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1949/04/01 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第15号
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1949/04/01 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第15号

#1
第007回国会 人事委員会 第15号
昭和二十五年四月一日(土曜日)
   午後六時開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日委員川村松助君辞任につ
き、その補欠として池田七郎兵衞君を
議長において指名した。
本日委員池田七郎兵衞君辞任につき、
その補欠として川村松助君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一般職の職員の給與に関する法律案
 (衆議院提出)
○本院に関する報道記事等に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) それでは只今より委員会を開会いたします。本日予備付託になりました一般職の職員の給與に関する法律案を議題といたします。速記を止めて下さい。
   午後六時一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後六時二十九分速記開始
#3
○委員長(中井光次君) 速記を始めて……。それでは休憩いたします。
   午後六時三十分休憩
   ―――――・―――――
   午後九時十二分開会
#4
○委員長(中井光次君) 只今より開会いたします。本委員会に付託になりました、一般職の職員の給與に関する法律案、衆第十三号を議題に供します。先ず本法案に対する衆議院の発議者の御説明をお願いいたします。
#5
○衆議院議員(藤枝泉介君) 提案者の一人であります藤枝でございます。只今上程せられました一般職の職員の給與に関する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申上げます。
 従来政府職員に対する給與は、政府職員の新給與実施に関する法律により支給せられておりましたが、同法の有効期限は昭和二十五年三月三十一日までとなつておりますので、政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案が提出せられておりましたところ、昨三月三十一日、同法律案が不成立になりましたので、政府職員の新給與実施に関する法律は三月三十一日を以て効力を失い、公務員に対する給與支給の根拠法がなくなつたのであります。よつて政府職員に対する給與の支給が不可能となりましたが、かくのごとき状態は一刻も忽せにできませんので、ここに本法案を提出した次第でございます。
 次に、本法案の内容について簡單に申上げますと、第一に、政府職員に対する給與の統一を図つたこと。第二に、本法案の施行に関し、人事院の責任と権限とを明らかにし、人事院をして常に公務員の給與に関する調査研究をなし、その適正を期せしめんとしたこと。第三に、政府職員の給與は、その職務の複雑、困難及び責任の度に基き、その他の勤務條件を考慮して、別表の俸給表を以てこれを定め、法律の規定によらなければ如何なる給與もなし得ないとしたこと。第四に、扶養手当は従前の例によりましたこと。第五に、勤務地手当或いは超過勤務手当、勤務時間、休日等については、概ね従前の制度を踏襲したこと等であります。
 以上が本法案の概要でございますが、経済安定政策を強力に推進せんとする現下の財政経済事情及び国民負担の能力とを考慮いたしまして、給與平均月額六千三百七円といたしましたが、給與の実質につきましては、政府の各般の施策により更に向上するものと考えておる次第であります。
 以上簡單に本法案の提出の趣旨並びに内容について申上げました。本法案は星島二郎君他五十名の提案になりまして、本日衆議院を通過いたしたような次第でございます。何とぞ速かに御審議の上、適当なる御議決あらんことをお願いする次第であります。
#6
○小畑哲夫君 今晩の東京新聞にこういう、参議院としては非常に重大な記事が出ておるのでありますが、これに似通つた記事が夕刊中外にも出ておると聞いておりますが、この件について、私はこの法案を審議する以前に、本院としての立場をはつきりして置きたいと、かように思つて議事進行についてこの東京新聞の記事を一応問題に供したいと思います。「議員提出案で收拾」という見出しで「一ヶ年の給與法きよう成立へ努力、増田官房長官、池田蔵相、小澤郵政相、廣川自由党幹事長は一日午前九時から外相官邸で吉田首相と給與法問題対策を協議ポ政令によらず給與の一年延長新法案の議員提出により事態を收拾する方針を決めた、」、これはまあ問題にならないと思います。「池田蔵相、廣川幹事長は直ちに院内で佐藤参院議長と会見、参院側の見解を聽取した後、閣僚室で岩本衆院副議長を交え党幹部、閣僚が緊急協議の結果、」、その次が重大だと思うのであります。「参院の法案取扱上の誤りから発した問題であるから、参院側で善後措置を講ずべきであるとの結論に達し、十一時半その旨佐藤議長に申入れた、ところが佐藤議長は折返し参院側ではまとまり兼ねるから衆院側で善処されたいと申入れて来たので自由党では直ちに全閣僚を交えた役員会をひらき検討の結果、党より衆院に「一般職員の給與等に関する法案」を提出することを決定、関係筋の意向通り本日中に成立するよう党幹部を挙げて参院工作を開始した。」、こういう記事が出ておるのでありますが、その中で「参院の法案取扱上の誤わから発した問題であるから」ということの閣僚の数名の諸君の話である、かように出ておるのであります。私はこれまで本委員会における審議は、決して法的にも取扱上にも誤まつたところはない。尚又参議院り院議として昨日決定したことについても、何ら扱い上誤まりはないと信じておるのでありますが、かような記事が出ておるということについて、本議案を審議する以前に、この問題を委員長においては然るべく一つはつきりして頂きたい、かように存じます。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
#7
○委員長(中井光次君) どういたしますか、どなたか出席を求めるのですか、どういうふうにいたしますか。
#8
○小畑哲夫君 官房長官並びにこれは議長の方へお回しいたしますが、そのような記事が、果してそういう参院の取扱上の誤まりであるという見解に立つて、こうした手続をとられたのかという問題を一つ究明して頂きたい。
#9
○木下源吾君 「池田蔵相、廣川幹事長は直ちに院内で佐藤参院議長と会見、参院側の見解を聽取した」と書いてありますがこれを一つ御覧になつて、責任者を呼んで‥‥
#10
○委員長(中井光次君) それではこの問題は只今小畑君から御発議がありましたが、時間の関係もありまするし、関係の方の御出席も今ありませんから、後刻委員長まり連絡をとることにいたしまして、議案の審査に入つて頂きたいと思いますが、如何でございますか。
#11
○木下源吾君 最初呼んだらいいですよ。
#12
○委員長(中井光次君) 情報によりますと、同様の問題が只今議運でも問題になつているそうでありまするが、只今委員長の申上げました通り、後刻連絡をとりまするから、本案の方の御質疑がございましたらば、その方をその間に進行して頂きたいと存じます。
#13
○木下源吾君 後刻どういうことを委員長がやられるのですか、その調査は‥‥
#14
○委員長(中井光次君) 御出席を願いたいと思います。
#15
○木下源吾君 ここへですか。
#16
○小串清一君 今の新聞記事によつて関係の政府当局を呼ぶということは、私は敢て反対しません。併し我々が、新聞は官報でも何でもないけれども、新聞の記事によつて一喜一憂して、こういうことが書いてあつたからこうだと言つて、それで慌て出す必要はないと思う。ただ併しそういう記事があるのだから参考に聞いて置こうということは、これは僕は反対しない。而して今この提案者から、この案についての御説明があつたのだから我々はこの案について委員長からの宣告通り皆さんが質問をなさる、或いは質問の必要がなければ討論に入る。それを私は提案いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#17
○委員長(中井光次君) 御質問を始めて頂きたいと思います。私は連絡をとりまして、只今お読み上げました方々の中のどなたかの御出席、或いは皆様の御出席が得られるか分りませんが、その方の御出席を求めてお話を承わるように取計らいたいと存じます。
#18
○小畑哲夫君 私只今議事進行について発言しましたが、只今小串委員の新聞記事を取上げて云々というのではなくして、参院の取扱上の誤まりから、こういうことになつたという申出があつて、そうして佐藤議長が再び衆議院の方へ、又その意見を申述べられたので、こうした形で出て来たということの記事には、本院としてはやはり重大な問題であると思う。故に新聞記事云云でなくして、この問題はこのまま本委員会として通すことはできない。究明する必要がある、かように考えて議事進行上の発言をしたわけであります。その上で委員長において時間の関係上あとに廻して議事進行をするということについては異議ありません。
#19
○委員長(中井光次君) それじや進行を願います。御質疑がございましたら‥‥御質疑ありませんか。
#20
○千葉信君 提案者にお尋ねいたします。先程の提案理由の説明の中では明らかにされておりませんし、御説明は非常に抽象的でございましたので、聊か私はこの説明だけでは、私ばかりではなく、恐らく他の委員諸君も、提案の趣旨についてまだ相当な疑念が残つておるかと思いますが、私は具体的に従来ありました、廃棄されました二十五年三月三十一日までの、いわゆる新給與実施法というものと、今度御提案になりました一般職の職員の給與に関する法律案、この提案の中で甚しく異つている点があるのでございまして、その相違というものが、單に字句に関する相違という程度でございましたら、私は別にこれを追及する必要はないと思うのでございますが、提案理由の説明の中でも殊更に隠蔽されて、最も重大な問題を隠蔽されたという感銘を私は受けておりますので、特に明らかにされたいと思う点がございますので、以下その点について御質問申上げる次第でございます。
 先ず第一番に第一條でございますが、第一條が、従来の新給與実施法というものと異なつておりまする大きな特点は、前の実施法にはこういう表現がはつきりとなされておるのでございます。「その人事及び給與に関する方針の統一を図るため、昭和二十三年十二月十日附で人事院が国会及び内閣に対し勧告した給與計画を原則的に承認し、」と、私はこの新給與実施法の根本の精神が実はここにある。と言いますことは、恐らく提案者も嫌になる程御承知だと思いますが、大体最近における閣僚諸君の、特に増田官房長官のごときは、いわゆる賃金ベースの体系というものと、実際的な実際上の給與の相違点というものを、少くとも国民なり、国会議員なりが感違いするような形において資料を発表されたり、或いは又二十四年度においては七千三百十一円であるけれども、これは二十五年度においては超過勤務手当を或る程度増額するから、職員の総平均は七千四百十何円になる。こういうことを言つて、さながら実際の官公吏の給與というものが、人事院の今度の勧告というものに非常に近付いているかのような欺瞞性を帶びた言葉を使つておられる。今度のこの給與ベースの問題について、一番国民が正確な判断を誤まつたばかりでなく、国会におきましても、当然起るべきところの意見というものが起つておらない。そういう点に私は非常にこの問題が関連しておりまするので、そういう点から言いますと、今度提案されましたこの法律案の、只今私から読上げましたところの特に大事な性格的な、この法律案の性格的なものが欠けているという点について、一体どういう意味からこれを削除してお出しになられたかどうか、その点について先ず御意見を承わりたいと思うわけでございます。
#21
○衆議院議員(藤枝泉介君) お答えいたしますが、今お話にもありましたように、実行いたしました政府職員の新給與実施に関する法律案は、人事院の勧告に基きまして、そうして規定されていることは御承知の通りでありますが、今回提出いたしましたのは、この人事院の勧告に基いてやつたのではなくて、新給與実施法が失効いたしました結果、空白事態が出ましたので、かような事態をいつまでもそのままに置くことは、政府職員に対する俸給等の支拂いが不可能になりますので、それで給與に関する根拠法令を今回作ろうとした次第であります。従いまして人事院の勧告に基いて作つたものでございませんために、只今御指摘のような字句を削除したわけでございます。
#22
○千葉信君 只今の御答弁は誠に私は不思議な答弁だと思うのでございます。私の質問の要点には殆んで触れておらない。あなたが今実施法がなくなつたために、それに代るところの法律を作る必要があつたから、自分は人事院の勧告に基いていないので、これを削除したんだというお話でございましたが、私の考えまするところでは、たとえ今代案としての立場から、この法律索を提案されるにいたしましても、その根本になつているところは、あなたも御承知のように六千三百七円の賃金ベースというものは、これは二十三年十二月十日の人事院の勧告によつたものでございます。従いまして、この勧告は單に政府に対してだけなされたものではない。恐らくあなたのおつしやりたいことは、政府の方で提案する場合には、当然これは人事院の勧告に基いたものであるから、そういう表現を用いることは妥当ではあるけれども、自分としては議員提出であるから人事院の勧告に基いたのではない。こういうふうに御答弁になりたいおつもりでございましようけれども、実は遺憾ながら国会に対しても人事院はとの六千三百七円ベースを、当時勧告しておる。従つてたとえ時日が経過いたしましたにいたしましても、六千三百七円賃金ベースというものは、このときの人事院勧告に基礎を置いておる。それを殊更にあなた方が、この條項を削除なさつたということが一体奈辺にあるか、最も根本の問題は、私が先程お尋ねしたこの人事院の勧告によるところの賃金のベース体系というものを一応抹殺しようとする考え方があるんじやないか、特にこの條文の中に、これは前にもございましたけれども、職員総平均の給與額、こういう言葉が用いられておりまするために、人事院のベース勧告によるあの賃金体系ということと非常に混乱を生じつつある、こういうことを有能な衆議院の人事委員であられるあなたが、御承知ない筈はないし、それにも拘わらず今のような御答弁は、私の質問に対して正確に答えておられないので、重ねて私はこの点をお尋ねする次第であります。
#23
○衆議院議員(藤枝泉介君) 人事院の勧告が国会に対してもなされることは、御指摘の通りでありますが、今回提案をいたしましたのは、先程も申しましたように、政府職員の新給與実施に関する法律が失効いたしました空白を埋めるために、ここに急速提案をいたしたような次第でありまして、而も最近の人事院の勧告は、御承知のように七千八百七十七円ベースを勧告しているのでありますが、遺憾ながら私共の考えといたしましては、現在の財政経済政策を遂行する上においては、この人事院の勧告をそのまま受入れることができません事情を考えまして、このような提案をいたしたのでございまして、勿論六千三百七円ベースの元は、昭和二十三年の人事院勧告に基いたものではありまするけれども、今回提案いたしましたのは、それと切離しをいたしまして、かような提案をいたしたような次第でございます。
#24
○千葉信君 どうも私は只今の御答弁だけでは納得できないのでございますが、具体的にそれではお聞きするわけでございますが、あなたのこの御提案なされた今度の新給與実施案は、人事院の勧告の六千三百七円というものを参考されたか、されなかつたか。或いは又それを全然考えずに提案されたかということを具体的にお答えして頂きたいと思います。
#25
○衆議院議員(藤枝泉介君) 昭和二十三年十二月に人事院が勧告されましたこの勧告案は勿論参照いたしまして、提案したような次第でございます。
#26
○千葉信君 それでは何故この條項を削除なさつたか。而もこの條項というのは、先程私が申上げたように、この従来ありました新給與実施法の骨子となつておるところでございまして、べースを賃金体系で持つて行くか、それとも職員の総平均を基礎として持つて行くかということは、非常に重大な分岐点であるということはあなたも御承知だと思います。
#27
○衆議院議員(藤枝泉介君) これは御質問と‥‥千葉委員と見解を異にするかも知れませんけれども、私共は先程来申上げましたように、一日この政府職員の新給與実施に関する法律は失効いたしたのでありまして、ここに新たな提案をいたすために、勿論二十三年の十二月の人事院勧告の内容は参照いたしましたが、單に参照に止まつたという意味におきまして、この條項を削つた次第でございます。
#28
○千葉信君 どうも御答弁が誠に腑に落ちない点が沢山ございまして、不満でございますが、一応これ以上は押問答になると思いますので、次の点について御質問申上げたいと思います。
 只今国会には職階法が提案せられておりまするが、その職階法と重要な関連のある條項を実は今度のこの新らしい提案では削られておる。御承知のように前の実施法にありましては、元十一條、新らしく八條になりましたところに、「前條の規定は、十五級に格付される官職については適用しない。
2 前項の格付は、第七條の規定の趣旨に基き、人事院が行う。」こういうふうになつております。この点についても提案者からは、先程提案趣旨の説明において殆んど触れておられない。而も御承知の通りに、将来における国家公務員の給與というものは、職階法を基準として、それによつて設けられるところの給與準則によつて殆んど決定的な状態に持つて行かれる。そういう点から言いますと、この職階制というものが実施の運行に重大な点があるばかりでなく、実は公務員諸君の将来におけるところの待遇のあり方というものに至大の関連を持つておる。具体的なこの條項に関連するいろいろな点につきましては、順を逐うて御答弁に対して申上げたいと思うのでございますが、先ず第一番に、どういうお考えを以て、特にこの條項を削除されたか、その点について聊かも説明がなされておりませんので、これを先ず承つて置く次第でございます。先程申上げたのはお分りになるまいと思いますが‥‥
#29
○衆議院議員(藤枝泉介君) 分かました。
#30
○千葉信君 新らしいのは、前の新給與法が途中で三條削除されましたが、従つて八條にせり上つたわけであります。
#31
○衆議院議員(藤枝泉介君) 新給與実施法の十一條でございますね。
#32
○千葉信君 そうでございます。十一條が八條になつたわけでございます。
#33
○衆議院議員(藤枝泉介君) お答え申上げます。新給與実施法における第十一條の「前條の規定は、十五級に格付される官職については適用しない。」、この條項は第十條が全部削除になりましたので、その意味でこれを削つたわけであります。それから第二項の格付につきましては、今回提案をいたしました法律案の第四條におきまして、一般的な絡付の規定を設けておりますために、それで支障はないのである。そういうふうに考えて削除いたしましたような次第でございます。
#34
○千葉信君 前條の規定がいつ削除になつておりますか。
#35
○衆議院議員(藤枝泉介君) 今回のこの一般職の職員の給與に関する法律案には、前の新給與実施法の第十條に該当するような規定は必要ないとして入れてないわけでございます。
#36
○千葉信君 答弁者は私の質問をよく了解されておらないようですが、私の先程申上げました元のというのは、三條を削除される以前に十一條であつたけれども、あとから八條になつた、こういうことを申上げたのであります。
#37
○委員長(中井光次君) 千葉委員もう一遍今のところをお繰返しを願います。御質問の御要旨が分らないようでありますから‥‥
#38
○千葉信君 この新給與実施法の三月三十一日まで有効という條項でございます。新給與実施法の中の十一條の條文には「前條の規定は、十五級に格付される官職については適用しない。」この條項は、前に経過規定として従来の号俸を新給與法でどこの條項に当嵌めるかという規定なんですが、従つてこの前の十一條はなくなつておりませんし、この十一條における「前條の規定は、十五級に格付される官職については適用しない。」という意味は、十四級までは経過措置として十條で処理されておりますけれども、十五級に関しましては、官職でこれははつきりと絡付が決定しております。こういう重大な條項が今度のあなたが御提案になりました実施法におきましては、完全にこれは抹殺されておる形になつておりまして、この点について抹殺の理由を私は承わりたいと思うのでございます。
#39
○衆議院議員(藤枝泉介君) 只今のお話でありましたら、先程申上げましたように、第四條に格付の條件を書いてあますので、それで足りると、こう考えたわけでございます。
#40
○千葉信君 あなたはこの問題を非常に簡單に考えられておりまするけれども、一応これは十五級であるとか或いは二級、三級であるとか、そういう級の高下を問題にするのではなく、既得権を故なく侵害するという考え方が実はこの削除の中に含まれておるわけでございまして、具体的に実はこの削除によりまして、非常に不利な取扱いを受けざるを得ない官職の方々が沢山おるのでございます。一例を申上げますと、国会に專門員というのがございますが、この專門員は新給與実施法によりまして、先の新給與実施法によりまして、專門員というこの官職が完全に前條によらないで十五級の格付を自動的に受けておる。ところが御承知でもございましまうが、当時この問題は実はその当時受けておりました俸給その他が十二級或いは十三級の方々が可なり多数おられた。ところがそういう方方がおられるために、この條項が遺憾ながら完全に実施されないで、そうして今でもこの問題は残つているようでございますが、十二級の何号であるとかいうふうに今のところ甚だ不当な取扱を受けておる。而もそういう不当な取扱を受けるということにつきましては、この新給與実施法におきまして、第三十一條でははつきりと罰則を適用することになつておる。勿論この当時の責任者というのは、現在の増田官房長官でございまして、その当時の給與実施本部長でございました。その方が御出席になりましたら、改めて私はこの問題についてお聞きしたいと思つておるのでございますが、今申上げたように、実際にこの條項によつて利益を確保される方々があるということ、而も今度これが削除されるということになりますと、その方々のうちの今申上げた十二級、十三級という方々が、経過的には一年後或いは一年半後には十五級職に格付されるというような暫定的な約束も出されておりまして、その約束が実施されるかどうかということも現在のところまでは殆んど見通しが立つておらなかつた。而も新らしく提案をされるあなた方が、こういう具体的な問題が目の前に起つておりながら、なぜこの條項を削除しなければならなかつたか。この点を私はあなたから御答弁を承わりたいと思います。
#41
○衆議院議員(藤枝泉介君) 格付の一般につきましては、先程お答えを申上げた通りでありますが、更に只今質問のありました点に関しましては、附則の二項、三項におきまして、現に政府職員の新給與実施に関する法律によつてなされた給與に関する決定は、この法律に基いてなされたものとみなして、而も三項において、従来受けておりました俸給はこの法律の適用後において引下げられることはないという経過規定を設けまして、只今のような点につきましての救済を図つたつもりでございます。
#42
○千葉信君 私が今具体的に申上げましたところのこの專門員の問題だけにつきましても、あなたの御答弁は私に対する答弁になつておらない。あなたが今附則を以てこれに対抗ができるというふうにお話になりましたが、附則は俸給の決定でございまして、将来の大きな職階制或いは給與準則ができましたときに根本的に影響するところの、この格付される官職が当然に前の新給與実施法によつて確保されておるべき筈のものが、あなたの今度のこの附則では何らそれについて妥当な解決がされておらない。この点については如何でざいますか。
#43
○委員長(中井光次君) ちよつと御答弁があるまで中間の御報告を申上げますが、先程小畑委員からのお話がございまして、連絡をとりましたところ、只今議運の方に増田、池田、小澤等の各大臣が出席されまして、同一の問題について只今究明を受けておるというようなことでございまして、今直ぐ御出席はむずかしいようであります。御了承を願います。
#44
○衆議院議員(藤枝泉介君) 只今の点でございますが、私共の見解といたしましては、先程申上げましたような第四條の原則と、それから第六條のこの「十五級に分類し、その分類の基準となるべき標準的な職務の内容は、人事院が定める。」と、こういう條項によりまして、具体的な問題については解決がし得るものと考えた次第でございます。
#45
○千葉信君 只今の御答弁だけでは答弁になつておりません。併し私はこの問題でいつまでもやつていてもしようがありませんので、一体提案者は具体的には今度の前のこの新船與実施法について、三十一條の罰則の適用ということについてはどう考えておられるか。只今申上げた專門員の場合における罰則の適用の問題について‥‥私共今日実は当人事委員会における質疑応答の時間について、先程委員長からお話がありましたように、非常に時間の制限を受けております。従いまして、そういう短い制限された時間の中で質疑応答をする以上は、相当迅速な質問と迅速な答弁を私は要求したい。只今のような恰好では時間の空費が多過ぎて、我々制限された時間の中ではこの人事委員会の質疑を終了することはできない。この点について委員長から然るべき措置をとつて頂きたいことを私はお願いいたします。
#46
○衆議院議員(藤枝泉介君) 答弁が遅れまして申訳ございませんが、只今御指摘になりました具体的な事例については、実は私共十分内容について承知いたしておりませんので、罰則の適用云々につきましてはここでお答えを‥‥尚、具体的な内容については調査をいたした上でないとお答えできないと思います。
#47
○千葉信君 少くともこの新らしい提案は、これは国家公務員だけではなくて、公共企業体におけるところの従業員も、それから更に地方公務員或いは又一般労働者に至大の影響を持つところの急な問題でございます。そういう給與法を提案なさる方が、無責任至極にも前のこの給與実施法に対してさえ正確な見解も持たずに、而も罰則を適用するかしないかというような重大な問題についても、他人の問題ではない。自分の身辺に起つておる問題であります。そういう問題に対して、提案者でありながら答弁もできない形において提案されるということが、これが責任ある国会議員の立場でございましようか、私はこの際もう少し明確な責任ある回答を要求いたします。
#48
○衆議院議員(藤枝泉介君) 私の申上げましたのは、具体的な事例に関連いたしまして考えなければならんので、十分にお答えができないと申上げましたので、とにかく、この新らしく私共が提案いたしました法律案の第二十五條の規定につきましては、若しさような点がありますならば、その適用については十分考えたいと、こういうことでございます。
#49
○千葉信君 あなたも御承知のように、あなたが提案せられました法律は、前の給與法が完全に廃案という形になりました。御承知のように、これは、昨日で効力がなくなるのを、一応修正案も出まして、御承知りような形にまで行つたのでございますが、遺憾ながら自由党の諸君が頑迷固陋なために、ああいう形に陥つて廃案になりました。従いまして私が今申上げているこの罰則の問題にいたしましても、それから旧第十一條におけるところの格付の問題にいたしましても、新らしくできる法律が、こういう條項が盛られていれば、これは今後においても具体的に問題を救済できる。ところが故意に、故意にと私は思う。故意にこういう條項が削られてあるために、もう救済の途がなくなる。従つてあなたはこの問題について、具体的の問題を知つているとか知らないとか、そんな問題ばかりじやないと私は思う。こういう重大な問題を考えずに、不用意千万にこういう條項を削つたとすれば、提案者は一体何を以て責任を負われるつもりか、もう少し私はまじめな御答弁をお願いいたします。
#50
○衆議院議員(藤枝泉介君) 私は繰返して申上げますが、第六條のこの分類と、「その分類の基準となるべき標準的な職務の内容は、人事院が定める。」という、この條項によりまして、十分その点の考慮が拂われるという意味において、この提案をいたしたような次第でございます。
#51
○千葉信君 大体この問題はこれくらいにいたしまして、次の質問に入りたいと思うのでございますが、昨年の十二月四日に人事院の方から、いわゆる七千八百七十七円の賃金べ一スが勧告されてあることは、これは提案者はよく御承知だと思います。併しあなたが先程も言われたように、我々の政策によつて実は実質的に賃金が上るという方向において、この六千三百七円の賃金ベースを一応自分達は法律案として提出したのだ、こういう御答弁でございましたが、私共の考えますのには、人事院の方におきましては、実はいろいろな角度から科学的な基礎に立つて七千八百七十七円というものが勧告されておる、ところがこれに対して、どうしてもその賃金ベースを実施できないという立場をおとりになつておられる内閣や、又自由党の皆さん方が、所詮私は政府が七千八百七十七円を実施できないという理由として、政府の方で発表いたしましたあの給與白書というものを根拠にしておられることだと私は思います。従いまして私はあなた方が根拠にしておられるところの、この政府の発表した給與白書というものが、果であなた方の考えておられるような信用するに足るものかどうか、その主張の点についても私はいろいろな角度から御質問申上げまいと存じておるのでございますが、時間もございませんので、要点だけについて御質問申上げますが、先ず第一に、あなたは政府の発表されました給與ベースのこの問題に対する白書を信用しておられるかどうか、この点について先ず最初に簡單に御答弁を承わりたいと思います。
#52
○衆議院議員(藤枝泉介君) 政府の発表につきましては、私は政府の見解として信用いたしております。
#53
○千葉信君 お尋ねいたしますが、あなたは政府の方で発表されました給與白書のいわゆる資料というものに、私は前段の方にいろいろ意見が出ておりますが、この意見につきましては、一応敬遠するにいたしまても、少くとも政府のほうで資料として出されました公務員のいわゆる実際給與額というものについて検討されたことがあるかどうか。それから又人事院の方からも非公式には数字が発表されておるようでございまして、私共の手許にもその資料が出ておりますが、あなたはこの人事院と政府の発表しました資料の中に甚しい食違いがあるということを御存じかどうか。それから又政府の方で発表いたしました二月三日の給與白書というものと、その二月三日の給與白書に対して、一月の三十一日附で、その前の日附で追加資料というものを出したことも、これも、あなたは御承知だと思います。而もその追加資料は、一応はこれは追加という以上は、追加の方は私は正しいと思いまするけれども、日附の点におきまして食違つておりました。追加でない方があとの日附で、追加の方が前の日附になつておる、而もこの両方の間には非常に大きな数字の食違いがある。こういう点についてあなたは検討されたことがあるかどうか、若し検討されたとすれば、どの程度にその違いがあるかということを御承知になつておるかどうか、この点について、私は二点についてお伺いいたします。
#54
○衆議院議員(藤枝泉介君) 給與に関するいろいろな資料につきましては、私も検討いたしております。尚人事院が発表されたものと政府が発表せられたものとには、数字の間違いのあることも知つておりますが、これは私共も究明いたした結果、計算のとり方等に、テーマのとり方等に問題がありますので、政府の数字を先程信用すると申しましたが、それだから人事院の数字が嘘であるという意味において政府のものを信用するという意味でないことをご了承願いたいと思います。
#55
○千葉信君 只今の御答弁は、私は質問の的を外れて答弁されておるようですが、これ以上追及いたしましても、いたし方がありませんし、次の議員が盛んに発言を求められておりますから、私は一応見送ります。
#56
○木下源吾君 同僚の千葉君の質問は非常に重要であるが、何せ十時までというような制限があるので、私からも二、三質問をして、提案者の態度をはつきりさして置きたいと思つておるが一体この国会において廃案となつた前の給與法と、この法とは一体どこが違うかという点であります。これは字句がいろいろ違つておるのであろう、私は重大なところはいわゆる十一條、既得権の喪失ということが重大であります。既得権の喪失です。それから罰則の適用、これらが非常に曖昧であり、そうして公務員に対する既得権というものが非常に侵されるという面があるということは、提案者も今までの答弁でこれははつきりしておると思いますが、これを一つ確認して置いて頂きたい。
#57
○衆議院議員(藤枝泉介君) 私共提案者といたしましては、この新らしい給與に関する法律案によりまして、従来の既得権が侵されるというふうには考えておらないのであります。
#58
○木下源吾君 すでに国会に昨年の十二月四日に人事院から勧告していることは御承知の筈であります。然らば勧告に対する回答として、この法案を提案されたであろうと、こう考えます。であるとするならば、恐らくこの国会においては、これを尊重しなければならんということは提案者もよくお分りであると思います。にも拘わらず尚このような、従来と同じベースのものを提案するということについては、政府と御連絡があつておやりになつたのか、又もう一点はいわゆるこれは国会の自主性を尊重するという点を考えれておやりになつたのか、この点を一応‥‥
#59
○衆議院議員(藤枝泉介君) 第一の人事院の勧告に対する回答かというお言葉でございますが、回答という解釈をどういたしますかは別問題といたしまして、人事院の勧告を尊重いたしたいのでありますけれども、私共がとります現在の財政経済政策の下においては、遺憾ながら六千三百七円を妥当と認めざるを得ないという意味におきまして、この法律を作りましたのでございます。尚、政府と連絡をとつたかということでございましたが、私共も先程提案の理由で申上げましたように、給與に関する根拠法がなくなつたのでありまして、かような状態は一刻も早く埋めなければならんという意味において、この法律を提出したような次第でございまして、自主性と申しますが、国会がこれを作るのが妥当と認めて提案をしたような次第でございます。
#60
○木下源吾君 私の自主性というものは、他から制肘と言うては語弊があるか知らぬが、何らかの影響を受けたがために、かくのごとき提案をなされたのかということをお聞きしたのであります。次に、すでに昨日のことであつて、このような内容を含んだ法案というものは、参議院においては如何なる結果をもたらすかということは先刻御承知であろうと思うのであるが、尚敢てこの法案を衆議院から持つて来られたということについては、これは一体参議院というものに対する如何なる認識においてなされたか、これを一つお尋ねいたします。
#61
○衆議院議員(藤枝泉介君) 先程の自主性という問題につきましては、その意味でございますのならば、完全に自主的に出したということを申上げて置きます。尚、昨日参議院におかれまして、前の法律案につきましての修正をなされた問題は、我々も十分その御意思は尊重いたしたのでありまするが、私共の考えといたしましては、この一年間、やはりこのような法律によつて給與を支給いたしたいと考えまして、敢て参議院の皆様方にご賛成を懇願するような次第でございます。
#62
○木下源吾君 成る程お説の程はよくは違つておることは御承知の通りであります。その参議院の持てる性格、そうして参議院の判断の又状況というものは御承知の通りであります。これは恐らく私共は良心があるものは前の議決が変更されるとは考えられません。そこで若しもこれは昨日のごとき結果に相成つた場合においては、尚提案者は衆議院においても昨日と同一のようなことをおやりになろうとしておるのかどうか。
#63
○衆議院議員(藤枝泉介君) 私共は只今申上げましたように、どこまでもこの安を一つ参議院の皆様において御賛成を願いたいと懇願する次第でございまして、その参議院で御議決になる結果につきましては、尚その結果を見まして、更に私共は考えなければならんと思うのでありまして、只今御答弁申上げるところではないと考えております。
#64
○委員長(中井光次君) お諮りいたしますが、もう十分ばかり質疑を続行して頂いて、そのあとでちよつと打合会を開きたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#65
○吉田法晴君 先程千葉委員から尋ねられましたところでありますけれども、明らかになつておりませんので、二点だけお尋ねをいたしたいと思うのであります。第一條の前の新給與実地法によりますと、人事院勧告に基きます六千三百円ベースが実地せられておつた。で今度の衆議院の御提案になります法律によりますと、六千三百七円ベースでなくて、六千三百七円平均ということになるのであります。その点の実質的な違いは先程千葉委員から指摘されました通りであります。この削除によつて六千三百円ベースが六千三百七円平均になるという点は御確認の上で提案されましたのでありますかどうですか、その点をお聞きいたします。
#66
○衆議院議員(藤枝泉介君) 六千三百七円とする原則は、平均六千三百七円とする原則をとるというふうに考えて提案した次第でございます。
#67
○吉田法晴君 重ねてお尋ねいたしますが、六千三百七円ベースと六千三百七円平均というのは違うということは御確認になりませんか。
#68
○衆議院議員(藤枝泉介君) 確認してこの提案をいたしております。
#69
○吉田法晴君 第二点は、先程問題になりました旧法の第十一條の点でありますが、先程提案者は既得権は侵されるとは考えぬと、こういうお話でありました。それは旧法によりまして格付の済んだ者、これは既得権としてそのまま引継がれるとは思います。併し先程質問になつておりました点は、旧法によれば、これは例えば十五級に格付せらるべくして、尚格付せられておらぬ者、それは旧法によれば、第十一條によつて十五級に格付される保障があるわけです。法條の保障があるわけです。そうしてその保障が三十一條によつて罰則が付いて保障されておる。それが新法によりますと、新らしい御提案によりますというと削られて、そういう法條の保障がなくなる。或いは罰則の裏付けがなくなる。従つて、十五級に格付けらるべくして、未だ格付けせられておらぬものについて、法條の保障がなくなるという点は、これは御確認になりますか。
#70
○衆議院議員(藤枝泉介君) その点は、私は第六條の規定によつて救済できるものと考えております。
#71
○吉田法晴君 その点は第十一條がなくなると、第六條では救済できぬものだと考えるのでありますが、法條にはつきり書いたものがありません。なくなりますというと、法條の保障はなくなるという工合に考えざるを得ないのでありますが、その点はどうでございますか。
#72
○衆議院議員(藤枝泉介君) 私共がこの第十一條を削りましたゆえんは、さような條項を削つて、その保障をなくするという意味ではなくて、一般原則によつてこれができ得るというふうに考えたために、この條項を削つたような次第でございます。
#73
○委員長(中井光次君) 暫時休憩いたしたいと思います。
   午後十時十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後十時二十六分開会
#74
○委員長(中井光次君) それでは只今から再会いたします。先程の小畑委員からの御質疑の点でありまするが、小畑委員より先程新聞の記事を朗読されまして、「池田蔵相、廣川幹事長は直ちに院内で佐藤参院議長と会見、参院側の見解を聽取した後、閣僚室で岩本衆院副議長を交え党幹部、閣僚が緊急協議の結果、参院の法案取扱上の誤りから発した問題であるから参院側で善後措置を講ずべきであるとの結論に達し十一時半その旨佐藤議長に申入れた、ところが」という記事がございまして、その初めの方には増田官房長官の名前もあるのであります。法案の取扱が参議院の誤まりから発した云々というような記事は、頗る奇怪に感ぜられるところでありまするが、ただ新聞の記事でありまするので、一応記事にありますことこついて、官房長官に真否を質して貰いたいということでありまするから、御答弁を願います。
#75
○国務大臣(増田甲子七君) 委員長の御質問にお答え申上げます。私実はこういう事実は存じませんで、甚だ迂潤でございましたが、そこでこの池田蔵相、広川幹事長云々、この関係につきましては、先程議運において池田君、広川君がそれぞれ弁明をいたしました。会見したということまでは事実ですけれども、その後閣僚室で岩本副議長を交え云々というようなことから以下の事実はないそうであります。それから私個人としてもう一つ申上げて置きます。この問題が参議院の法案の取扱上の誤まりから発した問題である云云ということは、私は断じで認めておりません。官房長官としても認めておりません。御院において昨日十一時頃、四ヶ月延期の修正案を議決されたあの際におきましてはその前提をなす関係方面の了解云々というようなことにつきましては、全然合法的な前提の下に議決された次第でございまして、誤まりということを私共は全然認めていない次第でざいます。
#76
○千葉信君 最後に非常に簡單な問題ですから特に、質問を許して頂きます。実は今度の新らしい提案が、第一條のとの人事院の勧告の賃金ベースを原則的に承認するという字句が削られでおりまして、先程も質疑応答の中で申上げましたが、この新らしい提案された法案によりますると、我々の最も心配しておりまするところのいわゆる賃金ベースの給與体系というものと実質上平均賃金という問題が非常に混同されて、非常にこの問題につきましては、不明確な形になつて来ているわけでございますが、この点に私共は重大な関心を持つておりまするのでございますが、実は増田官房長官は給與の問題に関しまして、給與白書を官房長官審議室から発表されて見たり、或いは又先に提案されました修正案の説明におきましても、私共は実は増田官房長官の給與に対する考え方なり、或いは又必要以上に、権限以上に増田官房長官が給與の問題について報道しておられるというふうに我々は印象付けられるのでございまして、従いましてこういう給與に対する増田官房長官の態度から考えて、将来の問題として心配される点がありまするので、次の点についてお尋ねをしたいと思います。委員会におきましても、増田官房長官は、実はこの六千三百七円の賃金べーすの中で、枠内であるか、枠外であるかということについて重大な誤謬を冒しておられる。増田官房長官は人事委員会におけるところの質疑応答の中で、特殊勤務手当はこれは賃金ベースの体系の外だ、こういうふうに御答弁になりましたときに、私ははつきりとこれは六千三百七円の賃金ベースの枠内だと、こういうことを申上げた筈でございます。そうして又同様の意見を今日の参議院における本会議で賛成討論の中で申上げました。ところが私が‥‥
#77
○委員長(中井光次君) 簡單にお願いいたします。
#78
○千葉信君 簡單です。壇上から降りて参りまする途中で、増田官房長官は私に辱けなくも声をかけられまして、(笑声)君はまだ賃金ベースの枠内、枠外という点について感違いしておられるのじやないかと、こういうお話でございました。折角委員会でお分りになつたと思つておつたところが依然として感違いしておられる。それで私は昨日増田官房長官に、それでははつきりと新給與法の第一條を読んであげますから、それを聞いて下さい。こういうことを私は昨日申上げた筈でございます。増田官房長官は今でも尚この問題について感違いしておられるかどうか、この席上で明らかにして頂きたいと思います。
#79
○国務大臣(増田甲子七君) 調査いたしました結果、先程委員会において、私の答弁いたしたあの点が訂正されております。その訂正通りでございまするから御了承願います。(笑声)
#80
○木下源吾君 簡單に一つ‥‥
#81
○委員長(中井光次君) 簡單に、もう時間があれですから‥‥
#82
○木下源吾君 いや、もうそうあがくことはありませんよ。増田官房長官が今答弁の中に、参議院のとつたことは誤まりでないと私は考えでいると言うが、これは私はこういうふうにあなたに言つて貰いたい。参議院のですね。今度のこの問題に対する態度は正当であると、いいですか。尚ですね。その参議院の修正の内容に対しても、決してこれは異議のないものである。これを一つ私は言つて貰いたいと思います。参議院独自でやりましたから誤まりではないということでは、まだすつきりしません。
#83
○委員長(中井光次君) 御答弁がないようでありますが、他に御質疑はありませんか。
#84
○木下源吾君 御答弁にならないのではない。誤まりではないというのは何だかまだすつきりしない。正当なんですよ、我々のやつたことは…それを正当とお考えにならないかどうか、こういうことを先ず一応お尋ねいたします。
#85
○国務大臣(増田甲子七君) 私はここに、参議院の法案取扱上の誤まりから発した問題であるからという、これに対しまして私の官房長官としての所見を申上げますと、即ち参議院の法案取扱上の誤まりではない、こう感じております。それからあとの四ヶ月延期につきましては、不幸にして政府におきましては、あなたと所見を異にしておる次第であります。
#86
○木下源吾君 私は官房長官の、所見を異にしておるというのではなくして、参議院は正当にこの四ヶ月というのをやつたということは、これは参議院独自の権限であり、これは誤まつた行動でやつたのではないということを認められないかと言うのです。所見の問題ではなく。
#87
○国務大臣(増田甲子七君) 木下さんの御質問は分りました。即ち正当というのは、何か妥当という意味に私が誤解しましたから、即ち適法な手続に基いて昨日なすつたと私共は認めております。
#88
○小串清一君 これでもう時間が来ておりますから、決定をして頂きたいと思います。それを希望します。
#89
○委員長(中井光次君) 只今小串君より質疑打切の動議がございましたが質疑を打切ることに御異議はございませんか
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(中井光次君) それでは質疑は打切りまして只今より討論に入ります。
#91
○寺尾博君 この新らしい法律案の一番のポイントは「この法律のすべての規定は、昭和二十六年月三十一日限り、その効力を失う。」、この点であるのでありまして、その他の点は、従来の新給與に関する法律と実質的に殆んど変りないといつてよろしいと思う。而してこの「二十六年三月三十一日限り、その効力を失う。」ということに関するところの提案者の説明、即ち民自党の説明に対しては、我々は必ずしも同感しているのではありません。即ちこれによつて人事院勧告が‥‥只今の政府の説明が、そういう意味でこれを作られたとしても、人事院勧告の効力が抹殺ざれたのではないことは明瞭なことである。又それだけのこの期限があることによつて、我々が過日決議したところの我々の精神も何ら寸毫も変りないりであるが、それだけの期間がありますからして、人事院の勧告については、尚その機関において十分考慮すべき機会と方法において考慮すべきものという意味の下に、ただ今日のとの場合において、この法の空白を避けるという意味において、私は本案に賛成をいたすものであります。
#92
○委員長(中井光次君) 御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#93
○吉田法晴君 この法律の実施期限だけで、実質的には相違が、前の新給與法と実質的には相違がないかのような御意見でありましたが、先程の提案者と我々の質疑応答の中にもありましたように、明らかになりましたように、第一條についても実質的に違つております。言換えますと六千三百七円ベースを取るか或いは六千三百七円平均を取るかという、これは実質的に事実が違つておる。それから同じこの期限の問題でありますが、これは先程来論義になりませんでしたけれども、二十五年三月三十一日というのを二十六年三月三十一日と訂正せられましただけでなくつて、そのあとに括弧の中に、旧法においては「(法律をもつてそれ以前の期日を定めたときは、その期日)」という括弧の中が削られております。この点は昨日の参議院におきます決定によりますと、四ヶ月という期限が付いておつたのでありますが、この法律の期限の点につきましても、実質的に異なつております。それから旧法の第十一條、それを新法によつて吸収しておるという御説明がありましたけれども、法條において保障せられましたその十五級に格付けされるべき官職についての保障というものも、新らしい法律によつては法條の保障が、法文上の保障がなくなつておるわけであります、言換えますというと、この法律というものが、多くの條項において共通点もありますけれども、全く新らしい法律、而も改悪された法律となつてここに出て来ておるわけです。その点実質的に違うという点が一つ。それから昨日決定いたしました参議院の決定が合法的になされ、そうしてそれに十分の合理的な根拠があります以上、ここに全く違いました法律を参議院として賛成するわけには参らぬと考えます。尚御承知のように、私共は政府職員の給與に関しまして、現在の六千三百七円ベースを変えるべきだということを強く主張しておるもので、又六千三百七円ベーズを如何にするかということについては、当委員会においても意見が必ずしも一致しておりませんでしたけれども、昨日の決定の基礎をなしますこの委員会の従来の意向というものは、六千三百七円ベースを改訂すべく、それについて人事院の勧告を十分尊重し、四ヶ月の余裕を與えるから、その間に政府と人事院との意見の相違を十分考慮して、その間にベースを改訂せよという意向が含まれておつたと考えるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういう意味におきまして、当委員会におけるベースを改訂せよという意向を、ここにたつた一日の違いで完全に覆すということはできないのであります。そこで私共としましては、ここにこの新らしい衆議院から廻りました法律を審議する十分な余裕がないといたしますならば、この実質的に違う法律を否決する以外にないと考えるものであります。
#94
○小串清一君 私は民主自由党を代表して、この提案に賛成をするものであります。(「自由党だろこと呼ぶ者あり)そもそも昨日‥‥
#95
○委員長(中井光次君) 簡單にお願いいたします。
#96
○小串清一君 私はこの一ヶ年という期限を四月に短縮する、とに賛成をしたものであります。併しその精神は今でも同じです。あのとき賛成したのは、四月の間に経済界の変動によつたら、六千三百円べースを殖やすか、或いは場合によれば減すかも知れない。(「飛んでもないとを言うな」と呼ぶ者あり)とにかく適当な処置をとるだろる。故に私はこれに賛成をしたのでありますが、不幸にして衆議院がこれを容れなかつた。そうしてここにこれが、この法律全部が廃案になるということは、あらゆる一般職の公務員諸君に支拂いをすることができなくなる一つの空白を生ずることである。而うして今ここに廃案になつて空白を生ずるに当つて、衆議院がこの案を提出せられたことは、極めて時宜を得たものだと思つておる。故に私共はこの現在の六千三百七円ベースを如何にするかは一年の間に適当な時期があるだろう。その意味は吉田君の意見も我輩も同じなんだ。それはこの場合にこの案を認めて置かなければ非常なる何を拵えることになると思う。外にも沢山の理由を私は持つておりますがとにかくそういう意味でこの案はこれを国会で認めなければならん。結局この国会でこれを認めなければならない。我々が好むと好まざるとに拘わらず認めなければならない。今までの四ヶ月というのと一年というのは、いわゆる五十歩百歩の争いであつて、我々は百歩にするか、五十歩にするか、我々は五十歩の方が好きだけれども、これは百歩にするより外に方法がないとするならば、これは百歩にすることを認めざるを得ない。又認めることが最も国会に忠なるゆえんである(笑声)と考えまして、本案に賛成をいたします。
#97
○委員長(中井光次君) 千葉君。どうぞ簡單にお願いいたします。
#98
○千葉信君 簡單に申止げます。私は大体先程吉田君が討論で申されましたことと殆んど同様でございます。私も亦新らしいこの給與法が、非常に重大なる第一條を簡單に根本をすり変えておるということについて、それから又旧法における十一條の十五級の格付の問題をこれ又同様に削除しておる。こういう点についても実は従来の新給與法案でさえも私は絶対に承服できなかつたところへ、かくのごとき改惡が行われておるということだけでも私は賛成できません。従つて又今小串委員から五十歩百歩という言葉でございましたが、先程まで、今日の五時頃まで、俺は絶対大丈夫だということを言つておられた小串委員から、只今のようなお言葉を承つたことは誠に私は遺憾千万でございまして、(笑声)私から言わせれば五十歩百歩で大したことがないから五十歩を譲るのだ。そういう人は必ず百歩をお譲りになる人だと思う。こういう点から言いましても、小串委員の現在なされた討論に対しましては真向から反対であります。私は本案に反対いたします。(「採決を願います」と呼ぶ者あり)
#99
○委員長(中井光次君) 外に御発言はございませんか‥‥。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(中井光次君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。一般職の職員の給與に関する法律案について採決をいたします。一般職の職員の給與に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
   〔仮面を剥だな]と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(中井光次君) 挙手者少数。(「五十歩百歩だ」と呼ぶ者あり)よつて本案は否決(拍手)すべきものと決定いたしました。(拍手)
 尚、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において、本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(中井光次君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を否とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    木下 源吾  吉田 法晴
    岩男 仁藏  千葉  信
    小畑 哲夫
#103
○委員長(中井光次君) 御署名洩れはございませんか‥‥。御署名洩れはないと認めます。
 それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後十時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   理事
           木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           吉田 法晴君
           川村 松助君
           松嶋 喜作君
           小畑 哲夫君
           寺尾  博君
           千葉  信君
           岩男 仁藏君
  衆議院議員    藤枝 泉介君
  国務大臣
   国 務 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   人事院総裁   淺井  清君
   人  事  官 山下 興家君
   人事院事務官
   (給與局長)  瀧本 忠男君
ソース: 国立国会図書館
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