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1980/05/15 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第15号
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1980/05/15 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第15号

#1
第094回国会 商工委員会 第15号
昭和五十六年五月十五日(金曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      奥田 幹生君    島村 宜伸君
      田原  隆君    泰道 三八君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      林  義郎君    水平 豊彦君
      宮下 創平君    粟山  明君
      渡辺 秀央君    城地 豊司君
      水田  稔君    山本 幸一君
      渡辺 三郎君    武田 一夫君
      渡辺  貢君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
 出席政府委員
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     菅  直人君
同日
 辞任         補欠選任
  菅  直人君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
五月十三日
 企業管理士法の制定に関する請願(北側義一君
 紹介)(第四五四九号)
 同(武田一夫君紹介)(第四六〇五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十二日
 中小企業金融対策の充実強化に関する陳情書
 (関東一都九県議会議長会代表東京都議会議長
 高橋一郎外九名)(第一九四号)
 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企
 業者の事業活動の調整に関する法律における調
 整権限の知事への委任に関する陳情書(兵庫県
 議会議長中村敏明)(第二六八号)
 国内エネルギー資源の開発利用拡大等に関する
 陳情書(栃木県議会議長鈴木重幸)(第二六九
 号)
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調
 整に関する法律等の改正に関する陳情書(東大
 阪市議会議長栗田宗一)(第二七〇号)
 愛知県に中小企業大学校の分校設置に関する陳
 情書(愛知県議会議長竹下喜兵衛)(第二七一
 号)
 中小企業景気回復対策の促進に関する陳情書
 (愛知県議会議長竹下喜兵衛)(第二七二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件(日本原子力発
 電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事
 故)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○野中委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。
 日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事故について実情を調査するため、去る八日、福井県に委員派遣を行いましたので、この際、派遣委員から報告を聴取いたします。梶山静六君。
#3
○梶山委員 日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事故に関する現地調査につきまして、派遣委員を代表して御報告申し上げます。
 派遣委員は、野中委員長を団長として、辻英雄君、原田昇左右君、渡部恒三君、後藤茂君、清水勇君、北側義一君、宮田早苗君、小林政子君、伊藤公介君、阿部昭吾君と私梶山静六の十二名で、他に現地参加として、島村宜伸君、上坂昇君、横手文雄君の三名が参加されました。
 御承知のとおり、今回の敦賀発電所の事故は、福井県衛生研究所の浦底湾の環境調査により、放射性廃液の漏洩が問題となったものでありますが、同発電所においては、一月十日及び二十四日の二度にわたるタービン建屋内の第四給水加熱器の蒸気漏れ、一月十九日の放射性廃棄物処理新建屋内の濃縮廃液貯蔵タンクの廃液漏れ等の事実があり、いずれも適切な連絡、報告を欠いたものであります。
 すでに、本委員会においては問題の重要性にかんがみ、去る四月二十二日、事故について政府から報告を聴取し、二十四日には、鈴木原電社長等を参考人として招致し、事故の実情を聴取したところでありますが、なお、現地の実態を調査する必要があるため、私たちが派遣された次第であります。
 私どもは、五月八日、日帰りの日程で調査をいたしてまいりましたが、現地においては、資源エネルギー庁及び日本原子力発電株式会社から事故の説明を聴取した後、発電所の放射性廃棄物処理建屋内におけるフィルタースラッジ貯蔵タンク室サンプからのオーバーフローによる放射性廃液漏洩現場を視察し、次いで、会社側に対して質疑を行うとともに、福井県及び敦賀市と懇談をいたしてまいりました。
 まず、三月八日の放射性廃棄物処理建屋内のフィルタースラッジ貯蔵タンク室サンプからのオーバーフローによる廃液漏れ事故の概要について申し上げます。
 この事故は、福井県衛生研究所が四月八日の浦底湾の環境調査により、一般排水口から七百メートル離れた明神崎沖測定地点で採取したホンダワラから通常の十倍程度の数値の放射能を検出し、四月十四日、これを敦賀発電所に通報したことが端緒となったものでありまして、これに基づき発電所も翌十五日、同地点で採取したホンダワラの分析を行うとともに、発電所の一般排水路の出口だなに堆積した土砂を測定し、一グラム当たりコバルト60六十一ピコキュリー、マンガン54十ピコキュリーを検出したため、これを資源エネルギー庁に報告し、四月十八日、同庁がこの事実を明らかにしたものであります。
 この原因は、三月八日、放射性廃棄物処理建屋内のフィルタースラッジ貯蔵タンク室サンプからのオーバーフローにより、放射性廃液が建屋内に流出し、貯蔵タンク室と洗たく廃液ろ過装置室との間の壁を貫通する埋め込み管路を通じて洗たく廃液ろ過装置室に至り、その一部が同ろ過装置室のコンクリート床にある電線管及びひび割れ等のすき間から地下の一般排水路に混入したものであります。
 その経過は、三月七日二十時二十分ごろ、運転員が二回目のスラッジ移送を行い、二十一時二十五分ごろ、その移送ライン洗浄のため洗浄水を送り、五分後に弁を閉めるべきところ、表示ランプの故障を認めていたにもかかわらず、表示ランプが「閉」の「緑」表示になっていたため閉めるのを忘れ、二十二時に次の勤務班と交代したのでありますが、交代した勤務班は弁の閉じ忘れに気づかず、八日の朝八時四十分に、さらに次の勤務班に交代し、交代した班が十一時ごろ初めて流出している廃液に気づき、十一時四十分ごろ移送弁を閉め、十六時十五分ごろから簡易除染作業を行い、その廃液を床ファンネルより廃液中和タンクに回収し、十八時ごろ簡易除染作業を終了したものであります。
 この間、床に流出した廃液の量は、十四・五トンから十五トンと考えられ、回収した廃液量は十三トンであるため、一・五トンから二トン程度の量が漏出したものと推定されておりますが、そのうち一般排水路に混入した量は、約一トンと推定されております。
 この流出廃液の処理及び除染作業は、三月八日から四月十五日の間、合計十六日行われ、社員八人、請負作業者四十八人の計五十六人が従事しております。作業員の被曝線量は、一日最大五十六ミリレム、除染作業期間中、最大百五十五ミリレムで、総被曝線量は千九百六十一人・ミリレム、一人平均三十五ミリレムとなっています。
 また、放射性廃棄物処理建屋と一般排水路との関連について申し上げますと、本発電所が昭和四十五年三月に運転開始した当時、一般排水路は建屋の外に設けられておりましたが、昭和四十六年の増築を含め、過去五回にわたって増築工事が行われ、その結果、一般排水路は増築された建屋内に取り込まれることになったのであります。
 そのため、一般排水路、特に埋設ジャンクション等が比較的放射能の高いフィルタースラッジ貯蔵タンク等と同一建屋の下で、しかもすぐ近くに配置されるという構造となったものであります。
 なお、このほか、第四給水加熱器からの蒸気漏れ事故及び放射性廃棄物処理新建屋内の濃縮廃液貯蔵タンクからの廃液漏れ事故も問題でありますが、今回の調査においては、時間の制約上現場を視察する機会を得ませんでしたので、その経緯等については省略をいたします。
 次に、福井県、敦賀市等の要望について申し上げます。
 まず、福井県からは、日本原子力発電株式会社敦賀発電所の放射能漏出事故に関し、さきに通商産業大臣及び日本原子力発電株式会社社長に対し申し入れを行っているので、その実現方に特段の配慮をされたい旨の要望がありましたが、その申し入れの概要は、おおむね次のとおりであります。
 通商産業大臣に対しましては、
 一、事故の原因究明を早急に行い、運転管理及び放射線管理体制を総点検し、その結果を県及び敦賀市に示すとともに、地域住民の理解を求めること。
 二、運転管理専門官制度を充実し、原子力発電所に対する国の指導、監督を強化すること。
 三、敦賀発電所の安全性について再審査し、その結果に基づく施設の改善を図ること。
 四、日本原子力発電株式会社の全社的責任体制に問題があると考えられるので、指導、監督の徹底を図ること。
等であります。
 また、日本原子力発電株式会社社長に対しましては、
 一、冷却材漏洩を徹底的に調査し、結果を報告すること。
 二、会社内の責任の所在を明らかにし、厳正な措置を講ずること。
 三、運転管理、保修管理及び通報連絡体制について抜本的な見直しを行い、具体的な方策を講じ報告すること。
 四、漁業関係者及び旅館業者等に被害をもたらした場合、これら県民の損失について誠意をもって補償すること。
等であります。
 このほか、直接、私ども調査団に対しまして、
 一、水産物流通上の損害に対する補償の指導をされたい。
 二、県外水産物の移入の正常化について関係業界に適切な指導を行われたい。
 三、消費者の魚離れ防止に配意されたい。
 四、旅館、民宿業ならびに観光関連業者に対する救済措置を講じられたい。
 五、観光イメージの回復に積極的援助を行われたい。
等の強い要望がありました。
 なお、敦賀市を初め関係市町村及び関係団体からも要望書が提出されておりますが、福井県の要望とほぼ同趣旨のものでありますので、省略いたします。
 最後に、今回の事故に関して幾つかの点を指摘し、政府の適切な措置を要望しておきたいと存じます。
 第一に、今回の事故は、幸いにして環境及び作業員等に対する影響は心配するほどのことはないようでありますが、事故の経緯から明らかなように、日本原子力発電株式会社の安全管理体制の不備を強く指摘せざるを得ないと思います。
 今回の事故は、廃棄物処理建屋の設計、施工管理上の問題と警報装置、パトロール、事故発見後の連絡通報体制等の運転管理面における人為的なミスが重なっておりますが、その根底には、会社としての安全管理に対する認識の甘さがあると言っても過言ではありません。
 したがって、政府として、今回の事故の実態を十分に究明し、会社の責任を明確にするとともに、特に安全管理体制については、全社を挙げてこれを確立するよう、厳格な指導、監督を行うことが必要であると存じます。
 第二に、原子力行政に任ずる政府としても、今回の事故を厳しく受けとめる必要があります。
 今回の事故によって、廃棄物処理建屋の工事計画認可に当たって、一般排水路との関係が見過ごされ、技術基準を含めた審査のあり方、運転管理専門官制度のあり方、事故の報告基準及び報告義務のあり方等に問題があることが明らかになっております。
 したがって、政府として、これらの点の強化改善を含め、早急に保安管理面の抜本的見直しを進めることが必要であると存じます。
 第三に、今回の事故は、日本原子力発電株式会社の事故ではありますが、単に一会社の特異なものと考えることなく、原子力発電所を有するすべての電気事業者に対しても、今回の事故原因等を周知徹底し、保安管理体制を十分チェックさせる等強力に指導することが必要であると存じます。
 また、今回の事故により影響を受ける現地の方々の要望に対しては、政府としても、可能な限りの措置を講ずるよう、特に要望しておきたいと思います。
 以上をもちまして報告を終わります。(拍手)
#4
○野中委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。
 この際、日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏れ事故について、田中通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田中通商産業大臣。
#5
○田中(六)国務大臣 このたびの日本原子力発電株式会社の敦賀発電所における事故は、原子力発電所に対する国民の信頼を裏切ったこととして、まことに皆様に済まなく思って、おわび申し上げます。
 現在、四月十日と三十日に立入検査の結果を一応報告しておりますが、私どもは、同社から提出されましたてんまつ書、それから私どもの調べました立入検査の両方を踏まえて、同社に対する措置並びに安全管理行政についての検討を早急に行っております。
 特に、ただいまこの委員会からの報告書を私もお聞きいたしましたが、この点も十分踏まえて早急な結論を出していかなければならないという決意でございます。
 私も、国会の皆様の御同意が得られるならば、できるだけ早く現地に赴いて、この目でいろいろなことを確かめたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、国民の信頼に大きくひびを入れたこの責任、あるいはまた早急に結論を出すことが大きな解決の糧にもなろうかと思いますので、私どもも、これからも原子力発電所の安全については十分気をつけて対処していきたいという決意でございます。
 どうもありがとうございました。
#6
○野中委員長 次回は、来る十九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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