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1980/02/27 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第8号
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1980/02/27 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第094回国会 大蔵委員会 第8号
昭和五十六年二月二十七日(金曜日)
    午前九時四十一分開議
 出席委員
   委員長 綿貫 民輔君
   理事 越智 伊平君 理事 大原 一三君
   理事 小泉純一郎君 理事 山崎武三郎君
   理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君
   理事 鳥居 一雄君 理事 竹本 孫一君
      相沢 英之君    麻生 太郎君
      今枝 敬雄君    片岡 清一君
      川崎 二郎君    木村武千代君
      熊川 次男君    笹山 登生君
      椎名 素夫君    白川 勝彦君
      中村正三郎君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    藤井 勝志君
      毛利 松平君    森田  一君
      柳沢 伯夫君    山中 貞則君
      山本 幸雄君    与謝野 馨君
      大島  弘君    佐藤 観樹君
      塚田 庄平君    平林  剛君
      堀  昌雄君    村山 喜一君
      柴田  弘君    渡部 一郎君
      玉置 一弥君    正森 成二君
      簑輪 幸代君    柿澤 弘治君
      小杉  隆君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       中島源太郎君
        経済企画庁調整
        局審議官    大竹 宏繁君
        大蔵政務次官  保岡 興治君
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  繁君
        大蔵大臣官房審
        議官      矢澤富太郎君
        大蔵省主計局次
        長       西垣  昭君
        大蔵省主税局長 高橋  元君
        大蔵省証券局長 吉本  宏君
        国税庁直税部長 小幡 俊介君
        国税庁調査査察
        部長      岸田 俊輔君
 委員外の出席者
        法務省刑事局刑
        事課長     飛田 清弘君
        通商産業省産業
        政策局商務・
        サービス産業室
        長       江崎  格君
        通商産業省機械
        情報産業局自動
        車課長     西中真二郎君
        資源エネルギー
        庁長官官房鉱業
        課長      山梨 晃一君
        運輸省自動車局
        整備部長    宇野 則義君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  笹山 登生君     川崎 二郎君
  山中 貞則君     片岡 清一君
  柿澤 弘治君     小杉  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  片岡 清一君     山中 貞則君
  川崎 二郎君     笹山 登生君
  小杉  隆君     柿澤 弘治君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 金融機関の週休二日制実施のための銀行法等の
 一部を改正する法律案(第九十三回国会衆法第
 一五号)の提出者「堀昌雄君外八名」は「堀昌
 雄君外七名」に訂正された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第四
 号)
 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五号)
 印紙税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六号)
 有価証券取引税法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第七号)
     ――――◇―――――
#2
○綿貫委員長 これより会議を開きます。
 酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る二十四日質疑を終了いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。森田一君。
#3
○森田委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、酒税法の一部を改正する法律案に賛成の意を表明いたしたいと存じます。
 現在のわが国の財政は、五十年度以降毎年度特例公債を含む大量の公債発行に依存するというきわめて異常な状態にあります。このような状態が今後もなお継続することになれば、財政は硬直化し、社会経済情勢の変化に即応して弾力的に対応することがきわめて困難となることは明らかであります。経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、このような公債依存体質から早期に脱却して、その対応力を回復することが財政に与えられた当面の緊急な課題であります。
 このような財政事情に対処して、政府は、昭和五十六年度予算におきまして、公債発行額を前年度当初予算額よりもさらに二兆円減額し、また、歳出面におきましても極力財政体質の改善を図っております。しかしながら福祉、文教等の行政水準を維持するためには相当の財源が必要とされ、現行税制の基本的枠組みの中で徹底した見直しを行い、相当程度の増収措置を講じているのであります。この法律案はその増収措置の一環でありまして、酒税につきまして、昭和五十六年度におきまして約二千八百三十億円の増収を図ろうとするものであります。
 御案内のように、酒税の税率は従量税率を原則としておりますため、価格が上昇すると税負担率が低下していくという関係にあります。昭和五十三年の酒税改正時の負担率はその後の物価水準の上昇等により低下をいたしておりますので、この際、従量税率を原則として二四・二%程度引き上げ、前回の改正時前後の負担水準に戻すというのが、本案の基本的な考え方であります。財政体質の改善を図りつつ、一定の行政水準を保つためには、国民に何らかの負担をお願いしなければならないのであります。
 私も、藤田東湖のようによく酒を愛して天に恥じずという方々が大ぜいおられることは十分承知いたしておりますが、従来から特殊な嗜好品である酒類につきましては適正な負担水準を確保することが適当とされていることから考えますと、本案の内容はやむを得ない妥当な措置であると認められるのであります。
 また、清酒一級、二級及びしょうちゅう等につきましては、消費及び生産の態様等に配慮してその税率の引き上げ幅を極力圧縮しているのでありますが、これらの酒類がどちらかというと大衆の飲み物となっていることや、これらの生産の多くは中小零細な清酒製造業者により行われていること等から考えましても、適切妥当な措置と認められるのであります。
 最後に、今回の増税に伴いまして流通段階で生じます金利負担の増加等を価格に転嫁できるような適切な指導をお願い申し上げまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#4
○綿貫委員長 伊藤茂君。
#5
○伊藤(茂)委員 私は日本社会党を代表し、ただいま議題となっております酒税法の一部を改正する法律案に反対であることを表明するとともに、その理由を申し述べたいと思います。
 反対の第一の理由は、今回の改正案の基本的性格が大衆増税であり、政府の大増税計画の中で主要なものの一つとなっていることであります。
 いま、大企業の利益は顕著な上昇を示しているのに対して、勤労国民の生活は昨年比実質赤字となっていることは政府統計にも明らかなところであります。しかるに政府は、社会的公平に取り組むのでなく、かつてない大規模な増税計画を提案いたしました。
 本年度自然増収四兆五千億円のうちの六〇%以上が勤労国民の負担となっているのに加えて、五十六年度予算案に盛り込まれた一兆三千九百億円というかつてない大規模な増税計画の中で、本法案を初め多くの部分が勤労大衆への増税となっております。
 いま提案されている酒税の増税分二千八百億円を全世帯数で割り算すれば七千七百八十円、さらに物品税など最終的に消費者に転嫁されるものを合計すれば、一世帯当たり二万円近い負担増となります。このような増税法案は、国民生活破壊につながるものと言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、あるべき酒税制度の改革の努力を何一つやらないで、ただひたすらに増税だけを追求をしていることであります。
 今日までの審議の中でも指摘されましたように、時代の進展と社会構造の変化、酒の生産、流通、消費の変化によって、酒税のあり方についても抜本的な改革が必要になっております。清酒の等級別制度の見直し、国際的に見ましても数倍も高いビールの税率、酒類間税率バランスの再検討、中小清酒業界の振興、近代化のための対策などはいま取り組まなければならない問題であるにもかかわらず、今回の酒税法改正に当たっては何一つ解決する努力を行わず、すべて今後の検討課題とされております。
 酒が生活必需品であるだけに、酒税の負担が著しい逆進性を持つ基本的な性格にかんがみましても、税の不公平是正という立場から見ても、このような増税は行うべきではないと考えます。
 このような状況を見ますと、政府は健康な飲み物として酒を考えるのでなく、税金を取る対象としか見ていないのではないかと思わざるを得ないのであります。
 反対の第三の理由は、本法案の質疑を通じて政府の税制に対するあるべき姿勢が、今後の時代の要求とかけ離れていることが明らかになっていることであります。
 財政再建は単に増税によって財政赤字を埋めればいいという単細胞的発想ではなく、今日求められている福祉型税財政を展望しながら勤労者への所得減税など社会的不公平を徹底的に是正し、財政の構造的改革を図ることが求められているのであります。そのための現実的、具体的対策は、わが党を初め各野党からも提起いたしているところであります。
 しかし、政府は大増税計画、特に大衆増税路線をひたすら押し通そうとしているのでありまして、これは多くの国民とともにわが党の承認できないものであります。
 以上、列挙すれば限りないほどの反対理由を三点に集約して申し上げ、本法案に反対することを重ねて表明して討論を終わります。(拍手)
#6
○綿貫委員長 鳥居一雄君。
#7
○鳥居委員 私は、公明党・国民会議を代表しまして、ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案につきまして反対の態度を表明し、討論を行うものであります。
 まず、反対する理由の第一であります。今回の酒税の引き上げが、その提案理由でも明らかになったように、財政再建を進めるためのものとされております。われわれも、財政再建を推進することについては異論をはさむものではありません。しかし、政府の財政再建の方法は、国民生活に負担増を一方的に押しつけるものと言わざるを得ないのであります。
 たとえば、政府の昭和五十六年度予算案及び税制改正案を見ても、所得税減税の見送りによるいわゆる見えざる増税二兆七千六百九十億円と酒税の二千八百三十億円だけでも、三兆円を超える大衆増税の強行になっております。
 比べて、われわれが再三にわたって要求してまいりました法人課税の適正化など、広い意味での不公平税制の是正は、若干の措置がなされてはいるものの、納得のいくものとは言えないのであります。
 また、国民の強い要望でありました歳出の削減につながる行財政改革の断行につきましても、五十四年度の会計検査院の決算報告書では、相変わらず予算のむだ遣いが指摘をされているにもかかわらず、五十六年度予算ではむだ遣いをなくすための根幹である行財政改革や補助金の整理合理化に見るべき成果がないというのが実情であります。
 このように、財政再建の名のもとに行われる安易な大衆増税路線の一環としての酒税の引き上げには反対せざるを得ないのであります。
 反対理由の第二は、酒税の引き上げが国民生活を圧迫することはもとより、わが国の経済成長や財政再建にとってもマイナス要因となりかねないことであります。
 政府は、酒税の引き上げが消費者物価にもたらす影響はCPIで〇・一六であると楽観しておりますが、これは余りにも短絡的な見方であります。
 わが国の経済財政状況は、第一次石油危機を乗り越え、第二次石油危機も克服しつつあります。すなわち、経済では五%程度の実質経済成長率が保たれ、財政でも内容的に問題点はあるにしても好調な税の自然増収の確保ができ、ひいては国債発行額の減額を可能にしてきたのであります。
 こうした経済、財政の推移を支えた主要因の一つとして、個人消費の順調な伸びがありました。
 しかし、五十五年度は、低いベースアップ、政府見通しを上回る高物価、所得税減税の見送りなどから、勤労者の実質収入が減少し、個人消費の低迷を招いております。五十六年度もベースアップ、物価見通しは楽観できず、政府の所得税減税の見送りは実質増税を加速しています。
 この上に酒税の引き上げが強行されるならば、国民生活の負担増にとどまらず、経済成長などの不振を招く危険は十分に考えられます。したがって、単に負担増のみを押しつけ、国民生活を初め、経済、財政などに配慮を欠く酒税の引き上げは容認できません。
 また、酒税の引き上げは、製造業者及び販売業者への影響を考えても、より規模の小さいものほど経営圧迫要因となることも事実であります。
 さらに、現行酒税の体系が、酒類間の税率バランスを欠いており、また、日本酒の級別制度にも問題があります。今回の改定で是正されないばかりか、一層その度を深め、格差を広げております。この点もわれわれが賛成できない理由の一つであります。
 以上をもちまして、公明党を代表して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#8
○綿貫委員長 簑輪幸代君。
#9
○簑輪委員 私は、日本共産党を代表し、酒税法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が国民に巨額の税負担の増大を押しつけることです。
 政府は、昭和五十六年度予算で、財政再建を口実に、所得税減税見送りによる実質大増税や空前の規模の総ざらえ増税、そして国鉄などの公共料金の引き上げを図りながら、その一方では、アメリカや財界が要望している軍事費、経済協力費、エネルギー対策費などを大膨張させております。
 今回の酒税の大幅引き上げは、安易な大衆増税であり、いわば軍備拡大のための財源確保策と言うべきものです。そればかりか、税の逆進性を強めて、低所得者ほど重い負担率を押しつけられ、さらには、庶民のささやかな飲酒歓談の楽しみさえも奪うものと言わざるを得ないものです。
 第二は、政府主導による物価つり上げとなることです。
 国民の税負担や公共料金の負担が年を追って増大しています。総理府の家計調査報告でも、全国勤労者世帯の実収入に対する税と社会保険料などの非消費支出の割合は、昭和四十九年の八・七%から、五十五年一−六月の一三・三%、公共料金支出の割合はこの間一〇・五%から一五・二%へと急激に伸びて、家計を圧迫しています。
 酒税の引き上げ分が小売価格に上乗せされるのは間接税として当然のことであり、少なくともその分だけ消費者物価が上昇することも当然です。五十五年の全国総合の上昇率は八%で、政府の年度見込み七%をはるかに上回っています。酒税を初め多くの間接税の引き上げや公共料金の引き上げは、まさに政府みずからの手による物価つり上げです。
 そればかりか、税率引き上げに乗じた不当な便乗値上げの問題もあります。特に、ビールやウイスキーなど大企業の不当な端数切り上げ措置は見過ごせないところです。たとえば、増税額を上乗せしたウイスキー一級千三百六十三円七十六銭が千三百七十円で売られた場合、ウイスキーメーカーはそれだけで年間約四億円もの利得を上げることになります。ところが、これを抑える手だては何らとられていないのです。このことは政府が導入をねらっている新大型消費税でも同様の問題があり、重大です。
 第三は、清酒の消費を抑え、清酒醸造業界に重大な打撃となることです。
 五十四年度に若干持ち直してはいるものの、清酒の売れ行きは依然低下傾向にあり、資本とマスコミを背景にシェアの拡大を続けるビールやウイスキー業界とは大きく異なっています。しかも重要な点は、清酒は、民族の酒、日本の味と言われるように、古来の技術と文化の結晶であること、その生産が全国二千九百の中小零細業者によって支えられていることです。
 今回の改正は、高価な原料米の利用を余儀なくされるなど不利な経営条件と、ビール、ウイスキーなどの攻勢下という厳しい環境に対し具体的な改善措置をとるものではなく、清酒消費の低下傾向に拍車をかけるものにほかなりません。また、他商品の取り扱い店と異なり重要な財政物資を扱う卸、小売の酒類販売店の厳しい経営状態に対しても何ら顧みられていないのです。
 以上の点を指摘するとともに、大手業者の市場支配を抑え、伝統産業である清酒醸造業の振興や中小卸、小売店の経営安定を重視した酒税行政を進めるべきことを要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#10
○綿貫委員長 小杉隆君。
#11
○小杉委員 私は、新自由クラブを代表して、現在議題となっております酒税法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 わが党は、従来より財政の再建の必要性を強調してまいりました。その意味で、来年度予算案における国債発行額の二兆円削減を評価するものであります。しかしながら、財政の再建をこのような安易な増税によってなし遂げようとする数字合わせの考え方には賛成できません。
 財政の再建は、歳出構造の見直し、すなわち諸制度の改革を含む広い意味での行政改革によって達成されるべきであり、歳入の増加策、すなわち増税によってなされるべきではありません。まして、来年度予算案に見られる行政改革の不徹底の中での増税は、国民の理解をとうてい得られるものではないと考えます。
 今回の酒税法の改正は、酒の種類別に税率の引き上げ率が異なっております。酒税収入の八割を占めるビール、ウイスキーは平均二五%の引き上げであり、清酒は平均一五%の引き上げになっております。税収の効率性、また酒造メーカーの強弱などいろいろな理由があることは推測いたしますが、消費者の立場に立って考えれば、酒の種類別の嗜好の変化による消費構造の変化に対応した酒税のあり方が考えられるべきであると考えます。酒税法の改正が行われるのであれば、このような酒税のあり方を見直す抜本的な改正が必要なときであると考えます。当然考えられるべき改正内容もなく、ただ税収増の確保だけのための今回の改正には、以上の点からも賛成いたしかねることを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#12
○綿貫委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#13
○綿貫委員長 これより採決に入ります。
 酒税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○綿貫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○綿貫委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、小泉純一郎君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。沢田広君。
#16
○沢田委員 ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨とその内容を簡単に御説明申し上げます。
 御案内のように、この法律案に対しましては、酒類業界の参考人を招き意見を聞くなど慎重な審議をいたしたのでありますが、これらの審議を通じまして、ただいままでの討論にも明らかなように、たとえば今後の酒税のあり方、中小零細企業がその大半を占めます清酒製造業者の今後のあり方、今回の増税と小売定価問題など、今後配慮していかなければならないさまざまな問題点の指摘がなされました。
 この附帯決議案は、これらの指摘を踏まえ、次の諸点について政府に努力、検討を求めるものでありまして、その趣旨は案文が示しておりますので、個々の説明は省略し、案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    酒税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項に留意すべきである。
 一 清酒の級別制度、酒類間バランス、課税方法等酒税制度の諸問題について、広く各界の意見を求め、抜本的な検討を行うこと。
 一 清酒が伝統ある民族酒であることにかんがみ、清酒製造業に対し、原料事情の特殊性、業態の特異性に留意しつつ、指導、育成に努めること。また、中小清酒製造業者の振興のため、引き続き所要の措置を講ずること。
 一 今回の酒税の改正が小売価格の不当な値上げにつながらないよう十分に指導すること。
以上であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#17
○綿貫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。
#19
○渡辺国務大臣 だだいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても骨子に沿って配意いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#20
○綿貫委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#22
○綿貫委員長 次に、物品税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、ただいま議題となっております三法律案中有価証券取引税法の一部を改正する法律案について、来る三月三日火曜日、参考人として東京証券取引所理事長谷村裕君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#24
○綿貫委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
#25
○大島委員 ただいま議題になりました物品税法、印紙税法並びに有価証券取引税法に関しましての質疑を行うわけでございますけれども、過日、十九日に私が直税三法、所得税法、法人税法、租税特別措置法の改正につきまして本会議で総理並びに大蔵大臣に対しまして質疑を申し上げたのでございますけれども、まだその答弁の議事録が私の手元に入っておりませんので、まず質疑を始める前に二、三大蔵大臣にお伺いいたしたいと思うわけでございます。
 その第一点は、政府並びに大蔵大臣は、五十六年度予算で二十二年ぶりに歳出の伸び率を一けた、つまり九・九%に抑えた、こう申されて自慢されています。確かに一けた、九・九%に抑えたのですが、GNPの伸び率九・一%を上回っている。ということはすなわち、財政規模は増大の傾向を続けているということであります。たとえば今度のレーガン政権の一九八二年度歳出の伸び率は六・二%、西ドイツ予算案も歳出の伸び率、これは八一年度でございますが、四・三%の低さである、こういうことでございます。しかも、エネルギー投資に対する企業減税だけは実施して所得税を実施しないというならば、これはまさに大企業優遇、勤労所得者の冷遇という自民党の政策そのままの実現ではないか、もし減税できないというならば、企業減税その他一切見送るべきではないかと思うわけでございます。
 さらに大蔵大臣は、二十五日の衆議院予算委員会で、歳出を徹底して削減する、税体系の基本的見直しをする、赤字国債から脱却をするという三原則を明言しておりますが、いま私が述べたような点、すなわち、いまや国民の世論でもある所得減税をできないというならば、それならばなぜエネルギー投資に対する企業減税だけをやったのか、その点につきまして明瞭にお答えをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
#26
○渡辺国務大臣 ただいま大島委員から、日本では歳出削減をやっても九・九%というような予算の伸びでアメリカやドイツよりも悪い、こういう御指摘がございました。しかしながら日本は、御承知のとおり、昭和四十年以来毎年ずっと二けたの伸びを示してきております。しかも、一般歳出においては五十五年度において初めて五・一、五十六年で四・三というような、過去二十数年来ない低い伸び率に抑えたということも事実でございます。しかしながら、一般会計全体では九・九になったというのは、何と申しましても過去における国債費、国債費が利払いと一部元金払いで膨大にふくらんでおる、このことが一つ。それから外国に余り例のない非常に大型の地方に対する交付税制度というものが日本にございます。アメリカなどでもそれに似たようなレベニューシェアリング制度というのがあるそうでございます。これは歳入に連動しないで歳出全体の一・六%ぐらいの小さな額であります。日本は歳出全体の一七%に及ぶところの、三税の三分の一近いものが外部に出ていく、こういうようなこともありまして、一般歳出以外も含めますと、制度の違いというものからどうしても数%に切り詰めるということは非常に困難な歳出構造になっておるということも御了解いただきたいと思います。
 もう一つは、エネルギーの投資減税を行ったと言われますが、これは、エネルギー問題については本当に積極的に日本のような資源のない国は一刻も早く石油依存から脱却して、いま七十数%の石油依存度を五〇%に減らせ、急いでやれ、これが国民のほとんど全部の声といっていいんじゃないか。それでこれは生活にストレートに、成功するか失敗するかによって日本の命運を担うような大問題でもあるわけでございます。したがいまして、それらについても、ことに中小企業対策に重点を置いて省エネルギー、脱石油というものの産業構造に変えていくことは、ひいては国民生活に大きな影響を及ぼすことでございますから、そういう点でかねてありました産業に対する特別減税制度がございましたが、それを廃止いたしまして、その身がわりとしてつくられたわけでございます。産業転換投資促進税制というのがあったわけです。これをやめる。そのかわりに、その範囲内で投資減税を認めたという政策的な問題でございます。そういうわけです。
#27
○大島委員 私が聞いているのは、もちろんエネルギー問題は大変重大な問題ということについては私は否定いたしません。またこれを何とかしなければならないというのは、いま大臣が言われたような国民的要請であるというこのことも否定しません。しかし同時に、所得税減税ということも、これも全国民の要請じゃありませんか。なぜ企業減税だけやられるのですかということを聞いておるのです。
#28
○渡辺国務大臣 いま企業減税をやったことについては御理解をいただいたと理解します。
 所得税減税のお話でございますが、これも物価の値上がりがあって、去年の春闘で、それほどの、それに見合う以上の賃金をかち取らなかったということも、これも事実でございます。その結果、ここ二十数年来初めて、実質賃金が一番最近の新しいものだと一・一%減少した、これも事実でございます。政府は六・四%におさめたいと思ったんだが、それができなかったじゃないか、その責任をとりなさいということはかねがね言われておるわけであります。
 ところが、このことは実は日本だけじゃなくて、もう世界じゅうにイラン・イラク戦争といろいろな思いがけない問題が勃発し、そのほか日本においては冷夏とか豪雪とかそういうものの影響もあって六・四%という目標をかなえなかったことはまことに残念だと私は思います。しかしながら、こういうような同じ石油を使っていても世界じゅう狂乱物価ではないが、かなりの物価高騰でアメリカが一三%程度ですね、ごく最近では一二・四。イタリアが二一、イギリスが一五、フランスが一三という中で日本が七・一程度に、これは十二月の物価指数ですが、抑えておるということはまあまあ同じ石油のもとでそれだけのことを日本はやっているのですから、これはできるだけのことをやってきた。しかしながら、賃金との間にまだギャップがあるじゃないか、そういうことで減税をやれと言うのでございますが、われわれといたしましては、これらの国も大部分の国が実際実質賃金は減っているわけです。アメリカだって同じなんです。そういうところでひとつ五十五年度においてやれと言われましても、五十六年度もそうでございますが、私どもとしてはやはりインフレになるのは一番困る。したがって、インフレを抑えていく、物価を抑えていくということを重点的に考えるということになりますと、これは減税がいいのかあるいは国債の増発を防いでいく方がいいのか、政策問題でございます。財源的余裕の問題ももちろんございますが、そういういろいろなことを考慮した結果、私どもとしては今回は減税は見送らせていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#29
○大島委員 インフレを抑えなくちゃならないということは、これは当然でございます。しかし、これはある経済調査所、経済研究所でございますか、あるいはある新聞の社説でございますかちょっと記憶に定かではないのでございますが、五十六年度の自然増収は約四兆五千億。そのうち所得税による増税は六二%に当たる二兆七千億。その所得税のうち給与所得によるものは一兆二千億。しかもその増税の半分は物価上昇による増収である。物価上昇に見合う増収分を減税することは果たしてこれは減税措置であるかどうか。果たしてこれでインフレになるかどうかということでございますが、この点はいかがでございますか。
#30
○渡辺国務大臣 物価調整減税ということをやって、実はいつでしたか狂乱物価の前に、四十九年ですか、私はあのときも余り賛成しなかった。ところが大勢のおもむくまま、あのときは物価が二けたですか、二兆円減税をやってその結果が過剰流動性に拍車をかけちゃって大狂乱で、三十何%とインフレにしちゃったという苦い苦い経験をわれわれは持っておるのです。そういうことも私の頭のすみっこに実際にはあることも事実なんです。これはここで父の愛でいくか母の愛でいくかという話になってくるわけでございますが、確かに俸給生活者から見れば目減りしたのだからその分をベースアップで取るか減税で取るかという話になるわけです。ベースアップの方は私は関係のない、これは政府じゃなくて民間の労使の関係でございますから、われわれは一概にそれをどうこう容喙は一切いたしません。しかしながら私どもとしては、ただ、いまおっしゃった四兆五千億円ある中で給与所得が一兆二千億円も自然増収でふえるじゃないか。これもしかし、ふえることは事実でございますが、これとても例年の状況から見てふえる中で二七%ぐらいのシェアでございますから、まあまあそう極端にふえるというわけでもないし、そこらの点も考えますとまあ減税しろという御主張も一つの理屈もあると私は思います。別にないと言っているわけじゃないのですから。しかし、物価のこと財政のこと、そういうことも考えますと、また日本の課税最低限というものについてわれわれは円レートで比較しておって、世界の中ではまだ非常に上位にあるというように言っているわけです。これについて実質購買力がどうだこうだとかいろいろな御議論がありますが、しかし実質購買力といっても、アメリカ人が来てアメリカの生活を日本でやって、ビフテキを毎朝――毎朝かどうか知らぬか毎日食って、広いうちに住んでいるということになればうんと金がかかるのは当然でございますし、実質的な購買力、平価とかそういうものでなくて円レートで見て、まあまあがまんできないという状態でもないので、ここはひとつ財政再建のめどがつくまでしばらくの間ごしんぼういただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#31
○大島委員 いま大臣がやや含みのあるニュアンスの発言をされましたが、しばらくの間というのはいつまでのことですか。しばらくの間御勘弁願いたいという期間は、大体の目安はどんなものですか。
#32
○渡辺国務大臣 しばらくの間というのは、やはり伸びる場合もあるし縮む場合もある。そのときの財政再建のめどがつくかどうかということでございまして、ともかく完全に五十九年度までに赤字国債から脱却できる、しかも一方社会福祉などの経費はばっさばっさ切るといったってなかなか簡単にいかないわけです。老齢化社会になって長生きするわけですから、ありがたい話でございます。しかしついでに病気とか年金もふえる、これも当然のことでございまして、そういう抑え切れないような経費の財源があるかどうか。そのためには、一方法律の制約のあるいろいろな補助制度等についても歳出カットのメスを入れる、しかもその法案が国会の皆さんの御賛成によって通過する、それによって政府は身軽になるというものが整ってきて、またもう一つは、税の仕組み等についても、いまの仕組みじゃなくて別な仕組みの方が安定的でいいのじゃないかという話もございまして、そういうところで財源のめどもつくというような状態になれば、私は所得税減税に決してやぶさかではありません。その時期は一にかかって国会の意思が早くまとまるか遅くまとまるかということもいろいろ関係があるのじゃないだろうか。幾ら政府が言っても国会で認められないと言われればだめなわけでございますから、国会と政府の意思疎通が図れて、そしてそこで同じような方向で、なるほどこれならいけるというように話し合いがつくという時期が早ければ早くなる、私はこう思っておるわけでございます。
#33
○大島委員 大分緩やかな御発言と受けとめておりまして、また本日はこれは主題でございませんのでこの程度でやめます。
 最後にこれは主税局長で結構ですが、あなた方がいつも必ず言うのは、諸外国に比べて日本の課税最低限は高い、それから国民所得に対する租税負担率も低いということを必ず主税局は答弁しているのですが、果たしてそうでしょうか。なるほど日本の課税最低限はフランスに次いで高い、これは事実だと思うのです。しかし高い低いだけをもって論じず、むしろ実質購買力等で見るのがあたりまえじゃないか。特に生活に直結する生鮮食料品など、この物価の水準が果たして欧米に比べて日本は低いのか高いのか。さらに第二番目の国民所得に対する租税負担率も低いと言いますが、五十六年度では二四・二%になっていて、アメリカの二七・七%にも次いでいるわけです。わが国はもちろんアメリカに比べて防衛予算が少ないですから、そういう点から見てもいかがでございましょうか。つまり課税最低限は高い、国民所得に対する租税負担率は低い、だから日本では余り減税の必要はないんだ、いつもこう答弁されていますが、それについての意見を伺いたいと思います。
#34
○高橋(元)政府委員 課税最低限につきまして、それをいわば通貨の対外価値を国際的に比較して評価すべきであるという御意見につきましては、先ほど大臣からお答えがございましたので、私からお答えすることは省略させていただきます。
 国民所得に対して税負担率かいかようになっておるか。外国に比べて果たして低いのかという御質問でございます。
 これにつきましては、私どもが国会にお出ししております租税及び印紙収入の説明の中にもございますように、五十六年度予算で全体の税負担率は、国税、地方税合わせまして二四・二%になっていることは事実でございます。この国民所得に対する租税負担率を国際的に比較いたします場合に、それだけを比べていいのか、それとも歳出との関連で判断すべきものかという問題が一つあろうかと思います。日本の歳出に対する租税の割合は非常に低いわけでございます。大体ドイツが八割、アメリカでは九十何%というものを租税で賄っておるわけでございますが、日本はまだ六九%にとどまっておるということも一つの事実でございます。
 政府の規模を租税ではかるという意味で数字で申し上げますと、日本は、国際比較いたしますために五十四年度の数字を申し上げますと、二二%でございます。アメリカが五十四暦年で二七・七でございます。イギリスが三九・三、ドイツが三一・七、フランスが三〇・八、スウェーデンはもう一つ前の五十三年の数字しかございませんが、五〇・二でございます。それで日本は五十六年二四・二にその後ふえてきておるわけでございます。以上が国際的な比較でございます。
 それから、もう一つ個人所得に対して所得税の負担率がどうなっておるかという点について触れさせていただきたいと思いますが、日本の場合、五十四年には、所得税だけを取り出しまして個人所得に対する割合をはじきますと四・五%でございます。アメリカは一一・一、イギリスが一二・六、ドイツが九・四、フランスが四・六、以上が個人所得に対する所得税負担率の国際比較でございます。
#35
○大島委員 私のお伺いしているのは、日本は防衛費といいますか、この費用はアメリカとかその他の諸外国に比べて一応低いといいますね。アメリカなどは半分以上、あるいはソ連でもそうです。そういうものに対して国民所得に対する租税負担率が低いというようなことを言っていいのかどうか。いま大臣も言われたように、諸外国にはそれぞれ特別の事情があるわけです。あなた方は一律に課税最低限が諸外国より高いとか、租税負担率が低いとか、そういうことをいつも言われているが、それでいいのか、もっと実質を見ないのかということを言っているわけです。
#36
○高橋(元)政府委員 お話のように、財政を相互に国際的に比較いたします場合には、単に入る方だけでなく、出てまいります歳出につきましても国際比較をいたす必要があることは当然でございます。そういうことから申し上げますと、アメリカ、イギリス、ヨーロッパの国々につきましては二%ないし三%の国防費の負担があるわけでございますが、全体として申し上げますと、日本の場合は、これは五十二暦年の比較で申しますと、国、地方、政府関係機関合わせまして、GNPに対して二八・六%というのが政府の大きさでございます。アメリカが三四、イギリスが四四、ドイツが四五、フランスが四四、イタリアが四六、こうなっておりまして、日本の政府活動全体が国民総生産の中に占める割合は、まだ日本は相対的に低いわけでございますが、もう一つその中で国の財政に占める租税の割合が低いということは先ほど申し上げた次第でございます。その辺を総合的に勘案いたしまして、国民所得に対する税負担率について国際比較をいたします場合には、先ほど来大臣からお答えがありますように、財政を健全にし、インフレの危険から免れていくためには、国民に対して御理解を得て、税負担の上昇ということをぜひ実現させていただく必要があるのではないかというのが私の考えでございます。
#37
○大島委員 それではこの問題は、また当委員会におきまして新たに直税関係の質疑で取り交わされると思いますので一応これでとめておきまして、本論の物品税その他の質疑に移りたいと思います。
 まず、これは主税局長で結構ですが、今度新たにライトバン等に対して課税する、しかも電気敷物、乾燥機、放熱器、大型、小型テレビ等のスクリーン、ブラウン管、平均して一五%の高率の税を課しておるのですが、いままで非課税であったものがなぜこういうふうに一挙に高率になったのか。むしろ、課税するとするならば段階的に課税すべきではないか。いままでこういうものに課税するのを忘れておったのですか、それとも何か特別の理由があったのですか。
#38
○高橋(元)政府委員 現在の物品税の課税対象品目についての考え方と申しますのは、概括して申し上げますと、奢侈品ないし比較的高価な便益品、趣味・娯楽品、こういうものを中心として六十八品目を選んで課税をしてきておるわけでございます。税制調査会の間接税関係のたびたびの答申の中でも四十三年の長期答申というのがその考え方を非常にはっきりさしておると思うわけでございますが、四十年代以降消費物資が非常に潤沢に供給されるようになって、国民の所得ないし消費の水準も上がってまいります。そうなってまいりますと、個別の消費税体系というものを持っております日本の中で、個別の消費物資ないしサービス課税の典型であります物品税というものにつきましては、消費の多様化に対応して税収の確保を図る課税対象の拡大ということについて、課税物品のバランスという点でも問題がある。一々物品を限定いたしまして課税の対象にいたすわけでございますから、したがいまして、新規の物品でも、現在の課税物品との関係で、新しく課税の範囲に入れませんとかえって税負担の公平を害するというものもあろうかと思います。
    〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
 そういう点で現在の課税物品と、効用、その消費の程度、消費の背後に推定される担税力等の面で懸隔がないという考え方の大型冷蔵庫そのほかの物品を課税さしていただくということでありますし、消費の高級化を反映して新たに出現したものということでVTRそれからモニターテレビ等を課税さしていただくということでございますし、従前からの個別品に対する消費課税という考え方の線に沿ってやってまいったわけでございます。たまたま法律上十品目、全体で二十二物品ということであろうかと思いますが、品目数が非常に多くなっておりますのは、四十八年度改正以来物品の見直しをやっておりません結果、最近の新技術の開発なり消費の高級化ということに対応して該当する物品の数が非常に多かったということの結果でございますが、これによって従前からの物品税体系の維持、改善という目的に資するものであろうというふうに考えます。
 なお、一言つけ加えさしていただきますと、今回十月から新規に課税さしていただきます物品につきましては暫定軽減税率を設けておりまして、二〇%のものは一〇%から、一五%、一〇%のものは暫定五%から漸次引き上げさしていただくという案を御提案いたしておる次第でございます。
#39
○大島委員 大臣もお忙しいようですからぜひあなたにお伺いしたいのは物品税に関してでございますけれども、これはきわめて常識的な大臣自身のお考えを言っていただきたいと思うのです。
 資料の二ページでございますが、「物品税の主要課税物品の最近における課税額の推移」というのがございます。これについて二、三大臣にお伺いいたしたいと思うのですが、そもそも物品税の原則としまして、生活必需品あるいは生活必需品的なものには薄く、奢侈品には厚くというのが原則だと思うのですが、その八番目に化粧品があります。これが相当高位になっておるのですが、私は別にフェミニストの立場から言っているのじゃないのですが、化粧品というのは御婦人方にとって必需品じゃないのでしょうか、あるいは必需品に近いものじゃないのでしょうか。
#40
○渡辺国務大臣 それはいまや、中国じゃないのですから、日本は化粧品は必需品だと言っても決して差し支えないと私は思います。なぜ化粧品に課税をしているかということでございますが、これは各税目との均衡の問題もございますし、お酒に課税しているぐらいでございますし、車もいまや日本では必需品でぜいたく品ではございません。テレビとかビデオもこれもいまになってはぜいたく品とは言えないでしょうね。そういうようなことで全体として、やはり担税能力といいますか、そういうようなことも考えまして、広く薄くというような趣旨でお願いをしておるような次第でございます。
#41
○大島委員 主税局長、どう思いますか。
#42
○高橋(元)政府委員 基本的生存にかかわる食糧等、それが必需品であるというような意味で化粧品は必需品ということには申せないのではないかというふうに考えておるわけでございます。その点を考慮いたしまして、四十一年改正でクリーム、それから四十八年改正で香水、それにつきまして免税点を置きまして、その後、免税点の見直しをしております。
#43
○大島委員 いずれにしても化粧品は、ステレオあるいはレコード、フィルム等に比べて、あるいは時計等に比べてははるかに高くなっておりますね。これをもう一遍見直す考えはありませんですか。
#44
○高橋(元)政府委員 先ほども引用さしていただきました四十三年の長期答申、それの考え方では「国民の所得水準が漸次上昇するにつれて、消費物資やサービスが潤沢に供給され、一般的に消費が高度化、大量化、平準化する傾向がみられることに留意する必要がある。このような傾向からみれば、たとえば特定の物品の消費が一般化したというだけの事実がそのままその物品の税率の引下げや免税点の引上げを是認することには必ずしもつながらないであろう。」そういうことでございます。こういう考え方を追って私どもは先ほど御説明しましたような物品税の新規対象品目の追加ないし見直しということをやってきておるわけでございます。すべての方々がかなり広くお使いになるというものにつきましても、大臣からお答えもございましたように、消費の背後に担税力を推定することができるというものにつきましては適正な租税負担をお願いをするということがこういう個別物品課税の基本的な原則であろうかというふうに考えておる次第でございます。
#45
○大島委員 大臣、日本の人口の過半数を占める御婦人にとって必需品と言われるような化粧品をこういう高順位に置くということは、ひとつ大臣も十分お考えになっていただきたいと思うのです。
 それからもう一点、ここにも関連するのですが、大臣はゴルフあるいはマージャンをやられますか。
#46
○渡辺国務大臣 マージャンもできないことはないのですが、時間がないものですからめったにやりません。ゴルフはときどきやらしてもらいます。
#47
○大島委員 ハンディ幾つぐらいですか。(「国家秘密」と呼ぶ者あり)
#48
○渡辺国務大臣 国家秘密ではありませんが、人に発表できるほどのものではないです。
#49
○大島委員 いまやマージャンは非常に庶民的なもので普及していますが、ゴルフ道具というのはいまはぜいたく用品でしょうか、大臣のお考えを率直に聞かしていただきたい。ゴルフ人口は約千五百万とも言われておるようです。
#50
○渡辺国務大臣 これもぜいたくというか何というかわかりませんけれども、日本のように国土の狭いところであれだけの莫大な金をかけてゴルフ場をつくって、一日のプレーが一万五千円とかということですから、庶民大衆のものではありますが、必需品ではないんじゃないかなという気がします。
#51
○大島委員 そうしますと、ここの資料にも関連するのですが、たとえば三十万円の象牙製のマージャン牌、これはトランプ税ですけれども三十万円の象牙製のマージャン牌を買った場合に税額が八千円で二・一%なのです。ところが二十二万円のゴルフクラブ、これは小売価格ですが、これに対する税額は三万円でその負担割合は一三・六%です。つまり象牙製のマージャン牌の負担割合が二・一%で、ゴルフセット二十二万円とした場合には負担割合は一三・六、まさに六倍になっているわけです。この理由はどうしてでしょうか。
#52
○高橋(元)政府委員 ゴルフ用品の物品税率は製造課税で三〇ということにいたしておりまして最高税率でございます。これは小売価格から換算いたしますと、平均的な場合には負担率が一三%ということになるわけでございます。マージャン牌につきましては、トランプ類税をかけておりますが、トランプ類税でお願いしております税率が、これは従量税でございます。三十七年の改正で、いまお示しのあったような税率をお願いいたしておるわけですが、象牙製の牌は一組八千円という税率でございます。確かにお示しのようにその後マージャン牌にしましても値上がりがしてきておりますし、かなりぜいたくなものも出てきておりますので、トランプ税につきましても負担率また負担のあり方について検討していく必要があるというふうに思いますのですが、トランプ類の製造はとかく零細な設備でなされておる。また容易にそういうことが可能であるものでございますから、負担をいたずらに高くしていくことによって租税回避が起こるということもまた問題であろう。その辺を勘案をいたしながら比較的小さな税目ではございますけれども、トランプ類税につきましても世の中での考え方、またこういう国会での御議論を踏まえて、今後見直しないし再検討をしていくことになろうかというふうに考える次第であります。
#53
○大島委員 トランプ類税は従量税ですが、これをどうしてゴルフクラブのように従価税にできないのですか。
#54
○高橋(元)政府委員 それも考え方であろうかと思いまして、そういう点につきましても、いまお示しの点も含めまして検討をこれから進めてまいりたいというふうに存じます。
#55
○大島委員 大臣にお願いしたいのは、いま言ったような化粧品の問題、それからゴルフ道具とマージャン牌等々、余りにも不均衡な、これをひとつ大臣としてもよくお考えになっていただきたいと思います。
 次に、大臣も恐らく五十七年度に大型新税を導入されると思うのですが、されるお考えだと推定するのですが、その場合に物品税あるいは印紙税をどういうふうにされるか。仮に導入した場合には物品税、印紙税はどういうふうにされますか。
#56
○渡辺国務大臣 大型税を導入するということを言ったわけではないのです。しかし、どうも聞いてみるとそのような疑いがあるようにとられる言動もあることも私は認めておるわけです。ということは、幅広い消費に着目した税を一切放棄しますということは申し上げることはできませんと言っておりますから、しかし、中身が固まっておりませんので、どういうようなものが必要なのか、私はそれをやる前にまず歳出のカットを極力やる。それをやらないで大型税の話をすると歳出カットが鈍っちゃうというのも事実だと私は思うのです。したがって、まずそれをやって、いかに歳出カットというものがむずかしいかということをまず知ってもらわなければならない。限界がある。限界があってもその中で伸びる歳出を賄えるということであれば新税の導入は必要ないわけです。ですから具体的に考えておりませんので、また、具体的俎上に上ったときにどうするかということは、仮定の問題ですから、余り具体的に細かいことを言うと、本当にやるのじゃないかというふうなことをこれ以上とられても困りますから、いまのところその程度にさしていただきたいと考えます。
#57
○大島委員 この問題を繰り返しますとこんにゃく問答になりますのでやめます。しかし、他日必ずこの問題は出てきますから、大臣もよくお考えになっていただきたい。
 次に、印紙税法に移ります。
 私も弁護士の一員でございまして、決して利益代弁で言っているのじゃないのですが、昨日も日弁連の幹部とも話しました。現行は弁護士の発行する領収書は非課税となっております、これは営業に関しないからということで。しかし、承るところによると、来年度あたりからこれも課税しようじゃないかというふうなことを考えておられるのか、おられないのか。
#58
○高橋(元)政府委員 明治以来弁護士等の自由職業者がおつくりになる領収書というものは営業に関しない受取書ということでございます。そういう意味では公益法人がつくられるものとか協同組合が出資者との間の取引でつくるもの、販売施設を持っていない農林漁業者がつくられる受取書とか、サラリーマンというような方がおつくりになる領収書と同じ性格というふうに扱ってきているわけでございます。
 ただ印紙税の問題を検討しております過程で、最近における自由職業者の職業活動なり社会的地位に照らして課税対象としてもいいのじゃないかというお考え方も出てまいっておりまして、そういう考え方も成り立ち得るということでございますが、私どもこれから先印紙税につきましてより適正な負担ということを考えてまいります場合に、ただいまの大島委員の御発言ももちろん重要な参考にもなるわけでございますし、関係者の御意見も広く伺って検討を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、いまお尋ねの、来年そういうことをやるのかという点につきましては、私もただいまのところはそういう気持ちは持っておりません。
#59
○大島委員 次に、有価証券取引税に移りたいと思います。
 今回の改正によって国税収入に占める割合は、有価証券取引税で約一%となっていますが、これはイギリスやフランス、西ドイツ、アメリカ等に比べて高いのですか低いのですか。
#60
○高橋(元)政府委員 日本の場合、今回お願いをいたしております増収措置を講じました後では、予算に占めます割合、国税収入に占めます割合は一%と相なるわけですが、これはイギリスの大体倍でございます。ドイツ、フランスに比べればはるかに高い割合を占めるということでございます。
#61
○大島委員 有価証券取引税はもう少し上げてもいいという意見があるのですが、それは恐らくキャピタルゲインに対して現在抜け穴が多い。年二十万、年五十回以下ならば課税されない、こういう抜け穴が多い。いわゆるキャピタルゲインに対しては非常に寛大であるということによるのだろうと思うのですが、この年二十万、年五十回というのは、いつからの改正ですか。
#62
○高橋(元)政府委員 たしか三十六年の改正によったかと思います。三十六年に事業等類似所得と株式の買い集めによる所得を課税されたほかに継続的取引の販売基準として五十回、二十万株以上ということを法令をもって明らかにしたわけでございます。
#63
○大島委員 昭和三十六年ですか。昭和三十六年以来の物価騰貴を考えてみると、年二十万というのはそのままでいいのですか。
#64
○高橋(元)政府委員 これは株数でございますから、三十六年以降二十万株という株式の供給全体がどのくらい大きくなったかということも考えねばならぬわけでございますが、昭和五十四年度の改正で、御案内のとおり一銘柄を年間二十万株以上売った場合の株式の譲渡所得についても課税の対象にするというふうに広げさせてきていただいておりまして、有価証券の譲渡所得に対する課税につきましては、証券市場に与える影響ということもございますけれども、ただそれよりももっと、市場における有価証券取引というものがなかなか明確に把握できないので、いたずらに課税を急ぎますと、かえって実質的な課税の不公平が起こるということもございますから、段階的に課税の強化を図っていったらいいのではないかということで、そういう税制調査会の御答申の線に沿って私ども常時検討を進めておるところでございます。
#65
○大島委員 証券局長来ていますか。――今度の有価証券取引税の改正について、証券業界はどういう意見ですか。
#66
○吉本(宏)政府委員 有価証券取引税でございますが、株式につきまして、昭和四十八年度、五十三年度と二回にわたりまして万分の十五から万分の四十五ということで、三倍に引き上げられております。そういったことから、業界としては何とか今回の改正について税率の引き上げを極力小幅にしてほしいということを申しておりました。
 今回の改正案によりますと、株式でございますが、証券会社の分は据え置き、それから一般人の売り手の場合は万分の四十五を五十五と二二・二%のアップということになっております。それから国債につきましては据え置く、その他金融債等につきましては万分の三から万分の四・五、こういうことで、私どもとしては、かなり証券市場に与える影響等を配慮していただいた、このように考えておりまして、証券界といたしましても今回の税率引き上げはやむを得ない、このように考えております。
#67
○大島委員 結論としまして、税制調査会の答申がどうであれこうであれ、昭和三十六年以来据え置きで、物価上昇等を考えてみますと、年二十万、五十回というのはおかしい。
 それからもう一つは、やはりキャピタルゲインに対する課税の態度自身を根本から考えるべきじゃないかという私の意見を申し添えて、ひとつ御参考になれば一遍主税局でも真剣に考えていただきたい。税というのは何としても公平です。キャピタルゲインだけは優遇するということはすこぶるおかしい。
 大臣、ちょっと関連質問をいたします。
 いま御存じのとおり銀行法改正をめぐって証券業界並びに銀行業界が物すごく対立しております、国債の窓販を含めて。これについてちょっと大臣の所見を伺いたいのです。これは関連質問ですが、大臣の御所見を伺わせていただきたい。
#68
○渡辺国務大臣 銀行法の改正というものは、かねて長い間の懸案でございまして、数年前から勉強してきて、金融制度調査会の答申が出たので、その方針に沿って法案を作成しようということを実はいまやっておるわけでございます。
 私としては、法案のしさいはまだ詰まっておりませんから、しさいについて申し上げられませんが、やはり銀行業務というのが非常に国際化をしてきた、そのためにいままで行政指導で、貸付制限その他行政指導でいろいろやっている部分がございますが、外国の銀行が入ってまいりますと、行政指導といってもこれは大蔵省の言うことを聞かないわけですね。日本の銀行は守ってくれるが外国の銀行は守らぬでいいというわけにもいかない。そこで、やはりそういうようなものは法律できちっとしておいた方がいいじゃないかということもございます。そしてまた、その銀行業務の中で国債といいますか、実際問題として国債の大量引き受けというものもやっておる。そういうような観点から、証券業務と言われる一部のものについては、本来の銀行法の中にも、証券業界がこんなに繁栄する以前、まあ証券業界がなかったと等しいような、株屋はあったけれども証券業らしきものはなかったというようなときに書いてある条文も銀行法の中にあるわけでして、そういうようなものも時代に合わしてそれぞれ実態に合うようにした方がいいじゃないかというようなことでございますので、私は非常に時宜を得た法律だ、かように考えておる次第でございます。
#69
○大島委員 もう一つ。主計局次長来ていますか。――もう一つ、これは主計局次長、あるいは大きな問題だから大臣からでもいいのですが、ちょっと先ほど物品税のところで質問を忘れたんですが、自動車重量税、ガソリン税等の使途、これを一般財源に回すべしだというのと、いや、そうでない、これはやはり道路整備だけに回すべきだという考えが両立していると思うのですが、この点について、ちょっと先ほど物品税で質問を忘れましたので、お願いします。
#70
○西垣政府委員 お答え申し上げます。
 一般に申しまして、特定財源制度につきましては、それにそれなりの合理性があるといたしましても、同時に、財政資金の効率的使用を阻害する、こういったおそれもございまして、特定財源制度の存在が資源配分をゆがめる結果とならないかどうか、常にその妥当性を吟味していく必要がございます。
 いまおっしゃいました道路特定財源につきましても、引き続きまして道路整備の必要性あるいは負担と受益との関係、財政事情等いろいろの角度から検討していく必要があると考えております。五十六年度におきましては、厳しい財政事情に対応いたしまして、道路予算につきましても圧縮に努めまして、五十五年度に引き続き前年度に対し減額をいたしました。ところが、いわゆる道路特定財源が前年度を大幅に下回るといったことになりましたので、結果として道路特定財源のみでなく一般財源を相当程度投入することになったわけでございます。つまり、五十六年度予算に関して申しますと、道路財源に関する現行の取り扱いが公共事業費の配分をゆがめるおそれがありませんで、その意味であえて現行の取り扱いを変更するまでの必要性も認められなかったということでございます。
#71
○大島委員 大蔵省に対します質問は以上で終わります。
 続きまして、物品税の改正と車検制度について運輸省当局にお伺いしたいのですが、運輸省来られていますか。――今回の物品税法の改正によりまして、乗用兼貨物用自動車が一〇%、これは新規に認められる。それから軽乗用兼貨物自動車も新規に五%税率がかけられる。それから従来あるもので、小型自動車あるいは小型キャンピングカーというんですか、あるいは小型キャンピングトレーラーというんですか、これらはいずれも一五%から一七・五%に引き上げられてしまった。それから自動車の冷房装置でもそうですが、一五%から一七・五%に引き上げられた。それから大型乗用三輪自動車及び大型二輪自動車が五%から一〇%に引き上げられる。それから普通乗用自動車の税率の引き上げは二〇%から二二・五%、これは租税特別措置法で行うようですが、このように軒並み自動車の物品税率が引き上げられてしまった。そこに日本の車検制度、現在の二年に一回あるいは一年に一回ということとの関連、これが国民一般にとって、先ほど大臣も言われましたように、もはや自動車はもう必需品だということ。現に私も東京に一台、和歌山に一台持っているのですが、車検、車検で追い回されて、とてもお金が続かないというのが現状でございます。この辺につきまして、今度の税率の引き上げと現行車検制度についてどういうふうに考えておられるのか、運輸省の明確な答弁をお願いしたいと思います。
#72
○宇野説明員 お答えいたします。
 自動車の検査は、道路運送車両法が制定されまして以来、使用者の義務としてこれまで実施してきておるわけですが、特に自家用自動車、マイカーにつきましては二年に一回ということで実施してきております。最近特に自動車の検査に関連いたしましていろいろな料金の経費がかかるというお話も出ておりますが、これまで自動車の使用者に対しましては安全の確保と公害の防止ということを目的に使用者の責務としまして点検整備を義務づけておるわけでございます。その点検整備に金がかかるというお話もございますが、最近の状態ですと、自動車の検査に関連いたしまして関連法規等の関係で整備料金のほかに自動車重量税の納付の確認ということもやっておりますし、自動車損害賠償責任保険加入の確認もやっております。そういうような関係で、国がいただいております手数料は千二百円でございますけれども、総額的にはかなりの額になっている面もございます。そういう状況の中で、新しい自動車の技術の進歩それから使われ方等の社会情勢の変化を踏まえまして、できるだけ最近の情勢にマッチした姿で自動車の整備、検査のあり方を検討していただこうということで、検査機関の問題も含めまして、去る二月二日に運輸大臣の諮問機関でありますところの運輸技術審議会に最近の情勢を踏まえた上で長期的観点に立って自動車の検査、整備のあり方を検討していただきたいということで諮問をいたしまして、現在その作業が始まったところでございます。その中で、先生御指摘のような現在の検査の制度ということも十分検討されることになろうかと思っております。
#73
○大島委員 先進主要国ではこの車検はどういうふうになっているのですか。
#74
○宇野説明員 世界全部は不明でございますけれども、ヨーロッパの先進諸国におきましてはほとんどの国が全面的な検査を実施いたしております。それからアメリカにつきましては、連邦ではございませんで州単位で検査をいたしておりますが、アメリカの中には数州検査を実施してないところもございます。
#75
○大島委員 いや私がお伺いしているのは、日本のように一年や二年に一回というようなところがありますかということを聞いているのです。
#76
○宇野説明員 国によって若干差がございますけれども、ドイツを例にとりますと日本と全く同じでございまして、マイカーにつきましては二年に一回、それからトラック、バス等につきましては一年に一回の検査を実施いたしております。
#77
○大島委員 ドイツはそうでしょう。フランスはどうですか。
#78
○宇野説明員 フランスにつきましては、現在乗用車につきましては検査を実施いたしておりません。その他のトラック、バス等につきましては検査を実施いたしております。
#79
○大島委員 それじゃフランスでは無期限ですね。乗用車につきましては検査はないのですね。
#80
○宇野説明員 現状におきましては検査はございませんが、つけ加えますならば、最近ヨーロッパのECにおきましては自動車の検査の制度を充実すべく、レギュレーションディレクティブを策定したやに伺っております。
#81
○大島委員 それから、先ほどあなたが言われました運輸省の審議会の答申というのはいつごろできるのですか。運輸省に設けられたその審議会の審議にかけているというのですが、それはいつごろ結論が出るのですか。
#82
○宇野説明員 二月二日に運輸技術審議会に諮問をいたしまして現在作業中でありますが、およそのめどを一年ということで考えて審議をしていただく予定にしております。
#83
○大島委員 自動車メーカーですが、これは現行においては保証期間を二年間五万キロということですが、余り短過ぎないか。期間としてせめて三年五万キロにする。これをメーカーに対しておたくの方から言うつもりはないですか。
#84
○宇野説明員 お答えいたします。
 自動車の構造が発達し性能が改善されつつございますけれども、自動車の使われ方によりまして自動車の傷み方、車両の傷み方、あるいは寿命というものが千差万別に変わってまいります。先生御指摘の保証期間というお話がございましたが、この保証期間という考え方の中には、この間に適宜整備をしていただきながら予定外の部品の傷みが出たとかあるいは交換しなければならなくなったというようなことが発生いたしますれば、その保証期間の中ではそれらを無償でお取りかえいたしましょう、こういう趣旨の保証期間であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
 私どもの立場から申し上げますと、自動車の性能、構造等につきましては、自動車の安全、公害という見地からこれからも規制を強化し、性能を改善させていく予定にいたしておりまして、先ほど申し上げました運輸技術審議会の別の部会で自動車の安全の長期計画を昨年十月に答申をいただいておりますが、それに従いましてことしから逐次安全の強化を図るような作業を進めてまいりますので、そういう作業に対応いたしまして自動車の性能も向上してこようかというふうに考えております。
#85
○大島委員 いま私がお伺いしておりますのは、念のため申し上げますが特定の週刊誌に出たということを基本にして言っているのじゃないのです。基本的にはあくまでも消費者を保護しなければならないということです。この下に働いている全運輸の諸君もおられます、毎日毎日血と汗を流して働いている労働組合の諸君もございます。しかしそれらの人々も助けると同時にこの消費者の保護も図らねばならない、そういう意味で私はお伺いをしているのですから正直に答えてください。いまの問題、保証期間が新車で二年五万キロというのは余りひどいじゃないですか、あなた自身の考えを言ってください。
#86
○宇野説明員 自動車の部品の構成されているのは数万点と言われておりますが、その中にいろいろな構造あるいは機能を備えた部品がございます。その中で特に走ることによって傷みを生ずるような部分と時間がたつことによって傷みを生ずるような部分がございます。一番いい例が、ゴム製品等につきましては時間の経過というファクターが非常に大きゅうございまして、そういう面から個別の部品につきましては逐次性能改善がされておるわけでございますけれども、いま言いましたように数万点から組み立てられております車全体を考えた場合には、どうしてもそういう一番弱いところからだんだん足を引っ張られるという形になってまいりまして、現在私どももそういう性能改善には努力をしておるつもりでございますけれども、それぞれの車に応じた保証期間というものがメーカーにおいて設定されておる現状でございます。
#87
○大島委員 いまのメーカーに対する保証期間の問題、それから車検期間の問題、先ほど言いましたように二年に一回がいいのかあるいは二年を三年に上げるのがいいのか、こういうことにつきましては私はこれ以上言いませんが、最後に検査料、普通の自動車の場合大体どのくらい要るのですか。
#88
○宇野説明員 自動車の検査料という正式の料金といたしましては、国が検査の際にいただいております手数料は一般の乗用車の場合は千二百円でございます。それから整備工場に支払う金は、車によってでこぼこがございますが、二十四カ月点検というものがございますけれども、二十四カ月点検を実施いたして必要な整備をしてということで平均的な数字を申し上げますと、マイカー二千ccで五万五千円から六万五千円といったところが平均的な料金ではなかろうか。そのほかに先ほど申し上げました税金等がございます。
#89
○大島委員 そんなに安いものですか。私自身は大体十何万取られているのですが。
#90
○宇野説明員 個別の例についてはっきり申し上げられませんが、十数万かかる。私どもは十数万という平均値を一つ持っているのですが、それは重量税と自賠責保険の二十四カ月分の加入、それに整備料金、それから私ども国がいただきます千二百円の検査手数料、こういうものを含めて十二、三万というふうに私どもの方ではつかんでおります。
#91
○大島委員 検査場によって一律ですか。その金額は非常にばらつきがありませんか。
#92
○宇野説明員 その点はばらつきがあろうかと思います。車の状態によりまして、同じ型式、年式の車でございましても、使用者の車の使われ方あるいは道路を走る条件等によってかなり車の傷み方も違います。したがいまして、先ほど五万五千円から六万五千円という数字を申し上げましたけれども、その上下で外れるものもあろうかと思います。
#93
○大島委員 そうしたら高い整備工場へ出したものが損で、安いところへ出したら得だ、そういうのは運輸省の監督怠慢じゃないですか。
#94
○宇野説明員 高いところに出した方が損という意味で申し上げたのではございませんで、車によって点検というものは項目が決まっておりますので、ほぼどの車についても、どこの工場でやっても同じ人工になろうかと思います。しかしながら、その後のたとえば部品の取りかえだとか手直しというのは個々の車によって違ってまいります。その点が整備料金が一律にいかないという理由でございまして、私ども行政指導といたしましては、ユーザーの方からそういうお話も間々承ることがございますので、整備料金の適正収受ということについてかねかね指導してまいっておりますが、具体的に申し上げますならば、まず受注、受け入れの際にあらかじめ見積もりをつくって、どのくらいの見積もりになりますという御説明をし、それで必要な整備をして、特にその受け入れ検査のときに気がつかなかったようなもので、分解したら部品を取りかえなければいかぬ、しかも部品料がかなりの額になるというような場合には、その場でユーザーの方に電話等で御了解をいただいた上で整備を行って、さらに整備が終了いたしまして整備料金を請求する際には、工賃だとか部品代といったような明細をつくってお客さんに請求書を出す、さらに説明を加える、こういうような形で、お客さんがわけもわからずに金を取られるという不満といいますか不信感を起こさないように整備工場の方で努力すべきであるということをかねがね指導しておるところでございます。
#95
○大島委員 私は自動車自体のことを言っているのじゃないのです。整備工場によって非常な差があるのじゃないかということを聞いているわけです。
#96
○宇野説明員 非常に実験的な数字がございませんが、先生が御指摘のように、どういう整備をしたかということにもよりますし、その後ユーザーに対する整備のでき上がりの保証の仕方等につきましてもいろいろな差があろうかと思います。先生のおっしゃるように何がしかの差はあろうかと思います。
#97
○大島委員 これは何がしかの差ではないですよ。
 それからあなたにお伺いしますが、元運輸省自動車局の整備部長、つまりあなたの前ですが、堀山健さんという方を御存じですか。
#98
○宇野説明員 存じております。
#99
○大島委員 その方はいま何をされていますか。
#100
○宇野説明員 日本自動車整備振興会連合会の専務理事をいたしております。
#101
○大島委員 それはどういうことをやっているのですか。
#102
○宇野説明員 自動車整備振興会、これは連合会でございますが、社団法人でございまして、道路運送車両法に基づきまして、自動車の整備に関する設備の改善とか技術の向上を促進するための意見の公表、調査研究、資料収集、情報提供等の事業を行うことを目的として、民法第三十四条の規定に基づく公益法人として設立したものでございますが、そこの事務局の専務でございます。
#103
○大島委員 大体政府の公庫公団の理事長か副理事長クラスだと思うのですが、その人の俸給はどうなんですか。
#104
○宇野説明員 お答えいたします。
 ただいま手元に調べた数字を持っておりません。
#105
○大島委員 私が先ほどから繰り返しますように、消費者の保護、それから整備工場で働くまじめな労働者諸君、こういう人こそ大事にしなくてはならない。私が申し上げるのは、いま一例を引きましたが、運輸省からこういう関係の方へ天下りしているのは何人くらいおりますか。
#106
○宇野説明員 お答えします。
 全数的にはちょっといま数字をつかんでおりませんが、最近の全国的な退職者の中では、公益法人に再就職している者もございます。
#107
○大島委員 いま手元にその資料がないと言われるのは、こういう整備関係の方へ天下った人の数の大体もわからないわけですか。
#108
○宇野説明員 整備振興会という法人が、中央の連合会を含めまして六十三ございます。その中の約三分の二に、運輸省の自動車の技術関係者が再就職をいたしております。
#109
○大島委員 三分の二も運輸省から行っているのですか。そういうことが結局車検料、検査料が高くなるという大きな一因じゃないのでしょうか。
#110
○宇野説明員 お答えいたします。
 先ほど整備振興会の性格論を申し上げましたけれども、自動車の整備業というものは国の検査事務の合理化の一環といたしまして、俗に民間車検と言われておりますような指定整備工場を抱えるような業界でございます。したがいまして、私どもといたしましても、整備業界が常に健全で、車の完全整備というものを十分担保できるようないい体質の業界でなくてはならないということでこれまで指導をしてまいったわけでございますが、そういう指導の段階におきまして、この自動車整備振興会というところがそのパイプ役となりまして、国の方針を受けて会員に徹底させるというような仕事をしておるわけでございます。したがいまして、その振興会の団体におきましても、自動車の保安、整備等に通暁しました専門家がどうしても欲しいというケースが非常に多うございますし、これまで長年にわたりまして運輸省の自動車部門で技術関係の仕事、行政をしてまいりました退職者が、定年といいますか国を退職した後の再就職の場として迎えられる。そのことによりまして整備業界に対する私どもの行政の徹底を図る一つのパイプ役にも役立っておるわけでございまして、そういう面から、整備振興会に退職者が再就職をしておるというケースが多くなっていると考えております。
#111
○大島委員 天下りの問題はこれでやめますが、いずれにしましても、どういうところへ行っているかという資料を提出してください。
 それから、最後に言いますが、昨日おたくの方が私の会館へやってきまして、いまこの問題は運輸技術審議会ですかに係っているから、国会でも答弁できがたいというようなことを言われておったのですが、そういうことをすると税調の審査中は大蔵大臣も主税局長も答弁できないということになる。そのほか運輸省は、自動車局は、こういう改善事業を何にもやらないんですか、その審議会の答申を待つまでずっとそのまま待っておるわけなんですか。
#112
○宇野説明員 お答えいたします。
 運輸技術審議会に長期的な見地から、これからの自動車の検査、整備のあり方ということで諮問をいたしまして、先生方の御意見を承りつつあるいは先生方の間での御審議をいただきつつこれから作業を進めてまいるということでございまして、私ども行政の立場といたしましては、この審議会で法律問題に絡む問題もあろうかと思いますし、基本問題に絡むこともあろうかと思います。しかしながら、現実の運用面といたしましては、私ども絶えず行政の日常の仕事の中で改善方には努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、昨年の国会ではまだその審議に入る前でございまして、一度運輸省の見解ということを申し上げたことはございますけれども、その見解に対していろいろな御意見がございまして、その御意見をまとめる形で審議会にかけたということでございますので、私どもの立場といたしましては現在の審議会の先生方に白紙で御議論をいただきたいことから差し控えておるわけでございます。
#113
○大島委員 資料の提出はできますか。
#114
○宇野説明員 天下りの関係でございますか。――できるだけ調べて調査いたしたいと思います。提出いたします。
#115
○大島委員 それを要求します。
 それから、先ほど大臣からくしくも言われたように自動車は生活品なんです。これは何もライトバンとかそんなものじゃないのです。田舎へ行きますとやはり山に登らなければならぬ、畑へ行かなければならぬ、車がないと行けないのです。大体それは乗用車も多いのです。そういう意味で、都会的な感触と田舎で申します感触とは若干違って、田舎ではむしろ乗用車が生活必需品にほぼ近くなっているのです。その点をよく考えて、いま私が申し上げましたこと等を勘案して、それから資料も出していただきたい、そういうふうに思います。
 ちょっとまだ時間がありますが、これで終わります。
#116
○綿貫委員長 午後零時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時二十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時三十分開議
#117
○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き質疑を続行いたします。柳沢伯夫君。
#118
○柳沢委員 それでは午後の質問を始めさせていただきます。
 これは個人的なことですけれども、本会議、委員会を通じての私の処女質疑でございまして、それに大蔵大臣に御出席いただいてお答えをいただくということは大変私にとってもラッキーで、また名誉なことだと考えております。以下、質問をさせていただきますので、明快な御答弁をお願いする次第でございます。
 この委員会の質疑も大臣に対します一般質問が終わり、重要な歳入法案の第一号である酒税法の改正案も審議が終わって、けさほど採決が行われるというふうに進んでまいりました。それからまた、この委員会と非常に密接な関係にございます予算委員会の方も総括質問が終わり、一昨日でしたか、財政再建に関する集中審議が終わったわけでございます。したがいまして、この段階は、大体本年度の歳入歳出予算を通ずる骨格的な問題点がほぼ出尽くした段階ではないかと考えるわけでございます。したがって、われわれはきょうからまた歳入法案の個別的な検討に入るということでございます。
 そういうことできょう、物品税法、印紙税法、有価証券取引税法それぞれの一部改正法案の審議に入っておるわけでございますが、私はまずその前に、これまでの骨格的な論議、そのうちの特に歳入関係の政府側と野党との質疑応答を聞いておりまして、若干引っかかる点も感じたわけでございます。したがいまして、この際、総論的に私がちょっと引っかかるなと感じた点につきまして御質疑をし、政府側の見解を改めてここに確認をさせていただきたいわけでございます。
 その第一は、野党の皆さんから御質問のあった物価調整減税にかかわる論議に関しまして、まず所得の伸びがあった場合に、それにかかる税額がその所得の伸び以上に非常に急速に伸びるという点が、あたかも何かおかしいことのように論議されておった点がございます。これは非常におかしいと思うわけでございまして、一番担税力に応じた税負担をお願いするという思想に合致する制度として累進課税制度があるわけで、それのもとにおいては所得の多寡に応じて、低い所得に対しては低い税率、高い所得に対しては高い税率で課税が行われるということは、もう当然のことでございまして、それが問題であるというのであれば累進課税制度そのものの否定につながってしまうのではないかということを非常におかしく感じたわけでございます。
 それはそれとして、第二にちょっとおかしいのではないかと感じた点では、政府答弁を聞いておりますと、物価調整減税を勘弁してもらいたいという論拠として、一に財政事情、二に課税最低限が必ずしも諸外国に比べて低くない、それからけさほど初めて大臣から、減税をやるならその原資を公債の増発に求めざるを得ないではないか、求めるとすればそれはインフレにつながってしまうのではないかというお話もあったわけでございます。私はこの政府側の答弁を聞いておって、もう少し国民にわかりやすい説明が何とかできないのかしらということを非常に感じたわけでございます。特に財政事情をもって減税が不可能であるということを言う場合には、金がないからできないよという非常に味もそっけもない話になってしまうのではないか。特に財政事情を言うときに、これは不規則発言ではございますが野党側から、そういう財政事情にしたのはだれだ、だれの責任なんだという発言も聞かれたわけでございます。そこで、こういった問題の一番根源にあるところの石油ショック後のわが日本経済にいろいろな影響が出ておるわけですが、それがどういう形で税財政あるいは家計、企業に響いているのかということからの御説明をしていただいた方が非常にわかりがいいのではないかと私は思うわけでございます。
 これは釈迦に説法ですが、石油ショックが起これば、インフレ、国際収支への影響と並んで所得の移転が起こるわけでございまして、識者の一説によれば、今度の第二次石油ショックでも一年間に八兆円の所得の移転が起こる。つまり俗なたとえをすれば、われわれの家庭にどろぼうが入って八兆円とられていってしまうわけでありまして、そういうことの所得の目減りの負担を国民経済の中の経済主体である政府、企業、家計がどういう形で負担をしなければならないかという観点からの御説明をしていただく方がわかりがいいのではないかなと思うわけでございます。そういう意味から、計数等があればそれでもって、物価調整減税をしてやりたいけれどもできない事情といったことについて、少し国民にわかりやすい説明をしていただけたらいいのではないかと考える次第でございます。そういう説明ができるかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
#119
○渡辺国務大臣 ごもっともな御説だと思います。私は過去半年間にわたりまして財政再建PRというものをやってまいりました。大蔵省の言っていることは非常にわかりづらい、いまごろ借金ができたと言われたって、知らない間につくっていかにも国民の責任であるかのごとく言われることは迷惑だという意見があることは事実でございまして、そういうことをわかってもらえなければ財政再建はできない。そこで私は、大蔵省でも「財政再建を考える」というパンフレットを出したり、あるいは歳出百科を出したりしてきたわけであります。委細はそれを見てもらえばいいわけでございますが、一口に申し上げますと、あなたの御説のように経済は順調に来たわけでございますけれども、昭和四十九年以降いわゆる第一次の石油ショックというものがあって、非産油国は全部それによってインフレと失業と国際収支の赤字、国内収支の赤字に悩んでおる。これは世界じゅうの現象ですから、日本もその例に漏れない。そこで当時、昭和四十八年の租税は十三兆くらいでした。それが昭和四十九年には少し上がりましたが、昭和五十年には落ち込むということで、いわゆる不況時代に入ってきた。ですから収入が減るんですから、収入が減ったらば収入に合わせて生活程度を落とせば赤字にはならないわけであります。しかし、生活程度を落とすことが日本の景気にいい影響を及ぼすかどうかという判断のもとで、それはやはり日本では生産力があるのだから、この際借金をして公共事業等、金をばらまいてもインフレにはならないだろう、こういうようなことで公共投資というものを大きく進めていくようにして、それで結局生産力を増強させ、物の流通をよくし、景気の回復に役立ててきた、これは意味のある話であります。私は成功だったと思う。
 一方、いわゆる消費的経費、文教、福祉施策を初め、そういうものは収入が減ったんだから基準、水準を落とせという議論と、しかし不景気のときにはそういうようなものはむしろ支えていけという議論と両方あって、いままで福祉向上のために尽くしてきたんだからこれは落とすべきじゃないというのは与野党で一致をして、財源がないから結局赤字国債を発行せざるを得ない。そこで赤字国債を発行しながら、要するに福祉年金の増額や医療の無料化の推進や文教関係の助成の拡大や、みんなやってきたわけであります。だから、当然国民にそのときからしわ寄せが直接いくべきものを政府がそこで肩がわりをして、そうして国民の生活水準の低下になる部分を政府が措金をして低下をさせなかった、こう言っても過言では少しもないのじゃないか、そう私は考えておるわけでございます。したがって、直接、ストレートに国民の福祉が停滞または切り下げられるべきものを下げないで、むしろ政府が肩がわりをして借金をして伸ばしてきたのですから、経済が順調にもとに回復すれば、その肩がわり分は自然増収の中で徐々に吸収をしてもらう、それからもう一つは自前の生活をしてもらうようにするということがあたりまえなので、そういうようなオーソドックスな財政に切りかえてきたというだけの話でございます。
#120
○柳沢委員 大臣の改めての御説明で、石油ショックによる影響を政府がいわばショックアブソーバーの役目をしてきたというお話がよくわかったのでありますが、願わくはこれからの論議においてもそういった問題についてもう少し計数をもって言えるといいなという感想を持つわけでございます。
 第二の、私が野党と政府の質疑応答を聞いておって若干気にかかった点でございますが、給与所得者の納税者割合がほかのたとえば農業所得者あるいはその他の営庶業の所得者の納税者割合に比べて非常に高いという事実が統計でもって明らかになっておるようですけれども、そういう事実に基づきまして、これがストレートに課税所得の税務当局による捕捉の水準の違いであるかのように決めつけた論議が横行しておるように思うわけでございます。しかし私も個人的なことですが、役人をやめてより国民生活に近い立場に身を置くようになりましてつくづく実感しているのですが、たとえば農業所得をとりましても、農家の所得というのはいわばお米でしたら政府に売り渡すものですし、その他のいろいろな農業生産物もほとんど農協を通して売買が行われておるわけでございまして、売り上げの除外といったようなことは一体どういうふうにして起こるのか、なかなか実態に即して考えてみますと、そう簡単な問題ではないように思うわけでございます。ほかの営庶業の方々も法人成りしたような規模の方ですと実感としても売り上げが相当多いなというようなところが多いわけですけれども、法人成りしていないような営庶業の方にはむしろ零細な人が多いというのも実感として私は感じたわけでございます。そういうことから、余り給与所得者の人の納税者割合が高いからということだけをもって日本の税務行政がクロヨン、トーゴーサンを認めてしまっておるということが言われ過ぎるということは、非常に日本の税務行政に対する信頼が揺らぐ結果になりますので、私はこのあたりで少し実態を税務当局としても改めて調査をしてみて、それはなかなか説得力のある調査をどういう方法でやるかというのは非常にむずかしい問題だと思うのですけれども、もう一度このクロヨン、トーゴーサンと言われる論議についてしっかりした客観的なデータをわれわれに与えるように考えられないかということを思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
#121
○渡辺国務大臣 クロヨンとかそういうものは、制度的には私は世間で言われるようなことはありませんということを言っておるのです。私は一番気の毒だと思うのは青色申告をしている事業所得者じゃないかと思う。完全に、本当にきちんと計算されておれば、いつ取れるかわけのわからない売掛金も所得の対象ですし、売れるか売れないかわからない買い込んだ在庫も利益の中に入っておれば所得の対象だということですから、別に青色申告控除制度なんというものがあるわけじゃないのですから、私はそれは一つの風評であって、制度的にはそういうものはない。ただ現実の問題として、要するに給与所得者の場合は脱税というものはないが、申告所得者の場合にときどき脱税というものがあるから、そういうものが非常に目につく、したがって執行面でもっとそういう捕捉をきちっとやれという御議論があります。それは事実であります。たまたま国税庁が調べた結果、調べたうちの何%に増差額が出たとか、それが全部引き伸ばして申告所得者にそれだけの脱税があるということにはならないということは、かねて言っておるところでございます。農家の場合も同様であって、ただ農家の人は資産を持っているから、同じ三百万の所得があっても生活程度は楽だということは言えるかもしれないということを言っておるわけでございます。したがって、あなたのおっしゃるように農家や中小企業の人はいっぱい脱税している、そういうことでは絶対ないわけでございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
#122
○柳沢委員 直税部長、何かございますか。
#123
○小幡政府委員 ただいま所得の捕捉漏れに関連いたしまして、そのための特別の調査をしたらどうか、こういうお話でございますが、私どもは率直に言いまして、現在の非常に限られた人員の中で効率的な調査をやっていくということに追われておるわけでございますので、そういう実態調査するためだけに人を割くということは、私どもとしてはなかなかむずかしい話だというふうに思うわけでございます。ただ、私どもといたしましては、主要な業種につきまして、税務署の中で申告書の内容をチェックするというふうなことに使いますために個人営業者等につきまして経営実態を把握するための調査というふうなことも、現実に若干のものにつきましてはランダム調査によって行っておるわけでございますが、そういうふうな内容等から見ましても、世間で言われているような大きな所得の申告漏れがあるということはないというふうに考えておる次第でございます。
#124
○柳沢委員 それはきょうのところはそこでおきますが、いま大臣の御答弁にあったことは私は非常に重要な点だと思うのです。つまり、給与所得者の場合は生産手段がないのはもちろんでございますけれども、それよりいまや国民の夢になっているような居住用の資産がない場合が多いわけですね。それに対して農業所得者、営庶業の方々の場合、これはある場合が多い。給与所得者の場合はないだけではなくて、逆に将来それを持つために収入のうちの相当部分を貯蓄に回さなければいけないという事実があると思うのです。そのことが給与所得者は少し税が重いんじゃないかということにつながっていくんだろうというふうに私は思うわけでございます。そういうことを前提にいたしますと、私は二十世紀の初めから累進税率を持った所得税というのが一番公平な税であるということで、全世界を通じてと言っていいと思うのですが、税制を仕組んでいる国が多いのですが、支出税ですね。支出がどのくらいできるかという能力に応じて税金をかけるのが非常に公平になるじゃないか。これは学者の一部が言っていることでございまして、直接税としての支出税でございます。そういうことをわれわれとしてもひとつそろそろ頭に置かなければいけない段階に来ているかもしれないというふうに思うわけでございます。直接税としての支出税を具体的に仕組むというのは大変むずかしいものですから、技術的には間接税としての消費税にならざるを得ないわけでございます。得ないわけでございますが、そういたしますと、いま物価調整減税に絡んで野党の人たちと政府側の質疑応答を聞いておると、どうもその辺のところに話がいかないとなかなかいまのわれわれの社会を前提にして公平な税を仕組むということにはならないのじゃないかというふうにも思うわけでございます。これは誤解のないように言っておきますけれども、財政再建論としての一般的な消費税の話ではなくて、税の体系論としての話でございます。財政再建論としての消費税ということになれば、きょうはちょっとそういう準備もしませんでしたけれども、私も私なりに大臣にもお聞きいただきたい私の考えも実はあるわけです。しかし、きょうはそういうことじゃなくて、税体系論としての間接税たる消費税の話もそろそろ考えなければいけないんじゃないかということについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#125
○高橋(元)政府委員 いまお示しのカルドアの言っておりました支出税でございますけれども、これは確かに税制上の一つの考え方といたしまして、貯蓄に課税せず支出が社会の受益をあらわすものという考え方で、それについて累進的な課税をしていくということでございますから、理論的には非常にすぐれたものであろうと思います。たしかインドのビハール州でございましたか、その辺で実行に移されたこともあるやに聞いております。ただ、残念ながらいまもお話にありますように執行上どうしたらいいかということがなかなかむずかしい。そこで、間接税の場合に、これまたよく御案内のように税制の安定性とか、それから公平性と申しますか、水平的な公平というものがそのメリットとして挙げられておりますけれども、そういうものをできるだけ、言われておりますような累進性がないと申しますか、むしろ逆進的であるということのデメリットをどういうふうな形で消していくのか、そういう工夫とあわせまして支出税ということも念頭に置きながら仰せのような線で今後の税体系のあり方というものについて抜本的な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#126
○柳沢委員 以上で総論的な復習みたいな話を終わらせていただきまして、本日の本題であります物品税法、印紙税法、それから有価証券取引税法に入りますが、時間の関係で非常に駆け足の質問をさせていただきます。
 まず物品税法に関しましては、物品税の中での税収の面で横綱の役目を担わせられている自動車の課税が今回も税率の引き上げという形で取り上げられておりますけれども、このごろの新聞を見ますと、連日日米の間で日本の自動車輸出の問題が取り上げられているわけでございます。そういう意味で私、今回の税率の引き上げがこういう日米間の貿易摩擦の関連で一体どういう影響を持つとお考えになられたのか、その辺大丈夫だろうかということについて御説明をお願いしたいと思います。
#127
○高橋(元)政府委員 アメリカ側が乗用車の物品税の引き上げにつきまして懸念と申しますか、表明をしております御意見というのが大きく申して四つあるわけでございます。一つは、御案内のとおり、わが国の国内の物品税では二千ccを超えます乗用車と二千cc下の乗用車で税率を異にしております。アメリカから輸入してこられます米国車は主として大型でございますから、二本立ての税率で上位税率が適用されるアメリカ車について不利であるというのが一つであります。もう一つは、大型、小型とも今度二・五%引き上げさしていただくという案で御審議をお願いしておりますが、同じ率だけ引き上げても値段が高いアメリカの車にとって税負担の増加額が大きくなるのではないかということであります。それから、最近日本国内における米英車の販売が低迷しておるところ、米国車については税率引き上げの余地がないと申しますか転嫁する力に乏しいと申しますか、それが三つ目でございます。四つ目がわが国の物品税法によりまして輸入車の課税標準はCIFということになっておりますが、国産品の課税標準が蔵出しでございますから、これと比べてCIFの方は運賃もあり、保険料も入ってしまって不利ではないか、これはFOBにしてもらいたい。これら四つがおおよそのアメリカ側の意見かと思います。
 これについて私どもとしては、二本立て税率と申しますけれども、これはテレビについても冷蔵庫についても二本立て税率があるわけでございまして、より高い物品と申しますか、より高級な便益についてはより高い税率を適用するというのは国内の税制として決して不思議なことではないと思います。二番目に、乗用車に対して二本立て税率を適用しておるといいますけれども、これはアメリカの車であろうと国内の車であろうと同様でありまして、大型車というのは国産が八割、輸入車が二割、このくらいの比率になっておりましょうか、その点で内外差別といういわれはないと考えております。それから税負担を今度二・五%増加さしていただくわけでございますが、額ということになりますと、輸入車はマージンが非常に大きいものでございますから、むしろ国産車の引き上げ額の方が大きくなる。もっとも税負担はもちろん製造場蔵出し価格に対する率で決まるわけですから、率からしますれば等率でございますけれども、負担額、つまり価格に対する影響ということからしますと、むしろ輸入車の方が幾らか少ないということが言えるかと思います。それから販売低迷という問題と税負担を増加させるのは非常に困るという御意見でございますけれども、この点については国内の交通事情なり駐車のスペースなり、また日本人の車に対する嗜好、アメリカ車の仕様というような問題、また維持費の問題等がございまして、一概に物品税の責めに帰するというわけにはいかないだろうと思いますし、課税標準はヨーロッパの付価価値税でも同様でございますし、日本の内国消費税は一律にそうでございますが、すべてCIFによっておるということで、向こう側の言われることは私どもとしては、いわば、言葉が悪いかもしれませんけれども、誤解であるということについての論拠は十分持っておるつもりでございますが、いろいろなそういうこともございまして、日米間の関係ということも念頭に置いて、五%引き上げたらという話もあったわけでございますけれども、今回二・五%ということに引き上げ幅を圧縮をしておるということでございますし、アメリカに対してその辺のわが国の、全体として一兆四千億円の増税をお願いしなければ財政の健全が保てないというような財政事情を初めとして、税率引き上げの事情について十分御説明をして、今後とも米側の理解を深めるように努めてまいりたいと考えております。
#128
○柳沢委員 いまの主税局長のお話の中で、特に額としては若干なりとも少額だという点は、私は逆じゃないかと思って心配しておりましたので、私ども非常に救われた議論でございまして、ありがとうございました。
 最後に、駆け足になりますけれども、流通税の印紙税と有価証券取引税につきまして、一つずつ御質問させていただきます。
 印紙税は、私ども日本の社会の中に非常にうまく定着している税金だというふうに思うわけでございます。この伝統というものは、流通税ですから、余り痛痒を感じない程度であるということが一番肝心なところで、そういうことが確保されているから非常にうまく定着しているというふうな関係にあるのではないかと思うわけでございますが、今回の流通税の二倍の引き上げが、そういった日本の印紙税のいい伝統を損なうことがないのかどうか、その辺についてどういうふうにお考えかということと、最後に、有価証券取引税の問題につきまして、有価証券取引税というものが流通税としてどのぐらいの水準が一番妥当であるかということにつきまして、OECDあたりでも、資本市場のあり方との関連でかねて議論がありまして、作業部会の方から、レコメンデーションという形ではないようですけれども、大体〇・五%ぐらいがいいところではないかというようなことでもございますので、まあ今回、株式について民間人同士の譲渡については〇・五五までいったわけですから、このあたりが限界ではないかというふうに考えますので、その点についての御見解を承って、私の質問を終わらせていただきます。
#129
○高橋(元)政府委員 明治六年でございますから、もう印紙税は歴史を百三年経過しておるわけでございます。その間に、お話のように、確かに日本の取引の中に印紙税というのは定着をしてまいりました。
 これは流通税でございますから、文書の作成、行使の背後にありますところの担税力というのを漠然と推定をいたしまして、それに対してごく軽い税率で負担を求めていくということでございます。その税率は現在、階級定額税率のところを取り出してみますと、万分の一ないし二というような非常に低い税率でございますから、これについて今回二倍に引き上げるという案を御提案しておりますけれども、それによって負担が過重にわたるものではないというふうに、非常に簡略でございますけれども、考えております。
 それから有価証券取引税は、日本の場合、現在、株式の場合万分の四十五でございます。フランスあたりが小口の取引で万分の三十、ドイツが万分の二十五というところかというふうに承知しております。OECDでも、たしか租税委員会であったかと思いますが、万分の五十、いかなる場合でも万分の百を超えてはならないというような統一的な取り扱いを出しまして、と申しますのも、資本の自由な移転という利益というものに着目して、それを阻害することのないような税率の設定ということを国際的に求めておるわけでございます。
 私ども、財政事情との兼ね合い、また証券市場に与えるいろいろな影響等を考慮して、今回、二二%の引き上げという案をお願いをいたしております。まあOECDの考え方も一つの基準ではあろうかというふうに考えておる次第でございます。
#130
○柳沢委員 どうもありがとうございました。
#131
○綿貫委員長 塚田庄平君。
#132
○塚田委員 まず大蔵大臣に、一般的な、総括的なことを質問したいと思います。
 一般的なことと言えばもうこれは財政再建以外にないだろうと思いますので、財政再建についての大臣の基本的な考え方についてまずお伺いをしていきたいと思いますが、野党が聞いたのでは、いつも同じことを聞くんじゃないか、もう恐らく大臣も、予算委員会を通じ同じことばかり答弁している、おれはもうあきあきしたというのが本当のところじゃないかと思うのです。そこで、ちょっと角度を変えまして、私が聞くのではなくて、ある人を通じて、ひとつ大臣の率直な意見を聞きたいと思うのです。
 たしか財政再建についての議論がだんだんと高まってくるさなか、去年の八月かと思いましたが、東大の教授の内田忠夫さんが、これはよく御存じのとおりですが、「拝啓 大蔵大臣殿」ということで、手紙の形式である新聞に、大臣に対する質問状を出しております。もちろんこれに対しては当然、答弁といいますか、大蔵省は、大臣を中心にいたしまして、博士号を持っておる二人を帯同しまして、各項目について回答をいたしております。
 そこで、大臣の回答表なんでございますが、詳細に私は読みました。しかしこれは、私は、以下質問するような内田さんの質問のポイントから若干外れている面もあると思います。
 私は特に、内田さんの数項目の中で、第一、第二というのがこの質問の大きな骨子だ、ここがポイントだ、こう思いますので、この点についてひとつ大臣に率直な意見を賜りたいと思うのです。
 その第一の質問は、大変むずかしい言葉なんですが、財政再建は一体政策手段なのか、あるいは目的なのかということなんです。
 なぜこういう質問が出てくるかというと、どうもあのゼロリストあるいはまた歳出百科、あるいは「財政再建を考える」、ずいぶん次から次へと冊子が出たのでありますが、そういう中で繰り返されるのは、とにかくいま当面財政再建、赤字国債からの脱却、もうそこに全部焦点をしぼる、それが自己目的だと言わんばかりのPRがなされてきておるということに対する、恐らく内田教授の懸念といいますか疑義といいますか、あるいは極端に言えば反対意見といいますか、それが述べられていると思うのです。
 そこで、第一問の、財政再建は一体政策目標なのか、あるいは政策手段なのかということについて、若干の回答はありますけれども、どうもこれははっきりしない回答で、目的でもありあるいは目的でもないというような回答になっておりますので、その点ひとつはっきり、これからの質問の展開で一番重要な問題になりますので、お答えを願いたいと思います。
#133
○渡辺国務大臣 結論的に言うと、物は程度問題だと思うのですね。私は、政府が借財をすることもよし、借財をなくすこともよし、問題はそのときの経済にどう対応していけるかが問題だ。財政収支というのが、五十五年度ではともかく歳出の三三%、三三・五ですか、もう三分の一も国債に依存しなければならぬ。こういう国は世界にないんですね。それからもう一つは、すでに国債が出過ぎてしまって、そしてそれが金融政策の足を引っ張っている。消化が困難になってしまった、のされてしまったという状況になってきておる。一方歳出の面でも国債の償還というものが昭和六十年から始まるというような時期に続けて赤字国債を増発していくということは大変なことになる、財政インフレになりかねないということです。そういうように事態がそこまで窮迫をしてくれば、財政再建は長期的に見ればそれは政策目標と言えるかどうかは問題なんだけれども、当面の目標としては政策課題だと言って差し支えないんじゃないか。
 それで、財政そのものは手段だと内田さんは言うわけですよ。私も手段的に考えて、あるときは緩く、あるときはきつくやっていいんです。やっていいんですが、現在のようにもう硬直してしまってどうしようもないという状態になれば、当面そこから脱却することが政策目標だと言っても少しも過言でないし、それでよろしいというように私は考えておるのです。長い目で見ればそれは手段かもしれない。
#134
○塚田委員 大体同じようなことが八月の回答書の中で述べられていたんですが、新経済社会七カ年計画をつくるときにその点についてずいぶん議論が重ねられたと思う。つまりこの七カ年計画の目標と政策の中で一番最後の五番目に財政の再建ということが一応出てきております。これを入れるかどうかについて非常な議論が行われたわけなんです。なぜそうかというと、結局国の経済の目標なり計画なりというもの、それは前の四つに限定され――限定というか尽きるんじゃないか。四つというのは、第一は完全雇用の達成と物価の安定、失業の問題あるいは物価の問題です。第二番目は国民生活の安定の問題、これは当然教育の問題とか、あるいは消費生活の問題とか、あるいは福祉の問題が入ってきます。第三は国際経済発展への寄与あるいは協調の問題。第四は総合的な経済安全保障といいますか、せんじ詰めて言えば。あるいはそういう基盤をどうするかという問題、これがそもそも目標であって、そのために財政の健全化を図るんだ、つまりそれは手段である、私はその意見に賛成なんですよ。つまり財政再建は自己目的じゃないんだ、そのもの自体が目的じゃないんだ。それでまあ大蔵省の方ではいろいろ計画を立てましてやっておりますけれども、それが半年おくれる、あるいは半年早まる、そんなことは問題じゃないんで、基本的に一体そういう基盤が醸成されつつあるか、あるいはしたかということが問題なんであって、その点から私どもは以下議論を展開していきたいと思いますが、私は政策手段として見るべきだ。目標として見るにしても、いま大臣の言ったとおり、長期のものじゃなくて、私の言った前の四つが目標であって、それに至る中期的な目標というかあるいは短期的な目標というか、それが財政再建だ、こう内田教授は言っておるのですけれども、どうでしょうかね。私はこの点では内田教授の議論に賛成なんですが。
#135
○渡辺国務大臣 だから私は先ほど言ったように、こういうような物価安定とか国民生活の安定とかということを言っても、現在財政をルーズにしておいて物価の安定にならぬわけですよ。国債を出す、国民が消化不可能だ、日銀に引き受けさせるというようなところまでいってしまうと、物価の安定とは逆の方向に行ってしまうわけですね。そういうような点で、むしろいま言った四つの目標がこのままの状態で達成できない。それは要するにいままでは国債を発行することによって不況の乗り切り、生活の安定を図ってきたわけです。つまり公共事業費をふやして雇用の増大を図って物の出回りをよくしてやってきた。これは財政を使ってきたわけですよ。それから一方はせっかく福祉水準をここまで上げたんだから、不景気だといっても、福祉水準を下げたんでは困るじゃないかといって、赤字国債を発行しながら、それで教育水準を引き上げたり、私立大学の補助金をどんどんふやしたり、それから福祉年金をふやしたりやってきたわけですよ。それはできた。できたけれども、それでも大変なインフレにはならなかった。需給ギャップがうんと大きかったからということが言えるわけです。
 ところが、現実の問題として、もうともかくそんなに国債を発行されても、とてもじゃないが引き受けられませんよという状態になっておる。引き受けてもらうためには金利を上げなければならない。一方国内の物価安定のためには金利を下げろという声があるんですね。金利をもっと下げたらどうだ。ところが国債のクーポン額面を下げると、逆に国債が値下がりしてしまって利回りは上がる、裏目に出てきてしまうというような状態になってしまった。いわゆるクラウディングアウトと言うのか何と言うのかね。結局そういう問題が起きてくると、もう限界を超してしまっておる。したがって経済は拡大されるから多少の余地はあるけれども、ここでどんどんいままでのペースで国債発行、つまり国の借金をふやしていくということが、逆にこれからはいま言った国の政策目標を足を引っ張ってしまうということになっておる。したがってやはり最大の、一番いい治療方法というものは、国がどんどん借金をするのではなくて、少しずつ借金をするのを減らしていくということが何よりも大事なことになっているわけです。だから私は、財政当局としては、つまり国債の減額、財政の健全化、これが当面の政策目標である、こう言っておるわけでございます。物は言い方だと思います。
#136
○塚田委員 これは議論していると全く学校の講義の議論をやっておるようなもので、やめたいと思いますが、次は――次といいますか、それは次の第二の質問に非常に絡まってくると思うのです。
 第二の質問は、内田さんは、財政再建、これは増税によらなくてもいいんだ、増税によらなくても自然増収で賄える場合があるし、それが理想的だ、拝啓大蔵大臣殿、どうですかというのが実はみそなんですよ。
 それでこの点についていろいろ最近特に企画庁、これははっきり言いますと、河本長官は経済審議会の総合部会で同じように増税をしなくとも大体財政再建、少なくとも七カ年計画で想定されておるような指標は達成できるのじゃないかということを実は言っておるわけです。これに対して大蔵省は余りいい顔をしてないようですけれども、これはいま言った内田さんの第二の質問と絡んできわめて重要な問題であると考えますので、この第二の質問状について、拝啓大蔵大臣殿、どういった考えを持っておられるのか。
#137
○渡辺国務大臣 財政再建というのは自然増収で行うのが一番いいのです。私もそのつもりでおるのですよ。したがいまして、自然増収四兆五千億円というものが見込まれる、大体そこらへいくのじゃないか。しかしその中で二兆円の国債を減らしましょうということは、返済はまだ考えてないのですから、これから始まるのです。要するにいまのところは発行する量を二兆円減らしましょう、その分歳入は減りますから、四兆五千億のうち増収分の二兆円は国債を発行したいと思って発行しないでそれに充てますよ、それだけのことです。自然増収があと二兆五千億残る、これはいわゆる国債の利払い金と地方交付税に大体取られてしまう。したがって自然増収はそれで使い果たされてしまっている。そこで問題は、それでは歳出カットをやっていけばいいじゃないかという議論なんですね。できれば私もそれがいいのです。一兆九千億の当然増及び準当然増があったわけです。要するに一兆六千億の当然増、必然増ですね。それと約三千億の当然増。つまり老人がふえれば年金がふえる、これは当然増ですよ。老人がふえれば病気が必然的にふえてくる、これも当然増です。物価が上がれば年金をふやすかどうか、これは必ずしも当然増とは言えないが、しかし常識的には準当然増で、やはり年金スライドというからには物価が上がれば年金もふやしてやらなければならない。それまで入れると一兆九千億円になる。その一兆九千億円を歳出カットだけでできるならば私はやるわけです。だがそれができないということで、極力抑え込んでやってもできないというようなことから、その当然増及び準当然増の財源を他に見つけなければならぬ。しかしそのままではだめですから、二兆何千億円の増税が必要になってしまう。それでわれわれとしては極力歳出カットや抑制をやりまして、一兆四千億円の増税、一兆四千億といったって地方交付税に三千億行きますから、国が使えるものは一兆一千億です。その一兆一千億円のもので一兆八、九千億のものを吸収したわけです。それには税外収入や歳出カットというものもやってきたけれども、もっとやれという声があることも事実でございます。それには法律制度にも手をつけなければ何千億というカットというのはなかなかむずかしい。だから内田先生の言うように自然増収と歳出カットで全部いけるのならいいが、当然増にどうしてこたえるのか。ちょっと自然増収だけではそれらの増大する経費を賄うことができないという現実に直面して、このような政策をとったということでございます。
#138
○塚田委員 これは私の意見でもあり、内田さんの意見でもありますけれども、むしろ現実はいま言ったようないろいろな計画があります。あるいは議論もありますけれども、たとえば五十五年の例をとりますと、自然増は思ったよりもずっと上がってきておる。これは経済活動が非常に活発になってきたということで税金の収入が上がったということは御承知のとおりで、予想外の自然増ですね。それで国債の減額もできた、こういうことなんです。私どもも大体政府の予算案、予定からいいますと、五十六年度は四兆四千九百億くらいですか、大体四兆五千億、それに俗に選択的増税といいますけれども、そういうものを加えますと、恐らく自然増はいまのままでも五兆円を超えるのではないか、私はこう思うのです。これは私の見方です。
 それで大臣は、できれば増税はこれ以上したくないのだ。ましてや新種の税金の導入はしたくないのだといま答弁があったと承っております。そこで何といっても歳出の削減、それから自然増を期待するためには経済活動を阻害するような、あるいは経済の交流を阻害するような諸要因、これは身近な例をいいますと物品税、流通税などというものはその典型的なものだと思うのですけれども、そういったものをできるだけ排除しながら阻害要因をなくしていって、そしていま大臣が理想だと言った自然増を大きく図って、またこれは出る予想がつくと私は思うのです。
 そこで財政再建は、六十年が六十一年になっても、無理しないでもいいじゃないですか。余り無理をするとどこかでけがをするのです。いま言ったとおり、中間的なあるいは短期的な目標とするならば、一年や半年のずれは余りこだわらないで、そして国民の負担を軽くしながら経済活動を活発にさせて、できれば自然増の中で財政再建を完成するという方向で政策を運営していただきたい、これが本当の筋じゃないかと思うのですが、一言だけ大臣の決意を……。
#139
○渡辺国務大臣 これは議論のあるところなんです。何も赤字国債を五十九年でなくさなくたっていいんじゃないか。六十年から返済が始まるといったって、それは六十二年からでも、現実に金が要るのは六十二年からじゃないかという議論をする人は国会の中でもあるのです。そういう人は結局赤字国債をもっとなだらかになくせという意見ですね。ただ私どもとしては、五十九年度というのは、六十年から本格的な国債償還が始まるという観点から、やはり積むものは積むわけですから、六十年に償還するために必要な金というのは積むわけですから、そのほかに国債を減額するための財源の心配もしなければならない。そういうことでは困るから、国債減額に要する財源の心配は五十九年度限りにしていただきたい、そういう考えで実はもくろんでいるわけです。このことが非常に極端に経済活動の阻害になるとかいう情勢なら話は別ですが、われわれの見たところでは、その程度のことで経済を阻害する要因になるとは考えられないという判断で、既定方針どおりやらしていただきたいということを言っておるわけでございます。
#140
○塚田委員 この議論をやっても何時間もかかります。ただ一つ自然増収でやるのが一番いいんだ、できればそれでやりたいんだというその言質だけはとらしていただきたい、こう思います。
 そこで先ほど河本長官の発言の中でやはり同じことを言っているのです。五十四年度は二二・四%、これは租税負担率ですでに決算ができております。五十五年度は二三・五%程度になったと見られる。五十六年度は税の自然増収と増税で二五%程度になり、経済運営をうまくやれば税の自然増収が大幅に期待できるので、六十年度政府目標の二六・五%、二六カ二分の一%は五十七年度中に達成できる見込みだ、こういう発言があるのですけれども、私はこれはりっぱな発言だと思うのですね。いま言った自然増収で何とかやりたいという線に非常に近い意見である、こう考えておるのですが、これはどうですか。
#141
○渡辺国務大臣 河本大臣の発言の趣旨というのは、自然増収を期待し得るような経済運営を行う必要がある、こういうふうな御趣旨だと私は思っておるんです。
 五十七年度以降の租税負担率が幾らになるかは現段階ではなかなか予測することは困難です。そうして、大蔵省にも専門家がいっぱいおりまして、何十人という人がいろいろな角度から洗いざらいデータを引っ張り出して計算しているわけですから、その人たちのお話によっても自然増収だけで五十七年度に二六カ二分の一程度に租税負担率が達するということはまず考えられない、こういう論なんですね。私もまあいろいろ聞いてみて、なるほどそうだなということで、その方に私は手を挙げているわけです。したがって、もっと詳しい、何で二六に達することはないか、自然増収だけで何でそんなことにならぬかということについてはちょっと主税局長から専門的説明をやらせますから……。
#142
○塚田委員 いや主税局長、いいです。
 そこで、大臣からの表明があったのですけれども、これは同じ大臣である河本さんの発言なんですが、企画庁では大蔵大臣とはまた別な考えを持っているのでしょう。その点ひとつ表明してください。
#143
○中島(源)政府委員 詳しくは政府委員からお答えをさせますが、河本長官の申し上げた趣旨は、いま大蔵大臣がお述べいただいたと同趣旨であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 もちろん、実績数値は五十四年度まででございまして、二二・四%の租税負担率、これだけが実績でございます。五十五年、五十六年は二三%台あるいは二四%台という見通しでございまして、五十七年度につきましては、現在確かに見通すということは困難でございます。ただ、その前提としてと申しますか、これには経済運営よろしきを得なければならないということがございます。
 たとえば、自然増収が継続的に行えるような運営をしなければならない。また一方におきましては、徹底した歳出の合理化、これも進めなければならないということを含めておりまして、私どもはあくまでも昭和六十年度のあり得る望ましい姿の一環といたしまして、六十年度二六・五%、これに達成できるように今後とも努力をしていく、こういうふうに思っておりますし、河本長官の御発言の趣旨もそのようにおくみ取りをいただきたい、こう思っております。
#144
○塚田委員 私は正直に言って、やはり五十四年度の自然増収、五十五年度の自然増収、五十四年度はわずかであったのですけれども、五年度、六年度の見込みを含めて自然増収が非常に大きくなってきておる。四兆、五兆というこういった台が予想されるという情勢の中で、河本さんはいろいろと経済計画とのにらみ合わせで達成は可能であろう、達成するとは言ってないです、達成は可能であろう、そのように経済運営をうまくやっていきたい。これはやはり筋のある議論じゃないかと思うのですよ。さっき自己目的とぼくが言ったのは、財政再建というのは、とにかく六十年でどうこう、これが目的なんだということじゃなくて、経済運営がうまくいったならば五十七年度でも達成できるんだ。それは五十七年度でなくていいんですよ、あるいは五十八年度の半ばに入ってもいいあるいは五十八年度の末であってもいいと思うのです。そういう面では、ある程度弾力性を持ちながら、むしろ増税じゃなくて自然増収に期待して財政再建を図るというめどがほぼ立つんじゃないか、こう思いましたので質問をいたしましたが、恐らく大蔵省は、いやあの負担率のとり方はおかしいんだということをここで主張したいんだと思うのです、さっきからむずむずしていますから。その点ひとつ、どうぞ。
#145
○高橋(元)政府委員 租税負担率のとり方は、これは経済企画庁がマクロの計算でなさることですから、私ども現在の実績で五十六年の見込みが二四・七%くらいだろうということについては、別にそれが間違っておるということは一つも申し上げておりません。
 ちょっとお時間をいただいて恐縮なんでございますけれども、自然増収だけで……(塚田委員「五十六年で二四・七くらい」と呼ぶ)二四・七くらいだろうと思います。国税、地方税合わせまして二四・二でございますから、ここまでは確実な数字でございますね。これは私どもが申し上げておる数字です。それからあと、マクロベースといいますか国民経済計算ベースの租税負担が幾らになるかというのは、これは経済企画庁でないとわからないのでございますが、通常たとえば日銀の納付金でございますとかそういう税外の負担がプラス〇・四ないし五ありますから二四・七くらいだろうと大体思うわけでございます。そこは別に私どもとしてもその数字が間違っておるとは思っておりません。
 ただ、ちょっと申し上げておきたいと思いますのは、自然増収だけで財政再建ができるということの意味でございますけれども、現在一般会計で約二六%の国債があるわけですが、この国債を消していきますためには、交付税と国債費を払って、国債を二兆円なら二兆円減額いたしまして、なおかつ合理的な範囲でのぎりぎりの歳出の伸びができなければいけないわけでございますが、そういう要件が現在一般会計の歳出の中で七割弱、正確に言いますと六九%です、だけしか租税で支えられていないということからすると、大変むずかしいのではないかということをまず申し上げて御理解をいただきたいと思うわけであります。
 昭和五十四年に法人税を中心に非常に税収が伸びたわけでございますが、当時の税収の伸びが全体として一四・四%だったわけです。ですから仮に七割の税収が一四%伸びても予算全体は九・八しか伸びられないわけでございます。しかも、その場合には公債不変であるということになります。さっき大臣も申し上げましたように、交付税と国債費で大体歳出の五%くらいは食われてしまうわけでございます。そうしますと四・八残りますが、国債を二兆円落とせばやはり四%何がし要りますから、したがって一般歳出をゼロにするか、さもなければ国債減額ができないかどっちかだということになってしまって、現在の歳入構成をもってしては自然増収だけで国債減額はむずかしいということは言えると思います。しからば、今後その一四%といま申し上げた伸びがいいかどうかということだと思いますが、これは今後七カ年計画で想定しておられますGNPの伸びを五十六年度を初項にして等比に直しますと一一・七ということになります。一一・七%経済が伸びるときに通常どのくらい、三十二兆三千億という現在の税制で税収の伸びが期待できるかと申しますと、答えからしますと私はやはり一四%が限度だろうと思います。と申しますのは、過去十年間の弾性値は一・二で、高いときは確かに一・九ということもございましたし、一・五というのは最近の数字でございますが、最近の一・五の中には預金の金利が毎年、前年に比べて四割も伸びるというような事態が入っておりますから、恒常的に続くとはとうてい思えません。そうなりますと大体一・二ということをとりますと一一・七掛ける一・二で一四%、これが中期的に見た税収の伸びる力でもございましょうし、先ほど私が五十四年に一四・四伸びたのが極度であると申し上げたのも、それのテストという意味を持っているのだと思います。そういうことで、今後税収が一四%ずつ伸びていくという計算を仮にいたしてみますと、新経済社会七カ年計画の六十年の国民所得というのが与えられておりますので五十九年に戻して計算をいたしますと、大体国税、地方税合わせた税負担で二五%くらいだろうと思います。当時の国民所得は、これもやはり等率で結びますと三百二兆、国税、地方税の合計が七十五兆三千、こういうような計算になってまいりますから、税負担率は約二五%ということになります。このほかに〇・三、四ぐらい税外の負担があるとしても全体としての税負担率と国民経済計算でいう租税負担率というのは二五・三、四というような感じではなかろうか。二六カ二分の一というところにはとても行き得ないというふうに私どもは思っておるわけでございます。
#146
○塚田委員 これは数字のとりようで、たとえば弾性値などというのはとりようによってはいろいろ違うのです。しかしこういうことは言えると思うのです。たとえば財政の中期計画などはその重立った指標は全部フォローアップしたこれにのっとっております。都合のいいところは七カ年計画に準拠する、都合の悪いところは七カ年計画は間違いである、これでは話にならぬじゃないか、このように私は思うのです。都合の悪いところをもう一遍出してみますか。たとえばフォローアップですね。これでは増税の増の字も書いてないのですよ。いいですか。「経済の適正成長に伴う税の自然増収に期待する」そして租税特別措置とか税外収入、こういう面で徹底的な見直しをやる。租税特別措置の見直しというのは減収要素ですから、これで増税を図れということは租税特別措置を整理しなさいということなんですよ。フォローアップではそういうことを言っているのです。そのあとを読みますか。この「計画で想定した程度の率まで」、つまり二六カ二分の一の税負担を「高めていくことはやむを得ない」こう言っているのです。つまりこれが、ここまではしたくないのだけれども、国民よここまではがまんしてくれと。その証拠に、「その場合、この点について、国民の理解と協力を得つつ、政府において十分検討を行う必要がある。」私は、いまの経済運営の一番大きな指標であるこの七カ年計画はこういうことをうたっておると思う。増税の増の字も出てないのですよ。むしろ自然増収が出ているのです。むしろ租税特別措置の見直しが出ているのです。どう思いますか。
#147
○高橋(元)政府委員 私、先ほどもいろいろ数字を申し上げましたが、あれは七カ年計画のフォローアップのフレームを使っての数値を申し上げたわけでございます。
 それからただいまお示しの七カ年計画の数字そのものは自然増収に期待するとともに、租税特別措置、税外収入、受益者負担または原因者負担など収入面での徹底した見直し、つまりそういったものによる増収措置を図る。しかし、各種の構造的な歳出増加要因もあるし、国民生活の安定と充実のために真に必要な行政需要もあるので、これに対応して、しかも計画期間内にできるだけ早く特例公債依存から脱却を図るためには二六・五%程度まで国民の税負担を高めていく。つまり、自然増収だけであるいはできないかもしれないから、その場合には……(塚田委員「高めていくことはやむを得ない」と呼ぶ)もちろん私どももやむを得ないと考えておりますから、喜んで負担を高めたいなどと一つも申し上げているつもりはないのですが、やむを得ない限度が、やはり自然増収だけでは追いつかないので、税負担を高めていただく措置をお願いすることはやむを得なかろうということで、大臣もお答えしておりましたように国民の理解と御協力を今後十分得ていく必要があるだろうし、歳出についても徹底した見直しをしなければならないということを私どもは常々申し上げておりますし、ただいまもそういうことでお答えをさせていただきたいと思います。
#148
○塚田委員 やっていたら時間がなくなってしまいますので、そういうことでやはり私どもは、経済の運営をうまくやっていくという、そういった諸要件を整えながら、ひとつ自然増収でまず財政再建を図る。財政再建については徹底的にやらなければならぬと思います。歳出の削減もあわせてやるということで、ひとつ御努力を願いたいと思います。
    〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕
 では、物品税の方に移りたいと思います。
 物品税の創設ですね。大体物品税というのは、当初は奢侈品だとか、便益品、あるいは娯楽品、それを購入する場合の担税力といいますか、こういうことに着目してかけた税金から始まっておる、こう考えておりますが、最近はもう物品税の種類はずいぶん多くなってきて、これはもう物品税だけの別表を見てもちょっと見切れないほどの数になっております。恐らく大蔵大臣はだから一般消費税でそれは整理した方がいいのではないか、こう言いたいところだろうけれども、しかしこういう情勢の中でさらにまた課税品目がふえる。そして当初の物品税設定の課税対象という限定された意味がだんだんと失われてきておる。つまり日用品に対しても、あるいは製造物品というか資本財というか、それでもって仕事をやる、あるいは商売をやる、あるいは経済行為をやる、そういったものにもどんどんと税金をかけるということになってきておりますが、これは逆行だと思うのてす。たしかその点については五十一年十二月の税制調査会でも、果たしてこういう状況でいいのかという疑問を投げかけて議論したはずなんです。したがって、いま出ておるこのやり方はとにかく何でも取れるところから取っちゃえという精神がもう見え見えだというふうに私どもは思うのです。典型的なものですよ。どう思いますか。
#149
○高橋(元)政府委員 昭和十二年に支那事変特別税法で物品税が当時十品目を選んで創設されたわけでございます。その当時には、戦時経済でございますから、確かに奢侈抑制、消費抑制、そういう政策目的があったかと思うわけでございます。その後何回か変遷を経まして昭和十九年、戦時中の末期には百四という品目を対象にして物品税が課せられておった時代もございます。戦後の混乱期から後、戦時色を払拭するということ、また高度成長、岩戸景気とか神武景気とかそういう時代を迎えまして非常に消費が伸びてまいりまして、一方で所得も伸びてまいりまして、その反面で所得税なりほかの税収の伸びも大きかったものでございますから、消費税につきましては課税範囲の縮小とか免税点の引き下げとか税率の引き下げが行われてきたことは事実でございます。しかし、四十年になって、四十三年の税制調査会で長期答申というのがございますけれども、その中ではっきり言われておりますように、非常に消費水準が上がってまいりました。消費財やサービスの供給も潤沢になりました。消費が高度化、大量化、平準化いたしました。そういう傾向を踏まえまして、それから後は奢侈品、娯楽用品、便益品、こういった消費に示される担税力の照応関係を反映すべき個別物品、サービス課税としてやはり重視していくべきものであり、たとえばいまお話もございましたけれども、特定の物品の消費が一般化したというだけの事実から物品税率を引き下げたり免税点を引き下げたり課税を廃止することは適当ではないだろう。むしろ個別消費税ではございますけれども、従価、また担税力照応という性質を持っておりますこういう物品税を大事にしていって、課税物品のバランスを考えながら競合商品なり類似商品を随時課税の中に取り込んでいくことが必要ではないかという考え方になりまして、その後たびたびの改正を繰り返して、今回その考え方のもとに御審議をお願いしておるわけでございます。
#150
○塚田委員 これは毎回物品税のときに出る議論なんですが、だんだんと広まっていった。当初、奢侈品あるいは高級品というものに限定していたけれども、だんだんと広まった。そのときにたとえば外したものがあるのです。書画骨とうあるいはキリだんす、これはしょっちゅう言われることです。あるいはまた金ですね。これは大蔵大臣、後でひとつ金とは何かも含めて答弁してくださいよ。こういったものは全部外れております。このキリだんすとか高級織物、書画骨とう、これは一体どうするのですか。このまま課税しないで、これこそ高級なものなんです。書画骨とうなんというのはいわば趣味の品物なんです。当然かけていいと思うのですが、この点はどうですか。
#151
○高橋(元)政府委員 書画骨とうのことからまず申し上げたいと思います。
 確かに昭和十九年に百四品目になったと先ほどお答えを申し上げたわけでありますが、この時代には書画骨とうについて物品税の課税が行われておったわけでございます。しかし、書画骨とうにつきましてはいろいろ実際上の問題があります。一つは、創作品と申しますか芸術品と申しますか、美術品に対して課税することがいいかどうかという一般の感触の問題、第二に個人間の相対で売られるものが多いものでございますから、物品税をかけると申しましてもなかなか執行上むずかしい、製造されてくるというよりもむしろその後転々流通をしておるわけでございますから、そういうものについて物品税をかけることがうまくいくかどうか、うまくいかないとすればバランスを失するのではないかというような問題がございまして、書画骨とうにつきましては三十七年に課税を廃止したわけでございます。
 それから高級織物でございますけれども、これも昭和二十四年までは織物消費税をかけておりました。二十四年に織物消費税を廃止をいたしました後、二十九年と三十四年に課税の案を御提案をしたわけでございますが、零細製造者が製造されるということ、伝統的な、たとえば西陣のような製作技術を保存する必要があるという理由から、これはついに実現を見なかったわけでございます。
 いま仰せがありましたキリだんすにつきましては、四十一年に課税廃止になっておりますが、これは手工業製品できわめて零細な業者の一品一作品的な工作方法でつくられるということでございます。したがって、伝統的な製作技術を保存する必要があるというような理由から四十一年に課税を廃止したわけでございます。
 四十三年の長期答申におきましても、「一部の高級消費財が課税されていないことについて物品間の負担の不均衡ないしは不公平感があることにも配意しつつ、かつて課税が廃止された物品及び新規の物品をあわせて、これを課税対象にとり入れることの適否について改めて検討を加える必要があろう。」という御指摘がありまして、その後私どもも常に検討を重ねておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、書画骨とうのように消滅せずにたびたび売り買いされるもの、こういうものについての物品税の課税、それから織物についてもキリだんすについても同様でございますが、零細な業者が手づくりでつくられる、それに対して物品税を課税するということは執行上非常に問題がございまして、それでは小売課税の方がいいのではないかという議論を一時したこともございます。なかなかむずかしい問題でございますけれども、常にこういう点につきまして課税のバランス、課税物品相互間のバランスという観点から今後とも検討を進めてまいりたいというふうに存じます。
#152
○塚田委員 今後とも検討ということでございますが、書画骨とうなどは、これは芸術品に課税するのはどうかというような御答弁もございましたけれども、この売買はいわば投機的なといいますか、とにかくあの絵を買っておけばいずれ値が上がるんだということで、特に画廊を通じて売られてくる、相対の売買はなかなかつかめないのですが、画廊等を通じてやるという場合には、これは当然課税の対象にすべきではないか、こう思います。
 それから高級織物、たとえばつむぎなんかそうなんですね。ところがつむぎというのは、皆さんいま大島紬を本物だと思ったら間違いですよ。韓国へ行って韓国からこっちへ逆輸入されて、そうして大島紬になって売られているのです。それは見る人が見れば本物かどうかは区別すべきだと言うのですが、糸で向こうへ行ってそしてまた大島に帰ってきて大島紬として売られる。日本では課税されません。高級なものですから物品税はかからないのですよ、黄八丈とかああいうものは。こういうのは一体どうするのですか。こういう国際的な分業が盛んになってきて、いや芸術品だ、いや伝統的なあれだ、こう言っていられない、そういう品物になってきているのじゃないか、こう思うのですが、これがまず一点。
 時間がありませんから第二点。今度の物品税で自動車の問題、特に俗に言うライトバンですね。一体なぜこれに課税したんだろうか。ライトバンは確かに乗用兼用といいますか若干乗用の場所がある。そういうものにかけたのですね。しかし、ライトバンはいま中小企業の重要な資本財です。いまスーパーがどんどんできる。中小企業は結局玄関口まで物を運んで品物を届ける。これがみそなんです。スーパーは出かけていかなければ買えない。だから、中小企業は運んでくれるからいいんだ。その唯一の運搬物に税金をかけていくということは中小企業の対策からいっても大変過酷な税金ではないか。いまわざわざこれを起こしてかけるということはないのじゃないか。いや若干人が乗れると言いますけれども、物を運ぶのですから店員も乗るでしょう。あるいは一人が二人になる場合もある。そういうことで課税するということは絶対に許されない、こう思うのです。どうでしょうか。
#153
○高橋(元)政府委員 織物でございますが、織物につきまして、いま仰せのように非常に高い付加価値を持っておりますし、また国内でその需要も非常に盛んであるということは事実だと思います。
 そこで、先ほども申し上げましたことですが、それの製作過程でうまく課税する方法がありますれば、それは一つのあれでございますけれども、三十三年に臨時税制委員懇談会、いまの税制調査会の前身でございますが、そこでもこの問題を取り上げていろいろ議論をしておったわけでございますけれども、やはり小売課税だろう、それから必要最小限度の範囲のものに限定して、当時の金で一反二万円くらいのものに限定をしてかけるというふうな工夫はどうであろうかというようなことの検討も行われたわけでございますが、中小企業とか伝統技術の保存というようなことで日の目を見なかったわけでございます。
 骨とう品につきましても、相対で売られますものについては把握が非常にむずかしいわけでございますが、いま塚田委員からお示しのありましたようなことについてさらに執行の適正を期するようなうまい方法があるかどうか、これは引き続き私どももぜひ検討してみたいと思います。
 それからライトバンでございますけれども、ライトバンが提供いたします便益につきまして、仰せのように物を積んで営業用に使うということがあるのも確かでございますが、運転者席の後部に乗用装置を有しているもの、そういう法律の表現になっておりますが、これは課税物品である乗用車と同じような便益を提供しているというふうに考えていいのではないか。
 そこで、確かに中小企業がかなりの割合を占めておられるとは思いますけれども、中小企業が乗用車を買われました場合にはその乗用車としての課税を受けられるわけでございます、便益部分につきまして。したがって、荷物の積載部分があるということを考えて、普通車でございますと二二・五%、小型車でございますと一七・五%の税率に対して一〇%というふうにライトバンは軽減をし、軽自動車については一五%という乗用車税率に対してライトバンは五%という税率を決めるという形で荷物積載部分があるという点についての配慮を行って御提案をいたしております。
#154
○塚田委員 特にライトバンについては、これは資本財でございますので、商売の道具なんです。そういう面で合理的に中小企業の人たちに負担のかからないような方法を別途考慮することはできないものかどうか、たった一点。
#155
○高橋(元)政府委員 たとえば会社が使っております乗用車というものも、ある意味で言えば、塚田委員仰せのような意味で言えば資本財という、会社の事業の用に供されるという意味ではそういう意味合いを持っていないということは言い切れないと思いますけれども、それが提供いたします乗用車としての便益という点では個人の自家用車であれタクシーであれ会社の業務用車であれ、そこは甲乙がないという形で課税をお願いいたしておるわけでございます。貨客混用であるという趣旨から税率について一〇%または五%というふうに軽減することによって乗用部分についての乗用車としての便益というものに課税をすることは、むしろ物品税の税体系全体またその課税物品の選定の方法からしてむしろ当を得たものであるというふうに私どもは考えておるわけでございますが、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#156
○塚田委員 私は逆に理解してもらいたいのは、確かに乗用部分がありますけれども、いまの交通事情等を勘案するときに、運転はやる、物はうちまで運ぶ、また車に乗って運転していく、これはもう大変な疲れなんです。事故のもとなんですよ。だから、それが一人や二人乗るというようなことは当然だと考えなければならぬと思うのですよ。運転する者は運転をやる、物の運び屋はやらない、そしてAのうちの前へ着いたら直ちに乗っている人が物を運んでいく、こういう形態なんですよ。だから、その形態をよく見てとってもらってライトバンについて、特に営業用のライトバンについては考えてもらいたい、こう思います。
 さて、大蔵大臣、金とは何でしょうか。金とは金だと言えばそれまでですけれども、ゴールドですね、物品かあるいは通貨か。
#157
○渡辺国務大臣 金とは、通貨になっていない金はやはり金でしょうね。物品でしょうか。
#158
○塚田委員 聞いてるのはこっちですよ。何なんですかと聞いているのです。
#159
○渡辺国務大臣 だから物品だと思います。
#160
○高橋(元)政府委員 補足して申し上げますと、物品税法の別表の一に掲げます貴金属または貴金属の加工品ということで、物品でございます。
#161
○塚田委員 それでは延べ金に――これは物品なんですからね。これに税金をかけないのはどういう理由ですか。
#162
○高橋(元)政府委員 金地金でございますが、指輪などの貴金属製品の加工用素材でございます。それで、それにかけますと、たとえば歯医者さんの使います金、それから工業用の、万年筆のペン先になります金、こういうものにも課税が及んでしまうということでございますから、それは申し上げましたように、貴金属または貴金属の加工品という形になった段階で課税をするという扱いにしておるわけでございます。
#163
○塚田委員 ところが局長、この金の延べ金、まあ地金といいますか、これが投機の対象なんですね。御存じのとおり、金の値上がり、値下がりというのはもう激しいものです。去年恐らくグラム七千円だった、ことしはその半値だ。その値動きというのは、もうほかの物品とはちょっと違うのですね。つまりこれは投機の対象としてやられておる。特に最近はクルーガーランド金貨というのが、これは南アフリカ共和国でつくっておるのですけれども、出回っております。きょうの日経を見ますと、また日本にゴールドラッシュが来たということなんです。これは完全な商品ですね。しかし、これは一オンス、二分の一オンス、四分の一オンス、十分の一オンスですか、いろいろ種類があって、十分の一オンスには税金がかからないことになっております。つまり、二万五千円以下の免税範囲なんですね。しかし、これを十個買えば、これは一オンスなんですね。しかし、十個買っても税金はかからぬのですよ、一個が免税範囲ですから。百個買っても千個買ってもそうなんですね。先ほど言った金そのもの、これは何か、物品だと言いました。そうであるならば、金の地金についてもある程度税金をかけていくといいますか、課税対象にすべきではないか。ことに、いわゆるかばん屋というのがおりまして、かばんにそれを詰めてあちこち売って歩くあれがあるのですよ。これも後でいろいろ市場の問題で聞きたいと思うのですけれども、そんなことで非常に投機に使われておる。クルーガーなんというのは公に売られておる。しかも、これは免税点があるということで、八百人も並んだそうですよ、大臣、四、五日前、銀座のあるこれを売っているところにOLが買うために。そして順番に札を渡して売ったそうですよ。最近の金の輸入のグラフを見てください、ずっと上がってきていますから。
 いま言った免税点の問題と、金そのものについて一体税金との関係でどう考えるか、ひとつ大臣よろしく答弁してください。
#164
○高橋(元)政府委員 物品税でございますから、「別表に掲げる物品には、」「物品税を課する。」と書いてございまして、物品ということが課税の単位になるわけでございます。
 したがいまして、免税点二万五千円ということでございますと、いまお示しのクルーガーランド金貨と申しますのは、「メダルその他これに類する収集品」という物品なんでございます。
 物品の個数をどう勘定するかといいますと、一個というのは、たとえば十分の一オンスの金貨一個であればやはり一個なんでございます。それから一オンスの金貨一つであればやはり一個でございまして、これは特定の物品を課税対象にする個別消費税である物品税としてはもう課税上どうにもならない問題でございます。
 いま御質問があるというので急遽調べてみますと、二月二十六日現在でクルーガーランド金貨の一オンスは十三万二千六十三円で売っておるようでございます。これには物品税をかけております。これは小売でございますから一五%。十分の一オンスのものは非課税でございまして、一万二千三百三十七円で売られておるようでございます。これは事の起こりは、香港の金市場の売買値に手数料を加え、金地金のグラム当たりの小売価格を出して、あとこれに重量を掛けまして、製造経費と通関手数料、小売マージン、物品税額を加算して、いま申し上げたような金目が決まっておるわけでございます。
 こういうふうなめんどうなことをせずに、延べ金の段階で課税ができないかというお話でございます。確かに非常に示唆に富んだお話でございますけれども、延べ金の段階でかけますと、製品になる前の段階でございますとこれはもう物品ということになるのか、さらに製造を経まして他の貴金属製品になった段階で課税すべきもので、工業用なり医療用なりのものまでかけていくというような弊害がございますのでめんどうな、原料用の免税でございますので非常にめんどうな手続にもなりますから、これは金は決して滅失するものじゃございませんので、したがいまして製品の段階で課税をするというたてまえをとっておるわけでございます。
#165
○塚田委員 通産省来ておりますか。それで、いま答弁があったとおり、ゴールドラッシュといいますかいろいろな――金は物品であることは間違いないのですけれども、値幅が非常に広いということで投機の材料として使われる。延べ金のことを言いましたけれども、金に刻印を押しておるのですよ。たとえばAという店の刻印を押して、この刻印を押したものを私どものところへ持ってくると調べないで時価で買います、こういうことをやっているのですよ。だから完全な商品なんですね。こういうものについて捕捉できないと言いましたけれども、ひとついま言った課税の方法をどうするかということを考えていただきたいと思うのです。
 そこで、金取引ですけれども、そういう一応投機品、あるいは場合によっては先物取引を行うということ等も出て、先ほど言いましたとおりかばん屋というのがいまして、これがやみからやみ、やみで殺して、何かテレビの文句のようなあれですけれども、うごめいて歩いている。こういった取引をもっと表に出して明朗にやることが一般の大衆に対して、仮に投機としても損害を与えないあるいは間違いを起こさせない、あるいは公正な取引を確保する道だと思うのですよ。
 それで、この金市場の問題について通産省は一体どう考えておるのか、この際、経過を含めてひとつまとめて答弁願いたいと思う。
#166
○江崎説明員 金市場の問題でございますが、昨年の国会で商品取引所法の第八条の解釈というのが、いま御指摘の金の悪質取引ということに関連して問題になりまして、その解釈が、従来、上場しておる商品はもちろん類似施設をつくるのは禁止しているということだったのですが、上場してない商品についてはどうかということが問題になりまして、従来のように非上場商品についてまで私設市場をつくるのを禁止しているというふうに解釈するのは無理だということになりまして、現在のところでは、上場してない商品についてはだれでも市場ができるということになっているわけでございますが、こういうことでは非常に問題があるのではないかということになりまして、現在通産省では検討しております。
 それから、いま御指摘の金市場の問題でございますが、これらにつきましてもやはり通産省の資源エネルギー庁を中心にいたしまして、金市場というものが必要かどうかという問題につきまして、特に金の流通の実態面に照らしまして必要かどうかということを検討しておるわけですが、特に金の先物市場につきましては、現在の商品取引所法によりますと、公正な先行価格指標がつくられる場合ですとか、あるいは金の生産とか流通に携わる当業者、そういった方々がリスクヘッジの場として金の先物市場を使うかどうかということが問題になるわけでございますが、そういった流通面の実態に照らして先物市場が必要かどうかという点を現在検討しております。
#167
○塚田委員 検討しておるということは、その結論はいつごろ出ますか。
#168
○山梨説明員 ただいま江崎室長の方からお答えしましたが、金市場の問題につきましては、私ども資源エネルギー庁の方から、現物の流通面というところで担当しておりますので、市場問題についていま検討会をつくりまして、検討してもらっているわけでございます。この問題につきましてはいろいろな立場の方、いろいろな意見の方がございますので、こういう意見を広く聞くようにしたいと考えておるわけでございます。そのほかにも、海外の事情等も考慮しなければならないということで、若干時間を必要とするのではないかと考えているわけでございますけれども、問題の重要性にかんがみまして、できるだけ早く結論を出していきたいといま考えている次第でございます。
#169
○塚田委員 わかりました。できるだけ早く結論を出さないと、この問題、ますますいろいろな被害が出てきますから、ひとつ早急に出していただいて、業界をまとめるようにしていただきたいと思います。
 さて、時間もありませんので、印紙税を質問したいのですけれども後にしまして、有価証券の方に入りたいと思いますが、ずばり大臣、近ごろの新聞やあるいは雑誌等をにぎわしておるいわゆる誠備グループの問題を一体どう考えますか。仕手戦の問題です。
#170
○吉本(宏)政府委員 誠備グループの問題でございますが、昨年の五月ごろから株式市場におきましてかなり投機的な現象が強くなってまいりました。いわゆる小型株に対して集中的な買いを入れて価格を上げていくという動きが強くなったわけであります。
 それに対しまして、東京証券取引所を中心にいたしまして委託保証金率の引き上げとかあるいは信用の規制、値幅制限、こういうようなことで規制をやってまいりました。さらに過小資本の株式に対してこれを貸借銘柄から外す、特に三十億円未満の株式については信用取引の対象として外す、こういうようなかなり思い切った措置もとってきたわけであります。
 そういうことでいろいろ措置をとっておるわけでありますが、最近脱税事件というような問題が非常に表面化してまいりまして、私どもとしては、株式市場の投機化という問題に対しましては非常に懸念をしておるということでございます。
#171
○塚田委員 アメリカは最近個人株主といいますか、これがどんどんふえておるそうです。しかし日本の個人株主というのは逐年減少いたしております。恐らく五十五年度、まあ本年度、来年度になりますと三〇%を割ってしまうのではないかと私どもは考えております。これは一体健全な株式のあり方かどうか。なぜ一体個人が株から離れるのか。かつては「株式よこんにちは」と言ったのですよ。いまは「株式よさようなら」という時代になってきました。これは法人が持ち合うというような問題等も出てまいりましたし、新聞等では高島屋とダイエーがどうだこうだと持ち合いを公然と相談し合って、銀行が中に入って仲介をするというようなこと等も行われております。
 こういったことを、一体証券局としては黙って腕を組んで見ておるのか。誠備グループの事件というのは、後でいろいろ質問しますが、そういった個人離れの裏側がここに露呈したというふうにわれわれは考えておるのですが、意見を聞きたいと思うのです。大臣、どうですか、総体的に大臣の意見を……。
#172
○渡辺国務大臣 個人株主が何で離れるか、これは魅力がないからでしょうね。
 私は、たとえば増資なんかの場合も、日本の取締役会の権限が強いのはいいのだけれども、要するに時価発行を増資して、こういうような場合、個人株主にまず全部やるというならいいけれども、そうでない親引けとかいろいろなことをやる、そういうようなこともやはり株を持っていても妙味がない。したがって私は、時価発行とかそういう増資をする場合とかは、もっと個人株主を優遇することを考えて、個人株主本位にやったらいいじゃないか、そういうことをひとつ、商法改正等もあるときでもあるから、検討してみたらどうかということは言っておるのです。
 それから税制なんかの面においても、要するに課税の公平ということで総合課税とかあるいはもう一つは株主控除ですね、配当控除が二五%ぐらいからいまは一〇%とか五%とかいうふうに非常に低くなっちゃった。そこへ持ってきて、総合課税というようなことになると、ますます個人株主離れということになるんじゃないか。ですから、将来の総合課税のときにはどういうふうにするか、私は法人だけで法人の株を持つということよりも、やはり法人は個人株主が、健全な株主が資産として持つということの方がいいんじゃないかと思って、今後の長期の検討課題、中長期かな、そう余り長い先じゃなくて、それは御意見があれば皆さんの御意見も率直に聞いて、検討はしていきたいと私は思っております。
#173
○吉本(宏)政府委員 ただいま大臣のお答えしたとおりでございますが、若干補足いたしますと、個人持ち株比率でございますが、昭和二十五年、ちょうどそのころは財閥解体が行われまして、その当時個人の持ち株比率は六一%ということで非常に高かったわけであります。それが最近の数字によりますと三〇・四%とまさに三割を割る状態になっております。
 これは何でこうなったのかということでございますが、一言にして言えば、大臣が申し上げましたとおり株式の魅力がないということかと思います。現在配当の利回りが一・五%ということでございまして、この程度の利回りでございますと利回りを目的にして買うということがほとんどなくなってしまう。大体キャピタルゲインねらいの投機的な動きというものが多くなるということでございます。
 そこでどうしたらいいのかということでございますが、これはいわゆる特効薬というものがございません。いろいろな対策を組み合わせながら何とか個人の持ち株というものをふやしていかなければいかぬのじゃないか、こう考えているわけでございます。現在私どもがいろいろ関係方面にお願いしておりますのは、一つは発行会社に対しまして今後できるだけ株主を優遇していただきたい、時価発行でプレミアムがかなり入るわけでありますからこれをできるだけ株主に還元してほしい。いわゆるプレミアムの還元ルールというようなことを申しておりますが。それと配当につきましても単に額面を基準として、一割配当とかなんとか言っておりますけれども、五十円の額面を基準にするのではなくて、配当性向主義と申しますか、そういったことでできるだけ配当をしていただきたいということを申しております。
 それから証券会社に対しましては、やはり何と申しましても個人株主に対してもっとサービスをよくしろ、大口の取引とか法人の取引あたりを中心に営業をするのではなくて、やはり基本は個人の株主であるから、個人の株主に対するサービスをよくしてほしいということを言っております。
 それからさらに法制面の問題でございますが、現在商法の改正につきましては法務省で御審議いただいているわけでありますけれども、その中で資本準備金の、資本組み入れ率を高めるとか、あるいは法人の相互保有規制、二五%以上株を持たれた場合には議決権が行使できないというような規定、そういったいろいろなことを組み合わせまして、何とか個人に対する株の魅力というものを高めていきたい、こう思っているわけでありますが、そういう現状についてひとつ御理解をいただきたい、このように思います。
#174
○塚田委員 最近株式市場についての世間の風当たりというのは非常に強くなってきております。ひどい言葉を使えば、もう株式市場なんというのは鉄火場だ、あるいはマネーゲームの場所だ、個人なんかが入り込むようなところではないのだから手を引けという気分がずっと濃厚になってきております。こういう気分がびまんしてくると、それは株式市場としては重大な局面になるのではないか、私はこう考えております。そこで時間があればまた後で聞きたいと思いますが、きょうほかの方を呼んでおりますから。
 法務省来ておりますか。――いわゆる誠備グループの問題で、これは誠備グループの問題と言っていいのか、脱税問題で告発があって、間違いがなければ吉永某ですか、というのが逮捕され、そしてそれの共犯容疑で加藤何がし、その加藤何がしというのは、いま世間を騒がしておる誠備グループのトップとしていわば采配を振るっていたということが新聞に出たりあるいは雑誌に出たりしております。
 そこで吉永あるいは加藤について、取り調べ中の問題ですが、これだけの容疑でやっておるのかあるいはまたそのほか別件等も浮かび上がってきておるのかも含めまして、答えづらいだろうがひとつお答え願いたいと思います。
#175
○飛田説明員 ただいまお尋ねの、通称吉永と言っているのですが、本名が金丞泰という方でございますが、この人が昭和五十三年及び五十四年分の所得につきまして多額の所得税を脱税しているということで国税当局から告発を受けましたので、東京地検におきましては現在この金という人の所得税法違反事件について鋭意捜査をしているところでございます。その過程でお尋ねのように、本年の二月十六日に加藤ロという人を逮捕して取り調べを行っているところでありまして、当面の捜査はこの容疑事実の、金という人の所得税法違反について捜査をしているということでございます。
#176
○塚田委員 国税庁来ておりますか。――これは国税庁からの告発によるのですけれども、これはあくまでも新聞その他の情報です。このグループというのは四千人あるいは五千人とも言われるぐらい膨大な人たちで、大なり小なりその吉永に類似した行為をやっておるのではないかということが具体的に政治家の名前まで挙げて、あるいは芸能界の人の名前も挙げて、あるいは元プロ野球のだれだれというのも挙げて最近華やかに報道されております。私はその真偽のほどは別にいたしまして、この根は非常に深いと思います。だから一個人の脱税ということだけではなくて、査察という警察行為は別にしましても、税務署としての捜査の範囲というものをぐっと広めていかなければならぬ大きな事件だと思うのですけれども、その点についての心構えというかあるいは対処する態度をひとつ表明してもらいたいと思います。
#177
○小幡政府委員 ただいまの件でございますが、私ども国税当局といたしましては、適正公平な課税の実現というためにあらゆる情報の収集活用を図るということによりまして適切な課税処理ということを常に心がけておるわけでございます。
 ただいま問題になっております誠備グループでございますが、株式市場におきまして多額の資金を動かして株式の買い集めを行っているという情報も得ておるわけでございます。その結果といたしまして、これが課税に結びつく所得があるのかどうかということにつきましては、国税当局として関心を持って見守っておる状況でございます。私どもといたしましては、これらの株式の買い集め等によりまして課税すべき所得があるという場合には、調査をいたしました上で厳正な課税処理を行ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#178
○塚田委員 まあそういう答弁しか恐らく出てこないたろうし――しかし、これからこの問題についても、いま厳正と、こう言いましたね。私は、根は深いと、こう言いました。したがって、いまちょうど確定申告の時期でございますから、皆さん方の気持ちもわからぬわけではありませんが、いずれは三月十六日が過ぎれば一定のあれが解けるのですから、ひとつ強力な、しかも決意を込めた体制でこの問題について対処してもらいたいというのが私の希望です。
 そこで、証券局でございますが、さっきいろいろと、これからの証券業界の姿勢を正すための方策を二、三言いました。今度のいわゆる誠備グループの事件、これはいま脱税で、そのうちの特定の人がやられております。やられてというのは大変失礼な話なんですが、しかし私は、証取法の百二十五条、つまり相場操縦の禁止規定ですね、これとの関係をやはり証券局としては注意しなければならぬと思う。のみ行為ではないと思いますけれども、少なくともこの相場操縦、いわゆる仕手戦というのは、相場を操縦するのですよ。もうあの事件は仕手戦ということに、世間的な常識になっておりますね。
 そして、この仕手戦から来るいろいろな事件というのは、過去にも例がありました。あるいは殖産住宅の問題、あるいはまた、先ほど申しました高島屋の問題、あるいはヂーゼル機器の問題、宮地鉄工の問題、十全会グループの問題、これはもう数え上げると切りがないのですよ。そういうことについて百二十五条違反として、あるいは違反に近いものとして、証券局はこれに対して適正な指導をしたか、あるいは取引所に対して一定の指示を与えたかということについて、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#179
○吉本(宏)政府委員 百二十五条の問題でございますが、これは御指摘のように、いわゆる仮装売買とかなれ合い売買、相場操縦、こういったものを禁止した規定であります。
 この百二十五条の違反と申しますのは、これは刑事罰が科せられておりまして、したがいまして、その犯意の立証がなかなか困難であるという点がございます。たとえば「他人に誤解を生ぜしめる目的」あるいは「売買取引を誘引する目的」とか、こういうようなことで、目的の立証がなかなかむずかしいという点がございます。
 そういうことで私どもとしては、たとえば昨年の十二月、東京証券金融の安喰というのが起訴をされておりますが、これはまさに百二十五条の違反ということで適用になっております。
 したがいまして、そういうケースはあるわけでございますけれども、一般的な買い占めあるいは買い集め、こういったものについてすべてこの百二十五条を適用するということはなかなか困難だ。私どもとしてはむしろ、そういった買い集めによって株価が乱高下して、一般投資家に不測の損害を生ぜしめるというようなことについて、特に信用の規制とかあるいは値幅制限、そういった規制を通じまして調節をしていきたい、このように考えておるわけであります。
#180
○塚田委員 乱高下と言いますけれども、たとえば今度の誠備グループの問題、これに関係した安藤建設あるいは石井鉄工あるいは丸善、全部毎日できずですよ、取引ができていないのですよ。そして取引があったとしても、不二家にしたって――これはもう名前を言うことは差し控えましょう。全部乱高下なんです。指導当局としては、当然そこに百二十五条の問題があると考えなければならぬでしょう。過去においてだって、朝日麦酒の問題あるいは高島屋の問題、片倉工業の問題、宮地鉄工の問題、何にもやられないじゃないですか。これは一体どうなんですか。
#181
○吉本(宏)政府委員 そのいわゆる株の買い集めとそれから仕手戦というものは、必ずしも同じではないわけであります。たとえば、十全会が朝日麦酒の株を大量に買い集めた、これは仕手戦とは若干違うのではないかと思っております。それから、御指摘の、誠備グループがいわゆる誠備銘柄と称します若干の銘柄をかなり大量に買い集めた、これは言うなれば仕手戦と私どもは認識しております。
 ただ、いま申し上げましたように、この目的と申しますか、相場操縦の意図が客観的に立証をされないとこの百二十五条は適用できない、こういう問題がございまして、御指摘の点はよくわかりますが、百二十五条の適用ということになりますと簡単にはいかない、こういうことであります。
#182
○塚田委員 仕手戦はどうだとか買い占めはどうだとかと言っておりますけれども、百二十五条というのは、相場操縦は禁止しているのですよ。仕手戦にしても買い占めにしても、相場の操縦であることには間違いないでしょう。だから、そういう観点から、調べるとか、あるいは警告を発するとか、あるいは取引所に指導をするとか、そういうことがあってしかるべきだと思うのですよ。
 いろいろと専門的な用語を使っておりますけれども、これは相場の操縦であることには間違いないのですよ。紛れもなく百二十五条違反なんです。あるいは違反の疑いなんですよ。だから、当然これは指導すべきなんですよ。そういう紋切り型の、あるいは形式張った答弁では、聞いている一般国民は、いやあ当局がそうなんだから、もう株なんかこわくてそばへ寄れない、こう思うのは無理もないと思うのですね。どうでしょうか。
#183
○吉本(宏)政府委員 株の買い集めによりまして株価を上げていくということは、いわゆる仕手戦と言われているわけでありますが、市場が、基本的には自由なる市場ということになっておりますので、これを、いわゆるその百二十五条の規定を適用して相場操縦ではないかということを判定する客観的な証拠と申しますか、これの認定が非常に困難だということでございます。
 ただ、私どもは、そういったいわゆる仕手戦というようなものを放置しておくということでは決してございませんで、その間に株価の異常な上昇があって、かつ一般の投資家に迷惑をかけるというようなことがあれば、これは取引所等を通じまして十分に規制をしてまいりたい、このように考えているわけであります。
#184
○塚田委員 もう時間がございません。
 俗に百二十五条は抜かずの刀と言われております。いや、そうじゃない、おれは去年の暮れに岡三証券の問題で抜きましたと言いますけれども、これも一体どういうふうに解決するのかさっぱりわからぬ。だから、百二十五条というのは、ぼくは証取の根幹だと思うのです。いわゆる大衆投資家の保護のためには、これは生かさなければならない。これをそう軽く扱われたのでは困ると思うのですよ。
 それからさらに、大臣、この問題には税金が絡んでいるのですね、脱税が。誠備グプープの問題、いま挙げられているのは脱税なんです。やれる余地が残されておるのは架空名義あるいは二十万株、五十回、この制限なんですよ。つまり、キャピタルゲインはそれ以内であればかからぬ。だから何とかしてそれ以内におさめよう、そのためには架空名義をたくさんつくる、みんな無税です。だから、キャピタルゲイン課税というものは、これを防止するためにもひとつ考えなければならぬ。
 もう一つは、受取配当の益金不算入の問題、これは結局個人株主が非常に少なくなって法人間の持ち合い、これが多くなっておる。しかも配当は益金不算入だ、こういう制度的なところに大きな問題があると思いますので、もう時間がありませんが、こういった問題について十分検討するという御答弁をいただければ……。
#185
○渡辺国務大臣 私は専門家じゃありませんからよくわかりませんが、それぞれの専門の部署でそれは公正に対処をしていっていただきます。十分検討します。
#186
○塚田委員 時間がありませんから終わります。
#187
○大原(一)委員長代理 柴田弘君。
#188
○柴田委員 物品税、有価証券取引税、印紙税等々についてお聞きをしていくわけでありますが、その前に私は、いま巷間話題になっておりますグリーンカードの見直し論について大臣初め当局の御所見をお伺いしておきたいと思います。
 新聞等見てまいりますと、このグリーンカードの見直しがいま言われております。御案内のように、このグリーンカード制は昭和五十九年一月から実施ということが決まっておりまして、昨年法律も成立いたしましたし、また政令も決まっておるわけであります。最近自民党の政調会長がこのグリーンカード制導入を見直す、こういうことで党内に懇話会を設けられた、この点についてとやかく申すわけではありませんが、大臣どうでしょうか。このグリーンカード制は見直されるかどうか。見直されるのか見直されないのかひとつはっきりと御答弁をお伺いしておきたいと思います。
#189
○渡辺国務大臣 党内にそういう話を私は聞いたことがありません。グリーンカードの採用は総合課税への移行ということで始まったわけでありますから、これを見直すということでなくて確実に実施をするということで進めておるわけであります。
#190
○柴田委員 それで、もし見直すということになればこれに不備があるということになるわけです。果たしてこのグリーンカード制の導入というものがわが国の経済にとってあるいは税制上どのような支障があるのか。やはりこの点が問題になってくるだろうと思います。
 一つは、金融資産が貴金属のように実物資産に換物する動きが出始めて、これがインフレを助長するのではないか。あるいはまた、二つ目には、海外への資金流出がふえるおそれがあるのではないか。三つ目は、結果として産業資金の供給に支障が出てくるのではないか、こういうふうに言われておるわけでございますが、果たしてこういったことがこのグリーンカード制導入によって起こり得るのかどうか、あるいはまた現実にもうすでにこういった動きがあるのかどうか、この辺は大臣でなくても結構でありますが、ひとつ当局側からしかと私は答弁を承りたいと思います。
#191
○高橋(元)政府委員 よく言われますのは土地、金それから海外ということだと思います。
 土地は登記簿を経ませんと売買ができませんので、登記簿上の異動があれば必ず国税当局で把握できるわけでございますし、しかも、いま土地に逃避した資金というのはいわゆる短期譲渡の高率課税の適用を受けるわけでございますから、そこは何と申しますか、仮に預金の元本がどうこうという問題で逃避が行われたとしても、それはやはり土地の譲渡所得として所得税で重い税金がかかるということになるわけだと思います。
 金でございますが、これはよく新聞や経済雑誌に金への投機が非常に盛んであるというようなことを書いておられまして、私どもも、いろいろな所管にわたっておりますので、詳細にいまどういうことであるか勉強中でございまして、いまそういう傾向があるのかないのか直ちにお答えできないのは大変申しわけないと思いますが、いずれにいたしましても、日本の場合、外国のような安定した金市場があるわけではございませんので、さざ波のような動きというものを別にいたしますと大きく金にシフトするということも考えがたいのではないかというふうに思っておる次第でございます。
 それから海外に逃避して外貨債券を買ってしまった場合、この場合には指をくわえたままになってしまうではないかという御指摘がございました。ただこれは、自由に外貨債券の取得なり外貨系預金というのはできるわけではございませんので、やはりそこで行われます取引に基づく記録に基づいて税務当局が権限に基づいて取引についてチェックをすることは可能であるということになっておりまして、海外に逃げてしまったから一切わからなくなるということではない、そういう体制は現在でもできておるわけでございます。
 いろいろいま御注意もございましたし、グリーンカード制度につきまして、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、税の公平の推進という観点から非常に重要なことでございますので、私どもとしても今後とも遺漏のないように細目について配慮を行ってまいりたいというふうに存ずるわけであります。
#192
○柴田委員 そうしますと、土地とか海外への資金流出というのは税務当局でチェックができる、また金についてもシフトは余り考えられない、こんなようなことです。そこで税務当局等でチェックできるのですが、やはりこういった問題がグリーンカード制の導入によって将来あるでしょうかね、私のお聞きしたいのはこの辺なんです。結果として、先ほど申しましたように企業への資金供給、産業資金への供給というものに障害が出てくるのではないか、こういう心配をしておるわけですが、その辺のところはどうでしょうか。
#193
○高橋(元)政府委員 ことしになりましてからそういうような報道が散見されることになってきたわけでございますけれども、具体的な動きにつきましては関係各方面と十分連携をとって、もしそういうことが指導上または行政上回避することができるものがあるならば、できるだけそういうことで配慮をしてまいりたいというふうに思います。仰せのようにこの制度がきっかけになって民間の資金がそういうふうに広範に流動性を隠してしまう、退蔵されてしまうということがありますと経済にとって非常に大きな問題であるということは御指摘のとおりであります。そういう点から私どもとしても大臣の御指揮によって十分かつ具体的に的確に手を打ってまいりたいというふうに存じております。
#194
○柴田委員 ひとつ的確な対応をお願いしていきたいと思います。
 大臣、くどいようでございますけれども、このグリーンカード制、マスコミ等がいろいろと書かれております。そういった支障がいまのところ余り考えられていないというようなことかもしれませんが、もし将来こういった見直し論が出てまいりまして、いま自民党さんの中にはそういう懇話会が設けられたということは関知しない、そういうものはないよというお話があったわけなんですが、そういったところ、あるいはまた関係各方面からその見直し論についての声が出た場合、要望があった場合においても、いまおっしゃったように確実にこれを五十九年度から実施していくというふうに私は理解をしておるわけでありますが、そういうようにとらえてよろしゅうございますか。
#195
○渡辺国務大臣 そのようにとらえて結構です。
#196
○柴田委員 それでは、次の問題に入らせていただきたいと思います。
 今回の税制改正、すなわち直接税以外の間接税、酒税、印紙税、物品税、有価証券取引税、大幅な引き上げが行われたわけでありますが、ある試算によれば、酒税、物品税、印紙税、今回の引き上げによりまして一世帯当たりの負担は二万六百円、物価調整減税見送りによる見えない実質減税は八千三百円で、三万円近い負担増になる、こういう一つの試算もあるわけでありますが、今回のこの間接税の引き上げ、果たして国民の生活、経済活動、消費動向等々にどのような影響を及ぼすのか、具体的にお示しをいただければ、このように思います。
#197
○高橋(元)政府委員 今回税負担の増加をお願いいたしておりますのは、全体で一兆三千九百六十億円でございますが、その約六割は物品税、酒税、印紙税及び有価証券取引税という消費税及び流通税の税目でお願いいたしておるわけでございます。これはいまお示しのとおりでございます。こういうことをやったら景気が冷え込まないかという問題でございますけれども、これは仮にこういう措置がなかりせば、それは特例公債がそれだけの金額残ってしまうということでございましょうし、それが産業の資金源を食い荒らすと申しますか、インフレーションの懸念を増幅すると申しますか、そういう弊害を伴ってくることであることは、たびたび大臣からもお話のあるとおりで、私どもはそういうことを避けるためのやむを得ざる税負担の増加であるという点に第一に思いをいたしておるわけでございます。
 第二に、それは裏返して申しますと、そういう増税によって国民から負担をお願いいたします資金というものは、歳出の財源として必要やむを得ざる最小限度の歳出を確保していくわけでございますから、入っただけのものがまた公共支出という形で民間に出ていくわけで、全体としての需要をそれだけ収縮するということではないのではないかというふうに思います。
 最近の経済が、経済企画庁がよく申し上げておりますように、消費者物価の安定傾向の定着によって消費マインドが好転してまいるとか設備投資の中期サイクル、上昇サイクルということに乗って中小企業も含めて企業の投資意欲が回復してくるということから、漸次経済の活況が増してくるというのが五十六年度についての見通しでございます。
 今回お願いいたしております増税の規模というものは決して小さいものではございませんけれども、二百六十五兆というわが国の経済活動の総量から見ますと、計算上〇・五%となって、民間需要にそれなりの影響があるとしても、それほど大きなダメージというふうなことにはならないのではないかというふうに考えておりまして、そういう点を総合的に勘案して今回の増収措置がとられておるわけでございますから、当面の経済の基調を乱すというようなことにはならないと考えておる次第であります。
#198
○柴田委員 当面の経済の基調を乱すことはない、こういう御見解であるわけでありますが、先ほどお話がありましたように、今回の増税は酒税で二千八百三十億円、物品税七百七十億、有価証券取引税五百九十億、印紙税三千六百九十億円合計八千億近く、五六・九%、六〇%近いわけであります。これは局長から御答弁があったのでありますが、こういう大増税をやれば当然価格に転嫁され、物価上昇をもたらす。それが消費マインドの萎縮、消費需要の停滞、そして企業活動の停滞、不況というコースをたどるのではないかと私は心配をしておるわけであります。
 それでたとえば昭和五十五年度の補正、減収額を見てまいりましても、物品税が五百億円減額になっておる。それから印紙収入も三百七十億減収になっておる。それでこの原因は自動車の売れ行きが悪かったとかあるいはこれは季節的な要因かもしれませんが、冷夏で電気製品の売れ行きが悪かった、こういういろいろな原因というものが考えられるわけでありますが、増税ということによって各家計に対する負担を考えていかなければならない。それが先ほど言っておりますように消費の減退ということになるわけであります。そして五十六年度翻って見てまいりますと、物品税の場合、一番税収の最たるものである小型乗用車、普通乗用車一〇%の税の増額、これは蔵出し価格で積算をされておるわけでありますが、小型乗用車は三千七百七十億円、これは現行税制でいった場合ですね。それから普通乗用車も現行税制でいって一〇%増の六百四十億円を見込まれているわけであります。ところが、果たして五十六年度の自動車業界はどうか、こういう観点に立って考えてまいりますときに、これは価格じゃありませんが、国内の総販売台数は、五十五年度が五百一万五千台に対して五十六年度は約二%弱の微増の五百十万台を見込んでおるわけでございます。これは価格と台数の違いがあって多少の積算は違ってくるかもしれませんが、とにかく一〇%ではなく二%弱、それから軽を除いた自動車も五十五年度が四百万台で約三%ぐらい増の四百十五万台と見込んでおる。しかも五十五年三月末でしたか、記憶が定かでありませんが、この乗用車の普及率も五七・二%でほぼ限界に達してきた。今後の経済情勢からいって販売、消費というものは決して予断を許さない状況である、こういうことが言われておるわけなんです。それから家電の消費、これも停滞の様相を濃くしておる。ビデオ、テープレコーダーは本格普及のテンポを速めてこれは調子がいいようでありますが、カラーテレビだとか冷蔵庫であるとか洗たく機、電子レンジはマイナス成長になるのではないか。こういう原因は、一つは買いかえによる買い増しの二次需要が一巡をしておる。それから二つ目は新製品効果の一巡ということで、要するに消費者の買い控えが最近より強まって五十六年度もこういう傾向ではないか。これが在庫増の一つの要因であるわけでありますが、とにかくメーカーの中にも一部減産、こういう状態であるようであります。
 そこで、いま局長は経企庁のお話を引いて景気が五十六年度はいいのだ、こういうことでありますが、通産省発表の五十五年度の鉱工業生産動向、これのまとめによりましても、輸出と設備投資は堅調であったが、個人消費など内需の伸びは鈍化し、冷夏の影響も加わって素材産業中心に在庫調整が長期化している、今後の動向といたしましては景気の浮揚力は弱い、鉱工業生産は動きの少ない局面が続く、こういうふうに予測をしておる。個人消費など内需の伸びも鈍化をするであろう、こういった予想であります。それから経企庁も、最近の消費動向調査、これは全国全世帯の平均消費支出、昨年の十月から十二月までの三カ月間の実績は前年同期比の四・三%増であります。同じく七月から九月、これは前年同期比が六・六%増でありましたが、これに比べまして増勢が鈍化をしておる。だから、こういった傾向は五十五年度はもちろん今後とも続くのではないか、五十六年度もこれの延長線上にあるのではないか、しかも増税ということになっていけばなおさらである、こういうふうに私は心配をして、一〇%増見込まれたこの積算もいろいろあるかと思いますが、心配をしているわけであります。
 いろいろと申しましたが、総論的に言えば、要するに今日までは物価の上昇というものが消費の不振の根本原因でありました。しかし五十六年度はそういった物価や所得以外の要因、つまり構造的な要因があるのではないかというふうに思います。一つは、所得税や社会保険料などの非消費支出の拡大による可処分所得の年収に占める割合の低下、二つ目には乗用車、テレビ等耐久消費財の買いかえ需要の一巡、三つ目には住宅産業の停滞に伴う家具類、インテリア等の派生需要の伸び悩み、四つ目には引き続きの物価の問題とかあるいは公共料金引き上げに伴う問題あるいは間接税の引き上げ、こういったことによりまして家計の節約志向の強まり、消費者心理の萎縮、こういうことによって家計需要が伸び悩んでくるのではないか、こういうふうに考えられているわけであります。こういった問題について私は心配をしているわけでありますが、御答弁をいただければ、こんなふうに思います。大臣、どうですか。
#199
○水野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま非常に広範な経済情勢のこれからの見通し、御心配いただきました。われわれとしましても、現在までのところ、先生おっしゃられました物価との関係での可処分所得の低下とかそれから耐久消費財の買いかえの問題、それから住宅がこのところ弱くなっている、こういった点を考えまして、こういったところも含みまして経済企画庁を中心にいろいろ議論いたしました結果、先日提出いたしました来年度の経済見通し、こういうものをつくったわけでございます。現在時点そのものでは、確かに物価の動向等を考えまして個人消費の伸びが低うございます。これもいまのところ物価が非常に高い水準に続いておりますけれども、これからこの物価の勢いというのが落ちついてまいりますと、また落ちついていく姿というのは間違いがないところでございましょうけれども、そこのところが落ちついてまいりまして、それから個人の消費支出、これは出ていくと確信しておりますし、その方向にいくのではないか。先ほど御指摘の、節約で構造的な問題としてこれから伸びていかないというところについてもいろいろ議論いたしました。昨年一年は水準が高うございましたが、本年五十六年度になりますと物価の水準は非常な事態がない限り相当落ちついたものになっていくであろうということでございますので、それにのっとった上での妥当な水準の消費、こういったものは出ていくであろう。一方従来から続いております設備投資、こういったものについては相変わらず構造的に強いものがございますので、こういったものを支えて全体の計数は当初見通し五・三というのを見通して出しておりますけれども、そういうところに持っていくであろうし、またそういうふうに持っていくような経済施策を進めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#200
○柴田委員 そうありたいと私も願っているわけでありますが、私のいま申しましたことがただ杞憂であったということであればよいわけでありますが、正直に申しまして、税収という面から今回の増税というものは、増税はしたもののまた過大見積もりでなかったか、見込み違いでなかったか、こういう点でいま一つの問題として質問をさせていただいた、こういうことであるわけであります。
 それで、消費は大丈夫だ、景気も大丈夫だ、こうおっしゃるわけでありますが、いま関連して私はお聞きをしてまいりますが、中小零細企業の実態であります。
 本年一月の倒産件数は千三百十三件、これは昭和五十二年度の千二百八十五件が最高だったわけでありますが、とにかく戦後最高をこの一月に記録をいたしました。住宅関連を中心にいたしまして非常に景気が悪い。その景気も、ただ住宅とか建築とかそういった産業だけでなくて繊維だとかパルプだとかそういったすそ野を広げていくというのがいまの状態でないかというふうに言われておるわけでありますが、こういった点を考えますと、昨年の九月に八項目でしたか総合景気対策として政府が行った対策というものが中小零細企業には私は反映をされていない。これは、今日の倒産の現状を見ましたときにはっきりと私は言えるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。いまもお話がありましたが、中小零細企業が最も使っているライトバンまでにも課税をする、こういうことであるわけでありますが、私は、非常にこの中小零細企業の今後の経営というものを心配をいたしておるわけでありますが、昨年九月の総合景気対策というものが十分に中小企業に及ばなかった点、いまどのような反省をなさっているのか、御答弁を賜りたいと思います。
#201
○水野政府委員 先生御指摘のとおり、昨年の九月五日でございましたか、総合経済対策を発表させていただいております。その効果の浸透等を見ながら公定歩合、金融措置を含めましてもろもろの措置をとってきたわけでありますが、一月の倒産は、御指摘のとおり千三百十三件ということで、これは一月の計数といたしましては最高ということでございます。中小企業の倒産の中身をいろいろ検討してみまして、件数としては多うございますけれども、過去の数字だの何か、金額の規模がこれから上がっていくというようなことを修正いたしますれば、倒産でございますのでわれわれとしても心を痛めておるわけでございますけれども、いわゆる千三百件が最高ということで、それだけで中小企業が非常に苦しくなっているというか、非常にまずくいっているということばかりではないんではなかろうか。もちろん十分中小企業については注意していかなければならぬと思います。この二月末から三月にかけましていろいろな計表、数字、そういったものが出てまいりますので、そういうものを見た上で、改めて何らかの措置をとる必要があるかどうかを含めまして御検討いただくというふうなことになっております。
#202
○柴田委員 確かに、あなたがおっしゃるように景気が悪いだけで中小企業が倒産云々、こういうことでない。それは中には放漫経営というものもあるかと思いますが、やはり景気にかげりの現象が出ているということは、これは事実であります。
    〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕
それが中小企業に波及をしている。しかも昨年の九月五日の景気対策が中小企業にも及ばなかったということも、これは事実です。これはどういうことかと言えば、やはり一つは金利水準という問題が挙げられる。まだ一・五%くらい高いのではないか、こういうふうに言われておりますし、公共事業の前倒しだといっても、この公共事業が即中小企業まで来ているという現実も少ない、こういうふうに私は理解をいたしておるわけであります。いま二月から三月の経済諸指標を見て対策を打ち立てられるというわけでありますが、私はこの点特にお願いをしたいのは、中小企業を配慮した対策というものを今回はより一歩前進をさせてその対策として打ち出していただくべきではないか、このように考えるわけでありますが、この点もし大蔵大臣、何か大臣の御意見があれば、いまの中小企業の現状、そして今後の対策ということについて弾力的な金融政策というものも含めて、この際御所見をお伺いをしておきたい。
#203
○渡辺国務大臣 中小企業の倒産件数の多いことは事実でございまして、私どもも心配はいたしております。ただ、毎月の件数のわりあいには金額的に見ると大型化という傾向でなくて小型化の傾向でございます。
 しかしながら、いずれにいたしましても、景気の維持、向上を図って倒産件数を少なくしていかなければならぬ、そのためにはいろいろなあの手この手、考えられるものについてはいろいろ配慮をして機動的に対処してまいる所存でございます。
#204
○柴田委員 それでこの際、公定歩合の引き下げについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思いますが、経企庁長官は引き下げるべきだ。大臣は、これが長期金利だとかそういった方向へ波及しないから、いまの時点では引き下げは反対だというふうに、私の勘違いかもしれませんが、そんなふうに言われておるわけでありますが、どうでしょうか、第三次の引き下げというものがもうやはりタイムリミットではないかというふうに思うわけですね。この辺どうでしょうか。
#205
○渡辺国務大臣 大蔵大臣は公定歩合の引き下げについて発言しないことになっております。
#206
○柴田委員 だけれども、きのうの予算委員会では何か発言されていたそうではないですか。
#207
○渡辺国務大臣 世間が言っていることを私は言っただけのことでございまして、それは私が言ったことじゃありませんよ。世間が言っているのに二つあります。一つは、世間様が言うのにはすぐ公定歩合を下げたらいいじゃないかという人がございます。別な人は、公定歩合を下げるといっても、それが貸出金利に連動しなければ意味がないんじゃないかという人もあります。貸出金利に連動をさせるためには預金金利も下げなければ連動はいたしません。いやしかし、預金金利を下げれば短期金利は連動するんじゃないか。しかし長期金利はなかなか国債が下がらなければ下がらないんではないか。いや、しかしながら、この長期金利は短期金利が下がればいずれそのうち下がるんではないかというようなことを言っている人がありますが、私は言及しませんということを申し上げたわけです。
#208
○柴田委員 次に、時間も迫ってまいりましたので、物品税の問題について数点お伺いをしてまいりたいと思いますが、この物品税の定義ですね。物品税とは何ぞや。私は先ほどの議論を聞いてまいりましても、もう明らかに大衆課税だとはっきり、いまの時点で言えますし、今回の課税対象の拡大あるいは税率の引き上げ等々は、もう大衆課税の強化である、こういうふうに言っても決して過言ではない、このように理解をいたしておりますが、いかがでしょうか。
#209
○高橋(元)政府委員 いま物品税は分類的に申しますと個別消費税ということになると思いますが、奢侈品、娯楽品、便益品等の消費に示される担税力というものに着目いたしまして、そういう中で法律で定められた物品について、その消費の背後にある担税力に応じて課税をお願いいたすという性質の個別物品消費課税でございます。これにつきましては、たしか昭和三十六年であったかと思いますが、基本的に税率は二〇%にする、その消費されるものの性質、価格、消費行為等に着目をして、上に加重税率、下に軽減税率を設けるということになっておりますが、現在では大体中心になります税率は一五%で、加重税率は二〇及び三〇、軽減税率は一〇及び五と、五段階の税率になっておるわけでございます。そういう差等税率を設けることによりまして、物品税がその担税力照応と申しますか、そういうことになり得るような配慮をいたしておりますと同時に、同一物品の中でも比較的低位の価格のものとか、それから非常に規格によりまして通常の消費課税をしがたいものというものにつきましては、政令によりまして免税点または規格非課税というものを設けて、さらにきめ細かい適用が可能であるというような形に構成をしてきているわけでございます。
#210
○柴田委員 国税庁が発行しております「私たちの税金」という本の中に、物品税とは「しゃし品、趣味・娯楽用品、便益品、し好品などを課税対象としている。」こういうふうに述べているわけです。しかし、最近の国民の生活実態から見てまいりまして、たとえば昔はぜいたく品であったカメラやテレビ、こういったものがすでに大衆商品である、こういうふうに国民の生活の向上といいますか、そういったことで消費構造そのものの変化が今日見られているわけです。私が思いますのは、現行の物品税のあり方がこういった消費構造の変化にだんだん対応し切れなくなってきているのではないか、こういうふうに考えているわけでありますが、この点はどうでしょうか。
#211
○高橋(元)政府委員 そういう点が物品税についての一番むずかしい問題だと思っております。たびたびお答えしておりますように、所得が平均としてかなり上がってまいる。それに基づいて非常に消費力は上昇してまいる。消費水準が上がってまいります。また消費物資なりサービスの供給も潤沢になってまいります。それが昭和四十年以降の消費と申しますか、経済、家計の特色だと思いますが、そういう状況になりますと、かつては万年筆とかめがねとかそういうものまで課税をしておったわけで二ざいますけれども、そういうものの課税を漸次廃止してきまして、これから、それから先、四十三年の答申を中心にして申し上げますと、どういう方向に物品税を維持していったらいいかということにつきましては、従来奢侈品と見られていたものが次第に一般的消費と考えられるようになると、課税範囲は従来の、つまり昭和三十七年とか昭和二十五年とかそういう考え方によりますと漸次縮小されていくわけでございますけれども、そうではなくて、消費が高度化、大量化、平準化していく傾向というものがあらわれてまいりますと、消費が単に一般化したという事実だけで物品を課税廃止したり、税率を引き下げたり、免税点を引き上げたりすることができなくなってくる。奢侈品、娯楽用品、高度の便益品、こういうものの消費に示される消費者の担税力というものに適正な負担をお願いするということは、所得課税を中心とします税体系の中でも非常に重要なことかと思いまして、そういう重要な役割りの一環を物品税に負担をしていただいておるわけでございます。
#212
○柴田委員 私は、今回の物品税の改正、まあ増税ですね、これは物品税とは何かという基本的な見直しを行わないまま増税をされた、増税だけが先行されている、こういうような疑問を禁じ得ないわけであります。先ほどもどなたかおっしゃいましたが、要するに、税収を確保するために取れるところから取ろうという、こういう姿勢があったのではないか、こんなふうに考えておりますし、また、この課税基準が非常にあいまいではないか。先ほども議論がありました、高級織物、それが対象になっていない、これは不自然ではないか。あるいはまた、キリのたんすにはかかってなくて、普通のたんすには課税されている。これはどう考えても、私は確かに、そういった零細産業を守るというその辺は理解をするとしても、いわゆる課税をされる国民の立場からすれば、これは理解がされない点ではないか、こんなふうに思うわけであります。
 それで、そういった点についてもまた、簡単でいいですから御答弁をいただきたいわけでありますが、普及率と税率との問題で重ねてお伺いをしていきたいわけであります。
 いまカメラは、経企庁の消費動向調査年報、これは五十五年度版でありますが、これで見ますと八二・九%、同じく電子レンジは三三・六%、テープレコーダーは六一・九%、ともに物品税の税率は一五%であります。ところが、普及率が九三・二%の電気やぐらごたつ、ステンレスの流し台、これは八四・九の普及率、それからミシンが八三・八、これは非課税品目、こういうふうにずっとやってまいりますと、必ずしも普及率と税率というのは、いわゆる物品税とは関連をしていない。まさに大衆課税であるということが言えるのではないか。
 もしそうでないとするならば、やはり私は、こういった普及率との問題で税率あるいは物品税の対象とする品目についてのいわゆる洗い直しというものもしてもいいじゃないか、こんなふうにも考えているわけであります。私は、こういったいわゆる物品税の見直しを行わないで課税対象の範囲だけを拡大する今回の増税、これはもうはっきり大衆課税の強化であるというふうに言いたいわけでありますが、この点は、そうでないならない、あるならあるというふうにはっきりと御答弁をいただければ、このように思いますが……。
#213
○高橋(元)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、所得水準が上昇して消費が一般に高級化、平準化してまいりますと、耐久消費財にしましても物品の普及率が高くなってまいるわけでございます。高くなってまいりましても、やはりたとえば全自動の洗たく機でございますとか、それから電気冷蔵庫でございますとか、それから石油ストーブでございますとか、じゅうたんでございますとか、そういうものの持っております便益性というものについて変化があるわけではないと思います。そういう便益品を購入される方の消費の裏にある担税力というものが低下してきておるわけではないというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味で、物品税を比較的高価な便益品、奢侈品、趣味・娯楽品に対して課税するという基本的な理念のもとに、新規に開発された物品でこのような考え方に照らして課税することが適当と認められるものというものにつきましては、税制調査会の答申にもございますように、今後とも適宜適切に課税対象に追加していくことを初めとして、課税範囲や負担水準のバランスというものを保って、個別物品消費課税の充実ということを図ってまいることが必要であろうというのが私の考えでございます。
#214
○柴田委員 今後の物品税の洗い直しといいますか、見直しといいますか、来年度の税制改正はこれで一段落終わったんだ、もう見直すものはない、たとえば課税率の問題にいたしましても、先ほど来申しております課税対象の問題にいたしましても、それから免税点の問題にいたしましても、もうこれで一段落したのかどうか、税調の答申もあるわけでありますが、この辺をひとつはっきりとお聞かせをいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#215
○高橋(元)政府委員 税制と申しますものは、大変口幅ったい言い方でございますが、常時社会、経済の情勢に合わせて見直しをしていくわけでございます。また、財政の需要、財政の健全化を通ずる国民生活の健全化ということへの配慮も当然必要であろうと思います。
 ただいまの税制は、私どもは現時点で、五十六年度の税制として望むべき最良のものと思って御提案をしておるわけでございますが、今後、そういう物品税の基本的なあり方、また財政なり国民生活のあり方というものに照らして、もちろん課税範囲、負担水準の見直しを常時やっていく必要はあると思います。しかしながら、現時点でお願いいたしておりますのは、五十六年度の税制としてはこれが最善の姿であるというふうに、私どもは現時点では考えておる次第でございます。
#216
○柴田委員 「昭和五十六年度の税制改正に関する答申」この中で、物品税につきまして、「物品税の課税対象については、従来から、主としてしゃし品ないし比較的高価な便益品や趣味・娯楽品に限定するという考え方をとってきているが、中期答申において「物品税の課税対象について現行の考え方をとる限り、これにまとまった増収を期待することには限界があり、物品税によってある程度の増収を図るためには、こうした考え方自体を再検討することも必要となろう」と述べられているところであり、今後とも、そのあり方について検討していく必要があると考える。」こういうふうにありますね。これはこのとおりですね。
#217
○高橋(元)政府委員 そのとおりでございます。
#218
○柴田委員 それで、私が言いたいのは、現時点においては、それはそういうふうにおっしゃるでしょう、そうでないとこの改正案が通らない、これはちょっと問題がありますよと言えばそれはあれなんですが、ところが、今後の大蔵省の方針というのは、やはりこういった方向へ、課税対象を拡大をし、あるいは課税率を引き上げる、物品税そのものに問題を残しながら、いわゆる大衆増税、大衆課税を強化をしていくのではないか、これはもう国民の立場から見ても非常に心配をされるところである、私はこういうふうに思います。この点どうでしょうか。
 現時点においてはそうかもしれませんが、やはり時代の趨勢に合わせて、たとえば五十八年度、五十九年度、税収を確保するために、こういったいわゆるより一歩進んだ大衆増税の方へ進むのではないかと私は非常に憂慮をしておるわけでありますが、この辺は大事なところでありますので、この税調答申との関連において、大蔵当局の意向というものをひとつはっきりと聞かしていただければ、このように思います。
#219
○高橋(元)政府委員 現在のように個別の間接税体系というものをとってまいりますと、課税対象になりますものを、たとえば酒でございますとか自動車でございますとかテープレコーダーでございますとか、それぞれ指定をして税負担をお願いをいたすわけでございます。そういうものに対する支出の弾力性というのはだんだん下がってまいりまして、そういう形から、消費全体に占める税負担の対象になります消費支出の割合というのが減っていく傾向がございます。
 それからもう一つは、物品税の場合には従価税率でございますからそういうことはございませんけれども、間接税の大宗を占めますところの酒でございますとか揮発油というような課税品につきましては従量税率で課税をいたしておりますので、物の値段が上がると税負担率が下がっていくという傾向がございます。両者相まって個別消費税を中心といたします間接税の国税の中に占める地位というのは年を追うに従って下がっていくという傾向が過去二十年間続いてまいったわけでございます。
 その中で物品税の占めております地位というのは、個別の物品のいわば一種の、昭和三十三年ころの言葉で言えば総合的な個別物品課税という意味で一番進んでおるという感じでございますけれども、それにしても国税に占める割合は現在四・一%でございます。消費、所得それから企業、個人それぞれに応じまして、直間また個人課税、企業課税それぞれのバランスをとっていくのが税負担、または財政の負担を国民に配分をしてお願いをいたします際に最もいい姿だというふうに思います。
 そういうことから、税制調査会の過般の中期答申の中では、物品税を、酒とかたばことかそういうものについては限界があるだろうという頭で、物品税の中心としてまとまった増収を期待するとしますと、現在のように物品間のつり合いに考慮しながら個別に物品を一つ一つ整理していく。その場合に奢侈品、便益品、趣味・娯楽品というふうに限定をいたしましたのでは、そういう消費財に限定いたしましたのでは増収力ということには限界がある。たとえば業務用品ということについても税制調査会の中でもそういう声があったわけですけれども、もっと真剣に検討してみる必要があるのではないかというようなことがこの答申の表現になっておるわけでございます。
 これから先、税体系の全体をどういうふうに組み立てていくかという大問題の中で、まずその基本問題を考えた上で物品税を具体的にどう持っていくか、こういう話でございますから、いま直ちに私もお答えをするだけの用意も勉強も持ち合わせておりませんで申しわけないのでございますけれども、全体として直間の組み合わせのバランスのとれた、消費と所得のバランスのとれた、そういう税体系の中で物品税の位置づけをしてまいりたいというふうに考えるわけであります。
#220
○柴田委員 私が心配するのは、先ほどから申し上げておりますように大衆課税の強化の方へ進むのではないか、これが一番の心配であるわけです。それからいま一つ、今回の物品税の増税が大型消費税導入への布石になるのではないか、こういう心配をいたしているわけであります。
 大蔵省当局の考え方としては、なるほどこの物品税の課税というものには一つの考え方があろうかと思いますが、私は先ほど来申しておりますように、課税基準があいまいであるし、これは決して国民の理解を得られるものでもない、こういうことでありますが、とにかく今回のこの課税の状態を見てまいりましても、増税の実態を見てまいりましても、やはり同じ業界がつくっているもの、そういったところの新しい商品に目をつける、取りやすいところから取っていく、こういった発想、それからとにかく声の大きい圧力団体、こんなことを言っては失礼かもしれませんが、そういうところは得をしている、そんなきらいがあるのではないか、こんなふうに考えるわけであります。つまり、そういう中でなし崩しにして、要するに五十七年度大型消費導入の布石というものが今回の物品税の課税増税である、こういうふうに思うわけです。それによって国民なり納税者の抵抗感というものをやわらげていくんだ、こんなようなねらいがあるのではないかなということをちょっと私は心配をいたすわけですが、大臣、この点はいかがでしょうか。
#221
○渡辺国務大臣 間接税か直接税かという問題は、私は国民の何となくどっちがいいかという考えに従うのがいいと思うのです。この前も言ったように、日本は七、三、直接税が七、間接税が三なんです。フランスは直接税が四、間接税が六、イギリスはその間、ドイツも大体その間ということでございまして、そういう国が重税だ、重税だ、重税は重税かもしれませんが、日本は間接税が非常に少な過ぎるから直接税のようなもの、一遍ふところへ入ったものを手を突っ込んで取るようなことよりも間接税をもう少しふやした方がいいじゃないかという人が、サラリーマンの人とか何かに聞いてみると意外と多い。だから、政治というのはそういう人の声も何となく反映していかないと、ただ理屈だけでは大衆がついてこないこともあるのです。われわれといたしましては、そういう意味で財源不足については、今回は法人税をもちろん取りますが、法人税だけ取って会社がおかしくなってしまったり設備投資をしなくなったりして結局労働者のところにかかってくるわけですから、これも困るというようなところから、いろいろかみ合わせて、すり合わせて広く薄くお願いをしてちょうだいしようということで、これは抵抗をなくするというのではなくて理解を深めるということなんです。同じことでも言葉は違うのですよ。抵抗をなくす、理解を深めていくということでわれわれは理解を深めていくための努力はもちろんしています。
 今後の大型消費税問題というのについては、これは決めてはございません。しかし、先ほども言ったように、絶対に消費に着目した税金をやらないかということは、政府サービスと負担の問題との兼ね合いでございますから、極力歳出削減をやりますが、いまのうちから、歳出削減法も通らないうちにもうやめましたということを私は断言できません。したがって、それは研究はしてみたい、避けて通れないというようなことを言うから、どうもやるような言動が多いじゃないかと追及される。されても、それはまた仕方のないことでありまして、見方によります。決まったわけではありませんということを繰り返して言っているわけです。
#222
○柴田委員 間接税を比率といいますか、それをふやした方がいい、そういう声もあるのですよ、こういうことなんですね。それはそれとしていいわけですが、私がいま申し上げているのは、大型消費税の導入の布石としてこの物品税の増税がその延長線上にあるのではないか、こういうことを申し上げているわけです。大型消費税というのはいままだ決まったわけじゃないんだ、まずやるのは歳出削減を徹底してやるんだ、しかし、それができない場合はそういった間接税の比率を、直間比率といいますか上げていくという意味においても、歳出削減ができない場合はやむを得ないんだ、こういうふうなことなんですが、その辺のところをはっきりと聞かしていただきたいと思います。
#223
○渡辺国務大臣 ですから、いまから歳出削減をやります、それはもうやむを得ない、できませんでしたと言うわけにはいかぬでしょう、私はやるつもりでいるわけですから。ですから、国会でも終わったら少し勉強を始めなければならぬと思っているのです。それによってどういうものが五十七年からその後に向けて切れるのか研究してもらって、そして国民も、各党みんな歳出削減、歳出削減と言っているわけですから、恐らく賛成してくれるんだろうと思うけれども、これもやってみないことには、総論賛成だけれども各論になったらおかしくなってしまうということもあるかもわからぬし、ないかもわからぬ、大体ないんじゃないかという気もするのですけれども、これはわからない。しかし、私は、それは歳出削減を第一義的にやる。ですから、それができることを念願しておりますから、それができなかったときはというようなことまではちょっと御答弁を差し控えさせていただきます。
#224
○柴田委員 ありがとうございました。時間ですので、終わります。
#225
○綿貫委員長 玉置一弥君。
#226
○玉置委員 今回の議題であります物品税あるいは印紙税そのほか、先ほどからの議論を聞いておりますと、この税制もかなり問題ありますけれども、先行きに大変不安があるというような感じに受け取れました。私もそのように感じているわけでございまして、そういう中から今回の物品税を特に中心にいろいろお伺いをしてまいりたい、かように思うわけでございます。
 そこで、現在の物品税と言われているものいろいろございますけれども、そういう中で特に物品税が制定をされました時期から見て、現在生活水準が大変変わってきております。当時はたしか新生活運動なるそういう運動が地方都市あるいは農村を中心にいろいろ展開されたように聞いておりますし、またそういうところから現在物品税対象製品、それが着実に普及をしてまいったというふうに存じております。そういう意味で当初設定をされたときに奢侈性、娯楽性、便益性、嗜好性が強く、その使用、消費に担税力があると認められる特定の物品というふうにあるわけでございますけれども、特に性格上、当初決められた性格から変わってきているんではないかと思うのでございます。また使用、消費に担税力がある、その負担の限界を超えているんではないかと思われる物もあり、また普及率から見て特定の物品と言えるかどうか、これは限定してこれに限るということでございますけれども、そういう観点からいまの物品税の対象物件を見たところ大変変わってきているように思います。特にその中でも家電製品、扇風機、電気洗たく機、電気掃除機、小型冷蔵庫、こういう製品そして自動車、この内容につきましては大変大きく伸びて、また日本の産業の柱ともなっているのでございます。そこで、現在の普及率をどういうふうに把握をされておられますか。
#227
○矢澤政府委員 物品税の対象の考え方でございますが、ただいま先生からお話がございましたように、物品税ができましたのは昭和十二年でございます。当時小売課税五、製造課税五ということで十品目から出発をしていったわけでございますが、戦時中でもございましてだんだん課税品目をふやしまして、昭和十九年には約百四品目の物が課税対象になっております。この当時はまだ国民の消費生活もそれほど豊かでございませんので、消費物資も多様化していないということで愛玩用動物が課税になったり、最後の方では銘木それから銘竹まで課税になるというような状態でございました。その後、戦後に入りまして、一つは戦時色を払拭する必要がある、また当時国民の生活も窮乏していたものでございますから、物品税の課税対象を縮小する、あるいは免税点を引き上げる、あるいは税率を引き下げるというような課税対象あるいは免税点等の合理化が行われたわけでございます。続いて昭和三十年代に入りますと、先ほど局長からもお話しいたしましたように、今度は高度成長期に入りまして財政も非常に大きな自然増収に支えられまして、所得税の減税も年々行われるというようなことから、国民生活の安定のためにさらに課税対象の縮減あるいは生活必需品に配慮した免税点の引き上げ等が行われております。この考え方が変わってまいりますのが昭和三十年代の末期から四十年にかけてでございまして、そのときには国民生活の面でもかなりの変貌がございました。一つには消費物資がそれまでの時代と比べて非常に潤沢に回ってきた。それから国民生活の面でも所得水準が上がる。さらに所得水準も平準化してくる。したがって、消費の内容も高級な物が大量に使われる。また消費者の選択も多様化してくるというような時代に入ったわけでございます。そして一方税制の中の考え方も、福祉社会を迎えるに当たって非常に大きな財源を調達しなければならない。その場合には、いままでのように直接税中心主義の財政ではなかなかやっていけないのじゃないかということで、直接税と間接税の適当な組み合わせ、タックスミックスと申しますか、そういう見方の中で間接税が再評価されるような時代になったわけでございます。そういう流れを受けまして、物品税の課税対象はただいま先生からお話がございましたように奢侈品、趣味・娯楽品、それから比較的高価な便益品というふうに限られてきたわけでございますけれども、特に比較的高価な便益品を中心にして課税対象の拡大が図られるような情勢になっております。昭和四十八年度にもそういった観点から幾つかの物品税の新たな課税対象が取り込まれておりますが、これは主として比較的高価な便益品という考え方に従って取り入れたものでございまして、その考え方、基準は二つございます。一つは、新しく出てきた物品で現行課税物品と競合する物。それからもう一つは、国民生活の高度化と申しますか消費の高度化に基づいて新規に開発された物品というものが取り入れられてきたわけでございます。今回の改正も全くこれと同じような基準で考えておるものでございまして、たとえば電気冷蔵庫の四百リットル以上のものを取り入れるとかいう改正は、いままで新規物品の中で現行の課税物品と比べてバランスを欠いているという一種のバランス是正の問題でございます。それからビデオ関係あるいはビデオプロジェクター、こういった関係の物は昭和四十八年の改正以来新しく開発された物品でございます。そういった意味で今回の課税物品の選定に当たりましてはここ十年来定着した考え方に基づいているものでございまして、特に恣意的に課税対象を拡大したというような考え方は私どもは持っておりません。
 それからちょっとくどくなりますが、第二の御質問の点の普及率と物品税の関係でございます。一時は確かに税調の答申等を読みますと、先ほど申し上げましたように消費が高級化あるいは平準化してくる。その中で生活必需的な物はもう物品税をかけなくてもいいじゃないかという時代がございました。しかしながら、昭和四十年代に入りますと消費が高級化、平準化してくるということは、逆に言えばその裏側には所得の平準化ということもあるわけでございまして、普及率がかなり高くなった物でもそれはやはり担税力のある物である。したがって、一般化したからといって物品税をかけないという考え方もおかしいのじゃないかというようなことが税調の答申で言われております。いま先生から御指摘のございました電気冷蔵庫、電気洗たく機、カラーテレビ、これは普及率の一番高い物でございますが、いずれも九九%あるいは九八%、ほとんど一〇〇%台に近い物でございます。この辺も、普及をしているからすなわち生活必需的であると考えるのかあるいは所得水準が高くなったのでこういうふうに普及してきたのだというふうに考えますれば、それはそれなりに担税力のある物でございますから、そういう意味で普及率が高まった、すなわち一般化してきた、したがって物品税をかけるべきではないという考え方は私どもはとっていないところでございます。
 ちょっと長くなりまして、恐縮でした。
#228
○玉置委員 三十七年に大幅な改正をされて、それ以来徐々に手直しをされてきているということでございます。しかし、三十七年から考えますと来年で二十年ということでもございます。そういう意味で見ますと、いまの生活水準が、それこそ扇風機あるいは洗たく機、冷蔵庫というものを除いて考えられるかどうか。そしてルームクーラーの現在の普及率が大体四〇%ぐらいでございますけれども、そういう内容から見て、ルームクーラーがあり、かつ扇風機があるといういまの税体系が非常におかしいのではないかということです。
 この間みりんのときに、飲んでますかという話を聞いたのですけれども、同じ話を聞くのも何ですが、先ほど申しました家電製品について、ない方がもしおられたら手を挙げていただきたいと思います。――扇風機を逆にクーラーにかえたからないという方もございますけれども、電気洗たく機がない、あるいは掃除機がない、小型冷蔵庫、四百が四百以上になっているということもございますけれども、それがないということはまず考えられない。いまの生活水準あるいは消費水準から考えまして、高価な便益性のあるものという性格からもうすでに外れてきているのではないかというふうに思うわけです。新たに大型冷蔵庫を追加する、あるいはビデオを追加するということでございますけれども、追加があるならばなぜ削除をしないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#229
○渡辺国務大臣 物品税ができたときと性格が変わったじゃないか、こういうお尋ねですね。そういう理屈も私はあると思います。あって何ら差し支えない。ただ問題は、物品税がつくられたときよりも、日本では社会福祉というものが現実にはえらくふえたわけです。その当時のように、出費がなければ税金は要らないわけです。財源がなければ出費はできないわけです。したがいまして、たとえば租税負担率とか社会保険の負担率というようなものについて国民所得対比を見ましても、日本では、社会保障の負担と租税負担と両方入れまして去年は三一・五、五十三年は三〇・二だったのです。ことしは三四・三です。しかし増税して三四・三というのは多い方かというと、アメリカは三七・七だし、イギリスは四六・二、ドイツは五一・六、これは別にレートの争いも何もないわけです。スウェーデンに至っては、社会保障の国だとかいろいろ言われるが、負担の方も国民所得の七割に当たっているわけです。ですから、高齢化社会が進むにつれて、いやおうなしなそういうような租税及び社会保障の負担率がどこの国でもふえている。日本だけはふえないでやるといってもこれはむずかしい。ですからその財源にどれを充てるかが問題で、本来なら物品税を奢侈品だけに限定してしまって、新しいものが入ったら古いものは抜かしてしまう、そういうことをやったらいいじゃないかという御議論があるのです。しかしそれをやると、財源的には結局同じで、入れかえするだけでふえなかったということになるわけです。(「だって税の目的に奢侈品、便益品と書いてある」と呼ぶ者あり)奢侈品だけでなくて、理論は幾らもあると思いますが、現実の問題として、そういうように財源が必要になってきているというのも現実の姿だということを私は申し上げたわけです。
#230
○玉置委員 結局差しかえをやるのかやらないのかという答えをいただいてないのですけれども、それについてはいかがですか。やらないということですか。
#231
○渡辺国務大臣 差しかえをやる考えはいまのところないのです。
#232
○玉置委員 そうなりますと、現在の物品税が、当初物品税を設定されたころから税の目的が変わってきているということになるわけですね、大蔵大臣の答弁及び周りの状況を見て。そうなりますと、今回の税制改正は税率の変更だけではなくて、法の趣旨の変更にもなるということになるわけでございまして、そういう面での提案が欲しかったのでございますが、それについていかがですか。
#233
○高橋(元)政府委員 たびたびお答えをしております昨年暮れの税制調査会の中期答申の中でも、今後物品税にまとまった税収を期待するとすれば、新しい考え方が必要になってくるということを言っております。先ほど審議官からも、またほかの委員に私からも御説明申し上げておったわけですが、今回の改正は、従来の物品税の考え方の線に沿って、その後の新規開発物品であれ、また他の物品とのバランス上課税相当と考えるものであれ、そういうものを追加して物品税体系の中で、また物品税の基本的な考えの中で改正を行っておるということでございまして、お話のように考え方を全く変えてしまっているということでは決してございません。四十三年以来の税制調査会の答申の線であり、私どもがたびたび国会でも御説明しておる考え方の枠内でございます。
#234
○玉置委員 いまの高橋局長の答弁と、大蔵大臣の答弁はちょっと内容が違うように思うのです。大蔵大臣は、内容を見ても個々の物品を見ても、いまの状況が、設定当初と税の趣旨が変わってきている。ところが高橋局長の答弁は、従来と何ら変わりがないということで、財源を確保するために上げることになるわけです。やはり今回の法改正について提案理由その他を見てみますと、財政難を理解してほしいというような趣旨がございまして、それならば財政難のために上げるという一言。そして先ほどから話が出ておりますように、将来にわたって底辺の広い間接税分野を見直していく際には必ず同時に見直しをする。そういうことがあれば上げてよいとは言いませんけれども、まだ先ほどの話の理解の部分になるわけです。そういう意味で現在の法改正で出された物品税は、単に引き上げだけではとどまらないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#235
○渡辺国務大臣 それはたとえば扇風機とかそういう話をおっしゃるのだろうと思います。しかし、扇風機ができたときには、奢侈品というわけでもないかどうか知りませんが、それを課税対象にしたということだと思います。それを取り除いてないということを責められるんじゃないかと私は思うのです。それはいま言ったように、いろいろなそういう財政事情のお話もございますということを私はざっくばらんに端的に申し上げたわけです。そこで新しい税体系の見直しのときはどうなんだ。私は税体系の見直しのときには一緒に見直すことがいいんじゃないかと思います。しかし、どういうふうに見直すか、まだそこが決まってはおらない。ただ、要するに物品税の関係の業界はわれわれだけが取られるのでは困る。それならともかくいろいろなものも、全部もっと幅広く取られるなら公平でむしろいいのだと言っているわけです。ともかく消費税反対という人が多いのです。しかし、物品税を納めている団体が陳情に来ると、われわれはそれをやってもらいたいと言っています。だけれども、私はああそうですかと聞いただけでそれ以上のことは何も言わなかったが、物品税がかかっている人たちからすれば、もう目的を果たしたじゃないか。私らから取るならばどこからも薄く広く取ったらいいじゃないか、こういうような御議論が出ていることも事実です。
#236
○玉置委員 いま課税対象になっているのは一応高価な便益、いろいろな要素がありますけれども、それとそんなに変わりがないという高橋局長の答弁、それはそれでいいわけですね。
 そこでお聞きしますけれども、たとえば化粧品が五%の税率になっておりますけれども、宝石、貴金属との性格の違いはどうなのか、あるいは家電と宝石、貴金属が同じになっている、このことが問題だと思うのです。それと、家電と化粧品と考えた場合、いま家電と言っていますのは私が先ほど申し上げた一応品目内というふうに了解をしていただきたいと思うのですが、その内容から見て、果たしていまの生活から見て、化粧品でもピンからキリまであるわけですけれども、化粧品の場合は一律に課税をされております。そういう場合に、なぜ五%、一五%が入れかわらないのか、その辺について答弁願います。
#237
○高橋(元)政府委員 これは、まず第一種と申しますか小売で課税をいたします物品と第二種、つまり製造上の蔵出しで課税いたします物品とで税率の考え方は倍、半分になっております。たとえば宝石でございますとか、べっこう、サンゴ、毛皮といったようなものは一五%となっておりますが、これは小売の店先で一五%いただくわけでございますから、こういうものには元来製造という観念は余りないのかもしれませんけれども、こういうのがメーカーの蔵を出てから流通を通りまして最終の小売価格になるまでに、大体倍くらいのマージンがあるというふうに通常考えております。そこで、一五%は製造課税の三〇%に相当するということで、二種の物品は一五%を中心として三〇、二〇、一〇、五と五つに開いているわけであります。
 香水が一〇で、おしろい、口紅が五と申しますのは、中心になります電気毛布でございますとか天火でございますとか掃除機でございますものに比べて消費の態様ないし消費の性質に応じて軽減した課税をお願いしておるということでございますし、大型のモーターボートでございますとか、先ほど御意見もございましたが、ゴルフ用品になりますとそれよりも高い税率で消費に対する負担をお願いいたしておるということでございます。
 そういう形で、全体で税率が五つございますが、五つの税率にそれぞれのバランスをとりまして物品をはめ込んで、六十八、現行法でございますが、今回の改正で八十に増加をすることをお願いいたしておるわけですが、そういうふうに課税物品のバランスをとりながら差等税率のそれぞれにはめ込んでおるというのが現在の物品税の体系でございます。
#238
○玉置委員 それで、具体的に先ほど申し上げた家電の一五%と化粧品の五、一〇、どっちが高いんですか。
#239
○高橋(元)政府委員 家電は大型のものが二〇、小型のものが一五ということが基本的な考え方でございます。おしろいの五は、税率といたしましては明らかにずっと安くなっているわけでございます。
#240
○玉置委員 いまの化粧品を見てみますと、こんな小さなクリームが四千円とか、非常に高いのがあるわけですね。それも同じ税率が適用されると思うのですけれども……。
#241
○高橋(元)政府委員 容器、包装を含めまして、製造場から出てくるときに、その出荷額に対して五%お願いしておるわけですから、店先で売っております四千円のクリームが蔵元を幾らで出たかよくわかりませんけれども、それなりの税負担というものは五%という税率でお願いをされておるということでございます。
#242
○玉置委員 生活水準の程度もありますけれども、いまのお話のように、要するに非常に課税対象物のアンバランスがあるように思うわけです。
 そこで、法人、特に青色申告をされているような法人、中小零細のことになりますけれども、それぞれの税申告の際にどのような扱いをされているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#243
○矢澤政府委員 青色申告がございますのは、御承知のように所得税、法人税の関係でございまして、物品税につきましては、特に青色申告の関係はございません。
#244
○玉置委員 物品税については、要するに消費段階で取るということで当然ないんですけれども、私が聞きたいのは経費、たとえば化粧品を会社で買うということは余りないと思いますけれども、自動車を買うあるいは社内で扇風機を使うために買うあるいは冷蔵庫を買うというそのときには、いわゆる買った値段そのままが査定のときに認定されるわけですか。
#245
○矢澤政府委員 さようでございます。
#246
○玉置委員 今回、自動車の中でライトバンというものがございまして、それが税率を課せられるわけでございますけれども、ライトバンというのは通常の場合はほとんど大部分が商店であるとか小売、流通、大体その辺に使われるわけでございまして、そうなった場合にライトバンが今度経費として当然落ちるわけですね。そうなりますと大変問題なのは、印紙税もそうでございますが、利益が上がっている法人については経費から落ちるという面がありまして、ある程度法人税、所得税の軽減がなされる、軽減といいますかまあ自然に減るわけですね。ところが、赤字で困っておるような法人については今回の物品税がもろにかぶることになるわけです。そうなりますと利益のある、体質のいい法人についてはある程度カバーができるけれども、体質の悪い法人については早く倒れなさい、極端に言えばですね、そういう税制ではないかというふうに思うわけです。特にこの自動車、そして家電製品、印紙税、その辺について今回弱者を攻める、弱者に過負担を課す、そういう税制ではないかというふうに私は見たのでございますけれども、いかがでしょうか。
#247
○高橋(元)政府委員 所得課税と消費課税とございまして、両々相まって税体系を構成しておるわけでございます。赤字の法人が社内で消費するために酒を買っても酒税がまからない、これは消費税の固有の性質でございまして、そういうことは物品税についても同じことが言えると思います。消費の背後に担税力を推定をいたしまして、その担税力に対して相応の課税をお願いするという消費税の考え方では、そこまできめ細かくはまいらないわけでございます。今回ライトバンを新しく税負担をお願いするにつきまして、いろいろ試算をしてみたわけでございますが、ライトバンの税負担は年間大体八千円くらいではないかというふうに考えます。そういうことで、より高々度の便益品ということで、乗用車とのバランスをとって、乗用車の一七・五に対して一〇という税率で負担をお願いをするわけですが、それが特におっしゃるように赤字企業にみんな追い打ちをかけるというような、そういうようなことを考えてはおりませんし、またそういうことにはならないと考えておる次第でございます。
#248
○玉置委員 この程度は影響ないというような見方ですか。
#249
○高橋(元)政府委員 影響はないとは思いませんが、それはまあ御負担をお願いせざるを得ない、御理解をぜひいただきたいと思っております。
#250
○玉置委員 簡単に言えば買い控えればかからないということでございますから全くそうだと思うのですけれども、ただやはりいま使っているものが壊れたとかそういうこともございますから必ずしも、ずっと年々控えていればいつか買わなければならないというときが来るわけでございますから、単に買い控え、確かに先ほどの話ではないのですけれども、次にもっとでかいのが来るのだからそれまでがまんしろということであれば、ある時期をやはり明示すべきではないかというように思うわけです。今回非常に気になるのはそういう点でございます。
 それから、自動車にちょっと話を移しますけれども、現在自動車、カークーラーで物品税の約四〇%を負担しているという話を聞いておりますが、これは事実ですか。
#251
○高橋(元)政府委員 さようでございます。正確な数字はいまはじいておりますが、大体四〇%でございます。
#252
○玉置委員 自動車ユーザーというのは、免許を持っておられる方でも五千万人近くおられますし、また自動車の現在の保有台数を見ても相当の数字にいっているわけでございますけれども、今回対象になったのは一応物品税だけでございますが、そのほかに自動車関係諸税と言われている税が八種類ですかあると思いますが、どういうものがありますか。
#253
○高橋(元)政府委員 消費課税といたしますと、物品税でございます。それから取得課税といたしますと、これは都道府県税になりますが、自動車取得税でございます。それからあと保有課税といたしますと、これも地方税でございます自動車税と、それから軽自動車税、自動車重量税というものがございます。以上が車体にかかる税金で合計五本。そのほか燃料にかかります税金が揮発油税、地方道路税、それから軽油引取税、それから石油ガス税、LPG税、合計九つ、自動車関係諸税と申しております。
#254
○玉置委員 担税力の話になるわけでございますけれども、物品税だけ見ればそれほどというような感じがするわけでございますけれども、しかし自動車ユーザーにかかる部分を考えますと、当然物品税もメーカーで払っているけれども、自動車の価格に上乗せをされているということでは消費者負担になるわけです。自動車の消費者の負担として現在世界一重いという話が再三出てくるのでございますけれども、それを諸外国と比較をして、大体どういう程度にあるという位置づけ、それと一台当たり年間幾らぐらいになっているのか、その辺わかればお願いいたしたいと思います。
#255
○高橋(元)政府委員 これはいろいろな計算の方法があるわけでございますが、大体千六百ccで車両重量一トンという自動車を日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスで買ったといたします。それぞれの国での標準的な売り値で物品税を計算をいたします。それから、それが年間に千二百リッター、ガソリンをたいて走る。耐用年数は六年間である。こういう推定をいたしますと、日本の場合それに該当いたします車の売り値が百四万六千円だそうでございます。アメリカが五千三百九十四ドル、イギリスが四千五百七十九ポンド、ドイツが一万六千九百五十マルク、フランスが四万一千七百フラン、外国の人に聞いてみると、こういうことになるようであります。そういう前提で、物品税、これは主として乗用車にかかるわけですけれども、物品税、取得税、自動車税、重量税というものを合計をいたしまして六年で割りますと、車体にかかります税金が日本の場合、現在七万三千九十九円、今回審議をお願いいたしております改正案によりますと、七万六千百二十三円と相なりますが、これは大体ヨーロッパでドイツが六万六千六百四十八円、フランスが十二万一千百八十六円、イギリスが十万九千五百三十三円でございますから、アメリカは御案内のとおり非常に税金が安くて一万九千百八十八円、アメリカを除きますと、大体車体課税においても日本の税金が特に高いということではないようである。燃料課税の方で一年間当たりの燃料課税が日本の場合六万四千五百六十円でございまして、ヨーロッパのどの国よりも低くなっております。フランスは十一万五千二百八十四円、ドイツが八万三千七百二十四円、イギリスが八万四千百九十二円、アメリカだけが八千二百五十六円ということになりますか。したがいまして、車体の課税と燃料の課税を足したところで、改正後で日本は十四万円余でございまして、イギリスの十九万三千七百二十五円ですか、ドイツの十五万円余、フランスの二十三万六千円余に比べますと、日本の方が自動車の総合的な税負担ではまだ低くなっておるということが現実でございます。
#256
○玉置委員 自動車取得税、そして重量税がいまの中に入ってないと思うのですけれども。
#257
○高橋(元)政府委員 重量税、取得税とも含んでおります。
#258
○玉置委員 アメリカの比較はよく出てくるわけでございますけれども、低いところはアメリカと比較しないで高いところは比較するというような、そんな感じを受けるのですね。それと、ほかの欧米もそうなんですけれども、欧米というか、特に欧州なんですけれども、非常にいままでの財源として確保されてきた、そういう状況。それと、その税がかなり有効に使われているように思うのですね。日本の場合には一向に舗装率が上がってこないし、そういうので財源をほかに転用しようという話も出てくるというような状況でございますけれども、今回はその話はやめまして、本当はそれもやりたいのですけれども、物品税の趣旨からすると大分変わってくると思うのでそれをやめまして、そこで自動車全体の話、税負担が非常に高いと言われております。それと、今回さらに上積みをされますと大変な影響が出てくるのではないかというふうに見ているわけです。
 そこで、まず経済企画庁の方にお伺いしますが、昨年一年を振り返ってみますと、国内需要が四月以降大変減退をしてきた。特に夏、冷夏の影響もございまして、その中で日本の経済が四・八%ですか、成長を示したという話がありますけれども、日本の経済の中で輸出がどのように貢献したか。そして続けて言いますと、今回、政府見通しというものを経企庁が中心になって出されましたけれども、それによりますと、五十六年度半ば以降国内の景気が回復をしていくというふうにうたわれております。その見方についてもうちょっと詳しくお聞きをしたい。そして根拠はどこにあるのか。とりあえずそこまでお願いしたいと思います。
#259
○大竹政府委員 五十五年度の景気情勢でございますけれども、今年度の春から夏にかけましていわゆる在庫調整の局面にあるわけでございまして、生産、在庫あるいは民間の需要といったようないろいろな経済指標を見ましても、経済活動全体がやや鈍化しておるということは御指摘のとおりでございます。それで、その中におきまして海外とそれから国内と分けて、需要がどうなっておるかという御質問でございますけれども、まだ五十五年度につきましては実績は九月までしか出ておりませんので、これは政府の経済見通しの中の数字を使いまして試算をいたしました。四・八%の実質成長率でございますけれども、そのうちいわゆる内需が大体一・五%ぐらいではなかろうか。それから外需、経常収支の額とほぼ等しいものになるわけでございますけれども、これが大体三・三%ぐらい、実質でございますが、というような寄与度でございます。したがいまして、比率で申しますと大体三分の一ぐらいが国内の需要である。これが今年度の経済を支えるという感じになろうかと思います。
 非常に総体的に申し上げますれば、日本経済が第二次の石油の値上げの影響から次第に脱却しつつあるのが現在の過程でございますが、その一番端的なあらわれが在庫調整という形になり、あるいは民需のやや弱いというところであらわれておるわけでございますけれども、大体世界の景気情勢をなかめましても、OECDの見通し等によりましても、大体本年の下期以降は景気が立ち直ってくるであろうというような見通しになっておりますし、ややおくれておるという在庫調整につきましても四−六月期ごろには大体目鼻がつくというのがおおむねの見方でございます。そのようなことを背景にいたしまして、五十六年度の経済も全体として力強い回復の足取りを示すという形になろうかと思います。
 ちなみにその中で内需と外需とを分けて考えてみますと、五・三%のうち恐らく四%くらいが内需ではなかろうか、いわゆる内需中心の成長路線に乗るというふうに私どもは期待をしておるわけでございます。
#260
○玉置委員 いまのお話を聞きますと、第二次石油ショックからの立ち直りが出てきたということが言われておりますけれども、経済企画庁の指標でいきますと、現在在庫調整は横ばいだったと思うのですね。そういうのを見てみますと横ばいで、さらに内需がいま非常に冷えております。本当にこのままで稼働が果たして可能かどうか、上昇できるかどうかという心配が非常にあるわけです。それと総需要の中で五三%くらいが民間需要だというお話がありまして、今回公共投資を見ても非常に低い伸び率でございます。それと民需が、これからの金利政策あるいは逆に無理やり国内に振り向けるという状況、そういうことから若干喚起はされるとは思いますけれども、民需、その中に個人消費を含めて、果たしてどの程度、設備投資関連あるいは個人消費関連というふうに分けてみた場合に、それぞれ本当に伸びるかどうか――伸びるかどうかというそれしかないのですけれども、お聞きしたいと思います。
#261
○大竹政府委員 在庫調整の過程にあるわけでございますから、特に生産面の指標が余り明るくないというのは御指摘のとおりでございます。非常に最近時をながめましても、確かにおっしゃるとおり生産の伸びは低うございます。ただ、一進一退ではございますけれども、一ころに比べますと在庫率は徐々に下がってきておるということは指摘できるかと思います。
 それから、正確に何月で底を打つかというところまではなかなか予測しがたい面がございますが、おおむね一−三から四−六にかけて主なところでは在庫調整が完了するであろうというふうに見ておるわけでございます。一つの問題は、単なる景気循環ということよりも、もっと構造的な面で景況がなかなかよくならない業種も確かにございます。そういう業種はちょっと別といたしますれば、総体としては、在庫調整が完了するということは、生産がまず回復してくるわけでございます。そういたしますと、それに伴いまして資材の動きが活発になる、そうした物の動きが経済全体に波及をしていく、その過程で所得がふえて需要がふえていくというのが通常のメカニズムでございますから、総体としての回復の足取りは強くなってくるというふうに思っております。
 そこで、それでは御指摘のような消費あるいは設備投資といった民間の需要の大宗を占める需要項目についてはどういうふうに見ておるかというお尋ねでございます。まず消費でございますけれども、消費は五十五年度におきましては確かにかなり弱うございました。経済見通しにおきましても大体実質では二%程度というふうに五十五年度は見ております。五十三年度はかなり高うございまして、五%であったかと思いますが、来年度におきましては大体伸びとしてはそのくらいの伸びに戻るのではなかろうかと思います。
 その理由でございますが、やはり一つは、物価がいまのところ、季節商品が値動きが非常に不規則でございますので、この一、二月やや高い数字も出ておりますけれども、卸売物価がきわめて安定しております。そうした全体としての物価水準の安定が消費者物価に波及をしてまいりますし、季節商品を除いた消費者物価は非常に安定しておるわけでございますので、そうした物価安定ということを背景に消費が回復をするというふうに見ております。これは過去の経験から見ましても、物価の安定と消費の増加というものはきわめて密接な関係があるということは私ども数字ではっきりとれるところでございますので、そこはかなり自信を持って言えるのではないかと思います。
 もう一つ設備投資でございますけれども、確かに中小企業の設備投資が弱い数字があるというのはいろいろアンケート調査等でも御承知のとおりだと思いますが、これもやや長期的に見ますと、現在日本の設備投資の中期的な循環の局面にあると言ってよろしいかと思いますので、総体として設備投資の盛り上がりというものがそういう大きな波の上に乗っておるということが一つございますし、それから省エネルギーとか省力化、合理化といった新しい技術の導入の要素も非常に強うございます。中小企業も、弱いとは申しましても金融面であるいは金利が一段下がれば投資をふやすといったようなアンケートも一方にはございます。そういうような要素から、設備投資につきましても大体実質でことしは五・一%、明年度は七・三%程度というふうに見ておるわけでございますので、先ほど申し上げましたような、全体としては内需中心の成長になるというのが私どもの見方でございます。
#262
○玉置委員 いまのお話で、大体三分の二が輸出によって国内の景気を支えてきたというお話でございました。これから国内需要というものが次第に回復してくる、大体根拠もわかったわけでございますけれども、通産省、お見えになっておりますか。
 昨年、この三分の二をカバーするために輸出がかなり急激に伸びたわけでございますけれども、そういう中で特に自動車、家電、繊維、この三つの業種については三割近い伸び率を示しているというふうに記憶しておりますけれども、この結果、現在日本とアメリカあるいは日本と欧州、特にEC、そういう間で、昨年当初もございましたけれども経済摩擦がより具体的に進展してきたのではないかというように感じるわけです。そういう面から見て、本年この経済摩擦がどうなるか、それについてお伺いしたいと思います。
#263
○西中説明員 経済摩擦につきましてはただいま先生御指摘のとおりでございまして、御承知のとおりアメリカにつきましては現在ダンフォース・ベンツェン法案という法案がアメリカの上院に上提されておりましたり、またそのほかの法案等も幾つか出ておるというふうな状況でございます。現在アメリカの大統領、新しいレーガン政権になりまして、ルイス運輸長官を中心としましたタスクフォースがつくられまして、今後のアメリカの自動車産業のあり方というふうなことについて検討が進められておるという状況でございます。三月中旬ぐらいにはその結論が出るのじゃないかというふうなことも言われておるわけでございまして、今後そのタスクフォースの結論等を見ましてアメリカからまたいろいろ要求が出てくるということも十分予想されるわけでございまして、もちろん日本の自動車が非常にいい品質のものが向こうへ出ていくということでございますので、向こうの消費者にとってはプラスになる話でございまして、日本にとって何ら後ろ暗いところはない話でございますけれども、やはりアメリカの自動車産業が非常に深刻な事態を迎えておるというふうな点もございますので、この辺は事態の推移をよく見守りながら、アメリカ政府ともよく調整をとりながら適切に対処していく必要があるということかと存ずる次第でございます。
 また、ヨーロッパにつきましても、EC諸国いろいろ動きがございまして、特にベネルックスあたりもかなり厳しい情勢にあるようでございまして、この辺も私ども頭を痛めているところでございますけれども、適切に対処して集中豪雨的な輸出ということにならないように、一方でそういった集中豪雨的な摩擦等によって先方が一方的な措置をとるというような事態を招きますと、今後有力な市場を失うということにもなりかねないわけでございますので、その辺につきましては慎重な態度で臨んでいくということで業界の指導等もいたしておるところでございます。
#264
○玉置委員 日本の場合、欧州全般で大体一二、三%のウエートしかないわけでございますけれども、逆にアメリカになりますと非常にウエートが大きいわけですね。集中的に伸びてきたというところから、いま問題になりますと、逆に場合によっては五十四年度ベースにまで戻さなければならないというふうに言われる場合もあると思います。その場合、どう動くかわかりませんけれども、五十五年度の伸び率が三割としますとその前に戻れという話にもなってくるし、また新しい分野、たとえばアメリカが輸出をしている先で競合しているという場合もあるわけでありまして、そういう面からがんじがらめに縛られてくるのではないか。先ほどからお話が出ておりますけれども、現在この輸出によって、特にいま申し上げました三業種については三割近い伸びを示しながらようやく維持をしてきた。これが果たして国内にそのまま振り向けられるかどうか、その辺の見通しについて。
#265
○西中説明員 大変むずかしいお尋ねでございまして、今後の対外調整の結果がどういうことになるかという中身の話とも絡んでまいるわけでございますけれども、私どもといたしましては、当然そういった深刻な事態を招かないような形で最大限の努力をするということは当然のことかと思うわけでございます。ただ、対外的な輸出の伸びと申しますものが、先生御指摘ございましたように、三割の伸びというふうなものがいつまでも続くということはなかなか考えにくいわけでございまして、その辺はやはり高い伸びというよりももうちょっと安定的な形で、モデレートに自動車産業が安定して推移していくことを考えていかなければならないのじゃないかというふうに思っておる次第でございます。
#266
○玉置委員 以上、いろいろ経済企画庁そして通産省の方に経済の見通しについてお伺いしたわけでございますけれども、大蔵省として当然予算編成の時期にいろいろな見通しを大蔵省なりに分析をされ、あるいは大蔵省、経済企画庁それぞれの所轄官庁との合同研究というか、そういうことをなさってきたと思います。今年度政府見通しというものも一応出ておりますけれども、これについて、大蔵大臣としてどのように来期見ておられますか。
#267
○渡辺国務大臣 経済企画庁が各官庁とよく連絡をとりながら、可能な限りの最新のデータに基づいて予測したものでございますから、人間の知恵としてはその程度じゃないか。だから私は見通しは妥当なものである、そう思っております。いろいろ民間や何かでも、ずいぶん見通しはもっと強いのもあるし、もっと弱いのもあるし、いろいろありますが、どれが最高でどれがだめだとかいう一々論評はいたしません。いたしませんが、やはり政府のやっているのがどうも一番よさそうだと私は思っているのです。
#268
○玉置委員 政府の内側の方でございますからそういうふうに答えざるを得ないと思うのですけれども、一つは、エネルギーの見通しなんかを見ておりますと、今年度大体石油関係が三億キロリットルという数字が出ております。当初七%節減をやろうというのに一〇%できてしまったとか、五十四年に作成をされた数字がもうすでに一年余りで大変違ってきているという状況から見て、本当に政府の数字が正しいのかどうかという若干の心配があるわけです。しかし、それはともかくとしまして、一応責任を持っていただけるというふうに私が受け取って、次の状況を聞いていきたいわけでございます。
 今回物品税が特に上がってきて、これも自動車に関して聞くわけでございますけれども、自動車を輸出に振り向けてきたということ、これは国内での状況が相当悪化をしている結果だというふうに見ておりますが、それについて通産省の方から
#269
○西中説明員 確かに御指摘のように、輸出につきましては昨年、暦年でございますけれども、乗用車あるいはトラック等含めまして二九%の伸びということでございます。これに対しまして国内の内需、国内販売と考えてもいいと思いますけれども、これが全車種で前年比九七・三%ということで、若干の減になっておるという状況でございます。国内の需要減がそのまま輸出の方に押し出されたというふうに簡単につながるのかどうか、その辺は断定的なことを申せませんけれども、輸出が伸びて国内は若干へっこんだという事態であることは事実でございます。
#270
○玉置委員 大体自動車全体としては一四、五%の伸びだったと思いますけれども、そういう状況が先ほどのお話から貿易摩擦をさらに拡大するという状況になったわけでございます。
 そこで非常に心配しておりますのは、三〇%伸びた輸出、これを国内に振り向けなければいけない。いま輸出比率が大体五〇、五〇になっていると思いますけれども、そういう状況から見て、三〇%伸びたということは、現在の規模がそうなってしまっているというふうにも見ていいと思います。そういう意味でその三〇%を振り向けますと、国内を二五%近く、あるいは前の落ち分を回復するとすれば逆に三割を超した力で拡大をしていかなければいけない。それに対してわれわれが聞いておりますのは、現在の国内需要というのは非常に停滞をしている。先ほどの数字でも九七・三%ということでございます。台数としては九七・三でございますけれども、自動車の販売店の利益率等を見ますと、いままで悪いことは悪いですけれども、少なくとも二、三社は黒字計上をしている。そして五十四年度決算からすべて赤字に落ち込んでいる。こういう状況を考えますと、ますます台数消化のために大変な乱売合戦が起こるのではないかという心配があるわけです。
 これは大蔵省に言ってもしようがないので通産省にお聞きをするのですけれども、いまの自動車産業といいますか、自動車には鉄鋼からガラスから繊維から樹脂、いろいろなものが使われております。そういう面で現在の製造業に占めるウエートというものは大体一割前後だと思いますけれども、ウエートがだんだん大きくなったわけですね。それが最悪落ち込んで七割操業になったということを考えますとどういう影響が出てくるのかということを心配するわけです。そういう具体的な数字を申し上げるとなかなか答えにくいと思うので、自動車が落ち込んだ場合どういう分野までどのような影響が出てくるのか。大ざっぱで結構です。
#271
○西中説明員 おっしゃるとおり自動車は非常にすそ野の広い産業でございまして、自動車製造業で製造業の約一〇%程度のシェアを占めておるというふうな産業でございます。それにまたいろいろなすそ野も広うございますので、おっしゃるように自動車産業の今後の成り行きと申しますことは、ほかの産業にも相当の影響が出てくるということは当然言えるわけでございます。ただ、同じ関連産業と申しましても、自動車部品工業もございますればあるいは鉄鋼業でございましてもあるいは物によっては化学工業におきましてもいろいろな意味で関連があるわけでございますけれども、率直に申しまして、現在自動車産業が一定の落ち込みを示した場合に、それぞれの産業にどの程度の影響が出てくるかということを定量的にはまだ私ども把握してないという段階でございます。
#272
○玉置委員 今回の物品税値上げに際しましていろいろなデータを出してみたのですけれども、当初五%という算定がございました。仮に五%上がると国内消費が七%低減をする、そういうデータが過去の値上げの推移から拾い出されてきたわけでございます。国内が七%、さらに輸出の分が落ち込むということになりますと、それはもう本当に大変なことになりまして、第一次オイルショックの当時たしか操業度が七五%前後まで落ち込んだと思います。現在は稼働としては非常にいいわけでございますけれども、ただやはり装置産業ということで固定比率が意外と高い。そういうことを考えますと、落ち込んだらもろに利益分をとられてしまって、そして納めたくても法人税が納められない。法人税の関係でも、現在自動車メーカーだけで大体三千億円の法人税を納めているわけですけれども、それにも影響してくる。そしてもっとひどくなりますと周りの関連産業を含めて、現在自動車産業だけで大体百四十万くらいの直接関係のある方が働いておられます。すそ野といいますか素材関係を入れると膨大な数字になるわけです。そういうことを考えると、物品税を取り上げてこういうことを申し上げるのは大変恐縮でございますけれども、何とか先行き考えていかなければいけない。ちょうどそういう悪い時期に物品税が上がってしまうということでございます。大蔵大臣、大臣の地元に家電関係、輸送用機器の工場が非常にたくさんあるわけですね。当然働いている方もおられます。そういうことで、そういう方々の生活を守るという立場から現在の自動車産業を含めた家電あるいは輸出用機器全般、特に輸出に依存をしている大きいところですね、それについてもし大変な低下があるということがあれば、これからいろいろなお力になっていただけるかどうか、そういうことをお伺いしたいと思います。
#273
○渡辺国務大臣 選挙区の話を大臣がするわけにいかないのですが、私のところにも日産自動車の工場とか家電関係だとナショナル系統とかいろいろあるのですよ。実は労働組合も、労使双方で私のことを応援してもらっておりましてね。ですから私は非常に重大な関心を持っておるのです。ですから、自動車産業というようなものあるいは家電関係でもそういうものがさびれることは日本全体も困るし、大企業といったって、大企業というのはみんなそこに何万人という人がいるから大企業なんですから、大企業がおかしくなることは私は困るわけです。ですからぜひともそれはおかしくならないようにいろいろな点でやはり工夫をしていかなければならぬ。しかし、日本の財政も健全でなければ大企業も困るわけでしてね。そういうことで今回はそううんと大幅なというわけでもないわけでして、それぞれ小幅なものでございますから、この程度はひとつ御容赦をいただきたいといって私からもお願いをいたしておるところでございます。
#274
○玉置委員 ちょっと質問の仕方がおかしかったのですけれども、たとえば日本の自動車メーカーが、トヨタがアメリカのクライスラー社の立場になったとき、あれだけ行政介入をしない、そして自由経済の発達したアメリカでさえも政府が負債の肩がわりというか保証をするという決断までしているわけです。日本はアメリカよりもむしろフランスに近い行政体質、そういうふうに思うわけでございますけれども、そういう面から見て、いま大蔵大臣おっしゃいましたように自動車産業というのは一つの会社が大体二万から五万ぐらいの従業員がいるわけですけれども、そのすそ野には大体四倍以上の方がおられ、さらにまだおられる。そういうことを考えますと、それこそ産業政策あるいは中小企業対策にもなるような、そういう部分もあるわけですね、ある程度の操業度をカバーするという面で。そういう面から、たとえばアメリカのクライスラー社に行ったアメリカ政府の決断のようなことが日本の政府として可能かどうか、またやる気があるかどうか。
#275
○高橋(元)政府委員 大臣からお答えのあります前に、五%税率が引き上がってそれの全部が自動車価格の引き上げになるという前提でのお話かと思うのですが、私ども今回御提案いたしております二・五%の税率の引き上げの場合に乗用車の小売価格が幾ら上がるかということを現在のマージン率を前提にはじいてみますと大体一・六ないし七%でございます。それで、一・六ないし七%乗用車の小売価格が上がりましたときに一体それに関連する需要が幾ら減ってくるかということなんですが、これは私どもがいろいろ測定をいたしまして、アメリカの数値とかいろいろ学者の説とか聞いてみたのですが、どうも弾性値は〇・六ぐらいであろう、マイナス〇・六と申し上げた方が正確かもしれません、であろうと。したがって一・六%台の小売価格の上昇から起こる需要減というのは、ほかの状況変わりなかりせば一%未満ということであろうと思います。
 それでは自動車の生産がGNPの中でかなりすそ野が広いではないかということですけれども、鉱工業生産に占める割合というのをまたずっとめんどうな式を使って計算をしていま持っておるところによりますと、車体、部品を含めまして三角〇・〇二という数字のようでございます。
 したがって、今回お願いをいたしております程度の――もちろん物品税の引き上げによって影響がないということなど一つも申し上げておるわけではございませんけれども、影響というのはいま申し上げておる程度のオーダーであろうというふうに推定をいたしまして、これは産業連関表とか需要関数とかいろいろ使いましてやった数値でございますからそのとおり申し上げておるわけでございますが、現実にはまた幾らか変わってくるかもしれません。
 その影響がいま申し上げた程度でございますのと、そのほかにもう一つは、財政金融政策全体を通じて適切な総需要水準を維持していく、またそれを実現していくことによって、また需要を通じて別途自動車産業に対して新しい、たとえば先ほど来お話になっております消費の回復ということによって新しい需要というものも出てくるわけでございますから、そこは私どもはいまお話のありますほど大きな影響であろうというふうに考えておりませんし、経済全体にとって致命的なものであるというふうには毛頭考えておらないわけでございます。
#276
○玉置委員 余り自動車のことをやっておるとほかのことをやる時間がなくなるので、ともかくいまの普及度を見ても全体で六〇%近い普及度になっているわけでございまして、また用途から見ても仕事あるいは通勤通学、買い物、そういうもので八〇%前後のウエートを占めておるわけでございますから、何回も申し上げますけれども、ぜひとも、家電とともに生活必需品の要素を出しております製品でございますから、改正の際、大体二十年ぐらいで改正される方がいいと思うのですけれども、そういう面ぜひお願いをしたいと思います。今回法案ができていままで変わったことがないのでまず無理だということで、次のときのためにお願いをしておきたい、かように思います。
 そこで、次に有価証券取引税についてお伺いをしたいと思います。
 当初、税率五〇%引き上げというふうに言われておりましたけれども、いざ出てまいりますと半分になってきた。そして諸外国の例から見ると税率が非常に少ない。少ないといいますか比較的小幅といいますか、全体に低いわけですね。そういうことがあるわけです。特に有価証券なんかでやられる場合には商取引をやっておられる方が多いわけでございますけれども、一般に関係ない部分については小幅になり、一般に関係ある部分については大体大幅に出てくるというこの考え方が私はどちらかというと余り好きじゃない方でございまして、諸外国と比較をしての税率、そして前回たしかOECDか何かのときにお話し合いがあったということを聞いておりますけれども、そのときに一%が限度ですよという話を内々されたということでございます。それとの関係で見たら今回の増税というものはどうなのか。それと、逆に上限、そのときには一%というお話がありましたけれども、たとえばいまの市場構成を考えてあるいはいまの市場がさらに健全に生きていくことを考えますと、どの程度になれば阻害要因としてこの税が出てくるのか、その辺についてお伺いをしておきます。
#277
○高橋(元)政府委員 この有価証券取引税と申しますのは、有価証券の売買、いまは納税義務者は売り手でございますから譲渡の背後にあります担税力というものを推定いたしまして、非常にラフな、薄い税率で流通税として課税をするというのがその趣旨でございます。同種の税金はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにもございます。ニューヨーク州の例で申しますと、ことしの一月二日現在のニューヨーク・ダウの株価を前提といたしますと一万円について四円、それからイギリスの場合はこれは一万円について二百円、ドイツは一万円について二十五円、フランスが一万円について三十円ないし十五円、こういう税金でございますから、今回の第二種の甲というのですか、株の場合の一万円について五十五円というのはいま申し上げた四カ国に比べれば有価証券の取引税としては税率は高い方である。有価証券の税率をもっともっと引き上げたらどうかということはたびたびこの委員会でも御指摘をいただいておるのでございますが、資本の自由な移動ということから生ずる利益というものに着目をして、OECDでも〇・五%、どんなことがあっても一%を超えてはならないというような勧告が出ているわけでございます。私どもも今回の財政の現状から、税率の引き上げをお願いをいたします際に、いろいろ国際的に見たら相当高過ぎるじゃないかという御意見もかなり強かったわけでございますけれども、やはり資本市場に与える影響というものを考え、また国債がたとえば現先というような金融取引に使われておるということも考えまして、いまお手元に御審議をいただいておるような案に落ちついたということでございます。そういうことでございますから、現在の一万分の五十五という税負担水準といいますものは当面の水準としては一応の限界というふうに考えております。
#278
○玉置委員 諸外国から低い部分でも限界だというふうに言われる部分があるわけでございますから、いまの物品税を初めいろいろな分野でのそういう同等の見直しというものをぜひお願いをしたいと思います。
 今回有価証券の取引税の中で国債が外されているわけでございますけれども、当然国債を売りやすくするということでわかるのです。わかるのですけれども、他の公社債について非常に不利になるのではないかと思うわけです。そういう面で見てどういうふうにお考えになっているか、その辺についてお答えを願います。
#279
○高橋(元)政府委員 国債の売買というのは公社債の流通市場の中で六割ぐらいの分量になっておりますが、また公社債の流通の六割の分量が何によって起こっておるかと申しますといわゆる現先でございます。現先市場で動いております担保物件の中でこれまた半分、六割ぐらいが国債でございます。現先取引と申しますのは私も専門的なことはよくわかりませんけれども、短期の金融市場としてはかなり大きなウエートを持っておるわけでありまして、そういう機能に対して現先のマージンというのは非常に小さいわけでございます。有価証券取引税を国債について仮にほかの債券類と同様に〇・〇一五%ないし〇・〇〇五%引き上げるといたしますと、現先市場に非常に影響を及ぼす。そこで現先取引というものについてその機能を否定できないというか、むしろそういう機能を阻害してはならないという前提になりますと、その中で代表的な現先の対象になります国債の有価証券取引税の税率を据え置いておく必要がある、こういうふうに考えるわけでございます。
 もう一つは、国債の現在の利回りは御案内のとおり金融債、地方債、それから電力債といったような公社債に比べて割り負けがしております。したがいまして金融債、地方債、政保債というようなものについて有価証券取引税の負担の引き上げをお願いしたとしても、国債が割り負けをしておるということからしますと、特にほかの金融債等の市場性が害されるということにはならない、そういうふうに考えまして国債消化への配慮ということもございますが、いま申し上げたようなことを総合勘案して国債にかかる利率を据え置いたということでございます。
#280
○玉置委員 全体の率が非常に小さいですから有利か不利かというぐあいには出てこないというふうに感ずるわけです。そういう意味では一律に上げたらよかったのじゃないかと考えるわけです。しかしこれから諸外国に比べてまだまだ有利な条件でございますから、そういう面でぜひお願いをしておきたいと思います。
 ところで印紙税でございますけれども、印紙税が今度上げられまして、大変金額の高い部分についでは段階的に分けられ、そして免税点とかそういう面についてはなかなか見直しを行っていない、そのように感じるわけです。そして特に受取書、いわゆる領収書に張る印紙税なんかにつきまして、現在百万までは三万円以上百円、それを二百円にするというお話でございますけれども、現在のいろいろな取引から見ましてむしろ免税点を若干引き上げたらどうか、大体五万円ぐらいじゃどうかなという気がするわけです。それと現在のいろいろな取引分野を見てみますと、要するに企業規模の小さいところほど小さい取引が多いわけでございます。そういうことから考えますと、印紙を張って出すのが売り上げが少なくなってきますと非常にふえてくるのではないか。言い方を変えますと、要するに、企業規模が大きくなると一件当たりの取引額が大きくなって取引件数が少なくなる、企業規模が小さくなると一件当たりの取引額が小さくなって取引件数がふえてくる、そういうところがあるのではないかというふうに思うわけでございまして、現在百万まで一応百円、今度二百円をぜひ五十万円ぐらいで区切っていただいて、五十万と百万に分けられないか、五十万以下を百円にできないか、その辺についていろいろな、特に中小企業の実態については大蔵大臣よく御存じでございますから、その辺を頭に入れて御答弁をお願いしたいと思います。
#281
○高橋(元)政府委員 印紙税の改正をいたします際、前回、四十九年もそうでございますし、それから五十五年もそうでございますが、実態調査をいたします。どのくらいの文書がつけられておって、どのくらいが課税されておるか、その課税は何%でどのくらいになっておるかということを相当詳しく調べるわけでございます。いまお話がございました二十二号文書の受取書でございますが、全体で百億通あるわけでございますけれども、百億通の中で課税されておりますものが十億通弱でございます。それで九十億通は免税点以下ということで非課税でございます。その割合は九〇・一%、これは実は四十八年に免税点を引き上げて一万円にしたわけでございますが、その当時、課税と非課税の割合は、課税二八・四、非課税八三・六でございました。当時八三・六でありましたものを、四十九年に三万円に引き上げて九〇・九ということにして、それ以後大体課税、非課税の割合というのは変わっておりません。階級定額税率、定額税率について一律に負担を倍額にお引き上げをお願いいたすという場合に、したがいまして、受取書については格段免税点の引き上げはやらなかったわけでございます。
 それから、たとえば受取書等につきまして、一定額以下の受取書の税率を据え置くということでございますけれども、これも定額税率、階級定額税率を通じまして一律二倍の負担をお願いいたしておるという今回の税制改正の趣旨からいたしまして、最低二百円の負担をお願いしてよいのではないかと考えておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#282
○玉置委員 大変少ないところに回数が多い。先ほどから見てもあれですけれども、そういう感じがするわけですね。それと先ほども申し上げましたように、中小企業の中で体質の苦しいところほどこの二倍に上がった税率が効いてくるというような観点から、ぜひその面での見直しというか、お願いしたいと思います。ただ、一回出たら引っ込まない法案でございますから非常にむずかしいと思いますけれども。
 そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、先ほどのお話にもありましたように、いまわれわれ非常に関心を持っておりますのは、いわゆる付加価値税の創設、これが本当にどういう形で出てくるか、これは出てくることはまず間違いないというふうに見ているのですけれども、その中でどういう形で出てくるのか、そして出てきた場合に先ほど、この前の酒税のときにも申し上げ、今回も申し上げましたように、いまかかっているいろいろな税制があります、間接税、そういうところがやはり見直されるべきではないか。これは付加価値税いい悪いという話は全く別にしまして、たとえばこういう条件があるというふうに仮定をした場合に、そういうことを考えるちょっうどいい時期ではないかと思うわけです。それで大体物品税についてもちょうど時期としては二十年になります。また戦後の経済がぼつぼつ第一次、第二次石油ショックによって構造改善が達成されて、今回、第二次を耐え抜いたということは、日本がそれだけ新しい体質が身についたというふうに思えるわけでございまして、そういう意味からたとえば――たとえばて結構ですからね、そういう新しい税体系ができる、そういう時期には現行税制を総合的に見直していただけるという話ができるかどうか、その辺についてもう一度お答えをお願いします。
#283
○渡辺国務大臣 新しい幅広い間接税をやるかという話、再三御質問があるのですが、それを言いますと、歳出カットができなくなっちゃうのですよ。皆さんは歳出カットをやれと言っているわけですから、まず歳出カットをやる。歳出カットがどれだけできるのかやってみないとわからない。いずれにしても税体系の問題は中長期的なものだと思いますが、見直す時期は必ず来るだろう、そうは思っています。
#284
○玉置委員 税調の小倉会長が、先日の朝日新聞だったと思います、日経かもしれませんけれども、三月から間接税について見直しをやっていきたい、たしかそういうような回答をなさったと思います。三月からやるというのはあさってからやることですね。あるいは三月の上旬、中旬、下旬とありますけれども、少なくとも大蔵大臣には大体の進めぐあいあるいは内容についてお話があってしかるべきである、そういうふうに思うわけです。その辺についてお話を聞いておられるかどうか。そしてもし聞いておられないとしたら、税調というのは大蔵大臣の諮問機関ではないのか、大蔵に関係ないのかということですね。その辺についてお聞きしたいと思います。
#285
○高橋(元)政府委員 三月からということを税調会長が言われましたのは、たしか昨年の十二月に答申を出されました後の記者会見と、その前ごろに税の小委員会でもそういうようなことをおっしゃったかもしれないと思っております。昨年の十二月のたしか二十日でありますが、年度答申をいただきました際の税制調査会では、企画特別部会の設置ということは了承をいただいたわけですが、まだ大臣にはこれから企画特別部会なり総会なりで何をやってどうするかということは実は私はお話ししておりませんのは、まだその考えが全くまとまっておらないわけでございます。また、部会に属する委員さんの御氏名ということも会長からお話もございませんし、私どもの方からも御相談もしておりませんで、今後どういうふうに持っていきますかは国会でのいろいろな御意見、それからその後発展してまいりましたいろいろな御意見を総合的に一度整理しまして、その上で大臣のお許しを得て会長とも御相談をして取り運んでいくという運びでございますから、三月、あさってからすぐにも始めるというような手順には現在なっておらないわけであります。
#286
○玉置委員 あと二分でございますからなるべく小さい質問にしたいと思いますけれども、大蔵大臣、この間沢田先生の方から要求されて五十六年度予算の中の人員計画というのを出されましたけれども、大蔵省としても国税庁という大変膨大な人員を抱え、大変苦しい中でやっておられるのは事実でございまして、仮に大蔵省で、いまの人員を一〇%削減するといういわゆる政府の方針といいますか、内閣の方針が出た場合にどうされますか。
#287
○渡辺国務大臣 大臣というのは仮に仮にの話は余り言えないのです、新聞に仮にがなくなってしまってそこのところばかり出たりして世の中を騒がせてしまうから。だから仮にの話はひとつ御勘弁願います。
#288
○玉置委員 じゃ具体的に言いますと、たとえばこの間の資料によりますと、増加になるのは百一名ですか、その中で大部分が国立大学の関係だというふうに聞いておりますけれども、時間がないのである程度にしたいのですけれども、行政改革の一環として各省庁、自分のところは最善の策をとっておると考えられておると思うのですね。すべて増税に絡んできたのが行政改革が遅々として進まなかったということでございますから、そういう意味でたとえば百一名になりましたけれども、各省庁別に見るといろいろな動きがございまして、削減あり増員ありという内容であります。当然人員計画の際には余剰人員をどこで活用するかということを考えられておると思いますけれども、ただ、いままでを見ておりますと、削減というのはやめられる方であって、増員というのは新規採用が多いという感じを受けております。その辺で、たとえば新規という要望が出てきたら各省庁からそれぞれそれに適応するような方を募ってその人をあてがう、その減った分をほかの方々でカバーしていくということをやらなければ、新規分だけが必ず上積みされてきて、やめられる方がいないと人員が減らないということになるわけでございますから、そういう面でこれから考えていただきたいと思うわけです。いままでの行政改革の進みぐあいから見て、やはりもっとシビアな見方をお願いしたい。時間がないのでお願いだけにとどめます。そういうことをぜひお願いしたい。
 以上でございます。
#289
○綿貫委員長 簑輪幸代君。
#290
○簑輪委員 私は、物品税に関連する諸点についてお伺いしたいと思います。
 現行の物品税は昭和三十七年に制定されたということですけれども、物品税制度そのものについては昭和十二年に戦費調達のために設けられたということです。現行法を見ますと、どういう物品に課税するか、基準について条文上明確なものがないわけです。別表がありまして、そういうものに課税するのだということになっておりますけれども、その考え方の基準が全然明確でないわけで、いままでの論議の中で、物品税の課税対象基準については、一応奢侈品ないし比較的高価な便益品、趣味・娯楽品に限定するという考え方だと言われているわけですけれども、現在の物品税の課税対象基準というものはいま言われているこの考え方の枠を超えるものではないというふうに理解してよろしいのでしょうか。
#291
○高橋(元)政府委員 別表に掲げる物品に物品税を課するというのが物品税法の規定でございまして、これは御案内のとおりでございます。それに基づいて現在六十八の品目に課税しております。六十八の品目は相互にそれぞれ一つ一つ個別の消費税があるのと同じような形でございますが、結局それはどうやって選ばれたかといいますと、いままさに簑輪委員からおっしゃいましたように、奢侈品、比較的高価な便益品、趣味・娯楽品ということを頭に置きまして、相互のバランスをとって決めておるということでございます。
#292
○簑輪委員 今回の改正案でもこの基準で考えられておるわけで、別の理由からそれをさらに広げているということはないというふうに伺ってよろしいのでしょうか。
#293
○高橋(元)政府委員 そのとおりでございます。
#294
○簑輪委員 物品税は経過から見ましてもいろいろないきさつがあるわけですけれども、途中を見てみますと、従来は高級な消費とかぜいたくだと見られていたものが次第に一般的になってきて、そういう商品というか物品に対して課税するのは適当でないということで縮小されてきたという経過があるわけです。奢侈的消費というものを抑制するという基本があって、そういう点から見てみますと今度は物品税はいろいろ問題があるように思うわけです。経済企画庁の調査で普及率などがいろいろ出されておりますけれども、電気洗たく機とか冷蔵庫とか電気やぐらごたつ、掃除機などというものは、いろいろな階層にわたって一〇〇%近い普及になっているわけですね。大体これらは生活必需品になってきたのではないかと私は思うわけです。そして、今回の改正で新たに全自動洗たく機というものが対象となって掲げられております。それから衣類乾燥機。洗たく機自身の普及率の表はあるわけですけれども、全自動洗たく機に限っての普及率は経済企画庁でもないですし、衣類乾燥機についての普及状況というものもないわけです。けれども、私ども毎日の生活あるいはみんなの話を聞いてみますと、とにかく全自動洗たく機もずいぶん普及してきておりますし、さらに衣類乾燥機も広がってきているわけです。ことに、共働きの家庭にとりましてはこれが必需品になっていると言っても言い過ぎではありません。非常に忙しい中で全自動洗たく機によって洗たくをする。それからまた、たくさん子供がいたり、洗たく物がたくさんあるという家庭、そして特にことしのような豪雪とか、雪が降ったり雨が長いこと続いたりというようなことがありますと、子供を抱える親としましては衣類乾燥機というものも非常に必要になってくるわけなのです。そういう点から見ますと生活必需品と言っても言い過ぎではないと思いますし、こういうようなものについてはぜひ非課税としていくことこそ、この製品の普及などの状況から見ましても当然だと思いますし、それからこういうものを買う場合に、担税力があるからとか余裕があるから買うというのじゃなしに必要があるから買うわけで、その点ぜひ非課税にしていただかなければならないのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#295
○矢澤政府委員 先ほど来、生活必需品は非課税にすべきだ、あるいは普及率が非常に高くなったもの、そういう意味で消費が一般化したものは非課税とすべきが適当であるというような御意見が出ているわけでございます。
 物品税が創設されたのは昭和十二年でございますが、当時からの課税物品の推移を見ますと、当時はまだ生活水準もそれほど高くなく、したがいまして消費品目もそれほど多くはなかったようでございます。そういう意味で愛玩用動物が対象になったり、繊維製品とかくつとか履物とかいうものまで課税対象になっていたわけでございます。戦後の混乱期あるいは昭和三十年代の高度成長期に、こういった比較的貧しい生活水準のもとで一般的であったものと申しますか生活必需品であったものが物品税の課税対象から外されているわけでございます。その後所得水準も非常に上がってまいりました、それから物資の供給も潤沢になってまいりました。そういった所得水準の上昇の中で次第に一般化してきたもの、主として電気製品などがそれに該当すると思うのでございますが、そういうものにつきましては、普及率が上がったからすなわち生活必需品である、すなわちまた消費が一般化されているという考え方は、食糧が生活必需品である、あるいは繊維製品が生活必需品であるとかという考え方とは少しニュアンスが異なっているのではないかと感じております。したがいまして、生活水準が上がった中で消費が一般化してきたというものはそれだけに余裕を反映しているものでございますから、それらのものにつきましては担税力もあると考えるべきではないかと考えておる次第でございます。
 それから、全自動洗たく機でございますが、これは確かに共働きの家庭あるいはお忙しい方にとっては非常に必要なものであるという点も御指摘のとおりでございます。ただ、普通の、全自動ではない洗たく機はただいま非課税になっておりますが、それと比べますと、たとえば五十四年の出荷額でございますが、全体の数量、電気洗たく機が三百九十七万台生産されておりまして、そのうち全自動洗たく機は六十五万台でございまして、全体の数量の中に占めます全自動洗たく機の割合は一六・四%ということでございます。また、価格的にも普通の洗たく機に比べますと全自動洗たく機がかなり値段も張っているわけでございますので、必要があるからお買いになるという事情もよくわかるわけでございますが、反面ある程度余裕のある方がお買いになる、あるいは物品税の中で伝統的に考えております、比較的高価な便益品であるというような定義にも該当すると考えて、今回新規課税物品の対象に加えさしていただいた次第でございます。
#296
○簑輪委員 全自動洗たく機のお話をいただきましたけれども、乾燥機についてはどのようにお考えですか。
#297
○矢澤政府委員 乾燥機につきましては、五十四年でございますが、全体で二十九万台程度の生産台数でございます。普及率は、申しわけございませんが、ちょっと手もとにないのでございますけれども、毎年の生産台数から見ましてまだそれほど高い普及率になっているとは思えないようでございます。
#298
○簑輪委員 時代とともに、文化水準とともに生活必需品というものも変化するわけで、それに対応して考えていただかなければならないと思いますけれども、全自動洗たく機や衣類乾燥機の必要性というものを認識していただいているわけですから、ぜひお考え直しをいただきたいと思います。
 それでは次に、現在の物価の状況から見ましても、物品税を引き上げますと当然のことながらこれが物価にはね返ってくる、そしてひいては消費にも影響を及ぼすというような関係にあると思います。そこで、物価対策との兼ね合いもあわせて、どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。
#299
○矢澤政府委員 今回御提案いたしております物品税の新規課税の取り込みあるいは自動車の税率の引き上げ、これらを含めまして消費者物価指数に対する影響は、私どもの計算では〇・〇二%程度の上昇要因になると思っております。
 なお、この物品税の今回御提案しておりますものはすべて製造段階の課税でございます。したがいまして、小売り価格に対して五%上がるというものではございません。メーカーの蔵出し価格に対して、暫定税率で申しますれば五%あるいは一〇%上がるわけでございますので、便乗値上げのないようには十分注意する必要があろうと思っております。
#300
○簑輪委員 こういう間接税の引き上げ、物品税などは特にそうだと思いますけれども、生活保護世帯の方が購入される場合にも税金がかかってくるということになるわけです。先ほど来のお話にもありましたように、担税力があるから税金をかけるということから考えますと、保護世帯が購入する物品にまでかかってくるというのはいかがかというふうに思いますが、その点大臣はどのようにお考えでしょうか。
#301
○高橋(元)政府委員 これはたびたび申し上げておりますように、消費税というものの持っております性格でございます。いま委員からお話のありますようなことでありますと、すべての税というのは総合累進の単一の所得税でなければその効果が上がらないわけでございますけれども、税制は所得税一本または支出税一本でやれという御主張も学説といたしましてはございますけれども、諸国の実際を見ますと、やはり消費税それから所得税、所得税を中心といたしまして消費税それから企業課税を補完していくという、一種のタックスミックスと申しますか、そういう体系をとっているわけでございます。それで、再分配、逆進性ということが必ず問題になるわけでございますけれども、それは広く公共の支出と申しますか歳出面を通じての社会保障政策というものと、それからまたその公共支出の所得分布からいたしますと必ず低所得の方にたくさん行っておりまして、財政制度審議会がかつて試算をいたしましたけれども、大体年所得七百万円以下の階層でありますと、税でいただくものよりは国から給付としてお出しするものの方が多い、そういうバランスになっておるようでございます。全体として財政の所得分配効果というのを把握していただくということでございまして、消費税、所得課税相まって、国民に公共の費用を負担していただくという税制の構造として、いまお話しのようなことは問題がございますけれども、物品税という形でお願いをいたしております負担、これまた御理解をいただかねばならないものではないかというふうに認識しておる次第でございます。
#302
○簑輪委員 昔は保護世帯ではたとえばテレビを買ってはいけないとかというようなことがございましたね。そういうときにテレビはぜいたく品だから課税をするということは、これはわからないわけでもないわけですけれども、現在はそういうようなことにはなっておりませんで、保護世帯にも文化的生活、最低限度の生活というか、憲法で保障されたその水準の生活を維持するために、いろいろな消費財を買うわけですが、これに税金がかかるのはおかしいのじゃないかというふうに大臣はお思いになりませんか。大臣にお尋ねいたします。
#303
○渡辺国務大臣 保護世帯でも、お酒も飲むし、たばこも吸うし、いろいろ物も買う、したがって、そういうようなことについては、最小限度のものであっても、やはりその保護世帯の生活費の中で見ているわけです。そっちでちゃんと見ているわけですから。それはもう、あんまりたくさんだぼだぼは見られませんよ、最小限度のものですから。そういうことで御理解をいただきたいと思います。
#304
○簑輪委員 それでは次に家具の物品税についてちょっとお尋ねをいたします。
 家具については、四十九年の改正以降免税点の見直しも行われていないという中で、いろいろな問題があり、要望も承っておるわけですけれども、現在どのような形にしろ生活必需品の一つであることは間違いないわけなんですね。木製家具業者の状況は、木材とか合板とかの原材料が非常に上がっているということ、それからまた、住宅新築の減少などが需要の停滞を招いておりまして、経営が非常に悪化しているわけで倒産も相次いでいるという状況にあります。
 特にこの木製家具製造業者というのは非常に零細業者が多くて、従業員十九人以下が八六・一%、九人以下が七四・九%という、圧倒的に零細業者が比重を占めているわけです。税金を製品に転嫁するという点でもなかなか十分できないということで、場合によっては身銭を切って納めているということもあり得るわけです。今回政令事項の中で免税点の引き上げについて検討されているということが言われているわけですけれども、家具のような生活必需品について課税しないということはやはり必要ではないか、少なくとも免税点についての見直しの場合、実情に合うようにしないといけないのじゃないかと思うわけです。
 婚礼家具セットというのでしょうか、いわゆる三点セットで、これは全国家具工業連合会というところの調べによりますけれども、昭和四十九年に材料費は十四万九百十六円、ところが五十五年に材料費は三十万四千七百九十六円ということになっておりまして、四十九年のときには免税点は二十七万三千円、ことしも免税点はそのまま変わらないわけです。いままで変わってないわけですけれども、こういうふうに計算してみますと、四十九年のときには免税点をはるかに下回る材料費で済んでいたものが、現在は免税点を材料費だけで超えてしまっているという現状があるわけです。さらに外注工賃、人件費などを加えますと実に原価としては三点セットで五十四万三千四百三十二円というふうに計算されているわけです。こういうところから見ますと、家具については非常に実情に即さない免税点になっているので、大幅な見直しをしなければならないというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#305
○矢澤政府委員 免税点は政令で決まっているわけでございます。それで、免税点の引き上げの御要望もかなり強いものがございましたが、当初私どもは財政の再建のためにいろいろ各方面に御負担をおかけして税率の引き上げをお願いしている状況でございますから、免税点の引き上げにはなかなか応じ切れないという考え方を持っていたことも事実でございます。しかしながら、御指摘のように、海外要因によりまして木材の相場は大変に上がっております。そういう意味で、今回につきましては一般的に免税点の引き上げを行うことはいたしませんが、海外要因によりまして原材料の高騰したもの、しかも四十九年の改正時と比べまして二倍以上に高騰したものを基準に選びまして、それらを主な原材料として使うものにつきましては免税点を引き上げるという方針で政令の改定を予定しております。四十九年に比べまして原材料価格が二倍以上に上がりましたものは、ラワン材を中心とする木材とそれから貴金属でございます。そういう観点から、家具とそれから貴金属製品の免税点の引き上げをするという方針を固めたわけでございます。
 これは、政令改正で法律が通りますれば五月一日から実施することを予定しているわけでございますが、ただいま私どもが考えておる案は、たとえばいま御指摘のありました三点セット、たんす、たなものにつきましては、一点当たりでございますが、現行九万一千円の免税点を十三万六千五百円に引き上げる予定でございます。これは製造価格での免税点でございます。しかも一点当たりの免税点でございますから、いままででございますと九万一千円――製造価格で九万一千円と申しますと市場では大体二十万円ぐらい、三点セットにいたしますと六十万円ぐらいという値段になるわけでございますが、今回三十万六千五百円に引き上げますと、大体一点当たり二十五万ないし三十万円ぐらい。したがいまして、市場で買いますと二十五万から三十万円ぐらいの物が免税点以下におさまりますので、三点セットといたしましては八十万−九十万ぐらいの物が免税点以下で買えるようになるのではないか。この点に関連いたしましては、価格を決める際に東京の数軒の家具屋さんも見て歩きまして、売れ筋商品は大体三点セット八十万円前後ということで、御納得いただけるような改正案を予定しておるわけでございます。
#306
○簑輪委員 婚礼用品の中で、家具というもののほかにミシンなんかもあるわけですけれども、ミシンはずっと前に課税が廃止されているわけですね。どういう事情でミシンが廃止されたのか、ちょっと私もつまびらかではありませんけれども、ミシンが廃止されているのだし、婚礼家具の最低ラインぐらいはみんな廃止してもいいんじゃないかということを思うわけですが、家具についてはいまお話しになったものだけじゃなくて、今後廃止の方向というのを検討する余地はないんでしょうか。
#307
○矢澤政府委員 家具につきましては生活必需的な、非常に家庭で使われる一般品もございますし、御承知のように大変高価な家具もあるわけでございますから、ただいまの物品税の考え方から申しますと、これを全部廃止するのは適当ではないと思いますが、ただいま御指摘のように、お嫁さんに行くときに一生に一度買うというようなものは、一般の物はできるだけ免税点以下におさめていきたいということで考えているわけでございます。
#308
○簑輪委員 家具でいろいろ問題になっている点の一つに免税点すれすれ――免税点以下の物は非課税なわけですけれども、それをちょっと超えると急に税金ががばっとかかって、その間断層があるというようなことが言われているわけですね。いま設けられている免税点の制度というものがいかなる基準で設けられているのかという点について、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#309
○矢澤政府委員 課税物品の中で大衆に使われるような標準品、これを大体免税点のところにはめていくという考え方でつくっております。
#310
○簑輪委員 いろいろな点でいまおっしゃった基準でもう一度見直していただきたいと思うわけですが、いま合理的な線になっていないというのが私どもの実感なわけです。ぜひいまおっしゃったように見直しをしていただきたいというふうに思います。
 それからさっきちょっとお話がございました便乗値上げの問題がやはり心配されるわけです。特に家電製品や自動車などというものはこれを機会にモデルチェンジなども行って、そして価格が大幅に上昇するというようなことが心配されるわけです。その点どのように対策をとるべきかという点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#311
○矢澤政府委員 私どもは税制を扱っている役所でございますから、直接価格指導をする立場にはございません。ただ、前回の改正の際は、今回のように新しく課税物品に取り込む物が大部分通産省所管の物資でございますので、通産省の方にお願いいたしまして、しかるべき指導をしていただきたいと思っております。
#312
○簑輪委員 今後の物品税のあり方についてちょっとお尋ねしたいわけですが、政府の税調の答申では「物品税の課税対策について現行の考え方をとる限り、これにまとまった増収を期待することには限界があり、物品税によってある程度の増収を図るためには、こうした考え方自体を再検討することも必要となろう。」「こうした考え方」というのは奢侈品云々ということになるわけですが、こういうふうにして考えていく場合、税体系としての物品税のあり方についてどのように再検討をするということになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#313
○渡辺国務大臣 物品税法も古くなると、実際はいろいろ矛盾があるのですよ。それはたとえば、ここでたんすの話が出たけれども、私も議員になった当時、何でキリのたんすに課税しないのだということを言ったことを自分でも覚えています。ところが、これは日本の伝統品だとか漆がどうだとか言っていましたよ。それじゃ何で西陣織に課税しないのだ、何百万もするやつ。これは自民党でもいや課税するのは反対だという人が多いですよ。ところが共産党の人も私のところに五人来まして、西陣織けしからぬと言ってきたから、課税をもっとしろという話かと思ったら、西陣織は課税するなと言うんだよ。おかしいじゃないかと言ったら、五人か六人だったな、理屈はいろいろあるけれども、ともかく選挙区がどうでとか、大体京都の人だった。(発言する者あり)あんたも一緒だったの、あのとき。
 そういうように奢侈品奢侈品と言われても、なかなか理屈どおりにいかないところがありまして、そうなってくると、しかし課税される方から見れば、何だ奢侈品に課税しないでおれたちにばかり課税してという文句があるのですよ。したがって、そういうことをなくするためにはどうしたらいいのか、みんな少しずつがいいのかというようなことも、それはやはり将来の課題としていつか検討するときがあれば、そのときまでお預けで、そのときに検討をさせていただきたいと思っています。
#314
○簑輪委員 いまの大臣の御発言の中に、あんたも云々というのがあって、議事録のところでその辺のところを明確にしておいていただかないと、あんたというと質問者は私でございますので……。
#315
○渡辺国務大臣 それは気の毒でございますから、別な方でございます。あなたもというのは簑輪委員ではないということを議事録にはっきりしておきます。
#316
○簑輪委員 物品税そのものを、今後あり方全般を見直すということがあるときに考えるみたいなお話なんですけれども、結局、課税対象を広げていくというような考え方をもしとるならば、一般消費税に行きついてしまうのではないかということも言われているわけですね。昭和四十六年の政府税調の答申でも、個別消費税では消費の多様化、一般化から見て限界があり、その点から一般消費税の検討もあわせて必要というような答申がされているわけです。物品税の対象を拡大していくという考え方は、それをずっと進めていくと、課税ベースの広い間接税というふうになっていくのかならないのかというあたりはどういうふうにお考えなんでしょうか。
#317
○高橋(元)政府委員 技術的なことですから、先にお答えをさせていただきます。
 これは、一言で申しますとポジリストでかけるかネガリストでかけるかということでございまして、物品税の方式と申しますのは、消費財を法律をもって一つ一つ指定をいたしまして、どんどんそれを課税対象に取り込んでいく。それを連結する原理が奢侈品、高度の便益品、趣味・娯楽品と、現在のところはそうでございます。税制調査会が昨年の十一月に言われました考え方は、それだけではなかなかついていけないかもしれないから、まとまった税収を期待するならば、それにもう少し変わったプリンシプルをつけ加える必要があるのかもしれないということを指摘されたわけであります。しかしながら、個別にポジリストでかけています限りは、これは物品税は物品税でございますから、いわゆる間接新税と申しますか、一般的な消費税というものとは税の性格を異にしておるというのがいまの私の考え方でございます。
#318
○簑輪委員 この税調の答申でいきますと、「物品税によってある程度の増収を図るためには、」というふうに言われているわけですね。物品税によって増収を図るというのは、増収のために課税対象をふやすとか、あるいは税率を上げるとか、あるいは免税点の問題を考えるとかというようなことになるわけですけれども、この答申から見ますとそういう方向を考えておられるやに考えられるわけですけれども、政府としてはそういうふうには考えておられないわけですか。
#319
○高橋(元)政府委員 申し上げるまでもないことですが、昨年の十一月の答申は、税制調査会の考えによりますと、GNPの二%のギャップをいかなる税制をもって比較的早い時期に埋めていくのか、こういう頭でできておるわけでございます。そういう観点から所得税はどうか、法人税はどうか、それから個別物品・サービス課税はどうか、それから幅広い間接税はどうか、こういう検討でございますから、その場合に個別物品・サービス課税ということでございますと、物品税がそのメーンでございます。酒税とかそういう、エクサイズと俗に言っておりますそういう系統の消費課税ではとても対応できないのでしょうから、物品税を拡充するしかありませんがと、こういうまくらでこの文章は書かれておるわけでございますから、さように御理解いただきたいと思います。
#320
○簑輪委員 それで、その物品税をずっと広げていくときに、ネガかポジかという話になるわけですけれども、その辺のところはある時期に判断を下すということになるわけですね。物品税をずつと拡大していくということだけでは事は解決できないというふうに判断をされる、そういう時期がいつごろかというのは、再三いろいろ議論がありますけれども、いまのところは見通しは定かではないということでしょうか。
#321
○高橋(元)政府委員 これは先ほど来大臣から繰り返しお答えのあったことでございます。個別物品・サービス課税は、いかに課税範囲を拡大しても一般的な消費税とは別のものでございます。
 したがいまして、いまの御質問は間接新税というものをどういうふうに考えていつやるかということになると思いますが、その点につきましては、先ほど来の大臣のお答えで私からは特につけ加えさしていただくことはないと思います。
#322
○簑輪委員 主税局長は、「税経通信」という雑誌の対談の中で、消費財だけじゃなくて、ある意味で言えば中間財の一部もそれに取り込ませていくという考え方で物品税を広げていくこともこれから検討しなければならないかもしれないというようなことをおっしゃられているわけですが、そういう段階を主税局長自身は考えておられるわけではないのでしょうか。
#323
○高橋(元)政府委員 新しい考え方ということが中期答申の中で出てまいりますが、それを税制調査会で御論議をいただきますときに、消費財、もっぱら消費に用いられるものというふうに限定をいたすのか、それよりもやや生産手段的なものまで課税の対象に、たとえば事務用品でございますね、電卓とか、いまありますマイコンとか、ああいうようなものまで入れていくのか、そういう点が議論になったことがございます。そういう議論を踏まえて私がその座談会のときに、正確に覚えておりませんが、そういう趣旨のことを、新しい見方の一例としてそこでお話ししておるということでございますから、私自身がそういう形で物品税を拡充していくということをその当時考えておったわけではございません。
#324
○簑輪委員 特に、その主税局長のお話しのときに、カナダなどで実施されている製造者消費税などというようなものを想定しておられるということではないわけですか。
#325
○高橋(元)政府委員 製造者消費税は、これは税制調査会の中期答申の分類で申しますと、一般的な消費税なんでございます。課税ベースの広い間接税の一類型でございます。(簑輪委員「それとは別ですか」と呼ぶ)それと、いままでずっとるる御説明申し上げましたように、私がそこで話をしておりますのは、個別物品・サービス課税としての物品税の一つの考え方、広げていくといたしました場合の一つの考え方でございまして、別でございます。
#326
○簑輪委員 ちょっと細かいことになりますが、物品税の特殊用途免税のことについてお伺いしたいわけです。
 現在、身体障害者の場合ですが、みずから運転する目的で購入する自動車については特殊用途免税の適用がなされているわけです。しかし、生計を一にする者が運転するという場合までには広がっていないわけですね。一方地方税の方で自動車税、軽自動車税、自動車取得税などについては、この生計を一にする者が購入する自動車も免税となるというふうに取り扱われているように承知しているわけです。もちろん地方税と国税との性質の差異という問題もありましょうけれども、これまでにもこの問題について同僚議員で議論をしたことがあるわけですが、特に運輸省や厚生省からの要望や意見などもあるわけですし、国際障害者年ということもあって、この際障害者みずから運転するという場合だけでなく、生計を一にする者が購入する自動車についても免税とする、特殊用途免税にするということをお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#327
○矢澤政府委員 御要望の点につきましては、去年の三月に政令を改正いたしまして、いま御指摘のありましたように、地方税と同じような扱いにいたしております。
 具体的に申しますと、従来は、いまお話がございましたように、下肢または体幹、胴体が不自由である方についてのみ免税対象者としていたわけでございますが、その昨年の三月の改正によりまして、一つは、対象となる身体障害者の範囲を拡大いたしております。下肢、体幹不自由者のほかに、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、下肢不自由、心臓、腎臓、呼吸器機能障害、重度の精神薄弱、こういったものを追加いたしております。
 それから第二点は、身障者の名前で購入しまして、もっぱらその身体障害者のために生計同一者が運転をするものについても免税対象とする。御本人でなくても、一定の条件のもとに免税対象とする。この場合に、十八歳未満の身体障害者または重度の精神薄弱者につきましては、生計同一者も免税で購入できるという改正を加えまして、地方税と扱いをそろえているわけでございます。
#328
○簑輪委員 いまお話しいただきました中で、上肢不自由というのは入っておりましたでしょうか。
#329
○矢澤政府委員 失礼いたしました。上肢も入っております。私、言い間違えまして、上肢不自由も新たに対象にいたしております。
#330
○簑輪委員 そうしますと、地方税の取り扱いと全く同じというふうに理解してよろしいわけでしょうか。
#331
○矢澤政府委員 さようでございます。
#332
○簑輪委員 次に、今後の税制のあり方についてお尋ねをするわけですが、財政再建が緊急の課題だというふうに言われているわけですけれども、それにしても税負担の求め方として、今回の税制改正に見られるように、所得税の四年連続減税見送りや物品税や印紙税など、もっぱら国民への負担強化、大衆課税強化によって行われるというやり方はとても認めることができないわけです。今後の税体系のあり方、税負担の求め方としてどういう方向を考えられておられるか、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#333
○渡辺国務大臣 先ほどもお話をいたしましたように、財源がなければいろんな政府のサービスをしようと思ってもできない。歳出面というのは、老齢化社会に向かってなかなか抑え切れない歳出面がある。したがって、それは歳出のその他の削減で極力切ります、いまのところそこまでしか言っていないわけですね。切っても足りない場合はどうなんだという場合には何らかの御負担を、税とは限りませんよ、しかし何らかの御負担で財源をつくっていかなければならないということはあり得ると思うのですね。しかし、切ってみないからまだわからない。法律、制度も含めたものまで切らなければ大きな金目のものは出ませんから。そこでこれは政治判断の問題になって、切る方がいいのか、それとも別に負担がやむを得ないのかという政治判断の問題がそこから出てきます。ただ、私が言えることは、要するに直間比率が日本は七、三で、直税関係が七割、間接税が三割、フランスは六割が間接税で四割が直接税、イギリス、ドイツはその日本とフランスの間というようなことを見ると、日本の三割というのは少し少な過ぎるんじゃないか、もう少し直間比率を直してもいいんじゃないかというようなことは頭のすみっこにあるんです。だけれども、それをどういうふうにそれじゃしていくかということは、まだすみっこにあるだけでして、それが頭じゅうに広がってこないというのがいまの状態なんです。
#334
○簑輪委員 いま直間比率の問題が出て、大臣はいつものことながら外国との比較を出されるわけですけれども、なぜかここでアメリカが抜けるわけですね。その点はなぜでしょうか。
#335
○高橋(元)政府委員 州税としてかなり間接税を取っております。御承知のように、州の小売税というのは州の一般的な小売課税でございますが、そういうものを初めとしまして間接税はむしろ州の方により多く集まっておる。連邦は所得税を中心にしております。そういう連邦制の固有の問題からいま申し上げたようなことが起こっておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#336
○渡辺国務大臣 それから政府の仕組みが違うのですよ。日本のように、特別交付税といって三税の収入の三分の一もどっと流す仕組みはアメリカにないわけですよ。したがって、あそこには何かちょっとしたものはあるらしいんだが、財政支出の一・五、六%というもので調整をするという程度のものはありますので、国家の仕組みが違うということでございます。
#337
○簑輪委員 ヨーロッパは国家の仕組みが同じだという認識なのでしょうか。たとえばヨーロッパの場合、付加価値税的なものがすでに施行された段階で間直比率が七、三とか六、四とかということになっているわけですし、日本の場合はそういうふうになっていない状況で比較をするということになっているわけですから、その点ちょっと違うように思うわけですね。そうなれば、頭の中に広がってないというお話ですけれども、どの程度の直間比率が望ましいというようなことは、現状から見て、大まかなものでもあるんでしょうか。
#338
○渡辺国務大臣 いや、どの程度まではないんだけれども、フランスほどはもちろんいかないわけですね。それから、ドイツぐらいがいいのか、どれくらいがいいのか、そこらのところまでまだ考えつかないわけです。だけれども、いまよりももっとふやしてもいいんじゃないかという気がしているということです。
#339
○簑輪委員 ふやした方がいいとか、ふやしてもいいんじゃないかということですけれども、その理由というのが外国と比較して違うからと言うのではどうも説得力がないので、なぜ間接税の比率をふやすのがいいのかということについて、その理由をちょっと……。
#340
○渡辺国務大臣 やっぱりこれは税の取り方の問題になるでしょうけれども、一番わかりやすい話が、所得税というのは減税をしてくれと言う人はあっても、増税してくれと言う人はないわけですよね、どこにも。だから、所得税で増税するなんていったらすぐ大蔵大臣は首になっちゃう。そんなことはなかなか言うべくしてむずかしい。しかし現実には、要するに財政事情があるというような問題もございますから、もし今後税負担をふやしていくというような事態があれば、直接税というよりも間接税のシェアをもう少しふやしてもやむを得ないんじゃないかというように考えておるということであって、それはまだ頭のすみっこの方であって、そういうふうに決めたわけでも何でもまたないわけです。国民の御意向等も聞き、国会の御論議も聞いて、そうしてから考えようと思っておるわけです。
#341
○簑輪委員 間接税の比率を高めていくというようにするとすれば、現行の間接税制のもとでできるというふうにお考えなんでしょうか。
#342
○渡辺国務大臣 これもむずかしいんですよね、実際の話が。いまのままでは間接税の品目をふやすというようなことでうまくいくのかどうなのか、そこらのところもこれは専門家の意見を聞いて、私は専門家じゃありませんので、学者先生その他いろいろな人、それから国会議員の意見も聞いていきたい、そう思っております。
#343
○簑輪委員 現行の間接税の税制のもとでむずかしいとすれば、どういうふうな間接税というか、どういうような税目で比率を高めるのかというようなことについて、すでにそういう調査などが進んでいるというふうに伺っていいんでしょうか。
#344
○渡辺国務大臣 別に調査は進んでいないのですけれども、一つの議論として、政府税調が、消費に着目した幅広い間接税の問題はさけて通れないんじゃないかというようなことを言っていることも事実なんです。しかし、私としてはそこまでいかなくても済むかどうか。これは要するに、もっぱら歳出と歳入との関係でございますから、まだそこまで――勉強はいいですよ。したがって、勉強はしてもらって結構なんですが、そのことは先ほども言っているように、まずそういうふうな税収の話を先にしちまうと歳出カットが鈍くなっちゃうから、だからまず歳出カットを現実のものとした上で検討したい、そういうふうに思っております。
#345
○簑輪委員 問題は直間比率ということではなくて、財政需要に見合うだけの税収がどうなのかということであるはずなんですね。直間比率というのはあくまで比率の問題にすぎないわけで、一方が上がれば一方が下がる、比率というのはそういう性質なものですから。その点で言えば税の基本というのは応能主義といいますか、それが公平な税制だと言われているわけで、その点から言えば最も適切と考えられるのが直接税であるはずで、そちらの方を追求していくということがもはや全く不可能だというふうに言える状況ではないと私どもは思っておるわけです。その点の追求が今後どういうふうになるわけでしょうか。
#346
○渡辺国務大臣 それは税収というのは固定的じゃありませんから、固定的なものでもう税収が自然増収ゼロだ、伸びないのだということになれば片っ方がふえれば片っ方が減るということになりますが、伸び方の問題もあるし、それは全体として動いているわけです。毎年税収は経済がうまくいけば全体としては大きくなっていくということが言われているのです。大きくなっていく中で大きくなり方の問題がありますね。もちろん直接税についてもいわゆる捕捉率が、まだ捕捉が足らぬじゃないかとか、あるいは制度的にこれは目的を果たしたからやめてもいいじゃないかとか引当金その他についてもいろいろ御批判がございます。そういうものについてはわれわれは謙虚に耳を傾けて、現実的な実態も一方で横にらみをしながらきちっと税収の確保を図っていく、それはもちろんのことです。
#347
○簑輪委員 間接税については逆進性が強い税制であるということはもう公知のことであって、この逆進性の強い間接税の比率を高めるということはまさに逆進性をより一層強めるということにならざるを得ないというふうに思うわけです。ですから、いま大臣がおっしゃったやめてもいいものはやめるとかという話だけじゃなくて、現実の不公平税制というものがまだ残っているわけなんです。これで一段落したとかというようなことも言われているわけですけれども、そうじゃなくてもっともっと不公平税制の是正を追求していかなければいけないというふうに考えますが、その点はいかがなんですか。
#348
○渡辺国務大臣 制度的には、大体不公正、不公正と言うけれども、何が不公正かという問題がございます。脱税しているとか、それで捕捉できないでいいことにしているとか、こういうようなものはもちろんやることはあたりまえのことなんです。それから制度の上においても、たとえば措置法というものがあって、それを不公平と見る人と不公平でないと見る人といろいろあるわけですよ、現実に一兆円の減税効果をもたらしているわけですから。しかしその大部分は、七千八百億円くらいのものは個人を中心にした要するに減税措置なんですね。ですから、どこを不公平に見るか、見方においてはこれは政党によっても見解が違います。違いますが、われわれもみんな選挙をやって出てくるわけですから、国民の支持を得られるような判定をしないと困るわけでしょう。ですから、国民が納得いくような限界において不公平というものがもしあればそれは徹底的に直していかなければならぬ、そう思っております。
#349
○簑輪委員 さっき申し上げましたように間接税は逆進性が非常に強い、だから間接税の割合を高めるということは逆進性を強めるということになると思うけれどもというお話をしたのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#350
○高橋(元)政府委員 間接税の逆進性ということで家計調査の資料などを使って資料を国会にお出ししておりますが、それをごらんいただきましてもおわかりになりますように、一番強いのはたばこでございます。それから次いで酒でございます。そういう意味ではこういういわゆる支出の弾力性が非常に小さいものというものは所得の小さい、収入の少ない階層ほど支出が多くなりますから、それに同じ率の税金を乗せれば逆進的になってくる。ですが、一般にすべての間接税が逆進的かというとそうにもならないんだろうというふうに思います。たとえば揮発油税でございますと、これは若干の例外があるものの、自動車関係費というのは所得の大きい階層ほどよりたくさん出しておりますから、そういう意味ではそういう意味の逆進性からは比較的免れておるだろうと思いますし、物品税につきましてもそういう点の御批判というのはわりあいと少ないだろうと思います。たとえば自動車の購入費というのは所得がふえますと一・二五倍くらいの割合で自動車を買う、これは統計上の数値でございますが、そういうことになっておりますので、所得の大きいほど自動車をたくさん買われるわけですから、自動車の物品税はより高い階層が負担される。そういうふうに、物品税だけに限りませんけれども、消費税の中の各種の税目についてうまくいろいろ考えている。しかも現在の物品税も不完全ながらとっておりますが、差等税率と申しますか、たとえばダイヤモンドの税金は高いけれどもおしろいの税金が安い、そういうようなものを組み合わせていくことによってそこは間接税の中でも工夫の余地は十分あるだろうというふうに考えておるわけでございます。
#351
○簑輪委員 個々的に見れば逆進性が少ないとか多いとかいろいろあると思いますけれども、全体として逆進性が強いというふうに言われているわけで、間接税全体の統計の中で逆進性があるというふうに指摘されているわけですから、その点では、仮に逆進性でなくて対応していたとしても、累進でない分だけでも逆進性というふうにも言えるわけで、そういう点での逆進という点は否定できないのじゃないかと思うのですね。たとえばパーセンテージでずっとあらわしていって特に所得の少ない人の方が負担のパーセンテージが高いのではなくて、たとえばどの階層をとってもパーセンテージが同じだとしても、本来ならパーセンテージは上がっていかなければならないはずなので、そういう点での逆進性というのはあるものだというふうに私は思うのですけれども、そういうふうにはお考えになりませんか。
#352
○高橋(元)政府委員 もちろん応能ということは非常に重要な租税の原則でございますけれども、同時に、ちょっと理屈張って恐縮でございますが、租税の原則の中では応益ということもかなり強く出ておるわけでございます。たとえば先ほど申し上げましたようにガソリン税などは応益税というふうに通常理解されておるわけで、応能、応益、累進、比例、若干の先ほど申し上げたエクサイズ、たばこのエクサイズなどは逆進でございますが、そういうものを組み合わせて全体として税体系が応能でありかつ累進になっておるということが大事なことなので、それぞれの税目が全部累進であり、それから一定の所得階層以下にかからないという形の税制というのはあり得ないと私どもは思っておりますし、そういう税制をつくった上で歳出の組み合わせで必要な歳出を充足してインフレの起こらないような全体の財政をつくった上で、税負担と申しますか、公共の支出をどうやって社会全体で配分しながら分け持っていくのかということ、これは税制の永遠の課題でございます。私は決して現在の税制がそういうことに理想のものであると思いませんが、そういう観点で常に見直していかなければならないという点は御指摘のとおりでありますけれども、私は、間接税または一つ一つの間接税法が逆進性を持っているからまたは累進性がないからすべて否定し去るというわけにはいかないのではないかということを税制に携わる者としていつも考えているわけでございます。
#353
○簑輪委員 私は直間比率の問題を中心に考えていただくのではなく、具体的に個別税目などについても不公平にならないように、それから生活の実態に即応した課税対象というものを考えていただきたいということをお願いしたいわけです。
 それから最後に、政府の税調の答申で、広く消費に着目した大型間接税は避けて通れない、税調はそう言っているわけですけれども、大臣の認識も避けて通ることは全くできないというふうにお考えでしょうか。
#354
○渡辺国務大臣 それはもう先ほどから何遍も何遍も私が言っているように、そういう御提案があります。したがって、研究はしたっていいでしょう。しかし、それをやらなくて済むようなことができれば、それが一番いいんです。まずそれをやってみましょうということを私は申し上げているわけです。
#355
○簑輪委員 避けて通るために御努力を願いたいというふうに思いますが、その点、重ねて……。
#356
○渡辺国務大臣 極力努力をいたします。
#357
○簑輪委員 終わります。
#358
○綿貫委員長 次回は、来る三月三日火曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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