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1980/04/24 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第13号
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1980/04/24 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第13号

#1
第094回国会 商工委員会 第13号
昭和五十六年四月二十四日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 後藤  茂君
   理事 清水  勇君 理事 北側 義一君
   理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    浦野 烋興君
      奥田 幹生君    島村 宜伸君
      田原  隆君    泰道 三八君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      林  義郎君    宮下 創平君
      粟山  明君    森   清君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      藤田 高敏君    水田  稔君
      山本 幸一君    渡辺 三郎君
      長田 武士君    武田 一夫君
      横手 文雄君    小林 政子君
      渡辺  貢君    伊藤 公介君
      阿部 昭吾君    菅  直人君
 出席政府委員
        科学技術庁原子
        力安全局次長  後藤  宏君
        通商産業政務次
        官       野田  毅君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       高橋  宏君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 石井 賢吾君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本原子力発
        電株式会社取締
        役社長)    鈴木 俊一君
        参  考  人
        (日本原子力発
        電株式会社常務
        取締役)    浅田 忠一君
        参  考  人
        (電気事業連合
        会原子力開発対
        策会議委員長) 伊藤 俊夫君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     菅  直人君
同日
 辞任         補欠選任
  菅  直人君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 通商産業の基本施策に関する件(日本原子力発
 電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事
 故)
     ――――◇―――――
#2
○野中委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
 日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事故について実情を調査するため、議長に対し、委員派遣の承認を申請いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 また、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
#5
○野中委員長 本日は、日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事故について調査を進めてまいりたいと存じます。
 本問題について、参考人として日本原子力発電株式会社取締役社長鈴木俊一君、日本原子力発電株式会社常務取締役浅田忠一君及び電気事業連合会原子力開発対策会議委員長伊藤俊夫君の御出席をお願いいたしております。
 まず、参考人それぞれのお立場から御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただくことにいたしたいと存じます。
 それでは、鈴木参考人にお願いをいたします。
#6
○鈴木参考人 日本原子力発電株式会社の社長鈴木俊一でございます。
 今回、弊社の敦賀発電所におきまして、適切な判断と適正な処理を欠いたために、取り返しのつかない問題に発展いたしましたことは、本当に返す返すも残念でございますし、全くもって弁明の余地はございません。心から深くおわび申し上げる次第でございます。
 初めてこの報告を受けましたときに、この種の問題がほかにないかということを、正直なところ一番懸念いたしたのでございました。ところが、半月後の四月十四日に至りまして、発電所周辺について福井県衛生研究所で定期的に実施されております放射能測定の結果、指標生物のホンダワラから通常よりは大きい数字を示すコバルト60、マンガン54が検出されたのでございます。その原因を調査いたしました結果、放射能のあるべきでないところの一般排水路から放射能が検出され、順次追跡いたしましたところ、廃棄物処理施設の付近からの漏洩の疑いが懸念されることになったのでございます。
 このようなことで、たとえ微量であったとはいえ、周辺環境にまで放射能を流出いたしましたこともあわせ考えますと、もはやどのように謝罪すべきか、適当な言葉も見出せないことでございます。まさに遺憾千万でございまして、とりわけエネルギー問題に国を挙げて対処され始めたやさきに、このような信頼を傷つける事態を招きましたこと、また、各方面に与えた影響の深刻さを考えますと、全く断腸の思いで、おわびする言葉もない次第でございます。
 この二回にわたる問題を省みましても、必要な通報連絡を怠ったこと、判断に適切さを欠いたこと、適正でない処理を行ったこと、さらには周辺の環境にまで影響を与えたこと、いずれもざんきにたえないところでございます。
 私どもは、会社を挙げて総点検を行いますと同時に、これらの問題の事実の究明と原因の調査に目下全力を傾け、そして一刻も早く必要な措置を講じ、実施することにいたしております。
 さらに、現在のような事態が再び起こらないよう管理体制の総点検を全社的に実施いたしますほか、今後、組織、権限、業務運営、人間教育の各面にわたりまして抜本的見直しを行い、傷ついた会社の信頼を挽回するため、そして再建を図って刷新策を講じていくため全力を挙げてまいりたいと存じております。
 なお、この環境への影響によって地元の方々に少なからざる不安と影響をもたらしたことについては、本当に私も心の痛むところでございます。
 最後に、この二回の問題によって弊社の事業と敦賀発電所は全く瀕死の状態に陥っております。このようなときにお願いできることではございませんが、どうか私どもの会社の信頼の回復と再建について、さらにさらにこの上とも御指導をいただきますようお願いを申し上げて、重ねておわびを申し上げるとともに、概括的な御説明を申し上げたところでございます。
#7
○野中委員長 次に、浅田参考人にお願いいたします。
#8
○浅田参考人 まず、簡単に給水加熱器の漏洩の件につき御説明申し上げます。
 本年一月に、二度にわたりまして給水加熱器の漏洩がございました。
 最初は、一月十日にパトロール中の運転員が給水加熱器の水抜き弁付近に水滴の漏洩を発見し、当直長は保修依頼伝票を発行いたしました。これを受けて保修課長は副所長の了解を得て、たまたま別件で原子炉を停止する機会を利用いたしまして、一月十四日から十五日にかけて当て板を溶接し、漏洩をとめる作業をいたしました。
 その後、一月二十四日に、前回修理部付近から再び水滴が漏洩しているのをパトロールで発見し、発電課長は保修作業を依頼いたしました。保修課長は、保修作業の内容について、副所長及び所長の了解を得て、一月二十八日に漏洩部にたがねを当ててかしめを行い、漏洩をとめ、また一月三十一日の出力低下時に漏洩検出のため、カバーを取りつけました。
 第一回、第二回の漏洩ともに数秒に一滴程度のわずかな漏洩であったこと、周囲の放射能レベルも通常と変わりなかったことから、軽微な保修と解釈し、発電所独自の判断で修理を行いましたことは妥当とは申せません。また、関係官庁の御指導を仰ぐべきだったと考えております。
 二つ目の問題は、浦底湾のホンダワラの放射能レベルの上昇と、その原因となったと見られる廃棄物処理建屋内の溢水の問題でございます。
 この経緯は、昭和五十六年四月十四日に福井県衛生研究所から、お手元の図にございます第一図のF点の明神崎で四月八日採取いたしましたホンダワラから、通常の値の約十倍程度のコバルト60、マンガン54が検出されました旨敦賀発電所へ連絡がございました。衛生研究所と当社は、四月十五日、再び明神崎のF点及び水産試験場前など数点について追加サンプリングを実施いたしまして、十六日、十七日に測定をいたしました。それによって、やはり高い値であることを確認いたしましたので、引き続き原因を調査いたしますため、一般排水口のどろを調査いたしましたところ、ここにもコバルト60、マンガン54が検出いたされました。そこで、四月十七日の夜中から十八日にかけまして、通産省へこのことをこれまでの経緯を添えて御報告申し上げました。
 その後、この排水口を上流にさかのぼってマンホールを調査いたしましたところ、特に第二マンホールから一グラム当たりコバルト60約一万ピコキュリーの放射能が検出されました。一般排水口からの放射能のこれ以上の流出をとめるため、四月十九日の夜半、一般排水口を閉鎖いたしました。
 一般排水口の汚染の原因を調査してまいりますと、その過程で、本年の三月八日に放射性廃棄物処理建屋内に、フィルタースラッジ貯蔵タンクの上澄み液が廃棄物処理建屋の床にあふれ出た事実があったことが判明いたしました。すなわち、三月七日に運転員がフィルタースラッジをサージタンクから貯蔵タンクDへ移送しておりました。これは第二図でございますが、この移送を終わりまして、移送配管の洗浄を実施いたしまして、洗浄弁をあけて五分間実施すべきところ、五分後にこの洗浄弁を閉じることを忘れてしまいました。このため、洗浄水はタンク内に入り続けまして、図にございますタンクD、タンクA、タンクBと順にそれぞれオーバーフロー配管を流れ下りまして、フィルター貯蔵タンク室のサンプにあふれてまいりました。このサンプに入った水はポンプでタンクDに自動的に送られるわけでございますが、タンクDはすでにいっぱいになっておりますので、いま申し上げました経路であふれてまいりました水はサンプの上にたまってまいりまして、したがってその部屋にたまってまいりました。
 この部屋にはせきが設けられておりまして、簡単にはほかの部屋へ流出しないようになっているのでございますが、実は隣の部屋の、洗濯廃液フィルター室と書かれております部屋との間に水の流れ込む配管がございまして、この配管を逆流いたしまして、ただいまの洗濯廃液フィルター室に浸水いたしました。この部屋を通りまして廊下へ流出が始まりました。
 この流出は翌日の三月八日の朝からかと思われますが、同日の十一時ごろ運転員が巡視中に床のオーバーフローを発見いたしました。洗浄弁が開いていたことがその原因とわかりましたので、この弁を閉めるとともに、タンクをDからCに切りかえました。これによりまして洗浄水の貯蔵タンクヘの流入をとめることができ、またタンク室の床などにたまりました水をタンクCに移し込むことが開始されました。
 また、廊下に流れ出ました水は、床に穴のあいております、床ファンネルと私どもが申しております穴に流れ込んでおりましたが、ウエスを用いまして――ウエスというのはぞうきんでございます。ぞうきんを用いましてせきをつくり、水がそれ以上広くならないような応急措置をとりました。このときの汚染の範囲は、お手元に差し上げてございます第三図で斜線を施した部分でございます。
 この後、次の直に引き継がれ、当直長を含む六名の運転員が三月八日の十六時から十八時ごろにかけまして、床にあふれた水をすくってポリバケツに入れて、先ほど申しました床ファンネルに約二十杯流し込んでおります。このファンネルを通りました水は別の処理タンクに回収されております。
 この一連の応急除染では、空間線量率等の測定を十分に行いまして安全を確保しつつ作業をしておりますし、受けた放射線の個人の最高は十三ミリレム、六名の合計で五十四ミリレムでございます。
 この後、原子力代行等が三月九日から四月十九日の間、実働十五日間、タンク室を除いたところの除染作業を実施しております。この間の作業者は四十八名、延べにしますと百三十八人・日でございまして、被曝量の個人の合計の最高は百五十五ミリ、個人の一日当たりの最高は五十六ミリ、平均で十四ミリレム・パー・人・日、総被曝量は約一・九人・レムでございます。
 床サンプからのオーバーフローの量はほぼ十六トン前後と考えられます。そのうち回収されていない水の量を推定いたしますと、約三トンぐらいかと思われておりますが、これはいずれも推定でございます。
 一般排水口へどのような経路で入ったかはまだ十分に解明されておりませんが、先ほど申しました洗たく廃液フィルター室に水を張りましてその水密性を検査いたしましたところ、試験水の一部が一般排水口に流入することがわかりましたことから、この経路を通って入った可能性が一つ考えられると推定しております。
 また、浦底湾の汚染につきましては、食用魚類には汚染は検知されてございません。また、ホンダワラ、海底土の汚染もごく限られた範囲であると福井県及び原子力安全局が発表されているところでございます。
 最後に、これら一連の問題に関しまして報告を怠りましたこと、また関連諸機関、地方の皆様、国民全体に対し御迷惑をかけましたことをおわびいたしますとともに、このようなことが二度と起こらないように管理体制の強化、再発防止の各種の措置など万全の対策をとる所存でございますので、どうぞ御容赦いただきたいと存じます。
#9
○野中委員長 次に、伊藤参考人にお願いいたします。
#10
○伊藤参考人 電気事業連合会原子力開発対策会議の委員長を承っております伊藤俊夫でございます。
 電気事業の運営、特に原子力の開発につきましては、御列席の諸先生方には平素から格段の御教導を賜っておりますことを、この席をかりまして厚く御礼を申し上げさせていただきます。
 さて、今回の敦賀発電所におきまして発生いたしました事態につきましては、単に日本原子力発電株式会社だけの問題としてではなく、私ども九電力会社といたしましても厳しく受けとめておる次第でございます。特に、国を挙げまして脱石油の本命として原子力発電の建設推進に積極的に取り組んでおります折から、いろいろ御調査の結果では、今回の場合、人体や環境に障害を及ぼすようなことはなかったと承ってはおりますけれども、やはり国民の皆様に対しまして原子力発電に対する不安感を与えましたことは、まことに残念に存ずる次第でございます。
 私どもは、これまでも原子力発電につきましては安全の確保を最優先する姿勢のもとに、事故、故障を起こさないよう安全管理を徹底してやってまいっておりました。すなわち、設備の維持管理につきましても、安全性、信頼性を確保するため、原子炉本体はもとよりのこと、放射性廃液処理施設等その他の付属設備に関しましても、念入りな対策を講じてきておる次第でございます。特に、このたび問題と相なりました放射性廃液の取り扱いにつきましても、万一漏洩が生じましてもこれを適切に検出する警報装置等がございまして、また、これら廃棄物を取り扱います建物の構造にいたしましても、放射性廃液が外部に流出することのないようにいたしております。さらに、雨水を処理いたします一般排水路は、放射性廃液を処理する施設とは明確に区分をいたしております。
 また、過日発生いたしましたアメリカのスリーマイルアイランド発電所の事故の教訓からいたしましても、発電所の運転員につきましては、その資質向上のための訓練充実はもとよりのこと、特に規則の遵守を徹底するよう、教育の主眼をその点に置きまして、一層の努力を傾注してまいった次第でございます。
 したがいまして、初めに申し上げましたとおり、私どもは万全の安全管理体制をしいてきており、このような事故は起こることはないと信じております次第でございますが、さらに、国の再点検の御指示をちょうだいいたしておりますので、関連いたしました設備の健全性及び適切な運用管理が行われているかどうかということを改めて入念に再点検中でございまして、種々の調査をただいま行っているところでございます。
 なお、われわれといたしましても、今回の事態にかんがみまして、まず一つには、多量の放射性物質を取り扱いますような施設を増設しなければいけないような場合には、すでに設置済みの施設との関連を慎重に検討してやらなければいけないということ、また、従来から環境のモニタリングにつきましては、その重要性を認識いたしまして実施をいたしてきておるわけでございますが、今後とも、万一不測の事故が発生いたしましたような場合には、事故の復旧だけではございませんで、放射性物質が発電所外へ漏洩を起こさないよう細心の留意と十分な努力を払う必要があるということを再認識いたした次第でございまして、この点がわれわれとして重要な教訓であったというふうに受けとめておる次第でございます。
 なお、さらにこうしたトラブルの発生は皆無にすべく努力をいたしておりますが、万一発生いたしました場合には、国や地方団体と密接な御連絡をとらしていただきまして、機敏な対応措置をとらなければならないということを考えておる次第でございます。
 原子力発電につきましては、安全確保の徹底を期することが何にも増して最優先でありまして、その上に立って国民の皆様方の御信頼を得ていくことが肝要だと心得ておる次第でございます。私どもも、これを機会といたしまして、直ちに原子力発電所の保安管理体制につきましてもう一度再点検を行っておりまして、自主的な保安管理を強化いたしまして、安全の確保に一層の努力をし、さらに万全を期する所存でございます。
 以上でございます。
#11
○野中委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
#12
○原田(昇)委員 私は、わが国のこれからの石油代替エネルギーの本命として原子力発電に関する国民の理解がようやく深まってきた中で、このような事態を起こして国民に原子力に対して不安感をいささかでも与えたということは、まことに遺憾であると思います。
 つきましては、まず環境、特に魚介類の放射能汚染があったかどうか。漁民は魚介類の暴落によって泣いていると報道されております。この点について一般国民にもわかるようにはっきり説明をしていただきたい。これは当事者であるよりは科学技術庁から客観的に説明をいただきたいのであります。
#13
○後藤(宏)政府委員 お答えいたします。
 今回の事故の内容及び……(原田(昇)委員「内容はいいんだ」と呼ぶ)はい、周辺のモニタリングの結果等から判断いたしまして、今回の事故によります環境への影響は、一般排出口から排出されたと推定されます汚染水による影響に限定されているとわれわれ考えております。
 このような観点から、私どもは放射能漏れによる周辺環境の影響につきまして調査をいたしまして、これは県と非常に協力一致してやっておりますが、特に重点を置いておりますのは、周辺地域のホンダワラ、魚類等の海産生物あるいは海底土及び海水等の放射能分析に力を入れた次第でございます。
