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1980/11/06 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 建設委員会 第3号
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1980/11/06 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 建設委員会 第3号

#1
第093回国会 建設委員会 第3号
昭和五十五年十一月六日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     前島英三郎君     江田 五月君
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     勝又 武一君     松本 英一君
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     赤桐  操君     小谷  守君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                中村 禎二君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  原 健三郎君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        谷村 昭一君
       国土庁計画・調
       整局長      福島 量一君
       国土庁土地局長  山岡 一男君
       国土庁大都市圏
       整備局長     伊藤 晴朗君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       農林水産大臣官
       房参事官     松下 一弘君
       自治省財政局交
       付税課長     能勢 邦之君
       自治省税務局固
       定資産税課長   渡辺  功君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農住組合法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十九日、勝又武一君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮之原貞光君) 農住組合法案を議題といたします。まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。原国土庁長官。
#4
○国務大臣(原健三郎君) ただいま議題となりました農住組合法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近における地価の動向を見ると、大都市地域の住宅地を中心に上昇傾向にありますが、これは、交通体系の整備、公共事業の進捗等による住宅地としての効用の増によるもののほか、根強い住宅地の需要に対して供給が不足していることが主因であると考えられます。このような状況を踏まえた今後の土地政策の基本的な課題は、長期的には、大都市地域における人口と産業の集中を抑制し、他方、地方への分散を促進することにより国土の均衡ある発展を図ることであり、当面の緊急な課題としては、大都市地域を中心として、引き続き投機的な土地取引の抑制に努めるとともに、特に宅地の供給を強力に促進することが必要であります。
 このためには、現在講じております各般の宅地供給のための施策の拡充強化を図ることが必要でありますが、これらと相まって、主要な宅地供給源であり現在大都市地域の市街化区域内になお相当大量に存在する農地について、必要に応じて当面の営農の継続を図りつつ住宅地等への円滑かつ速やかな転換を図ることが必要であると考えられるのであります。
 このような見地から、大都市地域の市街化区域内農地の所有者等が協同して、必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換するための事業を行うための組織として農住組合の制度を設け、その組織の事業活動を通じてこれらの者の経済的社会的地位の向上と住宅地及び住宅の供給の拡大を図ることとした次第であります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、農住組合は、組合の地区内の市街化区域内農地の相当部分を含む一団の土地について、良好な住宅地等の造成を目的とする土地の区画形質の変更等を行うとともに、組合員のために住宅の建設等を行うこととしております。また、これらとともに、利便施設の建設、土地の譲渡、土地に関する権利の交換分合、組合員の当面の営農上必要な共同利用施設の設置及び管理、客土、暗渠排水、農地利用規約の設定等の事業を総合的かつ一体的に行うことができることとしております。
 さらに、これに伴い、農住組合は、土地区画整理事業及び土地改良事業を施行することができることとし、土地区画整理法及び土地改良法の適用に関し所要の規定を整備することとしております。
 第二に、農住組合は、当面農業上の利用が継続される一団の営農地等に属する農地について所有権または使用収益権を有する組合員で当面の営農の継続を希望するものの合意により、農地利用規約を定め、市町村長の認定を受けることができることとするとともに、農地利用規約の目的を達成するため必要があると認めるときは、組合員以外の者で当該一団の営農地等に属する農地について所有権等を有するものと、農地利用規約と同一の内容を有する契約を締結することができることとしております。
 第三に、農住組合の組合員たる資格を有する者は、地区内の土地について所有権または借地権を有する者及び地区内の農地について所有権以外の使用収益権を有する者とし、組合員は出資する義務を負うほか、組合員のうち所有権者及び借地権者は各一個の議決権及び役員の選挙権を有することとしております。
 第四に、農住組合を設立するには、大都市地域の市街化区域内農地について所有権を有する者四人以上が発起人となり、定款及び事業基本方針を作成し、都府県知事の認可を受けなければならないこととしております。なお、この認可の申請を行うことができるのは、この法律の施行の日から十年を経過する日までといたしております。
 第五に、定款に定める組合の地区は、原則として一定規模以上の一団の市街化区域内農地を含む一団の土地の区域であり、市街化区域内農地の面積が地区面積の大部分を占めるものでなければならないこととしております。また、事業基本方針には、地区内において、組合員の当面の営農の継続を図りつつ市街化区域内農地を住宅地等へ転換するために組合が行う事業の種類及びその実施の方針等を定めることとしております。
 第六に、組合は、農業団体等に対し組合の事業に関し必要な助言または援助を求めることができることとするほか、国及び地方公共団体は、組合に対して、その事業の施行の促進を図るため必要な助言及び指導を行うことができるものとしております。
 第七に、管理、解散及び清算、監督、罰則等に関する規定を定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(宮之原貞光君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○赤桐操君 農住組合法案の各それぞれの条項にわたって質問をいたしたいと思いますが、冒頭、まず私は、大変この法案全体が、肝心なところがほとんど政令に任されておるという状態になっておりまして、政令に任されて運営されていく条項を見ましてもかなりのものに上っております。したがって、一見してなかなかこれは理解しにくい、あるいはまた関係法令がいろいろかかわり合ってなかなか理解しにくい法案であるように思っておりまして、全体のスタイルとしまして、まことに余りよいものでないように感じております。
 以下、質問をいたしたいと思います。
 この第一条に、営農の継続を当面図りながら経済的、社会的地位の向上、以下云々ということが出ておるのでありますが、この「経済的社会的地位の向上」ということについて、少し御説明を願いたいと思うのであります。
#7
○政府委員(山岡一男君) この農住組合法におきましては、第一条の目的の規定におきまして、先生がいまおっしゃいましたことをうたっておるわけでございます。通常の協同組合法もそれぞれ規定しておりますが、特にこの農住組合におきましては、賃貸住宅の経営などを通じての安定的な収入の確保、それから交換分合等によります農地の集約整序、土地改良事業の実施、それから農業共同利用施設の設置、利用等によります農業生産の効率化等による所得の向上、水田の転用を伴わない賃貸住宅の建設に対する融資につきましても、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法等によります利子補給を行うなどの特例も設けておりますし、その他所要の補助、融資等の助成措置も享受できるというふうにいたしておりますので、経済的地位も向上が図られることになると思います。その経済的地位の向上を通じて社会的地位の向上も図られるという趣旨でございます。
#8
○赤桐操君 結局、土地を提供をしてもらって宅地の造成を図り、それによるところのいわば住宅政策の推進を図ろうという趣旨であるわけでありますが、どうもこの内容を見ておりまするというと、いまの御説明でありまするけれども、率直に申し上げて、素直に読むと、農家が市街化区域内でいま持っておる農地をそのまま手放すよりも、農住組合を組織して宅造を行ったり、あるいは住宅を建設したりして提供する方が大変割りがよろしゅうございますよ、そして端的に言えば、農地で手放すよりも、一つの造成なりそういう形の手段を経た方が経済的に大変大きなメリットがありますと、こういう大変甘い一つのビジョンを持たせるような内容のお話です。そういう傾向が多分にこの中に盛られておるように思いますが、その点はどうなんですか。
#9
○政府委員(山岡一男君) 農住組合法を立案する過程におきまして、農家の方々のいろいろな御意向も調査さしていただいております。当面農業を継続したいとおっしゃる方も大分おられるわけでございますけれども、同時に大部分はとか多少はとか、一部分はとか差はございますけれども、半分ぐらいの方々は貸転用も考えておられるという実態がございます。
 しかしながら、そういう場合にそういうものをやることについて、一人では不安だという方々も大分おられるわけでございます。したがいまして、そういう方々のために、こういうふうな全体を一貫してできるような組織をつくって差し上げることが現実に沿うのではないかということが発意のもとでございまして、盛り上がる皆さんの意思で選択されながら行っていかれるということでございまして、経済的地位の向上等につきましても、十分私ども図っていけるものだというふうに思っておるわけでございます。
#10
○赤桐操君 次に、第七条関係に移りたいと思いますが、この七条の中で、強く必須事業として公共施設の整備をうたっておりますが、この公共施設の整備というのは、この事業団体に対してはどの程度のものを求めるのか、具体的にひとつ伺いたいと思います。
#11
○政府委員(山岡一男君) 利便施設ということでございましょうか。
#12
○赤桐操君 はい。七ページの一行に「必要な公共施設の整備」というのがありますね、第七条。
#13
○政府委員(山岡一男君) これはいまの必須事業といたしまして、土地の区画形質の変更を行います場合には、土地区画整理事業もしくは特定土地区画整理事業、それから開発許可を受けて行う宅地造成事業等がございます。それぞれの事業の中には公共施設の整備が基準づけられておりますが、そういうものにつきましてはやるという趣旨でございます。
#14
○赤桐操君 そうすると、たとえば何ヘクタールかの宅地をつくることになった、その場合の公共負担分と有効宅地の割合はどのくらいに見られますか。
#15
○政府委員(山岡一男君) 農住組合の行う事業によりまして供給される宅地の地区面積に対します有効宅地面積率というのは、地区全体の面積からいまおっしゃいました公共用地の面積、それから一団の営農地の面積等を控除することによって出てくるということになります。あくまで農住組合におきます事業の施行につきましては、地区によってかなりの開きがあろうかと思います。
 そのために、一般的には申し上げにくい点でございますけれども、たとえば区画整理による土地の区画整理の変更をやったという場合を想像いたしますと、区画整理の一般の場合の公共施設用地率というのは二〇%から二七%というようなことになっております。したがいまして、そういうものを全体から差っ引きまして、残りの営農地を差し引くということになったところが宅地面積、本質的にはそうなるわけでございますが、たとえば農地の七割が宅地化の方に向かったといたしますと、そういうものを差っ引いた残りでは五割が宅地化になるという計算になろうかと思います。これはあくまで先ほど申し上げましたように、一般的には定めがたい問題でございまして、皆さん方のどこまでを転用したいという御意思等がもとになるわけでございますので、一般論として申しますとそういうようなことになると思います。
#16
○赤桐操君 そうすると、大体二五、六%ぐらいが公共用地に使われていく。営農地は別にこれは除きまして、あと残った分について宅地造成が行われていく場合においては、二〇%ないし二五、六%ぐらいが公共面積になり、残った分が宅地に転用されていく、こういうように理解してよろしいわけですね。
#17
○政府委員(山岡一男君) そのようなことが一般的な例かと思います。
#18
○赤桐操君 それでは、七条の2項の「政令で定めるもの」というものが終わりの方に出ておりますね。この「政令で定めるもの」というのは一体どういうものになるのか、この点どういう団体を具体的に指すのか、伺いたいと思います。
#19
○政府委員(山岡一男君) 七条の第2項第二号で定めておりますのは、農住組合の行う土地の譲渡等の相手方について決めるわけでございますが、いわゆる土地転がしを発生するというようなものは絶対避けなければならないということでございまして、住宅等の供給を確実に行い得るものを予定しております。具体的には地方公共団体、日本住宅公団、地方住宅供給公社などを予定いたしております。
#20
○赤桐操君 この中には、特殊法人でいろいろ勤労者のために行っておりまする日本勤労者住宅協会というようなものがありますが、こういうものは入りませんか。
#21
○政府委員(山岡一男君) いまのは絶対確実に考えておるものを申し上げたわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたようなものにつきましても、資力、信用がありまして、住宅の供給を確実に行い得るものという範囲につきまして、政令制定の段階では十分考えていきたいと思っております。
#22
○赤桐操君 それでは次に、いまの2項の二号についての「政令で定めるもの」の中への団体については、ひとつ申し上げた点については十分検討をいただきたいと思います。
 次に、「土地区画整理事業」に入るわけでありますが、この中で一番大きな大前提になるのは、いろいろ入り組んだ土地が一団の団地化されるわけでありまするから、あるいはまた営農地区になるわけでありますので、これはまずその大前提になるのは、土地の交換分合というものが大きな問題になると思うのであります。なかなかこの種の問題で一番大きく手間取るのはその出発点ともいうべき交換分合の問題であるようでありますが、こうしたものについてはどんなふうに見ておられますか。
#23
○政府委員(山岡一男君) 本法案では第三節に、「交換分合」というのをこの法案におきます交換分合対策ということで定めておりまして、手法といたしましては、他の交換分合と同様の手法を使うわけでございますけれども、これにつきまして、全員同意ということで行うものでございますので、事業計画の中で適切な定めをいたしますことによりまして十分効果的にできるというふうに考えております。
#24
○赤桐操君 八ページ、二項の四号の中に、「農産物処理加工施設その他組合員の営農上必要な共同利用施設の設置又は管理」というのがあるんですが、これは「共同利用施設の設置」といいましても、設置する場所も問題でありますが、農業用地につくるわけじゃなくて、いわば住宅地帯になるところへこういうものが入ってくるように思うんですが、その点はどうなんですか。
#25
○政府委員(山岡一男君) やはり宅地化されたところに建てられる場合も出てくると思います。それから農地の中の一部に、たとえばスプリンクラー施設などについては設けるわけでございます。
#26
○赤桐操君 そうしますと、施設によって音を発生するものもあるだろうし、いろいろのまた各種の公害に近いような問題が出てくるような場合もあると思うんでありますが、それが営農地区に設けられるならいざ知らず、団地の一角の中にこれが持ち込まれるということについて、都市計画上正常な考え方で受けとめてよいのかどうなのか、どういうようにお考えになりますか。
#27
○政府委員(山岡一男君) ここで考えております「共同利用施設」は、当面の営農の継続に役立つものという範囲で考えております。具体的には野菜、花卉類のハウスとか野菜類の集出荷、加工施設、それから各種の農機具類、農機具の資材等の保管、修理施設、それらのものが大体考えられると思います。その規模とか性能につきましては、農住組合の当面の営農の継続ということに必要な範囲という程度ということで考えておりますので、一般的には騒音等の公害問題は生じないだろうというふうに見ております。しかしなお、農住組合の指導に当たりましてはそういう点も十分配慮しなきゃならないことだと思っておりますので、指導を適切に行ってまいりたいと思っております。
#28
○赤桐操君 七条の三項になるんですが、「地区内の市街化区域内農地」については「全部又は相当部分を含む一団の土地について」というくだりがあります。これは後段の六十条、六十八条との関連があると思うんですが、「全部又は相当部分を含む一団の土地」ということについて六十条、六十八条の関連等でいろいろのあれが出てくるのですが、ひとつ御説明願いたいと思うんですが。
#29
○政府委員(山岡一男君) 第七条第三項の「全部又は相当部分」と規定しておるところでございますが、その趣旨といたしましては、農住組合が市街化区域内農地等を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換することを主要な目的として設立するものであるという見地から、その「地区内の市街化区域内農地等の全部又は相当部分」はこの目的に即して住宅地等へ転換されることが望ましいということから、こういう規定を設けたものでございます。「相当部分」と申しますのは、原則といたしましては七〇%以上ぐらいだというふうに解しておりますけれども、農住組合の地区の周辺の市街地の状況などがございますので、実際には全体地区の中からいわゆる公共施設用地等を除かれました残りを、半々というかっこうで使われる場合が多かろうというふうに思っております。
 それから、六十条の「(組合の地区)」の中の第一号のところで「政令で定める規模」というのがございますが、これは二ヘクタールというのをいま現在考えております。これは法十三条の「(農地利用規約)」によりまして、当面営農が継続される営農地区の面積「おおむね一ヘクタール」ということでございますので、本制度が地区内の市街化区域内農地等の相当部分を住宅地等へ転換することを主目的とするものでございますので、その残りの方が営農地になるということでございますと、最小限一ヘクタールの営農地区を定めた場合には、全体としては二ヘクタール以上ないと困るなということから、おおむね二ヘクタールという線を政令として考えておるわけでございます。
 それから、六十条第二号にございます「大部分」と規定した趣旨は、やはり本制度が市街化区域内の農地等の住宅地等への転換を主要な目的としていることにかんがみまして、組合の地区要件としても、地区の中の大部分が市街化区域内農地等でなければならないということにされておるものでございます。私ども「大部分」とはおおむね八〇%以上というふうに見ております。したがいまして、地区の中にはその他に林地とか宅地が二〇%ぐらいは含まれる場合があるというふうに見ておるわけでございます。
 第六十八条の「(設立の認可)」のところの第一項第三号で「相当部分」というふうにやはり書いてございますけれども、規定いたしました趣旨は、最初に申し上げました第七条第三項と同趣旨でございまして、農住組合が市街化区域内農地等を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換することを主目的として設立されたものであるということからきておるものでございます。
 御質問の、各条項を設けた趣旨は以上のとおりでございまして、全体を通じまして、一条の目的を的確に実施をしたいということから設けられた条文でございます。
#30
○赤桐操君 次に、十五条関係で御説明を願いたいと思いますが、「組合員たる資格」の問題であります。組合員と准組合員がここにあるようでありますが、准組合員と組合員とどういうような分け方になっているのか、准組合員と組合員の資格要件の差はどういうようなものであるか、この点を説明いただきたいと思います。
#31
○政府委員(山岡一男君) 第十五条の第一号、これが正組合員でございます。「組合の地区内の土地について所有権又は借地権を有する者」ということでございます。第二号が「組合の地区内の農地について使用収益権を有する者」ということでございまして、これを准組合員ということにいたしております。主として市街化のための事業を円滑に推進し得るという観点でございますので、そういう意味から所有権者または借地権者を正組合員としたということでございまして、やはりこういうふうな事業を行いますと実際にもとへ返らないとか、いろいろな意味で相当な権利の変換になります。そういうことでございますので、基本の権利でございます所有権者または借地権者を正組合員とし、それから使用収益権者につきましてはこれを准組合員として組合問には認められておるという制度になっております。
 その間の権利義務等については、各条項にいろいろと書き分けておりまして大変ややこしいわけでございますが、まず農住組合法上正組合員と准組合員との取り扱いが異なっておるというものにつきましては、土地区画整理事業の第八条のところで取り扱いが違っております。土地区画整理事業では本来やはり所有権者と借地権者だけが土地区画整理事業の施行主たり得るということになっておりますので、そういう意味で准組合員はここには入っておりません。それから議決権及び選挙権十八条、五十条、六十六条、被選挙権三十一条、六十三条、それから総会招集請求権三十七条、役員改選請求権四十三条、参事または会計主任の解任請求権四十六条、それから解散事由七十一条、合併の手続七十三条、議決、選挙及び当選の取り消し請求権八十五条、それから土地区画整理事業にかかわる組合員の脱退等についての特例第八十六条、農住利子補給法の特例第八十九条等が正組合員と准組合員とを書き分けておるものでございます。
 農住組合法上、正組合員と准組合員は同様なものであるという点につきましては、農地利用規約制定の際の合意による申し出十三条、それから出資払い込み義務十六条、有限責任を負う義務十六条、経費及び過怠金支払い義務十九条、二十条、組合事業の利用義務二十三条、持ち分払い戻し請求権二十四条、書類閲覧請求権四十二条、剰余金配当請求権五十五条、残余財産分配請求権七十八条、組合検査請求権それから組合事業利用権、組合の内部秩序を維持する義務、こういうものは正組合員、准組合員が同じように法律上書かれております。
 先ほど申し上げましたとおり、正組合員が住宅地等へ転換する事業ということでございまして、基本の権利が一番底地にあるものでございますから、そういうものを正組合員、他を准組合員と分けておりますけれども、実際の組合運営のことにつきましては先ほど申し上げましたような点を通じまして、何ら余り変わりはないんじゃなかろうかというふうに思っております。
#32
○赤桐操君 大変複雑な構成のようでありまして、私は運営が大変だろうと思うのです。権利の問題が底流にありまするからわからないわけではありませんが、非常に運営の仕方によっては非民主的なものになってくるわけだし、運営全体に対する指導が大きな問題になるだろうと思うのですが、この点についていささか疑義を私は持っております。
 それから次に、土地の分譲の問題でありますが、宅地の分譲面積、価額、こういったものについてはどういう形で指導をし、コントロールするのか、さらにまた、住宅の分譲についてはどの程度の価額やあるいはまた規模、様式などについての指導をしていくのか、こういう実際問題との関連を少し伺っておきたい。
#33
○政府委員(山岡一男君) 本制度にかかわります事業につきましては、法律の中では「(農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の特例)」というのを八十九条で設けております。水田の転用を伴わない賃貸住宅の建設に対します融資についても利子補給を行うことになっております。それから住宅金融公庫の各種の貸付制度がございます。そういうものも当然対象として活用できる。それから住宅宅地関連公共施設整備促進事業というのがございますが、等の既存の諸制度の活動につきましても活用を図っていきたいというふうに考えております。
 なお、新たに農住組合の行います宅地造成事業等にかかわる借入金に対します利子補給制度、これはまだ要求でございますので、今後の問題でございますが、現に要求をしております。それから農住組合施行の土地区画整理事業の補助対象への追加につきましても、これも政府部内におきまして予算要求を行っておるところでございます。これらの制度を積極的に活用してまいりまして、宅地、住宅の分譲または賃貸住宅の家賃の低廉化というようなものに寄与したいと考えておるわけでございます。
 従来の、できました住宅のたとえば賃貸等の例を見ますと、過去の例から見ますと、やはり借地料相当分が相当安く計算をされるというようなことから、比較的安価なものが供給をされているというのが農家のアパート経営の実態であろうかと思います。さらに、そういう点につきましては衆議院でも附帯決議をいただいておりまして、そういう趣旨で十分組合員等慫慂してまいりたいと考えております。
#34
○赤桐操君 一般の宅造法なんかによる場合の宅地の販売価額とか、そうしたものについてはかなり地方自治体がコントロールいたしておりますけれども、賃貸関係の料金というのはどこで大体やるんですか。
#35
○政府委員(山岡一男君) たとえば公庫融資とか利子補給等を受けまして、公的資金の入ります賃貸住宅につきましては、そういう貸付条件の中である程度家賃の制限が設けられております。それ以外のものにつきましては特段のチェックはないわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、現実にはつくったけれども人が入らないということじゃ困りますので、過去におきます農住利子補給制度などでつくっておられますのを見ますと、一般の公的住宅でも六%の地代相当額を取っておるわけでございますが、そういうものを三%なり二%なり、将来は上物も自分の物になるという楽しみを考えられまして、そういうふうな運用をなさるという例がほとんどでございまして、そういう意味では、十分一般のものから見ますと良好なものができるというふうに私ども考えておるわけであります。
#36
○赤桐操君 そこで、いろいろこれから実際の運用上の問題で伺っていきたいと思うんですが、この農住組合の運営といいますか、それからさらにまた事業の遂行上の指導といいますか、こうしたものは具体的にどこの機関でやりますか。
#37
○政府委員(山岡一男君) 実際の事業計画の策定等につきましては、知事が認可をするということになっております。したがいまして、監督につきましても知事の監督権限を相当詳しく書いておりまして、そういうところで事業実施の監督ができるようになっております。
 それからなお、組合といたしましては、農業協同組合等を予定しておりますけれども、そういう関係農業団体に対しまして技術の援助その他についても申し出ができるということもなっておりますし、市町村にもそういうものにつきます援助義務も書いてございます。したがいまして、そういうものにつきましての応援を受けながら事業実施をしていくということに相なるわけでございます。
#38
○赤桐操君 この農住組合には、私はやはり実際には規模にもよるでしょうけれども、多くの場合一定の技術者を常時配置するなり、あるいはかなりの資格要件を持った人たちが運営をしていくという立場ではないだろうと思うんです。したがって、技術援助にしてもこうしたものも受けなきゃならないでしょうが、事業主体という立場に立ちますと、ただ援助だけということでは私は実際問題として済まない場合が出てくると思うんです。だから少なくとも、いろいろの種類の住宅を供給していくわけでありまするから、あるいは宅地を供給するわけでありますから、これは供給する立場だけのことだけを考えるわけにはいかないのでありまして、供給をされる、受ける立場の方の身になって考えてもらわなきやならない場合も出てくるわけでありまして、そういう面からすると、果たして事業主体という立場に立ったときに、この責任が遂行できるのかどうなのか、こういう問題についてどうもこの法律あるいはいまの御説明の中では十分なものがないと思うんですけれども、この点について伺いたいと思います。
#39
○政府委員(山岡一男君) 先生御指摘のとおり、恐らく農住組合の役職員の中には、必ずしも優秀な技術者がいないというのは実態であろうかと思います。ただ、本法案におきましては、先ほど申し上げましたように九十二条で国及び関係地方公共団体の助言及び指導というのを書いておりますし、九十一条では関係農業団体等による助言または援助が定められております。これらの規定による人的、技術的な助言、指導、援助の内容の中には、やはりたとえば農業団体等からの技術者の派遣等も当然対象になるというふうに考えております。設計、監督、工事の施工等を信用ある業者に発注するというふうな指導をしてまいりたいと思っております。
 そういう場合に、先生がおっしゃいましたように、入った人の側の立場で、たとえば仮に瑕疵があったというような場合の責任といたしましては、それは第一次的には農住組合が責任を負うということになろうかと思います。しかし、そういう場合でも最終的な負担を負うということがないようにいたしたいと思いまして、実際の瑕疵担保責任を請負契約の中等で担当業者に十分持っていただくようなことをはっきりさしておきたい。そういうような意味の契約の条項等につきましても、適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#40
○赤桐操君 こういった事業を遂行していくに当たりましては、かなりキャリアを持つ事業主体が行いましても予期しない問題が発生しがちなんです。たとえば、こういうはずではなかったんだけれども地盤沈下が発生したとか、あるいはまた、結果的に欠陥住宅みたいなものができてしまったというようなことはしばしば起きているわけであります。これは地方自治体のような公共機関がやっても現実には発生する問題なんです。その場合に住民との間に必ずトラブルが起きてくるわけですね。こうしたものを実はいままでの経過の中で私たちも現実に見てきているわけであります。
 これが、そういうことを申し上げては悪いんですが、経験のない農家の方々が組織してこういう大事業を行うことになるわけでありまするから、場合によりましては大きな事業になると思うんですが、これが何らの事故も起こさないで最終的に完売を果たして一定の利潤を上げる、あるいはまた、建設を終了して、賃貸の目的を果たすことのできるような軌道に乗せていくことができるというところまで持っていくことができるのかどうなのか。そして目的を達成してめでたく解散にまで持っていくということについては、これは私は大変な問題ではないかと思うんです。こういう点についてもう少し具体的に、指導のあり方、将来のいろいろ考えられる問題等を含めた説明を願いたいと思うんです。
