くにさくロゴ
1980/04/09 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会農林水産委員会逓信委員会連合審査会 第1号
姉妹サイト
 
1980/04/09 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会農林水産委員会逓信委員会連合審査会 第1号

#1
第094回国会 大蔵委員会農林水産委員会逓信委員会連合審査会 第1号
昭和五十六年四月九日(木曜日)
    午後二時二分開議
 出席委員
  大蔵委員会
   委員長 綿貫 民輔君
   理事 越智 伊平君 理事 大原 一三君
   理事 小泉純一郎君 理事 山崎武三郎君
   理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君
   理事 鳥居 一雄君 理事 竹本 孫一君
      麻生 太郎君    今枝 敬雄君
      木村武千代君    熊川 次男君
      白川 勝彦君    中村正三郎君
      平沼 赳夫君    森田  一君
      柳沢 伯夫君    大島  弘君
      佐藤 観樹君    戸田 菊雄君
      平林  剛君    柴田  弘君
      正森 成二君    蓑輪 幸代君
  農林水産委員会
   委員長 田邉 國男君
   理事 菊池福治郎君 理事 津島 雄二君
   理事 福島 譲二君 理事 新盛 辰雄君
   理事 松沢 俊昭君 理事 武田 一夫君
   理事 稲富 稜人君
      逢沢 英雄君    川田 正則君
      岸田 文武君    北口  博君
      近藤 元次君    玉沢徳一郎君
      三池  信君    小川 国彦君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      木村 守男君
  逓信委員会
   委員長 佐藤 守良君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 加藤常太郎君
   理事 畑 英次郎君 理事 堀之内久男君
   理事 阿部未喜男君 理事 鈴木  強君
   理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君
      秋田 大助君    吹田  ナ君
      久保  等君    武部  文君
      鳥居 一雄君    木下敬之助君
      藤原ひろ子君    村上  弘君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        農林水産大臣  亀岡 高夫君
        郵 政 大 臣 山内 一郎君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      中曽根康弘君
 出席政府委員
        臨時行政調査会
        事務局次長   佐々木晴夫君
        警察庁刑事局長 中平 和水君
        行政管理庁長官
        官房審議官   門田 英郎君
        行政管理庁行政
        管理局長    佐倉  尚君
        行政管理庁行政
        監察局長    中  庄二君
        大蔵政務次官  保岡 興治君
        大蔵省主計局次
        長       西垣  昭君
        大蔵省理財局長 渡辺 喜一君
        国税庁次長   川崎 昭典君
        農林水産省畜産
        局長      森実 孝郎君
        郵政大臣官房経
        理部長     澤田 茂生君
        郵政省電気通信
        政策局長    守住 有信君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第五局上席
        調査官     中北 邦夫君
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        日本電信電話公
        社技術局長   村上  治君
        日本電信電話公
        社業務管理局長 稲見  保君
        日本電信電話公
        社計画局長   岩崎 昇三君
        日本電信電話公
        社経理局長   岩下  健君
        参  考  人
        (日本中央競馬
        会理事長)   武田 誠三君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別
 措置に関する法律案(内閣提出第三号)
     ――――◇―――――
#2
○綿貫委員長 これより大蔵委員会農林水産委員会逓信委員会連合審査会を開会いたします。
 関係各常任委員長との協議により、私が委員長の職務を行います。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○綿貫委員長 本案に関する提案理由は、お手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木強君。
#4
○鈴木(強)委員 私は、本法律案のうち、日本電信電話公社の部分について質問をいたします。
 今回、国家財政の再建ということで、電電公社からも納付金を召し上げよう、こういうことでこの法案が提案されていると思いますが、率直に申し上げまして、このやり方は現在の公社法第六十一条に真っ向から違反するものでありますし、また日本電信電話公社の経営の根幹を揺すぶるものではないかと私は考えますので、最初に、こういうやり方については絶対反対であるという意思表示をさせていただきます。
 そこで、具体的な個々の問題に入ります前に、若干財政全般についてお尋ねをしておきたいと思います。
 大蔵大臣、現在公債の発行残高は幾らになっておりますか、その正確な数字、それから、財政法に言うところの建設公債と特例公債、これはどんなふうになっておりますでしょうか。事務当局でも結構です。
#5
○渡辺(喜)政府委員 五十六年三月末、つまり五十五年度末における国債残高は七十兆五千九十八億円となっております。このうち、四条国債の残高は四十二兆二千五百二十六億円、特例国債の残高が二十八兆二千五百七十一億円となっております。
#6
○鈴木(強)委員 それで、特例公債につきましては、たしか昭和六十年度には発行をゼロにしたいというのが政府の御方針でございますね。その点は、大臣、間違いございませんでしょうか。
#7
○渡辺(喜)政府委員 特例公債につきましては、五十九年度には脱却したいということを目標にしておるわけでございます。したがいまして、目標としましては、五十九年度はゼロにしたいということで努力をしておるわけでございます。
#8
○鈴木(強)委員 国家財政に七十兆の赤字が出ておるということは、これは天下国家周知の事実でございます。もちろん、いままで特例公債の発行についてわれわれは反対をし、いろいろと意見は述べてまいりましたが、私はいまここでそのことについて論及しようとは思いません。政治家として反対であっても、論議に参画をしてきておるのでありますから、そういう共同的な責任を私は道義的には感じております。そういう意味で、この国家財政を再建しなければならないということについては、私も積極的に賛成です。何としてもこれは早くやらなければいけないと思います。そこで苦し紛れに、いま私が申し上げましたような筋の通らないことまでして五十六年度の予算の財源を確保したい、こういうことでございましょうが、果たして五十九年度までに特例公債ゼロということを基本にして日本の財政が再建できるかどうか、これはこれからの見通しのことですから非常にむずかしいと思います。後になって、いろいろ問題はあったが、この納付金が再建のために役立ったということになれば、まだもって瞑すべきでございましょうが、そうでないとするならば、これはもう泣いても泣き切れないことではないかと私は思うのです。
 ですから、これからの再建への見通しというのは、政府としてしっかりお持ちになっていかれることと思います。特に五十七年度の予算につきましても、また特例公債の減額発行をするでありましょう。そして、それに見合うものとしては当然増税か何か考えなければなりませんが、鈴木総理のお考えのように、地方に対する補助金というものを思い切って削減して増税はしない、こういう御方針も聞いておるわけです。問題は、これからの行政改革というものがどう行われてくるのか。歴代内閣がやろうとしてやらなかったこの重大な行政改革をもしなし遂げたとするならば、私はこれは日本の政治史に大きく残るだろうと思うのです。総理も、政治生命をかけてやるという御方針のようでございます。ぜひがんばっていただきたいと私も思うのでございますが、そういう意味から申しまして、大臣、五十九年度ゼロにする、そして思い切った行革を含めたいろいろな施策によって日本の赤字財政が立ち直るという筋道と御方針と決意をちょっと聞かしていただきたい。
#9
○渡辺国務大臣 ただいまお話がございましたように、現在のままの財政状況を続けていけばあらゆる面でいろいろな弊害が出てまいります。すでに国債の消化が非常に困難を来している。国債というものは、本来から言えば、国が発行する債券ですから一番安全確実なわけです。したがって、利率が安くたって飛ぶように売れるというのだったら話はわかるが、国が発行する債券が同じ利率ならば民間の方が売れて国の方が売れないということは、結局利率を実際高くしなければ売れないということで、国の利率が高いということになれば結局は国の資金はコストが高いということになって、経済面でも設備投資その他にもいろいろな悪影響が出てくる、現に出てきておるわけでございます。
 もう一つは、利払い金が多くて、あと二年もすれば百兆円くらいの国債残高になるわけですから、幾らに利払いがなるか。平均七%にしたって利払いだけで七兆とか、実は大変な金額になってくるわけです。国債を返還したり利払いしたりするためにまた国債を発行する、六十年から新しく利払いだけでなくて元本を償還しなければならないというような状況でございますので、何が何でももう六十年には償還が始まるのだから、そのときにも赤字国債を発行しているんだ、赤字公債を返すために赤字公債を発行するんだ、これは絶対困るということから、結局国民のほとんど合意として国債の発行額を少なくしようということになったわけです。というようになると、一方、毎年当然増というものは非常にふえてまいりまして、ことしも一兆九千億円前後、来年も二兆円以上という当然増がこのままではふえる。したがって、これらについては、そのふえる分の歳出は何かで賄わなければなりませんから、国債はふやさない、税金はふやさないということになれば歳出を切る以外ほかに手品は使えないということでございますから、そういう意味でわれわれといたしましては、先ほど理財局長が言ったように五十九年度までで少なくとも赤字国債からは脱却するというかたい方針のもとで、したがって五十七年度に向かっては思い切った法律、制度を含めた、今回は法律まで直して歳出カットをやったわけじゃありませんが、今度は歳出カットの方でも必要があれば、歳入確保の法案を出したと同じように歳出のカットの方でも必要があれば法案を出してでもカットすべきものはカットをさせていただく。それで高度経済成長の惰性といいますか、減税しても自然増収、減税しても自然増収という時代が長いこと続いたわけですから、そういうふうな金が入るという惰性のもとにつくられた仕組みというものについて再点検を加える必要があるということで、これからスタートしてやろうとしておるわけでございます。
#10
○鈴木(強)委員 よくその点はわかりますが、歳出を切るものは切る、これは当然でしょう。しかし、補助金なんかの場合には法律に基づくものがかなり多いですからなかなかむずかしい点もあると思いますが、そこができるかできないか、これはこれからの問題だと思います。遠い将来のことを言ってもなかなか時間もありませんし、そういう場所でもありませんから、私は来年度のことでちょっとお伺いしたいのです。
 要するに、いまの景気を少しでもよくしていくというために財政、金融面からのてこ入れあるいはその他のいろいろな工夫をこらしてやっておられると思うのです。三月十七日でございましたか経済対策閣僚会議を開かれまして、いろいろ当面の経済情勢について分析をされ対策を何項目か立てられました。結構なことだと思います。その際に、五十六年度国家予算の執行について少し公共投資を繰り上げて使って、そして景気を少しでもよくしよう、刺激していこうという政策に踏み切られたように聞いておりますが、何か新聞によりますと上半期に七一%か二%くらいは契約させてというようなことが報ぜられておりますが、あるいは閣議で決まり大蔵省としてそういう方針で進められることになっておるのでございましょうか、その辺をちょっと御説明いただきたいのです。
#11
○渡辺国務大臣 御質問のとおりでございまして、経済閣僚会議をやって閣議で了承をしたわけです。景気を促進する、ことしの後半の設備投資というものはかなりいい見通しなんでございますが、それが一挙にふったかっていくように、その呼び水として、まず公共事業について、平年ならば四月から九月までの契約というのは大体六〇%ぐらいのところなんですが、それを七〇%以上を目途に契約を進めるということにして、もう呼び水にしていこうという考えでございます。
#12
○鈴木(強)委員 大体その公共投資の総額というのは二十六兆余、こう思いますが、それでよろしゅうございますか、数字はっきりわかったら教えてもらいたい。
#13
○西垣政府委員 数字でございますので私からお答えいたします。
 契約率の対象になります額は十四兆二千九百億でございます。
#14
○渡辺国務大臣 ただいま申し上げましたのは、政府が直接契約についてコントロールする分を申し上げたわけでございます。
#15
○鈴木(強)委員 わかりました。
 景気をよくして自然増収を図るということが一つの問題でしょう。と同時に、行政改革の問題でちょっと伺いたいのですが、納付金について、この火つけをやったのは中曽根長官あなたのところだと思うのです。私は、公社法から見ましても、それから公社経営の基本からしてもこれはおかしい、間違いだ、こういうふうにさっき申し上げましたが、これを、こういった理に合わないことをしようとしたのはどういう根拠でございましたでしょうか、考え方を聞きたいのです。
#16
○中曽根国務大臣 電電公社が労使一体となって経営の合理化に努めたり、またお客さんのためにサービスを向上する努力をしたり、科学技術の開発に非常に功績をおさめたそういう点、われわれも評価しております。電電公社法を読んでみますと、「公衆電気通信事業の合理化且つ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信設備の整備及び拡充を促進し、並びに電気通信による国民の利便を確保することによって、公共の福祉を増進する」こういう目的で設立されておりまして、まあ政府関係機関の一つであるわけであります。公社に歴代の総裁や役員及び職員、勤労者の努力によって相当の剰余金が生まれてきておるものでありますから、剰余金と言うと適正ではないかもしれません、いわゆる収支差額というものが相当出てきておるわけです。したがいまして、法律で禁止されている状態ではございませんので、この財政窮乏の折に公社の方もひとつ政府の方をお助け願いたい、国庫の財政寄与に貢献していただきたい、そういうことで臨時特例の措置として協力を求めて実行していただいておる、そういうことでございます。
#17
○鈴木(強)委員 御承知のように公社法第六十一条が、衆参の修正によって、一般会計に当初繰り入れようとするものが積立金としてやっていく、こういうことになったわけでございますね。その積立金は今日まで毎年度の予算編成決定の際に、電電公社の場合は損益勘定から資本勘定に繰り入れられる、資本勘定から建設勘定に出ている、こういう仕掛けになっておりますから、一生懸命努力して出てまいります黒字というものは電気通信事業の発展のために使われてきたわけですよ。ですから決して積み立てておったものでも何でもないわけですね。要するに国家財政その他の面から見まして建設投資資金というものを得るために使われてきたわけですから、これをもし取り上げてしまえば、必然的に公社がやろうとする建設財源というのは支障を来してくる。こういうことになるのは当然でございましょう。したがって、今回の場合でも四千八百億というものを納付させます、そのかわり財投の方から、ことしの場合ですと千五百億をめんどうを見てやるということで、一方では借金をさせながら一方では取り上げていく。結局、借金は残っていくわけですね。これは返さなければならぬのですから。そういうやり方は、電気通信事業のこれからの多様化する経営というものの足を引っ張ることにならないでしょうか。ですから、そういう点をもう少し行管庁として考慮していただいて、それじゃ四千八百億取り上げたのだから、またいつか時期を見てそれを上げましょうというなら、わかります。借金ですからね、四千八百億仮に借金したとすれば、返すときには八千二百億の金を返さなければならぬから、その負担は公社にかかってくるわけですね。そういうやり方は非常にむちゃくちゃなやり方ではないでしょうか。これは額その他についてはあなたのところのあれではありませんから、後で大蔵大臣と郵政大臣にお聞きしますけれども、いずれにしても、火をつけた火つけ役として少し見当違いのところをやったんじゃないか、こう私は思うのですけれども。何か当初は、公社には一兆何ぼかの余剰金があるんだ、まさに金庫の中に積み立ててあるんだというようなことで、新聞でもちょっと拝見したのですけれども、それでは全くその実態を知らないにもほどがあると私は思ったわけでございますけれども、ですから結局いままでのことはそうなっているなら仕方がない、これから五十六、七、八、九と四年間についてひとつ出してもらうんだということに変わったように思うのです。ですから、財政困難の折から特殊法人からも出そう――これは特殊法人というのでしょうか、電電公社のことを。私は政府関係機関で国有公共企業体だ、こう思っているのですが、他の特殊法人とは違うわけです。そういうわけで、ちょっとそのやり方について納得が行かない点があるのですが、もう一度大臣の意見を聞かせてください。
#18
○中曽根国務大臣 公社の収支差額は建設勘定に入って事業に使われておるのは、われわれもよく認識しております。しかし、去年の末ぐらいで、大体また一兆五、六千億円ぐらいの収支差額が出てきておる。公社の財政基礎というのは非常にかたいわけでございます。こういう財政窮乏の折から、競馬会におきましてもいままでの納付金以上にさらにもう一段階の納付金をお願いするとか、そのほかの努力をお願いしておるわけでございます。専売公社の場合にも通常の納付金以外に、財政窮乏の折からまた追加の納付金をお願いしているという例もございます。そういう例もございますので、公社においても、この際は御協力を願いたい、そういうことでお願いをしたわけでございまして、政治の趣旨からいたしまして、やむを得ない臨時特例の措置として御了承いただきたいと思っておるわけでございます。
#19
○鈴木(強)委員 これは、ここでは平行線になるかもしれませんが、いまは亡き佐藤総理大臣が電気通信大臣のころ、この公社法を提案しておるのです。その中に、公租公課はかけない、民営にすれば確かに税制面からははね返ってくるだろう、しかしそのことは利用者の負担になる、料金を上げなければならない、だから民営はいけないということで公共企業体を選んだ、そういうことが議事録の中にちゃんと書いてある。ですから、確かに公社の自己資本というものはかなり努力をしまして、当初からりっぱだったと思うのですよ。ですけれども、そういうりっぱな成績があったからこそ、驚くべき、この二十八年間に世界に誇る第一流の電気通信事業というものがここに完成したんだと私は思うのです。その陰には大変な職員の苦労があったと思います。ですから、そういう借金をしたことは、結局これは料金の方にはね返ってきて公社事業の運営に支障を来すということ、これは間違いないことなんですよ。それは競馬馬でやっているのとはちょっと性格が違いますよ。競馬馬の上納金とはちょっと違う。電電公社はこれと一緒にされたのではまことに困るわけでして、そこらはニューリーダーとして刮目されている中曽根さんが行管長官ですから、そういう見当違いのようなことをやらしたということは、やはりこれは汚点を残したのではないですか。これはだれが最初に考えたのかどうか、私はよく知りませんけれども、こういうことをやられたのでは、とてもたまったものではないしですよ。こんなことは再びやってもらっちゃ困るのですが、どうですか、これはちょっと筋違いのことでしょう。
#20
○中曽根国務大臣 公社は、先ほど申し上げましたように非常な努力をしていただいて、それだけの実績を上げていると思います。それで自己資本比率等を見ましても三八%に上がってきておる。大体日本の会社は一三、四%の自己資本比率で、電力会社あたりがやはりその程度で、一番いいのはガスで二一、二%ぐらいだろうと思います。そういう面から見ますと、過去十年間の自己資本比率というものは、公社は約三三%程度でありました。それが、経営が非常に強化されて三八%にも上がってきたものですから、その差額ぐらいはこの際ひとつ業務に支障のない範囲内において考慮いたしまして出していただきたい、そういうことで四千八百億円という数字が出たわけでございます。それで公社がいろいろおやりになっておる、夜間割引とか遠距離とか、そういうような問題については支障を来さないような考慮でそういう数字もまた決めたわけでございまして、公社が一生懸命やっておって、お国のために貢献しておるんだということで、公社の諸君に御苦労様であると申し上げると同時に、ぜひそういうプライドを持ってがんばっていただきたい、こういうふうにお願い申し上げる次第でございます。
#21
○鈴木(強)委員 その気持ちは全然わからぬというわけではないですけれども、しかし無理なことは無理だ。これはやはり政治家ですから、やったことに対して無理があったら、これは無理だった、しかし国家財政の窮迫の折で何とかその無理なことを聞いてもらわなければどうにもならなかったんだというくらいの態度がやはりあっていいのじゃないですか。お役人というのは何か一遍やると、それを間違っておっても正当化しようとして、いろいろな理屈をつけて、絶対間違ったと言わぬですよ。あなたは政治家ですからね。ですから、本会議の御答弁のときにも、電話料金というものは非常に甘いものであってもうけるようにできておったというような趣旨の御発言もちょっとありました。私はここでそれを繰り返そうとはしませんけれども、そういう実際の経営努力というものが建設財源を生み出していったのではないですか。そして資本率というのを上げていったわけでしょう。ですから資本率が高いから、それでは出してもいいんだという理屈には、これは絶対ならないですよ。電信電話も、後からやりますけれども、仕事はある程度まで行ったでしょう。しかし、まだ残されているのがたくさんある。これから情報化社会に突入して、ますます資金が必要になってくるのですよ。そういうときにこういう無理なことをすれば、必ずそれはどっかにしわ寄せが来る。そのしわ寄せはだれに行くといったら、電話加入者じゃないですか。百八十八億の固定資産から始まって、その資本で始まったいまの電電が九兆二千億の固定資産を持っておる。この固定資産をふやしたのはだれかといったら、これは一人一人の加入者ですよ。これは国家から資本を出してもらったわけではないですよ。ですから、そういう点を考えると無理ではないですか。私はそういうふうに強く思うのです。ですから、これは賢明な中曽根さんですから、もうこれ以上言わなくてもわかってくれると思いますけれども、こんなことは再びやっちゃいけませんよ。それはどうですか。再びやっちゃいかぬです、これは。
#22
○中曽根国務大臣 鈴木さんのおっしゃることもよくわかります。公社の身になってみますと、営々として自分たちが努力して、さらにサービスを拡充しよう、またお客さんのためにも一生懸命やろう、そう思って努力してきた、粒々たる辛苦の結果でございますから、よくわかるのでございますが、しかし先ほど申し上げましたような事情で、国自体ももう火の車でありますので、お願いしたわけです。わが党の内部におきましてもそういう御議論が非常にございました。しかしこういうときでありますので、七重のひざを八重に折って実は懇願申し上げてそういうことをやっていただいたわけでございまして、御了承お願いいたしたいと思う次第であります。
#23
○鈴木(強)委員 ここは郵政大臣にもひとつ聞いておきたいのですが、私ども大臣とも接触しました。こんな理屈の通らないものは私は反対だとおっしゃったことも、私は記憶に新たですよ。筋の通らぬことはやらぬとあなたはおっしゃったのですが、そういう大臣の御所信を私たちも信頼しておったわけですが、何か急遽四千八百億という数字が出てきて、それによって大蔵大臣と公社法上の調整をしてお決めになったようですけれども、こういうことをあなたは電電公社を監督する大臣としてやられて、いまどういう心境にありますか。
#24
○山内国務大臣 心境と言われてもちょっと困るのでございますけれども、五十六年度の予算編成に当たりまして大蔵大臣の方から要請があって、非常に国家財政が緊迫しておりますので大増税もやらないといけない、こういうような緊急事態であるので何とかひとつ協力をしてもらえないか、こういう話がございましたので、電電公社ともよく協議をしたのでございますが、電電公社では非常に大変な企業努力、企業の効率化を図っていただいて最近の財務状況も比較的いいというような点もございましたし、何とかそれでは協力をせざるを得ないんだろう、電電公社にはまた一層大いに励んでもらわないといけないわけでございますけれども、そういう点は国家喫緊のときであるからというような点で大蔵省の要請を受けて、いま御審議を願っている案が国会に提出をされたのでございます。
#25
○鈴木(強)委員 今度は大蔵大臣の方から大分懇請されてということになりました。当時、新聞をちょっと拝見しますと、郵政大臣が総理に呼ばれて、この問題についてどういうお話をしたか知りませんが、新聞などの報道によるとやりなさい、こういうふうな至上命令が出た、したがってがたがたといままでの態度が変わってここまで来ちゃった、こういうふうに一応推測をされているわけですね。郵政大臣たる者がもう少し毅然たる態度で辞表をふところにしても、自分の監督をする電電公社の経営の基盤にかかわる基本的な問題、しかも衆参が一致して決定をして積立金として処理をし、それが建設財源に回って非常におくれておった日本の電気通信事業を再建するためにはそれがいいんだといって行政府がやったことを国会が修正をして六十一条ができている、その重大なる使命を負っているのが郵政大臣じゃないですか。大蔵大臣とどういう太刀打ちをしたか私はよくわかりませんが、またそれをここで聞こうともいたしませんが、もう少しわれわれが納得できるような、郵政大臣は郵政大臣の立場から、この納付金についてはこういう態度で私は納得できないというふうなことを言われて、なおかつあなたは閣僚の一人ですから、最終的にそういうことで決められちゃったんだ、自分としては不本意だというくらいの心境があるなら、これは私どもよくわかりますけれども、いまのような何か今度は大蔵大臣の責任にするような話で逃げられたのじゃ、これは私は納得できません。もう一度お答えください。
#26
○山内国務大臣 経緯はいろいろあったことは間違いないのです。電電公社が納付金を払うにつきましては、これは大変な努力が要ることでございます。いままでも非常に御努力をいただいて、最近の収支差額も良好でございますし、財務の状況もよかった、こういうことでございますので、国家財政が喫緊な状態であるというこの点に私は重点を置いて、電電公社にも大変御苦労さまでございますけれども、ひとつ国家の財政の面からこういう点を受けようじゃないかというような点から納得した、こういう状況でございます。
#27
○鈴木(強)委員 大蔵大臣にもちょっとお伺いしておきますが、私どもは当初、大蔵省としてはいろいろと毎年度の予算編成をしておりますから、積立金というものがどう利用されているかということは一番よく知っている人なんですよ、したがって、そうむちゃなことはできないだろうというので、われわれいろいろ、廊下トンビじゃないのですけれども、もっともっと低目なところでというような意見もあったように聞いているのですけれども、五千数百億というような額からまた四千八百億になったという経過もあるので、大臣としては財政を預かる一番最高責任者ですから、再建のためにということでいろいろお考えになったと思いますけれども、やはりこれをお決めになる際、これからの電気通信事業が一体どういうふうになっていくのか、国民、利用者にどういう迷惑をかけていくのかということを十分考えられたと思うのですよ、賢明な大臣ですから。そういうことがあるにもかかわらず、なおかつ借金をさせてそうして取り上げていくというような、そういうことをあえて踏み切らなければならなかったということは那辺にあったのか、二人の言うことはよくわからぬので、もう一度あなたから国民にわかるようにひとつ説明してくれませんか。
#28
○渡辺国務大臣 お二人の言うことがおわかりにならないそうでございますが、私の言うことがおわかりになっていただければ大変ありがたいと思います。
 御承知のとおり、山内郵政大臣もこれは当然電電公社所管の大臣でございますから皆さんと同じような御主張のあったことも事実でございます。しかしそれと同時にやはり国務大臣でございますから、私も国務大臣であって、私も郵政省の問題について、また公社の問題については十分配慮をしておるつもりでございます。問題はことし非常な財政危機で、そして一兆四千億円もの増税をしなければ社会福祉や文教等の予算も伸ばせないという状態の中でございまして、大型な増税を実はお願いしたわけでございます。その一環として、法人税なども一律、中小企業も含めて増税をさせていただきました。これらの会社等は利益が出ても別に現金で持っているわけでもなくて、みんな固定資産で持っておったり在庫で持っておったりというのが大部分でございます。したがって、利益は全部現金というふうには私は考えておりません。電電公社の場合は、過去税金を払わないということになっておりますから、剰余金だけでも累積されて一兆六千億円になっておる、もしこれが法人税を払っておればその半分も持ってないということになります。御承知のとおり同じ電気関係でも国際電電というのがありまして、電電公社は三兆九千億の売り上げがありますが、国際電電は大体一千四百五十億ぐらいでしょう。それでも約三百六十億円ぐらいの利益を出して最近は約二百億円近い税金を納めていただいております。こういうような状況にございまして、全く同じく私は申すわけではございませんが、しかしながらともかく電電公社においてはそういうような余剰を持っておられる、それだけにまた労使協力一致、合理化ということをやってこられたことはよくわかっております。したがって、一般の方々からも御納税いただくというような異常な事態でございますので、この際は金繰りの苦しいことはよくわかりますから、それにつきましてはもちろんわれわれも御協力いたします、つきましてはともかくいま中曽根長官からおっしゃいましたように、それについては年間千二百億円ずつ四年間という臨時の措置でございます。簡単に言えば、電電公社も一〇〇%の国の子会社みたいなものですよ。したがって、それだけの御協力はそう御無理な話ではないし、それによって電電公社が非常におかしくなってしまうというようなことでもございませんので、われわれとしてはぜひともお願いしたいというところで話がついて、実は千二百億円ずつ御納入をいただくことに相なった次第でございます。それが今回いろいろな一兆四千億円の増税と一緒になりまして、社会福祉とか文教とか科学技術とか、そういうふうに予算の伸び率の大きいところへ配分をされた。結局利用者に還元されたということと全く同じことではないかと思います。
#29
○鈴木(強)委員 大臣の答弁でもわからない。三人聞いてもわからない。私の方の頭が悪いのかどうかそれはわかりませんが、やってはいかぬことをやったわけですから、再びこういうことはやらぬということだけははっきりしておいてもらいたいのですよ。その点どうですか。
#30
○渡辺国務大臣 これは私も、一般の中小企業の方とかあるいは会社を持っている方とか電話、ほとんど皆電話を利用していますからね、私の聞く人は。そういう方から聞きましても、ともかく中小企業も増税に応じているようなときなのだから、そういうことで電電公社も一千億円ぐらいの御協力を願うということについては、それは無理だ、電電公社かわいそうじゃないかという声は余り聞きませんので、大体御理解いただけるのではないかと思っています。(鈴木(強)委員「これからまたやるかということです。もうこれ以上やめたらどうですかということです」と呼ぶ)これは私としては、当面四カ年の臨時応急の措置であるというように考えております。
#31
○鈴木(強)委員 きのう逓信委員会がございまして、郵政大臣はこういうことは再びやりませんと断言をしておりますので、あなたもそういう趣旨として理解をしておきます。
 それから中曽根長官、他に御用件があるそうでして大変恐縮です。途中で申しわけありませんが、実は電電公社の民営化問題について、これは大変税金との関係がございますので、ちょっと伺っておきたいのです。
 第二臨調の方でも何か三公社について、法人を含めて民営化することについて検討されるように伺っております。それから電気通信政策懇談会というのが郵政大臣の諮問機関にございますが、そこでも論議がされるようなのです。おとついのこの委員会でわが党の佐藤委員からの御質問に答えて、中曽根長官としては電電公社の場合を民営にするということは考えてないというような御発言があったようですね。私は非常に結構だと思うのです。佐藤榮作亡き大臣のその精神というのは脈々として流れておるし、公共性の強い事業であるし、こんなものを民営にするなんというわけにはいきませんよ。したがって、第二臨調と政策懇談会と中曽根長官と三者がおるわけですが、あなたははっきりしたのですが、郵政大臣も大体公企体でいくべきだ、こうはっきり言っております。したがって、第二臨調の方がどういうふうになるのか。ちょっときのうのテレビを見ましたら、第二臨調の方へ長官としてそういう趣旨を申し入れるといいますか、諮問の中に入れてというようなニュースが流れたのですけれども、その辺の真相をちょっと伺っておきたいと思います。
#32
○中曽根国務大臣 私は電電公社を民営にしないと言明したことはございません。何かの間違いじゃないかと思います。そういう答弁はしておりません。私がお答えいたしましたのは、一貫しておることでございますが、これは第二臨調でお決めになることで、われわれは予断をもってああしろこうしろということは申しません。ただ第二臨調におきましては、官業と民業との限界点をどうするか、そしてしかも大体国民の世論は官業を民営化しろ、そういう強い議論がいまの社会的風潮をなしておるのであって、そういう国民世論に従って検討されるのではないか、そういう想像はしております。そういう意味の答弁をずっと国会でやってまいりましたので、私個人が民営化の考えはないなどということは申しておりません。全く第二臨調の審議の経過を見守っておるというのがその態度でございます。
#33
○鈴木(強)委員 わかりました。四月八日の毎日新聞でしたか朝日新聞でしたか、「電電は公社として合格 民営化の対象外」こういうふうに見出しが出まして、いま申し上げたような趣旨が載っておりました。したがって、第二臨調との関係で郵政の電気通信政策懇談会との関係、これらの点がちょっと心配でしたから伺ったのですが、そういうことであれば私はそのとおりに理解をいたし、また議事録ももう少し読ませていただきたいと思います。
 それからもう一つ、行政管理庁長官として今度の行政改革については異常な決意でやられていると思います。総理も政治生命をかけるとおっしゃっておる。あなたも、新聞情報でございますが、行政改革に反対する役人は降格をさせてもやらなければならぬ、こういうようなことを発言され、閣議でもそんなふうなことを言われたように聞いております。この点について、政治生命をかけてやるという総理のこの決意を受けておやりになったと思うのですが、その真意はどうなんでしょうか。
#34
○中曽根国務大臣 第二臨調の委員の皆さんに私が審議に当たりましてお願い申し上げているのは三点ございまして、一つは、官民協調でやってください、お役所を最初から敵に回すような態度ではこれは成功いたしませんし、適当ではありません。それから第二番目は、自分の所属を離れて国家的大局に立って御判断を願いたい、財界とか学界とか労働界とかさまざまなところからおいでいただいていますけれども、委員会に入った以上は所属を離れて大局的に御判断を願いたい。第三番目は、われわれが汗を流してやればやれる、しかも国民の皆さんからはよくやったと、そういう実行可能な、しかも画期的な案をお出し願いたい、初めから実現不可能なような案をお出しいただいてもそれはできません。その三つのことをお願いしておるのが基本的姿勢でございます。
 公務員諸君に対しましても、私は官民協調でおやりいただきたいという考え方に立っておりますので、お役人さんを初めから敵に回すとか、特定の先入観を持ってやるという考えはございません。また日本の公務員諸君は外国との比率、国際比価等を見ますと数がそう多いわけでもございません。しかし国内比価から見ると民間の工場の方がはるかに生産性が高い、そういう面はあるのであって、そういう意味から肥大化したのを削減するという国民世論も生まれているのであろうと思います。しかし、国際的に見ると必ずしも人間が外国に比べて多過ぎるということはないし、また日本の官僚というものは世界においてはフランスの官僚と並んで非常に優秀である。これは私も昔一年ばかり役人をやったことがありますからよくわかるところで、それも非常に評価している点でございます。しかし、いままでの日本の行革の歴史を見ますと、場合によっては公務員やあるいはお役所というものが反対の中心になって、そして自分の団体とかあるいは政治家に手を回して反対してもらう、そういうことで部分的に挫折したというような点もなきにしもあらずであります。それが正しい大局的判断に立ってやられているならまだまだまだしもであるが、ややもすれば役所のエゴイズムから自分たちのシェアを守ろうとか、あるいは自分たちが後で後輩から、あれがいたときにこうやられてしまったのだなどという非難を受けたくない、そういう役所のエゴイズムから反対するようなことはよくない。今度われわれは異常な決意を持ってこれだけの行革に取りかかっておるのであるし、総理も政治生命をかけて、そう言われておるのであるから、もし万一かりそめにもそういう役所のエゴイズムから悪質な反対運動を起こすような者がいたら、これは許すべきでない。その場合にはわれわれは行政管理庁として監察権を発動して監察する、そして当該大臣に通知するし、総理にも上申して適切な措置をとってもらう、そういうことを閣議でも発言してきた、これが私の真意でありまして、日本の役人の能力やあるいは勤勉性を評価しているという点は一貫して持っておる。ただ、いい役人と悪い役人とがおりまして、一生懸命よくやるのと役所に行って新聞ばかり読んでいるのと、あるいは新聞をにぎわすような規律から見て思わしくないような業績をやる人もあります。いろいろありますが、しかし概して見れば国際的にはよくやっている方だ、そういう評価は持っておるのであります。
#35
○鈴木(強)委員 長官の真意はわかりました。
 それで、四千八百億にいたしました根拠をひとつ、これは大蔵省の方から教えてください。
#36
○西垣政府委員 先ほど大臣から臨時異例の措置として今回の納付金をお願いしたというふうに申し上げたわけでございますが、その納付金をどういう基準で納付していただくかということを決めますときに、まず損益に影響が出ないようにということを考えながら資本剰余金、自己資本の中から利益剰余金がございますので、それを取り崩すという形で臨時異例の措置として納付していただくという仕組みを考えたわけでございます。そのときに基準といたしましたのが、先ほど中曽根長官も言われましたように自己資本比率でございまして、過去電電公社の経営が安定的であった期間の平均自己資本比率を算定いたしまして、それを超えている分をめどといたしまして四千八百億ということにしたわけでございます。四千八百億を直ちに納付するということになりますと公社の財務状況あるいは資金繰り等から見て無理もございますし、国の方も数年間にわたって安定的な財源を確保するという必要もございますので、四年に分けまして毎年千二百億ということでお願いをしている次第でございます。
#37
○鈴木(強)委員 この数字については私はよくわからないものですから、もう少し詳しくその基準をお聞きしたいのですが、時間が制約されておりましてそれができませんので、別途お伺いすることにいたします。
 それで、この見合いというとおかしいのですけれども、昨年五百億であった電電公社への財投資金を千五百億にいたしましたね。これから五十七、五十八、五十九と、要するにこの四千八百億に見合う程度の財投は見るというふうに確認していいですか。
#38
○渡辺(喜)政府委員 電電公社に対します財投の金額は、必ずしも今回の納付金と直結して判断されているものではないわけでございます。納付金を納めることによりまして全体の資金繰りにもちろん影響が出るわけでございますが、私どもとしてはあくまでも電電公社の建設勘定の資金繰り等を十分見まして、自己調達できる分、不足する分というものを見た上で財投として幾ら電電に入れたらいいかという判断をしているわけでございます。その考え方は、今後四年間の納付金期間も同様な考え方で対処してまいりたいと考えております。
#39
○鈴木(強)委員 理屈的にはおかしいのですが、とにかく四年間一応建設財源の足りない分については財投で見ようということですから、それはそのように確認をいたしておきます。
 そこで、電電公社にちょっとお伺いをいたしたいのでありますが、お聞きのように四千八百億円の納付金を出さなければなりません。しかし、それに見合う分の建設財源に対する財投というものは考えていくということでございます。しかし、この財投も、さっき申し上げましたように四千八百億円納付しますと、仮に四千八百億円借りたとすれば利子を含めて八千二百億くらいの負担になると思うのです。それから、これから公衆法の改正によりまして日曜、祭日の割引、それから五百キロから七百五十キロまで、七百五十キロ以上の割引も行われます。さらに昨年十一月二十七日から深夜割引が行われております。現在公社には五兆二、三千億に及ぶ電電債の発行残高がございまして、これは借金でございます。五兆三千億の借金を持っておる。それから加入者に債券を買っていただきました加入者負担法、これは拡充法と簡単に言いますが、これが五十八年三月三十一日、いわゆる五十七年度限りで切れてしまう。
 そこで、これから公社にどうしてもやってもらわなければならぬ問題は、まず料金の内訳明細書をつくってほしいということ。これは国民の、加入者の世論です。これは相当金がかかると思いますが、いまでも自分はこんなに電話を使った覚えはない、間違っているんではないか、こういうような苦情が実はかなり来ていると思います。したがって、料金の内訳書をつくるということは喫緊のことだと思います。それから、今日加入区域というものがございまして、加入区域と加入区域外は電話を引く場合でも非常に格差がございます。これも是正しなければなりません。それから、いまでも古いタイプのA型とかクロスバーとか、そういう機械がほとんどでしょう。これをDEXとかDDXという近代的な機械に変えなきゃなりません。それにも金がかかる。それから、データ通信網は大都市集中であって、いま都会の方ではかなり便利にしておりますが、ローカルに行きますとまだこれが未発達で、そういう点も早く直してもらわなければならない。それから、情報化社会に入りまして、いろいろと地域における格差、そういうものも当然出てきますが、新しいサービスとしては光通信とかあるいは通信衛星を使っての多様化したサービスとか、いろいろのものが出てくるわけです。それから、パリへ行ってみるとわかりますが、パリの市内には電柱は一本もない。全部地下に入っております。日本でもいま共同溝をつくり地下ケーブルをやっておりますが、こういったものも長期にわたって都市の美化の点からやはりやる必要があると私は思うのです。ですから、こういうことを考えてみますと、第六次計画が五十七年度で終わりまして第七次の計画が五十八年度から始まると思いますが、そういうことを思うにつけても、今回の四千八百億を取られるということは、逆に三千四百億の利子をつけて八千二百億、それだけの金を召し上げられるわけですから相当な負担が出てきて建設財源に支障を来すのではないか、こう心配されるわけです。郵政大臣は何か新聞によりますと、この五十六、五十七、五十八、五十九年の四年間は電話料金の値上げはしないというような御意見を発表されているようですが、実際に運営に当たる公社として、五十六年度はわかりました、九百三十八億の黒字になる。五十七年、五十八年、五十九年はどうなっていくのか、料金値上げをしないで済むのかどうなのか、さらに第八次に向けての、いま申し上げましたような計画を遂行するためには、第七次には、少なくとも第六次計画より以上の建設予算というものが必要になってくると思うわけですが、そういうことを考えると、負担法の廃止というような問題もございまして容易ならざる事態に当面するであろう、こう思うのであります。いまにわかに確たる推定はできないと思いますが、さっき申し上げましたようないろいろな電話料金の引き下げ等を含めまして、公社財政はどうなっていくのか、おおよそのところでも結構ですから示していただきたい。
#40
○岩崎説明員 お答えいたします。
 先生おっしゃいましたように五十六年度は九百三十八億の収支差益を見込んでおりますが、五十七年度につきましても、格段の経済情勢の変動がなければ五十七年度も増収、経費節減というような努力をいたしまして黒字で推移するというふうに思われます。
 五十八年、九年ということになりますと、これは現在いろいろ検討しているところでございますが、なかなかむずかしゅうございまして、一つは、公社の収入は景気に非常に左右されます。また、昨年の十一月に実施いたしました深夜割引の制度また夜間割引の拡大、それからことし実施をしたいということでお願いしております遠距離通話の値下げ、日曜、祝祭日の割引、これらの影響につきまして一応の見込みを立てて五十六年度の予算は立てられているわけでございますが、それらがどのようになるかということにつきましてまだ確たる見通しを得てない状況でございます。また支出につきましても、これは物価の上昇に非常に強くリンクしてございまして、そこらの見通しも得なければならないというような状況がございます。いずれにいたしましても新サービスというものの開発、導入に努めまして増収努力をいたしますとともに、また新技術を導入いたしまして経費の節減を図るというようなことを柱といたしまして、増収、経費節減の最大の努力に努めたいと思っておりますが、五十八、九年につきましていま申しわけございませんがそのような状況でございまして、確たる数字といいますか見通しを申し上げられる段階にはございません。
 以上でございます。
#41
○鈴木(強)委員 確たる見通しを申し上げることはできません、それはよくわかります。しかし、おおよそ第六次から第七次に向かってやろうとする計画、それに要する所要建設財源それから料金値下げに伴う減収分、それを差し引いてみますと、いま五十七年度は何とかいけそうだ、しかし五十八、五十九年になるとむずかしい情勢だ。このむずかしい情勢だということはすなわち場合によったら赤字になるかもしらぬ、こういうことではないでしょうか。私は、ある新聞でございますが新任の真藤総裁、大変御苦労いただいていま東奔西走、一生懸命勉強されておられるのでありますが、その新聞の一こまの中に、いまの見通しでは五十八、五十九年に赤字になるが、これを皆で努力し、日曜日、祝日や夜間割引を行いながらかつ収支バランスを維持していかなければならぬ、こういう趣旨のことが載っておりますし、総裁も勉強されて、これは五十八、五十九年になると赤字になるな、そのときには料金値上げをしなければならぬかもしれぬ、しかしできるだけ皆さんがんばって料金値上げをしないで済むように努力をしてほしい、こういうことを言っておるのだと私は思うのですよ。ですから四千八百億というものの負担が直接今度は料金値上げに結びついてくる、こういうことになるわけでありまして、この点は大蔵大臣も十分に配慮していただかなければなりませんが、郵政大臣のおっしゃるようにこの間値上げはしないんだ、このことはどういうことなのか、その真意を、誤解があってはいけませんからこの際明らかにしておいていただきたい、こう思います。
#42
○山内国務大臣 電電公社で大変御努力をいただいているわけでございますけれども、値上げの問題は損益勘定の収支差額が黒になるか赤になるか、これによって上げるかどうかということが判断されると思っております、いままでの例がそうでございますので。そこで、収支差額の黒字が何年まで続くであろうか、こういう問題になろうかと思いますけれども、いろいろとサービス、昨年の十一月でございますか夜間料金の割引をやりまして、そのときにもこのぐらい下がるであろうと思われたのがその予定よりも通話料がふえまして、そんなに減らなかったということもあったというような例もあるわけでございます。それから五十六年度は今度は遠距離の値下げの問題、それから日曜、祭日の割引もこれはやる予定でございますけれども、そうなった場合にどうなっていくかというのは、いままでは値上げの場合は大体見当がついたのでございますが、値下げの場合には需要量がふえていくというような点、それからいろいろとこれから技術の開発あるいは企業努力をしていただく、こういうような点で先ほど電電公社から言われましたように五十九年までの収支差額がどうなるかということはまだよくわからない、こういうことでございます。しかしできるだけ御尽力をいただくということはお願いするわけでございますが、仮に赤字になった場合直ちに電話料金の値上げをお願いすることは、納付金を納めながら国民感情としてこれはとても納得していただけないだろうというようなことを私は申し上げているわけでございます。
#43
○鈴木(強)委員 時間がなくなりましてあと五分でございます。そこで大蔵大臣にもちょっと聞いておいてもらいたいのですが、いま申し上げましたように経営は予想外に苦しくなると思うのです。そこでこれからやはり三十四万の全職員がそれこそ一体になってこの事業に取り組んでよりよいサービスを提供するために努力してもらわなければならぬということになると思うのです。現在の公労法上も職員に対する給与については国家公務員と違った特別の待遇もやれるようになっております。特にこれは電電だけではないのですが、三公社五現業の場合におきましても当事者能力というものが、今日予算総則その他におきましてもあるいは公労法との関係等におきましてもなかなかうまくいっていない。しかし何とかこの当事者能力を復活していこうということは、先般も公労協の三公社の調査会か何かでも意見が出ておりまして、何とかこれは解決しなければならぬということも閣議の方でも大体認めておられるように聞いておるわけです、二、三年前のことですけれども。したがって、どうかひとつ職員が本当に事業と取り組んでいけるような、労働者も報われるような、そして経営する人たちもこれを使っていく人たちもみんなが喜んでいけるようなそういう体制をつくるためにいろいろ従来も御苦労いただき、御配慮をいただいておりますが、この上ともそういう御配慮をぜひしていただくように特に大蔵大臣にお願いをしたいのですが、それについてちょっと御所見を伺いたい。
#44
○渡辺国務大臣 電電公社が非常に労使協調していい成績を上げてきたということについては私は率直に認めるのです。経営も評価しておるわけです。しかしやり方によってはまだまだいい成績を上げることができる素地が幾らでもある。それは国鉄なんかと違いまして、国鉄は競争相手が物すごくて陸と空と海との競争ですから非常に条件がむずかしいところがある。しかし電電公社の場合は独占で、郵便局との競争はありますよ、ありますけれども、郵便料金なんか値上げすればするほど電電公社に行ってしまうという逆の結果もございまして、やり方次第じゃないか。したがって今後納付金も一千億じゃだめだ、もっと納められる、三千億ぐらい、毎年五千億も納められるというような、やり方ではそういうこともできるのではないか。そういうことになれば内部のやり方もいままでと同じというわけにはいかない。そこにはやはり働けば働いたメリットがあるようなことを、そういうふうな仕組みを一緒にあわせて考えることが国のためにもいいし従業員のためにもいいし国民のためにもいいということではないのか、私はこう思っております。
#45
○鈴木(強)委員 時間がありませんので終わります。どうもありがとうございました。
#46
○綿貫委員長 ただいま日本中央競馬会理事長武田誠三参考人が出席されております。
 本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 竹内猛君。
#47
○竹内(猛)委員 私は、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の中で中央競馬会に関係する問題について若干の質問をいたしますが、主として小川委員の方から質問がありますから、私はその前段で基本的な部分について質問をいたします。まとめて申し上げますから、その後でお答えいただきたいと思います。
 私及びわが党は、競馬についてはその健全な発展を念願しているものであります。その立場から、今度、行政改革と財政再建の名のもとに、中央競馬会から剰余金として第二次国庫納付金に値する五百億を徴収することについて意見を述べ、提案も申し上げ、そしてまた答えもいただきたい。
 昨年十月二十一日の内閣委員会で、中央競馬会の国庫納付金の考え方について、私は中曽根長官に質問をいたしました。その後、問題が明らかになって、今度五百億の徴収という形になったわけでありますが、競馬は中央競馬会、馬主会、調教師会、さらに厩務員並びに生産者によって運営されておるわけでありまして、現在、競馬ブームによって剰余金が出た。剰余金が出れば、これは国に上げてしまうことになっておりますが、競馬は単に競馬会と調教師会だけが潤っていて、馬主や馬の生産者や厩務員は必ずしも経済的には潤っていないというのが現状です。そういう中から、いまだに内部における不健全な状態を残して剰余金を取り上げる。すでに法律に基づいて競馬の売上金の場合には、七五%は観客に、二五%の中で一〇%は国に第一次納付金として納入しているわけです。そして残った一五%の扱いの中から六%、九%の割合があり、その中から今度はまた五百億という形になるわけでありますから、そういう状況からいきますと、どうしてもこの中で馬の生産者、非常に劣悪な条件の中で馬を育成している北海道及びその他の地区における生産者の待遇、処置、それから厩務員は特に雇用関係がきわめて不明確であって、去年などは二回もストライキをする。ストライキをすればファンが非常に期待していた競馬ができないわけでありますから、そこで心を破壊するという形になる。どうしてそういうことになるかというと、やはりここには給与あるいは身分、待遇、労働条件、こういうものがはっきりしない。最終的には競馬会が出ていっておさめるけれども、どうもはっきりしない。裁判までやったけれども、いまだにはっきりしていない。こういう点、もう少しその内部をしっかりして、なおその後に金が余ったならば、これは考える余地もあるのじゃないか。
 あるいはまた日本中央競馬会法の第一条によれば、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与する」ということになっておりますけれども、では今日、畜産は果たして振興されているかというと、畜産農家はやはり赤字、借金、それから外国からの輸入によって在庫が多いという状態になっていて、必ずしもこれは健全とは言えない。競馬会法の目的から言っても、まだまだ内部にやるべき仕事がたくさんあるのに五百億もそこから取り上げるということは、今日の段階ではよろしくないと思うのです。そういう意味で、これからぜひ馬主の皆さんあるいはまた調教師と関係を持っております厩務員の皆さん、あるいは畜産農家、そして観客に対する処置をしっかりとった上で考えてもらいたい、こういうふうに思うわけです。これについてはすでに第一回の質疑をしておりますけれども、なおこの際法律が出てきておるわけでありますから、それぞれの関係者、大蔵大臣並びに農林大臣、中曽根長官から答えをいただきたいと思います。
#48
○渡辺国務大臣 競馬会の立場からすれば、そのような御主張もあろうかと存じます。またファンからすれば、もっと賞金をふやせという御主張もあろうかと思います。馬主からすれば、賞金が足らないという御主張もあろうかと思います。しかしながら全体から考えますと、確かに売り上げの一〇%を国に納めております。それで残った中で、二五のうち一五で賞金を払ったりいろいろな経営をやったりして、それで残れば国と折半ということでございますが、五十五年度の実績は第二次納付金が三百五十億円ぐらいですか、ということですと、ことしと同じペースで五十六年も五十五年並みの売り上げがあったとすれば、三百五十億円ぐらい納めなければならぬ。そして自分の方へ三百五十億円積む。積む方が二百億に減って納める方が五百億になるという程度のことでございますので、私どもとしては一回限りの措置としてはまあ何ら支障はないもの、そう考えまして、みんながビール一本でも二十五円税金を納めてくれるということになったわけでございますから、そういうこととのバランスという点から考えましても、この程度のことはこういう時勢のもとでは御理解をいただきたい、こう考えております。
#49
○亀岡国務大臣 竹内委員の御高説よく拝聴いたしました。私どもの言いたいことを言っていただいたような気がするわけでございます。しかしただいま大蔵大臣からありましたとおり、財政再建という至上命令、何としてでもという御相談がありましたので、私どもといたしましては、競馬も御指摘のとおり本当に大衆化された一つの大衆の健全娯楽という地位を築いてきておるわけでありますから、円滑にしかも快適に競馬ができるということのためには、競馬会を中心にいたしまして生産者、馬主、さらには調教師並びに騎手、厩舎関係の皆さん、これらの方々の渾然一体とした協力関係がございませんと、円滑な競馬ができません。したがいまして、第一次納付金を納め第二次納付金も納め、その上にもう少し足し前をつけろ、こういうことでありますから、私が責任者として、私だけの一存ではできませんので、これも相当日数をかけまして、競馬会の方でも実は御相談を願ったわけでございます。しかるところ、競馬会の国を思う心大きい方々ばかりでございまして、私どもの要請に本当に気持ちよくこたえて、一年限りであれば後は何としてでも努力をして五十六年の競馬は円滑に実施していきましょう、こういうことで御了承を得ましたので、この法案を提出させていただいた次第でございます。
#50
○中曽根国務大臣 競馬会の皆さんにはまことに御苦労なことであり、また恐縮なことでございますが、国家財政窮乏の折から特に御協力をお願いいたしまして、また特に農林大臣の非常な御努力によりましてこういう結果が出てくることができまして、感謝しておる次第でございます。
#51
○竹内(猛)委員 それぞれのお答えがあったわけですけれども、これは将来の競馬の発展のためには、内部における不健全な状態をそのままにしておいて金を取り上げていくというのはよくない。右のポケットにあれば右のポケットに手を突っ込んで持っていくし、今度は左のポケットに何ぼか残っておればそれも取り上げてしまう。そして中にはほこりが残っている、こういうことです。そういうようなやり方ではよくならないのです。だから北海道や東北の馬を育成している生産者、それから朝早くから一生懸命厩舎で努力をしている厩務員の皆さんの立場というものをちゃんと決めて労使関係を明らかにして、観客を前にしてストライキなどやらなくてもいいようにしなければ、健全な競馬とは言えないじゃないですか。そういうような状態をそのままにしておいて、そして今度は余ったからいただいていきます、法律をつくりました、そういうことはよくない。こういうことはこの時間ではできませんから、後で小川さんからまた別な話が出るでしょう。そういうことをやるなら持っていってもいいじゃないかということだが、それはよくないから、小川さんが指摘されるようなことは慎んでもらいたいが、しかし内部にまだまだ不健全な状態があることだけははっきり指摘しておいて、競馬の問題については別な機会に一日ゆっくりやっていろいろ誤解を解かなければならないし、言いたいことも言いたいわけですから、そのときにはひとつしっかり議論をさせてもらうということで、私はきょうはこれだけで終わります。
#52
○綿貫委員長 小川国彦君。
#53
○小川(国)委員 最初に、私は農林省中央競馬会の五百億特別国庫納付金を出す、こういう問題に関連をいたしまして、昭和五十四年十一月に発生しました日本発馬機の不正事件、これが問題発生からすでに一年五カ月たっているわけでありますが、会計検査院においてもこれは調査いたしておりますし、それから警察庁においても捜査をされておる。しかしながら捜査の不徹底からか、私が質問いたしました当時、警察庁においては、これに対しては正確な捜査に取り組む、こういう御回答をいただいたわけですが、すでに一年五カ月の年月が経過しているわけであります。そういうことが会計検査院が検査をする上でもいろいろと支障になっている、こういうふうに感ずるわけでありますが、警察庁においてこの一年五カ月の捜査はどう行われてきたのか、それからその終結はいつなのか、これを最初に警察当局から伺いたいと思います。
#54
○中平政府委員 御指摘の事件は、五十四年十一月二十八日の日本発馬機の代表取締役から同社の専務取締役、常務取締役の二名を被告訴人とする二億四千八百万円に上る特別背任の容疑の告訴事件でございます。ただいま御指摘のございましたようにすでに一年五カ月がたったわけでございますが、この事件は何分にも非常に長期間にわたって行われておりまして、しかも金の流れの内容が複雑である、そういうことで長期の捜査を要しているわけでございます。当時私どもの捜査二課長がお答えしましたように、告訴に係る事案は二億四千八百万円でございますが、私どもといたしましてはさらにその背後にまでさかのぼりまして、長期間にわたる金の流れを調べながら、その中に刑事責任を問うべき事実があるかどうか、そういうことを鋭意捜査している状況でございまして、現在なお警視庁においては捜査中でございますが、それなりの結論を出す、そういうつもりで捜査をいたしております。いつ捜査が終結するかについては、ただいまこの席では答弁を差し控えたいと思います。
#55
○小川(国)委員 世界に誇る日本の警察の仕事としては大変スローモーな捜査である、私はこういうふうに思うわけであります。特にこの事件め中では、すでに告訴をされております被告訴人の小山一雄専務、菅沼重遠常務、この二人は商法四百八十六条の特別背任罪で告訴を受けている。その告訴金額も、いま御答弁にありましたように二億四千万という大変膨大な額に上っている、社会的な事件としても大きく取り上げられた、そういう立場からいきますと、両被告訴人にとっては、心情としても、この問題について一日も早くクロシロをつけていただきたい、こういう気持ちが御本人の気持ちではないかと思うわけです。同時に、これは私どもが調査した中でも、日本発馬機の職員の七名がこの事件に直接間接に関与しておりまして、これも当然刑法上の責任を問われるような問題点を抱えておりまして、それだからこそ日本発馬機においても、この七名の職員は部長、課長の職をそれぞれ解いて、一職員の立場において一年五カ月給与を払って在職させている、こういう状況にある。これはきわめて非人道的な問題でもあるし、非人権的な問題にもなりかねないわけです。さらにまた、会計検査院において検査をしようとしても、関係書類が警視庁に押収されたままである。そういうことでは国の正常な会計検査の妨げにまでなっているのではないか、こういう点を考えますと、警察庁としてはこの問題に対して速やかにめどをつける、それから会計検査院の検査の妨害になっている事実を一日も早くなくす、こういう考え方が持たれなければならないと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
#56
○中平政府委員 当然のことでございますが、捜査は迅速かつ的確に行わなければならぬわけでございまして、そういう意味でただいま申し上げましたように非常に複雑な内容でございますが、警視庁としては全力を挙げてやっておるし、しかも告訴事実だけでなくてその余の事実についても掘り下げて捜査している、そういうことで長期化しているわけでございます。しかし、御指摘のようになるべく早い時期にこの事件の終結を見るようにいたしたいと思っております。
#57
○小川(国)委員 同じ時期に発生したKDD事件では、すでに送検それから起訴、裁判が行われて判決も出ているわけです。同じ時期に発生した事件、きわめて大きな事件と言われたKDD事件においてはそういう決着を見ておりますのに、この事件だけが放置されているのは、何らかそこに問題があるのではないか、こういう疑念すら私ども感ずるわけであります。
 さらに会計検査院においては、この問題については昭和五十四年の決算報告書において指摘をする、二億四千万の領得の事実は明らかにあった、そういうことを私どもは何度も会計検査院の幹部から伺っているわけです。ところが証拠になるべき伝票書類が警視庁に押収されたままであってそれを確認することができない。そのためにこの事実確認ができないのだ、こう言っておりましたけれども、コピーによって会計検査院はこの不正領得の事実を五十四年の会計検査報告に載せる、こういうところまでいっているわけです。そのことを、私は再三にわたって幹部を呼んで会計検査の検査状況を確認している中で伺っているわけです。ところが警察庁の方では、この捜査が長引いて混乱をしているために、会計検査院に対して会計検査報告書に載せることを延ばしてほしい、こういうことを依頼に行ったということを私ども承っているわけでありますが、そういう事実があったのかどうか。
 さらに警視庁の書類押収のために、会計検査の指摘の確認までできないような事態を引き起こしている責任についてどういうふうにお感じになっているか、もう一遍この点を明らかにしていただきたいと思います。
#58
○中平政府委員 警視庁が会計検査院の会計報告を延期してほしい、こういうことを申したということでございますが、私どもそういう事実は承知いたしておりません。
 それから、具体的な事実関係を私十分つかんでおりませんが、通常の場合、他の官庁が会計検査等で当然必要な書類につきましては、現在の社会ではコピーができますから、コピー等で十分やっていただく方法もあろうかと私は思っております。
 なお、私どもの刑事責任追及の問題でございますが、二億四千八百万円に上る特別背任の事実を追及していくためには相当過去にさかのぼって長期間にわたる帳簿の調査をし、一つ一つ金の流れを追及して、その金の流れの中から背任に当たる事実あるいは業務上横領に当たる事実、そういうものを弁別しながらその責任を追及してまいる、そういうのが刑事責任の追及の処方でございますので、したがいまして相当の時間を要している、こういうことでございます。ただし、先ほどから繰り返して申し上げておりますように警視庁としてはそれなりの結論を出すという決意であるということと、なるべく早く終結する、そういうことで御了解願いたいと思います。
#59
○小川(国)委員 会計検査院に伺いますが、会計検査の独立性とそれから警察の捜査の優先性、これはどちらが優位に立つのか。それからいまお話しのように警察庁の方では証拠資料を提出する、協力するにやぶさかではない、こう言っておられるのでありますから、会計検査院においては検査院法に照らしてこれの調査を速やかに完結すべきではないか、こう思いますが、この点会計検査院に御答弁を願いたい。
#60
○中北会計検査院説明員 お答えいたします。
 いま先生の御指摘の捜査の優先権と私たちの会計検査の権限の優先権ですが、どちらも公法上の権限でありまして特に優先権はありません。したがって、ケース・バイ・ケースで判断するしか手がないと思います。
 それから後段の件ですが、私たちもいろいろな面からアプローチいたしましたがなかなかむずかしく、そういうリコピーによる資料ではどうしても心証の形成という面では非常にしにくいもので、やはり正本で確認しないと私たちはどうしてもむずかしいと考えましたので、一応五十四年度分では報告はいたしませんでした。そういうことです。
#61
○小川(国)委員 私ども再三伺った中では、皆さんの方ではもう検査を終了している、こういうことを伺ってきたわけでありますが、私はこの問題でこれ以上触れませんが、先ほど捜査当局は非常に古くさかのぼるということを言われましたけれども、告訴状を見ますと、告訴状の内容ではその古い事実ではなくて、この横領の内容として指摘しておりますのは昭和五十三年の問題について指摘をしているわけであって、二億四千万の領得の事件というのは、五十三年の事実について背任で告訴をしているわけです。それ以前の問題はまた別個になっているわけで、事案としてこの告訴状に基づくならばそれほどさかのぼらなくても捜査はできるはずだ。私はここでこの問題をくどく言いませんけれども、会計検査院も五十四年の検査書に載せるといったのを引き延ばしている、警察の捜査もおくれている、こういうところにこうした国の外郭団体の運営というものが適正に行われない問題があるわけでありまして、こういう点を捜査と検査院がもっと協力体制をつくってこうした問題に適切な処理をしてほしいというふうに感ずるわけであります。
