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1949/04/06 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第16号
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1949/04/06 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第16号

#1
第007回国会 人事委員会 第16号
昭和二十五年四月六日(木曜日)
  ―――――――――――――
   委員の異動
四月五日委員小串清一君辞任につき、
その補欠として平沼彌太郎君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家公務員の職階制に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   午前十一時五十二分開会
#2
○委員長(中井光次君) それでは只今から開会いたします。今日は職階制に関する質問を続行いたします。
#3
○千葉信君 山下人事官にお尋ねいたしますが、昨日の質疑に引続きまして、国家公務員法の第二十九條と提案の職階法の法案についての関連がまだ明かになりませんで、引続きこの点に関して御質問申し上げたいと思います。二十四年の十一月二十日附を以て人事院から「国家公務員の職階制」という冊子が出版されておりますが、人事院では心の冊子に盛られた職階制に対する人事院の見解を今もそのまま変わらないでお持ちでございますか。
#4
○政府委員(山下興家君) その通りであります。
#5
○千葉信君 それではお尋ねいたしますが、その第二章に「職階制はどのようにして作られるか」という所に、その第二章の第一に「誰が作るか」その條項の中に「国家公務員法第二十九條に定めてあるように、主務官庁として人事院が立案作成に当ることになつている。それでは、人事院が職階制を作ることのなつたのはどんな事情からであろうか。先ず第一に、官職を分類するには、一つ一つの官職について、仕事の種類や、むずかしさや、責任の度合をありのままに調査したり、分析したり、評価したりするというような、専門的な手つづきが必要である。そのためには、特別の知識や技術を持つた専門家が大勢いなければできない。」こういうふうになつておりまして、結局職階制そのものを作るためには特別な技能や技術が必要であるということや、或いは公務員法の第二十九條に決めてあるように、人事院のこの法案に付する権限というものが一応はつきりしておるというふうに私は考えておるわけでございますが、更にその次に、その問題に関連してお尋ねしたいことは、第二の方に「国家公務員法によれば、この八十数万にものぼる一般職の官職は、すべて職階制によつて分類されなければならず、職階制の中のこの職級かに格付されなければならないことになつている。」この点も確認されますかどうか。
#6
○政府委員(山下興家君) その通りでございます。
#7
○千葉信君 その次にこの二十九頁、「職種調査」というところがございます。その中で「人事院では、始めに日本政府のなかに、どんな種類の官職があるかを調査した。これまで、他の、官職とはつきりした区別のあつたものや、職員を任用する上で別個にあつかわれていた官職の種類を分類して、凡そ五百の職種にまとめ」これも事実でございますか。
#8
○政府委員(山下興家君) その通りであります。
#9
○千葉信君 そうしますと、お尋ねしたいことは、その次の第八による……三十二頁でございます。「国会による承認」というところに「人事院によつて職階制の立案が終ると国家公務員法第二十九條にあるように、国会がこれを審議承認し法律として定めることとなつている。民主主義のわが国においては、国会は国民の意思を代表するものであるから、国会で承知されれば、とりもなおさず国民全体によつて承認されたことになるわけである。」これも人事院によつて改めて確認されましようか。
#10
○政府委員(山下興家君) その通りであります。
#11
○千葉信君 そういたしますると、この八のところに言われておるように、職階制そのものということは、職階制に対する基本法的なものや、或いはそれを職階制を計画するところの、計画ではなくて、明らかに第六「職級明細書」にありまする通り、この職階法というものは「職級と職級明細書のない職階制はありえない」この六の條項ではつきりそういうことを言つておられますが、そうなりますと、この六の條項にあるところの「職級と職級明細書のない職階制はありえない」という言葉と、第八にあるところの職階制の立案が終ると国家公務員法の二十九條によつて、国会でこれを審議承認して貰わなければならない、こういう点とが聊か食い違うように思います。如何でございましようか。
#12
○千葉信君 そういたしますると、この八のところに言われておるように、職階制そのものということは、職階制に対する基本法的なものや、或いはそれを職階制を計画するところの、計画ではなくて、明らかに第六「職級明細書」にありまする通り、この職階法というものは「職級と職級明細書のない職階制はありえない。」この六の條項ではつきりそういうことを言つておられますが、そうなりますと、この六の條項にあるところの「職級と職級明細書のない職階制はありえない」という言葉と、第八にあるところの職階制の立案が終ると国家公務員法の二十九條によつて、国会でこれを審議承認して貰わなければならない、こういう点とが聊か食い違うように思います。如何でございましようか。
#13
○千葉信君 只今の御答弁から言いますると、又昨日の質疑に戻らなければならないと思いますが、山下人事官が今、職階制というものの中の国会で承認されたり或いは又立法化しなければならないのはこれは根本の計画だけであつて、或いは又そういう基準だけであつて、実際の職級の分類であるとか職制の分類ということは、これは実施されるときに何とかなつていればいいのであつて、実際に二十九條によるところの承認或いは又立法化という問題とは違う、立法化されるものであるとか、或いは実施以前にできていなければならないのはこれは一つの基本的なもの、或いは又計画の基本的なものなんかが立法化、或いは又二十九條に考えられたところで、それ以上のことは国会の承認だとか何とかいうものは要らないというふうな御答弁でございますが、そう解釈して差支ございませんでしようか。
#14
○政府委員(山下興家君) できるだけ国会の承認を得たいのでありますが、実際上どうしても人事院規則によらなければ実際に動け得ない点があるのであります。例えばこの人事院規則というものの使い方でありますが、これは法律の基準に従つて技術的の操作をするために人事院規則ができておるわけでございます。これで例えばこれの全体の人間が九十万ありまして、その九十万に対して、千人に対して一人づつの職階制の担当官があるといたしますと、約千人あるわけであります。その千人の人間が毎日研究をして出して行きますからして、一日のうちに少くも十件変更しなくちやならない、そういう変更しなくちやならないものを国会に一々かけるということになると、動かないのでございます、実際のところ……。そうして殊に一番困ることは、そういうことをいたしますと、そのときどきの実状に合わして職階制というものを最も適するようなふうに捉え上げることが困難になるということであります。それで実際問題として動かないから、或るところに線を引かなくちやならないということになるわけであります。
#15
○千葉信君 人事官の御答弁は法的な問題と、それから又実際問題とを混同しての御答弁でございまして実際問題はこういうふうに非常にいろいろな事情から運営が至難であるから、人事院規則の……。或いは又人事院に任せて欲しいという気持は分かりまするけれども、そういうことだけではこの問題は解決されないのじやないかと、私はこう考えざるを得ないのでございます。第一に問題となりますのは、昨日の質疑にもありましたように、その実際問題如何は先ず別といたしまして、お話がありましたように職階制に対する基本的な問題であるとか、或いは又職階法に対する計画であるとか、根本的な方針であるとか、そういう点についての問題については私は一応これは抜きにいたしましても、その次にその基本的なものについて、或いは又計画について、更にそれに則つて計画されるものが職級の分類であり、職種の分類、こういうことになると思うのでございまして、明らかに公務員法の第二十九條の第二項には「人事院は、職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない。」第三項にありましては、「職階制においては、同一の内容の雇用條件を有する同一の職級に属する官職については、同一の資格條件を必要とするとともに、且つ、当該官職に就いている者に対しては、同一の幅の俸給が支給されるように、官職の分類整理がなされなければならない。」そして第四項におきましては、前三項に第一項の「職階制は法律でこれを決める」というこれも含んで、「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」こういうふうにはつきりと立法されておるという立場から言いますと、私は実際問題としていろいろな職階法運営上の困難な事情と、やはり仕事自体が非常に厖大であるという点や、或いは又複雑であるという点、並びにそれに要する人員が非常に厖大で、なかなかスムースに行かないというような実際上の問題についでは私共一応了解できますけれども一法的なこういうはつきりした根拠が職階制自体が国家公務員法第二十九條に基いて提案せられておるという立場で行きますと、私は第四項におけるところの「国会に提出して、その承認を得なければならない。」と明らかに明示されておるにも拘わらず、実際問題としてはそれに副いがたいということになると私は思うのでございます。こうなると職階法自体をどうするかという問題と関連して、現在提案せられておる職階法をそのまま国会が承認するということになれば、これは国家公務員法第二十九條を変更する必要があるという結論に到達せざるを得ないのでございますが、これに対しては人事官はどうお考えになりますか。
#16
○政府委員(山下興家君) 第二十九條の四項に、今指定されました四項でございますが、計画は、国会に提出して、これの承認を得なければならないということになつております。それは第五項によりますと、二十三年法律第四十六号、即ち新給與実施に関する法律の第九條と書いてございますが、これは今度第六條と変りましたが、九條の規定によるその十五級がどういうふうに働いて来るか、この律法によつて何といいますか、職階制ができ上り、その次に給與準則ができ上つて、そうしてこの二つが噛合つて来ますと、丁度アメリカの職階法と同じものができ上るのでありますが、そのものが今度実際に動く場合にどういう動き方をするかというのに対して、それに非常に似たものが、即ち新給與実施に関する法律なのであります。あれを見ますと、その噛合つた動き方の標本が出ておるということになる。尤もあの新給與実施に関するものは、その中の職階というところは職務分類がないような職階でありますから、これは本当の職階ではないのでありますけれども、それが即ちその法律の第九條がこれの本條に規定する計画であつて、即ち第四項に書いてあります計画であつて、且つその法律の要請するところに適合するものとみなして、その改正が人事院によつて勧告されるなり何なりというのは、次に出て来る給與準則などが出て来て改正せられるまではこれが有効であるということになつておるのでありますからして、第四項を第五項において説明をして活きておると思うのであります。
#17
○千葉信君 どうも只今の人事官の御答弁は、私の質問に対する回答としては聊か的を外れておるような感銘を私は受けざるを得ないのでございますが、たまたま人事官が第四項の問題から更に第五項の問題に発展されましたので、第五項についても私は私の考えを卒直に申上げるならば、第五項が国家公務員法に基いて職階制が立案、立法化され、更に給與準則というものが完全に立法化されて、そうしてこれが運営されるまでの一つの暫定的な方法として第二十九條の第五項は了解されなければならない。その場合に第五項に言われておるところの法律第四十六号の第九條の規定による職務分類というものは、これは本来ならば職階制として確立されたものができなければならないのに、まだ人事院としてはそこまで仕事が運んでおらない。そういうために第九條の根本の精神はそういう状態であるから、これはどうしてもそういう問題を待つている余裕がないために、現在受けている俸給をそのまま職員の職階制によるところの分類された職級明細書に分類されるべき職についているものだという考え方に立つて、暫定的にこの九條はそれに対してどういうふうに給與実施本部が格付けして俸級表を適用するか、こういう問題を第九條の方で言つているのでございまして、従つてそれに対して第十一條にもありまするように、絡付けの問題については、今申上げたその暫定的な分類に対してどういうふうに絡付けするかということについては、第九條、第十條並びに第十一條におきまして、給與実施本部がこれを行う、絡付けを行う、こういう形になつているわけでございまして、そういう点から言いますると、山下人事官の第四項の問題に関する御答弁は、私は本来の問題に対する回答にはならなくて、暫定的措置として講ぜられた第五項の問題を取上げて、第四項の答弁に援用されているに過ぎないというふうに私は考えざるを得ないのでございます。この点について山下人事官はどういうふうにお考えでございますか。
#18
○政府委員(山下興家君) この第四項は非常にむずかしい言い現わし方でありますけれども、「前三項に関する計画は」と、こう言つてありまして、第五項においてこの法律の四十六号のですね、第九條の規定による職務の分類は、これを本能その他の條項に規定せられた計画と、直ぐ受けついでおるのでありますから、第五項の計画ということと、第四項の計画とは同じものと解していいと思うのでございます。
#19
○千葉信君 第四項の計画が第五項の計画と同じものだということは、今、私が御質問申上げた中にもその意味ははつきりと具体的に出ていると思います。その意味というのは、今申上げたように、第五項というのは、第二七九條の第一項から第三項までの措置が朗らかに法的に取られるまでの一つの暫定的な方法として取られた新給與実施法に対する考え方が第五項であつて、どこまでも第四項を含んで、二十九條は暫定法としての立場を取つておらない、暫定法としての立場を取つてやるのは第五項だけで、その第五項も、第一項から第三項までの措置、更にそれをどうしなければならないかということを言い現わしたところの第一項から第四項までに対する措置が現在取られていないために、第五項が暫定的意味において立法化されたに過ぎない。従つてこの第五項というものは、第四項までの措置がとられた場合に、国家公務員法から削除せらるべきもの、こう私は考えているのですが、これに対しては如何ですか。
#20
○政府委員(山下興家君) 十分に御質問の趣旨が私分らないためであろうと思いますが、併し、この四項というものは御指摘になりましたような、この目的を達成するまでのその予めの計画という、ことが第四項で謳つてあるのでありまして、その計画が即ち第五項で、新給與実施に関する法律だ。こういうわけでありますから、新給與実施に関する法律はどこまでも計画であつて、給與に対する準則それ自身ではないわけであります。それで職階法でもなければ給與準則でもないわけであります。それで職階ができ給與準則ができればそうしたらこの法律第四十六号というものはこれを削除してもよいという経過規定だと私は思つております。
#21
○千葉信君 只今の山下人事官の御答弁では、第二十九條の第五項いうものは、職階制にも関連なければ給與準則にも関連ないのだというような御答弁でございますが、これは私は明らかに間違うているのじやないかと思います。先程から申上げておるように、この二十九條の第五項に盛られた新給與実施法というものは、どこまでもこれは職階法に代るべき臨時的な措置であり、給與準則に代る臨時的な措置である。こういう臨時的措置をとつたがために、第二十九條の第五項に職階法と給與準則との関連したこの二つに対する経過措置をここではつきり明文化しただけの問題である。こう私は考えておるわけですが、この点については山下人事官と私の間に、はつきりと意見の食違いがあるようですが、この問題を突きつめて御質問申上げましても、凡そ人事官の立場からこれは以上の御答弁を得られないと思いますので、更に私は、次の質問に入りたいと思いますが、人事院では御承知のように、二十四年の四月版に、職階制という冊子を発行されております。これはテキストとじて昭和二十四印四月から六月まで行われた第四回研修用として作成された未定稿である、こういうふうにおつしやつておられますが、これはどこまでも未定稿ということになつておりまするけれども、少くとも研修用としてこのテキストが使われておりまするし、更に又これが人事院が責任ある立場において、公務員諸君のいろいろな職階制に関する問題について、それぞれの担当官とお話合いや進められた模様でございますが、人事院としては今でもこのテキストとして使用された職階制という冊子を確認されますかどうか、この点を先ずお伺いをしたい。
#22
○政府委員(山下興家君) 実は私それを読んだことはあることはあるのですが、今覚えておりませんし、その職階制というものは、日本の職階制ということと必ずしも直接関係はない場合もあります。即ち職階という一般のものに対する教え方でありますから、達つておるかも知れません。それでその一つ一つについて責任を持つてその通りでございますということは、ちよつと困るわけでございますが、併し一々お話し下さればそれについて申上げます。
#23
○千葉信君 大体これは一般的な諸外国の例も含めて、一般的な職階制に対する考え方の基礎の上に立つたテキストということについては、私も一応了解いたします。併し、現在人事院中心に進められておる職階制に対するいろいろな具体的な措置としての職級明細書の基準になるいろいろな諸問題の決定が、或いは現在各官庁に設けられておる、いわゆる職階係員諸君が、担当官の諸君が職階制に対して持つておられる考え方の基準というものはやはりこのテキストというものが相当基本的なものになつておる、そうして又実際上このテキストを以て二十四年の四月から六月まで研修が行われた、こういう点から言いますと、私は只今山下人事官の答弁に拘わらずこのテキストは相当実際問題として重要な要素を含んでおるし、更に又実際の事務の従来のとり方や、今後の決定の上に大きな役割を果しておると思う。こういう点から言つて私はこのテキストについて二、三の質問を行いたいと思うのでございます。このテキストの中の第五章、「職階制の作成実施、」そうなつてあります。冊子の六十五ページでございますが、そこに「職級明細書の作成」という項がございまして、ここには、以上により一応の職級が出来上り、職級の名称が選定され、職級に対する一応の説明書が出来ると、職級明細書の作成が始められる。職階制を制定するに当つて、重要な仕事の一つとして、この職級明細書を作成することである。この職級明細書は、その職級の仕事が必要とし、要求する職務内容、責任、資格要件についてはつきり定義づけられたものである。即ち職級の基本的性格をあらわす記録で且つ職位を職級に格付けするに有効なる手引となるものである。これ故に明細書によつて、職級間の境界線がはつきりとされるのである。明細書のない場合にはこの区別がつかず職位の格付に混乱をきたすことになる。この明細書の体系は職階制にはかくべからざる要素である。」こういうふうに職階制におけるところの職級明細書の立場というものを記述されておりまするが、この点については如何でございますか。
#24
○政府委員(山下興家君) 今お読みになつた通りでございまして、職級明細書は非常に大切なのであります。と申しますのは、職位、官職を格付をするのが、普通四つなら四つと段階が決つておりまして、そこに種別がずつと書てある。一級は何、二級は何と書いてあるところを格付するのであれば、それは誠に結構なのでありますが、それ程大切なものを今度は普通我々がやります時分には、そうでなしに、仕事のむずかしさ、それから重要さ、そういうものによつてずつと職を並べて、そこを切つて行きまして、その切つた事柄についてこういうものをとるという説明でありますから、即ち普通の第一級、一第二級の基準とすると同じ性質がこの明細書にある。明細書それ自身が即ち職階の格付の基準でありますから、これ程大切なものはないと思います。
#25
○千葉信君 更に、その次の「職階制の採用」というところには、「日本政府の場合は国家公務員法により、人事院にて職階制は立案されるべきことが規定されている。また「職階制は法律でこれを決める」と規定してあり、採用に関して権限の附與されているのは、国会ある故に人事院にて第一節に述べた手続きにより、職階制を立案し、国会に提出する。国会では委員会、公聽会等にこれを検討し、会議にてその職級制の採用が決定されるのである。」こういうことになつておりまするし、この点こういう表現になげますると、職階制の中でも最も重要な職級明細書が国会の承認なしに、人事院だけの考え方や、権限で実施されていいということには全然ならないと思いますが。これに対しては如何でございますか。
#26
○政府委員(山下興家君) できれば実はそういうことにしたいと思うのであります。丁併し若しもそういうことになりますと、これは公務員に対して非常な不利な状態になるだろうということを虞れるのであります。何故そう申しますかというと、法律は御承知のようにきちつと決まつておる。その法律を動かすのに対してそのときどきに最も適するような情勢を形作るために公務員に対して人事院規則というものがあるわけでございます。それで例えばどこかで不平があつて、私の格付は工合が悪いというときに、そうするとそれを調べて見まして、そうして何かそれは悪いところがあれば直ぐそれを、変えなくちやならんへところがそれが法律で決まつておりまして、国会の承認を得るということになりますと、先刻申上げましたように、何百何千というものをまとめて国会の承認をお得なくちやならんということになるのであります。尤も非常に勇気のある人があつて、それは事後承諾でもよろしいからというので、仮にそれはどんどん変えていつたとしても若し国会の承認を得なかつたとなつたら大変な騒ぎでありますから、大体公務員の普通の仕事はそういう危險な仕事をいたしませんで方々で見て、成る程これは工合が惡い訂正なくちやならん、けれども今は国会で承認が得られないから、先ずまとめて一年に一遍とか二遍とかまとめて国会の承認を得るまでそのまま待つておれ、こういうことになるわけであります、実際仕事をする場合にはそうするとそこに仕事をしておる人が直ぐ変えて貰えば誠に結構なのに、それが一年に一回とか二回かあるときまで待たなくちやならんという非常に不利益な状態を公務員に持ち来たすことになりますから、これはそのときそのときに成る程と思つたら直ぐ変えられるような動的状態を一つここへ置く必要がある、基準を法律で決められる。それから今度それを実際に働かす場合の動的のものがなくちやならん。その動的のものが即ち人事院規則でありますから、そういう同じ法律であるけれども、そういつたものは動的の人事院規則にお任せ下さると、公務員に不利益がないように仕事ができます。そういうわけであります。
#27
○千葉信君 人事官は依然として、私が法的な根拠についての疑義についてお尋ねしておるのに、答弁にあたりまして実際の運用の問題を楯にとつて、実際の運営がむづかしいとか、それから又一々国会の承認によるということになれば、これは公務員諸君の不利になるというような問題を頻りに強調しておられますが、この問題ついては同懸念されておられることに対する回答がはつきりと第四節に出ておるのでございます。それを今読み上げて見ます。「第四節、職階制の実施管理、職階制が採用され、制定実施されると、それで総べて事が終つたと考えるのは早計である。実施管理の重要なる問題が残されている。即ち職階制は静的なものでなく、動的なものであり、職階を標準化し拘束してしまうものではない。職階制は公務員自体におけろ趨勢に応じて変化してゆくもので、次から次へと作り出される色々の種類の職務を規定してゆかねばならぬ。即ち絶えず現状にあてはまるように仕事の変化におくれぬように維持してゆかねばならぬ心勝れた職階制では絶えず現状にあてはまるように努力することが必要である。これが為に職位の職務内容及び責任に関する事実を絶えず確めて、職階制を照査することが必要である。これには定期的に調査する方法と」…もう一度言いますが、「これが為に職位の職務的内容及び責任に関する事実を絶えず確めて、職階制を照査することが必要である。これには定期的に調査する方法と、各職員、監督者から訴願を受けこれを調査審査する方法が行われる、これによつて格付の改訂が行われたり、新職位を作つたり新たに職級を規定したりする。」只今山下人事官が一年間とが半年間ということを言われましたけれども、たとえ幾らかかつても本当に立派な職階制を作るためには、絶えず研究し、絶えず努力が続けられなければならないと同時に、こういうふうにその方法においては定期的に調査する方法と或いはまた各職員、監督者から訴願を受けこれを調査、審査する方法があるというふうに言われておるのでございす。これに対しては人事官はどうお考えになりますか。
#28
○政府委員(山下興家君) 私の思つておるのも、今お読み上げになつたことをそつくりそのまま私は正しいと思つております。それは前にも申しましたように、千人近くの人がずつと調べて行きまして、仮に二年の間で完成しましても、それから後次から次へと調査をしては行くのですけれども、その時時の変化に即答するようにどんどん変化して行かなければならない、その変化するために人事院規則というものがあつて、人事院規則でどんどんどんどんその状態に合わして行くのであります。それですから、人事院規則といつたような動的の法に準ずるものがなければ、その動的の状態に適用さすように進むことは困難なんであります、それで前にも申しましたように、こういう職級明細書というような、これの五倍十倍ぐらいのものを国会に提出して御審議を願うというばかりでなく、これを実際働いている人に見せまして、そうして小言があれば、訴願上か何とか、むずかしいものでなくて、口で言つてもいいからどんどん言つて来て貰うと調査するのに非常に手掛りになる。ただ返答なしに順繰りに調査をしているのでは時間がかかりますから、どこへ調査の注意を集中していいかということに対して国会でいろいろな御意見があつたけれども、或いは又実際にする人には、これは俺の方は工合が悪いと言つて貰えば、そこを先に調査することができるのでありますから、これは調査をする能率の上から申しましても、そういう人の意見を聞くことが最も適切であろうと思つております。
#29
○千葉信君 山下人事官の御答弁を聞いておりますと、法律というものは固定的であつて、非常に実際上運用に当つていろいろな條件がむずかしくなつて来る、人事院規則によると、人事院規則というのは非常に流動的なものだから、その一々に適合し、或いは調査研究の結果に従つてどんどん人事院規則は改訂することができるのであります。人事院規則に任してもらつた方がいいのだ、こういうような結論に落ると思いますが、これらの立法の……御存知のようにこの国家公務員法にいたしましても、更に職階法にいたしまても、根本の考え方というのは、国会が一定の期限を以て閉会となつて、そうして空白の期間が相当長く続く、国会の実際の運営というものはもう絶えず起つて来る問題に対してはこれに対応できないかのような体制にあるというような考え方を実はとつておらない。国家公務員法にありましても或いは新しい憲法そのものにありましても、それから従来のいろいろな立法を見ましても、絶えず国会が開かれて、そうしてその国会の中で立法府としての職能は十分に果すという考え方に立つておるのでございます。そういう点から言いますと、山下人事官のお考えは、国会というものは非常に能率が悪い、そうして又国会というものは絶えず休んでばかりいて、絶えず閉会ばかりしていて、実際の起つて来るいろいろな問題に対して立法府そのものの、国民の輿論を代表して、物を決定する立法府そのものの実際の運営のあり方というものに対して非常に窮屈なお考えを持つておられるために、従つていろいろな案件について、例えばこの場合にありましては職階制の問題に関して、一々現実の状態に適合して立法化を図るために、或いは又改正するために、能率が悪くて、とても実際上国会によつてそういういろいろな問題を考えたり、検討したりするということは、むずかしい、従つてそういうふうな点から人事院規則に大幅な権限を譲つて貰つた方が実際上非常にやりいいというようなお考えになつておられるように考えます。私は山下人事官のお考えにつきましては、実は少々お間違いになつておられるのではないか、人事院規則というものは人事官が言われるようなそういう流動性を有するものだということと、それから法律そのものも実際の状態に適合して絶えず改変して行かなければならないという根本の考え方においては同一なものであろうと思います。人事官の御答弁は人事院規則によると、非常に人事院規則は流動性があつて、いろいろな情勢に適合して絶えず変更せられ易いから実際の場合に不便は生じない、併し一旦法律として立法化されると、もう固定的な状態においてこれが実際の場合に非常に不便が生じて来る、こういうふうな結論としての御答弁になつておると思いますが、この点については如何でございますか。
#30
○政府委員(山下興家君) 人事院規則は御承知のようにその根本が法律に準拠いたしまして、それを実際に使います場合に、そのときどきの情勢に合うように技術的な部分を任されておるのでありまして、決して法律から離れておるのではないわけでございます。それで私共はそのときどきの情勢に直ぐ対応できるように、そのためにはどうしても人事院規則というようなものがなければ工合が悪い、例えば今申しましたように、人事院規則を変えるというようなことを一々国会に持つて来て、そしてこれを御審議願うということは事実問題としてでき得ないことでありますから、その律法の規定に準拠して、それによつて行う人事院規則をそこに流用して行くということが誠に都合よく行き、そうしてすべてのそういうことを法律で決めて頂いておれば、実際の仕事に大変に都合よく行く、そうして又我々はできるだけ公務員のサービスをしたいと思つておりますけれども、小事があつた場合に、そう言つても又これは国会にかけなくちやならないからとか何とか言つて、そしてそれを抑える方に働く虞れが多分にありますから、これは人情上そういうことになりますから、それで道理があつて変えるものは技術的に正しいものとしてそれに従うような体制を整えて行く方が仕事をする上から行つて正しい、工合のいいことだと私は思つておるのであります。
#31
○委員長(中井光次君) 本日は、この程度で質疑を打切りまして、次回は又改ためて………、これで散会いたします。
   午後零時三十九分散会
 出席者は左の通り
   委員長     中井 光次君
   理事
           宇都宮 登君
   委員
           吉田 法晴君
           川村 松助君
           寺尾  博君
           千葉  信君
           岩男 仁藏君
  政府委員
   人  事  官 山下 興家君
   人事院事務官
   (法制局長)  岡部 史郎君
ソース: 国立国会図書館
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