くにさくロゴ
1949/04/04 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第24号
姉妹サイト
 
1949/04/04 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第24号

#1
第007回国会 厚生委員会 第24号
昭和二十五年四月四日(火曜日)
   午前十一時二十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月三日委員紅露みつ君辞任につき、
その補欠として小林勝馬君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○青少年飮酒防止法案(姫井伊介君外
 二十一名発議)
○医療法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) 只今より委員会を開会いたします。
 本日の日程第一、青少年飮酒防止法案を議題にして、その審議を進めます。質疑を続行いたします。
#3
○藤森眞治君 これは十分研究もされ、審議も盡されておりますので、この際質疑、討論を省略して、直ちに採決にお入りになることの動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(塚本重藏君) 藤森委員の御発議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは青少年飮酒防止法案の採決をいたします。青少年飮酒防止法案に賛成の方の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#6
○委員長(塚本重藏君) 多勢でございます。よつて本案は多数を以て可決せられました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会の質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして、承認を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。
 尚本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    中平常太郎  姫井 伊介
    山下 義信  小林 勝馬
    井上なつゑ
#8
○委員長(塚本重藏君) 御署名洩れはございませんか。御署名洩れはないものと認めます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(塚本重藏君) 日程の順序を変更いたしまして、医療法の一部を改正する法律案を議題として、その審議を進めます。先ず政府より提案の理由、説明を求めます。
#10
○国務大臣(林讓治君) 只今議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申上げます。
 すでに社会保障制度実施の具体的構想も漸く明確になろうとしておるのでありますが、すべての国民に必要最低限度の医療を確保するという国民医療の保証の問題は、本制度実施に当つて極めて重要な内容をなすことは申出までもないところであります。どの問題の解決のためには、先ず第一に医療機関特に病院の急速な普及整備を図る必要があるのでありますが、医療機関の整備につきましては、いわゆる公的医療機関の整備と併せて私的医療機関の協力態勢を整えることの緊要なことは申すまでもないところであります。
 飜つて考えますときに、一昨年の第二回国会において制定されました医療法は、医療内容の向上を図るため、病院の規格として最低限二〇床以上の病床を要求し、而もその構造設備については近代医療を行うにふさわしい諸種の條件を具備することを要請しておるのでありますが、地面現下の経済情勢下におきましてはい一般私人の手による病院の建設乃至その補修維持等が極めて困難な実情にあるのであります。
 従つて私人による病院の建設維持等を促進するためには、何等かの形においてこれがための資金の集積を図る措置を講ずることが是非共必要と考えられるのであります。特に医療法第十三條によりまして、診療所には同一患者を四十八時間を超えて收容できないこととなつた結果、一般の開業医師の中には数人乃至それ以上の員数による共同出資により病院を建設し或はこれを維持しようとする場合が少くない現実を見ますときに、このことが痛感されるのであります。而も現況においては、医療法は医療事業の特殊性乃至非営利性に鑑み、商法上の会社等が病院、診療所の経営主体となることを期待しておらず、且つ又都道府県知事においてもかような経営主体に対しては病院、診療所等の開設許可を與えない方針をとつている現状であり、又他方すべての病院が民法による公益法人たる資格を取得するということもできないため、病院等を建設して医療事業を行おうとする場合においても、その経営主体が法人格を取得することが困難であつて、従つて資金の集積及びこれに伴う病院等の維持建設のために著しい困難を感じている状況であります。
 この点に鑑み、医療事業の非営利性を考慮し、本事業の経営主体に対して容易に法人格取得の途を與えるために、この際医療法の一部改正して医療法人の章を追加しようとするものであります。何とぞ御審議の上御可決あらんことをお願いいたします。
 尚詳細のことにつきましては、政府委員から御説明申上げることにいたします。
#11
○委員長(塚本重藏君) 政府委員より、更に詳細説明を承わることにいたします。
#12
○政府委員(久下勝治君) 私から、只今大臣の提案理由説明に附加いたしまして、少しく御説明を申上げたいと存じます。只今提案理由の御説明にございましたように、この法律案を提出いたすに当り考えました根本的な目的が二つあるのでございます。一つは、病院建設を促進いたしますために資金の集積を容易ならしめるということが第一でございます。第二は、病院の永続性を保たせるということが第二の目的でございます。
