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1949/05/01 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第4号
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1949/05/01 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 経済安定委員会 第4号

#1
第007回国会 経済安定委員会 第4号
昭和二十五年五月一日(月曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十八日委員西川昌夫君辞任につ
き、その補欠として左藤義詮君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○外資に関する法律案(内閣提出・衆
 議院送付)
○外資委員会設置法案(内閣提出・衆
 議院送付)
○理事の補欠選任の件
  ―――――――――――――
   午前十一時一分開会
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは経済安定委員会を開会いたします。今日は第五四になると思いますが、前四は二十七日にやりまして、外資に関する法律案と、それから外資委員会の設置法案について提案理由の説明を聽取しました。続いて継続になつておりました調案事件の未了報告に関する議決をやつて頂き、三番目には請願陳情の審査を願いまして、政府送付の請願十二件を決定して頂きまして、それから最後に先程の二法案に対する……外資に関する法律案についての大蔵委員会との連合に関する議決をして頂いたわけです。次いで四月の二十八日に、この外資に関する法律案について大蔵委員会との連合委員会を開きまして質疑をやつたわけであります。連合委員会は二十八日の一回だけで、大蔵委員長との協議をしまして一回だけで閉じることにいたしましたけれども、日にちの関係がありますので一回だけで閉ぢることにはいたしましたが、この経済安定委員会でこの法案が引つかかつておる限り、大蔵委員会の方も出て来て、どんどん質疑をして頂きたいということになつておりますから、御了承願いたいと思います。
 今日の議題は、外資に関する法律案と外資委員設置法案、この二法案についての質疑から始めるわけであります。早速質疑に入りたいと思います。二法案につきまして先ず最初と言いますか或いは関連させられても結構ですが、この二法案につきまして御質問がありましたら、御発言願いたいと思います。
#3
○和田博雄君 委員長ちよつと……。
#4
○委員長(佐々木良作君) 和田委員どうぞ……。
#5
○和田博雄君 総括的なことから少し聽いて行きたいのですが、大体今までのこの外資導入ということは非常にまあやかましく言われたのですが、これは予算委員会でもたしか資料を請求したように思うのですふれども、実際上今までに外資が入つて来た部門ですね、産業部門……どういう部門に入つたかその点をちよつとお聽きしたいのと、それからもう一つは、私は、この第二次世界大戰後というものは非常に国際的な資本移動について、戰争前とは可なり大きな変化があつたと思うのですが、その中で殊にアメリカがいわば非常に世界の経済をリードする形になつて来て、それでアリカメの資本が先ず出て行くのが恐らく大部分だろうと私は思うのですが、戰争前のようにイギリスが海外の資本をもう失つてしましたような状態においては、主としてアメリカだろうと思う。アメリカの第二次大戰後の資本移動を見れば、やはりマーシヤル計画であるとか、そういつたような政府の財政資金がむしろ出て行つておるのであつて、民間に形成された資本が投資されているという例は割合に少いと思うのですが、そういう点についてアメリカ資本が一体終戰後、第二次世界大戰後どれ程投資されて、そうしてそれが投資された産業部門というものは、どういう部門であるかということについて何か調べがあればお聽きしたいと思う。私の知つている範囲においては、大部分は石油、ガソリンを売つて投資されて来たのではないかと思います。その民間資本の投資された部門はどの部門であり、金額はどのくらいであり、それからアメリカの民間において形成された資本額の何%ぐらいまで占めておるのか、その点若しもお調べがあればお聽きしたいと思うのです。
#6
○國務大臣(青木孝義君) 只今和田委員のお言葉のように、私共も第一次大戰後のアメリカの投資なり英国の投資というようなもののその後の状況について考えて見まして、又第二次大戰後、只今のお言葉のように政府が外国へ投資する、アメリカ政府がいろいろな計画を出すというようなことはいろいろ御説のようにあると思いますが、民間投資が海外のどこの市場にも頻繁に出ておるというふうには私共も考えません。それは御承知の通りだと思います。ただ問題は今後海外投資がどんな形で行われるかということの問題と、殊にこの民間投資がどんなふうな形でどの方面に投資され、或いはどんな形で移動して行くかというような問題になると思いますが、只今外国への民間投資についての数字を私自身が持つておりませんのですが、若し分つておれば又政府委員からお答えいたすことにいたします。
 ただここで我国に対してどんなものに投資されておるかということでございますが、これは御説のようにやはり石油関係、カルテツクスと日本石油外二件、それから造船機械工業関係、ズルツアー・ブラザースの三菱鉱業その他七件、それから電気工業関係、I・S・Eと住友電工他一件、それから化学工業関係、J・R・ガイギと保土ケ谷化学その他、それから観光事業関係で日活国際会館、大体十八件、そういうもの、それからその十八件のうち資本の提携が五、それから技提術導入が九、それから資本提携並びに技術導入が四というようなことに大体なつておりますが、アメリカの民間投資が第二次大戰後どれだけどんな割合で投資されておるか、政府資本金の投資に比較してどんな状況にあるかというようなことは、ちよつと私は存じておりませんので、分りさえすれば又あとからお答えいたします。
#7
○政府委員(賀屋正雄君) 只今長官の方から終戰後のわが国に対する海外投資、投資と申しましても、現実に資金の形で入りました投資は殆んどないわけでありまして、多くは技術援助契約或いは株式投資というような形で入つておるのでありますが、その産業別の主な部分を御説明いたしたわけでありますが、御質問のアメリカの海外投資、殊に民間の投資の状況につきましては資料等が余り完備いたしておりませんので、詳細のことは分りかねるのでありまするが、お説の通り一九四五年から四九年までの間、第二次大戰の終戰後でありますが、直接民間投資は約十七億ドルと言われておりますが、そのうち大部分、八〇%くらいに相当いたします十三億ドルが石油関係の投資という数字になつておるのであります。これがアメリカで形成されます資本のどの程度に当るかという数字はちよつと持ち合せておりません。それから産業別につきましては、一九四八年末の産業別の投資の現在高の数字がございまして、これはやはり民間の直接投資だけでございます。総額が百十四億ドルに達しておりまして、内訳を申上げますと、製造工業がそのうち三十六億ドル、石油鉱業が三十一億ドル、それから鉱業、マイニング、それと精錬業が十一億ドル、それから農業が六億ドル、公益企業が十三億ドル、その他が十七億ドル、合計いたしまして百十四億ドル、こういう数字になつております。
#8
○和田博雄君 今のこの民間資本への海外投資が、大体十八億ドルというお話ですね、その十八億ドルでまあ八〇%が石油関係ということになつて来ると、投資先というものは大体において、ヨーロツパの石油のある地帶より外ない。いわゆる東洋市場に対する民間投資というものは殆んどなかつたに等しいと、こう言つていいと思いますが、大体そうなんですか。
   〔委員長退席、理事帆足計君委員長席に着く〕
#9
○政府委員(賀屋正雄君) 大体お説のように私共承知いたしております。
#10
○和田博雄君 ですから私は、このアメリカの民間投資の総額が、今お話になりましたが、大体そうだと思うのですが、民間投資の国民所得に対する割合というものは、アメリカにおいても非常に不安定であつてですね、大体今の何から行けば一四・五%ぐらいであれば余程いい方じやないかと思うのですが、その中でも特に海外投資は非常に少い状態だと私は思う。そこに持つて来て、日本の今の経済の状態から言つて、この法律の提案理由を見ますと、日本経済は漸く安定の段階に来て、相変らす私は貨幣的なスタブリゼーシヨンだけを取上げておるのであつて、実際の経済自体が安定しているのではなへて、非常に不安定であるという状態にあつたことは、今までにこの国会の予算委員会においても、本会においても、あらゆる委員会における討論においてはつきりしたと思う。殊に日本の市場というものが、これは資本の立場から見ても、非常に狹隘な市場であることははつきりしておるのであつて、それが今度のこの法案によつてただ送金を確実にするというだけのことで、一体どのくらいの資本が日本に導入され得るのか、而も今までの実績によれば大部分がいわゆる設備資本として入つて来たものではなくて、株式の方に一部使われている。或いはそうでなく商業の資本が大部分のような御説明なんですが、そこらの見通しは政府としては、この法案を作られるときにどういうようにお立てになつたのか。それからもう一つは外資導入というものは、これは結局日本の経済復興の場合に日本の国内において、蓄積される資本の投下と、それから貿易によつて得られるところの資本、そういうものと一体になつて日本の産業復興というものに役立たなれけばならないものだと思うのですね。そうすると産業復興なり何なりについて、やはり政府としてきちつとした資本投下の見通し計画というものがあつて初めて入つて来た外資導入というものが意味をなすのであつて、そういう点についてこれは何らの資料も提出されていないし、政府のお考も、この法案自体のなかにも御説明のなかにも述べられていないのですが、そういう点は一体どういうふうにお考えになつているか、簡單に御説明願いたいと思う。
#11
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り、外資委員会が昨年の三月出発いたしまして、そうしてその後の経過から見ましては、殆んど今申上げましたように、又第二におつしやいますように、余り目ぼしい投資というものはございません。併しながら、終戰後すでに足掛け五ケ年ということになるのでございますが、その間の国内のあらゆる経済的、社会的、或いは文化的と言いますか、いろいろな面の諸情勢というものは、段々落着いて来たということについては、これはまあ否定することのできない事実だと思うのです。各般の情勢から考えて参りまして、われわれは経済についても安定の軌道へ乘つて来たということを言つておるのでありまして、その與えられた諸條件というものから考えて見た、いわば比較的な問題ということになると思いますが、いずれにいたしましても、今後のこの日本への投資という問題は、これは日本の信用状態と言うか、この経済情勢というものが段々回復するに従つて、或いは秩序が整つて来ることによつて、外国の投資者の不安というようなものが除去されたり、或いは利潤についての継続性とか、或いは投資の安全性というものが確保されて行くということにならなければ、なかなか思うような外資の導入ということもむずかしいとは考えておるのでありますが、併しながら日本といたしましては、できるだけその使宜なような情勢を整えて行くという努力は飽くまで続けて行かなければならんというような意味で、ともかくも、この外資導入に関する法案を作りまして御審議を頂いて、先ず日本への投資はかくかくの形の下に、一応安全に投下ができるんだという態勢を整えるということに問題は主としてあるのでありまして、われわれとしてはできるだけ多くの健全なる投資を求めたい、こういう希望と一致いたしまして、かような法案ができた次第でございます。
#12
○和田博雄君 ちよつと今のは答弁がポイントが外ずれておるのですが。それでは別の方面からお聽きしたいのですが、この法案というものは、そうすると政府が自分で発案されて、そして実際上お作りになつたのですか、それとも何か向うからサゼスシヨンでもあつて、お作りになつたのですか、どうなんでしよう。
#13
○國務大臣(青木孝義君) これは政府としては、政府の責任を以て作つたものでございまして、勿論作り上げますまでの間に、いろいろと関係筋とも話をいたしましたことは、この法案を作ります間の経過としては、そういうことはございました。併しながら政府が責任を以てこれは作つたものでございます。
#14
○和田博雄君 今世界で戰争に負けてですね、占領されている国が相当あるのですが、そういう被占領国で、国内法でこういう法律が今どこの国にありますか。
#15
○國務大臣(青木孝義君) これは恐らく世界から見ますれば劃期的なことであつて、こういう法案を作つておる国はなかろうと思いますあ、併しイタリーでは一九四八年の四月に外資導入に関する政令を制定いたしております。それから大体その他は為替管理に関する法律で行われておると存じております。
#16
○和田博雄君 私はこれは為替管理はすべての国が持つておるし、一番嚴格な取締をしておると思うのです。それは各国が何と言つても自分の国を輸出振興によつて復興して行くためには、これは為替管理というものは是非必要だと思う。併しこういう外資を導入する、而もその外資について、これはあとで法案の内容を検討すればすぐ分るのですが、非常な特権を與える。日本の外貨予算が赤字になるようなときでさえ尚且つ優先的にして行くというようなことは、恐らく国内法でも例はないと思う。例はなくてもこういうことをやるとすれば、講和條約が結ばれたあとで、條約で当然私はやるべきであつて、こういう意味から言つても国内法という形を採ることがむしろ私はおかしいのじやないかという気さえするのですが、その点について、これを作るときにそういつた法の形式、この内容を盛るべき形式なんかの点について、政府としては一体お考えになつたことがあるのですか。
#17
○國務大臣(青木孝義君) そういう問題についても全然考えなかつたということではございませんが、現に日本は御承知の通り被占領国の状態にあります。従つてやはりこういうものがそういう場合においては必要であるのだということからこれを作りました次第でございます。
#18
○和田博雄君 どうもはつきりしないのですが、外資を導入するということが、外資が今の日本の復興にとつて必要であるということと、それからその外資を一体日本として導入する場合には、どういう受入態勢でこれをやるかということは、私は全く別だと思うのです。そこが問題なんであつて、ただ外資の導入が必要だから何でもいいのだ、こういうふうには私は結論が出ないと思うのですがのその点は多少意見になりますから、これ以上は追究しませんが、非常にそういう点については、こんな大きな影響力のある法律を作る場合には、政府としては余程やはり国の自主性ということをお考えになつて然るべきだと思うのです。経済の面から来る、そういう自分からの自主性の拠棄ということは、これは僕はできるだけ政府としては避けて貰いたいし、僕等としても避けるべきではないかと思います。その点についてはいずれ討論のときにやりますが、先にいろいろ質問がありますので、私はここではもつと質問を続けて行きたいと思います。
 もう一つ私お聽きしたいのは、政府は、この前外国為替管理法を出されたときにも私注意したのですが、あれだけの大きな国家経済を支配するような法案を出されて、而もその審議期間というものは非常に短かかつた。殊に法案自体の内容を見ても、政令に殆んど委ねられていて、政令がそのときは殆んど準備ができていなかつたと私は思うのですが、そのときでもまだ、ローガン構想によれば輸出が振興するということを政府は強弁された。われわれとしてはそのときに、ローガン構想による輸出先行主義というものは、日本の今の置かれている状態、殊に日本の交易状態が非常に惡くて、盲貿易の状態におかれているときに到底これでは行かないのだ、必ずそこに輸出が停滯するし、ローガン構想は破継することがあるということを私は質問の形で申上げて、政府はお聽きにならなかつたのですが、案の通りローガン構想による輸出は或る限界まで来て、むしろ破継に瀕している。例えば或る国々には出超であつたものが、むしろ入超になつて赤字になつている、而も入つて来ているものが売れずに滯貨として残つている、こういう形になつているのです。度外資導入というものを考える場合におきましても、私はやはりそこのところは日本の国として外資を本格的に日本の産業の復興に受入れるべきはつきりした態勢を持つのでなくしては、これは資本というものが第一入つて来ないし、入つて来ても役に立たんと思うのですが、そういう意味から言つて、今度のこの外資に関する法律はむしろ受入態勢じやなくて、どう言いますか、非常に物を欲しがつている子供が何でも言うことをきくような形の内容になつていると思うのですが、こういう点は、政府としては基本の導入ということは、日本の経済自身が自主性に安定してくれば外国の資本というものは、その国が必要な、市場として価値があれば、実は資本というものはそういう方へ自然に流れて行くので、そういう点から見ましても、今度の法案の内容がむしろ私をして言わしむれば余りに讓歩し過ぎておると言うか、外資を余りにも優先し過ぎて、ただもう海外送金だけを確保するという点に集中しておるように考えられて、この外資導入と日本の経済復興との関連というものが資料としても何もはつきりしていないのですが、むしろ政府としてこういう案を出されるときには外貨予算を当然お組みになるのだし、一体どの程度の外資導入というものを予定されてこういうものを組まれるのか、それが産業復興についてどういう関係に立つのかということについて、もつと具体的な構想なり、何なりないと、これは本当言うとこの法案の審議が私は実際できないのじやないかと思うので、ただ外資を入れるためにこういうものを作るのだ、その外資がどの程度に入つて来るのだという予定がここに何ら示されていない。これが仮に通つた場合に、第一・四半期にどのくらい入るか、年間を通じてどの程度のものが入るかという見通しなり、そういうものの一体具体化されたものがあるのかないのか、その点は一体安本長官どういうふうにお考えになつておりますか。
#19
○國務大臣(青木孝義君) この全体の條項を通じて御覽を頂きますると、外国資本は如何ようなものであつても悉くわれわれはこれを受けたい、こういうのでないことは御承知が願えると思います。と申しますのは、第一條の條項は何と言いましても日本の経済の自立ということと、その健全な発展である、或いは国際收支の改善ということを考えておるのでありまして、決して野放図にどんなに日本の経済の自立を阻害すると考えられるものまでも無理に入れる、いわば餓鬼が食を欲するがごときものだというようには自分達は考えておりませんので、その点につきましてはここに、第二條におきましても届出と認可の制度ということを原則として採つておる形になつておりまするし、導入される外資につきましては十分吟味をいたしましてやる。認許可制を行なつて行くということに相成つておりますから、やはりこれは受入態勢、いわゆる。準備態勢である、こういうことになると、この意味においては申上げることができると思います。
 従つてそれならば、こういうものができたら直ちにどれだけの、どんな外国の民間投資があるが、こう言われても、それは相手方のあることでございませんし、相手がここへ投下して有利であるかどうか、安全であるかどうか、そうして而もこの資本が予定通りに投下され、利潤が挙がるかどうかというこうになるものでなければならんということを原則といたしまする経済的の原則から考えて見ましても、日本に資本を投下して不利益であるものを向うが投下するということは先ず一応考えられません。従つてどうしてもそういう場合における條件というものは投下する人にとつて内国で資本を投下するよりも有利であるということ、同時に安全であり、そうしてそれがこの利潤、いろいろな意味において有利であるということが考えられなければ、自分の資本を無暗に外国に投下するというものでないことは御承知の通りであります。これはやはり日本としても外資を導外したいと思えばしたいような一応態勢を整えて、その準備態勢といたしましても、当然かようなものがなければならんというように考え方からこれをいたしたいのでございまして、今、それならばこれができたら直ちにどういうものが外国投資があるかという御質問がございましたけれども、今直ちにお答えするということはできませんが、ともかくも昨年から今年にかけての経驗から見まして、こういう準備態勢を整えることによつて外国の人々も余り大きな不安なしに日本へ投下することができるというような意味は当然考えられると思いますので、そういう考でこの法案を作りました次第でございます。
#20
○和田博雄君 私は外資導入について一定の標準を設けて、そうしてその間に選択をするということは万般承知しておるのですよ。それは当然のことです。日本が外資を導入するのについて、今のように復興をやろうとしておる場合に、何でもかんでも外資を導入しようということを言つておるのではない。ただわれわれがそういう一定の標準を設けて外資を導入する以上、その入つて来るところの外資というものが一体どういう方面の外資を最も欲しいか、それがどの程度の見通しがあり、やはりこれによつてどれだけのものが入つて来るかということについては、政府としては、少くともそういう法案を出す以上は、それについては或る程度の見通しがなければ、ただ法律を作つたということになるのであつて、それ程これらの法律を作る緊要性がないというところを言わざるを得ない。それをお聽きしているのですよ。今の説明を聽いておると、それがどういうものが入つて来るか分らん、こう言われるのであるならば、これはもうそれ以上私は尋ねませんが、ただこういうふうな点はどうなりますか。一応選択をするとしましても、この日本の今度は資本家の立場に立つて見て、それから或る産業部門の余り外資を欲しないものと、そうでなくて非常に外資を欲しておるものとがあると思う。それは資本家の立場に立つて考える場合にそういう議論が出て来る。日本の場合に産業別に見てどういう場合が一番外資の導入を欲しておる部門ですか、今の場合においては……。
#21
○國務大臣(青木孝義君) これはいろいろございましようが、例えば今入つておりますようなものから見て、日本の現状の、つまり蓄積された資本の現状から見て、何とかして設備資金であるとか、そういうものを得たいというようなものが多々あると思いますが、併しながら主にそういつた方面では重要な産業が欲するものというふうに考えますが、その外に、例えば日本の開発計画というようなものが立ちまして、仮にこれが商品として認められるというような情勢でありますれば、それは是非共そういつた方面にできるだけ長期の資本を欲しい、これはこちらの希望であります。それからその他に、それぞれの企業におきまして、外国資本を得ることによつて更に生産を増強することができる、設備の改善をすることができる、或いは又技術の改善を行うことができるというような意味で技術援助契約を締結して行くというように、各般の問題になつて参りますので、一口に外資と申しましても、それが必ずしもそういうフアンドで来るというものに限つたものでもございませんし、又近く日本が外国の在外事務所ができて、そうして外国の事情もだんだん分つて来る、又今後共南方へもそういうようなものができて来るというようなことになれば、海外の事情も明白になつて来る。又海外にも日本に対する戰後の事情が明白になつて来るというような役割も、これは関連的に当然果して行くということにもなると考えますので、だんだんと産業に資本が入つて来るだろう、入つて欲しいということだけでなしに、やはりこれが広汎な意味を持つて顯現して来るものと考えておる次第であります。
#22
○和田博雄君 御答弁に不満足なんですが……。私は外資を導入するときに、政府が今言われたように、或る一定の標準を以て外資について選択をするということは、日本の産業については或る一定のやはり日本として望ましい産業構造を想定されて、そうしてその立場に立つて僕は選択するだろうと思う、でなければ外資選択は意味をなさん。だから今実際日本の産業界で産業界充実の立場に立つて、鉄鋼なら鉄鋼、紡績業なら紡績業、こういつたものが本当の……技術屋というのは別として、本当の意味の外資導入を要求しておるのかどうか、一体どの産業部門がこういう形態の下における外資導入というものを要求しておるのか、その点については政府として民間側の意向を聽くなり何なりすればはつきり分ることなのであつて、そういう点についてはどういうふうにお考えになつておるのか、その点をもう一遍はつきりして置いて貰いたいと思うのですがね。
#23
○國務大臣(青木孝義君) この外資の導入に対しまする外資委員会における一つの考え方、そういうものは外資のその性質の如何によつて考えるということになつておりますので、これは従来検討して参りましたような考え方も基礎になると思いますし、又何と申しましても日本経済の樹立ということはわれわれとしても考えて行かなければならんことでありますので、そういう意味で、何もこちらからああだ、こうだと言つて、こういうものには入れるけれども、こういうものには入れん、こういつたことをそう企業別に一々分けるいうこともできにくいものでありますし、又四囲の情勢によつて変化する部分が多分にございまするので、勿論やつておりまする経験的に言えば、やはり向うから投資し易いもので而もわが国がこれを欲するもの、そういうものを……わが国が欲するもので而も投資し易いもの、逆に申しましても……、そういうことで私共は行けると考えておるのでありまして、若しこちらが一応そういうことを決めましても、現在の日本の状態で直ちに決めたものが当然国外から来るというようなこと、或いはそれに努力するということは……、決して努力を惜しむものではございませんけれども、はつきりと決めてかかるというようなことは、なかなか現在の情勢としては困難だと思うのであります。
#24
○和田博雄君 そうですね、この八條を御覧になれば分るように、外資委員会又は大蔵大臣が許可、認可をするときの基準が決めてあるのですよ。それには抽象的に、「直接又は間接に国際收支の改善に寄與すること。」「直接又は間接に重要産業又は公益事業の発達に寄與すること。」「重要産業又は公益事業に関する従来の技術援助契約の更新又は継続に必要であること。」という一応の基準があるわけです。この基準から言つて見ても、政府として一応の基準によつて外資委員会が選択して行く。それと同時にやはり日本の産業面から言つても、この産業というものにはむしろ外資は必要じやなくて、国家的な資本で保護育成して行こうとするものといつたものがあるのです。だからその点から、どうも青木さんの答弁は、事情が変更して行くから分らんから、それは何とも言えないと、こう言われるのだけれども、どうも私はそこのかところが安本長官としては少しどうと思うのですね。というのは、政府は、政治を見ていても日本の経済は非常に安定して来たと、こう言つておられるのですね。その安定して来たと言われることは、貨幣的には殆どインフレーシヨンが止んだということなのですよ。併しイフレーシヨンが止んだことと、日本の将来の産業構造……、日本の将来の産業というものを向上させて行くということとは、これはやはり別だと私は思う。外資導入とはそういう経済復興なり何なりに役立つたための外資導入であろうと私は考えているのですが、そうなつて来ると政府としては大体どの産業に最も外国資本を望むか、或いは民間側としてはどういうものが最も今欲求が強いかそれは或程度こういう何をすれば入つて来る見通しがあるということか、そういう点について何にも考えずにこんな法案を出されたのか、われわれとしては非常に迷惑至極なんですよ。実際この審議の短い時間にこれだけの法律を通すことは非常にむずかしいと思う。経済的な背景が非常に厖大であるだけに、普通の簡單な法律じやない、これを読んで形だけで言えば非常に簡單だとも言えるのですけれども、この法案の中には為替管理の問題もあれば、輸出貿易の何もあれば、日本の国全体の産業構造の問題が潜んであつて、私は非常にそれは複雑な法律だと思うのですよ。それだけにやはりそういつた点については、政府としては具体的なものをもつと持つておられて答弁して頂かんと、これは抽象的な言葉を交すだけで審議に私はならんと思いますが、そういう点で非常に今の御答弁私不満に思います。私はもう質問を止します。晝からやりますよ。これじや話にならん。午後からやります。
#25
○理事(帆足計君) それではどなたかから続行願います。
#26
○稻垣平太郎君 私は二三御質問申上げたいのですが、私のは今丁度和田君と反対的な考え方で御質問を実は申上げたいとこう思うのであります。成る程和田君の言われましたように、日本の経済自立の態勢が整つてから外資導入の問題を考えてもいいという、尤もこれも一応の考え方でありますが、日本の経済自立を促進する意味において外資の導入は多々益々弁ずると私は考えております。そこでそうこう立場から考えて見まして今の如何なるものに受入れるか、いわゆる日本の産業構造の問題を和田氏が提案されたのでありますが、併しながら例えば鉄鋼業に非常に必要だということ言つても私は鉄鋼業には恐らく外資は入つて来ない、又われわれが欲するところのものに必ずしも外資が入つて来ないということであろうと思うのです。そこでおのずから産業の構造は大体の大きな大枠の規模はこれはどうせどうしても産業構成の観点から勿論安本において御計画を願わなければならん。この点はこの前のときにも和田氏から質問があつてそういつた問題が提起されたときにも私申上げたのですが、これは計画的な一つの規模を拵えるということは必要であろうと私思うのでありますが、ただ併しながら産業の構成はおのずからプライス・フアンクシヨンと、そうしておのずからの需給の関係によつて決定される、而もそれは日本の輸出市場を中心として構成されることだと私は考えるのであります。そういうようなことを別といたしまして、とにかく外資が入つて来ると、入つて来るためには、これを促進するために送金の手続その他についてこの規定を設けられるということは私は非常に賛成であります。ただ問題は何故に……今もたまたま触れられた中に入つておるのでありますが、何故にこれは認許可をしなければならないか、この点について私は非常に疑問を持つておる。外資が仮に欲しない方面に入つて来ると仮定いたしましても、とにかく外資が蓄積のない日本の中に何らかの形で外資が入つて来る、ということは私は歓迎すべき問である。これが全然日本の産業に役立たない、或いは日本の自立態勢を妨害するというものでは私は絶対にないと思うのです。これを産業を認許可にするというためにここに第八條に基準が設けてありますけれども、この基準たるや、これは一と三の間には大きな矛盾がある。二と三の間にも大きな矛盾がある。これをどういうふうに決定するかという問題になつて来ると非常なそこに混乱が起きるのじやないかと私は考える。外資の標準を決定する場合に、果してそれが妥当であつたか、公正であつたかという問題についていろいろの問題が起きると思いますので、むしろ認許可でなしに自由にただ届出にするということに考えることの方が至当ではないかとかように思いますが、この点について政府の御見解をはつきりして置いて頂きたいと思います。
   〔理事帆足計君退席委員長著席〕
#27
○國務大臣(青木孝義君) これは御質問御尤もでございますが、第一條で日本経済の自立或は健全なる発展とか、或いは国際收支の改善というように言つておりまするし、若しそれに違うような資本の投下がありました場合には、こういうことになりますと、そういうものについては選択しなければならんとこういうことになりまするのに拘らず、第二條では、我国に対する外国資本の投下はできる限り自由に認められるものとする。これは第一條と第二條とは全く表と裏と申しますか、運営の上ではできるだけ外国資本の投下は自由に認めるという心持を現わしておるというふうに御解釈を願いたいと思うのでありまして、我々もできるだけ外国から投資されるもの、それは迎えるという考えを持つておりまするが、併しながらそういう場合においても一応認許可制にいたして置きますことによりまして、又それは同時に外国への送金等もその認可されたものについては自由に送金もできるというようなふうな点を関連的に考慮いたしまして、一條と二條とが何かちよつと表面的に見ますと矛盾したかの如き感がありまするが、これは表現の点では私共ちよつと最初はそういうことを考えたのでありまするけれども、併しながら我々の気持においては、おつしやるようにできる限り自由に認めたい、まあ運営の面でできるだけそういう点は考えて参りたい。併しながらこれも委員会が構成されておりまするので、更にその下部の構造といたしましてはそれぞれ委員会に繁がるところの名省の関連した事柄もございまするし、関係の方面に対してはそれぞれ了解のできるような仕組になつておりまするので、稻垣委員の御質問の御趣旨なり御希望なりというものは大体においてこの中に織込まれて行くものと解釈をいたすのでありますが、併しながらそれぞれの條項で認許可、認可、或いは許可というふうになつており、届出の部分が少いというこの條項から見ますると、只今のような御質問が出ることも御尤もだと思いまするが、私共の考え方としては今申上げたような考え方でこの法案も作つた次等でございます。
#28
○稻垣平太郎君 只今安本長官の御答弁で大体了承いたしましたが、この点は一つ、或る意味においてなかなか外資が導入されるということは困難な問題である、殆んど今日まで実際的には導入もされていないような状況でありますので、できるだけ導入されるためには煩瑣な手続を除くということが私は最も望ましいことだと存じます。今お話のような、大体においてこれをこの第一條に書いてあつたような順でお通しになるんだとこういう御説明でありますので、どうかその点を特に御留意を願つて、かような方向に一つお進めを願いたいと存じます。
 それからその次にお尋ねしたい点でありますが、この第八條の問題が非常に法文の上ではつきりしないように私は思う。それは一の「直接又は間接に国際收支の改善に寄與すること。」と、それから三の「重要産業又は公益事業に関する従来の技術援助契約の更新又は継続に必要であること。」、そこで技術を導入するという場合に、向うは金銭的な資本は投下しない、技術を供與するのですが、先ず第一に技術料を拂うということで、出るものだけが出るというような契約が今後私は相当行われて行くと思うのであります。そうすると日本の国際收支の上にはこれはマイナスになる、こういうことになります。或いは将来これによつて技術が改善されて、国際收支の上に非常な寄與をするんだとこういう大きな立場からはそれもいいのでありますが、併しながらそれはいわゆる各売上げに対するところのロイヤリティーを拂えとか、或いはそういつたような契約でありますと、実際に効果が挙つてからこの技術料を拂えということでありますから、まあ一応一との間に矛盾はいたしませんが、先ず第一に、仮になんらかの今後すベての持つているところの特許なり、技術なり、或いは経験なりを供與する、それに対して、先ず予め一つのそれに対する報酬として何千ドル、何万ドルを拂うとこういう仮に契約があつたといたしました場合には、これが果して効果を生むのか生まないのかは将来の問題である。そこで一と三との間にどうも国際收支の改善だということが直ぐ言えるか言えないかというような問題になるのでありますが、そういつたいわゆる技術の導入ということが今の日本の産業界にとつては最も私は必要なことであつて、そうして国際收支の改善に直接直ぐ直ちに寄與する寄與しないということよりも、技術的な改善ということの方が重大問題であるという見地から考えて、どうも一と三が矛盾するような、矛盾ということはありませんが、これを決定される場合において、非常に判定が困難になるというように思われるのであります。その点は如何でありますか、その点お伺いいたします。
#29
○國務大臣(青木孝義君) 今おつしやいましたように、そういう矛盾も或いは起る事柄も起つて来ることがあるかもしれませんが、大体御承知の通り七條と七條の二で申しておりますように、外国投資家からの技術援助を希望する技術の種類を公表する、発表しなければならん、そして外資委員会はこの規定により公表した技術の種類を随時変更することができるという規定がございます。これはなかなかむずかしい問題ではありますけれども、そういう意味で必要な技術の輸入というようなことについても、できるだけ検討いたしまするし、又同時にこれは外貨に関係もございますから、直接又は間接に国際收支の改善に寄與するということと、今おつしやるような第三番目の問題とは、これはどちらも抽象的に掲げてありますので、これを決するということには相当深い配慮を必要とするということになろうと思いますが、そこでこれは四半期毎と言いますが、或いは、それぞれ一定の期間内で、外貨の関係等とも睨み合せて参ります関係と、もう一つは、その効果が早く挙がるか、遅く挙がるか、早く挙がればそれが分るけれども、なかなか挙がらないようなものというものはどうなるかということになりますけれども、これはやはり技術の性格によつて違つて来るのでありまして、これが我が国の国際收支の改善とならないような場合ということは、今おつしやるように目前のことと、将来のことと、そういうことになりますので、できるだけそれは将来必要であるということから参りますので、恐らくその期間等についても予定をして技術の導入等を図るということになりましようから、余り大きな矛盾は起らないだろうというふうに自分は解釈をいたす次第でございます。
#30
○稻垣平太郎君 今の御説明でありますが、先ず第一に第七條の技術援助を希望する技術の種類を公表をするというのですが、第一にその技術の種類が、如何なるものを希望するかということは、これはいずれ民間に聽かれるなり、或いは御検討なさつて決められると思うのですが、これは私はこういうことに局限してしまうということのために、折角入つて来るところの外資が入つて来ない場合もあり得る。入つて来べき技術が入つて来ないという場合があり得る。この点も御質問しようと思つておつたのですが、そういつた点も私はあると思うのでありますが、先ずその点については、これでどうしても公表しなければならんという利益がどこにあるのか、私はその点非常に疑を持つているんですが、援助希望の技術でなくても、技術は如何なる技術であつても私は入つて来て一向構わないので、それを決められる外資委員会が、それを決められるということは、私は甚だどうも入つて来るべき外資を局限するということにもなる。入つて来るべき技術を局限することにもなると思うのですが、この点どういう御意見か、伺つて置きたいと思います。
#31
○政府委員(賀屋正雄君) 第七條で我が国が技術援助を希望いたしまする技術の種類を公表いたすことにいたしておりまして、この公表いたしました結果、そこに掲げられておらない技術が折角入れようとしても欲しておらないじやないかというようなことから、入りにくくなりはしないかという御質問でありますが、どういうものを公表いたしますかどういうことにつきましては、お話にもございましたように、できるだけ各方面の意見を網羅して、落ちのないように総合的に公表いたす考でありまするが、公表いたしました技術のみを認め、それに漏れているものは絶対に認可しないというようなことは契約いたさないのでありまして、ただ公表いたします趣旨は、貿易でもそうでありますが、いわゆる盲貿易等が非常に貿易の伸長に邪魔になつておるというようなことで、外資の導入につきましても、一体日本がどういつたものを希望しておるかというような情勢が相手の国に分つておらないというようなことが、話合が成立いたしますまでに非常に事がはかばかしく進まないというような懸念もございますので、一応こういつたものは日本は好んでおるのだ、欲しておるのだということを公表いたすのが適切であろうと考えまして、こういう條文を設けたわけでございます。
#32
○稻垣平太郎君 技術の導入について政府が一々世話される、或いは仲介の労を採られる、こう言つた場合には、この規定も私は結構だと思うのでありますが、凡そ外資の形において技術が導入される、こういう場合には日本の産業界の当事者と、向うのそう言つた方面の同じ種類の産業界の人達が何らかの形で話し合つて行われるものだと思うのであります。従つてこれを種類を決めて置くと、それ以外のものは話合ができない、却つて制限するという形に私は落ちる虞れがある。凡そこう言つた外資導入の話は政府が仲介したつてできるものではありません。両国の間の業者同志が真劍になつてこの問題に取組むというときに初めて技術の導入はできるのでありまして、却つて公表ができんとか、公表しなければそういう技術が入つて来ないのだ、こういうものを日本は希望しておるのだ、そんな生易しいものではないと思うのであります。却つてこういう第七條の規定があることは技術の外資導入を邪魔こそすれ、促進には一向ならない、そういうように考えるのであります。そういう点は私はそういつた規定があることは甚だ遺憾だと存じております。但しこれは意見の相違になりますから、それ以上は申上げません。
 そこでその次に、さつきの第八條の方へ戻るのでありますが、第八條で私は先程申上げましたいわゆる技業を導入する場合において、個々の売上げリターンに対するところのロイヤルテイ、こういつた問題だと自から簡單でありますが、リターンに対するロイヤルテイという問題でなくて、初め一括して或る一つの事業というものを日本に起すために一応従来の持つておる、投資家の方の持つておるところの技術なり、或いはエクスピァリアンスとか、そういつたようなものを供與する代償として初め何ドルかを保証金に出すとか、或いは何ドルかを全体的な技術料として先ず初め出せというようなことが契約の上にあつたと仮にいたしまして、その場合に一と三とのさつき矛盾を申上げたのですが、そういう場合に外資委員会、政府としては許可される御意向であるのかどうか。これは私念のため承つておきたいと思います。
#33
○政府委員(賀屋正雄君) その技術を使いまして出来上りました製品に対する割分に対して決定せずにイニシャル・ペーメントというような形で包括的に最初外貨を相当多額に拂うというケースも、お説の通り確かに考えられる事柄でございまして、現実にそういう問題が起りました際、そういつた契約の我が国の産業に及ぼす効果、又そういつた技術を用いました結果、その製品の輸出の状況、それによつて外貨の獲得にどういう影響を與えるか、国際收支の改善にどういう影響を與えるか、そういつた点を総合的に審査いたしまして適切なものであれば勿論認可いたしたいと考えておる次第でございます。
#34
○稻垣平太郎君 そこで私は一番初めに戻つて、そういつたことを一々外資委員会が判断される、これが認許可を判断されるということは非常な私は矛盾が出て来る、その場合に実際に外資委員会が考えられたことと、産業家自身が苦労して直接に相談し合つて考えた考え方との間に非常な大きな隔りが出て来るんじやないかということ私は心配いたしておるのであります。そういう意味で私はこれは認許可に非ずして届出主義を主張したゆえんでありますが、これはさつきの意見の相違になりますから、その点はこの程度にいたして置きます。
 そこで次に御質問いたしたいことは、今の第八條にいたしましても、その外のところに時々出て来るのでありますが、外資委員会、或いは又大蔵大臣がこの認許可の標準を先す決められることになつております。それから例えば、一の場合も二の場合も同じことで、例えば三の「日本経済の復興に惡影響を及ぼすものと認められる場合」、こういつた場合も大蔵大臣が標準を決める、外資委員会で決められることは勿論でありますが、むしろこういうものは安本長官なり或いは通商産業大臣がこれに加わられることの方が至当であつて、どうもここに大蔵大臣が出て来ているということが私は非常に不可解なんですが、この点はどういういきさつになつているのですか、はつきり承りたいと思います。
#35
○政府委員(賀屋正雄君) 外資委員会と大蔵大臣の認許可の権限でございますが、技術援助契約の締結、それから株式の取得につきましては、この法文にございます通りに外資委員会のみが固有の権限に基いて認可いたすことになつておりますが、社債に対する投資、或いは貸付金契約といつた形で外資が導入されます場合には、従来と同樣、これは金融的な面が相当ございますので、大蔵大臣が許可するということになつております。ただその際海外の投資家が同樣な外資の導入の件について異つた二ケ所の窓口があるというようなことがありましては非常に不便であろうということが予想されますので、その点につきましては十三條に規定いたしております通り、外資委員会に認可を申請する書面を出せば、それだけで大蔵大臣へは改めて許可の申請をする必要はない。ただその場合にも大蔵大臣は観念的には許可をいたす建前になつておりますので、一応二、三のところにも大蔵大臣が出て参つたわけであります。
#36
○稻垣平太郎君 そうすると、今の御説明によりますると、例えば第二項の場合に、一、二、三の條項については外資委員会が認許可をするんだが、四の社債或いは貸付金債券云々のものについては大蔵大臣だと、こういう意味でございますが、もう一遍念のためにはつきりして置きたいと思います。
#37
○政府委員(賀屋正雄君) この八條第二項の一、二、三が外資委員会、四が大蔵大臣という意味ではございませんで、この第二項に掲げましたのは消極的な認可許可をしてはならない場合の基準でありまして、一と二、三はあらゆるケースについて共通の問題でございますが、四の基準は社債貸付金に対する投資、株式又は持分の取得というような場合に限られた基準でございまして、この場合はそれに使われます日本の円貨について一定の條件を付けたわけでございます。従いましてこの四は特殊なる場合についての條文でございます。先程私が申上げましたのは、今度は社債貸付金だけにつきましては、権限が、従来通り大蔵大臣が持つておりました権限をそのまま留保いたしまして、形式的には大蔵大臣が許可をいたします。但しその場合でもこのケースだけについて大蔵省へ参りますというふうに窓口を二つにするという考を改めまして、社債貸付の場合にも一定の條件はございますが、多く場合外資委員会に認可を申請すれば、それで以て大蔵大臣への許可は改めて必要がない。許可申請はそういうふうに必要はございませんが、観念的には大蔵大臣が社債貸付金については許可をいたします関係上、この大蔵大臣の許可は消極的な基準のときは大蔵大臣がやるわけであります。
#38
○稻垣平太郎君 この第八條の書き方によりますというと、今の説明で四の社債伝々のところは、従来も権限を持つておるから大蔵大臣がこれに対して認許可の何を持つておる、或いは認許可をしてはならないということを大蔵大臣が決めることになつておるんですが、どうもこの書き方で行くと一、二、三、四の全部に亘つて、又八條の一項の一、二、三の全部に亘つて外資委員会か或いは大蔵大臣がというように読めるのでありますが、その点がはつきりしていないんじやないかというように私は思うのですが、この條文の上で、即ち外資委員会か又は大蔵大臣が認許可の基準を決めるように読めるのですが、その点はそうじやないですか、一つはつきりして置きたい。今のそういう社債とか貸付金、債券なんかが従来そういう関係であるから、そのものについて大蔵大臣が認許可の決定権を持つんだ、こういうようにここの條文の上だけでは読めないように思いますが、その点は如何ですか。
#39
○政府委員(賀屋正雄君) 勿論大蔵大臣が社債貸付金について許可をいたします場合にも、この第八條に書いてあります第一項一、二、三、それから第二項の一号、二号、三号、これも基準としては適用されるわけでございます。ただそれ以外、例えば技術契約でありますとか、株式の取得につきましては大蔵大臣は権限を持つておりませんので、そういうケースにつきましてはこの基準の第一項の一号、二号、三号も、更に第二項の一号、二号、三号も適用されることはないという結果になるわけであります。
#40
○稻垣平太郎君 外資委員会には大蔵大臣も御出席なさることになつておるのでございますね、これは。そうだと思うのでありますが……。
#41
○政府委員(賀屋正雄君) これは別途提出いたしておりますが、大蔵省を代表する職員一名が入られることになつております。
#42
○稻垣平太郎君 それでわざわざここへ大蔵大臣というものを記載しなければならんということについては、私は非常にどうもはつきりしない点があるのですが、私はむしろ若しこれを記載しなければならないならば何らかの関連において、例えば安定本部長官なり或いは通産大臣なりというものを一体ここへ書き上げて行かないと、いろいろな従来の仕事の上から言いますと問題が起つて来るんじやないか、例えば、基準を決める、重要産業或いは公益事業とは何ぞや、こういうような問題に対しましては、安定本部長官なり或いは通商産業大臣なりがやはり基準を決める従来の権限を私は持つておると考えますが、そうなるというと外資委員会で各省の関係が調整されておるものだと存ずるのでありまして、それを特に大蔵大臣をここへ記載された意味が私にはどうしてもはつきりいたさないんですが、その点は遺憾だと申上げますが、議論しておつても仕方がありませんから、この点は甚だ條文としても面白くない、かように考えます。尚私ばかり質問いたしますから、又……。
#43
○政府委員(賀屋正雄君) ここへ大蔵大臣だけ出て参りましたのは、先程来御説明いたしておりますように、決して基準を決めるのは大蔵大臣と外資委員会が決めるということではございませんのでありまして、この十三條の関係におきましてここへ出て参りました、法制技術的な点でこういうことになつたのであります。
#44
○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて。
 それでは質疑は途中でありますが、この辺で一応休憩いたしまして午後適当な時間に再開することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(佐々木良作君) ではそのようにいたします。休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十四開会
#47
○委員長(佐々木良作君) 委員会を再開いたします。
 午後中に引続きまして質疑に入つて頂くわけですが、その前にちよつとお諮りいたしたいと思います。理事の補欠をしたいと思いますが、選任の方法を委員長にお委かせ願えますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(佐々木良作君) それでは西川委員を理事に選任いたしたいと思います。御了承願います。
 引続きまして質疑の続きをお願いいたします。
#49
○和田博雄君 午前に引続いて簡單に一つ御質問したいのですが、外資に関する法律案の方で、第一條の日本経済の自立という言葉を使われておるが、ここで言う自立というのはどういう意味なんですか。
#50
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り日本経済は竹馬経済とか、そういうことを言われておりますが、大きな問題として対日援助見返資金というようなものによつて日本の経済が支えられておる、こう一般に言われておりますように、その他に面におきましても、特に貿易の面におきましても、戰前に比較いたしまして戰後の状況は全く輸入超過を継続しておりますし、それは極めて大きな額に上つております。さようなわけで、その上に国土は狭小になつておりますし、人口は又逆に多くなつておる。かたがた日本の経済は今日でも問題にされておりますように、若しこの数年の中に対日援助見返資金等でもなくなつたらば今後どうするか、貿易はどんなふうに振興させなければならんかというようなことで、いろいろと日本経済の脆弱性が指摘されておるのであります。ここで日本経済を日本の独自の建前で経済のやりくりができるような態勢を整えて行かなければならん、食糧の関係におきましても、その他の方面におきましても、御承知の通りであります。そういうことから日本の経済を、先ず経済的なバランスをとつて行かれるとか、何とかやりくりができる程度に持つて行こうということが理想であり、或いはそういう実現のために我々の希望という意味から日本経済の自立、或いは健全な発展ということを掲げておりまするし、又それに伴いまして国際收支の均衡がとれるように努力せ続けて行かなければならんというような意味で、そういう意味での日本経済の自立ということを考えておる次第でございます。
#51
○和田博雄君 そうすると、一言に言えば自由というのは国際收支の均衡という、言い換えるとそのことは自立と言われるのですが、国際の貿易面において日本が赤字でないと、マイナスじやないという点で、自主と言われておるのか。そうじやなくて国際收支の貿易だけではなくて国内的ないろいろな面についてもやはり自主という概念はその問題をも含んでおるのですか。
#52
○國務大臣(青木孝義君) それはやはり含んでおるものと考えます。
#53
○和田博雄君 それからこれは三條になると思うのですが、もうこれは誰かお尋ねになつたかと思うのですが、外国人という中で、中国人なり朝鮮人というものは一体どういうふうに取扱われるのですか。
#54
○政府委員(賀屋正雄君) この法律の適用につきまして、朝鮮人、それから中国人、殊に台湾人については、やはり取扱われるのでありますが、昨年の三月に出ました政令五十一号によりまして、朝鮮人は原則として日本人と同樣な取扱をしております。これに反しまして台湾人は外国人と同樣な扱をいたしておるのでありまして、中国人、これはもう完全に外国の籍を持つておりまして、(「もつとはつきり言つて貰わなければ分らん、大きな声で、少し外が騒々しいから」と呼ぶ者あり)外国人の取扱をいたしております。今度の外国投資家の定義につきましても、大体この五十一号政令の関係をそのまま踏襲することにいたしております。
#55
○和田博雄君 それからこの第四條ですが、第四條は、大蔵大臣が政令で定めるところによりて、対外の貸借と、收支に関する勘定を作成するということになつておるのでありますが、これと外国為替の予算、外貨予算との関係は一体どういうことになるのでしようか。
#56
○政府委員(賀屋正雄君) 御承知のように、外貨予算は年間の見込を立てますが、主として四半期別にその間の外貨の收支の見込を立てておるわけでありますが、この第四條で予定しております貸借に関する勘定は、この資産、負債、対外的な資産負債の現状が常に把握できますように、過去のものを網羅いたしまして、いわば対外的な貸借対照表のようなものを作ることを予定いたしておるわけであります。この政令で予定しておりますのは、目的といたしましては、国際收支、国際金融の調整をこれによつてやる、こういうことでありますが、これによりまして、為替管理を実行いたして参ります上に、資料として負債と資産の状況を常に把握いたしまして、為替管理の運営を效果的にやつて行く。こういうことを予定しておるわけであります。この勘定の構成として考えておりますことは、国際の経常勘定と資本勘定に分ける考でございまして、国際的な経常勘定におきましては、対外取引に伴います商品、それからサーヴィスの移動を網羅いたしまして、資本勘定の方におきましては、我が国の対外的に生じます資産と負債の発生、変更、消滅といつたような事項をすべて網羅いたしまして、資本の移動を記録して参りたいと考えております。その外、元本の債還、利子利潤の收支、どういう時期にどういう項目でこれらの支拂が行われるかというような状況が明かになるように、国際收支の計画を作成いたします資料としてこの数字を集めたいと、かように考えております。大体これは毎年十二月末現在において決算を行いまして、内閣へ報告をするという考であります。
#57
○和田博雄君 そうすると、四條で作る対外の貸借なり、收支に関する勘定表、これは年に一遍作るのですか。そうでなくて外貨資産と同じように四半期毎に作つて、この四條の勘定かとこかに、大体外貨勘定の予算の中に組込まれるのですか。何か内面的にどういう勘定になるのでしようか。ちよつとそのところが解せないのですが、その点をお聽きしておるのですがね。
#58
○政府委員(賀屋正雄君) この勘定は大体年に一回作る予定にいたしております。外貨予算の方は、まあ将来についての見込でございますが、これは主として、まあ決算的なものに相成りまして、これを資料として将来の見込を立てて行く外貨予算編成の資料です。
#59
○和田博雄君 だけどなんでしよう。第六條で結局向うへ拂わなければならん、外国の投資家に対して支拂わなければならん利潤、そういうものの額は結局外貨予算に計上しなければならないでしよう。それが年に一遍これを作ることになつて来ると、仮に一九四九年というように、四九年度のやつは年度の終りに一遍だけ作つて、それが今度は五十年度の外貨予算の中に組入れることになつて来ると、こういうことになるのですか。そこの関係はどうなるのですかね。
#60
○政府委員(賀屋正雄君) ちよつと私の申上げ方が舌足らずでございましたが、御指摘のように、常にこの勘定を睨んでおりまして、将来に向つて負債超過になるような虞れがあります場合には、これに基いて内閣に警戒を発しまして、新しい方針を決めて、それに基いて外資導入その他の海外措置に関する行政処分をやつて行くわけでありまして、常にアップレゲートの資料は持つておるわけでありまして、これを実績として締めますのは、毎年一回十二月末で以て定期的に締めて報告する。外貨予算そのものとは、勿論外貨予算は……。
#61
○和田博雄君 僕は靜態的に聽いておらない。動態的に考えて、とにかく一年を区切つて見ますと、これによつて仮に外貨があると前提して見て、一年の中に何月あるかということは分らない、自由だから……。併し何月かにはあるのだね。そうすると、そのときは外貨予算というものを一・四半期毎に組んで行くわけですから、結局出て来た拂わなければならん金は外貨予算に組んで初めて向うに拂うということになるから、外貨予算によつて生じたところのマージンなり、向うに拂わなければならん債務は、外貨予算でどこかに決めなければならない。一体それをどこへ組んで行くのか。一年一回ずつ組むのか。或いは第一・四半期なら第一・四半期毎というように組んで行くわけですか。そこの動きをちよつと考えて置かなければならんと思うのですが、そこの動きがどうなつているかということを聽いておるのですがね。
#62
○政府委員(澄田智君) 今の御質問でございますが、大体今考えておりますのは、契約等は認可になつておりますので、そういう場合にどういう契約を結ばれたかということが分るわけでありますから、それを集計いたしまして、そうしてその都度貸借の両面のパランスを取つて、勘定を全体のアツプレゲートの状態に維持して行くわけであります。そうしまして外貨予算の方は四半期毎に組んで行くということになりますと、その次の四半期には外貨予算にどれだけの資金の額を組めばいいかということがこの勘定を通じて分ると、こういうことにいたしたいと、こういうことでこの勘定の案を組んでおります。
#63
○和田博雄君 それだから四半期毎に組んで行くのか、一年だけを通じて、予算的に一遍やるのかというのだよ、四條の方は……。
#64
○政府委員(澄田智君) それは四條で内閣に報告しなければならんということになつておりまして、この報告をするために決算を締めるのが年に一回となつておりますが、勘定そのものは常時帳簿に掲げて行くという、謂わば会社のバランス・シートを決算期毎に締める、併し毎月資産表を作る、或いは常時伝票によつてこれを作るということにして、帳簿を保持して現状を把握して行くと、こういうことになつております。
#65
○和田博雄君 現状把握ということは分るけれども、なぜ僕はそういうことを聽くかというと、外貨予算の面で仮に赤字が出るような場合でも、やはり外貨予算に組んで行くのでしよう。そうするとこういうことになる。第一・四半期毎に外貨予算を組むんだから、仮に第一・四半期だけを考えれば、成る程或る場合には赤字になるかも知れません。併しそれを第二・四半期、第三・四半期を延ばして行く、この年間を通ずればこれから出る場合は赤字になる場合も出て来るわけです。そういうようにやはりこれを動態的に考えなければならんと思いますが、靜態的に年の末にもう一遍報告する、これは非常に靜態的に考えた報告である。政府は外貨予算を組んで輸出振興をやり、いろいろなことをやつていて、外貨の為替管理法によつて外貨をうまく押さえてこれをやつて行こうとするには、どうしてもこれは一つの大きな要素になる、或る場合には外国為替の管理法でも排除するような規定もあるのだから、ただ何とか外貨予算の中にこれがうまく組入れられて行かなければ工合が惡いんです。そこのところがどういう形でそれが結び付くのか、この條文だけからは余り分らないわけです。それをどういうふうにお考えになつておるかということですね。まあそれはもう少し研究して貰うことにして、僕はこれが運営されるようになつたら問題になつて来ると思います。片一方は大蔵大臣がやり、片一方は外資委員会でやり片つ方は外国為替審議会でやるということになつておつて、三つになつておりますから、そこのところはうまく行くものかどうか分りませんが、その点ちよつと……。
#66
○政府委員(澄田智君) 今の点ちよつと補足して御説明申上げます。今の問題ですが、外貨予算の資料は閣僚審議会で関係の行政機関の資料提出を要求するというふうになつておりまして、大蔵省の方ではこの規定に基きまして勘定を作成いたしまして、そして先程申しましたように、内閣に報告のために締めるのは年に一回でありますが、勘定そのものは常時集計しておりますので、四半期毎に外貨予算を組む前にその数字を閣僚審議会の方に連絡する。それによつて閣僚審議会の方はその次の四半期の送金の必要額を予算に計上する。大体こういう仕組で行こうかと考えております。
#67
○和田博雄君 それは私はまだ十分には了解しませんが、というのは外貨導入というものが比較的これは自由に任されておるわけでして、そういつたことを、僕は今日冐頭に聽いたように、或る程度の予想、どの程度に一年間に入つて来るかという予想がお付きになつておると思つたところが、それが余り付いていない。実際に言うと組みようがない、どれだけ一体元利支拂したらいいかどうかというようなことについて、それが本当に明かになるのは一体どの点で明かになつて、そこでどこで予算に加えるかということは僕には理解できませんが、もう少しそこらのことを御研究願いたいと思います。
 それから次に移りますが、今の点とちよつと関連するのですが、この五條の関係で行くと、これは例えば、非常にこの支拂超過になつてしまつた場合とか、支拂の困難な場合でもとにかく処置を付けて、そうした債務については外貨債から優先的に向うへ拂うわけですね。そうするとその関係から行くと、或る意味から言えば輸入資金を結局食つてしまうことになるわけだから、そうすると日本の輸入については非常にそれだけ影響があるということになるのです。国の全体の外貨予算が非常に赤字になつて行つておるような時というものは、むしろ輸出が殆んど伸びないで苦労をしているという時なんです。その中から外貨資本だけ優先的に拂つて行くということは、これはどうですかね。その点はどういうふうにお考えですか。これは非常に外資の優遇と言えば優遇ですが、少し我々としては割り切れんものがありますが、又碎いた話はそうなんですけれども、僕らにはちよつと割り切れない。僕の聽きたいことは、一生懸命輸出振興をやつても輸出振興はうまく行かん、貿易尻は赤字である。併し日本に対してこの條文によつて国際收支の改善、日本経済の自立に寄與するという政府の外資委員会の認定でこれを入れたものが赤字が出るようであれば、国際收支の改善に寄與しなかつたことになるんだが、そういう場合にやはり依然として優先的に拂つて行く、こういうことはちよつとどうも僕らには感心し難いわけですが、その点はどうなんですか。そこで一体優先する必要があるのかどうか、その点どういうように政府の方でお考えなのか、その点お聞きしたいと思います。
#68
○政府委員(賀屋正雄君) 外資の導入についての見込の問題につきましては今朝程も話が出まして、的確に幾ら将来どういう期間に亘つて入るかという見込は、なかなかこれは、相手のあることでもありまして、見当は付きかねるのでありますが、大体我が国が輸出で稼ぎました外貨の総枠に比べますれば、入つて参りました外資のサービスとして利子、利潤、特許料の形で出て参ります外貨はそう大きな比重を占めるものでもなかろうかと考えるのでありまして、これは見込であつてどういうことに相成るか分りませんけれども、それともう一つは、外資が入ります際には、大体一條にもありますように、又八條の準基のところにもありますように、直接間接に国際收支の改善に寄與するものを入れる、而もその優先順位といたしましては、「国際收支の改善に有効に寄與するものを優先させなければならない。」ということにいたしておりまして、将来の見込違いということも全然ないということを保証いたすわけには参りませんが、大体こういう基準によりまして愼重に導入を決定いたします際に審議をいたしまして、大した見込違いがなければ外資の導入の結果利子、利潤というような形で出て参りますが、導入自体が外貨を稼ぐという関係もございますので、私共といたしましては、そう将来これによつて輸入資金を圧迫するというような事態は起らないのではないかというふうに考えております。
#69
○和田博雄君 その点が非常に問わず語りのうちに矛盾になつて来る。というのは、日本としては外資を日本に導入して貰いたい、国際收支の改善なり、或いは自立に寄與するものについては導入して貰いたいと、こういつておりながら、実際は利子利潤なりをサービスとして拂出すものは極く僅かであろということは、本質的には余り沢山なものは入つて来ないということになつて来る、そこが非常に私共が考えて矛盾だと思うんですが、それは一応そのままにして置いても、大体直接間接に国際收支の改善に寄與するという資本は、政府としては、どういう産業部門に行く形態の資本を差当つては想定されておるんですか、安本長官如何ですか。
#70
○國務大臣(青木孝義君) 今ここではつきり申上げるわけにも参りませんが、我々が希望して、差詰めこれというようなものは、例えば技術の援助契約、そういうものでありますし、又その他できることならば長期の資金というようなものが投資されることを希望しておるわけであります。併しそれならばどういうものにということになりますと、その対象が外国人に取つて好もしいものであるかどうかということになりますると、日本側の希望はこういうところにあるけれども、併しながら向うではそういうものではと、こういうこともありましようし、今度外資が大幅に導入されるというようなことについては我々は期待しておりますけれども、それではどれだけ何が来かと、こう言われてもどうもそれはまだ分りません。ただ問題は、こういつたような問題もあるのであります。開発計画というようなもので我々のところへ話を持つて来られておるようなもので、例えば電力の開発に伴う産業計画と言いますか、そういうふうなもので向うと話合つておるものがある、そういうふうなものが二、三我々の耳にも達しておるのでありますが、それならばそれが具体的にどこまで行つているかと言われれば、日本としては非常に希望したい、そういつてもまだいろいろな調査を遂げなければならん、そういつたようなこともありまするし、そういうことに相成つておりますので、差詰めこの日本の国内の産業人とか、或いはその他いろいろな計画に基いて外資を導入したいというようなものが、今のところそう具体的なものは余りございませんが、ともかくも民間投資のことでありまするから、先程申上げましたように向うとの話合いがうまく行かなければならんということがどうも前提になつておると思いすし、さようなわけで、今ここではつきりこういうものがある、こういうものはすぐ来るようになつているというようなものをここで申上げるようなことはちよつとできない状態にありますが、まあいろいろなパテントであるとか、技術の導入というような点は相当に期待をしておるような次第であります。
#71
○和田博雄君 安定本部にはどうか知れせんが、例えば通産省であるとか、或いは大蔵省、ちよつとどうかと思いますが、そういう外国の技術を、どういう技術を一体導入したらいいか、又そういう技術の導入を欲するかというようなことの調べは、大体の調べはあるのじやありませんか。それがないとおかしいと思う、外資の導入の問題の研究をやるのに……。それは若しもあれば出して頂きたいと思いますね。安本或いは通産省くらいにあると思いますね。例えば、石炭なんかにしても、纖維にしても、それからその他いろいろなこまこました産業にしても、技術の導入に関してあると思いますね。
#72
○政府委員(賀屋正雄君) 今度の法律の第七條にも我が国が援助を希望いたします技術の種類は公表いたすことにいたしておりまして、この法律が通りますれ、これによつて公表することになるのでありますが、午前中もちよつと触れましたように、これは官庁方面におきまして用意をいたしまするのみならず、できますれば民間の業者で、具体的にどういう技術を欲しているかというなような希望も徴し、又技術関係の民間の諸団体の意見等も徴しまして、できるだけ広く総合的なものを公表いたしたいと考えておるのでありまして、官庁の中におきまして、只今通産省等においても極くあらましの案は只今研究中でございますが、正式の公表といたしましては、法律が通過いたしますれば、第七條の條文の適用として公表いたしたいと考えておりまして、今準備をいたしております。
#73
○和田博雄君 これは外資委員会の設置の方について最初に私安本長官にお聽きしたいのですが、委員の中に農林大臣が入つていないのと、それからもう一つ、委員の任期というのは一体どうなつているのですか。
#74
○國務大臣(青木孝義君) これはこの間ちよつと私も、最初のことでありましたから何でしたが、御承知のようにこの設置法を設ますときに、なるべくこれは簡素に行こうじやないかということで、一々ここに何々省何大臣というふうに挙げますと、それぞれ関係が深いし、お説のように農林省に関係は深いことはよく分つておりまするが、外貨の方で、外国為替及び貿易管理法の方におきましては、これは農林大臣も、その審議人の委員になつておることを記憶いたしておりますが、この外資導入ということになりますと、直接に農業関係へ投資するというような面がどうであるかというような考もございまして、それぞれ所管の深い拘りを持つておる主務大臣はいくらも連絡がとれるという形になつているから、先ずここに掲げられましたような大蔵省を代表するもの、通産省を代表するもの、外国為替管理委員会を代表するものというふうに一応いたしまして、そうして尚民間から学識経験者を三人以内をお願いするという形でいいじやないかと思つて、かようにいたした次第でございます。期限の問題は、これは運営の面で適当にやつて行つたらばよかろうということで考えまして、もう一つは任期を規定はいたしせんけれども、一般職の公務員として公務員法の適用を受けるということ、この官職に必要な適格性を欠くときには本人の意に反して免職できるというようなことも考えられますので、かような任期を記さないような形に相成つております。
#75
○和田博雄君 農業関係に対する外国資本の投資というものは非常に少いだろうという御認定ですが、併しやはり日本の農業は近代化したり、或いは農業を基礎にしたいろいろの食料品工業であるとか、いろいろなものがあるのですね。実際今後の日本の農業については僕は、或る意味においての外資等は考えられると思いますけれども、ただどの大臣もどの大臣も入れるということはいかんとおつしやいましたが、これは私もそう思いますけれども、日本のような場合には、やはり通産大臣、大蔵大臣だけですべての産業問題を代表させるという考え方が私はどうも偏り過ぎておるのじやないかと思いますが、これは意見になりますからこれ以上言いませんが、ただこの法案を見まして、外資委員会の認可は……、大蔵大臣の許可、認可はこれはダブつておるような感じが非常に強いのですが、これはどちらか一つに整理するわけには行きませんか。八條にしたつてみんな外資委員会だけでよさそうなものなのに、まだ大蔵大臣がやることになつているのですが、大蔵大臣というのはこんなところまで出て来るものでは本来ないのじやないかと思いますが、どういうものですか。この点はどういう形になつておるのですか。別々に認可事項は違つておるのですか。
#76
○政府委員(賀屋正雄君) お尋ねの問題につきましては、本日の午前にも稻垣委員から御質問がございましてお答えいたしたのでありますが、本法で規定しております認可事項といたしましては、技術援助契約と、それから株式持分の取得の場合と、それから社債に対する投資、それから貸付金に対する契約、それから外資の入つて参ります形態を無体財産権、特許権というような形で入りますものと、それから経営に参加いたします場合と、それから金銭的な債権者の立場にある場合と、この三つに分けて規定いたしておるであります。沿革的に申上げますと、外資委員会がこの三つの中で、昨年三月以来権限を持つておりましたのは、技術の援助契約についてと、それから株式の取得についてであつたのであります。社債貸付につきましては、これは大蔵大臣の專管事項になつておつたわけでありますけれども、同じ外資の導入の案件につきまして窓口が二つに分れるということでは、海外投資が非常に不便を感ずるであろうということから、この外資導入と目されるような貸付金、契約、或いは社債の取得につきましては、これは認可の申請は外資委員会にすればいい。この場合の観念上は大蔵大臣の従来の権限を留保いたしまして、為替管理法的な面から社債なり貸付金の規制をして行くという必要がございますので、その方の権限は裏には残つておるのでありますが、申請はただ外資委員会で窓口へ出せば、それで大蔵大臣に対して許可の申請をしたと見做すという十三條の規定を置いたわけでございます。従いましてこの第八條の基準の規定のようなところには、大蔵大臣の許可が理論上存在いたしております関係上、やはりこの基準に従うということになつておりまして、実質的には外資委員会の許可一本に統一されたような形でありますが、法文といたしましては、ここに大蔵大臣という名前が出て来たわけであります。
#77
○和田博雄君 そういうところは理論的観念というものは、抽象的なこの法を運用して行く上については、本当を言えば要らないと思う。ただ従来の法体系で、一応そういうことになつているからということだけですから、この法律に関する限りは、やはり簡便にやるにはやはり外資委員会にむしろ任した方が、それで法律の体系を破壊するわけじやなし、いいように私は思うのですが、そういうわけには行かんですかね。こういうところまでも一々出て来て大蔵大臣が法文の上で許可だ認可だというのをやる必要があるか。むしろ外資委員会の委員長が、総務長官なら総務長官がやることにして、それでいいのじやないかと思いますがね。僕は非常にこういう点で官庁のまだセクシヨナリズムで出ている感じが強いのですが、これはやはりそういう議論にならなかつたのかどうか、安本長官どうですか、この点は。
#78
○國務大臣(青木孝義君) この法文が成立いたしまするまでの過程におきましては、そういう意見もしばしば出ておつたことは私も認めます。併しながらその後漸く、成案を得まして、こういうことに相成つた次第であります。
#79
○和田博雄君 この十五條ですがね、外資の、これは実質的には、外国為替及び外国貿易管理法の二十七條の規定を排除してしまつて、当然その規定で外国へ支拂が認められたものとなる、こういうのですが、全体のこの法案を通じて可なりこの外国為替と外国貿易の管理法の実体が余程空文化されるということは、私は言い過ぎだと思いますけれども、余程斟酌されているように感ずるのですが、それは外国為替なり、外国貿易の管理法というものの建前から言つてどうなんですか。ここのところは外資導入ということと、それから外国為替の管理、外国貿易の管理というものは非常に密接な関係があるのであつて、むしろ日本全体とすれば外国貿易なり、外国為替の管理法というものが元になつて外貨関係が運営されて行くものだと思うのですけれども、すそうると二十七條もそうだし、それからもつと前に何か規定がありましたね、何條だつたか。そういうところが余程この外国為替管理法が外国の投資に対してはこれは筒拔け案みたいな形になつてしまうのですが、その点はどういうようにお考なのか、やはりこれは海外の送金を確保するという建前を貫く上に非常に必要になつて来るのですか。若しもそういうことになつて来ると、可なりそこからごまかしが出て来ないでしようか。例えば、今現に持つておるやつは、外国の資本が日本に来ない場合は当然この法律の適用はないのだけれども、将来の運営によつてはそんなものは筒拔けに行つてしまうというようなこともちよつとも抑えられないように思うのですが、この点はどうなんでしようか。
#80
○政府委員(賀屋正雄君) お説の通り、この法律によりまして昨年できました外国為替及び外国貿易管理法の規定を、排除と申しますか、例外的に規制を免れるような條文を置いておるわけでありますが、併しながらこの法律の主たる目的と申しますか、大きな狙いは実はそこにあるのでありまして、海外投資が入つて来るときには自由に入れますが、それに基いてこちらで生じました利潤を一々その都度外貨によつて送る場合に、この為替管理法上の許可を申請するということでは、非常にその回收についての不安があるからこそ、入つて参ります場合は、その代り非常に厳格なと申しますか、一定の基準を設けまして、愼重にこの基準に合致するかどうかを審査いたしまして、そうしてこの基準に合致いたしたものを導入するわけでございます。併しながらその導入いたしました以上は、この為替管理法上の煩瑣の手続を省いて行こう、そうして実際上外貨の送金が確実に行われるということを確保しようというのが、むしろこの法律の狙いでございますので、そういつた点で、この二十七條と、為替管理法で申しますれば重要な規定が実質的には外ずされる。こういうような結果になつておるわけであります。
#81
○和田博雄君 だから結局一旦投資された資本が、もう一遍それから出て来た利潤が、もう一遍日本国内の産業に再交付されるかどうかということは、向うの自由だということですな、結果については。それからこの十三條ですかね。十三條でちよつとお聽きしたいのですが、十三條の「当該取得が外資委員会の認可を要する他の事項とともに」というこの「外資委員会の認可を要する他の事項」というのは何ですか。
#82
○政府委員(賀屋正雄君) この法律によりまして外資委員会の認可を要する事項は、十條の技術援助契約の認可、これは外資委員会の認可を受ける必要がございます。その外次の十一條で株式又は持分の取得、これもやはり外資委員会の認可を要する。その外、外資委員会の認可を要する事項といたしましては、昨年三月に出まして政令五十一号によりまして、土地でありますとか、家屋等その不動産を取得いたします場合にも……。
#83
○和田博雄君 政令五十一号を指しておるわけですな。政令五十一号と一緒に行われる。……。
#84
○政府委員(賀屋正雄君) 政令五十一号と本法の方……。
#85
○和田博雄君 ものが一緒に行われる……分りました。これはちよつと技術関係を聽いて置きたいのですが、この八條の三号のお仕舞の方に、「従来の技術援助契約の更新又は継続に必要であること。」という事項ですが、これは何件くらいございましようか、実際問題としては、従来の技術援助契約の更新又は継続に該当する事項は……。
#86
○政府委員(賀屋正雄君) ちよつと只今手持の資料を持ち合しておりませんので、早速調べましてお答えいたしたいと思います。
#87
○和田博雄君 契約條項が公正でない、こういうことをよくこの頃使うのですが、この場合どういう意味ですか。九條の二項の一号ですね。
#88
○政府委員(賀屋正雄君) これは読んで字のごとくでございますが、法令違反に明瞭になるというところまで行かないまでも、契約の條項が信義誠実の原則に反しておるというような場合を指すのです。
#89
○和田博雄君 と言うことは、こういつたことの基準に当て嵌まるか、契約の條項の内容が、非常に、例えば日本側に不利であるとか、それから非常に條件としては苛酷であるとか、そういつたような場合ですか。
#90
○政府委員(賀屋正雄君) その通りでございます。
#91
○和田博雄君 それから最後に罰則ですが、これは一体……罰則をたしか決めてあつたと思うのですが、これは條約がなくても、こういう罰則は外国人にも当然適用できるのですか。
#92
○政府委員(賀屋正雄君) この連合国人が法令違反を行いました場合は、その罰則の適用につきましては、告発をするかどうかの問題がございますが、裁判管轄といたしましては、軍事裁判所におきまして当然日本の法令違反として採上げまして、連合国人に対して裁判を行う、罰則を適用することができるというふうに解しております。
#93
○和田博雄君 できるのですね、軍事裁判として……。
#94
○政府委員(賀屋正雄君) そうです。
#95
○和田博雄君 それから最後に外国為替、外国貿易管理法によりますと、例えば戰略物資についての輸出については、許可、認可を要するようにして、或る程度抑えて置く。この法で外国資本の投資の場合は、例えば、ソ連とか中共なんかから、仮にこういう目的選定標準に合つたものをやろうと言つて来た場合は、これは当然認めるのですか。大臣どうですか。ソ連なり、中共なりの資本が入つて来ようとしたときに……。
#96
○國務大臣(青木孝義君) これはやはり條件に合致しておるような場合におきましては認めざるを得ないと思いますし、認めるものと解釈いたしております。
#97
○和田博雄君 條件に合致するときは……。
#98
○國務大臣(青木孝義君) 認めらるべきものと思います。
#99
○政府委員(賀屋正雄君) ちよつと補足して申上げたいのですが、指定通貨ということがございまして、方々で正当な対外支拂手段を、合法的に円貨と交換いたしました、その本邦通貨で以て投資する場合について優遇をいたしております関係上……。
#100
○和田博雄君 それは何條だつたですか。
#101
○政府委員(賀屋正雄君) 通貨の種類によりまして取扱が変つておることがあると思いますが……。
#102
○和田博雄君 何條でしたか。
#103
○政府委員(賀屋正雄君) 先程御指摘の十五條技術援助契約の対価その他の支拂につきまして、二号で一定の制限をつけております。
#104
○和田博雄君 それがこれかね。まだいろいろありますが、この程度にしておきます。
#105
○委員長(佐々木良作君) 外に御質問ありませんか。
#106
○椎井康雄君 質疑はこの辺で打切つて、あとのあれは明日に廻したら如何ですか。
#107
○委員長(佐々木良作君) 一般的な、つまり総括的な質疑の打切は、出席の議員も少いし、実質的に大体まあ質疑が終了しただろうくらいのことにしまして、明日、ですから成るべく早く討論採決に入れるように、一つ各派でも御努力願うというくらいのところで今日は質疑を打切つたらどうかと思いますが、よろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(佐々木良作君) ではこの際ちよつと私は政府の方に申上げておきますが、これは今まで大分質疑が行われて、そうしてまあ今大体質疑が終ろうかというところになつておりますのですけれども、私こうやつて聞いている範囲内では、質疑に対する答弁では、殆んど條文の解釈に属する以外には甚だ私は答弁として成つておらんと思います。殊にこの法案が制定される一番ポイントは目的にあるので、目的に対する実質的な質問に対する答弁というのは殆んど実際になされていない。数字も殆んど示されてないし、先程の和田委員の質問にありましたように、恐らくこの目的から、この法案を通した方がいいか惡いかのポイントは、表面にはこれを通せば外貨が、非常に外資が入つて来るという説明で、ところが今話を聞くと同時に、それはまあ輸入資金の圧迫にならん程度だろうというような話、而もその場合には具体的なデータなり、具体的な見通しは殆んど示されていない。それから又質疑の途中で行われた技術の種類の公表の問題にしましても、和田委員の質問は、これを審議する際に必要であるから今政府で持つておるのなら出したらどうかという質問です。それに対して答えられたのは、第七條関係の一般公表の問題だけを答えられる。私この審議の途中でありますけれども、これまでの質疑に対する答弁に対しては非常に不満を感じておる。今後十分に一つもう少し誠意のある、内容のある答弁をお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、外国為替及び外国貿易管理法の際にも、この委員会でも問題になりまして、質疑を切つて、そうして採決にされて、委員会で可決されたと同時に、各委員から、この法案につきましても官庁の権限の問題が非常に強く指摘されておつて、権限争いの問題が非常に強く指摘されておつた。そして又この法案の場合でも同様の問題が提案される経過にもありますし、そしてこの内容を見る場合にも、あちこちにそれを窺えるというような條項が沢山入つておる。同じ委員会として同様の問題を検討する際に、私は非常に遺憾に思つていることを申上げておきます。
 じや今日の委員会はこの辺で質疑を打切ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(佐々木良作君) じや今日はこれで閉会いたします。
   午後三時十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           西川 昌夫君
           帆足  計君
   委員
           椎井 康雄君
           和田 博雄君
          池田七郎兵衞君
          大野木秀次郎君
           島津 忠彦君
           田口政五郎君
           稻垣平太郎君
           奥 むめお君
  国務大臣
   国 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       西村 久之君
   経済安定事務官
   (総裁官房次
   長)      河野 通一君
   大蔵事務官
   (外資委員会事
   務局長)    賀屋 正雄君
   大蔵事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大蔵事務官
   (理財局外債課
   長)      澄田  智君
ソース: 国立国会図書館
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