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1980/04/21 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 地方行政委員会 第12号
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1980/04/21 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第094回国会 地方行政委員会 第12号
昭和五十六年四月二十一日(火曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 左藤  恵君
   理事 石川 要三君 理事 工藤  巖君
   理事 中山 利生君 理事 安田 貴六君
   理事 佐藤 敬治君 理事 松本 幸男君
   理事 大橋 敏雄君 理事 青山  丘君
      池田  淳君    池田 行彦君
      臼井日出男君    小澤  潔君
      片岡 清一君    久間 章生君
      久野 忠治君    塩谷 一夫君
      谷  洋一君    地崎宇三郎君
      西岡 武夫君    松野 幸泰君
      五十嵐広三君    小川 省吾君
      加藤 万吉君    細谷 治嘉君
      石田幸四郎君    部谷 孝之君
      岩佐 恵美君    三谷 秀治君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安孫子藤吉君
 出席政府委員
        警察庁交通局長 池田 速雄君
        自治大臣官房審
        議官      大嶋  孝君
        自治大臣官房審
        議官      矢野浩一郎君
        自治大臣官房審
        議官      金子 憲五君
        自治省行政局長 砂子田 隆君
        自治省行政局公
        務員部長    宮尾  盤君
        自治省行政局選
        挙部長     大林 勝臣君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 石原 信雄君
        消防庁長官   近藤 隆之君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計企画官    藤原 和人君
        大蔵省主計局主
        計官      公文  宏君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   源氏田重義君
        国税庁長官官房
        企画課長    渡邊 敬之君
        厚生省社会局庶
        務課長     朝本 信明君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 古川貞二郎君
        社会保険庁医療
        保険部健康保険
        課長      多田  宏君
        通商産業省機械
        情報産業局車両
        課長      三野 正博君
        運輸大臣官房海
        洋課長     森平 倫生君
        運輸省船舶局監
        理課長     早川  章君
        建設省都市局下
        水道部公共下水
        道課長     玉木  勉君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  片山 正夫君
        自治省財政局交
        付税課長    能勢 邦之君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  亀井 静香君     谷  洋一君
    ―――――――――――――
四月二十日
 社会保険関係職員の身分移管に関する請願(井
 出一太郎君紹介)(第三二〇一号)
 同(小川平二君紹介)(第三二〇二号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第三二〇三号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第三二〇四号)
 同(串原義直君紹介)(第三二〇五号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第三二〇六号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第三二〇七号)
 同(清水勇君紹介)(第三二〇八号)
 同(下平正一君紹介)(第三二〇九号)
 同(中村茂君紹介)(第三二一〇号)
 同(羽田孜君紹介)(第三二一一号)
 同(宮下創平君紹介)(第三二一二号)
 身体障害者に対する地方行政改善に関する請願
 (坂田道太君紹介)(第三三〇七号)
 同(近岡理一郎君紹介)(第三三〇八号)
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(坂田道太君紹介)(
 第三三〇九号)
 同(近岡理一郎君紹介)(第三三一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二五号)
     ――――◇―――――
#2
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩佐恵美君。
#3
○岩佐委員 先週の十七日に第二次臨時行政調査会の第五回の会合が開かれ、二年がかりで審議をする中期的な検討課題と、七月上旬をめどに答申をする緊急課題が決まりました。緊急課題の中には、補助金の整理、地方交付税などの地方の財源配分の問題が含まれているというふうに理解をしておりますが、国、地方を通じて行政改革が政治の一つの焦点となっているいま、行政改革に臨むに当たっての自治省の基本的な態度についてまず大臣にお伺いをしたいと思います。
#4
○安孫子国務大臣 第二臨調の論議の対象になりますことは、新聞等にも公表されておりまするから、またその審議の進行状態というものは臨調自体が進めている問題でございまするから、これにどうこう申し上げるわけではございませんが、自治省として期待いたしておりますことは、日本の自治行政の立場から申しまして許認可事務が非常に多い、それから地方と国との事務の配分が適切じゃない、これは再配分する必要があるだろう。それから再配分するにいたしましても財源の問題がございますので、財源もあわせて再配分をすべきだろう。それからまた地方の出先機関というものも相当多い。この辺も自治体が成長しておる今日においては考え直してもいい問題も多々あるじゃないか。そうした国と地方の問題について懸案事項がたくさんあるわけでございます。これを解決いたしますことが日本の自治制度の発展のためにきわめて重要な課題だ、こう考えておるわけでございます。
 この点は、従来もしばしば論議をされてきたところでございまするけれども、その実行につきましては必ずしも満足すべき状態にはないわけでございまするが、かような点を、臨調といたしましてはせっかくの機会でございますから、ひとつ十分に論議を尽くされまして、そして日本の発展のために地方自治制度というものが確立いたしますために、懸案事項になっております問題を解決できますようにということを自治省といたしましてはこいねがっておるところでございます。こんな点について、私どもは十分今後臨調の動向も見ながら希望いたしているわけでございます。
#5
○岩佐委員 大臣は先日の当委員会で、経団連の行政改革の提言について、とりわけ交付税率の引き下げなどの提案について見当違いの点が多いと思っているというふうに言われ、今後の行政改革の方向について地方分権の方向に進むべきで、それが結果として行政の効率化にもつながるというふうに言っておられるわけですが、この考え方で第二臨調にも臨まれるというふうに理解をしてよろしいわけですね。
#6
○安孫子国務大臣 そういう態度で自治省が臨調に臨むということではございませんので、臨調は臨調自体といたしまして審議、論議を尽くされるわけでございますから、どういう結論が出ますか、私どもはこれを見ておるわけでございます。ただ、そうした答申が出ました暁において、政府の施策としてこれが実行される場合には、そういう点についても十分に留意をしていかなくちゃいかぬだろう、こう思っておるわけです。
#7
○岩佐委員 先週の十七日に自治省が第二臨時行政調査会に呼ばれて、行政改革に対する自治省の基本姿勢、改革の方向、地方団体の現状と問題点など、広範囲にわたって意見を求められたというふうに聞いているわけですが、その中の二、三の問題について伺いたいと思います。
 まず補助金を区分して、そして改善の方向を説明したというふうに報道されておりますけれども、その内容について御説明を願いたいと思います。
#8
○土屋政府委員 お尋ねの点につきましては、国庫補助金等の中には、義務教育なり社会保障なり公共事業といったような基幹的な行政について、全国的に一定の行政水準を維持するというような機能を果たしておりますものと、地方一般財源に財源を移しかえて、地方団体が地域の実態に即してみずからの工夫によって行政を進める方が望ましいというものがございます。そういったものについて見直しを行う。要するに、国の関与が必要な分野と、地方団体にゆだねるべき分野との見直しを行う必要がある。そういった考え方に立ちまして補助金の整理合理化を進める必要があると言っておるわけでございますが、その内容につきましては、一つには、補助金の整理に伴って事務事業を廃止するものを明確にする、それから二つ目には、補助金等の縮減に見合って事務量なり事業量を縮減をしていくという分野と、それから三つ目には、従前と同程度の事務量、事業量を維持する必要があるもの、ここらを区分をいたしまして、それぞれの補助金等に合った整理の方向というものを考えるべきだということで分類の仕方を示しておるわけでございます。
#9
○岩佐委員 補助金の整理合理化となれば、廃止する補助金も当然生まれてくると思いますけれども、その場合、零細補助金が特に問題になるのではないかと思います。補助金の申請手続のために要した事務経費より国庫補助金額の方が少ない補助金については、国、地方を通じての事務と経費の効率化を図る観点から、それがもしどうしても必要な事業であるということであれば地方の一般財源にすべきである。そのためには零細補助金とはどんなものか、一定の基準がなければ整理のしようがないと思います。大蔵省は零細補助金の基準、そういうものを持っておられると聞いておりますけれども、どんなものを零細補助金と言っているのか、お答えをいただきたいと思います。
#10
○藤原説明員 零細補助金の基準についてのお尋ねでございますが、零細補助金につきましては、政府部内におきまして零細補助の基準というものを設けまして、これに該当するものにつきましては極力廃止をするとか統合をするとかというようなことを進めてきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、交付決定単位ごとに、都道府県及び政令指定都市の場合五百万円未満のもの、市町村の場合には五十万円未満のものを基準といたしております。
#11
○岩佐委員 零細補助金の整理の進行状況、これはどういうふうになっているのか、伺いたいと思います。
#12
○藤原説明員 五十六年度の場合で申し上げますと、廃止をいたしましたものが八件、そのほか統合をいたしましたものが十二件、そのほか交付先の変更等により零細性を解消いたしましたものなどが十七件、合計三十七件について零細補助金を解消したということになっております。
#13
○岩佐委員 整理をする場合にもちろん補助金はカットをされるということになるわけですけれども、その場合に仕事はどうなるか。仕事もなくすようになるのか。中には住民にとって必要な仕事もあると思います。そのようなものも一切なくしてしまうことになるのか、大蔵省の考えを伺いたいと思います。
#14
○藤原説明員 補助金の整理に当たりましては、まず基本的には事務事業をなくしていくということが基本になろうかと思うわけでございますが、先ほども申し上げましたが、零細補助金につきましては極力廃止あるいは統合などいたしまして、残すべきものは統合していくというようなことも合理化の一環としてやっているわけでございます。
#15
○岩佐委員 鈴木総理は、国庫補助金について総枠で一割削減するというふうに言っています。これが実施された場合、たとえばいまのように補助金は削るけれども仕事も削る、補助金もなくなるし仕事もなくなるというふうなやり方だと、従来補助金を受けていた地方団体、特にこの仕事によって地域の住民がいろいろな恩恵を得ているというようなことについても当然影響が出てくると思いますけれども、自治省は、その辺についてはどのような理解をしておられるか、伺いたいと思います。
#16
○土屋政府委員 行政全体を見直しまして不要不急のものとか、すでに役目を果たしてしまっておるものといったようなたぐいのものは基本的に事務事業も廃止し、また補助金も整理すべきである、それが行政の簡素効率化につながるものであると思っておるわけでございます。そういうことでございますから、仕事がなくなれば金も要らないということで、それはそれなりで一つの簡素化に役立つと存じます。
 ただ、先ほどからおっしゃいましたような零細なものということで一言に片づけてしまえるものかどうか、中にはどうしても地方団体の仕事としてやっていかなければならぬ、そういったものも残ると思います。そういう場合には地方団体はそれだけの負担があるわけでございますから、全体としてそれがどういう形になるかまだわかりませんけれども、私どもとしては、地方団体の仕事として残るものについては地方財源というものはやはり考えていかなければいけない。たとえば一般財源化といったようなこと等を含めて検討すべきだと思っております。
#17
○岩佐委員 四月十六日付の官庁速報によりますと、大した効果が期待できないものとか急いで取りかからなくてもよいもの、つまり重要性、緊急性に欠ける補助金の整理縮減をする場合は産業基盤関係投資を中心にすべきで、ごみとか下水道、水源開発などの生活環境施設関係投資については抑制すべきではないというのが自治省の考え方だというふうにここでは言われているわけですけれども、それはそのとおりなのかどうか、伺いたいと思います。
#18
○土屋政府委員 補助金等につきまして、どういった形で今後整理合理化が行われるかということになりますと、臨時行政調査会の審議なりあるいは今後の予算編成等を通じまして、具体的に検討がされていくというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私どもがその中身について、これは整理すべきだとかどうとかということを特定して申し上げるわけにはまいらないわけでございますし、生活環境基盤施設にいたしましても、あるいは産業基盤関係の施設にいたしましても、それぞれに性格に応じていろいろ検討されるだろうと存じます。
 ただ、全般的に見まして生活に密着した事業等につきましては、それなりに十分評価した上で検討さるべきものだと思っておりますので、補助金の整理という場合におきましても、いま申し上げましたような生活基盤施設等についてはそういった評価のもとにいろいろ検討されるだろうし、またそういった方向でいいのではないか、そういうことを申し上げておるわけでございます。
#19
○岩佐委員 私たちは列島改造当時から、日本の公共投資が道路、港湾などの産業基盤整備が圧倒的に多くて、住宅、上下水道など国民の生活基盤投資の割合は低い、その比率は大体産業基盤が二に対して生活基盤が一であるということを指摘して、この公共投資の配分を逆転をして生活基盤二、そして産業基盤投資一、こういう割合にすることを提案してまいったわけでございますけれども、補助金についても生活環境整備が優先されるべきだというふうに思います。
 欧米に比べると、下水道の普及ははるかにおくれているわけです。それから都市公園の整備、これもずいぶん大きく立ちおくれをしています。また、低廉で質のよい住宅建設、これについてはもうどこへ行っても住民の方々は、何とか低廉で住みやすい公共住宅を欲しいのだという声が大きいわけですけれども、この点では生活環境施設整備のより一層の充実が国民的な課題ではないか、みんなが必要としているんではないかというふうに思います。
 ですから、補助金の整理縮減ということによって生活関連事業が抑制されるということになると国民の要求に逆行していくことになるわけで、その点についてはよく理解されて、そしてその方向にぜひ努力をするべきだというふうに思いますけれども、再度自治省の考え方を伺いたいと思います。
#20
○土屋政府委員 戦後の流れをいろいろ見てまいりますと、やはりおくれております社会資本の整備を進めるということで、先ほどおっしゃいました産業基盤施設等も含めてかなりな投資が行われてきたのは事実でございます。しかしながら、全体的に見てまいりますと、最近では、ごみなり下水なり都市公園なり、そういう面のおくれが目立ってきております。そういう生活環境施設の整備ということは非常に緊急なものとなっておるわけでございます。たとえば、この前審議をいただきました新産工特等の整備でも、やはりそういう方面に重点を置いて整備すべきだということを申し上げたわけでございますが、私どもとしても今後の整備にはそういう方に重点が向けられるべきだと思っております。
 ただ、補助金の整理という面でどういう形でやられるのか、これはまだ今後の問題でございますから私ども十分その点見きわめていかなければならないわけでございますけれども、全般的に事業を圧縮するといったことがあれば、あるいは仕事の面にもそれは響いてくるかもしれません。ただ、そういう行政を見直す中で、やはりいまおっしゃいましたような生活環境施設の整備といった面については、先ほど申し上げましたように、いろいろとそれなりの評価は当然与えられるべきものだというふうに考えております。
#21
○岩佐委員 ところで、その補助金が整理されますと、その中には仕事をそのまま残さなくてもよいものもあるでしょうし、また地方団体の立場では、仕事をやめてしまうと住民に迷惑がかかるような仕事もあることは当然であります。これはやめるわけにはいかないわけで、先ほどの答弁の中にもそういう点が強調されているわけでございますけれども、このような仕事に対する財源配分、従来補助金で措置されていた以上の額を当然地方税や交付税に振りかえて地方団体に行くようにしなければいけないというふうに思います。
 そうしますと、国税から地方税への税源配分の移譲、交付税で言うならば現行の三二%を当然引き上げなければならないという問題が、いずれ大きな問題になってくるというふうに思うわけでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#22
○土屋政府委員 先ほども申し上げましたが、今回の補助金の整理に当たりましては、事務事業を廃止すると同時に補助金を整理するというのが基本であるべきだ思っております。しかしながら、全般的に見ました場合に、私どもとしては、すでに地方の事務事業として同化、定型化しておるようなものとか、一定の基準を示せばあとは地方団体に任せておいた方がいいといったような仕事もあるわけでございますが、そういうもの等については従来から一般財源化を進めるべきであると思っておるわけでございます。
 そのほかにも整理をされるものが出てくると思いますけれども、整理された結果、事務事業が廃止できないものについては、私どもとしてはそれも一般財源化すべきものだと思っております。ただ、その形がどういうことになるのか、今後の進捗状況を見なければわかりません。全体的にその財源がどの程度地方として必要になってくるか、そこを見きわめた上で、それを一般財源化するときにどういう方法をとるのか。いま交付税率の話が出たわけでございますが、全体の必要な財源の量というようなこと等をよく見きわめた上で対策を考えたいと思っております。
 いずれにしても、整理されたものがただ国から地方へ財源が移るだけ、持つべきものが移るだけというような振りかえでは困るわけでございます。その点は、十分な財源措置がされるべきであるというふうに考えております。
#23
○岩佐委員 補助金額に見合うだけの財源が地方税なり交付税として地方の一般財源に振りかえられる、そういうことになれば地方団体の自主性、自律性がより強まるとともに、補助金手続に必要とされる人件費、実務量が大幅に節約されると思います。冒頭にも申し上げましたけれども、地方分権の方向が行政の効率化に通ずるという大臣のお考えにもこれは一致すると思うわけですけれども、自治省は補助金を地方の一般財源に振りかえることによって生じる経費あるいは人員の減少はどの程度か、大枠としてつかんでおられるかどうか、伺いたいと思います。
#24
○土屋政府委員 現在補助金の数は三千を超えるほど膨大なものになっておるわけでございます。そのために要します人員なり経費も相当なものであることは当然でございます。ただ、具体的にこの事務についてこれだけの経費がかかるといったような点まで計数的に私ども詰めたものは持っていないわけでございます。
#25
○岩佐委員 本気になって、行政改革の中の一環として補助金の整理を自治省の自発的な立場でやっていくということになると、当然この問題についてきちっとした数字をつかんで今後やっていかなければならないことになると思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#26
○土屋政府委員 おっしゃいますようないろいろな問題があるわけでございまして、知事会等においても、たとえば例示的にこういった事務をするために何人が何日かかるといったような詰めはあるわけでございます。極端な例でございますけれども、たとえばある仕事を持って上京する、旅費がかかったといっても、兼ねていろいろな仕事をする場合もあるわけでございますから、細かく言ったらこれはなかなかできるものじゃありませんが、マクロ的に見てこういった事務をやるのにどれくらいかというようなことは検討さるべきだと思っております。私どもいま計数的に明確なものは持っておりませんが、今後臨調等で国、地方を通じて簡素合理化を検討される際には、そういったことも詰めながら合理化が明らかにされていかなければならないだろうと考えております。私ども、なお一層そこらの点について検討は進めてみたいと思っております。
#27
○岩佐委員 次に、地方団体の事務に対する許認可事務の整理合理化の問題についても説明をしておられるので、一言伺いたいと思います。
 このことについては、地方公共団体で処理できるものでありながら必要以上に国の関与があるのが現状ではないかと思います。地方団体から早急な改善を求められていたものですけれども、自治省のこの問題についての改革の方向について伺いたいと思います。
#28
○砂子田政府委員 お話しのように、地方公共団体に対します許認可事務というのは大変多うございます。おおむね六千件ほどあると言われておりますが、あとう限り、いまおっしゃいましたように地方公共団体の自主性と責任において処理されることが大変大事なことでございますから、国の許認可等の関与というのは必要最小限にとどめるべきだと私たちは考えております。したがいまして、公共団体の事務処理に対する許認可あるいは権力的な関与というのは、法令中に国で統一的な基準を決めるということで処理ができるものであるならば、思い切ったそういう形での許認可事務の整理が必要であろうと考えております。
#29
○岩佐委員 機関委任事務の問題について伺いたいと思います。
 このことについては地方制度調査会の答申などで過去何度となく改善が指摘され、最近でも昨年の末、全国知事会が具体的な改善の提案などを行っているわけでありますけれども、なかなか問題が解消されないという実態になっています。自治省に伺いたいのですが、機関委任事務はどういう性格のものと考えているのか、そして改善の方向についてどうしたらいいというふうに考えているのか、伺いたいと思います。
#30
○砂子田政府委員 御案内のとおり、機関委任事務というのは、国の立場に立ちまして、公共団体の長あるいは吏員に対して国の指揮監督の中で仕事をさせるというのが機関委任事務のあり方であろうと思います。この機関委任事務というのは、その仕事自体が住民の身近で行われるということがございますから、なるべく公選で選ばれました首長が監督の行き届くところで住民の意見が反映し得るということでお任せしているものが大部分であろうと思っております。しかし、この機関委任事務の廃止というのは、御案内のとおり第一次の地方制度調査会が始まりましてから今次十八次に至るまでずいぶんいろいろな議論をしてまいりました。しかし、国の機関委任事務というのは国の事務ではなくて地方の事務に移るということの試案というのをいろいろ示しますが、大変このことのできが悪いことも事実でありまして、国と地方との間の事務配分というのは口で言うほどやさしいものではないと思っております。
#31
○岩佐委員 厚生省に伺いたいと思いますけれども、民生委員の仕事はどのような範囲、内容になっているのか、御説明いただきたいと思います。
#32
○朝本説明員 お答えいたします。
 民生委員の仕事は、民生委員法第十四条に定めがございまして、社会奉仕の精神をもって地域住民の保護指導に当たるということでありまして、具体的な業務といたしましては、常に調査を行って生活状態をつまびらかにしておく。それから保護を要する者を適切に保護指導する。さらに三番目といたしまして、社会福祉施設と密接に連絡して、その機能を助ける。四番目は、福祉事務所等関係行政機関の業務に協力をする。五番目は、その他必要に応じて生活の指導を行うというような業務内容となっております。
#33
○岩佐委員 仕事のその範囲といいますか具体的な社会福祉の方面、各方面ということになると思いますけれども、もう少し具体的にそこのところを明らかしていただきたいというふうに思います。
#34
○朝本説明員 お答えいたします。
 ただいま申し上げた法律の各条項に基づいて仕事をしていただいているわけでございますが、具体的には各地域におきまして、たとえば一人暮らしのお年寄りであるとか寝たきりのお年寄りであるとかあるいは母子家庭であるとか、いろいろな社会的なハンディキャップを持った方々が御相談に来られる。そうしますと、民生委員の方々が御自分の知識を生かして、そういう問題はこういうところへ相談に行けばこういう方向で解決ができるのではないかというような助言をなさっておられます。また具体的には、全国で三千六十カ所の心配ごと相談所というのを民生委員の方が主体になって設けておられまして、そこへいろいろな事情で社会的な適応に問題がある方々が相談に見える。そういう方に対して助言指導を行う。また、福祉事務所が生活保護を適用する、あるいは身体障害者のために各種の補装具であるとかあるいは車いすであるとかいうような給付を考える場合にも、民生委員の御意見を伺う、こういう形で御協力をいただいているわけでございます。
#35
○岩佐委員 この民生委員は、市町村長、福祉事務所長あるいは社会福祉主事等の事務の執行に協力をする、こういう職務であるということですね。
#36
○朝本説明員 おおむね仰せのとおりでございます。
#37
○岩佐委員 いまの厚生省の説明からも、この民生委員の仕事というのは、地域の実情をよくつかんで、そして地域住民と密着をした活動が強く要求をされているというふうに思います。
 ところで、この民生委員の選任をどういうふうになっているのでしょうか。
#38
○朝本説明員 お答えいたします。
 民生委員が地域に密着をいたしまして住民の信頼を得て十二分に活動するということが基本でございまして、真の適任者を得るということが非常に大事なことでございます。このようなことから、民生委員の選任手続でございますが、法律に定めがございまして、市町村ごとに設置される民生委員推薦会が推薦した者について、都道府県知事がさらに民生委員審査会の意見を聞いた上で厚生大臣に推薦をする、推薦を受けた厚生大臣が委嘱をする、こういう手続になっております。
#39
○岩佐委員 そうすると、知事が推薦をして厚生大臣が委嘱をするというふうになっているわけですね。
 厚生省に伺いますけれども、厚生省の方で民生委員の事務事業に対して補助金なりあるいは負担金、そういうものを出しているのでしょうか。
#40
○朝本説明員 お答えいたします。
 ただいま厚生省の方で補助金を出しているかという御質問でございますが、自治省の御理解を得まして、地方交付税の単位費用の中に民生委員に関する主な仕事の経費は算入をされております。先ほど申し上げました民生委員審査会、都道府県の分、それから市町村の民生委員推薦会の分、それから民生委員の活動に要する民生委員手当の費用等がその主なるものでございます。
 それから、厚生省はどうしているかという御質問でございますけれども、厚生省は補助金といたしまして、民生委員活動推進費といたしまして、その内訳、機関誌の作成費あるいは民生委員互助共励事業助成費というような費用、その中にはさらに細かく、先ほど申し上げました心配ごと相談所の運営費というようなものが含まれているわけでございます。
#41
○岩佐委員 都道府県知事には、民生委員を指揮監督をして指導訓練をする、あるいは民生委員協議会を組織する区域を定める、そういう事務があるわけですけれども、以上のいずれの事務も国の権限とされていて、機関委任によって都道府県知事が執行するものであるというふうにされているわけですけれども、そのとおりですね。
#42
○朝本説明員 そのとおりでございます。
#43
○岩佐委員 そうすると、いまのことから仕事は地域住民に密着した活動が要求される、しかし選任は知事が推薦して厚生大臣が委嘱をする、上の方からなされ、しかも事務の権限が国にある、執行は知事に委任されている、また財政措置は地方の固有の財源である交付税で措置されている、こういうふうになると活動あるいは任免、権限などに整合性がないと思いますけれども、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
#44
○安孫子国務大臣 まさしくお話しのとおりに、その辺の整合性というものは必ずしもないわけでございます。ただ、沿革的な問題はあると思いますが、やはり今後における地方自治の立場から申しますと、その辺はある時期においては割り切っていいのではないかと私は思っているわけでございます。その割り切り方についてはいろいろ議論もあるだろうと思いますけれども、実態は地方で全部やっておるわけでございます。
 ただ、民生委員の感情から申しますと、やはり厚生大臣の任命というのが民生委員としては一つの誇りにもなっておるわけですね。そういう点をどう扱うか。しかし、事務自体は本当に市町村なりが実態的にやっておるわけでございますから、その辺は割り切っていい面もありますけれども、沿革の問題もありますので、その辺の扱いは厚生省と今後よく検討してみなければいけない問題だと思っております。
#45
○岩佐委員 次に、地方財政法の十条の四に掲げられている経費についてですけれども、たとえば国会議員の選挙等の執行経費、外国人登録に要する経費、検疫に要する経費、こういうものについては全額国が負担をしているわけですけれども、この全額負担している理由について御説明を願います。
#46
○大林政府委員 まず選挙の関係からお答え申し上げますが、国会議員の選挙に関する事務は国の事務ということでございまして、ただ現実には都道府県あるいは市町村の選挙管理委員会に仕事をお願いせざるを得ないということで、機関委任事務の一つとして考えられてきたわけであります。国の事務でございますので、地方団体に対しまして国の選挙を執行するための費用はちゃんとしておかなければならぬということで、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律というものをつくりまして、そこで市町村のランク別に、しかも個々の仕事の種類ごとに一応全国的な標準的な経費というものをあらかじめ定めておきまして、短期間に非常に繁雑な仕事をお願いするわけでありますから、そういった財政的な面で御心配のないようにあらかじめ法律で決めておく、こういうシステムになっておるわけであります。
#47
○岩佐委員 いまの御説明だと、国の仕事だから全額国で負担をしているということになるわけですけれども、それじゃすべてがそうなっているのかということで見てみますと、たとえば東京都の国からの機関委任事務の実施状況調査、これは五十三年の五月にされたものでございますが、それからちょっと私が物価問題等で関心のある部分を拾って見たわけでございますけれども、たとえば不当景品類及び不当表示防止法、これに基づく事務事業は国庫の委託金になっているわけですね。それから家庭用品品質表示法あるいは消費生活用製品の安全のための立入検査等、これについては交付税で措置をされている。また、計量法に基づく計量器の検定、計量関係事業登録、使用計量器取り締まり、商品量目品質取り締まりなどの事務事業、これも交付税で措置をされているわけです。これは本来国の事務である仕事だと私は思うのです。それをなぜ交付税で措置をすることになっているのか。この一つの分野をとってみても非常に整合性がないことになっているわけですけれども、この辺についてどう理解をしたらいいのか、御説明を願いたいと思います。
#48
○土屋政府委員 いま機関委任事務についていろいろ例を挙げられまして、国が全部持つ場合あるいは交付税措置をしているものとか、いろいろございます。確かにおっしゃいますように国の仕事であっても、団体委任事務あるいは機関委任事務あるいはその地方の固有事務といった関係の負担区分というのは必ずしも明確に区分されておるわけではなくて、その実態に応じていろいろ議論された末負担の方法が決められておるわけでございます。国と地方とを画然と分けて、国の仕事を機関委任しておるのだからそれはもう全部国が持つのだといったような、そういう画然としたやり方はないわけでございます。そういった意味で、具体的な中身についてはそれぞれの立法時におけるいろいろな状況等を踏まえまして、御指摘のようないろいろな形での負担の仕方ということが決まっておるわけでございます。
#49
○岩佐委員 もう少し具体的な事例について申し上げたいと思うのですが、水質汚濁防止法に基づく水質汚濁源規制指導、常時監視、緊急時の措置、水質測定計画の作成など、こうした事務事業の財源は国庫補助金と交付税と二つによって措置をされているわけです。同じ仕事でも都道府県と市町村では財源措置が異なるものもあります。自治省に伺いたいのですが、都道府県と市町村の統計調査の財源措置、これはどうなっているのでしょうか。
#50
○矢野政府委員 お尋ねの点は都道府県なり市町村がみずからのために行う統計調査ということに関する経費と存じますが、原則として交付税で措置をいたしております。
#51
○岩佐委員 そうじゃなくて、市町村の分については交付税ということになっているわけですが、都道府県の場合は別になっているわけですね。これについてお答えをいただきたいと思います。
#52
○矢野政府委員 都道府県が行う統計調査事務の中には、国の事務として行うものももちろんございます。それから当該都道府県自身が行うものもございます。国が行うものにつきましては、これは委託費で措置をされるということになっておりますので、財源的には委託費と交付税と両方から成り立っておるということでございます。
#53
○岩佐委員 この統計調査の財源措置でございますけれども、都道府県には五十六年度で二千八百五人分、九十三億六千六百万円の委託費が交付をされています。しかし、市町村には一切交付がされていません。交付税で見るということになっているわけです。仕事の内容についてこれはどうかと言えば、市町村の統計業務の八割が国勢調査などの国の統計調査であるわけです。また、東京都の国からの機関委任事務の先ほどの調査によりますと、七百七十二件の機関委任事務の中で国庫負担金、委託金、補助金で措置されているものが二百十一件、交付税と負担金、補助金、委託金で措置されているものが九件、交付税だけで措置されているものが三百四十九件、こんなふうに財源措置が多種多様になっているわけです。私は、機関委任事務の問題を考える場合に、その権限を都道府県にするのか市町村に移譲するのか、それとあわせてその仕事の財源保障も考えていかなければならないと思います。国の仕事として位置づけるなら委託費というような形ですっきりと財源措置をする必要があるし、地方の仕事として位置づけるのだったら地方税や交付税などの一般財源で措置をする。そして機関委任事務の改善の方向を具体的に検討していくべきだと思っています。一番重要なのは、地方自治体が地方税や交付税で措置をするという場合に、先ほどから言われているように地方自治体独自にやれるというような体制はもう確保されていかなければならないわけだと思います。
 いま私はばらばらといろいろな角度から事例を申し上げましたが、非常に少ない事例から見てもこんなふうに複雑になっているのが実態だと思います。複雑であるというのは、先ほど局長が説明されたようにそれなりの経過があっていろいろな形でそうなってきたんだとは思うのですけれども、だからこそこれを思い切ってやっていくということが大事ですし、また同時に思い切ってやっていくにしても、各方面からのいろいろな意見をよく聴取をされて、そして今後自治体にとっても国にとってももちろん住民にとってもいいような方向で改善をされていく必要があると思うわけでございます。その点についての自治省の考え方を伺い、また大臣の決意を伺いたいと思っております。
#54
○土屋政府委員 委任事務にも団体委任事務なり機関委任事務なりいろいろと事務は錯綜しておるわけでございまして、それについての財源措置等も画然とした方式があるわけではなくて、いろいろな経緯を踏まえて今日に至っておるわけでございます。しかし、この補助金の整理合理化というようなことを含めて、行政改革ということでそういった事務事業を全般的に見直すという時期に来ておるわけでございまして、私どもとしては、この際やはり国と地方との機能分担のあり方というものを十分に見直して、そして方向としては地方団体の自主自律性を確立する方向でやるべきだと思っております。
 その結果、事務を見直してなるべく地方にやらせるものは持っていくという形でやる以上は、当然それに伴う財源措置というものも見直していかなければなりません。その機会に全般的に見て財源措置のあり方、税財源配分のあり方というものを検討していくべきだと思っておりますし、従来からそういうことを主張しながらなかなか現実には進んでいないということでございます。こういった見直しの時期にこそ、そこらを十分私どもとしては検討してまいりたいと考えております。
#55
○安孫子国務大臣 委任事務につきまして、その財源との関係で必ずしも整合性がとれていない面は確かにあるわけでございます。経過的に申しますと、いま局長から申し上げましたとおりいろいろないきさつがありまして、継ぎはぎの状態になって今日に至っておるということだろうと思うのです。この際、地方と国との関係をすっきりして、そして簡素で効率的なそうした行政体制をとっていくという面から申しますと、これは一度十分に検討してみなくちゃいかぬ、そしてその財源配分を同時に考えなくちゃならぬ、こう思っておるわけでございます。
 お話の統計の問題なんかは、恐らく必要とする統計もそこの中に含んでおりますからやや複雑になってくるかと思いますけれども、とにかく基本的にはこの際簡素化の面から国の責任と地方の責任と分担しまして、そしてそれに対する財源措置をきちんとつけるというふうにすべき時期に来ておるのだろうと私は思っております。自治省といたしましては、そういう方向で進めてまいるつもりでございます。
#56
○岩佐委員 次に、宅地開発指導要綱に関して伺いたいと思いますが、まず自治体がつくっている要綱についてどう考えておられるのか、建設省、自治省にそれぞれ伺いたいと思います。
#57
○大嶋政府委員 自治省の方からお答えをいたしますが、この宅地開発指導要綱につきましては、無秩序な宅地開発の防止なり、あるいは良好な生活環境の整備なり、あるいは宅地開発に伴います過重な地方公共団体の負担の軽減といったことを目的としておるものでございまして、地方公共団体がこれによりまして開発者等を行政指導しておるというものでございます。
#58
○片山説明員 宅地開発でありますとか建築行為に関連いたしまして、特に大都市及びその周辺の市町村におきまして、主として公共施設整備費の負担増の関連等に対処いたしますためにやむを得ざる措置といたしまして要綱をつくりまして、その要綱に基づきまして行政指導をしておるということにつきましては、行政指導という限界がございますけれども相応の役割りは果たしているものと考えております。
#59
○岩佐委員 自治省からいただいた資料によりますと、宅地開発指導要綱等に関する調査結果という資料ですけれども、これは五十二年に行われているものですが、全国の市町村三千二百五十六団体のうち、宅地開発指導要綱を制定しているのは八百八十五団体、その大半が昭和四十七年から四十九年のいわゆる列島改造の時期に制定されています。また、地域的にも三大都市圏に集中していて、四十年代の後半から人口が急に増加した自治体ではほとんどのところが指導要綱をつくっております。
 ところで、こんなにたくさんの自治体が、しかも大都市圏で要綱を制定しようという動きが急速に高まった原因はどこにあるというふうに考えておられるのか、自治省に伺いたいと思います。
#60
○大嶋政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、宅地開発に伴いまして地方公共団体の負担が非常に急増してくるというようなことからこのような要綱を制定し、宅地開発業者からも応分の負担を求めるというところにあったのだろうと思います。
#61
○岩佐委員 東京の例をとってみますと、五十四年一月現在で宅地、住宅などの建築物の指導要綱をつくっているのは、都下の市では三鷹市を除いてすべての市です。町では五日市町を除くすべての町がつくっています。その点では、人口がふえることによって新たに住宅建設や土地開発が進んできた近郊市町村のほとんどが指導要綱を持っているというふうに言えます。制度の目的も自治省の調査でもはっきりしているわけですが、制定の目的については、一番多いのが良好な生活環境の整備七百五十六件となっています。乱開発の防止、これが七百十八件、財政負担の軽減二百七十四件。こういうふうに見ますと、一番、二番、良好な生活環境の整備とかあるいは乱開発の防止、これが大半というふうなことになってます。
 自治省は五十四年五月二十八日に第十七次地方制度調査会第七回小委員会に提出をした「行政事務の配分を是正すべき具体的な事例」という文書の中で「建築規制が地域の実情に即して地方公共団体の判断と責任において、総合的かつ秩序ある都市整備の一環として行えるよう、その規制のあり方及び条例委任範囲の拡大等について所要の法令整備を図るものとするか。また、建築主事を必置制とする市町村の範囲を拡大するものとするか。」という建築規制の改善案を提案をしているわけですが、この意味するところは、調和のとれた都市づくり、町づくりを行うには、自治体による建築規制が必要なのだということからこういうことが提案されているのかどうか、そのことについて伺いたいと思います。
#62
○大嶋政府委員 その提案は、地方公共団体において実情に即した規制のあり方、いわゆる権限の委譲ということを含めての提案だと考えております。
#63
○岩佐委員 自治体がこのように調和のとれた町づくりを進めようと努力をしているわけですけれども、指導要綱には権限がない。そのために限界があるわけです。
 具体的な一つの例が最近調布市で起こりました。市の商業地域、防火地域に業者がマンションを建てようとしたので、市は要綱に基づいて業者に対する行政指導を行ったわけですが、指導要綱には法的強制力がない、そのために結局要綱が徹底されなかったということであるわけです。この件で調布市が一時仮処分申請を行おうとしましたけれども、このとき建設省はどのような指導を行ったのか。市が建設省に呼ばれたそうですけれども、この点について伺いたいと思います。
#64
○片山説明員 建築工事を行います場合は、まず事前にその建築計画につきまして、建築物の敷地でありますとか、構造、設備に関します法令に適合しているかどうかという建築確認をする必要があります。この建築確認は、都道府県あるいは市町村の建築主事に委任されておりまして、建設省の立場としましては、この建築主事が適法に運用していくように指導する立場にございます。したがいまして、申請にかかります建築行為が法令に適合しているかどうかということを直接建設省は判断する立場にはございませんし、また個別案件の事業主に対しまして指導をするというようなこともしてございません。ただ、御指摘の案件の新聞報道がございましたので、調布市を呼びまして事情を聴取したことはございます。
#65
○岩佐委員 市の話では、事情聴取したということではなくて、建設省に呼ばれて、法的根拠がないので業者に負担を強要できない、裁判を行うことは不適当、そういうことを建設省が言ったというふうに言っているわけですけれども、その点についてはどうですか。
#66
○片山説明員 事情聴取いたしました際に、行政指導の限界と、それから法に基づきます行政処分の差異を説明したかと思います。
#67
○岩佐委員 ところで、この件について業者に対する行政指導は行われたのですか。
#68
○片山説明員 先ほど御説明申し上げましたが、あくまでも建設省は建築主事でありますとかあるいは特定行政庁等、機関委任をしている機関に対しまして指導を行いまして、直接の個別案件処理はそれぞれの建築主事等の機関が処理することになっておりますので、業者に対しまして直接の指導はしておりません。
#69
○岩佐委員 調和のとれた町づくり、都市づくりをする上で現行の建築基準法なり都市計画法では不十分だという指摘があって、そして自治体がそれで悩んでいる、だから指導要綱をつくらざるを得ない、そういう状況になっているのだと思います。だとするならば、法の不備を改正するのが先であるし、また、開発業者に対する行政指導をするのが先ではないかと私は思います。それを、市を呼んで、法的に根拠がないから強要するな、そういうような自治体の足を引っ張る指導というのは逆だというふうに思うのですが、建設省はこの件についてどうお考えですか。
#70
○片山説明員 良好な市街地を形成するということは、国、地方挙げて現在懸命に努力しているところでございます。良好な市街地の形成に関しましては、現行の制度といたしましては都市計画法がございまして、これがマクロの土地利用計画等を定めまして、これを受けまして建築基準法で個々の敷地におきます建築行為を規制していくという仕組みになっております。この点、中間領域と申しますのが従来から抜けておりまして、この点が昨年大いに指摘されたところでありますので、昨年建設省といたしましてもその点を解決すべく、都市計画法と建築基準法の改正案を国会に御審議いただきまして地区計画制度を昨年創設いたしまして、昨年の五月一日に法の公布となっております。近く施行される運びになろうかと思いますけれども、この制度は、従来大きな土地利用計画と個々の建築敷地の中間領域を埋めるものでございまして、地域の実情に沿いまして良好なコミュニティーを形成していくための制度であります。
 この制度の一番の決め手は、市町村が地区計画を都市計画としてつくりまして、この地区計画をつくりますと、その中身を今度は市町村が条例でもってその地区計画のうちから規制の事項を拾い出しまして、それを規制の項目にする、つまり自主的に市町村の判断でもって良好な町づくりを推進していくという制度でございます。このように従来欠けておりましたところの法の整備をいたしたところであります。
#71
○岩佐委員 自治省も具体的な提案として、建築物規制については「その規制のあり方及び条例委任範囲の拡大等について所要の法令整備を図るものとする」というふうに「行政事務の配分を是正すべき具体的な事例」として挙げているわけですが、地方自治体がみずからの手で都市づくり、町づくりができるような、たとえば指導要綱を条例化できるような権限の拡大が必要であろうというふうに思うわけです。今度の問題について調布市の市長は、これを起爆剤に法の不備が整えられればというようなことを談話として言っているというのが新聞報道であるわけですが、こうした声にこたえて、自治省としてどういうふうに考えられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#72
○大嶋政府委員 基本的には都市計画法なり建築基準法というもので適正な町づくりというものが進められるというのが最もいいわけでございます。ただそこに、それだけでうまくいかないということからこの指導要綱を定めまして、地方公共団体が開発者と協議をいたしまして、その理解と協力を得て行うということにしておるわけでございます。地方公共団体におきましては、その円滑な運用ということに努めてきておるわけでございます。私たちは、こういう法律、それから現実というものの間を埋める、それがこの指導要綱であるというふうに評価しておるところでございます。
#73
○岩佐委員 次に、下水道建設のことについて伺います。
 地方債計画の中での準公営企業債、下水道事業関係ですが、この下水道関係分が一般分と特別分に区分をされていますけれども、この一般分というものはどういうものですか。また、特別分とはどういうものか、御説明をいただきたいと思います。
#74
○金子政府委員 公共下水道事業を執行いたすにつきまして、財源措置としましては、一つには国庫補助金がございます。それから負担金がございますが、残りの部分につきましては地方債を充当して、全体として必要な財源が確保されるというようなことになっております。
 一般的に公共下水道事業をやります場合には、いわゆる補助裏、負担金をも除いた部分についてでございますが、これに充当するものが一般分でございます。
#75
○岩佐委員 五十六年度の地方債計画では、下水道事業の一般分八千七百四十億、特別分千三百八億となっていますけれども、地方債計画案段階では、この特別分はゼロとしてあったわけでございますが、この点について自治省はどういうお考えだったのでしょうか。
#76
○金子政府委員 特別分につきましては、その仕組みから御説明申し上げなければいけないかと思いますが、五カ年間の補助金相当額につきましての国庫債務負担行為をとりまして、当初その五分の一だけを補助金として交付する、残りの四年分、五分の四に相当いたしますが、これにつきましては、地方債の特別分として後年度に補助金が分割交付されるというような仕組みになっております。
 このような仕組みをとりますときには、事業が始まったときには国費に比べまして事業が大いに促進されるというようなことがございますけれども、後になりますと、国庫補助金の額がふえてもそれに対応して事業費がなかなかふえない、あるいは分割交付の補助金の額が大部分を占めて事業の運営が非常に困難になるというようなことがございます。それは国の財政に対しましても地方の財政に対しましてもきわめて不正常な形になるというようなことで、五十六年度の地方債計画案を策定しました段階におきましては、これはゼロにすべきである、第五次の下水道整備の五カ年計画におきましてはこれは廃止すべきであるというような考えを立てたわけです。
 ところがその後、予算編成の作業が進んでまいりまして、国の財政状態も非常に苦しい、しかも下水道につきましてはなお早急に整備をしなければならないものがあるというようなことで、特別分を第五次の五カ年計画中には漸減をして最終的には廃止をするという方向を定めまして、五十六年度においてはそれを一部残すことについてはやむを得ない、こういうことで地方債計画に掲上したというような次第でございます。
#77
○岩佐委員 下水道整備の促進のためにはやむを得ないということに最終的になってしまったことだと思いますが、この制度が導入された五十年当時は、下水道債に占める特別分の割合は二〇・三八%、二割あったわけですが、その後だんだん減ってきています。ところが、五十四年には一割を切って九・〇八になったわけですが、五十五年にはまた自治省の希望とは反対に一四・三一%と逆にふえてきているわけです。また、処理場建設にしか認められていなかった特別分が五十五年度は管渠にも認められるという状況になっているわけですけれども、これはどうしてこうなったのでしょうか。
#78
○金子政府委員 公共下水道の整備につきましては、終末処理場と管渠とがバランスのとれた形でもって建設が進められなければならないというようなことでございます。
 特別の地方債制度が設けられたということもございまして、終末処理場につきましては相当の進度で事業が進んでまいりましたけれども、一方におきまして管渠の整備がおくれておるというようなことがございましたので、特別の地方債制度の目的といたします水質の環境基準の定められております地域あるいは公害防止計画の定められております地域につきまして、さらに整備を促進するために管渠も対象にせざるを得ない、こういったような事情で特別の地方債制度の対象にした次第でございます。
#79
○岩佐委員 要するに、五十五年は第五次下水道整備計画の最後の年である、だから普及率を上げるためには処理場だけではだめで、管渠の建設に力を入れる必要があるということでそういう措置がされたということだと思いますけれども、私はこういうやり方には問題があると思うのです。ただでさえ下水道の国庫補助率が低いという指摘があって、公共下水道の国庫補助は指定都市では四五%、第五次の整備計画ではこれも引き上げられていないわけです。第五次計画案の事業の重点を見ますと、水質基準の達成のためとか、あるいは湖沼等の自然環境を保存するためとか、国の環境行政が行うべき内容をずいぶん多く盛っていると思います。現在は市町村とか都道府県が行っている下水道建設も、その目的はと言えば、川や湖の自然環境の保全とか、あるいは東京湾や大阪湾の水質の保全であるとか、国の環境行政に大きく貢献しているわけです。
 この点から、国は下水道建設のような生活基盤強化の公共事業にはもっともっとお金を出すべきだと思います。十五日の大蔵省に対する質問のときに、道路特定財源が足りないので一般財源から回したという答弁がありましたけれども、こういう下水道整備のようなものにこそもっとお金を使うべきだと思います。ところが補助率は低い。低い上に補助金は全額交付されないで五年間の分割交付だ、五分の四は借金でやりなさい、そういう仕組みになっているわけです。幾ら国が最終的に全額見るからといっても、こういうやり方では地方団体は圧迫されるわけです。この点について自治省、建設省のお考えを伺いたいと思います。
#80
○金子政府委員 言われるとおり、下水道整備のために特別の地方債制度を設けられているわけでございますけれども、これが拡大していった場合には国の財政も地方の財政もきわめて不正常な形になってくるというようなことで、この制度につきましてはできるだけ早期に廃止をしたいというふうに考えております。
 それから、現在国庫補助制度につきまして特に問題がございますのは、一般の都市と指定都市とにつきまして補助対象率に差があり、これが指定都市におきまして下水道整備の大きな障害になっておりますので、特にこの点につきましては重点を置いて、今後その改善に努力をしてまいりたい、このように考えております。
#81
○玉木説明員 下水道整備計画につきましては、現在まで第四次五カ年計画で実施しておりましたが、五十六年度から第五次計画に移るわけでございます。第五次計画におきましては、十一兆八千億円の投資額で事業を実施する予定でございます。
 補助対象率につきまして指定都市と一般都市で非常に格差があるというような問題につきまして、五カ年計画を要求いたしました時点では若干格差の是正等も要求をいたしたわけでございますけれども、非常に国の財政が厳しい状況でございますので、事業量の拡大ということを最優先にいたしまして五カ年計画を策定しようとしているわけでございます。したがいまして、補助対象率の拡大等につきましては、国の財政事情の推移等を見まして今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#82
○岩佐委員 時間がなくなりましたので、次の問題に移りたいと思います。
 先日、地方公務員の男女差別の問題で統一労組懇の婦人部の方々とともに自治省に伺いまして、政務次官や公務員部長にも御出席をいただいたわけでございますけれども、そこでも明らかにされましたが、個々の自治体においてはまだまだ自治省の考え方にも反するさまざまな男女差別が行われているという実態があります。言うまでもなく憲法第十四条、地方公務員法第十三条では、すべて国民は法のもとに平等であって性別によって差別されてはならないということがうたわれていて、とりわけ国際婦人年の後半期に入って、婦人に対する差別撤廃条約にわが国も署名した現在、地方公務員のこういう男女差別は一日も早く廃止してほしいというのが婦人の切実な願いでもあるわけです。そういうことで、きょうこの委員会でも取り上げたいと思っております。
 まず、勧奨退職年齢における男女差別の問題です。去る三月二十四日最高裁が、旧プリンス自動車工業社員の婦人が日産を相手取って、女性の定年が男性より五年早いのは不当だという訴訟を起こしたのに対し、日産の男女差別定年制は合理性が認められず、公序良俗に違反して無効という判決を下したことはまだ記憶に新しいことだと思います。この判決から見ても、まだ地方公務員の退職勧奨年齢に男女差別があるという状態はおかしいと思いますし、自治省も基本的には退職勧奨年齢の男女差別は廃止しなければならないという考え方を当然持っておられると思いますけれども、念のためにその点について伺いたいと思います。
#83
○宮尾政府委員 男女平等取り扱いの原則が公務員行政の基本であるということは御指摘のとおりでございます。一部の市町村におきまして勧奨年齢等に男女間で差があることは、私どもも承知しております。ただ、退職勧奨の制度でございますが、これは御承知のように、職員の自由意思を前提として行うというものでありますので、退職勧奨年齢に差を設ける場合に、たとえば男女の肉体的、生理的な差等を考慮しまして、また女子職員が従事しております職務の実態等も考慮しまして、必要にしてかつ合理的な範囲内の差であれば一般的には差し支えない。しかしながら、そういう合理的な理由がない場合には男女間に勧奨年齢について差を設けてはいけない、こういう考え方を私ども一般的にとっておるわけでございます。
#84
○岩佐委員 自治省から都道府県段階の男女別の勧奨退職年齢の資料をいただいたわけですが、これによると男女差はどの県にもありません。ただ、市町村段階の資料はいただいていないわけですが、この点について実態はつかんでおられるのかどうか、伺いたいと思います。
#85
○宮尾政府委員 すべてについて承知はいたしておりません。
#86
○岩佐委員 自治省は、都道府県、市町村のそれぞれの勧奨退職に関する調査というのをやっておられるわけで、なぜ都道府県だけ男女別に調べ、市町村ではそれをしなかったのか。この調査のときに、市町村も男女別の一項目を設けさえすれば実態がつかめるはずだと思います。公表するしない以前の問題として、自治省が個々の自治体の実態をつかまないで全体の傾向とか問題点をつかんで指導するということはできないはずだと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#87
○宮尾政府委員 私どもは、自治体におきましては、地方公務員法にも規定されておりますように、男女間のそういう合理的な理由がない差別というものはすべきでない、こういう考え方に立って運用されているというふうに理解をしておるわけでございます。ただ、先ほども御質問の中にありましたように、都道府県ではそういう男女間の差はない、一部の市町村にそういうことがあるというお話がございましたので、私どもといたしましては、そういう市町村の実情については、これは三千余の団体でございますから、具体的な、その県段階でのいろいろな指導等もしていただこう、そういう中でさらに実態の把握というものに今後取りかかっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#88
○岩佐委員 ここに自治労が去年の七月一日付で調査した市町村を含む千百三の自治体における男女別勧奨退職年齢の実態調査資料があります。これを見ると、市町村段階ではまだ百五十を超える自治体で勧奨退職年齢に五歳から十歳の男女差があります。これは大変な数だと思います。この中には県庁所在都市あるいは人口三十万以上の市もまだ含まれています。自治省としては、このような市町村に現にある男女差別について基本的に廃止しなければならないと考えているのか、あるいは自治体によっていろいろ事情があるのだからやむを得ないというふうに考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#89
○宮尾政府委員 それぞれの団体においてどういう理由でそういう男女間の差を設けているのかということをつぶさに検討してみなければ、その判断はできないと思います。したがいまして、私どもといたしましては、これまでも会議の都度、そういう男女間の差別については、それをしてはいけない、なくすべきだ、こういう指導をしておりますが、さらに今後都道府県等を通じましてそういう指導を徹底する中で、個別の問題についても実態を把握するように努力をしていきたいと思っております。
#90
○岩佐委員 実態も調べない、それで都道府県を通じてただ間接的に通達等を出して指導をしている、こういうことであるならば結果的にこの問題を放置するということになってしまうと私は思います。改めて具体的に実態調査をやられるのかどうか、また指導を具体的にどういう形でやろうとされるのか、もう少し具体的にお答えをいただきたいと思います。
#91
○宮尾政府委員 御承知のように三千余の市町村についての指導につきましては、私ども都道府県を通じてそれぞれの市町村の行政指導を行う、こういうやり方をいたしておるわけでございます。
 男女差別の問題につきましては、先ほども申し上げましたように本年一月の総務部長会議でも、男女差別についてそういうことのないように十分留意をして行政をやってください、そういう指導をしてくださいという注意を喚起しておるわけでございます。
 市町村においていろいろ勧奨年齢等について男女間の差がある、こういうお話がございますので、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように合理的な理由がある差であれば、これはたとえば地方公務員法の十三条に違反するということにはならないというふうに考えますが、合理的な理由がないような状況でそういうことが行われているならばこれは直していかなければならない、そういうことを具体的な指導をして改善をしてもらいながら、その実態把握というものをしていく必要がある、こういうふうに思っておるわけであります。そういう努力はしてまいりたいと考えております。
#92
○岩佐委員 この自治労が作成した資料に扶養手当等の支給にかかわる扶養認定等における男女差別の実態調査も出ているわけですが、社会通念上主たる扶養者は夫であるという考え方のもとに、女性の扶養認定を全く認めない自治体あるいは認定の手続上で男性との差別がある自治体等いろいろあるわけですけれども、自治省としては、基本的に扶養認定についてはどのような考えを持って指導されておられるのか、伺いたいと思います。
#93
○宮尾政府委員 地方公務員の扶養手当の支給につきましては、国家公務員の例に準じて各地方公共団体が条例あるいは規則等で定めて認定をするということになっております。
 そこで、国家公務員の扶養認定の考え方でございますが、他に生計の道がないという要件と、それから主としてその職員の扶養を受けている、この二つが扶養認定の基本的な条件になるわけでございますが、この中で問題になりますのは、主としてその職員の扶養を受けているということについてどういう考え方をとるかということでございます。これは国家公務員の取り扱いといたしましては、職員が主たる扶養者であるかどうかは実際問題として機械的、一律的に判断できることではなくて、家計の実態あるいは社会常識等を基礎として認定するよりほかない、こういう考え方を国家公務員ではとっております。
 なお、その際特に問題になりますのは、いま御指摘のありました共かせぎの場合でございまして、共かせぎの場合にどちらの方から扶養されているかということの取り扱いにつきましては人事院細則で定めておりますが、「職員が他の者と共同して同一人を扶養する場合には、その職員が主たる扶養者である場合に限り、その者の扶養親族として認定することができる。」つまり主たる扶養者がどちらであるかということを個別具体的に判断をする、こういうことにされておるわけでございます。私どもは、一律、画一的な物の考え方というのはなかなかしにくいわけでございますが、たとえば収入とかあるいは生活実態とか、そういうものを具体的に見て個別に認定をしていく、こういう考え方で地方団体でも行うように指導しております。
#94
○岩佐委員 自治省が言われるように、主たる扶養者がだれなのかということがそのとおり認定基準になっていればまだ問題はないのですけれども、社会通念上主たる扶養者を夫であるときめつけて女性の扶養認定を全く認めない自治体、あるいは先日陳情に伺ったときに話の出た横浜市の例のように、男性が申請すれば妻の収入がどうであろうと住民票の提出のみでいわば無条件に扶養認定される。ところが女性が申請すると、夫の年間収入証明書、同じく給与の支給明細書、扶養手当等の非支給明細書、家族全員の住民票、主たる扶養者を妻とする理由書、それに関する夫の同意書と実に六種類もの書類を提出しなければならないという自治体がまだまだかなりたくさんあるということです。女性の扶養認定を全く認めない自治体は論外ですけれども、横浜市のように、認定の仕方で女性の側にのみいろいろとたくさんの書類を提出させる。それがめんどうなので扶養認定の申請をあきらめていた女性もかなりいるということですけれども、こういう男女差別もあるわけです。このようなやり方について、自治省は是正する必要があると考えているのか、あるいはやむを得ないと考えておられるのか、伺いたいと思います。
#95
○宮尾政府委員 個別の市の事務の問題でございますので、その具体的な扱い方についていろいろ検討してみなければ判断できないと思いますが、具体的な扶養認定については、男女を問わず必要な書類については出させて認定をするということは当然のことでございます。それが女性であるから特にめんどうな書類をたくさん出させるということがもしあるとすれば、それは正しくないというふうに思います。
#96
○岩佐委員 今後男女平等ということで、男性に女性と同じようなたくさんの書類を出させるというふうに私は別に言っていないわけで、事務の簡素化が言われている折ですから、いままで男性が住民票あるいは二重支給を防ぐための扶養手当非支給証明書のみの提出で認定されていたのだったとしたら、同様に女性もそのくらいの手続で簡単に認定するようにされるべきだというふうに思います。
 次に、扶養手当の支給にかかわる扶養認定の問題と同時に、健保組合あるいは共済組合における扶養認定の問題が出てくるわけですけれども、ここでの男女差別もいろいろとあります。
 厚生省に来ていただいておりますのでお尋ねしたいと思いますが、昭和四十三年三月一日付で社会保険各省連絡協議会が「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」という通達を出されておりますが、この通達を要約すると、原則として夫の被扶養者とすること、妻の所得が夫の所得を三割以上上回る場合には妻の被扶養者とすること、この二つにかかわらずどちらかが扶養手当の支給を受けている場合には優先的にその者の被扶養者とすること、この取り扱いは昭和四十三年三月一日以降新たに被扶養者の認定を行う者について適用し、同日以前すでにいずれかの被扶養者として認定されているものについては原則として従前のままとするという内容だと思いますが、それでよろしいかどうか、時間がありませんので簡単にお願いします。
#97
○多田説明員 そのとおりでございます。
#98
○岩佐委員 つまり扶養手当の支給を受けることになった者は、自動的に健保組合あるいは共済組合の扶養認定を受けられる。ただし、四十三年三月一日以前すでにどちらかの被扶養者になっている者についてまでさかのぼって変更することはできませんよという趣旨だと思います。
 そうしますと、四十三年三月一日以降出生した者あるいは新たに扶養関係が生じた者については、当然扶養手当の支給を受けることになった者の被扶養者とすることができるはずだと思います。たとえば四十三年三月一日以降に生まれた子供をとりあえず夫の被扶養者としていたけれども、その後事情が変わり妻の被扶養者として妻が扶養手当の支給を受けるようになった場合、これは連動して健保組合あるいは共済組合の被扶養者とすることができるはずですね。これを認めないとすれば通達の趣旨にも反すると思います。ところがこの通達に反して、実際にいまのような例でも、すでにいずれかの被扶養者として認定されている者については原則として従前のままとするというところをあえて曲解して、認定しない健保組合あるいは共済組合がまだまだあると聞いています。原則として夫の被扶養者とすることや妻の所得が夫の所得の三割以上上回ることなど、すでにこれ自体が男女差別ではないかと思うのですが、このように通達にも反する自治体の健保組合あるいは共済組合に対し、自治省及び厚生省が男女差別が生ずる余地がないように具体的な指導をしていくべきだと思いますけれども、自治省、厚生省のお考えを伺いたいと思います。
#99
○宮尾政府委員 いま御質問にありましたその連絡協議会での考え方でございますが、これは基本的には、それぞれの社会保険制度の中で二重に被扶養者に認定をされたり、あるいはどちらの方にも認定されなかったりということがないように統一的にやろうということで、そういう考え方をお互いに話し合いをして決めたものでございます。これはいわれなき男女間の差別をするというような考え方は毛頭入ってないものでございます。
 そこで、いまの四十三年三月一日以降の扶養認定の問題でございますけれども、これにつきましては個々具体的にどういうことでそうなっているのかということをいろいろ検討してみる必要がありますが、一般的には妻が扶養者だというふうに認められるケースについては、当然妻の方にすべきだというふうに考えております。
#100
○多田説明員 あの通達どおりにきちっと実施するように指導いたします。
#101
○岩佐委員 男女差別について、かなり細かい点についていろいろ要望を申し上げましたけれども、これは基本的問題でもありますので、ぜひ積極的に取り組んでいただくよう最後に強くお願いをしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#102
○左藤委員長 午後零時十分より再開することとし、休憩いたします。
    午前十一時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十六分開議
#103
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。加藤万吉君。
#104
○加藤(万)委員 最初に、交付税の基礎になります国税三税の税収見込みについてお伺いをしたいと思うのですが、予算委員会でそれぞれ質問がございましたが、大蔵省に、国税三税のうち所得税の伸びは五十六年度は何%に見ていらっしゃるか、お聞きしたいと思うのです。
#105
○源氏田説明員 お答えいたします。
 所得税の伸びは、前年度予算に対しまして、源泉分で二六・三%の伸び、申告分で二七・七%の伸び、合計いたしまして二六・七%の伸びと見ております。
#106
○加藤(万)委員 基礎になる国民所得はどのくらいと見ていらっしゃいますか。
#107
○源氏田説明員 国民所得は経済見通しどおりに見込んでおりまして、国民総生産で申し上げますと九・一%の伸びになります。
#108
○加藤(万)委員 金額にして二百十二兆ですね。九・一%の所得の伸び、それに伴って源泉のそれぞれの伸び率が表明されましたが、私の資料、これは大蔵省が出した資料ですから間違いないと思いますが、五十六年度の所得税の税収見込み十三兆七百九十億円、そのうちに源泉分が二兆八百億円、合計で九兆九千百七十億円になるわけですが、この源泉分の伸び、いわゆる勤労所得の伸び、これもおおむねいまの九・一%前後と判断してよろしゅうございますか。
#109
○源氏田説明員 国民所得の伸びが政府の経済見通しに基づいておると申し上げましたが、雇用者所得の伸びにつきましてもその中の一つの項目として見ておりますので、大体九%程度の伸びというふうに見ております。
#110
○加藤(万)委員 たまたまいま春闘でございまして、ことしの春闘は、いまの段階では大体八%前後というところです。国家公務員、地方公務員の五十六年度における給与引き当ての財源は一%ですね。大蔵省の資料によれば、勤労所得税の対象者はおおむね三千四百万、こう言っているわけですから、三千四百万のおおむね九%くらいの所得の伸び、それに伴って二兆八百億円自然増収、合計で九兆九千百七十億円、現実に国家公務員の給与費等引き当て額が一%で、大蔵省の試算による税収入、自然増収は九%といいますと、ここに非常に乖離があるというように思うのですが、これはどういうふうに見たらよろしいのでしょうか。
#111
○源氏田説明員 税収見通しにおきます源泉所得税の伸びは、雇用者所得全体の伸びについての経済見通しに基づいておりますので、その経済見通しの中で、たとえば公務員分が幾らとか、そのほかの雇用者分が幾らというふうには見ておりませんので、そこのところはちょっと根拠がそこまでいってないというふうに申し上げたいと思います。
#112
○加藤(万)委員 大ざっぱな議論で申しわけないのですが、三千四百万のうち国家公務員、地方公務員はおおむね六百万前後ですね。六百万というとちょっと多いのですけれども、約三千四百万に対する人口割合は二割までいきませんけれども、その人たちの給与財源が一%で春闘が八%で、そして大蔵省の給与所得の全体の伸び大体九%前後ということになりますと、自然増収二兆八百億円という基礎に狂いが出ませんか。逆に、いやもうそれは織り込んで実は二兆八百億円の自然増収です、こう言うならば、いずれは人事院勧告があって、これは地方財政計画にもきちっとしておりますように、給与の財源がそれに充当するように計画化されているわけですから、それを加えていくと自然増収の二兆八百億円はより拡大をする、すなわち交付税の算定の基礎になるべき三二%の基礎が拡大をする、こういうように見てよろしいのでしょうか。その辺はいかがでしょう。
#113
○源氏田説明員 先ほども申し上げましたとおり、雇用者所得の伸びは九%なんですけれども、これは雇用者数の伸びも中に入っておりまして、雇用者数の伸びが大体一・六%程度というふうになっております。したがいまして、それからこれを引きますと、一人当たり雇用者所得の伸びというのが七・五%ぐらいというのが政府の経済見通しでございます。それで、これは実質賃金で見ておりますのでベア率だけというわけにもいかないのじゃないかというふうに考えます。
#114
○加藤(万)委員 要するに私が聞きたかったのは、いわゆる自然増収二兆八百億円という財源は、結果的に、確かにいまの雇用率の伸びも一・七%になりますし、それから課税最低限も引き上げるということはございませんから、いわゆる対象納税者といいましょうか、これもふくらんでいきますから、したがって、公務員の賃金が仮に人事院勧告その他に基づいてアップされると、いまの一%の給与財源をさらに上昇せざるを得ないということも見てみますと、二兆八百億円という自然増収、合計で九兆九千百七十億円といういわゆる源泉分にかかわる交付税額、交付税額は全体ですけれども、源泉分にかかわる部分でも税の収入は多く見込まれる、こういうふうに見ていいのではないかということを言いたかったわけです。
 これは後で答弁をいただくとしまして、いま一つ法人税ですが、法人税が今度二%アップになり四二%になりました。その結果、五十六年度の企業の決算分が五十五年三月に繰り上げて決算をする、そういう状況が起きているのではないでしょうか。これはいかがでしょうか。
#115
○源氏田説明員 期間損益の調整をいたしまして、五十六年度分に入るべきものを五十五年度に持ってくるという御趣旨かと思いますけれども、そういうような動きが出ているということも聞きませんし、また、企業会計原則に従いまして企業が経理をやっているものですから、なかなかそこの期間損益の配分をうまく調整していくというのはむずかしいのじゃないかと思っております。
#116
○加藤(万)委員 総体で一遍お聞きをしますが、五十六年度の国税三税の税収見込み、これはすでに予算委員会で通っているわけですが、いまの状況、いま私は所得の問題を申し上げました。法人税の問題はここで議論すれば長くなりますから申し上げませんが、一部新聞ではそのことを大変強調されている状況にあるので、私は五十六年度の国税三税全体の見通しが全体として甘いのではないか、いわゆる増収分がもっと多いのではないかという見通しを持っているのですが、いかがでしょう。
#117
○源氏田説明員 自然増収につきましては、こういう財政事情の時期でもございますので非常に精査いたしまして、経済見通しに従いまして目いっぱい見積もったというふうに御理解いただきたいと思います。
#118
○加藤(万)委員 それはそうでしょね。予算委員会で通ったわけですから、それがふくらむなんということをいまから言ったらこれは大変なことであります。
 財政局長にこれからお聞きしますけれども、五十四年度の補正による繰入額四千四百七十四億円、五十五年度二千九百九億円ですね。そして総体では今度の交付税にも入っておりますが、五十四年度の繰り越しが六千三百九十二億円、五十六年度への繰り越しが四千六十億円、これはこの議論のときにも行いましたけれども、本来単年度で処理をされるべきで、たとえば交付税にいたしましても繰り越し財源とすべきでないという意見を私どもは述べたわけです。
 五十六年度については、この傾向というものはそのまま延長されますか。いま大蔵省の方では、いまの条件の中では目いっぱい組みましたから、したがって国税三税に伴う三二%分も目いっぱいでしょう、今日の交付税総額もこれ以上ふくらまないでしょうという御意見ですが、過去の五十四、五十五年度いずれも六千億、四千億という財源を持っているわけですね。私は、五十六年度も恐らくそういう方向になるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#119
○土屋政府委員 確かに五十四年度、五十五年度は、経済が回復基調に乗ったために思ったよりも税が出てきました。そして年度末に補正したものは翌年度の財源へ繰り越したどいう事実がございます。五十六年度はどうなるかということについては、私どももよくわからないわけでございますが、年末に予算編成をされます際に、大蔵省としては、経済の情勢等を踏まえて、その段階において最も適切な資料をもとに推計をされるわけでありまして、私どもとしては、その三税に乗って計算をせざるを得ないわけでございます。その動向が五十六年度どうなるかということにつきましては、率直に申し上げて、いまの段階では的確に推計をするわけにはまいりません。
 ただ、一つ申し上げたいことは、私どもとしては国税三税の三二%分が地方交付税であるという見込みを立てるわけでございますが、一応それを踏まえながらも、全体としては当該年度における交付税の所要額が幾らかということを計算いたしまして、いままで三二%で足りませんでしたので、交付税特別会計借り入れ等によってそれをふやして所要額は確保しておるということでございます。仮に、年度途中でまたある程度の変動があったといたしましても、その意味では年度当初に見越した交付税総額というものは確保しておる。したがって、その扱いをどうするかということは、その段階におけるいろいろな情勢を踏まえて最も適切な方法を考えなければならないだろうというふうに考えておるわけでございます。
#120
○加藤(万)委員 本来単年度で処理すべき交付税額が翌年度に繰り越しになっている額が余りにも多過ぎると私は言っているのです。たとえば精算分ですが、五十四年度千九百十八億円、五十五年度千百六十億円、それくらいはわかりますよね。これは時によってはマイナスになる場合もあるでしょうけれども、約三千億でしょう。日本のこれほど管理された税徴収機構の中で、こんなに税収見込みを間違えるということはあってはならない事象だと思うのです。
 これは大蔵省に責任があるわけです。交付税額が少ないから、結果としてそれが一方では借入金、一方では地方行政の圧縮という形で出ているのではないか。五十四年度にしろ五十五年度にしろ、もし当初にこのくらいの地方交付税が入りますよということがわかっておれば、これほど窮屈な条件にはならないと私は思っているのです。特に五十六年度は、どこの地方団体においても大変窮屈であると言っております。交付税の面からも大変窮屈になっているし、単独事業その他の事業の面からも大変窮屈になっている。
 もし、五十六年度の財源が先ほど大蔵省が推計されたいろいろな数字、たとえば自然増収でいけば四兆五千億と言われているわけですが、それが所擬税の面からいってももっと拡大する、あるいは法人税の決算が三月三十一日に繰り上げられていれば法人税の総体もふくらんでくる等々の要件をもっと精査していけば、これほどの税収入における誤差は生まれてこないのではないかと思うのですね。そういうことをきちんとしないから、結果的に地方財政計画そのものが交付税用の財政計画ではないかというそしりを免れることができないと思うのです。地方財政計画を立てる際にできるだけその乖離を小さくするという面からも、今年度は予算が通ったわけですからこれ以上申しませんが、来年度はその辺の精査を大蔵省と自治省の間でもっときちんとしてほしい、こう思うわけです。
 その乖離の問題が出ましたが、五十三年度の決算と財政計画とどのくらい乖離があったのかということを私なりに勉強させていただいたわけです。一つ例を取り上げて質問してまいりますけれども、五十三年度の決算の中における補助事業費の再修正後の決算額、これは歳出が七兆五千九十六億円、歳入が四兆三千百九十四億ですね。そして決算額に占める補助事業費の歳入額は五七・五%なんですよ。一方、計画ベースでいきますと、補助事業費の修正後の計画額は六兆八千八百七十億円、歳入は四兆三千五十九億円、いわゆる公共として行う事業のうちの国から出すお金は六二・五%なのです。私は、補助事業費の決算額が七兆五千億円余になっているならば、国から入ってくる歳入額も当然六〇%を超える額にならなくちゃいかぬのじゃないか、こう思うのです。
 ここで私は二つの問題を出し、質問をしてみたいと思うのですが、一つは、六兆八千八百億円という計画ベースと決算ベースのこの差は余りにも大き過ぎると思いませんか。私は、地方単独事業が公共に継ぎ足した事業量のあることも知っています。それにしても、その差は何ぼになりますか、六千二百二十六億円ですよ。さらにいま一つは、当初の計画ベースから見ると一兆三千三百三十九億円ですよ。一兆三千億円以上の計画との乖離があるというのは余りにも多過ぎませんか。これが第一の問題です。
 第二は、先ほど指摘をいたしましたように、歳出に対する歳入が計画ベースでは六一・五%、決算ベースになると五七・五%になるのですね。結果としていわゆる地方の持ち出しですよ。決算は地方の持ち出し分が非常に多くなるという内容をあらわしているのじゃないでしょうか。一体どう思いますか。
#121
○土屋政府委員 最初にお話のございました国税三税の見通しについては、私どもも地方財政計画を立てる上において、これがはっきりしたものでないと非常に困るわけでございます。もしそれが多ければ、当該年度の借り入れが少なくて済んだかもしれないし、いろいろ変動もございます。今後ともその点は、きちんとした見通しが立てられますように努力いたしたいと存じます。
 それからもう一つ、いまお尋ねのございました地方財政計画と決算の乖離、特に補助事業についてお尋ねがあったわけでございますが、地方財政計画と決算とはいろいろな面で整理の仕方が違うわけでございますから、必ずしも一致しないことは当然である面もないわけではございません。ただ、いまおっしゃいましたような補助事業について非常に乖離が多いのは、結局単独事業として行うものであったとしても、その補助事業に応じていわゆる継ぎ足し単独というかっこうで仕事をしておるという面が非常にあるわけでございます。その結果、決算上補助事業の枠内に整理をされてしまっておるという面での乖離が相当多いわけでございまして、私どもとしては、本来ならば明確に区分できるなら、補助事業は補助事業、単独事業は単独事業というふうに明確に区分をすべきであろうというふうに思っておるわけでございます。
 それを考えても、なおかつ単独事業で見れば当初計画よりも少し少ないではないかといったような事情がございますことを言われました。それについてはいろいろな時期によって違うので、逆に公共事業が非常に伸びがいいときにはそちらの方へ精力をとられて、単独事業は非常に減るということもございますし、また東京あたりの大きなところが単独が伸びなかったのが全般的に影響しているというのがございます。それぞれの事情がございますので一概には言い切れないわけでございますが、私どもとしては、補助事業は補助事業できちんと決まっておる、単独事業がそれに食われるというような形ではなくて、それぞれやっていく経理の仕方等に非常に大きな問題があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#122
○加藤(万)委員 いま継ぎ足しの事業、単独事業が入るからという話がありますけれども、ぼくはそれを差し引いても、先ほど言った決算額のいわゆる国の補助と全体の事業との財政歳入の比率の問題、これはちょっとひど過ぎると思うのですよ。私は、この決算上の継ぎ足しの単独事業はどのくらいあるかということが明確になっておりませんから正確には言えませんけれども、恐らくそれを差し引いても当初の計画ベースである六二・五%にはならないと思うのですね。財政計画を立てるときに、計画ベースを立てるときに、差し引いてもなお決算ベースに近い形をとるべきだと思うのです。
 そこで、今度は単独事業ですけれども、単独事業は実質で一兆三千億のマイナスですね。単純で一兆円以上のマイナスですよ。これが一部ではこう言われているわけです。単独事業費を人件費が食った、こう言っているわけですよ。この決算だけで見ればそういう見方ができますよ。人件費の方は実質で一兆四千億、単純で一兆八千億の増ですから、新聞社その他は、こういう取り上げ方をしばしばしますよね。人件費について言えば、ラスパイレスの問題とか今度は単独事業を食い込んでいるとか攻撃の材料になっていますけれども、私は本当は給与関係経費の主要なものは地方単独で配置をしなければならない人の数、員数の問題だと思うのです。こういう地方単独事業が結果的に一兆円も減っていることが、給与費に回っているというような、そういう悪評を得るような決算の方向というものについてどうお考えでしょうか。
#123
○土屋政府委員 全体として考えました場合に、地方財政計画というのは、御承知のように、標準的な水準における地方団体の歳入歳出を見込むことを通じまして、地方団体の標準的な行政に対する財源を保障するということを目的としておるわけでございますから、実際の地方財政運営の結果である決算とはもともと計上するものも違いますし、いろいろな面で食い違ってくることはやむを得ない面があると思っておるわけでございます。
 もちろん、全体として決算と計画の乖離が大きくならないような努力は払っていく必要があるわけでございますけれども、私どもとしては、計画をつくります際は、補助事業は国から出る金でございますからきちんと整理ができます。単独事業はこれぐらいやりたいということで計画を立てるわけでございますが、結果としては、一部は継ぎ足し単独というかっこうで補助事業の方へ経理をされておる。それは切り離せばもとの単独へ加わるわけですから、それはそれで済むと思いますが、なおかつ計画よりも決算における単独事業の額が非常に低いということ、これについてはいろいろおっしゃいましたような意見も世間にあると思います。
 私どもとしては、過去の経緯から見れば、公共事業が非常に伸びるときはどうしても単独事業の方に手が回らないといったことでございまして、計画は全般的な財源保障ですから、その中でいろいろと財源は実態に応じて使われておるわけでございますから、それはそういうことだと思っておりますけれども、そのほかにも、先ほども申し上げましたが、大都市地域が特に単独事業が伸びないときはシェアが大きいので非常に大きく影響したとか、理由はいろいろあると思うのであります。しかしながら、私どもが現実に財政計画を組みますときは、単独事業はこの程度はやってほしい、もちろんやる必要があるであろうということを推定してやっておるわけでございますから、できるだけそれが近い形におさまることが必要であろうと思っております。
 おっしゃいました趣旨は、仮に人件費なり何なりに回っておるという批判があるといたしますならば、その必要なものはそちらで見て、単独事業はやらなきややらない方で少なく見てきちっと近づけたらどうか、あるいはそういう御趣旨かなと思ってみたわけでございますけれども、いま申し上げましたように、計画というものは、標準的な水準における標準的な行政における財源の保障ということでありますから、たとえば給与費等についても国家公務員並みの給与費で算定するというたようなことでございます。したがって、やはり決算とは違うのはやむを得ない面があると思っております。
 私どもは、そういう意味で地方財政計画をつくっておりますので、おっしゃいました意味において乖離が大きくならないように、そういう意味では常に注意をして、今後地方財政計画を策定する際は注意してまいりたいと思っておりますけれども、いろいろと乖離が生ぜざるを得ない面もあるということも御理解願いたいと思うのでございます。
#124
○加藤(万)委員 大臣、いまやりとりをちょっとお聞きしてわかったかもしれませんが、結局標準的な水準で地方財政計画を立てているところに問題があるのですよ。やはり地方財政計画というのは、できる限り実態に合わせるべきだと実は私は思うのです。単独と公共との事業が入り組んだとかなんとか、その結果としてふくらんだとか、これは分解すれば出るのですけれども、たとえば給与財源についても、いま言ったように一兆円以上の乖離が起きる。それから先ほど申し上げましたように、公共の中の財源の国の負担分と地方の負担分との差が五%以上、財源基礎が大きいですから相当そういう乖離が起きる。したがって、地方財政計画をつくるときには、やはり地方団体のシビルミニマムを確保する立場から、その地方財政計画をつくるというところに視点を変えませんと、私はこの乖離はますます拡大すると思っているのです。いわんや、五十六年度のように公共事業は横並びでしょう、国の財源が。地方団体でも多少単独事業費がふえていますね。そうなりますと、よけい単独事業費の方に足す事業がふえていく可能性もあるわけです。
 そういうこと等を考えてみますと、地方財政計画をつくる際に、地方の実態、大都市の単独事業が減ったためにその減ったという五十三年度の決算もあるのですと、五十三年度にそういう状況があるだろうということは大体推定されることだったわけですよ。結果として今年、五十六年度でなければ五十三年度の決算が私どもの手元に入りませんから三年前の話をせざるを得ないのですけれども、問題は地方財政計画をつくる際に、各地方のシビルミニマムをしっかり確保するという立場から地方財政計画をつくるという方向に一歩踏み込んでみたら、しばしばここで問題になる地方財政計画と決算との乖離の問題あるいはそれから起きる結果として、何ということはない、地方財政計画は交付税を算定するための資料にすぎないのじゃないか、地方財政計画そのものを本委員会で審議することがナンセンスなような、こんな状況じゃいけないと私は思うのですが、そこまで一歩踏み込んで地方財政計画を五十七年度はひとつ立ててみるというお考えはいかがでしょう。
#125
○土屋政府委員 大臣からお話があります前にもう少し申し上げたいと思うのでございますが、繰り返しになりますが、地方財政計画は本来地方団体のすべての歳入歳出をとらえるものではなくて、標準的な水準における地方財政の歳入歳出の状況を把握することを通じまして地方団体の標準的な行政に要する財源を保障する、これが目的となっておるわけでございます。
 したがって、標準的でない歳入、たとえば地方税の超過課税分とかあるいは枠外債なり寄付金といったものは、一々これに取り入れてあるわけでもございませんし、また歳出面でいいますと、給与の単価差なり国保への繰出金といったようなたぐいのものは入ってない。また、計画は原則として単年度の当初ベースで積算をされておりまして、年度間にまたがる歳入歳出は計画外として扱われておる。たとえば積立金を取り崩して繰り入れたといったようなたぐいのものは出てきょうがないわけでございます。しかしながら、そういったものは決算では全部出てくるわけでございますから、これは乖離が生ずるのはやむを得ない面があるわけでございます。そのほかにも、計画における組み立て方として計上しないとしているものが決算には出てくるといったようなことがございますからやむを得ないと思っておるわけでございます。
 そこで、そういった標準的な水準による地方財政の歳入歳出の状況を把握して財源を保障するということでありますから、たとえば給与一つをとりましても、国家公務員並みの水準で計算をして付与するということになっております。しかし、これは予算のようにぴっちりしたものが財政計画じゃございませんから、全体として、決算としてある程度使われ方はそのとおりにならないということでございます。
 そういった意味でございますから、同じく決算と計画とがなるべく乖離がないようにするといたしましても、そこらの標準的な水準で考えるべきものはそう変えるわけにもまいらないということがあるわけでございます。しかし、全体としていろいろな意味で乖離があった面もございましたので、私どもとしては従来から、御承知のように、計画の策定上規模是正を図るといったようなこと等もたびたびやってきておりまして、なるべく実態に合うように、その差が縮少するように努力をしておるつもりでございます。今後ともそういった点については、私どももできるだけの努力はいたしたいと思っております。
#126
○安孫子国務大臣 いま地方財政計画と決算との乖離の問題、特に補助事業等についていろいろお話がありましたが、これは私の思いつきでございまして、突き詰めたことではございませんが、たとえば国で公共事業の追加、補正予算を組むという場合には、それは地方財政計画に乗らないわけでございますね。そういう事情もあるんじゃなかろうかという感じを持っているわけです。公共事業、補助事業が決算と相当乖離しているという点は、そういう事情もあるんじゃなかろうかということをちょっといま考えたところでございます。したがいまして、地方財政計画と決算の面について、いま財政局長がいろいろ申し上げましたほかにそういう事情もあるので、この乖離はやむを得ない面があるというふうに思うわけでございます。
 そこで、御提案といたしまして、シビルミニマムというようなものを想定をして一つの基準を決めたらどうかというお尋ねでございますが、これは一つのテーマとして研究はいたしますけれども、大体シビルミニマムというものをどういうふうに想定をするか、これは各地方団体によって皆違うだろうと思うのですね。それを全国統一的にどういう形に判定をしていくか、そしてまた、今度は交付税の配分の問題になりますと、それと対応してどういう形で配分を行うかという点についても、いろいろ研究を要すべき問題があるんじゃないかと思いますが、御提案でございまするので、研究はさせていただきます。
#127
○加藤(万)委員 ぜひ研究をして、私どもがここで審議をする際に決算との乖離が余りないように−私は、乖離があるということを否定をしているのじゃないのです。余りにも大き過ぎるから、それでは実態の審議にならない、委員会のせっかくの審議が空になってしまうということを申し上げているわけです。
 二番目に、補助金と交付税の関係をお聞きしたいのです。
 今度第二臨調が発足しまして、補助金問題が大変大きくなっているわけですが、今度交付税が全体として大きくなりましたね。資料をいただいているように、交付税総額は大変大きくなったわけです。その結果、本来補助金で支給されておった財源が交付税に繰り入れられて、結果的に一件当たりの単価が低くなっている、こういう状況は生まれておりませんか。
#128
○能勢説明員 お話は、国の補助金の振りかえ等で単位費用の特定の費目で前年度を割ったものがあるかどうかと言えば、それはございません。
 それから、補助金の振りかえに伴って、県ないし市町村の需要額で大きな変動があるものがあるかというお尋ねだといたしますと、それも大幅な動きはないのじゃないかというふうに思います。と申しますのは、今年度の国の予算を組みました際に、補助金が廃止されまして結果的に交付税の方に振りかえられましたのは、予防接種に係る補助金についてでございます。この補助事業につきましては、御案内かと存じますが、国が三分の一持ちまして、県が三分の一持つ。事業主体は市町村でございますので、県からその三分の二相当分が補助されまして、そして市町村が予防接種をするという仕組みで単位費用を組んでおったわけでございます。
 具体に申しますと少し細かくなりますが、市町村の基準財政需要額の中の御生費という項目で予防接種という細目を設けてそういう見方をしておったわけでございますが、その補助金がなくなりましたために、交付税の単位費用のつくり方としては特定財源、具体に言うと補助金分をなくした形で、一般財源を持ち上げる形で単位費用をつくっておりまして、その額自体もさほど大きな――補助金自体がたしか五十五年度の補助金で、全国ベースで二億五千五百万でございまして、さほど大きくございませんし、結果的に一般財源に振りかわるという形になるものでございますので、全体として基準財政需要額の大きな変動を及ぼすような形にはなっておらないと考えております。
#129
○加藤(万)委員 額としては、私はそう大きくないと思うのです。ただ、今度第二臨調が発足して補助金が相当総洗いになりますと、本来補助金で決定されておった額がいわゆる交付税に算入されるという状況は非常に多くなると思うのですよ。その場合、単位費用が非常に変わる。たとえばいまの予防接種もそうですが、学校代行医、これは補助金でしょう。いろいろ計算の方法がありますから、私その計算の細かいところまでできませんけれども、一日当たり大体八百円ですよ。学校とか生徒数とかいろいろなことで割り出して、最終的に補助額が一日当たり八百円。今度交付税に取り入れたでしょう。五百円でしょう。一日当たり三百円の差というのは大きいですよ。
 まあこれは、いまその計算をしろと言ったってできっこないですけれども、私が言いたいのは、補助金を削減することによって交付税に算入をする、算入した額が減額される、こういうことがあっちゃいけないと言うのですよ。基準財政需要額に――予防接種はいまぼくは初めて聞きましたが、恐らく単位費用ではいま同じだと旨いましたけれども、本当にそうですか。これもまあうなずいているから間違いないと思うけれども。学校代行医なんかは確実に減っていますよ。結果として、地方団体は補助金は切られる、結果的に本来必要な財政需要額を交付税で算入されても持ち出し分が多くなる、こういうことがないようにしてもらいたいと思うのです。
 これから、いろいろ交付税を交付される際に具体的な事象が起きるでしょうから、これはひとつ財政局長から、補助金から交付税に算入されることによって地方団体の減額状況が起きないように、ぜひ私はそうしてもらいたいと思うのですが、御意見をひとつ。
#130
○土屋政府委員 私どもとしては、従来から地方の自主、自律性を高めるという意味合いにおいて、また国、地方を通じて行政の簡素合理化に資するという意味で補助金の整理を進めるべきである、その際はできるだけ地方の仕事に同化、定型化したようなものは地方へ振りかえてしまう、そしていわゆる一般財源化するというようなことを主張しておるわけでございまして、実は五十六年度においてもそういう方向でいろいろと折衝したわけでございますけれども、実際はなかなか進みませんでした。いまの予防接種補助金が廃止されたのが一つの例でございます。これは事実そのとおりにやったわけでございまして、五十六年度の単位費用の積算においては所要額を見込んだわけでございますから、その点についてはきっちりと振りかえができておると私どもは思っております。
 ただ、たとえば学校代行医等について、交付税の積算が少し実態と離れておるのではないかというような御意見もございました。私どもとしては、交付税の需要見込みを見込みます際は、実態に即してそれが適正なものでなければならぬと思います。その点なおよく洗い出して、そこは合理化を進めたいと思っておるわけでございます。
 そしてまた、第二臨調でいろいろ議論をされてどのような形でこれが進んでいくのか、どういう形に落ちつくかはまだいまのところわかりませんけれども、私どもとしては、事務事業が廃止されてしまったものは補助金も整理されて構わないわけでございますが、仕事が残るものについて、特に地方に仕事を任してしまうというものがあれば、それはまさに補助金をやめたかわりに地方へ一般財源としてそれが回されるということでなければなりませんし、その点については、一般財源化という場合は交付税で十分需要を見込んでいくということでございます。おっしゃいますように、そういった動きがある際に、いわば見足りなかったというようなことで地方団体の方へしわ寄せになってくるというようなことは当然避けるべきでございます。十分その点は注意してまいりたいと思っております。
#131
○加藤(万)委員 きょうは本会議が後に控えているものですから、本当はたくさん時間をいただきたかったのですが、話題を変えます。
 大臣、いま行政改革でいろいろな見直しが起きているわけですが、財政再建ということで予算を中心にして行政改革、この行政改革の対象になるものですが、国家予算は当然のことですが、それから財政投融資、それから公営競技から生まれる利益金ですね。公営競技、これは地方団体に配分されたり交付税との関係あるいは補助金との関係、いろんな関係を持っているわけですね。今度の行政改革の政府側の考え方の中に、ギャンブル益金に対する見直しという問題が入っているでしょうか。
#132
○安孫子国務大臣 正式にその項目の中に入っているかどうかは、私はいま定かではございません。しかし、恐らく臨調の内部におきましては、その議論がいろいろ行われることだけは事実じゃなかろうかと思っております。
#133
○加藤(万)委員 どうでしょう。大臣の見解として、これはやはり見面しの対象にすべきだというようにお考えでしょうか、いかがでしょうか。
#134
○土屋政府委員 特に公営競技の収益金についてのお尋ねであったと存じますが、この点については、御承知のように特定の団体に収益金が集中しているということもございまして、従来かちその均てん化という方向で私どもは十分考えてきたわけでございます。いろいろと今後の検討をします際に、そこらはさらに進めていかなければならない、均てん化の推進ということは考えなければならないと思っております。
 ただ、一言申し上げますと、これは現在収入が特定のところへ集中しているという面もございますけれども、あくまでもこれは地方団体のいま財政収入になっておるわけでございますから、やはりそれは全体の見直しの中でいろいろ議論するにしましても、地方団体の財源として使っておるものでございますから、その中で均てん化なり何なりでうまくそこを使っていくということでなければならないと思っております。そういう意味で、私どもその合理化という点では、引き続いて検討してまいりたいと思っております。
#135
○加藤(万)委員 主催団体である都道府県、市町村からも、ぜひ収益金の配分についての見直しを行ってほしい−これはちょっと古い資料で申しわけないのですが、収益金は五十二年度で五千七百億円ですね。今日ではもう相当大きくなっているわけでしょう。
 五十四年の六月二十一日に公営競技問題懇談会から意見書が出まして、各競技団体あるいはそれぞれの船舶振興会であるとか日本自転車振興会でであるとか、そういうものに対する「交付金の比率を定めた各競技実施法の別表については、その制定以来改訂されたことがないので、各競技の売上金額の増加状況等を考慮して改訂を図ること。なお、その際、施行者収益の改善に資する方向で交付金の比率を調整することについても検討すること。」こういう意見書が出ているわけです。
 先般、この委員会で自民党の先生の方からも宮島市における収益金と交付税、あれは交付団体ですね、これとの関係等の御意見が出ました。私は、そういう団体もあろうかと思うのですが、現実の問題としては、競輪、競馬ないしは競艇の収益金がその地方団体の財政収入の中に相当大きな比重を占めていることはこれまた事実です。しかし、それが年々歳々減っていますね。当初一一%ぐらい収益率があったのですが、今日では一〇%を割って九・何%、各地方団体からも、この際交付金の比率について改定をしてほしいという要望が各先生方にも来ていると思うのですが、どうでしょうか、この意見書を受けていまそういう各団体に対する交付金の内容を改定すべき時期に来ているというふうに私は思うのですが、いかがでしょう。
#136
○矢野政府委員 ただいま御指摘のように、公営競技に関する懇談会の中で交付金の比率の見直し、特にそれは施行者に対する収益の改善という観点から行うべきだ、こういう御意見が出ておるわけでございます。現在交付金につきましては、売上額に一定の方式で比例する形で定められておりますので、交付金の方は年々増加をしておる。それに対して一方収益金の方は、全般的に見ますと伸びが鈍化をしてきておるという傾向があるわけでございまして、この点につきましてはいろいろ地方団体の方からも御要望のあるところでございます。
 先ほどの公営競技問題懇談会の御意見に基づきまして、政府におきましても、この意見書の趣旨を踏まえまして公営競技運営の改善を検討するために政府部内の省庁連絡会議を発足させまして、目下鋭意検討を重ねておるところでございます。御指摘の問題につきましても、今後この連絡会議の場で検討が行われていくことになると考えておるわけでございます。
#137
○加藤(万)委員 大臣、なぜ私がそれを言うかといいますと、いま公営企業金融公庫に市町村から一%上納されるわけです。これが各地方団体の事業に対する貸付金の金利に対する補助になっているわけです。五十五年度、五十六年度、単年度では赤字です。これは対象事業を拡大した結果そうなっているわけです。恐らく地方団体からいけば、安い金利になるわけですから、できる限り対象事業、そしてその資金に対する利子の軽減を図りたい、これは拡大する方向になっていくと思うのです。その結果として五十四年から対象事業が拡大されたわけです。その結果としてこれは赤字です。これは五十五年度決算見込みで六十二億円赤字です。五十四年は十億八千万、恐らく五十六年度も、この資料によれば大体十億前後の赤字。
 これはこのままずっといけば、前の分の取り崩しがいつか終わりまして、公営企業金融公庫の金利差を見る財源はなくなりますね。そこらから見ていっても、それを吸い上げるわけですから、今度は市町村団体にしてみれば、なお収益率が少なくなる。せっかく自分が一生懸命やって、その益金は一号交付金、二号交付金、三号交付金という形でそれぞれ自転車振興会であるとかあるいは船舶振興会で、勝手にとは言いませんけれども、そこの方にだけは従来どおりのパーセンテージで交付をされている、わが方は減る、こういう現象が起きるわけです。そういう面からも、私はこの際全体の見直し、いわゆる交付金を含めての見直しをされるべきだというふうに思うのです。どうでしょう、いま一遍大臣からひとつ見解を聞きたいと思うのです。
#138
○安孫子国務大臣 公営企業の問題は、私なんかから見ますと、その地方の団体の財源といたしましていろいろな仕事をやっておる。しかしながら、全体的に見ますとやはり相当余裕があるわけです。そして地方財政が非常に苦しくなっているという状態におきましてこの均分化の方向は、どういう形であれ、もう少し進めてもいいんじゃないかぐらいに私は思っているわけでございます。お話のように、公営競技そのものが収益がだんだん減る傾向にあるということでありますと問題がないわけでもないと思いますけれども、全体の方向といたしましては、もう一度考え直して、そうした方向で二歩でも三歩でも進めるという方向が正しいんじゃなかろうかと私は思っているところでございます。
#139
○加藤(万)委員 通産省の方にお聞きしますが、競輪の場合、日本自転車振興会に入るお金は一号交付金、二号交付金、三号交付金を含めて伸びていますか。伸びているかいないかだけでいいです。
#140
○三野説明員 お答え申し上げます。
 法律に基づきまして納付させておりまして、競輪の売り上げは微増程度でございますけれども、売り上げの伸びにほぼスライドして伸びております。
#141
○加藤(万)委員 それぞれの団体が伸びていて地方団体が減っているというのはやっぱりおかしいですよ。しかも、地方団体から吸い上げて公営企業金融公庫が赤字になっていくというのはなおさらおかしいことなんで、その点私はやっていただきたいと思うのです。
 次に、これと同じものですが、モーターボートについてお聞きをしたいと思うのです。いまモーターボート競走に対する特別の協賛レースというのがございますね。先々年ですか省令を改正しまして、五十七年の三月の三十一日まで行うことになっていますが、この協賛レースは、何を今日は対象にして協賛レースを行っていらっしゃるわけですか。
#142
○森平説明員 お答え申し上げます。
 BG財団のための協賛レースの開催の承認を五十六年度末まで行うことといたしたわけでございますけれども、従来協賛レースの対象としてきましたBG財団の行います海事思想普及事業のうち、特に地域にございます海洋センターの整備につきまして市町村側からの建設要望が非常に高まってまいりまして、従来のBG財団の事業計画ではこれに応じられないことになるという状況が出てきたことにかんがみまして、さらに必要最小限の地域海洋センターの整備を行うことが適切であろうと考えたわけでございまして、これに必要な財源を確保するためにはさらに二年間の協賛レースの開催を承認することが妥当であるというふうに判断したわけでございます。
#143
○加藤(万)委員 この協賛レースはいまおっしゃったようにBG財団、ブルーシー・アンド・グリーンランド財団のことですが、このBG財団の計画によりますと、五十八年度までに百四十五カ所海洋センターをつくるという計画ですが、五十七年度でこれは大体終わるものですか。これは本来は通産にも聞きたかったのですが時間がありませんから、競輪の場合には沖繩海洋博を行うために協賛レースを行いまして、これは一時期でもう済んでいるわけですね。もし、BG財団が五十八年度までに百四十五カ所つくるということになりますれば、五十七年度の方は省令はさらに延期をされなければなりません。全国に百四十五カ所以上さらに海洋センターをつくるということになりますれば、これはやや無期限的に延長される省令になるというように思うんですが、いかがでしょう。
#144
○早川説明員 お答えいたします。
 現在モーターボート競走法の施行規則で、これの附則でございますけれども、このBG、ブルーシー・アンド・グリーンランド財団に協賛して行うモーターボート競走の期限を昭和五十六年度いっぱいという形にいたしております。その趣旨は、このBGという財団が行います、先ほど担当課長が御説明申し上げました地域センター等の整備が現在予定している特別協賛レースで必要にして十分な財源を得ることができるという目標が立っておりますので、その間に限って協賛レースの施行を認める、こういう趣旨でございますので、この省令の規定しておりますとおりに、この特別協賛レースというものは昭和五十七年三月三十一日で終わるものと了解いたしております。
#145
○加藤(万)委員 モーターボートについては、他の団体と違って民間団体がこれはやっておるわけですね。とかくいろいろ批判があることは皆さん御案内のとおりであります。このモーターボート収益金の配分について、一号交付金以下交付されるお金について、自治省はどういうタッチをしていらっしゃるんでしょうか。
#146
○矢野政府委員 公営競技に関する売り上げから諸経費を除きましたものにつきましては、各種法令等の定めるところに従いまして一部は一号、二号あるいは三号といったような交付金、残余が収益金という形で一般会計に繰り入れられるわけでございます。
 なお、交付金なりあるいはギャンブルそのもののあり方も含めまして、先ほど申し上げましたように政府部内の各省連絡会議がございます。懇談会の御意見に基づきまして、そのあり方について、私どもも含めて入りまして検討をしておるところでございます。
#147
○加藤(万)委員 自治省も、その配分それからそれの使用の仕方について行政的にもタッチをされておるわけです。そこで、いま海洋センター、全国で百何カ所ですか計画をされているわけですが、この海洋センターに各地方団体がいろいろな意味でかかわり合いを持っているわけですね。地域海洋センターができますと、それを地方団体が借りまして、それをいろいろ運用する、こういう形になっておるわけです。
 ここでお聞きをしますが、自治法によりますと、各地方団体が施設をある業者に委託をする場合に、自治法上は定めをしておりますね。ところが、このBG財団がつくる海洋センターは、逆に自治団体が委託を受けるわけであります。私は、ある町の運営委託契約書というのを持っておりますが、第一条に「甲は、次条以下に定める条件で下記表示センターの運営を乙に委託をする」とあります。「乙に」というのは地方団体に委託をする。一体この委託をされたものを管理監督する立場である自治省は、どの法に基づいてこの委託に対する指導をされるんですか。
#148
○矢野政府委員 御指摘のようにBG財団によってつくられますところの海洋センターは、地方団体がつくる施設ではございません。したがって、通常の場合のように市町村が持っております施設を他に委託をするという形の逆になるわけでございます。
 いまお示しになりましたような形で地方団体が管理を行っておるわけでございますが、これはあくまでも地方団体がいわば契約という形で管理の委託を引き受けておるわけでございまして、地方団体といたしましては、それが地元の住民に対して利益になるということでございますならば、その管理を委託契約によって引き受けて地元住民に対する結果的にサービスの一環とするということで、地方団体の本来の固有の仕事の一つだろうと考えます。
#149
○加藤(万)委員 おかしいですね。地方団体が本来管理をするというようにおっしゃいましたけれども、地方自治法二百四十四条には、委託を受けたものを管理する義務は法的にはどこにもありませんよ。これは民法上の契約ですね。民法上の契約を地方団体がしたものを、今度は地方団体がそれを管理するわけです。一体どういう法的根拠でそれをやられるんですか。逆に言えば、やることができるのですか。
#150
○矢野政府委員 財団との関係から見ますと、管理を行うのは、委託契約の内容に基づきまして管理を行う義務というものを地方団体が持つわけでございますが、委託契約に基づいて管理を行う結果、その内容が地方団体の地元の住民へのサービスになる。そのサービスになるということそのものは、地方自治法に照らしてみましても地方団体の一般的な固有の仕事の一つになる、このように先ほどお答え申し上げたわけでございます。
#151
○加藤(万)委員 やりとりしますと少し長くなりますが、たとえば競輪の収益金ですね。日本自転車振興会。これが各一号、二号、三号交付金を行う場合には、主として地方公共団体には出さないわけです。福祉施設であるとか一部にはあるそうですけれども、これはごく限定された工業試験所のようなものだけですね。このBG財団の場合には、いま言ったようにその収益金で海洋センターをつくります。その結果として、何年か使用しますとそれが地方団体のものになるのですね。無償貸与をしまして、一定の経過を経まして、そしてそれは地方団体の施設として差し上げましょうという契約等もあるんですね。競輪をやる収益金、利益金をそういう形で地方団体が受け取ることは、これは少し時間がかかりますけれども、結果としていいことなんでしょうか。私は競輪、競馬、それから競艇もそうだろうと思うのですが、審議会の経過を見てみますると、地方団体が設置をすべき体育館であるとかプールであるとか、そういうものは本来交付税なり基準財政需要額で見るべきであって、少なくともそういうギャンブル収益金をもって地方団体がそういう施設をつくること、後になってもそれを受けることは、やや方向性としては否定をされるという状況のようにずっと経過を読んでみますと受けとめられるわけです。この場合、BG財団の海洋センターについてはどうお思いですか。
#152
○土屋政府委員 BG財団についてのいろいろなお話があったわけでございますが、地方団体は確かに住民の福利厚生、健康その他も含めましていろいろな事業をするわけでございます。そういった中でいろいろな施設をつくって、たとえばいまの海洋センターのようなたぐいのものもつくるということは、それはそれなりでできるわけでございます。
 全体でそういった行政を進める中で、たまたまBG財団というものがあって、その収益金から公共的な役に立つようなものをつくりたいということで施設をつくり、そして私的に地方団体がそれを契約によって利用しておる、そういうかっこうで、結果としてそれを引き受けるという、最終的には私もそこはよく承知していなかったのでございますけれども、長い間管理しておれば、それは地方団体のものとして引き継いでいくということもあるようでございます。それを利用することは、それはそれなりにいままでやってきたのだろうと私は思っております。したがって、法的に見てどうとかこうとかいう問題ではなくて、地方団体がいろいろな仕事する場合に、いろいろなそういった民間のものも利用しながら、総合的に住民の福祉に資するようなものをやっておるのだと思っております。
 ただ、いまのそういうBG財団からのものがいいのかどうかということになりますと、なかなかそこはギャンブル収入自体を一体どう考えるのかといったようなこと等広くかかわってくるわけでございますが、私は将来のあり方としてどうこうすべきだというところまで意見を持っておるわけではございません。やはり地方団体自体が、全体の中でそういった施設を利用するのが住民にとっていいかどうかという判断に立ってお決めになることではなかろうかというふうに考えております。
#153
○加藤(万)委員 BG財団が海洋センターをつくった、それを地方団体が契約して使わしていただく、無償で貸与していただく、ここまでは地方の自主的な問題としてあるかもしれませんね。しかし、その後、このBG財団と各市町村とが委託契約をされる契約書の内容ですね、これを一遍研究されたことがございますか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#154
○土屋政府委員 BG財団のいろいろな事業等については、私どもは定款を見て知っておるわけでございますが、地方団体との間においてどういった契約になっておるかということは、率直に申し上げて私はよく承知をしておりません。
#155
○加藤(万)委員 まずBG財団が海洋センターをつくる場合に、これは京都の園部町の例ですが、五十六年度の予算計上をされている中に、BG関係の公園整備事業費ほか千九百二十五万円組んでいるのです。それから、そのBG財団に派遣する市の職員の給料二百四十三万円組んでいます。当然のことですが、その人に対する職員手当、共済費、報酬費、事業費、役務費、備品購入費、こう地方団体としては、この町では二千六百七十万九千円組んでいるのですよ。建設段階でも、たとえばその海洋センターへの進入路、周りの公園整備、そういう費用を地方団体が全部組んでいるわけですね。そして契約されるものは、いま言いましたように委託です。
 私は、先ほどの御説明を聞いてもどうも納得がいかないのですが、どだい地方団体が持っている公共施設を他に委託をする場合の自治法の制定はびしっとあって、今度は自治団体がある施設を委託を受ける方がないというのはどうもおかしいと思うのです。これがないからこういう問題に対する監督がしっかりしないのじゃないかと思うのですよ。
 そして、この契約をずっと見てみますと、運営要綱は全部BG財団がつくったものによってやらなければならない、こうなっております。それから、収支の状況は明らかにして報告しなければならないというふうになっています。さらに、委託を受けたその管理機構というものに対して、立入調査、必要な書類の提出、報告をBG財団にしなければならないわけです。いま派遣された職員、地方団体の予算で措置されている職員、指導育成の業務に従事させるために、BG海洋センターにおけるB&G育成士の配置に関する基準に定める若干名のセンター育成士を常勤させ、十名以上の一級または二級育成士を配置しなければならない、こうなっているのですね。
 これはもう皆さん御承知だと思いますが、一日一膳というテレビコマーシャルでごらんのようにあの政治信条をこのBGセンターは運営要綱に掲げているわけですから、中心的な一つの指導哲学といいましょうか、それ自身が私は別に悪いと言っているのではないのですよ、そういう思想の人もあるでしょうから。しかし、地方団体の職員をそこに派遣をして、しかもいま言いましたような形で中央における海洋センターに教育に赴かして、そしてさらに地方団体で、そのセンターに集まるであろう地域住民の人を教育する、こういうのに至りましてはどうでしょう。行政としてはそういうあり方でよろしいのでしょうか、これをひとつ聞きたい。
#156
○土屋政府委員 いまいろいろと私も承ったわけでありますが、地方団体がいろいろな事業を行う、その中には住民のための海洋思想普及のための教育もあれば、いろいろなことができると思います。したがって、自分の財源の中からいかなる施設をつくりどういった仕事をやるということは、地方団体は自由に選択できるはずでございますが、そういう状況の中でたまたまこういったBG財団というものがあって、そういう施設をつくり、そしてそれを利用できるという方途がある。だから、それを利用することも一つの方途であるという地方団体の選択だと思うのでございます。
 そういった中で利用契約を結びまして、それをそのまま無償で借りて利用していくということになれば、当然その間においてはそれを管理するということもみずからの責任でございましょうし、それを利用する過程において必要な人員等もそろえるということは、やはりあり得ると思うのでございます。
 ただ、基本的にそういうものを利用するのが一体いいのか、それをやるくらいだったら本来の自分の財源で建てて運営していったらいいじゃないか、やはり両論あるだろうと思いますけれども、総合的に見て、財源その他地方団体としても住民のためにどれが一番利益になるかといったような、いろいろな計算をされて、多分こういった問題について契約をされておるのではなかろうかと思っております。したがって、私どもは直ちに結論としてこれはいかぬのであって、やるなら自分たちの施設を建ててやれというわけにもどうもまいらぬような気がするわけでございます。ただ、市町村としては、全体として限られた財源の中で何が一番いいかということで判断されたと思っておりますので、それ以上私として判断を下しにくい、そういったことでございます。
#157
○加藤(万)委員 私は、地方団体がこれだけ財政が逼迫しているときですから、いろいろな寄付を求めたり、あるいはギャンブル収益金の中からそういうものを得ていくということはわからないこともないのです。ただ、当初言いましたように、たとえば養護施設であるとかあるいは財団法人何とか、そういうものに対して競輪やあるいは競馬会がいろいろな面で補助金を出してやるということはいいと思うのですよ。そういうことはあり得てもやむを得ない今日の実態でしょう。しかし、公共団体に提供しているところに問題があるのですよ。
 さっき私は何回も言いましたように、たとえばこの契約をずっと読んでみますと、運営要綱はいわゆるBG財団の運営要綱ですよ。そしてそのことは何回も言うようですが、例の一日一善と言われている笹川さんの政治哲学、その信条とともにあることを実は全面的に契約しているのですよ。地方公共団体がそういう状況に置かれていいのでしょうか。私はまずそこを聞きたいと思うのです。
#158
○土屋政府委員 財団を設立しておられる方の思想信条、そういったことはおありでありましょうし、それについていろいろ共鳴するとかしないとかということは、人によってそれぞれあるだろうと思います。ただ、この問題については、いろいろな住民のための仕事をする中でどちらを選ぶかという場合に、たまたま当該団体にとってみれば考えておったのとぴったり合う、しかもどうもその方が全体としては利益であると、いろんな判断のもとでおやりになっているわけでございましょうから、そのおっしゃいましたような信条その他いろいろ絡めて、私どもがどうこうというわけにはまいらない。当該団体が何かをやるときに、ある建物を契約で借り入れるとかどうとか、いろんなことはあるんだろうと思います。そういった一環として、この仕事に共鳴されていることは事実でございましょうから、そういうことから選ばれておるわけでございます。それについては、いろいろ考え方というのは成り立ち得ると思いますけれども、私どもは客観的に見て事実関係だけを考えていけば、いまのような方法もあり得るだろうというふうに考えております。
#159
○加藤(万)委員 この施設をつくるために進入路で約三百万、用地造成で八百万、先ほど言いましたように、五十六年度予算では、園部町は約二千六百七十万九千円の予算が計上されているわけです。この園部町というのは交付団体ですか、不交付団体ですか。
#160
○矢野政府委員 交付団体であったと記憶いたします。
#161
○加藤(万)委員 このBG財団と町との契約、この契約書は議会を通すべき性格のものでしょうか、それとも議会には承認なしに行政権限で行われるものでしょうか。
#162
○矢野政府委員 地方団体が締結する契約のうち議会の議決を必要とするものは一定のものに限定されておりますが、お尋ねのこの契約は、契約そのものにつきましては議会の議決を経る必要のないものかと存じます。ただ、それに伴います予算その他は、これは当然のことでございますが議会の議決を経るということになろうかと思います。
#163
○加藤(万)委員 いわゆる契約が先に行われて、議会の支出の承認は後で予算上の問題として承認を受けるという方向なんですね。しかも、その契約内容は、先ほども何回も申し上げましたような形で契約をされ、自治の本来を侵害しているというように私は思うのです。本来あるべき自治体の姿、それをある特定の団体によって一つの思想信条、そういうものを持ち込まれる要素というのは非常に多いわけです。本来これは、やはりそういう市町村と団体との契約がある前に、その契約そのものが議会の承認事項となって、次はそれに伴う予算が配置をされていく。しかも、これは交付団体ですよ。と言えば、私どもの税金もそこに入っているわけです。われわれの税金が一定の思想と信条のためにつくられるであろう施設に――住民にとってみれば、そこにスポーツセンターができた、プールができた、それは好ましいことですが、どこか遮断するところがなければ、地方団体はいま全国で百八十何カ所ですか、それが設置をされておるわけですね。それに地方自治が侵害されていませんか。どうでしょう。これは大臣の見解をひとつお聞きしたいと思うのです。
#164
○安孫子国務大臣 結局最後の問題は、その首長が選択するかしないかという問題でございまして、恐らくその首長は地域社会のことも考えて、そしてその選択をしたものだろうと思うのです。これについて自治の侵害であるとかなんとかという問題はないだろうと思うのです。議会との関係におきましては、それに関連いたしまして予算措置を講ずるという際に、首長のその選択に対しましていろいろと論議をするチャンスはあるわけでございますから、結局のところ、これが地方自治の侵害であるとかなんとかという問題にはならないものだろうと私は考えます。
#165
○加藤(万)委員 二つだけ問題を提起しておきたいと思うのです。地方自治法に地方団体が委託を受ける場合の条件を整備をされるべきだというのが第一です。第二には、収益金の配分の段階で自治省も関与されているわけですから、一体配分をどういう形で行うのか、しかも配分された先の事業は自治体の行政とどういうかかわり合いを持つのか、これが第二の問題だと思うのです。
 さらに、私はあえてつけ加えれば、各団体が持つ収益金は本来地方団体なり国に吸収されるべき性格のものだと思うのですよ。一概にそれはすぐできませんが、できた経過もあるわけですから、それぞれの産業振興というのがあるのですから、私はそれを認めないわけではございませんが、最終的な姿としてはそういう方向に行くべき性格のものだと思うのですね。現に今度は中央競馬会の収益金を財政が足りないということで吸い上げたわけでしょう。これもおかしいですよ。私はそういう姿に直すべき性格のものだと思うのです。
 園部町の例を引き合いに出しながら地方自治体との関係も申し上げましたけれども、先ほどの交付金の分配率の問題も含めてぜひそういう方向を再検討されるということについて、大臣の御意見をお伺いしたいと思うのです。
#166
○安孫子国務大臣 今後の論議の場におきまして、一つの問題点といたしまして論議してまいりたいと思います。
#167
○加藤(万)委員 行政改革問題が議論されておるわけですが、今日地方団体との関係で行政改革のいろいろな提起がされております。私は、個々の問題をどうするかということよりも、むしろ地方と中央との改革のプログラムを組む時期に来ているのではないか、こう思うのです。たとえば、いま公共事業も国と地方とはどこで分離をするのか、国土保全とか災害であるとか産業基盤の整備は国の事業として行う、地域の場合には地方の地場産業あるいは地域の振興のための公共事業、そういうものを区分をされて行政のプログラムにのせて、その面から見て、たとえば補助金は一体どうなるのか、あるいは交付税はどういう形で出すのか、財政需要額にどう算入されるのか、いまやそういうプログラムを組む段階に来ているのではないか。しかもその内容は、いま言ったような形で地方と中央とをできる限り純化をする、そういう中で行われるべき時期に来ているのではないか。
 どうも第二臨調が補助金の問題だけが前に出まして、財源削減と人減らしだけが前に行ってしまって、そこのプログラムがないままに行きますと、求められている行政改革とは違ったいびつな形の結論が出る危険性が非常に強い。したがって、そこの中央と地方との分離、分権あるいは自治という問題を含めて改革の、総論ではなくて具体的なプログラムを早急につくられるべきだと思いますが、大臣の御見解を聞きましょう。
#168
○安孫子国務大臣 その点はおっしゃるとおりでございまして、やはり国と地方との事務の配分、それに対する財政的な裏づけ、その辺を整理すべき段階である、それが臨調の一つの大きなテーマであると思っております。
 ただ、さしあたりの問題といたしましては、来年度の予算編成にも関連をいたしまして財政が非常に窮乏いたしておりまするので、その問題から手をつけよう、こういうことでございまして、その次の段階においてはいまの問題をも十分取り上げる、しかしながら切り離せる問題でありませんから、当面の問題につきましてもそういう議論が展開されるだろうと私は思っております。
#169
○加藤(万)委員 今度の行政改革は増税なしの財政再建の行政改革、こう一般的には言われているわけです。たとえば国債の発行も、五十九年度までに赤字国債の発行は大体解消できるという財政見通しがつくられました。それから、当初に少し大蔵省とのやりとりがありましたが、その中でも自然増収分、今年度の増税分等々加えてまいりますと、財政再建という名のものはおおむね済んだのではないかと私は実は思っているわけです。
 これはいろいろな議論があると思います。しかし、総体的には財政再建というよりも、むしろ財政の体質の改善と強化をどうするかという方向に全体が向かっているというように思うのです。財政体質の改善と強化ということになりますと、単に補助金は減らす、人減らしをして財政再建のために赤字を減らすのだというものとは質的に違うわけです。当然のことですが、財政体質の改善なんだ、同時に財政をどう強化するのかということになりますれば、いま言ったいわゆる前段の視点と全く違ったものとして、ぼくは恐らく第二臨調の七月以降の討議の課題になってくるというふうに思うわけです。
 そうなってきますと、財政体質の改善ですから、当然財源の中央地方との分配の問題、きょうは時間がありませんからこれ以上議論しませんが、たとえば地方団体に実質的に七割以上の金が行っている。しかし、その税の徴収段階だけで見れば、いわゆる三割、七割という状態ですね。実質的な配分はそこに行っているにもかかわらず、片方では、そういう法律の上では財源配分はない。それは財政体質の改善だと私は思うのです。その視点から行政改革をどうとらえるかということが必要だと思うのです。
 したがって私は、自治省としては当面、臨調から出てくるものを受けてどうするかという財政削減のためのいろいろな問題がありましょうけれども、むしろいまの時点から、財政体質の改善と強化に対してどういうプログラムを持つのか、同時に、行政整理をする基準をどうっくるかということも重要になってくると思うのです。この行政については、たとえば国の委任事務についてはここをどう切っていくのか、あるいはこの事業についてはどういう形で切るのか、こういういわば基準、改革のプログラムとそれを展開するための基準を早急に策定をされるべきではないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
#170
○安孫子国務大臣 おっしゃる点は私もよく理解をいたします。ただ、その議論をいたしますと、これは二年かかるか三年かかるか、とても収拾のつかない論戦が行われまして、当面の問題には問に合わぬという事情も御了察願えるものだろうと思うのでございます。当面、五十七年度の問題をどうするかということがせっぱ詰まった問題でございまするので、おっしゃることは正論でございまするけれども、その来年度の財源対策の問題も含めましてこの財政再建の問題に取り組まざるを得ない、そういう手法をとろうとしているわけでございます。
 繰り返して申すようでございまするが、この論議をする中におきましても、ただいま申されましたようなそうした背景としての重要な問題というものは、私は論議としては並行して行われるものだろうと思うのでございます。しかしながら、ウエートの置き方が今回は当面の急場の問題について集中せざるを得ない、こういう形になっておるものだと理解をいたしておるのでございます。
#171
○加藤(万)委員 本会議がつかえておりますからこれ以上議論しません。ただ大臣、私はこう思うのですよ。もし私が言った原則の中から各論をやりませんと、単に補助金の問題とかなんとかでやりますと、地方団体における一種のたかり主義なんと言ったらおかしいですが、やはりたかり的構造ですね、それは縮小されたもので終わってしまうのですよ。あるいは住民の側でいけば、本来受益と負担というものの関係、そういうものは希薄になってしまうのです。やはり住民の側も、こういう条件の中ではわれわれが負担すべきものはこうなんだという意思表示ができるという条件を基本的に据えておきませんと、単にあの補助金を切った、この補助金を切った、あそこの人を減らした、だからけしからぬという議論になってしまいまして本格的な議論にならぬですよ。政府部内でも行政改革はこれから重要なことになると思いますので、きょうは時間がございませんから基本的なことしか言えませんでしたけれども、個々の具体例に当てはめてみてもその視点を常に外さないように、しかもそれができる限り自治と分権を拡大するという方向でぜひ大臣に御検討いただきたい。
 以上申し上げて、質問を終わります。
#172
○左藤委員長 午後二時二十分より再開することとし、休憩いたします。
    午後一時五十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十四分開議
#173
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。佐藤敬治君。
#174
○佐藤(敬)委員 消防のことでお聞きします。
 この前、川治のああいう大惨事がございました。あのときはずいぶん消防庁が厳しい世論の批判に遭いまして、その後かなり心を引き締めていろいろな問題の解決に当たっておったようでございます。新聞等で見まして、ああがんばっているな、こういう気持ちを抱いておりましたが、一体その後どういうふうになったのか。ここしばらくああいうような火事はありませんでした。しかし、災害は忘れたころにやってくると言いますので、一体どういうふうな状態になっているか。川治だけではなくて同じような条件のところがたくさんあると思いますが、そういうところにどういうような手を打ってあるのか。これをひとつ御報告をお願いいたしたいと思います。
#175
○近藤政府委員 昨年の十一月二十日の川治プリンスホテルの事故におきましては四十五名の死者ということで、この種の事故においては戦後最高の事例となったわけでございます。私どもこういった事故を引き起こす原因をいろいろ調べてみますと、私どもの方でも反省しなければならない点が多々ございましたので、その反省の上に立ちまして、消防庁としては幾つかの措置を講じ、あるいは講じようとしておるわけでございます。
 まず第一点は、この事故がございましたので、その他のホテル、旅館等がどのような状況にあるかということを一斉点検したいということで、十一月二十二日付で各消防本部に指令をいたしました。その一斉点検の結果に基づきまして、三つの事項につきまして各消防本部を指導しておるところでございます。
 まず第一点は、防火管理の徹底でございます。一斉点検は、実は旅館、ホテル等一万二千七百対象について行ったわけでございますけれども、防火管理者の専任率は九〇%、消防計画の作成率は六七%、その消防計画に基づく訓練の実施状況は六五%、また、避難経路の管理不良なものが一一%、火気使用設備の維持管理の不良なものが七%というような結果になっておりまして、防火管理については必ずしも徹底されていないという実態が浮き彫りになったわけでございます。したがいまして、防火管理者の専任、消防計画の作成、避難訓練の実施等、こういったソフト面についていま一層の徹底を図るということ、これが第一点でございます。
 それから消防用設備等の設置、維持管理の状況でございますが、法に定めるところの消防用設備を設置し、しかもそれが的確に動いておるというものは、スプリンクラーにつきまして七八%、自動火災報知機につきまして八一%、避難器具につきまして八七%、誘導灯につきまして七五%、それ以外のものにつきましては一部不良あるいは設置してないということでございまして、これもところによりましては必ずしも万全とは言えないわけでございます。したがいまして、こういう消防用設備の設置につきましていま一層の徹底を図るということ。さらに消防法では、御承知のように一年に少なくとも一回は点検することを義務づけ、しかもその点検の結果を消防本部へ報告するということを義務づけておりますけれども、その報告状況が五七%という低率にとどまっております。これはまことに問題でございますので、これも法律の定めるところによってしっかり報告するようにという指示をいたしております。
 第三点は、以上のような不備事項につきましては、従来口頭で指示しておるというような例もございましたけれども、文書で指示して期限を付して改善指導を行い、改善されたかどうかをフォローし、一定期限までに是正されていない場合には措置命令を発する等断固たる措置をとりまして、違反状態が放置されることがないように指導の強化を図っております。
 なお、改善事項の中には建築構造など建築基準法関係もございますので、それらの不備不当を発見した場合には、直ちに建設関係の当局の方と連携をとってお互いに協力して、違法事態がないようにするということで指導を強化しておるわけでございます。
 一方、旅館、ホテル等につきましては、御承知のように消防庁でできる範囲には限界がございます。四十三年でございましたか、有馬温泉の満月城の事故を契機といたしまして、ホテル、旅館等に行政権限を有するところの七つの省庁が集まりまして、旅館ホテル防火安全対策連絡協議会というのを結成しておるわけでございますが、そこで一つの了解事項を行っております。それにつきまして今回全面的な見直しを行いました。なお、七つの省庁と申しますのは、消防庁を初め建設省、厚生省、運輸省、警察庁、労働省、文部省、以上の七省庁でございます。この七省庁におきまして検討いたしました結果、従来とっておりました措置に加えて新しく講じました措置は次の五点でございます。
 まず第一点は、これまで旅館、ホテルの新築の際にこうしたことを行っておったわけでございますが、増改築の際にも旅館業法または国際観光ホテル整備法に基づく届け出がございますが、その際に消防法及び建築基準法についてもこれを遵守させ、防火安全上十分な措置を講ずるよう指導しております。
 第二点は、旅館業者に対してでございますけれども、旅館業者の団体を通じまして防火設備等の整備、防災教育の実施、宿泊者に対する避難口、避難誘導方法等の周知徹底を図るとともに、老人、身体不自由者等の宿泊に当たっては、非常時において安全かつ迅速な誘導が可能となるよう十分配慮するよう指導しております。なお、防災教育に関しましては、消防機関ができるだけこれら旅館業者の訓練について協力するよう指示してございます。
 第三点は、今度は旅行業者に対する措置でございますが、旅館、ホテルと継続的に客を送り込む契約をする場合が多いわけでございますが、そうした場合には、旅行業者がそれぞれの建物の防火避難施設等の状況について事前に調査させるということにいたしております。さらに、老人、身体不自由者等の団体旅行については、事前にその旨を旅館業者に連絡することとしております。
 第四点は、消防機関と地方公共団体の建築関係部局が、旅行関係業者から旅館等の防災上の状況について照会がございました場合には、これこれの旅館、ホテルはこの程度の設備が備わっておる、あるいは備わっておらないということについて、適切に対応するということを指示しております。
 第五点は、旅館、ホテル防火安全対策をさらに具体的に推進するために、先ほど申しましたのは国の段階でございますけれども、各都道府県の段階におきまして関係行政機関の連絡調整の場を設けることにいたしております。
 以上がこれまでにとった措置でございますが、現在検討しておりますのはもう一歩進めまして、旅館、ホテル等が消防法上の規制を的確に守っておるかどうかということの表示制度及び公表制度というものをこの際ぜひ実現したいと思っております。
 公表制度というのは、もし万一法律に基づくところの設備を備えておらない場合には、適合するように措置命令を出すわけでございますけれども、一般の方々、旅行業者の方々も含めてでございますが、そういう適合命令が出されておるような旅館、ホテルであるかどうかということはわからないわけでございます。したがって、そういうような措置命令まで出しておる場合、そして指示したとおりにやっておらないような場合、つまり悪質な業者ということになるわけでございますので、その旅館名を何らかの方法で公表したい、報道機関に公表すると同時に、広報紙等によって旅館名を公表するということを現在検討しております。
 さらに、消防法規あるいは建築基準法規に適合しておるところの施設につきましては、入り口などの見やすいところに適合マークと申しますか、そういったマークをつけさせるということを考えております。実は、このマークをつけさせることにつきましては、四十七年に一回消防庁としても行ったことがございますけれども、御承知のように四十九年の大改正によりまして、旅館、ホテル等におけるところの消防設備につきましては相当変わりました。したがって、現在この措置が行われておるところはまれでございます。
 また、この前の措置はいまから振り返ってみますと、まだ相当粗雑な点もございました。そういった反省の上に立ちまして、ここ数カ月の間にこれを実施するところの関係消防機関の方々とも十分打ち合わせしまして、新しい制度を現在ようやくまとめたところでございます。
 ただ、これを実施いたしますには、やはり旅館業界などの協力も必要でございますので、現在運輸省、厚生省とも打ち合わせながら、業界の方のおおむねの賛同も得ておるような状況でございまして、一日も早くこの制度を実行に移したいと思っております。
 川治の事故の反省の上に立ちまして私どもが講じた措置は、大体以上のようなところでございます。
#176
○佐藤(敬)委員 いま消防庁長官のお話を聞いて非常に一生懸命やっておるな、こういう感じを受けました。しかし、満月城の火事や磐梯熱海の火事や今度の川治の火事や、そのたびにいろいろ反省をしておるけれども、ああいう災害というものは絶えないで次から次へと起きてきておる。だから、火事が起きたときは一生懸命緊張してやりますけれども、時間がだんだんたってくると、それがおろそかになり、ちょうど忘れたころにまた次の災害が来る、こういうことを繰り返し繰り返し行っておるわけでありまして、決して忘れないように恒常的に作動するような制度なり教育なりをやっていただきたいと思います。特に、消防庁長官が日本じゅうの旅館を皆ながめておるわけにはいかぬのでありますから、一番力になるのは地元の消防だと思います。だから、地元の消防に対しては十分に連絡をとり、責任体制をしっかりととって、地元のことでもあるし、手落ちのないように警戒、指導、教育の体制を築いてもらうように強く御指導をいただきたいと思います。なお一層御努力をお願いして、消防庁長官に対する質問を終わります。どうも御苦労さまでした。
 それから警察庁交通局長おいでになっておりますね。
 二年ばかり前でしたか、交通法の大改正をやりました。特に暴走族を何とかしなければいけないというので、それを目標にして交通法の大改正をやりました。やった結果は、一年ばかりは暴走族が非常におとなしくなって、統計的にも事件が少なくなって、法律の効果が大変上がったというので喜んでおりましたところが、一年ぐらいたったかたたないうちに、またまた前よりもひどい暴走族がばっこし、前はオートバイだけだったのですが、今度は乗用車でもって競走するような高級な暴走族が活躍しておるというようなことになって、死亡率も非常に減少しておったのが今度は増加に転じ、暴走族の事件が次から次へと起きてくる、こういうようなことになりまして、私どもも非常に残念に考えておるわけですが、いままで少しずつ鎮静していたのがどうして去年あたりから急に暴走族がばっこし、死亡事故が多くなったのか、その原因の分析があったら御報告いただきたい。
#177
○池田政府委員 ただいま御指摘ございましたとおり、昭和五十三年十二月に改正道路交通法が施行されまして、暴走族対策といたしましては、共同危険行為等禁止規定という新しい罰則規定を設けていただきましたものを適用いたしまして、強力な取り締まりを行ってまいったわけでございますが、その結果、五十三年には、当時悪い言葉で言いますとこれから走れなくなるからというようなことで、五十三年の秋に暴走族が大変しょうけつをきわめましたものが、ほぼ一年近くは様子を見ていたと申しますか、そういう状態にあったわけでございますが、五十四年の秋ごろからまた再び活動を始めまして、昨年も引き続きまして、特に五月の第三週の週末には全国で七千人以上が蝟集走行するというような状況等が見られたわけでございます。
 こういった事態に対処いたしまして、警察といたしましても、昨年の一月からは総合対策本部を設けまして、交通のみならず刑事、保安あるいは警備といった警察の総合力を挙げますとともに、昨年の夏には関係の省庁等も総理府の方で御招集いただきまして、九月にはその対策を決定していただく、あるいはまた地方自治体におかれましても、暴走族の追放決議等をやっていただくなどの措置を講じていただきまして、これに対処しているわけでございます。
 なぜふえたかという原因でございますけれども、一つは、やはり根本には少年問題というものもあろうかと思います。私どもが現在把握いたしております暴走族の数は、全国で七百五十四グループで人員が三万八千九百五十二人ということでございますけれども、特徴の一つといたしましては低年齢化が顕著になっております。暴走族の八〇・六%が少年でございまして、昭和五十一年には六三・二%ほどが少年でございましたけれども、それに比べますと少年が大変にふえておるということが言えるかと思います。特に、十七歳以下の年少少年といったものが四一・一%を占めておりますほかに、運転免許の資格のない十五歳以下の者もまだふえておる、こういったような状況等が見られます。
 もう一つは、少年の内容を見ますと、従来は単に車好きの少年が車を乗り回すといったような状況が見られたわけでございますけれども、最近では非行少年が車を借りて非行行為をやっておる、こういった状況が顕著になっております。
 またグループの構成員の流動化と申しますか、構成員のメンバーチェンジが激しいということも特徴の一つであろうかと思います。私どものやりましたサンプル調査によりますと、半年の間に四〇%以上の者が警察の取り締まり、補導等によりまして離脱するわけでございまして、さらに一年たちますと二〇%近くの者が離脱いたしまして、一年間で六〇%以上の君が離脱をする。しかしながら、それを上回るような新しい者が入ってきておりまして、結果的にはその構成員の数がふえておるといったような状況がございます。言葉をかえて申しますと、予備軍が大変に多いということが特徴であろうかと思います。
 したがいまして、私どもといたしましては、警察の全力を挙げまして、まずこういった暴走族集団に対しまして補導、検挙を繰り返すことによりまして暴走族を解体する、こういった措置を強力に講ずることが必要であるわけでございますが、そのことのためには道路交通法違反のみならず、刑法犯あるいは特別法犯といったようなあらゆる法規を適用いたしまして取り締まりをやっておるわけでございますけれども、そういった警察の対策のほかに、さらに地域でございますとか、あるいは職域、学校でございますとか、そういった広い対策をお願いいたしておるところでございます。
 本年に入りましてからも、一、二月につきましては昨年に比べますと若干数が減っておりましたけれども、三月になりますと一・八倍ほどふえておりまして、トータルで申しますと昨年よりもまだ若干ふえておるという状況がございますが、警察の取り締まり等によりまして、グループの集団走行いたします場合の規模が少し小さくなっております。昨年は約五十台くらいで一グループでございましたけれども、取り締まりの目を逃れますために十台内外の小規模化しておる。ただし、従来は主として土曜、日曜等でございましたが、その他の日にも走行が見られる、こういったような状況等もございますので、私どもとしては、ことしの動向が将来を決めるといったような強い態度で、特に昨年の例でもこれから五月以降が急増しておりますので、現在事前にできるだけ手を打ってこれを抑えるべく努力いたしておるところでございます。
#178
○佐藤(敬)委員 ちょうどゲリラみたいなもので、追えば逃げるし下がればまた出てくるというので、いつも非常に苦しんでいる場面はよくわかるのです。非常に御苦労ではありますけれども、問題はこの車社会の中にいて、これを取り締まればほかの車社会に影響が出てくるのでなかなか取り締まりにくい、こういう非常な難点を持っておるわけですが、とにかくこれを何とかしなければいろいろな自動車の交通事故、交通違反、こういうものがどんどんふえていったのでは、警官が幾らおっても足りない。今でも全体の警察のそれこそ半分くらいは交通警察官じゃないかというような感じさえ持っているわけで、社会的な損失は大変なもの、だと私は思うのです。
 非常にむずかしいと思いますけれども、ぜひひとつこの点について対処して、悪いことをしたら必ず警察によって取り締まられる、こういうような強い態度を暴走族に対して示していただきたい。イタチごっこになってしまえば、ますます警察をばかにして悪化するということがあります。そういうことになれば単に警察の問題だけではなくて、少年の将来にとっても非常に悪いことだと思いますので、ぜひひとつ御苦労であっても十分な体制で取り締まりに当たっていただきたいと思います。
 警察問題を終わります。どうも御苦労さまでした。
 自治体のコンピューターの問題でお聞きしたいのですが、最近自治体で住民基本台帳をコンピューターに漢字入力して、住民基本台帳業務全般をコンピューターで行うところが出てきております。岡山県の倉敷であるとか宮城県の石巻、こういうところが代表的な例でありますが、こういう例がだんだん出てきております。この際問題にしておりますのは、一つは住民基本台帳が磁気ファイル化されるわけでありますけれども、住民基本台帳の原簿は磁気ファイル化したものを言うのか、あるいはもう一つ原簿が必要なのか。
 この点につきまして自治省は、昭和五十四年十月三日、茨城県の地方課あてに、電話で次のような回答を行っております。住民基本台帳は目で見えるものでなければいけないので原簿は廃止することはできない、住民基本台帳の備えつけをしておかなければいけない、こういうふうに回答しておるわけであります。この電話回答の内容は一応理解できますけれども、もう一つ疑問になるのは、この質問とあわせまして可視的なもの、見えるものというのは手書きの原簿を指すのか、この点についてお答え願いたい。
#179
○大嶋政府委員 御指摘のような電話回答をしておりまして、法律上明文の規定はございませんけれども、可視的なものを前提にして住民基本台帳制度は成り立っております。したがいまして、原簿は必要であるというふうに考えております。
 その原簿はどういうものかというお尋ねでございますが、いま申し上げましたように、マスターテープ自体は原簿にならないわけでございまして、別途原簿が必要でございます。その原簿につきましては、手書きによりましてもあるいはタイプによりましてもコンピューターによる打ち出しによっても差し支えない、かように考えております。
#180
○佐藤(敬)委員 原簿というものは、コンピューターによって漢字を打ち出されたものでも構わないというのですか。
#181
○大嶋政府委員 差し支えございません。
#182
○佐藤(敬)委員 そうすると、原簿があって、それを磁気テープ、マスターテープに入力する、そして出てくるということになりますと、もとのものが原簿であるのか、コンピューターから出てきたものが原簿であるのか、どっちが本当の原簿なんですか。
#183
○大嶋政府委員 コンピューターを使います場合に、磁気テープに入っておりますけれども、それによって打ち出してつくったものもすなわち原簿である、こういうふうなことでございます。
#184
○佐藤(敬)委員 どうもわかったようなわからないようなことなんですが、原簿という意味はどういうことなんですか。原簿というものは、一番先のものが原簿だと私は思うのです。
#185
○大嶋政府委員 原簿といいますのは、要するに、住民基本台帳法第七条の規定によりまして、いわゆる住民票に記載しなければならない事項がございますが、そういうものを書き込んだのが原簿でございます。それはすなわち、先ほど申し上げましたように、手書きでつくってもいいし、タイプによっても差し支えございませんし、磁気テープの中に入っておるのを打ち出してきて台帳を備えるということでも差し支えない、こういうふうに申しておるわけでございます。
#186
○佐藤(敬)委員 まだよくわかりません。原簿の原という字は、本当に原始人だとか原子力だとかいろいろ言うので、最も早い、初原的なものを原始と言うのです。だから、磁気テープから出てきたものは、その前に一つマスターテープがある。そのマスターテープにはもう一つ本当のいわゆる原簿がある。そうすると、一体原簿というのはどれを原簿と言うのですか。その意味からいくと、むしろマスターテープから出てきたものじゃなくて、マスターテープ自体が原簿になる、こういうふうな感じがするのです。二つあって、後の方が原簿で先の方が原簿じゃない、先の方が二の次になって、後の方が一になるというのはおかしいじゃないですか。原簿というのは先だという意味でしょう。
#187
○大嶋政府委員 時系列的に見ますと、最初に原簿と称するものがありまして、それをコンピューターに入れます場合にはそれを磁気テープにとります。したがって、最初にある原簿は、原簿として残されておればそれで結構でございます。それから、磁気テープに入れたものをさらに打ち出してきて原簿ということで備えられれば、それも結構でございます。要するに、原簿の書き方自体としては手書きでもタイプでも何でもいい、原簿というものが備わっておればいい、こういうことでございます。したがいまして、最初の原簿があれば、それがまた原簿であるということでございます。
   〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
#188
○佐藤(敬)委員 手書きでも何でもいいと言うけれども、たとえばいわゆる原簿からコピーで写してくると、原簿をそのまま写してあるわけですね。ところが、この場合は、原簿を一遍パンチャーでやって点にしてしまって、そして新たに漢字が出てきて、一遍原簿でないものになるのですな。それからまた出てくる。それで問題は、いま例を申し上げましたが、倉敷だとか石巻、こういう自治体では手書きの原簿が廃止されて、実質的にマスターテープが原簿になっている。もう原簿がないのですね。そうすると、コンピューターから出てきた漢字、住民マスターテープというものは、住民票として公法上の公証能力を持っているのか。この場合はどうなりますか。
#189
○大嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、現行制度上は、コンピューターを導入した場合におきましても原簿は必要であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、御指摘のような事例があれば指導してまいりたいと思いますが、なお、コンピューターを利用しております団体におきまして、コンピューターの端末機により住民票の写しを作成するということでありましても、これが技術的に可能である限りは問題はない、かように考えております。
#190
○佐藤(敬)委員 もう一遍あれしますが、磁気テープだけじゃだめなんでしょう。印刷でも何でもいいけれども、書いたものがなければだめですね。そうすると、書いたものがなくて、磁気テープだけから出てきて出した住民票というものは、公法上の公証能力がないということですか。
#191
○大嶋政府委員 住民基本台帳制度そのものは、いわゆる目で見るということが前提でございます。したがいまして、コンピューターから打ち出されたものでも、目で見えればいいわけでございます。公証能力がないかと言われますと、それはやはり公証能力はあるであろうというように考えます。
#192
○佐藤(敬)委員 これにばかりかかわっているわけにいかないが、わからないので、もう一遍お尋ねします。
 あなたがさっきから言っているのは、見えるものが何かなければだめだ。ところが、いま私が申し述べた例では見えるものがない。磁気テープだけですよ。住民票をもらいに行った。そうすると、磁気テープからすっと漢字を打って出してよこした。この場合はどうなるのですか。正しいですか。
#193
○砂子田政府委員 私から御説明申し上げます。
 御存じのとおり、住民基本台帳というのは、基本台帳法七条によって作成されているものであります。実はこれは、個人がいろいろな異動だとかなんとかで届けてまいりますが、法律の規定に従って原簿をつくるわけであります。その原簿を磁気テープに入れます。入れたものを漢字タイプみたいなもので打ち出してまいりますと端末機に出ますから、それはそれとして公証能力があります。目で見て、ただ穴があいているだけじゃだめです。要するに、それが漢字になって見れるようになって初めて公証能力が出るわけです。
 いま、原簿はどちらかという話がありましたが、原簿をつくりましてもいろいろなところで異動があります。ですから、それを今度は原簿を直さずに磁気テープに直接コンピューターで入れることがあり得るわけです。そこから出てきたものを集めて原簿をつくっても、これは原簿だと申し上げているわけでして、やはり目で見ることができない限り原簿でないということを申し上げておるわけです。
#194
○佐藤(敬)委員 何だかわかったような……。わかりました。どうもよくわからぬ。そうすると、原簿というのは、どこから出てきてもいいから、後から出てきても先に出てきても、とにかく書いたものが、目に見えるものがあればいいというわけですね。原簿というのじゃなくて、要するに書いたものがあればいいというわけだ。わかりましたと言ってしまってちょっと語弊があるが、まあわかったことにしましょう。
 それで、いま盛んにやられているのは、住民基本台帳を閲覧させるわけですね。この閲覧させるときに、ディスプレーのテレビみたいなものでぱっと閲覧させる、こういう装置を使っておるところがあるのです。そうしますと、見たくないと言ったらおかしいが、見なくてもいいところまでみんな出てきて個人のプライバシーというものが暴露される、こういう危険性がかなり出てくるのではないか。あるいは出てきているかもしれません。こういうのをディスプレー装置で閲覧させるということは認められるのか、こういうことがもし認められるとすれば、プライバシーの閲覧内容についてどこでチェックするのか、その点をひとつ。
#195
○大嶋政府委員 住民基本台帳制度はそもそも公開を原則としておるわけでございます。しかしながら、最近では、個々の請求事案の中にはプライバシーの侵害といったようなことにつながるおそれがある場合があるという指摘がなされておりまして、ことしの三月に、通達によりまして、このようなおそれがあると認められるときは住民基本台帳法十一条第二項、要するに閲覧請求の拒否でございますけれども、その規定に基づきまして閲覧に応じないという取り扱いができるということに指導をしているところでございます。御指摘のコンピューターによる処理の場合、このような趣旨に即して運用が図られなければならない、かように考えております。必要に応じて各市町村が適切な措置をとるべきもの、こういうふうに考えております。
#196
○佐藤(敬)委員 初めは丁寧なわりに終わりはまことに脱兎のごとくわけのわからないことを言っているのですが、各市町村がやっているけれども、こういうような危険性があるので自治省としてはどういうふうに考えているのかということです。それは各自治体が勝手にやっていますよ。やっていますけれども、その結果こういうような危険性が出てくる。だから自治省としてはどういうふうに考えていますかと聞いているのです。
#197
○大嶋政府委員 プライバシーが侵されるような危険性があるときには、そのような閲覧の方法はとるべきではない、かように考えております。
#198
○佐藤(敬)委員 ただ問題は、映画みたいなもので回していればみんな出てくる危険性があるのでこういう問題があるのですよ。だからこれに対して、何か部分的にそこしか見せないようにチェックする方法もあるのだそうですが、そうするとコンピューターで閲覧をさせるということは違法と言ってはおかしいが、別に違法でも何でもないのですね。いいわけだ。そうすると、チェックする内容というものについて非常に危険があると私は思うのです。これは目で見るのならばそこだけ出してやればいいのですが、中に全部入っていれば、どこまで何が入っているかということは機械的にはわかるかもしれませんが、出てくる可能性もあるのです。それをどうしてチェックするかということがこれからかなり大きな問題になるので、いまここでどうやっているのか聞いても恐らくわからないでしょうから聞きませんけれども、一応考えておいていただきたい。
 それからさらに、住民基本台帳の各項目をコンピューターに入力しておるわけなのですが、それ以外に住民に対する一連コード、いわば背番号、職業名、電話番号、こういうような住民基本台帳の項目でない個人の情報をインプットしてあるのがあるのです。
 特に私がいま申し上げるのは徳島県の藍住町で、これがその見本なのですが、この中に背番号、職業、電話番号、最も疑問に思うのは、ここに部落コードという項目があるのです。部落コードというものは一体何であるか。言われているようないわゆる部落民というものをチェックするためにここに部落コードというものがあるのか。これがもしそういうものであるとすれば、私は非常に大変な問題だと思うのです。ちなみに、ほかのところの住民異動票というものを持ってきました。これは東京の千代田区の住民異動票ですが、部落コードなんというのは全然ないのです。住民票の記載事項しか書いていないのですが、この異動票にはいろいろなものが書いてあるのです。こういうのは果たして許されるのか。住民基本台帳法に基づかない個人情報のインプットというのは法的に規制されないのか、この点をひとつお伺いします。
 それから、この部落コードというのは一体何であるのか、これもひとつ。
#199
○大嶋政府委員 御指摘の藍住町の事例でございますけれども、住民基本台帳のコンピューター処理化に伴いまして、行政内部の利用上の便宜から内部資料として町内の各地区ごとにコードを設けております。
 また、住民コードを付しておるということでございますが、住民基本台帳として一般の閲覧に供しておるものは、他の市町村と同じ様式になっております。したがいまして、住民基本台帳制度上は問題はない、かように考えておるところでございます。
#200
○佐藤(敬)委員 この部落コードというのは何なのか、もう少し詳しく説明してください。
#201
○大嶋政府委員 自治会ということでございます。
#202
○佐藤(敬)委員 部落コードというのは自治会ということでありますというのはどういうことなんですか。
#203
○大嶋政府委員 各地区、各自治会の番号を付してあるということでございまして言われるようなところを指しておるものではございません。
#204
○佐藤(敬)委員 いま大嶋さんのあれに納得できないのは、ほかに住民台帳があって、そのほかの住民台帳には住民基本台帳法に基づくのだけしかやっていないから問題はありません、こう言っているのですね。ところがこの住民異動届、これが全部コンピューターに入っちゃっているのです。そしてそれが出てくるのだ。それにも全然問題はないというのですか。
#205
○砂子田政府委員 御案内のとおり、住民基本台帳というのは、先ほど申し上げましたように基本台帳法の七条に定められております各項目を書いてございまして、言うならばこれが住民基本台帳における必要的な記載事項であります。そのほかに任意的記載事項というのが基本台帳法の施行令の二条で規定をしてございまして、その中には住民の福祉の増進に関する事項でありますとか、あるいは個人の秘密を侵すおそれがないと認められる事項、これについて基本台帳に付記することができるようになっているわけであります。
 御案内のとおり、職業なり電話番号というのが基本台帳をつくる場合に必要であるかどうかというお話ですが、電話番号というものにつきましては大変普遍的でもありますし、電話番号帳自身にも書いてあるわけでございますから、これ自身は余り問題がないと思います。ただ、職業につきましては、本人が大変これはきらうこともありますから、必ずしも職業というのが基本台帳法の任意的な記載事項であるとは考えておりません。
 ただ、いまお話しの藍住町の部落コードというのは、町自身が資料の提供を住民にする、あるいは広報を配るというときに、町内会でありますとか自治会とかいうものを利用するわけであります。実はそれをここに部落名と打っただけの話でして、別にこれを住民基本台帳として閲覧に供しているわけではないようであります。
 ただ、おっしゃっておられますのは、住民の異動届をします場合に、職業あるいは勤務先というのが書かれることになっておりますが、これは要するにどういう保険、国民健康保険に入るのか、あるいはどういう年金に入っておるのかというのを調べなければいかぬことが市町村にあるわけであります。実はそのためにとっているわけでありまして、その職業自身を閲覧に供しているということはないと思っております。
#206
○佐藤(敬)委員 これに部落名というのと部落コードというのがあるのです。そうすると部落名というのは何々部落で、これは非常にたくさんあるのですよ。部落名の下に、行政コード、部落コード、世帯コードというのが三つあるのだ。一つあれば間に合いそうなものだけれども、どういう理由でこれは三つもあるのか。どう違うのですか。
#207
○砂子田政府委員 この住民移動届というところに書いてあります部落名というのは、先ほど申し上げましたように町内会、自治会の名前というのが出てくるわけです。それからその次に行政コード、部落コード、世帯コードというのがありますが、部落コードというのはいま申し上げた自治会のナンバーをここに響くわけですが、行政コードというのはこの藍住町が、自分たちが民生だとか衛生だとかいう番号を打っていますから、その行政上使う必要なコードとして番号を打っているわけです。それから世帯コードというのは、御案内のとおり入ってきた順序に世帯に番号を打っていくということのためにつくった番号でございますから、それぞれ行政上の内部的な資料としてお使いになるというときの便宜に供そうというものでして、これを異動届が出た段階で受付で職員が打つということになるわけであります。
#208
○佐藤(敬)委員 そうすると、この藍住町には、一つには住民基本台帳がコンピューターに入り、一つには住民異動届がそのままコンピューターに入るのと、上っあるわけですね。
#209
○砂子田政府委員 そのとおりでございます。
#210
○佐藤(敬)委員 この後にも申し上げますけれども、コンーピューターばやりでどんどんコンピューターに入っていって、あっちでも一連コード、こっちでも一連コードで、あらゆるところで網の目のようにがんじがらめに個人情報がコンピューターの中に入ってしまうという危険性が非常にあるのです。だからこの部落コードなんていうのは――私の方の東北に来ればほとんど痕跡はありませんけれども、関西の方に行きますと部落という名前を聞いただけで反発するというようなところがたくさんあります。したがって、こういうものは住民感情として私は非常にうまくないと思うのですね。その点をよく考えながら、できればこういうものは別の名前にするなりして取った方がいいのではないかと思うのですが、一考を促しておきます。
 グリーンカードの問題について聞きたいのですが、大蔵省の方、来ていますね。
 五十九年からグリーンカードが実施されるようになりますと、グリーンカードを申請するには住民票を添付することになりますね。ところが、この住民票の添付ということは自治体にとっては大変な大仕事なのですよ。何千枚か何万枚か、非常にたくさんのものを異動するごとにしょっちゅう国税庁に届け出なければいけないということになりまして、自治体が国税庁の下請機関みたいな形になる可能性がある。特に大都会においては異動が非常に激しい。一年に三分の一くらい異動するというような例があります。そうしますと、たとえば東京都をとりますと、何百万というものを毎年毎年国税庁に届け出ていかなければならないということになりますと、大変な労力、経費がかかるのです。
 こういうようなことを防ぐために、さらに今度はコンピューターでもって各市町村と国税庁をつなごうじゃないかというようなことをやっているという話も出ております。朝霞の陸上自衛隊の跡地にコンピューターセンターをつくって、各市役所、市町村から全部そこに直接入力して異動をチェックする、こういうようなことも考えておられるようですけれども、一つには自治体の非常に大きな繁雑な問題になってくる。
 いま特に自治体は、人件費が高いだとか人数が多過ぎるだとか、いろいろなところでもって行政改革の当面の敵みたいに自治体が悪者にされて退治されようとしておるのに、こんなに大変な量のものを国税庁の下請としてさせるということは、とても私どもとしては許容するわけにはいかないし、さらにコンピューターでもって全部国税庁につないでしまうという動きに対しては、いまも申し上げましたように、一方では自治体で背番号をつけられ、一方では国税庁、その次には自衛隊と、あらゆるところで全部背番号をつけられて、がんじがらめになってコンピューターの中で呻吟していなければならないような状態になる可能性がある。こういうような意味から、このグリーンカードに対して一体どういうふうに考えておるのか、大蔵省の考え方をお教えいただきたいと思います。
#211
○渡邊説明員 国税庁といたしましては、そのグリーンカードの実施に当たりましては、市町村にも次の二つのことをお願いしたいと考えているわけでございます。
 まずその第一は、新たにカードの交付を受けようとされる方は住民票の写しを市町村から持ってきていただきまして、それを添付してカードの交付をしていただくということでございます。これは従来の住民票の写しをとっていただく手続と同じでございます。
 それから第二番目は、住所または氏名に変更がありました者につきまして、その異動状況を国税当局が把握するため市町村の税務当局の御協力をいただきたいということでございます。先ほど先生がおっしゃいました朝霞の国税庁のADPセンターと市町村と直接つなぐという計画は別にございません。市町村からカード交付者の異動情報の住所、氏名、生年月日を教えていただくということで考えております。
 グリーンカード制度は、国、地方を通じましての課税の適正化を図るための制度でございますので、国、地方が一体となって推進をしていただきたいというふうに考えております。
 それで、なぜそういう異動情報が必要であるかと申しますと、カードの二重交付を避けますために、どうしてもカードの交付を受けました方の住所、氏名を常に最新の状況で持っておくことが必要でございます。これがありませんと、このグリーンカードの制度もなかなかうまくいかないということで、円滑な実施に不可欠なものであるということで、地方公共団体の御協力が得られますよう現在具体的に協議を進めているところでございます。
#212
○佐藤(敬)委員 いま朝霞の電算センターと直接つなぐことはないと言うのですが、間接的につなぐのですか。
#213
○渡邊説明員 コンピューターでつなぐというのではございませんで、先ほども申しましたように異動情報を市町村から税務署の方に出していただく、そういうことでございます。出したものを朝霞の電算センターの方に入れるわけでございます。
#214
○佐藤(敬)委員 いまは直接入れないで、電算センターに間接に入れると言うのですが、そのうちにめんどうくさくなって、直接入れろと言ってぱっと同じにするのは目に見えていますね。恐らくそうなるでしょう。
 自治体が住民の異動通知を国税庁にしなければいけないという法的根拠は一体ありますか。
#215
○渡邊説明員 法的根拠はございませんけれども、御協力をいただきたいということでございます。
#216
○佐藤(敬)委員 法的根拠がなければ断ってもいいんですか。
#217
○渡邊説明員 先ほどお答えいたしましたように、このグリーンカードを成功させますためには異動情報をいただくということはぜひとも必要なことでございますので、こちらとしましては、いま自治省の方にもいろいろお願いしているところ
 でございます。
#218
○佐藤(敬)委員 そうすると、これは機関委任事務ではないのですね。
#219
○渡邊説明員 正式な機関委任事務ではないと思います。
#220
○佐藤(敬)委員 正式でなければ、略式の機関委任事務ですか。
#221
○渡邊説明員 これは異動情報をいただくということで、自治体の方でカードが二重であるかどうかということを確認していただくのではございませんで、こういう情報を協力していただくということでございます。その情報をいただきましてこちらの方のADPセンターで峻別する、そういうことでございます。
#222
○佐藤(敬)委員 これは非常に大事なことなんです。ちょっとお笑いになっていましたけれども、機関委任事務になれば強制になりますから、もしこれを市町村長が断れば首を切られる場合だってありますよ。だから、略式だか正式だか知らないけれども、機関委任事務になるかならないかということは非常に大きな問題なんです。後からやりますが、機関委任事務になりますと大変大きな自治体の負担になるのです。いまこの機関委任事務をどうするかということが行政改革の大問題になっているそのやさきに、こんな膨大な量を機関委任事務だとたたき込まれたのでは、地方自治体もたまったものではないので聞いておるわけなんです。機関委任事務にする意思は何もないですね。
#223
○渡邊説明員 現在のところございません。
#224
○佐藤(敬)委員 これはまだいろいろな問題があるようで、自民党の中にも廃止しろなどというあれがあって、私どもは別に廃止論者じゃありませんけれども、地方行政委員会という立場から、自治体という立場からこれを論じておるわけでありまして、これがもろにいまあなたが言われるように全部協力して、しかも半強制的にやらせられるということになるとかなり大きな問題になってまいりますので、その点は自治省の方でもどういうふうに考えているか、お考えをお聞かせください。
#225
○石原政府委員 グリーンカード制度の実施に関連いたしまして住民の異動情報を国税当局に通報する、連絡するという件について、実はこの制度の立法化の段階で情報の提供を市町村に義務づけるという意見もありました。まさに機関委任事務のような形での立法措置を講ずべきではないかという意見もありましたけれども、私どもはこれに反対いたしまして、現在御案内のように利子所得、配当所得につきましては、利子所得についてはほとんど大部分、配当所得については一部が分離課税になっておりまして、これについては住民税が課税できない状況になっております。これを総合課税に持っていくというのは自治体の多年の悲願であります。これを今回グリーンカード制度の実施によりまして、昭和五十九年一月一日以降、住民税の場合は六十年度からになりますが、総合課税が実施できるようになります。しかしその場合も、住所地ごとに名寄せができなければ実行できない。この点は、国税の場合も地方税の場合も同じであります。
 そこで、住民の住所の異動等につきましては、市町村から積極的に国税当局に情報を提供し協力する。そのかわりに、それによって名寄せしてでき上がったところの所得については、すべての情報を自治体の方がいただく。そして総合課税を実行する。いわばお互いに情報を提供し、お互いに協力し合うという基本的な考え方でいこうじゃないかということで、法律上市町村長に住民の異動状況の通報を義務づけるということはしないで、自主的に協力し合うということにしようということで今日に至っております。したがいまして、市町村当局に対しては、自分の課税にも絶対必要な情報になるわけでありますから協力していただきたい、このように私どもは考えております。
#226
○佐藤(敬)委員 地方財政というか、個々の市町村の財政からいきますと、これによって地方税がふえますね。そうすると逆に収入額がふえてくるから交付税が減りますね。そうしますと、使える交付税の総額がその分だけふえてくることになる。しかし個々の市町村から見ると、経費はかかるけれども、果たしてその経費に見合うだけ金が入ってくるかどうかということはかなり疑問だと私は思うのです。だからきのう大蔵省の人を呼んで聞きましたら、地方にもたくさん金が入ってくるんだからもうかるじゃないかという論でした。しかし、税金が入ってくれば交付税が減りますから、その面ではそれほど大きな利益はないと思います。ただ、使える交付税の総額がふえてくるから何かしらの面で利益を得るということになりますけれども、個々の市町村になってくると、果たして金をかけただけ金が入ってくるかというと、これは一つ一つ調べてみなければわかりませんけれども、かなり疑問だと私は思うのです。しかし、ここのところは、特に先ほどと同じように、プライバシーの問題だとか自治体に大きな負担をかけて、かけっ放しになるようなことのないようにひとつ十分に気をつけていただきたい。
 それから、これをコンピューターに全部入れるということになると、日本じゅうの人間が全部国税庁ににらまれるということと同じような状況にもなりかねないので、何でもかんでもわれわれが頭の先からつま先までみんなコンピューターに入っているというようなことになってしまいかねない、まことに恐ろしいことになりかねないので、その点をひとつ十分にこれから気をつけてやっていただきたい。これは後からいろんな問題が出てくるでしょう。
 もう一つ、コンピューターの問題について、国保の問題で厚生省の国保課長にお願いしたい。
 いま国保中央会が電算化処理標準システム研究会というものをつくっております。そして各市町村単位の国保連合会では、いま盛んに電算化を進めております。これは診療報酬の支払いの面だけでやっておりますけれども、将来これを課税だとかまで広げて、そうして画一化していこうということのようですが、これが標準システムになった場合に、これにみんな同じにするつもりなのかどうか、その点ひとつお伺いいたします。
    〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
#227
○古川説明員 結論から先に申し上げますと、国保の審査支払い事務あるいは保険料税の算定について、これを中央に一本化するという考えは全くございません。現在の共同電算化事業といいますのは、レセプトの資格とか、あるいは給付確認事務などについて現在各保険者、市町村あるいは国保組合が連合会に審査支払い事務を委託しておるわけでございますが、そういった審査支払いを行っております連合会におきまして、電子計算機によってそういったレセプトの資格確認なり給付確認というようなものを行うことで円滑に実施していこう、審査の適正を図っていこう、こういうことでございます。
 そこで、国保中央会でございますけれども、これは認可法人、社団法人でございますが、これは連合会の負託を受けまして、そういった国民健康保険事業の発展を期したいというようなことでできておりまして、現在の御指摘の標準化システム検討会というのは、むしろ国保連合会から委託を受けまして、どういうやり方でやった方が一番いいのかといういわば研究を行っているわけでございまして、それでもって締めつけるというようなことは全くございませんで、連合会のおやりになるそういうふうな共同電算化事業にむしろ役立たせるというような意味で研究を行っている、こういうことでございます。
#228
○佐藤(敬)委員 そうすると全国一本化するというようなことではなくて、各県単位の国保連合会のやり方をどうしてやったらいいか、勉強してやっているということですね。
 財政局長にお伺いしたいのですが、あるいは大臣かもしれません。五十年以来のオイルショックその他で地方財政が大幅な赤字になりました。それを埋めるためにいわゆる二分の一方式というものをずっと続けてきて、そしてことし五十六年はまた二分の一方式でもない別の新しいやり方をやってまいりました。これは五十年からですともう七年なんですね。来年五十七年になりますと八年目に入る。もうかなり長い間なんです。一体いつまでこういうような変則方式を続けていくつもりなのか、五十七年度の予算は例年に比べて非常に早くシーリングをやるようで、六月の中、下旬ごろにはやるというふうな話も聞いていますので、すでに皆さんのところでそういう計画もいろいろ考えておると思うのですが、五十七年度の地方財政のあり方は一体どういうふうになるのか、もし考えがあったら教えていただきたい。
#229
○土屋政府委員 いまお話のございましたように、五十年度以降の収支の不均衡状態というものが今日まで長く続いております。そしてその手当てとしては、結果的には交付税特別会計における借り入れを中心とする交付税の増額と財源対策債の増発という形できておりまして、私どもとしても、これは本質的な意味で地方財政の収支の均衡を回復し、財政の健全さを取り戻すという点から見れば、不本意のままに推移してきておると言わざるを得ないのでございます。
 ただ、たびたび申し上げておりますように、こういった中で国と地方との間で単純に財源の移譲ができるとかどうとかいうことができればいいのでございますが、国、地方を通じて非常に厳しい財政状況でございますし、先々の経済見通し等も不確かな中でその辺の税源の移動、財源の移動ということはできかねるというようなことで、こういったいわば暫定的な方式で来ております。いつまでやるんだと言われれば、私どもとしてもこれはなるべく早く解決をしたい、こう思っておるわけでございます。
 御承知のように、五十六年度は五十五年度に比べて財源不足というのも一兆三百億円と減ってまいりました。財源対策債もかなり減ってまいっております。六千九百億というかなりな量ではございますが、三千四百億円減らしたということで少しずつ健全化を進めてきておるわけでございます。
 そこで、五十七年度どうなるかということにつきましては、残念ながら経済の状況その他まだ明確になっておりません。かなり不透明な部分もございますので、その動向がどうなるのか、それに伴って税収がどうなってくるのか、また、いまのところ思い切った増税ということは私どもはできるとは思っておりませんが、行財政の改革、簡素合理化を図るという意味でいろいろと手段を尽くしていくわけでございますので、そういうものをあわせて私ども見通しを立てなければなりません。しかし、何分にもいまのところそういうことを判定するには材料が不足でございます。ただ、いろいろと財政再建のために手を尽くしてまいりまして、やや抑制基調で参っております。そういった意味で五十七年度も財政健全化の方向へ持っていきたい、こう私どもは思っておりますけれども、抜本的にこういう方向でということはいまのところ結論は出ておりません。
 しかし、私どもといたしましては、ちょうどいま第二臨調で国、地方を通じての行政の見直し、そしてまた国と地方との機能分担のあり方ということが議論されると思いますので、それに応じて税財政のあり方ということも検討されるべきだと思っております。一挙にいままでの収支の不均衡を解消して、過去の累積した赤字が解消できるような方途というものが簡単にできるとは思っておりませんけれども、できるだけそういう方向へ近づけるように努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#230
○佐藤(敬)委員 私は、この交付税法の質疑の一番最後なので、議論はほとんど尽きてしまって何も言うことはないのです。そういう意味で、特に細かい数字は申し上げませんが、総ざらい的に大臣からいろいろ御意見をお聞きしたいと思います。前の人がたくさん聞いたので重複するかもしれませんが、総ざらいの意味でひとつお聞きしたい。
 今度第二臨調をつくって行政改革を盛んにやっていますが、私どもがずっと見ておりますと、どうも第二臨調の行政改革の目標、鉄砲の的というものがだんだん地方自治に向けられてきて、先ほども言いましたが、何かこう政府と財界が一緒になって地方悪者論を展開しまして、給与が高いから交付税を減らせとか、盛んに地方だけを攻撃しているように思われて、そういう意味で私は大変な攻撃を食らうんじゃないかなという危惧を持っているのですが、大臣はそういうふうにお感じになりませんか。
#231
○安孫子国務大臣 国、地方を通じての行政改革あるいは財政構造、歳出部門の調整、そういう問題を広く扱うのが第二臨調でございまするので、議論はおのずから地方の問題にも触れてきておる、その範山内においていろいろな意見が出ておる、特に財界からはちょっと見当違いな話も出ておる、こういうふうに私は理解しておるのでございまして、第二臨調の全般の論議がこれだけに集中しているだろう、また集中していくだろうとは私は思っておりません。
#232
○佐藤(敬)委員 それだけで終わるならば、第二臨調は何のことはない、弱い者いじめに終わってしまうので、十分な成果は絶対に得られないと思うのですが、ただ、いまのところ新聞の論調を見ても何を見ても、とにかく地方自治体の給料が高い、人数が多過ぎる、国は減っているのに地方の方は何十万だかふえているとかいって、そればかり書いているのです。全部ではないけれども、かなり大きな攻撃の目標になっていることは確かだと私は思うのです。
 それで、その問題でありますが、人数の多いことも確かでありましょうし、あるいは給料の高いのも確かであるかもしれませんけれども、それはそれなりに十分な理由があると思います。ただ、人数が多いから首を切れ、あるいは給料が高いから給料を切り下げろということをやってみても、短期的に見れば確かにある程度の財政収支の改善にはなるかもしれませんけれども、それは単なる改善であって、地方財政の再建というものには決してつながっていかない。何かのきっかけがあれば、たとえばオイルショックというようなものがあれば、財源不足に見舞われてたちまちまた赤字に転落して地方財政が破綻するということは、例の三十年代の地方危機のとき、一〇%も交付税率を上げたにもかかわらずなおかつ五十年代にこういうような財政破綻を来していることをもっても明らかであります。
 したがって私は、いま土屋財政局長は急に金を持ってくるわけにはいかないと言うけれども、金論に終始しまして、そういう財源をどうするかという財源ペースの改善に乗っている限りは、いつまでたっても本当の意味の財政再建はできない、むしろ地方財政を動かす根本にあるところの制度の改革なくして本当の財政の再建は達成されない、こういうふうに思いますけれども、大臣はいかがですか。
#233
○安孫子国務大臣 しばしば申し上げておりまするとおりに、国及び地方の事務配分と、それを裏づける財源の配分問題が基本だと思います。したがいまして、基本的にはこの問題に手をつけなければならぬことは言うまでもございません。ただ、当面五十七年度の問題を考えますと、やはりもう少し歳出をカットいたしまして、そして増税なしの予算を組まなければならぬという前提のもとに問題を集約して論議をされますと、その方面に議論は集中すると思いますが、その背景にはいま申し上げたようなことがあるわけでございまして、これも臨調の議論の中にはおのずから出てくることだろうと思うのでございます。
 それにいたしましても地方といたしましては、これは国もそうでございまするが、税収の停滞とか好況というようなものはいろいろ変化があるわけでございまして、長期的にはそれを常に考慮いたしながら財政運用をしていくということもきわめて重要なことではなかろうかと私は思っております。
#234
○佐藤(敬)委員 いま行政改革を強力に推し進めようとしているわけですが、国と地方のかかわりの中でいかなる方向をとるべきかということであります。これはすでに議論されたことでありますが、現在の上下関係、縦型の行政というものを横型の行政機構に変えていく、中央、地方の機能配分を明確にして、国と地方、県と市町村が同じ仕事をやっている同一機能については同一レベルの権限と責任を持つような体制をつくる、根本的な考え方としてはこういうふうにいくべきではないかと私は思っております。
 それで、時間がないからどんどん進みますが、具体的に、いま地方行財政の改革の中で大きな問題が私は四つあると思います。一つは機関委任事務の問題、二つには地方交付税の問題、三つ目は補助金の問題、もう一つは地方債をどうするかという問題であると思うのです。
 いまその一つ一つについて議論を展開していきたいと思いますが、機関委任事務の問題ですけれども、この機関委任事務というのは皆さん御承知のとおりでありまして、一つは国から、一つは県から、したがって、市町村は県と国と両方から大きな権力でもってこれを抑えられておるのです。この間どなたかがどのぐらい機関委任事務があるかと質問をいたしましたところ、五百か六百と言っていましたが、これは地方が取り扱っている事務の一体何%ぐらいに当たるか。物の本によりますと、七、八割ぐらいが機関委任事務だということも書いておりますが、実際にはどのぐらいのパーセンテージに当たるのですか。
#235
○砂子田政府委員 機関委任事務の点についてお答えいたします前に、先ほどの藍住町の問題で、部落の名を冠している事件に関しまして御要望がございましたが、私たちもそういう言葉は適切でないと思っておりますので、町の方に十分注意をしたいと思っております。
 それからもう一つは行政コードのところでございまして、これは申しわけございませんでした。これは実は町の区域を一定の区域に区分をしておりまして、その区分した番号を行政コードにしておるようであります。これは結局、人口なり人口密度というものを積算するときに使うためのもののようであります。おわびして訂正をいたしておきます。
 それから機関委任事務につきましては、いまお話がございましたが、地方自治法の改正をいたしておりませんので、昭和四十九年までの機関委任事務というのは、法律に書かれております件名に従うて別表三並びに四で一応整理しておるものが五百二十二ございます。いまさらに四十九年以降機関委任事務のそういう意味の項目がふえておりますから、それから三十ほどまたふえているというふうに記憶をいたしております。
 この機関委任事務に関しまして、公共団体の中でどれほどのウエートを占めているかというのは、実はこれを計算したことがまだございません。一般にいまおっしゃられましたように七割あるとか八割あるとか言われておりますが、過半数ぐらいの数があることは確実だと私は思っております。
#236
○佐藤(敬)委員 機関委任事務について、いま申し上げましたようにとにかく過半数、少なくとも過半数はあるというお話でありました。この市町村の少なくとも過半数を占めている、あるいは六、七割か八割ぐらいあるかもしれない、いわば自治体の一番大きな仕事である機関委任事務の性格というものは、先ほどから申し上げておりますし、前にもいろいろ各同僚委員が質問したとおりでありまして、これは市町村長が勝手にやれる仕事ではございません。国から、人数はこのくらい置け、こういう様式でやれ、金はこのくらいかけろという細々とした指示が出てきている。全く上から押しつけられた仕事であり、もしこれを断れば、悪くいけば首を切られるかもしれないというような非常に大きな力を持った機関委任事務であります。この中には自治体の権限というのは何にもない。議会でさえこれにタッチすることができない。監査もできない。非常に独善的な押しつけの、上から下に押しつけられたものがこの機関委任事務であり、しかもこの機関委任事務が自治体の最大の仕事であるということを一つ認識していただかなければいけないと思います。
 それからさらに、先ほど言いました地方交付税、この問題につきましても、細かいことは申し上げる必要は何もありません。いろいろ議論されてまいりましたけれども、この間の水曜日に大蔵大臣に質問したときに問題になりましたように、われわれは一般財源である、地方自治体の一般、固有の財源であると思っておりましたが、あにはからんや大蔵大臣は、これは大蔵省から地方にくれてやる金だ、こういう認識を持っておるのです。私は、ここのところに非常に大きな問題があると思います。一般財源ではなくて大蔵省からくれてやる、ここのところに非常に大きな問題がある。
 よく言われておりますように、すでに公共事業に対するところの補助裏として、地方税歳入が足りないから、この一般会計であるべきはずの交付税の収入が公共事業の補助事業の裏打ち財源として使われ、それがだんだん高じていって、いまや一般財源、固有の財源ではなくて補助金化している、こういう強い批判を受けておるわけであります。したがって、この地方交付税の中においても、すでに地方自治体が一般財源として自由に使うところの自由を失っている、拘束されている、こういうふうに考えざるを得ません。
 それからさらにまた、国庫支出金、いわゆる補助金についてでありますが、これはもう申すまでもございません。第一には、中央政府の政治的な支配の道具に使われて、地方自治体もその生命である自助を自分で損なうというような悪弊をもたらしておる。国庫支出金を利用した政治家の地盤の培養は金権政治の温床であり、他方では陳情政治という悪弊を招いている。これは本からとってきたのですが、こういう批判をこうむっている。
 第二には、行政面での弊害が大きい。これは中央官庁の縦割りの支配のてこになっているために、各省庁間の政策の不一致によるところの混乱がそのまま地方行政に持ち込まれ、また国庫支出金を通し地方自治体にも中央の縦割り行政がそのまま持ち込まれて、縦割り化が進んでいる。こういうような弊害が指摘されている。
 さらに、いわゆる超過負担の問題。摂津訴訟等で見られるような超過負担の問題が地方財政を圧迫している。非常に大きな問題を醸している。この中にも、自治体が自分の考え、意思でもって裁量する余地は一つも残されておりません。
 さらに、地方債の問題を考えてみますと、最近の地方債というものは、公共投資の資金調達という本来の目的から逸脱いたしまして、地方財政の操作の手段として非常に安易に使われ過ぎている。国の政策に全く奉仕しているような状態です。たとえば地域開発事業に優先的に認可になる。あるいは景気対策の一環として地方債が使われている。あるいはまた、いま言ったように補助裏に対する起債の充当率を引き上げるようなことに使われている。さらには、一番問題になっております、地方財政の金が足りないので財源不足の穴埋めにさえ使われている。こういうことを挙げれば枚挙にいとまがありません。
 国の政策が全く適正であり、地方の政策と価値基準が一緒のときは問題ありませんけれども、いまのように住民のニードが非常に変わっているときは、国と地方にはかなり大きな価値観の相違があります。こういうときに、国の政策というものをどんどん一方的につぎ込めば、そこに混乱の起きるのはもう当然でありまして、このために起債の許可認可というものを通じて地方自治体の財政運営について全く自主性、自律性を奪っている、こう言っても過言でないし、そういう批判が強く出されておるわけでありますけれども、政府は完全な認可権を持ってこれを放そうとはいたしません。
 この問題につきましても、本来は地方自治体が財源の不足をこの地方債に求めて自分の好きな仕事をやるということになるわけでありますけれども、そうはいかない。適債事業というのがあって、中央のめがねにかなったのでなければ借金できない。そこにもまた何の自由もない。こういうような事態がいま現出されております。
 しかも、この補助金、交付税あるいは地方債というものが一つ一つばらばらに存在するのではなくて、まず補助金をもらってくる、そうしてその補助裏を交付税でやり、足りないところは地方債でさらに補っていく、こういうような補助、交付税、地方債という三位一体のものでもってがんじがらめに地方財政というものを縛っている。補助と交付税と地方債を除けば、地方財政というものは何もないのです。しかも、この三つが国によってしっかりと押さえられている、ここのところに大きな問題があると私は思います。
 このような状態を見てきますと、地方自治体の最も重要な、いま言いましたような四つの問題、七、八割も地方自治体の仕事を占めている機関委任で国からがっちり押さえられておる、一般、固有財源ではなくなった交付税、補助金化してしまっている、あるいはまた補助金は中央の強い統制にあって、地方は頭を下げてこれをもらいに行かなければいけない、起債は全く国の政策に奉仕させられておる、こういうことを考えてみますと、自治という名前は残っているけれども、自治体という影が一体どこにいまの地方自治体の中にありますか。私は、いまの地方自治体というのは自治体という名前に全く反している、自治の姿というものは片りんもないと、極端に言えばこういうふうに考えておりますが、大臣はこれに対してどう思いますか。
#237
○安孫子国務大臣 戦後長い間の経過をたどりまして地方自治は日本の中におきましてある程度定着してきておると思います。しかし、長い間の中央集権的な体制のもとでございまするから、これは一挙にいまおっしゃるようなわけにはいかぬだろうと思うのです。しかし、前進はしておると私は思っております。これをさらに前進させるためには、いつも申し上げるわけでありまするが、国、地方の財源の配分とか事務の配分とかあるいは起債の問題−起債の問題はなかなかむずかしいと私は思うのでございまするが、この問題もだんだんと枠配分ぐらいにして改善をしておるわけでございますけれども、そういうような措置を講じながら一歩一歩改善の方向に進めていく。
 そこで地方自治の問題は、いまいろいろお話がございました点は私もよく理解をいたしますけれども、そんなに悲観的なものでなくて、一歩一歩解決する方向に向いておるので、私どもはこれからそれに向かって努力しなければならぬ、こう考えておるところでございます。
#238
○佐藤(敬)委員 いま大臣から、一挙にはいかないけれども前進しているというお話がございました。私は全く反対の見解であります。最近は前進どころではなくてどんどん後退している、私はこう思います。このところは認識の差異であると思いますので議論はいたしませんけれども、最近の地方財政に対していま四つ挙げましたが、どれ一つとってみても前進していないと私は思います。
 また申し上げますけれども、国と地方の制度を見直すということ、財政上から見て行政改革を行うことは、とりもなおさずいま申し上げましたところが一番の大きなポイントである。これを改革しなければ、今度の行政改革というのは何の見るべきところもなく失敗に終わるだろうと私は思います。いろいろなことを言っているけれども、国と地方の財政を立て直すためには、金の問題でなくて、いま言ったような制度を改革しなければ財政の再建は絶対にできない。特に地方財政の再建はできないと私は思います。
 そこで、この四つについて提言をいたします。
 交付税は補助金化をやめて完全なる一般財源とすべきである。二つ目は、機関委任事務は自治体と国で再配分して、自治体がやれるものは全部自治体にやってしまう。国でやらなければいけないものは国で全責任を持ってやる。そして再配分をして別表の三と四をなくしてしまう。それから三番目は起債の問題でありますが、地方の投資財源として本来の目的に戻して許可というものは自由にする。もしこれが一挙に自由にすることができないとすれば、いままでのような一件査定重点主義をやめまして、できるだけ広く枠査定を拡大する。特に、国の政策に連動したような大きなプロジェクトは別にいたしまして、住民が要求し地方自治体の中で処理できるようなものは一件査定を全部やめまして、枠査定をできるだけ拡大していくということが必要ではないかと思います。
 それから補助金と交付税、これは先ほども申し上げましたように、すでに交付税の補助金化というものがかなり進んでおります。したがって、補助金と交付税の一部を合わせまして、特定補助金をできるだけ少なくして一般補助金として補助金を一般化すべきだと思います。私も外国に行って調べましたが、イギリスでもドイツでもそうですが、補助金の一般補助金化というのは国際的な一つの流れでもあると私は思うのです。そういう意味で、できるだけ縛ることをしないで、特定補助金をやめて一般補助金というような方向をたどるべきではないか、こういうふうに思いますが、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#239
○安孫子国務大臣 機関委任事務につきましては、十分検討いたしましてはっきりさせなければいかぬと思っております。五百に余るような機関委任事務というのは不適当だと思います。実情を見ましても、機関委任事務をやめていいものは相当あります。これは整理すべきだと私も思っております。
 それから地方交付税でございますが、補助金並みのような考え方じゃなくて、名前も地方交付税でございますから、地方のための税源として国が取っているわけでございますから、この認識はあらゆるところにおいて十分持ってもらわなければいかぬ、こう思っておるのです。これは補助金ではありません。地方交付税なのです。地方税源なのです。それを国が代行して取っておるような形のものでございますから、この点はひとつ各方面において認識を持ってもらいたい、こう思っております。
 それから補助金の問題でございますけれども、これもいまのような補助金の姿は決して望ましいことではないわけであります。これは総合補助金的なものにすべきであろう。総合補助金というものも、一挙に総合まで持っていきにくいと私は思いますから、各省の各局別ぐらいのところの総合というものが、前進をするといたしますれば第一に着手するところではなかろうかぐらいに私は思っておるのであります。しかし、総合の方向はぜひとるべきだろうと思います。
 それから事務手続の簡素化、これはもちろんそうだと思います。
 あるいは漏れた点もあるかと思いますが、お尋ねの点につきまして私のお答えを申し上げた次第であります。
#240
○佐藤(敬)委員 十五日に大蔵大臣に来てもらって質問をいたしました。そのときの大蔵大臣の発言というものは、まことに驚くべき地方不信であります。ああいう発言を私は聞いたことがありません。中央官僚は地方に対する不信感を抱いていることも私はよく知っています。しかし、ああいうふうにあからさまに地方不信をぶちまけられたのは初めてであります。皆さんお聞きのとおりでありまして、もしこの補助金を一般化したり、ひもをつけないで地方にやれば、道路の好きな者は道路ばかりつくるじゃないかと。これは一人に対してじゃない。公明党の委員の方に答えて、私は冗談かと思っていましたら、次の民社党の委員の質問に対しても、ひもをつけない金をやると道路の好きな人は道路ばかりつくる、現にいると言っています。
 そこで大蔵省の人に残ってもらったのだが、一体補助金で道路ばかりつくっている市長がどこにおりますか。市長をやった人はこの中にたくさんおります。与党の中にも、ここに盛岡の市長の工藤さん、青梅の市長の石川さん、私のところにもおります。大牟田の市長の細谷さん、ここに一番若い旭川の市長の五十嵐さん、私も小さいところの市長を十四年やってまいりました。それからさらに、ここにいるのは松野岐阜県知事、それから自治大臣は山形県の知事を十八年やっておりますよ。金をやれば道路の好きな人は道路ばかりつくる、そういう例がどこにありますか。大蔵大臣は公式の場で、現にそういう人がおると言っておるのですよ。どこの市長か、だれでもいいから答えてください。
#241
○公文説明員 いまお尋ねのように、大蔵大臣の御答弁の中で、一般財源化をすれば特定のものに偏って使われやすいということを申し上げたことがございます。
 その現におるかおらないかということにつきましては、私はコメントする立場にございませんけれども、大臣が申し上げたのは、すべて一般財源化をすれば国全体としてバランスのとれた施策ができるだろうかという疑問を呈したものであろうと思います。しかし、そのことによって交付税がいけないとかいう趣旨ではございませんで、補助金と交付税、地方税を中心とした一般財源とが組み合わさっていくことが、国、地方を通ずる行政の適正な確保のためには必要ではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#242
○佐藤(敬)委員 私がさっきも申し上げましたように、公式の地方行政委員会の場で現にいると言っているのですよ。これは許されません。重大な侮辱ですよ。こんな人はいないと私は思うけれども、あれだけえらい日本の大蔵大臣という人が、ここで現にいると言っているのですよ。あなた、大蔵省の人なら、この次もう一遍あなたを呼ぶから、ひとつ大臣からだれだと聞いてきてください。何回でも呼びますよ。これは非常に大きな問題だと私は思う。特にこういうような地方不信があるならば、行政改革なんかできっこないと思うのです。そうでしょう。中央が地方を全然信用していない。信用していないから、いま大蔵省のあの人がいみじくも言った。ひもをつけてやらなければ何に使うかわからないと言うのです。その不信感があったら必ずひもがついてくるのですよ。信用していればひもなんかつけなくてもいい。信用ならないからひもをつけてよこすのですよ。ところが、ひもを取らなければ本当の行政改革にならぬ。
 この問題は本当に大変な問題だと思うのです。大体、信用しないでおいて、あなた方はこう思っておるのでしょう。地方のやつはばかだから、金を持たせると気違いに刃物を持たせたみたいで何をやるかわからない、大体そう思っているのです。だから絶対に補助金なんか、さっき言ったように枠配分もしなければ、一件ごとに厳重にひもをつけておいて絶対によそに使えないようにやっている。信用していないからです。ところが信用しなければ、いま言ったような中央地方のいろいろな補助金の適正化であるとか機関委任を整理するとか、そんなことができるはずはないでしょう。中央が地方を信用して初めてできることなんです。あからさまに大もとの大蔵大臣があれほど不信感を表明して、いま私が言い、そしていま国が第二臨調で言っているようなことができるはずがないじゃないですか。
 私は大蔵省だけじゃないと思うのです。自治省だって同じだと思いますよ。あっちの方を向けば正義の味方の月光仮面のようなことを言っているけれども、地方自治体の方を向けば中央集権の鬼なんです。内務省の性格をそのままあらわしているのです。私はそうだと思いますよ。その証拠には、交付税だって根本をないがしろにして政令だけどんどん発して勝手に操作している。この間、特交をどうしました。給与が高いと言って特交をぶった切ったじゃないですか。それから地方税だって地方債の許認可だってそうです。「当分の間」がもう四半世紀、三十年たっているのですよ。この前ぼくは予算委員会で「当分の間」は何年ですかと言ったら、九十九年だと言うのです。遼東半島の租借権みたいなことを言っているのです。絶対に手放す気がないのです、いつかは放すと言うけれども。
 だから、向こうの方を向けば月光仮面だけれども、こっちを向けば中央集権の鬼なんです。不信感ですよ。全くの不信感きわまれり。ジキル氏とハイドなんです。この二重人格が直らない限り、どんなにいいことを言ったって行政改革なんか絶対にできっこないのです。地方を信用しないところに、どこに行政改革が成功しますか。私は、このことを強く皆さんに申し上げておきたいと思います。どうです、大臣の御意見は。
#243
○安孫子国務大臣 いまのお話を聞きますと大変極論されておるようでございまして、自治省の立場を申し上げますが、地方のために一生懸命やっておる自治省でございますから、この点は偏見を去っていただきたいと思います。
#244
○佐藤(敬)委員 いま行政改革が国民の世論を背景にして強力に実行されようとしておりますけれども、先ほどから申し上げておりますように、その矛先がどうも地方へ向けられておるようであります。しかし、私がさっきから申し上げているとおり、給料が高いから切り下げろ、人が多いから首を切れ、こういうのは行政改革でも何でもない。もとに戻したことなんです。行政改革でも何でもないのです。ところが、何でもないものに一生懸命矛先を向けて行政改革だ行政改革だと言っているところに、先ほどから私は、こんなものは行政改革じゃない、問題は金を超えて制度というものに手をつけなければ本当の地方財政の再建にならないと言っているのです。
 私も、市長の経験があってずいぶん陳情に来ました。いま地方自治体がやっている行動というのは、昔の米のない時代に米よこせ運動をやったように、金がないから金よこせ運動で金ばかりに集中しているのです。ここのところに、逆に自治体財政というものが窮乏して貧乏になっていく原因があるのじゃないか、私はこういうふうに逆説的でありますが考えております。補助金を多くもらえば裏負担が多くなる、現行の制度では。起債をよけいもらってくれば喜んでいるけれども、後で返すときに大変困る、いまの財政では。もうとにかくこの問題が次から次へと出てきます。本当に地方財政を再建するならば、金の問題でなくて金を動かすところの制度というものを根本的に改革しなければ地方財政の再建というものはあり得ない、私はこういうふうに考えております。大臣の所感をお伺いしたい。
#245
○安孫子国務大臣 佐藤さんのおっしゃることもわからぬわけではありませんが、しかしそう極端なものじゃないのであって、やはり地方自治というものは、私は反対のことを申し上げますが、一歩一歩前進していると思っております。それで四項目述べられましたけれども、それもやはり問題解決の方向にいま動いているわけでございますから、この点については十分な御理解を得ていただきたい、こう思います。
#246
○佐藤(敬)委員 大臣の言うこともわかるのですよ。わかります。いま私が申し上げましたような意味でいま行われようとしている行政改革、この問題は、いままで自治省あるいはまた地方団体がやろうとしてできない改革をいま行政改革でやろうとしておるのです。だから、この行政改革を受け身的にただいやいやながら受けるのではなくて、むしろ逆に、行政改革というものが国と地方の関係に向いてきている、これを積極的に利用し改革するところの、いままで皆さんが考えておったことを改革するところの絶好のチャンスだ、こう逆にわれわれが積極的にとらえて、受け身ではなくて積極的にこれに取り組んで、そしていま問答したようなことを、国と地方を通じての改革というものをやるような積極姿勢を逆に示すべきではないか。
 何かいま見ていますと、国はやる、それもどうも攻撃されていやいやながらやらなければいけないという引かれ牛のような態度が見えるのだけれども、国と地方の関係を是正する、その制度を変えるところのむしろいまは絶好の機会だ、私はそう思います。だから、ひとつベテランの大臣を中心にいたしまして強力にスタッフを組んで、地方がよくなるために制度を改革するように自治省が火の玉になって取り組むべきだ、こう考えますが、大臣の御所感をお伺いしたい。
#247
○安孫子国務大臣 最後の御所見については私も大賛成でございまして、そういう方向で行きたいと思います。
#248
○佐藤(敬)委員 終わります。
#249
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#250
○左藤委員長 この際、本案に対し、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して佐藤敬治君外二名より修正案が、また日本共産党を代表して三谷秀治君より修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案の提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。佐藤敬治君。
#251
○佐藤(敬)委員 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案者を代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 ちなみに、提案者は日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合でございます。
 地方財政は、御承知のとおり本年度においても
 一兆三百億円という膨大な財源不足に見舞われ、六年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした状況に直面することとなったのは、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたためであります。そのため自治体においては過疎過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。
 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび要求してきたのでありますが、残念ながら自民党政府の地方財政対策には、こうした課題に積極的に立ち向かう姿勢は全く見られません。そればかりか、一兆三百億円の財源不足に対し、自民党政府は、交付税特別会計における借り入れと償還方法の変更及び地方債振りかえによって措置するなど地方交付税法第六条の三第二項に反する対策を継続する一方、最近の行政改革論議に名をかりて地方交付税率の引き下げさえ図ろうとしています。
 今日、地方交付税制度の改革なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。
 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率を昭和五十七年度から三七%に引き上げることといたしております。
 第二は、昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行された、ないし発行される財源対策債の元利償還にかかわる基準財政需要額については、全額臨時地方特例交付金で措置することとし、そのため臨時地方特例交付金を八千五百三十七億円増額し九千八百四十三億円といたしております。
 なお本修正案では、昭和五十年度から昭和五十六年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借入額の元金償還については新たな規定を設けておりませんが、政府による繰り延べ措置によって償還が始まる昭和五十九年度からは全額臨時地方特例交付金で措置すべきであることを重ねて付記しておきたいと存じます。
 第三は、以上の改正による臨時地方特例交付金の増額に伴い、基準財政需要額の算定方法を改正しようとするものであります。教育、福祉など行政サービスに対する住民要求にこたえるため、道府県においては、「その他の教育費」及び「厚生労働費」を、また、市町村においては「小学校費」「中学校費」を初めとする教育費及び「社会福祉費」等厚生労働費をそれぞれ増額することといたしております。
 以上が本修正案の概要でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#252
○左藤委員長 三谷秀治君。
#253
○三谷委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府は、本年度の地方財政計画の策定において財源不足額を一兆三百億円と見積もり、それを臨時地方特例交付金千三百億円、昭和五十年度から五十二年度までの交付税特別会計借入金の償還方法の変更による千九百十億円、交付税特別会計借入金百九十億円、合計三千二百億円の交付税の増額を行い、残りの六千九百億円を財源対策債の増発で措置しようとしております。本年度もまた地方行財政関係者の切実な要求である交付税率の引き上げを行わず、その場しのぎの財源対策で切り抜けようとしていますが、これが地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に反していることは言うまでもありません。
 昨年と比べて財源不足額が減少していますが、これは歳入面で空前の大増税や公共料金の値上げ等住民に多大の負担を求めるとともに、歳出面においては、人件費の削減や福祉、教育の切り捨てなど厳しい減量経営を自治体に押しつけることを前提としたものであり、額面どおり受け取るわけにはいきません。
 実態は、五十六年度末の地方債残高が五十兆円を超し、交付税特別会計借入金残高が地方負担分のみで四兆三千億円に達することが見込まれているように、地方財政の危機は依然として深刻であり、いま抜本的な措置をとらなければ危機が長期にわたることは明白であります。
 先日の当委員会における参考人質疑でも明らかになったように、今日、地方交付税制度の改革なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な責務であります。このような立場からわが党は、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出したものであります。
 次に、本修正案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率を昭和五十七年度から四〇%に引き上げることにいたしております。
 第二は、臨時地方特例交付金の増額であります。
 昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行され、ないし発行される財源対策債の元利償還にかかわる基準財政需要額については、全額臨時地方特例交付金で措置することにいたしております。この措置により、昭和五十六年度における臨時地方特例交付金は八千五百三十七億円増額し、九千八百四十三億円となります。
 また、昭和五十年度から昭和五十六年度までの交付税特別会計における借入額の元金償還については全額臨時地方特例交付金で措置することとし、附則の一部を改正しております。
 第三は、臨時地方特例交付金の増額に伴い、基準財政需要額の算定方法を改正しようとするものであります。教育、福祉などの行政サービスに対する住民要求にこたえるため、道府県においては「その他の教育費」及び「厚生労働費」を、また、市町村においては「教育費」及び「厚生労働費」をそれぞれ増額することにしております。
 以上が本修正案の要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#254
○左藤委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、両修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればこれを聴取いたします。安孫子自治大臣。
#255
○安孫子国務大臣 ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案については、政府といたしましては、いずれも賛成いたしかねます。
    ―――――――――――――
#256
○左藤委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。上石川要三君。
#257
○石川委員 私は、自由民主党を代表し、政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案に反対の意見を表明するものであります。
 今回政府によって提案された地方交付税法等の一部を改正する法律案は、第一に、昭和五十六年度の地方財政対策をその内容とする地方交付税の総額の特例措置、第二に、普通交付税の算定方法の改正、第三に、最近における経済情勢の変化等にかんがみ地方団体関係の各種手数料の上限等について改定を行うことをその内容とするものであります。
 第一の地方交付税の総額の特例措置は、まず、昭和五十六年度の地方交付税の総額について、昭和五十年度から五十二年度までの交付税特別会計における借入金の償還方法を変更することによりその増額を図るほか、臨時地方特例交付金千三百六億円を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるとともに、交付税特別会計において千三百二十億円を借り入れることとして交付税所要額を確保することとしております。
 さらに、後年度の地方交付税総額の確保に資するため、昭和五十六年度における借入金のうち、千百三十億円についてはその十分の十に相当する額、残余の額についてはその二分の一に相当する額を昭和六十二年度から昭和七十一年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとしております。
 第二の普通交付税の算定方法の改正については、公園、清掃施設、下水道等住民の生活に直結する公共施設の整備等に要する経費、教職員定数の増加等教育水準の向上に要する経費、老人福祉等社会福祉施策の充実に要する経費の財源を措置するとともに、過密過疎対策、消防救急対策、公害対策等に要する経費についてもその充実を図ることとしております。
 第三の各種手数料の額の上限等の改定については、最近の経済情勢の変化等にかんがみ、受益者負担の適正化を図るとともに財源の確保に資することとするものであります。
 自由民主党といたしましては、これらの措置を内容とする政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢、国の財政状況等を考えれば適切なものであると認められるので、同法律案に賛成するものであります。
 次に、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案につきましては、自由民主党といたしましても検討を重ねたところでありますが、わが国経済は低成長時代への過渡期にあり、年々増大する財政需要に対し国、地方とも巨額の借入金によって対処せざるを得ない状況にあるこの時期に、国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げを行うことは問題があると考え、修正案に反対の立場をとるものであります。
 しかしながら、今後においても地方財政を取り巻く諸条件は依然厳しいものが予想されておりますので、政府におきましても生活環境施設の整備、地域住民の福祉の充実等の施策を推進する上できわめて重要な地方団体の役割りにかんがみ、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 以上をもちまして、政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案に反対の意見の表明を終わります。(拍手)
#258
○左藤委員長 松本幸男君。
#259
○松本(幸)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に関しまして、社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の三党共同提案によります修正案に賛成、政府案に反対の立場で討論を行います。
 初めに、これは言わずもがなのことであるかもしれませんが、ためにする宣伝の具に供せられないようにあえて一言お断りしておきますが、私は、今回の地方交付税法等の一部を改正する政府案に反対なのでありまして、決して地方交付税制度そのものに反対しているということではありませんので、念のため申し上げておきたいと存じます。
 それでは、なぜいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対をするのか、その論拠を明らかにしたいと存じます。
 まず第一点は、地方交付税法と交付税制度の本質にかかわる問題でありますが、この委員会でもしばしば指摘されておりますように、交付税は法第二条一号の用語の意義に明示されておりますように国が交付する税であります。いみじくも先ほど大臣も強調されておりましたように、まさしくこれは税であって国庫の支出金ではありません。地方税が住民から地方公共団体に直接納入される税金であるのに対して、交付税は国が一たん徴収して地方に交付するという仕組みの地方税でありまして、徴収の仕方が違うだけのいわば通常の地方税とは異なった形の、交付税という名の地方税の税目の一つであるということができます。したがって、この地方交付税が地方の固有財源であり自主財源であることは、用語の意義、解釈からいたしましても明白であります。
 しかるに最近、交付税のような本質をゆがめるような意見や措置がとられていることははなはだ遺憾であります。地方交付税は国が交付する形式になっているが、これはあくまでも納入の方法といいましょうか徴収の方法は異なるけれども、地方の歳入として当然予定されるべき交付税という名の地方税であるということをまず銘記しておく必要があると存じます。
 ところが、国は財政上の理由をもって第六条の二項に規定されている交付税総額の確保や第六条の三の二の規定を遵守せずに、いたずらに特例措置を設けて本法の基本的な趣旨をゆがめていることは、これまた遺憾であります。このような特例措置の継続によってその都度局面を糊塗するようなやり方はもうこの際やめて、法の定めにのっとって改正すべきものは素直に大胆に改正を行うべきであると存じます。基本的な改正に手をつけずにびほう策に終始している今回の改正案については、このような意味でまず反対であります。
 さらに第二点は、過日も申し上げましたとおり、いまや都道府県、市町村を通じてほとんどの団体が交付税の交付対象団体であるという現況からいたしまして、一工夫して、ある程度地方団体に固有の財源となる税目を移譲すれば、膨大な交付税をほとんど全地方団体に交付するというようなことをしなくても済むのではないかと思われますが、それらのことについても全く目が向けられていない、検討もされていないということについても問題があるように思われます。
 さらに、地方財政への配慮に乏しいことは、国は五十六年度に一兆三千五百二十億円の新規増税を行っているのに対して、地方税の増収はわずかに地方税制の改正によるもの九十七億円、国の税制改正に伴うもの六百五十九億円、合わせて七百五十六億円にすぎないという事実に徴しても明らかであります。その場しのぎのびほう策でない抜本的な地方財源対策を真剣に考慮すべきであるのに、じんぜんと問題を後に残すような対策に終始しております。
 第三点として、先日の参考人の意見陳述にもこもごも指摘されておりましたように、地方財政の現況にかんがみまして当然行われるべきである法第六条の三の二項に基づく制度の改正や交付税率の変更等を行わないことについても、私どもは反対であります。
 さらに、今回改正される法律案の内容につきましては、五十六年度に地方に交付すべき交付税総額八兆七千百六十五億円を確保する手段として、臨時地方特例交付金の繰り入れ、交付税特別会計借入金の償還方法の変更に伴う増加分の算入、交付税特別会計からの借り入れ、さらに前年度からの繰越金の算入などの方法がとられておりますが、これらの特別措置が果たして妥当なものであるのかどうかは、本委員会ですでに論じ尽くされておりますのであえて繰り返しませんけれども、負担の後年度への繰り延べや法第六条二項にもとる繰越金の取り扱いなど、妥当なものとは思われません。
 時あたかも第二臨調におきまして基本的調査審議事項の一つとして、国と地方の機能分担のあり方、地方行政の合理化を掲げ、さらに当面の緊急課題として、中央地方における支出削減と収入の確保、補助金等の整理合理化、地方財政関係費の見直し、地方公務員の定数、給与、退職金の合理化、地方公共団体の機構、事務事業等の見直しなどを題目として掲げております。
 したがって、この際、この地方交付税につきましても、ここ数年来行ってまいりました特例措置の名によるびほう策を改めて、根本的で確かな地方財源対策を講ずべきでありまして、今回提案されておりますような特例措置によるこそくな手段はもうやめるべきであると存じます。そして、私どもが今回社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合共同で提案をいたしました修正案のごとく改正すべきであります。
 以上の理由によりまして政府案に反対であることの意見を述べまして、討論を終わります。(拍手)
#260
○左藤委員長 大橋敏雄君。
#261
○大橋委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議並びに民社党・国民連合提出の同修正案に賛成し、日本共産党提出の同修正案に反対の立場から討論を行うものであります。
 住民の価値観の多様化、特色ある地域づくりなど、最近の地方自治はこれまでの中央集権体制を改め、住民主体の行政を推進するための分権化が強く要求されております。しかしながら、政府の地方行財政対策は、こうした国民の要求とはうらはらに、従来の制度、慣行をとり続けており、何ら改善の方向も見当たりません。これはまことに遺憾であります。早急に地方行財政の抜本的改革を行うことをまず初めに要求し、以下具体的問題点について討論を進めます。
 まず交付税率についてであります。
 地方財政は本年度で連続七年間も巨額の財源不足を生じており、これを補うため、毎年度交付税特別会計の借入金や地方債の増発などで収支のつじつまを合わせてきました。特に五十六年度地方財政対策は、税の自然増収や五十五年度補正予算で交付すべき交付税の大半を五十六年度に繰り越した上に、住民税の減税見送りなどの措置を講じてもなおかつ一兆円を超す財源不足を生じております。このような地方財政の実態を見るときに、今日の地方財政制度は完全に破綻を来したと言わざるを得ません。現在の財政危機から速やかに脱却して財政の健全化を図るとともに、住民生活の安定と向上を図るために、まず地方交付税率を四〇%程度に引き上げることが必要でありますが、当面の諸状況を考えますとき、社公民三党案が示すように、来年度から五%引き上げ三七%にすべきであります。このような措置がとられていない政府案であり、これが第一の反対理由であります。
 次に、財源対策債に対する元利償還についてでありますが、昭和五十年度以降の財政危機に伴う地方債残高は、五十五年度末で二十九兆円という巨額に達しております。この地方債の返済に要する財源は年々増大する一方で、五十六年度は一兆円近くをこれに充てなければならない等、財政危機に伴う財源対策債は地方財政を圧迫しております。したがいまして、このような状況を考え、社公民提出の修正案のように、少なくとも五十一年度から五十六年度までの各年度に発行された財源対策債の元利償還金については全額臨時地方特例交付金で措置すべきであります。政府案には、このような措置がなされておりません。これが第二の反対理由であります。
 次に、補助金制度についてであります。
 国庫補助金については、地方の自主的財政運営の確保と財政の効率化を図るという面から、国庫補助金をできるだけ整理し、地方の一般財源に振り向けることが強く望まれております。こうした点を基本に補助金の抜本的改革を進めるとともに、当面類似ないし同一目的の補助金について自治体が自主的に選択できる、いわゆる補助金のメニュー化あるいは総合補助金化を進めるべきでありますが、こうした点に対しましても何ら改善の跡が見られず、きわめて怠慢と言わざるを得ません。これが第三の反対の理由であります。
 次に、超過負担についてであります。
 国の補助基準と実態との間に乖離を生じている超過負担についても、五十六年度はわずか国費ベースで二百四十四億円計上しているにすぎません。この額は、地方側が要求している額に比べると余りにも少額であります。特に超過負担解消に当たっての問題は、超過負担に対する国、地方の考え方が異なっているということであります。このことが超過負担解消を困難にするとともに、国、地方の相互不信を助長する要因ともなっております。したがって、超過負担の解消を図るために国、地方の見解を調整することが急務であります。このためには国と地方との代表からなる超過負担調査会を設け、この調査会において、客観的観点から超過負担額を算出し、これに基づいて解消措置を講ずることが最善の道であると考え、われわれはこの点を強く主張し続けてまいりました。しかし、こうした要求に対しても、政府は前向きに対処しようとする姿勢がうかがわれません。まことに遺憾であります。これが第四の反対の理由であります。
 なお、日本共産党提出の同修正案は現実的でないと考え、反対するものであります。
 以上、主な理由を申し述べましたが、政府の地方行財政に対する前向きかつ積極的な改革を強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#262
○左藤委員長 青山丘君。
#263
○青山委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま政府より提案となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合提案の修正案に賛成の立場から討論を行いたいと思います。
 現在わが国地方財政は、国家財政と同様非常に厳しい危機的な状況にあります。昭和五十年度以降毎年度大幅な財政収支の不均衡が続き、五十年度補正から五十六年度当初までの財源不足の累積額は十七兆五千六百七十九億円にも上っております。このような大幅な財源不足を補てんするため、政府は毎年度交付税特別会計における借り入れと地方債の大幅な増額発行を行ってまいりました。しかし、これらの財源不足対策は、単に収支のつじつまを合わせるものにすぎません。
 五十六年度の財源不足一兆三百億円も、昨年に比べて半減したと言われておりますが、実は本来五十五年度において使用すべきであった地方交付税の増加分を五十六年度に使用する、あるいは交付税特別会計の償還方法を変更するなど、数字の小手先操作で厳しい地方財政の現状を糊塗したものにほかなりません。
 また、第一次石油危機以来毎年巨額の財源不足を補うために発行してきた地方債の残高は三十一兆六千百五十二億円見込みにも上り、交付税特別会計における借入金七兆七千億円のうち地方負担額は四兆六百四十六億円にも達します。これらの償還は、将来地方財政にとって大きな負担であることは言うまでもありません。
 今後の財政運営に当たっては、高い経済成長率のもとで豊かな自然増収に恵まれ、財政支出に対するさまざまな要請に比較的無理なく対応し得たかつての時期とは異なり、今日まさに抜本的な改善がなされなければならないのであります。そうしなければ現下の財政危機を突破することはとうてい不可能であると言えましょう。
 すなわち、当委員会において再三にわたり地方交付税率の引き上げ等議論が繰り返されてまいりましたように、既存の制度の改正こそをまずもって行う必要があるのであります。また同時に、勇断をもって行政改革の実現を図ること等により歳出の節減合理化に努めることが必要であります。しかし、政府改正案は当面の予算措置を事務的に処理するということにとどまるだけで、財政の未曽有の危機に対する政府の認識と対策は全く欠如していると言わなければなりません。地方財政が今日のような困難な状況に至ってから六年間も続いている状態であるにもかかわらず、基本的な制度改正がなされないということは怠慢であり、全く政府の努力というものを感ずることができないのであります。
 現在、地方交付税の税率が国税の三二%にもなっておりますが、昭和四十一年以前に九回税率の引き上げが行われてきたというのに、昭和四十一年以来十五年間も据え置かれております。
 民社党は、本来、交付税率の引き上げによって対処すべきであった財源対策債の五十六年度償還について、その全額を臨時地方特例交付金で措置するとともに、五十七年度は少なくとも五%程度の地方交付税率の引き上げが行われるべきであると考えるものであります。
 また、現下の国庫補助負担金制度は、国の縦割り行政によって地方団体の総合的な施策を推進するに当たり弊害があるとともに、中央省庁、地方出先機関への事務手続のために膨大な経費が必要となっております。特に、公共事業費の国庫負担金は、地方団体が総合的に樹立された計画に従って実施する建設事業等に対して国が割り勘的に負担するものであって、本来の地方自治体の主体性の尊重されるはずが現状では国の計画に対応させられているというのが実情であります。
 このような地方団体の主体性の回復を図るためにも、公共事業関係を一括して地方自治体に交付する第二交付税の制度創設を主張いたしたいと思います。約三千三百の自治体がそれぞれの条件に即した財政計画をするためには、社会経済情勢の変化に対応した新たな施策を講ずる必要があるのであります。
 また、日本社会党、公明党・国民会議並びに民社党・国民連合提案の修正案が、国と地方との財政関係に新しい秩序をつくるものと確信しております。そして住民生活の向上に役立つ財政運営こそ本来の役割りであるのです。
 以上申し上げて、私の討論といたします。(拍手)
#264
○左藤委員長 岩佐恵美君。
#265
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、わが党提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の意見を述べます。
 政府は、五十六年度予算編成において、歳入面で史上空前の公共料金等の大幅な引き上げという国民に対して大きな犠牲を強いながら、歳出面においてはアメリカや財界の要求する軍事費やエネルギー対策費などを伸ばす一方、国民の切実な願いである福祉、教育などの経費は厳しく抑制しました。まさに、軍拡、大増税、福祉、教育切り捨ての最悪の予算と言わなければなりません。
 五十六年度の地方財政計画も国の予算編成を基調として作成されたために、歳入面では国税の増税に加えて住民税の課説最低限据え置きや不動産取得税の税率引き上げ等による増税や高等学校入学金等の使用料、手数料の引き上げを行っており、また歳出面においては、人件費の削減や福祉、教育を初めとする経費節減、経常経費の厳しい圧迫が行われています。
 このような操作の結果、財源不足額は昨年の二兆五百五十億円から本年度の一兆三百億円へと減少しましたが、これをもって地方財政の改善と見ることは決してできません。むしろ五十六年度末の地方債残高が五十兆円を超し、交付税特別会計借入金残高が地方負担分のみで四兆三千億円に達することが見込まれているように、地方財政の危機は依然としてきわめて深刻であり、かつ長期化の様相を呈しているのが実態であります。
 いまこそ交付税法第六条の三第二項の規定に従い、地方行財政制度の改革、なかんずく税率の引き上げという抜本的措置が緊急に求められているのであります。にもかかわらず、政府はこの抜本的改善策を見送り、財源不足額一兆三百億円を臨時地方特例交付金の交付、交付税特別会計借入金の償還方法の変更、資金運用部からの借り入れ、さらには財源対策債への振りかえで糊塗しようとしております。
 数年来続けているこのような特例措置は、地方の財源保障の機能を持つ交付税法の趣旨を逸脱し、国と地方の財政秩序を破壊するきわめて不当不法な措置であり、容認できないものです。政府はこうしたやり方を改め、交付税率の引き上げや地方自治体への大幅な財源移譲を含む財政制度の改正をすぐに実施すべきであります。次に、わが党の修正案について述べます。
 本修正案は、交付税率の四〇%への引き上げ、財源対策債償還費及び交付税特別会計借入金を全額国の負担とすることなどを中心内容とするもので、交付税法の趣旨に基づいた正当な措置によって地方財源を補完しようとするもので、地方自治体の自主的な発展を保障する財政制度の確立を図るものです。
 最後に、日本社会党、公明党、民社党の三党共同修正案についてであります。今回の案は、昨年のわが党を含む野党四党共同修正案より後退し、交付税率の引き上げを三七%までとしております。交付税率の四〇%への引き上げは、地方六団体を初め国民合意の基準となっていると同時に、その実現がますます切望されてきているところであります。しかし、政府案よりは前進的なものであり、わが党修正案が否決された場合においては次善の策としてこれを支持することを表明しまして、討論を終わります。(拍手)
#266
○左藤委員長 田島衞君。
#267
○田島委員 私は、新自由クラブを代表いたしまして、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案について、原案に賛成、二つの修正案にいずれも反対の立場から討論をいたします。
 原案の内容とするところは、地方交付税そのものについての一部改正と、各種手数料関係法律の一部改正によるところの手数料の改定の二点に分かれますが、その第一点である地方交付税法の一部改正の具体的内容について検討してみますと、結論的に言って昭和五十六年度分の地方交付税総額の必要最小限を確保するためにしたところの一連の苦しいやりくりでありまして、地方交付税法の本来の目的に寄与する前向きの改正とは受け取れないものであります。
 また、基準財政需要額の算定方法の改正にしても、財源対策債を減額し、その相当分を基準財政需要額に算入したことや、算定の単位費用を若干改定したことは評価いたしますけれども、それも本当に申しわけ程度を出ないものであります。
 また、第二点の手数料の改正については、受益者負担の適正化を図るためとの趣旨説明がありますが、むしろその点についての説明はきわめて不自然であります。主たるねらいはあくまでも財源の確保にあることは明白であって、賛意を表するに苦しむところであります。
 以上の検討からすれば、財政事情に責任を転嫁したまことに知恵も努力も見られない改正案であると言わざるを得ないものであります。年々地方交付税制度がその本来の目的から逸脱しつつある中で、でき得る限り早期に抜本的改善をと望むわが新自由クラブとしては不満を禁じ得ないところでありますが、国の財政事情の現状と、地方団体がこの法案の成立いかんにより受けるであろうところの影響等を考慮すれば、消極的ながら原案に賛成せざるを得ないものと考える次第であります。
 一方、社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合共同提出によるところの修正案と、共産党提出によるところの修正案については、その求めるところを理解するにやぶさかではありませんが、現実の問題として、両修正案の具体的内容は許容される実情にないと判断せざるを得ないのであります。
 よって、私は、できる限り近い将来において、地方交付税制度が文字どおりその目的にかなった姿を求めて抜本的改正をされることを強く期待して、両修正案に反対、原案に賛成するものであります。(拍手)
#268
○左藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
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#269
○左藤委員長 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、三谷秀治君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#270
○左藤委員長 起立少数。よって、三谷秀治君提出の修正案は否決されました。
 次に、佐藤敬治君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#271
○左藤委員長 起立少数。よって、佐藤敬治君外二名提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#272
○左藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#273
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#274
○左藤委員長 次回は、来る二十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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