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1980/04/20 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第10号
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1980/04/20 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第10号

#1
第094回国会 決算委員会 第10号
昭和五十六年四月二十日(月曜日)
    午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 森下 元晴君
   理事 越智 通雄君 理事 東家 嘉幸君
   理事 原田昇左右君 理事 井上 一成君
   理事 新村 勝雄君 理事 春田 重昭君
   理事 中野 寛成君
      臼井日出男君    加藤 紘一君
      桜井  新君    笹山 登生君
      白浜 仁吉君    竹下  登君
      近岡理一郎君    保利 耕輔君
      高田 富之君    和田 一仁君
      辻  第一君    楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 伊東 正義君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        厚 生 大 臣 園田  直君
        通商産業大臣  田中 六助君
        運 輸 大 臣 塩川正十郎君
        建 設 大 臣 斉藤滋与史君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      宮澤 喜一君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 大村 襄治君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 鯨岡 兵輔君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      味村  治君
        防衛政務次官  山崎  拓君
        防衛庁参事官  岡崎 久彦君
        防衛庁参事官  石崎  昭君
        防衛庁長官官房
        長       夏目 晴雄君
        防衛庁防衛局長 塩田  章君
        防衛庁経理局長 吉野  實君
        防衛庁装備局長 和田  裕君
        防衛施設庁総務
        部長      森山  武君
        防衛施設庁施設
        部長      伊藤 参午君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
        環境庁企画調整
        局長      藤森 昭一君
        法務省刑事局長 前田  宏君
        外務政務次官  愛知 和男君
        外務大臣官房長 柳谷 謙介君
        外務大臣官房外
        務参事官    渡辺 幸治君
        外務省北米局長 淺尾新一郎君
        外務省経済局次
        長       羽澄 光彦君
        外務省条約局長 伊達 宗起君
        大蔵大臣官房審
        議官      梅澤 節男君
        大蔵大臣官房審
        議官      吉田 正輝君
        大蔵省主計局次
        長       吉野 良彦君
        文部省大学局長 宮地 貫一君
        文部省管理局長 吉田 壽雄君
        厚生大臣官房審
        議官      吉原 健二君
        厚生省医務局次
        長       山本 純男君
        厚生省薬務局長 山崎  圭君
        厚生省保険局長 大和田 潔君
        水産庁次長   山内 静夫君
        通商産業省通商
        政策局次長   真野  温君
        通商産業省機械
        情報産業局次長 小長 啓一君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       高橋  宏君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 石井 賢吾君
        運輸大臣官房長 角田 達郎君
        運輸省港湾局長 吉村 眞事君
        運輸省鉄道監督
        局長      杉浦 喬也君
        運輸省航空局長 松井 和治君
        海上保安庁次長 大塚 正名君
        高等海難審判庁
        長官      松本金十郎君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 宮繁  護君
        建設省道路局長 渡辺 修自君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    松田 慶文君
        大蔵省主計局司
        計課長     岡崎  豊君
        会計検査院事務
        総局第一局長  佐藤 雅信君
        会計検査院事務
        総局第三局長  肥後 昭一君
        会計検査院事務
        総局第五局長  丹下  巧君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     大島 哲男君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     今野  博君
        決算委員会調査
        室長      黒田 能行君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  天野 光晴君     保利 耕輔君
  石田 博英君     笹山 登生君
  植竹 繁雄君     加藤 紘一君
  近藤 元次君     臼井日出男君
同日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     近藤 元次君
  加藤 紘一君     植竹 繁雄君
  笹山 登生君     石田 博英君
  保利 耕輔君     天野 光晴君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十三年度政府関係機関決算書
 昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
     ――――◇―――――
#2
○森下委員長代理 これより会議を開きます。
 昭和五十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として、日本道路公団理事大島哲男君、日本住宅公団理事今野博君、以上の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○森下委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○森下委員長代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
#5
○井上(一)委員 私は、まず冒頭に、敦賀原発の事故にかかわる問題について質問をいたします。
 政府は、先般の敦賀原発の事故の原因あるいは現在までの調査の経過等も踏まえて、まずは報告を願いたいと思います。
#6
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 日本原子力発電株式会社の敦賀発電所につきましては、さきに給水加熱器の漏洩事故がございまして、当庁にその旨の報告がございませんという事態が発生いたしましたが、当庁におきましては、直ちに敦賀の発電所をとめまして、その状況の立入検査並びに事情聴取を行いますとともに、同社に対しまして総点検を指示いたしまして、現在、対策を検討中のところでございました。そのようなやさき、今回浦底湾におきまして、ホンダワラという海草の一種から、通常の、ここ二、三カ月のレベルに比べますとかなり高い放射能が検出されたということがございまして、いろいろと調査しましたところ、一般排水口から放射性廃棄物が検出されたという事態がわかりました。現在、浦底湾の汚染状況につきましては県、科学技術庁等の調査が進められておりますが、直ちに人体に危険といったようなことはございませんけれども、一般排水口という通常放射性物質が検出されない排水口、水路におきまして発見されたことを私どもきわめて重視いたしておりまして、設備、管理体制等につきまして鋭意調査を進めておるところでございます。現在まで一この一般排水口を順次さかのぼって測定、点検いたしましたところ、放射性廃棄物をいろいろと処理いたします放射性廃棄物の建屋がございますけれども、そこにあります一般排水路のマンホールの中に非常に高濃度のコバルト60、マンガン54等が発見されまして、恐らくここがこの漏洩のポイントではなかろうかという感触を含めて調査いたしておるところでございます。
 と同時に、構造上の問題等も現在いろいろと検討いたしておりますが、事情聴取しましたところ、実はこの三月八日ごろ、この廃棄物処理建屋の中で、廃棄物、廃液を貯蔵しますタンクがオーバーフローいたしまして、かなりの廃液が床面にこぼれておるという事実が原電側からの事情聴取によりましてわかりました。現在、その件が今回の漏洩に関係があるのではないかという観点から鋭意調査を進めておるところでございます。
#7
○井上(一)委員 この敦賀原発は、ことしに入ってもトラブルを起こして、そして十分な連絡体制もとらない、いわば非常に甘い管理体制であったということ、ついては通産当局も、この原発に対する取り組みが非常に安易であったのではないだろうか、そういう点についての政府の責任というのでしょうか、対応のまずさというのでしょうか、それについてはどのように受けとめ反省をしているのでしょうか。
#8
○高橋(宏)政府委員 私ども、原子力開発を進める際に、安全の確保が第一であるという姿勢で常々やっておるところでございます。安全審査、検査、そして運転が始まりました後の運転管理、監督といった点でございますけれども、特にスリーマイルアイランド事故以降、運転開始後の運転管理体制の強化ということに意を用いまして、現在、現地の発電所に常駐の監督官を派遣するといったようなことをやりまして、精いっぱいやっておるつもりでございます。何と申しましても、原子力発電所の施設と申しますのは非常に膨大でございます。日常の業務も大から小まで非常にたくさんございまして、こういうものをカバーする発電所側の体制といたしまして、保安規定、そして主任技術者制度といったようなものを法律上も決めまして、いわゆる自主保安管理体制の充実も図っておるところでございます。本件は、御指摘のように、設備上、技術上の問題のほかに、原電自身のこういった安全管理体制につきましてずさんな点があったのではないか、そういう観点から私どもも事情聴取をいたしますとともに総点検を行わしめ、詳細な結論が出た段階で適切かつ厳正に措置していきたいというぐあいにいま考えておるところでございます。
#9
○井上(一)委員 まず安全管理体制に甘さがあったということを指摘しておきます。それは十分反省をしなければいけないし、そのことが今回の問題を引き起こしたわけですが、今度のこの問題で、予想以上に汚染範囲が広いのではないか、そういうことが調査の中で裏づけされるわけです。このことは人体にどのように影響していくのか、あるいは地域での漁業を初めとする人たちの生活にどういう悪い影響を与えるのか、そのことに対する取り組みをどうしていくのか、政府はそのような総合的な関連した対策というものを打ち立てるべき体制をつくったのかどうか、この点等についても聞いておきます。
#10
○赤羽政府委員 科学技術庁の原子力安全局の立場でお答え申し上げます。
 私ども二つの立場を持っておりまして、一つは、安全局といたしまして環境の放射能を調査し、その影響を評価するという立場がございますし、もう一つは、原子力安全委員会の事務局としての立場をお預かりしておるわけでございます。
 まず、環境の放射能についてでございますけれども、浦底湾は非常に狭い湾、おおよそで申しますと幅が数百メートル、奥行きが一キロメートル前後の狭い湾でございます。ここに排出されていたということでございます。この環境の放射能につきましては県の衛生研究所が日ごろ調査に当たっておりまして、われわれの方と密接な連絡のもとに調査を行っておるわけでございますが、今回はとりあえず急いで湾内の調査を行ったわけでございます。
 その結果、現在までに出ております状況を申し上げますと、まず魚類これはハマチとマダイがそこの水産試験場で養殖されておりますので、これは湾のちょうど真ん中あたりでございますが、そのハマチ、マダイは汚染水があるとすればずっとそこへつかっておった魚でございます。それからボラ、これはつったものでございますが、これの測定を行いました。とりあえずの調査では放射性物質は検出されておりません。それから、こういう放射能調査の指標にいたすものとしましてムラサキイガイ、海草でございますがホンダワラ、この両方をとりまして測定いたしました。これにはある程度のコバルト60、マンガン54が測定されました。ただし、この最もそれほど大きいものではございませんで、食べるものではございませんが仮に食べたといたしましても、いわゆる許容被曝線量の約一万分の一程度の評価であるということでございます。
 それから海底土につきましては、排出口付近はある程度高い数字がございますが、排出口を離れるとともに測定値がだんだん下がっておりまして、先の方では、湾の出口近くになりますとほかの地域と同じような数字になります。ということは、湾の中ごろまでで一応汚染がとまっているのではないかということが考えられます。
 ただ、以上はとりあえず行った調査でございますので、さらに精密な調査を現在続行し、最終的な評価をしたいと考えておるわけでございます。
 それから、この小さい湾から外へ出たかどうかということの最終的な判定はその外でとれた魚の汚染状況によるものでございまして、昨日は漁業が休みだったわけでございますが、けさ魚市場に魚が入ります。これを県と私どもの担当官とが協力いたしまして、すでに市場からサンプルをとり終わりましてこれを早速調査いたしまして、食べる魚についての判定を早急に行いたいと考えております。
 なお、もう一つの原子力安全委員会でございますが、これは行政庁の行いました調査の結果を総合的に判断し、かつ必要に応じて今後の対策を打ち出していくわけでございますが、現在、通産省におきまして原因調査中でございますので、その調査状況を聴取し、あるいは科学技術庁におきます環境調査状況を聴取し、順次見解あるいは方針を出していく予定と思われます。
 以上でございます。
#11
○井上(一)委員 通産大臣、私はまず管理体制の甘さを指摘しました。続いて私は、そこで生活をしている方々に対する十分な対応をいま申し上げました。さて、原因を追求していく中でほぼ確実であろうという一定のめどが、建屋内にマンホールがあったのだ、そういうことであります。四十六年当時の取り組みから五十四年一月に法改正をして、いわゆる基本設計においては通産の安全審査課あるいは施行検査関係においては原発の管理課がそれぞれその窓口に当たっているわけです。通産としては省一省なんですが、今回も十分なそういう連携がなされておらなかったのではないかとも私は思うわけです。そういう意味から、今度の調査については画課が一緒になってやっているのか、もちろん通産省が全体的に仕切っていかなければいけないのですけれども、通産の取り組みと大臣としての所信をここで伺っておきます。
#12
○田中(六)国務大臣 今日の敦賀発電所のこういう不測の事態はまさしく監督官庁といたしましての責任はあると思います。ただ、計画に基づく規定の基準というものがございまして、そういうものの報告を受けて管理監督をするわけでございますので、別に私どもが責任がないということを言っているわけではなくて、十分な報告がなされていなかったということに遺憾の意を感じます。
 しかし、こういうことは原子力発電所の安全性それから将来の原子力発電所に対する――わが国経済、民生、エネルギー状態などあらゆる点から申しまして、各国と同様に原子力発電所の設置というのは焦眉の急でございます。したがって、こういうことのないように十分な監督をより以上に進めていくと同時に、私どもももう少しきめの細かい対処をしていかなければならないし、こういう点について今回の事故の究明をより一層徹底的にやっていって責任の一端を果たさなければならないというふうに考えます。
#13
○井上(一)委員 大臣、私どもはこの原発の安全性を常に指摘してきたわけなんです。そのたびに政府は、安全だ、任じておいてくれ、こういうようなことで取り組んできたわけなんです。基本的な根本的な問題にも触れなければいけないわけですけれども、私は、今回起こったこの問題をどう解決し、国民に納得してもらえるための政治の取り組みというものがどういうふうになされるべきなのかということをまず聞いておきたい、こう思うわけなのです。私は、報告がおくれたとか、あるいはずさんな管理、保安の甘さ、そういうことも指摘をしましたけれども、むしろ、大臣みずからがこの問題の事実解明に立ち上がるという姿勢が必要だと思うのですよ。そういう意味では、現地に乗り込んででもその実態を大臣のみずからの目で確かめ、みずからの足でそれを確認するのだというような姿勢を持ってほしいのですが、大臣、いかがでございましょうか。
#14
○田中(六)国務大臣 今回のアクシデントを再び繰り返すようなことがあってはならないと思います。非常に不注意な、不用心な、あらゆる言葉を使用してもいいようなケースでございます。しかも私どもまだ、いま稼働中のものが二十三基、それから建設準備中あるいは建設しなければならないものを含めますと三十五基を考えておるわけでございまして、他のところにこれと同様なことがあっては将来の展望もないわけでございます。したがって、私もその点を十分配慮して、いま井上議員がおっしゃいますように、時間が許すなれば現地に行く考えはもちろん持っております。
#15
○井上(一)委員 時間が許すならばという前提じゃなく、ぜひこれは大臣が現地に行ってこの問題を深刻に受けとめるという態度を示すべきじゃないか、こういうことなんです。大臣、いかがですか。
#16
○田中(六)国務大臣 それはここでお約束をするということができ得るならば幸いでございますけれども、自動車の問題などが当面ありまして、いま帰国報告も受けなければなりませんし、向こうからも来ておりますので、いま一々日にちをどうと言うことはできませんけれども、できるだけそういうことを実現したいという気持ちでございます。
#17
○井上(一)委員 私は改めて決算の理事会で、決算委員会としても今週中にはどうしても現地へ調査に入りたいということを午後諮ってもらおうと思うのです。大臣、御一緒に行きませんか、自動車も大変でしょうけれども、そういうことはどうですか。
#18
○田中(六)国務大臣 衆議院の決算委員会がいつ行くということはまだ決まってないでしょう。国会中でございますので、十分あなたも環境も国会の中もわかっていらっしゃるし、あるいは私どもの当面している問題もおわかりでただしているわけでございますから、私もできるだけそういう日程の都合を合わせてみたいとは考えております。
#19
○井上(一)委員 相次ぐトラブル、さらには今回のこの事故、まさに国民が原発に対するいままでの前宣伝にだまされておった、あるいは政府の安全安全だと言うことが全くそうでなかったということ、さらには心配と不安感というものを大きく国民に与えた、こういうことについて、だれがどう政治的に責任を感じ、どのような対応をとっていくのか、だれが政治責任をとるのか、この点もやはりはっきりしておかなければいけないと思うのです。私は、とりあえずその主管庁の大臣でいらっしゃる通産大臣の政治的責任、まさにここを私は尋ねておきたい、こう思います。
#20
○田中(六)国務大臣 まあ責任は十分感じております。それならどういうふうに対処するかということでございましょうが、なかなかむずかしいところで、ここでどういう表現をしていいかわかりませんけれども、まあ一番最高の長にあるわけでございますので、いろいろと考えてはみたいと思っております。
#21
○井上(一)委員 いろいろ考えてみたい。まあさっきも言われたように、いま運転をしている原発、さらには予定も含めて計画推進をしているそういういろいろ原発に対する見直しを、これ以上ふやしていいのかあるいはいままでの安全対策だけでいいのか、まずは検討しなければならぬだろう、こう思うのですよ。さらには、現在の稼働しているすべての原発に対して調査を求めるとか、あるいはその点検を命じるとか、何らかの行政的な取り組みというものがなされてこそ政治的な責任を一部でも果たしていく、こういうことになるのです。大臣どうですか。
#22
○田中(六)国務大臣 最初の答弁のときに私はそういう意図を含めておったと思いますけれども、こういうことが二度とあってはいけない。それから、まだ私が不安に思うのは、発見されなくてまだある部分が、この発電所じゃないのですよ、ほかの原子力発電所にあるのじゃないかということがもう二日前から頭にあるわけでございます。したがって、井上委員のおっしゃるように、本当は稼働中のものの点検を、今度は敦賀もこの事故があろうがあるまいが点検を行う時期になっておったわけでございますけれども、そういう点検を全部もう一度やり直すということは、私は通達並びに監督官なども派遣して、それはもう当面やらなければならないというように思っております。
#23
○井上(一)委員 すべての原発に対して再点検をし通達を出して十分な対応をする、こういうことでございますね。
#24
○田中(六)国務大臣 そのとおりをやろうというふうに思います。
#25
○井上(一)委員 調査の報告結果等も国会に報告をしていただくことを私はここでお願いをしておきます。よろしゅうございますね。
#26
○田中(六)国務大臣 必ず調査をして、その結果をできるだけ早く国会の方に報告いたしたいと思います。
#27
○井上(一)委員 官房長官お見えですか。ちょっと官房長官に尋ねておきたいのですけれども、いま通産大臣から、すべての原発に対する再点検、調査を命じる、それを国会に報告する。官房長官は今回の敦賀原発のトラブルについてどう受けとめ、どのように政府としては対応しようという取り組みのそういう協議が持たれたのかどうか、その点について聞いておきましょう。
#28
○宮澤国務大臣 先ほど通産大臣が答弁されましたとおり、通産大臣を中心にいたしまして十分に後のことを考えてまいらなければならないと思っております。
#29
○井上(一)委員 昨日行われました窪川町のいわゆる原発にかかわるリコールの問題、さらには町長選挙の問題、結果的には前の町長が勝ったわけですけれども、この投票結果を踏まえて官房長官はどういう受けとめ方をなさっておるでしょうか。
#30
○宮澤国務大臣 具体的に町内の情勢、有権者がどういう気持ちで投票したかというようなことを存しませんので、軽々に批判はできないと思います。ただ、それが原子力発電との関連においてという種類のお尋ねでございましたら、これはわが国にとりまして原子力発電は何としても大切なものでございますから、安全措置を十分にやって国民の理解を得ながら施策を進めてまいらなければならない、私はそう考えております。
#31
○井上(一)委員 原発に対しては住民はノーというその答えを出してリコールが成立したのです。あくまでもその点は十分な認識を持っていらっしゃるでしょうね。さらには、町長選においては、いわゆる一般的な町政それ自身は引き続いて前の町長に信託をする、こういう結果だと私は思うのです。原発それ自身の意思表示が返ったのだというふうには受けとめないのですけれども、官房長官もそういう受けとめ方をしていただいているでしょうねということを私は聞きたかったのですが、念のために、いかがですか。私のそういう受けとめ方だと官房長官も受けとめていらっしゃるというふうに理解してよろしいでしょうね。
#32
○宮澤国務大臣 詳しい町内の事情がわかりませんので、どういうふうに考えるかについては申し上げることを差し控えるべきだと思います。
#33
○井上(一)委員 まあ賢い答弁というのでしょうか。通産大臣、大臣の認識を聞きましょう。官房長官は詳しい事情はわからぬということで、みずからの意思は明確にされないのですけれども、窪川町の原発推進についてはリコールでいわゆるノーという住民の意思が前回あらわされたわけですね。今回の選挙では町長は前の町長が当選をした、これは私は原発のノーがイエスに変わったのではなく、町政全般は引き続いて前の町長に信任を与えたけれども、原発に対するリコールという一つの意思表示は変わりはない、こういう認識に立っているのですけれども、通産大臣もそういう認識に立っていらっしゃるだろうと私は思いますが、この点も大臣から聞いておきます。
#34
○田中(六)国務大臣 窪川町の町長選のことでございますし、官房長官のおっしゃるように的確な情報を持っておりません。ただ、私が思いますのに、リコールが成立して、リコールを食らった町長が当選した。リコールとの関連がどうなっておるのか、あるいは自由民主党系統の人たちが乱立をやめて候補者を一本にしぼった。つまり、リコールというものが行われないだろうと思っておったのが行われた、したがって、それに対する分析をやって、その結果違った方向が投票者の動きの中にあったかもわからぬということは一つ考えられます。それが、即リコール、原子力発電所設置に反対が消えたということにはまさしくならないと私は思います。したがって、そういう点につきましても当選した窪川町の町長も反省もしなければならないでしょうし、私どももこの点も十分考えて、もしも私どもの行政指導ができるというならば、その点を踏まえてやらなければならないというふうには考えます。
#35
○井上(一)委員 原発の問題については、さらにまたその調査報告を受けた中で、あるいは当委員会としての取り組みを後刻相談をする。委員長に、特に現地調査に当委員会が取り組むことを私は社会党として強く要望しておきます。
 続いて、先日タイ、カンボジア国境で難民救済事業にボランティアとして参加していた西崎憲司さんがいわゆる不慮の事故に遭ったという痛ましい事件が発生したわけです。このことは大変な大きな問題だ。よその国の人々を助けるために何の報酬も求めずに国際的なボランティア活動に取り組む人々に対する政府の対応というものが十分でないということ。さらには、ボランティアたちの安全にどんな配慮が、あるいは対策が講じられていたのか。続いて、そのような人たちの活動中の病気、けがあるいは今度のような事件に補償の道があるのかないのか。あるいは今回のこの事件に対しては政府はどう取り組もうとしているのか。この点について聞いておきます。
#36
○伊東国務大臣 いま御質問の西崎君のボランティア活動中に不幸に遭われたということに対しましては、私は本当に深甚の哀悼の意を表する次第でございます。
 亡くなりました後の現地では極力便宜を図るように大使館を通じていまやっておりますし、タイ政府に対しましても、犯人の逮捕あるいは今後のボランティア活動の人々に対するなお一層の警戒というようなことを大使館を通じて申し入れをしているところでございます。
 なお、西崎君の今後の取り扱い、善後処置の問題につきましては、政府の方でどういうことができるのかできないのか。できないという場合には、政府がお世話をしてまたどういうことがやれるかということをいま検討中でございまして、ボランティア活動の人々がいろんな活動の安全性あるいはそういった事故の起きた場合の対策等について安心して活躍ができるように、政府としまして一層の努力をすべきだというふうに私も痛感をしている次第でございます。
 私も現地へ行ったのでございますが、ああいう西崎君のような事故が起きますとは予想もしていなかったのでございますが、今後ともこれを契機に十分な対策をタイ政府その他ボランティア活動をしておられるところの政府に依頼するということをやらなければならぬというふうに感じております。
#37
○井上(一)委員 ボランティア活動を支えるため、さらには西崎さんの死を無にしない、そういう観点から、私は十分な政府の対応というものを求めるわけなんです。
 一つの提案として、犯罪被害者等給付金支給法というものが昨年五月に国会を全会一致で通過したわけであります。このことは私自身みずからの政治理念として、ずっと犯罪被害者の救済目的というものを明確にした立法化が必要であるという認識に立っていたわけです。
 この法律の適用は、国内は当然でありますけれども、国外においても適用の範囲はいわゆるシージャックだとかハイジャック等に限ったような一つの枠があるわけなんです。新宿のバス事件等もありましたけれども、施行前にでもそれを適用していくというような事例が、弾力的な運用があったわけです。西崎さんに対してもこの犯罪被害者等給付金支給法を適用する、弾力的な運用を図っていくのが、西崎さんに対する、国外で一生懸命ボランティア活動を続けてくれる人たちへの一つの政治の誠意ではないだろうか、こういうふうに思うのですが、大臣いかがでしょうか。
#38
○伊東国務大臣 いま御質問ありましたように、いまの法律は国内と、国外でも日本船舶と日本航空機内と限定をしていることは先生おっしゃったとおりでございますが、私もこの法律で何とかできないかということで中で相談したのです。協議したのですが、いまこういう限定がございますので、この法律の適用がないことは確かでございますが、将来そういう問題をどうしていくか、どこまで広めるか、範囲の問題もなかなかむずかしい問題がございますが、この法律でできるか、あるいは法律でなくても何かこれと同じような方法でできないかというようなことは、これからの問題として私も検討してみたい、そのように考えております。
#39
○井上(一)委員 この法を適用するか、あるいはこれにかわるべき対応をするか、そのための取り組みをする、こういうことですね。
#40
○伊東国務大臣 この法律は国会を通ったばかりの法律でございますので、この法律の中に将来改正としてそういう考えを入れてもらう、その場合は範囲が非常にむずかしいと思うのですが、そういうのも一つの方法でございます。それが無理ということであれば、何かそれにかわるものでボランティア活動をする人が安心してできるように適当な方法がないかということは、これは検討してみたい、こういうふうに思っております。
#41
○井上(一)委員 ぜひボランティア活動を続ける人たちへの政治的な十分な配慮を私は希望し、強い要望をいたしておきます。
 さらには、私もこの委員会で取り上げてまいりましたアメリカの原子力潜水艦がわが国の日昇丸を当て逃げしてとんずらをしていく、そういう非人道的な、いわゆる正しい外交の姿勢でない、信頼する日米関係を損なう、そういう事態が発生したわけであります。このことについて二、三お尋ねしておきます。
 その後、この取り組みに対してアメリカから何らかの公式的な報告があったのかどうか。さらには、レーガン大統領から鈴木総理あてに親書が参ったわけですね。その中では、いわゆる日米首脳会談開催までに本件決着が図られることを日本政府自身が考えているのかどうか。レーガンの親書が来たという新しい段階で政府の考えはどうなのか、こういうことなんです。
#42
○伊東国務大臣 おとといマンスフィールド大使がレーガン大統領から鈴木総理あての親書を持ってこられたわけでございます。その中に、大統領は遺憾の意を表し、また、この事件の解決について自分が個人的にも注意を払っている、大統領自身が注意を払っている、そして鈴木総理のワシントン訪問の前までに必要なことを満たす十分な進展を見られることを自分としては期待しているという親書が来たわけでございます。その際に、従来から私はロング司令官を初め、なぜ事故が起こったのか、あるいはなぜ通報がおくれたか、人命救助、海難の救助ということについてどういう努力をされたかということを国民が早く知りたいので知らしてもらいたいということを再三要望したのでございますが、アメリカ側は、場合によってはこれは責任問題が出る、それで審判か裁判ということになるときに、それにあらかじめ予断を与えるようなことを発表するということは法律上できないので、調査は早くして、そういうことを含めて調査するから待ってもらいたいということを向こうは返事をしたわけでございますので、レーガン大統領から親書が来ましたが、その点をただしたのでございますが、やはりその点は、法律上中間報告というのはむずかしいのだ、しかし首脳が会談をされる前には十分な解決の方法ができるように努力しているし、補償の問題自身はこれと別途に話し合いを始めるということで、誠意を持ってやる、調査の結果、真実は必ず出るはずだ、それを何もうやむやにするとか隠すことなくそのまま日本側に伝えるということでございますので、私はその誠意を信じて、首脳会談前までに通報が必ずあるということを期待して、いま調査の結果を待っているということでございます。
#43
○井上(一)委員 首脳会談までにこの決着は必ずつけられ得ると期待している、こういうことでございますね。決着ということは、まさに今回の事件の事実関係、どうしてああいう事件が起こったのか。これについては恐らく軍事機密であるということで逃げ切られてしまう可能性もあるわけです。あるいはなぜ日本政府に通報しなかったのか。おくれたわけですが、日米安保、そういうことも指摘していかなければいけませんけれども、その以前の問題として、なぜ日本政府へ報告がおくれたか、さらには人命救助をなぜしなかったのか、こういう点がはっきり解明されない限り、真の政治決着だと私は思いません。問題の解決にはならないわけであります。しかし、いま外務大臣から、レーガン親書の持つ意味、さらにはそれが首脳会談前に決着をつけたい、決着がつく、そういう意思の答弁があったわけです。
 この問題は、解決のいかん、いわゆる処理いかんによっては日米関係に悪影響を与える、私はこういうふうに思うのです。そういう考えの中から、今回のレーガンの親書というものは、悪影響を及ぼさないようにという配慮の中でなされた一つの手段である、こういうふうに理解をしていいのかどうか。さらには、そういうことであれば、外務大臣はアメリカ側に対して本事件の中間報告を求めていたわけでありますけれども、悪影響を及ぼすという配慮の中からのレーガン親書であるならば、そういう受けとめ方をするならば、さらに外務大臣は中間報告をアメリカに対して改めて要請をしていくという考えに立たなければいけないと思うのですが、そういうお考えも持っていらっしゃるのか、このことについても聞いておきます。
#44
○伊東国務大臣 この問題が起きましたときに、いま先生のおっしゃったように、なぜ起きたか、なぜ通報がおくれたか、人命救助にどういう努力をしたかということを早く解明することが日米関係の友好関係、信頼関係をつなぐゆえんだということで、なるべく早くということをアメリカ側に要請をし、おくれるのであれば中間報告をということを私は言ったことは確かであります。それに対しまして向こうは、ワインバーガーでございますとかに大使が会う、私がマンスフィールドさんに会うとか、あるいは私も会いましたが総理がロング司令官に会うとか、いろいろな段階で向こうに要請をしたわけでございますが、アメリカ側の答えは、この調査の結果によっては責任問題というようなことまでに発展する可能性がある、そうすればそれは法的に手続をとってやらなければならぬことであるので、法的な手続をする際に予断を与えるようなことを発表することはまずいので、調査は法律に従って完全に行いたい、その上でいまのようなことは日本側にも、真実は必ず伝える、隠蔽することはないということの話が再三あった上に、レーガン大統領から親書が来た。首脳会談前に十分に両方の希望を満たすようなことをやれることを期待しているということの大統領からの親書でございますので、私は、日米関係の信頼というものは、大統領からの親書をそのままアメリカに実行してもらうということが信頼関係をつなぐゆえんだというふうに考えまして、大使との話で、大統領からの親書もあり、アメリカ側の再三の日本に対する説明もございますので、それを信じて向こうから回答が来るのを待っているということでございまして、本件によって日米関係の信頼、友好ということに傷がつかぬように十分配慮をしながらこの問題の解決を図ってまいるという決意でございます。
#45
○井上(一)委員 私は、先ほどから申し上げるように、この問題の解決、処理は、アメリカ側から示してくるいわゆる事実調査の内容だと思っている。
 一つには、その原潜のとった行動、一つには、日米安保の中における日本の現状、アメリカの核戦略のもとに置かれている日本の現状が明らかにされていく、さらには人命救助等の問題の放棄した理由、そういう立場に立ってこそ本件の決着というものが図られるのだという考え方、やはり政府はこの考え方に立ってこの問題処理に当たるでしょうね、こういうことを申し上げているのです。イエスかノーか、この立場に立って問題処理に当たられるのかどうか。
#46
○伊東国務大臣 政府としましては、先ほどから言いましたように、なぜ起こったか、あるいはどうしておくれたか、人命救助にどうしたか、あるいは補償はどうするという事後処置の問題、そういうことはやはり国民の納得のいく調査報告をもらうということ、これはもう前提でございまして、私はそれを、アメリカ側のいままでの何回もの話し合い、親書というものを信じている、評価している、期待しているということでございます。
#47
○井上(一)委員 親書に期待しているということですけれども、アメリカの対応次第では、あえて日本はその三つの基点に立って抗議もしていくのだというぐらいの強い姿勢と、いわゆるレーガン親書を政治決着の道具にはしないということは約束してくれますね。
#48
○伊東国務大臣 大統領の親書が来ましたからこれで政治的に終わりだというようなことは考えておりません。
#49
○井上(一)委員 なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、わが国の外交というものに、きっちりと国民が納得する自主的な、主体的な取り組みを日ごろから指摘をしてきたわけです。金大中氏事件に見られるようなあいまいな政治決着は許されるべきではない、中途半端なことではだめだ、日米関係に悪影響を残さぬためにもむしろきっちりと対処していきなさい、もし首脳会談までに決着がつかない場合には、日米首脳会談のきっちりとした議題のテーマの一つに取り組むのだというぐらいの強い姿勢がなければいけないということなので、そういう点については大臣、いかがお考えでございましょうか。
#50
○伊東国務大臣 私の言っていますことは、中間報告を求めるということが向こうの法制のたてまえ上なかなか無理だということでございますので、それじゃ、いましばらく様子を見ているが、調査は向こうも真実はそのまま伝える、うやむやにすることはないということを何回も言っておるわけでございます。私どもも、うやむやにすれば必ず日米の信頼関係を損なうような結果になりますので、その点ははっきりした報告を最終的にもらって、国民がそれを納得できるような報告をもらうということを私は期待しておるわけでございます。
#51
○井上(一)委員 もし首脳会談前に一定の納得のいく決着がつかない場合には、首脳会談の一つの議題としてこの問題が提起されるというふうに理解してよろしいですね。
#52
○伊東国務大臣 私は日米会談の前に必ず国民を納得させるような報告が来るものだということを信じておりますし、そういうものがなければ、首脳会談をされる場合にはこういうことも話題に出ることは当然だと私は思っております。
#53
○井上(一)委員 国民がすべて納得のできる、日米関係の友好が持続できる、そういう形で決着をしなければいけないし、まさにアメリカのわが国に対する、日昇丸に対する今回の措置というものは全く日本をなめ切った対応である。強い怒りを込めて外交に大臣が当たっていただくことを私は強く要望しておきます。
 さらに、外務大臣は前回の訪米時いろいろ御苦労が多かっただろうと思います。大変御苦労さまでございました。自動車問題、防衛問題、いろいろな問題でアメリカとの折衝を続けられた。
 そこで一つ。まだ大きくは論じられておりませんし、大臣からもその話題はなかったわけですけれども、前回の訪米で防衛や自動車の問題以外に、やはりわが国の国政の大きな柱に据えなければいけないし、事実そういう形の中での問題を大臣がお話しなされたと私は思うのですけれども、お忘れになっていらっしゃるかもわかりませんが、防衛、自動車、それ以外にアメリカと話されたことはないでしょうか。
#54
○伊東国務大臣 世界情勢その他は話したのでございますが、二国間の問題で防衛、自動車の問題以外に話しましたのはエネルギーの問題で、使用済み燃料の再処理の問題あるいはSRCIIの問題、あるいは石炭、西部の一般炭の問題、これはみんなエネルギー関係のことでございますがそういう話をし、それから水産の関係が、イルカの混獲をめぐって問題がありますのでそういう話をしたわけでございます。
 再処理問題につきましては、日本は核の不拡散ということは当然考えるが、使用済み燃料の問題、東海工場の問題、これについては積極的にアメリカも理解をしてもらいたいという話をし、SRCIIの問題は、これは核融合と石炭液化の問題はまさに代替エネルギーの国際協調の象徴のようなもので取り組んだ問題でございますので、この問題について日本側は従来どおりこの計画を続けていくという考えでいるので、アメリカはどう考えているかという話をし、石炭については、原料炭以外の一般炭の問題につきましても日本で将来民間同士で話し合いをする、そのときはひとつ協力をお互いにしてもらいたいという話をしたわけでございます。
#55
○井上(一)委員 まさに大臣、SRCIIの問題が話題になった、このことなんですよ。このことは――原潜の当て逃げ事件も当面は両国間の信頼関係を損なう大きな問題であります。SRCIIについてのアメリカの対応はまさに国際信義を打ち破るものだ、日米の信頼関係を損なう、こういうふうに私は指摘をするわけです。大臣どうですか。
#56
○伊東国務大臣 SRCIIと海洋法の問題で実は話したわけでございまして、SRCIIもこの計画を変更するときは事前に協議をするということになっておる問題でございますし、海洋法の問題もいままで大分、山で言えば九合目まで来たところで根本的に見直すというようなことになると第三世界を敵に回すようなことになりはしないか、重要な問題については事前に関係国と協議することが必要ではないかということのときにもSRC等のことを話したわけでございます。その後、事務的に三国で相談をする、どういうふうな形でやっていくかということについて相談をするということになっておりますので、詳細はまた政府委員等の方から申し上げてもよろしゅうございます。
#57
○井上(一)委員 時間がないから私は、詳細はまた、具体的な内容については逐一通産省の所管でもやります。
 ここで指摘をしておきたいことは、いわゆるアメリカとわが国との協定がきっちりと結ばれているわけなんです。その協定をやはりお互いに守っていくということがまずは大事である。そういうことが守られていないという現実問題。さらにはこの協定自身も一つのプレッシャーがあって押しつけられてこういうことの協定に踏み切っていった。十分な検討もせずに参加をし、参加をした後に中間報告がなされている。これは御承知のように七八年の十一月の日米交渉で決まったわけですね、SRCIIへの参加が。さらには中間報告を出したのが翌年の十二月。何ら内部的な検討も加えずに参加をし、さらには今度はアメリカが一方的にこの協定を破っていく。
 大臣、どうなんですか。予算委員会でこれを指摘をしたときには、いや継続をするために外交チャンネルを通して継続を図るのだ、もうそうじゃないわけなんですね。過日東京で協議をされ、六月にはボンでもう一度協議をしていこう、アメリカは中断をする、そういうことの現状に立って、それでもなおかつ、わが国はこれをやり通そうとするのか、あるいはアメリカと話し合いをしたけれども、結果的にはどうしてもこれは中断せざるを得ないという結果になってしまった場合の政治的な責任、さらにはこれはIJPC、いわゆるイラン石化事業に対する三井グループが同じようにこれに取り組んでいる、非常に私は、IJPC、SRCII、すべて国際プロジェクトというものは全くもって不明快きわまりない、財政再建の中でいわゆる代替エネルギーの確保ということは十分わかります、わかりますが、余りにも不明朗きわまりないその実態について指摘をしておかなければいけない、こういうことなのです。大臣、どうなんですか。国際信義を重んじるわが国の外交方針、アメリカのとった取り組みはその線上から外れた、その外れた問題を、アメリカをもう一度レールの上に乗せるだけの自信がおありなのかどうか、乗らなかった場合にはどうなるのか、こういう点についても大臣の決意を私はここで聞かせていただきたい。さらには、これは通産大臣に、本来はいま私が申し上げたこのすべての質問は、私は通産大臣に申し上げたい。伊東外務大臣はむしろ外交的に御努力をなさった、そういうことで、この点はまずは通産大臣からお考えを聞かせていたたいて、それから改めての質問をいたします。
#58
○田中(六)国務大臣 SRCIIの問題は、御指摘のように、アメリカとのバイラテラルな問題、それからまた西ドイツは別々に協議をしているわけでございまして、私どもに言わせるならば余りにも一方的だ、と申しますのは、七八年にすでにそういうことの、むしろ私から言わせるならば向こうからの持ちかけでこれが成ったという事実、それからもうすでに私どもも十四億ドルの一部をそれぞれシェアを持っておりますし、ちょうど五十六年度予算は御承知のように百五十億円を計上しているわけでございます。そういうようなことで、すでに昨年これに対する国家費用は使っておりますし、向こうの大統領がかわってその諸政策がかわるからこれを合成燃料公社に移したというようなこと、これは余りにも二国間の協定に反する、私どもはあくまで協議によって、それをどういうふうに変更するかということも、合意と協議という文言があるわけでございます。協議はちょうど四月十四日、十五日に行われました。しかし、それは合意はしていないわけです。そして、六月四日と五日に今度はボンでやろうということになっておりまして、今回も、私どもは担当官初め九人が出席しておりまして、アメリカ側は六人、西ドイツ側は三人出席して、午前中は外務省で、午後は通産省でというようなパターンで、私ども、外務省、通産省一致してこれに当たったわけでございますが、結論としては、その合意というものがありませんので、私どもの主張はあくまで現状の契約を堅持していくということを探りつつ、六月四、五日のボンでの会合に対処していくという考えには変わりありません。
 また、IJPCの問題につきましても、ICDCの山下社長が現地に行ってまいりまして、私どもに対する報告は、思ったよりも被害が少ないということでございますし、これも御承知のように、私どもの不可抗力と申しますか、イラン・イラクの戦争という事態が起こってこういうことになって、ナショナルプロジェクトでございますし、国家資金も出ているわけで、非常に国民の皆様には申しわけないと思いますけれども、SRCIIも、それから今回のイランのIJPCの問題につきましても、すべて燃料に関係することでございます。つまり、エネルギーに関係することでございまして、わが国のエネルギー事情からしてあちこち模索をしていくのは当然だし、私どももそういう責任上からこれらのプロジェクトに参加したわけで、たとえばいま申し上げましたようにSRCIIは六月四日、五日のボン会議にまつわけでございますが、IJPCにつきましても私どもは何とかうまくいかないかということからいろいろな方策を講じておりますし、いずれにしてもエネルギーというものが大事で、ここでIJPCを私どもが放棄するというようなことになりましたならば、イランだけではございません。イラクもそれを見ているでしょうし、沿岸諸国に御承知のような大きな油を日本は依存しておるわけでございまして、日本の態度はやはり総合的な安全保障というものから考えなければなりませず、非常に国民の皆様にあるいは国会においてもいろいろただされておりますけれども、私どもはそういう観点からこれを判断していっておるわけで、もうしばらく時間をかしていただきたいというふうに考えます。
#59
○井上(一)委員 IJPCについてもまた時を移します。
 通産大臣、さっき私が指摘したように、アメリカから押しつけられた、まさにそのとおりなのです。エネルギー開発についての国際的な立ちおくれがわが国を焦らせたのだという。善意に解釈してもそれの導火線をアメリカがちゃんとつくっている。私はこのSRCIIというのは、まずアメリカに対する不信感を表明しなければいけないし、アメリカに対してきっちりと国際信義、外交信義のレールに乗せさせなければいかぬ。この点は外務大臣に私はお聞きしたい。そしてこのSRCIIの取り組みについては通産大臣、やはりいろいろあるわけです。たとえばガルフのSRCIIにわが国が飛びついたわけです。飛びついたというのか、押しつけられたというのか、ほかの社のいわゆるプロジェクトには入らない。その三つある中のガルフのSRCIIのプロジェクトは投下資本も一番大きいわけです。それは当時としては黒字であるわが国の対外貿易、あるいは経済大国で経済援助をしていくのがわが国の平和外交の一つの大きな柱である、いろいろと理屈、理由はありますけれども、何でSRCIIに飛びついたのかという根拠も、これは通産から聞かなければいけない。まずその根拠から。
#60
○田中(六)国務大臣 これは私どもが公表というかそういうことはできるだけ避けておるわけでございますけれども、日本も石炭液化方式三万式というものをやっておりますけれども、私はやはりガルフの持っておる石炭液化に対する技術というものは非常にすぐれておると思います。したがって、これは全く私の私見でございますけれども、その技術というものを日本が評価し、将来とも代替エネルギー、省エネルギーに十分がわり得る、あるいはこれを発展させ得る技術、これにやはり大きな魅力があったと思います。
#61
○井上(一)委員 それでは通産大臣、このSRCIIについてアメリカ側が事業を縮小し、あるいはレーガン政権になってから取り組みが変わってきた、そういうことの事情は、いわゆる報告というのでしょうか、情報収集は通産はちゃんとしておったのでしょう。そういうことは通産ではもう事前にわかっておるわけですね。わかっておって、外交的な問題解決に外交の力をかりて、いわゆる一つの協約があるからアメリカだって最終的にはこの協約を守ってくれるであろうという外交に対する期待もあったわけです。いつごろからアメリカがこういう事業を縮小し、あるいは通産のだれがそのような役割りを果たしてきたのか、そしてどんな報告を大臣が受けたのか、大臣から聞きましょう。
#62
○田中(六)国務大臣 根本的な物の考え方といたしまして、日本とアメリカがこういう技術協定、ジョイントベンチャーと申しますか、そういうものをやってすでに一年が過ぎて二年目に入ったときに、アメリカも世界のアメリカでございますし、まさかこれを破棄することはないといまでも私は思っております。ただ、少し縮小してこれをエネルギー省から燃料公社に移す、それで資金は、財政資金についてのめんどうは全く見ないということじゃなさそうでございますけれども、できるだけ縮小していこうという、アメリカ経済全体の中から見たことでございましょうけれども、やはりぬぐい去ることのできないのは、アメリカにとっても不利じゃないかと思うのは、日本側から言わせれば不履行で、しかも日米関係というものを何か損なうような、不信感を沸き立たせる一つの原因になるのじゃあるまいか、そのことも私は心配しておりまして、そのことは私のところの担当官がそれぞれ強く主張しておる点であり、その点の報告は私は十分聞いております。
#63
○井上(一)委員 アメリカは、事業縮小で、破棄することはないであろうと。アメリカが破棄した、あるいは事業縮小も含めてですよ、協定に反するような立場をとった場合、通産大臣どうなさるのですか。それはきっちりと物を言ってアメリカに強い抗議をし、損害に対する補償を求める、それぐらいの強い姿勢をお持ちですね。
#64
○田中(六)国務大臣 協定の中に合意というものがうたわれております。それに違反することになるならば、やはり私どもはそれ相当の主張と、損害というようなことについても申し立てなければならないというふうに思います。
#65
○井上(一)委員 私は、そういうことになるおそれも非常にあるという一定の懸念を持ってこれは尋ねているわけですけれども、予算編成上の問題で、予算審議の中でこの問題がすでに情報が察知されておった、天谷審議官がアメリカに渡り、そしてそういうことについては公式、非公式を問わずに。予算委員会、国会の中で真実を、その正味の話を報告しなければいけないというのでしょうか、そういうことを質疑の中ではっきりさすべきだと思うのですよ。外交機密でもないのですから、予算を編成しているのですから。予算編成上の責任、これは最終的には大蔵大臣だけれども、通産が要求をし通産が取り組んだのですから、大臣、その点も含めて、大臣はこれはきっちりと責任をとっていただくというのでしょうか、対応を誤らないというふうに理解してよろしいでしょうね。
#66
○田中(六)国務大臣 これは非常にむずかしい問題でございまして、もちろん対応を誤らないように一生懸命努め、努力はいたします。ただいま井上議員も懸念しておりますように、私どもも相手のあることで、いろんな協定を結んでおっても、相手が最悪の場合どうにもならないというようなことのないように、その六月の協議に向かって全力を挙げて邁進したいというふうに考えております。
#67
○井上(一)委員 財政再建の中で厳しい増税予算が組まれた、減税対策も十分でない。そういう中で七十四億円あるいはことしは百五十億円。特別会計科目の流用云々以前の問題です、これは。予算編成上の問題として、そういう心配のある、明確でない、まだ状態があやふやであるという段階に予算化をする、予算計上をするということ、そのことが私はやっぱり問題だと思うのです。何かなわ張り的な、あるいはそれだけの額をキープしておくことは、代替エネルギーの予算がふえたのだとかあるいはそれによってエネルギー開発がより進められるのだといって、ないないと言っている予算の中でこういう百五十億円を今回予算計上したことは誤った予算の編成である。ただ、申し上げておきますが、これはあくまでも大きな原因はアメリカにあると思うのです。通産大臣でも大蔵大臣でも外務大臣でもないわけなんですね。しかし、予算の編成をしていく過程の中でこんなあやふやな、きっちりしない、揺れ動いているようなものに対する予算を組むということが本当によいのであろうかどうかということを、今度は私は大蔵大臣に聞きたいわけです。予算というものは、あくまでも執行が明確であり、そしてきっちりとされたものこそ予算編成に組み入れていくべきであって、もう予算編成の段階で、理由はアメリカ側の理由ではありますけれども、そのことによって予算をそこへ組み入れてしまうという、これは予算編成の一つの基本的な取り組みの姿勢なんです。大蔵大臣、まさかこんなに問題が広がって、あるいはこういう非常に不安定な方に流れるとは思わなかったでしょうけれども、これは通産大臣の責任でも大蔵大臣の責任でもありません。外務大臣の責任でもありません。アメリカがきっちり約束さえ守ればその予算は生かされるわけですが、そういう意味で百五十億円の予算を計上したことについて私は指摘をしたわけです。大臣からの見解を聞いておきたいと思います。
#68
○田中(六)国務大臣 大蔵大臣が答えます前に一言ちょっと申し上げておきたいのですが、これは協定によりまして、先ほどからも指摘しておりますように初年度に七十四億もう使っておるわけでして、それが最初に使っておる金で、二年目にそれが破棄の過程へ向かうということは協約上もはっきり申しまして夢にも考えていないことでございまして百五十億円を要求したわけでございまして、大蔵省――私どももそうと言いたいのですが、そうはいかないとしても、大蔵省は、そういう国際的な日米間の協定であるし、私どもの要求どおり見てくださったというふうに考えます。
#69
○井上(一)委員 それならよけいにこの問題の深刻さ、いわゆる重要性というものを意識してもらわないと困ると思うのです。何か通産大臣は時間がないそうでございますので、それでは大蔵大臣から一言、予算編成の点に立っての見解だけを聞いておきましょう。
#70
○渡辺国務大臣 大蔵省は、御承知のとおり、そういうプロジェクトを決める場合に直接直取引をやっておるわけじゃないわけでございまして、通産省からの要求によってそれで編成をしたわけです。これが途中でこんなことになるかどうかということについては、直接交渉に当たっておりませんからわからないわけであって、アメリカが途中でキャンセルというふうには私も思っておりませんので、事の重要性はわかっておりますから予算づけをしたわけでございます。しかしながら、幾ら予算をつけたからといって全部執行しなければならぬということもございませんでして、いまどきはなるべく不用額をいっぱいつくれというような時代ですから、問題がそのようなことである場合には、それは何も全部使わなくちゃならないという筋合いのものでもない。したがって、事の成り行きというものを慎重に見守っておるというわけであります。
#71
○井上(一)委員 使おうとしても使えないのですよ、大臣。私の尋ねているのは、一般論として、予算を編成する場合にはその執行の見通しが明確であるというきっちりとした状態の中で予算というものは組んでいくべきであるということがまず第一点、さらには、継続的なものであるとしてもその予算編成時においてそれの継続に疑義がある、可能性が非常に危ぶまれてきたというときにはこれは留保して、あるいは補正で組むとかあるいは予備費に入れておくとか、いろんな形があるわけなんで、一般論としては、本来は継続の可能性が薄らいだときの大蔵として取り組む予算編成の姿勢としては、このSRCII、事実関係は承知はしていないということですけれども、それはそれでいいです。そういう場合は予算から一応除外をした中で取り組むべきであるのではないか、こういうことです。
#72
○渡辺国務大臣 十二月の段階ではそういうように取り消すとかほかにやめるとかということはもちろんはっきりしておらないのでございまして、ぎりぎりしぼったところで認めだというのが事実であります。
#73
○井上(一)委員 外務大臣、もう一問。さっき申し上げておったように、アメリカが外交信義に外れるようなことをしている、そういう場合は、信頼関係を持続さすためにもやはり強い申し入れをすべきだ。次回の会議にはそのことも踏まえてきっちりとアメリカに日本の意思を明確にしていく。もし、そういうことが持続され、継続されないとしたら、これは予算編成上の問題だけでなく、いままでの執行された予算は一体どうなっていくのか、投資された資金はどうしていくのか。そういう意味ではIJPCとも大きくなってどんどん金を出していけばもう後へ下がれぬというような状態になってしまう。そういうことでもよくないことですから、最初にきっちりとそういう話はしておくべきだ、こう思うのです。外務大臣の取り組む姿勢をもう一度聞いておきましょう。
#74
○伊東国務大臣 先ほど通産大臣が答弁しましたように、六月の会議でこの石炭液化のやり方が、規模がどうなるかは別にして、日本側の主張も通したいということを言っておられるわけでございますのでそれを見守っておりますが、基本的に、私この間行ったときも、協定に変更する場合には協議するということが書いてあるのだからそれは事前に協議をすべきだ、勝手に一方的にそれを破るような行動をすることはおかしいじゃないかということで、実は私はSRCHと海洋法の問題と両方、アメリカにそういう態度は好ましくないということを言ったわけでございまして、今度また行きました段階で、もしも変わっておるようなことがございますれば、アメリカには日本の考えをはっきり言い、過去に使ったものをどうするかというようなことにつきましても私ははっきりアメリカに伝えるつもりでございます。
#75
○井上(一)委員 余り時間がないので、通告をしておりましたIJPCとこのSRCIIについてはさらに質問を留保して、次回に譲ります。
 三点目に、私は運輸省と国鉄関係について質疑を続けます。
 まず運輸大臣に、関西新空港について、地元にいわゆる予備協議という形で提示される最終案、これは空港本体計画だけだと思うのですけれども、最終案についての報告を願いたいと思います。それは五十五年十一月、昨年の十一月の第一次工費減額縮小案、こういうことを私の方から申し上げてなんですけれども、そういう案を示されるのかどうか、その点についても聞いておきます。
#76
○塩川国務大臣 空港建設の本体建設の基本計画でございますが、それは昨年の秋決定いたしました段階的な施工法を実施するというその線に沿いまして目下基本計画を詰めておるところでございます。
#77
○井上(一)委員 その昨年の運輸省案は公表されたわけでしょうか。
#78
○塩川国務大臣 まだ公表はしておりませんけれども、いろんな審議会の報告あるいは国会の報告等を断片的に集約いたしまして、一応世間では部分的に御承知いただいておるように思いますが、しかし、またこれは公表いたしておりません。
#79
○井上(一)委員 なぜ公表しなかったのですか。
#80
○塩川国務大臣 これは、関係地元に協議を開始する前にあらかじめ運輸省として基本計画を策定してきた中身を精査したものとして提出いたしたいと思っておりましたので、まだその十分な完全な精査ができておりませんので一般に公表をいたしておらないのであります。
#81
○井上(一)委員 完全な精査ができてない、完全な精査が今回できたわけでしょう。
#82
○塩川国務大臣 ほぼできております。
#83
○井上(一)委員 それは十一月案よりもさらに減少、いわゆる工費縮減、そういうことも予想されるわけなんですけれども、その点はどうなんですか。
#84
○塩川国務大臣 十一月案をいたしましたときには、先ほども言っておりましたように、まだ工法等につきましても細かい数字は詰めておりませんでしたので、だんだんとより一層精密に計算をし直していって現在に集約してきておる次第です。
#85
○井上(一)委員 そのことは、いわゆる予備協議に案として出すのは一兆五千三百億円の案で出すのか、さらには縮小された案で提示をされみのか、どっちなんですか。
#86
○松井(和)政府委員 お答え申し上げます。
 予備協議で地元に提示いたします案の最終的な固めはまだでき上がっておりませんけれども、私どもの基本的な考え方といたしましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、二回にわたる航空審議会の答申を踏まえて私どもが昨年十一月に段階的な施工案として考えましたもの、これを基本にする予定でございます。
#87
○井上(一)委員 こんなことは質問をするに及ばないのですけれども、大臣、九月一日の答申、いわゆる環境に影響を与えない、そして工事の施行についても十分手厚い配慮をしていくのだ、そういうことについては変わりないでしょうね。
#88
○塩川国務大臣 これは御承知のように、このような大きいプロジェクトを実施していきます場合には、地元の協力というよりむしろ地元と一体となってやっていかなければ完成できないと私は思っております。でございますから、そういういろんな問題ございますので地元とは十分に協議いたしたい、そしてやはり地元の方で合意が確実に得られるということが明確になるまでは工事には着手できないと思っております。
#89
○井上(一)委員 いま指摘した答申の内容を守っていく、さらには第一次案ですね、工費削減、昨年の十一月案、この精神を貫いていく。しかし、公表をなぜしなかったのか。十分な精査ができてない、いろんな理屈を運輸省はつけているわけなんです。今後もこういう理屈をつけて地元をだましていこうというねらいがあるように私はうかがえるわけです。あなた方はいま財政再建で大蔵からいろいろな指摘を受けるから、それのいわゆる経済性というものについて指摘を受けたら運輸省としては答弁に非常に苦しい。何でもいいのだ、安上がり競争をしたらこれはともあれ勝てるのだ、そうこう言っておるうちに阪神沖がばんと出てきた、これは一兆円前後でできる、ともあれそうしたら泉州沖も一兆円前後で何とか理屈をつけたらどうだろうか、つまらぬ考え方で取り組んでもらったら困る。物事はきっちりとその全容を地元に明らかにしていくべきだ。あなた方運輸省は緊急必要性の立場を変えない。片一方では大蔵は安い――安い方がいいというとえらいおかしいのですが、そんな中でどのように見直しをしてきたか。私はここに極秘の資料を持っています。指摘をしていきます。海上工事等についても二百二十日を二百八十日、あるいは陸上工事二百四十日を二百五十日にする、稼働時間なんかも、たとえば従来の工程計画では日の出から日没までの十二時間、しかし今度は稼働時間を十八時間、地盤改良工事については夜間工事もやる、こういうふうに変わっておるのです。もう全くもって答申の環境を十分配慮した中でこのプロジェクトを推進するという考え方は消え去りました。土砂採取についてもいままでの十時間を、運搬については一時間延長し、埋め立てについては十四時間、見直し案だと。全くもって従来案と見直し案というものはめちゃくちゃなことを考えていらっしゃる。こんなことを、地元に協力いただいて地元と一緒にやるのですと運輸省は言っておりますけれども、こんなことが了解を得られると思うのでしょうか。そして、こんなことをなぜみんなにはっきりと理由を明確にして公表をされないのでしょうか。
#90
○塩川国務大臣 井上先生、そこの問題はまだ実際は最終的にどうするのかという問題が確定的になっておらないと思うのです。そうして、時間の延長とおっしゃいますけれども、これなんかやはりアセスの問題もございますから、一方的にそういうことばかりこちらで計算だけでできるものではございませんけれども、しかし、こういうことは作業をしておる中で言えると思うのです。それは、機械を使う場合機械の運転時間をでき得るだけ長く稼働せしめる、集中的に使う、こういうことの計算がそういう数字に出てきておるのではないかと思います。けれども、そういうことをやるにいたしましても、先ほど申しました工事着工までにいたしますアセスメントとの関係でそういうことの計画が重要な決定要素になってくる。そういたしますと、アセスメントを決定しますについては、その点は地元とも十分相談しなければならぬ、そういう要素も残っておると私は思うのであります。
#91
○井上(一)委員 大臣、非常に無責任な対応をされると地元は迷惑なんですよ。これはちゃんとした運輸省の見直し案なんです。
 大蔵大臣、いま土光臨調がスタートをし、補助金もカットしていこう、大型プロジェクトはすべて凍結をしていかなければいけないというようないまの財政事情、これは私がいま申し上げた運輸省の緊急必要性とは若干矛盾をしないかどうか、土光臨調の中での関西新空港の取り組み。運輸省の諮問機関である航空審の答申がいわゆる泉州沖設置ですね、そのままうのみというのでしょうか、前提として受けとめていただいているのかどうか。財政再建と緊急必要性との何か相矛盾性というものについての大蔵大臣の答弁を聞いておきます。
#92
○渡辺国務大臣 大蔵大臣といたしましては終始一貫をいたしておりまして、今回の調査費については、これは基本的な諸問題の解明がまだ不十分でありますから、この調査費はとりあえず泉州沖を基礎として調査を進めるための調査費であって、その工事を着工するかしないかというような問題の可否も調査の中に入っておるということでございますから、臨調でどういう答申が出るかわかりませんが、臨調の答申は尊重をしていきたいという考えを持っております。
#93
○井上(一)委員 いまの答弁で見る限り、渡辺大蔵大臣は内閣改造があっても留任は間違いなしですよ。
 塩川運輸大省、いま大阪の関連地方自治体が反対決議の撤回、見直しという意思表示をしているわけなんです。これをあなたはどういうふうに受けとめておるのか。それだけ責任を負わされたのだ、荷物をあなたは負わされたのだという重い責任感を意識しているのかどうか。それならばいままでのあなたのとってこられたレールなんというのは豆腐の上に敷いたレールだ、大変厳しいようですけれども、こう私は申し上げたいわけです。コンクリートの上にレールを敷かなければ、地元の意思、見直しをしたそういうような対応、こういうことにもこたえられぬじゃないですか。そんなことをしておったら、自分が広げた大きなふろしきを自分でくくらぬと、しまわぬと大臣をやめなければならぬ。だれがあなたが広げたふろしきをくくるのですか。いわゆる地方自治体のそういう見直してきた対応に対するあなたの受けとめ方、あなたの責任、さらには地元業界も期待が外れたと愛想を尽かすかもわからぬ、それにさらには地元の関連自治体が関連事業に取り組む熱意が薄らいでしまうようなことがあってはいけないので、ひとつ運輸大臣にこれは責任を持ってきっちりとしまいをしてもらいたいという強い願いも込めて私は申し上げた。大臣、いかがですか。
#94
○塩川国務大臣 関西空港建設は単に私一人だけではなくして、関西地方全体または日本の航空業、あるいはまた広く言って日本の国民全体の方々にとって、完全な国際空港の新しいもう一つの建設ということは長年の念願でございました。特に地元におきましては、関西空港による国際都市化への働きかけというものは非常に熱心なものでございまして、これで約十年近く要望しておったものでございます。昨年私が大臣に就任いたしまして、ちょうどその時期に航空審議会の答申が出ました。そこで、これは航空審議会の答申を受けて一つの理想図と申しましょうか、あるべき姿というものを示されたことと、それから位置について明確に航空審の方の答申が出ておりましたので、それを実施に移すために鋭意中身を詰めていくということをやってまいりました。いまその段階も、ほぼ各計画が詰まってまいりましたので、私はできるだけ早い時期に、こういう計画を運輸省としてはつくってきた、ついては地元の方と協議をいたしたいということを申し出ようと思っております。
 そこで、ただそれを豆腐の上にとおっしゃいますけれども、確かに最初はやわらかいものでございます。これは私も認めます。まだ十分に固まっておるとは思っておりません。しかし、だんだんと基本的な調査が進み、そしてそれを基礎にして地元がいろいろ判断していく中でだんだんと固めていくべき問題であって、われわれがこうしてコンクリートにできたものを地元に提示するという方式ではないということを御承知いただきたいと思うのです。
#95
○井上(一)委員 このこともまたさらに機会を変えて申し上げ、質疑をいたします。
 最後に、国鉄に関連して、日本自動車販売株式会社、通称SOCSと呼ばれておるわけですが、すでにこれは破産をしているわけですけれども、もうこの会社には国鉄のOBがたくさん天下っているわけですし、この関連会社のすべてに国鉄の関係者が天下っていっているということであります。このSOCS、日本自動車販売株式会社の破産の状態は、運輸大臣は総裁から聞いているのかどうか。さらには、大蔵大臣、ここに融資をした金融機関が十分な保全策を講じて債権保全を十分確保した上で金を貸したのかどうか。さらには、その国鉄用地が不明朗な形で使用され、この管理会社もいわば名のみで、さらに又貸しをし、あるいはさらにその下にまた貸していく。そのそれぞれの管理会社にも国鉄のOBが天下り、その管理会社が運営をしている、借りている日本自動車販売なら日本自動車販売に出資をしている。もう何が何だか、すごく絡みが複雑である、こういうことであります。さらに、この事情を十分承知して通輸省なり国鉄が対応されたのかどうか。
 アメリカにも留学生を受け入れる学校をつくって、八名の生徒に八名の先生なり職員を置いている。この社長は、私から指摘をしておきますと、黒木という人であります。
 さらには、国鉄の元副総裁が顧問格にのし上がっている。いろいろな意味で、随所に元大蔵省の審議官も入っているわけですけれども、そういうことで、これの事情を聴取されたのか。あるいは聴取がまだであれば、事情を聴取するべきだと私は思うのですが、事情を聴取するかどうか。
 私の方から指摘をしておきますと、SOCSは、大阪メーターが金を借りようとしたときに銀行より七億円を借金している。そのうちの半分、三億五千万を大阪メーターに貸すということだったわけですが、その三億五千万が使途不明金になっている。これは私は事前に大蔵に通告をしておりませんが、貸出金融機関が十分な担保をとってこういう正常な形での融資がなされたのかどうか。さらに増資するときに国鉄が株主になるという話がかなりあったわけです。このとき工作資金を使ったということも、内部からの情報で明らかになってきたわけです。このことについて、このSOCSについての事実関係をまずは聞いておきます。
#96
○高木説明員 SOCSという会社が生まれましたのは五十一年の暮れでございます。SOCSを実質的につくってこられた、いまお話のあった黒木さんという方は、かつてレンタカーの会社に取り組んでいた方ですが、その方々が中心になって中古自動車の広範な販売会社をつくろうということで、五十一年の暮れにスタートをいたしました。
 当時私どもは、再建といいますか、赤字の立て直しをするのに、わずかな金でも収入の見込みがあれば、これをうまく動かしていきたいということで、各所に遊休の土地がございますので、これを遊ばしておいてはいかぬ、いろいろな形で多少ともそれから利益を上げることに努めたいと申しておりました。そのことは新聞等でも報道されましたから、ちょうど黒木さんが中古自動車会社をやるについて、そうしたニュースを入れられて、私のところにも、貸してくれというお話があったことは事実でございます。その場合私の方は、約十年くらい前から、土地の貸し方についていろいろ各方面からの御指摘がありましたので、直接貸しをすることはぐあい悪いということで、最近は管理会社に一括して渡しまして、管理会社からそれぞれの利用のプランをお持ちの方にお貸しをするという間接管理方式に切りかえてきたわけでございます。
 現在十カ所以上の国鉄関係の土地を貸しております。これはSOCSに貸した場合もありますし、SOCSの子会社といいますか、関連会社に貸した場合もありますが、十カ所以上の土地を貸して、地代を管理会社経由でいただいておるわけでございます。短期の間に非常に活発にこの事業を拡張されたわけでございまして、その間、いまちょっとお触れになりましたように、直接土地をたくさん貸しておって、それによって収入を上げているのだから、場合によっては資本参加というようなことも考えられないかという話は先方から受けたことがありますが、それはおかしいということでお断りをいたしたわけでございます。
 今回の問題は、実は私どもも急に話を聞きまして、三月ごろからいろいろな問題があるということを耳にいたしたわけでございますが、結果的には三月末に関連会社の一部から、手形が割れなくなったということで、その後追っかけてSOCSそれ自体が自主破産をするという状態になってきました。私どももごく最近になってその事態を認識し、びっくりしておるわけでございますが、幸いにして私の方はただ土地を貸しているだけでございますので、国鉄としては大きな被害を受けるということにはなりませんけれども、社会的に、うちは国鉄にも縁があるのだというようなお話を当然のことながらされておったようでありますので、いろいろな意味で御迷惑をかけておるということで、速やかにこの処理に当たらねばならぬというふうに考えております。
 どうして問題が起こったかということの真相はよくわかりませんし、融通手形が出ておる、それの保証をSOCSがしておるというようなことを断片的にはいろいろ報告を受けておりますが、そのボリュームがよくわからぬ。それから、その……
#97
○森下委員長代理 御答弁は簡潔にお願いいたします。
#98
○高木説明員 調達されたお金がどこへどうなっているかということがまだよくわからぬ状態でございまして、いま破産管財人が事に当たっておられますので、その経過を承って善処をいたしたいと考えております。
#99
○井上(一)委員 総裁のいまの話では、国鉄は損害がないのだとか。安く安く借りて高く高く又貸しをしているのですよ。そして、国鉄に勤務していたOBが全部それに関連をしているのです。国民に対する国鉄、きょうから運賃値上げですよ。総裁がそんな認識だから国鉄が健全経営できぬのですよ。運輸大臣、これは運輸大臣として、今回の不祥事件、国鉄が直接という意味じゃありませんが関連している、この問題を明確にしてもらうための調査に入ってほしい、こういうふうに思う。その点を大臣から聞きます。
#100
○塩川国務大臣 このSOCSの事件は、私たちも非常に残念な事件だと思っております。ただ単に、これに限らずそういうような問題がたくさん、又貸しの又貸しという実態不明のものが相当あるのじゃないかと思うたりいたしております。それと実は賃借料の問題なのです。その二つのことにつきまして運輸省の方からも具体的に国鉄に意見を聞いておりますし、また国鉄の監査委員会に対しまして、かねてからこれの調査と正常化につきまして厳しい要求をいたしておるところであります。
#101
○井上(一)委員 大臣、この問題は毅然たる対応を国鉄に指示してほしい。さらに、いま私が具体的に挙げた事実関係についても調査に入ってほしい。いかがですか。
 総裁、私が挙げた事実、あなたは全くそういうことがないと言うのか、調査をすると言うのか。
#102
○高木説明員 大変申しわけございませんけれども、なかなか真相がわからないので弱っておりますが、どうしても事実を明らかにして、そして是正すべき点は是正しなければならない。先ほどの大阪メーターの話というようなことも私どもの耳に入っておりますけれども、これを具体的に調査をしてきちっとしなければいかぬと考えております。
#103
○井上(一)委員 末端の被害者に対しては十分な救済措置が必要である。高く高く貸しつけられておった、そういうディーラーに対しては、この問題の究明と同時にそういう救済は十分配慮すべきである。
 さらには、私は委員長に、この件については関係者の本委員会における何らかの形での出席要求を後刻御相談していただくということをお願いして、とりあえずの質問を終えます。
#104
○渡辺国務大臣 どこの銀行が幾ら貸しているかということは私の方で調べてありません。週刊誌によると細かく出ておりますが、必要に応じて担保がどうなっているか、事情聴取をしたいと思っております。
#105
○森下委員長代理 新村勝雄君。
#106
○新村委員 まず最初に敦賀原発の問題について、すでに論議が行われておりますけれども、なるべく重複しないように幾つかの点を伺ってまいりたいと思います。
 言うまでもなく、原発が完全にしかも安全に運転されるためにはその全体の施設がお互いに整合性を保ちながら、しかも有機的に作動していなければならないはずでありますけれども、報道あるいは先ほどの御説明によりますと、廃棄物の処理をする建屋と排水口との関係がうまくいかなかった。本来ならば排水口には放射性物質が全く出ないはずでありますけれども、それが出ておるというようなことでありまして、これは原発の施設を全面的に再検討する、あるいはまたその設計の段階でそういうことが絶対にないような十分な配慮をすべきであると思いますし、そういう面での欠陥が今回出てきたのではないかと思われるわけであります。
 そこでお伺いをしたいのですけれども、この敦賀原発の施設それからその地域のすべての各施設がどういうふうな形で総合的に設計をされたのか、そしてお互いの施設が有機的に完全に調和のとれた運営をするための十分な配慮なり設計の段階におけるそういう配慮なりが十分されていたのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#107
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 お尋ねの趣旨は、一般排水路施設と原子炉の中の特に廃棄物関係の施設が総合的にどういう配慮で設計され、運営されていたかという趣旨だと存じますが、発電所の中で放射性廃棄物が発生いたします、これらは気体、液体、固体とございますけれども、それぞれ廃棄物処理系、その処理系にございます設備のことを廃棄物処理施設と呼んでおりますが、そういうところで処理されましてそして十分低いことを確認してスタックあるいは放水口から管理された形で外に出ておるわけでございます。これに対しまして、一般排水路と申しますのは、生活排水とか雨水、それから地下水等もございますけれども、そういうものを集めてその処理をする系統でございます。この二つは、御指摘のように、本来まじり合うことがないように十分慎重に設計されていなければならないものでございます。本件の場合、まだ今後の調査にまたなければなりませんけれども、一般排水路が廃棄物処理建屋の下を一部通っておるという実情及びマンホール、一般排水路のマンホールでございますが、これが廃棄物処理建屋の中に二個開口しておるというようなことがございまして、これらがたとえば建物の中にございましても隔壁あるいはせき等で廃棄物処理系と十分隔離されている状態であれば、それでも絶対いけないということはないかもしれません、この辺はもうちょっと調査を要しますが、いずれにしましてもそういうような相関関係にあったという事実を私どもは今後の調査の一つのポイントといたしたい。それがまじり合う基本的な条件にあったかどうかということを含めて検討いたしております。
 なお、本件は、先ほど御答弁いたしましたが、去る三月の初めに操作ミスによりましてこの廃棄物処理建屋の中にかなり大量の廃液がオーバーフローしたという事実が、事情聴取によりまして明らかになっております。これも事情聴取でございますので、もう少し検討、調査を要しますが、これがかなり今回のいわゆる放射能漏れと関係しているのではなかろうか。先ほど御説明いたしました相関的な構造関係も一つでございますが、むしろ、いまお話ししました操作ミスによる室内のオーバーフローが関係したのではないか、こういう観点から現在調査を進めておるところでございます。
#108
○新村委員 伺いますと、全く、きわめて初歩的なミス、これが今回の事故を引き起こしたというふうに考えられるわけであります。いまおっしゃった、建屋の下に排水路の一部があったというようなことですね。これは、排水路の設計と、それから建屋の設計は別にやられたのかどうか。一緒にやられたとすれば、そういう初歩的なミスをするはずはないのですね。こういう重大な設計上のミスですね。それから、汚水がオーバーフローをした、これは、もっと初歩的なミスではないかと思います。それから、建屋の中にマンホールの開口部があった、これについても、やはり両方が同時に設計されていたとすれば、これは当然、だれが考えても危険が予想されるわけでありますから、こういう初歩的なミスをするはずがないわけであります。
 こういう点で、原発の、たとえばリアクターについては十分のチェックをする、あるいは建屋の中における汚染物の処理については、これは完全な処理がされるわけでありましょうけれども、お互いの有機的な連絡がなければ、これは何にもならないわけであります。ですから、たとえてみれば、建屋の中から全く予想されない経路で排水路に入った。これは、人間の体にたとえてみれば、内臓の一部がせん孔して、とんでもないところに交通孔ができていて、知らない間にその人間の生命が危殆にさらされた、こういうことと同じではないかと思いますね。そういう点で、原発の施設を全的に把握をして、全体を一つの有機物として把握をして、そしてお互いの関係を完全にチェックをしていくという、設計の段階における配慮、あるいはまたその後の運営の段階における配慮が欠けていたのではないか、こういうようなことが推定されるわけでありますけれども、そういう点はいかがですか。
#109
○高橋(宏)政府委員 御指摘のように、この関係でございますが、この発電所ができました四十五年三月時点におきましては、この排水口は建物の外側にあったようでございます。その後、四十六年以降の数回の増設工事がございまして、それに関連しまして排水口がこの建屋の下に位置するようになった、あるいは一部建物の中に取り込まれたという実情だと存じております。
#110
○新村委員 そういうきわめて初歩的な、しかもずさんな運営の仕方にやはり問題があるわけでありまして、ひとつ今後の厳重な反省と、それから常時のチェックないしは監視体制を確立をしていただかなければならないと思うわけであります。
 それからさらに、今回の事故が地域に対して、あるいは湾内あるいは海洋あるいは地下水、特に地下水ですね、こういった方面に対して漏れていくようなことがあるのかないのか、また、そういう調査がいまどの程度進められているのか。
#111
○吉原政府委員 環境の放射能につきましては、科学技術庁及び福井県がいろいろ調査をいたしております。その発表によりますと、魚類、ハマチ、マダイ、ボラには放射能汚染は認められなかった。それからその他非食性の海産生物、ムラサキイガイとかホンダワラでございますが、これにはコバルト60、マンガン54が測定されているが、これらの海産物を仮に毎日食べたとしても、年間の被曝線量は約〇・〇七ミリレムで、許容被曝線量に比べ、約一万分の一という小さい値で、人体に影響はない。海底土につきましては、一般雑排水口近傍が高いが、それから離れるに従って測定値は従前の測定値とほぼ同じ値になっておる、したがって、放射性物質の拡散はきわめて限られたものではないか、こういう発表がされております。
#112
○新村委員 この放射能漏れが結果として、あるいは現象として人体に深刻な影響はない、あるいはある、こういう議論は別といたしまして、少なくとも国民に対してまだ完全な理解を得ていないこの原発の運営に当たって、いやしくも、少しでも予想外の放射能漏れあるいは放射性物質の拡散ということがあったという事態ですね。この事態が重大なのであって、その程度がどうであろうかということはまた別の問題だと思うのですね。少なくとも現在の状況のもとで、国民に対して本当に原発が安全であるということを理解してもらって、国民的な合意を得て今後原発を推進をするというのであれば、いやしくも予想されない放射能漏れが少しでもあるということは、これは大変な事態だと思うのです。その数値がどうであるかという問題ではなくて、完全に予定どおりに機能していなかった、そして、不測の事態のもとに放射能が漏れたということ、この事態はきわめて重大な問題として受けとめなければならないと思うわけであって、これをなおざりにしたら、とても国民の合意などというものは得られるはずがないわけであります。
 そこで、これがいつごろからこういうことがあったのか。すでに発表されない、隠されておった事実があるようであります。オーバーフローしたというようなことですね。それから、一部の故障というようなことについては国民に知らされていなかったわけであります。いつごろからこういうことがあったのか。それから、今回の問題を契機として、保安規定の見直しあるいは監視体制の見直し、これが絶対必要だと思いますけれども、そういった点でのお考えはどうですか。
#113
○高橋(宏)政府委員 今回の放射能漏洩でございますが、浦底湾のホンダワラの測定によりますと、二月、三月が平常で、四月のデータが異常であるというところから始まったということを考えますと、最近ではなかろうかという予測ができますが、これはいずれにしましても、もう少し検討を要します。
 原電におきましては、今回の放射能漏れもございますけれども、本年一月に発生しました第四給水加熱器の事故が実は報告されずに処理されておったということで、先般その詳細な立入検査、そして原電からの事情聴取、あわせて原電に対します抜本的な保安管理体制の見直しという指示をいたしておるところでございまして、今回のことも含めまして、日本原子力発電株式会社の保安管理体制がずさんであるという点につきましては私ども大変遺憾に思っておりまして、皆様方に大変ショックを与えたということ自身大変遺憾に思っておりまして、今後、徹底的な調査をいたしまして、適切かつ厳正な措置をとりたいというぐあいに考えておるところでございます。
    〔森下委員長代理退席、越智(通)委員長代理着席〕
#114
○新村委員 いつから漏れていたかはっきりわからないというような実態ですね。それから、過去においてもオーバーフローした問題とか、幾つかの点が報告をされずに隠されておったというような事態は厳しく反省をされなければいけないと思います。そして、その反省の上に立って、保安規定あるいは監視体制の見直しを行っていただきたいわけであります。
 それから、今回の事故に対してだれがどういう責任をとるのか。すでに敦賀原発においては前科が、語弊がありますけれども、事故を隠しておったという前科があるわけですね。こういったことも含めて、今回の事態に対してどういう責任をとるのか、またどういうふうに指導するのか、それを伺います。
#115
○高橋(宏)政府委員 本年一月の給水加熱器の漏洩事故が報告されなかったことを含めまして現在鋭意詳細調査をしているやさきに今回の放射能漏れがございました。この二つをあわせまして、そういう事故の原因の徹底的な調査、それの背景にある原電の保守、保安管理体制の問題点を徹底的に洗い出すということがまず第一の仕事かと存じております。それに従いまして厳正な措置をとるということを考えております。
 なお、今度の一般排水路から放射能が検出された件につきましては、本日他のすべての発電所に対しましても、一般排水路につきましてこういう放射性廃棄物が漏洩するあるいは混入するおそれがないかどうかということを早急に総点検をいたしまして、なおかつ、一般排水路の放射能測定を指示いたしまして、速やかに報告するように指示をしたところでございまして、その結果も踏まえまして適切な措置をとってまいりたいというぐあいに考えております。
#116
○新村委員 ここだけではなくて、全原発について徹底的な調査をされるということは当然でありますけれども、この問題と前の報告漏れ、それらを含めて責任をどうするかということを伺っているわけなのですけれども、その点はどうですか。
#117
○高橋(宏)政府委員 責任につきましては、先ほどお話しいたしました発電所内あるいは会社全体の保安管理体制、規定類、要則類、運転規定等と実際に起きた事象を突き合わせまして、その所在をはっきりしていくということになろうかと存じております。
#118
○新村委員 次に、アメリカ原潜ジョージ・ワシントン号の衝突事故について伺いたいと思います。
 この問題については、米側の連絡のおくれあるいは救助の怠慢、こういったことで大変重要な問題をいま日本国民に提起をしておるわけであります。この問題についてその後アメリカ側から何らかの通報なり情報なりがあったのかどうか、あるいはまた同時に日本側の、日本政府としての立場からどういうふうに情報を収集されて、どういう情報が現在までに得られておるのか、それを伺います。
#119
○伊東国務大臣 本件事故が発生しましたことは、本当にわれわれとしては遺憾なことだというふうに思っておるわけでございまして、日本側の調査は運輸省、海上保安庁が責任を持ってやっているということでございまして、いずれ海上保安庁からわれわれも調査の結果をもらえるというふうに思っておるところでございます。
 なお、アメリカ側に対しましては、通報がありました直後より、なぜ通報がこんなにおくれたのだろうか、あるいは浮上して捜したが雨と霧でわからなかった、飛行機も上を飛んだがわからなかったということを言われておりますが、二名の行方不明の方がございますし、人命救助について果たして十分な努力がなされたのかどうか、あるいはなぜこういう事故が起こったかということは国民の皆さんが疑問に思われるところでございますので、私どももこの解明はなるべく早くアメリカ側からすべきじゃないか、あるいは本件が日米関係に悪影響を及ぼさないように、損失の損害賠償でございますとか、そういうことを含めた事後処置ということについて国民の納得のいくような処置をきちんとしてもらいたいということは常に機会あるごとに述べているわけでございまして、こういう問題が安保体制でございますとか非核三原則でございますとか、そういうふうなことに影響を及ぼすことを、そういう議論も国民の中から出ているし、一日も早く解明をしてもらいたいということは当初よりマンスフィールド大使にも伝え、またアメリカ側からも口頭でレーガン大統領あるいはワインバーガー、あるいは書面で、ヘイグ国務長官から遺憾の意を表明するということがあったわけでございまして、先週の木曜でございましたか、ロング米太平洋軍総司令官と総理も会われ、私も会いまして、この点もまた重ねて日本側として強く要望するということを実はやったのでございまして、日本側としては一刻も早くいまのような疑問点が解明され、そして善後処置、補償等の処置もきちんとされるということを強く要望しているわけでございます。これに対しまして、おとつい、十八日でございますが、マンスフィールド大使がレーガン大統領の総理に対する親書を持ってこられまして、大統領としてもこれは非常に遺憾に思っている、そして二名の行方不明者が出たということについて非常に遺憾に思っていることでもあり、自分として個人的にもこの問題については注意を払っている、そして日米の首脳会談前に十分にお互いの要望を果たすことができるように自分も非常に期待しているのだという意味の親書が総理に届いたわけでございます。その席上、私も、従来から要望しております国民の疑惑というものをはっきり早く晴らすべきであり、日米首脳会談の前にこういうことがわかるようにということを重ねて要望したのでございますが、大使は、これはアメリカも法的に調査をやっている、場合によっては責任というような問題にもかかわってくる、そういう際には審判になるか裁判になるかでございますが、それに予断を与えるようなことを中間的に出すということは法律上ぐあいが悪いのだ、自分ら調べたことは真実はそのまま日本に伝える、隠蔽するとかうやむやにするとかそういうことはないということを自分は日本に確言するということを言っているわけでございますので、私どもは、これはアメリカとの首脳会談の前にそういう通報が来て、賠償その他大筋のことは決着するという期待を持って、それも先方に伝え、向こうの誠意を期待しながら、いまアメリカ側の調査を待っているというところでございまして、本件をうやむやにするとかそういう意思は毛頭ございません。向こうも大統領みずからが親書で、十分に自分も期待をするし注意を持っているということを言っておられますので、私はその点を評価し、いまアメリカの調査を待っているというのが、いままでのわれわれの考え方でございます。
#120
○新村委員 大変御丁寧なお答えをいただきましたし、また大臣としても大変御尽力をされておるということは感謝をいたしておるわけであります。また、アメリカ側としても大統領の親書あるいは大使の訪問というようなことでありますけれども、残念ながらそれらはすべて外交辞令に終わっておって、実がないわけですよね、いままでは。そしてまた、日米の基本的な国と国との関係、そして日本の主権国家としてのあり方、こういう点からすると、どうも国民にはまだ納得のいかない面があるということも事実であります。ですから、これが単なる外交辞令、花だけではなくて実のある結果にしていただかなければ困るわけであります。ひとつ今後の実のある進展をお願いをしたいわけでありますが、同時にまた、日本政府としての立場からできる限りの情報収集等をやっていらっしゃると思いますけれども、こういう面での現在までの日本側の情報、これがおわかりでしたら伺いたいと思います。
#121
○伊東国務大臣 日本側の調査は、海上保安庁が責任を持ってやっておられますので、これは私から一々お答えするということよりも海上保安庁の方からぜひお聞き取りを願いたい、私はこう思うわけでございます。
 それから、この決着が実のない決着ということでございますと、これは日米関係の信頼関係に傷のつくことでございますので、もうすでに賠償の話は弁護士さんと向こうと話し合いも始まっているということでございますし、私は、単に外交辞令だけだということじゃなくて、本当に実のある、国民が納得される決着をして、そして日米関係の信頼関係が維持されるということを期待しておりますし、またそういう考えでこの問題に取り組むつもりでございます。
#122
○新村委員 保安庁が見えていないようでありますから、これは後で資料としてひとついただきたいわけであります。
 次に、防衛庁長官に幾つかの点をお伺いをいたしますが、今回の問題を契機として米ソの核戦略というものの一端がはしなくも露呈をしたということであります。そして、これは戦略的な立場から常時戦略核潜水艦が配置をされておる、そして核の発射体制をとりながら日本の周辺海域に待機をしておるということも明らかになったわけであります。そうしますと、日本の周辺全域が核基地ということになるわけでありますが、こういう状態が一方にある。それからさらに、日本側といたしますと、自衛隊の立場からは、すでに政府において明らかにされたように、シーレーンの守備の問題を中心としていわゆる周辺海域の守備範囲があるわけですね。そうしますと、アメリカの核戦略とそれから日本の自衛隊の周辺海域、これは本土を含めてですけれども周辺海域の防衛体制、この間の関係ですけれども、この関係は全く別個の立場から行われているのか、それとも緊密な連絡のもとに有機的な一つの体制として行われているのか、これをまず伺いたいと思います。
#123
○大村国務大臣 お答えいたします。
 まず、お尋ねの第一点でございますが、アメリカの原子力潜水艦で核弾道ミサイルを装備しておりますいわゆるSSBNの行動に関しましては、防衛庁は全く関知しておらないわけでございます。
 一方、お尋ねの海域の警備の問題でございますが、わが国は自衛権に基づきまして海上警備の目標を設定しているわけでございまして、それがいまお尋ねのお話にもございました数百海里あるいは航路帯の場合一千海里、こういうことを海上自衛隊の警備の目標として設定いたしているわけでございます。これは憲法並びに非核三原則に立脚しながらわが国が独自に目標として設定しているものでございまして、これとアメリカの核装備をした原子力潜水艦の行動との間には全く関係はないというふうに考えております。
#124
○新村委員 そうしますと、日本は非核三原則を持っておるわけですね。しかし、同時に、アメリカの核のかさのもとにあるということ、これも事実だと思います。そして、安保条約が厳然として存在するということですね。そういう状況の中でアメリカは、全く独自の立場で、SSBNを初めとして核戦略を展開をしておる。その核戦略は日本の至近距離まで及んでおるわけですね、その舞台は。本土と領海を除けば周辺海域全部がアメリカの核戦略の基地ということでありますから、全くアメリカの核戦路は日本の本土と近海の周辺をくまなく覆っておるというわけでありますけれども、その肝心なアメリカの核戦略については日本は全く知らされていない、あるいは関知しないということは、非常に奇異に感ずるわけです。アメリカは日本をパートナーとして極東を守るということでしょうけれども、そういう状況と目的のもとにありながら、一方の核戦略については全くこれは秘中の秘、厳秘に付されておる。全くわからない。
 そうしますと、日本はいわゆるアメリカのパートナーということで極東の戦略の一環を担当するわけでしょうけれども、そのパートナーと言われておる日本が、最も肝心な、最も戦略の中核をなす部分が全く知らされていない、あるいは関知をしないということで、果たしてこれは、一朝有事の際、まあそういうことはないでしょうけれども、そういう場合に、両国がどういう形でこの共同作戦をとるのか、全く素人にはわからないわけです。そういう疑問が一つあるわけですね。それから、今回のような事件が突如として発生をする、それもやはりそういう核戦略から日本が全く疎外をされておる、もちろんそれは共同作戦はとれないわけでしょうけれども、そこらの点、国民としても非常に疑問があるわけですよ。そういう点はどうなのでしょうか。
#125
○大村国務大臣 お答えします。
 わが国の防衛の基本的な考え方につきましては、わが国自身、みずから適切な規模の防衛力を保有するとともに、米国との安全保障体制によってわが国の平和と安全を確保することとしており、特に核の脅威に対しましては全面的に米国の核抑止力に依存をしているわけでございます。この考え方に基づきまして、防衛力の整備をみずから図っているところでございます。そして、いまお尋ねの有事の際の連絡方法をどうするか、こういった問題につきましても、今後研究を進めてまいりたいと考えておりますし、また平時におきましても、そういったものの相互の連絡関係を緊密にしてまいりたいと考えておるわけでございますが、お尋ねの核抑止力につきましては全面的にアメリカの抑止力に依存するということになっておりますので、せっかくお尋ねのSSBNの行動そのものについてわが方が承知するという立場にはないということを申し上げておくわけでございます。
#126
○新村委員 アメリカの核抑止力に依存をする、こういう考え方があることは認めなければいけないと思いますし、大臣もそうおっしゃっておるわけですけれども、それで果たして両国が共同作戦がとれるのかという疑問が一つあるわけです。いま大臣は将来とも研究していくとおっしゃいましたけれども、そういう問題についてもやはりアメリカにこれから要請なり要求なりをなさるお考えがあるのか、それともこの問題はもう核戦略については全く日本は関知しない、アメリカの方で自由にやっていただきたいということなのかということなんですけれども、現状のような状態がいつまでも続くということになれば、日米の真の共同作戦なりあるいは友好なりは生まれないのじゃないかというふうに考えますけれども、いかがですか。
#127
○大村国務大臣 安保条約がございますので、日米間の緊密な連絡を図らなければならないことは当然でございますが、核戦力につきましては全面的に依存しているわけでございますし、SSBNにつきましてはアメリカのみならず各国ともに行動を秘匿しているというのが常識でございますので、一々の行動まで連絡を受けるということにはまいらないのではないかと思うわけでございます。また、わが国は非核三原則を堅持しておりますので、先方はもちろん領海内には立ち入らないということは踏まえているはずでございますし、万一の場合におきましてもこれは協議事項の対象になるわけでございます。そういった基本的な原則を先方もよく踏まえておると思いますので、そういった信頼関係に立ってこの問題にも対処してまいらなければならないと考えておるわけでございます。そういう意味におきましても、外務大臣が述べられましたように、今回発生しました事故は両国にとりまして非常に不幸な事故でございますので、一日も早く原因、救助のおくれた理由等を米国自身の手によって調査してもらって、再びこういった事故が起こらないようにすることが両国の信頼関係を今後保持する上に必要ではないかと考えておる次第でございます。
#128
○新村委員 大臣は、アメリカの核抑止力に依存する、あるいはそうかもしれませんけれども、現状のような状況でいいのかという疑問を提起しておるわけなんであります。そしてまた、戦略上の要求もありましょうから、アメリカのSSBNがどの地点にいるというようなことを一々通報してもらうことはむずかしいかもしれませんけれども、少なくとも核戦略の構想なりあるいはその基本的な戦略の構想あるいは核の使用の計画、使用といってもこれは使用されては大変なことでありますから、少なくともそれが配備されている以上はどういう構想のもとに、どういう戦略上の配慮のもとに行っているのだという、この大綱くらいは示されていなければ、これは依存するといってもその依存するものが全くわからないわけですから、それじゃ依存のしようがないわけですよ。少なくともNATO並みに日米の関係をしていくお考えがあるのかどうか。聞くところによりますと、NATOには核委員会というのがあって、核の基本的な運用の構想等についてはお互いに協議をするというようなことも聞いておりますけれども、少なくともそのくらいの日米間の取り決めがなければ日本国民としては全く納得がいかない。また、核抑止力に依存をしているのだといっても、依存する方の相手の実態が全くわからなくては、依存しているといっても安心もできないわけですね。
 そういうこともありますし、また、日本の主権国家としての立場からいっても、当て逃げをされても文句も言えない、当て逃げをされて、こういう事故があってもその場ですぐに解明もしない、人命救助もしないでどこかへ行ってしまうことが普通だというふうに政府はおっしゃっているわけですね。普通だ、これがいいのだということになりますと、明らかにこれは両国の対等関係あるいは主権国家としての対等関係が非常に疑問になってくるわけですよ。たとえば自動車で事故を起こした場合でも、そこで運転手が停車もしない、もちろんおりてきもしないで逃げていってしまう、逃げないにしても、とにかく行ってしまうということは普通の社会常識では考えられないわけですね。これは一方の明らかな犯罪行為として受け取られるわけですよ。ところが、原潜に関してはそういうことをしてもこれはやむを得ない、そういうことをしてもいいのだという暗黙の了解が日本政府にありますね。ということは、そこには両国の主権国家としての対等性がないというふうに国民の目には映るわけです。そういう点についてのもう少しはっきりとした御見解をいただきたいということと、それから核戦略に依存をしておるのであれば、その核戦略の基本的な戦略構想くらいは日本政府は教えてもらう、あるいは教えるように要求をする権利があるのではないかというふうに考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
#129
○大村国務大臣 お答えいたします。
 まず、NATO並みにすることはどうかというお尋ねでございますが、憲法の制約、非核三原則の保持等の点から見ますると、わが国の場合、NATO並みのことを考えることについては問題点が多いのではないかという感じがいたすわけでございます。
 また、全面的に依存しておっても、アウトラインくらいはわかるようにしたらどうかというお尋ねでございますが、全面的に依存しておりますが、両国の信頼関係に立脚して運営されておりますものでございますので、各国ともSSBNの行動については厳に秘匿するという措置がとられておりますので、せっかくの御要望でございますが、核戦力の運営につきましてはやはり両国の信頼関係に基づいて良識のある行動を引き続き要望していきたい。
 今回の不幸な事件につきましては、あくまで内容を調査して、この種の事故の絶滅を期して進めてまいるように総理大臣、外務大臣が強く要請されておりますので、防衛庁といたしましてもその線に沿って進めてまいりたい、さように考えている次第でございます。
#130
○新村委員 NATO並みというのは、これは何もNATO並みに軍事同盟を強化するということじゃなくて、われわれは極東地域全体を非核地域にするということを強く主張しているわけでありますから、そういう意味で私の発言が誤解されては困るわけでありますけれども、そうではなくて、主権国家としての立場から、全く一方的な現在の状態をこのままにしておいていいかという深刻な疑問であります。私どもは極東全体を非核地帯にするということを強く主張し、要求しておるわけでありますけれども、少なくともそういう状態になるまでの間――現状のように、一方が近代戦の中核を握る核戦略について全く他に知らせない、核そのものについても、また戦略そのものについても全く日本には知らせないわけですから、アメリカは独占的ですよ。こういう状態で果たして日本が主権国家として対等の立場に立ち得るか、こういう強い疑問を持つわけであります。したがいまして、アジア全域が非核地帯になるまではアメリカに核の基本的な構想については開示をするように、これは一般に公開はできないでしょうけれども、少なくとも日本政府にはその構想ぐらいは知らせるべきではないか。そうでなければパートナーとしての実が全くないではないかというふうに国民には映るわけでありますけれども、その点について、大臣は、そういうことについては今後とも全く考えません、そういう要求もしませんし、そういう努力もしませんと言うのか、それとも努力をするとおっしゃるのか、どちらですか。
#131
○大村国務大臣 御意見は御意見として承っておきますが、いまのところ、アウトラインについても要請をする考えはございません。
#132
○新村委員 これは大臣のお考えですから何ともしようがありませんけれども、そうしますと、今度のような事故がこれからないことを望むわけでありますけれども、これは絶無とは言いがたいわけですね。続発をするかもしれません、あるいはないかもしれません。そういう将来の事態に対する両国の何らかの了解なりあるいは取り決めなりが必要ではないかと思うのですね。今度の問題は国民に対して非常に深刻なショックを与えていますよ。当て逃げですからね。こういうことを両国の合意のもとに、発生した瞬間から合理的に処理をする方法がないかどうかということです。この事件が発生してからもう数日たっていますね。数日どころじゃない、相当な期間がたっていますけれども、何らアメリカからその情報もなければ解決の方法も明示されない。国民は不安である。こういうペンディングな状態は全く異常な状態です。正常ではないですよ。ですから、そういう事態が発生をしたときに、こういう異常な期間を、ペンディングな期間を発生させないための少なくともそういう取り決めなり配慮なりは国家間としてすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#133
○大村国務大臣 繰り返して恐縮に存じますが、この問題は基本的には日米両国の信頼関係に立脚して処理されなければいけない問題であると考えているわけでございます。ただいま外務大臣を中心に本件の処理につきましては政府としては真剣に取り組んでいるわけでございますので、将来のこういった事故の絶滅を期して先方と話し合っていきたい、さように考えておるわけでございます。
#134
○新村委員 事故を絶滅すると言っても相手の配備も構想も全くわからない、こういう状況の中で大臣がどういう能力を発揮されるかわかりませんけれども、大臣のいままでの答弁は大変遺憾な点が多いわけでありまして、今後ともひとつ、この問題については、この事件の性格を含めた基本的な問題について御検討を続けていただきたいと思います。
 次の問題でありますが、常磐高速道路というのがございます。これは科学博に二千万人の人たちを輸送しなければいけないという要請があるわけでありますが、その重要な一環をなす道路であります。ところが、この道路がいま、一部市街地を通過する部分について地元と話し合いがつかないために、全く停滞の状態に置かれております。そしてこの問題については地元からも繰り返し公団の方へ、あるいは建設省に強く善処方を要望しておるわけでありますけれども、依然として解決がついていないわけであります。
 この道路が開通をしないと、科学博に対する関係者の輸送にも重要な支障を来してくるわけでありますけれども、考えてみますと、この科学博というのは人類の生活環境の改善ということが大きなテーマになっておるわけですね。その科学博のテーマから言いましても、環境破壊ということが問題になっていまの道路が停滞をしておるわけでありますから、この科学博を本当に意義あらしめるためには、やはり公害を起こさないようなりっぱな道路をその科学博に開通させて、そして科学博をいやが上にも意義あらしめるということが必要ではないかと思うわけです。
 そういう観点からしましても、公害道路として地元から拒否をされておるということ、これは政府としても、また大きく言えば日本としても世界へ向かって大変恥ずかしいのじゃないかという気がするわけであります。
 そこで、その後の進捗の状況等について伺いたいのですが、この道路が現在どういう状況になっているのか、そしてまた将来の見通し、将来といいましても、もう五年も十年もかけるわけにいかないわけでありますから、その将来の見通しについて、まず伺いたいと思います。
#135
○大島参考人 ただいまお尋ねの流山−柏地区でございますが、この地域のルート発表は四十六年の十二月にやっております。その後、地元との協議を進めまして、現在、土地買収はほとんど終わっておる状況でございますが、道路構造につきまして、地元の御要望もございましたし、いろいろ検討いたしまして、私ども環境対策にマッチした構造として五十一年の秋に半地下構造というものを地元に提示したわけであります。これにつきまして、いろいろ御意見もあり、御不満もありまして、現在、私どもその構造につきまして、いろいろ地元の集まりなどを通じまして協議をやっておる最中でございます。
 地元の住民の集まりといたしましては、環境を守る会柏・流山連合というのがございます。この団体と昨年の秋に話し合いをしようじゃないかということで協定が成立をしまして、現在、精力的に打ち合わせをやっておる最中でございます。連合からは質問書も出てきておりますし、こちらからはまた回答も差し上げました。また、一方、流山の市議会には常磐道の対策の委員会ができておりまして、その場にも私どもの方から絶えず連絡をとりながら説明をし、または協議をしている次第でございます。
 現在のところ、両地内におきましては、したがってまだ工事には着手しておりません。この協議が調い、構造が理解されて受け入れられますと直ちに着工いたしまして、六十年に開かれます科学博に間に合うようにがんばっていきたいというふうに考えておる状況でございます。
#136
○新村委員 この仕事の争点は、要するにその道路を通る車のまき散らす騒音あるいは排ガス、それが問題になっているわけです。地元としては、少なくとも市街地の部分だけは地下式、トンネル式あるいはふたかけ、これがどうしても譲れない、ぜひどうしても実現してもらいたい条件だということなんですね。そのために、いままでもう六、七年にもわたって争いがあるわけでありますけれども、その点についての解決の自信はございますか。
#137
○大島参考人 私どもが提示いたしました半地下構造というものでもって環境基準は守れるものと私ども思っておりますし、また現在両側に設置いたします環境施設帯というものを含めますと、当該地域に非常にマッチした道路構造ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。住民の方の中には、シェルターにせよとか、あるいは全面トンネルにせよというような強い意見の方もございますけれども、私どもは、そこまでしなくても現在の構造で十分満足した環境対策となり得るものというふうに考えております。
#138
○新村委員 その点については、地元とまだかなり意見の相違があるようですね。住民、それからまた地元の議会、地元の議会もまた住民の立場を全面的に支持しておるわけでありますから、少なくとも市街地だけはふたをしてもらいたい、トンネル式あるいは有蓋構造にしてもらいたいというのが最低の条件だと思います。そういう地元の要望と公団の方のお考えをいかに調和させるかということが重要なんですけれども、その点について、その最も緊要な、最も肝心な問題について、話し合いの現状と見通し、これはどうなんでしょうか。
#139
○大島参考人 原則的にはふたをかぶせる必要はないというふうに私どもは考えております。ただ、地元の方におきまして道路上空の空間をほかの施設に利用したい、あるいは上空を横断いたします道路の付近の土地利用を考えたいというような意見は出ておりますし、私どもその点につきましては多少考えたいというふうに思っております。
#140
○新村委員 それでは最後に、時間がありませんのでお願いしますけれども、もう時間がないわけですね。タイムリミットが迫りつつあるわけですよ。こういう状況の中で最終的にはどうなさるのか。これは地元の意向に反して強行するということはまずなさらないと思いますが、もう最後のぎりぎりの段階になっておりますので、ぜひひとつ地元の完全な了解のもとに仕事を進められるようにお願いをしたいわけです。
 最後にお願いをしますけれども、絶対に無理をなさらないように、強行しない、あくまで地元の納得の上、了解の上で仕事を進めていただきたいということを強く要望して、終わります。
#141
○越智(通)委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。
    午後一時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
#142
○森下委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。春田重昭君。
#143
○春田委員 私は、本日は総括質問ということでございますし、八問くらい質問を用意していたわけでございますけれども、よく考えてみれば、時間が五十五分ということでございます。そういうことでどうか大臣等におきましては、簡潔、明瞭にひとつ御答弁をいただきたい、こう思うわけでございます。
 なお、大臣等の質疑時間の都合によりまして、まず最初に会計検査院法の改正の問題につきまして、官房長官から御所見を伺いたいと思います。
 通常国会も、あと一月になったわけでございますが、長年懸案となっております会計検査院法の改正問題でございます。これはかつてこの決算委員会でも集中審議等をやったわけでございますが、過去のプロセスはもう結構でございますから、いよいよ会期末を控えて今国会上程ができるかどうか、その点だけで結構でございますから、官房長官からの御答弁をいただきたいと思います。
#144
○宮澤国務大臣 両院の御意思もございますので、鋭意調整に努力をいたしておりますけれども、ただいままでのところ今国会中に法改正の御審議をいただけるかどうか、ちょっと見当をつけかねております。
#145
○春田委員 私の質問にはそれは明確なる答弁とは言いがたいと思います。私は、要するに物理的な問題から考えて、あと一月という会期末を控えて、今国会上程ができるかどうか、この点について長官の御答弁をいただいているわけでございまして、確たる回答をいただきたいと思います。
#146
○宮澤国務大臣 別途、機能強化につきましては、いろいろなことを実行いたしたいと考えておりますが、法改正そのものにつきましては、改正案をこの国会中に御審議いただけるかどうか。実はどちらかと申しますと、なかなかむずかしいという感触を持っております。
#147
○春田委員 私は、会計検査院法というものは、会計検査院が独立機関として存在するか、それとも各省の付属機関として存在するか、基本的な問題であると私は思っているわけでございます。長官も御存じのとおり、この問題につきましては、衆参の本会議で六回の決議また衆参の決算委員会で六回の議決がされているわけでございまして、あとは、私は政府をまとめておる官房長官の決意次第である、こう思っているわけでございます。どうか指導力を発揮されて、この会計検査院法が国民の期待に沿うように国会に上程されることを主張しておきます。
 さらに第二点といたしまして、いよいよ五月連休に入りますと首脳会談が始まるわけでございますが、この首脳会談のテーマと言いますか、これはおよそ決まったわけでございますか。
#148
○宮澤国務大臣 外務省の方からお答えを申し上げます。
#149
○松田説明員 お答え申し上げます。
 首脳会談は明確な議題を細かく決めるわけではございませんが、国際情勢の分析及び認識に関する意見交換と、日米両国間の二国間問題について討議なさることになっております。
#150
○春田委員 当然、防衛問題、それから自動車輸出の問題はテーマになると思いますが、午前中から論議されております原潜の問題でございますが、これはテーマの中に入りますかどうか、お答えいただきたいと思います。
#151
○松田説明員 お答え申し上げます。
 御案内のとおり、土曜日、一昨日、米レーガン大統領から鈴木総理あてに、本件は首脳会談前に十分の進展を見るように努力するということがございましたので、私どもといたしましては、首脳会談に至る前に私どもとして理解し得るごとき状況になるものと考えております。
#152
○春田委員 この原潜問題につきましては、外務省が中心となっていま対米交渉をやっているわけでございますが、その他防衛庁やそれから運輸省の海上保安庁等も関連するわけでございます。そうしたいわゆる窓口が三つ、現在あるわけでございますが、これは一本化すべきであるという声もあるわけでございますが、この一本化につきましてはこの連絡協議会やいろいろな委員会等を設けてやっていくべきではないかという意見もあるわけでございます。この点について官房長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#153
○宮澤国務大臣 わが国の機関を通じて知り得べき状況と言えば、これは海上保安庁と防衛庁、この二つでございますし、また対米関係であれば、これは外務省が窓口になるということで、ただいままでのところおのおのが自分の与えられました分野を守っておりまして別段混淆もいたしておりませんし、また連絡上の不便も感じておりませんので、このままの体制でよろしいのではないかと私は考えております。
#154
○春田委員 それでは、官房長官は結構でございます。
 続きまして、昭和五十一年以来論議が交わされております環境アセスメント法案につきまして、鯨岡長官にお伺いしたいと思います。
 このアセスメント法案は今国会上程ができるかどうか。先ほどと一緒でございますが、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#155
○鯨岡国務大臣 総理も御言明でございましたし、私もしばしば申し上げておりますが、この国会に上程して先生方の御審議をいただきたい、こう考えております。
#156
○春田委員 いわゆる政府案といいますが、環境庁案が自民党にいま送られているわけでございます。自民党では、政調、総務、そして三役等でいま検討されているみたいでございますが、この案では、新聞報道では、第一段階ではいわゆる電源立地、発電所を除いて出していく、そしてその成り行きいかんでは第二段階で入れていく、こういうような報道がされているわけでありますけれども、鯨岡長官はこの点についてどういう見解をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。
#157
○鯨岡国務大臣 新聞報道は私も見ております。しかし、私どもの方にまだ何の連絡もありません。私は、去年の五月二日、各省庁間で十分討議をしてまとまりました政府の原案をもって先生方の御審議を願いたい、いまの段階ではそう思っております。
#158
○春田委員 先ほど言ったようないわゆる第一段階、第二段階の形で出されてきた場合、いわゆる骨抜きで送り返されてきた場合、長官はそういう法案を国会に上程するかどうか、お伺いしたいと思います。
#159
○鯨岡国務大臣 申し上げましたように、いまの段階で私の方に何の連絡もありません。したがいましてどういうものが出てくるかわかりません。それをいまからとやかく考えることはできませんが、出てまいりましたらそれをながめてみて、よく考えて決心したいと思います。
#160
○春田委員 いや私は、電源立地、発電所をこのいわゆる環境庁案から除いた場合、それ以外にもいろいろ変わるかもしれませんけれども、この点に限って言った場合、長官はどういう御見解ですか。
#161
○鯨岡国務大臣 ぜひ発電所も含めてやりたいというのが原案でありますから、いま私はその考えに変わりはありません。もしも除かれた場合と言っても、まだそういう話が来てないのですからお答えすることはできませんが、重ねての御質問でございますので、私の考えをちょっと申し上げてみたいと思います。
 どうしても全部含めて原案どおりで御審議をいただきたいと思いますが、私はこの問題でずっと苦労している過程の中で、まだアセスメントということをよくわかっていない人が多い。また、わりあいに理解している人――内容を言えばそれは大事だということは総理府のアンケートなどでも明らかでございます。そういうわけで、この先生方の御審議を通じてアセスメントがどういうものか、どうして必要なのか、どういうわけでいろいろ問題になっているのか、国民に知っていただく機会をこの審議の中から得たいと思っておりますので、極端に言えば何としてもここで御審議をいただいて、だめならだめのように、これはだめじゃないかと私に言っていただく、私はそれにこたえるというようなことで、国民にいまの時点でアセスメントについて十分な理解を持っていただきたい、こう考えております。
#162
○春田委員 このアセスメント法案には当然入れるべきだ、こう私は主張しておきます。いわゆる片肺どころか心臓がないのと一緒であって、今回のこうした原電の敦賀発電所の事故等から考えてみても、当然環境アセスメント法案には電源立地を入れて国会に上程していただきたい、このように主張しておきます。
 それでは環境庁長官は結構でございます。
 続きまして、防衛庁長官にお伺いいたします。
 五三中業に続きまして五六中業の作業がこれから始まると聞いておるわけでおりますが、長官はこの五六中業の中で防衛大綱の水準に達するよう指示をされたと聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
#163
○大村国務大臣 お答えします。
 五六中業については、訓令に基づく長官指示を出すかどうか、また出すとした場合の内容をどうするか、お尋ねのような内容の指示をまだ出しておりません。いま鋭意検討中でございます。
#164
○春田委員 当然首脳会談ではこの五六中業が問題になると思いますし、防衛大綱の問題も恐らく首脳会談のテーマの中に入っていくと思うのですが、この点につきましては長官の御感触はどうでしょうか。
#165
○大村国務大臣 首脳会談の議題等につきましては、先ほど外務省の政府委員がお答えしましたように、政府内部で相談中でございますが、お尋ねの五六中業がそのままテーマになるかどうか、その点はまだ決まっておらないように承知しております。
#166
○春田委員 来年度の予算のシーリングにおいて、財政再建の中でございますので、大蔵省の伸び率は、五十七年度は今年度の三%ないし五%しか認めないという方針があるみたいでございますが、防衛庁だけはいろいろな国際情勢の面からしていわゆる別枠扱いを長官が主張しているみたいでございます。この点、大蔵省との話し合いはされているのですか。
#167
○大村国務大臣 五十七年度予算のシーリングにつきましては、行革との関連もありまして例年より早くするというお話もあるやに聞いておるわけでございますが、まだ具体的に示されたわけではございませんので、防衛庁としてそれに対して別扱いを要望するとかそういうことはまだいたしておらないわけでございます。ただ、先日閣議で大蔵省からそういう考え方であるというお話がありましたときに、実施に当たっては各省庁とよく協議するという一項目がありましたので、その段階で防衛庁につきましてもよく御相談申し上げたいということを大蔵大臣に一般的に発言したことはございます。
#168
○春田委員 防衛庁長官は結構でございます。
 続いて通産大臣に何点かお伺いしたいと思います。
 まず最初に、自動車の輸出問題でございます。わが国の企業の代表であります自動車産業界の代表でございます石原会長は、この規制期間を一年、年間の輸出台数は昨年並みということでございますから百八十二万台ですか、こういう主張をしていると聞いております。また、米国政府の考えは、まだ正式なのは出ておりませんけれども、伝えられる内容によりますと、規制期間は三年、年間輸出台数は百五十万台とか、さまざまな意見が出ているわけでございまして、私は両方の意見が大きく隔たっていると思うわけでございますが、大臣はこの点についてどういう御見解をお持ちか、お伺いしたいのです。
#169
○田中(六)国務大臣 日米自動車問題は、レーガン大統領の伊東外務大臣に対する要請もあり、鈴木総理もそれを受けて、できますならば日米首脳会談が行われる五月の初句前に目鼻をつけたい、つまり話し合いを進めたいということでございます。ベースになるのは自由貿易ということでございまして、その間、いろいろなうわさが飛んでおりますけれども、私どもは正式には年限とか台数というものを相互に取り交わしたこともなく、訪米議員団が帰ってきましたのでその話を聞いても、別に具体的に数字や年限も出ておりませんし、いまのところそういう点については白紙でございます。
#170
○春田委員 自民党の自動車訪米議員団のメンバーが昨日夕方帰ってきたわけでございますが、大臣はこれらの関係者の方にお会いされましたか。
#171
○田中(六)国務大臣 先ほどこの委員会を中座いたしまして、小川団長初め五人の方に会ったばかりです。
#172
○春田委員 それでは、小川団長以下訪米された皆さん方の御意見を聞かれて、現在大臣はどういう御感触を抱いておりますか、お伺いしたいと思います。
#173
○田中(六)国務大臣 小川団長を初め五人の方は、上院議員に四名、下院で五名、ブロックさん初め政府の人々五名、十四名の方に会っておりますが、日本側が自粛と申しますか、自主規制みたいなのをしてほしい、自分たちの方はこれこれ困っておるからだということであったようですが、小川団長初めそれぞれ自動車問題のベテランでございますから、日本の主張すべきことはもうあらゆることを主張してきたというふうに言っておりました。
#174
○春田委員 規制期間と輸出台数というのは、大体大臣のお考えはお持ちだと思うのです。したがって、わが国の業界を理解させるためには、またアメリカ政府を理解させるためには、大臣自身としては規制期間、輸出台数はどれくらいにしたらいいか、現在そういうお考えがおありであればひとつ御答弁いただきたいと思います。
#175
○田中(六)国務大臣 あちらこちらで聞かれるわけでございますけれども、正直に申しまして、私はいま台数をどれだけ、期限をどうするということは全くの白紙でございまして、日米間の、向こうからも説明に参りましたし、今度は議員団が向こうに行って帰ってきましたし、今週末ごろに天谷審議官、栗原局長などを渡米させようと思っておりますし、その結果そういうあらゆるものを含めまして決めたいというふうに思っております。
#176
○春田委員 大臣の腹といいますか、通産省の一定の方針というのは日米首脳会談前には当然決まる、こう考えていいわけですか。
#177
○田中(六)国務大臣 先ほども鈴木総理の意向をちょっと聞きましたが、やはり日米首脳会談の前に目鼻をつけておきたいという意向でした。
#178
○春田委員 ところで、大臣は日米首脳会談には総理と同行はしないわけですか。
#179
○田中(六)国務大臣 私は、自動車問題に限って対米の話し合いをしようと思っておりますし、総理の訪米前ごろには、たびたび申し上げますように、この話し合いを終わりたいというふうに考えております。
#180
○春田委員 大臣みずからアメリカへ行くかどうかということを聞いているのです。
#181
○田中(六)国務大臣 率直に申し上げますと、私が行かなくても話し合いはつくと思います。しかし、どうしても行った方が話し合いの決着に欠きく貢献するということになれば、私が、アメリカばかりに行かなくてもという声もございますけれども、そのほかの経済関係もございますし、カナダ、ECなどもアメリカと同様のことを望んでおりますので、そういうことも勘案して態度を決めたいというふうに思っております。
#182
○春田委員 次に、先ほどから論議されております原発の問題につきましてお伺いしたいと思いますが、この原電の敦賀発電所の事故の原因、また事故の範囲、事故の発生期間、そしてその安全度、この四点を中心にしながらお伺いしたいと思いますが、事故の原因は本日までの調査では確定した結果はまだ出てないわけでございます。
 そこで、最終調査結果が出るのは大体どれぐらいと見通されているのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
#183
○高橋(宏)政府委員 私ども、鋭意現場に立入検査官を派遣いたしましてやっておりますが、何とか今週中ぐらいには出したいというぐらいの目標で努力をいたしております。
#184
○春田委員 それでは、今回通産省は立入調査権を強行したということを聞いておりますが、その理由はどういうことですか。
#185
○高橋(宏)政府委員 立入検査権を発動した理由はいかん、こういう御質問だと思いますが、私どもは現地駐在の監督官を置いてございますけれども、これはいわゆる法律上の立入権限を持った監督官ということではなくて、一般的な連絡調整、監督業務をやらしております。今回の事故の調査の必要性等から見まして、当然これは電気事業法に基づく強制立入権を持たせる検査官が適当か、こう判断したわけでございます。
#186
○春田委員 この敦賀発電所は昭和四十五年創業以来過去十一年間で三十一回の事故が起こったと聞いております。またこの一月には二回の事故がありながら通産省に報告されていない、こういうことでございます。いわゆる問題の発電所である、こう私は思うわけでございますけれども、大臣どう思いますか。
#187
○田中(六)国務大臣 非常に残念なことでございますし、いままでもチェックの段階あるいは勧告などもやっておりますけれども、今回を契機により強く、安全性を含めましたチェック機能を発揮すると同時に、監督官あるいは管理者への強い監督行政を行っていきたいというふうに思っております。
#188
○春田委員 現在稼働しておるのが二十二基ございますけれども、その中でやはり際立って敦賀発電所は事故が多いわけです。そういう認識に大臣は立っておられるかどうかをお聞きしたいと思います。
#189
○田中(六)国務大臣 つい最近、国会でも指摘されましたように、事故と申しますか、いずれにしても報告を怠っておったわけでございますが、このたびさらにこの眼前でそういうことをやっているわけでございますし、私も、ほかの原子力発電所のことも気になりますけれども、全体を通じてこの問題には特に残念に思うと同時に、これからのチェックということに鋭意努めていかなければならないというふうに思っております。
#190
○春田委員 現在の調査では、廃棄物処理建物の中から発生しているということを聞いているわけでございますが、この建物は昭和四十五年の三月に建てられて、今日まで数回増改築が行われたわけでございますが、その増改築に際して行う審査といいますか調査といいますか、それは十分行われていたかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#191
○高橋(宏)政府委員 四十五年三月にできましてから、四十六年九月、四十九年六月等数回の改造が行われております。この改造に際しましては電気事業法に基づきます認可が必要でございまして、その都度の認可はやっておるところでございます。
 なお、先ほど構造上漏れたのじゃなかろうかというお言葉がございましたけれども、午前中私ども発表いたしましたように、去る三月八日にこの廃棄物処理建屋の中でかなり大量の高汚染の液があふれ出て床を浸したというトラブルがあったことは事情聴取の結果わかったわけでございまして、これが大いに関係しておるのじゃなかろうかということで、現在詳細に調査を進めておるところでございます。
#192
○春田委員 マンホールが何か四カ所くらいあるみたいでございますが、このマンホールの中でナンバーツーだけは非常に高い数値をあらわした。このマンホールは一般排水路のマンホールであったものが、いわゆる放射能を廃棄処分する建屋の中に入ってきた、この点については通産省は知っていたのですか。
#193
○高橋(宏)政府委員 今度の事情調査あるいは立入検査等を通じましても、再確認されたところでございますけれども、いまおっしゃいました増設によってマンホールの二つが建物の中に取り込まれておる状況のようでございます。ただし、このマンホール自身は通常の床面から約六十六センチ上に上がっているようでございます。したがいまして、それだけの理由では廃液がそこから流れ込んだということが直ちに判断できないわけでございまして、その辺を含めて現在調査いたしております。
#194
○春田委員 時間がございませんので、先に進みたいと思いますが、事故の範囲、発生期間でございますが、この点についてはどうでしょうか。
#195
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 事故の発生時間と申しますのは漏洩が起こった時間……(春田委員「期間」と呼ぶ)期間でございますか、その辺ももう少し調査してみなければわかりませんが、この発見と申しますか発端になりましたのが今月行われました前面海域のホンダワラの放射能調査でございます。それが前月、前々月に比べて高いというところからわかったわけでございます。そういたしますと、もちろん付着するにはそれなりの時間はかかると思いますが、そういうところからのアプローチが一つ、それからもう一つは、いまお話し申しました三月八日にかなりの放射性廃棄物を建物の中にこぼしたということ、この両方からいつごろ起こったかということを調査いたしておる段階でございます。
#196
○春田委員 通産省と科技庁は、いち早く魚介類の調査からは人体への影響はないと発表しておりますが、福井県でとれた魚は現在取引されているかどうか、これは水産庁の方がおいでいただいていると思いますが、お答えいただきたいと思います。
#197
○山内政府委員 現在の敦賀湾地区の漁業状態について申し上げますと、一部高浜地区につきましては操業停止、こういうかっこうになっております。その他の地域につきましては操業を行っておりまして、一都市場におきましては価格が下がった、こういうことを聞いております。
#198
○春田委員 福井漁連から各地の中央卸売市場、たとえば東京とか大阪とか名古屋とか神戸とか、そういったところへの出荷の状況はどうなのですか。
#199
○山内政府委員 現在六大市場の方から福井県漁連を通しまして、出荷を見合わせるように、こういう方向で依頼が一応来ているわけでございます。六大市場等につきまして出荷を現在見合わせている、こういう状況でございます。
#200
○春田委員 六大市場からは出荷見合わせの依頼が来ている、自粛要請が来ている、こういうことでございます。当然漁民に与える影響というのは大きいと思うのですね。この心理的な魚買い控え、こうしたことによります漁民の補償という問題についてはどう考えているのですか。
#201
○山内政府委員 現在、福井県漁業協同組合連合会と日本原子力発電所の間で覚書が取り交わされておりまして、原発の設置あるいは保守、運営につきまして損害を漁業者に与えた場合には誠意をもって補償する、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、この趣旨に沿いまして将来補償問題が解決されるであろう、こう期待しているわけでございます。
#202
○春田委員 大臣にお伺いしますけれども、これは原電側の補償として考えていいと私は思いますけれども、どうでしょうか。
#203
○田中(六)国務大臣 地元との話し合いを進めながらこの行政指導に当たりたいというふうに考えます。
#204
○春田委員 中間報告では廃棄物処理建屋内の事故と見られておりますけれども、これは単なる操作ミスの事故なのか、また単なる配管のひびによる事故なのか、それとも原子炉であります沸騰水型の根本的な事故なのか、この点どう見られているのですか。
#205
○高橋(宏)政府委員 BWR、沸騰水型の根本的な問題という意識は目下のところ私どもそこまでは持っておりません。ただし、原因が技術的、機械的な問題なのか、ミスを含めた人為的な問題なのか等につきましてはなお検討を要する問題かと思っております。
#206
○春田委員 この沸騰水型は、現在稼働中二十二基のうち何基あるのですか。
#207
○高橋(宏)政府委員 十一基と記憶いたしております。
#208
○春田委員 先ほど大臣は原発の再点検をすべてやるということでございますけれども、この点についてもう一回確認したいと思いますが、これは原発、沸騰水型も加圧水型もすべて再点検する、こういう意味でしょうか。
#209
○田中(六)国務大臣 総点検をやると申しましたのは、あくまで総点検でございますので、あらゆる型の発電所をやりたいというふうに思っております。
#210
○春田委員 この沸騰水型は設計はアメリカのGE社のものであると聞いております。この沸騰水型を加圧水型と比較した場合に沸騰水型の方が圧倒的に事故が多い、こう聞いておるわけでございます。そこで沸騰水型を重点的にやっていく必要があるのではないか、特にアメリカのGE社からも来てもらって一緒に同行して、いわゆる総点検をやる必要があるのではないかと思いますけれども、この点については大臣はどう思われますか。
#211
○高橋(宏)政府委員 いささか技術的な問題もございますので私からお答えさせていただきますが、BWRが圧倒的に事故が多いということは、私どものデータによりますと必ずしもそうじゃありません。やはりそれなりにそれぞれ出ておる実情でございます。最近はそういう初期的な事故、故障のたぐいは減っておったところではございますが、そういうことで私どもは本件御説明いたしておりますように、廃棄物処理系からの問題で、それが一般排水系に何らかの形で混じったということでございます。そうなりますと、これは加圧水型であろうと沸騰水型であろうとあるいはガス炉であろうと同じだと私は思っております。そういう観点からすべての二十三基につきましての総点検を指示いたしましたし、点検の内容はこういう廃棄物処理系が一般浄水系、排水系に与える影響がないかどうかというようなこと、それから一般排水路の放射能測定等についての点検の指示でございます。
#212
○春田委員 この原電敦賀発電所には二号炉の建設が予定されておりますけれども、その建設状況はいかがになっておるか、お伺いしたいと思います。
#213
○高橋(宏)政府委員 敦賀二号機の建設計画でございますが、現在通産省におきます第一次行政審査と申しますかが終わりまして、原子力安全委員会の方にその結果のダブルチェックを諮問している段階でございます。その結果によりまして今後のプロセスが決まってくるというぐあいに考えております。
#214
○春田委員 通産省の長期エネルギー計画では、この二号炉は大体いつごろから着工していつごろから発電を開始するのか、その点をお伺いしたいと思います。
#215
○高橋(宏)政府委員 運転開始を昭和六十一年三月を目途に建設が計画されております。着工につきましては、ただいま申し上げましたように原子力安全委員会のダブルチェックが終了いたしまして、問題ないという答申をいただきますと、今度は次に工事計画の認可申請がございます。その工事計画の認可をおろしたそのときから着工は可能になります。
#216
○春田委員 第二次審査の原子力安全委員会の答申というのは大体いつごろを通産省としては期待しているのですか。
#217
○赤羽政府委員 原子力安全委員会は昨年の九月に通商産業大臣から敦賀の二号原子炉の増設について諮問を受けまして、それ以降厳重な審査、いわゆるダブルチェックを行っておるわけでございます。その間、昨年の十一月に第二次公開ヒアリングを行いました。現在がなり審査は進んだ状態にございますけれども、まだ最終的にいつ答申になるという見込みはついておりません。
#218
○春田委員 しかし、六十一年三月から発電開始したいとなれば、大体原発の建設期間はどれくらいで、それから運転開始は大体どれくらいでということが逆算できるでしょう。そうしたら最低リミットといいますか、大体いつぐらいまでに出さなかったら六十一年三月には間に合わないという逆計算ができるのじゃないですか。大体いつごろをめどとして通産省としてはこの委員会の答申を得ようとしているのですか。そういう働きかけをしているのでしょう。
#219
○高橋(宏)政府委員 私どもとしましては私どもの第一次安全審査を慎重かつ十分行うということが第一番目でございまして、それを終え、ダブルチェックを待っておる段階でございます。なお、六十一年三月を目途にというお話をいたしましたが、たとえば通常の建設期間は現場におきまして約五年はかかるだろうという気がいたします。そういう観点からいきますと、この目標自身数カ月のずれが出てくるということは結果的にはあり得ることだと思っておりますけれども、私ども安全に万全を期す一方では原子力発電所をつくらなければいけないという考えを持っておりまして、安全を十分ちゃんと審査しながら、なおかつ少しでも早くどこかで詰めて建設するように努力させたいという一般的な考え方は変わりございません。
#220
○春田委員 大臣にお伺いしますけれども、この二号炉につきましては通産省の第一次が一応通って、いま第二次の原子力安全委員会に付託されているわけです。その答申が出てきて、あと大臣が認可、承認するわけでございますが、こうして一号炉が三十数回の事故を起こしている、こういう点から考えて住民は非常に硬化していると思うのです。そういう点から考えて、この二号炉の建設につきましては私は慎重にやる必要がある、見直す必要があるのじゃないか、こう思いますけれども、大臣の御感触はいかがですか。
#221
○田中(六)国務大臣 この敦賀の原子力発電所は御承知のように非常に古くできたものでございますし、その点の勘案をしなければならないのじゃないかと思いますけれども、いずれにしても私どもそういう古い新しいという問題は別にして十分なチェック、配慮、安全性について十分検討していきたいと思います。
#222
○春田委員 どうも私の質問とかみ合わないわけでございますけれども、時間の制約上次へ進みたいと思います。
 いずれにしましても原発行政は、いわゆる住民への公開、安全度というのは非常に大事になってくるわけです。こうした敦賀発電所が一月の事故でも隠そうとしている。今回の事故だって相当報告がおくれていると聞いておるわけであります。そういう点から言ったら、この原発行政が国民の信頼を余り得られない、こういう結果になると思うのです。そういう点で先ほどから論議になっておるようなアセスメントでは原発の電源立地を法案から抜こうという考え方があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、通産省が考えておりますこの長期エネルギー計画では、昭和六十五年度では原発を五千百万か五千三百万キロワットにする、そういう目標があるわけです。これにつきましては確実に達成できるという見通しがあるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。
#223
○田中(六)国務大臣 いま御指摘のように二十三基が稼働中でございまして、これを三十五基まで持っていこう。そうなりますと、十年後の目的の五千百万キロワットから五千三百万キロワット、いまの計算でいきますとやはり足りないのでございますけれども、稼働能力とかいろいろなものを勘案していきますと、それに近い線は出るだろうという見通しを持っております。しかし、現在のようにいろいろな事故あるいは安全性の問題で住民の方や世間に疑惑を持たれるような結果が次々に起これば、そういうことも御破算になりますので、ますます私どもは安全性ということを頭に置いてチェック機能を発揮すると同時に、管理監督、行政指導に鋭意努めてまいりたいと思います。
#224
○春田委員 原発問題は以上で終わります。
 次に、一点だけお伺いしますけれども、石油問題でございます。三月決算が間もなく公表されると思いますが、現在石油業界では、アラムコ系と非アラムコ系でいわゆる原油価格の違いによりまして相当決算内容が違ってくると思うのです。せんだっても非アラムコ系の、民族系の丸善石油が製油所を二カ所整理するような形で出ているわけでございます。そういう点でこの民族系の、いわゆる非アラムコ系の業界の再編という問題がこれから焦点になっていくのじゃないか、こういう話が出ているわけでございますけれども、この業界再編について大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。
#225
○田中(六)国務大臣 民族系と民族系でないのは、すでに御承知のように、原油の輸入価格がもうそもそも四ドルくらい違う。そういうことがいろいろ波及いたしまして現在のような円安傾向あるいは油の値上げというようなことで非常に困っておる。すでに私どももそういう事情聴取なども個別にはいたしております。したがって、非アラムコ系がそういう現状でございますので、私どもも共同石油などの一つのグループをつくって民族系の育成というようなことに頭を使ってまいりましたが、これからもある程度そういうブロック別にそれぞれかたまるというようなことの配慮、あるいはそういうことを頭に置いた行政指導を行うことが得策であると思っておりますけれども、あくまでこれはそれぞれの会社が自主的な考えを持ってやらなければならない点でございますので、そういうのも勘案して議員のおっしゃるような方向に歩いていくことが得策ではないかというふうに思います。
#226
○春田委員 もう一点お伺いしますけれども、この民族系につきましては、開銀の低利の融資が設備投資という形で政府の援助が行われているわけでございますが、こうして一バレル当たり二ドルも三ドルも民族系といわゆるアラムコ系では差があるわけですね。そういう点で民族系というのは今後非常に大変な状態になっていくのじゃないか、こう思うわけでございますが、政府として、現在行っている設備投資の援助以外に民族系については何か特段の援助をしようという考え方があるのかどうかお伺いしたいと思うのです。
#227
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘がございましたように、現在OPECの原油の価格体系が非常に混乱している。こういうところから日本の各石油企業の原油調達コストが非常に差が出ておる、こういう非常に困難な状態にあるわけでございます。従来私ども共同石油を中心といたしまして、開銀の融資を通じて助成をやってまいったわけでございますけれども、今後の方向といたしまして、ただいま大臣がももお答え申し上げましたように、さらにそういう共同石油のようなグループ化に加えまして、たとえば原油調達あるいは重質油分解、各分野における業務提携関係、その他非常にハードな形の企業結合ではなくてソフトな形でのいろいろな企業関係を深めていく、こういう方向で対応していくことが必要ではないかというふうに思っております。ただ、その場合におきましても、果たしてそういったことで原油調達コストの差が埋められるか、こういう問題が確かにあるわけでございます。ただ、この点につきまして私どもといたしましては、一つは今後のOPECにおきます原油価格体系がどうなっていくか、この辺を十分慎重に見きわめることが必要であるというふうに思っておりますけれども、当面の問題といたしましては、基本は各企業がたとえば現在クウェート、カタールとやっておりますように、できるだけ安い価格の油を取得するように努力していくということである、そういう企業の努力に対しまして必要に応じて私どもできるだけの援助をしていく、こういうことで対応していくことが当面の問題ではないかというふうに思っております。
#228
○春田委員 恐らくOPECの価格体系は一本にまとまることはないと思うのですね。今後もばらばらで推移していくのじゃないかと思うのです。
 そういうことで、こうしたいわゆる民族系とアラムコ系では相当な差が出てくるということから考えて、たとえば、原油調達を政府一本でやって、そして各企業にそれを売っていく、そういう考え方もあるやに聞いておるわけでございますけれども、この点については通産省としてはどう考えていますか。
#229
○森山(信)政府委員 石油の買い方につきましては、いま先生から御指摘のように、政府が一本で買うべきではないかということも一つの御意見としては十分わかっております。
 ただ、産油国によりましては、一本で売ることに対しまして抵抗を感じている産油国もございますので、相手の国の考え方に従いまして応対を考えるべきだ、こういうふうに判断をいたしております。
#230
○春田委員 それでは、通産省の方は結構でございます。
 最後に厚生大臣にお伺いします。
 時間が切迫してきましたので、細かい質問ができませんけれども、いよいよ薬価の基準の値下げが行われるわけでございますけれども、厚生省は、今回の薬価基準の見直し、値下げというものは、市場の実勢価格に合って直したのだ、ヒヤリングも終わり、これからいよいよ公報の掲載だと聞いているわけでございますが、今回のいわゆる値下げによって実勢価格と医療機関との差益、いわゆる基準価格と医療機関との差益、これは完全に解消したと言えるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。
#231
○園田国務大臣 薬価の改定は、国会でいろいろお約束申し上げたのが大分おくれてまいりまして恐縮をしておるところでありますが、ただいま御発言のとおり、内示をいたしておりますから、これを済まして四月中、遅くとも五月の初めには告示をするつもりでおります。
 大体、薬価改定、いわゆる切り下げの基準というのは、いまおっしゃいました実際の取引の価格と基準価格との差を目標にして、個々には調査の結果を考えてやっておるわけでありますので、個々にどうこうということはわかりません。大体の見当は二割から高いのは二割五分の差がございまするし、それから個々の薬価については、古いものが安い値段でそのままで大変なところもありますから、そこの地ならし等も考えまして、大体一八%を少し上回るのじゃないか、こう思います。
 そうしますと、医療機関その他でいろいろ問題が起こっておりますけれども、大多数の医療機関、お医者さんは非常にまじめにやっているわけでありまして、これは厚生省が三年間半も医療費の改定、薬価の改定をほうっておった結果として出てきたことでございまするから、非常に矛盾を感じておりまして、結局は実際の医療機関の経営の、薬価の切り下げ分だけは足を切るようなかっこうになるわけでありますから、これを補てんをして、そして経済情勢とどのようにつないでいくか、こういうことが問題だと考えております。
#232
○春田委員 質疑時間があと五分となりましたので、何点がまとめて御質問申し上げますので、御答弁をいただきたいと思うのです。
 私は、今回のいわゆる実勢価格に合った公示をしていくということでございますけれども、実勢価格には近い価格になったとしても、必ずしも実勢価格どおりはいっていない、差益が出てくるのじゃないかと思います。
 そこで第一点は、この差益を生ずるのは、やはり九〇%バルクラインというこの制度がある限り、当然差益が出てくる。そういう点から考えて、今後はこの見直しのときは、加重平均で見直していく必要があるのじゃないか。この点についてどう考えるか、これが第一点です。
 第二点といたしまして、今回の値下げによりまして、製薬メーカーが四百社ございますけれども、いわゆる後発メーカーの五十社なり百社が倒産するのではないか、業界の内部では相当そういう声が起こっております。これはいろいろな理由がございますけれども、もう時間がございませんから言いません。大臣はもう御存じだと思うのです。そうしたいわゆる後発メーカーの中小零細企業に対してどう考えていくのか、どう手を打っていくのか、これが第二点目でございます。
 それから第三点目には、官公立の病院は、ほとんど主体として先発メーカーの薬が入っているわけでございます。後発メーカーの薬も若干入っておりますけれども、ほとんど先発メーカーでございます。したがって、いわゆる九〇%バルクラインでいったら相当やはり高くなってくるわけです。官公立の場合は高いですから、一般開業医の場合は非常にたたきますから、値下げ率が高いわけですね。そういう点で官公立の病院にやはり後発メーカーを入れていくべきである、こう思っておるわけでございますが、この点どうお考えになっておりますか。
 米国では、いわゆる公金で使う場合は、薬品を購入するのは安い方から仕入れると聞いております。またドイツ等では、一〇%薬価の差があった場合には大きな社会的問題になってくると聞いております。公立病院に後発メーカーの薬も入れるべきであると私は思いますけれども、この点どう考えるか。
 最後に、現在は銘柄方式になっておりますけれども、この統一限定列挙方式といいますか、五十三年二月以前はそれをやっていたわけでございます。この統一限定方式にやることによって、自由競争ができていくのじゃないか。当然、先発メーカーについては相当な資本、いわゆる投資をやっております。したがって、ある程度後発にはプレミアムをつける必要がございます。しかしその期間というものは、特許が切れる十五年間、また、いわゆる副作用の報告義務の期間が六年になりました、その期間だけはある程度の先発と後発の差はつけていいけれども、それが切れた段階では当然先発も後発も自由競争にして値段は一緒にすることが、国民の薬剤の負担はなくなっていくのじゃないか。業界では、ある人によれば四千億か五千億の薬剤費の負担が軽減するのじゃないかと。四兆二千億の薬剤費の五千億というのは相当大きいものでございます。この点どう考えるか。
 以上の点につきまして、まとめて御答弁をいただきたいと思います。
#233
○大和田政府委員 第一点と第四点につきまして私からお答えいたします。
 第四点につきましては、すでに先生御承知と思いますが、五十三年の二月の全面改正までは統一限定列挙方式というので行われておったわけでございますが、これは実勢価格と薬価基準との乖離がどうしてもあるということでいろいろ議論が出されたわけでございまして、その乖離をなくすために、その方法の一つとして、五十一年の二月に中医協におきましてこの銘柄別収載方式の採用が決められたわけでございます。こういったようなことによりましていろいろメリットが出てまいる。今回初めてこの銘柄別の薬価基準によりまする薬価の大改定というものが行われるわけでございますけれども、やはりこれによりまして実勢価格ときわめて近い線で適正な価格が実現できる、こういうようなことを考えておるわけでございます。
 それから、第一点でございます九〇バルクの問題でございますけれども、これは先生がおっしゃいますように、九〇バルクラインにおきましては、なかなか実勢価格と薬価との間で――やはり乖離を十分に縮めるというそういう算定方式といたしましてはもっといいものがあるのではないかというような議論が出ておりまして、私どももそれに対しましては謙虚に反省いたしまして、どういうふうな算定方式がいいかということを前向きに検討いたしたい、このように考えております。
#234
○園田国務大臣 まず、今度の薬価の改定で大手メーカーが有利で中小企業、零細のメーカーが倒産するのじゃないか、この点は私も十分注意をいたしておりまして、内示してから数日間の不服申し立ての期間があります。場合によっては非常につらいという申し立てでありますが、見ると、実際の取引よりもやはりやや上回っているところもある。かと思うと、いままでが非常につらい上にさらに下げられているところもあるようでありますから、その点はいまの御発言が生きまするように、短期間ではありますが十分修正をしてやりたいと考えております。
 病院に後発メーカーの薬が入っておらぬ、これは御発言のとおりの実情でございますから、十分私の方でも注意をして、特に病院等は先例にならうくせがございますから、これは先例並みを変えて後発メーカーの薬も十分使うように、こうしたいと思っております。
#235
○山本(純)政府委員 ただいま大臣からも申し上げましたとおり、決して先発メーカー、後発メーカーという区別をしているわけではございませんけれども、やはり薬といいますのはお医者さんが患者の症状を見まして処方をする、それはまた病院ごとに委員会を設けて薬効なり患者さんの必要というものを十分検討してやっておるわけでございますので、先生の御趣旨を体してやってまいりたいと思います。
#236
○山崎(圭)政府委員 大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、何といいましても薬価の現実価格を抑えましての処置でございますので、このこと自身によっていま中小メーカーがどうのこうのという事態は起こらないと思います。挙げて今後のメーカーの対応姿勢の問題になると思いますが、御指摘のような懸念もございますので、適切な措置について十分考えてまいりたい、かように考えております。
#237
○春田委員 それでは、もう時間が参りましたので終わりたいと思いますが、時間の制約上細かい内容についての御質問はできなかったわけでございますけれども、私の意を十分体しながら行政を進めていただきたい、このことを要望いたしまして、終わります。
#238
○森下委員長代理 中野寛成君。
#239
○中野(寛)委員 まず、先ほど来問題になっております敦賀原発のことについてお伺いをしたいと思います。
 各新聞報道、また調査の内容等を見ますと、この廃棄物処理施設に構造上の欠陥があったのではないか、こういうことが指摘されているわけであります。しかし、きのう、きょうの報道等も拝見いたしますと、その廃棄物処理建屋の中にマンホールの口が出ている、特に第二マンホールの問題が出ています。しかし、この第二マンホールも床から六十数センチ上に出ている、単に流れ出ただけではそこへ流れ込んでいく構造ではありません。そういうところから、言うならば故意に投棄したのではないかという疑いが出されているわけであります。ちなみに、この第二マンホールの万へランドリードレンタンクから流れ出たとしても、結局そちらの方が今度発見されたものより逆に濃度は薄いわけであります。そういう意味ではここに一つの大きな問題点があるのではないか、このように思いますが、いかがお考えでしょうか。
#240
○高橋(宏)政府委員 御指摘のように、床面から六十六センチぐらい高くなっております、しかしながら建屋の中にございますマンホール、そこが一番測定放射能が高かったわけでございます。したがって現在のところ、その辺からかなり高濃度の廃液が漏れだということが予想されます。そしてその原因が何かということにつきましては、構造上なのかあるいは人為的なのか、これもいろいろなケースがあると思います。誤操作とか勘違いとかいろいろあるかと思いますが、そういうことを幅広く検討いたしたいと思っております。
 なお、この第二マンホールのほかに、いまはもう床の下にコンクリートで固めてしまった昔の古いマンホールもあるようでございまして、そういうところからにじんだような形で入った可能性もございます。いまのところ、そういういろいろなケースにつきまして、御指摘のような点も含めて鋭意検討いたしておるところでございます。
#241
○中野(寛)委員 現在まだ調査中ということですから対応策を講じられていないわけですけれども、単ににじみ出たということであれば、いまでもなおにじみ出続けているということだってあるわけです。今日の調査段階ではそうはっきりとお答えはしていただけないのかもしれませんけれども、しかし少なくとも報道をされております内容、そしてまた先ほど来の答弁等をお聞きいたしておりますと、その意図は別にして、むしろ故意に排水されたというケースが一番強いニュアンスとしてわれわれには受けとめられるわけであります。
 また、この場所は、前回冷却水が漏れましたけれども、その位置でもあるのです。実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の十条によりますと、ここは常に見回りをしておかなければいけない場所にもなっているわけです。これは明らかにこの部分にも問題点がある、というよりもこの部分にとりわけ問題点が残されているのではないか。もう一つは、それがたとえ漏れたのにしろ故意に捨てたのにしろ、こういうふうにマンホールが存在していること自体が構造上の一つの問題としていずれにせよ指摘されなければなりません。
 私たちは今日まで、原子力発電所の推進を強く要請してきたところであります。それは、今日のエネルギー事情から考えて原子力発電所の重要性というものを認識したからであります。しかし、そういう観点に立って物事を考えたとしても、というよりも、だからこそこのような事故は許されないことであります。そういう意味でこれは明らかに構造上の、言うならば防ぐことのできる人為的な出来事である、このように申し上げたいと思いますし、そしてそのようなことであるだけに断じて起こしてはならないゆえに、次の三点を指摘しておきたい。
 まず、増設時にこういうマンホールがここに存在するまま十分な点検もしないで許可をしたということが第一点、そして今日なおそれが存在をしていること、そしてそこが問題点として指摘されていることが第二点、それから先ほども申し上げた、故意に投棄した疑いが十分に考えられるということが第三点であります。そしてまた、今日までの日本原電の態度を見ておりますと多くの事故隠しが行われているということ、これは、この建屋を増設するときに十分な配慮をしないで増設をしたこと自体、むしろこのマンホールを意図的に取り込んだということさえ考えられるという点できわめて問題であります。そういうことを考え合わせますと、日本原電の体質の問題も十分注意されなければなりませんし、指導をします通産省の責任はきわめて重大であります。そして最後に、故意投棄の問題も含めて迅速かつ厳格に調査がなされなければならぬし、今後の原子力発電所の推進のためにも、また国民の皆さんの不安をいたずらに助長するようなことのないように努めるためにもその実態が明確にされなければならぬ、このように考えるわけでありまして、以上のことについて端的にかつ明確にお答えいただきたいと思います。
#242
○高橋(宏)政府委員 構造上の問題も一つあるが人為的な故意の疑いもあるのではないかということから、さらにそういったことを隠す体質が問題であるというような御指摘かと存じますが、先ほど御説明いたしましたように、あるいは先生からも御指摘がありましたように、構造上から見まして要するに適当かという点になりますと、適当とは言えないのだろうと思います。しかしながら、六十数センチも高いところからなぜ入ったかという点につきましては、依然として私どもも構造上だけの問題がどうか疑問点はございます。それから同時に、午前中もお話しいたしましたが、去る三月八日に大量の放射性廃液が建物の中に漏れておる事実があったということも本件と非常に関係が深いと考えて、現在調査中でございます。いずれにしましても、前回の給水加熱器の問題にしましても今回にしましても、こういう問題は原子力発電株式会社の安全管理体制のずさんさということに起因すると言われても仕方がないと思っております。
 私どもは、事実調査を急ぐ一方、一方では保安管理体制の徹底的見直し、総点検というのを原子力発電株式会社にすでに指示いたしておりまして、これを総合いたしまして、再びこういうことが起こらないような厳正な措置をとりたいというぐあいに考えております。
#243
○中野(寛)委員 この問題については最後に大臣にお聞きしますが、たとえば大臣、こういううがったとも見られるような考え方も実は出ているわけであります。私はこれを原発反対派の作為だと申し上げようとしているのではありません。あくまでも慎重でなければなりませんし、あくまでも安全性を第一に考えなければならない問題であることを前提に置きながら申し上げますが、政治的に考えても、たとえば窪川町の町長選挙があって、アメリカの原子力潜水艦の問題があって、そして本院の科技特の皆さんが今週は調査に行かれる、そしてこの前ああいう漏れた事故があった。いろいろなことを総合して考えると、だれかが意図的に故意に投棄をするということさえもあり得るではないか、こういう話さえもだんだん話が発展して生まれてくるのであります。そしてこのようなことは、むしろ賛成派と反対派の間の気持ちをますます遠いものにしていって、原子力問題、その平和利用問題に対して日本国内におけるコンセンサスをまとめ上げていくことの妨害になっていくわけであります。そういう事態にまで今日陥っていることを私はむしろ憂慮しながら、これらの問題について厳格に調査をし、それこそ軍事秘密でも何でもないわけですから、早急にすべてが明らかにされることを強く要望し、大臣の御決意、そして対応の決意をお聞きしたいと思います。
#244
○田中(六)国務大臣 こういうあってはならない事故が起こる、あるいは報告がなされてない、いろいろなところで隠蔽とはいかなくてもいろいろな義務が遂行されてないというところから、いろいろな疑惑とか考えられないようなことも浮かび上がるのじゃないかと思います。これはやはり監督あるいは監督官の問題、あるいは事故が起こったときに、こういう義務規定をやらなければならないという、いずれにしても規定が守られてないということから起こりますし、私どももこの点十分気をつけて安全性を第一にすると同時に、そういう妙なうわさが流れたりしないように鋭意科学的に十分な監督、チェック、そういうことに努めてまいって、厳重な態度をとっていきたいというふうに思います。
#245
○中野(寛)委員 もう一点、大臣にお伺いします。
 先ほどこの事故に関連をして総点検を行う、こういう御発言でございました。そしてそれはすべての原電について行うということでございました。これは稼働中のものも含めてすべて検査するという意味なのか、そしてこれは定時点検でやるのか臨時に特別に総点検をしようとするのか。稼働中のものの場合は止めなければ点検ができません。いわゆる過剰反応の問題もありますが、この辺のことについて決してうやむやではなくて明確にし、かつ今日の原電の存在意義というものそのものもきちっと踏まえられた上での対応を講じていただきたいと思いますが、その対応についてどうお考えですか。
#246
○田中(六)国務大臣 定。期的な点検だけではなく、これを契機に全部の総点検を一応やるように指示をしていきたいと思います。
#247
○高橋(宏)政府委員 ちょっと技術的なことを補足いたします。
 本日出しました総点検でございますが、大臣がお答えされましたように全発電所を対象といたします。点検の内容につきましては、原子力発電所の一般排水路について、管理区域からの放射性物質の漏洩、混入のおそれがあるかどうか、そういうことについて点検を行うとともに、その一般排水路についての放射能測定を行い、結果を速やかに報告する、こういう指示をいたしたわけでございます。この場合、通常の場合は発電所を停止せずともできるケースがほとんどかと存じております。
#248
○中野(寛)委員 わかりました。その点検が確実に行われて、そしてそれが少なくとも国民の皆さんに対する不安を解消することになり、そしてまた原子力発電所に対する認識が正しい形で認識していただけるもとになるように心から念願をして、また要望しておきたいと思います。なお、通産大臣には、申しわけありませんが、後ほど自動車問題でお尋ねを申し上げます。
 次に、大蔵大臣にお尋ねをさせていただきます。
 昭和五十七年度予算の編成作業は例年より早まるのではないかというふうに伝えられているわけであります。大蔵大臣、どのようにお考えなのでしょうか。たとえばこれは臨調の絡みもあるのかもしれません、行政改革の絡みもあると思いますけれども、シーリングを例年七月末であるのをもっと早めるというふうなお考えもお持ちであるように聞いておりますが、いかがでございましょうか。
#249
○渡辺国務大臣 いま検討をしておるところでございます。第二臨調の答申が七月とか七月半ばとか言われておるわけでございます。その答申を受けて、それによってシーリング枠を内容を見て決めてということになると、なかなか七月末にシーリングを下すのはむずかしいのじゃないか。各省庁ともいままでに例のないような厳しい予算要求枠を定めたい、こう思っておりますから、そこに臨調答申と両方一緒になってしまって出ると、各省庁とも対応に非常に混乱を生ずるのではないか、そういうような考え方から、できればなるべく早目で、六月末またはあるいはもう少し早めるかもわかりません。そのときの状況によって各省庁にシーリング枠を通知して、その中でトレーニング、準備運動をしてもらう、どんなのが来ても心配のないように腹構えを決めてもらう。そこへなにが出るということで、概算締め切りまで二カ月ぐらいの時間をかけないと、各省庁もいままでやったことのないことをやるわけですから、ちょっと周章ろうばいしても困るわけでして、それぐらいの時間を見たい、そう思っております。
#250
○中野(寛)委員 御答弁では、シーリングの時期が六月末ごろ、第二臨調の中間答申は七月中ごろ。いま大臣は、そのシーリングによる作業をトレーニングとおっしゃいました。これがトレーニングであれば、それはそれまでまた受けとめ方があると思います。しかし、単にトレーニングで、もちろんトレーニングは実際に走るためのトレーニングですからそれはそれで意味があると思いますけれども、しかしそれでもシーリングの枠と答申の間で差異が出てくる可能性があるとすれば――あるのではないかと思うのですが、差異、違いが。そうすると、各省庁は実際トレーニングといえども対応に困るのではないか。これはトレーニングですよと少し弾力性を持たせて大蔵省からおっしゃるのならばまたいざ知らず、やはりたとえトレーニングと言われても各省庁の受けとめ方はずいぶん厳しくなければなりませんし、また当然厳しかろうと思います。それでも第二臨調の中間答申と差異が出てきた場合、大変困るということが起こりませんでしょうか。
#251
○渡辺国務大臣 それは、シーリングというのは、シーリングをやったからそのとおり全部認めるというわけではありませんから、いままでも。その中での話ですから。その中で、仮に枠はこれだけのものが、もうこういう枠になった、それでかなり厳しい。各省庁ともこれだけでおさめるとすれば、当然ふえるものもありますから減らすものもつくってもらわなければおさまらないわけですから、そこへ第二臨調が出てまいりまして、それはもう大体想像、わかるのですよ、検討項目というものは発表されているわけですから、こういうものが検討されるというのはわかるのですよ。そこで、要するに第二臨調、どういう答申になるかわかりませんが、恐らく細かい数字や何かはもちろん載らないと思います。したがって、それはそういう思想をくんで、その中でやるということになりますから、それを最大限尊重して、八月まで二カ月ぐらいの時間があるわけですから、その色づけをきちっとして中へおさめてもらう、そういうことを考えているわけですから、少しも誤差が生じることはない。しかもそれをさらに査定もかけるわけですからね、これは。ですから、私は、かなり厳しいので、一カ月でまとめろと言われても各省庁無理じゃないか、だから二カ月くらいの余裕期間があっていいのじゃないか、そう思っておるわけでございます。
#252
○中野(寛)委員 大変興味深く聞かせていただきました。
 新聞報道等による、またわれわれの間でいろいろととかく話をいたしますときには、大蔵省と行管庁とのさや当てではないかということが言われますし、大臣のいまの御答弁を聞いておりますと、さや当てどころかこれは協力体制であるというふうに聞こえますし、そういう意味では大変興味深いのでありますが、それがぜひ協力関係であっていただきたいものだ、こう思います。
 それでは、そのシーリングの限度なんですが、どのような伸びにされるか、これから詰めていかれるのでしょうけれども、その際に、さきに国会へ提出されました「財政の中期展望」、これの五十七年度の伸び率というふうなものを参考にされるのでしょうか。しかし、そうなりますと、ずいぶんこれは伸び率が高いのですが、その辺にこれまた差が出てくるのですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#253
○渡辺国務大臣 これは、中期展望は中期展望でございまして、要するに、制度の改革を行わないでいままでの惰性――惰性と言ってはなんですが、いままでのように積み上げていけばああいうふうな数字が一般歳出で出てきます。それでは困る。増税なき再建ということになると、結局収入の方で制約があるわけですから、当然あのような伸び率を認めることはできないということは当然過ぎるほど当然でございますから、どれくらいのシーリング枠にするかは今後少し検討をさしていただきたい、一カ月余検討さしてもらいたい、そう思っておるわけであります。
#254
○中野(寛)委員 そうすると、国会へわざわざお出しいただきましたが「財政の中期展望」、しかもこれは五十七年度の伸び率まで明記されているわけですね、こういうものは、やはり中期展望とはいえども、中身についてはこれまた改めてつくり直しですか。
#255
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、よく中期計画をつくれとか何をつくれとかおっしゃいましても、それには既存の制度というものがあればその制度でいくほかないわけですから、そういうことになると大きな数字になります。その大きな数字を税でかばうかカットでいくか、それはどちらにするということもあれは書いてないわけでございまして、それを今回は極力歳出削減でいこうという方針を出しておるわけで、それが固定すれば、土台が決まりますから、中期展望も変わってくるというのは当然だと私は思います。
#256
○中野(寛)委員 それでは、次に進みます。
 ちょっと話があれしますが、去年七月に「歳出百科」をお出しになりました。大変参考になっているし、みんな勉強になっているわけです。特に、ことし出るもの、それから来年出るもの、続いて出たとすれば、これはかなり興味深いものになっていくのではないか。日本の財政だとか歳出のあり方だとかそういうものに対する一つの大きな転換期ですから、引き続いてお出しになられますか。
#257
○渡辺国務大臣 出すか出さないかも決めておりません。おりませんが、あれは、財政再建元年という年を迎えるに当たって歳出の中身について知ってもらうために出したことでございますから、また大幅な歳出カットが行われる、それができるということになってまいりますと、やはり何らかの形で国会の審議の資料、あるいは国民にもわかるように、「歳出百科」という形にするか、もう少しやさしいものにするか、そういうものも含めて何らかのものは出したい、そう思っております。
#258
○中野(寛)委員 時間の都合で、あと何問かをまとめてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 所得税減税なんですけれども、これは先般の議長裁定で、剰余金を減税に回すということになっているわけです。この場合の方法ですが、与野党の話し合いで決めることになっているのですけれども、私どもとしては、課税最低限度を引き上げる方式というのも当然検討課題に入れるべきではないかというふうに実は考えているわけであります。そういたしませんと、昭和五十二年以来依然として四人世帯で二百一万五千円に据え置かれることになるわけでありまして、これは勤労者の重税感というのは一つも解消されないわけであります。
 さきの予算委員会でわが党の大内議員の質問に対して、財政再建の目途がつけば免税点を引き上げる、その時期は五十七年度予算でもあり得るという考え方のニュアンスを述べられたわけであります。最近は資産所得減税についてのいろいろな報道が、グリーンカード実施時期に合わせましてこう報道されているわけでありますけれども、むしろ、そういうものをとかく検討する前に勤労者の所得減税について実質的な実のある考え方を構築していくということの方が大事ではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点についてお聞きをしたいと思います。
#259
○渡辺国務大臣 私は、財源に余裕が出れば、それは決して所得減税をいつまでたってもだめです、だめですと言っているわけじゃありません。そこで私が言ったのは、まず歳出面において制度改正を含む思い切った削減策がとられる、カットがどんどん思ったようにできる、また歳入面においては税体系全体の抜本的な見直しについて国民の合意が得られる、そうしてこれらを通じて五十九年までに特例公債脱却のめどがつく、こういう状態になれば、条件がそろえばということを言っておるわけであって、幾ら所得減税したくても、一方に歳出の需要があるわけですから、どっちが優先するかという話でして、結局財源がなければ、あれもしろこれもしろったってできないわけです。それを切るだけ切っても、財源が出るか出ないか、そういういま言ったようないろいろな問題を含めた中で検討されるものである、こういうことを言っているわけです。
#260
○中野(寛)委員 先ほど申し上げました予算委員会における大蔵大臣の御答弁のありました後、日を変えてですが、鈴木総理は、行革に政治生命をかけ、増税なき財政再建を目指す、こうおっしゃられたわけです。政治生命をかける限りは、必ずやこれは行われる、そういう前提で私どもは物事を考えて、簡単でないことは百も承知でありますがそうなければならぬと思うのです。そういう意味で、財政再建のめどが立つ、そうして立ったらこうするというお考えなんでありますから、当然総合的に、しかも国民生活を守るための行革でありますから、このような所得税の減税についても重要な課題としてむしろいまから検討しておくべきものではないだろうか、こう思うわけであります。しかし、これは恐らく議論がすれ違うでありましょうからこれ以上申し上げません。大蔵大臣へのお尋ねは以上で終わります。ありがとうございました。
 次に、日米首脳会談及びオタワ・サミット、そして日米欧の関係についてお尋ねをしたいのですが、時間の関係で、はしょって簡単にお伺いいたします。
 まず、日米首脳会談でありますけれども、この前に自動車問題それから原潜問題を解決をしていこうという姿勢を述べておられます。その中で自動車問題につきましては、恐らく総理自身首脳会談には持ち込みたくないというお考えをお持ちであろうと思います。先ほど来通産大臣は、話し合いはつくであろうという大変見通しがあるニュアンスの御答弁でございました。しかしながら、今日段階で私どもの耳、目に入ってまいります考え方をまとめてみますと、日本の業界は、去年の実績百八十二万台に一年間だけ抑える、これならしんぼうできる、こういう言い方のようであります。通産省の態度ははっきりいたしておらないというふうに言われますが、それが公式であれ非公式であれ今日までいろいろな形で報道されておりますものを集約いたしますと、二年ないし二年の間、年間百六十五万台から百七十万台ぐらいに抑えるということで話をすれば向こうの方ものんでくれるのではなかろうかという見通しを持っておられるようなニュアンスで聞き取れるわけであります。
 一方、アメリカの方でありますけれども、例のダンフォース・ベンツェン法案によりますと、三年間百六十万台以下に抑える、ブロック・USTR代表の言によりますと、三年間百五十万台、いずれにいたしましてもずいぶん差があるわけであります。通産省の御苦労もまたひとしおかと思うのでありますが、昨日帰ってこられました自民党代表団の得られた感触も含めまして、こういう問題について本当に話が詰められるのかどうか、あくまでも私どもは自由貿易の原則に立ってこの問題に取り組んでいただきたいと思いますし、また一方、EC諸国の反応が、この後待ち構えたように出てくるであろうことは十分想像されるわけでありますから、それらのことについてどのように考えておられるのか。なおまた、どうしても数字を出したまとめ方をしなければならないかについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#261
○田中(六)国務大臣 いろいろな考え方があるわけで、具体的に日本の業界の一部で、七八年が百四十一万台、七九年が百五十五万台、八十年が百八十二万台、百八十二万台と一年間の制約が理想的だというようなことを言っておるのも聞いております。いま三年間にわたって私が数字を挙げた百四十一万から百五十五万、百八十二万というのは相当な開きがあるわけでございますが、そういうものが一年間であるということは、別に約束しなくともどうということのない数字のような気が主観的にはいたします。
 また一方、三年間百六十万台あるいは百五十万台という規定の仕方も、日本の国内の自動車行政あるいは自動車メーカーの態度、それに関連する諸要素から見まして、これもそうそう受け入れられるような問題ではないような気がするわけです。したがって、具体的な数字を出してどうとかこうとか言うのがいいのか、あるいはそれぞれ自由貿易主義の旗を振り合っているのは事実でございますし、そういう観点から見ましたときに、私が言っているのは、弁慶の勧進帳式にさあ巻紙をあけてみたらどっちも白紙だった、そういうようなことも一つの考え方として――それぞれ良識のある国でございますので、どういうふうに持っていくかということにつきましてここで具体的に数字を挙げたり年限を切ったりするような考えは、非常に恐縮でございますけれども、ありませんし、また事実、自主規制、自粛というようなことにつきましても、本当は固まっておりません。
 というのは、きょう私は自民党訪米団の人たちのお話を聞きましたけれども、訪米団の小川団長を初め皆さんは、日本の主張すべきことはとことんまで主張しておりますし、アメリカの体質が弱って、しかもアメリカ自身の問題じゃないか、日本が輸出をしなくてもしてもアメリカの生産台数がぐっと下がっておるこの事実、それからまた、この前参りました説明会の人々の言によりますと、今度は逆に、八一年、八二年、八三年と、千万台、千一百万台、千二百万台というふうにふえる、そういうような状況だったら何にも、どこともこことも、日本とも特に自粛を求めるとか求めないとかは要らぬことじゃないかということにもなりますし、また向こうは今度は逆に、ベンツェン、ダンフォースの法案に見られますように、七つから、きつい案を含めますと十近いものが、そら三年だ、百五十万台だ、はなはだしいのは百二十万台とかいうようなことを言っておる段階で、駆け引きもあるでしょうし、非常にデリケートな段階でございますし、私もそういうものを含めまして頭の中に詰め込んで、やはりぎりぎりになるまで決められない問題だというふうに考えております。
 しかし、といってそれならばいつまでもいつまでもこれをやらないかといいますと、やはりX日という期限を切ったような形式、つまり鈴木総理と米大統領との会合が持たれる以前に、できますならば形も整えて話し合いがうまくいくような段取りは、責任ある通産大臣としてなし遂げたいという気持ちでございます。
#262
○中野(寛)委員 それでは、あくまでも自由貿易主義を基調としながら、必ずしも数字を出さなければならぬ解決の方法ではなくて、自由貿易主義や日米関係をきちっと整理する意味でお互いに大人の交渉としてのみ込み合った解決策が総理訪米までには出せる、そして総理訪米ではあえてこの問題が政治問題化したような形で取り上げられることはない、そういう見通しを大臣としてはお持ちだ、こう受けとめてよろしいでしょうか。
#263
○田中(六)国務大臣 全くの白紙だというようなことは理想でございます。しかし、そういうふうに近い段階で、ぎすぎすしたような数量の合わせ方で、それがお互いにとんちんかんで、しかもぐさりと突き刺さるようなことでは将来の日米関係、他の貿易関係から見まして、そうありたくないと私は思っております。したがって、私の渡米につきましてもいろいろ頭を使っておりますし、そういう点もすべて含めて、数字が出た場合でもそうお互いが損だ得だというようなこと、つまり勝ち負けとかいうようなことではなくて、何か良識ある結論を模索してみたいという気持ちでございます。
#264
○中野(寛)委員 他の問題もございますので、通産大臣へのお尋ねは以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして外務大臣、防衛庁長官にお尋ねすることになると思いますが、原潜問題なんですが、これも時間がないので一言だけお聞きします。
 この前の鈴木総理とロング総司令官との話し合いの際に、総理の方からこの原潜事故のことについて、事故がどうして起こったか徹底的に究明され、第二に救援活動が行われなかった疑問が解明されること、第三に事故の通報がおくれた理由、第四に補償と再発予防措置、そういうことについて話をされたようであります。その後マンスフィールド米国大使との会談が行われましたり、またそれぞれ外交関係等々を考慮しながら話が詰められていると思いますけれども、これらのいわゆる日本国民が怒りを持ち、同時にまた将来の日米関係を心配する立場からいろいろと疑問に思っていること、願っていること、時々刻々報道されるたびごとに中間報告ができるとかできないとか、調査は一カ月かかるとか、いろいろな話が継続してまちまちに報道されているわけでありますが、このことについて現段階においてのまとまった見通し、これについてお尋ねしたいと思います。
#265
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。
 いま御質問になったように総理がロング米太平洋軍司令官と会われ、私もその後に会ったのでございます。その後には、十八日でございますか、マンスフィールドさんにお会いしたというようなことでございますが、総理からも私からもロング長官に話しましたこと、これはその前から何回もアメリカ側に伝えておるのでございますが、本事件は本当に遺憾なことだ、特に二名の行方不明者が出ておる、人命が失われたということで非常に遺憾なことである。ついては国民が疑問に思っておること、なぜこういうことが起きたのだろう、あるいは通報がおくれたのだろうか、あるいは人命の救助につきましてどういう努力をされたかということについては国民がどうもわからぬ、納得がいかぬのでございますので、こういうことについてなるべく早く真相を調査の上知らせてもらいたい、またこの事件が日米の信頼関係に暗い影を落とさぬように将来しなければいかぬ、それには補償の問題でございますとか、そういう事後処置をはっきりきちっととってもらいたい、これをうやむやにするとか、そういうことになれば日米関係に悔いを残すということで実は何回も向こうへ話しておりまして、ロング長官にもそのことを話したのでございます。
 その際にロング長官から、大体三十日くらいかかるではなかろうかという話やら、あるいはこの問題の結果によっては責任者の問題も出てくる、そういうことになれば、審判か裁判かは別にしましてそういうところに証拠を集める、そういう場面が出てくる、それに予断を与えるようなことを中間的に言うことはどうかと思う、補償については調査とまた別個に早急に迅速に解決するように話し合いをするというような話があったのでございます。それで総理も私も、この問題が長引く、そして真相がわからぬというようなことになれば、日米安保体制あるいは非核三原則というところまで議論が波及するおそれもあるし、日米の信頼関係が損なわれるということになりますので、三十日という調査であれば遅過ぎるじゃないか、その前に日米首脳会談というものも行われる予定でありますので、日米首脳会談の前までに大体の調査の結果が通報できるということにはぜひしてもらいたい、できればもっと早く中間報告を求めたいということを、また私どもから要請したのでございます。ロング長官に会いました二日後にマンスフィールドさんと会ったわけでございますが、大使はそのときレーガン大統領の鈴木総理あての親書を持ってこられまして、大統領としても非常にこのことを遺憾に思っている、自分個人としてもこのことについては大きな関心を持っているのだ、日米の首脳会談前に双方が十分満たされるような結果が出ることを期待しているのだという内容の親書を持ってこられたのでございます。そしてその際に、中間報告ということは、裁判になりますか審判になりますかこれは別でございますが、後の問題に予断を与えるようなことになるので、アメリカとしては法律の手続に従って厳正な公正な調査をやりたい、その結果出てきた真実は日本側にそのまま伝える、決してこれをうやむやのようなことにはしないということを確認し、大統領もこれについては遺憾の意を表明し、自分としても十分関心を持っているという親書をよこされたのであるから、自分らの調査の出るのを信頼して待ってもらいたいということでございましたので、その向こうの誠意を評価をいたしまして、日本としては日米首脳会談前に日本側の期待する調査結果が通報されることを期待しまして、いま日米関係が損なわれるというようなことがないようにということでアメリカの調査を待っているというところでございます。
#266
○中野(寛)委員 それではその問題につきましては、あくまでも厳正な態度で臨んでいただきたいことを重ねて要望しておきたいと思います。
 続きまして、日米首脳会談でありますけれども、従来のように米国側の要求にこたえるだけというふうな会談にだけは何としてもしてほしくない。もちろん政府としての言い方はあると思いますけれども、そういう意味で、たとえば現在の世界情勢を見ながらやはり言うべきことをぜひ言っていただきたい。そのためにわれわれが心配していることの幾つか、たとえば米国に望むこととしては、ソビエトとの軍事対決を何としても回避するという努力をなお一層重ねていくためにSALT交渉を再開すべきではないか、それから経済援助についても戦略地域重点ではなくて全般的に拡大充実に努めるということが必要ではなかろうか、三番目は、ポーランド問題の平和的解決のためにむしろソビエト等と話をする等、その他の積極的な役割りを果たすべきではないかということをはっきりと日本の態度として主張されるべきではないだろうか。また日本としても、自由世界の一員としてなすべきことははっきりと約束をする。たとえば経済援助について五年倍増の中期計画を着実に実行していくことや、それから防衛力整備については先般民社党からも申し入れをいたしましたけれども、平和戦略の推進、それから憲法の枠、財政事情の配慮、そのような国内事情を説明しつつ日本の明確な態度を説明をしていく。また三番目には、インドシナ難民、東南アジアの緊張緩和、このような問題への積極的な役割りを果たすということ。先般の総理のASEAN諸国歴訪等の実績をも踏まえて明確におっしゃるべきではなかろうか、こう思っておりますが、日米首脳会談に臨むその政府の姿勢について一点お聞きいたしたいと思います。
    〔森下委員長代理退席、原田(昇)委員長代理着席〕
 もう一つ、防衛庁長官に。ここにこういうパンフレットがあるのです。「日本、米国、NATOに共通する安全保障問題に関する提言」財団法人平和・安全保障研究所と米国大西洋評議会、これが出したものであります。この参加者を見ますと、防衛庁からも共同研究グループの委員や招請客員等で参加をされているわけであります。
 この中身を見ますと、やはり日本の果たすべき役割りにずいぶん触れております。「日本の防衛能力強化」、「日米安保条約の効果拡大」「日本の財政負担増加」、「中東安定に対する日本の寄与増加」等々「貿易摩擦と保護主義の回避」まで、これは長官の関係じゃありませんがいろいろ触れられているわけであります。これらの問題についてひとつしっかりと明確な日本の立場が、むしろ今度の日米首脳会談あたりでも、またサミットあたりでも要求されてくるのではないかという気がするわけでありますが、これらのことについてお伺いをしておきたいと思いますのと、もう一つ、日本からNATOへのオブザーバー派遣、これは以前民社党から御提案申し上げているところですが、どのようにお考えですか。時間が参りましたので端的にお答えいただきたいと思います。
#267
○伊東国務大臣 アメリカに行きましての首脳会談でございますが、先生のおっしゃるように日本側の主張すべきことは当然はっきり主張するという態度は堅持してまいるつもりでございます。総理も当然そのつもりでございます。
 日ソの問題については、この間私も行きましたときに、力のバランスということだけでなくて話し合いによる平和ということも大切だということを話しまして、首脳会談でございますとかSOLTの交渉の話をいたしました。恐らく総理もそういう問題に触れられると思うのでございますが、アメリカ側は力のバランスということと一緒に話し合いの窓も開いておく、ただし、ソ連がどういう態度で世界にいるかということを実際の行動を見てからやはり慎重にその点は判断する、ただ、話し合いの窓というのはあけておくということでございます。
 それから経済協力の問題は、もちろん日本としましては南北問題というところは世界の平和にとって大切だということでございますので、これは日本の従来の主張をしようと考えておるところでございます。
 ポーランド問題につきましては、アメリカも何回も警告を発しておりますし、日本もポーランドのことはポーランド人自身が決めるべきだということで談話を発表しましたり、ポリャンスキー大使にも私はそのことを伝えたりしておりますので、ポーランドに第三国の介入がないようにということをあらゆる機会に努力をしてまいりたいと思うわけでございます。
 防衛問題は、防衛庁長官からお答えになると思うのでございますが、憲法の問題あるいは財政の問題、国民のコンセンサスの問題、これは常に総理がおっしゃっていることで、できることとできないことをはっきりするということを総理は常に言っていられるわけでございます。
 難民の問題につきましても、これはASEANに行ってこられて十分御承知でございますので、日本としては主張すべきことは堂々と主張し、意見の交換をするという態度で行ってまいりたいと思っております。
#268
○大村国務大臣 日米首脳会談の問題につきましてはいま外務大臣がお答えになったとおりでございまして、日米安保条約に基づいて緊密な関係にあります日米両国首脳が会談される際に、防衛の問題につきましても、ただいま外務大臣がお述べになられましたような制約はもちろんでございますが、積極的に意見を交換されるということは防衛庁としても望ましいものと考えておるわけでございます。
 また、昨年末発表されました平和・安全保障研究所と米国大西洋評議会が作成しました日本、米国、NATOに共通する安全保障の諸問題と題するレポートについては防衛庁としても承知いたしております。御指摘の招請客員としての参加ですが、招請はあったのですが招請客員としては参加しておりませんので、レポートの作成には参加いたしておりません。ただ、委員としまして防衛研修所の職員が参加しております。しかし、これは個人として参加するということで、あらかじめ所長の許可をとって、休暇をとって参加したということでございますので、防衛庁としての意見を代表してレポートの作成に参加した、こういうことではないと思うわけでございます。内容につきましてはいろいろわが国に関係のある問題もございますが、いま申し上げましたような関係でございますので直接コメントするわけには参らぬと思うのでございますが、日米欧の共通の問題についていろいろ指摘してきている点は参考に値する点もあろうかと思うのでございますが、もし日本の参加の問題が集団的安全保障ということを意味するとすれば、これは憲法のたてまえもございますのでその点は留保しておかなければいけない点もあろうかと思うわけでございます。
 最後に、NATOとの定期協議あるいはオブザーバー参加の問題でございますが、NATO諸国とはやはり同じ自由主義を目指す共通点があるわけでございますが、いわゆる定期協議ということでなく随時、必要に応じて協議をするということで進めてまいりたいと考えておるわけでございます。また、NATOにオブザーバーをすぐ参加させるということも現在持っておらないわけでございます。
#269
○中野(寛)委員 時間が参りましたので、その問題につきましてはまた後日改めて論議したいと思います。防衛庁長官、どうもありがとうございました。
 ただ一点だけちょっとお許しをいただいてお尋ねをさせていただきたいと思います。官房長官にわざわざお越しをいただきまして、いま予定をされております国労、勤労の違法なストライキ、この問題についてお尋ねをしたいわけであります。
 国鉄等三公社五現業の賃金は第三者機関たる公労委の場で決定され、こうした違法ストによる圧力とは無関係なもののはずであります。にもかかわらず今日まで例外なく違法ストが打たれ、当局もまたこれを抑止するに必要な手だてを講じているとは言えない、このように私どもは考えております。加えて、今回の公労委の調停作業は国労等各組合と当局の合意に基づく合意申請であります。組合、当局が連名で第三者機関たる公労委に調停、解決をお願いしながらストを構える、それを放置しているという状態はどう考えても国民の理解するところではありません。ゆえに、この問題について政府及び国鉄当局等はどのようにお考えであるのか。さらにまた、今回の違法なスケジュールストと時期を同じくして運賃値上げが実施され、また最後の再建計画ともされる経営改善計画が提出されることになっているわけであります。むしろ国鉄の破産状態であるという状況を考えれば、いまストどころではない、まして国民の国鉄離れ等を考え合わせれば一致協力をして臨まなければならないこの時点においてこのようなことが許されるのか、当局自身もまたこれに対して厳格なる処分なくして国民の理解を得ることはできないはずでありますけれども、この一点を明確にお尋ねをさせていただきたいと思います。
#270
○高木説明員 大変御心配をおかけしておるわけでございまして申しわけなく思っております。
 ただいま御指摘ございましたように、ほとんど毎年のように違法のストが行われておるということは、私どもの力の及ばざるところを示すわけでございます。何とかそういうことに至らないように毎年考えておりますが、ことしこそはという気持ちでいまいろいろ説得いたしておるところでございますが、何としてもこれは毎年のようなことにならないように持っていきたいと思っております。労使関係は少しずつ穏やかな空気になってきておるわけでございまして、いまもお触れになりましたように、労使が共同で調停を申請するということがことし初めて行われたということも、いままでの形とは少し変わってきておることを意味するものでありますが、しかし、それだけでは意味がございませんから、その空気を伸ばしていきたいと思っております。何しろ再建中でございまして、労使ともどもこれに立ち向かうべきときでございますので、そういう点ではいつもとは事情が違うということで説得いたしております。
#271
○塩川国務大臣 いまストを計画中であるということを私ども承知いたしております。
 現在、国を挙げて財政再建、行政改革に取り組み、また国鉄といたしましては特定地方交通線のバス転換をお願いするとか、あるいは運賃の値上げをきょうから実施させていただくというように、国鉄にとりましても非常な事態のときでございますから、組合員諸君の良心でストを行わないように、私からもきつく要請いたしておるところでございます。先ほども国鉄総裁が申しましたように、総裁から組合に対しまして、そういうことのないように、もしそういうことをすれば厳重に処罰するというようなことを厳に言っております。
 つい最近におきましても、千葉勤労を中心といたしまして違法ストがございまして、国鉄も峻厳な態度でもって処置をいたしました。国鉄の諸君も最近は非常に国鉄の状況を認識してくれておると思っておりますが、もし今度も不幸にしてそういうような事態になりました場合には、やはり国鉄は同じような態度で峻厳な処置をいたすであろうと思っておりますし、私からもそういうことのないようにこいねがっておる次第でございます。
 また、組合側といたしましても、法に基づく手続を尊重しておりまして、現に中労委のあっせんを申請しておるような状況でございます。
 私は、その推移等を十分見守ってこれからも対処いたしたいと思っております。
#272
○宮澤国務大臣 すでに国鉄総裁、運輸大臣から御答弁がございましたが、公共企業体等労働関係法によりまして、そのようなストライキが違法でありますことはまことに明白でございます。今回の賃金改定問題に関して四月二十三、二十四の両日、違法ストライキを計画しているという事実がございますので、現実にそのようなことになりませんように、去る四月十五日に談話を発表いたしまして注意を喚起いたしたような次第でございます。
#273
○中野(寛)委員 厳正な姿勢で話し合いをし、かつ万一これが行われるようなことがあれば厳正な姿勢で処罰をしていただく等々の明確な態度を強く要請をしておきたいと思います。
 時間が超過をいたしたのをおわびしながら、終わります。
 ありがとうございました。
#274
○原田(昇)委員長 代理辻第一君。
#275
○辻(第)委員 私は、敦賀原発の放射能漏れの問題と、もう一つは会計検査院の指摘事項に関しての問題、この二つをお尋ねしたいと思っておりますが、通産大臣の御都合もありまして、最初に会計検査院の指摘事項についての問題からお尋ねをいたします。
 私どもは、会計検査院の指摘事項について約十年間ほど検討をしてみたわけでありますが、そこで幾つかの問題が明らかになりました。
 一つは、昭和五十二年度から五十四年度の検査報告で、補助金以外の工事の積算ミスの不当指摘八件、九工事がありました。その事業主体名と工事名をまず申し述べたいと思います。
 昭和五十二年の建設省大分の顕徳町宿舎建築工事、五十二年、日本国有鉄道仙台基地南土工、五十三年、日本国有鉄道東北韓愛島地区スラブ軌道、五十三年、本四連絡橋公団門崎高架橋第一工区下部工その他、五十三年、水資源開発公団幹線水路第六工区その三第二期工事、五十三年、日本鉄道建設公団上幹、下佐野北高架橋その他工事、五十三年、日本鉄道建設公団上幹、下佐野南高架橋その他工事、五十四年、日本国有鉄道大宮駅改一六二鉄骨架設一工事、五十四年、日本鉄道建設公団阿佐、海部――宍喰軌道新設ほか、こういう八件、九工事でありますが、もう少し具体的に幾つか言ってみたいと思うのです。
 五十二年の建設省、大分の顕徳町宿舎建築工事、これの工事金額は六千三万円でございました。適正とされる金額は五千六百七十八万円、この工事金額と適正金額の差額は三百二十五万円、パーセントで言いますと五・七%であったわけでありますが、これの入札者数は十社ですね。それから入札回数は一回、最終入札の入札額の開差四十万円、開差率は〇・七%、それからこれは入札者の移動は一回しかありませんから、一回ですね。それから五十三年、日本国有鉄道の東北韓愛島地区スラブ軌道、この工事金額は六億七千九百万、適正金額は六億七百二十五万、差額は七千百七十四万、それから入札者は五社、入札回数は四回、最終入札の入札額の開差は八十万、その開差率はわずか〇・一二%ですね。それから五十三年の本四連絡橋公団門崎高架橋第一工区下部工、これは工事金額が二十七億六千万、適正価格は二十四億三千八百七十五万、その差は三億二千百二十五万という状態ですね。これも入札者は五社でありまして、入札回数は四回、最終入札の入札額の開差は一千万円で〇・三六%です。それから五十二年の日本鉄道建設公団上幹、下佐野北高架橋、これは八億九千九百五十六万が工事金額です。適正金額は八億三千七百六十四万、その差は六千百九十二万、これは五社の指名であります。入札回数は三回、入札額の開差は六百万、その開差率は〇・九九%、五十四年の日本国有鉄道大宮駅改一六二鉄骨架設、これは四億四千百九十五万、適正価格は四億千六百七十二万、その差額は二千五百二十四万、これは五社の入札です。入札回数は三回です。そして最終入札の入札額の開差は三百五十万、その開差率は〇・七九%、こういうことであります。これらのうち二回以上入札が行われたのは七工事であります。そして最初の入札から最後の入札までどの工事でもすべて一位入札者だけは変わっていなかった、こういうことであります。公正な入札としてはきわめて不可解なことである。この事態をどのように思われるのか、運輸大臣と建設大臣にお答えをいただきたいと思います。大臣答えてください。
#276
○杉浦政府委員 まず、事務的にお答えいたします。
 国鉄の計画につきましては、法の規定、根拠がございます。それで公開競争契約というのが原則になっておりますが、例外が三つばかりございます。御承知のような内容でございまして、そうした例外の関係の条文が適用されることが非常に多うございます。国鉄、鉄建公団ともに非常に技術的な問題あるいは安全上の確保の問題等、かなり専門的なそれぞれの技術を要する問題が多うございますので、したがいまして指名競争入札なり、あるいは随意契約なり、そういうようなことが多くなってくるのはやむを得ないと思います。全体を見回しまして、会計検査院の指摘になりますような事項が毎年後を絶たないことは非常に残念でございまして、今後とも私ども厳重に監督をしてまいりたいと思います。
#277
○渡辺(修)政府委員 ただいま五十二年度の九州地建の宿舎工事につきまして、並びに五十三年度の本州四国連絡橋公団の門崎高架橋工事について御指摘があったわけでございますが、私どもも大変遺憾に存ずる次第でございます。いずれも積算の計算をする際のミスということでございましたが、こういうミスがあってはいけないわけでございまして、今後とも十分注意をしてまいりたいと存じておる次第でございます。
 なお、ミスをいたしまして過大になりました金額につきましては、業者と誠意を持って交渉をいたしました結果、すでにその差額につきまして返還をされている次第でございます。
 なお、先生最後におっしゃいました入札の状況でございますが、これにつきましては、私どもは予定価格は厳正に守られておるということを確信をいたしております。いろいろそのときの工事の内容によりまして、あるいは業者の方が非常に大きな見積もりをされる場合もございましょうし、この辺につきましてはやはりケース・バイ・ケースでいろいろな事態があるのだろうと思います。なお、今後ともこういった事態のないように十分指導をしてまいりたいと存じます。
#278
○辻(第)委員 二回ないし四回入札が行われている分が七つあるのですね。そのうちの一位の入札者は初めから終わりまで一位なんですよね。それで二位と三位とか四位というのは入れかわっているわけです。それから入札が二回以上行われた七回のうち一位の入札者というのは、何回入札しても一位だ。これはどう考えてみてもいまの御返答では見当違いだ。とても納得できないわけであります。私はこれは積算ミスが見つかったという問題だけをここへ出したわけでありまして、いわば無作為に抽出したのと同じなんですね。それがすべて、一位で入札をした人は何回やっても一位で出てきている。これは談合が行われているとしか私どもには考えられない、こういう事態であろうというふうに思うわけであります。
 次に、その入札額を見てみますと、誤った計算による積算ミスで工事額が平均一〇%以上高くなっているのですね。ところが、各入札者の何回も入札されているその最終の入札時の入札額の開きですが、一%前後なんですね。非常に差がないわけであります。これは九工事すべて大なり小なりこういう状態ですね。間違っている金額とほとんど違わない金額に全入札者が入札をしているということは、どういうことなんでしょうか。これは予定価格が漏れている、こういうことしか私は考えられない、こういうふうに考えるのですが、今度は運輸大臣と建設大臣にお答えをいただきたいと思います。
#279
○斉藤国務大臣 積算ミスにつきまして、私自身も会計検査院の指摘を受けたという結果そのものに限らず大変恐縮いたしております。遺憾に存ずるところでございます。常に指導はいたしておるわけでありますけれども、年間二万件、十年間十万件、まあこの一件、二件あったそのことが多い少ないとは言いません。とにかく事態につきましては十分反省をして、これからチェック機能等を強化して、とにかくこういう問題が起きないように指導しているところでございます。
 なお、入札の問題でございますけれども、御指摘のような面もあろうかと思いますが、直ちに談合ということでなく、やはり公的資金を使って大きな事業をやるということでありますと、おのずから事業責任という問題と、どうしても同じような事業形態ですと積算基準というものは相似たり寄ったりということでございまして、言いわけは言いたくありませんけれども、たまたまそういうようなことになったというように御理解をいただいて、そうした疑惑を受けないように、なお私たちも業界にも通達いたしますし、その都度指導いたしておるところでございまして、先生御指摘のような疑惑を持たれることのないように、今後とも積算ミスもあわせて業界指導をしてまいりたい、このように考えるものでございます。
#280
○塩川国務大臣 ただいま建設大臣が言っておりますのと全く同じでございまして、今後そういう事態が起こらぬように、やはりこれは相当専門的なことでございますので、その衝に当たる者に十分な関心と注意を喚起するように申し伝えたいと思います。
#281
○辻(第)委員 いま積算ミスで指摘されたものについて指摘をしたわけでありますが、これは検査院にお尋ねしたいと思います。いま指摘した問題は積算ミスが行われた工事、これに特有なものかどうかお尋ねをいたします。
#282
○肥後会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 先生がおっしゃいましたような入札の状況、すなわち一位は常に一位で二位以下が変動するというような事例は、われわれの指摘した事例に限ったことではございませんで、むしろそういう事例が多いというふうにわれわれは考えております。ただ、統計をとったことはございませんので、具体的にどうかと聞かれると困りますが、検査した感触では、そういう入札は多うございます。
#283
○辻(第)委員 言いかえれば特有でないということですね。そういうことですね。結局どう考えてみても入札価格が漏れて談合が普遍的に行われているのではないかということであります。これでは公正は確保されない。これまでも公正確保に努められてきたはずでありますが、なおこういう事態であります。私は、制度的な改善が必要ではないか、このように考えています。その点についてお答えをいただきたいと思います。
#284
○斉藤国務大臣 制度的な改善という意味がちょっとわからないのですけれども、ちょっと具体的に何か……。
#285
○辻(第)委員 たとえば、会計法等の指名競争入札の条件をもっと厳しくする、こういうことですけれども。――では、時間がありませんので次へいきます。
 それでは大蔵大臣にお尋ねをしたいと思います。いま言ったことなんですが、会計法等の指名競争入札の条件を厳しくする必要があるのではないか、こういうように考えるのですが、大蔵大臣、いかがでしょう。
#286
○吉野(良)政府委員 先ほど来御指摘がございました問題でございますが、私ども考えますに、要は予算の執行に当たります各省、各庁の担当者が細心の注意を払い、かつまた、法令の定めるところに従いまして適正に執行していくということが肝要かと存じます。先生も御承知かと存じますが、現在の財政法あるいは会計法、またそれらに基づきます法令は法令としては私どもはかなりこれは十分な仕組みになっていると考えておりまして、現在のところこれを改正をしていくということは考えておりません。
#287
○辻(第)委員 いま私がお尋ねしたことについて、それでは大蔵大臣に一言御見解をいただきたいと思います。
#288
○渡辺国務大臣 これはなかなかむずかしい実際問題だと私は思うのです。問題は積算単価ですね。積算単価が適正であれば、早い話がだれがとっても国としてはいい仕事をやってくれればいい。ただ、恐らく、これは建設省でもどこでも、一方では正しく工事をやらせる、他方では業者の育成もしなければならない。安ければいいということだと、大手ばかりみんな片っ端から一番安く入れてとってしまうということになっても困るというようなことなども実際に私はあろうかと思います。したがって、問題は、適正な積算単価のもとで適正な工事が行われるということが一番大切じゃないか、さように思っております。
#289
○辻(第)委員 このような入札価格が漏れておるあるいは談合が行われているということが考えられるような状況を一刻も早く改善をするために御努力をいただきたい、このことを強く要望して、次に移ります。
 類似の指摘についてでありますが、ここ十年ほどの検査報告を見ますと、処置要求、処置済み事項の中に類似の指摘が幾つも見られるわけであります。最初の指摘の際に、その後で他の受検団体も注意をすれば指摘に至らずに改められたはずだと思われる事例があるのではないか、こういうように思うのですが、検査院としての御見解を聞きたいと思います。
#290
○肥後会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 検査院としましては、指摘した事項について検査報告に記載いたしまして、それを各省庁にも配付しますし、それからまた各省庁でも大蔵省から直接買っていただくというようなことで、それを読んでいただいて参考にしていただいて自分の方の事業を見直していただきたい、そういうことを希望しているわけでございますけれども、やはりなかなかそれが徹底していない面はございまして、同じような指摘をすることが間々あるのは遺憾だと存じております。
#291
○辻(第)委員 土木関係の積算基準の問題で類似の事例が多いわけであります。その一つは工事機種選定にかかわるものであります、たとえばスクレーパーの事例、これは二機関、三件であります。
    〔原田(昇)委員長代理退席、森下委員長代理着席〕
昭和四十五年度、日本住宅公団、整地工事のスクレーパー土工費の積算の問題、五十三年度に地域振興整備公団、これは処置済みの問題でありますが、工事用地などの土地造成工事の掘削運上費の積算に関してですね。それから五十四年度に日本住宅公団、これは処置済みでありますが、宅地造成工事の機械土工費の積算に関してであります。これはまず最初の五十三年度の地域振興整備公団の指摘の際当然日本住宅公団でも改められるべきである、こういうように私は考えているわけでありますが、翌年に同じようなことで日本住宅公団が指摘を受けておる、こういうことなんですね。なぜこういう事態になるのか、住宅公団、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#292
○今野参考人 お答えいたします。
 地域公団が検査院の指摘を受けましたので、住宅公団といたしましても現場の実態調査に着手をいたしました。ところが、地域公団と異なりまして、住宅公団におきましては、首都圏管内が特に工事が集中をしておるということと、それから全国にわたっておりますし、このような工事が二百件というふうに非常に大きい数の工事を施行中でございまして、したがいまして、十七立米のスクレーパーを標準機種とすべきかどうかということの検討に時間を要しまして、その調査途中におきまして検査院の指摘を受けることになったのでございます。
#293
○辻(第)委員 いまの理由も幾らかわかるのですけれども、しかし、地域振興整備公団は、五十四年の四月から八月に実地検査を受けて、十月十三日に照会、十月中に改定を行っておる。これを受けて宅地開発公団も改めて指摘には至らなかったわけであります。住宅公団の対応はやはり遅過ぎる。検査院の指摘について軽視があるのではないか。先ほど言われたような独自の調査も必要ではあろうと思いますが、共通するものについては積算の共通化の拡大や同時改定などもっと工夫、努力の余地があるのではないか、このことを指摘をしたいと思います。
 次に、人力施工の問題でも多数の類似指摘があるわけであります。たとえば運輸省のケーソン、セルラーブロックの型枠費の件であります。一回目の指摘はともかく、同じ部局できわめて同種の指摘を受けるのはやはり怠慢ではないか、このように考えます。指摘に対してはもっと真剣に受けとめ、生かしていく姿勢が必要ではないか、こういうふうに考えます。
 また、人力施工では特に土木工事の掘削、埋め戻し、敷きならしなどについて多数の指摘があるわけであります。四機関、七件ですね。四十五年度の日本住宅公団、これは処置要求です。四十六年度、日本住宅公団、処置済み。四十八年度、日本住宅公団、処置要求。四十八年度、日本国有鉄道、処置済み。それから四十八年度、日本電信電話公社、処置済み。五十二年度、日本道路公団、処置要求。五十二年度、日本電信電話公社、処置要求。こういうふうに四機関七件あるわけでありますけれども、たとえて申しますと、四十五年度の日本住宅公団のなにで見てみますと、それまで「同公団が施工してきた道路は、一般公道に比べて幅員も狭く、比較的小規模なものであったが、上記各工事の道路は、いずれも、団地等の規模の大型化に伴い、幅員の大きいものとして施工されているものであり、この種の道路工事における路盤材の敷きならしは、人力に比べて経済的なモータグレーダによる機械施工によっているのが通例で、前記の基準は実情にそわないと認められる。」こういうケースであります。
 こういう事態についてどのように考えられるのか、繰り返さないためにはどのようにしていられるのか、建設省にお尋ねをしたいと思います。
#294
○丸山政府委員 建設省におきましては、たとえば直轄で例をとりますと、積算基準というのが大体百五十種類ぐらいあるわけでございます。したがいまして、これにつきましては、技術の進歩あるいは工事条件の変化等に応じまして、二、三年に一度ずつの見直しをしているわけでございます。また、関係公団につきましても同様の方針で指導しているところでございます。
#295
○辻(第)委員 本当にこういうことが繰り返されないように十分な御努力をいただきたいと思います。その他、岩石の小割りやドリルの検査、選定でも類似指摘の事例がかなりたくさんあるわけであります。時間がありませんのでこれは省略をしたいと思います。
 次に、電力料金の事例であります。最近だけでも七件あるわけであります。ちょっと古いところからも言いますと、昭和四十五年に郵政省、建設省、運輸省。五十二年には宇宙開発事業団、日本中央競馬会。五十三年には日本国有鉄道、雇用促進事業団。五十四年には外務省、運輸省。運輸省には二カ所あるのですね。海上保安庁水路部と那覇航空交通管制部、こういうことですね。それから動力炉・核燃料開発事業団、こういうふうなところが契約電力が過大に契約をされているわけですね。電気供給規程の計算方法に従わない契約電力の決定ということで、支払わなくてもいいのを支払っているような形になるわけですね。ことに五十二年、五十三年、五十四年のは不当事項として指摘をされているというふうに思うのですが、これなんかはちょっと注意をすれば、会計検査の報告書を見て、これはうちでも当てはまるな、これは注意しなくちゃならないなと、気をつければこういうことはすぐ改善できる問題だと思うのですが、五十二年、五十三年、五十四年、こういう同じ問題がたくさん起こってむだや浪費が行われている、こういうことなわけであります。各受検機関が検査報告に注意を払って、みずからのところでも関係ありそうな問題は自主的に点検、改善するのが基本であろうと思います。結局、検査院もすべて見ているわけではありませんから、各機関任せにしないで、他機関にもあり得る問題の指摘事例があった場合には、内閣として、あるいは財政監督の任にある大蔵省として、関係機関に点検を指示し、報告を出させ、会計検査院に報告する、こういうふうな措置をとるなどという対応も考えられるのではないか、このように思います。その点で、大蔵大臣いかがでしょうか。
#296
○渡辺国務大臣 年々同じようなことを指摘されるということは、まことに私も遺憾に存じます。やはり、財政資金を有効に使っていただくということで、それぞれの各省庁においては細心な注意を払ってその予算の執行をやっていただきたいということは返す返す言っておるわけであります。なるほど会計法四十六条によれば、大蔵大臣は、予算の執行の適正を期するために各省庁に対して、必要がある場合は実地監査を行ったりというようなことが書いてございますが、現実の問題としては、これはもう伝家の宝刀みたいなものでありまして、実際に仕事をやっているのは各省庁ですから、各省庁でも内部の検査はやっているわけですね。そこへ今度は会計検査院があってやっておるわけです。そのほかに大蔵省が現場まで乗り出してやるということは、それは権限的にはないわけじゃないのだが、実務的にはなかなかできない。人もおりませんし、膨大な監査をこなすということは実際できない。財務局なんかに予算実地監査官というのがおるにはおるのです。それで災害復旧等の立ち会いとか査定とか、そういうようなものは立ち会ったりなんかやっておりますが、大蔵省が乗り出していくというからには、会計検査院でつかまえなかったやつをつかまえなければ値打ちがないわけです。ところがそれだけの能力があるかということになると、現実的にはなかなかない。しかしながら、時と場合によってはよく検討さしておいて、たまには出かけていかせるかと私も思っているのだが、これはやはり現実にむずかしいから、やはり各省庁が気をつけて、同じようなことをもう繰り返さない、そういう繰り返しているやつは責任をとらせるというぐらいなことをしなければ効果は上がらないのじゃないか、そう思っております。
#297
○辻(第)委員 大蔵省が現実に出ていく、そういうことまで言っているわけじゃありません。大蔵省として関係機関に点検をすることを指示なさる、それぐらいでもいいのじゃないかと思うのですが、さらにできれば報告を出させる、こういうことで申し上げたわけでございます。どうかよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、各機関が自主的に改善するためには、検査報告を十分活用しなくちゃならないと私は思うわけでありますが、政府部内でも検査報告を買っていらっしゃらないところがあるわけですね。名前を申し上げますと、法務省がそうであります。こういう点で大蔵省も、どこがどれだけ検査報告を買っているのかつかんでいられないと思うのですが、特に特殊法人では、たとえば指摘を受けたところであります地域振興公団、中央競馬会、宇宙開発事業団、動燃事業団では買っていないのです。これまでに指摘を受けていながら、その後の検査報告を買っていない。これは五十四年度ですけれども、五十四年度には買っていない。建設省所管法人では、住宅公団が二冊、道路公団が三冊、本四架橋公団が一冊、住宅公庫が二十冊。ほかの法人は買っていないのです。ところが、検査院から要約版が各公団に二部、事業団に一部送られているわけでありますが、せっかくの検査結果を政府機関全体で十分生かそうという姿勢がここにはないのではないか、こういうことを指摘をしたいと思うわけであります。特に、実際の積算等に当たる部門の職員には、他機関の指摘事例などが伝わっていない場合が多いと聞いているわけであります。これは十分改善をしていただきたい、こういうふうに思います。運輸省、建設省、大蔵省、各大臣から簡単に御見解を賜りたいと思うのであります。
#298
○塩川国務大臣 御指摘されました事項はそれぞれに改善いたしておりますが、他機関に起こった事案というものを参考にせい、これはなかなかいい御提案だと思います。われわれも十分研究するように、勉強さすようにいたします。
#299
○斉藤国務大臣 御指摘の向きにつきましては全くそのとおりでございまして、十分な配慮をもって対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#300
○渡辺国務大臣 各省の職員の会計事務の研修というものをやっておりますので、そういうような折に触れまして、趣旨が徹底されるようにさらに督励をしてまいりたいと存じます。
#301
○辻(第)委員 いまの問題はこれで終わって、次に通産省への質問をしたいのですが、大臣にお願いをしておったのですが、間もなく見えるそうなので、ちょっと待たせてもらいます。
 日本原子力発電敦賀発電所の高濃度の放射能漏れは、三月八日に廃棄物処理施設のフィルタースラッジタンクからあふれ出たということがきょうになって明らかにされました。わが党は、敦賀原発における昨年の定期検査での給水加熱器の耐圧試験の手抜きや、あるいはことし一月の放射能漏れ事故隠しを指摘をし、追及をしてきたところであります。
 これを受けて、通産省は今月になって敦賀原発への立入検査を行っておりますが、今回の事実をつかめなかったのはなぜなのか、お答えをいただきたいと思います。
#302
○高橋(宏)政府委員 御指摘のように本年一月におきます二度にわたりましての第四給水加熱器の漏洩、ひび割れ、にじみ、これに関します届け出がなかったこと、及びその工事方法がよかったかどうかということにつきまして、私ども四月一日から八日にかけまして立入検査を実施いたしております。この立入検査は、ただいま申し上げましたように、当該給水加熱器に関します一連の事象、これに関連した保修作業等についての事実確認を行うためにいたしたものでございます。
 本件は御承知のように、この給水加熱器と申しますのはタービン建屋の中にございますタービンの付属設備でございますが、そこでやったわけでございます。
 一昨日から本日にかけます放射能の浦底湾への漏洩問題でございますが、これはすでに御説明、発表いたしておりますように、放射性廃棄物処理建屋の中の何かの原因でそれが一般排水路に漏洩したという疑いが非常に濃うございます。一番放射能濃度の濃いマンホール等から見まして、その近傍であろうということになっておりまして、これは建屋が全く別でございます。直線距離にいたしまして当該マンホールから約百メーターぐらいあるそうでございますが、そういうことでございまして、一応前の給水加熱器とは違う場所で、全く違う原因で起きたのではなかろうかというぐあいに考えております。そういうこともございまして、前回立ち入りのときにはわからなかった、こういう次第でございます。
#303
○辻(第)委員 それでは納得できません。やはり距離が違うとか建物が違うとかそういうことだけで、これは三月八日に廃棄物処理施設のフィルタースラッジタンクからあふれ出たということですね。それはもうはっきりしているのでしょう。
#304
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の放射能漏洩問題に関しまして、現地でいろいろと事情聴取等をしておりますが、昨日原電側からの事情聴取によりましてそういうことが三月八日にあったということを聴取したわけでございます。それに基づきまして新聞発表いたしておりますが、その限りにおいて私どもは現段階でそう承知しております。したがいまして、今後はこの問題の詳細調査が焦点になろうというぐあいに考えております。
#305
○辻(第)委員 三月八日にそういうことが起こっておる。ほかの件を中心にしてであるにしろ、この立入検査を行っておってこういうことがつかめないということは、やはりそれは納得できないものである、こういうふうに思うわけであります。
 ちょうど大臣が見えましたので、質問を続けたいと思います。
 今回の放射能漏れが発覚したのは、一連の事故隠しに不安を持った福井県の独自の環境放射能調査でわかった事実を原電がしぶしぶ認めたことから明らかになった。発覚してからきょうまでの間も事実関係を隠してきたということであります。この事実隠しは、原電の体質が通産省の立入検査にもかかわらず何ら改まっていないことを示すものであります。日本原電に原子力発電を行う資格がないことが今回の事故隠してはっきりした、このように考えます。通産大臣は、このような日本原電の事故隠しの体質についてどのように考えていらっしゃるのか、また、通産省としての責任をどのようにお考えになっているのか、お尋ねをいたします。
#306
○田中(六)国務大臣 日本原電会社が事故隠しの体質があるという断定は私はまだしておりませず、これからも十分チェックし、あるいはいままでの態度については十分厳重に注意勧告をすでにしておりますけれども、私も日本原電株式会社の幹部にはお会いして、また厳重に抗議というか、これからの注意についても十分善処をしておきたいと思います。
 それから、これからの問題でございますが、十分監督あるいは行政指導をし、私どもの責任の完遂に邁進したい。それはとりもなおさず民生の安定あるいは国民に対する私どもの責務でございます。安全性をより一層高めるべく私どもも研究、努力することが責任を果たすことになりますし、その点これからも十分考えつつ、万全の策を講じていきたいと思います。
#307
○辻(第)委員 いま大臣は、日本原電に事故隠しの体質がないようにおっしゃいましたけれども、とんでもありません。ことしの一月の放射能漏れ事故、これも長い間隠しておった。今回も三月八日にこのようなことが起こっておるにもかかわらず今日まで隠してきた。こういうことは明らかに事故隠しの体質であると言って言い過ぎでありません。その点もう一度お答えをいただきたいと思います。
#308
○田中(六)国務大臣 原電株式会社に事故隠しの体質がある、もう一回よく検討してしゃべれということでございますが、そのことにつきましては、これからも私ども十分調べた上、その体質あるいはその他のことについても考究したいと思います。
#309
○辻(第)委員 次に、事実関係については現在わが党の同僚議員が現地調査を行っております。引き続き事態の究明に努めますが、こういう重大な事故が県の毎月のサンプリングによる調査で初めて判明したわけでありますが、通産省の監督責任としての原子力発電所の環境放射能調査の体制はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
#310
○赤羽政府委員 原子力発電所の環境対策としましては、一番基本になる考え方は、排出をきちんと規制するという形でできております。したがいまして、あくまでも発電所の中の管理をしっかりやり、外へ排出する場合には徹底した管理を行った上で、許容量を十分下回る水準のものだけが排出できるという形になっておるわけでございます。したがいまして、環境の調査というのは二義的なものになるわけでございますが、科学技術庁におきましては、念のため、あるいは核実験の降下物等が一緒に加わるということもありますので、各県に対しまして環境放射能の調査を依頼しているわけでございます。
 今回の問題につきましては、本来、放射性物質が排出されるべきでないところから排出されたということでございますが、これも原則としては排出されるべきでない、あるいは排出されないようになっている、排出口についても事業者がやはり責任を持って測定をしなければいけないといったてまえなものでございまして、環境の方を一義的に考える必要はないかと存じます。
#311
○辻(第)委員 きわめてずさんな状態であります。ところで、通産省は全原発への総点検ということを言っておられるわけでありますが、どのような点検をやられるのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#312
○高橋(宏)政府委員 点検の内容につきまして御説明いたします。
 現在、立入検査によりまして本件の原因を一応追及中ではございますが、その原因の究明と並行いたしまして、原子力発電所に一層の安全を確保する観点から、次のような点検指示を各社すべての発電所に指令いたしております。
 すなわち、原子力発電所の一般排水路につきまして、管理区域からの放射性物質の漏洩、混入のおそれについて点検を行うことが一つと、それから一般排水路につきまして、放射能測定を行って結果を速やかに報告する、こういう指示をいたしまして、すべての発電所についての点検の結果によりまして適切な措置をとっていきたいというぐあいに考えております。
#313
○辻(第)委員 時間が来ておるわけでありますが、最後にもう一言お尋ねをいたします。
 事故が起きている現場に、別の事故とはいえ、立入検査に入っていながら事故の発見さえできていなかったというのが今回のケースであります。私は、報告ぐらいでいいのか、このように考えます。そして国民の生命と安全を本当に守る立場から、この教訓を生かして、すべての原発安全性と安全確保について厳重な総点検をすべきである、このように考えています。最後に大臣の所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
#314
○田中(六)国務大臣 原子か発電所の設置ということは、私ども将来の電力行政にとって非常に大切なことで、御承知のように、日本はいま二十三基稼働しておりまして、三十五基を一応目標にして、十年後の五千百万から五千三百万キロワットの達成に努力しているわけでございます。しかし、これが安全性というようなことが徹底していなければ、国民の皆様もそれに協力するにしてもできないわけでございます。したがって、今回のこのようなことのないように、私ども電気事業法の規定を守るという厳重な体制をとらせると同時に、あらゆるチェック機能を発揮し、監督、管理、そういう面にも努力していかなければならないという決意でございます。
#315
○辻(第)委員 どうか責任ある態度でやっていただきたい。このことを申し述べて、終わります。
#316
○森下委員長代理 楢崎弥之助君。
#317
○楢崎委員 私は、冒頭に、せんだっての原潜ジョージ・ワシントンの衝突事故について、その衝突事件と国内法及び国際条約との関係を整理をしたいと思います。
 時間が限られておりますから、私の方からいろいろと申し上げますので、関係省庁の御答弁は簡潔にイエスかノー、そういうところでお願いをいたしたいと思います。
 まず、海難審判法との関係であります。
 この衝突事件と海難審判法との関係については、審判法の第一条「目的 第二条「海難の発生」、第四条「裁決」、第三十条理事官の調査義務等」、第三十三条「審判開始の申立」、そういう条項に関連をして、長崎の地方海難審判理事所の理事官が調査に入っていると思いますが、どうですか。
#318
○松本(金)政府委員 日本船側につきましては、目下鋭意事実関係の調査を進めております。
#319
○楢崎委員 そうしますと、同種の再発防止に寄与するというこの第一条の目的に対して、調査結果が明白になった場合は当然審判に持ち込まれると思いますが、いかがですか。
#320
○松本(金)政府委員 事実関係を十分調査した上、海難審判法の法目的に照らしまして審判に付すことが適当かどうかということを決定するわけでございまして、目下調査中でありますが、審判するかどうかは現段階においてはまだはっきりわかりません。
#321
○楢崎委員 現段階で審判するか、審判に値するかどうか聞いているのじゃないのですよ。調査の結果、値したらと言っているのですよ。
#322
○松本(金)政府委員 審判を行う必要があると認めた場合は、日本船側の調査だけでは……(楢崎委員「わかっています、そんなことは」と呼ぶ)審判の必要があると認めた場合は、審判を行います。
#323
○楢崎委員 そうです。それでいいのです。あなたが言いたいことを私が言いますけれども、ただ、この場合は相手が外国艦船ですから、民間船の場合だとエージェントを通じて調べるという手だてがありましょうが、在日米海軍の場合は防衛施設庁を通じて調査を行う、米海軍から資料をもらうでしょう。ところが、今回の場合は在日米海軍ではありませんね。したがって、これは米海軍一般だから当然外務省を通じて米政府からいろいろな調査内容をいただく、そういう手はずになると思うが、外務省はどうですか。
#324
○愛知政府委員 そのとおりでございます。
#325
○楢崎委員 次に国際条約との関係ですが、これは公海上ですから、日米安保条約及び地位協定に直接関係はない、その枠を越えるものであると思うが、防衛政務次官いかがでしょうか。
#326
○山崎(拓)政府委員 日米安保条約とは全く関係ありません。
#327
○楢崎委員 私が指摘したとおりですね。直接には関係ないですね。
 そうすると、あと関係が出てくるのは国際条約一般ということになります。この際、一般国際法の問題としては、一九一〇年に公布されました船舶衝突二付テノ規定ノ統一二関スル条約というのがあるはずであります。しかし、これは十一条では軍艦等は適用対象になっていない。たとえ適用対象になっていても米国は加入していないからこの条約との関連はない。いかがですか。
#328
○伊達政府委員 そのとおりでございます。
#329
○楢崎委員 そうすると、あと関係してくる国際条約は公海条約で、これは加害者の方が刑事上の責任問題とも絡むわけであります。それで、公海条約十一条によると、軍艦自体、ボデーへの刑事上の適用はないけれども、乗っておった軍人の場合は、その関係軍人に対して、この場合はアメリカの軍法会議、軍刑法の処分の対象になると思うが、外務省どうですか。
#330
○伊達政府委員 軍刑法によりまして刑事上の罰に相当するということになりますれば、そのとおりになります。
#331
○楢崎委員 次に、同公海条約十二条、これは救助の義務がある。今度の事件の場合は、このアメリカのジョージ・ワシントンが十二条を犯しておるかどうか、十二条に違反しておるかどうかが問題になると思うが、この十二条との関係はどうですか。
#332
○伊達政府委員 十二条の海難救助の規定に違反しているかどうかは問題になるところだろうと思います。
#333
○楢崎委員 したがって、あと残るところは、法的に見れば、当方としては民事訴訟関係が残るだけである。つまり、損害賠償も含めてである。結局民事上の問題としては、相手が外国の場合は日本の裁判所における対象にはならない。したがって、被害者がアメリカの政府に対して損害賠償請求を行わざるを得ない。現在、日昇丸所有の忽那海運は弁護士を介してアメリカ政府に提訴を準備中と聞いております。これは一企業の訴訟ではとてもじゃない、むずかしいから、もし提訴に持ち込まれた場合は当然日本政府としてバックアップする必要がある。その用意があるかどうか、外務省、お伺いします。
#334
○愛知政府委員 外務省といたしましてはあらゆる側面的な援助をする用意がございます。
#335
○楢崎委員 そこで、本件に関して私はいろいろのミステリーというか疑問がある。そのうち二つだけ取り上げて御報告をお願いしたい。
 まず第一番は、衝突したアメリカの艦船がジョージ・ワシントンであるというその証拠は何か。米側がジョージ・ワシントンであると言っていることだけか。なぜ私がこういう疑問を呈するかというと、救助された十三名の方は、ジョージ・ワシントンの写真を見せられて、全部、これは自分たちが見た潜水艦と違うと言っている。したがって、これがジョージ・ワシントンであるという立証をするために、単にアメリカがジョージ・ワシントンでしたと言うだけでなくて、私は、日本政府がアメリカの同意を得て、このジョージ・ワシントンの実地、実物検証をする必要があると思います。どのくらいの損害がジョージ・ワシントンにあったのか。少なくともわれわれが納得し得る、日本国民が納得し得る、確実な立証の証拠となるもの、日本政府側が見に行ってもいいし、少なくとも衝突したことを立証する写真等が必要であろうと思うが、この点はどうですか。
#336
○松田説明員 たびたび御報告申し上げておりますとおり、アメリカの現在行っております諸般の調査は判明次第私どもに結果が伝達されることになっておりますので、それを受けとめた時点で御指摘の点も含めて私どもは考究するつもりでおりますが、米国海軍の公式発表でジョージ・ワシントンがこの件に巻き込まれているということを言っておりますので、それをそのまま受け取るのが至当かと存じております。
#337
○楢崎委員 だから言っているでしょう。でき得べくんば、私が疑問を呈しているのですから、先ほど申し上げたような立証するに足るものを添えてお示しを願いたい。希望いたしておきます。
 次に、この衝突事故が起こったということの連絡が非常に遅かったために救助活動その他がおくれた、この点は非常に重要である。ところが、事件が起こって、実際に救助したのは翌日の午前四時二十四分、護衛艦「あきぐも」であります。午前四時二十四分と言えば真っ暗やみの中である。たまたまその付近を通って都合よく見つけ出したのか。私はそこに疑問がある。米軍と防衛庁の連絡は非常に密であることは御案内のとおりです。米軍から防衛庁に早く連絡があっていたのではないか。そして「あきぐも」は出動してその場に行ったのではないか、その疑問が残る。そして実際に発表されたのはずっと後でしょう。この連絡事項がどうであったかということは非常に重要である。したがって、護衛艦「あきぐも」、「あおぐも」でもいいですが、一緒であったかどうか知りませんが、少なくともこの海上保安庁の四月十七日付の事件の概要報告によればそうなっているから、この護衛艦「あきぐも」の四月九日及び十日の航海日誌を資料として出してもらいたい。この「あきぐも」はいつどの港を出て、どのくらいの速力でどういうところをどういう目的で通っていたか、できれば航海図を含めて資料として出していただきたい。いかがですか、防衛庁。
#338
○夏目政府委員 防衛庁がこの事故について事前に連絡を受けたということはございませんし、私どもの護衛艦は、遭難船のゴムボートから打ち上げられた信号灯を発見して現場にかけつけたと聞いております。
 それからまた、ただいま航海日誌を提出せよということでございますが、この航海日誌はあくまで部内のものでございますので、できれば提出を差し控えさせていただきたい。ただし、護衛艦の行動については、御質問があればお答えいたしたいと思っております。
#339
○楢崎委員 時間がありませんから、決算委員会の権威にかけて、委員長から、この航海日誌の私が指摘した内容を含むようなものを提出するように御指示をいただきたい。
#340
○森下委員長代理 この件につきましては理事会で後刻相談させていただきます。
#341
○楢崎委員 次に、サウジ原油輸入の問題に入りたいと思います。
 私も、いろいろな話がありますので、いろいろと調べております。その際に突き当たる一つの壁は国益論であります。つまり日本にとっては産業の血液が油であります。それはよくわかっております。したがって、大量に良質のものを安く輸入するということは一つの大きな国益であると思います。それは疑いを入れません。しかし、もう一つ国益があるのではないか。それは、本日からいよいよ石油会社の石油製品値上げが行われます。この値上げの理由は、輸入価格が上がったということが理由でしょう。国民生活に重大な関連がある。したがって、その輸入価格の構成が果たして妥当なものであるか。それを知ることは、国民サイドから見れば、それもまた私は国益であろうと思います。問題は、どっちも大事な国益だから、そのバランスをとりながら解明していくということが必要であろうと思います。少なくとも一番目に申し上げた、石油を輸入することが国益だ、したがってそれを阻害するようなことがあってはいけないから、この一番目の方の石油輸入価格等はタブーなんだ、あるいは聖域なんだ、そういうことで全然さわられないのかどうか。もし国益論がそれだけであれば、もう一方の国民サイドからの国益からすれば片手落ちではないか。問題は、私は、そこのバランスをとりながら慎重に解明するということが必要であると思いますが、官房長官、いかがでありましょうか。
#342
○田中(六)国務大臣 楢崎議員仰せのとおりだと思います。
#343
○楢崎委員 したがって私は、そういうバランスを考えながら、以下慎重に質問してまいりたいと思います。
 官房長官においでいただいたのは、質問しておりました自衛権の及ぶ範囲についてやりたかったのですけれども、安保特別委員会がやっておりますから、官房長官、よろしゅうございます。失礼しました。
 それで、この国益論と関係しまして、原油を取引するという際に、一般論として、一定のプレミアがつくということはあり得ることである。それが契約上明らかになったオフィシャルなものであれば私は問題はないと思います。だからその証拠に外為法では、輸入貨物の代金の一〇%以内のプレミアムであれば外為の承認のみで送金し得る。もしそれを超した場合は通産大臣の許可が要る。ただし、一〇%以内であっても、輸入業者でない者が送金する場合は通産大臣の許可を要することになっている。これは旧法です。昨年十一月三十日までの旧法です。その後はフリーです。したがって、たとえば昨年四月に成約いたしました共同石油輸入のサウジ原油十五万バレルの場合は、輸入業者ではない共同石油が原油引き受けの七つの石油会社にかわって一括送金しておるということですから、ただし書きの方で当然通産大臣の許可が得られていると思いますが、いかがですか。
#344
○森山(信)政府委員 御指摘のとおりでございまして、通産大臣の承認はとっております。
#345
○楢崎委員 だから、問題は、そのプレミアムが表に出せない性質のもの、よく言われている裏口銭あるいはリベート、こういう場合でも、これはもし疑問なりそういうものがあった場合に、いやそれは国益だからといって免責になるのであろうか。手がさわられないのであろうか。やむを得ない、そういうことになるのであろうか。もしダーティーな部分が、疑問があるとすればそこに立ち入るということはできないのであろうか。こういう点で私は大変疑問があるわけです。刑事局長、いかがでしょうか。
#346
○前田(宏)政府委員 お尋ねの趣旨を十分理解しているかどうかと思いますけれども、私どもの立場で申しますと、お尋ねの問題が何か犯罪になるかどうかということに関してでございますので、その前提がはっきりいたしませんと何ともお答えいたしかねるわけでございます。
#347
○楢崎委員 もし疑問がある際には――やはり捜査当局といえども第一番に挙げました国益の問題があるから、そこに政治的な配慮も必要かもしれませんが、もし疑問があるときには調べるということはあり得ることでしょう。
#348
○前田(宏)政府委員 一般論といたしまして、犯罪の疑いがあります場合に捜査当局が捜査することは当然でございます。
#349
○楢崎委員 刑事局長、よろしゅうございます。
 それで、エネルギー庁長官がいわゆるサポーティングレターを出されるというこの行為、特定の業者になされるということは自由な競争に影響を与える、あるいは自由な競争を阻害するのではないか、それは行政指導としてもどうであろうかと私自身首をひねる点があるのであります。たとえば、そのことによって契約が有利になる、安いものが入ってくる。そうすると、まず輸入価格に格差が出てくる。安い石油を輸入する者と高い石油の場合、しかも日本に入ってくるときにはさらに石油税がかかる。だから、高い輸入の油の場合は石油税も多くなる。二重の格差を受けることになる。こういうところから言われておるように、たとえば丸善石油などは大変だと言われておるけれども、メジャー系は安定しておりますけれども、そういう政府の支えのない民族系は不利な条件にあるのではないか。したがって、こういう行政指導は適当であろうかという疑問を感じますが、大臣いかがでしょうか。
#350
○田中(六)国務大臣 リベートとかマージンとかいうものはない方が一番いいことでございまして、たとえばわが国の油代だけでも五百億ドルくらい払うような事態でございますので、外貨の面でも、ひいては国民生活の面でもそういうものはない方がいいと思います。
#351
○楢崎委員 そこで、昨年四月成約の共同石油がサウジから入れました十五万バレルの問題について、大臣はその価格構成等に、われわれのサイドから言えば疑惑ですけれども、皆さんのサイドからは疑問でも結構ですが、そういうことをお感じになって直接共同石油の幹部等を呼びつけてお調べになった事実があると聞いておりますが、いつごろから調査をされて、結局いつごろ解明されたのかお伺いをいたします。
#352
○田中(六)国務大臣 私が解明したというよりも、十一月でしたか、何か私がリークしたから十四万バレルが壊れたというような報道がなされたわけでございます。これは不思議なことがあるものだなと思って私どものところの事務当局に聞きましたら、十五万バレルというのが六月ごろ入った――六月か何か忘れましたけれども、いずれにしても私が就任前の話でございますので、ああそうかということで十五万バレルを知ったわけです。それから大堀さんのところにそのことをお尋ねしたのは事実です。だから、ずいぶん月日がたってからですね。
#353
○楢崎委員 大臣に就任されたのが七月です。その前にこの問題は成約しているから、その成約には直接タッチされていないから、私は聞かれるのは当然であろうと思うのですね。
 それでりっぱに納得されましたか、大臣は。
#354
○田中(六)国務大臣 説明を受けまして、そういうことかなと、実は初めて油というものにタッチしましたので、そういうことがあるのだなというふうに思いました。
#355
○楢崎委員 いまの御答弁だと、すっきりわかったというような答弁に聞こえないのですが、まだ少しぐらいは首をひねられる点があるのですか。
#356
○田中(六)国務大臣 いや、いまの段階で別に首をひねるところはございません。そのまま素直に聞いております。
#357
○楢崎委員 それで、昨年十一月の十四万バレルは、御承知のとおりキャンセルになった。それでその理由を質問主意書でお伺いしましたら、一行で、全然原因、理由はわからない。ああいう質問主意書ですから、いろいろ文章上むずかしい点があったろうと思いますので、その点は了解をいたします。ただ、それだけで、一行で片づけられる問題ではなかろう。石油の場合は、先ほど申し上げたとおり壊れるようなことがあっちゃいけませんから、われわれもいろいろ配慮している。ところが、十四万バレルという大きな取引が中止になった。これは国益上大変な損害でしょう。したがって、私は、再びこの種のことが起こらないようにしなくちゃいけないと思います。その原因が那辺にあるかは究明されなければならない、そのように思うわけです。
 この十四万バレルというのは、実は四万バレルは、すでに十五万バレルの話の後に、イラク・イラン戦争が起こってイラク分が入らなくなった、したがって、その分を穴埋めをするということでサウジが増量をした。したがって、それからもやはり入れなくてはいけないのじゃないかという話になって交渉に入られたかに聞いております。で、まず、二十万バレルが入る可能性ができてきた。問題は、二十万バレルを四万バレルと十六万バレルに分けて、四万バレルの方は無条件でまず入れる。そのかわりに十六万バレルの方は四月成約の十五万バレルに似た条件をつけて入れる、そういうことになっておったと思うのです。だから、四万バレルには全然条件がついていない。つまり四万バレルと十四万バレルはそういう関係にある。そして今度は残された十六万バレルの交渉に入ったところが、いろいろな問題が介在をしてこじれた。そしてやっと成立した。ただし、二万バレル減らされて十六万バレルが十四万バレルになった、こういう経過と私の調べたところではなっております。
 ところが、この十四万バレルについては、十五万バレル成約の共同石油が前面に立ってもらいたいという向こうの希望もあったけれども、共石は、十五万バレルのときにいろいろ言われたから、もういやです、こういうことになって経過をして、じゃオフショアを入れよう、ある外国の会社を入れよう、そういう話になって、いわゆる共石の方が推薦されたのがペトロモンドという会社である。そういう経過になっておると思うのですね、この十四万バレルの交渉の経過は。
    〔森下委員長代理退席、原田(昇)委員長代理着席〕
 そこで、問題はこの十四万バレルについてですけれども、この契約はサウジ側の代理がモービル、それから日本側の代理がペトロモンドということになって、モービルとペトロモンドと契約された。それは昨年の十一月十一日と聞いております。モービル側から出てきた人は二人で、副社長エックバルトという人がサインした。ペトロモンド側はいろいろな理由があって、仲介をしたAという方と共石のBという方が臨時にペトロモンドのディレクターになってサインをされた。したがってペトロモンド社の人のサインは一つもない。言うならばペトロモンドは完全なペーパーカンパニーであり、名義貸しであった。
 ペトロモンドとモービルの間に結ばれた契約というのはGSP価格、つまり三十二ドルですね、バスラ価格を合わせた。そして今度は、そのペトロモンドが、日本のイラク原油の取引のあった十六社にそれぞれ実績比率に応じて配分をする。そしてペトロモンドが日本の方から受け取る手数料というのは十三セントであった。そういう内容であったと思うのです。これが実現しておれば、当然Aという方も、これは仲介をされておるから手数料は取られる、これは疑問はないと思います。またBという方も、これができておれば、十五万バレルの場合も共石はたしか十八円取っているはずだから、そして四万バレルの場合は日本共同原油が一円五十銭取っているのですから、幾らになるかしらぬけれども、これは当然取られておろうと思います。聞くところによれば、その中に入ったAさんという方は、十三セントの中から二セント取られる予定になっておったということも聞いております。
 では、これがなぜぶち壊れたかという問題であります。この点についていろいろ書かれておるあれがあるから、この際むしろ大臣が明確にされた方がすっきりしていいと思うのです。
 まず、昨年の十一月十三日の夜に、夜回り記者に通産省の首脳が、十四万バレルの数量及び価格内容を記者団にしゃべったという報道があります。それは、たとえば朝日、日経すぐ出ております。外信ではPIW、AFP、MEES、あるいはダイヤモンドレポート、あるいは朝日ビジネス等は経済部次長の署名入りの記事が出ておる。いろいろな内容がありますけれども、これがぶち壊れたのは通産省の責任であるという点は各記事で一致しているのですね。一体その十三日の夜そういうことがしゃべられたのかどうか、しゃべった方は一体だれであるのか、それをこの際はっきりしていただきたいと思います。
#358
○田中(六)国務大臣 十一月十三日の夜のプレス懇談会は私の家で行いました。そして記者懇談の終わり際、二人の記者が、十四万バレルはサウジから来るそうですねと言いましたので、私は十四万バレルということはその一日前かその日かに知らされておりましたので、そうだよと、そう言っただけで、実は値段が幾らかというようなことも知りませんでした。十四日の新聞にそういうことが載っているわけでございますけれども、私は不用意と言えば不用意でしょうけれども、それがそういうふうに、それをリークしたからこれが壊れるというような意識は、私は一生懸命油探しに出かけておる最中でございましたので、そういうことは考えていなかったわけでございますけれども、価格はもちろん知らない、数量だけたまたま知っておったわけでございますが、どうも私がそういうことをしゃべったからこの十四万バレルが壊れたというふうな風評が立っておりましたので、私なりに、私も元新聞記者でございますのでそういう調べることは好きですし、また究明しなければならないと思いましたので、いろいろ調べておりましたが、すでに、サウジから日本に来るという油は十月三十日の日本工業、燃料油脂、これは十一月十二日ぐらいの記事に、もう半月以上前にそんなことは載っているのです。だから、論理の偏特性という言葉がございますが、あるいはボタンのかけ違いでもいいですけれども、疑惑を持ったり、いろいろこれはおかしいなと思って、意識を持ってそこに焦点を合わしていくならば、それは時間とともに、歩みとともに拡大していくでしょう。しかし私は、その日本工業新聞と燃料油脂のずいぶん前の新聞を読みまして、これはいろいろ過当競争があって業者も多いし、中にあなたのおっしゃるような、私は知らなかったのですけれども、マージンかせぎあるいはそれに類する人たちが、それが壊れたことはどうだこうだと言い回ったのだなと、私はいま雲が晴れて晴れやかな気持ちになっております。このことにつきまして私もいろいろ言われたり書かれたりしましたけれども、それは人間でございますので、いろいろこっちも推測し、いろいろとこれに対処するという形もとってみましたけれども、現実にそういう十三日にしゃべったから十四日の新聞に載ったとかいうことではなくて、十月何日の日本工業あるいは十一月十二日ごろの燃料油脂にそういうことは全部載っているのです。それでまた、私が新聞記者に聞かれたのは、十四万バレルはどうなんですかという聞かれ方をしたから答えたのであって、さあいまからサウジアラビアから十四バレル来るよというような積極性はさらさらなかったわけです。特に何度も申しますけれども、そのバレル当たりが幾らの金額であるかということも全然知らないわけです。したがって、それによってどうとかこうとかというのはナンセンスなことで、私どもはやはり気をつけなくてはいけないのは真実の究明であって、むしろボタンのかけ違いあるいは論理の偏特性によって多くの人に迷惑をかけてはいけないということでございます。
#359
○楢崎委員 そこで、ちょっと解明しておかなくてはいけないと思うのですが、ペトロモンドから、この十四バレルの内容、量、価格、払い込み銀行、そういう内容を持ったテレックスが入ったのは十一月十三日の朝です。そしてそのテレックスの中で、返事は同日の午後後四時までにせよという制約がついておる。受けた方の石油会社はこの種の話はたくさんあるから破って捨てたところもあるらしい。ところが午後二時前後になって世話した日本共同原油から各石油会社に電話が入って、実はそれは本当なんだ、これは通産省も知っている、そういうふうになって、あわてて返事を打ち返した。したがって早いところではLCを開いたところもあるしインボイスを提出したところもある。私はこういう経過だと思う。
 そしてしかも、大臣、このテレックスは見られたことはありますか。ない。ではちょっと渡してください。読まれたらわかりますように、これは大変に日本人的英語なんですね。私調べてみましたら、おたくの通産省の職員と共石の職員がこの内容をつくっているのですよ。そして各社、十六社ごとにイラク原油の輸入の実績を知っているのは通産省ですから、それにきちんと比率で量を割って、各社ごとにやっている。そしてこの原文をペトロモンドにやったのでしょう、ペトロモンドはそのとおり打ち返しておるから、当然通産省の幹部は知っているのです。特にこのテレックスの五五五条項によりますと、この内容の一部でも、「エニーパート」と書いてあるが、量であろうと金額であろうと、ちょっとでもこれが外に第三者に漏れたらこれはキャンセルだよと書いてあるのです。だから、そういうことも通産省の幹部は知っているはずです、自分のところでつくっているのですから。それを大臣が知らされておったかどうかが問題なんです。これは率直な疑問で、二つに一つ。大臣が知ってこういうことがもし外に漏れたのだったら、私は何としても一部の責任は大臣にかかってくるのではないか。もし大臣が知らされていなかったら、エネルギー庁と通産省の、大臣を含めてそういう連絡は一体どうなっておるのか、どっちかだ、こういう気がするのですね。だから、この際私は、大臣の立場からもこの辺ははっきりしておいていただきたいのです。知っておってそういうことがちらっと出たのか、全然知らずに、こういう禁止条項があるのは知らずに、いつも記者団とだべっておられるから出たということなのか、その辺だけはひとつこの際はっきりしておいていただいた方がいいのではないか、このように思うわけです。
#360
○森山(信)政府委員 率直にお答えいたしますと、大臣にはテレックスの内容は御説明してございません。したがいまして、大臣はそういう意識を持っておられたとは考えておりません。つまり、私ども事務方の責任におきまして、これは私がエネルギー行政の事務方の最高責任者でございますから、私の責任において処理したものでございます。
#361
○田中(六)国務大臣 まあ私の性格もあるでしょうけれども、それから官僚機構の問題もあると思いますけれども、一々全部、特にMITIは非常に幅広いところでございますし、何もかも事前に知って、それからそのベースにあるからくりと申しますか仕組みも知っておかなければならないという意識は私はございません。ただ、その報告は事後でもあればそれでいいのであって、事前にいろんな、膨大な組織でございますし、エキスだけを私どもトップの大臣に知らせようという意図は悪意ではなく、私は、当然そこにまた国益というようなこともございますし、善意の発露でいろんなそごが――もしもそごがあったとするならばそういうことであると思いますので、私自身大臣としても、自分がそれだから無能だとか、知らなかったからどうという気持ちはさらさら持っておりませんし、また森山エネルギー庁長官あるいはその部下の人たちも、やはり大事なことと思って、それはできるだけシステムまで知らせる必要はないという判断は、私は少しもそれは悪いことではなく、むしろそっちの方が正しいのじゃないかという考えを持っております。
#362
○楢崎委員 時間が参ったそうですから、二問だけもう続けてあれして、それで終わります。
 一つは、私は、やっぱりいま石油業界はメジャー対民族系、あるいはメジャー同士で、あるいは民族系同士でいろいろ熾烈な闘いをやっているわけですね、競争を。それで結局この種の取引で不明な部分があれば、それを利用するというか、それが原因になって憶測とか中傷が飛ぶ、そういう性質を元来持っていると思うのです、問題は。そしてまた、こういうやつはいろんな関係があるから必ず漏れるのですよ。だから漏れても差しさわりのないように私はしなければいけない。根本を言えば、大臣が冒頭言われたように、そういう裏口銭とかその種のことはないにこしたことはない。あってもそれが公明正大なものであった方がいい。だから、そういう取引というものが元来鮮明になるように、明朗になるように、ひとつこれから御努力をいただきたいということが一つ。
 それから、私はきょうは十五万バレルには触れません、いま続いておりますから。ただ、その十五万バレルの方にトラブルが起こっているということを聞いておる。それは御承知かどうか。このトラブルが発展すれば私はまた大変なことになろうという心配をしておるわけです。その点をひとつ明白にして、終わりたいと思います。
#363
○田中(六)国務大臣 油に対するマージンとかそういうもの、つまりアンダーテーブルに属するようなことは、私は就任以来排除しなければならない、それは油じゃなくて、たまたまほかのことでございますが、そういうことは冒頭に私は、私のMITIの関係の者にははっきり宣明しておきました。
 それから、さきの十五万バレルのことについて何かまたというようなことでございますが、私はそういうことは知りませんし、またそういうことのないように願っております。
#364
○楢崎委員 委員長ありがとうございました。
 それで、この十四万バレルがキャンセルになったということはやっぱり重大な責任だと思うのですね。その辺はその責任にどうこたえるか、今後この種のことが再発しないようにどうするかということはひとつ十分検討されて、私の方にその今後の善処方について御報告をいただきたい。これを要望して、終わりたいと思います。
#365
○原田(昇)委員長代理 次回は、来る二十七日月曜日午後零時三十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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