#41
○政府委員(山岡一男君) 法律上の措置といたしましては、先ほど来申し上げております農業協同組合等の助言、技術的援助、職員の派遣などを考えておりますし、国及び地方公共団体も組合に対しまして「助言及び指導を行う」ということを書いておりますが、どういう助言を行いどういう指導を行うか等につきましても、十分私ども行政通達等におきまして指導してまいりたいと思っております。
 さらに、そういうようなバックアップをすることにいたしておりますが、実際には、住宅、宅地の供給あるいは流通についてノーハウを有しておりますデベロッパー等の活用も十分考慮されるということでございますので、そういう点も加味いたしまして、そういうようなことがないように配慮していきたいと思います。先生おっしゃいますとおり、公的住宅におきましてもままそういう問題を引き起こしておるわけで、十分承知いたしておりますので、そういうことが万々ないようにいたしたいと思っております。
 なお、都道府県知事が組合の設立認可申請を受けましても、その場合にも、どういう援助を受けられるのか、どういう資金計画なのかというようなところを一応調べまして、事業基本計画方針に記載される事業を、どうもこれはむずかしいぞという判断がされた場合には設立の許可をしてはならない、認可をしてはならないというふうにしております。その都道府県知事のチェックの段階でも、そういうような見通しについて十分審査もし、相談にも乗り、もしくは足らないところは補って認可をするような方法で援助を考えていくというようなことが現実の問題であろうかと思います。そういうふうな各般の措置によりまして目的を達成したいと思っておりますけれども、本当にやはり確かに一番の問題だと思っておりますので、そういう点の指導につきましては万遺憾なきを期したいというふうに心から願っておるところでございます。
#42
○赤桐操君 そこで、もう一つ具体的な問題に入るんですけれども、たとえば三ヘクタールなり四ヘクタールなりということになると、坪数にして一万坪前後のものになってくる。場合によってはまた二万坪くらいの大きなものになる場合もあると思うんですが、こういうところにたとえば中高層ビルなんかを建設して、市街化地域でありますから最も効率のよい住宅提供をしようという発想も出てくると思うんです。
 一万坪の中に中高層ビルを建てると、これは相当なものになると思うんです。三ヘクタールなり四ヘクタールなり、そのうち一ヘクタールくらい営農地区といたしましても、残ったものの中でつくられていく団地というのはかなり大きなものになってくるだろうと思うんです。この場合に金も相当なものが動いてくると思うんですね。この場合には、五千坪くらいの、あるいは二千坪とか三千坪の土地の分譲を行う程度のものではないと思うんです。そうした大きな金も動いてくる。そこにはふなれな組合運営の中でいろんな問題が発生しがちなのでありますが、案外私はこういうところにいろいろの盲点が出てくるんじゃないかということを危惧するんですが、この点はいかがですか。
#43
○政府委員(山岡一男君) 確かに、農住組合の事業を行いますには、相当の金額が動くということになろうかと思います。もちろん程度の差はございますけれども。そういう場合に健全な発展が図れないのではないかという御指摘でございますけれども、本法案におきましては、いろいろと仕組みをつくっておりますが、理事に、法令等及び総会の決議を遵守し、組合のため忠実にその職務を遂行することを義務づけております。三十三条でございます。それから役員の兼職、理事の自己契約等を禁止しております。三十四条、三十五条でございます。さらに組合員に役員の改選の請求も認めております。それから、定款、事業基本方針、総会の議事録、決算関係書類等の備えつけを理事に義務づけておりますし、組合員及び組合の債権者にその閲覧請求を認めております。それから準備金及び繰越金の積み立てを義務づけております。これは五十四条でございます。剰余金の配当に一定の制限を設けております。五十五条でございます。土地区画整理事業を実施する組合につきましては、経理を区分して行うことといたしております。五十六条でございます。それから保留地処分金の管理方法を制限いたしております。これは五十七条でございます。さらに組合の財務を適正に処理するための基準を政令で定めることといたしております。それから都道府県知事が業務または財産状況の報告の徴収もできるようになっておりますし、業務または会計状況の検査、法令等の違反に対する是正措置、解散命令等の監督も行えるというふうな措置を講じております。
 これは、他のこういうふうな協同組合に準ずるものでございまして、特に農住組合の事業も考慮いたしまして若干の付加したものもあるわけでございますが、そういうような措置を講じておりますので、適正な運営が図られるのではないかと考えておりますけれども、これは制度だけでは確かに先生おっしゃいますようにうまくいかない点があろうかと思いますので、通達等でもやりますし、できればモデル事業実施等につきまして、そういう問題が生じた場合の対策等も、十分に手引きでもつくって皆さん方に周知徹底を図っていくという措置を講ずることによりまして、そういうようなものがないようにいたしたいと考えております。
#44
○赤桐操君 これが、単に土地の区画整理を行って、住宅を建設するにふさわしい宅地を提供していくという程度にとどまるものであればよろしいのでありますが、さらに建築物をつくり上げて住宅として提供するなり賃貸なりの方法をとっていくということになりますと、かなりの金を必要といたしてまいります。この場合においてはいわゆる融資の問題でありますが、この措置はどんなふうに考えていくんですか。
#45
○政府委員(山岡一男君) 農住組合の仕事をいたします際に、出資を義務づけておりますけれども、おっしゃいますとおり、出資はやはり経済的基盤の確立ということがその目的でございまして、事業実施に当たりましては、具体的には借入金ということで進むとは思います。
 その場合の借入対象等につきまして、私どもは、まず第一義的には農協の資金等につきましても活用していきたい、さらにそういうものについても利子補給を行っていきたいということで来年度は運営をいたしていく考えでございます。それ以外に、住宅の建設等につきましては、これは先ほど来申し上げました住宅金融公庫融資、それから日本開発銀行等の各種貸付融資制度というようなものをそういうところに十分活用していただけるように措置してまいりたい。それから、例の農地所有者等の賃貸住宅建設融資臨時措置法によります利子補給、こういうものも、一般の金融機関から借りた場合でもそういう利子補給ができるような制度を設けておりますので、そういうものも活用してまいりたいというようなことで進めてまいりたいと思っております。
 借入金に対します利子補給制度の新設とか農住組合施行の土地区画整理事業の補助対象への追加等につきましては、先ほど来申しましたとおり、政府部内で予算要求中でございますので、余り胸を張って言えないわけでございますけれども、公庫の融資、開銀の融資、それからいわゆるあめ法によります農住の利子補給、こういうものにつきましては当然いまでもできる制度でございますし、農協あたりの資金も大いに活用できるということについては、私どもいまでも十分できる話だというふうに思っておりますので、そういうものを十分活用してまいったらどうかと思っておるわけでございます。
#46
○赤桐操君 この場合に、金利は大体どのくらいに見込んでいけるものであるか。さらにまた、利子補給が考えられておるようでありますが、その場合の利子補給とはどのくらいのものになるのか。
#47
○政府委員(山岡一男君) 先ほど申しました資金のうちで、いろいろと金利がございます。たとえば土地担保賃貸でございますと五分五厘という金を借りるわけでございますから、これはそのままで十分活用できると思います。農協資金等につきましては、大体いま九分五厘程度の貸し付けが一般金利であろうかと思います。
 私ども、それに対しまして三分五厘ぐらいの利子補給したいというのが政府部内で現在相談しておる筋でございまして、そういうようなものが実現すればよいなと思っておるわけでございます。農住利子補給でも三分五厘の利子補給が行われるということでございまして、貸付金利によりまして実際の実用金利は変わるわけでございますが、三分五厘程度の利子補給の応援をしたいというのが現在の要求態度でございます。
#48
○赤桐操君 農協の金を、九分五厘程度のものを使う場合において利子補給三・五、その他のいろいろ措置をされておりまする五・五程度のものについての場合においても三・五の利子補給を考えるかどうか。
#49
○政府委員(山岡一男君) 公庫融資等につきましては、すでにいろんな意味の利子補給が行われて五・五になっておるわけでございますので、それはそのままの金利と考えております。
#50
○赤桐操君 そういういろいろ金融の方法なり利子補給等の処置なり、考えておられるようでありまして結構だと思うのですが、しかし問題は、私はやはり全体の資金量というものは膨大なものになると思うし、これを行っていく場合においては、なかなか場合によっては、数人の農住組合を組織している組合員の力だけをもってして、果たしてそれを賄っていくだけの裏づけができるかどうか、これは大きな問題があるだろうと思うんです。
 それで、この場合に、たとえば公共機関、地方自治体であるとかあるいは各種公共的な住宅関係諸団体、こうしたものとの提携が行われる場合においては問題はないと思いますが、民間デベロッパー等との提携が行われ、実際問題としては金もお願いいたします。あるいはまた計画もひとつお願いいたします。開発申請から一切のもの全部デベロッパーにお願いをいたします。こういう形になりやすいのではないだろうか。造成から建設の一切を任せる、でき上がったものの販売まで頼む、こういう状態がむしろ大体流れていく方向ではないんだろうか、こういうように感ずるんですけれども、この点はいかがですか。
#51
○政府委員(山岡一男君) まず、公的な団体との大きなものにつきましては、タイアップということは今後においても進めてまいりたいと思っております。
 それから、先生御指摘のように、民間デベロッパーの手をかりるということは、たとえば建物につきまして発注をする、それからでき上がりましたものの委託販売等につきましてもノーハウを活用させてもらうというようなことは当然あろうかと思います。それから、自分たちみずからで賃貸住宅を経営するという場合にも、賃貸住宅をつくってもらうという意味の発注、請負という関係は民間デベロッパーともつくだろうと思います。
 それからさらに、先ほど申し上げましたように、大部分が市街化区域内の農地でございましても一部の宅地を含むということもできるわけでございますので、その宅地の所有権者ということで、民間デベロッパーもその持っている持ち分の限りにおいて組合員になる場合もあるわけでございます。したがいまして、そういうふうな点で民間デベロッパーに寄与することも必要に応じてはいま申し上げた点であるわけでございますけれども、やはり民間デベロッパーの方々につきまして、「組合は、その行う事業によってその組合員のために直接の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行ってはならない。」というのを法第五条に規定しております。
 また、剰余金の配当につきましても、損失のてん補、準備金の積み立て、繰越金の控除を行った後でなければ、これを行ってはならない、これは五十五条でございます。さらに、組合員の議決権及び役員選挙権は、一組合員一票ということで民主的な運営を図るというふうに規制されております。
 したがいまして、たとえば民間デベロッパーが組合員となった場合でもそういうことで制限を受けておりますし、民間デベロッパーが融資と建設を同時に行うこととして乗り込んでまいったという場合におきましても、先ほど申し上げましたようなまず公的機関、公的資金等の活用というのを優先いたしますし、それと同時に、先ほど申し上げましたような組合に対します指導の中におきまして、十分そういうふうなことがないような行政措置を講じていきたいと思っているわけでございます。
#52
○赤桐操君 いろいろ細かく規制もされておりますし、厳しい運営を求める、あるいはまた指導もしていくということのようでありまするから、そういう方向でいくんだろうと思いますけれども、農住組合というものが看板になってしまって、これを通じていろんな金利や、あるいはまた安い金利や利子補給等が入ってくる、こういう形をとりながら、実際には大変都市型の仕事でありますから、デベロッパーがほとんど実際の運営をしていくというようなおそれが私は多分にあるように思いますので、この点についても一つの疑義をはさまざるを得ません。そうして膨大な金を動かし、また、なれないこういう仕事を、農家の皆さんが片方においては農家をやりながら、片方においては不動産業みたいなものもやっていく、こういう兼業農家になっていくわけでありますが、これは果たして一体うまくいくんだろうか、こういうことを全体を通じて強く感ずるものがあります。
 いろんな大きな騒ぎをして、営農地区を保存しながらやってはみたけれども、当初申し上げたとおり、予定の一つの展望のとおりにうまくこれが目的を完遂して、組合の解散というところまでいけるものならば問題はないと思いますが、その中では経済的な変動もありまするし、いわゆる住宅のニーズの変遷もあるだろうし、いろいろその都市の問題等も発生してくるわけでありまして、そういった客観的な条件や時代の移り変わりの中でこの種の事業というものは左誉れてくる思います。したがいまして、そういう変遷の激しい世界の中で、厳しい条件をつけられながらも農民の皆さん方が一生懸命やったと仮定いたしましても、結局全部整理してみて、順調にいって手いっぱいであって、へたをすれば大変な問題が出てく
 るのではないだろうか、こういうことになるだろうと思うんですね。
 具体的に申し上げますると、建ててはみたけれども売れなかった場合どうするか、建った場合、建ててはみたけれども入居者がなかった場合には
 一体どうなるのか、こういう需給関係が非常に大きな問題だと思うんです。これは中央、地方を通ずる専門のキャリアを持つ事業団体がやってみても失敗をすることが相当あるわけであります。しかし、たとえば値段が高くてとても買うことができない、しかし、農住組合からして見れば、いや、生産原価から見ればこれはもう余りにも低廉なものなんだ、こういう主張もあるだろうと思うんです。しかし、結果的には買う力がないという需給関係が発生してきた場合においては、売れない場合も出てくるだろう。そういう状態が出たときに、売れ残りのもの、あるいはまたたくさん残った場合においては、それに伴う金利もかなりついてくるだろうし、処置の問題で相当の難問が出てくるだろうと思います。この場合、デベロッパーがこれを全部引き受けてそのデベロッパーの会社の損失にまでこれを計上しながら賄ってくれるということはあり得ないと思うんです。やはり構成している事業主体が最後まで責任を持たなければならないだろうと思うんです。こういう問題が一つ出てくるんですが、こういうようなことを考えてみたときに大変不安が出てまいりますが、この点はいかがですか。
#53
○政府委員(山岡一男君) 先生のお話のとおり、私ども、昨年ではございませんが、少し前に農民の皆さんのそういうようなことについての意識調査をしたことがございます。その中で一番大きな不安はそれでございました。もし本当に住宅を経営しても人が入ってくれるだろうかというのが一番大きな不安で、なかなか手が挙げられないというようなことでございました。おっしゃるとおりでございまして、そういうような点につきまして十分な配慮が必要だと思います。特に売れ残ったような場合には、一般のものと同じでございまして、やはり金利の分は将来の賃貸の家賃なり分譲価格なりにオンしていかなければならないというようなことになるわけでございまして、そういう事態が起こることはきわめて困った事態だと思います。
 本制度につきましては、いま人口の自然増や世帯分離、住みかえ等に伴いまして最も根強い住宅、宅地の需要が存するのに、供給が不足しているという三大圏の現状に着目してお願いするというものでございますので、私ども基本的には、本制度により供給される住宅、宅地につきまして売れ残りが生ずることは万々あるまいという希望的な観測は持っておるわけでございますけれども、さらに、農住型土地利用転換計画等の策定の過程におきまして的確な需要予測を行っていただく。それから、公的融資等を通じ良質、低廉な住宅、宅地の供給を図っていただく。地方公共団体や関係農業団体等による適切な助言、指導を本当に徹底さして行う。これらの措置を講ずることによりましてそういうことのないようにしていきたい、これは努力しなきゃならぬことであろうと思います。
 今度の組合の一番の特徴は、やはり土地の区画形質の変更から住宅の建設管理まで一貫してできるというところが非常に新しいメリットであり、また特徴であるわけでございますが、それぞれの中の、たとえば土地区画整理につきましても過去にずいぶん行われておりまして、いろんな生じました問題等はある程度明らかにされておりますし、いろいろな手当てもなされております。それから農住利子補給等によりましてもやはりいろいろな問題があって、どういうふうなアパートができて、どういうふうに売れたか、借りられたかという問題につきましても過去の例もございます。さらに農業協同組合も宅地の造成、住宅の経営等できるようになっているわけでございますが、そこにもそういう問題についてのデベロッパーとの関係の間にいろいろな過去の例がございます。そういうものも先例にしながらそういうふうな具体的方向づけをしていきたいと思っておりますので、地に足のついた指導でこれにこたえたいというのが目下の考え方でございます。
#54
○赤桐操君 いろいろ危惧することばかり申し上げて大変恐縮なんですが、具体的に現実に発生している問題を私は想定しながら、いままでのところを振り返りながら申し上げているわけでありますが、たとえば、かなりりっぱなキャリアを持つところで行った例でありますけれども、石垣を積んだ、そしてきちんとした相当の造成が行われたと判断をしておったけれども、それがある豪雨その他でもって崩壊をしていった。そうすると、その行った業者は、もうこれに対して多額の実は費用をかぶることになるのでバンザイをしてしまう。次の業者にこれを発注して新しくやっていく。そういうことが何回か繰り返されてでき上がった例が一つあるんです。
 これは実は、その事業者自体に大きな力があったからそこまでやれたと思うんですけれども、一般のこの種の組合であったならば、私はこれは現実にバンザイしてしまうと思うんですね。恐らく石垣が崩壊し、基本的な造成の基本構造が崩れたということになれば、これは全部やり直しになりますから、この場合の費用というものは大変なものになると思うのです。そういう状態が恐らく二回ぐらい続いたらバンザイしてしまうと思うのです。こういうことがやはり地層やあるいはまた埋め立てや作業のいかんによって出てくるわけなんだよ。こういう場合において、入居者等がこの場合に現実に存在している場合においてはさらに大きな問題が発生するんですが、これはどこが責任を負うようになるんですか。
#55
○政府委員(山岡一男君) まず第一義的には、やはり組合が経営をし、もし組合が譲渡したということになりますと、窓口といたしまして組合が第一義的責任を負うということはこれは免がれないと私は思います。しかし、そういう場合に実際の負担はどうするのかという問題につきましては、先ほども申し上げましたけれども、業者に対します瑕疵担保、一般の民法では二年とかいろいろございますけれども、そういうようなものにつきましてしっかりした契約をしておくということがやはり一番大事ではなかろうかと思います。そういう意味で、そういうような契約条項につきましても相当細かい指導をしてまいりたいと思っているわけでございます。
#56
○赤桐操君 そうすると、具体的に申し上げるというと、業者とデベロッパーならデベロッパーとの間に向こう五年なり十年なりの発生の場合におけるところの協定まで結んでおく、こういうことですか。
#57
○政府委員(山岡一男君) 契約の中の特約がどこまでできるかは実ははっきりしておりませんけれども、瑕疵担保責任につきまして明定をいたしまして、そういうものについての費用負担の責任を負っていただくというふうな契約をしておくことはできる範囲であると思います。
 なお、最近一部で始まっております。そういうような瑕疵担保のための保険の制度なども検討されておりますが、将来におきましてはそういうものの活用も図れるというふうに思っております。
#58
○赤桐操君 私は、いま一連の状態を伺いながら感ずるわけでありますが、順調に事が運んでも、いろんな問題が発生したときには大変な事態になるということになるわけでありまして、しかも営農地区の問題についても、これは当面の営農でありまして、そう将来に期待を持たせるようなものではないだろうと思います。全体を通じまして非常に厳しい状態の中でかなりむずかしい事業になるだろうというふうに想定せざるを得ません。そしてあけてみた結果は、まあうまくいけば結構でありますが、そうでない場合がしばしば発生してくる。そういうことを考えるというと、こうした農家の皆さん方はいっそのこと土地は土地で適正な値段でこれを離して、むしろ預金でもして手がたく管理をする方が安全有利ではないだろうか、こういうことさえも実は判断せざるを得ないわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
#59
○政府委員(山岡一男君) 現在、三大都市圏の市街化区域内農地の実情を見ますと、既成市街地の中にその五割が入っておりますし、住居系の都市計画地域の中に九割が含まれておるというのが現状でございます。したがいまして、そういうような都市計画を時間をかけて実行していくという面から申しますと、やはり他の政策手段もいろいろあるわけでございますので、そういうものによってたとえば都市的土地利用への転換を図るということも別途進められると思います。しかしながら、先ほど来申し上げますように、農民の皆さんの中ではやはり一部では営農を続けながら、一部ではそういうようなものにも転換したいという意思を持っていらっしゃる方もあるというふうに私ども調査の結果見ております。したがいまして、そういう方々にはこういう一貫して整備達成できるような新しい組合の組織というものをつくって差し上げてそういうものを活用していただく、それに対して国も地方公共団体も、関連の金融機関も大いに万全の応援をしていくということで当面成果を上げていきたいと考えているのがその趣旨でございまして、皆さん方の盛り上がる意思ということが基本でございまして、強制は一切含んでおらないわけでございます。
 したがいまして、そういうふうなことで、どうしてもやはり売って預金をした方がいいというような方々については、デベロッパーの方へお売りになりましてそういうことも図られる場合もあろうかと思います。それからやはり公的団体へ売られる場合もあろうかと思います。種々雑多なお考えの方があろうかと思いますが、私どもこの九万五千ヘクタールの対象の中で、そういうふうなものについて手を挙げてやろうとおっしゃる方々を期待してこの法案をつくっておるということでございます。
#60
○赤桐操君 土地の造成が行われていよいよ販売をされる、分譲をされるという段階になる、あるいは家が建てられて分譲される、こういうような場合を一応想定するんですが、低利の金利やあるいはまた利子補給等を使ってやっているわけですから、かなり一般のものよりは低いだろうということを想定するんですけれども、これは原価主義で譲るものではないんだろうと思うんですね。その点はいかがなんですか。
#61
○政府委員(山岡一男君) 組合がその事業として行う限りにおきましては営利を行ってはならないということは書いてございますけれども、原価主義と営利の間にはやっぱり相当の幅があると思います。そういう意味で、原価主義に必ずしもこだわることではないと思っております。
#62
○赤桐操君 それから、もう一つ伺いたいんですが、全部一団地が完成をされて、そしてこの土地がそれぞれ一定の処分を大体終わって、第一次なり第二次なりの分譲も全部終わって諸費用がそれによって全部賄われたと仮定します。そうすると残余の土地が出てくると思いますね。幾つかの区画された土地が残ってくると思いますが、そうしたものについてはこの組合が存在して全部処分をするものなのか、あるいは解散をした後でそれをそれぞれの組合員に分けて、自分たちが保有をし適当に処分をしていくようなこともあり得るのか、この辺のところを伺いたいんです。
#63
○政府委員(山岡一男君) 組合が組合として土地を買ったという場合には、確かにそういう問題があろうかと思います。ただ、この農住組合を今後十年間の間に手を挙げて組織をなさった方ということを対象にいたしたわけでございますけれども、その後の問題といたしましては、そういうふうなものにつきまして定款の定められる範囲の中で皆さん方が事業をずっと行っていかれる、そして最終的には解散もそういうような組合の総会の決議において決まるわけでございますから、そういうようなものに至るまでの皆さん方のお話し合いの中で決まっていく問題だというふうに思っております。手を挙げるのはまさに十年以内という制限を設けておりますけれども、たとえば賃貸住宅を農住組合が経営するという場合には、ずっとその組合は続くというふうに考えておるわけでございます。
#64
○赤桐操君 買う方の側の立場も考えなきゃならないんですが、そうして供給と需給の関係で、果たしてこの場合において低廉なものになるのかどうなのかということも実は考えなきゃならないと思うんです。逆にそうしたいろいろ自由があるとするならば、土地はむしろ必要経費だけが賄われて、ある程度金を持っている方々もいらっしゃるでしょうから、あるいはまたその中にデベロッパーがみずから土地を持って参画するものもあるでしょうから、そうなるとこれを業とする者も中にはあるわけですから、そうした者が私は土地価額をむしろ押し上げていく、こういうことさえも想定しなきゃならない事態もあるだろうと思うんですが、こういう場合における地方機関の監督といいますか、地方自治体なりそうしたものの監督あるいは管理というものはどのような程度まで及ぶものであるか。
#65
○政府委員(山岡一男君) 認可をいたしました事業の健全な経営の範囲におきまして財務監査もできますし、報告も求められますし、相当細目の監督ができるということになっております。
#66
○赤桐操君 そうすると、その土地の不当なたとえば所有といいますか、あるいはまたしばらくの間温存をしておくといいますか、そういうようなことは許さないということですか。
#67
○政府委員(山岡一男君) 全体の目的に適合するように速やかにやらなきゃならないという趣旨の努力義務規定も中に書いてあるわけでございまして、それを盾にいたしまして監督は行えるということだと思います。
#68
○赤桐操君 利子補給までし、低利の金利まで使って大変土地を提供するところまでは成功した、でき上がるところまでいったと。でき上がったものについては必要な経費だけは全部賄われて、あとは土地として地主に保有されておる。そういう状態が来て値上がりを待ちながらまたぼつぼつ売っていく、こういうようなことになってくると、あるいは土地価額を押し上げていく、こういう状態になってまいりまするとこれは私は大変な問題になると思うんですが、その点はいかがですか。
#69
○政府委員(山岡一男君) そういう点につきまして、なるべく早く目的を達成するように努めなければならぬという意味の規定があるわけでございまして、そういうものにつきましては厳重に監督してまいる。先ほど申し上げたような趣旨でございまして、特にそういう公的資金の入りましたものについて、土地転がしをするようなことにつきましては断じて許さないということでございまして、土地を譲渡するというような場合につきましても、先ほど申し上げましたように、着実に上物ができるというものしか対象にしないということを考えているわけでございまして、本来の土地を処分しないで空地のままで持っておくというようなことは、指導上も監督上もこれは許されないことだというふうに思っております。
#70
○赤桐操君 次に、三大都市圏における農地のそれぞれの面積をひとつ伺いたいと思うんですが……。
#71
○政府委員(山岡一男君) これは五十四年の一月一日現在の数字でございますが、首都圏では約四万七千ヘクタール、それから中部圏では約二万五千ヘクタール、近畿圏では約二万三千ヘクタール、全体で約九万五千ヘクタールというのが市街化区域内農地の現状でございます。
#72
○赤桐操君 この農地の中で、宅地化の意思のない農地というのはどれくらいございますか。
#73
○政府委員(山岡一男君) 三大都市圏全部で調べたものはございませんが、首都圏で本年私ども調査をいたしたのがございます。それによりますと、四五%ぐらいの方は今後も引き続き全部の農地で農地経営をしたいというような御回答があったわけでございます。その他の五五%の皆さんにつきましては、先ほどもちょっと申しましたけれども、大部分はとか多少はとか一部はとか差はございますけれども、他への転用の兆しが見えるということでございます。
#74
○赤桐操君 そうすると、約半数は大体営農の意思を持つ、こういうようになると思うんですが、これは他の都市圏においても大体同じような傾向と見てよろしいかどうか。
#75
○政府委員(山岡一男君) その辺は、実は私も大量観察という意味ではそういうような意味で事情が大体似通っておりますので、大体そういう方向だろうと思いますけれども、近畿圏の方では水田が非常に多うございます。その点は首都圏等とは違う点でございまして、たとえば近畿圏等で調査をやったらもう少し営農の継続がふえるんじゃないかというふうな気はいたしております。
#76
○赤桐操君 この組合が事業対象として、それでは対象地域として考えられる農地というのは、いまのお話の大体半分ぐらいというふうに判断してよろしいんですか。
#77
○政府委員(山岡一男君) この法律で対象といたしておりますのは、先ほど申し上げました首都圏、近畿圏、中部圏という範囲と別に、法律で首都圏の近郊整備地帯というふうなことで決めております。それの対象になる地域で見ますと、全体で八万八千ヘクタールぐらいが対象になると思います。その中で本制度の対象になります市街化区域内農地の中でも、先ほど六十条の説明のときに申し上げましたように、大体二ヘクタール以上の一団の農地というのが最小限の対象としてイメージを持っております。
 そういうことになりますと、それがどれぐらいあるかというのが一つの問題になります。ところが現在のところ、これは関係省にも御協議申し上げましたが、公式のデータはいまのところないようでございます。そこで、私ども練馬区におきまして農地分布調査というのを一遍やっておりますので、それにつきまして中身を検討してみますと、たとえば練馬区の例をとりますと、市街化区域内農地に対しまして約二分の一が二ヘクタール以上の一団の団地というふうになっております。しかしまた、別途の調査から私どもが推計をしたところによりますと、東京圏だけで推計したわけでございますが、全体のおおむね三〇%程度がその全体の中では二ヘクタール以上の割合を占めているというふうに見ております。そういうふうなことでございまして、全体では三〇%ぐらいがその対象になるのではないかというのが見通しでございます。
#78
○赤桐操君 そこで、最終的に一体どの程度これによって宅地の提供というものが期待できるのかということですね。
#79
○政府委員(山岡一男君) 農住組合によります宅地供給の見通しにつきましては、組合の設立が農地所有者の方々の自発的な意思に期待するというものでございますので、どれぐらい手を挙げていただくかということは今後の問題でございまして、われわれの掘り起こし、たとえば農業団体等を通じてのPR等も大いに関係するわけでございまして、いま直ちに予測を申し上げることは非常に困難でございますけれども、さらにまた今後も検討をしていかなければならない問題でございますが、われわれといたしましては、努力目標という意味も含めましてあえて試算をしてみております。おおむね四千ヘクタール程度は最小限期待できるのではないかというふうに見ております。これを圏域別にということになりますと大変むずかしい問題でございますので、大量観察でいろいろな仮説をつけて、現在のところ四千ヘクタールぐらいはこの農住組合制度で供給させてほしいというふうに考えておるわけでございます。
#80
○赤桐操君 そこで一つ伺いたいんですが、これは十一月一日の新聞に報道されておりますが、「区画整理ずみの休眠宅地四万ヘクタール」という見出しでもって、これは建設省の推計調査によるものだと出ております。しかも、これは年間需要の十年分ということであります。いまはからずも四千ヘクタールというあれが出ておるわけであります。そういういま一つの動きが出ておりますが、この休眠宅地四万ヘクタールということについてはどういうものなんでしょうか。建設省の推計調査だと新聞では報道いたしておりますが、内容について伺いたいと思います。
#81
○政府委員(宮繁護君) ただいま御質問ございました四万ヘクタールという数字は、実は私どもで公式に調査いたし発表した数字ではございません。それで、私どもが手元に持っております数字は昭和五十四年度に調査をいたしましたものでございまして、これが首都圏におきまして過去十三年間に着工いたしました合計が、首都圏ではいま申し上げましたように、三十六年度から四十九年度までの間に着工いたしましたものが二万九千ヘクタールございます。このうち四十九年度の時点ですでに市街化しておるものが一万一千ヘクタール、そういたしますと、残りの一万八千ヘクタールが四十九年度の時点でまだ市街化しておらない。この内訳は、四十九年度の時点で区画整理事業をまだ実施中の区域、それからいまお話しの事業が終了したけれども建築物が建っていない区域、それから将来の道路とか公園とか学校用地になるための敷地、こういうものの三つの合計が一万八千ヘクタール、こういう数字は実は調査の結果わかっておりますけれども、お話しの数字は公式的に調査したものではございません。
#82
○赤桐操君 いずれにしても、かなりのものが残っていることは事実なんですね。いまのお話によると、そういうものが存在をしていることは事実のようでありますが、これは一体どういうような行政指導なり処置をおとりになりますか。
#83
○政府委員(宮繁護君) 区画整理は、御承知のとおり地主さん方が大体二〇%ぐらいの土地を公共用地に提供いたします。それから約一〇%程度は保留地ということで、これを第三者に売却いたしましてそれを事業費に充てる、こういうふうな方式で整然としたいい計画的な市街地ができるわけでございまして、私どもはこの事業をこれからも大いに進めていかなければならないと考えております。
 しかし、先ほど申し上げました調査によりましても、大体区画整理の土地が全部建築物、これは住宅だけではなくて、商店もありその他のいろいろな施設もございますけれども、市街化するためには約二十年ぐらいの時間が必要でございます。直ちに区画整理済みが住宅用地に提供されればいいんですけれども、一方また、公共施設あるいは学校等の公益施設の整備が必ずしもテンポがそれに合わないような事情もございますし、公共団体側からすれば、ある程度ゆっくり市街化してもらいたいという実は要望もございます。そういうような意味合いで現在のところは二十年程度かかっております。しかしながら、この区画整理によります住宅地の提供というのが、現在のところ大体全国で住宅用地に提供されております土地の四割程度を占めておるような状況でございます。ですから、テンポは遅いんですけれども、年間の事業量で申し上げますと、区画整理による住宅宅地の提供というのは非常に大きなウエートを占めておる。そこでいまお話しのように、そういった一部の区画整理が完了いたしました土地でまだ建築が行われていないような土地に対しましては、いまいろいろな施策をやっております。
 一つは、住宅金融公庫の個人の住宅融資におきましても、この区画整理済みの土地を取得する場合を融資の対象にするとか、あるいはいままでいろいろお話が出ました農住賃貸住宅の利子補給制度を活用するとか、あるいは住宅金融公庫によります土地担保の賃貸住宅の貸付制度等の活用によりまして、土地を所有している人によりますところの住宅の建設の促進を図るというようなことも考えております。それから本年度の税制改正におきましても、土地区画整理事業の施行区域内の土地を住宅地といたしまして譲渡した場合に、一定の要件のもとでは譲渡所得税につきまして税の軽減がされるような措置を実施いたしまして、この住宅化の一層の促進を図ることといたしております。それで、やはりこれからは地主さんに御協力をしていただきまして、計画的に市街地をつくっていく上では区画整理は非常に重要でございますが、同時にまた、こういった利用されないような土地の利用化につきましても、一層いろいろな施策を展開してまいりたいと考えております。
#84
○赤桐操君 これは、残っている、特に三大都市圏等におけるいま眠っておる土地と言われまするか、そういう区画整理も済んでそのまま眠っておる土地について何で売り出しができないのか、基本的に何か欠陥があるのかどうなのか。これは公共団体施行であるものではなくて、むしろ組合施行によるものだろうと思うのでありますが、そこにはやはり事情があるんじゃないかと思いますけれども、その点はどういうふうに把握しておられますか。
#85
○政府委員(宮繁護君) 先ほどもちょっとお答えいたしましたように、数十ヘクタールの区画整理をやりまして直ちにそこが住宅地に全部なりますと、学校とか保育所とか、その他公共施設が必ずしも市街化のテンポに合わないというような実情もございますし、公共団体の側からいたしましても、人口が一度に急増する点につきましては難色を示すという点も一つございます。それから、やはりその地主さん、ほとんど農民の方でございますけれども、共同いたしまして減歩率が約三〇%ぐらいかかりますけれども、そういうことで区画整理をやりました土地につきまして、直ちにこれを売る動機がないといいましょうか、高度成長時代は資金需要もかなりございましたけれども、いまの低成長時代になりますと、農民の方々も、直ちにこれを売却して資金を得て、何かほかの事業をやるというような刺激も少ないといいましょうか、そういう関係でなかなか直ちには他に転売しないという事情等が重なっておるかと思います。
#86
○赤桐操君 いずれにしましても、こういう土地が大変大きなまま残されておるということについては、これはしかも首都圏、三大都市圏の中でやはり主たる比重を持っているようでありまするし、私は大きな問題だろうと思うんです。それで、言ってみれば、農住組合をこれから組織して新しいものを掘り起こすことも結構でありますが、むしろ本来、今日まで相当の大きな助成を行いながらやってきたこうしたものの処理こそが、当面の最大の課題じゃないだろうかというように感ずるわけであります。
 それで、一つ国土庁長官に伺いたいんですけれども、こういうような形で農住組合というものを組織化してやっていくということが、果たして都市型の農業を行ってきたところの農民の皆さんに対する本当の実は対策として適切であろうかどうかということを考えるんですが、大臣、あなたはどのようにお考えになっていますか。
#87
○国務大臣(原健三郎君) 最前から先生がいろいろこの法案に対する御注意、警戒すべき点等々るる御説明いただきまして、その点は政府委員から答弁したとおりでございますが、私といたしましては、いろいろ問題はないとは言いませんが、やはりこの際、こういうふうに思い切って土地の提供をしてもらわないと、このままじんぜん日を送っておりましたら三大都市圏においていわゆる宅地が出ていない、住宅も建てられない。でありますから、ぜひこれをやることが現実的であるし、また土地の整理組合をやっておる、それもやってよろしいし、これもやるし、いろいろやって若干ずつでも前進して国民の期待に沿いたい、こういうので、現実的に私は可能であるし、成功することを祈っておるし、そうなるであろう、こう考えております。
#88
○赤桐操君 率直に申し上げて、私としては大きな期待を持つようなそれほどの事業にならないんじゃないか、こういうように実はどうも懸念されて仕方がないのであります。
 それから次に、都市型農業に対する政策を一つ伺いたいと思うんですが、農林水産の方来ていますか。――大都市圏で周年営業を続けて、将来ともやっていこうという農業を行う農家がかなりあると思うのでありますけれども、この農地というのは農林水産省の方で把握している範囲ではどのくらいのものであるか。またそういう農家に対しては、都市型農業という言葉があるかどうか知りませんが、またいままでの日本の農業政策から見れば本流ではないかもしれませんけれども、人口稠密のこういう地域においてはかなりの実は役割りを果たしていると思うんですが、そのこれからの対策等についてはどういうように考えておられるか、伺っておきたいと思います。
#89
○説明員(松下一弘君) 農住組合の事業の対象になっております三大都市圏の特定市町村の市街化区域の中には、約九万ヘクタールの農地がございます。この農地だけを取り上げてその利用状況がどうなっているか、いわゆる定着しているかどうかという調査はございません。しかし三大都市圏の特定市町村の全地域、これは市街化区域のほかに市街化調整区域等も含んだものでございますけれども、その農業につきまして、昭和五十年の農業センサスを組みかえましてその統計で見ますと、樹園地のように一年じゅうずっと栽培が行われているところもございますが、そういうところを除きました田畑で見ますと、その調査時期の一年前からの間、一年間の間に全然作付が行われなかったというのは田で六%、畑で一三%程度ございます。そのほかにつきましては何らかの作物が栽培されているわけでございます。都市近郊におきましても、りっぱな営農を行っている農家が多数存在しておりますことは先生御指摘のとおりでございまして、特に野菜であるとか花、花木の栽培、あるいは豚とか鶏の飼育を主体としました農業が行われております。
 しかし、市街化区域の農業といいますのは、おおむね十年以内に市街化を図るというこの市街化区域の性格から、当分の間は経過的に農業が行われましても、長期的にはやはり漸次その生産が低下していくというふうに見込んでおります。農地法におきましても市街化区域にある農地につきましては、転用を許可制ではなくて届け出制でいいというような扱いになっております。このため市街化区域においては、当面の営農を行うために必要な災害の復旧であるとか、あるいは効用が短期な機械や施設の導入というものには助成しております。さらに病虫害の防除であるとか復旧の事業というようなものは行っておりますけれども、土地改良、土地基盤整備事業のような効用が長期に及ぶものにつきましては、施策は行わないという方針で臨んでおります。
#90
○赤桐操君 では、土地区画整理法によるところの土地の造成と、それから都市計画法による場合の土地の造成についてちょっと質問をいたしたいと思いますが、土地区画整理法による土地造成を伺うと、公共用に供される面積、負担分というのは大体二〇%から二五%ぐらいで行われてきている。そしてさらに造成費その他につきましても、利子補給その他等がこれには相当大きく影響しているようでありまするので、この面からも低廉なものが出てきているということになると思うんです。しかし都市計画法によるところの場合、いわゆる宅造法による場合でありますが、この場合には、今日の状態では大体公共用地として提供しなければならないものは約六〇%ぐらいに及んでおると思うんです。したがって公共負担分全体がもう半ばを超えている。これは費用の点やその他全部を含めて計算してもそういうふうになると思いますが、土地区画整理法によるものと宅造法によるものとでは大変な私は開きがあるように思います。そしてさらに、これを求める方の側からしますと、土地区画整理法によって行われたものであるか、都市計画法、特に宅造法によって行われたものであるか、そういうことは余り関係ないことであって、要するにこれを求める方の側、入居する方の側にしてみれば、一方の方では多額の公共負担分を負わなきゃならない、一方の方では非常にそれとは比較にならないほどの公共負担分で済んでいる。しかも金融の面その他等も、金の面においてもかなりの金利や低金利のものを使われている。
 こういう状態の中でこれは供給されているわけでありますが、買う方の側にしてみるというと、同じ質の、あるいはまた公示価格においても余り変わりのないようなところであっても、大変な実は開きが出てくると思うんです。そして不公平な結果を招いていると思いますが、この点について都市政策上の問題としてどのようにお考えになるか、伺いたいと思います。
#91
○政府委員(升本達夫君) ただいまおただしの区画整理事業によります場合の減歩負担、それから都市計画法に基づきます開発許可によって施行されます開発事業の場合の公共用地負担、その間にかなりの隔たりがあるのではないかという御指摘でございましたけれども、これは私、精査した数字をもとに申し上げるわけではございませんけれども、考えられます一つは、開発許可のかなり大がかりなものは、一般的には現状においては市街化区域外で行われる場合が比較的多いのではなかろうか。区画整理事業におきましては、先ほど来計画局長から御答弁申し上げましたように、市街化区域内の宅地化、市街化の促進という手だて、目標をもちまして、主として市街化区域内の区画整理が非常にいままで少なくとも実績としては多く行われております。市街化区域におきましては総合的な都市施設整備が全般的に進められる中において、その区域において負担すべき公共用地分の負担を区画整理事業でしていただけば、一応の整備が整うという状況にあるものが多いのではないかと思います。
 片や調整区域内に行われる大規模開発におきましては、市街化区域と状況が違っておりますので、単にその開発地域内の公共施設用地の負担だけでは十分な開発行為が行われない。さらに縁辺の公共施設整備との取りつけの問題でありますとか、そういうものまで配慮した上で開発が行われることが許可の条件にならざるを得ない。そのようなことから、結果的に調整区域内に行われる大規模開発におきましては公共施設負担分、つまり減歩負担分が増大するという結果を招来しているのではないか。もしそういうふうに一般的に申し上げられるといたしますと、これは都市政策上の基本的な考え方によりまして線引きをいたしました趣旨から、やむを得ないところではないかというふうにお答えできるのではないかと考えております。
#92
○赤桐操君 では、そういう比較ではなくて、都市計画地域の中で、都市化の中で、市街化区域の中でも農地があるわけですから、そうしたものを都市計画法によるところの造成で行う場合と、土地区画整理事業法によって行う場合と私はあると思うんです。その場合の比較を実はいま伺っているわけです。都市計画法による宅造による場合の状態というのは、やはり私は同じだと思うんですね。それで、調整区域であるから非常にかかる、市街化区域であるからかからないということにはならないんじゃないか。同じ地域であるならば同じような負担を負わなければならぬのではないか。土地区画整理事業の場合におけるものとは基本的に違いがあるのではないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#93
○政府委員(宮繁護君) いまお話しの宅地開発許可によります造成事業と、区画整理事業の公共用地率の問題でございますけれども、どうしても開発する場のいろいろな状況も影響いたします。一般的に申し上げますと、たとえば土地区画整理事業の場合はそれほど大きな面積でないところもございますが、そういうところでございますと、直ちに学校とかそういった施設がすぐには必要でないというような場合が多いわけでございますけれども、開発許可の場合でございますと、どうしても面積が大きい場合には、学校用地であるとか公民館の用地であるとか、そういった用地率も高くなる点が一つございます。
 それから、区画整理の場合はわりあい一宅地の面積が大きいようでございます。そういたしますと、足元道路と言いましょうか、細街路と言いましょうか、そういうものの必要面積が、開発許可に基づきます場合に、区画整理に比べまして一宅地当たりの面積が小そうございますので、結果的には一宅地当たりの面積の大きい区画整理の方が公共用地率が低い、一般的にこんな傾向ではなかろうかと思っております。それで区画整理の場合は、大体公共用地率が三〇%弱ぐらいになっておりますけれども、開発許可によります団地造成の場合は一般的には三〇%以上、特に山林の丘陵地帯などのような場合には、周辺にどうしても緑の部分をとるというようなことで緑地の率も多くなりまして、確かに差があるようでございます。
#94
○赤桐操君 これから農住組合がいろんな団地をつくっていくことが想定されると思うんです。そうすると、これは現実の問題として、たとえば三ヘクタールなり五ヘクタールなりのものが市街化区域の中に存在をしている、そういう場合においては、当然そこでは一つの大きな造成になってくると思うんですけれども、土地区画整理法による場合と都市計画法による場合とでは、私は倍ぐらいの公共負担分の差があると思うんですが、入居する方の側からしますと、大変これは不公平なものになると思うんです。しかも、土地区画整理事業の施行に対しては相当の援助が行われている。しかし、都市計画法による開発許可の場合においてはそういうのはない、現実には。そうすると、これは買う方の側に全部かかってきているわけなんであって、事業者に対する甲、乙ではなくて、差別ではなくて、少なくとも入居する者に対する差別になってくる。これが現実の問題である以上は、私は都市政策上の問題としてこれは大変大きな問題だろうというように指摘せざるを得ないと思うんです。
 それから、もう一つ問題になるのは、地方自治体の側からいたしますと、公共負担分を大きく背負ってやってもらう、そういう事業主体である場合に、すなわち都市計画法による開発許可による場合である方が私は歓迎すると思うんです。地方自治体の場合にしてみれば、やがてそれは何といっても市街化区域地域でありますから、これは急速に人口もふえていくだろうし、人がそこに張りつけられるようになればいろいろな公共施設もしていかなきゃならない、こういうようになってくる。
 私は、相対的に見ていって、土地区画整理事業で行っているようなこういう公共負担の割合というものは、あるいはまた五分五厘の低金利であるとか三・五の利子補給を行うとかという、こういうあり方、これが本来は住宅政策の現実的なあり方でなきやならないと思うんです。そして、いまの都市計画法による開発許可によるところのそういう住宅の建設方針、こうしたものは私は現実には誤りだと思うんです。本来は土地区画整理事業法によるこういうあり方をたどりながら、日本の住宅政策というものを進めていくべきじゃないか、現実には、こういうように私は思うのですが、この点いかがですか。
#95
○政府委員(宮繁護君) 御承知のとおり、この区画整理は都市計画の中におきましても私どももきわめてまだ大きな役割りと重要な意味合いを持っておると思います。そういう意味では、できるだけ区画整理施行地域が拡大し、これが活用されることを期待いたしておるわけでございますけれども、やはりこれは地元の土地所有者全体の合意が要る、取りまとめのための中心の人材の養成その他の問題もございますし、これが一番いいわけではございますけれども、全部がそれで対応できませんので、やはり民間デベロッパー等が山林原野等を買い受けてこれを開発するという手法もまた一方では必要かと思います。
 それで、どれだけ公共が負担するか、どれだけデベロッパーが負担するか。デベロッパーが負担するということは、最終的に消費者が負担するわけでございますけれども、できるだけそういった場合に、公共施設につきましては、国なり公共団体が負担し、民間デベロッパーの負担を軽くすることは必要でございますし、現在も関連公共施設の促進事業費等をいただきましてやっておりますけれども、これに基づきましてできるだけ地元の市町村なりデベロッパー、すなわちこれは最終的に消費者負担になりますけれども、そういうものを軽くするための努力を続けていっております。
 しかしながら、また一方考えますと、これは税金で賄われるわけでございまして、既成市街地におきましては必ずしも公園も十分でない、学校も老朽化しておる。しかし、目の前に見える新しい団地におきましてはりっぱな学校ができ、りっぱな道路ができる。これにつきましては若干既成の市街地に住んでおります住民の感情の問題もございます。そういう意味合いでは、ある程度はデベロッパーを通じて最終消費者であります宅地を手に入れる方の負担増もやむを得ないのではなかろうか。そこら大変むずかしい問題でございますけれども、基本的には私どもも、できるだけ関連公共施設等につきましては国で負担をする方向で努力してまいりたいと考えております。
#96
○赤桐操君 私は、誤解されると困るんですが、土地区画整理事業というもののあり方がこれからのすべてのあり方でいくべきだということを主張しているんじゃないのです。買う方の側からすれば、二つも三つもの手法で行われていって、結局は消費者に全部しわ寄せされているんじゃないのか。しわ寄せのより少ないあり方を本来はあり方として考えるべきではないのか、こういうことを主張しているんです。
 もちろん、それはある自治体等の人たちの主張によりますというと、関連公共費を、これは非常に税の二重払いじゃないか、こういう質問に対しては、汽車でも特急券もございますし、急行券もございますと、こう言うんです。私はそれに対して、日本には普通列車によるところのこういう宅地造成や住宅供給というのはあるのか。現実にないんですよ、そういうものは。しかし、物の言い方はそういう表現でなされている。大変私はこれは一時的に国民をごまかす一つのあり方だろうと思うんですけれども、そういうやり方ではなくて、本当の住宅政策の根幹というものは、相当の社会的にいろいろのそういう補助なり施策を講じている中で行われていくべきものだと思うのです。したがって私は、都市計画法による開発許可によるこの手法と土地区画整理事業による手法のギャップといいますか、こういうものについてはこれからの政治課題として本格的に取り組んでもらわなきゃならない問題だろうと思うんですが、この点についてひとついかがですか。
#97
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのとおり、先ほども私お答えしましたように、やはり区画整理が本筋だとは思います。しかし、これには先ほどもちょっと言いましたように指導者が必要でございますし、それから土地所有者、農民、皆さんの御理解を得なきゃいけません。そういう意味で、府県別に見ますと、非常に盛んにやっておられるところと必ずしもそうでないところと区々まちまちでございます。しかし、いまお話しのように、宅造といいますか、開発許可によります土地の造成と区画整理によります市街化の形成、これらの負担につきましてもお話のとおりできるだけ筋の通ったといいますか、公平な負担を目標にするのは当然のことでございますし、そういう点につきましては今後とも十分検討、勉強をさせていただきたいと考えます。
#98
○赤桐操君 関連公共費をめぐりましては、建設省自体としても大変御尽力、御努力をいただいていることについては私もよく了解しておりますが、率直に申し上げて、買う方の側、入居する市民の側、国民の側にすれば、こういう不公平な形というものは解消すべきだと思うんです。これは税の二重払いでありまして、非常に大きな問題を残していると思います。
 私も外国へ一、二回、特にこういう都市の造成や都市開発の問題を中心として視察に行ったことがありますが、その中でわが国における受益者負担の問題についてたまたま論及したところ、それを理解するのに相当の時間がかかったということで、回答として出てきた答えは、税金を払っているじゃないですか、この一発の答えで終わっているんです。これがフランスやドイツにおけるところの現状なんです。この受益者負担なんというのは日本じゃ当たりまえになっておるかもしれませんが、外国では考えられないことだと思うんです。これが日本ではしかも甲、乙、丙といろいろのかっこうで実は出てきているというこの実態、これは私は速やかに整理をしていくべき問題だろうと思います。
 それから次に、この法律と宅地並み課税との関係についてもう一遍この委員会でただしておきたいと思いますが、これは一体関係があるのかないのか、この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
#99
○政府委員(山岡一男君) 本制度といわゆる宅地並み課税の問題につきましては、私ども直接の関連を有するものではないと申し上げてまいっております。市街化区域内農地に対しますいわゆる宅地並み課税につきましては、昭和五十五年度の税制改正に関する政府税制調査会の答申の趣旨に沿って、今後五十七年度からの実施ということを前提に、関係省庁と連絡を密にしながら十分検討してまいりたいというふうに考えております。
 しかしながら、この農住組合法で営農地区、「一団の営農地」というのができまして、中に農地利用規約等も結ぶということを予定いたしております。全体の一般の宅地並み課税につきまして、五十七年度一般の分が検討されるわけでございますが、その中の一環として、これもそのときどうするかということは同時に検討される問題であろうかと思います。そのときには私ども政府の答申の中には、当面、「長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講じつつ、」というふうに書いてございまして、まさに今回つくっていただくようなそういう「一団の営農地」はそれに当たるというふうに見ておりますので、今後の問題でございますけれども、国土庁といたしましては、検討に当たってはそういうことを念頭に置いて検討していきたいと考えております。
#100
○赤桐操君 宅地並み課税がこの法律に関係をするとか、あるいはまた宅地並み課税を選ぶか、あるいはまたこの法律の適用を選ぶかというような形になってくるとこれは大変重大な問題になりますので、この点はひとつ念のためにもう一度改めて申し上げておきたいと思います。
 それから、最後に一つ私は伺っておきたいと思うんですが、当初、大臣の御説明にもございましたが、この法律のねらうところは、目的とするものは、要するに三大都市圏において大変宅地が逼迫してきている、需給ギャップだと。したがってこれを解決するための一助としていきたい、こう言っているわけでありますが、こういう都市が膨張していく、人口が拡大をされていく、そういうものに対応するところのしたがって宅地の供給なり住宅の建設、これは考えなければなりませんが、いまのような形でもって押し流されるような形の中でこれが行われていくということについては、これは本来の都市政策上のあり方ではないだろうということを私どもは強調してきております。そこで、少なくともこれからこうした特に密集地域において考えなければならない問題については、三大都市圏の中での土地の利用と申しますか、そうしたものについて公有地なり遊休地なりが相当あると思うのですが、これについて把握しておられるならば明らかにしてもらいたいと思います。
#101
○政府委員(山岡一男君) 三大都市圏におきますいわゆる遊休地という意味では、現在調査中でございますけれども、民間の持っております販売用土地等につきまして未着手のものがどれぐらいあるかというようなものについては現在出ております。三大都市圏の市街化区域の中に、民間の販売用土地の中で八千ヘクタールぐらいがあるわけでございますが、そのうち未着手のものが約三千二百ヘクタール現在ございます。こういうものにつきましては今後大いに活用を図ってもらうように努力しなければならぬというふうに思っております。先生のおっしゃられました一般の意味での遊んでおる土地の全貌というものは、実はここに資料がございません。
#102
○赤桐操君 私は、やはり特に東京なんか見ておりましても、あるいはまたいろいろの識者の方々からの御忠言なども私たちはいただいておりますが、現実に国が持っておるようなそういう施設、かなりの空間を持っているような施設、こうしたものもかなりある。なぜあれを立体的に使わないのか、あるいはまた現実に遊休地がかなりあるのではないか。こうしたものが何でもっと合理的な対策がとられないだろうか、こういうものが本格的に利用されることになるならば、まさに大きな問題の解決になるんじゃないか、それを解決するにあり余るだけのものが現実に存在しているということまでいろいろ言われておるように思います。したがって、まずこの点について本格的な把握をすべきだと思うのですが、いまのお話によると、まだ十分把握しておられないと言うのですけれども、こういう状態でこれからも続けるのですか、それとも、把握しようという作業に本格的に入る気があるのかどうなのか、これをひとつ伺いたいと思うんです。
#103
○政府委員(山岡一男君) それぞれの立場でそれぞれの調査をいたしておりますので、私どもそういう調査の調査というかっこうで、全体といたしましてそういう遊休地がどれぐらいあるかというような把握に努めたいと思っております。今後も調査をいたしたいと思っております。
 それから、私どもではいまのところ企業の遊休土地と申しますか、企業の販売用土地については毎年調査をしてまいっております。したがいまして、これも今後続行してまいって、そういうことを把握していきたいと思っております。
 それから、公共用地につきましては所管は大蔵省でございますけれども、毎年度行政財産、公用財産の現状の報告を各省から受けておられます。それについてその適正な使用についての助言はなさっておるというふうに私ども聞いております。ただ、国公有地の活用についても私ども大分いろいろと具体的なものに当たって相談した場合もございますけれども、単に一定の行政目的を達成するために現在やや長期にわたって保有されているようなものもございまして、実際の宅地供給源として余り多くは期待できないのではないかというふうにも思っております。
 それから、たとえば返還米軍基地でございますとか、研究学園移転跡地とかいうものにつきましては、大体大まかな使用方法につきまして国有財産審議会等ですでに使用の目的等についての方向を出しておりまして、そういう方向に沿った利用をなされるというようなことでございます。先生おっしゃいますように、私ども、三大都市圏の中でどうしても今後宅地供給をふやすために何をやらなければいけないかということになりますと、遊休地の活用と再開発の促進と農地の転用とこの三つが一番重要だと思っております。したがいまして、遊休地の活用、再開発の促進は当然やるわけでございますけれども、それとあわせましてやはり九〇%が住居系の地区の中にある市街化区域内農地の活用ということも同時に考えなきゃならない大きな問題だと思っておりまして、全体をあわせてやっていくということが今後の方向であろうかと思っております。
#104
○赤桐操君 再開発の問題についてちょっと伺いたいと思うんですけれども、諸外国ではかなり大きな再開発を現実に進めている事例を私たち見て研究しておりますが、この再開発というものについて一体これから本格的にどのような具体的な取り組みの考えがあるか、この点ひとつ伺いたいと思うんです。
#105
○政府委員(升本達夫君) おただしのとおり、これからの都市整備の中で再開発事業の推進ということは大変大きな部分を占める施策目標だというふうに考えております。
 御指摘のように、現在までのところ再開発事業の施行状況は必ずしも十分という数字ではございません。全国全市街地を通じまして百六十八地区、四百六十ヘクタールの再開発が一部完了し、現在進行中でございます。これをさらに広範囲にわたりまして強力に実施いたしてまいりますために、やはり重要なことは制度の改善を考えること、それから助成策を強化すること、おおむねその二点になろうかと思いますが、前者の制度改善につきましては、前九十一通常国会におきまして御審議いただきました都市再開発法の改正をもちまして、一応現状考えられる制度改善措置は講じさせていただいたわけでございまして、これにのっとりましてこれから強力に推進を図ってまいりたいと考えております。
 なお、助成策につきましては、現在までのところも他の事業に比べますとかなり充実した助成策をお願いしているわけでございますけれども、さらに一歩前進させるような施策を講じたいと考えまして、いま財政当局とせっかく折衝をいたしておるところでございます。
#106
○赤桐操君 質問を終わります。
#107
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
#108
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農住組合法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#109
○増岡康治君 土地局長に最初にお尋ねいたしたいんですけれども、先般の十一月一日に土地鑑定委員会から昭和五十五年の第三・四半期の地価動向の調査が発表されて、これも新聞紙上にも出ておるわけでございますが、これを見るといわゆる三大圏の上昇率が鈍化してきておるとか、あるいは地方圏では上昇率がやや高くなっておるとか、若干のコメントがございますけれども、土地局長の方からこれをどう見るか、こういう点についてまず質問したいと思います。
#110
○政府委員(山岡一男君) 御案内のとおり、中間動向調査につきましては、全国の一万七千三十地点ございます地価公示地点の中から標準的なものを五百五十地点選びまして、継続的に四半期ごとに鑑定士による鑑定を行いまして、いわば地価の風速を見るというようなものでございます。
 十月一日に発表いたしました地価変動率によりますと、全国計では二%の増加でございまして、その前の四−六の第二・四半期では二・一でございましたので、わずかながら伸び率が下がったということになります。特に顕著でございましたのは、東京圏の住宅地等におきましては過去連続でずっと四半期ごとの分は下がっておりますが、第二・四半期が三・一でございましたけれども、第三・四半期は二・八という伸び率でございます。しかし、いずれにいたしましても伸び率そのものは鈍化をいたしておるといいながら、やはり地価は上昇をしておるわけでございます。したがいまして、私ども今後まだなお警戒を要すると思っておりますが、三大圏の上昇率が鈍化傾向を示してまいりましたのも、住宅建設が低調に推移していること、マンションの売れ行きが落ちていることなどがその原因ではないかと見ております。
 地方都市におきましては、上昇率が第二・四半期と比べまして横ばいというのが今回の結果でございますけれども、従来から見ますと、過去数年間見ますと逐次上昇率が高くなっているという傾向が出ているのは事実でございます。これは三大都市圏に比べまして地価水準が低いことが一つございますが、総体的に住宅需要が堅調に推移しているというのがその大きな原因ではないかと思います。しかしながら、投機的な土地取引が行われている徴候はないものと見ております。
 今後の地価動向につきましては、なお警戒を要するということでございまして、国土庁といたしましては今後とも厳重な監視を続けてまいりたいと考えている次第でございます。
#111
○増岡康治君 それで、長官にお尋ねいたしたいんでございますけれども、いまお話しのように、大都市圏が鈍化したというものの、実際はそのもの自身が非常に高地価でございますし、これは大変な警戒を要することであるということでございますが、先ほどの長官のお話のように、今回の法律の趣旨説明の前段にございましたように、わが国におきます国土利用を見ますと、人口、産業が大都市に集中いたしまして、その大都市自身の環境というものが非常に悪化する、あるいはまた災害に対する脆弱性もある、こういう中におきまして、一方農山漁村におきましては過疎化が進んでおる、しかもそれが非常に深刻化しておる、こういうことになっておるのは御承知のとおりでございますけれども、結局三大都市圏の住宅地の地価が非常に高いということを考えますと、やはり全国的な国土利用がうまくいっておるのかどうか、それがまた偏在しておるのではなかろうかという大きな根本的な問題を言わざるを得ないわけでございます。
 そういう意味で、長官に、都市政策といいますか、非常にむずかしい問題でございますけれども、この問題の基本的でしかも長期的な課題というものと、それからいま、これから一つの手法として農住組合法が出ましたけれども、いわゆる当面の課題についてひとつ長官の御意見を伺いたいと思っております。
#112
○国務大臣(原健三郎君) 増岡先生にお答えします。
 土地問題は、なかなか口で言うほど簡単でございませんで、御指摘のとおりなかなかむずかしい問題をはらんでおります。それで、今後の土地対策の基本的な課題は長期的、基本的な問題、さらに当面の課題と二つに考えてお答え申し上げたいと思いますが、長期的には大都市への人口と産業の集中を抑制するとともに、地方定住を促進して過密過疎を解消し、国土の均衡ある利用を図ることが重要であります。このために、三全総の基本的方向に従って各種の施策を進めておるところでございます。しかしながら、今後においても大都市地域においては自然増を中心に人口の増加が見込まれ、なお相当量の宅地需要が発生することも予想されるところでございます。
 それで、土地対策の当面の課題といたしましては、引き続き投機的土地の取引の抑制を図っていきたい。第二は、また宅地供給の促進を図ることが緊要であります。でありますから、従来から各般に及ぶ施策の総合的展開を図ってきたところでありますが、今後もこれらを総合的に、また積極的に施策を着実に実施を図ってまいる所存でございます。
#113
○増岡康治君 ひとつしっかりと長期的観点からも、また目前の問題にも、両方見ながらがんばっていただきたいと思っております。
 今回の農住組合法は、国土庁が中心になられまして、建設省あるいはまた農水省等が非常に協力をされてまとめ上げられた苦心の作だと私ども評価しておるわけでございます。この中で、時間がございませんけれども、私なりに明確にしておきたい点が若干ございますから、逐次申し上げたいと思っております。
 順序不同にはなりますけれども、まず国土庁に対しまして、先ほども同僚委員からも最後にお話があったわけですけれども、今回の衆議院の議論を見ましても、いわゆる宅地並み課税と本法案というものはどうしても何か関連があるんじゃなかろうかと、素人目にそういうぐあいに映りますし、これに対してはっきりしたけじめをつけておかなきゃいけないという問題でやはり私どもも御質問申し上げねばいけない。
 それからもう一つ、先般も新聞紙上を見ておりましてなるほどと思ったんでございますけれども、私もわからない点があるんですけれども、大体六年前に生産緑地法ができました。都市計画法の一つとしてこういうものがあるわけでございますが、やはり都市の市街化区域の中でこういう生産緑地を守っていく一つの都市計画があるわけでございますが、これといわゆる今度の農住法といいますか、どこで接触するのか、何かあるのかということを、まず土地局長の方からも伺いたいし、また都市局の方から、それに何か関連があるか、何かそこで手をつなぐのか、その辺がもしありましたら少し教えていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#114
○政府委員(山岡一男君) 最初に、宅地並み課税について申し上げたいと思いますが、農住組合法案は、いわゆる宅地並み課税と直接関連を有するものではないというふうに考えております。
 たびたび申し上げて恐縮でございますが、いわゆる宅地並み課税の取り扱いにつきましては、政府税制調査会の「昭和五十五年度の税制改正に関する答申」におきまして、その文句を一部読んでみますと、「三大都市圏内の特定の都市の市街化区域農地に係る昭和五十七年度分以降の固定資産税及び都市計画税については、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講じつつ、新たにC農地を課税の適正化措置の対象に加えるとともに現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化するため、十分な検討を行うべきである。」というふうにされております。さらに地方税法の附則におきましても、そういう趣旨の検討を行うべきであるということが定められております。したがいまして、この答申の趣旨に沿いまして、今後関係省庁と連絡を密にしながら十分検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 先生のお話の中に、やはり農住組合と宅地並み課税とがどうも関係あるんじゃないかという話がちらほらするというお話ございましたけれども、衆議院でもずいずん問題になりました。いわゆるこれは踏み絵ではないのかという御議論でございました。ところが、実際申しますと、一般の宅地並み課税というのは、いま申し上げましたように、今後の検討課題になっておりますし、農住組合というのは、大都市に九万五千ヘクタールの市街化区域内農地がございますけれども、その中で対象となるものは一部でございます。したがいまして、全部の農地に対しまして農住組合をやるのかやらないのかというようなことの踏み絵にはとうていなるような性格のものでもございません。したがいまして、そういうふうな一般の宅地並み課税の検討の中で十分に検討されていくということが一点でございます。
 さらにその場合に、実際に農住組合をやりますと、一団の営農地等ができるわけでございますが、そういうものについての取り扱いはどうかということもやはり問題になりまして、これも原則的には五十七年度に向けての検討の中で十分検討するというのが公式なお答えになるかと思いますけれども、ただその際、先ほど申し上げました政府の税制調査会の答申の中にも、営農の継続を希望する者に対する十分な措置を検討しろというのも入っております。私どもは、この農住組合でできます一団の営農地等につきましては、当面の営農でございますけれども、農地利用規約もつくるわけでございます。「営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置」という中に当然当たるというふうに考えておりまして、そういう観点から国土庁としては今後の検討に臨んでまいりたいと思っておる次第でございます。
 それから、生産緑地の問題がございましたが、後で都市局から御答弁あると思いますが、当面営農の継続を図られます一団の営農地等は、農地利用者等の意向を尊重しながら配置されるというものでございまして、必ずしも都市計画上必要な都市施設としての緑地等として位置づけられるものではございません。しかし、農住組合の行う事業は、その事業基本方針が都市計画に適合しなければならないということも同時に定められているところでございます。その範囲内におきまして生産緑地の指定の要件にも合致をし、かつ農地所有者が指定を希望するというふうな場合には、生産緑地制度を活用いたしまして、農地所有者の希望にこたえることが本制度の円滑な運用を図るためにも望ましいものだというふうに考えております。
 したがいまして、法案の中におきましては、交換分合計画において定められました一団の営農地等の区域に属する農地等の所有者の方々の申し出がありましたときには、都市計画に第一種生産緑地として定めるべきことを都市計画決定権者に対し組合が要請するものとするというふうにしているところでございます。第八十八条で規定をいたしておるところでございます。
#115
○政府委員(升本達夫君) 農住組合の事業施行後の営農地区につきまして、これを生産緑地として指定していただくということについては、ただいま土地局長からの御答弁のとおりでございまして、私どもも歓迎するところでございます。
 それからもう一つ、この生産緑地と農住組合との関係で申し上げますと、現在すでに生産緑地として指定されているところが、これを農住組合の事業施行地区に取り込まれるような場合にどういう扱いになるかという問題が一つございます。この点につきましては、御承知のように、生産緑地制度は都市計画的な観点から、環境保全機能あるいは多目的の保留地としての機能に着目して、計画的な保全を図るという目的で指定をされておりますので、原則論を申し上げますと、基本的な状況の変化がない限りは安易に都市計画を変更すべきではないと、これは一般原則的には申し上げられるかと思うわけでございますけれども、しかしながら、生産緑地地区の指定後かなり時間がたって状況の変化が考えられるとか、あるいはまた、農住組合の事業そのものがかなり土地の整理をして、緑地として残すべきものと、そうあれすべきものの区分を行うという趣旨のものでございますから、その辺を十分勘案して、いわばケース・バイ・ケースで処理をいたしてまいりたい。具体の決定につきましては、都市計画の決定権者でございます。この場合市町村の判断によるということになろうかと思います。
#116
○増岡康治君 いまのお話のように、この農住組合法による営農地というのは、私どもも優等生だろうという感じでおりますので、五十七年度の宅地並み課税の見直し時期には、そういう優等生扱いをしてほしいと、われわれ自身も実はこいねがっておるわけでございます。
 それから、若干質が違いますけれども、前の国会で宅建業法の一部改正が行われまして、いわゆる現在の宅建業者の社会的な役割りといいますか、非常に大きくなってまいりました。この健全な企業としての発展が整備されておると私どもそういうぐあいに考えておる中におきまして、この農住組合法の事業実施に当たりまして、宅建業者等のこういう民間のエネルギーの活用を図るべきではないかという気がするわけでございますが、これについては国土庁、いかがでございましょうか。
#117
○政府委員(山岡一男君) 本制度は、大都市地域の市街化区域内農地の宅地化が十分には進んでいない、黙っておればまだ農地のままであるといった状況のところにこういうようなことをつくっていただきまして、一つの宅地供給という面を開こうというのがそのねらいでございまして、その組合といたしましては、全体として単にそういう土地区画形質の変更だけではなくて、住宅の建設のところまで、賃貸譲渡のところまで一貫してできるというところに非常なメリットを持っておるというふうに私ども考えております。
 したがいまして、今後本制度の積極的な活用を図ることによりまして、相当量の住宅宅地の供給に期待をしておるわけでございますけれども、本制度の推進に当たりましては、必要な範囲内におきまして、宅地建物取引業者の方々の専門的な知識とか経験を活用することも大いに必要があるものだというふうに考えております。
 このような制度につきまして、宅地の転換が十分に進んでいない市街化区域内農地につきまして宅地への転換を促進しようという本制度の趣旨からしましても、民間の宅建業者の方々にとりましても新たな事業の場を提供することにもなるのではないかと思っております。その間の活用の仕方等につきましては、十分現地の実情を踏まえながら指導してまいりたいと考えております。
#118
○増岡康治君 次に、この農住組合は、土地区画整理事業だとか土地改良事業、住宅建設事業等いろいろ各種事業施行機能を持っておるわけでございますが、これらの事業を円滑に進める上にどんな措置を考えているのか。国土庁も全般についてまずお話し願って、特にこれは建設省においても宅地造成が云々だとかいろいろあると思うんですが、まず最初に、全般的に農住組合が仕事をする上に対してどういうほかのいろんなものの、税制面の問題もございましょうし、あるいは利子補給の問題もございましょうし、たくさんあると思うんですが、それはすでにあるものの応援といいますか利用等、これからいまいろいろ要求なさっているものもあるんじゃないかと、先ほどの議論聞いておりますとあるんでございますが、これを整理してひとつ聞かしていただきたいと思ってます。
#119
○政府委員(山岡一男君) 農住組合の事業の円滑な推進のためにはいろいろな措置を考えておりますが、まず第一は、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、いわゆる従来農住利子補給法と言っておったものでございますが、それに特例を設けまして、水田の転用を伴わない賃貸住宅の建設に対する融資につきましても利子補給を行うという道を法案の中で開いております。
 それから、具体的な融資制度の中で住宅金融公庫の各種の貸付制度、土地担保賃貸でございますとかその他いろいろございますが、そういう貸付制度についても大いに活用していく。それから、住宅宅地関連公共施設整備促進事業がございますけれども、これも宅地開発促進計画制度というもののかさの中で農住組合法等も取り込んでいただきまして、そういうものについても活用を図ってまいるということを考えております。
 また、今後の問題といたしまして、新しく農住組合の行います宅地造成事業等にかかわる借入金に対しまして、利子補給制度を新設いたしたいということで、これは政府部内で現在予算要求をいたしておるという段階でございます。一生懸命努力したいと思います。
 それから、農住組合施行の土地区画整理事業の補助対象への追加ということにつきましても、関係省にいま御協議申し上げているところでございます。
 それから、農住組合の農業近代化資金の借り受け主体への追加、これも政令の改正等が要るわけでございますが、これも関係省にいま現在協議をいたしておるところでございます。
 さらに、税制上の措置といたしましては、農住組合の行います交換分合にかかわる譲渡所得等の課税の特例、それから農住組合が行います住宅地等の供給事業の用に供するため農地等を組合に譲渡した場合の譲渡所得の特別控除、それから農住組合の農業共同利用施設にかかります不動産取得税等の課税の特例などにつきまして現在要求いたしておりまして、その実現を図るように努めてまいりたいと思っております。
 大体、現在のところはそのようなことを考えている次第でございます。
#120
○増岡康治君 そのような国土庁の御答弁ですが、これに関して直接それにタッチする建設省の方へお聞きしたいんでございますが、いま組合の事業を応援せにゃいけない、また自分の仕事のようにやらにゃいけない建設省だと思うんでございますが、計画局長にお尋ねするんですが、いまのお話のとおりですか。さらにこれにつけ加えるものがあるか。いわゆる建設省がどのような措置を考えているか、ひとつお願いしたいと思います。
#121
○政府委員(宮繁護君) 建設省といたしましても、宅地の供給を促進する場合に、やはり三大都市圏の農地をどういうふうにスムーズに宅地化していくかということが最重要な課題だと考えております。いろいろな施策を展開いたしておりますけれども、今回御審議願っておりますこの農住組合法が成立いたしました暁には、この組合の事業をスムーズにやるためにいろんなことを考えておりますけれども、主としてこの事業が宅地の造成事業と住宅建設事業になろうかと思います。
 それで、宅地の造成事業につきましては、先ほどもお話が出ましたけれども、住宅金融公庫の民間宅地造成への融資につきましては、条件の緩和とかいろいろなことも考えております。
 それから、特定土地区画整理事業を実施いたします場合の融資の制度、それから開発銀行からも民間宅地造成事業に融資の制度がございますけれども、この条件につきましていろいろ改善をいたしたい。
 なお、住宅金融公庫、開銀の融資につきまして現在まで民間の宅地造成につきましては、道路等の公共施設用地の取得費は融資の対象になっておりますけれども、学校その他の公益設用地が融資の対象になっておりませんけれども、これらにつきましては何とか来年度実現させたいと考えております。
 それから、住宅建設事業につきましては、先ほど来お話に出ております農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給制度、いわゆる農住利子補給制度につきまして水田要件を撤廃するとか、利子補給率を引き上げる、こういったことを来年度ぜひ実現をしたいと考えております。なお、住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅建設融資制度につきましても、特定のものにつきましては、利子率等の改定等も考えていきたいと思っております。
 なお、関連の公共公益施設の整備につきましては、一般の通常の公共事業を重点的にこの種の事業に配分いたすことも考えておりますけれども、そのほか促進事業制度の活用、あるいは先ほどもお話ししました住宅金融公庫、開銀等の関連公共施設等の融資制度、これらの諸制度の活用を図ってまいりたいと思っております。
#122
○増岡康治君 いまのお話に出ました既設のものはともかくとしても、これから新規要求のものが三、四あるようでございますので、ひとつ大いにがんばっていただいて、この農住組合法を少しでもバックアップしていかなきゃいけないとお願い申し上げたいと思っているわけです。
 それから、今度都市局長にお願いしたいんですけれども、先般、都市局長名で知事さんあてに出ております。いわゆる「市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画の見直しの方針」というのが出されておりますけれども、それに関連してでありますが、農住組合の制度におきます営農地区の取り扱い方針と、いま申し上げました都道府県知事に出されました線引きの見直し通達におきますいわゆる逆線引きといいますか、これいろいろ読んでみますとそういう言葉がいいんだと思うんですが、逆線引きの基準の運用方針にはどう関連してくるか、これをひとつ明確に教えていただきたいと思います。
#123
○政府委員(升本達夫君) 市街化区域内の農地等につきまして、これを計画的に宅地化を促進してまいりますには、既往の区画整理事業等の市街地開発事業を積極的に促進をいたしてまいりますほか、今回提案されております農住組合の制度等の活用を図ってまいらなければならないところでございます。
 ただいまおただしの、農住組合が事業を行われて、営農地区について、これは当面の間営農地区として存置されるということになるわけでございますが、おただしの線引きの見直し通達におきましては、これからの線引きの見直しに当たっては、市街化区域内の当面宅地化が予定されない農地等については、五ヘクタールというまとまり以上のものであれば積極的に、逆線引きと申しますか、調整区域に戻すべきであるという指導をいたしておりますこととの関係をお問いになっておられるかと思うわけでございますけれども、農住組合の営農地区も市街化区域内において行われるものでございます以上は、基本的におおむね十年以内に計画的な市街化を図るべきという、市街化区域の中でのお話になるわけでございまして、片や今回の通達によりまして調整区域に戻すべきであるというのは、おおむね十年以上を見てもなおかつ市街化が考えられないというようなところで線を引こう、こういうことでございますので、基本的には十年というめどを境として、内側にあるべきものと外へ出るべきものという区分になり得るかと思うわけでございます。
 したがいまして、基本的には農住組合の中の営農地区は、そのまま市街化区域内の当面の間の農地として残存さるべきことになるのが常態であろうかと思いますけれども、仮に農住組合の事業の施行の結果、十年を超えてなおかつかなり長期にわたって農地として存続されるというようなものでありまして、なおかつ五ヘクタール以上のまとまりがあるというものが出てまいりますと、これはその時点で調整区域に編入されることが検討されるべきである、こういうふうに考えております。
#124
○増岡康治君 その辺の運用が、また実際論においてはいろいろ議論が出てくると思いますので、ひとつ行政指導でうまくやってほしいと思っておるわけでございます。
 それから、けさからの議論の焦点でございますけれども、計画的な市街地整備を図っていく、いわゆる都市計画制度というものと、農住組合法の行う事業との整合性という問題がみんなの頭にあるんです。もうスプロールするんではなかろうかと思ってみたり、実際やっていないもんですからいろいろな不安の問題もあるんですが、要は都市計画制度というものとうまくかみ合っておれば不安はない、いいものができるなという希望もあるわけでございますので、この点について都市局長からひとつ話を聞きたいと思います。
#125
○政府委員(升本達夫君) 農住組合が実施をされます事業の前提となります事業基本方針、これを組合設立の前段階で立てる、こういうふうにこの法案でなっておりますけれども、六十四条にその旨が書かれてございまして、この六十四条の二項で、「事業基本方針に定められる事業の種類その他の事項は、組合の地区内の土地について定められている都市計画に適合するように定めなければならない。」、こういう規定が置かれておりますので、当然のことでございますけれども、この事業基本方針の作成に当たっては、前提として定められている都市計画には十分留意をしてつくっていただくということを予定をいたしておるわけでございます。
 また、実際の運用に当たりましても、この組合の設立認可を都道府県知事がされるわけでございますけれども、知事が設立の認可をされます場合に、法案の六十八条に設立の認可の規定がございますが、この第四項に、知事がこの設立の「認可をしようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならない。」という規定が設けられてございます。この規定の運用によりまして、設立認可の時点におきまして十分事前に関係の自治体と御相談をいただくということになるわけでございまして、この規定の運用によりまして、その段階で都市計画と農住組合の事業計画との調整が十分なされるというふうに理解をいたしておりますし、また、運用上もそのように配慮いたしてまいりたいと考えております。
#126
○増岡康治君 それで、いまお話を聞いておると、うまく整合するんだということでございますけれども、いずれにいたしましても、今回の農住組合法によって出てきます住宅、宅地というものが、やはり良好な住環境を持っていなきやならないということになるものでございます。その意味で、前国会でこの都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律が通ったわけですが、この中に出てまいります。いわゆる地区計画というものを定めようじゃないかという議論が中心になったように思いますし、新しい手法だとわれわれも評価してきたのでございますけれども、実効ある市街地形成を図るべき中において、この地区計画というものと農住組合法による手法と、これらについて建設省はどう考えていくかということについて、ひとつ言及していただきたいと思います。
#127
○政府委員(升本達夫君) 都市計画法によります地区計画制度につきましては、ただいまお話のございましたように、前国会で御審議を賜り、ようやく法制度として発足をさせていただきました。現在その施行実施に向けまして、政令、省令等の策定作業中でございます。もう日ならずして実施の段階まで至れるというふうに考えております。
 そこで、地区計画は一体どういう地区に適用するのかということもその時点で御審議いただき、お決めをいただいたわけでございますが、その対象地区の中に、市街地開発事業等が行われる土地の区域、また行われた土地の区域というものを地区計画の定められる対象地域にしていただいております。今回の農住組合により宅地造成あるいは住宅建設事業が行われる地区については、まさにこの地区に該当するということでございまして、いわば好個の舞台というふうに私ども考えておりますので、十分御活用をいただきたいし、またいただけるものというふうに期待をいたしております。
#128
○増岡康治君 いまおっしゃるようなことを一番われわれは実は期待しておるわけでございますので、両省よく御協議なさって、地域の住民の意向を十分聞きながら、りっぱな地区計画等を併用しながらやっていければ、りっぱなものになるんではなかろうかというまた期待感も持っておるわけでございます。
 それで、けさも同僚議員からお話が出たのですけれども、いずれにせよ、今回の農住組合法というのはいろんな法律とのかかわり合いがあるし、一目見てもなかなかまだ政令がないからよくわからない、いろんなお話も実は私どもも若干そういう気持ちがないわけではないんです。相当プロでないと読みにくくて困るというような気もしますが、いずれにいたしましても、この農住組合の人たちは皆さん方のような専門家ではございませんので、素人でございます。農地所有者の方々は一々そういう知識を持つというのは非常にむずかしいんではなかろうかと思いますので、どうかこの事業を進める上で、そういう知識だとかあるいは技術力等を、何かについてひとつ指導しなければうまくいかないんではなかろうかと思っております。そういう適正な指導を行う上に、もう法律ができたのだからどうにかいくよではなしに、これは建設省ですね、実施的なものが非常に建設省が多いだけに、具体的なこれに対する指導方針といいますか、何かありましたらひとつ聞かしてもらいたいのです。
#129
○政府委員(宮繁護君) 農住組合は、御承知のように農地の所有者等の集まりでございますので、必ずしも宅地造成とか住宅経営に必要な知識や情報を持っておられない場合が多いと思います。そういう意味では、いまお話しのとおり適切な助言や指導が必要であろうかと考えます。
 このため、先ほどもお話がございましたように、農住組合法におきましては、法律の条文の中に、九十二条で、国とか関係地方公共団体は、組合に対しまして、「必要な助言及び指導を行うことができる。」、あるいはまた九十一条におきまして、組合は、農業団体等に対して、「必要な助言又は援助を求めることができる。」ということになっております。実際的にこれらの規定の活用を図ることが必要でございますけれども、建設省としましても、先ほどもお話に出ましたように、住宅金融公庫の融資の制度とか、農住利子補給制度等をやっておりますけれども、これらの施策を実施するに当たりまして、十分農住組合の方々ともいろいろ御相談も申し上げたいと思っております。それから県の住宅あるいは宅地担当部局、それから市町村のそういった部局とも十分御協議、話し合いしていく場をつくってまいりたいと考えております。
 また、来年度日本住宅公団と宅地開発公団を統合いたしまして新たに住宅・都市整備公団、仮称でございますけれども、これをつくることをいま考えております。その場合に、宅地造成事業等に関しますコンサルティングと申しますか、組合との御相談に乗るとか、あるいはまた共同いたしまして事業を実施するということにつきましても、何とか実現をする方向で取り組みたいと考えております。
#130
○増岡康治君 そういうあらゆる機関のプロが散在しておりますけれども、いま最後におっしゃったような新公団もできますと、そういう方々、非常にプロが多いのです。そういう方々が窓口になってコンサルトをなされば相当実のあるものができるような気がいたしますので、ひとつよろしく指導してほしいと思います。
 いずれにいたしましても、今回の農住組合法は非常に知恵をしぼった法律のように私は見ます。要はその実効でございます。まずどこか、地区計画との関連がありますが、一ついいモデルをつくって、こういうぐあいにうまくいくんだな、こういうことになりますと、これは三大都市圏のみならず全国の中小都市もいろいろあって、いま緊急課題ではないにしても、いい手法なら生き残れる一つのりっぱな法にもなるだろうと私どもも期待しておりますので、どうかこれを当面のいわゆる切り抜け策と言わないで、これがうまくいけば農民自身の自主的な発想によってやれるという新しい手法だけに、これが長く続く法律であってほしいなという期待を申し上げまして、質問を終わります。
    ―――――――――――――
#131
○委員長(宮之原貞光君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。
    ―――――――――――――
#132
○原田立君 第三次全国総合開発計画によりますと、新規宅地必要量は、昭和五十一年から六十五年に全国で十九万ヘクタールとなっておりますが、一方、ここ数年の宅地供給の推移を見ると、四十七年の一万四千五百ヘクタールをピークに年々減少傾向にあるわけであります。五十三年には八千六百ヘクタールにまで落ち込んでおりますが、この一連の推移についてどういうふうな認識をなさっておりますか。
#133
○政府委員(宮繁護君) ただいまお話がございましたように、近年新しい市街地におきまして造成されます宅地の量は一万ヘクタール前後で推移をしております。それで一方、三全総におきましては、大体年間一万三千ヘクタールぐらい新しい市街地での宅地が必要でないかという見通しでございます。そういう意味では、最近では既存の宅地の利用といいますか、既成市街地におきます宅地の有効利用、高度利用は一方で進んでおりますけれども、全体といたしまして宅地の供給は停滞状態にございます。
 ところで、宅地供給の先行的な指標でございます開発許可の実績とか、土地区画整理事業の認可面積を見てみますと、これは昭和五十年、五十一年が底でございまして、やや持ち直し上昇傾向にあります。したがいまして、今後新市街地における宅地供給も一応上向くことが予想はされますけれども、やはりこれからも建設省といたしましては、さらに一層農地や山林原野の計画的な宅地化を促進すること、それから既成市街地での高度利用を促進していく、この二つのことが非常に重要であろうと考えております。
 この新しい市街地におきます宅地の造成が、近年このように停滞を示しております主な理由は、一つは市街化区域内の農地、山林原野の土地を所有しておられます方々が土地を売却する意欲が非常に減退しておることが一つでございます。それから二つには、学校とか道路とか、そういった関連の公共公益施設整備の水準の要求が非常に高くなっておりますので、そういう意味でこれらを整備する負担がかなり増大するということに伴いまして、地方公共団体の財政上の理由もございまして、公共団体としては開発抑制策をとっておるということが二つ目でございます。それから三つ目では、こういった関連公共公益施設の負担の増大を結局は開発業者が負担するということになりまして、事業の採算見通しが悪化する、あるいは事業の期間が長くなるというような理由から宅地開発事業の意欲等も減退しておる、以上のことが主たる理由かと考えております。
#134
○原田立君 要するに、第三次全国総合開発計画によると、六十五年までには十九万ヘクタールの宅地が必要だということなんだけれども、この確保については非常に今後厳しいんじゃないか、あるいはまた、今度のこの農住組合法案で組合制度の活用をしてその目標、いわゆる供給量が確保できるのかどうか、そこら辺の今後の見通しはいかがですか。
#135
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのとおり、第三次全国総合開発計画では、昭和五十一年度から六十五年度までの十五年間に、農地とか山林原野を宅地化いたしまして、新しく新市街地において必要となる宅地の必要量を十九万ヘクタールと見込んでおります。この数字は、一つは、最近の人口増加がどうなるかというような問題等で若干多いのではないかということも考えられますけれども、しかしながら一応これが公的な必要量になっております。
 それで、私どもといたしましては今後の宅地供給施策の指針とするために、昭和五十六年度から昭和六十年度までの前期、それから昭和六十一年度から昭和六十五年度までの後期合わせまして十年間を対象期間といたします宅地需給の長期見通しを今年度じゅうに策定することで、いま鋭意作業を進めております。
 近年の住宅建設の動向を見ますと、都市の急速な成長によります既成市街地の広がりがかなりあること、それから国民の職住近接志向を反映した既成市街地内のマンション建設の増加等によりまして、その結果、新しい市街地での立地が多少減少してまいっておりますこと、それから共同住宅の建設に増加の傾向が見られること等から、現在策定中の第四期の住宅建設五カ年計画の住宅の建設戸数は、七百七十万戸という一応の案を持っておりますけれども、これに対応いたします新規の宅地の必要量は、計画戸数の第三期に対する減少相当分よりもさらに相当程度下がるのではないかと考えております。
 そこで、いま申し上げましたように、本年度じゅうにこれから十カ年間の宅地の需給の必要量をはじきたいと思っておりますけれども、お話のように大変環境は厳しいわけでございます。そういう状況のもとで、何とかいままでもいろいろ宅地の供給施策の展開もやっておりますけれども、いま御審議いただいております農住組合制度の活用も含めまして、今後の市街地におきます計画的な宅地開発の推進に一層努力をして、供給の確保を図ってまいりたいと考えております。
#136
○原田立君 いま、十九万ヘクタールということは少し多いのではないかという意味の発言がありましたけれども、若干修正されるであろうということですが、これは計画ですから、若干の修正というのは当然あるべきことだろうと思います。
 ところで、先ほども話したいわゆる五十一年から六十五年までの問の十九万ヘクタール、これは三大都市圏、いわゆる首都圏、近畿圏、中部圏、これではどのぐらいの目標になっているのか、これはいかがですか。
#137
○政府委員(宮繁護君) 三全総の計画は国土庁で御担当でございますけれども、三大都市圏の数字は実は出ておりませんで、東京圏と大阪圏が出ておりまして、東京圏におきましては五十一年から六十五年度までに三万九千ヘクタール、大阪圏におきましては一万六千ヘクタール程度の新規宅地が必要であろうというふうに推定をいたしております。
#138
○原田立君 それは知っていて質問しているんですよ。なぜ中部圏が入っていないのかというところなんです。中部圏は幾らなんです。
#139
○政府委員(宮繁護君) この三次の全国総合開発計画では、中部圏を実は公式としては出していないと聞いておりますけれども、私どもではじいた数字がございまして、それでは五十一年から六十五年まで中部圏も入れまして八万六千ヘクタール程度と見込んでおります。
#140
○原田立君 それは東京圏ではないね。首都圏、近畿圏、中部圏を含めて全部で八万六千ヘクタールということですね。もう一遍お聞きします。
#141
○政府委員(宮繁護君) さようでございます。
#142
○原田立君 この三大都市圏における市街化区域内の農地は約九万五千ヘクタールあるようでありますが、本法案によってどの程度の宅地化が促進されるんですか。
#143
○政府委員(山岡一男君) この制度につきましては、市街化区域内の農地の所有者の方々等が自発的な意思に基づかれまして設立する農住組合の事業活動を通じて宅地供給拡大を図るということでございますので、今後の農地所有者の方々等の自発的な意思の予測ということも一つ前提になるわけでございまして、直ちにそういう算定は大変困難でございますけれども、私ども幾つかの仮定条件を考えまして、努力目標としてあえて国土庁におきまして試算をしてみたものがございます。私どもはおおむね四千ヘクタール程度を期待することができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#144
○原田立君 ちょっと言葉があれだったけれども、四千ヘクタールが、三大都市圏九万五千ヘクタールある中で宅地化をしていきたい、こういうような御答弁であったと思うんでありますが、そういうことでよろしいんですね。
#145
○政府委員(山岡一男君) 圏域の広さの中では九万五千ヘクタールあるわけでございますが、本法で予定しております対象地域の中では、約八万八千ヘクタールというのが市街化区域内の農地の現状でございます。その中で、農住組合が事業を行ってまいりまして、当面の営農を継続することもございますけれども、半面宅地化されるところがある。その宅地化されるところの期待量が約四千ヘクタールというのをわれわれの努力目標としたいと思っているわけでございます。
#146
○原田立君 本法案の実施により、協力的な農地所有者の同意を得たとして、国土庁のめざす半分は農地、半分は宅地が実現しても、分譲の形で宅地として吐き出されるのはほんのわずかではないかという見方もあるわけであります。現に、いまもお話があった中で八万八千ヘクタール中四千ヘクタール、ちょっと数字において少ないような感じもあるわけでありますが、これでいまの三大都市圏の宅地必要量に見合う供給というものにつながるとお考えですか。
#147
○政府委員(山岡一男君) 今後の宅地供給の促進につきましては、農住組合法の位置づけと申しますのは、多くある手法の中の一つと私ども考えております。したがいまして、できる限り皆さん方の啓蒙に努め御協力いただきながら、四千ヘクタールの目標というのは努力目標でございますけれども、もっとふやす努力をしたいということはやまやまでございます。しかしながら、他の土地区画整理事業でございますとか、その他のいろいろな手法もあるわけでございまして、そういうものにおきましても宅地化が促進されていく。その問におきまして、農住もそういうものと肩を並べまして供給促進に努めていくことによって大いに効果が上がるというふうに思っておるわけでございます。
#148
○原田立君 本法律案の提案理由の説明の中に、「必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換するための事業を行う」というふうに言っているわけであります。法律の条文の中にもこれに以た条文がありますが、ここで言ういわゆる「当面の営農の継続」、てれはどのぐらいの期間を指しているのですか。
#149
○政府委員(山岡一男君) 本制度は、その対象を市街化区域内農地ということに考えております。市街化区域は当然のことでございますけれども、すでに既成市街地になっているところ、もしくはおおむね十年以内に市街化をされるところという地域でございます。したがいまして、その枠内にあって営農の継続が認められていくというのが一応の枠でございまして、その枠内におきまして具体の地域における市町村の市街化の動向、そしてその整備状況等によって具体的にいま判断されていくものでございますが、地区の実情によって異なると思いますけれども、五年とか十年とかいうのがその期間になるだろうというふうに思っておるわけでございます。
#150
○原田立君 そうすると、本法律案が有効期間とするのは十年間、こういうことが言われていますね。十年間のうちに申し込みがあってこの法の適用がされる。そして半分が宅地化、半分が農地、その半分のいわゆる農地の方は一体どのぐらいの期間がずっとできるのか、どうするのかというのが私の質問だった、意味は。ところがいまのお話だと、いまこの農住組合法でつくる農地も五年か十年ぐらいで何か宅地化しちゃうようなそんな言い方のように私は受け取ったのですけれども、間違いですか。
#151
○政府委員(山岡一男君) 一たん「当面の」という趣旨で御説明申し上げましたので、都市計画の枠内ということから申しますと、五年ないし十年で自主的に御判断なさってお決めになるだろうということを申し上げたわけでございますけれども、さらに十年経過した場合でも、おおむね十年の市街化ということを言われておりましてもなかなか達成していないという現状等もございます。そういうような状況によりまして、その時点で周辺の市街化の状況等によって具体の判断が行われていくというふうに思います。
 それからさらに、第一種生産緑地というものの指定がある場合もございましょうし、規模によりましては逆線引きの対象になる場合もあるというようなことでございまして、いろいろなケースが出てくると思いますが、ここで「当面の」というのをつけましたのは、やはり市街化区域内であるという性格を考えましてそういう「当面の」という言葉を使っております。ですから、普通に考えますと十年ぐらいが限度だなという感じで私ども解釈したいと思っておるわけでございますけれども、あくまでその時点におきまして周辺の土地施設の整備状況等が余りいまと変わっていないというようなことでございましたら、さらにそういうものも具体の事情に応じて農地利用規約等の期間の延長等も行われまして、そういうものが継続していくということになろうかというふうに思っております。
#152
○原田立君 本法案の第二条の中に、対象地域についての大都市地域の定義として、特別区の区域及びこの法律の施行の日において首都圏、近畿圏または中部圏の既成市街地、近郊整備地帯等に属する市町村の区域をいうものとするとありますが、この対象地域については、三大都市圏に加え地方中核都市においても実施できるよう拡大をしてくれというような全中等諸団体の要望があるんですけれども、これらについては御承知になっておられますか。
#153
○政府委員(山岡一男君) 法案の作成の過程におきましていろいろな方面と御協議、御相談、御意見を拝聴いたしております。その中にそういう御意見があったことも承知いたしております。しかしながら、本制度につきまして、当面は、三大圏の住宅地を中心とする著しい宅地需給の不均衡というものが念頭にございまして、緊急に宅地供給を促進するための必要な措置だということで設けたいということで、当面は三大圏に限定いたしまして、その地域について集中的にかつ強力的に農住組合の設立の推進と事業の推進を図っていきたいという趣旨でこの法案を作成されたものでございますけれども、適用対象地域を拡大せよという要望につきましては、今後のこの制度の運用状況等も見ながら、今後の検討課題ということにしていきたいと考えております。
#154
○原田立君 このいろいろいただいた資料の中では、首都圏というと東京、埼玉、千葉、神奈川、中部圏というと愛知、三重、それから近畿圏というと大阪、京都、兵庫というふうになっているんだけれども、いわゆる首都圏といいますと茨城県の一部も入っているし、中部圏というと静岡、岐阜も入っているし、あるいは近畿圏は滋賀県、和歌山県、奈良県も入っているはずであります。ここいら辺のところの県に対しては当然この農住組合法案の適用先というふうに判断してよろしいんですか。
#155
○政府委員(山岡一男君) この第二条「定義」にございますように、大都市地域の定義といたしまして、都の中の特別区の存する区域、それから市町村でその区域の全部または一部が法律の施行の日に首都圏整備法の近郊整備地帯、それから近畿圏整備法の既成都市区域もしくは近郊整備区域、中部圏開発整備法の都市整備区域内というようなことで区域を限定いたしております。これは行政的にはっきりした区域でございますので、この区域から外れるところは一般の分類で申します首都圏というようなところからも外れるところが出るわけでございます。
#156
○原田立君 ちょっと関連することになると思いますが、首都圏、中部圏、近畿県において現在全国で十ある政令都市は六つ、ほとんど入るわけでありますけれども、この対象外になる札幌、広島、北九州、福岡、こういう政令指定都市等についてのもし要望があった場合、あるいはその取り扱い等はどうお考えですか。
#157
○政府委員(山岡一男君) 最近におきます地価の状況等考えまして、水準が非常に高いということ、それから上昇率が特に需給のギャップ等で高まっていると見られること等からこういう地域を選んだわけでございまして、たとえば東京圏を一〇〇といたしますと、近畿圏はたしか八十幾つぐらいの水準でございますし、名古屋圏は六十幾つの水準でございます。それ以外のところは五十万都市等も含めまして二四、五という水準でございます。したがいまして、ちょっとその三大圏といまのところ地価においてはやや格差があるというふうに見ておりますが、お説のようにそういう問題につきましては、先ほどもお話し申し上げましたように、今後のこの法律の適用の状況等を見まして、必要があれば今後の検討課題としていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#158
○原田立君 第六十条に、組合の地区を設立するには、政令で定める規模以上の一団の市街化区域内農地を含むものであることが条件とされておりますが、これらの条件に適合する対象土地は三大都市圏の市街化区域内の農地、先ほどから言っているいわゆる九万五千ヘクタールのうち大体どの程度と把握されているのか。また、同面積のうち住宅団地にはどの程度の転用を期待しているのか、この点はいかがですか。
#159
○政府委員(山岡一男君) この制度の対象と考えております二ヘクタール以上の一団の農地というのがどの程度存在するかということでございますが、これもいろいろ調べてみましたけれども、公式のデータそのものは現在のところないわけでございます。練馬区におきます農地分布調査というのがございまして、これはややちょっと古いんでございますが、最近の状況まで引き直してみますと、二ヘクタール以上の一団の市街化区域内農地のたとえば練馬区の全市街化区域内農地に占める割合というのは、五〇・五%というような推定がされております。これは一つの目安になるのではないかと思います。なお、別途の調査によりまして、これはほかの省の調査でございまして、それに私どもが若干の加味をさしていただき検討したものでございますが、それで見ますと、私どもの推計では、東京圏で申しますとおおむね三〇%が大体そういうふうなまとまりのある団地というふうに見ております。したがいまして、そういうものを対象に今後どれだけ手を挙げていただいて、どのように現地の皆さんがお考えいただくかということが将来の供給の決め手になるというわけでございます。
#160
○原田立君 同じ六十条で、「当該一団の土地の区域内にある市街化区域内農地等の全部又は一部が、」「第一種生産緑地地区の区域その他政令で定める区域に含まれるものでないこと。」と、こういうふうな――ちょっと中を飛ばし、頭と末尾を読んだわけでありますけれども、こうなりますと、第一種生産緑地地区の取り扱い等については、組合の地区への加入の問題、そういうようなことが生じた場合にはどうなさるんですか。
#161
○政府委員(山岡一男君) この制度は、新しく大都市地域の主として市街化区域内農地を対象ということで、当面の営農の継続との調和を図りながら住宅地の円滑な転換を図っていこうという趣旨で設けるものでございます。その趣旨にかんがみまして、土地区画整理事業が現在すでに行われているところ、または行われてしまったところ、すでに宅地化ができているところ、それから土地利用の方向がすでに具体的に定められているような地域、そういうようなものにつきましては当然組合地区から除くべきであるという考え方に立っております。このような観点からいたしまして、良好な生活環境の確保に相当な効果を上げ、かつ公共施設等の予定地に適しているということで都市計画法上積極的に意義がつけられております生産緑地法につきましても、第一種生産緑地につきましても、農住組合の地区から除外すべきであると考えたものでございます。どうしても第一種生産緑地の中にある農地を農住組合地区に含めようというような問題が起きた場合には、あらかじめ当該生産緑地地区にかかわる都市計画の変更が行われる必要がありまして、それはやっぱり都市計画上の見地から十分検討された上で、もし変更がなされた場合には、生産緑地も農住組合が取り込めるというような問題であるわけでございます。
#162
○原田立君 ここでは含まれるものではない、こういうふうになって、いまの局長の答弁では、もしそういう必要性があれば含む場合もあるというちょっと矛盾した答弁なんで、その点は後でまたお聞きしたいと思いますが、指摘だけしておきます。
 第二章の「事業」において、住宅地等の造成の事業のほかに、土地改良事業はそれぞれの個別の事業法が適用されることになっておりますが、この事業内容と等しく配慮を要する問題は、組合の成立における指導、資金等であると思うんでありますけれども、この法案の六ページ、七ページ、八ページにわたってずっと事業が書かれておりますけれども、その指導、資金は一体どうなさるお考えですか。
#163
○政府委員(山岡一男君) 組合の事業につきましては、第一条の目的を達成するために第七条に掲げる仕事をやることにしております。このうちの第一号と第二号、これは必須事業というふうに考えております。
 第一号の事業でございます。これは「土地の区画形質の変更及びこれに併せて整備することが必要な公共施設の整備」でございまして、これは土地区画整理事業、特定土地区画整理事業、開発許可を受けて行う宅地造成事業等がございます。
 それから、二号の「住宅の建設」につきましても、これも一般の住宅の建設、賃貸、それからその住宅の建設、賃貸等の管理または譲渡、この譲渡の中には、「(当該住宅の用に供されている土地の賃貸その他の管理又は譲渡を含む。)」ということにいたしておるわけでございますが、まずこれらの事業につきましては、一般の土地区画整理事業、それから開発許可、それから一般の宅地造成事業等に対します他の補助事業、もしくは融資事業等の対象になる範囲につきまして全部その応援をいたしたいと考えております。住宅の建設につきましては、先ほど来お話が出ておりましたけれども、公庫の融資、それから開銀の融資、農協融資に対する利子補給、農住利子補給法の利子補給等の対策も個々に講じてまいりたいと考えております。
 それらのものにつきましては必須事業と考えておりますが、それ以外に、二項の仕事はいずれも任意事業でございますけれども、「組合員及び一般公衆の利便に供される店舗、事務所その他の利便施設」、それから「住宅又は店舗、事務所その他の利便施設を建設するため土地を必要とする」者に対する譲渡、賃貸、こういうふうにずっと九号まで書いてあるわけでございますが、それらのおのおのにつきましては、それぞれの事業ごとに現在認められております予算を個別に持っていくということと同時に、今後におきましても新しく利子補給なり融資なりという制度を現在政府部内で要求中でございまして、そういうものを今後努力をしてまとめて、そういうものに対する資金の援助をしていきたいと考えるわけでございます。
#164
○原田立君 いまの事業設立等に関し第六十五条では、「(農業団体等に対する事業基本方針の送付等)」、それから第九十一条では「(援助の請求)」
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
が決められているわけであります。これは非常に重要なことであると思うんでありますが、もう少し具体的に御説明願いたい。
#165
○政府委員(山岡一男君) 第六十五条では、事業基本方針が作成されましたときには、農住組合の発起人が当該事業基本方針を農業団体等に送付するということを定めておるものでございます。事業基本方針につきましては、農住組合の事業に関します基本的事項を定めようとするものでございまして、組合員の当面の営農の継続を図りつつ、市街化区域内農地を住宅地等へ転換するために組合が行う事業の種類及びその実施の方針、それから主務省令で定める事項と書いておりますけれども、中身といたしましては事業達成の目標期間、それから事業費の概算等を内容としたものを考えております。
 そういうものを受けましたときに、いまお話の出ました第九十一条の趣旨は、そういうことをあらかじめ農住組合から農業団体は聞いておりますので、農業団体等に求める援助が九十一条でございますが、その具体的内容といたしましては、農協資金の貸し付け、農業関係事業についての技術的援助、それから職員の派遣等を考えておるわけでございます。
#166
○原田立君 生産緑地法によるいわゆる第一種及び第二種生産緑地地区、都市計画施設として定められた公園または緑地の区域等内の一定の農地等は、税法上市街化区域農地から除外されて一般農地として取り扱われているが、本法律案にある営農地区についてはどのように関連づけられるんですか。
#167
○政府委員(山岡一男君) 生産緑地は、現在の市街化区域内農地の宅地並み課税の対象そのものから除外されておるということでございますが、宅地並み課税の今後の実施につきましては、先ほども申し上げましたけれども、五十七年度からの実施を目標に十分検討せよということになっておりまして、その検討の中身といたしまして、十分今後取り扱いを関係省庁の間で御相談申し上げる事項であると思っておりまして、いま御指摘の営農地区につきましても、その中の一環として五十七年度税制の際に一緒に検討していただくという問題でございます。
 しかしながら、これは国土庁といたしましては、やはり営農地区につきましては農地利用規約等もつくり、当面の営農の継続を図るという地区でもございますので、その検討、御相談の中身におきましては、もし将来宅地並み課税が実施されるというようなことになった暁におきましても、これは当然適用外というふうにしていただきたいという立場で御相談申し上げたいと思っておる次第でございます。
#168
○原田立君 先ほど来の御答弁で、宅地面積は約四千ヘクタールが見込まれるということだったけれども、じゃ一体、この組合がこの十年間で何地区ぐらいできるのか、その見通しはいかがですか。
 また、いわゆる当局による四千ヘクタール、あるいはいまからお伺いする、大体七百地区と言われているけれども、そういうような試算は単なる希望的予測にすぎないのではないかというような意見もあるし、私もそんなように思うんだが、一体どうですか。
#169
○政府委員(山岡一男君) 先ほど来お話しいたしておるとおりでございまして、四千ヘクタール、七百地区と申しますのは、三大圏におきますいろいろな農地の現状等を念頭に置きまして、平均的な面積なり地区内の農地の割合なり、転換の面積の予想割合なり公共用地の割合なり、一市町村に平均的に設立されるであろう農住組合の数なりにつきまして、相当いろいろと私どもの内部で説明ができるかできないかわかりませんが仮定をつくりまして、今後の努力目標という意味も含めてあえて想定したものでございまして、そういう意味から言いますと、これよりももっとやらなきゃならぬじゃないかと私ども思いますけれども、先生おっしゃいますように、ここができないんじゃないかという見方もあろうかと思います。私どもあくまで努力目標という意味でこういう推定をしてみたということでございます。
#170
○理事(茜ケ久保重光君) ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#171
○理事(茜ケ久保重光君) 速記始めて。
#172
○原田立君 いま私の方からあえて十年間で組合数は七百地区ぐらいと言われているがと言ったんだけれども、それについて局長は別に論及、言及しておらない。それは大体そういう努力目標ということの表現にとどまっているけれども、それはこういうふうに理解していいのかどうか。
 それからまた、十年間で四千ヘクタールの宅地供給が見込まれているのは先ほど来お話があったんだが、三大都市圏別の内訳は一体どうなっているか、あるいはまた、十年間の予算総額を一体どういうふうに見込んでいるのか、あわせてお伺いしたい。
#173
○政府委員(山岡一男君) 四千ヘクタールの積算をいたします際に、その途中経過といたしましてどれぐらいの組合ができるだろうかという推定をいたしましたものが、約七百ちょっとということで予定したところでございます。
 それから、三大圏別の数字ということになりますと、私ども一般の平均とかそういうようなものの掛け合わせで概算を出しておりますので、いわば大量観察ということでございまして、圏域別のことまではどうもまだ現在正確に申し上げられない状況でございます。
 それから、十年間の予算ということでございますけれども、これは利子補給もございますし、融資もございますし、それから今後予算措置として要求中のものもございますし、それらのものを現在十年まで見通しまして御報告申し上げるということは大変困難でございますので、御了承いただきたいと思います。
#174
○原田立君 法案を審議するんですから、まだわかんないとか御容赦願いたいだなんて、そんなことを言って法案を通せだなんて言う方が局長無理じゃないか。もう少しはっきりした答弁をしてもらいたい。
#175
○政府委員(山岡一男君) これはいわば事業をつくるための組合の組織法であり、組織に事業の権能を与える法律でございまして、今後これを活用して何とかしたいというのが趣旨でございまして、いわゆる供給計画法ではございませんので、そこまでの具体的な見通しにつきましては私ども現在直ちにはできないというふうな状況でございます。
#176
○原田立君 だから、そんな明言できないだなんていうことでは私は納得しがたい。まあ、だけど先に進みます。
 第二章、事業、第一節、第七条の二の「住宅の建設、賃貸その他の管理又は譲渡」とありますけれども、住宅の建設はわかるんですけれども、賃貸、こうなるとこの「賃貸」の言葉の中にはマンション、いわゆる民間デベロッパー等のつくるマンションも含むという理解でいいんですか。
#177
○政府委員(山岡一男君) いまの土地の分譲のことであろうかと思いますが、土地を必要と認める者に対して行う分譲につきましては、いわゆる土地転がしの発生は避けたいということでございまして、政令で定める者に対して譲渡するということを考えております。したがいまして、その中で当面考えておりますのは地方公共団体、公団、公社等でございますけれども、いまお話しございました民間の法人でございましても、資力、信用がある者、必ず家をりっぱにつくるだろうというようなものにつきましては今後検討してまいる余地があるというふうに考えております。
#178
○原田立君 見通し等についてはわかりますか。また賃貸住宅を例にとった場合、建設省の言ういわゆる3LDK、八十六平方メートル以上の住宅の賃貸価格というふうなことを聞いておりますけれども、その辺についてはどの程度と考えておられますか。
#179
○政府委員(山岡一男君) 本制度によりまして宅地化される土地につきましては、農住組合が直接その事業として行う側から見ますと、御指摘のように、宅地分譲の形で最終需要者に更地を供給する場合、それから住宅を建設して当該住宅とあわせて分譲する場合、それから住宅等を建設する事業者に譲渡いたしまして、その者が住宅等を建設し、当該住宅等とあわせて分譲する場合、利便施設を建設して当該利便施設とあわせて譲渡または賃貸を行う場合など各種の供給ないしは土地利用の行われ方が考えられるところでございます。
 具体的には、各農住組合の地区におきましてどのような形でその供給が行われるか等につきましては、あくまでも農住組合または組合の判断によるものでございまして、少なくとも過去の実績について何の実績もない現状でございますので、現段階で大まかに何が何戸、何が何戸というふうなことについての推定はできないわけでございまして、これも御了承いただきたいと思います。そこで供給されます住宅の家賃等につきましては、私ども一般的にいろいろな応援方法もいたしますので、相当低家賃のものが供給できると思っておりますが、なお住宅局の方からも御答弁をいただきたいと思います。
#180
○政府委員(豊蔵一君) ただいまの農住組合が行います賃貸住宅につきましての御質問でありますが、農住組合の建設いたします賃貸住宅につきましては、その立地条件であるとか、あるいは素地価格、造成費、建設費等によりまして非常にばらつきがあろうかと思いますので、直ちにいまどのくらいになるかという推計はちょっと困難かと思いますが、私どもが農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給制度というのを現在運用いたしておりますが、その実例の中で、最近の最も近いと思われる三LDK程度の賃貸住宅について見ますと、おおむね月の額にいたしまして五万円前後という運用になっている実情はございます。
#181
○原田立君 東京都内あるいは大阪府、ここで二ヘクタール以上の農地、市街化区域内ですよ、それは一体どのぐらいあるとお考えなんですか。これは二ヘクタールというと大変広い地域になると思うんです。そんなところが東京都内の市街化区域内あるいは大阪の市街化区域内にあったと言っても本当に僅少だろうと思うんですけれども、その実態はおつかみですか。
#182
○政府委員(山岡一男君) 東京の、これもたびたび同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、練馬区で一回私ども調査をさしていただいておりますが、それによりますと、練馬区の市街化区域内農地の中で、大体二ヘクタールのまとまりがあるというものが全体の半分ぐらいということでございまして、それから東京圏ではほかの資料から推計したものでございますが、全体では二ヘクタール以上のまとまりが大体三割を占めているというふうな数字を持っております。したがいまして、東京圏だけの数字しかいま持っておりませんので、中部圏、大阪圏につきましての具体的な推計はいたしておりませんが、一つの目安になるのじゃないかと思っておるわけでございます。
#183
○原田立君 東京練馬では五〇%、全体で三〇%ですか、あるということですが、実は私も今回建設委員になったんだけれども、ついこの間まで農水委員で、農業の重要さということを強調していた部類の一人なんです。いまここで宅地供給が必要だと言って宅地促進、そのために農地をぶっつぶせだなんて言うことは変節したものだなんて言われるおそれがある。自分でもこうしゃべっていてじくじたるものを持ってるんです。
 それで、後で原長官にもお伺いするけれども、一体建設省は、市街化区域内の中から農地はもう行く行くは全部追放しちゃうんだ、こういう基本方針を固めておやりになっているのかどうか。これは非常に重要な問題ですから、局長が事務的に答弁するだろうけれども、本当は原長官または建設大臣がいれば建設大臣からも聞いておきたいと思うんです。
#184
○政府委員(升本達夫君) 先生御承知のとおり、都市計画法の考え方といたしましては、基本的に大きな都市、これは全都市に考え方としては同じかと思うんでございますけれども、当面適用しておりますのは人口十万以上のかなり大きな都市でございますが、この都市につきましては、その都市の人口、産業の将来の発展動向を見定めて、市街化さるべき区域、既成市街地を含めてこれからおおむね十年ぐらいの見当で市街化を促進するべき区域と、それから市街化をむしろ抑制すべき区域ということで、二つに分けて線引きを行うという制度にいたしております。したがいまして、この制度が適正に運用されますれば、市街化を促進すべき区域については、将来方向としてはその区域内に市街地内の土地利用以外の土地利用というのは考えられないことになるというふうに整理をいたしております。
 簡単に申し上げますと、市街化区域内においては、将来永続的な形で原則的に農地が残ることはないというふうに考えております。ただ、この場合に、将来を見越して線を引くわけでございますから、十年という見通し、あるいはさらに都市計画の整合性という点から言うと二十年という期間をとる場合もございますが、かなりの将来にわたった見通しのもとに線を引くことになりますので、いわば経過的に一定の期間内は農地として残ることも当然ある、だから常に市街化区域として線を引かれた中には農地があるべきでないということを申し上げているわけではございませんで、過程的、経過的には当然ございますけれども、将来方向としてはなくなるべきものというふうに考えて諸般の施策を進めておるつもりでございます。
 ただ、これは原則論でございまして、個別に申し上げますと、たとえば御議論ございましたような生産緑地制度というようなものがございます。これはある程度経過的な考え方と現実の土地利用との調整という意味で、当面の間生産緑地という制度のもとに農地として存続をしていただくという区域もございます。
#185
○政府委員(山岡一男君) 市街化区域内の農業につきましては、これまでも立地条件を生かした野菜、花卉等の生産を行っておられまして、生鮮な野菜の供給等に一定の役割りを果たしておられる、しかも今後もしばらくの間は農業が行われるというふうに思っておりますけれども、いま都市局長が申されましたとおり、市街化区域の十年以内には都市的土地利用に転換をするんだという意味の市街化区域指定というものを受けておられる性格、それから農地転用の許可もなく届け出だけで転用できるというような市街化区域内農地の特性等々から見まして、長期的には農地の宅地化への利用転換が進みまして、農業生産等も漸次低下していくんじゃないかというふうに私ども都市農業については見ているわけでございまして、将来におきましてそういうものはどこにあるのかというのを東京圏について調べました例は、先ほど申し上げました九〇・四%が住居計画地域という色塗りをされております。
 これは、第一種住専、第二種住専、住居地域というところの色塗りがされている中に市街化区域内の農地はその九割が入っているということでございまして、現在のように住宅が足らない、住宅地が足らないという状況でございましたら、まずはやはりそういう住居地域、一種住専、二種住専というふうなところに住宅をつくるということになるわけでございまして、そういうようなところが漸次そういうようなものに転換していくであろうというふうに私どもは見ておるわけでございます。農住組合法はその間のダイナミックなとらえ方をいたしまして、過渡的なと申しますか、現実的なと申しますか、そういう意味の農住両全を図りながら一歩でも早くそういうものを進めていきたいという意味の内容を持った法律であると思っております。
#186
○国務大臣(原健三郎君) いま建設省の局長及び国土庁の局長から御答弁がありましたのと同様でございますが、なかなか宅地を必要とする需要の面も非常に盛んであるし、これが現在のような状態でございますから、何としても宅地を供給しなければならぬ、それに向かっていま全力を挙げて農住組合法もやっているところでございます。だんだんいわゆる農地専用の土地だけを残しておくという――直ちになくなるというんではございませんが、いま政府委員からも申し上げましたとおり、逐次、これほどの土地の需要がある現状でございますから、だんだんその需要を満たすために農業専用地は減少していくであろう、こういう見通しでございます。しかもそれは直ちに取り上げるとかなんとかというんでなくて、そういうふうな見通しのもとにこういう農住組合法もその一環としてここに御審議願っておる、こういう見通しのもとにわれわれはやっている次第でございます。
#187
○原田立君 いろんなことを言っているけれども、もともと言うならば、自民党政府が大都市圏に余りにも過度に人口を集中した、いわゆる過密地帯をつくったということに私は原因があると思うんですよ。その逆に、今度は地方では過疎地帯で、いま運輸委員会でやっているようなローカル線廃止問題だなんというのが起きて、私は福岡だけれども、産炭地の飯塚、田川だなんというのは大困り、こういうような問題もあるんだけれども、いまここでまたそれを取り上げてどうのこうの言うつもりはありませんけれども、大臣、この法の運用については十分慎重にしてもらいたいし、農家追い出し法案だなんていうことにならぬようにしていただきたいと思うんであります。
 住宅に困窮している国民が望んでいる良好なゆとりある賃貸住宅の供給促進策として、果たしてこの法案が十分であるのかどうか、私は疑問に思うんです。たとえば良好なゆとりある賃貸住宅が供給されるとしても、高い家賃、先ほど住宅局長は五万円ぐらいと言ったけれども、高家賃では国民の期待にこたえられないのではないか、この点が心配なのが一点。
 それから、賃貸住宅の家賃については、公的住宅融資や利子補給等を行うことと引きかえに家賃抑制条件を義務づけておりますけれども、そういうふうな場合、今度のような農住組合法案で行われるところのいわゆる賃貸住宅、これに対してはどのような対策を考えておられるか。
#188
○政府委員(豊蔵一君) 農住組合が農地を転用いたしまして賃貸住宅を建設するという場合につきましては、国が利子補給を行います農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給制度、いわゆる農住制度というのがございますし、また住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅融資制度、あるいはまた日本住宅公団の行っております民営の賃貸住宅に対する分譲制度、そういったようなものがございまして、これらにはそれぞれ末端金利が五・五%になる程度に運用をするというのが原則となっております。
 そういったようなところから、利子補給の場合等につきましてはその利子補給をいたしております期間につきましては、援助に見合った家賃の抑制というのも義務づけております。
 ただ、いままでの私どものいわゆる農住制度によります利子補給等の賃貸住宅の実情等を見てみますと、もともと土地を所有していらっしゃった方々がその土地の上に賃貸住宅を建設されるということが多いものですから、その家賃の算定を行います場合に、地代相当額を相当低く抑えて積算をするといったような傾向も見られまして、法律に基づいておりますところの家賃限度額をかなり下回った運用というふうになっている点が見られるように思われます。そういったことによりまして、良好な質の賃貸住宅がなるべく低廉な家賃で給供されるということが期待され得るのであろうかというふうに私ども考えておるところでございます。
#189
○原田立君 ちょっとおしまいの方よくわからなかったんですけれども、先ほど賃貸住宅の家賃は大体五万円ぐらいということを住宅局長は言っておられたけれども、また傾斜的にだんだんと上がるようなことがあっては大変だ、心配だと、こうしているわけです。ある人に聞いたんですよ、大体あなた方は月給もらって、一体家賃は何割ぐらい払えるんですかと言ったら、まあぎりぎりいっても二割でしょうと言うんですよ。そうすると、三十万円ぐらいの収入のある人が二割で六万円です。二十五万円ぐらいの収入の人だと二割で約五万円ですね。賃金だってそんなにどんどんスライドして上がっていくわけでもないんだし、五万円ぐらいの見通しだって言うけれども、さあその五万円が六万、七万、八万というふうに上がっていったんでは大変なんだ。そこに住まっている人が、借りている人が大変困ることになるんだけれども、そういうような心配はないのかどうか。その点いかがですか。
#190
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど申し上げました例はそういうことでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、その土地の立地条件、素地価格、建設費あるいは造成費等々によっていろいろと条件には差があるわけでございます。しかしながら、それはそれといたしまして私が申し上げましたのは、利子補給等を国がいたしております場合、現在の制度では十年間ということに原則はなっておりますが、その十年間につきましては家賃の制限を行っているというようなところから、一定期間につきましてはある程度低廉な家賃の住宅が供給されるんではないかというふうに考えておるわけであります。
 ただ、もちろんこの農住組合の行いますところの住宅と、それからまた別途私どもの方で行っております公営住宅一種、二種といったような制度等がございますが、これらにつきましてはそれぞれその目的、意図を異にしておりますので、低所得者の方々に対しましては一般的には公営住宅等の供給を図ることにより負担を軽減せしめると同時に、また大都市において非常に不足しております賃貸住宅全般につきまして、中堅勤労者階級の方々には、この農住組合の行います賃貸住宅も相当程度に効果があるんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#191
○原田立君 私、あんまり調べてこなかったんでお聞きするんですけれども、いま、いわゆる皆さん方みたいな、局長みたいな高給取りの人は別にして、普通勤務している人たちの平均賃金は幾らですか。
#192
○政府委員(山岡一男君) 正確ではございませんが、一般勤労者の平均所得三百九十七万円だったと覚えております。
#193
○原田立君 それは約三百九十七万――約四百万ですな、ボーナスも入ってのことだろうと思うんだけれども、そうすると月に約二十万ぐらいになりますね、月収が。二十ぐらいで割るんでしょう、あれは。そういうような面で五万円と局長簡単に言ったけれども、ちょっと高いんじゃないか。そんなところにめどを置くんじゃなくて、もっと公共家賃住宅の入居者との間にも不公平を生まないような十分配慮する、そういうような適正な家賃負担システムの確立ということが必要だと思う。その点いかがですか。
#194
○政府委員(豊蔵一君) 現段階におきましては、先ほど申し上げましたように、所得階層によりまして、低所得者の方々につきましては、公営住宅等の公共賃貸住宅の供給をもって対処いたしたい。しかしながら、また一面、中堅の勤労者階級の方々に対しましては、この農住組合によりますところの賃貸住宅の供給ということも本当に意義のあることであり、また需要もかなりあるだろうというふうに考えられておりますので、これらの公共住宅と農住組合の賃貸住宅とそれぞれの相互の役割りを分担し合って、大都市における住宅供給に寄与するというふうに考えていくのがいまのところよろしいのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#195
○原田立君 国土庁長官にお伺いするんですけれども、十月三日の閣議後の記者会見で、五十七年度からは宅地並み課税を完全に実施する、今度こそやらねばならないだろうというような発言をなさっていることが報道されておりますし、十月十一日の予算委員会のところでの答弁の中に「この五十五年度と五十六年度において地価がもっと上がるような、下がればまた考えは別ですが、上がるようなことがあれば、ぜひ前向きに積極的に宅地並み課税を実施いたしたい、こう思っております。」という御答弁をなさっているんですが、C農地について五十七年度から実施する、こういう報道についていかがお考えですか。
#196
○国務大臣(原健三郎君) これは市街化区域農地に対するいわゆる宅地並み課税については、昭和五十五年の税制改正に関する政府の税制調査会の答申の趣旨に沿って、関係省庁と連絡を密ににして十分検討する考えでおります。私の申し上げましたそれは、税調の答申というのは明らかに明示いたしておりますので、疑う余地はない。
 一つはこういうことを書いてあります。「昭和五十七年度分以降の固定資産税及び都市計画税については、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を」講ずべし、というこれが一つであります。農住組合で営農をこれから続ける人のためには特別な配慮をして税金など取るな、こういう意味であります。
 第二番目、「新たにC農地を課税の適正化措置の対象に加える」ものとする。C農地についても、課税の適正措置の対象に加えて課税すべし、という趣旨であります。
 さらに第三、「現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化」せよと書いてあります。そういうために十分な検討をやれ、こういう答申でありますが、この答申に沿うて私どもは、これはいずれ各省庁相談しなきゃならぬのでございますが、国土庁としては前向きに積極的にこれは課税すべきものであると、この時点においてそう考えておるわけでございます。
#197
○原田立君 そういう答申が出たから積極的に課税するというようなのが長官の答えなんだけれども、宅地並み課税を強化してそうして農家を追い出すようなやり方は、いくら答申があったからといっても非常に過酷なやり方のように私には思えるんです。自治省は、この国土庁の意向を受けて、市街化区域内のA、B、C農地に対する宅地並み課税についての見解は一体どうですか。自治省、来ていますか。
#198
○説明員(渡辺功君) 三大都市圏の特定市の市街化区域農地に対する固定資産税の課税の問題でございますが、これにつきましては、五十四年、五十五年と続けて原田委員御存じのように税制調査会の答申がございます。そこで私どもとしましては、この問題につきましてはその答申の趣旨を踏まえまして今後十分検討してまいりたいと考えて一おりますが、その際には、これは何よりも政策税制でございますので、国土庁を初め関係各省庁の意見を十分承りまして今後十分検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
#199
○原田立君 いろいろありますが、実はわが党で、選択的宅地並み課税というようなことで、どちらかの方法を農家の人たちに選択してもらうというふうな方法を講ずべきだということをわが党は提案しております。住宅事情の特に深刻な三大都市圏の市街化区域内農地を対象に、宅地並み課税を全く行わないかわりに半永久的な措置として、少なくとも二十年間は農地のままにしておくことを義務づけ、宅地転用を禁止するというような方法、あるいはまたもう一つは、農地の宅地転用も譲渡先も制限しないかわりに宅地並み課税を完全に実施する、そのどちらかを農家の人たちに自主的に取り入れさせるということをわが党は考えて提案しているわけでありますけれども、それらについての見解をお伺いいたしたいと思います。
#200
○国務大臣(原健三郎君) 御説はよく承りましたが、なかなかそう直ちに即答するまでに至りませんが、十分御趣旨のある点を踏まえて検討してみたいと思っております。
#201
○原田立君 時間がありませんので、引き続き簡単に進めていきたいと思いますが、いまのわが党の提案について、さきの本会議における鈴木総理大臣の、十分参考にしていくという発言もあり、原長官もまた、大いに検討してみるということなんだけれども、これがより実現の方向に進んでいけるようにせっかく御努力願いたいと思うんであります。
 三大都市圏の市街化区域内農地の宅地並み課税について、新たにC農地を対象とする場合、自治省は、道路、上下水道など基盤整備が図られていて、直ちに宅地に転換できるような農地に限り宅地並み課税を実施するという限定課税の方針であると聞きますが、これに対し、建設、国土両省庁は、C農地全体を対象にする一律課税の基本方針を崩していないそうだが、どのように調整し実施するのか。
#202
○説明員(渡辺功君) いわゆる市街化区域農地のうちのC農地を含めましてこれをどう取り扱うかということは、これからの重大な検討課題でございます。現在のところ、国土庁、建設省両省庁の具体的な考え方は私どもまだ承っておりません。また自治省といたしましても、これについての具体的な方針を定める段階ではございません。
 ただいま原田委員御指摘のようなことが新聞に出たことは承知しておりますが、それは、この市街化区域農地、現在のA、B農地の課税、の問題の長い経緯の中でいろいろな議論がありまして、その中に、税制調査会の答申においても再々そういう指摘があるわけですが、いろいろな都市施設の整備が十分ではないというようなところに宅地並み課税をすぐやるのはどうかという指摘が過去にあっておりますので、そういったような事柄を踏まえてのそういう問題指摘であったのではないかというふうに考えております。したがいまして、私どもとしましては、今後いろいろな具体的な御意見を各方面から寄せられると思いますので、それらに十分耳を傾けまして今後検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#203
○原田立君 長官か土地局長、専門家の意見で、農業者は、宅地開発や賃貸住宅の経営などふなれな仕事に乗り出すより、現状農地のまま保有しておいた方が有利で安全であると考える人が多い、こういうふうに指摘されているわけでありますけれども、このような意見に対してはどう思いますか。
#204
○政府委員(山岡一男君) そういう御意見の方もおられるだろうことは承知いたしております。ただ、私どもの調査によりますと、やはり全体の中で、大部分後か、多少後か、一部後かはそれぞれ前提はございますけれども、他へ転用したいという気持ちを持っていらっしゃる方もおられることは事実でございます。しかもその場合に、自分たちだけではどうもうまくいかないというような気分がございまして、こういうような制度をつくることに積極的に賛成だとおっしゃっていただいている方々も多いわけでございます。私どもはそういう方々に対しまして、農協なり市町村なり、またその他の関係金融機関なりが力を合わせて応援をいたしまして、そういうことが常時できるような対策を講じていこうというふうに考えておるわけでございまして、私どもの今後の努力ということにまつところが多いと思いますけれども、私は十分成果を上げられる面もあるというふうにお考えいただいて結構だと思っております。
#205
○原田立君 局長とちょっと認識を異にするんです。
 この調査室でつくってもらった資料によりますと、「市街化区域内の農地の全部について、農業を続けていきたい。」が四五・五%、それから「市街化区域内の農地のうち、多少は売却あるいは貸家・アパート等の施設用地に転用してもよいが、残りの大部分は農業を続けていきたい。」が三九三%、これは合計すると八四・八%です。あなたどこでどういうふうに見たのか知らぬけれども、そのほかに、「市街化区域内の農地のうち、半分位は売却あるいは貸家・アパート等の施設用地に転用してもよいが、残りの半分位は農業を続けていきたい。」が九・二%、「市街化区域内の農地のうち、大部分は売却あるいは貸家・アパート等の施設用地に転用してもよいが、残りの部分は農業を続けていきたい。」が五・九%。もう農業を続けていきたいという人が八四・八%、圧倒的です。それから、それはもうやむを得ないから少しは、まあ半分ぐらいは売るけれども、あとは営農していきたいというのがわずかに一五・一%です。あなたのさっきのお話だと、一部を売っていいという人が大部分だなんということは、一体どこの資料で私に説明なさるんですか。
#206
○政府委員(山岡一男君) 実は私どもの同じ資料でございまして、これは私どもが行いました調査の資料でございます。そこで、過去におきましてはおそらく全部が農業を続けていきたいということであったわけでございますが、東京圏につきまして今後十年ぐらいの計画、方針としてどうお考えですかということで聞いた趣旨でございまして、先ほど申し上げましたとおり、多少はとか半分ぐらい、大部分はとか確かにいろいろ差があるわけでございます。これをもっと細かく分析をしなければなりませんけれども、この中でも、他へ転用してもよいというのがいままでは非常に少なかったのが、数%程度出てきておるというところにわれわれ着目しておるわけでございまして、こういう方々にはいままでそういう手法もなければ応援もないという中で考えておられるわけでございますから、私どもがこういうふうな新しい手法をつくり皆さん方の応援をしていけば相当期待できるのではないか。私どももちろん市街化区域内の八万八千ヘクタールの農地全部を対象にすると考えておるわけではございませんので、十分こういうふうなパーセントの中でも啓蒙していけば効果は上げられるんだろうと思っているということでございます。
#207
○原田立君 局長は自分の都合のいいところばかり数字を取り上げて言われるのは、私には合点がいかない。
 ところで長官、いまも議論があったように八四・八%の人が営農していきたいと言っているんです。ところが、さっきの話は、答申が出ているからもうそのとおり市街化区域内はばっさり農地はなくしちゃうんだ、強行していくんだ、宅地並み課税にしていくんだなんて仰せになるけれども、余りそれは強圧的という態度ではございませんか。
#208
○国務大臣(原健三郎君) 誤解しないようにお願いしたいんですが、農住組合法は決してそういう農業を専門にやりたい、これから継続したいという人に対してそれを認めていく方針でございます。それをまた住宅に転用したい、こういう人等が寄って組合をつくって、そういう希望者によってこれをやる。それでまず、先の見通しはいろいろ申されましたが、最小限度でもかなりの効果があるであろう、しかもいま都会地においては住宅需要の声も高いし、そして何とかしてくれという声もありますから、声に応じてこの対策をやりたい、その一つとして具体的に農住組合法をもってやりたい、決して強制するものでなく自主的にやっていただく、こういう精神でございます。
 それから、宅地並み課税の方は、これはいわゆる農業を今後とも続けてやる人には特別の税金はかけないということになろうかと私は思っております。
#209
○原田立君 地方自治体や農業団体は、五十七年度以降も引き続きA、B農地の減額措置、この特例措置の延長を望んでいると伝えられているわけでありますが、自治省はこの実態をどう把握しているのか、見通しはどうか、あるいはまた宅地並み課税の減額措置の廃止が何か自治省の中で検討されていると聞いておりますが、一体どうなんですか。ある新聞によりますと、自治省は交付税削減で圧力をかけているという報道がなされておりますけれども、それらについてお答え願いたいと思います。
#210
○説明員(渡辺功君) 御指摘の減額措置の実態でございますけれども、現在固定資産税で百五十三億の課税額のうち減額されておるものが九十九億六千万、約百億あります。それから都市計画税では六十二億の課税額のうち約四十億が減額されている、こういう実態にございます。
 また、その減額の状況を各関係百八十五市の内訳で見ますと、条例の制定されているものの中で
 一〇〇%減額というものが七十九団体ございまして、そのほかは五〇%以上というところから九〇%台まで分布しておりますが、その中では八〇から九〇%台の減額率をとっている団体が一番多くなっております。
 それから第二番目の、減額措置の廃止を検討しているのかというお話でございますが、私どもはこの問題につきましては市街化区域農地の課税問題全体の仕組みの問題として検討しなければならないと考えておりまして、この減額措置のみを取り出してどうするということを現在検討しているという事実はございません。減額措置そのものを、また交付税措置でそれを交付税上の措置をやめることによって減額措置をさせないようにするということが、何か検討あるいは決められているような報道があったわけでございますけれども、そういうことを決めたということもございません。いずれにいたしましても減額措置全体は税制上の措置を前提としまして、交付税上の措置もあるわけでございますので、税制上の措置とあわせて一体のものとしてこれは検討する必要がある、こういうふうに私どもとしては考えているところでございます。
#211
○原田立君 まだ検討してないというんですか。
 十月二十四日の新聞によりますと、「自治省は都市農地に対する優遇措置として批判の強い「農地の宅地並み課税の減額特例措置」の廃止を検討し始めた。」これも検討し始めたですね。「減額特例措置を実施している東京など三大都市圏地方自治体に交付してきた「減額に見合う分の地方交付税による補てん」をとりやめることによって地方交付税を“節約”するとともに、都市農地の宅地並み課税の完全実施を早急に実現しようというのがねらい。」だと、こういうふうに報道されているけれども、そういうようなことでやっているんですか。
#212
○説明員(能勢邦之君) 地方交付税におきますいわゆる減収補てん措置についてでございますが、この減収補てん措置につきましては、先ほど来から話が出ております地方税法上A、B農地の固定資産税にかかりますについて条例の定めるところにより減額ができるという仕組みをとっておる、その仕組みと整合を保つ意味から地方交付税上の措置が行われているわけでございまして、したがいまして、この問題はその前提となる地方税法、税制上のあり方とあわせて考えるべき問題だというふうに私ども考えております。したがいまして、ただいまお話がございましたような、一部の新聞に報道されましたような、五十六年度からでも地方交付税による減収補てんをやめる方針云々ということは、いま決めておる段階ではございません。
#213
○原田立君 検討はしているんですね。
#214
○説明員(能勢邦之君) 一般的な検討ということでは、この問題に限らず検討はいたしておりますが、この問題に焦点をしぼって特にどうこうという具体の検討なり、具体の結論を出している段階ではないというふうに御理解いただきたいと思います。
#215
○原田立君 火の気のないところには煙は出ないんですよ。こういうふうな情報が出てくるのは、あなたいま一般的なことではやっているけれども、特にこれということではやってないというようなお話だけれども、これはちょっと当たりませんな。理解しがたい。
 十月二十七日の朝日新聞によりますと、農業団体の全中は、宅地並み課税強化案に対しては反対運動をうんと盛り上げて進めていくという姿勢を示しておりますけれども、これらについてどう認識し、またこれを今後どう説得していく考えなんですか。
#216
○政府委員(山岡一男君) 税制調査会の答申にございますように、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うということの措置が十分にとられるならば、全国農協中央会としても今後御理解いただけるものというふうに私どもは考えております。ただ、全中といたされましては、本当に何年かに一遍ずつこういう問題が起きる、この際決着をつけたいということで、いろいろな意味の勉強をなさっているということは事実でございますけれども、この政府税調答申の中のこういう姿勢で考える限りは、そう必ずしも反対ということではないというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
#217
○上田耕一郎君 この農住組合法案については、きょう午前中から審議が行われております中から問題がいろいろ指摘されておりますように、かなり大きな問題があると思います。本法案には農業団体などを初め多くの問題点が指摘されております。東京都の農業協同組合連合会、中央会では、東京の場合には農地が零細で地域的に見てもスプロール化がはなはだしい、したがって本法を適用することはほとんどなじまないのではないか、また農家もほとんどついてこないのではないかという意見を表明しています。
 それから、三大都市圏の中の大阪では、大阪府農業会議からは「農住法案に関する要望」というものが出ておりまして、これは非常に厳しい意見を述べております。
 都市農業は、これまでいろいろ政府の施策で後退を余儀なくされてきたと。
  今また、地価の上昇、宅地供給不足さらには
 内需拡大等を理由に、大都市圏における住宅・
 宅地政策が強化され、自治体の財政事情、都市
 整備の立遅れ等を顧みることなく、その責任を
 都市農家に転嫁して農地の宅地化を促進する
 「農住組合法案」が今国会に上程された。
  本法案は、政府の定住圏構想や人口抑制を進
 める大都市圏の自治体の街づくり等に逆行する
 ものであり、現行のいわゆる「大都市法」に屋
 上屋を架すとともに、昭和五十七年度を目途と
 する宅地なみ課税の全面実施を誘引し、都市農
 業を崩壊に導くものといわざるをえない。
  よって、政府ならびに国会は、われわれが希
 求する都市農業の確立のため、本法案を白紙に
 戻し、再検討されるよう強く要望する。」という要望書が十月二十九日に出ております。都市農業を行っている団体からこういう強い意向も表明されておりますので、私は以下、幾つか問題点を質問させていただきたいと思います。
 まず、本法案の第一条、目的の項で、大都市地域の市街化区域内農地というのが対象になっておりますけれども、この対象農地の面積はまずどのぐらいなんですか。八万八千ヘクタールという言葉もありましたが、五十四年度の三大都市圏の農地は九万五千ヘクタールという数字もありますけれども、その点まず確めたいと思います。
#218
○政府委員(山岡一男君) 首都圏、近畿圏、中部圏というふうな圏域の取り方に少し差がございまして、特にこの農住法の第二条の定義で対象になる大都市地域の中のものを積み上げてみますと、八万八千ヘクタールということになるわけでございます。
#219
○上田耕一郎君 この第一条で、「必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ」ということになっておりますけれども、この「当面」とはどのぐらいの期間を指しますか。
#220
○政府委員(山岡一男君) 市街化区域内農地という性格を前提といたしておりますので、個々の農地の所有者の方々の意見によって決まるわけでございますけれども、大体五年ないし十年は当面の範囲だというふうに私ども考えるわけでございます。
#221
○上田耕一郎君 次に、第六十条、「組合の地区」というところですけれども、ここで「政令で定める規模」、これは二ヘクタール以上という答弁がありましたね。第二号「市街化区域内農地等の面積の合計が、当該一団の土地の区域の面積の大部分を占めるものであること。」とありますけれども、この「大部分を占めるもの」というのは、具体的にはどのぐらいのことを考えていきますか。
#222
○政府委員(山岡一男君) 大体、一団の土地の区域の面積のうち八〇%ぐらいを占めれば大部分に当たるというふうに考えております。
#223
○上田耕一郎君 八〇%以外の土地の中には、農地以外の宅地なども含まれていいわけですね。
#224
○政府委員(山岡一男君) 計画の中に隣接する宅地、隣地等が一団の中には含まれる場合がございます。
#225
○上田耕一郎君 では、二ヘクタール以上の市街化区域内農地があり、かつこれが八〇%以上という大部分を占めていれば、市街化調整区域、この調整区域内の土地も多少入っていてもいいんですか。
#226
○政府委員(山岡一男君) 市街化調整区域内の土地も入ってよろしいわけでございます。
#227
○上田耕一郎君 そうすると、市街化調整区域内の土地が入っていてもいいと。これは組合が交換分合をするわけですね。市街化調整区域の土地も入っていて交換分合をした。交換分合してたとえば宅地になるという抜け穴みたいなものもできてしまう危険はありませんか。
#228
○政府委員(山岡一男君) 設立の認可、第六十八条の第三項でございますけれども、「都府県知事は、組合の地区に市街化区域外の土地が含まれる場合においては、当該土地が農地等であり、かつ、政令で定めるところにより当該土地を農地等として利用することが組合の地区内の市街化区域内農地等の住宅地等への円滑な転換に資することとなると認められるときでなければ、前条第一項の認可をしてはならない。」というふうに決めておりまして、市街化区域と調整区域の縁辺部におきまして農地の方は全部市街化調整区域の方へ、そのことが逆に市街化区域にある宅地化促進になるというような場合でなければ許可をしてならないという趣旨で、一応線引きの境における整序集約を予定しておるわけでございます。
#229
○上田耕一郎君 この条件に当てはまれば、市街化調整区域内の土地も交換分合の結果宅地になるというケースもあり得るわけですね。
#230
○政府委員(山岡一男君) 「政令で定めるところ」というふうに書いておりまして、政令で現在考えておりますのは、組合の地区内の市街化区域内農地等の所有者で営農の継続を希望する者と、市街化区域外農地等の所有者で住宅地等の取得を希望する者が組合の事業によりお互いに所有地を交換することが認められるというような場合を想定して政令で決めたいというふうに思っております。
#231
○上田耕一郎君 じゃ、営農をやっている組合員の場合、たとえば民間デベロッパーなどが市街化調整区域の土地を持っていると、ちょうど境目のところで。で、この組合を設立して、それで交換分合して宅地にしてしまうというケースはないわけですね。
#232
○政府委員(山岡一男君) ここで対象にいたしますのは、調整区域内の農地ということでございまして、当該土地が農地でありと、こう書いてあるわけでございますから、農地との間で交換をするというふうに考えているわけでございます。
#233
○上田耕一郎君 さて次に、宅地不足の問題点けさからいろいろ数字の答弁がございました。若干重複する面もありますけれども、少し数字を確かめておきたいと思います。
 全国で宅地がどのぐらい必要なのか、その計画について、国土庁並びに建設省から、全国での宅地供給不足量の数字を改めてお聞きしたいと思います。
#234
○政府委員(山岡一男君) これは、第三次全国総合開発計画で中期的見通しを立てておるわけでございますが、五十一年から六十五年までに全国では十九万ヘクタール、ミディアム・グロスで新規宅地が必要だという推定をいたしております。しかしこれは、七十五年における人口が一億三千七百万というようなことを想定をいたした数字でございますので、現在なおしばらくの間、検討する必要があると言われている数字でございます。
#235
○上田耕一郎君 建設省もお願いします。
#236
○政府委員(宮繁護君) 私どもの住宅の五ヵ年計画におきましては、八百六十万戸に対応いたしまして、新市街地で五ヵ年間で約六万六千ヘクタールを必要とするとはじいております。これに対しまして実績は、五十一年度で一万二百ヘクタール、五十二年度で九千三百ヘクタール、五十三年度で八千六百ヘクタールとなっておりまして、三年間平均いたしますと、年間約九千四百ヘクタールでございます。
 それで、六万六千ヘクタールの必要量ということでございますので、これは年平均一万三千ヘクタールほど必要という見込みでございますので、これに対しましては約七〇%の供給量ということになっております。ただこの場合、一つは、五十一年から五十三年の問に住宅は百五十万戸強建ったわけでございまして、一つには、一区画当たりの面積が減少してまいった。このことは、しかし五十三年度からは一区画当たりの面積の減少が下げどまりになりまして、若干ふえておりますが、これは宅地を購入する消費者の方々の質的な水準に対する向上意欲、あるいはまた、公共団体が指導要綱等で小さな宅地につきまして抑制をしておるというようなこと、それからもう一つは、マンションの供給が非常にふえておりまして、東京都内で申し上げますと、五十年では一万戸が、五十三年度では約三万戸のマンション供給というようなことになっておりまして、既成市街地の高度利用、有効利用も進んできておる。その他、企業の在庫の吐き出し等によりまして、先ほど申し上げましたように、住宅が約百五十万戸強この三年間に平均して建設された、このように考えております。
#237
○上田耕一郎君 さて、問題の三大都市圏ですけれども、建設省の方の数字では、東京圏、大阪圏、中部圏、それぞれこの五年間の内訳数字が出ていて、昭和五十一年から五十五年までで三万四千ヘクタール必要と、年平均六千八百ヘクタールという数字が出ています。国土庁の方は、先ほどもちょっと問題になりましたが、この三大都市圏のたとえば今後――今今後というか、十年間の供給量、また年平均の必要量、この数字はどうなっておりますか。
#238
○政府委員(山岡一男君) 国土総合開発計画では、五十一年から六十年までに十二万八千ヘクタール、六十五年までに十九万ヘクタールと、全体の規模は規定しておるわけでございますが、そのうちで、東京圏につきましては五十一年から六十年までに二万七千ヘクタール、昭和六十五年までに三万九千ヘクタールの新規宅地が必要と見込んでおります。大阪圏におきましては、昭和五十一年から六十年までに一万ヘクタール、昭和六十五年までに一万六千ヘクタールの新規宅地が必要というふうに見込んでおりまして、中部圏の数字は三全総そのものには出ておらないところでございます。
#239
○政府委員(宮繁護君) 三大都市圏の数字を申し上げますと、実績といたしましては昭和五十一年度に四千五百ヘクタール、五十二年度四千ヘクタール、昭和五十三年度三千七百ヘクタールでございまして、合計いたしますと三カ年で一万二千二百ヘクタール、年平均にいたしますと約四千百ヘクタールになります。これは私どもが住宅の五カ年計画の数字をもとにして三大都市圏の見込み量を推定いたしましたものが三万四千ヘクタールということでございますので、年平均は六千八百ヘクタールになります。したがいまして、先ほど申し上げました全国では七〇%程度でございますけれども、三大都市圏では、これを比較いたしますと約六〇%になります。
#240
○上田耕一郎君 三大都市圏では年平均六千八百ヘクタール必要なのに、大体年平均その六〇%、四千百ヘクタールの供給だということですね。特にだんだん減っていて、五十三年には三千七百ヘクタールに減っているという答弁がありました。大体そうすると、減っている傾向から考えると、供給必要量に対して実績ではどうやら半分近い数字が出ているというふうに推測できると思うんですけれども、この三大都市圏の東京圏、大阪圏、中部圏それぞれごとの実績の内訳ですね、その数字はございますか。
#241
○政府委員(宮繁護君) ちょっといま手元に資料がございません。
#242
○上田耕一郎君 この重要な宅地供給の計画で三大都市圏の問題がこの法案の中心なんですけれども、それぞれの県ごとについての実績数字は建設省も調査してない。それから国土庁は、中部圏については調査対象になっていないということで、どうも数字そのものがこれは不明確であいまいなままになっていると思うんです。これでは国民に対して一体どのぐらい宅地不足なのか。東京圏、大阪圏、中部圏で農民に対して農地を宅地化せよという方向で国の施策を進められる方向になっているんですけれども、それを納得させるための具体的なデータ、それから強い説得力、こういうものがどうもあいまいだと思うんです。そのあいまいさを、これまでやってなかったにしても今後明確にしてほしいと思いますけれども、原長官、いかがでしょうか。
#243
○国務大臣(原健三郎君) 上田先生の御指摘まことにごもっともでございまして、はなはだどうも準備不足であったことを申しわけなく思っております。御期待に沿うように、今後速やかに三大圏、全国的なもの等々資料を整備いたして進めたいと考えております。
#244
○上田耕一郎君 ひとつぜひ早急にお願いしたいと思います。
 三大圏の数字そのものもそういうように非常に不備なんですけれども、さて、しかし非常に足りないということはどうやら明確のようですね。今後どういうふうにふやしていこうとするのか。一つは農地の宅地化というのがこの法案で出されているわけですけれども、そのほかにどういう手法、どういう方針で全体として宅地供給をやろうとしているのか、その基本方針と、それぞれの内容のパーセンテージ、大体どのぐらいにやっていこうという計画なのか、この点もお伺いします。
#245
○政府委員(宮繁護君) 宅地の供給量につきまして、ただいま三大都市圏別に数字がございませんで大変恐縮いたしましたが、現在建設省におきましては今後十カ年、しかも五十六年度から六十年までの前期五カ年と、六十一年度から六十五年までの後期五カ年、十カ年合わせまして宅地の需給長期見通しの作業を現在進めております。これが出てまいりますと、首都圏、近畿圏、中部圏、その他というふうにブロックに分けまして宅地の需給の見通しが立て得るわけでございまして、本年度中にこの作業を完成さしていきたいと考えております。
 それから、宅地の供給政策でございますけれども、一つは、やはり新市街地における宅地の供給、これは山林原野等いま都市的な土地利用に供されておりません土地につきまして、これを計画的に宅地化していく。それからもう一つは、すでに市街化いたしておりますけれども、まだ土地が有効利用されていないようなところ、ここにおきまして都市の再開発その他の手法を用いまして土地の高度利用、有効利用を進めていく、この二つのことを基本に据えていろんな政策を展開していきたいと考えております。
 それで、一つは公的機関によります計画的な宅地開発の促進。それから政策金融等を用いまして優良な民間デベロッパーの宅地開発の促進。それから宅地の供給で非常に支障になっております関連の公共公益施設の整備が問題になっておりますので、これらにつきましても、普通の公共事業を促進いたしますと同時に、また、関連公共施設の促進事業費をいただいておりますので、これらを有効に使ってまいる。また、関連公共公益施設の立てかえ施行制度というようなことも考えられておりますので、これらを有効に使ってまいりたいと考えております。そのほか、五十六年度から新しく宅地の供給促進計画制度を導入いたしまして、重点的にそれらの地域につきまして宅地化を図っていく。あるいはまた、税制等につきましてもその改善を図っていく、こういうようなことを考えております。そういたしまして、この長期の需給の見通しにつきまして現在検討中でございますけれども、その中でも、やはり区画整理と民間の供給が両方で大体、これはまだはっきりいたしておりませんけれども四〇%、四〇%程度、あと二〇%程度が公的な供給の数字になろうかなと、まだこれは詳しくはやっておりませんけれども、大体そんな感じでございます。
#246
○上田耕一郎君 国土庁は、この法律で十年間で四千ヘクタールの宅地化を見込んでいるという答弁がございましたけれども、その根拠はどういうところにあるんですか。
#247
○政府委員(山岡一男君) この法案を国会に提出するに当たりまして、私どもの努力目標はお話しをしなきゃならないだろうということで、農住組合の平均的な地区面積だとか、地区内の農地等の割合だとか、転換面積でございますとか、公共用地の割合でございますとか、一市町村平均に設立される農住組合の数の推計ですとかいうふうなものをいろいろとやりまして、内部で積み上げてみまして、大体四千ヘクタールはいけるかなという数字をはじいたわけでございます。これはいま申し上げました幾つかの仮定条件をたくさん置いておりますし、努力目標としてあえて国土庁において試算したというものでございまして、今後の大きな努力目標というふうに考えているわけでございます。
#248
○上田耕一郎君 衆議院の審議で、十年間で組合数が七百ぐらいだ、おおむね十ヘクタールがモデルだ、それで七百掛ける十ヘクタールで七千ヘクタール、そのうち四千ヘクタールという答弁があったと思うんですけれども、大体そういう試算ですか。
#249
○政府委員(山岡一男君) 大筋においてはそういう方向でございます。数は七百余りと申し上げましたけれども、実際の積算では七百何十かになっておりまして、そういうふうな積算をいたしております。
#250
○上田耕一郎君 それから、先ほどの答弁で二ヘクタール以上の農地を含むという、二ヘクタール以上のまとまって残っている土地がどのくらいかという点で、練馬を調べたら約半分ぐらいあった、全体としては三〇%、たとえば東京圏でと、そういう答弁ございましたね。
#251
○政府委員(山岡一男君) はい。
#252
○上田耕一郎君 これは根拠が、練馬は半分だけれども、大体三〇%というのは根拠があるんですか。
#253
○政府委員(山岡一男君) これは、実は国土庁推計ということで申し上げておりますが、ある省で調査をされた資料があるわけでございます。ただし、これを公式にまだ発表されておられない数字でございますので、これは私どもいただきましてそれを使わしていただくのに国土庁推計という言葉を使っておるわけでございますが、全体といたしまして、二ヘクタール以上のものが全体について三〇・一%あるというのが東京圏の市街化区域内農地の団地地籍別の状況ということで一応の資料は持っております。
#254
○上田耕一郎君 いままで政府のそういう予測の数字ですね、計画数字、まあ当たるものもあったんでしょうけれども、たとえば宅開公団の場合にはどうも実績と比べるとかなり差がありました。それで四千ヘクタールと、いろいろ推計されておられるんですけれども、どうも根拠が不明なように思われるのです。昭和五十年に大都市法が通過しましたね、成立してそれから五年たっている。それで大都市法で二つの手法が導入されて、そこで宅地化を進めるといううたい文句で審議したわけですが、あの中の特定土地区画整理事業、これが五年間にどのぐらいの実績が上がっているか。それからもう一つの住宅街区整備事業、これで実績がどのぐらい上がっているか、お答えいただきたいと思います。
#255
○政府委員(升本達夫君) おただしの大都市法に基づく特定土地区画整理事業の実績でございますが、現在まで地区数で六十八地区、面積で四千五百二十ヘクタールでございます。それから住宅街区整備事業でございますが、地区数で四地区、面積で四十三・六ヘクタールでございます。
#256
○上田耕一郎君 私、昭和五十年六月二十六日にこの建設委員会でこの問題、質問しました。当時の吉田都市局長の答弁ですと、この二つの事業で、「結局農地面積を五万ヘクタールぐらい施行することになり、」、これ十年です。十年で五万ヘクタール。「その二割程度が集合農地区として平均的に残るとすれば、」、つまり一万ヘクタール残ると。「それを引きました三万九千ヘクタールぐらいが宅地化する、こういう考えでございます。」、十年で四万ヘクタールという答弁だったんですな、吉田都市局長は。だから、五年たったので、まあ半分として二万ヘクタールになるわけでしょう。いまの答弁ですと、特定土地区画整理事業着工面積四千五百二十ヘクタールでしょう。片方の住宅街区、これはA、B農地の方が多いわけですな、ここは。ここはわずか四地区、四十二・六ヘクタール、合わせますと四千六百ヘクタールに及ばぬわけです。五年間で大体二万ヘクタールという答弁のはずだったのに、五分の一しか進んでいないという実績がおありになるわけですね。これはどうしてこんなふうに五分の一しか進まなかったのですか。
#257
○政府委員(升本達夫君) 区画整理事業に限らないと思うわけでございますけれども、やはり土地の開発事業一般には、一般的な経済事情、情勢の響きがかなり大きいものがあろうかと思います。
 そこで、この大都市法の制定された昭和五十年時点の前後数年の間の区画整理事業の執行状況、これは特定土地区画整理事業に限りませんで、大都市近辺に限りません全国の区画整理事業の執行状況を検討いたしてみたわけでございますが、四十八年度、四十九年度という時点におきましてはかなり単年度の事業差手が多うございまして、これは地区的にも面積にも多うございました。これが五十年時点でかなり急速に差手が落ちているという状況がございます。これが一般の全国レベルで大体三分の二程度に事業着手が激減しているという状況がございます。こういう状況に比べますと、ただいま申し上げました首都圏、中部圏、近畿圏の三圏についての特定土地区画整理事業の着手状況は確かにダウンはいたしておりますが、それほど極端なものではないという状況がございます。したがいまして、私どもがいままで調査いたしましたところでは、かなり経済情勢の変化に伴いまして事業着手のテンポが鈍ったということが全国的にございます。そのいわばあおりを受けているということが一つございましょう。
 それからあとは、特定土地区画整理事業に限らない問題でございますけれども、一般的に宅地開発事業につきましては、権利者の権利調整というものは非常に時間がかかる問題でございます。これについて事業促進のための手だてもいろいろと講じているわけでございますが、権利者にその点の御認識をいただくまでに若干の時間がかかる。それについてのPRについてのさらに一層の努力が要請されるという事情もあろうかと考えております。
#258
○上田耕一郎君 しかし、権利者の抵抗だとか区画整理事業のスピードダウンですね、全国的に。それのあおりをというお話だけれども、吉田都市局長が国会で答弁した数字の五分の一というのは、どうもあおりとか何とかいうんじゃなくて、非常に問題が大きいんじゃないか。やっぱり法案を通すためにかなり夢想的な数字を答弁されて、実際にやってみるとまるでうまくいかないというので、どうも政府の計画自身が、根拠がないものを根拠があるように推定されるというこれまでの実績がありますので、今度の四千ヘクタールについても、どうもいまお伺いした範囲では、きっちりした根拠をお示しにならないので大きな疑問がある。先ほど東京の農協中央会の方も、ほとんどなじまない、東京じゃ農家がほとんどついていかないのではないかということを言っているんですけれども、そういう問題点がこれにもあるように思うんです。
 それで、大都市法のときには、とにかくあのときもこの委員会で問題になりましたが、区域を指定して二年以内に進まなかったら市町村がやるんだ、市町村の責務なんという条文まで入っていたわけでしょう。ところが実際にはこういう状況だと。四地区というと、住宅街区整備事業では住宅街区整備組合そのものも四つしかできなかったということになるんですか。
 それからもう一つ、この四千五百ヘクタール内外の土地の中で、農地はどのぐらいになっておるか。
#259
○政府委員(升本達夫君) ただいまのおただしの住宅街区整備事業は四地区と申し上げましたが、四地区に着手をいたしておりますけれども、組合の設立を見たものはうち二地区でございます。したがいまして、残りの二地区については目下鋭意組合の設立のための準備作業を行っているという段階でございます。
 それから、この地区内の農地の現況の面積割合につきましては、私手元にいま数字を持ち合わせておりませんので、早急に調べて御答弁を申し上げます。
#260
○上田耕一郎君 先ほどの大阪府農業会議の要望も、この大都市法に屋上屋を架するものだということを指摘されてありますけれども、やはり農民の農地の吐き出しに対する抵抗がわずか五分の一の実績ということになってあらわれたのではないかと考えざるを得ない。それで宅地並み課税をやってみたけれどもどうもうまく進まない、大都市法も施行してみたけれどもうまく進まないというので、今度またこの農住組合法というものが出てきたという感じがするわけです。
 それで、少し組合の問題点に入りたいと思うんですけれども、まずこの出資額ですね、これは大体どのぐらいと考えておられますか。
#261
○政府委員(山岡一男君) これは小さい組合から大きい組合までございまして、選択する事業の中身にもよりますので、一概に申されないわけでございまして、定款でこれを定めるということになっておるわけでございます。これは実は衆議院でも御質問ございまして、過去におけるそういうふうな組合等のおおむね類似のものの出資額は一口十万円ぐらいでしたということを申し上げたわけですけれども、これはあくまで例として申し上げたわけでございまして、ケース・バイ・ケースで定款で定めるというのが本筋であろうと思っております。
#262
○上田耕一郎君 十ヘクタールぐらいがモデルだと。営農地区それから宅地になるわけだけれども、この営農地区とそれから宅地の割合ですね、これは大体モデルではどのぐらいに考えていますか。
#263
○政府委員(山岡一男君) 全体が農地である場合、それから八割ぐらいが農地である場合、いろいろなケースをコンバインしながら計算をしておるわけでございますが、一つの頭に描いておりますスタイルといたしましては、全体の中で二割ぐらいはおおむね公共施設用地、残りが、半々が宅地と農地のようなイメージを頭の中に描いて概算をいたしております。
#264
○上田耕一郎君 二割が公共用地で、あと半々というと、四割宅地で四割農地、大体そんなふうに考えているわけですね。そうすると、十ヘクタールのうち四ヘクタール宅地にするわけで――モデルのものですよ、四ヘクタール宅地にして、これは賃貸住宅にしたりあるいは分譲にしたりするわけだけれども、この十ヘクタールモデル、これはいろいろな事業をやるわけですね。モデルケースの場合、どのぐらいの資金が総額必要になると計算していますか。
#265
○政府委員(山岡一男君) それにつきましてもいろいろな試算をしてみてもらっておりますけれども、やはり全体の中身といたしましては、ケース・パイ・ケースで定まるというものでございますので、一概にここで申し上げるというようなものはお持ちいたしておりません。
#266
○上田耕一郎君 しかし、大体十ヘクタール、交換分合したり土地改良事業やったり、それから四ヘクタールを宅地にすると、かなりの資金が必要なことは明らかだと思うんですね。だからモデルの農住組合というのは大規模な事業をやるということはもう明白と思う。それだけの大規模な事業を組合員がやるんだけれども、この法案の第五条によって、協同組合であるために、「営利を目的としてその事業を行ってはならない。」ということで、営利目的じゃいけないわけですね。何らかの利益を得てもいけないんですか、この営利目的でないというのは。
#267
○政府委員(山岡一男君) 営利を目的としないと申しますのは、構成員に利用させることを目的として事業を行うということでございますので、組合自体が有形の利益を獲得することを目的として事業活動を行ってはならない。従来の協同組合に書いてある趣旨と同断のものでございますが、たとえば組合が地区外で土地の売買を行う、宅建業の免許を取って地区外で売買をして、そこで利益を上げるというようなことについては、これは営利行為とみなして、こういうものはできない。端的に小さな例を申し上げますと、そういうようなものが当たるわけでございます。七条に書いてある組合の事業の中で適正と思われるようなものについては、営利目的としてはならないという範囲には当たらないというふうに思っております。
#268
○上田耕一郎君 五十五条で剰余金とその配当について決めてありますね。これを読むと、剰余金の配当は定款で定めるとなっているんだが、「払込済出資額に応じてする配当の率は、年八パーセント以内において政令で定める割合を超えてはならない。」、大体出資金の八%以内の配当が正当な利益と考えているんですか。
#269
○政府委員(山岡一男君) 法第五十五条で言っております趣旨は、営利を目的として事業をしてはならぬと言っておりますけれども、このことは組合の剰余金の配当を認めないという趣旨ではないわけでございまして、ただ、組合が事業活動を通じて組合員に奉仕した結果生じた剰余金というものにつきまして、初めてその配当が利益主体に割り戻し、または価格修正の意味をもって是認されるというものでございまして、当初から剰余金の分配を目的として事業を大いにやるというようなことを認めるという筋ではないわけでございます。この第五十五条のところに書いておりますのは、やっぱり剰余金の配当につきましてもそういう意味で政令で制限をしておるわけでございまして、組合の性格それから事業の性格、金利水準等勘案いたしまして一定率を定めるつもりでございます。現在他の例で見ますと、ここには「八パーセント以内において政令で定める」と書いておりますが、農協は七%、水産業組合法では八%、森林組合法では七%というふうな前例がございます。そういうようなものにならいまして今後政令の中の割合を決めていきたいと考えております。
#270
○上田耕一郎君 どうもよくわからないんですけれども、大体十万円の出資ぐらいだ、これはケースによるのだがというお話だったわけでしょう、十万円の出資と。そうすると、八%というと八千円ですよね。年に八千円の配当をもらう。事業規模というのはどうなるかというと、先ほど十ヘクタールがモデルで、そのうち四ヘクタールが大体宅地だというのでしょう。一戸当たり百八十八平方メートルというのが第三次住宅五カ年計画での宅地必要量ですね。大体そういう数字を建設省は考えられている。そうすると、この四ヘクタールを百八十八平方メートルで割りますと家が約二百戸建つのですね。そうするとこれは一戸二千万円、土地を含めないで建築費だけで。土地も入るかな。とにかく一戸二千万円としても四十億円の金が要るのですね。そのほかにも交換分合から土地改良事業からいろんなことをおやりになる。とにかく数十億の規模の事業をして、組合員の出資による利益というのは十万円だと年間八千円だというようなことで、一体どういう組合なのか、どうもはっきりしたイメージが私はわかないのです。十万円出して八千円しかもらえない。しかしこれだけの事業を借金してやるわけでしょう。午前中も審議がありましたけれども、もし人が入らないとか売れないとかということになると損もするということになるわけですね。借金をするためには抵当権も設定しなければならぬ、その損害は負担する、しかし利益は得ちゃいけないというようなことで、農民がこういう農住組合法に参加して組合をつくるという何か恩典あるいはメリットというものがどこにあるとお考えなのですか。
#271
○政府委員(山岡一男君) 出資金の額が十万円ということで何か固定化されたような感じを申し上げたような気がいたしますが、決してそういうことではございませんので、衆議院でたまたま何もないのかというお話ございまして、昭和五十二年の総合農協統計によりますと、正組合員が二百九十九戸以下、小さい組合ということでございますが、総合農協における平均出資額が大体十万円という例がございます。しかし、この組合につきましてはいろいろな事業を行うわけでございますので、それぞれの一口の金額につきましては、組合の事業運営に必要な資金といたしまして経済活動力の信用の基礎ということになるものでございますので、定款で定められるというふうに実は御説明したわけでございます。したがいまして、相当規模の大きいものにつきましてはもっと大きい出資額になることは当然予想されるところでございます。
 それから、先生がおっしゃいますように、必要な事業の資金につきましては、各種の融資補助等の活用を図るということを念頭に入れておりまして、出資金と相まって組合は事業を行っていくということになるわけでございます。
 本制度のメリットは何だということでございますけれども、一つは、やはり従来のたとえば土地区画整理組合、土地改良区というふうに一つの事業を終わりますと解散をするということではなくて、総合的な事業主体を創設をするんだということが私どもは一つのメリットであろうかと思います。農住組合は、土地区画整理事業も土地改良事業もあわせ施行するわけでございますが、同時に住宅とか利便施設等の建設、管理、土地の交換分合などの事業も総合的にできることが一つの大きなメリットじゃないかと思っております。
 それから、新しい交換分合手法というのもこの法律で創設をいたしております。
 それから、営農の継続のための組織ということでございまして、農地利用規約の設定等を行うことにいたしておりまして、当面の営農継続という範囲でございますけれども、安心して営農を営むことができる。それから農地所有者等の賃貸利子補給臨時措置法の特例といたしまして、水田がなくてもそういうふうな利子補給が受けられる。その他指導、助言援助等につきましては、既存のものにつきましては、やはり農業協同組合、国及び地方公共団体等の指導、助言が得られますし、それからこういうものを中心といたしますので融資、それから今後におきます税制補助等につきまして各般の応援を今後準備していきたいと思っているわけでございまして、そういうものが全体としてのメリットになろうかというふうに思っております。
#272
○上田耕一郎君 山岡局長いろいろ言われました。この十二条の土地改良事業ですね、国からの助成というのは市街化区域内農地だからこれまでなかったわけですね。この農住組合が土地改良事業をやる場合に、新しく助成が生まれるということはありますか。
#273
○政府委員(山岡一男君) 農振地域、農用地域等で行われるような応援はないわけでございます。従来から市街化区域内農地でございますので、土地改良につきましての補助金はなかったわけでございますけれども、今後土地改良の近代化資金等の活用について考慮してまいりたいと考えておるわけでございます。
#274
○上田耕一郎君 余り従来とは変わりないわけですね。土地区画整理事業あるいは交換分合事業のことも言われましたけれども、道路、公園などその他の都市施設を広い場合につくるようなとき、国の助成はあるのですか。
#275
○政府委員(山岡一男君) 現在の市町村に対しまして関連公共施設整備促進事業というのが建設省で計上されておりますが、そういうものにつきまして、やはりこういうようなものに対しても対象にしていただくというようなことで、現在関係省問で協議を進めておるというところでございます。そういうもので関公等については応援してまいりたいと思います。
 それから、公庫におきますそういうふうなものに対する融資の制度等も当然のことながら活用していただきたいと考えております。
#276
○上田耕一郎君 区画整理で関連公共施設に国庫補助が出るのは、五ヘクタール以上まとまった土地でなきゃ出ないでしょう。
#277
○政府委員(山岡一男君) 現行ではそうだと思います。
#278
○上田耕一郎君 そうすると、五ヘクタール以上まとまった場合でなければ出ないので、これは二ヘクタール以上まとまった土地というので、そうすると五ヘクタールにならなければ関連公共施設にも助成は出ないということになるのですね。
 それから、交換分合のことも言われました。交換分合については、これは予算委員会の第三分科会で、ことしの四月二日、わが党の沓脱タケ子議員が大阪枚方の農民と懇談した言葉を紹介していますが、「米やったら交換分合やってもできると。しかし集約農業で施設園芸だとか野菜づくりなんというようなものに交換分合などということは農民としてはこんりんざい応ぜられない」、そう言っているというのですね。十アールの土地に四棟のビニールハウスを建ててトマトをつくった場合でも、東の棟と西の棟とは条件が違ってデリケートだ、そういうものを勝手に交換分合なんていうのはとうてい農民として応じられないという意見が枚方の農民の場合には出ているので、なかなか交換分合もむずかしい問題があると思うのですね。
 いろいろ言われたけれども、土地改良事業についても区画整理事業についてもそれほどのメリットはない。改良区をつくってできたら解散するというのが、解散しないでずっと続けていくということなんですが、さて問題は、それじゃ家を建て一た場合それから営農が続けられるというのですけれども、営農の場合も枚方の農民の意見を沓脱議員が紹介していますが、今度家が建って、そのそばの農地、これは大変だというのですよ。大体住宅のそばのたんぼというのは風通しが悪いし、日陰になるし、雑排水が流れ込むと優良農地でなくなっちゃうというんですね。
 それから、たとえば耕運機で朝早くからお百姓さんが大きな音をたてると、これは住んでいる住民から必ず文句が出る。農薬をまくと公害だと言われる、わらを燃やしたら洗たく物が汚れると言われる、スズメを追うのに爆音機かけたらまた文句が出るというように、そう宅地と農地をくっつけて営農できますよといっても、なかなかこれはうまくいかないというので、農民はこの問題についても、農業を続けられる、続けられるというけれども、非常にこう抵抗を示しているんですね。だから営農を続けられるといっても、結局最初の答弁で局長は、大体五年ないし十年と言われたけれども、営農と言ったってそばにどんどん家が建ちまして、それこそ農民が追い出されちゃう、農業が追い出されるという危険が家を建てれば建てるほど出てくるわけですね。十ヘクタールのうち二ヘクタール公共用地で、あと四ヘクタールずつというお話だけれども、四ヘクタール――私のさっきの計算ですと二百戸の集合団地ができるんです。その団地が近くの農地のいろんな農作業についてさまざまな問題要求、これは生まれるのは当然で、そう簡単な問題じゃないんですね。
 それで、家を建てる場合についても、先ほど余り利益はない、利益は取っちゃいかぬと、大体出資金の八%でしょう。十万円といって八千円だったら、それは一例だと言われたけれども、十倍で百万円としても八万円でしょう。月にして一万円にならぬのですな。月にして一万円にならぬ配当しかもらえない。一千万円出資して――一千万円出資しますかね、メリット、これは大変な話で、これは一千万円出資なんというのはなかなかできない。出資額に応じた利益というのは八%以内で政令で定めるというんだから、そうプラスにならぬでしょう。しかし借金をしたり失敗したら負担は負わなきゃならぬということになる。そういう危険負担はあるし利益には余りならぬ、営利は目的にしちゃならぬという組合なんで、非常に奇怪な組織ではないか。とにかく農民が進んで参加するというような組合とはとうてい思えない。
 家賃のことを少しお伺いしたいと思うんですけれども、もし組合が賃貸住宅を建てて、その家賃に算入する地代ですね、これは大体どのぐらいとお考えですか。
#279
○政府委員(豊蔵一君) もしこの農住組合がいわゆる農住による利子補給を受けました場合には、利子補給を受けております期間につきましては家賃の制限というのを受けておるわけでございます。ちなみに、その制限額を算定いたします場合の地代相当額というのはどの程度と考えておるかといいますと、地代の五%程度を考えるということになっております。ただ、先ほどもちょっとお答え申し上げたのでございますが、一般的には自分の土地を持っていらっしゃる方々が多いわけでございますので、いままでの農住の利子補給制度によりますところの実効家賃は、こういった地代相当額をある程度割り引きしょうという形で、かなりの家賃の低廉化を図っておるというような実績がございます。
#280
○上田耕一郎君 それから、家を建てる場合、大体農協から借りる。九・五%に対して利子補給三・五%という答弁がありましたが、家賃の中の建設資金コストは大体どのぐらいになるとお考えですか。
#281
○政府委員(豊蔵一君) 建設資金コストそのもので比較するのではなくて、建設資金コストのうち、利子補給を受ける対象となる融資額、これは年利五・五%で二十五年の元金と償還で返したその額、あるいはまた自己資金によります場合には、これを年利九%によって二十五年間元金等で償却した額、そういったような合成になっております。したがいまして、この二つの額を足したものがいわば実質建設費に利用した額であるというふうに考えられようかと思います。これはあくまでも利子補給をいたしました現在の制度に基づく実績のルールであるということを申し上げたいわけでございます。
#282
○上田耕一郎君 住宅公団の家賃よりはちょっと高くなるということになると思いますが、いかがでしょうか。
#283
○政府委員(豊蔵一君) 農住利子補給制度にかかります家賃限度額の計算につきましては、御指摘のとおり若干住宅公団で計算いたしました家賃よりは高くなるかと思います。ただ、先ほど申しましたように、実効家賃は実績として見ますとかなり限度額を下回った運用をしておられる実態にあるということでございます。
#284
○上田耕一郎君 やはり公団家賃よりはどうも高くなる、これはもう当然だと思うんですね。かなり農協からやっぱり借りなければならないし、そういうケースなのでそうなるだろうと。そうすると、それほど家賃もそう安いものではなくなるわけですね。
 それで、そういう家を組合が建てる、農民が大体建てるわけですね。先ほどもちょっと触れましたが、規模も考えてみると相当なものになると思うのです。最低二ヘクタールの場合にしても恐らく一戸当たり百八十八平方で四、五十戸になるだろうと。十ヘクタールのうち四ヘクタールとしても、先ほど私が簡単に計算して約二百戸の家が建つだろうという計算をしたんですけれども、これをもし全部賃貸経営で貸すことになるとなかなか簡単な仕事になりません。
 この法律では、やっぱり第七条「住宅の建設、賃貸その他の管理又は譲渡」となって、賃貸住宅をやった場合、管理までやるわけでしょう。賃貸経営をやるとなると、何十戸、何百戸の家を賃貸で貸して管理までするということになりますと、これは住宅公団でも自治体でも、かなりの職員を抱えてやってもさまざまな問題が起きてうまくいかないケースが少なくないわけで、それをこの農住組合が自分でやるということは比較簡単なことじゃない。こう考えていきますと、この農住組合というのは、農民でありながら、農業経営も続ける、農民だから。それから同時に家を建てたり賃貸したり、土地分譲をしたり民間デベロッパーもやる、建てて貸した場合には管理業者もやるということで、そんな一人三役が、所有者四人以上で組合つくるんですか、それでできるわけは私はないと思うのですね。
 そうすると、じゃ実際にはどういうふうになるだろうかと。私はきょう農住組合のあら探しを一々やっているわけじゃなくて、この長い法律で書かれているものにもし農民が参加した場合に、どういう事態に実際にぶつかるだろうかということをなるべく実態を突き詰めたいというので質問しているので、お答えいただきたいんですけれども、私の考えでは、そういうモデル一ヘクタールで農民が土地を持ち寄って組合をつくる、これだけの事業をやっていくと。なかなかできないと思うのですね。
 そうするとどうなるか。やっぱり分譲以外にないだろう。自分で賃貸住宅を建てて、貸して管理までするということはどうにもかなわないというので、区画整理をやって宅地造成をやり、宅地として分譲する。それから民間デベロッパーにマンションを建ててもらうとか、宅地そのものを民間業者に分譲するということ以外になくなってくるんじゃないかと思うんです。山岡さん、営利を目的にしないというんだが、これは組合員がしなきゃいいんで、組合員がこの土地を民間デベロッパーに渡して、そこで営利目的のマンションを建てたりなんかするのはそれは構わないんでしょう。
#285
○政府委員(山岡一男君) そういう場合にも、適当な相手方に売らせるべきであるということで、政令で相手方を定めるということにいたしております。国、地方公共団体、それから公益法人等を対象に考えておりますけれども、先生おっしゃるように住宅をつくることが確実であって、しかも資力、信用があって信用ができるデベロッパー等がありましたら、そういうものについても指定の道を検討したいと考えております。
#286
○上田耕一郎君 だから非常に悪徳業者でない限り、まじめな業者だったら民間デベロッパーに入れる。当然民間デベロッパーとしてのマンション業者としての営利は追求してよろしいというわけで、そうなりますと、ここで建つ賃貸住宅というのは農民が建てた場合でも家賃は公団よりは高い。しかしそれを管理することはほとんどむずかしいので、結局民間デベロッパーに任す以外にない。そうすると、民間デベロッパーが主役を演じてマンションあるいは分譲の住宅を建て売りしていくというケースに不可避的になっていくだろうと思います。そうすると購入者の方は、国民の側は、組合自身が建てた賃貸住宅よりもやはりもっと高いマンションあるいは分譲住宅を買ったり借りたりするということになると思う。
 さて、組合員になれる者も、第十五条「組合員たる資格」というところを見ますと、「組合の地区内の土地について所有権又は借地権を有する者」というのだから、農家でなくてもいいわけで、もし民間デベロッパーが土地をもともと所有していると、所有しているケースでなくとも、あそこに農住組合ができそうだというと、そこへ行って土地を買えば組合員になれるということになる。民間デベロッパーもそういうケースには堂々と農住組合員として最初から事業に参加できることになる条項になっていると思いますが、いかがでしよう。
#287
○政府委員(山岡一男君) 当然当初から所有権または借地権を持った土地でございまして、それが地区に入るという場合には正式組合員になれるわけでございます。
 ただ、全体といたしまして大部分が市街化区域内農地というふうなことを地区の要件に決めておりますので、全体の約八割ぐらいは市街化区域内の農地が地区内に含まれているということが組合設立の要件の一つでございます。したがいまして、残り二割の中に林地があったりそれから個人の宅地があったり、一部デベロッパーのものが含まれていることもケースとしてはあり得るわけでございます。
#288
○上田耕一郎君 そういうことになりますと、民間デベロッパーが土地を持っている場合、あるいは買った場合、最初から組合員になれるという道が開かれているわけで、しかも先ほど申しましたように、かなりの規模の住宅の分譲その他管理も含めて困難だということになれば、やっぱり民間業者に委託せざるを得ない。農民は技術力も知識も、それから資金力もそうありませんから、資金力それからノーハウ――技術力ですね、そういうものを持っている民間デベロッパーがこの農住組合による宅地造成に大きな役割りを果たさざるを得ないだろうと思う。そうしますと、五年ぐらいたった後あるいは十年たった後、この農住組合というのは農地を吐き出すという機能、役割りを果たすだけで、全体として言うと、このデベロッパーの下請機能、下部組織ということになってしまう。それで農地は一ヘクタール以上の場合規約もつくれるということになっているけれども、どんどん家が建てばこれは減っていくし、十年たつと農地がゼロになっていくという危険が非常に強いと思うわけです。
 こういう問題点があるとすれば、この民間デベロッパーの不当な活躍というものを規制する道ですね、そのことについて検討をしているのかどうか、どう考えておられるかお聞きします。
#289
○政府委員(山岡一男君) いま先生のお話のとおり、残り二割のところに借地権を持っている、もしくは所有権を持っているという場合、民間デベロッパーも組合員になり得るということでございます。ただ、正式の組合員になるわけでございまして、農住組合はその行う事業によって組合員のために直接の奉仕をするということを目的としておりまして、先ほどの営利を目的として事業を行ってはならないというのがございますし、それから剰余金の配当につきましても、損失のてん補、準備金の積み立て、繰越金の控除を行った後でなければこれを行ってはならないということがありますので、デベロッパーがもし参画いたしましても、そういうことにも制約は当然受けるわけでございます。さらに組合員の議決権及び役員選挙権は一組合員一票ということでございますので、その民主的な運営は図られる。決してそういうダミー化することはないというふうに私ども思っておりますけれども、まさにそういう点は今後注意を要する点でございますので、十分政府としても粗漏のないような指導を行ってまいりたいと考えております。
#290
○上田耕一郎君 十分今後注意をしてやっていきたいというお言葉ですけれども、どうもお言葉だけでは安心できないと私は思う。そういう民間デベロッパーについての規制についてはかなりしり抜けがあって、しかも資本の力に任せざるを得ない論理がこの法律の中に貫かれているように思うのですが、そうすると、農家に対しては市街化区域内の農業というのはもうやめろというので、宅地にしろ、宅地にしろと、いまの土地問題のすべての犠牲を農家のせいにしていくという目に遭わせておきながら、非常に片手落ちの法案になる感じがします。
 それで、この土地問題については、やはり農民の持っている土地だけに目をつけるんじゃなくて、これは私どもしょっちゅうこの建設委員会でも主張しているんですけれども、企業が持っている土地、民間デベロッパーが持っている土地そのものにもっと目をつけてやることが非常に大事だと思う。
 これも何回かお聞きしてまいりましたが、現状について数字を確かめたいんですが、国土庁の調査で資本金一億円以上の企業が販売用に持っている保有土地、この数字を明らかにしてください。
#291
○政府委員(山岡一男君) 現在、一億円以上の企業によります販売用土地の所有ということにつきまして企業土地調査をやっておりますが、これの一番新しい資料によりますと、市街化区域内におきまして三大都市圏では八千ヘクタール、それから市街化調整区域につきましては三大都市圏で一万一千八百ヘクタール、未線引き都市計画区域で八百ヘクタール、端数を切っておりますけれども、都市計画区域外で四千二百九十ヘクタール、トータルで二万五千ヘクタールというのが販売用土地の現状でございます。私どもの一番関心の深い三大都市圏の市街化区域内には八千ヘクタールというのが現状でございます。
#292
○上田耕一郎君 建設省の不動産業実態調査ではいかがでしょうか。
#293
○政府委員(宮繁護君) 五十四年の調査で、十一月の調査でございますと、三大都市圏の市街化区域で販売用として所有しております土地が一万二千九百三十四ヘクタールでございます。
#294
○上田耕一郎君 国土庁の調査でも、この三大都市圏の市街化区域内で資本金一億円以上の企業が約八千ヘクタール、今後十年間に農住組合法でやろうとする計画の二倍です。二倍の土地があるわけです。建設省の不動産業実態調査ではいまの答弁で三大都市圏市街化区域内に一万二千九百三十四ヘクタール、つまり、農住組合法で十年間にやろうとするものの約三倍ですね。三倍の土地がやっぱりあるということになるわけですが、これを吐き出させるだけでも農民から吐き出させようとするものの国土庁計算で二倍、それから建設省調査で三倍あるんですから、かなりの仕事がやれるということは明らかだと思うんです。この問題について衆議院の建設委員会で十月二十二日にわが党の林百郎委員が、国土庁の答弁した八千ヘクタール、これは一体どうなっているのか、家が建っているのか建っていないのかということを質問しました。山岡さんの答弁は、「いま至急調べさせましたところ、地目については詳しく個票を調べればわかるそうでございますが、現状については、私が申し上げた意味のようなことは現在の個票ではちょっと無理だ、調査に入っていないと言っております。ひとつ御容赦願いたいと思います。」、林委員は、容赦しない、不勉強なので至急ちゃんと調査して提供してほしいということを述べておりますが、家が建っているか建っていないか調査もしていない、そういうことなんですね。農民の方はいろいろ調べて、どうやって宅地にできるかということを調査しておられるけれども、農住組合をつくって十年間に予定している四千ヘクタール、これは私さっき明らかにしたように、四千ヘクタールできるかどうかわからぬですよ。また五分の一ということになるかもしれない。五分の一ということになりますと、それの二倍、三倍というとやっぱり十倍から十五倍ということになるんですよ。それだけの土地を民間デベロッパーそれから企業が持っているわけだ。それについて家が建っているのか建ってないのか調べもしてないというのは、これは民間デベロッパーについて厳しい指導をこれからちゃんとやりたいというふうに言われても、こういう実情では信用できないと思いますね。
#295
○政府委員(山岡一男君) 先ほどは三大都市圏の市街化区域の中にある販売用土地の現状八千ヘクタールと申し上げましたけれども、そのうちすでに相当部分には着手をいたしておりまして、造成工事中であるということについてはキャッチしておるわけでございます。したがいまして、都市的土地利用の方に転換されつつあるということは間違いないわけでございまして、未着手の方をむしろ私ども問題にいたしております。未着手分が三千二百ヘクタールその中にあるというふうな数字になっておりまして、私どもはこの未着手の三千二百ヘクタールをなるべく早く都市的土地利用の方に振り向けるということが今後のわれわれの目標であるというふうに思っております。当然農住組合がやる仕事も必要でございますし、こういうものにつきましてなるべく早く市街化の方に進めていくということも当然でございまして、並行してそういうものについての努力をしていくべきであるというふうに思っております。
 なお、現在この販売用土地等の中で国土法施行以後にこういうふうな取引がなされたものにつきましては、やはり国土法の遊休土地制度というのがもう働く時期に入っております。その取引のときまでさかのぼりまして、その後本当に利用状況はどうなっておるのかというのを本年度総点検をするということで、現在都道府県に点検をしていただいております。それらの結果とこの三千二百ヘクタール、必ずしも一致をするわけじゃございませんけれども、この中で国土法施行後のものにつきましては相当はっきりとつかめるというふうに思っておるわけでございまして、そういうものにつきましては、必要な場合には国土法の遊休土地制度を遅滞なく発動していきたいというふうに思っておるわけでございます。
#296
○上田耕一郎君 宅地並み課税に反対している農協中央会はこう言っているんですね。いろんな理由挙げていますけれども、農地以外の遊休地の宅地化が先で、農地が宅地化された後計画的に開発されるかどうか疑問だ、ということを挙げておるんです。これはもっともだと思うんです。遊休地がこんなにあるのに先に農地だけ追及される。いや、追及するのは遊休地の宅地化が先じゃないかということを言っているわけです。
 きょうもちょっと問題になりましたけれども、もう一つの遊休地として、建設省の調査で区画整理事業でまだ市街化されていないものが大きく報道されました。中にはまだ事業中というのも含まれているそうですけれども、それにしてもかなりある。一万八千ヘクタールという数字が出てますね。これに対する指導方針、これは建設省どうなっているでしょうか。
#297
○政府委員(升本達夫君) 区画整理済み地になお現状において相当の宅地化の進行がおくれている土地があることは御指摘のとおりでございます。そこでこれの宅地化促進策でございますけれども、やはり基本的には、先刻来計画局長から御答弁申し上げましたように、施行地区内の関連公益施設の整備等が大変大きなファクターになっているわけでございまして、この辺の整備のスケジュールが、市町村段階で努力をいたしておるわけですが、若干の時差を持っているということが大きな原因であろうかと思います。
 したがいまして、促進策といたしましては、この関連公益施設の整備を促進してまいること、その他税制面、金融面における各種の建築誘導策を進めることということが中心的な施策になろうかと思うわけでございますが、さしあたってはやはり保留地の処分について、この保留地を買い取った者ができるだけ早く建築行為に入れるような、そのことを担保できるような施策を考えていくということがさしあたっての一つの指導方向ではないかというふうに考えている次第でございまして、このような手だてを総合的に配慮しながら、できるだけ早く宅地化が進むように努力をいたしてまいりたいと思っております。
#298
○上田耕一郎君 早く努力すると言われるんだが、首都圏で一万八千ヘクタールという数字が出ているんでしょう、これからまだ市街化されていないのが。近畿圏でも六千三百ヘクタールというふうに言われている。近畿圏と首都圏で、もうこれで二万四千あります。先ほどの不動産業が持っているのが一万二千というと、それ合わせて三万六千ヘクタールという数字になってくるわけでね。冒頭に建設省では、三大都市圏で年平均六千八百ヘクタール要るんだと言われた。すると、これで三万八千を割りますと五年分ぐらいあるんですね。何も農民をそんなにさあ土地出せ、土地出せと言われなくてもね。やっぱり大企業が持っている土地、それからこういう区画整理事業でまだ市街化されていない土地というので四万ヘクタール近い土地があるわけだから、それを計画的にやっていけば――私の計算も少し暗算で、区画整理事業もっと期間がかかるとかいろいろあるでしょうけれども、数字よりもまだまだこれだけあると。それを早くやっていくことが必要で、そういうことやらないで農民にさあ出せ、出せと言うのは順序が違うんじゃないかという農協中央会の言い分というのは、私は正当な根拠があると思うんです。
 それを、すべて悪は農民にあるというような形で宅地並み課税、大都市法、それでうまくいかないと今度の農住組合法というのでもっぱらここに力が入っているということは、私は政府の土地政策、住宅政策の非常に大きな問題点だと思うんです。持ち家政策に偏っているというのは大きな問題点だが、それと並ぶ私は大きな問題点だと思う。不足している宅地に対して政府が手を打つ際、民間デベロッパーについては規制も甘い、調べもしていない、指導も弱い。指導するどころか線引きの見直し、土地税制の緩和、開発許可の拡大というようにむしろ買い占め救済策がどんどん認められていっている。これはいろんなところで問題点として指摘されているわけです。逆に、都市近郊農家についてはこういうふうになっているわけですね。
 私はもう一つ、そういうふうに土地の問題、土地の問題と言うんなら、軍事基地の問題なんかも挙げたい。共産党は安保条約廃棄ですぐそれを言うと言われるかもしれませんけれども、本当に首都圏の住宅問題考えると、独立、平和の問題とは別の次元で首都圏にある横田基地などの問題は、これに本気で政府は取り組むべきだと思うんです。大体、首都にああいう大きな軍事基地があるなんというのは進んだ資本主義国でも日本だけである。横田基地の面積を御存じでしょうか、建設省でも国土庁でも結構ですが。
#299
○政府委員(山岡一男君) 詳しく承知いたしておりません。
#300
○上田耕一郎君 あなた方の頭には、ああいうところには目がいってないんですね。七百十四・五ヘクタールある。これ先ほどの一戸当たり百八十八平方メートルで単純計算で割りますと、公共事業その他がありますけれども、そういうのを一切抜きにして単純計算で割ると三万八千戸という数字が出るんですよ。横田基地というのは拝島線の拝島、福生、あそこら辺ですから、都心に一時間半以内で来られるので、これはもう膨大な住宅地なんです。そういうところをどうやって住宅地並びに緑の公園その他、そういうものに使うかということを本気で考えるべきだ。戦後もう三十五年たっている。三十五年たって首都圏で七百ヘクタールを超える広大な横田基地、この問題についてもうあれはしようがないんだという目で見ないで、きちんと都市環境、土地問題としても見るべきだと私は思うんです。この問題はそのことを指摘するだけにとどめたいと思います。
 さて、きょうも何回も問題になりました宅地並み課税の問題が、最後にこの法案と連動する問題として浮かび上がってくると思う。私はきょう幾つかの問題を指摘したんですけれども、そういう点を考えてみると、農民にとってこの農住組合法というのは余りメリットがないように思う。余り営利はこれで得てはならないというふうになっており、農業継続という点でもどんどん宅地化してくるわけなので、農業継続についてもそれを短縮する方向に、むしろ農業が追い出される方向に行かざるを得なくなってくる。
 そうすると、農民が農住組合法にメリットを感じる場合というのは何かというと、たった一つこの宅地並み課税が五十七年度から強行されてくるという場合にのみ、それが全部かぶせられるとかなわぬので、農住組合法で少しでも農地を残せば、これは生産緑地指定あるいは農地ということにすれば、宅地並み課税から逃れられる営農地区にすればいいのかもしれないということで、この農住組合法に何らかのメリットを感じるケースがあるのかもしれない。そうすると、農業団体が言っているように、この農住組合法というのは宅地並み課税とやっぱり連動している。五十七年度宅地並み課税実施と先ほど長官がはっきりと申されましたけれども、そのケースに結びついて、関係ない、関係ないと言われているけれども、つくられた法案であるというように思うんです。
 先ほど長官は、答申を読み上げられて、その中の一つにはC農地も入っている、C農地まで五十七年度からやる方向で努力するということを言われました。それから国土庁の河野次官は、読売新聞の十月一日のインタビューで次のように言われている。「国民の大多数に影響を及ぼす大問題であり、強い政治力が必要だ。この関連で、不公平の象徴になっている市街化区域内農地の宅地並み課税は、まず三大都市圏でやらねばならない。五十七年度から、「実効ある実施をする」ことになっており、どんな障害があっても、やり抜いていきたい。」、こう言われている。国土庁の長官並びに次官がどんな障害があってもやる、完全実施するというふうに最高責任者が次々と打ち上げている。そうなると五十七年度の税制調査会で検討というようなことでなく、もうすでにその動きをみずから国土庁が先頭に立ってつくり上げているとしか思われませんけれども、長官、どういう考えですか。
#301
○国務大臣(原健三郎君) これは河野事務次官が万難を排して断行すると声明されたというようなことでございますが、これは結論的に申しますと、いわゆる五十五年に出された政府の税制調査会の答申、五十七年度からこれを見直すという方針に沿うておるところでございます。それで、その市街化区域の農地に対するいわゆる宅地並み課税については、昭和五十五年度のいま言った税制調査会の答申の線に沿うてやることを考えておる。
 その答申というのは、最前からもいろいろ申し上げておりますように、新たにC農地には課税の適正化措置の対象に加えることと、こういうのが一つやっぱり答申に出ております。第二は、現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化せよという点も出ております。それから御承知のように、昭和五十七年度以降の固定資産税及び都市計画税については、長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講ずべしという点も入っております。だからこの農住組合法によって営農をやろうとお考えになる方には、もちろんわれわれは十分考慮してこういう税のかからないようにする考えでおります。これは国土庁だけで決まる問題でございませんが、われわれとしては税制調査会の答申の線に沿うてこれを実現いたしたい、国土庁としてはやりたいと思っております。
#302
○上田耕一郎君 先ほど自治省の新聞報道について、そういうことは決めてないという答弁がありましたけれども、私ももう一つお聞きしますが、日本経済新聞の十月二十四日付では、「特例措置が期限切れになる五十六年度末を待たず、できれば来年度から減額に見合う分の地方交付税による補てんをやめたい意向である。」ということまで報道されている。こういうことは絶対ないでしょうか。
#303
○説明員(能勢邦之君) 先ほども御説明申し上げました地方交付税によるいわゆる御指摘の減収補てん措置でございますが、これはその前提となっております税制度のあり方とあわせて考えていくべき問題である。今後における市街化区域内農地に対する課税の適正化措置、その検討の動向を待って地方交付税によっていま実施しておりますいわゆる減収補てん措置の扱い方を実行してまいるというのが私どもの基本的な考え方でございます。したがいまして、ただいまも御指摘ございました一部の新聞に報道されましたように、地方交付税の特例措置が期限切れになる五十六年度末を待たず五十六年度から地方交付税による減収補てん措置云々というようなことにつきましては、具体的に検討し、結論を出しておる段階ではございません。
#304
○上田耕一郎君 動向によって考える、まだ結論を出す段階ではないと。今後の動向いかんによってはそういうのが出てくるということですね。
 長官は先ほど、農住組合で農業を継続していく者には宅地並み課税はやらないと言われましたが、生産緑地に指定する場合だけじゃなく、営農地区に指定した場合も宅地並み課税は外すという方針ですね。
#305
○国務大臣(原健三郎君) そういう方針でございます。
#306
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたが、農水省お見えになっていますか。――この宅地並み課税五十七年度というのは、五十七年度実施、長官はその方向で努力するということを明言されて、そういう動向に即して自治省の方も考えるということになると、やはり非常に重要な段階になって三大都市圏の市街化区域内農地のほとんどが非常に大きな打撃を受けることになると思うんです。C農地までやるということで。農林水産省としてはこの問題についてどういう考え方、方針なんですか。
#307
○説明員(松下一弘君) 市街化区域内農地に対します固定資産税の課税の適正化措置につきましては、いままで各省から答弁がありましたとおりでございまして、農林水産省としましてもその方針に従っているわけでございます。市街化区域の性格なり周辺の宅地との関連、特に周辺の宅地との間の税負担の均衡を考慮すれば、基本的には課税の適正化、いわゆる宅地並み課税を図っていくべきであるというふうに考えます。しかしながら一方、現在まで都市の施設の整備状況あるいは土地利用の実態と農業を営む場合の負担力等を考慮しますれば、実施地域の限定と一定の農地に対する特例措置が必要ではないかというふうに考えております。
#308
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたので質問を終わりますけれども、たびたび私ども強調しておりますように、近郊農業というのは非常に国民的に重要な役割りを果たしています。まず第一に、生鮮野菜、果物の供給源であって、大阪二〇%、東京一〇%というシェアを持っている。第二に、防災機能としても非常に大事だ。また洪水の場合、大雨の場合の遊水地帯の役割りも果たしている、防災避難地としても非常に重要だ。第三番目に、緑地保全、緑のオープンスペースという点でも改めて大きな失うことのできない価値が見直さなければならぬ場所だと思います。東京の例で言いますと第一の生鮮野菜の面でいうと、東京都の農地一万二千ヘクタールのうち一万ヘクタールが市街化区域内にあって、生産で第一位を占めているのはカリフラワー、コマツナ、ウド、つまみ菜、タカナ、第二位を占めているのがゴボウ、レンコン、つけ菜、ワケギ、サラダナ、ワサビ、豆もやし、第三位が京菜、カラシナ、ヤツガシラというようなことになっていて、決してこれを十年以内にただつぶせばいい、全部宅地にすればいいというようなことでないわけで、この農地が全部宅地になってしまった場合の索漠たる東京の環境並びに都民生活というのは、東京だけでなく三大都市圏の非常に重要な問題だと思います。そういう点でわれわれ今後もきょうの農住組合法案を含め、それから宅地並み課税の問題を含めて大事な都市農業を守るために努力をもっと、政府もそれからわれわれも果たすべきであろうかと思います。
 以上で質問を終わります。
#309
○委員長(宮之原貞光君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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