くにさくロゴ
1980/11/26 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 決算委員会 第6号
姉妹サイト
 
1980/11/26 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 決算委員会 第6号

#1
第093回国会 決算委員会 第6号
昭和五十五年十一月二十六日(水曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     安武 洋子君     近藤 忠孝君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野田  哲君
    理 事
                井上  孝君
                高橋 圭三君
                降矢 敬雄君
                円山 雅也君
                小山 一平君
                峯山 昭範君
    委 員
                石本  茂君
               大河原太一郎君
                北  修二君
                坂元 親男君
                塚田十一郎君
                内藤  健君
                仲川 幸男君
                福岡日出麿君
                福田 宏一君
                穐山  篤君
                佐藤 三吾君
                鶴岡  洋君
                近藤 忠孝君
                柄谷 道一君
                森田 重郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
   政府委員
       労働大臣官房長  谷口 隆志君
       労働大臣官房審
       議官       倉橋 義定君
       労働省労働基準
       局長       吉本  実君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       労働省職業訓練
       局長       岩田 照良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       大蔵省銀行局特
       別金融課長    日向  隆君
       労働大臣官房参
       事官       田代  裕君
       労働省労働基準
       局労災管理課長  小田切博文君
       労働省労働基準
       局補償課長    原  敏治君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  望月 三郎君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部長  寺園 成章君
       労働省職業安定
       局雇用保険課長  守屋 孝一君
       建設省住宅局住
       宅政策課長    伊藤 茂史君
       会計検査院事務
       総局第三局長   肥後 昭一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十二
 年度政府関係機関決算書(第八十七回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第八十七回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第八十七回国会内閣提出)(継続案件)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○閉会中の参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日二十五日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は労働省の決算について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、決算の概要説明及び決算検査の概要説明はいずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○穐山篤君 最初に、会計検査院にお伺いをしますが、実は昭和五十年あるいは五十一年度の労働省の決算の場面におきまして、私、徴収勘定の問題について再三指摘をしました。実情はよくわかりますが、その後、労働省でも鋭意現場を督励をしながら、御努力をされたというふうに聞いているわけですが、五十二年度の決算の場面におきましても、あるいは最近出ました五十三年度の決算におきましても、いずれも徴収費目、徴収勘定につきましては、例年と同じような指摘がされているわけです。
 そこで、簡潔にお伺いをするわけですが、現場の努力にもかかわらず、こういう事態が再三発生をしている、この原因を検査を通してどういうふうに掌握をされておりますか、その点、冒頭お願いをしたいと思うんです。
#6
○説明員(肥後昭一君) 徴収の問題につきましては、昨年から検査が始まりまして、本年も検査を続けておりますが、その状況につきましては、ただいま決算検査報告作成中でございますけれども、昨年よりもよくなっているとは申せません。われわれのなれもございまして、だんだん検査になれてきたということもございまして、徴収不足の指摘は大分ふえております。
 その原因といたしましては、むずかしいわけでございますけれども、やはり職員のそういう審査能力の向上ということがまず大事であろうと思います。
 それから、その前に事業所の事業主、これらの申告態度、そういうものが問題であるということから、その事業主、事業所の職員に対しまして、その制度の趣旨の徹底と、それから申告に対する態度の厳正さを求める指導が必要であると存じます。
#7
○穐山篤君 労働大臣、徴収費目、徴収勘定の問題につきましては、検査報告書をごらんになってよくわかると思いますが、権利義務の問題であります。したがって、これを放置をしておきますと、あるいは不正な取り扱いをそのままにしておきますと、将来に禍根を残すというふうに思うわけです。ぜひ、これはあらゆる努力をして、改善をしてもらわなければならないと思いますので、その点、これからの改善の決意について、まず冒頭明らかにしてもらいたい。
#8
○国務大臣(藤尾正行君) この問題につきましては、先生御承知のとおりでございますが、現在日本国じゅうに二百万の事業所がございまして、私どもの係の者は二千人しかおらぬわけでございます。その二百万の事業所がそれぞれ申告に基づきまして保険料をお払いをいただくと、こういうことになっておるわけでございますから、本来でございますと、事業主が申告をされるに当たりまして、正しい申告をしていただくということがごく当然のことであり、それをお守りにならぬという態度といいますものは、私は間違っておる、かように考えます。しかしながら、世の中でございますから、金をよけい払いたくない、こういう事業主の方々が大ぜいおられまして、そのために徴収に参りました者も手が回らぬというようなことと重なりまして、御指摘のような事態が起こっておる、まことに遺憾千万でございます。したがいまして、これから先は、そのような申告に間違いをあえて犯すというような事業主の方々に対しましては、非常に強い反省を求めていくという徴収員の措置が私は必要であろう、かように考えますし、ただいま会計検査院の方からも御指摘がございましたように、その徴収というものの物差し、その物差しを十二分に駆使し得ないということでございましたならば、これは私どもの方の研修にきわめて手抜かりが多いと、かようなことになると思います。今後ともそのようなことが起きませんように、ひとつ厳重にやっていきたい、かように考えます。しかし、過去におきまして、毎年御注意を受けながら、しかもこれが改まっておらぬといういまの実情の御指摘に対しましては、本当に恥ずかしいと、かように考えますし、そういったことが今後急速に是正をされまするように指導をいたしてまいります。
#9
○穐山篤君 いまの問題はこれで終わりますけれども、十分に配慮をしていただきたいというふうに思います。
 次に、雇用問題、なかんずく身障者の雇用の問題についてお伺いします。
 御案内のとおり、来年は国際障害者年というふうに、国際的に問題が指摘をされ、運動の展開が行われるわけですが、その意味から言いましても、わが国の身障者の雇用問題を初めとする諸問題につきまして、真剣に取り組まなければならぬというふうに思いますが、まず最初に、最近の景気のかげりなどを受けまして、大体毎月千五百件程度の倒産があるというふうに聞くわけですが、最近の一般的な雇用、失業の状況について、概況的に御説明をいただきたい。
#10
○政府委員(関英夫君) 先生御指摘のように、最近の経済の情勢につきましては、設備投資なり、輸出の増加は続いておりますものの、個人消費の鈍化等によりまして、経済の拡大テンポが緩やかになっておりまして、生産や出荷の状況も弱含みの状況にございます。こういうような情勢を反映いたしまして、昨年来改善傾向をたどってまいりました雇用、失業情勢につきましても、最近一求人の減少とか、あるいは求職者の増加など、労働の需給面で弱含みの動きが見えております。ただ、雇用者数自体は現在まで相当大幅な増加が続いておりまして、九月におきましても、前年比百十六万人増というようなことになっておりますし、完全失業者数におきましても、九月は二・〇二%ということで、前月に比べ低下しておりますし、実数で見ましても、前年同月並みの百九万人というふうなことになっておりますが、一方で、私ども公共職業安定所で扱っております求人、求職の関係を見ますと、有効求人倍率は九月には〇・七二倍ということで、やや弱含みになっております。そういうことで、私どもとしては、九月に行われました政府の、経済の現状と経済運営の基本方針、いわゆる総合経済対策、それの効果を期待するとともに、こういった求人、求職の関係を的確につかみまして、求人開拓等に努め、雇用の維持、改善に努めていきたいと考えておるところでございます。
#11
○穐山篤君 そういう状況の中で、特に身体障害者の雇用の状況はどういう状況になっているか、これも概況的に御説明をいただきたい。
#12
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の雇用状況につきましては、労働省の就業実態調査というのが五十三年十一月にございましたが、五人以上の常用労働者を雇用している全国の民間事業所に雇用されている身体障害者の数は、二十三万三千人と推定されております。
 これを障害者の種類別に見ますと、肢体不自由者か六九・七%――約七割というふうに最も多く、次いで聴覚の障害者が約一八%、視覚障害者が七・二%、それから内部障害者が五%というようなことになっております。また、障害の程度別に見ますと、重度障害者が一九%、中度の方が三六・九%、軽度の方が三七・四%というようなことになっております。
 それから、公共職業安定所に求職登録をしている身体障害者の数は二十五万四千六百人余でございますが、このうち十五万五千人余が就業中でございまして、病気その他で留保中の者を除きまして、現在、有効求職者という形で安定所に登録されておる者の数は、二万六千人ということになっております。
#13
○穐山篤君 そこで、法律でも定めておりますような民間企業、あるいは政府機関――現業機関など、これの雇用の実態というのはおおむねどういう状況にありますか。
#14
○政府委員(関英夫君) 雇用率に関するお尋ねかと思いますが、身体障害者雇用促進法におきまして、民間企業については一・五%の身体障害者を雇用しなければならないことになっておりますが、本年六月一日現在で民間企業におきます身体障害者の雇用率は一・一三%ということになっております。まだ雇用率を達成してない企業の割合が四八・四%というふうになっております。法定雇用率が一・八%というふうに決まっております特殊法人につきましては、六月一日現在の雇用率が一・三四%ということになっております。また、国、地方公共団体等の官公庁につきましては、法定雇用率一・九%の非現業的機関にあっては、実雇用率が一・八二%、それから、法定雇用率一・八%の現業的機関では一・八五%、こういう状態になっております。
#15
○穐山篤君 それで、昨年、一昨年の実績から見ますと、いま発表になりました実態はかなり改善をされてきたというふうに思います。しかしながら、いまも指摘がありますように、民間企業におきましては、未達成の事業所か非常にいま多い。これもなかんずく大企業について多いというふうに資料の分析の結果わかるわけですが、特別の重度の方を除けば、可能な限り雇用を促進をしていくというのが国の方針でもありますし、また労働省の政策でもあるわけですから、なお、これを引き上げていかなければならぬと思いますが、現実に未達成の事業所、あるいは企業では、どういう点が障害になっているのか、雇用しろ、しろと言ってみても、かけ声だけではこの種問題は解決がつかないわけですね。どこに隘路があって、問題点があるのか、それの解明、解決を図っていかなければならぬと思うんです。その点はいかがでしょう。
#16
○政府委員(関英夫君) 御指摘のとおり、企業規模が大きくなりますほど、身体障害者の雇用が進んでおらない、こういう状況にございます。大企業におきましては、わが国特有の雇用慣行がございまして、毎年四月に新規学卒者を採用するという形で、終身雇用というような雇用慣行になっております。したがいまして、中途採用というような形が非常に少ない、そういうようなことから、毎年新規の若い学卒労働力が充足されますと、それでもう雇用は十分である、こういうようなことがまず根底にあろうかと思いますが、この身体障害者雇用促進が昭和五十一年に改正されまして、雇用率が法律的に義務づけられて以来、大企業におきましても、身体障害者の採用は最近非常に熱心になってまいりました。ただ、まだ、たとえば新規学卒者である身体障害者には非常に求人が殺到する、こういうことがございましても、現在安定所に求職登録して、有効で残っております身体障害者は、とかく重度、あるいは中高年の身体障害者でございます。そういう者に対する採用にはまだもう一歩熱意が少ないと、こういう問題がございます。基本的にはやはり身体障害者の雇用というものは、企業の社会的責任として、法定雇用率までは雇用せねばいかぬのだと、そのためには、自分の会社の仕事をもう一遍見直して、こういう身体障害者なら作業をこういうふうに変えればできるというような、身体障害者に合うように仕事を変えていくというようなことについて、そこまで大企業においても熱心に考えるというところになお一歩足らない点がある、こういう点が非常に大きな問題であろうかと思います。もっとも、身体障害者の、特に重度の職業の能力の評価というものが必ずしもまだ十分でない、そういう職業評価に基づいて、企業に対しまして作業環境等をこういうふうに変え、作業の内容をこう変えたら、この身体障害者はこういう能力があるんだという、非常に突っ込んだ十分な指導というものの体制がまだまだ十分でないという、私どもの反省すべき点も多々あろうかと考えておる次第でございます。
#17
○穐山篤君 雇用促進の上から判断しまして、国と地方公共団体は一・九%の法定雇用率に対して一・八二、現業部門の場合に一・八に対しまして一・八五というふうに、国がそれだけ熱意を込めて努力をしている、それが非常に効を奏したということになるわけですね。ところが一方特殊法人一・八%に対しましては、まだ一・三四ということで、まだまだ不十分ではないかというふうに思うんです。それから民間も同じようなことが言えるわけですが、こういうように見てまいりますと、部門別に、個別にきめの細かい指導をしていきませんと、いま設定のしてあります法定率まで雇用を引き上げるということは困難だというふうに考えますが、民間、特殊法人に対しまして、どういうこれからの改善策といいますか、雇用促進のための方法を講じようとしているのか、その点をお伺いします。
#18
○政府委員(関英夫君) 官公庁はもちろんでございますが、特殊法人につきましても、高い雇用率が法定されておりますのは、やはり官公庁と同様、民間に率先垂範して身体障害者を雇用すべきであると、こういう考え方に基づくものでございますが、先生御指摘のように、特殊法人の雇用率がまだ法定雇用率に達しておらない、非常に成績が芳しくないという点は、大変遺憾なことでございます。こういった特殊法人につきましては、雇用率を達成するための身体障害者の雇い入れの計画というものを、それぞれつくっていただきまして、その計画に沿って雇用を進めていくように、個別の指導をいたすようにいたしておるところでございます。
 また、現場に任しておくだけでは十分でないと考えまして、特に国の関係の特殊法人につきましては、私が特殊法人の人事担当役員を集めまして、特に来年の国際障害者年を控えて、身体障害者の雇用促進に努めてもらいたい、計画どおりの雇用を進めてもらいたいということを、特に訴えているところでございます。また、その監督官庁の方にも集まっていただいて、同趣旨のことを申し上げているようなこともございます。また、先日政務次官会議におきまして、特にこういう点を申し合わせをいたしまして、それぞれの省庁が自分の管轄下にございます特殊法人の身体障害者の雇用促進について、指導していただくように申し合わせもいたしたところでございます。
 先生御指摘のように、ただ抽象的に言っているだけでなく、個別企業ごとに、その企業の実態に即した行政指導というものが非常に重要かと存じますので、今後さらにそういう点を強めていきたいと考えております。
 次に、民間の企業におきましては、雇用率の非常に悪い大きな企業に対しまして、やはり雇用率達成のための三年間の雇い入れ計画というものを作成していただく命令を出しております。その計画が出てまいりました場合に、その計画どおりに毎年身体障害者を雇用していただくよう、個別の指導をいたしておるところでございますが、計画に対して雇い入れの実績が非常に悪いところにつきましては、適正な計画の実施をするように、勧告をいたしているところでございます。そういうような計画作成命令あるいは勧告、そういったことを通じまして、個別企業を指導していきたいと考えておるところでございます。
#19
○穐山篤君 ちょうど来年はこの法律を改正して五年目に当たるわけですね。一つは、時間的な意味から言うならば、再検討するチャンスではないかというふうに思うわけです。それからもう一つは、たまたまと言っちゃ語弊がありますが、国際障害者年という節目に当たるわけですね。
 そこで、この法定雇用率をなお改正をして引き上げて、努力を図っていく方法も一つの方法だろうと思うんです。まあ国なり、あるいは現業機関につきましては、それぞれの努力によってほぼ達成がされているわけですから、それをなお一歩上に法定雇用率を高めて、可能な限り吸収を図っていく。それからもう一つは、罰金――ペナルティーを現行とっているわけですが、これももろ刃の剣でありまして、金さえ出せば雇わなくてもいいという、そういう反面解釈が出やすい要素を持っておりますけれども、しかし、この社会的な責任から考えてみまして、このペナルティーも見直しをすることによって雇用の促進を図ると、そういうことにも作用すると思うわけです。
 そういう意味で、私は、いまも指摘をしましたように、来年は節目に当たるもんですから、この分野で思い切った改正を図ってしかるべきじゃないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#20
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の雇用率につきましては、現行法によりますと、労働者の総数、それから身体障害者である労働者の数等の推移を勘案して、五年ごとに定めるということになっております。先生御指摘のように、昭和五十一年十月から施行になりましたので、来年の十月でちょうど五年ということになるわけでございます。したがいまして、この雇用率につきましては、法の定めに従いまして、身体障害者雇用審議会で、来年十月までに検討していただくというようにいたしたいと考えておるところでございます。
 ただ、その検討の結果がどうなるにせよ、先ほど申し上げましたように、まだ民間企業において約半数の企業が現行雇用率未達成でございます。私どもとしては、先ほど申し上げましたような方法で、とにかく現在の雇用率を達成していただくように、行政指導に努めていく、これをとりあえず現在最重点として行っておるところでございます。
 それから、納付金制度についての御指摘がございました。納付金制度は、身体障害者を雇用した場合と雇用しない場合の経済的負担が異なるので、それを調整しようという趣旨でできたものでございまして、雇用率の悪いところから納めていただいて、たくさん雇用しているところ、あるいは雇用を促進するための助成、そういったことに使うようになっておる制度でございますから、納付金を納めたから雇用率は未達成でもいいんだということには決してならないわけでございます。その点は先生御指摘のとおりでございます。そういう意味で、納付金が完納されようと、雇用率未達成のところにつきましては、計画をつくっていただいたり、いろんな形で雇用促進を進めなければならないと思いますが、この納付金につきましても、別に法律の規定はございませんが、雇用率を検討する際にあわせて審議会で御検討をいただきたいというふうに考えておるところでございます。
#21
○穐山篤君 来年が五年の節目になるわけですから、十分に内外の状況を精査をしていただいて、八〇年代は身障者の年代だということをかつてアメリカの大統領が言ったことを記憶をしておりますけれども、日本においても同じことが言えると思うんです。
 さてそこで、いまのお話にもありましたペナルティーなんですが、五十一年から、実際は五十二年からで結構ですが、五十二、五十三、五十四のペナルティーの実績ですね。それから推定で結構ですが、今日どのくらいの残高があるのか、それをお知らせをいただきたい。
#22
○政府委員(関英夫君) 納付金の収入額を年度別に申し上げますと、五十二年度九十五億余、五十三年度百八十八億余、五十四年度百八十一億、五十五年度はまだ予算額でございますが百七十三億という収入を一応見込んだ予算になっております。支出の方でございますが、五十二年度が二十四億ちょっとでございます。五十三年度六十二億、五十四年度百四十四億、五十五年度は予算では百七十五億という見込みを立てております。そういう収入、支出の結果、五十四年度末で二百五十三億の積立金がございます。こういう状況でございます。
#23
○穐山篤君 実は前回当決算委員会で私この問題を取り上げまして、この納付金の使い方、それから積立金の将来の考え方というものをお尋ねしたわけですが、将来の問題については明確にされなかった。言いかえてみますと、ペナルティーがどれだけ、まあ予測としてはわかったにしましても、明確にすることができないと、不確定要素が多いというようなことがありましたし、もう一つは、まだ積立金の金額全体のボリュームが少ない、したがって、大きな事業なり何らかのことをするには、まだ時期尚早であるというふうに回答を得たわけですが、今日の段階では、この問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#24
○政府委員(関英夫君) 御指摘のように、積立金が累増してきたわけでございますが、これは制度発足当初から、まだ助成制度が十分機能しておらなかったために、収入ほどの支出がなくて、積立金がふえてきたわけでございますが、特に昨年ごろから重度障害者の雇用を助成するための思い切った助成制度、あるいは身体障害者を多数雇用しております場合の雇用管理に関します助成制度、そういったものにつきまして、非常に件数が上がってまいりました。これが支出は翌年度にわたるというような累積効果も非常にございます。したがいまして、本年は予算では百七十五億の支出というふうに見込んでおりますけれども、五十五年度につきましては、恐らく納付金収入以上の支出になっていく。五十六年度はさらにそういう傾向が非常に強まる。したがって、現在までの積立金を取り崩して支出に充てていくというような状況になっていくんじゃなかろうかというふうに推測いたしております。ただ、いずれにいたしましても、先生から御指摘のように、この助成制度の中には、非常に活用されるもの、あるいは余り活用されないもの、活用されるもののうちにもいろいろの問題があるというような御指摘もございますので、そろそろこういった助成制度のあり方につきましても、見直しをすべき時期に来ているんではなかろうかというようなことで、身障雇用審議会におきまして、この助成制度のあり方について見直しをしていただくようにしている段階でございます。
 先ほど雇用率、あるいは納付金の額等について、来年度検討していただくということを申し上げましたが、そういうものともあわせ、この助成制度も見直しをし、長期的に収支のバランスがとれるような形で運営をいたさなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
#25
○穐山篤君 そこで、片方の面では助成策を充実をする、現に事業団を通していろんなことが行われているわけでございます。ところが片方では、雇用の促進を図ろうということになりますと、問題がないわけじゃないんですね。言いかえてみますと、ペナルティーは、努力をすればするほど収入は少なくなってくる。ところが片方、支出の方につきましては、順次制度化がされて、またそれが強化をされる。そうなりますと、収支バランスが合わなくなるという問題が当然起きるわけです。このことについては私も前から心配をしているわけですが、仮にそういう状況が近々起こると想定をされるわけですが、そういう場合には、何らか特別なこの財政基盤というものをおつくりになるのかならないのか、あるいはまた別の角度から法律の制定というふうなものを準備をするのかしないのか、こういう問題が出てくるわけですが、その点いかがでしょう。
#26
○政府委員(関英夫君) 長期的に考えますと、先生の御指摘のような問題はございますが、この納付金の関係の収入と支出につきましては、雇用率がどうなるか、それから納付金の額がどうなるか、その辺が収入に関連してまいりますし、助成制度をどうこれから活用していくかということに関連するわけでございます。来年が、先ほど申し上げましたように雇用率の検討の年になります。そういう問題全体を考えまして、先ほど申し上げましたように、この納付金の収入と支出がバランスがとれ、かつ身体障害者の雇用促進に本当に有効な形でその納付金収入が使われるというような助成制度、こういったものを考えるべき時期に達しているのではないかと思うわけでございます。
 この法律ができました昭和五十一年、助成制度を考えましたときとは、大分情勢が変わってまいりまして、身体障害者の雇用につきましても、企業の熱意というものは非常に出てきてまいりましたが、今後に問題が残されておるとすれば、重度の障害者でございます。したがいまして、こういう助成制度につきましても、重度の心身障害者に対する助成というようなものに、重点的かつ効率的に見直していくことも必要であろうかと思います。そういうような今後の政策目標を十分考えた上、さらに、繰り返しになりますが、全体の雇用率、納付金の額、そういうものを含めての収入、そういうものを一方に置きながら、全体としてバランスがとれ、かつ身体障害者の雇用促進に有効な制度、こういうものを十分検討していかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#27
○穐山篤君 いま昭和五十六年度の予算編成の真っただ中にありますし、来月になりますと公表がされるという話を聞いているわけですが、さて、労働省として、来年国際障害者年に対しまして、政策的に何を重点に打ち出しを考えているのか。それから、大蔵省はゼロベース予算という話も途中でありましたが、非常に財政的に厳しい状況ではありますけれども、予算的に言いまして、労働省としては来年の障害年に何を目玉商品として、国民の前に協力を要請をするのか、その点についてひとつ明らかにしてもらいたい。
#28
○政府委員(関英夫君) 労働省関係の心身障害者対策につきましては、四つの柱で一応考えていきたいというふうに考えております。
 第一の柱は、雇用機会を確保するための対策でございます。中身といたしましては、第一は、何と申しましても雇用率の達成指導の関係でございます。それから第二は、職業能力を私どもの方で的確な評価をするということが雇用促進に必要でございますので、心身障害者職業センター、これが本年度で全県に設置が終わりますので、その機能を充実し、かつ職員の研修も充実して、十分時間をかけた職業能力の評価をするようにしたい。それから各県に一つずつ心身障害者の重点公共職業安定所というものを指定いたしまして、そこの県下の全心身障害者の情報をそこに集中管理して、事業主に十分相談できる制度をいたしたい。また、身体障害者の相談員というようなものも新設いたしまして、安定所職員の手の回らないところで、きめ細かく相談していただくというようなことを考えておるところでございます。
 第二の柱は、リハビリテーション体制の強化でございます。厚生省と協力いたしまして、医療から社会復帰までの、私どもとしては医療が終わりました段階から社会復帰までを受け持つ、そういう総合的なリハビリテーション施設を設置していく、あるいは身体障害者職業訓練校の拡充、あるいは事業主によります能力開発の促進のための助成制度、こういったことを講じていきたいと考えております。
 第三の柱は、心身障害者を取り巻く環境の整備充実でございます。私どもで建設しております雇用促進のための住宅がございますが、そういったものに身体障害者向けの住宅を計画的につくっていく、あるいは通勤を容易にするための通勤バスその他事業主のいろいろな配慮に対します助成を考える、あるいは身体障害者の体育、教養等に関します総合的な施設を建設していく、労災障害者に対します施策の充実といったようなことを考えていきたいと考えております。
 それから第四の柱は、来年の障害者年の記念行事としての国際アビリンピックの開催、国際的な身体障害者の技能競技大会でございますが、それの開催等によりまして、啓発宣伝活動を積極的に展開いたしたい。
 以上、四つの柱で来年の施策に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
#29
○穐山篤君 とかく何とか年というものがつきますと、一発行事的なものに終わりやすい傾向があるわけですが、本問題の性格から考えてみて、線香花火的な処理では済まされない問題です。十分にひとつ配慮をいただきたいと思うんです。
 次に労働大臣、ちょっとこれを見ていただきたいんですが、これは労働省からいただきました資料です。いずれも雇用関係の各種給付金の一覧表なんです。これは、第一次オイルショック、あるいは第二次オイルショックを含めて、いろんな雇用対策が法律を制定して保護をされる。失業の予防あるいは雇用の安定というふうな、あるいは再就職というふうなもの、非常に広範囲に労働省が国の政策として、いろんなことを実施をしているわけですが、それにいたしましても、担当者でもこういう給付金があったかなと思うくらいの膨大な種類が書かれているわけですよ。
 私も幾つか、中小企業の事業主なり、あるいはそこの労働組合の諸君と話をしてみましたが、こういう場合にはこういう助成金があるぞという話をしてみても、そんなうまい話があるんですかという程度で、実は中小企業なんかは見落とされている傾向が非常に強いわけです。これは何も決算委員会ばかりでなく、社労委員会でも指摘をされているものと思いますけれども、これだけのものがきめ細かく書かれていることはいいわけなんですが、しかし、これが実効が上がらないとするならば、これは手前みそに終わってしまうわけです。
 そこで、少なくともこれだけの給付金あるいはその他の特別対策費というものがあるわけですが、整理整とんをしなければ有効かつ適切にこれが使われる、こういうことにならぬではないかというふうに思うんです。したがって、もはやこれは統合整理の段階に来ているんじゃないか。機械的にやることはむずかしいと思いますけれども、同じような分野については統合整理を図っていく。当然それには、背後には法律があるわけですから、場合によれば法律の改正、あるいは政令の改正ということに伴うものが多いと思いますけれども、思い切ってこの辺でやらないと、持ちぐされになってしまうと思いますが、その点についてのお考え方が当然あると思いますが、お伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(藤尾正行君) まことに御指摘のとおりでございますが、御案内のとおり、私ども政策を執行をいたしてまいります際に、とりあえず緊急にその趣旨を徹底をしていただきたいというような臨時応急的な性格のものもございますし、それを慣行的に続けております間に定着をいたしまして、もはや臨時応急的性格はだんだん薄れてきておるというようなたぐいのものも中にはあろうと思います。
 したがいまして、御指摘のとおり、そういった問題の交通整理をしなければならぬ。こういうことでございますけれども、こういったことにつきましても、それぞれの問題につきましての審議会、研究会等に御諮問をいたしまして、ただいまそういったものを進める途上にございます。したがいまして、まことに今日ぶざまなたくさんのものを羅列をいたしまして、お手元に届けておるということは恥ずかしいことでございますけれども、近い将来、かなり見やすい形になろうと、さように思いますので、さよう御承知おきを願います。
#31
○穐山篤君 表のことはともかくとして、段取りの上ではどういう手順を通して、具体的にこれの統合整理、整理整とんをなされるのか、予定がありましたらひとつ明らかにしてもらいたい。
#32
○政府委員(関英夫君) 国会におきます給付金に関しますいろいろな御議論、そういうものを踏まえまして、私ども検討しておったわけでございますが、関係審議会におきましてもこの問題が取り上げられて、審議会として十分検討しようではないかということに、ことしの夏そういうことになりまして、中央職業安定審議会、中央職業訓練審議会におきまして、それぞれいろんな給付金の整理統合、充実、今後の雇用、失業情勢に対応したものに改めていくというような観点も含めまして、御審議を願っておったわけでございますが、最近、両審議会から、それぞれ建議をいただいております。
 現在、私どもとしては、その建議の趣旨を尊重いたしまして、その建議の方向でこの実施を図るべく検討中でございますが、手順といたしましては、まずどうしても法律改正というものが必要な面がございますので、現在どういう関係法律をどういうふうにしたらいいかということを検討いたしているところでございます。この辺の関係が煮詰まりました段階で、法律改正につきまして、もう一度関係審議会に御諮問いただきまして、その答申を得て国会に御審議をお願いする。法律改正かできましたならば、さらにそれに基づきまして関係の政・省令等を整備し、支給要領等を定めて、わかりやすい、しかも今後の情勢に合った活用される給付金制度に改めていく、こんな段取りを考えているところでございます。
#33
○穐山篤君 次に、勤労者の財産形成促進に関する問題についてお伺いしますが、最初に検査院の方にお願いしますが、この法律に基づいて、昭和五十二年、五十三年、最近の財政上の、決算の内訳といいますか、実績というものをお知らせをいただきたいと思うんです。
#34
○説明員(肥後昭一君) お答え申し上げます。
 雇用促進事業団の収支決算によりますと、昭和五十二年度財形の資金の支出予算現額は二百六十八億余円、支出決定済み額が八十七億余円、繰越額が十億余円、不用額が百七十億余円でございます。それから五十三年度は、支出予算現額が四百十五億円、支出決定済み額が六十九億円、不用額が三百四十六億円、それから五十四年度は、支出予算現額が六百十八億円、支出決定済み額が六十六億円、不用額が五百五十一億円と、こうなっております。
#35
○穐山篤君 いまの数字で明らかになったわけですが、この不用額がほかのものに比べて異常に多いわけてすね。これは一見して――問題があると言えばどうかと思いますが、余りにも不用額が多いというふうに感ずるわけですが、その原因を労働省の方としてはどういうふうに分析をされておりますか。
#36
○国務大臣(藤尾正行君) 御案内のとおり、財形の制度ができましたのがまだ比較的新しゅうございます。したがいまして、そういった制度の運用に当たりまして、十二分にこの制度の運用が徹底をしておらぬということもございます。しかしながら、いずれにいたしましても、それぞれのお働きあそばしておられる方々の財産形成のために、御自身の御努力を基調にいたしまして、国や地方公共団体が、それに対して御援助をさしていただく、こういう制度でございますから、まずそれぞれの方々の御意思が、そこに家をつくりたいとか等々の一応の使途を明確にされました意思決定がなされませんと、それに対しまする私どもの御助成もあっていかないということで、ただいま御指摘のとおり、まだ不用額がどんどんとふえていっておる、こういう状態にあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この財形がいまのゆがんだというのは非常に表現が悪うございますけれども、こういった点をひとつ十二分に考えまして、趣旨を徹底させまして、御意思の決定と同時にどんどんお使いをいただくために、どのようなことをすればいいかということをよく御承知おきを願う、そういう啓発を十二分にしてまいらなければならぬということもございます。また、この運用に当たりまして、いろいろ改善をしていかなければならぬ、そういった面もあろうと思います。ただいま、この問題につきましても、一応の機関の研究を待ちまして、私どもといたしましても将来についていろいろな改善を加えていきたい、かように考えておるわけでございます。
#37
○穐山篤君 昭和四十六年に法律が制定をされて、四十七年から実施に移されたわけですが、この八、九年の間に千二十三万人が財形貯蓄の契約者に上がっておりますね。これは、勤労者数全体から見ますと、量的には非常に多いという感じを私は受けるわけです。
 そこでお伺いするわけですが、急速にこれだけ財形に協力を願うのはいいわけですが、他のものに比べて急速に実績が高まってきたというのには、何かの原因があるだろうというふうに思いますが、その辺の考え方が一つ。
 それから、千二十三万人が、どこの金融機関と契約をしているかということを見てみますと、非常にこれが特色があります。たとえば全体の二四・八%が都銀に契約をしています。それから地銀に対しましては一二・四、信託に対しましては一八・一、労働金庫が一一・八%というふうになっておりまして、都銀、地銀それから信託の占める割合が五〇%以上になるわけであります。非常に特徴があると思いますが、これはどういう理由でこういうところに集中がされたのか、この分析はいかがでしょうか。
#38
○説明員(寺園成章君) 五十五年八月末現在で、財形貯蓄の契約者数は千百万人を数えております。先生おっしゃいますように、勤労者全体の中に占める割合としては、かなりの割合であるというふうに認識をいたしております。
 このように伸びてきました理由でございますけれども、財形制度が金融資産と、それから持ち家資産の援助をするというたてまえでこの制度ができておりますが、個々の勤労者がこの制度に乗って、金融資産の拡大に努めておるということが基本的にはあろうかと思います。なお、付帯的には、各取扱銀行、取り扱いの機関が、この財形貯蓄について熱心な勧誘をされるというような面もありましょうし、また、勤労者のサイドから見ますと、給料から天引きをして預入をされるということでございますので、比較的容易に貯蓄が進んでいくという、そういう制度上の問題もあろうかと思います。
 そこで、この貯蓄がされました貯蓄先でございますけれども、先生がおっしゃいましたように、信託銀行、都市銀行、あるいは証券等がかなり大きなシェアを占めております。性格といたしまして、長期的な貯蓄という性格を財形貯蓄は持っておりますので、やはり長期的な貯蓄、したがって、利率の高いところを勤労者が選好されるということが一番大きな理由ではないかというふうに思っております。
#39
○穐山篤君 昭和四十六年、長い議論の末これは成立した法律ですが、時あたかも高度成長のいい環境の中ででき上がったものです。金融機関から考えてみますと、一番コストの安い金なんです。金集めには一番いい方法でしょうね。金融資本から見れば、一番やりやすい方法です。一々一軒一軒訪問をして、貯金を勧誘するというコストの高い面からいえば、一番安上がりの金集めというふうに思いますし、そういう面からいえば、どうしてもこういう大手銀行のところに集中をした、これが一番大きな原因ではないか。それからもう一つは、私はこれはすべてとは言いませんけれども、それぞれの企業、事業主、運転資金にしろ、その他の資金を金融機関から融資を受けるわけですが、そういうものとの見返りといいますか、担保といいますか、そういうものが働いてこの種の銀行に集中をしたということも私はよく知っているわけです。いまさらそのことについてどうこう言うつもりはないと思いますけれども、さて問題は、さっき労働大臣が言いましたように、こういう不用額が出たのは遺憾である、これは運用の面からいって十分それが熟知をされるならば、もっともっと活用がされるというふうにお話がありますが、そこが実は私は問題ではないかというふうに思うんです。
 そこで一例でありますが、釈迦に説法ですが、財形といいますのは二つ目的があるわけですね。一つは預貯金というふうなことで財産の形成をする、それからもう一つは住宅の建設で財産形成を行う。単に貯金をするという、預貯金だけのことであるならば、別段法律の必要はないんです。法律がなくてもみんなそれぞれ銀行なり、郵便局なり、何なりに貯金をするわけですから、別に法律なんか要らないんです。魅力があると考えて加入をしたのは、少なくとも住宅の建設に魅力があって、逐次定期的に金を納めておくならば将来持ち家ができる、あるいは家の改造ができる、こういう期待感を持ってやっているわけですが、それにしては財形の住宅資金というのには問題ありというふうに言わざるを得ないわけであります。
 そこで、たとえば金融公庫の貸し付けで、一般住宅建設資金の場合には、いろんな条件はありますけれども、金利が五・五%、建て売り住宅の購入資金の場合におきましても金利は五・五%、これは国からの、一般会計からの援助がある、国民の税金がそちらに行っているという理屈はわかりますが、さて、財形の住宅資金の方は八・七五%の金利、ここに一つ問題があるというふうに言わざるを得ないと思うんです。言いかえてみますと、この財形法によって将来安い金を借りることができるし、それで住宅を建てるという希望があったわけですが、現実に、いま私が申し上げましたような住宅資金の金利関係を見ただけでも、それだけの違いがあるわけです。これは、自分が積んだ金の三倍ということになるわけですから、五十万円の人は百五十万円、五百万円の貯金のある人は千五百万円借りられる。いまどき家建てるとするならば、土地持ちで千五百万円というのは最低でしょう。ところが、金を借りるためには、財形から融資を受けるためには、五百万円の預金がなければ千五百万円借りられない、五百万あるならば、住宅金融公庫の五・五%の融資を受けるというのが世の中の常識です。そういう面から言いますと、この財形の住宅資金に問題がないとはどうしても言えないんです。この点はどういうふうにお考えですか。
#40
○政府委員(吉本実君) ただいまの御指摘は財形持家個人の融資の件だと思いますが、貸付利率というものが、年金の積立還元融資におきます転貸融資等の利率と異なっておるということでございまして、それは先生御承知のように、貸付資金の調達方法というものが異なっているわけでございまして、財形の場合の調達の金利、それがこの持家個人融資の利率ということになっておりますので、そういった制度の仕組み上、やむを得ず高い仕組みになっておるというようなことでございます。
 それで、ただいま御指摘のように、最高五百万円ということを御指摘になりましたが、現在、財形の貯蓄残高が、大体平均百八十万円でございます。したがって、個人融資がこれの三倍限度ということでございますので、個人融資の平均が、現在五百二十万円、さらに年金福祉、あるいは住宅金融公庫と合わせますと、平均で大体千六百万円ぐらいの融資が借りられるというような仕組みになろうかと思います。
 そういったようなことでございますので、確かに財形自身のやり方としましては、先生御指摘のようなことでございますが、それが他の融資との併用ということも可能でございますので、そういった点をあわせてやって、この融資の促進を図っていくというようなたてまえで現在進めておるところでございます。
#41
○穐山篤君 私の言っているのは、法律の解釈を聞いているわけじゃないんですよ。いかなる人であろうとも、金を借りる場合には、安い金利の金を借りるというのは世の中の常識ですよ。高い金利の金を借りるというばかなやつはいないと思いますね。財形の場合には、コストの安い金を本人は金融機関に出しているわけですよ。担保物件は十分に提供しているわけですね。普通、銀行が融資をする場合には、資力、信用を点検をされますね。土地を担保にしたり、あるいはでき上がる家を担保にしたり、そういうふうなことで金を借りる。それから、同一銀行に自分の預金がある場合には、ある意味で、これは住宅ではありませんけれども、運転資金、設備資金その他では、金利の面で特別な配慮をしてくれるわけです、現実に金融機関は。言ってみれば、財形の貯蓄というのは、客観的に言えば拘束預金と同じようなものですよ。なおかつ高い金利のこういう制度があるということを私は問題にしているんです。法律がこういうふうになっているから仕方がないのだという話を私は聞いているわけじゃない、法律は知っているわけだから。しかし、こういう制度をつくることに問題はないでしょうか。先ほども労働大臣言いましたけれども、どんなに労働者にうまいことを説明をしても、この金を借りる人はよっぽど特別の事情のない限り、この金は借りませんよ。世間では非常に安い、五・五%の金が借りられるように何種類もあるわけです。だから、財形の住宅のあり方の問題について、物の考え方、理念として考え直さなければ、もはやこの制度は死んでしまうと私は聞いているわけですよ、その点いかがです。
#42
○国務大臣(藤尾正行君) 御案内のとおり、ただいまは住宅金融公庫にいたしましても、確かに五・五%の利率で貸し出しをいたしておるわけでございますけれども、それだけで全部が賄えるというわけにはちょっといかないわけでございます。したがいまして、それを補う意味におきまして、中には会社自体が積み立てております社内預金を一部流用するというようなこともありましょうし、また、そういったものを補う一助といたしまして、この種の財形貯蓄といいまするもので補っていくという考え方もあり、また、銀行自体の、金融機関自体の住宅ローンをもって補うというような道もあるわけでございます。そういった場合に、なるほどあなたの御指摘のとおり、財形といいまするものは、積み立てておる金の三倍しかこれは出さないわけでございますから、そういうことになってまいりますと、どちらにいたしましても、帯に短したすきに長しというようなことで、財形自体、これが一本立ちで、あなたのおっしゃるような住宅資金の需要といいまするものに、全体的にこれが活用できるというような状態にない、まことにそういった点は今後の運用の面におきまして、私どもも、また制度的にも、考え直していかなければならぬ要素があろう、さように思います。
 しかしながら、いずれにいたしましても、金融公庫自体の五・五%といいまするものでは、全部が賄い切れないというようなことがあり、しかも、別途勤労者がそれぞれの立場におかれまして融資を受けたい、かように考えられましても、なかなかそう簡単に市中銀行自体も金を出してくれないということであれば、そういったものを容易にする一つの方法といたしまして、このような制度が確立をいたしておるということは、私はそれなりに意味を持っておる、かように考えるわけでございます。制度自体の運用について、おっしゃられるようないろいろなこれからの運用面の改正というようなことは考えていかなければなりませんけれども、こういった問題につきましても、慎重な検討をただいまやっておるわけでございますから、どうかその結果をお待ちを願って、改めて御批判をちょうだいをいたしたい、かように考えます。
   〔委員長退席、理事小山一平君着席〕
#43
○穐山篤君 この加入者の数や、残高が非常に大きいというふうなことをもって、財形の成果が上がっているというふうに言うことはできないと思うんです。私は、いまも申し上げましたように、仮に頭金五百万円持っている人ならば、この財形の資金を借りずに、公庫の五・五%の金を借りて、自分の持ち家、財産の形成をすると思うんです。五百万円持っている人は千五百万円貸してもらえますけれども、金利は八・七五。こうなりますとね、その御本人にとりまして、勤労者にとりまして、勤労者の財産の形成とは何ぞやというその法律第一条の問題にいやおうなしに帰らざるを得ない、そういう疑問をこの制度は根本的に持っているわけですよ。
 そこで、金利の問題について大蔵省、それから建設省両方の方から、機械的に私はいま問題をわかりやすくするために五・五%、八・七五%というふうに対比をしたわけですが、この金利の考え方についてお伺いをします。
   〔理事小山一平君退席、委員長着席〕
#44
○説明員(日向隆君) ただいま委員御指摘になりました金利の問題でございますが、すでに委員御案内のように、現在この住宅に対します財形住宅債券の発行の条件でございますが、これは先ほどからお話がございましたように、財形住宅の貸付利率は財形住宅債券の発行利率と等しくなるように決められておると、こういうわけでございます。この財形住宅債券は、これは住宅金融公庫も取り扱っておりますし、それから雇用促進事業団も取り扱っておるわけでございますが、この住宅金融公庫の場合について申し上げますと、国鉄と号債といいます縁故債の代表銘柄でございますが、これを基準にして発行されておりまして、委員が御指摘になりましたように、五十五年の九月以降八・七五%という、そういう水準になっているわけでございます。
 私ここで一つ申し上げたいのは、この八・七五%という水準は、民間住宅ローンの金利の八・八八%という水準よりも低くなっておる。民間の金利が高くなりましたことしめ五月以降におきましても、この国鉄と号債を基準に発行いたしますと、この八・八八%を突破することに計算上なるわけでございますが、この場合におきましても、この八・八八%に頭打ちにしておりまして、民間住宅ローンとそれなりのバランスをとってきているということでございます。この点につきましてぜひ御了解を得たいと思うわけでございます。
 それから、種々御指摘になりました点で、住宅金融公庫の貸付金利五・五%との関連でございますが、これはもうすでに御案内と思いますけれども、住宅金融公庫の場合におきましては、これは財投の資金を原資といたしておりまして、これに収支差補給金というものを補給しているわけでございます。他方、いま問題になっております財形の場合は、これは勤労者が積み立てた貯金をもとにいたしまして、先ほどのように財形住宅債券を発行して、原資調達し、これを貸し付けているという形でございまして、その利用者は積み立てた勤労者に限定されておるわけでございます。したがいまして、一種の還元融資でございまして、この還元融資に対しまして、いわゆる利子補給をすることが妥当かどうかという問題があるわけでございます。したがいまして、住宅金融公庫におきます貸し付けと、私どもといたしましては同列には論じられない点があるんではないかということでございます。
 以上、民間住宅ローンとのバランス、それよりは低く設定されているという点と、還元融資に係るものであるという点について御説明させていただいて、御質問に対する私の答えとさせていただきます。
#45
○説明員(伊藤茂史君) 御説明申し上げます。
 持ち家を取得する場合にいろんな金融制度がございます。現行、いま先生の御指摘でございますと、財形の金利と公庫の金利という例示がございましたが、そのほかに厚生年金でありますとか、公団、公社の分譲積み立てでありますとか、いろんなものがございます。それぞれ原資が、お金の出どころがどういうことろであるかということと、施策目的がどういうところにあるかということで、金利がいろいろと違っております。御指摘の勤労者が財産形成をするということで、計画的に貯蓄をしまして、持ち家を持っていくという制度は、財形だけではございませんで、民間金融機関が住宅貯蓄制度というものを持っておりますし、郵便貯金もございますし、公団や公社の分譲の積み立てなんかもございます。したがいまして、それぞれがみんな最初に申し上げましたように、施策目的と、原資が何かということから金利が違っております。われわれ住宅政策を担当している者としましては、現実にそれぞれの制度がどういうふうに動いておるかというところに非常に関心を持っております。現実にどういうことかと申し上げますと、先ほど来御議論ありますように、公庫融資だけで家が持てるという場合と申しますのは、土地をすでに持っておられる方という非常に限定された人たちでございます。建てかえなんかもききますが、そういうことでございまして、一般の勤労者で、資産を持たない、土地を持たない方々が、計画的な貯蓄をして、持ち家を持っていくということにつきまして、われわれも政策的には非常に重要なことだと思っております。その場合に利用のされ方でございますけれども、べースはやはり公庫ということでございまして、あといろんなメニューを利用者が選択をしてやっていくというのが現実ではないかということでございます。そういう目で見ますと、現状の計画貯蓄を経た財産形成というものには、そんなに不均衡はないというふうにわれわれは判断をいたしている次第でございます。
#46
○穐山篤君 私は再三指摘をしておりますけれども、この都銀、地銀あるいは信託にわりあいに契約が集中をしているわけです。それで、この預金をされた金には色がついているわけじゃないですよね。残高が、あるいは不用額が多いということは、その原資をもって他に融資が十分にできるわけです。ところが、実際にこの財形に協力をしている者が、金の貸し付けを受けようとする場合には、非常に高い金利の金を借りる。世の中の道理とは全く合わない財形の方式になっているわけです、現実の問題は。五・五%の場合には、国からの繰り入れがあるということも承知をしておりますが、非常にコストの安い金が、それぞれの金融機関に入りっぱなし、これもどんどんどんどんふくれていく可能性を持っているわけですよ。もし金融機関が、その千百万人一人一人を訪ねて契約をして、一々金を集めているとするならば、非常にコストが高くなる。事業主が一括して、これは労働基準法二十四条に基づいて控除がされるわけですから一番手っ取り早い、コストの安い金です。片方、十分に勤労者から利用されていないという面からいいますと、コストの安い金で、それぞれの金融機関は金融作業をやっているわけです。また金融財産をさらに高めている効果を持っているわけです。ですから現実に、この千百万人の方々は、もっとわれわれにサービスをしてしかるべきじゃないか――事業主に対するサービスはありますよ、ところが個人に対しますサービスは、貸し付けの分野からいえば全くないと言ってみても過言ではない。ないというよりも、高い金利の金を無理やりに、まあ幾つか合わせて、家を建てるということになれば高い金利の金をいやおうなしに借りなければならぬ。非常にこれはつまらぬ政策ではないかと思うんですよ、
 そこで、この法律の第一条に言う、あるいは第二条に言う勤労者の財産形成というものについて問い直しをしなければならぬというときに私は来ていると思う。制度ができて九年たとうとしている、来年は十年目ですよね。コストの安い金をどんどんどんどん金融機関にまとめておいて、実際にそれに協力している人にはサービスが少ない、サービスが足りないというならば、法律をもう一遍見直しをして、法律の精神に基づいたサービスというものをやらなければ、本来のこの法律の趣旨は生かされない、私はそういうふうに確信をします。その点いかがでしょう。
#47
○政府委員(吉本実君) 先ほど大臣からもお答えいただきましたように、先生のおっしゃるようないろんな問題ということも十分承知しております。また、これからの高齢化の社会というものを迎えている現今でございます。そういうようなことで、財形制度全般につきまして、現在財形審議会の基本問題懇談会で、そういった点についての御検討を願っているところでございます。私どもとしましては、それにおきます先生方の御意見等の結論を待ちまして、先生おっしゃったようなことも含めまして、いろいろ検討さしていただきたいというふうに思っております。
#48
○穐山篤君 いろんな審議会にかけることはいいんですが、労働省は責任の官庁として、昭和四十六年法律第九二号をつくったときの気持ちが、現実に政策なり、事業の上に生かされていないというふうに反省はしていないんですか。皆さん方が国会に提案をして、国会で決めたものなんだ。これについて国民の立場から言うならば、この事業に問題ありと私は指摘をしているわけです。審議会に相談する前に、原局であります労働省は、現在行っておりますサービス、それを通しての勤労者財産形成促進法というもののあり方をどういうふうに考えているのか、私はもう本来ここで十分な反省をしてもらわなければならないと思うんですが、審議会にかける前に、原局としてはどういう基本的な理念を持っているのか、はっきりしてもらいたいと思う。
#49
○政府委員(吉本実君) ただいまも申しましたように、十分この財形制度の運用というものにつきましても、私ども承知しております。先生おっしゃるような問題点も十分心得ているところでございます。したがいまして、そういった点について、今後の高齢化社会というものを迎えて、特にこういった財形というものの基本理念に返って、そういった点についてもさらに検討してまいりたいというっもりでおります。
#50
○穐山篤君 どうも大臣歯切れが悪いですね。加入している人たちの意見は、この法律が通って、みんなそれぞれ金融機関なり、事業主が説明をして、そして協力してもらっているわけですね。事業主にしてみますと、また別のメリットがあるんですよ。ある意味で言うならば、金融機関に対する拘束預金の性格を一方では持っているわけですね。それから、年々年々積んでいくわけですから、金融のボリュームは大きくなるわけです。ですから、事業主も非常にメリットがありますし、金融機関も非常なメリットがあるわけです。ところが、実際に加入しております個々の勤労者についてのメリットはない。個々の勤労者、加入しております人々から、これはインチキじゃないかという話さえも出るわけですよ。もっとこの法律の基本的な理念に基づいて、拘束的な預金ですよ、金融の立場から言うならば間違いなく入ってくる金なんですよ。ボリュームも年々歳々大きくなっていく金なんですよ。ただ、それを金融機関に貯金をすることは悪いことではないけれども、その金融機関が安いコストの金を十分運転をすることには非常にメリットがありますけれども、個々の勤労者にはメリットが少ない。そういう意味で、私は少なくとも財形制度の制度としては基本的に貧弱じゃないかというふうに言わざるを得ないと思う。そういう認識に立つならば、これはぼつぼつ改善のために新しい作業をしなければならぬという発想にしてもらわなければならぬわけですが、現状の認識がどうも皆さんは不足をしているような感じがしてならぬと思うんです。もう一回、その点明らかにしてもらいたい。
#51
○国務大臣(藤尾正行君) あなたのおっしゃられることはわかりますけれども、加入をいたされておられまする勤労者に全然メリットがないのかということになりますと、決してそうではないわけでございまして、制度自体の中にも、その貯蓄によって生じます利息に対する免税もございますし、私は全然メリットのないところに参加される方はおられないだろう、かように思いますよ。さらに、あなたのおっしゃられるような点もないわけではございませんので、この問題につきましては、政府といたしましても、改善すべき余地がある、かように考えまして、現実にそれぞれの所定の審議会、研究会に委託をして、基本的にどのように考えるかということについて、ただいま諮問をしておるところでございますから、どうぞその研究の結果、その結果を踏まえました政府の措置、そういったものをごらんになられた後で、私は御批判をちょうだいをいたしたい、かように思います。
#52
○穐山篤君 この法律を制定をした当時、これは大議論があって、ようやくでき上がったものなんですが、その議論の過程で、いま私が再三指摘をしておりますように、メリットが全くないと言えば語弊がありますよ、それは免税の分野だとか、あるいは基金制度だとか、いろんなことについての多少のサービスはある。しかし、加入しております個人にしてみると、この財形の貯蓄を通して、おれは何年後には家が建つ希望が持てる、そういうところからみんな加入をしているし、また、私どもも当時現役でありましたので、職場に行っては勧誘をした一人なんです。ところが、今日こうやっていよいよ家を建てる、金を借りる、労働金庫からも金を借りなきゃいけないし、あるいは住宅公庫からも金を借りなきゃならぬ、そういう場面に相当の人が出くわしている。そして、国民金融公庫なり、住宅金融公庫たとえば五・五%の金利で金が借りられると。ところが、片方の財形の方では八・七五と、おれは貯金はしているけれども、この金を借りるわけにいかぬと。返す当てがあるならば高い金利も払うけれども、目いっぱいの生活の上で金を借りるわけですから、みんな安い金利のところをあさるわけですよ。だから、当初この法律ができたときと、実際の運用は違うじゃないか、これは加入している人の意見なんですよ。そこで、いま大臣が改善をする余地ありというふうに言われましたので了といたしますけれども、本当に勤労者に十分にこたえていくためには、勤労者の財産形成というのは何だろうという原点にもう一遍戻ってもらって、この作業をしてもらいませんと、また次に同じような轍を踏むことにならぬとも限らないと思うんです。
 そこで、最後にお伺いしますが、その審議会の作業手順、それを受けまして、労働省としては次はいつごろ審議会の答申を得るにいたしましても、こういう分野で改善をしてサービスを図っていきたいと、こういうものがおありでしたならば、その点を含めて大臣から決意の表明をいただきたいと思います。
#53
○説明員(寺園成章君) 今後の財形制度のあり方につきまして、一昨年の暮れから財形審議会の基本問題懇談会で御検討いただいておるところでございます。
 御検討をお願いいたしましたときには、当方からは二年程度をめどに御検討いただきたいというお話をしたわけでございますけれども、御承知のように、この財形制度、各般の政策と絡み合っております。そういう観点から、大変多元的な検討を要する問題でございます。当初申し上げました、お願いいたしました時期をめどに、審議会としては御検討いただいておるわけでございますけれども、若干その結論が出るにはおくれぎみであるということでございます。審議会からの、基本問題懇談会からの結論が出ました場合におきましては、その結論を踏まえて、事務当局で諸般の情勢を踏まえながら検討をし、成案を得ましたならば、財形審議会――本審議会の方にお諮りをして、案をまとめてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、基本問題懇談会で行われております議論は、先ほど局長の方からも申し上げましたように、高齢化社会に対応した財形制度のあり方、あるいは既存の企業内福祉制度と財形制度の関連の問題、あるいは住宅土地政策と財形制度の関連等々について議論が交わされているところでございます。
#54
○穐山篤君 大臣、最後に決意を。
#55
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま政府委員から申し上げましたように、二年間ということで御研究をお願いをいたしておるわけでございますけれども、したがいまして、来年にはその研究の成果が私は出てくるであろう、かように考えます。それを受けまして、いろいろな各般の準備調整ということをやらなければなりませんので、早くても来年いっぱいはどんなことをしてもかかるということでございます。問題の諸点は、先ほど先生が御指摘になられました土地あるいは住宅の取得の問題だけに限りませんで、現行のいろいろな制度との間に調整をしなければならない問題もございます。したがいまして、そのようなことをにらみつつ、十二分の成果を挙げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#56
○峯山昭範君 それでは私、きょうは初めに職業安定所以外の、いわゆる職業安定機関以外のものの行う職業紹介、一般の職業紹介所の問題について初めにちょっとお伺いしておきたいと思います。
 当然一般的には労働大臣の認可に基づいた職業紹介所が必要なわけでございますが、全国的には大体どの程度の職業紹介所というのはあるんですか、大臣の認可した紹介所ですね。
#57
○説明員(田代裕君) お答え申し上げます。
 職業安定機関以外のものの行う職業紹介といたしましては、有料無料分かれておりますが、有料の職業紹介といたしましては、さらに営利と実費と、こういうふうに分かれております。
 先生お尋ねのものにつきましては、有料の職業紹介といたしまして、本年三月末におきまして、二千四百二十七の事業所につきまして、労働大臣が許可をいたしております。この中には八ヵ所の実費が含まれてございます。
#58
○峯山昭範君 これは労働大臣の認可を得たいといういわゆる有料の二千四百二十七ヵ所でございますか、これは大臣の手元に、大臣の認可をいただきたいというような申請というのはずいぶん出ているんですか。
#59
○説明員(田代裕君) 有料の職業紹介につきましては、先生御指摘のように、申請書類を所轄の公共職業安定所を経由して労働省に上げていただくことになります。これにつきましては、それぞれ公共職業安定所におきまして、所要の書類等につきましてのチェックを行いまして、県を経由して労働省に上がります。これにつきまして毎月その審査を行っておりまして、法律に基づきまして、中央職業安定審議会におきまして、御意見をちょうだいし、それぞれ妥当と認めるものにつきましては、これに許可を与える、こういうことでございますので、手元にとどめおくという形にはなっておりません。
#60
○峯山昭範君 実際問題として、手元にはとまっていないとしますと、申請そのものはたくさんあるものですか。
#61
○説明員(田代裕君) 御案内のように、この有料職業紹介は、許可の有効期間が一年ということになっております。もちろん以前に許可をされた事業所が、翌年その更新ということで申請をされるものもございますが、法律上一年の有効期間になっておりますので、いま申し上げました大体十二分の一は毎月上がってくる、こういう形になります。
#62
○峯山昭範君 いや、私がお伺いしたいと思っておりますのは、それではもっと違う方向から質問してみますが、もうすでに皆さんの手元へ私きのう言っておきましたけれども、先日読売新聞でも報道されたわけでございますが、埼玉県の方では、この職業紹介所というのを調査されたそうでございますが、この新聞報道によりますと、無許可の職業紹介所というのが非常にたくさんある。これは正確かどうかわからないんですが、私の手元にある資料によりますと、所沢市には十六ヵ所、川口市には十三ヵ所、大宮市の七ヵ所、全部で埼玉県全体で五十三ヵ所があると、しかもこれはもちろん大臣の認可を受けていない事業所でありまして、埼玉県では大臣の認可を受けている事業所は八ヵ所であると、こう報道されております。これはそのとおりであるのかどうか。一遍その数字の面をあわせて、すでに資料はそちらの方に上がっておると思いますので、確認しておきたいと思います。
#63
○説明員(田代裕君) いま先生御指摘になりましたものは、某新聞の埼玉県版に確かに記事が載った事項でございます。その中で出てまいりましたのは、いわば労働大臣の許可の対象職種以外の、いわばもぐり職業紹介というものが行われているのではないかという指摘でございまして、私どもの方もいろいろとそういう情報をとりまして、現在その内容及び実態について調査、同時に指導方について当埼玉県に指示をしているところでございます。なお、その報道の中にありました五十数ヵ所と申しますのは、いろいろな情報等を得ているものでございまして、必ずしもその中身の全部は、実態は現在明らかではございません。しかし、この中には九ヵ所現在労働大臣が許可をしております対象職種がございまして、これは申し上げますと、配ぜん人という職種でございますけれども、これらを含めて問題がありという形で論議がされているという状況でございます。
#64
○峯山昭範君 そうしますと、これはたまたま埼玉県なんですけれども、こういうふうな実態というのは、何も埼玉県だけが特殊じゃ私はないと思いますが、全国的にはどういうふうな実情にあるんですか。
#65
○説明員(田代裕君) 御承知のように、配ぜん人という職業紹介の職種の内容を若干御説明申し上げますと、正式の献立による食事を提供するホテル、料理店、会館等において、正式の作法にのっとり、食卓の敷設、配ぜん、給仕等の業務を行う者と、いわば公的な、あるいはそういう格式ある、要するに食事において、ウエーターとしてのサービス業務を行う者というのが実は内容でございます。そういう意味では、この対象職種の紹介所というものは、やはりそういった機能が発揮できるいわゆる大都市等が中心でございまして、全国の数といたしましても、先ほど申し上げました二千余の数のうちで、百三十六ヵ所しか全国で許可がされていないという状況でございます。しかも東京都がその大部分でございます。
 こういった観点で、許可対象の職業にかかわります紹介におきましては、全国的にいまの許可紹介事業所数の分布を見てみましても、特にその点において問題があるというふうには受けとっておりません。しかし、埼玉において問題になっておりますのは、この配ぜん人の職業紹介ということでなくて、いわば酌婦というふうに呼ばれる場合があるわけですけれども、要するに通常の飲食店において、客席にはべって飲食のサービスを行うというような問題について出てまいっておりまして、これは私ども承知している限りにおきましては、現在埼玉県だけでございますが、若干誤解をされる、つまり配ぜん人という職業について誤解をされる向きもあるかと思いますので、そういった点検を行っているところでございます。
#66
○峯山昭範君 これは、いま話ありましたけれども、実際問題としては、この埼玉県だけとこうおっしゃっていますけどね、たまたま埼玉県が調査したからこういうような問題が出てきたのであって、実際は、いまお話ありましたように、大都会という話ございましたけれども、東京にしても、大阪にしても、こういうふうな法の網をくぐって、こういうふうな紹介手続を有料でやっておるところがずいぶんあるんじゃないですか。そこら辺のところの実態はつかんでおられますか。
#67
○説明員(田代裕君) 先生御指摘のように、私どもも常日ごろそういったものに対して注意はしております。しかし、場合によってはそういうものに対する指摘、あるいはまあ私どもに対する投書等がございますが、現在配ぜん人と酌婦の関係では、埼玉県でございますが、先ほども申しましたように、それだけであるかどうか、これは私どもとしても常に注意をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#68
○峯山昭範君 当然こういうふうなもぐりの職業紹介をやった場合には、当然職業安定法に言う罰則の規定もあるわけなんでしょう。
#69
○説明員(田代裕君) もちろん、現在の職業安定法におきましては、有料の職業紹介につきましては、法の三十二条の第一項ただし書きにおきまして、正規に労働大臣の許可をとった者以外が行うことを禁じております。したがって、六十四条においてその罰則規定等もございますように、もぐりで行うことについては、法的な規制を加えることになっております。
#70
○峯山昭範君 それから、当然私は、先ほど説明がありましたけどね、規則のこれは二十四条の二十六号の説明を先ほどされたわけですね。配ぜん人のことですね。これはまあよくわかります。ここに書いてあるとおりです。しかしながら、この二十六号の配ぜん人というのを隠れみのにして、実際は酌婦の紹介が行われているというのが実情なんでしょう。これはどうなんですか。
#71
○説明員(田代裕君) 確かに、先生御指摘のように、配ぜん人という言葉と、それから世上配ぜん婦というような言い方で行われるものとの混同がやはり若干ある場合がございます。先ほど申しましたように、東京都内等を中心とするところでは常に配ぜん人の職業の定義どおりの業務を行うのが通常でございますけれども、だんだん地方へ参りますと、そういった需要面がわりと薄いというような場合もありまして、それ以外のものにわたるという懸念も私ども常に持っております。そういう点で、先ほどお答えいましましたとおり、私どもの方もそういう点検を十分行ってまいりたいと考えております。
#72
○峯山昭範君 いずれにしましても、この問題、決して私は埼玉県だけではないと思います。当然私は正式の職業紹介所はやっぱり労働大臣のきちっとした許可を受けて、それで、もぐりのこういうような人たちがはんらんをして、またいろんな迷惑がこうむらないように、きちっとやっぱり指導なり、何なりしなければいけないと思います。そこら辺のところはどうですか。
#73
○説明員(田代裕君) 先生御指摘のように、十分われわれも心して指導に当たってまいりたいと考えております。
#74
○峯山昭範君 さらにもう一点、もっと具体的な実態もつかんで、それから職業安定所からのいわゆる有効期限が一年だから、十二分の一がただ申請に来ておるというだけじゃなくて、もう少し許認可の申請や、その実情、実態等もやっぱり詳細につかんで、指導なり、また監督なり、そういう点もきちっとすべきではないか、こういうふうに思うんですけれども、この点大臣どうですか。
#75
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のような無許可で、そこまで言っていいかどうかわかりませんけれども、いかがわしいたぐいの職業のあっせんをするというようなことは、とんでもないことでございまして、これは役人でございますから、なかなかそこまで踏み込んでいけないというようなことはございますけれども、そういったことが起こってまいりましたならば、警察とも協力をいたしまして、厳重に処断をいたさなければならぬ、さように考えます。
#76
○峯山昭範君 それでは、雇用保険の失業給付金の問題についてお伺いをいたします。これは五十三年度決算報告によりますと、雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったものというのが指摘事項の中で掲載をされております。この実態を見ますと、これはもちろん会計検査院の調査個所にもよりますし、いろいろありましょうけれども、二百八十三ヵ所検査したところ、そのうち札幌の公共職業安定所ほか二百五十六ヵ所で、いわゆる不正受給というのが発見されているという実態を見ますと、九割方のところで不正受給が発覚している。この実態についてはどういうふうにお考えですか。
#77
○政府委員(関英夫君) 失業給付の不正受給につきましては、ただいま先生御指摘のような状況にございますが、その内容は、就職いたしましたことを隠しまして失業給付を受けるというのがほとんどでございまして、全体の九三・五%がそういうものでございます。公共職業安定所におきましては、失業給付の適正な支給ということが最重点の項目の一つでございますが、したがいまして、事業主や、あるいは受給者本人に対します指導というようなことも、重点的に行っているわけでございますし、あるいは失業の認定申告書、あるいは就職の届けといった各種の届け書を励行させるというようなこと、あるいは労働市場センターにおきまして、給付のデータと、それから新しく雇用保険の資格を取得したデータ、就職いたしますと雇用保険の資格を取得いたしますわけでございます、そのデータとを照合するというような形で、こういった形の不正受給が起こらないように努めているところでございますが、なおかつ、こういった事例が見られるということは大変遺憾に存じているところでございます。
#78
○峯山昭範君 私は、受給者の皆さんが、大部分が悪いと言うんじゃなくて、人数の面からいきますと、大部分の人はまじめにきちっと受給をしている、そういうふうに言っていいんじゃないか。数字の面から言いますと、調査しました一万九千二百二十六人のうち、千百七十八人がこういう不正受給をしていたということになるわけでありまして、ですから受給者全員という、そういう面からはまだまじめな人が多いというふうに言えると私は思いますね。そういうふうな意味では、なおかつ厳格な調査なり、やっぱりきちっとした指導が必要になってくる。しかも、こういうふうな不正受給というのが毎年出ているんですね。これはやっぱり私は労働省の指導が実を結んでないんじゃないかということにもなってくるわけです。しかもその金額も、この資料によりますと、三億八千二百万の給付金の中で、一億一千三百万が不正受給だと。約三分の一近くが不正な受給をされているということになるわけですね。これはやっぱり非常に遺憾なことでありますし、ここら辺のところはどういうふうに日ごろ指導していらっしゃるのか。しかも会計検査院の調査はほんの一部なんですからね。そういうようなことも含めまして、これは日本全国を全部調査すると、それだけの相当の成果が出てくるということになってしまいますし、こんな面で不正受給の金額がふえてくるというのはいいことじゃありませんので、やっぱり正直者がばかを見ないような、まじめにやっている人たちがそういう面で変なことになるということにもなりますから、そこら辺のところをきちっとしていただきたいと思いますので、そこら辺のところを含めて、どういうふうに労働省としては指導していらっしゃるのか、この点もちょっとお伺いしておきたいと思います。
#79
○政府委員(関英夫君) 先生御指摘のように、確かにたくさんの受給者がおられるわけでございますが、その中でこういった不正受給というようなことがございますのは、ごく一部でございます。私ども全国的に、先ほど言いましたような方法で、不正受給の防止に努めておるわけでございますが、その中で不正受給として私どもの手で、会計検査院の検査でなく、私どもの手で摘発したものは、率といたしましては一%程度でございまして、そういう意味では大部分の方は正しく失業給付を受けておられるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういった不正受給が毎年後を絶たないというのは大変遺憾なことでございます。ただ、この不正受給がないように、私ども先ほど言いましたような形で、いろいろ公共職業安定所におきます業務の重点として進めてまいりまして、最近少しずつ不正受給の事故率といったものも減少してまいっていることも事実でございます。検査院の検査によるものを含めまして、少しずつ不正受給の件数というのは少なくなっておりますが、しかし、こういうものが毎年あるということ自体、大変遺憾なことでございます。基本的には労働者もこれは保険料を納めております。事業主と失業給付に関しては折半で保険料を納めている。まあ少しぐらいならいいじゃないかというような、安易な気持ちで就職した届けをしないという場合がほとんどで、それほど何といいますか、言葉が適切ではないかもしれませんが、悪質きわまるというようなものは非常に少ないわけでございまして、たとえば、全く事実がないのに雇用関係を偽装する、そしてもらうとか、あるいは失業しないのに全く偽装して、失業したとしてもらうとかいうような、悪質な事例は非常に少ないわけでございます。そういう意味で、十分受給者の方に、この失業給付の趣旨をわかっていただく。そして届け出を励行していただく。あるいは事業主の方にも、新しく雇用した場合には、就職の届け、雇用保険の関係の資格取得の届けを励行していただく。これを早くやっていただけば、安定所の方でそこは照合すればわかるわけでございます。そういうようなことで、できる限りこういった件数を少なくしていくように、今後とも重点的に取り組んでいきたいと考えております。
#80
○峯山昭範君 特に悪質な分につきましては、それ相応のやっぱり対応をしていただきたいと思いますし、また最近の雇用保険の収支の状態も、昭和五十二年、五十三年と赤字と聞いておりますし、そのほか四つの事業も、それぞれ収支の状態がどういうふうになっているか、一遍詳しく聞きたいんですけれども、きょうは時間の関係がありますので、これは後ほどどういうふうになっているかというのは資料で出していただきたいと思っております。
 そこできょうは、最近、雇用保険を初め雇用対策関係法に基づく各種の給付金ですけれども、これが物すごくよけいあるわけですね。それで種類そのものだけでも何か百種類近くあると、こういうふうに言われているわけですけれども、実際問題として専門家でもわかりにくいというふうに言われているわけですけれども、その中には、最近はほとんど実績のない分も幾つかある、こういうふうに聞いているわけですけれども、その実態はどうなんですか。これはあれこれ全部言っていると時間かかりましょうから、たとえば五十二、三年度実績のないそういうふうな制度ですね、どのくらいあるのかわかりますか。
#81
○説明員(守屋孝一君) これ全部申し上げますと、全部で百種類もございまして大変でございますので、一、二典型的な例を申し上げます。
 一つは住宅確保奨励金というのがございます。これは炭鉱離職者、駐留軍離職者、沖繩関係離職者、こういう方々に出る住宅確保奨励金でございますが、これはここ五十三、五十四年度ほとんどゼロに近い数字でございます。これが代表的な例でございまして、あと若干それに似たようなものもございますが、大体数としましては景気が悪いときに使われる給付金と、景気がよくなりかけたときに、雇用し始めたときに使われる給付金と二通りございますので、単にここの五十三年度、あるいは五十四年度だけを見まして、その給付金が不要であるかどうかというのはちょっと即断しかねる問題がございます。一例を挙げるといまのようなものでございます。
#82
○峯山昭範君 当然そうでしょうね。景気がいいとき、悪いとき一、二年見て、それをすぐやめろなんということにはならないと思います。それはそのとおりだと思います。
 そこで、今月の十四日に、中央職業安定審議会及び中央職業訓練審議会から各種の給付金の統合とその充実について、労働大臣に建議が行われておりますね、これは当然私はこの問題につきましては、これから社労の委員会で検討がそれぞれ行われまして、それぞれ百種類にわたる給付金等について、見直しが行われるんだろうと思いますが、これはそこら辺のところにつきましては、これからどういうふうに改善されていくのか、その見通し並びにこれからの取り組みについて、お伺いしたいと思いますし、また、当然法律の改正も必要なものも出てくるんじゃないかと、そういうふうに思っておりますんで、そこら辺のところあわせて御答弁いただきたいと思います。
#83
○政府委員(関英夫君) ただいま御指摘ございましたように、中央職業安定審議会及び中央職業訓練審議会から、各種給付金の統合及び充実についての建議を先日いただいたところでございます。
 その内容は、一つは「高齢化社会への移行に対応して高齢期における雇用の確保を図る」という観点から給付金を見直す、あるいは今後の低成長のもとにおきます「雇用情勢に対応して高年齢者、心身障害者等の就職が特に困難な者の雇用の促進」に役立つような観点で整理統合を図る。また、低成長のもとにおきます「景気の変動等に伴う失業の予防」に重点を置くというようなことを考え、そして全体を整理統合いたしまして、真に活用され、政策効果の上がるものとすべきだという観点から、具体的にいろいろな内容についての建議をいただいておるわけでございます。
 私どもとしましては、この建議の趣旨を十分尊重いたしまして、その趣旨のもとに、まず関係の法律の整備をいたさなければならないと考えております。現在そういう方向で検討中でございますが、関係法律の整備につきまして成案を得次第、またこの両審議会に御諮問申し上げまして、御審議をいただいた上で御答申を得、この国会の御審議をお願いし、そして法律制定後にまた具体的な給付金の支給の条件その他細かなことにつきまして、両審議会の御審議を経て、具体的なものを決定して、実行に移していくということで、手順は考えておるところでございますが、いずれにいたしましても、これからの社会に適応し、かつわかりやすく、十分活用されるものとするよう努力いたしたいと考えておるところでございます。
#84
○峯山昭範君 最後に大臣、この建議も見さしていただきましたし、また雇用対策関係の調査室等でまとめました資料を見ましても、この制度というのは相当ありますね。私も理解しにくいぐらいよけいあります。
 そこで、この建議の中にもありますように、各種の給付金制度ですけれども、これは当然早急に改善をして、それで受ける方もする方も、もっとスムーズにできるような体制にした方がいいんじゃないかと、そういうふうに考えておりますと同時に、それぞれわかりにくいから、またそういうようなところから不当不正ですかね、そういうような行為も生まれてくる可能性が実際あるわけです。そういうふうな意味で当然制度の改正もしなくちゃいけないと思いますし、また運用上の改善もしなければならないと私は思うんです。そういうふうな意味で、この問題についての大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
#85
○国務大臣(藤尾正行君) 御趣旨のとおりでございますので、整理を徹底的にいたしまして、そうして見やすくかつ運用しやすい、そういった体系のものに編成をし直したい、かように考えております。
#86
○峯山昭範君 それでは三番目に振動病の問題についてお伺いしたいと思います。
 これはもう特に白ろう病の問題につきましては、いろんな委員会で何回か取り上げております。そこで、私はきょうは労働一般の問題として、特に労働災害についてお伺いしたいと思いますが、労働災害というのは年間に大体百万件近く起きているらしいんです。それで、しかもその労働災害で約三千人近くの人たちが亡くなっていると、こういうふうに言われているわけですが、これは労働災害を何とかこれとめなければいけないわけです。もしも私の手元の資料が間違っていなければ、三千人近くの人たちが死亡しているなんということは大変なことだろうと私は思います。そういうふうな意味で、低成長の時代に入りまして、これだけたくさんの労働災害が発生する要因というのは一体どこら辺にあるのか、ここら辺のところについては労働省としてどういうふうにお考えなのか、初めにお伺いしておきたいと思います。
#87
○説明員(望月三郎君) 先生おっしゃるように、労働災害の発生状況でございますが、先生のお手元の資料のとおりでございまして、非常に長い目で見ますと、安全水準は向上したわけでございますが、五十一年以降若干横ばいになっておりますし、ことしに入って非常に遺憾なことでございますが、ややふえ気味という趨勢をたどっておるわけでございます。これはなぜふえるのかということでございますが、私どもは一般的に景気の上昇期にはどんどん経済活動が盛んになるから、非常にふえるのではないかというように常識的には思うわけでございますが、確かにほっておけばそういうことなんですが、しかし、昭和三十六年が労働災害の一番ピークだったわけですが、その後の日本の高度成長の中で、労働災害というのは、労働災害防止運動が非常に活発に行われた結果、むしろ減っているわけでございます。半分近くに減っておるということを考えますると、まあ景気の好・不況にそれほどやはり関係はしないのではないか、やはり災害防止をやろうという気持ちが職場において末端まで徹底すれば、災害が下がるんだということを経験上私どもは認識したわけでございますが、現在低成長でございますが、しかし、なぜ災害がやや停滞ないしはふえ気味であるかという原因について、ケースによって見ますと、やはりそこに多少の災害は生産活動をしていく上でやむを得ぬというような考えが経営者の頭の中にあるのではないかというようなこと、あるいは現場の管理者においてもそういう考えがやはりあるのではないかというような気がするわけでございます。
 そういうわけで、私どもは末端の作業者に至るまで、やはり事故は一件も起こしてはならぬという認識を喚起をいたしまして、とにかくふえぎみである災害、特に年末と、それから年度末に毎年経験上ふえております。そういった増加をできるだけ防ぐということで、大臣からも強い指示をいただきまして、現在鋭意努力をしている最中でございます。
#88
○峯山昭範君 これは大臣、もし実際問題としてこれだけの災害が起き、かつこれだけの人が亡くなっているなんていうことになりますと、当然私はいろんな問題がここであるわけですけれども、特に労働災害の中でも職業病ですね、これはもう私は、特に職業病の場合は特定の物質や、特定の機械、そんなものを使用する場合にその病気が起きる、いわゆる原因が前もってわかっているわけですね。特にそういうような場合は、当然適切な処置を講じればその病気を防ぐことができるわけですからね。ですから、そういうような意味では、当然私はそういうような職業病を発生させた事業主の責任というのが出てくると思うんですね。そういうふうな意味で、当然事業主の過失責任という問題が、これは重大な問題だと私は思うんです。そういうような意味で、そこら辺のところをやっぱり制度的にもある程度きちっとしないといけないんじゃないかという問題が一つ。
 それからもう一つは、こういうような問題は、労働省だけではこれはとってもじゃないけど、手が回りかねるということも私はあると思います。そういうふうな意味では、たとえば閣議とか、そういうところでもその実態を具体的に報告して、そして各省の大臣の認識を新たにさせるというような手続も必要じゃないかと思うんですが、この点どうでしょうか。
#89
○国務大臣(藤尾正行君) まことに残念かつ申しわけのないことでございますけれども、御指摘のとおり年間四日以上休日を必要とするというような労働被災者は百万人を超えております。また、御指摘のとおり、そのために亡くなられる方は三千人を超えておるわけでございます。こういったことが起こっておりますものの半分は、私は何でもないこと、そういった何でもないことに対する注意が散漫になりまして、たとえば高い所から落ちるとか、あるいは何か穴の中へおりていくときに事前の点検をしないとかいうように、きのう何でもなかったからきょうも何でもないであろうというような慣性のようなものが支配をいたしまして、そのようなことになっておる。本当にそれぞれの職場の管理者というようなものが十二分に毎日毎日、その職業に働きを始められるときに、そのようなことは困る、十二分に注意してもらわなきゃならぬというように、毎日毎日徹底をしておれば、必ず避けられるのではないかというような感じがいたしておるわけでございますけれども、いまだにそのようなことが徹底をされておりません。また、事実御案内のとおり、ことしの場合はまだそこまでいっておりませんけれども、このような冷害というようなことが起こりまして、出かせぎをどうしてもしなければならぬというような事態で、ふだんお慣れにならない方々が新しい仕事におつきになられるというようなときに、その安全管理の面で十二分の知識が徹底をしておらぬというようなことが原因になるというようなことがあっては大変でございますので、そのようなことも十二分に配慮をいたしておるわけであります。ただいま御指摘の職業病の中で、たとえば林業におきまして伐木をするというようなときのチェーンソーでありますとかというように、確かにこれを一日何時間ぐらい使えばどのような結果になるかというようなことの研究がすでに大半なされておる。そのような事業におきましてなおかつそのようなことが起こっておる。あるいはけい肺のように、非常に紛じんが立つというところでは、それを避けるために何をしなければならぬかというような研究もかなり進んでおるというようなところにおいて、なおかつそのようなことが起こっておるというようなことは、本当にその事業の監督責任といいまするものが十二分に行われておれば、それは確かに防げるというたぐいのものであろう、かように考えます。
 したがいまして、そのようなものにおきまして、同じような事故を起こしておるということになれば、当然その事業に当たっておりますそれぞれの事業者、あるいは事業監督者、管理者というような者に対して、相当な私は管理責任をとらせるということが必要であろうと、かように考えます。
#90
○峯山昭範君 もう時間があんまりありませんので、端的にお伺いします。
 特に白ろう病なんですけれども、いま大臣の方からも御答弁ございましたけれども、職業病の中でも非常に発生率が高いですし、非常に悲惨な実情というものを私も何回かもう目に見てきております。
 そこで、きょうは特に、その実態はどの程度、どういうようになっているかということについては、後ほど資料として出していただくこととしまして、きょうは林野庁の方もお見えになっていると思いますし、また民有林については労働省の方からお答えいただくとしまして、特に民有林の関係者の、いわゆる振動病の認定する人たちですね、認定した人たちの休業補償という、それがいわゆる支給基準の中にもありますように、休業する前の三ヵ月間の給料で休業補償の給付金を受けるわけですけれどもね。ところが、実際問題としては、その金額が非常に少ない、こういうようなことが非常に大きな問題になっているわけですけれども、その実態はどういうふうになっているのか。私が聞いたところによると、最低補償額に近い金額になっている、そういう人が多いと、こういうふうに聞いているわけですけれども、ここら辺のところの実態はどうですか。
#91
○説明員(原敏治君) 御指摘の林業労働者のチェーンソー等を使用して、振動障害にかかった者に対する補償につきましては、迅速適確に職業性疾病として認定をし、その必要な療養費、それから休業補償費等の支給をしておるわけでございますが、特に休業補償費の基礎になりますところの平均賃金の算定につきましての御指摘でございますが、林業労働者の多くは、基礎になりますところの賃金が出来高払い制で行われておりますので、その実績に基づきまして、平均賃金を算定をして支給しておるわけでございます。したがいまして、出来高が大変多かった時期に認定された場合には、平均賃金が非常に高くなっているという人もおりますし、また出来高が非常に少ない時期に振動障害の認定が行われた人につきましては、その金額が低くなっているのが実情でございます。
 法律の制度といたしましては、労働基準法上では、そのそれぞれ算定された三ヵ月間の平均賃金で休業補償を支払う形になっておるわけですが、労災保険では、特に低額の人を保護する意味で最低補償日額制度をつくっておりまして、これ以下になる人々につきましては、最低金額で補償するという仕組みになっております。
 林業の振動障害の場合に、その最低補償日額によって救済されているというような実情の人は、詳しくデータを出してはおりませんが、それほど多くはないかと思っております。
#92
○峯山昭範君 理屈はいまおっしゃるとおりだと私は思うんですよね。先ほどから話ございましたように、この林業労務者というのは日々雇用されているわけですから、日雇いですね。しかも出来高払いですから、体がよっぽど悪くならないと、国の場合とは違って特に民間の場合は、体がよっぽど悪くならないと休まないと、そういうことになりますね。その関係から、結局病気にかかっているということは知っておりながら、働かなくちゃならないという実情にあるわけです。そうしますと、病院へ駆け込む段階には、もう日常の労働の半分近くになっているわけですね。要するに一日満足に働けない、二日に一遍行く、そんな実情になってから、結局この病気の認定を受ける人というのが非常に多いわけです、実際問題としては。その関係で、いまおっしゃるように、いわゆる現在の規則でいきますと、実際に認定を受ける前三ヵ月間の平均賃金を基準にして、この補償を受けますので、最低補償額まではいかないにしても、それに近い人が多いというんですよ。そういうふうな意味で、特にこの白ろう病なんかの場合は、そこら辺の認定の基準ですね、いわゆるこの休業補償給付額のこの設定の基準というものを、もう少し何とか考え直してもらうわけにはいかないかと、それがまあ非常に私たちに対する要求というか、要望にもなってきているわけです。そういうような意味で、特に山林労務者というのは、一家の生計を支える人が多いわけですし、そういうふうな意味で、本人と家族の生活を何とか保障してあげると、そういうふうな意味でも、この算定基準というものをもう少し考えていただけないかという要望が実際問題あるわけですけれども、ここら辺の問題については、どういうふうにお考えでしょうか。
#93
○説明員(小田切博文君) ただいまの御質問の問題でございますが、労災保険の給付をいたします際の算定基礎になります、私ども給付基礎日額というふうに申しておりますが、その問題かと思いますが、白ろう病の場合には、御指摘のような問題があるわけでございます。明らかに病気で休んでおったというような日が被災直前の三ヵ月の期間にございますと、それは除外して、平均賃金、したがって、給付基礎日額を算定するというようなことになっておりますから、それはただいまのところでも除かれておるわけでございますが、御指摘のように出来高払いが多いというようなことで、知らないうちに病気が進行し、能率が低下していると、働いてはいるけれども能率が低下しているという期間が算定基礎期間に含まれているという場合に、低目に出てくるというような向きはあろうかと思います。その辺につきましては、私どももう少し実態を調べまして、何とか改善処置を検討してまいりたいと、かように考えております。
#94
○峯山昭範君 最低補償額はいま幾らでございますか。
#95
○説明員(小田切博文君) この四月から引き上げまして、二千百八十五円をただいま二千六百七十円ということに引き上げてございます。日額でございます。
#96
○峯山昭範君 二千六百七十円ですから、これ十日で二万六千円、三十日間働いたにしましても七万八千円ですか。ですからこれはもう非常に少ないわけですよね。もちろんこれ以上でしょうけれども。しかもこの問題は、白ろう病の問題質問する人がもういままで何回か取り上げてきていると私思うんです。したがって、この救済措置については、これはよほどいろんなところで腹を据えて検討していただかないといけないんじゃないかと私は思っております。そういうふうな意味で、特にこの休業補償給付額の算定基準について、やっぱり何らかの前向きな具体的な考え方、あるいはそういう措置を、ぜひこれは大臣、非常に大事な問題ですし、いろいろなあれも出てくるかもわかりませんが、これはやはりぜひ検討していただきたいと、そういうふうに思うんですがね、いかがでしょう。
#97
○国務大臣(藤尾正行君) この問題は御趣旨よくわかりますしいたしますけれども、ずっと横並びになっておることでございますので、白ろう病だけ取り上げまして、算定基準を変えるということが果たして可能なのかどうか、そういった点もあわせまして、十二分に検討をいたさせます。
#98
○峯山昭範君 もちろんそのほかの職業病もありましょうからね、これだけというわけにいかないかもわかりませんが、その実情というものを把握してみますと、要するに、特に出来高払いでいわゆる働いている人たちの実態と、並びにその後の生活の問題等も含めまして考えていきますと、どこら辺とどこら辺を検討しなくちゃならないというのは、当然出てくると私は思うのですね。もう少し白ろう病のこういう人たちの実態を明らかにしてみますと、白ろう病で何というか、一〇〇%全部休んでいるというときに受ける給付金というのは、当然一ヵ月分、三十日分ぴちっと受けることできるわけですけれどもね。特に全治とはいかなくても、大体治ったということで、いわゆる週に二日通院しなさいというふうになった場合に特に困る、こういうように私の手元に陳情にも来ておりますし、いわゆる週二日ということになりますと、一ヵ月間では八日間しか支給はないわけですね。そうしますと、実態として、それじゃその以外の日は山へ行ってチェーンソー使って、あるいはそれ以外の仕事ができるかというと、実際はできないんだそうですね。そういうことを考えますと、特にそこら辺のところが実態になっていることから、もう非常に生活そのものが大変な実情になってくると、そこら辺のところについては、労働省としてはどういうふうにお考えなのか、これはどうでしょうか。
#99
○説明員(原敏治君) 労災給付の中での休業補償給付につきましては、労災保険法の規定、またその母法でありますところの労働基準法の規定がございまして、それによりますと、業務上の疾病によって療養するために、労働することができない場合に、休業補償給付を行うと、こういう形になっております。したがいまして、疾病が治癒したり、あるいは軽作業について働いてよろしいというようになった者につきましては、この休業補償給付を保険法のたてまえからして行えないという形になってくるわけでございます。
 振動障害患者の場合に、確かに山村でございますし、振動業務につきましては、軽作業可となった場合でも、やはりなるべく回避して、ほかの、振動以外の仕事をしてもらう必要があろうと、そういうような制約がございますので、なかなか就労の機会が狭められているということがございます。また、山村でございますので、なかなかむずかしいという点がございますので、私どもこういう人々の就労機会の確保につきまして、関係の事業主の団体や、あるいは市町村あるいは林野行政機関、あるいは職業安定機関と十分な連絡をとりまして、就労する方途につきまして、具体的に個々の事情に応じて、対策をとっていくこととしているところでございます。
#100
○峯山昭範君 それは実際問題としては、白ろう病だと、振動病にかかっているというふうなことが少しでも雇用主にわかったりいたしますと、もう全然雇用しないわけですね。ですから本人はもう白ろう病にかかっているんじゃないか、あるいは振動病にかかっているんじゃないかということがある程度わかっていても、実情はぎりぎりいっぱいまで働くというんですね。ですからもう白ろう病にかかって病院へ入院しなくちゃならないという時点では、大体の人がいわゆる重症だというんです。もちろん中には軽い人もいるでしょう。しかもそういう人たちが病院で治療をすると、もちろんもう出来高払いですから、その実績もだんだんだんだん、一番元気なときよりも減ってきておる、したがって算定基準も低い、そして、そんな中で今度は入院をして、少しはよくなって、それじゃということになって働けるかというと、実際問題としては働けない。私に陳情した人なんかは、もう生活保護を受けて暮らしていくか、あとは一家心中する以外ないということを言っている人もおりました。そういうようなことを考えてみますと、これは当然私は、振動病の場合は、特に認定患者の場合は、非常に重症の人が多いわけです。しかも、外から見て非常に元気な姿をしておるわけですね、わからないわけですね。それだけにこれは、サボってんじゃないか、サボタージュじゃないかということとの見分けがつきにくいということもあるでしょう。しかしながら、実態はもう非常に苦しい状態にあるわけです。そういうふうな意味で、私は特に雇用保険法の適用も実際問題としていろんな問題で適用ができないというところもありますし、またいわゆる使用者との雇用契約というんですかね、これも非常にきちっとしてない人が多いわけです。
 そういうふうにずっと一つ一つ見てまいりますと、何というか、一回白ろう病にかかってしまうと、その仕事はもう無理というふうなことにもなってしまいますので、そこら辺のところも全体に含めまして、こういう人たちの生活の実態というものを、当然これは国の方の林野庁との関係もあるわけです。私はきょうは時間ありませんから、国の方は余りできませんけれども、国の方の対策は案外進んできているわけですね。そういうふうな意味では、民間の方がもう相当おくれているという実情にもあるわけです。また民間の方が非常に過酷な実情にあるという実態にもあるわけです。そういう点も含めまして、特にこの振動病の対策について、いろんな見直し等も含めまして、こういう人たちの救済のために、それ相応の対策をやっていただきたい、このことを最後に大臣にお伺いしておきたいと思います。
#101
○国務大臣(藤尾正行君) 仰せごもっともでございますので、林野庁とも相談をいたしまして、できるだけのことはやってみたい、かように考えます。
#102
○委員長(野田哲君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後三時四十分まで休憩いたします。
   午後一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十一分開会
#103
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和五十二年度決算外二件を議題とし、労働省の決算についての審査を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#104
○柄谷道一君 わが国における平均寿命の伸長は著しいものがございます。労働人口の高齢化は、欧米諸国の三倍から四倍のスピードで進行しております。加えて、緩やかな改善が見られる最近の一般雇用失業情勢の中にありましても、高年齢者の雇用失業情勢は、その有効求人倍率が〇・一程度に低下したまま低迷いたしております。その情勢はきわめて厳しいと言わざるを得ません。しかも、高齢者で就業を望む多数の方々の求職目的は、働かないと生活に困るためとする者が大部分を占めております。情勢は深刻と言わなければなりません。こうした高齢化社会の展望と、現実の社会的要請に対応した適確な労働行政の推進が急務であり、とりわけ高齢者に就業の場を確保し、安定した職業生活を送れるような対策を確立することは、現在職業を求めている高齢者対策として必要なばかりでなく、いま壮年期にある労働者が、自分の将来における職業生活を念頭に置きつつ、必要な準備ができるようにするという意味からもきわめて重要であろうと思います。
 まず、高齢化社会に対応する労働政策に取り組む労働大臣の基本的方針をお伺いいたしたいと存じます。
#105
○国務大臣(藤尾正行君) これは何回も申し上げておるわけでございますけれども、御案内のとおり、私どもの寿命の伸びといいまするものと、出生率の低下といいまするものが同時に進行をいたしておりますために、私どもが経験をいたしております高齢化社会といいまするもののスピードが非常に加速をされておりまして、そのため、私ども労働省といたしましても、この要請を受けた的確な対応が実は全く残念なことながら従来できていなかった。率直にこの点は私ども認めまして、おわびを申し上げなければならぬ、かように思っております。しかしながら、いずれにいたしましても、ともかく、この高齢化といいまするものは、必然的に定年の延長でございますとか、あるいは年金とのドッキングとかいうような問題を伴うわけでございますけれども、そのいずれもが、御案内のとおり、世界的にいま流動をいたしておりまして、私どもがただいまやっておりまするように六十歳の定年制度というようなものを実現をいたしましても、そのときには年金の原資が高齢化の年金受給者の全部に対応できないような状態になっておるというようなことでは困るわけでございます。そこで、こういったものを相連携をした一つの問題と考えていかなければなりませんし、それに対します高齢者の方々の御就業といいまするものも、六十歳定年をいま言っておるから、六十歳まで働けばいいんだということではないわけでございまして、仰せのとおり、働く能力さえ持っておられれば、六十二歳であろうと、六十五歳であろうと、六十七歳であろうと、お働きを願わなければならぬ、そういうことになってまいりましょうと思います。したがいまして、すでに今日から、私どもの労働行政の対応といいまするものも、そちらの方に目を向けておきまして、とりあえず、当面の問題に全力を挙げるとともに、長期的な視野に立っての対応をこれから考え、そうして一貫した一つの労働行政の中に、そういった展望を当てはめていきたい、かように考えておるわけでございます。いろいろございますけれども、これは逐次お答えさせていただくといたしまして、全般的な基本姿勢ということでございますと、さようなことであろうと思います。
#106
○柄谷道一君 労働省は、いま大臣が御答弁になりましたように、高齢者対策の中心として定年延長を進めておられます。しかし、労働省発表の数字によりましても、まだ六十歳定年制は十分に定着したものと言えないことは御案内のとおりでございます。
 そこで、労働省がいま進めておられます昭和六十年六十歳定年、これに向かって現実は着実に前進していると評価されているのかどうか。また、昭和六十年までに、その目標が完全に達成されるという確信をお持ちかどうか。その根拠を含めて御説明願いたいと思います。
#107
○政府委員(関英夫君) 本年一月現在の労働省で行いました雇用管理調査によりますと、先生御指摘のように、五十五歳定年制というのがまだ三九・五%ございます。六十歳以上の定年制が三九・七ということで、五十五歳定年を上回ったというのは、この調査で初めてでございます。また、そのときあわせて行いました、今後二年程度の間に改定を予定しているところ、改定を検討中のところを加えますと、二年程度ぐらいの間に、五十五歳定年は三二・三%に減り、六十歳以上の定年が四七・五%というふうに、半分ぐらいに達するだろうということもあわせて調査されておりますか、この数字をもってしては、まだまだ十分と言い切れないことは先生御指摘のとおりでございます。ただ、昨年秋の鉄鋼、あるいは私鉄関係の労使間の定年延長に関する合意、こういうものが一つのきっかけになりまして、この一月一日現在の調査以降、ことしの春季の労使交渉、いわゆる春闘におきまして、先生御承知のように、繊維とか、化学の一部とか、電力とかいうようなところで、定年延長が合意されてまいりましたし、また、その後も、この秋にかけまして、都市銀行とか、大企業中心に、もはや六十歳定年というのは私は社会的コンセンサスを得つつある、今後、こういった各分野におきます労使の合意というものは、従来とかくおくれがちであった金融関係も含めまして、この秋大分進展が見られましたので、私は大きな流れとして進んでいくんではなかろうかと思います。そういう意味で、昭和六十年度までに六十歳定年を一般化するという、昨年夏の第四次雇用対策基本計画の政府の立てました目標に向けて、私は、それをより一層確実なものとするために、今後政府としてさらに努力を重ねていきたい、こういうふうに考えております。
#108
○柄谷道一君 いま局長が答弁されたわけでございますが、私たちは、他の野党とともに六十歳定年の法制化を求めておるところでございますが、労働省は終始一貫して行政指導により六十歳定年を実現させる、こういう方針をとっておられます。いま局長答弁のとおり、あと二年ぐらい先においても六十歳以上の定年制をとるところがその半数に達するかどうかという程度の見通しでございます。私は、法制化によらず、六十歳定年制をより確実に推進しようとする場合、少なくても現在地方ごとに実施しております定年延長研究会をさらに拡充いたしまして、きめ細かな事業主への指導と、これに対する援助を強化する必要があるのではないか。それなくして、いま局長答弁にありました、六十歳定年を昭和六十年に一般化するという目標を達成することは、はなはだむずかしいのではないか、こう思いますが、いかがでございますか。
#109
○政府委員(吉本実君) 定年延長を促進いたします場合に、その前提となりますわが国で広く行われております年功的な賃金、退職金制度、これを見直す必要が、場合が多いと、こういうふうに考えられます。そこで、労働省といたしましては、本年度からただいま委員御指摘のように、各都道府県の労働基準局ごとに、地方企業を構成員といたします定年延長研究会を設置いたしまして、定年延長の阻害要因の大きな要素であります年功的な賃金、退職金制度に関するいろんな企業の自主的な努力に対しまして、指導援助をしようと、こういうことで行ってきておるところでございます。また、この定年延長に関する各界の関心の高まりとともに、企業におきましてもこの研究会への参加意欲が非常に旺盛でございますので、これに対応して、来年度におきましてもさらにこれを拡充しながら、この研究会を推進してまいりたいと、かように存じている次第でございます。
#110
○柄谷道一君 地方ごとの定年延長研究会や、また各企業において賃金や人事管理の見直しに取り組みつつあるということは現実であろうと思います。しかし私は、こうした問題はこの定年延長というその視点からだけではなくて、本格的な高齢化社会の到来に備えて、賃金や人事管理はもちろん、退職金制度のあり方、財産形成制度のあり方等につきまして、抜本的な検討を行い、高齢者が充実した職業生活が行える体制をつくり上げていくことが急務ではないかと思うのでございます。この点に対する所感をお伺いいたしたいと思います。
#111
○政府委員(吉本実君) 高齢化社会におきますただいま先生お述べになったいろいろな要素というものにつきまして、いろいろ検討を進めていくということは大変大事なことでございます。特に、退職金制度の役割りなり、機能も、高齢化社会に伴いましていろいろ変化するというふうに考えられますので、現在、労働省におきます賃金研究会におきまして、この点についての御検討をお願いしているところでございます。また財形制度につきましても、高齢化社会への進展だとか、あるいは経済基調の変化、こういったようなものを体しまして、財形の基本的なあり方について、これも勤労者財産形成審議会の基本問題懇談会におきまして、いろいろ多元的な御検討をお願いしているところでございます。労働省といたしましては、こういった検討の結果を踏まえまして、積極的にこの問題に対して、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
#112
○柄谷道一君 ただいま御答弁になりましたその検討の目途ですね、いつごろに置いておられますか。
#113
○政府委員(吉本実君) それぞれの研究会におきまして現在検討を進めておりますが、これの結論が予定より若干おくれておりますが、来年度に向けましてこういった内容の御決定をいただけるものと、それを踏まえまして、私ども、それに対しての対応を考えていきたいというふうに思っております。
#114
○柄谷道一君 さらにそのような六十歳定年を前提とした検討が行われているわけでございますけれども、わが国におけるこの高齢化の波というのは、次第に六十歳代前半層に移っていくと、こう思われるわけでございます。したがって、いまから六十歳前半層の雇用対策を確立をいたしまして、これに対応していくということがまた労働行政のあり方としてきわめて緊要ではないかと、こう思われるわけでございますが、お考えをお伺いいたします。
#115
○政府委員(関英夫君) 御指摘のとおり、高齢化の波は、昭和六十年を過ぎますと、六十から六十五歳未満の層が急激にふえるということになってまいります。そういう見込みを踏まえまして、昨年夏閣議決定いたしました第四次雇用対策基本計画におきましては、当面六十年までに六十歳定年を一般化する。と同時に、六十年以降六十歳代前半層が急激にふえることに備えて、この計画期間中から六十歳層前半の対策を充実していくべきであるというふうに指摘しているわけでございます。具体的には、六十歳代になりますと、一律定年延長というわけにはなかなかいかない。そういう面を踏まえまして、定年延長できるところはもちろん定年延長、あるいはむずかしいところは再雇用、勤務延長等を含む形での実質的な雇用の延長に努める。あるいは六十歳代層になってまいりますと、非常に多様な就業ニーズが出てまいります。そういうような、必ずしも常用雇用でない、短期臨時的な仕事のあっせんというようなものも考えていくべきであると、こう決めておるわけでございまして、そんなところに基づきまして、本年度からシルバー人材センターというようなものに対する補助金制度もとったところでございます。いずれにいたしましても、六十歳定年を一層確実なものとする努力をすると同時に、六十歳前半層への雇用対策を、今後さらに強めていかなければならないと考えておる次第でございます。
#116
○柄谷道一君 六十歳代前半層についてのただいまの御答弁につきましては、一応の評価をするものでございますけれども、私はその際留意すべきは、多くの問題があるんですが、その一つとして、作業施設や設備を改善しさえすれば、体力の老齢化に伴う低下をある程度補完しつつ、高齢者の知識や経験を十分活用できるという例が少なくないのではなかろうかと、こう思います。私は、労働省は事業主のこのような努力を促進するし、かつ刺激するという意味において、援助制度、たとえば高年齢者職場環境改善融資制度や助成制度、こういった手段を早急に講ずる必要があると思うものでございますが、御見解をお伺いいたします。
#117
○政府委員(関英夫君) ただいま先生御指摘のような問題は、六十歳定年を実現するためにも必要だという意見が出されております。現在、雇用審議会で定年延長について、その阻害要因を関係労使からいろいろヒアリングをしたりして御審議を願っております。その中でいろいろな阻害要因がありますが、その一つとして、やはり高齢者になると体力が落ちてくる、そういう意味で高齢者の職場というものに企業によっては困難がある。日本の雇用慣行を考えます場合に、いままで長年勤めてきた企業で、さらに雇用が継続すれば一番これは望ましいわけでございますが、そういった際に、ただいま先生御指摘のような形で職場を改善して、高齢者でも十分作業ができるようにするという必要がある、それに対して政府が何らかの形で助成を考えてほしいというような意見は、労使双方からあったわけでございます。そういうようなものを踏まえまして、私ども、たとえば先生御指摘のような制度を今後実現していくことが、定年の延長、あるいは六十歳代前半層の人の雇用延長、雇用の確保に非常に重要なことになろうかと思いますので、何とかそういったものの実現を図りたいというふうに考えているところでございます。
#118
○柄谷道一君 大臣、ただいま局長の申されました件は、高齢化社会に対応する一つの有効な手段として、労使挙げて強く求めているところでございます。財政難の時期でございまして、いろいろ大蔵当局からは意見が出てくることと思いますけれども、ぜひ大臣の方として積極的に、そうした援助制度の創設というものについて、御努力を賜りたいと、こう思います。大臣、いかがです。
#119
○国務大臣(藤尾正行君) いたします。
#120
○柄谷道一君 そういう手段と相並行いたしまして、私は、在職中の中高年齢者が、企業の中で活力を失わずに、その能力を有効に発揮する。さらに、定年退職した高齢者が再就職をしたり、生きがいを持って生活を送る。そのためには、能力再開発のための訓練というものがますます重要視されてくると思うわけでございます。
 教育を取り込んだ生涯教育訓練体制の確立につきましては、五十五年七月三日、労働大臣の私的諮問機関であります、日本人の職業生涯と能力開発を考える懇談会が、大臣に対して提言を行っておるところでございます。その中におきましても、重要性が大きく指摘されておるわけでございますけれども、職業訓練行政の立場から、どのような取り組みをされようとするのか、お伺いいたします。
#121
○政府委員(岩田照良君) 日本人の職業生涯と能力開発を考える懇談会が、先生いま御指摘のように七月に報告書を出しました。その報告書の中におきましては、高齢化社会を迎えるに当たって、中高年者の生きがい働きがいを確保するために、能力開発をやる必要があると。特に、在職中の中高年齢者が企業の中で活力を失わずに、その能力を発揮するように、あるいは引退後の高齢者が生きがいを持って活力のある老後を送るということは、個人のためだけでなくて、社会全体のためにも必要だと、こういうふうな指摘がなされまして、職業生涯全体にわたって、職業能力の開発向上を努力しろという趣旨の報告がなされているわけでございます。
 こういった報告書を受けまして、ちょうどただいま第三次の職業訓練基本計画の策定作業をやっているところでございまして、中央職業訓練審議会におきまして、いろいろ御審議をいただいているわけでございますが、その中でいろいろこういった報告書の趣旨を体しまして、訓練計画の内容を樹立していきたいと思っているわけでございますが、いま先生御指摘の、当面、在職中の中高年労働者の問題といいますのは、きわめて重要な問題だと思っております。この間、訓練審議会から建議がございまして、給付金等の統合、充実につきましての建議がございました。その中でわれわれも対処していこうと思っておりますのが、その民間の企業におきます中高年齢者の能力開発の充実、向上というところに重点を置いて考えていけという建議でございますので、その趣旨に沿って十分考えていきたいと思っているわけでございます。特に、在職労働者につきましては、恒常訓練がやはり一番大切でございますので、年齢その他の段階的なものに応じまして、体系的に訓練をやっていくということで、民間委託の問題、その他をあわせて考えまして、十分の対策を考えていきたいというふうに考えております。
#122
○柄谷道一君 いまも答弁があったところではございますけれども、私は、生涯雇用保障政策の一環として、中高年齢者の職業訓練制度を考える場合、現行制度では多くの見直しを図らなければならない点が山積をしておると思うのでございます。
 列挙をいたします。たとえば公共職業訓練が生涯訓練体系の中でどのような訓練ニーズに対応し、どのような役割り分担を果たすのかという位置づけの明確化も必要であろうと思います。また、公共職業訓練と、民間の専修、各種学校や、民間企業の教育訓練機関相互間の有機的な連携を体系的にどう組み立てていくのか。必要によっては多様な職業紹介の長期モデルの策定も必要であろうと思います。
 第三には、職業訓練分野における訓練職種の開発、拡大、訓練内容の技術革新に対応した充実等の整備拡充の問題がございます。
 第四には、職業情報提供システムの確立の問題がございます。
 第五には、公共職業訓練施設に対して、職業紹介の権限を付与してはどうかという問題もございます。
 第六には、いまも答弁にございましたが、恒常訓練や能力再開発訓練の拡充という問題がございます。
 七番目には、非常にスピードがおくれております高等職業訓練校の技能開発センターへの転換の促進という問題もございます。
 八番としては、定時制訓練の実施、訓練施設のオープン化という問題もございます。
 九番としては、在職老齢者に対する教育訓練受講機会の拡大と奨励。このための有給教育訓練休暇制度の制度化ということも必要でございます。
 さらに、認定職業訓練実施事業所に対する税法上などの優遇措置の拡大。そのほか、訓練指導員の資質の向上、訓練設備の近代化と訓練教材の確保、人材カレッジの有効活用、技能検定職種の拡大と検討の多段階化等多くの問題が山積をしておるわけですね。
 私は、このような現状を考えますときに、ただいま審議会でも慎重検討中だということでございますけれども、この高齢化社会に対応して、現行の訓練制度そのものに対する根本的な見直しと、新しい体制の確立というものが急務であり、それが冒頭、大臣の述べられました、新しい時代に対応する職業訓練行政ではなかろうかと、こう信ずるものでございますが、御所見をお伺いいたしたい。
#123
○政府委員(岩田照良君) 先生御指摘のように、高齢化社会を迎え、また、産業構造の変化、それから技術革新の進展、そういった社会経済情勢の変化は非常に急速でございます。そういったものに対しまして、公共訓練というものが必ずしも機動的に十分いままで対処してきたかといいますと、残念ながらそういった面で努力に欠ける面が、うらみがないわけではございませんでした。しかし、今後におきましては、いま先生御指摘のいろいろな問題につきまして、これから十分考えていかなければなりませんが、やはり民間企業におきます労働者の、あるいは特に中高年の人たちの訓練というものを、どのようにそれを体系づけていくかということについて、今後考えていくことが非常に重要ではなかろうかと思います。
 それとあわせまして、そういったものに対応しながら、民間と公共との関係がうまくかみ合って、全体として中高年齢者を中心として、労働者の職業能力の開発、向上ということに努力していかなければならないというふうに考えております。
#124
○柄谷道一君 私は、ただいま幾つかの問題点について指摘を行ったわけでございますが、それらの実施にはやはりある程度の時間も要すると思うわけでございます。いま、局長答弁のような方向に沿って、早急にその体制が確立されることを期待するものではございますけれども、当面、少なくとも私は労働省が進めているシルバー人材センター、これをさらに拡充して、その中で能力開発の機会を持つことができるようにしていくということ。また、中央能力開発協会が、本年十一月から試行的に設備、運営する人材カレッジでございますけれども、私、その案内を見ましたところ、二十五講座が企画されているわけでございますけれども、その中で、シルバープラン関係の講座は別として、二十五講座中十二講座がすでに民間のカルチュアセンター等で実施されております趣味、教養、娯楽的なものであるというふうにこのパンフレットを見て感じたわけでございます。私は、中高年齢者の能力開発に真に役立つというものにするためには、この講座内容そのものについても、さらに充実した検討というものが必要ではないかと、こう感ずるのでございますが、いかがでございますか。
#125
○政府委員(関英夫君) 御質問の前半にございました、シルバー人材センターについてお答え申し上げたいと思います。
 先ほどちょっと申し上げましたように、このシルバー人材センターは、もはや常用雇用として働くことは無理だけれども、短期的、臨時的な仕事で地域のお役に立ちたいというような、高齢者の自主的な団体に対して仕事のお世話をする、そういったことに対する補助金を出すと、こういう制度で設立を図ったものでございますが、現在八十二団体が発足しております。年度末までには約百団体になろかと思いますので、来年度におきましても、これのさらに拡充を図っていきたいと考えております。
 地域では、非常によい制度だということで、好評であるところが多いと聞いておりますので、何とかこの数をさらにふやしていきたいというふうに考えておりますし、その際、高齢者は自分の能力を登録しておくわけでございまして、それに合った仕事があると、それをあっせんしていただくと、こういう仕組みになっているわけでございますが、先生御指摘のように、地域のニーズに合った仕事ができるような能力開発をしていくことも、非常に重要な仕事だろうと思いますし、団体の方からそういう要望もございますので、来年度そういった面への助成、そういうことにも取り組んでいきたいと考えているところでございます。
#126
○政府委員(岩田照良君) 先生いまの御質問の後半の、人材カレッジの関係でございますけれども、この人材カレッジは、中央職業能力開発協会がこの十一月から発足したものでございますが、その目的といたしましては、労働者が高齢になっても企業内で十分働けるような、そういった能力を与えていくということと、あるいは、定年後の再就職を容易にするために、いろいろな講座を用意するということが大きな目的であったわけでございますが、当面、先ほど先生御指摘のように、二十五講座で発足いたしましたが、この半分近くが趣味的なものではないかという御指摘でございますが、この事業が補助事業として行われるものでもございまして、施設の有効利用といいますか、そういった面で、こういった講座も設けてきたわけでございますけれども、せっかく設けました人材カレッジの目的というものにかんがみまして、今後とも、先生御指摘の趣旨に沿いまして、高齢者の能力開発というものに関する講座というふうなものを積極的に導入していきたいというふうに考えております。
#127
○柄谷道一君 私はただいままで、高齢者の職業開発は高年齢に達した後に行うという発想ではなくて、若いときから職業生涯を見直しつつ計画的に進めていく、そういう体制づくりが何よりも必要であろうと、こう思うのでございます。ただいままでの私の指摘に対する労働大臣の総括的な御見解をお伺いいたしたい。
#128
○国務大臣(藤尾正行君) 先生の大方の御主張といいまするものは、私が考えておりますことと同じでございますが、ただ一つ申し上げたいと思いますのは、いま御案内のとおり、非常におかげさまで長寿が達成されつつあるわけでございますけれども、そのことは、私どもの健康、体力といいまするものも、それ相当に長もちをしてきたということでもあるわけでございます。したがいまして、もういままでのように、五十五歳になると定年になり、六十歳になると老人になるというような一般的な考え方でなしに、六十歳を過ぎましても健康が維持される、ふだんからそのような努力もそれぞれの職場においてやっていただかなきゃいけませんし、同時に、やがて来るべき職業的能力の低下ということに備えまして、十分に事前からそれに対する対応策を考えていくということは、御本人のためにも必要でございますし、また、企業の側面からいいましても、そのような対応を早くからしでいただいて、そうして、十二分にその先のことまで責任を持っていただくというような心組みが非常に大切であろうと、かように考えます。また、私ども、制度上でやるべきことは、まあシルバー人材センターでありましょうと、あるいは人材カレッジでありましょうと、あらゆる考えられることを全部駆使いたしまして、そうしてその対応に万全を期していく、当然のことでございますから、そのように措置をさしていただきたい、かように考えております。
#129
○柄谷道一君 それにいたしましても、行政指導で仮に昭和六十年、六十歳定年制が実現されたとしても、年金の支給開始年齢と連動しつつ、定年年齢を六十歳前半期まで延ばしていくということは、これは言葉で言うのは容易でございますが、大変なことであろうと思うのでございます。私たちはそのために定年延長の法制化を求めておるところでございますけれども、もしその方法を政府がとらないとした場合においても、たとえば高齢者雇用保障臨時措置法的な一つの法律をつくって、定年延長奨励金制度の年次的強化、拡充、定年延長促進協議会の企業内における設置の義務化など定年引き上げの促進、中高年齢者の雇用開発給付金制度の拡充、高齢者雇用率制度の強化など、一連の雇用保障体制というものをさらに拡充していく必要があるのではないかと、こう思うのでございますが、そのようなお考えはお持ちになりませんか。
#130
○政府委員(関英夫君) 高齢者の雇用を促進いたしますための諸制度、あるいはいろいろな給付金制度、そういったものを今後六十歳前半層に対する施策として、重点的に活用していくというようなことは、審議会の建議等もございましたし、私どもあらゆる手を尽くしていきたいと思っておりますが、法制化問題につきましては、先生御承知のように、現在、雇用審議会に、立法化問題を含めて意見を問うという形で諮問いたしております。雇用審議会は非常に精力的に御審議いただいておりまして、近くその中間的な報告もいただけると、こういうようなことでございますので、法制化問題につきましては、その報告を待って、十分検討していきたいというふうに考えております。
#131
○柄谷道一君 次に、労働時間短縮の問題でございますが、まあこの問題は、省エネルギーや、貿易摩擦を避けるための国際協調という観点からばかりでなく、高齢者の健康や活力を維持するという面からも、きわめて重要であろうと思うのでございます。労働者は労働時間短縮推進計画を策定して、計画的に時短を推進する考えをお持ちのようだと考えますけれども、私は、単に計画を策定するだけで労働時間の短縮を実現することはむずかしいと思うのでございます。推進計画に沿って時間短縮が進んでいるかどうか、これについて的確なフォローアップを行い、実効を期すという体制が伴わなければならないと思います。この点に関しても詳しく御質問いたしたいところでございますけれども、制限時間の関係もございますので、その推進計画策定の基本的なお考えと、これに対する、フォローアップに対する労働省のお考えをお伺いをいたしまして、通告いたしました質問大分残っておりますけれども、私の質問を終わりたいと思います。
#132
○政府委員(吉本実君) 先生御承知のように、労働時間の関係につきましては、昨年の新経済七ヵ年計画、あるいは第四次雇用対策基本計画におきまして、昭和六十年度までに、週休二日制を含め、労働時間の水準が欧米の先進国並みの水準に近づくよう努める、こういうことに相なっているわけでございます。労働省といたしましては、この目標に向けまして、労働時間の実情、あるいはわが国の特有の雇用慣行、こういったようなものを勘案しつつ、段階的な改善を図っていかなければならぬ、こういうことで、そういったようなことを内容にいたしましたいわゆる推進計画、推進プログラムといったようなものを現在検討中でございます。できるだけ早い機会にこの計画を策定いたしたいというふうに考えているわけでございますが、こういった計画を軸としながら、積極的に時間短縮の行政指導を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、特に中央、地方におきます業種別会議、あるいは企業を集めての集団指導、個別の監督指導といったようなことを通じて、積極的な対応を図ってまいりたいというふうに考える次第でございます。
 また、時間短縮を進める場合には、やはり広く国民一般の御理解も必要でございましょうし、そういったPR活動にも努めてまいりたい。
 また、労使間におきましても、この問題についての問題をさらに積極的にいろんな交渉、あるいは折衝の場に用いるような傾向も出ております。そういった点も助長しながら、時間短縮の方向に向けて、積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#133
○近藤忠孝君 最初に、労働保険特別会計労災勘定についてお伺いしますが、昭和五十年以降五十四年までの年度別歳入決算額と、歳出決算についての御報告をいただきたいと思います。
#134
○説明員(原敏治君) 労災保険特別会計の歳入関係、年度別の歳入関係でございますが、保険料収入のほかに、前年度の繰越金等を入れまして、それぞれの年度におきまして歳入額を申し上げますと、五十年度が七千三百五十六億でございます。収入面でございますが、五十一年度が七千七百一億、それから五十二年度が八千六百二十五億です。五十三年度が九千四百四十八億、五十四年度が一兆百四十億の歳入になっております。
 それから、保険給付費を中心としますところの支出の方の関係を合計で見てみますと、五十年度は三千七百八十二億でございます。五十一年度は四千五百五十五億でございます。五十二年度は五千六百七十二億、五十三年度が六千五百三十八億、五十四年度が七千十億になっております。
#135
○近藤忠孝君 歳出に比べて歳入の方が大変多いので、ゆとりのある運用をしていると思うんですが、この数字の意味するところについては、これはまた別の機会に検討したいと思うんです。
 きょう私はこの事実を前提にいたしまして、労働基準監督署の現場で実際起きております問題についてお伺いしたいと思います。言うまでもなく労働基準法、労災法の基本精神が、労働者の保護にあるということは間違いないと思うんですが、実際現場で、あるいは労働省の方の指導の問題として、そのとおりに運用されているかどうか、これは問題だと思うんです。
 そこで、具体的に労災保険の問題ですが、労災保険給付の支給、不支給の決定、この行政処分というのは、本来労働者のために公正、明朗な手続で行われるべきだろうと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#136
○説明員(原敏治君) 労災保険の給付請求につきましては、それぞれ迅速に、的確に判断をいたして給付することといたしております。特に問題のございます職業性疾病の問題につきましては、専門家から成る専門家会議の結論を得まして、医学的な側面で十分検討していただいた結論に従って、斉一的な基準で、全国斉一的に、迅速に決定するようにいたしておるところでございます。
#137
○近藤忠孝君 私がこれから問題にしたいのは、この処分の手続の過程において収集、作成される文書です。
 前提としてお伺いしたいのは、この文書というのは、一つは処分をするための資料とするということ、それからもう一つは処分をなすための手続が適正、公平になされることを担保する、そのために法令上収集するものである、こう聞いてよろしいでしょうか。
#138
○説明員(原敏治君) 労災保険給付の決定に関連いたしまして、各種の資料収集をいたしますが、これは関係事業場あるいは関係労働者等の供述なり、申し立てと、それから医学的な面に関しましては、医学的な専門家の見解を取り寄せること、あるいは災害の発生をしました実情等を監督官または調査官等が調査した資料、そういうものによって、客観的に業務との因果関係が認められるかどうかという観点からの判断を行うために、必要な資料を収集しておるところでございます。
#139
○近藤忠孝君 この文書につきまして、これは内部的自己使用の目的のためのみの文書であると、こういうことが時たま言われるんです。しかし、私思いますのは、たとえば処分に対して不服申し立て、あるいは行政訴訟などがあれば、当然決定の当否を判断する資料として、これは請求者のために公開利用されますね。となれば、私はこれはそういう点では、審査の対象とされるという点では、単なる内部的自己使用の目的のみの文書ではない、こう考えるんですが、その点いかがですか。
#140
○政府委員(倉橋義定君) 労災保険法の給付のために収集いたします資料等につきましては、法律に基づきまして給付の適正な手続を行うために徴取するものでございます。したがいまして、その適正な給付のための内部的資料でございます。ただ、いろいろその給付の決定に当たります処分につきまして、請求者の方から不服等があれば、それはもちろん行政庁といたしまして、しかるべき手続の中で提示をするということはあるわけでございます。
#141
○近藤忠孝君 そこで、大臣に御認識いただきたいんですが、実はこれ労働者のために作成される文書でありながら、実際労働者が利用できないという面がこれはしばしばあるんです。たとえば、これは労災保険給付のほかに、労働者が慰謝料請求など損害賠償請求の裁判などを起こした場合に、当然その作成した文書が問題になるんです。ところが、最近は、ほぼ原則的にこの文書提出を拒否する例が大変多くなっておるんです。
 ここでお伺いしたいのは、この拒否をする態度が労働省の方針なのかどうか、これを伺いたいと思うんです。
#142
○政府委員(倉橋義定君) 先ほど申しましたように、労災保険の給付のため必要により集めた資料でございます。したがいまして、私どもその資料の使い方につきましては、その資料の収集の目的の範囲内で使うということでございます。したがいまして、それ以外の場におきましての提供等につきましては、原則といたしましてないということにいたしております。
#143
○近藤忠孝君 すると、しないという根拠ですね、法律上の。それについていままで、一つは公務員としての守秘義務がある。だからこれは提出しないと言っておったんです。しかし、大体本人がそれいいと言っておるのにおかしいじゃないかというようなことが問題になり、かつ守秘義務の範囲がどんなものかということが問題になって、最近ではそのことは根拠にしてないと、こう思うんです。
 それからもう一つは、公正、中立に反するというようなことを言われておるんですが、これらのことも現在も提出しない根拠にしておるんでしょうか。
#144
○政府委員(倉橋義定君) 守秘義務にするかどうかということは、その前提といたしまして、なぜ公務員がそれに対して守秘の義務を負わなくちゃならないかという前提があるわけでございます。したがいまして、私ども資料を提出しないという方針に基づきまして、それをみだりに外部に出してはならないというのは、公務員としての守秘義務に当たるわけでございます。そういう点では、必ずしも並列的な関係で、守秘義務と公正中立を阻害するというようなことでいままで言ったわけでございません。なぜ守秘義務にしているかといいますと、一つには公正、中立である監督機関等の立場におきまして、これを行政目的以外に使うことによりまして、社会的信頼を失うということがあっては、今後の行政遂行にいろいろ支障があるわけでございます。したがいまして、そういう立場から部外に出すということについては、原則として行わないというような態度で来ているわけでございます。
#145
○近藤忠孝君 要するに行政目的のために収集したものだから、その目的以外に使うと社会的信用を失うというところが一番の根拠であろうと思うんです。
 ところが、実際出すか出さぬか問題になっております文書を具体的に指摘をしますと、一つは症状についての診断書。これはまさに医学的な検査成績ですが、これは客観的事実と、それに対する医学的判断ですから、まさに症状そのものですね。それから、調査復命書。これは確かに調査官の調査した主観など入るので、多少問題があるかと思うけれども、しかし、具体的事実が問題になっていると思うんです。それからもう一つは、所属事業場の回答−労働者の職歴とか職場の環境、これまさに客観的事実です。それからさらに、申請者本人の聞き取り書きまで拒否をする場合があります。それからもう一つは、作業現場の調査内容。これらがどうして収集したものを労働者自身に見せることが信用を失うのか、その見解を聞かしてほしいと思うんです。
#146
○政府委員(倉橋義定君) いま御指摘のありましたいろいろな文書につきまして、たとえば症状についての診断書でございますが、この内容につきまして請求者側の方が取りまして、それを行政庁に提出するというものもございますが、一般的には私ども当該労災事案にかかわる病状等を医師等に照会しまして、それの病状並びに医師としての意見を書いたものでございます。そういうことでございますから、これにつきましては、私ども医師の意見に基づきました所見を行政判断の資料とするわけでございまして、これにつきまして、単に客観的事実のみでなく、医師の意見というものが付されている。それから調査復命書も、担当調査官の検分した事実のほかに、いろいろな判断等も加わっているわけでございます。そういう点では、単なる客観的明らかな事実のみが書かれているわけでございませんし、また所属事業場等の回答書なり、労使からの聞き取り書、これにつきましては、これは一定の行政目的を持って使用するという前提におきまして、聴取し、並びに回答を求めている文書でございます。それから現場の調査内容につきましても、復命書と同様に、単に明らかな客観的事実のほかに、いろいろな過去の状況等を労使から聞きまして、それを書くということもあるわけでございまして、したがいまして、私ども明らかな客観的事実のみを書いていない、いろいろな意見等を書かれている文書につきましては、内部的な判断の資料にのみ用いるというような立場から、請求者側、または裁判所等からの提出の要請につきましては、これに応ずるわけにいかないという立場でいるわけでございます。
#147
○近藤忠孝君 大臣、いまお聞きになったことが実情なんです。しかし、これは労働者の保護と言いながら、労働者が実際慰謝料請求など、労災認定と同じ事故について、それを問題にした場合に、労働省の調べた資料が全然使えないということなんです。しかし、これはある意味では、一定時期における職場の環境、たとえば難聴ならば難聴職場という、それを証明する唯一の証拠なんです、過去のことは二度と出てこないわけですから。それが使えないということが果たして本当に労働者のために立った労働行政なのか。
 それからもう一つ他の目的に使うと言うんですが、たとえばこれをほかの企業に見せてしまうとか、あるいは労災の問題じゃなくて、税金の問題に使うとか、あるいは第三者が論文を書くために具体的に資料にするとか、そういうことはやっぱりまずいと思います。そういう問題はあろうと思うんですね。確かに他の目的に使うのですから。しかし同じ労災事故ですよ。その労災の事故を問題にする場合に、それが使えないというと、労働者にとってはそのために事実を立証できない場合があるんです。
 ここで具体的にお聞きしたいのは、なぜそのことが社会的信用を失うのか。たとえば具体的に申しますと、所属事業所の回答ですね。たとえば騒音職場なら騒音職場で、一定の騒音などを測定してくるでしょう。そうしますと、その状況を企業は労働省には正直に言ったけれども、具体的に労働者には否定する場合があるんですよ。私はこれは禁反言の原則に反すると思いますね。そうなりますと、まさに客観的事実を明らかにすることが、どうして社会的信用を失うのか、この点について聞きたいと思います。
#148
○政府委員(倉橋義定君) 監督官の職務といたしましては、事業所等に赴きまして、法規に違反しているかどうか、さらには必ずしも法規に違反しなくても、いろいろな問題のある事項につきまして、みずから資料を徴収し、または検分いたしまして判断するわけでございますが、さらにはやはり労使の協力を得まして一定の事実の判断をしなければならないわけでございます。そういうように職務を遂行するに当たりましては、労使の関係者の協力がなければ、真実の発見ということができないわけでございます。そういうような使命を持っている監督官に対しまして、やはり労使がともに全面的な信頼をしていただけなければ、なかなか真実の把握がむずかしいわけでございます。したがいまして、ILOの監督官手引におきましても、監督上知ったような事項につきましては、やはり信頼関係を失わないために秘密にしろというようなことになっておりまして、やはり国際的な観点から見ましても監督官の検分した事項、または聴取した事項につきましては秘密にするということによりまして、今後の監督機能を阻害しない、円滑に遂行するというような意味から、私どもは、その阻害されることによって社会的信頼を失って、今後の監督活動が十分にいかないというような意味で申し上げているわけでございます。
#149
○近藤忠孝君 そういうことは企業がよく言うようです。現に神戸で問題になりました三菱造船の難聴事件ですが、裁判所が提出命令出したんですね。そうしましたらば、その事業所からその後請求書の証明拒否とか、あるいは証明をおくらせるとか、あるいは労働基準監督署の照会に応じない、あるいは難色を示す、こういう事態が出てきたというようなことが、上申書で裁判所に出されたんです。それからまたその他で非協力をされる。私はこれは任意にそういう協力を求めるのならまだ話はわかる、しかしこれは強制調査権があるんでしょう。その点どうですか。
#150
○政府委員(倉橋義定君) 監督官につきましては、労働基準法、安全衛生法、労災保険法――労災保険法は必ずしも監督官だけではございませんが、一般の調査職員も含めまして、権限を持ちまして、立ち入り調査等ができるわけでございます。しかし、それには法の施行のため必要な限度でという、法の施行上の調査権でございまして、法の施行以外の面でこれらの権限が行使されるということは、もとより法治国家として許されないことでございますし、また当該法の目的で徴取したものが、その法の目的以外に利用されるということは、やはり権限を定めた法の精神からいって、私どもは問題があるのではないかと理解しております。
#151
○近藤忠孝君 時間が来てしまったので余り追及、できませんが、提出している例があるんですね。私自身も弁護士として実際労基局から、監督署からもらったこともありますし、現に最近調べましたけれども、ここに手元にありますけれども、福山あるいは高砂、神戸東、尾道等々、出している場合もあるんです。そうすると、出している場合もあるし、出さない場合もある。現に出しても全然支障があったという話は聞かないんです。これはまさにそのときの気分関係、あるいは恣意によって出したり出さなかったりするんじゃないか、その点どうですか。
#152
○政府委員(倉橋義定君) 先ほど申しましたように、私どもは原則として収集いたしたものにつきましては出さないという態度でございますが、しかし、それは原則でございまして、いわゆる明らかな事実、客観的な事実、そういうものにつきましての資料、または請求者の方が収集され、それを行政庁に出されたもので、その請求者がそれを出してくれというような場合、または関係者が提出について異議のないというような態度を表明したもの等につきましては、私どもは当事者訴訟である民事訴訟等の中におきまして、協力をしていきたいというようなことで、そういう問題につきましては提出するという態度をとっているわけでございます。
#153
○近藤忠孝君 弾力的に運用する余地もあるということですので、ひとつ大臣、基本的にはやっぱり労働者保護という立場に立って、この面の行政を進めるように要望したいと思いますが、いかがですか。
#154
○国務大臣(藤尾正行君) 情報とか、文書とかいいますものの取り扱いにつきましては、私は一応の原則があってしかるべきであろう、かように考えます。そうして、その原則を適用いたします場合に、許されること、そういったことにつきましては、裁判所等に御協力を申し上げるというようなことも、それはあながち拒否すべきことではないかもしれないということでございまして、どこまでも原則というものがあって、その適用の範囲内において、判断をしてもらうというようなことであろうと思います。
#155
○喜屋武眞榮君 私、最初に職場の安全管理とそれから労働者の健康管理、この問題についてお尋ねしたいと思います。
 事故の確率はスピードと量に比例する、さらには職場の機械化、そして企業の規模、これに比例して事故の確率が多くなる、こう言われておりますが、初めに労働大臣にお聞きしたいことは、日本の企業の形態がだんだん高度化して、その施設、設備、規模が大になり、そして工業化がだんだん高まっていく中で、労働者の事故というものが非常に多くなりつつある傾向にある、私はこう見ておるわけなんですが、そういった問題に対して、労働大臣として基本的にどういう理解をしておられるか、またそのことに対して、どういう対策を持っておられるか。まとめますと、職場の安全管理と、労働者の健康管理に対する基本的なとらえ方とその対策、このことについてお聞きしたいと思います。
#156
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、労働災害といいますものは、できればゼロにしていかなければならぬ、かように考えます。ところが、なかなかこの労働災害といいまするものも多様でございまして、たとえば、過般ございましたような新宿駅の京王バスの事故、気違いのようなのが出てきて火をつけたとかというようなことになりますと、これはちょっと、通勤途上の問題といたしまして、その労働被災者が五名も出ておるわけでございますけれども、ちょっとこういうのは私どもの考えの中に入ってこなかった問題でございまして、これからこういった問題もあわせて、どのように対処すべきかということを十二分に考えていかなければならぬと考えております。
 しかし、現実に先生御指摘のような、企業の規模が大きくなってくると、それに比例をして、労働災害が、事故率が多くなってくるということでは私はないような気がいたします。と申しまするのは、実態的に労働災害事故の数といいまするものの推移を考えてみましても、昭和三十六年当時の労働災害多発時期といいまするものと比べまして、今日この二、三年を通じまして事故率は半減をいたしております。そういった事実は事実としてあるわけでございます。その労働災害事故の中で、非常に何といいますか初歩的と申しますか、非常に不注意で起こるような、普通本当に心して、十二分にその災害に対する心構えができておりますれば、その災害は多分避けられたであろうと思えるような事故が、現実に起こっております年間百十万件に達しまする事故の中の半分ぐらいを占めておる。こういうことを考えましたならば、この事故を全滅をする、こういうことにつきまして、十二分の心構えを持って対処してくれる事業所の管理者、あるいは責任者、こういった方々に徹底的な事故絶滅の精神を持ってもらう、そういうことが達成されるだけで私はかなり事故の減少は保証されるのではないかというように考えております。やむを得ないことがないではございませんけれども、たとえば、いま一番災害事故が多いと思われますのは、建設業の関連でございまするけれども、その大半が高いところから落ちたとかいうようなことでございまして、そういった高いところへ上るようなたぐいの労務に慣れていない方をすぐにつける、あるいは大きな機械操作をいたしますのに、その機械に熟練をいたしていない方を臨時的に、臨時応急につけるというようなことを避けてさえもらえれば、かなり私どもの願いは達成されるんじゃなかろうかと、かように考えております。
 いずれにいたしましても、私どもは災害が起こりましてから、その災害事故の被災者に対して支払っていかなければならぬ、使っていかなければならぬそういった保険料というようなお金を、その同額を災害事故の防止のために使っていきましたならば、恐らく災害は恐るべきスピードでなくなっていくんじゃなかろうかというように私は実は期待をいたしておるわけでございまして、災害が起こってまいります前の災害予防という方向に、これからはうんと努力を注いでいかなければならぬのではないか、かように考えております。
#157
○喜屋武眞榮君 もし対策がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#158
○説明員(望月三郎君) ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、少し補足さしていただきますと、先生おっしゃるように、生産設備の機械化に伴いまして、作業の安全化がある程度促進されるわけですが、ただ、企業規模の拡大に伴って急激に作業の機械化が進みますと、その対応面でのおくれが作業者の安全、あるいは健康面に影響が出てくるということでございまして、私どもといたしましては、先ほど大臣もお答えいたしましたように、建設業が特に重点業種でございますが、そのほかに製造業が特に重要でございますが、危険な機械、設備に対する構造、規格の設定だとか、あるいは製造に対する許可、検査の実施ということを行いまして、機械、設備を製造する段階から安全化を促進するとともに、機械、設備を使用する企業に対しまして、機械等の導入に伴います適正なレイアウトの指摘だとか、あるいは機械の安全性審査の実施と、あるいは機械等の使用時やメンテナンス時における安全の確保、それから機械の取り扱い者に対する安全教育というような点について、鋭意指導を強力に行っているわけでございます。そういうことで、特に機械の大型化に伴います災害の防止という見地から、機械それ自体の本質的な安全化ということを、これからもさらに一層進める必要があると思って努力しているところでございます。
#159
○喜屋武眞榮君 時間がたちましたので、私が申し上げた一般論としての、事故の確率はスピードと量に比例するということは、これは間違いでないと思っております。しかしながら、いま大臣のお答えや、補足のお答えというのは、そうであるけれども、その管理体制や指導対策を十分にやれば、事故は起こらないということでありまして、私はそういう立場から、広がれば広がるほど、その管理体制や対策をどう講じておられるか、このことが私が聞きたいことなんです。どんなに広がっても、管理体制と指導対策を十分にやれば、それは事故は未然に防げるはずであります。また、労働者の態度にしましても、そういう事故に対する構えを持って働くならば、事故は起こらぬはずであります。こういうことを私は聞きたかったわけです。
 それで、次に沖繩の基地労働者、特に沖繩には軍事基地という職場があるわけなんです。そこで、基地は一種の治外法権である、政府の管理対策もなかなかそこには介入しにくい面がある。しかし、勇気を持って管理対策も堂々とやっていただきたい、こう願うわけですが、それにまた、やっておる仕事の内容から、やっぱり軍事基地でありますから、そこで取り扱う内容も非常に公害に結びつく、あるいは労働者の機能麻痺に、身体障害に結びつく、こういった公にされないような職場もあるわけなんですね。そういうこともありますので、特に沖繩の場合には、その基地労働者の健康管理については、十分注意をして、関心を持ってもらわなければいけない。
 実は、私の村の後輩で、もう三年前に六価クロム事件で、非常に屈強な青年ですが、ある日ばったりぶっ倒れまして、それ以来、政府の労災病院にもお世話になっている。ところが、なかなか回復は恐らく無理だと、こう専門の医者も言って、いま沖繩にまた戻っておりますが、それはそれなりに規定によって、補償はされておりますが、子供四名と母親と、そうして家内と、いま非常に暗い日々を送っている。喜納昌秀君といいますが、この人が、特に子供の将来に対して非常に不安を持って毎日暮らしておる。私が行きますというと、そのことを気にして涙を流して訴える。こういう悲劇もあるわけなんですよ。これは一例でありますよ。
 そういうことから、特に沖繩の基地労働者に対しての政府の配慮、これに理解と関心と、ひとつアメリカに対して勇気を持って臨んでいただきたい。これを要望いたします。
 次に進めてまいりたいと思いますことは、沖繩にとっていま大きな社会問題、たくさん社会問題はありますが、最も深刻な社会問題として起こっておりますのが、いわゆる失業者対策の問題であります。あえて沖繩にとってと申し上げましたのは、全国の五十五年度の一月から九月までの平均は、完全失業率は一・九%、沖繩の場合には五・〇一%、約三倍近い失業率を持っておるわけなんですが、このように格差のある状況の中で、お尋ねしたいまず第一問は、大臣、なぜ沖繩はこのような他県に例のない高度の失業率を醸しておるだろうか、これをどうとらえておられるか、お聞きしたい。
#160
○説明員(田代裕君) 先生のいま御指摘がございましたように、沖繩の場合の失業率は全国に比べて非常に高い率を示しております。一番最近が五十五年の九月でございますが、失業率が三・九%ということで、やはり全国平均の約二倍というような状況になっております。
 そこで、一体どういう原因でというお尋ねでございますが、私どもとしましては、沖繩県における失業率の高い原因として、基本的に考えられますのは、雇用需要のもとになりますいわゆる産業というものと、供給面でございますところの労働力人口、これのアンバランスというのが結果としてこういう形になって出てまいる。
 特に一番重要になりますのは、産業の振興が十分でないために、いわば県内の雇用需要、雇用機会というものがまず足りないという問題がございます。それと同時に、供給サイドの方では、いわゆる復帰に伴います離職者であるとか、あるいは米軍基地の整理統合に伴う離職者、こういったものがまず一つございますし、それ以外に、特に若年層では、強い県内就職志向、いわゆる県外に出ないで県内へということがございますために、たとえ求人が県外から多くあっても、なかなか結合には至らない、こういうような状況もございます。したがって、この需要供給双方が相マッチしないという状況が現在の失業率の高さを示しているものだと考えております。
#161
○喜屋武眞榮君 失業率の高いのは、いまおっしゃったいろいろの要因があるわけですが、大きなウエートを持つのは何と言っても基地労働者の一方的な首切りですね、これが大きなウェートを占めておるということは、私はお認め願えると思います。
 そこで、沖繩振興開発特別措置法の三十八条が特別措置法に打ち出されたのも、そこに筋の通る理由を認めておられればこそ、これが生まれたと思うんです。くどいようですが、この三十八条、これは沖繩の失業者にとっても、労働者にとっても、非常に重大な手がかりになっております。「労働大臣は、沖繩の労働者の雇用を促進し、その職業の安定を図るため、沖繩県知事の意見をきいて、職業指導、職業紹介及び職業訓練の実施、就業の機会の増大を図るための事業の実施その他必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。」、こううたい上げられておるわけです。それでもう多くを申し上げません。私がお聞きしたい第一点は、「就業の機会の増大」のためにどのような措置をとっておられるか、こういうことが第一点。もう時間がありませんのでまとめて申し上げます。そのかわりきちっと答えていただきたいと思います。この特措法に基づいて、国として「就業の機会の増大」のための措置は、具体的にどのようにとっておられるのか、これが第一点。
 次に、これは県としても非常に深刻な問題として受けとめて、雇用対策基金をどうしてもつくって、そしてその解決策を前向きで講じなければいけないということで、いまそれを一生懸命に検討しておることなんです。これに対して、政府としてどのように考えておられるか。そして、それにとのように協力したい――協力したいということは、いわゆる補助の問題、財政的な問題を私は強く求めたいわけですが、その意思があるのかないのか、このことを失業問題に関してはお尋ねしたい。
 次に、もう一点申し上げたいことは、身体障害者のこれは特に沖繩の状況を踏まえて、私全国的にも言えると思うのですが、身障者が、先天的な身障者というよりも、後天的な、いわゆる事故による若者の身障者がぐんぐんふえてきつつありますことはお認めになっておられると思いますが、沖繩でもそうなんです。若者がぐんぐん身障者の組織にふえつつあるんです。それで、身体障害者の雇用促進法というのもあるわけなんですが、雇用の実態はどうなっておるか。この促進法に基づいた雇用の実態は全国的にどういう傾向にあるのであるか。これが順調にいっておると認められるのか。
 第二点は、職場のケースとしてどういう傾向にあるかということなんです。これは非常に抽象的なお尋ねでありますが、もっとわかりやすく申し上げますと、公共機関への就職の状況、あるいは民間企業への状況、どちらがその法に基づいた就職の方向が進みつつあるのか、公共機関と民間企業。
#162
○委員長(野田哲君) 時間が経過しておりますから簡単にお願いします。
#163
○喜屋武眞榮君 もう一つは、大企業と中小企業、この分類からしてどういう方向に身障者が就職の道をたどりつつあるか。幾つか申し上げましたが、漏らさずひとつお答え願いたいと思います。
#164
○説明員(田代裕君) いまの御質問の前半について私からお答え申し上げたいと思います。
 一つは、三十八条に基づく計画は、五十一年五月に策定いたしまして、その中にはいろいろなものが盛り込まれておりますが、特に先生の御指摘がございました就業の機会を増大させるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、まず一つは、県内の需要を高めるということで、職業安定機関といたしましては、当然ながら、求人開拓その他県内の求人の確保というものを前提といたしまして、それと同時にまた、広域職業紹介として県外への就職の促進というようなことで、就業の機会を十分確保するように現在までも努めてきているところでございます。
 次に、御質問がございました雇用基金の問題でございますが、これにつきましては、お話がございましたように、沖繩県の現在の雇用失業情勢を前提といたしまして、県においては調査会に委嘱をしてその方途を検討させたようでございます。その結果、八月に県の方にその提言が出されております。その内容につきましては、いわば一つのプリンシプルを示しているものだと理解されますが、現在県におきましては、その具体的な内容について検討を詰めているというふうに私どもは承知しております。したがって、雇用基金問題につきましては、県の計画の全貌が明らかになり、その具体的な内容が明らかになった段階におきまして、労働省としましても検討し、また対処してまいりたい、かように考えております。
#165
○政府委員(関英夫君) 身体障害者の雇用問題についてお答えしたいと思います。
 全国的にどのような状況かということでございますが、本年六月一日現在の身体障害者の民間におきます雇用率は一・一三%ということでございまして、年々、わずかではございますが雇用率が上がってきております。しかし、法定雇用率は一・五%でございますから、まだまだ未達成の企業が多いわけで、半数弱でございますが、未達成企業がございます。
 それから、官公庁の関係では、国の関係は全体としては達成しておるわけでございます。
 沖繩について申し上げますと、沖繩につきましては、身体障害者の民間におきます平均雇用率は〇・八七%ということで、この点ではまだまだ低い現状にございます。しかし、前年〇・七四%ということでございますから、この一年間の伸び率は非常に高うございます。
 全体といたしまして、最近、徐々にではありますけれども、身体障害者の雇用に民間企業も非常に熱心になってまいりました。しかし、規模別に申しますと、大企業ほど実際の雇用率が低いというのが現状でございます。ただ、大企業も最近新たに身体障害者の雇用という点には非常に熱心になってまいりまして、約一年間の雇用に当たりましては、新規雇用において、大企業の占める割合というものが非常に高まってまいりました。今後、私ども、個別の企業ごとに、また官公庁等につきましては、個々の役所ごとに雇用率を達成するように個別の指導を強めて、身体障害者の雇用を促進していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#166
○委員長(野田哲君) 他に発言もないようですから、労働省の決算についてはこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#167
○委員長(野田哲君) 次に、継続審査及び継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十二年度決算外二件及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中も審査及び調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#168
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に.御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#170
○委員長(野田哲君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十二年度決算外二件の審査及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、閉会中においても必要に応じ、政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#172
○委員長(野田哲君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査するため、閉会中に委員派遣を行うこととし、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト