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1947/08/08 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号
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1947/08/08 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号

#1
第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第3号
  付託事件
○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護
 更生に關する請願(第五號)
○ビルマ殘留同胞引揚促進に關する陳
 情(第三號)
○樺太殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第五號)
○南方殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第六號)
○南方殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第八號)
○引揚者、復員者及び留守遺家族の救
 濟緊急對策に關する陳情(第十八
 號)
○在外殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第三十號)
○在外殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第三十一號)
○海外引揚者に對する生業資金貸出に
 關する陳情(第三十二號)
○海外引揚者所有の農地に關する陳情
 (第三十三號)
○ソ連管下の未復員軍人歸還促進に關
 する請願(第七號)
○舊滿錢社員の會社に對する諸請求權
 に關する應急措置等に關する請願
 (第九號)
○海外殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第四十八號)
○海外殘留同胞引揚促進に關する陳情
 (第五十三號)
○在外同胞の引揚促進に關する陳情
 (第七十五號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 八十一號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 百四號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 百十號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 百二十一號)
○在外同胞引揚に關する感謝とその引
 揚促進に關する決議案に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月八日(金曜日)
   午後一時五十一分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○在外同胞引揚に關する感謝とその引
 揚促進に關する決議案に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(矢野酉雄君) 只今から特別委員會を開會することにいたします、この前の委員會におきまして、尚百萬にんなんとする我が同胞が殘留しておりますからその殘留同胞を一日も早く歸還せしむるよう、院議を以て參議院自體のその意思を固め、政府を大いに鞭撻すると共に、只今まで引揚について非常なる盡力をして下されました各關係方面にも深甚の感謝を含ませたいわゆる感謝と引揚促進の決議を院議を以て決定するということについて委員會の意思が決定したのでありまして、而してその準備工作の一つとして、然らば如何なる決議の案文を立てるかというので、五人の小委員制度を設けました。この前に小委員會が成立いたしましてそうして案文がお手許にお配りしてあるようなものを結論として出して頂いたのであります。只今から小委員長の御報告御説明を承ることにしたいと思います。
#3
○中平常太郎君 委託されました小委員會におきまして、昨日愼重審議いたしまして決議案の案文を作成いたしましたのでありますが、ここでこれを朗読いたしまして御批判を伺いたいと思います。朗讀いたします。
   在外同胞引揚に關する感謝とその引揚促進に關する決議
 連合國が數百萬同胞の歸還を實施され、更に未歸還者に對し許す限りの待遇を與えられていることは、感謝に堪えないところである。
 しかも今なおソ連管轄地域、英軍管下及び申共地區にある百萬に垂んとする同胞が、滿二ケ年、異境の生活に、心身共に疲れ果て、更に越年に耐え得るやを憂うるものである。これら殘留者の引揚が速かに完了せられ、全國民が希望を以て平和國民として民主的生活を確立し得るよう連合國に懇請してやまない次第である。
 參議院は全國民と共に、全力を擧げ、乏しきをわかち、同胞の歸還に備え、平和國家の建設に邁進せんとするのである。政府亦これがため萬全の策を講じ違算なきを期すべきである。
 ここに參議院は全議員の總意を以て右決議する。
只今朗讀いたしました決議案を作成いたしました。右御報告申上げます。
   〔宇都宮登君發言の許可を求む〕
#4
○委員長(矢野酉雄君) ちよつと宇部宮君の御發言の前に、これはGHQとの關係がありますので、決定を見るまでに内交渉をする必要がありましたから、小委員會の案文を關係當局に齎して連絡を取りましたが、その方面からの意向によりますと、「ソ連管轄地區、英軍管下及び中共地區」というように、明瞭に或地域を指定することは、御考慮を願いたいというような意向が分つたのであります。そういうのを知りながら、この案文を敢て押通す必要もないかとも思いますが、皆樣の今の小委員長の御説明に對して、或いは質問等がありましたらば御質問を願い、更に又修正の御意見等もありましたらば、その後において修正の動議を御出し下さいまして、國民の總意としてここに表現いたします以上は、是非完璧を期して所期の目的を十二分に貫徹するように、皆樣の十分なる御協議を願いとう存ずる次第であります。
#5
○中平常太郎君 ちよつと申落しましたが、この決議案につきましては、委員長におきまして總論的に本議場におきまして十分感謝し、そうして引揚促進に對する希望等につきましては、十分口頭を以て委員長がやられることになつておりますので、その點を申上げて置きまして、文意は甚だ簡單でございますけれどもが、その意味におきましてこの決議案は、割合簡素にでき上つたのであります。右申上げます。
#6
○宇都宮登君 只今委員長からの御報告に含みのある御言葉を賜りまして、と思い本議案の中の字句を訂正したらます。一行目の「連合國が」という下に「數百萬」となつておるのを五百五、六十萬、それから四行目の六字以降を、五行目の「地區にある」というところまでこれを削りまして、それから六行目の「疲れ果て、更に」というところへ、「この上」、又二字越年を置きまして、「越年を思うとき、我ら國民は忍び得ないものがある」という字句を入れたらどうかと思うのです。訂正意見を提出いたします。
#7
○委員長(矢野酉雄君) 修正の動議が出されておりますが、皆さんいかがいたしましようか。
#8
○穗積眞六郎君 それを入れて續けて文章で讀んで頂いた方がいいのじやないですか。
#9
○委員長(矢野酉雄君) 今御發案がありましたので、宇都宮委員から修正になりました全案文を一つ御朗讀頂いたらいかがでしようか。
#10
○宇都宮登君 朗讀いたします。
   在外同胞引揚に關する感謝とその引揚促進に關する決議案
 連合國が五百五、六十萬同胞の歸還を實施され、更に未歸還者に對し許す限りの待遇を與えられていることは、感謝に堪えないところである。しかも今なお百萬に垂々とする同胞が、滿二ケ年、集境の生活に、心身共に疲れ果て、更にこの上越年を想うとき、我ら國民は忍び得ないものがある。これら殘留者の引揚が速かに完了せられ、全國民が希望をもつて平民國民として民主的生活を確立
 し得るよう連合國に懇請してやまない次第である。
 參議院は全國民と共に、全力を擧げ、乏しきをわかち、同胞の歸還に備え、平和國家の建設に邁進せんとするのである。政府亦これがため萬全の策を講じ違算なきを期すべきである。
 ここに參議院は全議員の總意を以て右決議する。
以上であります。
#11
○中平常太郎君 只今の動議、大體におきまして私贊成でございますが、ただ「連合國が五百五、六十萬」と言われたのでありますが、或いは「連合國が五百五十餘萬」と、「餘」という字を使つて、「五、六十萬」という字を「五十餘萬」と、こう更に御訂正願つたらどうかと思つておりますが、この點を申上げておきます。
#12
○北條秀一君 贊成
#13
○委員長(矢野酉雄君) いかがいたしますか。
#14
○淺岡信夫君 只今の中平委員の動議に贊成する者であります。
#15
○小林英三君 今の修正の動議は大體結構でありますが、これは字句の問題でありますけれども、八行目の下の上、「希望をもつて平和國民としての」と「の」を入れた方が、字句の工合がいいのじやないかと思いますが。
#16
○委員長(矢野酉雄君) 小林委員の今の字句の修正の動議、いかがですか。
#17
○田村文吉君 なんだか御修正になつたものも、前のものですが、ちよつと遠慮なく申上げますと、「しかも今なお百萬に埀々とする同胞が、満二ケ年、異境の生活に、心身共に疲れ果て、更にこの上越年を想うとき、我々國民は忍び得ないものがある。」、まだ文格がちよつとおかしいように思うのですが、皆さんそういうお感じがお起きになりませんでしようか。
#18
○委員長(矢野酉雄君) どうですか。文法的にこれが成立つかどうか、文意がどうもおかしいというような御意見ですが。
#19
○北條秀一君 田村委員の言われましたのは、結局この文章の上ですが、今の所の動詞が缺けておるのですね。從つて元の原文には、「耐え得るやを」というように動詞で受けておるのですが、後で修正されたのは、「越年を想うとき」というわけで、同胞が何々をするということは耐えられないのだと、そういうふうに文章がならんものですから、若干おかしくなつて來るのだと思うのです。その點をもう少し考えて見たらどうかと思います。
#20
○委員長(矢野酉雄君) 大體確定的な決議案そのものにするためには、何も外交委員會がこの特別委員會に對して優越的な權限を持つておるのではありませんけれども、議會の運營上、國際關係等もありますから、外交委員長との連絡を取つて、この案文も一應了解を求めなければならんかと思つております。或いは御希望によりましては、文化委員長等とも連絡を取つて、私この決議案は、或いは日本の引場問題という一つの歴史に大いなる記録を作るときに丁度際會しておるだろうと思います。各方面の情勢から考えまして、非常に先に明々とした一つの希望が點ぜられておる。この際に一大國民的の意思をここに發表するという立場から、是非完璧を期した、而もよく分り易い、眞に迫つた案文にしたいと思いますので、皆さんの腹藏なき御所見を活溌に御發表願いたいと思います。
#21
○田村文吉君 今も申上げましたが、大體において表現の方法も、文字の數も、順序も、結構だと思うのでありますが、折角今も委員長のお話のように、非常に意義の深い歴史的の決議案でもありまするから、これはやはり場合によつたら委員の方々が各方面の方と御研究頂いて、多少の字句等の御修正は御一任申上げるようなことでお進み頂いたらどうかと思います。
   〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(矢野酉雄君) いかがですか。
#23
○島清君 只今の御發言に私も贊成でございますが、贊成をいたしまする條件と言つては少し固過ぎますが、そういう固い意味ではなくして、第一行目の、「連合國が五百五十餘萬同胞の歸還を實施され、更に未歸還者に對し許す限りの待遇を與えられている」ということに感謝するのですね。これは私共G・H・Qの方面と當つた場合に、日本人は非常に功利主義である。感謝と要請を非常にごつちやにしておる。どつちが本當か分らんというような皮肉な何を聞くのです。そこで、「更に未歸還者に對し許す限りの待遇を與えられている」ということは、むしろ削つた方がよいと思う。これは文章の字句の問題でなく、思想的な問題でありますが、さような修正の意見を提示して只今のお説に贊成したいと思います。
#24
○委員長(矢野酉雄君) いかがですか、今の島委員の御意見は……。
#25
○村上義一君 只今の御提案に贊成いたしまするが、併し尚附け加えて申せば、こちらへ歸還して來た人が外地に在つたときに許す限りの待遇を與えられたということは、感謝してもよいのだと思う。そういうように直して頂くか、或いは全然削つて頂くか、どちらかがよいのじやないかと思います。
 それから六行目の修正の御意見が出ておりましたが、「更にその上越年を思うとき、」というようななにでありましたが、これは主格が、「百萬に垂んとする同胞」が主格になつておると思うのであります。「疲れ果て」は結構なんであります。「思うとき」は少し主格が違つておるように思うのであります。これはただ氣附きだけでありますから、いずれそういうような點に觸れて適當な御修正をお願いしたいと思つております。
#26
○委員長(矢野酉雄君) 以上お聞きでしようが、もう幾つもの動議も出ておりますけれども、それを一々採決いたしませんで、もう一度小委員會の方にこの案文をお返ししまして、更に小委員會で十分練ると共に、最前申上げました外交委員會や或いは文化委員會等とも連絡を取りまして、そうして更に小委員會決決定をみたものを今一應この委員會にかけるというようなふうに運んだら如何でしようか。
   〔「贊成」と呼ぶ者あり〕
#27
○穗積眞六郎君 もう一つ、どこかと思うのでありますが、八行目ですか、「これから殘留者の引揚が速かに完了せられ、」というところでございますが、前からの言い廻わしで來ると、「殘留者の引揚が年内に完了せられ」と書いた方が非常に要求がはつきりするように思えるのですが、これは小委員會の方で「年内」という言葉はなにか差し障りがあるというようなあれだつたのでございましようか。
#28
○北條秀一君 穗積委員のお話になりました、「速かに」を「年内」というふうに變えることについて小委員會の方でなにか考えたかと言われたのでありますが、この點は前の行に「越年」ということを出しておるものでございますから、「越年」と「速かに」と關聯さしたものですから、當然年内ということはわかると思います。
#29
○穗積眞六郎君 文章の方は關聯しますが、はつきりさすためには、「年内」と重なつても一向かまわない、「年内」と書く方が、速かにということはこの二年言つておることなんですが、今度こそ年内には歸してくれという意味なんですから、そこをはつきりさしておいた方がいいのじやないかと思います。
#30
○田村文吉君 G・H・Qの方の關係さえなければ、穗積委員の御發言結構だと思いますが、その邊のなにがありますからお任かせ申上げて如何でしようか。
#31
○淺岡信夫君 大體各委員の御希望なり、或いは動議なり、修正として骨子というものが出て來ておるのでありますから、先程委員長が言われましたように、これはもう一應小委員會に戻して頂きまして、そうして、文化委員長なり、外交委員その他と諮りまして、相常完璧を期したものを次會に提出して、そうして御審議頂き、或いは御決定頂くということにいたしまして、この件はこれで一應打切つて頂いたらどうでしようか。
#32
○委員長(矢野酉雄君) これはどちらかと申しますと、九日に參議院と衆議院が合同いたしまして、國民擧げての決議案を可決したいというような、實はそうした議會運營上の含みもありましたために、相當小委員の方々には御迷惑をかけて案の作成に御努力を願つたわけでありますが、その豫定がいささか變更せられまして、只今のところでは、確定的でありませんけれども、大體十五日に兩院において上程したいというような心組になつておりますので、多少その間時間的餘祐もできましたので、皆さんの御意見のあるところを十分承つて一應小委員會の方にこれをお返ししまして、更に熟慮して頂き、各方面との連絡もその小委員會の方でお取り頂きますように、外交委員長その他にはすでに委員長から連絡は取つておりますからさようお取計らい願いたいと思います。せつかく兩大臣も出ておられますし、この案文にも謳われておりますように、「参議院は全國民と共に、全力を擧げ、乏しきをわかち、同胞の歸還に備え」という文句もありますから、厚生大臣のごときは特にこの問題については密接な御關係があると私は推定いたしますので、何かこの機會に厚生大臣の御意見なり御抱負なり承り、或いは各委員の御希望、御所見等も承つて置いたら有意議かと思うのであります。
#33
○國務大臣(一松定吉君) 今まで皆様方の海外引揚促進に關する決議案に對する御評談を清聽いたしておつたのでありますが、特に機宜に適したる立派な御決議であると私は感激しておるのであります。引揚げ同胞が……多數の方がすでに歸へられて、それらの友人、親族等に對して安心を與えた一面、未だに海外にそのままに抑留せられておりまして、歸ることのできないそれら本人の意中は勿論でありますが、國におりまする遺家族の人々の……留守居をしておる妻子眷屬等の人々のその心中を察しますると、私どもその話を聞き、その陳情を承るたびごとに、みずから胸を裂かるるような思いをいたすのであります。殊に又私自身にも身内の者がいまに、生存はしておるのであるけれども、どこにどうしておるかということもわからないというような立場にある親族の者もおりまするが、そういうような直接關係のある人々の心の中というものは、察するに餘りあるのであります。こういう時にこういう決議をいたしまして、そうして國民の意思をはつきり聯合國の人々に看取して頂いて、我が國の輿論によつて、輿論に支配さるべきこれら聯合國の方々が、一刻も早く同胞が我が國に引揚げて歸ることのできるように、それぞれの施策を取つて頂きますることは、私どもの熱心に希望するところであまりす。こういう點に對しまして、厚生省といたしましてもこれらの方々の歸還に關しましては、でき得る限りの御協力を申上げまして、今までいろいろ皆様方の御意見、御非難、御指導等を承りました私としては、今までの欠陷を補い、豫算の許す限り、又豫算がないといたしましても、これが運用のできる限りこれらの同情すべき人々のためには渾身の努力を拂いたい、かように考えておるのでございます。取敢えず感想の一端を述べまして、皆様の熱心溢れる御決議に對しまして敬意を表します。
#34
○國務大臣(笹森順造君) 只今厚生大臣から御發言がありまして、本特別委員會の熱心なる御審議及び決議案作成に關する今日までのお取扱を誠に敬意を表して御贊同するという意味のことをお述べになつたのでありまするが、私といたしましても全く同感であります。特に復員廳といたしましては、その職務のために海外に出まして、まだ復員をしておらない數が、その率において非常に多きを占めておるという實情であります。從いましてその速かなる復員歸還ということに對しましては、我我が全力を擧げてその實現に當らなければならない責任を感じておる次第であります。これにつきまして特に日本の國が平和國家として再出發をするのには、この復員業務が完成するということをどうしても必要要件とすることは申上げるまでもございません。この意味において、本決議案が大きな力となりまして、この目的の達成に非常な原動力となり、或いは推進力となりますることを期待をして止まないのであります。かくいたしまして、復員廳といたしましては、關係の外務省、厚生省等の方々と互いに連繋を保ちまして、この業務の完遂を期し、皆さん方の御期待に副い、國民の輿望に副うようなことのために、この上とも力をいたしたいと思つております。どうか本委員會におきましては、この上ともよろしくお取り計らいを願いたいと存じます。一言感想を述べながら御挨拶といたします。
#35
○委員長(矢野酉雄君) 大臣に對する御質疑や御意見がないとすれば、お二人とも國務御多端でありますから、お引取りを願つて頂きます。ありがとうございました。
 それから續行いたしますが、草案が決定いたしましたならば、この決議案をどういうように運ぶかという問題ですが、如何いたしましようか。本日の炭鑛關係者に對する本院の感謝決議は、御承知のごとく各派代表が熱心に双手を擧げて贊成せられまして、滿場一致を以て決議されました。この問題はそれにも優るとも劣らない全國民の總意に基ずく決議に運びたいと思つておりますが、何かこれについて御所見がありましたらば、この機會に承りたいと思います。各派からこの委員會を構成していらつしやる各委員がお出になつておりますので、委員長といたしましても、各派のその代表者の方に豫めの御了解は求める豫定でありますが、各派代表の各委員の方々も、その御自分の會派、黨派に對して十分御贊同を願えるような御工作を私といたしてはお願いしたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(矢野酉雄君) そして更に私は議會は常に國民と直結すべきものであると思いますので、この中にはみずから動亂の各地から萬難を排してお歸りになつた方々も多數おられますし、そうでなくても、各引揚者團體等の重要なる職責にあられ、更にそうでなくても、殆ど參議院の全體が同胞救援議員連盟の會員として、みずから浄財を擲つてその會の目的の遂行に御盡力を願つておる方々ばかりでありますので、是非それらの立場から關係諸團體とも御連絡を下さいまして、上程せらるべき日には、國民全體に我らが決議するというような機運を作興して頂きまするように、又新聞社その他最も輿論喚起に重大な關係を持つておられる各方面とも、それぞれ特殊の御關係等がありましたならば、御關係をつけて頂きまして、熱意を以てこの決議案をその方面の方々も御支持下さるような皆様のお取り計らいを願うことができましたならば、非常に幸甚の至りだと存ずる次第でありまするから、どうぞその點御勘考の程を願い申上げます。何かこの機會に御所見がありましたならば、承わつておきたいと思います。
#37
○北條秀一君 只今の委員長の御意見には全く贊成でありますが、それは決議するまでの國民の輿論を昂揚させると同時に、我々が國民の代表として善處しようという問題でありまするが、正式に決議した後に、その決議が正しく國民の輿論の中に持込まれ、同時に聯合軍側には我々の熱意のあるところを十分酌み取つて頂くように、而して決議の趣旨が早急に貫徹するような措置を講じなければならんわけでありますが、その點について我々はここで相談をして置く必要があるかと思うのであります。お諮り願いたいと思います。
#38
○委員長(矢野酉雄君) 只今北條君の御意見が出ましたが、各委員の方々の御意見、如何でございましようか。これは同胞救援議員連盟の方で御計畫になり御實踐になる、それらのこととも本委員會は密接なる聯關を持つて十分の目的を達成したいという考えではございますが、今の北條委員の御發言に對して皆様の御所見を承りたいと思います。
#39
○淺岡信夫君 今北條委員のお話を大體聽きましたが、更にでき得れば北條委員の方で、これに對する何か具體的な實際問題、そういうようなものの意見はありませんが、お聽きして頂きたいと思います。
#40
○北條秀一君 參議院が重大なる決議をする前に、我々は常に国民の代表としての地位を自覺しておりますし、その自覺の下に我々は決議するわけでありますが、併しながら同時に我々が何を決議するかということを國民全體によく徹底さして、國民の本當に湧き上る輿論の支持を得て決議する必要がある。從つて事前に未歸還同胞の歸還促進のために、且はすでに歸還したところの同胞が聯合軍の御好意に對して感謝するという、この二つのために參議院が今起つた、蹶起して決議をしようとしてるということを、あらゆる方法を以て國民によく知らしめる必要がある、そうしてその支持を得なければならんと考えるのであります。從つて院内におきますところの各派に對する趣旨の徹底は勿論でありまするが、同時に國會の外に向つても、各會派の活動を通じて趣旨の徹底をはかる必要があると考えます。
 第二は、然らば決議した後の問題でありますが、決議した後の問題について今からこれを云々することは、或いは早計かと考えますが本決議につきましては、今までの經過から考えましても、全國民齊しく考うるところでありまして、從つてこの決議が、内容或いは字句、文章等のことは措きまして、必ず決議が滿場一致でされるということは豫測できますので、從つて決議された後の處置を考えることが必要かと思うのであります。決議をされたのちの處置はどうすべきであるかということにつきましては、これも早計かと思いますが、私の私見を申述べますと、決議された文章そのもの、要するに我我の決議は文章に明確に現われておるわけでありますが、從つてそういう意味において文章をよく練るということは、先程來皆さんの御相談の通りであります。從つて練りに練つてでき上つたところの文章は、文章そのものが國民の心の中に喰い入つていく文章であると私は信じます。從つて決議文を明確に國民の前に發表して徹底させる。そのために採り得るだけの手段を採る必要があると考えます。新聞、ラジオ等は勿論やらなければなりません。その外に各種の手段を講じて、眞に未歸還同胞に對して寄せる我々の哀情は、この數百字の決議文の中にすべてが盛り込まれておるのだということを普遍的に知らせるような措置を講じなければならないと思うのであります。從つて決議したのちの處置は、一應も二應もこの引揚特別委員會においては考えて、特別委員會に付託されましたところの任務を完遂すべきであると、こういうふうに私は考えておるわけであります。
#41
○淺岡信夫君 大體北條委員の趣旨は、實によく徹底し過ぎるくらい徹底してあると思う。ただその問題に對して具體的な策をどういうふうにしたらいいかということを私は知りたいと思います。
#42
○天田勝正君 私も淺岡委員の言う通りなので、その概念はよく分つておるのだからして、どういう方法を以てそれを國民に徹底させるか、又は我々の熱意のあるところを關係方面に徹底して呑込んで貰えるかということなので、私に言わせれば、それは例を以て言うのが一番いいと思うのですが、放送局に申込んで、委員長の名によつて引揚促進に關する國會の動向というような講演をして貰うのも一つの方法であると思う。それが國民に對する手の一つであります。それから關係方面に對しては、この引揚促進委員會の全員を以て一應とにかくその關係官を訪問すること、そうしてよくその趣旨の徹底説明をする。こういう方法も一つの方法ではないかと思う。私はそういう具體的なことを一つ聞きたかつたのであります。或は又大公使館に參りまして、やはり同樣なお話を申上げる、こういうこともしてはどうかと思うのです。
#43
○委員長(矢野酉雄君) 只今の淺岡、天田兩委員の御意見、全く御尤ものように承りますが、そういうような問題を具體的に檢討する、例えば決議文を政府に届けることも必要ですが、この中には、感謝の意味もありますので、マツカーサー最高司令官に對して如何なる手で手交するかとか、或は放送局の問題、新聞社に對する了解問題、その他或いは同胞救護議員連盟と連絡を取つて、女の國會議員の方々に擧つて行つて頂くとか、いろいろな案がこの間から出ておつたようでありますから、一度又時を改めまして、この具體的な問題を檢討して、成案を得るようにしたら如何でしようか。
   〔「異議なし」、「贊成」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(矢野酉雄君) そうして大變お忙しいと思いますが、この草案がこういうふうな形に結論づけられましたので、小委員會の方は、今日でもいわゆる打合せ會をして頂いて、一つ作成の歩を進めて頂きたいと思います。そうして希くば、明日十時にこの正式委員會を開催して、そうして各方面との連絡、了解も十分求めて、準備を早く完成したいと思いますが、如何でしようか。
#45
○田村文吉君 そういう心配がなければ結構ですが場合によつては、この決議案は内容を變えなければならないようなことになるのじやないかと思うのですが、これについて大體のお打合せはよろしいのですか。
#46
○委員長(矢野酉雄君) 大體よろしうございます。昨日外務大臣から使いをもらいまして、それで政府の意思發表と國會の意思發表は、むしろタイアツプせずして、獨自の立場から、國民の總意になる國會の決議として發表して頂く方が效果的であろうというような通達がありましたので、參考として承つておきました。では皆樣如何でしようか。大體正式委員會はこれで終りたいと思いますが、何か別に正式委員會としての御發言がございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(矢野酉雄君) それでは委員會はこれで終りまして、皆樣の御意見を承りたいと思います。
   午後二時三十八分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     矢野 酉雄君
   理事
           島   清君
           淺岡 信夫君
           北條 秀一君
           星野 芳樹君
   委員
           天田 勝正君
           中平常太郎君
           小林 英三君
           小杉 繁安君
           宇都宮 登君
           田村 文吉君
           穗積眞六郎君
           村上 義一君
           中西  功君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
   國 務 大 臣 笹森 順造君
  政府委員
   引揚援護院次長 大野 連治君
   外務事務官
   (總務局勤務) 與謝野 秀君
   復員事務官
   (官房長)   森田 俊介君
   復員事務官
   (第一復員總務
   部長)     荒尾 興功君
ソース: 国立国会図書館
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