えでおります。
#96
○寺田熊雄君 それでは、あなたはもう結構です。御苦労さまでした。
 大蔵省の方いらっしゃいますか。――
 いまお聞きになっておられたでしょうが、住宅金融公庫は外国人に門戸を開きまして、これはあなた方の御指導もあっておるらしいが、現実に相当な貸し付けをしておるということをわれわれも聞いておりますが、外国人からの訴えによりますと、市中銀行などの銀行ローンは外国人に対して門戸を閉ざしておるというような訴えがあります。そこで、あなた方の御指導はどうなっているのか、また、現実はどうなのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
#97
○政府委員(吉田正輝君) 民間金融機関、各種のものがございますが、住宅ローンを実施しております。その住宅ローンの融資に当たりましては、国籍のいかんを問わず、住宅ローンとして審査しておりまして、返済能力等のローン条件に合致する限り融資の取り扱いに応じておりまして、難民条約とか、あるいは国際人権規約に抵触しているような事実はないというふうに考えております。
#98
○寺田熊雄君 それでありますと非常に結構なことなのですが、実際に外国人にどの程度の銀行ローンが利用されておるか、つまりその対象人員でありますとか、あるいは貸し付けの金額の総額でありますとか、こういうようなことはあなた方におわかりになりますか。おわかりになりましたら、大体でよろしいけれども。
#99
○政府委員(吉田正輝君) 住宅ローン全体の統計はございますけれども、申しわけございませんが、そういう外国人別のようなデータはございませんのです。
#100
○寺田熊雄君 そうですか。それじゃ結構です。どうもありがとう。
 いま御提案になっております難民条約への加入に伴う関係法律の整備法、これを見ますと、難民の認定を現在の入国審査官の所管とする、入国審査官は調査官に調査をせしめて、そしてその調査に基づいて認定を行う、こういうことになっておるようですね。これについては、あなた方としましては外国の実例、外国の法制ですか、そういうものも御検討になったんだと思いますが、高等弁務官の代理者であるとか、あるいは第三者機関にタッチさせるとか、あるいは法曹資格をもってする者にゆだねるとか、あるいは参画させるとか、そういうような制度があるようですが、それらはお調べになりましたか。
#101
○政府委員(大鷹弘君) 一応、難民認定手続について、各国でやっております制度については調査をいたしました。
#102
○寺田熊雄君 それで、日本の場合のように、入国審査官という担当者に任せるというような国もほかにございますか。
#103
○政府委員(大鷹弘君) わが国の場合、難民の認定は法務大臣がおやりになることになっておりますが、こういう政府の行政官庁が認定に当たるというのは国際的に見ても通例のようでございます。先ほど先生がちょっとお触れになりました委員会とか外の方の参画とかいうことでございますけれども、こういうことをやっておりますのはたった一ヵ国でございまして、むしろ非常に例外でございます。それから、国連の難民高等弁務官事務所――UNHCR、こういう人たちに参加させるということをやっておりますのは、これまたたった一ヵ国でございまして、非常にこれも例外でございます。
 したがいまして、もう一度申し上げますと、わが国の場合は法務大臣がおやりになるわけですけれども、これと同じようにほかの国、ほとんどの国もそれぞれ行政庁、行政官庁がこれをやるということになっているわけでございます。
#104
○寺田熊雄君 そうすると、日本のいま採用せんとしている制度は諸外国の例にならったもので、決してわが国特異のものではないと、こういうことになるわけですね。
 それはわかるけれども、法務大臣の権限だということは、これはよろしいわね、これはしかるべきものだと思います。ただ、実際はやっぱりあれでしょう、難民調査官なり入国審査官の認定が事実上問題を左右するということになるでしょう。これは間違いないでしょう。
#105
○政府委員(大鷹弘君) 法務大臣の難民認定は、この難民認定を申請した人が出しましたいろんな資料、こういうものをもとにして行われるわけでございますけれども、ただ、この難民の人たちは十分そういう資料を出さない、出せない場合が多いだろうと思います。そこで、ただいまお話のありました難民調査官が非常に大事な役割りを持ってくるようなわけでございます。つまり、難民調査官といたしましては、常日ごろ広い国際的な視野を持って、そうして先ほど先生からもお触れになりましたように、いろんな国の法制であるとか国際法であるとか、あるいは国際政治の現状だとか、あるいは難民問題がいまどういうことになっているかとか、そういうことについて日ごろからよく知識を蓄えておきまして、そうして難民の認定手続における調査を行うわけでございます。
 で、難民の方が十分に資料を出せないというときには、こういう難民調査官の人たちが、さらに難民に立証の機会を与えるためにその裏づけをするような調査を行います。その調査は、たとえば申請した人の知人であるとか友人であるとか、あるいは親戚の人を呼んでそういう人から詳しく話を聞くということもいたしましょうし、それから国連の難民高等弁務官事務所――UNHCRの人たちからいろいろ現地についての情報を聞くとか意見を聞くとか、そういうこともやるわけでございます。さらに、場合によっては外務省に依頼しまして、在外公館を通じていろんな現地の情勢についての情報を入手すると、こういうこともするわけでございます。
 いずれにいたしましても、この難民調査官というのは非常に大事な仕事をするわけでございまして、先ほど申し上げましたように、日ごろからよくいろいろと勉強しなくちゃいけませんし、そういうことだけじゃなくて、先生さっき御指摘のように、語学も大変大事でございます。したがって、私どもといたしましては、なるべく早い時期にこういう難民調査官を養成する。入管局の中でも優秀な人をそれに充てますけれども、さらにその人にいろんな研修の機会とか、そういうものを与えて、語学についてもできればこれをいろいろと知識を養ってもらう。語学につきましては、そうすぐにはこれはだれも外国の言葉を覚えることはできない場合がございますので、外部の通訳を使うということも考えておりますけれども、そういうことで、十分この新しい改正法案が実施に移されましたときに遺漏のないようにしたいと考えているわけでございます。
#106
○寺田熊雄君 入管局長のそういう配慮なり誠意というか、そういうものを私は決して疑がってはおりませんけれども、現実の、いまの審査官から調査官を任命することになると思うんですけれども、これはいま公務員の中でどの程度の地位にあるでしょうね。それから、どの程度のいま現実に教養を持っておるんでしょうか。それをちょっと説明してください。
#107
○政府委員(大鷹弘君) 現在私どもが考えておりますのは、難民調査官に充てる人たちはいわゆる四等級を中心としたグレードの人を考えております。その中でもすぐれた方を選ぶわけでございますけれども、またこれからもいろんな研修とか、そういう機会を与えて、こういう人たちが難民認定の実務につかれたときに困らないようにしたいと、こう考えております。
#108
○寺田熊雄君 四等級というのは、あなた方のたとえば法務省を例にとった場合に、どの程度の地位の人ですか。
#109
○政府委員(大鷹弘君) 法務省の入管局の課長補佐、あるいは地方入管局の課長クラスでございます。
#110
○寺田熊雄君 その地方の入管局の課長について、私はかなり好ましからざる人物がおるということを実見をしたわけです。それで、いままでにも次長や参事官に御注意を申し上げてきたわけですけれども、これは過去において非常な権限というか、外国人に対して権限を行使してきたものだから、その権限に心がおごってしまって、とかく乱用するという傾向があるように見受けておるわけです。私はこう言う以上は、明確な証拠を持っておるので、出してくださいと言えばいつでも出すんだけれども、それだけに一層、難民というような困窮して、ことに言葉もわからないという人人に対して扱うという場合に、いまのように高圧的に心がおごった状態で本当にできるだろうかという懸念があるわけですね。
 心を細やかにして、愛情を持ってその事務を遂行するということを期待するためには、これはよほどあなた方が人を選んでくださる、そして、いま局長のおっしゃった研修をしてくださる、そういうふうにやっていただかないと、私どもとしては一抹の不安があるわけです。私どもがどうも第三者機関を入れた方がいいんじゃないかとか、あるいは法曹資格を持っている人に参画さした方がいいんじゃないかということを考えるのも、そういう私どもの体験から考えることなんです。ですから、あなた方はもう部下を全面的に御信頼になって大丈夫だと思っていらっしゃるかもしれませんけれども、下の方からやっぱり見た場合にはよくわかるわけですね。下の方から見た方がよくわかる。そこで、十分その点をひとつ御注意くださる必要があると思いますよ。
 で、なるべく、やっぱり私はそういう大切な仕事をする人の地位を高める。たとえば調査官といいますと最高裁判所の調査官であるとか、家庭裁判所の調査官であるとか、私ども調査官というものと日常当たっておるけれども、いずれも地位も高いし、かつ役所の気風というものが本当にいろんな雑念というものを排除して良心的に仕事を行うという役所の気風があるからすっといくけれども、職権を乱用しがちな空気の中で醸成された人というものは、よほどあなた方が心を細やかにして人を選ぶ、研修をするということをやっていただかないといけないと思うんです。これは大臣にお願いしますが、どうでしょう。
#111
○国務大臣(奥野誠亮君) この間も、別な意味で寺田さんから御注意をいただきました。私自身も出入国管理行政は外国に対する日本の顔といったような役割りをする面も多いわけでございますから、正しく、かつ温かくこれを運営していくということは非常に大事だと思いますので、これからも厳しく見直して、決意を新たにしてこれらの行政に当たっていかなければならない、こう考えているところでございます。
#112
○委員長(鈴木一弘君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
   ――――・――――
   午後一時七分開会
#113
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案を議題とし質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#114
○寺田熊雄君 改正法案の第十八条の二ですか、これは一時庇護のための上陸の許可についてであります。この第三項に、入国審査官が「上陸期間、住居及び行動範囲の制限その他必要と認める条件を付」するという規定がありますね。この「上陸期間」については、どの程度のことをお考えなんでしょうか、ちょっとお伺いします。
#115
○政府委員(大鷹弘君) 再八十日間ぐらいのことを考えております。
#116
○寺田熊雄君 そうすると、百八十日間でその難民は、これはボートピープルですかね、日本で定住するか、あるいは第三国に赴くか、またその手続をするというようなことをしなきゃならぬことになりますが、もしその間にそれができなかった場合は、さらにその期間の更新を認めるわけですか。
#117
○政府委員(大鷹弘君) その場合には、この百八十日というのは上陸の条件の一つでございますけれども、この百八十日間という条件を変更するということ、つまり、またもう百八十日これを更新すると同じような効果がありますけれども、そういう手続をとることになろうかと思います。
#118
○寺田熊雄君 この場合、「指紋を押なつさせる」というのは、これは裁量事項のようですが、どういう場合に指紋を押捺させますか。また、何のためですか。
#119
○説明員(山本達雄君) この対象になるような人たちは、身分証明書、旅行証明書、そのような身分を証明する文書を持っておりません。そういたしますと、個人を識別する、特定する方法としてはほかに方法がございませんので、指紋を押捺していただくというように考えておるわけでございます。
#120
○寺田熊雄君 そうすると、もちろん写真は撮ることになりますね。写真は撮らないのですか。
#121
○説明員(山本達雄君) この規定の上では、写真という言葉が出てきておりません。指紋を押捺させるときに写真を撮るかということでございますと、写真を撮ることは考えておりません。
#122
○寺田熊雄君 科学的な考え方から言いますと指紋の方がいいのかもしれぬけれども、写真もまたその一つの方法のように思いますけれども、それはあなた方のなさることだから余り細かいことをわれわれが言ってもしようがないので、その程度にします。
 それから第六十一条の二の四、これは法務大臣が難民の認定をしない場合あるいは認定を取り消す場合、異議の申し出をすることができるという規定ですね。この場合は、訴願の道は閉ざしておるようですね、行政不服審査法による不服申し立てをすることができないと。
 そこで、異議を却下せられた場合、あるいは異議を申し立てずにダイレクトに訴訟を申し立てることができるかどうか、その点いかがでしょう。
#123
○政府委員(大鷹弘君) 難民認定しなかった場合とか難民認定を取り消した場合、これはすべて法務大臣の行政処分でございますので、こういう行政処分の取り消しを求める訴訟は行うことができます。
#124
○寺田熊雄君 その場合、認定をしない処分を取り消した場合に、つまり、いついつAならAに対して難民と認定しないという処分を取り消すという判決があった場合、それは即難民と認定するという法律効果を持つものか、それともやはりもう一遍その判決の趣旨を踏まえて法務大臣が難民と認定しなければならないということになるのか。恐らく後者だとは思うけれども、いかがでしょう。
#125
○説明員(山本達雄君) お説のとおり、後者でございます。認定をしなかった処分を取り消すという判決の効力といたしましては、その法務大臣の処分が取り消されただけのことでございまして、さらに認定をするための法務大臣の処分は必要になってくるわけでございます。
#126
○寺田熊雄君 恐らくそれは、判決の拘束力といいますか、直接法務大臣に難民と認定せよと命じたわけではないけれども、判決の趣旨からすれば、当然に認定をしなきゃならぬと思います。そうでないと、もう一遍取り消されて、いつまでも無限に続くことになる。だから、それはまあそうでしょうが、その間、難民の身柄はどうなりましょうか。
#127
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定の申請をするのは日本におります外国人でございますが、その手続が終わらない間は、その人は依然わが国に在留しているわけでございます。したがいまして、難民の認定手続中は、引き続きそういう人たちは日本に在留しているというふうに考えております。
#128
○寺田熊雄君 在留してなければ困るけれども、それはいまの上陸期間とか、あるいは在留期間とかいう規定から言いますと、どういう許可処分によって裁判の終わるまで、あるいは裁判が長引くことが予想されるでしょう。そうすると、その間日本におるようにあなた方が御配慮になると、こういうことでしょうか。
#129
○政府委員(大鷹弘君) 大体、現在非常に人数が多いインドシナ半島からの難民、こういう人たちに焦点を当てて考えてみますと、そういう人たちで難民認定の申請をするのは、大体三つのグループの方々があると思うのです。
 一つは、ただいま先生がおっしゃいましたいわゆるボートピープル、それからもう一つは定住難民、それから三つ目が、インドシナ三国の旧旅券を持ったまま日本に居残った留学生のような人たち、こういうわけでございます。
 そこで、このボートピープルにつきましては、上陸を許す、一時庇護上陸を許すに際しまして百八十日の期間を条件として付しますけれども、もっとそれよりも長くいなくちゃいけない場合、たとえばそのうちの一部の人が難民認定申請をします。しかも、その手続が大分時間がかかりそうだというような場合には、私どもといたしましては人道的見地からその条件を変更する。したがって、百八十日さらにつけ加えますし、必要なら、さらにまた変更するという措置をとることになろうと思います。それから、いわゆるインドシナからの定住のために日本に来ている人たちでございますが、こういう人は当初一年間の、いわゆる入管令四−一−一六−三で一年間の在留資格を持って入ってきております。そして、その後は多くの場合、一六−三の在留期間三年に更新されている場合が多いわけでございます。したがいまして、こういう方々にとっては、在留期間は難民認定申請の手続が相当時間がかかっても余り問題は起きないというふうに考えます。
 それから、旧旅券を持って来たかつての留学生のような人たちですね、こういう方々はすでに皆いわゆる四−一−一六−三の三年、多くの人は三年、全部じゃございませんけれども、そういう在留期間を持っているわけでございます。したがいまして、そういう人たちも日本にいてさらにその期間を更新したい場合には、できるだけそれを実現するように配慮しておりますので、こういう人につきましても在留期間については問題がない。
 したがいまして、たとえ難民認定が行われなくて、それに対する異議申し立て、あるいは訴訟というようなことで時間がかかりましても、在留期間についてはそのいずれについても問題は生じないはずだと考えているわけでございます。
#130
○寺田熊雄君 難民旅行証明書の制度が新しく設けられております。これはたしか前回、これと在日朝鮮人などが発給を受ける再入国許可書ですか、これとは、たしか効力は全く同じだというお答えをいただいたと思いますが、念のためにもう一度お伺いをしますが、そのように理解していいわけですね。
#131
○政府委員(大鷹弘君) 難民の旅行証明書と、それから旅券を持てないためにその人たちの再入国許可を与えるに当たって発行しています再入国許可書、これは両方とも海外におきまして旅券として通用するはずでございまして、その意味では効果は全く同じはずでございます。事実、私どもはこの難民旅行証明書もそれから再入国許可書も、冊子型の旅券のような型をしたものにすることをいま考えております。
 なお、この難民旅行証明書は、数次入国が可能なものでございますが、再入国許可証につきましても数次再入国許可ですか、そういうものを設けましたので、いずれにしましても全くその点では同じことになるわけでございます。
