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#1
第093回国会 逓信委員会公聴会 第1号
昭和五十五年十一月十二日(水曜日)
   午後一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     八百板 正君     坂倉 藤吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   政府委員
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政大臣官房経
       理部長      澤田 茂生君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   公述人
       平和経済計画会
       議事務局長    蛯名 保彦君
       独協大学経済学
       部助教授     岡田  博君
       日本ダイレクト
       メール協会会長  殖栗 文夫君
       主     婦  伊奈 幸子君
       法政大学経営学
       部教授      佐藤昌一郎君
       公認会計士    安田 義徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便法等の一部を改正する法律案(第九十二回
 国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会公聴会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(福間知之君) 本日は、郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、六人の公述人の方々から御意見を伺います。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には御多忙中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。
 御案内のように、郵便料金値上げに関する郵便法等の一部を改正する法律案はただいま参議院において審議中でございますが、その内容は国民生活に重大な関係がございます。したがいまして、公述人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本案審査の参考にいたしたいと存じておりますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 これより公述人の方々に順次御意見をお述べ願うのでありますが、議事の進行上、お一人十五分程度でお述べを願い、公述人の方々の御意見の陳述が全部終わりました後、委員の質疑を行うことにいたしますので、御了承願います。
 それでは、まず蛯名公述人にお願いいたします。
#4
○公述人(蛯名保彦君) 私、公述人の蛯名でございます。
 それでは、私は、本日の主題でございます値上げ案に対して反対、それからその緩和法案に対しても反対、こういう立場に立って公述をしたい、こういうふうに思います。
 まず、最初の値上げ反対の件ですが、その理由はおおよそ二つある。一つは、国民生活への影響の問題、それから第二点は、郵便事業の経営に及ぼす効果が果たしてあるか、この問題でございます。
 前者につきまして最初に申し上げますが、郵便料金の家計に占める割合は〇・一二%で非常に低い、こういうふうにお配りになっている郵政省の資料では御指摘で、したがって国民生活への影響も大したことにはならぬ、こういう御指摘ですが、しかし同じようにお配りいただいた資料を見ますと、「郵便物の私人・事業所間の交流状況」というのによりますと、私人というのは全体の二〇%にしかすぎない。したがって、家計に占める割合だけを言ったのでは全体の二割しかカバーしていないわけで、残りの八〇%、つまり事業所に対する影響、これをどういうふうなお考えになっているのか。これも含めて、つまり大部分であります事業所への影響を含めて考えますと、やはりこれはかなり大きな影響となって国民生活には直接、間接及ぶというふうに考えざるを得ない。その点やはり国民生活への影響を若干過小評価されているというふうに考えるわけです。
 それから同じく国民生活への影響に関して、今回の料金改定案に伴う値上げ率は、手元に御配付いただきました資料によりますと、五十六年度には三九・三%−三六・五%をいま御訂正いただきましたが、と計算されているわけですが、その結果消費者物価への影響は年平均で〇・〇七%と計算されているわけです。しかし五十六年度の消費者物価の上昇率というのは、私の見通しでは八%を超えるというふうに考えた方がいい。これは各種のいろんな調査機関の見通しを見ましてもこういう見通しがすでに五十六年度について出されている。したがって、政府としては当然公共料金抑制ということを五十六年度には施策として講じなきゃいかぬ。その中にあって郵便料金を引き上げるということは、これは消費者物価上昇への影響という点からもはなはだ好ましくないというふうに申し上げるべきだ、こういうふうに思うわけです。以上が国民生活への影響でございます。
 それから二点目は、問題は、郵便事業との関連で今回の料金値上げが果たしてプラスの効果があるのかという点でございます。この点が最もむずかしい問題でございまして、たとえば今回の料金改定による「郵便事業損益計算見込」という資料、これも手元に御配付いただいた本逓信委員会の資料ですが、これによりますと、収益率の推移を見ますと、私ちょっと計算してみますと、五十五年度が前年度に対して一一・二%増、五十六年度が一八・五%増、五十七年度が四・〇%増、五十八年度が三・六%増、こういう収益の伸び率を見込まれているわけです。
 ところが、果たしてこれだけの増収率を見込めるのかという点が問題でございます。たとえば過去の例、つまり五十一年度にも約二倍の改定が行われたわけですが、その場合のデータを見ますと、これも手元に御配付いただいた資料に基づきますが、第一種が数量では大幅に減少しているわけです。それからこれは五十一年度のみならず、つまりその当該年度のみならず、それ以降もたしか四、五年にわたって平均で見ても全体としては減少をしている。つまり、いまだに第一種の減少という状態が続いているわけです。これは無論数量ベースですが。そういった点を考慮する。さらにまた郵便物数そのものも最近は非常に停滞的である。たとえば三十年度から五十四年度にかけての郵便物数の年平均増加率は四・九%であった、ところが五十年度から五十四年度にかけてはそれが二・〇%に鈍化しておるということです。
 したがって問題は、今回の値上げによる歩どまりは一応見ておられるのですが、ここで御指摘の歩どまりで果たして済むか。少なくとも数量で見て前回のように絶対的に減少するというような事態だって考えられないわけじゃない。そうなってきますと、先ほどの収益率の見通し、これは少し甘いというふうにもこれは言える。たとえば五十六年度一八・五、それから五十七年度四・〇、五十八年度三・六、ここら辺の数字についてはこれはやはり再検討する必要があるのじゃないか。私の感触ではもう少しやはり低下する可能性はこれはあり得るというふうに考えられる。したがって、値上げは今回も約三九%強値上げされているのですが、むしろ経営上は必ずしもプラスの効果というものが期待できないということを十分お考えになる必要がある、こういうふうに考えるわけです。
 そこで、この経営上の問題がどこへ結局問題が帰着するかと申しますと、費用の側面がございますが、これまたお配りいただいた費用という項目を見ますと、人件費が実質約九割を占めておるわけです。したがって、その人件費を結局抑制することによって費用をやはり抑えていく、こういう危険性が非常に強いと私は思うわけです。たとえば、すでにそういった試算が手元にお配りいただいた損益見込みの中にもされておる。費用の伸びのうち人件費が六・七%、物件費が五・〇%の上昇を見込んでおられる、これは五十八年度までの見通しですが。
 ところが、今後の消費者物価の上昇を考えますと、この人件費の上昇率というのは少し低過ぎると思うわけです。無論、物件費の上昇率も少し低目ではありますが、九割を占めている人件費が最大の大きな構成要素ですので、これにしぼってみますと、明らかにこれは非常に低い伸びである。これで済むかと申しますと、たとえば、これは暦年で申し上げますが、一九八〇年から八五年の日本経済の見通しは、これは世界経済との関連で幾つか見通しが出されています。たとえば日本経済新聞社、それから日本経済研究センター、国民経済研究協会、幾つか日本の代表的な研究機関から見通しが出されておるわけですが、それによれば、たとえば日本経済新聞社は、消費者物価の上昇率を六・三%、それから一人当たり雇用者所得の伸びを七・九%、それから日本経済研究センターは、消費者物価の上昇率を八・九%――これはすべて年平均です。それから一人当たり雇用者所得の伸び率を一一・一%、それから国民経済研究協会は、消費者物価上昇率を六・六%、それから賃金ですが、賃金の伸び率をこの間九・〇%、こういうふうにいずれもかなりの物価上昇を前提として雇用者所得ないし賃金はどうしてもやはりかなり大幅に伸びざるを得ない、こういうふうに見ておるわけです。
 ところが、この原案では、損益見込みにおける費用項目の人件費の伸び率は、先ほど申し上げましたように六・七%にしかすぎないということです。したがって、こういった低い人件費の伸び率で果たして済むのかというふうにやはり疑問を呈せざるを得ない。実際は、したがってもう少しやはり人件費の伸びを中心に費用の伸びはこの原案の見込みよりも上回って伸びる可能性というのは十分あるというふうに私は考えるわけです。したがって、結論としては、今回の値上げによる増収見込みというのはきわめて郵政省のお見込みになっているのは楽観的に過ぎる。しかも費用は郵政省が見込まれているものを少なくとも上回って伸びる可能性がある。こういうふうに考えますと、やはり今後値上げを見込んでも郵政事業の経営というのははなはだ芳しくない、こういうふうに考えられるわけです。
 この経営問題というのは非常にむずかしい問題でありまして、これは手元にお配りいただいた郵政省の資料にもございますように、やはり電話との代替関係というのがはっきり出てきておる。したがって、郵便事業というのがかなり構造的な停滞化という局面にいまあるというふうに考えられるわけです。したがって、やはりこのままでは値上げによる減収あるいは値上げによる収益の鈍化、それから人件費の抑制というパターンをこれからも繰り返していく。恐らく、今回の値上げを前提としても五十八年度には少なくとも郵政省の原案でも再び赤字に、二百億ですか、赤字に転ずるというお見込みですので、私が申し上げましたように、それで済まないとすれば再びまた再度大幅な値上げということをたとえば五十八年度にお考えになるのか。そうだとすると、ますますこういう構造的な郵便事業の危機を深めるにすぎないというふうに私は考えられる。したがって、やはり抜本的な構造改善策というのをどうしても構ずる必要があるのであって、安易な値上げによる経営問題の解決というものは私はとるべきでないというふうに考えるわけです。以上が値上げに対する反対の理由でございます。
 それから緩和法案でございますが、問題は、緩和した場合にその料金決定を郵政審議会にゆだねる、こういうふうになっておるわけですが、問題は、現在の郵政審議会が必ずしも民主化されておらない。これは郵便事業、郵政事業全体について言えることでもあるかもわかりませんが、特に今回の緩和法案との関係で言いますと、やはり郵政審議会の問題をどうしても指摘せざるを得ない。この点は何も私の意見だけじゃなしに、たとえば四十六年四月二十七日の参議院逓信委員会の郵便法改正案に対する附帯決議にすでに指摘されておるわけです。たとえばこういう文章がございます。「郵政審議会の任務のいよいよ重要性を加えつつあることにかんがみ、その機能を強化するため必要な措置を講ずること。」というふうに決議されておる。
 問題は、その後そういう努力が果たしてされたのかと申しますと、遺憾ながらそういった努力がされたとは必ずしも言えないのではないか、私はそう思うわけです。たとえば現在の郵政審議会は非公開でございます。審議の結果が公表されておらない。この問題は、やはり郵政審議会の民主化の前提として当然問題になるわけです。こういう非公開の郵政審議会にいわば値上げの決定権を一定の制限をつけるとはいえゆだねるということは、さきの参議院の逓信委員会の四十六年四月二十七日の決議にももとるというふうに考えざるを得ないと私は思うわけです。そういった点から、この緩和法案にはこういう郵政審議会の非民主化の現状を前提としては反対せざるを得ない、こういうふうに私は考えております。
