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1980/02/12 第94回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第094回国会 本会議 第6号
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1980/02/12 第94回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第094回国会 本会議 第6号

#1
第094回国会 本会議 第6号
昭和五十六年二月十二日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第五号
  昭和五十六年二月十二日
    午後一時開議
 第一 昭和五十五年度分として交付すべき地方
    交付税の総額の特例に関する法律案(内
    閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 昭和五十五年度分として交付すべき
  地方交付税の総額の特例に関する法律案(内
  閣提出)
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の
  趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 金子満広君から、海外旅行のため、二月二十二日から三月五日まで十二日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案
  (内閣提出)
#5
○議長(福田一君) 日程第一、昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長左藤恵君。
    〔左藤恵君登壇〕
#6
○左藤恵君 ただいま議題となりました昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、昭和五十五年度の補正予算により同年度分の地方交付税の額が四千六十九億円増加することになりましたが、本年度においては普通交付税の調整額の復活に要する額百二十億円と特別交付税の増額に要する額二百四十四億円との合算額三百六十四億円を交付することとし、残余の額三千七百五億円は昭和五十六年度分の地方交付税の総額に加算して同年度に交付することができることとするものであります。
 本案は、一月二十六日当委員会に付託され、二月十日安孫子自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査に入りました。
 次いで、本案に対する質疑を終了し、討論の申し出もなく、直ちに採決を行いましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#8
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#9
○議長(福田一君) この際、内閣提出、酒税法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣渡辺美智雄君。
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) 酒税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の財政は、現在、特例公債を含む大量の国債発行に依存せざるを得ない状態にありますが、こうした状況から一刻も早く脱却をして、財政の対応力を回復しておくことがぜひとも必要であります。
 このような考え方に立って、昭和五十六年度予算におきましては、公債発行額を、前年度当初予算よりもさらに二兆円減額することとし、自然増収を優先的にこれに充てることといたしました。これを受けまして、歳出面におきましては思い切った節減合理化を図ったところでありますが、福祉、文教等の行政水準を維持するためには、なお相当の財源が必要とされるところから、これに対処するため、歳入面において徹底した見直しを行うこととしたととろであります。
 したがって、税制面においては、現行制度の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずることとしており、その一環として、酒税につきまして、物価水準の上昇等に伴いその負担水準が低下してきている等にかんがみ、負担の引き上げを求めることといたしたものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、酒税の従量税率の引き上げを行うことといたしております。
 すなわち、清酒特級、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類、リキュール類及び雑酒について二四・二%程度、その税率を引き上げることといたしております。
 また、その他の酒類については、その消費及び生産の態様等に配慮して、税率の引き上げ幅を、清酒一級については一四・五%、清酒二級、合成酒、しょうちゅう及びみりんについては九・六%程度にとどめることといたしております。
 第二に、溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを酒類の範囲に加えるほか、酒税の納期限を延長する等酒税制度の整備合理化を行うことといたしております。
 以上、酒税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#11
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。戸田菊雄君。
    〔戸田菊雄君登壇〕
#12
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案のありました酒税法案に対し質問をいたします。
 まず初めに、税の基本にかかわる問題に対し質問をいたします。
 総理、きょう今日の日本財政をこのような借金財政にしたのはだれの責任ですか。私は、かつて参議院在職中、一九六六年の三月、故佐藤内閣の公債導入に対し、公債導入は麻薬と同じで、廃人になるまでやめられないものであることを強く主張し、反対をいたしました。財政法第四条に違反し、特例公債をも発行するに至り、今年度末で七十一兆円もの借金をする羽目になりました。この責任は、挙げて自民党政府の失政の結果だと考えますが、総理の責任ある答弁を求めます。(拍手)
 次に、今回の増税対象は、揮発油税等の目的税を除きますと、相続税、砂糖消費税、トランプ税、入場税など、税収総額に占める比重の小さいものを除き、高収入の目ぼしい税目はすべて増税の対象になっております。鈴木総理の既存税制の中での選択増税のふれ込みは名ばかりで、実質的には一般的増税であり、総ざらい増税となりました。総理の今日までの答弁には偽りありと言わなければなりません。総理の見解を求めます。
 第三に、今回の増税一兆三千九百六十億円と、ほかに財政運営に必要な財源確保を図るための特別措置による千八百二十億円を捻出し、これらの新規増は一兆五千七百八十億円程度見込まれ、国債減額二兆円の七八・九%に相当します。残りの四千億円は、史上二番目と言われます一九八一年度の四兆五千億円の自然増収から回されますが、これは自然増収の八・八%であります。いずれにいたしましても、鈴木内閣の財政再建のあかしと言われます二兆円の国債減額は、この史上初の大増税によって実現したわけであります。自民党失政の赤字のツケは結局国民の税金であり、泣きを見た国民は、この政府の苛敏訴求の仕打ちに対し、心からの憤りを持っております。(拍手)総理は、この国民の声をどう感じておりますか、その見解を求めます。
 第四に、政府税制調査会の中期税制答申についてであります。
 答申の中では「広く消費を対象とする間接税」をうたっております。この答申は、七九年総選挙で故大平前首相が国民に問うて拒否せられました一般消費税とうり二つのものであります。また、山中自民党税調会長は、自民党税調では、大型新税はけしからぬという雰囲気は薄れ、ごく自然に議論される状況にあり、庫出し税は考慮に値すると述べております。総理の考えを承っておきます。
 また、政府税制調査会は、今回の大増税を追認するとともに、八二年度以降の増税措置の早期検討の必要性を強調しております。これと呼応して大蔵省でも、庫出し税――事業者等が製造する品物に出荷段階での課税、売り上げ税、EC型付加価値税など、広範に検討されております。八一年度予算の衆議院通過を待って政府税制調査会を開き、大型間税の本格的検討と、そのレールを敷く作業に取り組む状況だと言っております。大型間税の内容と作業手順についての大蔵大臣の見解を求めます。
 また、この大型間税と抱き合わせに若干の所得減税を考えているとのことですが、大蔵大臣の答弁を求めます。
 また、答申では、国民総生産の二%程度の増税を主張しております。政府の経済政策の根幹である新経済社会七カ年計画では、経済成長の平均名目一〇%、平均実質は六%弱で、最終年の八五年のGNPは四百二十兆円程度であります。これで計算いたしますと、六兆円から八兆円の空前の大増税が予想されます。こうした一連の動きを見れば、政府が財政再建のにしきの御旗――実は虚構でありますが――を押し立てて、国民の反対世論を封じ込み、名実ともに大型消費税であることは余りにも明白な事実であります。大蔵大臣の明快な答弁を求めます。
 第五は、税の不公平是正についてであります。
 勤労者の課税最低限は二百一万五千円であります。利子配当分離課税による不労所得者の課税最低限は四百四十万円、実に倍になっておるのであります。税の捕捉率は、クロヨンに代表されるような実情にございます。加えて、租税特別措置による、大企業、大法人には手厚い政策的減税を行っております。ことに、配当軽課制度、受取配当益金の不算入制度、配当税額控除制度など、優遇税制の改廃を行い、法人擬制説を固執し、資本蓄積を優先する不公平税制の典型であります本税の改善を強く要望いたします。
 いまこそ、政府は勇断を持って、最低生活費非課税の原則、勤労所得軽課、不労所得の重課の原則、累進課税の原則、奢侈重課原則を貫き、税法の言う公平な税改革に取り組むべきだと考えますが、大蔵大臣の答弁を求めます。(拍手)
 第六は、日本経済データ開発センターの中期展望についてであります。
 初めに、河本企画庁長官は、新規増税に反対する唯一の閣僚と聞いております。経済運営をしっかりやれば、年間五兆円から六兆円の自然増収が期待できると言っておりますが、変わりはありませんか。
 また、昨年の十二月一日の日経新聞で明らかになりました日本経済の中期展望についての企画庁長官の見解を求めます。
 また、中期展望のアンチテーゼとして防衛狂奔型の危険性を取り上げ、仮に防衛予算がGNPの二%の急拡大型にした場合は、防衛支出四兆一千百四十億円となり、平均経済成長率は低下、円安は圧力となり、卸、小売物価とも上昇、原油情勢は悪化すると指摘しております。軍拡増税を目指す鈴木内閣には一大警鐘と思われますが、企画庁長官の答弁を求めます。
 第七に、本題の酒税法についてであります。
 総理、あなたはお酒を飲みますか。一番飲みたいと思うときはどういうときですか。大蔵大臣はどうですか。
 商工会議所の東京千代田区のビジネス街におけるサラリーマンの外食行動調査の実施が行われました。その結果によりますと、唯一の楽しみにちょいと一杯をやる人は六〇%以上で、週一回以上飲みますと言っております。全国では、人口の半数に近い五千万人の人が酒を飲むと言っております。その平均費用は、一人当たり一回二千円から三千円で、飲食税課税のすれすれのささやかなものであります。
 今回の増税で小売価格の値上げは、清酒特級で三三・六%が三八・五%で四・九%の値上げ、ビールは四二・五%が四七・九%で五・四%の値上げ、ウイスキー特級は四三%が四八・三%で五・三%の値上げ、いずれも国税資料によりますが、平均五%に近い値上げで、税金の占める割合は、半分税金となります。加えて、前回の値上げは一九六七年から七九年まで四回ございます。わずか二年間での値上げは今回が初めてであり、不当な値上げと言わざるを得ません。
 八〇年の酒税収入総額は第四位を占め、一兆五千億円を超え、今回の増税総額二千八百億円を加えますると、二兆円に手が届くという大増税でございます。国民のささやかな楽しみを奪い、国民生活を直撃し、購買力は落ち、貧富の差を拡大する大衆重課の今回の仕打ちは、ふんまんやる方ないといった状況でございます。(拍手)大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、今回導入する粉末酒についてであります。
 導入の粉末酒は、既存の酒類の規格である百cc当たりのアルコール、糖質、たん白質、カルシウム、カロリーなどの含有量が不明確であります。また、醸用水は、長年にわたって分析、研究し、適性なものを使用していたが、粉末酒の場合は嗜好者、すなわち酒を飲む者自体が醸用水を使用することになります。商品価値として、はなはだ疑問を持った次第であります。
 さらに、その販売方法は、酒税法第九条等によるものと判断しますが、きわめて不明確でございます。大蔵大臣の詳細な説明を求める次第であります。
 第三点は、酒税改正によりますと、清酒特級は小売価格で二千三百七十八円五十六銭、ビールは二百六十四円六十九銭、ウイスキー特級は二千七百五十九円九十九銭など、全銘柄が値上げされておりますが、円単位の端数調整で便乗値上げを奨励するような措置を行っております。その総額三十億円を超えるはずですが、これは全く不当と言わざるを得ません。大蔵大臣の明快な御答弁をお願いする次第であります。(拍手)
 第四点は、現在の酒税は、従価税と従量税の二本立てとなっております。私は、従価税一本に統合すべきと判断いたしますが、大蔵大臣の見解を求めます。
 第五点は、現在小売販売は許認可制となっておりますが、国税庁統計年報でも一九七八年現在で十七万場、人口の半数近い五千万の嗜好品として愛用され、伝統と歴史的に国民生活に欠かせない必需品として、販売場をもっとふやしてもよいのではないかと考えますが、大蔵大臣の答弁を求めます。
 以上、私は、今回の税制改正による増税政策には断固反対するとともに、税の公平の確立を要望して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 戸田さんの御質問にお答えいたします。
 まず、今日の借金財政はだれの責任かという御質問でございますが、石油危機の到来は、国際経済に深刻な打撃を与えたことは御承知のとおりであります。わが国もまた、その例外ではなかったわけでございまして、各企業の収益は減退をする、また民間の設備投資は冷え込む、さらに、雇用の問題にいたしましても、物価の問題にいたしましても、いろいろ困難な問題が生まれたわけでございます。
 これに対応いたしますためには、どうしても国の財政が前面に出て、そしてこの石油危機、深刻な経済の打撃を打開しなければならない、こういうことで公共投資初め、いろいろの施策を講じたわけでございます。また、昭和四十八年は、ちょうど福祉元年こう言われたときでございまして、いろいろの福祉についての施策が行われたことは御承知のとおりであります。
 こういうことで財政の支出は大幅に伸びたわけでございますけれども、一方において税の減収は、これまた大変落ち込んできたわけでございます。そういうようなことで、政府としては、公債発行ということで財源の確保を求めて、この危機打開のための諸施策を進めた、こういう経過に相なっておりますことは御承知のとおりでございます。
 その結果といたしまして、わが国は、この石油危機後一番賢明な対応をした。民間の活力がその間に回復をいたしました。今日、世界経済の中で、物価の面あるいは経済成長の面、雇用の面、いろいろの面におきまして、国際収支もそうでありますが、比較的日本の経済がうまくいっておるというのは、国際間の評価に相なっておるわけでございます。
 しかし、一方におきまして、そのような公債に依存して財源を捻出をいたしたわけでございますから、今日この国債の発行残高が七十一兆円にも及んでおる。大体石油危機も打開できたわけでございますから、この際、私どもは、この財政という問題を一日も早く再建をしなければならないということで、極力歳出の削減を図りました。御承知のように、一般会計におきましても、二十数年ぶりに四・三%という伸び率に抑えました。また、この打開におきまして、私どもは安易な増税というものを避けなければならないということでいろいろ苦心をいたしたわけでございますが、その一つといたしましては、政府機関であります電電公社等から特別な納付金を徴収するなど、あらゆる努力をいたしました。
 しかし、どうしても足らない分につきましては、これを現行税制の枠内で国民の皆さんに御協力をいただく。われわれは二兆円の公債発行の減額を図って、そして五十九年度までに公債依存体質を脱却をする、そういう結果、国民の皆さんに御協力を願っておるところでございまして、この点御理解、御協力を賜りたい、こう思っておるところでございます。(拍手)
 もう一つの質問は、政府税調の答申があったわけでございますが、これに関連いたしまして、また政府は、一般消費税というような新税を意図しておるのではないか、こういうお尋ねでございます。
 私は、今後の財政再建に当たりましても、行財政の肥大化、これを思い切って合理化をする、減量経営を行うということに最大の眼目があると考えておるわけでございまして、これを一般消費税というようなことの安易な選択、これは絶対に避けていかなければならないと考えております。国会における論議、あるいは今後どうしても必要な避けて通れないような新たな歳出の問題が起こってくるかどうか、また自然増収その他税収がどういうぐあいになるのか、経済、財政の今後の動向というものを十分見きわめまして、この問題につきましては慎重の上にも慎重に対処したいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#14
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 大型間税を何か考えているようだが、どういう内容のものを考えているか。
 大型間税の内容はまだ考えておりません。ただ、税調で中期答申がございますから、広く消費に基づいたような間接税という問題については、これは検討を避けて通ることはできないだろう、こういうことでございます。
 また、五十七年度には大型消費税と抱き合わせで所得税減税をやるように言っているがどうなんだということでございますが、これも、私は、財源に余裕がある場合は検討するようなことを言ったことがございますけれども、大型消費税と抱き合わせてということをはっきり言ったことはありません。
 その次は、不公正税制というものをもっと是正しなさい。
 私ももっともなことだと思います。したがいまして、五十一年度以来積極的に、税制については政策税制の統合あるいは整理合理化等はやってきてまいりまして、大体おおむね一段落ついておると思っておるわけです。
 ただ、問題は、御提案のように、たとえば土地の値上がりしたものに対して税金をかけていけとか、あるいは法人税に累進税を取れとか、その他いろいろな御提案がございますが、これは、現在の税制が不公平だから、そういうことをすれば公平になるというようには私は考えておりません。
 しかしながら、執行面等において脱漏等があったりいろいろあるということも事実でございまして、そういうような面については、税の執行について不公平が起きないように、極力われわれは、その調査とかいろいろなそういう点で徹底をさしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。したがいまして、今回等も、脱税の場合の賦課権の除斥期間というものを延ばしたりして、また脱税に対する罰則を強化する、公訴の時効期間を延長するというようなことは、やはりその不公正なものが免れるということはいけないという点から、それらについて強化をしていこうという考えから出ておるわけであります。
 その次には、大蔵大臣は酒飲むのかという話でございますが、私も実は大好きでありまして、毎日ちょうだいをいたしております。
 そういうような、大衆が喜んで消費するお酒に税金をかけるのは大衆課税でけしからぬ、こういうようなお話でございます。
 私といたしましても、この間接税というものについては、どうしてもそういうような御議論はいつもついて回るわけであります。問題は中身の話でありまして、たとえば、確かに特級酒等においては、盛りっ切りで一杯やるにいたしましても、それは十七円ぐらいの税額が上がるということでありますが、しかしながら、いわゆる大衆酒と言われる二級酒については、まあ一合盛りっ切り一杯一円五十銭ということでありまして、それほどたくさん課税をしているというようには考えないわけでございます。やはり大衆酒と高級酒というものについて差をつけておることはお認めをいただきたい。しょうちゅう等におきましても同様でございます。
 その次の問題でございますが、粉の酒、粉末酒を酒税法に取り込むという問題についての御批判でありますが、今回は、この酒税法を改正して粉末酒を酒類の範囲に含めることにいたしましたが、しかし、粉末酒は特殊な性状を有するものでございますので、雑酒の一品目として分類することとしたわけでございます。粉末酒の製造や販売に当たりましては、御指摘の点を踏まえまして、商品名の表示等について十分慎重に対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、酒の端数の便乗値上げの問題でございます。
 これはやはり便乗値上げは一番困るわけでありますから、便乗値上げにならないように徹底した指導をやってまいりたい、かように考えております。
 それから、お酒の税金、現在の従量税というものを、値段によってスライドして課税できるよう従価税にしろ、これは前々から大変な議論のあるところでございます。いい面も悪い面も両方ございまして、所得、物価が上がれば、その水準に税金もスライド的に上がっていくという点では確かにいい面なんでございますが、その反面、どういう点で、どこの時点で値段を押さえていくか、課税標準の設定というような点については非常になかなかむずかしい問題がございます。また、納税者の対応、税務の執行面でのむずかしさという技術的な問題が実はあるわけであります。そういうような観点から、いまのところは考えておらないわけであります。まあ、将来の現実的な観点に立って中長期的な問題としては慎重に検討していきたい、かように考えております。
 それから、お酒屋さんをもっとふやせということでございますが、これは実は、一方においてはもうふやすなという議論、一方においてふやせという議論でありますが、大体お米屋さんがいま四万三千軒あります。野菜、果物が六万二千ですかね、魚屋さん五万六千とか、食肉四万四千とかいう点から見て、その大体四倍くらい、酒屋さんが十六万九千、十七万軒、三百世帯に一店舗でありますから、それらとのバランスから見るというと、これを大幅にふやすということはいかがなものであるか、大体いいのじゃないか。ただ、人口急増地帯とかなんかで急に人口が広がって酒屋がないとか、そういうような点は十分実情に応じて配慮をしてまいりたいと考えております。
 また、粉のお酒の販売はどこで売らせるんだということでございますが、粉末酒も他の酒類と同様に、もしそういうことをやる場合においては免許を受けておるところの酒類販売店を通じて販売させたい、そう考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣河本敏夫君登壇〕
#15
○国務大臣(河本敏夫君) 私に対する御質問は二つございまして、その一つは、税についての考え方はどうか、こういうことでございますが、わが国経済の規模は五十六年度は二百六十五兆円と想定をしております。新七カ年計画に基づきますと、六十年度は約四百二十兆と想定をしております。そういう非常に大きな経済の規模になっておりますので、経済に活力を持続することができますならば、税の自然増収も非常に大きなものを期待することができるわけでございまして、これはもう現に昭和五十五年度の税収が非常に伸びておるということからも明らかでございます。
 そこで、私は、経済に活力を維持いたしまして日本経済を安定成長路線に定着させるということ、新七カ年計画を軌道に乗せるということ、これが財政再建の前提条件である、これが成功いたしますならば、大規模な税の自然増収は十分期待できるということを常日ごろ言っております。
 同時に、わが国の行財政には改革すべき点が幾つか残っておりますので、この改革をも徹底してやるべきである、この点も強く言っておりますが、以上の二つの案件を片づけますならば、わが国の財政再建は非常に進むわけでございますが、もし万一この二つでどうしても国の財源が足りない、こういう場合には、やはりその節は応分の負担を国民の皆さん方にお願いをする、そういう順序になる、こういうことを言っておるのでございます。物には順序がある、こういうことを常日ごろ言っておるということでございます。
 第二点は、昨年の十二月に日経データ開発センターで今後の五カ年の経済見通しを発表しておるが、それに対する評価はどうか、こういうことでございますが、全体の考え方は、政府の策定をいたしました新七カ年計画をフォローアップしたものとほとんど中身は変わっておりません。
 そういう意味で私どもは、この作業を評価いたしておりますが、この開発センターでの発表には三つの点を指摘しております。日本経済は大体軌道に乗せることは可能だけれども、注意しなければならぬ点が三つある。その第一は原油価格がどうなるかということ、第二が貿易摩擦の問題、第三が、防衛費が拡大をするならばこれは経済の圧迫になるが、この防衛費拡大の問題、この三つの点を指摘いたしております。まさにその通りでございまして、この三点については今後とも政府といたしましては十分配慮する必要があろうかと考えております。(拍手)
#16
○議長(福田一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#17
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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