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1980/05/12 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第7号
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1980/05/12 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 内閣委員会 第7号

#1
第094回国会 内閣委員会 第7号
昭和五十六年五月十二日(火曜日)
   午後二時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                藤井 恒男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       人事院事務総局
       管理局長     加藤 圭朗君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       総理府総務副長
       官        佐藤 信二君
       総理府人事局次
       長        森  卓也君
       臨時行政調査会
       事務局次長    佐々木晴夫君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局次
       長        矢崎 新二君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       日本国有鉄道常
       務理事      吉井  浩君
       日本国有鉄道共
       済事務局長    足代 典正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○野田哲君 まず、臨調の事務局の方に伺いたいと思うんですが、公務員の共済年金にリンクしている公務員の給与制度について、最初に臨時行政調査会の事務局からその見解を承りたいと思うんですが、きょうの朝刊に、臨時行政調査会での検討項目についてきのう具体的に決定をされたと、こういう報道がされているわけでありますが、私はこの報道によってきょうの質問の資料にするために、この臨時行政調査会で検討された十一項目の内容について資料を提供してもらいたい、こういうことで請求したわけですが、そのようなものはないという答えなんですが、本当にないんですか。
#4
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨時行政調査会で四月の十七日、第三回の段階でもって調査会として特別の部会を構成し七月までに緊急に検討をすべきものというものを定めたわけでございます。これは、行政の見直しによります中央、地方を通ずる支出削減の問題並びに行政の効率化の問題でございます。それを第一特別部会、第二特別部会でもってこれをとりあえず一応検討するということで、実は特別部会段階で種々検討してまいりました。
 昨日、五月十一日の段階で、その検討状況につきまして調査会に対して報告をいたしました。ただし、その検討状況の報告はあくまでもまだ仮定の段階のものでございまして、いわば文書の形で、一応メモランダムという形のものはつくっておりますけれども、これを決定したとかなんとかというふうなものではございません。したがって、たとえば部会あるいは調査会の決定文書ではないものでございますから、まだ不確定の要因が多分に含まれるわけでございますので、先生の資料の御請求につきましていま確定的なペーパーはないと、このようなお答えを申し上げた次第でございます。
#5
○野田哲君 文書のないものが、朝日新聞も読売新聞も同じ文書が報道されるはずはないんですよ、これは。文書があるから、全く朝日も読売も同じ文書を報道しておるのじゃないですか。いまの次長の説明によると、四月十七日のメモといいますか緊急課題というのがありますね、当面の緊急課題。これをもとにしたのがきのうの、この報道された内容なんですか。
#6
○政府委員(佐々木晴夫君) 四月十七日は調査会として緊急課題について概定をいたしております。これに基づきまして特別部会に検討を指示いたしました。それに基づきまして、特別部会段階で各機関から意見を聴取し、とりあえず調査会段階に、今後どういう手順でもって進めていくか、その場合の物の考え方といったようなものにつきまして、いわば未確定の段階でもって調査会に部会長からきのう大体の考え方を御報告したわけでございます。したがいまして、四月十七日の緊急課題に関する課題決定といいますか、これはいわば調査会としての概定した正式文書でございます。きのうの検討状況の報告につきましてのいわば部会段階の案といいますのは、これは部会のいわば一つの物の考え方の試案としまして、素案の素案として御報告したものでありますから、正式に定まったものではございません。
#7
○野田哲君 そこで、それはそれでいいですが、この四月十七日の当面の緊急課題、この中でも第三項の(1)のアの項で「国家公務員の定員・給与・退職金の合理化」、こういう項目がある。さらに、新聞報道によると、「財政再建期間中の給与の抑制措置」それから「退職手当の合理化」「年金制度の見直し」、こういう課題が報道されているわけでありますから、文書がきちっとできているかできていないかを別にして、共済年金制度にリンクする公務員の給与の洗い直し、それから退職手当の再検討、年金制度の見直し、こういう項目が臨時行政調査会の緊急の検討項目になっていると、これはそのとおりに受けとめていいわけですか。
#8
○政府委員(佐々木晴夫君) 四月十七日の段階でもって、この第二特別部会の課題といたしまして、公務員の給与、退職金等の検討を指示されております。いま言われましたように、給与、退職金、このあたりにつきまして、本来あるべき姿というのはいわば二年間の課題でありましょうけれども、当面種々措置すべきものはないかということにつきましては、当然その特別部会の一つの問題意識となってまいるわけでございます。
#9
○野田哲君 人事院に伺いますけれども、人事院は昨年の勧告のときにも触れていたわけですけれども、昭和六十年実施を目途にして公務員の給与制度等についての総合的な見直しを行っている、こういうふうになっているわけでありますが、五十八年を目途にした総合的な見直しを行う、こういうふうに聞いているわけですが、この見直しは大体、公務員の給与以外すべて、公務員制度すべてにわたるわけですか。たとえばいま言った退職手当、それから共済年金あるいは昇任昇格とか任用とか、すべてにわたるわけですね、どうなんですか。
#10
○政府委員(加藤圭朗君) お答えいたします。
 現在人事院が進めております人事行政諸施策の策定の検討ということは、昨年の報告でも触れましたように、社会経済情勢の基盤の変化を踏まえて人事行政の全般の問題にわたって問題を掘り下げて対応していく必要があると、そういう認識のもとに指摘をしたわけでございます。この検討の対象の中には、たとえば採用あるいは昇進問題、それから給与問題、退職管理の問題等人事行政制度の各般の問題が含まれておるというふうに考えておりまして、目下検討を進めているところでございます。
 なお、退職手当、年金制度につきましては、先生すでに御承知のように、所管がそれぞれ分かれているわけでございますので、人事院といたしまして関与するにはおのずから限度がございますけれども、これらの制度はもともと給与制度初め人事行政諸制度に無関係ではございませんので、そういった退職手当、年金制度も十分念頭に置きながら今後の検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#11
○野田哲君 これは大蔵省、大臣でなくて事務方で結構なんですが、大蔵省に大蔵大臣の諮問機関として公務員の共済年金制度についての検討を行っている機関があったと思うんですが、これはいまどういう作業を行っているんですか。
#12
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘のございましたものは共済年金制度基本問題研究会というものでございまして、これは昨年の六月に大蔵省の中に設けたものでございます。この研究会は、共済年金制度全体を通じます基本的な諸問題、今後のあり方などにつきまして、専門的、総合的な検討を行うという趣旨で発足をさせたものでございます。具体的な課題としては、大きく分けて三つの課題を御検討をお願いしたいと思っております。
#13
○野田哲君 そこでいいです。
 運輸省は公企体の共済制度について、国鉄は国鉄で年金問題を検討する機関を設けておられたと思うんですが、それ以外のところはどうなんですか、別にないんですか。
#14
○政府委員(永光洋一君) お答えいたします。
 運輸省にも国鉄の関係を研究する懇談会を設けておりますけれども、実はこの懇談会で研究いたしております段階におきまして、われわれの国鉄の課題につきましては、他の一般の共済問題等に関連するところが非常に多いものですから、したがいまして大蔵省で全般的な共済問題を研究する会にわれわれも参画いたしまして、そこの場で、広い観点からその一環としての国鉄の共済問題を現在いろいろ議論をしていただいておる、こういう段階でございます。
#15
○野田哲君 大蔵大臣、いまお聞きのとおりなんです。公務員の共済制度を検討するのに臨時行政調査会が検討を始める、こういうことなんです。人事院も公務員制度全体の見直しの検討をいまやっているわけです。当然年金問題、退職制度に及ぶわけです。あなたのところにもあるわけです、年金制度を検討する機関が。運輸省にもあるんです。一つの公務員の年金制度を検討するのに、それぞれが四カ所で、いま直接のそれではないにしても、関連する問題等含めて検討がされているわけなんです。まずここから行政改革をやらなければ、これはどうにもならぬのじゃないですか。
 そこで、いまお聞きのような状態の中で、府の副長官に私はお伺いをしたいと思うんです。それは、年金問題の基礎になる公務員の給与制度について人事院は人事院で見直し作業をやっている。臨時行政調査会は臨時行政調査会で、ことしの七月までの緊急の課題の中に公務員の給与制度の見直しが大きな項目として入っている。私が承知をしている限りにおいては、公務員の給与制度についての問題は人事院の勧告によって必要な措置がとられる、こういうふうな制度にいま国家公務員法はなっていると思うんです。臨調は臨調で何か物申す、人事院は人事院で見直し作業をやって五十八年ごろは結論を出される、こういうふうに動いておられるわけですが、一体総理府としては、そういうそれぞれの動きの中でどういうふうにこれに対処されようと考えておられるんですか。
#16
○政府委員(佐藤信二君) いま野田委員から御質問がございましたが、私の方では、まずいまの臨時行政調査会の使命というもの、これは行政のあり方という立場から見て、仕事減らし、人減らし、金減らしというところに実は観点があるのじゃないだろうか。一方、人事院の方は、公務員法の第一条に基づきまして、公務の民主的かつ能率的な運営、こういうところから実は検討を始めていると思うんです。いま御指摘のように、この公務員の給与制度の抜本的な見直しというのは、昨年の人事院の勧告がございまして、それを行うときに、実は政府として昨年の十月の二十八日に勧告取り扱いの方針の閣議決定をいたしまして、それに基づいて人事院に対して検討というものを可及的速やかにやってくれ、こういうお願いをしたわけでございます。
 そこで、いまの段階ですと、どういうふうなことが実は臨調から出てくるか、人事院から出てくるか、わかりません。ということでございますが、従来は私の方、総理府といたしましては人事院の勧告というものを尊重していくという基本的なたてまえをとってまいりました。しかし、いま申したように、やはり第二臨調の使命からいって、いままでの制度そのものに対してメスを入れるということでございますれば、どういうふうな結論を出してくるかということによって慎重に審議していきたいと思っております。
#17
○野田哲君 臨調の事務局に伺いますが、臨調の方でいま公務員の定員とか給与あるいは退職金等についてメスを入れる、こういうことで検討項目に挙げておられるわけですが、公務員の給与についてメスを入れるというその手続、手順というのはどういうふうに考えておられるわけですか。
#18
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨時行政調査会は一応二年間の検討期間をいただいております。二年の間に行政の制度及び運営の基本的事項につきまして調査審議をするということを役割りといたしております。その過程にありまして、当然二年間だけの臨時的な機関でございますが、各方面でもって種々御検討なさっているところがいろいろあるということは当然承知をいたしておるところでありまして、まず第一の問題といたしましては、たとえばいまの給与の問題でありますと、人事院、総理府それから大蔵省、このあたり等で種々御研究なさっておられますところを、種々これをまたさらに私どもの方でも参考にさせていただく、それをまた検討させていただくということが第一段階であろうかと思います。
 それからさらに、たとえば、これにつきましての議論を経ました上で、所定の手続というのがあるわけでありますけれども、臨時行政調査会自体としての問題意識を熟させていく、また各機関とも御相談をするというふうなことによって、必要ないわば議論の調整というものを行っていく、その他その実行に当たりましては、それぞれ法律でもって定められました諸機関があるわけでございますので、そうしたところでさらにその御検討を願うという種々の段階を経て、臨時行政調査会で一つの答申が行われる段階にありましては、そうしたような過程でもって行われてまいるもの、このように考えております。
#19
○野田哲君 どうも回りくどくてよくわかりませんが、公務員の給与にメスを入れるとすれば、私が承知している限りでは、人事院が勧告を行う以外には手続の方法はないと思うんですが、それ以外の方法を何か臨時行政調査会の事務局としてはあると考えておられるんですかむその点を聞きたいのです。一言で結構です。
#20
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨時行政調査会の役割りからいたしまして、これからいわば、たとえば民間の国民的なコンセンサスの場を持ってまいりたい、国民的立場に立って行政改革の実際に当たりたいということでございますので、それ自体としての種々の物の考え方というものを整理しなければなりません。いま給与、退職金等につきまして検討をするということが当面調査会として決まっておりますので、部会段階ではまずそうしたものについての検討を終える、その上に立って、それぞれ所定のまた御相談、それからあるいはその他のいろいろな手続をとっていくということを
 一応考えておるわけであります。
#21
○野田哲君 よくわかりませんが、また改めて伺いましょう。
 総理府の人事局ないしは人事院、どちらでもいいんですが、いま退職金の問題が大きな課題になっております、公務員の退職手当。五十二年の官民比較をもとにしていま法案が出されている。そこで私が伺いたいのは、五十二年に人事院が民間との比較をした、それ以降公務員の給与制度にいろいろな変化があって、五十二年まで行われていた退職時の特別昇給、それから昨年の勧告に基づいてとられた措置として、定期昇給の抑制措置がさらに昨年から強まってきた経過がある。そういう経過によって、五十二年の調査でモデルにされた公務員が五十二年当時と退職金の給与がどれだけ抑制をされているのか、その点を御説明をいただきたいと思います。
#22
○政府委員(森卓也君) お答えをいたします。
 退職時の特別昇給の制度につきましては、高齢によりますところの昇給延伸等による影響を受けている職員で、勤務成績が特に良好な者が勧奨によって退職する場合に認められております特別昇給につきましては、これは現在も行われているものでございますが、来年の三月三十一日をもって廃止されることになっております。
 それからまた、昨年から導入をされました高齢者の昇給停止措置等は、経過措置がいろいろ働くというようなことによりまして、その昇給抑制効果がフルに出てまいりますのはほぼ昭和六十年以降の退職者についてであろうかと思いますが、そのころになりますと、二号俸がフルに働くようになるかと思います。
#23
○野田哲君 そうすると、五十二年当時から今日では、公務員の定期昇給制度で一つのモデルを例にとると、五十二年当時に比較をして二号低い状態で六十年以降では退職することになると、こういうことですね。そうすると、そのぐらいの該当者ですと、二号ということになると大体金額でいくと二万円ぐらいですか、どうですか。
#24
○政府委員(森卓也君) お答えをいたします。
 勤続年限によっていろいろ二号俸というものの差がございますが、大体先生の御指摘の線の前後だと思われます。
#25
○野田哲君 そうすると、これは副長官よく聞いておいていただきたいと思うんですが、五十二年の比較で民間との逆較差が八%ないし一〇%ぐらいあるぞと、こういうことでいま削減措置が提案をされているわけですが、いまの次長の説明によると、その比較した五十二年以降、公務員の給与の抑制措置によって退職時の特別昇給が来年三月三十一日で廃止される、それから昨年行われた高齢者の定期昇給の抑制措置によってその効果が六十年以降は出てきて、これによって二号、個人差はありますけれども、平均二万円ぐらいは本俸で下がった状態で退職することになる、五十二年と比較すると。そうすると、退職手当六十カ月とすると、この措置だけで百二十万円落ち込むわけなんですね。百二十万円落ち込むということは、五十二年の比較で公務員の退職手当が高いから削減しろというあの提案の金額が、ほとんどこれによって、率を落とさなくても本俸自体が下がることによって削減をされていく、こういう結果になるんだと、こういうことなんですが、その事実はあなたはお認めになりますか、どうですか。
#26
○政府委員(佐藤信二君) いまの話のように、実際的には影響が出てまいりますのは六十年以降ということでございます。しかし、民間との比較において実はこの問題が始まったわけでございますが、民間の方は石油の危機以来退職金制度の修正というものが急激に実は進みまして、五十二年度における民間調査の後においても退職金にベースアップをそのままはね返さすというようなことが実はなくなったり、また定年年齢の延長に伴う退職金を五十五歳の水準に抑えるというふうに実は厳しいような措置をやっております。
 そこで、昭和五十三年以降の官民双方の退職金の水準の変化というような問題は、今回の改正法案で六十年に見直すというふうな実は規定がございまして、その段階においてひとつ検討を進めていきたいというふうに考えております。
#27
○野田哲君 そういう説明ですと、今度は民間の方にはまた別の制度があるので――企業年金というような制度、退職一時金を企業年金にずっと肩がわりをしているというような制度があるので、そこまで全部あなた資料を出してもらわなければ説得力はないので、きょうはやめますが、ただはっきりしておることは、五十二年の比較で公務員の方が退職手当が高いから減せということで率を減そうとしているわけですね。いまもう一つは、毎月の給与を抑制する措置がとられて、それによって平均大体退職するモデルの人で、いま説明があったように、昇給を抑制することによって現実に百二十万円ぐらいも実質的には下がっていると。ですから、それにもかかわらずさらに率も下げるということになると、これはダブルパンチということになるわけですよ。都合のいいときには率を下げ、都合のいいときには本俸を下げる、こういう二重の措置によってやられることになるわけで、それは比較として私は正しい比較ではないと思うので、しかしそれは問題をきょうは指摘をするだけで終わりたいと思います。
 これで終わりますが、後で労働省なりそれから厚生省なり、春闘の問題等聞かしてもらうつもりでありましたけれども、全体の時間が縮まりましたので、大変恐縮でございますが、これで私の質問は終わります。
#28
○山崎昇君 それでは、大変全体時間短いそうでありますからごく簡潔に聞いていきますが、後で共済組合法そのものの内容については技術論も含めて細かに聞きたいと思いますが、まず大蔵大臣にせっかくの機会でありますから二、三お聞きをしたいと思うんですが、大変予算委員会でも問題になって最近また大蔵省でも検討しているようでありますが、所得税の減税が一体どういういま見通しにあるんだろうか、それから、もしやるとすればどういう手順で大蔵省としてはやろうとするのか、まずこの所得税の減税についてお聞きをしたい。
#29
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十六年度のことだと思いますが、五十六年度の予算のときに、われわれとしては所得税減税をやる余裕がございませんということをお断りしてきたわけでございますけれども、いろいろいきさつがありまして、議長裁定が出され各党がそれを了承するというようなことになりました。私も議長のところに呼ばれまして、こういう裁定を出したと、ついては各党ともこれを了解したので、財政当局においてもいろいろ御事情はあろうが、この裁定のとおりにひとつやってもらえぬかという話があったので、そこで私はお引き受けしてまいりました。したがって、これは政治的な決着でございますから、その裁定の前にも後にも出ないと、裁定のとおりにやらしていただきたいと、こう思っているのはいまでも変わりはありません。
 ただ、新聞などで、この間もどこかの新聞に大蔵省首脳語るといって、私の写真入りで、しかも何か五百億のミニ減税をことしやれば来年やらなくて済むとかなんとかというようなことが書いてあっていろいろ波紋を投げました。ところが、私は全然知らない話でございますから、だれなんだといろいろ犯人捜しをしてみたけれどもだれもいないということで、一体それはだれがしゃべったかわかりませんが、ああいうこともないんです。
 ところで、よくどういうふうにやるかと言われるが、やるかと言っても剰余金が出てみないことにはわからないわけであって、剰余金が出るのか出ないのかといま聞かれても、でかい目玉の法人の決算申告というのは五月にどんと出るわけですから、それが出ないことには、事業所得の伸び率が悪いということで全体の税の進捗割合が非常に五十五年度分はよくないということを言われておりますが、法人の申告がまだ出てこないわけですから。法人は非常にいいと、企業の投資も行われていると言われておるので、わからぬわけです。わかったのは、予備費支出が九百七十何億円余ったとか、それから税外収入のうちでへっこんだのもあるかもしらぬが、十二月決算締め切りの競馬会が三百何十億円か余分に出たとかいうぐらいのことで、後は不用額が幾ら出るのか、それから果たして税金の収入減が幾らになるのかわからない、結局はわからないということ、それが全部出そろった暁においてはあの文章どおりにやりたい、こう思っておるわけです。
#30
○山崎昇君 なるほど大蔵大臣のいま説明のように、法人の決算五月、それから役所で言えば五月の末が出納閉鎖期ですね、ですからそういうものから勘案していけば、少なくとも来月の中旬かあるいは二十日かわかりませんが、そのころには大筋確定をしてくるんではないんだろうか、こう私は素人でありますが考えるわけなんですけれども、したがって、いずれにいたしましても、あの議長裁定どおりやれば所得税の減税はしなきゃならぬ。額は、いまあなたの言うとおり、いろいろなことはあるとしましても、ことしはその場合に一体大蔵省としてはいまの段階でどういう手順で所得税の減税をやろうとしているのか、その点だけ重ねてひとつきょうはお聞きをしておきたい。
#31
○国務大臣(渡辺美智雄君) 額がわからないと、どういうことでやるかと言っても見当がつかない。課税最低限までいじれるほどの額なのか、もっと小ちゃなものなのかわからぬものですから、実際にわかるのはやっぱり七月、六月でわからぬそうです。不用額の全部の整理がつかないときちっとわからないということであって、たとえば予備費の不用が三月末でわかります。その他の歳出の不用は五月末でわかります。税収等の歳入の増減は六月下旬にならないとはっきりしませんと、慣例で毎年そうなっておりますから、したがってまだ先もございますし、額の見当も大体大ざっぱなところがつかないものですから、まだ手順については考えておりません。
#32
○山崎昇君 そういう点もあろうかと思いますが、私がお聞きしたかったのは、それは額にもよりましょうが、たとえば一遍やりました税の戻し方式でやるのか、年末調整というかっこうでやるのか、あるいは課税最低限引き上げでやるというのか、そこらのことはもちろん額との関係もあると思うけれども、大筋大蔵省としては大体こんな方向でいくのかいな、これは国民から言うと一体これどうなっていくのだろうかという心配も、かなり最近実質的な賃金の目減りということもありまして、相当な関心があるだけにお聞きをしておるわけなんです。したがって、いまなかなか結論を出しにくいというお話でありますから、それはそれで私はある程度理解をしておきますけれども、いずれにいたしましても、早い機会にきちんとしたことを大蔵省としてはやってもらいたいということを、この点は要望しておきたいと思うんです。
 それから第二にお聞きをしておきたいのは、これも最近私ども新聞紙上でしかわかりませんが、グリーンカードの実施についても与党の内部にもいろいろ議論があって、一部手直しをするとかあるいは見直しをするとか、あるいはやめになるのだとか、大蔵省は決定どおりやるのだとか、さまざまなこれまた報道がなされるものだから、こういう機会にグリーンカードの実施という問題についてきちんとした見解をひとつお聞きをしておきたい。
#33
○国務大臣(渡辺美智雄君) グリーンカードの問題は、皆さんからかわるがわる、不公平税制の一環であるから利子配当は総合課税しろと、各党ほとんど言ってこられてつくった法律なわけです。したがって、それをいまのところ変更するという考えはございません。与党内部からも具体的に、延期をしろとか、それからやめろとかという議論は――個人としてはどうか知りませんよ、一人、二人とか個人の発言は。しかし、党の機関からもそういうものは上がっておりません。全然別なことで誤解を受けないように、非常にみんな心配しているよと、何かもう全部へそくりまでみんなわかっちゃうそうじゃないかということで、えらい庶民の間でも心配しておると。したがって実際はそんなはずではないわけだから、PRが足りないんじゃないかと、正しいPRをするように何らかの処置を講じろというようなことは聞いております。これは与党の中でも税制調査会でひとつ少し詰めてくれという話がございますが、中身について具体的に変更しろとか、延期しろとか、やめろとかということはございません。
#34
○山崎昇君 そうすると、決まったとおりやりますと、公式的にはそう私ども確認をしておきたいと思うんです。
 それから、その次にお聞きをしたいのは、これも事前にお聞きをすればよかったんですが、けさの朝日新聞もそうでありますし、それから二、三日前の新聞もそうでありますが、告知定期のマル優問題が六月の一日から実施をされるというふうに報道されておりまして、けさの新聞によるというと、かなり数字が入って報道されておるわけです。
 そこで、これがこの報道どおりやられるのかどうかということをまずお聞きをして、もしそうだとすれば、信託等でやっておりますマル優の扱いとかなり違ってくるんではないだろうかと、こういう考え方になります。それはどういうことかというと、信託の場合は、金銭信託にしましても貸付信託にしましても元本の三百万円まではもちろんマル優でありますけれども、利子はそうなりませんね。ところが新聞報道によりますというと、この告知定期の場合には、一年ごとの複利計算で利子も全部ひっくるめてマル優だと。こうなると、これは少し問題がありゃせぬだろうかと、こういう気がするものだから、これだけ特別扱いにするという意味も含めましてお聞きをしておきたいと思うんです。
#35
○国務大臣(渡辺美智雄君) 新型の期日指定の定期預金は、新聞に報道されておることと大体同じだと思います。これは、私といたしましては、ボーナス時期までに実施したいという業界の要望もございますので、六月一日から御要望がある方にはそれを認めていこうと、そういうように考えております。
 なお、この課税問題については、複利計算で三年間それをまとめていくとか、あるいは途中で払い出しをしたときには、その月数だけいまであったらさかのぼって安い利率になるけれども、それは定期の期間に応じた利息をつけるというようなことでやっていこうと。なお信託についてもこれと同様に、信託期間中の収益を期間満了時に一度に支払うような、そういうような商品が開発されたときには、新型期日指定預金と同じような取り扱いを認めてまいりたいと、そういうことでバランスをとらしたいと、そう思っております。委細については事務当局から説明させます。
#36
○政府委員(梅澤節男君) 新型の期限告知型の定期預金の問題でございますけれども、ただいま大臣の答弁のとおりでございます。税法上の取り扱いのポイントは、実はこの商品は利息の計算が複利計算でございます。複利計算でございますけれども、それは満期の時点で支払い利子が確定する。つまり預入期間の途中で利子の請求権が発生しないものでございますから、ちょうど現在郵政省でやっております郵便貯金の定額貯金でございますね、これと同様に満期時に利息が確定するということでございますので、預入時の元本額でもって非課税限度額を判断するということでございます。
 したがいまして、非課税貯蓄の限度の枠内でございますれば、預入時の元本そのものが非課税の扱いになるということでございます。今回は、現在私どもが相談を受けておりますのはこの定期預金だけでございますけれども、ただいま大臣の答弁がございましたように、もし信託につきましても、信託期間の満了時に収益金の分配額が確定すると、そういう商品ができました場合には、これも当初の信託元本でもって課税扱いとするか非課税扱いとするかという取り扱いでやってまいりたいと考えておるわけでございます。
#37
○山崎昇君 そうすると、いまの信託の関係で言うと、信託関係から何か来なければあなたの方ではやる意思がない、こうも受け取れるんですね。ところが、現実にいま私もまあ少しはありますよ、正直に言いましてね。ところが、信託の場合は元本仮に三百万円なら三百万円やりますと、その利子は六カ月で一遍利子を出しまして、それは元本に入れることができないものだから、別な普通口座とかそういうものに移さなければいかぬのですね、逆に言えば。ところがこの告知の場合には、それがそのまま元本に積み重なって複利計算でマル優という扱いになっていくと、こうなっているものだから、ずいぶんこれは信託との間に差が出てくる。
 極端なことを言えば、信託をやめてこっちへみんな持っていった方がいいのではないか。信託だって金銭の場合は二年、貸付の場合は五年ですよね。ですから、これは告知三年とこうなっていますけれども、もっと長いんですよね、正直なことを言うと。そうすると、同じ金融機関で扱いながら、郵貯との関係はもちろんあるでしょうけれども、同じ銀行で扱いながら、こっちは都市銀行、市中銀行ならばこういうことで新手だからそれは特別措置として認めます、しかし、信託の方は何も言ってこなければいままでどおりですというのでは、私は少しこれ金融の扱いとしてはまずいのではないだろうかという気がしてしようがない。私どもこれ素人なんですがね。これはやっぱり、大蔵省としては信託とどんな話しているかわかりませんけれども、同じ扱いにすべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
#38
○政府委員(梅澤節男君) ただいまの御指摘、両商品のバランスの問題は確かにそのとおりでございます。実は現在、今回発足いたします期限告知型の定期預金につきましても、従来市中銀行でたとえば二年物の普通定期預金をやっておりますが、これも預入期間の途中で利子が発生するというふうな仕掛けになっておりますから、ただいま先生がおっしゃいましたちょうどその元本と途中の利子を合算したところで非課税限度額が問題になるということが起こってまいりましたので、今度こういう新しい商品を考えてきたということでございます。
 信託についてももちろん、私どもが聞いております範囲では、そういう金融市場における商品のバランスの問題も当然ありましょうし、そういう観点から銀行局の方で現在信託の新しい商品のあり方について検討しておるというふうに聞いておりまして、そういう構想が出てまいりました場合には、当然課税上の扱いにつきましては、先ほど大臣が述べられましたような考え方に立って、同じような扱いをするというふうに考えておるわけでございます。
#39
○山崎昇君 そうすると、いま銀行局の方で信託と話し合いやっておりますと、そういう一つの方向が出れば当然同一の扱いにいたしますと、こういうことになりますね。そういうふうに確認をしておきます。
 それから、その次に大蔵大臣にお聞きをしたいのは、実はおとといの日曜日の朝の国会討論会で、官房長官から五十七年度予算の編成について発言がありまして、その概算要求枠、シーリングについては六月十日前後までに決めたいという発言がありました。これは大蔵大臣と相談をされてのことだろうと思うんですが、官房長官の発言でありますから、私は、各省の予算要求が六月の十日前後までに出ていって、五十七年度予算の編成に当たっていくのかなという感じであれを聞いておったんですが、この官房長官の六月の十日前後までにシーリングを決めたいという発言はそのとおり受け取っていいのかどうか。それから、大蔵省としては五十七年度予算編成に当たってそういう手順でこれからやっていくというのか。もしそうだとすれば、相当もうどういう枠でどうしていくかということが大蔵内部になければなかなか各省はできないんじゃないだろうかと思うんですが、この官房長官の発言について大蔵大臣の見解を聞いておきたい。
#40
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は正直のところ、具体的な予算編成の日程は正式には決まっておりません。おりませんが、一つの目安といたしまして、前例にないことをやるわけですから、四月の末に各省庁の担当者を集めまして大蔵省の事務当局から一応の話はいたしました。そこで、総理の日程との関係もありまして、六月の八、九日ごろから何週間になるのか、十日ぐらいになるのか、総理の訪欧ということが一応予定にあるということになると、それ過ぎるということになると七月近くになってしまうと、そうなるとちょっと遅いんじゃないか。できることならば六月の上旬に各省にシーリング枠を示して、そうして各省でその中で勉強してもらうと、それで一方、七月の上旬になるのか中旬になるのかよくわかりませんが、第二臨調の中間答申というものが出されると、そこでそれを踏まえて、粗ごなしを最初やっておりますから、中間答申にどんなことが出るか具体的なことはわかりませんが、要するに新聞に出ているように、検討項目というのは、おおよそ各省庁では大体これは来られちゃ困ると思うものもあるかもしらぬけれども、大体ある程度はわかるんですよ。したがって、その下勉強をしたところに答申が出て、それを土台にして約一カ月半ぐらいかけて八月の末にその概算要求を出してはどうかというようなことの話はぼつぼついたしておりますが、正式に政府として決まったわけではございません。
#41
○山崎昇君 もちろん、正式に決めるには大蔵省が先に決めなきゃいまの制度上からいけばできない。しかし、あれだけ国会討論会で官房長官が十日前後という言葉を使ったにしても、そのころにはもうシーリング枠がいくんだというこういう発言でありましたから、一体大蔵省はことしの予算編成をどんなふうにやっていくのかなとぼくら多少危惧の念を持っておりましたし、それでいまあなたの見解を聞いたんですが、どうもわかったようでわからぬ。だから、あなたの方もいまの段階できぱっとしたことは言えないのかもしれませんが、しかし、いずれにいたしましても、ことしは六月の十日前後にそういう形で進めて、七月の半ばころに臨調の答申が出て、それに基づいてまた直したりしてやって、あと大蔵省の査定という手順は従前どおり八月の下旬ぐらいから始まっていく、こういう大ざっぱな手順だというふうに理解していいですか。
#42
