くにさくロゴ
1949/05/01 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第36号
姉妹サイト
 
1949/05/01 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 厚生委員会 第36号

#1
第007回国会 厚生委員会 第36号
昭和二十五年五月一日(月曜日)
   午前十時二十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十九日委員今泉政喜君辞任につ
き、その補欠として中山壽彦君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○クリーニング業法案(衆議院提出)
○公衆浴場法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○兒童福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣提出・衆議院送付)
○調査報告書に関する件
○議院派遣に関する件
○旧海軍共済組合協会の実情に関する
 件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山下義信君) これより開会いたします。都合によりまして日程を変更いたしましてクリーニング業法案、公衆浴場法の一部を改正する法律案を順次上程したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。
 先ずクリーニング業法案につきまして提案者の説明を求めます。衆議院議員大石武一君。
#4
○衆議院議員(大石武一君) 只今議題となりましたクリーニング業法案につきまして提案の理由を御説明いたします。
 従来クリーニング業に対しましては、特にその取締り指導を行うべき法令もなく、いわば自由に放任されていたのでありますが、御承知のごとくクリーニング業の業務は、直接身体に接触するものを取扱う場合が多いのでございまして、国民の健康並びに衛生に及ぼす影響の甚大なることは今更多言を要しないところであります。勿論業者の中にはすでに自発的に相当な衛生的顧慮を拂つている向きもあるのでありますが、戰争の惨禍未だ癒えざる現在においては公衆衛生上誠に寒心に堪えないものも少くない実情にあるのであります。他方一般国民大衆が家庭生活の合理化のためにその洗濯物をクリーニングに依頼する必要は、時代と共にますます増大している次第でありまして、此の際これを従前のままに放任いたしますことは、「すべての生活部面について公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定している日本国憲法第二十五條の精神に照しましても誠に遺憾のことと言わなければならないのであります。
 以上の理由によりまして、この際クリーニング業に対し、早急に公衆衛生上の見地から必要な指導及び取締を行い、その経営を公共の福祉に適合させる必要があるのでありまして、ここにこの法律案を提出する次第であります。
 次にこの法案の骨子を御説明いたします。
 第一に、この法律の適用範囲をドライクリーニング営業及びその他の洗濯業に限定したことであります。勿論、公衆衛生上の見地から申しますれば、指導取締の対象を必ずしも営業者に限定する必要もないのでありますが、この部門における初めての立法である関係上、必要の最小限度の範囲に止めたのであります。
 第二に、この法律においては、営業者に対し、その施設及びその依頼された洗濯物の取扱について、公衆衛生上必要な措置を行うことを要求すると共に、十名以上の従業者を使用するドライクリーニングの営業者に対しては、試験に合格して、免許を受けたドライクリーニング師を少くとも一名採用しなければならないこととしたことであります。この点につきましても、公衆衛生上最小限度の要求を充足することを主眼といたしたのでありまして、設備又は営業の自由を妨げることのないよう特に留意したのであります。
 第三に、ドライクリーニング師の免許制度を創設したのであります。試験は都道府県知事によつて毎年一回以上実施されるのでありますが、その主眼とするところは、公衆衛生上及びドライクリーニング取扱上必要とする一般知識を検定して、ドライクリーニング従事者の素質の向上を図ると共にその地位を法的に確保しようとするものであります。
 第四に、クリーニング業に対する行政監督は原則として都道府県知事とし、一部大都市について市長としたのでありますが、これらの監督機関は、法律の規定に従つて、定期の健康診断及び立入検査を行うことができるようにすると共に、法令処分の違反者に対しては、営業停止、閉鎖処分及び免許取消処分等の強制手段を用いることができることにいたしまして、公衆衛生上の監督指導の徹底を期したのであります。
 以上は、この法案の骨子であります。ここに一言申上げたいことは、この法案は、公衆衛生上必要な最小限度の規定を定めたに過ぎないのでありますが、実質的には、これによつてクリーニング業者及びその従事者の素質の向上を図り、その経営の健全化を企図しているのでありまして、併せて国民大衆が安んじてこれを利用することを可能ならしめ、家庭労働の合理化のためにその一翼を担わんとするものであります。
 何とぞよろしく御審議の上可決されんことを希望いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(山下義信君) 続いて公衆浴場法の一部を改正する法律案につきまして提案者の説明を求めます。衆議院議員青柳一郎君。
#6
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今議題となりました「公衆浴場法の一部を改正する法律案」につきまして提案の理由を御説明申上げます。
 御存知の通り、我が国の公衆浴場は、外国に類のない日本固有のものであり、古来から国民の日常生活に必要欠くべからざる多分に公共性を持つた厚生施設であります。従つてその偏在を避け、配置の適正を図ることによつてでき得る限り多数の人に公衆浴場を利用させる便宜を與えると共に、その経営を健全ならしめ、延いては衛生的施設を充実せしめることは公衆衛生上極めて必要なことであります。
 又公衆浴場はその大衆性よりして、入浴料金をでき得る限り低廉にする必要があり、統制経済の行われる以前よりこれに対しては統制が加えられて来たのでありまして、公衆浴場の新設に当つては、その設置の場所に何らの制限を加えず、その乱立に委ねる場合には、この経営は経済的に行詰りまして、浴場の衛生設備等も低下するのは必然でありまして、公衆衛生上誠に憂慮すべき状態に陥ることになりまして、公共の福祉に反することと相成るものと存ずるものであります。
 よつて昭和二十三年七月制定せられた公衆浴場法におきましては、その第二條第二項に「公衆浴場の設置の場所又はその構造設備が、公衆衛生上不適当であると認めるときは」都道府県知事はその営業の許可を與えないことができる旨を規定いたし、この「公衆浴場の設置の場所」という字句の中には、浴場の適正配置を図る趣旨も含むものと解釈いたし、政府当局は都道府県知事に対しまして、公衆浴場の新設許可に当つては、配置の適正を期するように指示いたしておりまして、各都道府県におきましては、この旨を規則又は條例に定めまして、公衆浴場を設置する場合には、季節の浴場から一定の距離をおかなければならない旨を規定いたし、配置の適正を図つて参つたのでございます。然るに昨年来この第二條第二項の條文に「設置の場所が……公衆衛生上不適当であると認めるときは」とありますのは、いわゆる適正配置を含むものなりや否やにつきまして、しばしば問題を生じ、又現行の規定では、都道府県の條例又は規則で、公衆浴場の距離制限を実施して行くには、法律解釈上無理がありますので、今回これを明確ならしめるために、現在の條文の「公衆浴場の設置の場所又はその構造設備が、公衆衛生上不適当と認めるとき」の外に、新たに「その設置の場所が配置の適正を欠くと認めるとき」を加えまして、共に都道府県知事は許可を與えないことができるという旨を規定せんとするものであります。尚この設置の場所の基準につきましては、都道府県は條例を以てこれを定めることといたしておるのでございます。
 何とぞ御審議御可決あられんことを切にお願い申上げます。
#7
○委員長(山下義信君) 都合によりまして両案の質疑は後廻しにいたしまして、この際日程に従いまして、兒童福祉法の一部を改正する法律案の審議を続行いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。この際厚生大臣から兒童福祉行政につきましての政府の一般方針の説明を承わりたいと存じます。
#9
○国務大臣(林讓治君) 兒童は新らしく建設せられる民主的で文化的な国家を担つて立つべき小国民でありまして、兒童が健全に育成するよう十分な保障を與えることは、政府の重要な責務であると考えているのであります。従いまして、政府といたしましては、兒童の福祉を保障するために、各種の諸施策を実施して参つたのでありますが、何分にも兒童福祉行政が軌道に乗つて参りまして以来、まだ日が浅いがために、それらの中には兒童の福祉を保障するに十分と思われない点が多々あるのでありまして、政府といたしましては、兒童福祉行政機構の問題、專門従事職員の問題、兒童福祉施設の増設、整備の問題及び各種の兒童福祉の具体的施策等、兒童福祉行政全般に亘りまして詳細な検討をいたして、よつて兒童福祉の実を挙げるように万全の努力をいたす覚悟であります。どうか皆さんの今後における御協力をお願いをいたしたいと考えるわけであります。尚詳細に亘りましては、別に兒童局長から御説明申上げることといたしたいと考えます。
#10
○委員長(山下義信君) この際只今の大臣の説明に対しまして、御質疑のある方はお願いいたします。
#11
○中平常太郎君 兒童福祉法が制定されまして、只今大臣は、先ず発足したことに対しまして説明がありましたが、今日平衡交付金にこの運営の費用が廻されることに相成りまして、我々は非常な危惧の念を持つておるのでございます。兒童福祉法の一部の改正によりまして、厚生大臣の定むる基準というものが、四十五條にある基準というものが明らかにされて、それが市町村におきまして十分に維持されるということにあるなれば、聊か運用の面におきまして疎通するところがあろうかとは存じますが、私の最も憂うるところは、この兒童福祉行政というものが最近できたのであつて、まだまだ一般に日本国民全体に通念とし、常識として受入れられていない。それで法律はできたけれどもが、この施設がはやすでに全国で足りない。それでそういうようなまだ今漸く揺籃時代というような場合に、平衡交付金にこれが廻されるということに相成りますれば、どうしても市町村の困難な財政から積極性を、兒童福祉行政の積極性を欠く情勢があると思われるのであります。からして、こういう新らしく拵えた法律は、暫く揺籃時代は、主務省が高度の理想を持つておる以上、その理想に従つて、先ず相当な段階に達して、市町村が常識を以て受入れるようになつたならば、平衡交付金に廻されるということで結構だと思いますが、今の場合、平衡交付金に廻されるということは、実に我々は兒童福祉行政が抹殺される虞れがある。福祉法が、十分に我々の理想を織込んだところの福祉法が実施されても効果が極めて薄いであろうと思うのでありますが、それは意見のことでございますからお伺いいたしますが、この兒童福祉法の一部の改正案の中の、こういう法律の改正によりまして、平衡交付金から紐付きにすることができない部分を紐付きにしたことくに十分にくくつて、兒童行政が最低基準を維持し得る費用が、市町村において取れるかどうか、取れなかつたときには、それに対して維持の方法は無論ありますけれども、そういう取れなかつたときのようなことは、滅多に一々訴えられるものでもなし、平衡交付金から差引くということも事実上困難な点があろうと思いますが、常識上、ずつとそのまま法律の改正によりまして、平衡交付金から十分な経費が市町村において取れて行けるかどうかということについて、確信があるや否や、大臣にお伺いいたします。
#12
○国務大臣(林讓治君) 只今中平委員からの御質問御尤もなことと考えまして、私共最もこの点につきましては、十分考慮をいたして参つたわけであります。併しながら今日まで、地方などにおけるところの種々なる問題が起きましたときに、いろいろ寄附行為などによつて、相当お願いしなければならないような実情になつておりまするので、この際は、地方自治の問題なども考慮いたして、今日平衡交付金の方に廻したわけでありますが、今回の福祉法の改正をお願いを申上げまして、更に今後の問題といたしましては、地方財政委員会等と十分連絡をとりまして、委員会の規則の中に十分な費用を盛込んで、そうして地方などにおける負担の均衡などを考慮いたしまして、将来、新たにできました兒童福祉法の問題でありますから、そういうことについては憂いのないように、その委員会などにおいて御連絡をとりましてやつて行きたいと考えております。
#13
○中平常太郎君 関連いたしまして、只今大臣の御説明によりますと、地方財政委員会等におきまして、十分なる裏付をとつて置く、平衡交付金から逃げないように予算はとつて行くというところの確かなる御説明がありましたので、この点は今後の運用に俟つて、果してそう行くか、行かんかという問題は今後の運用に俟たねばならんが、今日の場合といたしましては、それを信用する以外に方法がないから、その点に対しましては、是非とも一つ大臣といたしましては十分なる考慮を拂つて頂くことをお願いするのでありますが、次いでお伺いするのはこの兒童福祉行政が極めて揺籃時代でありまして、ここで設備が少い、それでこの少いままに置いたならば、法律は死んでしまう。この施設を現在の数倍に殖やさねばならん。兒童行政に対する施設というものは、これは厚生省が直接に補助政策を以ておやりになるものであると思うが、厚生大臣はどの程度この新らしい施設に対して積極的に考えておられるか。それに対する補助金はどういうふうに出ておるか。平衡交付金には関係ない筈でありますが、それはどういう考えでどれ程拡張する考えでありますか。兒童行政の完璧を期するために大臣の考えをお願いいたします。
#14
○国務大臣(林讓治君) 只今中平議員のおつしやいましたように、施設費の問題についてでありますが、新たにできましただけ私の就任いたしまして以来、この問題につきましては相当に考慮いたしたつもりでおるのであります。丁度幸いに皆さん方の御支援並びにこの各位の格別の御援助に基きまして、昨年の予算に比較いたしましたならば四倍、五倍に近いところの予算が取れております。従いまして先ず只今のところではこれで一応やつて見まして、明年度の予算の編成などに当りましては、又格段の努力をいたしまして、従来よりは施設などについて十分に予算なども取り得られるように努力をいたして見たいと考えておるわけであります。
#15
○中平常太郎君 予算は四倍、五倍程度お上げになつておられますので、積極的にやられるようにお話がありましたが、物価の値上りから申しましたならば、例えば前年度の四、五倍はこれはもう施設の数からいいましたならば、一つも増加していないと同じであります。私はその点に対しましては、四、五倍では到底施設が足りないと思われるのでありますから、その点は予算が四、五倍になつたからといつて施設が四、五倍になるとは我々は軽く受取つてはいけない。それでどうか私は一つ各府県におきましては設置の県が少いのでありますから厚生省の高度の兒童行政というものから出発するところのその十分に市町村自体にそういう施設のできるような気運並びにそれを奨励というような方面に向つて一段の努力をして頂かなければ財政困難な、市町村は放つておきましたならば施設はできない。殊に民間社会事業というものは県費によります補助が少い。共同募集なんというものは漸く年末に赤字を補填するに過ぎないのであります。而もその赤字さえも補填するに足りない。だから社会事業というものが、一つの県において極めて困難な状態に今日ある。それに今日又社会事業は整備されつつある、民間社会事業は大部分その尾羽打ち枯らしてその整備條項に適わしめんと努力しておるのでありますが、中には遂に消滅するものもあるのでございます。その情勢にある場合に今日まで政府が十分な対策ができない場合に、地方の民間社会事業というものがあつて、そうして政府の政策の欠陥を補つておつたのでありますが、そういうようなものも今後はでき難い非常に経費がかかるのででき難いのでありますから、政府は少くともこの法律を生かすためには施設の完備を図るために一段の努力を頂きたいことを私は希望しておるのでありますが、四倍くらいの予算では到底施設が私は殖えないと思うのでありますが、浮浪兒の託兒所の百軒くらい殖やしたところでこれは殆んど二階からの目薬りくらいなものであろうと思うのでありますが、政府は何か見返資金の方の側か、或いは何か予備金を使うかして、もつと社会施設を増加するようなお考えはありませんか、もう一遍御答弁をお願いいたします。
#16
○国務大臣(林讓治君) 中平委員のおつしやる通り、もとより私共も現在の経済の状態等から考えましたときに、その値上り等に基きまして四、五倍上つたから勿論完全なものとは考えておりません。併しながら現在の財政の実状から申しましたならば、先ずよんどころなくこれくらいの予算が取れたわけでありますから、それによつて一通りのことはやつて行きたいと考えております。尚見返資金等の問題につきましては、よく研究いたして見たいと思います。又予備金等に使用せられるものがあるものといたしましたならば、私共はその目的に向つて邁進をいたしたいと考えます。従つて今日、この兒童福祉に対するところの問題は、内外相呼応いたしまして、そうして自分達もその施設の万全を期するようにこの上とも努力いたしたいと考えますので、どうか議員諸君におかれましても、外部の方から大いに御鞭撻をお願いいたしたいと考えます。
#17
○委員長(山下義信君) 中平委員の最前の質疑の中に兒童施設について拡充の積極的な計画があるかという質問の点があつたと思うのでありますが、その点御答弁をお願いいたします。
#18
○政府委員(高田正己君) 兒童福祉施設の拡充の積極的な計画といたしましては私共施設に收容すべきそれぞれの種別の兒童がどの程度いるかということを調査をいたしまして、それらに対応するに如何なる種類の施設がどのくらい必要であるかということを資料を持つております。ただこれが年次計画等によりまして的確にそこまで到達いたしますることは、今日まではなかなかそういうふうには参つておりませんけれども、一応の目安は持つております。尚本年の五、六月頃大体五月の末ぐらいを予定をいたしておりますが、全国の問題のある兒童の一斉調査をもう一度、もう少し正確なものをやりたいと存じております。この結果によつて更に精密な施設の計画を持ちたい。従来持つておりまする計画を再検討いたして見たい、かようにも考えております。尚養護施設等につきましては、以前に我々が考えました場合には里親の問題等が余り十分にその頭の中に入つておりませんでした。併しながら今後の問題といたしましては、里親の問題等も大いに開拓をいたさなければならんと思いますが、その辺のことも考えまして、従来持つておりまする私共の計画というものを調整して、もう少しまあリファインされたものにいたしたい。かように考えております。
#19
○中平常太郎君 只今の局長のお話では、どうも私は失望しておるのですが、もう少し具体的なことをお伺いいたしたいのでありますが、例えて申せば肢体不自由兒の施設というものはやはり今年から出発いたしますが、これに対してはどこどこのところ、一県から一つずつでなければ、日本全体に何ケ所、或いは又療養施設、或いは乳兒院などに対しては何ケ所というようなことは、相当局長は肚に持つておつてお話にならんじやありませんか。そういうことを委員会でお話にならなければどこでお話になりますか。一つお話下さい。
#20
○政府委員(高田正己君) 今の私共は現在持つております計画につきましては、只今手許に資料を持つておりませんけれども、後程お話を申上げたいと思いますが、私共の案といたしましてはこういう計画を持つておりましても、それを例えば五ケ年計画ならば五ケ年計画、十ケ年計画ならば十ケ年計画というものの案を考えましても、片一方において国の予算の制約を受けることは当然であります。更に地方の負担も伴いますものでありまして、これは天降りに君の県で、或いは君の市町村でこういうものを作れと言いましても、地方の負担もありますので、結局地方の要望というものと私共の考えというものがマッチしなければ、計画といたしまして実現いたしませんので、今日のところでは国の予算の制約を受けることと、それから地方の負担の伴うことから、地方の要望を尊重しなければならない。こういう二つの意味からいたしまして、結局地方から要望されて来られる施設が私共の計画の中に十分取入れられるものであり、而も予算で許される範囲内でこれをやつて行く、こういう実際の形に陥らざるを得ないことを御了承願います。
#21
○中平常太郎君 もう一回。どうも予算に制約されておるということをおつしやるのでありますが、予算というものは計画がありまして、計画に向つて予算を強く要望されなければならん性質のものでありまして、これだけ呉れるか、これだけ呉れればこうしようというのではなく、これだけのことをしなければならんからこれだけのものを呉れという要求が大臣から十分になされるべきものでありまして、計画というものが明らかになつて、その計画に向つて予算の要求をなすべきであると私は思うのであります。その予算の割当を聞いて、その割当の範囲内で仕事をするというのならば、それならば一人の事務員があつたらいい、何も立派な局長や大臣が坐つておる必要はない。あなた方が坐つておられるのは、こういう計画を以てやらねばならん。日本の兒童行政はこれではいけないという最小限度の突張つたところの強い計画性を持つたものから予算の要求権が出発するなれば、それは認め得られる筈なんでありまして、認められなかつたらあなた方が十分な運動が足りない、熱が足りないということの非難さえも受けられることにも相成る。だからしてこれはやはり予算とマッチしなければならんとおつしやるが、それは計画というものが十分に立つて、その計画に向つて予算を強く要望されることになつて頂くべきものであり、そうなさつておるのであろうと私は思うのでありますが、これは大いに局長の言い廻され方が極めて不明瞭であると私は思うのでありますがその点……。それから計画を持つておやりにならなければいけないという点と、それから市町村或いは自治体がマッチしなければならんとおつしやるけれども、これらは財政困難でありますから、十分に厚生省が高い理念の下に勧誘し、どこそこへはどういうふうの肢体不自由者があるからお前の県はやらなければならん、やつてはどうかというふうに始終積極性を以て厚生大臣の方からお勧めにならんというと、市町村というものは財政困難であり、府県もとてもそう我々が考えたように考えて呉れない。立法府が立法をして、そうしてこれを高い理想の下に国民に植付けておるところの法律でありますから、これの実施面におきましては、厚生大臣が本当の腰を入れて貰つて、市町村、府県に向つて十分な勧告を與えて貰いたいのでありますが、それについては完全な資料が要りましよう。資料によりまして必要なところへはどうしても拵えなければならんというような考え方から、府県に向つてお勧め願わないと、府県はなかなかやつては呉れないと思うのでありますから、やはり積極性が厚生省になければならん。初めからその予算にくくられておるというようななまやさしいことではいけないので、予算を作るというところに一つ大臣はやつて頂きたいと思うのでありまして、この点もう一回熱のあるところの御返答をお願いいたします。
#22
○国務大臣(林讓治君) 勿論政府、厚生省におきましても予算を作ります上においては、地方の大体の要望を本として作つております。その上において私共も誠意を以て大蔵省あたりとも折衝いたしましてできておるのが事実であります。ただこれを実施いたします上においていずれの地方に持つて行くかということによつて、その要望の強弱と申しましようか、熱意と申しましようか、それに対しましてはおのずからそこに問題が起きて来ますので、全然無計画で、ただ予算だけを貰つた、それの範囲内においてやるということの問題にあらずして、根本は地方の要望というものを大体は見通しをつけてやつておるつもりでおります。
 尚市町村などにつきましては、何様新らしい問題なのでありますから、今後お説に基きますことはもとよりのこと、市町村に向つてその地方へ凡そ一方に偏するようなことがございませんように、できるだけその点については考えて行きたいと考えております。
 尚ここにも目下の計画の数字のようなものを局長の手許に大体こういうようなことによつてやろうというような一通りのものができておりますから、その辺の御説明を申上げます。
#23
○政府委員(高田正己君) 中平委員のお話、御指摘になりました施設について御参考までに申上げ見まするが、助産施設は約2万二千床、それから乳兒院が約二万五千床、虚弱兒童收容施設約一万八千床、肢体不自由兒收容施設約一万一千床というものを五ケ年計画ぐらいでやりたいという計画を、実は二十三年あたりから持つております。その他の施設につきましても、先程私が申上げましたように、一応の私共の持つておりまする問題、兒童の数と收容力等の比較からさようなものをそれぞれ持つておるわけなのであります。ただこの数字は先程も申上げましたように、本年特別に予算を頂きまして、もう少し詳細な調査をいたしたい。かように考えておりまするので、その結果で又補正をして参りたいとは存じております。尚予算その他の点につきましては、御指摘の通り私も今後大いに努力をいたしたいと思います。
#24
○委員長(山下義信君) その点委員長からお願いして置きますが、そういう兒童施設についての政府のまあ何と言いますか、全体的な計画というような資料を当委員長は貰つたことがないのでありまして、その資料を是非一つ委員会に御提出を願いたいと思います。
 それからもとよりその計画を立てる基礎は言うまでもなく我が国の兒童の現状の実態が把握されて御計画が立てられるものである筈なんで、この日本の兒童の現状把握というつまり実態調査ができておるかということが、先般来の厚生委員会でしばしば問題になつたのでありますが、前局長時代にはそれができておりません。つまり兒童白書というものを発表するところまで行つておりませんという御答弁であつた。そういう根本的な調査ができていなければいけないのじやないかということを言つて、そのまま今日まで来ておりますので、大体の我が国の兒童の実態の御調査ができておりますれば、その御計画の基礎になつておりますこれらの資料を併せて御提出を願いたいと思います。
#25
○井上なつゑ君 兒童福祉法の一部に絡んで申上げたいのでありますが、この改正法律、それからこの要綱を伺いまして、これから三年計画、五年計画で兒童の福祉法をお図りになるように聞いておりますが、問題はそこにあると思うのであります。只今伺つております浮浪兒とか肢体不自由兒、そういつた者の施設は大事でありますが、これから生まれて来るところの健康な子供を大変沢山持つことが必要で、母子衛生には大変妊産婦に対する保健対策が沢山出ておりますのですが、伺いますところによりますと、まだ産院あたりでは遺伝梅毒を持つた子供が産院に見られるということを伺つて非常に悲しいことだと思いますが、一人の遺伝梅毒の子供を産院に見ることがないようになりますように御計画になつておりましようかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、人口問題に関連しまして、この問題の、改正の福祉法がどの程度まで人口問題のことをお考えになつていらつしやるかどうかということを一つ承わりたいのです。それは御承知のように只今日本の人口問題に関連いたしましていろいろ御意見がございますが、とにもかくにも婦人にいろいろ産兒調節の知識とか、そういう方面の知識を教育しなければならんということでありますが、兒童局としてはこの教育にどの程度関與なさいますか。今回の兒童福祉法の改正の中へそのことも多分に取入れられてございますか、どうでございますか、お伺いいたしたいのでございます。
#26
○説明員(田波幸男君) 妊婦の梅毒につきまして御質問がありましたが、妊婦の梅毒につきましては、目下の調査でありますと、妊婦梅毒は約三・四%に上つているという相当の数になつておりますために、妊婦の結核と同様一番重要な点ではなかろうかと考えております。これにつきましては、保健所の性病防止の係、或いは一般の開業医と連絡の上、この治療には非常に力を入れているところであります。統計によりますると、妊娠前期の梅毒よりも、妊娠後期の梅毒の方が数が少くなつておるという事実が見られるのでありますが、これは治療が段々と徹底して行くためではなかろうか、こう考えております。
#27
○政府委員(高田正己君) 只今の御質問は人口問題について、どの程度兒童局が指導をいたしておるかという御質問でございましたが、主として御指摘の点は、調節の問題であろうかと存じますが、この方の関係は、主といたしましては、公衆衛生局の方が主管をいたしておるわけであります。それで御承知のように、保健所に優生相談所というようなものを設けまして、保健所を通じていろいろな御相談に応じたり、指導をいたしておるわけであります。兒童局といたしましても、乳幼兒の問題といたしまして、十分な関連があるわけでございますので、母子衛生局と連絡いたしまして、保健所を通じまして、その線で努力をいたしておるわけであります。
#28
○井上なつゑ君 先の妊婦の梅毒の件でございますが、これは妊娠は速かに届出ろということがございますが、只今のところ妊娠の届出はどのくらいのパーセンテージになつておりますのでしようか。全部が全部、届出て、全部血液検査を受けておるとは考えられないのでございますが、まだ産婆にかからない妊婦もあるということでございますが、どの程度でございましようか。
#29
○説明員(田波幸男君) 届出の具体的な数字は、只今資料がございませんので、申上げにくいのでございますけれども、最近母子手帳がいろいろな面で、非常に重要性を持ちまして、例えば配給とか、何とかという場合に、母子手帳がないと、非常に不都合なことになりますので、この母子手帳を、どうしても貰わなくちやならん。このために届出というものは、相当励行されておると思います。届出と同時に、母子手帳が交付されるという仕組になつておる関係上、母子手帳の交付を請求するための届出というものは、相当励行せられておる、こう考えております。
#30
○委員長(山下義信君) 大臣は地方行政委員会から呼ばれて、そちらの方に出席をしなければならんことになつておりますが、簡單に御質疑ございましたら……。
#31
○井上なつゑ君 ちよつと伺いたいと思います。
#32
○委員長(山下義信君) 大臣に御質疑ですか。
#33
○井上なつゑ君 はあ。只今母子手帳によつて妊婦が可なり届出ていられるという御説明でございますけれども、これは前のこともございましたが、戸籍法によりましても、出産は医師、助産婦、その他の者がこれを届出ることができるということで、実は助産婦の願いで、「その他の者」を取つて貰うということを申出たことがございます。その他の者を取ると、お産のときに、医師又は助産婦にかかる妊婦が迷惑だということで、まだそのままになつておるのでございますが、どうも助産婦にかからないでお産をする人があるくらいでございますから、妊娠中の検診ということに非常に億劫なことだと思うのでございます。殊に血液検査というようなことは非常に億劫なことだと思いますが、国の方で血液検査を無料でおやりになるようなことは前々からもその言葉が出ておるのでございますが、予算を取つて頂くわけには行かないものでございましようか。大臣がおられるときにお伺いいたします。
#34
○国務大臣(林讓治君) よく分りませんので、研究いたしまして何分のことを取計らいたいと思います。
#35
○委員長(山下義信君) 外に御質疑はございませんか。兒童福祉法の一部を改正する法律案に対しまする質疑はこの程度に止めて置きまして、尚後の機会に続行することにいたしまして、先程上程いたしましたクリーニング業法案並びに公衆浴場法の一部を改正する法律案の審議を継続することにいたしたいと存じますが、御異議がございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。御質疑のあります方はお願いいたします。
#37
○中平常太郎君 クリーニングの方でありますが、どちらを初めにされるのですか、一緒にですか、どちらを先にやつたらいいのですか。
#38
○委員長(山下義信君) これは一緒にやることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(山下義信君) それでは一括してやることにいたします。
#40
○中平常太郎君 クリーニングの方ですが、大体いい法律案を御提出になりまして、大体もう賛成でありますが、中でこのクリーニングをやるところの事業場ですが、これは例えば京都のごときは加茂川でどんどん晒しておりますが、その外でも不潔なところ……京都のごときは不潔でありませんけれどもが、それでも随分不潔と言わなければならんところもある。その外いろいろ小さい川でやつておる、随分不衛生なところで仕事をしておりますが、その営業場というものはどういうふうに、そういう場合にはなるのですか。これにはそれがないように思われますが、営業場というものが加茂川のごとき、淀川のごとき、或いは又多摩川のごときも皆やつておりますが、それはどういう工合にこれが制約されておりますか、それをお伺いいたします。
#41
○衆議院議員(大石武一君) 只今の御質問でございますが、川の、例えば加茂川の水その他を使つておりますのは、恐らく洗張りの関係かと思います。これはこの法案では洗張り業はこの法案の適用範囲の外になつております。
#42
○中平常太郎君 別ですか。
#43
○衆議院議員(大石武一君) はあ。と申しますのは、この立法は提案理由で申上げましたように、初めてのこの種の取締でございますので、余り広い範囲に亘らないように、苛酷に亘らないようにという心構えをいたしまして洗張り業だけはこの取締の範囲から除外いたしておりますので、その点御了承願います。
#44
○中平常太郎君 その点はよく分りましたが、「その他の洗たく業」という中に「原型のまま」で洗濯するとありますが、原型のままでない洗濯も洗濯屋にあると思うのですが、原型のまま洗濯するときちんと決めてありますが、どういうわけですか。
#45
○衆議院議員(大石武一君) いろいろ調査いたしたところによりますと、原型のままでないものは洗張り業に属するものでございます。
#46
○中平常太郎君 ああ、洗張り業にですか。
#47
○衆議院議員(大石武一君) はあ。できるだけ今申上げましたように、先ず初めは適用範囲を小さくして、それから段々大きくして行きたいと思いますので、「原型のまま」ということを入れまして、範囲を狭くしたわけでございます。
#48
○委員長(山下義信君) 他に御質疑はございませんですか。ちよつとそれから提案者に伺いたいのですが、これは何と申しますか、共同していろいろ公益的な施設でやつておりまするものですね、必ずしも純営業者でない、そういう者はどういうふうになさいますか。これは営業に限りますか。それから同じ営業者でも病院とか、ああいう大きな工場などに施設してそういうものの中で特殊営業と申しますか、そういうような中でやつておりまするようなもの等も皆本法に包含しますか、そういう点は……
#49
○衆議院議員(大石武一君) それは、只今の庁舎、病院その他に入つております洗濯の方は、この法案の中に含まれると考えております。それから前の方の御質問でございます、例えば営利を目的としない者はこの法律から除外されることになつております。
#50
○委員長(山下義信君) いま一つは第三條ですが、営業者はクリーニング所において左に掲げる措置を講じなくちやならない、つまり設備をよくやつて置かなければならんという條項ですが、どういう設備、つまり営業者がどういう規模を持たなくちやならんとかいつたような一つの基準というふうなものはどういうふうになつておりますですか。あるのですか、ないのですか。
#51
○衆議院議員(大石武一君) お答えいたします。只今のところ設備の基準は考えておりませんのでございます。ただやはりこの公衆衛生の常識の程度からこれを判断して行く。設備の基準はここでは大きなものは要求しておりません。
#52
○委員長(山下義信君) 基準がこの具体的なものがなくて、第三條のように漠然たる規定になつておりますと、第三條に違反した場合には罰則があるのですね。それでそういう罰則をつけますような場合は成るべく措置等も具体的な措置の基準というものがないと、どの範囲までが第三條に従い、どの範囲外は三條に違反したかという限界が漠然となる虞れがありはしないでしようか。
#53
○衆議院議員(大石武一君) お答えいたします。只今の第三條に違反しました者は営業停止の処分を見るだけでございまして、罰則にはならないようでございます。
#54
○中平常太郎君 只今の委員長の質問に関連してですが、罰則はないが、営業停止はこれはもう皆罰則になります。これはやはり罰則であります。罰金、金よりかこれは却つてえらいですよ。大きな罰則だ。この点はやはり明確にする必要があると思う。
 もう一つついでに伺いますが、四條にクリーニング営業の営業者で、従事者十人以上を使用する者は、その従事者のうち一人以上をドライ・クリーニング師の中から選任しなければならないとありますが、十人以上を使用する者の中でクリーニング師を選任しなければいけないという場合、これはそれなればクリーニング師の中から選任しなければならないというのは、これは文章はどうなんですか。おかしな書き方ですよ。
 もう一つは九人、八人の場合にクリーニング師を中に入れんでもよろしいかどうかということをお伺いいたします。
#55
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 最初の十一條の営業停止、閉鎖処分の件に関する第三條の御質問につきましては、これは第三條では設備の点を先程から大石議員から申上げましたように、余り何と申しましようか、極端な取締の場合を避けて、設備の基準というようなものを殊更に避けておるのでございますが、そのクリーニング師の業務用の機械とか、器具、そういうようなものを清潔に保つという衛生面における措置を強調しておるのでございます。そのような設備が如何ようなものでありましようとも、清潔に保つておるならば決して十一條の違反問題にならない、こう考えております。
 それから第二点の第四條の表現がまずいじやないかという点は、これは御尤もだと思いますが、狙いとするところは全く御質問の通りなんでございますから、どうぞ御了承願います。
#56
○中平常太郎君 それから八人、九人の場合にはクリーニング師はなくてもいいか。
#57
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 毎度申上げます通りに、これは営業者は従来全く放任されておりました分野における新たなる法律規定でございますので、大規模なクリーニング営業に対して格付けるというような形で除々に衛生的の取締、或いは指導の方面を進めて参り、徐々にその人数の制限を次第に避けまして、五人に一人のドライ・クリーニング師を必要とするというふうに持つて行こうという多少漸進的な意味を含みまして一応十人ということを目安にしたのでございます。
#58
○委員長(山下義信君) ちよつと私から尚質疑をさせて貰いますが、第四條の従事者十人以上というのは、家族もその取締に入れますか。どの程度の従事者と認めるか、どの程度の仕事をした者は従事者というふうに考えますか。
#59
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 只今の点は次の第五條、営業者につきまして従事者の届出をする義務を課しております。その従事者というのは、営業者に義務を課しておりますその従事者というのは、営業に従事しておる者を従事者と見る。それ故その点は多少或いはゆとりがあるかと思いますけれども、原則としましてはやはりこの従事者に対し健康診断その他から考えて、少くとも洗濯に営業として従事するというものを含む、こう解釈して頂ければよいと思います。
#60
○委員長(山下義信君) 営業者が従事者十人以上使用するというものは第四條の適用を受けるということになるのだつたらば、第四條の適用を受けるも受けんも営業者の自由ですね。二十人仕事をしていても従事者九人の届出にすれば、第四條の適用を受けなくても済むことになるのですね。
#61
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 只今の……、先にお答え申上げました通り、嚴格に申しますれば、営業として業務に従事しておれば従事者となるのでございまして、家族の者がその従事者の程度に達すればこれを従業員と解するものと考えます。
#62
○委員長(山下義信君) 営業者が従事者十人以上のところでは、その従事者のうち一人をドライ・クリーニング師というものを雇わなければならんということになつて、クリーニング師というものは何をするか、雇われてどういうことをこの営業所でするという、クリーニング師というものの仕事と言いますかね、そういうものが明瞭でないようですが、何をする義務があるのですか。
#63
○衆議院法制局参事(福原忠男君) ドライ・クリーニング師と申しますと、石油質浴剤を使つて洗濯いたしまして仕上げをするのをドライ・クリーニング師……
#64
○委員長(山下義信君) ドライ・クリーニング師はクリーニング営業所において何をするべきか、ドライ・クリーニング師でなければこれこれのことはできない、こういうことがつまりはつきりしていないのですがどうですか。
#65
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 只今の御質問は誠に御尤もなんでございますが、実はドライ・クリーニング師というものを当初考えますと、可なりこういう資格を全般的に考えるというようなことも考えられるのでございますが、いろいろとさつき申上げましたように漸進的に考えて法律上何らの取締も受けなかつたという部面に対する新たな措置なんでございますので、漸進的に行こう、第四條のごとく少くとも十人以上の従事者を使用している大規模な営業者についてそのうち従事者の一人は少くとも都道府県知事が認めた試験を受けて、これに合格した者を入れて置く。即ちこれによつて営業自体が漸次的に衛生的な措置その他において改良されるということを願つて、そういうことを庶幾して、かような規定を置いたのでございます。従いまして御質問のように、ドライ・クリーニング師というものはどのようなものであり、どのような責任を負うのかというような点については、この法律の、例えば六條、七條、それから又第四條というようなものから間接に窺い知れるという程度に止まるのでございますが、法律の趣旨とするところは、少くとも漸次的にはそのような都道府県知事の行う試験、即ち衛生法規に関する常識、或いは公衆衛生に関する常識その他の点についての一般程度の知識を持つ者、そういう者は十人以上の中には必ず一人は入つておるという点を確保するという趣旨でございます。
#66
○委員長(山下義信君) この七條の試験ですがね。ここに三項目挙げてありますが、これは何ですか、衛生法規に関する常識、公衆衛生に関する常識、これは分りますがね。これは何か知識の試験らしい。「洗たく物の処理方法」というのは、洗たく処理に関する知識の試験ですか、或いは処理方法を実際にやらしてその手腕を知る手腕の試験ですか。
#67
○衆議院議員(大石武一君) 大体両方を含めております。
#68
○委員長(山下義信君) 他の委員の方の御質疑はございませんか。
#69
○塚本重藏君 このドライ・クリーニング師の免許を受けた者と、受けざる者との仕事の範囲並びにその責任の範囲については、委員長から御質問になりまして、何らのそこに分け隔たりはない。こういうことで了承してよろしいですか。その次にこの法律は大体公衆衛生の立場から、公共の福祉のために作つた法律でありますが、この法律の適用を受けまする業者については、いろいろな取締等はできましたが、これによつて業者に與える恩典と申しますか、そういう点に何かもたらすものがあるでしようか。
#70
○衆議院議員(大石武一君) お答えいたします。実際この法律から見ますと、業者に対する恩典というものは殆んどないのでございます。僅かにドライ・クリーニング師の試験によつて、一部営業権を確保したというだけの状態に止まるのでございますが、実は我々がこの法案を企図いたしましたのは、こういうことを企図したのではございませんで、実はもう少し文化的なことを企図いたしたのであります。と申しますのは、口はばつたいようでありますが、日本の国において、婦人の解放ということはどうしても洗濯というものを家庭よりなくする。洗濯の重荷を婦人からなくするということが重大な問題であると考えたのであります。そうするためには、婦人を洗濯から解放するためには、どうしても洗濯というものが非常に低廉な、便宜のいいものでなければならないと考えたのであります。そうするには、洗濯業者の素質が非常に向上いたしまして、大きな協同組合を組織いたして、それで初めてできるものと考えたのであります。この点を希望いたしまして、先ず素質の向上、勿論公衆衛生の取締もございますが素質の向上ということから、更に進んで大規模な洗濯の、一般市民に対する洗濯の解放というところまで持つて行きたいと思つております。何せこの法律は、洗濯業者に対する取締というものは今まで全然ございませんので、これが初めての取締法案でございますので、余りに急激にいたしましてはこれに対処することができないと考えましたので、その一段階といたしまして、一応取締の法案を作りまして、これによつて公衆衛生の見地から指導取締を行い、更にこれによつてレベルを向上いたさせまして、逐次に我々の考えておりますようなところに持つて行きたい。こう考えまして、この法案を一応作つたのでございます。
#71
○塚本重藏君 更に第七條の試験の科目の問題ですが、ここに三つ掲げてありますのは、勿論必要でありますが、もう一つ、折角こういう免許制度をとります場合においては、この中に取扱いまする品物、即ち繊維製品の品質であるとか、或いはそれが洗濯によります、薬品等の化学的影響等によつて、全く貴重な品物を台なしにしてしまうような失敗を招くこと等もあり、顧客に対します非常な損害を與える場合も大いにあり得るのでありますが、この試験制度の中に、そういうものも一科目入れる必要があるとはお考えになりませんか。
#72
○衆議院議員(大石武一君) 御尤もでございますが、その趣旨は、第三の洗たく物の処理方法ということに含ましているつもりでございます。
#73
○井上なつゑ君 ちよつとお尋ねいたしますが、只今の御説明で、婦人の労力を省くために、このクリーニング法を制定することは、誠に結構なことでありますが、この法律を制定いたしまして、安く洗濯して頂くことは、これは非常に結構でありますが、只今の日本の現状では、なかなか我々は洋服一つ洗濯に出すのも、なかなかそう安く出せません。そうして殊にどこか小さい、二階借りでもアパートに住居のところは洗濯しにくいことは、皆さん御承知の通りでありますが、公衆洗濯所のような設備をなさるようなことを、この法律を出すときにお考えはございませんでしたか。それを一つ承わりたい。
#74
○衆議院議員(大石武一君) 実は井上委員のお考えのことを考えておつたのであります。業者の專門語でダンプ・ウォッシ、例えば下着類をアイロンをかけなくても、乾くとぴんと伸びるという、そういう非常に低廉でいい物がありますが、これをやるのには、やはり協同組合が相当大きく強化されないとむずかしいのであります。その点を実は狙つておるのであります。そこまでに至る第一歩として、これを作つたのであります。
#75
○井上なつゑ君 もう一つお伺いいたしますが、この法律案によりますと、いろいろの病院とか、旅館とか、ホテルに併設いたしました大々的な洗濯場を持つておると思います。それらの公衆設備として持つている洗濯場は、どういうように取扱うか。衛生上に何かそういつたものの取締をなさる必要がございませんでしようか。
#76
○衆議院議員(大石武一君) それは営業ではございませんので、取締らないつもりであります。
#77
○藤森眞治君 もう大体質疑も凡そ出盡したようですから、質疑打切りの動議を提出いたします。
#78
○中平常太郎君 簡單ですから、第十二條ですが、免許取消のところでありますが、これは「ドライ・クリーニング業に関し犯罪を犯して」ということがあります、罰金以上の刑とありますが、それじや他の犯罪であつたならば、あつても構わんかということになるが、この点は、クリーニング業の犯罪でなければ免許を取消さないというと、詐欺でも殺人でも、何でも、やはり免許があるということになるが、そう解していいか。或いはもう一つは、私企業ですから、犯罪を犯すということはあるまいと思います。犯罪を犯すというのは、普通罪を犯すということになつておりますが、犯罪でもいいが、犯罪を犯すということは普通言いますけれども、これはちよつとおかしい、外の罪なら構わんが、取消されるということはないが、公衆衛生を扱うべきその業務の責任者が、他の犯罪の場合に、やはり取消される性質のものでなかろうかと思うんですが……
#79
○衆議院法制局参事(福原忠男君) 御質問の点は、考え方としては、一応十分考えられるのでありますが、何分にも今までこういう洗濯業者に対して、そういう資格その他についての制限規定がないものですから、可なり漸次的に素質の向上を図るということについては、勿論私からお答え申上げる筋は絶対にないのでありますが、本法といたしましては、一応少くともクリーニング業に関して犯罪を犯せば、最小限度営業許可の免許を取消そうじやないかという意味であります。
#80
○小杉イ子君 第一條にこれは公衆衛生目的のことを書いてございますが、これはドライ・クリーニングは揮発油で洗いますけれども、その他の洗濯ということになりますと、敷布のような、例えば肺結核もございますが、外の伝染病の汚れた敷布等を持つて来た場合には、普通の湯で洗いますから黴菌は死ぬと思いますが、又外のものはアイロンをかけましたならば必ずそういう黴菌が、伝染病菌が死ぬが、どこの隅に黴菌がいるやら分らない。又私は気にする方でございますから、そういうことを考えますが、又若しそういう伝染病者の品物と、いいものと混ぜた場合、それからそれを持つている事業者が結核、又は法定伝染、皮膚病菌を持つている場合は、これをどういうふうにして監督、指導なさいますか。
#81
○衆議院議員(大石武一君) 只今の御質問でございますが、尤もと存じますが、そういう今までのものに関しては何ら取締がございませんので、そういう点を実は予防しようとして、この法案を作つたのが一つの趣旨でございますが、只今のお話にございましたことは、大体第三條にございまして、例えば第三條の第二項の第三号は、「洗たく物をその用途に応じ区分して処理すること」或いは第二号の「洗たく物を洗たく又は仕上を終つたものと終らないものに区分しておくこと」といたしまして、これを防ごうと企図しておる次第でございます。
#82
○○委員長(山下義信君) ちよつと私からもう一つ政府の方へ、公衆衛生局長へ伺いたいのですが、これはあなたの方の方針は、こういうクリーニングのようなものは、成るべく大衆化して広く……、こういう事柄が行われるように、成るべくそういう方針を持つということが伝染病等の一部改正法律案の参考資料の中に、公衆衛生当局の方針として、行政方針として掲げておるようでありますが、こういうふうにするとクリーニング師を置かなければならんということがいろいろ制約されますと、一つの仕事、こういう仕事が極限をせられて来まして、簡單にもうクリーニング業法というものはそこらが狙いかも知れませんが、直ぐ開業できることになつて、そういう業者が多数殖えるということを阻害することになつて、折角公衆衛生の見地からクリーニングのこういうことを、成るべく盛んにやらせたいという政府の方針に齟齬を来しませんか。その点どうです。
#83
○政府委員(三木行治君) ドライ・クリーニング師という資格を設けますというようなことは、結局いわゆる営業の自由という点から申しますならば、若干障害になるということは事実だと思うのです。ただ私共といたしましても疾病予防というような見地から申しますならば、一種の專門的な常識を持つて貰うということが非常に好ましいことでございますが、この点につきましては、多少の制約を受けましようとも、疾病予防というか、公共の福祉のためにかような制限は止むを得ないのではないか、かように考えております。
#84
○藤森眞治君 大体質疑も盡きたと思いますが、これで質問を打ち切つて討論に入られんことの動議を提出いたします。
#85
○委員長(山下義信君) 藤森委員の御発言がございましたが、御質疑のある方があるようですからちよつとお待ちを願います。
#86
○塚本重藏君 これはそう必要ではないかと思うのですが、第四條の條項は二ケ年猶予するとありまして、二十七年六月三十日までは適用しないということになつておりまして、質問するのは変かと思いますが、実は身体障害者などが一つの団体を作りまして、そこで一つのクリーニング工場を持ちたいといつたような計画を進めておるものがあるわけでありますが、それまではそういう十人以上を超えるような組織を持つて出願したような場合でも、これを許可する場合において手心を加えて抑制するというようなことはありはしないか。二十七年の六月末日まではそういうことは何ら制限しないで許可するかどうかということについても、当局の方の意見を聞いて置きたい。
#87
○政府委員(三木行治君) 只今塚本委員の御質問でありますが、本法によりますればこれは許可営業ではございませんので、その点は一向差支ないと思います。
#88
○委員長(山下義信君) 外に御質疑はございませんですか。……御質疑がございませねば、藤森議員の質疑打切りの動議が出ておりますが、御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(山下義信君) 異議ないものと認めまして、質疑を打切りました。つきましては「クリーニング業法案」の討論に入りたいと思います。
#90
○井上なつゑ君 只今御提案になつておりますクリーニング業法の法案は誠に結構だと存じますが、若しこの次に機会がございましたら、私は先程から申上げております公衆洗濯場の設置につきましても御考慮を願いたいと存じますので、このことの希望を附けまして本案に賛成いたしたいと存じます。
#91
○塚本重藏君 本員も本案につきましては賛成いたしたいと思います。実はこの法案ができます前にも、私一つの案を作りまして、又業者の諸君とも相談をいたしまして、いろいろそれに修正を加えたりなどいたしました。そういう結果が大体こういうクリーニング業法となつて現れて参りました経過などもよく承知いたしておるわけでございますが、そういう意味からおきまして、大体この法案の必要性も以前から承知いたしておつたわけでありまして、ここにこれが生れることは非常に喜びとして賛成するものであります。
#92
○小杉イ子君 料理法に衛生士監督が附いておりますように、この洗濯物に対しても、伝染病菌などを含めたものを一緒にしないように、ときどきこれを監査、監視する方法を採られんことを希望いたしまして、私は賛成いたします。
#93
○中平常太郎君 私も大体賛成であります。この法案の骨子は第三條にあるのであります。洗濯物を仕上げたものと仕上げないのとを区別して置くという点など、この三つの條項がこの法案の骨子であり、それの違反に対して処罰厚意があるとなつておりますので、大体の形態は成立つておると思うのでございますが、ただ今日失業者が多い中で、誠にさまざまな業者が悩んでおる場合でありますから、できる限りそういう業をする者に拘束のないように、弱い営業者の仕事が余り法律によつて拘束されて行くことのないように、一つ運用の面におきまして十分政府において考えられんことを希望いたしまして、本案に賛成するものであります。
#94
○委員長(山下義信君) 他に御発言ございませんか。……別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。「クリーニング業法案」につきまして採決いたします。原案の通り可決することに賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#96
○委員長(山下義信君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
#97
○委員長(山下義信君) 次は浴場法案を議題にいたします。浴場法案につきまして御質疑はございませんか。
#98
○井上なつゑ君 ちよつとお伺いしますが、二條二項でございますが、公衆浴場の設置の場所、構造が不適当であると認めるときはこれを改善するというお話でございますが、東京はまだしもでございますけれども、大阪あたりでございますと、上り湯がございませんが、これは、この問題はどうお考えになつておりますか、現場の浴場全部改善させて頂くのでございましようか、お伺いいたします。
#99
○衆議院議員(青柳一郎君) お答え申上げます。只今のお質問の点は、この改正点の第二條の以外に、そのような規定がございまして、上り湯を置かすことになつております。
#100
○井上なつゑ君 もう一つ伺いますが、私共たびたび申上げると恥ずかしいのでございますが、会館におきましてもよく見るのでございますが、公衆浴場法によりますと、浴槽の中に、日本の浴槽は特別の浴槽でございますから、浴槽の中に手拭をつけたらいかんということになつておりますが、これは往々にして手拭をつけるのを見るのでございますが、何とかもつと皆の国民に周知さして、浴槽の中に手拭を入れないことをお知らせ願う方法はないのでございましようか。あれが出てから徹底しておる筈でございますが、私は現在毎日々々見ておりますので、一つ政府の御意見を伺いたいと思います。
#101
○政府委員(三木行治君) 浴槽の中にタオルを入れるものが今日もまだ私共見ておりますですが、これは公衆浴場法によりまして、各府県條例を作つております。條例の基準になるものは、私共から各地方に示してあるのでございますが、各府県によりまして、これに強制力を持たしているものも、或いは指導で行くようにしているところもございますので、多少の相違はございますけれども、いずれにいたしましても、さような措置は講じているわけでございまして、公衆衛生監視員等を通じて、これが趣旨の徹底を図るようにいたし、尚今後不十分の点がございますならば、更にこれらに対して注意をいたしたいと考えます。
#102
○委員長(山下義信君) 質疑を打切りまして、討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めまして、これより討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにして御討論を願います。
#104
○草葉隆圓君 直ちに採決に入られんことの動議を提出いたします。
#105
○委員長(山下義信君) 只今の草葉委員の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(山下義信君) 異議ないものと認めまして、討論を省略いたしまして採決に入ります。
 公衆浴場法の一部を改正する法律案につきまして採決をいたします。原案の通りに賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#107
○委員長(山下義信君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 クリーニング業法案並びに公衆浴場法の一部を改正する法律案につきまして採決を願いましたが、尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長におきまして、本案の内容、本委員会におきます質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    中平常太郎  藤森 眞治
    井上なつゑ  塚本 重藏
    小林 勝馬  草葉 隆圓
    小杉 イ子  谷口弥三郎
#109
○委員長(山下義信君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れないと認めます。
 それでは午前はこの程度で審議を終わりまして、午後続行いたします。
   午前十一時四十五分休憩
  ―――――――――――――
   午後一時八分開会
#110
○委員長(山下義信君) 午前に引続まして開会いたします。
 この際閉会中の継続審査につきましてお諮りしたいことがございます。社会保障制度に関する調査、医療と医薬に関する調査、国立公園の振興整備に関する調査、右はいずれも調査進行中でございますが、今期国会開会中には調査が完了いたしませんので、未了報告書を提出したいと思いますが如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。報告書の作成その他については如何いたしましよう。
#112
○谷口弥三郎君 委員長に一任したいと思います。
#113
○委員長(山下義信君) 本案の作成その他を委員長に一任という動議が提出されましたが、谷口委員の動議に御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條によつて、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますので、御異議ない方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    中平常太郎  藤森 眞治
    井上なつゑ  塚本 重藏
    小林 勝馬  草葉 隆圓
    小杉 イ子  谷口弥三郎
#115
○委員長(山下義信君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
 ちよつと訂正いたしますが、先程私が閉会中の継続調査に関してと申しましたが、もとより閉会中の継続調査に関係があるわけでございますが、一応今国会の調査未了の報告でございますので、御了承を願います。
  ―――――――――――――
#116
○委員長(山下義信君) 続いてお諮りいたしたいことがございます。
 兒童福祉法の一部改正に伴う実施状況視察を兼ねて、五月十七日から五月十九日まで三日間神戸市において開催の全国兒童福祉大会出席のため兵庫県下、及び結核施設の実状を調査して結核予防対策確立に資するため大阪、京都、兵庫各府県下へ議員派遣を行いたいと思いますが、人選、日数其他については委員長に一任願いたいと存じますが、右派遣並びに必要な手続等につきましてお委せ願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたしました。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#118
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……
 兒童福祉法の一部を改正する法律案の審議を続行いたします。
 私から一、二の点をお尋ねしたいと思いますが、里親の最低基準というものを今度法律の上に初めて書かれたのでありますが、それにはどんなものを大体予定されておりますか。
#119
○説明員(内藤誠夫君) 里親の最低基準につきましては、従来は通牒でこれを規定しておつたのでございます。その通牒の中におきましては、例えば里親となるのにはどういうふうな要件を備えておる必要があるか、これにつきましては、例えばその子供の労働力の搾取を目的としないこととか、或いは又その家庭が相当に風儀的にもよろしい家庭であることを必要とするとか、こういうふうなことが規定されてあるわけであります。
 それから第二番目には里親として預りました以上は、どういうふうに子供を養育すべきであるか、それは自分の家の子女と同じような取扱をいたさなければならない。それから保健衛生に関する注意、学校教育に関する注意、こういうふうなことが規定してあるわけであります。勿論余りに細かいことにつきまして最低基準を書いて縛るということは、里親の本質にも鑑みましてこれは余程検討しなければならない問題であろうと思いますが、今申上げましたような非常に基本的な、誰が考えましても尤もであり、必要であると考えられるような條項を最低基準として規定して参る、かように考えております。
#120
○委員長(山下義信君) その基準で地方が支出します費用の上に特に注意を、是非その費用を確保しなければなりません点の樹点はどういうことでしようか。
#121
○説明員(内藤誠夫君) それは一番必要なものは食糧であると思いまして、それはカロリー或いは食物の質、こういうふうなものについての規定を設けたいと思つております。それから又衣料等につきましても、必要な規定を設けたい、かように考えております。
#122
○委員長(山下義信君) いま一つは、第五十三條の二が新たに追加されたわけでありますが、調査した結果適当でないというような場合には、どういうふうな指示をなさる考えでありますか。
#123
○政府委員(高田正己君) 調査の結果が適当でない場合においては、府県或いは市町村、その費用の負担者に対して適当な支弁をさせるように勧告をするように規定しております。
#124
○委員長(山下義信君) その勧告は厚生大臣が直接に該当の県又は市町村に直ぐにするのですか、どういうふうな方法でやるのでしようか。
#125
○政府委員(高田正己君) それは事案によつていろいろ実際の場合に異つて来るかと思いまするけれども、正式の、例えば一つの市町村の場合を挙げて見ますれば、厚生大臣が先ず監督者である知事の反省を促がして、知事の方から事前にまあ何指導と申しますか、指導をいたして、更に従わないような場合には特に知事から出すか、厚生大臣から出すか、正式なものを出すか、いろいろ実際の場合によつて、事案によつて区別されなければならないのではないか、実際の運用はさように相成るものと想像いたしております。
#126
○委員長(山下義信君) 四十五條の最低基準を維持するために要する費用、こういうことになつておるのですが、最低基準を維持するためにということになりますと、いろいろに解釈ができることになるのですけれども、その最低基準を維持するために要する費用、こういうものの具体的なものはあなたの方で何かで決める考えですか。ただ最低基準という費用関係を、判定の基準だけを示して置いて、これを守るのですが、その基準を守るためにはこれだけの費用が要る筈であるということの何かを示して置くというお考えがあるのですか。その点はどういうふうにされるのですか。
#127
○政府委員(高田正己君) 先ず最低基準の内容を詳細に、今よりもう少し詳細に決めまして、おのずから金額の算定も容易になるような決め方をいたしたいと、これが先ず第一に考えられるのであります。更にもう一歩進めまして、金額で表示するかどうか、その点も或いは最低基準そのものの中に、即ち省令の中にそれを表示いたすかどうか、或いは通牒等で大体のことを示すかどうか、その辺のところは目下研究をいたしておるわけであります。できれば省令の中に費用の金額を示したいと思つておりまするけれども、これも却つてそれを示すことが或いは不適当な場合も考えられるのじやないかというふうなことも、まあそういう意見もないでもありませんが、もう少し将来の研究によつて考えて行く。かような今日の段階であります。
#128
○委員長(山下義信君) 最低基準令の施行に対してまあ特例が出ているわけなんですが、この最低基準というものの実施といいますか、それをまあ省令で行くということと、それを守らせて、その費用の支出を確保するということとの実施面における関係はどういうふうにうまく調節して行くお考えでございましようか。
#129
○政府委員(高田正己君) 昨年の暮に特例の猶予の省令を出しているのでありまして、これは実は平衡交付金の問題とは別個に事が起りましたので、御承知のように最低基準の中で猶予をして、実施を猶予してありましたものの期限が大部分は昨年一杯で切れちまう。ところが現状におきましては最低基準に達しない施設がまだ相当にある。法令をそのままにいたして置きますると、本年の一月一日から何と申しますか、違法な状態になります。かような関係になることに相成つておつたのであります。勿論最低基準を示しまして、その猶予期限を昨年一杯ということにいたしました以上は、その猶予期限の中で最低基準に達するようにいろいろと関係者も努力し、又政府並びに地方団体としましてもその努力をいたさなければならないことは当然でございますが、基準に達しないということにつきましては設備その他の問題もありまするので、その財源その他のことも十分に関連をいたして参りますので、直ちに最低基準に達していないからして非常に怪しからんと、まあそれを違法な状態に置くということは必ずしも妥当でないような場合もあつたのであります。それで昨年末あのような措置をとつたわけであります。尚私共の気持といたしましては、現在の平衡交付金に関連なく考えましても、現在の最低基準そのものについてもう少し嚴に失するところは下げて、もう少し又引上げなければならんところがあれば上げるというふうな、もう一度再検討をいたしたいという気持もその間にあるのであります。さような意味合で昨年の措置をとつたのでありまして、今回のこの平衡交付金とは実は直接の関係はなかつたのであります。今後といたしましてはこの前申しました最低基準そのものについての検討と、更にこの費用を、それを維持するに足る費用を十分に確保して行くという点と、この両者を十分に参酌いたしまして最低基準の改正をいたしたいと、かように考えております。
#130
○委員長(山下義信君) 最低基準を実行させるということは、維持させることにつきましては厚生省の責任ではないかと思います。それで地方の方へ、最低基準を維持するに足る必要な費用を支出させることを要望し、義務付けるということならば、維持する方は地方の方の責任であるのですが、最低基準が行われていないのに、最低基準を実施する費用は出しようがないわけですから、最低基準を維持するに必要な費用を是非地方をして、その支出を確保せしめようとするならば、最低基準の行われていない点を厚生省としては行われるように、そういう施設をその趣旨に合致せしむるように、一面に奨励し、一面は都道府県を督励し、その面において攻めて行くのでなければ、ただ出せ出せという口だけでは少し私は地方をして本法の改正の趣旨に従わせるという上において、それだけでは足りないのではないか。尚厚生省がこの最低基準に合致せしめるということだけでも、厚生省だけでもいけますまいが、一方的に厚生省だけでも従わせる。従つて今回の改正によりまして望むがごとき措置を地方がとらなかつた場合においては、その勧告をするということにおきましても、できるだけ施設の最低基準に達していない点を指摘して、そういう方面からも攻めて行くというふうに二道かけて、一つは自分の方に責任も出て来ましようけれども、施設をして最低基準に達せしめるよう、従つて最低基準に達せない施設に対しましては、睨みをきかせるようにし、施設の方からも攻め、施設そのものの不完全さも攻めるというふうにしてこれを督励して行くのでなければ、完全でないように思いますが、その点が如何でしよう。
#131
○政府委員(高田正己君) 御指摘の点は全くさようでございまして、先程の御質問の御趣旨を、こちらがよく全部を了解しておらなかつたために言葉が足りませんでして、只今仰せになりましたように、施設そのものからも、費用そのものからも、まあ何と申しますか、指導と申しますか、督励と申しますか、かようなことが必要と存ずるわけなのであります。尚この施設そのものが達しなかつた場合には、実は兒童福祉法の中に相当強力な、又監督規定と申しますか、広い意味の罰則のような規定を書いております。まあさようなものを振り廻すわけではありませんけれども、その両面から行きたいとかように考えます。
#132
○委員長(山下義信君) それからこれは後で、五十三條の二によつて攻める。そのようなことも当然でありますが、その事前に基準財政需要額等を決定いたしますような場合において、何か特別にあなたの方がそういう点について一応下見するとかその内容等について、地方財政委員会等と密接な関連を持つというような関係を持つといつたような方法が採られるのですか、その辺はどういうふうですか。
#133
○政府委員(高田正己君) 地方財政委員会との関連はこれは密接にとつて参りたいと思います。尚地方の地方団体の方に対しましては、一応明年度のこの單価と申しますか、予算單価と申しますか、一応査定を受けておりますので、それらのものも参考のために進めて頂く、かように考えております。
#134
○委員長(山下義信君) 他の委員から質疑があるかも知れませんが、一体全体的に見渡して、この最低基準の維持に足る費用を出すばかりでなく、それ以上に兒童福祉関係について熱を入れて、それ以上の或いは費用を使う地方があるといえるわけでありますから、そういう一つ心配のない都道府県、或いはそういうことが非常に憂慮されるような都道府県、全体を見渡しまして、当局はどういうふうに見ておられますか。全般的に多少心配されるようにお考えになりますか。その辺はどうでしよう。大まかでよろしうございますから……
#135
○政府委員(高田正己君) 全般的に申しまして、全部が全部非常に心配であるということはないように私は考えるのであります。やつぱり府県によりまして、それぞれ何と申しまするか、兒童福祉のことを十分に考える府県と、余り熱心でない府県というのはこれはどうしても出て参ります。全般的には左程心配することはないのであります。かように考えております。尚この平衡交付金の制度に費用が移りまするならば、いろいろとまあ努力をいたす点は残つておるにいたしましても、究極するところそれぞれの地方公共団体、或いは地方住民の方々の問題に対する熱意と申しますか、理解と申しますか、さようなものが根本的に決定の要素になりますので、その何と申しますか、兒童福祉思想の普及と申しますか、滲透と申しますか、さようなことについては従来より一層私共といたしましては力を入れてやつて参らねばならんと、かように考えております。
#136
○委員長(山下義信君) 議題外でございますが、この際速記の都合もありますので、厚生省におきまして、旧海軍共済組合年金支給受給者の点に触れております社団法人共済組合協会の管理をいたしておるという関係上、その善後措置につきまして、かねて年金支給等に関しまする問題について保險局長等が御心配せられておりますが、会期末でもございますので、その間の今日までの経過等をお聞きいたしまして、速記に留めて置きたいと存じますが、説明を簡単に聞きたいと思います。
#137
○政府委員(安田巖君) それでは御承知と思いますが、海軍共済組合が終戰によりましてなくなりまして、今委員長の申されましたように、海軍共済協会として事務を引継いでおるわけであります。その際に厚生省で諸般の事情がございましてお世話申上げた方がよいと思いまして、厚生省の監督の一つの方針といたしまして、実は私が会長になつておる。でその後いろいろ年金の給付事務等をいたして参りましたが、根本はやはり年金額が非常に低いということでございまして、恩給にいたしましても、それから共済組合の年金にいたしましても、ベースの改訂ごとに引上げられております。先般三千七百円ベースが今回又この国会で六千七百円ベースに引上げられるように聞いておるのであります。私共も共済協会といたしましては唯一の仕事はこの年金の引上げにあるわけでありまして、及ばずながらお世話申上げて参りました。大蔵当局に対しましてもいろいろと話をしておつたのでありますが、今度の国会におきまして先般衆議院の大蔵委員会におきまして委員の方の御質問に対しまして、大蔵大臣の答弁で、この問題については前からいろいろ問題になつておつて、殊に海軍共済組合については何とかいたしたいと思つたけれども、実現に至らず二十五年度の予算に組入れることができなかつたことは遺憾であるが御質問の趣旨については同感であるから実現するように努力したい、言葉は違うと思いますが、そういう趣旨の御答があつておる次第であります。尚明年度の予算に組入れるかという御質問に対しまして、主計局長として何とか措置するつもりでおるけれども、二十六年度予算に計上することをここで明言するわけにいかん。併しそういつたような含みで是非考慮したいというような趣旨の答弁があつたと思います。私その場所におりませんで、まだ速記ができ上つておりませんから多少字句が違うと思いますけれども、大体そういう趣旨のことを御答弁になつたと思います。私共非常に喜んでおるのであります。私共といたしましては、勿論来年からでも直ぐに予算に計上されるように骨を折りたいと思うのであります。大蔵当局、或いは国会の方でもそのことが実現されるように処置して頂くならば非常に仕合せだと思います。
#138
○委員長(山下義信君) 大変御盡力がありまして、どうぞ今度ともよろしくお願いいたします。
#139
○中平常太郎君 平衡交付金が市町村において必要な経費をそれだけ計上して配付することができるならば、このような兒童福祉行政につきましても要望の費用が取れることはもとよりでありますが、現在の国の財政上平衡交付金なり、或いはすでに減額されておる、予定程地方に流すことができない、それでどの仕事にも割引ができて行くのでありますが、この最低基準というものが割引ができない最低基準であるので、それを計算して必要な経費を平衡交付金というものが国の財政で減少し、何パーセントかはいつも希望が充たされないような状態で交付金が出る場合においては、兒童福祉行政につきましてもその影響が何パーセントか来やしないか。外の方面にはその平衡交付金の減額の影響が来ても、兒童福祉行政には影響が来ないということができるものかどうか。この点について御質問申上げます。
#140
○政府委員(高田正己君) なかなかむずかしい御質問でございますが、本年度の平衡交付金の額が十分であるかどうかということにつきましては、私共その衝に当つておりませんので正確な知識を持合わせておりません。ただそれが足りなかつた場合に、一体影響を受けるかどうか、こういう点でございますが、嚴格に而も率直に申上げますれば、その保証と申しまするものは的確なものはないというふうに申上げなければならんと思います。それが平衡交付金の制度であるということではないかと存じます。併しながら今回御審議を頂いておりますように、先ず第一には兒童福祉法を改正をして頂きまして、一応最低基準費用というものの支弁の義務を公共団体に課して、そうして厚生大臣なり都道府県知事なりがそれぞれ費用の面の監督の規定も入れて頂くということでありますれば、一応法律的な筋は通るということになるわけでございます。
 更に第二点といたしましては、單位費用という言葉で平衡交付金法は言い表しておりますが、兒童福祉に例を取つて見まするならば、一人に一体幾らの費用を一日かけるかという費用の單価の問題でありますが、それらは財政委員会の規則で以て決められるということに……将来は法律で決めることになるのでございますが、取敢えずとしては財政委員会の規則で決めるということになつております。その財政委員会の規則の中に我々の要望するような單位費用というものを盛り込んで貰うことを努力をいたしたい。他の行政に要する費用で予算に見込まれておるより以上に膨れ上つて支出が義務付けられるというふうな、一時教育の費用なんかについてさような気配もあつたのでございますけれども、そのことも今日では実現するかどうかも疑問でありますが、さようなことが行われないといたしまするならば、余り大きな圧迫は受けないのではないか、従つて單位費用に我々の要望する程度のものを盛り込んで行くことも十分な可能性があるのではないか、今かように私は予想をいたしておるわけであります。
 それから最後に先程も委員長の御質問に対して申上げましたけれども、これら兒童福祉法の改正をいたしましたり、或いは財政委員会の中に十分なだけの單位費用を盛り込んで頂くことを要望いたすというふうなことと別に、より根本的な問題といたしましては、結局兒童福祉に対する何と申しますか、思想の普及と申しますか、それが根本的な問題に相成ると思いますので、その方に私共といたしましては従来より以上に努力を傾けて行かなければならん。若し地方のこれに対する理解というものが非常に盛んになつて高揚して参りまするならば、或いは考えようによつては中央で細かく予算の査定を受けるよりは、ところによりましては地方でむしろそれ以上の費用が計上されるというふうなこともこれは必ずしもあり得ないことではないじやないか、ただそれを全般的に望みまするということは非常に無理かと思いまするけれども、さようなことも或いは将来にはなきにしもあらずじやないか、かようなことも希望的には考えて見ないでもないのであります。本年度の一ケ年間の実施の実績というふうなものを十分検討いたしまして、私共来年度以降のこの問題の取扱につきましては、十分な検討を加えたいと、かように考えておる次第であります。
#141
○谷口弥三郎君 ここで一つお伺いして置きたいと思いますが、これは第一回の兒童福祉法が出ましたときに、私共も虚弱兒童とか、肢体不自由者の兒童とかいうふうな方面の審査をしたこともございますけれども、今回幸いにこれが分れて出ましたので、この際一つ折角ですから質問して置きたい。
 先ず第一番に四十八條のところですが、「虚弱兒施設」と言いますのは、その内容はどういうふうになつておりますでございましようか、それについて御説明を願いたいと思います。
#142
○説明員(内藤誠夫君) 虚弱兒施設は今甚だ数が少いのでありますが、その内容は重荷ツベルクリン反応陽転後間もない兒童、それから筋骨薄弱なる兒童、それから微熱のある兒童というような、数項目の虚弱兒に対しまする定義を決めまして、それを收容しておる次第であります。養護施設にもそういう小供が相当入つておるのでありまして、この養護施設から成るべく虚弱兒施設の方へそのような弱い小供を廻して貰い、そこで以て医師の治療なり訓練をいたして、又養護施設へ帰すというような方針を採つております。
#143
○谷口弥三郎君 ツベルクリンの反応というようなことをいたしまして、先ず新たに陽転したというようなものを入れて暫くやつて置いて、又養護施設にお帰しになるという場合には、その検査の成績がどういうふうになつてから帰すのですか。
#144
○説明員(内藤誠夫君) 陽転後約半年乃至一年間経過を見まして、そうして発病しなかつた場合には帰しております。
#145
○谷口弥三郎君 この微熱のある兒童と申しますのは、これはどのくらいの間微熱がなくなつたらというようなことをお考えになつておりますか、如何でしようか。
#146
○説明員(内藤誠夫君) それはどのくらいというはつきりした基準を今持つておりませんので、各施設によつてまちまちになつておるだろうと思いますが、全般的な状況等を考え合せまして、大体大丈夫だというような見極めがつき次第帰しております。
#147
○谷口弥三郎君 肢体不自由兒施設の内容も一つ御説明を願いたいと思います。
#148
○説明員(内藤誠夫君) 肢体不自由兒施設は、元来、治療、教育、職業補導のこの三つの面が揃わなければ一人前の施設とは申されないというようなことになつておりますのですが、現状におきましては大体三番目の職業補導をやるに足るべき施設を持つておるもきは、まあないと思つてよろしいために、主に治療と教育、この二つに重点を置いてやつておる。御承知の通り主に関節欠陥、それから小兒麻痺というような患者が多いために、治療もそちらの方面に重点が置かれておるわけであります。
#149
○谷口弥三郎君 この小兒麻痺に対しましてはどういうようなふうのことをやつておりますか。
#150
○説明員(内藤誠夫君) 昨年小兒麻痺が流行いたしまして、本年も又流行する虞れがあるのではなかろうかというようなことからして、先日防疫当局と相談いたしまして、今年は早目に一つ小兒麻痺の対策を立てようじやないかというような今相談をいたしております。どうも防疫対策として確実な手がございませんので、病気になつた直ぐ後の早期治療という点に重点をおいてやつて行こうではないかというような大体話合いができておりますが、間もなくもう少し具体的な相談をいたしたいと思います。
#151
○中平常太郎君 本員は大体当然なものと思いますので、質問は終了して討論に移ることの動議を提出いたします。
#152
○委員長(山下義信君) 只今の中平委員の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めまして、これより討論に移ります。本案につきまして御意見のあります方は、賛否を明らかにして御意見の御発表を願います。
#154
○中平常太郎君 本案は平衡交付金が出ることになつた関係で、その兒童福祉行政を自治体における運営の面において、予算の獲得に一段の力を明らかに裏付をした法律の改正でございまして、これは極めて必要なことであろうと思います。
 もう一つは肢体不自由者の問題をここに入れたというのは、この二つの問題が大体本案の改正に対する生命線であると思うのでありますが、この運営の面におきまして、どう考えてみても兒童福祉法の予算が他に逃げそうなんです。これは我々地元でよく経験を持つておるのでありますが、逃げていかんのであります。なぜかと言いますと、この補助はもう少し減らしてもやれるというようなわけで、託兒所の補助であろうが、療養所の補助であろうが、最低基準と言うておりながら最低基準を無視して、市町村が財政の関係で節約し、他に流用するというようなことをやる虞れが多分にあるのでありますから、この点は本案、いわゆる立法の精神に基いて飽くまでも市町村には嚴格な指令を出して貰つて、最低基準の必ず維持せられるように一つ政府の特別なる措置を要望いたしまして、本案に賛成するものでございます。
#155
○委員長(山下義信君) 別に御意見はございませんですか……御意見がないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。兒童福祉法の一部を改正する法律案について採決いたします。この法案は衆議院から修正送附されておりますので、衆議院送付案をこめまして、並びに原案につきまして御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#157
○委員長(山下義信君) 全会一致でございます。よつて本案は衆議院送付の通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の商人を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。
 尚本院規則第七十二條によりまして委員長が議員に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    中平常太郎  藤森 眞治
    井上なつゑ  塚本 重藏
    小林 勝馬  草葉 隆圓
    小杉 イ子  谷口弥三郎
#159
○委員長(山下義信君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
 速記を止めて……
   〔速記中止〕
#160
○委員長(山下義信君) 速記を始めて。保險局医務局から見えておりますから、関係の御質疑がございましたらお願いいたします。
#161
○井上なつゑ君 私医務局関係のことでちよつとお尋ねしたいと思います。
 過日日本人の保健婦なり看護婦、助産婦が東京に集まりまして、総会を開きまして大変いろいろと厚生省の御援助を頂きましたおかげで会を済ませたのでございますが、そのときに看護婦の或る者の声でございましたが、どうも厚生省でこの頃いろいろ御計画頂きまして再教育が行われまして、非常に看護婦の資質を向上させて頂くためにいろいろやつて行きましたのですが、余りにも再教育のやり方が日本の只今の病院、診療所、殊に小さい病院の実情にそぐわないと思うがどうかということで、私質問を受けたのです。私もその病院の実情と申しましようか、診療所の、殊に小さい病院の実情というものはよく知つておるのでございます。その人の意見も尤もだと思いましたが、現在の実情通りに教育しておりますと、決して再教育にならないと思うので、どうせ教育というものは理想のものでございますので、高いところを目指して、実情と、何とかかんとか方法を合理的に合せて行かなければならないと思うから、みんなも高い再教育の程度まで現在の病院、診療所を持つて行くことに努力して欲しいということを申したのですけれども、厚生省といたしましては、いろいろ予算の関係で、なかなか大きい病院でさえできないのに、小さい病院までできないと思います。願わくはこうした再教育が直接本当に役立つよう、将来に役立つのではなくて、手近に役立ちますように、一つお願い申上げたいと思いまして、実は発言したのでございます。過般の医療法の改正のときにも、法的の医療機関の整備拡充をしておられますけれども、それを半分以上、大半の医療機関の整備拡充というところまで行くようなお話を承つておりますけれども、その点を一つ御考慮願いまして、医療機関の整備改善というところまで法的機関から早くして頂いて、医療法によつて私的機関にも及ぼすようにしたい。非常に看護婦も働き易い気持にならないと、專門教育が水の泡にならないとも限りませんのでよろしくお願いします。あれから後一ケ月二ケ月でございますが、どの程度の医療の整備拡充が充実しましたか存じませんが、どの程度拡充されたか、ということがございましたら、それも一つ附加えてお願いしたいのでございます。
#162
○政府委員(久下勝次君) 先ず最初の看護婦再教育が小さい病院の実情にそぐわないやり方をしているというお話でございましたが、その点は、そういう御批評を受けますると、私共もそうであると存ずるのであります。この問題、実は井上委員はその方の御專門でいらつしやるのでありますので、十分御承知のことと思いますが、従来の看護婦の程度を引上げますための教育ということになりますと、相当の期間一ケ所に集まつて貰うという以外に方法ないと思います。而もこれを指導する機関が、今日の段階ではまだ少い実情にありましては、特定の場所即ち比較的遠いところへ、而も相当の期間来て頂くということでなければ教育が徹底しないということでございます。私共としてはいわゆる幹部教育をしまして、その人による伝達講習ということを併せて計画しておりますが、今日の段階では伝達講習が余り成績が挙らないという実は批評を受けております。地方病院の実情を考えますると、しつかりした指導者を多数作りまして、その人々が随時随所で教育を徹底するというような段階に行きますことが必要だと思うのであります。この辺は費用の関係もございまするし、又やり方の関係もありますので、御質疑の点は十分注意をいたしまして逐次そういう方面にも徹底するようにやつて参りたいと思います。今直ちに全般的に徹底した教育を急速に行うというまでには参らんことは御了承頂きまして、そういう線に沿つて今後とも進みますということだけお答えいたします。それから病院の整備でございますが、御指摘のように実はまだ病院の実情の的確な把握もできておりません現状でありますので、まだ問題はこれからという段階でございます。前にも申上げました通り、この問題につきまして私共としては、病院監視の結果は漸くまとまりつつありますので、その結果によりまして、具体的な方策を立てたいということを前に申上げました。只今のところまだその段階でありまして、今日のところどういう工合にどういうふうにして行くかというところまで、具体的に申上げられませんが、ただその気持でありますことは、さつき申上げた通りでございます。
#163
○谷口弥三郎君 先ず医務局関係につきまして一つ伺いたいと思います。最近各地方で病院の企画についていろいろと調査が行われておるようであります。或いはA、B、Cというような、総括案というようなことで操作されておるようでございますが、あれの結果、並びに若しあれに適合せんというような場合には、どういうような方法をお採りになる予定になつておりましようか。それをお尋ねいたします。
#164
○政府委員(久下勝次君) 私実は井上委員のお答えに抽象的にお答えしたのでありますが、前に委員長からもご注文ございまして、各府県から参つておりまする医療監視の結果を今取りまとめつつある。漸く本年だけはまとまりましたので、実は先日中間報告として御要求のありましたお方に資料として差上げたと思うのです。そういうふうに命じて置いたと思うのですが、これはただ只今の段階は、各府県の御報告が漸くまとまつたという程度でございます。これを仔細に検討して見ますと、随分事前に打合せをしたつもりでありますけれども、さて集まつて見ましたものによりますと、非常に各府県やり方がまちまちになつているのでございまして、これはもう少し、私共の方で全般的に調整をとる必要があると思います。私共の気持といたしましては、今月の下旬に全国の各都道府県の、今課長会議を開催する予定にしております。そのときまでには、調整を終りまして、そして結果を各府県に示せるようにいたしたいと思います。これはただ單に医療監視の結果A、B、C、Dの区分を知らせるばかりでございませんで、私共としてはこれはむしろ前提でございまして、お話のように、これを基礎といたしまして今後の病院整備改善の有力な資料にしたいという考えを持つております。前にもお話のございましたように、これに要する資材の斡旋でございますとか、或いは資金の斡旋でありますとか、私共の方としてはその県によつて見通しを立てまして、できるだけのことをして見たいと思つております。
#165
○谷口弥三郎君 次にお伺いしたいと思いますのは、この各国立病院などに働いております医師の俸給が非常に低い。いいところの可なり有名な医者で、各科の部長などをしておりましたのが、次々と引出されて、その後に補充もできないというのが、今の国立病院の現状だろうと思つておりますが、そういたしますというと、これに対して何か事務局といたされまして、それに特別の俸給法というようなものでも出すような、或いは拵えられるようなふうの御成案でもありますのか、如何でしようか。お伺いいたします。
#166
○政府委員(久下勝次君) その問題につきましては、これはお話の通り私共としても優秀な医師が逐次抜けて参りまして、病院としての十分な機能を果し得ない実情にありまするので、何とかこの問題を解決したいと思いまして、事務的にはすでにもう二ケ月も前から具体的な案を以ちまして、人事院と折衝を始めておるのでございます。まだ折衝の結果はつきりした見通しを立てる段階までに至つておりませんけれども、人事院としてもこの種の問題が実は人事院に非常に沢山各方面から出ておるようでございます。まあそれらの点とも睨み合いをする必要がありますけれども、極く最近の折衝の状況におきましては、ここ一、二ケ月の間に何らかの結論を得るようにいたしたいということは言つております。私共の方としては結局裁判官の俸給表の別表で取扱うようにすべきものであろうという考え方で話合いをしておるのであります。その結果は只今申上げた通り、一、二ケ月のうちに何か一つ右か左か結論をつけるようにしたいというように当局者は言つております。
#167
○谷口弥三郎君 保險局の関係でお伺いしたいと思いますが、最近国民健康保險が各地区において次々と一時休業と申しますか、解散とまでは行きませんが、開店休業をするというふうなのが非常に多いのであります。その際にこれまで未拂の分をそのままにしておりますので、各地の開業医、殊に保險医の方におきましては、この未拂の結果自分自身も又閉店しなければならん。とてもこれを継続することができないというのが沢山あるようですが、こういうのに対して何とか救済するとか、或いはそれに拂わせるという方法はないかというような方面にお考えを向けられておるか、ちよつとお伺いして置きます。
#168
○政府委員(安田巖君) 国民健康保險が一昨年から市町村でやるようになりましたので、市町村が保險者であります場合はそういう問題は市町村に引継がれますので、お話のようにそれで全然望みがないという状態にはならんのではないかと思つておりますが、尚よく一つ調べて見たいと思います。
#169
○谷口弥三郎君 只今のことをよくお調べになつて、必ずそういうのがあるのですからできるだけ早く一つこれを救済して頂きたい。
 それから第一にこの国民健康保險の組合病院、これが各地に段々できるようでございますが、保險医が非常に協力して熱心にやつておるようなところにはわざわざ組合病院を作る必要がないにも拘わらず、そこに作ろうというようなふうの傾向があるやに聞いておるんでございますが、今保險局といたしましては医師が非常に協力しておる場所には設置をする必要がないとか、或いは設置をさせるのにそういうふうなのを一つ條件か何かにされておりますでしようか、如何でしようか。その点お伺いしたいと思います。
#170
○政府委員(安田巖君) 国民保險の医療機関を設けます場合には、具体的な事情を調べまして、それが非常に能率を上げるような場合に補助いたしておるのでございまして、無医村であるということも一つの場合でございますし、又医者が協力しなくてうまく行かないというような場合もございましようし、いろいろな條件があると思うのでありますが、お尋ねのように医師が非常によく協力しておるのにわざわざ作る必要がないように思うのでございますが、これも又具体的にいろいろ事情がございまして、一々聞いて見ますというと、又両者の言い分が違うような場合もございますから、よくその辺のことも調べまして、具体的な問題について処理して行きたいと考えております。
#171
○中平常太郎君 保險局長にちよつと健康保險のその後の改訂後の経済的な方面は前より順調に行きますが、赤字の出方、それから未收入の取れ方、その取れる率という方面、尚それに改善を加える方法があるかないかということ、それから不正診療報酬の、この問題などについてもう少しこの際お伺いいたしたいと思います。
#172
○政府委員(安田巖君) 健康保險の経済の問題につきましては、昨年来いろいろ御盡力を頂きまして、御鞭撻を願つたところでございますが、御承知のように健康保險の保險料を取りますのが一月遅れになつておりまして、つまり二十四年最後の月の三ケ月分というのを4月の末日までに取れるようになつておりまして、従いまして四月の末日の收入の状況が分りませんとはつきりしたことは申せませんけれども、大体今の見通しでありますと、全部取りますれば二億乃至三億くらいになるのであります。併し未收入歩合が今のところでは八割七分か九割に行くのではないかというような程度でございますが、若し八割六分、七分でございますというと、十二億の赤字になるわけでございます。ただ併しながら、従来大体一月遅れて拂つておりましたので、三月中に一月分を支拂つてしまいますと、それから尚大蔵省から二十億の国庫預金の繰越しが許されておりますので、その金で四月の十五日に二ケ月分を拂つてしまいました。これで行きますと、半月遅れということでございます。尚三月分をいつ拂うのかという問題になるのでありますが、これは四月の取れ工合、及び五月の取れ工合にかかつておりまして、或いは期待より幾らかよいというようなことを言つておるようでありますが、ただ二十五年度になりまして、保險料の徴收がどういう工合になるか、平均の標準報酬が下るのではないだろうかということを非常に心配しておりまして、これは御承知のように中小企業あたりが段々悪くなりますというと、そういう心配も余程しなければならんというようなことを考えますと、余り楽観はできんだろう。併しここで見通しを立ててどうだということを言いかねるような状況でございます。又尚保險の被保險者が不正にこの被保險者証を使用するという問題につきましては、いろいろ努力をしておるのでありますが、現在ではそれ程大きな問題に立つておるような報告はございません。
#173
○中平常太郎君 その点を聞きたかつたのですが、段々中小企業が潰れて行つたり、或いは大企業が整理されて行くというので、健康保險の被保險者がそれぞれカードを持つておる筈でありますが、それらの使い方、内容の状態、乃至それを取上げるということは、退職したときに大体解決するようにカードを取上げられておる筈でありますけれども、なかなかそれがルーズなんです。会社も中小企業もルーズでそのままにしておるのがある。やはりそれらが、従業者が被保險者の治療を受けておる者がやめれば早速被保險者でないということになつて、治療を受けられないのでございましたが、一定時間があつたかなかつたか、六ケ月ということがあつたと思いますが、それを一つ伺いたい。
#174
○政府委員(安田巖君) 資格を喪失いたしました後に被保險者証を不正に使用しておるということでございますが、これはたしたにあると思うのであります。若し資格の喪失の届を出さなかつたら工場から金を出させるという、今のところ仕組なんであります。ところが、シャウプ勧告のように、税務署で金は取る、私の方だけ救護するということになると、そこのギャップができて、そういう不正使用は経済界が不況になるとますます殖えて来るのではないかということを惧れておつたのであります。もう一つは……
#175
○中平常太郎君 退職後において被保險者でないことになるかどうか。いろいろな病気を持つたり、いろいろな関係があつて業務の関係で病気の継続者がある……
#176
○政府委員(安田巖君) 病気をした者が会社を退職しても、継続給付が二ケ年間ございます。やめまして尚、自分は健康保險に入つておりたいというのであつたならば、任意継続加入という制度がございまして、六ケ月は金を出して入つておれば給付を受けられるのであります。
#177
○中平常太郎君 それは全部でない……
#178
○政府委員(安田巖君) さようでございます。
   〔委員長退席、理事藤森眞治君委員長席に着く〕
#179
○理事(藤森眞治君) 先だつて生活保護法の中に、政府の指定医の問題ですが、社会局の方では指定医を機関にするということについて、大体医務局の意見がそういうふうになつておるので、そうするという。そこに健康保險の方と食違いがある。今後保險の方はああいうふうに機関を指定するというふうに向いて行かれますかどうか。
#180
○政府委員(安田巖君) 実はその点、私共の方は別に御相談を受けておりませんけれども、やはり医師を指定した方がいいということを私共経験上主張いたしたのでありまして、大体医務局では又新らしい見地で機関を指定した方がいい、まあ一長一短はあると思うのですが、大病院あたりへ行つて見ますというと、事務機構の方でやつたことで医師も知らんということもありますし、やはり医師を捕まえた方が、いろいろな意味でいいんじやないかというような見解なんですが……
#181
○理事(藤森眞治君) ちよつと医務局次長、これについてあなたの方の意見を聽きたいのです。健康保險の方は保險医を診療担当者に指定するという方向であり、それから生活保護法の方では機関を指定するという方針になつております。この間その点を聞きましたところが、社会局の方では医務局が大体そういう方向に進まんとしておるので、そこで打合せた結果こういうことにしたというお話なんです。それで保險局との間で行き方が少し違う。ここで大分議論が出たわけでありますが、医務局の方で今後医務方面から見てそういうふうに統合されるおつもりなんですか。如何ですか。
#182
○政府委員(久下勝次君) この問題は、まだ実は結論的に厚生省全体でどうするというところまで行つておりませんので、私が代表してお答えするのは適当でないかも知れませんが、少くともただ生活保護法の改正に関しまして、個々の医師を指定すべきか、病院を指定すべきかという相談を受けました際に、私共としては病院を指定する方がいろいろの面で便宜であるし、又差支もないであろうという結論に達しましてその意見を申したのであります。というのは、御承知の通り医療法の方から申しますと、医療の管理をいたします場合に、必ず医師が管理者になることになつております。多数の医師を抱えております病院になりますと、始終医師の更迭もございますし、その都度、特に生活保護法の患者などが飛び込んで参りました場合に、当該の医師がまだ指定を受けていないということで、扱えるとか扱えないとかいう問題が起ることは適当でないと思います。少くともその病院の医師として勤務しております以上は、その病院は生活保護法を扱う病院であるということになつて、全体として生活保護法の患者を受入れる態勢をとる方が、利用する患者の方からも便利である。そういう意味から、実は個々の医師を指定するよりも病院を指定した方が便宜であろうと、こういう考えになつたのであります。又そのことはそれによつて医療法の管理者という制度もあります以上は、理論上からも不合理はないであろう、こういう考えでいたしたわけであります。
 尚、蛇足でありますが、その議論に対しまして、医療というものは個々の医師が自由なる判断によつてやるものであるから、個々の医師を指定するのは当然であるという御議論もあるようでありますが、この点につきましては私共は、それは医療実体は個々の医師の自由なる診断で処理するものでありましようけれども、それは先程申上げましたような制度を採りましたからといつて、その点に何ら支障があるわけでございませんので、ただ生活保護の患者を引受けるかどうかというようなことだけでございますので、引受けました場合にその患者をどう診断してどう治療するかは医師の自由なる判断でいい。そういう意味から申しましても只今のようなことが仮にありましても差支ないという考えでございます。
 尚、保險局の関係につきましては、私共聞いておりますのは、保險者の指定する者という規定が法律の中にございまして、これで病院を指定しておる例もございますようで、先日医療法の報告制限の除外例を設けました場合にも、健康保險指定医というものを許して貰いたいということを保險局から御要求もあつて、医道審議会で個々の健康保險指定医ということのみでなく指定病院というのでも差支ないということにいたした事例もございますので、健康保險法は全面的に採るかどうか別問題として、私共としては方向としてはそういう方向に進んだ方がいろいろな点で便宜なことが多いのでないかと考えております。
#183
○理事(藤森眞治君) 保險局の方ではこれまで実際に保險を運用された経験から保險医の方がいいという結論が出ておるんじやないかと思うのであります。ところが、新らしいできた生活保護法では又機関といことになつて、どうも法律の上で、同じ厚生省から出る法律に、似たような社会政策の面で二本になつておることは、どうも我々の方では余り好ましくないような気がいたすのであります。でき得るならば、今後こういうものは一本に、御相談の上で一本化して貰えばすべていいんじやないかと思いますが、この機会に申上げる次第であります。
 それじや今日は大蔵省の方から来て貰う筈ですが、差支があつて出て来ないそうですから、明日にこれを続行することにいたしまして、今日はこれで散会にしたいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○理事(藤森眞治君) それじやこれで散会いたします。
   午後二時二十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山下 義信君
   理事
           藤森 眞治君
   委員
           中平常太郎君
           塚本 重藏君
           石原幹市郎君
           草葉 隆圓君
           小林 勝馬君
           谷口弥三郎君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
  衆議院議員
           大石 武一君
           青柳 一郎君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 林  讓治君
  政府委員
   厚 生 技 官
   (公衆衛生局
   長)      三木 行治君
   厚生事務官
   (医務局次長) 久下 勝次君
   厚生事務官
   (兒童局長)  高田 正己君
   厚生事務官
   (保險局長)  安田  巖君
  衆議院法制局側
   参     事
   (第二部長)  福原 忠男君
  説明員
   厚生事務官
   (兒童局母子衛
   生課長)    田波 幸男君
   厚生事務官
   (兒童局養護課
   長)      内藤 誠夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト