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1980/02/19 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 科学技術委員会 第1号
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1980/02/19 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 科学技術委員会 第1号

#1
第094回国会 科学技術委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十五年十二月二十二日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
   委員長 中村 弘海君
  理事 小沢 一郎君 理事 小宮山重四郎君
   理事 椎名 素夫君 理事 塚原 俊平君
   理事 日野 市朗君 理事 八木  昇君
   理事 草野  威君 理事 吉田 之久君
      伊藤宗一郎君    加藤 紘一君
      金子 岩三君    佐々木義武君
      登坂重次郎君    前田 正男君
      村上  勇君    与謝野 馨君
      渡辺 栄一君    北山 愛郎君
      上坂  昇君    広瀬 秀吉君
      村山 喜一君    吉浦 忠治君
      和田 一仁君    瀬崎 博義君
―――――――――――――――――――――
昭和五十六年二月十九日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 中村 弘海君
   理事 塚原 俊平君 理事 日野 市朗君
   理事 八木  昇君 理事 草野  威君
   理事 吉田 之久君
      川崎 二郎君    近岡理一郎君
      登坂重次郎君    前田 正男君
      村上  勇君    柳沢 伯夫君
      広瀬 秀吉君    斎藤  実君
      和田 一仁君    瀬崎 博義君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     下邨 昭三君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  永井 和夫君
        科学技術庁計画
        局長      園山 重道君
        科学技術庁研究
        調整課長    勝谷  保君
        科学技術庁振興
        局長      宮本 二郎君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
 委員外の出席者
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十五年十二月二十二日
 辞任         補欠選任
  吉浦 忠治君     斎藤  実君
昭和五十六年一月二十八日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     齋藤 邦吉君
同月三十日
 辞任         補欠選任
  伊藤宗一郎君     江崎 真澄君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     伊藤宗一郎君
二月十八日
 辞任         補欠選任
  与謝野 馨君     山中 貞則君
同日
 辞任         補欠選任
  山中 貞則君     与謝野 馨君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  金子 岩三君     近岡理一郎君
  佐々木義武君     川崎 二郎君
  渡辺 栄一君     柳沢 伯夫君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎 二郎君     佐々木義武君
  近岡理一郎君     金子 岩三君
  柳沢 伯夫君     渡辺 栄一君
    ―――――――――――――
二月十四日
 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必
 要な特別措置に関する法律案(内閣提出第三〇
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必
 要な特別措置に関する法律案(内閣提出第三〇
 号)
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する事項
 原子力の開発利用とその安全確保に関する事項
 宇宙開発に関する事項
 海洋開発に関する事項
以上各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○中村委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 中川国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。中川国務大臣。
#5
○中川国務大臣 第九十四回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 申すまでもなく、科学技術の振興は、経済発展の原動力であり、国民生活向上の基礎であります。
 とりわけ、石油を初めとする物的な資源に乏しく、狭い国土に多数の国民が生活しているわが国が、この厳しい制約を乗り越え、二十一世紀への発展の礎を築くとともに、世界の進歩に貢献していくためには、わが国民の英和と創造性の枠を尽くして科学技術を積極的に振興し、科学技術立国を目指すことが不可欠であります。
 私は、このような基本的な考え方のもとに、長期的総合的観点に立って、次に述べる昭和五十六年度における科学技術振興のための諸施策を推進してまいる所存であります。
    〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕
 まず第一は、科学技術会議の総合調整機能の強化であります。
 科学技術の一層の振興を図るためには、わが国の科学技術政策展開の中核である科学技術会議が高い識見と広い視野に立って総合調整を行い、わが国科学技術に対する指導的役割りを強化していくことが重要であります。
 このような科学技術会議の総合調整機能強化の一環として、昭和五十六年度予算におきまして、科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費を創設することといたしております。
 また、この調整費の一部を充当して、次代の技術革新を担う独創的な科学技術のシーズの探索研究を官学民の力を結集する流動的な研究システムによって推進することといたしております。
 第二は、原子力研究開発利用の推進であります。
 現在の厳しいエネルギー事情にかんがみ、最も有望かつ現実的な石油代替エネルギーである原子力の開発利用を強力に推進する必要があり、このため、安全確保対策を一層充実し、原子力に関する国民の理解と協力を求めつつ原子力発電の拡大を図るとともに、将来にわたり原子力がより安定したエネルギー源となるよう所要の研究開発を積極的に推進することといたしております。
 申すまでもなく、原子力研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保を図ることが大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安全研究の一層の推進、放射線障害防止対策の強化など安全対策の強力な展開を図るとともに、万一の事故に備えた防災対策の充実を図ってまいります。
 また、原子力発電の拡大に対応した自主的な核燃料サイクルを確立するため、ウラン濃縮の技術開発、使用済み燃料の再処理対策、放射性廃棄物の処理処分対策等を推進するとともに、ウラン資源の有効利用を図る観点から、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設など新型動力炉の開発、さらには人類究極のエネルギーとして期待される核融合の研究開発等を強力に推進いたします。
 原子力船の研究開発につきましては、原子力船「むつ」の改修及び総点検を鋭意推進し、定係港問題の早期解決を目指して地元の皆様との話し合いを進めるとともに、船舶用原子炉に関する研究を推進していくこととしております。
 第三は、宇宙開発の推進であります。
 人類の新しい活動領域である宇宙空間を利用することにより、国民生活の向上を図るとともに、宇宙開発の世界的進展の一翼を担うべく、人工衛星及びその打ち上げ用ロケットの開発等宇宙開発の積極的な推進を図ってまいります。
 このため、昭和五十六年度におきましては、静止気象衛星二号を打ち上げるほか、通信衛星二号、放送衛星二号、海洋観測衛星一号等幅広い分野にわたる各種人工衛星の開発を推進いたします。また、将来の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術により、高性能で大型のHIロケットの開発に着手するなど、人工衛星打ち上げ用ロケット開発の積極的推進を図ります。
 第四は、海洋開発の推進であります。
 四万を海で囲まれたわが国にとりまして、海洋の開発はきわめて大きな意義を有するものであります。
 特に、国連海洋法会議も終結に向かい、本格的な二百海里時代を迎えようとしている今日、国土が狭く資源の乏しいわが国の将来を考えますと、海洋の豊富な資源、エネルギー、空間の多角的利用を目指して積極的に研究開発を進める必要があります。
 このため、昭和五十六年度におきましては、水深二千メートルまで潜航可能な潜水調査船を完成させ、訓練のための運航を実施するほか、水深三百メートルまでの潜水作業技術の研究開発等の総合海洋科学技術開発プロジェクトを積極的に推進いたします。
 第五は、防災科学技術の推進であります。
 地震災害、雪害等のさまざまな災害から国民の生命、財産を守る上で、防災科学技術の推進はきわめて重要な課題であります。
 特に、地震予知につきましては、地震予知推進本部を通じて関係各省庁における施策の総合的な推進を図るほか、当庁といたしましても、関東・東海地域における観測、研究の強化等を積極的に進めてまいります。
 また、雪害対策につきましても、鋭意研究を進めてまいります。
 第六は、各般の重要な分野の総合研究の推進であります。
 原子力以外のエネルギーに関する研究開発につきましては、太陽光エネルギー転換技術などの新エネルギー分野の研究開発及び極低温材料技術などの省エネルギー分野の研究開発等を進めるほか、新たに、風力、太陽熱などの自然エネルギーを地域に適合した形で総合利用するシステムの実証調査を開始いたします。
 生命現象の解明とその応用により、広範多様な分野における技術革新が期待されるライフサイエンスにつきましては、人工臓器等の研究開発を推進するとともに、遺伝子組みかえ研究の一層の推進を図るため、安全性の評価研究等を行う最高度の物理的封じ込め機能を有する研究施設の建設に取りかかることといたしております。
    〔塚原委員長代理退席、委員長着席〕
 また、航空技術の研究開発につきましては、空港の効率的利用を可能にするとともに、航空機騒音の軽減に役立ち、将来のローカル路線用航空機の主力として期待されているファンジェット短距離離着陸機の実験機の製作を、昭和五十八年度の完成を目途に進めてまいります。
 さらに、リモートセンシング技術の研究開発、材料に関する研究開発、レーザー科学技術などの基盤的な研究、資源の総合的利用方策の調査を進めるほか、独創的な国産技術の企業化を委託開発により推進することといたします。
 第七は、科学技術振興基盤の整備であります。
 科学技術に関する基本的な計画の策定、筑波研究学園都市における研究交流活動の推進を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図るため、科学技術情報の全国的流通システムの整備を促進いたします。
 第八は、国際科学技術博覧会の開催であります。
 巨額の資金を要するとともに、国民生活の未来に大きな影響を及ぼす科学技術の振興を円滑に進めていくためには、国民の十分な理解と協力が得られることが不可欠であります。
 昭和六十年に筑波研究学園都市において開催を予定しております国際科学技術博覧会は、この意味できわめて大きな意義を有するものであり、二十一世紀を展望し、豊かな人間生活を創造する科学技術に焦点を当て、国民に未来への夢と活力を与える構想として、所要の準備を進めてまいりたいと存じます。
 なお、本国会におきましては、国際科学技術博覧会の開催準備体制を強化するため、その開催主体である財団法人国際科学技術博覧会協会に対し、資金調達、人材確保等の面において所要の特別措置を定めることを内容とする国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議いただきたいと存じます。
 第九は、科学技術に関する国際協力の推進であります。
 科学技術の国際交流促進の重要性が一段と高まりつつある情勢にかんがみ、人類の繁栄と幸福に貢献するため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力など先進国との協力の推進を図るとともに、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力を推進してまいります。
 以上、昭和五十六年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し上げましたが、これらの諸施策を実施するため、昭和五十六年度予算といたしまして、一般会計三千八十七億円を計上いたしますとともに、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計におきまして、科学技術庁分といたしまして五百九十六億円を計上いたしました。
 科学技術の振興は、国民の当面する諸問題の解決に資することはもちろん、人類の輝かしい未来を切り開く上で最大の力となるものであります。私は、科学技術行政の衝に当たる者として、その使命の重大さを厳粛に受けとか、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の御指導、御支援をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を衷心よりお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#6
○中村委員長 昭和五十六年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。下邨官房長。
#7
○下邨政府委員 昭和五十六年度科学技術庁予算について御説明を申し上げます。
 昭和五十六年度一般会計予算におきまして科学技術庁の歳出予算額は、三千八十七億一千五百万円を計上いたしております。
 また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分といたしまして、歳出予算額五百九十五億五千五百万円を計上いたしておりますが、両会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は三千六百八十二億七千万円となり、これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと三百五億一千五百万円の増額となっており、その比率は九%増となっております。
 この歳出予算のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして、一般会計一千四十六億一千九百万円、電源開発促進対策特別会計三百四十五億六千八百万円を計上いたしております。
 また、一般会計予算の予算総則におきまして原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を一千三百三十五億円にするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を八十七億円とし、これを使用済み燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。
 次に、一般会計歳出予算額のうち重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 第一に、科学技術会議の総合調整機能の強化の一環といたしまして、従来の特別研究促進調整費を発展的に解消し、新たに、科学技術振興調整費三十三億五千万円を計上いたしました。
 この調整費は、科学技術会議の方針に沿って、わが国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための経費であります。
 また、本調整費のうち五億円程度をもって、次代の技術革新を担う創造的な科学技術のシーズの探索研究を流動的な研究システムにより推進することといたしておりますが、これについても、本調整費の総合推進調整の一環として、科学技術会議の方針に沿って実施することといたしております。
 第二に、原子力研究開発利用の推進といたしまして一千七百四十九億九千二百万円を計上いたしております。
 まず、原子力安全規制行政の充実につきましては、原子力利用における安全の確保に万全を期するため、原子力安全委員会の機能の充実などに必要な経費として二十一億八千七百万円を計上いたしております。
 なお、このほか、日本原子力研究所における安全研究の推進など原子力安全確保対策の強化を図ることといたしております。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、高速増殖炉実験炉の運転等新型動力炉の研究開発を進めるとともに、ウラン資源の海外調査探鉱、遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラントの建設等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ七百八十億三千二百万円を計上いたしました。
 また、日本原子力研究所におきましては、原子炉施設の安全性及び環境安全に関する試験研究を進めるとともに、臨界プラズマ条件の達成を目指した臨海プラズマ試験装置の建設など、核融合の研究開発を強力に推進することとしております。
 また、多目的高温ガス炉に関する研究開発、材料試験炉その他各種原子炉による研究開発を行うなど、これらに必要な経費として、同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ七百九十四億二千二百万円を計上いたしました。
 さらに、日本原子力船研究開発事業団につきましては、原子力船「むつ」の遮蔽改修、総点検及び新定係港の整備のほか、改良舶用炉の研究開発等を行うために必要な経費として六十八億五千六百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所におきまして、低レベル放射線の影響に関する研究、内部被曝実験棟の建設等を進めるため五十億三千九百万円を計上いたしましたほか、国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究並びに民間に対する原子力平和利用の研究の委託等に必要な経費として三十四億五千六百万円を計上いたしております。
 第三に、宇宙開発の推進といたしまして八百六十六億六千八百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団におきまして、昭和六十年代の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術による液酸液水ロケットエンジン、慣性誘導装置等を用いたHIロケットの開発に着手することとしております。また、現在、気象観測に利用されている「ひまわり」に次ぐ静止気象衛星二号を昭和五十六年度に打ち上げるとともに、前年度に引き続き通信衛星二号、放送衛星二号、海洋観測衛星一号等幅広い分野の衛星の開発等の推進を図ることとし、これらに必要な経費として、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ八百五十三億五千六百万円を計上いたしました。
 次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、液酸液水ロケットエンジン要素の研究、衛星基礎技術に関する研究等宇宙開発の基礎的、先行的研究を行うために必要な経費として七億八千六百万円を計上いたしました。
 第四に、海洋開発の推進といたしまして七十億一千六百万円を計上いたしました。
 まず、新海洋法時代に対処し、海洋科学技術に関する研究開発を強力に推進するため、海洋科学技術センターにおきまして、深度二千メートルまで潜航可能な潜水調査船を完成させるとともに、三百メートルまでの潜水作業技術の研究開発等を進めるため、これらに必要な経費として、同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ六十七億八千六百万円を計上いたしました。
 また、関係省庁の協力を得て、黒潮の開発利用調査研究、海洋遠隔探査技術の開発研究等を進めることとし、これらに必要な経費として二億三千万円を計上いたしております。
 第五に、防災科学技術の推進といたしまして二十五億四千六百万円を計上いたしました。
 まず、地震予知研究の推進につきましては、関東・東海地域における観測、研究を強化するため、地殻活動観測網の整備等を進めるとともに、岩槻、下総及び府中の深層観測井等の既設観測施設による観測、研究、平野部直下型地震及び海溝型巨大地震の予知研究等を行うこととし、これらに必要な経費として十四億六千三百万円を計上いたしました。
 また、地震防災関連研究として、耐震実験及び軟弱地盤の振動挙動に関する研究等を実施するため一億五千七百万円を、その他、雪害対策研究等のための経費九億二千六百万円をそれぞれ国立防災科学技術センターの予算を中心に計上いたしております。
 第六に、重要総合研究等の推進といたしまして二百四十億三千三百万円を計上いたしました。
 まず、ライフサイエンスの振興につきましては、理化学研究所のライフサイエンス推進部におきまして、最高度の物理的封じ込め機能を有する遺伝子組みかえ研究用施設の建設に着手するとともに、人工臓器等の研究開発の推進を行うために必要な経費など十一億一千四百万円を計上いたしました。
 次に、当庁の付属機関のうち、航空宇宙技術研究所の航空技術部門におきまして、国情に合った短距離で離着陸が可能な低騒音のファンジェットSTOL機の実験機の製作を前年度に引き続き行いますほか、航空技術に関する各種研究を実施いたしますため七十五億二千三百万円を計上いたしております。また、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における材料技術研究開発のための各種試験研究及びこれに関連する施設の整備のため必要な経費として五十二億七千四百万円を計上いたしております。
 理化学研究所につきましては、前述の原子力関係予算、ライフサイエンス関係予算のほか、レーザー科学技術の研究等の各種研究を推進するための経費として六十四億六千七百万円を計上いたしております。
 資源の総合的利用方策の推進といたしましては、自然エネルギーの利用を中心とした地域エネルギー総合利用の実証調査を行うほか、資源調査所における各種調査等のため必要な経費として三億七千八百万円を計上いたしました。
 新技術開発事業団につきましては、新技術の開発を効率的に行うとともに、その成果の普及を行うための経費として、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ三十二億五千百万円を計上いたしております。
 なお、ただいま御説明申し上げました経費におきまして、金属材料技術研究所における極低温材料研究等エネルギー関連材料研究、理化学研究所における太陽光エネルギー転換技術の研究など、原子力以外のエネルギー分野の研究開発を実施することとしております。
 第七に、科学技術振興基盤の整備といたしまして、
 まず、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的かつ総合的に推進するための基本的な計画の策定等研究基盤の強化等に必要な経費として四億八千百万円を計上いたしております。
 次に、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理及び提供業務の充実強化等、科学技術情報の流通を促進するために必要な経費として四十二億一千八百万円を計上いたしましたほか、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費といたしまして二億三千六百万円を計上いたしております。
 第八に、昭和六十年に筑波研究学園都市において国際科学技術博覧会を開催するため、政府出展及び会場の計画、設計等に必要な経費として七億一千五百万円を計上いたしました。
 第九に、国際協力の推進を図りますため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力を初めとする先進国との科学技術協力に必要な経費として、日本原子力研究所、理化学研究所等に四十四億三千七百万円を、また、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力に必要な経費として九千三百万円を計上いたしま、した。
 以上、一般会計の歳出予算につきまして、その重点項目を御説明いたしましたが、次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分の重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地を一層促進する見地から、新たに、電源立地特別交付金を創設し、原子力施設の周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進を行うこととし、これに必要な経費として六億八千万円を計上するとともに、関係地方公共団体の公共用施設の整備に必要な交付金に充当するため二十三億七千八百万円を計上いたしましたほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策の拡充等に必要な経費として六十三億二千百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖炉等の新型動力炉の開発、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮技術の開発に必要な経費として動力炉・核燃料開発事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ四百七十八億七千万円を計上するとともに、廃炉技術の開発、原子力施設の従事者の被曝低減化技術の開発等を推進する経費として二十三億六百万円を計上いたしました。
 以上、簡単でございますが、昭和五十六年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました、
     ――――◇―――――
#8
○中村委員長 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。中川国務大臣。
    ―――――――――――――
 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#9
○中川国務大臣 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、国際科学技術博覧会は、昭和六十年に茨城県筑波研究学園都市において開催されることとなっております。
 本博覧会開催の目的は、二十一世紀を展望し、人類の豊かな生活を創造する科学技術のビジョンを示すことにより、国民の科学技術に対する理解を深めるとともに、科学技術を通じて人類に貢献せんとするわが国の姿勢を内外に訴え、同時に国際親善にも寄与しようとするものであります。また、本博覧会の開催を契機として、筑波研究学園都市を広く世界に紹介するとともに、その一層の整備を図り、これを世界的な科学技術の中心地として育成し、もってわが国の科学技術の画期的な振興に大きく寄与いたしたいと考える次第であります。
 政府といたしましては、この国民的な大事業である国際科学技術博覧会の準備を促進するため、この法律案を提出することとした次第であります。この法律案は、日本万国博覧会及び沖繩国際海洋博覧会の例にならい、博覧会開催の直接の責任者である国際科学技術博覧会協会に対し、資金調達、人材確保等の面においてできる限りの協力と応援を行うことを明確にして、博覧会の開催のための体制を早急に、かつ一段と強化しようとするものであります。
 次にこの法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、国が、国際科学技術博覧会協会に対し、博覧会の準備及び運営に要する経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができるものとしたことであります。
 第二は、国際科学技術博覧会協会の行う資金調達事業に関し、国及び三公社の援助に関する規定を設けたことであります。すなわち、その一つは、郵政省が、博覧会の準備及び運営のための資金に充てることを目的として、寄附金つき郵便切手を発行することができる旨の特例を設けたことであります。その二は、日本専売公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる製造たばこの包装を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。その三は、日本国有鉄道が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる国鉄施設を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。その四は、日本電信電話公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる電話番号簿を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。
 第三は、日本住宅公団の業務の特例として、本来の業務の遂行に支障がない範囲内で、外国政府等の本博覧会への参加に伴って来日する外国人従業員に住宅を提供できるものとしたこと及び国際科学技術博覧会協会の委託により、博覧会会場の用に供する敷地の造成等を行うことができるものとしたことであります。
 第四は、国際科学技術博覧会協会の業務の円滑な運営を期するため、国、地方公共団体及び三公社から適任者を採用する場合が予想されますが、こうした場合の人事交流の円滑化を図るため、これらの者が国際科学技術博覧会協会の職員から再び国等の職員に復帰した場合には、公庫、公団等に出向した後復帰した場合と同様に、共済年金等に関し在職期間を通算する措置がとられることとしたことであります。また、国際科学技術博覧会協会の業務の厳正を期するため、同協会の役員及び職員は、刑法等の罰則の適用について、公務員とみなすこととしたことであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#10
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る二十四日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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