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1980/06/04 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 地方行政委員会 第14号
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1980/06/04 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第094回国会 地方行政委員会 第14号
昭和五十六年六月四日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     石破 二朗君
     松尾 官平君     鍋島 直紹君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     石破 二朗君     井上  孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀長 友義君
    理 事
                金井 元彦君
                熊谷  弘君
                志苫  裕君
                伊藤 郁男君
    委 員
                井上  孝君
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                後藤 正夫君
                名尾 良孝君
                原 文兵衛君
                福田 宏一君
                小山 一平君
                佐藤 三吾君
                本岡 昭次君
                和泉 照雄君
                大川 清幸君
                神谷信之助君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
   政府委員
       総理府人事局次
       長        森  卓也君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     宮尾  盤君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       人事院事務総局
       任用局審議官   白戸  厚君
       文部省大臣官房
       人事課長     齊藤 尚夫君
       文部省初等中等
       教育局審議官   西崎 清久君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員法の一部を改正する法律案(第九十
 三回国会内閣提出、第九十四回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩本政光君及び松尾官平君が委員を辞任され、その補欠として石破二朗君及び鍋島直紹君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀長友義君) 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○本岡昭次君 まず、人事院に質問をいたします。
 昭和五十四年八月九日付の総理府総務長官あてに出された定年制度についての人事院見解、この見解が今回定年制の法制化を政府が提案する重要な動機であり、また、その裏づけになったと、このように考えてもいいと思います。そこで、その人事院見解なるものにつきましてその内容をある程度詳しくいまからお聞きいたします。
 まず、定年制導入の意義について、前文として述べられてあるわけですが、特にその中のいまから読み上げる部分についてお尋ねいたします。「近年、我が国の人口構造の急激な高齢化の影響もあって、勤労者の間に高年齢まで就業したいという意識が高まってきている。このことは、公務部内においても例外ではなく、高齢者の労働市場が狭いことなどと相まって、近い将来、勧奨は十分には機能しにくくなり、公務部内における職員の高齢化の傾向が次第に強まるものと考えられる。」、こう述べて、その結果、「国家公務員制度に定年制度が導入されることは意義のあるところである。」というふうに、具体的な中身を述べながら結論づけておられるわけですね。
 そこでその部分の、まず、「勤労者の間に高年齢まで就業したいという意識が高まってきている」ということについて、その前段に、「人口構造の急激な高齢化の影響もあって」と、このように何か全体の状況の中での高年齢まで就業したいという、何か非常に抽象的な結びつけがしてあるのですが、人事院として、詳細な調査もした上でこのような結論に達しておられるのじゃないかと思います。なぜ、高年齢まで就業したいという意識が公務部内の中にも起こってきているのか、あるいはまた、どのような調査によってそうしたことがこのように書き切るだけの資料として押さえることができたのか、そういう点について御説明を願います。
#5
○説明員(白戸厚君) 「人口構造の急激な高齢化」という問題につきましては、従来の国勢調査等の人口調査におきまして、だんだん高齢者の比率が高まってきておるという状況が出てきておるわけでございますし、またそれが今後さらに高まっていくということは、厚生省の人口問題研究所等の調査でも明らかでございまして、そういう傾向がさらに強まっていくということが第一でございます。
 そういうようなことが最近問題になりまして、高齢化社会に対応するためにはということでいろいろと見解の表明等もございますし、また、やはりそのためにはある程度高齢者についても雇用の機会を与えなければならない、こういうふうなこともございまして、たとえば労働省におきまして、六十年までに六十歳の定年といいますか、要するに定年延長を行って定年年齢を六十歳にまで引き上げよう、こういうような政策もとられておるわけでございまして、こういうような諸般の事情を反映いたしまして、各労働者といいますか、国民の中に高年齢までも就業したいというような意識が高まってきておる。これは、その意識の高まりということについては私どもとしては特に調査はいたしておらないわけでございますが、いろいろな調査がございましてそれで裏づけられておる。
 こういうような事情がございますので、そういう国民全体の高年齢まで就業したいという意識が、これがやはり公務員の中にも同じような考え方が強くなってきておる、こういうことでこのようなことを見解の中で表明いたしたわけでございます。
#6
○本岡昭次君 公務員が望む「高年齢まで就業したいという意識」の「高年齢」というのは、一体何歳を高年齢というふうにとらえておられるんですか。
#7
○説明員(白戸厚君) この「高年齢」が何歳であるというようなことは、実はそういう意識調査は行っておりませんのではっきり申し上げられないわけでございます。
 ただ、勧奨年齢につきましても、ただいまは行(一)の課長補佐級以上と申しますか、そこらあたりで、大体六十歳中心であるが五十八歳が相当ある、こういうように勧奨の基準年齢がなっておるわけでございまして、そういう意味におきまして、それよりもさらに長くということで考えておるのではないかというようなことでございまして、まあ少なくとも六十歳くらいはというように考えておるわけでございます。
#8
○本岡昭次君 六十歳というのを高年齢というふうに言われましたが、しかし、国家公務員の場合、六十歳まで働けるという状況が現在の退職管理あるいはまた退職勧奨制度の中で機能をしているんじゃないんですか。
#9
○説明員(白戸厚君) 先ほど申し上げましたように、勧奨基準年齢、これは六十歳が一番多いわけでございますが、五十八歳もそうでございます。あるいは、それよりさらに低いところもあるわけでございます。そうして、現実にそういう職員の退職する平均年齢というものが、この見解を表明したところでは平均が五十八・九歳、それからまた五十四年度では、これが一番最近の数字でございますが、五十八・五歳というようになっておるわけでございまして、大体そこらあたりが現実の退職の実態というように考えておるわけでございます。
#10
○本岡昭次君 いまのお話では、「高年齢まで就業したいという意識が高まってきている。」という高齢が六十五とか七十とかいうのであれば理解できるんですが、その高齢というのが五十八とかあるいは五十九、六十程度。そこまで就業したいという意識が高まっているって、現にそこまでみんな働いてやめているんだから、このことを「公務部内においても例外ではなく」という書き方は、何かどうも文章の記述上おかしいですね、取ってつけたような……。
 もう一遍聞きますが、そうすると、よくいま労働力の中高年齢なんて言いますが、一体その中年とか労働力の高齢とかいうのはどの年齢を指して使うんですか。
#11
○説明員(白戸厚君) ただいまの私のお答え、若干舌足らずだったのかもしれませんが、五十八とか九というものが、そこまで働きたいという公務員の意識というようなことではございませんで、そういうところが実態でございますし、また、労働省においても民間の定年を六十に延長しようということでいまいろいろと努力しておるところでございますので、はっきりしたことは申せませんが、六十以上ということを先ほど申し上げましたが、そういうところで考えておるわけでございます。
 なお、中高年は何歳かというお尋ねでございます。これについてはいろいろ人によって分け方が違うわけでございますが、通常四十五歳から中年、それから五十五歳から高年というような使い方をおる例が多いようでございます。
#12
○本岡昭次君 ちょっともう一遍、最後の中高年の年齢を。
#13
○説明員(白戸厚君) これはいろいろ人によって使い方がまちまちではございますが、通常四十五歳から中年、五十五歳から高年というような使い方が普通であると考えております。
#14
○委員長(亀長友義君) 白戸審議官にお願いしますが、あなたの発言は声が低いのでこちらの側では余りよく聞き取れません。ですからその点御注意して、大きい声でお願いいたします。
#15
○説明員(白戸厚君) 失礼いたしました。
#16
○本岡昭次君 通常五十五歳からが高齢ですか。そうするとこれ、大変なことになりますね。まあ私は本会議では人生八十年時代と言ったが、平均寿命が男子七十三歳、女子七十九歳、世界の最長寿国になりつつある日本の高齢者対策というのは五十五歳からというその認識を人事院が持って、そしてこの定年を出された、私は大問題だと思いますがね、これは。なるほどわかりました。それで「勤労者の間に高年齢まで就業したい」という、その「高年齢まで」という意味がそれで私は理解できました。
 それはあなたの一つの見解であり、人事院の見解であろうと思います。それは私はおかしいと思いますね。意見をあなたが言うか言わないか自由ですが、少なくとも今日のその高齢という意味が、その人が生産労働に携わることができるのかどうか、働く意思と能力を持つのか持たないのかというふうなこととかかわり合いなく、ある一定の年齢を引いて会いまは何も一般的なことを話しているんじゃないです、働いている者を、一体どこからを高齢者と言うのかという論議をしているんですから、私は、人事院の見解というのはこれは大変な間違いであり、そのことを基礎に公務員の定年制を考えられたのでは、これはもう公務員は大変だというふうに思います。それは後からもっと詳しく具体的な中身で詰めていきますが、一応その問題はおいておきます。
 そこで次に、「高齢者の労働市場が狭いことなどと相まって」と、こう書いてあるんです。「近い将来、勧奨は十分には機能しにくくなり」と、要するに、高年齢というのは五十五歳以上とおっしゃったから、五十五歳以上あるいは六十歳以上まで働きたいという意識というものが公務部内に出てきた、しかし、働きたいと言っても、高齢者の労働市場は非常に狭い、働けない。こういうふうにおっしゃっているわけですね、論理として。そして、ここでいう公務員の高齢者の労働市場ということですが、これは一体どういうものを指すんですか。
#17
○説明員(白戸厚君) この労働市場という言葉につきましては、別に公務員のということではございませんで、一般的な労働市場ということで、求人倍率等が高齢者の場合には求人の方が非常に少なくなっている、こういうようなことで申し上げておるわけでございます。
#18
○本岡昭次君 では、その一般的な労働市場ですね。労働市場ということでここで述べられているんですが、これは少なくとも公務員の定年制の問題について言及されているんでしょう、その意義として。とすれば、人事院は公務員が高年齢まで働きたいという意識が高まっている、しかし、公務員の高齢者の労働市場が非常に狭いというふうにここにこう文脈としてなっているんですから、公務員の高齢者の労働市場というものは一体どういうふうに考えておられるんですか。一般の問題じゃなくて、はっきりと公務員という立場で当然人事院として考えるのが筋でしょう、ここまで書いておられるんですから。
#19
○説明員(白戸厚君) ここで高齢者の労働市場が狭いということを書いておりますのは、高齢者の労働市場が狭いということは一般的に言われていることでございますし、また、数字も示しておるわけでございますが、そういうようなことがやはりその意識といいますか、それに影響をしてくるという意味で申し上げておるわけでございまして、現実に行く先が少ないとか、そういうような意味でここに書いたわけではございません。
#20
○本岡昭次君 それでは、意識とおっしゃるなら、少なくとも公務員が退職したときにどういうところに再就職しているかということぐらい、人事院は公務員の番人だとかあるいは公務員の権利を擁護する機関だとか言われているんだから、退職した後も一体どういうところに就職しているのかと、その問題でその労働市場が広いのか狭いのかということも具体的に明らかになるんじゃないでしょうか。どういうところへ再就職しているんですか、退職後。
#21
○説明員(白戸厚君) ここで申し上げておりますのは、あくまでも一般的な問題として申し上げておるわけでございますが、公務員が退職後就職するというのは、これはやはりその前にどういう職にあったかというようなこともいろいろ影響してくるわけでございまして、比較的従来のものに関係のあるところに就職しておる者もございますし、また、全く独自に一般の民間会社に技術等の特技を生かして入るというようなこともございますし、まちまちでございまして、ちょっと一口には申し上げられないわけでございます。
#22
○本岡昭次君 私は、もっと人事院というのを信頼しておったんですがね。公務員に六十歳の定年制をしくことに意義があるというその見解を出すについて、一体どういう調査をされたんですか。まことに不親切だと思いますね。定年をしくということは、一定の年齢に達したら、公務員としてのいわゆる労働関係をそれて終了させるということでしょう。これはきれいな言葉ですよ。別の言葉で言ったら強制退職させる、公務員の側からすれば首を切られると。そうでしょう。経済活動そのものがなくなるわけですよ。そういう状態に置く定年制を、意義あるものとして書簡でもって見解を出すに当たって、一体現在勧奨制度のもとでやめていく公務員がどういうふうな第二の職場を求めているのか、あるいは再就職しているのか、どういう生活状況にあるのかということを抜きにして、定年制をしくなんというようなこと、それが人事院ですか。私は納得できませんね、そんなあやふやな一般的なことでもってこの定年制問題について書簡を出したということについてもっと詳細に言ってください。
#23
○説明員(白戸厚君) 再就職先等について継続的にとかいうことで調査したことはございませんが、これは退職年金受給者の生活状況の追跡調査ということで、四十七年の退職者で年金受給者について調査したところによりますと、翌年の就業率が四四%、こういうような数字が出ておるわけでございますし、またこれは、ただいまのは本人に当たってということでございますが、そのほか、やや正確は欠くわけでございますが、五十四年度に私どもで調査した関係では、再就職した者は自営業も含めまして約五〇%という数字が出ておるわけでございます。これは自営業が一五%、再就職が約三五%、そういう数字になっておるわけでございます。
#24
○本岡昭次君 自営業はわかりますが、再就職というのは、それはどういうところに再就職しているんですか。
#25
○説明員(白戸厚君) 再就職先といたしましては、民間企業、それから団体あるいは地方公共団体とか政府関係機関というところでございまして、最も多いのは民間企業が一四%ということになっておるわけでございます。
#26
○本岡昭次君 そこで、総理府あるいは自治大臣にもお伺いをしたいんですが、私がここの部分を問題にしているのは、定年制を人事院が導入することを意義あることだとしている主要な理由に、勤労者の間に高年齢まで働きたいという意識が高まっている、一体このことを評価するのかしないのか。高齢化社会に急速に進むわが国にあって、この問題をどうとらえるのかということ。そして、しかし働きたいという意思があるけれども、その高齢者の働く職場というのは非常に少ない。だから、将来公務員についても勧奨してやめてくれと言っても、働く職場がほかにないのだからやめないと言って、公務員として長く居座ってもらっては迷惑だと。だから、定年制をしいて、ここで強制的に退職させなければならない、こういうことになっていると思う。
 百歩譲って、諸般の事情から定年制というものをしくことの必要性があったとしても、そうするとその前段にある高年齢まで働きたい――高年齢は五十五歳からとおっしゃいましたから、上はおっしゃらなかったので、これは七十でも七十五でもいいわけなんですが、そうした高年齢まで働きたいというその人の意思ですね、労働する意思、一体それはどこでどのようにかなえていくのか。これは高齢化社会へこれから進んでいく日本の新しい解決しなければならない問題で、人事院だけが背負わなければならないことではないわけですが、しかし、ここのところを解決していかないと、この部分だけで定年制を導入するということには私はどうしても、定年制をしくことに百歩も千歩も譲歩しても、納得ができない。
 そこで人事院なりあるいは総理府、自治大臣にお伺いするんですが、人生八十年時代と世界の最長寿国に進んでいく。そして、いままで五十五程度でやめてもいいと思っておった人も、もっともっと働きたいんだと。あるいは国の要請としてそうした人をもっと働かさなければならないとかいうものも一方ではいろんな事情であろうと思うんですが、そうした高齢化社会との関連で、今回の定年制はどのように考えられているのか。また、将来の問題としてどのように関連を持たそうとしているのかという事柄について、それぞれからひとつお考えを聞かしていただきたいと思うんですが。人事院はそういうことを考えてこの定年制を出したのだというふうな立場ですね。ひとつ人事院、総理府あるいは自治大臣、それぞれからお聞かせ願いたい。
#27
○説明員(白戸厚君) 定年制度について導入に意義があるということを人事院として考えておりますのは、新陳代謝の確保による公務能率の増進という見地からでございます。その場合に、いまの公務員の生活の問題ももちろん重要な事項でございまして、まあ私どもが六十歳というものを原則定年といたしましたのは、最も重視いたしましたのはやはり現在の退職の実態がどのようになっておるか、こういう点でございまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、当時で五十八・九歳。これが六十歳ということであれば、むしろ高齢化社会に向かって全体としては若干改善されるんじゃないか。それからまた、そのほかに職種によりましては特例定年の道を開きまして、それぞれに考えたわけでございます。そういうことで退職の実態を一番中心に考えたわけでございます。
 そのほかに、民間とのバランスということもやはり考えたわけでございまして、これにつきましては現在五十五歳が中心ではございますが、二番目に六十歳というものがきておりまして、全体として六十歳の方向に動いておる、こういうことが次の参考になったわけでございます。
 それからまた、先ほど申し上げましたとおり、労働省で、六十年を目標に六十歳に定年を引き上げる、こういうようなことも政策として取り上げておりまして、これらを総合勘案いたしまして原則六十歳ということを決めたわけでございまして、その上でなお必要なものにつきましては、これを超える特例定年というものを定めていく。特にその場合に、これは特例定年の二号の関係でございますが、労務職員等についても特別な配慮を考えた、こういうような事情でございます。
 そのほかに、やはり場合によりまして、またいろいろな措置が必要ということで、再任用というような道も開くということを考えたわけでございます。
#28
○政府委員(森卓也君) 国家公務員の定年退職後の生活の問題につきましては、民間も含めまして国全体の労働政策あるいは雇用政策の中で考えていかねばならない問題だと思われますが、公務員の定年退職後の生活設計につきましては、一般的に言えば、それまで蓄えました財産と、それから退職時に支払われます退職金と、それから共済年金、それから再就職というようなことによって維持されるだろうと思われます。そのうち、年金等の社会保障制度との関係は非常に重要な問題でございますが、これは現在国家公務員の場合、共済年金の支給開始年齢と定年制との間にはギャップがございませんので、この点については問題はないだろうと思っております。
 それから、再就職先の確保の問題につきましては、一般の高齢者の雇用対策という中で考えられるべきものとは思われますが、国といたしましてもやはり退職後の職員の生活設計ということについて不安を生じさせるということになりますと、士気の低下というような問題、あるいは公務の能率的な運営が妨げられるというような問題も出てまいりますので、いろいろ検討いたしておるわけでございまして、諸外国では退職準備プログラムというようなものが開発されているように聞いております。それからまた、わが国の民間企業におきましても、一部、再就職のための研修といったようなものが行われているようでございます。
 そこで、私どもも国家公務員制度に定年制を導入するに当たりましては、こういったものを参考にいたしまして、実情に見合った退職準備プログラムというものを開発をして、退職予定者の不安の解消を図っていきたい。その中にはどういうものが具体的にあるかと申しますと、一つは退職に関する問題についての相談制度、それから退職準備のための講習会、それから退職予定者へのガイドブックの配付、あるいは再就職のための能力開発など、いろいろあるようでございますし、その内容も、生きがいの問題とか、年金問題とか、持ち家対策、あるいは健康管理、あるいは地域社会への順応、家族問題といったような、非常に幅広い分野にまたがっておるようでございますし、再就職に関する事項もその中の一つの項目として含まれているわけでございます。こういったものにつきまして、今後どういうものをどのように具体化していくかということにつきましては、関係省庁とも一層研究をして、昭和六十年の定年制度発足までには具体化をしていきたいというふうに考えております。
#29
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私へのお尋ねでございますが、現実を見ますと、地方公共団体におきまして現在は五十八歳ぐらいで勧奨退職しているわけでありますが、その際に一番気を使っておりまするのは、その人の再就職の問題、これには各自治体の責任者は非常に努力をしているわけです。それで、結果を見ますと、統計的にはっきりした数字はありませんけれども、その個人の親類、友人、そういう関係でいろいろとその後における身の振り方を決めておる者もありまするし、それから自治体でもって非常に努力をいたしまして、職域を開拓をいたしまして、それを採用してもらうというようなこともやっておる。それからまた、相当の長い間の公務員生活で知識、経験を持っておるわけでございまするから、その地域社会におきまして、ボランティア活動といたしまして、そういう人の過去の経歴を生かすような、そういう道を選んでおるものもある。まあいろいろ多様な進路でございまして、本当に退職をして生活に困る、それでもう何とも処置がないというのは私は比較的少ないんじゃないかと思います。また、そういう実態が出てまいりました場合には、関係者がいろいろと努力をいたしまして応急措置を講じてやるというような、相互扶助的な活動というものが実際的には地方団体において行われておると思います。したがいまして、その区分は統計的にどうというわけにはまいりませんけれども、いまのところはそういう現状だろうと思います。
 それで、いままでは五十八歳でございますけれども、今度は六十ということになりますと、公職についている期間がそれだけ長くなるわけでございまするから、さて、六十のときにどうするかという問題に逢着するわけでございまするが、さしあたりのところは、いま五十八歳の勧奨退職でやっておるような手法でやっぱり六十のときに各自治体も努力せにゃいかぬだろうと、こう思うんです。それからまた、いままででございますと勧奨退職でございまするが、今度は六十歳というふうにはっきりいたしますと、その辺の準備行動あるいは折衝その他も、人員も決まり、年限も決まるわけでございまするから、その辺の自治体の自主的な活動というものが比較的計画的に行われやすいのではなかろうかと、こういう感じもするわけでございます。
 これは現実の姿でございまするが、制度的に一体高齢者の再就職の制度をどうするかという問題は、依然として制度的には残るわけでございます。この点については、労働省その他関係省におきましてもいろいろと工夫をしておるわけでございまするが、六十以上ということになりますと、肉体的な活動というものは何としても低下するわけでございまするから、そういう方面にこれを活用するということもなかなか実際的にはむずかしいだろう。そうしますと、その個人の持っておる、いままで蓄積されましたところの能力というものを社会全体にどうして活用していくかという道筋を制度的にも考えていく必要があるだろうと思っております。そういう点について、関係省庁はいろいろといま工夫をしておるところだろうと、こう思っております。