#132
○寺田熊雄君 いまの局長のお話でよくわかったんですが、私どものところへ心配して聞きにくる者は、再入国許可書というのはぺらぺらの一枚の紙で、あんなものでいいんでしょうかということで大変心配しておったんですが、いまの局長のお答えで、いやそうじゃない、旅券と同じように冊子にしてきちっとして見ばえもいいものにするということでありますので、それは大変結構であります。
 なお、六十一条の二の八、「難民に関する法務大臣の裁決の特例」、この中に、「異議の申出が理由がないと認める場合でも、その者の在留を特別に許可することができる。」、これは法務大臣の方が人道的な見地からそういう行政処分をするというんですから、大変制度としては結構だと思いますが、この立法の趣旨をわかりやすくひとつ御説明を願いたいと思います。
#133
○政府委員(大鷹弘君) 難民につきましては、難民条約で国の安全とか公の秩序を害するような場合でない限り、国外に追放しちゃいかぬということになっておるわけでございます。これを受けまして、私ども今度の改正案におきまして、難民につきましては二十四条四号イに該当しない限り退去強制にはしないということになっております。
 ところで、退去強制になった者につきましても、私どもは実はこの点は難民条約よりもさらに一歩、一層の配慮をしているわけでございますけれども、法務大臣の裁量によりまして、特別在留許可が出る道を開くということで、難民に対して手厚い処遇をしているわけでございます。それがこの六十一条の二の八のことでございまして、これは五十条にございます法務大臣の在留特別許可、あれと同じ考え方でございます。
#134
○寺田熊雄君 一応これで終わります。
#135
○藤原房雄君 過日もいろいろ基本的なことをお聞きしたわけでありますが、きょうも同僚委員からいろいろお話ございました。このたびのこの法律は、出入国管理及び難民認定法、こういうことで装いも新たにということで、装いといいますか、今度大きくこういうことで提出になっているわけであります。
 最初に、過日も、出入国管理というのは非常に大事な国の玄関を守る仕事でありますので十分な配慮がなければいかぬ、こういうことをいろいろ申し上げたわけであります。また、大臣からもそのような意味のお話がございましたが、五十五年版の「出入国管理の回顧と展望」、この中にもはっきり「出入国管理行政は、外国人の人権に深いかかわりを有する業務であるので、個々の事案の処理においても外国人の人権の尊重を念頭におき、いやしくも国際人権規約違反という非難を受けることのないように制度を運用していかなければならないことは」論をまちませんというような意味のことが書かれております。これは当然のことでありますし、このお気持ちは大臣もいささかも劣るものではないだろうと思うのでありますけれども、最初に、この出入国管理のお仕事というものの重要性といいますか、大臣の所信をひとつお伺いしてみたいと思います。
#136
○国務大臣(奥野誠亮君) お話にありましたように、日本国に対する外国人の感情がこういう機会を通じて端的に把握されていくわけでございますので、非常に重要な責任を持たなければならない行政だと考えておるわけでございます。二法案が成立いたしました暁に、もう一度関係者過去を振り返って、将来に向かう方法を十分協議して過ちなきを期していきたいと、かように決意している次第でございます。
#137
○藤原房雄君 私どもも耳にすることは、これはもう大ぜいの方を取り扱うわけでありますから、いろんな立場の方々、多様化の中での、また諸外国からいらっしゃるわけでありますし、人数も多いということでいろんなことがあろうかと思いますけれども、非常に大事な重要なお仕事をしていらっしゃる。それだけに、対応等につきましては、いま大臣のお話にもございましたように、その取り扱う職員の方々にはいささかもそういう疑惑といいますか、疑問の持たれることのないよう、日本のイメージというものが、入ったとき、お帰りになるとき、そのときに強い第一印象、また帰るとき最後の印象、こういうことが非常に大事なことだろうと思います。そういうことで、職員の方々に対してもということで同僚委員からもお話がございましたが、私もその点ひとついろいろ御検討いただき、いささかもこの本旨にもとることのないようにお願いを申し上げておきたいと思うのであります。
 このたびのこの法案につきましては、難民の認定の手続とか、また難民旅行証明書の交付、こういうことを定めておることと、もう一つは、社会保障の面で国民年金法とか児童扶養手当法とか、こういう国籍の要件を撤廃しようという、この二つに大別できるんだろうと思います。午前中にもお話ございましたが、年金のことについてはこの前私もちょっと大臣にもお伺いいたしましたが、これは本当は連合審査ということか何かで、厚生大臣からきちっとした御答弁があってしかるべきなのかもしれませんが、年金には当然この三十五歳からということになりますとかかれない方々が出てくるわけで、これは国内的にもいろいろ問題になっている経過措置ということで処理をいたしましたが、いまここで国籍要件を撤廃するということで、新しく入られる方々、こういう方々についてもやっぱり同じことが言えるわけであります。
 これは大臣からも閣僚の一人ということでお話しいただきましたけれども、厚生省の方からこれはいままで公の席上でこの問題についてはいろいろ御答弁いただいていると思うんですけれども、この場でまたきちっとお聞きしておきたいと思いますが。
#138
○説明員(長尾立子君) 今回の国民年金の改正につきましての特例措置といいますか、そういうものを設けてはどうかという御趣旨の御質問かと思います。
 今回の国民年金法の改正は、難民条約への加入に伴いまして、同条約が定めております内国民待遇というものを実現するということのために行うことを趣旨としておるわけでございます。今回の国民年金では、難民の方にとどまりませず、一般法でございますので、外国人の方を国民年金に加入していただくという形の改正をいたしておるわけでございますが、外国人の方を考えてみますと、今回、法律改正時にすでに日本に在住しておられる外国人の方もございますが、今後、来年入国されてその後永住される方、その次の年に永住される方というような形で、外国人の方は毎年日本に入国されてくると、こういうことがあるわけでございます。
 したがいまして、先生の御指摘は、現実に日本に在住しておる外国人の方を対象に何らかの特例措置を設けるべきではないかという御趣旨かと思いますけれども、こういった方々にとどまりませず、すべての外国人の方につきまして、たとえば先生御指摘のような資格期間を短縮するというような形をとりませんと、現実には外国人の方相互の間で問題が起こるということになるかと思うのでございます。
 そういたしますと、いわば国民年金は原則といたしまして拠出期間二十五年という期間を要請いたしておりますが、この期間につきまして外国人の方に限りまして特例を設けるということになるわけでございますが、こういった形のものは、私どもといたしましてはこの改正の中で行うことはできないというふうに考えておるわけでございます。
#139
○藤原房雄君 いま課長さんから御説明ありましたが、厚生省としての公式の見解といいますか、そういうことでお話しなんだろうと思います。これはいろんな経緯もありますから、その辺のことについては私もよくわかるわけであります。これはいつの時点から始めるとかなんとかということになりますと非常にむずかしいことだろうと思いますけれども、一つは大きな検討しなければならない課題であることだろうとは思うんです。これはどういう形に、いつどこでだれがどうするかということになりますとむずかしい問題があろうかと思いますが、問題意識としては当然一つ挙げられる課題であるというふうに思うんですけれども、この点については厚生省としてどうお考えでしょうか。
#140
○説明員(長尾立子君) 御指摘の問題でございますが、外国人の方だけを優遇するわけにはいかないということを申し上げたわけでございますが、現在でも日本人の場合でも、外国に長くおられましてある程度の年齢になられましてから帰国されました方につきましては、国民年金だけで資格期間を満たすということはできないということになっておるわけでございます。そのほか、途中で帰化をされた日本人の方につきましても、現行制度では年金に結びつかないということになっておるわけでございます。
 国民年金が、長い人生の中で二十五年の拠出期間をとっておりますことのある意味で一つの問題だと思うのでございますが、これはいわば外国人の方の問題と申し上げますよりも、日本人も含めまして、いわば今後の高齢化社会の中で無年金という問題をどう取り扱っていくかという問題になろうかと思うわけでございまして、公的年金制度全般の問題として検討さしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
#141
○藤原房雄君 それから、年金は将来の高齢化社会、また、自分の老後ということになるわけでありますが、さしあたって身近な問題として私どもがいろいろお話を聞きますことは、健康を害したときの国民健康保険ですね。これは午前中も質疑がございましたが、やっぱり身近なこととして非常に重要なことだろうと思います。
 これは午前中の御答弁で、各地方自治体でそれぞれがやっていらっしゃる、それに対しまして厚生省としても特例といいますか、できるだけこういう措置のとられるようにしていきたいという意味のお話があったんですが、この国民健康保険は非常に日本の国にいらっしゃる方にとりましては身近な大事なこととして、年金は年老いた先のことでありますけれども、健康ということでありますから、これは先ほど各地方自治体の条例で定められておるということでありますけれども、現在まだ取り扱っていない地方自治体というのは、財政的なこととかいろいろな理由があるんだろうと思いますけれども、どうして取り扱っていないのか、どの点をバックアップといいますか、指導すればそういうものが可能になるのか、具体的に推進するということの裏づけとしてどんなことがいま考えられているのか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。
#142
○政府委員(大和田潔君) 午前中もお答えいたしましたように、国民健康保険が適用されていない実態、こういう点がございます。逆に言いますと、適用されておる実態といいますのは、国保の適用を受けておる外国人の居住する市町村数というもの、外国人登録をした外国人の居住する市町村数に対しまして、つまり条例でもって適用を受けておるそういうような市町村というのはどれぐらいあるかということでございますが、大体四分の三、七五%は条例でもってカバーをしておるわけであります。外国人登録を受けております外国人に対しまして、それじゃ国保はどれぐらい適用されておるのかといいますと、これが大体六割程度というふうになっておるわけでございます。
 だったら残りの四割はどうなのか、全く医療保険の適用がないのかという問題でございますが、この実態の問題でございますけれども、この残りの四割については実態調査はしておりませんが、午前中も申しましたように、実は健康保険で被用者保険については、もう日本人だろうと外国人だろうとこれは無差別で差別なく適用しておるわけでございますが、こういった四割の中で相当程度は被用者保険の、いわゆる健康保険の適用が行われているのじゃないかというふうに見られるわけでございます。この適用されております市町村、特に市でございますが、外国人の方が大ぜいおられますところの大都市については、ほとんどもう適用が行われておるといったような実態があるわけでございます。
 したがって、恐らく国保の未適用という場合、非常に少ないのではないかと思うのですが、しかし、これはないわけじゃないので、これにつきましては条例でもって外国人の適用をするように進めていかにゃならぬ。しかし、これにつきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように市町村が国民健康保険の実施主体でございまして、これはいわゆる団体委任事務ということになっておるわけでございます。
 市町村につきましては、国民健康保険の財政的にも非常に神経質になっておることは御承知のとおりでございます。市町村におきましては、国民健康保険の現金給付の給付につきましても条例で決めるといったようなことで自主性に任しておるわけでございますが、そういったようなことでございますけれども、やはりこれを進めていかにゃならぬ、条例による適用を進めていかにゃならぬということで、私ども具体的には最近におきましては全国の国保主管課長会議、これを招集いたしましたときに、極力積極的に条例を制定するようにという指示を出しておるわけでございます。また、近く私どもはこの適用拡大の通達を出すことによりまして、市町村に働きかけを進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#143
○藤原房雄君 被用者保険というのは働き盛りの方がお入りになっているわけですから、比較的健康が保持されておる方が多いのではないかと思います。国民健康保険に入られる方ですね、こういう方々、いまお話もありましたように、不幸にして自分の登録したところの町村で加入ができないところもあるというお話でありますが、そういう実態等について私どもいろいろお話を聞いておりますのでお伺いをしたわけですけれども、そういうことで、これまた健康という上から非常に大事なことでもございますし、財政ということもいろいろあってこういう状況になっておるというお話でありますが、私どもその点はよくわかりますが、今度こういう法改正に伴いまして、一歩も二歩も進めるような方向でひとつ厚生省も取り組んでいただきたい、このように要望を申し上げる次第でございます。厚生省、結構でございます。
 全般の方の問題に入るわけでありますが、条約に加盟いたしましたことに伴いまして、このたびこういう法改正といいますか、総括的にまず最初にお聞きしたいんでありますが、いままでも難民問題につきましては閣議了解ということで何度かいろいろ検討されてきましたですね。しかもまた、ベトナム難民を対象といたしまして、ベトナム難民対策連絡会議、事務局を置いたり、こういうことで五十二年からですか、いろんな施策が試みられてきているわけであります。これは、法律は法律としまして、政府としましても政治的にこの問題に取り組もうということで今日まで来たと思うわけであります。
 今度の法律改正になりまして、いままで政府がやっておりましたことからどのぐらい前進するといいますか、実際、この難民の方々にとりまして、今度の法律の改正によって、こういうこととこういうことばこうなるんだということが具体的に言えるのかどうか。いままでやっておりましたこと等の追認というか、また、何点かについては前進的なものもありますし、それはまた各条項ごとにお聞きしたいと思うんでありますけれども、おしなべてこのたびの法律改正というものは、いままで政府がとってまいりましたいろんな施策、これよりも大きく前進したものである、難民条約に加入したということを受けて、この制度というものは、このたびの法改正というのは大きくいろんな問題について前進をするという、こういうふうに言えるかどうか。これは個々の条文については結構です。概略的なお話で結構ですけれども、どうでしょう。
#144
○政府委員(大鷹弘君) 今度の改正案におきましては、大きく申し上げて二つの柱が難民関係につきましては打ち立てられているわけでございます。一つは、一時庇護制度を今度設けたということでございます。それからもう一つは、難民認定手続等、その効果に関する一連の規定が盛り込まれたということでございます。
 一時庇護上陸の制度は、この中身については詳しい御説明は避けますけれども、いわゆるインドシナ半島からのボートピープル、こういう人たちに適用される制度でございます。現在までこういう人たちは、すでに日本にたくさんの方が来ています。これからも来るだろうと思いますが、入国手続に関する限り、今度の一時庇護制度によって、これがすっきりしたものになるということが言えるだろうと思います。と申しますのは、現在までいわゆるボートピープルは、もちろん入国は認められているのではございますけれども上陸に際しましてパスポートもなければ査証もないということで、技術的には上陸拒否の手続がとられるわけでございます。それに対しまして、ボートピープルは異議を申し立てる。法務大臣がそれに対して特別の上陸許可を出すということになっておるのでございますが、今度は一時庇護制度が導入されましたので、入国審査官が現場で、一時庇護制度に沿ったものであるというときには、上陸を直ちに許可できるようにしたわけでございます。これが第一点でございます。
 その次に、難民の認定制度とそれに関連するいろんな規定を今度盛り込みましたけれども、その結果どういう差が入管令上出てくるだろうかということについて御説明申し上げます。
 まず、難民の認定を受けますと、その人は難民旅行証明雷というものを発給してもらって海外に旅行することができるようになります。これは期間が一年でございまして、そして、どうしてもやむを得ない事情があるときには海外でさらに延長の手続がとれて、さらに六ヵ月延長できるわけでございます。数次出入国ができるという、こういうものでございます。これが第一。
 それから第二に、永住要件でございます。難民条約でも、難民に対しましてはできるだけ適用するような措置をとってあげるようにということは規定されておりますが、今度の入管令改正法案では、難民に対しまして、いわゆる二十二条の一般永住要件を緩和しております。もちろん、法務大臣がある特定の人の永住がわが国の利益に合致しているということを判断されることが前提でございますけれども、その前提に立って、さらに二つ、現在具体的な要件がございます。素行善良、それから独立生計維持能力。そのうちの後者、独立生計維持能力という要件は難民については適用しないということになりました。この結果、難民というのは大体着のみ着のままで着くような人たちでございますから、なかなか生計維持能力、これを厳しく言うとむずかしいケースもあろうかと思いますが、そういう者が救われるということ、さらに難民の子供のような人たち、こういう人たちはもともと独立生計維持能力はないのでございますけれども、この要件が取り払われることによって永住が簡易になるという面がございます。これが第二の点でございます。
