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1980/11/12 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第3号
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1980/11/12 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第3号

#1
第093回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第3号
昭和五十五年十一月十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                山東 昭子君
                増岡 康治君
                坂倉 藤吾君
                馬場  富君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
    委 員
                石本  茂君
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                関口 恵造君
                森下  泰君
                山崎 竜男君
                戸叶  武君
                小平 芳平君
                中野 鉄造君
                江田 五月君
   衆議院議員
       交通安全対策特
       別委員長     田中 昭二君
       交通安全対策特
       別委員長代理   安田 貴六君
       交通安全対策特
       別委員長代理   沢田  広君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       仲山 順一君
       警察庁交通局長  池田 速雄君
       運輸省船舶局長  野口  節君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部防犯課長   佐野 国臣君
       通商産業省機械
       情報産業局車両
       課長       三野 正博君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
       労働省労働基準
       局監督課長    岡部 晃三君
       建設省都市局技
       術参事官     並木 昭夫君
       建設省都市局都
       市再開発課長   平林 忠正君
       建設省道路局道
       路交通管理課長  三木 克彦君
       建設省道路局企
       画課長      萩原  浩君
       建設省道路局高
       速国道課長    鈴木 道雄君
       自治大臣官房企
       画官       土井  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (交通安全対策に関する件)
○自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整
 備に関する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、交通安全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○坂倉藤吾君 交通安全に関する、いろいろたださなければならぬ課題というのは大変事が多いのですが、本日は、後刻、長い間検討されてまいりました自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案、これが議員立法として提案審査される、こういう予定でありますので、その法律案が議了可決をされた場合の政府の今後の対応、こうした問題について、それを確認する立場を踏まえながら以下質問をいたしてまいりたい、こういうふうに思うんであります。
 総論的に申し上げて、第一にお尋ねをしたいことは、私が感じておりますところから言えば、最近自転車はきわめて増加をいたしておりますが、その自転車がいわゆる交通の主たる役割りの中に位置づけられていない感じがするわけであります。したがって、そういう状況の中で幾つか問題が発生をしているというふうに見なければならぬわけでありまして、要は、自転車交通という問題に対して、特に都市交通、市街地内の交通、こういう立場からきちっとした取り扱いをしていくということが一番大切であろうと思います。そういう意味合いで、この都市交通の中の自転車の交通に対する位置づけについて、各関係の省庁が多いわけでありますが、基本的にどういうふうにお考えになっておるのか、それぞれ関係のところのまず考え方をお聞きいたしておきたいと思うんです。関係省庁は総理府それから公安委員会、警察庁、さらには建設省、自治省、通産省、これは全部それぞれのかかわりを持っていると思いますので、それぞれの立場でひとつ見解を明らかにしていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの自転車の問題でございますが、総理府が昨年十一月現在で調査をいたしました全国における駅周辺の自転車の放置台数は約八十五万台に達しております。五十二年十一月の時点での調査に比較いたしまして、十八万台という増加状況でございまして、今回議員立法いただくような御趣旨は、政府といたしましてもきわめて時宜を得たものだと考えておりますが、細部の資料につきましては政府委員からお答えをさしていただきたいと思います。
#5
○政府委員(仲山順一君) ただいま大臣の方からお話のございましたとおりでございまして、これは非常に交通行政上大きな――自転車関係も五千万台に上っておりますし、また自転車による交通事故も非常に多くなっておりますということで、われわれ、関係省庁とよく協力いたしまして、鋭意努力しておるところでございます。
 その対策等につきまして若干お話しさしていただきたいと思います。
 まず、自転車の放置状況でございますが、昭和五十四年十一月に行いました総理府の調査によりますと、全国における駅周辺の自転車の放置状況は、昭和五十四年十一月現在で放置個所は二千五百二十六ヵ所、放置台数は約八十五万台に達しておりまして、一ヵ所当たりの放置台数が五百台以上の大量放置個所は四百八十六ヵ所、放置台数にして約五十万台というふうになっております。また全国の放置台数の八割に当たります約七十一万台が首都圏、京阪神圏及び中京圏のいわゆる大都市の交通圏に集中しておりまして、五百台以上の大量の放置個所についても四百二十三ヵ所、台数にして約四十五万台、約九割が大都市交通圏に集中しておりまして、最近の傾向といたしましては、全体的な自転車放置現象の鈍化の傾向の中で大量放置化と大都市交通圏への集中化傾向が強まっているというふうなわけでございます。
 なお、放置現象をなくするためにどういうふうにやっているかというふうな現状につきましてもさせていただいてよろしゅうございましょうか。
#6
○坂倉藤吾君 それはまた後で聞きます。
#7
○政府委員(池田速雄君) 御質問、都市交通の中におきます自転車の位置づけについての御質問のように承りましたので、その点につきましてお答えさしていただきたいと思います。
 私ども、自転車につきましては、都市の中でもいわゆる域内の交通と申しますか、そういうものの中で自動車にない特性を発揮した交通機関ということであろうかと思います。したがいまして、そういう意味で地域の方の御同意も得ながら、自転車を保護すべき地点につきましては十分保護をしてまいる、こういったようなことで規制その他の面からも対策を講じておるところでございますが、一般的に道路交通の中での位置づけということになりますと、原付以上の自動車に対比いたしますと、やはり自転車は現在の段階では歩行者と並びまして、言葉が適切かどうかはわかりませんが、いわゆる交通弱者という立場におられるのじゃなかろうかというふうに思います。その中での安全策、そういったものにつきまして十分配意しながら対策を講じてまいっておるところでございます。
#8
○説明員(並木昭夫君) 自転車の都市交通における位置づけでございますが、特に都市交通の中で端末の交通機関として、また日常買い物等におきます交通機関、さらにはレクリエーション等の利用というようなことで最近非常にこの利用が図られておりますので、建設省といたしましても、自転車道であるとか、あるいは先ほど来お話のございます駅前周辺の放置自転車に対する自転車駐車場の整備といったようなことを図っているところでございます。
#9
○説明員(三野正博君) 私ども自転車の生産、流通、消費を担当している省といたしましては、自転車がきわめて健康的で、かつまあ省エネルギーに役立つ、また簡便な近距離交通手段という位置づけをいたしまして、さらに先ほど建設省のお話もございましたようなサイクリング等の用具にもなるということで、非常に庶民的で簡便な乗り物であるという認識でございます。こういった自転車が安全快適に利用されますように自転車そのものの安全対策さらに自転車の乗用指導とか、乗用環境の確保といったものに、私どもの力の及ぶ限りで努力している次第でございます。
#10
○説明員(土井豊君) 地方団体が大変、自転車の対応策に苦慮しているところでございますが、今回の法律案が成立いたしますればよりどころが一つできるわけでありまして、今後努力してまいりたいと思っている次第でございます。
#11
○政府委員(仲山順一君) ちょっと補足さしていただきたいと思いますが、ただいま各省庁からお話のとおり、いままで関係省庁密接な連携をとっておりまして、総合的な対策を講じる必要があるということから、昭和五十三年の一月に「自転車駐車対策の推進について」という、交通対策本部決定がございまして、これで政府部内の意思の統一を図ってこの問題に対処してきたわけでございます。
 この決定におきましては、自転車駐車場の設置に対する助成制度の強化とか、あるいは地方債の枠の確保とか、日本自転車振興会の公益資金の活用等定めまして、この「自転車駐車対策推進要領」というのを定めております。
 この推進要領におきましては、駅周辺の公共自転車駐車場の整備とか、「大規模駐車需要発生施設における駐車スペースの確保」とか、放置自転車の整理、撤去とか、「自転車の正しい駐車方法の啓蒙」こういうふうなのを決めておりまして、関係省庁密接な連携のもとに、いままでやっておったわけでございますが、今度新しい自転車法ができますと、先ほどからお話のとおり、なお、この面がより一層前進すると喜んでおる次第でございます。
#12
○国務大臣(塩川正十郎君) 運輸省といたしましては、自転車は交通機関ということでは認識いたしておりませんで、要するに、交通器材としては、これは十分効力の発揮するものでございまして、したがいまして、当面運輸行政の一環として自転車の運行ということは考えておりませんが、しかし、生活にとって欠くことのできない一つの交通器材でもございますので、これら利用される方の利便を図るためにも駅前、たとえば駅周辺に駐車場を確保するよう鉄道業者等を指導していくという、こういう考えでおります。
#13
○坂倉藤吾君 必ずしも私が申し上げた御質問に的確にお答えをいただいたと思いませんけどね。問題は、それぞれが現状の状況に大変苦労しながら対処しているということはよくわかりました。ただ、それだけでいいわけではありませんで、むしろ、交通体系の中に組み込むという物の考え方をこの際はっきりすべきだろうと思うんです。
 そういたしますと、いま運輸大臣から御答弁がありました交通器材でありましても、交通という観点からいけば、これは自動車、さらには陸上交通でありますから自転車、それから歩く人、この三つの体系は、今日やはりそれぞれの立場で区別をしていくべきだろう、区別をするという立場の中でいろんな安全施設、あるいは使用する環境の整備というようなものが必要なのではないのか、その辺をきちっと腹に据えながらこの法案についての運用を生かしていっていただかないと、問題が起こるのじゃないかということを指摘しておきたいと思うんです。そういうことを踏まえつつ以下私、質問をいたしていきますので、一括ずっとやられますと多過ぎまして、それぞれの立場に問題があるのですが、整理ができませんから、ひとつ質問をいたしました際に担当のところは明確にしてもらいたい、こういうふうに思うんです。
 そこで、私はそういうふうに整理をして申し上げるという立場の状況が出てきたというのは、いまおおむね自転車の保有台数は五千万台と言われておるはずでありまして、言うならば国民ざっと平均をして二人に一台という自転車が国内にあるという状況から生まれてきていると思うんです。この現実は無視はできませんですが、そういうふうに言われている数字というものは、たとえばこれは通産省が製造メーカーからの関係で一番的確に把握されておるというふうには思うんですけれども、その調査の台数を、調査のやり方を含めながらこの辺の数字をちょっと明らかにしてもらいたい、こういうふうに思います。
#14
○説明員(三野正博君) お答え申し上げます。
 自転車の保有台数でございますけれども、昭和三十二年までは自転車税というものがございまして、明確に把握されていたわけでございますけれども、その後は、私の方の調査統計部で生産台数調査をいたしておりまして、それにあと廃棄数を一定の条件で推計をいたしまして保有台数の推計というのをやっております。これは私の方の所管の財団法人、自転車産業振興協会というところをして推計をやらしめておりまして、五十四年度末、五十五年三月三十一日現在で一応四千九百五十四万一千台、先ほどお話ございましたような約五千万台ということを一応推計いたしております。あくまで三十二年前と違いまして登録制度がございませんものですから、生産台数から大体十七、八年ないし十年くらいで漸次廃棄されていくという前提で推計した数字でございます。
#15
○坂倉藤吾君 総理府の方は通産の数字を根拠にして把握する、こういうことになるんでしょうか。
#16
○政府委員(仲山順一君) そのとおりでございます。全く同じ数字を使わしていただきます。
#17
○坂倉藤吾君 自転車が急増をしてまいってきたことに伴いまして当然幾つかの問題が発生をしている、こういうことになると思うんです。その問題で一番注意しなきゃならぬのは、やはり事故の問題だと思うんです。これは走行中発生をする事故の問題ですね。特に、交通という観点からいけば自転車そのものの起こす事故、それから人との接触によって発生する問題、こういう課題になってこようと思うんです。これらの、三年間程度でいいのですが、事故の発生状況、これをお聞かせいただきたいのですが、いま御答弁ができなければ、原因区分別、それから事故の対象の年齢区分別、これは被害の状況になろうと思うんですが、原因区分別というのは発生の原因の問題であります。それからいわゆる加害、被害の関係からいきますと、どういう人が被害に遭われているか、こういう問題がわかれば年齢区分別の被害者の状況、それから総体の発生件数あるいは事故発生の場所、状況、こうしたもので特徴的なものがあればどういう問題が特徴になっておるかということについてひとつ報告をいただけたらと思うんですが。
#18
○政府委員(仲山順一君) 昭和五十四年でございますが、自転車が加害者となった歩行者事故は、事故件数が三百八十件で、死傷者の数が四百十五人、うち死者は八人、こうなっております。
 それから年齢別でございますが、事故発生状況については、人口十万人当たりの事故率で見てまいりますと、死者数では平均事故率〇・九人に対しまして六十歳以上の老人が全体が三・〇人と高くなっておりまして、特に七十歳以上の御老人が三・六人と極端に高くなっておる。また、低年齢層で見ますと、七歳から十二歳が一・〇人と若干高くなっている。
 それから負傷者数について見ますと、平均事故率七二・九人に対して十五歳以下の子供全体が一〇二・〇人と高く、その中で十三歳から十五歳が一五三・四人、七歳から十二歳が一三一・二人と極端に高くなっております。また一方、六十歳以上の老人全体では八〇・〇人と若干高くなっておりまして、また、子供、老人以外の年齢別では十六歳から十九歳が一二二・七人と高くなっておるというふうな状況でございます。
#19
○坂倉藤吾君 いまお知らせをいただきましたものは、五十三年、五十四年――五十五年は無理でしょうが、大体三年ぐらいの統計は出ますか。――出ればいま御答弁いただかなくても、後でちょっと資料としていただけないでしょうか。
#20
○政府委員(仲山順一君) はい、わかりました。資料は整えてございますから、いまでもよろしゅうございますが、差し上げるようにさしていただきたいと思います。
#21
○坂倉藤吾君 それから後段で質問をいたしましたたとえば発生のしやすい条件というのは何かというふうにつかめるような特徴、あるいはどういう場所で事故が起きやすいのかという状況、そういう特徴は追求しておりませんか。
#22
○政府委員(仲山順一君) まだそこまで詳しくとってありませんものですから、いま警察庁の方と御連絡しながらなおその点は詳しく御連絡させていただきたい、こう思います。
#23
○坂倉藤吾君 事故対策の基本というのは、事故の発生しやすい特徴をやはりえぐり出すことが対策の基本だと思うんですね。そういう意味合いでぜひいま、まあ、なければこれは警察の方ともきちっとその発生した現実をとらえながら、ひとつ特徴点の分析について解明できるようにしてもらいたい、こういうふうに要望をしたいと思うんですね。
 とりわけ今日の状況で、いま報告がありましたように七十歳以上の老人が非常に被害者の立場に置かれやすいということは、かつて自転車の数が少ないときはそれなりによかったわけですけれども、たとえば自動車がふえてくる、自転車もふえてくるという状況の中で、現実的には自動車は自動車専用道路になってしまって、自転車はそこからむしろ歩行者の道路の方へ追い上げられたというのが今日の姿だろうと思うんですね。そうしますと、当然今日までありましたその歩行者の中で自転車は、やはり速度が違うわけでありますから、そこに幾つかの問題が発生して事故が起こる、こういうことになろうと思うんですね。そこがきちっと整理をされていきませんと、安全対策が万全になるという方向にはならないと思うんです。そういう意味合いで、ぜひいま申し上げました特徴を、きわめて浮き彫りにできるようにしてもらいたいというふうに思うんです。
 次に、安全施設整備五ヵ年計画というのは、これはどこがおやりになるんでしょうか。
#24
○政府委員(仲山順一君) これは建設省の方と御相談しながらやっておりますが、建設省が直接はやっておるわけであります。
#25
○坂倉藤吾君 建設省は、それ、説明できますか。
#26
○説明員(並木昭夫君) ただいま直接の所管局長が参っておりませんので、詳しい状況につきましては説明いたしかねる点がございます。
#27
○坂倉藤吾君 これはまあ総理府とそれから建設省、これに警察その他の意見も付してということになると思うんですが、つくられるはずですね。そういたしますと、この五ヵ年計画の中にいわゆる自転車道といいますか、先ほど申し上げましたような、交通体系に新しくきちっと組み入れていくという立場での計画というのは盛り込まれることになるんでしょうか、どうでしょうか。
#28
○政府委員(仲山順一君) いまの点でございますが、大体歩車道の分離ということで歩道が中心でございましたようでございまして、いままで六万キロのやつを今度の五ヵ年計画で十万キロにしたいというふうになっております。その中にも可能な限り自転車道を、今度の法案等にも出ておりますし、していくような方向で考えたいということを中で協議しておりますが。
#29
○坂倉藤吾君 最近のこれは新聞で報道されております状況からいきますと、私は特定をして言いませんけれども、東京都内でいわゆる歩道の拡幅があった。ところがその歩道の拡幅がありながら、実は逆にそこへ自転車が入り込むことによって歩行者が大変困惑をしておる。だから、歩道の拡幅というよりもむしろ自転車の専用道路を、必要なら並行してつけてもらった方がどれだけよかったかわからぬ、こういう新聞報道があるわけですね。私はこれは当を得ていると思うんです。したがって、そういうものが安全施設整備五ヵ年計画の中でやはり道路の問題が取り上げられるとすれば、基本に置かれてこの計画というものが遂行されていかないといかぬのじゃないかというふうに思うんです。その辺の見解はひとつ明らかにしておいてもらいたいと思うんで、これは総理府長官に御答弁いただければ。
#30
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のとおりだと思っております。総理府といたしましてもそのような方向でまいりたいと考えております。
#31
○坂倉藤吾君 お年寄りゃあるいは目の不自由な方など身体の不自由な方々も当然いまの歩道の中には進んで出てこられるようにしていこうということでみんなが努力をしているわけでありまして、そういう意味合いで安心して歩ける歩道、これをまず確保する、そのためには自転車が歩行者と一緒になってごたごたで走るというようなことは、避けられるものは避けていく、こういうことはやはり基本にしてもらわなければならぬだろう、こういうふうに思うわけであります。この辺は総理府あるいは警察庁あるいは建設省、自治省、それぞれの仕事に全部かかわってくる問題でありまして、ぜひひとつ努力をしてもらいたいと思います。いま言ってすぐにできる課題ではありませんので、計画の中にきちっと盛り込んで、そのことが足を早めて実現ができるようにこういう立場をとってもらいたい、こういうふうに思います。その辺はいいですね、再度お聞きをしますが。
#32
○国務大臣(中山太郎君) 御趣旨を尊重して努力をいたしてまいります。
#33
○坂倉藤吾君 いまの現実の状況の中での自転車道、それから先ほどの説明にもあったんですが、自転車それから歩行者道という、自転車と歩行者とを一緒に並べたような計画ですね、これも含めまして整備の実態というのはどうなっているのでしょうか。ここで言う自転車歩行者道というのは一緒にはなっているけれども、あの道交法改正のときに当たって横断歩道あるいは歩道でも広いところについては自転車の専用の線引きをして、なるべく区分けをして通るようにという配慮はなされてきているというふうに私も掌握をしているんですが、その辺の整備実態というのはどうなっておるでしょうか。これは建設、警察かな。
#34
○説明員(並木昭夫君) 現在、第二次交通安全施設等整備事業五ヵ年計画を実施中でございまして、五十五年度が最終年度になってございますが、その中で自転車道という形で整備をしておりますものが七千五百三十八キロ、金額にいたしまして二千七百九十七億円の事業費を持ちまして自転車道の整備をいたしております。さらに、そのほかに都市内におきまして自転車歩行者専用道路という形での整備もあわせて実施いたしております。
#35
○政府委員(池田速雄君) 交通規制の実施によりまして自転車保護をいたしておりますための施策でございますけれども、現在、歩行者用道路ということで車の通行を禁止しておる場所がございますが、そこには、自転車は入れるようにしておりますので、そういった個所が五万四百七十八区間で一万一千百十三キロほどございますし、それから自転車道専用通行帯ということで、先ほどお話しのように、車道の中に専用の通行帯をつくっておりますところが四百六区間で四百八十九キロメートル、それから構造上は歩道のところに自転車も通行可という措置をとっておりますところが一万九千五百十五区間で二万二千九百十二キロといったような結果になっております。これらの措置につきましては、警察におきます安全施設の新しい五ヵ年計画におきましても、できる限り自転車の保護という観点からの施策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#36
○坂倉藤吾君 自転車の利用者とそれから道交法の法規の関係ですね、これは田舎へ行くほどのんびりしているといいますか、法規遵守の軽視が多いというふうに思いますし、これは都市部におきましても乗る人のそういう法規を軽視しているというような状況というのが相当数見られまして、それが幾つかの問題を起こしているというふうに思いますが、これらに対する指導、それから安全教育、こうした問題についての今後の具体策、基本方針で結構ですから、説明をいただきたいと思います。
#37
○政府委員(池田速雄君) 警察といたしましても、自転車を利用されます方の安全教育につきましては大変必要性を痛感しておりますので、警察のみならず、あるいは学校、交通安全協会、町内会あるいは老人クラブといった方々と協力いたしまして、幼児、児童からお年寄りの方までを対象にいたしまして、できる限り自転車教室といったものを開催して安全な乗り方につきまして指導を行っているところでございます。昨年一年間にこういった自転車の教室を開きました回数が四万一千七百七十八回で、受講されました方が八百十六万四千四百六十九人という数になっております。そういった機会を通じまして安全を図ってまいるようにいたしておるところでございますが、まだまだ必ずしも十分でないというふうには考えております。
 さらに新しい制度といたしまして、自転車の安全整備士という制度を設けさしていただきまして自転車の点検整備をやっていただくようにいたしておりますので、そういう方々が自転車を販売されますとき、あるいは自転車の修理をされますとき、あわせて安全教育を行っていただくようにいま措置をいたしておるところでございまして、こういった整備士の方の数がすでに四万七千人ぐらいになっておられますので、そういった方々を通じましてもさらに安全教育を徹底してまいるようにいたしたいというふうに考えております。
#38
○坂倉藤吾君 いまの点、自治省はどうなんですかね。たとえば、きょうは文部省は呼んでおりませんが、自動車に対するこれは防衛の立場でなのですが、小中学校でのいわゆる交通安全の特別の訓練日を設けて、生徒に交通安全の認識を深める、こういうことはやっておられるはずでありまして、そういうところにこの自転車の問題等についてもやはり話をして、きちっとこの際入れていくべきじゃないでしょうか。そういう観点はどうなんでしょうか。あるいはまた、自治省が具体的に市民、町民に対して自転車についての道交法規遵守の必要なアピールをやるべきじゃないのだろうか、こういうふうに思いますが、その辺はどうなりますか。
#39
○説明員(土井豊君) 自治省といたしまして、直接いまお話しのような形のものはやっておりませんですが、個々の地方団体におきましては交通安全対策ということは重要な課題でございますので、その団体の実情に即した形で、小中学校の生徒たちを対象にしたようなもの、その他いろいろな形を含めたものが行われているというふうに考えております。
#40
○政府委員(仲山順一君) 自転車関係の安全利用に対しましては、関係省庁非常に努力しておりまして、四十八年の七月二十五日に関係省庁におきまして自転車の安全な利用のための道路交通環境の整備等に関する申し合わせがなされまして、この申し合わせに基づきまして自転車の安全利用モデル地域として六十四の都市が選定されておりまして、施策の効果的な実施が図られております。その後、第二次交通安全基本計画におきまして、自転車安全利用対策は全国的に推進されるべきものとされまして、現在モデル地域を含めまして全国の都市において道路交通環境の整備、交通安全教育の推進、いまの自転車の安全利用対策等についての諸施策を特に自治省とか関係省庁ともども総合的にいま進めておるというところでございます。また、都道府県交通安全母の会連合会、これが母親大会で開催されており、母と子の自転車教室、母と子の交通安全展等で自転車関係の交通安全のためにも警察を初め関係省庁と御協力いただきながら進めておるという.ふうな現状でございます。
#41
○説明員(三野正博君) 御指名がないんでございますけれども、私の方で少しいま御指摘のような事業をやっておりますので御説明さしていただきます。
 自転車の点検整備とか乗り方そのものにつきましては、メーカーが取り扱い説明書というのを配付いたしまして、それを自転車に添付してやっておりますけれども、いま先生御指摘の通学用自転車を使っておられる方々の点検事業でございますけれども、この事業、実は昭和四十二年以来私の方の所管いたしております自転車産業振興協会が、各地に自転車の講師の方がいらっしゃいますけれども、安全指導員として委嘱をいたしまして、地元の警察の御協力等をいただきながら自転車そのものの無料点検と正しい自転車の乗り方についての安全指導をやっております。それで実績でございますけれども、四十二年以来五十四年度、昨年度まででございますが、約七万七千ヵ所、一部団地がございますけれども、学校等をお借りしておりまして、そこで千八百万台の自転車についての無料点検と、それからもちろんそれを持っております学生、児童に対します安全教育というのをやっておりまして、今後もそれを続けてまいりたいと考えておる次第であります。
#42
○坂倉藤吾君 いま質問しないで答えていただいた通産の方ですが、これは今度できる法律の十条にいわゆる自転車の構造上の安全基準という条項が出てきますね、これはいままで通産でやっているSG制度ですか、これらも当然その中に含まれてくる、こういうふうに思うんですが、これは従来からやっているやつをさらに法の裏づけに基づいてきちっとしていかなきゃならぬだろう――。ただし、そこで幾つかの問題が発生をしますが、基準を設けてやっていくことはきわめていいことなんですけれども、その基準を盾にして、たとえば製造メーカー等に余分な負担その他がかけられるようなことになってまいりますと、これまた大変な違った意味での問題点が発生をしてくるわけでありまして、そういうことに対する防止をしつつ、実際目的が達成のできるような努力というものをしてもらわなけりゃならぬ、こういうことに相なろうと思うんです。これらの基準は条文の中で具体的に基準を設けるという話にはしてないわけでありまして、どういう形がひとつモデル的に基準になるのか、こうしたところは技術的なものも含めてきわめて重大になるだろう、これの説明もついでにできればいただきたい、こう思いますし、それからいまそれぞれの立場でお答えをいただきました、たとえば警察におきますところの安全対策としての周知、協力を求める対応と、通産の立場はそれは確かに物そのものに対する問題それから交通上の問題での安全対策と、こういうふうに立場は違うのですが、受けとめる方は一つになってまいりますね。その点をやはり総合的に整理をして、政府としては責任を持ってやっていくということが必要ではないのだろうか。そのために総合的に総理府の中に一つの室が設けられてやっておるわけでありますから、この辺を統一的にできるようにしてもらいたいと思うんですが、それもひとつ答弁願いたいと思います。
#43
○政府委員(仲山順一君) 確かに先生のおっしゃるとおりでございまして、そういうふうな見地からいままでも関係省庁密接な連携のもとに総合的な対策を講じさしてきておるわけでございまして、昭和五十二年の一月にはすでに「自転車駐車対策の推進について」という交通対策本部決定を行いまして、政府部内の意思統一を図ってこの問題に対処してきたところでございます。この決定においてそれぞれいまの対処の仕方を考えておるのでございますが、なお、駐車問題等につきましても「自転車駐車対策推進要領」とか、そういうふうにそれぞれにつきまして総合的に調整を図ってやっておるようなわけでございます。
#44
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のございました点につきましては、警察といたしましては自転車の安全な交通を図るという意味からの対策を講じておりますし、通産省におかれましてはまた製品の安全を期するといったような観点からのそれぞれ違った規制がございますけれども、御指摘のとおり受ける方は一本でございますので、私どもの方も通産省と緊密な連絡をとりましてそれぞれ所要の措置を講じさしていただいているところでございますので、この方針をずっと貫いてまいりたいというふうに考えております。
#45
○委員長(山崎昇君) 通産、答えますか。
#46
○説明員(三野正博君) 自転車そのものの安全対策でございますけれども、これは昭和二十五年以来、自転車――一般用自転車、それから最近に至りまして幼児用自転車につきまして日本工業規格というJIS規格を定めますとともに、これをJISマーク表示商品に指定いたしまして、自転車の安全確保対策というものに努めているわけでございます。ただ、JIS制度をすべてのメーカーの方が利用できるわけじゃございませんものですから、自転車工業会を指導いたしまして自主的な安全基準というものをつくって、その周知徹底という手段によっても安全性の向上に努めているわけでございます。
 それで、先ほど先生御指摘のSGマーク制度でございますけれども、これはまだ現実に私ども自転車については適用いたしておりませんで、先ほど申しましたJISとか自主的な安全基準だけではまだ安全性の確保に不十分じゃないかという認識を持ちまして、現在関係団体、メーカーの方はもちろんでございますけれども、製品安全協会におきましてユーザーの方、消費者団体の方の御意見も承りながら、自転車についてもSGマーク制度を導入すべく現在検討を進めている状況でございます。
 それから、通産省におきまして安全対策を講じます場合には、御指摘のとおり警察庁はもちろん、関係省庁と十分連絡をとりながら政策相互間にそごの生じないように十分留意しておりますし、今後もそのように努めてまいりたいと考えている次第でございます。
#47
○坂倉藤吾君 まあ協力をして、そしてなるべく、受けとめる方は先ほども言いますように一つでありますから、組み合わせをして、調整をして、そしてより効果の上がるようにこれはぜひ工夫をしてやってもらいたいと思うんです。
 具体的に、その立場とは少し角度が違うんですが、先ほども答弁の中に出てまいりました警察庁のやっている安全整備士制度これがございますね。それから通産省は何か組立整備士認定ですか、こういう制度がある。たとえば小売業者の立場からいくと、何か警察の方の言うことと、それから通産の方の技術を中心にした方の言うことと、両方からの問題提起が出てまいりますし、結果的にどっちに頭下げたらいいのかなというような判断でも迷いがあらわされているわけであります。この辺はやはりきちっと整理をする必要があるだろう、こういうふうに思うんですが、その制度化、いわゆる指導体系の確立、こういう点についてひとつ整理をすることを約束してもらいたいと思うんですが、どうですか。いままでやってきたなわ張りが解けませんか。
#48
○政府委員(池田速雄君) 現在までも両省庁協力いたしまして、それぞれの立場は違いますけれども、たとえば講習、それから資格認定の付与、それらにつきましても共同してやりまして、同時に自転車の整備士、それから通産省でお持ちの組立整備士、同じ講習で資格をお与えしておる、こういうような協力関係を持たしていただいておりますので、この方向で今後とも対処してまいりたいと思います。
#49
○説明員(三野正博君) ただいま警察庁の方から御答弁がございましたとおり、実際先生御指摘のとおり、受けられる方は小売商の方が多いわけでございますので、その小売商方の希望でもございますので、私ども実施段階では試験の科目、場所、試験時間等十分調整をいたしまして、希望者の迷惑にならないような配慮をしておりますし、今後もやってまいりたいと思います。
#50
○坂倉藤吾君 念を押すようですが、講習を一緒にやる、それから資格は両方一遍に取得できるようにする、これはいいんですね。そうしますと、やはり共同でやっているがために――ところが指導ということになりますと、先ほども言いますように、通産の立場と警察の立場とこれまた違ってくる。違ってきますから、警察の方は警察の方でいわゆる資格者に対する指導、こういう意味で一つの指導を出す、通産の方は通産の方で通産の資格の取得の方へまたこれを出す、受けとめる方は両方資格を持っていますから両方から来る、こういう話に実は結果としてなるのです。したがってそういうものについても、たとえば警察が指導をしなきゃならぬというふうに判断した場合に、その指導の方針に当たって通産と打ち合わせをして、両者で一本に統一をしてこうやろうというような調整が具体的に進んでいきませんと、これは困るのです。そういうことを私申し上げておるんですが、そこまでやっていただけるのかどうかということです。
#51
○政府委員(池田速雄君) 十分連携をとりまして、受けられる方に御迷惑のかかることのないように指導いたしておるつもりでございますが、今後とも努力してまいりたいと思います。
#52
○坂倉藤吾君 次に、放置自転車の実態の方に移っていきたいと思うんですが、これは駅前もありますし、駅前以外のところもあるわけですね。先ほど冒頭、こちらの方にお知らせをいただきましたのは駅前の放置を中心というか、それに焦点を合わせた回答をいただいたのですが、この放置自転車の実態についてはどういうふうに把握されておるんでしょうか。
 それから、当然放置というふうに認める限りは、これの撤去の問題が出てくるわけなんですが、撤去のいわゆる実態というのはどうなっているんでしょうか。この二つをお尋ねしたいと思います。これは総理府ですか。
#53
○政府委員(仲山順一君) 放置の実態でございますが、これは先ほど大臣からも御答弁ございましたとおり、駅周辺の自転車の放置台数は約八十五万台に達しているということでございます。
 それから、放置状況にかんがみまして、五十三年の一月に交通対策本部決定が行われまして、これに基づきまして自転車駐車場の整備、駐車秩序の確立等につきまして関係各省庁と公共団体等が具体的措置を講じてきておるというふうなわけでございます。
 当面の方針といたしましては、自転車駐車対策の推進に関する責任主体等、その基本的な取り組み方を明らかにいたしまして関係省庁が密接な連携のもとに総合的な対策を講ずる必要があるというところから、先般もちょっと申し上げました五十三年一月の「自転車駐車対策の推進について」の交通対策本部決定に基づきましてやっているところでございまして、この決定においては、放置されておりますからまず自転車の駐車場を設置するということが必要でございますので、この設置に対しまして助成制度を強化する、地方債の枠の確保とか、あるいは日本自転車振興会の公益資金の活用等を定めまして、自転車駐車対策に資する。また「自転車駐車対策推進要領」というのを定めてやっております。この推進要領におきましては、駅周辺の公共自転車駐車場の整備とか、大規模駐車需要発生施設における駐車スペースの確保、放置自転車の整理、撤去、それから自転車の正しい駐車方法の啓蒙等をこれで定めてやっておるわけでございまして、総理府におきましては、交通対策本部決定に基づきまして関係省庁との密接な連携のもとにその趣旨の徹底と自転車駐車対策の効果的な実施が図れるようにいままで進めてきたわけでございます。
#54
○坂倉藤吾君 どうも質問と答えと、これはまあ私の事前通告が不親切だったのでか、わかりませんが、よく合いませんですな。
 まあ大体実態は私自身がつかんでいますからあえて説明は要しませんですけれども、ただ、ここで問題なのは、放置をしておるというふうに判断をする根拠がきわめて問題になると思うんです。いまの段階ではそのことによって余り事件は起きておりません。しかし、必ず、これは放置自転車なのかどうなのかという判断をめぐって大きな問題に転化するだろうと思いますよ。そうしますと、いま、放置をされた自転車を、簡単に撤去と、こう言っていますが、ここにはきちっとした取り決め、社会的な合意というものが当然必要になると私は思うんです。そういう意味合いで、撤去の実情についてきちっと把握し、それから手続を定めておいてもらいたい、こう思うんです。したがって、そういう意味合いを含めて、現在撤去をしておるのはどういうことになっておるのだろうかとこれをお聞きしているんですがね。
#55
○政府委員(仲山順一君) 撤去問題でございますが、それを具体的にどんなような方針で撤去するつもりかということになろうかと思いますが、放置自転車に対します整理、撤去処分につきましては、先ほどの交通対策本部決定によりまして、「自転車駐車対策推進要領」に基づき、地方公共団体、都道府県警察、道路管理者等が相互に協力して行うということになっておりまして、関係機関が道路法、それから道路交通法――道路法では、何人もみだりに道路に土石、竹木等の物件を堆積し、その他道路の構造または交通に支障を及ぼすおそれのある行為をしてはならないという道路法の規定もございますし、それから道路交通法の「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。」という禁止規定もございます。それから廃棄物の処理及び清掃に関する法律、遺失物法等を総合的に勘案しまして、地域の実情に応じましてそれぞれ工夫をこらして対処しているというふうなところでございますけれども……。
#56
○政府委員(池田速雄君) 私どもの方から申し上げるのは恐縮かと存じますけれども、それぞれの自治体におかれましていろんな決めをお持ちになっておられます。
 一例を申し上げますと、たとえば自治体と道路管理者とそれから警察が協議いたしましてそれぞれ仕事に当たるわけでございますが、その場合の取り扱いの要領といたしまして、具体的に申しますと、たとえば夜置かれておるものにつきましては警告票を張りつける。それで、張りつけましたものにつきまして、その場に置く、あるいは場所を移すというような措置をとっているところもございますけれども、おおむね一週間程度はその後の利用者の方からの応答があるかどうかということを待ちまして、その後なお置かれておりますようなものにつきましては、自転車にもし防犯登録等がございますとそれを手がかりに警察の方で所有者を探すその他の措置を講じまして、所有者が判明いたしたものにつきましてはお返しをする。そうでないものにつきましては、遺失物法にのっとりまして遺失物として扱ってそのものを処理していくとか、あるいは社会通念上もう廃棄されたものというふうに認めて、所有権をすでに放棄されたんじゃなかろうかというふうに認めましてごみ扱いで処理される、こういつたようなやり方が平均的なところであろうというふうに考えております。
#57
○坂倉藤吾君 いま警察の方から実態の報告をいただいたのですが、たとえばごみというふうに理解をするのと遺失物だというふうに理解をするのとでは法体系がまるっきり変わってきますね。しかも、その取り扱いは、たとえば遺失物になっているものを勝手に取り扱うということになったら、その取り扱いの権限は一体だれが持っているのだろうかというようなところまで絡みまして、大変な課題になるはずなんですね。しかも、期間的に見て、一週間が妥当なのかあるいは十日間が妥当なのか。最近の置き去りの状況等をながめますと、たとえば長期旅行、一週間ないし十日間ぐらいは実は旅行に出かける。その間、あそこにいつも自転車がたまっているから置いといたらいいじゃないかというような気安さから、そういう意味で置いていくものも中には相当数あるのですね。こういうような実態の中にありますと、一体期限をどういうふうにながめてやるのがいいのかという問題もあります。それから、同時に自動車のようにきちっと登録されておりませんから、したがって、だれがその所有権を持っているかということについてこれまたわからない。そうしますと、この自転車はというふうにたとえば夜間置いてあるものについて表示をした、当然所有者がおれば気がつくであろうというふうにこっちは思っておりましても、所有者自体はその間何も知らなかったという場合等も出てくるわけであります。幾つかのケースがあるわけです。したがって、それらをある程度社会的に合意の得られる形で共通的に私は処理をすべき課題になるだろう。そうしないことには、これは裁判闘争に持ち込まれたりなにかして大変なことに逆になる問題だと思うんで、この辺の検討は総理府の段階で、関係のところとよく打ち合わせをしまして、この取り扱い、認定の仕方、ぜひひとつ具体的なものとして説明できるようにしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。取り組んでいただけますか。
#58
○政府委員(仲山順一君) 御趣旨に沿いまして、現在もそういうわけで、関係省庁と協議はしておりますが、なお、一般的なそういうふうな基準をつくるまでにはいままではなっておりませんが、そういうふうな方向でやはりする必要があろうというふうに感じておりますが。
#59
○坂倉藤吾君 早くやってくださいね。これは法律もできることでありますし、具体的にもう現に困っているわけですね。困っているからそれぞれの立場でこうやっているのが実態で、それがばらばらになっている、こういうことでありまして、これは私の友人でも、自分の自転車がちょっとしたところで、乗ってきて一時間もたたないうちに実はなくなった。しょっちゅう捜しに来ているのですが、違う自転車が隣りにある。あるものだから、その自転車はこれはもう持ち主はないのだろうと思って、自分の方も取られていることだからということで、それによく似ているしどうだろうかと思って持っていった。そうしましたら、それはけしからぬ、おれのだと言って、後からそれをながめていまして、持ってきたらすぐに持ち主がやってきてしかられたというふうな話が実はございますし、それからことしの夏でしたか、放置自転車を修理して乗っていたら、これが遺失物法違反で横領で問題になったとか、そういう事態が具体的に発生しているわけでありますから、ぜひそれを防止していくということが必要なんではないのかというふうに思いますので、早くひとつやってもらいたいというふうに思います。
 その次は、たとえばその取り扱いで、撤去をするんですが、撤去をした自転車というものはどういうふうな処理になるのでしょうか。撤去後の自転車の取り扱い。
#60
○政府委員(池田速雄君) どうも私の方から申し上げるのはあるいは潜越かと存じますけれども、実態御説明さしていただきたいと思います。
 地方公共団体でいろいろ施設をお持ちでございますと、そこに収容する。あるいはお話がございまして警察の庭等に置く。それから、いよいよなければ、最近新聞でも問題になっておりますとおり公園等に置くということでございますが、先ほど説明いたしましたように、最低一週間は置かなきゃいけない。それが次々に重なってまいりますもので、しょっちゅう満杯になっておる状況でございまして、公園等でございますと公園本来の用に供せられないじゃないかというような苦情も出ております。警察の庭にお持ちになられましても警察の庭がいっぱいということで大変苦慮しているというのが実情でございます。
#61
○坂倉藤吾君 いま言われたような実情だろうと思いますね。いや、だからこそその撤去した自転車の取扱いまでこれはきちっとどっかで整理をしませんと大変なことになると思うのですが、この辺はいまのところ考えられてないということなんでしょうか。
#62
○政府委員(仲山順一君) その点につきましては、いま警察からもお話があったような実情でございますので、それぞれ必要に応じて、まあ期間等も違っておりますし、それから、やり方等もそれぞれ遺失物法に基づく置き去り物件としてやっておったり、あるいは遺失物法を適用せずにやっておったりいろいろしますから、なおその点はよく研究いたしましてやらしていただきたいと思っております。
#63
○坂倉藤吾君 これも早くやってもらいませんと、たとえば地方自治体あるいは道路管理者、まあほとんどそうなんですが、これには取り扱いを決める権限はありませんね、正直申し上げて。たとえば道路の中に置き去り物件があって、それが交通を阻害している、道路使用目的に阻害を与えるという場合は、これはもう道路管理者に撤去の権限があります。しかし、撤去をしたものをどう取り扱うかという問題はありませんね。すると、いま社会的問題になっているというのは、自転車が大量に置き去りされたりいろいろしているから問題になっているわけです。すると、その問題になっているものは、大量だから問題になっているので、その大量のやつが駐在所へ持ち込まれたり、警察へ持ち込まれたり、公園に置かれたりしたのでは何にも変わりがないんですよ。だから、この撤去したものが一体どういうふうに処理をされるのか、ここまでいきませんとこれは対策にならないと思うんです。これはまあ頭をひねってないで、ぜひともきちっとしてもらわなきゃいかぬことです。ぜひ指摘しておきたいと思います。
 それから、次に移りますが、日本自転車普及協会ですね、通産の外郭団体ですか、これはどういう仕事をしてみえますのか、ちょっと概略で結構ですが。
#64
○説明員(三野正博君) お答え申し上げます。
 自転車普及協会は、昭和四十六年に設立したわけでございますけれども、自転車そのものの利用、合理化、あるいは自転車そのものの普及ということで、大きな仕事といたしましては、各地にバイコロジー運動の支援活動とか、あるいは自転車の乗用環境の整備の一つの問題になっております、いま議論が出ております自転車駐車場の整備とか、あるいはさらには自転車に関する各種の情報を集積いたしまして自転車情報の提供とか、まあそういった仕事が一つと、あと自転車競技そのものの機器の開発とか普及活動、そういったものをやっております。
#65
○坂倉藤吾君 それから、自転車駐車場整備センター、これは建設の関係ですね。具体的に名前で大体の仕事はあらかたわかるのですが、ここの仕事の内容はどうなんですか。
#66
○説明員(平林忠正君) 自転車駐車場整備センターの主たる業務といたしましては、民営と申しますか、自転車駐車場整備センター自体が民間の用地、あるいは公共の用地を利用している例もありますけれども、民間における自転車駐車場の整備を主たる業務として行い、なおそのほかに自転車の駐車場改善に関する研究等を行っております。
#67
○坂倉藤吾君 そこではいまの撤去した自転車をどうこうする、そこら辺は検討してないんでしょうか。
#68
○説明員(平林忠正君) それは自治体サイドの問題じゃなかろうかと存じますので、現在のところその問題に取り組んでおるわけではございません。
#69
○坂倉藤吾君 この整備センターは、いま主要な業務の報告がありましたが、駅前の駐車場の関係ですね、これを具体的にやられておって、その駐車場を設定したことによるいわゆる効果というものはどうなのか。それから、この利用率の問題もあるでしょうが、その中で運営をしてみて、問題点というのは一体何だろうか。この辺は答弁いただけるかな、どうでしょうか。
#70
○説明員(並木昭夫君) 先ほど来お話のございますように、駅周辺の自転車の大量放置、これが非常に社会的な問題になっておりますので、昭和五十三年の交対本部決定を受けまして、地方公共団体が整備します自転車駐車場のうち、一定の要件を満たすものにつきましては国庫補助対象事業として、整備を推進してまいっております。さらにあわせて、この公共団体のほか、ただいまお話がございました整備センターによる整備も進めておるわけでございます。現在のこの公共事業としてやりました駅前駐車場の整備状況でございますが、五十五年度末見込みでございますが、事業費合計六十三億円、これは三ヵ年でございます。六十三億円によりまして八十四ヵ所、収容台数六万六千台の駐車場を整備する予定になってございます。
 その整備による効果でございますが、何分大量の放置自転車でございますので、一挙にこれをすべて解決するというわけにはまいりませんが、徐徐にその成果を上げている。なお、駅前周辺でございますので、土地が非常に高いというようなところでございますので、現在のところ鉄道駅周辺の鉄道用地を利用するとか、あるいは市有地を利用するとか、さらには下水等が完備いたしまして不要になりました都市下水路といいますか、そういった用地を利用するとか、いろいろな角度から未利用地を使いましてこの事業を進めている実態でございます。
#71
○説明員(平林忠正君) 私に対するお尋ねは、センター事業についての評価だと存じますが、ただいま駅前における駐車場全体について御説明があったわけでありますけれども、センター事業として見ます場合に、やはり最大の問題点といたしましては駅前に適切なる用地が確保できるか否かということが一番ポイントだろうと思います。非常に地価も高い場所でありますし、もともとオープンスペース自体が次第に乏しくなってきておりますので、そういう点からはかなりの困難を強いられているのが実情でございますが、適切なる立地を得ているものについては十分民営の形態をもって賄っておるという状況でございます。
#72
○坂倉藤吾君 これも新聞の報道内容にも指摘さ旧れていまして、これはセンターの方が実情の報告をされたものが取材されておると思うんですが、少し駅前から距離が離れますとそこの利用価値というのはずいぶん減りまして、全く近くにあるのと二、三百メーターも離れるのと格段の相違がある、こういう報告がされておるんですね。そうした面からいきますと、そこに一つの今日の自転車を利用する場合の人間の心理といいますか、そうしたものがきちっとあらわれているし、自転車に対するところのいわゆる価値の問題があるだろうし、そうしたことが総合的に、たとえば自転車置き場を利用する場合の料金制度の中にも含まれてくるだろうし、私は大変なそこには研究をしていって問い詰めなければならぬ具体的な要素というものが生まれておるだろうと思うんです。そういう意味からいくと、このセンターがやってきた今日までの実績についてはもっと突っ込んだ分析をして、今回つくられる法律の中にそれをひとつ根拠にしつつ具体化をしていかなければならぬ課題としてあるだろう、こういうふうに思うんです。ぜひひとつそういう観点でこの問題を解決しながらきちっと整備をし、しかも安全を守り環境を守っていくという次の課題に適合するように役立ててもらいたい、こういうことをつけ加えておきたいというふうに思うんです。
 それと、いまお話がございましたように、具体的に駅前の放置自転車問題というのは、関係の省庁はもちろんのことでありますが、地方自治体を含めて大変な苦労をしておる、こういう実態なんですね。そこで、それだけにその関係をするところのきわめて積極的な対策というものが打ち出されていかなければならぬ、これが筋道だと思うんです。そうしますと、そこで運輸大臣にお尋ねをいたしたいのですが、駅前ということになれば当然鉄路を中心にした駅、こういうことになるわけでありまして、中には自転車の放置の状態は船着き場なんかにもあるんです。私のところなんかでも船着き場の周辺に置かれて困っているのもあります。ありますが、おおむね鉄路の駅周辺が中心であります。そういう状況の中では、具体的に土地の関係からいきまして鉄道の関係者に協力を求める以外に解決の方法はないと思うんです、今日段階として。これから新しくつくるところは別ですよ。しかし、既設の問題になっておるところは、これはもう解決策としては鉄道の関係者に具体的に協力をもらわなければならぬだろう。ところが、これはなかなか強制のむずかしい課題であることはわかるのですが、結局解決はそこしかないということになりますと、ここに義務化を含めて解決のための対策というものが打ち出されてしかるべきじゃないのかというふうに思うんですが、この法律案の予定からいきますとこれは協力義務でありまして、明らかなそれ以上のものは期待をしているにすぎないわけですね。それでは解決しないと思うんです、正直言いまして。そこまで突っ込んで運輸大臣として関係者にひとつ実行をさせる方策というものを出される覚悟がおありになるでしょうか、どうでしょうか。
#73
○国務大臣(塩川正十郎君) はなはだ結論めいて申して恐縮でございますが、義務化を強制するという考えは毛頭ございません。これは国鉄につきましては、国鉄の駅は先生御存じのように多少とも駅前広場に余裕を持っておりますし、また施設等も余裕を持ったものを持っておりますから、これは私の方からも指導いたしまして自転車置き場の設置にひとつ協力するようにいたしておりまして、これは相当数の面積を確保してきたと思うております。五十三年一月に指示をいたしましてから今日まで、全鉄道関係、駅の構内と駅前庁場と言われておるその面積の中で、二十五万平方メートル提供いたしておりますが、ほとんど国鉄でございます。私鉄はそういう駅前広場というものを自分の用地として持っておりませんで、全部公共事業としてやった駅前広場でございますので、これは管理者が私鉄ではない場合が多いのであります。さりとて私鉄の駅はそういう施設に余裕がございませんので、提供する土地が少ないということもございます。それを義務化いたしまして所要の広場をつくるということになってまいりますと、これは相当な投資が必要になってまいりますし、そのことはまた運賃にはね返ってくる一つの原因にもなってまいりますので、その義務化ということはこれはむずかしいけれども、しかし創意工夫をして生かすようなところがありますから、これはできるだけするように陸運局等に細かく一度拾い直してみたらどうだということは指示いたしておるのであります。そういうこと等ございますのと、今後たとえば資材置き場というようなもので活用できるところ、あるいは高架下というようなところで活用できるもの等これはもう積極的に自転車置き場等に協力するようにいたしたい、こういうことで陸運局等に指示しておるところでございます。国鉄につきましては、これは鉄道監督局の方から再三にわたりまして指示をいたしておりますので、今後とも進めさすようにいたします。
#74
○坂倉藤吾君 国鉄は赤字だけれども、土地を吐き出せと言えばこれはやはり公の組織ですから権力の言うとおり、こういうことで実効が上がっている。私鉄は実際にないんだ、こう言うのですがね、私鉄の関係というのはきわめて土地はたくさん持っているんですよ。これは私、きのう建設の委員会で農住組合法の実は質問をいたしましたが、たとえば首都圏におきますところの遊休土地を持っている十本の指の中に私鉄、いわゆる鉄道関係ですね、これがトップクラスに並んでいるんですよ、実際には。ただ、それが駅前にあるかどうかという問題はあります。これはもう大臣御承知のように、鉄道の敷設予定が計画をされるということになりますと、その周辺全部を一たん押さえちゃって、そしてそれができて土地が上がってまいりますと、それをもうむだなく売却をする、それから一番いいところは自分の系列の百貨店つくったりスーパーをつくったり、こういう話になるんです。そういう状況で実は営利を彼らは目的にしているんですから、それはまあいいでしょう、ある意味では。しかし、少なくともいま社会的に自転車の問題が大変な問題になってしかも法律までつくらなきゃならぬ、しかも交通の基本の中へぶち込まなきゃならぬ、こういう状況になってきておるとすれば、私はもっと鉄道の関係者というのは協力のでき得るところの余地を持っていると断言せざるを得ないんですよ。そういう意味合いで、いま現にある既設の駅の土地の状況がどうかだけではなくて、具体的にそれを建設しなきゃならぬという社会的な要請にこたえて、私は関係者にもっと突っ込んだ協力を求めるべき時期に来ている、こういうふうに言わざるを得ぬと思うんです。それまで突っ込んでもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) 帰りまして鉄道監督局、担当の者とよく協議いたしまして、私鉄関係者とも協議さすようにいたします。けれども、仰せのとおりよくわかるんでございますが、私の経験から申しまして、その駅が少し離れたところに自転車置き場をわざわざ設けましても、そこへ置いてくれないで入り口のところへ置きたがるものですから、そこをどう強制していただくかということとあわせてやはり解決をしていただかなければいけないのではないかと思います。そういうこと等も含めて検討さすようにいたします。
#76
○坂倉藤吾君 御承知のように駅周辺に自転車を置く人はその鉄道を利用する方がこれはもう大部分なんですね。わざわざ町の中に用事があるのに駅まで自転車を置きに来て町の中に行く人はないのでありまして、駅前に放置をするというのは大体その機関を利用する人でありまして、言うならばその鉄道から見ればお客さんなんですね。私はやはり最優先をしてサービスして、自分のところもいいしお客さんもいいという条件をつくるという、これは共通の問題があるんです。しかも先ほど言いましたように、くどいようですけれども、もし協力を求めるというのなら、具体的にあなたのところの鉄道はこれだけの遊休土地を持っているじゃないですかというところまで詰め切らないと、私は正直言って、駅前、駅の周辺ということになりますと、それはいまの地価政策の問題もありまして、最も地価の値段の高いところですからね、有効利用で何とかしてその土地も金になるようにというふうに考えるのはあたりまえの話なんです。そういう状況をそれをさらに吐き出させよう、こういうわけなんですから、これは容易なことでは、わかりました、協力しますとは言うでしょうけれども、具体的にあらわれてこないということを心配するわけです。ぜひひとつ実効のあるように突っ込んだ打ち合わせをしてもらいたい、重ねて要望をいたしたいというふうに思うんです。
 それから次に百貨店、スーパーなど、市街の中心部といいますかね、ここに――今度法律ができますと条例をつくることが地方自治体に任されることになりまして、いわゆる条例をつくるというのは、そうした施設の駐車場設置義務、これに関しての条例になろうと思いますが、そうしますと、この条例化していく見通しといいますか、自治省はいかがこの見通しを持っておられるのか、あるいはそれに対する見解、これを明らかにしてもらいたいと思います。
#77
○説明員(土井豊君) 条例の制定それからその内容等につきましては、それぞれの地方自治体が、現在出しておられます法律の趣旨にのっとりまして自主的に決められるべきものであるというふうに考えておりますが、具体的にその条例の制定に関連しましては、たとえば駐車場法等を所管しておるのは、同じような趣旨の条例でございますけれども建設省でやっておりますし、関係各省庁にまたがる問題であるというふうに考えておりますので、法律が成立した段階におきまして総理府を中心にして十分協議して具体的に対処すべきものであるというふうに考えております。
#78
○坂倉藤吾君 余り時間がありませんから討論しないですが、いまの御答弁ではちょっと私の質問をいたしました趣旨にはお答えになっていない、こういう感じだけ指摘しておきます。
 最後にこれは警察にお尋ねすることになると思うのですが、法案の中に出てくるわけですが、防犯登録の勧奨という、自転車の小売業者の責任で防犯登録を勧めますよということをお客さんに言う義務が、義務までいっておりませんけれども、小売業者に対してそういう行為を要請されているわけですね。そうしますと、この防犯登録のこれからのそういうふうに法律化をした場合の取り組み方というのはどういうふうになってくるのだろうか、これが一つなんです。
 それから同じ観点からいきますと、私が心配しているのは、これは警察じゃなくて、むしろ――聞くところを呼んでなかったかな。きょうちょっと話がありましたように三十二年でしたか、自転車税の問題がございましたね。まあ自転車の法律までつくって自転車に対する社会的な立場というものの位置づけが高まってまいりますと、当然またこれ自転車そのものの値段にかかわりなしに、施設をつくったりいろいろして公共の金が要るからというようなことで、財源とかかわって、自転車税というようなことが復活をする一つのものになりはせぬのか。それといまお聞きをしましたこの登録という問題と絡んできはせぬのかというような気がしてならぬわけであります。私はそれは絡ませてもらっては大変なことだ、こういうふうに思いますので、後段の問題はぜひ絡まさないようにという要望をいたしておきますけれども、先ほどの、警察に対する防犯登録の問題を答弁してくれませんか。
#79
○説明員(佐野国臣君) 防犯登録の問題につきましてお答え申し上げます。
 これは一昨年全国調査としまして特別調査をやったわけでございますが、その際、五十三年の十二月末でございますが、現時点で防犯登録の登録済みの車が約六〇%という数字が出てございます。したがいまして、今後この六〇%の問題が新たなこういった努力義務規定によりましてどの程度拡充されていくかという問題、これを私ども一つの目標にいたしたいとは思っております。
 それからあと、自転車の小売業協会その他との関係という点について申し上げますと、いまこの防犯登録に関与いたしております機関としては、警察自身とそれから防犯協会が一つございます。それから自転車の小売のこういった連合会でございます。これが各府県で多少この三者の関与の仕方がまちまちなところがございます。自転車の連合会の方にほとんどお任せして、あとは必要なときに電話で照会するというふうなところもございますし、あるいはそういった登録の原簿を防犯協会で管理、保存するというようなところもございますし、あるいは警察署でやっているというふうな問題もございます。したがいまして、こういった関係を、一番いいパターンはどういうパターンか、中央である程度基準化したものを全国に勧奨してみたいというふうに考えております。
 それからあと、経費の点で申し上げますと、これも非常にばらつきがございまして、まあ標準的に申し上げますと、登録料は数百円というのが標準だと思います。ゼロのところから百五十円というのもございまして、高いのは五百円をいささか超えて、まあ千円以上というものはもちろんございません。したがいまして、数百円というのが全国おしなべての標準的な金額かと思われますので、この辺の問題ですと後ほどこれは税の方に絡む話かもしれませんが、私どもの方としては、そう登録する人の負担ということにもならないし、書式代だとかいろいろなシールを張りつけたりいたしますので、その辺の対価との絡みで言うと数百円の範囲であれば現行のいま言った事実上のやりとりの枠の中でそう問題なく進みはせぬだろうかという考え方も持っておりますので、その経費の問題については、私どもは従来どおりの方向が一つのモデル的な姿かなというふうに考えております。
 以上でございます。
#80
○中野鉄造君 私は、まず暴走族についていろいろお尋ねしたいのですが、昭和五十三年の十二月にこの種の事犯に対する規制が強化されたわけですが、改正道路交通法の施行等によりその活動というものは非常に鎮静したように思われていたんですけれども、昨年の九月ごろから再び活動が活発になったような感じでございます。この背景といいますか、どうしてそういうようなまた暴走族の活動が目立つようになってきたのか、そこいらのところをお尋ねしたいと思います。
#81
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり、暴走族はまた最近ふえております。ことしの六月時点の調査でございますと、八百三十五グループ、三万五千百五十一人という数字を把握いたしておりまして、そのうち八〇%近くが少年という実態でございます。一昨年の十二月に施行されました道路交通法の改正によりまして共同危険行為といったような新しい罰則規定がつくられたわけでございますけれども、それが昨年の秋ごろから薄れてきた背景と申しますと、大きな背景にはやはりモータリゼーションがどんどん進んでいくということと、それから少年の問題、特に昨年−ことしにかけまして非行少年が大変多くなっておる。一般犯罪で見ましても、第三のピークの時期に来ておるといったような背景がございますけれども、そういう少年の非行化と車との結びつきが容易になされた。それから道交法の改正がありましてからある程度時間がたちましたので、広報といいますか、あるいはそういった面からいたします自粛面というのが大分落ちてきたという点はあろうかと思います。ことしになりましてから五月の第三週には全国で七千人ほど出ておりましたが、最近でもやはり週末になりますと三千人程度が蝟集走行しておるというのが実態でございます。
#82
○中野鉄造君 その対策はどういうふうになっていますか。
#83
○政府委員(池田速雄君) 警察といたしましては、当面の問題といたしましては、こういう暴走族グループをできれば未然に予防したい、その次の段階といたしましては違法行為を繰り返しております者を検挙いたしまして、その過程で補導を十分にやる、行政面では免許の停止あるいは取り消しといったような処分をやる、そういう過程を通じまして、グループの解散をする、こういったような対策を交通警察のみならず総合的に警察力を行使いたしましてやっているわけでございますが、一番大きな問題は、実は暴走族は先ほど人員数申し上げましたけれども、大変に交代が激しいといったような実情がございます。言葉をかえて言いますと、暴走族の予備軍的な者が大変に多い。したがいまして、検挙、補導いたしました者が暴走族を離れましてもそれを上回る数の者が新しく入ってくるといったような実情でございますので、やはりより広いあるいは地域ぐるみの対策というものが必要であろうかというふうに考えておりますので、この点につきましては総理府の方でおまとめいただいております国の総合施策、地方におきましてはすでに、たとえば十八の府県ではそれぞれの議会で追放の決議をしていただきまして、地域ぐるみで暴走族を許さないという体制をおつくりいただいておる、あるいは学校あるいは職場あるいは地域といったところでの総合力を挙げていただいておるということでございますので、そういった世論の強い支持と広範な対策を背景にいたしながら、警察といたしましてはさらにこういった直接の暴走族の非行事案につきまして、検挙、解体を進めてまいるという方針で臨んでまいる所存でございます。
#84
○中野鉄造君 それで、この暴走族による被害というのも非常にいろいろ上がってきているわけですけれども、その中でも特にかわいそうなのは暴走族によって大変な危害を加えられた、あるいは命にも及ぶような事故が発生した、そういうときにもだれがやったのかわからないままに、それこそひかれ損といったようなことで終わっている人たちもいるわけですけれども、こういったような方々に対してどういう配慮をされておりますか。
#85
○政府委員(池田速雄君) ことしのたとえば一月から九月までの検挙をいたしました中で、刑法犯の検挙が四千百十六人ございます。内容は暴行でございますとか、傷害あるいは凶器準備集合、公務執行妨害といったような事案でございますけれども、この中で、被害を受けられた方につきましては、実は大多数は深夜の事故でございまして、どちらかといいますと暴力団同士の対立抗争と申しますか、そういう事案が多いわけでございますけれども、中には夜間走行しておられまして、暴走族と間違えられて被害を受けられたという方もおありだと思います。こういう方に対する公的な救済というものは特別にないわけでございまして、一応加害者の方が責任を持つということでございますので、私どもの方といたしましては検挙いたしまして事件を送致いたしますような場合には当然それに伴います示談、あるいは被害の回復といったようなものがどの程度なされているかということも参考にいたしまして事件を送っておるというのが実態でございます。
#86
○中野鉄造君 私がお聞きしたいのはそれもですけれども、いわゆる先ほどおっしゃったような暴走族等によるいろいろな事故、その中で器物を破損された、あるいは傷害、あるいは死に及ぶような、そういったようなことがあったにもかかわらずその加害者というものが全然わからない、そういったような件数はどのくらいありますか。
#87
○政府委員(池田速雄君) そういった数字は私ども現在把握いたしておりません。
#88
○中野鉄造君 先ほども御答弁の中に、現在全国に八百三十五グループ、三万五千人にも及ぶ暴走族がいる、そしてその八〇%が大体未成年者であるということですけれども、今日自動車の免許証は二輪者は十六歳以上、普通自動車については十八歳以上で取れるようになっておりますが、この点について当局は、免許の一定の課程を終了して、その試験に合格さえすれば免許証が交付されるわけですけれども、これは社会的に一人前とみなして交付されるわけですか。
#89
○政府委員(池田速雄君) 運転という点につきましては、免許を受ければ成人であろうと少年であろうと同様の扱いを免許行政上は受ける、こういうことでございます。
#90
○中野鉄造君 要するに、私がお聞きしたいのは、こうした未成年の方々が現実に事故を起こした場合に、その賠償能力も何もない。たまたま親御さんがそういう能力がある方であればいいけれども、そうでない場合には本当にそれこそ先ほども申しましたようなひかれ損といったような場合が非常に多いわけなんです。そこのところをお聞きしたいわけですけれども、そういう意味から保険というようなものもありますけれども、昭和五十三年の十二月一日の改正道路交通法の施行の際に、いわゆる無車検運行と無保険運行については将来における交通の危険を防止するという要請から、これを行政処分の新たな対象とされたわけで、その内容というものは非常に厳しいものになっております。しかし、現実的には五十五年のこの実態というものがどういうふうになっているのか、つまり無車検ですね、車検を受けていない車を乗り回して検挙された、あるいは保険に加入していないで検挙された、それらがどういうふうになっているのか、それが一点と、今度は車種的に言いまして二輪車の場合ですね、いま私、総合的なものでそれをお聞かせいただきたいのと、そのうちの二輪車、いわゆるバイクがどのくらいあるのか、この点をお尋ねいたします。
#91
○政府委員(池田速雄君) ことしに入りましてから九月末現在の検挙件数で申し上げますと、無車検運行で検挙いたしました者が千六百七十五件ございます。それから無保険運行で検挙いたしました者が二千九百四十四件でございます。
 車種別の統計をとっておりませんのでサンプル調査で申し上げますと、無車検につきましては二輪の比率は五%程度でございましたけれども、無保険運行で検挙いたしました者につきましては約五八%といった数字が二輪の占める比率でございます。そのうち原付は全体の四五・五%でございますので、二輪全体の中からで申し上げますと七八%程度が原付であるという数字が出ております。
#92
○中野鉄造君 いまも御答弁にありますように、五八%にも及ぶ人たちが無保険の車に乗っておる。そういう車にはねられたら最後ですね。本当にまあ補償能力がある人であればいいけれども、なかったらばそれは本当に大変なことになるわけですけれども、そういう無保険、無車検といったような、これに対しての取り締まりというものは、これは今後もより強化していただきたいということは当然ですけれども、先ほども冒頭お尋ねいたしておりますが、暴走族対策としての推進と銘打って当局がいまいろいろなさっておりますが、その中で暴走行為をさせないための青少年に対する指導、教育、こういうことを言われております。この教育、指導というのはどういうことであるのか内容ですね。それともう一つ同じように、暴走行為をさせないための環境づくりをして暴走行為をやめさせるといったようなことが言われておりますが、その内容をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#93
○政府委員(池田速雄君) 警察がやります教育につきましては、実は免許を与えます場合に、先ほど申し上げましたように、免許につきましては成人、少年の区別はないわけでございますけれども、そういうたてまえを離れまして、やはり少年の運転手であるという特性を十分理解して対処する必要があるのじゃないかというふうに考えておりますので、免許試験に合格をいたしまして免許を与えます際に、警察官によります講習を実施することといたしまして、対象は当面十六歳、十七歳の二輪免許を取得する者というふうに考えておりますけれども、特に技術の面等は試験を通っているわけでございますが、心構えの問題と申しますか、実際の交通の場での、他の道路利用者に対する配慮、そういう点に重点を置きまして講習を行った後に、免許証を交付することにしたいというふうに考えております。
 なお、少年の違反者に対します行政処分に伴います講習の際につきましては、特に少年のクラスを設けまして講習を行っておりますが、暴走行為によりまして処分を受ける者につきましては特別のクラス分けをいたしまして、その内容に応じた講習を行っております。その結果を見ますと、大体七割近くの者が本当に反省してこれからば決してもう暴走行為はいたしません、こういうような感想等も出しておりまして、現実に暴走族から離脱しておるというのが実情でございますが、まだ若干名の者が処分を受けました後におきましてもそういった暴走族から離れられないといったような状況があるのが実態でございます。
#94
○中野鉄造君 社会には身元引受人というのがありますけれども、そうした未成年の人たちが免許を取得する場合に、先ほどいろいろ申しましたような事故が派生することも十分想像されるところから、万一の場合を何して、肉親の方々のそうした身元引き受けというか、保証というか、そういうことは考えられないのですか。
#95
○政府委員(池田速雄君) 免許の制度といたしましては、制度的にそういった制度をつくるということにつきましては問題はあろうかと思います。しかし、現実には少年という立場から免許行政を離れまして、いろいろな指導、たとえば学校におかれましていろんな指導をされる、あるいは親御さんの方でいろいろな指導をされる、こういったような相談等につきましては、少年を非行から守るという観点も加えまして十分御相談には応じる、こういう考えで臨んでおるところでございます。
#96
○中野鉄造君 これに関連いたしまして、全国に現在自動車教習所というのが、指定、非指定と、二通りに分かれてございますが、私いろいろ調査したところによりますと、千四百一ヵ所に指定教習所、そして三百四十何ヵ所かに非指定の教習所があるわけですけれども、御承知のように、指定の教習所の教習員といいますか指導員となるためには、それだけの資格を取った上でないとその指導員にはなれないわけですが、非指定の教習所ではその指導員というものは何の資格も要らないし、まあオーバーな言い方をすれば暴走族の人がアルバイト的に指導員をやっておる、こういうことであってみても一向にこれは差し支えないわけなのですけれども、そしてまた現在指定の教習所に対しては、これはいろいろ各県公安委員会を通しての指導監督というものがなされておりますが、非指定にはそれはなされておりません。それと、今度はまた指定に対しては、指定を受けるためには人的、物的――あるいは過去六ヵ月間九五%以上の合格率がありさえすれば指定校として指定を受けられるというようになっておりますが、非常にこういうようなことを考えてみますときに、あながちに非指定がよくない、暴走族の温床になっているなどというような、そういうことは、私毛頭申し上げませんけれども、いま言ったような片一方には指導監督をなされる。なされるということは、これは必要だからこそなされるのでしょうけれども、片一方にはそれらは行われない、こういう点どういうふうに思われますか。
#97
○政府委員(池田速雄君) 現在免許を取得されます方の大体八〇%が指定自動車教習所を卒業された方という統計になっているようでございますが、それ以外の教習所につきましてはさっき三百四十という数字をお挙げになりましたけれども、実はこの数字、私どもがっかんでおりますのは施設をある程度お持ちになられましてそういう教習を行っておられる方でございまして、そのほかに個人教習的なものをおやりになっている実態もあろうかと存じます。したがいまして、指定自動車教習以外の教習がどれだけ行われているかという点につきましては、正確な数字は把握できないのが実情でございますけれども、その場合でも御相談を受ければ私どもの方で教習される方の講習でございますとかあるいは設備を近代化するための措置でございますとか、そういう点につきましてはできる範囲で御指導は申し上げているのが実情でございます。ただ、御指摘のように、指定教習所と違いますので法的な権限に基づきましていろいろな指導監督ができるというものでもございませんので、その点は御理解いただきまして、そういうところで訓練を受けてきた者でもできるだけいい教育を受けるようにという努力はしながらも、その最後の担保は試験という制度でクリアしていただくようにしておる、こういう実態でございます。
#98
○中野鉄造君 では次に、私、海難事故に関連いたしまして、一つ二つお尋ねしたいと思うのですが、昨年一年間の事故件数は大体どのくらいになっておりますか。これが第一点。
 第二点といたしまして、事故とは関係なく総トン数七百トンをわずかに切れた六百九十トン台、その船舶がどのくらいいるのか、それからまた五百トンをわずかに切った四百九十トンクラスの船がどのくらいいるのか、この二点を最初にお尋ねします。
#99
○政府委員(野口節君) ただいまの最初の御質問でございますが、事故の統計につきましてはただいま手元にございませんので、後ほどまた御説明さしていただきたいと思います。
 それから第二点の七百トンを切った船、それから五百トンを切った船がどのくらいおるかという御質問でございますが、ちょうど七百トンを切れた六百九十九トン型という船舶がございますが、これが九十八隻でございます。それから五百トンを少し下回りました四百九十九トン型という船舶がございますが、これが四百六十六隻でございます。それで二十トン以上の船舶で登録しておりますものが約二万五千六百隻ございますので、これをパーセントにいたしますと、六百九十九トン型というのが約〇・四%、それから四百九十九トン型というのが一・八%ということになります。
#100
○中野鉄造君 実は船舶の総トン数の測度法から派生してくるいろいろな問題点を指摘して質問する予定でありましたけれども、きょうは時間の都合もありますので、これは一応保留いたします。
 次にお尋ねしたいのは、海難事故の件ですが、聞くところによりますと国内船同士の衝突事故等は、たとえばちょっと軽い接触事故を起こした、そういったような場合に、船主あるいは船長同士がこの程度だからひとつ示談で済まそうといったようなことになったとしてみても、やはりこの海難審判所からはもう本当に執拗に何回も何回も呼び出されて、それこそ仕事にも支障を来す、こういったような事例をよく聞くわけなんですが、それに引きかえ、外国船と接触事故等を起こした、こういうときには海難審判所から示談にされる方が望ましいといった、一片の書類でもって、それこそ相手が外国船であるだけに泣き寝入りで終わってしまう、こういうこと.が非常に多いように聞いていますけれども、とかく外国には弱いわが国の立場はよくわかりますけれども、こういうところの実態をお聞かせいただきたいと思います。
#101
○政府委員(鈴木登君) 本日、海難審判関係の者がちょっと出席しておりませんので、また改めて御説明に上がらさせますが……。
#102
○中野鉄造君 きのう通告はしておったのですけれど、お見えになっていなければ仕方ありません。
 次に、自転車の問題ですが、先ほどからもいろいろ御質疑があっておりました。私も一、二点お尋ねしたいのですが、現在自転車保護の立場から御承知のように歩道に自転車乗り入れが行われておりますが、日本の道路状況から見てこれはもういたし方ないという面もありますが、一方、自転車が歩行者の新しい危険物となっているのもこれは事実でありまして、日本都市センターの調べによりますと、都内の高齢者グループのうち十一グループと面接をしていろいろ調査をした結果、お年寄りが外出をして何が一番こわいか、こういうような問いに対して、歩道の自転車だと答えたグループが、この十一グループの中で九つあったそうです。自動車がこわい、こういうように答えたグループが一つだった、こういうふうに聞いておりますけれども、また、自転車利用者に対するアンケートでは、先ほど申しましたように、歩道乗り入れが許されてはおりますけれども、歩道が非常に走りやすいと答えたのは二六%で、あと、走りにくいと答えた人たちが五一%、危険だというのが二八%だった、こういうふうになっております。これらのことから見ても、自転車の歩道乗り入れについては多くの問題があるのじゃないかと思います。一時的にはこれも是としなければならない点もありますけれども、将来的にどう解決していかなくちゃいけないか、その点お考えを聞かせていただきたいと思います。
#103
○説明員(萩原浩君) 先生御指摘のように、自転車道という範疇の中にいろいろなものがございますけれども、いま一番問題とされておりますのが歩道と一緒に使っております自転車歩行者道というものであろうと存じます。現在、その自転車道の延べ延長が大体三万キロほど全国でございますけれども、そのうちの二万六千キロほどがいま御指摘のような形態になっております。この点につきましては、いろいろわが国の道路が狭いという従来からの歴史もございまして、やむを得ずそのような運用といいますか、構造になっておりますけれども、現在できる限り地域の歩行者の数あるいは自転車の数というふうなものを勘案して、自転車道として構造的に分離できるような、歩道の幅のあるところは分離するようにということで指導をいたしておりまして、現在のところ約千キロがそういう構造になっております。東京都の環七でもそういう構造のところがございます。こういうようなものを順次進めていきたいと存じますし、また、新たに道路をつくるときには、できるだけそこら辺の地域の状況を勘案しながら、自転車道を独立でつくったかっこうの道路をつくってまいりたい、こういうように考えております。
#104
○中野鉄造君 じゃ最後に、自転車の利用はいよいよ生活必需品として今後も普及を続けていくと思いますが、そういうところから、こうした傾向を踏まえて、事故の未然防止のために自転車に関する道路交通法の改正というようなものを考えておられるのかどうか、この点お尋ねいたします。
#105
○政府委員(池田速雄君) 現在のところは、現行法を最大限に活用いたしまして自転車の安全を期してまいりたいというふうに考えております。
#106
○小平芳平君 私の質問は簡単で短い時間ですが、まず、交通事故がふえているということ、それで新聞などを見ますと一時ずっと減りつつあった交通事故、特に死亡者がずっと減りつつあったのが本年は逆にふえる傾向にあるというふうに言われておりますが、どのような状況ですか。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
#107
○国務大臣(中山太郎君) わが国におきます交通事故による死者は、昭和四十五年の一万六千七百六十五人をピークにそれ以降減少を来しておりましたけれども、今年は昨日現在で七千五百四人、前年に比べまして二百七十六人、三・八%も増加をしておるというきわめて憂慮すべき事態に立ち至っております。日本の、全国的に見ると、運転免許保有人口、自動車保有台数が年間二百万の数字でふえておりまして、そういうふうなモータリゼーションの進行している社会の状態と道路の整備の問題、あるいはまた交通マナーの教育の問題、そういう問題がどうもアンバランスの状態を呈しているのではなかろうか。こういうふうな急激な交通死亡者の増加の原因の一つには、若い人たちが集団で車に乗りまして飲酒運転あるいは暴走運転をやりまして、安全帯あたりに激突して一挙に数人が死ぬというケースが最近非常にふえております。そういうことからこういうふうな状況が展開をしてきたのではなかろうかと、きわめて憂慮をしておるということを申し上げておきたいと思います。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
#108
○小平芳平君 この問題は、単純にこういう手を打てば減るんだとか、こうすれば減るんだというような問題ではないと思います。それこそ、先ほど来御答弁しておられますように、総合的な施策が必要なのだということだと思います。
 したがいまして、いまから申し上げることも細かいことと思われることもありますけれども、とにかく許された時間だけ質問したいわけですが、まず、暴走族ですが、いま警察の方からお答えがあったのですが、これなども一時減ったということ、そのことを参考にしまして、それで対策はないのかということですね。とにかく、ものすごく目に余るものがあったわけですが、それが一時的に大分静かになったという現象があったわけですが、最近またむしろ形を変えて目に余る状態というふうにも思いますが、その点いかがでしょう。
#109
○国務大臣(中山太郎君) 先生お話しのとおりに、夏にかけて暴走族が大変多くなりつつあった。そういうことで、七月の三十日に関係各省庁の担当官の連絡会議を開きまして、夏の交通安全月間に暴走族の取り締まりということを中心課題として調整をいたしまして、全国一斉の取り締まりをいたしたその結果、急激な減少を見たということは御案内のとおりでございます。ただ、単にこれを取り締まってつかまえたらいいかという問題では私はなかろうと実は思うんです。
 これは、関東型と関西型という二つの型がございまして、関東型というのは町から町へ移動していくというタイプの暴走族、関西型というのは同じところを行ったり来たりぐるぐる回るというタイプでございます。それを見る人たちがさらに刺激を与えて興奮状態になるという姿が非常に多い。この暴走族になっておる青年たちというのは、大体、人間的には非常に機械物が好きだという子供たちが多いんです。それで、犯罪意識というものは全然ございません。ただ仲間が寄って、オートバイの好きな若人たちが集まって一緒に走る、それで快感を味わっているということでございまして、こういうふうな青年たちは免許証は持っているかというと、実は免許を持っていない子供たちが多い。免許をいつ取るかというと免許が取れる資格の年齢に達すると直ちにみんな取るというのが特徴でございます。こういうことで、それじゃどこかどんどん走るところにこの青年たちを集めて走らせるかということになっても、そういうところへ行かないで、むしろ大都会で走りたがる、実に法律というものではなかなか縛れない問題がございますし、それによって刑法罰を加えたためにその人の人生に傷がつくということも考えなければならないということから、総理府としては、交通教育をどうするかということを中心に、来年の身体障害老年に向けて一つの基本政策としてただいま検討を始めておるということを申し上げておきたいと思います。
#110
○小平芳平君 総理府の立場としては、そういう立場でそういう対策が進められるのが結構だと思います。
 警察はいかがでしょうか。
#111
○政府委員(池田速雄君) 私どもといたしましては、やはり現に非行を繰り返しております暴走族を押さえる、走っております者につきましては検挙をいたしまして、それを補導し、グループを解体するということに最重点を置いてまいりたいというふうに考えます。
 せっかく一昨年の十二月に共同危険行為という新しい罰則をつくっていただいたわけでございますけれども、検挙が大変むずかしいといったような実態等のために、あるいはそのことが原因になってふえているという面もあろうかと思いますので、まず警察といたしましては、違法なものにつきましては断固たる措置をとるということで臨みたいと思います。ただ、その処分につきましては、先ほど総務長官の方の御指摘もございましたとおり、大部分が少年でございますので、少年の特性というものを十分踏まえた対処をやってまいりたいと思います。具体的にはいまのままの行政処分のあり方でいいのか、そういう面も含めまして、早急に結論を出しまして、さらに対処策を強化いたしてまいりたいというふうに考えております。
#112
○小平芳平君 それから、実際に起きる交通事故についてですが、まあ老人、子供という言い方がいいかどうかわかりませんが、お年寄りの事故あるいは子供さんの事故が一時非常にふえていた――ふえていたというよりも多かった、しかし、それは安全運動を警察がやるたびに、老人、子供を守ろうという.ことが言われておりますので、それはそれなりに効果があったとお考えでしょうか。
#113
○政府委員(池田速雄君) ことしに入りましてからの交通事故は、先ほど総務長官の御答弁のようにふえているわけでございますが、その中で、歩行者事故につきましては、幸い三・二%ほど減少いたしております。ただ、まだその占めます比率は一番高いわけでございますけれども、その中で見ますと、子供につきましては九・五%ほどのマイナス、それからお年寄りの方につきましては、実は残念ながら二・九%ほどふえているわけでございますが、その内容を見ますと、七十歳以上の方が三・五%ほどふえておるという実態でございますので、私どもといたしましては、さらにそういった高齢の方の安全を期するという対策を熱心に進めてまいりたいと思います。また、自転車乗用中に亡くなられた方につきましては十月までに五・八%ほどふえているわけでございますが、その内訳を見ますと、子供の方は一七%ほどふえておりますけれども、お年寄りの方につきましては幸い五・二%ほど減少いたしております。しかしその内容を見ますと、七十歳未満のお年寄りの方が二三・六%も減少しておりますのに、七十歳以上の方はやはり一一・六%ほど増加しておられますので、私どもといたしましては特に自転車につきましても七十以上の方につきましてはさらに重点を置いて安全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#114
○小平芳平君 二点続けて質問いたしますから……。
 第一は老人、子供についてですが、わざわざ階段を上がっていくという歩道橋を渡るのは老人、子供が多い。それから若くて身軽の人は車と車の間を横切っていってしまうというような傾向がないかどうか。老人、子供、どちらかというと老人なんか階段を上がる力は弱いわけですが、そういう人に限って危ないから歩道橋を渡っていく、それから身軽な人はむしろ歩道橋を渡らないで突っ切って車と車の間を横切っていってしまうというような傾向がないかどうか。そういう傾向があれば、なおさら老人、子供の交通地獄、老人、子供を交通事故から守るということにより真剣に取り組まなくてはならないと思うわけであります。
 それから車がブレーキをかけますとストップしたときにはストップランプがつきますが、前部にもランプがつくようにしたらどうか、これはいろいろな必要があって後ろにはランプがつくわけですが、それが前にもつくことによって前の人の安全を確保するという、追突を避けるといういろいろな意味があろうかと思いますが、いかがですか、以上二点について。
#115
○政府委員(池田速雄君) 歩道橋の問題を含めましてお年寄りの方の生活されておりますいわゆる生活道路的なものにつきましては、これからもできる限り安全をお守りするという立場での施策を強化してまいりたいというふうに考えております。
#116
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 第二点の、車の構造上、前面にブレーキのランプをつけたらいかがかという先生の御提案でございますけれども、現在このブレーキランプというのは車がとまるということで点灯しているわけではございませんで、減速、速度を落とすときにランプが点灯するようになっております。したがいまして、ランプが前についたからといって安心して渡るというわけにはちょっとまいらないと思いますし、また乗務員、運転手の方が歩行者を確認して停止するという前提のもとにブレーキをかけるとも限りませんので、そういう意味で非常に紛らわしくなってくるおそれがございます。またブレーキをかけるときのかけ方によりまして、雨降りだとか坂道等によりましては制動距離が全然違ってまいりますので、歩行者側から見て余り憶測をされても困るということがあろうかと思います。したがいまして、前面にブレーキのランプをつけるということが、逆に歩行者に誤まった情報を教えるということになるとかえって危険でございます。したがいまして、私どもの方といたしましては、車の安全のためにいろいろな構造上の整備をいたしておりますけれども、この点について先生せっかくの御提案でございますけれども、そういう問題がかなり大きな問題としてありますので、ちょっといま直ちにというわけにはいかないのではないかというふうに考えます。
 なお、御参考でございますけれども、国際的になってまいりましたこの自動車でございますけれども、外国にも前面にそういうブレーキランプをつけているという例はないということを申し添えておきたいと思います。
#117
○小平芳平君 このことによって何もかも解決するという道はないわけですね。この場合も、このことによってすべて解決がつくという方法ではないですが……。
 それから、外国にも例がないことはよくわかりますが、それじゃ専門的な立場でどういう効用があると思われますか。
#118
○説明員(宇野則義君) 効用というお話でございますけれども、逆に昼間等でランプが前面につくということになりますと、いま私どもの基準では、点滅する赤ランプといいますか、すべて赤ランプを前面に表示することを禁止しておりまして、これでもって車の前後ろがすぐわかるということになるわけでございますが、例外的に消防車だとか緊急車のような特殊な車につきましては前面に赤ランプが見えてもよろしいという例外を認めておるわけでございます。したがいまして、私ども、歩行者の対策といたしましては、まず事故を起こさないようにするためにどうすればいいかというような観点から、たとえば前面の視野、視界の確保というようなことも考えておりますし、また万が一事故が発生したような場合にその被害をできるだけ軽減したいというようなことから、被害の軽減対策というようなことで車外の突起物等をなくしてしまうというような形で保安基準を、安全の基準を整備しつつあるところでございます。
#119
○小平芳平君 それから、これは道路の構造上の問題ですが、高速道路などで再放送設備のあるものはどのくらいあるか。地下道ではトンネルに入るとラジオは聞かれないというのが普通ですが、しかしトンネルに入ってもラジオが十分聞かれる道路、トンネルもできているわけですね。それらの点について御説明願いたい。
#120
○説明員(鈴木道雄君) お答えいたします。
 現在供用中の高速自動車国道にはトンネルが百六本ほどございますが、そのうち先生が御指摘のラジオ再放送設備の設置されているトンネルは二十一本ございます。それから、首都とかあるいは阪神高速道路につきましては、大都市で交通量の多い幹線道路という観点から、すべてのトンネルにラジオ再放送設備を設置することとしております。今後とも、延長の長いトンネルや交通量の多いトンネルにつきましてはこの設備を進めていきたいというふうに考えております。
#121
○小平芳平君 全部つけるようにするわけですね。
#122
○説明員(鈴木道雄君) 一応、延長の短いトンネルでございますとすぐそこを通過することができますから必要ないと思いますが、大体現在つけておりますのは、高速道路の場合でございますが千五百メートルぐらいのをめどにしてやっておりまして、そういった設置基準をどうするかについては現在いろいろ検討しておりますので、そういった長いものについては設置をしていくという方針でございます。
#123
○小平芳平君 災害時には、地下鉄でもあるいは地下道でもそうですが、ニュースをまず聞きたいわけですね。ですから、災害時を考えると、高速道路もつかえてしまった、じゃニュース、情報はどうだろうということをすぐ知りたいわけですね。そういう意味で、高速道路のお話がいまありましたが、高速道路は長いトンネルはもとより、災害時には地下鉄その他にもそれは必要なことじゃないでしょうか。
#124
○政府委員(永光洋一君) いま道路のお話がございましたが、鉄道の場合、地下鉄あるいは民鉄、国鉄、その他、長いトンネルの中での運行をしておるそういう輸送機関、鉄道につきまして、いわゆる列車無線装置というものが設備されておりまして、駅と連絡をするようになっておりますので、列車側から何かの災害があれば駅に通報するし、それからあるいは外部でいろいろな情報が駅に来れば駅側から無線で車掌なりあるいは運転手の方に的確なる情報がいくというようなシステムになっております。
#125
○小平芳平君 ちょっとよくわからないのですが、災害時にはラジオで情報を得たい、ですから列車が事故があって運行できないような場合は駅から列車へ、列車からあるいは司令室へというふうことがあるのはよくわかりますが、そういう一般的な情報が必要じゃないかということ、一般的な情報を求められるのではないかということを申し上げたんですが、いかがですか。
#126
○政府委員(永光洋一君) 一般的な情報と申しましても、鉄道の安全等につきます要するに外的ないろいろな情報というものは駅の方から的確にそういう形で列車乗務員の方に即時に連絡がある、こういうふうに考えております。
#127
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間でございますが、海上コンテナ輸送についてお伺いをしたいと思います。
 海上コンテナ運送事業でコンテナを輸送するトラックの中に、車両制限令やあるいは道路運送車両法などに違反するものが非常にたくさんある、こういう実態を運輸省並びに関係官庁はつかんでおられますか。
 時間を節約する意味もありますからまとめてお伺いをしたいと思うのですが、この違法車両というのが横行している実態を実は写真に撮ってあるわけです。――恐れ入りますがあちらへ写真を見せていただきたいと思うのですけれども。この写真はいずれも神戸、大阪の両方の港から、海上コンテナ輸送をする業者のトラックを撮影したものです。これは大阪の陸運局にお示しをしまして、大体違法性を確認されているものばかりなんです。これをちょっとごらんいただきながら、その写真に出ている違法性のものについて若干まとめて言いますと、海上コンテナの陸上輸送は、陸運局の許可を受け、海上コンテナを運搬するいわゆる専用シャシーに一個積みと限られているのです。ところが、普通のトラック輸送や、平型セミトレーラーのシャシーを不正に改造いたしまして、前部もしくは後部に張り出している。ですから、たとえば車両の長さが制限である十二メートルをオーバーしている。それからさらには、ツイストロック、特殊緊締装置というのですか、特別の締め具ですね、これをつけない不安定なもの、あるいはシャシーの横のドアをおろして積載して、車の幅員が制限の二・五メートルを超して走っているもの。あるいはさらには高さも制限が三・八メートル以下の基準を超えて四メーター以上になっているもの。それから、重量はコンテナの内容だけで二十トンを超えている、あるいは二個積みという形になりますと、三十五トンから四十トンという状況になっている。これらはすべて車両制限令等に違反をしているものだと思うわけでございます。
 そこで、こういういま証拠写真をお見せしておりますように、違法車両が非常にたくさん走っているわけですが、特にこれが名古屋あるいは東京、横浜、大阪、神戸、まあ大阪、神戸などは比較的少ない方だと言われておりますが、こういう形で違法車両が走っている。こういう実態をどうつかんでおられるか、それについてはどう認識をされているのか、ちょっと御見解を最初にお伺いしておきたいと思います。
#128
○説明員(宇野則義君) ただいま先生御指摘のような車の状況につきましては、私どもで正確な数字を把握いたしておりません。しかしながら、こういう海上コンテナを運ぶというような場合には、特に大きさあるいは重量等が大きくなっておりますので、これは、正規には基準緩和という手続をしなければならないわけでございます。
 ただいま写真も拝見いたしましたけれども、そういうようなものがどういう形でどのような該当をするかはっきりわかりませんけれども、とにかく改造等をやる場合にはまず手続をさせるということを私どもといたしましては指導してまいってきております。ただ、その手続をした場合に、先ほどお話がございましたように、ツイストロック等の装置がつけられているかどうかというようなことも踏まえまして、構造上の安全のチェックをいたしておるわけでございます。
 以上でございます。
#129
○沓脱タケ子君 いや、それで、あまりよく御承知じゃないのじゃないですか、知らなかったら大変だと思うんですよ。私は特に詳しく申し上げたのは、たとえば長さが十二メーターを超すものは特別に許可を得なきゃならないということもあるかもしれませんが、一つずつ積まなければならないコンテナを二個積みしているということは、これはもう明らかに制限令違反じゃないですか、そうでしょう。その写真の実態は、これは大阪の陸運局が全部ごらんいただいて違反だということをお認めの内容なんですよ。だから、そんなのはどないなっているかわからぬというようなことでは話にならぬ。
 この違法車両による海上コンテナ輸送が行われるということでどういうことが起こってくるかという問題ですが、いま言っておるコンテナの二個積み、三十五トンから四十トン、そういうものが走るわけですから、走り出したらこれはもう騒音から振動、普通の車に比べて格段にひどいんですね、これは重量によって。それだけではなくて、黒煙の出し方だってちょっと程度を超すわけです。私はそういう点では単に道路交通の秩序を乱すというだけではなくて、一つは公害対策上もきわめて重大だと思うんです。
 それからもう一つは、この海上コンテナの三十五トンも四十トンも積んで走るということになりますと、道路や橋梁の破損というのは、これはもうだれが考えてもわかるのですけれども、大きな影響が出てくることは明らかですね。さらに言いますならば、もっと心配なのはこういう構造上の保安基準などに違反して走っている車というのは、車両の整備点検ももうする暇がない。運転手は低賃金で無理無体に過労運転を余儀なくされるということで、当然のこととして事故につながる危険性が大きい。これは実際に大事故を起こした例もございますしね。そこで、運輸省、建設省、警察庁はこういう違法車両の実態をつかんでおられないのなら、ひとつ御調査になって掌握されて、取り締まっていくべきではないかと思うんですよ、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#130
○説明員(宇野則義君) こういう海上コンテナを二個積んで走るような実態につきましては、先ほどちょっと答弁で不足のところがあったかと思いますけれども、車両構造的には私ども運輸省の方で道路運送車両法に基づくチェックをいたしておりますし、先生御指摘の車両制限令につきましては、道路管理者の方でチェックをする、あるいは道路交通法の分野もあろうかと思いますが、ただいま申し上げましたように、詳しいことの実態につきましては十分把握いたしておりませんので、その点につきましても調査をいたしたいと思います。
#131
○説明員(三木克彦君) 道路との関係でございますが、道路法及び車両制限令によりまして、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するという観点から、それぞれ車両につきまして重量、高さ、長さ、幅、その制限を行っておるわけでございます。長さは十二メーターでございまして、いま御指摘のようなものを二つ積むということになりますれば、長さはもちろん超過しております。それから重量につきましても同様に超過の可能性があるということでございます。なお、特殊な車両、あるいは積載貨物につきましては特別に制限を緩和する規定がございますが、コンテナにつきましては一個に限っておりまして、二個積みを許すという体系にはなっておりません。
#132
○政府委員(池田速雄君) 運輸省それから道路管理者の方と密接な連絡をとりながら、警察といたしましても対処してまいりたいと存じます。
#133
○沓脱タケ子君 それは当然そういう違法状態というのが出てきているというのだから調査をして、ちゃんと把握してもらわぬとあきませんで。あんまり把握していませんなんてなことをぬけぬけ言うていたら困るんです。大臣、そうでっしゃろ。
 それで時間がないから――こういうことが起こる背景というのはやはりあるのですよね。その背景というのは何かといいますと、運賃のダンピングです。これは御承知のように荷物は荷主や船会社から元請会社に渡されてさらに下請会社へと流れていくというやり方ですね、海上コンテナ輸送は。さらに、それが再下請から再々下請へやられているというのが実情なんですが、問題はこの荷主から元請にいく間に認可料金が一〇%から二〇%ぐらいダンピングされている。さらに元請から下請へいく間に一〇%から二〇%ダンピングされる。ですから実際に下請業者が海上コンテナを輸送する段階では認可料金の三〇%からひどいのは五〇%ぐらいダンピングされているわけですね。認可料金の五〇%そこそこで運ばぬならぬということになりますと、ずいぶんひどいわけでしょう。そこでとまればいいけれども、さらにまた再下請、再々下請ともう一つ下がっていくわけです。そのたびに一〇%ぐらいずつピンはねをされるわけですから、実際に走っている業者というのは認可料金のまあ言うたら四〇%そこそこで走らされているわけです。こういう実態なんです。それを調査しなければいかぬ。そこで、そういう状況だから、せっかく決めておられるあなたの方のいわゆる基本料金というのは、基本運賃はちゃんと決めている、さらに、作業時間や走行距離にかかわって加算額を決めているでしょう、品目別あるいは深夜とか早朝とかいって。そんな割り増し料金などというのはどっかへけし飛んでしまって、もらってない、これが実態なんですよ。時間がないから、きょうは具体的なものを出しませんけれども.こんな状態まともやと思いますか。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
#134
○政府委員(飯島篤君) 海上のコンテナの陸上輸送というのは、国際複合一貫輸送に伴う運送でありまして、いま先生御指摘のとおり、取引契約関係が非常に複雑でございます。元請、下請、孫請というような形で、複数の運送契約が結ばれているという例が多うございます。ただ、これらの関係の中には、取扱事業というものが介在しておりまして、船会社あるいはその代理店、運送事業者、倉庫業者等が通常新荷主との運送契約の当事者になっておるわけですが、これがまず運送取扱事業の登録をいたしております。それから実際の運送はトラック運送事業者が下請をする。先生がいま言われた元請と言っている運送事業者に当たるかと思います。それがまた取扱事業者の登録をしまして、他のトラック事業者に再下請させているというような状況になっております。それで、取扱事業者が新荷主から収受します運賃料金がトラック運送事業者の運賃料金と同じもので認可の対象になっておりますが、先生がいま御指摘の取扱事業者からトラック事業者に支払われる運賃料金は、いわゆる内部関係ということで法上は認可の対象になっておりません。新荷主と運送契約を結んでおります船会社等の取扱事業者はコンテナ、シャシー等の使用料、荷主の開拓費、荷主との連絡事務等の自分のサービスに対応した一定の手数料を差し引いてトラック事業者に運賃料金を払うという形になるわけでございます。一般的には大体一〇%から一五%ぐらいという、この段階ではなっておるわけでございます。いずれにいたしましても、海上コンテナ以外にも自動車運送取扱事業者の収受します手数料にはいろいろ問題があるというふうに認識いたしております。五十三年の八月に運輸省令を改正して取扱事業者に対しまして取り扱いの手数料額なり手数料の率なりを届け出させることにいたしておるわけでございます。実情を把握いたした上で、過大であると判断された場合には必要な指導を行うことができるようにいたしたのでございます。しかしながら、先生御指摘のように、なおまだ運賃ダンピングの要因となるなど輸送秩序上の問題もございますので、今年度にはおかげさまで若干の予算がつきましたので、実態調査、事業の概要とか取扱品目とか取扱量、手数料等について調査をいたすことといたしており、目下準備中でございます。海上コンテナの取り扱いにつきましてもこの調査を通じて実態を把握し、適切な処置をとってまいりたいというふうに考えております。
#135
○沓脱タケ子君 調査するとおっしゃるんだから、いいと思いますけれども、のんびりしたことをおっしゃっているけれども、内部でどうなっておるか。それはいろいろ荷物の取り扱いが下請、再下請というふうになってくるとわからぬ。しかし、この二個積んだらいかぬというコンテナを、無理してでも二個積んで走らなければいかぬというのは、幾ら運輸省が認可料金を決めておられても、大体実際に積んで走っているところは三〇%や四〇%で走っているわけだから、五〇%そこそこで走っているのだから、一つ積んで走っていたら間に合わぬわけですよ。だから一遍に二個積んで走るという違法な運行が行われているわけなんです。これをとめようと思ったら、その料金のダンピング状況というのをのんびりしていぬときちっと調査をして対処しなきゃならぬと思うんですがね。その点どうですか。
 それで私は、特にダンピングがきつくなっているというのは、いまも御説明があったように、元請と下請の間までは大体いけるわけです。荷主と元請、それから元請から下請までは。その下請以下ですね、下請以下のところがこれは禁止規定がないから、荷物が少なくなったらとにかく少々値下げをしてでもたくさん荷物をもらって走らなきゃということになって、そういう過当競争もあるのだとは思いますけれども、そういう違法運送がやられ、同時にまた、交通災害あるいは危険をもたらすというふうなおそれがあるわけですから、これは実態を調査して、特に再下請以下の禁止条項も含めて検討する必要があるのではないかと思いますが、どうですか。
#136
○政府委員(飯島篤君) まず実態をよく究明いたしまして、どう対応したらいいか、検討さしていただきたいと思います。こういったことが安全の確保上非常に問題を生ずる原因にもなっているという御指摘でございますが、その点につきましては事業者あるいは車体メーカー、整備業者に対する監督を強化し、街頭検査等につきまして警察との協力をいただきまして取り締まりに当たっていきたいというふうに考えております。
#137
○沓脱タケ子君 それから大臣に一言お伺いしたいと思うのですけれども、もう一つちょっと聞いておきたいのは、そういう運賃ダンピングでやられていますから、労働者は当然あふりを受けているわけですね。だから、コンテナ輸送の量をふやすために二個積みはするわ、ろくさま車の整備もできへんで大変な過労運転をやっているわけですね。そのことが事故につながるおそれがあるわけですから。トラック輸送労働者に対して、これは労働省では新二・九通達をお出しになったんですが、適用していますか。
#138
○説明員(岡部晃三君) お答え申し上げます。
 昨年の十二月、新二・九通達を発出いたしまして、十月一日からこの実施に入ったところでございます。もとより海上コンテナ輸送を含む貨物輸送全般につきまして、この通達を適用いたしております。現に十月末より全国一斉に監督に入った段階でございます。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
#139
○沓脱タケ子君 それで最後に大臣の御意見を聞きたいのですが、もう一つは道路交通の上で大変危険だと思いますのは、海上コンテナの内容物が何かということを全然知らされずに運んでいるわけです、最近では。本来ちゃんと荷主と元請との間では、きちんと検数もやらにゃいかぬわけでしょう。中身も確認せにゃいかぬのですけれども、大体そんな手間は省いて、そのまま走っているわけです。だから、どんなことが起こっているかといいますと、この間九月の十七日に神戸港に入ったアメリカ船のプレジデントトルーマン号というのだそうですけれども、ここからダウケミカルの輸入化学品を積んで走っていたわけです。これは川西の倉庫まで輸送して、そこであけてみて業者も運転手もぎょっとしたというんですね。コンテナの中に入っていたのは、輸入化学品のドラムかんにまじりまして、全然輸入品とは関係のない四エチル鉛がドラムかん一本分入っていた。この四エチル鉛というのはどんなものかというと、大変揮発性が強くて、気化したものは猛毒物なんですね。こんなものを吸うたら即死するというものなのです。これは幸いにそういう死亡事故につながるような事故は起こりませんでしたけれども、もしこれが漏れたり、ひっくり返ったりして気化するということになったら、その運送労働者だけではなしに、その周辺住民、大変な被害を受けることになるわけですが、この海上コンテナの中身について運送業者も運転手も知らされないで走っている。こういういわゆる検数とか検定というものをやらにゃいかぬことになっているんですよ。しかし、経費を節減してろくにやっていない。省略している。だからこういうことになっているわけですが、この大事故の発生を未然に防止するためにもいわゆる検数、検定ですか、決まったようにちゃんとやらせて、運送業者と運転手はその中身を周知徹底して走れるような指導というのが必要だと思うんです。
 私、実はもう時間がないので、船から積んできたもので陸上を走っているのもこういう危険だし、船から陸上へ運ぶはしけ運送もきわめて重大な問題があるので、これ両方お聞きをしようと思ったのだけれども、時間がないから、はしけ運送の問題は別の機会にしますけれども、いま幾つか申し上げたように、船の荷物を陸上に揚げて走る分については、陸上のトラック輸送とは違う格別の違法輸送、違法運送、それから法令を無視した形でやられるような状況が起こっている。そうしてその背景には、それをやらざるを得ない料金のダンピング体系、こういうものが業界の中に横行している。しかも、中身の危険性さえも知らさない。うかうかしてその事故が起こったら、その周辺の二、三百メートル四方におる人間が死亡事故にもつながりかねないという危険さえある。こういう状態というのは放置できないと思うんですね。
 そこで、一つ一つについてはお聞きしましたけれども、大臣、こういう状態もあるんだということを御存じいただいたら、実態ようわからぬと言うからまず十分調査をして、これに対してやはり交通安全上の立場からも、またそこの企業で働く労働者の立場からも、あるいは下請、再下請等の小さい零細企業の人たちの立場を守っていくという立場からも、これは当然ひとつ厳しく対処していかなければならないと思いますが、大臣の御見解を最後にお伺いしておきたい。
#140
○国務大臣(塩川正十郎君) まず問題点は三つあったと思いますが、その第一点の、危険物であるか何かわけもわからぬで運んでいるという話ですが、これは私もお話を聞きまして、そういうことがあり得るのかなと思うております。確かに、港湾運送業者と、それをまたトラック業者へ渡した、そういう段階までは確かにわかっておるんだろう。しかし、そこから先の、子から孫へ行ってひ孫というふうに行ってしまうと、何かわからぬ、こういうことだろうと思いますが、こういう点につきましては、先ほども自動車局長が答弁しておりますように、よく一回業者と相談してみて、どういうぐあいに確認方法をとったらいいかということ等も十分に対策を考えさしてみたいと思うております。
 それから、車両法違反のやつを走らしておる、こういうことでございますが、これは自動車局あるいは陸運局だけで片づく問題ではございませんので、まあ相談をしながら、道路管理者並びに公安委員会等と相談して、十分いたしたいと思うんですが、これもいま即答でこういう対策をやりますということは言えないのが残念でございますが、そういうことにいたしたいと思います。
 三番目の問題のダンピングの問題でございますけれども、これは言うべくしてそう簡単に、それじゃこういうぐあいにいたしましょうというやつは、実は私もよう言わぬのです。これはなぜかといいましたら、実はそういううわさは私はどこでもよく聞くんです。先生のおっしゃるとおり私も聞くのですけれども、それじゃ実態、どこかあるのかといったら、それがすうっと消えてしもうて、だれも、おれは知らぬねえということになってしまう。出てこないのです、実際のところいいまして。それはなぜかといったら、やはりこれはいけない、私もそれはようわかるんですけれども、実際の問題となってきますとそれは表へ出てこないで、そこらの専業者等、その下請、また下請、ここらが一体となって、食っていくためにはそういうことをやらざるを得ないというようなことをやっている。いいか悪いかは、これはもう確かに私らもいいとは思わない。けれども、競争で荷物が少ないときなんか――だから荷物があるときはちゃんとしたものを払っておるのです。荷物が少ないときはやはりそういう競争で、認可料金から下回って取りますというのを親方が取ってきよる。それをまた子方に落とす、こういうことになってくる。これはもういかんともわれわれとしても手がない。
 ただし、こういうことは言えると思うんです。これは運輸省の仕事よりもむしろ中小企業対策の問題であって、もしその下請の下請、そういうところがそういう不当な契約を強制されておるというならば、これはまあ中小企業の駆け込み相談というのがありますから、そこらで一回話をするというのも一つの手だろう。しかし、こちらの方で実態がわかるようでしたらそれは指導できますけれども、なかなか実態がつかめない。でございますから、具体的な申告がありました場合に、そういうようなものを対処していきたい、こう思うのです。
 それから、はなはだついでで恐縮でございますが、どうせはしけの話も出るやろう、こう思うとりますので、これもちょっと言っておきますと、はしけの個人船主ですね、これと一回座って話をしたらどうだ、相談したらどうだとおっしゃいますけれども、私はそれは結構だ。しかし、そのはしけの個人船主がわいわい、わいわい言っている。だれがその責任者なのかわからぬ状態なんです、いま。ですから、一つの港湾管理者単位でも結構ですが、その港湾の単位ででも、まずその個人船主が相談をして、だれをその代表者に選ぶか、あるいは協会か何かをつくるかということ、それをまずやってもらって、代表者、これをきっちり決めてもらわないと、わいわい、わいわい数だけ集まってきて言いたいほうだい言って、わあっと帰ってしまっても、これはまとまりません。ですから、そういう個人船主の団体といいましょうか、その団体をつくり、そして、その代表者がはっきりしてまいりましたら、これは、一つはわれわれも行政指導の対象としてなってくる。そうすれば、はしけ業者、それから専業者、それから港湾運送関係の者が集まって、そこで協議ができる、こういうふうに思うておりますので、といってほったらかしておくというわけじゃございませんで、はしけの方は港湾局ですから、港湾局長に、きょうも私は、一体はしけの専業者の実態、そしてその専業者がどういうふうに個人船主と結びついておるかということを一回この際に調査をしてみて実態を調べたらどうだと言っておりまして、いずれまた御報告できるときもあろうかと思うたりいたしますが、いずれにしても、そういう決め手となるものは、私の方からはいまこういうようにいたしますという決め手が出てこないのは残念でございますけれども、そういうことのないように事前に予防しておく措置は努力してまいりたい、こう思っております。
#141
○委員長(山崎昇君) 時間です。
#142
○沓脱タケ子君 ちょっと時間が過ぎてしまいましたんですが、実はお聞きをしていないところまで……
#143
○委員長(山崎昇君) 時間が来ています。
#144
○沓脱タケ子君 御答弁をいただいて、私の質問とはちょっと違ったんですけれども、最後に自転車置き場の問題で一言だけお聞きをさせていただきたいと思いますが、お許しを賜りたいと思います。
#145
○委員長(山崎昇君) 簡単に……。
#146
○沓脱タケ子君 簡単にお願いをしたいと思います。
 きょう議決される予定になっております自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案のこの十条、十一条に関連をいたしまして、通産省としてはSG制度を導入するということだそうでございます。時間ありませんので私、一問にしぼってお伺いをしたいと思っておりますが、御承知のように、自転車の製造業者というのは大手メーカーと中小メーカーとが約半々ぐらいだと思いますが、中小メーカーというのはきわめて零細業者が多うございます。従業員四人で一ヵ月百五十台ぐらいを組み立て工場で製造するというような状況の中でSG製度を導入することによって費用負担、それから人件費の増高というふうなことで、企業として吸収し切れないおそれさえも出てきているというふうに言われておりますが、そういう点でこういったものを導入していくという上でぜひ配慮をされるべきだと思いますのは、そういった中小零細企業の自転車製造業者に対して適切な対処が必要だと思いますし、特にそういう中小零細業者の意見をよく聞いて実施を進めていくという体制がきわめて大事ではなかろうかと思うのですが、最後にその点について通産省の御見解をお伺いしておきたいと思います。
#147
○説明員(三野正博君) お答え申し上げます。
 先ほどの御質問でもお答え申し上げましたように、現在自転車についてSGマーク制度の導入というのを検討しているのは事実でございます。その際先生御指摘のとおり、自転車につきましては、零細メーカーが未組み立ての状態で出荷するということが非常に多うございますものですから、そういう現実を踏まえまして、どういう視点で安全とするかという認定基準とか、そのチェックシステム等を決めるに当たりましては、中小企業の組合の代表の方その他そういう企業の御意見を十分聞きながらやるつもりでございますし、それからそういう方々がSG制度ができました場合にそれを活用できますように、安全性を向上するための検査試験機器、あるいは生産設備の更新といったような場合の資金の手当てとか、あるいは品質管理の技術指導といった面についても遺憾のないように努力してまいりたいと考えている次第でございます。
#148
○中村鋭一君 昨年度の交通事故死者数と負傷者数に分けてお教えを願えますか。
#149
○政府委員(池田速雄君) 昨年度の交通事故によります死者数は八千四百六十六名でございまして、発生件数が四十七万一千五百七十三件、負傷者の数は五十九万六千二百八十二人となっております。
#150
○中村鋭一君 そのうち自動車事故は死者は何人でございますか。
#151
○政府委員(池田速雄君) 自動車によります死者は三千六百二十人でございます。
#152
○中村鋭一君 免許を取得して一年未満、二年未満、五年未満、免許を取って余り年数がたたなくて事故を起こした人は何人ぐらい昨年でいらっしゃいますか。失礼いたしましたこの数年来ですね。
#153
○政府委員(池田速雄君) 昨年の事故で申し上げますと、免許取得後一年未満の運転者によります事故の件数は四万六千五百三十二件でございまして、全体のパーセンテージで申し上げますと一〇・六%、それから二年未満の運転者によります事故は四万一千九百八十二件でございまして、構成率で申し上げますと九・六%ということになっております。なお、五年未満のドライバーの総計ということになりますと四〇・二%を占めております。
#154
○中村鋭一君 そうしますと、免許を取ってから事故を起こす確率は、たとえば免許を取って十年、十五年無事故で経過する人に比べれば非常に高いわけですね。五割以上になるかと思いますけれども、そういった点で免許取得というのは車を安全に運転するということで非常に大切なことだと思います。免許を取ることについて、現在は自動車教習所等において勉強をいたしまして、主としてこれは運転技術についてだと思いますけれども、免許証をお取りになるわけですけれども、当局としてその免許を取るために安全教育ということをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、これまでどのようにそれをしてこられたのか、簡略にお答えをお願いいたします。
#155
○政府委員(池田速雄君) 免許を取られる方の八〇%ほどが指定自動車教習所の卒業生であるという現状にかんがみまして、指定自動車教習所に対します指導と申しますか、そういう点をここ数年来強化いたしておるわけでございますが、さらにこの点につきましては教習の内容その他を含めまして十分検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
#156
○中村鋭一君 免許を取る方が年々ふえているわけですね。私の資料によりますと、運転免許保有者数は四千百四万二千八百七十六人、十六歳以上の二・一人に一人の割合で現在運転免許を保有しているということですね。当局として運転免許を取る人がふえることが好ましいのか、好ましくないのか。社会的趨勢としてそれが自然にふえてくるものですから、そういうことについて好ましいとか、好ましくないとか言うべきではないとお考えなのか。
#157
○政府委員(池田速雄君) モータリゼーションが進行してまいりまして、いろいろ議論もあろうかと思いますけれども、自動車の利便といったようなもの、それが果たします社会的な役割りも大変に大きいといったような現実から考えまして、実際問題といたしましては、よほど特殊な、運転に不適な方以外は運転者としてこれから社会生活を続けられるであろうという前提のもとに、私どもは安全教育というものを考えていかなければいけないというふうに考えております。
#158
○中村鋭一君 交通事故を減らすのにこれまでもいろいろな対策を講じてこられたと思います。これからもおやりになるのでしょうけれども、具体的に交通事故を減らすために一番根源的に大切なことはどういうことだとお考えになりますか。
#159
○政府委員(池田速雄君) 交通環境を整えてまいるというのが一つだろう、基本だろうと思いますが、その交通環境は物的なものだけでなくて、人的なと申しますか、その人的な要素の中にはやはり道路の利用者の心構え、技能そういったものが一番大事であろうというふうに考えております。
#160
○中村鋭一君 道路の利用者という中にはドライバーとそれからペデストリアンと両方あると思うのですけれども、私ここはドライバーについてお尋ねしたいと思いますけれども、事故を少なくするという、とにかく死亡者を減らす、けがをする人を減らすという目的のために、運転する人に対して望ましいことは、やはり免許を取るときに徹底した安全教育をするということが眼目だと思いますけれども、その点についてはどうお考えでございますか。
#161
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおりだと思いますし、さらに、免許を取りました後におきましても、いろいろな意味でのいい経験を積まれまして、いいドライバーになられるような、そういうまた勉強の機会も必要であろうというふうに考えております。
#162
○中村鋭一君 どうもさっきから伺っておりますと、非常に簡単にお答えいただくのは結構なんです、質問時間短いのですから。結構ですけれども、その安全運転ということに対する――これは日本国民が死んでいっているわけですから、毎年一万人近くも。そうでしょう。そういうことに対してもっと真剣に取り組んでいただきたい。この委員会で質問に対して簡単に答えて、それが望ましいとか、一片のアブストラクトなそういう答弁で私は済むものでもないと思いますから、少し具体的にお尋ねをさしていただきたいと思いますが、運転免許証の更新者を対象とした更新時の講習がございますね。この内容を、これはもう簡単で結構ですからお答えください。
#163
○政府委員(池田速雄君) 三年目になりますので、その間の法令の変わった点でございますとか、最近の事故傾向でございますとか、特に安全運転上必要な事項でございますとか、そういう事柄を内容といたしまして、映画等も入れまして講習さしていただいております。
#164
○中村鋭一君 映画等も入れましてですが、その映画の内容が問題なわけですね。ですから、これにつきましては、また機会を改めてお尋ねしたいと思います。
 ただ、私はここで指摘しておきたいのは、私がこれまでに得た情報の中でも、警察の方で映写されます、たとえば安全教育のためのスライドですね、これが非常に、見ていていやな感じがするスライド、たとえば死亡事故の現場でありますとか、そういうものをただ映して、ああこれは大変だ、もう絶対に事故は起こすまいとドライバーの皆さんがお思いになるかどうか、その辺の心理的な追求も十分研究されてスライドをおつくりになる、そういうことをさっきから私は申し上げているわけですね。単にビジネスライクにスライドを写して講習をやっているから、それでわれわれの役目はおしまいだとは考えてもらいたくないということですね。それで、ドライバーが義務づけられております免許更新時の講習でございますね。これで十分だとお思いでございますか。
#165
○政府委員(池田速雄君) 残念ながらまだ講習の制度が始まりましてから時間がたっていないせいもあろうかと思いますけれども、御指摘のとおり不十分だと思います。その内容、なぜ不十分かと申しますと、若干画一的に走り過ぎている点があるのじゃなかろうかと思います。したがいまして、最近では年少者、あるいは経験の深い人、あるいは女性の方といったような区分けを徐々にいたしておりますけれども、御指摘のとおり、講習を受けられる方のそれぞれの対象、特性に応じた講習というものがこれからは必要であろう、その点につきまして十分検討してまいりたい、そのためには、警察だけの考えでなくて、広く先生方、有識者の方々の御意見もお聞きしながら、そういうものの教育のシステムというものにこれからもっと一生懸命力を入れていかなければならぬというふうに考えております。
#166
○中村鋭一君 現在、全国の指定自動車教習所数は一千四百一ヵ所、間違いございませんか。大体でいいです。
#167
○政府委員(池田速雄君) そのとおりでございます。
#168
○中村鋭一君 五十四年の指定自動車教習所の卒業者の、運転免許試験合格者に対する割合はおよそ八〇%、間違いございませんね。まあ、指定自動車教習所の安全教育ですけれども、私は、自動車免許証を取らせるということが現在の指定自動車教習所制度では、一面副次的に、実際にあなたが免許証を受領するときに、うちの自動車学校をお出になればこれこれこういう特典がございます、非常に簡単に取れますよと、いわば営業サイドというんですかね、人の命を乗せて走る車を運転するための免許を取得するのに、非常に最近は営業ペースというんですかな、とにかく自分のところの学校の生徒数がふえて授業料が入ってくればいい、そういう傾向になっていると思うのですが、安全教育に対して自動車教習所の果たす役割りは、もうさっきから質問していますように、非常に大きいわけでしょう。そういうことに対して警察はどういう指導をなさっていらっしゃいますか。
#169
○政府委員(池田速雄君) 教習所の中の教習につきまして、一般的な監督はもちろんでございますけれども、技能検定その他を行います場合の立ち合いでございますとか、それからその後、卒業生につきまして一年間の事故、違反歴等につきましては、その結果を取りまとめまして、教習所に対しまして指導の参考にいたしております。
#170
○中村鋭一君 指定自動車教習所は法的に指定をされているということなんでしょうけれども、これは道交法を見ましても、その施行令を見てもこうなっているわけですね。「自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行なっている施設」こうなっておりますね。安全ということに対する配慮がそこにないじゃないですか、どうしてなんですか。
#171
○政府委員(池田速雄君) その内容には当然安全第一ということが含まれているというふうに理解いたしております。
#172
○中村鋭一君 日本語を正確に理解していただきたいと思うんです。ここにおる江田先生は法律の専門家でいらしゃいますけれども、法律というのは、どんなわからない人にだってその条文を見れば、その行間の意味を読み取るとかそんなことじゃなく、だれにだってわかる、一点不備がないのが私は法律だと思いますよ。ですから、いまおっしゃいましたように、そういうことが含まれているなんて、そんな眼光紙背に徹するような法律の理解をだれができますか、そうでしょう。もう一遍言いますよ。運転免許取得者に対する技能の実施を図るのが指定自動車教習所である、そう明記されているわけでしょう。安全教育、それについて、どうしてそういった道交法でありますとか施行令等についてそれを盛り込むことをなさらないんですか。その改善といいますか、法を改める意思はないですか。
#173
○政府委員(池田速雄君) 指定自動車教習所の文言の御質問でございますけれども、指定自動車教習所でございますと、技能試験につきましては免除ということでございますから、その他の安全な知識につきましては、学科試験という形で公安委員会が試験を行うたてまえになっておりますので、そういう表現になっているかと思いますけれども、安全な知識というのは知識として独立しているものじゃないというふうに私どもは考えております。運転に必要な技能を修めます場合のやはり第一の要件であるというのは、いま先生の御指摘のとおりであろうと思います。したがいまして、その趣旨にのっとりまして、私どもといたしましても教習所の教習に対します指導等は行っているつもりでございますし、不十分な点がございましたらさらにこれからその点につきまして強化を図ってまいりたいというふうに存じます。
#174
○中村鋭一君 もう一遍申し上げておきます。もう一遍言っておきますよ。「自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行なっている施設」というような規定では、国民が命を預けて乗っている車の運転をするための免許を取得するための教習所としては非常に法律的にも疑義がありますから、そういう点については徹底的にひとつ皆さんも御研究を願って、さらに一句加えればいいことなんですから、安全についての適切な配慮並びに安全についての運転者一人一人の知識の向上を図る施設、そうなさればいいんじゃないですか。都道府県公安委員会の指定を受けていない、いわゆる非指定の自動車教習所、全国に三百四十六ヵ所あるのですね。その中には、ただ単に運転技術だけを身につけさせて、運転免許試験にさえ合格すればいい、そういうような経営姿勢に徹しているところもある、こう思うんですけれども、このいわゆる非指定の自動車学校については日ごろどういう指導をしておられますか。
#175
○政府委員(池田速雄君) いわゆる指定をお受けになっていない教習所につきましては、私どもの方といたしましては法的な措置というものはできないわけでございますが、事実問題といたしまして、やはりそこで自動車の、先ほど御指摘のような技能その他の教習が行われているという現実があるわけでございます。したがいまして、先ほども御答弁申し上げましたとおり、実はこの三百四十六という数字は、ある程度施設がありましてそういう実態があるということが私どもにはっきりわかっておる数字でございますので、あるいは私どもが正確に把握していないで個人教習的なことをほぼ業としてやられているところもあるのじゃないかというふうには推察するわけでございますが、この三百四十六ヵ所につきましては、施設をお持ちになってある程度大規模な教習をやっておられるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、お申し出によりまして指導員の方の講習でございますとか、あるいは中小企業といたしましての自動車教習業として設備をよくしたい、こういうようなときには御指導申し上げておるところでございます。
#176
○中村鋭一君 本当に国民皆免許時代ですね。特に、運転技能を、何遍も言いますけれども単に身につけさせるんじゃなくて、安全ということに対するしっかりした認識を、免許を取るときに一人一人の皆さんに身につけてもらわなきゃいけませんよね。そのためにはやはり自動車教習所の果たす役割りは本当に大きいと思いますけれども、どうなんでしょう。非指定も含めて法的に自動車教習所を位置づけるという、そういうお考えはございませんか。
#177
○政府委員(池田速雄君) 自動車に対する教習というものが、どういう場合に警察の対象とするのが適当かという点につきましては、大変いろいろ大きな問題があろうと思います。現在の制度でございますと、いろいろ教習というのは自由におやりになられるんでしょうけれども、その中で一定の資格要件のあるもの、そういう教習所につきましては、内容等から見ましても問題がないということであれば、法的な要件を満たしておるということであれば、公安委員会の方が指定をする。その結果といたしまして、技能試験につきましては試験が免除されるという形になっておるわけでございますので、そういう指定を受けているもの以外のものをいまの制度でも全部排除するという意味じゃないと思います。が、そこにおのずから一定の要件の違いがあるということでございますので、全体をどうすれば一番いいかという点につきましては、せっかくの御提案でございますので、十分考えてこれからも検討してまいりたいというふうに思います。
#178
○中村鋭一君 単に技能としてだけではなくて、社会教育の一環としての自動車教習所であるのが望ましい、そういう意味で私、お尋ねしているんです。たとえば、指定自動車教習所を認可制に改めるというようなのはいかがでしょうかね。
#179
○政府委員(池田速雄君) 指定と認可が法的にどう違うか、いまちょっと不勉強で申しわけございませんが、そのお考えの内容、どうやれば一番いま御指摘のようないいドライバー――いいドライバーというのは技能でなくて、安全第一のドライバーの養成ということになるのか、そういう観点から検討してまいりたいと思います。
#180
○中村鋭一君 私も詳しくはないですけれども、指定というのは公安委員会が指定するわけですね。認可というのはもう少し深く立ち込んでその営業内容にまで十分指導をし、そして経営の基盤等を調べた上で、その人的構成も見て、指導員の、できれば人格等にまでよく目を届かせて、この人たちになら自動車教習所を経営させてもいいというので許認可を与えるという点で、指定とは大分意味が私は違うと思うんです。そういう意味でお尋ねをしたんですけれども。
 私、こう思うんですが、たとえばロンドンへ行きますと、信号のない交差点で自動車二台がこう来ますと、本能的に優先順位の低い方の人がウインカーをぱっとつけまして、どうぞあなたお先にと、指図しているそういう光景を私よく見ましたね。これはやはり道交法でどうこうというよりも、幼いときからの一つの社会的なモラルというものが自動車の運転にも影響してきていると思うのですよ。ですから、法律で取り締まるというよりも、私はやはりそういうモラルを高めるというような教育が自動車の運転にも必要だと、こう思うんです。最初は道路交通取締法と言いましたね。現在は道路交通法と言っております。これは日本のこれまでのこういった関係の法律は、車を単に凶器と見て、取り締まらなければいけない。だから、車を運転している人は悪人だ、場合によれば殺人者になる。そういうようなんじゃなくて、お互いに歩行者も運転者もまずモラルを高めて、相手を尊重するという立場、そういう教育をしていかなきゃいけない。そのためには公安委員会だけじゃなくて、もう文部省も手を携えてやっていかなければいけないと思うんですが、そういうことについてのこれまで努力をなさっておりますか。
#181
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり車の運転者の方は、実は教習所に入る段階からと申すよりも、それ以前のやはり道路利用者としての基本的な心構えみたいなものが必要な気がいたします。そのための教育は、何も車についての知識だとかそういうものでなくて、先ほど御指摘のような譲り合いの精神でございますか、そういうもの、つまり対人的な環境づくりといいますか、人と人とのかかわり合いというものをどうやっていくのかということから始まるだろうと思います。したがいまして、現在私ども痛感いたしておりますのも、実は暴走族の問題につきましても、車というのは手段として使われているだけであって、その根底には少年の物の考え方とか、そういうものが基本にあるわけでございまして、そういう点では警察が表面に出る教育のほかに、やはり全体としての安全教育、そういうものを通じましてさらに全人格的な教育ということになるのだろうと思いますけれども、そういう点を痛感いたしまして、暴走族対策につきましても、広く地域あるいは職場あるいは学校といった点にむしろ主導権をとっていただいて教育していただくようにということをお願い申し上げているわけでございますし、中央におきましても総理府の方にお願いいたしまして、関係の省庁にお集まりいただいて、それぞれ大変広範な対策をつくっていただくようにお願いしているわけでございますので、私どもといたしましても、単に車に対する教育というだけの見地でなくて、より広い見地からの教育というものが終局的には交通事故も少なくする、回り道ではございますけれども、基本的な対策じゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。
#182
○中村鋭一君 まあがんばってくださいね。
 来年度の概算要求の中で自動車安全運転センターの中央研修所構想というんでございますか、調査費を計上されておりますか。
#183
○政府委員(池田速雄君) 御指摘の点は、自動車安全運転センターにおきまして中央研修所をつくりたい、こういうことで、そのための調査費でございますが、一千万円ほどを現在要求中でございます。
#184
○中村鋭一君 将来どういう研修所にするおつもりなのですか。
#185
○政府委員(池田速雄君) 自動車安全運転センターで中央研修所をつくる計画にいたしておりますのは、一言で申しますと、現在まで初級ドライバーに対する教育と申しますか、そういうものは御指摘の自動車教習所でやっておりますけれども、それ以後の教育というのがやはり必要だと思うわけでございますが、そのための体系づくりの一環ということでございまして、卑近な例で申し上げますと、そういった初心運転者を教育する教育者自体をどうやって教育するかという点になりますと、その施設が、現在では公のものとしてはない。地域あるいは学校等におきます交通安全教育を担当される方を、じゃどうやって教育するかということになりますと、そういう施設もない、あるいは非常に高度な運転を必要とする緊急自動車等の運転者の養成の施設もない、あるいは青少年の特性に基づいた運転の教育をやるにしましても、そういった専門の教育者がいないといったようなこと等から、そういった方々にできれば勉強をしていただく施設というのが必要じゃなかろうかということで、自動車安全運転センター法にその目的を規定いたしまして研修所をつくりたいということだったわけでございますが、何せ、これからつくるということでございますので、施設をつくります土地等の問題がございまして、現在その土地等につきまして、候補地につきましていろいろ各方面にお願いしているところでございますけれども、それができるまでの間に、やはりどういう教習をやったらいいかというような点、あるいはそういう施設をつくりました場合に、周囲の環境にどういう影響を与えるかといったような調査をいたすための調査費を計上しておるわけでございますが、この研修所は、ほぼ百五十ヘクタールぐらいを予定しておりまして、その中に高速周回路あるいは中、低速の周回路、そういうもの、それから付随する教育施設等を設けまして、そこで、できますれば年間七万五千人ぐらいの研修生の方が研修していただけるような内容のものを計画いたしておるわけでございます。
#186
○中村鋭一君 その、いま場所をおっしゃいましたけれども、これは水戸の射爆場跡地は決定しているんじゃなかったのですか、およそ百五十ヘクタール。
#187
○政府委員(池田速雄君) 私どもといたしましては、水戸の射爆場跡地が一番最適じゃなかろうかということで、関係の機関あるいは地元の自治体にお願いしている段階でございますが、まだ決定するという運びにはまいっていないというのが現状でございます。
#188
○中村鋭一君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、ずっと、私、この質問を通じて申し上げたかったことは、警察の方、公安委員会の皆さんに、単に技術としての運転免許を与えるとか、車の運転のハウツーを教習して、それで一億総免許だと言っている場合じゃないのだから、だから、技術的なことも大切だけれども、やはり、広い意味でのモラルというものをまず植えつける、そして、安全というものに対する徹底した教育をやらなければいけない、そのためには自動車教習所の職員、それから、自動車教習所の許認可の与え方、そういうものから、まずやっていかなくてはだめなんだということを申し上げたかったわけなんです。
 そういう点で、いまの研修センターの構想なんかは、大変私、結構なことだと思いますので、ひとつ皆さんもこれからもっと積極的に、そういった技術職員を養成するのじゃなくて、全人格的に、国民の安全を守る、命を守るという熱意に燃えた職員で満たされるように、そういう、また職員によって教育される人たちが一人でも多くなるようにがんばっていただきたいと思います。ありがとうございました。
 終わります。
#189
○江田五月君 道路交通についての質問がずっと続いておりますが、いましばらく続けてまいります。
 道路が、ドライバーとペデストリアンと、両方に使われるものであるというお話で、この両方の交通の安全と円滑化が図られなければならぬことは当然であります。同時に、自動車を運転する者にとって安全というものについてのモラルが確立されなければならぬこと、これも言うまでもありません。安全についてのモラルの確立の中に、恐らく道路交通関係法規を完全に守るということについての強い熱意とか、信念というものが運転者になければ困るという気がいたしますが、さて間もなくこの師走を迎えまして世上だれも皆気がせくということもあるのかもしれませんが、繁華街で非常にたくさんの数の違法な駐車車両が見られる。運転する者は駐車してある車の間を縫って走らなければいかぬようになる、買い物をする者は駐車してある車の間を身をこう横にして通り抜けなければならぬような状態になるということがあるわけですが、駐車のことについて少し尋ねてみたいと思います。
 駐車違反の件数というのは、この二、三年どういう動向になっておりますか。
#190
○政府委員(池田速雄君) 昨年一年間の駐停車違反の取り締まりの件数でございますけれども、百六十七万四千百六十二件となっております。一昨年、五十三年は、百七十七万二千五百七十一件ということでございます。ことしに入りましてから六月までの上半期では、八十七万九千百九十一件の検挙というふうになっております。
#191
○江田五月君 さらにその前五十二年が百八十二万八千九百十件という数字はいただいておるわけですが、これは駐停車違反、両方足してですね。駐車だけはわかりませんか。
#192
○政府委員(池田速雄君) 統計上同じ扱いをいたしておりますので、区別は現在のところ把握しておりません。
#193
○江田五月君 しかし、停車違反で検挙するという者は非常に数が少ないでしょうから、おおむね、すべてとは言いませんが、大部分が駐車違反だと考えて差し支えないですか。
#194
○政府委員(池田速雄君) 実態はそのとおりであろうというふうに思います。
#195
○江田五月君 年々減少してきているわけですが、これはどういうことが原因で減少しているとお考えですか。
#196
○政府委員(池田速雄君) 特別な理由はないと思いますけれども、ことしになりましてから、昨年に比べますと、また上半期だけ見ましても増加いたしておりますので、減少は一般的な傾向というふうには見られないと思いますけれども、実はたしか道交法違反、全体の検挙を見ましても五十二年ごろが一番ピークじゃなかったかと思いますが、それ以後全般的に若干減少ぎみでございますので、駐停車違反につきましてだけ特別に減少をしたという、現象ではないんじゃなかろうかというふうに思います。
#197
○江田五月君 これは正確な根拠を挙げろと言われてもむずかしい話ですが、世間によく言われるのは、交通違反の取り締まりというのは、警察がちょっと暇ができたときに少しかせごうかというのでやるとか、まあ熱意の問題だ。それほどやる気がないときには余りやらないというようなことが駐車違反だけでなくてもよく聞かれるわけでありまして、そういうことがあるかどうか、あってはならぬと思いますが、どうも年々少なくなっている。一方で、道路における違法駐車の実情というものが全然改善されるようには常識的には考えられないわけで、何か駐車違反の取り締まりというものに熱意がないのじゃないかというようにとらえられても困るので、そういうことじゃないということをひとつはっきりおっしゃっていただけますか。
#198
○政府委員(池田速雄君) お言葉を返すようでございますけれども、現在全国で交通警察官が三万四千ほどおります。警察官全部で二十万余りでございますけれども、現在深夜に至るまで街頭で活動しておりまして、大変に交通警察官というのは苦労しておるということで、私といたしましては部下職員に対して申しわけないというぐらいに思っております。特に最近では暴走族が出ましてから、土曜、日曜に休みをとった者はほとんどいないというのが実情でございまして、そういう点で決して熱意はないわけでなくて、ことしになりましてから交通事故の死者はふえておりますけれども、それに対しての一線の交通警察官の、心労といいますか、そういうものにつきましては、私どもただもう――私の立場で申し上げるのは不謹慎かと存じますけれども、頭を下げる以外にないというふうに考えております。決して熱意に乏しいわけでなくて、警察力の配分の問題ということで、もし御指摘のような点がございましたら御理解いただきたいと思いますが、特に駐車違反につきましては、その対象が大変に多いといったようなこと。それからいま御指摘ございましたとおり、繁華街等につきまして一遍に集まってまいります。それで、実は違反の切符を切るということも一つの方法でございますけれども、それだけでは違法の状態というのはなかなかなくならない。したがいまして、そのためには移動措置をとるというようなことが必要でございますけれども、それのための手続その他につきましても大変苦労いたしておりまして、なかなか効果的な手が打てないというのが実情でございますけれども、しかし、特に違法性の強いもの、危険度の高いもの、そういうものに重点を指向して取り締まりを行っている実情でございます。
#199
○江田五月君 私は、一線で取り締まり、あるいは指導に当たっていらっしゃる警察官の皆さんを非難するつもりは毛頭ありませんし、むしろこの皆さん方の御努力には本当に敬意を表します。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
しかし、なかなか駐車違反というのは、本当のところ検挙がむずかしい犯罪になっているのじゃないか。昭和五十四年、年間で百六十七万四千百六十二件、しかし実際にわれわれが実感する数というのは、もうこんなものじゃとてもとてもないわけですね。多くの駐車違反車両が免れているわけですが、駐車違反のこの法規制、法の規制の仕方ですね。これは駐車について道路交通法二条一項の十八号ですか、定義があってそして禁止が四十四条、四十五条、四十七条、四十八条、四十九条とずっと続いている。七十五条の八もあるというようなことになって、そして違法車両、先ほどもお話になった直接強制が五十一条にあるという。それであとは罰則があって行政処分があるという、そういう形になっているわけですね。いずれにしてもこれはすべて車に対する直接強制以外は全部駐車をした者、駐車をした人間に対して不利益を課す形で駐車ということを取り締まっていこうという形になっていると理解してよろしいですか。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
#200
○政府委員(池田速雄君) 現在の道交法の構成の仕方は、運転者の行為責任ということを重く見ておりまして、一義的にはそれに尽きるわけでございまして、ただ例外的なものにつきまして、そういった運転を管理する者につきましての下命容認の規定でございますとか、あるいは両罰規定の適用があるというふうになっておりますので、あくまでも運転者が行為の責任者であるというたてまえで構成されております。
#201
○江田五月君 昭和五十一年三月三十日、中央交通安全対策会議決定、交通安全基本計画というのがありますが、この中の「路上駐車の適正化等」という部分には、「禁止場所を拡大し、時間制限付き駐車規制を実施するなど、合理的な駐車規制を推進するとともに、違法駐車車両の指導取締り体制の整備を図る。」というふうに書いてありまして、違法駐車を行った者に対する指導、取り締まりというふうに書いてないんですが、これは何か意味はないんですか。違法駐車車両ということに着眼するのだというような意味はここにはないんですか。
#202
○政府委員(池田速雄君) 先ほども申し上げましたように、道交法の規定上、違反者に対しまして、最終的には刑事処分でございますけれども、形式としましては反則制度の適用といったような行為者の責任を追及する場ももちろんございますが、現実にそれが交通の著しい妨害になっておりますような場合には、先ほど御指摘のような車自体に対しましての移動措置等もございますので、そういう意味も含めましてそういう記載の仕方になっていると思います。
#203
○江田五月君 まあいまの点は突然お伺いしたんで、十分検討されていなかったのかもしれませんが、一方自動車の保管場所の確保等に関する法律は、これは自動車の保有者にいろいろな責任を課しておりますね。まあちょっといま条文の立て方を詳しく論じている時間的余裕がありませんが、保有者が自動車の保管場所として道路を使ったという場合、これはその道路を保管場所として使用するというのはそれは行為ですけれども、しかし、実際にその車をどこに置くかという人間とは別に、保有者に責任がかかるような形になっているのじゃありませんか。つまり、自動車をどこかに駐車をするという行為だけではなくて、駐車車両に対するさまざまな規制というのは、法律上知恵をしぼればいろいろ可能なのではないかと思うんですが、いかがですか。
#204
○政府委員(池田速雄君) いま御指摘の車庫法につきましては、規制の仕方は二つあろうかと思います。一つは、車を保有する者は当然車庫といったものを持たなければいけない、車の保管場所を持たなければいけないということがございます。それと同時に、単なる駐車とは言えないような長時間駐車、それに対する規制の両方かけていると思いますが、それは法律の性格からいたしまして道交法とは若干違うニュアンスがあるんじゃなかろうかというふうに思います。したがいまして、道交法につきましては行為者主体に法が構成されておりますので、その運転者の行為自体について保有者なりの責任がどの程度まで問えるかという問題があろうかと思いますが、現在の法体制のもとでは、最終的には刑事責任を追及するというような形での法律構成になっておりますので、そういう面での規制というのはなかなかむつかしいんじゃなかろうかというふうに思いますが。
#205
○江田五月君 私がこれから伺っていくわけですが、道路交通法の駐車の規制は確かにこの行為者を刑罰でもって規制していく、さらにそれにあわせて点数制度を通じて行政処分を科すということになっていることは確かですし、そのこと自体をやめろということではないのですが、しかし、それだけでは実効が駐車禁止に関する限り上がらない場合が出てくるのじゃないか。たとえば駐停車禁止の場合に、駐停車禁止違反行為というものは、これはまあある程度時間的な経過がなければ駐車と言えないというような場合はあるでしょうけれども、しかし、かなり短時間の間で完成する行為ですね。ですから、たとえば駐停車禁止場所に駐車をする瞬間を現認すればすぐにこれで検挙ができるわけですが、しかし、実際はいかがですか。その駐車禁止場所に駐車をする行為が成立した瞬間にその者を検挙するということをおやりですか。
#206
○政府委員(池田速雄君) 実際の扱いといたしましては、特別な場合を除きましてある程度の時間の経過を見てから検挙するというのが実態でございます。
#207
○江田五月君 そうでしょうね。そうでなければそれは幾ら何でも警察の横暴ということになってしまうかと思います。
 さあそうすると、ある程度の時間が経過した、駐車違反の車があった、そこでお巡りさんが待っていた、人がやって参りまして運転台に座ってその車を乗り出そうとした、そこでとめて、お前駐車違反だというので切符を切ろうとする、さあそれでもうすぐにその人は確実につかまったということになるかどうか。自分がそこに置かなかったというふうに言いますと、これどうなりますか。
#208
○政府委員(池田速雄君) いまお話しのとおり、最初から最後まで警察官が現認しているというわけではございませんので、御指摘のような問題が起こるわけでございます。
 それで実際問題といたしましては、そこに待っていて運転者の方が帰ってみえてという例もございますけれども、なかなか実態といたしましては、警察官があるいは交通巡視員が待っているところに運転者が戻られてという例は少ないようでございますので、実態といたしましてはいろいろな警告票なりステッカーなりというものを車に張りまして、こういう違反でございますからいついつまでにどこそこへ出頭してください、こういう通告票によりまして後刻捜査が始まるというのが大部分であろうかと思います。
#209
○江田五月君 ますますむずかしくなるわけです。とまっている車、駐車違反の車のところへ警察官がいたらちょうどそこへだれかが来たというのならば、そしてその者が鍵を持っていれば、まあ普通はその者が運転をしてそこへとめたんだろう、だから駐車違反をした運転者はその者だろうという一応の推認が働くでしょう。しかし、それも場合によってそういう推認が働かない場合もあり得るでしょう。自分はこれから乗って出ようとする男だけども、ここへ置いた男は違う男だと言われたらこれはどうしようもない場合がある。通常はそういうことはない、通常はそうではなくてステッカーなりを張って後から出てきなさいというわけですね。さあこれ出て来なかったら一体どうするのですか。
#210
○政府委員(池田速雄君) 警察の方で車両がわかっておりますので、車両の所有者の方をまず捜査いたしまして、その所有者の方、その他関係の調査からそのとき実際に運転していたのはだれかということを特定いたしまして対処しているわけでございます。
#211
○江田五月君 したがって、駐車違反の車を発見することが捜査の端緒で、そして被疑者が不明のまま捜査に入るわけですね。そしてまずはこの所有者、あるいは所有権留保の場合ですと保有者、使用者ですかというふうなところからこの捜査を始めていくんですが、これは所有者を呼び出して聞くわけでしょうか。そうすると、所有者の方が何も言わなかったらどうなるんですか。
#212
○政府委員(池田速雄君) 所有者がわかりますと、そこから捜査が始まるわけでございますが、仮に黙秘されましても関係の方、その他からのいろいろな事情聴取によりまして被疑者を特定いたしまして措置いたすことになるわけでございます。
#213
○江田五月君 そんなことまで駐車違反一件でやってられますか。関係の人をずっと呼び出すといったりて、だれが関係者か全然わからないですね。所有者が来て黙秘する、あるいは黙秘といかなくても、自分ではないけれども、二、三人あるいは四、五人人を挙げて、このうちのどれだかわからないというようなことになる。それを一々全部詳しく捜査をし、あるいは場合によっては運転日誌等を押収をして捜査をしというようなことを駐車違反で実際問題としてやるだけの余裕がありますか。
#214
○政府委員(池田速雄君) 捜査の実態を申し上げますと、たとえば警視庁等でございますと、ほぼ一週間以内に出頭されまして処理を終わっている者が七〇%強あるというふうに聞いております。その残りの不出頭の被疑者につきまして事後のいろいろな捜査が始まるわけでございます。
#215
○江田五月君 大部分がきちんと処理されているということだからそれはその限りではいいんですけれども、しかし、実はもう皆さんも十分御存じなんだと思いますが、その捜査をきちんと遂げて反則金を支払っていただいているうちに相当数、もちろん相当数といっても何十%というような数であったらこれは大変なんですが、どのくらいか数はわかりません、しかし、かなりの数ですね。たとえば実際に駐車行為を行った者ではない第三者が自分でございますとあらわれて、そのまま反則金を納付しているというような者があるのじゃありませんか。いかがですか。そういうことをお聞きになったことはありませんか。
#216
○政府委員(池田速雄君) 捜査の過程でいろいろ事情を聞いております範囲にそういった身がわりと申しますか、そういう事例があったということは私どもも承知いたしております。
#217
○江田五月君 わかる場合というのは恐らくきわめてまれで、だれか運転をしておりましたという者があらわれたときに、どういうことに注意をしてそこで切符を切るのでしょうか。恐らくその者が本当に違法駐車をした者であるかどうかという点には注意をされるのでしょうが、一体どうやってその者が本当に駐車違反をした者であるということを確認されるのですか。
#218
○政府委員(池田速雄君) 捜査の方法は二つございまして、まず違反が行われました場所を中心といたしました捜査が一つございます。そのことによりましてほぼ人が特定できる場合がございますし、いま一つは、先ほど来申し上げました車の保有者等からの、その周辺から始まる捜査でございます。
#219
○江田五月君 こういうことを言うのは本当に申しわけないのですけれども、それでは実に甘いんですね。駐車違反について適当にごまかしている例というのがいっぱいあるんです。これはだれがやったというのを私がここで申し上げたらまた妙な捜査になったりして困りますから申し上げることはできませんが、あるいは私自身がそういうことをやったかもしれないですよね。いっぱいあるわけですよ。自分はもう点数がなくなっちゃった。どうしてもこれでこのまま駐車違反やられたら停止になってしまう。そこで自分の使っている者に行かせるとか友達に、ペーパードライバーで点数がいっぱいある者に行かせるとか、金はもちろん払って後で一杯おごって。そういう話題が酒のさかなになっているわけです。いっぱいあるということはどうなんですかね、御存じないというわけにはいかないのじゃないかと思いますが。
#220
○政府委員(池田速雄君) 私どもの立場から申し上げますと、これはそういうことは絶対あってはならないことでございます。事柄は小さいということで見逃すことのできない性格のものであろう。やはり正義を追求するということが私どもの一つの使命でもございますので、そういう観点から捜査にもし不十分な点があるとするならば、さらに工夫をこらしまして対処してまいりたいと思います。
#221
○江田五月君 これはおっしゃるとおりで、あってはならないことで、幾ら小さいからといって見逃すことのできないことなんですね。そのこと自体がすでに刑法犯を犯していることになるわけですね、駐車行為者じゃなくて出頭していく方が。しかし、現実にはそういう者が本当にあって、これが交通関係法規の遵法精神をむしばんでいることになっているのじゃありませんか。私はそのことを恐れるんですね。交通関係法規というのは、だれが見てなくても、どこでどういう不利益を課せられなくてもきちんと守るということでなければ、これは、自動車は凶器ですから危なくてかなわぬわけで、ところが実際にはこういうことで不法に免れているケースというのは相当にあるわけです。
 ほかにもいろいろと免れる方法はあるんですよね。駐車禁止場所にとめていると言われて、ドアをあけたままそこへとめていて、そしてそれがとがめられたら、場所にもいろいろよりますけれども、たとえば曲がり角から三メートルぐらいのところへとめておった、ドアがあいておった、いろいろ追及されたら、自分は六メートルぐらい離れたところにとめておいたのだけれども、だれかがそこへとめたいために自分の車を押してそこへ置かれてしまった、こういうようなことを言われたらこれはどうなりますか。
#222
○政府委員(池田速雄君) 個々の例についてのお答えは、かえって適当ではないのじゃないかと思いますので御遠慮させていただきたいと思いますが、御指摘の御趣旨は私どもも十分了解してまいるつもりでございます。
 御指摘の趣旨は、やはり道交法違反につきましては、潜在的なものというのが多いんじゃなかろうか、その中で現実に検挙される者につきましての不公平感というものはないだろうか、あるいは検挙されました者の中に万が一にでもそういうような、責任を負うべきでない者が負っている例があるのじゃなかろうかという御指摘であろうかと思いますので、そうかといって現実のいまの交通の実態を見ておりますと、法規違反として問擬せずにモラルの支えだけで交通の秩序を形成するというにはまだ余りにも残念ながら遠い現実でございますので、御指摘のような趣旨を踏まえながら、私ども指導取り締まりの任に当たる者が心してまいりたいというふうに思います。
#223
○江田五月君 私が言いたいのは、さらに超えて、駐車禁止ということを本当に実効あらしめるには、駐車禁止行為というものをとらえてその行為者を罰する、そのことを軸にして反則制度を動かしていく、行政処分を発動さしていくということでは基本的に欠陥があるんじゃないか。もちろんそのことをなしにしろと言うわけじゃありませんよ。それだけではなくて、車自体について、あるいは車の保管ということ、所有ということについて着眼して、何か知恵をしぼることができないだろうかということなんですね。たとえば、保管場所の確保に関する法律をそのままというわけにはもちろんいきませんが、そういうものにあらわれている一つの思想、自動車を持っている者はその保管に責任があるのだ――駐車も保管の一つの形かもしれません。そうするといろいろと知恵をしぼれるのじゃないだろうか、そういうことを申し上げたいのですが、同時に自動車に対する直接強制の点でもまだまだいろいろあるという気がするんですね。たとえばいま、動かすことはもちろんありますが、動かす場合によく聞く話は、外車にはどうも弱いんじゃないか、なぜなら、外車というのは動かすとき、ちょっと傷をつけたら後で損害賠償その他、暴力団が外車というのはよく持っているわけですから、なかなか動かしにくい。だから、普通の国産のしかもおんぼろ車ばかりねらうのじゃないかというようなことを聞いたりもするわけで、そういうことはないと思いますよ。しかし、言われているわけですね。そうすると、直接強制ももっときちんとやっていくとか、あるいは車を刑法十九条ですか――没収するというようなことはいかがですか。非常に高速で運転したような場合に、その車は犯罪の行為に供された物ですね。そういう没収を、これはもちろん警察庁がやるわけじゃありませんが、行ったようなケースはありますかどうですか。
#224
○政府委員(池田速雄君) 御趣旨の点につきましては、現在の法律が行為者責任というものを前提にしておりますから、それはそれといたしまして、別の考え方を持ってまいりまして、そういう刑事上の責任以外の考え方での保有者の責任というものが導入できるかどうかということに尽きるだろうと思いますので、この点につきましては十分検討さしていただきたいと思います。
#225
○江田五月君 終わります。
#226
○委員長(山崎昇君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
#227
○委員長(山崎昇君) 次に、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案を議題といたします。
 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院交通安全対策特別委員長田中昭二君。
#228
○衆議院議員(田中昭二君) ただいま議題となりました自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、わが国の自転車利用は、自動車交通の混雑、燃料費の高騰等を背景に、手軽な交通手段として再評価された結果著しく増大するに及び、その保有台数について見ても、十年前には約二千九百万台であったものが、現在は約五千万台に達しております。このため、一方では、自転車利用に伴う交通事故件数の増加、他方では、駅周辺等における無秩序かつ大量の自転車の放置など憂慮すべき社会問題を引き起こしつつあります。その解決を図るための適切な対策を総合的に推進すべきであるとする国民的要請が日増しに強くなってきております。
 しかしながら、従来の法制度は、このような要請に応ずるためには、必ずしも十分ではなく、かつまた、自転車の問題は多種多様な行政分野にまたがるものであるため、有効かつ適切な施策に欠けるところがあるという指摘もなされてきたものであります。
 このような状況にかんがみ、自転車の安全利用及び駐車対策についての国民的合意を確立し、国、地方公共団体、自転車利用者、関係事業者等のそれぞれの責任について明確にするため、本法律案を提案した次第であります。
 次に本法律案の内容についてその概要を申し上げます。
 まず第一に、良好な自転車交通網を形成するため、道路整備事業、交通規制の方法等により、交通環境の整備を行うこととしております。
 第二に、自転車駐車対策の総合的推進のため、公共自転車駐車場の計画的整備、大規模駐車需要発生施設に対する自転車駐車場の設置義務、計画的な交通規制、放置自転車の整理撤去等について明らかにしております。
 第三に、自転車の安全利用に関する交通安全教育の充実等を図るものとするとともに、自転車を利用する者の責務を明らかにしております。
 第四に、自転車の安全性の確保のため、自転車の製造及び販売に関する品質の基準、製造業者及び小売業者の責務等について規定しております。
 第五に、所要の財政措置として、自転車駐車場整備事業に対する国庫補助、地方債への配慮、民営自転車駐車場事業の育成のための資金のあっせん、普通財産の譲与等について規定しております。
 その他、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関連する措置について所要の規定を設けることとしております。
 以上が自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 なお、この法律案は、衆議院交通安全対策特別委員会におきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六党により、全会一致をもって交通安全対策特別委員会提出の法律案として提出され、衆議院で可決されたものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#229
○委員長(山崎昇君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。――別に御発言もなければ、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#230
○委員長(山崎昇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、中山総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。中山総理府総務長官。
#232
○国務大臣(中山太郎君) ただいま、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律案が可決されましたことはまことに喜ばしく存じます。
 つきましては、今後関係各省庁を督励し、所要の調整を行いつつ、本法案の趣旨に沿いまして所期の成果を上げるべく努力してまいる所存でございます。
#233
○委員長(山崎昇君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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