 さて、これらに対する大臣の所感は後ほど求めることにいたしまして、もう一つ国税庁及び税理士の綱紀粛正の問題を競馬の問題についてただしておきたいわけでありますが、この発馬機の問題に関連いたしまして昭和四十八年から五十二年の五年間に四億七千五百万の脱税があり、これに対して修正申告の後三億九千五百万の追徴がなされているわけであります。さらにその以後において、同じく五十三年の確定申告書の中では一億二千万の更正決定を受けて八千七百万の税金を追徴されているわけであります。この日本発馬機の二度にわたる修正申告、更正決定、この中であらわれてきた問題でありますが、日本発馬機の顧問税理士でありました仲田清祐氏が偽造した確定申告書がございます。これを私は入手しておりますけれども、これが芝税務署において昭和五十四年の二月に文書収受をしております申告書でございますが、この申告書が二通ございまして、その二通が一通は偽造されている、こういう事実がございました。
 そこで、まず国税当局に伺いたいわけでありますが、納税申告の際この申告書は何部税務署に出されて本人の手元には何部残るものか。それから、中身の違ったものを申告書に出してもそれに収受の判こがつかれるものかどうか、この点を国税当局に伺いたい。
#62
○川崎政府委員 通常の場合でございますと、税務署に申告いたしまして税務署に残ります分と会計検査院に送付します分と、それから御本人が手控え用として持つ分でございますから三部通常提出されることになっておるわけでございます。
#63
○小川(国)委員 三部提出されて、本人の手元には何部残るものでございましょうか。
#64
○川崎政府委員 通常の場合は一部残るわけでございますが、本人が特別の目的で二部控えが欲しいというような場合には二部残るわけでございます。
#65
○小川(国)委員 それでは本人の手元に二部残ったといたしまして、その内容が食い違ってきている、こういう場合にはその内容は税務署としては確認されないわけでございますか。それからこういう食い違った二部に収受の判こが押されるということがあり得るわけでございましょうか。
#66
○川崎政府委員 先生御指摘の件につきましては事実を承知しないわけでございますけれども、税務署が収受の印を押しますのは、税務署が持つ分と会計検査院へ送付する分でございます。本人が控えとして持つ分は通常は収受印は押さなくてよろしいわけでございますが、申し出があれば押す、そういう扱いをいたしております。
#67
○小川(国)委員 収受の申し出があれば押すわけですが、中身は確認されないわけですか。一枚目を見て、判こをこういうふうにそれぞれ押してあるんです。一枚目はそれぞれ同じものなのです。ところが二枚目の中身が一方は二千万円の黒字のものがつくってあって、もう一方は二百三十七万円の赤字のものがつくってあって、二百三十七万円の赤字は税務署に出した本物なのです。二千万円の黒字になっているのは中央競馬会から農林省に提出した方になっているわけです。そういう二重の税務申告書を芝税務署に出して、収受の判こをもらってそれぞれの機関に出しているわけですね。こういうことが許されることでございましょうか。
#68
○川崎政府委員 先生御指摘の事実は承知いたしませんけれども、通常、収受の印を押す場合は別々に違っておるということがわかれば押さないであろうと考えます。
#69
○小川(国)委員 国税当局は中身が違っておれば判こを押さない。ところがこういうような中身の違うものを、いわば国税当局、これをだまして判を押させたことになると思うのですね。この点はいかがでしょうか。
#70
○川崎政府委員 その点昨日来若干調べましたけれども、結局事実を明らかにいたしておりませんので何ともお答えいたしかねるわけでございますけれども、なお今後調べさせていただきたいと思います。
#71
○小川(国)委員 大変怠慢なことではないかというふうにこれも思うわけでございますが、もしこの二つが食い違っておった、この私が申し上げていることが――税理士の仕事として当然内容が同一のものでなければならない。それでこそ二部税務当局に残して、それから希望によっては二部本人が持ち帰ることが許される。ところがその二部を内容の違うものを持っていた。当然これは国税当局に出したものと同じものが一部あって、もう一部はにせのものに芝税務署の判を押させた、こういうことになるわけでございます。その事実について私どもは非常に疑念を持つわけでありますが、こういう場合国税庁は、税理士法四十五条というものによりますと真正の税務申告をしなければならないという義務が税理士にあるわけですが、こういうことが行われた場合、この税理士法四十五条の対象にはなるのかどうか、この点はいかがでございますか。
#72
○川崎政府委員 事実関係は明らかにしておりませんけれども、もし御指摘のように故意に二つ別別のものをつくって税務署の判を押してもらったということになれば、税理士の行為としては適当でないと考えます。
#73
○小川(国)委員 この適当でない行為がかなり作為的に意図的に行われたというふうにきわめて悪質な状態であるということを実は調査の中で私どもは感じておるわけであります。というのは、この日本発馬機のにせ申告書をつくりました仲田清祐という税理士は日本発馬機の税理士でございますが、この日本発馬機に紹介したのは小山という横領と背任の疑いでいま告訴をされております日本発馬機の専務と府立一中の同期でありました金子知太郎氏という方の紹介によるものであります。この金子知太郎氏は昭和四十一年八月に東京国税局長をなすった方でありまして、現在は銀行の専務をしておられる方であります。この金子氏が東京国税局長の時代に仲田清祐税理士は当時昭和四十一年七月、東京国税局直税部の資料調査課におって部下として金子氏に仕えていた。そして、この金子氏の友人を経て小山専務のいる日本発馬機に行った、こういうことでございます。それからもう一人、税理士の丸島辰雄という方が、これも金子元東京国税局長の紹介で日本発馬機の顧問税理士になっているわけであります。そして、このにせ申告書と本物の申告書と二通を持ってまいりましたのがこの丸島辰雄税理士であった、作成したのが仲田税理士であった。二人とも元東京国税局の職員であり、しかも東京国税局長から横領の小山専務を紹介されその税理士を担当した。さらに、そこの当時の芝税務署長がこれまた東京国税局に、現在は退職しておられるかどうかわかりませんが、細金英男という方がおって、そこへこのものをその二名の国税局出身の税理士が持っていった、こういうふうに言われているわけなんです。
 そうしますと、この事案をながめてみますと、いずれも国税局出身の税理士がこうした脱税の幇助をしてきている、手助けをしてきているということは非常に問題ではなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。これはいろいろ法的にも調べてみましたけれども、商法四百八十九条の「会社財産を危くする罪」というのがございまして、この日本発馬機が告訴されております事件では小山、菅沼の両専務、常務が告訴されておりますが、脱税で二回国税庁から指摘を受けた。最初は修正申告、それから更正決定、この段階で国税庁はもう横領があるという事実が一般的にはわかるはずだ。ところが、その二つの事案があっても国税庁から警察当局に通報がなかったというふうに思うのです。ですから、今度はその第三回目にこの二人の国税局出身の税理士が手助けをしてエス・イー・エスというトンネル会社をつくって、そうして日本発馬機に二億四千万の損害を与えた。そのエス・イー・エスの監査役にこの仲田という税理士がなっているわけです。ですから、脱税が行われてきた事実を知って、今度はトンネル会社を通してやれば合法的になるよということで、そこまでの作業を仲田税理士はやっているわけです。ですから私は、中央競馬会にしても日本発馬機にしてもしかりだと思うのですが、小山、菅沼の両役員を告訴するならば、その共犯の仲田税理士も当然背任罪の共犯になり得る行為が一貫してあった、こういうふうに実情が把握されるのですが、国税当局と中央競馬会と警察当局、こういう事態について調査、捜査をなすったことがあるかどうか、それから、これに対して取り組むお考えがあるかどうか、こういう問題が放置されておるので、この際お伺いしておきたいと思います。
#74
○川崎政府委員 先生御指摘の点でございますが、その税理士さんは四十二年かかなり古い時点で退職されて税理士をずっとやっておられる方のようでございます。先ほど御指摘の金子氏は五十年当時東京の局長であった方でございまして、面識があるであろうとは思いますけれども、五十年当時の直接の上司、部下という関係ではなかったように考えます。
 片一方で脱税指導を税理士がやったのではないかというお話でございますが、私どもの調査では脱税はあったわけでございますけれども、それを指導したとかというふうなことは把握いたしておりません。
#75
○武田参考人 仲田税理士の問題につきましては、中央競馬会としてはなかなかこの事実につきまして具体的に調べるというようなことは現実問題としてむずかしいと思っておりますが、発馬機会社の委嘱を受けてやっておった税理士さんでありますから、発馬機会社の方を通じてこの辺についての調査を進め得ればできるだけそういうことを進めてみたいというようには思います。
#76
○中平政府委員 現在捜査は被告訴人二名を中心に進められておるわけでございますが、その過程で発馬機関係の経理関係は当然克明に洗わなければならぬわけでございますから、仮に御指摘の中に刑事責任を問うべき事実があれば警察としてはそれなりに対処してまいる、そういうことになろうと思います。
#77
○小川(国)委員 国税当局にも申し上げておきたいと思いますが、昭和五十四年十一月二十八日に、日本発馬機の三上代表取締役から小山一雄、菅沼重遠、この両名に対する告訴状がございます。これをぜひお読みになっていただきたいと思います。これをお読みになれば脱税を指導された事実というのが、この中にエス・イー・エスの監査役仲田清祐という方がどういう役割りを果たしたかが明らかになってまいります。これをぜひ御調査なさって後刻御回答いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#78
○川崎政府委員 御指摘の点につきましては検討させていただきたいと考えます。
#79
○小川(国)委員 次に私は、こうした問題をはらんだ日本中央競馬会の今後の運営の中から、財政再建の一つの道筋として今回特別措置の五百億というものを拠出を求めたということはまことに適切な措置である、こういうふうに考えるわけであります。ただ、しかし、その額において果たして適切であったかどうかということはまだ検討を要する問題であって、私はむしろ少な過ぎる、こういうふうに感じているわけでありますが、関係大臣や各省庁の責任者は本当にこれに真剣に取り組んだのかどうか。この点で内容を検討してまいりますと、五百億といいますが、このうちの三百億はすでに第二次国庫納付金として予定されているものである。そうしますと、新規に支出を求められるのは二百億程度ということでございます。さらに正確に調べてまいりましたところが、昭和五十五年の中央競馬会の総売り上げは一兆三千六百十四億円で前年より七・六%もふえて九百七十六億円増収になっております。この一〇%の千三百六十一億円が第一次納付金で入った。さらに五十五年の純利益が六百九十七億六千万、約七百億出たわけでございまして、そうして三百四十八億八千万が第二次国庫納付になるわけです。大ざっぱに言いますと三百五十億の第二次国庫納付金がもうすでに帳簿上予算にも組まれ、決算においてこういうものが出てきたわけでありますから、結局納めるのは百五十億だけである、特別積立金を取り崩して納めるのは百五十億である、こういうふうに感ずるわけです。私どもこれを見ますと、現在中央競馬会は財政が大変潤っておりまして、百五十億だけの支出ではきわめて軽い負担ではないか。流動資金として見ますと、特別積立金が九百億もあるわけでありますから、その中から百五十億か二百億の支出でございますとまだ大変なものが残ります。ただ工事費の未払いが百四十億ほどあるそうでございますから、それを払ってもまだ五百六十億円の流動資金が残っておる。こういうふうに考えてみますと、私が先ほど申し上げたようにこれはまだ取り方が少な過ぎると思うわけでありますが、大蔵大臣、農林大臣、行管長官、それぞれこの交渉の中でどういう意見を持っておられたか。結果を別にして率直に所見を述べていただきたい。
#80
○亀岡国務大臣 小川委員御承知のように日本の競馬は二五%を経費として、あと七五%はファンに返す、こういう仕組みになっておるわけでございます。この中から一割を国庫納付金として出す。剰余金が出た場合にはその半分を出すということで、いま御指摘になられたような経緯をもって五十四年度は納入をいたしておるわけでございます。競馬会といたしましても先ほど来申し上げておりますとおり快適な明るい国民の大衆娯楽の一環として競馬を楽しむというためには、競馬場の整備並びに厩舎やあるいは厩舎関係の給与対策とかいろいろとその対策を講じなければならぬわけであります。と同時に、競馬にもし事故があった場合の払い戻し等についてのある程度の準備金も持っていなくちゃならない、そういうことでございまして、私どもも当初第二納付金を納めた後果たして協力してもらえるかどうか――私ども出るはずだから出しなさいということで、無理に出させた結果が後は競馬が開けない、いろいろ内部で問題が起きまして収拾がつかなくなるようなことになったのでは元も子もなくすわけでございますので、そこのところはやはり気持ちよく協力してもらうということでありませんといけないわけであります。五十六年度の競馬が円滑に明るく快適に開催できなくなったのではファンにも申しわけないことでございますので、先ほど申し上げましたように競馬会の関係者、生産者の団体、さらには馬主会あるいは調教師会、騎手会、厩舎関係の方々に至るまで、競馬会が中心になりまして御納得をいただいた上に協力していただける、国の財政の非常時であるということで、一年だけであれば自分たちもがまんするところはがまんして、ひとつ協力してやろうということでこのような決定をいたした次第であります。
#81
○渡辺国務大臣 大変正論でありまして、私といたしましても考えたわけでございますが、いろいろ事情もございまして、ショック死されても困るわけでございますから、一方ギャンブル税を取れというような御主張もこの間参議院の社会党の方から強く主張されておるような時節でもございますし、今回はこの程度がいいんじゃないかということでしたわけでございます。
#82
○中曽根国務大臣 多からず少なからずという線を見ると、まずこの辺が限度であると思います。
#83
○小川(国)委員 各大臣とも、まあ大蔵大臣がやや、及第点まではいきませんがいい答えでありますけれども、ほかの大臣はちょっと落第ではないか。私は中央競馬会と関係団体、関連会社、そういうものをもう少しつぶさに大蔵省においても、農林省はもとよりですが調べてみる必要があるのではないかというふうに思うわけなんです。
 といいますのは、この中央競馬会、いま農林大臣いろいろおっしゃられたけれども、五十六年度の競馬が開催できなくなるということをおっしゃったのですね、農林大臣。なぜ開催できなくなるか。これ以上の金を出したら開催できなくなるというのはどういうところにあるのか。
#84
○亀岡国務大臣 もし競馬関係各界の協力なしで強行したと仮定いたしました際には、これはもう競馬というのは騎手関係の諸君の協力なしでもまた厩舎関係の方々の協力がなくても開催できなくなるわけでございます。その辺はやはり十分納得のいく点、給与を引き上げよという声もある。そういう給与の引き上げに回せというような声も出てくるのは当然でございます。そういうところを話し合いの結果協力をちょうだいしてこのような結論に到達をした、こういうことでございます。
#85
○小川(国)委員 大臣も大変不勉強だと思うのです。給与の引き上げに充てる財源なんというのは毎年余るほどあるのです。
 では大臣が給与のことをおっしゃったから給与の方からちょっと申し上げてみたいと思うのですが、大変な農林省の官僚の天下りがあって中央競馬会の役員を見ますと、ここにおいでになっていて大変失礼ですが、理事長の武田さんが農林省の事務次官で以下副理事長、常務理事、理事、監事、総合企画室長、顧問、参与三名、これは農林省からも会計検査院からも警察庁からも大蔵省からも行っておるわけです。ですからさっき私が指摘したように、会計検査がおくれたり警察の捜査がおくれるのは、警察大学校の研究部長をやった方とか会計検査院の第四局の審議官、これは農林省の担当の審議官ですよね、それから同じく第二局の検査課長をやったような方がみんな中央競馬会に天下りをしているのですよ。
 この天下りの実態を調べてみましたら、農林省から天下ったのが三十一名、警察庁から八名、大蔵省から二名、厚生省から一名、総理府から一名ですね。それから関係団体に今度は中央競馬会から天下りをした人は――農林省からも行ったわけですね、結局四十三名、七十四名の天下りがあるのです。
 この天下ったこと自体がこうした捜査なり検査の不徹底を招いているだけではなくて、給与を調べてみますと理事長の取っておられる給料は農林大臣並みでありまして、国会議員や事務次官より高いのです。これは昭和五十三年、五十四年、五十五年と、私、給与そのままとるとごまかされると思いまして源泉徴収票の給与表をもらったのです。名前は出ておりませんけれども、理事長さんが昭和五十五年千八百十万円です。副理事長が千四百八十七万円、常務理事が千二百九十一万、その他の理事が大体千二百四十七万。常務理事、理事、いずれも事務次官と同じなんです。理事長、副理事長になると事務次官よりも高いのですよ。これは天下りではなくて天上りではないか。下ったのではなくて給料は上がったんだ、私はこういうふうに思うのですね。これで人件費が困るというのは大臣、いかがなものでございましょうか。私、ほかの部課長から職員は調べませんですよ、しかし調べたら、短大卒の女の子はいま三井、三菱の商社に入るよりも中央競馬会に入った方が給料が高いというのですよ。いろんな手当がついているというのですよ。ここに金が払えなくなるような事態が――こういう国家公務員よりも上回った給料を退職していった官僚が――天下りじゃなくて天上っているのですよ。そういう事態で、百五十億以上の金を取ったら来年の競馬の開催が不可能になるという農林大臣の答えはいささか当を得てないのではないか。これは農林大臣と行管長官にこういう問題をただしていくと同時に、それに対するお考えをちょっと承りたい。
#86
○亀岡国務大臣 でありまするから、中央競馬会からは特別納付金は出してもらえるであろうという見当をつけられた大蔵省関係も目があるわけでありまするし、そういう点は競馬会でも理解をしたからこそ特別納付金に協力を得ることができたと思っておる次第でございます。
#87
○中曽根国務大臣 中央競馬会は昭和五十五年度末において大体三百数十億円の積立金を繰り越しておるし、約二千八百億円に上る累積積立金を持っておるので、財政的にはかなり余裕があるとわれわれも見ております。ただ、将来の運営等も考えて、余り苛斂誅求することはどうかと思いましたので、今度は二百億程度特別に出してもらうというような形になりました。しかし、内部の運営や職員管理等について厳正に行うことはあくまで必要なのでございまして、その点は役員の諸君に対してびしびしやってもらうように農林省にお願いしております。
#88
○小川(国)委員 私どもいままで中央競馬会の経営の実態をいろいろただしてきたわけですが、その中でいま一例人件費の問題を取り上げました。
 次に、交通費。これは私まだ競馬会の方から完全な資料を入手しておりませんが、中央競馬会の過去三年間のハイヤー、タクシーの利用料金がどのくらいかという資料をとってみました。そうすると、昭和五十三年のハイヤー、タクシー代、これは私一けた違うのではないかと思ったのですが、三億八千二百八十四万五千五百円です。それから五十四年が三億五千七百六十五万、五十五年は少し節約したというのですが、それでも三億一千百七十万です。私は、地方競馬場を持つ中央競馬会と同規模の民間会社に、支店を持っておる場合に使うハイヤー、タクシー代に比べて一体どうなのかと聞いたら、いやわれわれの会社の十倍、二十倍ですという答えが戻ってきたのです。中央競馬会の説明を聞くと、ハイヤーは役員の送迎で、全理事、監事が使っている。それから業務連絡、外部関係者の送迎、スト、団体交渉、深夜の帰宅。タクシーは役員、室部長、秘書役、業務用、外部の送迎、職員の深夜帰宅、こういうふうにあるのです。本当に業務上だけでいった場合、三億を超えるハイヤー、タクシー代というのはちょっと私、常識から言って、民間企業の方が聞いたら本当によだれが出てくるような話だと思うのですよ。この中にまだ飛行機代とか国鉄の旅費なども載っておりません。農林大臣、これはいかがに思いますか。
#89
○亀岡国務大臣 実は先ほどの役員の給与の問題でございますが、特殊法人で競馬会だけが特別高給であるということではなく、これは一律というシステムに基づいておるということを一つ申し上げたいと思います。
 いまの自動車代の件につきましては、事務当局から説明を申し上げます。
#90
○森実政府委員 お答え申し上げます。
 競馬会は、膨大な職員以外に膨大な施設を持っているわけでございます。ただ現在は、自家用車自体は本部で四台それから各四大競馬場等でも二台というふうに非常に限定しておりまして、できるだけハイヤー、タクシーを使う方が効率的であるという形で運用されているようでございます。
 そこで、先ほど先生の御指摘にもございましたが、状況を徴してみますと、御案内のように競馬の開催に関連して利用されているのが高いわけでございます。そういう場合の早朝出勤とか深夜帰宅という問題もありますし、それから出馬表を場外へ配付していくような仕事とかあるいは特別招待者の送迎という問題、これは外国人や報道関係者が非常に多いわけでございます。それから医師の関係、救護のための借り上げ車等、競馬場の所在地や場外が方々にあるということから、業務自体がかなり車両を使わなければならぬ実態があって多いのだろうと思います。
#91
○小川(国)委員 いまの局長の御答弁、ちょっと違うのです。私、中央競馬会の事業所別乗用車の保有台数も調べたのですが、本部で四台、それから札幌競馬場から函館、福島、新潟、中山、東京、中京、京都、阪神、小倉、宮崎、ずっと一台、二台、三台とそれぞれ持っておりまして、多いところは三台、少ないところでも二台、一台と持って三十一台の乗用車があるのです。ですから、いろいろな業務上の必要性というものはあろうかと思いますが、このタクシー、ハイヤーの使用料――私は、企業でもそうだし官庁でもそうですが、綱紀が弛緩しているのはどこに出てくるかというと一番ハイヤー、タクシー代に出てくると思うのです。そういう点でこの内容については、政府も監督する農林省も行管ももう少ししっかり見てほしい、こう思うわけです。