#30
○本岡昭次君 いま総理府あるいはまた大臣の方から、労働者の高齢化に伴って定年制を導入した、その前後の問題についての具体的な説明がありましたので、その点については私も納得ができます。
 そこで、高齢労働者の問題というのはやはり三つあると思うんですね。一つは、人事院のこの文書にもあり、先ほど論議したように、とにかく高齢になっても働きたい、雇用関係をどこかと結びたいという雇用への進出というんですか、働きたいという、そういう者に対して雇用の場を与える、就業を保障するというこの一つの問題。それから、いま働いている職場で継続して働かしていくという措置をどう考えるか。三つ目は、もうここで働くということをやめたい。引退する、勇退する、退職するということですね。こうした三つのことが総合的に一つの政策として出ていかなければだめじゃないかという考えを持っているんですね。
 いま、総理府なり自治大臣の答弁では、六十年に実施するまでにそうしたことを各省庁と協力してつくっていくと、こういうことであるんですが、しかし、かつて社会党が公明党、民社党と協力して三党で、民間企業を対象にしたものですが、定年延長についての法案を国会に提出をいたしました。そのときには、その法案の名前というのは、定年制及び中高年齢者の雇入れの拒否の制限等に関する法律案ということで、一方で定年をしいて労働関係を断ち切るという年齢を決めようじゃないかということと、もう一つ、高齢者の雇用の問題、それを高齢であるがゆえの年齢でもって制限したり禁止したりしてはならぬというものを一緒につけて出していった。ぼくは、こういうやり方が一番道理にかなった、高齢労働者に対する総合的な、整合性のある一つの政策だと、こう思うんです。
 ところが今回の場合は、一方の定年問題だけが法律化されて、そして、あと二つの問題はこれからひとつ考えていきましょうというこのやり方は、どうしても片手落ちだ。何か無理やりにここだけは切ってしまおう。しかもそれが現在勧奨でうまく機能しているという状況にあって、年齢に制限を加えて労働関係を断ち切ろうとする。どうしてもそこのところが納得が私はいかない。全く片手落ちであると思うんですが、この点について、ひとつ総理府あるいは自治大臣、私がいま言っていることにつきましてどうお考えですか。
#31
○政府委員(森卓也君) 私どもが定年制を導入いたしますに当たりましては、やはりいろいろ慎重に対処する必要があるということで、先般の佐藤謙員の御質問に対しましてもいろいろ御答弁申し上げましたが、その際に申し上げた中に、直ちにやはり定年制を導入するということにはいろいろ問題があるだろうということで、昭和六十年に六十歳という定年制度を導入するということで、その間に相当の準備期間を置くように配慮したつもりでございますので、ただいま先生が御指摘のような点につきましては、その間にいろいろと準備をする期間として使えるのではないかということで、昭和六十年に実施をするということで、いま直ちに六十歳の定年を導入するということではございません。ただ、そういう大分先のことをいまから決めておきませんと、いろいろと準備体制が整わないということで、まず定年制度の方を決めたということで、それに対するいろいろな補強措置につきまして、ただいま御説明申し上げましたように、検討をしているということでございます。
#32
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員の定年制の問題でございますが、いま御質問の点は、定年年齢というものをどういうふうに設定するかということに関連する問題だろうというふうに思います。
 地方公務員の現在の退職年齢は、大体一般的なところといたしまして、おおむね五十八歳という年齢になっております。
 私ども、今回定年制法案を検討するに当たりまして、もちろん国家公務員との整合性ということも考えておるわけでございますが、それと同時に、いろいろと御議論がありますこれからの高齢化社会への対応という観点から、定年年齢というものをどういうふうに考えていくべきかという点もあわせ考えまして、そういう意味から国家公務員の原則定年、さらにはその基礎となっております、民間において現在進められております六十年における六十歳定年の実現、こういうことを考慮いたしまして、国家公務員法が定めておる原則の六十歳という定年年齢を基準とすることがよかろうと、こういうふうに考えたわけでございます。
 なお、中高年齢者に対する雇用問題等についてのいろいろな御質問があったわけでございますが、これは私ども所管ではございませんのできちんとした御答弁にはなりませんが、中高年齢者等につきましては、その雇用に関する特別措置法が制定をされておりまして、広い意味での労働行政の中で総体的に中高年齢者の雇用というものについてこれからも取り組んでいくべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。
#33
○本岡昭次君 総理府に再度お尋ねしますが、いますぐこれを実施するんじゃないんだ、六十年だと。定年制の問題は実施するまでいろいろな準備が必要だから早目にこれをやって、そして私が言った高齢者の働く諸問題についてはその間に全部整えて、私が言った三つの問題は定年制が実施されるときには一つの整合性のある統一された高齢者労働の政策として必ずやると、こういうお話でありますが、それはでき上がっていたものとしてならそれはわかるんですがね。しかし、いま定住制を論議する場合に、法案そのものにその部分が欠落しているということは、どうしても私は、あなたがそういうふうにすると言われても、公務員労働者にとっては、労働基本権そのものがいわゆる法律的に制約されて、そして自分たちの基本的な身分にかかわる問題あるいは基本的な労働条件にかかわるさまざまな問題が、団体交渉として労使で交渉をして協定を結んでそこで取り決めをしたことを双方が約束ごととして実行していくという関係になく法定主義をとっている状況下にあって、この労働関係を断ち切るという身分の問題で最も重要な問題が、公務員と使用者である政府あるいは地方自治体との間で厳しくやりとりがされて実情を追及してその中でそれならこういうふうにしようじゃないかといって持ち上がったものじゃなしに、法律として上から公務員なり地方公務員に強制しようとすること自身に私たちが反対をし、問題を提起しているんですね。だから、そうであればあるほどその法律の中に、私が言いました雇用の進出のその問題とか、あるいはまた、本人が意思がある場合は雇用の継続とかいった問題をもっと総合的な一つの整合性のある政策として出されなければならないと、このことを強く主張をしているんですよ。
 その点について、今回の法律を出すに当たって再度総理府としての考えをお聞きしたいと思うんです。
#34
○政府委員(森卓也君) 高年齢者の雇用問題につきましては、これは国全体といたしましては労働省の所管の問題になりますので、詳細につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、私ども、国家公務員にこの制度を導入するに当たりましては、労働省の御意見等も十分しんしゃくをいたしまして、あるいは国全体が決めております経済の五カ年計画、これなども六十歳定年を前提としていろいろと数字が見込まれているようでございますし、そういった点で総理府だけが一方的に六十年六十歳というふうに決めたわけではございませんが、労働省の雇用政策は別といたしましても、私どもも国家公務員に対する使用者の立場といたしまして、いま先生御指摘のような公務員の生活に不安を与えてはいけないということで、法律には特に明文の規定はございませんけれども、先ほどるる御説明申し上げましたような民間の事例等を参考にいたしまして検討を開始いたしておりますし、今後とも精力的に関係省庁と詰めて、できるだけ定年退職後の生活に不安のないように努力をいたしたいと思います。
#35
○本岡昭次君 そこで、高齢化社会の問題を論議するときに、われわれはどうしても欧米の先進諸国の経験を参考にする必要があると思うんです。というのは、わが国よりも先に一歩先んじてそういう高齢化社会の事態に直面をしてその問題の解決のためにいろんな経験をやっているわけですね。
 そこで人事院にお伺いしますが、今回の公務員の定年制を出すについての、欧米の先進諸国での高齢化社会に対する対応、定年を何歳に引いているとかということじゃなくて、高齢化社会に対して国全体が経済、社会、そうした問題全体を見ながらいままで詰めてきたいろんな政策、現実の対応、そうしたものをどのように今回のこの公務員の定年制の中に組み込んでいったのか。人事院の方からまずお伺いしたい。
#36
○説明員(白戸厚君) 高齢化社会にどのように諸外国が対応しておるかということでございますが、具体的なことにつきましては私どもとしては調査はいたしておりません。ただ、各国の公務員の定年制度、これを調査いたしましたときに、それぞれ年金がどうなっておるか、年金の受給開始年齢がどうなっておるかというようなこともあわせて調査いたしたわけでございまして、そこで各国の定年の年齢と年金の受給資格年齢とは合致しておるか高くなっておるということでございまして、そういうような点は十分に参酌いたしたわけでございます。それからまた、アメリカのように最近公務員の定年制、特別のものは除きまして廃止したようなところもございますが、個々の退職の実態等を調べてみますと、大体年金の受給年齢に達したところでやめる者が比較的多いというような実情もあったことでございまして、そういうような点等も勘案しまして、原則六十歳という定年年齢を定めるに際しましては、それと年金との関係では別に問題がない、こういう意味で参考にしたわけでございます。
#37
○政府委員(森卓也君) ただいま人事院の方からお答えございましたほかに、特に私どもの方からつけ加えることもございませんが、おおむね諸外国におきましては、むしろ退職後は年金によって生活をするということがその大半のようでございます。
#38
○本岡昭次君 アメリカや西ドイツ、スウェーデン等に、そういう高齢化社会への対応とそれから定年制問題ということについていろんな先進的な試みがあるということを、私の読みました資料等から見て、人事院なり総理府なりに資料を求めたんですが、そんなものありませんということで、仕方がないから国会図書館に頼んだら、西ドイツの問題、スウェーデンの問題、アメリカの問題、ちゃんとこうして日本にも資料があるわけで、そんなにアメリカやスウェーデンや西ドイツへ行かなくても、どういうふうな対応をしているかということはわかるんですよ。何か非常に不親切と思うんです。軽卒とは言いませんけれどもね。こうした公務員法の根幹にかかわるような問題の変更をしていくという場合に、やっぱりそれの基本は、高齢化社会へ日本の国が突入していくときに、どう労働者全体が対応していくのか、公務員もその一つとして。そういうことで政府が言ってこそ意味があるんでしょう。民間がやっているから公務員もやるんだ、だから人事院なんてあってもなくてもいいんだ、行革の対象でつぶしちゃえというような話が出てくるんだと思うんですよ。私もそう思いましたよ、実感として。これだったらあってもなくても一緒じゃないですか。労働基本権の代償機関として人事院が存在しているんだということですが、いままさにその存在理由がいろんな意味で問われていると私は思いました。
 そこで、あなたにお尋ねしてもちょっと答えにくいと思うんですが、大臣がおられますから、やっぱり大臣に内閣という立場からお答え願いたいんですが、アメリカは別にしてというお話がありましたが、アメリカのものをすべて日本に輸入せよなんて言っているんじゃないんです。その経験を学ぶ必要があるだろうと私は言っているんです。
 そこで、これをずっと読むと、アメリカは一九六七年から十三、四年の間この問題について本当に脳み続けて、紆余曲折、いろんな取り組みをやっております。それで、今回のこの一九七八年の雇用における年齢差別禁止の法律は、使用者も労働者も両方が反対しておるのを政府が成立させたという、この経緯ですね。労働組合も反対しておる、使用者も反対しておるということです。なぜ労働者も使用者も反対しているものが、政府がそういう雇用における年齢差別というものを禁止する法律を出していったかということなんですが、結局のところ、六十歳なら六十歳、アメリカでは六十五歳で定年制をしいてそして労働関係を終了させると、その段階から非労働力というんですか、扶養される人口に入ってくるわけですね、結局のところ。
 日本も同じように、出生率がだんだん落ちてきているし、高学歴になってきているということで、いままでのように五十五歳以降が高齢者でというふうなことをやっておれば、これは扶養する人口と扶養される人口のバランスが崩れてしまって、いま行政改革の中で大問題になろうとしている社会保障とかいろんな問題についての財政危機というふうなことがこれはもう年々強まってくる。いま年金制度の中でも、すでにある一つの組織の中ではそれがもう目の前に起こっているという状況があるわけです。だから、国の経済あるいは財政全体の問題をとらえたときに、一体定年はという問題については、労働力と非労働力の関係、あるいは扶養される人口と扶養する人口の関係をどういうふうにしていくのかという問題が、やっぱり長期の展望としてそこにしっかりなければならぬ、こう考える。
 そしてまた、経済活動をする人口が五十五まで、あるいは六十まで、あるいは七十まで、どこで線を引くのかという問題も、中学卒業生が圧倒的多数であったとき、あるいは高等学校卒業生が圧倒的であったとき、あるいは大学卒業生が圧倒的になってくるとかいうふうに、その就学年数のずっと延びていくということと関連させないと、働く年齢というものが徐々に変わってくるわけですよね。だから、日本もだんだんと高学歴社会に進んでいっている。高等学校へ九四、五%行っているということは十八歳まで就学して十九歳で働く。あるいは大学が三八%だということ。これをまだふやすのかふやさぬのか。放送大学なんかつくって四十五万人からの学歴を生むんだという――まあこれは別の問題になるかもしれませんが。とにかくそういう高学歴社会との関係、そうしたものを総合的に考えて、結局アメリカなんかは七十歳という問題についても一定の制限を加えて、働く意思と能力のある人間の働く場というのはこれは保障すべきだというふうなたてまえで出しているんです。この問題の評価なり批判とかいうのは私は私なりにありますけれども、これは、日本が高齢化社会に突入していく状況という基礎的な問題は似ているんですね。高学歴の問題、あるいは出生率がどんどんと低下していくという問題、それからいわゆる平均寿命が延びていっているということについて。
 だから、そういう問題を比べたときに、六十歳ということが一体どの段階まで整合性を持ち得るのか、あるいはまた、いま六十歳というふうにしたということは、私が言いましたように、もろもろのそうした高齢化社会を展望した中でどういう位置づけを六十歳というものはしたのかということ、これは内閣の中でかんかんがくがく論議してしかるべき問題じゃないかと、こう私は考えるんですが、何かそういうようなことを抜きにしてしまって、行革は命にかけてやるんだ、その前に公務員を血祭りにというふうなことでもないと思うんだが、何かそれに似たような形でもってぐんぐんぐんぐん押し出されてきたという非常に不幸な形でこの公務員二法が、定年制というものがいましかれようとすることを非常に私は残念に思うんですが、自治大臣いかがですか。――そこは自治大臣に答えてもらわなんだらいかぬでしょう。内閣としての責任問題でしょう。
#39
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私から申し上げます。
 お話の点をたんたんと承っておりますと、今後における労働関係がどういうことになるかというのが基本的にあるわけです。それで、恐らく一九九〇年代になりますと、日本の労働力の需給関係は大きく変動していくだろうと思います。いまのところはまずやや安定しておりますけれども、これから急ピッチに労働の需給関係が大きな変動を来すのではなかろうか。それに、いまお話のありましたように、学歴社会化する問題も絡んでくると思います。そういう場合に、一体日本の産業構造がこれでいいのか。あるいは、今後日本が発展するための産業、職種をどうするかという問題も労働力の需給関係と絡んで非常に重要な問題だと思っております。それに対応いたしますためには、やはり徐々にその方面に対するかじ取りをしていかなきゃならぬこと、これは当然だと思います。そしてまた、そういう予測を持ちましていろいろの計画を、あるいはプランを立てるということも大変大切なことだと思います。ただ現実の問題となりますと、そういうことを予想しながらも現実的には徐々にその方向に持っていくということがやはり政策といたしましては重要じゃなかろうか。そういう観点からいたしまして、現下の諸情勢から申しますと五十八歳の勧奨退職というものをこの際は六十歳程度にするということで前進をしていくということが一つのステップとして、私はこれを案として御審議を願っておるゆえんだと思います。
 これから十年、二十年、あるいは三十年、二十一世紀におきましては、日本の一番大きな問題は労働力の質と需給の関係、それから国民の生活に対する意識の問題、諸外国でございますと年金をもらえばそれで悠々自適して余生を楽しむというような空気でございまするけれども、日本民族は果たしてそういうことだけで私は満足するかどうかやや疑問を持っております。年金生活に入ったら悠々自適するんだという割り切り方よりも、やはり最後まで何か社会的な活動をしたいという意欲の方が私は日本人は強いんじゃないかと思いますが、そういう要望にもどうしてこたえていくかという問題があるだろうと思います。これは今後そういうことを予定いたしながら漸進的に進んでいくということで六十歳というものをひとつお諮りをしておると、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
#40
○本岡昭次君 私が長々と述べたことを一応理解をされた上でこの際六十歳と、こういうことであったんです。この際六十歳ということ――私は、この際でも六十歳というのは適当でないと思うんですが、それは意見の食い違うところであろうと思います。しかし、この際六十歳がいつごろ六十歳では都合が悪いというふうになるというふうにお考えですか。
#41
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは予測できないです、いまの段階におきまして。今後における労働需給関係、あるいは日本の産業構造の関係、日本の経済力の関係、あらゆるファクターが入ってまいりまするので、それから社会的意識の問題も絡んでくると思います。したがって、いまいりまでこれが続くかということは申し上げかねます。
#42
○本岡昭次君 またそういう問題は論議するときがあろうかと思いますので、先へ進みます。
 そこで、民間の問題も先ほど大分出ましたから、民間の問題について質問をいたします。
 民間企業が定年制を設ける際に、いま言いましたような雇用への進出の問題とかあるいはまた雇用の継続、こうしたことについてさまざまな措置をしているんですが、人事院、どういうふうな措置をしているか、調査の中で明らかになったことをひとつ言ってください。
#43
○説明員(白戸厚君) 民間の企業で行われております措置でございますが、勤務延長、再雇用というようなものが行われておるわけでございまして、これは五十三年の調査でございますけれども、定年制度のある企業のうちで、勤務延長の制度だけを持っている企業が一一・一%、それからまた再雇用制度だけを持っている企業がこれは半数、五〇%でございまして、そのほかに勤務延長と再雇用の両制度を併有しているというものが八・二%ございますので、合わせますと六九・三%、七割の企業がいずれかの制度を持っているわけでございます。
 勤務延長、再雇用でございますが、その期間につきまして申し上げますと、やはり一番多いのは一年ということでございまして、これは三〇・一%でございますが、三年までの期間とするものが五八・五%となっておるわけでございます。
 ちょっと特徴的なことを申し上げますと、先ほど一年というものが一番多いということを申し上げましたが、年数から言えばその次に多いのは当然二年というものでございますけれども、定年後六十歳に達するようにという形で、再雇用なりあるいは勤務延長なりと、そういう制度を持っておるところが中では比較的多いようでございます。
 それから次に、給与上の処遇について見ますと、これは定年前と変わらないというものが勤務延長の場合は七〇%、再雇用の場合はぐっと減りまして二一%、それからまた逆に減額するというものが、これは勤務延長の場合には二五%でございまして、再雇用の場合は七二%というようになっておるわけでございます。
 その対象にする者をどうやって選ぶかという問題でございます。これにつきましては、勤務延長の場合もそれから再雇用の場合も余り差がないわけでございますが、勤務延長の場合では、会社が認めた場合というのが八四・九%、これは大多数で、そうして希望者全員とする企業が一三・三%になっているわけでございます。また、再雇用につきましても、会社が認めた場合というのが八五・九%、希望者全員としておりますものが一一・九%というようになっておるわけでございます。
#44
○本岡昭次君 民間企業には、いま説明がありましたように、定年制と同時に勤務延長制度とか、あるいは再雇用制度というふうなものもとって、雇用の継続ということに対応をしているという報告がありました。
 そこで、これは人事院の方でわかっているかどうかわかりませんが、いま私が一番問題にしたいのは、勤務延長なり再雇用がどれだけの人に適用されているかということですね。勤務延長の場合、勤務延長をしましょうといって会社の方からが八四%、それから希望者全員がなれるというのは一三%と、こういうことでしたが、会社がという八四%というこの中身なんですが、これは会社が恣意的に、それは君を勤務延長を命ずるとかあるいは再雇用をどうこうするとかいう形でいくのか、あるいは内部の組合との間で話し合って、そしてその中で、もっと会社で働きたい、事業所で働きたいと思っている者、その職員の希望というものが組合を通して入って、そうした勤務延長なり再雇用ということが存在しているのか、そこら辺りはいかがですか。わかっておればひとつ。
#45
○説明員(白戸厚君) ただいまの件につきましては調査いたしておりませんので、ちょっとわかりかねます。ただ、ある程度いまおっしゃったようなことも入っているんじゃないかということは推測いたしておるわけでございます。
#46
○本岡昭次君 それで、このこともわかるかどうか、わかっておれば答えていただきたいんですが、いま何%何%と言われた数字は、勤務延長したその内訳として何%と、こうおっしゃったわけですね、再雇用の内訳として。そうでなくて、もう一つ基本的に大事なことは、たとえばことしならことし退職したその総数の中で、それでは勤務延長あるいは再雇用、そうしたものがどのくらいの割合で民間では行われているのかと、こういうことはわからないんですか。
#47
○説明員(白戸厚君) 先ほど会社が認めた場合あるいは希望者全員というものでパーセントを申し上げましたが、これは会社数での比率でございます。ただいまお尋ねの具体的に実際にどういう割合が対象になっておるかというようなことはわかりませんので、御了承いただきたいと思います。
#48
○本岡昭次君 それでは確認しますけれども、勤務延長ということを採用している会社のうち一三%は、そこの職員が勤務延長をしたいと、引き続いて勤めたいと、働きたいと希望したら、それは条件はいろいろあるにしても働かしていると、それが全体の一三%あると、こういうことですか。
#49
○説明員(白戸厚君) ただいまの御質問のとおりでございます。
#50
○本岡昭次君 そうすると、この勤務延長なり再雇用というものをその程度まで――もっと私は深く調査してほしかったんですが、そこまで調査したそのことが、人事院が総理府に送ったその書簡の中の、定年制が実施される場合にはかくかくしかじかということの中にどのように生きているんですか。あるいは生かされているのかいないのか。
#51
○説明員(白戸厚君) ただいまの勤務延長と再雇用、この問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、定年制度のある企業のうちで勤務延長を行っておりますものは約二割、それから再雇用を行っているものは六割弱、こういうようなことではございますが、公務の遂行上の必要というようなことも考えまして、勤務延長は各企業では二割程度ということでございますが、やはり必要であろうというように判断したわけでございます。それからまた、再雇用につきましては六割弱までいっておりますので、やはりそういうことも考慮して、再任用という道を開いたわけでございます。ただ、全員を対象にするというものにつきましては、それぞれ一割ちょっとということでございますし、公務上の必要というようなことをこれは公務能率の観点から考えざるを得ないということで、やはり公務上の必要がある場合ということに限って考えたわけでございます。
#52
○本岡昭次君 民間企業で会社が認めたものという場合の具体的な例というのはここでは言えませんか。
#53
○説明員(白戸厚君) そういう具体的なところまでは調査いたしておりませんのでわかりかねます。
#54
○本岡昭次君 そこで、希望者全員を勤務延長あるいはまた再雇用ということをやっている民間の企業もある。しかしそれは二割程度、片方は一三%、片方は一一%。非常に少ないので、今回のこの意見を述べる中にはそのことについては入れなかったと、こういうことですか。
#55
○説明員(白戸厚君) 公務員制度への導入というものが、公務能率の観点ということで考えておりますので、そういうことが中心ではございますが、いまの割合というようなことも、ただいまの案を考えるについては考慮の中に入れたわけでございます。
#56
○本岡昭次君 民間のそうした勤務延長、再雇用、そうした問題も考慮に入れてこの特例とか再任用とかあるいは退職年齢の決定とかいうものについての意見を総理府に述べたと、こういうことのようで、総理府もそれを受けて、定年制が実施されるまでにそうしたもろもろの関係の問題を全体として整理をして整合性のあるものにしたいということであるという考え方はいままでの質問の中でわかったのでありますが、わかったからといって私は何も賛成しているわけでないんで、それでは引き続いて……
