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1980/04/01 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第6号
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1980/04/01 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第6号

#1
第094回国会 逓信委員会 第6号
昭和五十六年四月一日(水曜日)
    午前十時十四分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 守良君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 加藤常太郎君
   理事 畑 英次郎君 理事 堀之内久男君
   理事 阿部未喜男君 理事 鈴木  強君
   理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君
      秋田 大助君    鴨田利太郎君
      川崎 二郎君    長谷川四郎君
      早川  崇君    吹田  ナ君
      森  美秀君    森山 欽司君
      久保  等君    武部  文君
      楯 兼次郎君    米田 東吾君
      鳥居 一雄君    木下敬之助君
      藤原ひろ子君    村上  弘君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 山内 一郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  渡辺 紘三君
        郵政大臣官房長 奥田 量三君
        郵政省郵務局長 魚津 茂晴君
        郵政省貯金局長 鴨 光一郎君
        郵政省簡易保険
        局長      小山 森也君
        郵政省電気通信
        政策局長    守住 有信君
        郵政省人事局長 岡野  裕君
 委員外の出席者
        厚生大臣官房企
        画室長     長門 保明君
        厚生省年金局企
        画課長     長尾 立子君
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        日本電信電話公
        社総務理事   玉野 義雄君
        日本電信電話公
        社総務理事   山口 開生君
        日本電信電話公
        社総務理事   小澤 春雄君
        日本電信電話公
        社総務理事   小川  晃君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  鳥居 一雄君     薮仲 義彦君
同日
 辞任         補欠選任
  薮仲 義彦君     鳥居 一雄君
四月一日
 辞任         補欠選任
  依田  実君     伊藤 公介君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     依田  実君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積
 立金の運用に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出第三九号)
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四〇号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久保等君。
#3
○久保委員 郵便年金法の改正法案についてお尋ねしたいと思うのですが、最初に、多少条文に沿ってお尋ねをしたいと思うのです。現行の第十一条並びに第十二条、ここでは終身年金の規定がございますが、今度改正せられます終身年金と比較をした場合にどういうことになっておるのか。今回の郵便年金法の改正については、いろいろと世論の強い関心等もございまして非常に議論が闘わされたところなんですが、そういう点では、今日、郵便年金法についての見直しをする非常に重要な意義を持った改正だろうと思うのです。そういう点から考えて、現行の終身年金と今度改正せられます終身年金と比較をした場合にどういったところに違いがあるのか、簡単にひとつ御説明願いたいと思います。
#4
○小山(森)政府委員 改正前と改正後の相違点を申し上げますと、まず第一には、ただいま終身年金の制度では、年金は定額制になっております。それからまた、その間に発生いたしました剰余金は全部の年金の支払いが終わった後、と申しますと、終身年金でございますので、死亡したときに、その剰余金を一括してお払いするという形になっております。これを今度は、終身年金については、まず基本年金が逓増する仕組みをとるということ、さらにその間に発生いたします剰余金をそれに積み上げて毎年支給していく、こういう方式をとっていることが非常に異なった点でございます。
 また次に、最高制限額でございますが、ただいまの最高制限額は二十四万円でございますけれども、今回の法案によりまして七十二万円にしたいということ、また最低額が現在三千円でございますものを十二万円にするということが法定事項として法案に盛り込まれて、御提出したわけでございます。
 なお、この法案が成立した暁には、約款等におきまして年金の加入年齢と支払い開始年齢を変更いたそうという考えでおります。それは現在加入年齢が十歳から六十歳になっておりますものを三十五歳から六十七歳に変更するということ、また年金支払い開始年齢、これが現在五十歳、五十五歳、六十歳、六十五歳となっておりますものを、いずれも五歳繰り上げまして――繰り下げると申しますか、繰り上げると申しますか、五十五歳、六十歳、六十五歳、七十歳、このように変更したい、こう考えておる次第でございます。
#5
○久保委員 そういう積極的な前進面もあるわけですが、一方、現在あります即時終身年金が今度の改正では廃止をせられる。このことについての理由は一体どういうことにありますか。
#6
○小山(森)政府委員 今回の改正に当たりましていろいろな問題について配慮したわけでございますけれども、配慮の要点の一つといたしまして、やはり郵便年金も金融資産の一つであるということから、そのあり方がわが国全体の金融秩序の中で調和のとれたものでなければならないということも、考慮しなければならない一つの要点としたわけでございます。したがいまして、その金融資産の配分の調和を考えながら、しかも事業を運営していく上においてよりよい方向へというこのバランスを考えました。その結果、即時年金は一時に多額の掛金を払い込むものであるというようなことから、金融市場における資金配分の現状、いろいろ資金配分において問題になっております現時点におきましては、即時年金は行わないことにした方がよいのではないかという考えのもとに、即時年金を今回取りやめることにいたしたことでございます。しかしながら、現時点においてこういう考えで即時年金を今回の改正でもって廃止することにいたしましたけれども、郵便年金が加入者の要望にこたえて本来の郵便年金らしい機能を果たしているかどうかということは、今後いつも重大な関心を持ってわれわれ運営に当たる者は考えていかなければいけない、このように考えておる次第でございます。
#7
○久保委員 現実の即時終身年金が終身年金全体の中で占めるウエートは、金額の面なりあるいは件数の問題、そういったことについても私ちょっとお聞きしたいと思っておるのですが、事前に資料を要求したのですが、何かまだ調査中で資料が見つからないというか、把握できないというお話なので、局長の方からそのことについてのお答えをいただくことは無理だと思うのですけれども、少なくとも国民といいますか、加入者の一般のニーズというか要請の面から言えば、この即時終身年金というものに対しては、非常に魅力もあり、また強い要請があるのではないかと思うのですけれども、今日まで運営してまいったこの点に対する一般のニーズというものはどういう状況にありますか。数字その他は、何かここで直ちにお答えいただくのは無理のようですが、この点について、従来までの運用してきた実績からいって、どんなふうに判断しておられますか。
#8
○小山(森)政府委員 まことに申しわけございませんが、いま手元にその資料がございませんのではっきりお答えできない状況でございますけれども、大体の推定といいますか、いままで法案を立案するに当たりましてのいろいろの資料では、これはちょっと正確を欠くかとも思いますけれども、大体一〇%前後が即時年金であったのではないか。ちょっと正確を欠きますので、後ほどまた正確な資料をお届けしたいと思いますが、そういうふうに考えております。
#9
○久保委員 正確な数字は無理のようですから、また後はとても別途お調べの上お知らせ願いたいと思うのです。したがってここでの質問では割愛をいたしますが、しかし即時終身年金が今回外された。もちろん政治的な今日までのいろんな経過等から推測をして、私もある程度そういったことについての推測はできるのですけれども、いま言ったように国民の要望というものは非常に強いのだろうと思うのです。そういう点からいって、しかも、資金運用の面での調和、これは特に大蔵省あたりが強くそういったことについて要望なり要請をしておると思うのですけれども、しかし全体の占める比率からいっても、いまの局長のお話では一割程度じゃないかというお話なんですが、その数字は別としても、少なくとも今日までやってきた実態あるいはまた国民の意向、要望といったようなことを考えますと、この即時終身年金を外したことは、私は決して妥当だとは思いません。むしろ年金そのものの種類の選択の幅をそれだけ狭めることにもなるわけでありますし、したがって今後の運用なりまた一般の動向等を十分に考えられて、今後そういったことに対しての機敏な対応を将来に向けて考えていく必要があるのじゃないか、そんなふうに考えるわけです。しかし、数字が必ずしも明確にお答えがございませんので、この問題はそういった問題提起にとどめておきますけれども、しかし少なくとも現行制度よりも一歩あるいは二歩後退の感がいたします。その点を指摘をして今後の課題としておきたいと思います。
 次に、やはり条文で、第十五条で従来掛金計算の基礎あるいは積立金の計算方法等を法定しておったのですが、この法定事項を外した理由は一体どういうところにありますか、お尋ねしたいと思うのです。
#10
○小山(森)政府委員 先生御指摘のとおり、現行法では掛金の計算基礎を法第十五条で決めております。ただしかしながら、この掛金の基礎というのはいわゆる生命表、予定利率等を基礎に計算するものでございますけれども、この基礎資料は社会経済事情の推移に伴って刻々と変動してまいります。たとえば現行法によりましても生命表につきましては「昭和十一年内閣統計局の発表した第五回生命表の男子死亡率から」云々と、こういうようなことになっておりまして、現在非常に高齢化社会といいますか、寿命が刻々と変わってくるというようなことで、計算の基礎というものをなるべく現行に近づけて、そうした変動いたします社会経済事情の推移に即応した修正ができるようにしておくことが、加入者サービスの向上が図れることではないか、こう思いまして、計算の基礎に関する事項は郵政大臣が定め、官報で公示するということとしたものでございます。
#11
○久保委員 今回法定事項から外して、いま言われる約款等の中に規定をせられるというような改正をしているのですが、単にこの郵便年金に限らず他の一般の簡保だとかそういった方面ではどうなっておりますか。
#12
○小山(森)政府委員 簡易保険の場合におきましては、昭和四十四年に保険料計算の基礎に関する事項を法定事項から除外いたしまして、郵政大臣保が定めることといたしております。
#13
○久保委員 次に、附則の第十一条「年金契約の掛金充当の特則」という規定がございますが、これはどういうところからこういう規定を設けられることにしたのか、お尋ねしたいと思うのです。
#14
○小山(森)政府委員 ただいまの現行法によりますと、現在保険約款と年金約款におきまして、簡易保険の保険金及び剰余金、郵便年金の返還金及び剰余金というものを年金契約の掛金に振りかえることができることになっております。それで、そのことによって即時終身年金に入ることができるようになっているわけでございます。郵便年金約款の第二十五条にこの点がございまして、ただいま簡易保険に加入をしていらっしゃる方は、郵便年金の即時年金に入ることを予定している方も当然あるということが考えられるわけでございます。したがいまして、今回年金法の中から即時年金というのを外したわけでございますけれども、現行法で御加入になった方がそういう従来の予定していたところの利益というものを剥奪することになっては問題がございますので、したがいまして今後、この年金法が施行される以前にお入りになった方は、この附則によりまして即時年金に保険金とか剰余金等を振りかえて御加入できるというような方式をここでとっているわけでございます。
#15
○久保委員 すでにいろいろと各同僚委員の方からの御質問があったようでございますので、できるだけ重複を避けてお尋ねしたいと思うのです。
 ところで、今回の郵便年金の改正、私は個人任意年金制度の中で、郵便年金とそれから民間でやっておりますいわゆる民保の年金、これとの違いといいますか、あるいはそれぞれの特色といいますか、そういったことについてはどういった点が指摘できるか、大まかにお尋ねをいたしたいと思うのです。たとえば運用利回り等の問題については、これは明らかに郵便年金の方が低利といいますか、民保年金に比べて低い、そういったような面もあると思うのですが、一方また、年金の性格というか中身の問題を考えてみますと、長期的に見た場合に一体どちらが有利なのか、こういう比較の問題もあろうと思うのです。
 常識的に言って郵便年金と民保の年金との違いというものはどういったところか。優劣と言っては何ですけれども、そういった違いの点を概括的にひとつ御説明願いたい。
#16
○小山(森)政府委員 民間事業でやっております年金の中には、いわゆる生命表をもとにいたしません、年金という名前はつけておりますけれども預貯金を積み立てまして、それを払い戻すときに年金型に分割して払い戻すというものがございます。しかしながら、これは私どもが考えております生命表をもとにしているいわゆる年金とは本質的に異なっておりますので、これについての比較はなかなかできないものでございます。
 それでは、生命表を使っております民間事業と今回私どもが改正しようとする国営事業の郵便年金とどう違うかと申しますと、生命表を使ってさらにそれを数理計算上の掛金あるいは支給金というような形に振り分けてまいりますと、包括的にはほとんど相違はございません。ただ、しかしながらその中にいろいろ型がございまして、たとえば支払い開始時に比較的高い支払い金額を払うというような型をとりますと、逓増が低くなってまいります。また、支払い開始時に比較的低いスタートをいたしますと逓増額はふえて、年を経るに従って次第に多額の支払い金額を受けられるという形になってまいります。したがいまして、個々別々のいろいろなタイプによりまして一概に優劣は比較しがたいのですが、総体として見た場合においてはほぼ優劣はない、こういうふうな御理解をしていただければいいと思います。
 それではあと何が違うかと申しますと、郵便局というのは全国にくまなく網が張られているということ、しかも郵便局というのはどこも同じサービスを利用者に対していたすというところから、全国一律に同じようなサービスを利用者に対して提供していくという点が民間の個々の事業者とは非常に異なるのではないか、このように考えておる次第でございます。
#17
○久保委員 細かい点を比較してみますといろいろな点があろうと思うのですが、いま局長の概括的なというか総括的なお話、必ずしもよくわかったわけではございません。いずれにいたしましても郵便年金と民保の年金は今日まで併存してまいっておるわけでありますし、郵便年金にしてももうすでに約半世紀以上の歴史があるわけであります。そういった点を考えてみますと、民保との関係を考えてみましても、今日までのいわば共存状態の中でいろいろな経験を積み重ねてまいったと思うのであります。最近特に官業が民業を圧迫するのではないかといった批判なり意見等も耳にするわけでありますが、少なくともそれぞれの持ち味を生かしてもらって、国民の期待にこたえる年金制度がこの任意年金制度においてやはり必要だと思います。
 もちろん日本の公的年金というものは、国民年金にいたしましても昭和三十四年に法律が制定せられたという、比較的新しいわけでありますが、郵便年金の場合には、いま申し上げましたようにはるかにさかのぼって、もう半世紀以上の経験と実績を持っておるわけであります。そういう点で、今後この二本立ての任意年金というものがどう成長、発展してまいりますか、私は非常に重大な問題だと思うのです。したがって、官業が民業を圧迫するとか、民業が官業に圧迫を加えるとかそういった関係ではなくて、やはり両者それぞれ持ち味を生かしてもらって発展をしてまいることが、国民の立場から言えば非常に大きく期待しておるところだと思うのです。
 そういう点で、いま言われたような危惧といいますか、あるいは両者の間でいろいろ摩擦を起こすのではないかというようなことが言われております。だから、過去もうすでに長い間やってまいった経験の中から、そういう問題について一体どういう実績なり経験を持っておられるのか。具体的な問題として、たとえば簡易保険の問題、これはまた郵便年金以上に古い歴史を持っておるわけでして、大正五年、郵便年金よりも約十年ばかり早くから始めた簡易保険、もちろん民間の保険業界というものは、すでにもう明治の半ばくらいでしたか発足をしておるようですから、そういう中から過去を振り返って見て、いまいろいろ指摘しておりますような問題が、過去の実績から言っても果たしてそういった点が指摘されるのかどうか、これと簡保との関係について、いままでの実績等から、郵政省ではどう考えておられるのか、できれば具体的に御説明願えれば幸いだと思うのです。
#18
○小山(森)政府委員 今回郵便年金法の改正によって民業に圧迫を加えるのではないかという話がございますけれども、いわゆる郵便年金の個人年金そのものの市場というのは、いまきわめて普及率が低いというところから、そういった市場そのものがまだ形成されてないという状況でございます。また、郵便年金というような公共性の高いものに国営事業が参加するということは、全体の事業に対して一種の誘導機能を果たすのではないかと思っておる次第でございます。
 そのようなことを言えるのはどういう経験に基づくかと申しますと、大正五年に簡易保険が創業されております。これに対しまして民業の保険は明治十四年から創業されておるわけでございます。その後おくれること数十年で簡易保険が創業されております。そのときの状況を見ますと、それまでの民間生命保険の保険契約の推移といいますのは、大正五年前十年間の年平均の新契約の増加率を見ますと、三・五%の伸びを示しております。これは十年平均でございますが、大正五年の前五年間だけ、明治四十五年から大正五年までの数字でございますが、これは逆に三・四%の減少を示しているわけでございます。ところがここで、大正五年に簡易保険が保険事業に参画いたしまして、この直後にこの数字を見てまいりますと、五年間で平均一四・九%という伸びになっておりまして、さらに十年間をとってみましても一一%という伸びになっておりまして、急激な上昇傾向をたどっているということでございます。
 このことは、国営の簡易保険による、いわゆる全国網のあります郵便局でこのような国営事業を通しまして保険を行うことによって、保険思想というものが全国的に普及して御利用になる皆様方がふえたということで、民間生命保険ともどもその事業が発展してきた、このように見ている次第でございます。
#19
○久保委員 いま御説明のあった点で、おたくの手元にある資料によっても、民保の個人契約の件数の推移、これを見てみますると、明治三十年、それから大正五年、簡易保険が始まった年ですが、それまでの約二十年間、これを見てみますると、明治三十年度を一つの基準にしますると、大正五年当時における契約の件数というものは約一・七倍、二倍に足りないような状況であったようでありますが、それが、大正五年を契機にしてその後大正五年から五年間の大正十年ごろになりますると、約倍、二倍程度に伸びておるようでありますし、さらにその後大正十五年、すなわち大正五年からみれば十年経過した段階で見ますると約三倍、さらに昭和九年、すなわち約二十年間ですが、この期間をとってみますると約五倍程度の伸びを示しておるようでありますし、そういう点では、いま局長の言われた数字を挙げての御説明と符節を大体合わせておると思うのでありますが、とにかく簡易保険が始まった大正五年、この時期あたりをとらえてみた一つの今日までの実績あるいは歴史的な動向がいまのお話で数字的に理解されたと思うのですが、さらにごく最近における問題として、なお一つ傾向をお尋ねしたいと思うのです。
 それは要するに、例の昭和四十九年に始められました簡保における疾病傷害特約、これが昭和四十九年を境にしてどういう傾向になってまいったか、これも最近の事例の問題としてお伺いをしておきたいと思うのです。
#20
○小山(森)政府委員 疾病傷害特約でございますが、簡易保険が開始いたしましたのは昭和四十九年からでございます。それ以前にも民間保険におきましてはこの種の契約があったわけでございますけれども、昭和四十五年度末の状況を見てまいりますと、三十八万件でございました。個人保険の中に占める割合は〇・六%でございます。さらに三年後でございますか、昭和四十九年から簡易保険を始めておるのですが、その直前の昭和四十八年度末にはどういう状況であるかと申しますと、百五万件、個人保険の中に占める割合は一・五%になっておりました。ところが、昭和四十九年に簡易保険がこの種の傷害特約という付加契約をするようになりましてから急速にこれが伸びまして、五年たった昭和五十四年度末では、この個人保険の中に占める割合は二八・二%、二千三百万件となっている次第でございます。
 これを計数でちょっと申し上げますと、昭和四十九年に傷害特約の簡易保険業務を始める前の四十八年を一〇〇といたしますと、その三年前でありますところの昭和四十五年の指数は三六でございます。ところが、一年たちまして昭和四十九年で見ますと、これが四五二、二年目の五十年では八四七となっておりまして、五年後の五十四年では二一九〇という指数にまでふえているという状況でございます。
#21
○久保委員 いまの特に疾病傷害特約、それから民保の場合におきましては、疾病入院保障契約というもののようでありますが、いまお話があったように、非常に急激に伸びておることが数字的に指摘できると思うのですが、過去のそういった実績なり経験というものが今後においても、要するに両々相まって国民のニーズにこたえてまいる、加入者の期待にこたえてまいるということが望ましいわけでありますし、また、現にいまお話があったような面から考えてみますると、将来に対して非常に期待が持てるのではないかと思っております。
 したがって、今日公的年金始まってまだそう日がたっておるわけではないのでありますが、しかし、いろいろ経済の変化に伴って、国民年金の問題一つをとらえてみましても、まだ必ずしも安定的発展が期待できる現状にはありません。われわれはもちろん本質的に考えますると、公的年金を充実をしてまいること、これが何といっても大宗をなすものでなければならぬと思うのですが、しかし、現実的にはなかなかそうはまいらない状況等を考えますると、この郵便年金にいたしましても、その使命は非常に大きいものがあると思うのです。
 しかし、今日までのこれまた郵便年金の歴史を振り返ってみますると、必ずしも一貫した方針でもってずっとやってまいったということにはなっておらぬと思うのでありまして、今回もまた例の特別措置というようなことがとられて、いわば従来の郵便年金についてはひとつ区切りをつけ、一時金を払って一応とにかく結末をつけよう、清算をしようというような措置がとられておりますことは、郵便年金制度に対する従来の取り組み方というものは、その時代の趨勢に対応し切れない、いわば郵便年金の好ましくない状態で、現実には対応できなくなった。したがって、一つの時期をとらえてこれに対して清算をしようということで、すでに昭和四十二年にも一遍やったわけでありますが、今回の法改正に伴ってもまた特別措置がとられる。このことは言いかえれば、結局郵便年金法の第一条に規定せられております郵便年金の目的というものが一貫的にその任務を果たし得なかったということが、一面から言えば言えるのではないかと思っておるのですが、そういう点では特別措置が何回も何回もとられて、その時代の変遷に対応できない段差のあるところをこの特別措置で埋めていくという措置をとらざるを得ないことは、いわば郵便年金制度が極端に言えば破綻というか、とにかくそのときの時代の要望に沿い得なかったということを立証しておるのではないかと思っておるのですが、この特別措置の反面、そういった私の指摘が当たっておるかどうか、郵政省そのものが失敗であったとは公言できないと思うのでありますが、しかし、これは長い流れから見ればそういったことを私は指摘せざるを得ないと思うのですけれども、郵政省ではどういう反省を持っておられるのか、この特別措置の問題に関連して、角度を変えてお尋ねをして、所見をお伺いしたいと思うのです。
#22
○小山(森)政府委員 従来の法律というものは大正十五年につくられたということをまず申し上げておかなければならないかと思います。当時の状況でまいりますと、いわゆる経済変動というものは非常に停滞時期にあったということ、そのときの立法であったということ、したがいまして、現在の戦後のような経済の発展というものとおよそ経済社会情勢、客観情勢が変わっていた中においてできた制度であったということ、しかしながら、その後また先生御指摘のように、法第一条に基づくような形の反省を常にすべきではなかったか、こういうことでございますが、一つは、世界大戦というような形でもって経済環境が破壊的な形になったということから、この事業に対しましての立ち直りが非常に遅かったということは言えるかと存じます。
 また、それに加えますに戦後の非常に急激な経済環境の発展というものが加わりまして、この第一条の精神を生かすためにどのような具体的な方策をとっていくかということについて非常に苦慮して、その期間が非常に長かったということは御指摘のとおりだと存じます。
 したがいまして、法第一条に基づきまして郵政省に命ぜられております年金の国民に対する奉仕というものを、ここで考えを新たにいたしまして今回改正法案を提出した次第でございますので、よろしく御了承のほどを願いたいと存じます。
#23
○久保委員 確かに敗戦といったようなまことにだれしも予想もしないような大変な激動があったわけでありますし、当然、経済、財政等のこれまた大変な変動あるいはまた大変な混乱があった、そういう中で国民の生活を一体どう守ってまいるか、この郵便年金法第一条にも言われておりますように、国民の経済生活の安定を図る、こういう大目的にその時宜に適した対応がなかなかとりにくかったことは十二分にわかるわけでありますが、しかし、これはいまも局長の方から御答弁があったように、対応の仕方が必ずしも時宜を得ていなかったということだけは私は指摘できるのじゃないかと思うのです。少なくとも将来に対する展望としては、一貫性を持って、しかも国民にできるだけ魅力のある、この法律にも規定されておりますように簡易に利用できる郵便年金であってほしいということは、国民すべてが願望しておるところですから、そういう意味では今後思いを新たにして、ぜひひとつ国民の期待にこたえる郵便年金制度というものの確立に向かって努力をしてもらいたいと思うのです。
 ところで、余り時間もございませんので最後にお尋ねしたいと思うのは、行政管理庁から、年金とは若干違いますが、簡保事業に対する勧告が昭和五十四年、すなわち一昨年の五月十四日に出されておるようですが、これに対してすでにもう郵政省の方で回答等も出されておるようであります。これはやはり簡保と年金、きわめて性格といいますか本質的には、あるいはまたその目的とするところは、これはもちろん第一条においてそれぞれ同じような目的を持って創設をされている制度ですから、そういう点で考えますと、行政管理庁から指摘をせられた勧告事項というものは、この郵便年金の場合についても全く本質的に同じことが言えると思うのです。そういう点から見て、余り中身について詳細なお話を伺う時間もないようでありますから、勧告に対してどういう取り組み方を郵政省としてはしておられるのか、簡潔にひとつお答えを願いたいと思うのです。
#24
○小山(森)政府委員 行政管理庁からは、第一は加入者サービスの改善ということ、第二は事業運営の効率化、第三には事業運営の適正化という三点からの勧告をいただいております。
 時間が非常にかかりますので、この内容の一つ一つについて申し上げるわけにまいりませんけれども、加入者に対するオンラインサービスの拡充という点については、現在すでに拡充を図っておりまして、普通局に対しては昨日をもちまして全部オンラインが完了したところでございますし、今後特定局に対してもオンラインサービス網を広げていく所存でございます。
 また事業運営の効率化という点におきまして、地方簡易保険局の要員の適正化というようなことがございますが、これは機械化等に伴います合理化、さらに民間委託ということをもって効率化に努めているところでございます。
 また、いわゆる最高制限額の超過契約でございますが、これは国営事業として超過契約ということはやはり問題がございます。したがいまして、普通局のオンラインも完成したことでございますので、事前チェックシステムを五十六年度からとっていこうと考えている次第でございます。
 なお、制度の問題で下取り転換制度の創設というのを勧告を受けておりますが、これはまだ現在やっておりません。しかしながら、いろいろ民間生命保険等の現状から考えまして、このサービスは行うべきものであると考えておりますので、なるべく近い機会にこのような下取り転換制度を導入したいと考えている次第でございます。
#25
○久保委員 その中で一つ、なおお尋ねしたいと思うのですが、保険契約の申し込み受理手続の励行というのですが、これは一般国民から考えれば当然のことなんですけれども、こういったことが指摘せられるのはどういう状況にあるわけなんですか、その事情をひとつお尋ねしたいと思うのです。
#26
○小山(森)政府委員 この申し込み受理手続の励行につきましては、保険契約の申し込み受理時における被保険者に対する面接観査とか、健康状態に関する質問等の所定の手続を励行しろ、こういうことでございます。これは一つは、面接観査というものを省略することによって非常に不良契約ができるということ、また健康状態に対する質問をしないことによって、いわゆる健康状態にない方を加入させるということで不健全な契約を行うというようなこと、これは保険としては最も避けなければならない基本的な事項であるということで、このことを指摘を受けたわけでございます。
 したがいまして、このことにつきましては現在職員に対する指導を強化しておりまして、その結果、現在告知義務違反契約というようなことについては漸減してきているのではないか、こう思っております。特に告知義務違反契約で、しかも職員側のミスによりまして解除権の行使ができないというような事例は減少しております。今後とも一層職員に対する指導を徹底してまいりたい、こう考えております。
#27
○久保委員 それから事業運営の効率化という中で、全国にあります加入者福祉施設、特に例の保養センターだとか加入者ホーム、こういったものは非常に一般国民からも喜ばれ、施設の利用等も非常によくなされておるように私見受けます。ただ、ここで指摘せられておる事務の繁閑によってもう少し能率的なといいますか効率的な運営をやったらどうかというのですが、これは全国的に見て相当繁閑のアンバランスといったものがあるのでしょうか。比較的よく年百年じゅう利用されておるのじゃないかと思うのですけれども、この面の利用状況といいますか、行管で指摘せられたような点が全国的にやはりあるのでしょうか。
#28
○小山(森)政府委員 個別の施設についての利用率等はちょっと手元にございませんけれども、非常によく利用されているところとそうでないところの差はかなりの格差がございます。したがいまして、この格差のある場合にも同じような考えで要員等を配置しておくのはどうかという御指摘を受けたわけでございまして、これにつきましては、外部委託などということを進めまして運営の改善を図っているという現状でございます。
#29
○久保委員 それではもう時間がありませんからこれで終わりますが、今回の郵便年金法の改正問題をめぐっては大変な議論が各方面でなされ、また報道機関等でも非常に注目すべき意見あるいはまた報道がいろいろなされました。したがって、それだけ郵便年金に対する重要性といいますか、郵便年金の持つ使命というものが大きいということも、一面から言えば私は言えるのではないかと思うのです。
 そこで、特に政治問題化したような問題も、突き詰めて言えば、民間保険との関係における郵便年金というもののあり方に対する一つの課題を指摘したとも言えると思うのです。そういう点を考えますると、今後の運営については、先ほども一、二過去の実績等について御説明を願ったのですが、ぜひひとつ両々相まって国民の経済生活の安定を図るという目的のために、郵便年金が正常な形で、しかも両者お互いにいい意味において励まし合う、あるいはまたお互いに適正な競合関係をつくっていく、こういうことに十分に意を用いて、ひとつ、郵便年金が今度画期的な改正を行うことによって新しくスタートしようとするわけですが、特別措置というような措置も、過渡的な問題として、過去の清算、事務的な措置もとられるわけでありますが、こういったことがまた将来においても行われるということがないことを期待したいと私は思うのです。郵便年金制度の問題についてそういった点にも十分配意を願いながら御努力を願いたいと思うのですが、大臣の方からひとつ郵便年金制度に対しての心構え、改正に当たってどういうお考えでおりまするか、総括的な御意見をお伺いして、私の質問を終わります。
#30
○山内国務大臣 いろいろ御審議をいただきましたけれども、わが国の年金は現在公的年金というのが普及、発達をしておりましてやっておるわけでございます。これが中核になることは間違いないところでございます。しかし、だんだんと老齢化社会になってまいりますと、もっと自分で年金というものに入りたいという方もたくさんおいでになると思うわけでございます。そういう意味で大正十五年から郵便局においては郵便年金というものを創設したのでございますが、そのときの情勢といまではずいぶん変わってくる。したがって、改善、充実をせざるを得なかったというのはそういう点からでございます。そういう点を考えてまいりますと、これからは御自分でひとつもっとやっていきたいという方にお入りをいただいて、十分な老後の生活をやっていただきたいと思っているような次第でございます。
 この改善するときに当たりまして、民間との競合というような点が言われておりますが、いまのところはまだまだ、いわゆる個人的年金につきましては市場が、全世帯の一%の方しかお入りになっていない、こういう現状でございますので、将来のことでございますので勧誘することも非常にむずかしいと思いますけれども、全力を挙げて多数の方にお入りをいただいて、老後に楽しい生活ができますように、この法律を通していただいた暁には懸命にやってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#31
○久保委員 終わります。
#32
○佐藤委員長 久保等君の質疑は終わりました。
 米田東吾君。
#33
○米田委員 私もこの問題につきまして、二、三、若干御質問を申し上げたいと思っております。ただ、大分審議が尽くされてきておりますので、私は主としてこの年金が実際に募集される現場の立場に立って疑問点をひとつ聞いておきたい、こう思っておるわけであります。実は私もかつて保険年金の募集を実際にやってまいりました。私の経験からしてもひとつこの際この問題について、いろいろ問題点があるようでありますから、お聞きをしておきたいと思っております。
 まず第一点は、これは大臣にお聞きをするわけでありますけれども、率直にいままでの経過を見させていただいておりますが、今回の提案に至るまでの経過を見まして、郵政省の最初の構想はもっと大きかったわけでありますが、郵政省と大蔵省の、あるいは政府を含めた一つの妥協が成立して今回の最高七十二万円、月六万円のこの中途半端な年金に落ちつかざるを得なかったということになっているんだろうと思うのであります。しかし、私は現場で実際にこの年金をこれから商品として扱う立場に立って考えますと、どうもこれは角をためて牛を殺すような性格を持っておるし、ある意味では欠陥商品のような感じすらするわけであります。
 一番大きいその理由は、やはり七十二万円という最高の制限が、今日の経済事情に照らしてみまして、いかに官業といえどもこれではやはり中途半端になるのじゃないかということが一つ。もう一つは、最も魅力のある即時年金がなくなっている。これが二ってあります。これも一つの妥協でありますからやむを得なかったのだろうと思うのでありますけれども、それにしても、これでとりあえずスタートしたとして、かつて郵政省が既得権として持っておったものなんでありますから、この復活といいますか、将来こうした方向に改善、向上していかなければならぬだろうと思うのであります。
 まず年金額の引き上げについて、大臣、これは将来の問題でありますけれども、この際聞いておきたいのであります。少なくとも郵政省の当初打ち出した構想の段階まで引き上げていく努力が必要だろうと思うのでありますけれども、いかがでございますか。
#34
○山内国務大臣 いわゆる契約の最高限度の問題でございますけれども、いろいろな観点から決める必要があると私は思っているわけでございます。いわゆる公的年金の水準、それから国民の老後の生活費の問題、また掛金の負担能力の問題、民間と調和ある発展のための配慮、そのほかにもいろいろ考えるべき点があるかと思いますけれども、御提案申し上げましたのは、それらの点を総合勘案して最高限度七十二万円ということを御提案申し上げているわけでございます。
 それではずっと将来これでいいのか、もうすでに大正十五年から郵便年金をやっていながら、いままで大分限度額においても放置していたというのも、これは社会の変動に伴って合致していないということでございますので、今回、遅まきでございますけれどもこれを御提案申し上げている、こういうわけでございます。したがって、今後の問題についても、絶えず社会の情勢を見ながら、それにマッチするようにひとつ合わせていくべきである、こういうふうに考えているわけでございます。
#35
○米田委員 まず、事務当局の見解もこの際ひとつ聞いておきたいと思うのですけれども、この商品は、今後契約者の利益も考え、事業的な経営面も考えて、この七十二万円という現在の最高制限額、これで実際中途半端になりませんか。
 なお、今後やはり事務当局としては、計数の関係、いろいろ調査されているはずでありましょうから、少なくともどの程度まで引き上げていかなければならぬというような、そういう現状における構想はございませんか。
#36
○小山(森)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、四点の――もっと数はあると思いますけれども、主要四点を考慮いたしまして七十二万ということを決めたわけでございます。
 今後、いわゆる外務員の方が募集する場合にどうかということですか、まず一般論といたしまして、いま個人年金思想というのが国民の間に広まっておりません。個人年金と公的年金の差を間違える方もいるというようなお話もあるやに聞いておりまして、そういたしますと、まず最初に、個人年金というのはこれからわれわれの社会の中でどういうふうな機能を果たすかということについての基本的、一般的な認識について、いろいろ環境をつくらなければならないんじゃないかと思います。これは外務員個人個人の問題ではなしにしまして、郵政省全体といたしまして、そういったような募集環境というものをまずつくり上げていかなければいけないのではないかと思っております。
 それでは、その次に何かと申しますと、やはり各外務員の方々の年金に対する知識というのは、まあこの次にというか、並行的にこれもよく理解し合わなければいけないと思います。
 さて、そういうような状況が整った場合におきまして、それじゃ募集活動はどうなっていくかということでございますけれども、ただいま七十二万円の最高制限額へ入りました場合には、やはり掛金負担額は月当たりにいたしますと三万三千金円になる推定でございます。これはいろいろな方がございますので、二十年というものを一つのスタンダードとして見た場合、月々三万余円ということになろうかと思います。そういった掛金を掛けていただくのと、いま現在一般の方々がどのようにこの掛金についての理解があるかということを世論調査に基づいて見てまいりますと、大体平均的には一万円前後ではないかというような世論調査の結果も出ております。したがいまして、最高制限額の場合とこれとの間には若干乖離があるわけでございます。したがいまして、外務員の方々が募集活動をするに当たりましては、そういった最高制限額と一般的に予想されております掛金額との差というものがありますと、なかなか最高制限額の募集をするというのは大変なことではないか、こう思っております。したがいまして、現時点におきましては、募集活動という点におきますのとこの一般的な理解との間において、掛金においてはまだまだ余裕がある、こう考えております。
 しかしながら、今度、公的年金との関係でもって、実際にそういった掛金の結果給付を受けた場合、それが足りるものであるかどうかという観点からまいりますと、必ずしも今後ずっと将来にわたって十分であるかどうかということは、いま断定しがたい点でございまして、今後の経済情勢というものは時々刻々変わるものでございますので、現時点において、どういう形の最高制限額にするのがよいものであるかということはなかなか申し上げにくい点でございますけれども、今後われわれといたしましては、外務員の方々の実務的な外務の勧誘活動を一つ置きまして、これを片方に見まして、それと同時に、国民の皆様方が要望しておられる現実の必要な限度額というのはどうかというものを常に勉強しながら、それに応じた、また法の精神と現実との遊離のないように、私どもこれから運営する者としては、常に一日も休まずそういった配慮をしながら運営していかなければいけないのではないか、このように考えておる次第でございます。
#37
○米田委員 大臣と局長の御答弁、わかりました。
 ただそれは、公的年金との関係あるいは公的年金の補完、あるいは民業との競合、いまおっしゃったように、この問題について検討すべき物差しというものはいろいろな面からあると私は思うのでありますけれども、私がここで言いたいのは、何だかんだ理屈をつけましても、これを簡易保険局が事業として、商品として売っていくようになっていけば、やはりこれは独立採算、企業性を考えなければならぬ、年金事業あるいは簡易保険特別会計の関係で企業性を十分考えていかなければならぬということになるわけであります。
 そういうことからいけば、この年金の質がどの程度でなければならぬか、数字の計算あるいはコスト、いろいろな面も考えまして、私はやはり、企業的立場からしても一つの目安は出てくるだろうと思うのであります。そういうときにはひとつ、当初郵政省が持っておりましたように、九十二万円が適当かどうかは別といたしまして、やはり主張すべきは主張して、経営を第一に考えて、そうしてあくまでも契約者の利益を守るという観点で、大胆に年金額の引き上げ等については提起をすべきじゃないか、こういうことを申し上げたいわけでありますから、これはひとつ大臣も局長も腹に置いておいていただきたい、こう思っております。
 それから、もう一つの即時年金、これはどうしても私は理解できないのでありますけれども、どうして今回制度として扱わないことになったのか。
 私の若いころの経験からいきますと、年金を売るのに一番いいのは、何かの関係で金が入ったところに入っていって、金にかえる年金がありますということで募集してきておったのですよ。金を年金にかえますということからいって、即時年金が一番ぴったりなんです。これで食いついていったのです。恐らく現在の募集に当たっている外務の諸君だってそうだろうと私は思う。私はもう二、三十年前の話でありますから……。
 利用者の立場から考えましても、即時年金というのは一番魅力的なんです。それがどうして今度この制度の中に取り入れられないようなことになったのか、私はどうしてもわからぬのです。簡易保険局がそのことを知らないはずはないと私は思うのであります。これも民業圧迫その他の主張に対する妥協で、なくなったのではないかと私は思うのでありますけれども、この即時年金も捨てないで、どうしてもこれは今後生かしてこの制度の中に取り入れてもらわなければならぬと私は思いますが、いかがでございますか。これはひとつ腹をくくってもらわなければなりませんから、大臣からも聞いておきたいと思います。
#38
○小山(森)政府委員 仰せのとおり、郵便年金が常に加入者の要望にこたえて機能しているかどうかということは、当然私ども常々一日も怠ることなく考えなければならないことだと思っております。したがいまして、そういった意味での本来の機能を果たしているかどうかを常々検討いたしまして、今後とも重大な関心を持ちまして対応する努力をしてまいりたいと存じます。
#39
○山内国務大臣 いま局長がお答えしたとおりでございますけれども、金融全般の問題ですとか、そういうような点はやはり考慮しなければいけないような点もありますけれども、われわれは年金のことを担当している者でございますから、そういう点について十分考慮してまいりたいと考えております。
#40
○米田委員 答弁があったわけでありますからこれでいいのですけれども、私、なお今後の心配もありますので申し上げておきたいと思います。
 私は、郵政省も簡易保険局長も、少なくともこの保険、年金に関する限り自信を持っていただきたいと思うのです。いままでこの会計を通しまして、郵便貯金とあわせて国の財政に対して過ぎるぐらいの協力をし、努力をしてきているわけなのでありますが、いまになって貯金の金利の問題なども絡まりまして、郵政省はどうも消極的あるいは自信を失っているような、そういう主張に変わってきているような感じがするわけであります。最近の郵政省の態度というのは、この問題に関する限り現場では、何をやっているんだ、おれたちがいままで営々として築いてきたこの事業に対する確信を失っているのか、またその功績を正しく評価しているのかと、恐らく現場の諸君はそういう点では皆さんのいままでの態度に不満を持っていると私は思います。もっと現場を励まして、実際にこの制度に立ち上がってもらうためにも、断固として主張すべきは主張する。譲ることも必要でありましょうし、政治的な面もあったわけでありますから、事情はわからないわけではありませんが、即時年金については、私はできるだけ早くこれを復活させて、内容の充実を図っていただきたい。これは郵政省のためでもありますが、同時に、一番この制度を求めている国民の立場からしても私はそのことが言えると思うのであります。
 それから局長、即時年金の対象になる年齢層、そういう方々はあなたの方で調査もしていると思うのでありますけれども、要するに即時年金がもし制度としてあった場合のプラス面というものをあなたの方でも計算されていると思うのでありますが、これはどんなものなんでしょう。
 少なくとも公的年金の補完ということで、皆さんのおっしゃっているようなそういう観点に立って年金を考える年齢というものは、ある意味では五十歳、六十歳だろうと私は思うのです。少なくとも三十歳、四十歳代の人にとってはそれは現実の問題にならないし、説得にならぬと私は思うのです。そこで五十歳、六十歳の人にもしこの年金を買ってもらうとすれば、即時年金というものが何よりも商品の第一になければならぬのじゃないかと私は思うのであります。民間と競合するとか、いろいろ理屈があるようでありますけれども、郵便年金のいままでの国に対する協力あるいは契約者に対する実績というものを十分主張して、これだけは既得権として守っていかなければならなかったのではないかと私は思うのであります。この即時年金については、これからどうするということを局長としてもう一遍もう少しはっきり答えてもらいたいと私は思います。
#41
○小山(森)政府委員 即時年金の対象者と申しますか、俸給生活者でございますれば、主たる俸給の原資が切れるとき、具体的には退職のときの退職金等を年金に振りかえるというような方々が即時年金を非常に要望される方ではないかと存じております。
 ただいまの先生の御経験に即しました非常に現実的な御提言に対しましては、私ども非常に傾聴に値するどころか、むしろ尊敬の念を持ってお聞きいたした次第でございまして、その考えをまた仕事の上に反映させるように努力してまいる所存でございます。
#42
○米田委員 これも承知のことだろうと思いますけれども、最近、企業が退職時に退職一時金を企業年金に振りかえる、企業サイドの年金を買わせるという傾向が非常にあるように私も承知しているわけであります。ですから郵政省のこの年金は、民間ですでに売っておる年金とあわせて前と後ろにそういう面の圧力といいますか、競合というものを配慮しながらこれからやっていかなければならぬということになるのではないか、こう思っておりますから、いまの局長の御答弁で結構でございますけれども、これは今後十分検討して、遺憾のないようにやっておいていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つこの際聞いておきたいのは、この年金制度についてはかつて郵政省も、インフレに強い年金あるいは目減りしない年金、こういう一つのキャッチフレーズでございましょうか、そういう宣伝をされた経過もあるわけでありますし、いまでも皆さんのお考えの中には、この商品のよさというものをこれから最大限宣伝していかなきゃならぬということがあって取り組んでいらっしゃるわけであります。そこで、この年金の内容でありますけれども、インフレに強いあるいは目減りしない年金としてこの逓増の年金制度が本当にそれにたえ得るのか、あるいはこたえていけるのか、契約する人に対して誇大広告にならないように、その点を十分保障していくという努力が一層必要だろうと私は思うのでありますけれども、それについてはいかがなものでございましょう。
#43
○小山(森)政府委員 仰せのとおり年金というのは、加入者の所得能力が低下した場合の生活を保障するものでございますので、その実質価値を維持することは最も重要なことだと思っておりますし、私どもも今度法改正するに当たりましては、ぜひともそういった点を優先的に考えなければならないと思っている次第でございます。
 ただしかしながら、言葉の上ではっきり申し上げますと、物価にスライドするというような形のはなかなか困難だと思っておりますが、長い間における経済変動というものについては、同じような一つりタイムラグと申しますか、一つのサイクルで大体対応していくのは、経験則に即しましてはいまのところできるのではないか、こういうように思っております。ただしかしながら、急激にまいります短期間の経済変動というのには、こういったたぐいの年金制度というのは、年金に限らず金融全体でございますけれども、なかなか短期間には対応できないということはいまから申し上げておいた方がいいのではないかと思います。しかしながら、長期間にわたる点におきましては、実質価値というものを維持する最大限の努力をいたしますれば、相当な期待にこたえ得るのではないかと思っております。
 ただ、ただいま申し上げましたように、経済の動きというのは予期せざる変動というものがございますので、金融市場の動向というのは常に見ておきまして、それに即応いたしまして資金運用の問題というようなものも、常に制度に改革を加えなければいけないのではないか、また現在の制度の中においての資金の投資配分を変更しなければならないのじゃないかということを常に考えながらやっていきたい、こう思っている次第でございます。そのようなことを最大限努力いたしまして、本来の郵便年金に期待いたしますところの御利用の皆様方に、当初の期待に反したことのないような努力をしていくようにいたしたい、こう思っております。
#44
○米田委員 これは局長も御承知のはずでありますけれども、実際、外務員が今後セールスに携わって加入者を募集してくる場合に、一番のセールスポイントといいますか、加入者に理解をさして契約に持ち込むまでの一番の説得のコツというものは、いま申し上げましたように、戦後、年金が実際に物価の変動、経済の変動に応じ切れないでもろくもその効果を失ったような、かつての苦い悪いイメージというものが年金にあるわけであります。だから、それを払拭させて、新しい年金制度というものに確信を持って契約に当たってもらうというふうにする。そのポイントは、目減りしません、あるいはインフレに強い、そのためには年々これだけの、五%なら五%の逓増がある、そしてさらに、それを上回る剰余について運用の還元というものをいたしていきます、これがポイントになって、そんないいものならということになると私は思っておるわけであります。
 そういうことからいきまして、この目減りしない、インフレに強いという、要するに余り物価に影響を受けないで年々年金額というものが逓増していきますというこの制度というものを、最大限に国民の皆さんに享受してもらっていかなければならぬと私は思うわけでありますから、したがって、セールスもそこに焦点を置いてこれを広げていくということになるだろうと私は思うのであります。それだけに現場の外務の諸君が確信を持ってこの募集ができるように、裏づけだけはあるいはその保障だけはあなたの方は何としてもきちっとしてやっていっていただかなければならぬのじゃないか、こう思っておるわけであります。この制度が生きるも死ぬもかかってそこらあたりにあるだろう。それだけに運用に当たっても非常に慎重さが重要であろうと思いますし、この制度のよさというものを十分生かすようにお願いをしたい、こう思っておるわけであります。外務員の諸君がふるい立つかどうかは、本当にこれからの皆さん方のこの面についての対応いかんだというふうに申し上げてもいいのじゃないかと私は思います。そのことについてもう一度私は局長の決意を聞いておきたい。
#45
○小山(森)政府委員 仰せの趣旨をよくわきまえまして、私ども運営に当たる責任者として十分脳裏に焼きつけて今後仕事をしてまいりたいと存じます。
#46
○米田委員 次にもう一点、この年金制度は公共性が強いということは再三にわたって大臣からも局長からも答弁されているわけでありますし、しかも私どもも公的年金の補完で、仮に任意年金であっても、今後の高齢化社会に国の施策として対応する重要な政策というふうに受けとめているわけであります。
 そういう観点でいきまして、この年金について税制上の対策あるいは優遇策、こういうものも並行していかなければ、ただ言葉を使うだけであって、実質この年金に対する処置というものは片手落ちになるのではないか、こう思っておるのでありまして、税制上はどんなことがいま考えられておるのか、またこれからどうしようとするのか、このことについてもこの際聞いておきたいと思います。
#47
○小山(森)政府委員 仰せのとおり、税制の面において国の配慮が十分行われることは望ましいことでございます。そこで、一昨年この郵便年金の改正案の構想を発表して以来、民間生命保険等も歩調を合わせまして、一つはまず掛金についてでございますけれども、現行税制上生命保険料の控除と同じ枠になっているのを、年金を別枠にするようにということを要求しております。また年金の支払いの点でございますけれども、年金受取人である配偶者等が支払い開始時に課される贈与税、これを他の贈与税とは別枠で控除をしてもらわなければ困るということで、税制優遇という点でこの二点を要望しておりました。しかしながら先生御存じのとおり、ただいまの財政事情のもとで実現に至らなかったわけでございます。しかしながら、この郵便年金の改正を機にさらに年金思想を国民の間に普及させて、民間生命保険会社ともども個人年金の普及を図っていきたいと考えておりますので、そのためにもぜひ少なくともこの二点から税制優遇が実現するように努力していきたい、今後このようにしたいと考えておる次第でございます。
#48
○米田委員 私もきょうは大蔵省を呼んでないのです。税制上の問題があったとしても、まずこの制度がスタートすることが先決だと思いまして、あえてこの段階で大蔵省からあれこれ聞くことも時宜に即さないと思って呼んでない。しかし、この制度を主管する郵政省あるいは簡易保険局長としては、いまお答えがありましたように、今後これを単なる宿題にしないで、強い意欲を持って税制上の優遇策といいますか、あえて優遇というほどではないと思いますけれども、少なくともこの程度のものを最低のものとして今後取りつけていっていただきたい。
 あわせて、これは特に所得税の控除対象ということになりますと、金額の制限も一つあるわけですね、十万円。そうしますと別枠というのは、あなたの方の考えとしては、現行のこの金額の制限の中で年金は別建てにしてやらせるような構想というふうに理解してよろしゅうございますか。
#49
○小山(森)政府委員 生命保険と別枠でもう一つ十万円、こういう要求をしている次第でございます。
#50
○米田委員 そこではっきりしましたのでわかりました。私も賛成でありますけれども、できればこの十万円という額についても、私はやはり見直す時期に来ているのじゃないかと思いますし、これはかかって税制上の問題になりますから、あなたの方とやりとりしてもこれはらちが明きませんが、そういう観点でもひとつとらえておいていただきたい。
#51
○小山(森)政府委員 大変申しわけございません。ただいまお答えを間違えて申し上げました。十万円までは全額、十万円を超え二十万円まではその二分の一、二十万円を超え三十万円まではその四分の一ということで、総額十七万五千円まで所得控除をしてほしいという要求でございました。申しわけございません。数字を間違えました。
#52
○米田委員 わかりました。いま申し上げたことについては御理解いただけると思いますので、ひとつこれはよく肝に銘じておいていただきたい、こう思います。
 なお、この問題については民間とも共同の歩調がとれるわけですね、民間生保。そういう関係になると私は思いますから。
 次に、この中身の問題について若干聞きたいのですが、これはいつから施行される予定ですか。大体九月と聞いておりますけれども、いつからこの法律の施行は考えておられるのですか。
#53
○小山(森)政府委員 法案の上では、公布の日から六カ月以内で政令で定める日となっておりますが、私どもの考えといたしましては九月一日から実施したい、かように考えている次第でございます。
#54
○米田委員 わかりました。
 そこで、九月一日を一応のめどに持っていらっしゃるとすれば、それに合わせていろいろなあなたの方の内部の準備作業というものが必要だろうと思います。特にこの関係につきましては、私は、繰り返して恐縮なのでありますけれども、何といっても現業でこの年金を売ってくれる外務員の協力体制あるいは意欲というものが一番重要だと思っております。そういう観点でどんな対策を考えていらっしゃるのか。
 なお私は、かつて渡辺大蔵大臣が簡易保険事業について、今日外務員を専門に配置をしたりあるいは特別な募集手当を支給しているというようなことについては現状に即さない、これはやめなければならぬというようなことをたしか昨年の何月かに言っていることも聞いているわけであります。それは誤りだということは今日世間的に明らかになっていると私は思いますけれども、今後のこれに対するいろいろな対策等の関係で、かりそめにも、いま財政再建の時期でありますだけに、渡辺大蔵大臣の発言がまかり通るというようなことは絶対あってはならぬと私は思いますし、それに対しては大臣も局長も断固として正当ないままでのこの面についてのあなたの方の扱いというものを主張していただかなければならぬ、こう思っておるわけであります。したがって、これからの九月以降の対応について現在あなたの方が進めていらっしゃることについてまずお聞きをしておきたい。
#55
○小山(森)政府委員 外務員対策でございますけれども、やはりこれは外務員の教育訓練というのが一つと、それと募集環境づくりというのと、両面から考えていかなければならないのではないかと思います。
 特に今回の郵便年金、一つの考えとしてはいろいろの場面で国民の皆様方に周知はされたのでございますけれども、現実に自分の身になって、任意年金というものに加入した場合どういうメリットがあるかということは、身近な問題としてまだなかなか体感温度と申しますか、そういったもので感じられていないわけでございます。したがいまして、任意年金、郵便年金に加入したことによって身近な自分の生活が非常に改善されている、あるいは安定しているというような例がなかなか見つからないわけでございます。したがいまして、まず第一にそういったものの環境づくりということが優先されなければ、ただ外部の方にこれだけのものをぜひというような単純な指導の仕方では、これはなかなかできないのではないかと私ども考えております。
 したがいまして、まず第一に行うのは、年金思想の普及に重点を置いたPRというものを徹底的に行う必要があると思っております。
 それに次ぎまして、やはり関係職員の指導というものにつきまして、基本的に、職員自身に郵便年金に対する基本的な理解と、その理解に基づきます利用者に対する説得力の養成というような訓練をしなければならないのじゃないかと思っております。
 なお、外務員に対します募集手当の関係でございますけれども、これは現行制度でも募集手当はございますし、今後ともこの手当は続けていく所存でございます。なお、それじゃその内容をどうするかということにつきましては、新しい制度が発足する前に具体的によく詰めてまいりたい、こう考えている次第でございます。
#56
○米田委員 ひとつよろしくそのことにつきましては対処していただきたいと思っております。特にこの手当の関係等については組合との団体交渉事項になっているようでございますから、ひとつその段階で労働意欲を引き出すように十分な配慮をしておいていただければ結構だ、こう私は思っておるわけであります。
 なお、局長もそうだと思いますが、私は、この簡易保険局が押さえている現場の外務員、これは質的にもそれから人間的にも非常に優秀だと思っております。持っているものをもっと、やはりあなたの方でこの対策の妙を得てその能力を引き出すように、そういう努力をしていただきたい。民間の外務員と比較対照して、われわれの方はむしろ質的にも人間的にも、また実際の実績の面からいっても優位にある、特に優秀であると私は見ておるのでありますけれども、これは局長も同感だろうと思うのであります。問題は、そのよさというものを十分これからの外野面に引き出させるように十分な対処をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 外務員の配置の関係でございますけれども、いま行政改革が一番大きな国の一つの政策になっている時期でありますから、増員とかそういうようなことはもう考えられないということだろうと私は思います。私はそのことについては取り上げて言うわけじゃないのでありますけれども、この外務員の配置等についても十分、対策で遺憾のないように、思い切ってひとつ外野に強力な配置をするという手を全体として見ておいていただくようにお願いをしておきたい。
 簡易保険のオンライン化も、先ほどの答弁にあったように、ほぼ普通局段階は端末が整備されたということでございますから、これから特定局段階に広がっていくのだろうと思うのでありますけれども、いろいろな面で要員の関係は窮屈だろうけれども、郵政省が一つの方針、政策を持って対処すれば、重点的に配置転換というか、組みかえというか、そういうものも可能な部分がまだあるだろう、もちろんこれは組合との理解と団交の結果ということになりましょうけれども、外務の人員の関係についても努力だけは忘れないようにお願いをしておきたい。よろしゅうございますか。
#57
○小山(森)政府委員 先生からいろいろお説いただきましたけれども、郵政省職員、保険と限らず全事業に携わる職員、非常に事業のことを考えて毎日毎日の仕事をやっていていただいていると思います。関係労働組合もそれに関しましては、最近特に事業全体のことをも深く配慮して協力体制にあるという状況でございます。したがいましてこの新しい郵便年金につきましても、関係職員もより一層熱意を持って従事してくれるものと思っております。
 なお、外務の要員のことにつきまして基本的に私どもが考えておりますことは、今回年金の仕事が改善されることによりまして何がメリットであるかと申しますと、簡易保険と年金とが一体的な募集ができまして、一人の外務員が非常に効率的な働きができるということが非常に大きなメリットだろうと考えております。したがいまして、直ちにこれがイコール外務員の増員になるというふうには考えておりません。
 ただしかしながら、私ども常に考えなければいけないのは、定員の適正な配置ということでございまして、業務量に応じた適正な配置ということは従来からも努力してきたところでありますけれども、今後とも業務量に見合った適正な定員の配置ということは、責任ある者として常に考えておかなければならないことだ、こう考えておる次第でございます。
#58
○米田委員 あともう一点聞きたいのですけれども、これは簡易郵便局には扱わせる方針ですか、今度のこの新しい年金はいかがでございますか。
#59
○小山(森)政府委員 他の郵便局と同様に取り扱っていただく予定にいたしております。
#60
○米田委員 できるだけ窓口を広げることが大事だと思いますので、そういうことで対処すべきだ。そのためには、簡易郵便局に対する指導や業務の周知等もこれから一層強化してもらわなければならないのではないか、こう思っております。
 なおオンラインの関係で、これから特定局の方に広げるというお話でしたが、ぜひこれは、少なくとも特定局の、簡易郵便局を除くぐらいの窓口まで端末の処理の機械が届くように、そして加入者に対する事務的なサービスが、普通局と特定局と差があるということが絶対にないように努力をしてもらわなければならぬと私は思いますが、これはいいでしょうな。
#61
○小山(森)政府委員 ただいま省内全体のコンセンサスまではまだいっておりませんけれども、保険業務を取り扱っております簡易保険局としての内案といたしまして、普通局全局のオンラインが五十五年度で完了いたしましたので、本年度を初年度といたしましてまずとりあえず集配特定局を全局オンラインするように計画を持っていきたい、こう思っております。
#62
○米田委員 終わります。
#63
○佐藤委員長 米田東吾君の質疑は終わりました。
 西村章三君。
#64
○西村委員 昨日の新聞報道によりますと、昨年の十月に国勢調査をいたしました結果が出ておりますが、わが国の六十五歳以上の老年人口は千五十七万人、初めて一千万人を超えて総人口の約一割を占めるに至った、また、五十年の国勢調査と比べますと老年人口はこの五年間で約二割ふえておる、わが国人口の老齢化が急速に進んでいる、このように報ぜられておるわけでございます。
 このような急速な老齢化社会に対応するためのいろいろな施策があるわけでございますが、やはり基本は老後の生活を安定させるための公的な年金、これをいかに充実、拡大せしめていくかということであります。それに伴いまして、その補完的な役割りを果たす個人任意年金の必要性あるいは重要性も増してくるだろうと思うのであります。そういう意味におきましては、この任意年金は非常に重要な役割りを果たすものでありますが、今回の年金法の改正案が出てまいりますまでに、一昨年以来いろいろと紆余曲折がございました。その中でも、郵便貯金の将来にかかわるいわゆる金融懇の設置という重要条件がこれについて本法案が出されてきた、こういう経緯があるわけでございます。その背景は、何といいましても官業の民業に対する圧迫あるいは資金の集中を懸念する民間生保、さらに、これから新しく任意年金を手がけようとする都市銀行、地方銀行あるいは信託銀行、さらに農協等、これらのところの反発がありましていわゆる政治決着が行われた、かように理解をいたしておるわけでございますが、その反対の最も中心的な根拠であります民間の経営を圧迫したり、あるいは資金の集中化、こういう懸念は全くないのかどうか、まずこの点から明らかにしていただきたいと思うのであります。
#65
○小山(森)政府委員 まず第一に、いわゆる個人年金の普及状況を見なければならないと存じますが、現在、五十四年度末の保有契約、これはいろいろ見方がございまして、いわゆる保険を中心としたものに年金付加がついている年金というものと年金だけでやっているものと二つございますので、統計のとり方でもって若干違う数字が出ておりますけれども、私どものとっておりますいわゆる郵便年金と同じような形でもってやっております年金というものは、民間では五十四年度末で三十三万件、それに私どもの郵便年金が約八万件で、四十万件ということでございます。したがいまして、これは普及率から見ますと一%強、二%に達していないのではないかというふうな考えでございます。そういった場合に、この中において現在個人年金市場、圧迫されるものそのものがないという実態であるのではないかという基本的な認識に立っております。
 それと同時に、再々申し上げておりますように、また先生御指摘のように、この個人年金といいますのは公的年金の補完作用というようなきわめて公共性の高いものである、こういった場合においては国がただ放置するのではなしに、むしろいろいろな意味においてこういった個人年金の普及に一つの政策を持って臨むべきではないかという考えを持っております。
 そういたしました場合に、こういった普及率の低いしかも公共性の高い事業に国営事業が参画するということは、一つの誘導機能を果たすと思っております。すなわち国営事業が存在しているそのことだけでも、さらに機能しているということだけでも、年金思想が普及していく上に大きな役割りを果たすのではないか、したがって年金市場が開拓されていくということで、民業を圧迫するというよりむしろ両々相まって、民業におきましても市場が広まっていく端緒になるのではないか、こういうふうに考えております。それが基本的な考えでございます。
 さらにこの個人年金の性格と申しますのは、先ほど来田委員からも御指摘がございましたように、預貯金のように簡単に皆様方窓口に資金を持って預入に来られるという行動にはなかなかつながりかねるものでございます。個々の方々が慎重な生活設計というものをまずお持ちになりまして、それに事業を経営する側から外務員というような勧誘活動をもって販売活動をやるということで、初めて実際の掛金を掛けていくという契約の成立という段階を経ていくものでございます。したがって、そこに資金が集まるには何段階も経ていくということでございまして、金融秩序に急激に大きな衝撃を与えるというものではないと思っております。また緩慢に、緩やかに浸透していくものでございますので、その間ある特定の業種だけが爆発的にというよりは、同じような仕事をしているものが同じような形でもって、努力に相応して、努力しなければ何もならぬと思いますけれども、努力に並行してそれぞれシェアが広がっていくものと考えておりますので、この郵便年金というものを始めることによりまして、むしろ大いに民業の誘導機能を果たすということになりまして相ともに繁栄する一つの道になるのではないか、こう考えている次第でございます。
#66
○西村委員 民間生保が発足をいたしましたのが昭和三十五年ですから、約二十年経過をいたしております。当初は非常に伸びが悪かったようでございますが、ここ二、三年の間、特に昨年、一昨年急激に伸びた、こう伝えられておるわけでございます。ただいまの御答弁によりますと官民合わせて約四十万、世帯数の約一%だ、こういうことでございましたが、昨年、一昨年の民間生保の年金契約数はどのようにとらえておられますか。
#67
○小山(森)政府委員 五十三年度で三万七千八百八十八件、五十四年度で十二万一千八百五十六件、このように把握いたしております。
#68
○西村委員 生保協会の発表によりますと、五十四年度は約二十一万四千件、五十五年度の上期だけで約二十万件契約をした、こう伝えられておるわけでございます。先日の当委員会における答弁を伺っておりましても、郵政省側の数字は約三十三万件、一方大蔵の方の民間生保の契約件数は八十六万件と大差があるわけでございます。確かにとらえ方いかんでいろいろ数字は変わってくるのでしょうが、同じ政府部内でこのような大きな開きがあっていいものだろうか、そのとらえ方一つにいたしましても基本的な線があるだろうと私は思うのですが、この大差が出た理由というのはそれ以外にはございませんか。
#69
○小山(森)政府委員 実は生命保険協会でも二つの数字を出しております。同じ年報といいますか月報といいますかに発表しておりますが、これはどういう二種類のものがあるかと申し上げますと、一つはいわゆる年金そのものの契約でございます。もう一つは生命保険であって、生命保険を掛け終わった場合にその生命保険の満期の掛金をもって年金に振りかえることが可能である契約をしているもの、これをも含めた数字と二つのものがあるわけでございます。
 それで、私どもの方でとらえているのは郵便年金と同じような形で年金そのものだけの契約という形でとらえますと、ただいま私が申し上げた約三十三万件、それから五十三年三万七千余件、五十四年で十二万一千余件というような数字になるわけでございます。したがいまして、この差については、二つの数字があることは生命保険協会もまた大蔵省も存じておりまして、この差が生じてくるものの原因は両省において確認いたしていることでございます。ただ、私ども郵便年金と同じ形というようなことで考えて、生命保険を主として考えているものを外してあるという点で変わってくる、こういうことでございます。
#70
○西村委員 いずれにいたしましても、余り数字の開きというのが大差があり過ぎてはいろいろと問題がございますし、誤解も生じることでございます。今後政府部内で十分統一をしてやっていただきたいということをお願いしておきたいと思うのです。そういう意味で私は、ここで官民がそれぞれいい意味での競合をする中で、より国民のニーズに合致したよい商品開発に努力をしていただきたいと思いまして、このこともお願いいたしておきたいと思います。
 そこでお尋ねをいたしますが、一昨年この年金構想が発表されました時点では、マスコミは一斉に郵政省の新種年金あるいは新しい年金制度の創設だ、このように報道したわけでございます。今日の答弁では大正十五年から創設された年金法の改善、強化だあるいは充実だ、こううたっておられるのでありますが、経過から考えますと新種年金だ、いろいろな意味での新しい性格が入ってきておりますからそういうことも言い得ると思うのであります。
 この歴史を持つ郵便年金でございますが、昭和三十年に限度額がおよそ二十四万円に改定をされましてから、その後四十二年から事実上年金の募集は停止されまして、いわば凍結状態にあった、このようなことでございます。
 私は先般もお尋ねしたわけでございますが、老齢化社会の急速な到来というものは、きのう、おとといに始まったことではございません。むしろ人口構成あるいは年齢構成、こういうものから見てまいりますと、もっと早くから、十年、二十年前から推定はできたわけでございます。今度の改正に当たっておよそ三年間の検討期間を要した、こう言っておられるのでありますが、なぜ今日までおよそ十年間、四十三年から内容の変更といいますか改正といいますか、あるいは年金額の改定等について放置をしてきたのか。これはある意味では、法というものがちゃんとありながらそれを忠実に履行しなかったという意味では行政の怠慢だ、かように申し上げても過言でないと思うのでありますが、いかがでございますか。
#71
○小山(森)政府委員 先生御指摘のように、四十三年以降事実上積極的な募集がなかったわけでございます。これは第二次大戦後の社会経済の異常な変動で郵便年金が事実上機能しなくなってしまったということ、その後の十数年といいますか約二十年といいますか、この間この機能しなくなっている郵便年金を実際どうすればいいかということについて、後始末に専念していたということが実態として申し上げられるのではないか。事ほどさように第二次大戦後の社会経済情勢の異常な変動というものが与えた打撃が大きかったわけでございます。
 しかしながら、御指摘のように郵便年金は郵政省が取り扱うべきであると法に命じられているわけでございます。それではどうすればいいかということにつきまして、このような大きな打撃を受けた後の模索、立ち直り、それから現実にこういった形骸化した年金をどのような形でもって収拾するかということが非常に焦眉の急であったというようなことから、なかなかこれに対する本格的な取り組みがおくれていたということは御指摘のとおりでございます。
    〔委員長退席、畑委員長代理着席〕
しかし、常にこの間考えていたことは、やはり法に命ぜられているところの郵便年金の取り扱いについて、本来のこの郵便年金法第一条に基づくそういった使命を郵政省が果たさなければならないという意識は十分にあったわけでございまして、これをどのような形で現実化していくかという点において非常に暗中模索だったというわけでございます。
 その後四十年代後半になりまして、抽象的に言われていた高齢化社会というものが非常に現実の問題として統計上の数字にもあらわれてきたということから、この郵便年金法というものに責任を持つ行政官庁である郵政省として、これを放置しておくのは非常に問題があるといたしまして、その後これに対して本来の法に命ぜられた機能を果たすべきものとしてどうすべきかという具体案について真っ正面から取り組んだ、こういうような次第でございます。
#72
○西村委員 それにいたしましても、四十三年以降募集停止をして、いわば自然消減をねらったといいますか、存在意義が薄れてしまったのでやらなくてもいいんだ、こういう認識があったのではないかという気がいたします。
 そうすると、ただいまの答弁を聞いておりまして、戦後二十一年、二十三年、二十四年あるいは三十年にそれぞれ限度額の引き上げ等をやっておりますが、これはあくまでも後始末のためにやった、かように理解してよろしいですか。
#73
○小山(森)政府委員 言葉の足りない御答弁を申し上げて大変失礼いたしました。
 これにつきましては、第二次大戦の打撃によるもの、それによる始末と、今度はその後の経済状況に対しまして現行法において対応できるものとして、その基本的な理解から進めたわけでございますが、この理解に基づきました仕事も、今度はその後の経済の急激な拡大というものに追いつかない状況だったというわけでございまして、後始末だけに専念していたのはいわゆる急激な戦後の変動に対するものでございます。その後につきましては、新しいといいますか、旧法のままでも対応できるものとして努力はしていたものでございます。しかしながら、その後も経済の拡大が戦前には考えられなかったほど非常に急激なものがあり、四十年代に至りましてこの制度もまた再考すべきである、こういうような考えに至ったというものでございます。
#74
○西村委員 そういたしますと、今後もいわゆる経済の変動なりあるいは経済の急激な拡大なりというものがありましたときには、この年金制度そのものの根底が脅かされる、裏返せばこういうことに通ずるわけでございます。先ほど来も御指摘がございましたこの年金制度は、せっかくの制度でございますから最大有効に活用しなきゃならぬわけでございますが、今後二度と失敗を繰り返さない、こういう意味で、今後そういったものに対応することに足り得る保障措置というものがあるのかどうか、この辺はいかがですか。
#75
○小山(森)政府委員 二つに分けてお答え申し上げます。一つはいわゆる第二次大戦後の急激な社会変動、これに対処する問題と、次にはいわゆる社会経済上の拡大に対応する対処の仕方と二つの面があるかと思います。
 戦争というものの急激な変動、これは金融全般にわたりまして、単に年金にとどまらずあらゆる貨幣経済すべてがこういったものによって根底から覆されるわけでございまして、これに対応することは金融全体としてなかなか困難な問題であるということは否めない事実であろうと存じます。
 ただもう一点の、いわゆる経済の健全な拡大に対応することができるかできないかという点でございます。これにつきましては、いままでの現行年金法はこういった経済の拡大に対処することに当初からなかなか重大な関心を持った形になってなかったことは事実でございます。したがいまして、今回改善するに当たりましては、いまの日本の経済社会情勢の健全な発展に対応できるような形のものにすべきであると考えて、いわゆる基本年金の逓増制、剰余金を年々積み増し、年金額として積み増していく逓増方式を導入したということ、またそういったものを裏づけるために運用の方法を変えるという運用法の改正を行うことをお願いしている、こういうことでございます。
 そうなればどのような経済変動にも耐え得るかということでございますけれども、短期間における非常に大きな打撃というものは、その短期間の間にすべて対応できるとはなかなか申し上げにくいものでございます。それ以外のものには、長期間のものですが、それじゃ耐え得るかということでございますか、これは経験則によりまして、従来の昭和二十年代以降現在に至るまでの経済の拡大と、今度お願いいたしておりますところの運用法の改正によります資金運用の分散投資というようなことをやりますと、十五年を一つのサイクルとして考えた場合におきましては、これに十分対応して経済の拡大に対応できた実質価値の維持ができるというように考えておる次第でございます。
#76
○西村委員 確かに年金制度の中で一番こわいのはインフレでございますが、ただいま御答弁ございましたように、これにつきましては逓増制なりあるいは運用対象の拡大ということで対処していかれるようでございます。ただ気になりますのは、十五年単位のサイクルということでございますね。最近の急速な社会経済情勢の進展というものは十五年くらいのとらえ方ではとうていだめだ、むしろ個人の金融資産といいますか、あるいは経済の一つの単位といいますか、こういう面からいきますとおよそ三年サイクルで物が変わってくる、価値観が非常に変動してくる、果たしてこういうことに対応ができるのかどうか、特に私が心配をいたしますのは、四、五年前の福田内閣の時代でございましたか、一時、貨幣価値の切り下げ、いわゆるデノミネーションということがささやかれたわけでございますが、こういった貨幣価値の変動に対してどのように対処していかれるのか、この辺もあわせて聞いておきたいと思います。
#77
○小山(森)政府委員 十五年単位と申しますのは、ただ算術計算で十五年を単位とするわけではございませんでして、御存じのことを申し上げるのもどうかと思いますけれども、年々の変動する要素を全部組み込んだ上での十五年の単位でございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。したがいまして、たとえばの話でございますけれども、二年の間はそういった変動に対応できなくても、次の二年において取り戻して十分それをカバーしていくとか、あるいはある一年においては貨幣価値の変動に対して対応できなかったけれども、後の一年において取り戻すというような形で、十五年の単位で見ていきますと取り戻していくということでございます。
 それからデノミネーションというようなことにつきましては、デノミネーションというのは、貨幣価値の変動するものではなしに、貨幣の変動、単位の変更にとどまるものと私ども基本的に理解いたしておる次第でございます。
#78
○西村委員 せっかく国民の貴重な財産を運用するわけでございますから、年金制度のより安心、しかも確実な運営を行っていただきたいという意味から申し上げたわけでございます。
 そこで大臣、行政の重要な使命というものは、常に時代を先取りしていく、先見性を発揮しながらやがて到来する時代に備えていく、それに即応する制度や内容の検討を果断にやらなければならないということだと思います。したがって、この年金法の精神が生かされず、制定の意義がなくなるようでは困るわけでございまして、その意味でも本改正案の提出は若干遅きに失したのではないか、余りにも検討、開店休業の時期が長過ぎたのではないか、そう思うわけでございます。加えて今回の改正案の提出の経緯を考えてまいりますと、もっと早く改正しておればスムーズに事が実現しておったのではないか、そういう意味では非常に残念な経過があったと思うのですが、大臣の御見解はいかがでございましょうか。
#79
○山内国務大臣 郵政省といたしましては、郵便年金制度というのは、国民生活に非常に重大なものであるというので大正十五年から始めたわけでございます。その後いろいろと公的年金が普及、発達してまいりまして、いまでも非常に発達しているわけでございますけれども、今度は老齢化社会という現象があらわれてきたわけでございます。先ほどお示しの数字のように、人口調査の速報においてもいろいろ出ておるわけでございますが、したがって御指摘のように、それに間に合うようにもっと早くこういうことをやるべきであったといま感じているわけでございます。しかし、せっかくお預かりした金でございますので、それの運用が間違わないように、いかにすれば皆様の御期待に背かないような運用がやれるかという研究も大分したわけでございます。そういうような点でいろいろ手間取ったのでございますが、ひとつ今後は、先ほど御指摘のございましたように、社会情勢に合うように先手、先手ととっていきたいものである、こういうことを考えておるわけでございます。
#80
○西村委員 現在公的年金制度は八種類ございまして、これは年々改善、向上されておるわけでございます。しかしながら、今日なお制度間格差もございます。あるいは給付水準におきましても、さらには将来の国庫負担金、保険料率、保険金額、いわゆる年金財政の行き詰まり、こういうことが予測をされるわけでございまして、きわめて不安要素が多い。そうした中で、この年金制度の果たす役割りというものはきわめて大きいと思いますし、特に国営という本制度の果たす役割りは非常に責任も大きいであろうと思うのであります。なぜ先ほど私が、新しく創設された年金だと申し上げたかと申しますと、それはあくまでも新種年金だ、これからいよいよ第一歩を踏み出すのだ、そういう決意で取り組んでいかなければ、今後の維持管理も発展向上も期すことができないと思うからでありますが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
#81
○山内国務大臣 新種年金という気持ちは十分持っておるわけであります。ただ、大正十五年から郵便年金というものをやっておりましたので、名前は従来の郵便年金の改善、充実であるということを言っているわけでございますが、心構え、それから取り組み方は、全く新しい観点からできている年金である、そういう気持ちでやっているわけでございますので、御指摘の点はこれから十分に考えながら、さらに努力をしてまいりたいと考えております。
#82
○西村委員 今回決まりました七十二万円という最高限度額につきましては、公的年金の給付水準あるいは老後の生活費、それと掛金、さらには民業に対する影響等、こういったものを考慮して決めたと言われておるのであります。しかし、この点につきましてはいろいろと論議のあるところでございます。
 問題は、今後この限度額の変更あるいは修正をいかなる条件が発生をしたときにやろうとするのか、その辺のところをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#83
○小山(森)政府委員 年金の最高制限額の検討についてどんな条件のときかということは、いまこの場で非常に割り切った形で申し上げるのはなかなかむずかしい点でございます。将来の経済環境、社会環境の変化によってどういう対応を迫られるか予測しがたい点があるのですが、少なくとも法のたてまえが現実の需要と遊離してしまうというようなことは決してあってはならない、こういうことで、これこそ私ども運営に当たる者の責任として、今後のそういった経済社会情勢への対応というものに最大の関心を持って常に反応を示し、さらにそれを実際の行動によってあらわし、実際にそういった法律上の問題として取り扱っていただくようお願いするように努力する、こういう運営の姿勢がなければならないと考えております。今後とも、どういう条件というように明確な御答弁はなかなか申し上げにくい点でございますけれども、対応を迫られるときには常に責任を持った形でもって正面から取り組んでいくべきか、こう考えておる次第でございます。
#84
○西村委員 この年金制度の対象がどの辺の所得階層を基準にしてつくられたか、これはいろいろ問題がございますが、それによってもこの限度額の高低というものは決まってまいりますし、さらに将来における社会経済情勢の変動、これに即応するような変更あるいは修正がなければ、この年金制度は生きてこないわけでございます。そういう意味で、見通しのつく範囲内での一つの基準というものをおつくりになるお考えはございませんか。
#85
○小山(森)政府委員 今回の年金の最高額を決めるに当たりまして、先ほど先生が御指摘になりましたように、やはり四点から考えたわけでございますけれども、特に掛金の方から見た場合に、最高制限額の七十二万円に加入した場合の掛金、これがどうなるかということも大きな要素として考えたわけでございます。その場合、五十五年六月の貯蓄増強中央委員会の行いました貯蓄に関する世論調査、これによりますと、四十歳から五十歳代の世帯の税引き年収は平均四百二十六万円、年間の貯蓄増加額は平均七十六万円だということでございます。そういたしますと、私ども七十二万円の最高限度額で二十年掛金というものを想定いたしますと、年間の掛金が約四十万円になるということを考えたわけでございます。そうしますと、私どもがそれから想定いたしましたものは、最高限度額であっても平均的な年収をお持ちの方である、平均的な年収をお持ちの方が最高限度額に入れる。したがってそれ以下の方たちということが対象になるわけでございます。したがいまして、こういったような税引き年収というものの変動というものは、最高限度額を変更していく上におきますところの大きな指標になるものと考えておる次第でございます。
#86
○西村委員 今後の年金事業の経営の問題についてお尋ねをしたいのでありますが、この「郵政要覧」によりますと、いわゆる年金事業の事業費率は、特殊な事情がございましたけれども、五十二年から異常な数字になっておりまして、五十三年が一二四・三%、五十四年度が一九一・九%という数字でございます。今回の改正に基づく初年度の契約件数あるいは次年度の契約件数、この見込みからまいりまして、およそこの事業費率というものはどのように算定をされておるのか、正常な形に何年ぐらいすれば戻るのか、この辺について聞かしてください。
#87
○小山(森)政府委員 御指摘のとおりに、実は事業費率というのは掛金収入に対する事業費率でございますので、現在の現行法における郵便年金のように新規加入者がいなくて契約件数が減るという場合は、当然そのような事業費率になるわけでございます。
 それでは今後どうなるかということでございますが、まず五十六年度で申し上げますと、これは今回の郵便年金法の改正というものの関係で、いわゆるコンピューターのプログラム開発費とか周知関係経費、こういったものを相当多額に計上しております。これはいわば経常的経費というか、初年度に必要な創業的な経費とも言われるものだと存じます。しかしながら、形式的な会計処理といたしましてはこれは事業費であることは間違いございません。そういたしますと、大体五十六年度におきましては事業費率は三〇・三%と見込んでおります。これはやはりまだ異常に高い数字でございます。それでは五十七年度以降はどうかということでございますが、私どもの世論調査その他から推定いたします年契約、少なくとも七万件がある。それに対します月掛け大体平均一万八千円ぐらいの掛金収入ではないか、こういう計算をしてまいりますと、大体五十八年度にはいまの簡易保険と同じような事業費率一一・三%になるのではないか、こういう推計値を持っておる次第でございます。
#88
○西村委員 まことに残念でございますが、時間が参りましたので、最後にお尋ねをいたしますが、いろいろとこの年金制度につきましての重要性は先ほど来申し述べてまいりました。いかに有効に活用し、発展、拡大をさせるかということがこれからの使命だと思います。一層の努力を望んでおきたいのでありますが、最後に大臣にお尋ねをいたします。
 この年金制度の拡充とともにやるべきことは、郵便貯金の預け入れ限度額の引き上げ、さらにはシルバー貯金構想、これの実現だと思うのでありますが、最後にその実現に向けての取り組みの決意を聞かしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#89
○山内国務大臣 今回の郵便年金、これを国会で通していただきました暁、私はこれはなかなか簡単な仕事じゃないと思うのです。と言いますことは、長年の間、十年も二十年も掛金を掛け続けて初めて老後の保障ができるということでございますので、そういう点につきましては、ひとつ最大限の努力をして、老後の生活を豊かにしていただくようにやってまいりたいと考えております。
 それからいま郵便貯金のお話がございまして、三百万をもっと上げてもらいたいという御要望が非常に強うございます。また退職時の退職金を一時全部郵便貯金に預けて、その分はひとつ優遇してもらいたい、そして老後の生活も安定するようにしてもらいたい、こういう御要望も非常に強うございます。これらの点につきましては、来年度に向けてひとつ最大の努力をやってみたい、こう考えておるわけでございます。
#90
○西村委員 終わります。
#91
○畑委員長代理 藤原ひろ子君。
#92
○藤原委員 まず最初に、私は年金を担当いたします保険の労働者を含めて郵政労働者の労働条件に関することについてお尋ねをいたします。
 政府は、昨年の通常国会以来、公務員労働者に定年制を設ける、また退職手当法を改正しようということをねらっているわけですが、これらの改正によりまして、郵政労働者の定年というのはどのようになるんでしょうか、退職金はどのようになるんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#93
○岡野政府委員 藤原先生がおっしゃいますいわゆる公務員法二法でございますが、一つは定年制を織り込みました国家公務員法の改正、いま一つが退職手当をいかにするかという意味におきますところの国家公務員の退職手当法、これが当国会におきまして御審議いただく予定になっている、所管は内閣委員会であるというようなことを伺っているところでございますが、これが成立をいたしました暁におきましては、両法とも私ども郵政省の一般会計あるいは特別会計分野のいかんを問わず適用になる、このように伺っているところでございます。
#94
○藤原委員 いまの所管は内閣委員会ですが、その後どういうふうになるのか、退職手当法が改正されたら、この郵政労働者の定年あるいは退職金、これはどうなるんでしょうか。
#95
○岡野政府委員 ただいまお話を申し上げましたように、この両法律案が成立をいたしました暁におきましては、両法とも私どもの部内の職員に全面的に適用になる。したがいまして定年制につきましても、あるいはその退職手当につきましても、新しい法律に基づきました制度が私どもの内部にも適用されるということでございます。
#96
○藤原委員 退職手当法につきましては、すべての公務員と三公社の職員の退職金を約一〇%減額するということですけれども、これは郵政労働者を含めてすべての公務員と三公社に働く労働者の生活に直接打撃を与えることは明白であるというふうに私は思うわけです。それだけではなくて、公務員の労働条件を切り下げることによりまして民間労働者の条件も低い水準に押し下げるというふうな結果が出てくる、私はそれもねらわれているんだと思うわけです。しかもこの退職金問題といいますのは、労働条件の重要な一つになっているのですけれども、郵政省はこの退職金の改悪について関係労働組合と団体交渉すらやらないで、一方的に国会に提案をされてきているわけですね。定年制の問題につきましても同じことが言えるわけです。
 そこで大臣にお伺いしたいと思いますが、大臣が郵政省に働く労働者の権利を認めるならば、当然のことながら国会に提出する前に労使の交渉がなされなければならないと思うわけですが、いま局長さんの答弁で、所管は内閣委員会だけれども決まればすっぽりと入ってくるということを重ねてお答えになったわけですけれども、大臣は労働者の権利、これは一体認められるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#97
○岡野政府委員 大臣のお答えの前に、私ちょっと事務的にお話し申し上げたいと存じます。
 私ども非現業分野の職員はともあれ、現業分野に働きますところの職員、これの給与その他労働条件の基準の創設、変更につきましては公労法の適用がございまして、第八条に基づきまして団体交渉をするという制度がとられているところでございます。しかしながら、労働条件的側面を持ちます分野におきましても、事法律で細部にわたりまして決まります事項、いま先生お尋ねの退職手当の問題でございますとかあるいは国家公務員の分限に関しますような国家公務員法上の規定でありますとかいいますものにつきましては、これが全面的に適用になります。こういうような意味合いにおきまして、いまお話しの退職手当あるいは定年につきましては、私どもの現業分野の公務員、職員の諸君につきましてもその適用があるということでございます。よろしく御理解いただきますようお願いいたします。
    〔畑委員長代理退席、堀之内委員長代理着席〕
#98
○山内国務大臣 いよいよ定年制の問題それから退職手当の額の問題、非常に働いていただいている方には重要な問題でございます。しかし、いろいろといまの時勢に対応するように、これは世間の話でございますから私が言っているのではございませんが、財政再建の折から公務員のこういう点をもっとはっきりさせたらどうかという意見が世の中に非常に強いわけでございます。それからもう一つの考えようによると、定年制がはっきりしないために逆に自分はいつまで勤めることができるだろうかと、老後の生活の設計といいますか、そういう点も立てにくいという点もございますし、さらに手当の問題につきましても一般の民間よりも高いじゃないかというように言っている世間の人もおりますし、そういうような点を考えて、法律的に今度ははっきりしましょうということであるわけでございます。いろいろ内閣全体で労使の間の関係もよく検討しながら、その検討いたしました結果を結論として御提案し、これから御審議をいただく、こういうことでございますので、十分な御審議をいただきたいと思うわけでございます。
#99
○藤原委員 大臣は、世間が言っているという言い方でまことに巧妙に公務員に対する攻撃をなさっているわけですけれども、政府は公務員労働者には団体交渉権も団体行動権も認めない、三公社五現業の労働者には団体行動権を認めないという制度を押しつけたままで、重要な労働条件にかかわる問題まで一方的にこの国会に提出してくる。こういうことでは、言葉で幾ら労働者の権利を認めますとか、守りますとか、労働者こそ郵政事業を支えてくれているものですなどと歴代の大臣がおっしゃっても、それは全く絵にかいたもちにすぎないわけです。言葉だけのことだと思います。政府は労働者の固有の権利を認めるべきだということを私は強く申し上げたいというふうに思います。
 それと同時に、私は郵政労働者の問題に関連をいたしまして、下請労働者のことにつきましても一言確認をしておきたいと思うことがございます。
 私は昨年の十月に郵便料金値上げ問題を取り上げたときに、郵政省の郵務局長、事務次官、こういった重要な役職を務めました広瀬弘日本郵便逓送社長、この方が郵政省の在職中にKDD汚職に関係していたことを取り上げて、郵政省の姿勢をただしたことがあるわけなんです。ところが最近、私が広瀬社長の問題を取り上げた、このKDDの収賄などの腐敗をなくそうという意図でもって取り上げましたことを悪用して、藤原が国会の中で郵便輸送はもっと分散をして下請させろというふうな主張をしたから、郵政省としても分散する方向を考えているのだなどとおっしゃっているような話を私は聞いたわけですが、もしそれが本当ならまことに不当なことだと思うわけなんです。郵務局長がいらしておりますが、議員の質問に悪乗りをするというふうなことがあれば大変よくないことだと思うのです。ですからあなた方がそういうことをおやりになっているのかどうか、念のためにお尋ねをしたいと思います。
#100
○魚津政府委員 お答え申し上げます。
 郵便の移送部門というのは、かなりの部分先生の仰せのとおり委託をしたかっこうで運営しているわけでございまして、その委託部門の経営のあり方というのは絶えず時代の情勢を勘案しながら検討を続けるということは当然でございますが、今日、日本郵便逓送株式会社を分割するという形でそれを命題としてとらえて検討しているという事実はございません。ただ適正規模というものから、健全な経営を図るというような角度から、一般論としての議論は絶えずしているところでございますが、仰せのように先生の質問に悪乗りしてとか、あるいはそれを目的にした検討を続けるという事実は一切ございません。
#101
○藤原委員 なければ私はそれで結構でございますが、今後もそのようなことがないように厳重に御注意を申し上げておきます。私は、たとえ下請といえども国営事業をやっているわけですから、そこで働く労働者に対して労働条件の切り下げになるような合理化を結果的には押しつける、そういうことを絶対にしてはならないということを強調しておきたいというふうに思います。
 ところで、この郵便年金といいますのは、御承知のように長期にわたって積極的な募集をやらなかったものでございます。したがいまして、先ほどの御答弁にもありましたように、再出発とはいっても一から始めるのと内容的には変わらないというふうに思うわけです。その場合、当然のことですけれども、郵政省の業務の中には、保険であるとかあるいは貯金といったように、国民に対して働きかけていかなければならない、働きかけて加入をしていただく、そういう部門を持っているわけですから、これらの部門の経験であるとかあるいは今日までの教訓、こういったものをつかんで個人年金への加入を働きかけることが重要だというふうに思うわけです。
 そこで、保険局長さんにお尋ねをいたしますが、年金を直接担当する局長さんとして、あなたはどのようにしてこの制度を国民の中に浸透させようとしていらっしゃるのかどうか、そこの点お尋ねしたいと思います。
#102
○小山(森)政府委員 いろいろ手段はございますけれども、やはりまず、一般的なこれを利用する国民の皆様方に、この年金というものの性格といいますか、全貌というものを御理解していただくという環境づくりというものを、省を挙げてやらなければいけない。それと同時に、外務員の諸君によくこの事業の内容を理解していただいて、国営事業としてのあるべき姿というようなものを理解した上に、この年金というものをお客様に勧めていただくというようなことをしなければいけないのじゃないかというふうに、基本的に考えておる次第でございます。
#103
○藤原委員 それでは毎年度ごとの目標のようなもの、これは設定されないのですか。
#104
○小山(森)政府委員 目標というもののとらえ方はいろいろあろうかと存じます。端的に申しますと、郵政省の職場に働いている者が自分の努力を傾注していく、その努力の数量的な表現が目標値というようなものであるというふうにとらえるとらえ方もあろうかと思います。またそのことによりまして職員自身がより一層この業務に対する理解を深め、自分自身に対する意欲というものを一層深めるというようなこともあろうかと思います。ただしかしながら、いろいろな条件が整って初めてそういった数量的な目標と現実に自分が意欲を持ったものとがつながってくるわけでございまして、いま現在、そのような目標と具体的にいま再出発しようとしているこの郵便年金との関係がどういうふうになるかということにつきましては、目下検討中でございまして、まだ目標を出すかどうかというようなことについては結論を出してないところでございます。
#105
○藤原委員 目標額を設定してやっております部局は、保険局の関係だけではなくて貯金局の場合も同じことをやっているわけですね。私は四年前の貯金法の改正のときにも、貯金の目標とその遂行状況、これについてお尋ねをしたことがございます。改めて貯金の関係のことについてお尋ねをしたいというふうに思うのですが、郵便貯金の問題につきまして、昨年のグリーンカード問題に関連をいたしまして、三百万円の限度額が守られているかどうかということを含めて、金融界では常に論議の的になってまいりました。そこで貯金局長にお尋ねをしますが、昨年の一、二、三月とことしの一、二、三月の郵便貯金の増加額ですね。これは対前年同月比でどのようになっておりますでしょうか。
#106
○鴨政府委員 お答えいたします。
 先生の御質問は、五十六年に入りましての一月、二月、三月の郵便貯金の増加状況、それの対前年比ということかと拝聴いたしましたけれども、五十六年の一月の数字でございますが、実績がこれは純増加額で申し上げまして四千八百四十億円でございます。対前年の比率が七九%。二月が五百一億円でございまして、対前年の比率が三五%。それから三月でございますが、これは増加額がマイナスになっておりまして、一千十六億円ということでございます。これはマイナスでございますので、ちょっといま対前年比という形で出ておりません。
#107
○藤原委員 私もこの資料をいただいておりますが、ことしの一、二月と昨年の一、二月を比べますと、ことしの場合は落ち込みが大変多いわけです。これはなぜでしょうか。
#108
○鴨政府委員 御指摘のように、昨年の七月から十一月にかけましては大きな伸びが認められたわけでございます。これは御承知のように十二月の一日から金利が引き下げになりました。それまでの間いわば最近における金利の一番高い状態が続いておりましたために、いわゆる金利の天井感ということがございまして、これに向けてお客様が長期性の貯蓄手段としての定額貯金を選択されたため、その間には他の金融機関におきます長期性の預金あるいは債券等の増加もございましたけれども、御指摘のようにことしの一月、二月は先ほど申し上げたとおりでございますが、昨年の十二月段階につきましても、この利下げの影響を受けました伸び悩みという状態が出ているわけでございます。
 実は昭和五十二年度、五十四年度につきましても、年度的に申し上げますと増加状況は低下傾向にございまして、申し上げたいことは、したがいまして五十五年の七月から十一月にかけての伸びはいわば一時的な増加現象ではないか。それがこの十二月一日の金利引き下げ以降におきまして、先ほど申し上げましたような数字で、在来の、この五十三、五十四年度に見られたような傾向に戻ったのではないかというふうに、私ども分析をいたしておるところでございます。
#109
○藤原委員 私も京都で調べてみますと、昨年と比べましてことしは落ち込んでおります。ところが貯金の外務の人たちから見れば、これは単に落ち込んでいるというだけでは済まされないわけなんです。ある局では十七人ほど貯金課の人がいるそうですけれども、そのうちの八割の人が二月は募集手当が三分の一しかもらえなかったというふうな状態が出て、現実現場ではこういうことが起こっているのですけれども、貯金局長はこういったことを御存じでしょうか。
#110
○鴨政府委員 個別の局の実態については具体的に把握をいたしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、この一月、二月そしてまた三月におきましても、預け入れをされる額が減ってきているという現象がございます。募集手当、奨励手当と申しますものは、職員の努力によって、勧奨によって預入されたものに対して支払われるということでございますけれども、お客様の反応と申しますか、これに対応しての預入が比較的最近減ってきているという状況の中で、御指摘のような現象が個別の局の中に起こってきているであろうということ、これは推測でございますけれども、全般的な数字の上からそういうことがあろうかというふうに、私考えております。
#111
○藤原委員 現場ではもっと深刻に、もっと戦々恐々としているという事態ですが、局長さんは案外把握していらっしゃらないというふうに思うのですね。私はなぜこんなことになっているのか大変不思議に思って調べてみたのです。そうしましたら、貯金の外務の人にとってみれば募集手当というのは収入の重要な一部であるわけですが、それが減っている。本来なら減ったら困るわけですけれども、それでも半分はあきらめているのですわ。
 いろいろ調べてみますと、こんな文書が出てきたわけなんですけれども、これは取り扱い注意ということで、各郵便局長あてに近畿郵政局からことしの三月十二日付で出されております通達なんです。「郵便貯金の限度額管理の徹底について」というものであるわけなんですが、これは一口で言いますと、限度額を超えて預金をさしていないかどうかということを各局で全部調べなさいというものなんですね。非常に細かく指示をしてございます。いままでやらなかったことを急にやり出した、そのためにそれに追い回されているし、時間もとられる、そういうことのようですが、本省のやっておられます指導が末端にいくとこのようなことになっているという状況です。毎年きちんと指導をしていればこんなことにならないのにというふうに現場の方々が言っておられたわけですが、本省の方ではグリーンカードの問題以降、限度額管理について特に敏感になっていらっしゃるという様子があるわけなんですね。そんなことは初めからやるべきじゃないかと現場の方は言っておられますし、私もそのとおりだと思います。結局しわ寄せは末端の現場に寄せられているという現状なんです。多分貯金局長はこんなことはよく、よく御存じの上だというふうに思うのですけれども、こういう状態に置かれている貯金関係の労働者に対して、局長さんはどのように対応をされるでしょうか。
#112
○鴨政府委員 郵便貯金につきましては、郵便貯金法におきまして郵便貯金の総額の制限というものがございます。したがいましてこの点につきましては、郵政省の責任において限度額を遵守をするように、お客様からお預かりをするお金について、郵便局の窓口での本人確認あるいは地方貯金局におきますいわゆる名寄せというふうな手段を通じまして、従来からそれを厳重にやってきたところでございます。
 御指摘のグリーンカードの問題は、昨年の三月末に所得税法の改正によりまして、グリーンカード制度というものが五十九年の一月から実施されるということで、この実施を五十九年に控えまして、昨年この法が成立いたしました後におきまして種々論議が出てまいりました。この点につきましては、私ども限度額の管理とは別の問題ということで、グリーンカード実施に伴う問題ということで、大蔵省ともいろいろ話をしてまいりまして、昨年じゅうにその実施に当たりましての、たとえばグリーンカード番号を使っての名寄せというふうなことでの合意に達しまして、完全な決着を見ておりますが、これは先ほど申し上げましたように、限度額管理そのものはグリーンカード制度いかんにかかわらず、本来郵政省の責任において郵便貯金の限度額管理をしなければならないことになっている事柄でございます。
 ただ、世上いろいろ言われておりますこともございまして、私どもといたしまして、従来の限度額管理をさらに部内的に十分に徹底をさせるという意味におきまして、先生御指摘の部内的な指導もやっているわけでございます。これは従前からやっているわけでございますが、さらにそれの徹底を期すということで実施をいたしたものでございます。
 具体的には、昨年の十月に大臣名によりまして、限度額の管理の徹底を職員一人一人がするようにという通達が出されております。あわせてこの三月に貯金局長名で各局において自主的な形で限度額管理、これはもう先ほどから申し上げておりますように、郵便貯金の本来ございます限度額管理という意味においてやらなければならない事柄をやるということでございまして、いわばそれの徹底を期するということにおいて実施をいたしているものでございます。
 いわゆる募集手当につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨で、職員の努力によって預入がありました場合にそれに報いるという意味において支給がされているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような経済的な環境の中でお客様からの預入が少なくなってきているということを反映して、先ほど御指摘のような事柄が個別にあるいは起こっているというふうに理解をしているわけでございます。
#113
○藤原委員 私は、きょうはこの問題を審議するのが重点ではありませんので余り突っ込みませんけれども、現場ではいろいろと混乱が起こっているということは素人の私にもわかるわけですから、いろいろと御注意をすべきではないかというふうに御提案を申し上げるわけです。
 私もいろいろ話を聞いている中で、この問題に関連して一つだけ聞いておきたいというふうに思うのですが、それは、昨年の九月二十六日付の日経新聞によれば、渡辺大蔵大臣が参議院の決算委員会におきまして、募集手当まで払って郵便貯金を集める必要があるのか非常に疑問だ、検討する必要があると答えたというふうに報道されているわけですが、この募集手当というのは、いま審議されている年金法との関係で見ましても大変大事な問題だというふうに思います。大臣はこの郵貯の募集手当についてはなくしてもよいというふうに考えておられるのでしょうか、どうでしょうか。
#114
○山内国務大臣 その決算委員会のときに私もたしか一緒に同席をしていたと思います。それで、大蔵大臣からいま言いましたようなことを言いましたので、私は、とんでもない話であります、郵便貯金というものを一生懸命集めるというのが従来の使命であり、外務員、募集員の方が本当に苦労しながら集めた結果がこうなっているのです、その苦労のことも考えないで手当云々と言うのはとんでもない話である、たしか速記録を見ていただければそういうふうに私は答弁しているはずでございます。
#115
○藤原委員 それでは、この点はいまおっしゃったとおり、大蔵大臣が言っておられることはとんでもないことだというふうに思いますので、いま再度の御確認でございましたので、ぜひともそれで進めていただきたいと要望をいたします。
 では、法案の内容についても二、三点お聞きをしたいと思います。
 御承知のように今回の法改正というのは、この十数年来眠っておりました郵便年金制度を高齢化社会の到来という時代の要請にかなうものによみがえらせる、国民福祉の増進に役立てようというものだというふうに先日来御説明をいただいているわけです。私は、この郵便年金制度の改革につきましては過去の教訓をしっかりと生かさなければならないと考えますが、昭和四十三年以来現行の郵便年金の募集は停止されたわけですね。こうした措置をとられたのはなぜなのでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。
#116
○小山(森)政府委員 先ほども申し上げましたが、郵便年金、長い歴史の中におきまして、一つは年金というのは長い給付を持つ関係上、その歴史的な長さに比例して客観情勢に相当左右されるわけでございます。
 その第一が戦争による壊滅的な被害でございまして、これはただ一つ郵便年金に限らず、金融全体がこれによって被害をこうむったわけでございます。
 その第二点が、今度は戦後の復興期から現在に至るものでございますけれども、この間における郵便年金の歩みを見ますと、要するに制度が非常に経済の拡大に対応していない制度であったということ、これは歴史的に見ますと、大正十五年というように非常に日本の経済が停滞しているときに考えられました制度でありまして、その昔の十年が現在では一年あるいは半年で経済の拡大が行われていくというような、昭和二十年代以降の日本の社会経済状況に合致していなかったということから来るところの問題点であったわけでございます。
 そういたしますと、まず第一にここでしなければならないのは、一つは壊滅的な被害を受けました戦争という、あらゆる金融機関が基本的な打撃を受けたものに対する始末をどうするかということでございまして、これについては特別措置をやったわけでございます。それ以後の経済の拡大に対しましての対応できない状態につきましてはどうするかということが、この措置をやった後の郵政省の課題になったわけでございますけれども、この間におきまして数々の教訓というものを、具体的にいまの制度の中でどうやってそれをカバーしていくのかということにつきまして、一つ一つ問題点を解明していかなければならない、その問題点を解明した後、それならばそのような社会経済環境に対応する制度というものが国営事業として可能かどうかということ、これが一つ。
 それでは事業として対応し得るような形にした場合における、今度は国営事業のあり方としてどうかというような点がいろいろあったわけでございます。それにつきましても、そういったものに対応するにいたしましても、やはり戦争によって被害を受けましたところの年金というものの特別措置をまず一区切りつけてからということが、ここに目前の課題としてありまして、これからの今後の郵便年金のあり方につきましての検討が若干おくれていたということは、この際申し上げざるを得ないかと存じます。
#117
○藤原委員 戦争が国民のささやかな蓄えにまで壊滅的な打撃を与えた、また郵便年金の制度が戦後のインフレに対応できなくて年金制度としての意味を持たなくなった、それで募集も停止せざるを得なくなったというようなことだろうと思うのですが、それではなぜ十三年も改善することなく放置されていたのでしょうか。
 いまいろいろ保険局長さんからの御説明があったわけですけれども、とにもかくにもインフレ、高物価、こういった物価高には政府として実効ある措置をとらない、そういう制度の改善というのは長期間放置されてきている、こういう状況があるわけですが、結局それはいろいろとおっしゃっても、加入者であります国民が損をするということになるわけです。この点から見ますと、政府の責任というのは大変大きいと思うのですけれども、この十三年間放置されてきた、これに対して大臣はどのような責任をお感じになっているでしょうか、お答えいただきます。
#118
○山内国務大臣 最初、大正十五年に郵便年金を発足いたしましたときには、公的年金というのはあったかどうかよく知りませんけれども、ほとんどなかったと思いますが、発足してだんだん経緯をたどっておる間に、局長から話がありましたように戦争とかいろいろな突発事故その他に遭遇いたしまして、いまの年金ではほとんど魅力がない。第一点はまず定額制であるということですね。幾ら年をおとりになりましても一定額しかもらえない。その間に物価も上がってくる。それから最高限度が二十四万円というのはいまの時代にそぐわないというので、放置されているよりもそのままになっていたのでありますが、今度は老齢化社会という新しい時代を迎えるように相なったわけでございます。したがって、それにはこういう年金というものをさらに考え直してやるのが老後の生活に一番プラスになるという観点から、多少遅いということもございますけれども、いまから御提案申し上げまして、今度は逓増型であるという点、お年をおとりになるにつれて金額をふやして支給される、それから最高限度も二十四万余に上がる、こういう二点を主として改良いたしまして改善充実をしてきたということでございます。
 責任はどうだという御質問でございますけれども、時代の変遷とともにこういうふうに相なってさたので、今度新しくりっぱな年金を発足させていただいて十分にその責任をとってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#119
○藤原委員 そこで今回の特別措置の内容でございますが、対象といたします契約件数、年金額、これは幾らになるのでしょうか。
#120
○小山(森)政府委員 特別措置の対象になる件数は約六万二千件でございます。年金額は、約十三億円でございます。
    〔堀之内委員長代理退席、畑委員長代理着席〕
#121
○藤原委員 これまでにも今何と同様の特別措置が行われているわけですね。昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置、それから簡保の方では昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置というのが実施をされております。それぞれ契約者からの申し出に基づいて契約を消滅させて、保険金、年金の支払いのかわりに特別一時金を支給する、こういう内容のものでございます。この特別措置の施行、実施状況、これはどういうふうになっているでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#122
○小山(森)政府委員 年金につきましては、昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置、これを昭和四十三年一月から二年間にわたってやったわけでございます。その結果、特別措置の申し出状況は一年目が三十八万七千件、二年目が四万九千件でございました。
 なお、保険でございますが、昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置ですが、これは取り扱い期間は昭和五十一年一月から三年間にやったわけでございます。その特別措置の申し出状況は、一年目が二十六万六千件、二年目三万九千件、三年目四万二千件という状況でございました。
#123
○藤原委員 私はこの簡保の特別措置に関連をいたしまして、四年前の当委員会で質問をしたことがございます。こうした特別措置などの実施に当たっての周知徹底を行っていくという問題であったわけですが、契約解消の申し出をするということは契約者にとって決して損にならない、むしろ契約解消の申し出をした方が得をするという制度になっているのに、申し出る人が郵政省の予定よりもかなり少ないという結果になっております。
 こうしたことの一因にPRのやり方があるのではないかということです。保険や年金の加入PRは、わかりやすく熱意を込めてやるけれども、特別一時金の公告というのは片すみに置いておく、こういうことになってはいけないと思います。わかりやすく全加入者に徹底していくためにどういう工夫を検討をしておられるのか、お伺いをいたします。
#124
○小山(森)政府委員 特別措置をいたすからには初めからなるべく大ぜいの方に一〇〇%の御利用をいただいて、その特別措置ということによってその効果を受けていただきたいという意図から特別措置をやるのでございまして、なるべく少ない人にということは初めからそういう意図はございません。
 ただしかしながら、そういう意図とは別に、非常にやり方について問題があるかどうかというのはこれまた次の問題でございます。
 したがいまして、今回考えておりますのは、官報、郵便局の局前掲示と、ほかにいわゆる加入者御本人に案内状を全部送付するということも考えておる次第でございます。
#125
○藤原委員 こうした加入者サービスというのは事業者として年金の実質的な価値を維持し得なかったということに対するせめてもの責務だと思うわけですね。ぜひとも加入者への徹底が十分図られるように、こういうことを強く要望をしておきたいと思います。
 さて最後に、根本的な問題でございますが、私は、国民の老後の生活の保障を図っていくための基本というのは、お年寄りが安心して生活していけるという公的年金制度の確立にあるというふうに考えます。そういう意味から、今回の郵便年金等の私的な年金制度はあくまで補完的なものであり、このことによって公的年金の充実を図っていくという政府の責任が軽くなるものではないというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#126
○山内国務大臣 先生のおっしゃるとおりだと私は思います。老後の生活というのは、やはり公的年金が中核になってどんどん改良していくべきものである。今回御提案している郵便年金は、余力のある方でよりよい生活をしたいとおっしゃる方はひとつどうぞお入りをください、こういう趣旨で御提案を申し上げているわけでございます。
#127
○藤原委員 大臣は、先日の当委員会で同僚委員の質問に対して、日本の公的年金制度は充実している、その上で個々人の多様な要求にこたえていくために郵便年金をという旨の答弁をなさったわけなんですね。いまは、公的年金が大変大切だと私が主張いたしましたのも、おっしゃるとおりだというふうにおっしゃったのですが、余力のある人がこれにというふうなことでしたが、こういうふうな日本の今日的社会の中で、年金制度は充実をしているのだ、万々歳だとはおっしゃらないけれども、まあ充実しているのだ、しかし、まだそれより高い要求の方があるからというふうなことではないと思うのです。なぜかと申しますと、現在のわが国の公的年金制度というのは、決してもう十分なんだ、外国にもひけをとらないなどというふうな状況ではないわけです。これは厚生省が出されている資料等でも明らかなのです。確かに厚生年金で見ますと、五十五年三月末現在の老齢年金の受給者の一人当たりの平均年金額、月額は八万六千円となっております。しかし、わが国の老齢年金受給者約一千百万人のうち八百万人は月額二万円余りにすぎないわけです。したがって比較的高い水準にある約百六十万人の厚生年金だけを取り出して外国などと比較をして、わが国の年金は充実しているなどと言ってもらっては大変困るわけなのです。
 大臣、あなたはこうした実情をお知りにならないで発言をされたとしたら、訂正をしていただかなければならないと思うのです。郵便年金をやっていく上でも、こうした実情をしっかり踏まえていただく、老齢年金受給者の八割がわずかの年金しかもらっていないという貧困な公的年金制度の実態を再認識していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#128
○山内国務大臣 充実したと発言したかどうか、よく覚えておりませんけれども、私がいつも考えておりますことは、公的年金というものは非常に普及発達を日本ではしております、そういう意味において充実と申し上げたので、金額については一切申し上げなかったわけでございます。したがってその点は、いま先生のおっしゃったとおりだと思います。
#129
○藤原委員 あの長い戦争で苦労をして日本の発展を担ってこられたお年寄り、多くの方々が戦争の犠牲になったけれども、いま長生きしていただいているお年寄りはその方の分まで生きていただかなければならないし、国家がやはり大切にするという政治をしなくてはだめだというふうに思うわけです。いまこそ本格的な高齢化社会を迎えるに当たりまして、政府が国民の老後の生活の保障に本腰を入れて取り組んでいただかなければならないからこそ、このことを強調するわけでございます。
 老後の生活を安心して暮らしていけるという最大の保障は何かといいますと、やはり公的年金制度の確立でございます。したがって現在の老齢福祉年金、これを四万円に引き上げるなど抜本的な充実改善、このことこそ急務だと思うのです。赤字財政だとか行革だとかいろいろおっしゃるわけですけれども、しかしながらよくよく今度の財政を見定めるならば、軍拡、大増税の予算、これがとられているわけですから、これを改めれば本当にお年寄りを大切にし、残る命を豊かに生き抜いていただくということができるわけでございます。私はこの点を強く要望いたしまして、時間が参っておりますので終わらせていただきたいと思います。
#130
○畑委員長代理 鈴木強君。
#131
○鈴木(強)委員 最後の質問者でございます。大体質疑が出尽くしていると私思うのでございますが、少し将来展望の問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 その前に、郵便年金は御承知のように大正十五年に制度ができておるわけでありまして、その後紆余曲折を経て今日に至っております。それで今回、従来年金額は最高一人二十四万、最低三千円ということでございましたが、これではもう今日価値を喪失しておりますので、最高制限額を七十二万円、最低を十二万円、こういうふうに引き上げることにして改正案が出たわけでございます。ちょっとぴんときませんのですが、たとえば四十歳で加入をし二十年掛けて六十歳になりますね、その二十年の間に幾らの掛金を掛け、六十歳になったときの受給年金の額は幾らになりますか。ちょっとそれを教えていただきたい。
#132
○小山(森)政府委員 四十歳から六十歳まで二十年間最高で掛けますと掛金総額は七百九十万円になります。それで最初の年の年金受給額は八万円となっております。
#133
○鈴木(強)委員 それでたとえば六十二歳になって死んだ、二年しかもらえなかった、そういう場合は掛金も何も全然問題にならないわけでして、その場合救済措置として十三年間は同じ額を遺族に支払う、そうなっていますが、それはそのとおりですか。
#134
○小山(森)政府委員 死亡してから十五年でございます。
#135
○鈴木(強)委員 そうしますと、これは一つの例ですけれども、二十年掛けて七百九十万円の掛金をする、そして十五年間年金をもらったとすると月八万円で幾らになりますか。差し引きして幾ら得になりますか。
#136
○小山(森)政府委員 先ほどちょっと答弁違いがございまして、まず訂正させていただきます。死亡後ではなしに支払い後十五年間の保証期間でございます。先生最初に申されたのが正しい数字でございます。
 なお、この受取金額が幾らになるかということでございますけれども、運用利回りによりまして大変変わるわけでございますが、大体六%の利回りということで、基本年金額と積み増し年金額を合計いたしますと千六百四万円というふうになります。
#137
○鈴木(強)委員 そうしますと、二年もらってあと十三年は遺族に支給される、七百九十万円掛けたものが千六百四万円もらえる、こういうことでございますね。そのとおりですね。
#138
○小山(森)政府委員 そのとおりでございます。
#139
○鈴木(強)委員 それで、これは四十歳の人が六十歳まで二十年掛けて月八万円の年金がもらえるわけですが、果たしてその八万円というもので老後を安心して生活できるという根拠がどういうところから来ておるのか。私は公的年金を含めまして後ほどまた大臣にもお伺いをしたいと思いますが、きょうは厚生省の方からちょっとおいでをいただきましたので、まず最初に、ちょうどきのう五十五年度の国勢調査の結果が発表になっております。たまたま財界の月刊誌がございまして、それをちょっと見ておりましたら、いまから二十六年後には日本の年金制度は崩壊する、こういう見出しで記事が出ております。
 ちょっとこれを読んでみますが、「わが国の人口の高齢化は猛スピードで進んでいる。一九七九年」、これは昭和五十四年ですね、「に一千三十万人だった六十五歳以上の老人は二〇〇〇年には」これは昭和七十五年、「千九百万人、二〇二〇年には」これは昭和九十五年ですね、「二千六百万人に急増する。老人人口割合は二〇一〇年」すなわち昭和八十五年「に一六・七%と世界一になった後、二〇二〇年」昭和九十五年「にいまだ世界のどの国も経験したことのない最高の一八・八%を記録し、ほぼ一八%台で安定してしまう。高齢化のスピードがフランスの四倍、スウェーデンの三倍といった速さであるのも、戦後のベビーブーム後わずか八年で、一人の女性の出生児数二人という低水準に到達した異常さの反映にほかならない。老人扶養の観点から、老人人口と生産人口」これは十五歳から六十四歳を生産人口と言っているのですが、この「比率を見ると、一九七九年に生産人口七・六人に一人であった老人数は二〇〇〇年には四・六人に一人、二〇二〇年には三・三人に一人という高率になる。さらに具体的に厚生年金の加入者と受給者の比較でみると、昨年加入者十一人で受給者一人を支えていた関係が二〇〇〇年には四人で一人を、二〇二〇年には二・七人で一人を支えねばならなくなるのである。こうして厚生年金の積み立て金は、一九九七年の九十八兆円をピークに高齢化社会の進展とともに減り始め、わずか七年で取り崩されてしまい現在の積み立て方式は否応なく崩壊せざるを得なくなる。支給開始年齢が現在の六十五歳のままとすれば、ベビーブーム世代が受給資格者になる二〇〇七年−九年ごろには積み立て金はとっくになくなっており、その年その年、給付に必要な財源を保険料率を変えて調達する西欧式の賦課方式に事実上移行せざるを得ない。このとき出生実数で前後の世代より毎年五十万人も多いベビーブーム世代を支える加入者の負担は大変だ。保険料率は一挙に一〇%もハネ上って二七−二八%に達する見込みだ。もっともこうなる前に支給開始年齢は六十五歳へ引き上げられベビーブーム世代は二〇一二年以降にならないと年金を受給できなくなっているかも知れない。その場合でもベビーブーム世代全員が受給を受け出すと、二百兆円近くあった積み立て金はあっという間になくなり、一年後の二〇一五年には七兆円を割り、これ以降、保険料を三〇%に引き上げなければならなくなる計算だ。」こういう記事が載っておるわけでございます。
 そこで厚生省においでいただいておりますが、ここに載っております記事の推測というのは、増加する人口と老齢化する人口との割合は大体このようなものと判断してよろしゅうございましょうか。
    〔畑委員長代理退席、委員長着席〕
#140
○長門説明員 先生ただいまお述べになりました将来人口の推計でございますが、これは私どもの人口問題研究所が昭和五十一年十一月に発表いたしました将来人口推計、これは昭和五十年のセンサスとその時点までの出生とか死亡の動向をベースにいたしまして将来人口を推計したものでございます。六十五歳以上の人口の推移、それからこれの生産年齢人口に対する割合等、先生お述べになった数字のとおりでございます。
#141
○鈴木(強)委員 そこで昨日発表されました国勢調査の結果とこの予測との間にどの程度の誤差がございましたか。
#142
○長門説明員 お答え申し上げます。
 人口問題研究所で推計いたしましたものは、先ほども申し上げましたように、昭和五十年のセンサスの結果とその当時における出生とか死亡の動向をもとにいたしまして推計したものでございますが、その推計の中位推計と呼んでおりますものによりますと、昭和五十五年の総人口は一億一千七百五十六万三千人というふうに当時見込んでおりました。これに対しまして昨日発表されました国勢調査の結果によりますと、昨年の十月一日現在の総人口は一億一千六百九十一万六千人でございまして、人口問題研究所で推計いたしましたものよりも六十四万七千人実績の方が下回っております。これは昭和四十九年以降出生率が当時見込みましたものよりもダウンしたというふうなこと、あるいは老齢人口につきまして当時見込みました平均寿命が予想以上に改善されたというふうな結果が加わりまして、こういったふうな差になっているものと承知しております。
#143
○鈴木(強)委員 六十五歳以上のいわゆる老人の方の人口増は大体この推計と同じと見ていいですか。
#144
○長門説明員 六十五歳以上人口について申しますと、人口問題研究所で推計いたしましたものが一千四十二万六千人、これに対しまして国勢調査の結果が一千五十七万四千人ということでございまして、したがって人口問題研究所の推計の方が実績よりも十二万八千、約十四万少なくなっております。
#145
○鈴木(強)委員 最高百歳以上生きる御老人は何人くらいおるのでしょうか。
#146
○長門説明員 百歳以上の老人の実数でございますが、これは私どもの厚生省社会局の方で昨年九月現在で調べたものでございますが、男女合わせまして九百六十八人ということでございまして、内訳は男が百七十四人、女性が七百九十四人、こういうふうに相なっております。
#147
○鈴木(強)委員 平均寿命は五年前と比べて幾ら延びましたか。
#148
○長門説明員 お答え申し上げます。
 平均寿命の対比でございますが、まず男性について申し上げますと、昭和五十年におきましては、男性の平均寿今、これはゼロ歳の平均余命でございますが、七十一・七三年でございます。これが一番新しい五十四年の数字によりますと、七十三・四六年、それから女性の方は、昭和五十年の平均寿命が七十六・八九年、これが五十四年では七十八・八九年、こういうふうに延びております。
#149
○鈴木(強)委員 わかりました。
 優生保護法によって妊娠中絶をするのは一年間にどのくらいおるのですか。
#150
○長門説明員 お答え申し上げます。
 人工妊娠中絶、これは優生保護法によりまして届け出のございます件数でございますが、一番直近のものといたしましては一昭和五十四年の一年間に六十一万三千六百七十六件という中絶件数の報告がございます。これはちなみに申しますと、昭和三十年ごろは百十七万というふうな件数でございましたが、以後減少いたしまして、大体ここ数年は六十万台を推移している状況でございます。
#151
○鈴木(強)委員 しかし、この数字は届け出をしたものであって、届け出をしないで中絶をするのは相当あるんじゃないかと私は思うのです。したがって、避妊薬とか避妊器具とかいうものを大分つくっているようですけれども、そういうものとの関連からして、実際に法の盲点というか、法に違反して無届けで中絶しているのは相当あるんじゃないですか。そういう実態はつかめないのですか。
#152
○長門説明員 人工妊娠中絶を行いました場合には、優生保護法に基づいて、これを行った医師は保健所の方へ届け出ることになっておりますので、その数字に基づきまして先ほど申し上げました数字が集計されているわけでございまして、その届け出以前の姿につきましては、私ども何とも申し上げかねる次第でございます。
#153
○鈴木(強)委員 いま言った器具はどのくらい生産しているかわからないですか。
#154
○長門説明員 避妊薬といたしましてわが国で生産しておりますものは、薬事工業生産動態統計という統計で把握いたしておりますが、直近の昭和五十四年におきましては、金額にいたしまして二億五千六百万円の生産高ということに相なっております。
 なお、いわゆるビルでございますが、経口避妊薬であるビルはわが国では避妊薬として認められておりませんので、ただいま申し上げました数字には、統計的にも把握いたしておりません。
#155
○鈴木(強)委員 これはなかなか把握はむずかしいと思いますが、実際には六十万に近いようなものがひそかに中絶されておるのではないかというふうにも言われております。
 いずれにいたしましても、人口問題というのはその国にとりましては非常に重要な問題でございます。したがって、研究所の方としては、いまの人口増、老齢化の増というものに対して何か特別の考え方がございますでしょうか。ありましたらちょっと教えてもらいたい。
#156
○長門説明員 人口の推移につきましては、先ほど来先生もお述べになりましたような将来見込みでございまして、この高齢化は、当初予想されておりましたよりもより速いピッチで高齢化が進行しているというふうなことがうかがわれるわけでございまして、これに対処いたしますためには、老人対策といたしまして、所得保障である公的年金制度の充実でありますとか、健康づくり、老人保健医療の問題等、いわゆる老人対策を一層充実する必要がありますとともに、出生いたします児童が非常に少なく、また将来この人たちが非常にふえました老人を支えていかなくてはならないということで、生まれました児童の健全育成というふうなことも非常に重要な課題というふうに認識いたしまして、行政を推進していくこととしているところでございます。
#157
○鈴木(強)委員 わかりました。
 それでは、長尾企画課長さんにおいでいただいておりますが、いまお聞きのように、二十六年あるいは三十年先になりますと、厚生年金を一生懸命掛けておっても、いまの状態では崩壊してしまう。これは大変なことです。したがって、国民年金を含め、公的年金、企業年金、それからいまここで問題になっております任意の年金制度、こういったものの三本立てでこれからもいくのが非常によろしいではないか、こう私は推察するのですけれども、課長さんはその方面の権威者でありましょう。いま言った二〇二〇年までと言わなくても、二〇〇〇年あるいは二〇一〇年、そのころまでにはいまの公的年金は、いまの経済情勢が続くとして、六十歳支払い開始あるいは六十五歳支払い開始とございますが、仮に六十五歳として、国民年金は幾らもらえるようになって、掛金は幾らになっていくのでしょうか、厚生年金も同様にとうなっていきますか。その未来像というものが決まっておったら教えていただきたい。また決めておくべきだと私は思うのです。
#158
○長尾説明員 お答えを申し上げます。
 厚生年金と国民年金の将来の見通してございますが、今後の被保険者数がどのように推移するか、老齢年金等の年金受給者がどういうふうに推移するかという推定でございますが、五十五年に大改正をいたしましたときの推計を持っておるわけでございます。
 先ほど先生が雑誌の御紹介をいただきましたが、昭和七十五年という時点を考えますと、被保険者と老齢年金の受給者の比率は確かに四人が一人を支えるという状況になります。それから昭和九十五年時点になりますと二・七人で一人を支える、こういうような状況になるのは御指摘のとおりでございます。
 で、こういった状況になりますときのそれぞれの保険料負担がどのようになるかという問題でございますが、この場合には、今後賃金がどのように上昇していくのか、それから、積立金を保有いたしておりますが、この積立金の利子収入というものがどういうふうに推移していくのか、それに応じまして保険料率というものをどのような形で引き上げていくかというような将来の予測及び政策の問題が絡み合うわけでございます。
 私どもといたしましては三つほどの試算、試みの推定をいたしておるわけでございますが、そのいずれの試算におきましても、昭和七十年代の前半、七十年から七十五年の間のときにおきまして、単年度の収支がマイナスになる、つまり積立金に回る費用がなくなる形になるようでございます。この場合の保険料率の引き上げ方は、五年間に一二八%引き上げるということを前提といたしておりますので、この引き上げ率を変えました場合には、いま申し上げました数字は狂うわけでございます。この後、積立金を取り崩すという方向をとりつつ保険料の引き上げのカーブを同じようにいたしますと、お話のように、昭和八十年代の前半、つまり八十年から八十五年の間に積立金というものがなくなりますので、この後は、現在西欧諸国がとっておりますような財政方式へ移行するということになるわけでございます。そういたしました場合の保険料は三割ぐらいになるというような推計になっておるわけでございます。このような三割という保険料は、現在の西欧諸国の保険料に比べますと高いというふうに申し上げられるかと思うのでございます。
 このための対策といたしましては、全体の給付費につきまして、現在の制度の中にあります幾つかの効率化を図るべき要素というものを洗い出しまして、給付の重点化を図っていくという形で私ども努力をいたさねばならないと思っておりますが、いずれにいたしましても相当な保険料負担の引き上げということはお願いをせざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
#159
○鈴木(強)委員 それで、たとえば六十五歳あるいは七十歳、仮に六十五歳として、公的年金なり個人年金なり、これらを合わせてみて、御老人が老後安心して生活できる費用というものは一カ月どの程度と見ておられるのですか。持ち家のある方それからアパートに住まわれるおじいさん、おばあさん、いろいろあるでしょうけれども、一体月何万円あったら生活できる、こういうふうに考えておられるのでございましょうか。
#160
○長尾説明員 お答えを申し上げます。
 五十五年に大改正をいたしましたときに、男子の被保険者の方で三十年加入されました方の年金額、私どもの方ではモデル年金額と称しておりますが、これを十三万六千円という形に設定をしたわけでございます。ほぼ同じ時期に総理府の方でこの十二万円という数字を示しまして、老後の生活の中でどの程度の意味を持つかという世論調査を実施いたしておりますが、その際には、この十三万円という金額につきまして、持ち家があって、お子さんがすでに成長しておられる、お子さんについては費用がかからないという老夫婦お二人の場合を考えますと、ほぼ生活できる水準というふうにお答えをいただいたように記憶しておるわけでございます。
 確かに生計費といいますものは幾つかの調査がございますが、正直申し上げまして相当な幅がございまして、たとえば昭和五十三年度の数字でございますが、私どもの国民生活実態調査によりますと、高齢者の世帯の平均所得金額は年額にいたしまして百五十二万四千円という金額になっております。月額にいたしますと十三万円弱ということかと思いますが、これは五十三年の数字でございますので、五十五年、五十六年はもう少し多くなっておるかと思いますが、こういうものを考えますと、約十二万円といいます公的年金のこの厚生年金の水準は老後の生活の上で中核となる水準ではないかというふうに思っておるわけでございます。
#161
○鈴木(強)委員 いまの場合は厚生年金でございますね。国民年金の場合には、たとえば三十年加入して六十五歳支払い開始という場合に幾らもらえますか。
#162
○長尾説明員 お答えを申し上げます。
 国民年金の場合は、厚生年金と違いまして御夫婦が別々に加入をされますので、御夫婦の年金額を合算いたしました場合、五十五年の設定いたしました水準で三十年加入の方の月額は十一万二千八百円でございます。
#163
○鈴木(強)委員 いずれにいたしましても、公的年金によって完全に生計を維持するということについては非常にまだ問題があるように思います。しかも前途にはきわめて多難な問題が控えておるということでございますから、ここに提案されました任意加入の郵便年金、こういうものの存在価値は十分にある、こう私は思うわけでございます。
 それで、時間もありませんので多くを聞くわけにいきませんが、一つは所得税と地方税の免税ですね。免税というか控除をふやしてもらいたいということですね、免税の基礎控除をふやしてもらいたい、こういう質問が先ほど来田委員からもございました。大臣、これは現在、民間の保険もそうですが、生命保険と簡易保険それから年金、こういったものが一緒くたになって掛金に対する所得控除の法律があるわけですが、今回の場合には、生命保険と個人年金を切り離して、任意年金の方については十万円まではひとつ控除してほしい。これは地方税も所得税もそうですが、そういう法案の改正を郵政省は考えたわけですね。ところが途中においてこれができなかったという問題がございます。これはこれから全力を尽くしてこの趣旨に沿えるような御奮闘をいただきたいと思いますが、その点ちょっとお答えください。
#164
○山内国務大臣 せっかくできました年金にたくさんお入りをいただくには、やはり税制の問題が絡んでくると思うわけでございます。いま郵政省で考えておりますことは、先ほど局長からも御説明申し上げ、鈴木委員がいまおっしゃったとおりでございまして、この実現のためにひとつ努力をさしていただいて、年金もそれによってさらにふやしていきたい、こう考えているわけでございます。
#165
○鈴木(強)委員 それからもう一つ、資金の運用対象の問題ですが、きょう私は、実はできましたらいままでの経緯、大変御苦労いただいて各国の年金制度も調査されておりますし国内の専門家にも委嘱をしていろいろ検討され、郵政省も市場の調査をされ、そして最終的に年金制度の改善拡充を明らかにされたいきさつがありますので、こういった問題でも聞きたかったわけでありますが、時間がもうありませんので残念でございますが、たとえばこの中にもありますように、年金資金の運用についてはこういうふうにした方が望ましいということが書いてございますね。その中には社債の銘柄の追加、それから運用対象分野の拡大というので外債、これは円建てと外貨債建てと二つあるわけですが、それと株式、転換社債、不動産貸し付け、貸付信託及び証券投資の信託の受益証券、それから預貯金あるいはコールあるいは手形割引、こういうふうに七つの項目を拡大して運用対象にしたらどうか、答申ではないのですが、そういう意見が出ております。しかし、今回出されておるのを見ますと金銭の信託につきましては貸付信託はオーケーですが、投資信託はだめ、銀行等の預金についてはこれはよろしい、外国債もよろしい、株式と土地建物についてはこれはペケ、こういうことで幾つも消されておるわけですよ。これも恐らく大蔵省との折衝の中でやられたんだと思います。
 きょうは時間がありませんので、私、大蔵省を呼んでおりませんけれども、この点については、かなりわれわれが中を見ましても、今後の効率的な資金の運用をして少しでも加入者に年金額をふやして差し上げるという意味からいきましても、あるいは将来のインフレということを考えましても、妙味のあるところだと私は考えておるわけです。それが大分消されてしまいまして非常に残念ですが、今後この問題につきましてもひとつ全力を挙げてやってほしい、こう思うのです。これは局長と大臣両方からひとつ聞いておきたい。
#166
○小山(森)政府委員 御指摘のように株式、不動産運用対象ということは今回できなかったわけでございます。しかしながら今回の発足に当たりまして、形式的に一つは国家資金という問題があるということ、しかし内容的には事実上加入者からの預かり金であるという性格、これをどうやって調和させていくかということが今後とも大事なことだと思います。特に御指摘のように、今後予測し得ないような経済変動に耐え得るような多角的な投資をしていく、そのことによって年金の実質価値を維持していくというためには、やはり多角的な運用の範囲を持っていること、またその運用範囲の中をどのような組み合わせでもっていくかという、法の中でのわれわれの最大の努力というものが両者相まってできるものだと思っております。
 現時点におきましては、不動産投資においてわれわれとしては健全な投資と考えていたものでございますけれども、国家資金であるという点から、政府資金であるという性格から、若干批判も出まして、もう少し理解をいただく時間を得た方がよろしいと思っているわけでございます。また、そのほか元本保証のないものにつきましての問題でございますが、私どもが資金運用についてそれなりの相当な勉強をしており、そういったことの運用ができるというものが内外に今後とも理解されるということを期待しているわけでございまして、今後とも私どもはお客様からお預かりした資金をどのような形でもって実質価値のある形で持って、支払いを全うしていくかということに専念すべきだ、こう思っておりますので、そういった点からその裏づけとなる資金運用の範囲の拡大につきましては常に努力をしていきたい、こう考えております。
#167
○鈴木(強)委員 皆さんが調査をなすった調査報告を拝見しますと、たとえば株式とか土地建物等につきましては、フランスでも年金を国営でやっておられますね。ここらでもこの運用の対象の中に入れておるわけですよ大臣。ですから入らぬことはないと思うのです。ある程度きちっとした基準をつくらなければいかぬと思いますけれども、そういうことにして少しでも有効な資金運用というものをやるのがやはり受益者のためだと私は思いますから、それを含めまして、大臣からもう一度お答えを願いたいと思います。
#168
○山内国務大臣 お預かりした掛金の運用ということが私は郵便年金で一番重要かと思っているわけでございます。これいかんによりまして、加入者の方の信頼を増す、さらには高い額に加入していただける、こういう問題でございまして、いろいろ従来から郵政省においても大いに研究をしてまいりまして、まず確実であること、それから率が高いこと、そのほかにもあるかもしれませんけれども、そういうような二点について十分注意をして、さらに鈴木委員から御提案のありました点もよく考えて、今後やってまいりたいと考えているわけでございます。
#169
○鈴木(強)委員 長尾課長さん、ちょっと前後して恐縮ですけれども、私さっき一つ聞くのを忘れてしまったのですが、いまの積立方式ですね、これが非常にむずかしくなってくる、これを全部崩さなければならぬという事態が来ますね。したがって、いずれにしても賦課方式の方向に移行せざるを得ない、そういう考え方とそういう時期というものをいま考えておられますか。考えておったらひとつ教えてもらいたいのです。
#170
○長尾説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御説明をいたしましたように、現在私どもで試算をいたしましたものの保険料の引き上げのカーブといいますのが、五年間に一・八ずつ引き上げるということで考えておるわけでございますが、この場合には八十年代の前半に積立金がなくなるという形になっておるわけでございます。厚生年金といたしますと、受給者が被保険者に対しまして恒常的な姿で発生していく時期が昭和九十年前後だろうと思いますので、やはりそういう時期をにらみまして、いま先生お話のような賦課方式というものを準備していくということではないかと思っておるわけでございます。
#171
○鈴木(強)委員 最後ですが、これは私の要望です。この法律改正を提出するに当たりましては、その間大変政治的な問題もございました。われわれは、九十六万円を最高にしてぜひ実現したいと思っておったわけでありますが、中途において七十六万円、七十二万円ですか、そういうことになりまして、これは非常に残念です。いま申し上げたような事情も厚生省の公的年金にもあるわけでございますから、今後一層額の引き上げ等についても努力をすべきである、私は強くそう思います。
 それから、一面におきましては、民間の保険会社、民業との関係もございまして、そこにいささかの摩擦があってもいけないと私は思います。民業と官業のよさを十分発揮して、要は国民、加入者一人一人が恵まれる、よくなる制度をやってもらいたいということなんですよ。民業がよければ民業に入りますよ、官業がよければ官業に入る、これは自由な選択にかかっていると私は思うのです。ですから、決して民業と官業は相対立するものではない、要はそれぞれの努力によって、国民はどちらをとるかということを選択すると私は思います。そういう意味におきまして、大変な事業だと思いますけれども、どうかひとつ、大臣以下全職員ふるい立って、決定されたこの法案が実現されまして、老齢の人たちにも安心をして生きていただけるように、そういうためにがんばっていただくことを心からお願いして、私はこれで終わります。どうもありがとうございました。
#172
○佐藤委員長 鈴木強君の質疑は終わりました。
 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#173
○佐藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#174
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は可決いたしました。
    ―――――――――――――
#175
○佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、畑英次郎君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨説明を求めます。畑英次郎君。
#176
○畑委員 提案者を代表して、ただいま議題となりました附帯決議案について趣旨を説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、国民の理解を深めるため、個人任意年金思想の普及に努め、その充実、発展を図ること。
 一、郵便年金の実質価値を維持するため、さらに積立金の運用範囲の拡大に努めるとともに、余裕金も直接運用できるよう制度の改善を検討し、年金加入者の利益の増進を図ること。
 一、国民の多様な需要に応えるため、即時年金の実施について検討すること。
以上のとおりであります。
 この決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブの各派共同提案に係るものでありまして、案文も当委員会における質疑等を十分勘案して作成したものでございますから、その趣旨につきましては改めて説明を要しないと存じますので、省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願いする次第でございます。(拍手)
#177
○佐藤委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#178
○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、山内郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山内郵政大臣。
#179
○山内国務大臣 慎重な御審議をいただきまして、ただいま郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。
 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後郵便年金事業を運営していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。
 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#180
○佐藤委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#182
○佐藤委員長 次に、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。
 まず、提案理由の説明を求めます。山内郵政大臣。
    ―――――――――――――
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#183
○山内国務大臣 公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、電話の近距離の通話料と遠距離の通話料との格差の是正等を図るため、遠距離の通話料を改定するとともに、日曜日及び祝日に係る料金を法定の料金より低く定めることができることとするほか、公衆電気通信業務の円滑な運営を確保するため、加入電話加入者の数が著しく減少した集団電話について、日本電信電話公社が加入電話の種類を変更することができることとする等所要の改正を行おうとするものであります。
 まず、改正の第一点は、遠距離の通話料の改定であります。
 わが国の電話の通話料は、諸外国の料金に比較して、近距離の通話料は安く、遠距離の通話料は高く、いわゆる遠近格差が大きくなっております。この格差を是正するため、遠距離の通話料を引き下げることとするものであり、区域外通話地域間距離が五百キロメートルを超える区域外通話の料金について、五百キロメートルを超え七百五十キロメートルまでは三秒ごとに十円を三・五秒ごとに十円に、七百五十キロメートルを超えるのは二・五秒ごとに十円を三秒ごとに十円に、それぞれ改めることといたしております。
 第二点は、区域外通話地域間距離が六十キロメートルを超える区域外通話の日曜日及び祝日に係る料金について、設備の有効利用を図りつつ通話料の遠近格差の是正に資するため、現行法で認められている夜間の通話に係る料金の場合と同様に、公社は、郵政大臣の認可を受けて法定の料金より低く定めることができることといたしております。
 第三点は、電話使用料について、加入電話加入者が市町村等の法人であっても、老人福祉電話等郵政省令で定めるものに限り、住宅用を適用することといたしております。
 第四点は、集団電話について、公社は、当該集団電話の加入者数が加入申し込みに必要とされる数の十分の一の数に満たなくなった場合において、交換設備の老朽化等その集団電話に係る交換設備により役務を提供することが困難な事情が生じたときは、郵政大臣の認可を受けて加入電話の種類を変更することができることといたしております。
 以上のほか、ダイヤル自動化の完了に伴い、共同電話の種類及び度数料金局と定額料金局の区別を廃止すること、電話交換取扱者資格試験の受験資格及び受験手数料の額の決定方法を改正すること、その他所要の規定の整備を行うことといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日といたしております。
 以上がこの法律案を提出いたしました提案理由及びその主な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#184
○佐藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 次回は、来る八日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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