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1980/02/10 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第1号
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1980/02/10 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第1号

#1
第094回国会 商工委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十五年十二月二十二日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 渡部 恒三君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君 理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    植竹 繁雄君
      浦野 烋興君    小川 平二君
      奥田 幹生君    粕谷  茂君
      島村 宜伸君    田原  隆君
      泰道 三八君    橋口  隆君
      鳩山 邦夫君    林  義郎君
      松永  光君    水平 豊彦君
      宮下 創平君    粟山  明君
      森   清君    渡辺 秀央君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      藤田 高敏君    水田  稔君
      山本 幸一君    渡辺 三郎君
      沖本 泰幸君    長田 武士君
      横手 文雄君    小林 政子君
      渡辺  貢君    伊藤 公介君
      阿部 昭吾君
―――――――――――――――――――――
昭和五十六年二月十日(火曜日)
    午後零時九分開議
 出席委員
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 渡部 恒三君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君
      天野 公義君    植竹 繁雄君
      浦野 烋興君    奥田 幹生君
      粕谷  茂君    島村 宜伸君
      泰道 三八君    鳩山 邦夫君
      林  義郎君    松永  光君
      水平 豊彦君    宮下 創平君
      粟山  明君    森   清君
      渡辺 秀央君    城地 豊司君
      藤田 高敏君    水田  稔君
      山本 幸一君    長田 武士君
      武田 一夫君    横手 文雄君
      小林 政子君    渡辺  貢君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 伊従  寛君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 劒持 浩裕君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 妹尾  明君
        公害等調整委員
        会委員長    青木 義人君
        公害等調整委員
        会事務局長   永山 貞則君
        経済企画政務次
        官       中島源太郎君
        経済企画庁長官
        官房長     禿河 徹映君
        経済企画庁長官
        官房会計課長  横溝 雅夫君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      廣江 運弘君
        通商産業政務次
        官       野田  毅君
        通商産業大臣官
        房審議官    柴田 益男君
        通商産業大臣官
        房会計課長   宇賀 道郎君
        通商産業省通商
        政策局長    藤原 一郎君
        通商産業省貿易
        局長      古田 徳昌君
        通商産業省産業
        政策局長    宮本 四郎君
        通商産業省立地
        公害局長    松村 克之君
        通商産業省基礎
        産業局長    小松 国男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  栗原 昭平君
        工業技術院長  石坂 誠一君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
        中小企業庁長官 児玉 清隆君
        中小企業庁計画
        部長      木下 博生君
        中小企業庁小規
        模企業部長   村野啓一郎君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十五年十二月二十二日
 辞任         補欠選任
  沖本 泰幸君     武田 一夫君
昭和五十六年一月三十日
 辞任         補欠選任
