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1980/04/15 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第10号
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1980/04/15 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第10号

#1
第094回国会 建設委員会 第10号
昭和五十六年四月十五日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 稲村 利幸君
   理事 池田 行彦君 理事 内海 英男君
   理事 中村  靖君 理事 村岡 兼造君
   理事 木間  章君 理事 中村  茂君
   理事 伏木 和雄君 理事 渡辺 武三君
      金丸  信君    鴨田利太郎君
      古賀  誠君    田村 良平君
      高橋 辰夫君    竹中 修一君
      谷  洋一君    登坂重次郎君
      中西 啓介君    羽田野忠文君
      堀之内久男君    村田敬次郎君
      井上 普方君    小野 信一君
      野口 幸一君    山花 貞夫君
      横山 利秋君    薮仲 義彦君
      林  保夫君    瀬崎 博義君
      中島 武敏君    甘利  正君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 斉藤滋与史君
 出席政府委員
        運輸省海運局長 永井  浩君
        運輸省船員局長 鈴木  登君
        運輸省鉄道監督
        局長      杉浦 喬也君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 犬井 圭介君
        労働省職業安定
        局長      関  英夫君
        建設政務次官  住  栄作君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設大臣官房総
        務審議官    川上 幸郎君
        建設省計画局長 宮繁  護君
        建設省都市局長 升本 達夫君
        建設省道路局長 渡辺 修自君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      保田  博君
        通商産業省立地
        公害局立地指導
        課長      竹野 正二君
        運輸大臣官房審
        議官      山下 文利君
        運輸省海運局定
        期船課長    浅見 喜紀君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部日
        本鉄道建設公
        団・本州四国連
        絡橋公団監理官 黒野 匡彦君
        運輸省自動車局
        業務部旅客課長 寺嶋  潔君
        海上保安庁警備
        救難部航行安全
        課長      加藤 書久君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     小俣 和夫君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 野見山眞之君
        労働省職業訓練
        局訓練政策課長 野崎 和昭君
        建設省道路局次
        長       台   健君
        自治大臣官房地
        域政策課長   藤原 良一君
        自治省財政局調
        整室長     亀田  博君
        日本国有鉄道建
        設局線増課長  藤井  浩君
        日本国有鉄道船
        舶部次長    治多 次郎君
        参  考  人
        (本州四国連絡
        橋公団理事)  山根  孟君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  甘利  正君     山口 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     甘利  正君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     高橋 辰夫君
  桜井  新君     古賀  誠君
  山花 貞夫君     野口 幸一君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀  誠君     桜井  新君
  高橋 辰夫君     鹿野 道彦君
  野口 幸一君     山花 貞夫君
    ―――――――――――――
四月十三日
 小規模住宅建設への大手住宅企業の参入規制等
 に関する請願(井上一成君紹介)(第二八九五
 号)
 同(佐藤敬治君紹介)(第二八九六号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第二八九七号)
 同(村山喜一君紹介)(第二八九八号)
 同(五十嵐広三君紹介)(第二九八一号)
 同(小野信一君紹介)(第二九八二号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第二九八三号)
 身体障害者に対する建設行政に関する請願(石
 田博英君紹介)(第二九二一号)
 同(粟山明君紹介)(第二九二二号)
 県営住宅入居収入基準緩和に関する請願(小沢
 一郎君紹介)(第二九三〇号)
同月十五日
 身体障害者に対する建設行政に関する請願(中
 井洽君紹介)(第三〇三五号)
 同(部谷孝之君紹介)(第三〇三六号)
 公営住宅に父子住宅設置に関する請願(浦井洋
 君紹介)(第三〇六九号)
 国民本位の住宅政策確立等に関する請願(安藤
 巖君紹介)(第三〇七〇号)
 同(辻第一君紹介)(第三〇七一号)
 同(寺前巖君紹介)(第三〇七二号)
 同(中路雅弘君紹介)(第三〇七三号)
 同(不破哲三君紹介)(第三〇七四号)
 同(渡辺貢君紹介)(第三〇七五号)
 小規模住宅建設への大手住宅企業の参入規制等
 に関する請願外四件(馬場昇君紹介)(第三一
 一五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路
 事業等に関する特別措置法案(内閣提出第六〇
 号)
 住宅・都市整備公団法案(内閣提出第三四号)
     ――――◇―――――
#2
○稲村委員長 これより会議を開きます。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として本州四国連絡橋公団理事山根孟君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 また、来る十七日、午前十時から参考人の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#6
○稲村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。木間章君。
#7
○木間委員 まず初めに、本州と四国の連絡橋を建設するいまの基本的方針についてお尋ねをしたいと思うのであります。
 本州と四国を橋で結ぼう、これは四国四県民の長い間の願いであった、このように言われておるのでありまして、そして昭和四十五年に本州四国連絡橋公団法が成立を見、同公団が発足をしたわけであります。以降今日までその具体的建設をめぐってさまざまに変化があったところでした。たとえばAルート、Dルート、Eルートの三ルートということで、あわせて超大型プロジェクト事業のよしあしも論議になったところであります。四十八年にはオイルショック後の総需要抑制、こういったことでこの工事の着工は凍結になりました。そして五十年には第四次不況対策で一ルート三橋の建設、このように、そのときどきのさまざまな経済の波をかぶって揺れ動いてきた本四連絡橋であったろうと思うところであります。また、今日財政再建という時期に当たりまして再び論議となりましょうし、事実、また新経済社会七カ年計画の百九十兆円への縮小は、この事業の進捗に今後影響することでありましょう。
 そういったことで、いま本四橋関連法の審議に当たりまして、この一ルート三橋を建設することであるという今日までのこの基本的方針についてまず確認をさせていただきたいと思うのであります。
#8
○斉藤国務大臣 お答えいたします。
 いま先生から現在までのプロセスについてお話があったわけであります。御案内のように、四十八年からとにもかくにも本四連絡橋というものがスタートし、オイルショックによる二年の停滞はあったにしても、また、環境影響に対する地元の方々とのいろいろの話し合いの停滞等もありましたけれども、とにもかくにもいま着工のスタートを切り、すでに大三島橋は完成したというような状況がございます。私も先ごろ尾道−今治ルートのうちの伯方・大島大橋の起工式に伺ったわけでありますが、往路上空から見た瀬戸内海の風景、そして現地に行って地元の方々の、どう申し上げてよいのでしょうか、喜びというよりも期待するあのお顔、雰囲気、異口同音に四国がいつ本土とつながるかということ、長い歴史の中で夢見た状況を見るにつけ、先生御懸念のような状況を乗り越えて何とか基本方針は変えずにこれからも進めてまいるということについては、多くの方々の御協力を得て計画どおり進めたいというよな気持ちでいっぱいであるわけであります。したがいまして、恐らく先生のそうした御懸念の上に早く橋をというようなお気持ちで当初の御質問があったかと思いますが、たまたま起工式に行きましたので、感じをも含めて基本方針には変わりなく進めたいという決意であるということを申し上げてお答えにする次第であります。ありがとうございました。
#9
○木間委員 次にお尋ねを申し上げたいのは、四国四県民の期待は大きいと同時に、ある意味では自治体にとっても大変大切な事業であろう、同時にそのことは自治体財政へももろにいろいろの影響を及ぼすであろう、このようにも懸念をされるところであります。
 そこで、この連絡橋建設に関しまして、道路の連絡あるいはそれらからくる関連諸施設の完備、あるいはまた建設後のたとえば観光客等々の出入りも頻繁になるわけでありますから、そういったごみの問題などなど考えてみますと、自治体本来の住民サービスがあるいはそういった中ではしりすぼみになるんじゃなかろうか、さらに住民の生活関連事業の整備などが低下をするんじゃなかろうか、このように心配をされるところでありますが、そういったことのないようにぜひ万々の策を講じていただきたいところでありまして、そういったこと等に対してどのように処置等をお考えになっておるか、お尋ねをしたいのであります。
#10
○渡辺(修)政府委員 取りつけ道路の問題を初めもろもろのお尋ねがございましたが、まず道路についてお答えを申し上げたいと存じます。
 本州四国連絡橋の架橋に伴いまして、当然のことながらこの道路と既存の国道、県道または市町村道といったものに対する取りつけが出てまいりますが、既存の道路に至るまでの間は全部本州四国連絡橋公団が実施をする、こういうことになっておるわけでございます。次に既存の道路が、やはりこれを利用しまして通行される方もふえてくるということは考えられるわけでございますが、改築が必要な場合には橋の事業の進捗と合わせまして道路のそれぞれの管理者と所要の調整を行い、必要ならば建設省の補助事業で行う等々、万全の措置を考えたいと思っておるわけでございます。
 なお、先生御案内のことと存じますが、高速道路その他の自動車専用道路につきまして、関連する地方公共団体でいわゆる高速道路等の供用に伴っていろいろな行政需要が出てくるという場合がございます。こういった場合には、すでに日本道路公団等におきまして関連自治体に対するメニュー助成等も考えておるわけでございますが、本州四国連絡橋のこの道路につきましても、将来必要があればそういうこともあわせて考えまして、自治体の負担を軽減をすることを考えてまいりたいというふうに思っております。
#11
○木間委員 ぜひ市町村をこの橋建設によって困らせないようにお願い申し上げたいと思うのであります。
 次に、労働問題についてお尋ねを申し上げたいのであります。
 本法案には、一面の、旅客船に関する労働問題、雇用問題等の対策がなされておりますが、いま一つの港湾、陸上の関係がこれから大きく期待をされるところであります。その確立に向けて政府もあるいはそこに働く労働者の代表等々も、お互いに協力会議を持たれまして、積極的に努力をされておるところでありますが、二、三いままでの経過等に触れながら、この機会に確認をさせていただければという思いで申し述べてみたいのであります。
 まず、港湾労働問題でありますが、影響があるぞということがすでに政労協議会の中で確認をされていると思います。しかし、その影響調査の評価については、それぞれの立場立場で若干の違い等も出ております。それはこれからも詰めていただくと思いますが、ぜひその段階で十分に話し合ってもらいたい、そしてよりよい結論を持ってもらいたいのであります。大臣も本法案の趣旨説明の中でそのことについて述べられておりますから、そういうことで対応いただけると思いますし、かといって、時間的にいつまででも延べておってはいけない。やはりできる限り早急にしていただかないと、間もなく橋が完成をし、やがてはその運命が来るわけでありますから、それまで安心してその職場職場につく必要があります。そういった意味で、大臣の趣旨説明の中でもありましたような立場で、この結論をひとつ早く出していただいて、できれば今年度中にでもそういう形で制度化等々をして、労働者に安心を持たせて仕事につかせる、そういうことをお願いをしてみたいと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○渡辺(修)政府委員 大臣が提案理由の説明に続きまして、この港湾労働問題にも言及をされたところでございます。去る三月五日に本州四国連絡橋雇用対策中央協議会を開催をいたしまして、港湾労働問題については、業種の実態によりましては影響のあるものがあるということがはっきりいたしました。つまり本州と四国の間で特定された貨物等を扱っておられる方につきましては、もちろん橋がかかれば相当な影響が出てくるわけでございます。ただ、その実態がまだ定かでございませんので、調査委員会の方の結論もまだ中間報告という段階になっておりまして、完全な結論が出たわけではございません。しかしながら、そのような報告がございましたので、この雇用対策中央協議会におきましては、その対策の方を詰めていこうということを三月五日に決定をいたしたわけでございます。私どもといたしましては、大体一年ぐらいの範囲をめどにいたしたいと思っております。
 ついでに若干の説明をさしていただきますと、本州四国連絡橋でこの次に完成いたします橋は広島県の因島大橋でございますが、これについては実は港湾問題はございません。二番目に開通を予定しておりますのが淡路と徳島の間の大鳴門橋でございます。この橋ができますと、すぐ近傍に徳島の小松島港もございます。こういったことで港湾問題が恐らく生じましょうし、それまでに対策を考える必要があるということでございまして、因島の問題に比べますと若干の時間的余裕がある、そこで大体一年程度を目途に検討をまとめたいというふうに思っておる次第でございます。
#13
○木間委員 次に、宇高連絡船のこれからの対応についてでありますが、これも今度の本四架橋の問題の中で大きく出てくる問題でありまして、それも単にフェリー対策だけではなくて国鉄全体の問題にもなるわけであります。この点、今日までの政労協議会の中では国鉄の分科会を設けていくという確認だそうでありまして、これは一日も早くそういう形で対応いただきたいのでありますが、この分科会の設置をいつごろにめどを立てておいでになるのか、お尋ねいたしたいのであります。
#14
○杉浦政府委員 お答え申し上げます。
 宇高連絡船の問題は、おっしゃるように、国鉄にとりましても大変重要な問題となることは事実でございます。先般の政労間の協議におきまして、交通運輸関係労働者の雇用問題の検討のために、中央と地方にそれぞれ関係者による協議検討の場を設けるということで、現にそれが設けられておることは承知しております。
 ただ、国鉄問題につきましては、まだその場で検討するという段階にまで至っておりませんで、まず国鉄の労働問題ということから、国鉄内部で労使間におきまして協議をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、そうした国鉄の労使間の問題を経まして、これを全般の場に持ち上げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#15
○木間委員 内部で話を始めて、それを積み重ねていく、きわめて大切な進め方だろうと思っております。かといって、そこで働いている方々の、これから先一体どうなるのかという心配が一日も早く解消することが私どもの一方の責務でもあるわけです。その心の動揺が、利用される国民の皆さんにも直にはね返るわけでありますから、早急にそのように設置をいただくように、私の方からもお願いをしておきたいと思います。
 次に、民営交通の方でございますが、このことについては、五十二年十月六日の政労協定書に付帯する「覚書確認事項」の四項で、「双方」とは、それぞれ既存事業の労使及び私鉄総連等産業別労働組合である、このように私は見ておりますが、そう理解をしていいでしょうか。
#16
○寺嶋説明員 そのように御理解いただいて結構でございます。
#17
○木間委員 このようにして、それぞれ港湾あるいは国鉄、そして民営交通について触れさせていただいたわけでございますが、雇用問題というのは、私の方から申すまでもなくきわめて重要であります。その他いろいろの、雇用問題全体については、建設省を初め関係者だけではなくて、地方、特に県庁や市町村においても大変かかわりが多い問題でもあります。
 そこで、今日までいろいろ運営をされてきております協議会の実態を見ておりますと、自治省が参加をされていない。私はきわめて残念に思うわけであります。市民生活のすぐの窓口は自治体でありますから、今後この協議会に自治省もいろいろかかわっていくべきだ、ぜひ参加をお願いしたい、このように私の方から要請をするわけでありますが、自治省の方がおいでになりましたら、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#18
○藤原説明員 この問題につきましては、自治省は直接の主管省でもないわけですし、また、関係省初め関係の方々で御相談していただく体制ができておりますので、必ずしも入らなければならないというふうなことでもないのではないかと考えておりますが、ただ、われわれとしても非常に大きな関心を持っておりますので、先生の御趣旨を踏まえまして、関係省から話がありましたら検討してまいりたいというふうに考えております。
#19
○木間委員 どうもわからないんですがね。というのは、いま出ておりますこの法案に関して、旅客船問題等対策協議会、これは閣議決定で建設大臣を会長にして設けられております。ここにはそれぞれの役所の事務次官クラスが参加をされております。この中に自治事務次官も参加をされておるところであります。また、先ほど申し上げましたように、雇用の問題というのは単に政府だけの問題ではなくて、市民生活全体にかかわる重要な問題でありますから、今日、地方自治体でもそれぞれ論議をされ、取り組まれておるところでもあります。したがいまして、この本四架橋の関連からの問題にいたしましても、私はきわめて重要に結びついておる、このように判断をしておるところでありまして、今後も私どもの方からもその要請を続けますから、そういった立場ではなくて、やはり自治体を指導しておいでになるのは自治省でありますし、また、住民はその中で毎日の生活を送っておるわけでありますから、ぜひ対応をいただくようにお願いをしておきたいと思います。
 そこで、いま提案されております法案との関係でございますが、この一面の対象者は旅客船等に働く皆さん、つまり海員組合の皆さんであるわけです。今日提案をされるに至ったその経過等を私なりに判断をしますと、当然その海員組合の皆さんとの了解ができておる、このように理解をしておるのでありますが、このように考えてよろしいものかどうか、お願いをしたいと思います。
#20
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。
 全日本海員組合から最初にこの本州四国連絡橋問題について申し入れがございましたのは、昭和四十八年の七月でございまして、自来、工事の進捗、たとえば大鳴門橋を着工するとか、Dルートを着工するとか、いろいろの本州四国連絡橋の各段階ごとに大変危機感をお持ちになっておるわけでございますので、御要求、申し入れその他いろいろ文書等もいただいております。いずれにいたしましても、架橋工事の進行を日々目前にしておられるわけでございますので、非常に心配をされておる。関係船員の生活擁護と職場の保障等について、とにかく誠意ある態度を示してくれということを、もうすでに私どもも非常に多くの回数接触をいたしましてお話を伺っておるところでございます。ごく最近では二月二十五日に海員組合のストがあったわけでございますが、二十四日から二十五日の朝にかけまして、実は私どもも徹夜でお待ちしておりまして、二度ほどお会いしたという経緯もございまして、この法案の中に盛り込まれております組合に関する事項等につきましても、十分合意が得られたものというふうに私は考えておるところでございます。
#21
○木間委員 ただいままで雇用の問題を中心にしての政労の話し合いを煮詰めていただく、そしてまた、一日も早くそのことをやろう、こういう御決意を聞いたところであります。ただ現場では、そうは言うものの、やはり工事が進みますと日ごとにそこに働く皆さんの不安もまたつのってくるわけでありますから、いままで述べていただいたように、さらに進んでの十分な制度づくりを目指してお願いをしたいと思いますが、大臣がおいでになればまとめて御決意をお聞きしたかったわけでありますが、いま大臣がおいでになりませんので、私はそのように理解をしながらこれから次へ進ませていただきたいと思うのであります。
 次の問題でございますが、先ほど冒頭に、この連絡橋、地続きにしてもらいたい、しようというのは四国県民のそれこそ悲願であったところでございます。ところが、だんだん工事も進みましてその開通も近くなってくる。そうしますとまたいろいろの不安も反面出てくるわけであります。つまり陸続きになるわけでありますから、経済活動もどんどん進むでしょうし、そういった意味での経済圏の変革、変化が見込まれまして、大きな期待を持ちながらも、その種の不安もまた同時に持ち合わせておるだろう、このように私は見ておるところであります。
 そこで、本州からの企業進出あるいはその企業と同時に関連の分野もまる抱えで進出するのじゃなかろうか、こういう面からの心配も、四国財界の中にも、特に中小事業所の中にも多いわけでありますが、せっかく陸続きにするわけでありますから、そういう意味での不安を県民、島民の立場でなくしていかなければならない、このことが私はぜひ必要だろうと思いますから、大臣が今後業界にどのように御指導をいただけるか、決意をお尋ねしたい、このように思っております。
#22
○斉藤国務大臣 先ほど来、この橋のできることによっての影響につきまして、直接的な旅客船、港湾労働者の関係の方々、あわせて自治体の関係あるいは関連施設、観光、環境、いまは経済圏の問題から話されて、直接的にいよいよ四国と本州が一体となったときの経済圏の対応について御心配の御質問でございまして、大変ありがたく思うわけであります。
 建設省が通産関係までどうかと思いますけれども、とにもかくにも架橋に関係する影響の問題でございますので、これから先は国務大臣としてお答えするわけでありますけれども、この橋はあくまで先生の御提言がありましたように、四国の長い歴史的な悲願が達成されつつある状態を目の前にしての御心配であったろうと思います。したがいまして、このことによって四国の経済開発という面で暗い影が差してはならないわけで、進出企業等々につきましては、もちろん自治体関係の方々のコンセンサス、指導も必要であろうかと思いますけれども、国の立場としても、これは通産関係になろうかと思いますけれども、関係の方々にその点につきましては十分な配慮をして、企業進出についても四国の環境に適合するような企業の進出を願う、また指導するという形で進めるべきものと私は考えるわけであります。日本の最近の経済開発と環境破壊という問題が大きくクローズアップされておりますだけに、この歴史的な画期的な本四架橋によって変わるであろう四国全体の生活圏、経済圏、自然圏というものを総合的な考え方のもとに、そうした経済基盤というものも当然指導あってしかる面、このように考えておりますので、そうしたことにつきましてもあわせて、関係省庁になりましょうか、関係者と相図って、遺漏ないような形で進めさせていただきたい、こんなように考えるものでございます。
#23
○木間委員 建設大臣から、これからも担当の大臣とも十分話し合っていくのだ、こういう決意を込めての披瀝があったわけであります。先ほども申し上げましたように、四国の皆さんは、雇用の問題にいたしましてもあるいは経済活動にいたしましても、大きな期待と同時に不安もぬぐい切れなかったのでありますが、ただいまの御答弁で、これからのそれぞれの分野での活動がますます力が出てくるだろう、このように私も期待をしておるところであります。
 もう一つ、雇用の問題について触れさしていただきたいと思いますが、この橋が完成されますと、いまいろいろ手だてをされております業者や労働者の救済はもちろん心配になるわけでありますが、その前提といたしましては、犠牲者という表現はどうかと思いますが、そういった方々を出さない。たとえば旅客船の皆さんでありますと、転業や廃業をさせないで、ずっとやってこられた経験を生かしてその道を進んでいただく、また、働いておられた労働者もそういうなれた職場から離れないでやっていく、これがやはり基本であろうと私は思っております。とはいっても再編成につながるわけでありますから、やむを得ずそうした犠牲者が出る場合のことを考えてみますと、あるいは中高年の方も多いでしょう、これから新たな分野でどういう仕事につけばいいのかきわめて不案内な面もまたあるわけであります。そこで、そのようにやむを得ず出た場合の処置でありますが、この本四橋に関連する業務に積極的に私は雇用等の道を切り開いていってもらいたい、いくべきだ、このように考えるところであります。
 また、経済活動が活発になってきますから企業進出も出てきます。新たな雇用増大が見込まれるわけであります。また、私にはなかなか想像できませんが、新規の事業もそこでは起こるでしょう。そういったときにも、犠牲者が出た場合に積極的に就労できるようにといいましょうか、皆さんの方でぜひ優先的に機会を与えていただきたい、このように要請をするわけでありますが、いかがでしょうか。
#24
○鈴木(登)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおりに、離職者が発生いたしませんように一般旅客定期航路事業の再編成計画をしっかりしまして、できるだけ離職者が発生しないような最大限の努力をいたします。それにいたしましてもなおかつ離職者が出てきますときには、法律に書いておりますとおりに給付金の支給とか特別の対策を講じるわけでありますけれども、御指摘のとおりに橋の建設に伴いまして別途新しい職場の需要ということも発生してまいりますので、それに対しましては法律の二十三条あるいは二十四条に書かれておりますとおりに、公団、国あるいは地方公共団体は新しい職場への職業あっせんに全力を尽くすつもりでございます。
 具体的には私ども運輸省といたしましても、船員の職業安定所に相談員を設けまして、きめ細かなそういう再就職の相談に応じてまいるつもりでありますし、公団の方も、そういう相談対策室というものを設けていただくように伺っておりますので、そこを通じていろいろと御尽力願うことになっております。万全の措置をとって、失業者が発生しないような努力をいたしたいと思います。
#25
○木間委員 運輸省の方からのお答えをいただいたわけでありますが、建設省、公団の方からもぜひ、できれば公団の事業等々でそういった離職者に何とか道を開いていこうという御決意があったらあわせてお尋ねをしたいと思います。
#26
○斉藤国務大臣 いま運輸省の方からも話がありましたけれども、これは当然公団を所管する建設省といたしましても、単にそのことのセクショナリズムでなく、もう少し大きく、この事業は国家的な事業、私はそのように考えておるのですけれども、そういうことを考えあわせますと、もちろん雇用問題もありましょう、先ほど先生御指摘のような経済問題もございますし、企業問題もございますので、これは総合的な配慮で、少なくとも犠牲者の出ないようにすべきことが当然のことであろうと思いますので、その点につきましても十分な配慮をもって、雇用対策あるいは経済、企業対策あるいはいろんな関連施設もございましょう。このことによって変わるであろう環境変化については、総合的に関連省庁が話し合って対応すべきものと考えておりますので、その点につきましても、あわせて協議を重ねながら、御指摘のような向きの御心配がないようにひとつやってまいる所存でございます。
#27
○木間委員 ただいま審議をしておりますこの法律は、旅客運送業に関するものの中で海上関係者を対象としておるところであります。そして、三条の一項では関連する事業、このように表現をされておりますが、正直いってこの法律も政令、省令への委任事項が大変多いわけでありまして、私どもではなかなか理解がつきません。次の機会にでもこの政令、省令で考えておいでることをぜひ資料として提出をお願いをしておきたいと思いますが、まず、三条一項の「関連事業」にはどういったものがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#28
○渡辺(修)政府委員 三条一項の「関連事業」といたしましては、いわゆる海運代理店業がございますし、また、船の発着等々に伴いましてもろもろの作業関係が別会社になっておるものもあろうかと存じます。
#29
○木間委員 もっと具体的にお聞きをしたいのでありますが、たとえば船の発着に関するもろもろの事業の中にといいますと、その乗降客が船待ちに利用される売店とか食堂とかあるいはみやげ品店とか、こういったものもあるわけですが、こういったものも想定されておるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#30
○渡辺(修)政府委員 先生のお尋ねに対しましてお答え申し上げる前に、公共事業の一般論をちょっと申し上げさせていただきたいと存ずるわけでございますが、公共事業の施行の場合、いろいろな方に影響が及ぶわけでございますけれども、たとえば土地を収用された方とかいうように直接影響があるような場合、一定の方につきましては損失補償であるとか損害の賠償ということは当然行われるわけでございますけれども、間接的に波及してまいります影響につきましては、社会生活上のいわゆる受忍の範囲というようなことで、各人の負担あるいは自助努力によりまして解決をしていただくという場合もあるわけでございます。
 そういったことから見まして、今回の場合でございますが、旅客船事業そのものにつきましては、これはいわゆる運輸大臣の認可を経てこの事業が営まれる、あるいはやめるときもその許可が要るというような非常に厳しい条件がございますし、また、橋がかかる、それで道路が通り出すその日までは運航の義務があるというふうな問題が非常にあるわけでございます。しかしながら、いま御指摘の食堂であるとか売店であるとかいうものにつきましては、そういった法律上の厳しい縛りがあるわけではございませんし、あるいは自主的な解決策も全くないわけじゃないというふうなことでございますので、やはり公共事業でやっておりますように、ある程度直接的な影響がある方ということにこの法案の対象としては限らざるを得ないのではないかというふうに思うわけでございます。
#31
○木間委員 そうしますと、ただいまのお答えの中から具体的に出なかったのですが、私が判断をしますと、直接的な事業あるいは運輸大臣の免許を必要とする事業に限られておる、そういう範囲のものなんだ、こういうふうに理解をしたわけであります。
 ところが、広い意味での地域、連帯の中での事業、営業というのは大変広いわけです。これらのお客さんを対象とした売店とか休憩所とか、これまた必要な施設でもあるわけであります。ですから長い間、島国の持つ特性といたしましょうか、そのように親、先祖代々からの営業もこれまた当然の状況でもあるわけですから、やはりこの売店とか食堂とかみやげ品店もぜひなければならない。ところがどうも自助努力でというようなことになるわけであります。私はあえて零細企業者と言いましょうか、関連の零細企業者がややもいたしますと、いろいろの法律論議の中でも申し上げてきたのでありますが、法の網の中へ組み込まれていない、むしろそでにされておる、残念ながら今日このような状況下にあるわけであります。ところがこの本四架橋は四国四県民の大きな悲願であった、だからそこへ橋をかけたということでは私は済まされないと思います。やはり国の大きな、国民に対する行政の一つの事業として取り組まれたはずでありますから、私はそういった皆さんであろうとも、手だてをほうっておいていいものではないと思います。
 ですから、こういう表現はよくないと思いますが、当てはまっているかどうかと思いますが、橋をかける、そこで一つの仕事が始まるわけですから、私はあえて加害者と言いましょうか、あるいはそこでいろいろ今日まで営業を営んで生計を立ててきた、しかしこれが野放しにされておる、あえて被害者と言いましょうか、つまり橋をかけることによって犠牲が出るわけでありますから、加害者、被害者の立場に立ったときに、やはり国の事業としてやるわけでありますから、それらについての配慮があってしかるべきでないだろうか、私はこのように考えておるわけでありますが、いかがなものでしょうか。
#32
○斉藤国務大臣 本四架橋の関係する中において、先生の御指摘は、観光の面もあるので、そこでいわゆるサービスエリア的なものを考えられて、その運営等についての配慮ということであろうかと思います。私もいまちょっと不勉強でして、確信はなかったのですけれども、たとえば高遠道路等々におけるサービスエリアは公団の許認可であったと思います。それで、地域の方々の共同経営もありましょうし、単独経営もあるわけで、そうした前例もありますので、本四架橋の場合も同じような措置で行政指導でいくのか、何らかの方法でそれによって影響する地元の方々が利便するような形でこれはできると思います。
 したがって、これはどういう方法でやるのか、専門家ではありませんのでちょっと的確なお答えになりませんけれども、とにもかくにも、たとえば橋脚において、たまりと言うと語弊がありますけれども、拠点に売店、飲食店、サービスショップをつける場合に、やはり地元優先というような形で御指導する、あるいは共同経営のような形で許認可を与えるというふうな方法があろうかと思いますので、その点についてはなお検討させていただいて、地元の方々がそのことによってマイナス要因にならないように、影響を受けても少なくともいままでと変わらない、また、それ以上の形で仕事ができるような環境づくりということを考えるというようなことで検討させていただきたいと思います。
#33
○木間委員 大臣の御答弁を聞いて安心したのでありますが、特に食堂とか売店とかみやげ品店とかいうのは、お年寄りとかあるいは家庭の主婦、奥さん方のパート的な仕事が非常に多い性格を持っておるところです。ですからぜひ、結果的には国はいい仕事をやった、橋をかけることは非常にすばらしかった、しかし私は職場を失って泣いておる、こういうことにならないように」その決意を込めて大臣の方から御答弁があった、私はこのように理解しておりますから、ぜひそのように対応していただきたいと思います。
 そこで、自治省の方も来ておいでだと思いますが、関連をいたしまして、まさに市民生活の前面にそういった皆さんも立っておるわけでありますから、市町村行政を進めていく、市町村活動をやっていく市町村の窓口の対応はきわめて大切になってくるところであります。
 先ほど労働問題の中で自治省の御関係を若干お尋ねしまして、消極的なように見受けたわけでありますが、しかしそれらの影響を受けるであろうもろもろの市民というのは、直接に建設省や公団の方へ口説きに、あるいは陳情にいけないと思います。やはり窓口は市町村になってくるわけであります。ですから、この本四架橋に関するもろもろの影響、四国全体、このように私は言いませんけれども、たとえば瀬戸内関連の市町村においてそのような窓口、対策室くらいを積極的につくっていただく、これが今日的な地方自治制度のあり方だろう、私はこのように思っております。すでに進んだところではこの予算議会の中でも経費を計上されたやに聞くわけでありますが、私は、瀬戸内関連の自治体ではそのように、むしろ市民が、町民が心配されないようにいまから窓口を開いておく、その結果本四架橋によって困った人が出なかった、それは万々歳でございますから、ぜひそのように窓口を開くための地方自治体に対する指導を強めていただきたいと思いますが、自治省の御決意を承りたいと思います。
#34
○藤原説明員 確かに地方公共団体にとりましても非常に関係の深い問題でございますので、特に御指摘の地域住民対策等につきましては、住民の方の御相談に応じられるような体制をつくっていく必要があると思っております。新たに組織をつくる必要がある場合もありましょうし、現在の体制で十分対処できるという場合もあると思いますが、職員の意識あるいはそういう体制整備、われわれ自治体との会議等を通じて十分推進していくように努めたいと考えております。
#35
○木間委員 次の質問に移るわけでありますが、この法の十一条の一号、二号、三号、四号、費用ですね。こういったものの具体的なものをひとつ提示いただきたいと思います。
#36
○渡辺(修)政府委員 十一条は交付金の額を規定をいたしておりまして、ただいまお話のございましたように、一号から四号までの規定があるわけでございます。
 まず第一号でございますが、「船舶その他の事業の用に供する資産で政令で定めるものの減価をうめるために要する費用」こういうことになっております。
 一般旅客定期航路事業者が事業規模の縮小等を行おうといたします場合には、当然船舶その他事業の用にいままで供しておりましたものが不要になるということが出てまいります、この不要となる資産につきましては、法律の第五条によりまして実施計画をつくることになっておりますから、この実施計画に従って転用するとかあるいは売却をするとかいうようなもろもろの措置がとられるわけでございます。したがいまして、その際当然その資産の目減りと申しますか、減価が発生することが予想されるわけでございます。
 そこで、その減価を埋めるために要する費用の算定基準につきましては、いまいろいろと検討いたしておる最中でございますけれども、おおむね次のような考え方をとろうというふうに考えている次第でございます。つまり、資産の現在価格から処分の見込み価格を差し引きましたもの、これを考えておるわけでございます。ただし、先ほど申し上げましたようにいろいろなケースがございます。まず売却をされました場合どうかということでございますが、売却をされました場合には、適正な売却価格で売れない場合が当然あろうかと思います。そういう場合は、適正と認められるいわゆるその差額、売却損の相当額を考えております。それから、船でございますから、やはり海洋気象等によりましてその地域に適した船が使われておりますものを他へ転用しようとする場合には、改造しなければならぬという場合もあろうかと思うわけでございます。改造により転用できる資産につきましては、適正と認められる改造費の相当額、こういうことになろうかと思うわけでございます。
 それから次に、第十一条の二号でございますが、「事業の用に供する資産で政令で定めるものの撤去に要する費用」でございます。
    〔委員長退席、中村(靖)委員長代理着席〕
 これは事業の実態によりましては、事業を廃止するときに撤去を義務づけられているものなどもございます。たとえば専用に使っております桟橋であるとか、そういったものが例であろうかと思いますが、こういった資産は当然不要になります。法令により撤去が義務づけられている例が多いわけでございますので、縮小する場合にこういったものをやらなければいけない。そういう場合の負担を軽減しようということでございまして、当然その内容といたしましては撤去のために実際に必要とする額、こういう考え方になろうかと思います。
 第三号が「事業の円滑な転換又は残存する事業の適正な経営を図るために必要な費用」ということでございます。
 事業の縮小等を行う一般旅客定期航路事業の事業者につきましては、いままでの経営の基盤を失うということになるわけでございますので、その影響を軽減するために、転業または残存する事業の円滑な経営を図るという必要がございます。そのための助成資金を交付しようというものでございます。
 そこで、その内容でございますが、従前の、橋がかかる前に営業をしておられました間にありました収益がございますが、この収益の相当額、これは廃止する場合でございます。事業規模をある程度縮小される場合には、その従前の収益と縮小した場合の収益とのいわゆる差額、これを基準としておるわけでございまして、その二年分に相当する額を基本とする予定でございます。二年分とするということにつきましては、いろいろこれも御要望等もあったわけではございますが、やはり公共事業の施行におきます損失補償基準におきましても、営業廃止の際には原則として二年という制度でやっておりまして、それらを勘案をいたしまして二年相当分というふうにしている次第でございます。ただし、現在赤字のところがあったらどうかという問題がまた別途あるわけでございます。これにつきましては、他の制度でもございますが、いわゆる擬制収益というようなことで、黒字の収益があったもの、いわゆる一定の限度を考えまして底上げをいたしたい。しかしながら、それを実施いたします場合には、著しく黒字のところもあるわけでございますが、これにつきましてはある程度の上限は設けさせていただこうというふうな考えをとっておるわけでございます。
 それから第四号が「離職者に支払われる退職金の一部に充てるために要する費用」でございます。
 これにつきましては、いわゆる退職金の特別加算をまず考えておるわけでございます。つまり企業整理等、労働者の責に帰せられない事由によりまして労働者が職場からの離脱を余儀なくされる場合、これは労働協約等に基づきまして通常支払われる退職金、これは普通退職金と言えばよろしいかと存じますが、それに加えて特別加算があるというのが通例かと思うわけでございます。この特別加算につきましては、当然雇用者と労働者の間の協議によりまして決められるものであろうとは存じますが、そのうちの一定額を交付金ということで事業者の方に交付をしようということでございまして、その理由は、もとより架橋に伴う事業規模の縮小といったものは、その旅客船事業者の責に帰し得ない理由である、こういうことからまいるわけでございます。
 これにつきましてもやはりいろいろ前例等もございまして、大変苦慮したわけでございますが、公共用地の取得に伴う損失補償基準等におきましていろいろこういった例もございますので、給与等の基本月額の八カ月分というものを公団の方から出す交付金の対象といたしたいというふうに考えている次第でございます。
#37
○木間委員 いろいろ説明をいただいたところであります。
 そこで一点だけ申し上げてみたいと思うのでありますが、この三号の関係です。
 過去の収益を基準に二カ年間を見たんだ、こういうことであったろうと思います。そしてその根拠は公共事業の施行に関する云々、こういうことでありました。私は幾つか例を見てきたところでありますが、たとえば交通運輸に関する中に、地方鉄道軌道整備法、こういう法律があります、ここでは五年を超えてすることができない、つまり最高五年間を見てやろうという制度がありました。それから道路運送法の中には三年以内、つまり最高三年という制度があるわけです。それぞれがそれなりにかなり古い歴史を持った制度であろうということはわかるわけでありますが、私は、この道路建設にいたしましてもあるいは軌道、鉄道等々の関係にいたしましても、同じ国営の事業に相違はないわけでありますから、それによって余儀なくされる方々でありますから、あるいは廃業ということになりますと全く別な仕事を選ばざるを得ない、こういう方々でありますから、やはりその手だてというのは最高のものを出すべきでないだろうか、このように考えておるところであります。そういったことに対する局長のお考えと、もう一遍先ほどの法律、制度の名称を少しお聞かせいただきたいと思います。
    〔中村(靖)委員長代理退席、委員長着席〕
#38
○渡辺(修)政府委員 地方鉄道の場合あるいはバスの廃止の場合その他御指摘があったわけでございます。確かに地方鉄道軌道整備法によりまして、収益還元方式をとりましてやっておるケースがございます。それからバスにつきましても、これは擬制収益のケースを考えるようでございますが、やはりいま申し上げました二年よりは多い前例があるようでございます。しかしながら、今回この十一条で考えております中にございますように、資産の減価分の補てんということを一号で考えている点、それから撤去の費用を二号で見ている点、それから四号でただいま申し上げました退職金の特別加算を見ている点、これらは在来の制度になかったものでございまして、これらを総合的に勘案をしたいわけでございます。総合的に勘案をいたしますならば、従来の制度とそれほど大きな乖離はないというものでございます。
 それから、先生の最後の名前ということでございますが……
#39
○木間委員 たとえば二カ年間の根拠を求めた制度を局長おっしゃったのですが、その法律の名称を。そこまで不勉強で勉強してきませんでしたので。
#40
○渡辺(修)政府委員 昭和三十七年に閣議了解になっております公共用地の取得に伴う損失補償基準というものがございます。
#41
○木間委員 この論議はまたこれからも引き続いて申し上げていきたいと思いますが、この政令の具体的な考え方についての御報告をいただいたところであります。
 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、法の第十五条です。つまり「退職金支払確保契約」、このことについてであります。
 本四架橋が日程に上り具体的に建設工事が進んでおるところです。先ほどの論議からも、また、政府のすでに今日までの対応の中からもうかがい知れるのでありますが、現実には業界の再編成になるものでありますからまだこれからも当分の間揺れ動くだろう、このように私は想像をしております。そうは言いながら、毎日毎日輸送という業務を通じて国民の皆さんの生命を預かっておる職場、事業所でありますし、またこの本四橋が完成をいたしまして供用開始されるまで、ぎりぎりまでその業務を担当する、これはまた許可、免許の中でも明確になっておるところであります。したがいましてぎりぎりまで働くわけでありますが、自分の職場はどうなるのだろうか、これから先行き業界はどうなるだろうか、不安がやはり出てきます。あるいはやむなく去るときには退職金は出るだろうか、そういったことにもなるわけでありまして、この制度はそういった意味では不安を少しでも解消しよう、そういった考え方から私にとりましては新しい、ある意味では画期的なといいましょうか、このように見ておるところであります。ですから、この法文条項を採用されました経緯とかあるいは建設省のお考えがあったらひとつお示しをいただきたい、こう思っております。
#42
○渡辺(修)政府委員 十五条の「退職金支払確保契約」でございますが、先ほど来申し上げておりますように、架橋が終わって交通が通り出すところまで旅客船事業はやっていなければいかぬというような事情がございまして、たとえば計画的、段階的に退職者を募るとか、そういうことができないという特殊性があるということがこれを考えましたまず第一点でございます。したがいまして、一時的に多量の離職者が出るケースが考えられる。そうすれば一時的に多額の退職金の支払いを行わざるを得ない、これをどうするかという問題でございます。このような状況に対処するためには、もちろん所要資金をあらかじめ積み立てておけばいいわけでございます。それから、こういったことで積み立てるにつきましては、税制上も適切な措置が行われている必要があろうかと思うわけでございます。現在退職金の支払いの準備につきましては、内部留保による場合とか外部に積み立てをする場合とか、いろいろなケースが既存の制度としてございます。外部の積み立てによるものといたしましては中小企業退職金共済制度、それから特定業種退職金共済制度等の制度がございます。これらにつきましていろいろ勉強したわけでございますが、既存の制度はどうも今回の場合には余りふさわしくないと思われる理由があるわけでございます。つまり、まず内部留保でございますが、退職給与引当金制度におきましては所要の退職金の四〇%が非課税積み立ての累積の限度とされている、こういうことがあるわけでございます。一〇〇%積みたいんだけれども四割までしか非課税で積めない、こういう事情がございます。それから二番といたしまして外部積み立ての場合、中小企業退職金共済制度の外部積み立て制度でございますが、これは特定の退職者を受益者とする制度でございまして、この本州四国連絡橋に伴う退職金のようにまだだれがやめるかわからないという、退職者が確定をしない段階であらかじめ事業主自身の手において資金確保の準備をせざるを得ないという場合につきまして、まだ名前が決まらないわけでございますから非常に適用がしにくいという問題がございます。
 こういったことを勘案いたしまして、所要の退職金の準備を行い、かつ税制上も適切な措置が講ぜられるという形で考えたものでございまして、公団はまさにこの本四の事業をやっておりますので、工事の進捗状況であるとか航行の状況であるとか正確に把握することができますので、公団におきまして、いわゆる事業者からいえば外部積み立てになるわけでございますが、こういう制度をとり、これによりまして税制上の優遇措置も考えていこう、これはまだこの法案におきまして附則の方にも出ているわけでございますが、このような制度を考えたわけでございます。この場合、退職金支払い確保契約に関しましては、この本四における架橋に伴って影響を受ける事業者のみが対象になることはもちろんでございますが、条件等を十分判断いたしまして、その資格がある方につきましてこの制度をうまく運用してまいりたい。
 また、この制度を実際に運用いたします場合には、資金の手当て等の関係でかなり前からスタートをさせる必要があるわけでございまして、そういう意味合いで因島大橋の開通が五十八年度に予想されておるわけでございますが、なるべく早い機会からこの積み立てを開始させていただきたいと思う次第でございます。
#43
○木間委員 いろいろお聞きしたわけでありますが、御苦労のほどもわからないわけではありません。ただ、一番心配になるのは、これから業界再編をやられるわけであります。ですから、中には新しい路線を担当する人もあるでしょうし、それからまたやむなく廃業せざるを得ない、こういう方も出てくるわけでありますから、大変そういった意味では一面の評価をしておるところであります。ただ、そこに働く労働者にとってこれが一番心配になるわけであります。たとえば再編成でどこかの路線に組み込まれていくというようなときにはやはり何名かは残るわけであります。ですから、その残るか残らないか、退職金そのものは本来は退職事由が発生したときに労使が相寄って話し合いを持って金額の折衝などが始まっていく、ところが、先ほど局長御説明のとおり、掛金制度ということでありますから長期的なものが想定をされます。いま一生懸命働いておるのに、これから残るであろうそういう皆さんも含めていまから退職金を積み立てますと、働いている皆さんは、じゃ次の職探しに行かにゃならぬか、こういう気持ちがやはりわいてくるわけです。ですから、一面の評価もしながらもそういう心配、なかなか私もすかっと言えなくて、この扱いはむずかしいのでございますけれども、そういう一面の疑念を残させてはいけない、このように思うわけです。ですから、この運用についてはそういった意味ではかなり慎重に私はするべきだろう、こう思っております。
 それからもう一つ、「退職金の支払に係る資金の確保を図るため、」つまりいまも言いましたように、退職手当そのものというのは労使が話し合いで決めるわけですが、その前段にこういったものが決められておると、私はそこにまたそごを来すのじゃなかろうか。先ほどの十一条ですか、いやプラスアルファを見ておるのだ、八カ月分あるのだということと私は連動はしないと思うのです。やはりお互いに納得ができるまで話し合いをして、そしてやる性格の賃金ですから、私はそういった意味では確保をするためのということについて幅があっていい。つまり概算的なものというふうな見方をするわけですが、この十五条のいま一つの私どもの判断材料として、何といいましょうか、この制度を設けた後々にその経営者がたとえば支払い能力が生まれてこないようにという配慮からなんだ、だからその後のことは何もないのだ、こういうことで理解をしてもいいのかどうか。
 それともう一点は、その金額について、あくまで概算的なものである。最悪の場合を想定して積み立てておくのだ。概算的なものなんだということであるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#44
○渡辺(修)政府委員 この退職金支払い確保契約を締結をするに当たりましては、もちろん第五条の実施計画に沿ってやるわけでございます。第五条の実施計画にございますように、この中には「一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の援助その他当該事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定に関する事項」が定められるようになっておりまして、かつこういったことにつきましては、第四項にございますように労働者の過半数で組織する労働組合がある場合におきましては労働組合の意見、ない場合には過半数を代表する者の意見を聞くというようなことも規定をされておるわけでございます。
 この退職金支払い確保契約は、確定した退職金額を前提として積むものではございません。あらかじめ退職者が出るということを想定をいたしました上、その想定は先ほど申し上げました実施計画によるわけでございますが、いわば先生御指摘のとおり、概算的な退職金額を前提として退職金の原資とすべき資金の確保を図るというのが趣旨でございます。したがいまして、この契約が締結されたということで、労使間のいわゆる労働協約で決まっております退職金額が拘束を受けるという心配は私は全くないというふうに考えております。
#45
○木間委員 というのは、第五項に、これまた省令に委任をしておるわけであります。ですから、よもやそういうことはない、この本文そのものを裏から見ながら申し上げたわけであります。ただ一点、この省令委任事項が気になるわけでありまして、本来双方で話し合って決める性格のものであるということを局長もおっしゃられたわけでありますが、参考までにこの五項の省令の中身があればひとつお聞かせいただきたいと思います。退職金にまつわる問題でありますから、私も気になって仕方がありません。
#46
○渡辺(修)政府委員 ただいま考えておりますのは、これは運輸省令、建設省令でございますが、契約の手続とか書式とかそういったものをこの五項では考えているわけでございます。
#47
○木間委員 この条文の運用についてはきわめて重要な中身を持っておりますので、ぜひ遺憾のないように進めていただきたいと思っております。
 少し時間が残ったようでありますが、私の質疑はこれで終わらせていただきます。
#48
○稲村委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#49
○稲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
#50
○山花委員 午前中の質疑を受けまして、私からさらに引き続き若干の事項についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、冒頭に一つ要請をしておきたいと思うのですけれども、本法案につきましても、内容について検討をいたしますと、非常に重要な部分につきまして内容が政令に委任されているという部分があるわけであります。たとえば午前中の質疑の最後の方に問題となりました離職者対策関連の部分につきまして、十条の交付金の交付、そして十一条の四号に掲げられている費用の相当額算出方法について、あるいは後段問題となりました退職金をめぐる問題につきましてもそれぞれ政令による部分がたくさんございます。たとえば道路局長のお話を伺っておりましても、十一条の交付金に関係いたしまして、一号から四号までありますけれども、第三号「事業の円滑な転換又は残存する事業の適正な経営を図るために必要な費用」ということに関しまして、二カ年という期間のいわば先例根拠について御説明いただきましたときに、公共用地の取得に伴う損失補償基準というのに前例がある、こういう御答弁がありました。実はお昼休みにその損失補償基準を調べてみたわけでありますけれども、どこにもそれは出ておらなかったわけであります。いまお伺いいたしますと、損失補償基準そのものにあるのではなくて、これに基づいた各省庁の事務次官通達の中にある、こういう御説明をいただいたわけでありますけれども、実はこの文面だけですとなかなかまだわかりにくいところが多く残されているわけであります。この算出金額につきまして後でまた御質問もさせていただきたいと思いますけれども、これも前回の委員会の審議の際におけると同じ問題でありますけれども、でき得る限りこの政令ですでに相談がまとまっている部分につきましては委員会にひとつお示しをいただきまして、討論の素材として生かしていただけるよう希望いたしたいと思うのですけれども、本論に入るに先立ちまして、午前中の質疑の経過にかんがみて、この点につき担当の、所轄の建設省としてどうかということについてお伺いしておきたいと思います。
#51
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、法律案の中に各所に政令に規定するというようなことがございますので、この政令の基本的な考え方、これをまとめて提出をさせていただきたいと存じます。
#52
○山花委員 ぜひお願いをいたしたいと思います。
 それでは本論に入ってまいりたいと思いますけれども、本特別措置法案は、第一条に目的が掲げられ、そうして第三条の第一項冒頭に、いわば本法案の再編成の基本方針についての理念が掲げられております。第三条の二項以下におきまして具体的なその内容としての事項が挙げられているわけでありますけれども、要するにこの法律案の意味するところを考えてみるならば、本州四国連絡橋の建設に関連して生ずる旅客船問題等に関する対策であるというところにあると思います。
 それではなぜこうした法案が必要となったかとする理由につきましては、五十三年八月二十一日の本州四国連絡橋旅客船問題等対策懇談会の答申の冒頭に要領よくまとめられていると思うのであります。「本州四国連絡橋は、本州・四国間の交通輸送を円滑化して、関連地域における生活利便の増大と経済発展を図ることを目的とし、完成後は全国的な幹線道路・鉄道網の一翼をになう重要な路線を形成するものであり、他の公共事業とは様相を異にする大規模な海上プロジェクトであるとここに必要性を述べられまして、そうした大プロジェクトを推進するに当たって生ずる当面の具体的問題についての対策が必要である、こういう観点からこの法案が提案されたような内容でまとまったと思うわけでありますけれども、そうしたことを前提といたしまして目的ということを考えるならば、とにかく単に橋をつくる、連絡橋を完成させるという工事自体に即目的があるということだけではなくて、同時に連絡橋建設の基本である地域の経済的発展、本四公団法の冒頭にも掲げられておりますけれども、そうした観点がまず配慮されなければならない。そしてその中での円滑な大プロジェクトの進行ということになるべきであると考えるわけであります。そうした考えに立った場合には、その地域社会の発展という観点からいたしますと、地域社会における経済あるいは住民対策あるいは勤労者に対する対策につきましても万全の配慮をする必要がある。当然の結論であると言わなければなりません。
 本法案におきましては、旅客船事業従業員に対する措置が中心となって対策が打ち出されておるわけでありますが、それ及び港湾、陸上運送関係の雇用問題もこれまたきわめて重要であると思うのであります。先ほどの同僚委員の質問におきましてもこの点に関連しての質問がありましたけれども、改めてまず冒頭に、基本的な問題といたしまして建設大臣に旅客船事業従業員に対する措置及び港湾、陸上運送関係の雇用問題、双方につきましての決意、雇用確保、雇用安定、同時に特に前者につきましては離職対策ということも当然含まれてくるわけでありますけれども、この決意をお伺いしたいと思います。
#53
○斉藤国務大臣 お答えいたします。
 当初先生からお話がありましたように、本四架橋は、単に橋をかけるだけでなく、四国の方々の長年の念願である本土との結びつき、四国は一島ではなく本土そのものと一緒だという念願からこうした問題が取り上げられて、生活利便だけでなく、経済環境の活力を得ることによって地域の発展という目的があるわけであります。
 したがいまして、当初来先生が御指摘のような形で、そのことによって起こるであろう、まあ一口に言えば犠牲といいますか、影響するところを十分配慮せいということであろうかと思います。したがいまして、私たちといたしましては、関係する省庁とよく諮りまして、この問題については十分な措置をなさるべきだというようなことから、当面直接的に一番影響を受けるであろう一般旅客定期航路関係についての法案を御提案申し上げて審議をお願いをいたしておるわけであります。
 当然、提案理由の説明の折にも発言をさせていただきましたけれども、港湾関係につきます労働関係につきましては、改めて諸般の関係の方々と協議をして立法措置をするということをはっきり申し上げております。協議会の推移を見ながら立法措置をして、港湾労働者の関係の方々についても十分な配慮をもって万全を期していきたいというようなことであるわけであります。
 したがいまして、この架橋によってそうした方々の影響されるような問題についての阻害要件は排除して、何とかこの橋がいろいろな意味でりっぱな意義づけがされるということを考えながら進めていっているわけで、そうしたことで、これからも寄り寄りひとつ今後の問題として、立法措置等々につきましても十分な御理解の上、必要なものはするというような形で進めたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#54
○山花委員 大臣に関連してもう一つだけお伺いしておきたいと思うわけですが、いまのお話にありましたとおり、まず当面の旅客船事業従業員に対する措置について今回の法案の中に対策を盛り込み、そして港湾、陸上関係の雇用問題については、冒頭の大臣の所信の表明にありました、今後の立法措置を含めて検討ということで万全の対策をとりたいというお話を伺ったわけですが、問題として、今回のこの法案の内容について検討をいたしますと、三条の「再編成基本方針」の内容、具体的にはこの二項に一号、二号、三号という形で項目的に掲げられ、その三号におきまして、特に旅客船事業従業員に対する措置が重要なテーマとして打ち出されておるわけであります。加えてこの三条二項三号につきましては、同第三項におきまして「運輸大臣は、再編成基本方針を定めようとするときは、」「労働大臣の同意を得るとともに、当該再編成基本方針の内容について、建設大臣に協議し、かつ、海運造船合理化審議会の意見を聴かなければならない。」と、ここでの対策が打ち出されております。
 こうして、まず第一にはこの旅客船事業従業員に対する雇用安定問題絡みの対策が打ち出され、第二段階として国の責任での離職対策が大体第十条以下のところに決まっている。就職指導の問題、職業転換給付金の問題、保険延長の問題ということで出てくる、こういう仕組みになっておると思うのですが、この内容は、率直に申し上げますと非常に多くの重点が離職対策のところにあるのではないか、こういう気がするわけであります。特に旅客船事業従業員の場合には、橋ができることによって航路がなくなる、こういった関係で、事業転換の問題あるいは縮小の問題もあると思いますけれども、離職対策にかなり重点を置かなければならない、そこに万全の対策をとらなければならない、この点は私もよく理解できるわけでありますけれども、私がこれから質問さしていただきたいと思っております港湾、陸上運送関係の雇用問題につきましては、ここのところの重点の置き方が、今後立法措置を含めて検討していただくといたしましても非常に大事になってくるのではないかと思います。
 まず、この港湾、陸上運送関係雇用者の関係につきましては、雇用対策というのはストレートに離職対策ということであってはならない。まさに雇用の安定、雇用の確保というところに最大限の力点を置いていただきまして、その上で万やむを得ざる離職問題につきましては今回の特別措置法案、これが一つの基準となるのだと思います。それに沿って対策を講じていただきたい、このように思うわけであります。要するに今後の問題として、港湾、陸上運送関係の雇用者の雇用対策ということにつきましては、単なる離職対策ということではなくて、雇用対策、雇用の安定というところに重点を置いて、さまざまな協議機関などあるわけてありますけれども、今後ひとつ御努力をいただきたい、こういうように考えるわけですが、最も基本的な視点でありますので、この点についてひとつ大臣にもう一つお返事をいただいておきたいと思います。
#55
○渡辺(修)政府委員 大臣からもお答えがあろうと存じますが、初めに現在の状況だけ先にお答えさせていただきます。
 雇用対策中央協議会におきましても、先生からただいま御指摘がございましたように、雇用の安定がやはり最大の問題であるというような御要望が明確に出されております。私どももそういう観点から、この雇用対策中央協議会におきまして港湾の、影響をその面から極力軽減をするように努力をいたしたいということを考えておる次第でございます。
#56
○山花委員 大臣にもその点、基本的な問題ですのでひとつお願いしたいと思います。
#57
○斉藤国務大臣 いま局長から答弁いたしたように、雇用対策中央協議会もございますし、その辺の御意見を聞きながら雇用問題について影響のないように対策を立ててまいりたいと考えます。
#58
○山花委員 一たん話を移しまして、次の問題に移らしていただきたいと思います。
 長い歴史のある本四架橋問題についての大きなプロジェクトの進行ということでありますから、その間にはいろいろな予期しない事態もあらわれ得るのだとは思うわけですが、実は最近、本事業に関連いたしまして、紀淡トンネルといわれておるようでありますけれども、徳島、和歌山県間の新しいトンネルの問題が盛んに地元の新聞をにぎわしているわけであります。本年の二月ごろから何回も何回も連載で非常にセンセーショナルな内容で出ておるということで、仮にこういう問題があるといたしますと、この法案の内容そのものにも影響が出てくるのではないか、あるいは今後の雇用対策を含めてのもろもろの施策にも大きな影響を与えるのではなかろうか、こういう気がいたします。真偽含めて若干お伺いしておきたいと思うわけですけれども、地元の新聞などによりますと、すでに「本四架橋・明石大橋を道路単独橋の形式で架けることに、関係六府県市の意向が固まった。」こういうところで問題が打ち上げられているわけであります。そして、「新しい鉄道ルートとして県政の表舞台に急浮上して来たのが、紀淡海峡トンネル構想だ、五十六年度政府予算案で泉南沖の関西新空港土質調査費が認められたことから、和歌山県、市を中心に日本鉄道建設公団や国鉄、南海電鉄などは、紀淡トンネルを新空港への関連交通網の一環として本格的に取り組み始めた。」こういうことが構想として現地の方で報道をされておりまして、何回かの関連した記事を見ておりますと、すでに鉄道建設公団は机上プランとして紀淡トンネルの計画の概要をつくっているというようなことが報道されておりますし、きょうは運輸大臣残念ながらいらっしゃらないわけでありますけれども、運輸大臣から調査命令が出れば鉄建公団はいつでも着手できる体制である、期間は三年から五年であって、調査費は六億から十億である、大づかみに総事業費をはじいてみるなら現時点では二千五百億円から三千億円になるであろう、こういう紀淡トンネル問題というものが最近現地で盛んに報道をされているわけであります。この約一カ月ぐらいの間の動きであります。トータル一兆二千億円という大プロジェクトというふうに概括的にはとらえているわけでありますけれども、新聞報道によると、こういうような形での問題がいまにも出てきそうであるということなわけですが、一体こんな話があるのかないのかということを含めて、これは関係各省庁にお伺いをしなければならないと思うのです。
 まず最初に国鉄の関係でお伺いをしたいと思いますけれども、一つには、鉄道併用ということであったのに今度は道路だけであるというような話とか、あるいは紀淡トンネルの問題について、新聞報道によりますと国鉄が絡んで本格的に取り組み始めたとされておりますので、そういう動きがあるのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
#59
○藤井説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の紀淡海峡トンネルと国鉄の関連につきまして御説明いたしますと、紀淡海峡トンネルの調査を推進するために、先生御指摘のように、和歌山県が中心となりまして紀淡海峡トンネルの調査を進めるためのワーキンググループが設置されたということを聞いております。それで、国鉄の方の大阪在勤の職員が、和歌山県の依頼を受けまして、鉄道計画の専門家という立場で参加しているということの報告を受けております。
 この地域に限らず、将来交通のビジョンにつきましては国鉄の中でもいろいろと勉強をいたしておりますが、今回の報道は、この国鉄の大阪地区での勉強しました構想が国鉄案かのごとくに新聞報道されたということでございまして、国鉄としましてはこの計画をまだ正式に取り決めたものではございません。また、運輸省から調査の指示というようなものもあるわけでございますが、本件につきましてはまだ調査の指示もいただいておりませんし、国鉄といたしましても、直ちに新聞報道にありますような具体的な調査検討に入る段階には立ち至っていない状況であると考えております。
#60
○山花委員 国鉄の関係でもう一つだけ承っておきたいわけですけれども、この本州四国の起点神戸、終点鳴門市の工事につきましては、四十八年九月二十一日、私のいただいてる文書では基本計画が決定されて指示が出ているわけでありますけれども、これを見ると、そこでの鉄道併用の具体的内容として、複線である、新幹線規格である、電化である、こういう前提で二千億円以上の経費がついているわけであります。この計画自体は、着工の時期その他は別にいたしましていままで変わっていないのではないかと思うのですが、最近の国鉄関係のさまざまな動き、再建法案の経過などを振り返りましても、ごく常識的には新幹線規格で新しいもう一本の鉄道を四国に向かって直ちに走らしていくこの工事はなかなかむずかしいのではなかろうかと、こういうようなごく一般的な受けとめ方があるのではないかと思うのであります。実は先ほど申し上げました問題もそこと大きく関連しているわけでありまして、従来は鉄道併用であったけれども道路だけにする、道路単独橋ということでかける、こういうような、そういう情勢絡みでこの紀淡トンネル問題が非常に話題となっているということのようなのですが、新幹線規格での淡路島間のこのルートにつきまして、この基本計画の変更その他が議論されたことがあるのかどうか、この点について国鉄側にもう一遍そこだけ確かめさしていただきたいと思います。
#61
○杉浦政府委員 当省に関係いたしますのでお答えいたします。
 明石海峡大橋の取り扱いにつきまして、地元の方で道路単独橋にすべきではないかというような御意見なり御要望があるということは承知をいたしております。ただ、これは大きな変更になる問題でございますので、この点につきましては関係方面の意見を十分に聞きながら、特に建設省、国土庁というようなところと十分に協議をいたしまして、今後決めていくなら決めていくべき問題だというふうに考えておるわけでございます。ただその場合に、この橋の上をいわゆる四国新幹線というものが通るという形になっておりまして、構造等も現在の先生おっしゃるような新幹線、複線の規格になっておるということは事実でございます。この四国新幹線は、別途新幹線整備法によりましてすでに基本計画が決まっておる、また、本四公団の基本計画で決まっておるというような事実関係は確かにございますが、ただ、現在の状況を全体として見た場合に、現にこの新幹線の具体的な着工のめどというものはございません。そういったようなことを十分に考慮した上で、こうした御意見等に対応した協議に応じて私どもは十分検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#62
○山花委員 いまのお話の、具体的着工の計画がないという限りでは私も話はわかるわけであります。一ルート三橋の基本的な計画について変えるというような閣議決定があったということは別に聞いておりませんし、そういう事態ではないと思いますから、その限りでは私はお話はよくわかるわけなのですが、ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、どうもこの問題、私も実際建設省の皆さんとか運輸省の皆さんとか国鉄の皆さんとか、あるいは関係する皆さんにお話を伺ってみますと、どうも皆さんの意見が微妙にニュアンスが違うわけでございまして、そこできょうも国鉄から順番にお話を伺い始めたわけですが、運輸省のお考えとして、既存計画について着工の意図はいまない、その時期もいま予測できないというお話は、これは情勢として当然のことといたしまして、それでは具体的な、きょう私がお伺いしております道路単独橋にするということについての検討が運輸省内部で始まっておるのか。先ほどの話では、関係省庁とこれから討議してということですけれども、建設省に対する働きかけが将来あるのかどうか、あるいはそれが具体的な日程に入ってきているのかどうか。道路単独橋にして、ここについての計画は一たんたな上げといいましょうか、そういう問題についての議論は建設省内部ではすでにあるのかないのか。あるとなればその次の問題にいくと思います。ないとなればそこまでいかないのかもしれませんけれども、重ねてその点についてお伺いしたいと思います。
#63
○渡辺(修)政府委員 ただいま鉄監局長からもお答え申し上げましたように、関係の地方公共団体等から、明石は単独橋にして鉄道は別の案にしたらどうか、それがひいては橋が早くかかるのではないかというような趣旨での御要望があることは私どもも承知をいたしております。しかし、ただいまの説明にもございましたように、明石海峡大橋はすでに工事の実施計画で道路、鉄道併用橋で実は両大臣の認可をいたしておるところでございまして、これをにわかに道路単独橋とするということはむずかしいわけでございまして、これからいろいろ各関係省庁とも協議しながら、また最近の社会情勢等を考えながら、どうするのかということを御相談申し上げた上でないと方向が出せないものというふうに私は考えます。
#64
○山花委員 きょうの質疑のやりとりでも、私が国鉄に伺いますと答えを運輸省が引き取る、運輸省にお伺いすると建設省が引き取る、こういうかっこうで、この辺のところにも私はお伺いした中でどうも釈然としない部分が残るわけでありますが、私の質問も新聞報道限りのことでありますから限度もございます。
 これはちょっと大臣には御質問を予定していなかったわけですが、こういう問題はきわめて基本的な、マクロで見た全体の本四架橋プロジェクトの問題、こういうことになると思うのですけれども、実はどうもいろいろな形で動きがあるのではないかというのが私の感触であるわけです。大臣はこの問題についてどう考えておるのかと質問するのは適切でないかもしれませんけれども、こういう問題について何か議論が大臣のお耳に入っているかどうか、あるいはこんな問題があるとするならばそれがどうなるかということについて、大臣はどのような御見解をお持ちだろうかということで、ちょっと予定外でありますけれども、せっかくですからひとつお伺いしておきたいと思います。
#65
○斉藤国務大臣 明石海峡大橋のことにつきましては、いま局長からも話をしたとおり、それが現在までの推移であります。したがいまして、先生御指摘のような形で私は具体的に正式に話はまだ一切伺っておりません。単独橋にすることによって橋が早くできる、だから単独橋にしたいという要望があるやには聞いておりますけれども、正式に私がその面で接触した機会はまだ持っておりません、したがいまして、これは運輸大臣との、両大臣一緒に認可した事業でありますので、計画的に進めるというのが現在のところは妥当であろうというふうに私は考えております。
 それから、先ほどちょっと紀淡トンネルのこともありましたけれども、これは私は新聞をまだ不勉強で見ておりませんけれども、これもまた私は全然ノータッチでございまして、この点についてコメントすることはないわけでありまして、そういう面につきましてはなはだ心配するといいますか、しかし私たちは実施計画を決めておりますので、既定のとおりにその形で進めるという考え方には変わりはないわけであります。
#66
○山花委員 最近約一月の間、七回にわたって続けざまに紀淡トンネル問題がいろいろ報道されたものですから、もしこれが何らかの形で、一年、二年ということではなくとも、五年、十年先のことを含めて、この全体のプロジェクトにマクロ的に見て影響があるとするならば、また別な新しい問題がたくさん山積してくると思いましたので、以上お伺いしたわけでありますけれども、いまの段階ではちょっと限度のあることと思いますので、以上で次の質問に移らせていただきたいと思います。
 冒頭に若干伺いました港湾、陸上運送関係の雇用問題の内容に触れてちょっと伺っておきたいと思うのですけれども、この問題につきましては、これまでの経過の中でいわゆる政労協議などと言われておりますけれども、政府と労働者側の協議ができ上がり、それをもとに、その後それぞれの協議会におきまして中央、地方ともに御努力をしていただいた中で二月二十六日の中間報告に至った。そして月明けて三月五日だったと思いますけれども、立法措置を含めて今後の検討、こうした全体の流れになっているわけですが、午前中の木間委員の質問でもちょっと触れたわけでありますけれども、実は中央協議会のこの協議の経過を振り返ってみると、それぞれ調査の方法によりましてどれぐらい影響が出るかということについての結論がかなり違っておるようであります。それぞれの違いについて余り突っ込むということは、せっかく御努力してまとめた結論に差しさわりがあってもいけないとは思うわけでありますけれども、政府の調査について見るとケースを二つ出しておるようでありますが、第二のケースで見まして五十八年度の影響労働力が私どもの計算では五十七・四人、六十二年度では九十七・六人ということであり、労使の調査について見ますと、五十八年度段階で百三十一人、こういう数字が出ているようであり、地方の調査につきましては、三百四十一人とか百二十三人とかあるいは四百六十四人とか、それぞれの調査の手法によりまして結論がいろいろ違っておるようであります。
 ただ、そこについてそれぞれ詰めるということよりも、必要な時間をにらんでの今回のまとめとなったと思うわけですけれども、先ほど、およそ一年ぐらいの間に立法措置を含めて、こういう御説明がありましたが、今後の進行といいましょうか、どういう構成でいつごろから始めて、大体のめどとしてどのぐらいの日程を消化していって一年ということなのか。漠然と一年といいますと、どうも将来の単なるめどでありまして、もうちょっと中身について御説明いただければより安心であるということだと思いますので、この点できるだけ、これまで協議した具体的な内容がありましたならば御説明いただきたい、こういうように思います。
#67
○渡辺(修)政府委員 先生から御指摘がございましたように、この港湾労働問題につきましてはいままでいろいろな調査をやってまいりました。現地調査、これは港湾労働調査委員会の委員が直接現地に赴きまして、徳島市と大阪市でありますが、現地の事業者、従業者等の意見を聞いたものであります。それから先生もお触れになりました政府で行いました調査でございますが、これは計量計画モデルを使いまして経済的に影響を把握してみたというものでございます。それから労使調査と申しまして、労使の責任において行う調査ということで、いろいろ現地での調査が行われました。それからなお、地方調査といたしまして、個々の港湾ごとに関係府県等の参加を得まして、個別の港湾事業の実態、それから港湾事業者の意識等につきましてアンケート調査を行った次第でございまして、その結果は、先生のお話にもございましたように、まだいまの段階ではそれぞれ数字的には相当隔たりがあるという状況でございます。
 それで、今後の話でございますが、やはりこういうことでございますから、場合によりましては補足的な調査も必要かと存じますし、また、調査調査でいつまでやってもしようがないという御意見もあるいはあろうかと思います。やはり関係省庁と御相談申し上げながら、いまのところ、場合によりましては協議メンバーだけでなく、さらに関係の方々の御参加を得ることも考えたいと思っております。
 進め方につきましては、いま幹事会におきまして詰めている最中でございまして、先ほど申し上げましたように、いろいろな周囲の情勢を考えますならば、当面一年程度を目途にやはり結論を出すというのがタイミングからいいましても重要かと思いますので、現在まだその細かいスケジュールについて申し上げる段階ではございませんが、ただいま申し上げましたような方針でぜひまとめてみたいというふうに考えておる次第でございます。
#68
○山花委員 もうちょっと具体的な問題についてと思ったのですが、やむを得ませんので、関連した問題です。
 私はその構成についてということを特に含めてお伺いいたしましたのは、今後の港湾、陸上雇用関係者の雇用対策を考えるということになりますと、各地元自治体の本四公団出資の関係もありますが、あるいはそこに対する自治省の指導、こういうことも大変大事になってくるのではないだろうか。そういたしますと、自治省は国の立場での強力なというか、積極的な支援体制を地元の自治体に対してつくっていただくということが大変必要なのではなかろうか、そしてその中には、立法措置を含んで検討するという手続の中に、地元自治体に、午前中質疑がありました新しい公団関連の仕事が出てきた場合にはそこに仕事場をという、こういう問題も含めて大きな役割りを担っていただくということが大変大事ではなかろうか、こういうように考えるわけであります。
 自治省の方にお伺いしたいと思うのですけれども、実はこれまでの各地元の自治体の対応、問題は、特に港湾、陸上関係の雇用問題ですと、地元の自治体が努力する、参画をするということなくしては実際には万全の体制ということにはなり得ないというのが、単に理屈の問題ではなくて、これまでの経過の中から大変はっきりしているのではないか、こういう気がするわけであります。私の手元にあります幾つかの府県段階でのそれぞれの労働者側の、たとえば各対策委員会の協定など、ずっと積み重ねられた経過を見ましてもそのことがよくわかるわけです。
 五十一年六月九日、兵庫県と総評兵庫県地方評議会本四架橋対策委員会の協定がありますけれども、「雇用問題については調査結果並びに事業施行の推移を的確に把握しながら雇用基金等の段階において措置すべき対応策については国に対し実現を強く要請し、雇用の確保等県段階において措置を必要とする対応策については責任をもって対処する。なお、要望のある雇用の保障については、その実現について国及び本四公団に対して強く要請を続ける。」こういった確認書が交わされています。五十一年六月十七日の徳島県知事と徳島県本・四連絡架橋対策委員会との覚書によりますと、徳島県は、本・四連絡架橋対策委員会に対して、「本州四国連絡橋の設置により影響を受ける」本・四連絡架橋対策委員会の「関係労働者の職場の確保に努力するとともに、当該関係労働者が、やむを得ず離職(転職を含む)を余儀なくされる場合には、その雇用の保障に責任をもって対処する。なお、この場合労働条件の低下を来たすことのないよう最善の方途を講ずる。」こういうような協定があるわけであります。代表的な例でありますけれども、そうした各自治体が地元の労働団体と交渉して一定の要求積み重ねがずっと重なってまいりました。いま私が挙げました例は、先ほど来例に挙げております五十三年十月六日のいわゆる政労協議以前の段階でありますから、国に対して対策を求めるこういう内容になっているわけでございますが、いわゆるDルートについて起工式がある十月十日を控えた十月六日にできた政労協議、その政労協議の後の各県あるいは自治体と地元の労働団体との協議の内容について見ますと、いま私がちょっと引用いたしましたものを超えて、そのことを踏まえてもっともっと積極的な各県段階での取り組みについての協定が次々と交わされているわけであります。
 五十三年十月六日の政労協忠の後、五十三年十月七日には、香川県知事と香川県評の本四架橋対策委員会との間に協定が結ばれておりますし、その十月七日には幾つかの自治体におきまして対策協議会と協定を結んでいるわけであります。その内容を見ますと、政府とこの協議会との協定以前のものとは違いまして、一歩また進んだ内容になっておりまして、長いものでありますからちょっと引用を避けますけれども、きわめて本格的に自治体が積極的に乗り出して、地元地場産業擁護という観点とともに、地元の労働者の雇用安定について努力をしている、こういう実態があります。
 引用がちょっと長くなりましたけれども、そこで自治省に対して、こうした各自治体の努力に対して自治省としてはどのような態度をとってこられたのか、今後どのような態度をとるおつもりなのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#69
○藤原説明員 お答えいたします。
 港湾労働者の問題につきましては、私どもの方としましても非常に強い関心を持っておるわけでございますが、現在御承知の中央協議会において対策が検討されようとしておりますので、地方公共団体の対応といたしましても、原則的には国レベルのこの対策協議会の検討を踏まえて、必要な場合には対応していく、そういうことではないかと考えております。
 ただ、御指摘ございましたように、各県それぞれ組合側、労働者側の代表も交えた対策協議会等もつくりまして、現状の分析あるいは意見交換等を行っておるようでございます。また、現地レベルのそういう協議も私どもは必要ではないかと考えております。さらに、国のわれわれの方と自治体側の情報交換、意見交換も努めてやるようにいたしております。そういう中で着実に対策を進めていきたいと考えておるわけでございます。
#70
○山花委員 重ねてお伺いしておきたいと思うのですけれども、従来の答弁を伺っておりますと、直接の主管省でないから必ずしも入らなければならないものではなかろう、しかし大きな関心を持っておるので関係者から話があれば検討したい、こういうお返事だったものですから、ちょっと私は心配をいたしまして、各地の例などを挙げてもうちょっと積極的にとお願いをしたつもりだったわけですが、いまのお話ですと、たとえばこの二月二十六日、三月五日の段階を踏まえて具体的に自治省で実はこういうことをいたしましたというような、何といいますか、お仕事がありましたらちょっと御紹介をしていただければよろしいと思うのです。
#71
○藤原説明員 実は労働者の団体代表から要望を受けまして、関係県及び指定市とその後早速会議を持っております。
 その会議の中で、要望の趣旨を説明いたしますとともに、現状について県、市間の情報交換、意見交換を行って、今後努力する姿勢をそれぞれ話し合ったということでございます。
#72
○山花委員 いま情報、意見交換についてお話をいただきまして、決して自治省としても消極的なだけではなくて、情勢を踏まえて動いていただいているというお話を伺った気がするわけでありますけれども、実は、どうも今後の問題を考えると、各自治体が財政措置を含めて積極的に雇用問題に踏み込んでいかざるを得ない情勢というものがずっと関連府県自治体に出てくるのではなかろうか、こういうように思うわけであります。この財政措置まで含めてということになりますと、全国的な視野で見ればまだ部分の問題ということになるかもしれませんけれども、関連した自治体はすべて財政措置を含めて措置をとらざるを得なくなってくる。それは、自治体としての自主性をそこでは尊重しなければならないと思いますが、同時に、全体のそういう情勢が出てきた場合には自治省としてもまたその意味で積極的に乗り出していただく時期が来るのではなかろうか、こういう気がするわけでありますが、その財政措置その他の各自治体の今後の進展に応じてはもうちょっと積極的に動いていただく必要があるのではないか。この点について最後にもう一つだけ、くどいようですけれどもお伺いをしておきたいと思うのです。
#73
○藤原説明員 先ほどもお答えしたとおりなんですけれども、私ども現在、雇用対策中央協議会のメンバーにはなっておりませんが、今後関係省から働きかけがあればわれわれとしても御指摘の趣旨を踏まえて検討するにやぶさかではないわけですが、現在の構成メンバーによりまして十分検討されることと信じておりますし、また、検討の結果必要がありましたらわれわれは誠意を持って対応しなければならないと考えております。そういう意味で必ずしも協議会メンバーに入る必要はないんではないかというふうな気持ちもあるわけですけれども、話しかけがあれば検討してまいりたいということでございます。
#74
○山花委員 要するに、私どもの要請といたしましては、これまでの各地元自治体の努力を高く評価しつつ、自治省としてもこの現状を踏まえて今後ひとつがんばっていただきたい、こういうことでありますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 この法的検討に関連いたしましては、すでに私どもの手元にも届いておるわけでありまして、あるいは関係省庁にもいろいろな形で対象となる側の皆さんから要請が来ているんじゃなかろうか、こういう気がするわけです。私の手元にいただいているものを見ると、法的措置の今後検討していただきたいという内容として、港湾労働者の雇用の保障の問題、第二番目に、港湾運送事業者の指導育成及び援助に関する問題、第三番目に、やむを得ない場合の離職者対策について、こういうかっこうで実はたくさん注文をいただいているわけであります。また、実は参考人から事情を伺うという機会もあると伺っておりますので、その中で細かい内容についてはいろいろ触れてくるのではないかと思いますので、私が、今後中央協議会などで議論される問題について余り先走ったことを伺うということも控えなければならないと思いますが、こうしたたくさんの法的措置についての希望が今後出てくると思います。今回の問題は、ある程度雇用安定問題、離職者対策についてきわめて具体的に特別措置法ということで通った。しかし今後の問題は、一年先ということで、中身がわかっていないということで、かなりの前進を評価しつつも、まだ不安であるということが港湾、陸上雇用関係の皆さん大変強いわけでありますから、ぜひ今後の全体の雇用対策、立法化を含めての検討に当たりましては、そうした皆さんの希望につきましても十分踏まえて努力をしていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 ただ、そこでお願いしておきたいのは、今回できました法案がどうしても流れからいいますと一つの基準になるのではないか、どうもこういう気がするわけです。そうすると、法的措置を含めて検討するという場合には、新しい特別の立法ということになるのだろうか、あるいは従来の法律の改定、補足ということになるのだろうか、こういう問題がそこでちょっと出てくるわけでありまして、この問題については若干でも議論があるのかどうか、この辺は建設省としてはどんなふうにお考えになっておるのだろうかということにつきまして、これは形の問題でありますけれども、伺っておきたいと思います。
#75
○渡辺(修)政府委員 将来どういう形で対策をまとめるかというのはその中身のいかんによるわけでございます。先生がただいま御指摘になりましたのは恐らく三月五日の対策協議会において労働側の委員の方から出された資料だと存じますが、雇用保障の問題、それから港湾運送事業者の指導育成の問題、最後に離職者対策ということでございますが、港湾の問題は本州四国だけの問題ではございませんで、港で扱います荷物は全国を相手にしておる荷物も相当数に上るわけでございます。その中で雇用問題がうまく解決する道は必ずあるだろうと私は思うわけでございまして、その内容いかんによりまして行政措置でできるもの、それから法的措置をしなければいかぬものというのが、これからだんだん分類をいたし、また考えていく段階で生まれてくるであろうと思うわけでございます。仮に法律の場合とすれば、その内容によりまして特別の法律をつくる場合もございましょうし、あるいは今回の法律の一部改正ということでできるものもあるかもしれません。先にもう少し内容を詰めさせていただきましてからその辺が明らかになろうかと思うわけでございます。
#76
○山花委員 要するに、検討を進める中で立法措置を含めてやるという、原則論に戻ってのお答えであったという気がいたしますけれども、その点について、要するに私が申し上げたいと思いますことは、今回こういう形で前段については済んだ、旅客船事業従業員については済んだということで、今後立法措置を含めて検討していただく港湾、陸上運送関係の皆さんがまず第一に雇用問題をという要求を出し、そしてそのことをめぐって何か置いてきぼりを食わないかという心配が大変強いわけでありますから、その点について、食い逃げという言葉は失礼ですけれども、そういうことにならないようにひとつ十分御配慮いただきたいということを最後にお願いをいたしまして、冒頭に伺ったこととちょっと重複するかもしれませんけれども、大臣の方から、最後まで雇用問題に取り組むという姿勢について最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#77
○斉藤国務大臣 当初も申し上げましたように、こうした大きな事業の陰にそうした弱い立場と言うと語弊があるかもしれませんけれども、勤労者の方々に影響があってはならないわけで、したがって雇用対策中央協議会というようなものを設けて所要の措置が検討される、その結論をもって対応するという形にはなっておりますけれども、事業というものの存廃にかかわる問題でもありますし、そこに働く方々がいいところに転職するなり引き続きその場で職を得るということが一番大事なこと、そして離職は最後の問題であろうと思いますが、環境にどのような変化があろうともそれなりに対応して、そうした方々に悪い、不利益な影響のないように十分な措置がなされるべきものであろうと思いますし、また、そうした観点でなければこうした大きな事業はなされてはならないというようにも考えるわけで、そうしたことは十分配慮しながら、それぞれの機関を通じて、また関係省庁とも協議を重ねながら対応してまいりたい、このように考えるものでございます。
#78
○山花委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#79
○稲村委員長 薮仲義彦君。
#80
○薮仲委員 私はこの法案質問するに当たりまして、一番最初に、この案は四省共管の法案でございますけれども、やはり主たるものは、本四架橋という建設省の国家的な大型のプロジェクトによる影響に基づく法案でございますので、最も中心的な大臣という立場から建設大臣にまずお伺いをしておきたいのでございますが、ただいま申し上げましたように、やはりこれは国の事業、国策によって生ずる影響でございますので、いままで午前、午後と質疑がございましたように事業者に対する影響性、そしてまたその事業所に勤めていらっしゃる従業員の皆様にとっては、ある意味では非常に不安を生ずることでございます。そういうことからして事業転換、もちろんただいまの大臣の御答弁にもありましたように、事業転換していわゆる仕事を変えるということは最終的な段階であるというような意味でお話もございましたけれども、やはり事業転換やあるいは事業の規模の縮小、再雇用という問題があるわけでございます。こういう問題について、やはり大臣として万全の対策を持って不安を残さないような腹構えといいますか、対応が最も必要だろうと思いますが、冒頭その大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#81
○斉藤国務大臣 御案内のように、本四架橋問題は、仕事そのものは国家的プロジェクトでございます。しかし、その内容とするところはさらに大きな意義を含めている、それはもう日本列島創成以来、いわゆる四国というものが本土と離れている、それを何とか一体化ということは、そこで住んでおられる人々の歴史的な願望であったろうと思います。それがいま近代社会になってようやく夢を現実化しようとしておるところでございます。したがいまして、これはそういう意味で国家的プロジェクトということが言えるわけであります。したがって、それであればあるほど、そのことによって利益することがあってもマイナス要因があってはならないというようなことをまず基本的に考えているものでございます。したがって、いま先生御心配いただきましたような形があってはならない。特にそのことによって失われるであろう環境、変化を受けるであろう事業者の方々、従業員の方々、雇用問題については影響があってはならないわけで、そうしたこともおっしゃるように万全の措置を図りながら、また図ることが私は当然の責務であろうと思いますし、そうした考え方のもとに事業を推進させていただきたい、このように考えるものでございます。
#82
○薮仲委員 ただいまの大臣の答弁、そのとおりであってほしいと私も願う一人でございます。やはりこの問題は大臣御指摘のように、四国の皆さんにとっては本土と一体化するということで非常な大きな期待を持っていらっしゃると思うのです。そこで、四国全体のこれだけの、日本列島がこの地球上に存在して以来の悲願であるということかもしれませんけれども、これだけの大事業だからごく一部の人が影響を受けて悲しい思いをしてもやむを得ないだろう、そういうことに目をつぶるということは断じて私はあってほしくないし、あってはならないと思います。
 私はなぜきょうこの質問をするかと言えば、これから同僚委員が質問を重ねていく、その質問が深まるにつれて、この本四架橋によって影響を受けるであろう事業者や雇用不安におののく勤労者の皆さんが、この委員会の審議と同時に将来に希望が持てる、われわれの将来の生活設計はもう大丈夫だというような実りあるものでなければならないと私は思うわけでございます。どうかこの法案審議が深まるにつれて、そういう問題について少なくとも国、地方公共団体、そして公団はもちろんのこと、関係者の努力によってそういう問題が払拭されるということを私は心から期待しつつこの質問をさせていただくわけでございます。
 まず、この次に大蔵省に質問する前段として、建設、運輸両省にお伺いしておきたいのでございますが、この本四架橋が建設されるということによって、国全体は当然のことでございますが、最も枢要なのは、四国を中心とするあの瀬戸内方面の経済効果、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、そして今後この橋が完成することによって本州−四国間の物流はもちろんのこと、旅客の推移、こういうものについて建設、運輸両省はどういう見通しを立て、一番根本は経済効果をどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
#83
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。
 本州四国の経済効果でございますけれども、まず安全という面の効果が非常に大きなものがあろうかと思うわけでございます。つまり瀬戸内海におきましては、霧であるとか激しい潮流というような厳しい自然条件がございまして、しかも海上交通がふくそうしておるわけでございます。例として申し上げますと、瀬戸内に重要な水道が幾つかございますけれども、ここあたりの通過密度が大体一、二分に一隻というような高い航行密度である。また、事故の方でございますと、四十五年から五十年の累計で、日本沿岸全域で発生した事故のうち約三割が瀬戸内海で起こっているということでございまして、昔、例の紫雲丸という大変悲惨な事故もあったわけでございます。そういう意味合いから、安全という面で本四架橋はまず本四間の交通体系を飛躍的に向上させるということがあろうかと思います。
 次に、橋がかかりました場合、国土の均衡ある発展と国土のすみずみまでの有効な利用という面に寄与するものでございまして、経済的には四国はまだどちらかと言えば低位にあるわけでございますけれども、これらの地域の発展を促進するという効果があろうかと思うわけでございます。
 効果につきましては、本州四国連絡橋公団がいろいろ従来から調査をいたしておりますが、ただいま実施をいたしております一ルート四橋でございますが、これを前提といたしまして昭和六十五年の生産所得の増加額という形で経済効果をはじいているわけでございますが、五十二年価格で二千八百二十億円と試算されております。これらのいま申し上げました生産所得効果のうち四国がどの程度を占めるかと申しますと、四国が約五七%ということで、とりわけ四国に大きな効果があるのではないかというふうに計算をされておるわけでございます。
#84
○黒野説明員 ただいま建設省の方からお答え申し上げたことにつきまして、さらに鉄道の観点から加えさせていただきますと、現在宇高連絡船を年間お客様が六百万人一貨物が二百万トン利用しておりますが、これらの円滑な利用がさらに促進され、鉄道利用がさらに多くなるのではないか、かように考えております。
#85
○薮仲委員 もう少し具体的な輸送量の見通し、ございますか。たとえば五十年から六十五年にはこの程度、鉄道、自動車、フェリーあるいは旅客船等々、旅客と貨物と分けた資料をお持ちですか。
#86
○渡辺(修)政府委員 本四間の輸送量でございますが、昭和五十年度におきまして、旅客が一日当たり七万七千五百人、貨物が一日当たり二十二万一千六百トンというデータがございます。一ルート四橋の完成を前提として推定をいたしてみますと、昭和六十五年度におきまして、旅客は一日当たり十七万九千六百人、したがいまして五十年の七万七千五百人に対しましては二二二倍ということでございます。また、貨物が六十五年度で一日当たり五十万四千八百トンと推定をいたしておりまして、これもまた五十年のほぼ二二二倍ということになろうかと思っております。
#87
○薮仲委員 いま両省からこの本四架橋の経済効果が非常に有効かつ地域の産業経済の発展には役立つということがございました。それに水を差すような話になるかどうかは大蔵省の見解によるわけでございます。
 これは新聞の報道でございますから確認の意味でお伺いするわけでございますが、大蔵省としては、来年度、五十七年度の予算編成に当たって大型公共投資を洗い直していこう、特にこの本四架橋もその重要な項目の一つである、現在一ルート四橋ということでございますが、実際には一ルート三橋がこれから工事にかかっていくわけでございますが、さらにこれを当初の計画どおり三ルートまでやるべきかどうか、この点大蔵省はどう考えられるか。いまの段階では一ルート四橋ですね、四橋で一たんそこで中止といいますか、保留して、もう少し情勢を見きわめてから三ルートにすべきであると考えていらっしゃるのか、それとも当初の計画どおり三ルートを計画的に推進していくべきだとお考えか、財政当局の見解をちょっとお伺いしたいのですが。
#88
○保田説明員 お答えをいたします。
 本四架橋事業の進展につきましては先生方、皆さん御承知おきだと思いますけれども、四十八年の十月に御承知のような三ルートを建設するということで工事の実施計画が認可されたわけでございますが、その後石油ショックという予想せざる事態が発生をいたしましたことに伴いまして、石油ショックに伴うインフレ対策、その後の低成長を予想いたしまして、総需要抑制策の一環としまして四十八年の十一月に工事の着工延期という措置がとられたわけでございます。で、その後五十年の八月に当面の建設方針ということが決定されまして、先生方御承知のような一ルート三橋に限定をして工事を進めるということになったわけでございます。その後、三全総におきまして、そのルートとして促進を図るべきものは児島−坂出ルートであるということになりまして、そのほかの二ルートにつきましては、ルートとして一度に三ルートを完成するということは経済的にも非常にロスがあり得るし、財政的にもとても耐えきれないということで、地域の経済に対します開発効果等を考えて、一ルートのほかは三橋ということで仕事を進めてまいったわけでございます。
 この一ルート三橋が現在は一ルート四橋になっておるわけですが、五十二年度価格によります現在の事業費の価格は一兆二千五百億円に達するわけでございまして、現在の財政事情からいたしますと、それを推進することも財政的に大変大きな負担になっておるわけでございます。したがいまして、現在政府として財政的に裏打ちが可能であろうと考えておりますのは、一ルート三橋、児島−坂出を中心としまして事業の建設を図るのが精いっぱいということでございます。残りの二ルートにつきまして工事実施計画のとおりに三ルートあわせて推進するということはなかなかむずかしいのではないか、こういうふうに考えております。
#89
○薮仲委員 いま財政当局の御答弁をいただいたわけでございます。その上で建設省に聞くのは酷なことかと思うのでございますけれども、建設省はこの計画を立案なさったという観点から、三ルートについては建設省の立場から言うといかがか、言いにくい部分は外しても結構ですから、見解をどうぞ。
#90
○斉藤国務大臣 計画としての三ルートというものを長期的に考えることは一番いい方法だろうと思いますけれども、いま財政当局からもお話がありましたように、当面一ルート三橋、いま四橋ということで推移しておるのですが、これは全く、そこまで申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、国務大臣として、国家的見地からいまの財政事情を考えたときに、当面やはりいまの一ルート三橋、四橋になりますが、進めていって、あとの問題については長期的に今後の課題として検討さるべき問題として残していくという現実観に立たざるを得ないという状況ではなかろうかと思います。これだけの世界的な経済環境の中でいま直ちに三ルートを無理してやっても、四国と本州がつながって国家的な形で、期待するほどの経済効果はいかがなものであろうかということを私は多少の経済経験から考えるわけで、あくまで理想は理想として、しかし現実的に返ったときに、国家的な財政再建という大きな問題もありますので、当面決められた一ルート三橋、四橋、いまの実施計画を進めていくことが最も適切な方法ではなかろうか、私はそのように考えているものでございます。
#91
○薮仲委員 じゃその上で念のためにお伺いします。
 先ほども御質問があったようでございますが、明石海峡大橋、これについては何か具体的に事柄が進んでいるということなのかどうか、それともまだ明石海峡大橋についてはほとんど具体化されておらぬというのか、その辺のところはいかがでございましょう。
#92
○斉藤国務大臣 明石海峡大橋につきましては、建設大臣、運輸大臣ともに併用橋ということで認可いたしております。したがって、その計画変更については現実的にいま何も考えておりません。ただ地元の方々の要望として、併用橋ですとどうしても完成までの時期的な問題があるので、早く完成していただくにはやはり単独橋がよろしいのじゃなかろうかということが一つの発想として地元であるということは聞いております。しかし、具体的に私に直接的にその問題について要望等々は来ておりません。したがいまして、建設省といたしましては当初の運輸大臣との認可計画に基づいて進めていくというのが現在のところでございます。
#93
○薮仲委員 それでは法案の具体的な内容に徐々に入っていただかせていただきたいと思うのでございます。
 最初に運輸省にお伺いしたいのですが、これから行おうとする一ルート三橋に関連してでございますが、この事業が進捗するに従ってまず影響の出てくる事業者数と航路数、それから、すべてが影響するとは限らないと思いますが、関連する事業所に勤めていらっしゃる、いわゆる船員等を含めた従業員の方々の数、影響を受ける従業員の方の数は大体どのくらいあるのか。影響について数字の上で御説明いただきたいのです。
#94
○永井(浩)政府委員 お答え申し上げます。
 本四連絡橋の建設に伴いまして私どもが公団と調査した結果の推定でございますけれども、一ルート三橋関係で何らかの輸送量の減少が見込まれる航路数は六十一でございます。これに関連いたします事業者数は四十七事業者、それから、これらの事業に雇用されております従業員、船員、陸員を合わせて約五千二百名、こういうことでございます。
#95
○薮仲委員 この架橋に伴って再編の基本方針というものが大臣によって作成されるわけでございますけれども、当然この法案が成立するということを前提といいますか、仮定した上で何点かお伺いしたいわけでございますが、運輸省の方から出てくる再編の基本方針というのは、成立後大体どの程度をめどにでき上がってくるものか、その辺いかがでしょう。
#96
○永井(浩)政府委員 この法律は、成立の日以後六カ月以内に、政令で定めます目に施行と、こういうことになるわけでございます。私どもは、再編成基本方針は、今後私どものとるべき行政の指針でもございますし、また、影響を受ける事業者のこれに対する対応の基本的な方針でもありますので、なるべく速やかに基本方針を定めたい、このように考えておりますが、関係省庁、建設省、労働省とも調整いたしますし、また、海運造船合理化審議会にも諮問をいたす、こういうことでございますので、法施行後数カ月ということを考えております。
#97
○薮仲委員 それでは重ねて運輸省にお伺いしますけれども、そうしますと、いまおっしゃった三十一事業者、四十五航路、Dルート関連からずっと手元に資料をいただいておりますけれども、確かに橋がかかりましたその直下のルートもあるでしょうし、直下でないルートもあるわけでございます。いまおっしゃったように、本法施行後数カ月後には再編の基本方針を作成したいとなりますと、この影響についてはそれなりの評価をしなければ基本方針というのは出せないわけでございます。全体的にこの影響を受けられる事業所というものが、もちろん縮小、拡大、それぞれ影響性というのは複雑多岐にわたると思いますけれども、それでは、全体としてはこの海運事業者というものは縮小の方向に向かわざるを得ないと判断していらっしゃるのか、それともそう影響はないとお考えなのか、その辺いかがでしょう。
#98
○永井(浩)政府委員 ただいま御質問のように、一ルート三橋関係関連の航路につきましては、規模縮小なり廃止の事業者が非常に多い、むしろ拡大の方向にある事業者というのは少ない、このように考えております。
#99
○薮仲委員 それではもう少し具体的にお伺いしてまいりたいと思うのでございます。
 基本方針を作成なさるといいますと一ルート三橋ということが中心だと思うのでございますが、あるいは瀬戸内海全体に相当影響性が出てくるかもしれませんが、この一ルート三橋というものに限られた範囲で基本方針はでき上がってくるのですか。
#100
○永井(浩)政府委員 基本方針の方は定性的に全般に通じます基本的な物の考え方を記載したい、こういうことでございますので、特に具体的な航路名等は基本方針の中ではうたわない、このように考えております。
#101
○薮仲委員 この基本方針に従って実施計画が出てくるわけでございますが、いま申し上げましたように、橋の直下の航路を持っている事業所は、影響性についてはある程度の推計が出るわけでございます。しかし、直接その直下型の航路でない、直下というのもおかしい、並行している航路と言った方がいいのかもしれませんけれども、それ以外の航路については影響性というものは非常に判断しにくい部分が事業者の方におありになるかと思いますが、実施計画というものを出すタイムリミットといいますか、いわゆるどの程度の猶予期間、これは供用の六カ月前から、そしてまた実際に供用された後どの程度まで影響というものを見た上で実施計画を出していいのか、その辺いかがでしょう。
#102
○永井(浩)政府委員 御指摘のように、橋と並行しておるような航路につきましてはかなり短期間でその影響がはっきりいたすと思いますけれども、関連はございますが直接並行してないというような場合には、やはり長期間にわたって輸送量が減少するというようなことも予想されますので、供用開始後二年までの間に実施計画を出すようにと、こういうことにいたしております。
#103
○薮仲委員 それと、運輸省に伺っておきたいのは、運輸大臣が再編の基本方針を作成する、そのときにはここにいらっしゃる建設大臣あるいは労働大臣の同意並びに協議というものがここに義務づけられておるわけでございますけれども、そのほかに海運造船合理化審議会の意見を聞きなさいと、こういうふうになっておるわけでございますが、確かに海運造船合理化審議会の中には全日本海員組合の組合長さん、あるいは日本旅客船協会の会長さんがメンバーとして入っていらっしゃる。しかし、これは全国的なレベルの大きな課題についてのことならばこれでいいと思うのですが、この瀬戸内という限られた航路内の問題でもございますので、やはり私はその影響する地元の地域社会の旅客航路事業者あるいは海員組合の意見というものは、直接意見として聴取する必要があろうかと思うのでございますが、その地域の海員組合の皆さんの御意見あるいは旅客航路事業者の意見というものはどのように吸い上げていくのか、具体的に御答弁いただきたいのです。
#104
○永井(浩)政府委員 現在海運造船合理化審議会の委員には、旅客船協会の会長及び全日本海員組合の組合長が入っていらっしゃいます。当然これらの方々は組織を代表して出てこられますので、地域の声というものも反映されるものと考えておりますが、さらに、現在海運造船合理化審議会ではいろいろな専門の部会を設けて各種事項を検討しておりますが、その場において委員のほかに専門委員というものも設けられるような制度になっておりますので、必要に応じて学識経験者の方を専門委員に任命するということも可能かと思います。
#105
○薮仲委員 どうかこういう今度初めての大事業にかかわる影響性でございますから、関係者の皆さんの意見は最大限尊重するということに十分留意していただきたい。このことを申し上げておきます。
 同じく、再編の基本方針について、運輸省が航路指定をするわけでございますけれども、運輸省の方でこの企業がどうだという個別の企業名はまだ挙げる段階にないとおっしゃられておりますので、こういう場合はどうするかということでお伺いいたします。
 御承知のように、一事業者でも航路は複数の航路を持っていらっしゃる。二事業一航路ではございません。そうすると、私の手元にあります資料の中でも、一事業者で、こちらの航路は黒字です、こちらは赤字ですという、黒字と赤字の航路を抱き合わせて経営していらっしゃる。ということは、黒字の航路の黒字によって赤字の航路を埋め合わせて、それで経営が成り立っているわけでございますが、この架橋建設で、もしもの場合、黒字の航路が縮小もしくは廃止に追い込まれた、赤字を残しなさいと言われると、これは事業者としては大変に困るわけです。恐らくこの本四架橋というのは一番お客の利用率の多いところへかかっていきますから、当然そういうケースが出てくるのじゃないかということが予想されます。具体的に運輸省が資料を出してくださればもっと明確に質問したいのですが、出していただけないのでこういうアバウトな質問でありますけれども、やはりこうなったときに赤字の路線というのを経営できませんというケースがあるいは出てくる。
 そこで、私がお伺いしたいのは、単なる企業採算ということだけでやられたのでは、離島振興といいますか、離島にいらっしゃる方々の、そういう島民の皆さんの生活というものが非常に阻害されるわけです。ですから、実施計画を出しなさいといったときに、赤字の航路についての十分な対応がないと、離島の皆さんに対して非常に御迷惑をかける、サービスの低下になるという点が懸念されますけれども、こういうアバウトなことなんですが、こういうケースに対しては運輸省どうお考えですか。
#106
○永井(浩)政府委員 御指摘のように、たとえば本土と四国との間を結んでいる航路で途中で離島に寄っている、こういう航路がございます。それで、架橋後になりますと、本土−四国間の旅客は橋の方へ移って、結局四国なり本土から離島へ行くお客さんだけを扱う、こういうことになりますと非常に経営が苦しくなるわけでございます。
 ただ、この場合には、現在でも離島航路整備法という法律に基づきまして、離島あるいは離島に準ずるようないわゆる陸の孤島、こういったところの航路につきましては補助金を出しております。したがいまして、地域住民の生活あるいは足の確保に不可欠の航路でありますれば、そういった制度によってこの航路を維持していく、このようにしたいと思っております。
#107
○薮仲委員 その離島航路整備法は次に聞きますけれども、ではその前に確認しておきます。
 私がぜひともお願いしたいのは、離島の方の生活を守るために、サービスの低下、いわゆる運航回数等の減少によって、その離島の皆さんの生活が非常に影響を受けるということは断じてしないとお約束できますか。
#108
○永井(浩)政府委員 運航回数その他につきましては、これは非常に頻繁であればあるほどもちろん住民の方にとって便利なわけでございますけれども、ただ非常にお客さんの少ない時間帯、こういったものにつきましては、やはりある程度合理化をするということも必要かと思います。ただ、その辺の基準は、島民の生活様式その他によりまして、その島のシビルミニマムを確保するという線でもって確保してまいりたい、このように考えております。
#109
○薮仲委員 いま離島航路整備法のお話があったのですが、これも確かに現在百三十五航路が対象になっておるわけです。この欠損に対して、ただしこれは予算の範囲内ですよ、予算の範囲内ということについて私は問題があると思うのですが、国が七五%、県が二五%補助しているということでございましょう。五十五年度が二十七億二千万、五十六年度が三十七億一千九百万予算を組んでおられるようです。これは当然この本四架橋による影響は入っていないと私は思います、まだかかっていませんし、これからですからね。
 ただ、ここで一番問題は、予算の範囲内で補助という事柄でございます。これは金科玉条のようにおっしゃるけれども、予算がないからできませんよということになってしまうのです。ことしどの程度赤字になっておるかというと、四億ぐらい足りないはずですよ。予算の範囲内でできませんでしたといって、離島航路の赤字をそのまましょい込めというのでは、余りにも私は申しわけないと払うのです。その辺は、運輸省としてこれだけのことをやるのだったら予算の十分な措置と、赤字に対しても何らかの補てんをするという決意がなければ、私は簡単に賛成はいたしかねるのですが、その点いかがでしょう。
#110
○永井(浩)政府委員 五十六年度の予算につきましては、架橋の影響に基づく経営困難な事業者に対する補助は入っておりません、すでに過去から、関係業者の中で一社だけは架橋とは関係なく離島航路補助の対象になっておりますが、新しいものは入っておりません。
 それから予算の問題でございますけれども、五十五年度は確かに先生御指摘のように、主として船舶の燃料費の異常な高騰、前年に比べまして約二倍の値段になったわけでございまして、そういう意味で予算の必要量の不足を来したわけでございますが、五十六年度についてはそういうことはないと私どもは考えております。
#111
○薮仲委員 これは運輸省に、私はいまの問題を踏まえてお願いをしたいのでございますが、これは運輸省だけでなく関係省庁が十分御留意いただきたいのでございますが、このように本州−四国に橋がかかる。これは四橋でございますが、一橋できておりますから、また三橋できるわけでございますが、このことによって瀬戸内海の内航海運といいますか、内海の航路、これについて単なる影響を受ける方だけの実施計画ということだけでなくして、瀬戸内海全体の交通体系というのは一体どうあるべきか、この本四架橋ということによっていままでの航路でいいのかどうか、全面的にむしろ再検討した方が公平といいますか、適正じゃないかなと私は思うのです、そういう意味で、本四架橋によって影響する事業者だけでなく、運輸省として、瀬戸内海の航路、いわゆる内海航路については、新しい交通体系をつくってみるというようなことでこれに取り組まれた方が好ましいように私は思うのですが、その辺いかがでしょうか。
#112
○永井(浩)政府委員 影響を受けます航路につきましては、私ども基本方針の中で、必要に応じて合併あるいはいろいろな連携的な運用というものをやるようにうたいたい、このように考えております。
 さらに、御指摘のように、瀬戸内海全体の海上交通の問題につきましては、具体的に私ども考えておりませんが、勉強課題とさせていただきたいと思います。
#113
○薮仲委員 どうもこういう事態というのは運輸省としてもいまだ経験しなかったことだと思いますし、新しい海上交通はどうあるべきかということで、この際新しい角度から検討して、新しい航路を考えてあげることが関連業者にとっても再生の道を開くことかもしれません。航路等も単なる縮小ということではなくして、あるいは航路を延長するなり、あるいは新しい航路を設定することによって新しい事業が発展できるかもしれません。観光等によってさらなる企業の発展が望めるわけでございますから、単なる縮小ということではなく、まあ全体的には縮小だというお話がございましたけれども、しかし長年海に育った方が離職するということは大変なことでございますから、十分新しい航路等の設定も考えて、最悪の事態が起きないように、御努力を重ねてお願いをする次第でございます。
 それでは次の問題に移らせていただきますけれども、交付金についてまずお伺いしたいのでございます。
 法案上は交付金という言葉になっておりまして、細目を見てまいりますと補てんという言葉が出てまいります。この交付金の性格は一体どういう性格を持っているものか、この交付金の性格をちょっとお伺いしたいのです。いわゆる逸失利益といいますか、損害を補償するというような意味合いがあるのかないのか、そういう点での交付金の性格についてまずお伺いしたいのです。
#114
○台説明員 交付金の性格でございますが、本州四国連絡橋によりまして一般旅客定期航路事業が非常に大きな影響を受けまして、その影響によりますところの社会的な混乱等を避けるために、法案の施策を立案したわけでございますが、内容といたしましては、雇用の確保あるいは転業の促進あるいは再就職の促進等の助成金という性格というふうに考えております。
 損失補償ではないかという御質問でございますが、損失補償につきましては、政府は各事業者間の統一を期するために、昭和三十七年に公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というものを閣議決定いたしておりますが、これは私有財産を公共の事業のために用いる場合の損失の補償についての定めてございまして、今回は旅客船事業者の私有財産を橋のために用いるという関係にございませんので、損失補償基準の適用はないわけでございまして、損失の補償には当たらないというふうに考えているわけでございます。強いて申しますと、助成金というふうに考えておるわけでございます。
#115
○薮仲委員 それではその交付金についてもう少しお伺いします。
    〔委員長退席、池田(行)委員長代理着席〕
 やはりこれも法案が成立するということを前提にしてお伺いしたいわけでございますけれども、この法案の中に交付金の請求あるいは交付の手続等が全部政省令に任される、これは当然のことでございますけれども、それではこの政省令についても大体いつごろをめどに出されるのか、というのは、関連する事業者の方が非常にこれについて注目をしていらっしゃる。この法案成立と同時に具体的な施策というものがどうなるのかということがあれでございますが、時期的にはいつごろをめどにお出しになるつもりですか。
#116
○台説明員 法律案の附則の第一項にございますように、公布の日から起算いたしまして六月を超えない範囲内において施行することになっておりますので、最大限六月以内でございますが、なるべく早く準備をいたしたいというふうに考えております。
#117
○薮仲委員 それではもう少し交付金の問題についてお伺いいたしますけれども、やはり交付金をどういう場合にどの程度いただけるのかということも非常に大事な問題だと思います。交付金の算定基準、まだまだ素案あるいは原案の段階かもしれませんけれども、このような算定基準に基づいて交付金というのは交付したいという基準がございましたら、お示しいただきたいのです。
#118
○台説明員 細目につきましては、現在関係者間におきまして検討中でございますので、概略だけ申し上げますと、内容につきましては、実は私たちは、先ほど損失補償には該当しないと申したわけでございますけれども、損失補償基準の考え方そのものは非常に重要な参考になるというふうに考えまして、第十一条の交付金の中で、第一号に定める交付金につきましては、損失補償基準要綱に申しておりますところの、営業の廃止、縮小等の場合におきますところの資本に生ずる損失についての考え方、それから二番目の「事業の用に供する資産で政令で定めるものの撤去に要する費用」につきましては、同じく土地等を公共の事業の用に供します場合の移転料についての考え方、第三号の「事業の円滑な転換又は残存する事業の適正な経営を図るために必要な費用」につきましては、営業廃止あるいは縮小等におきます場合の営業に関する通常生ずる損失の補償の考え方、それから第四号の「離職者に支払われる退職金の一部に充てるために要する費用」につきましては、同じく補償基準におきますところの離職者補償についての考え方を重要な参考といたしまして立案している次第でございます。
 具体的に申しますと、午前中に局長からもお答えいたしましたように、第一号の費用といたしましては、原則として資産の現在価格から処分の見込み額を引いた価格、第二号といたしましては、撤去のために実際に要する費用に相当する額、第三号の額といたしましては、従前の収益相当額、これは廃止の場合でございます。規模縮小の場合には減益相当額を基準といたしまして、その二年分に相当する額を基本といたしたいというふうに考えております。第四号の退職金の一部に充てるために要する費用といたしましては、給与等の基本月額の八カ月分に相当する額というふうに考えております。
#119
○薮仲委員 この一ルート三橋の完成によって影響を受けるであろう事業所等に、いまおっしゃった算定基準に基づいて、あらあらこの程度の額は必要であろうという交付金の総額をどの程度と見込んでいらっしゃいますか。
#120
○台説明員 現在のところの試算では約二百億程度と見込んでおります。
#121
○薮仲委員 いまおっしゃった交付金の算定基準の三番目、事業の転換等を図るため必要な費用、従前の収益相当額、規模縮小の場合は減益相当額を基準とし、その二年分に相当する額を基本とするとございました。これは黒字の企業については確かにこれで結構でございますけれども、赤字収益の企業についてはどうなさるのですか。
#122
○台説明員 御質問の点が損失補償の場合と著しく異なる点でございまして、損失補償の場合には、利益がない場合には損失の補償ということはないわけでございますが、今回の場合には事業の円滑な転換あるいは再就職の促進等を目指す助成でございますので、赤字経営の場合につきましても擬制収益率という考え方をとりまして、仮に赤字でない場合、黒字であるというふうな仮定を置きまして交付金を算定いたしたいというふうに考えております。
#123
○薮仲委員 この本州四国連絡橋の進捗状況等でございますけれども、この中で、いままででき上がったのが大三島橋ですが、これによって影響した事業者が一者、航路数一航路ということでございますが、これはすでにこの交付金の交付が終わっていると思うのです。これは会社の名前が花栗渡船というのですか、資本金四十万、従業員五名という企業でございますけれども、ここにどの程度の交付金を交付したのですか、ちょっと参考にお伺いしたいと思います。
#124
○台説明員 花栗渡船は現在休止しているわけでございまして、この法律に基づくような交付金は交付いたしておりませんが、法律の附則の二項にございますように、これにつきましてもこの法律と同じ内容の規定を適用できるように附則で手当てしておりますが、これは実はその花栗渡船の対策そのものでございます。
#125
○薮仲委員 金額はどのくらいですか。
#126
○台説明員 現在のところ約二千万程度と考えております。
#127
○薮仲委員 そのように二千万程度を、従業員五名の企業に交付金を考えていらっしゃるということでございますが、それはそれとして、私はちょっとこれに関連してお伺いしたいのは、いよいよ橋ができました、供用を開始いたします。一番問題になるのは通行料金だと思うわけでございますが、そういう交付金というものがこの通行料金に影響するのか、それともしないのか、この通行料金の算出の基準というのは一体どのように考えているのか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
#128
○台説明員 現在のところの試算では、総事業費に対しまして交付金の額の割合は約一・五%程度と考えておりますが、これらを含めまして事業費に占めます。地補償費全体で考えてみますと、本州四国連絡橋の事業につきましても通常の道路事業と大差ない、むしろ少な目であるというふうに現在のところ試算しております。
#129
○薮仲委員 その通行料金の算定の基準をどうなさるかと言ったのです。
#130
○台説明員 有料道路の料金の算定につきましては、便益の範囲内でかつ建設に要しました費用を償還するのに必要な額というふうに定められておりますので、その一般原則に従いまして算定いたしたいというふうに考えております。
#131
○薮仲委員 次に、雇用の問題を伺っておきます。
 かつて私も運輸におりまして、二百海里の事態になりましたときに離職船員の問題が非常に大きな問題になりました。これは、海上で従事なさる方は陸上に来た場合に、表現がよくないのですが、本当に通常世間で言われますように、おかに上がった何とやらということが言われるように、非常に雇用不安というものがついて回ります。この法案が成立してスムーズに運用する上に一番大事なのは、従業員の皆さんの雇用不安を解消することが非常に大事だと思うわけでございます。この点で労働省に何点かお伺いしたいわけでございますが、先ほどの説明の中でも出てまいりました、この本州四国連絡橋の架橋によりましてどの程度の船員の方に影響が出てくるか。すべての人が失業するということじゃないと思いますが、総員で影響する船員の数をどの程度と労働省は見通していらっしゃいますか。
#132
○関(英)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどもお話がございましたが、影響の及ぶ従業者の方々、船員の方及び陸上勤務の方含めまして五千二百人程度のうちの約四割程度ではなかろうかというふうに現在のところ見込まれるわけでございます。
#133
○薮仲委員 陸上の方もさることながら、より以上に船員の方の問題はまたちょっと違う意味で大事だと思うのでございますが、この船員の方の年齢構成でございますけれども、影響するのはいま四割とおっしゃった。約四千名ぐらいだと思いますけれども、これに出ていますのは違いますね。これは船員の数、総数でございますから、ただいまの数の四割とは違いますが、年齢構成、もしおわかりでありましたら教えていただきたいのですが。
#134
○鈴木(登)政府委員 お答えいたします。
 一ルート三橋関連で三千九百三十七名の船員がおりますけれども、そのうちいわゆる中高年齢層といたしまして四十歳以上をとりますと、約四六・六%という感じになっております。それからそれ以外の四十歳未満を若年層といたしますと、したがいまして約五四%くらいのウエートを占めております。
#135
○薮仲委員 いま構成比の方までお話しいただいたわけでありますが、いま御答弁のとおり、船員の方の中高年層というのは非常に多いわけでございます。これは、陸上の雇用でも一番大変なのは中高年の方の雇用転換が一番深刻な問題であろうと思うのでございますが、一ルート三橋関連という御答弁の中で三千九百三十七名という数をいまおっしゃられました。この中では影響を受ける船員の数は何割ぐらいと考えていらっしゃるのでしょうか。
#136
○鈴木(登)政府委員 先ほど労働省の方からお答えになられましたとおり約四〇%ぐらい、人数にいたしまして千五百人ぐらいになろうかと推定しております。
#137
○薮仲委員 千五百人程度の約四割以上の方が中高年と考えてよろしゅうございますか。
#138
○鈴木(登)政府委員 船員のうち四六%くらいが中高年でございますけれども、そのうちどれくらいが失職するか、その点につきましてはまだ具体的な数字を把握しておりません。
#139
○薮仲委員 この離職船員の皆様、離職といいますか、雇用を転換する方々に対して船員局としてはどのような手だてをさしあたって考えていらっしゃいますか。
#140
○鈴木(登)政府委員 一般的に船員の雇用対策といたしましては、船員職業紹介所を通じての船員の別の船への職業紹介、あるいは公共職業安定所を通じての陸上の職場への就職あっせん、あるいは雇用促進センターを通じましての外国船へのあっせん、あるいは海技大学校などを通じての再就職のための職業教育というようなことをやっておりますけれども、特に今回の本四架橋に伴います中高年齢者対策といたしましては、実は最近内航部門につきましては雇用情勢はかなりいい状態になっておりますので、私ども、やはり船員はできるだけ船に乗っていただくのが一番いいだろうという考え方から、できるだけ内航部門に職業紹介をやっていきたいというふうに考えております。ただ、内航部門といいますのは一度港を出ますとなかなか港に戻ってこない。それに対しまして現在のフェリーとか旅客船関係は特定の港の間だけを運航しておりますので、たとえば自分の家に帰るのも非常に便利というふうな事情もございます。したがいまして、旅客船の乗組員は雇用情勢のいい内航部門の船に比較的乗りたがらないという事情もございます。私どもできるだけそこをあっせんしたいと思いますけれども、船に乗りたがらない船員につきましては、本四公団とかあるいは公共職業安定所の方とも連絡いたしまして、陸上の職場にあっせんするように最大の努力をいたしたいと思います。
#141
○薮仲委員 これは労働省にお伺いしたいのですが、このような船員の離職対策として労働省は当然それなりの対応を考えていらっしゃると思うのです。
 それではお伺いしたいのですが、いまの経済情勢の中で船員の方がどのような職業に転換することが一番ふさわしいというか、転換しやすいとお考えかどうか。その前に、いわゆる雇用の実態といいますか、こういう職種についていま非常に人手不足ですから、こういう職種に転換なさったらいかがですかというような、少なくとも瀬戸内周辺の経済情勢を調査の上でこういう職業に転換すべきであるというような具体的な施策をお持ちなんですか。
#142
○関(英)政府委員 お答え申し上げます。
 現在の雇用情勢は、昨年半ば以降、景気の動向を反映いたしましてやや雇用状態の改善は足踏み状態にございます。先月の政府の決めましたいわゆる緊急総合対策、そういったことによりまして、ことし半ば以降さらに景気の回復、そういったものによる雇用状態の改善を期待しているところでございますが、そういうふうに現在の雇用情勢というのは非常に厳しい状況にございます。ましてや先生先ほどから御指摘ございますが、中高年齢層の就職問題というのは一般的に陸上でも非常に厳しい状態にございます。わが国の雇用慣行からいたしまして、企業としてはできるならば新規学卒者を雇い、ずっと終身雇用でやっていくという形で、終身雇用という雇用慣行が一般的でございます。したがいまして中途採用というものが少ない、そういう意味で景気のよいときでも中高年に対する求人が少ない。ましてや景気の悪いときには中高年に対する求人が非常に少ない、こういうことでございます。そういう意味で船員の方々、特に中高年の方々という非常にしぼった御質問でございますが、そういう方々が他の職種に転換していくということは、現状では非常に困難が多かろうと思います。そういう意味で、この法案におきましても、失業の給付、いわゆる失業保険の給付期間を延長するなり、あるいはその後も、求職手帳の有効期間三年間でございますが、保険の日数が終わりました後も手当を支給しながら職業訓練をしたり、あるいは就職活動のための手当を支給したりしながら再就職に努めていく、こういうことにしているわけでございますが、でき得るならば従前の長い間培ってきた技能と経験を生かして就職されることが一番御本人にとっても望ましい形でございますので、船員の方はできる限りその技能を生かしていただく。船員といいましてもいろいろな技能を持った方々がいらっしゃると思いますが、そういう従来持った技能を生かしていただくということが一番だろうと思います。現在でも非常に単純労務職といいますか、そういうものにつきましては求人が少なくて求職が多い、こういう状況にございますけれども、一定の技術、技能を持った方につきましては、労働省が調べたところでも不足でございまして、そういう従来の技術、技能を生かしていただく。そして、もしそれにつけ加えて勉強するということであるならば、公的な職業訓練なり、あるいは事業主の方に委託して行う職場適応訓練、そういった制度を利用していただいて、手当を受けながら従来の技能にプラスアルファをつけて、技能を身につけて就職していただくということが一番肝心だろうと思います、いまここでどういう職種といって具体的に申し上げることはできませんが、その人の従来船員として持っていらした個々の技能をできるだけ生かして、それに新しいものをできるだけ付加していく、そういうことを個々に指導していきたいというふうに考えております。
#143
○薮仲委員 私が一番懸念するのは、いま御答弁の中にあった中高年の方の職業転換という問題が、私はこの法案の中というよりもこの事態で一番深刻な問題になってくるだろうと思うのであります。確かに御説明のように求職手帳をお渡ししますよ、あるいは四十歳以上の方には個別延長を九十日いたしますとか、あるいは訓練手当も出しますし、就職の促進手当も四十五歳以上の方はさらに長い間お出ししたい。あるいは就業支度金も出します。支度金であるとか手当は何とかお考えのようでありますけれども、いまの御答弁の中にありましたように、中高年の方の転換というのは非常に深刻であり、かつ困難であります。この問題は、この法案が成立と同時に、国を初めとして関係機関が一番真剣に取り組んでいただきたいと私は願うわけでございますが、私、運輸委員会でも指摘しましたように、特に海上の従事者が陸上で一番就業に困る点は、いま局長の答弁の中では一つの技能を持った方は非常に転換しやすいというお話がございました。私は海上と陸上のライセンスの互換、互用ということを前々から指摘し、一部具体的にされつつあるわけでございますけれども、私はこの際、運輸省並びに労働省と話し合われて、船員の方の持っていらっしゃるライセンスが陸上でも使えるというような互用、互換性という点で十分今後さらに検討し、その適用範囲を拡大していただきたい、こう思うわけでございます。と同時に、どういう職種が一番転換しやすいかということは、労働省並びに船員局で真剣に連絡をとり合って、職業転換がスムーズにいくように努力をしていただきたいと思うのでございますが、労働省と運輸省の見解をお伺いしたいのでございます。
#144
○鈴木(登)政府委員 先生がただいまも、運輸委員会においても御指摘いただいたとおりでございますけれども、特に陸上資格と海上資格の互換性の問題、私どもの方も非常に重要な問題と思って従来から研究を進めております。ただ、船内における作業といいますのは非常にコンパクトな、一つの船体の内部での作業でございまして、非常に包括的な労働ということで、したがいまして、資格もすべてを含んだ一般的な資格ということになっております。それに対しまして陸上の方は各専門分野が特殊に細分化されておりまして、その中での特殊な技能に当たられるというような形になっております。したがいまして、一挙に海上から陸上に移りますときに、海技資格あるいはもろもろの資格もそのままスムーズに横に移るというわけにはなかなかまいらないのが実情でございます。ただ、現在何らかの形で試験等の要件を幾らか緩めていただくとか、あるいはさらに進んで、御指摘のとおり互換性をできるだけしやすくするというような形で関係省庁の御協力も得て検討しておるところでございます。ただ、そういう関係省庁との検討会とは別に、私どもは海技大学校の方で船員にも陸上関係の仕事に入りやすいような職業訓練をしようということから、労働基準局からの指定講習機関という形に海技大学校の分校を指定していただきまして、もろもろの陸上の職場に転換する際に必要な知識とか技能とかいうことを現在、去年から教育中でございます。
#145
○関(英)政府委員 お答え申し上げます。
 労働省関係で資格と言いますと、基準局関係で所管しているものがございます。その点につきましては先ほどもお答えございましたので、今後とも運輸省と協力して検討を続けていきたいと思っております。
 先ほど御指摘がございましたどういう職種がいいかというような問題につきましては、具体的に現地で海運局あるいは船員公共職業安定所と私どもの出先と十分連絡をとりまして、陸上転換を希望する方ごとに、個々人ごとにケースワークで検討し、そしてそれに沿った措置をとっていく、こういうことをやっていきたいと思っております。
#146
○薮仲委員 どうか両省協議の上、円滑な運営、運用を図っていただきたいことを重ねてお願いをいたします。
 時間がございませんので次の問題に移らしていただきますけれども、いろいろな問題を解決するために中央並びに地方に連絡協議会があるわけでございますが、まず中央、地方のパイプといいますか、連絡協議会というのは今後大事な機関になろうと予想されます。今後とも中央連絡協議機関というのは当然残すであろうと思いますけれども、確認の意味でお伺いいたしますが、中央連絡協議会は今後とも残存すると理解してよろしゅうございますか。
#147
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。
 地方の連絡協議会でございますが、現地のそれぞれ関係者から構成をされておりまして、現地に即しました非常に細かい御相談までするという意味で大変重要な協議会と私ども思っております。この協議会の目的からいたしましても、従来もいろいろ御相談いたしておりまして、中間の過程では必ずしも成果が上がったと言えない面のあったときもございますが、やはり橋をかけ、現地の個々具体の問題を御相談するという意味合いで、具体的取り扱いを中心とした実のある運営を図っていただくことが重要であろうと思いますので、このまま存続するようにいたしたいと存じております。
#148
○薮仲委員 いま局長お帰りになった途端の御答弁で私の質問の趣旨が徹底しなかったと思うのですが、私は、地方ではなくて中央連絡協議会は存続するのですねと聞いたのです。いかがでしょう。中央なんです。
#149
○渡辺(修)政府委員 失礼いたしました。私、地方と聞き間違えまして失礼いたしました。中央は三月二十日に存続をするということを決定いたしております。
#150
○薮仲委員 そこで今度は地方でございますが、やはりいま局長が先に御答弁いただいたように、これからは地方が非常に大事な段階であるということは、私も局長と同意見でございまして、いよいよこれから地方の連絡協議機関というのが非常に大事になってくる。ここで現地の連絡協議機関の構成メンバー、お話しのように海運局、地方公共団体、公団、日本旅客船協会、全日本海員組合というのがその協議機関の中に入っているわけでございます。この各方面の協議機関の会長等について一応こちらで伺ってみますと、大体各地方公共団体、率直に言えば各県の副知事さんがその会長になっていらっしゃるのです。ほとんど全部そのようですが、そうしますと、やはりこれからは地方公共団体の役割りというものが、非常にこれはリーダーシップをとって大事になってくるのではなかろうか。このことは次の質問にも関連するわけでございますが、やはり今後こういうものが定期的に、また各県によって全然考え方が違うということであってはこの問題処理に困難を来します。そういうことを調整する意味で中央連絡協議会というものも大事でしょうし、と同時に私がここで指摘したいのは、いわゆる運営もしくは開催等、この運営方法、開催と同じでございますけれども、これはどういう形でこれから行われていくのか、その辺をお伺いしたいと思いますし、と同時に、中央では労働省が入っているわけでございますが、いま私が質問の中で申しましたように、雇用の問題がこれから非常に大きな問題になってくるのですが、現地の連絡協議機関の中には労働省直接には入っておらぬ、何かの形で入ってくるのだという御説明かもしれませんけれども、やはりこれからの問題の一番困難なことは雇用問題であろうと思いますし、そういう意味で労働省が何らかの形で関与しなくていいのかどうか。関与した方がいいのじゃないかな、こう思うのでございますけれども、その点いかがでしょうか。この二つをまずお伺いしたいのです。
#151
○関(英)政府委員 私どもの地方段階の組織といたしましては、県の中に労働関係の部がございまして、その中に多くは職業安定課とか雇用保険課というような形で、知事の指揮監督のもとに雇用関係の行政をやっております。そういう意味で、県としてそういった地方の協議会に属しておりますので、もちろん雇用問題について発言をする機会もございますし、それからまた幹事には先ほど申しましたような課長クラスが幹事として参画いたしております。それから労働省の出先で基準局関係につきましてはそこに入っておらないと思いますけれども、これは私どもの県レベルで、県の基準局と十分連携をとりまして、基準局関係の問題についても反映をさしていきたいというふうに考えております。
#152
○渡辺(修)政府委員 従来から運営につきましてそれぞれ地方の実情に応じて創意工夫をしながら運営をされておるわけでございます。今後ともそういう意味で、必要に応じましていろいろ関係方面とも御連絡をとりながら、具体の話を今後は進めていただくというふうに指導をしてまいりたいと思います。
#153
○薮仲委員 この法案の第五章、国と地方公共団体は海運事業者の転業が円滑にいくために、資金の確保、融通、退職者の再就職あっせんに努めも、こうあるわけでございますけれども、これは国と地方公共団体が努力しなさいよという努力目標を掲げているわけでございます。これは必ずしも義務規定ではないわけでございます。
 そこで、特にこれ問題として指摘されておりますのは、もしもこれが各地方公共団体によって対応が異なると困る。やはり窓口は県が直接の窓口になってまいります。先ほど来お話がありましたように、退職者をなるべく少なくしようというのは、やはり転業ということも出てくるかもしれません。そうすると、転業のときに、やはりこれは県の窓口へ参りまして国の高度化事業資金を借りようというようなことが出てくるわけでございますが、この対応がおくれてまいりますと事業者としては非常に困ってくるわけでございます。こういうことで、自治省等がやはり全体的な見地に立って、先ほど来申し上げるようにこれからは中央より地方が非常に大事になってまいりますから、自治省がやはり統一的な見解で各地方公共団体、県を指導していただく。円滑な運営を図っていくということで責任を持っていただきたいという希望があるわけでございますが、その点、自治省いかがでございましょう。
#154
○藤原説明員 自治省といたしましては、現在旅客船問題等対策協議会のメンバーには参画さしていただいております。雇用対策中央協議会の方はメンバーになっておりませんが、メンバーになっているいないにかかわらず、今後地方との連絡調整には十分努めてまいりたいと考えております。
#155
○薮仲委員 どうかこれからは県を窓口としたいろいろな問題が非常に大事になってまいりますので、自治省はしかるべき速やかな対応をよろしく指導していただくようにお願いを重ねてするところでございます。
 それからこの法案の二十二条、二十四条、これにいわゆる国、地方公共団体、公団の具体的措置が出てくるわけでございますが、この国それから地方公共団体、公団と、こう具体的な措置が一体どの程度役に立つのかなとちょっと懸念しながら何点かお伺いしたいのです。
 まずいまの自治省関連でございますけれども、地方公共団体がそれでは一体何をしてくれるかといいますと、「中小企業事業転換対策臨時措置法に基づく転換計画の認定等を通じて事業者に対し、転業に関する適切な指導を行うこと。」これはいわゆる事業転換について県知事が認可したというだけのことであります。もう一つは「転業に必要な資金について、国における制度金融を補完して地方の制度金融の活用を図ること。」この二本が出ているわけでございますが、この点、国の制度金融を補完して地方の制度金融を活用して、確かに各県とも活用するように自治省は指導してくださるのかどうか、いかがでしょう。
#156
○藤原説明員 お答えします。
 制度資金の活用あるいは転換指導等、それぞれ所管省もあるかと思いますけれども、県の方からわれわれの方に相談がありますれば、われわれとしてもできるだけ適切な対応をするように努めたいと思います。
#157
○薮仲委員 できるだけなんということではなくて、積極的に、しかも各県が同じような足並みで進むように、取り組むよう重ねて指摘しておきます。
 時間がありませんので、次の問題に入りたいのですが、この中で国の関与する問題の中にこういうことが書いてあるのです。「各ルートごとに、関係者から構成される本四連絡橋旅客船問題連絡協議会が既に設置されているが、こうした場を積極的に活用して離職者対策について連絡協議すること等により、職場の開拓、就職の斡旋等につき適切な対策を講ずるとともに、本四架橋関連事業等における離職者の再就職口の確保を図る。」こうなっております。ここで私、建設大臣にお願いしたいわけでございますが、先ほど来の質問の中で大臣もお気づきのとおり、職業転換ということが非常に困難である。しかしこの本四架橋関連の事業というものは離職者の再就職の口としては私は非常に手近にある、また希望の持てる職場ではなかろうかと思うわけでございます。むしろこれは国が積極的に離職者を優先的に再就職させるぐらいの熱意でお願いをいたしたいと思いますし、当然関連事業あるいは関連企業に対しても積極的に働きかけをする、あるいは義務づける。義務づけぐらいまでしていただきたい気持ちでおりますけれども、大臣いかがでしょう。
#158
○斉藤国務大臣 御提言の向きについて全く同感でございます。同じ離職するにしてもそこから離れるということでなく、せっかく長い間培ったその環境で地についた仕事につかれるということを根本的に御提言のような形で進めたい、このように考えて指導してまいる所存でございます。
#159
○薮仲委員 今度は公団にお伺いしますけれども、やはり大臣と同じことをお伺いしたいと思います。
 一つは、料金徴収等の本四連絡橋管理事業及び本四連絡橋道路保守整備事業、その他本四架橋関連事業については離職者の優先的な就労、これはもう絶対やるということをお約束していただきたいと思いますし、また本四連絡橋によって促進されるであろう地域開発事業、そういうものに対して離職者の雇用機会が広げられるように努力するのではなくして、これはむしろ積極的に取り組んで、公団の大きな仕事の一つとして雇用の開拓に当たる、このくらいの決意で臨んでいただきたいと思うのでございますが、公団、いかがでございましょう。
#160
○山根参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来お話の出ておりますように、私ども具体的な対策はこれから地方協議会の場を通じましてルートごとにルートに即した、また現実のその地域に合いました対策でなければならぬ、こういったことから地方公共団体の御協力、関係行政機関の御指導を得ながら積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 まず第一の料金徴収業務あるいは道路保守業務、こういった本州四国連絡橋公団の関連事業につきましての離職者の優先的な就労につきましては、私どもとしては積極的にやってまいりたい、必要な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
 第二の、本州四国連絡橋によって促進されると申しますか、地域開発が進展をしてまいります。これに実は新たな雇用機会があるわけでございます。したがいまして、これはあらかじめ計画的に進められるものもあるわけでございますので、地方公共団体とも連絡をとりながら、こういった場で就労の機会が得られるように私ども最善の努力を尽くしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#161
○薮仲委員 公団にちょっと重ねてお伺いしますけれども、じゃ離職なさる方を何名ぐらい関連事業あるいは開発事業等で吸収できると具体的な数字をお出しになっているかどうか、もしも出してなければ早急に出して、海運局あるいは労働省と協議して雇用不安をなくすべきだと思うのでございますが、公団、いかがでしょう。
#162
○山根参考人 お答えいたします。
 因島大橋に関連いたします関連事業につきましては、現在それぞれ最終的な詰めの段階を行っておるところでございまして、最終的な数字はいま固めておりません。
 地域開発関連につきましては、これはまたいろいろ具体の計画も若干ございます。ございますが、これを一体どういう仕組みでもってやってまいるかというような点あるいはどの地域の範囲まで考えていくか、いろいろ問題が残されておりますので、ただいま先生御指摘の点につきましては早急に私ども詰めてまいる、関係行政機関の方とも御連絡をとりながら、遺憾のないように進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#163
○薮仲委員 その公団の取り組みは非常に大事な事柄だと思いますので、どうか離職なさる方に大きな希望と勇気がわいてくるように、私は重ねて努力していただきたいと申し上げておく次第でございます。
 時間が参りましたのではしょってと申しますか、最後に二問だけお伺いします。
 通産省、いままで申し上げましたように、これから雇用の安定確保、いわゆる雇用の創出ということは非常に大事でございまして、やはり地域経済の発展は通産省に課せられた大きな課題であろうかと思います。この本四架橋に伴って通産省としても瀬戸内、四国を中心とした地域経済の発展にそれなりに十分な対策を考えておられると思いますし、また、それがいま問題になります雇用不安の解消に非常に役立ってまいりますので、その辺の取り組む決意を通産省にお伺いしたいことと、もう一点は保安庁、いろいろいま公海上の潜水艦の問題も問題になっておりますけれども、あのような長大橋ができてレーダー障害で安全航海ができないようなことになってはこれまた不安でございます。レーダーによっては非常に偽像が出てくるとか、レーダー障害ということも叫ばれておりますので、こういう長大橋による船舶のレーダー対策は運輸省と当然十分な検討をしていらっしゃると思いますけれども、その辺の状況がどうなのか伺って私の質問を終わりたいと思います。
#164
○竹野説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御案内のように、われわれ雇用問題としましては工業立地ということが非常に重要でございまして、四国とかそういうところに工業立地をやるための一般的な施策としまして、工業再配置法を中心としまして各種の誘導施策を講じているところでございます。
 そのほか、新産都市建設促進法あるいは工業整備特別地域整備法というふうなものによりまして地域指定を行いまして、産業関連施設、生活関連施設の整備のための施策を推進しているところでございまして、山陽では岡山県の南地区が新産都市として、あるいは備後地域、周南地域が工業整備の特別地域として指定されておりますし、四国では徳島地域と東予地域が指定されております。こういうふうなものを中心にしましてできるだけ工業立地というふうなことの整備に努めたい、こういうふうに考えております。
#165
○加藤説明員 本四架橋に伴いますレーダー障害につきましては、海上航行いたします船舶の安全を確保いたしますために、海上保安庁は本州四国連絡橋公団に対しまして視界不良時における通航船への視界情報の提供、レーダー偽像の実態調査、パンフレット等による偽像発生状況の周知等を当面指導いたしておりますが、海上保安庁におきましても巡視船艇による指導、警戒、航行警報による偽像発生状況の周知等を実施いたしております。今後ともレーダー偽像の発生状況に対応いたしまして所要の対策を講じ、船舶航行の安全に万全を期していきたいと考えております。
#166
○薮仲委員 最後に大臣、いま申し上げたのは、この本四架橋完成によって非常に懸念される話ばかりを申し上げました。しかし、そうではなくして、これが四国あるいは瀬戸内を中心として新しい産業が発展して、すばらしい効果を生んだと言われるような事態をどうか関係大臣のお一人として御努力いただきたい。不安を払拭し、希望の持てる結果にしていただきたいと思いますので、最後に重ねて大臣のこの本四架橋にかける御決意を伺って終わりたいと思います。
    〔池田(行)委員長代理退席、委員長着席〕
#167
○斉藤国務大臣 先生の御指摘、御提言の趣旨に沿って、万全の措置を図りながら進めてまいりたい、このように考えます。
#168
○薮仲委員 終わります。
#169
○稲村委員長 渡辺武三君。
#170
○渡辺(武)委員 法案の内容に入る前に、まず橋につきまして基本的な事項のみお聞きをしていきたいと思います。
 本四架橋は全体計画のうち一部が着工されておるわけでございますけれども、御承知のように、これまでもたびたび工事がストップをしてまいりました。一体これは計画どおり進むのかどうかという疑念があるわけでございますが、どのような見通しになっておるのかということと、さらに計画が遅延をいたしておりまするその理由は何なのか、さらに現在審議をされておりますこの法案が成立をしたならば、今後工事は計画どおり進むのかどうか、この点についてまずお聞きをしておきたいと思います。
#171
○渡辺(修)政府委員 お答えをいたします。
 いろいろこれまでの経過におきまして工事がストップしたこともあるわけでございます。因島大橋におきましてケーブルの架設が若干遅延をいたしておりましたが、ただいまはケーブルの架設も終わりまして順調に工事が進んでいるわけでございます。これにつきましては、間接的に、この法案を作成する過程におきまして海運関係者とのお話をいろいろいたしました。この辺が前向きの方向に作用しておるものと確信をしておるわけでございます。
 また、大鳴門橋につきましても、これは漁業関係者、特に釣り人でございますが、そういった方々との若干の問題がございまして工事がおくれた面もございましたが、ただいま主塔の工事も順調に進んでおりまして、次にはケーブルの架設、こういう段取りに進んでまいるわけでございます。
 いまのところこういったことで、既定方針の一ルート三橋、そのうち大三島橋が完成をいたしましたので、去る三月に伯方・大島大橋の起工式が行われました。一ルート四橋ということで進めておるわけでございます。
 若干のおくれはございましたものの、何とか今後順調に工事を進め、それぞれの工事中の橋を早く完成に持っていきたい。特に一ルートにつきましては、これは本州と四国を結ぶ大変重要なルートでございます。また経済上の効果から申しましても、このルートが完成することが非常に大事だと思いますので、いまのところ六十年代の前半になろうと思いますが、これを完成させるべく努力をいたしたいと思います。
 なお、今後のその他の橋等につきましては、やはり社会状況等を勘案をいたしまして、関係省庁とよく御相談をしながら考えてまいりたいと思っております。
#172
○渡辺(武)委員 ルートはいま局長が御説明になりましたように、本州と四国を結ぶ橋でございますから、これは供用が開始されれば相当な利益を得るであろうと思われるわけですけれども、ほかの四橋ですか、これはいわゆる離島連絡橋なんですね。離島と離島を結んで有料橋をつくって供用を開始して、果たして利用者がどうなるのかなという感じがするわけですね。これを有料にして、つまり料金で償還をしていく、こういう計画ですね。将来計画として、財政事情が許せば全部をつなげたい、こういうことなんですが、ならばその離島と離島だけを急ぐ理由というのは一体何だろうかな。どうせ長年かかってもやり通すならば、本州側、四国側から逐次延ばしていくというならば、これは少し海を見ようかという人が車に乗ってあるいは通行料を払いながらもごらんになる方があろうかと思いますけれども、離島と離島の連絡橋をつくってみて、これはあと十年たつか二十年たつか三十年たつか知りませんが、一体どうなるのかな、こういう感じがするわけですが、その点はいかがでございましょうか。
#173
○渡辺(修)政府委員 いまやっております橋の中で先生御指摘の離島と申しますのがまず大三島橋、それから最近着工いたしました伯方・大島大橋が相当するわけでございますが、実はこの二つの橋でつながれます三つの島が一つの郡を形成いたしておりまして、教育上の問題あるいは医療の問題等々で非常に密接な関係にあるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、これは地域の住民の方々のためになるものという位置づけでございます。
 なお、当然のことながら、離島を結んでおりますので、その通行料金でこの橋の建設費を償還するというのは非常にむずかしいわけでございますが、本州四国の場合それぞれがお互いに関連をしておりますので、全体を通した採算ということで考えておりますので、真ん中の児島−坂出ルートが完成をいたしますと、これによりまして採算性は十分確保されるわけでございます。
 なお、因島大橋につきましては、すでに尾道から向島にかけまして尾道大橋が日本道路公団の手によりましてかけられております。したがいまして、本土から因島までこの橋ができますとつながるわけでございます。因島におきましてはかなり産業等も定着をいたしておりますので、これまた離島とは若干異なったものでございますが、それなりの大きな効果があろうと思います。
 大鳴門橋は淡路と四国徳島とを結ぶものでございまして、離島間連絡というよりはかなり重要な交通の幹線になろうかと思うわけでございます。
#174
○渡辺(武)委員 それからこの工事による海水の汚染度はどの程度になっておるのでございましょうか。
#175
○山根参考人 お答え申し上げます。
 環境庁並びにその他の御指導を得まして現実に海底並びに海中の工事にかかるわけでございますが、汚水、濁水を流さないような中間処理を実はいたしまして、それで幸いにして海水の汚染には全く関係なく工事を進めることができているということで、私ども、一つの技術開発といった点でも成果があったことを自負いたしておるわけでございます。
 なお、海底等の掘削作業が必要になってまいります。これは児島−坂出ルートにおきます備讃瀬戸等で基礎工事をいたしておる段階におきまして、海底を掘削するという仕事をいたさなければならないわけでありますが、この場合に海底にせん孔、穴をくりまして発破をかけるという作業があるわけでございます。これも水中被圧によります魚類等への影響もほとんどなく、工事を遂行することができているという状況にあるわけでございます。
#176
○渡辺(武)委員 御承知だと思いますが、この瀬戸内の海というのはいわば閉鎖海域に等しい海域でございまして、瀬戸内の水が完全に入れかわるまでには実は相当な年月を要する地形であるわけでございます。したがいまして、工事に伴ってそのような問題がもし起きますと、長年にわたって相当の問題が尾を引くということになりますので、特にそういう面には留意をして工事を行っていただきたいとお願いをしておくわけでございます。
 それでは、次に法律の内容について御質問をいたしますが、まず、再編成基本方針を定めることになっておるわけでございますけれども、この基本方針の性格あるいは機能というものについてお尋ねをしたいと思います。
#177
○永井(浩)政府委員 再編成の基本方針は、この本四旅客船問題に対します私どもの行政の指針という性格が一つございます。それから、これに対応いたします影響を受ける事業者の、今後どうしたらいいかという対応の基本的な方向を定めるもの、このような性格を持っておるものと考えております。なお、法的には、法案五条五項にございますように、事業者が後ほど作成いたします実施計画の認定基準、物差しという性格を持っておるものと考えております。
#178
○渡辺(武)委員 その基本方針はいつお定めになるのですか。
#179
○永井(浩)政府委員 基本方針は、ただいま申し上げましたような機能を持っておりますので、なるべく早く策定したい、このように考えております。それで、この基本方針を作成いたしますためには建設省、労働省との調整、それから海運造船合理化審議会等の諮問がございますが、事務的に早急に策定したい、法施行後数カ月ということを考えております。
#180
○渡辺(武)委員 すでにもう架橋が終わっておるところもありまして、その影響が一部出ておるということを実は聞いておるわけですが、法施行を待たなければならないという理由も余りないと思いますけれども、できる限り早くその方針を定めて、派生的に起こってまいります問題に十分対処できるようにしていかなければいかぬ。できるだけ早くとか可及的速やかにという言葉は非常にきれいですけれども、具体的な日にちが定まっていないと延引をするおそれがある、その延引がまたトラブルの原因になりやすいわけでございますので、その辺は十分ひとつ留意をしていただきたいと思います。
 さらに、この再編成基本方針を定めるときに海運造船合理化審議会の意見を聞くことになっておりますが、この合理化審議会の構成メンバーは一体どうなっておるのでございましょうか、
#181
○永井(浩)政府委員 現在海運造船合理化審議会のメンバーは三十八名でございますが、いわゆる学者の方、それからマスコミの代表の方、産業界の代表の方、それから海運業界並びに海運関係労働組合の代表の方でございます。
#182
○渡辺(武)委員 それでは次に、航路指定についてはどのような時期に行われるのか、お尋ねをしたいと思います。
#183
○永井(浩)政府委員 航路指定は、架橋によりまして影響を受ける航路について指定するわけでございますが、その影響の度合いを判定いたすためにはなるべく精度の高い需要予測というのがどうしても必要でございます。そういった意味では、架橋の供用開始に近い時点で航路指定を行うということが正確な需要予測に基づいて行えるのでベターでございますが、一方、事業者の方にとりますと、事前にたとえば退職金確保契約を結ぶとかあるいはそういった準備も必要でございますので、なるべく前広に指定してもらった方が対応がしやすい。こういう両方の関係がございますので、これらを勘案いたしまして、おおむね当該架橋の供用開始の三年ぐらい前を考えております。
 なお、因島大橋につきましては五十八年中に供用開始ということでございますので、これは法施行後速やかに指定したい、このように考えております。
#184
○渡辺(武)委員 この航路指定は運輸大臣が建設大臣と協議の上指定するということになっておりますが、建設大臣、何か御意見がございますか。
#185
○渡辺(修)政府委員 工事の進捗状況等を監督しております大臣の立場で、いつ指定をすればいいか、また、その道路も、単独橋じゃなしに併用橋の場合もございますが、その営業開始がどうなるか、いろいろの問題がございますので、建設大臣に協議をさせていただく、こういう形にしたわけでございます。
#186
○渡辺(武)委員 それでは実施計画に入ってまいりますが、実施計画は一般旅客定期航路事業者がこれを作成することになっておるわけですね。そういたしますと、これは事業者の考え方によってその実施計画が策定をされていってしまうというおそれ、つまり、必要以上に事業が縮小されたり、採算性の点で余り利益にならないからこれはやめておこうかとか、こういうようなことになりやすくなるおそれはないでしょうか。
#187
○永井(浩)政府委員 実施計画は、御指摘のように事業者がまず作成することになっておりますが、作成に当たりましては運輸大臣が示しました再編成の基本方針というものにのっとって作成することになっております。また、作成されました実施計画は運輸大臣の認定を受けるわけでございますが、認定を受けるときにその基本方針が判断基準になるということで、必ずしも事業者の恣意によって左右されることはない。また、この実施計画を事業者が作成する段階におきまして労働組合の意見を徴する、こういうことになっております。労働組合が意見がありますときにはこれをあわせて添付して運輸大臣に申請するということとしたいと考えておりますので、運輸大臣といたしましては、こういった事業者の意見、組合の意見等も十分参酌して適正な認定を行えるもの、このように考えております。
#188
○渡辺(武)委員 局長、いまなさいました答弁の中に、労働組合の意見を聞いてそれから策定をしたいのだ、こういうことでございますけれども、法には、雇用の安定に関する事項については労働組合の意見を聞かなければならぬ、こういうふうに限定をされているわけですが、そうではなくて全般について労働組合の意見を聞いてやっていくのだ、こういうことですか。
#189
○永井(浩)政府委員 当然いま御指摘のように、雇用の安定に関する事項について組合の意見を聞くわけでございます。ただ、その雇用の安定の問題につきましては、当然にその前提といたしまして事業の縮小とか廃止とかいうものがあるわけでございますので、その意見の交換の段階で両者がそういった問題に触れるのは当然あり得るものと考えております。
#190
○渡辺(武)委員 法文では、労働組合の意見を聞かなければならないと、こう書いてあるのですね。意見を聞くということは、反対意見もあれば賛成意見もある、反対であろうが賛成であろうが意見を聞けばよろしい、こういうことになりやすいわけですが、その辺はどうお考えでしょうか。
#191
○永井(浩)政府委員 一番望ましいのは、労使が同じ意見になって運輸大臣に申請が出てくれば一番いいいわけでございますが、当然反対意見、異なった意見が出ることが予想されます。したがいまして、事業者が実施計画の認定の申請をしますときには、そういった組合の意見をあわせて添付させて申請させる、このように措置したいと考えております。
#192
○渡辺(武)委員 どうも就業規則の作成のときと同じような考え方のようでございますが、本来労働組合の意見を聞き、了解を得る程度のところまで折衝が進められないと、それによってまたトラブルが発生をする、こういうことでございますから、法そのものが、労働組合の意見を聞けばいいのだ、その意見の中には反対もあれば賛成もある、したがってその意見を添付さえすればいい、あとは判定はこちらでやる、こういう形式になっているわけですね。それでは、最終的には大臣がそれを認定をされるわけでございますので、大臣としてはそういうときにはどうされますか。――大体、関係法案があるのに該当大臣がいないのですから、建設大臣が兼任しておるのじゃないですか。
#193
○永井(浩)政府委員 この法律の趣旨から言いましても、架橋の影響を一番少なくするようにし、必要な輸送を確保するということが目的でございますので、両方の意見を十分しんしゃくいたしまして適正な措置をとりたい、このように考えております。
#194
○渡辺(武)委員 本来私の言わんとするところは、第五条の中にわざわざ、雇用の安定に関する事項については労働組合の意見を聞かなければならぬ、こういうふうに書いてありますから、いわば雇用の安定だけに限定をしてここにわざわざ挙げてある。そのことから、逆説的には、雇用の安定だけの意見を聞けばいいのだ、その意見が反対であろうと賛成であろうと構わないのだ、こういう解釈が生まれてくるおそれがあるわけですね。したがって、本来近代的な労使関係というのは、経営全般についても、もろもろの問題について実は非常に協議が進んでおるわけですね。したがって、限定的な問題について労働組合の意見を聞かなければならぬとするよりも、本来的にはこの実施計画の策定に当たっては、当然労働組合の意見を十分聞かなければならぬ、この方がより組合の意見を尊重するという方向ではいいのではないか、こう考えるわけですけれども、要は運用の面においてそれらを十分配慮していくということであるならば一応了解をして、次に進みたいと思います。
 先ほど来も問題になっておりましたけれども、つまり、離島の住民の方々のいわば大事な足としての航路を維持するために、運輸省は何らかの助成策を考慮しておられるのでございましょうか。
#195
○永井(浩)政府委員 瀬戸内海の各航路につきましては、多く離島経由で設定されておりますので、架橋によりましてこれらの離島航路が非常に経営が苦しくなるという事態が十分予想されるわけでございます。これにつきましては、現在も離島航路整備法によりまして離島航路の助成措置が講じられておりますので、これの積極的な活用によって対処してまいりたい、このように考えております。
#196
○渡辺(武)委員 あわせてお伺いをいたしますが、離島航路補助制度の概要について御説明願いたいのと、また、五十六年度の離島航路の補助予算、この概要について御説明をいただきたい。
#197
○永井(浩)政府委員 離島航路補助制度は、離島航路整備法に基づきまして離島住民の日常生活に欠かせない足を確保するという目的で行っておるものでございます。こういった離島航路におきましては、輸送需要が少なくて一般的には企業採算に乗らない航路が多うございます。こういった航路につきまして、その赤字を国が原則として七五%、地方公共団体が二五%の全額補助をしておるわけでございます。なお、五十六年度の予算は三十七億一千九百万円でございまして、対象航路は百三十五航路でございます。
#198
○渡辺(武)委員 御承知のように、経済情勢の変化に伴って、離島の方々の足を受け持つこの業者といいますか、航路そのものに従事をしていらっしゃる方々が相当な赤字を覚悟で、いわば社会奉仕的な活動を続けていらっしゃる。そういう中で国もそれに見合ったような形で離島航路の補助を出しておるのだと、こういうことでございまして、なるべく経済情勢の変化に柔軟に対応するように十分に留意をしていただきたい。要望をいたしておきます。
 それから次に雇用関係についてお尋ねをいたしていきますが、船に乗っておられる方々の雇用対策につきましては国はどのような措置を講じておられますか。
#199
○鈴木(登)政府委員 お答えいたします。
 私ども、船員の雇用対策といたしましては、四点ほどの対策を中心にやっております。
 まず第一に船員の職業紹介事業でございますけれども、最近の厳しい船員の雇用情勢に対処いたしますために、全国に六十一カ所船員職業安定所を設置しまして、そこに約百人の職員を置きまして船員の職業指導あるいは職業相談、求人開拓等の職業安定事業をやっておるわけでございます。なお、最近の安定所によります職業紹介の成立実績は、約一万件というような実情になっております。
 それから第二番目には、離職船員に対する職業転換給付金の支給でありますけれども、これは、現在問題になっております法案でもその支給を実施すべく規定しておりますけれども、現在のところ漁業に関するものが二件、それから一般の内航貨物船等に関するものが一件ということで各種の給付金を支給しております。なお実績は、五十四年度が約二十七億五千万円、五十五年度が約九億円というふうな実績でございます。
 それから第三番目は余剰船員の外国船への配乗でございますけれども、これは、日本船員福利雇用促進センターという公益法人を設置いたしまして、外国の船に同本の失業船員を配乗するというふうな仕事をやっております。五十五年度の実績は、二百六十五隻の外国船に対しまして約二千人の日本船員を配乗させたわけでございます。
 それから最後に船員の再教育訓練でありますけれども、船員で失業した者がさらに別の船に、たとえば漁船からタンカーに乗るとかあるいはタンカーから漁船に乗るとかいうような場合、あるいは不幸にして海上に職場がないときに陸上の職場につきやすいようにというようなことから、七尾、児島に海技大学校の分校というものを設置しまして、そこでもろもろの船員の再教育訓練を実施しております。
 以上申しました四つのようなものを中心に雇用対策を実施している次第でございます。
#200
○渡辺(武)委員 従来、いろいろな離職者に対して支給されております給付金につきましては、これまでにどのような立法例があるのか御説明を願います。
#201
○鈴木(登)政府委員 先ほど漁業関係については二つ、一般の貨物船等につきましては一つと申し上げましたけれども、漁業関係につきましては、漁業再建整備特別措置法というのと国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法というのがございます。
 漁業再建整備特別措置法と申しますのは、いわゆる漁業を取り巻きます国際環境の変化に伴いまして、漁船の隻数の縮減という事態が発生いたしまして、それに伴い発生いたします離職の漁船の乗り組み船員を救済いたしますためにいろいろと給付金を支給するものでございます。具体的には母船式捕鯨業及び遠洋カツオ・マグロ漁業に対して適用されております。
 それから、漁船に適用されます二番目の国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法、これは国際協定の締結に伴いまして減船、さらにまた離職を余儀なくされた船員に対する給付金の支給でありまして、具体的な対象業種は沖合い底びき網漁業、中型サケ・マス流し網漁業、ニュージーランドのイカ釣り漁業等、二十四業種に対して支給しております。
 それから、漁船以外の一般の船員でありますけれども、船員の雇用の促進に関する特別措置法というのがございまして、これも国際環境の変化あるいは国内の経済事情の変化に伴いまして規模縮小を余儀なくされ、そのために離職を余儀なくされた船員に対しまして、就職促進給付金を支給しているものでありまして、具体的な対象業種は近海海運業、内航海運業、はしけ運送業、造船、修理業、そういうものの関係船員に対して適用をされるような事情になっております。
#202
○渡辺(武)委員 そこで、今回この特別措置法に基づきまして支給されます給付金としては、どの程度の内容のものを考えておられますか。
#203
○鈴木(登)政府委員 現在予定しておりますのは、先ほど申し上げました国際協定の締結に伴い離職を余儀なくされた、われわれいわゆる漁臨法と呼んでおりますけれども、これに大体準拠いたしたい。具体的には三十五歳以上のいわゆる離職者手帳所有者に対しましては就職促進手当、それから技能習得手当、移転費、自営支度金、再就職奨励金、雇用奨励金の六種類の手当を支給すべく用意をいたしておるところでございます。三十五歳未満の者に対しましては、幾らか手当が薄うございまして、いま申し上げました六種類の手当あるいは支度金のうち自営支度金、再就職奨励金、それから雇用奨励金は支給いたしませんで、就職促進手当、技能習得手当、移転費、そのほか訓練待期手当、これも就職促進手当と同じようなものでありますけれども、そういう四種類を支給することに予定をしております。
#204
○渡辺(武)委員 その内容は、先ほどお尋ねいたしましたいままでの立法例と比較をいたしましてどの程度のものでございましょうか。
#205
○鈴木(登)政府委員 お答えいたします。
 先ほどお答えいたしましたように現在三つの給付金の支給根拠法があるわけでありますけれども、その中でも国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法、いわゆる漁臨法が一番手厚い保護になっております。したがいまして、私どもはそのいわゆる漁臨法並みの支給をいたしたいと考えております。なぜかといいますと、いわゆる漁臨法は国際協定といういわば国の施策の結果に基づきまして一時的に多数の漁業離職者、船員離職者が発生したという、国家が非常に関与しておる事態でありますけれども、今回の本州四国連絡橋の建設に伴いますこの支給につきましても、いわばこれは本四架橋という国家的な事業の結果によるものでありまして、そういう点では国際協定の締結に伴います離職者の発生というものとほぼ軌を一にしておるということでございますので、現在すでにあります三つの法律のうち、一番保護の手厚いいわゆる漁臨法をそのまま今回の本四架橋に伴います支給につきましても適用しようというふうに考えておる次第でございます。
#206
○渡辺(武)委員 いろいろ申されましたが、たくさんの立法例がある中で、今回この特別措置法に基づいて支給される給付金は、いままでの例から比較をすれば最高のものである、こういうことですね。わかりました。
 それでは、次に交付金について若干お尋ねをしたいと思いますが、先ほども同僚議員が質問をいたしておりましたが、私はその航路権の補償の要否がかつて議論をされておったと聞いておりますけれども、この法案ではどうなっておるのでございましょうか。
#207
○渡辺(修)政府委員 お答えいたします。
 一般旅客定期航路事業につきまして、航路権というものを財産権として認めよという御主張があったのは事実でございますが、いろいろ検討いたしました結果、損失補償の対象となるような財産権ではないという結論にただいまは達しております。したがいまして、この法案におきまして航路権に対する損失補償という考え方はとっていないわけでございます。
#208
○渡辺(武)委員 それでは、今回支給されます交付金は何を財源として支払われるのでございましょうか。
#209
○渡辺(修)政府委員 一口で申しますならば本州四国連絡架橋の建設に要する費用ということでございますので、一般国道にかかわるものにありましては通行料金から、鉄道施設にかかわるものにつきましては使用料金によりましてそれぞれ償っていただくということとしているわけでございます。その趣旨は冒頭に申し上げたとおりでございまして、建設に要する費用、したがいまして、この本州四国連絡架橋の施設の利用により受益を受ける方々に負担を求めるというのが最も適切な方法ではないかと思うわけでございます。
#210
○渡辺(武)委員 それは長い年月がたてば償還できるかもしれませんが、当面は一体どうされるのかということを実はお聞きしたわけです。それらはすべて後になって有料で通行者から徴収をしていく、これはわかるわけですけれども、じゃ一体償還に要する年月は何年ぐらいを計画していらっしゃいますか。
#211
○渡辺(修)政府委員 当面はいわゆる本州四国連絡架橋の建設費の中で支出をするということに当然なるわけでございまして、この償還につきましては三十五年を予定いたしております。
#212
○渡辺(武)委員 それでは、この本四架橋以外に、これからはいろいろ技術も進んでまいりまして架橋工事が始まる可能性というものはあるわけですけれども、そういう場合に旅客船事業が影響を受けるような場合には、これと同じような措置を講ずるということになるのでございましょうか。
#213
○渡辺(修)政府委員 本州四国連絡架橋は、たびたび申し上げておりますが、非常に大規模な影響を一般旅客定期航路事業に対して及ぼすということでございまして、こういった特別の影響を軽減するために所要の措置を講ずるという次第でございます。他の架橋の場合につきましては、直ちにこの本州四国連絡架橋と同じようなものかどうかという点がございます。やはりいろいろそのケースによりまして検討いたしまして、その上で措置が講ぜられるものと思うわけでございまして、たとえばある一つの独立した橋というような場合でございますれば、従来からもいろいろ先例がございますし、必ずしもこの法律による措置ではない、ケース・バイ・ケースの措置が行われる場合も多いのではないかと思うわけでございます。
#214
○渡辺(武)委員 この「本州四国連絡橋の建設に伴う旅客船問題に関する措置の大綱」というのを見ますと、「海運代理店業については、関係者の協力をえて実態の調査を行い、必要に応じ対策を検討するこういうことになっておりますが、その後これはどのような状態になっておるのでございましょう。
#215
○渡辺(修)政府委員 先生の御指摘のように、懇談会の意見具申につきましてはそのような次第になっております。海運代理店業につきましてはいろいろ調査もいたしておりますが、かなり変動もあるようなこともございます。ただ、この法案におきましては、従事されております職員に対する問題といたしましては、この法案の中であわせて対策を講ずるという趣旨にいたしておりますので、実態を把握いたしまして、それに合うような具体的措置を講じてまいりたいと考えます。
#216
○渡辺(武)委員 これから実態を調査をされるのではなくて、もうずっと前から問題点がいろいろ出されてまいって、その中の集約事項の一つに実はそういう項目があるわけですね。つまり、「海運代理店業については、関係者の協力をえて実態の調査を行いこというのはもうずっと前の話ですよ。そして「必要に応じ対策を検討する。」したがって、もうすでに実態の調査は行われて何らかの結論が出ておるだろう、こう推定をしておるわけですね。いかがでしょうか。
#217
○渡辺(修)政府委員 海運代理店業についても実態の調査はいたしております。ただ、影響といたしましてはこの旅客船事業ほど大きくないということは当然でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、従業員の対策は旅客船問題と同等に取り扱うということで、今後個々の具体のケースにつきまして、この法案が成立いたしました場合、遺憾なきを期したいというふうに考えております。
#218
○渡辺(武)委員 それでは次に、今回は旅客船関係を中心とした従業者に対するいろいろな措置が考えられておるわけでございますけれども、先ほども問題になっておりましたように、港湾運送関係の雇用問題があるのではないかと思います。この港湾運送関係の問題につきましては、これも調査をしていくということになっておりますが、現在との辺まで調査をされ、どのような対策を考えておられるのか、あるいはいつごろまでに結論を出されるのか、お伺いをしたいと思います。
#219
○渡辺(修)政府委員 港湾労働問題につきましては、いままでに調査といたしまして四種類の調査をいたしてまいりました。現地調査、これは調査委員会の委員が現地に赴いた調査であります。それから政府調査といたしまして、いわゆる経済モデルを使いました計量計算をした調査でございます。それから労使調査、それから地方調査と申しまして、地方公共団体の協力を得てアンケート調査によりまして影響の度合いを判定する調査、この四つの調査をいたしてまいりました。
 その結果が中間報告ではございますが、港湾業務の内容によりましては影響があるという結論が出ておりますので、先般三月五日に雇用問題対策協議会を開催をいたしまして、今後この協議会の幹事会で対策を含めて、また調査の足りないところがあればその調査の補足等も含めて検討していこう。ただ、時間的にいつまでもだらだらというわけにはやはりまいらないわけでございます。ここ一年ぐらいをめどとしてまとめる方向でまいりたいと思っております。
#220
○渡辺(武)委員 本問題は、相当長年にわたって実はいろいろ問題があり、関係者の皆さん方の御努力によりまして、一時は険悪となった労働関係もようやく理解をされて、すべてが円満に片づきつつあるわけでございまして、この法案の中で誠意をもって履行をされ、再びトラブルが起きない、ような的確な措置を十分にとっていただきたい。
 特に、退職をされる方々に対するいろいろな援助事業があるわけでございますけれども、やめていくという方々は、気分的にも精神的にも非常にいろいろな負担を背負っておられるわけでございます。このやめていかれる方々に対する窓口、職業安定所等々いろいろあると思いますけれどもそういう窓口の対応そのものがややもすると冷たいといいますか、言葉遣い一つにいたしましてもいろいろトラブルが起き得る可能性を秘めておるわけでございます。まあ担当者にしてみれば多くの離職者が来て、そう一々親切丁寧にやっておれるかい、こういう気持ちもあろうかと思いますけれども、そこはやはり離職をされる方々、特にこの本四架橋という一大プロジェクトの推進に当たってやむなく離職をしなければならぬ、こういう問題を抱えた離職者になるわけでございますから、その辺のところを十分にひとつ注意をして対応をしていただきたいと特にお願いをしておくわけでございまして、最後に大臣からその辺のことについて、今後の方向についての決意を承って質問を終わりたいと思います。
#221
○斉藤国務大臣 いろいろと本四架橋について関係者への御配慮を賜りながらの御質問につきまして敬意を表します。
 御案内のような歴史的事業でありますだけに、こうした大きい国家的プロジェクトの中で影響を受けて、そのことによって不利益をこうむるような方々、また、こうした大きい国家的事業の中で埋没するような関係の方々があってはならないわけで、数々の御配慮をされての御質問につきましては、十分な配慮をもって対応してまいる所存でございます。そうし。たこと、海事関係の方々にもようやく大筋で御理解をいただいて今度の提案になったわけでございまして、その点十分わきまえて、この法案の実効ある活用をもって対処してまいる考え方でありますので、せっかく御理解のほどをお願いをする次第でございます。ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
#222
○稲村委員長 次に、住宅・都市整備公団法案を議題といたします。
 別に質疑の申し出もありませんので、本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#223
○稲村委員長 この際、本案に対し、中村茂君提出の修正案及び瀬崎博義君提出の修正案がそれぞれ提出されております。
 提出者より順次趣旨の説明を求めます。中村茂君。
    ―――――――――――――
 住宅・都市整備公団法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#224
○中村(茂)委員 私は、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案に対する日本社会党提案の修正案について、その趣旨と概要について御説明いたします。
 今日、わが国の勤労者の住宅難は特に大都市において深刻であります。この住宅難の原因につきましては、土地問題、国土利用の問題等、幾つかの大きな問題がありますが、私は、何といっても政府が国民の住宅に責任を持たないという無責任な姿勢が根源であると考えます。政府は、国民に自助努力を強調し、持ち家を押しつける一方、地価、建材の上昇を初めとする諸物価の高騰、そうした中での賃金引き上げの抑制等、勤労者の生活をますます苦しくしております。住宅政策を住宅ローン政策、一億総借金状態へと追い込んできたのであります。
 日本住宅公団は、設立以来すでに百万戸の住宅供給を行っております。住宅を特殊法人に供給させるその背景、その思想にもろ手を挙げて賛成するものではありませんが、個別原価主義家賃で供給されてきた公団賃貸住宅は、いまや大都市の勤労者の貴重なストックとなっております。しかし、そうした公団住宅も、政府の地方自治権の制限、そしてインフレ、地価上昇によって、近年では供給戸数が大幅に減少するとともに、高い、狭い、遠いという非常に勤労者の住宅として生活にそぐわない矛盾が出てきております。
 そのような中で、五十二年に国会で決議した公団の長期未利用地、がらあき団地の対策をも誠実に実行せず、今年度においては産業基盤、大企業優先の予算運営、赤字国債発行を原因とする財政危機の打開のためと称し、公団への利子補給金すら当初予算においてゼロ査定をしたのであります。
 こうした政府の姿勢は、住宅・都市整備公団法に如実に示されています。
 第一に、第一条、目的にだれのために住宅供給を行うのかが入っておりません。これは明らかに欠陥法であります。住宅公団法は「住宅に困窮する勤労者のために」と明記されているのを初め、公営住宅法、住宅金融公庫法及び住宅供給法にはすべて対象者が明記されているその中で、本法のこの目的は、政府の国民無視を最も顕著に示しているものであります。
 第二には、行政改革といいながら役員はわずかに五名を削減するだけで、政府みずからが決定した四分の一削減すら実行しておりません。高級官僚の天下りも何ら是正する方向が示されておりません。
 第三に、新公団で国民に喜ばれる住宅を供給していこうというより、住宅は無理だから都市整備をという公団の性格の変更が見られる点であります。私どもは都市再開発そのものに反対ではありませんが、その手法、目的については現行法とは異なった立場をとっております。特に、公団が賃貸住宅の供給を行わず、銀行、百貨店等のために業務型再開発を行うことには反対であります。
 第四に、新公団は勤労者にとってどのような利益があるのか、全くないと言ってよいでしょう。公団と入居者の関係の円滑化、高騰している家賃の抑制策について何ら新しい施策がありません、
 私どもは、以上のような点を指摘し、本法は、住宅公団の住宅政策の真の拡充にはならないと判断し、修正案を提案した次第であります。
 次に、修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、公団の名称は、住宅公団を総合的に拡充し、その業務の中心が住宅の供給、管理にあることを明確にするため、「日本住宅総合整備公団」とすることにいたしました。
 第二に、第一条の目的に、住宅に困窮する勤労者のために、良質、低廉な家賃の賃貸住宅を供給することが公団の主な任務であることを明記いたしました。
 第三は、役員の数でありますが、総裁一人、副総裁一人、理事十人以内及び監事二人以内の計十四人以内といたしました。これは現行住宅公団の役員数であります。天下りは当然自粛することを期待します。
 第四は、賃貸住宅運営協議会の設置であります。公団の業務は国民に開かれたものでなければなりません。職員も生きがいある労働を保障する必要があります。公団への参加が必要と考えます。特に家賃の変更や住宅の維持、管理、補償については居住者と職員の意見が尊重されなければなりません。賃貸住宅運営協議会は、住宅の管理、公団家賃制度全体を居住者、職員、公団、学識者十名で協議する機関といたします。わが党は参加を主張しますが、少数の管理委員を出すことで、政府や公団の無策、放漫経営の責任を労働条件の切り下げや家賃値上げの形で、職員、入居者に転嫁される危険性がある経営参加には賛成できません。これが議決機関である管理委員会への参加方式をとらなかった理由であります。
 第五は、新公団が行う区画整理事業、都市再開発事業については必ず住宅あるいは宅地の開発を伴うよう、政府原案にある施行範囲の拡大は削除いたしました。住宅、宅地を供給するはずの公団が業務型の再開発を推進することは公団の性格を変えることであり、認めることはできません。
 日本社会党は、すべての勤労者の生活に対する責任を持ち、関係住民、労働組合、職員の要望を受け入れるため、修正に努力を行ってまいりました。私どもは、国民の期待にこたえる公団の拡充を目指し、本修正案を提案した次第であります。
 速やかに御可決あらんことをお願いいたしまして、趣旨と概要の説明を終わります。(拍手)
#225
○稲村委員長 次に、瀬崎博義君。
 住宅・都市整備公団法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#226
○瀬崎委員 私は、同本共産党を代表して、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案に対する修正案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
 いま国民が求めているものは、住宅問題について言えば、良好な居住水準、適正な家賃の賃貸住宅を中心とした公共住宅の大量建設と、それに必要な宅地の確保であり、行政改革について言えば高級官僚天下りの弊害や、長期の未利用地、空き家などの行政上、財政上のむだを改めることであります。
 もともと宅地開発公団は、日本住宅公団の業務、機能で十分実施できる大規模宅地開発をその業務として設立されたものであり、まさに行政機構の重複化、肥大化の典型ともいうべきもので、わが党はその設立に強く反対しました。
 設立後五年を経過した宅地開発公団の実情を見るに、唯一の事業である宅地開発は遅々として進んでおらず、機構の面では役員、部長級の一〇〇%が中央省庁等からの天下りで占められているなど、今日宅地開発公団を廃止することに積極的意義は見出せても、存続させる意義は見出せないのであります。政府提出の住宅・都市整備公団法案は、存続させる意義を持たない宅地開発公団の機構、組織を、事実上そのまま新公団に引き継いで温存しようとするものにほかなりません。
 日本住宅公団は、「住宅に困窮する勤労者のために」公的住宅を供給することを明記した日本住宅公団法の目的のもと、国民生活を支える上で一定の役割りを見たしてきました。しかし、一方では長期の未利用地や空き家を大量に発生させたずさん経営や、大量の高級官僚天下りの弊害が顕著になり、その改善が急務となっているのであります。政府提出の住宅・都市整備公団法案には、これらの緊急を要する問題の解決策は何一つ含まれてはいません。
 日本共産党は、行政改革の名にふさわしく、かつ実行可能な措置として、また日本住宅公団のずさん経営改善の第一歩として、宅地開発公団を実質的に廃止するとともに、日本住宅公団の組織、機能、運営に一定の改正を行うこととし、ここに政府提出の住宅・都市整備公団法案に対する修正案を提出するものであります。
 次に、修正点の要旨を申し上げます。
 修正点の第一は、住宅・都市整備公団法案の全部を修正し、日本住宅公団法の一部を改正する法律案とすることであります。
 第二は、宅地開発公団の組織及び業務をともに廃止し、これに伴う必要な経過措置その他の事項については別に法律で定めること、職員の処遇については国の責任において再就職の確保その他特別に配慮することとし、以上を日本住宅公団法の附則に明記することとしました。
 第三は、日本住宅公団の組織、機構、運営についての必要最小限の改善の措置として、管理委員会の委員に新たに公団の労働組合が推薦する者一名、公団賃貸住宅居住者の代表一名を加えることとしました、また、現在理事五人以上、監事三人以上となっている役員の定数を、理事八人以内、監事二人以内、総裁、副総裁を含めた役員の総数を十二人以内と、上限を定めることとしました。
 なお、詳細はお手元にお配りしてあります案文をもって御承知いただくこととし、省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の賛同を得て、速やかに御可決くださるようお願いします。(拍手)
#227
○稲村委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#228
○稲村委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
#229
○木間委員 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案政府原案及び日本共産党提出の修正案に反対し、日本社会党提出の修正案に賛成する立場で討論を行います。
 政府原案は、行政改革を目的として住宅公団、宅地開発公団を統合し、新公団を設立するというものでありますが、第一条の目的において住宅を供給する対象者を欠落させるというきわめて重大な過ちを故意に犯し、まさに政府の国民不在の住宅政策、住宅ローン地獄を肯定する内容となっておるのであります。私たちは、公団に勤労者のために良質、低廉な公共賃貸住宅を供給することを期待するものであります、現行住宅公団の長期空き家住宅、だれも入り手のない朝日ケ丘団地のごとくの住宅を期待するものではありません。政府原案の、だれのためにが欠落した欠陥法は、まさしく政府の行政改革の本質をあらわしたものであります。
 こうした政府案の本質は役員数にも示されております。もともと宅地開発公団は住宅公団の一部でありました。五年前に野党の反対を押し切って設立したものであり、その事業もほとんどが住宅公団そのものであります。今回合併するに当たり、行政改革の趣旨に照らし、住宅公団の現行役員数にとどめることは当然であります。しかるにそのほとんどが天下りでありながら、なおかつ十四名から十八名へと数を増し、さらには四分の一削減というみずからの政府・与党が定めた決定も守らず、一名をふやし十九名とするのは、まさに本末転倒であり、政府の官僚は国民の怒りを受けることでありましょう。
 さらに住宅公団は、勤労者に良質、低廉な住宅を供給する立場にありながら、公団家賃について一方的な値上げを行い、入居者の当然の権利である裁判闘争をも敵視し、入居者との一切の話し合いに応じようとしていないその反動的な姿勢は許すことができません。社会党修正案にあるとおり、日常的な協議機関を設け、入居者、職員、公団が協力して円滑な住宅管理に当たるべきであります。
 建設省、そして自由民主党はみずからの過ちを認め、住宅・都市整備公団法を国民の期待にこたえ得るよう全会一致で修正すべきであります。政策理念を放棄し、欠陥法、官僚の天下り法案を多数で押し切ろうとするその態度は、与党として国民に責任を持つ政治姿勢とは言えません。
 私は、日本共産党の修正案に対しても反対をするものであります。
 同じ革新政党の立場にありながら、修正案が二本出されるということに私は非常な悲しみを感じます。ましてや、日本住宅公団に働く労働者も宅地開発公団に働く労働者もひとしく労働者であります。社会党は政策論として宅地開発公団に反対をしていても、そこで働く労働者の権利を革新政党としてみずから踏みにじる態度はとうていとることはできません。日本共産党の修正案の「国は、公団の解散の際にその職員として在職する者の再就職の促進に関し特別の配慮をするものとする。」という、この「再就職の促進」とは何を意味するものでありましょうか。たとえば、特殊法人の廃止法が出され、その職が保障されていても働く職員は非常に心配をします。仮に日本住宅公団の職員がこのような立場に立たされたらいかがでありましょうか。私どもはやはり政府の政策に反対し、労働者の権利は守る立場をとるべきであります。
 これが反対の第一の理由であります。
 また、管理委員会に居住者、職員の代表を入れることについても、職員や居住者が公団事業全体の責任を負わされる危険を感じます。住民や労働者の参加のあり方はもう少し慎重に考えるべきと日本社会党は考えております。
 本法律案については、団地住民、両公団の職員を初め、多くの関心を集めております。住宅に困窮する勤労者のために良質、低廉な公共賃貸住宅を供給し、管理する住宅公団の拡充を目指し、野党及び労働組合、団地住民は一致して政府・自民党に修正を迫るべきであると考えます。
 日本社会党は政府原案に反対し、あくまでその修正を要求いたします。私たちの要求は、本委員会で、参議院で、そして院外においても展開する決意であります。
 公明党、民社党、新自由クラブの支持を求め、共産党及び政府・自民党の翻意を期待し、私の討論を終わります。(拍手)
#230
○稲村委員長 中島武敏君。
#231
○中島(武)委員 私は、日本共産党を代表して、住宅・都市整備公団法案に反対、社会党提出の修正案に賛成、わが党提出修正案に賛成の討論を行うものであります。
 住宅・都市整備公団法案に反対する第一の理由は、本法案が従来いろいろな問題点を持ちながらも勤労者に住宅、宅地を供給する上で一定の役割りを果たしてきた日本住宅公団に、大企業向け都市再開発事業を新たに加えることによって、その性格を変質させる道を開いたことであります。
 すなわち、日本住宅公団法では第一条で勤労者のための住宅供給を明確にうたっていたのでありますが、新公団はこの点を削除し、新たに業務用市街地再開発事業を仕事の柱に据え、都市再開発法と連動させて大都市の業務用市街地再開発事業を大規模に行えるようにしたのであります。
 私の質問でも明らかになったように、この新公団の新たな業務は、結局のところ、たとえば鈴木東京都知事が推し進めようとしているマイタウン東京構想に代表される、大企業が要求する都市再開発を推進することは明らかであります。まさにその実行部隊として新公団が位置づけられようとしている、ここにわが党が本法案に反対する最大の理由があるのであります、従来の都市再開発が住民や中小業者をそこから追い出す役割りを果たしてきたことは明らかであり、この点でも新公団が推進しようとする市街地再開発ではなく、大都市地域における木造住宅密集地区の再開発を行って、地震や火事など災害に強い、勤労者の求める住宅づくりを行うべきであります。
 反対する第二の理由は、第一とも関連するのでありますが、新公団が勤労者のために良質で比較的家賃の安い住宅をつくるという本来の仕事から大幅に撤退しようとしていることであります。これは、政府が定めた第四期五カ年計画において、公共住宅建設戸数を前期より公営住宅で十三万五千戸、公団住宅で十一万戸も大幅に削減していることと決して無関係ではありません、
 地価、建設費の高騰、国民の実質収入の低下によって、国民の住宅取得能力はますます落ち込んています。せっかく手に入れた持ち家もローンの返済に追われ、生活費の極度の切り詰めを余儀なくされ、ローン返済をめぐる家庭悲劇、自殺も後を絶ちません。このようなときにこそ安くて質のよい公共住宅の大量建設を行うべきであり、住宅公団は積極的にその事業を行うべきなのであります。
 ところが新公団は、勤労者のための住宅供給という大原則を削除しているのであります。これでは多くの国民が危惧の念を持つのは当然であります。
 反対する第三の理由は、本法案によって新公団をつくることが行政改革の一環であると政府は説明しているのでありますが、行政改革とはおおよそ縁遠いものであり、むしろその趣旨に逆行するものであるという点であります。
 およそ行政改革を言うならば、利権と汚職、腐敗を一掃して、簡素で効率的な行政機構をつくり上げるべきであります。ところが当委員会でも明らかになったごとく、新公団は住宅公団の役員数よりさらに五人も役員をふやし、高級官僚の天下りを温存しようとしていることは明らかであります。このような事実は、大平内閣の昭和五十五年行政改革で決めた閣議了解、「特殊法人の役員について」で、特殊法人役員の民間登用の努力をうたい、全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめることを目標とすると決定しましたが、この決定をも無視するものであります。
 まさに二つのの公団の統合の実態は、宅地開発公団が天下りポストを生んで里帰りするものだと言われても仕方がないものであります。わが党はいまこそ本来不必要な宅地開発公団を廃止し、勤労者の住宅建設、宅地供給を大いに進める住宅公団に立て直すべきであると考えるものであります。
 最後に指摘しなければなりませんのは、住宅公団の抱える一千六百ヘクタールに及ぶ広大な未利用地、公団発表の二万五千戸の数倍に達すると言われる空き家の存在についてであります。
 このようなずさんな経営、管理のツケは結局家賃にはね返るものであり、ただでさえ家賃が高いと言われている公団住宅を、勤労者にとってますます高ねの花にしてしまう結果となるのであります。この問題の一日も早い解決を強く望むものであります。そして、真に国民の住宅要求にこたえた公団づくり、居住者が住んでよかったと喜ばれるような居住水準の向上と住環境の整備を早急に実施することを強く主張するものであります。
 社会党提出修正案は、宅地開発公団を廃止するわが党修正案とは違って、日本住宅公団と宅地開発公団の合併を認めるものではありますが、基本点において積極的な内容を持つものであり、賛成であります。
 以上で私の討論を終わります。(拍手)(「議事進行」と呼び、その他発言する者あり)
#232
○稲村委員長 中村靖君。
#233
○中村(靖)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案に賛成、同法律案に対する日本社会党提出の修正案及び日本共産党提出の修正案につきまして反対の意向を表明するものであります。
 本法律案は、日本住宅公団と宅地開発公団とを統合して、住宅・都市整備公団を設立し、住生活の安定向上と都市環境の整備改善を図るため、大都市地域等において集団住宅及び宅地の大規模な供給、市街地開発事業等の施行、都市公園の整備等の業務を行おうとするものであります。
 委員各位の御承知のごとく、わが国の住宅事情は量的には一応充足し、質的にもかな町改善されてきておりますが、住生活の向上、改善に対する国民の要望には依然として根強いものがあり、今後とも住宅の質や住環境等に関する国民の需要動向を十分に見きわめつつ、健康で文化的な生活を営むに足りる良質な住宅、宅地の供給を図る必要があります。
 また、大都市地域を中心として都市機能の更新、良質な居住環境の形成等を図るため、既成市街地の再開発及び根幹的な都市公園の整備を強力に推進することは重要な課題となっております。以上の住宅事情等の見地からいたしますと、初のに述べた本法律案の内容は、良質な住宅、居住環境の確保と今後の都市化等の一層の進展に対応する措置として、時宜に適したものとして賛意を表するものであります。
 日本社会党提出による修正案は、本法律案の名称を「日本住宅総合整備公団」に、また、目的中に「住宅に困窮する勤労者」等を加えるものとするほか、役員等について改めるものとしておりますが、大都市地域等の住宅事情及び都市環境の改善等の面から新たに新公団を設立する趣旨より見ますと、修正案による名称は妥当とは言いがたく、また、住宅に困窮する勤労者につきましては不法の運用において従前と変わることのない実効を期すること等、審査の過程で明らかになったところであります。
 日本共産党提出による修正案は、本法律案の全部を日本住宅公団法の一部を改正する法律に改めるものとしておりますが、本法律案提出の経緯等から見ますと適切を欠くものと思われるのであります。
 以上の次第から、住宅・都市整備公団法案に賛成、同法律案に対する日本社会党提出の修正案及び日本共産党提出の修正案に反対するものであります。
 これをもって討論を終わります。
#234
○稲村委員長 中村茂君。
#235
○中村(茂)委員 議事進行について委員長に申し上げたいと思います。先ほど討論の中で日本共産党の中島委員から、政府原案について反対、社会党の修正案について賛成という意思表示がありました。議事のあり方として、採決になった場合にはできるだけ案件の原案から遠いところから採決していく、こういう趣旨に採決はなっているわけであります。そういう趣旨にかんがみて考えてみれば、いずれにしても討論の際には、原案については反対なら反対、そうして他の修正案についてはそこで意思表示するということは間違いだというふうに思います。そしてそのまま入っていって、意思表示しないで入っていって、そして採決になった際に、一番遠いところからやっていくわけでありますから、その遠いところが否決になった、さて次の案について賛成したらいいかどうかという新しい観点が初めて出てくるというのが議事のあり方ではないか。そうでなければ、討論の際に修正案が二つ出ていて、他の修正案に賛成という意思表示があれば修正案を出すという意味がなくなるわけであります。両方が話して統一した修正案にできるかできないかということになるというふうに思うわけであります。ですから、討論の際にはその関係については触れない、そして採決の際に態度を明らかにしていく、こういうあり方が一番正しいというふうに私は思うわけであります。
 そういう状況でありますから、これは後日で結構です。後日、理事会で十分検討するよう要求をいたしたいというふうに思います。
#236
○稲村委員長 中村茂君のただいまの発言は、後刻、理事会で十分協議いたしたいと思います。
 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#237
○稲村委員長 これより住宅・都市整備公団法案について採決に入ります。
 まず、瀬崎博義君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#238
○稲村委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、中村茂君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#239
○稲村委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#240
○稲村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#241
○稲村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、池田行彦君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。池田行彦君。
#242
○池田(行)委員 ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    住宅・都市整備公団法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じその運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 政府、住宅・都市整備公団(以下「新公団」という。)は、住宅を必要とする勤労者等のために良好な公的賃貸住宅等を計画的に建設し、適正な家賃で供給するよう努めること。
 二 政府、新公団は、都市再開発事業の実施に当たっては関係権利者の意思を十分に反映し、できる限りの公共住宅の建設を図るとともに、震災にも対応できる市街地の形成に努めること。
 三 新公団は、既設の住宅団地については、施設の改善整備と適正な維持、管理のもとに居住者と意思の疎通を図り、快適な生活環境を確保するよう努めること。
 四 政府、新公団は、新公団の事業の円滑な推造を図るため、地方公共団体等の支持を得られるよう努めるとともに、長期未利用地及び新築空家の問題については、その解決に積極的に取り組むこと。
 五 政府、新公団は、身体障害者のために必要な住宅の供給促進及び法令に定める身体障害者雇用率の達成に努めること。
 六 関連公共、公益施設の整備については、関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、所要の措置を講ずるとともに、義務教育施設用地に対する特別措置等について検討すること。
 七 新公団は、宅地造成計画の策定及び実施に当たっては、できる限りの公共住宅の建設を図るとともに、周辺地域の自然環境との調和に十分配慮すること。
 八 政府、新公団は、行政改革の趣旨にてらし、業務の効率化に努めるとともに、役員の逓減及び内部登用等の拡充に努めること。
 九 新公団は、従前の労働協約、労使協定、労使慣行を尊重し、統合による労働条件の低下がおこらないよう十分に配慮すること。
 十 新公団は、その業務に関連する関係法人について、業務の執行等について公団の性格にてらし適正なものとするよう努めること。
  右決議する。
以上であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#243
○稲村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#244
○稲村委員長 起立総員。よって、池田行彦君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、斉藤建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。斉藤建設大臣。
#245
○斉藤国務大臣 本法案の御審議をお願いしまして以来、本委員会におかれましては終始熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して、今後の運用に万全を期して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#246
○稲村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#247
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました、
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#248
○稲村委員長 次回は、来る十七日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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