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ内部で相談はいたしておりませんが、大体そんなことしかないんじゃないだろうか。それで、臨調の答申を生かすために法律を直す必要が恐らく出てくるのではないか。そういう場合には、あるいは予算編成前に臨時国会をお願いをするということもあり得るのではないだろうか、あるいは延ばしておいた方がいいのか、中身を見ないといまのところ断定的なことは申し上げられませんが、いまのところ大体そんなようなことに落ち着く可能性が非常に多いし、われわれとしても六月の上旬までにシーリングを決めるようにしたいと思って、いま作業を始めておるところでございます。
#43
○山崎昇君 それからもう一点お聞きをしますが、実は五月の七日に衆議院の内閣委員会で議論されておりまして、いま国会で議論しております定年制の導入に関連をして質問をされているわけですが、そこで総務長官の方から、定年制を導入した場合に無年金者がかなり出る、この無年金者の扱いについては大蔵省に検討を願っております、こういう答弁が行われております。そしてその内容として、十五年特例年金等も考えなきゃならぬのではないかというような話も出たりしておるわけなんですが、一体大蔵省は、この総務長官答弁にありますように、どういう検討をされて、大体どんな対象があって、それからまた十五年特例年金なんということも検討されているのかどうか、明らかにしてほしいと思います。
#44
○政府委員(矢崎新二君) わが国の場合は昭和三十六年以来国民皆年金になっておるわけでございまして、社会保険相互間で組合員期間なり被保険者期間を通算をして年金権を発生させるといったような措置も講じられておるわけでございます。したがいまして、昭和六十年に定年制が導入された後に、定年退職する日においても共済法上の退職年金あるいは通算退職年金の受給資格を持たないという方は、きわめて異例なケースではないかというふうに思っておるわけでございます。しかしながら、定年退職の日におきましても共済法上の年金、通算年金も含めてでございますが、そういう受給資格を持たない方が生じた場合のことでございますけれども、共済年金制度が公務員制度の一環としての機能を持っておるという側面から見ましても、共済法上何らかの特例措置を設けることで対処することが適当じゃないだろうかということで検討をしておるわけでございます。
 具体的な点につきましてはこれからの問題ではございますけれども、たとえば通算年金を含みます年金の受給資格期間に達するまでの間、任意継続組合員といたしまして共済法上の組合員資格を存続させるといった対策も考えられるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても今後とも関係省庁と協議をいたしまして、定年法が施行されるまでに具体化し得るように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#45
○山崎昇君 そうすると、これは当然もしやるとすれば共済組合法の改正等を伴いますね。したがって、大蔵省としてはまだ人員だとか対象がどうなるとか、総理府でもこれから調査のようでありますから確定はいたしませんが、いずれにいたしましても何らかの方途をとるということになれば法改正等も含めて検討しているんだ、こう理解していいですね。
#46
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のとおりでございます。
#47
○山崎昇君 それでは、これから少し細かくなりますが、共済組合法の内容についてお尋ねをしていきたいと思うんです。
 一つは、国家公務員共済組合審議会、それから社会保障制度審議会の答申が幾つか出ておりますが、いずれも共済年金制度としての考え方がいまなお見られないのは遺憾である、単に恩給に右へならえしているのは遺憾である、こういう指摘が大変出てきます。したがって、大蔵省としてはこの恩給右へならえの批判について、これらの答申で述べておられますように、批判についてどういうふうに考えられるのか、あるいはまたどういうふうに、何回も出ているわけなんですが、検討されているのか、まずこの点からお聞きをしていきたいと思います。
#48
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のように、制度審あるいは国共審で共済制度独自の考え方が見られないのは遺憾だというような御指摘がしばしばなされておるわけでございます。その御趣旨は、たとえば今回の改正法案の中にもございますような既裁定年金額の引き上げ、あるいは最低保障額の引き上げという措置が、恩給の改定にならいました従来からの慣例の措置だというところをとらえまして、そこに共済年金独自の考え方が見られないのは遺憾であるというふうな御趣旨で言っておられるように理解をしておるわけでございます。
 ただ、こういった御批判を踏まえて考えた場合に、最低保障額のあり方であるとかいろんな問題につきましては、この共済年金の給付算定方式とか給付水準のあり方とか、そういった共済年金制度の根幹に触れる基本的な問題と関連が深いわけでございまして、これは総合的な角度から検討をしなければならないということだと思っております。
 そういう意味で、関係審議会なりあるいは先ほどもちょっと触れました共済年金制度基本問題研究会の御意見も拝聴しながら検討を進めてまいりたいと思っておりまして、この研究会は昨年の六月に発足をいたしまして、おおむね二年程度を目途に御検討をお願いしておりますので、そういった御意見も参考にしながら早急に全体的な検討を深めたいと、こう思っております。
#49
○山崎昇君 せっかくの答弁ですが、これ一回や二回じゃないんだね。一回や二回じゃない。それから、私もこの委員会で恩給の審議の際に総務長官にも、恩給そのものがここまで来ればやはり社会保障制度的な要素はかなり濃い、そういう意味では恩給審議会だけの答申でいくということは片手落ちみたいな感もあるんじゃないかということをかなりここで議論している一人なんですが、そういう意味で言うと、社会保障システムだという共済が毎度毎度この審議会あるいは社会保障制度審議会等から、恩給の右へならえで遺憾だという指摘を何回もされるということは、私はこれは考えてみなけりゃいかぬのじゃないだろうか。ただ懇談会をつくって検討していますとか研究会をつくって検討していますとか、そういうことだけであなた方終始するという態度そのものについて、私はやっぱり遺憾だと思うんです。
 具体的な内容はたくさんありますけれども、特に最低保障額の引き上げなんかは、これはやっぱり率そのもので考えるべきではないか。後で述べますが、たとえば寡婦加算にいたしましても、恩給にすうっと右へならえしてくる。それだけの話であって、所管省としては私はやっぱり少し手落ちじゃないんだろうかという気がいたしますが、重ねてあなたの見解を聞いておきたい。
#50
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金制度につきましては、御承知のように高齢化社会を迎えまして、年金財政上非常にむずかしい問題に逢着しているという基本的な問題がいまや最大の課題になってきておるわけでございます。
 したがいまして、その制度のあり方という点につきましても、そういった今後の年金財政をどう持っていくかという基本的な観点からの検討を踏まえまして、給付水準なりそれから受給の資格の問題なり、いろいろな点を検討して見直していくべき時期に来ておるわけでございまして、先ほど申し上げました共済年金制度基本問題研究会もそういった趣旨で特に設けた経緯がございまして、私どもはそれらの御意見を参考にしながら真剣にこの問題に取り組んで、早急に新しい共済年金制度のあり方についての結論を得たいと、こういう気持ちでやっておるわけでございます。
#51
○山崎昇君 そこで、これだけやりとりしてもしようがありませんのでお聞きしますが、恩給に右へならえ措置をとっているわけですが、これが共済の掛金に一体どういうはね返りをもたらしているんだろうか。掛金率そのものは五年ごとに再計算するということになっていますから、それはそれで再検討されると思うんですが、恩給との見合いで一体掛金にどんな影響を及ぼしているのか。そういう検討をなされたことがあるのかどうか。あったら、その影響についてひとつお聞かせを願いたい。
#52
○政府委員(矢崎新二君) 今回の改正によります年金額の引き上げが掛金率にどの程度の影響を与えているかという点をちょっと検討してみたわけでございますが、不足財源そのものの処理としては、毎年それがされるわけではなくて、再計算の際にベースアップ等の不足財源とあわせまして処理されることになるわけでございます。したがいまして、その正確な計算をしているわけではございませんけれども、今回改正の影響による掛金率の上昇は、ごく粗い試算によりますと、財源率にいたしまして千分の二・八程度、掛金率で見ますと千分の一・二程度ということではないかと見ておるわけでございます。
#53
○山崎昇君 そうすると、まあ言うならばそう大した影響がないというふうに理解をしているのかどうか。その点だけ確認をしておきます。
#54
○政府委員(矢崎新二君) これは年々こういう措置を重ねていくわけでございますから、それが累積をして財源不足の一部を構成していくということはこれまた事実でございまして、そういうものも含めまして全体としての今後の年金財政の長期バランスを見た場合に、非常に重大な事態にいま差しかかりつつあるという見方を私どもはしております。
#55
○山崎昇君 次に、これは恩給から共済に移行になって、旧恩給部分については追加費用という規定で公的負担を持っているわけですが、それともし同じ考え方でいくとすれば、国鉄共済なんかの場合も、私は旧制度から引き継いだ分についてはやっぱり公的負担でいくべき筋合いじゃないんだろうかという気持ちを持っているわけです。その点は運輸大臣と大蔵大臣の見解を聞きたい。
 それから重ねて、一昨年この共済組合法を直したときに、いま公的負担がかなり私学その他と違っておりまして、やがて公的負担を二〇%に近づけたいという答弁があって、私ども了承したわけですが、それがどういうふうにいま検討されて、これが、まああの問題は二十年後に六十歳になる人も出てくるわけなんですが、いずれにいたしましてもこの公的負担の増というものを大蔵省としてはいまどんな検討をされているのか、あわせてひとつお聞きをしておきたい。
#56
○政府委員(矢崎新二君) まず第一点の、国鉄共済の場合の旧制度を引き継いだ部分の問題でございますが、この恩給等を引き継いだための整理資源の問題は、これはやはり事業主としての負担という性格を持っておるわけでございまして、そういう意味で事業主体としての国鉄が負担するのは当然ではないかというふうに考えているわけでございます。
 それから、もう一点の国庫負担率の検討の問題でございますが、昭和五十四年の共済年金法改正の際でそういった御議論がございまして、その結果、国庫負担について公的年金制度間の整合性に配慮しつつ検討を続けることという旨の附帯決議がなされたということはよく承知をいたしておるわけでございます。
 この社会保険に対します国庫負担のあり方につきましてはいろんな議論があるわけでございますけれども、考え方といたしましては、一つは、保険料だけでは適当な給付水準を確保することができない場合とか、あるいはその被保険者の範囲が低所得者層に及ぶ場合といったような点を勘案しまして、この国庫負担の必要性の緊要度、あるいは社会保険制度全体のバランス、財源の効率的な配分といったような点から総合的に検討をすべきものだと思っておるわけでございます。
 老齢化社会を迎えまして、公的年金の国庫負担のあり方の問題は今後真剣に取り組まなければならない課題でございますので、いま申し上げましたような見地から今後とも総合的に検討をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#57
○山崎昇君 そうすると、いまのあなたの答弁を要約して言えば、あの附帯決議に盛られた精神にのっとって、実現に向かって検討しておりますと、こうなると思うんだね。そういうふうに私は確認をしておきたいと思うんです。
 それから、今度恩給の右へならえで寡婦加算を大幅に引き上げるわけなんだけれども、これは先ほどの国家公務員共済組合審議会あるいは社会保障制度審議会の指摘事項とも関連いたしますが、基本的には遺族給付率を引き上げるべきだという指摘がなされているわけです。したがって、大蔵省としても当然遺族給付率の引き上げということについて考えなきゃならぬのではないか。単なる特定の人間の加算だけで、遺族給付率がひっくるめたら多くなっているんですよ。こういうやり方はやっぱり私はまずいんじゃないんだろうか、こう思うので、この遺族給付率の引き上げということについてどういう見解をお持ちなのかが一点と、それから恩給に右へならえをするというなら、当然寡婦加算も昨年の八月に遡及して実施すべきではないか。なぜかと言えば、旧令だとか旧法関係の諸君は去年の八月から実施しているわけです。新法関係だけことしになっているわけ、ちょうど一年おくれです。これはやっぱり、恩給に右へならえというなら、当然これらの点についても右へならえすべきであって、何か部分、部分で適当におくれたり右へならえしてみたり、そういうことになっているんじゃないかと私は思うんだが、これを遡及してあなた方実施するという考えがないかどうか、これもあわせて聞いておきたい。
#58
○政府委員(矢崎新二君) 遺族年金の問題につきましては、その給付水準の問題、これは加算の制度も含むわけでございますけれども、そういった問題をどう考えるかということのみならず、の範囲ですとか要件あるいは遺族年金と本人年金の給付調整といったような問題も、今後の年金財政を考えた場合には総合的に考えて検討しなければならないということではないかと思っておるわけでございまして、そういった問題につきましては、共済年金制度全体の検討といたしまして、今後の保険料負担との均衡にも配慮しながら検討を進めたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから、ただいま御指摘がございました寡婦加算の引き上げの時期の問題でございますけれども、これはなぜ五十六年から実施したのかというのは、次のような理由によるものでございます。
 昨年、御承知のように、厚生年金法の改正案におきまして、政府原案では寡婦加算額の引き上げ措置とあわせまして四十歳未満のいわゆる子なし妻に対する遺族年金の不支給という措置が織り込まれていたわけでございます。これらの点につきまして共済年金の方でどういうふうに取り扱うかという点につきましては、昨年の国共審の御答申の中で「将来の遺族年金のあり方ともあわせて十分検討の上、なるべく速やかに成案を得ること」という御答申をいただいたわけでございまして、その趣旨に沿って見送ったという経緯がございます。そういう意味で、当初から厚生年金等と実施時期を合わせていくというような事情にはなかったわけでございます。ただ、その後の検討の結果、総合的な判断といたしまして今回改めて寡婦加算額の引き上げ措置を講ずることとしたということでございまして、そういう意味で五十六年度からの新たな措置としてここに御提案を申し上げているというわけでございます。
 なお、実施時期を厚生年金等に合わせるということになりますと、これはいろんな技術的な問題も出てまいりまして、寡婦加算の引き上げという措置は退職、老齢年金等との給付調整措置が伴っておるものでございますから、そういったようなことがさかのぼって一体どうなるのかといったような非常なむずかしい問題も出てくるということも付随的にはあるわけでございます。
 そういったような諸種の事情から、今回の御提案のように本年の、五十六年度の改善措置として御提案を申し上げているということでございます。
#59
○山崎昇君 それはおかしいよ、あなた。恩給も全部去年から実施、厚生年金も実施をし、旧令の共済もやり、旧法もやり、残っているのはこれだけですよ。これがやるからほかの方に影響するなんというと、おかしいよ、それは。それは理論にならない。だから、恩給の右へならえというなら、これも右へならえしてちゃんと去年の八月からやるべきじゃないかと、こう言うんですよ。承知していますよ私は、経過。衆議院で修正された経過も承知しています。しかし他の方は全部やっておって、これだけことし一年おくれで八月というのはやっぱりおかしい。この点は、もう法案の最終段階ですから修正なんということは私は言いませんけれども、少なくともそのことは指摘をしておかなきゃいかぬと思う。
 それからもう一つは、最近厚生年金とのバランスというのが大変とられているわけなんですが、もしそうなら扶養加給なんというのもやっぱり厚生年金とのバランスというものを考慮すべきじゃないんだろうか、こう思うんですが、これも一言だけ見解を聞いておきます。
#60
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金の場合は、遺族年金のほかは一般的には加給年金制度が導入されていないという現状にございます。そういったことから、この加給年金制度というものを全般的に導入するのかどうかということは共済年金体系の基本にかかわる非常に大きな問題でございまして、これは全体としての制度のあり方をどう考えるかということとあわせて検討をすべき問題であるというふうに考えております。
#61
○山崎昇君 次にお聞きをしますが、遺族の範囲についてお聞きをしておきます。
 御存じのように、昭和四十六年の改正で十年以上の組合員期間のある者の配偶者というのも生活維持関係を除外をしたわけね。今度またこれ挿入するわけでしょう。どうも私、四十六年のとき除外して今度また入れるというその理由がよくわからない。それから、それならばその間に何回か共済組合法の改正案が出ている、そのときには何もやらなかった。そして今回出てきたわけなんですが、一体どうしてこれをまた四十六年以前に戻さなきゃならぬのか、この理由をお聞きをしておきたい。
#62
○政府委員(矢崎新二君) 御承知のように、この共済年金制度におきます遺族の受給要件につきましては、原則として死亡した者との生計維持関係を基礎的な要件としているわけでございます。従来、組合員期間十年以上の者の配偶者に特例的な措置をしていたわけでございますけれども、これは十年未満の者の配偶者との均衡を図るということと、共済制度内の受給要件の統一化を図るという観点から他の遺族との要件を合わせることにするのが適当と考えたわけでございます。これをじゃあ一体いつやるのかというような問題は確かにあるわけでございますが、かねてからも問題にされていたわけでございまして、いずれの時期かにこの辺は見直しをしなきゃいけないというふうに考えていたわけでございますが、やはりこの制度内の均衡という点を考えますと、できるだけ早い時期に見直しを行うことが望ましいというふうに考えたわけでございます。さらには、年金制度の成熟化が進んでおる今日におきまして、給付の重点化、合理化が要請されているわけでございますので、そういった方向にも沿ってこの際この改善を図りたいということでございます。
#63
○山崎昇君 それじゃあなたに重ねて聞きますが、昭和四十六年のときなぜ除外したんですか。一体それはどういう理由ですか。
#64
○政府委員(矢崎新二君) その当時の状況は、十年未満の方が一時金の制度でございまして、年金制度でなかったという状況が一方であったわけでございます。そういうような状況を踏まえまして改善をしたという事情があるわけでございますが、その後この十年未満の方につきましては年金の対象に変わってきております。そういう事情の変化はあるわけでございます。
#65
○山崎昇君 一時金であっても年金であっても、生計維持関係にない者に出るわけないじゃないですか。そんなことは理由にならぬですよ。私は、推定で物を言ってはいけませんけれども、今度これを入れたというのは寡婦加算の大幅増に関連しているんじゃないかなという気もしているんですよ、そうだとは言いませんけれども。どうも朝令暮改じゃないだろうか。いまあなたの説明で納得できるわけじゃないです、これは。しかしまあ、私は納得できませんけれども、こういう形で出されているわけですから、指摘だけはきょうしておきます。
 それから次に質問したいのは、これ確認の意味でお聞きをしたいんですが、去年この委員会で野田委員の方から、被扶養者の認定基準の中で年額七十万円の兄直し問題が議論されまして、検討するということになっておったんですが、お聞きをしますと、政令が改正されてことしの五月一日から八十万円になったとぼくらは聞いているわけなんですが、そのとおり確認していいかどうかだけ聞いておきます。
#66
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のように、今回の改正措置によりまして被扶養者の認定基準を現行の七十万円から八十万円に引き上げるという措置をとっておるわけでございます。
#67
○山崎昇君 次にお聞きをしますが、妻の収入が夫の収入より恒常的に多い場合に、夫の遺族として認定されないというふうになっているわけなんですが、そこで、一体国家公務員の共済組合ではどれぐらいの額で、それからわかれば地方公務員の関係でどんな額になっておるか。それから、これは運輸省でわかれば、公企体関係ではそういう例があれば一体どれぐらいの額になっておるのか、まずお聞きをしたい。
#68
○政府委員(矢崎新二君) ただいまの御指摘の点は、配偶者についてだけは遺族となるための生計維持要件そのものに他の遺族と別の取り扱いをしているわけでございまして、その一点が、死亡した組合員の所得を超える所得を将来にわたって有すると認められる者以外の配偶者というのが一つありまして、二番目に、その他これに準ずる者として年間の恒常的な収入が二百四十万円以下の配偶者、これを遺族として取り扱うということになっておるわけでございます。この二百四十万円という点の比較において地共の方がどうであるかという点でございますが、地方共済の場合は、この収入限度額の考え方が俸給の最高限度額の十二倍ということになっていると聞いております。
#69
○説明員(足代典正君) 国鉄の場合をお答え申し上げますが、配偶者たる遺族の認定要件でございます。国鉄の場合には、組合員の死亡当時の給与以下の収入である者と決めておりまして、国家公務員共済組合のような二百四十万円以下という規定はないんでございますが、実はこれは裁定権者の確認事項によりまして事実上二百四十万円までの者も認定しておるということになっておりますので、国家公務員と差異はございません。
#70
○山崎昇君 いまお聞きしたんですが、私の承知する限り、地共済の場合には四百九十二万円と聞いているわけです。そうすると、ざっと国共並びに公企体の倍ですね、倍。だからこの公務員関係の共済組合一つ見ても、共済組合間で遺族の認定そのものについて収入の額によって相当な差がある。私は地共済がいいとか悪いとかと言っている意味じゃありませんよ。ありませんが、事実行為としてはこれだけの差がある、これはどういうふうにぼくらは考えておいたらいいのか。一体、こういう点もあれですか、何かあなたの方にあります研究会だかで検討しているわけですか。その点はどうですか。
#71
○政府委員(矢崎新二君) この制度が分立をしております関係もございましてそういった違いが出ておるという点は事実でございますけれども、こういった問題についてどういうふうに考えるべきかということでございますが、私どもの国共、国家公務員の共済年金の立場から言いますと、やはりそういった遺族の要件等の問題は全体的な給付水準のあり方というものと非常に密接に絡んだ問題でございますので、そういう全体のあり方を含めまして、先ほど申し上げましたような共済年金問題の研究会でいま全般的な検討をしていただいておるわけでございまして、その場で各共済を通ずる共通の問題点についても御議論をいただくということになろうかと思います。
#72
○山崎昇君 私はやっぱり全体的に引き上げるべきじゃないかと思うんです、基本的に言えば。ですから、高いから下げなさいなんということであなたに言っているわけじゃありませんが、くしくも国の場合と公企体の場合同じ額になっているんですね。地公だけ違う。やっぱり全体的に、いまの貨幣価値からいきましてこれは引き上げないというと実情に合わなくなってくるんじゃないんだろうか、私はそういう気がいたしますから、点としてだけ指摘をきょうしておきます。
 それから、その次にお聞きをしたいのは、年金の支給制限で、これは五十五年の一月一日以降の退職者、七十歳未満でありますけれども、給与所得が六百万円、退職年金百二十万円を超える者は百二十万円超えた分の五〇%支給停止をするという支給制限がある。これ、今度何か一日早めて、五十四年の十二月三十一日以前の者にも該当させることになるわけなんだけれども、どうしてこういうことになるのか。これは、該当者から言えば既得権の侵害とも考えられる。
 時間がないから立て続けに聞きますが、これらの問題については私の手元にも陳情書が来ておりますけれども、一番きちっとした陳情書で来ておりますのは、電電公社関係の陳情書なんか来ているわけなんですが、そういう陳情等についてどういうふうにあなたの方はおこたえになるつもりなのか、あわせてひとつお聞きをしたいと思います。
#73
○政府委員(矢崎新二君) 五十四年の共済年金制度の改正の際に、いわゆる公務員をやめて再就職した場合に、相当な高額の所得がありながら共済年金も合わしてもらうということについての御批判にこたえると、こういう意味から、高額給与所得者の退職年金についてこの一部を支給停止するという制度を設けたわけでございます。その際に、五十五年以降の退職者から適用をするということになっていたわけでございます。その際に、もともとこういった方との均衡上の問題、つまり五十四年以前の退職者の中の高額給与所得者をどうするかという問題があったわけでございます。ただ、その当時はこの五十四年改正の実施時期が五十七年の六月ということになっていたものですから、その時期までの間になおよく検討しようということで見送っていた経緯がございます。しかしながら、現時点でいろいろ慎重に検討をした結果、やはり五十五年以降の退職者との均衡ということはやはり考えるべきではないかという結論に達したわけでございます。
 ただ、そういう五十四年以前の退職者の方には退職年金の額の既得権というものは尊重をするというのが適当ではないかということから、どういうふうに考えたかといいますと、五十七年六月以降の年金改定によります増加額を限度として支給停止の措置をとる、徐々に五十五年以降の退職者の支給停止措置に近づけていくというような経過措置をつけた考え方になっておるわけでございます。そういう趣旨のことを御質問があればよく御説明を申し上げているつもりでございます。
#74
○山崎昇君 これはどれぐらい該当者がいるんですか。
#75
○政府委員(矢崎新二君) 該当人数については、現時点ではっきりした数字は把握をいたしておりません。ただ、高額の給与所得者でございますから、かなり限定された数ではないかなというふうには思っております。
#76
○山崎昇君 そういうことまでは調査されてないわけですか。
 いま聞きますと、五十七年の六月以降の増額分から何か削りたいというお話のようですが、しかし私は、もうすでに法改正になって、そして施行されて一年半以上もたってから、これはあなたのは違いますよ、そして将来出るものを増額されるものから削りますよと、こんなことを、それも人数がうんと多いなら別ですよ、私が聞く範囲では千名程度ではないかと聞いているんですけれども、こんなことで、大蔵大臣、いいんだろうかな。そんなことまでしなきゃいかぬのですか。どうもこれは私は少し納得できないんだね。
 確かに高い人を何とかとめたいという気持ち、わからぬわけではありませんけれども、その法改正のときはそんなことを言わないでおいて、一年半もたって、いまごろになってから既得権を侵害するようなやり方というのは、私は行政のあり方として納得できない。大蔵大臣、どうですか、こんなことはやめたらどうですか。
#77
○政府委員(矢崎新二君) 今回とります措置は、結局、いわゆる年金額の改定というのは年々の一つの改善措置として実施されるわけでございますが、今後毎年やっていく場合に、その政策的な措置について特に高額な方については御遠慮いただくという趣旨でございまして、すでに裁定されている年金額そのものを減らすという意味での措置を含んでおるものではございませんから、そういう意味では既得権については十分配慮はされているというふうに考えておるわけでございまして、こういった措置をとりますのは、やはり受給者間の公平という見地から、総合的に見た場合は適当なものではないかというふうに考えておるわけでございます。
#78
○山崎昇君 私も、そのことは何も誤解しているわけでもありませんよ。ちゃんと理解しているつもりですよ。
 しかし、どの日付をとっても多少の矛盾は出てきますよ。そのときはあなた方、五十五年の一月一日と言ったんだ、いまになったら五十四年の十二月三十一日以前だと言う、そんなことは行政のあり方として私は納得できない。だから、既裁定の年金を削るなんということは私も考えておりません。ただ、これからふえる分やめなさい、こういうことですから、これはどの日付をとろうとも多少の矛盾は出てきますよ。いずれにいたしましても、一年半もたってからいまごろ法律改正して――そういうやり方というのは、私は行政としてやはりとるべき措置ではない。この点だけ、きつくきょうは指摘だけしておきます。
 それから、さっき申し上げましたように、私の手元にも来ておりますが、電電公社関係の方々から実は陳情書が来ておりまして、その中に共済年金受給者の既得権及び期待権を侵害しないよう御配慮願いたいという陳情も来ているわけだ。あなたの方にも行っていると思う。こういうものに対して一体あなた方はどうこたえようとされるのか、これはあわせて聞いておきます。
#79
○政府委員(矢崎新二君) 年金制度のあり方につきましては、繰り返すようでございますけれども、長期的な年金財政を念頭に置きながら給付と負担のバランスを図っていくという基本的な立場に立ちまして、制度内のいろんな面の必要に応じた合理化ということはやはり検討せざるを得ない問題ではないかと思うわけでございまして、ただいまの御指摘の問題についても、そういった趣旨を極力御理解いただけるような努力を払ってきたつもりでございますし、今後ともそういう努力をいたしたい、こう思っております。
#80
○山崎昇君 これ以上これは言いませんが、しかし行政としてはいい行政にはならない、やり方としてはいいことではない、このことだけは重ねてあなたに申し上げておきます。
 それから、その次にお聞きをしておきたいのは、最近大蔵省に、共済年金というのはこれは世帯年金という考え方があるやに聞くわけですね。それはどういう意味かというと、私なら私が公務員だとしますと、私がやめると年金をもらう、それによって家族もひっくるめて生活をする。私が死ねば遺族に遺族年金が行く。そういう意味で最近何か大蔵省に、共済年金というのは世帯年金だというような考え方が強まってきて、国民年金は文字どおりこれは個人年金である、したがって支給制限は余りないんだと、こんなような考え方があるやに聞くんですが、それがあるかどうか。
 したがいまして、それから私は来るんじゃないかと思うんだけれども、いままでやってなかったことで、たとえば夫婦共かぎの場合に、遺族の方が遺族年金をもらう場合がある。あるいは自分は国民年金に加入しているから国民年金ももらう。これは年金制度が違うから両方からもらったわけなんですが、今度は何かこれを併給調整をやりたいという考え方のようであります。その背後には、いま申し上げたように、共済年金というのは世帯年金で、国民年金というのは個人年金だから、当然これは調整すべきだという考えがあるやに聞くんだけれども、そういうことがあるのかどうか。そして、なぜ今度この併給調整ということを導入されるのか、お聞きをしておきたいと思う。
#81
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金と他の公的年金との併給調整の仕組みは、共済法上は通算遺族年金を受ける遺族が同一の事由によって他の公的年金から公務外の遺族年金を受けるとか、短期遺族年金を受けるというような場合とか、二、三のそういった例がいまあるわけで、現在はきわめて限定した形で導入をされておるということでございます。しかしながら、人口の高齢化あるいは年金制度の成熟化を迎えまして、今後の年金制度の維持ということのためには適正な負担を求める必要もございますが、同時に、給付水準等の見直しもあわせて行わないといけないのではないかという問題意識はあるわけでございます。ただ、具体的な点についていまここで明確な結論を申し上げ得る状態でございませんが、この併給調整の問題も、給付の合理化の問題点の一つとして今後検討されるべき課題ではないだろうかという考えを持っておることは事実でございます。
#82
○山崎昇君 そこで、あなたにお聞きをしますが、国民年金の側から言えば、どうぞ共済組合の奥さんも任意加入ですからお入りください、お入りくださいと言って勧誘して、年金権がついて、もらう段になったら、だんなが仮に死んで遺族年金をもらっていると仮定しますね、そうすると、遺族年金もらっているんだから、一生懸命勧誘したんだけれども、国民年金の方と併給調整やりますと。これは私は、少し言葉は悪いけれども、もらう段になったら詐欺行為みたいなものじゃないか。一生懸命あなた方説明して、加入さして、掛金を納めさしておいて、もらうときになったらそれはだめですよ、こういうやり方はすべきことじゃないんじゃないでしょうか、いずれにいたしましても。
 どうも私は、最近のこの年金制度を見ていますと、加入するときだけは美しい言葉で一生懸命になって勧誘して掛金だけ集めて、支給するときになったら、いやそれはバランスだとか均衡でございますとかなんとかと言って制限だけいっぱいふえてくる、こういうやり方はやっぱりやめてもらいたい。それなら最初から加入させるときにそう言ったらいいと思うんですよ。かなりいま国民年金に共済組合の組合員の奥さんが入っていますよ。こういうやり方は、これは大蔵大臣、本当に真剣に考えてもらいたいと思うんですよ。確かに均衡論もあるしいろいろあるけれども、制度が違って、それぞれに基づいて資格が発生して受給するわけですから、いま言いましたように、加入するときだけは美しい言葉でどんどん加入さして、掛金納めて、もらうときになったら、これもだめです、あれもだめですと、こんなやり方は私はひきょうだと思う。やっぱり保険事故に対して保険はきちんと払うべきです、これは。そういう意味で併給調整というあり方について、私は、きょうはとうてい時間余りありませんから、問題点として指摘をしておきます。
 それから、その次にお聞きをしておきたいのは、最近第二臨調等を通じまして、新聞もそうでありますけれども、公務員の年金と民間の年金が何か差があり過ぎて、公務員の年金がよ過ぎる、よ過ぎると、こう報道されますね。本当にそうなんだろうか。そこできょうお聞きをしておきますが、一体、国家公務員でいいと思うんですが、年金を受給している平均の年齢、それから平均の受給年数、それから大体組合員資格を取って年金を受給されるまでの資格の年数、それから平均の受給額、これをお聞きをしたい。それから、公企体の方も、国鉄で結構でありますけれども、いまの点を御説明願いたいと思うんです。
#83
○説明員(吉井浩君) 国鉄の側からお答えを申し上げます。
 ただいま先生御質問の項目のうち、まず一人当たりの平均の退職年金額でございますけれども、五十四年度の、平均を申し上げますと、約百六十二万円という金額でございます。それから平均組合員の期間でございますけれども、これは約三十八年という実績でございます。それから平均退職年齢は五十五歳というのが現状でございます。
#84
○政府委員(矢崎新二君) 国家公務員連合会の全体で見ますと、退職年齢の平均が六十・一歳、いまのは五十四年末の数字で申し上げておるわけでございますが、それから平均の在職期間が三十三年、それから年金の受給額の平均が百五十六万円ということに相なっております。
#85
○山崎昇君 そうすると、これはことしの四月の十四日の逓信委員会で、厚生省の年金局の企画課長さんが厚生年金の問題についてお答えをしているわけですが、大体、本来の資格期間を満たした厚生年金の男子の場合ですが、十三万六千円、これ月額であります。これは現実の働いておられる方の賃金の約六割に相当すると思いますという答弁がなされているわけです。そこで私も資料をずっと当たってみますと、いま国家公務員の場合百五十六万円ですね。百五十六万円を月に直しますと十三万円なんですよ、十三万円。そして、厚生省でつくっております去年の三十年のモデル年金が、これが百六十三万二千六百円、これモデルです。月額十三万六千円、企画課長さんの説明と同じですね。それから公企体の場合、私の資料では国鉄百六十一万円ですが、これが十三万四千円です。これが現状です。そしていま聞きますと、国家公務員の場合は、御存じのように在職期間が三十三年、国鉄の場合は三十八年、厚生年金はモデルが三十年、こうやって考えてみると、第二臨調でいま退職年金の議論あるそうでありますけれども、新聞報道等で公務員がばかにいい報道をされるが、実際に私ども数字を扱ってみると、大体厚生年金の方がある場合にはいい、たとえば在職年数だとか、そういうもので計算してくるというと。公務員はそんな方図もないものをもらっておりませんね。それは人によりまして高い人もいるかもしれません。これは平均の話であります。
 それから、最近総理府統計局の出しております就業構造基本調査というのがあります。これが昭和五十五年十月一日現在で、大体年間収入四百万円以下の者が七七・一%です。これは総理府の調査です。ですから、この中にはボーナスも入っているだろうしその他の給与も入っているであろう。そこで、これを公務員に引き直したらどうなるかと、これは仮定であります。四百万円と仮定して、期末手当が四・九です。仮に残業その他入れまして一・一として、十二カ月を十八カ月に見直して計算すると月に二十二万円ぐらいになります。これの仮に、厚生省の課長さんの言うように〇・六ということになると十三万三千円ぐらいになる。言うならば、日本の民間もひっくるめて、公務員もひっくるめて、いまの現状からいけばその辺が水準になってくるんですね。多少の凹凸はありますし、仮定のとり方によっては多少数字は違ってきますが。
 そうすると、私は公務員を何も擁護して物を言うわけじゃないが、何でもかんでも公務員だけが異常に高いような宣伝のあり方について、少し政府はきちっとした態度をとってほしい。そういう意味でいまお聞きをしているわけなんです。したがって、これからもいろいろな議論が臨調等で、この間新聞を見ると二十二、三万という数字が出ておりました。どこの数字をどうとったのか私はよくわかりませんけれども、少なくともこれは考えておかなきゃならぬ点じゃないんだろうか、そういう意味でいまお聞きをしているわけなんです。
 そこで質問は、厚生省の年金局の企画課長さんが言っているように、おおむね働いておられる労働者の六割程度の水準を維持していきたい、こういう答弁がなされておりますが、大蔵省としてもその見解に大体同じかどうか、この機会でありますから聞いておきたいと思うんです。
#86
○政府委員(矢崎新二君) 給付水準を報酬の六割水準に設計をしていくというのは確かに一つの考え方であるわけでございます。ただ同時に、先ほど来申し上げておりますように、今後の年金財政の将来ということを考えた場合には、やはり給付と負担の均衡ということも忘れてはならない課題でございまして、そういった問題もあわせて総合的に検討をすべきものではないかというふうに考えております。
#87
○山崎昇君 次に、もう一つお聞きしておきますが、最近大蔵省で、公務員の年金について、一般方式と通年方式と両方で計算してどっちか高い方をとってもよろしゅうございますと、こうなっていますね。そこで、私ども聞くところによるというと、通年方式を大体六割ぐらいの方がとっておるというふうに聞いておる。そこで、財政問題とも絡んで何か大蔵省では通年方式をやめたいんだという考え方があるやにも聞くんだけれども、そんな事実がなけりゃないで結構です。また考えがなければないで結構でありますが、この機会ですから明確にしてほしい。
#88
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のいまの通年方式の問題について、現在の時点でこれをやめるとかやめないとかというようなことを決めているということはございません。
 ただ、全体の年金制度のあり方については、先ほども申し上げたように全体的な見直し、検討は必要かということを考えております。
#89
○山崎昇君 いまのところないというふうに確認をしておきます。
 次に、今度は国鉄共済で少しお聞きをしたいと思うわけです。
 もう御存知のように、国鉄共済が大変な状況にあることは私も承知しておりますが、そこで、いまの現状を国鉄からひとつお聞きをしたい。中身は成熟度の問題でありますとか、収支状況、それから積立金の推移、あわせましてそれらに対して今後どういう見通しを持たれ、またその対策を講じようとするのか。それから、ついせんだってでありますが、国鉄の経営改善計画というのが出されまして、これによりますというと五年後には三十五万人体制になるわけですね。その場合に、一体この国鉄共済というのはどういう姿にこれなるんだろうか。これに対して、この中で言われているのは、やっぱり五十六年度同様に相当程度の国庫の補助がなければとてもできないと、こうなっているんですが、その点についてはひとつ大蔵大臣の見解も聞いておきたいと思うんですが、まず現状について御説明願いたい。
#90
○説明員(吉井浩君) まず現状でございますが、御承知のように国鉄は現在非常に高い成熟段階にございまして、五十六年度におけるいわゆる成熟度約八〇%というふうな見込みをいたしております。したがいまして、財源率につきましても他の共済に比較しまして非常に高い現在財源率を適用いたしているわけでございますが、にもかかわりませず、決算状況も非常に苦しい状況でございまして、五十四年度の決算におきましては、単年度の収入と支出を対比いたしまして差し引き七十三億円の単年度の赤字を計上いたしました。五十五年度の見込みもまたこの倍以上の赤字が計上されると、こういう見込みでございます。
 そこで、五十六年度から新たに収支計画を策定いたしまして財源率、掛金率を大幅に引き上げをいたしたわけでございますが、これにいたしましてもやはり五十九年度までの見通しが辛うじて立つ、六十年に至りますとまた大きな赤字が予想されるということでございます。特に、今後私ども深刻な問題といたしておりますのは、ただいま先生御指摘になりました国鉄の経営改善計画、ただいま運輸大臣のお手元に提出をいたしておるわけでございますが、この中で私どもとしては幹線系についてはあくまでも何とか自立をいたしたい、極力経営の効率化を図り職員を三十五万人に圧縮をいたしまして幹線系の収支を立て直したいということを骨子にいたしておるわけでございます。
 その場合に、やはり非常に大きな問題になりますのは、退職手当並びに退職年金の問題でございます。御指摘のように、一方において掛金を払うという職員を三十五万人に圧縮すると、また受給者は、ただいまの大量退職時代を迎えまして今後著しく増加をしてまいるということでございまして、その場合の共済のあり方につきましては、さきに、私どもの総裁の諮問機関でございますが、国鉄共済組合年金財政安定化のための研究会、俗称船後委員会と称しておりますが、そこからは国鉄共済組合の将来をつらつら考える、国家公務員、公企体職員の共済年金制度の統合一元化と、こういう抜本的な方策によるべきであろう、こういう御提言もいただいております。私どもとしては、一日も早くそういう事態が実現できますように各方面にいろいろ御協力をお願いし、また私どもなりの検討をいたしたい、こういう状況でございます。
#91
○政府委員(矢崎新二君) 国鉄共済年金が非常に困難な状況にあることは事実でございますが、年金制度は保険方式で運営するのが基本でございまして、これに国が特別な財政援助をするということは考えていないわけでございます。ただ、国鉄が現在当面しております問題は、共済年金制度、公務員を含めましてこの共済年金制度全体が将来直面する問題が早く出てきているというような性格を持っている問題でもあるわけでございます。そういう意味で、私どもは年金制度全体のあり方の検討の一環といたしまして国鉄共済年金の現状をどうするかという問題も総合的に検討をしなければいけないという認識を持っておりまして、現在共済年金制度基本問題研究会でもこの問題の御検討をお願いをしておるという状況でございます。
#92
○山崎昇君 運輸大臣にも聞きたいのですが、これは国鉄の経営改善計画が出されたばかりですから、いまここで運輸大臣がきちんとこうこうですということは言えないと思うんですが、いずれにいたしましてもいま国鉄から説明がありましたように、私が調べた限りでも、去年の十二月に国鉄共済組合収支計画策定審議会からの答申を見ましても、言うならば五十六年度から五十九年度までの短期の見通しでも財源率が千分の三十アップされて千分の百七十七になる。掛金率は千分の六十一・五から千分の七十四になる。そしてあわせて成熟度を見ると、昭和五十五年度が七三%、六年度が八〇%、五十七年度が八八%、五十九年度になると一〇七%、これ直すと一人で一・一人か一・二人くらいの言うならば年金を払わなきゃならぬということになる。とうていこれはできる仕掛けのものではないと思う。あわせて改善計画が実施されたら、いま説明ありましたように、もはやどうにもこうにもならないという状況じゃないだろうかというふうに私も判断をするわけなんですが、いま大蔵省の見解も聞きましたが、運輸大臣としてこの経営改善計画とあわせて一体どうされようとするのか、この機会にひとつお聞きをしておきたい。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど来しばしば説明しておりますように、共済年金、簡単なことで言いましたらもうお手上げ状態になってきておる。仰せのとおり、昭和五十九年で成熟度が一〇七で、こうなりますともうとうてい普通の国鉄共済だけでは維持できませんので、五十七年、五十八年、この辺のところでひとつ何とか処置をしなきゃならないと思うておりますが、それには分母をやっぱり大きゅうしてもらうというのが一番の問題でございまして、それを持ちかけておりますけれども、どこも相手にしてくれませんし、といって、このままでいたずらに政府資金をつぎ込んでいくのも、これまた財政再建の趣旨から言ってもどうにもなりません。
 そこで、今回の国鉄経営改善計画の中でこういう問題だけを別記いたしまして、いわば国鉄の経営面の収支計算、それから特定人件費とわれわれ言っておるんですが、それとを分けまして、経営改善は営業面ではこのように改善の努力をいたしますけれども、国鉄自身の持っております構造的なこういう特定人件費、これはこういう結果になりますと、赤字はこういう状態になりますということを明記して国鉄が提出しております。つきましては、経営改善の方はともかくといたしましても、特定人件費関係のことにつきましては、今後関係当局とも十分に一回話し合った上で認可するときの条件等いろいろなことにいたしたい、こういうふうに思うております。
#94
○山崎昇君 重ねて国鉄に聞きますが、私の調査では、五十五年度で積立金が三千八百億円ばかりあると聞いているんですね。いまの説明ですと、五十四年度単年度で言うと七十三億くらいの赤字だと、こう言う。そうすると、この経営改善計画と関連して、これからどういうふうに赤字がふえて、そしていまあります積立金というのがどういう崩され方をしていって、一体いつごろの時期になったらどうなるのか、せっかくの機会でありますから、説明を聞いておきたい。
#95
○説明員(吉井浩君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、五十六年度からは新たな財源率を適用いたしまして国鉄からの負担金も増加をいたす、また職員からの掛金も増加をいたすということで計画を立ててまいりました。現在の元通しからいたしますと、五十六年度、五十七、五十八と、これ追加費用の満額負担ということもございますが、そのような措置をとることによりまして、単年度の収支については若干の黒を計上いたしたということでございまして、積立金はこの計画のとおりでございますと、五十九年度、現在の三千八百億のものが四千三百億程度には改善されるであろう。ただ、六十年度に至りますと、いわゆる追加費用負担等々の問題からいたしましても、収支がどうしても合ってこないということがございまして、六十年度にはこのままでは単年度一千億近い赤字が計上される、積立金も激減をする、こういう事態でございまして、したがいまして、ただいま運輸大臣からもお話ございましたように、そのような事態を迎えますまでに何とか抜本的な策が講じられるようにお願いしたい、かように存じておる次第でございます。
#96
○山崎昇君 結論から、私がいまお聞きしたものを集約すると、あれですか、昭和六十年度では一千億ぐらいの赤字になるので、しかし五十九年度までの積立金が四千三百億円ぐらいになる。言うならば六十年度まではまあまあ何とかかんとか国鉄自体で処理をしていける。言うならば六十一年度以降これが問題が生じてくるので、それからの問題についていろいろ検討していきたいといいますか統合といいますか、も含めてやっていこう、こういうことになりますか。
#97
○説明員(吉井浩君) ただいま私申し上げましたのは、共済組合の収支という観点からのみ申し上げたわけでございます。これを維持いたしますためには、年々いわゆる過去債務によります追加費用、これはきわめて著増いたしてまいりました。このことが国鉄自体の経営、つまり追加費用を払います国鉄自身の収支に対しましては非常に大きな影響がございますということでございまして、ただいま申し上げましたのは、そのような支出を国鉄が支出することは可能である、こういう前提にいたしますと、共済組合としては何とかかつかつ積立金が維持できるということでございまして、本体の方がこの支出を可能とするということが前提でございまして、この辺につきましては、また今後とも政府ともいろいろ御相談をしてまいらなければならぬというふうに考えております。
#98
○山崎昇君 そこで、運輸大臣と大蔵大臣、いまお聞きのとおり追加費用の問題等がある程度いけばやっていけないこともない、こういうことになるんだと思うんですが、それらに対する運輸と大蔵の見解だけ聞いて、この問題終えておきたいと思います。
#99
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国鉄の共済が非常にいま苦しい現状にあるということは事実でございます。しかしながら、年金制度というのはもともと保険方式で運営するということもこれも基本でございます。これに国が特別な財政援助をするということはやらないというのも基本でございまして、なお、どういうようにしていくか非常にむずかしい問題がございますから、共済年金制度の基本問題研究会において、このまま国鉄を見捨ててしまうというわけにもなかなかいかぬし、基本は守らなければならないし、したがって、そういうような大きな枠の中でいろいろと御審議をいただいて、それからどうするかをその後で決めていきたいと、こう考えております。
#100
○山崎昇君 本当はもっともっと詳細にいろいろ聞きたい点あるんですけれども、もう時間が来ましたから、あと短期共済だけ一点聞いて私の質問を終えたいと思うんですが、今度短期共済については財政調整をやることになっているわけなんですが、一体大蔵省はこの悪化の原因をどういうふうに把握をして、そして今度財政調整やるわけですが、聞くところによれば、千分の五十三超えたところを救済をしたいという考えのようですね。いまのところ林野だけが超える、言うならば林野だけ救済のために財政調整すると、こうなるわけなんですが、この財政調整をしてやる場合に、もらった方はそれはもうもらいっ放しということに私はなるんだと思うんですね、援助ですから。そうなると思うんですが、この財政調整という考え方についていろいろまたこれ問題点が出てきまして、単位共済の自主性というものをどう守るのかという問題もありまして、本来なら細かにいろいろ聞きたいこと、七、八点あるんですけれども、時間ありませんから、財政調整のいま申し上げた程度のことだけきょう聞いて、私の質問終えておきたいと思うんですが。
#101
○政府委員(矢崎新二君) この短期給付の財政悪化の原因についてでございますが、やや振り返ってみますと、四十九年以来そういう状況が出てきたわけでございまして、五十二年のときになりますと、二十五組合の中で二十二組合が掛金率を大幅に引き上げるといったようなこともあったわけでございますが、最近はやや落ちついた状態にあるかと思います。
 こういった長期的な悪化の原因といたしましては、いろいろあるわけでございますが、家族の法定給付割合が上がったこととか高額療養制度が入ったことあるいはいままでの期間に、四十九年の二月の医療費改定等の大幅改定が行われたと、いろいろな要因があったかと思います。それから、特に全体的に安定しつつある中で林野がそういう窮状にある原因といたしましては、組合員一人当たりの被扶養者が多いとか、あるいは組合員の平均年齢が高くて給付費が高い割りに平均俸給が低いとかいったようないろいろな特殊な要因も重なっているように思うわけでございます。
 したがって、しからばどういう趣旨で今度の財政調整をやるかということになりますけれども、この短期給付の事業につきましては、共済組合ごとに自主的な運営をするということによりまして、組合員に対するきめ細かなサービスの提供あるいは自主努力というのができるわけでございますが、その反面、小集団でございますために、保険方式による危険分散が図りにくいという欠点があるわけでございます。それからまた、個々の組合ごとに、同じ公務員でありながらいろいろな給付負担の格差が出てくるといった問題が生じてくるわけでございます。したがいまして、その二つの要請をうまくバランスをさせるような知恵がないかということを考えたわけでございまして、組合間の共同連帯と相互扶助という精神をもとにいたしまして、組合の単位は現状のままにしておきながらお互いに助け合いをするということを考えたわけでございまして、そういう趣旨で、今後できる限り各組合の自主性も尊重しながら、特に窮迫をした組合に対してはある限度での援助を図っていくと、こういう仕組みをつくって短期給付事業の円滑な運営を図っていきたいと、こう思っておるのであります。
#102
○山崎昇君 本当はこれ細かに私、聞きたい点もあるし、それから共済組合そのものについては、業務経理から始まりまして宿泊経理、保健経理も、私はこの経理ごとに少し聞いてみたい点もたくさんあるわけです。ずいぶん建物を持って経営をやっているんですけれども、ほとんど赤字ですよね、宿泊経理のごときは。ですから、いまのような世の中でそういうことがいいのかどうかもこれ検討しなければならぬ点もありまして、本来ならもっともっと聞きたいんですけれども、私の時間が来ましたからきょうはこの程度で質問を終えておきたいと思うんですが、いずれにいたしましても、先ほど来指摘した点は、あんまり行政ベ−スで既得権を破るだとか期待権を破るとか、そういうことのないようにだけしてもらいたいということを重ねて申し上げて、私の質問を終えておきます。
#103
○安武洋子君 今回の改正は、大きく分けまして三点ございます。
 第一点の年金額及び最低保障額の引き上げ、それから二点目の遺族年金における寡婦加算の引き上げと遺族の範囲の見直し、それから第三点、これは短期給付での財政調整事業の実施ということで、この三点のうちの第一点の既裁定年金の年額の引き上げと、それから最低保障額の引き上げ、これにつきましては公務員の給与とか恩給の改善に伴う改善措置というふうなことで、当然の改正であると思います。しかし、遺族年金部分とそれから短期給付の財政調整部分、これには私、重要な問題も含まれていると思いますので、非常に時間が限られてしまいましたので、きょうはこの点を中心にお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、遺族年金全体のあり方につきましては、総合的に検討するということで、大蔵省にとっても今後検討を進めていく一つの大きな課題だと思いますけれども、一方で寡婦加算の引き上げとか、それから遺族の見直しという点、こういう点に限って提案されているわけなんです。全体を見直す、総合的に検討するという中で、こういうふうな寡婦加算、それから遺族の見直しという点で提案されているその理由は何なんでしょうか、まず最初にお伺いをいたします。
#104
○政府委員(矢崎新二君) 遺族年金につきましては、全体としての給付水準、遺族の範囲等につきまして、給付調整等の問題もあわせまして総合的な検討をする必要があるということを考えておるのは御指摘のとおりでございます。今回、いま御指摘のございました二つの措置を講ずるよう御提案申し上げておりますのは、それぞれ次のような理由によるものでございます。
 まず、寡婦加算につきましては、遺族年金全体の総合的な見直しがなお相当の日時を要するということでございまして、その間、共済年金におきます寡婦加算額を現行のまま据え置くこととするということになりますと、年金制度間の権衡上の問題も出てこようということからも適当ではないという判断をいたしまして、今回五十六年度から改善を図るという考え方をとったわけでございます。
 それから、遺族の範囲につきましては、共済年金制度におきます遺族の支給要件の基本的な考え方は、原則として死亡した者との生計維持関係を基礎的要件とするというのが基本でございます。そういう意味で、かねて組合員期間十年以上の方の配偶者が十年未満の方の配偶者と違う扱いを受けていたということは、少なくとも制度内のバランスという点から問題があったわけでございまして、この点はこの際やはり受給要件の統一化を図るということが適当だということで措置をしたいというふうに考えているわけでございます。
#105
○安武洋子君 そこで、共済年金制度基本問題研究会における検討項目ですね、これを見てみますと、その一つに遺族年金のあり方についての項目がございます。その中に、一番目に「支給率」とか、それから「加給制度、遺族の範囲と要件、給付調整」これがありまして、それからその次に「恩給、共済における遺族年金の考え方の是非」とか、それからあるいは「妻の年金」それから「一人働きと共働きの比較」、こういうものが挙げられております。このように、総合的な検討には、先ほどの御答弁にあったように相当の時間がかかるというふうなことはわかります。他の年金制度との関連、それから内部のバランス、こういうことで今回のような改正が行われるというふうなことになりますと、今度この改正をすることによって、総合的に検討すると言われているわけですけれども、今回のこの改正が総合的に検討して改正をしようとすることの足かせにならないかというふうな懸念があるわけです。
 具体的に申し上げますと、寡婦加算を大幅に引き上げるというふうな、このことは大変結構なことですけれども、一方で遺族年金そのものの支給率を引き上げよというふうな意見があるわけですが、そういうものが今回の寡婦加算を大幅に引き上げるというふうなことで、遺族年金の支給率を引き上げるというふうな要求、これを抑えつけるというふうな役割りを果たすようなことにならないかと懸念をするわけです。その点はいかがでしょうか、お伺いをしておきます。
#106
○政府委員(矢崎新二君) この遺族年金の内容をどういうふうに設計していくかということについては、いろいろなお考えがあろうかと思います。年金給付水準を一律に上げていくという考え方もありましょうが、しかしそれに対して、やはり個々のニーズを中心に考えていくというふうな考え方もあり得るわけでございまして、今回の寡婦加算の引き上げというものは、その寡婦のニーズということを特に重視いたしまして重点的な改善を図るという措置をとったわけでございます。その考え方は、他の公的年金制度も同様な考え方をとっているわけでございまして、その点では、やはりこの際均衡を図っていくということは必要最小限の措置ではないか、こう考えた次第でございます。
#107
○安武洋子君 その個々を上げるということは結構ですと申し上げているわけです。そのことがこの遺族年金そのものの支給率の引き上げの足かせにならないかということを懸念しているので、そういうことをしないようにしてくださいということで念を押しをしております。もう一度御答弁願います。
#108
○政府委員(矢崎新二君) 遺族年金水準の全体としてのあり方につきましては、私どもといたしましては、やはり将来の年金財政を踏まえて給付と負担の均衡を図っていくという観点からの総合的な検討をすべき課題であるというふうに考えておるわけでございまして、年金水準を一般的に引き上げるべきかどうかという問題は、そういう総合的な検討の中で慎重に考えてまいりたいと、こう思っております。
#109
○安武洋子君 やはり私が懸念しているように、いまのお答えでは、給付とそれからこの均衡を保つんだというふうな名のもとに、私はやはり抑制をするという方向に行ってもらっては困るわけです。ですから今度の寡婦加算というふうな、これ大変結構なことですけれども、それで遺族年金そのものの支給率をやはり引き上げよという要求にはこたえていくという姿勢を示してもらわないと困ると思います。そのことは強く要求しておきます。
 次に、私は遺族の範囲についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正で、従来生計維持関係、これを必要としなかった組合員期間十年以上の者の配偶者に対しましても、死亡した場合ですね、死亡した者との生計維持関係が遺族となるための要件となっております。そこで聞きますけれども、いままで十年未満の者だけに生計維持関係を必要としたと、要件としたというふうなことなんですけれども、そのいままで十年未満の者だけにそういう維持関係を要件としてきたというその理由は何なんでしょうか。
#110
○政府委員(矢崎新二君) これは四十八年に現在のような十年以上の組合員期間を有する者についての配偶者について生計維持関係をなくするという措置をとったことは事実でございますが、この点は、その当時十年未満の方の場合に一時金というような仕組みになっておりまして、年金の受給権を発生さしていなかったと、そういったような点が厚生年金などとやや違っていたことを配慮いたしまして措置したわけでございますが、その後、共済年金の場合は十年未満の方の配偶者の場合にも年金権が与えられたというような事情もあって今日に至っておるわけでございます。
 もともと、その遺族年金の遺族の範囲につきましては、共済年金の場合、その死亡した者との生計維持関係を持つということがもう基本原則でございまして、かねてこの点は問題として考えられていたわけでございますけれども、この点を、この際やはり今後の年金制度のあり方を考えた場合に、制度内の均衡を図るという意味から改善を図っていくという必要があると考えておるわけでございます。
#111
○安武洋子君 では、組合員歴十年以上ですね、こういう人たちにも今度この生計維持関係の要件を求めているわけですけれども、なぜこういう要件を十年以上の人にもこのたびは求めるわけですか。
#112
○政府委員(矢崎新二君) これは、やはり繰り返しになりますけれども、組合員期間十年未満の方の配偶者との均衡を図るということと、共済制度内の受給要件の統一化を図っていく、生計維持関係の原則に従ってやっていくということを基本的な考え方といたしまして、他の遺族との要件を合わせることが適当だというふうに考えたわけでございます。こういうような措置を講じますことが、年金制度の成熟化が進みまして給付の重点化、効率化が要請される今日、そういった方向にも沿ったものではないかというふうに考えておる次第でございます。
#113
○安武洋子君 こういう場合に、不利な人が出てくるわけですよね。いままで十年以上の人には生計維持関係を求めていなかったわけです。それを求めるということは、非常に不利な人が出てくる。私はなぜ十年以上に十年未満をそろえないのか――制度上の均衡を保つためとおっしゃいました。それから、受給要件の均衡を保つためというふうにおっしゃいましたけれども、それならなぜこういう不利になる人をつくり出すのか、当然十年未満を十年以上にそろえるべきだというふうに思うわけです。これは一体、こういう不利になる人をつくり出すというふうなことは、支給抑制をねらってなさるわけですか。
#114
○政府委員(矢崎新二君) これはその何といいますか、年金制度の全体としての合理化に資するという考え方であることは事実だと思います。
#115
○安武洋子君 それなら、一体どれぐらい金額的に抑制になるというふうな見通しをお持ちなんですか、こういうことをなさることによって。
#116
○政府委員(矢崎新二君) 今回の措置は、今後その年金受給者になるケースから適用されていくことになるわけでございまして、したがいまして、どのくらいという具体的な計算は現時点では困難かと思います。
#117
○安武洋子君 いままでのずっと例をごらんになれば、私は大ざっぱにもうそういうことは把握できると思うんです。どれぐらいなるかというふうなことをわからないまま何せ抑制すればよいというふうなことでは、やはり私は酷なのではなかろうかというふうに思います。配偶者の場合の遺族の条件というのが、主として組合員の収入により生計を維持していた者ということになっておりますけれども、こういう一体認定基準といいますのはどのようになっているんでしょうか、厚生年金とか――厚生年金でお伺いいたしましょうか、厚生年金ではどのようになっておりますか。
#118
○政府委員(矢崎新二君) 厚生年金の場合、生計維持関係がやはり入っておりますが、それに年齢の関係の要件が特に定められているということになっています。つまり、組合員が死亡した時点において夫、父母、祖父母につきましては六十歳以上という条件がついておるわけでございます。
#119
○安武洋子君 もう少し詳しくお答えをいただかないといけないと思います。厚生年金などとの均衡を保つためにいろいろ改正をなさるというふうなことですから、お調べになっていらっしゃると思ってお伺いしたわけです。
 これは、厚生年金の妻の場合ですね、所得制限はありません、共済と違って。それから、一つの世帯であれば、主として生計を維持していたかどうかというふうなことなどは共済と違って不問です。共済にだけ所得の制限とか、それから主に生計を維持していたのはだれかとかいうふうな条件がつくわけですけれども、そういう条件をおつけになった理由というのは一体何なんでしょうか、お伺いをいたします。
#120
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金の基本的な考え方は、制度の発足以来遺族の要件といたしまして、死亡した者との生計維持関係があるということを基本にして今日まで来ておるわけでございまして、今回の措置もその原則に合わせるという考え方に立ったものでございます。
#121
○安武洋子君 厚生年金のこと、いまの。
#122
○政府委員(矢崎新二君) いや、共済年金でございますね。
#123
○安武洋子君 ちょっといまの聞き損ないましたけど、合わせるというのは何を何に合わせるのですか。
#124
○政府委員(矢崎新二君) 今回の共済年金の基本的な考え方は、制度発足以来遺族の要件というのは、死亡した者との生計維持関係を基本とするというのが原則的な考え方でございまして、今回の十年以上の組合員期間を有する者について生計維持要件を必要とすることに改めるという措置は、ただいま申し上げました基本的な考え方に合わせるというものでございますという説明をしたわけでございます。
#125
○安武洋子君 私はそのことを聞いてないんですよ。私は厚生年金との比較、厚生年金と合わせるとかというふうなことで、他の年金制度と合わせるとおっしゃるので、厚生年金の場合は、社会通念上一つの世帯に住んでおれば生計維持関係があったというふうに認めて所得の制限もありませんよと、だけれども、共済は所得の制限とか、それから主にどちらが生計維持をしていたかというふうなことが問われておりますけれども、なぜ共済にだけこういうことを要件になさるのですかと、こういうことを聞いております。
 それと、共済は生計維持関係を問うのが原則的な考え方なんだとおっしゃっておりますけれども、恩給と旧共済、こういうようなのが統合した一時期、すべてこの生計維持関係を求めなかったということもあるのではないんですか。
#126
○政府委員(矢崎新二君) 厚生年金との比較で言いますと、その年金制度の趣旨等から若干の違いがいろいろな点にあるわけでございまして、たとえば転給の問題にいたしましても、共済年金の場合ですと五つのグループ、つまり配偶者、子、父母、孫、祖父母と五つの遺族の種類がありますけれども、これはその順番に順次転給ができるというメリットがあるわけでございますが、厚生年金の場合は、その配偶者から子までの転給はありますけれども、その後の父母以下には転給の仕組みがないとか、あるいは共済年金の場合は現在のところ本人年金との併給調整の仕組みがこざいませんけれども、厚生年金の場合はそういった併給調整の仕組みがあるとか、制度によって全体としていろいろな違いがあるわけでございまして、部分的にそこだけ合わせるというふうな考え方にはなかなかなりにくい性質のものではないかと思っておるわけでございます。そういった年金制度間のバランスの問題については、今後の一つの検討課題ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 ただいま御指摘の第二点の方の問題は、共済年金制度が発足しましてからは、ただいま申し上げましたように、生計維持関係を基本とするという考え方で来ておるわけでございます。
#127
○安武洋子君 いま私が御質問した恩給と旧共済の統合した一時期ですね、こういう時期にすべて生計維持関係を求めていなかったということはありませんか。
#128
○政府委員(矢崎新二君) そういうことはございません。
#129
○安武洋子君 いま厚生年金とのことを言われましたけれども、いろんな違うところがあるのはそれはあたりまえです。でも、少々の違いがあるのはあたりまえですけれども、今度わざわざこちらの方はほかの年金を見比べながら改正をなさるわけでしょう。それなのに、なぜこういう大きな違いをお出しになったのかということを私が御質問申し上げているわけです。なぜ不利になる人をつくり出しながら、そして厚生年金ともここのところはずいぶんと違うわけですよ。片方は社会通念上、同じ一つの世帯におれば遺族と認めると、ずいぶんと緩和されているわけです。それをなぜ厳しい方に今度同じ共済の中で制度をそろえるんだということでなさるのか、そういうことを聞いております。
#130
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金につきましては、繰り返しになりますけれども、遺族の要件といたしまして、基本的な原則が組合員であった者の死亡当時の生計維持関係ということになっておりまして、組合員期間十年以上の者という方の配偶者の場合が例外的にあったわけでございますが、この際その共済年金の基本原則に立ち返るという考え方をとったわけでございます。
 厚生年金との比較論になりますと、これは制度全体のいろんな部分につきましての比較論をしなければならない問題でございまして、そういった点は今後の検討課題ではないかというふうに考えております。
#131
○安武洋子君 原則、原則とおっしゃいますけれども、維持関係を求めてみたり、それからそれを求めなかったりまた求めたりと、これ、さんざんこういうふうに変わっているわけでしょう。私は、あなたたちが原則とおっしゃるなら、例外をつくってこられたと、それも再三変えてこられたというふうなことなら、何もこういうわざわざ不利に変えられなくてもいいんじゃなかろうかというふうに思うわけです。
 それで、配偶者の場合ですね、死亡した者よりも高い所得を恒常的に得ている場合でも遺族となれるケースというのは、これは所得が二百四十万円以下ということですけれども、他の遺族、子供とか親などの場合、いままで七十万円未満になっております。この七十万円未満に比べますと、配偶者は他の遺族に比べまして要件が緩和されて二百四十万円になっているということなんですけれども、この要件を配偶者に限って緩和している理由は何なんですか。
#132
○政府委員(矢崎新二君) こういった配偶者についてだけこの要件を緩和しておりますのは、配偶者の場合は組合員本人との一体性が比較的強いというような実体に着目いたしまして、他の遺族とは別の取り扱いをするのが適当ではないかというふうに考えたことによるものと理解をいたしておる次第でございます。
#133
○安武洋子君 それで、二百四十万円なんですけれども、二百四十万円というのはこれは昭和四十八年に決定されておりますけれども、二百四十万円というこの金額を決めた根拠というのは一体何なんですか。
#134
○政府委員(矢崎新二君) 死亡した者の収入が二百四十万円に満たない場合には、配偶者の収入が二百四十万円未満でございますと遺族として取り扱うということにしておるわけでございますが、この金額は四十八年に決めたものでございまして、では一体どういう基準でそれを決めたのかという点でございますが、これは当時の俸給の最高限度額というのが四十八年十月から月額二十二万円ということになっていたわけでございまして、それの約十二倍相当額ということを勘案をしたということが一つございますし、それからまた、所得税法上の寡婦控除の対象となります寡婦の所得制限額も当時二百四十万円であったという点を参酌いたしましてこういった金額を採用をしたというふうになっております。
#135
○安武洋子君 それでは、四十八年当時の俸給の最高限度額の月額が二十二万円であったと、それの十二カ月分だというふうなことですが、現在の俸給の最高限度額というのは幾らなんでしょうか。
#136
○政府委員(矢崎新二君) 今回の法改正後で四十二万円になります。
#137
○安武洋子君 そうすると、四十二万円なら五百四万円になりますね。
 そこで、この二百四十万円、こういうのがいまの根拠の俸給の最高限度額に当てはめますと五百四万円になるわけですよ。国公共済の場合、地公共済とかそれから恩給の場合、これなんかと違って定額で、二百四十万円のままで金額が定められて、年々スライドしていないわけですね。なぜスライドをさせないんですか。最高限度額で計算したこれが根拠だとおっしゃった。この根拠で計算してみますと、現在に直すと五百四万円にもなるわけなんですよ。それをなぜ金額二百四十万円のままに据え置かれているわけですか。
#138
○政府委員(矢崎新二君) この配偶者の遺族となるための収入限度額の問題につきましては、いろいろと考慮すべき問題があろうかと思います。
 その一つは、配偶者の場合は、ただいま申し上げましたように、非常に他の遺族よりも遺族となるための生計維持要件が緩和された形になっておるわけでございまして、そういった特に緩和されておる、優遇された配偶者の基準というものをさらに引き上げるということは、他の遺族の取り扱いとの相違をさらに拡大をするという問題があろうかと思います。
 それからまた、二百四十万円のこの収入限度額が適用されますのは、妻だけではなくて夫の場合もあるわけでございまして、現行の共済年金には本人年金と遺族年金との併給調整の規定がございませんので、もしこの限度額を引き上げるということになりますと、一般的には本人年金をもらいます夫の場合に、妻の遺族となるための要件も緩和されるということにもなるわけでございまして、やはりこの給付の重点化、効率化が迫られているという現状から見ましても、これは慎重を要する事柄ではないかというふうに考えておるわけでございまして、ただいま申し上げましたような諸点を勘案いたしまして、現時点では据え置くことが適当であるというふうに考えておる次第でございます。
#139
○安武洋子君 いまの御答弁、ちっとも説得性がないと思います。というのは、八年間にわたって二百四十万円に据え置かれているというのは、これが今回、十年以上の組合員にも適用されるわけです。こういう方たちというのは、組合員歴これは二十年、三十年というふうに長い人が多いというふうに考えるわけですね。常識的に考えますと、遺族になられた方と、その配偶者の場合ですけれども、非常に年齢も高くなっていらっしゃる、十年未満の人に比べまして。そして給与を受け取っておられても、高額になるというふうに思うんです。こういう方たちは生活面でも、年齢的に考えまして、子供さんの教育、それから家のローンを払うとかというふうなことで、いま生計費が一番かさんでいる年代でもあろうかと思うんです。そういうのがいまの実情だと思いますし、それから夫が妻の遺族となるという要件の緩和にもつながるというふうにおっしゃいましたけれども、まあこれ後で問題にしたいと思いますけれども、これもまたおかしな私理屈だと思うんです。
 これ、後で申し上げますので、いま一体二百四十万円を決めた根拠というのは、明らかにお答えになったように、当時の俸給の最高限度額の二十二万円掛ける十二カ月と、現在に直せば五百四万円にもなるのに八年にわたってそのままにしていると、そしてこれを、新しく適用される十年以上の人というのは組合員期間が長くなっていて、そして遺族になりにくい条件がうんとあるわけですね、奥さんも高給取っているというふうなことにもなりますから。そして生活の面はどうかといいますと、やっぱり建てた家のローンを払うとか、子弟の教育、大学に進んでいく時期であるとかというふうなことで非常にもう生計費もかさむというふうなことで、私は現実に合わないと思うんです。そういう点は一体どういうふうな認識をお持ちなんでしょう。
#140
○政府委員(矢崎新二君) 共済年金の場合、たびたび繰り返すようですが、全体としての年金財政の将来を考えますと、やはり負担と給付の調整、バランスということを考えなければいけない状況になってきておるわけでございまして、そういう意味で給付の改善合理化という点も、見直し合理化という点もあわせて考えなければならない状況でございます。そういう中におきまして考えた場合に、いま御指摘のような配偶者の遺族についての二百四十万円の収入限度額の基準を他の遺族よりもさらに拡大するというようなことにつきましては、やはり慎重を要する問題ではないかというふうに考えておるわけです。
#141
○安武洋子君 先ほどの御答弁でも、配偶者というのは非常に一体性が強いというふうなお答えでした。そして昭和四十八年を一〇〇としますと、物価上界率といいますのは、これ五十五年では一九〇%を越えているわけなんですよ。ですから、八年前の二百四十万円というのは、物価スライドだけで見てみましても、いまでは四百六十万円以上というふうになっているわけです。ですから、昭和四十八年と言えば、御存じのように、これ石油ショックの以前です。このときの金額がいままで据え置かれたままで、そして、いや年金財政だ云々だとおっしゃいますけれども、そういうしわ寄せをここに持っていくというのは私は不当だと思います。やはり最初にお決めになった根拠から見ても五百四万円になりますし、それから物価、これ四十八年を一〇〇としましてももう五十六年になっていますから、一九〇%超えているというふうな状態なんですね。一九〇%を超えますと四百六十万円以上にもなろうかというふうなときに、金額をただこの年金財政を考えれば云々というふうなことで据え置くというのは、私は不当ではないかと思います。もう一度御答弁願います。
#142
○政府委員(矢崎新二君) たびたび申し上げるようでございますけれども、私ども、現時点の考え方といたしましては、共済年金財政の問題については、給付の内容についての見直し合理化という点も考えていかなければならないという非常に厳しい状況にあるわけでございまして、そういった内容面での改善についてはやはり慎重に考えざるを得ないというふうに考えております。
#143
○安武洋子君 けしからぬじゃないですか、年金財政の合理化をこういうふうなところにしわ寄せする。遺族になって、たださえ生計が困難になっていこうかというのに、こういう限度額を据え置いたままで、これで、二百四十万円で十分な暮らしができるというふうにお考えなんでしょうか。私は、本当にこういうところをもっと真剣に考えていただかなくちゃいけないと思います。そして、さっきの理由の中に、こういうのは夫が妻の遺族となる要件の緩和にもつながって年金財政云々というふうなこともありましたけれども、ここで一つ伺いますけれども、遺族年金を受け取っている配偶者が夫のケースの場合と妻のケースの場合の比率というのは一体どれぐらいになっているんでしょうか。
#144
○政府委員(矢崎新二君) 五十五年十二月末現在の数字で見ますと、受給権者数の総数は三万二千四百三十三人ございます。その中で夫が受給しているというケースが四百三十九件ということになっております。比率で言いますと一・三%でございます。
#145
○安武洋子君 わずか一・三%でしょう。それはそうですわね。国家公務員の女性比率というのが一七%ですから、私は当然だと思います。ですから、妻の方が圧倒的に遺族となるケースが多いわけです。配偶者の場合、所得が高いという場合、今日の賃金、これは男女の格差がありますから、それから結婚年齢なんか見てみましても、男性の方が所得が高いというケースが圧倒的に多いと思います。配偶者が遺族年金を受ける圧倒的ケースがこれは妻であるということですからね。私は一般的要件を決める場合に、圧倒的大部分を占める妻の場合を想定して物事を決定するということがあたりまえだと思うんです。高額所得の夫が妻の遺族年金まで受け取るということをもし気にされるなら、それはそれとして、そういう特例な場合にはそういうことをしないというふうな歯どめをかけられればいいわけで、その本当に一・三%にしかすぎないようなこういう例をお出しになって一般的なことを決定されるというのは、これは筋違いではなかろうかと思うんです。私、こういう一・三%、わずか三万二千四百三十三人ですね、その中で夫が受けているのは四百三十九件、一・三%、こういうものをお出しになって、そして一般的な要件をお決めになるということは大変筋違いだというふうに思いますが、この点はいかがなんでしょうか。
#146
○政府委員(矢崎新二君) 私が申し上げましたのは、そういうこともございますという点をあわせて御説明をしたわけでございまして、基本的にはそういった配偶者についての収入基準というものを他の者よりさらに一層拡大していくということについての基本的な問題について慎重に考えざるを得ないというふうに申し上げたつもりでございます。
#147
○安武洋子君 厚生年金ですけれども、厚生年金に加入していた者が共済組合員になって通算遺族年金を受け取る場合、これは十年以上勤務した場合であっても厚生年金保険法の第五十九条の規定によりましてこの厚生年金保険法の遺族年金を受けることができます。すなわち、社会通念上一緒に生活をしておればよいということになるわけですね。そうすると、共済年金だけのものですね。これは今回の法改正によって第二条の遺族の条件、先ほどから問題にしております、すなわち生計の維持関係のこの適用を受けてしまうということで、寡婦加算というのは厚生年金と横並びで改正されるというふうなことをおっしゃいました。ところが、同じこの厚生年金の横並びということで考えますと、遺族のこの要件、それは生計維持関係を求めることは全然横並びでないわけです。均衡を失することもはなはだしい。同じように二十年勤めまして、そして同じような条件だったのをやめた、退職した。そうすると、遺族になった場合、厚生年金の通算者にとっては遺族になれる、しかし、そうでない者は今度は生計維持関係を問われて遺族になれない、こういう差が出てくる。片方では厚生年金との横並びで寡婦加算は改正するという。ところが、遺族の要件というものは全然横並びにならないで、同じように勤めておりながら、一方の方では厚生年金に加入していた、それが通算された者と共済組合だけの者と大きな差が出てくる。全然横並びじゃない。こういう差が出るということについてはどうお考えなんでしょうか。
#148
○政府委員(矢崎新二君) 先ほども申し上げましたように、厚生年金との比較で申し上げますと、これはいろいろな点にいろんな違いがあるわけでございまして、そういう点をどういうふうに考えるべきかという点はかねて問題として提起されていることは事実でございます。そういう点の問題については、年金制度の全般的な見直しの中で検討をすべきことだと思っておるわけでございます。
   〔委員長退席、理事藏内修治君着席〕
 個々の収入の基準の問題につきましては、共済制度の中の、先ほど申し上げましたような長期的な年金財政を踏まえた観点からいたしましても、そういう部分的な改善を図るということについては慎重を要するのではないか、こういう考え方に立つておるわけでございます。
#149
○安武洋子君 部分、部分とおっしゃいますけれども、今度わざわざ改正をなさると、厚生年金と寡婦加算は、それによってしかし十年以上の者にも生計維持関係を求められるというふうなことで、今度は厚生年金に加入していた、それが通算された者と、共済だけの者とが遺族になった場合に、片方は遺族になれるけれども片方は遺族になれないと、こんな大きな差が出てくるんですよ。これだけの横並びだと言いながらこの差はどうされるんですかと、こういうことを私は早急に是正していただかないといけないと思いますけれども、大臣、さっきからちょっとおられなかったのでおわかりかどうかと思うんですけれども、先ほどから私、この寡婦加算とともに、十年以上の者について生計維持関係を求めるということを新しくやるというふうなことで大変な矛盾が出てくるということを御質問しております。大変極端に不利になる方が出てくるわけですね。私は遺族の要件も改正に見合ってやっぱり改める必要があるというふうに思います。
 それと、先ほど申し上げておりましたけれども、二百四十万円、これは根拠をお伺いいたしましたら、その当時の俸給最高限度額の月額掛ける十二カ月分ということでお決めになったということですが、現在の俸給の最高限度額、
   〔理事藏内修治君退席、委員長着席〕
これは四十二万円ですから、これの十二カ月分は五百四万円です。そして、物価スライドで計算をいたしましても、いまは当時から比べますと一九〇%以上になっております。ですから、そういうことからいっても二百四十万円のままに、引き上げないというのもおかしい。
 それから、先ほどから申しているように、共済だけに加入している者、これは十年以上たちますと今度は生計維持関係を求められる。そして二百四十万円というところで筋を引かれる。しかし、これが厚生年金に加入して通算されると、そういうことはないわけなんです。こういう大きな差が出てくるというふうなことですから、ここも横並びにしないといけないと思うんです。
 こういう点で先ほどから私はいろいろと御質問申し上げておりますけれども、やっぱり今回の改正でこの二百四十万円の大幅な引き上げ、それからやっぱりスライドしていくような方法を考える。そして、この法のバランスということをおっしゃっておりますけれども、こんな大きなアンバランスができるわけですから、こういうものについて私は柔軟性を持って改善の方向を打ち出していただいて検討をしていただきたい、こう思いますけれども、いかがでございますか。
#150
○政府委員(矢崎新二君) まとめて簡単にお答えいたしますと、二百四十万円の収入基準の問題につきましては、確かに四十八年に設定したというのは事実でございますけれども、やはりこの基準と申しますのは、配偶者に特に優遇をした措置でございまして、現時点においてこれをさらに拡大をするということについては、制度の中の合理的なあり方という点を全体として考えていくべき現在の時点におきまして、慎重でなければならないということでございますし、それから十年以上の組合員の配偶者の場合に、従来生計維持要件を必要としていなかった点を生計維持要件を要することに改めるということにつきましては、これは共済年金の遺族の範囲の基本原町に立ち返るという考え方に立つものでございまして、これもこの際実施をする必要があるということでございます。
 それから、厚生年金における通算年金との関係でございますが、この共済年金制度と厚生年金制度間の相互の関係というのは、この制度の分立している関係からいろいろな問題がございます点は承知をいたしております。そういった制度の分立に伴う調整の問題というのは、これまた全体的な年金制度のあり方をどうするかということを総合的に見直す中で検討をすべき問題でございまして、部分的にこれをどうこうするということは現時点では適当ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#151
○安武洋子君 大臣にお尋ねをいたしております。私はやっぱりさっきから何度も同じことを御答弁いただいている。だから、余り硬直的なので、ここはひとつ政治家としての大臣にお伺いしているわけです。
 いまのところ、配偶者が優遇されているとおっしゃいますけれども、御自分の方からの御答弁で、やっぱり一体性があるからと。なぜ優遇的になっているんだというと、一体性があるからというふうなことで、それはそうだと思いますから、私は何も二百四十万円が優遇というふうに思わないわけですよ。いま、先ほども申し上げたように、二百四十万円というのは当時お決めになった根拠からしてもおかしいわけです。当然、その根拠を準用するなら五百万円以上になるわけ、物価から見てもやはり五百万円近くなるわけです。そういうこともあります。
 それから、先ほどの共済だけ入っている者と、それから厚生年金に入っていてそして通算された者と、二十年、三十年勤めてやめた場合、片方は遺族になれるけれども片方は遺族になれないという、こういう今回わざわざ改正されて厚生年金と横並びに寡婦加算をするという、そういうことをおっしゃるからお伺いしている。何でここだけこんなに横並びにならないで大きな格差が出るんだと、だから大臣に私は言っているんですけれども、こういうことは柔軟性を持ってやっぱり今後の改善をしていくということで検討をしてくださいということで質問しておりますので、大臣の御答弁をいただきます。
#152
○国務大臣(渡辺美智雄君) 給付の改善は結構なことでございまして、私どももできればやりたいわけであります。問題は、保険財政方式をとっておりますから、財源との関係でございまして、今回、全体的な見直しをしないで部分的な改正をしたというところでいろいろな御批判があろうかと思います。しかし、理由は先ほどから次長が長々と申し上げておるとおりであります。
 問題は、結局保険料収支入はどうしてふやすのか、保険料収入はふやさないように給付はうんとよくするように言われましてもなかなかむずかしい問題がある。以前は国の財政事情も非常に豊かであって、いろいろと補助その他についてもできるだけのことができたけれども、現在なかなかそれができないような事情にございます。したがっていずれ、御承知のとおり、先ほどから言っているように、年金全体の見直しという問題は新しい時代を迎えてどうしても必要なときがいやおうなしに来るだろう、そう思っておるわけでございます。そういうようなときに、財源の範囲内において合理的な、効率的な年金のあり方というものを検討してまいりたいと思っております。
#153