  植竹 繁雄君     正示啓次郎君
  宮下 創平君     始関 伊平君
同日
 辞任         補欠選任
  始関 伊平君     宮下 創平君
  正示啓次郎君     植竹 繁雄君
二月二日
 辞任         補欠選任
  宮下 創平君     江崎 真澄君
  上坂  昇君     横路 孝弘君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     宮下 創平君
  横路 孝弘君     上坂  昇君
同月九日
 辞任         補欠選任
  武田 一夫君     草川 昭三君
同日
 辞任         補欠選任
  草川 昭三君     武田 一夫君
同月十日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     菅  直人君
同日
 辞任         補欠選任
  菅  直人君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
一月二十七日
 灯油、燃料油の価格引き下げ等に関する請願
 (岩佐恵美君紹介)(第二〇九号)
 同(小林政子君紹介)(第二一〇号)
 同(榊利夫君紹介)(第二一一号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一二号)
 同(中島武敏君紹介)(第二一三号)
 同(渡辺貢君紹介)(第二一四号)
二月四日
 漁業用燃油の確保及び価格安定対策に関する請
 願(小沢一郎君紹介)(第三八四号)
 灯油等の価格安定に関する請願(小沢一郎君紹
 介)(第三八五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月二日
 漁業用燃油の確保等に関する陳情書(北海道瀬
 棚郡瀬棚町議会議長林一郎)(第四三号)
 家庭用灯油の価格抑制等に関する陳情書(滝川
 市議会議長中村正直)(第四六号)
 ローカルエネルギーの開発に関する陳情書(十
 都道府県議会議長会代表神奈川県議会議長岩本
 直通外九名)(第四七号)
 工業再配置促進法に基づく特別誘導地域の追加
 指定に関する陳情書(長崎市興善町六の二四長
 崎県石炭鉱業関係町村議会議長会長柘本保男)
 (第五九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
 鉱業と一般公益との調整等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○野中委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 通商産業の基本施策に関する事項
 中小企業に関する事項
 資源エネルギーに関する事項
 特許及び工業技術に関する事項
 経済の計画及び総合調整に関する事項
 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項
 鉱業と一般公益との調整等に関する事項以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○野中委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。
 この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を聴取いたします。田中通産大臣。
#5
○田中(六)国務大臣 第九十四回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し述べます。
 八〇年代は、わが国にとって、新たな試練と課題への挑戦の時代であります。それは同時に、われわれのたゆまぬ努力と英知を結集することにより、わが国が世界をリードし、明るい未来への足固めを行う時代ともいえます。
 私は、通商産業大臣拝命以来、世界十五カ国を訪問いたしました。イラン・イラク紛争など依然不安定な国際政治情勢、流動的な石油需給、インフレ、失業などに悩む欧米経済、累積債務や人口、食糧問題を抱える発展途上国など、私は、今日の世界が当面する問題を、一連の諸国訪問を通じて、目の当たりに見てまいりました。
 また、先進国、発展途上国の双方から、世界の総生産の一割を占めるわが国に対して、強い期待と国力にふさわしい責任の遂行を求められていることを痛感いたしました。
 国内の経済運営に目を転じますと、わが国経済は二度にわたる石油危機を克服し、欧米諸国に比し、良好な成果を上げております。しかしながら、政治的にも経済的にも揺れ動く世界情勢のもとで、資源を持たず、貿易立国たらざるを得ないわが国が、今後とも乗り越えなければならない試練、解決しなければならない課題は少なくありません。
 その第一は、石油の安定供給を図りつつ、石油代替エネルギーの開発、導入を推進し、エネルギー供給構造の変革を進めるなど、エネルギー安全保障を確立することであります。第二は、輸出に過度に依存することなく、物価の安定を図りつつ、民間の活力を最大限に生かし、雇用の安定と持続的経済成長を達成することであります。第三は、調和のとれた輸出入や経済協力、資源、技術の国際共同開発を通じて、広く世界の国々と安定した相互依存関係を構築することであります。第四は、過去における導入技術依存から、独創的な技術開発を推進し、産業の創造的知識集約化を進めることであります。第五は、わが国経済の活力の源泉である中小企業の経営安定を実現し、積極的にその育成発展を図ることであります。
 私は、以上のような基本認識のもとに、次のような通商産業政策を推進していく所存であります。
 国際石油情勢は、イラン・イラク紛争の長期化、さきのOPEC総会の決定に基づく原油価格の引き上げなど、依然として流動的な状況にあります。幸い、わが国の場合、石油節約意識の浸透や高水準の備蓄などにより、当面、供給面の不安はありません。
 また、国際的にも、国際エネルギー機関閣僚理事会の合意に基づき、備蓄の活用を図るなど、消費国間の協力関係が確立しております。
 しかしながら、中長期的に見ますと、産油国の資源温存政策などもあり、需給の逼迫化傾向は避けられないものと見られます。
 このような国際エネルギー情勢の中で、石油の安定供給の確保に努めつつ、石油代替エネルギーの開発、導入の推進、省エネルギーの促進に努めるなど、総合的なエネルギー政策を展開し、脱石油社会の実現を早期に達成することにより、エネルギー安全保障を確立することは喫緊の課題であります。このため、来年度予算におきましては、エネルギー対策費を前年度比二〇%強と大幅に増額することとしております。
 第一に、石油の安定供給の確保に努めます。私は、昨年来サウジアラビア、アラブ首長国連邦、インドネシア、ベネズエラ、メキシコを訪問いたしました。
 これら諸国訪問で感じましたことは、産油国は有限な石油資源を最大限に利用し、国の経済社会開発を進めようとしており、わが国との間においても、石油の輸出とあわせて、わが国に対する経済、技術協力に大きな期待を寄せるなど、相互依存的な関係を強く望んでいるということであります。幸いにも、今回の訪問においては、経済協力関係の進展、石油の安定供給に対する好意的な配慮など、これら諸国との間で相互理解が深まったものと確信しています。今後とも、人的交流、経済協力を一層推進するとともに、石油の安定供給の確保に努めるなど、産油国との関係の一層の発展を期する所存であります。あわせて、石油開発や石油備蓄の推進を図るため、関連施策を拡充強化いたします。
 また、輸入に大部分を依存しております石油ガスにつきましては、備蓄の増強が必要であります。このため、石油備蓄法の一部を改正する法律案を提出することといたしております。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 第二は、石油代替エネルギーの開発、導入の強力な推進であります。政府は、昨年十一月、石油代替エネルギーの供給目標を策定いたしました。昭和六十五年度において、原子力、石炭、太陽熱などの石油代替エネルギーの供給比率を五〇先にまで引き上げるため、エネルギー対策促進税制の創設など、財政、金融、税制上の措置を一層強化拡充してまいります。中でも原子力は、今後の石油代替電源の中核を担うエネルギーであり、その発電規模は、今後十年間に、現在の三倍強の五千万キロワット強にまで拡大する必要があります。しかしながら、原子力発電所の立地は円滑に進捗しているとは言いがたく、局面の打開のためには、今後さらに格段の努力を必要とするところであります。広報対策の充実強化、公開ヒアリングの開催など、地元住民や地方公共団体との間断なき対話を通じて、円滑な立地に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 また、石油代替電源立地につきましては、安全性の確保と環境の保全に十分留意するとともに、新たに電源立地特別交付金制度を創設するなど、施策の抜本的強化を図ります。
 第三は、省エネルギーの一層の推進であります。去る一月二十三日、総合エネルギー対策推進閣僚会議を開催し、昭和五十六年度石油消費節減対策を決定いたしました。民生、輸送分野におけるエネルギー使用の合理化、生産分野におけるエネルギー対策促進税制の活用などにより、約二千五百万キロリットル以上の節減を図ることといたします。
 さらに、現在、石炭鉱業審議会におきまして、新石炭時代にふさわしい石炭政策の検討をお願いしております。また、産炭地域振興臨時措置法につきましては、その施策を引き続き実施するため、同法の有効期間をさらに十年延長させていただきたいと考えております。
 昨年のわが国経済は、石油価格上昇によるデフレ効果に加え、冷夏の影響などもあり、内需全体としては停滞ぎみに推移し、外需の動向に大きく左右される動きを見せました。物価については、母後半以降、落ちつきの方向にあります。
 昭和五十六年度のわが国経済は、第二次石油危機の影響を吸収し終え、明るさを増すものと期待されますが、他方、国際石油情勢、為替相場など先行き流動的な要因も少なからずあります。
 こうした中で物価の安定を図りつつ、民間設備投資や個人消費支出などの内需を中心に、国際的な期待にもこたえ得る持続的な成長を確保し、雇用の安定を図っていくことが肝要であります。
 このため、実体経済の動向把握に努め、機動的かつ適切な政策対応を図り、確固たる経済運営の方向を明らかにすることによって、経済の先行きに対する民間のコンフィデンスを高め、民間のバイタリティーが十分に発揮されるよう努めてまいる所存であります。
 中長期的には、厳しさを増すエネルギー制約や日本社会の高齢化に対応しつつ、技術立国への道を確かなものとし、供給力の確保や生産性の向上による物価の安定、雇用の確保を図るためには、供給基盤の整備を通じて欧米諸国に比し高目の経済成長と創造性豊かな産業構造の展開を図ることが必要不可欠であります。
 このため、民間設備投資の健全な伸長を図ることとし、とりわけ現下の厳しいエネルギー情勢にかんがみ、省エネルギー及び石油代替エネルギーの開発、導入を進めるためのエネルギー対策促進税制の創設など、税制、金融上の措置を講ずることといたします。
 世界経済は、景気停滞、物価上昇、国際収支不均衡などに悩まされております。欧米諸国の中には、その国内において保護主義的な動きも見られます。しかし、世界経済の健全な発展のためには、関係諸国政府との緊密な協力のもとに自由貿易体制を維持強化していかなければなりません。
 また、米国、EC諸国との通商関係の円滑化を引き続き図ることとし、相手国の市場動向にも十分配慮した節度ある輸出を行うとともに、製品輸入の促進を図る一方、投資交流、研究開発、第三国市場での協力などの産業協力を推進し、多面的な経済関係の緊密化を図る所存であります。
 また、私は就任以来、陣頭に立ってエネルギー外交に取り組んでまいりました。今後も、主要国首脳会議、国際エネルギー機関を通じた多国間あるいは二国間の場において、先進工業国間の協力、協調関係を確立するとともに、エネルギー資源保有国との間では、相互理解の増進、経済協力、貿易、投資交流などにより、安定した相互依存関係を築き上げてまいります。
 また、発展途上諸国を歴訪いたしまして私が強く感じましたことは、国家建設に邁進する熱意とわが国に対する大きな期待であります。このような発展途上国の要請に対してわが国が協力していくことは、国際社会の一員としての当然の責務であります。政府開発援助につきましては、新たな中期目標を着実に達成するとともに、政府開発援助のみならず、民間ベースの投資、貿易などを有機的に組み合わせ、総合的な経済協力を推進することといたします。
 特に、中国、ASEANなど近隣諸国との協力関係の緊密化、豪州を含む環太平洋地域との交流の促進にも一層力を入れてまいる所存であります。ASEANについては、私がかねてより提唱し、総理のバンコク・スピーチでも述べられたように、エネルギー開発、中小企業の振興、人づくりに対する協力などに重点を置いて、これら諸国との協力関係を深めたいと考えております。
 なお、輸出保険については、輸出構造の高度化や海外投資の多様化などに対処するため、輸出保険法の一部を改正する法律案を提出いたします。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 わが国は、エネルギー制約のもとに、社会の活力を維持し、国民生活の質を一層向上させるという課題に直面しております。このためには、唯一の資源とも言うべき頭脳資源を活用し、技術立国を目指していかなければなりません。
 わが国の技術水準が多くの分野ですでに欧米諸国に追いついているいまや、産業の創造的知識集約化を推進するためにも独創的な自主技術開発が不可欠であります。
 このため、九〇年代のわが国において、新しい産業の開花を可能とするため、次世代産業基盤技術研究開発制度を創設し、新材料、バイオテクノロジー、新機能素子の三分野の研究開発を強力に推進してまいります。
 また、サンシャイン計画の加速的推進、ムーンライト計画の拡充など、エネルギー関連技術の研究開発をさらに強力に推進するとともに、新たな産業ニーズにこたえるため、マンガン団塊採鉱システム及び科学技術用高速計算システムの新規テーマを加え、大型プロジェクトを積極的に推進いたします。
 情報、航空機、宇宙、原子力などの産業は、技術的波及効果も大きく、今後の技術先端産業として期待されるものであり、これらの育成、振興に引き続き努めてまいる所存であります。
 中小企業は、国民経済の活力の源泉であります。しかしながら、最近の中小企業をめぐる環境を見ますと、昨年来倒産が高水準で推移するなど、景気のかげりが中小企業に集中的に目立っております。また、北陸、東北地方を中心とした豪雪は中小企業に多大の被害を与えつつあり、さらに円高の影響も懸念されるなど、中小企業の経営安定は緊要の課題となっております。
 このため、今後の経済運営に当たっては、中小企業の経営の安定を図り、その投資を促進するため、金融対策を初めとして、きめ細かい施策を機動的に講じてまいる所存であります。
 また、中長期的には、中小企業は、国民の価値観や社会意識の変化、国際化の進展、エネルギー制約の高まり、地域経済社会における役割りの増大といった情勢の変化に直面しております。これは、確かに、中小企業に対し厳しい対応を要請するものであります。しかしながら、一方でこのような変化は、機動性と創造性とを備えた中小企業にとって、新たな活躍の機会を与えるものであります。
 中小企業が環境変化を克服し、さらなる発展を遂げることができますよう、自助努力を積極的に支援し、その活路を切り開くべく、中小企業大学校の拡充などソフトな経営資源の拡充、地場産業総合振興対策、海外投資の円滑化、エネルギー対策の充実などを中心に、活力と知識を生かす中小企業政策の積極的展開を図っていくこととしております。また、小規模企業や下請中小企業への配慮も十分払っていく所存であります。
 中小企業に対する資金供給の円滑化を図るため、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を、また、地域商工業者が活力ある地域づくりに寄与できるよう、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたします。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 以上申し上げました諸施策とあわせて、テクノポリス構想の推進や環境保全、ガス保安を初めとする産業保安対策の充実などにより、魅力ある地域経済社会の形成に努めてまいります。
 また、良質な住宅供給のための総合的な技術開発、製品安全対策を初めとする消費者行政の充実を図るなど、国民生活に密着した対策もきめ細かく実施いたします。
 今日、世界におけるわが国の存在は、われわれが意識する以上に大きく、かつ重くなっております。情報化の進展、交通手段の発達のもとで世界はますます狭く、身近なものとなっており、一国の政策も国際社会とのかかわりなしには存在し得ないと言っても過言ではありません。
 八〇年代という、必ずしも平穏ならざる時代を迎えるに当たり、われわれは、国際社会の一員としての自覚を一層強く認識するとともに、平和を愛する国家、信頼し得るに足る国家としての評価を、国際的に確立することが重要であります。
 私は、今後の通商産業政策の推進に当たっても、このような視点に立って、各般の施策を強力に展開してまいる決意であります。
 委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#6
○野中委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を聴取いたします。河本経済企画庁長官。
#7
○河本国務大臣 わが国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。
 昭和五十五年度の上半期におきましては、累次にわたる原油価格の引き上げにより国内物価が異常に高騰する事態を避けるため、物価の安定を最重点課題として抑制的な政策態度で運営してまいりました。年半ばに至り、物価は落ちつきの方向に向かう一方、第二次石油危機のデフレ効果が経済各部門に浸透してきた上、冷夏の影響が加わったため、国内需要の拡大テンポが鈍化し、企業の生産活動も次第に弱含みとなりました。
 このような情勢に対処し、物価の安定と景気の維持を図るため、政府は、昨年九月、八項目の経済対策を決定し、その推進に努めてきたところであります。
 最近の景気の動向を見ますと、大企業を中、心として設備投資は概して堅調でありますが、個人消費はなお低調であります。在庫も高い水準が続いており、生産の基調は依然として弱含みで推移しております。豪雪、寒波の影響も一部に出ております。
 昭和五十五年度の実質成長率は、すでに明らかとなった上半期の実績等から見て、当初見通しどおり四・八%程度を達成するものと見込んでおりますが、引き続き機動的な政策運営を行い、景気の着実な拡大を図っていく所存であります。
 昭和五十六年度は、このような景気のかげりを解消し、わが国経済を中長期的な安定成長路線に定着させるべき重要な年であります。
 流動的な中東情勢に伴う国際石油情勢など懸念すべき材料もありますが、国内では、第二次石油危機の影響が次第に吸収され、他方、国外では、多くの先進諸国で年後半から景気の立ち直りが予想されるなど、全体として明るさが増すものと見られます。
 このような状況のもとで、わが国といたしましては、海外需要に過度に期待することは適当ではなく、また、財政に依存することもできません。
 したがって、昭和五十六年度の経済運営の基本的態度としては、何よりもまず物価の安定を図りながら、民間設備投資や個人消費など国内民間需要を中心に、景気の着実な拡大を実現することが必要であります。
 政府としては、引き続き、適切かつ機動的な政策運営を行い、民間経済の活力が十分に発揮されるよう環境整備を図る所存であります。また、中小企業につきましては、中小企業対策を円滑に推進し、その経営の安定化に努めることとしております。
 このような努力を通じ、昭和五十六年度の経済は、名目九・一%程度、実質五・三%程度の成長を実現し得るものと見込んでおります。この実質成長率は、先進国の中で最も高く、雇用の安定にも資するものであります。
 物価の安定は、国民生活安定の基本条件であり、経済の持続的成長の基盤をなすものであります。昭和五十六年度の経済運営に当たっても、物価の安定をより確実なものとするため、最大限の努力を傾ける所存であります。
 最近の物価動向を見ますと、卸売物価は目に見えて鎮静化してきております。消費者物価も基調的に落ちつきの方向にありますが、寒波と異常乾燥のため、このところ野菜価格が高騰しております。これに対処して、先日、野菜の供給確保のための緊急特別対策を決定したところであります。
 今後とも、政府といたしましては、生活関連物資等の安定的な供給の確保、価格動向の調査、監視、輸入政策や競争政策の積極的活用など各般の対策を総合的に、かつ機動的に実施いたす所存であります。
 公共料金につきましては、経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して厳正に取り扱う方針で臨んでおります。
 以上により、政府といたしましては、昭和五十六年度の卸売物価については、前年度比四・一%程度に、消費者物価につきましては、前年度比五・五%程度の上昇におさまるものと見込んでおります。
 次に、一九八〇年代を展望したわが国経済の中長期的な課題について所信の一端を申し述べたいと存じます。
 まず第一は、物価の安定を基礎として、適切な経済成長の維持を図ることであります。
 物価を安定させ、適度な経済成長を実現することにより雇用の安定を確保することが、経済社会の安定にとって欠くことのできない条件であります。
 第二は、経済の活力を維持し、その活用を図ることであります。
 厳しい内外の環境の中で着実な経済発展と充実した国民生活を確保するためには、自由な経済社会の持つ創造的な活力を積極的に生かすことが大切であります。
 第三は、国際社会への協調、貢献と経済的安全の確保であります。
 わが国経済は、世界経済の中で大きな比重を占め、世界経済に大きな影響を与えるようになっていることからも、わが国としては、世界経済の安定と発展のために十分な責任と役割りを果たさなければなりません。また、世界の平和と発展が、わが国の安全と繁栄の不可欠の前提であります。
 現下の世界の状況を考えますと、特にエネルギー政策の推進と経済協力の分野で、わが国が積極的な貢献を行うことが強く期待をされております。
 経済協力の積極的な推進のため、このたび、政府は、新しく開発援助に関する中期目標を設定したところであります。
 新経済社会七カ年計画は、これらの課題に対する政策の基本方向を明らかにしたものでありますが、このたび、計画策定後の経済情勢の変化を踏まえ、中長期的安定成長の中で、物価の安定、雇用の改善及び財政の再建をあわせて達成し得るような今後の経済の姿を検討いたしました。
 この結果、計画で示した社会資本整備の目標は維持しながら、その達成時期を調整することにより、民間需要を中心とした年平均五・五%程度の実質成長が可能であり、全体として整合性のある経済が実現できるとの結論を得たところであります。
 以上、わが国経済が当面する課題とそれに対処する基本的な考え方につきまして申し述べました。
 わが国を取り巻く環境には、依然として厳しいものがあります。創意と工夫を積み重ね、長期的な展望のもとに、世界的な視野に立って道を切り開くことが大切であります。
 本委員会の皆様方の御理解と御協力を切にお願いをいたします。
#8
○野中委員長 次に、公正取引委員会委員長から、昭和五十五年における公正取引委員会の業務の概要について説明を求めます。橋口公正取引委員会委員長。
#9
○橋口政府委員 昭和五十五年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 昨年わが国経済は、内外の厳しい状況下にありながら、健全な市場機能にも支えられ、第二次石油危機を乗り切ることができたと思います。公正取引委員会といたしましては、競争秩序の維持、促進を通じまして、わが国経済の健全な発展を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。特に昨年は、引き続き改正独占禁止法の適正かつ効率的な運用に努め、その定着化を図るとともに、近年わが国経済に占める非製造業分野の比重が増大していることにかんがみ、流通分野における競争阻害要因の解明及びその是正等に努めてまいりました。
 まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。
 昭和五十五年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は百六十七件、同年中に審査を終了した事件は六十二件であり、このうち法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告したものは十三件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は十二件であり、合計二百七十九名に対し、総額二十二億六千三百三十七万円の課徴金の納付を命じました。
 次に、認可、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十五年中にそれぞれ九百十四件、六百五十件、合わせて千五百六十四件の届け出がありました。また、合併等届け出事務の効率的な処理を推進するため、「会社の合併等の審査に関する事務処理基準」を作成公表し、届け出事務処理の簡素化と重要案件の審査体制の整備を図りました。
 事業者団体につきましては、昭和五十五年中に成立届等千三百十二件の届け出がなされております。また、一昨年、「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」を作成公表し、これと合わせて事前相談制度を発足させましたが、昨年中に同制度に基づき三件の相談があり、これらに対し速やかに回答しました。
 国際契約等につきましては、昭和五十五年中に六千二百九十七件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取り扱い制限条項等を含む三百二十七件について、これを是正するよう指導いたしました。
 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の事業分野について見直しを行い、昭和五十五年九月に三業種を削除して十六業種とし、これら業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。
 また、価格の同調的引き上げにつきましては、対象品目は従来五十六品目でありましたが、昭和五十五年九月に改定して六十七品目となっております。昨年中に価格引き上げの理由の報告を求めたものは、自動車用タイヤ・チューブ、インスタントコーヒー、鋼材(七品目)等十六品目でありました。
 次に、減産につきましては、粗鋼、小形棒鋼、エチレン、塩化ビニール樹脂及び紙の五業種における減産の実情等について調査を実施しました。
 独占禁止法上の不況カルテルは鋼船について、合理化カルテルは合成繊維用染料について、それぞれ一件認可いたしました。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の総計は、昭和五十五年末現在で四百九十一件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。
 次に、流通分野につきましては、自動車、出版物、百貨店、大型スーパー、冷凍水産物、石油製品など十四業種について流通の実態調査を行い、これらのうち、独占禁止法上問題のある行為につきましては、その是正に努めました。また、非製造業分野につきまして、医業その他の自由業の団体による新規開業規制等の問題にも積極的に取り組んだところであります。
 政府規制及び独占禁止法適用除外分野につきましては、OECD理事会勧告もあり、わが国経済における民間の活力と効率性を維持促進していく見地から、その見直しに着手しました。
 わが国経済の国際化、諸外国における独占禁止法の制定、強化に伴い、海外独占禁止法施行機関との連携に努めたほか、昭和五十四年に開催したアジア・大洋州地域独占禁止政策東京会議に参加した十二カ国間の情報交換を促進するため、公正取引委員会事務局内にアジア・大洋州独占禁止政策情報センターを開設しました。
 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申し上げます。
 下請代金の不当な値引き、買いたたき等の是正を中心に法運用の強化を図り、一件の勧告を行い、九百六十四件について支払い改善等の措置を指導いたしました。また、違反行為を未然に防止するため、親事業者団体に対して法遵守の要請を行い、引き続き下請事業者の保護に努めました。
 最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申し上げます。
 昭和五十五年中に公正取引委員会が同法違反の疑いで調査した事件は千七百十一件で、このうち排除命令を行いましたものは十八件、警告により是正させたものは七百二件でありました。
 都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昨年一月から九月末までで三千九百三十件となっており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。
 また、同法第三条及び第四条第三号の規定に基づく告示の制定につきましては、酒類業及びタイヤ業における景品類の提供を制限する告示並びに「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」及び「不動産のおとり広告に関する表示」の合わせて四件の告示をそれぞれ制定いたしました。
 公正競争規約につきましては、タイヤ業における景品類の提供の制限に関する規約など八件について認定し、昭和五十五年末現在における公正競争規約の総数は九十件となっております。
 以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。
#10
○野中委員長 次に、公害等調整委員会委員長から、昭和五十五年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を求めます。青木公害等調整委員会委員長。
#11
○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十五年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務につきまして御説明申し上げます。
 初めに、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。
 これは、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和五十五年中に当委員会に係属した事案は二十六件であり、うち八件は新規に請求のあったものであります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの二十四件、環境保全に関するもの二件であります。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に地形、地質、鉱床、一般公益等各般の事情を詳細に検討する等審議を進め、六件について処理を完了いたしました。
 第二は、不服の裁定でありまして、採石法、砂利採取法等に規定する特定の処分に対する不服については、もっぱら当委員会が審査庁として裁定を行うものでありますが、昭和五十五年中に当委員会に係属した事案は四件であります。これらの事案の内訳は、採石法の規定による知事の処分に対するもの一件、砂利採取法の規定による知事の処分に対するもの三件となっており、いずれも昭和五十五年中に終結しております。
 第三は、土地収用法等の規定に基づき、収用裁決等に対する不服申し立てについて、主務大臣が裁決等を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和五十五年中に当委員会の意見を求められたものは六十一件あり、これらについてもすべて昭和五十五年中に処理しております。
 以上が昭和五十五年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務の概要でございます。
 今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、鋭意審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
#12
○野中委員長 以上をもちまして、両大臣の所信表明及び両委員長からの説明は終わりました。
 なお、この際申し上げます。
 昭和五十六年度通商産業省関係予算及び昭和五十六年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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