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1949/04/27 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第20号
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1949/04/27 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 人事委員会 第20号

#1
第007回国会 人事委員会 第20号
昭和二十五年四月二十七日(木曜日)
   午後二時十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員木下源吾君辞任につき、その
補欠として河崎ナツ君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○国家公務員の職階制に関する法律案
 (内閣提出・衆議院送付)
○継続調査承認要求の件
○一般職の職員の給與に関する法律の
 制定施行に伴う関係法律の整理に関
 する法律案(内閣提出・衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) 只今より委員会を開会いたします。先ず内閣提出、衆議院送付国家公務員の職階制に関する法律案を議題に供します。
 大体昨日までで質疑も終つたように思いますが、終了したものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中井光次君) 御異議はないものと認めます。質疑は終了したものと認めまして、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#4
○小串清一君 私はこの政府原案に衆議院の修正を加えたこの案を、即ち衆議院送付の案に対しまして賛否の意を表するものであります。原案とこの修正とは僅かに一部の差でありますが、幾分かこの「人事院は、前項第三号に規定する職種を決定したときは、職種の名称及び定義を国分に提出しなければならない。」という修正は一歩前進したものと認めまして、これが実行に移されることを望むのであります。詳しい理由は申上げません。以上によつて賛否をいたします。
#5
○千葉信君 私は本案に対して反対いたします。その理由は国家公務員法は憲法第十四條において政治的立場や行為の自由、同じく第二十八條において勤労者の団結する権利は、いずれも事実上これを抹殺した、公務員にとつて最も、不利な基本的人権さえも剥奪した悪法でございます。然るに残された最低の保障さえもが蹂躙されるとしたら、又若し本法解釈に当つて、少くとも公務員に不利な解釈が行われたとしたら、すこぶる問題は重大と言わねばならないのでございます。例えば国家公務員法第二十八條人事院勧告のごとき立法の建前からは、公共企業体労働関係法第三十一條に匹敵する最終判決若しくは強要と同等に考えられなければ、何人が一体公務員の生活権を保障するのでございましようか。さきには政府によつて、事実上この二十八條が予算上の政治的自由によつて蹂躙せられたのでございます。今又ここに議題となりました職階制に関する法律におきましても、国家公務員法第二十九條が、殆んど公務員にとつて不利な状態で取扱われようとしているのでございます。即ち本法が制定され更に給與準則に制定されて、基本法としてできた職階に、給與準則が格付されることになるのでございますが、公務員法では、主としてその格付調査研究立案の権限が人事院に委任され、職階制給與表は立法又は国会の承認によることが明記されており、特に職階法に関する同国家公務員法二十九條に対しましては、「職階制は法律でこれを決める。人事院は職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない。職階制においては同一の給與の雇用條件を有する同一の職階に属する官職については、同一の資格要件を必要とするとともに、且つ、当該官職に就いている者に対しては、同一の中の俸給が支給されるように、官職の分類、整理がなされなければならない。前三項に関する計画は、国会に提出してその承認を得なければならない。」と明示されておりまして、第四項のごときは、明らかにその措置を肯定しておるにも拘らず、これを踏みにじつて何等具体的な内容のない職種の分類或いは職級の明細を伴わない基本的方針だけを連ねて、これを職階法なりとして提案して参つたのでございます。職階法が行政の民主的運営に寄與する第一のものは、給與が職級によつて科学的に分類整理された各職務に正しく、公平に適切に行われるという点にあるのでございましてこれが能率向上の元であり、併せて人事行政の円滑に寄與して、以て公務の遂行を期するという点にあるのでございます。然るに今の給與の基本となるべき職階制が、第二十九條を無視して、単に抽象的な職階制を作り、骨組みだけの案件を、職階制に関する法案として提案して参つたのでございまして、実際の制定に関するその他の権限は、挙げて人事院に委任するという形を取つておるのでございまして、過去におけるいろいろな経験からいいまして、例えば国家公務員の政治的行為に関する規定におきまして、大きな権限を人事院に委任して、而もその結論においては、不当に国家公務員の政治的行為が禁止されておる、こういう状態から考えて見ましても、我々は、かくのごとき大きな権限を人事院に委任するというこの法案の骨子に対して、私共は反対せざるを得ないのでございます。
 法案の第一條の第二項におきまして、「この法律の規定は、国家公務員法のいかなる條項をも廃止し、若しくは修正し、又はこれに代るものではない。」と規定しておるのでございますが、委員会の審議の過程においても、このまま本案を通過するとすれば、少くとも国家公務員法第二十九條第四項を削除しなければ、若しくは修正しなければならないという明確な結論が出ないということは、少くとも事実上同項を廃止したものであり、若しくは修正したものであると断言せざるを得ないのでございます。我々は現行法以上に、国家公務員法を公務員に不利益を與える如何なる修正にも反対するものでございまして、その理由は万人が認めるごとく、国家公務員法は、憲法に保証された最低の基本的権利さえも更に抑圧し、圧縮して作られた最悪の立法だという立場から、これ以上はもはや公務員奴隷化以外にはあり得ないという点からでございます。国家公務員法第二十九條第四項を本法は廃棄している、この事実から、先ず私ははつきりとここで反対せざるを得ないのでございます。
 更に、それ以外の第二、第三の理由につきましては、これを省略して本会議において証することにしたいと思うのでございます。
 以上を以つて反対の討論といたします。
#6
○委員長(中井光次君) 外に御発言はございませんか、外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(中井光次君) それでは討論は終了したものと認めます。採決に入ります。国家公務員の職階制に関する法律案について採決いたします。国家公務員の職階制に関する法律案、衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。
   〔挙手者多数〕
#8
○委員長(中井光次君) 挙手者多数でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により予め多数意見者の承認を得なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(中井光次君) 御異議はないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に対して多数意見者の署名をいたすことになつておりますから、本案を可とされた方は御署名を願います。
  多数意見者署名
    小串 清一  宇都宮 登
    川村 松助  松嶋 喜作
    寺尾  博
#10
○委員長(中井光次君) 御署名漏れはございませんか……ないと認めます。
#11
○委員長(中井光次君) 昨日御相談申上げました、継続調査の要求書を提出いたしたてと存じまするので、これをお諮りいたしたいと存じます。專門員より説明をいたさせます。
#12
○專門員(川島孝彦君) 本国会の初めに、議長の承認を得まして、調査事件といたしまして、国家公務員の給與問題に関する一般調査の件を承認を得まして、続けて参つたのでありますが、閉会後に引続きまして、その調査を継続することが適当であると考えますので、継続調査の要求をいたしたいと存じますが、その要求書を読上げますのでお聞取りをお願いいたします。
   継続調査要求書
 一、調査事件 国家公務員の給與問題に関する一般調査
 一、理由、本委員会においては昭和二十四年十二月十六日議長の承認を得て、本件調査を始め、国家公務員の給與改訂に関する人事院の勧告その他の案件について、種々調査研究を進めて来たが、公務員の給與に関する問題は尚十分堀り下げて検討を加える必要があり、且つ、時期を遷延するを許さない緊急の状態にあると認められるので、引続き調査を継続して適切なる成果を挙げたい。
 右本委員会の決議を経て、参議院規則第五十三條により要求する。
  昭和二十五年四月二十七日
     人事委員長 中井 光次
 参議院議長 佐藤尚武殿
#13
○委員長(中井光次君) 以上の要求書を提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(中井光次君) 御異議ないようでありますから左様に決します。
  ―――――――――――――
#15
○委員長(中井光次君) 次に一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、これを議題に供します。
 先般政府の説明は聴取いたしたのでありまするが、これは極めて簡単なものでありますが、別に御質疑はございませんか……それでは直ちに採決に入りたいと存じますが、ちよつと休憩いたします。
   午後二時三十五分休憩
        ―――――
阡―――――
   午後三時五分開会
#16
○委員長(中井光次君) 休憩前に引続いて委員会を開きます。先程議題になりました一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきましては、別に御質疑もないようでございますから、本案について討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(中井光次君) それではこれより採決に入ります。一般職の職員の給與に関する法律の制定施行に伴う関係法律の整理に関する法律案は、衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。
   〔総員挙手〕
#18
○委員長(中井光次君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により予め多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(中井光次君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に付して多数意見者の署名をいたすことになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名願います。
  多数意見者署名
    小串 清一  宇都宮 登
    川村 松助  松嶋 喜作
    寺尾  博  河崎 ナツ
    千葉  信  岩男 仁藏
#20
○委員長(中井光次君) 御署名漏れはございませんか……ないと認めます。本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   理事
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           河崎 ナツ君
           川村 松助君
           松嶋 喜作君
           寺尾  博君
           千葉  信君
           岩男 仁藏君
  政府委員
   人事院総裁   淺井  清君
   人  事  官 山下 興家君
   人事院事務総長 佐藤 朝生君
   人事院事務官
   (給與局長)  瀧本 忠男君
   人事院事務官
   (法制局長)  岡部 史郎君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       川島 孝彦君
ソース: 国立国会図書館
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