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1980/04/23 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第5号
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1980/04/23 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第5号

#1
第094回国会 内閣委員会 第5号
昭和五十六年四月二十三日(木曜日)
   午後二時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     中村 鋭一君
     宇都宮徳馬君     秦   豊君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     中村 鋭一君     藤井 恒男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                藤井 恒男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    関  通彰君
       内閣総理大臣官
       房総務審議官   和田 善一君
       総理府人事局次
       長        森  卓也君
       総理府恩給局長  小熊 鐵雄君
       行政管理庁長官
       官房審議官    門田 英郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       安原  正君
       厚生省年金局年
       金課長      佐々木喜之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、宇都宮徳馬君が委員を辞任され、その補欠として秦豊君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林ゆう君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に藤井恒男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(林ゆう君) 前回に引き続き、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○野田哲君 まず、総理府の恩給局に伺いたいと思いますが、恩給局では恩給受給者の生活の実態についての追跡調査をやられるというふうに聞いているんですけれども、この追跡調査の結果について伺いたいと思います。
 まず、現在の恩給受給者の平均年齢はどういうふうになっておりますか。
#7
○政府委員(小熊鐵雄君) いまの平均年齢でございますが、これは恩給の種類によって大分いろいろございます。五十三年末で、文官ですと普通恩給で七十四・三歳、それから軍人ですと六十一・八歳。現在の五十五年末で申しますと、普通恩給で文官が七十五・六歳、それから軍人が六十三・六歳。それから増加恩給、これは傷病恩給、非常に重い人の恩給でございますが、これが文官が六十五・五歳、それから軍人が六十二・七歳。それから普通扶助料で申しますと、文官が七十五・一歳、それから軍人が六十三・五歳。それから公務関係扶助料でございますが、これが文官が七十・六歳、それから軍人が七十三・八歳。大体こんなあれでございますが、もっと細かく……
#8
○野田哲君 いや、いいです。
 この家族構成について、全部でなくていいんですが、文官それから軍人、どういうふうになっておりますか。
#9
○政府委員(小熊鐵雄君) この実態調査、実はそれぞれ扶助料受給者、それから文官恩給受給者、それから軍人恩給受給者と、こういうふうに毎年一つずつやってまいったわけで、年次等も一致してないわけでございますが、それでその順序で申し上げますと、扶助料受給者につきましては単独世帯が二一・五%、それからその次、多い順に申しますと五人世帯が二〇・三%、それから公務扶助料では六人以上世帯というのが一番多くて一二・五%、それから五人世帯が二三・五%、扶助料については大体そんなところでございます。それから文官恩給受給者では、二人世帯が一番多くて四八・一%でございます。それからその次に多いのが三人世帯で一四・二%、それから六人世帯が九・八%、平均しますと大体三・一二人世帯ぐらいになります。それから旧軍人の普通恩給でございますが、世帯の構成は、これは二人世帯が一番多くて四二・七%、それから三人世帯が一六・〇%。ですから三人とかあるいは六人なんという非常に大家族もわりあい多いということでございます。
#10
○野田哲君 この恩給受給者の収入総額と、それからその中で恩給の占める割合、こんな状態わかりますか。
#11
○政府委員(小熊鐵雄君) 収入総額というのはとっておりませんで、ただ生計費がどのぐらいかかるかというのをとっておるんですけれども、生活費が、現金支出、これもいろいろ扶助料の世帯と普通恩給の世帯でちょっと違うんですが、扶助料の世帯で申しますと、五万から十万未満それから十万以上十五万未満、これがそれぞれ三〇%ぐらいずつを占めております。これ全体平均いたしますと、大体十万円程度の金額になっております。
 それから、普通恩給につきましては、十万から十五万未満と十五万以上二十万未満、これがそれぞれ二〇%ぐらいずつでこの辺が大体中心であると、それで平均が十五万程度になっておるということでございます。
 それから、恩給の生活費の中に占める割合でございますが、割合といいますか、これも何によって生活の支えとしておるかという調査をしておるんですが、現金の収入先はどこだと、こういう調査をやっておるんですが、それもなかなか一つというようなぐあいにはいきませんので、一つあるいは二つ、主なものが一つしかない人は一つでいいし、主なものが二つある人は二つ挙げてもらうという形で調査したわけですが、扶助料受給者でいいますと、主なものは子供の収入というのとそれから年金恩給というのが、それぞれ六割前後上がってきております。これはダブル調査しておりますので、割合全体が一〇〇になるというあれではございませんが、それぞれ六割ぐらいずつを占めておる。それで文官の普通恩給ですと、恩給と答えたのが八割を超えておる。まあ大体そんなところかと思いますが。
#12
○野田哲君 人事院の方に伺いますが、人事院の方で同様、退職公務員の追跡調査をやられていると思うんですが、その点についての内容を伺いたいと思いますが、まず平均年齢はどういうふうになっておりますか。
#13
○政府委員(長橋進君) 昭和四十七年度の退職者につきまして、平均年齢、こちらに御返事をいただいている方についてでございますが、平均年齢を調べましたところ六十七・八歳、これは五十四年調査の結果でございます。四十七年退職者につきまして五十四年時点で平均年齢が六十七・八歳ということになっております。
#14
○野田哲君 家族構成はどういう状態ですか。
#15
○政府委員(長橋進君) 家族構成ということでちょっと調べたものはございませんが、扶養者、どの程度扶養しておるかという観点からの数字でございますが、平均扶養者数は一・一人ということになっております。そのうち配偶者が〇・八人という割合になっております。
#16
○野田哲君 住居の状態もこの調査の中では対象になっておりましたね。この住居の状態、わかっている範囲をお聞かせいただきたいと思います。
#17
○政府委員(長橋進君) 自宅居住されている割合は九〇%ということでございます。それで、それ以外の分が民間の借家、借間というかっこうになっております。
#18
○野田哲君 公務員を退職した後の就業状況の実態はいかがですか。
#19
○政府委員(長橋進君) 就業されておられます方は三七・三%でございまして、これ常勤と非常勤に分けますと、常勤だけに限ってみますと二〇・一%ということになっております。
 それから、その中身でございますけれども、どういう業種につかれておるかということでございますが、これはちょっと正確な報告は受けておりませんのでわかりかねます。
#20
○野田哲君 次は、健康状態ですね。これも調査の対象としてやっておられたと思うんですが、この点はどうですか。
#21
○政府委員(長橋進君) 病気がちの方が三六・一%ということでございます。
 どういう疾患かということになりますと、五十四年度時点におきましてはまだ正確に把握しておりませんが、その直前の五十二年度におきます状況が出ておりますが、それによりますと、五十二年度の状況でございますと、病気がちの方というのが四五・五%で、そのうち循環器系統の方が四〇・四%というかっこうになっております。
#22
○野田哲君 家計の支出の状態と、それからそれに対する収入の状況はどういうふうになっておりますか。
#23
○政府委員(長橋進君) 年金、これは平均年金月額でございますが、十二万一千円。それから、本人の就業によります収入が六万一千円、計十八万二千円ということでございまして、比率にいたしますと年金による部分が六六・五%、それから本人の平均就業収入が三三・五%という割合になっております。月当たりの平均家計支出額を見ますと、二十万三千円というかっこうになっております。
#24
○野田哲君 退職手当の使途、これはどういうふうに把握されておりますか。
#25
○政府委員(長橋進君) ちょっと最近のを調べておりませんので恐縮でございますが、五十三年度の数字になっておりますが、退職手当の使途の割合でございますが、住宅、宅地関係、これが二六%、それから借金の返済に三%、生活費に二二%、それから子弟の教育、結婚、これに一二%、それから事業資金に二%、その他一〇%、それから当分の間使う予定なしというのが二五%という数字になっております。
#26
○野田哲君 人事院の総裁に伺いますが、いまそれぞれ恩給局長と給与局長が、恩給受給者それから退職公務員、ですから給与局長の答えられたのは共済年金の受給対象者ということになるんだろうと思うんですが、それぞれの生活の実態について調査の結果をいま御説明があったわけでありますが、そこで人事院の総裁にお伺いをしたいと思うんですけれども、国家公務員法の百七条、百八条がありますね。百七条は退職年金制度、恩給は三十四年でなくなっておりますから、それを引き継いだ形での退職年金制度でありますけれども、これを定めております。百八条では、これについての人事院の意見の申し出、これを定めているわけですが、いまの説明によりますと、大体恩給受給者の場合で平均十五万円、それから退職公務員、人事院の方でいま御説明があった状況によりますと二十万三千円の家計支出に対して年金の占めている割合が十二万一千円、あとは就業その他で賄っておると、こういう状態であります。
 公務員法の百七条によりますと、第二項で、「前項の年金制度は、退職又は死亡の時の条件を考慮して、本人及びその退職又は死亡の当時直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」、こういうふうに定めてあるわけです。二十万三千円の家計費、この中で年金の占める割合というのは十二万一千円しかないという状態、あるいは普通恩給の受給者の場合十五万円ぐらいしかないと、こういう状態、これは国家公務員法の百七条に言うところの適当な生活を維持する、この適当な生活の維持を図ることを目的としなければならないという趣旨に合っているというふうにお考えでしょうか。いかがですか。
#27
○政府委員(藤井貞夫君) 退職後の公務員につきましても、その処遇についてはいろいろ最大限の配慮をしなければならぬということは当然のことでございまして、そういう角度から公務員については退職年金制度、その以前は恩給が主体でございますが、そういう制度が取り入れられて今日まで来ておるのであります。この恩給制度と、それを引き継ぐ退職年金制度の問題に関して特に国家公務員法では規定を設けて、新しい制度に移り変わりました年金制度について、人事院に対して、場合によっては意見の申し出をすると、そういう権限を義務づけておるというふうに承知をいたしておるのであります。そこで、従来の経緯、これは野田委員も専門の立場からよく御承知でありましょうが、われわれといたしましても、その見地からいろいろ関心を持って従来から検討を続けております。いま御質問になりました退職公務員の追跡調査をかなり長期にわたってやっておりますのもその一環の措置でございます。
 ところで、この百七条を受けた百八条の規定でございますが、これはやっぱり私は、そういう意味の共済年金制度の基本的なあり方の問題についての構想について調査検討して意見の申し出をするというたてまえになっておるというふうに理解をいたしておるのであります。そういう意味合いでいままでも累次意見の申し出あるいは実質上の意見の開陳というものはやってまいりました。古くは、これも御承知のように、退職年金制度に移り変わります際に、実は人事院としては相当本格的にこの問題のあり方について取り組みまして、しかし、そうかといって、民間もそうでありますように、社会保障制度の一環としてのそういう性格もやっぱりあわせ持たなきゃならぬということで、やはりそれ相当の当事者負担ということも必要であろうという原則に立ちまして、共済制度ではあるけれども、独立した共済組合による運用ということではなくて、制度としてはやはり国の制度、恩給制度と内容は違いますけれども、恩給制度にかわるものとして、実質はやっぱりそういう内容を持ったものとして考えておった時代があるようであります。ただ、いろんな状況がございまして、現在の共済制度というものが発足をいたしたという経緯がございます。その後におきましても、制度改正等の場合には、こちらから正式の意見の申し出ということではございませんですが、実質上所官であります大蔵省からどうだろうかというような見解を求められました場合に、これに対していろいろ見解を述べております。また、そうでない場合におきましても、いろいろ検討の結果、当然これは物申さなければならぬというときには、そういう線に沿って物を申して今日まで来ておるのであります。
 そこで、年金制度の基本的なあり方の問題について人事院といたしましても大変関心を持っておりますが、この点は、実はただ単に公務員の制度というふうにとどまりませず、各般の社会保障制度の一環として、その他の共済制度、民間の厚生年金を初めとしていろんな年金制度に全部連動する影響性を持ったつながりを、広がりを持ったことにいままでなってきております。そのおのおのの問題点の深刻さから、政府の各種の機関でもってそういう問題についてのお取り扱いをいろいろ検討をしておると聞いておるのであります。
 そういうような状況であり、影響の度も他との関係で特に顕著でございますので、事柄は本来のわれわれの勧告の対象でありまする公務員の給与の問題とは若干取り扱いはやはり異にして考えざるを得ないのではないかということで今日まで来ております。しかし、現実の問題といたしましては、給与改定が一般に行われますると、これに連動して恩給制度の関係でも給与額の引き上げ、年金額の引き上げというものが行われておるということで、その点そう十分ではないけれども、措置が講ぜられつつ今日まで来ておるのではないかというふうに理解をいたしております。
 ただ、適当な生活でそれで十分なのかと言われますと、これはやはり私からここで適当なんだというふうに断言する自信はございません。それは、実態調査をいたしました対象の方々の生活実態等から見まして、そこまでは公言をするということにははばかれるということでございます。ただ、関連が非常に広範囲にわたりますものですから、私たちの立場からで公務員だけについてということもいかがかというようなことで、関心は持ちつついろいろ今後も検討を続けたいというのが人事院の現在の姿勢でございます。
#28
○野田哲君 恩給改善の基礎になるのは公務員の給与についての人事院の勧告、これが影響を持つわけでありますけれども、春闘はけさ方で大体一つの山を越したように思うんです。人事院の方ではすでに民間給与実態調査を手がけられていると思うんですが、最近の傾向としては、公務員の給与の改善ということに対してはかなり世間が注目をしておりますし、風当たりが厳しい。しかし、恩給受給者や年金受給者の生活の実態というのは、いまそれぞれの局長が答えられたように、かなり厳しい、適当とは言いがたいような状態――そこで人事院の総裁にお伺いしたいと思うんですが、いま、ことしの公務員の給与についての人事院の勧告の前段としての実態調査をやられると思うんですが、勧告という問題については、その基礎になっている国家公務員法、これが変わっていないわけでありますから、従来どおりの方針でことしも作業といいますか準備といいますか、それを進めていかれる従来どおりの方針だということで理解していいわけですか。
#29
○政府委員(藤井貞夫君) お説のとおり、従来の方針どおりに進めてまいっておりますし、今後もその同じ態度で貫徹をしてまいる所存であります。
#30
○野田哲君 総務長官に伺いたいと思うんですが、恩給の改善措置の仕組みですね、公務員の給与の改善措置が前提になっている、それから連動する制度になっているわけですが、公務員の給与の改善措置については、人事院の方でいま実態調査をやり、従来どおりの方針といえば較差解消という立場に立っての勧告というということになると思うんですが、総務長官、財界の方では公務員の給与凍結という議論が提起をされているやに伺っているし、第二次臨時行政調査会の土光会長の方にそのことを注文をつけているというふうな報道を見ているわけですが、仮に現行制度の中で公務員の給与が凍結ということになったときには、恩給や年金は一体どうなるんですか。現行のいまのような生活実態のままで、それに公務員の給与の凍結に連動して凍結ということになるということになれば、これは大変な社会問題になると思うんですが、いかがですか、この点は。
#31
○国務大臣(中山太郎君) 今年度の公務員給与に関する人事院勧告がいまだ調査段階で出ていない、勧告が行われていないという段階で、私からこの勧告についてとやかく申し上げる立場にないと私は実は考えております。ただし、先生御指摘のように、恩給のあるいは公務扶助料とか、いろんな問題がこの公務員の給与のベースアップを一つの基準としてのいわゆる作業要諦というものは従来あったことは先生御案内のとおりでございますから、いろいろな状況を判断いたしまして、私といたしましては、財界が何と言おうと、人事院からの勧告があれば私どもとしては従来の方針を堅持してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#32
○野田哲君 藤井総裁の方では、いまの恩給それから公務員の年金制度筆について、国家公務員法百八条による国会あるいは内閣に対して意見を申し出るような状況は特に感じておられませんか。
#33
○政府委員(藤井貞夫君) 目下のところは特に感じておりません。ただこれは仮定の問題で、従来の取り扱い方、それは一つの定着したやり方だろうと思います。そのやり方について何らかの形で変更が来されるというような状況が出てまいりますればこれは大変重大な問題であろうと思いますので、そのときはそのときでまた意見を申し上げるとかなんとかというような事態が起きるかもしれませんけれども、いまのところでは、従来の方針はそのまま踏襲されるというふうに考えておりますので、特にこの点とりたててそのことをあらかじめ申し上げるとかなんとかということは、現在のところはその必要性を感じておりません。
#34
○野田哲君 人事院の給与局長にお伺いいたしたいわけですが、民間の給与の状況といいますか給与の傾向ですね、毎月の基準内賃金の増額改善と、それからもう一つは年間の所得の構成からいきますと、毎月の基準内賃金、基準外賃金、それからいわゆる臨時給がありますね、臨時給の占める割合というのが年間の給与所得の中で漸次増加する傾向にあると思うんですが、この点はいかがですか。
#35
○政府委員(長橋進君) 民間におきます月給それから特別給につきまして人事院として正確に把握いたしますのは、御案内のとおり、連休明けから六月にかけて行います民間給与実態調査に基づいて正確に把握するわけでございますが、いまお示しの点につきましては、労働省でいろいろ発表されております毎勤調査その他で私どもも検討させていただいておりますけれども、それを見ますと、ここ数年の動きでございますけれども、特に昨年一年間の動きを見ますと、月々によって対前年で若干の変動はございますけれども、賃金においてはやや小数点二けた以下のところでございましょうが、若干ふえておるということと、それから臨時給につきましては、これもそう新聞等で報道されるような大きな動きというふうには私どもは受けとめておりませんけれども、対前年で比べますと若干ふえておるんではなかろうかというふうに感じております。
#36
○野田哲君 局長ね、局長は、ぼくの質問に対してうっかり答えておくと、ことしの夏に出される勧告のときに一時金がふえると言ったがふえてないじゃないかと言われるんじゃないかと心配されているんじゃないかというような、恐る恐る答弁されているんで、私が言うのはそういう意味じゃなくて、つまり毎月のいわゆる月給が余りふえないで、かわりに一時金の方でふやしていくというような仕組みがずっと続きますと、人事院の勧告を基準にして恩給なり年金の改善措置をやっていると、就業者と年金受給者との間にますます格差が生ずることになる。その点をやはりこれから検討していかないと、極端に言えばこれからどんどん夏期手当や年末手当などの一時金だけがふえていって、毎月の月給は凍結というような状態になってきたときには、この恩給や年金はふえないということになるわけです。改善されないということになるわけです。就業者の方は夏期手当や年末手当の方でふえていったので年間所得はふえても、恩給受給者の方はちっともふえないと、これは極端な例ですけれども、そういう傾向に民間の給与の実態がなりつつあるんじゃあるまいか、傾向として。そうすると、やはりこれは少し基準のとり方を考えなければいけないんじゃないかなあということを懸念をしているんで、この点恩給局長なり総務長官はどういうふうにお考えになりますか。
#37
○政府委員(小熊鐵雄君) 特に文官恩給の問題かと思いますが、これにつきましては、従来の仮定俸給でも何年かごとに仮定俸給の格差是正といいますか、これをやってきておるわけでございますけれども、いまの方式としては、これはまさに先生おっしゃるように、行(一)の俸給表の改善傾向を織りまぜながら改善しておるわけでございまして、これが全く上がらないと、ほかの一時的な夏期手当であるとかそういったものでふえていくんだということになりますと、確かに全体のベースアップといいますか恩給のベースアップ、これ自体はさほど上がらないということになるかと思いますが、ただ恩給の場合、今年も約一〇%ぐらい恩給費が増額しておるわけでございますが、これはやはりそれぞれの個別の傷病者であるとかあるいは高齢者であるとか、そういった方々に対する処遇というのがかなり大きなウエートを占めておりますので、ベースアップよりははるかに高い改善率を示しておるわけでございますので、そういう意味では、先ほど大臣からも申しましたように、恩給独自の一つの高齢者であるとかあるいは傷病者優遇と、こういったような観点からの改善というのは当然考えられていくんじゃないかと、このように考えておるわけであります。
#38
○野田哲君 そうすると、恩給局長にお伺いしたいんですが、恩給といえば名前も私は今日的でないと思うんですけれども、できてしまっているものだからいまさら変えるわけにいかないと思うんですが、恩給というのは、世間一般で言えば役人あるいは昔の軍人の特権的な制度のような、余りいい印象を持たれていないんで、日本の軍人や役人であった人だけの何か特権的なもののように印象づけられているんですが、外国にもこの恩給制度というのが現にあるんだというふうに聞いているんですが、たとえばフランスとか西ドイツなんかも恩給制度があるんだというふうに聞いたんですが、それらのところの恩給というのは概要はどういうふうになっているんですか、仕組みとしては。
#39
○政府委員(小熊鐵雄君) いまフランスと西ドイツについてお尋ねであるわけですが、まずフランスについて申し上げますと、フランスにつきましては、文官も軍人も一九六四年の十二月に施行されました文官及び軍人恩給に関する統一法典というのに基づいて恩給が支給されておるわけでございます。それからドイツにつきましては、軍人及び文官の恩給の根拠としまして、一九六四年の八月に施行されました連邦国防軍の全軍人及びその遺族についての扶助給付に関する法律というのでこの軍人については措置されておるわけでございます。それから、文官につきましては若干おくれまして、一九六六年の一月に施行されました連邦官吏法というのに基づいて処遇されておるわけでございます。もっともフランスそれからドイツ、これは現行恩給の根拠でございまして、もっと根源をたどりますとフランスでは一七九〇年に初めて恩給に関する法律が、それからドイツにつきましては一八二五年に制定されたわけでございます。それからちなみに、日本では明治八年に公布されました「陸軍武官傷痕扶助及ヒ死亡ノ者祭粢並ニ共家族扶助概則」というのが太政官達で出まして、これが一八七五年でございます。まず大体、経過的にはそういうような状況になっておるわけでございます。
 内容でございますが、フランスの文官につきましては、その対象となる者が恒久的官職の本官、それからこれは掛金がございまして俸給の六%、それから退職給付は在職年十五年以上ということになっておりまして、これはしかも六十歳以上という制限がございます。それで、金額は基礎俸給額の二%掛ける在職年数ということになっております。それからフランスの軍人につきましては、やはり俸給の六%の掛金をいたしまして、給付内容はいま申し上げた文官と同じでございます。それからドイツにつきましては、官吏、これは掛金なし、軍人ももちろん掛金なしでございます。それから、給付の内容は在職十年以上で、文官の場合ですが十年以上で六十二歳以上の方、これが最終給与掛ける算出率、算出率はいまの十年という人が三五%、それから二十五年までが一年につき二%、それから二十五年以上が一年につき一%、こういうふうな形になっております。それから軍人につきましても、在職十年以上のこれは職業軍人ということになっておりまして、これも給付内容はいまの文官と同じでございます。
 以上がいわゆる普通恩給といいますか、これに相当するフランス及びドイツの現在の恩給状況でございます。
#40
○野田哲君 中身はいいんですが、フランス、西ドイツ以外にも相当の国々にそういう制度はあるわけですか、ヨーロッパ諸国など。
#41
○政府委員(小熊鐵雄君) つぶさに全部というのはちょっと存じ上げないんですが、イギリスにもございますし、それからアメリカにももちろんございます。ただイギリスとかアメリカというのは非常に調べにくいと申しますかわかりにくい点は、非常にいろんな種類の恩給的なものがございまして、一本化した根拠法規というようなものがございませんので、非常に調べにくいといいますか内容がわかりにくいという状況はございます。
#42
○野田哲君 行政管理庁にお尋ねします。
 この恩給制度と関係の深い公務員制度、公務員の定数管理の状況についてお伺いをしたいと思うんですが、いま行政改革が非常に大きな政治課題になっているわけですが、その中で公務員の定数管理、それから給与のあり方、これが非常な大きな議論の対象になっているんですが、まず第一にお伺いしたい点は、日本の公務員の数がヨーロッパ、アメリカなどの先進諸国と比較して多いのか少ないのか。この点が明確でないと、これからの行政改革の議論の中で国民の皆さんの正しいコンセンサスを得ることができない、あるいはまた公務員の諸君の協力を得ることができないと思うんです。現在の公務員の現状というのは、大体私の承知をしているところでは国家公務員が約百二十万、この百二十万の中では防衛庁関係が約三十万、その他が九十万。それから公社公団等が九十四万人、地方公務員が三百七万、総計で五百二十一万。防衛関係を除くと四百九十一万。こんな数字があるんですが、大体そういうことでいいわけですか、総数としては。
#43
○政府委員(門田英郎君) ただいま野田先生が御指摘になりました御数字というのは、昭和五十四年末ベース、大体五十四年見当の数字としましておっしゃるとおりでございます。ただいま昭和五十六年ベースで計算いたしますと、御指摘になりました広い意味での公務員、立法府、司法府も含めました国家公務員、さらには特殊法人の職員、さらに地方公務員というのを全体足し上げました同種の数字で申し上げますと、約五百二十六万人ということになろうかと思います。
#44
○野田哲君 外国との比較をしたデータがありましたね。それによりますと、国民千人当たりで日本が四十五・二、イギリスが百五、フランスが六十七・四、アメリカが八十・七、西ドイツが八十二・六、これから軍関係を除くと、日本が四十二・六、イギリスが九十四・九、フランスが五十八・九、アメリカが六十六・六、西ドイツが七十二・三、それから就業人口千人当たりで比較をすると、日本が九十二人、イギリスが二百十五人、フランスが百五十人、アメリカが百六十九人、西ドイツが百七十九人、こんな数字があったと思うんですが、大体これによると日本の公務員の数はイギリスあるいは西ドイツに比較をすると約半分、こういう割合になっているんですが、大体こんな数は間違いない数字でしょうか、いかがでしょうか。
#45
○政府委員(門田英郎君) ただいま御指摘の諸外国との公務員数の比較の数字でございますが、公務員数というものを外国と的確に比較するというのは、これは大変に困難な事柄でございます。たとえば政治経済制度あるいは公共サービスの範囲、こういったものがすべて違うわけでございます。しいて私ども手に入る限りの資料で比較した数字というのは、ただいま先生御指摘のとおりでございます。
#46
○野田哲君 それで、引き続いてこの比較について伺いたいと思うんですが、日本の公務員は先進諸国に比較をして少ない。特にイギリスとかあるいは西ドイツ等に比較をすると、あるいはアメリカ等の約半分の割合。これは、いま審議官も言われたように、比較は非常にしにくい。公務と公務でない割合といいますか境目といいますか、これは非常にむずかしいと思うんですが、なぜ日本の公務員は先進諸国に比較して少ないのか、その原因はどこにあるのかという点なんですが、考えられるとすれば、公共の分野というのがこれらの国国と比較してかなり少ないのかどうなのか、あるいは日本の公務員は労働時間が長い、就業日が多い、たとえば土曜、これらの比較した国々はほとんど役所も土曜は休みになっている、こういうようなことでの労働時間が長いというようなことが原因なのか。あるいは日本では公務員は能率は余りよくないと言われているが、これらの国々と比較をして能率が日本の場合いいから少ないのか。非常に諸外国と比較をして日本の公務員が少ないということの原因はどこにあるのか、行政管理庁ではこの比較の中で調査をされておられますか、いかがですか。
#47
○政府委員(門田英郎君) 諸外国との公務員制度あるいは公務員数の比較の問題というのは、定員管理を預かっております行政管理庁としても大変に関心を持っているところでございます。諸般勉強を重ねてきているわけでございますが、外国の諸制度というのは大変にむずかしゅうございますし、かたがたどうしてもそれぞれの慣習というふうなものもございまして、相当腰を入れて勉強しなければなかなか進まない。私ども隔靴掻痒の感を抱いているわけでございます。
 ただいま野田先生御指摘の諸点、すべてそれは該当するのかというふうに存じますが、まず一つ公共、公的部門の範囲という点から申し上げまして、たとえばフランスとの間で比較いたしますと、一つ教育というのは、これは完全に違います。一つの例にすぎませんが、高等教育、大学というものを例にとってみますと、フランスの場合はすべて国立ということに相なっております。一〇〇%国立でございます。日本の場合は、これは国公立――公共部門全体という意味で、国公立全体でこれは二二%、私立が七八%を占める、こういった違いもございます。あるいはイギリスの例で申し上げますと、イギリスの場合、何と翻訳すればよろしいでしょうか、ナショナル・ヘルス・サービスという部門がございまして、医療、保健、健康という問題についてかなり公的部門が関与している、この数字が非常に大きいということも事実でございます。
 かたがた、たとえば日本とアメリカとの比較でまいりますと、御承知のように鉄道あるいはたばこあるいは電話、こういった、日本で三公社ということで公的部門に入っているそういった部門は、アメリカの場合そのほとんどが、あるいは全部がプライベートの部門で実施されている。こういったことで大変に比較することは困難ではないだろうかというふうに思っております。
 先生御指摘のように、わが国の国民が全体として非常に勤勉で、かつ能率がいいと、これはプライベートな部門同士で比較してもよくそういうことが言われているわけですが、これも大きな一因ではないかというふうに存じますが、たとえば国によって、単一国家であったりあるいはドイツやアメリカのように連邦制国家であったりするということによる違いもございましょう。あるいは御指摘の政府企業の範囲、こういったものの違いもございましょう。さらには、一般的な社会経済事情も相当違うはずでございます。国土の広さなども大いに関係してくることかと思います。いろいろなファクターが存在いたしますので、にわかにどういうことでそれぞれの要因が出てくるのか、そういった要因分析というのは私どももできかねているということをひとつ御了解いただきたいと存じます。
#48
○野田哲君 会計別の、一般会計と特別会計の公務員の実数について伺っておきたいと思うんですが、まず一般会計全体としていま何人なのか。それから、内訳といってもむずかしいと思うんですけれども、自衛官とか、それから国税とか矯正官署、試験研究、公共事業というふうに分類したのがありますね。これでちょっと一般会計、五十六年度の資料を説明していただきたいんです。
#49
○政府委員(門田英郎君) お答えいたします。
 一般会計の五十六年度における国家公務員数五十八万一千四百七十九人、全公務員の四八・五%に当たります。残りが特別会計ということになるわけでございますが、その一般会計の主要部門別の数字をという先生のお尋ねでございます。立法府、司法府――一般行政以外の部門でございます。行政府以外の部門でございますが、三万七百二十人、二・六%でございます。防衛庁、これが二十九万八千七百九人、約三十万人でございます。国税が五万二千七百五十人、それから矯正官署――刑務所等でございますが、二万二千百三十人、それから試験研究部門、海上保安部門あるいはちょっと数字が細かになって恐縮でございますが、各省の試験研究部門は一万五千八百八十二人、公共事業――北海道開発庁、建設省、その他の公共事業が一万四千二百四十三人、法務省の登記に一万二千人、海上保安庁に約一万二千人、検察庁に一万一千二百人、大きなかたまりとしましては農水省の統計部門九千百七十五人、それから労働省の職業安定官署九千四百人、それから大蔵省の税関部門でございますが、約八千人、それから警察庁八千七十五人、それから気象庁五千六百人、大体大きな、五千人を上回る部門としてはただいま申し上げたようなことでございます。
 その他の部門がいろいろあるわけでございまして、これが七万一千五百六十人、全体といたしまして先ほど申し上げましたようなトータルの数字に相なるわけでございます。
#50
○野田哲君 特別会計をちょっと実態を聞かしていただきたいんです。
#51
○政府委員(門田英郎君) 同じく昭和五十六年度ベースで申し上げますと、特別会計は全体といたしまして六十一万八千六百九人ということに相なっております。その分野別、大まかに申し上げますと、いわゆる五現業、これが三十五万四千四百五十四人、それから国立学校特会十二万九千二百四十八人、それから国立病院特別会計、これが四万九千九百九十人、約五万人、その他特別会計に属する公共事業あるいは社会保険、食糧管理、こういったたぐいのもの全体を合わせまして八万四千九百人ということに相なります。
#52
○野田哲君 定数管理についての基本的な考え方を伺いたいんですが、いまそれぞれ分類して説明があったわけですが、公務員の定数の削減、縮小という議論が起こっているわけですが、行政管理庁としての定数管理の方式として、これらの分類して説明のあった人員ですが、社会経済情勢の変化によって増員のウエートの非常に高まっている分野もあると思うんですね。あるいはまた法律上の定数基準があって、それに基づくものもあると思う。なかなか一律にいきがたいと思うんですが、主要な、この現状さらに増強をしていかなければならないような職種と、そうではなくて減員の可能性のある分野と、これをどういうふうに見ておられるわけですか。
#53
○政府委員(門田英郎君) 先生御案内のように、年々の定員といいますのは、毎年毎年の各省の概算要求の際における増員要求、これを待って私ども及び財政当局が審査に当たるということでございます。