 それから第三は、退去強制事由に関するものでございます。難民につきましては、一般外国人と同じように、二十四条四号以下のもろもろの各号が退去強制事山として適用されますけれども、これに該当する人でも法務大臣が特に裁量する場合には、特別に在留許可が出されることになりました。いわゆる法務大臣の裁決の特例でございます。これは五十条にございます、永住者であるとか、あるいはその他特別な事情がある場合とかございますけれども、その五十条に見合う規定でございます。こういう点につきまして、難民認定を受けた人は入管令上厚い処遇を受けるということになるわけでございます。
#145
○藤原房雄君 法文で明確になった、明文化されたということは確かに一つは言えるだろうと思います。それは何点かについては前進の面もあると思いますが、いままで政府が取り組んできた難民対策問題、それを追認するような問題も、複雑ないろんな問題がありますので、あろうかと思います。いまお話を聞きましても、また午前中からの質問を見ましても、難民の認定ということは非常に大事なことになりますね。難民の認定というのは、何といってもこれは認定を受けなければ、いまいろいろお話あったようなことについても認められないということになるわけでありますから、非常に基本的なことになるんだろうということになります。
 そこで、いわゆるインドシナ難民というこういう方々は、難民条約による難民というふうに言えるのかどうか。特に定住難民と言われる方々につきましても、これはいろんな見解がありまして、インドシナの問題については議論されていることは私どもよく承知しているわけでありますが、日本の国に現在おりますインドシナ難民、定住なさっている方々についても、全部難民という認定が受けられるかどうか、また諸外国につきましてはこのインドシナ難民についてはどういう処置をとっているのか、こういう日本の、これからこの法律が施行になりまして、それに伴って認定ということが始まるわけでしょうけれども、そこで考えられていることと、それから諸外国の現状、こういうものと対比してちょっと御説明いただきたいと思いますが、どうでしょう。
#146
○政府委員(大鷹弘君) インドシナからの難民が、入管令上の難民として認定されるだろうかというお尋ねでございます。
 この新しい改正案におきます難民認定は、その申請者が難民条約の難民の定義に当てはまるかどうかということになるわけでございます。と申しますのは、私どもの難民の定義は、難民条約の定義をそのまま使うということになっているからでございます。で、インドシナから来ている人たちにつきましては、いろいろな説がございます。たとえば、こういう人たちは政治的な迫害を逃れてきたというよりは、むしろ経済的なよりよい生活を求めてきたのであるとか、そういういろんなことが言われております。それじゃ、経済的な利益だけを求めて出てきたという場合に、いわゆる条約上の難民として認定できるかというと、そういう人たちは迫害の対象になっておりませんので、したがって難民ではないということになるかもしれません。しかし、これはあくまでも抽象論、一般論でございまして、そういうことで片づけるのは必ずしも公正ではないと思うのであります。
 したがいまして、そういう方につきましては、それぞれ個人個人いろんな事情がおありになろうと思いますので、難民認定の申請がありましたら、それを調査する段階であらゆる必要な、利用できる、入手できる資料を集めまして、その上で認定するということになります。したがって、そういう手続が終わるまでは、その個々の方が果たして難民であろうかどうかということについては何とも言えないと言わざるを得ません。
 それから、各国でございますけれども、各国の制度はそれぞれまちまちでございまして、なかなかまとめては申し上げにくいのでございますけれども、しかし、はっきりしていることは、ほとんどすべての国が難民の定義についてはわが国と同様、難民条約の定義に依拠しているということでございます。
#147
○藤原房雄君 そうしますと、諸外国の認定基準と大差はないといいますか、そう大幅な相違のないそういうことで認定されるだろうという意味だろうと思いますが、いま定住インドシナ難民は何人かいらっしゃいますけれども、これらの方々、これはいろんなケースの方々がいらっしゃるわけですけれども、いま局長さんのお話からいたしましても、それは事情をよく参酌してということですが、一人一人これは個人差がありますから、個人差といいますか、状況がありますので、してみなければ結果としてはわからないのかもしれませんけれども、大体定住インドシナ難民というのは難民という認定を受けるであろうということは、これはそのように考えてよろしいでしょうか。
#148
○政府委員(大鷹弘君) 定住難民の場合につきましても、やはり難民認定の申請が行われました後で、その人々それぞれの事情をよくよく調べてみないと何とも言えないというわけでございます。つまり、そういう方について一般論で申し上げるということは非常にむずかしい、個人個人それぞれの事情がございまして、ちょっと見たところ難民でないと見える方も難民であるという事実がわかってくるかもしれませんし、その逆のような場合もあろうかと考えておるわけでございます。
#149
○藤原房雄君 これは、定住インドシナ難民につきましては、それなりの調査をさしたんでしょうから、そういう調査をもとにして、やみくもに一般論でということじゃないですけれども、いらっしゃる方々については、大体そういういままでの調査の結果から見まして大枠的には難民の認定を受けるだろうという、こういうことぐらいは大体言えるのではなかろうかと私は思うんですよ。実際それはしてみなきゃわからぬ、それは当然のことだと思いますけれどもね。ここで、もしいま定住インドシナ難民ということで処遇を受けている方々が申請をいたしまして、認定がもし受けられないということになりますと、この法律ができたために何かえらいことになってしまう、えらいことといいますか、差ができてしまうことになるわけですね、いままでなかった者がそういう形で処遇されておったわけですから。
 実態はどういうふうになるか、これはやってみないとわからないことかもしれませんが、現在定住インドシナ難民という形で受け入れている方々につきましては、それはそれなりの配慮といいますか、大きな差のできないような心遣いというものは必要なんだろうと思いますけれども、これはやる前の話でありまして、現実どういう形になるかということはわかりませんけれども、もしそういうことで認定を受けられない方々がおりましても、十分な配慮をし処遇等については考えていただく、こういうことで心を配っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#150
○政府委員(大鷹弘君) 定住難民の方々で難民の認定を受けられなかった人々、こういう人につきましては、もちろん難民認定とそれから滞在を認めるかどうかということは別個のことでございますので、難民認定を受けたからといって必ず常に滞在を認めるということでもなければ、難民認定を受けなかったからといって滞在を認めないというわけでもございません。しかし、この難民に対する人道的な見地から、もちろん難民認定を受けた方は滞在、在留ができるようにするつもりでございますし、また、難民認定を受けられなかった方々につきましても引き続き在留を認めるという考え方でございます。
 ところで、そういう場合、難民認定を受けた人と大きな処遇の差が出るかというと、私どもは必ずしもそうは考えておりません。たとえば、認定を受けた方は難民旅行証明書というものを発給されて海外旅行ができますけれども、難民認定を受けなかったそういう方々につきましても、再入国許可書を発給して海外旅行ができるような道が開かれております。それからその他につきましても、定住促進でございますから、そういう方々は永住を希望される場合が多いと思いますが、一般永住を申請する道が二十二条で開かれておるわけでございます。
#151
○藤原房雄君 それから、いま流民という言葉で言われておるわけでありますが、この方々も含めて難民の認定を受けなければならぬわけでありますし、当然いま流民ということで言われておる方方の中にも、難民の認定を受ける方も出てくるわけですね。これは個々のケースがいろいろありますから、どのぐらいの比率でどういう人かというわけにいかないかもしれませんけれども、当然難民の認定を受ける方も、流民と言われているこういう方々の中にも当然いらっしゃるんだという、含まれるという、このように考えてよろしいですか。
#152
○政府委員(大鷹弘君) 流民という言葉には非常にたくさんの意味がございましてむずかしいんでございますけれども、大きく言って二つあると思います。
 一つは、戦乱とか政変とかを逃れて脱出してきた人々というような広い意味でございます。その意味では、たとえばインドシナ半島からいま来ておりますボートピープルなんかは、この流民、英語で言いますとディスプレイスト・パーソンでございますが、こういうものに当たるのではないかと考えております。こういう広い意味の流民、ディスプレイスト・パーソンの中には難民と認定される人もあるでしょうし、難民と認定されない人もいるかもしれません。これは先ほどからたびたび申し上げているとおり、難民認定の手続で手続を通じてわかることでございます。
 その次に、流民の中にはもっと狭い意味の使い方があるようでございます。日本で最近マスコミなんかで言われております流民というのは、インドシナ三国にかって生活歴を持っていたけれども、そこを脱出して第三国に行って、そして第三国の旅券を入手してそういう国々の保護のもとに入った方々を指しているようでございます。こういう方々は、実は難民条約の第一条のCで幾つか難民でなくなる要件というものを挙げておりますが、その一つに当たりますそこのCの(3)に、第三国の国籍を手に入れたときにはもはや難民ではなくなるという規定がございます。したがいまして、そういうケースにつきましては、難民と認定される余地はないものと考えております。
 ところで、そういう流民でございますね。流民は現在日本にどのくらいいるかと申しますと、最近のいろんな数字、推測でございますけれども、いろんなところから割り出したところでは百二十名ぐらいおります。こういう人たちは、大体第三国の旅券を入手している人たちです。したがって、難民認定の対象にはならない人たち、しかし、先ほど大臣からも別の機会にお話しありましたとおり、インドシナ半島の戦乱を逃れてきたという意味ではボートピープルと近い境遇もあるわけでございまして、そこで、そういう方々につきましてはケース・バイ・ケースに検討をして、法務大臣の特別在留許可の対象にしたいと考えております。その場合に、特別在留許可の対象になるということは、難民の認定を受けるということではございません。
#153
○藤原房雄君 過日の委員会でもお話ございましたし、また、衆議院でもお話にあったようでありますが、流民の話が出ましたのでお尋ねをするわけでありますが、流民の人たちに対しましても、正規のパスポートを持っていないとか、いろんな条件があるようでありますけれども、このまま放置するわけにはいかぬということで、大臣、いろいろ、三点にわたってお話がございましたけれども、いま局長のお話からしますと、インドシナ三国の旧旅券で本邦に入国し、そのまま不法残留になっている者については、帰る国がないという事情を考慮して在留を特別許可する、こういう立場にある方は、これは難民の申請をしたときには、旧旅券で入ってきたということでありますから、これは留学生とか何かいろんな方々も含まれるんだと思いますけれども、これは当然審査の対象として難民の認定を受けることは可能ですね。
#154
○政府委員(大鷹弘君) いま藤原先生が御指摘になりましたようなケースは、難民認定の対象となる可能性は持っておるわけでございます。
#155
○藤原房雄君 あと、今度は特別在留許可を与えるということで何点かあるわけですけれども、これは言葉としては、非常に温かい配慮だということで、私どもも前向きの検討をなさったんだということで評価をいたすわけですけれども、ただ、第三番目の、台湾旅券等を正規に取得して本邦に入国している者については、ケース・バイ・ケースで検討、対処しますということでありますが、それで、たとえば次のような事情のある者は、特段の忌避事由がない限り在留特別許可書を発給いたしますと。一つは、日本人または正規に在留する外国人と親族関係にある者、二番目に、両親、兄弟等が現に第三国の難民キャンプに収容されているなどのために、本邦から出国しても適当な行き先がない者。これは、実際こういう方も多くいらっしゃるんだろうと思いますけれども、難民キャンプに収容されているかどうかということの確認というのは、実際どういう手続を経て、そしてこういうことの確認はするんでしょうか。相当時間がかかって大変な手続だろうと思いますけれどもね。文章的にはこれこれの人はと、こういうことなんですけれども、具体的な現実の問題としてはどうでしょう。
#156
○政府委員(大鷹弘君) それは本人に関する事情でございますので、第一次的には本人が最もよく説明し得る事項でございますし、それを裏づける何らかの証拠物件、たとえば難風キャンプから手紙が来ている場合にはその手紙を提出したり、証人を指名することもできるはずであると考えております。しかも、本人の供述の裏づけにつきましては、難民調査官がみずから証拠物件や証人について調査を行うほか、在外公館やいろんなところに手配をして、事実を確かめるというようなこともできようかと思います。
#157
○藤原房雄君 それから、その他特に在留を許可する必要があると認められる者というのは、いま非常に幅広い表現になっているわけですけれども、これは、具体的な運用面についてはどんなことを考えていらっしゃいますでしょうか。
#158
○政府委員(大鷹弘君) これは法務大臣の裁量でございまして、ケース・バイ・ケースで、こういう場合というのはなかなか申し上げにくいのですけれども、あえて一、二の例をこの場で挙げてみれば、たとえばベトナム諸等の特殊語学の教師をやっているとか、あるいはベトナムの専門料理のコックなどをして社会に対する貢献度が認められるというような場合であろうと思うのであります。
#159
○藤原房雄君 この特別在留許可の基準といいますか、一つの物差しというか、考えられる一つの基準がここに示されているわけでありますけれども、大体先ほど局長のお話にもございましたが、不法入国とは正規のビザを持っていないとか、それからまあいろいろなことを言われますけれども、それはそれなりの理由があってのことなわけですね。入国に際しまして、当然、その方がどういう人であるかということを見定める上から言いますと、パスポートというものは非常に重要な意味を持つのは、これは当然のことだと思います。しかし、政変といいますか、非常に異常な事態の中ではいろいろな方々がいらっしゃるわけであります。そういう中で、パスポートが不正であるからということだけでその人間を決めつけてしまうという、こういう異常な状態の中ではそうはいかないだろう、そういう点についてはある程度ひとつ考えましょうという、そういうこともこの検討の段階の中には入っていたんだろうと思います。
 当然、日本の国と、また東南アジアでは、国籍というものに対しての物の考え方とか、こういう物の考え方の相違もございます。日本の国は、何といいましても、パスポートというものに対して非常に重要視する、そのことのために、異常な状態の中で、いろいろな環境の中で苦しみ悩み日本の国に来たという方も数多くあると私どももいろいろ聞いておるわけでありますけれども、こういう点について、このたびのこの四項目ですか、特別在留許可というものが実効あるものにしなければ、ただ、形だけは、文書だけはあっても、実際にこれが生きたものにならない。こういう点で、それは、ぜひひとつ運用面について、現実の問題の中で運用面で、より人間尊重といいますか、こういうことの上に立って見ていただきたい。特に、いわゆる流民と言われる方々というのは、どちらかと言うと若い人が多いわけですね。そういう方々が日本に来て非常に悪い印象を持つようなことではなくして、ぜひひとつ、この対応といいますか、こういう問題については当たっていただきたい。
 そういうことで一つお尋ねをしておきたいわけでありますが、今度、こういう処置で、中には流民と言われる方々の中にも、先ほど局長の答弁にもございましたように、難民という認定を受ける可能性がある方もいらっしゃるわけですね。こういう方々は、現在は表社会といいますか、潜伏といいますか、表社会には出ていない。この人たちが、実はこういうことでございましたということで出頭しますね。こういうときに、警備官の調査とか審査官の審査、これは本当に認定をする上において非常に重要なこれは決め手になるわけですけれども、ここで同じ東洋人といいますけれども、物の考え方やなんかの違う方々ですから、日本人の立場でびしびしやっていますと、やっぱりどうしても、いままでの恐怖感の一日も去らない、こういう苦しい生活をしてきた人たちでありますから、そういうことを十分に考えた上での対応をいたしませんと、答弁といいますか、審査なり調査なりというものについて、もし誤りを来すようなことがあってはこれは大変なことだ。そういうことで、付添人をつけるというようなことで公正を期するようなことをこれは考えてはどうかということを、私は思うんですけれどもね。
 これは入管局でも、その都度通訳を雇ったり、口頭審理をする場合にも、やっぱり日本人的な感覚、また、受ける方はその生まれた国の感覚、そういうものがあり、しかも何年も非常に表に出ないようなこういう苦しい生活をしてきた、こういうことで、非常に微妙な発言、表現、こういうものが決め手になるようなことになり、それが判断の一つの大きな材料になるということになりますと非常にかわいそうなことだなと、こう思うんですね。こういうことで、公正を期するために、いままでの諸制度の中でこういう付き添いをつけるということは、決して不可能なことではないと私は思うんですけれども、こういう点について、公正を期するというこの認定業務、調査とか審査とかという非常に大事なこの窓口のところで、ひとつ十分なこういう配慮というものをしていただきたいものだと思いますが、これはどうでしょう。
#160