#57
○志苫裕君 関連。午前中も終わりになるんですが、少し関連をして私の方から申し上げておきたいと思います。
 一つは、先ほどの本岡委員とのやりとりで、定年制に関する他国の例について資料を要求をしたが提出されなかったというやりとりがありました。法案の審議に、政府が責任を持って法案を出しているわけでありますから、求められる資料についてはひとつ提出を願いたいということが第一点です。
 それから第二点は、先ほど、それで一体人事院かというやりとりがありましたけれども、人事院が総理府に送った書簡、これが政府の説明によると、人事院の御意見もこうでありましたということを提案の趣旨の一つに加えておるわけであります。そうしますと、この人事院の書簡というのは、事実上の効力としては、国公法二十三条で言うところの「意見の申出」と同じ効力を持っておる、このように言わざるを得ません。だとすれば、国公法二十三条では、「その意見を国会及び内閣に同時に申し出なければならない。」、このように規定しているわけでありまして、人事院の義務であります。人事院はそれを国会に対していつ申し出をいたしましたか。
#58
○説明員(白戸厚君) この書簡につきましては、総理府総務長官より定年制度についての見解を求めるという書簡が参りました。その前から定年制度の導入関係についてはいろいろと検討をいたしておったわけでございますが、さらに詳細に検討をいたしました結果、定年制度を導入することに意義があるという結論を得ましたので、そこでその見解を表明したわけでございます。
 これにつきましては、書簡を受けたということでございますので、最も自然な形としてやはり書簡でその見解を表明したというのが第一でございます。
 それからまた、人事院が所管いたしております一般職の公務員、これのほかにやはりその他公務員がございまして、それらの者につきましてもいろいろと検討をするだけの必要が政府においてもあるのじゃないか。こういうようなことも考慮いたしまして、それらを総合いたして書簡という形で見解を表明いたしたわけでございまして、これにつきましては、確かに御質問のとおりの意見の表明という形はとっておらないわけでございますが、ただいまのような事情でございますので御了承いただきたいと思います。
 なお、これは公式にではございませんが、そのときに、それぞれ関係の方々に資料等はお渡しして必要に応じて説明等はいたしておるわけでございます。
#59
○志苫裕君 それは納得できません。
 国公法二十三条によれば、「この法律の目的達成上、法令の制定又は改廃に関し意見があるときは、その意見を国会及び内閣に同時に申し出なければならない。」こうなっていますね。恐らくそれを避けるために書簡という形式をとったんでしょう。しかし書簡であれ何であれ、政府の求めに応じたという前提もあるようでありますけれども、少なくとも意見を申し出たということには変わりがない。それがまた立法の一つの有効な作用をしておるわけでありますから、となれば、当然国会にもそれは意見を申し出なきゃならぬ。国会はそれに基づいて当然のように政府の立法を判断をする、こういう立場に立つわけでありまして、人事院の態度としてはまさに義務違反であるし、瑕疵ある立法であるというふうに私は思うんです。
 だから、もうお昼になりましたから、午後改めてまとめて見解を述べてください。
 それから、資料の提出についてはそのようにできますか。
#60
○説明員(白戸厚君) ただいまのその資料の提出ということでございますが、人事院といたしましては、諸外国の関係については、公務員の定年制度、それから年金の受給資格年齢等の関係、これについて調査をいたしたわけでございますので、それの関係につきましてでございますと資料提出できるわけでございますし、またそういうことでございましたら当然提出しておることというように考えるわけでございますが、ただいまのその資料というのがどういう資料でございますか、ちょっと私どもとしてはわからないわけでございます。
#61
○本岡昭次君 私が資料要求をしましたのは、もちろん人事院が何を具体的に調査をしているかということを私がわかるすべもないわけで、私が知りたかったのは、先ほどから一時間半にわたって延々とやった、要するに定年制というその労働関係を断ち切る法律だけを提案するのは片手落ちだと、先進諸国では解雇制限法とかあるいは高齢労働者雇用促進法とか、いろんなものが付随して出されて、高齢化社会に対する対応をしているということだから、そうしたものの資料を欲しいということで、アメリカの雇用差別禁止法、それから西ドイツの解雇制限法、スウェーデンの高齢労働者雇用促進法というふうなものをひとつ資料として出していただけませんかと、こういう要求をしたんです。それについて、いやそういうものは持っておりませんという返事が返ってきたんですね。そういうことであったので、それで私が調べたらすぐにあったから、私が行ってすぐ見つかるものを、何で一体人事院にしたって総理府にしたって、そういうものを見つけてきて私の要求にこたえようとしないのかということですよ。私はこれをどういうふうにそっちに言うたらいいかよくわからぬからちょっとぶつぶつ言っただけですけれども、腹立っておるんですよ、実はこれ。
#62
○志苫裕君 後刻提出してください。
#63
○説明員(白戸厚君) 各国の法律の関係につきましては、人事院としては現在所有しておらなかったということでお断りしたというような経緯があるようでございます。今後十分注意してまいりたいと思います。
#64
○志苫裕君 提出できるんですね、総理府も含めて。どっちかできますね。――提出しますでいいじゃないか。
#65
○説明員(白戸厚君) アメリカのその法律につきましてはただいま所持しておるわけでございますが、その他の国のものにつきましては現在持っておりませんので、至急探しましてお届けしたい、もしどうしてもない場合には御勘弁いただきたい、こういうように考えるわけでございます。
#66
○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十四分開会
#67
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#68
○本岡昭次君 午前中の休憩に入る前に、志苫理事の方から、人事院の今回の書簡を総理府に出すことについて、法律上議会にもそれを出す義務があるではないかという問題についての答弁を冒頭するようにということで締めくくりましたが、その問題について、まずひとつ答弁をしていただきたいと思います。
#69
○説明員(白戸厚君) 書簡で見解を表明いたしましたのは、閣議におきまして「定年制を導入するものとする。」という決定がございまして、ただ、その内容が非常に重要でございますので、慎重を期するという意味で、総務長官から定年制度についての見解を承りたいという書簡が参ったわけでございます。人事院といたしましても、それから一年半にわたりまして具体的に調査検討を行いまして、その結果、国家公務員に定年制度を導入するということに意義があるという結論に達したわけでございます。
 そこで、この見解を表明するに当たりましては、確かに御意見のとおり国家公務員法第二十三条の「意見の申出」等の方法もございまして、検討をしたわけでございますが、今回のこの定年制度につきましては、総務長官からの書簡で人事院の見解を求められたという経緯がございますことが第一で、また、国家公務員には、人事院の所管しております一般職の職員以外の職員もございまして、政府としては人事院の意見を受けて国家公務員全般の諸制度を検討する必要がある、そういうことも考慮いたしまして、最も自然な方法として書簡という形式をとったわけでございますので、その点、御了承をいただきたいと思います。
#70
○志苫裕君 関連ですが、いろいろ議事進行上のことで長々しくやってもあれですが……。
 御理解を願いたいということですが、それは理解は私らとしてはできないわけです。私が主張したように、もし、二十三条の「意見の申出」に当たる、あるいはそれと同等の効力を持ったということでありますと、これはやっぱり手続に瑕疵ありということになるわけでありまして、地公法ではありませんけれども国公法にはそういう疑義が生ずる。したがって、そういう疑義の生ずる法案を基準とした地方公務員法を審議をすることも非常に問題がある、こういう理解を持っておるので、疑義があるかないかは、これあなたとやり始めるとあなたはそれしか答弁しないのだから、これはもう法案の正否を含めた問題でありますので、委員長ひとついずれ理事会にでも御相談をいただくようにお願いしたいと思います。
#71
○委員長(亀長友義君) その件は、理事会で後刻相談をいたします。
 質問を続けてください。
#72
○本岡昭次君 それでは、午前中は主として人事院の所管について中身をただしていきました。これから提案理由の部分と、それから法案そのものの部分とに分けてお尋ねをしていきます。
 そこでまず、地方公務員という一つの概念ですが、これは多くの職種があります。一般的にとらえることもできますが、それでは問題の核心に触れることができないと思います。そこで私は、公立学校に働く教職員、これは地方公務員であります。その立場から、これから一貫してひとつ追及をさしていただきます。
 そこでまず、地方公務員として公立学校に働く教職員の総数は幾らですか。
#73
○政府委員(宮尾盤君) 私どもが五十五年四月一日現在で調査をした結果によりますと、いわゆる公立学校に勤務をいたしております教育職の合計でございますが、九十六万六千九百六十五人という状況になっております。
#74
○本岡昭次君 私がお尋ねしたのは、公立学校に働く教職員の総数はとお尋ねしておるんです。それでいいですか、いまのお答えであなたはいま教育職とおっしゃった。
#75
○政府委員(宮尾盤君) これは、自治省で行っております給与実態調査の内容の結果に基づいて申し上げておるわけでございますが、小中学校の教育職、それから高等学校の教育職、大学の教育職――短大も含みますが、それから高等学校教育職、指導主事等その他の教育職、こういうふうに分類をいたしまして、それらの教育職の合計が九十六万六千九百六十五人と申し上げたわけでございます。
 なお、このほかにも、学校事務職員、あるいは学校用務員というような方々がおいでになると思いますが、これにつきましては私どもそういう分類をしておりませんで、一般の方に含めておりますので、地方公務員実態調査の関係からはその点が不明であるわけでございます。
 なお、文部省の方で別途の調査を行っておられるようでございますので、そういうものを含めてのあれは、文部省の方からお答えをいただきたいと思います。
#76
○説明員(西崎清久君) ただいま先生からお話しございました、地方公務員である教職員の総数でございますが、全体の職種別の内訳につきましては、五十四年五月一日現在の統計数字が現在最新でございまして、まず小学校で申しますと、校長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、講師まで含めまして、小学校が四十五万五千二百四十三名、それから同じく中学校が二十三万七千五百九十一名、高等学校が十八万五千四百九十四名、トータルいたしまして八十七万八千三百二十八人という数字になっておるわけでございます。その他の職員につきまして、事務職員、それからあるいは学校図書館事務員、養護職員、栄養職員等々の数字がございまして、これらの数字を全部ひっくるめまして小中高の総数を申し上げますと、百八万三百六十八名、こういう数字になる次第でございます。
#77
○本岡昭次君 そうすると、公立学校に働く教職員の総数というのは、教員の八十七万八千三百二十八人、それから事務職員以下職員として百八万三百六十八人、これを合計した約百九十五万人ですか、ということになるんですか。
#78
○説明員(西崎清久君) 私の御説明が悪うございましたが、全体トータルいたしまして百八万人ということでございます。全体が百八万人でございまして、その内数として教員関係が八十七万八千人、こう御理解いただきたいと思います。
#79
○本岡昭次君 そこで、定年制の問題ですからそれぞれの年齢が当然問題になります。そこで、小学校、中学校、高校とそれぞれ教員を分けていま報告がありました。それからその他の職員、これを引けばいいわけで、約二十万近いその他の職員がいるということになっておりますが、それでは小学校、中学校、高校、それぞれ教員の平均年齢、それからその他の事務職員以下ずっとその他二十万人余りの人たちの平均年齢、そういうのは現在どうなっておりますか。
#80
○説明員(西崎清久君) 私どもの五月一日の調査では平均年齢をとっておらないわけでございますが、昨年の十月一日で先生方だけの年齢構成をとって集計をしておるわけでございます。
 そこで年齢構成の、平均年齢と申しますか、団塊別のふくらみぐあいというので分類をしておるわけでございますが、それをちょっと申し上げますと、小学校で申しますと、五十歳から五十四歳が八万一千人余でございます。それから二十五歳から二十九歳が八万八千人余でございます。この五十歳から五十四歳、二十五歳から二十九歳というところが八万人台でございまして一番ふくらみが大きい、これが一つの特徴でございます。
 それから中学校で申し上げますと、四十五歳から四十九歳、そこが四万人でございます。そして二十五歳から二十九歳というところが約四万人。中学校はその二つの団塊のところがふくらみとして大きいというのが特徴でございます。
 そして高等学校で申しますと、三十五歳から三十九歳、そのふくらみが三万人でございます。高等学校は小中とは若干異なりまして、この団塊が大きいというふうに特徴的には申し上げられようかと思います。
#81
○本岡昭次君 平均年齢というふうなものは、統計上出したことがあるんですか、ないんですか。教職員の場合ですよ。
#82
○政府委員(宮尾盤君) 文部省の調査とは違う調査で私どもでやっておる調査によりますと、小中学校、これは幼稚園を含むわけでございますが、その教育職の平均年齢が三十九・〇歳であります。それから特殊学校、各種学校を含む高等学校教育職でございますが、これが三十九・五歳、短大を含む大学教育職が四十二・五歳、それから高等専門学校教育職が四十三・五歳、それ以外に指導主事等、その他の教育職という分類を私どもはいたしておりますが、それが四十三・六歳、これらの全体を合計をしました平均年齢が三十九・二歳、こういうことになっております。
 なお、それ以外の事務職あるいは用務員等については、そういう分類をいたしておりませんので、そういう数字は持ち合わしておりません。
#83
○本岡昭次君 公立学校の教員、幼稚園から大学までの平均年齢が三十九・二歳ということですが、この平均年齢というのは、地方公務員の他の職種と関係して見るときにどういう位置づけになりますか。たとえば非常に高いとか、いや平均的だとか、いや非常に低いとか、そうしたことについて、いかがですか。
#84
○政府委員(宮尾盤君) いま教育職全体で三十九・二歳ということを申し上げたわけですが、すべての地方公共団体の全職種の平均をとりますと、これは平均年齢三十八・〇歳ということになっておりますので、平均的には一・二歳高いと、こういうことになろうかと思います。
#85
○本岡昭次君 そこで、いま全職種の平均年齢が三十八歳ということですが、いわゆる基礎学歴というんですか、それぞれの職種の基礎学歴、教員の場合はこれは最低短大、現在はほとんど四年制大学を卒業。だから、教職につく年齢が、ほとんどもう最低二十二歳というところから始まりますね。ところが、いまおっしゃったトータルとした、地方公務員のこの職種のいわゆる基礎学歴というのは、これは極端な話をすれば、これは中学校から高校、短大、高専、大学とすべてにわたっているわけですね。だから、そうした問題を考えてみたときに、一概に平均年齢でもって、個々の職種の労働の条件なり、あるいは仕事の内容、そうしたものを単純に推しはかることができない。経験年数等の問題もあると思うんです。そういう点から見て、一つは三十八歳と三十九・二歳を比べて、教員の方が一・二歳多いではないかということにはならないというふうに――比較の問題ですがね、私は考えます。むしろ逆に、学歴等の面から見れば、一般よりも教員の方がそういう点では高くない。高いというのは平均年齢じゃなしにそこに働いている年数とかいろんなものを勘案してみたときに、そういう点からの問題はないというふうにこれは判断してもいいと思うんですが、その点どうですか。
#86
○政府委員(宮尾盤君) 資料に当たって正確にお答えしなければいけないわけですが、その資料がちょっといま手元にすぐ見つかりませんので、概括的な御答弁になるかと思いますが、一般に教職員の方が学歴が高いという傾向はあるわけでございます。そこで、いまの御質問の趣旨は、在職年数という面で見た場合に、平均年齢が高くても在職年数というものは必ずしも高いかどうかということは一概に言えないと、こういう趣旨の御質問だと思いますが、そういう意味合いでは、大学、短大というものは比較的一般職にも多くなってきていますけれども、教職員ほどではないと思いますので、御趣旨のような状況にあろうかというふうに推定をいたしております。
#87
○本岡昭次君 そこで、この自治省が出されておる、地方公務員法の一部を改正する法律案関係資料の提案理由説明の一ページの中ほどに、「地方公共団体におきましても、高齢化社会への対応に配意しつつ、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望にたった計画的、かつ、安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要であります。」、このように述べられてある。そこで、「高齢化社会への対応に配意しつつ」、これは午前中私は盛んに総理府と人事院に対して質問をした個所でございますが、一般の公務員トータルじゃなくて、公立学校に働く教職員の場合、「高齢化社会への対応に配意しつつ」ということは、一体どういうことを配意しているのか、具体的に、説明していただけたらと思います。
#88
○政府委員(宮尾盤君) 提案理由でそのように述べておるわけでございますが、これは地方公務員全体についての記述になっておるわけでございます。
 そこで、教育公務員についてその点どうかという御質問であるわけでございますが、定年制度を導入をする場合に、定年年齢というものをどのくらいの年齢で設定をするかと、こういうことが当然大きな課題になるわけでございますが、その定年年齢を設定をするに当たりまして、今後到来する高齢化社会に対する適切な配慮が必要である、こういう意味合いで述べておるわけでございます。
 そこで、どういう心配りをしておるのかという内容の問題でございますが、高齢化社会にふさわしい定年制度といたしましてそういったものを設けていくという場合に、現在、教員につきましては六十歳未満で勧奨を行っている団体が多いわけでございます。したがいまして、昭和六十年に六十歳の定年年齢を設定する、こういうことは、これからの高齢化社会の到来、こういうことにも配意をした定年年齢の設定だと、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
#89
○本岡昭次君 いまの教員の場合、六十歳までの勧奨で退職している人が多いから一年でも二年でも延ばして六十ということにする、そのことが高齢化社会への配意だと、こういうふうにおっしゃるわけですね。それでは、後ほどまた具体的に文部省の方に、現に教員がそれぞれの四十七都道府県でどのような勧奨制度のもとに退職管理が行われているかということは、また質問の中で明らかにしていきます。
 それでは、その次の、「職員の新陳代謝を確保し、」ということなんです。これも一般的に公務員全体を述べられておるんですが、私はやはり教職員の場合、それでは具体的に、その新陳代謝を確保するということはどういうことを言うのかということを聞きたいのです。先ほどの説明でも、やはりこの六十歳にすることが高齢化社会への対応に配意したんだと言われた場合に、教員の場合、その配意は適当でないという意見を私は持つんですが、またそれは後ほど論議をすることにして、そういうことと関係のあるこの新陳代謝というのは、これ教職員の場合どういうことを意味するんですか。
#90
○政府委員(宮尾盤君) 定年制度というのは、職員の新陳代謝を促進をして組織の活力を持たせる、行政の効率的な運営を実現をすると、こういう考え方に立っておるわけでございますが、教職員につきましても、やはり高齢職員につきましては合理的な年齢で退職をして、若い職員が採用されて教育現場に活力を持たせる、こういうことは必要であろうというふうに考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、ここは一般的に述べておるわけでございますが、教職員についてもこのことはやはり同じような考え方に立ってよろしかろうと思っておるわけでございます。
#91
○本岡昭次君 学校の教員の新陳代謝というときに、いまあなたがおっしゃったように、若返りをするということをもって、年配の人をやめさして若い人を入れるというふうな形での新陳代謝は不可能だと考えます。
 先ほどもちょっと、ある一つの年代が多いというふうな説明がありましたね。小学校では二十五歳から二十九歳が八万台、五十四と五十歳が八万台と、中学校は四十五と四十九が四万台、それぞれふくれているところがあるんですね。そのふくれているのは、学校というのは子供がいるから学校が存在し、子供があれば当然教員がいるわけで、だから子供がある年度に非常にたくさんふえて学級数がふえれば当然そこに先生がたくさん配置されるんで、少なければ当然教員は減るんですね。だから、そういう子供の数、小学生、中学生、高校生の数の増減によってある年度において非常にたくさんの教員が必要になって入れると、そういうことの結果として非常に新陳代謝という――新陳代謝ということじゃなしにむしろ子供の状況によって教員がさまざまな形でそこに配置されておるということですね。だから、いまもし五十代の先生がいっぱいできた、何で年寄りばっかりと言われたって、その人には何の責任もないわけですね。その人の時代には非常にたくさんの先生が要ったから若い先生が入ったわけでね。
 だから、一般的に新陳代謝というふうなことだけで学校に働く教職員の問題を一律に見ていくということは私はかなり無理がある、こういうふうにこれを判断するんですが、いかがですか。
#92
○政府委員(宮尾盤君) 先生がおっしゃいますように、教職員の数というのはその年その年の生徒数に応じてある程度の多くなったり少なくなったりするということは確かにあるわけでございますが、これは要するに教職員の年齢構成、教職員の方々がどういう年齢でふくらみがあったり縮んでおったりするかという問題でありまして、私が先ほど申し上げましたのは、たとえば定年年齢を六十歳と、定年といいますか、合理的な退職年齢というものを六十歳というふうに考えた場合に、そういう六十歳を超える方々は後進に道を譲るという形で退職をしていきますと、その分その方にかわる新規採用ができるわけでございますから、そういう意味での、高齢の人とそれから大学を卒業して新たに教育現場に就職をする人たちとの、まあ言ってみれば退職と新規採用と、こういうことによって組織の活力が保たれるような新陳代謝というものを確保していく必要があると、こういうことを申し上げたわけでございます。
#93
○本岡昭次君 いまあなたのおっしゃったようなことは、現実には勧奨制度でうまく機能をしているわけで、そういうことがこの定年制を導入しなければならないという最も緊急的な私は要請にはならないという判断をするんです。
 続いて、「安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要であります。」と、このように述べてあるわけですが、現在でもそうした新陳代謝なり安定的な人事管理をそれぞれの地方自治体が苦労しながらやっているわけですが、その教職員の退職管理制度というものは現在どのように行われているか。そして、ここに「適正な」ということが書いてありますが、現在行われている、教育委員会が行っているその教職員の退職管理制度という面に不適正な部分があるのかどうか。不適正な部分があるからそれを適正にしようということなのか。そうした点についてひとつ説明をしてください。
#94
○政府委員(宮尾盤君) 「安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要」であると、こういうふうに述べてあるわけでございますが、ここで述べております基本的な考え方は、現在勧奨退職という形で退職管理を行っておる団体がほとんどであるわけでございますが、この退職勧奨という制度は、最終的には本人の同意がなければ退職ということにならないわけでございまして、そういう意味で必ず職員が退職するという保証があるわけではございません。そういうことから、一つには勧奨に応じて退職をした人と残った人との間のいろいろな不公平感というようなものも出てまいりますし、それから人事当局からいたしますと、そういう意味で退職管理というものがきちんと計算できないという、いろいろな不安定な状況というものが出ておるわけでございます。
 そこで、そういうことから定年制度というものを導入をいたしますことによりまして退職管理というものがきちんと行える。それから職員にとってみますと、そこに一応の将来の生活設計のめどというものをそういうものによって立てていくことができる、こういうことが可能になるわけでございます。そういう意味合いから、今回定年制度を導入をいたしまして退職管理の制度というものを整備をしていきたいと、こういうことを一般的に述べておるわけでございます。
 もちろん、教育職員につきましての退職勧奨制度というものがそれぞれの団体で行われておりますので、それが適正でないとか機能してないとかということを述べておるわけではございませんで、一般的に三千余の団体の中には、教職員も一般職員も含めて退職勧奨制度というものがうまくいっているところもありますけれども、いろいろ問題が起きているところもある。そういうことを含めて定年制度というものを導入をすることが望ましいと、こういう考え方をここで述べておるわけでございます。
#95
○本岡昭次君 重ねてお尋ねしますが、一部では不安定な状況あるいは問題が起きているというふうなことの説明がありましたが、事例を挙げて、その不安定な状況とか問題が起きていて必ずしも適正な退職管理制度でないと言われる事例というのはどういうものですか。