   〔委員長退席、理事藏内修治君着席〕
行政需要というのはそれぞれ区々でございますし、そのときそのときの事情によっては小さな部門でも大きな増員需要、どうしてもゆるがせにできない増員需要があったりするわけでございます。一概に申し上げることばなかなかに困難でございますが、たとえばただいまのような定員管理のシステムというものが生まれました昭和四十三年からこの五十六年にかけての比較という見地から申し上げますと、非常にこの間で大きく伸びている部門というのは、たとえば航空行政でございます、これは約倍近く、九四・四%の伸びを示しております。あるいは外交部門、これが約三割の伸びを示している。さらに国立病院・療養所、これがこの間で一七%の増、登記、これまた一七%の増、教育部門、国立学校部門においてはこの間に二六%の増、そのほかに伸びている部門は海上保安行政あるいは国税行政、こういった部門についてはそれぞれ伸びを示しているということでお答えにかえさせていただきたいと思います。
#54
○野田哲君 恩給局長に伺いますが、恩給局の所管の対象者というのは、旧軍人はもう現在は存在しないわけだし、軍人の場合は。それから文官の場合には、あるいは自衛隊の場合もそれぞれ共済組合に制度が変わっていったわけです。それで恩給局で所管をしている恩給受給者、これはこれから先大体何年ぐらいまで存在をするんですか。
#55
○政府委員(小熊鐵雄君) いま先生御指摘のように軍人はどんどん減っていくわけでございますが、その方が亡くなればまた扶助料に切りかわるわけでございまして、必ずしもその亡くなられた数がそのまま減っていくということにはならないわけでございますが、大体いま推計していますのは、十年ぐらいまでは毎年四万人ぐらいずつ減っていくであろうと。いま大体二百五十万人ぐらいですから、恐らく十年後には二百万人程度になるんではなかろうかというようにいま推計しておるわけでございます。ただ、それから先になりますと、これはかなり急速に減っていくんであろうと考えておるわけですが、大体四、五十年ぐらいで恐らくゼロになってしまうであろうというふうに考えておるわけでございます。
#56
○野田哲君 総務長官、これはまた別の機会にも議論をしなければいけないと思うんですけれども、いま年金制度、公務員の場合の年金制度だけを考えてみましても、恩給年金については総理府の恩給局、それから国家公務員の共済年金、これは大蔵省が所管をする、そして細かく共済組合が細分化されている。それから公共企業体の場合は運輸省が所管をしている。地方公務員の場合は自治省、それから農業団体は農林省、私立学校の場合は文部省、こういうふうに公的機関の年金制度だけでも所管省だけでも六カ所、七カ所に分かれている。そして共済組合に至っては数が地方公務員まで入れると本当にもう多岐にわたっている。こういう状態こそ私はもっと機能的に改めていかなければいけないんじゃないか、まさにこれこそ行政改革の大きな課題ではないかと思うんですが、総務長官いかがですか、見解は。
#57
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のとおり、共済年金制度というものが実に多岐にわたっておると、また一方恩給制度というのが総理府所管である、実にばらばらじゃないかという御指摘で、これを将来まとめるようなことを考えるべきではなかろうかという御指摘だろうと思うんですが、私も先生のお考えには共通のものを持っております。高齢化社会という問題で、政府の具体的な取り組み方というものが総合的に完成していないという御意見だと思いますが、そういう点は総理府といたしましても早急に研究に着手するように事務方にすでに検討を命じております。
#58
○野田哲君 終わります。
#59
○安武洋子君 旧陸海軍と日赤の従軍看護婦さんたちの処遇についてまず最初にお伺いいたします。
 一昨年の旧日赤看護婦さんの慰労金給付、これに続きまして五十六年度からやっと旧陸海軍従軍看護婦さんたちにも慰労金の支給が行われるようになりましたけれども、この慰労金の支給の概要について、どのようなものか御説明いただけますでしょうか。
#60
○政府委員(関通彰君) お答えいたします。
 戦地に派遣されました従軍看護婦の処遇につきましては、先生御存じのように、旧日本赤十字社の救護看護婦には昭和五十四年度から慰労給付金が支給されているわけでございますが、旧陸海軍従軍看護婦につきましては、昨年厚生省で実態調査を実施されまして、その実態調査の結果、旧陸海軍従軍看護婦も戦地で陸海軍病院のみならず野戦病院あるいは兵たん病院等で日赤看護婦と同様の戦時衛生勤務に従事しておられるという実態が明らかになっております。このため、旧陸海軍従軍看護婦につきましても、昭和五十六年度から処遇措置を講ずることといたしまして、五十六年度予算に所要経費として八千三百万円を計上いたしております。
 処遇の内容は、処遇の趣旨が日赤救護看護婦と全く同様でございますので、処遇内容はこれも日赤の場合と同様のものを考えております。具体的に申し上げますと、支給対象者としましては、旧陸海軍の看護婦長または看護婦として昭和十二年七月七日以降旧陸海軍の戦時衛生勤務に服した期間及びこれに引き続く抑留期間に旧軍人と同様の加算年を算入した期間が十二年以上である者であって、年齢が五十五歳以上の者を対象とすることとしております。給付金の額は、勤務期間の長短に応じまして年額十万円から三十万円とすることといたしております。
 この具体的な支給は、旧陸海軍従軍看護婦の場合も日赤の場合と同様日本赤十字社から支給することで、最初の支給は本年の十二月を予定いたしております。
#61
○安武洋子君 給付金の支給要件として、恩給と同様に恩給法上の加算年も加えまして十二年の在職年が必要というふうなことなんですが、この十二年の根拠というのはどういうことなんでしょうか。
#62
○政府委員(関通彰君) 支給対象の要件といたしまして、加算年を加えて勤務年数が十二年以上といたしておりますが、この十二年以上といいますのは、恩給制度におきまして、兵たる旧軍人の場合、加算年を加えて勤務期間が十二年以上である者が恩給の支給対象ということになっておりますので、それに準じて決めたものでございます。趣旨は、当委員会でもこの問題につきましてたびたび御審議がございましたが、従軍看護婦さんの場合、戦地で軍人と同様な勤務、あるいはそれ以上の御苦労をされているのに恩給の対象とならない、何とか処遇措置をという御趣旨でございましたので、かように軍人の恩給にならったものでございます。
#63
○安武洋子君 恩給にならったものというふうに御答弁くださいましたが、そのほかにもこの恩給に準じた措置というのがあるんでしょうか。あればどのようなものなんでしょうか。
#64
○政府委員(関通彰君) 支給要件の中で恩給に準じている措置を個条的に申し上げますと、ただいまの十二年という条件のほかに、一つは戦地または事変地の区域の定義でございますが、これを恩給制度の戦地、事変地の定義に準じてとっております。それから第二に、在職年及び加算年の計算方法につきましても恩給法に準じております。それから第三に、恩給の場合、全額支給開始年齢が五十五歳とされておりますが、慰労給付金の場合もこれに準じまして支給開始年齢を五十五歳としております。それから第四に、給付金の額につきましても、恩給におきます兵たる旧軍人に支給する普通恩給の額等を考慮して、勤務期間の長短に応じて額を算出いたしております。
#65
○安武洋子君 ところで、旧日赤それから旧陸海軍の従軍看護婦さんたちの総人数というのはそれぞれ何万人ぐらいいたのでしょうか。それからまた、給付金の支給要件を満たしている人たち、これは何人ぐらいいて、比率ではどのぐらいになるんでしょうか。
#66
○政府委員(関通彰君) 初めに旧日赤看護婦の場合について申し上げますと、日本赤十字社の調査によりますと、旧日赤救護看護婦の総数は約二万五千人でございます。このうち戦地勤務に服した者は約一万一千人でございまして、さらにそのうち支給要件を満たしている者は約千百人でございます。したがいまして、戦地勤務に服した者に対する比率が約一〇%でございます。
 それから次に、旧陸海軍従軍看護婦について申し上げますと、厚生省の昨年の実態調査の結果によりますと、旧陸海軍従軍看護婦の総数は約一万二千人でございまして、戦地勤務に服した者は約六千人でございます。このうち受給資格要件を満たしている者は約千人と推定いたしておりまして、戦地勤務に服した者に対する比率は約一七%でございます。
#67
○安武洋子君 それぞれ一〇%とか一七%ということで、圧倒的に多くの人たちが資格要件を満たしていないという状態がわかるわけですけれども、恩給に準じて資格基準をつくったということなのですから、資格要件を満たさない人たち、圧倒的多くの人たちですけれども、この人たちには恩給の一時恩給的なもの、これを私は考える必要があるのではなかろうかと思うわけです。当委員会の附帯決議にも、救護看護婦の処遇について、旧軍人軍属に比し不利となっているものがあるのでその救済措置を図るようにと、こう求めております。こういう点、いかがでございますか。
#68
○政府委員(関通彰君) 先生御指摘のように、従軍看護婦さんの場合、一時恩給的なものを支給していないわけでございます。支給要件として、加算年を加えて十二年という線を引いているわけでございますが、十二年と申しますと大変長いように感じますが、実際は加算年を計算いたしますので、三年未満でございますと該当いたしませんが、三年以上でございますと、三年か四年ぐらいで加算年を加えると十二年以上になるという方もおられるわけでございます。このような短期間の方に措置を講ずることができなかったわけでございますが、これは何分にもこの日赤及び旧陸海軍の従軍看護婦の場合、当委員会でもたびたび御審議がございましたが、既存の恩給あるいはその他の公的年金制度の対象にはならない。しかし、大変御苦労されているので、何とか措置できないかということで措置したのがこの措置でございます。今年新たに旧陸海軍従軍看護婦についても措置を講ずることといたしておりまして、財政的にも大変厳しい状況でございますが、かような予算措置が講じられておりますので、大体軍人に準じた支給の要件は十二年ということで引かなければならなかったと、かように御理解いただきたいと存じます。
#69
○安武洋子君 都合のいいところだけ恩給に準じるというふうなことで、都合が悪いと慰労金というふうなことで、私はこれはちょっと整合性がないと思うんですよね。やはり恩給に準じるというなら、せめて慰労金の支給額自体、これだけでももっと引き上げるべきではないかというふうに思うわけです。旧日赤とか旧陸海軍の慰労金の支給について、私は、総理府は大蔵省と折衝なさる上でいろいろと研究したり工夫したりなさって、御苦労されてこられている。そのことはよくわかるわけですから、そのことは私自身評価をいたしております。
   〔理事藏内修治君退席、委員長着席〕
 それで、総理府としても、先ほどからも御答弁にありますように、軍人と同じように、まあ軍人以上のともおっしゃいましたけれども、苦労されてこられた従軍看護婦さんに対して慰労金を支給しなければいけないというふうなお気持ちがあったからこれが工夫もし研究もされて慰労金という形で実現をしてきたのだろうというふうに思っております。
 ところが、そういうお気持ちがありながら、ほんとのわずかな期間だけの問題で期間が足りないということで何にもこの労に報いないというふうなことだったら、せっかく御苦労されてこられているのに、その苦労に報いたいというふうなせっかくのこの温かい気持ちですね、その気持ちが全く通わないというふうなことになり、私は残念至極だと思うわけです。ですから、この人たちの苦労には本当に報いたい、慰労しようと、こう思うなら、恩給に準じまして一時金というようなものをやはりぜひ考えていただきたいと、こう思うんですけれども、総務長官、いままで御苦労されてこられておりますけれども、私のいまのこの主張に対してどのようにお考えでございましょうか。
#70
○国務大臣(中山太郎君) いま先生のお尋ねで、その対象にならない人たちに対する感謝の気持ちを国家としてあらわせという御意見でございますが、政府といたしましては、御承知のようにこの旧日赤の従軍の看護婦さんの方々をまずいわゆる対象者としてやると、その後やはり旧陸海軍の従軍看護婦に対して同様な苦しみをされたんだからこれを処理しろという院の御意見もございました。昨年厚生省で調査をいたして、やっとことしの場合には五十六年度予算については概算要求の項目だけを大蔵省に認めさして、数字は厚生省の調査に待つということで大蔵省の主計との話し合いをつけました上で厚生省の統計の出そろうのを待っておったと、こういうふうな状況でございまして、まだ御指摘のようにこの条件でも十分な実態が把握されたというふうには認識をいたしておりません。
 日本にお帰りになってから結婚をされて名前が変わっちゃっているという方も相当いらっしゃいますし、あるいはまた、空襲等でお帰りになって御家族がもうその戦災地にいらっしゃらないということで、その後どこへ行かれたかわからない。御案内のように、日赤看護婦の場合は日赤本社がすべてこの看護婦さんの情報を集中管理しておりましたから比較的判明が容易だったんですが、従軍看護婦の場合は、海軍の場合はシンガポールというふうに病院所在地単位でいわゆる従軍看護婦を募集したという歴史的な経過がございまして、その分、病院が解散をされたという場合になると実態調査は非常にむずかしいということでまだ相当の落ちこぼれがあるんじゃなかろうかと、こういうふうな考え方を基本に持っておりますので、今後現在の条件でどうなるかということの、いわゆる対象者のチェックをさらに進めてまいっていきたいと考えておりまして、その現在の条件に合わない者に対する一時救済の制度までまだ正直なところ申し上げて手が伸びていないというところでございまして、現在は今回の処置に対応する人たちをさらに落ちこぼれないかということを検討を続けてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#71
○安武洋子君 十分な実態把握がされていないおそれがあって落ちこぼれがあるのかもわからないというふうなことで、ぜひそれは対象者のチェックは私も進めていただきたいと思います。それと同時に、一時救済までいまのところ手が回らないんだとおっしゃっておられますけれども、非常に高齢者の方が多くてすでに亡くなっておられる方もあるわけなんです。ですから、私は事を急いでいただかないと、どんどん亡くなられた後で手を打ってももう取り返しがつかないというふうにも思いますので、対象者のチェックは精力的に進めていただくとともに、一時救済の、先ほど私が申し上げた人たちに対しての救護の手も差し伸べるということをぜひ研究していただきたいと思います。
 それから、慰労金の支給の問題につきましても、私はやはり問題があろうかと思います。毎年毎年一〇%近く物価が上昇しております。慰労金は仕組みとして物価が上昇したから上げるというふうにはこれはなっていないわけです。ほうっておきますと、ですから物価は上がるから毎年毎年目減りをしていくというふうになっていきます。給付金額の引き上げにつきましては、この旧日赤の先ほどおっしゃいましたように従軍看護婦さんのとき以来問題になっていますけれども、旧日赤の従軍看護婦さんを先にこの慰労金の支給を実現したと、そして次は旧陸海軍の方たちの支給の実現をまずやるんだというふうなことで、その給付金額の引き上げはいまのところ次なんだというふうなことだったんです。いま十分な形ではありませんけれども、旧陸海軍の従軍看護婦さんの支給もやっと実現したというふうな段階で、私はここはひとつやはり慰労金の額の引き上げということも考えていただかなければいけないのではないか。
 もともと日赤も、それから旧陸海軍の従軍看護婦さんたちも一緒に恩給並みの処遇を求めてずっと運動をされてこられたというふうなことで、政府の都合でこの日赤と陸海軍とが別々になってしまったというふうなこと、そしてそれで支給時期がずれたというふうなことがあるわけです。ですから、そのためにも私は早く急いでいただきたいというのは、先ほども申し上げたように高齢者の方がいらっしゃる、ことしも旧陸海軍の看護婦さんの中で一月からもう三人も亡くなっていらっしゃるんです。ですから、私はこういうことも考えていただきまして、この額の引き上げというのをいま精力的にお考え直し願いたい、ぜひ金額の引き上げをやっていただきたいと、こう思いますけれども、いかがでございますか。
#72
○政府委員(関通彰君) 先生御指摘のように、慰労給付金はいわゆるスライド制をとってないわけでございますが、このスライド制をとっていない理由は、御理解賜りたいんでございますが、この慰労給付金の基本的な性格が過去の御苦労に対して報いるものという趣旨のものでございまして、これによりまして所得の保障を図るといういわゆる年金的な性格を持っていない、かようなことからスライド制を採用してないわけでございます。それにしても増額を図れないかという御指摘かと存じますが、先ほども触れましたように、五十六年度新たに旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労措置を講ずることといたしておりまして、先ほど長官も触れましたように、なかなか旧陸海軍の従軍看護婦の場合は昨年実態調査が行われましたけれどもしようがございませんで、私どもも落ちこぼれなくこれらの方々に慰労給付金を支給するに相当の努力を要するというぐあいに実は考えているわけでございます。本年、鋭意努力いたしまして完全な支給を図ってまいりたいと、現段階ではかように感じておるわけでございます。
#73
○安武洋子君 それは先ほども申し上げたように、対象者が落ちこぼれないように精力的にそれをチェックしながら私はその面進めていただくのに異議があろうわけはありません。ですから、それはどんどんやっていただきながらも、先ほど申し上げたように、この慰労金についても非常に目減りをしていくわけですね、放置をしておれば。ですから、これはやはり額の引き上げということも必要だろうと思うんです。去年の四月の二十四日の当委員会でも、この恩給法の附帯決議で増額を要求していることは御存じだろうと思います。恩給にこれ準ずるわけですから、私はぜひこの金額の引き上げを図るべきだと思いますし、ぜひ五十七年度の予算の概算要求に計上していただきたいとこう思いますけれども、ひとつ長官の御決意のほどを聞かせていただきたいと思います。
#74
○国務大臣(中山太郎君) いま申し上げましたように、この今年初めて実施いたします現在の対象者の実態のさらに調査の充実を図っていくということが、今年度の政府としての最大の方針になっております。だから、この概算要求に直ちにというわけにはまいらないと考えますが、将来いわゆる公務員給与に関する人事院勧告等の動きも踏まえて、この問題についても検討する対象課題の中に入れるべきものかと考えております。
#75
○安武洋子君 ぜひ検討していただいて額の引き上げを実現していただきたい。何といっても老齢の方が多いわけですから、事を急いでいただきたいということをつけ加えさしていただきます。
 次に、厚生年金それから国民年金への軍歴通算の問題でお伺いをいたします。厚生省来ておられますでしょうか。――これまで厚生省の方はこの厚生年金、国民年金への軍歴通算の問題をかたくなに、私どもはかたくなにと思いますが、拒否をされておりますけれども、その根拠というのは一体何なんでしょうか。
#76
○説明員(佐々木喜之君) 厚生年金、国民年金の側からこの問題をながめましたときには、これは実は年金制度の基本的な問題になるわけでございます。先生御承知のように、厚生年金や国民年金は社会保険の仕組みをとっておりまして、すべての加入者が保険料を納付をいたしまして、その納付をいたしました期間について給付を行うというのが大原則であるわけでございます。したがいまして、かような制度の中で拠出のない期間を処遇するということはきわめて困難である、かつまたこの民間の労働者等を対象といたします制度の中で、過去の期間について、しかも公務員だけについて処遇をするということは、一般の民間の方々との均衡上、これは相当大きな問題があるわけでございまして、したがいまして、このような観点からもその通算を行うということは困難である、かようなことでございます。
#77
○安武洋子君 それではお伺いいたしますけれども、厚生年金保険法の附則二十八条の二、それから国民年金法の附則の第九条の三です。この「旧陸軍共済組合等の組合員であった期間を有する者についての特例」ですね。この概要についてちょっとわかりやすく説明していただけますでしょうか。
#78
○説明員(佐々木喜之君) お尋ねのございましたのは、いわゆる旧令共済組合の組合員であった期間についての取り扱いでございます。この旧令共済組合員、すなわち旧陸軍共済組合等の組合員につきましては、これはこれらの職場に勤務をされておられます方々の間の相互扶助の仕組みでございまして、これらの方々が、組合員が費用を拠出をいたしまして相互扶助を行う、その中に退職の給付も行うと、こういうような制度であったわけでございまして、いわば厚生年金から見ますとこれは特別の制度でございます。厚生年金法の上でも適用除外規定を設けまして、このような組合員については適用除外をしておった、いわば社会保険の仕組みにおきますところのこの厚生年金の特別の制度というふうに考えられるわけでございます。そこで、この昭和四十年及び四十四年の改正におきまして、このようないわゆる社会保険の仕組みによります制度について厚生年金上特別な扱いをするというようなことになったわけでございます。
#79
○安武洋子君 これを私読んでみますと、いまの御答弁とかみ合わせてみますと、簡単に言いますと、厚生年金の保険料は掛けていなかったが、昭和十七年の六月から二十年の八月の期間については掛金を掛けていたとみなして旧陸軍等の共済組合、何かこれは八組合あったそうですけれども、この組合員は厚生年金にこの期間、結局昭和十七年六月から二十年八月の期間を通算すると、こういうことで間違いございませんか。
#80
○説明員(佐々木喜之君) この旧令による共済組合は、終戦という事態におきまして母体の機関が消滅をいたしましたために廃止をした制度であるわけでございます。このような共済組合がもし存続をいたしておりますれば、この共済組合の組合員であった期間について退職給付が行われるはずであるわけでございますが、これらの組合が消滅をしてしまった、給付を行うところがどこもない。しかも組合員の方々にとってみますと、給付の前提となる拠出をしておられたわけでございます。そういうところに特徴があるわけでございまして、したがいまして、ただいま、先ほど申しましたような厚生年金制度の特別制度であるという考え方のもとに、厚生年金制度発足以後終戦までの期間について一部の給付を厚生年金保険において行うと、こういう考え方で附則二十八条の二の規定が設けられているわけでございます。
#81
○安武洋子君 いろいろおっしゃっておられますけれども、結局昭和十七年六月から二十年の八月まで、こういう母体が解消してしまったとか、あるいはこれがあれば退職年金が当たるはずだったとかというふうなことなんですが、そういうことを含めて特別の制度を設けたと、結局みなし制度を設けたということですね。ですから、こういうことであるとすると、私は特例を設ける、結局みなし規定をつくれば軍人であっても通算は可能だと、こういうことだと思いますけれども、それはどうなんでしょうか。
#82
○説明員(佐々木喜之君) 先ほど申し上げましたように、この旧令共済組合の組合員であった期間は、拠出に基づく給付を行うという社会保険の仕組みにおきますところの期間でございまして、その意味におきまして公務員に対する功労のほう賞を行うというような制度とは全く性質の異なるものであるわけでございまして、旧令共済組合の取り扱いをもってほかのものについても当てはまるというようなことには直ちにはならないかと考えております。
#83
○安武洋子君 どうしてそういうことになるんでしょうか。まあ、いろいろおっしゃっていますけれども、結局、要するに昭和十七年六月から二十年の八月の期間というのは八つのこの組合があったわけですね。違うんですか。八つの組合員たちは厚生年金に入りたくてもはいれなかったというふうなことじゃないんですか。だから、特例を設けてこの期間を厚生年金に通算したと、私はこういうことだと思うんです。ですから、それなら旧陸軍の共済組合令、これはいま廃止をされておりますけれども、この法令では組合員が外地に行くと組合員の資格を喪失するようになってしまっていたと、だから特例として満州の場合だけは継続というふうなことになっているらしいんですけれども、外地に派遣された人たちは共済組合に掛金を払いたくても払えなかったと、そういう仕組みになっていたという、そして雇員ということになりますとこれは恩給ももらえないわけですね。ですから、国民年金にも厚生年金にもこれは通算されないというふうな不利益を私はこうむっているのではなかろうかと思います。
 ところが、こういう人たちが公務員になった場合は通算されるんですね。公務員にならない人はこういう恩恵に浴さないということになりますと、非常に私はこれは矛盾があるのではなかろうかと思います。軍歴通算の場合に、外地派遣の人たちも含めまして私は検討しなければ大変片手落ちではなかろうかと、こういうふうに思いますけれども、御見解はいかがなんでしょうか。
#84
○説明員(佐々木喜之君) 厚生年金保険の制度は、もとより申すまでもなく日本の制度であるわけでございまして、外国については適用がないわけでございまして、ただいま外地のお話がございましたが、当時日本から外国に働きに行かれた方方は、当然これは厚生年金の対象期間になっていないわけでございまして、その中で特別の職場にある方々だけを処遇するというようなことはこの制度上困難であろうかと思っております。
 それから、後段のお尋ねでございますが、共済組合の方と違うではないかということでございますが、共済組合の方で給付を行っておられますのは、いわゆる公務に対するほう賞、功労と申しますか、かような考え方で給付を行っているというふうに承知をしておるわけでございまして、厚生年金におきまして厚生年金保険法の特別の制度である期間について処遇をしているというのとはまた別の根拠、事由に基づくものであろうかと思っております。
#85
○安武洋子君 では、いまの中国の東北地方ですね、満州の場合だけは、これは特例としているというのはどういうことなんですか。
#86
○説明員(佐々木喜之君) ただいまお尋ねの満州の特例と申しますのは、厚生年金保険制度におきます特例ではございませんで、旧共済組合の特例であるわけでございまして、私どもの方でお答えを申し上げるのはいかがかと思いますが、厚生年金保険について申し上げれば、ただいま申し上げましたように、施行地は国内、しかも内地に限られておりまして、外国については施行はされていなかったと、こういうことでございます。
#87
○安武洋子君 ですから、この旧陸軍の共済組合令ね、これで満州だけは継続すると、そのほかの外地はやはり掛金掛けたくてもこういう人たちは資格を喪失すると、こういう矛盾がありますよということを申し上げているわけです。で、こういう人たちが公務員になった場合は、この経歴が通算されるというふうなことですので、私はこういう矛盾がありますから、軍歴通算の場合にもこういうことを考慮してやはり検討しなければ片手落ちになってしまいますよということを申し上げております。
 もう一度伺いますが、この点はいかがなんでしょうか。
#88
○説明員(佐々木喜之君) 繰り返しのお答えになるわけでございますが、旧令共済組合の組合員に対しまして厚生年金が給付を行っておりますのは、この期間がいわゆる厚生年金保険制度の特別制度としての期間であるという、いわば厚生年金保険制度とは無縁の制度ではないというところから来ているわけでございまして、それに引きかえましてただいまお尋ねの軍歴期間について給付を行うというのは、これは社会保険制度でありますところの厚生年金保険とはまた別のものであるということでございますので、この取り扱いを同じにするという考え方は出てまいらないかと思っております。
#89
○安武洋子君 それでは、旧国際電気通信の職員の問題でお伺いしてみます。
 旧国際電気通信株式会社の職員であったこういう人たちが再び公務員になった場合に、これは恩給法上の通算措置としてこれまで何回か改正が行われてきておりますけれども、ちょっとこの内容を知らしてほしいんです、どういうふうになっておりますか。
#90
○政府委員(小熊鐵雄君) 国際噴気通信株式会社の社員期間の通算措置の内容でございますが、国際電気通信株式会社の社員期間の通算は前後三回その法改正が行われまして、まず昭和二十二年でございます。これは国際電気通信株式会社とそれから日本電信電話工事株式会社、この業務が政府に引き継がれたわけでございます。それで、そのとき社員であった方が退職に伴う給与といいますか退職金といいますか、これを受けないでそのまま政府の職員になられたという方に対して通算措置をとったわけでございます。これが昭和二十二年でございます。
 それから、その後昭和四十五年に改正がありまして、これは国際電電と申し上げますが、国際電電が南方等に行きまして、南方等で旧南洋庁というところで仕事をしておられた方々が、公務員がその国際電電の職員になられた、要するにこの南洋庁の電気通信事務、これを国際電電に引き継がれたことになったわけです。これに伴いまして引き続きその国際電電の社員となった方、この方々について通算措置をとったわけでございます。
 それから昭和五十五年の改正でございますが、この改正は、終戦に伴いまして南方の地域から帰ってこられたわけでございます。それでその業務引き継ぎ後に政府に入られた方については、これは二十二年の法律で引き継ぎが行われておるわけでございますが、ところが、この引き継ぎ以前にやめられた方、自分の個人的な縁故で役人になるといったような方がございまして、この方々についてもやはりその業務引き継ぎと同時に公務員になった方と同じような扱いにすべきではないかということで通算措置をとった、こういった三回の改正が行われておるわけでございます。
#91
○安武洋子君 もう一度ちょっと重ねて聞きますが、この三回の改正のその理由というのはどういうことなんでしょうか、改正理由は。
#92
○政府委員(小熊鐵雄君) これは先ほど申しましたように、昭和二十二年に国際電電の業務を政府に引き継いだわけです。そのとき公務員としての通算措置をとったわけです。これは二十二年です。それから四十五年というのはちょっと違いまして、これは以前に南洋庁におられた公務員が国際電電に入ってそのまま業務が引き継がれたものですからそれについて引き継いだわけです。それから五十五年の改正というのは、この二十二年の引き継ぎ以前に逓信省その他の公務員になられた、こういう方について通算をしたと、こういうことでございます。
#93
○安武洋子君 人事局に伺いますけれども、二十二年に恩給法上の通算措置がとられましたときに、退職手当法でも同様の通算措置がとられていると思うんです。これはどのような措置なんでしょうか。
#94
○政府委員(森卓也君) お答えをいたします。
 旧国際電気通信株式会社の社員につきまして、公務員ではございませんけれども、その会社の業務が政府に引き継がれたということに伴いまして、かつ退職についての、ただいま恩給局長から御説明申し上げましたとおり、給与を受ける権利を放棄して引き続いて公務員となったということで、公務員としての継続勤務の一体性を認めて退職手当につきましては社員期間にも通算の特例を認めたわけでございます。
#95
○安武洋子君 では、さっきは三回とおっしゃって、四十五年と五十五年の改正とおっしゃいましたけれども、結局この四十五年と五十五年の恩給法の通算措置がとられましたときに、退職手当法はなぜこの通算措置をおとりにならなかったんでしょうか。
#96
○政府委員(森卓也君) 昭和四十五年の改正は、公務員であった者が国際電通の社員になったということでございまして、その人が退職をいたしましたときには公務員でなかったわけでございますので、私どもの担当いたしております退職手当のたてまえといたしましては、退職時に国家公務員でない者に対して退職手当を支給するというわけにはまいらないかと思いますので、その特例を認めてはいないわけでございます。それから、五十五年の改正の際につきましても、先ほど申し上げましたとおり、三つの要件を満たしているという――三つの要件と申しますのは、一つはその業務の引き継ぎに伴って社員になったと、そして業務が引き継がれたということ。それからその引き継ぎに伴って公務員になったと、しかもかつ退職金を会社の方からもらっていなかったということが明らかでございますので、この三点を要件を満たしている者については認めるけれども、その三つの要件を欠いているという者につきましては通算の特例を認めていないということでございます。
#97
○安武洋子君 総理府は調査をなさいまして、それでしたら全員が国際電気通信を退職した人ですね、このすべてが退職金をもらっていると、こういうことが明らかになっているんですか。
#98
○政府委員(森卓也君) 全部につきまして調査をいたしたわけではございませんが、念のために郵政当局に照会をいたしたことはございますけれども、果たして国際電通の方から退職金をもらったかどうかわからないという郵政省からの回答がかつてあったわけでございます。
#99
○安武洋子君 それはいつごろ調査なさって、いつごろの回答なんですか。
#100
○政府委員(森卓也君) 本年の二月でございます。
#101
○安武洋子君 私、ここに旧国際電気通信株式会社の「証明」を持ってきているんです。これは退職した際に退職金をもらっていないという証明なんです。これは「右の者昭和二十一年四月八日内地帰還と同時に休務となつたが、同年五月三十日退職し退職金を受けず、同年五月三十一日附を以て逓信事務官に任命され志布志郵便局在勤を命ぜられたものである。」と、五十二年八月十九日付ですが、こういう証明を持ってきております。ということは、これは退職金をもらっていないということなんですね。私の方で全員が退職金をもらっていないという確証はございません。しかし、こういうふうに受け取っていない人もあるというふうなことですから、受け取っていない人もそれから受け取っている人もいるかもしれないというのが私は実態ではなかろうかと思いますが、このことはいかがでしょうか。
#102
○政府委員(森卓也君) ただいまの先生のお持ちの書類を私の方には入手いたしておりませんので、実は今日までその事実を知りませんでしたが、ただ私どもが本件につきまして一つ考えておりましたのは、二十二年以前に国家公務員になっておりますと、ちょうどことしは五十六年でございますから、大体三十五年を経過いたしておりますので、現在国家公務員でございましても、先生御承知のとおり、退職手当の支給率の計算は三十五年で頭打ちになっておりますので、仮に通算いたしましてもいたしませんでも余り退職金に影響がないのではないかというふうに考えたわけでございます。
#103
○安武洋子君 そういうことではなくて、私がいま申し上げたのは、結局こういうふうに証明があります。これは「退職し退職金を受けず、」と書いてあるように、だから退職金をすべての人が受け取っていないとも、私はそういう確証もありません。しかし、現実に受け取っていないという人もあるわけですから、受け取っている人もあるだろうし、受け取っていない人もあるだろう、これが実態ではないですかと、そういうことをお伺いしているんです。そのことについてどういう御認識でしょうか。
#104
○政府委員(森卓也君) 私どもの調査もいま先生御指摘のとおり非常に不十分でございますので、にわかにどういうことかちょっと申し上げかねる状況でございます。
#105
○安武洋子君 これは、これぐらいはお認めいただいてもいいんじゃないですか。別に私は、ここにごらんいただいてもいいですよ。これ字がむずかしくて、外国の地名ですから、何と読むのかこれはちょっと読みようがわかりませんのであれですけれども、ここにちゃんとこういうふうな証明が出ているというふうな書類を持ってきているわけです。受け取っていない、こういう人もある。だから、受け取っていない人も受け取っている人もあろう、これが現状じゃないですかという、そういう認識をお伺いしているんです。
#106
○国務大臣(中山太郎君) 先生お示しのそのもらっていないという証明書、私まだ拝見しておりませんけれども、先生公開の席でお話しですから正しいものであろうと、私はそのように考えることを前提にして、この問題等の取り扱いにつきましては、総理府としても一回研究をさしてください。研究をさしていただきたいと思います。
#107
○安武洋子君 これはまだそこまで御質問は申し上げていないんですけれども、そういう現状はまずお認めいただきたいということなんですよね。いろんな人がいると。
 それで、退職手当法施行令の附則の3の三ですけれども、これは外国政府や外国政府特殊法人の職員であった者が再び国家公務員になった場合ですね、在職期間の三分の二の期間が計算基礎となっているということなんですけれども、これはどういうことで三分の二という措置をおとりなんでしょうか。
#108
○政府委員(森卓也君) 一つは、外国政府から業務を承継したわけではないというようなこと、それからもう一つは、その際に外国政府から退職金等をもらったとかもらわないというようなことを要件にいたしていないということで全額ではなしに三分の二という数字にしたようでございます。
#109
○安武洋子君 先ほど総務長官がこの問題について研究したいというふうなことをおっしゃってくださったんですけれども、私はこの国際電気通信の人たちにつきましても、旧外国政府や特殊法人の職員と同様のやはり措置を考えていただけないかと思うわけです。私の方で郵政省に照会したんです。そうすると、二月に照会なさってそういう人はいないという返事だったとおっしゃいましたけれども、私は先ほど申し上げたこれに該当する人がわずかですけれどもいるという回答をいただいております。こういう人たちというのは大変不利な条件を受けたまま放置されるというふうなことで、不当に低い退職金を受けるという場合もあり得ると思うんです。私は、これは政令事項でできることですから、しかも人数が少ないわけですから、直ちにこの人たちに対して救済措置を講じていただきたいと、こういうふうに思いますけれども、いかがなんでしょうか。
#110
○政府委員(森卓也君) 先ほどの私が申し上げました答弁、ちょっと補足させていただきますが、郵政省に本年二月に照会いたしたときには、退職金を会社の方からもらったかどうかがわからないということでございまして、そういう該当者がいないということではございませんでして、現在公務員になってございます、公務員の身分を持っております者は少なくとも二人いるという回答はもらっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、その人たちは昭和二十一年から国家公務員になっておりますので、もうすでに三十五年を経過するか、あるいは間もなく三十五年を経過するということになりますので、退職金の通算をいたしましても支給率が頭打ち三十五年ということになっておりますので余り実益はないのではないかというふうに申し上げたわけでございます。
#111
○安武洋子君 私はもう一度よく調査をしていただきたいと思うんです。三十五年で頭打ちだから云々とおっしゃいますけれども、やっぱりわずかな額でも不利になるということを放置しているというのはいいことじゃないと思います。ですから、政令事項でできますし、しかも物すごくたくさんの人でもなくてごくわずかということですので、これはやろうと思えばすぐできることですね。人事局の元参事官の山口健治氏、この方が「逐条退職手当法」を書いておられますけれども、退職手当について「一定の支給制限事由に該当しない限りは、権利としてこれを請求しうることを認めている。」と、こういうふうにお書きなんですよね。ということは、私は不利益を除去してやっぱり正当にするということが必要だろうと思うんです。しかも、これは本当に政令事項で、やろうとさえ思えば、ごくわずかの人ですけれども、こういう人たちが救済できるというふうなことですので、総務長官、ひとつこの点そんなに長く研究なんかしないでもすぐできますのでお願いしたいんですが。
#112
○国務大臣(中山太郎君) 私の申し上げたのは、そんなに何年も研究するという意味じゃありません。できるだけ早く研究して結論を出して、そういう人たちの落ちこぼれがないように前向きに考えてまいりたい、こういうことでございます。
#113
○安武洋子君 では次に、扶助料関係で圧倒的に受給者が最低保障額を受給しているというふうなことなんですけれども、最低保障額の適用者は各種類別にどれぐらいいるか、どれぐらいの比率になるかということをお答えいただけますでしょうか。
#114
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給の種類別と申しますと非常に細かくなるんですけれども、普通扶助料と公務扶助料ぐらいでよろしゅうございましょうか。
 公務扶助料で申し上げますと、現在最低保障で公務扶助料を受けておられる方が六十一万七千人でございまして、これは全公務扶助料受給者の約九九%に当たります。それから普通扶助料でございますと、現在三十四万三千人の方が最低保障の適用を受けておられまして、これは受給者総数の約八四%に当たります。
#115
○安武洋子君 最低保障額の金額というのはどれぐらいになるでしょうか。
#116
○政府委員(小熊鐵雄君) ただいまの御審議いただいております恩給法の改正案がもし通りますればという話で申し上げますと、この五十六年の四月から、普通扶助料で申し上げますと長期在職者――長期在職者と申しますのは、実際の在職年が十二年以上の方、この方がこの四月から四十七万六千八百円、それから六月になりますと四十八万七千円。それから短期在職者というのがございまして、これは九年以上最短恩給年限未満の方が四月から三十五万七千六百円、それから六月から三十六万五千三百円でございます。それから実在職年が六年以上九年未満の方、これが四月から二十八万六千百円、六月から二十九万二千二百円。それから実在職年が六年未満の方、これが四月から二十三万八千四百円、六月から二十四万三千五百円。それから公務扶助料でございますが、これが四月から百十八万四千円、八月から百二十三万六千円。それから特例扶助料と増加非公死扶助料、これが四月から九十三万九千円、八月から九十八万一千円。こういった数字になります。
#117
○安武洋子君 この恩給法が通ればということで、上がった額でお答えいただいてもきわめて低い額と言わざるを得ないと思うんです。受給者の中には、私のところにも意見を寄せてくださっている方がありますけれども、これなら生活保護を受けた方がましだというふうなことをおっしゃる方もあるわけです。私は、この最低保障額というのは、恩給全体の支給額を引き上げる上でも一つのかなめになると思うんですね。当委員会でも昨年の四月の附帯決議で改善を求めているわけです。私はやっぱりこの附帯決議にこたえるような中身になっていないというふうに思うんですけれども、やはりいまの額というのは、去年の附帯決議に照らし合わせて、一体どういうふうにお思いでございましょうか。
#118
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給改善、いわゆる全体的な調整でございますが、これが、大体公務員給与のベースアップに並んでやっておるわけです。しかも、その中で最も高い兵のアップ率四・八%という改善率。いま四月からと申し上げたのは、この兵の改善率四・八%でやっておるわけでございます。それにさらに積み上げまして、たとえば普通扶助料の最低保障で申しますと、約七%のアップになっております。
 また、公務扶助料で申し上げますと――公務扶助料と申しますのは、これまた戦争未亡人等非常に気の毒なお方でございまして、これが九%のアップとなっております。したがいまして、公務員のアップよりはさらにかさ上げをしておるというように認識いたしております。
#119
○安武洋子君 それ率で見るとそういうふうにおっしゃるかもわかりませんけれども、金額的に非常に私はやっぱり最低保障額というのは低いと思うんです。ですから、これは昨年も附帯決議が出ておりますから、やっぱりこの附帯決議を尊重していただいて、もう少し最低保障額を引き上げるように御検討いただきたいと思います。
 私は、その次にやはり問題と思いますのは、上に厚くて下に薄いというふうな、上厚下薄の問題だろうと思うんですけれども、金額的に下級兵士にはやはり金額としては薄いわけですよ。そうして高級将校には、率ではないですよ、金額的に非常に厚いという恩給制度になっていると思うんです。
 この問題につきまして、私は、総理府の基本的な方針はどういうことなのかということを最初にお伺いいたします。
#120
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給制度というのは昔からずっともう百年ぐらい続いておるわけでございますが、いまの、軍人恩給の場合の御質問かと思いますので、軍人恩給で申し上げますと、かつては各階級別に俸給を決めましてやっておったわけでございます。計算の基礎は、その仮定俸給に勤務年限をかみ合わせて計算しておるということでございます。したがいまして仮定俸給、きわめて低い――戦前ですと、兵隊さんの俸給は月額七円なんという俸給ですから、とてもそんなのは計算の基礎になりませんので、仮定俸給というのをつくってやっておるわけでございます。したがいまして、恩給制度そのもののあり方として、やはり俸給額とそれから勤務年限、これが基礎になっておるわけでございますので、その点で開きが出てくるというのはこれはやむを得ないことではないかというように考えておるわけでございます。
 ただ、恩給というのがやはり生活の一つの支えになっておるという点を考えまして、戦後いろいろ社会保障的な手法を取り入れまして、最低保障制度という考え方を導入して、余りにも低い人にはかさ上げをして差し上げると、こういうことで処置してまいっておるわけでございます。
#121
○安武洋子君 上と下と開きがあるというのは、それは当然でしょう。しかし、この上と下の開きが余りにも大き過ぎると。そして上に手厚くなると、下が薄いというふうなことで、いままで一定の是正措置を講じてこられておりますでしょう。やはりそれをお認めになったからこそ是正措置を講じてこの間を詰めようというふうになさってこられていると思うんです。こういうことを今後もやはりおやりになるのかどうかということを基本方針としてお持ちかどうかということを私はお伺いしております。
#122
○政府委員(小熊鐵雄君) 最初の問題の上と下の開き、これは確かに縮まっております。戦前で申し上げますと、大将で言いますと、兵の十六・七倍というふうなものだったのですが、もちろん大将の方はいまちょっとおられないようですけれども、現在では六・一倍になっておると、非常に縮まってはきております。
 それと、次のいろんなその是正措置をとってきたではないかと、これはその是正になっておるわけでございますけれども、手法としては、公務員の給与、これの改善率、これは五十年までは改善率そのままを掛けてきたわけですが、五十一年から改善傾向も入れて改善を図ってきたと、その結果が上薄下厚ということでずっと続いてきておるわけでございます。で、この方法は、やはり元公務員であった方々の恩給でございますので、現職公務員のそういった改善の率あるいは傾向、こういったものをかみ合わせて改善していくというのは非常にいい手法ではないかと思いますので、今後ともそういったやり方でやっていきたいと、このように考えております。
#123
○安武洋子君 だから、そういうことを勘案しながらこういう間隔というんですか差ですか、それを詰めていって、やはり是正措置を講じていこうというこの基本方針はお持ちなわけでしょう。ないんですか。いままでそういうふうに是正措置を講じて、十六倍というふうなのを六・何倍かにやっぱり縮めてこられた。そういうことで、今後もそういう上の、金額的にとっても上の方は多いですね、いまでも六倍というふうなのがありますから、こういう差をやはり縮めていこうという、そういうふうな基本方針を私はお持ちじゃなかろうかと思うんです。違うんですか。
#124
○政府委員(小熊鐵雄君) いまの上薄下厚にだんだんしていくというのは、一つにはやはり、先ほど申し上げました恩給が生活の支えであるという点から、余り低い人はやはりだんだん上げていかなければならないという考え方から出てきておるわけでございます。
 それからなお、念のために申し上げますと、いまの六倍と申し上げましたのは仮定俸給の比較でございまして、先ほど先生お話がありましたように、仮定俸給で非常に低い人は最低保障でかさ上げをしておりますので六倍よりもっと縮まってまいります。
#125
○安武洋子君 それで今度の改正ですけれども、高齢者の優遇措置として長期在職の旧軍人とか、またその遺族で七十歳以上の者、この人たちの仮定俸給年額、ことしの十月から一律に二号俸アップするということになっております。これは概算要求では四号俸を引き上げるというふうに要求をなさっていたようですけれども、二号俸アップにとどまった理由というのは一体何なんでしょうか。
#126
○政府委員(小熊鐵雄君) これは四号俸のまず概算要求をしたというのは、四十八年に文官の方々に対してその優遇措置として四号俸アップを行ったわけでございます。その際、軍人については処置しておらなかった。しかし、やはり文官優遇であるとか軍人優遇であるとかいうことじゃなくて、高齢者優遇というたてまえから言えば文官と同じ措置をとるべきではないか、こういった考え方から四号俸アップの概算要求をいたしたわけでございます。ただ先生御承知のように、その後非常に厳しい財政状況の中で恩給内部のいろんな均衡を考えまして、やはり二号俸でこの際はとどめるべきではないか、こういうことで二号俸に決まったわけでございます。
#127
○安武洋子君 大蔵省いらしていますか。――大蔵省にいまと同じことをお伺いしますが、この概算要求で四号俸の引き上げなんですね。それが二号俸アップにとどまってしまっておりますけれども、この理由は大蔵省としてはどういうことなんですか。
#128
○説明員(安原正君) 四号のアップの御要求に対しまして二号アップにとどめた理由でございますが、ただいま恩給局長からお答えになったとおりに考えておりますが、若干補足さしていただきたいと思います。
 御案内のとおり、五十六年度予算は財政再建を強力に進めるということで、できるだけ歳出を抑制するということで編成されたわけでございます。こういう厳しい状況のもとにおきまして、五十六年度の恩給改善につきましては限られた枠の中で重点的な改善を行うという考え方をとったものでございます。すなわち、先ほど来御議論がありますように、現職公務員とのバランスをとるということから、公務員給与の引き上げに準じた恩給年額の改定、それから各最低保障額の引き上げあるいは傷病恩給の引き上げ等に重点を置いて行うという事情が一つございます。
 それから、お尋ねの旧軍人及びその遺族の方について見ますと、いま申しましたような恩給年額の改定あるいはその最低保障額の引き上げというのは皆均てんするわけでございまして、かなりの給付改善になっておるものと考えておるわけでございます。先ほどもちょっと御議論がありましたように、たとえば公務扶助料の受給者の方について見ますと、最低保障額で約九九%がカバーされている。それから普通扶助料につきましても、先ほど恩給局長から御説明がございましたように八四%カバーされているというような状況にございますので、いまお尋ねになっております措置は、普通恩給とかあるいは普通扶助料の受給者の中で相対的に支給額が高い方の改善の問題であるというぐあいに認識しているわけでございます。
 ただ御指摘のとおり、文官と旧軍人との間で格づけの状況が若干異なるという事情がありますし、それからこの具体策と申しますのが老齢者の優遇という目的でございますので、何らかの措置を講ずる必要があるということでわれわれも考えたわけでございます。ただ、いま申しましたような全体の状況を踏まえまして、現下の状況のもとにおいては二号俸アップが適切な措置であるというぐあいに考えて措置さしていただいた次第でございます。
#129
○安武洋子君 いろいろとおっしゃいましたけれども、御答弁の中にもあったように、高齢者の優遇措置というのはこれは文官でも軍人でも私はやはり同じだろうと思います。ということは、四十八年に文官は四号俸アップしているわけですから、当然軍人も四号俸アップとして措置をする、ずれてしまっていますからね。それで私はなかなか平等とはいかないと思いますけれども、やはり軍人も四号俸アップということで高齢者優遇という観点から見るなら措置をするのが当然だと思うんですよ。
 そこで、総理府としては来年度の概算要求でこの二号俸アップというのは要求なさるおつもりでしょうか。
#130
○政府委員(小熊鐵雄君) 先ほど申し上げましたように、四十八年に文官四号俸、これもしかも先生おっしゃるように老齢者の優遇措置ということで処置してまいっておるわけでございます。したがいまして、今回の二号俸アップではなお二号俸のギャップがあるということはこれは確かでございます。したがいまして、恩給局としては、やはり理屈からいいましてもこの二号俸のギャップを埋めたい、そういった努力をしたい、このように考えておるわけでございます。
#131
○安武洋子君 それじゃ大蔵省、四号俸アップをことしは二号俸カットしてしまっているわけです。ですから、来年度につきましては二号俸アップを当然認めるべきだ、もう時期もずいぶんずれていますしね、私はそう思いますけれども、いかがお考えですか。
#132
○説明員(安原正君) 五十七年度予算は、御案内のとおりさらに財政再建を強力に進めるということで、できるだけ歳出を抑制していくということに相なるんではなかろうかと考えておるわけでございまして、ただ御要求が仮にあるといたしましても、そういう全体の状況を踏まえ他の諸施策との優先順位等を考える必要がございますので、いまこの段階で恩給改善について云々することは差し控えさしていただきたいと存じます。
#133
○安武洋子君 こんなところにいかに財政が苦しかろうとしわ寄せを持ってくるべきではありませんよ。やはり若いときに苦労されてこられた方たち、そして老齢者の優遇措置なんですからね。私は、そういう大蔵省の姿勢というのはおかしいと思います。だから、やはりこういう要求が出れば大蔵省としては当然認めるべきだというふうなことを申し添えておきます。
 こういうふうに高齢者の号俸アップですね、これ自体私はもっと促進すべきが当然だと思いますけれども、しかしこれは一律アップ、一律アップというふうなことにしていきますと、やはり金額的に見れば上厚下薄という現象が生まれてきます。兵とか下級将校のほとんどが最低保障額の適用者であるということがありますけれども、高級将校の場合とこれやっぱり大分違うと思うんですね。普通恩給のアップ率は七%、二号俸アップした長期在職者で七十歳以上で仮定俸給、たとえば大佐の場合と、こういうことですとアップ率はベア分も含めまして一体どれぐらいになるんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
#134
○政府委員(小熊鐵雄君) いまの大佐の場合でございますが、これは仮定俸給は現在六十号俸でございまして三百六万一千五百円でございます。これが四月から六十号俸につきましては四・四%のアップになりまして三百十九万五千四百円になります。それから、十月からこれが二号俸アップで六十二号俸になりますから、これが三百四十七万四千百円、二二・五%のアップでございます。
#135
○安武洋子君 私はやっぱり一つの矛盾があらわれていると思います。最低保障額、これを引き上げるとか号俸の一律引き上げというふうなことではなくて、下に厚く上に薄くとか、こういう引き上げ方をしないと、やっぱり上が厚くなって下が薄くなるというふうに、いろいろ是正をされてこられてもせっかくの是正が後戻りしてしまうというふうなことを考えるわけです。そういうことも考慮に含めて私は高齢者の優遇措置というのを講じていかなければならないんではなかろうかというふうに考えますが、そういう点はいかがでしょうか。
#136
○政府委員(小熊鐵雄君) 一つ誤解があるといけませんので申し添えますと、ただいま申し上げましたのは仮定俸給のアップでございまして、私どもいろいろ現実に見ておりますと、たとえば大佐の方というのは、普通からたたき上げて大佐になって何十年もいるという方はほとんどいないわけでございまして、大佐といえばもう職業軍人、ほとんど十年、十数年という方が多いわけでございます。したがいまして、そういった方の恩給額がそうなっておるというように受け取られるとちょっと違うんじゃないかという気はするのでございますけれども、その点ちょっと申し添えておきます。
 それで、先ほど来申し上げますように、最低保障と申しますのは、原則的な計算をやりまして、それでどうしてもやはりこれは少ないんじゃないかという方にかさ上げをしてあげるということでございまして、その意味でいいますと、本来言えばその原則計算とかさ上げ計算のギャップ、これがまた一つの改善と考えていいんじゃないかというようにも思っておるわけでございます。したがいまして、上薄下厚にするために特段にまた何か積み上げるという御質問の趣旨かと思いますが、非常に恩給制度としてはむずかしい問題じゃないかと思います。
#137
○安武洋子君 ただ一律にアップ、アップというふうなことだけで考えていくと、やはり金額が高いところに一律アップですと厚くなっていくわけで、薄いところは薄いというふうになるので、高齢者の優遇という措置を考える場合には、ただ一律アップというふうなやり方だけでなくて、やはりそういう上厚下薄を生んでしまうというふうな現象も見逃すことなくやはり私は措置を講じられるべきではなかろうかと、そういうことを申し上げているわけです。
#138
○政府委員(小熊鐵雄君) 基本的には、先ほど来申しますように恩給の改善、これは上薄下厚というか、なるべく下の方に厚くなるように、いわゆる率で何%というんじゃなくて、なるべく何%プラス何円というような実額を積み上げてそのギャップを埋めていくという手法をとっておるわけでございます。ただ、いま先生も申されましたように、これは高齢者に対する優遇措置でございまして、必ずしも上を優遇するとかいうような措置じゃございませんので、その場合、果たして上をこうして下をさらに高くするというようなことが妥当かどうかということはもう少し検討、研究しなきゃならない問題じゃないかと思います。
#139
○安武洋子君 ちょっと言いたいんですけれども、時間が迫ってきているので、傷病恩給について伺っておきます。
 増加恩給というのは、公務員が公務のためにけがをして、また病気にかかったりして重度障害を負ったとき、それからまた退職後に重度障害になったときに支給されるわけですけれども、改正案で、たとえば受給者が六十五歳以上で第二項症を適用されていて、扶養家族に妻と二人の子供がおりまして、普通恩給の最低保障額を受給している兵で、受給金額というのは年に幾らになるでしょうか。
#140
○政府委員(小熊鐵雄君) 増加恩給でございますが、今回の改善を経ますと、基本額として八月からは三百八万六千円。さらに、この増加恩給というのは、そもそもが増加恩給を受けるような非常に、項症と言っておりますが、こういった重い方にはその年限のいかんにかかわらず普通恩給を出すというシステムになっておりまして、普通恩給がつくわけでございます。それで、仮に、兵と先生申されましたので、そう長い年限おられたとは思えませんので、たとえば六年ぐらいに考えますと、普通恩給が三十七万四千五百円、それからさらに奥さんがおられるわけですから、妻加給が十三万二千円つきます。それから、子供が二人ですから八万四千円つきます。それから、二項症という重い方には特別加給、これは現行十八万ですが、今度の改善で二十一万にすると、こういうことで二十一万円加えますと、総額三百八十八万六千五百円になります。
#141
○安武洋子君 それでは、いまと同じ例なんですけれども、その受給者が死亡した場合、増加非公死扶助料、これが扶養家族に幾ら支給されますでしょうか。
#142
○政府委員(小熊鐵雄君) これも五十六年度額で申し上げますと、八月に百六万五千円になります。
#143
○安武洋子君 これね、先ほどの御答弁で三百八十八万六千五百円、それが死亡しますと百六万五千円なんです。非常に受給額が大幅にダウンするわけですね。三百八十八万ですか、それから百六万というふうに。私は、ダウンするのはそれば仕方がないとは思います。しかし、それにしても余りにも大きなダウンの仕方だろうと思うんです。ですから、受給される方から見ますと、これは生活に大きな変化を来すということになり、大変な事態になるのではなかろうかというふうに思います。いつまでとは言いませんけれども、遺族が生活設計を立てる一定期間何らかの経過措置を設けて、なだらかに段階的にダウンをしていくというふうなやはり措置を私はとる必要があるのではなかろうかと、四分の一近いダウンですからね、そういうふうなことを考えますけれども、この点いかがお考えでございましょうか。
#144
○政府委員(小熊鐵雄君) 増加非公死扶助料と申しますのは、増加恩給を受けておられた方がほかの全く公務と関係のない交通事故であるとかあるいは高血圧であるとか、そういったことでお亡くなりになった場合の扶助料でございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたように、増加非公死扶助料というのがなぜ出るようになっておるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、項症、非常に重い病気の方、この方には年限のいかんにかかわらず普通恩給を出すということになっておりまして、普通恩給の場合死んだ方には扶助料が出る、こういうシステムでずっと発展してきたわけでございます。
 したがいまして、かつて大正十二年に恩給法ができた当時は普通恩給部分の二分の一、半分しか出なかったわけでございます。その後、非常に重い病気で苦労されたということで、普通恩給の半分では余りにも低いのではないかということから、昭和八年に普通扶助料の三割増しという金額にいたしまして、これも、いま先生おっしゃったように、ある期間だけ余りに減ってもあれだからということで、五年間だけ三割増ししましょう、こういうような制度で来たわけでございます。
 最近になりまして、この率がどんどん高くなりまして、現在では普通恩給の、これも兵の場合は非常に高いんですが、兵の場合で三・四六倍という計算方式になっておるわけです。上の方にいきますともっとも一・七三倍というような非常に低い率になりますけれども、そういったことでかさ上げをしておるわけでございます。これに、こういった基本的な計算でなおある一定額に達しない方に最低保障額として先ほど申し上げたような金額が出る、こういうことになっておりますので、単に金額が多いのから少なくなったから、そのギャップを埋めろというのは、やはり恩給制度自体にはなじまないことではないかというように考えておるわけでございます。
#145
○安武洋子君 制度自体になじむかなじまないかというそれは問題はあると思いますよ。しかし、私はやはり現実問題として、こういう遺族の人たちが大変な状態になるというふうなことで、こういう検討もやはりしてみてくださいということを申し上げでいるわけです。残念ながら質問時間が短くなりましたので、大変質問を残してやめざるを得ないわけですので、ひとつその点を御研究もいただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。
#146
○藤井恒男君 私は本法に賛成の立場をとっておりますので、きわめて限られた問題一、二についてお尋ねしたいと思います。
 その一つは、恩給並びに共済年金の年金額が恩給の調整規定、昭和四十一年に設けられて以来何度か改定が行われておる、その改定が行われた内容、同時にどういったポリシーでその改定が行われてきたのかということについて概括的に御説明いただきたいと思います。
#147
○政府委員(小熊鐵雄君) やはり恩給年額の調整というのは、実質価値を維持しなきゃいかぬじゃないかというようなことから改善を行ってきておるわけでございます。先生御指摘のようにずっといろんな手法でやってきたわけでございますが、四十八年からはやはり元公務員であった方の恩給の改善でございますので、現職公務員の改善に合わせて改善していくというのが妥当ではないかということで、四十八年以降公務員の給与改善率を使ってまいったわけでございます。ただ、その場合一律でやりますと、先ほど来話もちょっと出ていましたように上厚下薄ということになりますので、五十一年からは改善傾向も取り入れた方式で改善をすると、こういうことにいたしてまいっておるわけでございます。
#148
○藤井恒男君 そうすると、現在の俗に言う回帰分析方式ですか、この方式が一番現職公務員の額にスライドした適切なものという判断を持っておるわけですか。
#149
○政府委員(小熊鐵雄君) いま申し上げましたように、やはり公務員の改善、しかもその改善傾向をあらわす回帰分析方式による改善率の算出、これがやはりいま私どもが考えておる一番いい方法ではないかというように考えておるわけでございます。
#150
○藤井恒男君 総理府で作成する厚生年金、国民年金の年金額の実質価値保全についての物価指数による自動的改定措置というのが行われていますね。だれも来ていませんか。――もしわからなけりゃしようがないんだけど、総理府でこの種の措置がとられておることとの対比ですね。対比というか、どちらがいわゆる実質価値保全ということに即応するというふうに思っておられますか。
#151
○政府委員(小熊鐵雄君) 一般的に申しますと、やはり先ほど申し上げましたように、過去からずっと見ましても物価の高いことありあるいは公務員の給与のアップ率の高いこともあり、いろいろあったわけでございますが、やはり手法としては現職公務員のアップ率、さらにその傾向を加えて考えるというのが妥当であると思います。
 なお、先生いまおっしゃいました物価による調整でございますが、これは恐らく、ちょっとよくわからないんですが、厚生年金の場合の定額部分に物価スライド方式を入れる、こういうお話かと思います。これは私どもの最低保障の算出についても同じく用いておるわけでございます。
#152
○藤井恒男君 ただ最近の、とりわけいま、きょう国鉄のストもなく大体春闘の山を越えたわけでございますが、第一次オイルショック以降の公務員の人事院勧告による改善率と、それから物価上昇が非常に違ってきておる。言うまでもないことだけれども、それまでの間は改善率の方がおおむね物価上昇率を上回っていたわけですね。したがって、五十一年から実施された回帰方式というものは価値保全という面にきわめてよく適応してきたと思うんだけれども、五十年以降、オイルショック以降はこれが逆になって歴年おおむね全国の消費者物価指数の上昇率の方が改善率を上回っておる。逆に改善率の方が物価上界率より下がっておるわけだから、勤労者が常に言うように、実質賃金が逐年低下しておるということですね。そういった状況を反映させる年金の実質価値保全の方式というものが、あなたもいまおっしゃるように一番いいものだというふうになるものだろうか、それは公務員の年金にフィットするということにおいては近い方式かもわからぬけれども、この調整方式というのは実質価値保全でしょう、年金の。であれば、この実質価値保全という立場から忠実にこれを見た場合に、果たしてこの数年間、いま申したように実質賃金が物価上昇率に追いつかないという状況に置かれておるわけなんだから、だからこの年金受給者の実質価値保全というものが果たして保たれておるものかどうか、あなたが言われるようにいまの改善方式というものがベターだと言われることが成り立つのかどうか、この辺どうでしょう。
#153
○政府委員(小熊鐵雄君) 先生いま御指摘のように、確かに個々の年を見ると物価の方が高いことあり給与の方が商いことあり、たとえば昭和四十八年で申しましても物価が一六・一%で改善率が一五・三%ですから若干物価が高いわけですが、さらにその翌年になりますと改善率が二九・三%で物価が二一・八%と、その翌年になりますとこれは一〇・七%の一〇・四%、大体同じようなふうになっている。そういったように高いことあり低いことあり、五十一年以降をとりましても、五十一年は確かに先生おっしゃったように物価の方が高いようになっておりますが、その後五十二年、五十三年とこれはまた給与改善率の方が高いと、こういうふうなぐあいで、私は先ほど申しましたのは、やはり公務員の改善率、これをどこにフィットするかということになりますと、やはり現職公務員の給与改善率にフィットするのが適当ではないのかというように考えるわけでございまして、これがことしは物価が高いから物価にしよう、ことしは給与改善率の方が今度はよくなったからそうしょうというやり方よりは、何かにフィットしておいて――これは恩給制度の一つのやり方でございますので、そう制度をしょっちゅう変えるというのはいかがなものかというように考えるわけでございます。
#154
○藤井恒男君 それはあなたがいま認識されておるように毎年入れかわっておるということだから、平均していけば大体フィットしておるのだということだけれども、そのような認識ならそれが正しいのだけれども、それはあなた間違っておるので、この数年間はそんなにでこぼこじゃないんですよ。それはもう去年もおととしもずっとこの五年ほどは物価上昇率の方が高いんですよ、改善率より。違いますか、あなたの言うように毎年こうなっていますか。
#155
○政府委員(小熊鐵雄君) 私の資料ちょっと違うのでございますけれども、これは改善率ですから、しかもそれ……
#156
○藤井恒男君 ちょっとそれ書ってください。そうであればまた私考え方変えなければいかぬのだけれども。
#157
○政府委員(小熊鐵雄君) それではちょっと数字で申し上げますと、五十一年から申しますと給与改善率六・九%、それに物価が九・四%、それから五十二年が給与改善率が七・〇%、それから物価が六・七%、それから五十三年が給与が三・六%、物価が三・四%、これは物価対前年度比でございます、年度比較でございます。それから五十四年が給与が三・五%、物価が四・八%、五十五年がこれががくっと低くなりまして給与が四・四%……
#158
○藤井恒男君 五十五年は。
#159
○政府委員(小熊鐵雄君) 給与が四・四%で、物価はこれをつくった当時は七%という見通しで書いておりますけれども、現在はもっと高くなっておると思います。七・八ぐらいになっておるかと思います。
#160
○藤井恒男君 これは私の持っておる資料とはいささか違うんで、あなたの言われた資料の中ででこぼこと言っても、五十一年の場合には改善率の方が低いわけでしょう。改善率の方が低いわけですね。六・九%に対して物価は九・四でしょう。五十二年が、あなたの数字で言うと改善率の方が高くなっておる。しかし、われわれから見れば別な数字がここにあるわけだけど、これはいささか数字が違う。数字が違うけど、概してこのオイルショック以降の傾向に、とりわけ今回のように半分ですわな、五十五年の場合、七・八%。これはもう明確なんだから。こうなってくると、私はあなたが言われるように、最も公務員にフィットした状態とは言いづらいと思うんだけれども、このあなたの言われる数字というのはどこの数字ですか。どこからの数字ですか。
#161
○政府委員(小熊鐵雄君) いまちょっと申し添えるのを忘れたんですが、いま申し上げた数字で四十九年度までは全俸給表の数字でございます。そのアップ率でございます。五十年度以降申し上げたのは行(一)の俸給表の平均改善率でございます。
#162
○藤井恒男君 それは数字の魔術みたいなもので、それはやっぱり傾向値をあらわす場合には傾向を見せるわけだから、やっぱり同一基準に基づいて傾向を示さなければいかぬのじゃないですか、どうなんでしょう。
#163
○政府委員(小熊鐵雄君) これは恩給との関連で出した数字でございまして、五十年から行(一)の俸給表の平均を使ってやっておるわけでございます。そういう関係でこれ出しておりますので、これ全体の整合性というのがちょっとあるいはないかもしれませんけれども……。
#164
○藤井恒男君 これは私、数字を一遍合わして見てみなきゃいけないと思うんだけど、要するにこの調整規定というのは、恩給及び厚生年金の年金額の実質的な価値を維持するという調整規定である。そのために最も的確な方法を毎年毎年朝令暮改で変えるのはそれは問題があろうけれども、私が少なくとも持っておる数字で言えば、オイルショック以降この数年間というのはだれが見ても給与というものが物価に追いついていない。これはもう一般的な常識であって常に物価の方が先行しているわけなんだから、だから年金生活者が生活するに当たって、しかもその実質価値を維持していこうとすれば、やはりこれは物価にスライドしていく方式をこの際とっていかなきゃいかぬ。いまの制度が一番いいんだと言ってじっとほうっているという手は私はないと思いますが、そういった検討をする考えがあるのかないのか。私は、合理的な基準というものを何か求める手だてを講ずべきじゃないかというふうに思うんだけれども、いかがなものですか。
#165
○政府委員(小熊鐵雄君) 仮定俸給の改善につきましては、決して現在そのままで果たしてこれはもう完全無欠なものだと、完璧なものだというふうに考えているわけではございませんので、もちろん諸般の情勢をいろいろ見ながら今後とも研究していかなきゃならない問題であるというようには考えておるわけでございまして、何もいまのままを固定してもうずっと今後ともいくんだという考えは持っておりません。
#166
○藤井恒男君 やはり高齢者が非常に多い年金生活者の生活実態というものを、これまで広範な人を抱えておる受給者、対象者がおるわけだから、私は少し細かく分析して、いわゆる年金生活者の消費生活実態というようなものをもうちょっと検討して合理的な方式というものを考えていいんじゃないかと思うんですよ。全体の対象人員あるいはこの原資規模から見ても、ちょっと私はおざなりに過ぎるという気がします。重ねてこのままでいくのか、そういった面、一度メス入れてみるのか。もうすでに現在の方式が数年たっておるわけでしょう、五十一年からの方式だと思うんで。どうですかその辺。
#167
○政府委員(小熊鐵雄君) もちろん先ほど申しましたように、仮定俸給については今後とも研究を続けてまいるわけでございますが、ここすぐにまた物価に移るとか、そういったことをちょっといま考えにくいんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
#168
○藤井恒男君 これは一度、もう少し数字などについてもこの出所なども明確にして知らしてもらいたいと思います。私も勉強さしてもらいたいと思いますので。
 次に移りますが、公務関係扶助料の問題について、昭和五十六年八月から戦没旧軍人の遺族の置かれている特別の事情を考慮して、さらに特段の上積み、年五万二千円の増額を行ったと、この特別の事情を考慮してという、この特別の事情というのはどういうものであったか、ちょっと教えていただきたいと思いますが。
#169
○政府委員(小熊鐵雄君) 公務扶助料受給者というのは大体半分が父母でございます。もうすでに七十何歳という父母の方でございます。非常に高齢者が多いということ。それからやはり戦争未亡人の場合でもその間非常に苦労されたと、こういった状況が他の恩給受給者の場合と若干違っておるんじゃないか、そういった特別の事情を配慮して特段の改善を図っていくと、こういう趣旨でございます。
#170
○藤井恒男君 それは、特別の配慮というのは恣意的なものであって、数字も何もないんですか、つかみですか。
#171
○政府委員(小熊鐵雄君) これはいろいろほかの、たとえばいまの自衛官の方が亡くなった場合の数字であるとか、そういったものをにらんでおるわけですが、恩給受給者といいますか遺族の方方からの要望としては、実は五十五年までは月額十万円欲しいと、十万円にしてもらいたいと、こういうような要望があったわけでございます。今度の五十六年度には月額せめて十二万円欲しいと、こういうような要望もあったわけでございます。そういった要望等も踏まえまして、いまの段階で月額十万三千円というのは妥当な数字ではなかろうかと、このように考えたわけでございます。
#172
○藤井恒男君 それは遺族の方全部にアンケートをとったんですか。遺族の方々の要望と言うけれど、遺族の方々全部アンケートとったんですか、それは。あるいは審議会か何か持っておるのか、あるいはそれを十万円欲しいあるいは十二万円欲しいというのはだれですか。
#173
○政府委員(小熊鐵雄君) 遺族の方々の団体がございまして、そこでいろいろ議論されているんだろうと思います。その結論だろうと思っております。
#174
○藤井恒男君 だろうと思うということは、風の便りに聞くわけですかあるいは交渉しておるんですか、どうなんです。
#175
○政府委員(小熊鐵雄君) 遺族会という団体がございますので、恐らく数人の人がこうしようなんというんじゃなくて、やはり皆さんの総意を集めてそういうような要求なり希望なりが出てくるんだろうと思います。もちろん、そういった希望だけでやっているわけじゃなくて、私ども自衛官のいろんなものを計算した結果、やはり十万三千円が妥当であろうと、こういう結論を出したわけでございます。
#176
○藤井恒男君 現在、公務扶助料の毎年の最低保障額を増額する、いまあなたおっしゃったように、欲しいと言っておる、そういった意見があるということで、これ改善が図られておるわけだけど、実態としては公務扶助料の九九%は最低保障額になっておるわけでしょう。その金額もきわめて大きなものであって、約五割を占めるぐらいの規模じゃないでしょうか。いずれにしても私は十万三千円というものが高い、低いということじゃないのであって、それを決めていく、毎年決めていくに当たってその団体とあなた方が団体交渉をやっておるのか、あるいはそれを仮に悪い言葉で言うと、圧力団体があって押しかけていってみんなの意見がこうだから今度上げなきゃいかぬと、こうやっておるのか。私はその辺もう少し明確に知りたいんですよ。どうやって決めておるんだ、一体だれが決めているんだ、だれの意見なんだということをもう少し知らしてほしい。
 というのは、やっぱりいまの先ほど来論議した調整方式なども一定の算式をもってこれやっておるわけですよ、いい悪いは別として。だから、この公務扶助料の問題についても何か合理的な第三者にも得心のいく、合理的なやっぱり算式というものをつくらなければいけないんじゃないかという気がしておるから、私内閣委員会には日が浅いんでいままでの経過知りませんけれども、きわめて一部の団体が物を言って、そしてそれに乗っかって全体を律しておるというような形でやっておるなら、これはやっぱりいかがなものかと。もう少しガラス張りで得心のいく数式というものがあっていいんじゃないかという気がする。公務扶助料の受給者約六十万人でしょう。その総額が七千二百億、だからこれ恩給予算一兆六千四百億の約半分ですよ。だから一部の人間じゃないですよ、これ。大変な人たち、六十万人。恩給総額の一兆六千四百億の約半分、七千二百億、それを決めるのにみんながこう言っておるからこうするんだ、ああするんだというようなことじゃ、それは私は問題だと思いますよ。その辺どうですか。
#177
○政府委員(小熊鐵雄君) いまちょっと手元にあれがないんですけれども、やはり戦死されてからいままで公務扶助料を受けられた総額、こういったものを見ますと、やはり十万ぐらいにすべきではないかというような計算、といって、はっきりした算式で計算しているわけではございませんが、そういった数字が出てくるわけでございます。現職の警察官が亡くなった場合、何千万かの金が出るわけでございますが、遺族の方々がいままで受け取った金額全部合わせましても、もちろんこれは物価調整しなきゃいかぬとは思いますけれども、恐らく六百万か七百万、そんな数字じゃないかと思うんです。
 そういった点から確かに圧力を感じているわけではございませんけれども、十二万という数字もむちゃな数字、圧力をかけてとるべき数字というふうには考えていないわけでございまして、これはこの前もどなたか先生の御質問で自衛官の場合の数字も申し上げましたけれども、それに比べても特別公務で比較しますとまだ低いというような状況になっておるわけでございます。
#178
○藤井恒男君 これは論議しておってもなんだけれども、要するに、公務扶助料を受給しておる方たち、それは日本の国全体が、そしてきわめて広範な方たちが支えていかなきゃいかぬ問題だと私は思うんですよ。だから特定のものじゃない。であるなら、私はやっぱり公務扶助料の改善方式というものを国民の前に明確にしてその人たちにきちっとした形をとってあげるべきだと。そのときそのときの状況に応じてやっていくというようなことじゃ先ほど言ったような大きな数字でしょう、それは恩給予算の将来なんて見通しも立たぬですよ、これ。恩給予算の半額占めておるんだから。だからもっと私は一部の団体だとか、その団体と話し合って、十万三千円が高い、低いと言っている問題じゃないですよ。本当にその人たちのことを思えばそれは十五万でもいい、二十万でもいい、その基礎をやっぱりつくって国民の前に明示しなければ。それがあたかも遺族会なら遺族会という形、それだけのものだというふうな形でやっていくことは私はよろしくないと思う。
 だから、十万三千円が私は高いなんてひとつも言っていないんですよ。もっとそこを国民のものなんだから、遺族の方たちは国民の遺族ですよ。そういう温かい気持ちでやっていくためには、その改善に対してもう少し血の通ったきちっとしたものでその人たちの生活も予測できるようにしなければ私はいかぬのじゃないか。十万円欲しい、もちろん物価どんどん上がるんだからいつまでも十万じゃないですよ。その次十二万欲しい、後追いでだから十万三千円が現在妥当だというのは、それは私は大変失礼なやり方だと。もっと明朗にやっていったらいかがかと私は思いますね。そのためにはいまのような、あなたは恣意的じゃないというふうにお考えでしょう、それにはそれなりの根拠を持っておるというお考えだろうけれども、外から見ればその根拠は何だと。いや、皆さんが十万欲しいからですと、今度十二万欲しいからですと。なら国家財政によって変動していくのかということにもなりかねない。だからここはやっぱりきちっと私はすべきだと思うけれども、どうです、大臣。
#179
○国務大臣(中山太郎君) 先ほどから恩給局長が御答弁を申し上げておりますが、去年私が総務長官に就任いたしました際も、ちょうど概算要求の時点でございまして、やはりこの数値の概算要求における大蔵当局との折衝で、恩給局長を中心にわれわれも非常な激しい話し合いを続けたわけであります。いまの御指摘のように、一体これでいいのかどうかという原則論というのをはっきりしよう、しかも、それを国民みんなが納得できるような形でするべきじゃないかという先生の御指摘は、私は一つの権威ある識見だと思います。
 ただ、去年の概算要求時点で出ました意見の中には、たとえば通り魔事件の補償の金額ですね、何も国家のために奉仕をしていない、それでバスの中で殺された、それに対して国民の税金を政府は弔慰金として出すと。そういう金額と、赤紙一枚で国のために命をとられたという遺族に対する弔慰金との差が低いじゃないかという声は遺族の方々から激しくございました。そういうことで、そういう方々に御納得をいただくといういろいろな話し合いの中で、できるだけの努力をする。それに大蔵当局もひとつそういうふうなことであれば、物価の上昇等もあるからこういう線でということで、この数年間いろいろと話し合いが続けられてきたと私は確認をいたしております。
 ただ、これからどうするかという問題につきましては、先生の御提示いただいたお考えというものも私どもとしては研究をさしていただきたいと、このように考えております。
#180
○藤井恒男君 それじゃひとつ、この国民みんなが得心のいくような合理的な改善の基準というものを一点見出すような勉強をしていただきたいと思います。
 最後に、これはきわめて私、恩給関係には素人でございますので、素人っぽい意見かもわからないが、大臣のお考えをお聞きしたいんだけれども、この法律を読んでみればみるほど非常にわからない。過去の長い歴史の中で、恩給からずっと公務員の共済年金に移行して、それが併託されてずっと来ておる。だから同僚の山崎委員にも私いろいろ教えてもらっておるんだけれども、法律を見るだけじゃその全体像がつかめない。
 私は民間のこれ出身だから思うんですけど、たとえば民間の企業が合併する――たとえばいまの新日鉄の前は富士鉄と八幡製鉄だと、あるいはいまの東洋紡の前は呉羽紡と東洋紡だと、ユニチカの前はニチボーと日本レーヨンだと、こういった大手企業が、何十年という歴史を持っておる状態が合併する。それぞれの企業には本来古来の労使慣行もありましょうし、賃金の決定基準もあるし、昇格昇給基準もある、退職金もある、年金もある。それが一緒になってそれを併託して処理しておったら、企業はつぶれますわ、これは。だから少なくとも三年ぐらいには、みんなこれ利害が絡まる問題であろうとも、きちっとこれを整理して一つのものにしておるんですよ。その努力をみんなやっておるわけだ。言葉をかえて言えば、それは合理化かもわからないし、あるいはいまいうところの行政改革かもわからない。きわめて大ぜいな員数を抱えておることであろうとも、コンピューターもあることだし、何か、一本化ということで、だれが見てもわかる――私、いま年金を、現に恩給をもらっておる人にこの間も聞いたんだけれども、あんたどういう基礎でそれをもらっとるか知っとるかと言ったら、それはわからぬ。こういうような状況では非常によくない。膨大な職員がこれにタッチしておるんでありましょうし、大蔵省にもそして総理府にも。何かこれを一本化するようなことをこの際抜本的に考えてみる、そのために一時的に原資を必要としても、長期的に見れば私は改革になっておるんじゃなかろうかという気がするわけです。
 きわめてこれは素人の目からのことでございますから、いやとってもそんなものじゃないんだということかもわかりません。しかし、今回この法律を読ましていただいて率直に感じておることなので、アイデア大臣と言われる総務長官でございますし、一体、あなた自身もそうおわかりじゃないと思う立場から、これをどう見るか、一遍その辺のところをお聞かせいただきたいと思うんだけど。
#181
○国務大臣(中山太郎君) 大臣がすべてをわかっておるわけではございませんで、大臣は大きな政策だけを決定する立場におるんだろうと実は考えております。
 先生御指摘のように、恩給の仕組みというものは非常にむずかしい仕組みになっております。それも戦前、戦後、軍人恩給、それから共済制度というふうに変革の歴史を持っておりますので、そう飛び込んですぐに、三カ月おったから全部わかるとか、一年おって全部わかるというようなことではございません。これはもう率直に申し上げておきたいと思います。しかも、数理計算に基づくものでございますし、また、人事院勧告による公務員の給与の引き上げ等に応じて年々歳々その計算というものをやっていかなければならない。そういう中で、まあ一言で申せば、複雑きわまる仕組みの中でこれが計算をされて大蔵と折衝をされる、こういうふうな過程にあることは御承知のとおりであります。
 私も、もちろん素人でございますからその全部を知り尽くしているわけではございませんけれども、せっかくベテランの数理専門官を総理府は配置いたしておりまして、計算上は万遺漏のないようにやっておることだけはこの機会にはっきり申し上げておきたいと思いますが、将来像といたしましては、何とかこの仕組みをうまく、よりよきものにできないかということにつきましては、社会保障制度審議会等におきましてこういうふうな問題も、年金等については御論議をいただき、しかも各党の御推薦の方もそこに入って御論議いただいているわけでございます。恩給といわゆる共済制度といいますか、そういうものを一緒にしてしまうということになりますと、本来の性質が違いますので、少し現在の時点ではむずかしいと思いますけれども、せっかく第二次臨時行政調査会も発足しておることでございますし、これをさわるとなれば行政機構そのものを大幅にさわらないとこれの一本化ということはなかなかむずかしいだろう、私は率直にそう感じております。
 そういうことで、先生のせっかくの御提言でございますから、われわれの方も引き続きこの問題としては検討課題として努力をさせていただきたい、このように存じております。
#182
○矢田部理君 最後の質問者になるわけでありますが、時間が限られておりますので、ごく基本的な問題について私の方から何点か伺っておきたいと思います。
 最初に、総理府と人事院の双方にお伺いをしたいのでありますが、基本的な性格はそれぞれ異なっているにしましても、民間の賃金、公務員給与、そして恩給、さらには先ほどの年金、いずれも増額等にかかわってはつながっているというふうに考えられるわけでありますが、そのつながりの関係はどんなふうになっているのか、まず説明をいただきたいというふうに思います。
#183
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給と給与のつながりと、こう考えてよろしゅうございましょうか。
#184
○矢田部理君 いや、私は四点申し上げた。民間の賃金と公務員給与、恩給、年金、いずれもその増額等に当たっては連動していると思われるわけですね。そのつながりの関係がどんなふうになっているのかという質問です。
#185
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給について申し上げますと、これは一般的な給与改善、恩給年額の改善、これは公務員給与、これをもとにしましていろいろ計算しまして、回帰方式といいますか回帰方程式を導いて、それに基づいて改善を図っている、こういうことでございます。
#186
○政府委員(長橋進君) 民間給与と国家公務員給与との関係でございますが、人事院は、大体民間の給与改定が最近は四月に行われるのが通例でございますので、したがいまして、四月に支払われた民間の賃金、これを調べまして国家公務員と仕事の種類、それから学歴、年齢、そういった給与の比較をする場合の条件をそろえまして、官と民との給与比較を行いまして、したがって、それで較差があれば公務員給与を民間給与とのバランスをとるということで、較差を埋めるということで国家公務員の給与を決めておるという状況でございます。
#187
○矢田部理君 年金との関係はどうなっていますか。
#188
○説明員(佐々木喜之君) 民間の労働者の年金は厚生年金でございますが、厚生年金は、年金額は在職中の報酬を基礎にしております。したがいまして、在職中の報酬が上昇いたしました場合には、その被保険者期間中の平均の報酬が上がるわけでございまして、それに基づきまして算定される年金の給付も、当然それを反映いたしまして給付が上がっていくと、こういう仕組みになってございます。
#189
○矢田部理君 少し概括的過ぎるんですが、そうしますと、恩給が主体でありますが、帰するところは、民間の賃金あるいは賃上げの幅とか額が基本になって恩給も決まるというふうに考えてよろしゅうございますか。
#190
○政府委員(小熊鐵雄君) 先ほど申し上げましたように、恩給の改善は現職公務員の改善を持ってきておるわけでございます。したがいまして、現職公務員の改善と、あと民間の改善、これは私の方からお答えすべき問題ではないと思いますが、もしそこが完全に連動しておるのであれば、そこから今度は――恩給からそこがある意味では連動してくると考えていいんじゃないかと思います。
#191
○矢田部理君 そこで伺いたいのですが、公務員給与の決め方、人事院勧告があるわけですが、制度上あるいは法制上基準とされている決め方の項目と、恩給額の決定に当たって考慮すべき事情は全く同一なのでしょうか。総理府と人事院と双方から伺います。あるいは総理府から伺います。
#192
○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給の場合は、先生御承知のように、公務員給与の行政職(一)の俸給表を用いまして、これがどういう傾向で改善されておるかということを最小自乗法で計算いたしまして、これを仮定俸給に当てはめていくというやり方、これはある意味ではちょっと特別のやり方かどうかわかりませんけれども、そういったやり方をとっておるわけでございます。
#193
○矢田部理君 どうも私の質問の趣旨をよく理解してないようですが、公務員給与を基準にして言うならば、恩給の額を決定していくと、あるいは仮定俸給を決めるということになりますと、公務員給与の決め方については公務員法で決まっているわけですね、恩給法では、恩給自身を引き上げするに当たっては、こういう基準と事情を考慮すべしというふうに決まっているんです。それは同じなのかと、こう言っているんです。――答弁に手間取っておったんでは三十分程度の時間はどうにもなりませんので、もう少し先走った質問をいたしますと、恩給法の第二条の二で、これは御承知のように、四十三年に新しく創設された規定でありますが、公務員給与だけ考えて決めるべきではない。公務員給与を重視はするにしても、三つの基準、指標を立てて恩給額をあるいは年金額を決めていきなさいと、こういうことになっているんです。
 そうなりますと、いろいろな歴史的な経過があることは私も承知をしないわけではありませんけれども、どうもここ二、三日間の恩給局長の話を聞いておりますと、公務員給与だけに焦点を当ててしまって、物価とか国民の生活水準とかと、とりわけ物価が欠落をしている。先ほど同僚議員の藤井先生からも御指摘があった問題にも関連するわけであります。とりわけこの規定は、公務員給与のほかに物価というものを別の基準として出している、そこが年金の増額等に当たって基本的に考慮されていないのではないか、しんしゃくされていないのではないかという疑問を込めて実は先ほどの質問をしているわけです、いかがでしょうか。
#194
○政府委員(小熊鐵雄君) 先生御指摘のように、いまの二条の二には「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合ニ於テハ」と、こうございまして、いろいろな要素が挙げられておるわけでございますが、現在の改善措置としましては、公務員の給与、これにいろいろな要素が入り込んでおるだろうということと、これは同じ公務員の恩給であり、給与であるということからの関連から、公務員の給与というものをとって改善措置をとっておるということでございます。
#195
○矢田部理君 なるほどその国家公務員法でも、その俸給表を決めるに当たっては、「生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して」云々という規定がありますから、いろんな要素が加味されていることは私も認めないわけではありませんけれども、そうして決められた公務員給与のほかにこの恩給の法律は物価ということを特別挙げてそれを考慮して決めるべしとなっている。だから、公務員給与の中にいろんな、もろもろの要素が入っているから、そこでそれなりに物価も考慮されているからそれに準拠すればいいんだという説明だけは、法の趣旨に忠実な態度、対応になっていないのではないかということを私は指摘をしたい。
#196
○政府委員(小熊鐵雄君) ここにありますような諸事情の著しい変化に応じてというのを、私たち総括的に公務員の給与というもので考えてきておるわけでございます。
#197
○矢田部理君 それがおかしいと言うんですよ。
 振り出しに戻しますが、人事院に伺います。ことしの春闘でもしばしば問題になったわけでありますが、実質賃金の目減りということを言われております。もともと物価プラスアルファということを中心的な内容に民間給与は決まってきました。ところが、この物価というのが政府見通しをもとにして基本的に仕切られてきたわけです。その政府見通しがこの一年間のように狂った場合には、言うならばその民間賃金自身も大幅に目減りをしていると。これを受けた形で公務員給与が出てくる。当然のことながら連動をして目減りをすると。その目減りをしたものをまた恩給につないでいくということでずっと目減りがあるわけですから、そこで、ここでとりわけ基準として掲げられている物価を考慮して恩給額は決めるべきだということを言いたいし、また、そういう総合性を持ってこの法律は運用されていってしかるべきだと考えるんですが、いかがですか。
#198
○政府委員(小熊鐵雄君) 確かに物価の方が高いという現在の状況であることは確かでございますが、やはりこの改善の基礎としての公務員給与、これをとってきたということで、従来も、先ほどもちょっと申し上げましたが、物価よりもちろん高いことがあってもそれは物価で押さえるべきだというこの規定じゃないとも思いますし、いろんな事情を勘案しながら著しい変動が生じたとき改善しなさいというのがこの二条の二の規定ではないかと思いますので、やはり公務員同士の給与の改善、年金の改善、こういったものに公務員のものを用いるというのが適当ではないのかというふうに考えておるわけでございます。
#199
○矢田部理君 先ほど藤井さんからも指摘がありましたが、俸給の改定率より、最近の特徴的な傾向として、消費者物価の上昇率の方が上回っているということが指摘をされました。私もそうだと思うんです。ところが、あなた方の先ほど説明した数値によりますと、俸給の改定率を行(一)だけに限り行(二)を含めていない。行(二)を含めますとますます物価との落差が大きくなると。そのデータがここにあるんですが、どうして行(一)だけやっているのか。四十八年のオイルショック以降物価と俸給改定率との差がこれだけ出てきた状況のもとでは、とりわけこの恩給法で規定をした物価問題を増額の中にもっと織り込むべきだというのが私の見解なんですが、そうはあなた方考えませんか。これは長官としてひとつ見解を伺っておきたいし、今後その傾向が強まってきた場合の措置をどういうふうに扱うかということも含めて、ひとつ長官から見解を承っておきたいと思います。
#200
○国務大臣(中山太郎君) いま恩給局長が御答弁を申し上げましたように、公務員の給与引き上げに関する人事院勧告、そういうふうなことを受けた公務員の給与のベースアップ分と連関させて恩給というものの見直しというものをやってくるというのは、このパターンでございます。先生御指摘のとおり、法律にそういう指示が書いてある、趣旨が書いてあるわけでありますから、政府といたしましてはやはり物価というものが大きく変動した場合には、改めてこの恩給に対する金額の取り扱いについては考える必要が原則論としてはあろうかと思います。
 ただ、こういうふうな物価の上昇あるいは消費者物価の上昇とか、あるいは卸売物価の上がり幅の変動とか、国際情勢が非常に動揺している中で、民間の給与自身も労働組合との間での話し合いも最近は比較的に双方が現在の事情を確認しながら、今回の春闘でもけさのような結果が出てくるというようなことでございますから、政府といたしましても物価上昇というものには重大な関心を持っておりますので、今後は十分こういうふうな点も留意しながらよりよき恩給制度の樹立のために努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#201
○矢田部理君 その点は特に私は申し上げておきたいんですが、もともと公務員の給与よりも一年おくれで恩給の増額が決められるという事情もある。さらには、先ほど指摘もありましたように、この消費者物価そのものが必ずしも老後の、つまり高齢者の人たちの生活実態、消費傾向を反映しているものとは言えない。若い人も含めた一般的な消費者物価というとり方にも少しく問題があるわけです。特に退職前後からは、たとえば住宅等を購入して相当程度ローン等を支払わなきゃならぬ。そこに対する支出もかなり大きくなるというようなことも含めて、やはりこの受給者の消費傾向という問題もあるわけでありまして、そういう点を含めて考えてみますと、物価問題をもう少し位置づけをし直す必要がありはしまいか。
 それから、狂乱物価のときのような急激な変動だと非常にわかりやすいわけでありますけれども、毎年毎年差が出てくる。徐々ではあるけれども、この差が累積すると非常に大きくなるという状況のときには、その年間を通して急激な変化があったかどうかだけではなくて、やっぱり傾向としてその幅がどんどん累積されていくというような状況の場合には、やはり公務員給与準拠というだけではなくて、物価を相当程度織り込んで問題を扱っていくべきだというふうに考えるわけですが、もう一度その点についての見解をお願いしたいと思います。
#202
○国務大臣(中山太郎君) 先生も十分御承知のように、財政事情が非常に逼迫をしておるという日本の経済実態、しかも一方では、好むと好まざるとにかかわらず従来の成長過程における利益の再分配によって、いわゆる働く方々の所得水準も相当上がってきたと、これはもう現実に国際的に評価をされている。そういう中で私どもが、政府として一番心配をいたしておりますのが、このまま果たして高度経済成長ができるかどうかというところに最大の問題点があるだろうと思います。
 私どもの試算で、やはり原告論としては輸出立国以外に方法がない、しかも昭和四十七年と五十五年を比べてみて、輸入の原油代価の支払いが実に十二倍強になっております。四十七年には四十四億ドルであったものが、五十五年度では五百億ドルの代価支払い、しかも、輸入しておる原油最が三億五千万キロリットル昭和四十七年のものが、昨年は二億七百万キロリットルと五分の一の省エネルギーに成功しております。輸出入とも大体千二百億ドルに五十五年度はなっております。しかし、一方では外国からの証券投資とかいろんな問題で千二百億ドルの枠を持っておりますけれども、いつこれが赤字低落をするかわからない。しかも一方においては、この原油価格の引き上げが、すでにサウジも昨日でございましたか、引き上げをいたしました。こういう中で、これから二、三年先の日本の経済というものは実際にどういう変化を起こすか、貧困への階段をいつおり始めるかということがわからないというのが私は率直に申して今日の日本の経済状態だろうと思っているわけです。
 その中で、高齢化社会というものがいやおうなしに進んでいく、年金受給者が物価の変動に応じて生活が非常に衝撃を受けるという実態というものにつきましては、この国会を通じてもやはり高齢化社会対策というものに対する政府の一貫した政策の展開が弱いという御指摘がございましたので、政府といたしましても、先生御指摘のように、高齢化社会における年金のあり方とかそういうものについては急いで検討をし、具体的な政策を納税者である国民に示す必要があろうかと、私はそのように考えております。
#203
○矢田部理君 時間がありませんので、人事院総裁に伺っておきたいと思いますが、春闘も山場を越えた、ある程度官公労の賃金等――官公労といいますか公労協、私鉄等も含めて春闘の妥結が行われてきつつあるわけでありますけれども、人事院勧告は、先ほどからお話が出ておりますように、やがては恩給の額等にもつながっていくという立場から、ことしの人事院勧告等についてはどんなふうに対応されるのか、扱われるのか、今後の検討作業等も含めて御見解を承っておきたいと思います。
#204
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻来お話がございましたが、関連して申し上げておきますと、公務員の給与というものは、非常に多方面に、その程度の差はいろいろあり、また関連性のぐあいにはいろいろ差がございますけれども、波及性あるいは連動性というものは世間の人が考えている以上のものがあるわけであります。いま議論になっておりまする恩給あるいは退職年金のみならず、これはさらには民間でもよく言われます中小企業の関係の一つのめどというようなものにも、最近は特に非常に注目してこれが参考にされておるというようなこともございます。それから特別職、自衛隊の方々もそうでございますし、その他の特別職、なかんずく検察官、裁判官と言われるような方々にも全部これが影響を持っていくという種類のものであります。さらには、数も多いんですが、地方公務員にも当然影響が及んでいく。それぞれ県には人事委員会というものがございますけれども、やはり国家公務員との対応ということが問題になります結果、そういうところにも連動はしていくということで、われわれは常に大変これは重大な仕事を取り扱っているということの認識のもとに毎年作業を非常に慎重にやっておるつもりでございます。
 そういうような前提を置きまして、ことしの場合、公務員給与をめぐるいろんな批判あるいは情勢というものには深刻であり、厳しいものがあることはよく承知をいたしております。ただ、現在のその制度のあり方ということを前提にいたしまする際には、これはやはり公務員の給与というものは、公務員には団体交渉権あるいは争議権といういわゆる労働基本権というものが制約されておる。それの代償的な措置として人事院の給与勧告が設けられておる、厳然たるこれは事実がございます。したがいまして、この制度の大枠が変わらない限りは従来の方針を踏襲していくと、またいかざるを得ない、これが正道であろうというふうに信じておるわけでございます。なかんずく、この問題については皆さん方の大変な御協力、御支援もございまして、給与勧告の実態というのがそのまま政府の方針として受け入れておいていただくという慣行がすでに定着をいたしております。十年にわたって完全に定着をして、そういう意味では安定的な制度に成長しつつあるのではないかというふうに私は確信を持っておるのであります。
 そういう意味から、従来のペースをそのまま持ち込んで今年の場合においても給与の実態調査をいたします。これからかかりまして――いま準備を鋭意やっておりますが、かかりまして、連休明けから六月の中旬までかけて精細な調査をやります。その結果を分析をいたしまして、そこに較差が出てまいりますれば、これは法律の明定するところに従って較差を埋めていただくための給与勧告を出すという作業は、例年どおりこれは続けてまいる、その方針には毫も変わりはございませんということをはっきり申し上げておきたいと思います。
#205
○矢田部理君 そろそろ時間が来てしまったので、実は十問ばかりを聞く予定したんですが、一問で終わりそうになってしまいました。
 特に長官と人事院総裁にお願いをしておきたいのは、やっぱりいまの不況というのは消費不況だというふうにも言われているわけですね。勤労者の購買力が非常に低下をしてしまって、物を買う力が衰弱をしてきたところに、生産をしても物が売れないところが経済の一つのネックになってしまった。加えて恩給等の関係者については、やっぱり老後保障と、いろんな法律的な性格なり意味づけはあろうかと思いますが、という面を多分に持っています。今後高齢者問題をどうするかというのは政治の重要な課題でもありますだけに、その視点も含めて、単に日本経済が厳しくて容易でないというだけではなくて、やっぱりもう一つ別の次元からも、とりわけ恩給とかその基礎になる公務員給与とかは考えていくべきだというふうに思いますので、その点を特にお願いをしておきたいと思います。
 それでは、後の各論を幾つか用意しておったんですが、時間が来てしまったので、総務長官にいまの私の見解等も含めて最後に、恩給の締めくくりでありますので、今後の恩給問題等についての取り組みも含めて、まとめの答弁をいただいて私の質疑を終わります。
#206
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の、急速にやってくる高齢化社会における年金制度あるいは恩給制度等につきましては、政府といたしましては全力を挙げて急いでその整合性を求めながら政策を充実してまいりたい、このように考えております。
#207
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 恩給法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田部君から発言を求められておりますので、これを許します。矢田部君。
#210
○矢田部理君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対しまして、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、速やかに検討の上善処すべきである。
 一、恩給の改定実施時期については、現職公務員の給与改定時期を考慮し、均衡を失しないよう配慮するとともに、各種改善を同時期に一体化して実施するよう努めること。
 一、恩給の最低保障額については、引き続きその引上げ等改善を図ること。
 一、扶助料の給付水準については、さらにその改善を図ること。
 一、加算年の事務処理については、速やかに措置できるよう特段の配慮を行うこと。
 一、戦地勤務に服した旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍看護婦に対する慰労給付金の増額を検討すること。
 一、恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。
 一、外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分の件について速やかに再検討を加え適切左措置を講ずること。
 右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#211
○委員長(林ゆう君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中山総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。中山総理府総務長官。
#213
○国務大臣(中山太郎君) 政府といたしましては、ただいま御決議になりました事項につきまして、御趣旨を体し十分検討してまいりたいと存じます。
#214
○委員長(林ゆう君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#216
○委員長(林ゆう君) それでは速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後六時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時十八分開会
#217
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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