○説明員(山本達雄君) 公正な調査なり審査なりをするためにはどういう方法をとりたらいいか。特に、本人は外国人で日本語を話しすることができない、あるいは恐怖の状態から脱出してまだその余波が残って精神的にも混乱している、そういうような者に対してどのような方法をとっていけばいいかということになるわけでございますが、まず一つ、言葉の問題につきましては、本人の使用する言葉を解する職員がおります場合にはその職員を充てる、それから、いない場合には、で賄えない場合には部外から通訳を呼んでくる、こういう方法を従来からとってきたわけでありまして、今後ともそのようにやっていかざるを得ないだろうと考えます。
 なお、使用頻度の高い外国語につきましては、職員に対しまして自庁研修あるいは外部に委託研修に出しまして、語学力の向上を図っておるところであります。
 次に調査、審査の方法につきまして、これはどういう方法がいいか。私たちは従来、こういう調査というものは真実を明らかにする、そのためには一対一でひざを突き合わせてゆっくりと話し合うのが一番いい方法である、第三者がその間に介在いたしますならば、特にその第三者が知り合いだとか何かの関係がございますと、その人に遠慮する、あるいはその人の前では言いたいこともかえって言えないといったようなことから、必ずしもそういう人を立ち会わせるのは常に一番いい方法だとは考えていないわけであります。現行の出入国管理令上も、この違反調査、違反審査につきましては立会人を付することはできないということになっております。それは、あくまで基本的な真相解明の手続でありますので、私申し上げましたとおり、一対一でひざを突き合わせてゆっくり話しするのがいいという考えによるのではないかと思うわけです。
 ところが、次の口頭審理の段階になりますと、これは親族または知人の一人を立ち会わせることができることになっております。したがいまして、そういう立会人の申し出が口頭審理の段階でありました場合には、特に支障がない限り立ち会わせることになるわけであります。
 まあ、事はそのように申しましても、お年寄り、あるいは身体的に、あるいは精神的にいろんなハンディキャップを負っておられるような場合、そういう人につきましては物事そういう原則だけでは適正に賄っていけませんので、調査あるいは審査の段階でも、親権者なり後見人、保佐人など、まあ保護者でございますね、そういう者の立ち会いを従来も認めてきておりまして、また、必ずしもそういう人がいない場合もあるわけです。不幸にしてそういう保護者になり得る人がいないという場合には、友人あるいは福祉施設の職員などを立ち合わせてこの調査、審査を行ってまいったところであります。今後もこの難民認定のための調査につきましても、そういうきめの細かい配慮を行ってまいりたいと考えております。
#161
○藤原房雄君 法のたてまえからいきますと、いま参事官のお話のように、そういうことになるのかもしれませんが、ひざを突き合わせてといいましても、いまお話にありましたように、非常に恐怖感に駆られたそういう心理状態の方、年齢とかその人にもよるんだろうと思いますけれど、やっぱり若い人とか、そのまた担当する方にもよるんだろうと思います。まあ、おしなべてというわけにはいかないかもしれませんけれども、私どもなかなかこの審理とか審査とかは非常に厳格なようで、それは人柄とか何かあるだろうと思いますけれども、非常に厳しい書架で言われるということも間々私どもは聞いております。こういう席上でひざを突き合わせてお話しするという、言葉は非常になごやかでいいんですけれども、現実問題は、そのされる立場になりますと非常にこれはむずかしいようです。
 いまそういう実態等をよくひとつ勘案しまして、これはぜひひとつ、非常にここが一つの決め手になるわけですからね。それはその上にまた審査し直せばいいんだということかもしれませんけれども、最初のやっぱり審査の段階というのは非常に大事になりますから、その調査、審査、ここのところでひとつあくまでもその人というものを十分に尊重する、そういう意味合いを持ったといいますか、人間尊重のそういう立場の上に立ってこれはぜひ御検討いただきたい課題の一つです。これはもうどうしても、ここで決まりますと、その後のことがまた出てくるわけでありますから、法のたてまえはたてまえとしましても、非常に今日までこういう難民問題についても閣議了解、いろんなことでそれぞれそれなりの対策を講じてきておりますけれども、いろんな方々がいらっしゃいますから、ここで具体的にだれがどこでどうだというふうに、こういう問題についてというわけにはいかないかもしれませんけれども、流民の認定、またこの調査、審査というここのところについては特にひとつ配慮をしていただきたい。
 また、相手の非常に苦難の中にあるこういう現状というものを考え合わせて、それに適した方々といいますか、熟練の人たちだとか、また十分にそういう意見のはけるような状況というものをつくり出すような努力というか、こういうものをぜひお考えをいただきたいと思うんです。
 こういういろんな調査をされるときには、仮に私どもがいろんな方々とお会いしまして、そういういわゆる流民と言われる方々、いつまでもそういう生活をしているのは大変ですし、この際、国の方のいろんな条件に合致するならば、申し出ていろんな自分の現状というものをお話をしたいという、こういう方もいらっしゃる。これは自首といいますか、みずから出頭するという方とそうでない方とは、これは当然取り扱いの上では違いがあるんだろうと思いますけれども、これはどうでしょう。そういう方々につきましては、これは十分な配慮の上に、その後のいろんなことにもつながってきてしかるべきだと思いますけれども、どうですか。
#162
○政府委員(大鷹弘君) 特別在留許可を与えるかどうかということにつきましては、みずから申告して出頭してきた者と、それから摘発された者との間に差を設ける考えはいまのところ持っておりません。
#163
○藤原房雄君 これは刑法から言いましても、出頭というか、みずから名のり出た人とそうでない者とが同じだというのはおかしいんじゃないですか。これは当然このたびのこの難民条約の改正、それとまた、今度のこの新しい法律によってということで、また、大臣御就任以来いろいろ御検討いただいて、四つにわたりますこういう項目が設けられたわけでありますから、中には、いつまでもこういう暗い生活をしていてもしようがないといいますか、そういうことで名のり出た方がという方もいらっしゃるように聞いておるんですけれども、やっぱりこういう方々についてはそれなりの対処といいますか考え方というのは、処遇というか、そういうものは必要なんじゃないですか。どうですか。
#164
○政府委員(大鷹弘君) みずから名のり出て出頭したからといって、必ず在留特別許可を与えるというわけにはまいりませんけれども、しかし、ボーダーラインケースの場合には、自分で出頭してきたという事実をしんしゃくして措置を決めることにしたいと思います。
#165
○藤原房雄君 それは、調べてみなければその人に本当に許可を与えるべきかどうかというのはわからぬわけですからあれですけれども、それからみずから出てきた人は全部特別許可を与えよということではないんですけれども、当然そこには、出てきた人にはそれなりの配慮があってしかるべきだというふうに思います。まあ、局長いまお話ありましたからあれですけれどもね。
 それから、ちゃんとした保証人のいらっしゃる方については収容する必要はないんじゃないかというふうに思いますけれども、これは今後具体的なこととしていろんなことが出てくるだろうと思いますけれども、取り調べる日数とかいろんなことを勘案しますと、収容するかしないかという、保護者がちゃんとしている場合にはそういう必要はないというふうに思いますが、どうでしょう、これは。
#166
○説明員(山本達雄君) 現行入管令では、不法残留者等退去強制理由に該当した者に対する退去強制の手続はすべて身柄を拘束するということになっております。まあ捜査ですと、任意捜査と強制捜査と二種類ございまして、原則は身柄を拘束、逮捕勾留しないで任意捜査をする、証拠隠滅とかなんとかそういうおそれがある場合には初めて身柄を拘束することができる、このようになっておりますが、この退去強制手続にありましては、そういう任意という道が開かれておりません。したがいまして、たとえしっかりした身元引受人がおりましても一度は身柄を拘束する、これは収容と呼んでおるわけですが、収容しなければならないということになっておりますので、その点は御理解いただきたいと思います。
 ただ、そういうしっかりした身元引受人などがおります場合には、仮放免という制度がございますので、そちらの方で十分配慮していくことになるわけでございます。
#167
○藤原房雄君 大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、いわゆるこの流民と言われる四名の方方がいま裁判中ですね。この四人の方については、代理人の弁護士から法務大臣に特別在留許可の上申書が出されていると聞いておるわけですが、これは現在裁判中だということで特認の許可が延ばされているというふうに聞いているんですけれども、裁判は裁判としても、これはこういうことの判断がつきましたら、特認の許可を与えるのが当然じゃないかというふうに思いますけれども、どうでしょう。
#168
○国務大臣(奥野誠亮君) 裁判の帰趨をまって処理するということで、事務当局で見守っておるわけでございます。いずれにいたしましても、できる限り今回の法改正を踏まえて処理するつもりでおるわけでございます。
 しかし、それとは別途に、裁判を取り下げる、あわせて何らかの措置に出るというような場合であれば、またそれなりによく検討しなければならない、こう思っております。
#169
○藤原房雄君 これは平均的な話をしているものですから、個々いろんな方々については、もうそれぞれ全部境遇が、人格もまた環境も違いますから、一般論的な話というのは非常にむずかしいんだろうと思いますけれども、今度の改正でどこが変わったのか、どうなるのか、最初にいろいろお聞きしたわけでありますけれども、やっぱり先ほど私も大臣に申し上げたように、とにかく中には悪質といいますか、そういう方もいらっしゃるかわかりません。しかし、異常な状況の中でのいろんなこういう問題でありますから、パスポートが不正なものであるということであれば全部それはもう違法なものとしてという、それにはいろいろな事情があること、こういうその人その人の現状というものをよく調査をし、そうした現状を認識し、人間尊重といいますか、こういう観点の上に立って温かく見ていただきたい。これはもう冒頭にも申し上げておりますし、また、いまいろいろお聞きしたこと等につきましても、法律は法律のたてまえとしましても、法律を破るなんということは何のための法律かということになるかもしれませんが、非常に人間味あふれる奥野法務大臣ですから、そこは非常にこの問題についてはまた御配慮いただけると思いますが、非常に大臣の裁量というもので物事の決まるこういう条項、条項といいますか、全体的にそういうふうになっているわけですから、こういうことで異常な状態の中でいろいろな問題が起きている、そういうことを十分にひとつ勘案して善処していただきたいと思います。
 きょうは時間もありませんからあれですが、個個の問題については、具体的なことについては後日またいろいろ申し上げさせていただきたいと思いますが、本日は法案審議ということでありますから、法律の改正に伴って、やっぱり現状に即した形で今後の運用面についてひとつ御配慮をお願いをしておきたいと思うんであります。
 今度新しく条文として、何条になりますか、刑の減免の問題が出ておりますね、七十条ですか。これは不法入国とか不法上陸、不法残留等について、難民であれば刑を免除される場合があるということですけれども、難民に認定になった方はいいんですけれども、認定にならない、これはここには「難民であること。」というのが一つの大きな条件になっているわけですね。こういうことで、不法な行為ということでいろいろ取り調べを受けている段階では、これはこの方は難民であるかどうかということは明確でない人が大多数であろうと思うんです。
 それから、「難民であること。」、これはその後の審査とか申請とか、いろんな調査によってこういうことが確定するということになるんじゃないかと思いますけれども、この「難民であること。」ということは、どのような手続なりによってこれが、この法律の七十条の二の適用を受ける人、これはどういうふうになるんでしょう。
#170
○政府委員(大鷹弘君) この改正案の七十条の二は、難民条約の三十一条を受けた規定でございます。こういう人たちにつきましては不法入国、不法残留ということで裁判になるわけでございますけれども、その際、裁判官がこの当事者が難民であるということを認めなければならないことになっております。なかんずく三つのことがここに併記されておりますけれども、そのうちの一つとして、その人が難民であるということが裁判官によって認められなければならない、その場合の難民というのは、難民条約に言う難民でございます。
 従来、難民の認定の手続は全部法務大臣がおやりになるわけでございますけれども、この刑の免除に関する手続に関する限りはこれは裁判官がやるわけで、たった一つ、この場合だけは難民の認定と申しますか、難民であるかどうかの判断を裁判官がやる、そういうケースでございます。
#171
○藤原房雄君 それから、国際人権規約と入管令、このたびの改正、この問題でちょっとお伺いしたいと思いますが、現在、入国者の収容所ですね、一番長い収容期間というのはどのぐらいなんですか。平均的に言うと、どういう現状になっていますか。これは五十四年のやつはあるんですけれども、最近のやつがありましたら、御説明ください。
#172
○政府委員(大鷹弘君) 入国者収容所におきます収容期間の問題でございますけれども、大体非常に長い場合で三年ぐらいでございます。
#173
○藤原房雄君 収容所という収容の目的、こういうことからしまして、長期収容ということは非常にこれは問題があるんじゃないかと思います。また、長期収容とか被収容者処遇規則、こういう問題も最近はいろいろ検討をしなければならないんじゃないかという意見がありますね。それから外国人登録証の常時携帯義務、これはまあ当然携帯するんですけれども、おふろへ行くとか何かちょっとしたことでも常時携帯義務に関連します刑罰制裁、こういうことと現実問題、国際人権規約というこういう大きな見地からかんがみまして、そう目くじら立ててやることではない、やっぱり現実的な側面が必要ではないか。
 長期収容とか収容者の処遇規則とかこういうもの等、それからこの常時携帯等につきましても、やっぱりそれはきちっとしたにこしたことはないかもしれませんが、国際人権規約というものも設けて、そうしてお互いにこれももっと高めていこうという中では、ちょっと考えるべきときに来ているんじゃないかというふうに思いますけれども、この点、当局ではどうお考えですか。
#174
○政府委員(大鷹弘君) 入国者収容所に非常に長期間収容されているというのはどんな場合かと言いますと、たとえば訴訟が係属中であるとか、あるいは送還先の方で引き取らないというようなそういう場合でございます。で、なるべく収容期間が長くならないように、私どもといたしましては訴訟の促進であるとか、あるいは引き取り先との交渉を粘り強くやって、そうしてなるべく早く引き取ってもらうとか、そういう努力をしているわけでございます。しかし、どうしてもなかなからちが明かないという場合には、ケース・バイ・ケースで判断いたしまして仮放免をするという道も開かれておるわけでございます。
 それから、外国人登録証の携帯義務の年齢でございますけれども、この点を含みまして外国人登録法の改正については、現在鋭意検討中でございます。その場合、かねて国会でいろいろ御指摘を受けている外国人登録法の根幹にかかわるような点がございますので、その一つに、この携帯義務の年齢の引き上げの問題がございます。こういうものを全体として現在検討をして、なるべく早く成案を得たいと考えておるところでございます。
#175
○藤原房雄君 被収容者処遇規則、この内容等についての御検討、長期収容者についてはちょっといまお話ありましたですね、こういう国際人権規約というような大きな柱、柱といいますか、規定のもとに、いままでのままではならない、やっぱり考えるべきじゃないかという、これは長期収容者いろいろなケースがあってということの説明がいまありましたけれども、外国人登録証のことについてもいまこの改正ということで検討しているというお話でありますけれども、こういうこと等あわせて入管令の改正とか、こういうことのときに、やはり一つの課題としてこれは考えていくべきこととしているのか、そういうことは全然考えていないのか、その間の、詳しい条文を一つ一つ聞くつもりはありませんけれども、大まかなところをお聞きしたい。
#176
○説明員(山本達雄君) 御指摘の被収容者処遇規則の改正につきましては、今回の入管令の改正が実現いたしました暁には検討したいと考えております。
#177
○藤原房雄君 日本は、話変わりますけれども、いわゆる政治亡命というものについては受け入れないといいますか、そういうことが基本的な考えになっておったようですね。今度この法律の改正ということになりますと、政治犯罪人あるいは政治亡命者の受け入れ、わが国としては在留ということについては非常に厳しいといいますか、いろんな理由があってなんだと思いますけれども、こういう政治亡命者というものに対してのいままでの政府のとってきた方針といいますか、基本的な考え方。二面から言うと、今度の法改正というのは、これは政治亡命的な意味、色彩というものが非常に強いわけですけれども、この改正によって政治亡命のこういう方々の受け入れるような道が開かれるようなことになるのかどうか。このたびの法改正に伴いまして、こういう問題については基本的にどのようなお考えでいらっしゃるんですか、お伺いをしておきたいと思いますが。
#178
○政府委員(大鷹弘君) 今日までわが国は、亡命事案の取り扱いにつきましては、亡命者の出身国のいかんを問わず、人権の尊重とわが国の利益との調和を考慮の上対処してきたところでございますが、この方針は、わが国が難民条約を締結しても変える必要はないと考えております。特に難民条約は、ノンルフルマンの原則、つまり難民を迫害の待ちうける国へ送還してはならないという原則を法的義務として規定しておりますが、わが国においては従来からこの原則にのっとって対処してきておりますが、今般の改正案では、五十三条の三項にそれを明文化した次第でございます。
#179
○藤原房雄君 むずかしいことを言うようですけれども、いまお引きになりました五十三条の第三項「法務大臣が日本国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き、」、こういう条文になっているわけですね。送還先には迫害国を含まない、これは大原則になっているわけですが、日本国の利益、公安を害すると認める法務大臣の判断の基準になりますものは何かということですけれども、「日本国の利益又は公安を著しく害すると認める」、いかなる行為がこういうことになるのか。法文上の解釈ということになるのかもしれませんけれども、この考えの基本になるものは何かということを、お伺いをしておきたいと思います。
#180
○政府委員(大鷹弘君) これは基本的には、わが国の利益、公安を損なう場合には、ノンルフルマンの原則の例外となるということでございますが、それじゃわが国の利益、公安とはどういうことかと申しますと、たとえばわが国の外交利益を損なうような場合であるとか、あるいはその当事者が一年以上の実刑を受けたという、そういう場合でございます。こういう場合には、迫害国へ送還してはならないという原則の例外にしていいということになっておるわけでございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、だからといってこういう場合、必ず迫露国へ送還するということを方針としているわけじゃございません。本人の希望も確かめまして、第三国でこの者を引き取るという可能性があるときにはそういう国に送還する、そういうふうに措置していくつもりでございます。
#181
○藤原房雄君 この迫害国への送還基準の規定というのは、難民以外にも適用されるといういまのお話からして、本人の意思というか、そういうものによってということでありますけれども、難民以外にも適用されるというふうに理解していいですか。
#182
○政府委員(大鷹弘君) この五十三条三項のノンルフルマンの原則は、難民の認定を受けた者に限りません。すべての者に適用されます。
#183
○藤原房雄君 それから、この送還先が迫害国であるかどうかということの認定ですね、ここらあたりも非常にむずかしいんですが、これはだれが認定するのか。
 また、さっきもちょっとお話がありましたけれども、被送還者の意思というものがかかわる余地がないのかどうか。迫害国であるというふうには、だれが、その迫害国であるということの認定の基準といいますか、こういうものについてはどうなんでしょう。
#184
○政府委員(大鷹弘君) これは最終的には法務大臣がお決めになることでございますけれども、その場合、入国審査官、そういう人たちが種々必要な調査をして、そして判断することになると思います。
#185
○藤原房雄君 約束の時間が来たようでございますので以上で終わりますが、非常に多岐にわたります諸問題がございます。また、非常ないろんな立場の方々もいらっしゃることでもございまして、私ども今後もまた、この問題についていろいろ審議さしていただきたいと思います。
 いずれにしましても、本法が成立すると同時に、いろんな問題については粘力的にひとつ検討していきたいと局長も大臣もお話ししておりますが、この異常な国際情勢の中で起きております諸問題、こういう現状というものもひとつしっかり見定めていただきまして、少なくとも国際人権規約に反することのないようなひとつ思いやりのある処置を要望して、私の質問を終わりたいと思います。
#186
○近藤忠孝君 この改正案というのは、いままでの議論を見ましても、かなりあいまいな部分があると思うんですね。恐らく法務省でも、あるいは外務省でも、この解釈あるいは運用上初めてという問題もずいぶんあるようですから、暗中模索という問題もあろうと思いますし、あるいは扱いに苦慮をするという問題もあろうと思うんです。また、不備もずいぶんあるのじゃないかと思うんですね。
 私は、概念そのものがかなり明確でないと思いますのは、先ほどの藤原委員の質問に対して、難民という認定を受けた者と受けない者と余り実際変わりないという。変わりなければ、別に一生懸命議論する必要もないんじゃないかと思うのです。決してそうじゃないと思いますけれども、また、そう言わざるを得ないような側面もある。しかし、もし変わりないのであれば、不法出入国者はどうするのかという、じゃ、その区別をどうするのかと、こういう問題も起きてきまして、そうなると、まさに主権の基本にかかわる問題も出てくると思うんですが、この法案をお扱いになりまして、そういう点であいまいな問題で扱いづらい問題がある、こういう認識はありますか。
#187
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定を受けた人と受けなかった人の違いでございますけれども、入管令上につきましては、先ほど申し上げたとおり、三つほど違いがあるわけでございます。
 難民の認定を受けた人は、難民旅行証明書というものの発給を受けることができる。難民認定を受けなかった人については、再入国許可書の発給を受けて海外旅行する道はございます。
 それから、難民の認定を受けた人は、永住に関しまして要件が一つドロップされて、取り払われて、独立生計維持能力を持つということの要件は満たさなくてもいいことになっております。それから、強制退去手続に関しましては、法務大臣の裁決の特例措置の対象になるという、そういうことでございます。この永住につきましては、難民の認定を受けなかった人については二十二条の一般永住の道が開かれているわけでございますが、それから退去強制移住につきましては、難民認定を受けなかった人は法務大臣の裁決の特例の適用を受けない、こういう差になります。
 一般に、現在日本におりますたとえばインドシナ半島から来ている人たち、この中で難民の認定を受ける人も受けない人も出ようかと思いますが、その在留に関しましては、難民の認定を受けた人につきましては、もちろん人道的に配慮いたしますけれども、難民の認定を受けなかった人についてもできるだけ人道的に措置する。引き続き在留を認めると、こういう方針でございます。その上に立って、いま申し上げましたような三つの点について、若干の差はあろうかと思うのであります。
 それから、社会保障の点につきましては、これはそれぞれ所管庁のあれでございますけれども、一般的に言って、今度国籍要件が撤廃されますので、難民の認定を受けた人も、それから難民の認定を受けなかった人も、わが国に在留する限り処遇は同じであるということになろうかと思います。
 それじゃ、先生先ほどおっしゃいました不法入国者はどうなのかということでございますが、不法入国者につきましては、これは特別の事情が認められて在留許可が法務大臣によって与えられた者を除いては、当然これは強制退去の対象になるべきものでございますので、ただいま申し上げたような難民の認定を受けた人、あるいは難民の認定を受けなかったけれども在留を認められるような人とは、これは一線を画さざるを得ないわけでございます。
#188
○近藤忠孝君 問題は、その辺の解釈の、見解上の問題というのはたくさん出てくると思うわけです。
 そこで、もともとこの難民という概念が、広い意味、また条約上という狭い意味ありますが、条約自身も、年代を経てずっと来ている、そのときどきの社会情勢などを反映してずいぶん違うわけですからね。それを一つの条約もしくはそれに伴う国内法で扱うというところに、私はいろいろな問題が出てくるんじゃなかろうかという点で、これから若干指摘をしたいと思います。これはやはり法の不備を埋めていくという、そういう趣旨から申し上げたいと思います。
 まず一つ、概念の問題では、政治亡命者と難民とはどう違うんでしょうか。
#189
○政府委員(大鷹弘君) 政治亡命と難民の区別ということは、なかなかこれはむずかしいのでございます。しかし、もとになる言葉は、英語につきましては、これはレフュジーということで、同じ亡命者と難民でございますけれども、したがって、私どもは基本的には難民とそれから亡命者、あるいは政治亡命者というものは同じであると考えております。政治的な迫害を受けて本国を逃れてきたという人たちが政治亡命者であるとすれば、難民条約でも、いろいろな迫害を恐れて国外に出てきた、そういう人たちを難民と言っておりますので、この点、両者重なり合うのじゃないかと思っております。
#190
○近藤忠孝君 英文が同じであるから同じだという解釈の仕方と、それから、学者の中にはやっぱり違うのだというんで、説明聞いてみますと、人数が違うとか、人数が少ないのがこれは政治亡命で多いのが難民だとか、いろいろあるようですね。事ほどさように概念自身から言ってやっぱりいろんなむずかしい問題があるということをまず一つ指摘をしたいと思うんですが、今度は実際上、条約上の概念の解釈の問題ですが、条約第一条A項に、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に追害を受けるおそれがある」という、その次が問題ですね。「十分に理由のある恐怖を有するために」と。この辺、まず一つは、「迫害を受けるおそれ」と、それから「十分に理由のある恐怖」、この辺は大変広い概念だと思うんです。いろいろ解釈の仕方があろうかと思うんですが、私は、これほど広い概念を判定して難民とそうでない者とを区分けしていくわけですから、それなりの基準があってしかるべきだと思うんですね。法文上は全然国内法上もその基準はないんですが、これは政令ないしは省令で決めていくべきものでしょうか。
#191
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定を行いますときの基準というのは、難民条約第一条の定義以外には何も存在しないわけでございます。
 難民条約では、ただいま先生御指摘のように、「迫害を受けるおそれ」を持っている者。「おそれ」というのは、これは主観的な要素でございますが、これが十分に理由があるかどうかということがポイントでございます。これは客観的な要素でございます。
 したがいまして、主観的な「おそれ」を客観的ないろいろな資料を通じて確認できるかどうかということでございまして、私どもといたしましては、難民条約のこの定義以外に基準はないし、また必要もないと思っているところでございます。
#192
○近藤忠孝君 そうしますと、これはだれが判定するかという問題はこの次に触れますけれども、判定者のかなり恣意的な判断が入る可能性があると思うんですね。そういう点では、これは外務省でしょうか、国連で各国の実際の運用の状況を集めてガイドラインをつくったと、こう言われておりますし、その条文ももらいました。そこでは、大体どんな点が基準になっておるのか。要旨、簡単でいいですよ。
#193
○政府委員(関栄次君) 難民筒等弁務官府でガイドラインというのが一応つくられておりますけれども、これはほぼ難民条約の第一条に定めるところに従いましてつくられておりまして、高等弁務官府のハンドブックということでございまして、各国政府のそういう認定権限を制約するというような性質のものというふうには私どもは理解しておりません。
#194
○近藤忠孝君 だから、各国の判断をこれは制限するかどうかというのは次の段階の問題でして、その前に、まずそういうのが国連に存在するかどうか。存在すれば、どういったことを基準にしているのか。それが中身なんですよ。
 私ども先ほど条文をもらったんですが、原文なものだから、いま翻訳しているけれど、間に合わないんです、これ。で、私の方から指摘するわけにいかないので、要旨だけでも言ってほしいと思うんです。
#195
○政府委員(関栄次君) 「難民該当性決定の基準」ということで、これはガイドブックの抜粋になっておりますが、それには一般的な原則ということで、まず、「人は、一九五一年条約の定義に含まれている基準をみたすや否や同条約の難民となるのであって、これはその難民該当性が公式に認定されることより必ず先行しているものである。」というような点。それから、「それ故、難民該当性の認定がその者を難民にするのではなく、認定は難民である旨を宣言するものである。認定の故に難民となるのではなく難民であるが故に難民と認定されるのである。」というような一般的な原則。
 さらに、難民該当性の認定は、まず第一に、その事案に関連する事実を確定することが必要であるということ。そしてさらに、そのようにして確定された事実に一九五一年条約及び六七年の議定書の定義を、そういう事実を確認するに当たってはそういう議定書の定義を当てはめなければならない。そういうような一般的な原則がうたわれております。
#196
○近藤忠孝君 一般的な原則だけですか、それとも具体的な、もうちょっと細かな基準などが書かれているんですか。
#197
○政府委員(関栄次君) さらに、一般的な原則の後で、
   〔委員長退席、理事藤原房雄君着席〕
第二章におきまして、「該当事由」というような点で、「十分に根拠のある迫害の怖れ」であるとか、「人種、宗教、国籍、特定の社会集団に属すること又は政治的意見の故に」と、国外に逃れるという点についての解釈、それから「国籍国外にある」というようなことはどういうことかというのにつきまして、詳細なガイドライン的な勧告といいますか、そういうものが設けられております。
#198
○近藤忠孝君 そうしますと、局長、やっぱりあるんですね、国際的には。ただ、それを受け入れるか受け入れないかは各国の判断だと、こういうことですが、先ほど局長の答弁では基準なんかない、条約の条項だけだというと、やっぱり実際違うわけです。問題は、日本がこの国連のガイドライン、いわばいままでの国際的に確立された慣行に私は近づいていると思うんですけれども、それを日本としては受け入れて、そしてそれを省令でも政令でもいいんですが、そういったところに具体化して、そして個々の判断をする人の恣意的な判断の余地を少なくしていく、そういうことは必要なんじゃないでしょうか。
#199
○政府委員(大鷹弘君) ただいま先生お取り上げになりましたこの国連難民高等弁務官事務所――UNHCRが作成しました文書は、これは私どもから見て難民認定の基準というものではない、これは難民認定するときの一つの指針たるべきものを国連難民高等弁務官専務所が示したということでございます。私どもといたしましては、この中にはいろいろ参考になる点もあると見受けられますので、しかるべく参考にはしたいと考えているわけでございます。
#200
○近藤忠孝君 ともかくまだ翻訳を見てないんで、それが基準になるのか参考になるのかまだ私としては判断つきませんけれども、しかし、それは大いに尊重すると、こう聞いていいでしょうか。
#201
○政府委員(大鷹弘君) 大いに尊重するというか、これはもう私どもとしては参考にさせていただきたいと思っております。
#202
○近藤忠孝君 どうも概念同様わからない答弁なんですけれども、そのガイドラインをどう参考にするかということでも、私は解釈が広がったり狭まったりするのだと思うんですね。わが国としてはどういう方向でしょうか。
#203
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定の手続というのは、これはその申請した人が定義に該当するかどうかを確認する、そういう行為でございます。したがって、これを広く認定するとか狭く認定するとか、そういう問題はないのでございます。これはどこまでも客観的な行為でございます。
 ただ、私が先ほど高等弁務官事務所のこの文書を読んでみて非常に参考になると申し上げた一つの点は、たとえばここに書いてございますけれども、経済難民というものはこれは条約上の難民ではないと普通言われておるけれども、しかし、その個人個人の事情を調べてみると、実はその人は単なる経済難民ではなかった、迫害を受けるおそれのある事情もあったという場合もあるから、その点は慎重にやった方がいいというようなことは書いてございます。これなんかは私どももそう思っておりましたし、なかなか有益なことを言っているというふうに感じたわけでございます。
#204
○近藤忠孝君 私はいままでの答弁では、この大体不明確な難民概念が、条約上の概念もそうですけれども、その指針なり、あるいは基準というものがどうもはっきりされない、このまま進んでいくということは、私はそういう点では法的安定性という面から見ましても問題があろうということを指摘をしたいと思います。
 それから、具体的な問題としますと、いまのこの十分なという問題ですが、これは証拠に基づいて判断するというわけです。そして、そのために六十一条の二の三というところでの調査が規定されているんですが、この調査の範囲ですね、客観的に判断する以上単なる事情聴取だけでいいのか、あるいはここには「文書の提示」という言葉がありますけれども、それだけでもわからない場合がある。どういう調査をするんでしょうか。
#205
○政府委員(大鷹弘君) この調査は、第一義的には申請した人の陳述を聴取するということでございます。しかし、それでは十分でないという場合もあろうかと思います。その場合には、調査官としてはさらに追加的な資料を手に入れるように努力するということになります。その追加的な資料をどうやって入手するかと申しますと、一つの方法は知人であるとか友人あるいは親族、こういう人たちに来てもらって、そしてその人たちの見聞したことを話してもらう、こういうことがあろうかと思います。その次に、たとえば国連難民高等弁務官事務所のように、ある地域について具体的な、昨今ではインドシナ半島三国でございますが、あの辺の事情に非常に詳しい国際機関に照会をして、そしてその手持ちのいろんな情報を提供してもらう、こういうこともあろうかと思います。さらに、そのために私どもとしては、東京におります国連難民高等弁務官事務所の人たちと常に緊密な連絡をとっていく考えでございます。
 それから、そのほかにもまだ方法がございます。それは、たとえば現地の事情について東京ではなかなかわからない、そういう場合には、外務省を通じまして在外公館に手配をして、そして現地の必要な情報、資料を手に入れてもらう、こういうことも含まれるわけでございます。
#206
○近藤忠孝君 大体法律家というのは、言うことだけでは、要するに言葉だけでは信用しないという訓練を経ているものですからね。しかし、どうも実情、法律上は関係人の出頭、質問または文書の提示という程度で、これではなかなかむずかしいだろう、的確な判断はできないだろうと、こう思いますので、以上の指摘をしたわけです。
   〔理事藤原房雄君退席、委員長着席〕
 そこで、具体的に認定の問題でインドシナ難民の問題になるんですが、私は、いま直面しているインドシナ難民に対してわが国はどういう態度をとるかということは、今後大変大きな影響を持ってくると思うわけです。
 その問題に入る前に一つお聞きしたいのは、現在のインドシナ難民と言われている人々の実数、これをひとつ。
#207
○説明員(今川幸雄君) 一九七五年のインドシナ三国の政変以後インドシナ三国から流出いたしました難民の総数は、国連難民高等弁務官事務所つまりUNHCRでございますが、ここに確認されているだけでも約百五十万人に上るわけでございます。
 その内訳は、ベトナム難民が約八十万人、ラオス難民が約二十六万人、そしてカンボジア難民が約三十八万人となっております。これらの難民のうち約九十万人は、米国へ五十万、フランスへ七万、カナダへ七万、欧州へ七万というように定住しております。
#208
○近藤忠孝君 日本だけでいいです。
#209
○説明員(今川幸雄君) 日本におけるインドシナ難民でございますが、わが国にすでに定住した難民は六月二日現在で、インドシナ三国からの元留学生等を含めまして千四百三十一名となっております。
 その内訳は、ベトナム八百六十三名、ラオスが三百五十一名、カンボジアが二百十七名となっております。
#210
○近藤忠孝君 この人たちに対する居住の問題、食事の問題、これに対する対応、これはどうなっておるか、当然それに対する政府の方の人員と予算が必要だと思うんですが、その辺の実情はどうですか。
#211
○説明員(今川幸雄君) わが国に定住いたしましたインドシナ難民に対しましては、まず日本へ来ましてから三ヵ月間ないし六ヵ月間、国の委託事業として行われておりますアジア福祉教育財団難民事業本部の行います定住促進センター、これは神奈川県の大和と兵庫県の姫路にございますが、ここにおきまして日本語訓練、職業訓練等を行いまして、日本の生活になじみ得るようになりましたところで就職を紹介いたしまして、就職をしてセンターを出ていかれるわけでございます。それから後は、日本に合法的に滞在する外国人ということで、それぞれ日本の社会へ同化する努力をされて生活していかれるわけでございます。これに対しまして、先ほど申しましたように、外務省、労働省、文部省がそれぞれ予算をいただきまして、委託費でございますが、アジア福祉教育財団がこの面での難民の定着指導のための事業を行っております。
#212
○近藤忠孝君 これは実際現場からの声としては、予算もそれから人員も大変不十分なものだと。要するに、自立して出ていきますね、その点でのもっと体制を充実してほしい、こういう要望がありますけれども、その点の認識と対応はどうでしょうか。
#213
○説明員(今川幸雄君) 外務省といたしましては、今後とも難民の定住事業を促進していくために関係省庁と御協力いたしまして、また、財務当局にもお願いいたしまして、でき得る限り難民の定住促進を血の通った政策としてなし得るように、また、その難民の定着指導のためにセンターで働いておられる方々も満足して働けるように、今後ともその面で努力をしていきたいと思っております。
#214
○近藤忠孝君 そこで、こういう人々の認定の問題です。先ほど来の答弁でも、このすべての人が条約難民と認定されるものではないという指摘があったわけですね。予想としまして、どれくらいが条約難風で、あとそうでない方はどれくらいか、おおよそ予想はつくんじゃないですか。
#215
○政府委員(大鷹弘君) いまわが国に在留しておりますインドシナからの難民、定住されている方はただいま千四百名を超しているという話でございます。それから、ボートピープルで現存わが国におりますのは、これまた千三百人を少し上回る数と承知しております。
 それから、そういう方々が、一応そのうちのどのぐらいの人数が難民申請をするのだろうかということでございますが、これは非常に把握がむずかしいのでございます。もちろん、定住を望んでおられる難民の方はほとんど全部申請されるかもしれません。他方、ボートピープルの場合には、相当数が第三国へ移っていくことを考えておられるようです。したがって、そういう方々が果たして日本の難民認定を受けようとされるかどうか、これはまたちょっとわからない面がございます。
 そこで、こういう方々が難民認定を申請されましたときには、私どもとしては、この改正案に盛り込まれております難民認定手続に従って、こうした人たちが難民条約の第一条の定義に該当するかどうかということを確認するわけでございます。その場合には、いろいろそういう方々のいままで知られてなかったような事情というものもわかってくるかもしれませんし、したがって、とうてい難民とは思われなかった人でも、あるいは難民ということになるかもしれません。それぞれいろいろな個人的な事情というものが調査の段階でわかってきて、そこで認定の方向が決まるわけでございます。
 したがいまして、この難民認定を申請された方のうち、一体何人ぐらいが認定を受けるだろうかということに関しましては、やってみないと何とも言えないということで、いまこの場でどのくらいだろうということを、予想の数字を挙げることさえも非常にむずかしいということでございます。
#216
○近藤忠孝君 実際にこのような人々に接触している人からの話によりますと、該当するのは大変少ないだろうと、こう言われておるんですね。恐らく、先ほど千四百何名ですが、そのうち百名足らずじゃないかと、こういうことも聞こえてくるんです、意見としましてね。それは考えてみればわかるんですね。というのは、明らかにここで言う条約上の亡命者に当たるのは、たとえば旧政権時代にアメリカと一緒になっておった人々、いわば抑圧者側だった人々、これは確かに現地におれませんよね。それから、かなり大もうけを不当に図った人々、これは確かにそうだと思うんですよ。ただ、前も普通に暮らしておって、多少いい生活をしておって、それが維持できないからというんで飛び出してきた人も相当多いし、先ほど外務省から全体の数が報告されましたけれども、いわば迫害を受ける層なんというのはそんなにたくさんいるものじゃないですよ。やっぱりごく一握りの人々だと思うんですね。
 となれば、いま現場から聞こえてくる百名未満じゃないかという声も私はあながち誇張ではないと、こう思うんです。その辺の認識はどうでしょうか。予想つくんじゃないでしょうか。
#217
○政府委員(大鷹弘君) 現在、日本におりますインドシナ難民のうち、あと何人ぐらいが難民条約上の難民として認定されるだろうかということについては、いろいろな説があるようでございますけれども、私どもといたしましては、やはり先ほど申し上げましたように、個々の申請者のいろんな事情というものをよく聞きますまでは何とも判断がつかないという立場でございます。
 たとえば、先ほどちょっと先生がお触れになりましたけれども、ちょっと経済的にいい生活をしたいからといってその国を出てきた人たち、これはもうそれだけでは迫害のおそれというものはないわけでございますから、そのままでは難民と認定することはできないかもしれません。しかし、その人の個々の事情というものをよくよく聞いて調べているうちに、実はそのほかにまたいろんな事情があるということがわかる場合もあります。したがって、そのために難民と認定されることもあり得るわけでございます。
 したがいまして、一概にこういう人たちは難民認定受けられない、こういう人たちは受けられるということで、一般論でいまの日本におりますインドシナ難民の人たちの難民認定の可能性について占うということは、これは非常にむずかしいのでございます。
#218
○近藤忠孝君 そこで、私が先ほど申し上げた基準の問題はやっぱりどうしても出てくると思うんですよ。まあ、インドシナ難民を日本で扱うのは初めてですし、世界的にも前のやっと違いますから、たしか基準が違う。となると、やっぱり今回のものに合わせて対応していくとなると、これはずうっと調査した中で一定の共通項なりが出てきますよね。そういうどうしても基準というものは出てこざるを得ないんだろう。私は、その基準をどのあたりに置くかによって、広く受け入れるのか、あるいはかなり狭く、先ほど申し上げたように、千四百名中戸名足らずというようなところになってしまうのか、その辺はどうしても出てくるんじゃないか。
 あるいは、まだ法務省の中にそういう基準が決まってない、これから調査して決めていくんだというならそれも一つの立場だと思いますけれども、しかし、いずれにしても、一つの基準がなきゃこれは不安定で仕方ないことですよ。それば調査の結果でも、そういうものは設けるべきじゃないでしょうか。
#219
○政府委員(大鷹弘君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもとしては、難民認定をするときの基準というのはただ一つ、難民条約における難民の定義でございます。あすこに書いております人種、国籍、宗教等々の理由で迫害を受けるおそれが十分に理由があるかどうかということについて認定するわけでございまして、本人の陳述その他の客観的な資料、こういうものから当然これは確認できるわけでございます。したがいまして、そのほかに基準というものは何ら必要ないというふうに考えております。
#220
○近藤忠孝君 いまの答弁は、政治家である奥野さんからならまだわかりますけれども、法律家である局長からの答弁としては私は納得できないと思うんですね。実情はどうしてもそうなると思うんです。
 しかし、それ以上の答弁ないから次に進みますが、問題は、じゃ一定の数はどうしたって難民でないとされる層が出てくるんですね。そうすると、それに対する対応、先ほど幾つか違う点は出てきました。大した違いでないという面と、一定の違いがあるということもありますけれども、問題は、この外れた人々をどう一律に扱っていくのか。外国の例を見ましても、その方法としては、特別法をつくりましてその都度、アメリカなんかはその都度特別法をつくって受け入れているんでしょう。わが国の場合にどうするのか。
#221
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定を受けなかった人たちでも、人道的な見地から私どもとしては引き続きわが国における在留を認めていく方針でございます。これは定住難民でありましょうと、それからいわゆるボートピープルであろうと同様でございます。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、新たに別に特別法をつくる、難民認定を受けなかった人の処遇のためにそういう特別法をつくるというようなことは全然考えておりません。
#222
○近藤忠孝君 そうしますと、その人々の法律上の地位というのは大変不安定なものになるんじゃないでしょうか。諸外国の例のように、特別法に基づいて一定の層を難民、条約上じゃないけれども、ある意味の難民として扱っていくのと、あるいは解釈を相当広げて、そういった人々を条約上の難民に受け入れていく方法と、あるいはもう解釈自身を狭くしてかなり排除していく方法と、これは三つあると思うんですね。私は、そのいずれをとるかによって、今後のわが国の難民への対応策というものが、ここでまさに基本が決まってくるんじゃないかと思うんです。
 今回、難民認定から外れた人々に対して、確かにそれは人道的に保護していくでしょうね。しかし、それは法律的には全然不安定、法律的には全く何だかわからないような状況として一定の層を残していくことになるんじゃないでしょうか。となると、これは問題が後に残っていきはしないかということを心配するんです。
#223
○政府委員(大鷹弘君) 先ほど難民の認定を受けた人と、それから受けなかった人の在留について御説明したのでございますけれども、難民認定を受けた人も受けなかった人も、引き続き人道的な見地からとにかく在留を認めるという、これを踏まえまして、その上で難民の認定を受けた人と受けなかった人の間にどういう違いがあるかということでございます。
 入管令上につきましては、先ほどからいろんな機会に申し上げているとおり、難民旅行証明書の発給を受けられるかどうかということと、それから永住要件が緩和されるかということと、それから強制退去について法務大臣の特例措置を受けられるかどうかと、こういうことでございます。私どもといたしまして、難民認定を受けなかった人につきましても、できるだけ難民認定を受けた人に近いような処遇を考えていきたいと考えております。もちろん、永住要件の緩和ということは、これは難民認定を受けた人にしか適用できませんけれども、難民認定を受けなかったいわゆる定住難民につきましても、これはできるだけ一般永住を認めていくという方針で対処したいと考えております。
 したがいまして、難民認定を受けなかった人が法律的に非常に地位が不安定だということは、そういう問題は起きないだろうと考えております。
#224
○近藤忠孝君 これは将来の問題として、また将来もこの種の問題が起きてくる可能性がある問題として、私は国の基本的な扱い方の問題ということで、一つの問題点として指摘をしたわけであります。
 それから次に、この認定の主体の問題で、私は、公正さを維持していくための方策ということが大変大事だと思うことを冒頭に申し上げたんですが、実際上の手続、これは入国審査官がまず調査をして、そして認定、判断は法務大臣ということになるんです。法文上そう書いてありますね。事前に聞いたところでは、審査官は事実の調査だけだ、判断はしないんだと、こう聞いたんですが、その点は間違いないですか。
#225
○政府委員(大鷹弘君) 難民調査官の仕事は調査でございまして、判断、認定の仕事は難民調査官の仕事ではございません。
#226
○近藤忠孝君 そうすると、奥野さん、事実だけ持ってこられて判断できませんよね。これはもう間違いないことですよ。じゃ、一体だれが判断するのか、その辺のことが条文上全然決まってないんでしょう。その辺はこれは省令なり政令で決めるべきことじゃないでしょうか。
#227
○政府委員(大鷹弘君) 難民調査官は、地方入管局へ配置されます。そういう人たちがやった結果というものは、東京の法務省の入管局に上がってきます。この入管局の中にセクションを設けまして、難民認定に関する仕事を取り扱わせます。この人たちが法務大臣の認定を補佐するわけでございます。
#228
○近藤忠孝君 そうしますと、主観が入る可能性がある。大臣を補佐する、そうですね。そこでやっぱり主観が入ってくると思うんですが、その段階で、これは外国――ドイツでもそうですし、フランスはまた別の方法があるようですけれども、その判断する際に、もう少し客観的な判断方法、たとえば一定の委員会をつくるとか、あるいは民間の人の関与があるとか、そういう諸外国の例は、これは日本の場合に大いに参考にすべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#229
○政府委員(大鷹弘君) 諸外国の例につきましては、私どもいろいろ必要な調査を行いました。先生いまおっしゃいましたような委員会方式と申しますか、そういうものをとっているところは一ヵ国だけのようでございます。しかも、その場合、外部の民間の方の参加を得ているわけではなくて、裁判官とか高級行政官がその委員会を構成しているようでございます。私どもといたしましては、そのほかの国々の例を見ましても、すべてが行政官庁が難民認定に当たっているということが調査の結果わかったわけでございます。
 そこで、わが国の場合には難民の認定手続をどうするかということにつきましては、まずもってこれは統一的にやるのか個別的にやるのかという問題がございます。難民条約に言ういろんな保護措置を与える個々の官庁がばらばらの難民認定をやっているのじゃこれは実際的ではない、非常に不便になります。そこで、統一的な難民認定をやらなくちゃいかぬと、こういうふうに考えたわけでございます。
 それじゃ、その統一的な難民認定をどこがやるのかということにつきましては、いまの既存の機関を使うか、それとも新しい機構をつくるかという問題があったわけです。しかし、現在のいろいろな行財政事情が非常に窮屈であるということもありまして、新しい機構をつくるということは、これはもう非常に困難である。そこで、既存の官庁のいずれかがこれを統一的に認定するというのが一番望ましいやり方であるという結論に達したわけです。その中で、それじゃ既存官庁のどこにこれをやらせるかということにつきましては、政府におきまして法務省の入管局が外国人を取り扱う行政を担当しております。難民といえどもこれは外国人でございますので、非常に接点が広いわけでございます。したがいまして、そういう意味で、入国管理局というものを下に持っている法務大臣が難局認定に当たるのが妥当であるという結論になって、今度この改正案にあるようなそういう手続をお諮りしたわけでございます。
#230
○近藤忠孝君 統一的に認定するというお話があって、それでやはり私が冒頭に申し上げた一つの基準がどうしても出てくるんですね。やっぱりそういう一つの基準がかなり明らかであり、そしてなおかつ判定する側の一つの客観性、だから諸外国のような委員会制度も一つでしょうが、そうでないとしても、たとえばこれは宮崎教授などは、そういう実例とか、あるいは法曹資格者を関与させるとか、そういう一定の工夫が必要である。事は人権に関する問題で、その判定によって、かなり幅の広い事実のことの判断を行うわけですから、そういう一つの客観性を持たせるという工夫があってしかるべきじゃないでしょうか。
#231
○政府委員(大鷹弘君) 難民の認定の手続に関しましては、私どもといたしましては、従来の入管行政と申しますか、これとは別個に、新しい別個の手続を今度お諮りしているわけでございます。こういう手続を別個にすることによって、従来の入管行政というものは法務大臣の裁量が基礎になっておりますが、そういう行政とは混同しないように取り計らってございます。それから、難民認定が受けられなかった人は異議の申し立てをすることができます。さらに要すれば、行政訴訟も起こすことができるわけでございます。したがいまして、私どもはそういうことを全部考え合わせまして、十分適正な難民認定ができるというふうに考えているわけでございます。
 なお、つけ加えますならば、難民認定というのは、結局これは事実の当てはめ行為である。つまり集められた材料、資料をその人が果たして難民条約の定義に該当しているかどうかということを見るために当てはめてみるという、そういうことでございますので、言うなれば、同じ材料でやるならばだれがやっても本当は結論は同じはずであると、こういうふうに考えているわけでございます。
#232
○近藤忠孝君 そうであれば、よけい基準が必要になると思うんですね。これはもう解釈の分かれる余地のないきわめて限定された構成要件であれば、私は局長の言うことでいいと思うんですよ。ところが、先ほど来申し上げているとおり、なかなかその概念自身がきわめて幅の広い主観的な判断が入る。それについてである以上は、このことは重ねてやっぱり申し上げておきたいと思うんです。
 時間の関係で次へ進みますが、次には一時庇護の問題です。
 これはどうしても認定を受けるためには領土内に入ることが必要であるし、それから一人一人審査をやる前に一応受け入れるというそういうことでも必要なことだと思うんですが、ただ、私は法律上の問題が一つあると思うんです。というのは、一般庇護と一時庇護とどう違うのか、これはかなり国際会議でも問題になったことのようですので、そこをどう理解しておりますか。
#233
○政府委員(大鷹弘君) 何らかの理由によりまして本国において迫害を受けるおそれを持っている者は、外国に入国、滞在を許されることによりまして、その外国の持っている領土主権の効果として、本国の官憲の追及を免れることができるわけでございます。これを一般に領土的庇護を与えると、こう呼んでおります。
 ところで、今度改正法案の十八条の二として新しく設けることを予定しております制度は、難民かもしれないと思われる外国人について、旅券も査証も持っておらず、入管令上、上陸の要件を備えていない場合でも、簡易な手続により一時的な入国、滞在を認めることができるようにしようとするものでございまして、これは入管令上の緊急、遭難上陸に類似した性格のものでございます。しかし、その本質は、いま申し上げましたような領土的庇護そのものでございまして、このような概念をあらわす言葉としては一時庇護というのが最も適当であろうと考えたわけでございます。
 一時庇護のための上陸許可というものは、難民の認定を受けた者をその対象とするものではございませんし、また、これは難民認定の前段階というわけでもございません。本人の主張を初めとする諸般の状況から判断して、難民かもしれないという可能性に基づいて与えられるものでございまして、その意味で難民認定とその効果に関する手続とは別個の制度でございます。したがって、そういう緊急に上陸をする必要のあるケースが非常に多いということも考えまして、難民条約の難民の定義よりは間口を広くしてあるわけでございます。
 どういうふうにこれを広くしてあるかと申しますと、今度のこの条文にもございますけれども、難民条約に書いてあることのほかに、「これに準ずる理由」というものをつけ加えました。これは、たとえば人種、宗教、国籍、あるいは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的愚見、こういうものとは違いますけれども、ほぼこういうものと同じように見得るものを言います。たとえば、皮膚の色であるとか性別であるとか言語とか出生、門地、財産、こういうものなどがこれに当たると考えますけれども、戦争とか内乱等に際しての個別の事情についてもこれに当たる場合があると思うのであります。そこで、この制度ができますと、いわゆるインドシナ半島からのボートピープルというものは、一時庇護の上陸許可が与えられることになるわけでございます。
 それじゃ、この一時庇護制度というものはどういうふうに運用されるのだろうかということでございますけれども、一時庇護のための上陸の許可の要件というのは、難民条約一条のA(2)に規定しております理由、その他これに準ずる理由、ただいま御説明申し上げましたけれども、これによって生命、身体または身体の自由を害されるおそれのあった領域から本邦に入った者で、かつ一時的に上陸させることが相当であると認められる場合に許可するわけでございます。その一時庇護のための上陸を許すかどうかという判断は、本人が日本に来ましたいきさつであるとか本国の事情等につきまして当事者の陳述を聞いて、それを入国審査官が社会的に調べた事実や政府として把握している事実に基づいて決めるわけでございます。
 それじゃ、相当というその理由というのはどういうことかといいますと、人道的配慮の見地から、とりあえずわが国への上陸を認めて本国からの官憲からの追及を断ち切り、あるいはその他の何らかの保護を与える必要のあると思われる場合ということでございまして、逆に、それじゃ相当でない場合がどういうことかといいますと、たとえばボートピープルが船に乗って日本の港へ入ってきた。しかし、この人はアメリカへの移住、アメリカへ行くことを希望している。しかも、その船はアメリカ行きの船であるというような場合には、わざわざわが国に上陸を許さなくてもそのまま船にとどまることによって希望するアメリカへ行ける、その場合は相当の理由がないというふうに考えるわけでございます。
#234
○近藤忠孝君 問題は、この一時庇護という概念が国際的に熟したものになっているかどうかという問題。特に、ヨーロッパ諸国で実務的扱いとしてこれは固まっているかどうかという問題、これはどうですか。
#235
○政府委員(大鷹弘君) この領土的庇護というそういう考えから出発しました一時的庇護というこの制度は、まだ世界にはございません。わが国が初めてこれを取り入れたわけでございます。したがって、その一時庇護を許された者の国際的な地位につきましては、現在のところ先例がないわけです。しかし、一時庇護のための上陸の許可を受けている者は、わが国におきましてとりあえず本国の官憲の追及を免れ得る立場に置かれておりますけれども、まだわが国において安定的な在留上の地位を取得しているわけではないので、わが国への定住または第三国への出国のいずれかにより、一時的な避難状態が終了することになるものとして国際的に理解されると考えております。
#236
○近藤忠孝君 国際的に理解されると考えておることはそれば結構ですが、現状は果たしてそういくかどうかという保証はまだないと思うんですね。特に、ヨーロッパ諸国では、一たん他国の庇護を受けた者は再びその国では庇護しないと、こういう法則が確立しているんです。これは御存じだと思いますね。となりますと、一時庇護は、日本なりの新しい制度であり一つの進んだ考えだと思うのでこれは結構なことですが、そのことが諸外国に理解されない場合に、かえって一時庇護したために、その人は今度ほかへ行った場合にそのことを理由に拒否をされる、こういう問題は出やしないか。そういう心配は絶無と言えますか。
#237
○政府委員(大鷹弘君) 一時的な庇護を受けているからといってほかの国が引き取らない、難民として引き取らないということは心配しておりません。現に、いままで四千五百名ほどの人がボートピープルとして日本に到着しましたけれども、そのうちの三千二百名以上の人は第三国へ移っているわけでございます。
 ただ、このボートピープルの人が正式に難民の認定を申請しまして、しかも難民として認定されたという場合には、もうすでに日本において保護されているんだから、もはや自分たちの方でこれを受け入れる必要はないということを言う国があるかもしれません。たとえば、先生いまおっしゃいましたけれども、ヨーロッパではフランスのような国は、どこかの国で保護を受けているというような場合には余り引き取らないというようなことをルールにしているようでございますけれども、難民認定が行われますとあるいはそういう問題が起きるかもしれません。しかし、一時庇護に関する限り、私どもはそういう心配を持っていないわけでございます。
#238
○近藤忠孝君 それは日本で初めてできた制度だから、外国が日本の一時庇護というのを理解しなければ、日本じゃそういうはずがないといったって、それは判断するのは外国ですから、そういう可能性は私は絶無ではないと思うんです。それで決してそういうことを期待するわけじゃなくて、これは学者や専門家に聞きましても、国際的に全然その制度自身もまだ確立していないし、解釈もこれはまちまちだという、こういう状況だと思うんです。
 となれば、日本がこの制度を取り入れた以上は、そういう努力をしなきゃいかぬ。諸外国にそのことを大いに徹底させて、これは一般の庇護とは違うんだということを宣伝し、かつそのことを了解してもらう努力をして初めて、いま局長の言ったことが私は意味を持ってくると思うんですが、そういう努力をなさいますか。
#239
○政府委員(大鷹弘君) 今度の改正法案が国会で御承認を得られました暁には、私どもといたしましては、この一時庇護の制度について関係各国によく説明して、そしてよくわかってもらうよう努力するつもりでございます。
#240
○近藤忠孝君 まだ認定問題たくさんあるんですが、せっかく厚生省から来てもらっていますから、社会保障の関係についてお伺いしたいと思います。
 これは先ほどの質問でも、要するに三十五歳を超えた人々への問題ですね、二十五年間掛けなきゃいかぬから結局掛け捨てになって適用されないということについて、先ほどの答弁では、外国人だけを優遇するわけにはいかないということだったんです。しかし、果たしてそうだろうかという問題が私はあると思うんですね。特に、在日朝鮮人の関係でですね。それで、日本人との比較で言えば、何回か特別措置、経過措置によって救済されてきましたね。うまく掛けることができるような措置があった。それとの比較の問題が一つあります。それから、沖繩復帰のときには、やっぱり特別措置で、経過措置で救済されていますね。それとの比較から言えば、私はいろいろ技術的な問題があるかと思うんですが、一律に外国人だけを優遇するわけにいかないということでけってしまうのは、少し厚生省としては行き過ぎじゃないかと思うんですが、どうですか。
#241
○説明員(長尾立子君) 国民年金の今回の改正についてのお尋ねでございますが、先生御指摘のように、現在、在日しておられます朝鮮半島出身者の方々につきましては特別な御事情があるということは十分承知しておるわけでございますが、国民年金制度、一般的な社会保障制度でございますので、特定な方に、特定の国籍の方だけに特別措置を講ずることはできないというふうに考えております。
 そういたしますと、外国人の方につきまして何らかの特別措置を設けることはできないかという観点で考える必要があるかと思うのでございますけれども、いま先生がおっしゃいました特例措置でございますが、たとえば、現在、外国人の方である一定年齢の方に限りまして特別に資格期間を短縮する。具体的には、現在五十歳以上の方に特別に十年というような期間を認めるとか、それから過去の期間につきまして何らかの特例納付的な措置がとれないかという問題でございますが、これは同じ年齢層のわが国の方をとって考えてみますと、現在五十歳であります方が何らかの御事情で、外国に行っておられたとか、または保険料を滞納しておられたというような事情で過去の期間が満たされておりません方につきましては、何らの措置がないわけでございます。こういう方々につきまして、日本人のそういった五十歳以上の同じ年齢層の方々と比べまして、外国人の方に特別な別な特例措置を設けることというのは、私どもとしてはできないというふうに考えておるわけでございます。
 ただいま、先生、沖繩の特例措置のお話が出たわけでございますが、沖繩が復帰いたしましたのは四十七年であったかと思うのでございますが、実は、沖繩には四十五年にすでに沖繩の国民年金法ができておりまして、沖繩の国民年金法でできておりました措置そのものを、四十七年の復帰の際に、いわば国民年金法に吸収する形で従前のものをそのまま認めたと、こういう経緯でございまして、そのときに新たに特例を設けたということではないわけでございます。したがいまして、今回外国人の方に限りまして特別な措置を設けることはできないというふうに考えておるわけでございます。
#242
○近藤忠孝君 これは朝鮮人に限らず、やっぱり多年居住しておった人に共通する問題だと思うんですが、この人々は、いわばチャンスが与えられていなかっただけですね。日本人の場合にはチャンスが与えられておったけれども、それをいろんな事情でたまたま掛金しなかったという、そういう問題ですから、私は同じには論じられないと思うわけです。
 特に、逆の大変気の毒な例があることは、これは御承知だと思うんですが、それは東京の荒川区に住む金鉱釣さんという人で、この人は区役所の職員に勧められて、ずうっと金正一という通称で掛けてきたんですね。ところが、六十五歳の年金受給年齢に達したらは、おまえは外国人だというんで年金を受けられない。いろいろ折衝した結果、掛金だけは返すということですが、いまこれは訴訟になっておるようですね。
 このように、結局チャンスがなかったんですよ。たまたま掛けておったけれどもそれもだめという、一切認められていなかった。そういうことが一つと、それから、あなたもいま言われたような長い間の経過ですね、これを、二つを兼ね合わせれば、私はやっぱり認めてあげてしかるべきだと、こう思うんです。ただ、日本人との比較で、外国に行っておったためにそのチャンスがなかったという人は、逆にそういう人こそチャンスがなかったんだから、数もそんなに多いはずはないわけで、そんなに渡辺大蔵大臣を困らすような問題じゃないと思うわけですから、逆にそういう人こそチャンスを与えてやる。
 やっぱり近代社会というのは、その人の判断によって行動し、その結果ぐあいが悪かったらだめだというのはいいけれども、その人の意思に関係なく権利が剥奪されたり認められないというのは、私は近代社会の法原理に反するんじゃないかと思うわけですね。そういう点では、やっぱりこれはもう少し考えていくべき問題じゃないかと思うんですが、どうですか。
#243
○説明員(長尾立子君) いま先生の御指摘の問題は、国民年金が二十歳から六十歳という人生四十年の間に二十五年の拠出期間を必要としておりまして、これを原則として皆様にその期間に保険料の拠出をお願いするという基本的な仕組みにかかわる問題であろうと思います。
 ただいま御指摘のように、確かに長年外国に行っておられまして、中年になられましてから日本へ帰られるという方もあるわけでございますが、こういった方々に国民年金の体制の中で何らかの給付を保障していくということを考えますと、現実には国民年金、三十六年に発足いたしまして、二十年の歴史的な経緯を持っておるわけでございますが、その中に二十五年原則という形で皆様に保険料の拠出をお願いしてきたという事業の実績があるわけでございますが、こういった国民年金の従来の経緯を踏まえて、その上でこういった基本的な国民年金の社会保険としての仕組みを変更することが、どういうような影響を持つかということにつきましては、相当慎重な検討が必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 今回の外国人に適用する問題につきまして、国民年金審議会での御審議をいただきました際にも、また、社会保障制度審議会の御審議をいただきました際にも、やはり国民年金といいますものが皆様の拠出によって支えられておる制度でございますので、そういった基本的な仕組みを変更するということにつきましては、慎重にするべきだという御意見をいただいておるわけでございます。
 確かに、先生御指摘のように、わが国の公的年金全体の中で、無年金者が出てくるという可能性をはらんでおることは事実だと思うのでございますが、この解決の問題につきましては、相当に慎重な態度が必要なのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#244
○近藤忠孝君 日本人との比較ということでだめだということなんですが、いまも指摘したとおり、日本人の場合でもむしろ改善を要するいわば気の毒な人との対比ですから、私はそろって今後の問題として取り組んでほしいと思います。
 もう時間も参りましたので、あと最後に、異議申し立て制度について若干の質問をして終わりたいと思うんです。
 まず、行政不服審判法の適用を排除した理由はなぜかというのが第一点。
 それから、行政行為の覊束性、要するに優越性で、いわば行政処分があった、取り消しがあった場合は、認定を取り消した、その場合には効力が発生しちゃうわけですね。そうすると、まだ実質的には確定しないうちに、行政処分が先行して、一定の効果を生じてしまう。その辺で、特別にそういう取り消された人々に不利益な問題が起きやしないかどうか。その辺をどう対処するのか、この点をお聞きして、質問を終わります。
#245
○説明員(山本達雄君) 六十一条の二の四の「異議の申出」の規定をここに設けましたのは、行政不服審判法の特別規定としての趣旨でございます。したがいまして、ここに特別規定を設ける以上は、ここに定められた「異議の申出」に対応する行政不服審判法に定められておる不服申し立てばできないというのは理の当然ではないかと考えます。
 第二点、ちょっと私、大変失礼いたしましたが……。
#246
○近藤忠孝君 要するに、行政行為の効力が出ちゃうわけでしょう、処分しただけでね。だから、まだ裁判で争っている間にも効力の方が優先しちゃうわけですよ、要するに通知だけで。その点で、いわば不利益な問題が起きはしないかということです。
#247
○説明員(山本達雄君) それはこの難民認定関係だけではなくて、行政処分一般について言える問題ではないかと思います。したがいまして、難民認定あるいは認定をしなかったこと、あるいは認定を取り消したことに限って議論をいたしましても、これはちょっと私も何とも申し上げにくい。要するに、それは物事はそういうことになっておるということじゃないかと思います。
 ただ、それで著しく不都合がある場合には性行停止の申し立てという道があるわけでございますので、それでカバーされるのであろうと考えます。
#248
○近藤忠孝君 ちょっとそういう答弁じゃ一言言わなければいけませんけれども、一般にそうなっているからというんじゃこれは質問をすることもないわけで、問題は、やっぱり難民という地位であるために直ちに問題が起きてくるんですね。ほかの行政処分ならそれがあったかなかったかだけの話だから、それほどめ影響がない場合もあるんですが、この場合は特別の問題があるという点で指摘をしたんです。
#249