○安武洋子君 部分的な改正によって非常に不利に陥り、そしてひずみができているということだけは今回の改正によってできた分ですよ。それを指摘しているわけですから、この分については不利にならないように配慮をしていただき、そして検討をしていただくということは当然ではなかろうかと思うんです。その点、もう一度大臣にお伺いいたします。
#154
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今回の改正においては、それをさらに手直しするという考えはございません。
#155
○安武洋子君 いや、大臣、不利になっているのを検討も今後していかないということでございますか。
#156
○国務大臣(渡辺美智雄君) 制度全体の問題は、先ほど言っているように、今後の課題の問題でございますから、今回の部分についてはさらにこれを手直しするということはいたしません。
#157
○安武洋子君 もうこの法案の審議も私でおしまいになっているから、これでいまこれを改正してください、そういうことは言っておりません。しかし、指摘をした問題については、今後の検討課題の中で必ずこれを検討していただいて善処をしていただきたい。うなずいてくださっておりますので、了解してくださったものとして、じゃ次に私はもう時間がないのでいきますけれども。
 次の問題に移りますが、当面最も財政が窮迫に陥っておりますのは、これは先ほどからも出ておりますように林野共済ですけれども、現在、林野共済に対しましてどのような財政措置を講じられているのか、国庫からの助成はどうなっているのか、ちょっと簡単にお知らせください。
#158
○政府委員(矢崎新二君) これは短期経理の問題でございますが、林野庁共済組合の場合は、組合員一人当たりの被扶養者数が多いとか、平均年齢が商いとかいったような点を考慮いたしまして、従来の扱いで言いますと、ほかの組合の保険料率との均衡などを勘案いたしまして、とりあえず掛金率を千分の五十にとどめるということを前提といたしまして、その不足する部分について最大限の経営努力によって収支の改善を図ることを条件とはいたしておりますが、臨時的にその不足部分の一部を補助をしてきた経緯がございます。それは予算的に言いますと、五十五年度の場合は六億六千百万という金額を措置をしてきたわけでございます。この点を、五十六年度からは国公共済全体の中で財政調整事業によって支援をする方法に切りかえようということをただいま考えているところでございます。
#159
○安武洋子君 いまの御答弁にもちょっとありましたけれども、財政調整の方法といたしまして、各組合の支払い準備金とそれから不足金の補てん積立金のおのおのの二分の一を連合会に預託すると、そして、その運用益を財源として一定掛金率を超えざるを得ない財政窮迫の組合に対して助成を行うというふうな方法を考えておられるわけですけれども、この基準となる掛金率、これはどういう根拠でお決めになったんでしょうか。また、当面どれぐらいになると見通していらっしゃるんでしょうか。
#160
○政府委員(矢崎新二君) これは、各組合の平均的な掛金率をまず求めまして、そういたしまして、特に何といいますか負担率が異常に高いというケースについてこれを援助しようという趣旨でございますから、平均掛金率から一定の幅を持たせた基準掛金率というものを設定をいたします。その基準掛金率を上回る部分について援助をすると、こういう考え方になっているわけでございます。その率は、五十六年度の場合は千分の五十三という率を予定をいたしておりまして、千分の五十三までは林野の場合に組合員から掛金として徴収をしていただきますが、それを上回る不足分を財政調整事業によって援助をしていくと、こういう考え方になっております。
#161
○安武洋子君 最大の問題といいますのは、国公共済における独自の掛金率の許容範囲ができてしまうと、そしてそれが今後の医療費の引き上げとか、あるいは傷病人の増加に伴ってストレートに最高掛金率が引き上げられるという点ではなかろうかと思うんです。近ごろの医療費の引き上げ状況、これを見てみますと、これが際限なく上がっていくんではないかというふうな心配があるわけなんですけれども、こういう点、どういうふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
#162
○政府委員(矢崎新二君) 医療費の給付がふえていきますと掛金率というものも全体として上がってくるわけでございまして、そのことがひいては相対的基準として設定いたします基準掛金率の上昇にもつながるということは、仕組みとしてはおっしゃるとおりでございます。しかしながら、それはそういう状況になるのを放置しておいてよいという問題ではございませんで、私どもといたしましては、各組合の経営努力を強化いたしまして、医療費通知を実施をするとか、あるいは組合員の健康管理に対する自覚を高めるための措置をとっていくとか、いろいろな手だてを講じまして短期給付財政の安定を図っていくということを積極的に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#163
○安武洋子君 いろいろ努力をなさるのは私は当然だと思いますけれども、なお全体の医療給付の増加というものが基準掛金率にリンクされるというふうなことですから、際限なく上がるということに対して、私は、たとえば基準掛金率を法制化するとか、しかるべき何らかの歯どめというふうな措置を講じる必要があるのではなかろうかと思っておりますが、こういう点はいかがお考えでございましょう。
#164
○政府委員(矢崎新二君) 短期給付事業の財政は社会保険方式によっているわけでございまして、毎事業年度におきます収支が均衡するように掛金率を定めるというのが原則でございまして、上限といったような歯どめを設けるというのは制度の趣旨に即さないのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただしかし、先ほども申し上げましたように、給付事業の適正化を推進をしなきゃいけないということは当然でございまして、そういったことによって掛金率負担の上昇をできる限り抑えるための努力は払っていきたいというふうに考えております。
#165
○安武洋子君 ぜひそういう努力をやっていただかないと私はやっぱりこれは大変なことになるんじゃなかろうか。私としては、やはりこういうのはもっとしっかり歯どめができるような指導、これは講じる必要があるのではなかろうかと思うんです。財政調整のすべてを私は否定するわけではございません。しかし、こういう形でやっていきますと、助成をしてもらう組合、これはもちろんのことですけれども、連合会全体の組合が掛金率の上昇への連帯責任を負わなければならないというふうなことになるわけです。その責任の上からも資金を拠出するというふうなこともあるわけですから、全体の付加給付が切り下げられるというふうなことにもつながりかねないわけですね。それで私は、大蔵省としてもこういう点で圧力をかけるというふうなことをなさらないようにここでひとつ求めておきたいと思いますけれども、いかがなんでしょうか。
#166
○政府委員(矢崎新二君) この保険財政の基本は、掛金によりまして収支の均衡を図りながら適正な内容の給付を実施していくということではないかと思うわけでございまして、各共済組合におきまして、そういった観点から給付内容の点についても、負担との均衡を配慮しつつ、それぞれ十分に御検討をいただいてお決めいただけるものと考えておるわけでございまして、大蔵省といたしまして不合理な圧力をかけるというふうなつもりは全くないわけでございます。
#167
○安武洋子君 従来財政の窮迫組合に行われていた予算措置なんですけれども、今回こういう財政調整という形に変えられてしまうわけです。事業主は、これは国です。ですから、財政窮迫状態にふさわしい助成をするというふうなことは必要ですし、それからまた費用の負担割合、これは変更しまして、国の負担を私は引き上げていくべきではなかろうかという考えを持っております。これについてはいかがですか。
#168
○政府委員(矢崎新二君) 短期給付につきまして国庫補助を行ってはどうかという御指摘でございますけれども、社会保険に対する国庫負担のあり方は種々議論があるわけでございまして、たとえば国民健康保険や政管健保などの場合は、農民や自営業者あるいは中小零細事業等の従業員など、事業主負担がない階層を対象にしているとかあるいは低所得者層を多く含んでいるといったような事情から、そういった特殊な事情を勘案して特に導入をしているということがあるわけでございます。共済組合の短期給付につきましては、そういったようなものとは性質を同じくするとは言いがたいわけでございまして、やはり社会保険の基本原則に立ちまして、保険料で収支のバランスを図っていくということでやっていくべきものと思っております。
 それから、第二点の負担割合の変更の問題でございますが、御指摘のように、現在労使折半負担ということをやっております。これは社会保険全般を通ずる原則だと考えております。一部の健保組合で事業主が五〇%以上負担している場合も見受けられないわけじゃないわけでございますが、社会保障制度・審議会の勧告にもございますように、労使折半の原則は貫くべきではないかと思っておるわけでございます。特に共済組合の場合は、仮に、事業主と申しましてもそれは一般的に納税者や受益者の負担で賄われているという性質のものでもございまして、こういった折半負担の原則を改めるということは国民の合意を得がたい問題ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#169
○安武洋子君 いかに税金で賄われていると言っても、やっぱり国は事業主であることには変わりないし、その責任は持つべきではなかろうか。これはやっぱり検討していただかなければならない課題として今後課題に入れておいていただきたい。やはり国としては、この費用の負担割合を変更して国の負担を引き上げるとか、あるいは財政窮迫組合にいままで予算措置をとっていたわけですから、こういう財政窮迫状態にふさわしいような助成を考えるとかというふうなことは検討していただきたいと思います。
 次に、財政調整事業を開始するに当たりまして、この国公共済組合、これは組合員のお金が使われるわけです。ですから、この組合員の合意と納得ということが何よりも必要だと思います。
 それから、さらに今後いろいろ事業運営をしていくにおいても、単位組合の合意の上に立って物事が進められるというふうなそういう体制、それから手続、こういうものが必要だと思います。こういう点、どういうふうに方策を立てておられるのか、そのことをお伺いいたします。
#170
○政府委員(矢崎新二君) 今回の短期給付の財政調整事業は、参加していただきます各組合の相互扶助、相互連帯の精神に基づいて実施するわけでございまして、御指摘のとおり、各組合の理解と協力がなくては円滑な運営はできないという性質のものであることは十分承知をいたしておるわけでございます。したがいまして、この事業を運営していくに当たりましては、そういった各組合の理解と協力が得られるような仕組みをやはり考えて運営をしていくべきではないかというふうに考えておりまして、この短期の財政調整事業全般にわたりまして検討、審議をいたします事業運営委員会というようなものを設けるようなことも考えまして、十分御指摘の点に遺漏のないように配慮をしていきたいというふうに考えております。
#171
○安武洋子君 私は、運輸大臣には大変申しわけないんですが、運輸関係の質問これだけ準備していたんですが、時間が限られてしまっております。それで何も物を言っていただかなくて……。最後に大蔵大臣に御質問申し上げて質問を終わりたいと思うんです、大変残念なんですけれども。
 いま御質問申し上げましたように、財政調整の事業というのを進めていきますのは、これはやはり組合員のお金が使われるわけですから、いま御答弁いただいたように、組合員の合意と納得、それは得なければならない、それから単位組合のやはり合意も得なければならないというふうなことで、その検討をしていきたいということですけれども、私はそういうふうな体制をきちっとつくっていただくということが大切だろうと思うんです。ですから、こういう合意を大切にして、そういう体制をやはりつくっていこうというふうなことで検討していただけるかどうかということを最後にお伺いをいたしまして、質問を終わらしていただきたいと思います。
#172
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本事業の運営に当たりましては、つまり短期給付のことですね、運営全体にわたって審議する事業運営委員会のようなものを設けるなど何か工夫をいたしまして、各組合の御理解が得られるよう十分に配意してまいりたいと存じます。
#173
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより両案の採決に入ります。
 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田部君から発省を求められておりますので、これを許します。矢田部君。
#177
○矢田部理君 私は、ただいま可決されました共済関係二法案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    昭和四十二年度以後における国家公務員
    共済組合等からの年金の額の改定に関す
    る法律等の一部を改正する法律案及び昭
    和四十二年度以後における公共企業体職
    員等共済組合法に規定する共済組合が支
    給する年金の額の改定に関する法律等の
    一部を改正する法律案に対する附帯決議
    (案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、次
 の事項を実現するよう、なお一層努力すべきで
 ある。
 一、共済年金の成熟度の進行にかんがみ、その
  財源措置及び整合性を確保することにつき、
  さらに検討すること。
 一、遺族年金の給付水準については、受給者の
  生活実態等を考慮し、さらに充実するよう検
  討すること。
 一、短期給付の引上げにあたつては、さらに医
  療費の審査及び組合員の生活実態等に着目
  し、掛金負担の適正化について十分努力する
  こと。
 一、短期給付における財政調整事業の実施にあ
  たつては、関係組合及び組合員の意向を反映
  するよう留意すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#178
○委員長(林ゆう君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣及び塩川運輸大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、この際順次これを許します。渡辺大蔵大臣。
#180
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#181
○委員長(林ゆう君) 塩川運輸大臣。
#182
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして、御趣旨を体し、十分検討いたしたいと思います。
#183
○委員長(林ゆう君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#185
○委員長(林ゆう君) 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
#186
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいま議題となりました農林水産省設置法の一部を改正する法律案の提案の理由と改正の内容を御説明申し上げます。
 農林水産省の農業関係試験研究機関につきましては、昭和三十六年の農業基本法の制定を背景に、専門別技術開発を強力に推進する体制として再編されて以来その整備が進められてまいりました。このような体制のもとで、畜産・園芸等の作目別技術開発が著しく進展し、わが国農業の発展に多大の貢献をしてきたところであります。
 また、昭和五十年代に入って、筑波研究学園都市に十に及ぶ農業関係専門試験研究機関が移転し、世界的水準の研究施設を備えた農業研究団地が概成したことにより、広範な分野の研究者が結集して、専門別試験研究を一層深化、発展させ、高度な技術開発を促進する条件が整備されたところであります。
 一方、近年におけるわが国農業は、米を初めとする農産物需給の不均衡、石油多消費型農業からの転換等多くの困難な問題に直面しており、従来の専門別の試験研究機関のみでは対応しがたい総合的な試験研究を推進し、地域の実情に即した生産性の高い農業を実現するための技術体系を確立する必要性が一層高まっております。
 このような情勢に対処するためには、高度な素材技術を開発する専門別試験研究を引き続き実施するとともに、各種の新しい研究手法を駆使しつつ、専門別試験研究の成果をも活用して、総合的な試験研究を推進する体制を整備することが緊急の課題となっております。
 このため、筑波研究学園都市への農業関係専用試験研究機関の集中の利点を生かし、各機関の協力のもとに、地域の農業試験場との連携を保ちつつ総合的な試験研究を推進することとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、農林水産省の本省の附属機関として農業研究センターを設置することであります。
 このセンターにおいては、農業に関する多数部門の専門的知識を活用して行う技術上の総合的な試験研究及び調査を行うとともに、土地利用型農業の再編成の中心となる普通作物等に関する試験研究及び関東東海地域の農業に関する試験研究をあわせ行うこととしております。
 第二は、農業研究センターの設置に伴い農事試験場を廃止することであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#187
○委員長(林ゆう君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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