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1980/04/28 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第6号
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1980/04/28 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第6号

#1
第094回国会 内閣委員会 第6号
昭和五十六年四月二十八日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                藤井 恒男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                中尾 辰義君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       行政管理庁長官
       官房審議官    門田 英郎君
       大蔵省主計局次
       長        矢崎 新二君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       厚生省年金局企
       画課長      長尾 立子君
       日本専売公社管
       理調整本部職員
       部長       丹生 守夫君
       日本国有鉄道共
       済事務局長    足代 典正君
       日本電信電話公
       社厚生局長    澤田 道夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査
 (有事法制研究の中間報告に関する件)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国の防衛に関する調査を議題といたします。
 この際、有事法制の研究について大村防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。大村防衛庁長官。
#3
○国務大臣(大村襄治君) 有事法制の研究については、かねてから防衛庁において作業を進めてきておりましたが、今回その中間報告を取りまとめましたので、ここに御報告いたします。
 有事法制の研究は、昭和五十三年九月二十一日の見解で示しておりますように、有事に際しての自衛隊の任務遂行の円滑を図るという観点から法制上の問題点の整理を目的とするものですが、研究の対象が広範であり、また防衛庁以外の省庁等の所管にかかわる検討事項も多く、検討の結果を得るには相当長期間を要するものと考えております。
 したがいまして、今回御報告いたしますのは、現在までの研究の状況と中間的にまとめた問題点の概要であることをお断りいたします。
 まず、研究の状況でございますが、有事法制の研究で対象とする法令につきましては、防衛庁所管の法令、他省庁所管の法令、それに所管省庁が明確でない事項に関する法令に区別いたしまして、このうち、防衛庁所管の法令を優先的に検討するということで作業を進めてまいりました。
 次に、問題点の概要でございますが、これには、第一に現行法令に基づく法令が未制定であるという問題があり、有事の際の物資の収用、土地の使用等について規定する自衛隊法第百三条の規定に基づく政令、それに有事における職員の給与の特別の措置について防衛庁職員給与法第三十条の規定に基づく法律が未制定ですので、これについて検討をいたしております。このうち、自衛隊法第百二条の規定に基づく政令につきましては、それに盛り込むべき内容についてほぼまとまっております。
 第二に、現行規定の補備の問題があります。自衛隊法第百三条には、処分の相手方の居所が不明の場合の措置、土地を使用するに際して工作物を撤去することについて規定されておらず、また同条の物資の保管命令に従わない者に対する罰則規定がございません。自衛隊法第九十五条は武器等の防護を規定しておりますが、これにはレーダーや通信器材等が規定されておりません。これらについて補備する必要があると考えております。なお、罰則につきましては、その必要性、有効性等につき慎重な検討が必要と考えております。
 第三に、現行規定の適用時期の問題があります。自衛隊法第百三条による土地使用の時期、同法第二十二条による特別の部隊の編成等の時期、同法第七十条の予備自衛官の招集時期につきましては、いずれも、現在よりその適用時期を早める必要があると考えております。
 第四に、新たな規定の追加の問題があります。部隊が緊急に移動する場合に土地等を通行し得る規定、防衛出動待機命令下にある部隊が侵害を受けた場合に部隊の要員を防護し得る規定、これらを追加することが必要と考えております。
 以上、現在までの研究の状況と問題点の概要について御説明いたしましたが、今後の有事法制の研究につきましては、今回まとめた内容にさらに検討を加えるとともに、未検討のものについて検討を進めていくことを予定しております。
 また、今回取り上げた問題点の今後の取り扱いについては、有事法制の研究とは別に防衛庁において検討するとともに、関係省庁等との調整を経て最終的に決定を行うこととなるものと考えております。
 なお、御参考までに、御報告した内容について整理したものをお配りしてあります。
 以上、有事法制の研究についての中間報告をさせていただきます。どうもありがとうございました。
#4
○委員長(林ゆう君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(林ゆう君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(林ゆう君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案並びに昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#7
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、別途、本国会で成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律案による改善措置にならい所要の措置を講ずるとともに、国家公務員共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算額の引き上げ、共済組合間における短期給付の財政調整事業の実施等の措置を講じようとするものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。
 すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく年金のうち、昭和五十五年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、本年四月分以後、年金額を引き上げることといたしております。なお、引き上げにつきましては、恩給における措置にならい、昭和五十五年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより行うことといたしております。
 この結果、平均で約四・四%程度年金額が改善されることとなります。
 第二に、公務関係年金及び長期在職者の受ける退職年金等の最低保障額を、恩給における措置にならい改善することといたしております。
 第三に、国家公務員共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額を、厚生年金及び恩給等における寡婦加算の額との均衡を勘案して引き上げることといたしております。
 なお、遺族年金を受ける妻が同時に退職年金等を受けることができる場合には、必要な調整を行うことといたしております。
 第四に、遺族の範囲の改正であります。
 現行法では、組合員期間が十年以上の者の配偶者につきましては、遺族の要件として、死亡した者との生計維持関係を必要としない扱いとなっております。これを、死亡した者との生計維持関係をその要件とする扱いに改めることといたしております。
 第五に、現在二十五の共済組合が個々にその事業を行っている短期給付につきまして、財政調整事業を行うことといたしております。
 以上のほか、掛金及び給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額につきまして、公務員給与の引き上げ等を考慮し、現行の四十一万円を四十二万円に引き上げることといたしております。
 さらに、昭和五十四年以前に退職した年金受給者に対しまして、昭和五十五年以後に退職した者と同様、退職後の給与所得に応じて年金額の一部の支給を停止することとするなど、所要の措置を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 なお、本法律案は、その施行期日を昭和五十六年四月一日と提案しておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院におきましてこれを公布の日とするなど所要の修正がなされておりますので、御報告いたします。
 以上でございます。
#8
○委員長(林ゆう君) 塩川運輸大臣。
#9
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、別途、本国会で成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律による恩給の改善措置にならい所要の措置を講ずるほか、遺族の範囲の見直し、公共企業体職員等共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額の引き上げ等の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和五十五年三月三十一日以前に給付事由が発生したものにつきまして、恩給の措置にならい、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十五年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて増額することにより、本年四月分から年金額を引き上げることといたしております。
 この結果、平均で約四・四%程度年金額が増額されることとなります。
 第二に、長期在職した者に係る退職年金等及び旧国家公務員共済組合法に基づく殉職年金等の最低保障額につきまして、恩給の措置にならい改善することといたしております。
 第三に、組合員期間が十年以上の組合員等の配偶者につきましても、その期間が十年未満の組合員等の配偶者と同じく、組合員等の死亡当時主としてその収入により生計を維持していたことを遺族の要件とすることにいたしております。
 第四に、公共企業体職員等共済組合法に基づく遺族年金に加算される寡婦加算の額につきまして、本年四月分からその額を引き上げるとともに、その遺族年金を受ける妻が同時に退職年金等を受けることができるときは、寡婦加算の支給に関し必要な調整を行うことができるよう措置することといたしております。
 このほか、昭和五十四年十二月三十一日以前に退職した高額所得を有する退職年金受給者につきましても、昭和五十五年一月一日以後に退職した者と同じく、年金の一部の支給を停止することとする等所要の措置を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 なお、この法律案は、その施行期日を昭和五十六年四月一日といたしておりましたが、衆議院におきましてこれを公布の日とする等所要の修正がなされております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(林ゆう君) 以上で両案の説明の聴取は終わりました。
 午後三時三十分から委員会を再開することとし、この際休憩いたします。
   午前十時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十六分開会
#11
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案並びに昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○片岡勝治君 共済年金に関連いたしまして、その前に、若干今後の財政事情に対応する政府、大蔵省の長期的な考え方をまずお聞きしたいと思います。このことは、今後の財政上いろいろ問題を日本は持っているわけでありますけれども、そのことが直接今後の社会保障制度の充実という課題と非常に矛盾をする、そういう大変重大な時期に直面しておりますので、二、三この点をお伺いしたいと思うんです。
 いま政府、あるいは自民党もそうでありますけれども、行財政改革という課題を大変華々しく旗を振っているわけであります。そのことは決して悪いとは私は申し上げませんが、しかしそうは言っておりながら、政府の行動、言動を見てまいりますと非常に、何といいますか、今度の行革には聖域はないと言っておりながら、しかしその裏では一つ一つその聖域にあたかも指定をして、それには手をつけないということではないか、そういう疑問が非常に出てきたわけであります。
 一つには、本日、国防会議におきまして、いわゆる五六中業で防衛計画の大綱の水準達成を決めた、六十二年度までに達成することを決めた、こういうことが報道されましたし、テレビで本日も明確にそのことを言っておりました。私は大変不思議に思うんです。来年度予算は厳しく対処していくんだ、来年度予算は行革の成果を踏まえた上で対応していくんだ、こういうようなことを盛んに言っておりますし、いま申し上げましたように、今度は行革の対象に聖域はないんだ、あらゆる行政の分野について見直していくんだ、こういうことをおっしゃっているわけです。しかし、きょうの国防会議の、五六中業で防衛計画の大綱の水準達成を六十二年までやるということになりますれば、これは明らかに国防予算については行政改革の対象にはならぬ、まさに聖域だ、こういうことを内外に宣明したのではないか、これでは、何だ、防衛だけはそれじゃもう除外かと、次々にこういうことが出てくるのではないか、政府が言明しております聖域はないような言葉に相矛盾するというふうにとられてもいたし方がないと思うわけでありまして、まずこの点について大蔵大臣の所信をお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、五十七年度の予算をいまから考えなければならないわけですが、そういうときに当たりまして、いろんな法律、制度までの見直しをやらなければならないと。五十六年度予算編成に当たって、われわれもずいぶん見直しをやってきたんです。歳出カットもやったり、抑え込んだり後へ延ばしたり、いろんなこともやってきておるわけです。ですから、一兆四千億円の増税で二兆円ぐらいの新規なものや、あるいは当然増の伸びというものを吸収できたわけですから。しかしながら、抜本的な法律改正をして経費を切るというところまではいかなかったと、これも事実でございます。それには余りにも時間がないと、そういうことで、今回はともかく早々と方針を出して、高度経済成長時代にでき上がったものの中でこういう御時世に果たしてそのままの状態でいいかどうかということを再検討しようと、そのために、必要があれば法律や制度も直そうということを言っておるわけでございますから、その負担とそれから給付の水準は裏表になっておりますから、どちらを優先するかという問題について、伸ばすべきものは伸ばさなきゃならぬが切るべきものは切るということで、また行政の効率化、能率化、そういう点についてはいずれも聖域はどこにもないわけであって、全部大蔵省の査定の対象にすることはこれも間違いないということでございます。
 なお、国防会議の話がいま出ましたが、これは新聞でどう出ているか、私新聞読んでないですが、私は当事者として立ち会っておりますから正確なことを申し上げたい。それは、その中身を全部言っていいのかどうか私よくわからないんだけれども、結局結論は、防衛庁が五六中業というものをやりたいと言ってきたわけです。そこで、いままでは防衛庁の五三中業ですか、というようなものは政府は知りませんよと、あれは防衛庁が勝手に――勝手にと言ってはなんですが、防衛庁の中で要するに予算要求とかいろんな関係で独自でおつくりになったもので参考資料だけですと。だけれども今回は、要するにまたつくりたいんだということについてはどうするかと。そこで国防会議としては、防衛庁がそういうような作業に――五六中業の計画をつくるというのに少なくとも一年間かかるそうです。いままでは政府に関係ないんだから、向こうで勝手にやったんだから、今度は正式に言ってきたからそれにいろいろ議論があったが、それじゃ国際情勢の変化、日本の財政事情、そういうものも頭に入れた中で作業してごらんなさいと、その作業してごらんなさいというところまでは認めましょうと、作業を始めてよろしいと、作業を始めて。しかし、その作業途中ではわれわれとも相談してくれよと、今度は防衛庁だけのものじゃないんだから相談してくださいよと。
 もう一つは、作業ができたときに何らかの形で、中身はこういうような中身でいきますと、それは現在の防衛計画の大綱ですか、それを早く実現するというためのものですと、こう言うから、実現の仕方にもいろいろあって、前倒しでやるのか平均でやるのか、あるいは同じ潜水艦を買うにしても、装備をばっちり積んだもの、それから最新鋭のものをこしらえるのか中程度のものをつくるのか、それによって金目がみんな違うわけですから、だから財政当局を預かる大蔵大臣といたしましては、それはその中身を見ないうちは賛成とも反対とも言えないわけでございますから、だからまずスタートをしてくださいと、そこは異論ありませんということを申し上げただけなんです。
 それから達成という話は、防衛庁の話では、六十二年までに防衛計画の大綱というものが達成といっても、現物を全部そこへずっと並べてしまうという意味ではなくて、それを達成することを基本として発注しますという話でした。ですから、それは当然にこれからは財政当局と相談もあろうかと思いますので、いまは何とも申し上げられない、決して私は聖域だというふうには考えておらないのです。
#14
○片岡勝治君 前回の業務見積もりの取り扱いについても、大臣がおっしゃるとおり、事実、防衛庁のいわば内部資料だということで国会にも説明しておりましたね。そのことは私も否定しないんですが、そうは言っても、しかしだんだんそれが防衛庁の単なる内部資料ということじゃなくて、政府のいわゆる防衛計画の重要な計画というふうに事実上なってきた。これは恐らく防衛庁もそう認めておるし、大蔵省も最終的にはそういう判断をしたんじゃないですか、前回の中業の。ですから、この前倒し論とかなんとかということも出てきて、財政的に見ざるを得なかった。私は、前回の経緯からいたしますと、この業務見積もりというものは、いままで五カ年計画とか何次計画というような膨大な防衛計画を出して、一体これではどうなるんだと、非常に国民に対してもいわゆる軍事大国への道を進むのではないか、そういう心配があったことは事実でありますから、そう言っては大変失礼でありますけれども、そうした目をごまかすために業務見積もり、内部資料だというようなことで、実は防衛計画といいますか、年次計画的に取り扱ってきたのが前回の業務見積もりだろうと思うんですよ。
 ですから、今回新しい五十八年度から六十二年度までのいわゆる業務見積もり、これはやっぱりそういう性格のものではないか。その計画を、しかもそれは防衛計画の大綱の水準達成ということを目標にした一つの業務見積もり、防衛計画というふうにこれはとられると思うんです。そのことを承認したということになりますれば、大臣はいまそうおっしゃっているけれども、この業務見積もりができ上がった場合には、それに準拠して防衛庁も大蔵省も政府も努力するのは当然だろうと思うんです。
 私はそういう点で、いままで政府、大蔵省が言ってきたことと違う、だから明確にできるものはしてもらいたいと思うんですよ。聖域とは言っているけれども、防衛は違うんだよというのなら、それなりに政府の態度はわかりますね。そうじゃなくて、いや防衛も見直すのだ、聖域はないんだというのならば、こういう年次計画的なものを事前に、しかも今度は国防会議で正式に認めたということでありますから、これはもう認知された、つまり行政改革、経費節減という課題から逃れた、そういうふうに私たちは判断をせざるを得ないのです。私の判断というのは間違いですか。大臣、もう一度お願いいたします。
#15
○国務大臣(渡辺美智雄君) 間違っておるかどうか私はわかりませんが、防衛であっても、防衛というのは要するに正面装備だけでは防衛にはならぬのですよ。人件費も半分もかかっているんですし、それからそのほかに後方負担という莫大な金があるわけですから。だからその中で、要するに聖域でないと私が言っているのは、金額を与えたら何でも買っちゃっていいという話じゃないですよ、それは効率的なものでなければならない。そうして、差し迫った事態について必要なものでなければいけないという意味で、そういう意味では聖域でないということを私は言っているんです。だから要するに、高度経済成長時代にできたもので、それで世界的に見てもまあまあというようなものもございますし、あるいはいろんなものは負担と支出という裏表の関係にございますから、そういう点の見直しもやらしていただきます。だから、今回は六十二年達成と言っても具体的に中身が何にもないわけですから、ただ大綱を達成することを基本としてと言っても、全部その品物を集めてしまうというものでもないし、一つ幾らかかるんだということもまだ決められていない。物すごく性能のいい物とそうでない物で値段が違うんです。だからそれは、そのときどきの経済情勢、財政事情をよそ目で見ながらそのほかの費目とのバランス――バランスという言葉は適当かどうかわかりませんが、(「世界情勢が入る」と呼ぶ者あり)そういうものも参考にしながらそれは決めてまいります。しかし国際情勢というものの変化、こういうものも重大な新しい変化でございますし、私も外国のいろんな大蔵大臣とも何遍も会っておりますが、日本の防衛努力が足らないと言われることは、アメリカだけが言っているのじゃなくして、もう自由陣営の一員だと言われる連中からはかなり言われておるわけなんです。したがって、日本の置かれている国際的な立場、そういうものをやはり大きな比重として考えの中に入れていかなきゃならぬ。それも総合判断して最終的には決めていくということであって、軍事大国にするというようなことが実は決まったわけでも何でもないわけです。
#16
○片岡勝治君 この業務見積もりの問題につきましては本論ではございません。防衛庁長官等がおいでになるときに、別な角度からいろいろ論議をしていきます。私は、今後の財政に向かう政府、大蔵省の姿勢として防衛だけは聖域から除外したのか、そういうふうにどうもとられやすい、国民の方ではとっているのではないか、今度の業務見積もりが国防会議で決まった、こういうことでありますから、その点の疑念をただしたわけであります。