○説明員(山本達雄君) 具体的なケースを考えた場合に、難民が否定されてすぐ退去をさせられるのではないかというような点を危惧をしておられるのではないかと考えるわけですが、物事の考え方といたしましては、難民の認定をするか否かということと在留の拒否とはこれは全く別個の行政行為である。したがって、理屈の問題としては、難民と認定しても退去させる場合もあるし、難民と認定しなかったが在留を許可することもあるわけでございます。そこはケース・バイ・ケースで、結局は人道的な配慮というものを基本に持って対処していく以外にはないのではないかと考えます。
#250
○近藤忠孝君 それなら結構です。
#251
○中山千夏君 先ほど一九七五年以降にインドシナから流れ出た人々の数が百五十万人ということを伺ったんですけれども、そのうちの大体どのくらいの人たちが日本に来たかということを、ちょっと知りたいんですけれども。
#252
○説明員(今川幸雄君) 百五十万人のうち、数はかなり少ないのでございますが、日本へ来ました者は、定住難民としましては一千四百三十一名でございます。そのほか、一時的に日本へ来ました者は四千七百二十九名おりますが、このうち、すでに大多数の者は米国等の第三国へ定住いたしました。
 なお、念のため、現在なお残留しております一時滞在難民は千三百二十九名でございます。
#253
○中山千夏君 いま現在は千三百七十九名でしたか、二十九名でしたか。
#254
○説明員(今川幸雄君) 御説明がちょっと舌足らずであったかと思いますが、定住難民としまして定住促進センターに入っている者も含めまして、日本に定住しております難民は合計で一千四百三十一名でございますが、そのほかにボートピープルとして日本に一時滞在しておりまして、現在この人たちは日本に定住する希望は持っておりませんが、第三国へ行くのを待っている人が、そのほかに一千三百二十九名いるということでございます。
#255
○中山千夏君 そうすると、事前にいただいた資料のボートピープルの統計というのがありますね、この厚い本の。その中に定住許可者が五十五という数字が出ているんですけれど、これは人数だと思うんですが、これはいまおっしゃった一千四百三十一名ですか、その中にこの五十五名の方たちは含まれているということでしょうか。
#256
○説明員(今川幸雄君) 定住許可を与えました者はかなり多いのでございますが、定住許可を与えました者は、日本におります一時滞在難民の中から日本へ定住を申請いたしまして許可を得られた方は七十二名でございます。この方は、先ほど後から申しました千三百二十九名のカテゴリーの中から外れまして、最初に申しました方の一千四百三十一名の定住難民の数の中に入っております。
#257
○中山千夏君 ちょっとわからなくなっちゃったんですけれども、この統計の資料の方に五十五とあるんですけれど、この資料はないですか、お手元に。これとの関係を、この資料全般についてでも結構ですけれども、ちょっと説明していただけますか。
#258
○説明員(今川幸雄君) まことに申しわけございませんが、先生お手元にお持ちの資料は若干日にちが古い物ではないかと思うわけでございます。実は、許可は毎月あるいは毎日与えているわけでございまして、先ほど申しました七十二名という数が現在の許可数でございます。
#259
○中山千夏君 そうすると、それはボートピープルに限らずということですか、その許可数は。それとも、ボートピープルに限って七十二名ということになるんでしょうか。
#260
○説明員(今川幸雄君) 日本へ一時滞在したボートピープルの中からでございます。
#261
○中山千夏君 先ほど近藤さんがお聞きになっちゃったので、私も伺いたいと思っていたのですけれど、今後難民の申請を希望する人々はどのくらいいるかというようなことを、多分新しい法律を実施に移されようという用意の中ではつかんでいらっしゃるのだろうと思っていたんですけれども、先ほどのお話ではつかみ切れてないということなんですが、事実上どうなんでしょうか。定住の希望者とか、それからもちろん難民の申請の希望者、それからその後に難民の申請をするかどうかは別としても、定住の希望をするというような人の大体の目安みたいなのがわかってないと、いわゆる係の窓口といいますか、どのくらいの人たちがそれに対して対応していったらいいかというような計画も立てにくいのじゃないんでしょうか。
#262
○政府委員(大鷹弘君) 先ほども実はこの数字は非常につかみにくいということを申し上げたのですが、しかし、日本に定住を目的に来られている難民の方々、これは千四百何十名かいるというただいま外務省からのお話でございましたけれども、こういう方々はほとんどすべて難民認定を申請されるのじゃないかと考えております。
 問題は、いわゆるボートピープルでございまして、この方々のうちどのくらい、千三百何十名いるわけでございますけれども、どのくらいが果たして難民認定を申請されるか、一番むずかしいのです。と申しますのは、その方はどこまでも第三国に行こうということを希望しておられるわけで、したがって、日本で難民認定の申請をすることがどれだけの意味があるか、かえって自分たちが第三国へ行くことの邪魔になりはせぬかということを心配される可能性もあるわけです。
 しかし、この際、仮に思い切って何かの数字を出すために、現在日本におります千三百何十名かのボートピープルの約半数が難民認定を申請するといたしますと、それだけで約二千名ということになりましょうか。これにインドシナ難民以外の方々で、もしかしたら難民認定をされる方もあるかもしれません。たとえば白糸ロシアの方であるとか、台湾独立運動に携わった方々とか、そういう方がおられるようですが、そういう人たちも入れますと、いまの数字二千名プラスアルファということになりましょうか。この辺があえて数字を申し上げればということで、いま御質問にお答えしたわけでございます。
#263
○中山千夏君 そうすると、たとえばボートピープルの中から何人かの方が難民申請をなすって、その後その定住許可をとられて日本に住みたいという希望を持たれることもあるわけで、その場合に、そういう外国の方たちに日本になじんで住んでもらうという施設として二つ施設があるというお話を伺ったんですけれども、そちらの受け入れ体制とか現在の状況から見て十分やっていけるのか、その辺のところをちょっとお伺いしたいんですけれど。
#264
○説明員(今川幸雄君) ボートピープルから日本へ定住を認められます方々は、必ずしも難民条約上の難民と認められなくても許可されるわけでございますが、この方々は現在までのところ先ほど申しました数でございますが、海外から来られた定住難民と一緒に二ヵ所の定住センターのどちらかの定住センターに入られまして、日本語教育、職業訓練、職業あっせん等を受けられるわけでございます。
 将来、どのくらいの数にふえるかということは、先ほど入国管理局長の方から御説明があったとおりでございますが、これにもかかわらず、日本に定住される方は現在のところ大体両方のセンターで一時期に二百名余りでございますが、何とか受け入れていくことができるのではないかと思っております。と申しますのは、受け入れがパンク状態になるということは、現在のところ予見していないということでございます。
#265
○中山千夏君 難民と認定はまだもちろんされないわけですけれども、そしてボートピープルとして来た人たちが、わりと日本に定住することは望まなくて、大体外国へ行きたいというふうにおっしゃるのは、どうなんですか、受け入れ体制が悪いからそういうふうにほかの国へ行った方がいいというふうに考えられるのか。それとも、もっとほかのいろいろな理由で外国へ行かれるんでしょうか。その辺、どうですか。
#266
○説明員(今川幸雄君) 確かに先生御指摘のとおり、定住するインドシナ難民の数は必ずしも多くないわけでございますが、これはその理由として考えられますことは、まず難民の、特にボートピープルはベトナムの方々ですが、この方々は親兄弟がアメリカ等欧米諸国にいるという方が多いために、欧米諸国へ行きたいということを望んでいるということ。それから、言葉の問題でございますが、やはり英語とかフランス語ができる人が多いものでございますから、そういう人はそういう言葉の通じるところへ行きたい。新たな日本語を覚えることに最初ちょっと抵抗があるということもございますし、それから一般に、従来やはりアメリカとかフランスという国に比べまして、わが国がなじみが薄かったということもあるのではないかと思っております。
 特に、わが国の受け入れが冷たいということから、定住希望するボートピープルが少ないということではないと考えております。
#267
○中山千夏君 先ほどそのセンターで職業的な訓練を受けた方やなんかが、ほとんど中小企業に勤められるということを伺ったんですけれども、ちょっと考えますと、中小企業も大変でしょうし、そういう受け入れば大きな企業が行った方がいいように思うんですけれども、それはどうして中小企業が中心になっちゃうんですか。
#268
○説明員(今川幸雄君) 今日までの実績を見ますと、結果的に、大体従業員百名から三百名程度の工場の求人が一番多いということでございまして、こういうところは、とかく工場の経営者の方が、非常に人道的見地からと言われますか、あるいは非常に温かい気持ちをお持ちになって、難民のために住居も世話しようという、いろいろ殊勝な気持ちを持っていらっしゃる方が多いようでございまして、結局また難民の方々も、特に大企業の中に入るよりも、むしろ従来の経験から見ましても、そういう中規模のところで働かれた方が本人も非常に幸福であるということではないかとわれわれ見ております。
 なお、大企業に就職している方も、若干はあるわけでございます。
#269
○中山千夏君 いままでお話をいろいろ伺っていまして、方向としては、とても人道的にいい方向に向かっている改正だと思うんですけれど、実施をしていく上で、とてもいろいろ個別にむずかしい問題が出てきそうだと思うのですね、まあ法律というのは何でもそういうものなんでしょうけれども。
 それで、これで質問の最後になりますけれど、この難民に関した各条項を実施されるに当たって、こういう点に非常に気をつけなければいけないというふうにお考えになっていらっしゃる点、それから、それはどういうふうにして気をつけていったらいいかと特に考えていらっしゃる点について、法務省の方と、それから大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#270
○国務大臣(奥野誠亮君) 現在、ボートピープルで日本に来ておられる方々は、日本に来る目的で国を出られたのじゃなくて、国を外に出て、海洋で外航船に救いを求められる。その船がたまたま日本に寄港する。大勢の方をたくさん乗せたままで航海を続けるわけにいきませんので、とりあえず日本に一時上陸をしてもらう、そういう方が、いま先ほど御説明のように、現在でも千三百何人かおられるわけでございます。
 難民がその中におられるといたしましても、一時上陸の方々を、現在はそれぞれボランティアの方々にお世話をいただいているわけでございまして、これで政府として責任を果たせるだろうか、そういう意味で一時庇護センターのようなものを考えるべきじゃないかという意見が出ているわけであります。
 現在は、難民高等弁務官府の方のお金でそういう方々の生活が保たれているわけでございますけれども、それにいたしましても、医療の問題がございますし、また、毎日の生活の問題がございます。もう少し政府が責任を持つべきじゃないだろうかなという、こういう意見がございます。これはやはり真剣に対処すべき道を考えていくべきだろうと、こう思います。
 同時にまた、難民にいたしましても、その他の方々にいたしましても、定住されるとしますと、そのお世話をしていく、幸いにしていま二ヵ所に定住センターが設けられているわけでございまして、ある程度積極的に、こういう場合には政府が責任を負ったお世話ができるというかっこうになってきているのじゃないかと思います。
 加えて、国民の皆さん方、非常に温かい気持ちで、私のところへ引き取りますよと、こう言ってくださっている。私は、これは大企業に行かれるよりも、こういう積極的に進んでお世話しますよと言ってくださるところでお世話をいただいた方が、日本における適応能力が出てくるのじゃないかと思うのです。大企業ではサラリーは出せるでしょうけれども、その方々の日本の風土に適応していけるようなお世話をするというところまでとてもいかないのじゃないだろうかと思います。私は、やっぱり家庭的な配慮も必要になってくるのじゃないかと思うのでございまして、いま非常に多くの方々がそういう申し出をしていただいているわけでございまして、一応これはうまくいっているのじゃないかなと、こう思うわけでございます、今後人数がどうなっていくかによっても違うわけでございますけれども。
 こういうことを通じて、だんだんと私は日本も一応責任を果たすようになってきたという評価が得られるようになったのじゃないか。私は、昔のようなことをやっておったら世界のきらわれ者になりますよと、こんなことを政府当局に私自身が質問の形で申し上げたこともあるわけでございます。だんだん御議論いただきましたところも配慮をしながら改善に努力をしていきたいと、こう思っております。
#271
○政府委員(大鷹弘君) この入管令の改正案が、難民認定法として国会の御承認を得られまして実施に移されました暁には、難民に関する部分につきましては、法務大臣の御指示のもと、難民条約の精神にのっとって正しく運用したいと、こう考えております。
#272
○中山千夏君 ありがとうございました。終わります。
#273
○委員長(鈴木一弘君) 速記をとめてください。
   〔午後四時十分速記中止〕
   〔午後四時二十二分速記開始〕
#274
○委員長(鈴木一弘君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#275
○委員長(鈴木一弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、寺田君から発言を求められておりますので、これを許します。寺田君。
#276
○寺田熊雄君 私は、ただいま可決されました難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び一の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    難民の地位に関する条約等への加入に伴
    う出入国管理令その他関係法律の整備に
    関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について格段の努力をすべ
 きである。
 一 本法の運用に当たっては、難民条約の趣旨
  にかんがみ、人道上の見地から充分な配慮を
  すること。
 二 定住インドシナ難民については、わが国の
  社会に適応した生活を送ることができるよう
  充分な配慮をすること。
  右決議する。
 以上であります。
#277
○委員長(鈴木一弘君) ただいま寺田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#278
○委員長(鈴木一弘君) 全会一致と認めます。よって、寺田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、奥野法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。奥野法務大臣。
#279
○国務大臣(奥野誠亮君) 御決議いただきました趣旨を尊重して、善処してまいりたいと存じます。
#280
○委員長(鈴木一弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#281
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#282
○委員長(鈴木一弘君) これより請願の審査を行います。
 第一七一号スパイ防止法制定促進に関する請願外百七十六件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 理事会で協議の結果、第九九八号婦人差別撤廃のため国籍法改正に関する請願外十一件、第一四一七号国籍法の改正に関する請願外三件及び第三五九五号法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の大幅増員に関する請願は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一七一号スパイ防止法制定促進に関する請願外百五十九件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#283
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#284
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#285
○委員長(鈴木一弘君) 継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。
 集団代表訴訟に関する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#286
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御存願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#287
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#288
○委員長(鈴木一弘君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#289
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#290
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#291
○委員長(鈴木一弘君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後四時二十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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