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1980/05/08 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 本会議 第16号
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1980/05/08 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 本会議 第16号

#1
第094回国会 本会議 第16号
昭和五十六年五月八日(金曜日)
   午前十時三分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十六号
  昭和五十六年五月八日
   午前十時開議
 第一 財政運営に必要な財源の確保を図るため
  の特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第二 アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 一次産品のための共通基金への加盟に伴
  う措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第四 臨時通貨法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案(内閣提
  出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
 日程第一 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案
 日程第二 アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案
 日程第三 一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案
 日程第四 臨時通貨法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長中村太郎君。
   〔中村太郎君登壇、拍手〕
#4
○委員長(中村太郎君) ただいま議題となりました四法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について申し上げます。
 本法律案は、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、当面の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活と国民経済の安定に資するため、昭和五十六年度において、予算をもって国会の議決を経た金額五兆四千八百五十億円の範囲内で特例公債の発行ができることとするとともに、同年度の日本中央競馬会の国庫納付金の納付の特例、並びに同年度から昭和五十九年度までの間における日本電信電話公社の国庫納付金の納付、その他の歳入の増加を図るための特別措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、財政の中期展望における本案の施策の位置づけ、特例公債の発行と政府出資法人の納付金の特例措置を一括して提案した理由、独立採算制をとる公共企業体に国庫納付金を納付させることの問題、公営競技の各振興会が行う補助金交付のあり方等について質疑が行われたほか、参考人より意見を聴取し、さらに農林水産委員会、逓信委員会と連合審査会を開く等、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して穐山篤委員、公明党・国民会議を代表して塩出啓典委員、日本共産党を代表して近藤忠孝委員、民社党・国民連合を代表して三治重信委員よりそれぞれ反対、自由民主党・自由国民会議を代表して藤井裕久委員より賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されております。
 次に、アフリカ開銀加盟措置法案以下三法律案について申し上げます。
 アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案は、本国会においてすでに承認されましたアフリカ開発銀行を設立する協定に基づき、わが国が同銀行に加盟することに伴う当初出資として、二億四千五百六十八万計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、追加出資及び同銀行の特別基金への拠出について規定を設ける等、所要の措置を講じようとするものであります。
 次の一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案も、本国会において別途承認されました一次産品のための共通基金を設立する協定に基づき、わが国が同基金に加盟することに伴う出資として二千五百四十七万六千三百九計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、同基金への拠出について規定を設ける等、所要の措置を講じようとするものであります。
 最後の臨時通貨法の一部を改正する法律案は、最近における経済取引の実情等にかんがみ、政府が発行できる臨時補助貨幣として新たに五百円貨幣を加えるとともに、その法貨としての通用限度を一万円とするものであります。
 以上の三案は、一括して質疑を行いましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、三案は順次採決の結果、アフリカ開銀加盟措置法案は多数をもって、一次産品共通基金加盟措置法案、臨時通貨法改正法案はそれぞれ全会一致をもって、三案とも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、臨時通貨法改正案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(徳永正利君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。竹田四郎君。
   〔竹田四郎君登壇、拍手〕
#6
○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました財源確保法案に対し、反対の討論を行います。
 私ども日本社会党は、戦後財政法ができて以来、太平洋戦争の惨禍とインフレの悲惨さを反省し、平和、財政民主主義、健全財政を守る立場から長期国債の発行に反対してきました。特に特例国債の発行については毎年強く反対してまいりました。しかるに、政府・自民党は、国民の反対を無視し、強行採決や逆転採決などの議会民主主義をじゅうりんして特例国債を発行し、ときには特例債が四条債を上回る状況を生んだこともありました。国債収入が歳入の四割近くにまで達する状況は全く異常で、国民は常住座臥、インフレの危険におののかされていた次第であります。また、将来、財政硬直化によって国民生活を無視する時代が来るのではないかと心を痛めていたのであります。
 わが党は、飛鳥田委員長を初め、財政計画や財政再建法をつくって国債発行へのブレーキをかけるよう強く要求してきました。しかし、政府・自民党は国債の大量発行を続け、二回にわたる石油ショックを受けた大企業に仕事と利益を与える措置を強行し続けたのであります。このために、国民各層の間にも、産業分野の内部にも各種の格差を生み、事実、大企業の優位性は一段と高まりました。
 一昨年来、日本を含めての世界的な経済成長の停滞に加え、ソ連のアフガニスタン進駐を契機とした日本への内外からの防衛力増強の圧力、日米、日欧との貿易摩擦の激化、国内における急速な高齢化等の問題に直面し、必然的に財源の限界が見え始めてまいりました。鈴木内閣は、やむを得ず二兆円の減額を迫られる羽目になりました。そして、昭和五十九年度特例国債発行ゼロの実現を目指す財政の中期展望という数字の羅列表をつくりました。私ども日本社会党は、たとえ二兆円であれ、特例国債を減額することには賛成でありますが、その減額をどういう方法で、どの経費を削って国債減額の財源とするかは大きな問題であります。
 鈴木内閣と大蔵省は、国債減額の実施に当たって、勤労国民に増税と福祉の切り捨てを押しつけるため、サマーレビュー、歳出百科、ゼロリスト、中期展望の作成を進め、昭和五十七年度大型消費税導入の政府税調答申を出させました。しかし、国民は鈴木内閣の安易な財政再建に各地で反対ののろしを上げ、財界すら反対声明を出さざるを得ませんでした。増税を言う政府に対して、国民は逆に徹底した行財政の改革を要求しております。しかし、自民党政府はこの国民の要求を何とかかわそうと必死になっております。だから、上辺だけの行財政改革をするために自民党議員から誓約書を取ることまでしなければならないありさまであります。
 不公平税制を直せと国民は要求しているのに、自民党議員の間では、昨年可決されたばかりのグリーンカード制をストップさせる運動をしたり、マル優の限度額を引き上げようとしたり、あるいは業界に補助金温存や改善阻止の運動を起こさせたり、あるいは本四架橋や整備五幹線などの大型公共プロジェクトの見直しもできないでおります。その上、防衛庁の五三中業の一年繰り上げと、五六中業による防衛計画大綱の完全実現などの大きな財政需要が襲いかかってくる蓋然性もあるわけであります。
 また、国債の大量発行は、金利の自由化や機動性を妨害し、金融機構に大変化を与え、経済発展にも悪影響を現に与えております。また、大量の借換期を控えて、もろもろの金融的、財政的な困難も予想されます。とてもとても、行財政改革によって不要不急の歳出を削減し、真に必要なものを大担に支出していくという八〇年代に対応する決意というものを少しも感じ取れないことは、財源確保法案の審議に当たってきわめて遺憾に思わざるを得ませんでした。
 以下、反対理由の主要な数点に触れたいと存じます。
 第一の理由は、前述しましたように、政府の指向する財政再建は、真の意味の財政再建に逆行するからであります。
 政府は本年度予算を自画自賛しているようでありますが、二兆円の国債減額は高度成長時代の歳出構造の見直しによって実現したものではありません。一兆四千億円に及ぶ増税と、所得税減税の見送りによる大幅な実質増税、さらに公共料金の相次ぐ引き上げによってなし得られたものであります。かつまた、公務員給与の改善費をわずか一%と過小に計上したり、住宅関係費に見られるように、出資をやめたり、利子補給の財政投融資振替で過小計上してつじつまを合わせたもので、補正予算を前提としたものであることも、財政法の基本と相反したものであります。
 これらの諸措置は、低所得層に負担増加を強い、所得再分配機能を大きく阻害するものであります。真の意味の財政再建とはほど遠い、表面だけを糊塗している今回の措置は、断じて容認できないものであります。
 第二には、財政計画の試案と称して国会に提出した「財政の中期展望」は、審議の中で明らかになったように、本年限りの国会切り抜け用であり、数次にわたって提出された、いわゆる財政収支試算との関連性のないものであって、単に増税と福祉切り捨て以外には財政再建はあり得ないという宣伝材料にすぎず、計画的な財政運営計画とその執行の決意を示すものではありません。
 中期展望の中には、公共事業の大幅な伸び率と四条債発行水準の据え置き、特例債の大幅削減と防衛支出の増大など、国民には、何を言おうとしているのか、将来どうなるのか、全くわからないものであります。かかる整合性のない展望のもとで作成された財政再建の一施策としての本案に賛成することはできません。
 第三の理由は、特例債の発行と特殊法人の納付金の特例という全く異質な事柄を一括して本法案に盛り込ませていることであります。
 両者は相互に何一つ関連性がありません。特殊法人の納付金問題を抱き合わせることによって、特例公債発行の重大性を隠蔽しようとはかったものと言われても、言い逃れできません。財政法で禁止している赤字公債発行についての政府の安易な姿勢が、ここにも歴然たる事実としてあらわれていると言わざるを得ません。
 第四は、特殊法人の納付金問題が単に財源集めの観点から処理されていることであります。
 独立採算制をとる電電公社は、その余剰が生じたときは料金の引き下げやサービスの向上を図るべきであり、本案による納付金の特例措置は、公企体の独立採算制度を根底から否定することにほかなりません。今回の措置は、長期にわたり、電気通信事業の発展を抑え、また職員の協力体制にも重大な悪影響を及ぼしております。いまこそ特殊法人全般について抜本的に見直すときであるにもかかわらず、それを放置して黒字経営の特殊法人をねらい撃ちにするがごときは、断じて許すことができません。
 以上、反対理由を述べてきましたが、本法案の審議を通じて明らかになったことは、財政再建に対する政府の姿勢は、今後においても依然として安易かつ消極的なまま終始するであろうということであります。このまま推移すれば、国民の負担のみが過重となるだけではなく、弱い者いじめの財政再建であり、真の財政再建は画餅に帰し、弱肉強食の財政が濶歩することになるであろうことを警告して、反対討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#8
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#9
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案及び臨時通貨法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(徳永正利君) 日程第五 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長金丸三郎君。
   〔金丸三郎君登壇、拍手〕
#13
○金丸三郎君 ただいま議題となりました産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、石炭鉱業の不況による産炭地域の経済的、社会的疲弊を解消する必要性がなお存続している実情にかんがみ、本年十一月十二日をもって期限切れとなる産炭地域振興臨時措置法の有効期間を十年延長する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見の聴取を行うとともに、産炭地域において新たに設定される経済生活圏の考え方、産炭地域の指定解除基準の定め方、企業誘致のあり方、生活環境整備の拡充強化、閉山炭鉱跡地対策等のほか、石炭政策全般にわたって質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、日本社会党村田理事より、経済生活圏を設定するに当たっては、地方公共団体等の意向を勘案すること等六項目にわたる各派共同提案の附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#14
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#16
○議長(徳永正利君) 日程第六 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案 (内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長井上吉夫君。
   〔井上吉夫君登壇、拍手〕
#17
○井上吉夫君 ただいま議題になりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本案は、特殊法人の整理合理化を図るため、日本蚕糸事業団と糖価安定事業団を統合し、蚕糸砂糖類価格安定事業団を設立して、従来から、日本蚕糸事業団が行っていた繭及び生糸の異常変動防止及び中間安定を図るために必要な業務、並びに糖価安定事業団が行っていた輸入に係る砂糖の価格調整及び国産糖等の価格支持を図るために必要な業務を行わせようとするものであります。
 委員会におきましては、特殊法人の整理合理化の基本的考え方、両事業団の統合理由、統合後の新事業団の運営方針及び役職員の処遇、日本蚕糸事業団が抱えている生糸の在庫問題、基準糸価をめぐる問題、砂糖の今後の需給動向、異性化糖問題等について質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、新事業団の発足に当たっては、弾力的かつ効率的な運営がなされるよう指導すること等三項目の附帯決議を全会一致をもって行いました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
#18
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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