 あるいはまた、ある大臣は、公共事業を見直してその補助金を減らすということになれば景気の停滞、何とか景気をよくしなきゃならぬというような時期にこれは不適当であるというような発言をしておりますね。こうすると、もう公共事業の補助金はそれじゃ聖域なのか。景気回復という大きな政策課題を達成するには、行財政改革なんというのは対象にしなくていいのではないかというふうにとられますね。こういう点はどうなんですか。
#17
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公共事業も聖域ではございません。先ほどもある野党の有力な方の御質問――つい二、三時間前の話なんですが、景気対策として財源がなければ、財投をふやして公共事業費をふやしたらいいじゃないかというような意味の御発言がございました。ですから、やはりずいぶん変わったものですねというふうな話だったんですが、景気回復という問題は労働者の失業の問題と関係がありますから、これはだれだって景気がどんどん落ち込んでいいなんて思う人は恐らく与野党通してないんじゃないか。したがって、これらの問題については、経済の持続発展ということはすべての計画の基礎になっておりますので、それががたがたに狂っちゃったらみんな狂ってしまうということになりますから、やはり経済の持続発展ということはいろいろ工夫をしていかなきゃならない。
 しかしながら、政府には公共事業に多額のお金をつぎ込む余裕はもちろんございませんし、財投といってもその財源がなければいけないのであって、財投のお金といえどもそう残っておるわけではないのでございまして、これはそう簡単にはいきませんということを申し上げてきておるわけであります。ですから、景気がうんと回復して来年までに仕事もいっぱいふえた、失業者も少なくなってきているというような状態で物価の問題も懸念されるというようなときだったらば、公共事業だって当然現状維持じゃなく減らすということだってあり得るわけでございますから、それはそのときどきの経済情勢の運営をどうして持っていくかは、やはりいろんな指標を相手に常にバランス感覚をもって注意深く見詰めていかなければできないと、そう思っておるわけでございます。したがって、公共事業といえども決して決して聖域ではございません。
#18
○片岡勝治君 次に、今度来年度の予算編成に当たって、概算要求は伸び率ゼロということで各省庁に指示をしたというようなことが言われておりますね。このことについて、大臣もう少し、具体的にはどういう方針なのか、この際御説明をいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ各省庁に言っておりません。おりませんが、一つの考え方としてゼロベースと申しますか、ことしと同じぐらいの予算の枠組みでやるとすればどういうふうなことをやるか、ひとつ各省庁において勉強を始めてくださいというぐらいのことは言いたいと思っておるんです。具体的に、きょう官房長会議で各省庁の官房長を集めて主計局長が発言されたことを御披露いたしますと、こういうことなんです。
 四月十日の閣議及び四月十六日の事務次官会議等における総理の御発言の趣旨に沿って、五十七年度予算に向け、すでに各省庁はそれぞれ自主的に厳しい歳出削減方策の検討にとりかかり始めておられると思います。
 厳しい歳出削減方策を概算要求に織り込んでもらうために、五十七年度予算のシーリングの決定については、これまでの総理の御発言等で明らかになっているように、例年より早目に、六月上旬にいたします。
 他方、三月に発足した臨調においても、財政再建のために改革を急ぐ問題について早急に検討を進め、七月には中間報告を出されることになっています。
 この臨調の中間報告は、実効のある内容のものとなることを期待しております。したがって、五十七年度予算編成を通じてその実現を図るべきものと考えます。
 五十六年度予算の場合を考えてみると、仮に一兆四千億円の増税がなかったとすれば、一般歳出の伸び率はゼロに近いものとならざるを得なかったことになります。
 五十七年度予算においては、総理のかたい御決意もあって、増税を念頭に置かず、歳出削減によって財政再建を進めることが至上命令となっています。
というようなことで、「財政の中期展望」によって五十七年度の財政事情を試算してみると、というようなことで中期展望のお話を申し上げまして――問題点を短かく少し詰めましょう。
 五十七年度のシーリングについては、原則率ゼロという方針を前提として各省庁と具体的な検討にとりかからせていただきたい。こういうことを申し上げたわけでございます。いろいろ長々と言っておりますが、原則シーリングはゼロだと、したがって既存の制度の見直しや徹底的な歳出削減をその中でやって、各省庁の考え方を反映してもらいたいというような、もっと長くなりますが、簡単に要約をしますと、そういうことをきょう発表したわけでございます。
#20
○片岡勝治君 具体的に臨調の結果が出ておりませんから、政府がどう対応するかということについてはなかなか確定的なことは言えないと思いますけれども、相当額の経費節減ということになりますれば、あるいは伸び率ゼロというようなことで概算要求を出させるということも非常に大胆かつ相当の施策だろうと思うわけでありますが、しかしこういう一律的な方針で果たして実効が上がるのかどうか。特に私が心配するのは、これから論議になるような、年金とか福祉とか社会保障制度とか、苦し紛れに各省庁伸び率ゼロということになりますれば、こう言っては大変失礼ですけれども、やっぱり弱いところを削ってくる、そういうことがいままであったと思うんですよね。つまり、強大な圧力団体のところはついつい削ることはできないということになりますれば、比較的圧力の少ないところを削っていく、これは政治の常道と言っては語弊がありますけれども、そういうきらいがこういう一律方式では出るような心配がある。非常に大胆な政策そのものについては、私は敬意を表しますが、しかし一方、そういう点が心配になるわけでありますが、これは大臣どういうふうにお考えになりますか。
#21
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま伸び率ゼロとこう言っておりまして、まず各省庁でそのベースで
 一応やって、それから大蔵省との交渉があるわけですよ。それで六月の初め、一カ月ございますから、だからどうしてもこの程度のものは最小限認められるかどうかということをもう一遍考えて、そこで本当のシーリング枠というものをそれからおろすわけですよ。それで臨調の答申が出て、それにさらに合わしてもらうわけです。予算が全部なくなってしまうわけではないのであって、その厳しい限りある財源の中でどういうような配分をするかということが問題なわけでございますから、問題は。だからわれわれとしては、やはり効率的という言葉を先ほど使いましたが、貴重な財源ですから効率的に使っていかなきゃならない。ですから、圧方が強くて声がでっかいから効率的とは限らぬわけでして、声が小さくても、か細い声でもやらなきゃならぬ問題もございますからだからといって今度は便乗的なものはだめだということでございまして、それはケース・バイ・ケースによって、声の大きさではなくて中身によって判断をしていくと、それまでには十二月の末の予算編成までかかるということだと思います。
#22
○片岡勝治君 大臣は声が大きいけれども、なかなか温情ある政治姿勢もおありですから、そういう点はひとつよろしく大所高所から判断をしていただきたい。
 この一律方式、私は率直に言って各省庁の行政内容によって非常に格差があると思うんです。一律切れるところもあるかもしらぬし、当然増ということで、もう物理的に伸び率を一定程度確保しなければならぬような省庁もあるわけですね。ですから、そういう点をひとつ、もちろん大蔵省は専門家でありますから誤りない施策、対応をしてくれると思いますけれども、私の感じた点をちょっと申し上げておきたいと思います。
 さて、具体的に共済年金について二、三お伺いをいたしますが、まず第一番目に、前年度のやはり共済年金を審議をした折に衆参で附帯決議がつけられております。その附帯決議につきまして、本年度どういうふうに対応されましたか。
#23
○政府委員(矢崎新二君) 前回の附帯決議といたしましては、参議院の内閣委員会の附帯決議は遺族年金についての一項目でございますが、衆議院の大蔵委員会の方でそれを含めまして五項目の附帯決議がなされておりますので、便宜簡単に両者をあわせまして御説明をいたしたいと思います。
 まず第一点の、国庫負担につきまして、公的年金制度間の整合性に配慮しながら検討を続けることという問題がございます。
 この社会保険に対する国庫負担のあり方につきましてはいろいろ議論のあるところでございますけれども、老齢化社会を迎えまして、今後の国庫負担のあり方という問題につきましては、今後真剣に取り組まなければならない重要な課題でございまして、共済年金につきましても、他の公的年金制度とのバランスとかあるいは将来の年金財政の健全化等の問題等も含めまして検討をしなければならないということでございますし、また国の財政力に応じました財源の効率的な配分という見地からの検討も必要でございまして、今後とも引き続き総合的な検討をしたいという考えでございます。
 それから第二項目といたしまして、遺族年金につきまして、なるべく早く給付水準の引き上げを図るように検討しろと、こういう項目がございます。
 遺族年金につきましては、御指摘になられております給付水準の問題のみならず、ほかにもいろいろ問題がございまして、遺族の範囲であるとか、あるいはその要件の問題がございますし、それから遺族年金と本人年金との給付調整といったようないろんな問題が残されておるわけでございます。こういった問題はやはり総合的に検討しなけりゃいけないという問題かと思いますので、今後関係各省の間でいろいろ調整を図りながら、審議会や共済年金制度の研究会の御意見も聞きまして、引き続き検討を進めたいと思っております。
 それから三番目の、重労働職種や危険職種に長期間従事していた方についての減額退職年金の減額率の問題でございます。
 この問題につきましては、職種の選び方の問題とか、あるいは果たしてそういった場合に減額率を設定するとしてもどの程度にする必要があるのかといったような問題があろうかと思います。こういったことにつきまして、まず職種の選定、どういった職種がそういう問題になり得るかという点を関係各省の御意見を伺っておる段階でございまして、民間におきます類似の職種の実態を調べたり、あるいは官民の均衡の点からの考慮もしたりというようなことで検討をさらに進めてみたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから第四項目で、懲戒処分者に対する年金の給付制限の問題がございます。
 この新法の共済年金の性格は、御承知のように、公務員制度の一環としての性格を持っておるわけでございます。したがいまして、給付制限を全廃するということは問題が多いということでございますが、この問題についてはかねてから御指摘もございますし、附帯決議での御指摘もあることを踏まえまして、現在、政令の改正によりまして何らかの緩和を図る方向で検討をいたしておりまして、関係省との調整を行いながら、共済組合審議会の御意見もいま伺っている途中でございます。まだ結論を得ておりませんけれども、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
 それから第五項目の、共済組合制度に関する基本的な事項について一元的に調査審議する機関の設置について検討をせよという点でございます。
 この点については、既存の審議会との関係などいろいろ問題がございますので、当面の措置といたしまして、昨年六月に共済年金制度基本問題研究会を発足させまして、そこで共済制度全般にわたる御検討をいまお願いをしているところでございます。
 以上、御報告を申し上げます。
#24
○片岡勝治君 基本的な問題に触れた附帯決議が相当あるわけでありますから、次の法案作成過程の中ですぐ実現をするということは大変むずかしいだろうということも私も理解をいたします。しかし、もうちょっとスピードを出せば解決するような附帯決議もあるわけでありますから、そういう点はひとつ国会の意思というものをもう少し尊重して、スピードアップして、この附帯決議の実現に努力をしていただきたいと思うわけであります。
 なお、今回の法案の作成に当たって、関係の審議会にそれぞれ答申を求めて、その回答といいますか答申が出ておりますね。たとえば国家公務員共済組合審議会におきまして、今回の法改正について五項目の意見が出されております。この意見はどういう意味を言っているのか。そして、今度の法律改正に当たって、これにどう対応したのか。たとえば国家公務員共済組合審議会の答申の第二項には、「最低保障額の引上げについては、共済組合独自の発想を入れる余地があると考えられる。」と、こういう指摘があるわけですね。これはどういう内容を意味し、今度の法改正についてそれがどう取り入れられたのか、どう対応したのか。それから三項目、四項ですね、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#25
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘の国家公務員共済組合審議会の答申の中の第二点、第三点、第四点についてのお尋ねでございますが、第二点のところは、最低保障額の設定につきまして共済組合独自の発想を入れる余地があるのではないかという趣旨の御意見が付されているわけでございます。その意味するところは、国家公務員の共済年金の最低保障額の従来の取り扱いを見ますと、厚生年金や恩給との均衡を考慮して定めてきたわけでございます。この点につきまして、この審議会の答申は、共済年金独自の最低保障額を何かつくるような余地があるのではないかという御指摘かと存ずるわけでございます。厚生年金や恩給からも切り離せないか、こういう御趣旨のように思います。
 この点は一つの見方かと思いますが、最低保障ばかりでございませんで、年金の給付水準等の考え方を全体としてどうするかということを整理して考える必要のある問題でございまして、共済年金制度の根幹にも触れるという非常に重要な点を含んでおりますので、今後ともその総合的な検討の中で考えていかなきゃならないのではないか、こう思っておるわけでございます。
 それから二番目の御指摘は、寡婦加算の引き上げ措置を今回法案の中に織り込んでおることに関連をいたしまして、遺族年金の改善との関連で、こういった措置をとりますと、年金の改善に支障を生ずる懸念があるという御指摘があるわけでありますけれども、その意味するところは、本来、遺族年金の改善というのは支給率の引き上げによって一般的に上げていくということで考えるべきではないかという御意見のようでございます。そういったことではなくて、寡婦加算を大幅に引き上げますと、今後支給率の引き上げをやりたいと思っても支障が生じないかと、こういう御意見のようでございます。
 この問題についての考え方でございますが、遺族年金につきましては、給付水準の考え方が一つ大きな問題としてございます。また、その給付水準自体も一般的に上げていくのか、あるいは受給者の態様に応じまして、寡婦であるとかそうでないとかいうようなことによって加算の措置でやっていくのがいいのかどうか、そういう問題もございますし、それから遺族の範囲の問題、要件の問題、その他いろいろな問題が絡んでおるわけでございまして、こういった共済年金全体の給付水準、それから給付要件の総合的な見直しの一環として検討をしていかなきゃならない、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういった全体としての遺族年金のあり方については、共済年金制度基本問題研究会の御意見も聞きながら今後ともその検討を進めたいと思っておりますけれども、今回は、こういった検討になお相当の時間を要するということを考えまして、寡婦加算額については、他の制度との均衡を考慮しまして同じ水準に引き上げるということにいたしたいと考えておる次第でございます。
 それから、四項目の「寡婦加算の大幅引き上げと短絡的に結びつけることについては、疑問がもたれる。」という御指摘でございますが、これは寡婦加算の引き上げ措置を一方において講じたことの関連でそういうような御意見がついておるわけでございまして、もしこれが短絡的に両者を結びつけるということであるならば疑問があるのではないか、こういう意味かと理解をいたしております。
 この点につきましては、私どもの考え方は、この二つの問題を短絡的に結びつけているわけではございませんで、それぞれの必要性を判断いたしまして改正をお願いをしているわけでございます。寡婦加算額の増額につきましては、先ほども申し上げましたように、他の制度との均衡を考慮いたしましてこの際引き上げた方がいいのではないかというふうに判断をした経緯がございます。それから一方、遺族の範囲につきましてはこれを見直しましたのは、共済年金制度におきます遺族の受給要件は、原則的には死亡した方との生計維持関係というのが基礎的な要件になっているわけでございます。その点が配偶者についてだけ若干扱いが異なっておりまして、組合員期間十年以上の方の配偶者の場合は生計維持条件を要しないことにしていたのが従来の扱いでございます。これを組合員期間十年未満の方の配偶者と同様に均衡を図りまして同じ扱いにしようということでございまして、これは共済制度内の受給要件統一化を図るという考え方に出たものでございます。
 以上申し上げましたように、この二つは、それぞれの理由によって措置をしたつもりでございます。
 以上、御説明を申し上げます。
#26
○片岡勝治君 さらに、社会保障制度審議会に今度のこの法律改正について同じような意見を求めてその答申が出ておりますけれども、この社会保障制度審議会からも意見が出されておりますね。特に、いま同じような指摘がありました国家公務員共済組合審議会からの答申と同じように、次のように相当厳しく書かれておりますね。「とりわけ、遺族年金の改正は、昨年の厚生年金保険法改正の諮問に対する本審議会の答申で述べているように、本来、給付率の引き上げによって対処すべきものであるにもかかわらず、今回の諮問において、厚生年金保険の例にならって安易に寡婦加算額の大幅引上げを図ることは、将来に問題を残すことになろう。なお、共済年金における併給制限については、他の年金制度との均衡を失していることを特に指摘しておく。」、こういうふうに社会保障制度審議会からも、率直に言って相当厳しい指摘を受けているわけです。
 国家公務員共済組合審議会にいたしましても、社会保障制度審議会にいたしましても、いわば社会保障全体について相当幅広く検討をしておる審議会である、いわば専門の審議会でありますから、ここの答申については政府もまたわれわれも十分この意見を尊重して対処していく、それが適正なしかも社会保障制度の充実発展に資する私どもの態度でなければならぬと思うわけでありますが、こういう厳しい指摘に対しては、私は、もう少し政府あるいは関係当局が謙虚に対応していく姿勢が必要ではないか、これは意見だけ申し上げておきたいと思います。
 次に、これは恩給のときにも問題になりまして、たとえば最低保障額の引き上げ等につきましても必ずしも理論的根拠がない、ずばり申し上げれば、いわばつかみ予算であり、政治的な一つの加算、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。あえてここでもう一度最低保障額の理論的根拠を説明しなさいと言っても、いや、それは恩給にならいましたと、こういうことになると思います。恩給局の方に言わしむれば、概算要求でもう少し高いのを要求したんだが大蔵省の査定でこうなった、恩給局に聞けば、大蔵省に責任があるようなことになりますし、大蔵省に聞けば、いや、それは恩給に右へならえしたんだということになると思います。
 このことについてはあえて質問をいたしませんが、さらに同じように、これは大臣にお伺いしたいんですが、今度の改善について相当いろいろな点で努力をされて改善された点が多々あるわけでありまして、その努力については私も大いに敬意を表するわけであります。しかし受給者にしてみると、四月から実施されるもの、六月から実施されるもの、八月から実施されるもの、恩給などは十二月ですか、十月実施、十二月実施、何でこんなにぶつ切りにしてやっていかなければならないのか、金がないからと言えばそれまでですけれども、しかし受給者にしてみれば、その理由というものが明確でない、これはもう少も配慮ができなかったのかどうか。極端なことを言えば、四月実施が無理ならば、それなら全部六月実施ならこれはまだ話がわかるけれども、こういうふうにぶつ切り的に改善をするということについては、これは恩給のときも言ったんですよ、いま行政改革がいろいろ論議をされているときに、手間だって大変だろうというんですよ。五人や十人のことじゃなくて、相当の人に対する年金業務だけだって大変だろうと指摘したわけですが、これはひとつ総括的に大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
#27
○政府委員(矢崎新二君) いまの共済年金の各種の改善措置がございまして、時期がいろいろ違うという御指摘はそのとおりでございますが、これは、基本的には恩給の各種の改善措置と時期をそろえてやってきているという従来の例によることでございまして、しからばその恩給の方は一体どうなんだと、こういうお尋ねかと思いますけれども、これはまず公務員給与の改善に準じました基本的改善でございます恩給年額の改定については、従来四月実施ということでやってきておるわけでございますけれども、その他の改善項目につきましては、厳しい財政事情のもとで限られた財源で効率的、重点的な改善を行うという考え方に立っておるわけでございまして、そういう観点から恩給局とも十分協議をいたしまして、それぞれ六月なり八月なりというふうな実施時期の振り分けをしているわけでございます。
  この実施時期の一本化の問題につきましては、かねていろいろ御要望が強いことは承知しておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、厳しい財政事情の中で可能な限り改善措置を盛り込むということのためには、こういった実施時期の調整ということはやはり考えざるを得ないことではなかったかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#28
○片岡勝治君 だから各科目、改善科目といいますか改善事項についてある線をそろえるというならわかるけれども、これは四月から、これは六月、これは何でそういうふうに決めたんですかと言えば、恐らく答えができないと思うんですよ。四月実施はわかりますよ、ベースアップですからこれは一律にやったと。じゃ六月と八月はどうだということになれば、それは理屈にならぬだろうと思いますよ。――もうそれは結構です、恩給のときにいやというほど質問をして、なかなか当局も困ったような態度でありましたので、あえてこのことはこれ以上追及いたしませんけれども、行政改革の旗のもとでありますから、恩給だって年金だってこういうふうに六月、八月、十月に延ばしましたよと、社会保障制度だってこういうふうに切っているんだというようなあかしのためにやっているんじゃないかというふうに勘ぐるんですよ、私は。もしそうだとすれば、これは大変だと思うんですが、まあこの点は結構です。今後はやっぱり受給者が見て納得するような改正の時期というものをぜひお考えいただきたいと思います。
 先ほどの本会議の大臣の答弁でも、今後の年金財政というものが大変重大な時期に直面をしてくる、これは高齢化社会が好むと好まざるとにかかわらず襲ってくるわけでありますから、確かにわが国にとって重大な課題であります。
 そこで、最も年金財政の危機が目睫の間に迫っておる国鉄、そしてあわせて電電、専売、この年金財政の現状、成熟度、それから現時点でこれを打開するに今後どういう展望といいますか方針でこの年金財政危機を乗り切っていくのか、その計画があれば、あるいは構想があれば、この際ひとつ発表していただきたいと思います。
#29
○国務大臣(塩川正十郎君) まず、国鉄共済の現状でございますが、非常に成熟度が高うなっております。五十五年度で七三%であります。そして五十六年度八〇%、五十七年度八八%、五十八年度九七%、五十八年度から五十九年度へ移行いたしますときには一〇〇%を超えるということになりまして、五十九年度で一〇七%と、こういう状況になってまいります。五十五年度単年度だけで見まして、政府からの負担金並びに追加費用等入れまして、それでもなおかつ単年度だけで百四十四億の赤字、こういうことになるのでございまして、政府関係資金がこれで三千二百五十億ほど入るわけでございますが、それでもそういう状態になってくる、こういうことでございます。
 そこで、いま五十六年度から五十九年度まで、この間国鉄の経営改善計画とあわせまして収支の審査をいたしておるのでございまして、ほぼ先ほど申しました成熟度を見てまいりますと、いずれも非常に厳しい財政状況にあることでございまして、われわれも憂慮いたしております。
 そこで、これはこの成熟度をまず何とか緩和する意味におきましても、いわば同種共済組合を合体いたしまして、いわゆる受けざらと申しましょうか、加入者の数を、分母を大きゅうするということが当面とるべき対策ではないかと思いまして、いま各共済の関係者と話し合いをしておりますけれども、なかなか他の共済は非常に成熟度が低いものでございますのでこれに応じてくれないのが実情であります。
 そこで、えらい余談になりますけれども、他の公社の成熟度をちょっと申し上げますと、昭和五十五年で先ほど申しましたように国鉄は七三%の成熟度でございますが、電電は一七%なのであります。
   〔委員長退席、理事蔵内修治君着席〕
それから専売公社は四六%、連合会三〇%、それから郵政が三七%、そういう状況でございます。これがさらに五年進みまして昭和六十年を見ますと、国鉄は一一六%となりますが、電電は二四%、それから専売は六二%、それから連合会は四〇%で、郵政は四五と、こういうぐあいになるものでございますから、他の共済に倍以上の成熟度を持つと、こういう状況でございますので、したがって他の共済はすべて国鉄と一緒になるのはいややと、こういうのがもう歴然として出てきておる、ここにわれわれも非常に打開策に困っておるというところでございます。
 そうなりますと、もう共済制度全体をどうするのかという根本問題を考えてもらわなければ、われわれ運輸省だけで、あるいは国鉄の努力だけではいかんともしがたい状況でございますので、現在大蔵省で開催されておりますところの共済年金制度基本問題研究会、ここで検討をしておりますが、その結論を参考にいたしましてわれわれ対処いたしたい、こういうことでございまして、まだ決定的な打開策というものがわれわれのところでは出てまいっておりませんのが非常に残念でございますが、経過等申し上げまして御判断いただきたいと思うのであります。
#30
○片岡勝治君 電電と専売。
#31
○説明員(澤田道夫君) お答え申し上げます。
 電電公社の共済年金の財政状況でございますけれども、終わりました最終年度でございます昭和五十四年度の決算で見てまいりますと、掛金、負担金、それに積立金の運用益、これを合わせまして収入が一千六百四十六億円でございます。それに対しまして、年金支給等の支払いが七百六十五億円、収支差額の八百八十一億円を幸い積立金に充当することができておりまして、現時点では一応健全な状況にあるということは申せるかと思います。
 ただ、将来の問題でございますけれども、ちょうど昭和五十六年度、これは年金財政の見直し期に当たっておりまして、部外有識者によります収支計画調査委員会、ここに検討をお願いいたしまして新しい財源率の引き上げを考えております。その新しい財源率を前提にいたしまして将来の収支を見通ししてまいりますと、約十年後の昭和六十七年度、この時点までは何とか黒字が維持できるんじゃないかと考えております。その後、赤字に転落いたしまして、昭和七十八年度には積立金もなくなるというふうなことでございます。
 それから現在の成熟度、いま大臣からお話もございましたように五十五年では一七・六%でございますが、電電公社の場合、御承知のように従来大変要員の増加が多うございます。ただ、将来に向けて要員の増加というものを考えずに経営をやっていこうという立場になってまいりますので、今後この成熟度というものがかなり高まってまいります。六十年、先ほど大臣の仰せのとおり、二四%でございますが、これが六十八年には三八%、先ほど積立金のことを申し上げました七十九年度には五八%というふうに高まってまいります。
 なお、これらの措置を座して待つということではもちろんございませんで、あるいは幸い若干積み立てております積立金の効率的な運用を図る、あるいはまた、将来も絶えず財源率の見直しも繰り返しながら何とか健全な財政状態を維持してまいりたいという気持ちで運営しておるわけでございます。
#32
○説明員(丹生守夫君) 専売共済組合の現状でございますが、五十五年度の決算がまだ出ておりませんので、五十四年度について申し上げますと、収入が二百四十六億円でございます。支出が二百十九億円、収支差が約二十七億円と、この数字は五十五年度の見込みでもそう大きくは変わらない、若干差があるかと思いますが、この結果、五十四年度末では積立金が約八百三十二億円ということになっております。
 将来の見通しでございますが、五十六年の四月に財源率を改定いたしまして、現在千分の百三十八・五でございますが、このまま推移するといたしますというと、支出が収入を上回ることになりますのが昭和六十一年ごろと推定されます。この時期の成熟度は六四%程度かと思います。この財源率をそのまま据え置きましてさらに推移いたしますというと、積立金が昭和七十二年ごろになくなるということになろうかと思います。その時期の成熟度はほぼ七八%程度というぐあいになろうかと思います。
 そこで、その対策でございますけれども、支出が収入を上回ります昭和六十一年度がちょうど財源の再計算の時期に当たりますもので、この時期におきまして財源率の再度の改定をいたします、引き上げ等をいたしたいというぐあいに考えておりまして、これによりまして収支の改善を図りたい、こういうことでございます。
#33
○片岡勝治君 特に国鉄は、大変重大な局面にすでに立たされております。他の公社等につきましても、十年あるいは二十年先にはそれぞれ成熟度が相当高くなってきて赤字ということが今日の計算からもおおむね推計できるわけであります。しかしこれ、そのときになってどうしようかと言っても手おくれでありますから、やはり五年、十年、できれば二十年ぐらい前からそれに対応した施策というものを長期的に積み重ねていかなければ、破産寸前になってさてどうしようかということになれば、それはもう一般会計からつぎ込むか、そのときに負担金を大幅に増額しても間に合わないということになるわけです。したがって、これらに対応する施策というものはもう緊急課題であろうと思うわけであります。
 これ率直に言って国鉄はどうするんですかね、これは。大臣がおっしゃるように、他の共済と連合しようとしても、これはそう言ってはなんだけれども、道楽息子と言っては失礼ですよ、そういうものを抱え込めと言ってもなかなか無理だろう。しかも相当銭遣いの荒い息子を引き取るようなものですから、他の共済組合は、はい結構ですということでなかなか引き取らないと思うんですよ、それだけ負担が大きくなりますからね。やっぱりそれには何がしかの持参金ですか、ある相当の金を積んでこれで頼むということをしなければ、非常にざっくばらんな砕けた話で失礼ではありますが、何かそういうことをする、そういうことで他の組合との統一連合ですか、そういうものを考えていく、これはやっぱり大蔵省の相当理解と協力がなければできない。
   〔理事藏内修治君退席、委員長着席〕
いま金を、札束を積めと言ってもとてもそういう余地がないわけでありますから、そういう点について多少何か国鉄側として考えているのか。いまの国鉄の年金財政の赤字、これは、国鉄がサボったとか怠けたとかということじゃなくて、これは物理的、必然的に出てくる赤字ですからね。高齢者が非常に多い、戦後多数の労働者を抱えた、海外からの引揚者も抱えた、それがどんどん高齢になったためにやめていく、その上に国鉄合理化が激しく進んで、どんどんどんどん高齢者を解雇をしていった。これは必然的にこういう事態が出るわけですから、国鉄当局の怠慢とかなんとかということじゃない、いわば社会的必然でもあるわけでありますから、そういう点から考えれば、私は国の財政的な措置というものも考えざるを得ないんじゃないかと思うんですが、運輸大臣と、これは大蔵大臣の見解もひとつこの際お伺いしてみたいと思います。
#34
○政府委員(永光洋一君) 先ほど大臣が説明いたしましたように、広く共済全般にかかわる問題でもありますし、いろいろ検討を加えておりますが、参考になるかどうか、われわれの方向としましては一つの考え方は、昨年国鉄のいわゆる共済の財政安定化のために一つの取りまとめの方向が出ておりまして、それによりますと、いわゆるいまお話がありましたように、事業主が負担するかあるいは国の財政負担によるか、あるいは成立の基盤を共有する共済組合制度を財政的に一元化して、加入者の連帯に基づく共同の負担にするかという三つの方法があるということを挙げまして、それについてのそれぞれの利害得失を述べ、やはり共済グループ全体の連帯に基づく年金制度という方向ではなかろうかというような提言もいたしておりますし、また、今回財源率を改定いたします際の収支審におきましても、やはりそういう連帯という感覚の基盤のもとに将来の構想を考えるべきだというふうなことを述べておりますので、具体的にいまどうだということについては、いろいろいま現在議論の過程でございますのでまだ確定的なことは申せませんが、われわれとしましても、大蔵省に設けられた共済研での、研究会の御意見等も参考にいたしながら、何とか国鉄の共済問題につきまして解決を図りたいと、こういうふうに考えております。
#35
○国務大臣(渡辺美智雄君) 片岡議員のおっしゃるように、国鉄の共済が赤字になったのには同情すべきですよね。いま言われたような同情すべき理由も私はあると思うんです。しかし一方、国鉄が黒字体質で、もっと自分の従業員は自分でめんどう見られるというようなことになればこれほどの騒ぎにもならなかったかもしれません。しかし一方は生産性向上反対、月給値上げ賛成、運賃値上げ反対みたいなこともありまして、私は必ずしも、民間と比べてうまく生産性がうんと上がってきたと、そういうようにも思いません。その一方、自動車、飛行機、海という競争相手にお客を取られてしまったという点もございます。いろいろな理由がありますが、いずれにしても国鉄共済はにっちもさっちもいかない。だからといって、どこか嫁に行きたいと言いましても、やっぱりみんな利害関係がありますから、そんなともかくいっぱい借金を背負って、今度は原資もないものを抱きかかえるといってもみんな逃げ回っていくというのは、私は本音とたてまえとは違うと思うんですよ、実際は。だけれども、しかし社会保障と言うからには、そう自分らの団体だけの利益ばかり考えても仕方がないことなんで、いずれはほかの組合だってこれで――後で公務員はどんどんふやさないんですから。公務員は減らすことがあってもどんどんふやすなんていうことはないということになれば、同じような運命に小さなグループだとあるわけですね。
 しかし、一方では学校のようなところは、文部省のようなところはふえているところもあるわけです、実際は。ですから、やっぱりある程度大きく国も橋渡しをやって、負担もやはりみんなで負担すべきものは負担もしてもらう。それから所得制限もつける。それから支給年齢も延ばす。みんながそういうような努力をして、私は大同団結していく以外にはやっぱり救いの手はないんじゃないかと、ざっくばらんな話が。私は専門家じゃないからよくわかりませんが、専門家に集まってもらってよくひとつ本当のところを、公正な意見を聞いて対処してまいりたいと、そう思っております。
#36
○片岡勝治君 こういった事態になることは、数年前に本委員会でもすでに相当論議をされておりましたよね。あと五年先にはこうなりますよと。ですから、いまさらそんなことを言ってもしょうがないけれども、こういうふうに大きな赤字が出てくると、なかなかこの共済組合同士の統一合同というのが非常にむずかしくなる。いま大臣から答弁あったように、大きな借金を抱えているものを抱きかかえるというのはなかなかむずかしくなると思うので、こういう事態になる前にむしろそういう措置をとるべきだったと思うんですよ。
 しかし、いまさらそんなことを言ってもしようがない。まあ、ここでどうするこうするというようなことがいますぐ出るわけではありませんから。しかし、やがてこれはこのままほおっておけばパンクしますからね。事実上パンクしていると同じような事態でありますから、これはひとつ総合的に緊急にその対策を立てて、一時的にやむを得なければ国の財政をもつぎ込んで、とにかく統一合同なら統一合同をする。そのほかの施策をやる。そのためには多少の国の財政の投資も私はやむを得ないんじゃないか。ひとつこの点については大いに努力をしていただきたいと思います。
 最後に、行財政改革の問題が出ますと、再び三たびですか、官民格差の問題がいつも話題になってきます、年金のですね。まあ年金だけではありません。いろんな点について公務員はいいじゃないか、こういう点が民間よりも格差があるとかないとか、いろいろ論議をされております。私もこの問題についてずいぶん関心を持ってその都度私なりに勉強して、ずいぶん是正された点もあると思いますけれども、今日なおかつ厚生年金――まあ国民年金は性格が違いますから、これとの比較はそれはとても及ばないわけでありますけれども、民間の厚生年金、それから公務員の共済年金、これとの格差、従来こういう点が格差がある、ああいう点に格差があるということをいろいろ指摘されてきましたね。その点について今日時点でどう改善をされてきたのか。現在言われておる格差というものの実体があれば、この際それを明確にしていただきたいと思います。特に何かモデルケースのようなものがあれば、そういう例で説明していただけると私どもによく理解ができるんですが、できればそういう点で御説明をいただきたいと思います。
#37
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘のございました、いわゆる官民格差として指摘されてきた事項につきまして申し上げてみたいと思います。
 まずその一つは、支給開始年齢に五歳の差があるということが従来言われてきたわけでございます。厚生年金は六十歳の支給開始であるのに、共済年金は五十五歳であるということがあったわけでございます。
 この点につきましては、五十四年末の法改正によりまして、共済年金の支給開始年齢につきまして男女ともに六十歳に引き上げたわけでございます。この結果といたしまして、制度的に見ますと支給開始年齢の格差は解消をされまして、かえって女子については公務員の方が六十歳ということで厳しいわけでございまして、厚生年金は五十五歳ですから、そういう結果にもなっておるわけでございます。ただ、この年齢引き上げの措置を講じましたけれども、経過措置期間を置いてございますので、その経過措置期間中について言えば、男子についてはまだ当分の問格差が残るという状況でございます。
 それから二つ目に、民間企業への再就職後も共済年金が支給されているではないかという御指摘が従来からあったわけでございます。
 この点につきましては、制度の仕組みといたしまして、年金のいろんな制度があるわけでございますけれども、制度の相互間を移動するという場合にはお互いに支給がされるというような仕組みをとっておるわけでございまして、そういう意味での制度的な格差はないという形になっているかと思います。しかし、この点につきましても五十四年末の法改正におきまして、退職公務員の給与所得が一定額以上、つまり年間六百万円以上である者につきましては年金の一部不支給の措置を講じたわけでございます。
 それから三つ目に申し上げたいのは、従来年金額について格差があるじゃないかという御指摘がよくあるわけでございます。
 五十四年度の新規裁定年金額を比べて見ますと、確かに厚生年金に比べましてまだ共済年金が上回っている状況がございますが、これは給付の算定基礎が違いまして、被保険者期間が共済年金の場合は厚年に比べてかなり長くなっていると、厚生年金の場合はまだ年数が相対的に短いといったような点がございまして、単純な比較では正確ではございませんのでこれは修正をして比較をする必要があろうかと思いますけれども、モデル的な年金を考えてみまして比較をしてみると、昨年末に厚生年金の制度の改正がございまして、特に配偶者加給が大幅に引き上げられたわけでございます。そのことによりまして両方の年金水準、モデル的なもので見ると、共済年金と厚生年金という二つの間にはほとんど差はなくなってきたのではないかというふうに見ておるわけでございます。
 それから、なおつけ加えて申し上げますと、先ほどの民間企業への再就職後の年金の支給制限の問題につきましては、今回の法案におきましてもさらに新しい措置をお願いをしておりまして、従来の五十四年改正法では、今後退職する方について適用することにしていた措置でございますけれども、今回の法案の中には、五十四年以前の退職の方についても一定の制限をやはり加えるというふうなことも加えておるわけでございます。
 以上のような状況であることを御報告いたしたいと思います。
#38
○片岡勝治君 厚生省の方、見えていますか。
#39
○説明員(長尾立子君) お答えを申し上げます。
 私どもの立場で官民格差として御指摘をいただいております項目は、ただいま次長の方から御説明がございました項目に尽きると思うのでございますが、第一点は給付水準の問題でございます。厚生年金と共済組合の場合の年金額は、加入期間におきまして実態相当な差がございますので、同一の加入期間で比較いたしますと、私どもとしては一割から二割程度共済組合の方が水準が高いということが言えるんではないかと思っております。この一つの理由といたしましては、給付の算定方式といたしまして、共済組合は最終の俸給をとりましてそれを給付の算定の基礎といたしますけれども、厚生年金の場合には過去の標準報酬の平均でございますので、いわば年功序列型の賃金体系を持っております場合には、その部分が年金額の上で差になってあらわれるということではないかと思っておるわけでございます。
 第二点は、支給開始年齢の問題でございますが、ただいま共済組合は経過期間中でございますので、現実問題といたしましては男子において差があるということかと思います。
 それからもう一つは、再就職した場合の支給制限の問題でございますが、確かに、共済組合におきまして他の給与所得が一定水準を超えます場合に、年金額に支給停止をするという措置を入れていただいたわけでございますけれども、厚生年金の場合には六十歳から六十五歳になりますまでの間は、十五万円以下の標準報酬の方の場合には一定の水準で在職老齢年金が支給されますけれども、それ以上の方につきましては全額支給停止になります。現実には年金がお受けになれないという実態でございます。これは、制度を離れれば年金を支給するという形におきまして制度の上で形式的には同じでございますが、実態といたしまして厚生年金は二千五百万人の被保険者を抱えておりますように、ほとんどの事業所が厚生年金の適用事業所でございますので、いわゆる第二の就職をいたしました場合にはほとんど年金が受けられないという実態にあるわけでございまして、この点が官民格差として指摘されている点だと思うのでございます。
#40
○片岡勝治君 制度的な一つの問題からこうした格差が生まれてくるということだろうと思うんですけれども、さらに私は改善をすることによって、少なくともこの官民格差が依然として相当あるというような非難については関係当局が大いにその是正のために努力をしていただきたいと思うわけであります。特に組合を離脱して他の組合に行った、つまり共済年金、公務員から民間に行ったというような場合には一部支給制限がありますけれども、年金をもらって民間の企業に働いている――ずばり言って高級公務員の方はみんなそういうことなんですよね。ここをやめられて民間の会社に行く、あるいは他の公社に行く、大蔵省をやめて国鉄に行くという場合には、こっちの年金をもらって、また国鉄の理事の給与ももらう――もちろん支給制限はありますよ、高給になればね。じゃ民間の方からこっちへ来た場合にそういう措置が、それはもちろん理論的にはあり得るわけでありますけれども、現実には皆無に等しいわけであります。そういうことになれば、やっぱり公務員の方が優遇されているじゃないかという民間側の主張なり感情というものは私は当然だろうと思うわけですね。
 そういう点、技術的にむずかしいかもしれませんけれども、私は厚生年金の取り扱いについてももっと創意工夫があればそういう点の是正ができるのではないかと思うんですよ、これは。ですから、こういうような点につきましてもひとつ改善の措置をとってもらいたい。さらに給与水準等につきましても是正措置を講ずれば、さらに格差というものの是正ができる余地は私は十分にあるだろう。こういう点につきましては、ひとつさらに一段の努力をしていただきまして、官民格差などという非難、批判が出ないような年金制度をひとつぜひ確立していただきたい。
 特に、これからは高齢化社会でありますから、年金について全国民が同じような状況に立ってこの年金問題に対応していかなければならない。そういう点では、民間と言わず公務員と言わず、同一の土俵に立って高齢化社会に向かって進んでいく、そういう姿勢がなければ、私はこの数十年先の高齢化社会に向かって、高齢化社会の中で耐えていくことができなくなるのではないか。さっき国鉄の話が出ましたけれども、大同団結もその一つでありましょう、組合の統合などというようなもの。そういう意味で、この官民格差という問題もぜひひとつ真剣に取り組んで、格差なき年金制度をぜひつくっていただきたい、このように思います。
 以上、年金につきまして質問をいたしましたが、最後に、大臣がいなくなりましたけれども、公務員の年金につきましては大蔵省、それから公務員の給与につきましては総理府、公務員の災害補償につきましては人事院、何でこんなふうに分轄しているのかなということを私はかねがね思っているんです。公務員の給与が年金のペースになっておりますから、そういう点で一つの案として総理府なら総理府に統合したらいいじゃないか。そこでは公務災害もあるいは年金も給与も、そういう方が私はいい。やっぱり大蔵省というのは、もう全体の財政を取り扱う場所ですから、むしろ年金等につきましては大蔵省から外に出す、そういうことによってやった方が公正な年金制度というものができるんじゃないか。特に、これから行財政改革で経費節減をやる。私は、大蔵省がみずからの領域で最も厳しく対応していかなければ、他の省庁はついていかないと思うんですよ。まず大蔵省の管轄、その中においてこのむだを省き、あるいは補助金を削り、そうしたみずから行財政というものを率先してやっていく、こういう姿勢がなければ他の省庁はついていかない。そういう中にこの公務員の社会保障制度の根幹というものが、年金というものがさらされるわけですから、そういう意味でも外に出すべきだろう。そうでなくて、大蔵省の中に置いて、多少公務員の方の年金について温情ある措置をすればまた逆に誤解をされる。大蔵省の省内に置いておくからあれは無理もないんだ、おれたちは外にいるから冷たくあしらわれるんだと、こういうことになると思うんです。
 私は、五、六年前この問題を取り上げて、この委員会で当局の見解を聞きました。当時、大蔵大臣は亡くなられた大平さんでした。大平さんは、確かにそう言われれば検討すべき課題だ、むしろそういう点でひとつ真剣に検討してみましょうという答弁があったんです。大臣がいないからあれだろうけれども、これはひとつ私の意見として、後刻適当な機会に大蔵省のひとつ大臣の御見解を承りたい。
 まだ若干、項目が残っておりますけれども、相当時間が経過いたしましたので、私の質問はこの程度で終わりたいと思います。
#41
○中尾辰義君 最初に行管庁にお伺いしますが、先ほどからいろいろと五つの共済年金の財政事情等の御答弁も聞いたわけでございますが、そこで各大臣のお答えも今後こういうのをどうするかということでしたが、せっかく行管庁お見えになっていますから、行政の簡素合理化、これは行政改革の大きな柱でもありますし、こういった共済年金のばらばらの状態を行管庁としてはどうお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(門田英郎君) 先生ただいま御質問の国家公務員その他の共済年金制度、この問題がばらばらではないかという御質問でございますが、各共済制度、年金制度というのはそれぞれ沿革も歴史も違うわけでございます。それぞれ職域年金的な性格を持っているということもあり、かつまたそれぞれの公務員のグループの制度というものとも深いかかわりがあるわけでございます。行政管理庁としても、これはそれぞれの制度を所管している各省、これが一体となって均衡のある年金制度というものの発展あるいは運営をしていかなければならないものと承知しております。
 こういうことのために、すでに御承知かと存じますが、昨昭和五十五年度に社会保障制度審議会の中に年金数理部会というものを設けたり、いろいろな努力をしてきているわけでございますが、今後とも諸方面の御意見を伺いながら、年金制度の均衡のある発展というものに努めてまいらなければならないと、かように考えておる次第でございます。
#43
○中尾辰義君 いずれにしても、これは行管庁の一存ではいかないと思いますし、きょうはその程度にしておきます。
 次に、共済年金制度の性格につきまして少しお伺いしたいと思いますが、この年金制度の法的根拠は国家公務員法第百七条にあります。その第一項に、これは「職員が、相当年限忠実に勤務して退職した場合、」、こういうふうに規定をされておるわけです。つまり、公務員制度の一環として位置づけられております。と同時に、組合員が掛金を納めているので、社会保険、社会保障としての公的年金制度の性格もあるわけでございます。
 そこで、政府の答弁も何回か衆議院の方でもあったようですが、この共済年金制度が社会保険的な公的年金制度と同時に、職域の特殊性からくる企業年金的部分の二つの性格を持っていると、こういうような答弁を繰り返して行われておるわけでございます。そうだとするならば、企業的年金の部分と社会保険的な部分を共済年金において明確にする必要があると思いますが、その辺はどうお考えになるのか、また明確に区分したそういったような数字的なものがあるのかどうか、それをまずお伺いしたい。
#44
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘にございましたように、公務員の共済年金の性格が社会保障としての公的年金としての性格と、それから公務員制度の一環としての職域年金的性格というものをあわせ持ったものだというふうに私どもも理解をしておるわけでございますが、ただ、しからばいまの年金のたとえば給付額の中で、公的年金の部分と企業年金部分とを数量的に分けることができるのかといいますと、そこは非常にむずかしい話ではないかなというふうに思っておるわけでございます。混合した性格になっているものですから、そういう数量的な分け方はなかなかむずかしいということを考えておるわけでございます。
 しからばどういった点が職域年金的な性格であるかという点を若干ちょっと申し上げてみますと、ただいま御指摘もございましたように、公務員の退職年金は公務員法の百七条に根拠があるわけでございますし、また国家公務員共済組合法では、その第一条の中で「公務の能率的運営に資することを目的とする。」というようなことも目的として述べられているわけでございます。
 こういったようなことから、公務員は公正、中立の立場を要求されておりまして、そのために政治的な行為の制限であるとか、私企業からの隔離、守秘義務といったような服務上特別の制約があるわけでございます。したがって、こういった制約に違反した場合には、懲戒免職処分等を受けるとか刑罰が課されるとかいったようなことがあり得るわけでございますし、そういった場合に年金の支給に制限が加えられるというような特殊な制度を設けておるということでございまして、そういう意味でこの公務員の年金制度が人事管理の一環としての役割りも果たしているように思うわけでございます。
#45
○中尾辰義君 いまの答弁を聞いていますと、結局、企業的部分と社会保険的な部分と両面あるけれども、それはどこに境界があるというようなことはちょっと表現しにくいと、こういうことですね、いま長々と答弁がございましたけれども。
 それから次に、先ほどからちょこちょこ出てまいりました大蔵大臣の私的諮問機関、共済年金制度基本問題研究会、これが出てきましたけれども、これは五十五年六月から大体二年間で何らかの結論を出すということですが、いまこの進みぐあいはどういうふうになっておるのか。それから、研究対象はどういうものをやっておるのか。その辺のところをひとつ、これは去年の臨時国会でも問題になったんですが、どうなっているんですか、ひとつ中間報告みたいなところでも結構ですが……。
#46
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘のございました共済年金制度基本問題研究会は、共済年金制度全体を通じます基本的な諸問題とか今後のあり方等につきまして専門的、総合的な検討を行っていただくという趣旨で昨年六月に発足をしたものでございます。
 この研究会に御検討をお願いしているのは、大きく分けまして三点ございまして、年金財政を踏まえました職域年金制度としての共済年金のあり方をどういうふうに考えるべきかということが一つでございます。これは、先ほど来のいろいろな議論の中にもございますように、共済年金全体が高齢化社会の到来を迎えまして大変な問題に直面をしておるわけでございますので、そういった環境の中で、今後の給付水準なり給付要件なり、そういった仕組みをどう考えていくべきかという基本的な問題が一つあるわけでございます。
 それから二つ目に、他の公的年金制度との整合性なり給付の調整という問題があるわけでございまして、厚生年金とのバランスの問題といったようなものもこれに含まれていくわけでございます。
 それから三つ目に、財政問題でございまして、国鉄共済の問題を含めまして今後の共済年金全体の財政を一体どういうふうに考えるべきであるか、こういうことでございます。
 こういった三つの項目を大きなテーマといたしまして、現在までに十回ほど会合を重ねておるわけでございますが、これまでのところは、まず基本的な共済年金制度の現状なり直面している問題点の勉強というようなことで来たわけでございまして、これからさらに今後の年金制度のあり方についての議論を深めていただくことになるのではないか、こういうふうに考えております。
 検討の見通しといたしましては、昨年の六月に発足したわけでございますが、おおむね二カ年程度はこの検討に時間を要するのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#47
○中尾辰義君 そうすると、来年の六月ごろに結論が出るということですね、二年ですから。
 それで、結論が出た場合に、その結論を尊重して具体的な方策を打ち出すわけですね。
#48
○政府委員(矢崎新二君) 私どもといたしましては、できれば来年の春ぐらいにはその最終的な意見の取りまとめをしていただきたい。それで、もし審議の状況が進みまして、できることであれば秋にでも中間的な取りまとめをしていただけないかなというふうな期待を持っておるわけでございます。そういった審議の経過を踏まえまして、そこで出ました御意見を参考として、それから各省問のいろんな意見の調整を進めまして、私どもといたしましては、できるだけ早く新しい年金制度についての考え方を政府としてもまとめていきたい、こう考えておるわけでございます。
#49
○中尾辰義君 それから、各省共済年金の財政事情につきましては、先ほど同僚委員から質問がございましたが、その中で国鉄の年金財政が一番厳しいわけですけれども、先ほど運輸大臣が国鉄の成熟度が一番高い、これは五十五年度で七三%、六十年度になると一一六%ぐらい見込まれておる、こういうことでしたが、郵便なんかはずいぶん低いわけですな。電電がかなり低いわけですが、国鉄が高いというのは、これはどういう理由なんですか、その辺ひとつ……。
#50
○説明員(足代典正君) お答えいたします。
 いろいろな成熟度を高めた理由というのは考えられるわけでございますが、一つには、戦中戦後、国鉄に課せられましたいわゆる国策遂行の影響が一つある。といいますと、どういうことかと申し上げますと、戦中、国鉄の戦時輸送力を増強しなければならない、また他面、外地に鉄道を敷いたというような事情もありまして現職の国鉄職員が外地に派遣された、そういうことで大量の職員を採用せざるを得なかったわけでございます。終戦になりまして急激に輸送需要がしぼんでまいりました。戦争中に抱えました多くの職員と、それから外地からの帰還職員、これを引き受けたわけでございます。昭和十二年から終戦の二十年まで、約百八万人に上る職員を採用いたしまして、昭和二十四年のいわゆる行政機関職員定員法によって若年層から整理したんでございますけれども、なお大量の若年層職員を抱え込んだ形になりまして、これが現在退職期を迎えておる、こういう理由が一つでございます。
 二番目の理由といたしましては、昨今の運輸業界の需要動向、こういうものを踏まえまして国鉄は省カ化経営をやっていかなければならない。御案内のように、昭和六十年までに国鉄の職員を三十五万人体制に持っていくというようなことでございまして、掛金、費用を負担する母体となる職員数が減少してきておる、これが二番目の理由でございます。
 三番目の理由といたしましては、国鉄の職場の特殊性に基づく要素でございますけれども、現在、近代化に努力はいたしておりましてもなお労働集約産業という性格をぬぐい切れません。そのために、熟練労働力を内部に保有する必要があるということで長期勤続を慫慂してまいったわけでございます。そのために、いわゆる年金権を得る人々の数が非常に多い。国家公務員の皆さん方に比べますと、二十年以上勤めまして年金権を持って退職されるという方がかなり多いわけでございます。
 それから最後には、国鉄の共済組合の年金制度、歴史的にその発足の経緯が非常に古うございます。大正九年に年金制度を始めたわけでございます。歴史が古いということの裏には、過去にたくさんの年金受給者を発生させておる。
 以上のような理由かと存じます。
#51
○中尾辰義君 時間がありませんので次に進みますが、国家公務員共済組合の年金財政、これは現在はいいとして、将来はどういうような推移をたどっていくのか、説明してください。
#52
○政府委員(矢崎新二君) 五十四年十月に財政再計算をやりまして、そのときに試算をいたしました結果によりますと、退職年金の成熟度が連合会加入組合の一般公務員の場合で見ますと、五十五年度が二三・四%という程度でありますのが、昭和七十五年になりますと四〇%程度になるという見通しになっております。こういったことを背景といたしまして、収支の状況につきましても早晩に非常に厳しい状況に直面をするものと見込まれております。これは将来のベースアップや年金改定をどういうふうに見込むかということで違ってくるわけでございますけれども、仮定の計算といたしまして、ペアなり年金改定を五%と仮置きをいたしまして計算をしてみますと、連合会の一般公務員の場合は、現行の財源率の一二・三%というままで据え置いていきますと、昭和六十六年度に収支の残が赤字になるわけでございまして、さらに七十五年までいくと積立金もなくなるというような見込みになるわけでございます。
 したがいまして、やはりこのような事態を避けるということになりますと、今後財源率の引き上げを図るとか、あるいは負担と給付の調整についての考え方をもう一回見直してみるというふうなこととか、そういったような問題が出てくるわけでございます。
#53
○中尾辰義君 それは大変なことになりますが、そうすると、積立金の取り崩しで保てる期間はどのくらいあるんですか。
#54
○政府委員(矢崎新二君) いま申し上げましたように、現行の財源率のままでいきますと、昭和七十五年に積立金がなくなると、こういう状況でございます。
#55
○中尾辰義君 時間が余りありませんので、今回の法律改正の内容について若干お伺いしたいと思いますが、この改正の内容の中で、短期給付に係る財政調整事業の実施と、こういうふうにあるわけですが、そこで、この事業を実施しなければならない理由を明確にひとつ頼みます。
#56
○政府委員(矢崎新二君) 現在の共済組合の中で、短期給付を実施しておりますのは各組合ごとに実施をしているわけでございます。この組合ごとにやっています趣旨は、自主的な運営を図るということできめ細かいサービスなり自主努力というものを可能にするというメリットがあるわけでございますけれども、反面、小集団になるわけでございますから、保険方式による危険分散が図りにくいというマイナス面もあるわけでございます。そういうことになりますと、小集団の場合等には、特殊な事情がありますと給付が異常に伸びてそれに財源負担がもう追っつかないというような問題が出る可能性があるわけでございまして、現に林野の共済組合がそういった状況にいま直面をしておるということでございます。こういった公務員全体の共同連帯あるいは相互扶助といった精神で補完をしていくということによって短期給付事業の財政基盤の強化を図っていくということが今回の制度改正のねらいでございます。
 それで、その仕組みの概要について若干補足をして御説明をいたしますと、この助成の対象の組合をどうするかという選び方でございますが、これはまず全体の組合について理論的なその基準掛金率というものを計算をしてみるわけでございますが、そういった平均的な基準掛金率を超えます組合につきまして、その超える重い負担の部分を助成をしていこうと、こういう仕組みでございます。
 この基準掛金率はどういうふうに設定するかといいますと、共済組合全体につきまして法定給付というのは決まっておりますから、この法定給付を実施するためには一体どのぐらいの掛金率が理論上必要であるかと、こういう計算をしてみるわけでございます。そういたしまして、その総平均をとりまして、その総平均と、それから今度は組合ごとにいろんなちらばりが出てきますから、そういったちらばりの状況をにらみましてこの平均掛金率に一定の修正値を掛けまして、そしてその基準掛金率を設定をするわけでございます。その現在の見通しといたしましては、法定給付に要する平均掛金率というものが大体千分の四十三・九ぐらいかというふうに、見ているわけでございますが、それに一定の計算方式によりまして、千分の六・一の差の一・五倍を足しまして千分の五十三というふうに基準掛金率を設定をいたしまして、それを上回るような組合については上回る分を補助をしてあげましょうと、こういう考え方になっておるわけでございます。
 この財源につきましては、各組合が持っております支払い準備金それから不足金の補てん積立金がございますので、その二分の一を連合会に預けていただきまして、その運用益でもってこの給付財源を賄っていくと、こういう考え方になっております。
#57
○中尾辰義君 それから、これは今回の改正で国家公務員共済組合法の附則第十四条の二、ここにその他組合の短期給付に係る事業のほかに「共同して行うことが適当と認められる事業として政令で定める事業を行うことができる。」と、こういうふうになっておりますが、この「政令で定める事業」というのはどういう事業を考えているんですか。
#58
○政府委員(矢崎新二君) これは、短期給付に関連する事業がいろいろあるわけでございましょうが、その中で各組合が共同してやるのが適当ではないかというような事業を統一的にやりたいということでございます。その具体的な内容といたしましては、たとえば当面、いわゆる医療費のお知らせと申しまして、医療費の適正化のための仕事でございますけれども、健保組合やその他の政管健保等でもやっておりますけれども、そういったことをやるとか、あるいはそのほかに健康管理なり疾病予防、成人病対策についての知識の普及等、そういったような健康管理面での事業を充実するという観点から健康管理手帳を交付をしてやっていくと、そういったような事業も考えられると思っておるわけでございまして、これらの点は今後の実施状況を見ながらさらに工夫を加えていきたいというふうに考えております。
#59
○中尾辰義君 それではさらに、財政調整の方法は、各組合が短期余裕金を毎年積み立てている、その積立金の五〇%に相当する金額を連合会に供出させ、そのプール財源の運用益を短期掛金率の基準が千分の五十三をオーバーしている財政赤字の組合に対して助成することとしていると、こういうふうになっておりますが、この供出する余裕金の金額、さらに連合会への供出金は共済組合の五十五年度の決算でやるのか、それとも五十六年度の事業計画の中でやるのか、その辺いかがでしょうか。
#60
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘の点は、五十五年度の決算が締まった時点でそういった処理をしたいというふうに考えております。
#61
○中尾辰義君 それじゃ最後に、これは大蔵大臣、いいですか。
 これは新聞報道にも出ておりましたが、国家公務員共済組合連合会の虎の門病院、もう頭にぴんと来たでしょう。これは新聞でもでかでかとこう出ておりますから、お読みになったことでしょう。違法な予約料を患者から徴収した、あるいは眼科部長が指定眼鏡店から一〇%のリベートを自分の口座へ振り込ませていたと、こういうまことに遺憾な事実が相次いで起こっておるわけですが、この二つの事件について事実関係はどうなっているのか。それからこの責任の所在、さらに大蔵大臣の指導、どういうふうにこれを指導されたのか、それを聞きまして終わりたいと思います。
#62
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的な事件の事実関係の問題につきましては事務当局から答弁させます。
#63
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のまず虎の門病院の眼科の問題でございますが、新聞報道の内容につきまして連合会本部に報告を求めたところ、こういったような報告を受けておるわけでございます。
 指定めがね店から、眼科の医局の研究費といたしまして、昭和五十六年二月五日までに計百二十四万九千円の入金があったことは事実でございます。ただし、その受領金額は直ちに業者に返還をさせたということでございます。それからなお、この入金につきまして、病院側で積極的に要求したとかいうような事実はないと、こういう報告を受けておるわけでございます。この件に関しまして、連合会はその後関係者に対しまして厳重注意処分を行っておりますし、さらに全病院の院長に対しまして、綱紀粛正の通知を行って管理者の注意を喚起いたしまして、見直し点検を行うように指示をいたしております。
 それから次に、予約料の問題でございますが、虎の門病院の外来患者が非常に多いということで、待ち時間が非常に長いという苦情があったことから始まりまして、そういう事態に対処するために、予約制度を三十七年の十二月に取り入れていたわけでございます。この予約業務に必要な経費が非常にかさんできたということから、一定の金額を有料化していただこうということになりまして、四十一年の九月から一件百円、五十年四月からは二百円というふうなことでいただいていたというのが事実関係でございます。しかしながら、この点につきましては、厚生省から適正な措置ではないという御指摘もございましたので、本年三月をもって無料に直したと、こういう報告を受けておるわけでございます。
 この二つの問題につきます私ども大蔵省としての指導の問題でございますが、今後再びこういったことが起こらないように、職員の綱起の粛正、病院管理の適正化ということをさらに一層徹底するよう連合会本部に対しまして強く指示したところでございます。
#64
○中尾辰義君 だから、大臣はどのように指導されたのかと私聞いているんですよ。
#65
○国務大臣(渡辺美智雄君) 残念ながら、個別の指導までは大臣のところまでは上がってきませんので、ただいま担当次長が、大蔵省としては、このようなことがないように職員の綱紀粛正、病院管理の適正化を図ってもらわなきゃ困るということで、連合会本部に対してそれを強く要求したということでございます。
#66
○中尾辰義君 いずれにしても、いまは、言うては悪いけれども、言うては悪いというかこれはあたりまえのことだけれども、行政府の総理大臣から司法界の裁判官までいろんなことをしている、新聞でね。ですから、綱紀が乱れていますよ。厳重にひとつ今後起こらぬようにやってください。
 終わります。
#67
○国務大臣(渡辺美智雄君) 承知いたしました。
#68
○委員長(林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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