 なお、審議会の公開制だけではなく、やはり今回の値上げ問題にも絡みますが、料金そのものについても、受益者負担の原則をとっておられるわけですから、当然、定期的にかつ積極的に原価を公開される必要がある。郵政審議会の審議の公開だけじゃなしに、あるいは郵政審議会の民主化だけじゃなしに、やはり料金そのものにもかなり非公開な部分がございまして、原価――これは単位当たりのコストだとか若干の資料はございますが、私がきょう調べた範囲内でもきわめて資料が不十分で、少なくとも公表された資料が不十分で、どうも判定、分析しにくい、こういった問題がございます。したがって、やはり受益者負担の原則をとる以上は、そういった問題に対してきちっと国民に原価を公開するというようなことは当然必要になるのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。したがって、審議会の民主化と並んで郵政事業全体の民主化、つまり国民に開かれた郵政事業への転換がどうしても必要になるということを最後に一言つけ加えまして、緩和法案に対する反対という私の説明にかえさしていただきたいと思います。
 以上。
#5
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 次に、岡田公述人。
#6
○公述人(岡田博君) ただいま紹介いただきました岡田でございます。私は、今回の料金改定とそれから法定制緩和の案につきまして、やむを得ないのではなかろうかという立場に立っております。
 郵政事業は、明治初年以来、公企業として政府の管掌、管理のもとに事業として健全なる発展をいたしてまいりました。事業でありますからそれは結局コストがかかるものでありまして、そして、公企業におきましては公共性とそれから企業性とを発揮しなければならない。公共性と申しますのは公共の福祉を増進するために役立つということでありまして、もう一方におきましては企業性が問題とされるのであります。
 私は交通の方を主にやっておるわけなんですけれども、郵便事業はやはり距離の克服という点におきまして広い意味での交通の中に入るのではなかろうか。そうしますと、交通経済というものはやはり需要が散在しているということでありまして、サービスを行うこと自体が地域間の距離の克服ということでありまして、それが機械化できない分野である、そういうことで非常に労働集約的な産業である。いただきました資料を見ましても、事業費のうち人件費が占める割合が七〇%、人件費等に加えられるものを含めますと約九〇%が人件費に当たる、物件費はたかだか一〇%程度ということでありまして、非常に事業そのものが人手を食うという事業であります。
 ですから、四十八年の石油ショック以来日本経済は経済動向が一変いたしまして、それまでは安い石油のもとに生産性の向上が図られてきましたけれども、それ以後の経済はどちらかというと、石油コストを初めコスト高になり非常に生産性という面において変化が見られてきている。そして、その生産性の変化と同時に、やはり業種間格差を埋めるためのスピルオーバーといいますか、生産性格差の是正におけるところのインフレというものがやはり急速な上昇を示してまいっておる。そういう状況の中で、やはり郵便事業は労働集約的な関係上人件費のコストアップという点で非常に圧迫を受けていて、それが収支の損益計算におきまして四十九年度以降の累積欠損金が二千百二十四億円となっておるというのが現状であります。
 政府の管掌といいますと、やはり管理機能の点において問題とされるところは、経済効率の問題が一つ、それから構成の問題が一つ。そういうことでありまして、事業自体はやはりもうこれは公企業におきましては独算制というものが定着しておりまして収支を償う、それによりまして効率を図るということが事業の根本となっております。そういう点におきまして、この人件費の上昇から来るコストアップによるところの累積損金というものは結局事業自体の経営を圧迫するものでありまして、結局こういうことが続きますと健全な郵政事業の将来というものが危ぶまれるということであります。やはり独算制のもとにおきましては収支相償うということが根本の問題でありますから、やはりこの収支の悪化は収入による増収でカバーしなければならないというのが根本の見方ではなかろうか。
 そうした場合、やはり今回の値上げというものはやむを得ないのではなかろうか。その場合、総括原価主義といいますか、全体的なレベルでもっての収支の均衡というものがやはり一番の根幹にある。そして内容を見ますと、一種の封書の値上げとそれから葉書の値上げについては値上げ率が違うというところなのですけれども、これにつきましては、郵便事業が始まってからやはり封書と葉書の格差というものは、ずっと心理的にそういう違いがあるものと思い込んで今日まで参ったわけですけれども、厳密なるサンプル調査による原価計算によりますと、封書と葉書の輸送コストは料金ほどの差がない。端的に申しますれば、葉書のコストはかなり封書に近いという調査結果が出ております。それは常識的に考えても、封書と葉書の原価がそれほど違いがあろうはずがないということは感じとしてわかるのであります。ですから、料金値上げにつきまして、今回は葉書の値上げ幅が暫定三十円から四十円になるということは非常に心理的な影響が大きいかとは思いますけれども、原価的に見ますれば原価に近づけていくという意味において認めざるを得ないのではなかろうか。
 そして、先ほどもお話がありましたように、郵便需要というものは、近年電話と競合関係にありましてかなり電話の影響を強く受けておる。そして、その内容を見ますと、私人からの発送が約二〇%、事業からの発送が八〇%に達しておるということでありまして、この値上げ分をたとえば補てんする場合、一般会計からの補てんということになりますと一部企業への補助というような形態になるのではなかろうか。やはり公共の福祉の増進といいますと、それは消費者のみならず企業も含めてのこととは思いますけれども、やはり郵便料金が問題となるのは、特に低所得者階級を値上げによって圧迫するのではなかろうかという懸念が第一であろうと思います。
 そういう点におきましては、全体の中の二〇%である。そして消費者物価のウエートの中でも、家計に占める郵便料金のウエートは先ほども述べられましたように〇・一二%と非常に小さい。それに比べてより質の高い通信サービスといいますか、電話におきましては、いまちょっと資料が見当たらないのですけれども、きわめて電話に対する支出は大きい。ですから、家計における消費構造といいましても、より質の高いものに移っていっておる。そういう中におきまして、葉書それから封書それ自体、やはり封書、葉書でなければ達せられないその固有の領域があろうかと思いますけれども、そういうものに対しては今回の値上げというものがそれほど大きく響くだろうかいうことを考えますと、やはり原価を償う価格に合わせていくということが必要であろう、こう思われるわけであります。
 そして、独算制におきましては、単年度の収支といいますか、そういう短期の収支だけを問題にするのでは片手落ちであって、やはり長期の健全な収支、長期収支の見通しの上に立って健全な運営が図られることこそ郵政事業の目的であります公共の福祉を増進することの目的に合致していくのではなかろうか。
 それから法定制緩和ということでありますけれども、法定制緩和につきましては、やはり最重要の公共料金でありますから国会の審議というものが必要であるという点は認められるにしても、議会における審議が時の情勢に影響されて、たとえば他の提出法案の絡みとかいろいろなことから審議そのものがおくれてしまうというような状況のもとにありましては、それによって企業としての経営の弾力性、タイミングというものが失われてしまいますれば企業における健全な経営というものは危機に瀕するのでありまして、そういう点、やはり適宜に弾力的な運用というものが必要ではなかろうか。
 そうしますと、やはり重要な料金でありますので、そういう何か歯どめがなくてはならない。こういう点におきましては、今回の改定におきまして、その歯どめといたしまして物価等変動率という客観的な基準を設けまして、それを超えてはならないという基準が一つ設けられているのでありまして、これは非常に重要なことではなかろうか。そして、それを郵政審議会に諮問した上で決定するという手順が踏まれる。そして、先ほども申されたように、郵政審議会の構成メンバーというか、そういうものは私はよく存じておらないのでありますが、この点におきましてやはり料金を審査する、料金の審判ということを厳しくやるというような、できたらそういう制度にかえていっていただきたいというような意見を持っております。
 郵便需要そのものが近年非常に弾力化しておる。そういう中におきまして郵便事業の経営というものは非常にむずかしくなりつつあるという認識でありまして、今後とも事業の効率化を図られて健全な運営を期待するものであります。
 以上、簡単ですが、意見を申し述べました。
#7
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 次に、殖栗公述人。
#8
○公述人(殖栗文夫君) 私、殖栗でございます。
 私は、皆様のお手元にありますように日本ダイレクトメール協会の会長として出てまいりましたので、私は郵便を利用さしていただいて企業をやっているという者の立場を少し述べさしていただきたいと思います。
 私ども郵便を利用して仕事をさしていただいておる者から見ますと、何としても郵便が間違いなく早く着くということが第一でございますので、そのためにどうしてもやむを得なければ多少の値上げもこれもやむを得ないであろうと思うわけであります。というのは、郵便もやはり一つの企業でありますから、これが成り立っていくことを考えなければならないと思うのであります。
 ただ、もう一つ考えたいことは、私どもはある意味において郵政当局に対してのお客様でそれを利用さしていただく立場であるので、私どもの方の立場も考えながらやっていただきたい。ある程度の値上げはやむを得ないといいましても、たとえば一種はいま二割という提案ですが、その程度ならこれはほかの物価、いろんな関係でやむを得ないだろうと思うけれども、二種は十割、一〇〇%の値上げ。これは企業という点から考えると、日本は御存じのように諸外国に比べまして葉書の利用が非常に多いのです。そして、それだけに大衆の非常な反発を買うのじゃなかろうかとも考えます。小包などにおきましても、いまの値上げでいったら恐らく郵便小包を利用する者はなくなるのじゃないかと思うのであります。
 そういうふうな雰囲気が出てきますと、いわゆる郵便離れということができて、国民が郵政に対して協力するというよりは反目するということになりますと、計算上以外の大きな損害になるのじゃなかろうか、その点を考えて進めていただきたいと思うわけであります。一種は二割としましても、いろいろなのを加えますと三九%強というのですから、それだけの値上げは普通の商売では一挙にはとてもできないわけでありまして、その辺をお考えいただきたいと思います。
 それで、郵政の方でまず第一に考えなければならないことは、どうしたら増収できるかということでありまして、値上げも一つの方法でありましょうけれども、それにかわるいい方法があればその方向へ進んで増収をおはかりいただいたらいかがかと思うのであります。たとえばダイレクトメールその他の大口利用者のことを考えますと、この全体の郵便利用者の八割を占めておる者がどう動いてくるか、その連中がもっと郵便を利用してくれば郵政はますます仕事が忙しくなって収益も上がるということになるのでありまして、その方向に向けていただきたいと思うのであります。企業でありますから、私どもいわゆる商売をやっている者の考えからしますると、いわゆる薄利多売と申しますか、なるべく物を少なくしてやろうということを考えないで、むしろ物を多くして少しずつでも数でもって郵政の財政を助けていくという考え方を持ってやったらいかがかと思うのであります。商売をやっている者から考えますと、どうしても郵便料金が上がればそれに対しての何かのメリットがなければ、反対給付とまでは言いませんでも、何かやはり得るところがなければと、私ども特にそれを活用させていただいて企業をしている者としますと考えるわけであります。
 先ほどもちょっとほかの方から言葉が出ましたけれども、昔は五種というものがありましたけれども、いまはそれがなくなっております。その制度はそういうことで進んだにしましても、たとえば大口利用者がもっと多く郵便を利用する方法というものは考えれば何とでもできる方法であって、そこにメリットを与えるというのが一つの方法だと思うのであります。たとえば、いま区分による割引などもありますけれども、そういうふうな方面をいろいろな方法を考えてくれば幾らも方法はあることだと思うのであります。われわれは郵便とともに歩いていかなきゃならないので、郵便事業がまた赤字、また赤字、また値上げということになることははなはだ好まないことでありまして、何とかお互いに手を握っていきたい、こう考えているわけであります。
 ですから、先ほど値上げの率のことを申し上げましたけれども、余りに急激な変化がありますと、私ども企業をやっている者としてはとても追いついていけないということであります。実際の細かな問題になりますと、たとえば実施時期におきましても、実施するのが、この間出た資料では四十日ということでありますけれども、この前のときよりはそれでもよほどよくなったでしょうけれども、実際仕事をやって予約を受けている、何をしているという場合には、とてもその四十日では始末がつかないのでありまして、さっき申し上げましたように、郵便のお得意様の立場はどうかということで、その辺にもう少しゆとりのある配慮をしていただいたらありがたいと思っております。
 その点では、今度の小包や何かの変更が省令でやられていますが、それが、あるいは三種というのが非常に幅が大きいのでありまして、省令でこうどんどんやられたのではとてもたまらないということを心配するわけであります。郵便というものは国民のものでありますから、理屈としては確かにこれは議会を通ってということになるのが一番いいのでありますけれども、実際の動きにおいては必ずしも、さっき御指摘のありましたように、時に間に合わないということもあり得るので、それは省令をもって補うということも考えられますが、省令だからどんどんとやられたのでは利用者の方はたまらないというわけであります。
 つきましては、郵政審議会でありますけれども、この前、私、郵政審議会の特別委員を務めさしていただいたのですが、その節も、ずっとお顔ぶれを見ましても、ほとんど大口利用者の代表というものはいないのであります。私一人ぐらいのものだったでしょう。必ずしも大口利用者の声ばかりを出せということではありませんけれども、全郵便量の八割を占めて利用させていただいているいわゆる利用者代表というものはもう少しふやしていただいていいのじゃないかと私は考えます。それが自分たちの利益の代表ということでなくて、それは国民の世論であって、国民の声を聞くにはそういうこともお考えいただきたいと思うのであります。
 一番初めに申し上げましたように、郵便もこれはりっぱな企業でありますから、近ごろ郵便局に行きますと、こういうふうなパンフレットまでくだすって、それで郵便当局がダイレクトメールを勧めていられるわけであります。それで掲示を見ますと、お客様と書いてあるのです。郵便局へ来てお客様と言われるので大分時世が変わりましたねと言って冗談言うのでありますけれども、どうかその心持ちで行っていただきたい。何もみんなおじぎをしろというわけじゃありませんけれども、小包にしましても、宅配だと時間が短くて、安くて、自分のうちへ持ってきてくれて受取をちゃんとくれるのです。それが三つともできない。とにかくあいさつをしない。あれはやっぱりぐあい悪いというふうなことを考えるのであります。
 どうか、私どもこれを仕事としております者は、郵政当局と一緒に生きていきたいと考えておりますので、その辺をお考えいただきたいと思います。
#9
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 次に、伊奈公述人。
#10
○公述人(伊奈幸子君) 伊奈でございます。
 子供が二人おりまして、主人は技術雑誌の出版に携わっているサラリーマン家庭の本当に一人の主婦でございます。
 昨年は俳句を多少いたしまして、七人のグループで順番に俳句を書いて次の人に回すというふうな袋回しというようなことをいたしました。四日に一度ぐらいの割合で封書を利用いたしましたし、同窓会の幹事などをしておりますので、わりと郵便はよく利用していると思うのでございます。また、三十年ぐらい同じところに住んでおりますので、保険の方だとかそれから郵便配達の方だとかいろいろお顔なじみの方もありまして、ほかの主婦の方よりは多少郵便局と親しいかと思っております。本当にきょうは一人のサラリーマンの主婦として伺わせていただきました。
 まず、私は、日本の郵便は正確で速いという点では絶対の信頼を持っているということを申し上げさせていただきたいと思います。と申しますのは、去年一年間、俳句のことで約七十通ぐらいの封書をやりとりしたのでございますけれども、それがおくれたり、それから不正確で行方不明になったというようなことは一度もなかったからでございます。それでもって、ああこれは大変に正確なんだなというのが実感だったのでございますけれども、そこに参加していらっしゃる方は東京都近県、それから北海道の方も含まれておりました。人によっては、郵便は正確なのがあたりまえだし公共性が強いのだから安くあるべきだとおっしゃる方がございますけれども、空気や水のようにあたりまえと思われるほどに正確に届くということは、その陰にはその仕事をしていらっしゃる方々の大変な努力がおありになると思うのでございます。
 ところが、非常にお恥ずかしいことでございますけれども、私はごく最近まで郵便が独立採算制をとっているということを知らなかったのでございます。御近所の奥様方にいろいろ聞いてみましたら、主婦の方は、私の周りの人は不勉強なのかもしれませんけれども独立採算制をとっているということを知らなかったというのが実情でございます。私は、当然公共性が強いものでありますし料金もこんなに安いのだから国が援助しているのだろうとばかり思っておりました。ですから、郵便料金値上げと聞いたときは、具体的な金額よりもまずその値上げという言葉に非常にショックを受けたのでございます。ところが、郵便の切手や葉書を売った収入で郵便局も郵政省も賄っていらっしゃるということを知りまして、それだったらこんなに物価が上がっているのだから、人件費が九〇%も占めるという郵便の経費も大幅にふえているのだろうと一応納得したようなわけでございます。
 そこで、いままでに郵便は一体どんなふうに値上げされてきたのかと見てみますと、昭和二十八年から五十五年の間に三回値上げが行われております。ところが、この間に国鉄は十回、タクシーとか都バスは七回、新聞は十二回、特に昭和四十九年には国鉄、地下鉄、都バス、新聞などが一斉に値上げを行っておりますが、郵便料は五十一年の一月まで料金を据え置いております。また、外国でも、二十七年から五十五年の間にアメリカで八回、西ドイツで六回、フランス十回、何とイギリスでは十三回も値上げが行われておりまして、いずれも独立採算制をとっているそうでございますけれども、このように国内でも外国でも値上げをせざるを得なかった時期に値上げをしなかった日本の郵便の努力というのは認めてもよいのではないかと思いました。
 さて、前回の改定と比較して今回は葉書の値上がりが目立っておりまして、最初非常に抵抗感があったのでございますけれども、ところが、外国の例を見ますと、イギリス、フランス、スイス、カナダなどは葉書も封書も全く同じ料金になっております。そのほか、スウェーデン、西ドイツなどは差がありますけれども差というほどではなくて、私は葉書は安いものと思い込んでおりましたので本当にびっくりいたしました。ところが、よく考えてみますと、葉書と封書というのは単なるかさの違いだけと申しますか、ポストから戸口まで届くのにはやはりそれなりの手間は同じようにかかっているように思いまして、ああなるほどやはり安いなという、安くてあたりまえと思っていたのは根拠がない固定概念だったというふうな気がいたしました。
 以上が、私が郵便料金の改定に賛成の立場をとるということになりました経過でございます。
 次に、主婦の立場から、新しい郵便料金が家計にどんな影響を与えるかについてお話ししたいと思っております。
 いただきました資料を見ましたらば、五十四年の一家族当たりの郵便の支出は平均三千百八十九円ということでございますが、この数字を見て多いのでびっくりいたしました。この数字の中には年賀状も入っていることでございましょうけれども、私が出す量とか、それからうちでもっていただく個人的な手紙については本当に少ないものですから、一体こんなに皆様お使いになっているのかどうなのかなというのが疑問でございましたものですから、周りにいらっしゃる十二、三人の主婦の方でございましたけれども伺ってみたのです。そうしたら、郵便というのは、とても書くということに趣味を持っていらっしゃる方がありまして、個人差が非常に多かったのですけれども、私は手紙を書くのが趣味だという方がありまして、その人は大体一年間に封書で四十通、それから年賀状は百三十枚ぐらい書いておりまして、金額にして年間に四千六百円前後でございました。そのほかの方は、年賀状を除けば葉書が二十枚ぐらいに封書が二、三通だろうかな、もっとひどい方になると全部電話でもって済ますから去年は葉書を三枚ぐらいしか書かなかったという方もございます。これはもちろん主婦だけのことでございますから、御主人様はもうちょっとお書きになっていらっしゃるのかもしれません。
 ところが、そこでもって、主婦の方でございますけれども、郵便代よりも電話代の方がかかって困るとおっしゃるのです。一家庭当たり最低で七、八千円、それからちょっと使うと一万円、高いなと思うときには一万二、三千円になっちゃうとおっしゃるのです。平均して一カ月に八千円ぐらい払っていらっしゃいまして、電話代幾らかかっているかと伺うと皆様非常にちゅうちょなさるのですね。そんなにたくさんかかっているというのを言いたくないのです。私のところも電話代は毎月一万円を超えてしまいますし、郵便料の方を考えてみますと、前に袋回しをしていて四日に一遍ずつ封書を出していたときでもって一カ月に千二百円ぐらい、いま袋回しをやめておりますので、子供がクイズに応募をするような葉書を入れましても月に四、五枚というところでございましょうかしら。
 で、この電話代が高いということは、本当に主人に言うと女の長電話でもって高くなるんだと言って怒られますので、主人にも言いたくない値段なんですけれども、考えてみますと、結局いまは電話代というのは交際費になっているような感じなんでございます。でもって、とにかくお友だちのところやなんかに出かけるのも非常に交通費がかかりますし、それから時間もかかりますし、それから行くのには何か手みやげの一つも持っていかなければならないとなると、やっぱり出かけるのはかなりお金がかかりますので、市内だったら一時間しゃべっても二百円、それだったら家にいながらにしてしゃべろうということになりますし、それから家も狭うございますから、お客様が見えるときには家の中も掃除しなくちゃならない、片づけなきゃならない、お茶菓子の用意もしなきゃならない、お互いにそういう内情がわかっておりますから、ですからつい電話でもっておしゃべりをする。ですから、かなり昔の交際費的な使われ方があるように思ったのでございます。
 そんなわけで、私どもの生活の中では郵便の占める割合は実感としては余り多いものじゃないのでございます。きのうもマーケットへ買い物に行さましたけれども、三千円持ってマーケットへ参りますと、かごの中へ物を入れるときに一々数えながら、ああこれで幾ら、これで幾らと足し算しながらいかないと、後でもって払うときに足りなくなるのじゃないかというふうな不安があるわけでございまして、三千円というと一家庭当たりの一年間の平均の郵便使用料でございます。それがスーパーマーケットでは一回分ぐらいの買い物になってしまうわけでございます。また、私はきょうこの場所に参りますのも、家を出てから私鉄が七十円、それから国鉄が六百三十円、それから地下鉄が八十円で、往復でもって千五百六十円かかっております。でも、金額だけを比較するわけにはまいりませんけれども、封書が十円、それから葉書二十円の値上げ、この程度の値上げというのは家計費にはそれほど響かないというふうに思ったわけでございます。
 それよりも、私はこの程度の値上げによって独立採算制が保たれていくのだったらば結構なことではないかと思うわけでございます。郵便は国民の基本的な通信手段であるから税金から補てんしろという御意見があるようにも伺いましたけれども、郵便の八〇%が事業所からのもので、純粋に個人的なものは二〇%足らずという状況の中では結果的に企業に補助することになってしまいますし、ただでさえ財政難、財政難と言われている昨今でございますから、私には適当とは思えないのでございます。ですから、郵便に要する費用は郵便を利用する人が利用する度合いに応じて負担するのが妥当だと思うわけでございます。郵便料金か公共料金ということで国民生活に及ぼす影響にも配慮しなければならないということは当然ではございますし、それから低所得の方だとか、それから恩給で生活していらっしゃるような方には大変にお気の毒だとは思うのですけれども、私は、かえって値上げをしない、抑えるということが、公共料金を低く抑えているというふうな何かスーパーの目玉のような扱われ方をする方がたまらないという感じがするのでございます。
 最後に、郵政関係の方々にお願いしたいのでございますけれども、最初にも申し上げたとおり、私は速くて正確な郵便ということを信頼しておりますので、ストライキなんかをやっていただきたくない。とにかく、あれでもって郵便が山のようになっているという話を聞きますと、実際に自分が出してはいなくてもどうなるのだろうかなという非常に不安な気持ちがするのでございます。それと、それから最近では受験なんかのときに願書だとか何かを郵便で送れるようになっております。私どもはちゃんと期日内に着くと思って郵便を出しているわけでございますから、そういうときにもきちんと届くような御配慮をいただいて、今後とも一生懸命サービスに努めていただきたいと思うわけでございます。
 以上でございます。
#11
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 次に、佐藤公述人。
#12
○公述人(佐藤昌一郎君) 公述人の佐藤です。
 私は、法定制緩和とそれから郵便料金値上げが国民生活に影響を与えるという二つの点から反対の意見を申し上げたいと思います。
 まず第一に、法定制緩和の問題でありますけれども、今回の法定制緩和の措置は財政法第三条及び財政法三条の特例法の立法理念に反すると同時に、いままで政府が行ってきた解釈と施策にも矛盾するものであるというふうに考えております。時間がありませんので議会でのやりとり等々については省略させていただきますが、たとえば郵便法制定時に政府がどういう解釈をやっていたか。三木逓信大臣が明確に述べていて、法定制を堅持するということが疑問の余地なく明らかにされていたと思います。だから、いままで政府は、郵便法の中に料金を規定して料金値上げは郵便法の改定という形態をとり、そういう手続をとって決めてきたことは周知の事実であります。途中で第三種、第四種、それから小包料金を省令に移管したことがむしろ大きな問題であるわけですが、今回はさらに第一種、第二種までも国会の議決から外していこうとしている。しかも、この解釈が大変私は問題があるというふうに思っております。
 たとえば財政法第三条では、国の独占事業に属する事業料金については法律または議会の議決に基づいて行わなければならないというふうに明記してあるわけですが、今度の衆議院の逓信委員会での政府の御見解を見ていきますと、この法律に基づいてというところを大変恣意的に解釈されて、法律で料金の決め方の大枠を決めておけば具体的な料金水準は省令にゆだねても何ら問題がない、それからいままでとってきた方策と矛盾しないという見解をおとりになっているようですけれども、これは強弁にすぎないし、しかも財政民主主義という基本的な観点から見ればこれはとても肯定できるものではないと言わざるを得ないと思います。
 たとえば昭和三十年に出た会計検査院の小峰さんという方が、「財政法会計法講義」という書物の中で、この財政法第三条について次のような解釈をしております。「法律以外に国会の議決に基く場合とは、予算の形式が考えられるが、予算の効力は、一会計年度限りであるから、本件の価格決定も一年限りのもの以外は、予算で定めることは考えられない。そこで実際上は、すべて法律の形式で国会の議決を経ることとなる。」、昭和三十年にこういうふうに指摘しております。
 私も、こういう理解の仕方がいわば学界でも通説になっておりまして、すなわち、法律で決めるということは国会の議決を必然的に伴うものであって、当然料金の改定も法律の改定とならなければならない。これは当然の財政民主主義の手続の上からいって譲ることのできないつまり原則として財政法に明記したものであります。これは財政法制定時の政府の説明でもきわめて明確に述べられていることであります。つまり、こういう方式を決めておきながら、別の特例法をつくってこれまでの財政理念それから立法理念をひっくり返すようなやり方をとっていくのであれば、法に対する国民の信頼を失わせていくことになりはしないか、私は大変その点危惧感を持っております。
 しかも、財政上の理由を口実にしてあるいは財政上の理由で、こういういままで行われてきてしかも確認されてきたやり方を否定するということであれば、これは予算制度全般に関する問題とあわせて効率性と民主性との関連をどういうふうにとらえるかという基本的な問題が明確にならない限り、財政上の理由あるいは一時的な理由で基本的なものを否定してしまうということになってしまって、これは民主主義の根幹に触れる問題になってくるのではないかというふうに思われます。
 しかも、国会が事実上この独占事業の料金の決定に関与しないということになりますと、そこから間接的、直接的に出てくる問題は、国民がいわば国の独占事業に対する発言権及び意見を述べるさまざまの機会を失っていくことにつながっていって、基本的には国民の権利の縮小につながらざるを得ない。したがって、この理念をどう生かしていくかというところに最大のポイントを置いて考えていくべきだろうと私は思います。当然、こういう観点から法定制緩和については国会がみずからの権利を放棄するような方式をとっていただきたくないというふうに考えております。
 で、こういう料金は、たとえば、先ほども郵便料金は国民生活にそんなに大きな影響は与えないというお話がありましたけれども、単に封書と葉書だけの問題ではなくて、私もいろいろ検討してみましたけれども、これは公共料金全般に波及することは明らかですし、たとえば私は職業柄本屋で買えないものをしばしば直接販売で買うケースが大変多いのです。いろんな資料類などは。これは郵便料金で、必然的に郵便料金が上がりますとふえてこざるを得ない。それからわれわれの学会活動などが非常にこれによって圧迫を受ける。それから身体障害者の方々が出しているいろんなパンフレットその他の送料なども大変大きな負担になっていく。基本的には非営利団体の学術活動や広報活動や言論活動にかなり大きな影響を及ぼしていくのではないだろうか。したがって、単に家計の何%というそういう議論でははかることができないそういう要素を持っているというふうに私は考えます。
 たとえば、これはまだ正確に計算をしていないのですけれども、私の所属する学会で出している機関誌がありますが、これはクォータリーで、今度の値上げによって、学術刊行物の扱いを受けておりますけれども一〇%から二〇%のアップになっていく。それから自主的な学会組織の場合は郵送料というのは大変大きな負担でありまして、これがさらに長期的にわたって値上げが予定されているようですから、今回限りのものだけとは受け取れないわけですけれども、こういうのがたびたび重なっていきますと学会活動にとっても会費の大幅な値上げをやっていかなければ運営ができない。ただ、値上げをしても、一定程度発行が維持できればまだ何とかなるわけですけれども、特に身体障害者の方の団体とか、そういうところではそういう形の処理が恐らく困難であるというふうに思われます。
 それで、先ほども一般会計から繰り入れるのはけしからぬ、そういうのはやめるべきで、独立採算を堅持すべきだという御意見がありましたけれども、これは私はそうは思わないのであって、料金によって一定程度賄うというのはこれは当然のことでありますけれども、たとえば郵政省がしばしば言っておられる一それで先ほど学会活動やさまざまの団体の活動に影響を及ぼすという点にかかわる点でありますけれども、第三種とか第四種、これは政府は政策料金というふうに呼んでおります。これは政策的につまり若干安く決めている。とすれば、そういう政策料金から生ずるマイナス面はこれは政府が当然めんどうを見るべき性格のものではないかというふうに考えられます。
 それから郵政事業特別会計法の第七条の四項に、固定資産の増加に見合った部分に関しては他会計からの繰り入れができるというふうに明記してあります。過去何回かにわたってこの措置がとられている。たとえば土地や建物や工作物、機械等々、そういうものの分については他会計から、これは一般会計も含むわけですけれども、そういうものを一般会計から支出することによって郵便料金をできるだけ低廉に抑えていく。こういう措置がかつてとられたわけですから、しかも現在も有効で法の上できちっとあるわけですから、こういうものを活用して、金額的にもそれほど大きなものではないと思いますので、こういう措置をさらにとっていくということは何ら問題がないのではないか。むしろそういうことがいま必要なのではないかというふうに考えております。
 それから今度の料金値上げと法定制緩和がとられることによって、私は、料金値上げとサービス低下と同時に行われて悪かろう高かろう式のそういう事態が生み出されるのではないかという危惧を大変持っております。どうしてかというと、一日二回配達を一回にするとか、団地は上まで運ばないとか、そういうさまざまなサービス低下策が値上げ策とあわせて提起されてきている。ですから、たとえば先ほどから出ておりますけれども、他の電話の問題とのかかわり等々でかえって値上げそれからサービス低下が同時的に起きてくる可能性があるというふうに思われます。
 最後に、先ほどの方も、日本の郵便料金は安い、それから外国と比べても安いじゃないかというお話がありましたので、それに関連して、この郵政省がおつくりになった外国の郵便料金の比較のことに関して一言だけ申しておきたいと思います。
 たとえばイギリスで書状が六十三円、葉書が六十三円――十二ペンスというふうになっておりますけれども、実はこの十二ペンスというのはファーストクラスの郵便料金でありまして、セカンドクラスは十ペンスであります。前回の衆議院逓信委員会の政府の方の発言によると、セカンドクラスの郵便は配達がおくれてもいいというようなそういうものだというふうに答えておりましたが、私の経験では全くそういうものではなくて、つまりわが国で行われている速達料金を含んだものがファーストクラスの料金です。したがって、こういう比較は非常に不適当な比較で厳密さを持たない。ファーストクラスは速達料金を含むわけです。私は去年イギリスの中部のある大学に行っておりまして、ロンドンから約二百七十キロぐらい離れたところなんですけれども、ファーストクラスで郵便を出しますと翌日の午前中に確実に配達される速達扱い。日本のように速達という別料金制度をとっておりません。それからもう一つは、日本のように二十五グラムまでではなくて六十グラムまで十ペンスと十二ペンスという基準になっておりますから、こういう取り上げ方は非常に一面的だということを申し上げておきたいと思います。
 それで、全体的には、国民の郵便事業をどう発展させるかという観点で今度の法定制緩和はとにかくやめていただきたいし、料金値上げもやめて、この国会の逓信委員会で、国民の声を反映させながら郵政事業をどう発展させていくかという議論を国民とともに熱意を持ってやっていただきたいというふうに希望いたします。
#13
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 次に、安田公述人。
#14
○公述人(安田義徳君) ただいま御紹介をいただきました安田でございます。
 私は郵政事業には全く携わったことがございません。私は公認会計士として、依頼を受けて私企業の財務の監査あわせて財務からの計数分析を行いまして、企業の健全状態を判断し、さらに企業の発展性について助言をしている者でございます。したがいまして、私はそのような立場から以下意見を申し述べてみたいと存じます。
 結論から申し上げまして、今回提案されております改正案につきましては賛成を表するものであります。
 ところで、心情的には公共料金の値上げにつきましては私も国民の一人として好ましいものとは存じておりません。でありますから、郵便料金の改定につきましても利用者の立場から見てこれを歓迎すべき筋合いのものではございません。しかし、郵便事業の財政状態の現状は、大幅な累積赤字のため、このままの状態で推移いたしますならば、試算もされておりまするけれども、ますます切迫、窮地に追い込まれますので、一刻も早くこれに手を打たれまして、郵便事業が健全な事業運営に回復できますよう国民の一人としてこいねがうものでございます。
 そこで、この郵便事業における財政運営についてでありますが、郵便事業は国の事業として営まれておりながら、一般行政事務としての範疇に入らず、郵政事業のうちの郵便事業特別会計で事業運営が行われておりますので、受益者負担の原則と申しましょうか、利用者の負担によって賄われているという郵便事業は独立採算制度であります。
 そのために、今回提案されております赤字解消のための手段として、改正案では郵便料金の値上げといたしまして、コスト計算の上から第一種の封書が五十円から六十円に、第二種の葉書が二十円が四十円に、当面五十五年度内は暫定的に三十円というわけでございます。この値上がりにつきましては、赤字経営からの脱皮する手段としてやむを得ない値上げであるとして賛成するものであります。
 ことに今回の料金改正案につきましては、現在郵便事業が抱えております二千億円を超す累積赤字を、一挙にこれを解消しようとしますれば、その料金改定の幅も勢い大幅にならざるを得ないという配慮から、五十五年度から五十七年度までの三年間にわたって、その間赤字を生ぜしめないよう、そして累積赤字につきましても、極力これを解消しようとしている努力がうかがわれるからであります。
 このような配慮がある料金改定であるにもかかわらず、今回の値上がり率は三九・三%というまことに大幅な値上がり率でありまして、この高率については大いに反省すべきものがあろうかと存じます。この大幅な値上がり率、それは前回値上がりのありました五十一年一月以降今日まで料金の改定が行われなかったからだということでありますが、赤字との絡み合いの上に立っての経営につきましては、今後有効適切な対策を立てられることが必要と存ずるものであります。
 そこで、今回の改正提案の二つ目は、累積欠損金が解消されるまでの間、第一種、第二種の郵便料金の改定に当たっては特例として省令で定めることができるようにということであります。料金改定に当たっての大幅な値上がりは反省すべきものと先ほど申し上げましたが、法律の改正ではどうしても時間を必要としますので、提案の趣旨は弾力的に適時小幅な値上げを実施したいものということでありまして、郵便財政のためにも私はこの提案につきまして了解ができるものでありますが、今後の料金改定に当たりましては、その実態を広く国民にPRしていただきたいものと存ずるものでございます。
 第三番目に、郵便事業のサービス改善ということから利用者への便益とニーズとを考えられまして、郵便切手について他の郵便切手との交換、料額印面によらない郵便葉書の販売、速達小包として差し出すことのできる郵便物の大きさ及び重量の制限緩和の改正、あるいはお年玉つき郵便葉書にかかわる改正の問題等、前向きにいろいろと改正に取り組まれておりますことについては賛意を表するものでございます。
 ところで、今日の郵政事業は、職員数におきまして三十万人余を数えるわが国でも有数の大企業であります。そして、その中で郵便事業に携わる職員の数は約十四万人になると聞いております。このように数多い職員を擁して郵便事業が成り立つ以上、健全な労使関係を基調として、職員すべてが公企業体としての使命感を持っていただきたいと存じます。そして職員のモラルを強く打ち出していただきたいものであります。それはとりもなおさず奉仕の精神であります。そして、この心構えがサービスの基本理念であると私は存じております。明るい職員同士の人間関係による職場づくりが大切であります。郵便局を訪れる利用者と窓口における職員とのソフトな応接態度、そうした中から生まれる親近感、信頼感こそは何にもまさるサービスではないでしょうか。
 そうしてサービスのための第二は、職員からの体験発表による提案の吸収であります。このことは意欲的な職員からの作業を通じての提言であります。郵便作業の工程は、ポストでの取り集める作業から始まって、いろいろの中継を経て最終的に配達されるまで実に二十に近い工程と聞いております。職員はそれぞれの職場においていろいろと体験なり感触を経験しているものであります。その中には地域住民のニーズもありましょうし、作業に対する合理化なりあるいは省力化に対して等いろいろな考えがあるものと思います。数多い、幅の広い作業の中から職員の前向きな提言を求めまして、これを吸収して郵便事業の上で活力のある仕事が行われますことを希望するものであります。サービスの改善には知恵を外から求められることも必要でありましょうが、職員の提言にも耳を傾けるべきものが多々あろうかと存じます。数多い職員によっての郵便事業、労働生産性と申しましょうか、人手に始まって人手に終わる作業でありまするので、改めて労使関係の一層の協調による充実を期待するものであります。
 こうしたことをいろいろ考え合わせますとき、まず郵便事業の財政状態が何としても健全であるようにと願うものであります。
 以上をもって私の意見といたします。
 どうもありがとうございました。
#15
○委員長(福間知之君) ありがとうございました。
 以上で公述人各位の御意見の陳述を終わります。
 それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#16
○成相善十君 自民党の成相善十と申します。
 きょうは、公述人の皆さん方には大変御多忙な中御出席いただきまして、ただいまは貴重な御意見をそれぞれ聞かしていただきまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 その六人のお方の中の四人のお方が、やむを得ないないしは好ましくないがやむを得ないという御理解をちょうだいいたしておるようでございますし、お二人の方は反対であるという御意見であったやに受けとめております。いずれとも郵便事業の本質とか現状というものをそれぞれのお立場でよく御理解をちょうだいいたしておることは感謝にたえないわけであるわけですが、その中でちょっとわかりにくい面がございましたので、一、二の問題についてさらにお尋ねをいたしたい、このように思います。
 持ち時間が二十分でございますので、恐らく皆さん方の公述なさる時間も十五分というような短な時間でございましたので舌足らずの面もおありになったのではないかというふうに思いますので、どうか、そういう補足の意味においてさらにひとつお聞かせ願いたいと思います。
 蛯名さんに伺いたいと思いますが、蛯名さんは反対でございまして、消費者物価を押し上げて国民生活に及ぼす影響は非常に大きい、であるからこれはいけない、反対であるということと、それからかえって値上げすることが郵便の減少を招いて逆効果になる、収益が下がってくるおそれがあるというような理由も挙げられたように記憶いたしております。また、人件費の伸び率の見方が甘い、そういうような甘い基礎の上に立った今回の値上げはさらに大きな値上げを招くことになる、来年もまた大きな値上げをしなきやならなくなる、こんな値上げではと、ちょっとそのところの意味がわからなかったんですが、こういう値上げでは少ないと言われるのか、あるいは計画の仕方が粗雑だ、こう言われるのか、ちょっとその辺の理解が私にはつきかねたわけでございます。
 その解決策としてただ一言おっしゃいましたのは、郵便事業そのものの抜本的見直しをする必要がある。こういうお話でございましたが、その抜本的見直しというものの内容ですね。赤字は、御承知のように、私がいまここで申し上げるまでもなく、郵政省がお示しいたしておりますように、本年度は二千九百三十二億、五十六年度は四千三百五十二億、五十七年度は六千四百六十八億、こうどんどん現実にふえていくわけでございまして、その抜本的見直しというものがどういうものであるか。なかなかこれだけでは、こういう赤字が出るということも現実にはっきりしておるわけでございますから、この現実的な処理の方法というものを詳しくひとつお聞かせ願いたいと思います。
 また、法定制緩和の問題については、審議会が非民主的である、非公開にする等々、そういう非民主的な運営であるから信用ができない、こういうようなお話であったように思います。ですが、お話を聞いておりますと、郵便事業というものの原価も示せ、こういうお話もございました。ではありますが、その基本的な立場ではやはり独立採算制と受益者負担の原則というものはどうもお認めになった立場でお話をしていただいておったように受けとめましたが、そういった点もひとつさらにつけ加えながら御説明を願いたいと思います。
#17
○公述人(蛯名保彦君) 蛯名でございます。
 私、先ほど後者の法定制緩和の問題で、郵便事業の原価の公開あるいはその経営内容の公表というようなことを御指摘申し上げたのですが、実は最初の質問の、事業の抜本的な改善ということを論ずる上でちょっと私は現在公表されている資料のもとではさまざまな経営上の分析が少ししづらいといいますか、そういった問題が、つまり資料上の制約というのがあるのじゃないかと思うのです。それを前提にいたしまして、私が逓信委員会調査室からいただいた資料に基づいても、たとえば今回の値上げで増収見込みというのがどこまで可能なのかという点が非常に疑問と思わざるを得ないような資料を実は前回の値上げとの関連でお出しになっているわけです。
 たとえば、ちょっと細かい話ですが、当然御存じだとは思いますが、念のために確認いたしますと、第一種の封書の郵便物数の推移を見ますと、五十年度が五三八〇、これが値上げ直後の五十一年度には四六五九。自来ずっと減少をたどりまして、五十年度に対する五十四年度のこれは増減率、恐らく年平均増加率でしょうね、これが一・七%の減少。したがって、第一種は五十一年度の値上げ以来、つまり傾向的には減少をしているのですね。これはよく内容を見ますと、次に第二種の葉書の方が二六・〇%伸びている。したがって代替したという資料になっていると思うのです。
 ところで、今回葉書を二倍にされるわけです。そうすると、今度は葉書が当然前回の第一種の例と比較しますと恐らくかなりの物数では減少をすることが見込まれるわけです。ところが、じゃ、それが第一種の封書が伸びるかというと必ずしもそうとは思えない。そうすると、今回は第二種も相当伸びが鈍るないしは減少に転ずるし、それから第一種の封書の方もこれがずっと葉書にかわって伸びるということもそう期待はできない。そうすると、実は先ほど私が御紹介しましたような増収見込みが、たとえば五十六年度一八・五、五十七年度四・〇、五十八年度三・六というような伸びが、これは金額ですけれども、果たして可能かという疑問を、ここでお出しになっている資料で見てもやはり指摘せざるを得ないという問題、これを若干補足したいと思うのです。
 それから人件費の方は、これはだから値上げをこのままでは――つまり値上げは必要なんじゃないかという意味で申し上げたのではなく、そういった値上げに伴う収益上のいわば、何といいますか、問題を抱えながらなおかつここでお出しになっている費用の伸びというのは甘い。これは値上げする、しないにかかわらず、全体的なやはり人件費増あるいは諸物価の値上がり等を考えますと甘い。こう指摘しているわけで、後者の問題は経営上の問題として指摘しているわけです。だから、値上げしろということじゃなしに。
 そう考えてみますと、やはり郵便事業は現在の時点では値上げによってはやはり赤字解消ということが必ずしも予断を許さない。短期的には、たとえば三九%も上げれば確かにそれは五十六年度は恐らく増収は間違いないでしょうけれども、先ほど御指摘のように、ここでかなりの郵便離れというようなことが起これば、また現実にそれが十分予想されるとするならば、特に葉書を中心にそういったことが予想されるとするならば、果たして五十八年度に二百数億円の赤字を見込まれていますが、これで済むかどうかという問題を私は指摘したわけです。したがって、郵便事業というのは、やはり現状においては、いわば構造的な経営危機といいますか、あるいは経営難といいますか、そういう問題に逢着しているということを私は申し上げたわけです。なおかつ、それは値上げによっては必ずしも解決し得ないのではないか。少なくとも赤字解消という直接的な目的を中期に見ると必ずしも楽観は許さない、こういう指摘を私はいたしたわけです。
 しからば、どういう解決策があるのかという御質問ですが、はなはだこれはむずかしいと思うわけです。ただ、これも先ほど申し上げましたように、もう少し資料が公開されて、これは後段の話にもかかわりますけれども、受益者負担とそれから独立採算制を前提とすれば、もう少し綿密な経営分析をしないと何とも将来の事業のあり方については予測が困難なわけですが、ただ言い得ることは、そういう経営上の問題以前に、先ほど来指摘のとおり、またほかの方々も御指摘のとおり、また逓信委員会の調査室でお配りいただいた資料の中でも明確に指摘されているとおり、たとえば郵便物数、電話機等の推移を見ますと、昭和三十年度を一〇〇として昭和五十四年度は、指数で、電話機数が一七一七に対して郵便物数が三一五、これは明らかにその両者の間には代替関係が見られるということです。この問題に対してどういうふうに解決されていくのかということがやはり構造改善という場合の一つのかぎになる、この問題の解決をどうするかが構造改善に関する一つのかぎになるのではないかということだけ一つ御指摘したい。
 それから後段の問題ですが、受益者負担と独立採算制についてどう考えているのかという御指摘ですが、私は、独立採算制及び受益者負担を前提として郵便事業は考えていくべきだ、こういうふうに考えております。
#18
○成相善十君 わかりました。いろいろ御指摘はございますが、現実の問題として赤字を処理しなきゃならぬという問題に直面いたしておりますので、もちろん言われるようなことは、これは郵政としても基本的な問題ですから、見直しをし、体質を改善し、合理化をしていくということはこれはもう当然前提として、われわれはその上に立った考え方でいま話を進めておるわけでございますから、よくわかりました。立場がよくわかりましたということでございますね。
 それから佐藤先生にちょっと伺いたいんですが、法定制緩和の財政法上の立法の精神、この立場からのいろいろお話がございましたが、どうもこれは見解が私どもと違うようでございますから、この議論はしないことにいたしまして、これは幾らいたしましても並行線であろうと思うわけです。ただ、郵便料金値上げは、先生のお立場で自分らの学会等に大きな影響を及ぼすのだ、学術会議の会費もこれから高くなるだろうというような身につまされたようなお話がございましたが、しかしそれは、であるからといって、それを郵便にその犠牲を強いるということは、ぼくはちょっと論理のすれ違いじゃないかと思うんです。それほど本当に貴重な学術の開発研究でございますから、それはその面で助成すべきことは助成をし、お助けすべきことはお助けを国の力ですべきであって、それを郵便が上がるから学術会議の研究等にも大きな障害が出る、こういう論理でこの郵便料金値上げけしからぬ、こう言われてはちょっと私どもも理解ができないということ。
 それから一般財源でこれをやれ、先生は、独立採算とかそういうものでなしに一般財源でやれる道が開かれているのじゃないか、したがって一般財源でやれ、こういう進め方でしたが、この一般財源については、私がとやかく申し上げるまでもなく、むしろ公平なる負担を受益者の方々に受けてもらうという立場からも適当でないということは十分に論じられておるところでございますので、この点についてもちょっと先生とはお立場が違うようでございますから論を進めませんが、ただ、その学術会議の点だけはちょっと気にかかりましたので、そういう方々が多くなりますとこれは始末がつかなくなると思うんです。そういう理解の仕方は恐らく舌足らずじゃなかったかと思うんですが、そういうことで一言。
#19
○公述人(佐藤昌一郎君) 私が申したのは一つの例として申し上げたわけです。たまたま具体的な問題なものですから、たとえば低所得者の諸団体等とあわせて私は申し上げたわけです。
 それで、一番の問題は、学会費が上がるというのは、個人で一定程度負担できる範囲であればそれほど大きな声を出して言わなくともいいわけですけれども、現実には国際交流を含めた学術交流にとって非常に大きな問題になるということを申し上げたわけです。それで、特にいま学会間で、研究者の立場から申し上げますと、複数の学会に入っておられる方が非常に多いわけです。それで、ほとんどが機関誌等々は郵送で行われているのが原則であります。したがって、たとえば月刊で機関誌を出しておられるところの場合は、これは値上げが十二倍になるわけでございます。この負担は、いま細かいデータは持ってきておりませんけれども、かなり大きいということを申し上げたいわけです。
 それから学会交流に関しても、特に先ほど私言い忘れたので一言追加さしていただきたいのですけれども、日本の場合は国際郵便が大変高いのです。それで、いまやまさしく国際化時代で、学会活動等々でも国際交流が非常に盛んであります。こういう場合に機関誌の交換に大変金がかかる。これは具体的にきょうデータを持ってこなかったのですけれども、たとえば郵便で申し上げますと、イギリスは去年とことしと二度郵便料金が上がりました。上がったけれども、国際郵便で、たとえば十グラムのもので日本から向こうに手紙を出しますと百四十円でございます。ところが、向こうからこちらに手紙を出しますと、郵政省がおとりになっている為替レートで計算をしても、値上がりしてもなおかつ九十一円八十八銭。去年の八月には七十円でございました。それから文献を送付する場合でも、イギリスからだと書物は五キロまでが約四割引きで船便ですと送れる。ところが、日本は二キロまでしか書籍扱いにしてもらえない。こういう問題が特殊な問題であるというふうにおっしゃらないで、国際交流をどういうふうに推し進めていくかという場合に非常に大きな障害になるということを申し上げておきたいと思います。
#20
○成相善十君 わかりました。
 時間ですから。
#21
○大森昭君 きょうは、大変お忙しいところありがとうございます。
 同じ話を聞いて成相先生と少し聞き方が違ったのじゃまずいわけでありますが、
   〔委員長退席、理事成相善十君着席〕
どうも積極的に賛成という方はおられないようでありまして、やむを得ないのじゃないか、ある程度は、というふうに私は聞いたわけでありますが、ずっとお話を聞いていますと、やっぱり問題点は、国の独占事業であるという視点をどうとらえるか、それから公共性と企業性の絡み合いをどう理解していくかというところで大分意見が違っているのじゃないかというふうに私は感じました。国の独占事業であるから財政法の立場に立ってという御意見が佐藤先生からお話がありましたし、多分、蛯名さんも公共性という立場でこの事業の運営を少し重く見てやるべきじゃないかというふうにも聞こえたわけであります。
 そこで、実は岡田先生にちょっとお伺いするのでありますが、確かにいま二千百億の赤字でありますから、幾ら国の事業であって公共性が高くても収支がとんとんでなきゃいけないということは私どももわかっているのであります。しかし問題は、二千百億の赤字がどうしてできたのかという問題が私ども最大の問題でありますし、それからまた、企業性を独立採算ということで言うならば、企業性を行う経営者、いわゆる郵政の偉い方々がどういうふうに企業として運営をしていくかという、いわゆる中長期にわたる計画を出してもらいたいということも国会の中で討論をいろいろしているわけでありますが、そういうことで、ある場面では公共性をうたいながら、ある点では企業性を求めているというところがどうも私どもは今回の法案に全面的に賛成ができないのであります。物件費も上がる、人件費も上がるという状態の中で多少値上がりすることもやむを得ないという気持ちは全くないわけじゃないのでありますけれども、それは殖栗さんの意見と私も余りそう変わらないのでありますが、問題は、上げ方の問題だとか経営の仕方の問題とかあるいは国の独占事業であるという立場だとかということなんです。
 そういう意味からいきますと、岡田先生のお話ですと、収支均衡を図るのだ、しかも郵政事業というのは独立採算制なんだからと言われましたけれども、この独立採算制も従来はいろいろ議論がありまして、先ほどちょっとお話もありましたけれども、三種、四種は政策料金だということが一般的に言われています。それは佐藤先生がたとえば学会の例を例として出されたのだと思うんですが、郵便事業というのは単に――この企業間の八〇%という内容も、これは厳密にいきますと全然違うんですね。一般会計から持ってきて企業に補助するのだというのは、私はその八〇%の理解がちょっと足りないのじゃないかというふうに思うのであります。たくさんの陳情の方が見えています。たとえば農協で食糧の需給を立てるのに、いろいろ品種改良をやるのに、経験談でこういうりっぱな研究開発をした人がいるというのを農業の実際に携わっている人に通信を出さなきゃいかぬ。きのうも見えましたけれども、いま盲人用のテープは無料なんです。ところが、盲人じゃないのでありますけれども、目が非常に悪くて少し大きな字で書いて、それでしかもそれに絵を添えまして雑誌を発行して、盲人の学校だとかあるいは図書館に配っているんですね。盲人用テープならこれは無料なんですけれども、同じ盲学校といってもそういう図書でありますからこれは一般のやつと同じだとか、ですから、いわゆる郵便というのを、単に一般的な企業間だけの営利を目的とするとか、あるいはダイレクトメールと同じような形で取り上げられないところにいろいろ問題が実は発生をしているのじゃないかと思うのであります。
   〔理事成相善十君退席、委員長着席〕
 そこで、独立採算制の問題は、実は四十六年にはっきりしたわけでありますが、独立採算でいまのような郵便事業がやむを得ないという立場で今回の法案も値上げもやむを得ないというふうに言われたのか、ちょっと私先ほど聞いたのでは、独立採算制におきましてはというふうに聞いておりましたので、本来独立採算制がいいのかどうかという点についてはどういうようにお考えでしょうか。
#22
○公述人(岡田博君) 国の独占事業というのをまずどう解釈するかということが一点だと思うのですけれども、やはり国民生活を維持向上させていくには財貨サービスの生産ということが必要である。そして、その財貨サービスの生産におきまして、やはり経済原則といいますか、財の希少性という根本の経済問題がありまして、やはりそれをいかに効率的に国民の福祉の増進に役立てるかという効率性の問題が一つあると思うのです。それにつきましては、いわゆる競争原理を適用して同じものならばより安く、同じコストからはより多くの生産をというのが効率の問題ですけれども、それを競争原理に立ちましてやればそれがうまくいくのじゃなかろうかということが自由主義経済、市場経済の根本的な思想であるわけです。
 ところが、その市場経済、競争原理になじまないものであって、しかもなおかつ国民の生活に必要であるという財貨サービスの分野があるかと思うのです。それは政府として、そういうものの十分な供給というものは政府の責任において行われなければならない。国の独占事業というものは、やはり自然独占といいますか、非常に巨大資本を要するとか、それから財貨サービスの性質等によりまして市場経済になじまないというものは、やはり何らかの形で政府の責任において生産される。私がやっております交通関係のものも、特に最近におきましては道路の発達、自動車の発達ということで鉄道と道路交通というものが非常に競合関係になってきて、その鉄道需要、交通需要というものが非常に弾力化してきた。郵便におきましても、電話の発達によってそれが弾力化してきている。
 そういう中において、独占とはいいましても伝統的に郵政事業は国の事業として最も古くから存在している事業であるわけなんですけれども、非常に弾力化してきて非常に問題が発生してきている。そういいましても、郵便というものは非常に信書の秘密とかそれから正確性とか、そういうものを保持しなければならないので、そういう点きわめて事業として大変な事業である。そして需要者が全国に散らばっているということで、やはり全国組織網を持たなくちゃならない。そういう点において需要が弾力化されたにもかかわらず、市場経済には向かない事業であろう。だから、やはり郵便事業は国家の管掌のもとに今後ともやっていかなければならない分野であると思われるわけです。そして、その点におきまして、じゃ政府の国家権力による統制管理というものはどういう面で必要かといいますと、やはり公正に行われているか、また経済効率の点ではどうかということが最大のポイントではなかろうか。そういう点で、その効率的問題を図るにおきまして独算制というものは非常にそれに適した制度ではなかろうかと思う次第であります。
#23
○大森昭君 どうも失礼しました。社会党の大森であります。
 安田さんには、大変健全な労使関係、職場の従業員の意見を十分吸収して明るい職場づくりというお話がありまして、最近、郵政の労使関係も関係者の御努力で多少よくなっているのでありますが、長い間非常に大変もめてきました。そこで、事業は人なりという言葉がありますが、とりわけ、先ほどからお話がありますように、労働集約型でありますからたくさんの人を雇っているのでありますが、労使でいろいろけんかをしたりいろんなことがあるわけでありますが、まず経営者はそういう場合にどういう立場で、組合が言うことを聞かないからだとか組合の役員はわけがわからないからおれたちはこうだと言うのじゃこれは民間企業だって成り立たないと思うんですけれども、経営者の心得というのを、郵政事業自体十分おわかりじゃないかと思うのでありますが、一言済みません。
 それから立ったついでで申しわけありませんが、殖栗さん、四十日間じゃ――今度は少しよかったけれども四十日間ですね、料金決定。予約だとかいろいろあって料金値上げするときは少し間が欲しいというお話がありましたけれども、その間というのは大体どのくらいかというのを言われておられませんので、実際に大口利用者で大変利用していただいてあれでありますが、その幅なんというのは大体、理想的といえば長ければ長い方がいいんでしょうけれども、どのくらいかというのと、審議会に出ておられるようでありますが、法定制緩和されようとされまいといまの審議会自身についても私どもはこの委員会の中でいろんな意見を言っているのでありますが、何か審議会について御感想がありましたら一言お願いしたいと思います。
#24
○公述人(殖栗文夫君) どのくらいの余裕を置いて実施をしたらいいかという問題です。これは欲には限りがありませんので、いつということは申し上げかねますけれども、大体六カ月ありますと、予告をしましても返事も返ってくるし、一応需要者の方でも納得をしてくれる。しかし、それ以下ですとなかなか返事もしてくれない。また、突然のことでは困るじゃないかというようなことがありまして、そこに問題があるということでございますので、全体として、われわれは企業としてやっております立場からいくと、郵便を利用さしていただく企業がついていける範囲、ついていきやすい方法を考えていただいたら、こういうことでございます。
 それから郵政審議会の構成でございますが、それは何も大口利用者だけの言葉を広くという意味ではもちろんありませんけれども、数字で見ましても八〇%からの郵便を利用しているものの代表というか、その言葉というか、その人たちの痛いかゆいということを反映する機会がほとんどないわけでありまして、これはもうちょっと改正していただいたらいいのじゃないか、こういうことでございます。
#25
○大森昭君 どうもありがとうございました。
#26
○公述人(安田義徳君) ただいま人間関係についての労使間の問題でございます。これは何も郵便事業にかかわっただけの問題じゃないのでございまして、広く各企業においてもこの問題は頭を痛めておるわけでございます。そこで、要はその話し合いというものの内容が一体どういうものであるか一口で話をしろということでございますが、要は協調できるものであるかできないか、話がかみ合えるのかかみ合えないのか、できるだけかみ合うようにお互いの立場に立って話し合うということが基本的な考え方と、かように存じております。
#27
○大森昭君 どうもありがとうございました。
#28
○白木義一郎君 公明党の白木でございます。
 最初に、殖栗先生にお尋ねをいたしますが、いまちょっとお話がございましたけれども、郵政審議会の特別委員を長年おやりになった上でいまかくあるべきであるという御意見を簡単にお述べになったわけですが、私どももこの審議会の内容についてほとんど知る機会がない、こういう現状でございます。
 今回のこの法案は、値上げ、赤字解消という問題と、もう一つは大変議論になっております法定制緩和という大きな問題を抱えておりますが、佐藤先生は法定制緩和とおっしゃいましたけれども、私はこれは廃止と言うべき問題であろうと思います。緩和、緩和と言いならされておりますので、つい一緒になって緩和、緩和なんて言ってきたんですけれども、緩和というのは、たとえば一種だけは値上げする、二種はいままでどおりというならばこれは緩和ですけれども、全部外しちゃうわけですから、しかもいつそれがもとへ戻されるかという期限が限定されておりません。ただ黒字になったら、あるいは黒字が見込まれるようになったらもとへ戻すのだ、それまでは郵政審議会の政府から任命され依頼されたごく少数の委員が今後の大事な料金を議論して結論を出す。こういうことでございますので、なおさらこの郵政審議会の存在というのは非常に問題になってくると思いますので、恐らく味方は少なく敵多しで孤軍奮闘された上でのもっと利用者の代表を入れるべきであるという御意見はもっともなことだと思いますが、なおほかに、御経験の上で、お差し支えがなかったら審議会というのはこんなけしからぬところもあるのだ、この点はぜひひとつ改むべきであるというようなことを、お差し支えない範囲で結構でございますので、お教えいただきたいと思います。
#29
○公述人(殖栗文夫君) 審議会の特別委員会に出ていまして感じますことは、やっぱりお顔なじみの方もできるわけです。そうすると、実際は私は一週間に二、三通手紙を出すか出さないかですよ、こう言う方もある。私どもは自分の関係の企業では月に百万通は出しているわけです。毎月それだけ出ているものと出ていないものとは痛さ、かゆさ、感じ方が違います。それをどうやって扱うかという細かないろいろな取り扱いがありますので、その取り扱いのことを考えると、やはりこれはそういうことの意見を述べなきゃいけないと思って委員会でも述べましたけれども、当局の方のある方から、殖栗さんね、あなた業者代表じゃないのだから余りそういうことを言っちゃいかぬよ、こうおっしゃる。それは御注意はありがたいけれども、メンバーをずっと見ていくと業者の代表というか利用者の代表と考えられる方の意見がほとんど出ないじゃないですか、それなら私は私の立場からこういう意見もありますよということを参考に申し上げなければここへお邪魔している価値がないじゃありませんか、そういう御返事を申し上げたわけです。私は規定では学識経験者しかなんとかなっていますけれども、それは確かにいいのですが、同時に、実際に毎日痛いかゆいを郵便で感じている人の代表の声を出すようにしていただいたら、こういうようなことを思うわけであります。
 あと別に何も秘密のことはないのですけれども、実際初めて委員会へ出てみますと、なかなか当局も苦心をなすって、また長年の積み上げで、郵政六法なんてこんな大きなのがありまして、ちょっと伺ってもそれは第何条何項だなんてやって、とても素人と専門家の戦争みたいなもので話にならないのです。あの辺はもうちょっと砕いてやっていただかないとできかねる、こう思います。
#30
○白木義一郎君 どうもありがとうございました。
 蛯名さんも審議会の改革という点にちょっとお触れになりましたけれども、何か審議会についての御意見おありでしょうか。
#31
○公述人(蛯名保彦君) それは先ほど申し上げましたように、審議の公開ということが一番大きな課題ではないか、こう思います。
#32
○白木義一郎君 ありがとうございました。
 岡田先生も審議会のたしか充実というような意味のことをおっしゃいましたけれども、やはりいま力の政治の方へどんどん行っていますから、結局これはわれわれいずれ最終的には見捨てられるわけです。そうしますと、郵便料金については国民の代表なんかもうこれは要らぬ、ごく一部の人でどんどんやっていくんだ、黒字にするともとに戻さなきゃならないとなると、またそこで頭のいい人がいっぱいおりますから、これいつになるかわからないわけですので、そこで法定制なんかやっているといつまでたっても赤字解消できない、大体野党がほかの法案と絡めてうだうだやっているうちに赤字がふえるばっかりだ、こんなめんどうくさいことやらないで外してというような、野党というのはひがみっぽいですから、そういうことじゃないかと思うので、今後の審議会のあり方が大変重要性を増すのじゃないか、こう思いましてお尋ねするわけです。
#33
○公述人(岡田博君) 非常に公共料金の中でも重要なものは、やはり国民の審判というものが必要かと思うのです。だけども、現実問題として審議で議論を闘わせるというのならいざ知らず、その審議そのものがおくれるということが非常に問題じゃなかろうか。そういうことを回避するために法定制の緩和も一時的にはやむを得ないのじゃなかろうか。そして料金問題というのは非常に料金計算その他非常に複雑、計算そのものもむずかしいということで、かなり専門的な知識を持たなければその料金水準、またその料金の公正かどうか、適正であるかどうかというようなことが判定できない。そういうようなために、やはりできるならば料金に明るい人を充実さしたところの料金審判機関というようなものを審議会に属させるか、そういうことも必要なのではなかろうかと思うわけです。
#34
○白木義一郎君 ありがとうございました。
 時間がございますれば、大口利用者の殖栗先生なんかに、われ郵政大臣なりせばというような立場で、このように企業努力をし、また経営という立場で利用者のサービスも十分含めてやるべきであると。先ほどもちょっと昔五種というのがあったように伺っておりますけれども、これらについても大変いろいろと前向きのお考えをお持ちであるように伺いましたのですが、その点ずばり言ってこういうところを改革すべきじゃないかという御意見がございましたら、一、二ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#35
○公述人(殖栗文夫君) 殖栗でございます。
 ただいま五種の話がございましたけれども、実際に取り扱い上便利であってそれほど手数のかからないというような郵便であれば、たとえば数が非常にそろっている、内容も同じであるというようなのは扱いが非常に楽なんです。それと一般の私信とはこれは区別してもいいじゃないか、その方が効率が上がるじゃないかというふうに考えるわけです。
 そのほか、たとえば郵便の料金を後払いする。それに対しては、その毎月使う料金の二倍の保証金を納めるということになっています。なるほど、それは当局の立場とすれば当然でありますけれども、十年も十五年も何ら差し支えなくやっている企業ではそれまでしなくてもいい。それは小さい、あした行ったら会社がないというふうなところで問題を起こすから防ぐための規定をつくったわけでありますから、それをいま大企業にも同じ形でやるということはまずいじゃないか。大企業ならそのぐらいの負担は何でもないじゃないかという考えもありましょうけれども、一方から、企業という立場からいけば、できるだけ大口でもって利用するものをさらにふやして、二割のものをふやすことに努力するよりは八割の方をふやすように努力した方が企業としてはうまくいくのじゃなかろうか、こういうふうに私は考えるわけです。
 方法としては、そのつもりで考えれば幾らも細かなことでありますけれども、方法はあろう。ものは、物の考え方、向き方だと思うのであります。
#36
○白木義一郎君 ありがとうございました。
 最後に、六人の公述人の方々にちょっとお考えを伺いたいんですが、時間もございませんので、賛成、不賛成だけ――賛成の方は手を挙げていただけば結構です。それは今回の値上げの中に第三種、四種も値上げになるわけですが、来年は身体障害者の年、こういうことになっております。恐らく身障者の方々を大いに激励し、将来に希望を持たせ、というようなさまざまな行事が行われるであろうやさきに、これらの人々のためにいわゆる政策料金としてきた三種の定期刊行物もお祝いに値上げをしようというその考え方、政策といいますか、お気の毒な方々の意義ある年に際して、政府、郵政当局は特に心を配って値上げをいたしましょう、こういうことはちょっと私は適当じゃない。このような問題のある特例を用いられるならば、この際、わずかな特例も政府、郵政当局は配慮すべきである。したがって、その部分だけですが、身体障害者の方々の年であるがゆえに、その方々の料金だけは少なくとも一年間は据え置く、こういう考え方に御賛成いただけるかどうか。御賛成の方は挙手をいただけば結構だと思いますが。
#37
○公述人(殖栗文夫君) 身体障害者問題だけに対してですか。
#38
○白木義一郎君 そうです。
#39
○委員長(福間知之君) じゃ、手だけ挙げる、立場どうこうというのもやりにくいことですから、本当のコメントで……。
 じゃ、安田公述人からずっと。
#40
○公述人(安田義徳君) いま身体障害者に対して賛成か不賛成かというお話でございますが、このことについて私自身まだ勉強しておりませんので、ちょっと意見を留保させていただきたいと思います。
#41
○白木義一郎君 身体障害者の年なんです。来年は一年間。身障者並びにそれを取り巻く方々が、その身障者の方々の将来に対して大きな希望と生きがいを与えていくような方向の年にしたい、そういうときにあえて一緒に――従来は政策料金として学生割引みたいにしてきたわけです。それも今回一緒に上げようという政策、政治に御賛成であるか、いやそういうことは特例として据え置いた方がいいのじゃないかという、どちらかの御意見を伺いたいと思って申し上げたわけですが。
#42
○公述人(佐藤昌一郎君) 他のものを全部切り離して、たとえば上がるのはほかのものはやむを得ないけれどもこれだけというものじゃなくて、完全に分離した上でのお話と承ってよろしいですか。
#43
○白木義一郎君 どうしても要するに上げると言っているわけです。最終的には。だったらお祝いに値上げをするか、皆さん一生懸命やってください、そのかわり特別に配慮――特例をもってそういう方々の料金は来年一年は据え置きますというくらいの政治あるいは政府に配慮があってしかるべきじゃないか、こういう私の考え方に御賛成いただけるか、いやそんな必要はない、みんな一緒にやってしまえ、やむを得ず賛成なんだからとおっしゃるかということをお尋ねいたいんです。
 賛成の方は、申しわけありませんが、挙手を願いたいんです。――ありがとうございました。
#44
○山中郁子君 公述人の皆さんには貴重な御意見を伺わせていただきまして、ありがとうございました。
 共産党の山中郁子でございます。三人の公述人の皆さんから重ねて二、三の点について御意見を承りたいと思っております。
 初めに、岡田先生にお尋ねをしたいんですけれども、先ほどの御意見の中で、法定制緩和の問題に触れられまして、議会における審議が重要であるという前提に立ちながらもいわゆる弾力性に欠けるというそういう立場から経営の健全な維持発展のためにこうした措置はやむを得ない、ないしは適切であるという趣旨の御発言だったと理解いたします。実は、これは委員会の中でもいろいろな角度から議論がされているところでございます。昨日も私もかなりな時間をかけてこれらの点について質疑もし議論もしたところなんですけれども、弾力性に欠ける、つまり硬直しがちであるとか、時間がかかるとか、私はむしろ国会の審議によって必要な時間もかけ、関係者の、つまり政府当局の思うとおりに早々とそのことが進まないようにするのがむしろ国民の立場に立った議会制民主主義の本質であろうと思っております。細かいことについてはよろしいんですけれども、弾力性に欠けるからなるべく早くそうしたことの手が打てるように国会の審議から外すということは、かなりその本質にかかわる問題として議会制民主主議の否定につながるものではないかというように思うんですけれどもその点に関しての御意見を伺わせてください。
#45
○公述人(岡田博君) 公企業でありまして、政府はそれを規制、監督している。そして料金そのものの水準が独占事業であるために適正かどうか。先ほど申しましたように、競争原理でありますならば、やはり放漫経営などは企業競争という立場から抹殺されていくのじゃなかろうか。そういう点で、独占事業ですと、歯どめというか経済性に対する監視は十分行われていると思うのですけれども、そのチェック機関に欠けるということがある。そして事業として行う場合、いかなる事業であってもコストがかかる。そして、そのコストは独算制で回収するのが企業性という点を重視するならば必要である。そして、その料金をいかに決めるかというのは企業戦略上非常に重要だということで、それは市場経済においてはそこで調整されていく。ところが、独占にありましては、やはり何かの形でそれをチェックする必要があろう。重要であるならば国会でやるということが一番望ましいことかと思われるのですけれども、やはり先ほど言いましたように、企業は企業性というものを重視するならば、その適正な料金かどうかを審査する必要がある、審査機関においてあくまでもそれを。値上げは国民にとって何らかの負担をさせるものだからなるべく延ばした方がいいという考えには反対です。事業を行っている以上コストがかかり、それをどこかで補てんしなければ事業は継続できない。そうすると、値上げをするかほかのところから補てんするか。ほかのところからの補てんということを考える場合、やはりそういうことが適切かどうかということを検討しなければならない。だから心情的には値上げということにはだれも反対であると思われますけれどもやはりそうだからといってそれを延ばすということがいいかどうか。国の事業の経営においてやはり適正な料金であるかどうかということを早く判定して、値上げすべきものは値上げするという方が正しい行き方じゃなかろうかと思う次第であります。
#46
○山中郁子君 恐縮ですが、もう一つ重ねてになるんですが、私は国会の審議ないしは国会の審議を外すということの違いが延ばすとか即決とかということが本質ではないと思っております。しかし理由が、時間がかかるから即決、なるべく早くやらなきゃいけないから、硬直性を排除しなきゃならないからという理由になっているので、そういう理屈から言うと、財政法三条にも明記されているそういういわゆる財政民主主義、議会制民主主義の否定につながらないかというそこの国会審議という問題ですね。料金をそこで法定するんだということが決められているにもかかわらず、それをやっていれば時間がかかるから早く有効にやらなきゃならぬのだというそういう動機ないしは理由でもってそれらのことが外されていけば、やはり国会で審議をするということが一つの重要な、一つの重要なというか、存在自身であります議会制民主主義ということに大きくかかわってくるのではないかということの見解をちょっと一言いただければと思っているわけなんですけれども、もしございましたら伺わせてください。
#47
○公述人(岡田博君) 先ほども申しましたように、公共料金、しかもその中の重要なものについてはやはり国民の審判が必要かと思われます。それで、それを行うところが国会であるから、国会の審議というものは非常に重要だと思っております。ところが、国会審議におきましてはいろいろな情勢が加味されてきまして、やはり法案におきましても軽重いろいろな法案が提出されたり、いろいろな情勢の中から審議そのものがおくれるということが私は非常に大きな問題ではなかろうか。だから、その審議をするならば、そういう事業にかかわることとか、そういうことに関してはほかの政治問題とは別に何らかの促進措置とか、そういうものが必要じゃなかろうか。なぜならば、事業はその審議のおくれによって、たとえば赤字の拡大というようなことは事業経営にとって非常に重要な問題である。それがひいては問題を大きくして、さらに値上げといっても、おくれればおくれるほど大幅な値上げをせざるを得ないというようなそういう悪結果を及ぼすのも、やはり審議の促進ということが私は問題で、何らかの形で審議はする必要があるというふうに感じておるわけです。
#48
○山中郁子君 ありがとうございました。
 殖栗公述人にお尋ねを一つだけしたいんですけれども、先ほどのお話の中で、ダイレクトメール協会の会長というお立場から、今回の値上げ、それからそうしたいわゆる値上げ問題が郵便離れを引き起こすというそういう懸念もあるという趣旨がございましたけれども、実際にお仕事をなすっていらっしゃるそのダイレクトメールの協会、業者の方たちの中でかなり顕著なそういう動向を把握していらっしゃるかどうか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#49
○公述人(殖栗文夫君) それはございます。たとえばダイレクトメールで品物を売りますが、その前に宣伝をしなきゃなりません。そうすると、郵便を利用して宣伝をするのはいけないという立場からもしあればそれは問題になりませんけれども、そうでなければ、やはり大きなパーセンテージのダイレクトメールというものは宣伝媒体として使われております。ところが、もし郵便が非常に上がればそろばんに合わないわけです。郵便で広告するよりは雑誌広告をしよう、あるいは新聞広告をしようというふうに、ついこの前の値上げの場合でも大分流れました。そして、商売ですからコストは全部計算してみてどちらが有利か。この前の場合にはいろいろ半年ばかりやってみましたけれども、結局郵便の方がコストが安い。それじゃ、また郵便を使おうかということでもとへ戻りました。そういうようなわけですから、業者がついていけない幅の値上げをされたらば、業者の方は黙っているかもしれませんけれども、どんどん離れていきまして利用しなくなる。ということは、郵便の収入がどんどん減っていくということになるという意味であります。
#50
○山中郁子君 ありがとうございました。
 佐藤先生にお伺いをいたしますが、財政法三条との関係で法定制緩和の問題についての御意見を承りました。実は、これは先ほども申し上げましたように、私も昨日かなり長時間にわたっていろいろ議論したんですけれども、その中で郵政省や郵政大臣が盛んに言われますことは、財政法の中の基づくというそこに根拠を求めて、基づくのだからということなんだから基づけばいいんだ。基づき方というのを、そのように郵便法の中で、一条のなるべく安く、そしてまた三条の収支相償、その辺のところに一つは郵便法の基づき方を求めた形でやればよろしいのだと言う。もっといろいろありますけれども、ごく大まかにいきまして。それからもう一つは、これは特例なんだ、これをこのまま恒久法としてするのではないのだから特別なんだから、こういうお話もあるわけです。
 それはそれ自体、二つの論は私は矛盾するところがあると思いますけれども、それはいま置くといたしまして、お伺いをしたいと思いますのは、先ほどもちょっと触れておられましたけれども、私は、基づくということであっても、全部法律の制定当時のさまざまな経過を明確にいたしまして、中身は確実に具体的な料金を決定する、法律で。そういうことは疑問の余地のないように明らかになっているんです。そういう場合に、現在も郵便料金はいろんな種類があるにもかかわらず一種と二種しかないわけです、法定になっているのが。その法定を、先ほども白木議員が言われましたように、その一種と二種も全部今度は外す。特例であるにしても、当面の措置であるにしても何にしても全部外すとなれば、全く一〇〇%財政法三条が空洞化するということになる。私は、その点はどうしても解せない、理屈としては成り立たないものだと思っておりますが、そこについて、ひとつ、もう一つ突っ込んだ御見解を伺いたいということが一つです。
 それから当分の間ということで恒久的な改正でないということが、財政法三条の法理論的な問題とかかわりがあるのかどうか。
 その二点、お聞かせをいただきたいと思います。
#51
○公述人(佐藤昌一郎君) 第一点ですけれども、これは先ほども申し上げましたように、法律に基づくということで従来やられてきた方法は、料金を全部基本的な、たとえば第一種は何円という、これは郵便法にも全部明記されていて、政府もそういう解釈でやられてきているわけですから、そういう方法がむしろ従来の財政法の第三条の法律に基づくという解釈の根本的な内容であるというふうに理解すべきであるというふうに私は思っております。これを基づくということで大枠だけ決めればそれでいいという考え方は、これは別個の新しいいわば法律を改正するような内容を持ってくる内容ではなかろうか。少なくとも従来の経過を全部追っていきますと、私もそれ以外に考えられないということなんです。
 それで、今度の法定制緩和のポイントになってきているのは、先ほど岡田公述人からも出ましたけれども、たとえば料金というのは非常に特殊な性格を持っていて専門的な知識がないとなかなか理解できないとか、それから審議をやっていると非常に時間がかかるとか、こういうのはいわば研究者の中でもしばしば言われていることなんです。ところが、その場合に民主主義の観点をどう発展させるかという観点に立つか、事業の安定という点に立つか、そこをどう調和させていくかという、こういう基本的な観点を抜いてしまえば、やっぱり財政は値上げをすれば安定をするのはわかり切っています。だけども、そのことから生ずる結果について全く責任を負わない。それで要するに、こういうことを言うと大変失礼なんですけれども、議員さんは専門家じゃないからそういう細かい議論はできないのだという議論にぼくはつながっていくだろうと思うのです。ですから、こういう考え方でやっていけば、あらゆるいわば経済関係に関する、たとえば財政問題にしても、そのほかの交通政策等々についても同じような論理が適用されていく、それで国会の審議がますます狭められていくという事態になる可能性があるということを私は大変心配をしておるわけです。たとえば事務局もあるわけですし、その場合に審議のやり方、それから政府のこの委員会への資料の提出の仕方、こういう問題を不問に付して一般論で議論は特殊専門家集団あるいは別途の機関にゆだねた方がいいという考え方は、私は民主主義の基本原理からいってとうてい納得いかないものだというふうに思っております。
 それから二番目の、特例だから、暫定措置として一定期間だけのものだから特別扱いにしてもいいじゃないかというふうに言われますと、たとえば財政法第三条に関する特例はもう三十年以上も続いているわけです。それで、一体、特例とか当分の間というのはいつも法律の解釈上問題になるわけですけれども、一定の期間限ったものだといっても、これは時限立法ではありませんし、いつ黒字になるかわからない。それから黒字になればもとに戻すという議論でこれを合理化しようとしますと大変無理が生じてくるというふうに思われます。ですから、これはやっぱり基本原理に立脚して、どう問題を前向きに処理していくかという観点に立たないと、やっぱり私は議会での審議権の放棄にもつながる大変危険な方法ではなかろうかというふうに思っております。
#52
○山中郁子君 ありがとうございました。
 終わります。
#53
○青島幸男君 第二院クラブの青島でございます。
 お忙しいところお運びいただきまして、貴重な御意見をありがとうございました。
 同僚委員からの質問に対する御丁寧な御答弁と、それから皆さん方のお話で十分にお立場と御意見は了解いたしました。今後の審議に十分参考にさしていただこう、こういうふうに肝に銘じておるわけでございます。
 ただ一点だけ、私、この際に自分の立場を明確にしておくことが皆さん方に対する儀礼だと思いまして、そのことだけ申し上げますけれども、くどくなりますので避けますけれども、私は基本的には佐藤公述人がおっしゃっておられた御意見に同感でございまして、その趣旨でこの審議を闘っていきたい、こういうふうに承知しているものでございまして、その点御理解いただきたいと思います。
 本日は、どうもありがとうございました。質問は省かしていただきます。
#54
○委員長(福間知之君) 以上で公述人に対する質疑を終わります。
 公述人の方々に一言御礼を申し上げます。
 公述人の皆様には、長時間にわたりまして大変有益な御意見をちょうだいいただきましたこと、まことにありがとうございました。
 つきましては、本日、委員の出席が思わしくなく、出入りもまた多かったのでございますが、これは本日、常任そして特別各委員会が同時に開催をされたためでございまして、何とぞ御了承賜りたく存じます。
 公述人の皆様にはお引き取りをいただいて結構でございます。どうもありがとうございました。
 これをもって公聴会を散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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