#96
○政府委員(宮尾盤君) 私どもは、直接教育関係といいますか、それを担当いたしておりませんので、教育界のことではないわけでございますが、市町村役場等におきます退職実態というようなものをいろいろ見聞きをしている中で、たとえば勧奨制度というものを採用いたしておりましても、その応諾率が非常に低い団体が幾つかあると、こういう事例があります。そして、そういうところでの現実の大事に携わっている人たち、あるいは市町村長さん方からも、そういうことについてのいろいろなお話を承る機会があるわけでございますが、そういうことを総体的に見聞きしておる中で、やはり勧奨退職制度が非常にうまくいっているところもありますけれども、中にはそれがうまく機能していないという事例があるということを申し上げたわけでございます。
#97
○本岡昭次君 もっと詳しく聞きたいのですが、まあそれだけに時間をとるわけにいきませんので前へ進めます。
 そこでこの同じページのところに、「地方公共団体からも定年制度実施の要望が繰り返し行われてきたものでありますが、」と、こう書いてあるのです。地方公共団体から定年制を実施してくれという要望があったということはいままでからも質疑の中で聞かしていただいています。しかし、その地方公共団体が定年制度を実施したいという事柄の中に、教育委員会に所属している学校の教職員の問題も含めてそういうふうなことになってきたのか、あるいはまた、この教職員という問題を際立ててそういったことがあったのかなかったのか。その点はいかがですか。
#98
○政府委員(宮尾盤君) 地方公共団体から私どもにいろいろな時点で定年制度導入についての要望というのが数多く出されておるわけでございますが、そういう中で、教育委員会から独立してそういう要望が出ているかどうかというのは、余り私どもはつまびらかに承知をしていないわけでございます。
 ただ、地方団体からそういう要望書が出てきておるわけですが、それを出す場合に、地方団体の長というのは、その団体の中でのいろいろな執行機関を統括をしておるわけでございまして、当該地方公共団体を代表する立場にあるわけでございます。したがいまして、そういう立場にある方がいろいろな人事行政を執行する機関の意見をも十分踏まえてそういう御要望を出しているのであろうというふうに私どもは判断をしておるわけでございます。
#99
○本岡昭次君 午前中の人事院あるいは総理府に対する質問の中身、あるいはまたいまの中身にしましても、言えることは、提案理由のその文章はずっとこうごく常識的に一般的に書かれてあっても、必ずしも地方公務員の個々の実態に触れて、そしてそれぞれの各職種の置かれている状況から定年というものをどう考えたらいいかという配慮というふうなものが非常に乏しいと私は感じます。そういう意味で、これが実施されると地方自治体職員、また公立学校教職員、すべてこれの対象になるわけですから、ここでもう少し詳しくこの法律の実施によってどのようなことが起こるのかということも含めながらさらに質問を続けていきます。
 そこで、自治省とのやりとりではいまのようにもう一般的になってしまいますから、文部省に具体的に質問をいたします。本来ならば私は、いまも言いましたように百万近い人たちの関係することですからね、当然文教委員会で論議されるか、あるいはまた連合審査会を開かれてもいい筋合いのものだと思うんですが、全然そういう機会もありませんので、ここでひとつ文部省にお尋ねをいたします。
 まず、先ほども一般的な退職勧奨のことは自治省の方から報告がありましたが、教職員の退職の傾向、最近はどのようになっていますか。
#100
○説明員(西崎清久君) 退職の傾向でございますが、五十四年度末の統計で申し上げますと、一万三千八百人が勧奨を受けて退職しております。この一万三千八百人の内訳といたしましては、校長が三千八百人、教頭が七百人、教員が八千八百人、事務職員が約五百人というふうになっておりまして、校長、教員で約九割というふうになっております。大体の傾向としては以上のようなことでございます。
#101
○本岡昭次君 いまの退職者、昭和五十四年度で一万三千八百人と出ていましたけれども、それは全体の教員の総数から見て退職率というものが出せると思いますが、どのくらいの退職率になってい、ますか。
#102
○説明員(西崎清久君) 全体が約百万人でございますから、一万三千八百人といたしますと約一・三%余というふうになるわけでございます。退職勧奨を事実上の行為として行うわけでございますが、やはり本人の応諾という関係がございますので、若干そこで勧奨を受けた者と勧奨を受けて実際に退職した者との数の若干のギャップがございますが、結果としてはいま申し上げましたような数字になると思われます。
#103
○本岡昭次君 いまの数字はこれ退職勧奨を受けてやめた人の数字ですか。
#104
○説明員(西崎清久君) そのとおりでございます。
#105
○本岡昭次君 それでは、退職勧奨を受けてやめていく人の状態ですが、統計上わかる範囲でよろしいから、ここ最近退職勧奨を受けてやめていく教職員の数というものがふえているのか減りつつあるのか、全体とのパーセンテージはどのようになってきているのかということをひとつ説明をしていただきたい。
#106
○説明員(西崎清久君) いまお尋ねの数字は、勧奨退職者の数の推移でございますが、いま申し上げました五十四年度の数字が一万三千八百二十二人でありますところ、前年度は一万三千六十二名でございます。したがいまして、五十三、五十四の比較では七百六十人ふえているというふうに申し上げられようかと思います。
#107
○本岡昭次君 文部省としては、現在退職勧奨制度によって教職員がやめていく、退職していく、いわゆるそういう退職管理そのものは順調に機能していると判断しているんですか。それとも、やはりそれは問題があると判断しているんですか。
#108
○説明員(西崎清久君) 先ほど先生からもお話ございましたように、教職員の数の問題は、やはり児童生徒の増減と大変かかわるところが多うございます。御指摘のとおりでございまして、その関係では教職員定数というものとそれから退職者との関係において新規採用教員というものの数が固まってくるわけでございます。
 その場合に、退職勧奨に応じていただく方の数というものが年度末において最終的に確定をする。一方、新規採用者の採用試験は八月当初から採用試験を行いまして、先生よく御承知のように、一次試験、二次試験とやりまして大体年内には終わるわけでございますが、なかなか退職者の数が確定しないこととの関係で教員採用の数自体も確定しにくいというふうな点などが各県としても人事担当者は大変苦労しておるという点はあるわけでございます。こういうふうな点は各県いろいろな工夫がございますけれども、基本的には現在は定年制もないということで、各県の退職勧奨制度によって行っているという結果でございますので、その辺の問題をとらえてみましてなかなか苦労があるということは申し上げられようかと思います。
#109
○本岡昭次君 そこで、六十歳以上はどのくらいの人がいるかということ、国家公務員あるいは地方公務員全体としては出ておりましたが、公立学校の教職員の場合、六十歳以上というのは全体でどのぐらいいるんですか、あるいはそれはパーセントにするとどのぐらいになりますか。
#110
○政府委員(宮尾盤君) これは、文部省の方の数字と統計の仕方等によりまして必ずしも符合しない点があるかもしれませんが、私どもが給与実態調査等によりまして調査をしておりますのでは、教育職員で六十歳以上の方は二千五百五十人、これは先ほど申し上げました教職員総数九十六万六千の数字でございますが、それに対して〇・三%ということになっております。
#111
○本岡昭次君 文部省の方、いまの数字でいいんですか。
 なお、いまのは教員の場合だけであったんですが、学校には教員だけでなく事務職員、医療職員あるいは高校へ行けば実習助手あるいは寮母、さまざまな職種があります。教員と、それからそうした特にたくさんいる事務職員とかいった人たちの六十歳以上というのはどのぐらいになるか、これ把握しておればひとつ説明してください。
#112
○説明員(西崎清久君) 先生の前段の方のお話の教員について、自治省のお話と文部省の調べで符合しておるかという点でございますが、いま私どもの数字でございますのは五十五年十月一日でございまして、大体自治省のおっしゃいます数字と同様、六十歳以上の教員について、小学校が千三百五十五人で〇・三%、それから中学校が七百九十五人で同じく〇・三%、高等学校が千八百九十七名でこれは一%というふうになっておりまして、自治省がおっしゃいました数字とほぼ符合しておるわけでございます。
 それから、大変恐縮でございますが、後段の事務職員にかかわります高年齢者の数字は、ちょっと持ち合わせておりませんのでお許しいただきたいと思います。
#113
○本岡昭次君 小中高の六十歳以上が、それぞれ実数が出ましたが、教員として校長、教頭、教諭、養護教諭と、こう分けた場合に、詳細な人数はよろしいが、傾向として、この人数の中に占めている割合はどの人たちが多いんですか。校長、教頭、一般の教諭それから養護教諭というこの教員の一つの集団の中で。
#114
○説明員(西崎清久君) 五十五年の内訳で申し上げますとよろしいのでございますが、ちょっとこの内訳がいま手元にございませんので、五十二年度の数字の内訳で大体の傾向を申し上げますと、五十二年度で申しますと、小学校でやはり六十歳以上が大体千五、六百人いらっしゃいますが、この約千六百人の六十歳以上の方のうち、校長先生が五百五十人でございまして、それから教頭先生が四十五人、それから教諭が八百十三名、以下助教諭が二名でございます。講師が六名と、こういうふうになっておりまして、数としては、やはり教諭の方の八百十三名と校長先生の五百五十が大きいと、こういうふうに申し上げられます。
#115
○本岡昭次君 そうすると、各県で退職勧奨が行われているはずなんですが、四十七都道府県の勧奨制度の中で校長が五百五十人いるということは、退職勧奨制度が六十歳を超しても勤務できるという状態にあるのか、それとも、六十歳で退職勧奨というときに、満六十歳になっても次の年度にやめるということから六十歳以上というのが出てくるのか、そこらあたりはどうなんですか。
#116
○説明員(西崎清久君) ただいま申し上げました数字は十月一日現在で押さえておりますので、三月末に退職勧奨に応ずるという方々もこの数字の中には入ってきておると思います。それは先生御指摘のとおりだと思います。したがいまして、その数字自体がその数の多さとして実態をあらわしているとも思えないわけでございますが、やはり勧奨退職は本人の応諾が前提でございますから、中にはやはり応諾について若干御意見ありということで残られる方はあり得るというふうに思います。
#117
○本岡昭次君 だから、統計をとる場合に、年度末でとるか途中でとるかということはそれぞれの満年齢の来る時期によってこれは違ってくるわけで、私の知る限り校長が退職勧奨をけって校長を勤められるということはないわけで、大体降格させられてしまいますよね。教頭もそうです。だから、そういうことはこれはあり得ぬ。まことに不思議なことが統計上起こっているというふうに思います。
 そこで全国的な勧奨年齢ですね。校長は、四十七都道府県大体どのくらいの年齢で勧奨されているか。教頭、教員それから事務職員、大体このぐらいに分けて、四十七都道府県全部。これは後ほど資料を私はいただきたいと思うんですが、傾向としてどうなっているかちょっと教えてください。
#118
○説明員(西崎清久君) 傾向としてということでお答え申し上げますと、五十四年度末で、校長先生をまず申し上げますが、校長先生で六十歳勧奨基準年齢としておる県が三十二県、それから五十九歳が十二県、五十八歳が三県ということでございます。それから次に教頭先生を申し上げますが、六十歳が二十一県、それから五十九歳が十六県、五十八歳が八県、五十七歳が二県。それから教員について申し上げますと、六十歳が二十一県、五十九歳が十四、五十八が八、五十七が三県、五十六が一県でございます。それから最後に事務職員を申し上げますが、六十歳が二十一県、五十九が八、五十八歳が十六県、五十七歳が一県というふうなことでございまして、これらはいずれも小中学校関係で申し上げました。
#119
○本岡昭次君 こうした勧奨制度下にあって、先ほどおっしゃったように、小学校で千三百五十五人、中学校で七百九十五人、高校はまあちょっと小中と違う面がありますから、実態的に想像できますけれども、小中学校でこうした実数が退職勧奨制度で本当に出てきているのかどうか非常に疑問でありますし、もしこれをける人というのは、恐らく民間から相当年配になって教員に再就職されたというふうな方々が年金との関係等からあえて退職勧奨を受けずに勤務を継続しているということではないか。私の出身県である兵庫なんかの実例を見ますと、大体一〇〇%近く勧奨でもって皆勇退するということがもう慣行として成立をしているんですが、どうですか文部省、いまこうした人数が出ているという実態は、私の把握に間違いがあるのか。大体私の把握しているようなことが起こっているのか。どうですか。
#120
○説明員(西崎清久君) その点は、先生がおっしゃいますように、御出身の県で一〇〇%であるということでございますが、そのような県ももちろんあろうかと思います。これはちょっと数字のとり方にもなると思うわけでございますが、勧奨をしたという人数の押さえ方として、まあ勧奨をこれだけしたけれども結果としてはこれだけの人しか応じてもらえなかったというふうな押さえ方をするか、あるいは、まあいろいろ話は申し上げたけれども、途中でいろんな事情を聞いてみたら勧奨するのはいかがかということでやめたというふうなケースもあって、そういうのは勧奨したことにしないとか、そういう統計のとり方によりまして九〇%から一〇〇%の間で各県は多少動いてくるような気がいたします。全国トータルいたしますと、大体九割以上はそういう形の数字として上がってくるのではないかというふうに思っております。
#121
○本岡昭次君 自治大臣、いま退職管理の実態を細かくやりとりいたしましたが、私の言わんとするところは、定年制というふうな強硬手段を講じなくとも、退職勧奨というふうな方法でもって、年齢的にも社会的常識といったようなもので一線を引きながらやっていて、六十歳を超えているというのは統計的には〇・三%というふうなごくわずかであるわけなんですね。そして、この勧奨の年齢も、私の経験から言えば、五十歳であったものが五十一になり、五十二になり、五十三になり、五十五になり――まあ自治大臣も知事の経験がおありだからおわかりだと思います。やはり周囲の状況を見ながら、県民があるいは市民が納得するところ、合意のできるような線を、これは話し合いながら一定の線を引いてきた。そういうのが退職勧奨年齢で、私の県でも五十八、五十九というところでまだ六十になってない。しかし、それも使用者と教職員が現状を見て納得してやっているわけです。
 そうしたことを考えていくときに、なぜ定年制を、これほどまでに国会を延長させてごり押しして、何か仲裁裁定と取引してそれをどうのこうのというふうな画くじらを立てて青筋を立ててやらなければならないのかということが一向に私はこれはわからぬわけですよ。全然わからぬですね、これ。それは、新規採用者を決めるのに、一定の線でやめる人数がわかっておったら手っ取り早いと、そういう面は、先ほどの文部省の説明から言えばあるにしても、退職管理という面からすればどう考えてみても実態に合わぬ。とすれば何かというと、行政改革かということになってくるんですね。しかし、行政改革というふうな問題をぶち込まなければならぬほどの実態は現にないわけなんですよ。それは結局名目だけで、とにかく定年制のない公務員、教職員に定年制をしいたんだというそのことだけが意味を持つとすれば、まことに無益なことを国会の中で丁々発止とやって浪費しているとしか私は思えぬのですがどうですか、自治大臣。
#122
○国務大臣(安孫子藤吉君) 教員の場合にはそうした事例が多いことは私も承知をいたしておりますが、この制度は、結局問題を制度的に確立いたしたいと、その方が安定的に運営ができる、こういうことですね。それから、今後における社会事情の推移を考えます場合にもその方がベターじゃないかと、こういうことが一つあるわけです。
 それからもう一つは、いま、行革との関連においてこれが非常に主張されているようなお話に承ったのでありますが、地方団体としましては、行革と関係なしにずいぶん前から、これはぜひやってもらわにゃいかぬというのが大変強い要望であったわけです。それからまた、地方制度調査会におきましても、ぜひこの定年制度というものは実施をしてもらわにゃいかぬということが十年以上前から一つの世論になっておったわけでございますから、今回の行革との直接関連においてこれをやろうということでは必ずしもないということだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
#123
○本岡昭次君 自治大臣にお尋ねしますが、いま定年制は職員に安定性を持たすんだ、安心してある一定の年齢まで仕事ができるようにしてやるんだという、職員にとって利益、プラスの面が非常に大きいんだ、また将来のことも考えてやったんだ、あるいはまた、地方からも要望があったんだということですが、それではお尋ねしますが、地方の要望があったという定年という意味ですね、これは今回の国家公務員法、地方公務員法を一斉に改正をして、原則六十歳定年をしこうとする、こうしたものと、過去地方自治体が要望してきたものとは一致するんですか、しないんですか、一致しているんですか。
#124
○政府委員(宮尾盤君) 御承知のように、過去におきまして何回か法案を国会に提出をした経緯があるわけでございますが、それらの法案の定年制度というものと今回の定年制度とは違った内容になっております。それは御承知のように、三十一年あるいは四十三年に検討されました法案は、当時は国家公務員について定年制度が、一部の職員を除いて一般的にはなかったわけでございますが、そういう状況のもとで地方公務員については条例で定年制度を設けることができるようにしようと、こういう法案であったわけでございます。そう意味合いからいたしまして、今回の法案といろいろな仕組み等についてもある程度違ったものになっております。ただ、今回は、そういう意味で国家公務員について定年制度が導入をされることといたしておりますので、それとの整合性をとって同じような形での定年制度を導入したい、これが今回の法案の基本的な考え方であります。
#125
○本岡昭次君 いま違いは言われましたけれども、だから私は今回のようなやり方は原則定年を基準に決めて、基準にして一斉にやるというのはやはり地方自治の本旨に反する、条例で決めるということについて地方議会が何らそれにかかわれない、ある一定のものがあればそれしかできないということで、これは地方分権あるいは地方自治の問題でも重要問題なんですね。こんなことを私は地方自治体が過去要望したんではないだろう、こう思うんです。だから、いままで地方自治体が繰り返し求めてきたというのは、一体どういうものを求めてきたのか。このように、国で一斉に決めてそして下でやらしてくださいというふうなものを要望してきたんですか。いままでの繰り返し要望があったという中身は。
#126
○政府委員(宮尾盤君) 具体的にどういう形でのという内容にわたった要望ではないわけでございまして、地方公共団体におきまして地方公務員に定年制度をしくことができるようにしていただきたいというのがこれまでの地方団体の要望であったわけでございます。そういう地方団体の要望をどういうふうに現行制度の中に取り込むかということで、三十一年なり四十三年の法案というものが考えられたわけでございます。
 ただ、今回の法案につきまして、それでは地方団体はどうなんだという点も御質問の中にあろうかと思うんですが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような考え方のもとに、そういう法案の中身でいいかどうかというようなことにつきましても地方団体の関係する団体等の意見も聞きまして、そしてそれらに対するいろいろな意見を反映させて制度づくりをしておるわけでございます。
#127
○本岡昭次君 具体的には言いませんけれども、地方自治体の私がいろいろ意見交換した人たちは、自治体の長は、過去私たちもそういうことを要望してきた、しかし、あくまでそれはそれぞれの地方自治体の現在の職員構成なりあるいは退職管理なり財政事情なり、そういうものを見て、そしてその自治体で条例を決められるようにしてくれということであった。今度のように原則六十なんていうようなことを自治体と関係なしに決められるということはこれはありがた迷惑だ、困ると、こういうふうな考え方を現に持っている人もあるわけですよ。それは革新とか保守とかいうことじゃなくて。私はやっぱり基本的に地方自治というものが尊重され、それぞれの自治体が違った職員構成を持ち、違った行政機構を持ちしているんだから、もし定年制というものを、国家公務員もできるんだからそれではこの際地方公務員もというふうなことであったにしても、そういう地方自治体の意思というんですか、考え、そういうようなものに当然幅がなければ、あなたが言うように、これでよろしいかと言ったらよろしいと言ったからこうしましたということでは、自治省としての立場が私はないんじゃないかと、欠落しているんじゃないか。総理府はそれは総理府として国家公務員の立場に立ったとしても、自治省は自治省としてそれを受けとめる受けとめ方に基本的に問題があると思いますがね。これは自治大臣、いかがですか。
#128
○政府委員(宮尾盤君) 今回の法案におきまして、定年制度の定めをどういうふうにしているかでございますが、基本的な枠組みと基本的な事項についてはもちろん法律で決めることにしているわけでございます。
   〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
ただ、具体的な年齢とかあるいはその他勤務延長なり再任用等の具体的な実施事項にわたる部分につきましてはそれぞれの地方団体の条例で定めると、こういうふうにいたしております。もちろん、定年年齢について全くフリーハンドということになっておりません。それはなぜかといいますと、やはり国家公務員、地方公務員、同じ公務員という立場で定年年齢というものに非常に違いがあるということは、これは基本的に公務員の身分保障の仕組みに関係する問題でございますから、そこはやはり国家公務員の定年年齢というものを基準にして地方団体が決めていただくと、こういうふうにしておるわけでございます。しかし、今回の法律案の中にもそういう規定を置いておりますように、地方団体におきましては国家公務員にないような職種もありますし、状況によりましては国家公務員の定年年齢を基準として定めることが非常に不適当であると、こういうケースもありますので、そういう場合には地方団体が条例で国家公務員とは異なった定年年齢を定めることもできると、こういうふうにしておるわけでございます。
 ですから、要約して申し上げますと、基本的な定年制の枠組みといいますか、そういうものについては地方公務員法で一律に定めて全地方団体に導入をすることにしておりますが、その具体的な実施に関する事項は、地方自治という考え方に立って条例で定めていただく、こういうふうにいたしまして、そこに地方団体の自主性も認めていこう、こういうふうにいたしておるわけでございます。
#129
○本岡昭次君 いまの点については、これはいままでも多く論議をされてきたと思いますし、まだ後わが党にも質問者がありますから、そういう点はまた深めていただくにしまして、進めます。
 そこで教員の場合、あるいは学校事務職員、栄養職員、こうした学校に働く教職員の場合の職員の特徴というのは、女子が非常に多いということじゃないかと私は思うんです。
 そこで文部省にお尋ねしますが、先ほど退職者のことをいろいろ報告していただきましたけれども、その中で、女子教職員というのはどのぐらいの割合で退職していっていますか。報告してください。
#130
○説明員(西崎清久君) 最初に、五十四年度末の退職者を一万三千人余と申し上げましたが、男女別をそれて見ますと、七千八百人が男子、女子が約六千人というふうな数字の割合になっております。
#131
○本岡昭次君 五十四年はわかりましたが、それでは五十三年、五十二年、五十一年、五十年とひとつ過去にさかのぼっていってみて、ここ数年、五十年ごろから女子が、いま六千人ですか、大体四〇%以上の比率を占めていますが、その傾向はどうですか。だんだん女子が少なくなってきているのか、女子がだんだん多くなってきているのか。そうした点いかがですか。
#132
○説明員(西崎清久君) ちょっと絶対数の推移を持ち合わせておりませんが、先生のお話の御趣旨は、やはり退職勧奨における女子の立場と申しますか、女子の取り扱いと申しますか、そういう点にあろうかと思いまして、その点につきましては過去三年ほどちょっと調べてみたわけでございます。
 男女について、退職勧奨について差を設けておる県が若干ございまして、教員について申しますと、六十歳というところで先ほど教員は二十一県だと申し上げましたが、女子につきましてはそれが十八県だというふうになっておりますし、その点は五十三年度、一年さかのぼりますと、男子は十九県、女子は十六県というふうに若干の差がございます。ことしの三月末についてもちょっととってみましたが、五十四年度の十八県が女子については十九県にふえているというふうな点で、若干、女子を六十まで引き上げた県について改善が見られるわけでございます。
#133
○本岡昭次君 まともに答えてください。私はそういう質問をしていないんですよ。
 それから何ですか、五十四年に退職勧奨でやめた人が約一万三千人いて、そのうちに女子が六千人ということでしたね。ところが、私の持っているこの「教育委員会月報」昭和五十六年の三月号、ここに、文部省の地方課が統計をとっているんです。昭和四十八年から五十四年まで統計をとっています。この統計は、退職者総数の中には勧奨が入りませんからこれは次の質問に譲って、いま退職勧奨のことが問題になっていて、校長、教頭の中にも女子がいますけれども、それも省くとして、教員という部分だけに限定をしてこれを見てみますと、昭和五十四年は退職者総数は一万二千百七十二人となっているんですよね。そして、そのうち女子八千三百六人というふうに、ここで勧奨退職者数の男女の内訳というものが統計上出ています。どうもいまのあなたの言われたのと数字が違いますね。そして、これには四十八年から書いてありますから、ずっと見てみますと、こういうことになっているんです。四十八年には女子が二千六百六十一人やめて三四・二%、四十九年には三千二百二人やめて三九・三%、五十年に四千七百三十三人やめて五〇・七%。こういうふうになって、そして五十二年には五千六百二十九人で五四・一、五十三年には七千五百八十七人やめて五六・五%、そして五十四年には八千三百六人やめて六〇・二%。こういうのが統計上出ているんです。この数字に間違いないでしょう。地方課がこれだけ詳細に報告しているんですから。
#134
○説明員(西崎清久君) 先生御指摘の資料は、文部省で出しておるものでございますが、いまちょっと手元にございませんので、すぐ取り寄せて照らし合わさしていただきますが、先ほど私が申し上げました数字は、私どもとしては間違いない数字で持っておるわけでございまして、一万三千八百二十二名のうち、女子が六千三十五人、そして四三・七%、これは事務職員も含めた数字なんでございます。
   〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
一万三千八百二十二人という数字は、事務職員も含めまして、男女合計でございますが、四三・七%というふうに申し上げたわけでございますが、ちょっと資料をいま持っておりませんので、照らし合わせて後刻お答え申し上げたいと思います。
#135
○本岡昭次君 これから論議しようとすることが同じ数字を基礎に置かなければ、あなたの持っているのと私の持っているのでやりとりしたんでは、これ審議はできないね。私はこれに出ているからと言ったんですよ、この「教育委員会月報」。そんなものできませんと言うから――先ほども私ちょっと文句言うたけれども、できませんと言うたってこれに出ているやないかと……。
#136
○委員長(亀長友義君) ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#137
○委員長(亀長友義君) 速記を起こしてください。
 それでは、暫時休憩いたします。
   午後二時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十分再開
#138
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
#139
○説明員(西崎清久君) 先ほどの御質疑で、資料不備で大変御迷惑をかけたことをまずおわび申し上げます。
 本岡先生御指摘の資料をいま手元に持っておるわけでございますが、この月報におきましての二十七ページで、四十八年以降五十四年度までの数字を掲げております。この点、小・中・高・盲・聾・養という形で、校長、教頭、教員の数というふうにここには出ておりまして、先ほど私の申し上げました数は事務職員等も含めた数で、五十四年度だけを申し上げておりまして、若干整合性に欠ける点で申し上げた点は恐縮でございましたが、ここでごらんいただきます数字によりますれば、勧奨退職者にかかわる女子の数につきましては、四十八年以降パーセントとして女子の割合は四十八年度が三四%、以降三九、五〇、五〇、五四、五六、六〇と、女子の割合はふえておるというのが傾向として見られるわけでございます。以上でございます。
#140
○本岡昭次君 非常に退職していっている伸びが大きいと思うんですが、なぜこのように女子職員の退職勧奨者数というのが増大をして、ついに六〇%に至るようになったのか、この原因ですね。文部省、なぜこういうことになっているのかということをおつかみですか。
#141
○説明員(西崎清久君) 男子、女子の退職勧奨にかかわります数の問題は、要因がいろいろございまして、第一の要因といたしましては、同一年齢層における男子、女子の割合の問題というのが一つございます。したがいまして、同一年齢層における男子の割合というのが、年齢段階で若干違っておる。最近で申しますと、男子の教員への希望者の割合がだんだんふえてきておるというふうなこともあるわけでございます。
 それから第二点といたしましては、退職勧奨に、かかわる年齢の基準の取り方という点が数との関係でかかわるわけでございますが、しかしこの点は、私どもの認識としては、むしろ女子の勧奨退職者の基準は上がってきておるというふうに認識しておりますから、この点は、この女子の数がふえておることには働いていないというふうに理解をしておるわけでございます。
 そういたしますと、この数の増加という点については、むしろやはり第一に申し上げました年齢層における女子の数の問題が大きく影響しているのではないかというふうに思うわけでございます。
#142
○本岡昭次君 もう一つの問題として、この二十七ページの下段に退職者の年齢構成、もちろんこれは男女含めてのことが書いてあります。見ていただきたいんですが、非常に傾向的に特異なものが出てきていますね。二十五歳未満から六十歳以上という統計のとり方で、一番多いのは五十五歳以上六十歳未満。もちろんこれは当然だと思います。その次は五十歳以上五十五歳未満、これもわかるんですが、三番目に多いのが――中学校ではこれは二番目に多くなっておりますが、二十五歳以上三十歳未満、これは小学校で一四・八%、中学校で一五・二%も退職をしているんです。二十五歳以上三十歳未満というと、二十二歳で大学を出て、二十二ないし二十三で就職をするんですから、三年ないし四年の経験でもってやめていく人が小学校で一四・八、中学校で一五・二%もいるという事実ですね、これは一体何が原因ですか。
#143
○説明員(西崎清久君) 先生御案内のとおり、教職につきましては専門性とそれから教職に対する熱意と申しますか、そういうふうなものが両々相まって適格性ありとこう言われておるわけでございます。しかし、教職になる方々が一度現場に入られて自分が教職としての適応にいささか問題ありというふうなことで、こういう若い年齢の方々がやめていかれるという、これは一種の自然退職、自己都合、こういうふうになるわけでございますが、この教職に対する青年の志向という点で時代の流れが若干あるわけでございます。
 高度成長とか現時点における人確法その他の問題で給与が改善されてきたというところで若干の流れがあるわけでございますが、当時の問題としては、かなりそういう点で適応性においてのいささか問題ありとする青年諸君が入っている傾向も見られたのではないか。しかし今後、教職人確法ができて以来の問題としては、かなりそういう点について自信と自覚を持った青年諸君が入ってきておるというふうな傾向もあると、そういうふうなとらえ方を私どもしておるわけでございまして、その辺の一つの問題がこのような数字にあらわれているのではないかというふうに思うわけでございます。
#144
○本岡昭次君 もう少し正確に答えられた方がいいのと違いますか。
 もう一つの観点を言いますと、二十五未満でも小学校が八・四%やめておるんです。中学校で九・二%やめておるんですよ。二十五歳未満というと、これはもう勤めてすぐやめたということになるんでしょう。そして、あなたがおっしゃった、教職になじまない人が来て、やってみたけれどもどうもこれは自分の一生の仕事だとは思えないといってやめていく。一体採用試験はどうなっているんですか。何十倍という大変な試験、一次試験、二次試験とやって、そしてよりすぐってやっておるんでしょう。そしてたくさんの経験を積ましていかなければならないのにやめさしていく。教職になじまないといったら、なじまない人を採用した教育委員会の責任というのはどうなるのかということになりますよ、こんなこと。もっと別のところにあるでしょう。
#145
○説明員(西崎清久君) 先生の御指摘の点、私ども、御説明を落としておりましたが、この離職の理由にかかわる数字をとってみますと、やはり女子の方で結婚のためという方の数字がかなり上がっておるわけでございます。先生おっしゃいますように、教職についた途端に結婚でやめるということのよしあしという問題はもちろんあろうかと思いますが、数字として、二十五歳未満で八・四%、九・二%という数の中には、女子の方々の結婚問題というのも若干入っておるというふうに御理解をいただきたいわけです。
#146
○本岡昭次君 この二十五歳未満、二十五歳以上三十歳未満でやめていくパーセントが高いのは、いまおっしゃったように、女子教員が、婦人教員が結婚をして、そして出産をするという事柄にかかわって、育児とそれから職業を継続するかどうかという問題の中で育児をとって、せっかくむずかしい試験を突破して大学に入って、そしてまた難関の教員採用試験をこれも通過して無事教員に就職して、さあこれから三十年なり、日本の教育のためにやってもらわないかぬという人が、結婚、育児ということでやめるという数がこういうことでずっとなっておるんですよね。これは、いわゆる定年になってやめるという問題とは別の意味の教員社会における退職管理ということにかかわって人材確保という面から見た大事な問題なんですよ、これは。
 そこで基本的に、婦人労働者がやはり育児というものの関係、あるいはまた、男女平等と言いながら、共かせぎしている場合は男性優位ということから、絶えず女性が犠牲にされるというふうな問題が退職の中でいろんな形で起こってくる。
 あなたも先ほど若干触れられましたけれども、再度その報告を求めますが、全国四十七都道府県で教職員の退職勧奨がそれぞれ行われていますが、男女差を設けている府県、これは数は四十七もあるわけではありませんから、どこの県、どこの県、どこの県というふうに、とにかく男女差をつけている県を言ってください。
#147
○説明員(西崎清久君) 小中学校で御報告をいたしますが、教員につきましては九県ございます。そして具体に申し上げますと、秋田県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、鳥取県、島根県、徳島県というところで九県になるわけでございます。
 それから、高等学校、特殊学校関係――県立てございますが、この関係では十県ございます。秋田、富山、石川、福井、山梨、岐阜、鳥取、島根、徳島、愛媛と、こういうふうな実情になっております。
#148
○本岡昭次君 九県退職勧奨の年齢差がそこにつけられているということですが、これについて文部省はどのように考えられているんですか。
#149
○説明員(西崎清久君) 教員の任用その他退職勧奨における人事行政の扱いにおきまして、女子であることのみをもって差を設けるということは適切なことではないというふうに私は考えております。しかし、従来から各都道府県におきましては、まあ教職員構成と申しますか、教員定数の関係とか、この点は、最初にお話しございました新規採用の問題も絡まるわけでございますが、各学校における教職員の年齢構成その他いろいろな人事行政の配慮から、女子についての若干の退職勧奨基準の差を設けておるというふうなことも事実としてあるわけでございまして、この点は最初に申し上げました女子のみという点からではなくて、また別の観点も入っておるということで、若干やむを得ない事情としてきたようでございます。
 しかし私どもは、これは基本的には解消すべき方向で努力すべきというふうに基本的に思っておりますので、そういう方向で指導をしておる次第でございます。
#150
○本岡昭次君 適切でないと、こうおっしゃいました。私も適切でないと――もっと別な言葉を使いたいが、あなたは適切でないとおっしゃったから、私も適切でないと言います。そして指導をしていると言われている。そうすると、現在あるこの九県、適切でない退職勧奨を行っているこの状況に対して、それではどのような具体的な指導をされているのか、お聞きしたいんです。
#151
○説明員(西崎清久君) 退職勧奨につきましては、もう先生すでに御案内のとおり、本人の応諾が前提でございます、最終的には。したがいまして、そういう意味での女子の方々も応諾をしていただいて、そういう形でおやめいただいておるということもあるわけでございますが、基本的にはその方向をなるべく解消する方向でという趣旨で、本年も一月と四月に教職員人事主管課長会議をやっております。一月と四月の教職員人事主管課長会議においても、これらの点について、特に男女の勧奨の取り扱いについての指導をしたところでございます。
#152
○本岡昭次君 そうすると、文部省が各県の人事課長会議を一月と四月に開いて、退職勧奨に当たって男女差をつけることは基本的に適切でないという指導をしているんだが、現に九県もこれがあるということですね。
 そこで自治省にもちょっとお聞きするんですが、地方公務員法の第十三条に、「すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信条、性別、社会的身分若しくは門地によって、」「差別されてはならない。」と、こう書いてあるわけです。同じ地方公務員であって、男であるがゆえに勧奨年齢が六十、女性であるがゆえに勧奨年齢が五十五あるいは五十六とかそういうこと、いまも本人の応諾云々がありますが、実際勧奨というのはそんな気楽なものじゃない。やはりやめなければならないというところになるんです、みんな。その制度というのはそういう力を持つんです、強制力を。一体地方公務員法のこの「平等に取り扱われなければならず、」ということから見て、このようなことが行われているということは、自治省から見てどう思いますか。
#153
○政府委員(宮尾盤君) 私の方からお答えをするのは、一般的な、一般論としてのお答えになるわけでございますが、勧奨退職制度は、先ほども文部省の方からお答えがありましたように、職員の自由意思を前提としておるものでございますので、そういった退職勧奨の基準年齢に差を設けることにつきましては、男女の肉体的、生理的な差等を考慮をしまして、その女子職員が従事をしております職務の実態等に即した合理的な必要性というものがある場合には、これは差し支えないというふうに考えております。しかし、そういう合理的な理由がないにもかかわらず、勧奨退職年齢に男女間の差を設けるということは、これは性別による差別であるということで、憲法十四条あるいは地方公務員法十三条に照らして問題があるわけでございまして、そういう場合にはそのような差を設けるべきではないと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#154
○本岡昭次君 結構です。いまの答弁のとおりでいいんです。
 そこで文部省、鳥取県はどうなっていますか。鳥取県の男女の勧奨の年齢。
#155
○説明員(西崎清久君) 鳥取県につきましては、小中学校関係で男女差がございます。高等学校、特殊学校関係の県立についても差を設けております。
#156
○本岡昭次君 年齢を言ってください、年齢を。
#157
○説明員(西崎清久君) 年齢でございますか。――小中学校関係につきましては、鳥取県は教員について三歳の差を設けております。それから県立高校、特殊学校関係につきましては、四歳の差がございます。
#158
○本岡昭次君 何か年齢言って差しさわりがあるのですか。では、私が言いましょう。
 鳥取県教育委員会教育長の、「昭和五十五年度末公立学校教職員人事異動方針及び昭和五十五年度末公立小・中・養護学校人事異動取扱要領について(通知)」、正式の文です。昭和五十五年十二月十八日付公文書です。そこにこう書いてあります。「教員男子満五十九歳以上 教員女子満五十六歳以上」、そしてその下に「(生計主体)」と書いてある。この人が独身の場合はそれは生計主体ですね。その人が主体になって生計を営んでおるかどうか。営んでおれば五十六歳。その下にもう一つ、「女子満五十三歳以上(共働き)」、こうある。これ間違いないでしょう。確かめてごらんなさい。
#159
○説明員(西崎清久君) いま私の手元にございます数字では、先生おっしゃいますように、五十九歳と五十六歳というのがございます。その生計主体とか、共働きの場合五十三歳というのは、ちょっとここには入っておりませんが、県の資料でございますとすれば事実であろうというふうに推定いたします。
#160
○本岡昭次君 後でお見せします。間違いないです。ちゃんとここに大きく「写」と、公文書番号もついています。だから、文部省にごまかして報告しておるんです。
 そこで先ほども自治省が、勧奨年齢に差を設ける場合に、男女の肉体的とかあるいはまた職務の実態等の中で合理的な理由が必要だとおっしゃいましたね。ぼくもそれは認めるよね、ある程度は。それを全面的に認めたくないけれども、実態として認めたい気もする。しかし、ここに書いてある生計主体、共かせぎであったらこれはもう五十三歳でやめてください、しかし一家を背負うておればまあまあ何とか五十六歳まで勤めでもよろしい。しかし男は無条件で五十九歳までいってよろしい。これは果たしてあなたのおっしゃった職務の実態に即してとか、肉体的云々と関係ありますか、どうです。――関係あるかないか言ってください、ここに出ていることは。
#161
○政府委員(宮尾盤君) 教育の問題でございますので、私の方から具体的な判断をすることは差し控えさしていただきたいと思います。
#162
○説明員(西崎清久君) 鳥取県につきましては、先生御案内のように過疎県でございまして、定数事情が非常に厳しい……
#163
○本岡昭次君 私はそんなことは聞いてないよ。正確に答えてくださいよ。
 私か言ったのは、文部省の側が、勧奨年齢に男女差を設けるということは適切でないと言い、自治省の方は設けるにしても合理的な理由が必要だと。それはそのとおりですよ、男女差別しているんだから。地公法十三条等に違反している。それはもう重大な合理的なあれがなければいけませんよ。それは、先ほどおっしゃった肉体的な問題、男女の、あるいはまた仕事の中身に即して合理的な理由が必要だとおっしゃった。つまり、いま私の言った生計主体であるとか、共かせぎであるとかというふうなことがそれでは果たしてその合理的な理由となるのですかと一般的に尋ねているんですよ。ここに書いてあるから。そんな過疎県であるとかないとかいうようなことは、それは何にも関係ないですよ、いまの基本的な問題と。それを答えてください、両方から。
#164
○説明員(西崎清久君) これはやはり教員問題でございますから、私どもの方でお答えすべきだと思います。
 基本的には、私どもすでに最初お答えいたしましたように、男女の性別のことのみをもって差別するということは適切でないという形で指導しておるわけでございます。しかし、各県についていろいろ事情を聞きますと、やはり沿革的に教員定数の問題とか教員配置で若干男女について差を設けてきた。しかし、そのこと自体がいろいろ男女の差別の問題として問題があるという文部省の指導はよくわかります、しかし、それを仮に一挙に解消した場合には一人も教員採用ができないとか、いろんな支障が県の教職員構成全体に起きてくる。したがって、そういうことについてなおまだ若干の時間をかしてもらいたいというふうな立場の県があるわけでございます。
 それで、鳥取の場合、先生端的にお話してございますが、生計をともにするということが果たしてその差を設けることの適切な理由かといえば、必ずしも適切ではないというふうにも言えると思います。しかし鳥取県としては、そういう事情も考慮して差を設けないと教員の新規採用ができないというふうな事情もこれありで、若干はそういうことをやっておるというふうに私どもは理解しておるわけでございまして、意識としては県当局も、そういう点での解消の努力の方向は持っておるというふうに理解をいたしております。
#165
○本岡昭次君 あなた大変なことを言いましたね、いま。男女差別もいいところじゃないですか、いまの発言。過疎県で平均年齢がそれは四十五歳以上になっておるでしょう、鳥取県あたりは。そういうところあります。しかし、何も女性がその平均年齢を上げているんじゃないんでしょう。男女ともに教員が平均年齢を上げているんでしょう。だから新陳代謝が必要だ、若い先生を入れないかぬ。なぜそのときに女性だけがやめないかぬのですか。なぜ女性を対象にするか。それが男女差別じゃないですか。男もやめたらいいじゃないですか。男も同じように五十三にしたらいいじゃないですか。違うんですか。過疎県、過疎地域で平均年齢が上がっているから若返らさないかぬというときに、なぜ女性だけを対象とするんですか。ちゃんと説明しなさいよ。
#166
○説明員(西崎清久君) 鳥取県の具体的の事情が適切だと申し上げているわけではないんです。鳥取県が従来からそういうふうな男女について基準の差を設けてきたという歴史的な沿革があるものですから、そこの沿革に基づいてある部分を一挙に引き上げると新規採用等がむずかしくなるというふうな事情があってなかなかそこに踏み切りにくいというふうなことではないかというふうに私どもは推定をしておるわけでございまして、その辺が、そういう歴史的事実がなければその辺で、五十三歳でございますか、先生の御指摘の点が適切な年齢だとは私どもは決して思っているわけではございません。
#167
○本岡昭次君 いや、あなた、この事実は適切でないとかいうことで済まされないことだと思うんですよ、私は。男女差別をしているということをあなたはお認めにならないんですか、鳥取県におけるこの教員人事、退職について。初めから男女差別をしておるんでしょう。それは過去は何歳であったか知りませんよ。女子が四十五歳でやめさせられておったかもしれぬ。そのこと自体が男女差別なんでしょう。なぜ女性が早くやめなきゃならないんですか。先ほど言ったこの地公法十三条の、法のもとに平等であるべき教職員が何ゆえもってそうするんですか。あなたが、もう女性は劣っているから早うやめさせると言うんならそれはそれなりに、その言葉自身は差別ですけれども、その方が理由はつきますよ。女の先生はだめだから早うやめてもらうんだという暴言の方がまだ理屈はつくんですよ。どうですか。男女差別が初めから行われておるんでしょう。それで現にこのことも男女差別なんです。このことをあなた認めないんですか。
#168
○説明員(西崎清久君) 法律上の取り扱いといたしましては、最初に申し上げましたように、退職勧奨につきましては本人の応諾があって初めてそのことが終わるというふうな取り扱いでございますので、法律上の取り扱いとして退職勧奨基準の年齢自体がストレートに男女差別というふうになるとは言えないと思うわけでございます。しかし、やはり法の精神から申しまして、退職勧奨基準について沿革があるとは申しましても、そのようなことがあっては趣旨に沿わないということから私どもは適切でないということを考え、従来からそういう方向で指導しておるわけでございます。したがいまして、その改善の効果が少し遅々としておるというところは遺憾でございますが、そこはやはり県の教職員構成その他の定数、新規採用等の関係で考えざるを得ないというふうな県の立場も考慮いたしまして、なるべく早く解消するようにということをなお今後とも続けてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#169
○本岡昭次君 答弁になっていないじゃないですか。それなら、そういう話じゃなくてもとへ戻して、ここで論議されたことの裏づけをはっきりさしてください。私は自治省に、退職勧奨における男女差別というものは、地公法十三条の法の精神に基づいてどう考えればいいのかという質問をしたときに、答弁として、肉体的の男女差の問題とか、あるいは職務の実態で男として適当、あるいは女として不適当とかいうふうな事柄を含めて合理的な理由が実態に即して必要だということがありましたね。過疎だとか過去にどうであったとか、新陳代謝をしなければならないとか、そういうようなことは、自治省は合理的な理由としての例示として出されなかったんです。地公法十三条の「平等取扱の原則」、それに照らして、鳥取県で行われていることはどうかということをずばっとあなたが言えばいいんですよ、単純に。また、これでいくのなら憲法だって、いろいろと次々出てくるでしょう、憲法第十四条。どうですか。
#170
○説明員(西崎清久君) 先ほど自治省の方で、男女の肉体的あるいは生理的な差、あるいは従事している職務の特殊性その他以外については合理的な理由とは考えられないので問題ありとおっしゃいまして、その点は私どももそのように考えますがゆえに、男女の差別の問題という認識が一般的に行われておる基準の問題ということは重大であると認識して、各都道府県に対して指導しておるわけでございますね、これは解消すべきであるというふうなことでやっておるわけでございますから。その点で、なかなかその解消が行われにくいという点はありますが、若干、四十三年当時から比べますと女子の年齢も上げてきておるというふうな実績もございますので、その辺についての努力を今後も続けてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#171
○本岡昭次君 あなたは局長でもないし文部大臣でもないから、基本的な問題は非常に答えにくいであろうから、これ以上追及するのはやめますけれども、このことだけはもう一度注釈をつけずに答弁してくださいよ。自治省が地公法第十三条の解釈を退職勧奨問題に触れていま出されたんで、鳥取県はそうした地公法第十三条の解釈からして――あなた、適切でないというふうなことはもっと別なことに使うんでしょう。だから、基本的に地公法十三条に違反するということを本来は言ってもらいたいけれども、あなたはそれは言えないだろうから、やはりそうしたことに対して明確にあなたがあなたの言葉でもって言うべきでしょう、そこであなた文部省代表して来ているんだから。
#172
○説明員(西崎清久君) 鳥取県のケースについての問題でございますが、男女共働きについて特別の年齢基準を設けるということは適切でないというふうに私どもも考えておりますので、そういう点を含めて従来教職員の人事主管課長会議等で指導しておるわけでございますから、そういう点で御承知をいただきたいと思う次第でございます。
#173
○本岡昭次君 長崎県はどうなんです。
#174
○説明員(西崎清久君) 長崎県につきましては、男女六十歳六十歳、同じでございます、扱いといたしましては。
#175
○本岡昭次君 表向きはそうなっているんですが、中身はまた変わった形での男女差別が行われているんです。
 私の持っている資料は、昭和五十二年一月十七日付、長崎県教育長三村長年さんですか、その人の、教職員個々人にあてた、「御勇退のお願い」という文章があるんです。ちょっと読んでみますと、
  あなたが長年にわたり本県公立学校教職員として、本県教育の振興に多大の御尽力を賜わっていることにかねてより深く感謝しているところであります。
 近年とみに厳しくなった学校現場で立派な教育活動を営まれるかたわら、管理職(教頭)であられるご主人を陰に陽に御援助しておられることに心から敬意を表します。
 管理職の配偶者については、従来は校長任用のとき退職されるようになっていましたが、昭和52年度は、さきに公表した「異動方針」ならびに「取り扱い要領」にある通り、校長、教頭任用にあっては、配偶者の退職が条件となっています。
 今度の方針で新補教頭の配偶者は退職され、先輩教頭の配偶者がそのまま在職されることは公平を欠くことになります。
 どうか本県の教職員の年令構成の実情や、校長、教頭の任用条件等を御賢察賜わり、後進に道を開くという高い見地から、御決意いただき、あなたの御勇退を切にお願いする次第であります。
こういうことが現にあるということは御存じですか。
#176
○説明員(西崎清久君) 承知いたしておりません。
#177
○本岡昭次君 いまの文章、また後で見てもらいますが、ここで私が問題にしたいのは、先ほども、共働きの場合女性が先にやめろという理屈ですね。こちらも、だんなが管理職になるときにはやめろ、それで家庭で陰に陽にだんなを援助しろと。女の人が逆に管理職になるときは、これはだんながやめないかぬということになるのかどうか。
 ここで、文部省として婦人管理職登用の問題、婦人教頭とか婦人校長というものの存在はどのように一体考えられておるんですか。
#178
○説明員(西崎清久君) 先生御案内のとおり、もう小学校では女子教員が五割を超えておりますし、それから中学校でもかなりの人数として女子教員がおられるわけでございます。したがいまして、女子教員でそれぞれ教職について力があり、かつ学校運営について力のある方が、管理的立場で学校運営の責任者になるということは、それはそれとして適切なことでございますし、戦後の流れを見ましても、女子の校長さん、教頭さんは若干ずつ数もふえておるというふうに私どもは理解をしております。
#179
○本岡昭次君 長崎県の例を引きましたのはね、鳥取県の共かせぎの一方をやめさせるということの中身にこういうことがあるんですよね。そうすると、鳥取県なりあるいは長崎県、あるいはまたこういうことをやっている県がほかにもあるんですよ、文部省はつかんでいないけれども。そうすると、婦人の管理職というのは一人も生まれないということになるんですよ。こういうことを実際許していいんですかね。本人の教員としての能力やら、あるいは教職でやろうとする意思なり、そんなものは全部度外視してしまって、その人の教師として生きていく道を断ち切るということ、こんなことが許されるんですかね。どうですか、文部省。
#180
○説明員(西崎清久君) 女子の教員の方々が一人も管理職になる道がないではないかと、まあ先生は一つの例としておっしゃったと思うわけでございますが、現在小学校では校長先生が四百人ほどおられるわけでございますし、教頭さんも七百人おられるわけでございます。いまのような仮に事例があるといたしますと、それは、それぞれ個人の判断としての問題でどう処理されるかということもあると思うわけでございますが、長崎の実情については私どもいまつまびらかにしておりませんので、十分調べてみたいというふうに思う次第でございます。
#181
○本岡昭次君 人格的には、また法律的にも独立しておるんでしょう。だから賃金も、夫婦一緒にもらってないわね、一人一人個別にもらっている。そして、勧奨制度という制度によってやめなければならない立場に追い込まれる人は、結婚して、だんなが管理職になったときにやめようと思って先生になったのと違うよね。一生私は教職の道にあって子供とともに生きたいということで、教育の道に入ろうとして大学に入り、勤めたんでしょう。その人が結婚、そして共かせぎという事態で、その教職の道を勧奨制度によって、あるいはまたこういう「御勇退のお願い」とかいうものとか公文書でもって本人のところへ行ってやめなさいと。勇退の勧告というのは肩たたきでいろいろ行われるよ、これは。だけれども、ここにはっきりと、やめてだんなのめんどうを見なさい、でなければ困るんだ、みんなそないしておるやないかと。私は、こんな露骨な形でのやり方というのは絶対許せぬと思うんですよ。
 だから、先ほどの鳥取県の問題と同じように、最後には個人がやめるやめないを決める問題だからということじゃなくて、一つは文部省の全般的な教育政策の中で、婦人がとみにいま多くなっているこの状況下にあって、このような教育活動そのものに関しても年齢的にも婦人差別が、婦人教師の差別が行われているということ、あくまで不当な差別が長崎県にも鳥取県にも、また文部省は知らないけれどもあちこちに現にあるんだということ、それははっきり認めて、そしてこの問題の解消に直ちに文部省として取りかかるということをここで私は明言すべきだと、こう思うんです。
 私、そのことをあなた言わない限り、こればっかり繰り返すよ。でなかったら文部大臣にここへ来てもらうことを要求します、あなたがお答えになれへんのやったら。非常に大事な問題なんですよ。退職勧奨ですからね。それで私は次に定年との問題でこれを詰めていきたいんです。現にこのような差別が行われている上定年を持ち込もうとするんだから、この問題をはっきりさせてもらわなければ定年の問題を私は論議できぬ。
#182
○説明員(西崎清久君) 退職勧奨基準における男女の差の問題は、きょう先生御指摘ございましたが、従来からこの関係、国会でもたびたび取り上げられておるところでございまして、それがゆえに私どもは各県の実態を調べ、たまたま、ただいまは長崎の実情は存じませんでしたが、いろいろなケースをつかまえて、そして昨年もそれから本年も人事主管課長会議で適切でないとして指導しておるわけでございますから、この点についての認識は、もちろんきょう先生の御指摘もございまして、新たにしつつ、今後ともその解消には努力をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#183
○志苫裕君 ちょっと関連して伺います。
 今後とも指導したいということですが、逆説的に聞きますが、今後指導するということはしばらくそういう状況が続くということを容認しているんですね。
#184
○説明員(西崎清久君) 本年の一月、四月に都道府県教育委員会に対して指導したところでございます。そして、これから各都道府県は八月の教員採用を含めて人事異動に向けて三月までの作業が始まるわけでございますから、この本年三月末における退職勧奨の扱いが来年三月に向けてどれだけ進展するかというふうな点で私どもは発出をしたいと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#185
○志苫裕君 地方自治とのかかわりもありますから、しばらくそういう状況は続くかどうか、そういう問題は、もちろん地方自治との兼ね合いの問題はあります。ありますけれども、あなたも御存じのように、地方公務員法の五十九条には、そういうことが地方公共団体のみの判断によって行われる場合には、地方公務員制度全体が不均衡となって職員の不利益を生ずることになるというような判断から、いわば技術的助言の規定を自治省に与えています。いまのやりとりは若干それに絡みます。しかし、自治は自治だからということで、そういう不正常な事態が残る可能性はもちろんありますけれども、いまほど本岡委員とのやりとりでまずはっきりしなきゃならぬのは、法律的にそれは正しいか正しくないかをまず明らかにしなければ事が始まらぬのですよ。
 あなた先ほどから重要な点で二つの答弁をなさっています。鳥取の例に関連をしてどう言ったかというと、適切でないとしながらも、法律的には勧奨は自由意思なのだから差別には当たらないということを答弁したんです。長崎の例に対しては、それは勧奨を受けた個人がどう判断するかの問題だというふうに、いずれも勧奨を受ける側のことを言っているんです。
 いまここで法律的に問題にしているのは、勧奨をしておる人、これは公法上の権限を持った人なんです。これがそういう行為を行っているんですね。それを受けるか受けないかは自由意思、断れば事はないんだから不当になるまいという論理は通らないんですよ。そういうことを、法律に違反をする行為が現に行われている。幸いにして断ってくれれば結果は不当にならぬかったかもしらぬけれども、行われていることは事実なんですよ。それは地公法のしかるべき条章やあるいは憲法から言っても誤りであります。これをまずあなた明らかにしなければ事は進みませんよ。その点どうなんですか。
#186
○説明員(西崎清久君) 退職勧奨という行為はあくまで事実行為でございます。ですから、先生御指摘ではございますが、退職勧奨をする行為自体についてすぐ法律行為が伴うものではないという意味で申し上げたわけでございますが、そういう意味での地公法あるいは憲法に言う男女の扱いにおける法律上の問題として直ちに違法というふうには言えない。しかし、先生がおっしゃるような意味での任命権者の事実行為であるということからすれば、その法の趣旨に照らして問題がある。そして、しかもそういうことであれば適切でない。こういう判断に基づいて文部省としてはその解消に努力をする。こういうふうにお答えをしておるわけでございます。
#187
○志苫裕君 勧奨退職という行為は、行為は法律に基づくものではないから、勧奨退職という、いわば勧奨行為そのものを権限を持った任命権者やそれの意を受けた者がやること自身は違法でないという答弁をあなたいまされた。そのことを言っているんじゃないんですよ。その行為の中に法のもとの平等を侵しているじゃないか。現に具体的な例を挙げたおけですよ。そのことについて先ほども本岡委員がせっせと指摘をしているわけだ。しかしあなたは故意にその部分を避けるわけだな。――あなたはどういう立場の人かな。審議官といったらちゃんとした政府委員でしょう。大臣呼ばれるまでもなくちゃんと答弁をして、法解釈の問題や、現に行われている具体的な事象についての見解なんですから、そのことを指導の上にどう移していくかというのは、自治体と、技術的助言の範囲に限られておる自治省やその他の関係ですから、言うたから直るものじゃありませんよね。これにはそれなりの、社会的なものがあるとすれば、自治体側における人為的な方やそんなものが必要でしょうけれども、法律的な所見だけははっきりしてもらいたい。そういうことを言っているんですよ。
#188
○説明員(西崎清久君) 法律的な問題として、憲法それから地公法に直ちに違反するというふうには申し上げられないという意味でるる御説明をしているわけでございますが、やはりそういう退職勧奨の行為がそういう事実関係で行われる場合には問題があるし、適切を欠くという点で、これはぜひ解消する方向が必要だと、こういうふうなことで私どもは努力をすべきだと思いますし、してまいっておりますし、今後もしたいというふうに思っております。
#189
○志苫裕君 それは、そうですか。
 ちょっと自治省にお伺いします。
 いま、そういうことをしているのは法律的には違反でない、こう言っているんですがね、地方公務員は地方公務員法を守らなきゃならぬですね。それは具体的に義務として課せられるものがあれば、法全体の精神として守らなきゃならぬ。いずれにしましても地方公務員は全体の奉仕者としてこの規範を法に規定をされておるんですが、あるものには罰則があり、あるものには訓示規定のものもあります。地方公務員法の法のもとに平等、それは受ける職員の側から見れば、差別を受けないということですよ。差別を加えるものがあるとすると、加えるものを規制しているわけですね。当然のことですよ。いまはそういう差別をつけても当該任命権者は法律違反にならない、この解釈だってもう許せません、地公法上。自治省に、どうですか。
#190
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法の十三条の考え方というものは、これは当然尊重をされなければならないし、守られなければならない問題であります。ただ、先ほど来の御論議の中で、もちろん職員に対して退職を勧奨するという場合に、男女という差のみで、合理的な理由がなくて差を設けて勧奨するということは、考え方といたしましてこの十三条の趣旨に反すると思います。
 しかし、文部省がおっしゃっておられるのは、具体的な、たとえば特定の職員に対してそういう考え方を、男女間、仮に男女だけで差を設けて勧奨いたしましたといたしましても、勧奨を受けた者の立場ではそれを拒否することができる、勧奨というのはそういう本人の意思に基づいてそれを受けるか受けないかという選択があるわけでございますから、そういう意味において、その趣旨には必ずしもそういう差を設けた勧奨というのは適合してないけれども、厳密な意味での法律的な問題ではないと、こういうふうにお答えをしているのだというふうに理解をしておるわけでございます。
#191
○志苫裕君 後段の部分は、あなたが推測することはない、前段の答えを聞いておるわけです。あなたの前段の答弁ではっきりしているじゃないですか、時間がないから省きますけれども。十三条の趣旨に反する。しかし、いま文部省が言っておるのは云々と続きますけれども、きょうは文部省側に聞いているから、あなたに法律解釈聞いているんじゃない。
 はっきり、合理的な理由もなく男女差を設けて勧奨すること自体は十三条の趣旨に反する、これは文部省、確認できるんでしょう。
#192
○説明員(西崎清久君) ただいまの自治省の御答弁も、合理的理由がなければ十三条の趣旨に反するということで、私どももそういう趣旨できわめて適切でないというふうに思っておるわけでございます。ですから指導をしておるわけでございまして、違法か違法でないかということと十三条の趣旨に反するということとを若干別の観点からお答えをしておるので、大変御理解いただきにくい点かと思いますが、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#193
○志苫裕君 理解しにくいように言っておるからですよ、はっきり言えばわかるんです。
    ―――――――――――――
#194
○委員長(亀長友義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石破二朗君が委員を辞任され、その補欠として井上孝君が選任されました。
    ―――――――――――――
#195
○本岡昭次君 審議を次へ進めたいんですよ。だから、いま志苫理事の方から整理をしてもらったように、具体的な事実の問題は長崎、島根、鳥取、秋田、福井、石川、静岡ですか、それぞれ皆違うでしょう。だけれども、法の精神に照らして見たときには、地公法という法律のもとに平等でなければならないという事柄には反していると、そこで打ち切って、あなたはそうですと言ってもらえば次にいきますがな。
#196
○説明員(西崎清久君) 私がるる申し上げておりますのは、先ほど自治省からのお答えにもございましたように、最終的には退職勧奨というのはやはり本人の同意ということが前提になっておる。したがって、そういう意味でのぎりぎりで違法か違法でないかという点で申し上げれば、違法であるというふうには申し上げかねる。しかし、やはり任命権者という立場でそういう事実行為を合理的理由なしに行うことは、十三条なりの趣旨とするところにもとるというふうなところから、適切でないと考えて今後も指導をしてまいりたいと、こういうふうにお答えをしておるわけでございます。
#197
○本岡昭次君 本人の意思云々の問題ですがね、そこには経済的制裁とやっぱり身分的制裁という二つのものがそれにあるんですよ。経済的制裁はおわかりでしょう。五十三歳で共かせぎだからやめなさいと勧奨される。あるいは、あなたのだんなが教頭になるからやめなさいとたとえば四十五歳ぐらいでやられる、三十歳ぐらいでやられるかもしれないね、これは。管理職に登用されるだんなさんを持ったら大変なことになるんだな、これ。そのときに出てくるのは、この勧奨をけったら、今後退職のあらゆる優遇措置は全部あなたには適用しませんよということを、四十であろうと四十五であろうと五十であろうとやられるわけですよ。どれだけの損害になるかいうことはあなた御存じのはずだ。一方、夫婦が夜を徹して話し合って、親類も交えてわっさわっさやって、世間からは白い目で見られるだろう、学校からはまた圧力がかかるだろう、学校におられぬような状況になるかもしらぬ、しかし、やっぱり私は最後まで先生として一生全うしたいんだといって婦人教師が学校にとどまったとする。教頭になっただんなは校長になれぬでしょうね。なれへんですよ、絶対に。そうでしょう。だから、そういう制裁というものがそこに伴って起こってくるものだから、あなたが言うように本人の、個人の意思ですというようなことが絶対実態としては通用しない。それは女の先生が先生になったときに、私は必ず将来だんなには学校の先生を迎えて、管理職になる人で、というふうに人生を設計しておるんだったらしらぬけれどもね、関係なくみんなそれぞれ個人として生きておるんでしょう。だからこういうことが、人材確保法とかいろいろ学校の教員によい人材をといってさまざまな措置を一方ではして、あれを見てみなさい、教育白書でも、日本という国はこんなりっぱな教育水準を保っておりますよと、先生にはこれだけ手厚いことをと。しかし、中へ入ってみればこんなことが行われているんですよ。もうこれ以上言いませんがね。
 だから、私はあなたの言葉で、最後は個人の意思で、やめさせられなくても済むんだということは、それは実態として逆に言えばあり得ないし、あった場合には今度はそういう損害あるいは身分にかかわる制裁というものが行われるという事態、そういうものを踏まえた上で一遍答弁をしてください、踏まえた上で。いままでは、そういうことを何も言わぬままあなたは、それは毅然として、いや、私はその勧奨をけって先生をしますと言えばいいじゃないかと言っているけれども、事はそんな簡単なことじゃない。絶対にできないような仕組み、そういうものがあるということ。これはどう思いますか。
#198
○説明員(西崎清久君) 退職勧奨のシステムは、先生御案内のとおりいろいろな、勧奨に応ずるか応じないかという点での絡まりがあるということは事実でございます。したがいまして、勧奨に応じなかった場合に優遇措置がかぶらないとか、そういう点での不利益な扱いがあるのではないかとか、そういうふうなそんたくあるいはそういう推定のもとに個人がいろいろな御判断をなさるということはあり得ると思います。そういうことが事実上の強制につながるのではないかという御指摘だろうと思いますし、そういうことが心理的に個人個人の気持ちに大きな影響を与えるであろうということは私どもも推測できるわけでございますが、退職勧奨制度というものを実施する上においては、やはり応じた者と応じなかった者についての給与上の扱い等は、これを実施しなければ、そのこと自体についての意味合いが薄れるとか、そういうふうな退職勧奨自体の制度のあり方の問題にも絡まるわけでございますから、そういう点を総合的に勘案して制度の運用をせざるを得ないという一面もあると思います。そういう意味で、事実上の強制であるかないかという点は、心理的な問題として先生御指摘のような点もあろうかと思いますが、一方、退職勧奨制度のあり方の問題としてはやむを得ない面もあるというふうに思う次第でございます。
#199
○本岡昭次君 本論に入っていきます。公務員制度の問題、もっと触れるとまたいろいろ議論ができると思いますが。
 そこで自治大臣、延々とやりましたが、定年制が実施されるでしょう、六十なら六十と。現にいま、教職員の場合、各県において、表向きは男女同じような勧奨だけれども、実際中へ入ってみればさまざまな形で私がいま言ったような形の男女差別が、認めようと認めまいと行われている。定年制が今度六十としかれたときに、そうしたものは、さっきの地域の実態によってとか、いままで一生懸命解消してきたからというふうな言葉と関連して、こうしたことは一切なくなる、なくすと。そしてまた、定年制というものの法の精神によって、現に行われているこうした事柄は、こんな時間をかけてじゃなしに、直ちにそうしたことを解消すべきだという事柄を、地方公共団体の取りまとめ役の自治大臣としてこの際はっきりここで言っていただきたい、こう思う。でなければ二重三重に差別の問題が起こってくる、こう思いますが、いかがですか。
#200
○国務大臣(安孫子藤吉君) だんだんお話を承りますと、そういう問題もあるわけでありますが、定年制を実施すればそれは一挙に解消する、そういうことだと私は思っております。
#201
○本岡昭次君 そういうことだと思いますではいかぬので……
#202
○国務大臣(安孫子藤吉君) そういうことです。
#203
○本岡昭次君 文部大臣じゃないですけれども、文部省として、これが通れば定年制が六十年にしかれようとしている。通ればそうなるんだ。そうすると、こういう事態がいまあるということに照らして、あなたが言っているようにだんだんとじゃなくて、直ちにこういうことはやめさせるということに踏み切るということが一方でなければだめじゃないかと思うんですが、そこはどうでしょう。
#204
○説明員(西崎清久君) 定年制度の趣旨は、やはり最初にお話がございましたように、長期的なあるいは安定した人事管理の問題とか、活力を組織に与えるとか、新陳代謝の問題という点にあると思いますし、それは教職員人事行政に必要でございます。そういう意味で、定年制がしかれるということに伴って、いま六十歳以下で勧奨をしておるという実態が六十までというふうに定年制度上はなるというふうな意味においては大変その点では有効でございましょうし、しかも安定した人事行政の観点においては有効な措置になり得るというふうに考えております。
#205
○本岡昭次君 無責任ですよ、ちょっと文部省としては。定年制度になるからいまある男女差別がなくなっていく、有効な措置でしょう、そんな認識ですか。定年制を是認するにしても、それまでに文部省として各県を指導して、こうした男女差別、地公法十三条の、法のもとにあってはならない差別があるのだから、これをなくすということをむしろ言い切って、その上で、定年制なら六十までみないきましょう、こうならなければ、だれだって現場の教職員は信頼もしないし安心もしませんよ。それを言い切れなければ、前段なんか要らぬよ。定年制がしかれたらだんだんなくなるでしょうなんて受動的なことでなくて、能動的に文部省として定年制との関係においてこの問題はこうします、こう言い切らなければいかぬでしょう。
#206
○説明員(西崎清久君) 私は、一般論で申し上げたわけでありまして、男女の問題じゃなくて……
#207
○本岡昭次君 いや、男女の問題を言っているんです、私は。
#208
○説明員(西崎清久君) 一般論の問題として、五十九歳とか五十八歳とかいう基準を設けている県が、六十という定年によって引き上げられるということを申し上げたわけで、男女の問題については、もちろん私どもは六十年の定年制が実施されるまでの間、指導を手控えることは決してするつもりはございません。それまでの間においても男女間の問題についての適切な指導はやってまいるという気持ちでございます。
#209
○本岡昭次君 やってまいりますということではなくて、さっきからも志苫委員の方から出たように、それは文部省と地方教育委員会との関係というのは指導、助言の関係ですよ。それはよくわかっていますよ。だけれども、法との関係、あるいは定年制との関係において、そうしなければならないという一つの判断というのですかね、そういうものが文部省にあって、それを地方教育委員会がどう受けとめるか、あるいはまた自治体となにをするというのはこれは別の問題じゃないですか。定年制が実施される、それまでにそういうことは、男女差別なんというようなものはなくしておかなければいかぬ。当然だという、あなたがそれを文部省として持つのかどうかということを尋ねている。おいおい時間の経過とともになくなるでしょうなんというようなことじゃないでしょう。あなたの判断をいま聞いている。どうですか。
#210
○説明員(西崎清久君) 男女差別の問題だけで申し上げれば、それは私どももやはりそういうことは適切でないということは、繰り返し申し上げておりますように認識しておるわけですから、その点についての指導は十分強化してまいるということを申し上げておるわけでありまして、定年制が実施されるまでの間においおいというふうな意味で申し上げておるわけでは決してございません。
#211
○本岡昭次君 とにかく、直ちにこうした不当な差別はやめさせるということについての指導、助言、これをひとつ強力にやっていただかなくてはならないものだと、こう思います。ここで文部省が直接できる問題でないことはわかっているから、盛んにあなたの判断を求めているんだけれども、もう逃げて逃げて逃げ回ったから、どうも仕方がない。まあ自治大臣が、そういうようなものは定年制しいたら絶対なくなる、こう大臣がおっしゃっているんですから、そういうことになるということを前提にして、ひとつ論議を次に進めてみます。
 それでは、次は法案の内容に少し入っていきたいのですが、これは総理府にお聞きしますが、国家公務員法の改正案の第八十一条の二ですね、この冒頭に、「法律に別段の定めのある場合を除き、」と、こうありますが、これは何を指しているのか。いままでも質問に出てきたと思いますが、改めてここでもう一度お願いします。
#212
○政府委員(森卓也君) ただいまお尋ねの八十一条の二第一項の、「法律に別段の定めのある場合」というのは、具体的に申し上げますと、たとえば検察官につきまして、検察庁法二十二条によって定年が定められておりますし、それから大学教員につきましては、先生十分御承知のとおり、教育公務員特例法八条によりまして、大学管理機関が停年を定めるということになっているようなものを指しているわけでございます。
#213
○本岡昭次君 大学の教員は、教育公務員特例法の第八条の二項で、「教員の停年については、大学管理機関が定める。」と、こうなっているんですが、現在大学教員の停年制はどのように定められていますか。――これはどこですか。総理府ですか、文部省ですか。
#214
○説明員(齊藤尚夫君) お答えいたします。
 現在停年制を設けております国立大学の数は八十四大学でございます。
 その停年の年齢でございますが、大学によって違ってまいるわけですが、一番数の多い年齢は六十五歳でございます。これが四十三大学ございます。次いで多いのが六十三歳でございます。これが三十五大学。最も低い年齢の停年は六十歳でございまして、これが二大学。最も高い年齢の停年は六十七歳でございます。これが一大学。
 以上のような状況でございます。
#215
○本岡昭次君 そこで、この法律の解釈をちょっと聞きますが、この教特法の第八条は、「教員の停年については、大学管理機関が定める。」と書いてあるんですね。「定める」と書いてある。この表現の仕方は、地公法あるいは国公法の改正の言葉とこれは違うんですね。私は、常識的に判断したら、教員の停年については、「定める」というんだから、私のところの大学は停年制は定めませんというのも定めるうちの一つじゃないかと思うんですが、これはだめですか。
#216
○説明員(齊藤尚夫君) 先生の御趣旨のとおりお答えできるかどうかわかりませんが、この規定によって各大学は停年を定めなければならない義務が生じておるというふうに解釈しております。
#217
○本岡昭次君 そうすると、すべての大学に停年制が定められておりますか。
#218
○説明員(齊藤尚夫君) 現在、国立大学の数が九十三大学でございます。先ほど御答弁いたしましたように、八十四の大学が定めておりまして、残りの大学はまだ定めておりません。
 その理由でございますが、最近に至りまして医科大学を中心としまして新設の大学がかなりございます。これらは現在組織が整備途上でございますので、この整備の暁に制定するようになろうかというふうに考えております。
#219
○本岡昭次君 なるほどね。――私も、古い資料の中で停年制をしいてない大学は十四あると書いてあったから、この停年制を定めるというのは、停年については定めるというんだから、停年は私の学校じゃしきませんよというのも定めるうちかなと、こう思っていたんですがね。
 新設の大学が停年を定めることについておくれていると、こういうことですね。九校とおっしゃいましたが、九校ぐらいだったら、ここで言えぬこともないと思いますから、一体どこの大学が現に停年を定めていないのか言ってください。そして、その大学はいつ設立された大学がということも含めて言ってください。
#220
○説明員(齊藤尚夫君) まず、大学名を申し上げたいと思います。長岡技術科学大学、上越教育大学、福井医科大学、山梨医料大学、それから香川医科大学、高知医科大学、佐賀医科大学、大分医科大学、図書館情報大学でございます。
 それで、大学の設置の年月日でございますが、長岡技術科学大学は、設置年月日は五十一年の十月一日でございます。高知医科大学、同じく五十一年十月一日。佐賀医科大学、五十一年十月一日。大分医科大学、五十一年十月一日。上越教育大学、五十三年十月一日。福井医科大学、五十三年十月一月。山梨医科大学、同じく五十三年十月一日。それから香川医科大学、五十三年十月一日。図書館情報大学、五十四年十月一日と、こういうことでございます。
#221
○本岡昭次君 先ほど、停年制をしくことが義務づけられていると言っていましたが、いま聞くと、五十一年に大学設立のところが四校あるわけですよね。もうすでに五年たっているんですが、別に私、停年制を強制的に定めよとも何にも言っていないんですけれども、こうしたことは事実関係として、どうなんですか。
 たとえば、五十四年に設立されてというならいいけれども、五十一年に設立されたんでしょう。もう五年もたっているでしょう。それでまだ大学の内部の管理機構が整っていないから、こうした問題の論議もできていないと、こういうことになるんですか。
#222
○説明員(齊藤尚夫君) 大学が設置されましても、全部の教職員がそろうという段階はかなり後の段階になってまいります。そういう意味で、設置年月日と全体の教官のそろう時期というものはかなりずれがございますので、そういう意味でまだ設立当初というふうに申し上げたわけでございます。
#223
○本岡昭次君 教員がそろっていないということは、要するに大学管理機関がそこに定まっていない、でき上がっていない、だから停年制が決められないんだと、こういうことですか。これでは「大学管理機関が定める。」と、こうなっていますね。
#224
○説明員(齊藤尚夫君) 大学管理機関ができ上がっておりましても、まだ教員組織が全体として整っていないという段階があるわけでございます。
#225
○本岡昭次君 そこで、その「大学」という中に、学校教育法第六十九条の二に定める「短期大学」も含まれているんですか。
#226
○説明員(齊藤尚夫君) 教育公務員特例法第八条に言います「大学」の中には、短期大学が含まれております。
#227
○本岡昭次君 そうすると、国公立の短期大学は何枚ありますか。
#228
○説明員(齊藤尚夫君) これは五十六年六月一日現在でございますが、国立の短期大学が三十五、公立の短期大学は五十二でございます。
#229
○本岡昭次君 そうした短期大学も、この教特法の第八条に定められる「停年」の適用を受ける。だからこれは、「法律に別段の定めのある場合を除き、」とある、そのいわゆる「別段の定め」の範疇に入っておるわけですね。
 そこで、高専がありますね、高等専門学校。これは国公立てどのぐらいありますか。
#230
○説明員(齊藤尚夫君) 国立高専の数は、これも五十六年六月一日現在でございますが五十四校、公立が四校でございます。
#231
○本岡昭次君 そこで、大学、短大のその教員の名称ですけれども、これは教授、助教授ですね。高専の場合はどう呼んでいるんですか。
#232
○説明員(齊藤尚夫君) 高等専門学校では校長、教授、助教授、助手、事務職員と、こういうことでございます。
#233
○本岡昭次君 高等学校以下は教諭ですね。
 そこで、その大学、短大の教授、助教授と高専の教授というのは、その教員の仕事の内容あるいは教育研究をしていくその中身、そうしたものからして何か違いがあるんですか、高専の教授というのと短大、大学の教授というのは。
#234
○説明員(齊藤尚夫君) 教授の仕事の中身でそれぞれみな違うとは思うわけでございますが、同じ高等教育機関の教員であるということで教授、助教授という表現を用いているわけでございます。
#235
○本岡昭次君 私もそう思うんですね。いわゆる初等教育それから中等教育、高等教育、こう分けて、そして高等教育の教員を教授と呼んでいるわけですね。ところが、停年の適用について、高専はこの第八条の適用を受けていませんね。どうですか。
#236
○説明員(齊藤尚夫君) 先生御指摘のとおりでございます。
#237
○本岡昭次君 同じ高等教育機関でありながら、それでは高専というものは、短大が適用されているのに、なぜ高専ができたときにこの教特法の中において第八条関係として扱っていかなかったんですか。
#238
○説明員(齊藤尚夫君) 国立大学、公立大学も含めますが、また短大も含みますけれども、これらの教員の身分取り扱いにつきましては、学問の自由を保障するという見地がございまして、教育公務員特例法によって一般の他の種類の学校と異なった手厚い保障の措置が講じられておる、停年制をみずから定めるということもその手厚い保障措置の一つであるわけでございます。
 高等専門学校につきましては、学校教育法の目的にもございますように、大学等では学術研究、それと教育等を実施する機関となっておりますのに対しまして、高専につきましては、教育を行う機関、職業教育を行う機関というふうになっておりまして、研究を行うという点で異なりがあるわけでございます。大学の教官は教育者であるとともに研究者でもあるという観点で、その研究者という点に着目をして学問の自由を保障するという見地から特別の手厚い措置が講じられているんだと、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
#239
○本岡昭次君 高専というのは五年間学生が勉強をするわけで、その後大学の三年に編入できる仕組みになっていますね、そこの学生は三年生に。そうすると、短大もいわば四年制の大学からすれば一年二年と、その部分だけ見ているわけで、高専というのはいわば高等学校教育と短大の教育とをあわせ持ったような形で、そこでやはり大学としての教育を受けた、あるいは受けているからこそ四年制大学の三年に編入ができるのであって、資格の面からいって、高等専門学校の教員が短大の教授と違った扱いを受けて、短大では教育者、あるいは研究をする立場にあってそこに学問、研究の自由があり、高専の教授にはそれがないというふうなことはちょっと筋の通らぬ話じゃないんですかね。
#240
○説明員(齊藤尚夫君) スクーリングの長さといいますか、教えられる者の立場から見ました学齢の部分で見ますと、先生御指摘のように確かに同じ高等教育機関でありながら片方は大学の自治というのが保障され、片方はそれが保障がないという御指摘があるわけでございますけれども、これはあくまで教育的な面から見ました場合には同等の扱い方といいますか、二年を終了すれば大学の三年生に編入できるというような道をとることはこれまた当然のことでございますが、学校の機関としての性格が学校教育法に定められておりますように違いがございますので、これはそれなりの理由のあることだというふうに考えておるわけでございます。
#241
○本岡昭次君 あなたはさっき学問の自由の問題をおっしゃいましたが、そうすると、高専の教授は短大に保障されているそうした学問の研究の自由というものすら保障されていない、こういうふうになるんですか。
#242
○説明員(齊藤尚夫君) 実態的に申しまして、教育を行う場合にはそれに伴う研究が必要でございますし、高等専門学校におきましても、教授、助教授等は自己の研さんを積むということは当然のことでございますが、学校制度といたしまして、研究を行う機関という位置づけは高専にはなされておらないということでございます。
#243
○本岡昭次君 それでは、教育公務員特例法の適用を受けている教育公務員というのはどういう人たちか。校種、職種、そうしたものをずっと言っていただけませんか。
#244
○説明員(齊藤尚夫君) 教育公務員特例法の第二条に教育公務員の定義が定められておるわけでございますが、これによりますと、「国立学校及び公立学校の学長、校長(園長を含む)」、それに「教員及び部局長並びに教育委員会の教育長及び専門的教育職員をいう。」ということになっておるわけでございます。
#245
○本岡昭次君 小学校、中学校、高校、高専、短大、大学、公立あるいは国立のそうした学校の教員が、この教育公務員特例法の適用を受けるいわゆる地方公務員であると、こう規定されているんですが、その中で、短大も含めて大学教員だけは第八条のところで自主的に停年を定めることができると、こうなっている。その根拠は、大学の学問研究の自由を保障するという観点からこうなっているんだという御説明なんですが、いままではその他の教育公務員には定年制がなかったわけです。大学だけにこう停年制をしいたんですね。だから、定年制があるのとないのという場合に、学問研究の自由あるいは身分の保障ということを考えたときに、やっぱり停年制を設けるという方が、学問研究の自由が大学だけにある――私は大学だけにあるとは思いませんが、あなたは大学だけにあるとおっしゃるから、大学だけにある場合にやっぱりその方がいいんですか。
#246
○説明員(齊藤尚夫君) 大学の教員について停年制を設けるということは、これは戦前から行われていたものでございます。戦前の昭和七年ごろでしたでしょうか、正確な知識はございませんが、現在の東京大学で初めて停年制をみずから設けたわけでございます。その理由といたしましては、やはり研究者の年齢が非常に高齢化してきた、後進に道を譲ることがわが国の学問の発展にとって大切なことであるということを大学みずからが決めまして停年制を実施したわけでございます。戦後になりまして、教育公務員特例法を設けましたときには、それらの過去の前提を踏まえまして、やはり同じような考え方に立って大学の教官については停年制を設ける。しかし、それを定めるのは大学管理機関である、こういう規定を設けたというふうに理解しております。
#247
○本岡昭次君 大学の教授が六十五、七十、八十と、自分の体の許す限り勤めていくということではだめだ、だから、後進に道を譲るというところで、自主的に自分たちで年齢を決めてきたと、こういうことですね。
 そこで、今回の定年制が入ってくると、この教育公務員特例法の適用を受ける教育公務員全員に今度は定年制というものがそこにしかれるようになるわけですね。かつては大学だけが自主的にしいておったのを今度は一律にしかれるようになるという、新しいここに事態を迎えているんですが、そういう状態のときに、同じ教育公務員特例法の適用であっても大学の教員だけがこの第八条二項だと言うときの合理的な一つの説明ですね、それはやっぱり学問研究の自由が大学にあるからということになるんですか。
#248
○説明員(齊藤尚夫君) 先ほども御説明いたしましたように、国立大学の人事管理と申しますか、身分取り扱いと申しますか、その点は、学問の自由の保障ということと非常に密接に関連がございます。そういう意味で、さまざまな保障の措置といいますか、採用に当たりましては大学管理機関が選考するとか、あるいは懲戒処分を行う場合については大学管理機関が審査をするとか、そういう手厚い措置が講じられておることの一環として、やはり停年制もみずから決めるということが内容としてあるというふうに理解をいたしておるわけであります。
#249
○本岡昭次君 そこで、関連するんですが、今度は先ほどちょっと論議した高専ですね。高専の教員の扱いは、これは他の小中高の教員と同じ扱いにしていくのか。それとも大学の教員の立場の方をとっていくのか。いままでは大学しかなかったんだからそのほかはないということですけれども、今度は一斉に、すべての教育公務員特例法適用の教員に定年制が実施されるんだから、新しい事態の中で高専は一体これどうするんですか。
#250
○説明員(齊藤尚夫君) 高等専門学校の教員の退職勧奨年齢でございますが、これは現在行われておりますのは、高等専門学校協会というのがございまして、そこで教員につきましては六十五歳という定めを現在いたしておるわけでございます。ですから、実態的に言いますと六十五歳に退職勧奨年齢がなっておる。こういうことを踏まえまして、高等専門学校の教官に人を得るという観点から、今回の国家公務員法の適用に際しましては、人事院規則で定められます特例定年の対象に高等専門学校の校長及び教員につきましてはお願いをするというつもりで文部省は考えております。
#251
○本岡昭次君 どうも解せぬですね。高等専門学校協会、そこが一緒になって従来退職勧奨を六十五ということにしていたから、それで今回も人事院にお願いをして、この特例定年の、第二項の三号ですか、そこの中に当てはめて、「六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で」というところに入れてもらおうと思っているんですと、そういうことが理由になるんですか、この特例適用の。
#252
○説明員(齊藤尚夫君) 言葉が足りなかった点があろうかと思います。
 実態がそのようになっているわけでございますが、その実態の理由でございますけれども、それは国立の高等専門学校の教員につきましては、高度に専門的な分野だとかあるいは実務的にすぐれた技術を要する、そういう分野があるわけでございまして、そういう観点からこれらの分野の教育を行うために大学やあるいは社会から人を得る、広く人材を招致をする必要があるという実態がございますので、現在六十五歳という形になっているわけでございます。このような理由がございますので、これは特例定年の対象にしてほしいというのが文部省の考え方でございます。
#253
○本岡昭次君 人事院はどう考えているんですか。
#254
○説明員(白戸厚君) 高専の校長、教員の定年年齢の問題につきましては、教員の場合について申しますと、その学校の教育の目的にかんがみまして、やはり大学とかあるいは民間企業から豊富な知識、経験を有する人材を導入することが必要というように考えられるわけでございまして、原則定年では校務での活用が短期間に過ぎる。そこで、人材活用上能率的でないというようなことを考えておるわけでございますし、また、やはりある程度大学教官との交流ということも考慮する必要があるのではないかというように考えておりまするので、特例定年の対象として検討する対象にしておるわけでございます。
#255
○本岡昭次君 その場合、ここの文面にある、「その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより」という言葉がここにありますね。この法案では結局のところ二つですね。「職務と責任に特殊性があること」、それから「欠員の補充が困難であること」ということで、人事院規則が定めたら六十を超えて六十五まで定年を延長するというんですが、特別の定年を定めることができると、こうなっているんですが、この場合、「職務と責任に特殊性がある」という部分ですか、「欠員の補充が困難である」というこちらの部分ですか、どちらになるんですか、人事院。
#256
○説明員(白戸厚君) これは、「職務と責任に特殊性がある」ものとして考えておるわけでございます。
#257
○本岡昭次君 「職務と責任に特殊性がある」ということで、特例定年の範囲に入れることについての検討をしているということわかりました。
 そこでお尋ねをしたいんですが、教育公務員特例法の第一条には、「この法律は、教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き、教育公務員の任免、分限、懲戒、服務及び研修について規定する。」と、こう書いてあります。この法律に言う「職務とその責任の特殊性」という言葉、ここにも「その職務と責任に特殊性」ということがある。もし法律の用語で同じであるとすれば、この教育公務員特例法にかかわる教育公務員はすべて職務とその責任において特殊性があるから、ここにそれぞれ皆別の規定として定められているというふうに私は解釈をするんですが、この教特法第一条に言う「職務とその責任の特殊性」という言葉と、地方公務員法の一部を改正して出てくる「その職務と責任に特殊性があること」というのは違うのか、同じなのか。どうですか。
#258
○説明員(齊藤尚夫君) 教育公務員特例法の方は文部省が所管しておりますので、その限りでお答えいたしたいと思いますが、ここで言います職務の特殊性、責任の特殊性につきましては、その観点から特例規定を特例法で書いておるわけでございまして、学校教員のうち大学の教員につきまして、停年制は特例規定を設けておるということでございます。
#259
○説明員(白戸厚君) 地方公務員法の関係につきましては所管外でございますので、国家公務員法の関係でお答えいたしたいと思います。
 職務と責任に特殊性があるというような同じような表現を用いておりましても、改正法のこの三号に言います「職務と責任に特殊性がある」というのは、やはり原則定年によることが適当でなくて、特例定年を設けることが必要であることの特殊性というように解釈しておるわけでございまして、それぞれの目的に従って若干その内容が異なってくるのではないかというように考えておるわけでございます。
#260
○本岡昭次君 あなたは先ほど、高専の職員をここに適用させるということは、「職務と責任に特殊性がある」という項を適用してやるとおっしゃった。職務と責任に特殊性があるという職員は、教特法にはこれこれの職員だというふうに定義をされているので、さっきの、停年制はこの中の大学だけが停年制をしくんだということでは私に対する質問の答えにこれなっていないんですよ。だから、私は法律の論争をやっているんですよ。私の考えは別のところにあるんですけれども、「職務と責任に特殊性がある」というところで高専を持ってくるのなら、教特法に適用されているこれみんな特殊性があるんだからこっちもだという法律上の解釈になるのじゃないかということを私は申し上げているんですがね。
#261
○説明員(白戸厚君) この条文を続けて読んでみますと、「その職務と責任に特殊性があること」「により定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員で人事院規則で定めるもの」と、こういうことになっておるわけでございまして、職務と責任に特殊性があることによって定年年齢を六十年とすることが不適当と、こういうように認められる者がこの特例定年の対象になるわけでございます。
#262
○本岡昭次君 そしたら、それで高専をそこに含めたときに、高専の教育の中身は、いわゆる中等教育の部分をそこに含みますね。そうすると、高等学校と高専というのは、いま言った「職務と責任に特殊性がある」という部分でどのように分けるんですか。
#263
○説明員(白戸厚君) 高専の教員の関係につきましては検討の対象にするということを先ほど申し上げたわけでございまして、具体的にどの範囲をするかというようなところまでをまだ決めておるわけではございません。さらに細部にわたり検討いたしまして、どの範囲を対象にするかということ等も決めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#264
○本岡昭次君 そうすると、職務と責任に特殊性があるということが前提にあって、そういう職員の定年を六十歳とすることが著しく不適当と認められるかどうかということですから、この八十一条の二の二項の三号の検討の対象となる職員は、教育公務員特例法の適用を受ける教員全体がその対象となって、その上で、どの職種、どの学校の教員が六十歳としたら著しく不適当であるかどうかという最後の判断をしていくと、こういうことが合理的な法律上の解釈であると私は思います。あなたはいま検討をする材料だとおっしゃるんならそういうことにはなりませんか。そういうふうに言ってもおかしくないでしょう。
#265
○説明員(白戸厚君) ただいま検討の対象とするということを申し上げましたのは、いままでの検討の過程においてある程度しぼってまいりました。そのしぼった検討の対象になっておるということでございます。
#266
○本岡昭次君 まず、大学だけに学問、研究の自由があってそのほかにないということ、これも私は同意できないし、高専と大学だけに職務と責任の特殊性があって、そして、その他の人々と定年の問題について特例をつくらなければならないということの理由も、いまのような理由であれば全然納得ができない。だから、やっぱり定年をしいていくときのその論点として、あくまで教育公務員特例法の適用を受ける教員全体を問題にするなら問題にすべきだという、ここで主張をしておきます。あなたに尋ねてもいまのと同じ紋切り型の答弁しか返ってこないから、そう言っておきます。
 そこで、次に尋ねますが、国家公務員法の八十一条の二の二項の一号の「病院」、ここにも六十五歳というのがあるんですが、病院に勤める医師の場合、国立大学病院というのもこれにあると思うんですが、その国立大学の病院の医師というのは大学の教授、助教授というのがなっていると思いますが、そのときにはこの特例定年ですか、この方を適用するのか、大学の自治の方を適用するのか、どちらを適用するんですか。
#267
○説明員(白戸厚君) ただいまの国立大学に勤務する医師の関係でございますが、これにつきましては、教育公務員特例法の方でその対象になるということでございまして、この一号の方の対象とはいたさないということで考えておるわけでございます。
#268
○本岡昭次君 そうすると、特例年齢が六十五としてあり、大学の方は六十、六十一、六十二とずっとこう六十歳以上の停年制をしいておりますが、六十二歳とか六十三歳でこの国立大学の医科大学ですか、そういうところにしいているその問題とこれとは、これは矛盾はしないんですか、法の適用とかいう面については。
#269
○説明員(白戸厚君) 特例法で認めております大学の自治というものを尊重いたしまして、それに従うことがよろしいのではないかというように考えておるわけでございます。
#270
○本岡昭次君 二号の「庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務」ずっと以下ありますが、この「庁舎の監視その他」ということの「庁舎」ですね、というのは、国立学校の場合、附属小中学校もこの「庁舎」という中に入るんですか、入らないんですか。
#271
○説明員(白戸厚君) この第二号に言います「庁舎の監視その他の庁務」というところに従事する職員といたしましては、国の機関における守衛、巡視、用務員等を対象として考えておるものでございまして、国立学校の場合もこれらの職員は該当するものと考えておるわけでございます。
#272
○本岡昭次君 そうすると、国立学校の用務員、あるいは給食をやっておれば給食調理員、いわゆる現業職員という形で、労務職というんですか、そういう立場、行(二)ですか、そうしたものすべてこの二号に該当するというふうに考えたらいいんですか。
#273
○説明員(白戸厚君) この二号につきましては、先ほど申し上げました「庁舎の監視その他の庁務に従事する職員」と、それから「これに準ずる業務に従事する職員」といたしまして、労務作業員、消毒婦、洗たく婦等の労務に従事する職員を考えておるわけでございまして、お尋ねの職種につきましては、名称からだけでははっきり申すことはできませんが、その職務内容によりまして、それぞれその該当するものと、あるいは該当しないものが出てくるのではないかというように考えておるわけでございます。
#274
○本岡昭次君 それでは自治省にお尋ねしますが、地方公務員法の改正の中では、こうした事柄が細かく出ていないわけで、国のこうした取り決めを基準としてやっていくんですが、いま質問しておりますように、いまの国立学校というのを公立というふうに読みかえてもいいと思うんですが、公立学校の場合、この二号に適応する職種というのは何になるんですか。
#275
○政府委員(宮尾盤君) 二号といいますのはこの国公法の八十一条の二の二項二号のことだと思いますが、これは具体的には人事院の方で検討をほぼされまして、人事院規則でその範囲が定められるわけでございますが、それに準じまして公立学校におきましても同様の職種について条例で具体的な定年を定めていただく、こういうことになろうかと思います。先ほど人事院の方からお答えがあったわけでございますが、いわゆる庁舎管理等に従事する守衛その他労務職員と言われる範囲の方々がこれに該当するのではないかと、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。
#276
○本岡昭次君 学校の用務員さんなんかはこれは現業職員ですから、退職にかかわるさまざまな問題についてこれは団体交渉でいままでからやっているんですが、このように特例定年がここにあり、またそれにかかわるさまざまな退職の問題について、これはもう当然のことですが、これは交渉事項として地方自治体の間で取り決めができると、このように考えていいんですね。
#277
○政府委員(宮尾盤君) ただいまの、「庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員」、いわゆる単純な労務に雇用される職員と一般的に言われる中の方々でありますが、この人たちにつきましては、いわゆる地公労法が適用になっております用地公労法の第七条では、勤務条件につきましては団体交渉事項ということになっておりますので、当然その条例で定められる内容につきましては原則として交渉事項になると、こういうふうに考えております。
#278
○本岡昭次君 地公法の第二十八条の三に退職の特例があるんですが、それとあわせて二十八条の四、ここに再任用があります。それぞれの項に書かれてある「職員」並びに「退職した者」とあるんですが、その対象は、公立学校に働く教職員すべてが該当をするのですか、どうですか。この「職員」あるいは「退職した者」とある事柄に関して。
   〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
#279
○政府委員(宮尾盤君) 今回の改正法で言う定年制度が適用される職員でございますが、いわゆる臨時的に任用される職員、その他法律によりまして任期を定めて任用されている職員、それから非常勤職員は、この法律は適用しないということにいたしております。これは二十八条の二の第四項で定めておるわけでございます。したがいまして、二十八条の三あるいは二十八条の四等で「職員」と言っております範囲は、そのような臨時的任用職員あるいは非常勤職員等は含まないと考えていただいて結構で、そういう人たちには適用されたいと、こういうことになると考えております。
#280
○本岡昭次君 そうすると、そういう人を除いたほかの教職員はすべて対象になるということですね。
 そこでまず、再任用の場合ですが、読みかえ規定があって、「当該市町村を包括する都道府県の区域内の市町村」と、こういうことがあるんですね。というのは、これ全県一区みたいなもので、再任用の場合はどの職場に行っても文句を言うなと、こういうことになりそうな感じなんですが、これは一体具体的に、教員なら教員、事務職員なら事務職員、栄養職員、養護教員、さまざまな人たちが全部対象になるとしたときに、一体どのようなときにどのような人がこの再任用の対象になってどういうところへ行くことになるんですか、具体的に。
#281
○政府委員(宮尾盤君) これは、先生も十分御承知のことでありますが、県費負担教職員は本来的には身分は市町村にあるわけでございますが、現実の任命権というのは都道府県教育委員会にありまして、人事異動の範囲というものはその都道府県内全般にわたるわけでございます。
 そこで、たとえば幾つかの市町村の学校に勤めまして退職するときに、退職後たとえばその人の経験なり能力というものを生かして再任用しようという場合に、やめたときの市町村だけではこれは非常に限定されてしまいますから、たとえば以前勤めたA市でその人をぜひ再任用したいという場合には、そこを読みかえておかないとそういうことができなくなる。そこで、どこにでもいいということではありませんが、人事異動はそういう形でいろいろなところで、市町村にまたがって行われますので、B市でやめた先生について前に勤めておったA市で、たとえば図書館の館長さんとしてぜひ再任用をしたいというようなケースについては、ここを読みかえておくことによってそういうことができると、そのためにこういう読みかえ規定を置いておるわけでございます。
#282
○本岡昭次君 そうすると、再任用あるいは特例という場合に、いま例を出されましたけれども、教員として、教諭として、学校にとどまって教員として仕事をするという場合はあるんですか、ないんですか。図書館とかあるいはそのほかの教育施設、教育機関に移る場合にこの特例とか再任用があって、教職にそのまま引き続いてとどまるという場合の特例とか再任用はないんですか、あるんですか。
#283
○政府委員(宮尾盤君) もちろんそういうケースもあり得ると思います。あり得ると思いますが、先ほども申し上げましたように、その場合でも、身分は原則として当該市町村に属しておるわけですから、そこだけに限定をされた場合には非常に再任用のケースが限定されてしまうと、そういうことでこのような措置をしておるわけでございます。
   〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕
#284
○本岡昭次君 そうすると、教職員の場合――もちろん私の言っているのは教職員と絶えず言っているんで、教員そして事務職員、栄養職員、そうした人たちが皆いるわけですが、現にある職を継続していくということもその特例及び再任用の内容としてあり得る、あるいはまた、他の教育機関や教育施設、公民館とか図書館とか、そういうところに移っていく場合もまたあり得る、こういうふうなことでわかりました。
 そこで、そのときに市町村を都道府県と読みかえて、全県どこでもということではないんだと。それは前に勤務したことのあるところというよりも、身分が県費教職員であっても公立小中学校の市町村のいわゆる教職員だからそこだけに限定すれば範囲が狭まるので、市町村を超えて必要とあらば勤務することができるということであるということですから、それはわかりました。
 そこで御存じのように、教職員の場合はいまおっしゃったように県費教職員であっても現在の地教行法の中で県の教育委員会は任命権者であります。だからここにも「任命権者」という言葉が使ってありますね。しかし、市町村の公立学校に勤めるということから市町村の教育委員会に地教行法上服務監督権があって、そして人事の場合、これも人事の一つですが、内申権というものがあって、そして発令する、こういう仕組みになっています。さらに三十六条、三十九条という形でもって、今度は校長の意見具申というものがそこに定められてあるわけです。
 だから順序立てて言えば、再任用あるいは特例、そうした問題を退職の際に行うにしても、校長の意見具申、そして市町村の内申、任命権者である県の発令、こうしたことがこの退職の特例とかあるいは定年の特例とか再任用とか、さまざまな問題にわたってそうした人事行政上の現法体系の仕組みというものが皆生かされるというふうに判断していいんですか。
#285
○説明員(西崎清久君) ただいま先生御質疑の、たとえば定年退職者の再任用の場合、これはやはり任用行為でございますので、都道府県教育委員会が任用する場合には、地教行法によりまして市町村教育委員会の内申を待って行うということが法定要件でございますので、その条文の働きによって市町村教委との連絡調整を行いつつ再任用等を行うというふうになろうと思います。
 それからまた、校長の意見具申は、任命権行使とは直接の要件という形ではなくて、教員の進退その他についてはいつなりとも市町村教委に校長が意見の具申ができるという規定でございますので、そういう場合にも当然具申ということを校長が行うということはあり得るというふうに考えます。
#286
○本岡昭次君 そこで、退職の特例の場合は、これは退職時にそれが行われるわけですが、第二十八条の四の再任用というのは、ここで言葉で書かれてあるように、「退職した者」と、こう書いてあります。もう職員ではないわけで「退職した者」と書いてあるんですが、退職した者という場合は、退職後の時間的な経過があっても、たとえば退職した明くる日、これはもう職員じゃないから退職した者でしょう。一月たってもやっぱり退職した者でしょう。一年たってもやっぱり退職した者でしょう。だから、この「退職した者」という場合、再任用に何カ月以内とかあるいは何年以内とかいうふうなものがあるのかないのか、これはどうですか。
#287
○政府委員(宮尾盤君) 特にその「退職した者」に、退職したときからどのくらいの範囲内でなければならぬというような制限があるかどうかですが、特別この中ではそういう規定を置いておりません。ただ、常識的に言いまして、非常に長い間、退職後いろいろな長い間期間があった者を再任用するということはこの中では予定をしていないわけでございます。つまり、やはりこの再任用の考え方というのは、退職した人の経験なり能力なりというものをもう一回公務部門で活用しようという、活用することが特に必要だという判断をした場合、非常に限られたケースでございますので、たとえば一年あるいは二年たったような方をそういうことで再任用をするというのは、これはほとんど予想をしていないケースであるというふうに考えております。
#288
○本岡昭次君 予想はしていないけれども、法律の上からは可能だということですね。予想はしていないけれども、必要があればということですから、その人の持っている能力とか特技とか、さまざまなものを生かそうという場合に、一年たった人でも必要があればやれるということになるわけですか。
#289
○政府委員(宮尾盤君) それは、この法では特に禁止をしているわけではございませんので、法律的には可能ですけれども、運用上はそういうことはほとんどないというふうに考えております。
#290
○本岡昭次君 そこで、もう時間もありませんので、最後に質問いたしますが、私は、定年というふうなことでもって地方公務員が、地方自治体とあるいは教育委員会との間の雇用関係、労働関係を終了させる、そこで終わるというふうなことは、やはり労働者にとってそれは労働権を一体どうするのかと、働くということはどうなるのかということですから、当然労働組合の交渉事項としてそれを取り決めていくべきだ、それ以外のこうした定年の取り決めというものはあってはならぬという点を強調をし、それ以外のこうした問題についてはやはり撤回されるべきだという立場をここで強調しておきますが、ずっとこの法案をいま審議してきた立場に立って、原則定年の問題、あるいはそれぞれ取り決めしている問題等々は分限の問題だから、これは当然地方公務員――教職員も交渉の対象にならぬということにもう答えは返ってくるのがわかっておりますからその点は尋ねませんけれども、再任用の問題とか、あるいは特例定年の問題、あるいは退職の特例の問題等があり、そしてその人たちの労働条件の問題なり賃金の問題なり、だれがどのようにしてその人を決めるのかというふうな問題等々、付随する問題がたくさん出てくると思うんです、具体的には。そのときに職員団体が、そうした付随する問題、再任用とか退職の特例とか、そうした事柄にかかわって決めていくことについて、このことは交渉の対象になり得ると、これは定年の問題じゃなしに退職にかかわる諸問題だというふうに私は思うんですが、それはそういうふうに理解してよろしいですか。
#291
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法で定年制度を導入をすることとしておるわけでございますが、法律でもって定めることといたしております定年制度の導入とかあるいは基本的な枠組み、これは当然国会で御審議をいただいておる事項でございまして、それについて地方公共団体と地方公務員の職員団体とが交渉をすると、こういうことは当然あり得ないわけでございますが、この定年制度の具体的な実施に関する事項につきましては、地方団体の条例に任せているものが幾つかあるわけでございます。もちろん、そういう地方団体の条例で定めることとしている事項につきましては、管理運営事項に属するものはこれは当然交渉の余地はないわけでございますけれども、それ以外のものにつきましては、職員団体と当局とが交渉をすることは当然できるものでございます。
#292
○本岡昭次君 以上で終わります。
#293
○佐藤三吾君 一昨日、幾つか答弁が不鮮明で、後日回答しますという事項があったわけですが、その一つである延長職員の場合のいわゆる任命権者の情実乱用の防止というか、そういうことで、国の場合には人事院で再延長の場合にはチェックする、県の場合には人事委員会でチェックする。しかし、市町村についてはチェック機能がない。これは一昨日の答弁で大臣は、市町村長はそんなに悪い人間おらぬよと、だから云々ということがございましたが、そう言えば、逆に言えば、知事や大臣は悪い人間がおるということになるんですよね。安孫子自治大臣は知事でもあったし、悪いことをしたのかどうか知らぬけれども、こういうことになるわけで、そんな理屈では私は通らぬのじゃないか。この点はどうですか。
#294
○政府委員(宮尾盤君) 改正法案の第二十八条の三第二項本文の中で、「条例で定めるところにより、」ということを定めておりますが、これに関連をして一昨日もいろいろな御質疑があったわけでございます。
 そこで、この「条例で定めるところにより、」としておりますまず趣旨でございますが、これは勤務延長の期限の延長につきましては、任命権者限りで行うことができることとしないで、その具体的な要件とか手続につきまして、地方団体の議会が定める条例で定めるということにいたしまして、任命権者はその条例で定められた要件及び手続に従ってこれを行わなければならないということにいたしておるわけでございまして、厳格な運用を期するためにこういう規定といたしておるわけでございます。
 そこで、市町村の場合にそういう厳格な運用を期することができるかどうかと、こういう御懸念であろうと思いますが、その点につきましては、当然、この前も大臣からも御答弁もありましたように、比較的狭いといいますか、社会でありますし、地方議会あるいは職員団体というような立場からのいろいろなチェックもあり得るわけでございますので、そういう意味で厳格な運用を期することが可能であると思いますし、そういう指導をしてまいりたいと思っておるわけであります。
 なお、このことに関連をいたしまして、衆議院におきまして本法案が可決をされたときに附帯決議を付せられておるわけでございますが、その中に、「定年による退職の特例および定年退職者の再任用の運用に当たっては、勤務実績および関係職員団体の意見を反映する等運用の公正さを確保するものとする。」と、こういう附帯決議が付せられております。私ども、この本法案が実施される暁には、そういった附帯決議の御趣旨も尊重して、十分指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
#295
○佐藤三吾君 いや、これは附帯決議がついたから云々というものじゃないと思うんですよ。いまあなた町村の場合はごく少数と言うけれども、人事委員会がないのは、たとえばいま五千人ぐらいの職員のおる市だってありますよね、たくさん。だからそんな理屈にはならぬじゃないですか。町村の場合だってもう大きいところになると三、四百おりますよ、職員で。ですから、小さいから大きいからというものでは私はないと思う。目が届く届かぬというものじゃない。県より大きい市だって人事委員会を置いていないところだってあるわけです。そういう意味合いからいって、規模の問題じゃないと私は思うんだ。基本的に問題があるじゃないか、こういうふうに言っているわけです。そういう国が人事院で審査をするということをちゃんと明確にしておるということは、それだけ公正さ、実績、そういうものをいろんな角度でやるんだと思うんですが、これが市町村についてはなくていいということにならぬじゃないですか、いまあなたの答弁では。どうなんですか。
 人事院に聞きますが、審査をするというのは、中身はどんなことを考えているんですか。審査の中身。そしてなぜそれをするのか。ちょっと言ってくださいよ。
#296
○説明員(白戸厚君) 勤務延長の承認の問題につきましては、勤務延長をいたしました事由が具体的に続いておるかどうかということを審査の対象にいたすわけでございます。目的につきましては、前にも申し上げましたとおり、乱用をチェックするということでございまして、市としては漫然と勤務延長を続けることがないようにということ盲がねらいのわけでございます。
#297
○佐藤三吾君 そうでしょう。だから、そういう機能を人事委員会のないところでどうするのか、チェック機能を。これは附帯決議あるなしにかかわらず、当然こういう法案を出す――あなた側の制度として出すわけだから、それくらいちゃんと用意しておかなければならない。どういうことなんです。
#298
○政府委員(宮尾盤君) これは、先生も十分御承知のように、地方団体におきましては人事委員会を設けているところもありますが、市町村については人事委員会という制度はないわけでございます。したがいまして、この法案を作成するに当たりまして、国におきましては人事院の承認という手続を定めておりますが、地方団体はそのような状況でありますので、それを条例で具体的に手続、要件等を定めさせて人事院が果たしている役割りをさせよう、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それで、当然この条例につきましては……
#299
○佐藤三吾君 条例はわかった。中身は何か。
#300
○政府委員(宮尾盤君) 議会で御承認を得るわけでございますから、そういう中で厳正な手続、公平な手続というものがその中で決められる、こういうことを期待をしておるわけでございます。
#301
○佐藤三吾君 条例で決めるというんですが、その中身として、この人を延長したいこの人を延長したいということを、議会に一人一人語るんですか。そういう決め方をするんですか。そうじゃないでしょう。条例ではどうしてそれを、手続をどうするか、どういう人をするか、こういうことを決めるんでしょう。それを決めてどこでチェックするんですかと聞いておるわけです、個々の人間を。
#302
○政府委員(宮尾盤君) いま申し上げましたように、勤務延長の期限をさらに再延長する場合の手続なり要件というものを条例で定めさせるわけでございますから、そこでその任命権者の具体的な認定に当たりましては、そういうそこに定められた要件を守って厳正にやっていただく、こういうことになるわけでございます。
#303
○佐藤三吾君 そんなことが、国が人事院でやり、県が人事委員会でやるという、市町村だけはそうじゃない、そういうものはない。これは実態はわかりますよ、わかるところにこういう制度を持ち込むこと自体が無理じゃないですかと言っておるわけです、私は。逆に言うなら。
 だから私は初めから言っておるように、こういう延長という制度の仕組みを入れたり、また後で申し上げますが、再任用の問題もありますけれども、こういう仕組みを入れるところに無理がある、無理があるからあなたは具体的にそこにすきっとした答弁ができないんでしょうが。チェック機能がないことがわかっていてやるわけだから。だからそれを、附帯決議があるとかないとかというんじゃなくて、市町村については団体交渉事項とするということをきちっとすればいいんだよ。それはそれで一つの機能ですよ。ないものをあるところと対比して同列に置こうといったって置けるはずないじゃないですか。きちっとしなさい、そこら辺はもう。附帯決議があるとかないとかいうんじゃなくて。
#304
○政府委員(宮尾盤君) その点については、たびたび申し上げておると思うんですが、条例でそういう手続なり要件というものを定めるわけですが、その条例の内容につきましては、これは交渉事項であり得るわけでございますから、その交渉事項であり得るということはかねがね申し上げておったと思うわけでございます。
 ただ、具体的な人をそれに当てはめてそれに該当するか否かというような、いわば人事院が承認をするような手続というのはこれは交渉事項にはとてもできない、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#305
○佐藤三吾君 そうすれば、個々の人間だれだれというものはこれはできないにしても、たとえばどういうふうにしてチェックしていくか。基準をつくったり、それからそれに基づいた具体的な交渉をやったり、再延長について、それらの事実上の審査というのは市町村の場合には団体交渉にならざるを得ない。団体交渉でやることについてはやぶさかでない。こういうふうに理解していいですか。
#306
○政府委員(宮尾盤君) 勤務延長の期限の延長というものをどういう手続によって、それからどういう要件の場合にやるか、こういうことについては条例で定める、その条例の内容についてはこれは交渉事項たり得るということでございます。
#307
○佐藤三吾君 その条例に基づいて、条例で定めた事項に基づいて、具体的な個々の人間は別にしまして、その条例でどの程度細かいものを決めるかという問題もありましょう。しかし、もっと基準その他で決められない問題等については当然これは条例が交渉事項だから、これも交渉事項でしょう、個々の人間という問題をどうするかという問題以外は交渉事項でしょう。そうじて、それが適正に行われるかどうかについてもやっぱり交渉事項でしょう。どうですか。
#308
○政府委員(宮尾盤君) 御質問の趣旨は、たとえば条例の規定では細部にわたって決めることがなかなかむずかしいようなことがあって、さらに細目的な運用等を何らかの形で一般的に決めていかなきゃならぬという場合にそれも交渉事項が、こういう御質問であれば、それは当然交渉の対象たり得るわけでございます。
#309
○佐藤三吾君 それはそういうことでひとつ確認をしておきます。
 そこでもう一つ問題は、これはちょっと国の場合と県の場合は違うんですが、国の場合は、「人事院の承認」になっていますね、再延長、再々延長は。ところが県の場合は、人事委員会で承認でなくて、「条例で定める」と、こうなっている。どうして異なるんですか。
#310
○政府委員(宮尾盤君) これはたびたびこの議論の前提となっておりますことにかかわるわけでございまして、市町村には大多数人事委員会はないわけでございます。県はもちろん人事委員会がありますが、ここではそういう県、市町村含めて、地方公共団体全体についてこの仕組みを欠いておるために、「条例で定める」、こういうことにいたしておるわけでございます。
 ただ、条例で定める内容につきましては、これは運用の問題になるわけでございますが、県の場合には、条例の中で人事委員会の承認にかからしめる、こういう定めをすれば国と同じ仕組みがとれるわけでございますので、そういう運用を指導をしていったらどうかと考えているわけでございます。
#311
○佐藤三吾君 そうすると、この意味は、国同様に県の場合は――県というか、人事委員会を存置しておる自治体については、人事委員会で承認するという手続を条例で定める、こういうことですか。
#312
○政府委員(宮尾盤君) そういうふうに一義的に書いてあるわけではありませんで、私どもはそういう運用をし、またそういう指導をしていきたいと考えておるわけでございます。
#313
○佐藤三吾君 何か別に案を持っているんですか、別の方向。
#314
○政府委員(宮尾盤君) 県につきましては別の案を考えておるわけではありません。
#315
○佐藤三吾君 そこで、この「職員」、これは国の場合は大体どういう職種というか、考えておるんですか。
#316
○説明員(白戸厚君) 勤務延長につきましては、別に職種というようなことで考えておるわけではございませんで、後補充が著しく困難な場合、その場合に欠員になっては公務に支障が生ずる、これを防ぐということが第一でございまして、それからまたもう一つは、一定期間内に終了することが予定されておる、たとえば何か研究等の大型プロジェクトチーム、こういうところで中心になって働いているような者が定年に達する、そういうときに抜けられても困るので、その期間が終了するまで延長する、そういうような大体二つの場合を考えているわけでございます。
#317
○佐藤三吾君 これは、自治体の場合は離島のお医者さんということですか、そういうことですか。もっと幅があるんですか、どうなんですか。
#318
○政府委員(宮尾盤君) その離島のお医者さんというのは一つの事例でございまして、それ以外にも、この勤務延長の要件に該当する者についてはその措置ができるわけでございます。ただ、ここにありますように、職務の特殊性がある場合、つまり余人をもってかえがたいような職務を担当しておる場合、あるいは職務の遂行上の特別の事情がある、こういうことでどうしても勤務延長をしなければならない、こういうケースに限定されるわけであります。
#319
○佐藤三吾君 いまの点わかりました。
 これは、延長職員というのは十七条職員じゃないかと私は思うんですが、十七条職員ということなんですがね、十七条と言うと語弊がありますから正規職員と言いましょうか。その中での期限つき任用職員という位置づけになるのか、それとも新たな職員とこういうことになるのか、ここの点がちょっとおとといの質問の中で聞き忘れたんですが、ここら辺は地公法上どういう位置づけに延長職員というのはなるのか聞いておきたいんですがね。
#320
○政府委員(宮尾盤君) ただいまの御質問は、いわゆる勤務延長の職員でございましょうか。
#321
○佐藤三吾君 ええ。
#322
○政府委員(宮尾盤君) 勤務延長の職員であれば、これは採用されたときからずっとそのまま身分が継続をしておりまして、退職をしないでそのままなお勤務が延長されるわけでございますから、当然正規職員としての身分をそのまま保有をしておるわけでございます。
#323
○佐藤三吾君 そうすると、十七条職員と、こういうことになるわけですかね。――わかりました。
 現業とか安全の場合は、おとといの答弁では、非現業と同じだと、こういう回答があったんですが、延長基準、こういった問題については、団体交渉で確認をするわけではないんですね、これは。なるんですか。
#324
○政府委員(宮尾盤君) ただいまのこの二十八条の三の、「条例で定める」というものの中には、現業職員についての勤務延長の手続なり要件なりというようなものを定める場合には、当然この中に入ってくるわけでございます。したがって、それは交渉事項になり得ると、地公労法の七条に該当するものは当然なり得ると、こういうことでございます。
#325
○佐藤三吾君 わかりました。
#326
○委員長(亀長友義君) 暫時休憩いたします。
   午後五時十八分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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