 それからさらに、こうした経費のむだ遣いだけではなくて、天下りのまた天下りがあるのです。私は行政改革をやっていく上で、行管長官もおられるから、大蔵大臣も農林大臣も皆さん一緒に聞いておいていただきたいと思いますが、中央競馬会の外郭団体はたくさんあるのです。官庁から、たとえば農林省や各省庁から中央競馬会に天下る、それからまた、中央競馬会から今度その外郭関係会社、団体に天下る。ですから、どんどん年をとっていっているのです。たとえば競走馬理化学研究所というのは、役員は六十五・五歳、競馬保安協会は六十六歳、日本軽種馬登録協会は六十八・五歳、日本軽種馬協会六十八歳、日本馬術連盟六十二歳、競馬共助会六十八・四歳、共栄商事六十八・三歳、日本競馬施設六十六・六歳、日本トータリゼータ七十・一歳、日本発馬機六十九歳、新和サービス六十七・二歳、中央競馬馬主相互会六十二・五歳、中央競馬社会福祉財団七十歳、馬事文化財団六十七歳、中央競馬ピーアールセンター六十七歳、日本中央競馬会弘済会六十八歳、こういうふうに皆きわめて高年齢の人が役員です。これは役員の平均年齢ですから、高い人はもう七十数歳という方がたくさんおいでになるわけです。しかも、その中には参与とか顧問という名目で実質勤務に携わってない人がかなりおられる。それは結局、中央競馬会からこうした関連団体、関連会社に支払われる金というものは、そういう人件費も含んで行っているわけです。ですから、天下り天下りして行った先にこういう高齢者、しかもこれは皆役員ですから、年金をとっている方々ばかりです。そういう高齢者に金を払っている。こういうところを整理していったら中央競馬会の余剰金というのはまだまだ出てくるはずなんです。中央競馬会で金が余ってくると結局子会社や関係団体に金を出していく、そして利益隠しをする。そして利益隠しをするために古手の役人をどんどん送り込んでいく。そういう形でふくれ上がっているのがこの中央競馬会を頂点とするコンツェルンだ、こういうように思う。行政改革をやるというのなら、私は政府機関の各省庁の行政改革ももちろんでありましょうけれども、こうした特殊法人とか外郭団体のこうした実態をやはりきちっととらえて、そういうところから国費のむだをなくし、上がるべき国に対する納付金をふやしていく、こういうことは当然とるべき姿勢ではないかと思うのです。この点についてもう一度ひとつ各大臣の所見を伺いたい。
#92
○亀岡国務大臣 競馬会に対しましては、国会におきましても競馬法制定以来あらゆる面から厳しい御指摘を繰り返し繰り返し今日までちょうだいしてきておるわけであります。したがいまして、競馬会の首脳部はそれぞれの職場においていま御指摘を受けたようなことの批判を受けないような勤務ぶりをずっと続けてきておる。これが一番よく知っているのはファンでございますから、そのファンの信頼を得て円滑なる競馬の開催という体制をとっておる、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。これは若い者でなければならないというものでもございません。健全なる娯楽を与えるということでございますから、こう申し上げてはどうかと思いますけれども、もう世の中のことを仕上げた、でき上がった人と申しますか、枯れた人とでも申しますか、そういう方々に監視監督を指導していただいた方が最も信頼のある体制をつくっていくことができるのではないか、そういうことが長い間の経験の上からこういう競馬会というものを形づくってきたもの、こう私は考えておるわけでございます。しかし、御指摘の点、改善を要する点がないとは言えない面もあろうかと思いますので、監督の責任にあります私といたしましては厳正なる体制を競馬会に要請をしてまいりたいと考えております。
#93
○中曽根国務大臣 いまの小川さんの御発言は傾聴すべき御発言であると私は思います。競馬会及び関係団体の今後の運営をよく見守ってまいりたいと思っております。
#94
○渡辺国務大臣 外郭団体その他、競馬会に限らず特権的な独占的なところではややもするとそういうことがいっぱいあると私は推測される。したがって、そういう点についてもこういうような国民にも増税をお願いしなければならないような事態でございますから、今後十分御趣旨を体しまして点検をさせてもらいたい、かように考えております。大変貴重な御意見でありがとうございました。
#95
○小川(国)委員 ほめられて終わるわけにもいきませんので、もう少し私は各大臣から積極的な考え方を承りたいと思うのです。それは私いままで競馬会を調べてきた中で関係会社の利益というものは相当子会社においてある。たとえばいままで取り上げてきた発馬機でも三億五千万払っていた部品代が事件発覚後、翌年は三千五百万、十分の一の部品代になった。この事件が出るまでは十倍の部品代を日本発馬機には払っていた。それから日本トータリゼータという会社にはFACOM二三〇―一〇という計算機、七億で購入して六年間間で七億二千万、元を取ってしまった機械にまだ毎年一億二千万の金を払ってきた。日本トータリゼータの五十四年十二月三十一日の含み利益は十六億円余の余剰金を持っている。また、競馬会が場外馬券売り場に貸し付けている金が百四十五億もある。あるいはまた日本馬匹という会社では、退職した役員にこの間払った退職金が九千四百三十三万円。一億円近い退職金を払っておる。これがみんな中央競馬会の子会社です。大変なものがある。大蔵省ももっと目を光らしてこういうところを見れば、大蔵大臣、財源難財源難と苦労しなくても十分財源がある。そういう観点からさらにこの中央競馬会本体においても、毎年大変な設備の新設資金を使ってきている。これが約五年間で千五百億ぐらい使っておる。毎年三百億ぐらいの金で競馬場のスタンドを直したり宿舎を建てたりやっております。先ほどの話じゃないですが、毎年三百億の建設資金を持てる団体というのは日本じゅう探してもほとんどないのじゃないか。そういうものをもっと節約すれば、九百億ある積立金はもっとふえるはずです。現在九百億あると言われるこの積立金の中で、今度百四十億の仮払いの五十五年度分の工事費を払っても、それからまた今度国の方に百五十億か二百億納めてもまだまだ五百六十億の残高がある。しかも毎年三百億近い工事建設費を組んでおる。もうりっぱな競馬場、そんなに無理して直さなくてもいいところが現実には見られるわけです。こういうところからいけば、第一次国庫納付金も一〇%ではなくて、中央競馬会は第二次国庫納付金というものをあらかじめ予定して金を用意しているのですから、第一次国庫納付金を一三%なり一五%に上げる。三%上げれば三百億、五%上げれば五百億、大ざっぱに言ってもそれだけの税収が毎年入ってくるわけです。そういう面から、先ほど農林大臣が言ったことじゃないけれども、国民が楽しんだ中で支払っておるお金ではあるかもしれない、しかしこれは国民の金ですから、ギャンブルで得た金だからどう使ってもいいという考え方ではなくて、そういう中から得たものを国庫の財源として納めていく、中央競馬会も国家財政に貢献しているのだ、こういう自信を持って国のためにやる、そういう意識を持ってもらいたいと私は思うのです。そういう意味ではこの単年度の五百億、しかも実質は百五十億という特別積立金の切り崩しではなくて、これを毎年度国庫納付金として公然と引き上げていく、そういう改善の努力を、大蔵大臣、農林水産大臣、行政管理庁長官、鈴木内閣の重要な閣僚の皆さんにそういう考えを持ってもらいたいと私は思うのでありますが、最後にその改善の決意をぜひ承りたい、こういうように思います。
#96
○亀岡国務大臣 小川委員の御趣旨も十分理解できるわけであります。この上ともさらに監督を十全にいたしまして、できるだけ経費の節減を図る、そうして御趣旨の線を達成できるような努力を尽くしていきたい、こう考えております。
#97
○中曽根国務大臣 ただいまの御発言は将来にわたって検討してまいりたいと思います。
#98
○渡辺国務大臣 大変いい御意見をちょうだいしまして、私ども、会計検査院が見ているといいますからそんなこともないのじゃないかと思っておったわけでございます。特に何とか発馬機、あれが出たときは私もびっくりしまして、実際そういうことは現実に存在するかと非常に疑ったわけでございます。今後とも、それぞれの所管監督官庁があるわけでございますが、そのところでやっていただく。われわれとしても大変いい意見を聞いたので、ぜひともそういう点は一緒に目を光らせていきたいと考えております。
#99
○小川(国)委員 答弁まだ若干不満な点がありますが、なかなか一遍によくなるわけにはいきませんので、私の質問の趣意を各大臣にそれぞれの行政の中で今後お生かし願う、また関係各省庁ともそういう中で外郭団体、特殊法人の運営に当たっていただきたい、このことを要望申し上げて質問を終わりたいと思います。
#100
○綿貫委員長 武田参考人にはまことにありがとうございました。
 竹内勝彦君。
#101
○竹内(勝)委員 電電公社の納付金について大蔵省及び郵政省、公社として長い間詰めることによって合意に達した、なればこそ四千八百億という膨大な納付金を四年間で納める、こういうことになったわけでございますけれども、ポイントでいいですが、結論的にどういう点が合意点になったのか、したがってこういう四千八百億の納付金を納めるようになった、概略でいいですから、そのポイントだけ大蔵省説明してください。
#102
○西垣政府委員 ポイントだけ申し上げますと、恒久的な制度としての納付金ではございませんで、現在の財政の状況にかんがみまして、臨時特例的な措置として納付金を設けるというのが一つでございます。
 それからもう一つが、そういう臨時特例的な納付金でございますので、納付金の取り方としてはいろいろございます。たとえば収入の一定割合でございますとか利益の一定割合だとかいろいろございますが、そうではなくて自己資本の中の利益剰余金の取り崩しということで四千八百億という額を決めた。
 それから第三点が、それを一度に納付するのではなくて、公社の方の財務状況、資金繰りの状況もございますし国の方の事情もございまして、四年間に分割して納付していただく。かいつまんで申し上げますとこの三点でございます。
#103
○竹内(勝)委員 大蔵大臣にお伺いしておきます。――ではその前に公社に聞いておきます。
 この四年間料金を値上げしないという考え方があるとか、あるいはそれはわからないとか、あるいは値上げするとか、三つしかないと思うのですけれども、料金に関して電電公社総裁としてこういう納付金を納めようという大事なときであるがゆえにどういう決意なのか、総裁の御決意をまず伺っておきたいと思います。
#104
○真藤説明員 われわれは少なくとも納付金を納めている間、料金を上げないということを目標としてあらゆる努力をやる覚悟でおるのが現状でございます。
#105
○竹内(勝)委員 そうするとこの四年間に、先ほどの論議の中にもございましたけれども、五十八年あるいは五十九年、こういったところで赤字になっていく可能性があるのじゃないか、こういう御回答がございましたけれども、そうなったときでも何らかの形でそれを補って料金値上げはしない、こう解釈してよろしいですか。
#106
○真藤説明員 そのように考えておりますが、料金値上げをして赤字になれば何のこともございませんので、赤字を出さないで料金値上げをしないというのを覚悟しておるというわけでございまして、それをやりますためにはいままでのやり方ではとても実行できません。いろいろ従来やってないことをやらなければならぬのはわかっておりますので、それについてはまたその時期が来ましたときに関係の方へいろいろお願いすることはやらなければならぬと思っております。しかし、まだ時間がございますので、せっかくそれまでの時間を有効に使いながら対処していきたいというふうに考えております。
#107
○竹内(勝)委員 そこで大蔵省にもう一点お伺いしておきますが、臨時かつ特例な措置としてこの納付金を納めていく。こういう中で事業運営の施策として、五十六年度に予定しておる通話料の遠近格差是正及び日曜、祝日の割引措置の円滑な実施を図る、こういった面を大蔵省あるいは郵政省、公社と話を詰めて合意に達した、こう解釈しますが、もう一点は建設計画、特に電話サービスの格差解消あるいはファクシミリの普及、データ通信サービスの充実、新技術の開発導入、設備の改良更改等円滑に推進する。それからさらにもう一点は、拡充法の取り扱いを含め長期的視点に立った資金対策を講ずる、そういう面からこの合意に達していった、こう解釈してよろしいでしょうか、大蔵省。
#108
○西垣政府委員 料金の問題につきましては十分に御相談をいたしております。それから今後の設備投資の問題につきましては、今後それが具体化する段階で相談をしながら進めていきたい。財投資金等につきましても十分に配慮していくというつもりでおります。
#109
○竹内(勝)委員 大蔵大臣、待っていたのです。
 ちょっとお伺いしておきますが、四年間で国の財政は好転させていかなければならない、こういう考えで五十九年赤字国債解消、こういったことを先ほども答弁しておりましたが、この四年間で国の財政が好転するという根拠は何ですか。
#110
○渡辺国務大臣 好転させなければならないということでございまして、これは一にかかって世界の経済事情、日本の経済事情みんな連動しているわけですから、いまわれわれは世界にまれな経済繁栄をやっておるのであって、こういうことを何とか持続していくという前提に立てば何とか解消できるのじゃないか、そう思っておるわけでございます。
    〔綿貫委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕
一年に二兆円あるいは一兆八千数百億円程度の赤字国債を減らしていく、経済はある程度のテンポで伸びるという前提にみんな立っておるわけでございまして、それははっきりした科学的な絶対動かない根拠というものは別にありません。ありませんけれども、いままで過去の歴史から見て大体そういう推計ができる、こういうことでございます。
#111
○竹内(勝)委員 そうすると一千二百億ずつを四年間で納めていく。利子払いを含めていくと十四年間八千二百億、莫大なものでございます。そこでこの四年間は納付金を、さらに、たとえば四年間において国の財政が大変だということで、また公社なりどこかに何らかの納付金というような形で考えなければならぬというようなことは絶対にあってはならない、こう思いますが、それでよろしいでしょうか。
#112
○渡辺国務大臣 現在考えてはおりません。
#113
○竹内(勝)委員 さらに、この利子払いは十四年間かかります。いま申し上げましたとおり合計八千億を上回る多大なものを考えれば、公社の今後の収支の状況というものは非常に厳しいものがある。先ほども五十八年あるいは五十九年、こういったところで赤字になっていく可能性があるという話がございました。そこで、いま総裁からは、この四年間は値上げはしないということでやっていくという決意がございました。また、赤字を出さないようにしていきたいんだ、そのためにはどうやっていくかということで検討していかなければならない、こういうように言っておりましたけれども、そうすると、この四年間のために今後の十四年は相当しわ寄せがかかってくるわけですよ。いま四年間の話はございましたけれども、十四年間においてもそういった納付金というのは公社に関してはちょっと厳しいのではないか、こういうように考えられますが、大蔵大臣、どう思いますか。
#114
○渡辺国務大臣 何も十四年間かからなくたって構わないわけでございまして、問題は、その間において合理化がもっと進み、生産性が上がって支払いがつくという段階で借金をいつまでもしなければならぬということでもないわけでございますから、私どもといたしましては大いにいろいろ創意工夫をこらして、公社は国の一機関でもございますから、一緒になって生産性が上がるように考えていきたいと考えております。
#115
○竹内(勝)委員 大蔵大臣、したがって十四年間は、十四年以内でもいいのですけれども、少なくともこういう利子を支払いしていく間においては、改めてまた納付金を納めさせていくというようなことはないと考えていいのかどうか。
#116
○渡辺国務大臣 現在のところ四年間の臨時的な措置というようにしか考えておりません。したがって、十年先にはどう考えると言われましても、私は大蔵大臣として現在いるわけですから、現在のところそれ以外のことは考えておりませんということであります。
#117
○竹内(勝)委員 郵政大臣に確認しておきます。いまの公社の総裁の話もございますし、電話料金値上げのことに関して、あなたはこんなときに、四年間納付金として納めておるときに、さらにまた値上げさせたのでは二重取りだ、それはよくないという発言をした。しかし、秋草前総裁、この方は前に納付金を納めると電話料金は値上げしなければなりませんよという話もございました。そういう面からいくと、今後赤字になっていかないようにどう処置していくかということで懸命な努力をしていくといういまの総裁の御答弁でございますけれども、その辺のところを郵政大臣としてもはっきりと、この四年間においてそういったことはなく今後も努力していかなければならないという面をもう一度確認しておきたいと思います。
#118
○山内国務大臣 先ほど電電公社総裁が述べましたとおり、値上げをしないように、要するに収支差額が黒字になるように四年間努力を続けてまいりますと、こういう発言があったわけでございます。そこで私も当然、そのことは電電公社にお願いすることでございますけれども、仮に収支差額が赤字のような事態が起きましても、片っ方で納付金を納めながら片っ方で利用者の方に値上げをしてもらうということはとても御理解を得られない問題である、こういうふうに述べているわけでございます。
#119
○竹内(勝)委員 大蔵省に聞いておきますけれども、四年間で四千八百億、毎年一応千二百億、こういった形になりますけれども、いまも大蔵大臣、四年間でこうやるのです、もっと以後のことというのは非常に厳しいです、わかりません、こういう答弁でございますけれども、経済は大変目まぐるしく動いておりますよね。そういう中で何も四年間千二百億ずっということをここで決めていく必要は何らないと私は思うのです。千二百億でなく、もしも好転していったならば八百億なり五百億なり、こう減らしていくという考え方、単年度ごとに見直していこうという考え方はないでしょうか。
#120
○渡辺国務大臣 減らしていく考えは毛頭ございません。だからといって、ふやしていく考えはあるかと聞かれても、それもございません。現在のところ四年間一千二百億、これはいまいろいろ政府が苦しいものですから、利用者の話がしょっちゅう出ますが、確かに利用者一人当たりとすれば三千円になります。しかし、仮にビールを毎日一本飲んだとすれば九千百円に値上げ分の税額だけでなるわけでございまして、そのような厳しい財政事情の中にあるわけでございますから、その程度のことは私はやむを得ない措置である。電話利用税というような話も実はないことはなかったのですよ、実際は。ドイツなんかでやっていますが、しかし、そういうようなことでなくして、ともかくこの四年間は納付金制度でひとつお願いをしたいということにしたわけでございます。
#121
○竹内(勝)委員 もうけた分あるいは利益が上がってきた分だから国民に還元する、これが妥当な考え方です。それを大蔵大臣としては、先ほどの答弁でも、それを納付金として納める、それは国のためのものであり、ひいては国民のものじゃないか、こういう考え方でございます。
 そこで行管庁長官にお伺いしておきますが、むしろ単年度ごとにもう一度見直していくという意味は、今後第二臨調の問題もございますけれども、行政改革あるいは不公平税制というものを是正していこう、行管庁長官として取り組んでいこうという、こういうときであるがゆえに、もっとそういった面をほかの面でいろいろと努力をしてこうだというものは国民に理解されなきやならぬと思うのですね。そういう意味で、この電電公社の納付金というものをただ単に四年間でこうというように決めるのではなくして、どのようにやっていったらいいかというものが出てくると思うのです。そういう意味からも、行政改革あるいは不公平な税をどう改めていく、こういうような面からも行管庁長官の所見を伺っておきたいと思います。
#122
○中曽根国務大臣 しかし、いまやっているやり方というものが当面は妥当なやり方だと私思います。と申しますのは、四千八百億円というのを決めましたのが、自己資本比率を過去十年間の平均に戻そうというのであります。それで、それは、大体いままで蓄えてきた積立金全体を見てみまして、それを行っても経営に支障は来さない、そういう範囲内の金額にしておるわけであります。電電公社の剰余金を見ますと、収支差額が、五十二年に四千三百九十億円、五十三年に三千九百億円、五十四年に実に四千五百億円、五十五年も予算が二千七百億円ですけれども数百億円上回って決算の上においてはいわゆる剰余金が出るという予想で、経済の激変がなければ、来年、再来年においてもそれほど苦しい情勢になるとは思えない情勢であります。そういう情勢を見ますと、四年間ぐらいの安定的な財源を国家財政に貢献していただくということはそう無理な話ではないのでありまして、国全体を考えてみて、まずまずこの辺が妥当な考えであると思っております。
#123
○竹内(勝)委員 行管庁長官に重ねてお伺いしておきますが、最近行政改革問題がクローズアップされる中で特殊法人の見直し、こういった面が盛んに行われておるわけです。今後土光さんを中心とした第二臨調においてもいろいろと検討されてくるでしょう。そこで先ほど、民営化に関して、そういったことは考えていない、あるいはそういったことは言った覚えはないという発言でございました。改めてお伺いしておきますが、この公社の民営化ということに関して長官としてはどんな見解を持っているのですか。
#124
○中曽根国務大臣 私は自分の個人的な考えはこの際言わないことにしておるのです。それで、せっかく臨時行政調査会が発足して白紙の立場で御審議を願っておるのですから、その答申をひたすら待っておる、こういう状態にしていくつもりでございます。
#125
○竹内(勝)委員 今後いろいろと議論がなされてくると思いますけれども、公社の状況というのは国の資本金百八十億です、それに対して公社の総資本九兆円ですね、借金がそのうち五兆円からございますよね。そうしますと九九・九、八%まで国民が育ててつくったものですよ。これを国がもしも民間に売る、民営という形になっていったならば非常に問題が出てくるのじゃないか、こう思いますし、民営化した場合に、いま黒字が出ておる地区、こう見ていきますと東京あるいは東海、近畿、こういったところが黒字が出ておる、そういう状況ですね。そうすると、ほかの方は料金をアップしていかなければならない、あるいはそちらにしわ寄せが出てくる、料金体系というものがまちまちになっていく、いろいろな面で問題点が出てくると考えるわけでございますけれども、そういった意味からも慎重に、電電公社だけではないと思いますけれども、この民営化という問題に関しては検討していかなければならないと考えますが、行管庁長官のお考えはいかがでしょうか。
#126
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会におきましてあらゆる角度から検討がなされるものと期待しております。
#127
○竹内(勝)委員 公社にお伺いしておきますが、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律、いわゆる拡充法ですね、これは昭和三十五年に施行され、四十七年に十年間の再延長がされ、今後は延長を行わないという附帯決議をつけて、そして五十八年三月までになっているわけですね。五十八年三月に期限が切れるということになりますと、納付金を四年間で納めていくというその時期と合ってくるわけですね。したがって臨時納付金について拡充法との関係、これはどうなっていくのか、御説明いただきたいと思います。
#128
○岩下説明員 お答えいたします。
 先生ただいま御指摘のように、いわゆる拡充法は五十七年度末が期限でございます。片や資金需要の方を見ますと今年度建設投資が一兆七千七百億円でございますが、これが今後とも相当規模サービスの拡充のために増加するであろう。かつまた債務償還額も五千数百億から六千億を超えるものが予想されるわけでございます。そういう資金需要がふえるという点を前にしまして、拡充法、これによりますと現在約二千七、八百億円のものをちょうだいしておりますが、期限切れを迎えまして資金調達面におきましては五十八年、五十九年ころには大変厳しい状況が到来すると考えております。したがいまして、公社自身の市中でのいわゆる自主調達、海外も含めまして自主調達の努力をする、内部資金の確保に努めるということも行いながら、ただいま御指摘の拡充法の取り扱いも含めまして全般的、総合的な観点から資金対策を講じたい、かように考えております。
#129
○竹内(勝)委員 それでは時間ですのでもう一問お伺いして終わっておきますが、大蔵省に聞いておきます。
 先ほど私が確認しましたこの合意事項というものが、事業運営上の施策として特に次の事項の円滑な実施に配意していこうということで合意点があった、そこには拡充法の取り扱いを含め長期的視点に立った資金対策を講じていくのだ、こういう合意点でございますけれども、大蔵省としてはこの点に関してはどのような解釈をしておりますか。
#130
○西垣政府委員 今後の問題でございますので、公社の設備投資規模の妥当性等につきましても十分お話を伺いながら配慮しながら対処してまいりたい、こういうふうに思っております。
#131
○竹内(勝)委員 時間ですので終わります。
#132
○山崎(武)委員長代理 武田一夫君。
#133
○武田委員 私は、日本中央競馬会の国庫納付金の納付の特例について大蔵大臣と農林水産大臣にお尋ねをいたします。
 まず最初に、本題に入ります前に両大臣にちょっとお尋ねいたしますが、競馬をギャンブルとお考えかあるいは大衆娯楽とお考えか、まず所見をお聞かせいただきたい。
#134
○渡辺国務大臣 ギャンブル的大衆娯楽ではないかと思います。
#135
○亀岡国務大臣 大蔵大臣と同一の認識を持っております。
#136
○武田委員 次に、行財政改革の中で特に先ほども話がありましたように高級官僚の天下りというものがいろいろと論ぜられておるわけでありますが、大蔵省、農林水産省は比較的多いということでございますが、今後の対応についてはこの面の相当な努力をしていただくことが必要ではなかろうか、こういうように思うのですが、こうした問題につきまして両大臣のお考えあるいは取り組み方につきまして御所見を伺っておきたいと思うのです。
#137
○亀岡国務大臣 野に遺賢なからしむということもございまして、やはり一つの大きな事業を運営してまいりますためには管理能力を持ち、運営能力、経営能力を持った人、これを重用してまいるということは国家、国民のために当然であろう、一概に天下りということで適在適所ということを考えずにやればあるいはそういう批判が出てくるかもしれませんけれども、その仕事を十分にこなしていくだけの人を他に求めることが困難な場合にはこれはもう当然である、こう私は考えております。
#138
○渡辺国務大臣 農林大臣と同じでございます。
#139
○武田委員 それでは大蔵大臣にお尋ねいたします。
 今回の法律案でこの特例措置、競馬会につきましては五十六年度限りとしておりますが、まずこの理由をひとつお聞かせいただきたい。さらに金額を五百億円に相当する金額としているというその金額の出てきた根拠はどこにあるのか。もう一つ三点目は、今後このような特例措置というものを検討するお考えがあるかどうか。この三点につきまして……。
#140
○渡辺国務大臣 どういう根拠でつくったか、お役所の方は何か理由がうまくあると思いますが、私といたしましてはともかく先ほど言ったように非常な財政危機の状況にありますから、競馬会でも数百億の積立金を持っておって、そしていまどんどん競馬場をつくるといってもなかなかつくれるような状態にもありませんし、国が困っておるのですから、年々納めてもらっておるけれども第二納付金をちょっと割り増ししてもらったというようなことでありまして、普通ならことしの五十五年度だと三百五十億円納めてくれるわけです。それと同じぐらいで競馬会に積むということですから、五十六年度はことしと同じぐらいいくかどうかわかりませんけれどもね。いけば三百五十億円新たに積まないで、二百億円積んで百五十億円ちょっとこちらへ回してもらえぬかというようなことなんです。
 細かい根拠については、もし必要がございますれば何かお役所の方がもっと詳しいことを言うと思いますから、聞いていただきたいと存じます。
#141
○武田委員 もう一つ今後こうした特例措置、御検討の考えがあるかどうか。
#142
○渡辺国務大臣 これもいまのところ考えておりませんが、競馬会の実態をもう少し私も調査をさせてもらわなければならぬ、いろいろ話も聞かされておりますから。しかし、目下考えておりません。
#143
○武田委員 農林水産大臣にお尋ねします。
 今後、これは一年限りでございますが、もしそういう事態が再び問題として出てきた場合の対応ということもやはり考えておかなければならないと私は思っておるわけでございます。そのためには経営改善等々の結果を踏まえましていろいろと指導監督の面で力を入れていかなければならない、これは農林水産省の役目でもあろうと思いますが、そうしたことに関しましての大臣のお考えというもの、今後の対応をどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#144
○亀岡国務大臣 五十六年度限りということで、五十六年度限りであれば競馬会の御了承も得られるであろうということであのような決定をさせていただいたわけでございます。しかし五十七年度、五十八年度は競馬会の売れ行きの状況なり何なりがどういうふうになるか、これはやはりその時点の情勢を十分見定めて、競馬会の協力を得ながら円滑に話し合いで結論を出していきたい。無理をするとこれは先ほど申し上げたように元も子もなくなるおそれのある性質のものであるという認識を私は持っております。
#145
○武田委員 行管庁におきましては、行政改革の柱の一つとしまして、全特殊法人の経営の見直しを挙げまして、財務会計の点検調査に乗り出したということであります。そこで経営の改善の結果、剰余金が出れば国庫へ納入させるという方向だということでありますから、今後こうしたことに協力するというお考えならば、いよいよもってこの経営改善等々を踏まえたそういう指導監督は非常に重要な課題となってくると思うわけでありまして、今後ひとつその点の御配慮を十分なさっていただきたいと思うわけでございます。
 ところでこの五百億に相当する金額という案が出ておりますが、当初は行管庁としては上限九百七十億を提示したと伺っておりますが、それが農林水産省あるいは競馬会等々の相当強い抵抗があって五百億になったのだというようなことでありますが、そういう事情、農林水産大臣、御存じでございましょうか。
#146
○亀岡国務大臣 いろいろ当初はお話があったようでございますが、しかし先ほど来申し上げてきておりますとおり、円滑、平静なる競馬開催ということを阻害するようなことであってはならぬという一つの前提がありますものですから、そういう点を考慮いたしまして、やはりこれは売り上げがありませんと第一次納付金も第二次納付金も出てこないわけでありますので、円滑に快適に競馬を開催することがどうしても前提になるわけでありますので、その点を十分事務同士で話し合って大体落ちつくところに落ちついた、こういうふうに心得ております。
 もし必要があれば、事務当局から答弁させます。
#147
○武田委員 何か聞くところによりますと、競馬会あるいはまた農林水産省の事務当局の中にはただでは出せないという空気があったのだ、あるいはまた五十六年度はやむを得ずそれは支払うが、それだけで済まされない。そのかわり何か暗に代償を求めているような話をちらっと伺ったわけでありますが、そういう事実はなかったかどうか。
#148
○亀岡国務大臣 そういう事実はみじんもございません。
#149
○武田委員 そこで、農林水産大臣が一月あるいはまた最近、国の財政への貢献を高めていくために場外馬券場の適正な配置を図りたい、あるいはまた場外発売所の適正配置が売り上げの増加、ひいては国庫納付の増額に寄与するという発言をなされておる。そして閣議後の記者会見等におきましても、場外馬券売り場の整備拡張を強調なさっておるということでありますが、この事実はそのとおりでございましょうか。
#150
○亀岡国務大臣 そのとおりでございますけれども、前提があるわけでございます。地域社会の協力を得ることができればという前提があることを御理解をいただきたい。やはり国民的娯楽ということで競馬に対する関心が非常に高まってきておる。売り場がないためにのみ行為的なこと、違法行為があちこちに非常に多いという批判もあるわけでございますので、そういうものをなくすためにも地域社会の理解が得られれば増設をしてもいいのではないか、こう申し上げておるところでございます。
#151
○武田委員 各地で場外馬券場の設置につきましては問題がありまして、なかなか思うようにいってない。特に教育環境への問題あるいは騒音、交通渋滞、環境の問題等々がありまして、反対が非常に多いわけでございます。住民のそうした反対の中でこういうことが行われる雰囲気が出てまいりますと、何か納付金の見返りにそういうことを言ったのではないかという勘ぐりもされないわけでもないわけでございまして、十分に検討した上での対応を要望しておきたいと思うわけであります。言う人は火の車の台所を楽にするためにギャンブルを推進するのかということまで言っておるわけでありますから、こういう住民感情を逆なでするような対応は改めていただきたい。このことをお願い申し上げます。
 それから剰余金の使い方の問題でございますけれども、国庫に納付する余裕があるならば、先ほど話もありましたとおり、馬産振興のために、たとえば軽種馬の保護育成といいますか、そういう方向に十分に使っていくべきじゃないか、そういう意見もございますし、あるいは利用者に対する還付金をふやすべきではないかという意見もあるわけでございますが、こういうことにつきましてどのようにお考えでございましょうか。
#152
○亀岡国務大臣 私も武田委員いま言われた御趣旨よく理解いたしております。畜産振興、馬産奨励という面、畜産関係の予算等に大体充当されている、こう申し上げてよろしいかと思うわけであります。
    〔山崎(武)委員長代理退席、綿貫委員長着席〕
#153
○武田委員 最後に、先ほども話がありました発馬機事件という一つの大きな事件があったわけでございます。このことによりまして、農林水産省の中におきましては、直接担当になったそういう方々がいろいろと責任をとられたようでございます。しかしながら、いまだその結末がはっきりしないわけでありますけれども、今後かなりの金が動くわけであります。しかも年々歳々そういう金額もふえておるようでございますし、特にこういう金を扱い、さらに人も約二千人近くいるような競馬会でございますから、こういう事故、事件等の防止のためにいろいろとそれ以降御配慮なさって対応してこられたと思うのでありますが、その対応、今後さらにそうした指導監督につきまして大臣はどのようにお考えか、あるいは当局のそれ以来なさってきた指導監督の具体的な問題、そういうものも含めて最後にお答えいただきたいと思います。
#154
○森実政府委員 発馬機の問題につきましては、なお司法当局の捜査が続いて決着を見ていないという状況でございますが、私どもといたしまして、まず基本的には競馬会の関連団体及び関連子会社に対する監督の強化、特にチェックシステムの強化、それから定期的な監査等の措置をとることを指導しているところでございます。
 また本件につきましては、御案内のように二名の代表役員を警視庁に告訴したわけでございますが、これらの者の財産については仮処分措置を要求したわけでございますが、裁判所の決定もありまして、速やかに訴訟を提起するようにということでございますので、三月十三日に総額一億八千八百万の損害賠償請求を提起しているところでございます。私どもといたしましては、この種の事件が続発することを絶対防止しなければならぬという視点で、これから個々の関連会社ごとに監督を十分強化するよう競馬会を指導してまいりたいと思っております。
#155
○武田委員 時間が来ましたので、明朗な健全な競馬会というものの育成のために、この際特に関係当局の御指導あるいは監督を心から要望しまして質問を終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
#156
○綿貫委員長 木下敬之助君。
#157
○木下委員 私は、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案のうち、日本電信電話公社の臨時国庫納付金の納付に関係する問題についてお伺いをしたいと思います。
 電電公社はその設立目的に沿って、財務及び会計については独立採算制の原則によって今日まで運営されていると考えます。現在わが国の電気通信事業は、国内的に単一事業体で運営し、世界的な技術革新の中にあって世界有数の技術レベルを維持していると考えますが、この公社の今後のあり方に直接的に影響を及ぼすこのたびの臨時国庫納付金は大変な問題を含んでいるのではないかと思います。
 そこで大蔵大臣にお伺いいたしたいと思いますが、わが国の電気通信政策と電気通信行政及び電気通信サービスにこの納付金が影響を与えないものであるのかどうか、公社の経営内容について今後問題が生じないのかどうか、国の財政再建のためという大義名分と、電電公社の経営との関係についてどのようなお考えなのかをまずお伺いいたしたいと考えます。
#158
○渡辺国務大臣 お答えいたします。
 いままで税金を払ったことはないわけですから、それは納付金という形で一種の税金みたいなものを千二百億円納めるということになりますから、全然影響を与えないということはないと私は思います。それは当然に影響がございます。しかしながら、民間では一兆六千億円も利益があれば半分ぐらいはとっくに税金で納めている。したがって民間から見れば、利益があって、しかも電電公社も、労使の協力によるとは言いながらこれだけに大きくなったもので、しかし国が財政窮乏で民間に増税をお願いするようなどきに、電電公社はいままでも本当に全然納めてなかったのですかと、むしろ逆に聞かれるぐらいが国民感情なわけであります。したがって、それは納めない方が当事者からすれば楽ですから、いいに決まっているでしょう。しかしそういう時期でございますから応分の御協力をお願いしたい。なおそれについては、ともかく千二百億円という金でございますが、三兆九千億円の売り上げの中でもございますし、それは創意工夫によって――売り上げに対して約四%ぐらいの金額になりますが、ドイツなどは、ドイツと日本は例が違いますが約一〇%、四千億円ぐらいの納付金を八〇年度では納めることになっております。こういうようなこともございまして、影響がないとは申しませんが、ひとつ国家のために――結局その金はどこへ行くかというと、要するに予算となって歳出に回って、特に余分にふえた分は社会保障、文教その他に大分回っているわけですから、そういう点も御了解いただいて御協力をお願いした次第でございます。
#159
○木下委員 大臣のおっしゃる点も十分よくわかっておるわけでございますけれども、何しろこの話が出てきてからわりに急激だったと思います。最初からこういうふうになるということがわかっておればいろいろな組み方ができたのに、急なことで、その変化についていけなくて、大きな禍根を将来に残すことのないように十分考えながらやっていただきたいと考えております。
 現在公社の抱えている大きな問題の一つに、将来の技術革新に向けての設備投資のほかに、もう一つ料金の遠近格差の是正の問題があると考えております。少しずつ改善されてはいますけれども、この料金格差の是正は思い切って早急にやるべき性質のものではないかと考えておるのであります。大幅な改定によってもし赤字が出たとしても、埋めることができる剰与金の積み立てのあるときに断行してはどうかと考えてきたのでありますが、この電話料金の遠近格差について大蔵大臣はどのように認識しておられるかお聞かせ願いたい。
#160
○渡辺国務大臣 私は去年の二月、自由民主党を代表して予算委員会で質問をしたことがございます。遠近格差の問題にも触れました。私は郵政大臣ではございませんからなんでございますが、日本の遠距離料金は世界で一番高い。近距離料金は世界で類がないほど安いことは事実なので、これはやはり世間並みにするのがいいのではないか。そうすれば遠距離を安くしても、べらぼうに安くしてはどうか知りませんけれども、使う人がふえれば売り上げは余り減らないことになるのじゃないのだろうか。そういう点等も考えて、でこぼこのあるところは直すのがあたりまえだ、むしろ私はそう思っておるわけでございます。
#161
○木下委員 大臣、私の考えをこの機会にひとつ聞いていただきたいと思うのです。遠近格差というのは、同じ人間が遠距離にかけたときに高く取られ、近い距離のときに割り安に払っている、こういうふうに一人だけの問題なら構わないのですけれども、遠距離というのは、たとえば大分から北海道にかけるとか沖繩にかけるというのは、遠い地域に関連している人たちが使っているわけです。ですから政治の中心が東京にある限り、東京から離れている人たちが高い料金を多く使っているのだという事実からながめたときに、早急に是正しなければならない問題であろうと私は考えておりますので、どうかこの点もお考えいただきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。
 後がございますし、時間もありませんので、この法案の成立後の見通しについて少しお伺いいたします。
 もし四年中途において財政再建の目途がつけば、途中ででも打ち切るなり減額するなり変化をさせていくお考えがおありかどうか、大臣お答えいただきたい。
#162
○渡辺国務大臣 四年間は変更する考えはございません。
#163
○木下委員 先ほどの質問にもそういうふうに答えておられましたけれども、財政再建の大義名分があって今日までの論議が行われてきたのでしょうから、状況の変化に応じて趣旨が生かされるような細かい配慮があっていいのではないかとも考えるわけです。
 最後に、この納付金は四年間に四千八百億ということですが、財政再建とは関係なく四年間で確実に打ち切るのかどうか、いわゆる延長はないと理解してよいのかどうか、これも先ほどお聞きしましたが、いま一度大蔵大臣と郵政大臣両方のお答えを聞かしていただきたいと思います。
#164
○渡辺国務大臣 私は現在のところ納付金制度につきましては臨時の特例である、こう考えております。
#165
○山内国務大臣 大蔵大臣と同じ考えでございます。
#166
○木下委員 いま考えていないだけで、先で考えるのか、これきりで延長するつもりはないのか、なかなかはっきりといたしませんが、電電の剰余金が出るのも出ないのも、納付金を取るのも取らないのも根本は料金問題にあると考えます。その料金の立て方に、先ほども申しましたように遠近格差の根本的是正を本気で検討していただいて、大都市から遠い地域の人々にも公平な電話事業にしていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#167
○綿貫委員長 稲富稜人君。
#168
○稲富委員 私は、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対しまして、その中の中央競馬会に関する問題に限りまして大蔵大臣並びに農林大臣に若干の質問をいたしたいと思います。
 まず大蔵大臣に対する質問でございますが、大蔵大臣は、今日、日本中央競馬会と国との関係、特に中央競馬会に対して今日まで国としてはいかなる経済的協力をなしてこられたか、その認識をまず承りたいと思います。
#169
○渡辺国務大臣 少なくとも国は日本競馬会というものについて独占事業を与えてきたということは事実でございまして、ほかにも競馬事業を許可すればやりたい人はたくさんありますから、しかしそういう人にはやらせないで競馬会に独占事業を与えてきたことは事実であります。金額に見積もればかなりな金額になるのじゃないか。これは見積もりようがないくらいなものでございます。
#170
○稲富委員 私の承っておるのは、そういう特権的な事業を持たされたということはもちろんでございますが、経済的な問題でございます。御承知のとおり、今日中央競馬会というものが競馬を開催いたしております。これは大臣も御承知だと思うのでございますが、この競馬会というものに対しては国として特権を与えられたか知らぬけれども、経済的な援助はやっておられないのです。それはなぜかといいますと、歴史をひもといてみますと、かつては民間の団体、競馬クラブというのがありました。それが昭和十一年に日本競馬会というものが設立されまして、そして日本競馬会が競馬を開催しておったのであります。ところが戦後、占領下の特別事情で、地方の馬匹組合等は、戦争に協力した、軍馬に協力したというようなことでGHQの意向で解散団体となりました。中央におきます日本競馬会というものもそういう意味からやはり強制的に解散させられようというような状態にあったわけでございます。そのときに政府はGHQと協議された結果、日本競馬会の資産及び負債のすべてを国が無償で継承しているのですよ。そして、国がその後国営として競馬を開催しておりました。ところがその後になりまして、国が競馬を施行するというようなことには問題があるというわけで、昭和二十九年九月に中央競馬会法が制定され、特別法人として中央競馬会が設立されて、政府は旧日本競馬会から継承した国の資産のすべてを現物出資として、その資本金の四十八億七千三百万円相当の金額を競馬会に現物出資で出された。これが現在の中央競馬会の状態であって、日本競馬会から国がGHQの指示によって取った、それをそのまま中央競馬会の方に継承されたのであって、国はひとつも腹を痛めてないのです。開催はその特権を大臣が言われたように与えたということは事実だと思うのです。そしてその後政府は、この競馬開催に対しては指導監督をしながら今日までやってきたというのが事実なんです。
 ところが、競馬開催に対しましては、では競馬はどうして開催されておるかというと、これは御承知のとおり馬なんですよ。馬はだれが出すかというと、民間の人が馬を出している。現在も中央競馬会に出馬されておる馬というのは非常に多いのですよ。五十三年は七千百八十六頭ありました。五十四年は七千五百五十一頭なのです。五十五年は七千六百四十七頭という馬を民間の人が出して競馬に走らせている。しかもこの馬の価格というものは恐らく今日では一千万円を下らないというようなこういう競馬馬なのです。高いのは、昨年のごときは一億八千万円という馬があったのですよ、二歳で。こういうように民間の人の協力によって競馬というものが行われているというこの事実だけは私たちはまず見逃すことはできない、かように考えます。ただ、国が特権を与えているのだ、しかし経済的な問題は民間の協力でやられている、これだけは私は十分見ながらこれに対しては競馬というものを見ていかなくちゃいけないと思うのでございます。
 それで、こういうような中から競馬が開催されて、今日でも政府は第一納付金あるいは第二国庫納付金という名前において、国はこれから徴収しておる。しかも馬主はこの馬を養うためには毎月三十万ないし四十万という預託金を出しまして馬を預けている。恐らく年間には馬一頭持っていると五百万ぐらいの費用が要る。賞金をもらうと非常に華々しいけれども、その賞金を取る馬というのは七千頭のうちにどれだけいるかなんですよ。華々しいのはわずかなんです。しかも華々しいその馬も賞金を取りましたら源泉徴収として金を取られております。たとえばダービーのごときは賞金は六千五百万なんです。六千五百万の賞金をもらいますと、これに対しましては源泉徴収として五百十四万円の源泉徴収を取られる。さらにその賞金と普通の収入とが一緒になってまた課税されるのですよ。私にもし馬があって賞金を取ったとしますと、私の国の歳費とその賞金と合わせて別個に課税される。こういうような、民間では非常に協力をしながらそういう犠牲も非常に払ってきている。これは私たちは認めなければいけないと思う。それで、本来から言うならばこれによって政府は今日まで第一次納付金、第二次納付金ということで相当な金額のものはもう政府も取られておるわけなんです。五十四年度を見ましても、第一国庫納付金というものが約千二百六十三億あった、第二国庫納付金が三百億、合計しますと千五百六十三億というものが納められている。これに今度はかけるとおっしゃる。それは、かけられるとおっしゃるのは別といたしまして、それはいいとしまして、われわれはそういうようなことを考えるときに考えなくちゃならぬことは、今日この競馬の剰余金は、本来から言うならばできるだけ競馬の将来の発展のために尽くすあるいはこれまで犠牲を払ってきた一般ファンであるとかあるいは馬主であるとかそういうものに何とかして還元する方法を考えることが将来の競馬が発展するゆえんである、かようにわれわれは考えるけれども、国家財政上これは取らなければいけないというならば取る法もありましょうが、一応そういう民間人の協力のもとに今日の競馬というものが開催されているのだ、しかもその益金ができた場合は、剰余金はそういう犠牲を払っている協力者に還元することが基本である。しかしながらこれはやむなく国が吸い上げるのだ、こういうような上に立ってこれをなすことが必要である、こういうことを私はまず十分政府としても認識をした上で対策をやってもらいたい、こういうことを考えるわけでございますが、大臣のお考えを承りたいと思います。
#171
○渡辺国務大臣 稲富先生のおっしゃるのも一つの筋だと私は思います。ファンが金出しているのだからファンに返せ。ともかく二五%も歩金を取らないで二〇%にしろという御意見もあります。しかし一方には、これだけ競馬が盛んになっているんだからギャンブル税を取ったらいいじゃないかという議論もあります。馬主の方が何億円という馬を持っていて、死んだりなんかしたら大変じゃないか、だからいまの賞金では足らないからもっと賞金出せという人もあります。ところが、馬主になりたくともなかなか馬主にしてくれない、馬房に入れたくても馬房に入れてもらえない。馬主になりたい人もいっぱい私知っています。これも事実です。いろいろあるわけです。だから、そういうものの中間をとりまして、こういうようなときでございますから、将来の競馬の発展にも支障を来さない限度において国民感情も考え、いろいろな点からこの際はこの程度の御協力をお願いしたいと言ってお願いしたわけでございます。私も競馬の発展を阻害する気は毛頭ございませんので、ひとつ今後とも、先生は競馬の方の大家でございますから、馬も持っていらっしゃいますし優勝もしましたし、私はここで先生に競馬の議論をする気はございませんから御了承を願いたいと存じます。
#172
○稲富委員 それで申し上げたいと思いますことは、一つは、今回これをやられる場合に特例競馬というものをお考えにならなかったかという問題です。あのオリンピックのときに特例法による競馬を開催いたしました。かつてはスタンドを建設するとか、そういうことで特例競馬を年に二回、五カ年間続けてやったこともありました。そういうような特例競馬を設けるという発想はなかったかということ。さらにまたいま大臣のおっしゃったような意味から言っても一方には競馬の発展策というものを講じてやる、そうしたら私は将来また取ってもいいと思うのですよ、競馬が発展すれば。そういう点に対しても今後競馬の発展策をどうするかということ。これは所管は農林大臣の問題になりますから、農林大臣にお聞きしなければいけないですけれども、大蔵大臣としてもその点は十分認識を持っていただきたいと思うのでございますが、これは大蔵大臣としての御意見を承りたいと思います。
#173
○渡辺国務大臣 どういうふうに具体的にやったら競馬がもっと発展するか、具体策は農林大臣から答弁してもらいますが、私は競馬が発展することはいいと思うのです。
 長沼答申というのがあって、競馬の開催日数をふやせないとかいろいろございますが、美濃部さんみたく競馬をやめちまうなんという人もございます。私は競馬場へ行ってみまして、ほかのギャンブルと違って家族ぐるみで弁当持ちで来ているということは非常に健全なギャンブルじゃないかという気がしているのですよ。余り目がつり上がっている人も数が少ないです。したがって、そういう意味での大衆娯楽としての競馬の発展については今後とも農林大臣と相談しながら御相談に応じたいと思います。
#174
○稲富委員 その点は私も同感でございまして、私は競馬がギャンブルでないと否定はしません。しかし、ギャンブルでも健全なギャンブルと不健全なギャンブルとある。その中において競馬は最も健全なギャンブルであり、国民の一つの娯楽として必要だ、こういうふうに私も解釈をいたしておりますので、その点は大臣のお考えとは私も同じでございます。
 それでは次に、今後の競馬の発展対策につきまして農林大臣にお伺いしたいと思いますが、その発展策を聞きます前に農材大臣にお尋ねしたいことは、中央競馬会法の第三十六条に「政府は、第二十七条の規定による国庫納付金の額に相当する金額を、酪農振興法第二十四条の四第一項の国の補助のための経費、馬の伝染性貧血症の試験研究施設に要する経費その他畜産業の振興のために必要な経費及び民間の社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てなければならない。この場合において、社会福祉事業の振興のために必要な経費に充てる金額は、国庫納付金の額のおおむね四分の一に相当する金額とする。」ということをこの中央競馬会法の第三十六条で規定いたしております。国庫納付金が今度増額されるということになりますと、当然この三十六条の義務というものを果たさなくちゃいけないことになるわけでございますが、これに対してはどういうような心組みがあるか承りたい。
#175
○亀岡国務大臣 いま御指摘になりました社会福祉に国庫納付金の四分の一というのが法定されておるわけでございます。したがいまして、納付金の四分の三は畜産振興、いわゆる馬産の奨励という方面に主に使いなさいよ、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、畜産振興のために予算としてはその納付金以上の予算を毎年編成をいたしておりますので、その法律に示してある趣旨は十分生かされておる、こう思う次第でございますが、今後その条文を忠実に、やはり競馬の発展ということも考慮して対策を講じていかなければならぬのではないかな、こう思っておるわけでございます。
#176
○稲富委員 次に農林大臣に承りたいと思いますのは、競馬の発展をしようと思いますならば当然競馬法の改正を行わなくちゃできない、私はかように考えるわけでございますが、これに対して大臣はどういうようなお考えを持っておるか承りたい。
#177
○亀岡国務大臣 先ほど来御意見がありましたとおり、やはりギャンブル的娯楽、大衆娯楽という面がございますし、現行法は大分もう国民に浸透し、なじんでおりますので、これを改正をするということになりますと影響するところきわめて多いというふうに感じますので、まあ御意見は御意見としてこれから十分検討してまいりたい、こう考えております。
#178
○稲富委員 私は農林省が何か従来、競馬法の改正というと恐れをなしていらっしゃるという感が多いのですよ。たとえば中央競馬会法の第二十七条ですよ。馬券の第一納付金というものは二五%のうちの百分の十に相当する金額を国庫に納付しなければならないと、この二十七条には書いてあります。
 ところが、これは最初にこの競馬法を制定いたしましたときに非常に問題になったのですよ。中央競馬会法が国会に提出されましたときの一番最初の原案というものは、二五%の中から第一国庫納付金として納める金額は八%ということになっておった。ところが、そのとき審議しまして、八%では少ない、余り競馬会がよ過ぎるじゃないかということで議論の末、二五%を半分にして一二・五%にしろ、こういうような話になった。ところが、それでは競馬が開催されないからというので、これは議員の方から政府に質問したところが、二五%のうちの一四%を開催者である競馬会が取得すればようやく競馬がやれますということだった。それで競馬会が一四%、国がそのときは一一%だった。ところが従来は一一%だったのをその後、競馬法ではそういう経緯をたどりながら第一国庫納付金は一一%と決めたものを、その後政府は地方税法を改正することによってこれを一〇%に減らしてしまった。競馬会法は改正してないのですよ。競馬会法でそれほど論議して、そして一一%と決めたものを一〇%にするならば、競馬法の改正をやらなければいけない。競馬法の改正をやらないで地方税法の改正をやって、地方税法の改正のときに附則でこの競馬法の変更をやってきた。これはいかにも競馬に触れることがはれものにさわるような考えを持った結果がこういう結果になったんじゃないか、こういうことさえ疑われる。
 そこで、競馬を健全にするならば現在の競馬法でも改正しなければいけない点がたくさんあります。たとえば競馬法の中にはこういうことが書いてある。第二条には「中央競馬の競馬場は、札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、横浜、中京、京都、阪神、小倉及び宮崎の十二箇所とする。」これはちゃんと競馬法の第二条にうたってあります。ところが現在競馬を施行しておるところは十カ所なんです。横浜と宮崎はありません。しかし横浜競馬というものを今日やっている。一カ所で三回やらなくちゃいけない。それを東京やら中山やら阪神やらで、宮崎競馬もあるいは横浜競馬もやっておる。ところが法にはどういうように書いてあるかというと、第三条には「中央競馬の開催は、競馬場ごとに、年三回以内とする。但し、天災地変その他やむを得ない事由に因り、一競馬場において年三回開催することができないときは、その開催することのできない回数の中央競馬は、他の競馬場において開催することができる。」と書いてある。すなわち横浜競馬場というのはないのですよ。名前だけある。これが二十九年以来今日まで長い間、天災地変その他やむを得ない事情によって横浜競馬を東京でやる。宮崎競馬をこちらでやる。あるいは今日函館で三回やられないものを、函館で一回やって二回はこちらに持ってくる。こういうように回数なんか制限せぬでいいじゃないか。競馬法を改正してもっと売れるところへ回数をふやせばいい。そうすれば競馬の発展策も講じられますよ。いま大臣言われたように、競馬法を論ずることはいかにもタブーであるかのごとく考えながらこれを隠蔽していこうとする。これでは明朗な競馬はできませんよ。どしどし競馬法の改正をしながら健全な競馬を発展させるんだ、こういう方向で取り組んでいくことが国民に忠実なるゆえんである、私はかように考えますが、これに対しては大臣はどう考えていらっしゃるか承りたいと思います。
#179
○亀岡国務大臣 稲富委員、該博なる経験と知識を披瀝していただいたわけであります。
 現在日本の競馬は明朗で快適な競馬として国民の間に浸透し定着しておるというふうに考えておるということは先ほど申し上げたとおりでございます。こういうときでありますので、確かに法律と実際が合ってないというような面をわれわれ立法府の場にある者、政府の場にある者、それを放置するということはいかがかという感じも持つわけでございますので、先ほど申し上げたとおり、検討をさせていただきたい、こういうことでございます。
#180
○稲富委員 検討 検討――もうずいぶん前から私は提唱しているのですよ。何年間検討されたかわかりゃせぬ。そして扱おうとすると、いま言うように、どうも競馬問題は余り触れたくないというような――本当に公正な健全な競馬を政府がやろうとするなら、農林省が指導監督をやろうとするなら胸を張って競馬をやればいい。いま大臣が言われたように、これはギャンブルだろうけれども健全なるギャンブルだ。しかも健全なるギャンブルだから国民に信頼されるような競馬をやるんだ。それがためには法の改正ももっとやる。
 いま言ったようなこんな競馬場のないところまで、競馬があるような競馬場があるような、もとからうそが書いてあるのですよ。横浜競馬なんというものはありませんよ。こういうものを横浜競馬と称して東京競馬場でやる。こういうようなことをやっておるからいつまでも競馬が明朗じゃないと言われるゆえんだから、この点は検討するどころではなくて、ひとつ時代に合ったような明朗な競馬をするためにはやはり大胆に競馬法の改正をしながら、国民から信頼をされる競馬をするということは必要であると私は思いますが、これに対しては農林大臣からひとつ決意のほどをこの際承りたいと思う。
#181
○亀岡国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、定着をしております、信頼される競馬というところまで参った日本の競馬でございますから、これを発展させてまいりますためにはやはり国民世論の支持を受けなければなりません。したがいまして、その世論の動向というものも、お互い政治家ですから十分見定めながら、しかも競馬の発展になるようにしていくのが私は筋道ではなかろうかと思います。稲富先輩のその御主張も十分、心にしっかりと入れまして前向きに検討させていただく、こういうことで御了承いただきたいと思います。
#182
○稲富委員 それから、いまおっしゃったように国民の期待に沿うような競馬をやられるというのならば、やはり競馬場の周辺に対して交通ももっと整備されるような、道路の改善等もやらなければいけないと思うのです。競馬場に行けないからといって、行っても車が込んでいけないからというようなことでついやみ行為に走るというような行為も多いから、この点が競馬が一番不明朗化する原因なのでともに考えなければならない。
 それからもう一つ、もう時間がありませんが、先刻もやっておりました、場外馬券場を設置するという問題がありました。私は場外馬券場は必要であると思うのですが、やはり明朗な場外馬券場をつくらなければいけない。いまの場外馬券場は共同便所のすみっこにあるような状態で不明朗なんですよ。もっと明るい場外馬券場をつくるということが必要であると思いますが、これに対しましても明るい設備をするということ。
 さらに映写をして、競馬場と直結する、そこの映写をする。そうすると場外馬券場に来たファンにもっと馬券も売れますよ。いまのような状態でしたら馬券を買って帰るのですよ。それは帰ったきりなんです。馬券場にとどまりまして、その映写を見ながら馬券を買います。払い戻しを受けるとまたその金で買うのですよ。複勝で売れていくのですよ。馬券を売る秘訣はそれなんですよ。持って帰ったらもう買いませんから。ちゃんとフィルムを見せると、そこで見ながら当たったぞと配当金をもらう、それでまた買う。そういう点から明朗な場外馬券場をつくることが必要だと思います。これに対しても、競馬や場外馬券場を知らないものだから、場外馬券場というと悪いところみたいに主婦会か何かが反対する。競馬に行きますと、競馬というのはいいものですな、知りませんでした、競輪とかなんとかと同じように考えておって、競馬に来る人は紳士ですな、こう言っている。非常に認識が足らざるところがあるのですよ。場外馬券場をつくるにいたしましても、明朗な場外馬券場をつくる、そしてそこに足がとどまるような、外部に迷惑をかけないような場外馬券場をつくることが必要であると思うのですが、これに対して大臣はどうお考えになっておるか、承りたい。
#183
○亀岡国務大臣 競馬は何といってもギャンブル的な性格がありますために、その点を無視したようなことになって物事を組み立てていくと大変なことになるということを忘れてはいけないと思うのですね。したがいまして私といたしましては、競馬会もずいぶんいろいろそういう厳しい批判の中で今日の明朗、快適ないざこざのない競馬開催ができるところまで努力して進めてまいってきておるわけでありますので、これもさらに努力を重ねることによって、いま御指摘のあったように場外馬券場等についても確かに、便所のかたすみという表現を使われましたが、そんな感じを――私も大臣になって初めて場外馬券場というものを見てみました。それから中山という競馬場にも行ってみましたが、周辺の道路が本当に混雑をしておる。やはりああいう面にも何とか協力をすべきなのかなという感じも持っております。そういう点、改善を要する点多々ありますので、競馬会の方にも十分指示をいたしまして改善を図ってまいりたいと考えております。
#184
○稲富委員 農林大臣は福島県だから特に私は申し上げたいと思う。あなたは福島の競馬は御存じだと思う。馬産地でございますから、あの福島の競馬というのは一般の住民と非常に親しいのですよ。それで福島競馬に行きますとお弁当を持って大きな水筒を持って、昔の大きな双眼鏡を持って家族連れで競馬に行って、そこで一日楽しむ、これが本当に大衆化した競馬だと私は思う。そういうように家族連れで弁当を持ちながら一日楽しく競馬場に来る、そういうような競馬が本当に国民に密着した愛される競馬だと私は思うのです。少なくとも競馬を開催する方はその点を心得ながら、やはり競馬に来る人が不満を持たないように、たとえ馬券に負けましても満足して帰る、こういうような雰囲気のある競馬場をつくることが最も必要なことだ、私はかように思うのです。それをやるためには、やはり競馬を開催する政府みずからが胸を張って自信を持って本当に国民に愛される競馬をやるのだ、こういう心組みでやられたならば、今後ますます競馬は発展するであろうし、今回のようなこういう財政処置もまた将来やられるような状態になってくる、かように考えます。そういう意味から申し上げましても、競馬の発展策を講ずることによって将来こういう財政処置がやられるようなそういう機運をつくっていただきたいということが私の念願でありますので、ひとつその点を含めて両大臣よりその決意のほどを承りまして、もう時間がありませんので、私の質問は打ち切ることにいたします。
#185
○亀岡国務大臣 先ほどお答え申し上げましたとおり、御趣旨を十分体しまして検討をしてまいりたい、こう思います。
#186
○渡辺国務大臣 明朗で健全な競馬が発展して国家財政に寄与するようにがんばらしていただきます。
#187
○稲富委員 終わります。
#188
○綿貫委員長 藤原ひろ子君。
#189
○藤原委員 関係者の皆さんには大変御苦労さんでございます。私は電電公社の納付金の問題を中心に質問をさせていただきます。
 政府は今回赤字財政を理由に電電公社から毎年千二百億円を向こう四年間国庫に納付させようとしております。これは電電公社が五十二年度以降黒字経営を続けていることに目をつけてこのような計画をつくられたと思うわけでございます。昭和五十一年の電話料金値上げのときに、わが党は、政府と電電公社が不当な経理操作をやって赤字をつくっていると指摘をいたしました。そして経理操作をやめるだけで経営は黒字になり、料金値上げをする必要などは全くないと主張をしてまいりました。このわが党の指摘が正しかったことは今日ますます明らかになっております。当時政府は、値上げを認めてくれたら五十三年度までは何とか黒字経営を持ちこたえられるのだと説明をされておりました。ところが実際には何とか三年間どころか五十六年度もまた黒字になる見込みですし、四年間で以前の赤字をなくした上で一兆三千億円も剰余金をつくったわけでございます。これでは五十一年の電話料金の大幅値上げ自身が不当であったと断ぜざるを得ません。
 そこで、中曽根行政管理庁長官は去る三月二十四日の本会議におきまして、余裕を持って料金が決められたと答弁をされたにもかかわらず、その後この本会議答弁を修正をして「結果的に、やや余裕を持った料金となった、」と訂正をされました。結果的にせよ余裕を持った料金となったということは、前回五十一年のあの料金値上げが非常にずさんなものであったということを示しているというふうに思いますが、長官、そのように理解をしてよろしいでしょうか、御答弁願います。
#190
○中曽根国務大臣 必ずしもそう断ずるわけにはまいらぬと思います。あの当時の情勢を見ますと、石油危機がございまして、狂乱物価がまだ尾を引いておりました。そういうわけで大幅な赤字が出まして、これを三年間に解消しようというので料金を決めたわけでございます。私の国会の答弁は正確には「やや余裕を持った」と「やや」という言葉が入っておるのであります。それは石油の値上げが次々にまだ出てくる可能性もありましたし、あるいは物価も上がってまいりましょうし、あるいはベースアップの問題も出てまいります。そういう経済動向、前途を考えた場合に企業がみんなある程度の余裕を持って原価を決めたり経営の準備をするということは大体当然のことであると思います。そういうような将来を展望した見方でやらないこと自体が経営としては努力が足りないと指摘されるでありましょう。あの当時の情勢を見るとそういう物価騰貴の展望というものも残っておりまして、そういう意味からやや余裕を持ってつくったというふうに私は考えたわけであります。結果的に見るとかなりの剰余金がその後出てまいりました。したがって結果的に見たらそういうことが言えるという意味でいまのような軌道修正をしたわけでございます。
#191
○藤原委員 昭和五十一年当時中曽根長官は自民党の幹事長をやっておられましたから、この重要法案であります電話料金の値上げについては当然その内情をよく知っておられたはずでございます。それにもかかわらず後で訂正をしなければならないような本会議答弁をなさったということは、長官、あなたの本音がはからずも発露された、こういうふうに思います。長官は結果的に余裕を持った料金になったと、こういうふうに訂正されたわけですが、「やや」がつこうがつくまいが、なぜそういうふうにお考えになっておられるのか、もう一度明確にお答えをいただきたいと思います。
#192
○中曽根国務大臣 ただいま申し上げましたように、企業経営の側の立場から見ますと常に将来的展望のもとに企業経営が行われるものでありまして、その際に、料金を決めるというケースの場合でも同じように将来展望でやっておるわけでございます。それで、やはり石油危機が依然として続いて、そして値上げも行われる可能性もございましょうし、それに伴って一般物価が上がってくるという危険性もございましょうし、またベースアップの問題も出てくる。そういうことを考えると、やや余裕を持って原価を決めるということは当然考えられることなのであって、そういう当然の処置をしたのだろうと思います。しかし後で決算を見てみますと、三年間で赤字を解消しました。三年間の赤字を解消いたしまして、その後かなりの収支差額等が出てまいりました。その結果を見ますと、やはりやや余裕を持ってつくられたなと後で判定してそういうふうに正確に申し上げたのでございます。
#193
○藤原委員 いまの御答弁は全く長官の本音は出されておりません。先ほど同僚議員の発言に対してあなたは、七重のひざを八重に折ってお願いする、こういうふうにお答えになっていたわけでございますけれども、政府側がたとえ平身低頭なさっても私は納得できません。しかしきょうはあなたが早くお帰りにならなければならない、こういうことでございますので、別の機会にお尋ねをいたしたい、こう思っております。どうぞこれでお帰りいただいて結構でございます。
 五十一年の値上げのときには、政府も電電公社も五十四年度には値上げをしなければならないと説明をされたわけでございます。ところが五十四年度どころか五十六年度も黒字の見込みであり、剰余金は一兆三千億円もあるということになっております。そこで大蔵省はこれに目をつけられこの剰余金を国庫に納付させようとなさっているわけです。
 そこで、電電公社のように営利を目的としない公共事業体から益金を国庫に納付させるというのは、戦後の財政政策の中では初めてのことだというふうに思いますが、大蔵大臣、非営利事業体から国庫納付をさせるということはなぜでしょうか、お尋ねをいたします。
#194
○渡辺国務大臣 非営利事業体から国庫納付させるというのは初めてかどうかよくわかりませんが、特別会計なんかありますね。そういう具体的な問題は事務当局から答弁をいたさせます。
 私といたしましては、要するに電電公社はわかりやすく言えば国の子会社みたいなものでございまして、一〇〇%出資の会社でございます。そこでもちろん民間であれば剰余金が出れば半分は税金で納めるということであります。しかしながら、剰余金がなぜ出たかということは、余裕を持って決めたということばかりでなくて、やはり経済情勢が非常によくて電話を使う人が多かったということもあるでしょうし、それから労使の関係もうまくいって生産性が思ったよりも上がった、そういうこともありましょうし、いろいろ原因があるんじゃないか。したがって、これは利用者に返すということも一つの方法でしょう。それから労働者に分配するというのも方法でしょう。だからといって電電公社だけが独占業務をやっていて、ほかの公務員よりもべらぼうに高い賃金にするというわけにもなかなかいかない。分けようがないと言えば分けようがないわけでございます。
 そこで、国の財政が非常に窮乏の折でございますから、この際はひとつ、いろいろ細かいことを言えばそれぞれの立場、立場でみんな正当な理屈があると私は思いますよ。しかし私といたしましては、国家財政の折、増税までしていろんな財源を確保しなければならぬというような状態のときなので、国民に返したつもりで国の方にひとつ御協力願えば、国は国民に返すわけですから、歳出化してそれはいくわけですから、そういうことで余分に千二百億円というものを税外収入でお願いをしたということでございます。
#195
○藤原委員 財政を再建しなければならないというのが大蔵大臣の大義名分のように承りました。非営利事業体からも納付させなければならないという状況に本当にあるのかどうかという点で、私は具体的にお聞きをしていきたいと思います。
 五十六年度の一般会計のうちに社会保障関係費は、対前年度でどれだけの伸びになっておるでしょうか。防衛関係費の伸びは対前年度比でどのようになっているでしょうか、御答弁いただきたいと思います。
#196
○渡辺国務大臣 いずれも七・六であります。
#197
○藤原委員 今年度の防衛関係費は二兆四千億円で、前年度の伸び率は正確に申しますと七・六一%でございます。事実上戦後初めて社会保障費の伸びを上回る予算になっているわけでございます。これは全く軍備拡大、軍事優先の予算でございます。なぜこんな軍拡予算を組まなければならないのでしょうか。財政は苦しいと言いながら軍事費だけはふやすというのでは国民はたまったものではありません。
 昭和五十六年度の一般会計当初予算の伸びは、五十年度を一〇〇といたしますと二二〇で、防衛関係費の場合は一八一です。ところ、が後年度負担の歳出化分はそれらを上回りまして二二九にもなっているわけです。つまり予算の先約分が増大をしております。後年度予算の先取りが拡大をしているということになるわけです。しかも、このような形で使われる予算というのは、軍事力の中心となる戦闘機であるとか、戦艦、ミサイル、こういった正面装備拡充のためのものでございます。財政再建を進める上で、防衛関係費の削減は非常に重要な課題だと思いますが、大蔵大臣はそのように思われませんでしょうか。
#198
○渡辺国務大臣 防衛関係費が七・六になったことは事実でございまして(藤原委員「七・六一です」と呼ぶ)七・六一でもみんな七・六と書きますからね、一けたの点数以下は。だから下まで言えば七・六一、それは間違いございません。しかし、これについてもそれでも足らないという人もございまして、これは高度の政治的な問題で、大蔵大臣だけでなかなか大方針を決めるわけじゃありません。われわれといたしましては、しかし国の全体のバランス等を見まして、そこは自由民主党と共産党と最初から根本的に主張の違うところですから、幾ら御議論しても平行線なわけであります。
 われわれとしては総合的に判断をいたしまして、この程度の防衛費は最小限度必要であるということで決定をしたというわけであります。後年度負担は実は前年よりも減っておりまして、債務負担行為などは減っておるのです。継続費は少しふえておりますが、両方足しましても前年よりは一六・九減っておる。先生に差し上げた資料にも書いてあるとおりでございます。
#199
○藤原委員 いま、後年度負担につきまして減っているのだ、だからそれは大したことないんだというふうな意味のお答えがあったのですが、経団連の防衛生産委員会特報NO177というのを持っているわけですけれども、これを見せていただきますと、防衛庁の渡邊経理局長、大臣ではございません、経理局長が昭和五十五年度の防衛庁概算要求の説明をされた要旨が載っているわけです。経理局長はどう言っていられるかといいますと、「防衛予算は性格上後年度負担が多く、財政の硬直化を招く傾向がある。」こう述べておられるわけです。現在まさに同じ渡辺さんですけれども、経理局長の指摘の方がそのとおりになっているというふうに思うのです。あなた方当事者がそう言っているわけですよ。そんな認識では同じ渡辺さんでも困るというふうに思います。いかがでしょう。
#200
○渡辺国務大臣 渡邊君はいろいろあるかもしれませんが、私は決して後年度負担がふえて財政が硬直化しないなんとは言っておらぬですよ。後年度負担がふえれば、問題は程度問題でございますが、それは財政を拘束することは当然のことでありますから、われわれは後年度負担についても将来の展望を考えながら、とても歳出化ができないほど認めてしまうわけにいきませんということをやっているわけです。したがって、それは十分に配意してお約束しておることでございます。
#201
○藤原委員 大したことはないというふうな認識は誤りですよ、こういうふうに私は御指摘申し上げているわけでございます。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、政府は財政危機を打開するために行政改革をと盛んに言っておられるわけです。人減らしもしなければならない、こうも言っておられるわけでありますが、私は時間がありませんので一つだけお尋ねしたいと思います。
 それは、国家公務員の四分の一を自衛隊が占めるまでになっていること。その上、この自衛隊は総定員法の枠外にある。こういう中でどんどんふやされて、昭和五十二年当時と比べてみますと、現在では何と約一万八千人もふえているではありませんか。一方、その他の国家公務員というのは全部合わせて千九百人しかふえていないわけです。大蔵大臣はこのことを御存じでしょうか。簡単にお答えいただきたい。
#202
○渡辺国務大臣 承知いたしております。
#203
○藤原委員 こういう国民にとりまして不要な部門こそを削るべきではありませんか。三月十七日付の日経新聞に財界五団体でつくっている行政改革推進五人委員会、ここの三月十六日の記者会見の内容が報道されておりますが、この中で日向方斉関経連会長がこう言っておられます。「財政合理化に際しても防衛力充実には最優先の配慮を」と述べたことを報道しているわけです。こんなことを認めていたら財政再建どころかますます大変になっていくわけです。公然とこんなことが言われる状況のもとで社会福祉費は切り捨てられて、たとえばこの保育予算を見ましても大変不十分なものになっております。その結果ベビーホテルの問題というような形で重大な社会問題になってきているわけです。政府の怠慢による乳幼児対策のおくれから、この一年間で三十五人もの乳幼児がその幼い命を落としているわけなんです。私は先日の予算委員会で、このベビーホテル問題を解決するためには保育にかける子供達を公的保育所できちんと措置していけるように政府が勇断を持って予算をふやすべきだ、こういうふうに主張いたしました。あの質問は大蔵大臣もお聞きいただいていたわけでございますが、こういう中で、大臣、防衛費をふやすことばかり考えないで、この社会的な問題となっておりますベビーホテル問題の解決のために、厚生省から要求があれば保育関係費を補正予算に組むということをおやりになるおつもりがあるでしょうか。いかがでしょうか。
#204
○渡辺国務大臣 防衛費の問題は、防衛費だけをふやそうなどとは考えておりません。これは全体の予算の枠のバランスの中でわれわれは必要最小限度の防衛費はつける。世界の独立国家どこを見ましても、社会主義の国なんというのはもっと防衛費多いですから、われわれといたしましては、スイスでもスウェーデンでもイギリスでもフランスでもドイツでも、それは天国のように防衛費をなくしてしまえば一番いいのかもしれませんが、現実の姿はそうじゃないということを考えますと、そこはもう立党の基本が違うわけですから、皆さんのおっしゃることも一つの主張だと私は思いますが、われわれは世界じゅうの現実の姿を見て、それに合わせた中で最小限度の防衛費を組んでおるわけです。ベビーホテルの問題は、厚生大臣が御要求があればそのときにどうするかは相談いたします。
#205
○藤原委員 先日、園田厚生大臣は、行管庁の勧告も五年前にあったのだから、五年のおくれを取り戻すべくがんばります、こういう御答弁でしたから必ず御要求があると思います。その際に、軍事優先というふうなことで未来を担う子供たちが二の次にならないようにぜひお願いいたしますが、その点簡単にいかがでしょうか。
#206
○渡辺国務大臣 まだ五十七年度の予算の方針も何も決まっておりませんが、十分記憶にとどめておきます。
#207
○藤原委員 国民が大きな目をみはっておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 私は軍事費をふやすために電電公社から納付金を取るといったやり方はやめるべきだというふうに思うのです。御存じの方もあるかと思いますが、戦前にもこれとよく似たことが行われております。昭和十三年三月に公布されました支那事変二関スル臨時軍事費ノ財源ニ充ツル為特別会計ヨリ為ス繰入金二関スル法律に基づく措置によりまして、通信事業特別会計からも七年間にわたって臨時軍事費特別会計に四億一千万円を繰り入れた。こういう日本の歴史がございます。
 そこで郵政省にお尋ねをいたしますが、この臨時軍事費特別会計への繰り入れが通信事業にどのような影響を与えたと郵政省は考えていらっしゃるでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#208
○守住政府委員 お答え申し上げます。
 この臨時軍事費だけの問題ではなくて、御承知かと思いますけれども、昭和九年通信事業特別会計ができましてから一般会計への納付という制度があったわけでございますが、その両面から見まして、当時の電話の架設あるいは郵便局舎の建設がなかなか積滞等に対して十分対応できなかったという事実はございます。したがいまして、そういう反省に立って戦後の荒廃した状況の中での電話の急速な普及ということで、公社法におきましても納付の制度が、国会でいろいろ御議論ございましたけれども、廃止された、このように受けとめておる次第でございます。
#209
○藤原委員 郵政省の電気通信政策局長である守住さんにはもう少しよく調べておいていただきたかったと思うのです。
 「郵政百年史」を見ますと、「十三年度から始まった臨時軍事費への繰入金は、四億一、〇〇〇万円に達し、公債収入の約二・六倍に及んだ。この点からみれば、通信事業公債は、軍事費を調達するための一機関と化していたともいえよう。通信事業に特別会計を設置して、固定施設の充実を図ろうとした当初の目的は、まさに水泡に帰したのである。」こういうふうに書かれております。この昭和十三年に公布いたしました軍事会計への繰入金に関する法律というのは通信事業だけではなくて、国鉄にも同じように適用されているわけなんです。「日本国有鉄道百年史」によりますと、「こうして鉄道特別会計は、運賃値上げにもかかわらず、益金の減少と公債金の激増という、独立会計の主旨に反した最悪の状態を招くこととなったのである。」こういうふうに述べております。つまり戦費調達に応じさせられた結果、鉄道事業が非常に困難になったということになるわけなんです。このように戦争遂行のときには通信事業であるとか国鉄事業などの営利を目的としない事業体に対しても国庫への繰り入れ納付を義務づけてきたわけなんです。しかし、そのようなことをいたしましても、「郵政百年史」に見られますように当初の目的は水泡に帰した、水のあわと消えちゃったということを過去の歴史が雄弁に物語っているではありませんか。そしていままた軍拡予算を組んで電電公社から国庫納付させようとされているわけです。まさに戦時を思わせる非常に危険なやり方だと私は思います。したがって、私どもは今回の政府の提案には反対であるということを明確にしておきたいと思います。
 私は、五十一年の電話料金の値上げは大変ずさんで不当なものであった、だから一兆三千億円もの剰余金があるのだと指摘をしているわけでございますが、この不当な値上げ分は利用者にまず還元すべきでございます。この点については、昨年も参議院の予算委員会でわが党の議員が主張をいたしております。電電公社は休日割引であるとか夜間割引の拡大をしてきたというふうに言われるかもしれませんけれども、これはよくよく見ていただきたいと思いますが、微々たるものでございます。私は料金の割引をもっと進める必要がある、こう思います。
 同時に、利用者サービスの充実、特に急ぐ必要があるのは料金に対する苦情をなくすということが重要問題です。料金に対する苦情の件数は一体どうなっているでしょうか、五十四年度と五十五年度についてお答えをいただきたい。電電公社の方いかがでしょうか。
#210
○稲見説明員 お答えします。
 おっしゃられる意味は、電話料金のうちダイヤル通話料かと存じますが、ダイヤル通話料金に関しますところのお客様からの問い合わせあるいは苦情の推移でございますけれども、五十四年度につきましては、年度を通じまして二十一万七千件でございます。五十五年度につきましては現在上半期の数字を押さえておるわけですけれども、上半期におきまして十四万三千件ということでございます。
 なお、ちなみに五十五年度の年度中の請求件数と申しますか請求書の発行件数と申しますか、これはほぼ四億五千万件程度でございます。
#211
○藤原委員 ものすごい数でございますが、この問題は、昭和五十三年の十一月十七日に参議院の逓信委員会におきましてわが党の沓脱議員が取り上げたことがございますので、公社の方もよくおわかりだと思います。苦情はなかなか減らないどころかふえる一方である。
 それからその次に私は、これは数の中に入っていないものもあるということを御指摘申し上げたいのですが、実はきょうも福岡県の田川市の方と話をしておりますと、二月分の電話料金七万円という予想もしない高い電話料金を請求されたということなんですね。それでこの方は、払わないと電話がとめられるので仕方なく請求どおり払ったが、月々の電話料は大体一万円ぐらいで済んでいる、こう言っておるわけですね。突然に六万円もの余分な出費を、それも使いもしない使用料を払わされているわけです。こんなのは表には出てきていない、数の中には入っていないわけでございますが、こんなことが一、二だけではなくて方々で起こっているのですね。だからこそ私は問題にし、まさに国民は泣き寝入りなんだということを強調したいと思うわけです。ですから、こんな状態を放置しておくわけにはまいりません。
 ヨーロッパの国々ではすでに宅内度数計といいますか、宅内料金表示方式が開発されて希望者に貸与されているわけですね。わが国でも昭和四十三年には機器の第二次試験が行われまして、昭和四十八年には商用に供し得るとの結論を得たというふうに公社の内部文書には記載をされているわけでございます。使いもしない分まで料金を請求されるということが一度でも起これば、当然のことながらその人は電電公社を信用しなくなるわけです。こんなことはどうしてもなくしてもらわないと困るというふうに私は思いますが、電電公社の総裁はどういうふうに思われるでしょうか。
#212
○稲見説明員 お答えいたします。
 お尋ねのような事故が一件でも起こりますれば、これはそのお客さんにとっては大変なことでございますので、私どももハードの面あるいはソフトの面含めまして、一件でも減らしていくように最善の努力をしております。現にこの数年間の経緯を追ってまいりましても、請求書を発行した後お客様からお問い合わせがあってチェックした結果私どもの方のミスであるといった数も、これは毎年着実に減少しております。ただし、先ほど申し上げましたように総体として減っておると申し上げましても、実際に迷惑をお受けになったお客さんにとっては大変なことでございますから、今後も最大限の努力を続けてまいりたいというふうに思います。
 それから、いまお話のございました田川市のお客様の件につきましては私まだ承知をしておりませんが、私どもの方でもそういう非常に意外な通話料金の変動がございましたときには、大抵の場合お客様からお尋ねがございますので、そのお尋ねを受けますれば直ちに各計算工程につきましてもまたチェックをいたしまして十分な対応をする、こういう体制をとっておるわけでございます。
 それから宅内のメーターと申しますか、宅内側にも度数計をつけたらというお話がございまして、先生おっしゃるとおりヨーロッパの多数の国でも、まあ国によって機能の差はいろいろあるようでございますけれども、一部の加入者の方々には現用に供しておるということは私どもも承知をしております。ただ実際にはいろいろ問題があって、普及の度合いははかどっていないというふうにも聞いております。
 それで私ども電電公社の場合でございますけれども、お話のごとく宅内度数計があった方がお客様にとっても便利ではないかということを考えまして、社内でもかなり前から検討を続けてまいっておる経過はございます。そして現在時点どうかということでございますけれども、簡単に申し上げますと、信頼性の保持あるいは通話品質への影響防止と申しますか、品質の確保といった点を考えますと、技術的にはもちろん不可能なことではございませんけれども、コストの面からいって現在では相当高いものにつきまして、その面から実用化のめどがつきかねておるというのが実際でございます。それから運営上の問題を考えました場合にも、これはたとえばでございますけれども、私どもの方の局側のメーターとお客様の方の宅内のメーターとをある瞬間をとらえて同時に整合を図る、照合確認するということは稼働上からも物理上もきわめて至難のことでございますし、そのことがかえってトラブルのもとになるというおそれもないわけではございません。もう一つ、宅内側だけにメーターをおつけになる、これは希望者だけといたしましても、これの保守管理あるいはメーターの読み取りということになりますと著しく大きな稼働等も食いまして、その面からもまたかなり大きなコストを生み出す、生ずるおそれが多分にあるというふうに現段階では考えておりまして、総合しまして、安く、うまくつけられれば一番いいのでしょうけれども、いまのところ実現の見通しはつきかねておるというのが現状でございます。
#213
○藤原委員 料金問題のトラブルが年間二十万件を超えるということがはっきりしたわけでございますが、こんなことこそ何をほっておいても手をつけなければならないことだと思います。いまいろいろとお述べになり、コストが高くなるからなかなか進まないのだということですが、先ほども申したように、商用に供し得るとの結論が出ているほど研究は進んでいるわけですね。要はお金が高くつく――そうしたら、そんな電電納付金を吸い上げないで、こういうところへこそ回すべきではありませんか。まずこれをやるべきだと思うのです。公社は、宅内度数計の実用化に直ちに取り組んで、早急に実施すべきだと思います。いまいろいろとおっしゃったわけですけれども、こういう二十万件を超える国民の苦情、表に出てこないものもたくさんある、こういう中で、あしたからやれとは申しませんが、やろうという意思があるのかどうかということを総裁からお尋ねをいたしたい。また郵政大臣は、そのことを推進させるおつもりがあるのかどうか、この点を簡単にお答えいただきたいと思います。
#214
○村上説明員 ただいま業務管理局長から御説明しましたように、こうした開発につきましては十数年前からやっておりますけれども、いろいろ技術的な理由あるいはコストの面からなかなか普及が容易にできる見通しがございませんですけれども、これからも技術の進展を踏まえて、経済的でまたいろいろな通信に支障を与えないような宅内度数計につきましては引き続き検討を行っていきたいと考えております。
#215
○藤原委員 技術は進展している、商用にも供せるのだとあなたたちの内部情報にちゃんと書かれているわけですね。ですから、要はやる気があるかないかということです。技術の面はいろいろ詳しくおっしゃっても、私も専門家でございませんからわかりませんから、そういう国民の要望に対して聞く耳があるかないかということを総裁にお尋ねいたしております。総裁と郵政大臣とよろしくお願いいたします。
#216
○真藤説明員 いま説明いたしましたように、かつてそういう社内報があったかもしれませんが、なお技術的に検討する必要のあるものが残っておりますので、その研究は続けております。続けておるということは、実行する意思があるというふうにお認め願いたいと思います。
#217
○山内国務大臣 いま電電公社で極力研究をしているというお話でございますので、研究が早く完成して――安くないと大変なことになって、またいろいろな設備がかえっておくれるということもあり得ますから、安くできるということも一つの条件として電電公社で大いに検討を続けていただいて、それをバックアップしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#218
○藤原委員 この宅内度数計の実用化は、電電事業が国民から信頼をされるためにもぜひともやらなければならないことだと私は思うわけでございます。いま総裁からは、研究している限りはやる気があるのだというふうにおっしゃいました。ぜひとも促進をさせていただきたい。
 郵政大臣からは安くないといかぬとおっしゃったわけなんですから、郵政大臣は、電電公社に納付金を納めさせることなどに一生懸命精力を使われるのではなくて、国民の暮らしを守っていく、具体的にはこういった宅内度数計の実用化のために、安くさせるために金を使いなさいというふうなことで全力を挙げるべきだと思います。国民は使わない電話料金まで払わせられておりますのに、剰余金があるから国庫へ納付する、そしてその納付されたお金は軍備を増強するために使われるというふうなことでは、国民は踏んだりけったりではありませんか。私は、政府が軍事費を削減すること、そして電電公社のような営利を目的としない事業体から金を出させるようなことはやめること、日本の歴史の教訓にきちんと学ぶことが重要だと思うわけでございます。電電公社は不当にもうけた利益をもっと利用者に還元することを強く要求をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
#219
○綿貫委員長 これにて連合審査会は終了いたしました。
    午後六時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト