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1980/04/24 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 本会議 第14号
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1980/04/24 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 本会議 第14号

#1
第094回国会 本会議 第14号
昭和五十六年四月二十四日(金曜日)
   午前十時十三分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十四号
  昭和五十六年四月二十四日
   午前十時開議
 第一 日本国政府とオランダ王国政府との間の
  文化協定の締結について承認を求めるの件
 第二 日本国政府とギリシャ共和国政府との間
  の文化協定の締結について承認を求めるの件
 第三 アフリカ開発銀行を設立する協定の締結
  について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第四 一次産品のための共通基金を設立する協
  定の締結について承認を求めるの件(衆議院
  送付)
 第五 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進セ
  ンターを設立する協定の締結について承認を
  求めるの件(衆議院送付)
 第六 北太平洋のおつとせいの保存に関する暫
  定条約を改正する千九百八十年の議定書の締
  結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第七 南極の海洋生物資源の保存に関する条約
  の締結について承認を求めるの件(衆議院送
  付)
 第八 渡り鳥及びその生息環境の保護に関する
  日本国政府と中華人民共和国政府との間の協
  定の締結について承認を求めるの件(衆議院
  送付)
 第九 在外公館の名称及び位置並びに在外公館
  に勤務する外務公務員の給与に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第一〇 石油備蓄法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一一 輸出保険法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一二 港湾整備緊急措置法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一三 下水道整備緊急措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一四 中小企業退職金共済法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一五 恩給法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一六 法務局、更生保護官署及び入国管理官
  署職員の大幅増員に関する請願(四件)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、国務大臣の報告に関する件(昭和五十六年
  度地方財政計画について)
 一、地方交付税法等の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 宇都宮徳馬君から海外旅行のため来る二十八日から十四日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(徳永正利君) この際、日程に追加して、
 昭和五十六年度地方財政計画についての国務大臣の報告及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。安孫子自治大臣。
   〔国務大臣安孫子藤吉君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(安孫子藤吉君) 昭和五十六年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明を申し上げます。
 昭和五十六年度の地方財政につきましては、昭和五十五年度に引き続き厳しい状況にありますが、おおむね国と同一の基調により、財政の健全化を促進することを目途として、歳入面におきましては、住民負担の適正合理化にも配慮しつつ地方税源の充実を図りますとともに、昭和五十五年度に引き続き見込まれる巨額の財源不足につきましては、これを完全に補てんする等地方財源の確保を図っております。一方、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を行うという抑制的基調のもとで、住民生活に直結した社会資本の整備を図るために必要な地方単独事業の規模の確保に配意する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある財政運営を行うことを基本といたしておる次第であります。
 昭和五十六年度の地方財政計画は、このような考え方を基本といたしまして策定しておりまするが、以下その策定方針について申し上げます。
 第一に、現下の厳しい地方財政の状況等にかんがみまして、法人住民税について均等割の税率適用区分の基準を改めますとともに、道府県民税及び市町村民税に係る法人税割の税率を調整し、個人事業税について課税対象事業を追加し、不動産取得税の税率を引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化を行う一方、所得の金額が一定の金額以下である者について昭和五十六年度限りの措置として住民税所得割の非課税措置を講ずる等地方税源の充実と地方税負担の適正化を図ることといたしております。
 第二に、地方財源の不足に対処し、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにするために、昭和五十六年度の地方財源不足見込み額一兆三百億円については、地方交付税の増額と建設地方債の増発により完全に補てんすることといたしております。
 なお、建設地方債の増発につきましては、昭和五十五年度よりその額の縮減を図っております。
 また、地方債資金対策として政府資金及び公営企業金融公庫資金の増額を図ることといたしております。
 第三に、抑制的基調のもとにおいても、地域住民の福祉の充実、住民生活に直結した社会資本の計画的整備等を図るための諸施策を実施することといたしております。このため、生活関連施設等の計画的な整備の推進を図るため地方単独事業の所要額を確保いたしますとともに、福祉施策の充実、教育振興対策等の推進等を図ることといたし、また、過疎地域に対する財政措置等を充実することといたしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、国庫補助負担基準の改善を図り、あわせて年度途中における事情の変化に弾力的に対応し得るよう配慮いたしまするほか、地方財政計画の算定内容について所要の是正措置を講ずることといたしております。
 以上の方針のもとに昭和五十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、四十四兆五千五百九億円と相なり、前年度に対し二兆九千八十三億円、七%の増加と相なっております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、昭和五十六年度分の地方交付税の総額は、昭和五十年度から昭和五十二年度までの各年度の借入金の償還方法を変更することによりその増加を図るほか、さらに臨時地方特例交付金一千三百六億円及び交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金一千三百二十億円を加算することといたしました結果、八兆七千百六十六億円と相なり、前年度当初に対しまして六千三百九十一億円、七・九%の増加と相なっております。
 また、昭和五十六年度の借入金一千三百二十億円につきましては、昭和六十二年度から昭和七十一年度までの各年度に分割して償還することとし、そのうち、一千百三十億円につきましてはその十分の十に相当する額、一千百三十億円を除いた額につきましてはその二分の一に相当する額を昭和六十二年度から昭和七十一年度までの各年度におきまして臨時地方特例交付金として当該各年度の地方交付税の総額に加算することといたしておるわけであります。これらの措置に加えまして、昭和五十年度から昭和五十二年度までの各年度の借入金の償還方法を変更することに伴い、昭和五十七年度から昭和六十七年度までの各年度の借入金の償還額及び当該各年度の地方交付税の総額に加算することとされる臨時地方特例交付金の額を変更することといたしております。
 さらに、昭和五十六年度の普通交付税の算定につきましては、公園、清掃施設等の公共施設の整備、教育水準の向上、社会福祉施策の充実に要する経費の財源を措置いたしまするほか、財源対策債の縮減に伴い必要となってまいりまする投資的経費を基準財政需要額に算入するため、単位費用の改定等を行っておる次第であります。
 第二に、風俗営業等取締法等十二法律に定める地方公共団体の手数料の額またはその上限について改定を行い、受益者負担の適正化を図り、あわせて財源の確保に資することといたしております。
 以上が、昭和五十六年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(徳永正利君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
#9
○志苫裕君 日本社会党を代表して質問いたします。
 田園都市国家の理念をうたい上げた大平前総理の承継者として東北出身の総理が誕生したことは、地方の時代を象徴するようではあった。が、やがて一年を迎えようとする鈴木内閣からは、その理念もリーダーシップも感じ取ることができない。
 二度にわたる総理の施政方針演説が、個性に乏しい原稿の棒読みであったことは、はからずも総理に選ばれた者の緊張、まじめさと受け取れないでもないが、「地方」の問題についての認識が一言も表現されなかったのはなぜか。言うまでもなく、「地方の時代」は、爛熟した産業社会としてのわが国が直面するさまざまな課題、難問を乗り越える歴史的キーワードとして登場し、合意を形成してきたものであります。
 話は三年前にさかのぼりますが、五十三年末のあの自民党総裁公選、それ自体は飽くなき党内抗争、政権への妄執の争いではあったが、これを時代的背景をもって見るならば、有事法制の検討に示された「危機管理的」な志向の福田さんと、物質文明への反省と価値体系転換への認識を示した大平さんとの対立、すなわち危機管理国家と田園都市国家との路線選択であったと言うことができます。ここで大平路線が勝ったことは、政権党のしたたかさとともに、地方の時代の政策展開が注目されたのであります。
 その大平さんが亡くなって、承継内閣の登場とはなったが、五十六年度予算について見る限り、地方の時代は何一つ政策軌道に乗ってはいない。それどころか、およそ田園都市国家の理念とは相入れない危機管理的国家が国民の前に立ちはだかってきております。レーガン政権の登場や、党内タカ派との「和」に腐心をして、鈴木内閣は大平理念を放棄し、危機の時代認識に転換したかに見える。「八〇年代地方の時代」は、その幕あけとともに早くも幻想となったのでしょうか。理念なき政治は、不安と混乱と時代進歩のブレーキとなるだけであります。
 この際、大平理念の評価と、総理の地方の時代論及び政策展開について、しかと見解を伺っておきたい。
 さて、五十六年度の地方財政でありますが、国とほぼ同一の基調で運営されてきた地方財政が国家財政に負けず劣らずの事態にあることは言うまでもありません。
 ピーク時には四兆円を超えた財源不足額が問題の先送りによって大幅に減ったとはいえ、地方財政の危機的状況に変わりはなく、依然として法律が制度改正を求める要件を満たしております。にもかかわらず、ことしもまたそれは行われず、当座しのぎに終始しました。法人税の改正に当たって、地方税への配分を求めた主張も退けられた。交付税の繰越措置によって、自治体固有の財源が政府の財政操作に使われたこともまた去年と同様に不当なことであります。とりわけ、不足財源に補てんされる財源対策債が、従来の折半から七割にはね上がったことは大きな後退として見逃せない。
 このように、五十六年度の地方財政対策はもっぱら国家財政の都合だけで編成したもので、その特徴的なものが交付税特会借入金の償還方法の延長と、五十一年以降地方債の利差臨特の不計上であります。この措置によって国家予算は二千七百億を切り落とし、一けた予算を達成したのであって、紛れもなくまやかしであり、財政民主主義に反します。
 以上、それぞれの指摘について、自治、大蔵両大臣の答弁を求めます。
 総理、私は、最近の財源対策論議がもっぱら国家財政の視点でのみなされることに不満を表明したい。
 新しい時代の役割りを論ずるまでもなく、国民経済との関連で見るならば、国民総支出に占める公的支出の割合は約二割だが、そのうちの七〇%は地方政府が担っております。この事実だけでも、地方財政を論外に置くことの不合理、片手落ちが指摘できます。
 不合理なことと言えば、昭和五十年から五十六年までに国が警察、消防、教育等の分野で行った制度改正に伴う地方の財政需要は実に一兆六千億に上りますが、これに見合う財政制度の改正はありません。財源対策債や交付税特会の借り入れがどんなにかさんでも交付税の総枠がふくらむわけでもなし、地域経済、なかんずく大都市の経済基盤が変化をして財政力が落ちても税、財源がそれに対応してはおらない。
 さまざまな矛盾が爆発の寸前にあり、交付税制度ももはや配分の機能を持つにすぎなくなっております。つまり、抜本改革が求められているわけでありまして、これらの諸問題についての改革の展望を総理及び関係大臣からお聞かせいただきたい。
 行革論議盛んな折から、国は身軽になって、仕事は地方に下請という発想がまかり通っては困る。自民党が議員提案するという新幹線整備法の改正はその最たるもので、断固として反対する。
 条文はともかく、実質は地域開発への願望を逆手にとって、巨額な地方負担を強いる内容となっておるが、総理はこの際、かかる無秩序、無謀な法案に反対を表明すべきであるし、自治大臣は、地方財源をもって措置をすることは絶対にないと表明してもらいたい。
 次に、行政改革と地方の問題についてただします。
 国の行政改革が地方固有の問題に立ち入らないことは、地方自治の本旨からして当然だが、国と地方とのかかわりについては、積極的に論議し、改革が行われるべきであります。
 わが国の地方自治制度が、法制面の形式とは別に、集権的官僚統治の性格を持ち、高度成長政策のもとでより助長されてきたことへの反省を踏まえて、大胆に地方政府の分野を拡大強化すべきであります。
 言うまでもありませんが、自治体の権限強化は、国である自治省のなわ張りを広げることではない。また、本来の国の責任を回避したり、仕事はやるが金はやらぬということがあってはならない。千葉県や小金井市などの事例が地方の時代の脚光を浴びて、自治体不信が醸成されることは残念でありますが、にもかかわらず、地方分権を進めること、少なくとも国と地方との対等な関係を確立する基盤を形成することは、時代の要請であります。総理及び関係大臣の決意を促したい。
 なお、政府提出予定の自治法改正は、不十分ながらも改革の課題に沿うものと判断されますが、一体いつごろ提出なさるのか。部内調整の難航が伝えられている折から、総理に見習って自治大臣もまた政治生命をかけてもよい問題ではないか、作業経過と所信のほどを伺いたい。
 私は、この機会に、すでに本院に送付されておる広域臨海環境整備センター法案について、自治行政の立場から質問します。
 本法案の背景にある廃棄物の排出量は、東京、大阪の湾岸において、昭和七十年までの十年間で約一千百万トンと想定されますが、その処理において、ひたすら投棄することにのみ目が向けられ、現代における廃棄物の発生過程がおろそかにされているのではありませんか。廃棄物行政を強力に進めるには、発生者の自己処理原則を確立をして、発生源対策を初め、再資源化、減量化、土地還元等、一貫をした対策が不可欠でありまして、埋め立て処理はその一つでしかすぎません。
 廃棄物処理についての厚生大臣の基本的見解、あわせて本法によってそれが揺らぐことがないように強く要求します。
 同法案において処理する廃棄物は、その九割までが産廃またはそれに類するものと言われておりますが、これでは自治体等の公的資金によって産廃を処理することとなり、PPPの原則を崩し、現行廃棄物処理体系の根幹を揺るがすものと言わざるを得ない。
 また、新たに創設される広域臨海環境センターなる制度、機構は、現行地方自治制度の全く予想しないものであるが、こうした機構の創設が地方自治を形骸化させ、あるいは府県合併へと連動することを恐れます。
 廃棄物の発生源、種類の多様化、広域化に機能的に対応するために、たとえば事業団のようなものは検討されなかったのかどうなのか、自治大臣の答弁を求めます。
 最後に、原電敦賀の廃棄物流出事故について、現段階での問題点の報告を求めます。
 原発は、もともとリスクがあるから三原則を掲げ、研究、論議が重ねられているのであって、これを隠すという態度は、原子力行政の体質にも由来するものであって、犯罪である。この際、事故の徹底究明と管理体制の全面的洗い直しを行うとともに、新規立地のための公開ヒヤリング、原子炉設置許可申請等、当面の計画、手続は一たん凍結すべきであります。
 原発は、人の生存を脅かすだけでなく、その立地をめぐるトラブルや金品によって心をもむしばみ、自治体の健康を阻害しています。札束でひっぱたくような立地政策が自治体の健全な運営にいかなる意味を持つのか、自治大臣の見解を求めるとともに、電源立地促進対策交付金等はこの際廃止すべきであります。
 総理、通産大臣の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 最初に、故前大平総理が提唱された田園都市構想の理念を私が継承していないのではないか、また地方の時代の認識とその政策の展開についてのお尋ねがございました。
 私は、志苫さんと同じ東北地方出身の政治家であり、地方の発展の必要性と重要性を認めることにつきましては、次して人後に落ちるものではないと自負いたしております。
 近年、地方の時代と言われておりますが、私は、地方の時代とは、国土の均衡ある発展を図り、所得格差をなくして、地域住民の福祉向上を図ることを基本とし、それぞれの地方の特性と伝統に基づく産業と文化を育てていくことが大切であると考えるものであります。地方は、それぞれ歴史的あるいは地勢的な特徴がありますので、画一化するよりも多様性があってよいと思いますし、そのためには自分の町や村は自分たちの手で地域づくりをしていくという考え方で、地域住民の自主性、自律性を尊重していくべきであると考えます。田園都市構想の基本的考え方もこのようなものと理解しておりまして、私の考え方と異なるものではないと思うのであります。今後とも地方の活力ある発展のために努力してまいります。
 次に、地方財政の問題でありますが、まず、最近の財源対策は国のことばかりで地方を忘れているのではないかとのお尋ねがありましたが、非常に苦しい国の予算編成の中で毎年度見込まれた地方財源不足を完全に補てんしてきているのでありますから、決して片手落ちといったことではございません。
 地方につきましても国と同様の中期展望を示してはどうかということでありますが、地方財政は三千余りの団体の財政の集まりでありますから、国の中期展望のように後年度負担を積み上げて将来見通しをつくることがうまくいくかどうか、勉強してみなければならない点が多々あるのではないかと思います。
 地方財政が将来にわたり適切にその機能を発揮するためには、まず、行政の刷新と簡素合理化の徹底を図りながら、累積した地方債とか地方交付税特別会計の借入金の償還に対応し得る財政構造を確立していく努力が必要ではないかと考えます。
 次に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正して、地方公共団体が国鉄や鉄建公団に対し財政上の措置を講ずることができるようにする法律案が議員立法として提案されたことは承知しております。せっかく国会に提案された案件でありますので、今後、委員会等で十分論議を尽くしていただきたいと存じます。
 最後に、行政改革についてのお尋ねがありますが、私は、国、地方を通じての金減らし、仕事減らし、人減らしを考えていくことが基本であると考えます。仕事や人が国と地方団体との間を行ったり来たりしておるというのでは国民の負担は減らないのでありますから、国、地方を通じての行政の簡素化、合理化をまず目指してまいりたいと考えます。
 以上、お答えをいたしましたが、その他の事項につきましては所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣安孫子藤吉君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(安孫子藤吉君) 最初に、地方財政を軽視した予算編成ではないかというお尋ねでございましたが、この点については総理からお答えを申し上げたとおりでございまするので省略をいたしまするが、結局、地方財政についても十分なる配慮をして今回の予算が編成されたということだけは申し上げておきたいと存じます。
 論旨の中に二、三点具体的な例示がございましたので、その点についてのお答えを申し上げたいと存じます。
 一つは、地方交付税率を上げるべきじゃないかという点があったように承りました。
 昭和五十六年度の地方財政というものは、御承知のとおりに、五十五年度に引き続きまして地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態にあると見込まれまするので、自治省といたしましては、同条の規定に即しまして地方交付税率の引き上げを求めたところでございますが、巨額の特例公債を発行しておる国家財政の現状から見まして、その実現はしなかったのでございます。しかしながら、その財源不足につきましては、財源対策債の縮減を図る一方において、交付税の増額措置をもってこれを完全に補てんすることといたしておるのでございまして、当面の国家財政の状況から考えますれば、このような特例措置もまたやむを得ざるものだと考えておる次第であります。
 それから法人税の問題について、国と地方の配分については不公平じゃないかというようなお尋ねがございました。
 今回の法人関係税の改正によりまする増収額は、平年度ベースで申し上げますれば、国が八に対して地方が二の割合になっておるわけでありますが、国と地方との間の法人所得課税の配分割合は、地方への配分が実際上若干低下をいたしております。しかし、地方交付税等を考慮いたしますると、法人所得課税は全体としては国と地方とでおおむね折半をしておるわけでございます。わずか地方の方が上回っておる状況でもございまするので、今回は法人税割及び法人事業税の税率の引き上げは行わなかった次第でございます。
 それからもう一点は、繰越措置の問題でございますが、これは非常に適当ではないのじゃないかというお尋ねの要点があったように思います。
 交付税の繰越措置についての点は、五十五年度の補正予算に伴う地方交付税の増加額は、五十五年度に必要な特別交付税の額等を除きまして、五十六年度へ繰り越しをいたしたわけでありますが、これは年度間を通ずる地方財政の健全化に資する見地から行ったものでございます。このことによりまして五十六年度の財源不足額を減少させることが最も適当であると判断をいたしたから、さような措置をとったわけでございます。
 五十六年度の財源不足額を補てんするに当たりまして、お尋ねのように財源対策債の割合は前年度より高くはなっておりますが、財源対策債そのものは前年度に引き続き縮減を図っておるわけでございます。その結果は、地方債依存度も前年度の一〇・六%から九・六%へと低下をいたしておるのは御承知のとおりであります。一方、地方交付税につきましても、三千四百億円の増額措置を講じますことといたしました結果、五十六年度の地方交付税総額は、前年度に比較いたしまして七・九%増、歳出全体の伸び七%を上回っておるのが実情であります。また、地方税の伸びとあわせまして一般財源の比率がさらに高まっておるのでございまして、財政構造が健全化の方向へ一歩前進をしたものと考えておる次第でございます。
 また、新幹線の地方負担の問題についてお尋ねがございました。
 この新幹線の建設というものは、言うまでもありませんが、国土の基幹的な交通網の整備の一環といたしまして、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団が行ってまいった事業でございます。現在の国と地方間の事務配分、財源配分のたてまえから申しますれば、今後の建設につきましても、従来と同様に、国及び国鉄、鉄建公団の負担において行われるべきものであると考えておるわけでございます。今回の全国新幹線鉄道整備法の一部改正案というものは、新幹線鉄道の建設について関係地方公共団体と協議することができる、そういう道を開くことを趣旨といたしておるものだと考えておるのでございまして、この点は地元負担を強制をするというものではないと承知をいたしておるものでございます。自治省といたしましても、さように理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、仮に地方公共団体が建設費の一部を負担する場合があるといたしましても、そのための地方交付税その他による財源措置は行うことを考えておりません。
 行政改革についての理念的なお尋ねがございました。
 これは総理からも御答弁申し上げておるところでございまするが、これからの行政改革というものは、お説のとおりに国、地方を通ずる行財政の簡素効率化、地方分権の推進という観点に立って進めなければならないと私も考えております。
 また、国と地方公共団体は、国、地方間の適正な機能分担を図りながら、相協力して国民福祉の向上という共通の目標を達成していかなければならないものだと考えます。今後、国と地方公共団体相互の信頼の上に立った協力、共同体制の一層の助長促進を図っていく必要があると考えております。したがいまして、行政改革を進めるに当たりましては、民主政治の基盤でございまする地方公共団体の自主性、自律性を強化するため、行政事務の再配分、国庫補助金制度の改革などを推進する必要があると考えておるわけでございます。
 なお、自治法改正案についてどういうことになっておるのかというお尋ねでございました。
 地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るために、地方制度調査会の答申もございまするので、監査制度について監査委員の職務権限を拡大する、あるいは議会制度について議会運営委員会の設置を図る、また地方公共団体の全国的な連合組織につきまして国に対するところの意見の提出の制度を設ける、都道府県の基本構想を策定する、そういうようなことを内容とした地方自治法の一部改正案を今国会に提出いたしたいと考えて、関係省庁と調整を行っておるところでございます。しかしながら、地方自治法改正案のうち、監査委員の監査権限を機関委任事務に拡大いたしますこと、あるいは地方公共団体の全国的連合組織に国に対する意見提出権を認めること、また都道府県の基本構想を法定する、この三点につきましては、なお関係省庁との調整に時日を要しておるのが実情でございます。今日までその成案をまだ得るに至っておりません。自治省といたしましては、引き続き関係省庁の御理解を得るべく努力しでまいる考えでございます。
 なお、広域臨海環境整備、フェニックスの問題でございますが、これについての御質問がございました。
 産業廃棄物の処理につきましては、事業者責任が原則とされておりますが、広域的に処理することが適当な産業廃棄物につきましては都道府県が処理することができるものとされております。また、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物につきましては市町村が処理することができることと相なっておるわけでございます。
 最近におきましては、廃棄物の最終処分場は、事業者自身あるいは処理業者によって確保することがきわめてむずかしい場合が多くなってきておるのは御承知のとおりであります。ある程度の公共関与が必要となっておる次第であります。今回の法案は、予納金及び適正な料金を徴収することによって、センターが産業廃棄物の最終処分も行うことができることといたしたものでございまして、事業者処理の原則を崩すことには相ならないものと理解をいたしているわけでございます。
 なお、あるいは処理事業団でやったらどうかという御質問もあったように思ったのでございまするが、今回の法案は、廃棄物の最終処分地の確保を図るために、地方公共団体が広域的に協力する一つの方式として広域臨海環境整備センターを設立しようとするものでありまして、広域的に処理する必要があるからといって、直ちに廃棄物処理事業団というような事業団を設立すべきであるということには必ずしもならないものだろうと理解をいたしております。
 原発の問題についてのお尋ねがございました。
 電源立地促進対策交付金でございまするが、この交付金は、今日まで地元の意向に即して公共用施設の整備を促進いたし、地域住民の福祉の向上に寄与してきたものと考えております。今後とも、この交付金制度の適切な活用によりまして、総合的な地域振興が図られることを期待いたしているわけでございます。
 以上、お尋ねの点についてお答えを申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 地方交付税特別会計借入金の償還方法の変更及び五十一年度以降の地方債の利差特例、これの予算計上をしなかった、一般会計にしなかったことは、要するにその予算編成上のまやかしじゃないのか、こういうことで地方財政の方へしわ寄せしたのじゃないかというような趣旨の御質問でございますが、私どもとしては、非常に苦しい財政事情にございますが、地方の財源不足はどんなことをしても確保をしなければならない。約一兆三百億円、これに苦労いたしましたが、ただいま自治大臣からお話しのあったとおり、それは完全に補てんすることにいたしました。
 その対策の一環といたしまして、一つは、この交付税特別会計の借入金の返済方法を、最近五十三年以降は五年据え置き、十年返還となっておったのですが、五十年から五十二年の借入分は二年据え置き、八年返還、条件が非常にきついということで返す額もいっぱいになるわけですね。したがって、それを五年据え置き、十年返還に延ばしたわけですから、地方の方は返すのは楽になったわけでございまして、少しも圧迫にはならない。国の方も地方が楽になればその分だけつぎ込むのも少なくなりますから、お互いにいいじゃないかと、こういうことでやった措置でございます。
 それからもう一つ、五十一年度から五十五年度までの地方債の発行に係る地方の負担軽減のために臨時地方特例交付金というものを出しております。これはいわゆる利差臨特と、こう言っておりますが、これにつきましても実は一般会計から差額金を出してあげますよという制度になっておったのでございますけれども、ことしは非常に国庫の財政が苦しい、そのために千百三十億円というものを一般会計から出さないで特別会計の方からそれだけの金を回したと。その金は借財によってやっておりますが、それは地方には負担させません、政府が元利合計全部もう負担しますということでございますから、金に色目はございませんで同じでございまして、地方の財政を圧迫しておるということにはならないわけでございます。
 それから、やはり地方と国というものは共同していろいろなことを社会基盤の形成のためにやっていかなければならない。この御趣旨、私も全く同意見でございます。そのための財政裏づけという問題につきましても、今後せいぜいいろいろ工夫をしながらやってまいりたい。しかし、地方においてもまだ、せっかくの御努力によって財政の公債依存度は一〇・六から九・六に下がった、非常に結構なことでございますが、国は二六%余の財政の国債依存度があるわけです。国も行政改革をして経費の節減を図りますが、地方におきましても、先ほど総理がおっしゃいましたように、一緒になってもっと経費の見直し、制度の見直しというようなことをやって、国民全体の負担の軽減のために努力していただきたい、一緒になってやりましょうということを今後も進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。
 廃棄物が増加をし、特に首都周辺においては内陸面でその場所を求めることは困難でございまするから海面にこの場所を確保して埋め立てようということでありますが、そのために法律案を御審議願っているわけでありますが、これはあくまで廃棄物への手段でありまして、御発言のとおり、廃棄物をどのような基本的な考え方で処理するか、これが一番大事な問題であると思います。
 一番大きな問題は、廃棄物が出てくる源で、これをあくまでできるだけ活用できるものは活用をして、そして減量し、有毒物、危険物の分類等規制を強くし、さらにそれから出てきた廃棄物はこれを再生利用するということで、最後のぎりぎりまで廃棄物を縮小することが肝要であると考えております。なおまた、広地域の自治体と緊密に連絡をしてまいる所存であります。
 産業廃棄物の処理については、御発言のとおり、これは一貫して責任は事業者責任でありますから、今後ともこれを一貫をして徹底させる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣田中六助君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(田中六助君) 志苫議員にお答え申し上げます。
 日本原子力発電会社の問題でございますけれども、現状はどうなっておるかということでございますが、敦賀発電所におきまして加熱器の漏洩事故がございまして、これに対しまして私どもは保安管理体制が問題であるという観点から調査をしておるときに、また、これの補修作業につきまして何ら報告義務を行うことなく、事故で処理をしておったわけでございます。したがって、私どもこれに対しまして事情聴取をしておるやさきに、今度再び一般排水路の中に放射能が検出されたという事故でございます。
 私もたびたび本会議場でも、あるいは委員会でも申し上げておるのですけれども、やはりこれは私どもが看過できない重大な問題で、保安管理体制そのものもさることながら、何か体質的に問題があるのじゃないかと私は痛切に感じておるわけでございまして、現在この問題につきまして立ち入り検査をしておりまして、その結果、やはり国民の信頼性、原子力発電所に対する調査のことにつきまして、十分その結果を得まして厳正なる態度をもって臨みたいというふうに考えております。
 第二点の電調審に対する関連のある第一次ヒヤリングを見合せたらどうかというお尋ねでございますけれども、私ども、やはり原子力発電所に対する理解と信頼あるいは協調、そういうような観点から考えますときに、このヒヤリングは非常に大切でございます。地元住民の協力を得るためにも第一次ヒヤリングについては、地元事情を踏まえつつ実施していくことが必要ですが、いまのところヒヤリングを取りやめる考えはございません。
 第三点の電源立地促進の交付金の問題でございますが、自治大臣もお答えしましたように、これはやはりその地元の住民の要望もございますし、私どもも地元住民の福祉あるいは厚生、そういうものを考えまして、道路、港湾あるいはその他の諸施設、公共物の建設などにつきまして交付金を交付することは当然であるという観点から、御承知のように昭和四十九年度から始めておるわけでございます。さらに来年度、五十六年度からは私ども公共物の建設費だけではなく、そのメンテナンス、維持管理費まで計上しておりまして、今後とも地方住民のニーズに沿って、原子力発電所の設置につきましては、交付金の交付は実現していく考えでございます。
 さらに、もう一つのお尋ねは、交付金を交付することによって地方自治体の財政をかえってディスターブ、混乱させるのじゃないかというお尋ねでございますが、私どもは交付金の限度も構えておりますし、そういうことのないよう十分注意をして交付金の交付の実現に邁進したいというふうに考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(徳永正利君) 和泉照雄君。
   〔和泉照雄君登壇、拍手〕
#16
○和泉照雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま御説明のありました昭和五十六年度地方財政計画並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 地方財政は、昭和五十年以降の財政危機以来、毎年大幅な財源不足を生じており、五十六年度末で地方の借金の残高は実に四十兆円にも達しようとしております。
   〔議長退席、副議長着席〕
しかも、昭和五十六年度は伸び率を七%に抑えて、その規模も昨年に引き続き二年連続して国の一般会計を下回る四十四兆五千五百億円という緊縮型の地方財政計画を策定しておりますが、これでもなお一兆三百億円の財源不足が見込まれているなど、地方は依然として財政危機から脱することができません。
 このような地方財政が深刻な財政危機に直面することになった真の原因は、産業基盤の整備を優先し、そのために中央集権的な補助金行政を主体とした財政施策をとり続け、地方に対し十分な自主財源を与えてこなかったところに、今日、地方財政の構造的な財政危機が生じているのであると言わざるを得ません。
 われわれはこれまで、地方財政危機を打開し地方自治体が住民の意向に沿う自主的な行政運営を進めるために、地方行財政の抜本的な改革を要求してまいりましたが、このわれわれの要求に対し、政府は何ら根本的な改革を行わず、借金政策に見られるように、小手先の対策に終始してきたのであります。
 地方財政は、住民生活に密着した行政を推進するための根幹であり、この地方財政の基盤を強化することは、住民生活の面はもちろん、民主主義の基盤としての地方自治の立場からも不可欠な問題であると考えます。
 そこで、総理にお伺いしたいのでありますが、このように厳しい状況に置かれている地方財政をどのように認識しておられるのか、また、総理は地方財政確立のためにどのような改革案をお持ちなのか、まずお聞かせ願いたいのであります。
 ところで、五十六年度の財源対策を見ても明らかなように、史上最大と言われる国税の大増税に伴う増収を見込み、その上に、住民税減税の見送り、あるいは交付税会計の借入金に対する元利償還の繰り延べ措置など、あらゆる手段を講じてもなおかつ一兆三百億円という膨大な財源不足を生じております。こうした実態は、すでに交付税制度が破綻していることを物語っていると言わざるを得ません。
 行政サービスの維持向上を図りつつ、中央に偏重し、危機に陥っている今日の地方財政を打開するために地方交付税率の引き上げ及び対象税目の拡大が急務であると思うのであります。この点に対する総理並びに関係大臣の御見解をお伺いしたいのであります。
 次に、当面する経済情勢は、総合経済対策の実施にもかかわらず、在庫調整が長引き、依然として低迷状態が続いております。個人消費の回復も遅々として進んでいないのが実情であります。もしも景気回復がさらにおくれると、税収が落ち込み、財政再建の足場さえも失いかねません。言うまでもなく、税収の落ち込みは地方財政にとっても憂慮しなければならない事態に追い込まれるのであります。そこで、当面する景気の現状をどう認識されるのか、また今後の景気回復の見通しをどう考えておられるのか、経企庁長官にお尋ねいたしたいのであります。
 次に、地方債についてお伺いをいたします。
 地方債については、戦後地方自治の発足当時、当分の間許可制をとることとしておりましたが、この当分の間がすでに三十有余年に及んでおり、地方団体を不当にコントロールする制度として、地方の中央不信の最たるものの一つであります。この際地方債については、地方団体を信頼し、たとえば地方団体の公債費比率などを目安に自主的判断に任せることとして、国の許可制を廃止すべきであると考えるのでありますが、自治大臣の見解をお伺いしたいのであります。
 また、地方債は、条件のよい政府資金も十分でなく、どの自治体も縁故債などの消化に頭を悩ませております。したがって、政府資金の拡大を図るとともに、地方債の引き受け機関として現行の公営企業金融公庫を発展的に解消をして地方公共団体金融公庫を創設し、十分な資金を確保すべきであります。自治大臣並びに大蔵大臣の御見解をお伺いしたいのであります。
 次に、地方自治体の行政改革についてお伺いをいたします。
 今日の政治の最大の課題は、政府が第二臨調を設けていることなどからも明らかなように、高度成長時代にふくれ上がった行政機構を整理することであります。すでに地方においては、府県から市町村への許認可権の移譲など、自治体内部あるいは自治体間の改革が進んでおりますが、現行の国、地方間の行財政機構のもとでは、国の施策によって地方自治体がその影響を受ける仕組みとなっております。このことは、先ごろ自治省がまとめた地方公務員の定員管理調査が示すように、五十五年度の地方公務員の増員四万九千人のうちの約七割が教員、警察官などの国の施策によるものであることからも明らかであります。その他、機関委任事務、補助金制度など、現行の地方自治制度は国の施策による事務が大半を占めるなど、現行の地方自治制度は地方の自主性がきわめて制約された機構となっております。
 今後、自治体改革を進めるに当たっては、こうした国、地方間の改革が急務であると考えるものであります。第十七次地方制度調査会では、こうした問題についての改革のあり方を答申しておりますが、この国、地方間の改革をどのように進めていくのか、自治大臣並びに行管庁長官の具体的改革案を示していただきたいのであります。
 最後に、補助金の整理合理化についてお尋ねいたします。
 財政再建をめぐり、補助金の整理合理化が問題となっているにもかかわらず、廃止されたはずの補助金が名称を変えただけで現実に残っている実態が明らかになるなど、一向に改善された跡が見られず、補助金の整理合理化は、かけ声とはうらはらに、むしろ増加の傾向すら見られるのであります。特に、地方団体からの要望の強い補助金の地方一般財源化についてはほとんどが見送られております。そこで、まず、政府の補助金等の整理合理化についての基本的な考え方と基準を明確にすべきであると思いますが、総理の見解をお伺いしたいのであります。
 また、同一の施策、事業遂行のための補助金については、統合メニュー化を積極的に推進し、財政の効率化を図るべきと思いますが、それに対する見解と、地方公共団体の事業としてすでに同化している補助金等については地方の一般財源化を図るべきであります。この点についての見解をあわせて大蔵大臣に伺いたいのであります。
 以上、当面する課題について質問いたしましたが、総理並びに関係各大臣の誠意ある答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、地方財政の問題でありますが、地方財政の収支の不均衡は逐次縮小してきておりますが、なお、五十六年度で一兆円を超える財源不足を生じております。地方財政が将来にわたり適切にその機能を果たし国民の要請にこたえ得るようにするためには、まず行政の刷新と簡素効率化の徹底を図り、累積した多額の地方債や交付税特別会計借入金の償還に対応できるような財政構造の確立を図っていくことが地方財政健全化のための根本的課題であると考えております。このため、国、地方を通ずる行財政改革を推進しながら、地方行財政制度のあり方について十分検討してまいりたいと存じます。
 次に、補助金の整理合理化の問題でありますが、私は、補助金等の整理合理化に当たりましては、特定の分野のものをねらい撃ちにしたり、また逆に特定の分野のものを聖域扱いしたりすることは適当でなく、すべての補助金等を検討の俎上にのせ、既存の制度の見直しにより徹底した整理合理化を進める必要があると考えます。その際、御指摘の統合メニュー化等は、補助金整理のきわめて有効な一手段と考えておりますので、十分検討してまいりたいと存じます。
 以上、お答え申し上げましたが、残余の問題につきましては所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣安孫子藤吉君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(安孫子藤吉君) お尋ねの今後における地方財政の確立の問題について、財政上の面をどう考えるのかというお尋ねがあったわけでありますが、この点については、いま総理からもお答えがございましたが、私も一言申し上げますと、この問題は大変むずかしい問題でございまして、地方財政の健全性を確保する、国民生活の向上に必要な諸施策というものを適切に推進していくというためには安定した財政的な基盤が必要でございますが、それがいま大変むずかしい時期に来ておることは言うまでもございません。基本的に申しまするならば、やはり経費の節減合理化というものについて一段と努力をする必要があるだろうと考えます。また、財源面から申しますというと、地方税源を充実強化をしなくちゃいかぬのじゃないか。それから基本的な問題としては、地方交付税の所要額を安定的に確保するという措置が必要である、これが財源的には一番基本的な問題だと思います。しかし、客観的情勢は必ずしもこれを容易に許すような状況でないことは私も承知をいたしておりまするので、そうした方向について、今後の情勢の推移を十分に勘案いたしながら対応していきたいと、こう考えておるところでございます。
 それから地方債の許可制の問題でございまするが、これもいろいろと論議の尽くされている問題でございまするけれども、地方債はやはりある程度の許可は必要じゃないかということを自治省としては考えておるわけでございます。
 その理由といたしましては、一つは、個々の地方団体あるいは地方財政全体についての地方債の適正な発行限度というものを保持する必要があるだろう、それによって地方財政の健全化を確保する必要があるのではなかろうか、こういう点が一つ理由になっておるわけであります。
 二つ目には、地方債の元利償還につきまして、地方財政計画の策定を通じまして必要な財源を確保していく必要がある。その点からも、地方債発行というものは適正限度が保持される必要があるのではなかろうかということが第二点でございます。
 第三点といたしましては、現在の財政金融制度のもとにおきましては、国、民間などの他部門の資金需要との調整を図る必要がある、こういう問題もあるわけであります。
 四つ目には、特定団体への資金の偏重を防止をいたしまして、資金配分の公平を期する必要があるのではなかろうか、こういうような観点から、いまにわかに許可制を廃止をするということは考えておらぬわけでございまするが、しかし、この地方債の許可制度は、その運用につきまして地方公共団体の自主性が極力尊重されるように枠配分方式の拡大等制度の改善に努めてまいりたいと、こう考えておるところでございます。
 縁故債のお尋ねがございました。
 地方債の資金につきましては、毎年度、政府資金、公庫資金の確保充実に努めてまいっておるところでありますが、最近では縁故債は年々減少いたしておる実情でございます。今後とも、地方債のための政府資金の充実につきましては、一層努力をしてまいる考えでございます。
 なお、地方公共団体金融公庫の創設問題もございまするが、これは現在の公営企業金融公庫の機能の充実拡大を図っておるのでございまして、五十三年度から公営企業以外の事業につきましてもいろいろと措置をいたしております。今後とも、地方債資金全体の需給の動向を勘案しながら、公庫の機能の充実強化に努めてまいる考えでおるわけでございます。
 それから現在の地方制度の問題、また行革の問題についてもお尋ねがあったのでございまするが、この自主性の尊重あるいは国と地方の行政改革をどう考えるかという点に集約できるかと思うのでありますが、これは第十七次の地方制度調査会の答申はあるわけでありますが、地方制度全般にわたって新しいあり方を探求して今後の地方自治の進むべき方向を明らかにする必要があるものと考えておるわけであります。その中で、特に今後の地方行財政制度の改革の基本理念といたしましては、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化、地方分権の推進、この二つを中心として、これを明確に施策の面においてもはっきりさせなければならぬと考えておるわけであります。
 行政改革を進めるに当たりましては、この基本的な方向に従いまして、具体的には行政事務の再配分と機関委任事務のあり方についてを十分に見直す。国庫補助制度の改革など、これが不可欠の問題になると考えておるのでございます。方向といたしまして、そういう方向で自治省といたしましては努力をいたす考えでございます。
 以上、お尋ねの点についてお答え申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(河本敏夫君) 景気の現状と見通しいかんと、こういう御質問でございますが、まず昭和五十五年度の経済成長目標四・八%、これは六月になりませんと最終の数字は出てまいりませんが、おおむね達成できたものと考えております。五十六年度は五・三%という成長目標を設定をしておりますが、現在の状態はややこの水準を下回っておるのではないかと、こういう感じがいたします。
 そこで、去る三月に若干の景気対策と物価対策を進めておるわけでございますが、その後の現状を少し具体的に申し上げますと、まず、個人消費は若干停滞をしております。しかし、物価は安定の方向に進んでおりますので、次第に回復するものと期待をしております。民間の設備投資はきわめて堅調でありまして、相当高い水準を持続をいたしております。在庫調整は予定よりも若干遅れましたが、第一・四半期にはおおむね終了するものと思います。もっとも構造不況業種と考えられる業種につきましては、ある程度おくれるかもわかりませんが、大勢としてはおおむね終了するものと考えております。
 貿易につきましては、昨年ほどの大幅な伸びはありませんが、相当量引き続いて伸びております。なおかつ、ことしの後半以降先進工業国の景気が回復に向かうものと期待をされておりますので、さらに今後堅調に推移するものと考えております。
 以上が大体の大勢でございますが、そういう背景を受けまして、本年の後半以降、わが国の経済は順次回復に向かいまして、政府の目標といたします年率五・三%という安定成長路線に次第に定着するものと期待をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(渡辺美智雄君) 地方債の引受機関として地方公共団体金融公庫のようなものをこしらえたらどうかということでございますが、私は、その必要はないのではなかろうかと、そう思っております。
 御承知のとおり、五十六年度の地方債の計画六兆九千億円ございますが、現在は政府資金の比率というのは約四五・九%、それから公営公庫資金比率が一七%、両方で地方債計画の六三%持っておるわけでございます。地方団体というのは、やっぱりこういう公庫などをこしらえましても、結局、縁故で募集するというのが現実でございますから、そういうことで飛躍的に民間の優良な資金がたくさん集まるというようには考えられないと、こういうわけであります。
 第二番目は、補助金を廃止をして地方債の一般財源化を図れと。これも程度問題でございますが、まるっきり補助金を廃止する、これは不可能でございます。まあ農業のようなものも建設のようなものも、社会保障も地方がみんなやっておって、定着をいたしておるわけでございますが、しかし、これを地方の一般財源にもし入れちゃうということになれば、そうでなくてさえも月給値上げの市長さんがいて、月給はほかよりいっぱい高いとか、それからもう社会保障の大好きな町村長さんとかおって、バスの切符を配ったり、おふろ屋の切符を配ったり何を配ったりということで得意な人もあるし、もう建設が大好きで、道路をつくって橋かけてが大好きな市長さんも町村長もおるし、余り一本で全部お任せということになると非常にむらができてしまうというところに問題がございます。だからといって、現在のように末端の細かいところまで全部縦割りで、しかもダブって行っているというようなケースもなきにしもあらずで、このままではいかぬと私も思っております。したがって、メニュー合理化というような問題を統合とダブらせないというような点については、一層これは今度の見直しの中でも、私は特に御趣旨に沿ってそれらの点については実行してまいりたいと、かように考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま臨時行政調査会におきまして、地方自治の本旨を尊重するという考えのもとに、中央と地方の機能分担あるいは行政の合理化の問題が審議されております。御指摘の地方の移譲の問題や許認可の整理、あるいはメニュー化等の改善、合理化も当然審議されるものと期待されておりますし、特に地方制度調査会から累次にわたりまして答申がございましたが、これらは重要な参考資料として尊重され、審議されるものと期待しております。(拍手)
#22
○副議長(秋山長造君) 答弁の補足があります。安孫子自治大臣。
   〔国務大臣安孫子藤吉君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(安孫子藤吉君) 大変恐縮いたしましたが、本年度並びに今後におけるところの地方財源対策につきまして、交付税の問題についてもお触れになった、そのお答えを実は落としたので申しわけなく思っております。
 交付税の引き上げ、これは交付税法から申しますと本則だろうと私は考えております。したがいまして、今回の予算編成につきましても、交付税率の引き上げを財政当局とは真剣に検討いたしたわけであります。自治省といたしましては、その努力をいたしました。しかし、何にいたしましても国家財政が非常に窮乏しておる今日、交付税率の引き上げということはきわめて困難であるということについて私も理解をいたしまして、本年は交付税率の引き上げを断念いたしまして、これにかわる財源措置といたしましていろいろな措置を講じて、結局、本年度における地方財政計画が円滑に運用ができるような全体として措置を講じたと、こういうことになっておるわけでございます。
 交付税率の引き上げの問題については、今後もこの問題はやはり努力をしていかなければならぬ問題だと考えておるわけでございます。(拍手)
#24
○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#25
○副議長(秋山長造君) 日程第一 日本国政府とオランダ王国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 日本国政府とギリシャ共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 アフリカ開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第四 一次産品のための共通基金を設立する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第五 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第六 北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百八十年の議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第七 南極の海洋生物資源の保存に関する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第八 渡り鳥及びその生息環境の保護に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第九 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 以上九件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長秦野章君。
   〔秦野章君登壇、拍手〕
#26
○秦野章君 ただいま議題となりました条約人件及び法律案一件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、オランダ及びギリシャとの各文化協定は、いずれもわが国が戦後諸外国との間に締結した文化協定と同様、文化及び教育の各分野における交流の奨励、促進を定めたものであります。
 次に、アフリカ開発銀行設立協定は、アフリカの地域開発金融機関としてすでに設立されているアフリカ開発銀行が、その加盟資格を域外国にも開放したことに伴って締結しようとするものでありまして、銀行の資本、業務、組織、運営等を規定しております。
 次に、一次産品共通基金設立協定は、国連貿易開発会議で採択された一次産品総合計画の根幹をなすものとして、国際商品機関による一次産品の緩衝在庫の業務のための融資及び一次産品の分野における研究開発、生産性の向上等のための資金供与を行う共通基金の設立について定めたものであります。
 次に、ASEAN貿易投資観光促進センター設立協定は、ASEAN諸国からわが国への輸出並びにわが国からASEAN諸国への投資及び観光を促進するためのセンターを東京に設立することを定めたものであります。
 次に、おつとせいの保存に関する暫定条約の改正議定書は、わが国と米国、カナダ、ソ連の四カ国間で締結した北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約の内容に所要の改正を施した上でこれを適用することを定めたものであります。
 次に、南極の海洋生物資源保存条約は、オキアミなど南極の海洋生物資源の適切な保存と合理的な利用に関する原則を定めるとともに、これら生物資源の保存措置を作成するための機構の設置等を規定しております。
 次に、日中渡り鳥保護協定は、日中両国間を往復する渡り鳥の捕獲及びその卵の採取を原則として禁止するとともに、不法に捕獲された渡り鳥、その加工品等の販売、購入を禁止すること等について定めたものであります。
 最後に、在外公館関係の法律案は、大洋州のヴァヌアツに兼轄の大使館を、アフリカのジンバブエに実館の大使館をそれぞれ設置し、また、ブラジルの在マナオス領事館を総領事館に昇格させるとともに、在外職員の在勤基本手当の基準額等を引き上げようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、オランダとの文化協定、ギリシャとの文化協定、一次産品共通基金設立協定、おつとせいの保存に関する暫定条約の改正議定書、南極の海洋生物資源保存条約及び日中渡り鳥保護協定の六件はいずれも全会一致をもって、またアフリカ開発銀行設立協定及びASEAN貿易投資観光促進センター設立協定はいずれも多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定し、また、在外公館関係の法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 まず、日本国政府とオランダ王国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とギリシャ共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、一次産品のための共通基金を設立する協定の締結について承認を求めるの件、北太平洋のおつとせいの保存に関する暫定条約を改正する千九百八十年の議定書の締結について承認を求めるの件、南極の海洋生物資源の保存に関する条約の締結について承認を求めるの件並びに渡り鳥及びその生息環境の保護に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 六件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、六件は全会一致をもって承認することに決しました。
 次に、アフリカ開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件及び東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○副議長(秋山長造君) 過半数と認めます。
 よって、両件は承認することに決しました。
 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#31
○副議長(秋山長造君) 日程第一〇 石油備蓄法の一部を改正する法律案
 日程第一一 輸出保険法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長金丸三郎君。
   〔金丸三郎君登壇、拍手〕
#32
○金丸三郎君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、石油備蓄法の一部を改正する法律案は、石油等をめぐる最近の国際的供給事情にかんがみ、わが国のエネルギー供給の安定を図るため、現在備蓄を義務づけている原油及び石油製品に加えて、石油ガスにつきましても備蓄を義務づけることとするほか、石油の備蓄施設の設置に必要な資金の貸し付けについて利子補給金を支給すること等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、石油ガス輸入基地の安全性と保安・防災対策、石油ガス製品価格の適正化、石油ガス流通機構の合理化・近代化対策のほか、エネルギー政策全般にわたって熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、日本共産党市川理事の反対討論の後、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、日本社会党村田理事より、備蓄に際しての安全の確保など三項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案は、プラント類の輸出等の大型化及び受注形態の多様化、海外投資としての債務保証の増大等の実情にかんがみ、外国企業との共同受注のための規定整備、技術提供契約に含まれる貨物の損失に対する輸出保険制度の充実、普通輸出保険等のてん補率の引き上げ及び海外投資保険の拡充等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、プラント輸出の振興、カントリーリスク情報の収集分析機能の充実、混合借款のあり方等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、日本共産党市川理事の反対討論の後、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、日本社会党村田理事より、中小企業に対する輸出保険制度の積極的な普及など三項目にわたる附帯決議案が提出され、多数をもってこれを当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#33
○副議長(秋山長造君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○副議長(秋山長造君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○副議長(秋山長造君) 日程第一二 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長黒柳明君。
   〔黒柳明君登壇、拍手〕
#36
○黒柳明君 ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本法律案は、港湾整備事業の計画的な実施をさらに促進するため、昭和五十六年度を初年度とする新たな港湾整備五カ年計画を策定しようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小笠原委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○副議長(秋山長造君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(秋山長造君) 日程第一三 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長宮之原貞光君。
   〔宮之原貞光君登壇、拍手〕
#40
○宮之原貞光君 ただいま議題となりました下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本案は、下水道の緊急かつ計画的な整備を促進して都市環境の改善を図り、あわせて公共用水域の水質の保全に資するため、新たに昭和五十六年度を初年度とする第五次の下水道整備五カ年計画を策定しようとするものであります。
 委員会におきましては、過去の下水道整備の実績、特に事業量に見る低い達成状況、第五次計画の内容及び達成見通し、流域下水道をめぐる諸問題、工場排水受け入れ、下水汚泥の処理問題、補助率、補助対象率など下水道財政の改善等、立ちおくれた下水道の普及促進のための諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、茜ケ久保委員より、各会派共同提出に係る下水道の整備促進、地方公共団体の財源の確保等六項目の附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#41
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○副議長(秋山長造君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
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#43
○副議長(秋山長造君) 日程第一四 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長片山甚市君。
   〔片山甚市君登壇、拍手〕
#44
○片山甚市君 ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案の主なる内容は、特定業種ごとに設置される退職金共済組合においてそれぞれの退職金共済事業を実施している現行制度を改め、特定業種に係る退職金共済事業のすべてを一個の特定業種退職金共済組合において実施させようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。
 以上、御報告いたします。(拍手)
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#45
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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#47
○副議長(秋山長造君) 日程第一五 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長林ゆう君。
   〔林ゆう君登壇、拍手〕
#48
○林ゆう君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案の内容の第一は、恩給年額の増額でありまして、昭和五十五年度における公務員給与の改善傾向を分析した結果に基づき、恩給年額の基礎となっている仮定俸給年額を昭和五十六年四月から原則として四・二%プラス五千三百円引き上げるとともに、公務関係扶助料の最低保障額及び傷病恩給の基本年額については同年八月からさらに特段の増額を行い、公務扶助料については遺族加算を含み年額百二十三万六千円を保障することとしております。
 なお、傷病者遺族特別年金については公務関係扶助料と同様に同年八月から特段の増額を行うほか、同年十二月からはさらに年額二十四万円に引き上げることとしております。
 第二は、普通恩給等の最低保障額の増額でありまして、長期在職の老齢者に係る普通恩給の最低保障額を昭和五十六年四月から七十三万三千六百円に、さらに六月から七十四万九千円に引き上げ、その他の普通恩給及び普通扶助料の最低保障額についてもこれに準じて引き上げることとしております。
 第三は、長期在職の七十歳以上の旧軍人等に係る仮定俸給の格づけを昭和五十六年十月から二号俸引き上げることとしております。
 このほか、扶養加給の増額、特別加給の改善及び旧特別調達庁の職員期間の通算条件の緩和等、所要の改善措置を講ずることとしております。
 なお、衆議院において施行期日を公布の日と改めるための所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、恩給の性格と社会保障制度審議会との関連、恩給の増額方式と仮定俸給号俸の問題、公務関係扶助料の最低保障額の算定根拠と恩給予算の将来見通し、目症問題等未処理事項及び旧陸海軍看護婦に対する慰労給付金の支給等について熱心なる質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し矢田部理事より、恩給の改正実施時期等七項目にわたり検討善処すべき旨の各派共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#49
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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#51
○副議長(秋山長造君) 法務委員長から報告書が提出されました日程第一六 法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の大幅増員に関する請願(四件)を議題といたします。
#52
○副議長(秋山長造君) 本請願は、委員長の報告を省略して、委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○副議長(秋山長造君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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