 これらの結果によりますと、まず第一に、魚類等に対します影響につきましては、まず四月十九日に公表されております福井県の衛生研究所で実施しました調査結果、これは主といたしましてハマチ、マダイ、ボラ等浦底湾の魚類でございます。それから、それに引き続きまして国と県とで協力いたしまして、敦賀湾一帯の魚、これは二十六の魚の種類に分かれますが、四月の二十二日に実は公表しております。この内容は、たとえば魚の種類といたしましては、いまのような魚に加えまして、タコだとかあるいはアイナメとかアワビとかいった非常に数多くの魚種でございます。この敦賀湾一帯の魚につきましての調査。それからまた、これは二十三日に県が公表しておりますが、その後に浦底湾の第二回目の魚類についての調査結果、これは先ほど申しましたハマチ、マダイ、ボラといったものにモズク等が加わっておると思いますが、こういった三回にわたりましての調査結果によりますと、魚類に対する放射能汚染は全く検出されておりません。そういった意味で、これらの結果に基づきまして、それぞれ福井県その他はこの魚についての安全宣言をいたしておる次第でございます。
 それから、第二番目に、一部今回の事故の発端になりました、非食性ではございますがホンダワラといった海草類、あるいはムラサキイガイといったもの、あるいは海底土といったものについての汚染は、実は一般排出口からごく限られた区域に限定されておりまして、またその汚染の度合いも、たとえば四月の十九日に公表されました結果によりまして、一番高いホンダワラ及びムラサキイガイといったものを仮にそれぞれ一日四十グラム、二十グラムを一年間食べ続けたといたしましても、これによります年間の被曝量と申しますものは、人間の通常許容されております五百ミリレムの被曝量に対して一万分の一にしか達しない、こういった状況でございまして、この点につきましても、全く放射能による人体への影響というものは考えられないと思っております。
 この点につきましては、私どもは原子力安全委員会にも報告し、原子力安全委員会の委員長談話といたしましても、今回の事故による周辺への影響はほとんどないという見解を得ている次第でございます。
#14
○原田(昇)委員 いまの御説明にありましたように、魚介類には全く放射能は検出されない。しかも非食性、人間は食べないけれども、ホンダワラにあった放射能、これも毎日四十グラムずつ食べて、そして一年間で許容量の一万分の一だということで、全く安全だということでございます。人間が一年間に、何にもなくても、場所によっても違いますけれども、百ミリレムぐらいの放射能は浴びるということになっておりますから、この点を少し冷静に見て、理解をしていただくように、国民にぜひこの機会に冷静な判断をしていただくようにしていただかないと、何か放射能で大変だ、放射能汚染で大変だというように報道されますと、大変誤解を招くんではないかと思います。これは沿岸漁民にとっても大変な問題でございますので、まず環境汚染というものはないんだということをはっきり認識しなければならないと私は思います。
 そこで、これに関連してある新聞によりますと、通常の放水口の放射能濃度と比べて十億倍も高い濃度の廃液が漏洩したということでありますけれども、これもどうもきわめて定性的な見方で、われわれとしては何か非常にショックを受けるわけですが、この点をはっきり説明してほしいと思います。
 もう一つ、マンホールの汚染が、先ほど一般排出口を閉鎖したというお話でございますが、現在検出されておるマンホール汚染、マンホールにある汚泥というのはさらに流出を続けるということになりますと、現在より悪くなるんじゃないかという心配もあります。この点はどうなっているのか、はっきり説明をしていただきたい。
 まず十億倍かどうかというのは、これは通産省が検査されておるから通産省から説明をしていただきたい。それから、マンホール汚染が流出してくるのかどうかというのは、参考人と通産省と両方から説明していただきたい。
#15
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 ある新聞に載っておりました十億倍という表現でございますが、私ども想像いたしますに、次のようなことのように考えております。
 この比較は、一つは通常の放水口の放射能濃度をベースにしまして、もう一つは今回フィルタースラッジ貯蔵タンク室に漏れました放射性廃液の濃度、この比較をしておるように考えられます。そもそもフィルタースラッジ貯蔵タンクの廃液の濃度は高いわけでございまして、したがいまして、放射性廃棄物処理施設という特別の場所に特別の基準を設けまして厳重に保管をし処理をする、こういうことになっているわけでございます。それと放水口とを比較する、こういうこと自身が、いささか比較のベースがおかしいんではなかろうかという気がいたします。すなわち、厳重に保管をしている非常に濃い濃度の廃液と、それから一般放水口で管理されている放射能濃度とを比較して十億倍、こういう数字だと思いますが、私の考えますに、その比較自身がいささか適当ではないんじゃないかというぐあいに考えております。
#16
○浅田参考人 海に漏れましたことがわかりました後、十九日の夜半に海に最も近い口でこの放水口に栓をしております。そういたしまして、放水口の中にたまりました水は洗たく廃液フィルターを通して出すという形をとっておりますので、これ以後は洗たく廃液フィルターを通りました後、測定されたものしか海には放出されないという形がとられてございます。
 以上でございます。
#17
○高橋(宏)政府委員 現地に派遣しております立入検査官の報告によりますと、ただいま浅田参考人が話されたとおりの現状と私ども承知いたしております。
#18
○原田(昇)委員 そうすると、環境への影響は全く不安ないということであります。
 しかし、この作業員が何かぞうきんでふき取ったら少し被曝したという話が先ほどありましたが、これはどうなんですか。作業員の被曝について許容限度以下かどうか、簡単に答えてください。
#19
○浅田参考人 先ほど申し上げました数値はすべて許容限度以下でございますし、発電所の定期検査その他で普通いたします作業と被曝量は変化はございません。
#20
○原田(昇)委員 いまお聞きしたことによりまして、一応人体にも環境にも影響はないということでありますが、しかし、どうしてこういうような事件が起こったのか、われわれとしてはきわめて了解に苦しむ次第でございます。その責任はきわめて重大ではないかと思います。
 そこで参考人に伺いたいのですが、なぜこういうことが起こったのか。さらに、そのオーバーフローした事実を報告しなかったというようなことがありますが、これはどういうことですか。
#21
○浅田参考人 ただいま、オーバーフローいたしましたタンク室その他の廃棄物を処理いたします建屋は、設計上、その建屋の床にたとえ水がこぼれましても建屋の外には出ないという構造になっております。そのため、これは外に放射能を漏らすものではないという判断がまずございます。そういうわけでございますので、現場あるいは作業した人の気持ちとしましても、これは非常に軽微なものである、運転の中で起こり得る軽微なものであるという判断に立って御報告申し上げなかったことだと思いますが、ただいまから考えますと、これはまことに不適切な措置であったと存じます。
#22
○原田(昇)委員 原因ははっきりしていないにしても、一般排水路の方に放射能のきわめて高いところがマンホールに見つかったということは、やはりいまのオーバーフローに関係あるわけでしょう。
#23
○浅田参考人 お答えいたします。
 オーバーフローが関係があることは、いまの調査の段階ではほぼ確かであろうと思われます。
#24
○原田(昇)委員 そうすると、廃棄物処理建物の下を一般排水路が通っておるという構造になっておったということが一つ問題ですね。
 それからもう一つは、五分間で締めなければならぬバルブを夜中じゅうあけっ放しにしておったという作業上のミス、この二つが問題だと思うのですが、この作業上のミスが起こらないようにすること、そして仮にミスが起こってオーバーフローしても、構造上一般排水路はあくまでも遮断させておかなければいかぬ、これがはっきりできていないというところに私は問題があるのじゃないかと思うのです。
 そこで、こういう作業員のミスの点は、これはもう完全に作業基準なり何なりに違反しておるわけでございますが、作業ミスが起こらないようオートマチックに警報ランプがつくとかという装置もつくらなければいかぬだろうし、また一般排水路を放射能汚染の可能性のある危険区域の下を通すというような構造にするというのも問題じゃないかと思うのですが、これを許可したのは第一問題じゃないかと思うのです。原子炉規制法とか電気事業法上、どうも聞いてみると何ら規制措置がないようにもなっておるということでございますが、この辺はどうですか。
#25
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、この関連施設は四十五年三月に一応できまして、その後も数回にわたりまして改造、改築が行われておりますが、こういう廃棄物処理設備の改造工事につきましては、電気事業法四十一条の工事計画認可を要するものでございます。現に本件も認可申請をし認可をしたところでございますが、本件認可に当たりましては、四十一条三項各号の認可基準に照らして審査を行っております。
 そうしまして、この審査に係ります申請におきまして、その添付書類に基づいて審査を実施するわけでございますが、この場合の廃棄物処理設備の認可申請書及び添付書類におきまして、問題の一般排水路に関する記載が一切ございません。
 また、今回の事態はきわめて異例なケースであったということから、私どもも工事計画認可に際しまして、一般排水路に関しましてこの点をチェックし得る状態になかった次第でございます。
#26
○原田(昇)委員 この点は今後の問題として、これからぜひひとつはっきり基準を設けるなり処置を講じていただきたいと思います。
 そこで、会社側に責任があることはもちろんでございますが、こういった点について十分やってないという国の問題もあると思うのです。政務次官、いかがですか。
#27
○野田政府委員 私も現地へ参りまして、確かにそういった構造上の問題について何らか改善措置を講じなければならぬのではないか。現在の法体系の上では、確かにそういったものは安全審査の対象の施設にはなっていないわけではありますけれども、今回の事故を教訓として、そういったことをも含めて再検討させていただきたいと考えておるわけであります。
 ただ、現地へ参りまして感じましたことは、裏が非常に急ながけになっておりまして、一般の雨水とかそういった排水を処理するいわば排水路でございますから、その点の口径がどうだとかといったようなある意味では別途の、通常の建築基準法なり何かそちらの方の観点の審査とどういう調整をしていくのかという、調整の問題は残っておろうかと考えております。
#28
○原田(昇)委員 通産省は、他の原子力発電所についても一般排水路に関する点検を指示したと言われておりますが、他の発電所に同様の問題はないでしょうか。
#29
○森山(信)政府委員 いまお話のございましたように、四月二十日に資源エネルギー庁長官名で全原子力発電施設に対しまして、同様なことがあるのかないのか総点検をしていただきたい、あわせて一般排水口から放射能が測定されるかされないのかということを総点検してほしいという指示をいたしたところでございまして、その中間的な段階では、ほかの原子力発電所には同様なケースは全くない、放射能も検出されてないという報告を受けておるところでございます。
#30
○原田(昇)委員 ところで、原子力発電株式会社に対してお伺いしたいのですが、なぜこういう事実の報告を国に対してしなかったのか。それから敦賀発電所は、去る一月に二回にわたって給水加熱器からの蒸気漏れがあったにもかかわらず、監督官庁に報告を怠った前歴があるわけでございます。今回の事件とあわせて、会社側の管理体制に私は問題があるのではないかと思いますが、いかがですか。
#31
○鈴木参考人 ただいまお話のございましたとおり、欠かしてはならない連絡を怠っておったことも確かでございますし、いままで会社としてやるべきことはやはり安全第一、安全あっての原子力だということでその点も徹底させてまいり、諸法令を遵守することは当然のことだと思ってやってまいりましたが、今回の一連の出来事にかんがみますと、それにもかかわらずやはりどこかに欠点があった、まだそういうものが残っているということを痛感いたしまして、全社にわたって徹底的に再検討して、そういった問題が今後絶対に再度起こらないようにいたしたいと、全社を挙げて取り組んでいるところでございます。
#32
○原田(昇)委員 今回の事故を見ますと、やはり私が先ほど指摘したように、バルブをあけたとき、五分なら五分が適当な時間だとすれば、それ以後警報ランプがつくとか、監視のところでちゃんと監視ができるということにしておかなければいかぬ、こういう場合に。なぜそういうことになってないのか。
 それからまた、放射線の管理区域と一般排水路が完全に遮断されていないということも腑に落ちないわけですよ。これはどういうわけでこういうことになったか、少し具体的に説明していただけませんか。
#33
○浅田参考人 お答え申し上げます。
 第一点の御指摘の部分でございますが、この回路はフィルタースラッジを移送いたしますときだけに使います回路でございます。それと移送するフィルタースラッジ、それからそれを洗浄する水との切りかえというタイミングその他がわりあいに複雑でございますので、敦賀発電所を建設いたしました当時には、このような回路にインターロックその他時間警報というふうなものを与えるシステムがまだ一般的ではございませんでした。そのために現在の設備では、タイムスイッチでございますとかあるいはインターロックというものが施されておりませんけれども、これについては、今回のことにかんがみまして私ども十分な検討をいたしまして、この種のミスが起こらないような措置をハードウエアの上でとっていきたいと存じております。
 それから、一般排水路が敦賀発電所でいま御指摘のような状態になりましたのは、敦賀発電所は最初の発電所として建ちまして、運転の経験を重ねるにつれましてだんだん不足のところが出てまいりましたので、たとえば今回故障を起こしましたフィルタースラッジタンクとかあるいは洗たく廃液の処理場というものを年度を追って継ぎ足してまいりました。
 その際に、私ども当然電力として考えなければならない保安がございます。ただいま先生御指摘のように、一般排水路に対して汚染区域の水が入るというふうなことは、お役所に御審査をいただく前に私どもが当然気づかなければならなかったことなんでございますが、当時それを気づかずに、わりあいに安易な考え方で、いままでのヒューム管を鉄管に変えればいいであろうとか、その程度の考え方で処したことが間違いであったと思っております。
#34
○原田(昇)委員 私は、いまの御説明を承って、確かに会社側にきわめて大きな責任があることはもちろんでございますが、今後の国の安全行政に対しても相当示唆を与える点が多々あると思います。今後、国としてどういうように対処していかれるか、明確な御意見を伺いたいと思います。
#35
○森山(信)政府委員 ただいままでの御審議で、いろいろと事態の経過的な状況はわかったわけでございますけれども、なおさらに徹底的な原因追求をいたしたいと思っております。ただ、国のサイドにおきましても、この事件を大変深い反省材料といたしまして、本当に原子力が安全なものだということを国民の皆様方にも理解していただくために、行政のあり方も含めまして徹底的な改善策を講ずるべきである、こういう認識を持っておる次第でございます。
#36
○原田(昇)委員 原子力発電を推進するということは、石油依存度の高いわが国としてどうしてもやっていかなければならぬ基本的な政策だと思うのです。そのためには安全行政がかなめであって、いささかも国民に不安感を与えるということであってはならないと考えます。
 そこで、今後このような事故が起こらないように万全の上にも万全を期して推進していただきたい。これは通産省を初め科学技術庁、関係官庁にぜひ強く要望しておきたいと思いますが、会社の方にも、三十五万七千キロもある発電所で、しかもいま石油が高騰しておりますから、石油発電所ではキロワット当たり二十円以上もかかるのにかかわらず、この発電所は発電コストがわずか九円でできると言われております。そういう安い電力を三十五万キロも発電能力を持っておるわけですから、早急にひとつ信頼を回復していただいて再建をしていただかなければならぬ、国民経済上からいってもぜひやっていただかなければならぬと思いますので、この事故の処理をしっかりやっていただいて、われわれに電力供給の使命を担っていただくように要望して、私の質問を終わりたいと思います。
#37
○野中委員長 清水勇君。
#38
○清水委員 まず最初に、どうも今度の事故をめぐって原電敦賀の対応は虚飾に彩られているという感じがしてならない。たとえば岩越所長ですか、三月十日に八日の件について報告を受けているにもかかわらず、初めのうちは四月十八日まで知らなかったというような言い逃れをしていたり、あるいはかくのごとき重大な事故を大した事故でないと見せかけるためであったかどうかそれはわかりませんが、いずれにせよ、社員や作業員などの被曝量は軽微であった、微量であった、たとえば社員のごときは数ミリレムであるなんという発表を二十一日にされているわけです。あなた方のそういう発表に対して、いわゆる権威ある原子力専門家は口をそろえて、データは捏造されているんじゃないか、たとえば最初に事故を発見した社員は数ミリレムどころか、恐らくその一千倍くらいの被曝量を受けているんではないか、こういうような反駁をされているわけなんでありますが、いずれにしても、うそを言ったり虚偽の報告をしたり、どうもまことにけしからぬ次第だというふうに感じているわけであります。
 そこで、まず最初に、原子力の三原則ともいうべき自主、民主、公開、少なくとも今度の事故はこれに反していることは明瞭なんです。その点について、少なくとも自主、民主、公開というものがしつかり確保されて初めて運転を認める、こういう通産の態度がなければならないと私は思うのでありますが、最初にエネ庁長官からその辺の見解を承っておきたいと思います。
#39
○森山(信)政府委員 原子力発電は、わが国のエネルギーの最も重要な部分だというふうに私どもは認識いたしておりますが、いま御指摘のとおり、これを推進するためには国民の皆様方に十分安心していただけるような形で推進する必要があろう、こういうふうに考えておりますので、清水先生御指摘のとおり、本当の信頼性を回復した後に運転をしてもらいたい、こういう気持ちを持っておる次第でございます。
#40
○清水委員 そこで、そういうことを言われるわけでありますから、私は最初に確かめておきたいのでありますが、まず四月八日に福井県当局によるサンプリングがあったわけですね。その結果が十四日に出ている。そして、昨日の参議院商工委員会での答弁によれば、通産当局は十八日に原電から報告を受けたと言っております。しかし、これは間違いじゃありませんか。きのう私は原水禁の諸君と一緒に、エネ庁長官にこの件で会見をいたしましたが、その際高橋審議官は、十七日の夜現地から報告を受け、データの分析云々というようなことを述べておられる。きのうの参議院商工委員会での答弁は間違いじゃないですか。
#41
○高橋(宏)政府委員 四月上旬の県のホンダワラの放射性物質の調査によりまして、過去数カ月の値に比べて高いということから、どこかから異常な放射性物質の放出があったのかもしれないという観点から原電が調査をいたしまして、そして一般排水口からそれが漏れている事実があるということを知りましたのが四月十七日でございます。そのことを申し上げたわけでございます。きのうの参議院の御質疑は、その問題と非常に関係が深いと思われます三月八日の放射性廃液が建物の中にオーバーフローしたという事実を知ったのがいつだったかという御質問に対しまして、私どもが知りましたのは十八日の夕刻四時四十五分である、こういうぐあいにお答えしたわけでございます。
#42
○清水委員 会社にお尋ねいたしますが、サンプリングの結果が十四日に判明した。どうしましたか。いまの話では、通産当局に報告したのは、三月八日の件に関してはいつ正確に報告しているのですか。
#43
○浅田参考人 お答えいたします。
 三月八日のリークのあった件につきましては、十八日に専門官を通じて御報告申し上げております。
#44
○清水委員 どうして十八日まで報告しなかったのか。
#45
○浅田参考人 マンホールのどろの中からいろいろな、コバルト60ないしマンガン54が出てまいるということを追跡いたしておりまして、場所が局限されますまではどういうものに原因を求めていいか私どもにはわかりませんでした。それから、通産のお立ち会いの検査官がいらっしゃいまして、その方々と私どもと一緒に、運転日誌あるいはパトロール日誌その他をずっと調べてまいりました結果、その時点で、あるいはそのお昼過ぎごろに三月八日のリークがあらわれてまいったということでございます。
#46
○清水委員 いずれにしても、これだけの重大な事故の結果が判明したら直ちに通報するということでなければならぬと思うのです。先ほど社長は、安全性の確保を第一義として取り組んでいる、こう言われているけれども、いまの経過と答弁ではその辺が非常にあいまいではないか。私は納得がいかない。
 そこで、「エネルギーフォーラム」という雑誌の三月号であなたは対談をなさっておりますね。私は、鈴木社長がこういうことを言っているので非常に憤りを感じておるのです。
 たとえば「世の中も少しずつ理解してくる方向にきたと思う。しかし残念なことに、日本の野党第一党である社会党が問題を曲げるようにして考えているんで、これが国民の協力を得るに当って非常に具合の悪いことになっていると思います。それだけに、いまの日本の政府・自民党の人達も、もっと真剣にエネルギー問題を勉強してもらいたい」、あなたはこう言っているんだよ。言っていますね。ちょっと答えてください。言っていますね。
#47
○鈴木参考人 「エネルギーフォーラム」という雑誌に……(清水委員「言っているか言っていないかでいいです」と呼ぶ)いや、私の言っていること、いま定かに覚えておりませんし、またそのとき言ったことが全部正確に載っているとは私も判断できないところがありますけれども、それに近いことは言ったかもしれません。
#48
○清水委員 鈴木参考人、われわれは与野党を超えて国民の求めるエネルギーの安定供給をいかに確保するかという観点に立って、それこそ真剣に論議を尽くしてきていますよ。何ですか、この発言は。国会なり国会議員なり、あるいは政党政治の今日、各政党というものを冒涜しているのじゃないですか。そう思いませんか。
#49
○鈴木参考人 いま、天下の公党を侮辱しているという御意見でございましたが、そんな気持ちは絶対持っておりません。とにかく日本を挙げて、政党を超えてエネルギー問題に取り組まなくてはいかぬという、これだけはどこへ行っても話すことでございますし、認識している問題でございます。しかし、特定の政党が非常に熱心で他の政党が非常に反対しているとか、一々そういう区分けをして発言するようなことは差し控えておりますが、そこへどうしたことか活字になっておりますので、私もいま伺って若干の奇異な感じを抱いておるところでございます。
#50
○清水委員 ぼくは、鈴木社長がいまここで、自分が責任を持って発言をした内容について活字になっていることについて、逆に奇異な感を持つなどと、そういう言い逃れをされるところに今度の事故が起こる体質的なものを感ぜざるを得ないのですよ。いいですか。
 あなたはこれだけを言っているのじゃない。たとえばこの対談の中で、特に「安定した運転」ということを強調されています。安定した運転とは何か。今日原発の事故が多発する、したがって稼働率が低い、それが国民に大きな不安感を与えている、だから事故の起こらないように連続的、安定的な運転ができるようにしなければならない、こういうことを強調されているわけでしょう。ですから、たとえばこのような事故が起こっても、管理者以下社員の諸君もできるだけ事故隠しをする。そして社長の至上命令ではないけれども、連続的に運転をする。たとえば一月の事故隠しについても、この委員会で問題になりました運転中炉にカッティングをするなどというような実に暴挙にも近いようなことも現実に原電敦賀では行われているわけでしょう。それは社長の「安定した運転」という発想が前提になっているのじゃないですか。
 それから、あなたはこういうことも言っているのですよ。「敦賀発電所の増設計画がうまく進んでいるのも、一号機が問題を起こさないことが大きいと思いますよ。」見当違いの発言じゃありませんか。現にこの対談の行われた時点で一号機が事故を起こしているわけでしょう。ただ、それを隠しているから表にあらわれていなかった。そして、二号機の増設を速やかに達成するためには、一号機をして引き続き安定的な運転を至上命令とする、こういう社是があったのじゃないか。私は、この対談を通じて社長の真意というものをうかがい知ることができたのでありますが、その点どういうふうに考えておられるか。
#51
○鈴木参考人 お答えいたします。
 確かに私は、そこにも書いてあるかどうか、実は本当を言うと存じませんけれども、安定運転ということも言いまして、安全運転ということも同時に言っております。それを目指してやらなくちゃいかぬということは絶えず中心の課題として考えてまいったのでございまして、事故を起こさない、事故を起こしちゃいかぬということに終始してまいったのでございますが、その対談をやったのはいつだか、もう正確に覚えていません。恐らく昨年の末かことしの初めか、ずっと前の時期のことでございます。したがいまして、今回の一連のことなど全然私は存じないときに言ったことで、それからああいうことができてきましたことを本当に申しわけなく、その点はもう心からおわび申し上げるところでございます。
#52
○清水委員 いつ対談をしたか定かではないと言われますけれども、あなたの基本的な発想というものが、稼働率を高める、安定した運転をやる、安全運転なんということは大前提なのですからあたりまえのことでしょう。そういうことが余りにも強調されているゆえに、われわれから見たら大変な事故だけれども、現場では大したことはないというような受けとめ方で、上の方から怒らせてはいけないというような身の保全もあるかもしれません。それが事故隠しというようなところへ事態を発展させたのではないかというふうに思えませんか。
#53
○鈴木参考人 いま、安全、安定運転といったことが事故隠しのもとだという御意見でございますけれども、こういった法治国である以上は、法律を守り、政令を守り、それに基づく通達を守る、これが基本であることはもう言うまでもないことでございますので、そういったことを前提として、しかも会社の経営には安全、安定運転を続けていきたい、これもその上に立った願望でございます。したがいまして、最初の方はもう国民としても当然、会社としても当然ということを心得ての話でございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
#54
○清水委員 これは通産のどなたにお聞きしていいのかわかりません。わかりませんから責任ある御答弁をしかるべくお願いをしたいのでありますが、いま参考人の鈴木社長は、法令、規則等を遵守し、そして安全な運転ということを頭に置いてやってきている、こういうふうに言われるわけでありますが、しかし、現実は一月以来のたび重なる事故及び事故隠し、こういうものを通して、たとえば閣議で通産大臣は、近く告発を予定している、あるいは警察庁当局なども、告発があれば刑事責任の追及というようなことも含めて捜査をしたいと言っておられる。
 それはそれとして、ともかく原電敦賀は、いま申し上げたように一月以降事故と事故隠しを重ねてきているわけでありますが、今日の時点でどういう法律違反をしているのか。そして、具体的に考えられる違反行為の事実と、これらについていつごろ会社を処分といいましょうか告発をするというお考えであるのか、お聞かせをいただきたい。
#55
○森山(信)政府委員 電気事業法と原子炉等規制法におきまして、原子力発電所に事故があった場合は報告をいただくことが義務づけられておるわけでございます。ただ、この報告の内容につきましては、軽微なものは除くという規定があるわけでございまして、その軽微性の問題につきましては規則で決めておるわけでございます。私どもは、その法律は法律といたしまして、原子力発電は大変重要な問題でございますから、いかなる事故も届け出をしていただきたい、報告をしていただきたいということを別途通牒の形で通達を出しておる次第でございます。
 そこで、今回の事件は、最初に一月十日及び二十四日に第四給水加熱器の事件が起こったわけでございまして、この事故が原子炉等規制法及び電気事業法によって報告をすべきものかどうか、その報告義務違反であったかどうかにつきまして現在調査を進めているところでございますけれども、少なくとも通達に対して違反があったことは間違いないわけでございます。ただ、通達に対する違反ということになりますと、なかなか法律的な責任追及もしにくいということでございますので、まず原子炉等規制法及び電気事業法の違反に該当するかどうかというものを現在検討中でございまして、通産大臣が申し上げましたのは、告発を含めて原因の追及をした上で国としての対応策を考える、こういうことを申し上げた次第でございます。
#56
○清水委員 これは、同じく昨日、高橋審議官が私どもに答えているのでありますが、現在想定できる法律違反行為は、報告義務違反、溶接検査の無届け違反、記録義務違反、保安規定違反、少なくてもこれだけは指摘ができる、こういうふうに言われているわけですけれども、この点はどうですか。
#57
○高橋(宏)政府委員 原因追及あるいは事情聴取によりまして実態を明らかにしていく過程におきまして、いま御指摘の各義務につきましての違反があったかどうかということが今後の調査の焦点になろうかと存じております。
#58
○清水委員 時間もありませんからしぼってまいりますが、実は伊藤参考人は先ほどの御意見の中で、われわれはスリーマイル島の教訓を生かしていかなければならない、それこそ安全性の確保を最重点課題としてやっていかなければならない、こういうふうに言われている。
 思い出すのは、あのスリーマイルアイランドで事故が起こった際に、あなた方原発関係者の御意見は、あれはきわめて初歩的なミスであって日本では全く起こり得ない、とうていあんな事故が起こるとは考えられないという、いわば嘲笑に近い姿勢をとられたことを私は記憶している。
 しかし、今度の三月八日の事故はバルブを閉め忘れたという文字どおり初歩的な誤操作、ミスであるということはもう歴然としているわけですね。スリーマイルアイランドの教訓なんというものは、ちっとも生かされていない。現に大飯原発であるとか東海再処理工場であるとか等々で、それは小さい事故であるかもしれませんが、水漏れ等が起こっている。現在わが国には六社、二十二基の原発が動いている。しかも一番問題なのは、原発のパイオニアという立場で原電が、いわゆる六社の各発電所に数百人の技術者を送り込んでおられるわけですね。ところが、その原電がこういう安全性を軽視するというような姿勢に立ち、幾つかの法律違反もあえて犯しておるというようなことでは、国民は全く安心できないと思うのですね。先ほど自民党の委員から、コストのことに関連をして、早く信頼を回復して運転を再開するようにという話があった。しかし、コスト以前に、国民の安全がどう確保されるか、不安がどう除去されるかということが最優先課題でなければならないと思う。
 そこで、電事連の立場から、この事故を通してどのように今後の対応を考えておられるか、お聞かせいただきたい。
#59
○伊藤参考人 お答え申し上げます。
 電力会社といたしましては、軽水炉につきましては昭和四十五年から運転を開始いたしておりまして、約十年に相なります。その間いろいろな事象がございました件につきましてわれわれもいろいろ検討し、より安全を高めていくための努力をしてまいったわけでございます。
 先ほど先生の御指摘のございましたアメリカの重大な事故に関連いたしましても、当時何らか先生のお話のあったような報道は行われたかもわかりませんけれども、われわれといたしましては、この重大事故に対しましては真摯に取り組みまして、この事故が発生いたしました原因につきましては、確かに人為的ミスも大きなファクターでございますが、それと同時に、施設上にもさらに改善すべき点があったわけでございまして、御当局からは五十二項目にわたります膨大な改善の御指示もいただき、あわせて運転員の資質の向上、一層法規を守っていくこと、そのことにつきましてあらゆる手段を講じまして運転員の資質の向上に努めておる次第でございまして、今後ともやはり安全第一と心得ましてやりますことが稼働率向上に一番大切なことであるというふうに確信をいたしておる次第でございます。
#60
○清水委員 これで私は終わります。
#61
○野中委員長 後藤茂君。
#62
○後藤委員 清水委員がほぼ全体にわたって御質問いたしておりますが、私は、重複を避けて二、三の点について質問をしてみたいと思います。
 まず最初に、先ほど森山長官の方から、電気事業法や原子炉等の規制法に定められた報告義務違反、このことについて触れられました。軽微なものについてはこれを除く、これからさらに詳しく調べていってみたい、その上に立ってこの告発等については考えていきたい、こういうような意味かと思います。しかし、通達に対しては報告義務違反をしておるということは明らかである、こういうようなことにも触れられました。
 そこで、せっかく野田政務次官、お見えになっていらっしゃいます。現地に行かれて大変克明にこの間の状況等を政治家としてお調べになってこられたと思いますので、こうした電気事業法や原子力発電炉の規制法に基づく報告義務違反、私は先ほどからの報告なり御答弁をお聞きいたしておりますと、軽微という判断それ自身についても大変重要な判断の誤りがありはしないだろうかということを考えてみますと、普通の食中毒等におきましても、間髪を入れず営業を停止するとかいうような厳しい規制が一般社会においては行われている。ところが、今回の場合においてはすべてを隠し通そうとしておるという動きが見られる中で、こういったものも軽微な事故であるということでこの事態を逃げようとしておるのではないだろうか、こういうように思えてならないわけです。まだ調査が十分に熟していないと思いますけれども、現地を見てこられまして、この事態に対して、つまり報告義務違反という問題が大変重要な一つの問題点だと私は思いますので、野田次官の方からまず最初にこの点についての考えをお聞かせいただきたいと思います。
#63
○野田政府委員 告発をするとかなんとかということになりますと、通達だけでできるものでないことは御承知のとおりであります。そこで、私も政治家として感じましたことは、やはり今度の問題、一回だけの義務違反では実はないわけでございます。たび重なって報告義務を怠っておるわけでありまして、そういった意味でこれからの原子力行政を進めていく上で非常にゆゆしき政治的、社会的な問題をはらんでおるわけでありまして、政治家としての見地から言いますと、ただで済ますことはできないな、こういうことは感じております。
 ただ、事柄の原因につきまして、いろいろ推測もあるようであります。いま徹底的な原因の調査、分析をしておるわけでございます。そこで、一般の場合には営業停止とかそういうものがあるというお話なんですが、現在御承知のとおりちょうど定期検査の時期に入っております。私どもは今回の事柄だけではなくて、過去にもさかのぼってこの際総点検をしてみて、こういった報告義務違反というものがほかにもなかったのかどうか総ざらいをしてみて、もうない、そして今後社内的にも、あるいは行政面においても管理体制において万全である、そういう確信を持って初めて今度の敦賀一号機について再開をしていくというような運びになるのではないか、こう考えておるわけでございます。
#64
○後藤委員 累犯というのでしょうか、一月にもそういう事故が起こっておりながら報告がなされていない、しかも法律に基づく通達である、こういう違反を重ねてきておるということは情状酌量の余地がないのではないか、大変けしからぬことだ、こういうように私は考えているわけです。軽微であるかどうかというのを自分で勝手に判断をされてきておったのでは、各原子力発電所どこにおいても、どんな事故が起こっているのか、すべてそれがやみからやみに報告義務違反を犯しながら隠されていると私たちは考えさせられるような、そういう事態になっている。
 したがって、先ほど野田次官の方からお答えいただきましたけれども、これは全国の原子力発電所の状況を十分に審査をしていただかなければならない。ただ、その場合に、この審査をしていく、あるいは立入検査をしていくその人材、それをでき得る能力を今日持っているのかどうか。先ほど清水委員も、スリーマイルアイランドの事故の教訓が全く生かされていない。しかも最近、九電力にいたしましても日本原子力発電株式会社等にいたしましても、技術に対する過信よりもおごりがありはしないだろうか。科学は絶対というものはないわけです。その絶対がないにもかかわらず、その安全のことを私たちが厳しく指摘をすれば嘲笑が起こる、せせら笑いをする、時代錯誤をしているのではないか、こういった風潮を巧みにつくろうとしている。こういった原子力発電というものは、わが党も避けて通ることができないと思います。
 三年前にも西ドイツとフランスとアメリカの各原子力発電所を見てまいりました。もちろん悲しいかな、私どもは細かいこと、技術的な問題はわかりません。ただ一つ、大変教えられたのは、特に西ドイツにおきましても、フランスでもそうです、フランスはもう積極的に原子力発電の開発促進をしているわけです、しかし安全の問題に対する説明は大変克明であった。非常に熱心です。
 ところが、わが国におきましては、こういったものを軽微な事故として、その辺の水があふれた程度の事故として、ぞうきんでふき取ってバケツにくんで捨てるという程度にしているという認識ですね。こういった認識を持っているだけに、これを検査しあるいは審査していく人材というものは、相当充実しておかなければならぬと思うのです。今日の検査あるいは審査の人員、体制というものは、これは長官にお聞きした方がいいでしょうか、あるいは科学技術庁の方でございましょうか、どういう状況にあるのか。千五百万キロあるいはこれから五千三百万キロにまで原子力発電というものは高めていこうとする、その各地に散らばっております原子炉、しかも非常に高度な技術、認識を持っておかなければならないものに対する審査なりあるいは検査なりの体制というものはいま十分なのかどうか、この点も大変国民は不安に思っておるわけですので、お答えをいただきたい。
#65
○高橋(宏)政府委員 スリーマイル事故以来、特に安全審査、検査及び運転中の管理監督について重要であるという認識を新たにしておるところでございます。
 運転中の問題につきましては、一つは、電力会社の発電所の運転員の資質向上、あるいは技能向上の問題がございます。それにつきまして、まず訓練センターがございますけれども、こういうところの訓練の充実及び当直長などにつきましては通産大臣の、私どもの指定する機関におきまして、一定の資格審査をするというような制度を本年度から導入いたして強化しておるところでございます。もちろんそればかりではなくて、電力会社自身のそういった運転員、保修員等の訓練、資質の向上に努力すべきことは当然でございます。
 もう一つ、私どもの方でございますが、逐年審査官それから検査官の充実をおかげさまでさせていただいております。と同時に、昨年からは現地の発電所に常駐の運転管理専門官という制度をつくりまして、現在補助員を含めまして十五名が従事いたしておりますが、こういうようなことで安全監督体制の強化を図ってまいっておったところでございますけれども、常駐の専門官がいるにもかかわらず、本件の事故があらかじめ発見できなかったということにつきまして、私どもも遺憾に思っておりまして、運転専門官の業務のあり方、発電所側の体制、そして私どもの体制等も今後こういうものを教訓にしてさらに充実させていきたいというぐあいに考えております。
#66
○後藤委員 科学技術庁の方はいかがでございましょうか。
#67
○後藤(宏)政府委員 お答えいたします。
 御案内のとおり、原子力の行政改革が行われまして、こういう炉の建設に当たりましての審査を、行政庁の審査に加えまして原子力安全委員会のダブルチェックを行う、こういう制度が発足いたしましたのが五十四年の一月以降でございます。
 それ以来、私どもは、原子力安全委員会のもとにおきます審査委員の方々その他各界の専門家を網羅いたしましてこの整備に努めてまいりまして、その直後に起こりましたスリーマイルアイランドの事故に対しましては積極的に対応してきたことは御案内のとおりでございます。
 その後、実は行政上非常に苦しい事情の中でもこれに携わる事務局の人員の増加を年々数名から二、三名ずつ認めていただいておりまして、そういった意味での審査の補助をする人員の強化にも十分われわれは努めておると思っております。
#68
○後藤委員 先ほど高橋審議官が、運転管理専門官十五名配置している、新聞等もこの中身について触れておりましたけれども、十五名のうち五名は、十日間程度の講習で現地に派遣されている、こういうような指摘もあるわけです。あるいは米検査官等がこの運転管理専門官というような仕事に配置がえになっている、こういうようなことも指摘をされている。なるほど運転管理専門官というと、私たちは、非常にすぐれた専門的な知識と能力を持っているように印象づけられるわけです。しかし実態を見ますと、わずか十日間程度の講習でやるとすれば、そのチェックする場所だけのチェックをしていくだけ、それが基準なり規定に合ってさえおれば、そのまま通っていく。総合的に炉に対して、あるいは原子力発電所の安全に対して専門的な高い知識と能力を持ってこれに対処していくというようなことは、今日の能力をもってしては不可能ではないだろうかというように考えるわけです。
 そうなってまいりますと、当然会社側の報告書に基づく、信頼関係に基づく報告、出された書類を見て、その書類に大きく間違いがなければそのまま受け取るというのが今日実態ではないか。その報告を分析をし、その資料を十分に自分の知識と能力をもって当たっていきながら、さらに立ち入ってチェックもしていくというところまでなってないのじゃないか。そういうようなところまで指導なさっているのか。あるいは今日の専門官の能力をもってすれば、残念ながらそういう能力、知識は持ってない。持ってないなら持ってないと、はっきり言っていただく。そのことによって対策をより強化していかなければならぬという次の課題が生まれてくるわけですから、こういった点についてお答えをいただきたいと思います。
#69
○森山(信)政府委員 ただいま後藤先生から安全運転管理専門官の件につきましてお尋ねがございましたのでお答え申し上げますが、多少世の中で誤解がございまして、私どもも若干当惑しておるわけでございます。
 と申しますのは、十五名の専門官をいま配置いたしておりまして、そのうちの五名が、たとえばもと米の検査官のような人であったのではないかというようなことがよく言われておるわけでございますけれども、実際のところは、確かに五名につきましては農林省におきます定員の配置がえによりまして通産省の方へ移籍をしていただいた方々でございますけれども、米の検査官という方は一人もいらっしゃらないわけでございます。
 そこで十五名の配置を申し上げますと、十名の専門官、これは通産省で専門の教育を受けたれっきとした専門官がおるわけでございまして、それがいま十サイトに配置をされておるわけでございまして、最初に申し上げました農林省等から配置転換を受けました方々は、その十名の専門官のアシスタント、事務補助員というかっこうで事務のお手伝いをしていただいているという方々でございます。十日間の研修で専門のことを扱わしているのじゃないかという御指摘でございますけれども、赴任をしていただく前に十日間の訓練をいたしましてそれから送り出すわけでございますが、何回も自後の訓練をしているわけでございます。資格試験に通るまでは、専門官としての名称を与えておりますけれども、あくまでもれっきとした専門官の下での事務補助的な役割りを果たしているというにすぎないわけでございまして、その方々が全責任を持ってやっているというわけじゃなくて、全責任を持ってやっておりますのはあくまでも専門、それこそ本当の専門の十名の方々がやっておるということでございまして、五名の方々もいつまでも事務補助員じゃなくて、資格試験をお通りになればそういった資格を与えるというふうな仕組みになっておるわけでございます。
 そこで問題は、その十名の専門官で十分であるかということにつきましては、いまの保安管理体制があくまでも会社側の自主保安体制ということを前提にいたしまして、国はそれを側面からウォッチするというシステムになっております。この制度自身につきまして果たして問題はないのかどうかということの検討も今回の検討事項の中に含めたいというふうに私どもは考えておりますけれども、そういうことになりますと当然に専門官の数はふやしていく必要があるのではないかということでございまして、いまの基本的な保安管理体制の抜本的な改革を図るという観点からいたしますと、十名ではとうてい足りないということでございます。十名を若干ずつふやしていくという体制であれば、いまの保安管理体制のプリンシプルは変えることができないだろう、その辺の調整をいま私どもの頭の中で一生懸命考えているということでございます。
#70
○後藤委員 こういうせっかくの機会でございますから要望をしておきたい面もあるのですが、私はこの委員会でしばしばエネルギーの暫定需給見通しの矛盾といいますか欠陥というものを指摘いたしております。代替エネルギー、とりわけLNGと石炭と原子力に非常に傾斜し、しかも原子力の方に大きなウエートをかけてきている。最近の発電所はほとんど百万キロユニットというような大容量になってきている。そして、安全に対する過信といいますかあるいはわが国のハイテクノロジーに対する過信というものがありまして、もう原子力発電というものは絶対に安全であるというような思い上がりがある、そうしたところにこの事故が起こっているということもひとつ考えてみる必要があるだろう。つまり、規模を拡大していくあるいは物をより大きくしていくということに政治が傾斜し過ぎておりまして、環境保護なりあるいは安全なりというものに対しては、先ほども参考人の皆さん方が安全については万全のという言葉は言っておりますけれども、それを裏づける体制というものが規模の拡大に比べて余りにもお粗末ではないか、こういうことを私は痛切に考えさせられるわけです。
 そういう意味で、これからはいろいろな計画がつくられていくあるいは広壮なビジョンがつくられていく、しかし、それには必ずそれを専門に担当するテクノクラートというものが必要ですから、それを育てていきながら進めていくのだということが並行しなければ、こうした事故というものは何回も起こってくる。その都度、予想せざる事故であったということで頭を下げざるを得ないということになるわけです。事は原子力であります。一つの事故を起こすということは大変多大な影響を与えるわけでありますから、この点に対して十分に、安全の確保という言葉だけではなくて、その体制をどうつくり上げていくか、そうでなければ計画に対してもトーンダウンをさせていくという構えを持っていかなければならないのではないか、こういうように思いますので、これはひとつ強く指摘しておきたいと思います。
    〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕
 それからもう一つの問題は、もう時間がございませんので、先ほど参考人の皆さん方からお話がございましたが、ここに非常に大きな欠陥は、ダブルチェックされるという機構としてはあるわけですけれども、実態としては、会社の方から出されてまいりました書類審査だけでしょう。たとえば、一般排水路のマンホール等が汚染の処理建屋の中にあったなんというのは、本来ならそういうものが全部建設工事の図面が出てくれば、そこで適当であるなりないなりというのが出ますけれども、会社の方からそれが出てこなければ立ち入って検査するということはないわけでしょう。つまり、書類検査だけにすべてが終わっているのではないか。そうすると、書類検査だけということになってまいりますと、そこに、会社の方から出されてくるのに間違ったものあるいは不都合なものは載っけないわけですからそのまま通っていくのは当然じゃないか、こういう悩みあるいは問題点というものは、私は、政府側、通産省といたしましてもあるいは科学技術庁といたしましてもお持ちだと思うのです。こういう書類審査だけじゃなしに、たとえば会計検査院等も、堤防なら堤防を崩して、これが本当に基準どおりの骨材が使われているのかどうかということまでやるわけでしょう。こういったことがいままでなされているのか。ただ書類審査だけで、信頼に基づくその審査の上に立って、はい結構でございますということになり下がっていはしないかということが一点。
 時間が来ましたが、これはひとつお聞きをしておきたいのでありますが、マンホール十カ所の中で、マンガンだとかコバルトが検出されておりますし、もう一つ、三カ所ばかりからセシウム137が検出されたということが、これは高橋審議官の方でしょうか、科学技術特別委員会の方で御報告があったようです。こういたしますと、いままでの報告の中でどうも炉本体のところに問題がありはしないか。もちろんまだ十分調査、検査がなされていないのだと思いますけれども、その炉本体からの漏れというものがこの敦賀発電所においては起こっていはしないかという実は心配をするわけです。
 この二点につきましてお伺いをしておきたいと思います。
#71
○高橋(宏)政府委員 まず、ダブルチェックシステムをもっと完備すべきではないかという御指摘でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、現在の工事計画の設計認可システムにおきましては、この一般用の排水路の設計図と申しますか配置図の記載が行われていないということから、その審査のときに発見できなかった。このことにつきましては、今度のことにかんがみまして、それがチェックできるような改善措置を今後十分前向きに検討していきたいというぐあいに考えております。
 それから、九つのマンホールからのどろの放射能測定結果を発表いたしておりますが、そのうちの三つのマンホールからセシウム137が微量ですが発見されております。これにつきましては、私どもは現在のところ、この原子炉の中におきます燃料に顕微鏡サイズのピンホールがございまして、その中のいわゆる核分裂生成物がごく微量ですが、炉水の中に出てくることは従来からございます。そういうものがフィルターを通りましてフィルタースラッジという形で今度の廃液タンクの中にコバルト、マンガンと一緒に入ってまいりました。それが三月八日のオーバーフロー等の原因でマンホールの中に入ってきたというぐあいに現在解釈しております。
 しかし、これは現在進行中でございまして、いわゆる核種と汚泥から発見されました放射能レベルというものを突き合わせて、十分検討して結論を出すつもりにいたしております。
#72
○後藤委員 時間が参りましたので、これは伊藤参考人にちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。
 けさの新聞にもちょっと出ておりますけれども、これは私たちがよく聞かされることでありますが、この汚染の除却作業等をしていくのが下請、孫請というところにおろされていっている。先ほど私は、運転管理専門官あるいは審査官とか調査官とかいろいろ言われる専門的な知識と能力を持っておる人々の体制自身も大変脆弱ではないかという指摘をいたしましたが、まして下請とか孫請等の労働者ということになりますと、これは恐らく原子力発電あるいは核エネルギー等に対する知識はお持ちでないだろうと思うのですね。こういう人々が、ただ線量計をつけて被曝の限度内であれば後はいい。そして、先ほどの報告でもバルブを締め忘れておったというようなこと、こういうようなことをまた下の段階から上へずっとチェックをしていくという機構が整備されていないんじゃないか。もう任しちゃって、そしてそのままにされている。昨年野田次官も御苦労になった静岡駅前のガス爆発の事故だってそうだ。みんなそういう下請、孫請というようなところで、専門的な技術とライセンスを持っていない人々がやっている。それは次にまたチェックしていかなければならぬ。そのチェックの機能が全くないですから、だから予測せざる事故というものが起こる。しかも、それが起こってくるともみ消していこうとする、あるいは隠し通そうとする、報告がおくれる。こういううそで塗り固められたような状況に追い込まれてきている。原子力発電という非常に重要な技術を利用していきながら私たちが生活するということに対しては、すべてが余りにも脆弱過ぎはしないか。したがって、各九電力あるいはこの日本原電もそうですけれども、こういったところの体制というのは皆下請、孫請、こういう労働者によって行われている。
 その技術訓練なり能力開発というものはどういうふうになされているのか、この点を最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#73
○伊藤参考人 お答えを申し上げます。
 最初のお尋ねの件でございますけれども、発電所の保守運営に関しまして、ある一部の地域が汚染いたしましたときの除染作業と申しますのは、これはそれぞれの会社の社員が指示をいたしますが、それだけでは十分でございませんので、ある程度の下請を使用することはあろうかと思います。
 ただ、下請と申しましても、発電所の管理区域の中に入りまして作業をいたす者でございますから、少なくとも除染に関します作業員につきましては、放射線がいかなるものか、ある程度の基礎的な知識は十分教育をいたしまして、セレクトいたしました人員を使っているはずでございます。
 ただ、御指摘のバルブの締め忘れ云々の件に関しましては、原電さんのことでございますから確言はいたしかねますけれども、原則といたしまして、そういう運転員は発電所の正規の従業員が携わっているはずだというふうに解しておりまして、下請なんかに任されていたんではないのではないかというふうに存じておる次第でございます。
#74
○後藤委員 終わります。
#75
○原田(昇)委員長代理 水田稔君。
#76
○水田委員 与えられた時間がわずかでありますので、まとめて質問したいと思います。
 参考人にお伺いしたいのですが、オーバーフローした廃液の全体の量がどのくらいだったのか。
 それから、これに五十六人、下請四十八人、原電の職員八人ですか、というような大量の人員を動員して除去、除染作業をやっておるわけですね。一人一人の名前は結構ですが、たとえば番号で一から五十六まででいいんですが、そういう人たちが、人によって違うと思うが、どれだけの時間作業したか、あるいはその個々の被曝線量が一体幾らだったのかということについて、おわかりならひとつ御説明いただきたいと思います。
#77
○浅田参考人 お答えいたします。
 オーバーフローいたしました量でございますが、これは私が冒頭に申し上げました量、約十六トンというのがただいま推定いたしております量としては正確な量だと存じております。
 それから、被曝のデータでございますが、これは五十六人分持参しておりますので、ここで続み上げさしていただきます。――ずっと数字を読み上げてよろしゅうございましょうか。
#78
○水田委員 時間の関係がありますので、いただければいただいて……
#79
○原田(昇)委員長代理 それではこうしましよう、最高、最低程度をちょっと言っていただいて、あと、その資料を提出してください。
#80
○浅田参考人 作業中の者で一これは、除染作業は、先ほど申しましたようにわりに長い日数がかかっております。その間に何回かに分けて除染をいたしておりまして、それの全部に携わった人数が、先ほど先生御指摘ありました五十六名でございますが、その中で最も高い者が、この除染作業で受けました被曝量は百五十五ミリレムでございます。これはポケット線量計による値でございます。
 それから、先ほど申しましたように、下請作業員の総人・レムは一・九程度でございますので、それを五十六人でお割りいただきますと一人当たりの平均が出てまいります。申しわけございませんが、平均は計算してございません。――失礼いたしました。下請作業員は五十六人でございません、四十八人でございます。それから当社社員につきましては、携わりました者は八名でございまして、そのうち最も多い者が十一ミリレムでございます。トータルにいたしますと六十七人・ミリレムでございます。
 以上でございます。
#81
○水田委員 最も長い時間除染作業に従事したのは何時間しておるかということを聞いたのですが……。
#82
○浅田参考人 ただいま資料を持っておりませんので、申しわけございませんが……。
#83
○水田委員 それは持ってきてないということですか。それはちゃんと調べておるわけですか。
 それからもう一つ、時間がありませんから申し上げます、これはポケット線量計だけで見たものですね。作業する者は当然フィルムバッジをつけていますね。
#84
○浅田参考人 はい。
#85
○水田委員 これは、たとえば三月八日の事故なら、三月一日から三月三十一日のものはこれで見るわけですね、きちっと一カ月分を。
#86
○浅田参考人 さようでございます。
#87
○水田委員 被曝線量管理というのはそういうことですね。
#88
○浅田参考人 はい。
#89
○水田委員 その現物は出していただけますか。
#90
○浅田参考人 現物と申しますのは何でございますか。
#91
○水田委員 フィルムによって確認した……
#92
○原田(昇)委員長代理 委員長の指示に従って発言してください。
 水田稔君、要望事項をしっかりおっしゃっていただきます。
#93
○水田委員 フィルム自体を提出していただけますかと、こう言っているのです。
#94
○浅田参考人 フィルム自体は現像してございまして、これは私どものところではございませんで、権威のある第三者機関で現像されております。したがいまして、これが提出できるかどうか、私にはちょっと判断がつきかねます。
#95
○水田委員 被曝線量というのは、それが一番正確ですから、ぜひ提出するように。会社の方は提出できないという理由はあるのですか。ないですね。なければ、委員長、ぜひ。会社は見ておるのでしょう、それは。見なければ被曝管理はできないでしょう。それらが出ないで、一般的に幾らの被曝線量という発表は、これは事実かどうかはわからぬということになるわけでしょう。
#96
○浅田参考人 お答えいたします。
 フィレムバッジは月末に集めまして、第三者の鑑定機関おくりまして、その鑑定機関で被曝量をフィルムの黒度から計算いたしまして、その計算値を私どもにいただいております。しかし、フィルムは私どものところには返ってまいりません。それが現状でございます。
#97
○水田委員 今回の場合は、ことにその点が、いろんな水漏れにしたところで、これだけの汚染廃液を流しながら全部を隠してきたわけですから、そういう点では、そこで働いている労働者の健康という点からも正確な事実を把握することは私ども必要だと思うわけです。これは会社が提出するものですから、その機関が会社へ返さないということはないと思うのですね。ですから、よそのものをとってこいというのじゃないですからね。会社が出せないというなら、委員長、これは大事な資料ですから、提出を委員長の方からぜひ実行するようにしていただきたいと思います。
#98
○原田(昇)委員長代理 水田稔君に申し上げます。
 本件は理事会において協議いたしたいと存じますので、後刻決めます。
#99
○水田委員 といいますのは、検査官が、こちらから行った人でしょうが、十九日の立ち入り、十九日というのは三月八日からすれば四十日経過した中で、わずか二十秒から三十秒その中におっただけで三十ミリレムのいわゆる被曝をしている、こういうのですね。そうすると、三月の八日の時点というのは大変な放射性物質がそこに存在しておった。これは、たとえばその状態、いまの状態、十九日の状態で、五分間おったって三百ミリレム、この検査官の場合はそうなるわけですから、これだけの大量の人を動員して、たとえばバケツで二十杯という話もあるし、十六トンをやるといっても、大変な時間がかかっているのですね。そうなると、もとへ返った徹底的な調査をしないと、そこの作業員の被曝の実態というのが明らかにならない。私は最初から聞いておりますが、社長の発言等を聞きましても、軽微、軽微という言葉が使われる。まさにそのことがこういう発表になっているのではないか。だから、重大なものだとして受けとめてほしい、こういうぐあいに思うのです。
 では、理事会の方でぜひ提出方、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、時間がありませんからもうまとめてやりますが、たとえば給水管のひび割れの事故あるいは今度のように大量の廃液が建屋の中に流れ出るというような場合、社内の手続としては一体どうなっておるのですか。あるいは問題は、報告漏れというのはよその発電所でよく起こるのです。軽微だから報告しなかった。軽微という判断のあれは、これはエネ庁にも聞きたいのです。両方で答えていただきたい。社内的にはどうなっているのか。あるいはその通報ということについては、どこまでは軽微でしなくていいという規定があるのか。会社の方とそれからエネ庁と、両方から御答弁いただきたいと思います。
#100
○浅田参考人 ただいまのシステムでは、軽微という判断をいたします場所は二つございます。
 異常が起こりますと、すべてそれは、当社におきましては、発電所の中では当直長のところに情報が参ります。当直長は軽微の判断はいたしませんで、発電課長のところにそのまま報告が参ります。そこで、発電課長が第一段の判断をいたしまして、軽微であるかないかということが一つございます。発電課長が軽微でないと判断いたした場合には、これは所長まで参りまして、所長のところで外へお出しする判断をいたすわけでございます。
#101
○高橋(宏)政府委員 私どもは、いま非常に詳細な分野で検討いたしております。
 たとえば第一回目の給水加熱器の漏れでございますけれども、これが報告に当たるかどうか。たとえば法律上、「主要電気工作物の損壊事故」となっております。損壊事故というのは、著しくその機能を失うこと、こういうぐあいになっております。この場合、漏れの実態と、そしてこの機能との関係を詰めなくちゃいけません。そういった観点から、軽微と申しますか、あるいは著しいと申しますか、そういう点についての詳細な検討をいましているところでございます。
#102
○水田委員 よくわからぬです。たとえば今度の場合ですね、会社が軽微と判断して通報しなかったわけですね。いわゆる内部告発により、あるいは県の調査によっておかしいということでわかった。たとえばそういう基準はないのですか。会社のいまの報告を聞きましても、これはそれぞれの課長の判断あるいは所長の判断――判断になる基準がないところに軽微だという判断を勝手にしておるんじゃないですか、会社が。それは通産省として、これは報告しなくてもいい、これは報告をしなければならぬという基準があるのですか。会社が言うのは、軽微な事故だから報告しなかった、こういうことを常に言い逃れに使っておるわけです。
#103
○高橋(宏)政府委員 二度目の放射性廃棄物、放射能の漏洩に関しましては、電気事業法の報告規則のうちの「放射線事故」というものに相当するかどうかということになります。その際、「「放射線事故」とは、」途中省略いたしまして、「放射性物質により過度に汚染することをいう。」となっております。それで、この放射性物質に過度に汚染する判断は、それぞれの場所あるいは対象物によりまして許容基準というものが別途決まっております。それに照合しまして、超えておったかどうかということが一つの基準になるわけでございます。
#104
○水田委員 時間がありませんから、これ以上これは申し上げませんが、実はその判断になるものが、常に会社が軽微と言う安易な運転の方向へ行っておるという事態がありますから、明確に今後の問題としては次の機会にもう一遍質問するか、あるいは明確でないんなら内部的に詰めた作業をやっていただきたい、こういうぐあいに申し上げておきます。
 時間がありませんから、あと一つだけにします。
 実は、敦賀では増設工事というのは五回にわたってやられておるわけですね。最初の二回は科技庁も関係しておるが、後の三回は通産だけのいわゆる設計及び工事の審査がやられておるわけです。これは実は発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令があるわけです。その中で、当然審査すべきものとして、「放射性廃棄物以外の廃棄物を処理する施設と区別して施設すること。」これは当然それが審査されてなければならぬ。それからもう一つは、「放射性物質が漏えいし難い構造」であること、これに基づいて当然審査されておると思うのですね。ところが、現実にはこの二つの条項が守られていない。というのは審査そのものが私は言い逃れできないと思う。会社はもちろん問題です。こういう会社に原子力発電所を預ける、運転さすことがいいのかどうかということも問題だと思いますが、いわゆる審査した側にも法的な責任があるんじゃないかというのが一つ。
 もう一つは、これは通産省も科学技術庁も一緒ですが、事故があった場合には必ず安全サイドに働く二重の装置がしてあるから安全です、外国の原子力発電とは違いますと言って、国民に徹底的に原子力は安全だ、安全だと言ってきた。まさにそれが覆される現実が起こったわけですね。私は、一つは法的に通産省、責任があると思います。会社も責任があるけれども、通産省は会社が悪いんだと言ってしかるだけではだめだと思いますね。その反省がなければならない。だから、通産省自身の責任の問題と、国民に対して安全を宣伝してきたことが事実でなかったことに対する反省をどのように考えておるか。これはエネルギー庁もさることながら政務次官からも、これは政府の責任の問題ですからお答えいただきたいと思います。
#105
○高橋(宏)政府委員 まず区別すること、あるいは漏洩しがたい構造であること、御指摘の点は技術基準でございます。
 技術基準は、一般的にその発電所の維持義務としてかかっております。こういう状態が常に維持されるという必要性があるわけでございます。一方、認可のときに工事計画を審査するに際しましては、それに必要な添付資料等を出させまして、それに基づいて審査するわけでございます。それで、現在この添付審査資料に一般排水口の記載がなかった、こういうことでございまして、この点は今後検討すべき点の一つと、このように考えておるところでございます。
 なお、二重防護の点でございますが、原子力施設の安全を考えますときに、炉心そして圧力容器、燃料といったようなところがまず優先するのが当然でございます。そういうフェールセーフの考え方を全体としてどういうぐあいに各施設にアプライしていくか、こういうのが安全システムの一つの哲学になるわけでございますが、本件の問題にかんがみまして、こういう一般排水口といったような周辺施設につきましても、全体との有機的なつながりの中でバランスをとって押さえていく、私どもこういうような観点からの検討を行い、必要により強化してまいる所存でございます。
#106
○野田政府委員 水田委員御指摘のとおり、構造上の問題、その安全審査上の問題について、法体系上何か欠落しておった部分があるのじゃないかという反省を私どももいたしております。今後さらに検討を重ねて、改善措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#107
○水田委員 終わります。
#108
○原田(昇)委員長代理 北側義一君。
#109
○北側委員 時間がありませんので端的にお伺いをしてまいりたい、こう考えております。
 まず、先ほど来お話ありましたとおり、オーバーフローを知らせる警報機について伺いたいのですが、先般わが党の調査団の質問に対しまして警報装置はついておらない、このように答えられて、今後改善したいというように言われたと私は聞いておるのです。そこで、けさのニュースで、調査団の一員でありました草野議員の調査の結果、サンプポンプのところに警報装置は設置されておりまして、そしてオーバーフロー当時正常にこの警報装置が作動しておった、ところが夜間におきましては運転員が不在のためにその発見がおくれた、このように言われておるわけです。
 これは、いろいろいままでの新聞報道等を見ておりましても、この警報装置に限らず、発表される内容がくるくる変わっておるように思うわけです。そこで、やはり地元民や国民の原発への信頼回復を考えますと、このようなことでは相ならぬ、こう私は考えておるわけです。この警報装置についてはどうなんでしょうか。
#110
○浅田参考人 お答え申し上げます。
 スラッジ貯蔵タンクC、DあるいはオーバーフロータンクA、Bは、いつも上まで水が来ましたときにパイプを通してオーバーフローするようになっておりますので、このタンク類についてはオーバーフローの警報はございません。
 ただし、サンプにつきましては、まずサンプがいっぱいになりますとサンプポンプを起動いたします信号、これを私ども高レベル信号と申しておりますが、それを起動いたしましてもサンプがさらに高くなっていくというときに、高々レベルという警報がございます。これは先生御指摘のように、その時点で鳴っておるはずでございます。それをいろいろ当時の当直員その他に問い合わせしたのでございますが、この警報は御存じのようにだれかが手でボタンを押さない限り音がとまりません。しかし、この警報はずっといままで鳴っているわけではございませんので、だれかが手で押してとめたのに違いないのでございますが、だれがいつとめたかは私どもの調査でまだわかっておりません。
 以上でございます。
#111
○北側委員 これは非常に重要な問題だと思うのです。警報装置がありながら、警報が鳴ってそれをだれがとめたかわからない、これは非常に大事な問題だと思うのですよ。せっかく警報装置がついておりながら、夜間においては当直員もおらない、だれが警報装置のボタンを押したかわからない、これじゃ原子力の安全性というのは一体どこにあるのでしょうか。これはお話にならないと私は思うのです。
 それを言っておりましても時間がたちますので次にいきますが、三月七日の午後九時三十五分ですか三十分ですか、廃液タンクと配管を洗浄するため制御室で水を送り込むバルブをあけたときに、制御室であいていることを示す赤ランプがついたのかどうか。その後バルブを締めに行ったときに、締まっておることを示す緑ですか青ですか、ランプがどのようになっておったのか、これはどうなんでしょうか。
#112
○浅田参考人 先生御指摘の操作をいたしましたときに、赤ランプはつきませんでした。それが第一点でございます。したがいまして、青ランプがずっとつきっ放しであったということでございます。
#113
○北側委員 そうしますと、すでにそのときに制御室では、これは常識でも事故を確認できるわけでしょう。バルブをあけるために、ボタンを押すのかどうか知りませんが、そうした赤ランプがつくようになっているのですね。そうでしょう。それが青のままということは、すでにこれは子供でも処理できるような問題なんです。それであるならば、バルブをあけないでまずこれは調べることです。大体このバルブをあけるのは三カ月に一回ぐらい、しかも五、六分と聞いておるのです。それを、こんな初歩的なミスです。これではお話にならないと私は思うのです。
 その五分後に締めに行ったときに当然青だったのでしょう。バルブをあけた人と、五分後に行って締めなければいけない、これをやっておるのは一体同一人物ですかどうですか。
#114
○浅田参考人 当日のこの操作は二名の運転員がやっておりまして、あけた者と五分後に締めなければならない運転員は、この二名のうちの同一人であります。二名のうちのどちらとは申せませんが、同一人物でございます。
#115
○北側委員 ですから、これは私から言いますと全然初歩的なミスなんですよ。一体何をなさっておられるのか。やはりこれによって日本のエネルギー問題というのは相当大きな影響を受けると思うのです。ただ謝って済むような問題じゃないと思うのですよ。
 それと、敦賀発電所から通産省に四月十八日に報告されたメモ、このオーバーフローした流出量は何トンになっておりますか。
#116
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 現在、調査中でございます。ただいま原電側からは十六トン程度というお話がございましたけれども、私どもは最終的にまだ確定いたしておりません。そういう資料等も参考にしながら、最終的に何トン漏れたという推定値を出したいと思っております。
#117
○北側委員 通産省、私が聞いておるのは、十八日に報告されたメモにはどれくらいオーバーフローしたか、流出量はどのくらいと報告されておったかを聞いておるのですよ。
#118
○高橋(宏)政府委員 私の知っている限りにおきまして、そのときのメモには流出量は記載されておりません。
#119
○北側委員 これも、そうすると通産省も問題じゃないでしょうか。どれだけ流出したかわからないなんて、一体こんな調査があるでしょうか。
#120
○高橋(宏)政府委員 現在ございます資料は、床面のどの範囲が水で覆われたという図面、それからただいま御議論になっておりますバルブがいつからいつまであけっ放しになっておったかということ、これも御指摘のように実はいろいろ議論のあるところでございます。それからもう一つ、原電側の先ほどの説明にちょっとございましたけれども、バケツ等である程度ファンネルの方に持っていったというようなお話とか、あるいはサンプポンプで貯蔵タンクの一方の方に後から気がついてから戻したというような説明もございますが、そこにどのくらい戻したかというようなこと、考えるべき要素が三つ四つあるように思われます。一つ一つについて現在詰めておりまして、大まかな想像はつくわけでございますけれども、私どももう少し検討して最終的な推定値を確定したいと思っております。何しろ原状がもうございませんので、そういう資料からの推定になるわけでございます。
#121
○北側委員 床ドレンファンネル、これはあるらしいですね。私はどういう形をしているか知らないのですが、どういう形をしてどのくらいの量を、床に漏れた、いわゆるオーバーフローした廃液を下の中和タンクヘ排出できるようになっている、こう聞いておるのですが、一体ドレンファンネルとはどういうものですか、どれくらい排出できるものですか。
#122
○浅田参考人 床ドレンのファンネルと申しますのは、じょうごの上が約二十センチくらいの大きさの穴でございまして、そこに鉄の網が張ってございます。それがじょうご状になっておりまして、その下に、場所によりまして大きさが違いますが、十センチから十二、三センチの管がつながっておりまして、それが非常に大きな廃液中和タンクにつながっております。したがいまして、どのくらいがおりられるかというのは、廃液中和タンクの量によりますけれども、かなりの量が出ましてもそこで中和タンクがいっぱいになりまして詰まるようなことはございません。
#123
○北側委員 結局、このドレンファンネルというのは、上から流し込むわけにはいかないと思うのです。そうじゃないですか。この下の横の穴からそういう廃液が入るようになっているんでしょう。どうですか。
#124
○浅田参考人 いま、ドレンファンネルの上には網目のものをかぶせてあると申し上げましたが、それはある場合には格子の網のものがございます。ある場合には鉄板に穴をあけたふたがついているものがございます。したがいまして、ファンネル自身はそれを取りますとすぽんと穴があいておるわけでございますが、横から入るという印象が伝わる可能性はないではないと存じますが、実際にはそういう構造でございます。
#125
○北側委員 私は、いまなぜこれをお聞きするかといったら、十六トン全部床へ行ったわけではないでしょうが、かなり大量の廃液が床に流れておると思うのですね。それをバケツとかそういうもので、バケツ二十杯とか言われておりますが、処理した、こう言われるわけですね。私は非常に不思議に思うのは、近くにありますナンバー三のマンホール、ここから検出された濃度及び第一、第二マンホールから検出された濃度、第三が非常に薄いのですね。ですから、私ら素人でわかりませんが、勘ぐってみますと、そういうあれを第三のマンホールへ流して水で薄めた、だからそのように濃度が違うのではないか、これは素人考えかもわかりませんが、こうとってもいたし方ないのです。先ほどの話を聞いておりますと、初歩的なミスをそこでやっておられるから、それくらいのことは平気でやられるんじゃないかと思うのです。それはどうですか。
#126
○浅田参考人 第三マンホールとファンネルを距離的に比べますと、ファンネルの方がずっと近うございます。第三マンホールは隣の部屋にございます。そういうことから、私どもは、ただいまは先生御指摘のようなことはなかったんであろうとは思っておりますが、なお第三マンホールが特に薄い点につきましてはいろいろ調査をいたしております。
#127
○北側委員 三月九日にフィルタースラッジ貯蔵タンクのオーバーフローに気づいたとき、その発見者はだれに報告し、だれが原発所員八人を指揮監督して現場のいわゆる除染作業を指示したのか。また、下請企業に除染作業を依頼したのはだれの責任で、だれが監督に立ち会ったのか、これをお聞かせください。
#128
○浅田参考人 発見いたしましたとき、発見者は当直長に報告いたしました。当直長は、まず汚染されておる区域を区別する標識あるいはバリアというものを立てさせましてその次の直に引き継ぎまして、その次の直の当直長が指揮をしまして、直員五人、当直長一人で臨時に水を排出する作業をいたしたわけでございます。それから、このことは発電課長まで報告されまして、発電課長から放管課長、保修課長と協議いたしまして除染伝票が出されております。
#129
○北側委員 先般、わが党の調査団が現地で入手しました当直長の運転日誌、これの三月九日分を見ますと、「故障機器」の欄に次のように記載されておるのです。
 つまり、「フィルタースラッジライン フラッシングバルブAO−デルタ−二七五L/SについてMRF」とあるわけです。私は余り詳しくわかりませんが、これはバルブ自体が故障していたため修理した、こういう意味ですか。
#130
○浅田参考人 いま先生お読み上げいただきましたものは、先生が最初に御指摘になりました緑のランプがつきっ放しでそれが赤にならないということを修理してくれと申す修理伝票を出しましたという記述でございます。
#131
○北側委員 このバルブの赤がつかなかった、青だったというのは七日なんですね。この運転日誌の報告が九日になっているんです。この二日のずれはどうなんですか。
#132
○浅田参考人 二日のずれについては私は正確に存じておりませんが、修理伝票が出ました時点ということで記載されますので、口頭ではもちろん早く言ってあるであろうとは思うのでございますが、伝票の出は二日おくれております。
#133
○北側委員 これも問題に思うのです。このような大事なことが、七日に起こったことが九日の伝票に、運転日誌に出てくる、こんなことは非常におかしいんじゃないかと私は思うのです。まして原子力のそういう最も大事な問題について、運転日誌が二日もおくれてバルブの故障が出てくるなんというのはちょっと常識では判断できないのですね。ずいぶんおかしいと思いますよ。責めたって仕方ないですが、しかし、これは起こるべくして起きた事故だ、私はそうとらざるを得ないです。これは間違いなく人為的な事故です。
 運転日誌がもう一つあるわけです。それは「廃棄物処理設備運転日誌」というものです。ここにありますが、これもわが党の現地調査団が入手したものです。三月八日日曜日の「(特記事項)」の欄に次のように記入されているのです。「NFSISt T オーバーフローによりR/W一FLに汚染あり」こう書いてあるのです。
    〔原田(昇)委員長代理退席、委員長着席〕
そして、その中に上司が報告を受けたことを示す印鑑が押されているわけです。だから、この運転日誌から見ますと、課長さんの判があるわけですから恐らく所長さんまで知っていたと思うのです。どうなのでしょうか。
#134
○浅田参考人 「廃棄物処理設備運転日誌」に書いてございました、いま先生お読み上げいただきました意味は、先ほどから議論になっております廃液貯蔵タンクの場所でオーバーフローが起こった廃棄物処理建屋一階に汚染があるという記述でございます。それが課長までの判こは押されているので課長は当然知っていたとおっしゃるのは、確かにそのとおりだと思います。
 それから、私ここでまことに申しわけなくおわびしなければなりませんのは、先ほどから御議論になっております所長は三月十日に知っていたのではないか、それを前に四月十八日に知っていたと言っているのに、三月十日という話がある、当然三月十日に知っているべきではないかという御発言が先生方の中からございますが、これは私どもが全く不行き届きでございまして、調査団がいらっしゃいましたときに、三月十日にこの件について所内会議をやっております。所内会議には当然所長は出席していると思ったものでございますから、その時点で所内会議をやっておるので当然所長は出席しているはずだと申し上げたのでございますが、調べてみますと、その所内会議には所長はおりませんでした。これは私の発言ミスでございまして、訂正させていただきたいと存じます。
#135
○北側委員 所長が御存じかどうか、そんなことは――たとえばこの「廃棄物処理設備運転日誌」というのは三月八日の分なのです。こういう特記事項が書いてあるのです。それを所長が知らぬ、これも常識外れです。三月十日に出ておらないからわからない、それは通用しないですよ、こういうものがはっきり出ている以上は。私はそう思うのです。
 また、これは通産省にお伺いしたいのですが、運転管理専門官のチェックについてです。このように「廃棄物処理設備運転日誌」にも「(特記事項)」として「汚染あり」と記載されているわけです。また、当直長の運転日誌にもバルブのことが書かれているわけです。運転管理専門官はこれをいつ知ったのですか。
#136
○高橋(宏)政府委員 事情聴取によりますと、バルブの開閉を表示するランプの修理が記載されておる運転日誌につきましては、提出されたものに確認されると申しますか書いてあったということでございます。ただし、これはバルブと申しますよりむしろランプの故障伝票だということで、しかも、それが非常に複雑な記号でございますので、特にその点を指摘することはございませんでした。
 それから、いまおっしゃいました「(特記事項)」につきましては、私どもはその件を見ておらないという事情でございます。
#137
○北側委員 「(特記事項)」の中に「汚染あり」と明確に書いてあるのですよ。何のための専門官かと思うのです。専門官の方も、異常なしというような報告だけを口頭で受けて、それをそのまま見逃すというのは、一体何のためにそういう専門官を置かれておるのか、私はこのように疑義を持っておるのです。「(特記事項)」の中に、八日にはっきり書いてあるのです。「汚染あり」と、このように書いてある。大臣通達の件もあるのです。軽微なそういう汚染についても報告をしなさいと通達が出ているはずです。であるならば、「汚染あり」と明確に書いてあった以上は、通産省に報告があってしかるべきだと私は思うのです。この点どうなのですか。
#138
○森山(信)政府委員 ただいまの先生の御指摘は大変大事な問題でございまして、私どもの専門官の名誉にかけて申し上げますと、三月八日時点及び四月十八日時点で詳細にチェックさせておりますが、記載はございませんでした。
#139
○北側委員 これは大問題です。そのとき記載がされていなかった、通産省はそう言っておられる。これは現に記載がされている。これはどういうことですか、一体。答えてください。
#140
○浅田参考人 記載がされておらないといまおっしゃいましたのは、運転管理専門官にお見せしております運転日誌の話であろうと私は了解いたします。
#141
○北側委員 時間が来たからやめますが、どうなのでしょうか。
#142
○高橋(宏)政府委員 いろいろ種類がありまして混乱して申しわけございませんが、私どもがチェックいたしておりますのは運転日誌でございます。
#143
○北側委員 では、「(特記事項)」で「汚染あり」と書いたことが――大臣通達で少なくともそういう問題については報告せよとなっているのですよ。そうでしょう。それを知りませんじゃ、これは済まぬですよ。
#144
○高橋(宏)政府委員 私どもの専門官の仕事のやり方でございますけれども、いろいろと御説明いたしておりますが、いろいろな記録類、非常に膨大でございますので、まず会社側から前日にありました運転上あるいは保守、改修等で主なものの報告を受けるわけでございます。と同時に、それに関連します書類を照合する。同時に、今度は本日何をやるかというスケジュールを聞くわけでございます。その中から判断いたしまして一日の行動日程を決めまして、必要なところを巡視するあるいは書類審査をする、こういう形をとっておりまして、本件気がつかなかったということにつきましてはいろいろ原因があろうかと思いますが、今後の対策も検討いたしますが、事実上その場においてはそういう事実が発見できなかったというのが真相でございます。
#145
○北側委員 もう時間が来ましたので、また後で一般質問等でやらせていただきますが、運転管理官ですか、この方についても、これから相当考えてエネ庁の方でもやっていただかないといけないのじゃないかと思うのです。こういうミスが起こるたびに、またこれは起こる可能性があると思うのです。だから、そこらを相当綿密なあれをやっていかなければ、将来にわたって非常に大問題禍根を残すのじゃないかと思うのです。
 その点をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#146
○野中委員長 横手文雄君。
#147
○横手委員 私は、現下わが国のエネルギーの事情にかんがみ、原子力の平和利用は推進すべきであるという立場に立っておるわけでございます。しかし、その前提は、あくまでも確たる安全性の確立がなされなければならないというのは当然のことであります。安全操業の立証、これこそが国民の信頼を得る最も大きな要因であると信ずるからであります。
 こういった観点に立って、今回の日本原電敦賀発電所における事故はきわめて遺憾であると言わざるを得ません。非常に残念であります。
 第四給水加熱器の漏洩の発見並びにその保修に対する報告の義務を怠ったということ。さらにまた、これが表に出されて、これの調査の最中に浦底湾における放射能の異常な検出、そしてその原因が三月八日に起こっていたスラッジタンク室における放射性廃液のオーバーフローによるものにほぼ間違いない、こういう指摘をされ、しかもこの三月八日のオーバーフローの報告がなされていなかったという事実であります。会社の言われる、安全を追求しながら安定的な電力を供給するというその姿勢、そして会社の中における管理体制は一体全体どうなってしまったのでございますかと言わざるを得ません。まことに残念であります。
 また、直接の指導機関であります、そしてまた安全について一元的責任を負う通産省の責任を一体どうなさるのか。しかも、現場でこういうことが起こってはならないということでわざわざ係官を現地に常駐させておきながら、この始末であります。私は、このことをまず冒頭に厳しく申し上げたいと存じます。
 さらに、この安全管理体制の不備についていろいろと述べられてきたことでございますが、私も二点にわたって申し述べます。
 その一つは、昭和四十八年福島第一原発において同じような事故が起こりました。そして、このときには放射能の汚染は管理区域内で食いとめることができたのでございますが、このときに通産省はこのことを大変重視して、全国のそのときに稼働していた原子力発電所に対して総点検をしなさい、かかる事故を起こしてはならないという指示を出された。受けた電力会社の皆さん方も、わかりましたと言って受けとめて、そして報告がなされていたはずであります。しかし、いま再びこの事故が起こったというのは一体どういうことなのでございましょうか。そのときに少なくても、このときの指示の詳しいことはわかりませんけれども、一つは、工業用のモニターテレビをこのタンク室に設置をしなさい、そして漏水がないか、オーバーフローがないか、そのことを常に監視しておきなさい、こういうことが指示されたはずでありますし、あるいはそこで、もしこのモニターテレビによっても発見できなかった、そういうときには少なくとも外にあふれないようにせきをつくりなさい、こういうことであったろうと思います。したがって、そのせきがつくられた、しかもそのせきの中にとどまらずなおオーバーフローした、そして室内に入ってきた、こういうことは絶対にないということは言えないのであります。したがって、もし第三段目のへいを乗り越えたにしても、そこにはモニターなどを設置しておいてこれが直ちに通報できるような体制をつくっておく、当然のことではございませんか。このことを怠っておられたということは大変残念に思う次第であります。
 さらに二つ目は、スリーマイルの事故があったとき、私たちは大変心配をいたしました。そして、このスリーマイルの事故を他山の石としようではないか、よく調べてみたらわが国ではそういったことは考えられない、人間が見間違ったら機械が教えてくれる、その機械がもし故障していたらそれは予備の機械が教えてくれる、こういう二重、三重のチェック機能になっておる、それはわが国で起こるはずがない、しかもわれわれは起こさない、こういうようにこの事故についての考えが述べられたわけでございますけれども、しかし今回、先ほど来指摘をされておりますように、幾つかの点を追ってみると、まさにスリーマイルと起こった事故の時点とその影響は確かに違いますけれども、その現象は同じようなものであったのではないかという気がしてならないのであります。
 たとえば、フィルタースラッジの移送が終了した、移送ラインを洗浄した。洗浄弁を開けたときに、その弁の開閉を示すランプは閉まりのままだった。しかし、現地に行ってバルブを見たらあいていたからそのまま運転をした。そして、五分後にその移送ポンプを停止した。しかし、そのときにバルブを閉めるのを忘れていた。しかも、そのすぐ前にこのランプはあいていても閉まりの表示をしているんだということを確認して――確認をするといいますか知っていて、わざわざ現地まで行ってあいているということを確認されたはずであります。その手落ちがあった。
 あるいはまた、そのときに、あのランプはあいていても閉の、閉まりの方の指示をしておるランプだということがつい先ほど確認されていたにもかかわらず、バルブを閉め忘れると同時にそのことも忘れてしまった、こういうことであります。
 その後パトロールが行われたはずであります。このパトロールの際に、決められたようにそのレベルをきちっと見ると、このタンクの水位が非常に高いということに気がつかれたはずでありますが、それが見逃されているということであります。
 あるいはドレンタンクのレベルのことについても、この弁については閉の、閉まりの方のランプがついているけれども、念のためにこれを確認に行けば開きの方になっていたということに気づかれたはずであります。あるいはまた、引き継ぎのときのデータ、記録データについてもそのことが明確に行われていない。
 最も大事なことは、先ほど来問題になっておりますように、オーバーフローした容積が一定量サンプにたまる、そしてそれを戻すときに、サンプポンプが起動するときには必ず警報が鳴るあるいは警報ランプがつくはず。ところが、鳴ったと思われるけれども聞いていない。これでは幾ら二重、三重の防備をしてみてもどうにもならなかったのではないかという気がするわけであります。それが機械の故障によるのかあるいは人為的であったか、これは調査の最中でございましょう。
 しかし、私が冒頭に御指摘申し上げましたように、安全性を前提にしながら、そしてそこに全力を挙げるという運転管理体制の中に大きな手落ちといいましょうか不備があったということは、この一連の流れから見て間違いないという気がいたしますけれども、私の指摘が間違っているのかどうか、こういうことについて通産省並びに参考人の社長に一言お願いを申し上げたい。
    〔委員長退席、原田(昇)委員長代理着席〕
#148
○森山(信)政府委員 ただいま原因につきましての調査を継続中でございますので断定的なことは申し上げかねますが、いま先生が御指摘のような状況があったというふうに私どもは判断いたしております。それで、会社側の安全、保安管理体制につきましての十分なる反省を求めたいと思っておりますし、また国としての安全行政のあり方につきましても、十分なる反省をもって対処をしたいというのが現段階の私どもの見解でございます。
#149
○鈴木参考人 ただいまの御意見にお答えさせていただきます。
 おっしゃられるとおり、まことに今回のことは申しわけないことの一語に尽きまして、非常に残念でございます。先生御指摘のとおり、設備においてもあるいは対策においても確かに十分でない点は多々あると認めざるを得ません。そういったことで私どもは、本当に事実はどうだったのか、そして原因はどうだったのかということを早く究明いたしまして、できるだけの対策をして、今後再びああいうことが起こらないようにやってまいりたいと思います。
#150
○横手委員 限られた時間でございますので、私は次の二つの大きな問題を提起をして、最後にひとつお考えをお聞かせいただきたいと思う次第であります。
 いま御答弁をいただきましたように、こういったことが指摘をされた、そうしてそのことをお認めになった、どうかこのことを今後の中に生かしていただきたいというぐあいに考えます。
 次に、私は、いろいろ取りざたされておる問題について多少私なりに整理のつかない問題がございますので、問題提起をしてみたいと思うわけであります。
 それは、いわゆる被曝線量の定義といいましょうか、そういうことについてであります。現場におられる人たちと一般の国民のいわゆる被曝線量に対する感覚、これが非常にかけ離れているのではないかという気がしてならないのであります。たとえば、このときに水がこぼれてきた、そしてそれを発見をされた、この水はいわゆるオーバーフローした上澄みの水だから大したことはないという認識を持たれた。そのときに必ずサーベーメーターではかられたに違いないわけであります。そして、これは大丈夫だということで、ぞうきんにしませて、これをバケツにしぼってしかるべきところへ捨てられた。これは中の従業員にしてみれば、この水はどこから流れてきたか、どれくらいの汚れを持っておるかということ、そしてサーベーメーターをつけてみた、それが反応しなかったから、よし大丈夫だ、みんなでこれを早く除去しよう、こういうことだろうと思うわけであります。ところが、一般の国民の皆さん方から見ておりますと、極端なことを言うと、何か毒物を素手でさわった、こういうような感じを持たれるのではないかという気がするわけであります。したがって、そういった点におけるギャップといいましょうか、もっと実態的な説明というものがかねてなされていなければならないのじゃないかというぐあいに思います。
 たとえば故障の問題にしてもそうであります。軽微な問題とは一体全体どういうことなんだ。話によりますと、百八十万個くらいの部品から成っておる膨大な設備だということであります。これは故障があるに決まっているわけであります。ですから、建屋そのものが一つのタンクみたいな形になっておる、これが原子力発電所の実態であろうというぐあいに思うわけでございますけれども、そこら辺の問題について私自身、大変奇異に感ずるわけであります。
 たとえばきのうの夕刊でございますけれども、夕刊のトップに「「大飯」でも冷却水漏れ」、こういうことが報道されました。これは大変な事故だろうということで一般の人は見るわけであります。ところが中を見ますと、通産省の皆さん方は、その処理は通常のプロセスだ、こういうことであります。あるいは関電の方の発言は、報告する必要のない軽微なものであった、こういうことがなされておるのであります。国民の皆さん方から見れば、新聞の夕刊のトップに載るというのは大事件だというふうに判断をされる。中を見ると、通常のことでございますよ、あるいは報告しないのでございますよ、こういうことだ。一体全体どっちなんだろう、こういうことで大変な迷いがあるのではないかというぐあいに思います。
 さらにもう一つ、あのときに福井県は、科学技術庁の指導をいただいて、敦賀湾内における魚介類には異常はございませんという安全宣言をなされた。ところが一方の新聞報道によりますと、ある水産物を取り扱っておられるところでは、福井県の魚介類集荷自粛を通達、こういうことになっており、当分の間敦賀湾を初め福井産の魚介類の集荷をしないように通達を出した、こういう内容になっておるわけでございます。国民の皆様方は、一体全体どちらを信用すればいいのであろうか、県が国の指導をいただいて魚介類は安全でございますという安全宣言をした。ところが一方の新聞を見ると、福井県のものは扱わないようにという通達が出た。こういったギャップ、ここら辺の整理がない限り、私はこの原子力発電の推進のために大きな障害となってくるに違いないというぐあいに考えるわけですが、通産省のお考えをお聞きするわけであります。
 次、続けます。さらに大変大事なことは、私も原子力発電の建設の現場を見てまいりました。何遍か見ております。あの本体の基礎工事、びっくりするくらいがんじょうなものであります。それは、中でいわゆる核分裂が起こって、そしてそれが放射能という危ないものを出す、だから大変重いものだからあれだけの基礎がなされるのでございましょうけれども、それにしては付属設備に基準の甘さがあったのではないかということを指摘せざるを得ないのであります。このスラッジタンク、これは発電機本体のかまの中よりももっと汚れたものがあのスラッジタンクの中に入っておるはずであります。これが保管をされるこの部屋が、耐震設計もなされるのでございましょう、いろいろな基準でなされるのでございましょうけれども、しかし、日本原電の敦賀発電所においては、わずか三十センチ下にあった一般排水口、これに気づかなかったというのは一体全体どういうことなんでしょうか。本体をつくるときには大変な工事がなされる、それと同じくらい汚れるものを保管しておくところに、検査の基準はあるのでしょうけれども、わずか三十センチ下に一般の排水口があったのに気がつかなかった。気がつかなくても、そこまでの検査の――しかもその検査は通ったということ、これはまさに付属設備に対するその基準の甘さというものを露呈したというぐあいに思うわけであります。これを厳重に見直すべきだ。
 さらに、これは絶対に漏れないようになっておる、そして二重、三重の防護がしてありますと言いながら、恐らくあしたかあさってになると、ひび割れから漏れてこれが入っていったということが発表されるのであろうと予想するわけでございますけれども、しかし、たとえは大変悪うございますけれども、いわゆる脱獄のプロみたいな人をつかまえてきて、プロでもこれは断じて逃げることができませんというような収容所をつくったけれども、素人がすうっと出てきて、そしてびっくりしてしまったというような現象が今回のこのことではないかという気がするわけであります。
 最後に、あれはいろいろな区域があるわけでございますけれども、こういったいわゆる管理区域内というのは一般の人を入れません。なぜ入れないか、放射能が漏れておる危除性があるし、漏れる可能性があるからあそこには入れないわけであります。したがって、入る人は服も着がえなければならないし、あるいは住所氏名も書いて入らなければならない、こういうことであります。それだけのことをしながら、そこを流れてくる水をチェックをしないとは一体どういうことなんでしょうか。漏れる、あるいは漏れる可能性があるから、人間が入っていくときでもきちっとこれを防護していく、あるいはきちっと届けをしていく、水がそこを流れてくるのを何にもチェックしないというのは一体全体どういうことなんだろうか。少なくとも管理区域内あるいは管理区域内の近くを流れる自然水といえども、これを環境に放出するときにはモニタリングをつけるべきだ、こういう気がしてこのことを提言するわけでございますが、私に与えられた時間でございますので、以上申し上げましたこのことについてひとつ御見解をお願い申し上げる次第であります。
#151
○高橋(宏)政府委員 まず、一般の人と作業者で被曝線量に関する感覚が違うのではないかという御指摘でございますが、逆の意味で、やはり作業者がこの被曝線量についてのなれがあったということも言えるわけでございまして、その辺は今後十分注意いたしたいと思います。
    〔原田(昇)委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、大飯の新聞記事の件でございますが、私どもそういう情報を得まして、深夜にかけまして十分調査いたしましたところ、定期検査中にバルブを分解点検するその作業のプロセスとしまして外したときに、水抜きをして外すわけでございますが、どうしても中に水が残りますので、その水が下にしたたったということでございまして、被曝量その他も記録を確認いたしまして、非常に少量であるということで了解いたしております。
 それから、同じような意味で魚市場等で非常に魚価が低下したり、あるいは民宿等でキャンセルが続くというようなお話がございましたけれども、環境に対する影響は、県の衛生研究所あるいは科学技術庁等から、十分安全であるということは何度も出していただいておるわけでございますけれども、やはり風評によるそういう影響が出ておるという事実がございます。そういう風評をなるべく払拭すると同時に、そういう予測せざる被害がございましたら、協定その他に基づいて電気業者は当事者と十分誠意を持って当たるようにという行政指導をしていきたいというように考えております。
 それから、素人がすうっと出てきたという件でございますが、一般排水路におきまして、微量大量にかかわらず、放水口から出たのは十分安全なレベルにとどまっておったわけでございますが、あった、発見したということ自身、やはりこれは重要な問題ということで、特に管理区域と一般排水路との関係等につきまして、今後十分対策を強化してまいりたいというふうに思っております。
 なお、管理区域の中の水がモニターせずに出ているのはおかしいという御指摘がございましたけれども、実は管理区域、たとえば放射性廃棄物建屋の中でいろいろと扱います水につきましては、すべての水が管理される汚染水という系統の中で処理されまして、最終的に安全を確認して外に出す、コントロールされて出ているわけでございます。今回は、そういうところから一般排水路へ何らかの形で漏れたということを、そのルート調査を含めて重要視して原因調査及び対策を考えていきたいというぐあいに考えております。
 いずれにしましても、全体を通じまして徹底的な原因追及と今後の措置を慎重に考えてまいりたいというぐあいに考えております。
#152
○後藤(宏)政府委員 補足させていただきます。
 先生の御指摘のように、再三にわたります科学技術庁と県との間の魚介類についての安全なる旨の放射能分析の結果を公表しておりますが、一部の地域におきまして出荷自粛等が起こったことは事実でございます。
 ただ、私ども昨日水産庁に照会しましたところ、どうやら二十三日の午前十時四十分に名古屋の市場の自粛が終わったのを最後にいたしまして、出荷自粛といいますか、そういった姿は全部消えたようでございます。さらに、値段の方も徐々に回復の基調にあると聞いております。私どもとしましては、引き続きまして環境の把握に努めまして、これらの傾向を助長してまいりたいと思います。
#153
○横手委員 時間が参りましたので、これが最後でございます。
 先ほどいただきました答弁の、管理区域内からの一般水、汚染水の処理はなされておることは十分承知をいたしております、これは十分な検査をして出すということは十分承知をしておりますが、一般水についてもやはり疑ってみるということを今度は教えてくれましたよ、したがってこれをやるべきだということを申し上げておるのであります。
 最後に、私は、いまいろいろな問題提起をしてまいりましたように、特に会社の皆さん方にも申し上げます。このことによって福井県全体の漁民にもそういう影響があったということなのであります。大変残念なことではございましょうけれども、一般の人たちはそういう受けとめ方をするのだということをしっかりと受けとめて、これからやっていただきたいと思いますし、最も大切なことは、これを他山の石として再び起こさないように、そして起こさせないということの万全の態勢を組むことでございましょうし、いま進められておる調査その他についても、一切の感情を抜いて徹底的に、鋭く、冷厳に事実を追及していただきたい、そしてそのことを明らかにしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#154
○野中委員長 小林政子君。
#155
○小林(政)委員 私は、日本原電の社長にまず伺いたいと思います。
 日本原電は、去る一月十日、二十四日、二回にわたって給水加熱器のひび割れの事故を放置し、さらにまた三月八日の放射性廃液の流出事故につきましても、法律で報告義務がありながらこれを報告もせず隠してきました。また一般排水路が廃棄物処理建屋の地下を通っている、及びこの割れをハンマーでたたいて直すなど、本当に安全性と技術基準を欠く処理をしてきたということが言えると思います。こうした中で、この問題の解決は、一部の幹部の更送あるいはまた若干の手直しで解決ができる問題だとは思いません。
 私は、今回のこうした事故は電気事業者の資格に値しない、日本原電のこの企業体質を抜本的に変える必要があるのではないか、このように思いますけれども、その体質改善について具体的にどのようにされようとお考えになっていらっしゃるのか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。
#156
○鈴木参考人 お答えいたします。
 会社の体質に問題があるということ、私どももこの問題を契機に本当に真剣に考え直さなくちゃならぬ問題であることは確かでございます。私どもは、管理体制を徹底的に洗い直す、それから会社の中の組織から人間関係、心がけまでも全然新しいものにしなければ、この失墜した信頼は回復できないと、非常に身にしみて考えておるところでございます。
 そこで、当座は、先ほど来申し上げておりますように、事実の究明と原因、そしてさらにそういったことの対策をやりますけれども、それだけで物事は済むなどとは絶対に考えておりません。深刻な影響から考えますと、会社の姿勢等については全般にわたりましてもっともっと具体的に、真剣に措置しなくちゃならぬ問題だと私は考えておりますので、それで御推察いただきたいと思います。
#157
○小林(政)委員 それでは、日本原電の所長をされていた浅田さんにもお伺いをいたしたいと思いますけれども、日本原電は放射性廃液のオーバーフローが起きたこの原因について、先ほどからも論議がされておりますが、廃液タンクの洗浄バルブを締め忘れたということを言っておりますし、またその後で、ランプの故障でバルブが開いていたにもかかわらず閉じている表示になっていたということでございますけれども、開閉を示すランプはもともと故障していたのではないのですか、そしてそれを承知の上で原電は作動させていたのではないかというように思われますが、いかがでしょう。
#158
○浅田参考人 当日操作をいたしました最初のときに、スイッチをひねっても赤ランプがつかないということが初めて発見されております。その前に故障であったということは、調べましたが私どもには発見できませんでした。
#159
○小林(政)委員 私は、故障していたというのになぜ修理もしないでこれを稼働していたのだろうかな、こういう疑問を持ちました。
 それからまた、これは大変無責任じゃないかというふうにも思いましたし、もし故障が起きていなければ、なぜ今回のようなこういう高い濃度を持つ廃液があふれ出たのか、これを国民にわかるように説明してください。
#160
○浅田参考人 お答え申し上げます。
 ランプが故障しておりましたということが一つ、これはまさに先生御指摘のとおり、ランプが故障したままで、先ほど横手先生おっしゃいましたように、バルブ自身を見に行って、あいているのでそのまま操作したというミスが一つございます。それからもう一つは、あけたバルブを五分後に締めるべきところを締め忘れた、この二つのミスが重なりまして、先ほどから御議論いただきましたようなオーバーフローが起こったわけでございまして、これは二つのミスが、連続とは申しませんが、機械上のミス、故障と、それから人為的なミスとが重なってあのようなことになったと承知しております。
#161
○小林(政)委員 こうした体制では、私は本当の意味で原子力の安全体制ということは――いままでミスが起きてもそれを報告もしない、隠してくる、こういう体質の中ではこうした問題は後を絶たないであろう、このように思わざるを得ません。
 次に、時間の関係もございますので、電事連の伊藤参考人にお伺いをいたしたいと思いますが、日本原電の株の問題を見てみますと、七五%は九電力会社が所有しておりますね。これは、日本原電がまさに電気事業連合会で維持されているというものだと思います。そして、日本原電は原子力発電のパイオニアとしての役割りを負われてきましたし、また日本原電が取得した技術は他の原発の建設や運転のモデルにもなってきたわけでございますので、今回日本原電で発生した放射性廃棄物の流出事故が全国各地の原発に決して起きないということにはならないのではないだろうか、このように思われます。
 原電の体質は電気事業連合会の体質の反映ではないかとも思われますし、現に大飯原発でも事故隠しが行われているという中で、電気事業連合会の体質を今後どのように変えていかれようとされていらっしゃるのか、またこの事故問題で他の原発についてもどのようにこれを今後指導されていくのか、こういう点も含めて御意見をお伺いいたしたいと思います。
#162
○伊藤参考人 お答えを申し上げます。
 先生ただいま御指摘のように、日本原子力発電株式会社は現在九電力が約七五%の出資をいたしておりまして、原子力開発のパイオニアとして昭和三十二年に誕生いたしました会社でございます。従来、パイオニアとしての使命は十分果たしていただきまして、原子力開発に対して相当の寄与をしていただいたというふうに認識いたしておる次第でございます。
 先ほど横手先生からも御指摘のございました昭和四十八年に廃液の漏洩の事故が一度ございまして、その時点におきまして私ども連合会といたしましても関係御当局から詳細にわたる御指示をいただきましたが、今回の事故とある程度類似をいたしております。それに対しますいろいろな対策は十分施されてきておったわけでございますけれども、不幸にして今回原電さんの方でこれと類似の事故が発生いたしましたことは、まことに残念だと思っております。
 先ほど来諸先生方の御検討のお話をいろいろ承っておりまして、現在私どもが承知しております以外にもさらに詳細に今回の事故の内容を、今後通産御当局それから原電さん御自身の御検討を加えまして私どもも明確に把握いたしまして、一度あったことは二度起こってはいけないと思っておりますことが二度出ましたことをさらに深く反省をいたしまして、こういう事故の起こらないような対策につきましては、運転管理上の問題それから多少設備上の改善の必要の問題、その他参考にすべき点が多々あろうと思います。
 私ども自身も大いに反省いたしまして一層改善の努力をいたしますとともに、何しろわれわれのパイオニアとしてやっていただいています原電さんのことでございますから、原電さん御自身が自主的に立ち上がり、改善に志していただきますのは当然でございますけれども、連合会といたしましても、これにつきまして必要な御協力は申し上げて、ともにりっぱな安全な発電所の運営ができるように最善の努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。
#163
○小林(政)委員 安全管理という立場からも、電気事業連合会がすべての地域の原発に対して正しい安全対策をぜひやるような体制を考えていただきたいことを申し上げて、最後に通産省にお伺いをいたしたいと思います。
 この前の委員会のときにも質問をいたしましたけれども、各原発に運転管理専門官を十五名配置しております。この十五名の運転管理専門官は実際何のために置いているのか、こういう点が前回の質問でも私はよく理解できなかったので、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
#164
○高橋(宏)政府委員 私ども、スリーマイルアイランドの事故以来、発電所の運転中の管理監督が特に大事であるということの反省を含めましていろいろな対策を検討したわけでございますが、その一環としまして、かつ発電所の地元の皆様方の御要望も踏まえまして、発電所に常駐する運転管理専門官制度を発足させたわけでございます。
 いまやらせておる仕事は、大きく二つございます。一つは、常時の運転管理監督でございまして、これはその発電所の保安規定の遵守状況の一般的な監督業務でございます。それからもう一つは、スリーマイルの例を引くのは適当じゃないかもしれませんが、もしも何か事故がありました場合に、通産省から直ちに立入検査権限を与えられまして、機動的に事故の状況把握、それから本省への連絡等の業務が行える、そういう機動的な体制を常にとっておく、こういう二つの目的で設置しておるところでございます。
#165
○小林(政)委員 やはり安全体制の確保という角度から見ますと、現在の運転管理専門官は何かまだ非常に中途半端という感じで、この前も強く要望いたしたわけでございますけれども、権限の点でも人数の点でも、目的達成のための指導を具体的に実施していく、そういう専門官の執務マニュアルすらまだできてないと通産省では言っておると聞いておりますけれども、こういうことではならないんではないだろうか。もちろん電気事業者の自主保安体制の上で重要な地位を占め、役割りを持っているいわゆる原子炉主任技術者とともに、体制の一層の強化を図っていくということが非常に重要ではないだろうか。この点を強く申し上げ、また見解を若干お伺いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#166
○森山(信)政府委員 国の原子力安全に関します責務といたしましては、安全審査の体制の整備、それから安全の管理体制の整備、この二つがあろうかと思います。
 いま小林先生から特に安全管理体制の方の御指摘がございましたけれども、これも当然でございますし、いま申し上げました安全審査体制につきましても万全を期したいと思いますし、あわせて安全管理体制につきましての十分なる措置をとっていきたい、かように考えておる次第でございます。
#167
○野中委員長 伊藤公介君。
#168
○伊藤(公)委員 きわめて限られた時間でございますので、端的にお伺いをいたしたいと思います。
 私どもは、エネルギーで石油の次の時代を原子力発電に大きく期待をかけている立場からいたしまして、今度の事態はきわめて遺憾であるとともに、将来長く尾を引く、また国民に与えた影響はきわめて大きいというふうに思っておりまして、しかも事故の究明が少しずつ明らかになってまいりますに従って、きわめて初歩的な、あるいは単純なミスが指摘をされて、大変落胆をいたしているところでございます。俗な言い方をすれば、一般家庭でおふろ場の水をとめるのを忘れてしまったような、そんな単純なことがきわめて重要な作業の中で忘れられていたということは重大な問題だろうというふうに思っているわけでございます。
 すでに御質疑、御議論がありましたとおり、構造上の欠陥、そして管理上の問題点、大きく二つの問題があろうかと思いますが、廃棄物の処理建屋の中に一般排水路につながるマンホール、まさに起こるべくして起こるような建築構造になっていた。これは実は、お伺いいたしますと、増築計画が当時科学技術庁の安全審査を通って通産省の工事認可を受けていたということでありますが、原電の社長さん、責任者としてこの増築は適切であったのかどうなのか、まずお伺いをして、通産省からもその当時のいきさつを伺いたいと思います。
#169
○鈴木参考人 廃棄物処理場の建築その他問題があるじゃないかという御指摘でございます。
 先ほど来申し上げているとおり、確かにいろいろな点に、設備にも問題ございますし、それからそれを運転する際の問題もたくさん出てまいりました。これはまことに申しわけないことでございますけれども、率直に申し上げて、いろいろな問題が今度出てきたということで、私どもは本当に反省しなくちゃならぬと考えているところでございます。
#170
○高橋(宏)政府委員 一般排水路それ自体は、いわゆる電気工作物という範疇にはございませんので、それ自身は認可を要しないわけでございますが、他方、放射性廃棄物処理設備は当然認可が必要でございまして、所要の認可申請が行われ、審査をして認可したところでございます。
 しかしながら、この認可申請に際しまして審査する場合、申請書添付書類に基づきまして所要の審査をするわけでございます。本件につきましては、この添付書類におきまして問題の一般排水路に関する記載がなかったこと、またきわめて異例な今回のケースだったこと等から、私どもとしましては本件の認可に際しましてチェックをし得る状況になかった次第でございます。
 なお、先ほどからいろいろと御指摘いただいておりますが、こういうようなことがあったということを踏まえまして、今後どういうぐあいに改善していくかということは十分検討いたして、万全を期してまいりたいというぐあいに考えております。
#171
○伊藤(公)委員 この設計は、専門的な方々によって設計をされて工事をされたのか、あるいはきわめて単純に町の工事屋さんがやったのか、実際にこの設計工事を担当したのはどういう方でございますか。
#172
○浅田参考人 設計工事を担当いたしましたのは、有名な工務店さんでございまして、町の一工事屋ではございません。
#173
○伊藤(公)委員 われわれがいま事故が起きて考えてみましても、御専門の皆様方からすれば、一般排水路とこれだけ隣接をしていれば、しかも、これは装置は自動的になっていなかったわけですから、人為的にとめるのを忘れてあふれるということは当然考えられる。あふれて出れば一般排水路に出るなんということは、これはもう素人でもわかるわけですね。当時認可するのにそんなことをお考えにならなかったのでしょうか。時間がありませんから、一言だけお伺いしたいと思います。
#174
○高橋(宏)政府委員 当時それを審査するバックデータが添付されていない状態でございましたので、認可のときにはしておらないわけでございますが、一般的な基準といたしましては、放射性廃棄物の施設とそれ以外の施設が区別されて施設されていなければならないということは当然でございます。
#175
○伊藤(公)委員 実は、先ほどからお話がございましたとおり、ある意味では先導役を務めていただいた原子炉でございますが、当時同じような形でつくられたところに対する調査をすでに全国的にされているというお話を伺っております。チェックが十分でない構造上の欠陥がさまざま指摘をされておりますが、同じような構造上のものは現在あるわけなんでしょうか、御報告ができる範囲内でお答えいただきたいと思います。
#176
○高橋(宏)政府委員 本件のような事情にかんがみまして、念のため二十日の日に敦賀発電所以外のすべての発電所につきまして、一般排水路へ漏れ出るようなおそれのあることがないかどうか、及び一般排水路で放射能が漏れていないかどうか測定をする、この二つの点につきまして、資源エネルギー庁長官名をもちまして、いわゆる総点検の指示をしたところでございます。
 現在までの中間集計、中間報告でございますが、これでは、建物の下にそういう一般排水路が通っていることがないこと、及び一般排水路において放射能は検出されない、こういう情報を得ております。最終的な結論はもう少しかかりますが、中間的には、幸いそういう事例はないという報告を受けています。
#177
○伊藤(公)委員 詳しい調査を待ってまたお伺いをしたいと思いますが、現場の作業日誌にはこの事故が記されていた。しかし、運転日誌にはそれが報告されていなかったというお話でありますが、会社には保安規程がおありだと思うのですね。作業日誌あるいは運転日誌というものは会社の中ではどういう規定になっているのか。そして、その日誌を専門の、そのために派遣をされている運転管理専門官が見ていらっしゃらないということなんですが、これはそういう報告の日誌をきわめて規定どおり、もし専門官が見ていられればわかった、あるいはそこの責任者が見ていらっしゃればわかった。しかし、発電課長さん、保修課長さん等がその除去作業に携わっていながら、その上の報告がなされていなかったということですが、この作業日誌、運転日誌の社内規定、保安規程では規定されているのか。社内ではどういう規定で日誌がつけられているのか、また専門官としてはこれに当然目を通すべきであったのではないかというふうに思いますが、今後の対策も含めてお答えをいただきたいと思います。
#178
○浅田参考人 お答え申し上げます。
 運転日誌と呼ばれますものは、当直長引き継ぎ用の運転日誌でございまして、この日誌を書くことについては運転要綱で決まっておりますけれども、その中に何々を記載しろということが決まってございません。これは、私ども今回の経験から非常に不備であると思いますので、ほかの、先生御指摘のもろもろのものと関係をつけまして、体制を組むような検討をいたさせていただきたいと存じます。
#179
○高橋(宏)政府委員 運転管理専門官の仕事でございますが、先ほども御答弁いたしましたように、膨大な資料でございますので、会社側から、まず前日にあったことで主要な出来事及び本日その日に予定されております主要な工事あるいは運転上の変更等につきまして、運転日誌等に基づきまして説明を聞くわけでございます。それに基づきましてその日の専門官の行動が決まるわけでございます。その中で、この事実が報告されていなかったということでございまして、知り得なかったということはきわめて遺憾であると思っております。
 なお、現在、原電側のそういう社内規定あるいは権限規定等とも十分照合しつつ、あるいは細部にわたります記録類もチェックいたしまして、どういう不備と申しますか、結果的には報告されなかったルートがどういうことでなったかというようなことを十分調査いたしまして、今後の措置を検討してまいりたいというぐあいに考えております。
#180
○伊藤(公)委員 時間が参りましたので終わらざるを得ないわけですが、この日誌くらいは専門官が目を通す必要があるんじゃないでしょうか。いままで一切日誌は専門官は見ていらっしゃらなかったのですか、あるいはときどき見てときどき見なかったのか、あるいは一切見なかったのか、そのことだけお答えをいただきたいと思います。
#181
○高橋(宏)政府委員 専門官は、会社側の説明をもとにしまして、その説明を受けながら日誌類を見まして、そしてその日の行動を決める、こういうことを従来やっておるわけでございます。
#182
○伊藤(公)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、繰り返すようでありますが、きわめて御専門の皆様方がやっているにしては、余りにも単純な、そして起こった事態に対する処置がきわめてお粗末だ。われわれは原子力発電というものに大きな期待をかけているがゆえに、こうした事態に対しては速やかにやっぱり処置をとるということが、皆さんの仕事に対する国民の皆さんの理解を深めるということになると思いますので、今後徹底したこの原因究明をして、二度とこういうことがないように処置をいただきたい、強くお願いを申し上げて、質問を終わります。
#183
○野中委員長 菅直人君。
#184
○菅委員 私、この商工委員会は、昨年初めてこの衆議院に出していただいて最初の質問ということであります。そういう機会にこの原子力発電所の問題を取り上げるということは、私にとって大変に重要な場に出させていただいたと思っております。
 実は、私も大学時代は物理を専攻いたしまして、そういう点ではこういう原子力の問題なんかも当時はやったんですけれども、最近はかなり縁が薄くなったんですが、まず私自身がこの問題について感じたことは、核分裂とか核融合ということを人工的に起こしてエネルギーを引き出す技術、これは人間が生み出した技術の中でも大変にある意味ではすばらしい、ある意味では大変に恐ろしいとも言えるような技術だと思うわけです。そういう点で、果たしてこの核というものを人間がコントロールできるのかということ、これがいろんな面で問われているんじゃないかと思うわけです。一つは、言うまでもなく核兵器の問題です。そしてもう一つが、きょう大変問題になります原子力発電所の特に廃棄物の処理、果たしてこれが人間の知恵でやれるのかどうかということが問われている。私は、これは一種の文明上の問題ではないかというふうに思っているわけであります。
 前置きはそのくらいにして、時間も少ないものですから、個別的な問題を幾つか御質問したいんです。
 まず通産省にお聞きしたいんですが、原子炉等規制に関する法律や実用規則によれば、原子炉設置者は、相当詳しい項目がありますけれども、大体七種類の項目、細かく言えば三十四項目にわたって記録事項をとらなければいけないというのが、規則の方で言えば七条に出ております。通産省はこの記録を今回の件において入手をされたかどうか、その点をまずお聞きしたいと思います。
#185
○高橋(宏)政府委員 現在、十名の立入検査官を派遣して現地調査をしておりますが、その一環としてその記録を入手中でございます。
#186
○菅委員 その入手されたものをぜひ公表していただきたい。通産省、いかがでしょうか。
#187
○高橋(宏)政府委員 原則そういうことだと思いますが、運転日誌等の中には、核燃料の配置とか制御棒の位置その他ハード、ソフト両面にわたる記載がございまして、一つには平和利用担保のための国際的な約束、たとえばフィジカルプロテクションとかセーフガードの問題もございますし、あるいは商業秘密の問題もございます。そういうことを十分配慮しなければいけませんが、原則公開という立場をとっております。
#188
○菅委員 この項目の中に表があるわけですが、第四の表には「放射線管理記録」というのがあって、いわゆる施設内の放射線量を常に記録しておかなければいけないということが出ているわけです。
 最近の報道によれば、通産省が検査官を派遣されたときに、非常に短時間で三十ミリレムという照射があったというのが報道の中では出ている。これは確認がとれないのですが、そういうことはその当時の、いわゆる事故が起きて以来のこのデータを見ればはっきりわかるはずなんですね。ですから、いろいろなノーハウが秘密だとかということを通産省は言われているようですけれども、少なくともいま言いましたこの第四項目の「放射線管理記録」、第五項目の「保守記録」、こういった点はほとんど技術内容には直接には触れない問題ですが、これは約束していただけますか。
#189
○高橋(宏)政府委員 お答え申し上げます。
 放射線管理等の報告書はすでに公表しておりますので、お届けできると思います。
#190
○菅委員 公表されているのは作業員に対する被曝の線量であって、物理的なその場所における線量は公表されてないはずです。いかがですか。
#191
○高橋(宏)政府委員 私どもが把握いたしております放射線関係の報告でございますが、原子炉等規制法に基づく運転規則のうち、排気口及び排水口等における放射性廃棄物、放射性物質の濃度等原子力発電所に係る放射線管理の監視器から、必要な事項につきましては報告書として公表いたしておりまして、個人の被曝データ以外に、いま申し上げましたような発電所の資料、記録を公表いたしております。
#192
○菅委員 時間もないので、一応公表を約束していただいたということに理解したいのですが、重ねて一応言っておきますと、この第四項イに「原子炉本体、使用済燃料の貯蔵施設、放射性廃棄物の廃棄施設等の放射線しゃへい物の側壁における放射線量率」、つまり廃棄物処理施設におけるその壁面のすぐそばの放射線量の率が、本来は運転中は毎日一回記録をすることになっているわけです。こういうものを公表してほしいということを重ねてお願いして、時間がないので次の問題に移らしていただきたいと思います。
 私は、きょうの審議をずっと聞いていても、一番大きな問題が少し抜けている。つまり、外から当たった放射線についてはいろいろ議論がされたのですが、空気中なり水なり何かの中で体に入った放射線量の問題がほとんど抜けているわけですね。
 それで、いまそういう内部被曝をチェックするためにホール・ボデー・チェックという制度があることは、もちろん会社の参考人の方は御存じでしょうが、入退所のとき、定期的な三カ月おきの場合または放射性物質を摂取したおそれがある場合にこのチェックをなさることになっているはずですけれども、今回のことでこの除染に当たった作業員のホール・ボデー・チェックをなされたかどうか、参考人の方にお聞きします。
#193
○浅田参考人 今回の除染作業につきましては、長ぐつ、ゴム手袋、マスクという形でさせましたけれども、ホール・ボデー・カウンターは入域のとき、退域のとき、いずれもいたしております。
#194
○菅委員 入域、退域と言われますけれども、じゃ具体的に私の方に出していただいた、きょうも百五十五ミリが一番最高だとかというこのデータと重ね合わせられるような形で、また一日一日ないし今回やられたホール・ボデー・チェックのデータというものは見せていただけますか、それをやられたというのであれば。きのうまで聞いた限りでは、ホール・ボデー・チェックについての資料はなかなか出てこなかったのですけれどもね。
#195
○浅田参考人 ホール・ボデー・チェックは、所員につきましては三カ月に一遍という法定のもの、それから入所するときに一遍、退所するときにもいたします。
#196
○菅委員 ですから、最初に言ったように、入所、退所のとき、定期的なとき以外に、放射能物質を摂取したおそれがある場合にはやられるというふうになっているはずじゃないですか。それをやられたかどうかということをお聞きしているわけです。
#197
○浅田参考人 最初に申し上げましたように、このときはマスクをかけて作業させておりますので、摂取のおそれはないと思っておりまして、してございません。
#198
○菅委員 私は、そこにやはり内部被曝に対するチェックが不足しているということを非常に感ずるわけです。つまり、マスクをしていても空気は吸うわけですから、蒸発している部分の中にあれば当然体に入るわけです。そういう意味では、これは時間があればもっと聞きたいのですが、バッジの検査とかそういうものというのはかなり自己申告に頼っておられる面が多いわけですけれども、ホール・ボデー・チェックは体全体から出る放射能をチェックするわけですから、これは自己申告とかなんとかは一切なくて機械的にとれることなんです。ぜひこれをやっていただきたいと思うわけですけれども、いかがですか。
#199
○浅田参考人 十分御意見を御参考にしまして、検討いたします。
#200
○菅委員 これと関連して今回特に非常に重要な問題は、セシウム137が検出されたという問題なんですね。
 これはマンガンやコバルトとかと違って半減期が相対的に非常に長く、約三十年にわたる半減期を持っているわけです。しかも、朝からの議論で言えば、ごく限られた範囲の土から出たと言われておるけれども、少なくとも一般排水口から七百メートル沖合いですよ。つまり七百メートル先の、それも水がたまっている中でホンダワラから検出されたということは、決してそんなにすぐそばというわけじゃないわけです。そういう点では、先ほどの内部被曝の問題と重ねて、現在行われている環境モニタリングの保安規定の中で、どろとかそういう指標植物のチェックを義務づける必要があるのじゃないか。先ほど申し上げたチェック項目、記録項目にはそれが入っていないわけですけれども、それを義務づける必要があるのじゃないかと考えますが、通産省はいかがお考えでしょうか。
#201
○高橋(宏)政府委員 先生のお話の中で、前面海域のサンプルの中にセシウムがあったというお話がございましたけれども、科技庁、県の発表によりますと、私どもはそのように聞いておりません。マンガン、コバルトというぐあいに聞いております。
 それから、私ども通産省の立場で申し上げますと……
#202
○菅委員 セシウムはなかったということですか。
#203
○高橋(宏)政府委員 ホンダワラからは発見されておりません。
 それから、前面海域環境の放射線管理につきましては、現在のシステムで申し上げますと、県、科学技術庁等がたとえばフォールアウトといったようなこととの関連もございますので幅広くやっておられます。私どもは、そのデータを入手し連携をとりましていろいろとやっておるところでございますが、発電所から外に出るところ、スタック及び放水口、今回は一般排水口で出たということは遺憾でございますが、そういう出口で規制をする、こういうような連携で放出放射能の管理、安全規制をやっておるところでございます。
#204
○菅委員 いま言われたのは非常に不満足なわけです。つまり、今回の問題が起きたのは、最初に発見したのは福井県の衛生研究所がいわゆるホンダワラを採取してチェックしたから見つかったわけです。このチェックは、いま言いました原子炉のいろいろな管理運営のチェック項目に入ってないわけですね。ですから、そういう点で私が申し上げたのは、ぜひそういうものを法律的にまたは規則において入れるべきではないかということを申し上げたわけで、その点、時間がないので、通産政務次官も来られておりますので、最後に一つだけお聞きしたいと思います。
 今回の問題が起き、ついせんだって窪川町でリコールが成立し、その後推進派の町長が通られた。しかし、そのときには住民投票を約束するという公約のもとで再度町長になられたわけです。しかし、いまアセスメントのいろいろな経緯を見ておりますと、発電所をアセスメントから外す、さらには公害という項目の中に放射線の影響を外すということが政府の中で議論されておると言われております。今回の敦賀のこういった問題を踏まえて、こういうことがないように、アセスメントの中にはもちろん発電所を入れるし、放射線の影響がそういう形でいろいろなところに出るわけですから、それを当然アセスすることが必要だと考えますけれども、政務次官の考えをお聞きして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#205
○野田政府委員 私ども、石油にかわるエネルギーとして何とか国民の理解を得ながら原子力発電というものを推進をさせていただきたい。この姿勢からいたしますと、窪川町においてああいう形で住民の審判が下ったわけでありまして、その限りにおいては私どもも評価をいたしておることでございます。
 しかし、今回の敦賀の事故によりまして、こういう大事な行政が原子力全体にわたって、少なくとも国民あるいは関係の住民に対して大きな不安感を与えた、大変な阻害要因になっていくということだけは何としてもこれを乗り越えていかなければならぬ。そのためには、御指摘のとおり、今回の事故の原因の徹底究明をやっていく、そしてもうこれ以外にないのだ、これからは安心してもらいたい、そういう体制を、もちろん会社はもとよりでありますが、私どもも行政の面においても改めるべきは改めてまいりたいという考えであります。
 アセスメントの問題につきましては、御承知のとおり、現在自民党の中でいろいろ御議論をいただいておるわけでありまして、その結論を待って私どもも対処させていただきたいと考えておるわけでございます。
#206
○菅委員 最後に何か逃げられた感じもするのですが、私が申し上げたのは、こういう事件が起きれば国民が不安だから、不安を除くためにはあくまでアセスメントの中に発電所の項目を入れるべきだ、入れてアセスをしたけれども安心だからつくれるのだとか、つくれないのだとかということをやるべきだということを申し上げたわけで、その点をぜひ配慮をいただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。
#207
○野中委員長 これにて本日の質疑は終わりました。
 参考人各位には、長時間大変御苦労さまでございました。
     ――――◇―――――
#208
○野中委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 流通問題小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいとの小委員長からの申し出がございます。
 つきましては、小委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選及び出席日時につきまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#209
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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