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1949/03/14 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第18号
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1949/03/14 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第18号

#1
第007回国会 厚生委員会 第18号
昭和二十五年三月十四日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○医療法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
○フローレンス・ナイチンゲール章授
 與に関する件
○青少年飲酒防止法案(姫井伊介君外
 二十一名発議)
○公聽会開会に関する件
○厚生年金保険法等の一部を改正する
 法律等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○小委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。
 医療法の一部を改正する法律案を議題にいたします。質疑を続行いたします。
#3
○井上なつゑ君 この前の質疑でどの程度医療法の改正問題について御質問があつたか存じませんが、この診療料名と少し離れて医療法全般のことについて少し承わりたいのでございますが、現行の医療法によりますと、あの法律が出されましてから五年の間に病院、診療所を整備しなければならないということになつておりましたのですが、今日どの程度に日本の病院、診療所は整備されておりますか。その状況を承わりたいと思います。
#4
○政府委員(久下勝次君) 医療法を制定いたしましてから病院の整備の状況につきましては、本昭和二十四年度の予算におきまして、医療監視に要する費用を出して頂きました。昨年の春以来、病院監視に関しまする計画を立て、夏頃以降各県に委嘱いたしまして、個々の病院につきましてこれの実情を監査をいたして貰つておるのでございます。当初の予定は、昨年の十二月に全部完了して一月に私共の方へ全国から報告が参ることに相成つておつたのでありますが、地方庁の段取りが若干遅れまして、まだ報告のありましたところが半数に定りない程度でございまして、盛んに只今督促をいたしております。これが参りますると、医療法に規定しておりまする各種の項目につきまして一通りの結果が詳細に分ると考えておるのであります。私共といたしましては、この監査の結果を取りまとめまして、病院が現在どの程度であるかということと同時に、又将来の方法、手段につきまして検討いたしたいと思つております。今日のところではまだ具体的にお答えするまでに、資料がまとまつておりません。
#5
○山下義信君 監査の状態はいつ頃分りますか。
#6
○政府委員(久下勝次君) 今盛んに督促をいたしておるのでございますが、まだ半数にちよつと足りないくらいしか報告がまとまりませんが、困つておるところでございます。
#7
○山下義信君 今、井上議員の質問の点は、非常に重大であると思うのですが、久下次長の答弁で了承しましたが、凡そ半数くらい報告がまとまつたらば適当な機会に成るべく速かに中間報告と申しますか、今日の段階に分つておる程度でようございますから一つ報告を成るべく承わりたいと思いますが……。
#8
○政府委員(久下勝次君) 畏まりました。
#9
○委員長(塚本重藏君) 外に御質問ありませんか。質疑をこの程度で終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。直ちに討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
#11
○井上なつゑ君 大変簡單な法律でもございます。討論を省略いたしまして直ちに採決に入ることの動議を提出いたします。
#12
○委員長(塚本重藏君) それでは井上委員の動議のごとく、討論を省略して採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。医療法の一部を改正する法律案の原案に賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#14
○委員長(塚本重藏君) 全員と認めます。全会一致を以て可決することに決定いたしました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において、本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。尚本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   山下 義信   紅露 みつ
   井上なつゑ   小杉 イ子
   姫井 伊介   竹中 七郎
   藤森 眞治   石原幹市郎
   穗積眞六郎
#16
○委員長(塚本重藏君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないものと認めます。
  ―――――――――――――
#17
○井上なつゑ君 幸い本日は医務局の次長さんがお出で下さいましたので、ちよつとお伺い申して置きたいことがございます。それは外でもございませんが、去る九日に赤十字社におきまして、看護事業のために功績のあつた四人の看護婦が国際赤十字委員部から送られました看護婦最高の名誉でございますフローレンス・ナイチンゲール章が授與されたのでございます。これは御承知のように厚生大臣もお出ましになつて頂き、祝辞を頂戴いたしまして、非常に日本の看護婦一同このことに関しましては名誉に心得て喜んでおるのでございますが、たまたま新聞の記事に一昨日でございましたか、こうした看護婦が東京へ出ましてこの記章を受けますについての際に、大変に心準備と申しましようか、いろいろそういう人達を過する準備が足りなかつたじやないかというようなことが出ましたので、或る一部のところからそういう声が出たのでございましようと存じますが、受章者一同は非常にこめに対して恥かしく感じておるのでございます。御承知のように看護事業と申しますものは三十年も四十年もそれに従事しておりますということは、お金でどうこういうような、そういうもので買えるような仕事ではないのでございます。本当に貴い仕事でございますのに、僅かのお金のことで新聞に載せられたということは非常に恥かしいと言つて、受章者はどうしたらよろしうございましようかというようなことを実は昨日国会を傍聽させて頂きましてそのときの話に出ておりました。併しこれは又考えますのは一面の真理だと存じます。あの人達は大凡そ月給最高七十円か八十円の時代に勤務をいたしまして、そうして辞めた人が多いのでございます。で、一人の看護婦の言いますのには、三十五年間赤十字社に職を奉じて、退職金七千円貰つて帰りました。そういう人達を九州、中国から呼びまして、そうしてああした新聞の記事に載りましたような、一万円のお金を頂いてということになりますと、本当に一面考えてあげますことは非常にこれは大きなことじやないかと存じております。殊に赤十字の卒業生とか、看護婦の或る者が申しますのには、どこに泊つてどうしておられるのでございましようかということをたびたび私も聞かれましたのです。私も赤十字社の方に聞いてやりましたところが、赤十字社の方では幸いこの頃赤十字社では宿泊所を設けておる。だからそこに泊めるからというような話でございまして、実は私共安心をしておりました。ところが伺つて見ますとああした、若い人ならよろしうございますけれども、もう六十八、七十になる人がああした、ただの軍隊の毛布に寢かせてあつたというようなことが出まして、誠に私共、どうも自分達の心の準備が至らなかつたということを恥じておるのでございます。一面厚生省といたしましてもどういうようなおつもりでおいでになつたかということが、昨日そういう話が出ましたので、これは赤十字社だけの責任ではなしに、厚生省に少くとも看護課ができました以上は、日本国中の看護婦問題は大凡そ把握しておつて頂かなければならない関係だと存じますが、ナイチンゲール章を貰うのが赤十字だけの責任だということは余りにも事が小さくなる。殊に国際的な繋がりを持つておりまして、世界中に二百何十人しかああいう記章を貰つた人がない。厚生省としましてももう少し、赤十字社から連絡がなかつたのかも知れませんのでございますけれども、もう少し大きな広いお立場で、看護婦を見て欲しかつたというような気持がいたしましたので、お話いたしましたところが、赤十字社にも責任があるけれども、厚生省にも一つの責任があるのじやないか。厚生省としては、今後こういうことが、大凡そこうしたナイチンゲール章を頂きまするのに、一万や二万のお金を頂きまして、それを貰う者が、それを旅費の足しにしなくちやならないというようなことは、実に考えられるべきことで、一生奉仕をいたしましても、一万円の旅費がないというようなことでございますので、これからの看護婦はそうしたことがないように、厚生省でも大いにそういうことを気を付けて頂かなくちやならないと同時に、若しそうしたナイチンゲール章を貰うというような世界的な行事のございましたときには、もう少し厚生省で大きく見て頂いて、厚生省の方で何かして頂くとか、もう少し何かその人達を呼んで座談会でも開いて頂いてそうして後進者のために大いに声を挙げて頂く、單に四人の名誉じやございませんで、ああいうことがございますと、日本国中の看護婦の地位の向上でありますのに、一方で古い看護婦だから、そういうことになるのだろうくらいに取扱い、又看護婦の裏面を曝け出すというようなことになりますと、これは看護婦の地位が向上するどころか、却つて又惡くなるのでございますので、厚生省で一つ大いにお考えを頂きたいと存じますのでございますが、幸いに医務局次長さんがおいでになつておられますので、どういうようなお気持でいらつしやいますでしようか。御意見が承われましたら非常に有難いと存じます。
#18
○委員長(塚本重藏君) 今の井上委員の発議は、大体緊急質問の形と存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて下さい。久下政委員。
#21
○政府委員(久下勝次君) 日赤の看護婦数名の人がナイチンゲール章を授與されたということは、確かにお話の通り国際的な名誉のことでありまして、我が国の看護事業の向上のために、非常に意義の深いことであつたと考えております次第でございます。ただこの問題につきましては、実は厚生省を通してのさようなお話が特別ございませんでした。直接この赤十字社に対しましてのお話であつたように承知をいたしておるのでありまして、私共としてはただ関係者として個々人に授章式に対して参列をするような案内状を頂きましたような実情でございます。勿論それは政府といたしましても、お話の通りに我が国看護事業全般の問題でございまするので、厚生省としてこの問題につきまして御指摘のように努力の足りませんでしたことは、大変申訳なく感じております。今度の問題としては済んでしまいましたので、大変恐縮ながら申訳ないと存じますが、今後の問題といたしましては、さような考え方から私共といたしましても、十分この点につきまして熱意と努力とを注ぐべきであると、さように考える次第であります。
#22
○委員長(塚本重藏君) 井上委員御了承になりましたか。
  ―――――――――――――
#23
○委員長(塚本重藏君) この際日程の順序を変更して、青少年飲酒防止法案を議題に供したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。先ず提案者の説明をお願いいたします。
#25
○姫井伊介君 この法案の発議者は二十二名でありますが、発議者のお許しを得まして提出の理由を申述べたいと存じます。
 御承知の通りこの法案は第一回国会におきまして青少年禁酒法として小杉イ子委員から提案されたものでありましたが、その後いろいろの経過からいたしまして、名称なども途中青少年飲祈取締法としたことがありますが、今回は更にそれを青少年飲酒防止法といたしまして提案することになつたのであります。この提出の理由は、この法案の第一條に書いてありまする目的を達成するためでありまして、即ち「青少年の自覚と克己並びに国民の理解と親切により、青少年が飲酒になじまないようにすることによつて、その天分の素質を養護し、心身共に健全で優良な国民を育てることを目的とする。」としてあります。これが理由となるわけであります。殊に近時の社会情勢からいたしまして、青少年の不良化乃至は犯罪化の傾向が非常に悲しむべき状態にあり、その数又増加の一途を辿つておりまする点からいたしまして、こういう法律によりましてその不良化、犯罪化に関係を持つております重大なる一部面を断ち切ることも必要だと考えられるのであります。理想的に申しまするならば、かくのごとき法案は要らないものだと思うのでありますが、現段階におきましては止むを得ざるものとして、こういう法案の必要が認められるのであります。殊に恒久平和、又非常に度の高い文化国家を建設する点から申しましても、さつき申しましたように、青少年の素質を天分のままに引伸ばして行くということが非常に必要でありまして、この混乱せる日本の社会情勢を淨化いたしまして、文化国家建設の目的に即応せしめることは、又私共が忘れてならない重大なことだと考えられるのであります。従いましてこの法案は処罰を主たる目的としていないのでありまして、さつき申しましたように、青少年みずから並びに国民互いに相協力いたしまして、これらの弊害、欠陷を直して行こうとすることを目的としているわけであります。以上をもちまして、この法案提出の理由といたします。何とぞ御審議の上成るべく早急にこの案が成立いたしまするように御努力の程を切にお願い申上げます。
#26
○委員長(塚本重藏君) お諮りいたしますが、各條に亘つて説明を聽く必要がありますか。
#27
○山下義信君 本案についてはいろいろ質疑も御意見もあろうかと思いますが、その前に日数の関係等もありますので、この法案は実は社会立法とでも言えるものであります。従つて相当社会の輿論に聽いて見る必要が多分にあろうかと思いますので、本案に関しましては、審議の途中におきまして公聽会を開催するのが適当ではないかと考えます。審議は審議といたしまして、一方公聽会開催の手続をいたしますようお諮り願いたいと思います。動議を提出いたします。
#28
○藤森眞治君 只今の山下委員の動議に賛成いたします。
#29
○委員長(塚本重藏君) 外に御意見ございませんか。山下委員会発議のごとく、本案審議のために公聽会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。つきましては参議院規則に関しまする諸般の手続につきましては委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。尚日時についても後程御相談申上げて決定することに御異議ございませんね。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(塚本重藏君) それでは決定いたします。
#33
○山下義信君 本案の審議は本日はこの程度に止めて置いて頂きたいと思います。他の日程の議案にお移り願いたいと思います。
#34
○委員長(塚本重藏君) 山下委員の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。
  ―――――――――――――
#36
○委員長(塚本重藏君) それではこの際厚生年金保険法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題にいたします。質疑を前回に引続いて続行いたします。
#37
○藤森眞治君 ちよつとお尋ねするのですが、現在の被保険者の保険料率というものは大体どのくらいになつておりますのか、それから任意継続をやつた場合にどうなるのかという、ちよつと数字を一遍御説明願いたい。
#38
○委員長(塚本重藏君) 局長は今日差支がございますので、厚生年金保険課長が説明に見えておりますから……。
#39
○説明員(和泉武夫君) 厚生年金保険の保険料率につきましては、恒常料率と暫定料率とございまして、恒常料率につきましては、男子の被保険者は百分の九・四でございます。女子の被保険者は百分の五・五、坑内夫につきましては百分の十二・三となつているのでございます。併しながら先般の法律改正によりまして暫定料率、養老年金の計算の基礎になります標準報酬を三百円に、低額に止めましたために保険料率も約三分の一方に低めまして、そこに暫定料率という定めを置いたのでございます。暫定料率につきましては、男子の被保険者につきましては百分の三、女子の被保険者につきましても百分の三、坑内夫につきましては百分の三・五と相成つております。尚任意継続被保険者の数でございますが、これは被保険者であつた期間が十年以上を経なければ任意継続被保険者になれませんので、現在までは厚生年金は昭和十七年より施行になつております関係上該当者はございません。坑内夫の一部につきましては二十五年度あたりから実際の該当者が出て来るというような見込になつておりまして、現在では一人も該当者はないことになつております。
#40
○藤森眞治君 任意資格者はいわゆる十年以上経つた者は、それの保険料率は今のお話になつた料率で行くのですか。それとも違うのですか。
#41
○説明員(和泉武夫君) 只今申上げましたのは強制被保険者をいうのでございますが、任意継続被保険者につきましては恒常料率につきましては百分の七・八の決めが従来あります。これにつきましては従来その暫定料率に決めがなかつたものでございますので今回同様に約三分の一方引下げた、つまり百分の二・六というような料率を決めたいということでこの案ができておる次第でございます。
#42
○委員長(塚本重藏君) 外に御質問ありませんか……。皆さんから御質疑のある間に私も一、二質問して置きたいと思いますが、現在厚生年金積立金が相当厖大な額になつておりますが、この厚生年金の積立金をしておりました者が、中途で職を辞めて、而も脱退手当を貰わないで、掛けつぱなしで退職している者が相当あろうと思いますが、その多くの積立金の中には、そういう権利を喪失いたしました者が掛けつぱなしにしている金がどれくらいある見込ですか。
#43
○説明員(和泉武夫君) その資料は只今できておりませんので、お答えができないのでございますが、辞めた者の大部分は脱退手当金の支給を受けまして、一応資格期間が打切られているというように存じているのでございますが、お話の資料につきましては只今手許に持合してございませんので、お答え申上げることができません。
#44
○委員長(塚本重藏君) 脱退手当について、五年以上継続しておつて脱退した者でなければ脱退手当を出さんとか、そういう規定がありますか。
#45
○説明員(和泉武夫君) 普通原則としましては五年以上で、而も五十歳以上の者でなければ脱退手当金の支給を受ける資格はないのでございますが、ただ女子につきましては結婚、分娩のために辞めた者、或いは男女共に死亡した場合には六ケ月以上でありましても、脱退手当金の支給を受けるというような規定になつております。
#46
○委員長(塚本重藏君) この脱退手当金支給を、今の五年という年限をもう少は短縮する必要があるのではないでしようか。勿論工場など転々変つた場合には、前の分を継続するということにはなつているのですが、手続上そういうことが取られているのが少いのではないか。それから又事実上五年末満で辞めて行く者が相当多いのではないか。こう思うのですが、従つてもつて脱退手当を出す五年というのを、二年とか三年とかいう程度まで引下げる必要がないでしようか。
#47
○説明員(和泉武夫君) 脱退手当金の支給につきましては、いろいろ疑問があるのでございます。当局といたしましては社会保償制度審議会の結論等もお伺いいたしました上、その上将来の改正につきまして考えたい、かように考えております。
#48
○委員長(塚本重藏君) それからもう一つは、この暫定保険料率として非常に引下げられているのでありますが、それでも尚且つ毎年多額の金が積立てられて行く。勿論積立てて置かなければ支給期が参りました場合の準備費として、それが必要であることは言うまでもないが、今の状況から見て、現行の暫定料率をもつて引下げても運営ができるのではないかと想像できますが、その点のお考えは……。
#49
○説明員(和泉武夫君) 大体現在の保険経済の上から申しまして、現在の保険料率など最低のものであるというふうに考えておるのであります。
#50
○委員長(塚本重藏君) 重ねてお尋ねいたしますが、それは養老年金の最高を三百円というような程度に止めてある関係もありましようが、この養老年金なり、その他の額を、一方において今日の金の価値等から考えて、これを時世に合うように改正する必要はありませんか。
#51
○説明員(和泉武夫君) 只今のお話、御尤もでありまして、当局といたしましては成るべく早い機会に経済情勢の見通しをつけまして、現在の三百円の枠を取拂いたいと思うのですが、その時期その方法等につきましては、いろいろ検討を要する点もございますし、すべて社会保障制度審議会の御意見等を伺いました上で、考えて行きたいと思つております。
#52
○委員長(塚本重藏君) それから尚この積立金を有効に使用することについて、何かお考えはありませんか。この問題については各方面からいろいろとこの金を有効に使わして呉れという希望が出ているわけですが、その間について厚生省はどういう努力をしておられますか。
#53
○説明員(和泉武夫君) 積立金の問題につきましては、積立金の運用の利率の引上げと、これを福祉施設資金に使うという二つの問題があるのでございます。
 積立金の運用利率の引上げにつきましては、昨年十月従来三分五厘でございました定期預金を四分に引上げをするということになりました。又昭和二十五年度におきましては、大蔵省と交渉の結果、大体これを四分五厘に更に引上げるというような話合になつていたのでございます。
 それから福祉施設資金にこれを低資融通するという問題につきましては、従来大蔵省並びに関係筋と交渉を重ねているのでございますが、只今までのところ昭和二十一年の関係方面の指令に基きまして、この途が再開されておらないのでございます。併しながら一面この資金の融通につきましては、各方面より熾烈な要望もございますので、当局といたしましてもこの再開につきましては従来も努力を続けている次第でございますが、今後もその努力を更に継続いたしまして、そうして一日も早くこの資金の融通が再開できまするように取運びたいと考えておる次第であります。
#54
○藤森眞治君 ちよつと速記を止めて下さい。
#55
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて下さい。
 その次に厚生年金保険法中改正法律の一部を今度又改正せられるのですが、そうして退職積立金、退職手当を二十五年四月十日現在で全額を拂戻してしまおうという改正案ですが、この場合事業主側に四月十日を期限として、その翌日に支拂わせるというようなことが事務の取扱上できるかどうか。こういうことが事業主の方で用意万端を整えられるか。ここに翌日とはつきりしてしまつたのには行われるという確信の下に改正せられたと思うのですが、もう少しこれは余裕を持たせる必要がなかつたか。嚴格にこれをやり得るかどうか、取扱い或いは見通しについてお伺いして置きます。
#57
○説明員(和泉武夫君) この退職積立金及び退職手当は昭和十九年に法律の廃止と同時にすべて廃止の日を以てこれらの金はそれぞれ事業主が一切計算をいたしまして、そうして自分の手許に保管して現在参つて来ておるのであります。手続につきましては、それ以前に打合会等、各府県の保険課等を利用いたしまして、十分その法律の趣旨の徹底を図りまして、支拂事務に遺憾のないようにいたしたいと思つておる次第であります。
#58
○委員長(塚本重藏君) これは全部退職手当というものが労働者名義の貯金通帳の形式に積立てられておる場合には割合に簡單に拂戻せますが、そうではなくて、準備積立金の制度を採用しておる工場においては、必ずしもそれがしてない。且つあの法律によると準備積立金の中でも、労働者側との協議上ではその一部を他に利用することができる。こういう規定があるが、そういう規定によつて他にすでに流用しておるといつたようなものもなきにしもあらずと思いますが、そういう関係について多少の支障があるのじやないかと思いますが、どうでしよう。
#59
○説明員(和泉武夫君) 昭和十九年の法律廃止の当時、労働者は円満退職の事由で一応法律の擬制を以ちまして計算はすべてついておるわけでございます。その後厚生省より地方庁を通じまして、成るべく早くその資金を充足するというようなことも言つてありまする関係上、爾来相当年月も経つておりまする今日、さような心配は現在ないと、かように考えております。
#60
○委員長(塚本重藏君) 外に御質問ありませんか。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて下さい。
 この程度で質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入りたいと思います。御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。ではこれより討論に入ります。賛否をお述べ願いたいと思います。
#64
○井上なつゑ君 本案は討論を省略いたしまして、直ちに採決に入られますように動議を提出いたします。
#65
○委員長(塚本重藏君) 井上委員の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それではこれより直ちに採決に入ります。厚生年金保険法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について原案を可とせられる方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#67
○委員長(塚本重藏君) 総員起立であります。全会一致を以て本案を決定いたします。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければなりませんが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を議院に報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。尚本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   紅露 みつ   藤森 眞治
   井上なつゑ   穗積眞六郎
   小杉 イ子   姫井 伊介
#69
○委員長(塚本重藏君) 署名漏れないと認めます。
  ―――――――――――――
#70
○委員長(塚本重藏君) この際委員長に指名を一任されておりました医療と医薬に関する小委員会の委員を指名いたします。竹中七郎君、藤森眞治君、石原幹市郎君、今泉政喜君、井上なつゑ君、中平常太郎君、山下義信君、以上七人の方にお願いいたします。
  ―――――――――――――
#71
○委員長(塚本重藏君) これより保険局に関係の請願並びに陳情を審議いたしたいと思います。速記を止めて下さい。
   午前十一時三十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時十三分速記開始
#72
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。本日はこれで散会いたします。
   午後零時十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           藤森 眞治君
   委員
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           石原幹市郎君
           竹中 七郎君
           紅露 みつ君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
  政府委員
   厚生事務官
   (医療局次長) 久下 勝次君
   厚生事務官
   (保険局長)  安田  巖君
  説明員
   厚生事務官
   (厚生年金保険
   課長)     和泉 武夫君
ソース: 国立国会図書館
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