 第一の目的につきましては、大臣の提案理由の説明の中にもございました通りでございます。ただ、その中にもございましたように、資金の集積を図ります手段といたしましては、御承知のごとく商法の会社組織によるということも可能なのでありますが、只今提案理由の説明で申上げましたように、医療法の第七條の第二項に、営利を目的とするものに対しては、病院又は診療所の開設の許可を與えないことがあるというような方針が取られております。これは医療の実態から申しまして、今後とも取つて参るべき方針であると私も考えておるのであります。そういう意味合におきましてこの法人組織を考えましたのでございます。第二の永続性を保たせるということでございますが、これは今日の社会の実情から申しますると、個人が開設をしておりまする病院につきましては、その開設運営をしております院長が年輩になりまして、その後継者に病院を讓ろうといたしました場合には、御承知の通り多額の相続税を賦課せられまして、そのために病院の経営の継続ができない、病院をやめてしまわなければならないというようなことが全国的にあちこちに起つておる実情でございます。こういう場合にも医療法人に組織替えをして置きますことによりしましてさような問題が解決するのではないかということも狙いました次第であります。尚附随的な、結果的な問題でございますが、法人になりますことによりまして、新らしや税法の関係から申しましても、所得税等の賦課につきましては、医業経営上最近問題となつております税金の負担が多くの場合、大体軽減をされる結果を生ずるということも、結果的に生じて参る点であると考えるのであります。これがこの法律案を提案をいたしました基本的な考え方でありますが、この考え方に副いまするために、法案として現われておりますことを極く大まかに申上げてみたいと思います。
 まず第一には、この法人は以上のような目的を達しますために、できるだけ簡單に法人格の取得ができるように考えております。即ち法案の第四十一條にございますように、「医療法人は、その開設する病院若しくは診療所に必要な施設又はこれに要する資金を有しなければならない。」という規定がございますが、これは裏から申しますと、病院、診療所を開設運営をして行きますために必要な土地建物、医療機械器具等がありますればそれでよろしいという趣旨であります。或いは又それらのものを取得するに必要な資金があればそれでよろしい、こういうようなことに相成つておるのであります。許可をいたします條件といたしましても、法案の第四十五條に規定がありまするように、極めて簡單な事項を審査して認可をするようにいたしております。この法案を全体通じまして一応特殊な法人格を取得するものでありまするがために、法人格取得につきましては都道府県知事の認可を條件としております。認可を受けなければならないことにいたしておりまするけれども、その実体につきましては、今一、二の例を申上げましたように、できるだけ簡單にこの法人格取得ができるようにという趣旨でございます。と同時に、又認可を受けました後の病院、診療所の運営につきましては、私共は実際問題として公益法人、民法による公益法大の病院経営の場合と違いまして、この経営の実体つきましては、何等特別な注文をつけないという考えでおるのでありまして、これを具体的に申上げますると、公益法人を認可をいたします場合に、私共が従来とつて参つておりまする取扱の方針は、病院を経営する公益法人につきましては、これが相当慈善的なものでなければならない、公益的な性格を持たなければならないということを要求いたしますために、自然その医業経営の実体におきましても、普通の個人経営の場合、私的な経営の場合とは違いまして、相当数の減免患者の取扱をするというようなことを要件といたしておるのであります。この法人につきましてはそうした特別の要求はいたさないことに考えておるのでございます。言葉を換えて申しますれば、いわゆる私企業としてやつております開業医と同じような経営形体でやつておつて差支ないということがこの医療法人の経営する病院につきまして考えておることでございます。ただ一つ先程来申上げておりますように、この法人は営利法人でないということを明白にいたしますために、経営上の要件として規定しておりますることは、第五十四條に「医療法人は、剩余金の配当をしてはならない。」という規定を設けまして、これが法人の運営上の基本的な性格を規定するものと考えておる次第でございます。法人に剩余金が生じました場合、これを社員に配当をいたしますということになりますと、その額の如何を問わず営利的な色彩を帶びることになりまして、先程申上げました医療法第七條の第二項の規定にありまする基本的な方針にも背馳することになると思いまして、この法人につきましては飽くまでも医業経営が本体である以上、剩余金の配当を禁止することによりまして、営利性を持つていないということを明白にしたつもりでございます。
 そのほかいろいろと規定してございますけれども、大体におきましてこの法案の規定の形式は、私立学校法にございまする学校法人の規定に倣つた点が非常に多いのでございます。医療法人という趣旨の内容の特殊性から、勿論規定の内容は変つてはおりまするけれども、形式の上におきまして大体学校法人の形をとつておるのでございまして、民法なり商法なりの規定の準用等につきましても、学校法人に対する規定と大体同じような取扱をいたしております。二三特殊性のありますことを申上げますと、第一には学校法人の場合には当該学校長が理事者の中に必ず加われという規定がございます。これと似かよつたことでありまするが、本法人につきましては、第四十七條にございまするように、「理事数人を有する場合には、その開設する病院又は診療所の管理者を理事に加えなければならない。」こういう規定を設けております。病院へ診療所の管理者というのは、医療法によりまして医業を行います場合には医師でなければならない、ことになつております。歯科医業をやる場合には歯科医師ということになつておりますが、医師又は歯科医師が必ず理事の中の一人に加わるように、こういう規定を設けまして、医業経営を目的とする法人の運営上支障のないようにしたいということ入れたつもりでございます。
 尚最初に申上げることを落しましたが、この医療法人と申しまするのは、医療財団法人と医療社団法人とこの二つのものができるようにいたしておるのでございまして、この社団法人及び財団法人の区別は民法による社団法人、財団法人の区別と全然同じでございます。
 尚この法案につきましては、一部から税の減免に関する規定が入つておらないことは今日医業の実体の上から適当でない。是非これを入れて欲しいというような熱心な御要望がございましたが、この点にこの規定は全然触れてないわけでございます。その点を若干御説明申上げて置きたいと思います。先程申上げましたように、この法人はその経営の実体におきましては個人経営の、いわゆる開業医の場合と全然区別しない考え方を持つておるのでございまして、その意味から申しまするならば、個人経営の病院、診療所の場合と区別して、特別に税の減免をするということが如何であろうか、基本的に如何であろうかと、こういうことを考えましたのが、税の規定を設けませんでした基本的な理由でございます。併しながら医業に関する課税の問題は、今日の医療制度の上から非常に大きな問題になつておることは私共十分承知をいたしておるのでありまして、できますならばこの問題は医業に関する課税全般の問題として適当な機会に、適当な方法で解決するような方途を講じてみたいと、こういうふうに考えておるのでございます。ただ最近私共が新らしい税法の要綱を見て参りますと、この中には法人、この法人ができますことによつて、法人なるが故に利便を與えられる規定もあるようでございます。具体的に申しますと民法による法人、その他の法人につきましては、政令の定むるところによりまして、建物の改善等に費しました費用は、これを損金と見做して課税の対象としないとすることができるというような要綱が設けられておるのを見でおるのであります。かような場合には個人経営の場合と違つて、法人なることによつて特別の利便を受けられる可能性も考えられるのであります。これらの点につきましては、財務当局とも今後私共の立場としてもお話合いをして、税法の運用の問題として、できるだけの利便が與えられるように考えて行きたいと思つておる次第でございます。
 尚税法の内容から申しましても、いうまでもなく個人経営の場合にと法人経営になる場合とを比較しますと、所得税の計算等で比べますと、相当額の減税、免税になり得ることを私共承知いたしておるのであります。その意味から税法の問題を特別に積極的にこの規定では触れませんで、只今一二の例で申上げましたようなことで相当程度の利便が與えらることになるのではないかと思つておる次第でございます。
 私共は以上極く概略を申上げたのでございますが、こういう法人ができることによりまして、今日の社会形態の情勢から申しますと、相当な利便が與えられ、従つて法人の設立が促進をされ、その結果病院、診療所の整備普及が促進をせられるものと期待をいたしておりまする次第でございます。
 甚だ抽象的なことだけ申上げて恐縮でございますが、極く概略のこの法案の体系になつておりますようなことだけを申上げた次第でございます。
#13
○委員長(塚本重藏君) これより質疑に入りたいと思います。
#14
○中平常太郎君 質疑をしたいと思いますことが大分ありますけれども、一度にはできないと思いますので、後程……、気の付いたことだけ差向き質疑をいたしたいと思います。
 第三十九條の医療法人でありますが、この法案によりますというと、「常時三人以上勤務する診療所」を対象とする「社団又は財団」とあるのですが、近時医者を得ることがむずかしくて、初め三人揃つたところで欠員になることもありますし、又いろいろな関係でこの常時の人員が減ることがあるのでありますが、法人となる設立のときに、三人であればその後の欠員は差支えないのでありますかどうか。それから病床実数がこれに出ておりませんが、これはやはり自由病床を最低としておられるのか、最高としておられるのか。その点をお伺いしたい。
 それから特典でありますが、やはり所得税の問題をお話になりましたが、所得税がやはりかかるのかどうか。建築税というものはどうか。それから資材の斡旋をすることになつておるかどうか。
 それからもう一つは、この医療法人を設立して、その法人を設立した人はどういう利益があるのでありますか。社会事業的であるのか。その人にどういう特典があるのでありますか。今日民間社会事業は可成り困難な立場に立つておるのであつて、随分資材、資金の面に苦しんでおる場合に、医者が好んで……、自分の個人の営業等の場合も相当困難しておる中に、全く奉仕的な診療所を拵えなければならんという意欲を持ち得るについては、どういうふうな内面にその医者に特典が與えられるのでありますか。要するにこの法案ができましたら、どしどし医療法人の願いが出で、医療の普及に役立つというお話しのようでありますが、そうすると、それが利益を目的としないものにそう多数の資金を投じてやるということについては、その意欲を生ずるような発起者にどういう特典が與えられておりますか。その点をお伺いして置きたいと思います。まあその問題をお尋ねします。
#15
○政府委員(久下勝治君) 先ず第一に常時三人以上の医者若しくは歯科医師が勤務するという、勿論これは設立の場合に、医師か又は歯科医師が三人おらなければならないということで、お話しの通りに、その後におきまして欠員等の生じますことは当然あると思いますが、これは問題は常時という言葉の解釈で運用して参りたいと思います。例えば三人という医師が、一入欠けて二人になつた。併しこれは近く補充されるということになれば、当然條件は満たしておると思います。併しながら二人にしてしまつて、将来とも二人になつてしまうのだということになつて参りますと、若干問題があると思います。この辺のところは二人になつ光かも、必ずしも法人解散ということになるかどうかということは、これは別問題として考慮したいと思つております。その程度で御了承願いたいと思います。
 それか病院の病床につきまして医療法の一般規定に従いまして、二十床が最小限、二十床以上ということでございます。
 それから所得税の問題でございますが、これは所得税という言葉なしに法人になります関係上、法人税がかかつて参ります。実質は所得税に等しきものでありまするけれども、新しい税法要項を見ますると、法人の所得税即ち法人税は率が一定しておりまして、いわゆる収益によりまして率が逓増をするということがないようでありまするが、全般的に心先程申上げましたように、相当額の収益のあります場合、大体法人税になつた方が個人経営の場合よりも軽減せられると思うのであります。
 それから建設税というお話でありましたが、これはどういう御趣旨でありましたか、いわゆる取得税関係のお話かと思いますが、この取得税の場合は四月からなくなるようでありますが、勿論登記税は必要でございますが、そういうふうに御了承願いたいと思います。従つて一般の税に倣うものでございまして、ひとり不動産取得税に限らず、すべての税はこの医療法人なるが故に、特別な減免の規定はないと、ただ特別の場合は先程一つの例を申上げましたようなことがあると思います。この点は今後も一層努力をしたいと思つておる次第でございます。
 それから建築の資材斡旋でございますが、これはもう当然私の方で一般の場合と同様にいたすつもりでございす。
 それから最後に設立者の特典ということでございます。この若干の心配はないとは申せないのであります。剩余金の配当を禁止いたしますために、法人のために出資をいたしましても、銀行預金の利子程も貰えないということの結果になりますので、その意味からこういものに出資するものが少いであろうということも考えられるのでありますが、併し実際問題といたしましては、病院建設ということでありますると、相当公益的な色彩を持つておりまするので、それ自身においてすでに持つておりますので、私共としてはそれ程心配をいたしておらないつもりであります。尚出資者につきましては法人の役員等になつて頂いて、実費弁償等の方法をして、若干の謝金を出すというようなことも実際問題としては可能であると考えております。併しながらそれ以上の特段の特典はちよつとこの法人の性質上、非常に容認することができませんので、欠点といえば欠点だと思いますが、私共としては大体この種の法人の設置の主体となりますものは、医師又は歯科医師であろうと思います。医師又は歯科医師が関係者に話をして金を出して貰うと、借りるような形式で出資して貰うというようなことでやつて参る場合が実際問題として多いだろうと思いますので、医師と個人的な信用関係というものが、実際問題としんは恐らく今の問題を解決する点になると思つております。そういう点からこのために非常に隘路になるとも考えておらないのでございます。尚現在すでに個人が病院又は診療所を開設しておるものが、この制度ができますために、法人格を取得して行くものは実際問題としては非常に多くなるのではないかと思います。
#16
○中平常太郎君 どうもそういうようなものを開設する意欲というものが只今のお話ではどうも起きないように思うのですが、この資材難、資金難の場合に、何らの特典もない場合に、そういう奉仕的なものができるかどうかということの疑問がまだ晴れておりません。お尋ねいたしますが、借入金を以て施設をした場合に、借入金の利子というものは当然これはその業務收益の中から拂つていいものと考えておりますが、借入金でなしに医者が出資しておる場合、自分の金を出資しておる場合にも出資相当の法定利息というものは取れるか取れないか、これを利益上して取つたら、利益という形式になるのかどうか。その当然必要な出資に対する利子さえも取れないというような全く一方犠牲的なことばつかりということにしてしまつては、こういう事業が発達しないと思われるのでありますが、適当な利子が取れるかどうか。もう一つはこの施設に剩余金ができた場合に、配当してはならないということになつておりますが、積立金としてどんどん積立ることはよいのか。又積立金の金の中から施設を拡充強化するためにこれを利用するとか、或いは外の公益的なものにその積立金を利用するかというような、そういうことはできるかどうかその点をお伺いいたします。
#17
○政府委員(久下勝治君) まず第一はこの法人に出資いたしました医師が出資に対して利息程度のものが取れるかどうかということでありますが、実際問題といたしましては、医師が出資いたしました場合は、その医師はその法人の経営する病院の医師を当然兼ねているだろうと思います。そういう意味合におきまして職員として相当額の報酬を受けるというようなことで結局は解決がつくのではないかと思つております。それから剩余金の生じました場合の処置でございますが、当然お話の通り積立ということになつて参ると思います。積立てられました金は、私共の考えとしては、できるだけその病院の改善のために使う、或いは医療機械の購入等のために使つて、その病院ができるだけ立派な医療内容に、医療ができるようにして参りたいと思つておるのです。ただ若干そこに問題があるのでございまして、明確に御指摘がございませんでしたが、積立金をして参りまして、そうして相当額の積立ができました場合に、これを解散してしまう、出資者が分配をするということになりますと、折角こういう剩余金の配当禁止をいたしましても、そういう方法で綺麗に潜られる虞れがあるのでございます。そのことは毎年々々は剩余金の配当をいたしませんでも、結局実質的には配当する結果と同じようになりますので、そういう点を考慮いたしまして、解散の場合の財産処分につきまして第五十六條規定してございます。この規定をちよつと御覧を頂きたいのですが「解散した医療法人の残余財産は、合併及び破産の場合を除くほか、定款又は寄附行為の定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。」こう書いてございますので、第一段階はこうした法人でありまするので、定款又は寄附行為の規定というものを尊重したいと思います。その定款、寄付行為の規定は、認可の場合に審査をいたしまして、こういう規定に反するがどうかを審査いたしますから、今申しましたように積立金をどんどん積んで置いて、あとから皆で山分けしてしまうというような規定になつておりますれば、恐らく認可の場合に抑えられると思います。従つて認可をいたします場合に、そういうような規定がございます場合には、病院の維持改善に努めるよう仕向けて行くということに指導する考えでございます。それから第二項の「前項の規定により処分されないものは、清算人が総社員の同意を経、且つ、都道府県知事の認可を受けて、これを処分する。」というふうにいたしまして、定款の規定がなかつた場合には、社員の同意を経ましただけでできない。都道府県知事が必らず認可して処分をするようにしたいということで、実質的な五十四條の配当禁止の規定を潜ることを、こういう方法で抑えて参りたいと思つております。どうもくどくど申上げて恐縮でございましたが、結局私共の考えといたしましては、営利性のない法人である、而も日進月歩の医業を行つていきますので、適正な医業をやつて、而も剩余金が出ました場合には、その剩余金は医、療機関の改善のために使つて貰うというような方法で実質上の指導をしたいと考えておる次第であります。
#18
○中平常太郎君 只今の御説明で解散の場合のことがここにあるのでありますが、そうすると医師が多額の資金を使つて、こういう診療所を設けまして医療法人となりました限りは、それは寄附行為の定款によるものでありまして、処分されるでありましようが、もはや個人の懷えはその施設はやめて帰らないという結論になつてしまつて、第三のところでは医療事業を行なうのにこれを帰属させるということになつておりますから、最後はもう自分が医療法人になつておるために大努力をしても、その法人になつた限りは、もはや自分のものにはどんな方法を講じても、その財産は自分に帰つて来ないという結論になつて来ると思われるが、その点はどうですか。
#19
○政府委員(久下勝治君) その点は実は私共は決して否定的に考えておらないのでありまして、本人に帰えることも当然だと思つております。只今申上げました趣旨は、病院とか或いは診療所の土地、建物、医療機械等を法人のために出資をし、或いは寄附いたしまして、法人を設立して運営をしております。運営の結果生じました剩余金につきまして申上げたのでございまして、その土地、建物が本人に帰るということを規定をいたしますことは自由でございます。ただこれは初めから余り明確にいたして置きますると、一つのこれが財産権になります。法人会社の場合にはその病院の土地、建物、医療機械等一括して自分の所有権に帰属するというようなことになりますと、一つのこれが債権的な財産権になりますので、医療法人の運営上と申しますか、そういうことは予め規定して置くことが御本人のためによいかどうか、これは若干問題だと思います。例えば相続の場合等は、この期待権に対しまして、財産権に対しまして相続税がかかるということもありますし、その辺は実際の運用の問題として如何ようにも解決できますし、私共としては本人に、これを出資し或いは寄附をいたしました本人に、解散後に帰つて行くということは多くの場合は当然であろうと思つております。
#20
○藤森眞治君 先ず第一の医療法人設立に当つての出資、これが医療法人或いは出資者に対して課税の対象になるがならないかという点を先ず伺いたい。
 それから第二には医療法人の経営は、すべて現在の法人経営と同じ形態としての取扱いを受けるもの、例えば株式会社であるとか、合資会社であるとかいうものと同じ経営内容として取扱うようなものであるか。
 それから先程の積立金の問題ですが、若し医療法人に必要経費を差引いた後に幾らかの利益が残る、こういうふうな場合にこれは配当してはならないということはよくないということはよく分つておりまするが、ところが、これが課税の対象になるべきかどうかという点、若しこれを施設或いはその他の医療内容向上のために準備金として残される場合には、これがどう取扱われるか、殊に一定の利益があつて、これを蓄積して今後のいろいろな施設内容を改善するとか、或いは診療内容をよくするとかいうことは考慮しなければならない関係上、これを全部なくしてしまうということは医療法人の将来の存続に非常な大きな影響がありまして、これが果して課税の対象になるかならないか、こういう点を一つ御意見を承わりたい。
#21
○政府委員(久下勝治君) 先ず第一に出資の場合の課税でありますが、これは出資をした場合には税金はかかりません。それから最近税法改正の方針が変りましたようでありまして、財団法人に寄附をいたします場合、即ちこれは贈與税であります。これも法人に寄附をする場合には贈與税を課さないということに方針が改まつたということを聞いております。従いまして出資の場合におきましても、社団に対する出資の場合におきましても、財団に対する出資の場合におきましても、課税の対象にはならないというふうに承知しております。それから次はちよつと御趣旨を或いは正しく理解しておらないかもしれませんが、商法の会社などと同一の経営内容のものとして取扱われるかという御趣旨でございますが、或いは御質問の趣旨を取違えているかも知れませんが、私共としては先程から申上げておりますように、この法人は営利を目的とするものではないということによりまして、商法の会社とはその点において明確に一線を画しているものと考えております。併しながら病院なり、診療所を経営して行きます経営の仕方、例えば具体的に申しますれば、医療費をどれだけ徴收をするか、取引というようなことにつきましては、これはこの法人に対して何らの制限はございません。いわゆる開業医が自由診療をやつている、いわゆる診療をやつている場合と全然同一に考えております。勿論社会保險等の引受をいたしますれば、それはその方の関係から特別の契約があることは当然でありますけれども、いわゆる自由診療の場合は、個人開業の場合と何ら区別はない。言葉を換えて申しますれば、いわゆる私的な経営のものであるというふうに考えております。
 それから次は剩余金に対する課税問題でございまするが、剩余金心そのまま積立金として残すことになりますれば、これは当然課税の対象になるものと考えております。問題はこの剩余金を施設の改善に使うという場合でございます。先ず只今のところ問題のないのは、いわゆる小修繕と申しますが、こまごました修繕等をいたします場合はありますが、これはもう恐らく問題ない。大きな増築、或いは大きな医療機械の購入等をいたしました場合は、これは一般の場合には資本の増加になりまするので、所得税の対象に去るのでございますが、私共としてはこの点は先程申上げました税法改正の要網の中に、先程も御説明申した規定がございますが、それは折衝のしようによりましては、政令の改正の場合に医療法人と同じように取扱う。規定に該当するものとして取扱つて貰えるのではないかと、今後折衝をしたいと思つております。この規定によりますと、私が見ましたところでは、そうした改善のために費用を使いました場合は、これを益金と見ないで損金として取扱う規定になつております。主法は民法の第三十四條の法人と書いてあります。法人税の規定のところにそういう規定がありまして、民法第三十四條の法人につきましては、そうした施設の改善等に使いました費用はこれを益金としないで、損金と見ることができるこういうような規定になつております。この「等」という言葉の中に、この医療法人が入れるという取扱いをして貰うことになりますれば、実際問題としてはお話しの点のように非常な利便になると思います。
#22
○藤森眞治君 この建築等に使いました折には、御説明のような損金ということで解決されることができるものといたしましても、現在の四十八時間の問題なるものがあるために、今後いろいろな病院は病床数を増加する。或いは設備内容をよくするというようなことに相当の資本を蓄積しなければならん。又集積しなければならん。そのためにどうしても積立金というものを、利益があれば積立てそういうものに充当しなければならん。これを利益として課税されるかどうかということ。使つた折は損金とするかも知れませんが、それをその準備期間中の蓄積してある間に、例えば、年々五万円利益が上つたから、これを改善費に使うのだというので、これを蓄積したものが課税の対象になるだろうかどうだろうかということです。
#23
○政府委員(久下勝治君) これは税務当局と或る程度もう少し話合をする必要があると思いまするが、只今私共の了解しておりますところでは、さような場合には課税の対象となると思います。結局それを積立てて置きまして、実際に改善に使つた場合にも、今までの扱いですと、ただ金銭が物的なものに変つただけでありますので、一応資本の増加として、一般の所得税の場合にはこれを課税対象としておりますような次第であります。それをちよつと要綱の例を挙げて申上げました規定の運用によつて、さようなことになるであろうという期待を持つておるだけであります。実際に使つた場合に初めて課税対象から除かれるということになろうと思つております。
#24
○井上なつゑ君 ちよつとお伺いしますが、現在すでに医療法人という名前を持つておる人は、この法律施行の際に医療法人になれると書いてありますが、只今医療法人になつておりますものの数はどのくらいございますでしようか。
#25
○政府委員(久下勝治君) 只今のお話は、附則の第二項にありまして、これは実はこの法律により医療法人でないものは、その名称の中に医療法人ということを使つてはならないというのが第四十條にございます。それでありまするので、従来この名前を使つておりまするものについてまでも押えてしまうと、少し酷ではないかと思いまして実際問題としては考えておらないのでありますが、あるかとも思いまして、若しあるとすれば、既得権を尊重したいという意味でございます。実際問題としてはこの種の法人は制度的に今までなかつたですからないと思つております。ただ商法の規定に基く株式会社なり、或いは合資会社などでやつておりますものは、若干実例のあることは承知しております。それは承知しております。ところが医療法人という名前は使つておりません。この附則の問題にならないと思つております。
#26
○井上なつゑ君 この医療法人でございますがこれは赤十字社とか済生会とかいう病院で、普通の公のものではございますけれども、ああしたような病院はどういうふうになるのでございますか。借金が沢山ございますが、途中で医療法人の組織はできますか。
#27
○政府委員(久下勝治君) 日本赤十字社とか、済生会は、御承知の通り民法に基く公益法人でございます。公益法人になりますためには、先程ちよつと実際の取扱を御説明申しましたように、相当な條件を附けて認可をいたしておりますのであります。そのために半面各種の税法におきましては、税の減免等に特別に恩典を與えられておるものが多いのであります。従つて私共としては将来共そうした條件を付けても、公益法人になりたいというものにつきましては、公益法人の認可はどんどんいたして行くつもりであります。ただお話の済生会等がいよいよ行詰つて医療法人になりたいと言いました場合には、別に何ら制限をする必要はないと思つております。その場合には公益法人を解散して、この法律に基く法人になるわけでございます。ただ実際問題としては、特別な解散理由の発生しない限りこの法人になることは、今申し上げたような実際の問題、課税の関係から、却つて利益ではないかも知れんと思つております。
#28
○井上なつゑ君 この医療法人の中には、病院又は診療所だけに限定しておりますが、産院でも、大きな参院はお医者さんが沢山ありますが、これはどうして産院をお入れになりませんのですか。
#29
○政府委員(久下勝治君) 産院というお言葉が、実は明確を欠くのでございますが、大体法律的には、産院も病院と考えておるのでございます。
#30
○中平常太郎君 ちよつと藤森委員のお尋ねの場合、政府の方の答弁で、どうも明瞭を欠いておる点があるのでありますが、剩余金というものができた場合に、積立金にすることはよろしい。併しながら課税対象にはなる。こういうお話のよう伺つたのでありますが、但しその病院の必要な施設の修繕、その他新設等に使えばそれはよろしい。こういうふうに聞こえたのでありますが、その年の收入で修繕拡張等をすれば、一応積立金にして置いて、そうして課税対象にされて税金は出した。それから後にその積立金を使つて家を建てた、家を直したというようなことがあり得るのですが、そうしないというと、とてもその年にいつもいつもバランス合わすために、修繕に金廻すことには行かんここがある。積立金の中を使つて修繕をしたりすることがあるが、それまでにすでに前年度の積立金となつたものに対する課税ははや済んでおる場合、その金を使つて修繕をした場合はどういうふうになるのですか。その点を一つお伺いしたいと思うのです。
 それからもう一つは、今度の所得税法によりますと、やはり法人税は何か協同組合というようなものにも課かるのでありますが、三十五%だつたように思いますが、その点もお伺いします。
#31
○政府委員(久下勝治君) 積立金に対する課税の問題につきましては、先程藤森委員の御質問にお答えした通りでありまして、尚その点につきましては実際問題としては、これを積立て置くのだが、これは病院の維持、修繕のために使うのだということが明白なものであるものまでも、ただ時間的な関係でちよつと一時積立て置くので、積立金にならざるを得ないのだというようなものまで課税するかどうかということは、実際は恐らく課税をします場合の取扱問題でございます。法律的な問題でなしに……従いましてその点につきましては、先程申上げましたように、税務当局の方と打合せをして見たいと思います。筋としては、将来何々に使うのだからということで、少なくとも形式的は、積立金であります。課税対象から外すということは少し無理でないかと思つております。
 それから法人税の率でございますが、私が承知しておりますのでは、法人税は百分の三十五、一律でございます。
#32
○中平常太郎君 もう一つちよつと序でに。私の最も心配するところは、この医療法人によつて設立させるものは、沢山できることを希望する。その希望を充たすために、どうしてもこれを設立する人々に対して、医者に対して、そう何もかも特典がないようになつてしまいはせんかと思つて、もつとこういう診療所を作る、開設する意欲の出る方法がないものだろうか。ただ社会事業的な状態に置かれて、どこからも補助もありもしないのに、自分の金ばかりでこれをやつて置いて、そうして利益は食われてしまつて、一つも取られないというような恰好では、診療所がどんどんできるものであろうか、それを心配して何か特点がもう少しないというと……特典のないことを先程から申上げるのはそこなんです。
#33
○政府委員(久下勝治君) これはこういうふうにお考えを頂きますといいのでありますが、今日こういう制度を設けずに放置して置きますると、個人の医師が病院なり、診療所を作るといたしますと、同じように、できることは金さへあればできますが、できた結果は先ず税の問題から申しましても、多くの場合病院の経営につきましては、法人にまつた方が実際の課税は軽減されると思います。これが一つ。
 それからもう一つは、個人の收入の問題でありますが、私共としては、法人の経営する病院医師として働きます医師、その他の職員に対しましては何なる給與を與えるかということは、全然何ら制限をしないつもりでおります。従つて医師はそこから相当額の報酬を受けることはできると思います。その意味で従つて個人を放つて置いて、こういう制度がない場合に、個人が病院を作る場合と、この法人制度ができてこの法人によつて病院を開設する場合の比較で考えて頂きますれば、余程この制度を作ることが利便を與えることになる。従つて病院の開設を促進することになるであろうというふうにお考えになれば御理解頂けますと思います。
#34
○藤森眞治君 先程の設立登記の課税の問題ですが、贈與の場合には法人は勿論かからない、贈與したものは課税の対象にならないこう考えられますが、出資の場合、社団の出資したものに対してもいわゆる出資者にも課税しないか、こういうことです。
#35
○政府委員(久下勝治君) その点は私共は税務当局と具体的に打合せをいたしまして、出資の場合に課税しないということをはつきりと返答を得ております。
#36
○姫井伊介君 医療法人が設立される場合におきまして、現在の個人開業医の人々が若干の施設をもつてそれを集めて一つの法人を作る。従つてその施設が分散している、あすこに一ケ所ここに一ケ所、つりまり分散している施設は当然認められるということと、尚従つて病床があすこには五つある。こつちには十というふうに転々としておりますが、それを加えたもの二十床以上あれば病院と見做されるかということを第一に……
#37
○政府委員(久下勝治君) その点につきましては、私共もこの法案を立案するに際しまして検討いたしたのでありますが、大体個人経営の、一人の医師が経営する診療所に法人格を與えるということは事柄の性質上も面白くない、そういうふうに考えまして「三人以上」というふうに限定いたしたのでございます。従いまして全然別々に診療所を持つておりますものが一緒になつて「常時三人以上」ということになりますと、これはやはり別々の診療所でありますから、そういう形体におきましては、それを直ちにこの法律に基く法人とすることは不可能、むつかしいのじやないか、かように考えております。尚このお言葉の中にありましたそれぞれベットを五つなり十、合せて二十以上持つているから病院になれるのじやないかというお話しもあつたのでありますが、これも只今の私共の解釈としては無理かと思います。
#38
○姫井伊介君 そうしますとよほどこの設立が制限されるわけで、だから従来の診療所を拡充して病院にしようといつた場合には、やはりそれを中心としてそこに合同施設を置かなければならない、拡充施設を置かなければならない、こういうことにになるわけですか、そうでなければいけない。例えば分院とか何とかいうふうな、そういう名称によつて今まで通り分散したものを一施設と見做すことはできないかということです。
#39
○政府委員(久下勝治君) 現在診療所持をち、若干のベットを持つております医師が、これを拡充して病院にするのだからということで法人にしたいという場合には、四十一条の規定によりして、それに必要な資金を持つておればなれると思います。現在十のベットを持つておりまして、病院診療所を持つているところへ後十のベットを殖やして、病院に必要な設備をするということには必要な資金がございますれば、現在目の前にその施設がございませんでも法人にはなれると思いますが、将来そうなるのだからというのは少し無理ではないかと思つております。
 尚ちよつと御質問とは外れるかも知れませんが、一応本質的な本体となります病院又は診療所は、三人以上医師又は歯科医師が勤務するのが要件でありますが、別にその他に分院なり、或いは診療所を持つということは、これは四十二條の規定によりまして差支えないことと考えます。
#40
○姫井伊介君 四十二條で今のところでちよつとお尋ねしたいと思いますが、それは四十二條の第三号の「診療所以外の診療所」という意味なんでありますか。
#41
○政府委員(久下勝治君) さようであります。三人以上勤務しておりまする主体となるところの「診療所以外の診療所」つまり一人でもよろしいのであります。
#42
○姫井伊介君 それは施設が離れておつてもよいのでありますか。
#43
○政府委員(久下勝治君) さようでございます。
#44
○姫井伊介君 この第四十二條の第一号にあります「医療関係者の養成」ということでありますが、「医療関係者」というのはどういうことですか、
#45
○政府委員(久下勝治君) 「医療関係者」と申しますものは医師、歯科医師、薬剤師、看護婦、保健婦助産婦等を指しておるのでありますので、ここで考えますのは大体看護婦の養成であろうと思いますが、大病院等でありますれば、医師を集めて再教育をするということもこの法人の事業として行い得るように考えます。「医療関係者」と申しますものは、別に定義的に限定されるものではございませんが、以上申上げました医師、歯科医師、薬剤師、保健助産婦、看護婦との程度のものを考えております。
#46
○姫井伊介君 それは再教育ならば意味は分かりますけれども、医師をそこで養成するということは、一方の医師法ですか、何かそれと抵触するのではないのですが、学校教育の問題と関連と……
#47
○政府委員(久下勝治君) これは言葉を節約してありますので、そういうこともできるように取れるかと思いますが、実際問題として考えておりまするのは、養成にかかるものは看護婦とか、助産婦とかいうものだけと考えております。大体そういうものと思つております。看護婦の養成所は病院附属の養成所が沢山ございますが、そういうことができるのだということを書いてあります。
#48
○姫井伊介君 それは医師自体の養成ではないですね。もう一つ…、附加価値税の問題はどうなつておりますか。
#49
○政府委員(久下勝治君) 御承知のように附加価値税の問題は地方税法でこれから御審議を頂く問題のようですが、附加価値税はかかることに相成つております。
#50
○姫井伊介君 それからこの施設の贈與以外に、さつきもちよつとお話がありましたが、篤志者、協力者が出資をする。それは金銭、物品において若しくは土地などを提供するといつた場合に、それに対する利息若しくは地代というものは支拂つていいかどうか、拂うとするならば、それに対しては課税されるかどうか。一方金が、資金が入るならば、借入金をする、借入金に対しては当然利子を拂つて行くのですが、そういう意味におきまして今申しましたこの篤志者などの出資、又は土地提供によるこの地代、利子に対してはどういたしますか。それは拂わなくてもいいか……
#51
○政府委員(久下勝治君) その場合には出資とはならないと思うのであります。結局具体的に今の御引例を例にして申しますれば、土地を或る人から借上げて、そうしてその法人としてはここに病院を建てて無論運営して行くというようなことになろうかと思います。そういうような形式になれば勿論地代は拂えると思いますが、出資という形式をとりますると、御承知のように所有権は法人に帰属いたします。従来の出資者の所有権はなくなりまして、ただ出資証券という一つの債権に形が変るわけであります。従つて地代を拂うという問題も起こらないのでございます。
#52
○姫井伊介君 出資をいたしました場合においてそれは無償出資の形になりましようが、併し何かの方法によつて、それに幾らかのお礼をするといつたようなことは、それはどうなのですか。それもできないのですか。
#53
○政府委員(久下勝治君) これが先程の剩余金配当制限の項目に引掛るのでございますが、実際問題といたしましては、出資者を当該法人の役員にするという場合はあると思います。規模の小さいものにつきましては、当該法人の役員となりますれば、実費弁償等の方法で謝金を差上げるということはできると思いますが、公然と配当制限の規定がありますので、何らの名目なしに金をやるということはできないと思います。
#54
○姫井伊介君 さつきの提案説明のところで、この法律の重大な基本的目標の一つは、資金の集積を図るにある。この資金の集積は設備の拡大のために充てるべきものなのでありますが、そうしますと、それ程強く要請せられる点からいうならば、設備積立金というものがむしろ定款などにおいて決めて行きべきものではないか。そこまで強力に行かなければ、この重大な目的を達成する意味をなさないのではないか。それから一方先程の話では、そういうふうな積立金に対しては課税されるということに非常な矛盾が出て来るのであります。單なる積立金ではいけませんが、設備積立金というふうにするならば、むしろそれを強力にやらせて、それは課税対象から除くということにしなければ、この重大な目標の達成は困難だ。この辺の関係はどうですか。
#55
○政府委員(久下勝治君) その点は確かにお話の通りでございまして、先程もちよつと申上げましたように、この問題は先ず第一に設備に金を使うということが、資本の増加として課税の対象にならないように措置することが先ず第一前提と思つております。これが先程申上げましたように、税制の改正要綱の中にそういうことがなし得るような可能性が規定してございますこれは政令を作りますような場合に、具体的にこの医療法人を入れて貰うというような方法で、是非我々としては解決して行きたい、そのように努力して参りたいと思つております。さような方向で先ず設備に使つた金が課税対象にならないということを第一の問題として、解釈いたしました場合には、それを目標として積立てますものにつきまして、課税の実際の運用上除外をして貰うというような措置も可能ではないかと思いまして、そうした段取りを履みましてい、できるだけ御趣旨に副い得るよう努力をいたしたいと思うのであります。
#56
○姫井伊介君 それにつきまして、今度はさつき尋ねました附加価値税などが考えられるのですが、そうすると一方で除かれたものが、一方で被さつて来るというようなことになるわけですが、この点はどうなのですか
#57
○政府委員(久下勝治君) 附加価値税の問題は、私もまだ十分研究が足りないかとも思いまするが、私が承知しております限りにおきましては、そうした病院などで建物を建てたり、或いは機械を買入れるというような金は附加価値税の課税対象から除かれる。附加価値税というものはそれらの診療とか或いは仕事をするに必要な不動産、物件等を購入したものを除きましたもの一切、人件費等は勿論課税対象になります。そういうふうに聞いておりますので、只今のお話の点は、私の承知しておる限りでは、附加価値税とは関係しないと思うのです。ただ附加価値税がこの種のものにかかることはそうかという問題につきまして、私共もできるだけこれは除外をして貰いたいという希望を持つております。
#58
○姫井伊介君 御承知の通り人件費、それは利子とか、地代とかそういうものがプラスされたものにかかる、従つてこういうふうに積立金が段々嵩んで行くのに対しては、やはりそういう意味で、私はよく承知しておりませんが、何とかしなければならんと考えるので、これは元の医者の事業費にもかけるべきものであると思いますが、これはもう少し研究しなければなりませんが、御考慮を煩わしたいと思います。
#59
○藤森眞治君 四十二條の一の医療関係者の養成の問題でありますが、これには医療関係者として将来法人に必要な医者を、あとを養成するために、大学或いはその他が、こういうものに対して、いわゆる育英資金のようなものまでもその中に入つておるというお考えでしようか。
#60
○政府委員(久下勝治君) 文字の上から申しますれば、入らないとは申せませんけれども、実際問題としては、私共先ず普通の場合には、医療法人の事業としてそこまでやることは殆んどないのじやないかと思つております。
#61
○井上なつゑ君 一つお伺いしたいのですが、この法律案は資本の蓄積をして、病院や診療所を成るべく置くというお話ですが、結局これは病院とか診療所は医療法につて整備拡充なさることになるだろうと思うのです。そこで施行規則が六ケ月を経てからというようなことですが、一ときも早くこういうものはできた方がいいのじやないかと思いますが、どういうわけで六ケ月の期間があるのでございますか。
#62
○政府委員(久下勝治君) 六ケ月の期間を置きましたのは、前に医療法、医師法の制定をいたしました際にも六ケ月の猶予期間を置いたのであります。これは法律を御制定頂きまして細かい手続規定をいたしますのに相当な期間を要すると思います
 それから尚この趣旨をよく全般に徹底して運用の誤りなきを期するためにも相当の期間を要すると思います。六ケ月の期間を置きましたというのは、その日から直ちに受付けが開始され、認可の手続ができるというようなふうにいたしたいと思つて延ばしておるのであります。施行規則に相当の期間を要するであろうとい方予想がこの期間を置きました根本の理由であります。
#63
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(塚本重藏君) 速記を取つて下さい。この際御報告申上げます。四月三日厚生委員紅露みつ君が辞任に相成りました。その補欠として小林勝馬君が選任せられました。御報告申上げて置きます。午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十分開会
#65
○委員長(塚本重藏君) これより再会いたします。請願及び陳情を審査いたします。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(塚本重藏君) 速記を取つて下さい。それでは本日はこれで散会いたします。
   午後三時三十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長      塚本重藏君
   委員
           中平常太郎君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 林  讓治君
  政府委員
   厚 生 技 官
   (公衆衛生局
   長)      三木 行治君
   厚 生 技 官
   (医務局長)  東 龍太郎君
   厚生事務官
   (医務局次長) 久下 勝治君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト