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1980/04/28 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 科学技術委員会 第10号
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1980/04/28 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 科学技術委員会 第10号

#1
第094回国会 科学技術委員会 第10号
昭和五十六年四月二十八日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 中村 弘海君
  理事 小沢 一郎君 理事 小宮山重四郎君
   理事 椎名 素夫君 理事 与謝野 馨君
   理事 日野 市朗君 理事 八木  昇君
   理事 草野  威君 理事 吉田 之久君
      伊藤宗一郎君    塚原 俊平君
      登坂重次郎君    船田  元君
      前田 正男君    上坂  昇君
      城地 豊司君    広瀬 秀吉君
      和田 一仁君    瀬崎 博義君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     下邨 昭三君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       高橋  宏君
 委員外の出席者
        資源エネルギー
        庁公益事業部火
        力課長     廣瀬 定康君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全審
        査課長     逢坂 国一君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     平田辰一郎君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電運転管
        理室長     末広 恵雄君
        参  考  人
        (日本原子力発
        電株式会社取締
        役社長)    鈴木 俊一君
        参  考  人
        (日本原子力発
        電株式会社常務
        取締役)    浅田 忠一君
        参  考  人
        (日本原子力発
        電株式会社技術
        部長)     板倉 哲郎君
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  城地 豊司君     栂野 泰二君
  関  晴正君     上坂  昇君
  広瀬 秀吉君     金子 みつ君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 みつ君     広瀬 秀吉君
  栂野 泰二君     城地 豊司君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  渡辺 栄一君     船田  元君
同日
 辞任         補欠選任
  船田  元君     渡辺 栄一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件について調査を進めます。
 本日は、参考人として日本原子力発電株式会社取締役社長鈴木俊一君、同常務取締役浅田忠一君、同技術部長板倉哲郎君、以上三名の方々の御出席を願っております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席くださいまして、ありがとうございました。参考人各位におかれましては、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 まず、鈴木参考人から十分程度要約して御意見をお述べいただき、その後、各参考人は委員の質疑に対し、お答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言願います。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、鈴木参考人にお願いいたします。
#3
○鈴木参考人 日本原子力発電会社の社長鈴木俊一でございます。
 過日は、政務御多端の中、国政調査のためにわざわざ弊社敦賀発電所にお越しいただきましたが、諸事雑踏の中で十分な御説明、御案内もできず、不行き届き、また礼を失することも多々ありましたことをまずもっておわび申し上げます。
 今回、敦賀発電所の件に関しましては、いろいろの誤りを繰り返しまして、まことに残念であり、全く弁解の余地はございません。
 四月一日、給水加熱器の故障について報告を受けたとき、正直なところ、ほかにもこれに類似した問題がないかということを懸念いたしました。ところが、半月後の四月十四に至りまして、同発電所周辺において、指標生物のホンダワラへの影響が検出されたのでございます。
 その原因を調査いたしましたところ、一般排水路から放射能が検出され、順次追及してまいりましたが、廃棄物処理施設付近からの漏洩の疑いが懸念されてまいったのでございます。その量はきわめて微量ではございましたとはいえ、周辺の環境にまで影響を与えましたことは本当に申しわけなく、ざんきにたえないところでございます。
 さらに、通産御当局の立入検査中ではありますが、それに並行して、会社としては徹底的に施設の総点検を開始いたしまして事実の究明に努めてまいりましたところ、増設した廃棄物処理施設についてその定期検査中にふぐあいのところを発見し、対策を実施した事実が判明いたしました。これは定期検査中のことでもあり、その作業に関して過度の被曝とか環境への放出はございませんでしたことがわずかな幸いでございます。
 私どもは、これらの問題の事実の究明と原因の調査に全力を傾け、そして一刻も早く必要な措置を講じ、実施することとしております。
 エネルギー問題に国を挙げて対処し始めたやさき、原子力発電への信頼を傷つける事態を招き、関係各方面に与えました影響の深刻さを考えますと、まことに断腸の思いでございます。また、平素から格別御理解をいただいてまいりました地元の方々に多大の御迷惑をおかけすることになりまして、これまた心の痛む、申しわけないことだと存じております。
 これらの一連の問題を見てまいりますと、必要な通報、連絡を怠ったこと、判断に適切さを欠いたこと、正当でない、適正でない処理を行ったこと、いずれも反省すべきことでございます。
 現在、会社の管理体制の総点検を全社的に実施して、組織、業務運営、人間教育等各般にわたって抜本的に見直しを行って、傷ついた会社の信頼を一日も早く挽回し、再建するために全力を注いでまいりたいと存じております。
 いまや弊社の事業はきわめて重大な危機にあると申しても過言ではございません。このようなとき、こんなことをしてかしてお願い申し上げる立場ではございませんが、どうか私どもの会社の再建について、この上とも御指導を賜りますよう伏してお願い申し上げ、重ねて、いろいろなことについての不始末について心からおわび申し上げます。
#4
○中村委員長 これにて鈴木参考人の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。
#6
○与謝野委員 鈴木社長、いま大変心から国民並びに関係機関におわびをされた、そのお気持ちはよくわかるわけでございますが、当面は事故の後始末、社内体制の建え直し等をやっておられるわけですが、社長としてはあるいは経営人としては、この事故に対する経営責任というものをどのようにお感じになっておられるでしょうか、
#7
○鈴木参考人 このような一連の事故の重大さは本当に身にしみてこたえました。
 この最初の話を聞いたのは四月一日でございましたけれども、そのとき、事の重大性は私、心から痛感し、申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。したがいまして、いま御質問の経営責任、実に重大で深刻でございます。私は、そういった気持ちを最初から考え、私のとるべき態度についてはその辺から御推察いただきたい、こう思うわけでございます。
#8
○与謝野委員 そこで、いまのところ判明しておりますのが給水加熱器の漏洩、あるいはフィルタースラッジタンクからのオーバーフロー、あるいは最近わかりましたニューラドウエースト建屋における漏液、この三件がいままで判明したわけでございますが、その中で、報告すべきことを報告しなかったということもありますけれども、なぜ報告を怠ったのかということをまずお伺いしたい。
 報告義務に違反をしている。通産省からは、どんなささいな、あるいは軽微なものでも報告をするべきである、報告せよという通達があるはずでございますが、なぜ現場あるいは本社がこういうものに対する報告を怠ったのかという点についてお伺いしたいと思います。
#9
○板倉参考人 板倉でございます。
 いま先生から言われましたとおりに、電気事業法におきまして事故などの報告を義務づけられておりますが、電気事業法におきましては、一応軽微なものを除くとしてその事例が載っておりますが、いま先生言われましたように、そういうものにかかわらず五十二年三月には大臣通達が出て、軽微なものといえども報告するようにという御指示をいただいております。
 今回のことは、この御指示に全く違反したことで申しわけなく思っておりますが、現場の者たちの考えの第一には、一つは環境に放射能を漏出して一般の方に御迷惑をかけないということを第一義に考えており、第二番目に、発電所の中での作業をする方、これは協力業者の方はもちろんのこと、また私の方の発電所の従業員すべての者が過度の被曝を受けないようにということを第一の前提に考えていたわけでございます。
 今回起こりました一連のと申しますか、まず給水加熱器につきましては、先ほど社長も申しましたように、その判断がきわめて十分な検討がなされない判断をしたことは、私たちも十分反省しているところでございますが、現場におきましては、給水加熱器からのわずかな漏洩、その漏洩量がきわめてわずかであったこと、また、その周辺に取りつけられております放射線計器あるいは現場におきましての放射線量の変化がないこと、そういうことから考えまして、環境に対して放射線あるいは放射能上の御迷惑はかけるに至っていないという判断がまず第一に立ったものと考えられます。
 第二番目のタンク水の漏洩につきましては、漏洩しましたタンクの水量はかなりの量と推定されておりますが、タンクの部屋自身はきわめて放射線の高い部屋でございます。人の立ち入ることをとめております特別立入制限区域として日ごろ施錠してあるところでございますが、漏出しました廃液そのものは、一トン当たり約百分の一キュリー程度のものでございます。そういうことと、またこの建屋は、たとえ建屋内に漏水いたしましても、この漏水が環境にそのまま流れ出すことのないような設計になっており、それを発電所の所員は確信しておったわけでございます。はからずも一部が環境に出てしまったわけでございますが、当時、発電所の所員は、放射能が環境に出るなどとは全く考えていなかったことでございます。
 それからまた、漏洩いたしました汚染水そのものも、漏洩しましたときに、直ちにそれを発見した者は測定をしております。その測定値は、水の表面で五ミリレム一時間当たりという値でございまして、日ごろ発電所の廃棄物処理系において作業する雰囲気と大きな違いはございません。そういう意味で、除染の作業と言いますが、応急の水を除染します作業あるいはその後の作業におきましても十分な放射線管理が行い得るという判断でございます。
 第三番目の、新しい廃棄物処理施設におきます配管からの漏洩におきましても、この建物は漏洩いたしましたものを完全に回収されるものでございます。また、これは定期検査中の細かいパトロール検査によって発見されたものでありまして、それに対する応急的な処理あるいはその後の処理を行っておりますが、これも環境問題、また働いていただいた方々に対する放射線管理というものを十分に行っているということによって行われるものである、こういう判断によりまして、一連のことに対しまして本社にも、また発電所に駐在していただいております管理専門官にも知らせなかったというのがその根底の理由だと思います。
 しかし、これは先ほどからこの放射能問題に対しまして、中でいつも放射能あるいは放射線を扱っています技術者が、なれと申しますか自信と申しますか、測定しまして、どの程度の放射線であればどのように処理ができるという技術を確信したためのものだと思います。
 しかしながら、自分らの思いと違いまして、第二回目の場合には、その一部汚染水が環境に出たということで、まことに申しわけないことと、全社を挙げて深く反省している次第でございます。
#10
○与謝野委員 これらの三件は、いずれも原電の事故隠しというふうに報道されたわけでございます。
 まず第一に、原電側の認識として、こういう問題を故障と考えていたのか、事故と考えていたのか、その辺は定かでございませんが、原電側の御認識として、本当に事故と考えておられたかどうかということが第一点。
 それから、いずれにしても、次々にいろいろなものが出てまいっておりますけれども、過去数年にわたってこういうものが次々とあったのではないかという疑念があるわけでございますが、その点は、過去にさかのぼって総ざらいをされているのかどうか、あるいは、総ざらいをされているとすれば、こういう種類の、あるいはこういうたぐいの事故ないしは環境に対する影響を持ったようなものが過去に隠されていないのかどうか、その点は御確認をされているでしょうか。
#11
○浅田参考人 お答えいたします。
 第一点につきましては、現場では少なくとも故障という認識はございましたが、三件とも事故という認識はございませんでした。いまから考えますと、第二件のオーバーフローは確かに外に放射能が出ましたので事故であると私どもは認識いたしております。
 第二点の過去にさかのぼっての調査でございますが、これは私ども鋭意ただいま調査をいたしております。
#12
○与謝野委員 そこで、放射線に対する管理体制をお伺いしたいのですが、今回も従業員あるいは下請の方々が被曝をされたという事実が報道されております。それで、放射線管理の体制と方針を簡単に述べていただきたいと思います。
#13
○板倉参考人 申し上げます。
 発電所に働く者が三カ月間に受けます放射線は、法令上三レムと決められております。また、一年間に五レム以内にするということが国際的にも決められております。したがいまして、私の方の会社といたしますと、先ほど申しました三レムあるいは一年間の五レムを十分に確保できるようにということで、一年間たとえば五レムに対しましてはその六割方を目標として、それを超さないようにというような管理をしております。たとえば日ごろの作業であれば一日百ミリを受けないようにという一つの目標を固めております。百ミリを超える作業であれば、あらかじめ発電所長の承認を得た上で行うようになっております。
 また、区域につきましては、発電所の放射線があり得るところを管理区域と定めておりますが、さらにその中で放射能汚染が生じ得るかもしれないと考えられますところを管理区域の中でさらに汚染監視区域と定めております。さらに、汚染監視区域の中にありましても放射線のきわめて高いところは常に施錠して人の立ち入りができないようにしております。また、汚染がある値以上の場所は汚染区域としてさらに厳重に管理をすることになっております。
 また、作業に当たりましては、作業の計画を放射線管理専門の課に出しまして、そこのチェックあるいはそこからの指示を得て作業を行うようになっております。
 非常に簡単に申しましたけれども、発電所の中の放射線の管理体制は以上でございます。
#14
○与謝野委員 そこでお伺いしたいのは、社員あるいは下請の作業員が何か多量な被曝を受けたというような感じをわれわれ持っているわけですが、お伺いしますと年間に五千、三カ月で三千ということでございますが、今回の三件の中で従業員あるいは下請の方々が受けました被曝線量というのは、それぞれの作業について一体どうなっているのでしょうか。
#15
○板倉参考人 お答え申し上げます。
 まず第一件の給水加熱器におきましては、協力業者の方の一日当たりの個人の最高は九十ミリでございます。なお、社員も同じく最高の者が九十ミリを受けております。
 第二番目のフィルタースラッジのオーバーフローのときには、業者の方で最高の方が一日当たり五十六ミリレム受けていらっしゃいます。社員は十三ミリを受けた者がこの作業で一番多うございます。
 それから、第三番目の新しい廃棄物処理施設の廃液タンクの漏洩に対します修理と申しますか、この応急措置作業につきましては、仕事をしていただきました業者の方の個人一日最高が九十二ミリレムでございます。社員の最高が百ミリレムでございます。
 なお、これの再修理を一部しておりますが、そのときの業者の方の最高は九十ミリレム、社員の方の数値はまだ現在持っておりませんが、これが個人の最高の放射線量でございます。
 なお、これはポケット線量計で計りました数字でございまして、一月ごとにフイルムを第三者の機関に現像にいつも出します。したがいまして、フィルムの場合は二の作業以外の作業も含まれて答えが返ってくるわけでございます。これはフィルムバッジの線量として正式に送られてきまして、私の方で十分記録されております。
 以上でございます。
#16
○与謝野委員 放射線下の作業にいろいろなものがあるというのは原子力発電所にとっては固有なものであるわけでございますが、放射線下作業を下請業者に実施させているという実態をどうお考えなのか。あるいは放射線被曝が下請業者に集中しているのではないかという批判がございます。また、オーバーフローの除染作業者の最大被曝が百五十五ミリレムというのは低過ぎるのではないかという批判が一部にございます。データが故意に捏造をされたのではないかという指摘もあるわけでございまして、こういう点についてはどの程度信頼を持って受けとめていいのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#17
○板倉参考人 まず、オーバーフローのときに仕事をしていただいたその期間の全体で一番高い方が百五十五と申して、この値が低い値ではないかという御指摘をいま伺いましたけれども、フィルタースラッジの入っていますタンクの部屋は立ち入り制限区域でございまして、もしそこに入りますと一時間当たり十レントゲン、十レムあるいは十五レム受ける高い区域でございます。しかし、作業をいたしましたのはその部屋から流れ出ました前室あるいは廊下でございまして、廊下における線量は作業実施前に測定をしておりまして、水のある状態で一時間五ミリレムでございます。なお、仮の計算でございますけれども、この廃液十のマイナス自乗、言いかえますと一トン当たり百分の一キュリーぐらいの水でございますので、仮にその水の中に一時間つかったといたしましても、それから受ける線量というのは数十ミリ程度でございます。したがいまして、先ほど御指摘ございました期間全体で百五十五ミリという値というのは、私どもの計算上から見ましてもきわめて正しい値と確信しております。
 なお、先生からの御質問の中に、仕事に協力業者の方をたくさん使っているが、その方々だけに被曝が多いのではないかという御指摘がございましたが、これにつきまして、五十五年度一年間におきまして放射線を一番高く受けた方を見ますと、当社の従業員で二・五レム程度、業者の方でも同じく二・五レム程度でございます。それから、五十四年度につきましては、業者の方で二・七九、社員の者が一・八四と、この年は当社の従業員の最高が低く出ております。さらに一年さかのぼりまして、五十三年度で申しますと、業者の方の最高が二・九、それから当社の従事者が二・七という点で、最高受けております線量は、業者の方と当社従業員と大きく変わることはございません。
 なお、人数は、協力業者の方々にたくさんの仕事をしていただいているために、人数から申しますときわめて協力業者の方が多いわけでございます。そのために、いわゆる総線量、延べ線量と申しますか、マン・レムで申しますと、協力業者の方々の線量がきわめて多うございます。個人の線量は先ほど申しましたように大きな開きはないと思っております。しかし、マン・レム、延べ線量は、たくさんの人数の方々に御協力いただいているため、業者の方の線量が多うございます。
#18
○与謝野委員 そこで、重ねてお伺いしたいわけですが、三つも隠していたのだから四つ目も五つ目もあるのではないかというのが、恐らく国民が持っておる率直な感想ではないかと思うわけでございます。先ほど浅田参考人のお答えの中で、現場では本件いずれも事故という認識はなく、故障という認識のもとに処理をしたということでございますが、現場の責任者あるいは現場の社員は、これは故障だというふうに軽微に認識をしていたけれども、現時点に立って考えれば、これは通産省に報告すべきことであった、あるいは世間に発表しあるいは国民の御批判を仰がなければならなかった事故、そういうものは過去にさかのぼれば幾つか出てくるのではないかというふうに私は思っておりますが、それについては、いま通産と原電でいろいろ御調査をされていると思いますけれども、一体どういうふうに御調査をされているのでしょうか。
#19
○浅田参考人 先生から御指摘のように、現在から過去にずっとさかのぼりまして、時系列を逆にいたしまして調査をしておりまして、そのときには、その時点での認識ではございませんで、ただいまの認識に基づいて調査をいたしております。したがいまして、非常に膨大な書類をめくっているというのが現状でございます。
 それから、先ほど先生の御質問に対して、私、外へ出たので事故だと申し上げましたけれども、これは事故と故障という区別の一つの考え方だと思いますか、必ずしも、外へ出たのが事故だという御印象をお与えしたのは間違いだと思いますので、これはやはりすべて発電所側の認識で軽微ということで処理したことはまことに申しわけないということで、先ほどのことを訂正さしていただくとともに、おわび申し上げます。
#20
○与謝野委員 この三件はいずれも適正に処置をされなければいけない件でございます。電気事業法あるいは原子炉等規制法その他の法令に照らして違反があったのではないかという疑いもございますが、通産省の高橋審議官にお伺いしたいのですが、本件に関して、法令に照らして現在のところ違反の疑いのあるものがあるのか。たとえば溶接検査を受けなければいけないものが受けていないとか、そういう点から見て、電気事業法その他の関連法規に照らして法令違反というものがあるのかどうか、その点についてだけお伺いしたいと思います。
#21
○高橋(宏)政府委員 ただいま一連の事故あるいは報告漏れにつきまして調査をいたしておりますが、現在、その調査の際、法令違反の疑いが濃いのではないかという観点から考えてみますと、まず第四給水加熱器の修復に関しまして溶接検査を受けていないということ、それから新建屋内におきます濃縮廃液のタンクのひび割れに関します応急措置並びにその一部本復旧的なことをやっております。これにつきましても、同じく溶接検査の関係の手続等が正当に行われていなかったのではないかという疑いを持っております。
 それから、報告でございますけれども、これら一連のものにつきまして、いわゆる電気事業法に言う報告義務あるいは原子炉等規制法に言います報告義務との関連を調査いたしております。五十二年の大臣通達、どんなささいなものでも、これに違反していることは明白だと思っておりますが、そのほかに、保安規定あるいは主任技術者業務に関する問題等々につきまして検討を進めております。
#22
○与謝野委員 通産省にもう一つだけお伺いしたいことがございますが、今般のこの件は、原電だけではなく、原子力発電を推進しております事業者あるいは地元、これに対して非常に大きな心理的なあるいは実際上の影響を与えているわけでございます。私は、この問題は厳格に処置をされなければならないと思いますし、また、速やかに処置をし、国民の日本の原子力開発あるいは日本の原子力行政、特に安全行政に対する信頼を回復しなければならないと思いますが、通産省として現在調査官あるいは検査の方々をたくさん現場に送っておられると思いますが、こういう方々からの報告あるいはこの件に関する全体的な報告というのは、一体いつごろ出てくるものでしょうか。
#23
○高橋(宏)政府委員 御指摘のように、ただいま約十名の立入検査官を現場に派遣いたしまして鋭意調査を進めているところでございます。
 調査の方法といたしましては、まず原因の追求に関しまして、設備面、設計施工上の面、機器の配置その他そういうハードの面からと、それから現場の記録類等から見まして、人がどういう行動をとったという人為的な面を含めまして、総合的に突き合わせをして、総合判定をするという立場で、鋭意検討を進めております。
 できるだけ早くこの問題を解明することが本件の措置を的確にする前提になるわけでございまして、鋭意進めておるところでございますが、できますれば月内に何らかの見通しを得たいというぐあいに考えて、鋭意調査を進めておるところでございます。
#24
○与謝野委員 終わります。
#25
○中村委員長 日野市朗君。
#26
○日野委員 きょうは、御苦労さまでした。この一連のトラブルについての問題処理で非常にお忙しい中をありがとうございます。
 ただ私、いろいろ一連の、私は事故と申し上げたいが、この事故、それからそれに対する対応の仕方を見ていて、これはもうひどい思いをなさってもあなた方しようがないというふうに思いますから、きょう私、少し歯に衣を着せずにいろいろ伺います。そのつもりでお答えをいただきたいと思います。
 まず伺いましょう。この廃棄物処理建屋内のマンホール、それが外に通じていたということは重大なことでございますね。一般の排水路に通じるマンホールがこの建屋内にあったなどということは、これはちょっと考えられないことではないかと思うのです。通産省や何かに、この建屋をつくるときにマンホールがあるかどうかなどということを知らせなくたっていいというふうになっているとすれば、そんなことは当然過ぎるほど当然で、廃棄物処理建屋から外に通ずるマンホールがあるということはもう夢想だにできないところであろうというふうに思うわけですね。
 それで、これはもうすでに皆さん何度も検討なさっていると思うのですが、ずばり伺います。このナンバー2のマンホール、ナンバー3のマンホール、これが置いてあるのは一体どういうわけですか。特にナンバー2などというのは床面からマンホールのふたのところまでコンクリートを盛り上げてわざわざ高くしてつくってある。わざわざ残したという感じがいたします。これがわざわざ残っている理由、これをずばり言ってください。
#27
○浅田参考人 お答えいたします。
 先生御存じのとおり、敦賀発電所の放射性廃棄物処理施設それから洗たく施設というのは、後日増設いたしたものでございまして、そのときに、増設前は屋外を通っておりましたマンホールをそのままのルートを使いまして屋内に入れました。これはわざわざ入れたのではございませんが、私どもの全く検討の浅かった点でございまして、申しわけなく思っております。
#28
○日野委員 先ほど私が指摘したように、ナンバー2のマンホールが床面からかなり高いところまでコンクリートを積み上げて高くしてあるのです。これは何か理由があるに違いないと思われます。理由があるからわざわざこんな手間暇をかけてナンバー2を残したというふうに思うのですが、そうじゃありませんか。
#29
○浅田参考人 ナンバー2マンホールのございます部屋には洗たく廃液をためますタンクがございます。このタンクにはかなりたくさんのパイプがつながっておりますので、保修作業をいたしますときに床に水をこぼさないという保証はございません。したがいまして、床に多少の水がこぼれましても一般マンホールに入らないようにという考慮をいたしまして上へかさ上げしたものでございまして、あのかさ上げの高はタンク水の容量と部屋の床面積から大体の見当をつけております。
#30
○日野委員 この点は何度聞いてもお答えにならない。私、ナンバー2のマンホールのある部屋を見て、あの部屋の重要な部分としか見えないのですね、あのマンホールは。重要な部分である。その点についてはいままで何度聞いても同じようなことをオウム返しに答えておられるので、これはまた別の観点からいろいろと調査などもしなければならないでしょう。
 それならば伺いましょう。ナンバーXマンホール、このマンホールは何のためにありますか。この下を流れている水はどこから来るのですか。
#31
○板倉参考人 ナンバーXのマンホールと申しますのは、あの付近にかつてドラムかんを搬出するための屋根が設けられておりまして、その屋根の雨水を導くためにナンバーXのマンホールがあったわけでございます。その後、さらに屋根の拡張工事が行われましたために、ナンバーXのマンホールは現在はその機能を失っているわけでございますが、そのままの形であの位置に残っておるということを聞いております。
 それからなお、あの中に現在も何か水が流れておるか、あるいはマンホールの底に水がたまっておる、この水はどこから来たかという御質問でございますが、現在なぜそこに水がいまでも流れておるのかという御質問に対しては、私もよく確認しておりません。
#32
○日野委員 何を言っているのですか。いままでナンバーXマンホールについてどれだけ多くのことが新聞で報ぜられ、われわれがどれだけ多くのことを論じ合ってきたか、あなた知らないわけじゃないでしょう。一体その水がどこから来たか、こんなことは調べるのは当然でしょう、しかも、あのマンホールのふた、鉄ぶた、使わないなら何であんなふうに針金がくっつけてあってすぐあけられるようになっているのですか、これこそあなた、全く怠慢じゃないですか、これはもうこの質問をするに当たってちゃんと原電側に私、言ってありますね。この点は聞きますぞ、ちゃんと答えられるようにしておきなさいよ、こう言ってある。
#33
○板倉参考人 あの事件がございましてから、現在不要のものでございますのであのマンホールは閉塞して、その処置を事件が起こりましてから四月に途中でとっております。あのマンホールには四十ファイの導水パイプとそれから九十ファイの導水パイプと二つ流入がもともとあったわけでございます。そのうちの四十は以前から閉塞してあった、九十につきましては閉塞してなかったのを、今回この件が起こりましてから閉塞したということでございます。
#34
○日野委員 そうすると、その九十だか四十だか知りませんが、あなたの言うとおりであれば、閉塞していなかった九十ファイの方から水が流れてきていたのでしょう。そのパイプは一体どこに行っているのですか。マンホールからさかのぼっていけば、そのパイプを通っていけばどこに行くのですか。
#35
○板倉参考人 九十ファイというのは、いまありますマンホールから五十センチ程度の近くのところにマンホールから九十センチのファイがあって、直角に上に上がって、床面の一つのファンネルから従来来ていたわけでございます。それが現在、四月末には――四月中でございますが、現在これを閉塞したというのが現状でございます。
#36
○日野委員 閉塞するまではそこを水はしょっちゅう流れた、こういうふうになりますね。
#37
○板倉参考人 いま申しました九十ファイのものは、そのマンホールの近くの床面にそのまま通じておりましたので、あの区域でドラムかん搬出とかあるいはその他の作業が行われておりますと、その床面自身の除染とか清掃のときに表面水が流れ込んだ可能性はございます。
#38
○日野委員 そうすると、結局こういうことですな。その放射性廃棄物をドラムかん詰めをする作業、その作業を行っている区域の除染水などが流れ込んだ可能性が十分考えられる、こういうことですね。
#39
○板倉参考人 いわゆるその除染という、放射性物質というものを洗うということは別に、あの床面の清掃の水が流入した。したがいまして、その床面を清掃いたしますときに、この区域がわずかに汚れておりませば、その意味で一緒に放射性の物質もある程度混入をしたかもしれないということでございます。
#40
○日野委員 どうも歯切れが悪いですね。
 ずばり言いますと、その放射能に汚染された物をドラムかんに詰めるわけですからね、この場所で。そのドラムかん詰めの作業を行った場所、そういうことですな。放射性物質に汚染された床面、それは程度はまずこの場合問いませんよ、その床面などを洗った水をそこから捨てていたのだ、そういうことになりますな。
#41
○板倉参考人 ドラムかんに放射性廃棄物を詰めます部屋自身は別に部屋がございます。しかし、いま申しましたXマンホール付近からそのドラムかんを搬出しておりました。ドラムかん自身の詰めた後の除染は別のところで行われておりますけれども、ドラムかんの搬出路にそこが使われておりました関係上、その床面の清掃等をいたしますと、床面がわずかに汚れておりますと、それからの流入があったものと認めざるを得ないと思います。
#42
○日野委員 本来そういうことは許されないことですね。この建屋内から出る一切の水等は、これは放射性廃棄物として規制を受ける、自由勝手に捨てるわけにはいかぬ。このことはもう当然のことですね。
#43
○板倉参考人 もう一度御説明させていただきますけれども、初めはXマンホールは屋根の上の雨水を受けていたわけでございます。この雨水の中にも、先生方御承知のように、量的に申しましてごくわずかでございますけれどもフォールアウトは含まれていると思います。フォールアウトの中には当然セシウムその他の物もございます。しかし、いま先生おっしゃいましたようにあの区域の中にマンホールがそのまま残っていて、しかも栓をすべきところがしていなかった、マンホールそのものの横にさらにその水の流れ込む口があって、それを栓をしていなかったということから考えますと、一つは、フォールアウトによるものがあのマンホールに長期間に雨水とともに蓄積したことも大きな原因と考えられますし、また、そのドラムかんの搬出をするための通路にも当たっていたわけでございますから、そちらの方からの汚染も全くなかったとここで申すことは、私たちもその確証はございませんので、この両者によってXマンホールなるものに放射性廃棄物が、現在検知されています量というのはごくわずかな量でございますけれども、その原因は二つによるものだと考えられます。
#44
○日野委員 まあ私は、このマンホールにだれかが水を捨てた現場を見ているわけではありません、ですから推理になります。しかし、非常に手ごろなところにいいマンホールがあるんですよ。その辺でこぼした水とか捨てなくちゃならぬ水でもたまれば、捨てたくなるところにありますな。まあ私の推理としては、ここから、どの程度汚染されたがは別として、かなりの水をお流しになった、その結果が、われわれ行ってあのマンホールのふたをあけてみたら、中にいっぱい水がたまっている、そういうことになったのだと私は推理しますよ。だれが見ても、これは経験則から見てだれでもあそこに捨てたくなる。しかもそれは、そこからすぐ建屋の外に出て、そして青天井の一般の排水路に流れ込んでいた、こういうことですね。私は、この推理の結論についてあなたからその反論を聞こうとは思わない。私は自分の内ではそういう確信を持つ。そう言わざるを得ないですね。あなた方はそういう点は非常にずさんですな。
 私は、本当はこの廃棄物建屋なんというのは全く厳重な、これは一つの閉鎖された区域になっていると思っていた、外部に放射能を絶対に漏らさないような厳重な一つの区域になっていたと思うのです。ところが残念ながら、私この建屋を見て、ほかのところでもおやおやこんなずさんなものだったのかなというふうに思わざるを得ない現象をちゃんと見てきておりますよ。
 チャコールろ過槽のある部屋がありますね。これは後から建て増しをした部屋ですな。それとフィルタースラッジ貯蔵タンクの置いてある建屋がありますね。ここは本来壁と壁の間というのはぴったり密着していなくちゃいかぬのでしょう。しかも、ここから今度はオーバーフローした水が地中にまでしみ込んで地下水まで汚染しているのじゃないか、こう言われている。それは床面でありますから、目に見えなかったと言えばそれは目に見えなかったかもしれないのです。しかし私は、この二つの建屋のくっつけぐあいが悪くてそこにひび割れがして、明らかに外の光が漏れて入ってきているのを見ている、あなた方はそれを確認しましたか、このチャコールろ過槽のある建屋と、それからフィルタースラッジ貯蔵タンクのある部屋との間がすき間があいているのです。外の光が入ってきています。どうですか、これ、見ておりますか。
#45
○浅田参考人 先生おっしゃるとおり確認いたしております。
#46
○日野委員 大体いつからあんな状態だったのです。
#47
○浅田参考人 申しわけございません。いつからかは、私はまださかのぼっておりません。
#48
○日野委員 本当はそういうことは許されないことですね。そこにすき間がある、そういうことが気がついたら、直ちに何とかしなくちゃいかぬことですわね。いかがですか。
#49
○浅田参考人 御指摘のとおりでございますが、あの部屋は換気系でいつもマイナスに引いております、それが言いわけにはなりませんが。したがいまして、あの程度のすき間でございますと、外に漏れるということはないと私は思います。しかし、それはあれを修理しなかった言いわけにはなりません。
#50
○日野委員 私、そのほかにも細かい事故の現象そのものについて聞きたいことはいっぱいあります。しかし、まず現象面で目に見えたところで、ああこれはいかぬなと思うことを二、三いま問いただしてみたわけなんですがね。それでは、もっと別の点について、私聞いてみましょう。
 今度の事故及びその処置をめぐる一連の不祥事、これについては、事故そのものもだけれども、それに携わる人たちについて、原子力を取り扱う人たちについて、これは信用できないなという不信感を与えた。しかもこれは、設備上の二重三重の安全装置もさることながら、制度上の安全性の担保、これについて重大な不信を投げかけたということは、今度の不祥事の持っている大きな意味だと思うのです、それがいい意味であるかマイナスの意味であるかそれは別として、大きな衝撃を投げかけた。
 それで私、制度上の問題について若干これから問題にしていこうと思います。
 まずそれを聞く前に、今度最近明らかになった問題点、新しい廃棄物処理建屋の貯蔵タンクの漏洩の問題が起きましたね、この問題についてひとつ概括だけをちょっと聞いておきましょう。本当の概括的な説明で結構です。
#51
○浅田参考人 御説明申し上げます。
 新しい放射性廃棄物装置は昨年の十月一日から定検中でございました。その定検中の作業員がたまたま当該タンクから漏れているということを発見いたしまして、それをシールウエルドという方法でまず応急に修理をいたしました、それから、タンクを本格的に修理いたしたいのでございますが、そのためにはタンクの中の内容物を、二つのタンクがございますが、一つのタンクに全部移して修理をしなくてはならないという順番になりますので、まず、二つ穴のあきました方のタンクを空にいたしまして、そこをシールウエルドでは心もとのうございますので、一応もとの形に一番近い状態に溶接で修理をいたしました。そうして溶接で修理をいたしまして、とにかく物を入れられるような状態になりましたタンクの中にすべての物を移しまして、ただいまあいておるタンクを清掃いたしまして、切りまして、なぜこのタンクが三年半で漏れたのかということの原因の究明、それからそれにふさわしい修理の方法というのを検討しておる状態でございます。
#52
○日野委員 それは定検中にわかったということですね、まず、発見者はだれでしたか。そして、その発見者からだれに報告をされましたか。
#53
○板倉参考人 定期検査のためにいろいろな作業をいたしますので、あらゆるところを詳しくパトロールいたします、初めに発見いたしましたのは原子力代行の方でございます。それで、この発見をいたしました方から私の方の放射線管理課の方に連絡が来ております。
#54
○日野委員 では、その放射線管理課のだれに報告がされ、それからどういう報告がどこまで行ったか、詳しく述べてください。
#55
○浅田参考人 一月十九日月曜日、原子力代行の作業責任者が特別清掃作業前の事前調査を行っていたときに、ただいまの漏洩を発見いたしました。そして放射線管理課長にその日に連絡いたしました。で、十九日の日の午後三時ごろから、放射線管理課の担当者が立入調査をいたしまして、漏洩個所を確認いたしまして発電課員に連絡いたしました。それで発電課長は二十二日に保修課長に保修依頼伝票を切りまして、二十四日の土曜日から、先ほど私の申し上げました応急のシールウエルドの保修をいたしております。
#56
○日野委員 まず一応確認しますと、発見者から放射線管理課長に報告が行く、そして立入調査の結果、発電課長に報告が行く、発電課長から保修依頼を保修課に出した、こういうことになりますな。
#57
○浅田参考人 先生おっしゃるとおりでございます。
#58
○日野委員 それで、そこから先ほどうなりましたか。
#59
○浅田参考人 二十四日から二十八日にかけまして、先ほど申し上げましたシールウエルドによります作業を行っております。これの作業に伴う準備がございます。たとえば保温材を取り外すもの、それから床ドレンのパネルのふたをするものというふうなことをいたしまして、シールウエルドを施しておりますのに二十四日から二十八日までかかっております。
#60
○日野委員 それはわかりましたよ。そうすると、これは発電課長どまりの作業だったのですか、報告の経路としては。発電課長の方から保修課の方に保修依頼を出しますが、報告の経路としてはどこまで行きました。発電課長どまりですね。後で後ろの方にも調べてもらってください。
 ではちょっと伺いますが、これについてシールウエルドの保修をやるわけですね。こういう処置をするという判断はだれが下しました。
#61
○浅田参考人 保修課長でございます。
#62
○日野委員 原電としては、この種の事故が起きた場合、まず発電課長から保修依頼を受ける、そうすると、保修課の段階で、どのような処置をするかということは決めてしまうわけですか。それに対してさらに発電所の次長とか所長、そういうところ、または本社の判断を仰ぐ必要はないのですか。
#63
○浅田参考人 決定までの段階では、漏洩をしておるという状態を応急にとめる段階では保修課長が決定をいたすと思います、その後のどういう保修をしてもとへ戻そうかということについては、発電所長までは上がってまいります。
#64
○日野委員 これは応急の処置ばかりではとまりませんですね。応急の処置だけではだめなんで、これをきちんと溶接をしたようですが、そういう作業をするということの判断は所長まで上がった判断ですか。
#65
○浅田参考人 所長まで上がった判断であると思います。
#66
○日野委員 と思うということでしたね。この事故については、実はこの間質問の通告を申し上げるときはまだ発覚していなかったので、この点についてはまだ十分お答えになれないかもしれないというふうに私非常に親切に思いまして、じゃ別の、もうとっくの昔にわかっている問題について聞きましょう。第四給水加熱器の問題について伺いましょう。
 この第四給水加熱器に異常があるということの発見者はだれでありますか。どういうふうな報告がどこまで行きましたか。これはちゃんと聞きますぞということを申し上げてありますから、何々と思いますというようなお答えにはならないと思いますから、ちゃんと答えてください。
#67
○浅田参考人 一月十日に給水加熱器のドレン弁付近のリークを発見いたしましたのは特別パトロールをしておりました副当直長でございます。それはその日のうちに当直長まで参りまして、当直長が保修依頼伝票を発行しております。一月十二日の月曜日にその報告は発電課長へ電話連絡がなされております。同日、発電課長は副所長へ口頭で連絡をいたしております。それから上にはこの時点では上がっておりません。
#68
○日野委員 ちょっと理解に苦しむのですが、副所長までは発電課長から口頭で上がった、こういう話ですね。本当はこういうのは文書報告でしょう、いかがです。
#69
○浅田参考人 実際には文書報告であるべきであると存じます。
#70
○日野委員 このような問題が起きたときにどのような報告形態をとるか、報告するかしないか、この判断をするのはだれになりますか。
#71
○浅田参考人 まず所内の異常状態はすべて発電課長のところまでは報告いたされます。発電課長がそれはどこまで報告すべきかという第一判断者になります。発電課長が報告すべきであるということになりますと、これは所長まで参ります。もちろん技術課長、各課長すべてに報告がなされます。そこで、所長がこれを本社に報告すべきかあるいは外に御報告申し上げるべきかということの判断をいたします。
#72
○日野委員 それから、ここで非常に疑問に思うのは、当直長が保修依頼をしたのですか、確認させていただきます。
#73
○浅田参考人 保修依頼伝票は当直長が切ります。
#74
○日野委員 そうすると、これは保修する必要があるということは当直長の判断であったわけですな。本当はこのような場合の保修については、当直長ではなくてむしろ発電課長それから保修課長、そういったところの相談があってしかるべきだと思うのですが、いかがなものでしょう。
#75
○浅田参考人 当直長が切ります保修依頼伝票というのは、どこどこに漏洩あり、これを保修してくれという伝票でございまして、保修の方法についての相談は当直長ではございませんで、発電課長、保修課長その他が集まっていたします。
#76
○日野委員 この給水加熱器についてはどうでした。どのような保修をするかということについての判断はだれがいたしましたか。
#77
○浅田参考人 副所長でございます。
#78
○日野委員 二度にわたる漏洩があったわけですが、二度ともそうでしょうか。
#79
○浅田参考人 二度目の保修に当たりましては所長が入っております。
#80
○日野委員 では、二度目の事故の発生から報告までの経路をもう一度言ってみてください。
#81
○浅田参考人 二度目の給水加熱器の漏洩について申し上げます。
 一月二十四日当直長が特別パトロールをしましてリークを発見いたしました。それで発電課長に報告をしまして、発電課長は保修課長に連絡をいたしました。それが二十四日でございます。二十六日の月曜日に発電課長が副所長へ報告をいたしております。
#82
○日野委員 所長にはだれが……。
#83
○浅田参考人 その後コーキングをすることを副所長が決定いたしまして、副所長から二十七日の日に所長へリークの発見とコーキングを試みるという報告をいたしております。二十八日にコーキングを実施しておりますので、このコーキングについては所長も承知していたということでございます。
#84
○日野委員 そうすると、第一回目のやつは所長は知らないのですか。
#85
○浅田参考人 第一回目は大雪の最中でございまして、所長と副所長は、敷地におりましたり町の方におりましたりして連絡がとれず、知っておりません。
#86
○日野委員 この給水加熱器の二つの事故については、これに対する保修を加えるということになれば、少なくとも発電所サイドだけではできませんな。行政的なチェックが必要ですね、どうですか。
#87
○浅田参考人 先生おっしゃっるとおりでございます。
#88
○日野委員 これは法的にも許可を必要とする行為になると私、理解をしているのです。ところが、その許可の申請はもちろんやっておりませんね。これはやっていないわけなんですが、こういう重大な保修をやるというのに、発電課長と副所長あたりが簡単にやっちゃった。しかも、これは許可の申請行為があるとすれば、当然本社を通して本社の決裁をも受けなければならないはずであるのに、それもなさらなかったわけですが、一体何で発電課長なんかそういうところの報告、それから、こういう保修をいたしますぞという上に対する伺いを必要ではないと考えたのでしょうね。
#89
○浅田参考人 最初の漏洩自身が非常に軽微でございますということが一つございます。それから、給水加熱器につきましては、法律上どう扱うべきかということの解釈が、現場は軽く見過ぎたという点がございます。
#90
○日野委員 現場は軽く見過ぎたと言うが、現場と本社を別なものとは私は全然考えない。あれは現場でやったことだ、本社はそんなことはあずかり知らぬことですと言うわけにはちょっとまいりませんね。こういう当然なさるべき報告もなさらないという、このようなことが何で出てくるのですか。あなた方は、現場のことでございます、現場が軽く見過ぎたと言うけれども、軽く見過ぎるというようなことを、私は責任なんということをいま言っているのじゃありません、何で軽く見過ぎるような現場の人がそこに育っていったのでしょう。何でそういう人がそこの現場にいるのでしょう。これはおかしいじゃないですか。
#91
○浅田参考人 先生おっしゃるとおり、本社との連絡が悪かった、あるいは本社にこういうものが上がらないということはまことに申しわけございません。そういう教育をしていたわけではございませんが、長い間現場におりました者たちがそういう状態にあったということを私どもが知らなかったのは手落ちであると思います。
#92
○日野委員 電気事業法の百六条ですか、それから電気関係報告規則、通産省の令第五十四号というのがちゃんとあることはもちろん皆さん御存じですね。そして、これについては、報告規則なんというのは特に現場ではきちんと知っていなければならないことですね。いかがですか。
#93
○浅田参考人 おっしゃるとおり、現場はそれを存じていなくてはならないと思います。
#94
○日野委員 こういう規則があるんだよということを一々これは教育するまでもないことのような感じすらしますが、これについてはきちんとした勉強をさせるというような努力はしておりましたか。
#95
○浅田参考人 現場の管理職になります資格はこれらの規則を当然知っているということでございますが、私どもの教育体制の中で、特に法規教育というのは従来やっておりませんでした。
#96
○日野委員 では今度は別の、オーバーフローの問題について伺います。
 まずこれの発見者、それから報告の経路、どこまで報告が行ったか、教えてください。
#97
○板倉参考人 申し上げます。
 オーバーフローをしておりますことを発見いたしましたのは三月八日でございまして、これはパトロールをしております運転員でございます。運転員は、このことを当直長に直ちに連絡しております。それで、廊下に漏水のあったこと、そのためにこれがさらに広がらないような汚染の拡大防止の応急の措置をとっております。そして、同じ日の十五時三十分ころに直が引き継ぎでかわっております。そして、そのかわりました直が十六時ころから約二時間かけまして応急の除染をいたしております。応急の除染と申しますのは、廊下に流れ出ていました水をその廊下にあります床ドレンのファンネルに流し込む作業でございます。一応応急の除染が直の間で済んでおりますので、三月九日の朝、当直長から発電課長と放射線課に連絡が来ております。発電課長は放射線管理課長に除染依頼票を発行して提出しております。放射線管理課はこれをさらにチェックいたしまして、除染依頼書は放射線管理課より保修課へ提出されております。それで、この作業票によりまして除染の実施が三月九日の九時半ごろから行われております。
 なお、この件につきましては三月十日所内の連絡会議におきまして発電課長から副所長へ、また各課長にこの旨の報告があり、ここで所幹部がこのことを知ったわけでございます。
 なお、このときの所内会議には、所長は東京出張で同席しておりません。副所長以下各課長が出席しております。
 以上ございます。
#98
○日野委員 このような場合、当直長が報告を受ける、床に水がたまっているという状況になれば、すぐにそれに対する処置をすることは必要なことであろうと思います。これは、当直長が何とかしようという努力をしたことはわからないでもありません。しかし、このような場合、早急に発電課長なり放射線管理課長、保修課長、そういうところにすぐに報告をして、みんなでその処置についての協議をするという体制はないのですか。
#99
○板倉参考人 発見いたしました当日、三月八日が日曜日に当たっておりますことが一点でございます。いま先生もおっしゃいましたように、当直長は、発見いたしますと、応急としまして、その水が他に流入しないような応急の措置をとるということは当然なことだと思います。もちろんこの際、こういうことをいたします前に放射線の計測器でどのくらいの放射線量があるものかということを十分確認して仕事をしておりますので、この仕事につきましては、私は手落ちはないと思います。
 なお、当直長から、日曜日であっても、直ちに発電課長に報告が行かなかったということに関しましては、この建物が、廊下に漏水いたしましても、その漏水がまた再び放射性廃棄物の処理の系統に回っていくということを考えておりますので、よもやこれがこの区域外に出るとは考えていなかった、これが、直ちに発電課長に連絡する必要はないと当直長が判断したものでございます。
 それで当直長は、その翌月曜日の朝発電課長と放射線管理課に連絡しておりまして、受けました発電課長が直ちに放射線管理課長に除染依頼を発行して提出しております。
 以上でございます。
#100
○日野委員 報告が副所長まででとまっているわけですね。それからさらに所長、本社という報告経路を上らなかったわけですが、副所長でとめていいという判断はだれがやっているわけでしょう。
#101
○板倉参考人 この判断は副所長でございます。副所長を中心としまして三月十日に所内会議をやっております。ですから、そこでの最後の一番上席と申しますのは副所長でございます。副所長がこの判断をしております。
 なお、この件につきましては本社の方に上がってきておりません。
#102
○日野委員 先ほど言った電事法に基づく報告規則ですな、電気関係報告規則、これの存在は当然副所長なんかも知っているわけでしょうね。それから、通産省の方からさらに厳しく、どのような問題であろうとも事故、故障などがあった場合、それは通産省に報告をすることという行政指導が行われていることも、これはもう副所長あたりになったら知っているはずですな。知らなければそんな副所長なんかにとうていしておけないわけですから、これは知っていたはずですな。
#103
○浅田参考人 先ほど申し上げましたように法律は十分心得ていたとは存じますが、百六条に関しましては、軽微という判断で該当しないと考えたのだと存じます。しかし、これは先ほどからるるございました通達がございますので、通達に従って報告しなかったというのはまさにミスであったと存じます、通達に従って報告処理を怠ったというのはミスであったと存じます。
#104
○日野委員 報告についてちょっと伺いましょう。もっと突っ込んだ聞き方をしますよ。
 あなた方は、電事法に基づく報告義務についてはやましいところはないとお考えになっておられる。間違いありませんな。
#105
○浅田参考人 間違いございません。
#106
○日野委員 あなた方は、通産省の行政指導に従わなかったという点については遺憾であるけれども、電気事業法に基づく報告規則については違反をしていない、こういうことですね。そういう認識だと伺ってよろしゅうございますな。
#107
○浅田参考人 私どもの認識は、先生おっしゃるとおりでございます。
#108
○日野委員 これは、電気事業者は大体そういう理解だと伺いますが、よろしゅうございますな。まず先に原電の方から伺いましょう。
#109
○浅田参考人 ただいまのお答えは、私どもの会社の判断でございます。
#110
○日野委員 通産省、いかがです。
#111
○高橋(宏)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、これは報告規則に基づきます主要電気工作物の損壊に相当するかどうかということにつきまして、検討した後結論を出したいというぐあいに考えております。
#112
○日野委員 この点については、通産省そのものもこのような一連の報告の懈怠ですな、報告の怠慢が、電気事業法もしくはそれに基づく報告規則に違反しているとは一義的に断定するにはためらわれる、こういうことですか。
#113
○高橋(宏)政府委員 今回の関連は数件あるわけでございますけれども、ただいまお話しいたしました主要電気工作物の損壊に相当するかどうかというのは、第四給水加熱器に関するもの、及び新建屋内におきますタンクのひび割れ等に関するものでございます。それから三月八日の漏洩に関しましては、これがどういうルートでどの程度外に広がったかということがこの著しい漏洩というものに相当するか、こういうことが法律上の検討の対象になる事項でございます。法律違反と断定するかどうかというのは非常に大事な問題でございますので、十分検討いたしまして、私どもはそういう観点から、違反があったのではないかというきわめてシビアな態度で調査いたしておりますが、結論につきましては慎重に出したいというぐあいに考えております。
#114
○日野委員 通産省がそう考えておられるということは、原子力発電所を持っている一般の電気事業者もそう考えているということですな。つまり、通産省から非常に厳格な行政指導はあるけれども、法的にはこの程度のことについては直ちに違法と断定することまではできないという状況下において、現在二十数基もある日本の原子力発電所は運転をされている、こういうふうに伺いますぞ。よろしいですな。
#115
○高橋(宏)政府委員 私どもの趣旨は、本件はいろいろな問題を総合して結論を出すという立場で現在進行中でございますので、現段階においてこうであるということをこの場で言うということは差し控えさしていただきたい、こういう趣旨でございまして、本件は、いろいろなケースにつきまして十分ある考えを持って現在検討させていただく段階であることは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
#116
○日野委員 この問題ですが、これは一般の国民としては大変なことだと受けとめているわけですね。ジャーナリズムしかり。原子力発電所の事故が新聞の一面のトップを飾る、にぎわすなんということはまずめったにないことです、しかし、今度の事故では何回かこれは一面のトップ記事になった。それだけ、原電というのはけしからぬ、こうみんな思っているのです。しかし、私は原電そのものの特異体質ともちょっと考えにくい。
 これは日本原子力産業会議が出した「原子力ポケットブック」五十五年版ですが、これに発電炉の主要事故、故障回数、これが昭和四十一年から五十四年まで、各発電所ごとにずっと数字が出ておりますね。主要事故、故障回数がずっと出ております。これを見てみますと、敦賀発電所、これは四十四年一回、四十五年二回、四十六年八回、四十七年二回、四十八年ゼロ、四十九年三、五十年二、五十一年が二、五十二年が四、五十三年が三、五十四年が二、こう出ています。この数字はほかの発電所と比べて何ら特殊性のない数字だと私は思う。どこの発電所でも同じです。そしてまた、このポケットブックにはさらに詳細な事故についての記述があります。これを見ても、敦賀の原子力発電所というのは、他と比べてそう大して特殊性があるとは思えないような感じがする。これは私個人の主観で物を言わしてもらっているところが大分あるわけですけれども、ほかの発電所と大した差異が見受けられない、
 ただ私は、ずっと原電敦賀、これを見ていって気がついたことがある。ここに載っているのは、まず一つは、定検のときに発見されたものです。これが載っているというわけですね。それから、原子炉停止に至るまでのものは載っているのです。そのほかのものは載っていない。じゃ、ほかの発電所はどうだというので、私、東京電力の福島発電所、これをずっと見たのです。そうしたら、これもやはり同じですな。定検のときに発見されたのか、原子炉を停止するに至るほどの重要なもの、これが載っているだけであります。
 私は、こういうのをながめてみまして、日本の原子炉というのは一体どうなっているのか、非常に寒心にたえないですね。世間の耳目を聳動するほどの今回の事故ですら、原電の幹部に至るまで、その報告を怠ったことについて少なくとも法的な責任はないと考えている。通産省ですら、その点については検討してみなければわからないとしている。恐らく、これはほかの発電所だって同じようなことでやっているのでございましょう。私は、こんなものを日本で運転さしておいていいのかしらというような感じがいたします。この点については、これは原電は当然のことながら、通産省も、それから、このような状況に持ってこさせた原子力委員会を抱えているまた安全委員会を抱えている科学技術庁としても、えりを正してもらわなければならぬ。このままで看過することはできないと私は思います。私は、ここで厳重な注文をつけておきたい。
 それから、時間がなくなってまいりますので、原電そのものについてちょっと伺いますが、原電は、いままでずっと発電をやってきたわけですが、いまどの電力会社にどのくらいの単価で電気を売っておりますか。そして卸売による年間の売り上げ、これはどうなっておりましょう。
#117
○鈴木参考人 ただいまの御質問に、五十五年度の実績についてお答え申し上げます。
 敦賀発電所でできます電気は、関西電力に五〇%、中部電力に四〇%、北陸電力に一〇%、こういうように配分しております。
 その五十五年度の単価は九円三十七銭、これによる一年間の収入は百九十二億円でございます。
 以上でございます。
#118
○日野委員 かなりの業績を上げているようですね。原電さん、まことに失礼だが、従来累積赤字が非常に多いことでかなり問題とされてきた。これは大体解消されたようでありますね。これは決算期を過ぎて決算してごらんになったでしょうが、解消されましたか。
#119
○鈴木参考人 決算は三月三十一日に一区切りになりました。確かにお話のとおり、累積赤字を重ねて今日まで来たわけでございますけれども。今度若干の黒字か計上できるのではないかというところに参っておりますが、これもそう大した金額ではございませんと思います。
#120
○日野委員 将来の展望として、この電気を売ってずっとやっていくわけですが、原電というのは、利益を上げるということもさることながら、新しい技術を開発する、また運転についてのオペレーターを養成していく。技術を推進する、こういう役割りがあるわけですけれども、原電としては、今後そういう方向をも追求していくおつもりですか。
#121
○鈴木参考人 確かにいままで原子力発電については、先覚者というようなおこがましい名前はいま差し控えたいと思いますけれども、一番先いろいろなことを手がけていきたい、こう言ってやってまいりました。したがって、大きな発電所の建設につきましても、それだけでなしに、個々の機器その他の新しいものを採用する場合にも、なるべく最初にいろいろなことをやってくるという意欲を持ってきたのでございますが、今後もその気持ちは変えないでまいるつもりでおります。
#122
○日野委員 それにしても、今度の事故で大分大きいダメージを受けましたね。それに、まことに失礼だが私あえて申し上げるが、原電の職員の方々の安全性に対する、何といいましょうか全く表現のしようがないくらいのルーズさ、これは一朝一夕にできてきたものではない。原電というのは、これからも原子炉をさらに新設までしてこれをきちんと維持してやっていくだけの能力がおありであるかどうか、私は非常に疑問だと思うのですが、社長さん、いかがお考えですか。
#123
○鈴木参考人 今回の事件、確かに大変なことでございました。私どもはそのことは本当に身にしみて反省していることは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、実はこの会社、今度の出来事のもとになっておりますのは、やはり大切なところで注意を怠ったこと、処置に適切でなかったこと、いろいろ反省しなくてはならぬことがございます。ですが、うちがいままで最初から非常に苦労して発電所を初めて建設してまいりましたああいう技術の累積、経験、それは貴重なもので、決してみずからさげすむようなものではないと私は思っておりますので、今度のことは今度のことで十分反省して、また新たな気持ちで再建を図ってまいりたい、こう思っておるところでございます。
#124
○日野委員 社長さん、私はこの事故は不注意だったとかなんとかという問題じゃないと思うのです。一つの制度、どんなに安全に向けての制度をつくっても、それを動かしていく人間に本当に安全を守っていこうという気持ちがなければだめだということをよく今度の事故は示したと思うのです。それから、幾ら制度をつくってみたところで、手直しをしたり、きちんとやれよと言ったところで、しょせんは原子力発電所なんというのは密室ですわね。まさに密室です。今度のことだってわからなかった、内部告発などということがあって初めてわかったのでしょう。それがなければ、こんなものはわからぬのですよ。私はそういう点から言って、そこに働く人のモラルというのはどんなに強調しても強調し過ぎることはないと思う。一体モラルの欠けた人間なんというのはだめじゃないですかね。私は原子力業界というのは全般にそういうことが指摘できると思うが、どうですか。
#125
○鈴木参考人 先生のようなお考えをお持ちのことも、私は今度のことにかんがみましてある程度やむを得ぬことだと思いますけれども、しかし実際のところは、確かにおっしゃるとおり、法律、命令あるいは通達を十分適正な解釈ができなかったとか、あるいはやったことがなかなかうまくいってなかったというようなことを考えますと、やはり問題のあることは私も十分知っております。そこで、もとになります人間性の問題にももっとさかのぼらなければならぬ問題でございますので、いろんな点について根本的に、体質にわたって考え直していく、そういった問題について真剣にやってまいるつもりでございますので、その辺はひとつ御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
#126
○日野委員 人間、やっぱり信頼関係をなくしてしまうともうだめなんですな。それを裏打ちするような、――安全性を担保するために通産省の方から運転管理専門官が行っていますね。これに一体どういう書類を原電側としては見せていたのですか。書類のリストをずっと挙げてください。運転管理専門官に見せる書類のリスト。
#127
○板倉参考人 お答えいたします。
 ただいま運転管理専門官にお見せしていますものは、日報、二週間の予定表、運転日誌でございます。
 見ていただくものは事前に検査官にお話をよくいたしまして――運転管理専門官制度が開始されましたときに、運転管理専門官の事務につきましては通産省から通達がございましたが、これに基づきまして、口頭でございますけれども、こういうものをお見せいたしましょうというお話をいたしまして、それに基づきまして必ず見ていただきますものが、いま申しました日報と二週間予定表と運転日誌ということになっております。
#128
○日野委員 この運転日誌は専門官用の日誌というのが別にあって、それを見せているのでしょう。
#129
○板倉参考人 この中で運転日誌と申しましたのは当直長日誌でございまして、これは別につくったものではございませんで、そのものを見ていただいております。
 それから、日報といいますのは、主な御相談するような、あるいはその運転状態を書き上げまして、これをお見せしているわけでございます。
#130
○日野委員 私が伺ったところによると、日誌というのは、見やすいようにという配慮か何か知りませんけれども、専門官に見せるために別にまた作成する、こういうふうに伺っているのだが、別に二重帳簿じゃないかなんということを言うつもりはありませんから、勘ぐらないで答えてください。
#131
○板倉参考人 いまおっしゃっいましたものでございますけれども、先ほど申しました日報というものは、いまお話しありましたとおりに、見やすいようにと申しますか、中から書き上げたものでございます。それから、お見せしていますものの中の二週間予定表というのも、予定でございますので、おつくりしてごらんいただいているものでございます。第三番目の運転日誌と申しますのは、当直長のところで書いています当直長日誌でございます。これはそのもので、専門官にお見せするためにつくっているものではございません。
#132
○日野委員 いずれにしても、これは廃棄物処理については一切専門官には見せない、こういうことになりますな。
#133
○板倉参考人 廃棄物処理系統のところで、廃棄物処理施設の運転記録と申しますか、これは別にございますが、これは常にお見せするものの書類の中に入っておりません。しかし、その中から書き出したものが当直長日誌に記載されている場合には、そこで専門官がごらんになるわけでございます。
#134
○日野委員 通産省の方に伺いますが、いま板倉さんの方から専門官に見せる書類というものが示されたわけですが、ほかの原子力発電所においてもほぼ同様な状況というふうに伺ってよろしいでしょうね。
#135
○平田説明員 ほぼ同様と考えてよろしいかと思います。
 なお補足いたしますと、先ほど日報というふうに板倉さんが申し上げた件につきましては、私どもといたしましては、日報及び二週間予定表というのは便宜上つくっていただいているメモでございまして、発電所の所内の正規の書類ではございません。発電所の正規の書類として見せていただいているのは、運転日誌、巡視点検表でございます。
#136
○日野委員 だんだん時間がなくなってきてしまいました。それで、私ずっときょういろんなことを教えていただいて、質問という形で答えを求めて、やっぱり結論的にはこういうことを言えるんだと思うんですよ。
 いままで科学技術庁にしても通産省にしても、もう安全性については最大限度の考慮を払っておりますと、こう言ってきた。しかし、それはしり抜けになっているわけですね。まあ科学技術庁や通産省は本気になってそう思ってきたかもしれない。しかし現場はこんな背信行為をやって、しかも密室の中に閉じ込めて、そして平然としてきたんですね。いま通産省も大分怒り心頭に発しておられるようでありますけれども、しかしやっぱり本来、こういうような盲点というのは原子力発電そのものが持ってきたわけですね。特に原発さんの場合のように、いままでの累積赤字を解消しなくちゃいかぬ、どんどん炉を運転して電気をつくって売らなくちゃいかぬというような立場なんかであれば、なおのことでしょう。私はこういう点から、もう一度やっぱり通産省にしても科学技術庁にしても、根本的なところから安全性について洗い直さなくちゃいかぬ。
 私は、鈴木さん、これはあなたに対して非常に強い不満を表明せざるを得ないのです。われわれは、このような事態はいずれ起きますぞということをずっと言い続けてきた。そうして、その原子力行政の密室性、また現場の密室性、そういうことについて強い不満をずっと表明してきたのです。それについて、あなたはこんなふうに言っているんですな。「日本の野党第一党である社会党が問題を曲げるようにして考えているんで、これが国民の協力を得るに当って非常に具合の悪いことになっている」のだ、こうあなたは、この原子力問題について言っておられる。覚えておいででしょう。これは、月刊「エネルギーフォーラム」という中で対談をされた際のあなたの発言であります。
 あなたはどう思いますか。こういう発言をなさって、いま現実にこういう事態に直面して、あなたはどう思いますか。現在の心境。
#137
○鈴木参考人 実はせんだって同じようなお話を伺いまして、そのとき初めてその雑誌の中の対談を承知いたしました。正直な話、しっかりした記憶もありませんし、またいまにして考えれば、そういうことを言ったとすれば本当に適切ではありません。確かに問題はたくさんございます。いま私は、そういった基本的な問題についてとやかく言う資格のない人間でございますので、きょうのところはその程度のことを申し上げてお答えにしたいと思います。
#138
○日野委員 名指しで非難中傷されたわが党としては、そうはまいらぬのですよ。こうやってわれわれは安全にやっているんだ、社会党けしからぬ、こう言っておいて、そしていまここで、まことに申しわけないと言って平謝りに謝ったってこれだめなんですね。私はあなたの心に問いたいのです。日本の原子力発電はいまのままでいいと思っていますか。あなた自身どうです。
#139
○鈴木参考人 いまのままでいいと思っておるかという御質問ですけれども、今度の私どものしでかした不祥事にかんがみましても、まだまだ考え直さなくちゃならぬ、慎重にやらなくちゃならぬ問題は多々ございます。ことに先ほど来からお話しのとおり、安全性については特に十分な配慮をしなくちゃならぬ、一般的に言ってそういう事業であることも確かでございます。
 しかし、いまの全体のエネルギーの情勢を考えますと、やはり原子力発電の必要性というものは私は身にしみて痛感しておりますので、基本的にはやはり何とか皆さんの御理解を得ながら原子力発電というものは開発を進めていかなくちゃならぬ。いま私の心の中はどんなことを考えているかとの御質問ですから、それはそういうことでお答えしますが、そんなことをいま堂々とお話しするのは、おまえ頭がどうかしているのじゃないかと言われるおそれもありますので、この程度で御勘弁いただきたいと私は思います。
#140
○日野委員 科学技術庁にもちょっと聞いておきますが、きょうは長官がいないのは非常に残念であります。私、残念ながら直接テレビの画面などから聞き取ったわけではないのですが、科学技術庁長官、原子力委員長ですぞ、この人は。伝え聞くところによりますと、今度の事故なんというのは大したことではないんだ、大騒ぎする方が悪いんだという趣旨のことを堂々と言ったということでありますな。これは考えようによっては、原電側が今度の事故については違法はないと言うよりももっとより以上に重大な問題だと考えるのですね。科学技術庁としては今度の事故についてそのように考えているのかどうか、聞かしてください。
#141
○赤羽政府委員 今回の問題につきまして、大臣がいろいろな場所で発言していることは事実でございまして、その幾つかには私自身も同席したことがございます。その際申し上げている趣旨は、この問題を二つの面に分けて考えなければいけない、特に報告を怠って安全性に対する信頼感を裏切ったということは非常に重要なことで、これは徹底的に究明し、以後こういうことのないようにしなければならない、しかしもう一つの側面として、環境あるいは住民に与えた影響はほとんどない、そのことが混同して認識されるようであってはならない、この面を強調しなければならないという意味で発言をしておられると思っております。私どもも、特に環境を所管している官庁としまして、同じ考えでございます。
#142
○日野委員 私、この問題は後で長官が来たときに徹底的に論議をするつもりですが、科学技術庁の態度、非常に不満なんですな。最初にまず給水加熱器の問題で質問したときに、赤羽さんは私の質問に答えて、それは通産省のことでこっちは関係ないことだ、こんなふうな答弁をされた。後でだれかに入れ知恵でもされたとみえて、当委員会がまだ特別委員会だったころの附帯決議のことをちょっと話されて、附帯決議もあることですから、考えることは考えるというような答弁をされた。これは科学技術庁、態度悪いなと思っていたのですが、この問題について、原子力行政をあずかる原子力委員会、それからその安全をあずかる安全委員会を所管をしているわけでありますから、この点については徹底的な究明をしなければならないだろうと思うのです。
 この事故は原子力行政に対して大きな影響を与える事故だと思いますか、そうではないと思いますか、どうです。
#143
○赤羽政府委員 今回の問題につきましていろいろな側面があるのではないかと認識しております。ただし、具体的なことは一貫化以後直接責任を持っております通産省が現在調べておる状況でございます。そして、そのいろいろな側面というのを総合的に把握した上で報告をいただくというのを待っている状態でございます。ただいま先生の御指摘にありましたような、科学技術庁は知らぬというのではなくて、一貫化しているということの意味はそこにあるわけでございますから、途中で口出しをすることなく、結論を待った上で基本的な立場から対策を講じ、原子力安全委員会もそれを考えるという状態にあるわけでございます。
 特に原子力安全委員会は通産省の安全審査のダブルチェックをするという分担があるわけでございますが、御指摘のように附帯決議にもありましたように、それ以降全然見ないということではいけないということでございまして、運用に当たりましては、安全審査を出す際に、その後の設計、工事、検査等につきまして重要な事項は指摘し報告を求めておりますし、それから重要なトラブルがあった場合にはその報告を受け、そしてその対策がいいか悪いか、さらに一般的に考えなければいけないかどうかということを審議するという立場をとっております。まだ何か申し上げる段階でないという意味で現在の科学技術庁が原因そのものに入っていかないということでございまして、近く通産省の結論が出されましたら、それを受けて安全委員会として行動を起こすわけでございます。
 なお、安全委員会ではなくて、科学技術庁としましては環境問題につきまして分担しておりますので、御報告を申し上げているわけでございます。
#144
○日野委員 最後に通産省に伺います。
 残念ながら電気関係報告規則、これの原子力発電所に関する規定の仕方というものは確かに多義的に理解できる余地はあろうかと私も実は思うのです。これはまさにそのとおりでありまして、そういうときに、従来の原子力行政がとってきた立場からすれば、安全性を考えるならより安全の方向に解釈していかなければならない。ところが今回の場合、原電側の解釈が、現場の解釈がより危険な方向へと解釈された、そういうふうになったと私は思うのですね。これは非常に残念な結果であるというふうにしか私は言えないと思うのです。これをもっと厳密に、逃げを許さないような方法でこの規定を改めていくというような方向は考えておられるかどうか、その点、最後に伺います、
#145
○高橋(宏)政府委員 私も、原電の現場がそういう安全サイドといいますか、危険サイドで判断したということは遺憾だと思います。それを本店が、幹部がどうこれを判断するかという点がもう一つ残っておるように私は思います。
 私どもの方でございますが、御指摘の点がございまして従来から、たとえば数年前美浜に問題がございましたときにやはり議論になりまして、いろいろとその改正も考えておるところでございますけれども、一方では、具体的にしますと抜ける分野がはっきりするというようなこともございまして痛しかゆしだ、なかなかむずかしい立法だと思います。
 そこで私どもは、とりあえず法律解釈は私どもで十分やるので、とにもかくにもささいなものも含めて報告しろという通達を出しておりますが、これは大臣通達でございまして、私どもは、事業者の皆様は法律と同等以上な社会的な責務だと思ってぜひ出していただくように指導しておるところでございますし、そういう方法とあわせて、先生の御指摘の点を検討してまいりたいと思っております。
#146
○日野委員 終わります。
#147
○中村委員長 八木昇君。
#148
○八木委員 私に残された時間がもうわずか十五分になりましたので、先週の土曜日現地に調査に参りまして、幾つかのことを私ども確認をしたのでありますけれども、そのうちの三つぐらいにしぼって端的に伺いますから、端的にお答えを願いたいと思います。
 三月八日のオーバーフローのときのことでありますけれども、警報機は鳴ったわけであります。ところが、その警報機は廃棄物処理設備の新建屋の方の制御室で鳴るようになっている。ところが、鳴ったのであろうけれども一体どうだったかというようなことを、これまでに若干の議論があっておりましたが、その警報が鳴ったときはちょうど当直の引き継ぎの時間帯であって全員が、いわゆる新建屋制御室の者も全員が発電所全体の中央制御室に集まっていたので、警報機は鳴ったけれども新建屋の制御室はだれも人がいなかったという話でございます。それは事実か。まことにもって無人運転というものが行われておる。発電所の中で一番放射能の問題があるところがこの処理建屋でございますから、そうであるのか、なお、聞きますると、いろいろな任務を持っておりますので、そういう引き継ぎのとき以外でも必ずしも無人という時間帯がないとは言えないかのようにも言っておりますが、そうであるのかどうか。
 それから、第二の点は、これはフロアにどんどん水があふれ出てきた、そしてこの床ドレンサンプポンプが動き出すようなところまであふれ出た水が床面から上がってきたときに初めて警報が鳴る。それがまたけしからぬ話でございまして、大体このタンクそれ自体、フィルタースラッジ貯蔵タンクあるいはフィルタースラッジドレンタンク、これの水位が満タン状態になりつつありはしないかという危ない状態になりつつあることを示す、そういう事態のときにアラームが鳴る、こういうような設備が当然なされていなければならない、発電所における最も高いレベルの放射能が入れられておるタンクでありまするから。そうじゃありませんか、そういうアラームがあるべきじゃありませんか。
 それから、確かにこのタンクのレベル、いわゆるタンクに廃液がどのくらい詰まってきておるかということを示す指示計はありますけれども、いま現在幾らということがわかるだけでありまして、タンクのレベルの水位を常時記録する記録計が当然あらなければならない。それがないのですね。
 以上の点について、あと十分しかありませんから端的に答えてください。
#149
○板倉参考人 まず初めに、廃棄物処理の制御室の方にいつも人がおるということに限るかというお話でございますが、これに対しましては、原子炉を運転します方の主制御室には、いかなる場合にありましても二名以上の者をあそこの部屋に置いておくということを明確に決めておりますが、廃棄物処理の建物の方は、通常一名の者が計器の見張りをしております。とともに、その者が廃棄物処理計を巡視して回ります場合には、その部屋は空になります。これは先生の御指摘のとおりでございます。
 次に、警報関係について申しますと、一つは、先ほどのタンク室の水はオーバーフローと申しますが、パイプを伝わりまして床のサンプタンクに入るようになっております。そしてそのサンプにあるレベルになってまいりますと、水をくみ上げてもとのタンクに戻すようになっておりますので、元来の設計では部屋の床とそこにありますタンクの系統が一体となって一つの閉じた系になっております。そういうことから、サンプの水位がポンプが駆動する水位よりもさらに上に上がってきましたときに、その警報が新しい方の廃棄物処理建屋の警報盤に出るようになっております。
 それから、そのタンク自身の水位というものは、先生御指摘のように水位を読み取る計器は、これは古い方の廃棄物処理建物のパネルについておりますが、記録計はついておりません。
 以上でございます。
#150
○八木委員 まことにずさんきわまる実態であるということが明らかになったと思うのでございます。大体あれだけあふれ出て初めてアラームが鳴るなどということは許されません。それはあなた、危険状態を示したときにアラームが鳴らなければならない。しかし時間がありませんので先へ参ります。
 そこで第二の点ですが、廃棄物処理室の運転日誌、七日八時四十五分の引き継ぎのとき、翌日八日の八時四十五分の引き継ぎのとき、それぞれの運転日誌を見てみますと、七日の八時四十五分の引き継ぎ日誌にもそのときの貯蔵タンクの容量八八%と書いてございます。八八%廃液がそのタンクにいまたまっている。翌日の八日八時四十五分の日誌にも、全く同じく八八%が貯蔵タンクの現在の容量の状態ですと記録してございます。よろしゅうございますか、八日の八時四十五時の引き継ぎですよ。タンクからどんどんあふれ始めましたのは八時二十五分からでしょう、それで八時四十五分の引き継ぎのときの日誌に八八%と記録をされておる。タンクの状態を読んでおりませんね。そうして、いいかげんに前の日の同時刻と同じ八八%というものを記録しておりますね。タンクにどれだけ廃液がたまっておるかということをちゃんと読んでおれば、一〇〇%になっておるはずです。この事実をお認めですか。
#151
○板倉参考人 確かに先生のおっしゃいましたように、ポンプが起動しました時間が八時二十五分ごろの記録が出ております。したがいまして、それよりもう少し後の時間にサンプからオーバーフローといいますか、それをしているわけでございます。おっしゃいますように、そのときの引き継ぎには前の引き継ぎと同じ値が記入されております。したがいまして、この点は先生の御指摘のとおりに、はっきり読まずに前の記録をそのまま書き込んだと考えられますので、これを現在調査中でございます。
#152
○八木委員 これは、たまたまそのときの当直長がそういうふうに書いたとかあるいは勤務員が書いたのじゃないですね。そういう運転をやっていたということでしょう。それはもうだれが考えましても明らかですよ。
 そこで、第三点ですが、セシウムが検出をされた、しかも一般排水路からということから私どもが注目をしたのでありまするけれども、炉心に現在入っておりまする燃料棒、そのうちの一体が破損をしているということを現場の所長と担当者がお認めになりました。担当者が一本破損をしておりますと言ったところが、いや、異常が認められますと横から所長が表現を変えましたが、それはどっちでもよろしい、シッピングの検査をなさった結果がこうであったということを言っておられると思います。
 それから、現在使用済みのそういう燃料棒が四十一体プールの中にありまするが、四十一体中五体がいわゆる異常の状態にあるということを認められたんですが、そうでありましょうか。
 それから、もう時間がありませんから引き続いて申します。
 ということは、やはり非常に多くの放射能というものが、炉心部から出るものも含めまして一次系の冷却水の中にどんどん出てくる、そういうことから、いわゆるその液の処理をすることが非常に多く行われなければならない、そうしてタンクは満杯になっていく、そういうことから増設、増設とやらなければならない、しかも中レベルのいわゆる放射性廃液は持っていき場がない、方法が確立されていない、こういうことにもつながっている、かように考えるのですが、まとめてお答えをいただきます、二十五分にぴしゃっと終わりますから。
#153
○板倉参考人 まず、燃料の問題でございますが、運転当初の初期のころには、燃料で漏洩のある、ピンホールのあるというものの数がかなり多い時代がございました。しかし、近年になりましてこの数がきわめて減っておりまして、先生御指摘のように、現在とめておりましてはかりました結果は、一本がその疑いありという値が出ております。
 それからもう一つ、燃料の健全性を見ますのに、原子炉をとめましたときに、ピンホールがありますと炉の外側の圧力が下がってまいりますので、非常に揮発性の沃素131というものが大量に出てまいります。非常に検出しやすいわけです。私たちは、原子炉をとめますたびにこの沃素131の増加量を綿密にはかっております。こういうものから見ましても、最近燃料の状態はきわめて良好でございます。そういうことから考えまして、先生御指摘のセシウムが非常にたくさん出ているんではないか、確かに原子炉の水の中には、ごくわずかでございますけれどもセシウムが入っておることは事実でございます。
 それからなお、こういうセシウムが多いから処理系のフィルタースラッジですか、こういうものの運転回数がふえるのではないかという御質問ございましたけれども、フィルタースラッジの方は、どちらかと申しますと鉄のさび、そういうものを取って目詰まりをするたびにかえるものでございます。セシウムとかこういうものは、どちらかといいますと原子炉に直結していますイオン交換樹脂によって除去されるものでございまして、そういう観点から申しますと、燃料の破損が多いので処理系の容量が足らないということには結びつく問題ではないと考えております。
#154
○八木委員 時間ですから、終わります。
#155
○中村委員長 午後零時五十五分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時五十七分開議
#156
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。草野威君。
#157
○草野委員 参考人には大変御苦労さまでございます。午前中に続きまして何点か伺いたいと思いますが、まず初めに鈴木社長さんに二、三点お尋ねしたいと思います。
 今回の一連の事故につきまして、社長から冒頭にいろいろと御発言がございました。そこで、私は、社長はこの事故について、この事故の教訓をいまどのようにお受けとめになっているか、まずお伺いしたいと思います。
#158
○鈴木参考人 今回の一連の事故につきまして、各方面に大変な御迷惑をかけました。
    〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕
そしてまた、地元関係においては、現実的な問題として具体的に経済的な影響を与えたこともございました。あれやこれや考えますと、まことに断腸の思いでございます。しかも、こういったエネルギー事情が非常にむずかしいときに、皆さんの信頼を失墜したということ、これは普通でない問題だと私は最初から認識しておる、こういうことでございます。
#159
○草野委員 反省のお言葉は冒頭にも伺ったわけでございます。私がいまお伺いしたかったことは、この事故の教訓を今後どのように生かされていこうとされているのか、まずそういうことをお伺いしたかったわけでございます。
 そこで、今回の事故は、一言で言いますと事故隠しという言葉で批判をされております。この四回にわたる事故がすべて事故隠しにつながっていた。工場の最高責任者がこの事実を知らなかった、また本社の幹部がそれを知らなかったということは、われわれの常識ではとうてい考えられないことでございます。本社の幹部の方々が初めにこの事件について報告を受けなかった、それがそもそもの始まりで、後全部うまく言いつくろっていかなければならない、これがまたその混乱にさらに拍車をかけているのではないか、こういうような勘ぐりさえしたくなるような事件でございます。
 そこで、この事故隠しということについて、社長の率直なる御感想を承りたいと思います。
#160
○鈴木参考人 確かにいま先生のおっしゃるとおり、これだけ重大な問題であるということの認識が欠けておった、そういうことは結局平素の教育に欠けておることがあったということにほかなりません。そういうことで知らせるべきところに知らせなかったということがございますけれども、全体としての責任はもちろん私一身にあるわけでございます。
 そこで、私は、法令その他を遵守するもっと前に、やはり人間の問題、やはり誠実主義の原則にのっとって信頼を得なくちゃならぬというところ、それが一番大切だということを、これは今度身にしみて、会社挙げて認識を新たにしたところでございますので、それに基づいて会社全体の立て直しを心の底からやっていくということが、一番いまの当面のやるべきことではないか、こう認識しております。
#161
○草野委員 経済的にも地元の方々には大変御迷惑をかけた、こういうお話でございますけれども、具体的にどのようなことをお考えになっておるか。たとえば実質的には魚汚染があったとかないとか、そういう問題にかかわらず、風評によって事実、魚価はかなり低落をしておる。こういう問題については、当然漁業補償協定に基づいての補償をお考えになっていると思いますが、そういう魚の問題と同時に、民宿等の業者もかなりキャンセルが相次いで、被害をこうむっておる、こういう話も出ておりますが、これについても当然やはり補償を考えられるべきである、このように思いますが、この補償についてどのようにお考えになっておりますか。
#162
○鈴木参考人 魚の問題だけでないということは御指摘のとおりでございます。いろいろな点で具体的に御迷惑を及ぼした問題につきましては、私どもは、問題が問題だけに、もう心から誠心誠意お話し合いをして、問題を円満に解決するような気持ちでおります。もちろん魚の売れない問題もございますし、また魚を売って歩く方の問題もございましょう。それに民宿の問題その他ございますので、私は基本的には、もう会社はとにかくそういった問題に対しては御迷惑をなるべく少なくして、迷惑のかかる分は会社で負わなくちゃいかぬという責任に燃えておるわけでございます。
#163
○草野委員 ぜひそのとおり実行されることを要望いたします。
 次に、具体的な問題につきまして、以下順次伺いたいと思います。
 まず、やはり事故の報告体制です。今回のこの一連の事故がすべて担当者から報告されるべき事項について報告はされなかった、こういう問題が出ているわけでございますけれども、日本原電という会社は、事故について、事故だとか故障だとかトラブルだとか、こういう問題はいろいろあると思いますけれども、こういう際の報告体制は社内ではどのように定められておりますか。
#164
○浅田参考人 現場で起こりました事故は、当直長から発電課長に上がりまして、それから所長に上がりまして、その後本社に上がってまいるというのが経路でございます。地方自治体に対しましては、所長のところから総務課を経まして地方自治体の方に事故報告がなされるというのが形でございます。
#165
○草野委員 いまお話しになったことでございますけれども、その内容等については、会社の下部に至るまで全部徹底されておりますか。
#166
○浅田参考人 いまの方式については通牒が出ておりまして、徹底されております。
#167
○草野委員 通牒が出て徹底されているということでございますけれども、報告をしなければならない事故の基準についてはどのように定められておりますか。
#168
○浅田参考人 事故の基準につきましては、残念ながら具体的に定められたものがございません。
#169
○草野委員 そこが今回の事件の一つのポイントだと思うんですね。確かに総務部長名で通達が出ております。この通達を読んでも、ここのところにこういうことがちょっと書いてあります。「特に事故・故障・トラブルに係る官庁報告体制について下記のとおり定めましたので、今後この体制に基づき、報告の実施に遅延・遺漏なきことを期されるよう命により通知します。」会社としては、本社としては、絶対おくれないように「遺漏なきこと」ということは、どんな細部に至るまで報告しなさい、こういうことを本社の方から命令で通達してあるのでしょう。こういうふうに通達をしておきながら、それじゃ一体この故障だとかトラブルだとか事故の内容について、どういうものについては報告しなさい、こういう基準が決まっていないということは、これは余りにもずさんだと思いませんか。
#170
○浅田参考人 考えますと、先生おっしゃるとおりでございます。ただ、トラブルその他を分類する、あるいはクラス分けするということが非常にむずかしい問題なものでございますから、ただいままでそれをいたしていなかったのでございます。申しわけございませんでした。
#171
○草野委員 通産省に伺いますが、通産省の五十二年の通達ですね、軽微な事故でも報告するように、こういうような通達が出ておりますけれども、この軽微な事故という見解は、どの程度の事故を指すわけですか。
#172
○平田説明員 事故につきまして、軽微な事故とそれから通常のメンテナンス、保修との区別というのが非常にむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては、通常のメンテナンスといえども、少なくとも運転管理専門官を通じて報告するようにという指導をしているつもりであったわけでございます。
#173
○草野委員 だったわけでございますけれども、それが現実にはされていない。それで、この事故を契機として、こういう基準をすぐ定められる、そういう用意がありますか。
#174
○浅田参考人 できるだけ早急に定めたいと思っておりますが、非常にむずかしい問題であることは御理解いただきたいと存じます。できるだけ早い時期に定めたいと思っております。
#175
○草野委員 それから、先ほども話が出ました通産省の常駐の運転管理専門官、この係官に対する報告は、先ほどもお話が出ましたように、運転日誌その他三点ほどですか、毎日報告されるようになっておりますけれども、これは毎日直接係官に報告がされておりますか。報告の時間はどのくらいですか。それから、だれから報告いたしますか。それから、係官は一日に一回ぐらいは工場の中をパトロールするとかこういうことが実際にされているのかどうか。こういう専門官の人とあなた方工場との関係といいますか、どういうような状態で専門官が工場のそういう保安状況をチェックされているのか。
#176
○板倉参考人 お答えします。
 私の方の技術課の課長の下の副長と申す者がおりますが、これが毎朝九時ごろに専門官のところに参ります。彼はその前に主制御室に参りまして、そして主制御室の引き継ぎ等に立ち会いまして、それを済ませましてから、毎日九時か九時半ごろには専門官のところに対応に行っております。それから、専門官にその日のスケジュール等も、二週間スケジュールというのは事前にお渡ししていますけれども、その日にたとえば私の方のどういうところをパトロールするということなど申しますと、きょうは一緒にパトロールについて回ろうというぐあいに専門官がおっしゃって御一緒に回ることもあります、しかし、毎日のパトロールにいつも御一緒ということではございません。専門官の方できょうは一緒にどこの区域を回ろうということをおっしゃいますと、それに一緒について回っております。
 以上でございます。
#177
○草野委員 専門官に運転日誌を毎日報告されているというお話でございますけれども、廃棄物処理設備運転日誌というのがございますが、この三月八日の日誌には「特記事項」のところにオーバーフローのことについて記載されているわけですね。こちらの運転日誌には三月七日も八日も九日も記載されてないわけですね。これは一体どういうわけかということと、こういうようなことを詳細に専門官に当然報告をしなければならない義務が工場にあったと私は思うのですが、これはなぜなされなかったのですか。
#178
○板倉参考人 いま御指摘ございましたように、運転日誌、いわゆる当直長が書き込みます日誌にはオーバーフローの件は載っておりませんでした。廃棄物処理設備運転日誌には、いま御指摘のように、タンクからのオーバーフローにより放射性廃棄物の一階に汚染があるということが「特記事項」に記載されておりますが、この日誌の方は専門官に見ていただいておりませんでした。いま御指摘にありましたように、その当直長日誌の方にも、こういう廃棄物処理施設で出ました記載のうちの重要なものは転記いたしまして専門官に見ていただくべきである、そのように改めるということを現在考えております。
#179
○草野委員 そんなことはいまさら改めることじゃなくて、あたりまえのことなのですわ。あたりまえのことをされてなかったということは工場として故意にごまかした、こういうことになるのじゃないですか。
#180
○板倉参考人 前にも申し上げたのでございますが、確かに判断的に至らぬことがあったと思います。廃棄物の処理施設というのは、オーバーフローをいたしましてもその回収がすべてもう一度廃棄物処理施設に戻る。それで、夢にもこういうものが建物外に漏洩するということは運転員は思っておりませんで、そういう意味でこのとき当直長日誌に記載がなかったものと思います。
#181
○草野委員 事故が起きることがわかっていればそんなことはしなくたっていいのですけれども、いまあなたが、夢にもそういう廃液が流れ出すとは思ってなかった、こうおっしゃっておられますけれども、事実その一番基礎になっているのはそういう廃棄物の建屋の下に一般排水路があった、しかも工場の中へマンホールがこうやって幾つか置かれてあった、こういうことですね。こういうことは事前に全部あなた方は承知しているわけですよ。にもかかわらずそういうおそれがなかった、ここにも重大なる怠慢があるわけですね。怠慢といいますか無知といいますか、大きな問題をこういうふうにして隠されると思うのです。
 そこで、その排水路の問題でございますけれども、私どもは実際に現地へ行きまして、浅田常務から説明があって大変驚いたことでございますけれども、スラッジ貯蔵タンク室とランドリーのろ過室の間に約十センチの穴があいて、そこへパイプが通されたという問題がありましたが、こういうことは通産省は知っていましたか。
#182
○逢坂説明員 通産省の安全規制の中で、詳細設計をチェックする場合と検査を行うという段階があるわけでございますが、まず詳細設計を検討する段階ではそこのところの穴までの記載はなかった、図面としてはなかったわけでございます。
 あと、検査のときにはどうであったかということはちょっと記録にいま残っておりませんので、そこの穴そのものは恐らく気がついたろうと思いますが、それについての記録はございません。
#183
○草野委員 図面で増設の申請がなされたときに、図面だけは出されていて、そういうことはもちろん書かれていたかどうかもわかりませんし、また通産省としてもいまのお話のように図面だけのチェックであって、現場へ行ってのチェックというものは実際には何もなされていない、そこにやはり一つの問題点があろうかと思うのですね。
 それから、ランドリーのろ過室の構造についても、コンクリートの厚みはたしか十センチくらいだということを伺いました。スラッジ貯蔵タンク室の床は約八十センチくらいの非常に厚い構造になっている。そういう建物を同じ一つの壁で仕切ってくっつけた場合、当然のこと、このランドリーの薄い床の方は、これはもう建築上だれが見たってわかるように、これは曲がる現象だとか、またそれが切断されて沈下する現象だとか、こんなことが起きることは建築上のイロハのイじゃないかと思うのですね。そういうことも今回の場合は何もチェックがされてなかったし、また原電側としても、そういうことはわかりつつも平気でそういう建物をつくっている。しかも、建物の方の検査は県の方の一般の建築確認申請、通産省の検査の対象になっていない。ですから、建物の構造についてはかなりいいかげんな方法で建てられていたのじゃないか、そういうことを私はこの間現場へ行って感じました、
 たとえば一つの例を申し上げますと、ランドリーのろ過室の囲いというのは普通の波形の鉄板で囲われているだけなのですね。その鉄板は下の方からのぞいてみると外のお目さまが入っているのです、要するにすき間があるということですね。しかも、床から二十センチか三十センチくらいずっとこうセメントで打ってありますけれども、その上のトタン板との間にはすき間があるわけですよ。こういうきわめてずさんな建築の仕方なんですね。しかもここは全部立入禁止の制限区域になっているところでしょう。そういうところであるにもかかわらず、そういうまことにずさんな構造でできている、これは通産省も直接行って今度はちゃんと確認してください。そういう建物なのです。果たしてこれでいいかどうかということ、これが一つ、
 それからもう一つは、マンホールの問題ですね。第二マンホールとか第三マンホールが工場の中にあります。先ほどのXマンホールについては、私どももあれを見つけたときに非常に驚きました。驚いたけれども、もっと驚いたことは、それを工場の最高責任者である所長さんが何も知らなかったということです。果たしてこんなことがあるのかと思いました。
 その点は省略いたしますけれども、第二マンホールの傍らに何か洗たくのタンクみたいのが置いてありますね。私どもが二十二日に調査に行きました。そうしたら、そのナンバー2のマンホール自体も、そのそばにあるタンクも非常にきれいになっているのですね。しかし、その二日前にそこの写真が撮られております。この写真を見ますと、このタンクにも、それからマンホールのわきの壁も、ずっといままで汚い水がたくさんたまっていたらしく、その跡がこうついているわけです。しかも、それはマンホールのふたよりも水位が高くなっているわけです。恐らくこれ、廃液みたいなものがここにたくさんたまったのではないかということが想像されます。そして、それがマンホールの口よりも高くなっているわけですから、当然マンホールを通じて地下の排水路にも流れた、私はこのように想像できると思うのです。これは二十日の日の午後一時三十分に撮影された写真です。それが翌々日の二十二日には全部きれいになって、わからなくなっているのです。一体これはなぜわざわざこうきれいにされたのか、どうしてこういうような廃液らしきものがたまった跡があったのか、この点の説明をしてください。
#184
○板倉参考人 まず第一の、フィルタースラッジ部屋の建物の件につきましては、この建物自身は確かに汚染監視の区域の中に入っておりますが、ここで取り扱いますのは、洗たくをしました液を一度測定いたしまして、そして海に放流いたしますけれども、日ごろ一秒間三十トンぐらいの海水を使ってタービンを冷やしておりますが、この系統に入れて捨てるわけでございますが、この洗たくの廃水と申しますのは、コンデンサーの海水にまぜます前からも、その放射能の濃度は百万分の一から一千万分の一マイクロキュリー・パー・ミリリットルというものでございまして、隣の部屋にありますフィルタースラッジタンクの上澄み液は、これに比べますと四けたくらい放射能濃度の高いものでございます。そういうことから、いま先生御指摘ございましたように、当時これをつくりますときのつくりました者の感覚が、一応放射性の建物ではあるけれどもきわめて放射能の少ないもの、元来はこれをそのまま海に捨てておりましたけれども、さらに海に捨てるものを二分の一なりとも減らそうということで、すみの槽を通すという、積極的な試みをしたものでございますけれども、その建屋が、いまから思いますと、隣のかなり放射能の高いタンクの部屋と床でつないであった、これが大きな間違いであったということは率直に認めざるを得ないわけでございます。
 フィルタースラッジタンクの建家が非常に粗末であると先生から御指摘いただきましたけれども、確かにこの建物はその横の、タンクを貯蔵している建物とはずいぶん違った設計になっています。床の厚さにつきましても、先生御指摘のタンク室の方は一メートルもありますが、こちらの方はわずか十センチである、その二つをつないでしまった。それで、このつないだ理由は、洗たく水を最後にフィルターにかけます方の建物が洗たく水でオーバーフローしたときに、建物の外には流したくない、それで隣の部屋との間を連結したというのが事実でございます。
 それから、第二番目の御質問の第二マンホールにつきましては、いま先生御指摘の二十日の日に報道関係の方お入りになって写真を撮られております。それから皆さんお入りいただきましたのが二十二日だとお聞きしておりますが、その間一切手を加えておりません。全く前の状態と同じでございます。一切手を加えておりません。
#185
○草野委員 ここに写真があります。ごらんになってください。ここへ来て、これをごらんになってください。
 この写真を見ればわかるように、このタンクにはこれまで印がついているでしょう。下の方が真っ黒になっているでしょう。この壁を見ても、半分から下が黒くなっているでしょう。上は白っぽくなっているでしょう。このマンホールの入り口は、この水位より下になっている。しかも。われわれが入ったときは、こういう印が何にもなくて、きれいになっていたのです。いいですか。私は事実ちゃんと自分の目で見ているから言っているのですよ。あなたは、何も手を加えてない――手を加えなかったら、前と同じ黒くなっているわけですよ。ごまかしちゃだめですよ。
#186
○板倉参考人 新聞の報道を見まして、私は現地に行っておりませんけれども、すぐに現地に問い合わせました。そうすると、二十日の状態と二十二日とは全く同じでございます。二十日にお入りになったときも、そういうきれいな線ではなくて、ただ、よく見ると、縦に水滴が落ちたような線はあって、そういうことをお入りになった方々に質問は受けたそうでございます。
 そのタンクの中に水が入っていますので、表で露を結んで、それが落ちたというような――落ちると言いますか、表面を伝わって落ちる、こういうような痕跡はありましたけれども、その写真に見られますような明瞭なウォーターマークはない。二十日に入ったときもないと現場の者は言っております。その間に何か作業をしたか、それをみがいたかということも強く問い合わせましたけれども、一切そういうことはしておらない、こう申しております。
#187
○草野委員 この問題は、あなたはごらんになってない、われわれは見ているのです。見ているから、はっきりそういう指摘をするのです。
 それから、汚れていたか汚れてないかということも、この写真を見ればあなたもわかったと思うのですね。はっきり、こういうくっきりと跡がついている。単なる水滴がこぼれたとか、そんなことじゃないのです。
    〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕
いずれにしても、この問題は、また改めて調査をして事実関係をはっきりさせたいと思います。
 そこで、ではこのナンバー2のマンホールは、そこからの汚泥等の検査があった結果、かなり高い数値の濃度が発見されているわけですね。約一万とか一万三千ピコキュリーとか、こういうような非常に高濃度の汚染が発見されているわけでございますけれども、この点について、あなたはどのようにお考えになっていますか。
#188
○板倉参考人 いま先生のおっしゃいましたナンバー2のマンホールの土を分析いたしますと、約一万ピコキュリーのものが検出されております。フィルタースラッジタンクの上澄みの水は一トン当たり百分の一キュリーと私は先ほども申しましたけれども、そのものと、第二マンホールにあります土を、全部で十キロあったといたします、そうしますと、そのところにそのフィルタースラッジの貯蔵タンクの水が流れ込んだといたします。これはもちろん、土にどのくらい吸収されて、どのぐらいのものがその水で流れて土の方に吸収されないかということのその割合の程度はわかりませんけれども、土に入っています放射能全量十キロ土があるとして集めましても百マイクロキュリーのオーダーだと思います。したがいまして、このフィルタースラッジタンクの水に入っています放射能の濃度から見ますと、さほど多量なものでなくてもこのくらいの汚染は生ずるという計算になると思います。
#189
○草野委員 では、続いてこの問題について伺いたいと思いますが、いまのスラッジタンクからオーバーフローした水の量が十六トン、このようにいままで報告されておりますけれども、この十六トンという数字の根拠、これを簡単に説明して下さい。
#190
○板倉参考人 御説明いたします。
 この間の数量的な検討などは現在通産省の検査官のもとでやっている仕事でございます。したがいまして、細かい数値の、そのどこからというような細かいことは抜きにいたしまして、一応サンプのポンプが、くみ出しポンプが八時二十五分くらいに回り始めております。それから少し後にサンプのオーバーフローを始めたものと思われます。それから運転員がパトロールで十一時ごろこれを見つけまして、十一時半ごろには水のこぼれていることに気がつきまして、洗浄弁を締めております。いままで流入していました弁を締めておりますとともに、タンクC、Dの切りかえをしておりますので、その間に溢出した水の量であろうということからの推定で、約十六立米ということが算出されているわけでございます。
#191
○草野委員 そういうことはわかっているのです、いまあなたの説明したことは、私は根拠を聞いたのです。いわゆる数字をもって説明してもらいたいと……。もう時間がないからこれ以上聞くわけにいきませんけれども、通産省十六トンの数字は確認していますか。
#192
○平田説明員 現在総合的に判断中でございます。
#193
○草野委員 われわれはわれわれなりにいろいろと考えておりますけれども、十六トンなんという量じゃないと思うのですよ。もっと多くの量の廃液があふれ出している。それが洗たく室のすき間から約一・五トン流出したとか、それから廃液の中和タンクですか、ドレンファンネルを通じて下に落ちた、廃液の中和タンクに約四・五トンたまっているとか、こういう数字を聞いておりますけれども、私は途中においてかなりの量がどこかに処理されている、こういう気がしてならないのです。この点についてはこれからもわれわれもわれわれなりに調査をしてみたいと思っております。
 それから、いま八時二十五分にサンプポンプが作動を始めた記録が残っている、こういうふうにおっしゃいました。なぜサンプポンプの記録だけが残っておって、肝心の水位計の記録だとか警報器の記録だとか、そういうものはないのですか。
#194
○板倉参考人 サンプポンプの起動は連続的に記録がとられておりますので、いつサンプが回ったかということが過去にさかのぼってわかります、それから申しまして八時二十五分、約八時半ごろと考えておりますが、記録上それが残っております。
 なお、タンクの水位は、記録計は午前中御質問ございましたが、ありません。指示計はございますが、記録計はございません。
#195
○草野委員 記録はないわけですね、そうすると、どうしても制御室でだれか係員がそれを見ていなければならぬわけですね。見ないとわからぬわけですね。旧建屋の制御室には常時人が配置されているのですか、いないのですか。
 それからもう一つ、新しい建屋の方で警報が鳴ったそうですけれども、その警報は事故が起きたら鳴りっ放しのものですね。これはだれが消したのですか。
 それから、さっきも中央制御室の方へ行って交代しておったという話が出ておりましたけれども、その一直、二直、三直の交代するときは、全部職場をがらあきにしてしまって中央制御室の方までわざわざ行って交代する、こういうシステムになっているのですか。
#196
○板倉参考人 まず、そのタンクの水位計は古い廃棄物処理建物のパネルにございます。それからサンプにありますウォーターレベルが高くなりますと、この警報は新しい制御室の方に来ております。先生御指摘のように、一度鳴りました警報は一度リセットのボタンを押しますと音はとまりますが、ランプは依然としてついておるのがこの警報でございます。
 それから、運転員がいつもそこを離れるかという御質問でございますけれども、当直長交代、直の交代のときは全員主制御室に参ります。主制御室はいかなることがありましても常に二人以上の習熟した者を置いておくということを規則上われわれは決めております。廃棄物処理施設の方はそういうことを決めておりませんし、常時一名の者しかおりませんし、直の交代のときにはすべて主制御室に集まって引き継ぎをいたします。
 以上でございます。
#197
○草野委員 そうしますと、いまの新しい建屋の制御室で警報機が鳴りっ放しになっているわけですね。警報機が鳴りっ放しになっていてもだれもわからない、そういうシステムになっているのですか。何のための警報機ですか。
#198
○板倉参考人 廃棄物処理施設につきましては、いま先生御指摘のように常時人がいない場合がございますので、その間、警報機が鳴っておりましても気がつかないというようなものでございます。
#199
○草野委員 旧建屋の制御室も人はだれもいない、そうですね。間違いありませんわ。それから、新しい建屋の制御室も交代のときには全部どこかへ行ってしまって、だれもそこにいない。その空白の時間がどのくらいになるかわかりませんけれども、たとえ一時的にもだれも作業員がいないということは問題じゃないですか。しかも、警報機が鳴っているにもかかわらずだれも気がつかない。だれがその警報機をとめたのですか。わかっているでしょう。
#200
○板倉参考人 いま先生御指摘になりましたように、古い建物につきましては、そこに人は常駐しておりません。そういう古い建物のタンク類を操作するときのみそのパネルに行って操作をしております。とともに、パトロールのときにタンクレベルなどを記入してまいります。
 それから、新しい制御室は、先生御指摘のとおり、そこの者がパトロールに出かけるとかあるいは直引き継ぎで主制御室に来ておりますときには、人が空になっております。
 なお、一番最後の、警報アラームが鳴っているのをだれがとめたかという御質問につきましては、私の方もいろいろ問い合わせ、そのときの当直長にも直員にも聞きましたけれども、だれがとめたか明確になっておりません。
#201
○草野委員 時間が来たから終わりますが、一言伺います。
 こういう制度をこれからもこのままにしておきますか、それともこの制度については改善をいたしますか。
#202
○浅田参考人 御指摘の点、検討させていただきまして、改善いたしたいと思います。
#203
○草野委員 終わります。
#204
○中村委員長 和田一仁君。
#205
○和田(一)委員 原電の方にお尋ねしたいと思います。
 安全の問題で私どもは大変心配をしておるわけでございますけれども、社内それ自体に全体の運営に対しての安全体制をチェックする機関があるのかどうか、そういうものについてお尋ねしたいと思います。
#206
○浅田参考人 お答えいたします。
 社内の安全体制をチェックします根本的な一番大きなものは、社内の安全会議でございます。
#207
○和田(一)委員 安全会議というものは常時開かれているものでしょうか。
#208
○浅田参考人 安全会議は、定期的に開く分と、それから、何か事が起こりましたときに開く不定期のものと二つございますが、常置されている委員会でございまして、本店に本店安全会議がございまして、各現場にそれぞれの現場の安全会議がございます。
#209
○和田(一)委員 定期というのは、どれくらいの期間でしょうか。
#210
○浅田参考人 少なくとも三カ月に一遍というのが定期でございます。
#211
○和田(一)委員 三カ月に一遍――私は、この原電という会社が営利会社であり、電力の卸問屋のようなそういう仕事をなさっている、そしてかつては稼働率が大変その会社の経営に大きな影響を与えている、こういう中にあってやはり操業率を何としても上げていきたい、そういう気持ちが先行していくのはある程度会社として当然だと思うのです。したがって、そういう中で安全操業をしていく上には、独自の安全に対するチェック機関というものが常置されていて、それが常時やはり機能している、そういうシステムがあるべきではないか、そういうふうに思うのですけれども、現在、お聞きすると、安全会議というのが最高の安全に対する体制である、こういうことでございますが、日々常時、何かあればチェックできるという体制はないのですか。
#212
○板倉参考人 発電所には職制上安全担当という制度を置いておりますが、実はこの制度が単独でその安全を担当しているわけではございませんで、敦賀の発電所の場合には、この間人事で更迭がございましたけれども、その前は副所長が安全担当をしておりました。したがいまして、今回のいろいろな件も副所長まで上がっておりまして、副所長がそれの判断によりまして、必要であれば安全会議も開いたでございましょうし、あるいは原子炉主任技術者との相談ということも行われたかと思いますが、先ほどから申しており、また現在皆さんから御批判をこうむり、またわれわれも反省していますとおり、当時副所長まで上がりました場合に、副所長は、これを軽微なもので、本社に報告するものだとか、安全会議を開いて審議すべきものだという判断をしていなかったというのが事実でございます。
#213
○和田(一)委員 社内的に、社長の直結でも何でもいいのですけれども、各セクションの合議体のような会議、安全会議というのではなくて、その社長なり責任者の直結の、どこからも影響力を受けないで安全に対してだけチェックしていく、そういう機構というものは全然いままで考えたことはないのでしょうか。
#214
○浅田参考人 そういうシステムとして機能し得るものの中に考査がございます。
#215
○和田(一)委員 私が先ほど申し上げましたように、やはり稼働率を上げて何としても営業成績を高めなければならぬという会社の本質があるだけに、この安全というものに対しては、やはり電力課とかそういった電気をとにかくつくるんだというセクションの意見が強くなっていってしまって、そして会社全体として安全に対するチェックが、お互いに同じレベルであって話し合っていたのでは会社の大方針というものに押し切られる心配がある。やはり独立してとにかく自分らのやっている仕事は安全が第一なんだ、そういったてまえから、もうどこにも侵されないで安全だけを管理、チェックできるようなそういう機構が当然あってしかるべきだったと思うのですよ。通産省、いままでそういう指導はしなかったのですか。
#216
○平田説明員 いままでも安全については十分配慮していたつもりでございます。
#217
○和田(一)委員 十分配慮してきたつもりが、現実にはこういうことになっているのですよ。
 それでは伺いますけれども、五十四年七月に常駐検査官ですね、運転管理専門官、これを派遣されたわけですけれども、この専門官の業務、どういう任務を与えて通産省は出したのでしょうか。
#218
○末広説明員 お答えいたします。
 運転管理専門官制度でございますが、これは米国のTMI事故の教訓を踏まえまして、その後地元の方からも要望がございまして、国の常駐官を各原子力発電所に派遣する、そういたしまして、その運転管理状況を常時監視させるということで発足した制度でございます。
 運転管理専門官は、いわゆる法律の立入検査権限に基づきます業務を実施しているわけではございませんで、行政指導ベースと申しますか、電気事業者の協力を得まして保安規定の遵守状況等を日常チェックするという業務を持っておるわけでございます。
#219
○和田(一)委員 いまお答えになったように、原子炉の施設の日常の巡視も含めて任務が与えられているはずですよ、そして同時に、通達の別紙には、その安全会議等への参加、オブザーバーとして出席するというようなことも、ちゃんと会社の方に通達しているわけですね。そういうことを見ますと、こういう大事な専門官が今度のこういう一連の事故をチェックできなかったというのは、どうも私には解せないのですよ。第一、原子炉施設のパトロールが義務づけられているならば、派遣されて以来、この専門官というのはあの中をぐるぐる回って歩いているはずですよ。だとすれば、われわれが一回行って見ただけですぐ発見できたXマンホール、ナンバーX、こういうものをどうして発見できなかったのか、発見していても、そんなところにマンホールがあるのを不思議に思わないようなセンスでこれは巡視しているのかどうか、この辺も大変私らにはわからないことなんですが、そういう任務について、通産省は、完全に任務を履行しているとお考えになっているのでしょうか。
#220
○末広説明員 運転管理専門官の通常の業務でございますが、まず日常発電所に参りますと、発電所の責任者から前日の運転状況なり保守点検状況について説明を受けまして、さらに本日の運転予定あるいは保守点検計画につきまして説明を求めております。その後、必要に応じて記録類を見るといったことで保安規定の遵守状況を確認しているわけでございます。さらに、必要に応じまして中央制御室なり原子炉建屋等を巡視しているわけでございます。
 ただいま先生御指摘ございましたマンホールの件でございますが、運転管理専門官がこういった所内をパトロールするという目的は、いわゆる使用前検査的な観点に立ってチェックしているのではございませんで、あくまで発電所の運転管理と申しますか、保安規定が遵守されているかどうかを主体にパトロールしているものでございます。
#221
○和田(一)委員 どうもそんなことで仕事になっていると思ったら大間違いだと思うんですよ。保安規定に沿っているかどうかということもあるならば、当然われわれですらこれはおかしい、危ないと思うものを発見できないようなことなら、こんなものは置いたって意味がない、本当のことを言って。そういう姿勢では、私はこれからも安全のチェックができるとは思えない、
 それから同時に、会社の皆さんにお尋ねいたしますけれども、いま会社はそれなりに安全については安全会議というものでやってきたとお考えのようですけれども、これが機能していないわけですから、私がいま申し上げたような第三者的な厳然たるチェック機関をこれからおつくりになるようなお考えはありますか。もうそんなものは要らない、いままでとおり安全会議でいけばいいのだ、そういうふうにお考えになっているか。一番大事なところではないかと思うのですがね。
#222
○鈴木参考人 確かに今度のことを顧みましても、御指摘のとおり十分機能しなかったことは確かでございます。それにかんがみまして、全般的に総点検をし、再検討しなくちゃならぬ今日でございますので、当然いまの問題も含めた改正を考える覚悟でおります。
#223
○和田(一)委員 ぜひ私は、安全のためにそういう新しい、営業政策だけでいくのでない、きちっとした安全管理の体制を独自にやはり社内に持っていただいて、そういうところと中央から来ている官側の専門官、そういう人たちの監視の中で安全をきちっと確立していく、こういうようにしていただきたい、こう思います。
 それから、先ほど来質疑応答の中で、今回十人の調査官が入っていま鋭意調査をやっておられる、月内には結論が出るだろう、こういうお話でございました。月内といえばあと二日でございますけれども、相当調査は進んで、もうある程度整理の段階に入っているのではないか、こう思うわけですが、いま現在われわれが知っている以上、つまり四つ目のああいった溶接があったという昨日の事実以上に何かはっきりしていることがあれば、この際、この委員会で明らかにしていただきたいと思うわけですが、いかがでしょう。
#224
○高橋(宏)政府委員 月内にまとめるべく努力しておるところでございます。ただ、全部完璧なものができるかどうか、この辺はいろいろと問題はあろうかと思いますが、とにもかくにも三月八日の漏洩事故を中心としましてその原因、それからそれと関連する社内体制等についてできる限りのことはやりたいと思っております。
 なお、現在どの辺まで内容が詰まっておるかということでございますが、現地の十人の調査官の調査等を持ち寄りまして、そして私ども本省におきますいろいろな調査結果も突き合わせまして総合的に判断したいと思っております。
 なお、土曜日のお話が出ましたけれども、さらにこういうような問題があるかどうかということにつきましては、原子力発電株式会社に対しまして徹底的に過去のことも調査して報告するようにと申してございますが、その辺は間に合うかどうかわかりませんけれども、それからもう一つは、今後の立て直し策につきましては、これはもう少し時間をかけなくちゃいけないんじゃないかと率直に思っております。
 私どもの、原電の保安規定あるいは保安管理体制自身の立て直し、これでいいという判定をいつするかということは、かなり先になるという気がいたしますし、あわせまして、これはできるだけ急ぎたいと思いますが、私ども自身の保安監督行政のあり方、いまの御指摘の専門官制度も、本人は精いっぱいやっているつもりだと思います。あの広い発電所を一人で担当しておりまして、すみからすみまで知らなかったから直ちに怠慢ではないかというおしかりがございますが、私ども、この辺は会社の方の責任体制と私どもの検査官の業務体制とさらによりいい組み合わせを、今後改善策を考えまして、そういう観点からの充実を図っていきたいと思います。もちろん基本的にもっと増員という話も基本には置きたいと思っております。
 そういった意味からの改善策等もございますので、いろいろとやることはたくさんございますが、いずれにしましても月内に大筋の結論を出して明らかにして、早くこの問題をひとつ、失った原子力開発に対する信頼を回復する方向へ持っていくという努力をしたいと思います。
#225
○和田(一)委員 対策については、事実関係がはっきりしてから一つ一つ原因を究明して、そしてそういうことが再び起きないような抜本的な対策を立てていただかなければいかぬ、こう思いますし、また、会社の管理体制についても、いま私が提言したようなそういう独自の安全体制が必要だろうと思うのですが、事実関係で、この問題が始まってから次から次へと出てくる。ついにまたきのうの通産省の発表のように、許可なく溶接をした、こういう事実も出てきて、まだあるということなら、これは本当にますます奥が深いんだという感じを国民は持つわけなんで、私はそういう意味で、もうあしたあさって発表というならば、この際、はっきりわれわれに教えてもらいたいと思うのですよ、まだあるならあるで。もうなかったというなら、それはそれでいままで発見されたものに対する欠陥、原因をしっかりと究明して今後の対策を立てればいいのだけれども、われわれもそういう安全に対して一生懸命になっているんですからね。通産省だけが承知しているとかなんとかいうのでなくて、やはりあったならあったとはっきり言ってもらって、一緒になってこういうものの安全に対して間違いのないこれからの対策を立てていくべきだ、こう考えるのですが、もうないのですか。
#226
○高橋(宏)政府委員 月内を目指してといいますのはあと二日しかないという御指摘でございますが、一応のめどをそこに置きまして、できる限りの調査をいたしまして、報告その他を取りまとめたいというぐあいに考えております。
#227
○和田(一)委員 国会も今度の委員会までちょっと間がありますので、私も、そういう意味ではなるべくこうした集中審議の機会に、問題があればはっきりしてしまっておきたい、こう思うわけなんです、
 そして、さっきお話しございました中で、専門官の方は会社と――私もこの前の委員会でも指摘したのですけれども、要するに、この前は運転日誌を解読された、そういう解読に三十分も一時間もかかるというような運転日誌を毎日見せられていて、それで何とも思わないというのと、そういうものを出していて、なるべくわからないように出せばいいんだというような、私はそういう専門官と会社側との人間関係というのがおかしいと思ったわけなんですけれども、原電として、敦賀発電所の中で運転日誌と称するものは一体何種類あるのですか。炉の運転日誌はもちろんあろうと思いますが、そのほか……。
#228
○浅田参考人 運転日誌という名前のありますのは、当直長引き継ぎ用に使っております運転日誌と、それから廃棄物処理施設運転日誌と、この二つでございます。
#229
○和田(一)委員 そうすると、廃棄物の運転日誌には先ほど来のオーバーフローの事実は記載されていたけれども、当直の日誌、いわゆる中央の日誌にはそれが転記されていなかった。その転記されていない方の日誌だけを専門官は見ていたので気がつかなかった、こういうことになるわけですか。
#230
○浅田参考人 おっしゃるとおりでございます。
#231
○和田(一)委員 専門官が派遣されたときに、口頭でいろいろな打ち合わせをされて、専門官としての職務に協力をされるということだろうと思うのですけれども、そのときにはいまのような中央の運転日誌で、廃棄物の日誌は日々の日誌として見てもらわないでもいい、こういう約束が通産省との間でできていたわけですか。
#232
○板倉参考人 お答えします。
 口頭で御相談して毎日見ていただくものを決めたというのが事実でございます。別に明確に取り交わしということはないようでございます。
#233
○和田(一)委員 そうすると、本来ならやはり全体の安全運転を見てもらうという立場ですね。また、専門官にしてみれば、全体の安全をチェックしていかなければならぬ立場なんですね、ですから、運転日誌が二つあって、中央の制御室の運転日誌だけで全体の目が通るというわけにいかないのならば、やはり両方見る義務があるし、また見せる義務があるのではないか、私はそう思うのですが、両方でなく一つだけで事を済ませてきたという点について、これでよかったのだとお考えでしょうか。
#234
○板倉参考人 いま先生おっしゃいますあれですが、少し私なりの考えを言わせていただきますと、現時点では両方十分に見ていただくべきと思っております。しかし、当初運転日誌ということを主に考えましたのは、どこまでも原子炉自身が内蔵しております放射能は、先生方御承知のように、十の八乗から九乗キュリーございます。それに比べまして、決して軽んじていたわけではございませんが、廃棄物処理系の持っております放射能というのはそれよりもけたが幾けたも低いものでございます。そういうことに対して会社自身が、原子炉本体はきわめて重要視していたけれども、廃棄物処理系について十分な配慮が足らなかったということを強く反省しております。そういうことがすべてこれのもとをなしているように思っております。
#235
○和田(一)委員 その辺がやはりこういったことがいつまでも発見できずに来てしまった一番大きな原因じゃないかと思うのです。
 それで私は、こういういままでの体制について会社側はもちろん反省をして対応していただくと同じように、通産省の管理というか、運転専門官を派遣されて全国にある原子炉の運転状況を把握しておられるわけですけれども、これを大きな経験として、今後こういった専門官の方々が十分現地において自分の任務が達成できるような体制をやはりきちっとつくっていただきたいと思うのですね。いままでと同じだったら、これは各現場現場で相当悩みながらやっているのではないかと思いますね、その辺ひとつ……。
#236
○平田説明員 運転管理専門官制度が正式に発足しましたのは昨年の五月でございまして、わずか一年足らずの間に今回のような不祥事が起こったわけでございます。私どもといたしましては、その一年の間に、この制度を改善すべく、数回にわたりまして全国の運転管理専門官を中央に招集いたしまして専門官会議を開きまして業務の改善等には努めていたわけでございますが、今回の経験を十分踏まえまして、要すれば運転管理専門官の業務の内容、方法についても今後十分検討してまいりたいと考えております。
#237
○和田(一)委員 それから、先ほども同僚議員から御質問があったようですが、この通産省の大臣通達によって、いわゆる法令で決められている報告義務以上に、軽微な故障についてもこれを速やかに報告しなさい、こういう通達が出されておるわけですね。この中で軽微な故障という問題について、故障という範囲、それから事故というもの、これは報告する側にとっても、故障ということになると、ネジ一本緩んで機械の機能が十分発揮できなかった場合は故障であろうし、たとえば自動車がどこかで動かなくなった、えんこしたというのは故障ですよね。自動車の機能を果たせなくなれば故障だ。しかし、そこでとまっているだけだから事故ではない。自動車の機能は全然何でもないけれども、人にぶつかったとか物にぶつかったとかいえば、これは事故ですわね。われわれ国民の方から見ると、事故隠しというふうにどんどん出てくるわけですね。事故なのか故障なのか、その辺の認識がきちっとしているのかどうか。そして、その通達によれば、軽微な故障についても速やかに報告をせいということになると、どの辺まで報告を求めているのか、またしなければならぬのか、その辺の合意はできているのかどうか。これは、一片の通達を出して、受けた方もどこまで報告するのですかという問い合わせをしたかどうか、そういう点についてはどうなんでしょう。求める方も、この辺まではやりなさいということをきちっと指示したかどうか。
#238
○平田説明員 事故と故障でございますが、法律は原子炉等規制法と電気事業法とございますが、いずれにいたしましても、事故といいました場合には、意味が非常に広くなります。たとえば電気事業法で申し上げますと、感電死傷事故とか三時間以上の発電支障事故とか電気工作物起因の支障事故とか工事中の事故とか、いろいろなものが入ってまいります。さらにその中で、特別に故障というのは、電気事業法上は故障と書いてありませんで「電気工作物の損壊事故」と書いてありますが、原子炉等規制法では「原子炉施設の故障」と書いてございます。言葉が違いますけれども、通常、故障というのは機器のトラブルというふうに解せると思います。
 それから、軽微な故障でございますが、これは原子炉等規制法でも除いております。それから、電気工作物の損壊事故についても解釈通達でもって除いております。いずれにいたしましても、そのようなことでは困るということで、御承知のように昭和五十二年の大臣通達によりまして、故障につきましては軽微なものについても速やかに報告するようにという通達を行っております。
 それで、先ほどの答弁でも申し上げましたが、軽微ということについて、今度は通常の保守作業との混乱が生じます。私どもは、この問題を避けるために、運転管理専門官が正式に配置されました昨年五月以降、軽微な保守状況といえども運転管理専門官を通じて御相談しなさい――相談して、それで運転管理専門官がみずから判断する場合もありますが、大部分は本省に報告されてまいります。私どもがその段階でもって、これが五十二年通達に基づく故障になるのか、あるいはこれは保守作業として故障扱いする必要のないものかを判断するというやり方をとっておりまして、この点は指導の面では一応きちんとやってきたつもりでございます。
#239
○和田(一)委員 それでは、私はこれで終わりまして、あと関連して……。
#240
○中村委員長 吉田之久君。
#241
○吉田委員 先ほどから今度の一連の事故並びにその事故に対する対応の仕方について質問がいろいろ重ねられているわけでございますけれども、私は特に今度の出来事から考えまして、こういういろいろな異常が当然起こるはずでございますけれども、起こった場合に、一体何を基準としてどう判断し、どう措置し、どう報告するか、何かそういう基準というものがよほどはっきりしていなければならないと思うのです。そうでなければ、ただそのときそのときに居合わせた運転員や作業員あるいは責任者が独断専行して措置をする、こういうことがまちまち、思い思いになされましたらとてもコントロールはできないし、後でそれに対するきちんとした整理や対応ができないと思うのです。そういう意味で、保安規定というものが本当にこの問題に対応するちゃんとした中身を備えているものであるのかどうか改めて疑わざるを得ないわけでございます。同時に、その保安規定を受けて、保守要綱とか放射線管理要綱とか緊急時対策要綱というものが各社でつくられていると承っております。さらに、そういう要綱を受けて、いわゆる所則と申しますか、各発電所ごとに手引きとかマニュアルとかいうものがかなり詳しく書かれているはずでございます。そういうものを本当にその都度基準として、こういう事故に対する対応がきちんとなされたのか、あるいは報告がなされたのか。私はその辺を根本的に疑うわけなんでございますが、保安規定の中身はどの程度まで今度のこういう一連の問題に対して対応できているのか、お答えいただきたいと思うのです。
#242
○浅田参考人 一点は、保安規定の中にかくかくしかじかの種類の事故はどうせよというふうな具体的なことは書かれてございません。
 ただ、先生おっしゃいました緊急対策要綱につきましては、事故の大きさによってクラスを分けて区別するということが書かれてございますが、先ほどからお答え申し上げておりますような、軽微であるのか軽微でないのか、あるいは事故であるのか事故でないのかというふうな判断を助けるような事項については保安規定では定めてないと存じております。
#243
○吉田委員 そこに問題があると思うのです。だから、一応保安規定あるいは緊急時対策要綱というものがあるから、それに準拠していろいろな対応がなされておるのだろうと私どもはいままで考えておったわけでございますけれども、いまお答えがありましたとおり、そういう具体的な点は全然記載されていない、そうしたら結局、こういう問題が起こったときにしょせん独断専行、その都度責任者が判断し運転員が判断するということがこれからも繰り返されていくことになるわけですか。
#244
○浅田参考人 先ほど申し上げましたように、どのような事象に対してどう対処するかということを例を挙げまして、あるいはある方法で決めるということは、非常にむずかしいことでございますので、これを規定自身の中に盛り込むのは非常に困難があると思いますが、先生おっしゃるような方向で規定が運用されますようなやり方をやっていきたいと存じます。
#245
○吉田委員 規定が運用されるというようなあいまいなことでは、際限なくこういう問題は続いていくと思うのです。たとえば緊急時対策要綱で十分個々にわたる具体的なケースが書かれていないとするならば、さらにそれを受けて各所則の中でつくられているマニュアルや手引きの中には、こういう対応の仕方はどこにも書いてないのですか。
#246
○浅田参考人 予想されます機械の故障、そういうものについては、機械類につきましては十分な記述がございます。たとえば一つのモーターが過熱したらどうするかというふうなことについては規定がございますが、先ほどから問題になっておりますような、このくらいの漏洩があった場合にはどうしろというふうな具体例は記載されてはおりませんということでございます。
#247
○吉田委員 お聞きのような状態の中で、通産省としてこのままでこれからの原子力の安全な管理運転ができるとお考えでしょうか。私は、先ほども安全会議というものが開かれるということも聞きました。いま現にこういう一連の問題が起こっております。これが再び起こらないとはだれも断言できません。だとするならば、こういう発生してくる個々のトラブル、それが故障であるのか事故であるのかは別として、こういうときに、機器類の故障についてはこう対応じるということは書いてあるけれども、しかしそれに対して機器以外の、たとえば今度のいわゆる廃液処理関係そういうことについては全然書かれていないはずなんですね。いまからでもこれを一つずつ克明にピックアップして、そしていままでの例を生かしながら、また失敗を検討しながら、日本のすべての原子力発電所に適用できるような基準をつくらなければどうにもならないんじゃないでしょうか。通産省としてはどうお考えですか。
#248
○平田説明員 先生御指摘の問題につきましては、まず保安規定と軽微な故障の取り扱いの問題でございます。保安規定に書かれましたことは直ちに義務になりまして、これは法律行為となりまして、報告その他にかぶってまいります。軽微な故障につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、昭和五十二年の大臣通達により実施しているわけでございまして、これの徹底については、直ちに保安規定によって担保すべきものかどうかについては検討を要すると考えております。
 それから、先生おっしゃられるような問題につきましては、当然自主保安体制の中で、要すれば要則等を整備することにより社内的に徹底すべき問題であろうと考えております。
#249
○吉田委員 そういういまの通産省、監督官庁の考え方自身の中に、私は、今度のこういう問題が次々と派生してくる最大の要因があると思うのです。法律によって保安規定というものが定めてある。その保安規定に書かれたものは報告する義務がある。しかし、その保安規定自身は、いまお答えがありましたとおり、それほど事細かに詳しく具体的に書かれているものではない。それを受けるいろいろな緊急時の対策要綱についても、機械類については書いてあるけれども、その他の一般的なトラブルに対する対応の仕方等についてはほとんど書かれていない。そして報告の義務がある。軽微な事故といえども報告しろと言う。どこまでが軽微なのか。これは、考え方がまちまちになっても無理のない要因があると私は思うのです。ですから、私は、この機会に一度保安規定というものを国会に提示していただきたい、また、できることならば、それに関連するいろいろな要綱等につきましても私どもも一応目を通して、そういうものを基準として今日派生しておるこういう問題に現場の人たちが対応できるのかどうか、その辺を見定めないと問題の解決に一歩も近づかないと思うのですけれども、いかがですか。
#250
○平田説明員 保安規定は、原子炉等規制法に基づき原子炉の運転管理、放射線管理を定めた電力会社の保安上の内部規定でございますが、国としては原則として、国が一般にこれをすべて公開することは適当でないと考えております。しかしながら、国民が懸念を持たれることがあれば、可能な範囲で内容を説明し、国民の理解を得るよう電力会社を指導してまいる必要があると考えております。
#251
○吉田委員 いろいろ産業上の機密とか、そういうこともわかりはいたしますけれども、しかし、そんなことが結局問題であるからこれは一般に公開できない、したがってそれはマル秘の中で運営され、恐らくは運転員の目にも完全にはとまっていないのではないか。しかも、こういう重要な原子力というプロジェクトに取り組まなければならない。一つ間違えば国民に対して大変な被害を及ぼすわけであります。
 私は、いままでのいろいろな政府の指導の仕方ある。いは会社側の対応の仕方は多分に体裁と作文に終わっておると思わざるを得ないわけであります。この問題につきましては、特に委員長の方で後刻理事会等でいろいろと御検討いただきまして、本当に問題の解決に迫っていく対応をわれわれ国会としても確立していかなければならないのではないかと思うわけであります。
 ほとんど時間がありませんので、あと一点だけお聞きいたしますけれども、昨年末に濃縮廃液が流出いたしました問題で、かなり大量の人たちが多量の被曝を受けたのではないかということがいま問題になっております。そこで、私はどうしても気になりますのは、作業員一人当たり五秒ごとに順番に建屋内に出入りして作業を行った、こういうことなんですけれども、五秒ぐらいの間隔で人間として何ができるのか。また、五秒間しか作業できないようなことならば、今日常識として、これは人間の作業すべきことにはならないと私は思うのですね。それならばもっと遠隔操作ででも何かする、そういう抜本的な方法を考えなければならないと思うのです、この辺の問題につきまして、会社側として真剣にどうお考えでございましょう。
#252
○中村委員長 先ほどの吉田委員のお申し出につきましては、理事会で諮ることといたします。
#253
○板倉参考人 いま御指摘の作業の内容でございますが、先ほど申しましたように、この新しい廃棄物処理施設の漏洩につきましての応急手当てその他の作業をいたしました者の受けました放射線量は、最高の者で一日当たり所員でも百ミリ、業者の方で九十二ミリでございます。
 どういう作業がという御質問でございますが……(吉田委員「五秒という問題の作業それ自身について……」と呼ぶ)はい、これは五秒ではこういう作業はできないと思います。放射線量、場の率から考えましても、やはり一番高いところにおきましても一分程度の作業はしながら交代をしていったと考えられます。五秒ということは私どもでも考えられません。
#254
○吉田委員 これで質問を終わりますけれども、もしも過って報道機関等で五秒の交代作業がなされた、これがそのまま国民の中に伝わりますと、こんな原子力というものは運転できるものではないという認識を完全に与えてしまうと思います。もしもそれが五秒でなくて何分間がであったとするならば、やはり会社としても、国家国民に理解を求める意味でも、原子力の本当に可能な、安全の位置づけをはっきりする意味でも、見解を明らかにされなければ大変な問題を残していると思います。これは意見であります。
 以上をもちまして質問を終わります、
#255
○中村委員長 瀬崎博義君。
#256
○瀬崎委員 まず鈴木参考人に伺いますが「エネルギーフォーラム」三月号の対談の中でこういうことを発言していらっしゃいますね。国民の原発に対する「不安感を払拭する最大の要請は、実際に事故とかトラブルを起こさないで、計画どおりの運転を続けていくことだと思います。つまり、“安定した運転”と“安全な運転”を、本当に目の前で見せてあげることが、一番信頼を得る所以だと思っております」こう言っていらっしゃる時期に、一方ではまさにその正反対のことを国民の前に見せつけられたわけですね。また、こうも言っていらっしゃる。「安全問題については、だれでもが納得するような慎重でオープンな態度で臨むことが大事です。これらが、これからの原子力立地を進めるに当たって考えていかなければならない基本的な問題だ、と私は常に考えております。」ところが、オープンどころか事故隠しの連続、慎重どころかオーバーフローした放射性廃液をちり取り、バケツ、ぞうきんですくい上げる、こういうことが起こったわけですね。鈴木さんのおっしゃっていることと、それから社長をしていらっしゃる会社の現実とがかくも大きく隔たったその最大の原因はどういうところにあったとお考えですか。
#257
○鈴木参考人 さっき対談の一部のお話がございました。私は、本来そうでなければ原子力はできないという気持ちをずっと持ち続けてまいりましたのでございますけれども、今度の一連の問題が、四月一日に私も承知したわけですけれども、そういったことで私の平素希望していることが全く逆のようなことであらわれてきたということは非常に残念で、私、その点はきわめて遺憾に考えておるところでございます。
 そして、そういうことがどうして起きたかという御質問でございますけれども、るる申し上げましたとおり、やはり会社の中の――これは全体ではないのでございますけれども、そういったところに適正な判断を欠くようなことがあったということは、根本的にはそういうところにあろうかと思いまして、その点もまた非常に残念に思っておるところでございます。
#258
○瀬崎委員 いわゆる第三回目の事故隠しと言われている、また、最大の問題であります古い方の放射性廃棄物処理場のフィルタースラッジタンク室の廃液のオーバーフローのそもそもの原因は、フラッシングバルブにあったわけですね。原電の保安規定の洗浄作業の項を見ますと「フラッシングが終了すればフィルタースラッジポンプを停止し、フィルタースラッジサージポンプ洗浄弁デルタ―二七五を閉止する」とありまして、わざわざその横には注意事項として「青ランプが点灯する」と、こう明記してあるわけですね。確かに装置の方でもしそういう信号の故障が出たときにはそのことを別の方法で表示する、あるいはまた自動的にそういうものが他の回路によってカバーされるというふうになっておるのならいざ知らず、原電の場合はそうなっていないわけですね。そうだとすれば、こういう注意事項がある以上は、もし青ランプが点灯しない場合の規定がなければ、保安規定としては片手落ちといいますか、まさにこの注意事項が無意味になってくると思うのですね。
 そこで、お尋ねしたいのですが、このランプ故障のときの保安規定はどうなっているか、また、この表示ランプが必ずしも正しい表示をするとは限らない、その事前点検について保安規定はどういうふうに定めているか、お聞きしたいのです、
#259
○板倉参考人 いま先生おっしゃいましたことは、保安規定の下部に当たります、いま問題になっていますフィルタースラッジの貯蔵タンクの運転のマニュアルに記載されているわけでございます。
 それで、ランプ点灯が故障していたときにはどうするかということが、先生御指摘のように書いてございません。
#260
○瀬崎委員 ですから、機械の方もいわゆるダブルチェックシステム、多重防護にはなっていない、それから保安規定の方も、マニュアル上もダブルチェック、いわゆる多重防護になっていない、こういう欠陥を両面から持っているわけですね。これは直ちに改められることでありますから、この種の保安規定は詳細に見れば幾らでも出てくるんではないかと思うのです。まず、この点を十分指摘しておきたいと思うのです。
 それから次に、表示ランプ故障のまま――故障が先にあったんですね、これはわれわれのこの間の調査ではっきりしました。表示ランプ故障のまま運転に入っているんですが、その場合、オペレーターだけの判断でできることなのか、あるいは上司の判断を仰がなければできないことなのか、どちらですか。
#261
○板倉参考人 このバルブの操作は、当日操作しましたところ、いま先生御指摘のように、元来あければランプが青から赤になるのが、赤にならなかったということは、その運転に入った者が知っております。しかし、この運転は二人でやっておりまして、そのバルブ操作等に行きましたのは二人の運転員が行っておりまして、それでバルブを開くスイッチをひねってもランプが点灯しないので、そのうちの一人がそのポンプというか、バルプのある位置におきまして――(瀬崎委員「それは聞いた」と呼ぶ)はい。それで開閉ということを確認はしております。
 それで、先生が御指摘のように、そういうときにどこまで上に報告して、だれの許可をもらってそれを行うかということについては、明確に規定上書いてございません。
#262
○瀬崎委員 だから、一番最初にあなた方が記者発表した操作員ミス、バルブの締め忘れ、こういう単純なものではなかったわけですね。そういう点もまた審議をしていけばいくほど明らかになっていく。
 次に、どうしても不可解千万なのが警報機の問題であります。恐らくそれはそこにいらっしゃる原電の皆さんもそう思っていらっしゃると思うのです、警報機が鳴る部屋は新しい方の制御室なんですが、もちろん出入りはきわめて厳重チェックになっていると思うんですね、大体その制御室に入れる範囲の人というのはわかっていると思うのですが、この警報機が鳴ったと思われる時刻、大体どういう人々がそこへ出入りできたのですか、
#263
○板倉参考人 まず、警報機の鳴った時間はどのくらいかという御質問でございますが、これは八時半過ぎだと思います。
 それから、当日は日曜日でございますので、新しい廃棄物処理施設の運転室に出入りできるのは当社の運転員だけと思います。
#264
○瀬崎委員 だとすれば、そのときの直もわかっているわけでありますから、その制御室でランプを切ったと思われる人もわかるわけなんですね。あるいは案外これは、いろいろななぞめいた今回の事故のかぎを握っているかもしれない。別に何もわれわれはその犯人を追おうというのではないのであります。やはり正しく事件を解明するためには、どういう理由でそのランプが切られたのか、その点ははっきりしなければならない問題だと思いますね。一人一人当たっていけばわかるのではないでしょうか。どなたも記憶がないというのでしょうか。では、一体だれなんでしょう。
#265
○板倉参考人 現在のところ、先生の御指摘のように、私たちの方も当日運転の直の者に聞けばわかると思いまして、その当直長を通じていろいろ話を聞いてみたわけでございますけれども、だれも記憶ないと申しております。
 一般に、新しい廃棄物処理施設の制御室は別にかぎがかかっているわけではございません。特別立入制限区域のようなのは、入りますと、放射線を受けますからかぎがかけてあって、許可をもらって入ることになっていますが、主制御室は必ず人がおりますが、廃棄物処理施設は別にかぎもかかっておりません。当日は日曜日ですから、ほかの者が入るとは思いませんけれども、その他の人がもし入ろうと思えば、物理的には入れるような状態でございます。
#266
○瀬崎委員 正面玄関等の厳重なチェックのことを思えば、全く想像のできないずさんさだと私は思うのです。
 そういうことの話を聞いておりますと、板倉さんは何かあれですか、運転員以外の人が入って警報機を切った可能性もある、そういうふうに思っていらっしゃるのですか。
#267
○板倉参考人 いや、そう申したわけではございません。ただ、発電所に入りますときには厳重なチェックを受けた者しか入れません。先生御承知のように、入り口でチェックポイントもあります。私が申しましたのは、その廃棄物処理施設の制御室には別にかぎがかかっていないということですが、発電所のああいう区域に入ります前には十分なチェックをしていますから、当日、発電所のそういう管理区域に入っている者はすべてわかっているわけでございます。
#268
○瀬崎委員 管理区域に入った人がわかって、警報機が鳴ったことも確認されていて、切ったことも確認されていて、その人、理由がわからない。こんなミステリーな話はないと思うのです。だから、少なくともパトロールで見出す前に、この警報機によってオーバーフローを知っていた人はある。このことだけははっきり言えますね。
#269
○板倉参考人 いまのことに対してお答えいたしますと、先生のおっしゃるように、新しい廃棄物処理の制御室ではランプがついていたはずでございますから、そこに入った者は知っているはずだと思いますが、それを強く認識していたかどうかによりまして――必ず知っていたかとおっしゃれば、知っていたはずだとは申せますけれども、それをどのように認識していたかは現在わかりません。
#270
○瀬崎委員 この点は月末までに報告を出すという通産省の方もよく念頭に置いて、少なくともその報告書の中でそれぐらいのことはきちっと確認できるようにしなければ報告の意味がないと思うのです。申し上げておきたいと思います、答弁は結構です。
 次に、フィルタースラッジタンク室でオーバーフローした廃液量は約十六トンと通産省は推定されていますね、各部屋にどういうふうにオーバーフローしておったか、もう大体計算しているわけですから聞けばいいのですが、時間がないので省略して、問題のランドリー室にたまった廃液量、これは説明を聞けば大体一・五トンの推定となっているようですね。通産省の方、いかがですか、
#271
○平田説明員 その点につきましては、データ、計算等から現在総合的に判断中でございます。
#272
○瀬崎委員 冗談ではないですよ。きょう、こういう審議があることがわかっていて、皆一生懸命やっているときに、いつまででも同じような答弁を繰り返して、何のために委員会を開いているのかわかりません。
 私が聞いたのでは、ほぼ一・五トンという推定を聞いております。すでに色のついた水を流し込んで、どの程度あの基礎と床セメントの継ぎ目からしみ込むか調べているわけでしょう。大体その結果で、厳格に何ぼと言ってくれとは言いません、流し込んだ量によって大分変わるようでありますが、多い場合で何%、少ない場合で何%しみ込んだと見られるか。いかがですか。
#273
○平田説明員 先生の御指摘はもっともでございますが、現在データを総合的に判断中でございます。
#274
○瀬崎委員 これは一番キーポイントになる点なので慎重なんだと思いますが、一・五トンがしみ込んだとしても、あのわれわれが見た非常に狭いすき間の漏れですから、そのうちの何割程度しかしみ込まないと思う。その後もしもこの鋳鉄管に直結するような穴でもあいておれば別ですけれども、あるいは一たん地中にしみ込んでどこかの管の破れから入った程度であるとするならば、そう有意の量が一挙に流れ込んだとは思えない。それが中間の幾つかのマンホールで若干ずつ沈でんしながら海へ流れていくわけですね。その水量そのものは、あの一般排水路では大したことはない。放水路のように大量に流れてくれば水の勢いで対岸に集中するということは考えられるけれども、こういう少量の一般排水路の水で、流れ出したとして、これが対岸のF地点のホンダワラに、たった一力月間で通常値の四十九倍のコバルト60が出てくる。これはよほど浦底湾の海の状況が特別な場合を想定しない限り計算上理屈が合わなくなってくると私は思うのですが、通産省はその点を現在の考えではどう思っていますか。
#275
○高橋(宏)政府委員 御指摘のようなことは私どもも頭の中にございます。そういう点もございまして、あちらからこちらから、いろいろな角度から総合的に判断をしたいと思っております。先ほどの御審議でもXマンホールのお話もちょっと出たのでございますけれども、それからいまミステリーとおっしゃいましたけれども、人が誤って、あるいは故意も含めまして、人的な問題もありましょうし、おっしゃいました設備的な問題も、複数ございます。したがいまして、先ほどいささか慎重なお答えを担当課長がいたしておりますが、総合的に判断いたしたいという趣旨でございます。御趣旨の点は十分頭に置いて、あと二日でございますけれども、鋭意努力いたしたいと思っております。
#276
○瀬崎委員 私も、通産の担当者の方からいろいろと聞き、話し合いもしました。本当にランドリー室の裂け目からのしみ込みだけを原因と考えれば、一般排水路から流れ出た廃液が浦底湾の中をぐるぐる回っておって外洋へは全然出なかった、こういう極端な推定でもすればあるいはという程度であって、この因果関係を整合させることはきわめてむずかしいのではないかと私は思うのです。だから、三十日にどうしても中間報告を出したいという気持ちはわかるけれども、しかし拙速を何とやらということわざがありますから、この点は科学的に納得のいけるものを、これは通産省の権威にかけても、ここまで来たらやってもらいたい。このことははっきり、現地の苦労をしのびながら申し上げておきたいと思うのです。
 次に、フィルタースラッジ貯蔵タンクのいわゆる上澄み液というものですね。これはその次の工程ではどこへ行くのですか。
#277
○板倉参考人 フィルタースラッジ貯蔵タンクの上澄み液は、あれは上澄みでございますからいわゆるフィルタースラッジが取れておりますけれども、廃液としましてはまだ放射能を含んだものでございます。これはあのタンクから中和タンクというところに参ります。中和タンクに参りまして、そこで他の液とともに中和作業を受けまして、その後エバポレーター等で処理されるものになると思います。
#278
○瀬崎委員 そうしますと、現状、そのスラッジ貯蔵タンク内はどうなっているのですか。現在、いまです。
#279
○板倉参考人 先生、いまタンクの上澄み水がどうなっているかという御質問かと思いますが、この間オーバーフローしましたタンクはC、Dというタンクでございまして、そして、この両タンクには現在のところ、スラッジそのものはタンクのほぼ半分ぐらいじゃないかと思いますが、その上に上澄み水が入っておりまして、全体の使用的な問題から申しますと、まだ少し使える状態でございます。(瀬崎委員「使えるの」と呼ぶ)はい。スラッジタンクの底の方にはスラッジがたまっておりますが、まだ上の方は上澄み水が入っておる状態でございますので、まだ少しの期間はあのタンクも使用可能な状態である、キャパシティー的に申しまして。
#280
○瀬崎委員 つまり、あのタンクはどんどんたまる一方のタンクですから、あれだけの余分の洗浄水が入ってしまって、スラッジとともにたまってしまったら、これはそのままはもう置いておかざるを得ない、次の工程へ上澄み液をとって持っていくというような仕掛けにはなっていない、こういうことなんですか。
#281
○板倉参考人 説明が悪くて申しわけございません、いつもあのタンクは下の方にスラッジがたまっておりまして、上の方にその洗浄水とかあるいはスラッジと一緒に送り込まれてきた、これも一種の洗浄水でございますが、スラッジを送るときにも洗浄水と一緒に参ります。その後パイプを洗うための洗浄水を流し込んで、弁を締めるのを忘れたわけでございますから、オーバーフローしていくことはあれでございますが、その後の状態は通常と同じでございまして、オーバーフローラインの少し下のところに上澄み水をとるラインがございますので、そこから中和タンクの方に送り込むことができるわけでございます。
#282
○瀬崎委員 送ることができるのはわかっているのですが、現在送り込んであるのですか、中和タンクの方へ。それを聞いているわけです。
#283
○板倉参考人 いまの運転状態を確かめておりませんけれども、現在も使用しているということでございますが、いつ使用したとかということは、オーバーフローした後、いつといつの時点でこの洗浄水を中和タンクに送り込んだかの記録はただいま持っておりませんが、その後も使っております。
#284
○瀬崎委員 少なくもあのタンク室内ですね、貯蔵タンクもそれからその横のドレンタンクもいっぱいになって、結局床にあふれ、サンプポンプとの間を循環している状態があったわけですね。その状態ではすべてのタンクは満タンですから、たとえ送り込んできた洗浄バルブを締めたとしても、そもそもフィルタースラッジタンク室そのものにこぼれてしまった廃液は、これを回収してもとのタンクへ戻そうにも、入れるべきタンクは全部飽和状態だったんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#285
○板倉参考人 御説明いたします。
 フィルター貯蔵タンクという約二百十五トンのタンクはDタンクとCタンクと二つございます。それで、当日オーバーフローさせてしまいましたのはDタンクでございます。もう一度申しますと、DとCと二つありまして、いずれのタンクからもオーバーフローラインは下のドレンタンクAに入り、またAがいっぱいになりますとAのオーバーフローラインを通じてBに入ります。Bもいっぱいになりますと、オーバーフローラインが例のサンプにこぼれたわけでございます。
 なお、二段目のドレンタンクBの下にはラインがついておりまして、このラインをあけることによって中和タンクの方に持っていけるわけでございますが、先生の御質問の、すでにDもAもBもいっぱいになっていたから流入の洗浄水弁を締めても、ポンプが回ってもいっぱいではないかという御質問でございますが、流入口を切ると同時に、大きな二百十五トンタンクを、Dタンクを使用していましたのをCタンクの方に切りかえております。したがいまして、Cタンクに洗浄水が入り込む余裕がまだ残っておったわけでございます。そちらの方に吸収されたために順次溢出がなくなってきたわけでございます。
#286
○瀬崎委員 そうしますと、あれはためる一方で、ほぼ耐用年数三十年間分のスラッジあるいはスラッジを洗った水を入れておくということなんですが、今回のように余分に入ってしまいますと、将来使えるスペースはこれでぐっと少なくなってしまった、こういうことになるわけですか。
#287
○板倉参考人 どうも御説明がまずくて御理解いただけなくて申しわけございませんが、あのタンクは、下に沈みますスラッジをためていくタンクでございます。このスラッジの方は毎年毎年……(瀬崎委員「中和タンクへ送ったかどうかわからぬというからこういう話になる」と呼ぶ)いや、上澄みの方は中和タンクに送ることによってまだ利用ができるわけです。(瀬崎委員「送ったのか」と呼ぶ)はい。現在も使っていると思いますが、いつといつ使ったかという記録はただいま持ち合わせておりません。
#288
○瀬崎委員 時間の関係がありますから、後でまた別に調べたいと思います。
 次に、第四のと言われております新廃棄物処理施設の濃縮廃液貯蔵タンクD及びEの廃液漏れに移ります。
 いわゆるシールウエルド法で修理したということなんですが、これは関電興の判断でやったことですか。
#289
○浅田参考人 関電興業の判断ではございません。私どもの判断でございます。当社の判断でございます。
#290
○瀬崎委員 さらに、三月中旬に至ってEタンクの中身をDタンクに移して、日立が溶接工事を実施したわけですね。このシールウエルド法の修理を溶接工事に切りかえた理由及びその判断を示したのは一体どこなんです。
#291
○浅田参考人 午前中に申し上げましたように、このタンクが三年半で穴があいたというのは私どもにとっても非常に奇異でございます。原因が不明でございます。したがいまして、ゆっくり原因を調べたいということが一つございます。そのためには、二つのタンクの中の片方のタンクをどうしても空にする必要がございます。その空にするためにあけますタンクは、シールウエルド法だけではそれほど長持ちするかどうかというのに不安がございましたので、溶接というかっこうでまあ入れ物をつくったということでございます。
#292
○瀬崎委員 これは通産省に聞きたいのでありますが、もしこの片方のタンクを片方へ移しかえてしまうとすればシールウエルド工法では不安だ、こういう話なんですね。そういう不安なことが、ただ単に溶接でないというだけで検査の対象にならない、こういう話だったのです。こんな奇妙な話はないと思うのですが、本来こういうシールウエルド法を使う場合であっても、やはり通産省が何らかの形でチェックをしなければならないんじゃないかと思うのですが、できないとすれば現在の法の方がむしろおかしくなってくると思うのです。いかがでしょう。
#293
○平田説明員 シールウエルド工法でございますが、これは当省としては技術基準上認められる工法ではございません。
#294
○瀬崎委員 もともとこれは国の検査も通っているわけでありますけれども、材料検査、構造検査をやっているということでしたね。このときの検査結果はどうだったのか、通産省としては、大体三年余りもてばいいという基準で検査が行われたのかどうか、その点を聞いておきたいと思います。
#295
○逢坂説明員 今回の廃液濃縮タンクにつきましては、先生御指摘のとおり、通産省といたしましてはこの工認をしております。また使用前検査をやっております。まず、この工認でございますが、これは五十年二月十日付で、電気事業法四十一条一項に基づきまして申請が行われまして、五十年三月二十八日付で実施しております。それから、その場合の審査は、当然その技術基準に従いまして構造強度上の十分な値を持っているかということをチェックするわけでございます。また、あわせて使用前検査もやってございまして、これも材料検査、構造検査その他を実施しております。(瀬崎委員「十分だったか」と呼ぶ)はい。ですから、当然そういうことで使用前検査をやりまして合格しております。
#296
○瀬崎委員 そのときの検査で、たとえば三年半、穴があいて漏れてくる、こういうふうな前提、その程度の基準でやっておったのかということを聞いたので、聞いておることに答えてほしいのです。
#297
○逢坂説明員 技術基準ではそのような耐用年数で決めておりませんで、許容厚さその他で決めております。
#298
○瀬崎委員 今回の場合、これは溶接部分で穴があいているのですか、それとも通常の本体部分のところで穴があいているのですか。
#299
○浅田参考人 パイプとタンクの壁を溶接している部分でございます。
#300
○瀬崎委員 その溶接検査なんですけれども、そうすると、これは通産省の直接の検査なんですか、それとも熱機関協会の検査になっているのですか。
#301
○廣瀬説明員 電気事業法の四十六条に従いました検査でございます。当時五十年から五十一年にかけてでございますけれども、当該部分については発電用熱機関協会が実施しております。
#302
○瀬崎委員 その発電用熱機関協会の主たる業務及び任務はどういうことですか、簡単に答えてください。
#303
○廣瀬説明員 いまお尋ねがありました溶接の検査代行ということが一つございます。(瀬崎委員「だれの代行か」と呼ぶ)通産省の行う溶接に関するものでございます。
#304
○瀬崎委員 そういう重要な仕事を受け持っている機関ですね。これの検査が果たして正しかったのかどうかも一つ問われていると思うのですよ。
 そこで、再び社長さんに伺いたいのでありますが、先ほどの雑誌を見ておりますと、去年の十月にそれまで副社長を務められました吉岡さんが退職されましたね。その方のことについて、片腕をもぎ取られる思いでしたが、われわれの事業にとっても大いにやってもらわなければと喜んで就任してもらった――片腕をもぎ取られた思いとおっしゃっているくらいですから、しかも昨年十月までいらっしゃった副社長さんですから、今日ここで社長が、公式に申し上げるのはどうかと思いますが、退陣までしてでも責任をとろうという意見表明をされていることからすれば、もし吉岡氏がこの場にいらっしゃったら同じようにやはり連帯して責任をとられるべき方ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#305
○鈴木参考人 いまの御質問でございますけれども、私に関する部分はおおむねその気持ちでおります。しかし、すでにやめて半年もたっている方のいまの気持ちあるいは立場というものは私には理解できませんし、お答えすることは不可能でございます。
#306
○瀬崎委員 それでは、この就任された先というのはどこなのですか。
#307
○鈴木参考人 転出された先は熱機関協会の理事長でございます。
#308
○瀬崎委員 実はけさ非常に早く私の宿舎に匿名で電話がかかってまいりました。その内容の一つは、社内の声として、事故を引き起こしたある意味では張本人とも言える人が、事故が起こらないように特に大事な溶接検査を国にかわって実施する機関の理事長になっていらっしゃる、そしてその機関は通産省のいわゆる代行機関である、こうなってくると、もう原電、電力会社、国は一種のなれ合いだ、これで事故が未然に防げるとは思わない、こういう話があったわけであります。もちろん私は、こういう匿名の電話や投書等を質問に使うことはめったにしません。しかし、調べたら事実はそのとおりだったのですね。そういうことからこういう話も非常に真実なものと思わざるを得なかったわけであります。その中でこういう話がありました。一番最初に鈴木社長さんは、国民に信頼される原子力発電所の分野を目指したいと思ったが、事志と違ったと言われた。一体その原因はどこにあるのか。この点を私はついていると思うのです。率直にその電話の内容をお伝えすれば、原電は役員の数が大変多いけれども、責任ある仕事をしていらっしゃる方は少ない、全く現場に任せ切りだ、こういう点で社長さんとして何らか胸に思い当たる節はございませんか。
#309
○鈴木参考人 役員の数が多くて現場の仕事に無関心だというように私には聞き取れましたけれども、そんなことは絶対にございません。それとまた、私のところはいろいろ優秀な人間が役員にもおりますし社員にもおりますし、その点は決して見劣りのするものとは私は全然考えておりません。
#310
○瀬崎委員 私は、会社の役員、首脳陣が高年齢だからいけないなどと決して思いません。それはそれぞれの会社の自由でありますし、年配の方には年配のまたよさというものがあるわけですね。しかし、この指摘された内容は、役員の数が多いことと、もう一つは、余りにも年齢の高い方ばかりである、そういうことで少し調べてみましたら確かにそうで、二十四人役員がいらっしゃるのでありますが、五十歳代はゼロであります。六十歳代が九人、七十歳代が十二人、八十歳代が三人、こういうことなんですね。言われてみればそういうことだ、それが問題なんだ。その上に今度は社外重役。その大半が電力会社の会長、社長。あるいは東芝、住友、富士電機などの社長とか重役が非常勤に並ぶわけです。こういう状況で本当に実質的な責任ある仕事が役員としてできていたのだろうか、これは聞けばやはりそういう面があったのではないか。こういう点でも、私は、もし今後原電を立て直そうと思われるならば、もう少し実質的な責任体制というものをまず役員が先頭に立ってとる必要があるのではないかと思うのですね。こういう指摘に対してはいかがでしょう。
#311
○鈴木参考人 お話のとおり、社外役員の方が相当数おることも確かでございます。しかし年がいっておるからとかあるいは社外の人だからといって、会社の経営について全然プラスになっていないということは絶対ございません。やはりその人その人で会社の経営に大変な寄与をされておる方でございますので、私はそういう評価をしておりませんけれども、いまのお話もよく頭の中に置いておきたいと思います。
#312
○瀬崎委員 ある報告書にこういうことが書いてあるのです。「廃棄物処理系統は、使用実績、経験も少なく、建設の着手もおくれた。このため、原子炉起動時には完工せず、特に液体廃棄物処理系統は変則的な運転を行わざるを得なかった、今後の建設においては原子炉、タービンに先行し、原子炉起動時には排水を正常な運転状態で処理できるようにすべきである。その他系統の設計については床ドレン、機器ドレンの区分、高汚染水と低汚染水の区分、タンク容量、将来の増設計画等により、明確な見通しを立てる必要がある。」社長さん、こういう報告に接しられたことがありますか。御承知でしょうか。
#313
○鈴木参考人 そういった意見は、ただいま初めて伺いました。
#314
○瀬崎委員 本当に情けないと思うのですね。これは実はあなたの会社、原電が四十八年三月十四日に発表した「つるが発電所の建設」この報告書の中にある文章をそのままお読みしたのですよ。その中で、この工場の問題点を原電みずからが指摘していらっしゃるわけなんです。こういう点を幹部がきっちり目を通しておったら、いま問題になっておる点は当時すでに指摘されておったわけなんですね。私はこれは貴重な報告だと思うのですよ。本体の原子炉は大丈夫だけれども周りがだめだ。これはいまわかったことじゃないのですよ。この当時、すでに建設時点から問題になっておったことは非常に明瞭であります。私は二度にわたって現地調査に入っておるわけでありますが、個々の装置、構造の欠陥が、いま挙がっている部分だけではなく、もっとほかにもあると思います。
 しかし同時に、特に印象深いのは、全体として整合性がない、一貫性がない、雑然としている、前近代的な施設、こういう印象は決して私だけのものじゃないと思うのですね。これは、やはり当初に明確な見通しを持たないままの増設に次ぐ増設、そのたびに配管、配線というものの延長や取りかえ、建物の多数の継ぎ目の発生、制御室の追加、部屋の配置の不合理さ、あるいは装置の配列の不合理さ、こういうものを生み出していったのではないかと思うのですね。
 そういう意味で、確かに将来の増設や改造はあるにいたしましても、やはり全体が一つの巨大なシステムである以上、こういう原発の場合には設計理念というものは当初に明確な見通しを持ったものが立っていてしかるべきだと思うのですね。そういうものが十分でなかった、この点に今日の事態の遠因があるのではないかと私は思うのですが、いかがでしょう。
#315
○浅田参考人 いまお読みになりました瀬崎委員の御指摘は、これは敦賀発電所が運転に入りました当初のわれわれの真実の感想でございます。これは、GEの設計を一号炉として初めて入れたために、日本の実情に合わなかった点ということから波及したものだと思っております。
#316
○瀬崎委員 そこで最後に、科学技術庁と通産省に伺って終わりますが、こういうわけですから、運転時に正常運転ができない、こういう状況のまま入っておるわけです、そういう点で、果たしてあの時点での通産省の運転許可がよかったのかどうか、こういう反省はないのかどうか、これが一つ。
 科学技術庁の方は、実はこのような明確な設計理念の確立のないまま、この安全審査そして設置許可をしているわけですね。そして、すぐこの原電自身がその点を反省している。いまもそういうお話でした。振り返って、この当時の科学技術庁がやっておった安全審査について反省すべき点がないのかどうか伺って、終わります。
#317
○高橋(宏)政府委員 御指摘のように、この発電所は昭和四十五年の三月に運転開始いたしました、日本の軽水炉としての第一号炉でございます。もう十年たつわけでございますが、しかも当時、導入開発か研究開発か、プルーブンかどうかという論議を経まして、一応プルーブンの炉であるという形で技術導入された炉でございます。当時そういう形でGE設計のこの炉を、GE設計を前提として日本で消化しようという形で皆さん苦労されたと思います。
 私ども、その後次々と発電所の建設、運転を経験いたしまして、必ずしもアメリカでの設計が日本の特に運転面において適当かどうかということ、身をもっていろんな欠点も把握いたしました。私の記憶によりますと昭和四十九年、五十年ごろからだと思いますが、この炉の日本的な改良、そして標準化していこうという話が持ち上がったわけでございます。その際特に問題になりましたのは、いまいろいろと御指摘もありました運転面あるいは被曝管理面の問題だったと思います。発電所は故障しないという前提の設計ではなくて、ある程度定期検査の中で故障を見つけていく、あるいはオペレーションの中でそういうものは出てきて、それを安全にとめて迅速に点検し直すという、こういう前提に立って原子力発電所は考えなければいけない、こんなような反省が基本にあったかと存じますが、十分そういう経験を踏まえまして、ある意味では今度の経験も苦い貴重な高価な経験だと思いますが、こういう経験を今後に生かすように努めてまいりたいと存じます。
#318
○赤羽政府委員 御承知のとおり、廃棄物の施設の増設の時代は、現在と体系が異なりまして、ダブルチェック型ではなくて原子力委員会が最初の安全審査をやり、具体的な設工認段階を通産省に渡すという形になっていたわけでございます。炉本体のような大型のものにつきましては厳重な安全審査をやっておりますが、廃棄物の処理施設につきましては法令上の基準もございますことで、その増設のバランスの申請があるだけで、詳細はすべて設工認という形の認可をしておったわけでございます。ただし現在はダブルチェック型になっておりますから、通産省の方の審査があってそれを安全委員会が見直すということで、違う形になっております。
#319
○中村委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席くださいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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