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1980/10/21 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第1号
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1980/10/21 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第1号

#1
第093回国会 逓信委員会 第1号
昭和五十五年十月二十一日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         福間 知之君
    理 事         長田 裕二君
    理 事         成相 善十君
    理 事         長谷川 信君
    理 事         大森  昭君
                岩崎 純三君
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                小谷  守君
                八百板 正君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     藤田  進君
 十月十七日
    辞任         補欠選任
     藤田  進君     小谷  守君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
    小谷  守君      大木 正吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                大森  昭君
    委 員
                岩崎 純三君
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                大木 正吾君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   渡辺 紘三君
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政大臣官房経
       理部長      澤田 茂生君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
       郵政省簡易保険
       局長       小山 森也君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
       郵政省電波監理
       局長       田中眞三郎君
       郵政省人事局長  岡野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   説明員
       行政管理庁行政
       監察局監察審議
       官        竹村  晟君
       法務省刑事局公
       安課長      川崎 謙輔君
       大蔵省主計局主
       計官       伊藤 博行君
       会計検査院第五
       局審議官     中村  清君
       日本電信電話公
       社総裁      秋草 篤二君
       日本電信電話公
       社総務理事    長田 武彦君
       日本電信電話公
       社総務理事    山口 開生君
       日本電信電話公
       社総務理事    小澤 春雄君
       日本電信電話公
       社厚生局長    澤田 道夫君
       日本電信電話公
       社営業局長    西井  昭君
       日本電信電話公
       社業務管理局長  稲見  保君
       日本電信電話公
       社保全局長    菊地信一郎君
       日本電信電話公
       社経理局長    岩下  健君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (日本電信電話公社の機材調達問題に関する
 件)
 (日中海底ケーブルの切断事故対策に関する
 件)
 (電子交換機の事故対策に関する件)
 (日本電信電話公社の納付金問題に関する件)
 (郵政職員に対する仲裁裁定の実施に関する
 件)
 (新種個人任意年金の創設問題に関する件)
 (グリーンカード制度に関連する郵便貯金論争
 に関する件)
 (ペイ・テレビに関する件)
 (テレビの受信障害対策に関する件)
 (放送衛星開発に関する件)
 (盗聴器事件に関する件)
 (日本電信電話公社の管理者教育問題に関する
 件)
 (日本電信電話公社近畿電気通信局のカラ出張
 問題に関する件)
 (キャッチ・ホンに関する件)
 (音声多重放送に関する件)
 (NHK受信料義務化に関する件)
 (FM放送の免許に関する件)
 (郵便貯金の金利の引下げに関する件)
○派遣委員の報告に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(福間知之君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(福間知之君) この際、山内郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山内郵政大臣。
#7
○国務大臣(山内一郎君) 逓信委員会の皆様には、平素から郵政省所管業務の適切な運営につきまして、格別の御尽力をいただき、厚くお礼を申し上げます。
 私は、就任以来約三カ月を経た今日、郵政行政が国民の日常生活にきわめて密着したものであることを改めて認識し、かつ責任の重大さを痛感しているところであります。
 まず、郵政行政にとっては、何よりも綱紀の厳格な保持と行政の厳正忠実な執行が肝要であり、これが国民の信頼を確保していくゆえんのものであることを銘記して努力してまいりたいと存じております。
 今後の郵政行政の運営に当たりましては、情報手段の高度化、多様化、高齢化社会の急速な到来など、社会経済の進展を見きわめながら、サービスの改善向上に努めるとともに、業務の合理化、効率化をさらに推進し、各種の需要に対応することによって、国民の福祉の増進に寄与してまいりたいと考えております。
 なお、郵政事業は、三十一万余の職員を擁し、人手に依存する度合いの高い事業でありますので、業務の円滑な運営を図るために、明るく活力に満ちた職場をつくるとともに、安定した労使関係の確立にもさらに努力してまいる所存であります。
 この機会に、当面する主要な問題について申し述べさせていただきます。
 まず、郵便事業につきましては、現在、業務運行はおおむね順調でありまして、来るべき年末年始におきましても、年賀郵便物の配達など正常な運行を確保し、国民の期待にこたえたいと存じます。
 さて、現在、郵便事業の緊急の課題として郵便法等の一部を改正する法律案を国会に提出し、ただいま衆議院逓信委員会において御審議をいただいているところでありますが、当委員会の御審議をいただく運びとなりました際は、仲裁裁定の早期実施を図るためにも、本法律案の速やかな成立を必要とするものでありますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、為替貯金事業につきましては、今後とも国民の健全な資産の形成に積極的に寄与していく所存でありますが、そのための施策として郵便貯金の一般の総額制限額及び貸付限度額の引き上げ並びに高年層の郵便貯金について別枠を設けるいわゆるシルバー貯金の実現等に努力したいと考えております。
 なお、郵便貯金の限度額管理につきましては、郵政省の責任において従来からその遵守に努めてきたところであります。今後とも一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、簡易保険・郵便年金事業につきましては、今後とも簡易保険の普及に努めるとともに、郵便年金につきましては、来るべき高齢化社会において国民がゆとりある老後生活を送るために、各人の自助努力を促して実らせる施策として、改善充実を図りたいと考えておりますので、一層の御理解と御協力をお願いいたします。
 次に、電気通信行政につきましては、過般の通常国会において成立いたしました郵政省設置法の一部を改正する法律に基づき、去る七月一日新たに電気通信政策局が発足いたしましたが、これを機会に、ますます多様化が進む国民の電気通信需要に対処し、電気通信行政の一層の充実に努めてまいる所存であります。
 また、国際電信電話株式会社の運営の適正を図るため、今国会に関係法律案を提出いたしましたので、よろしくお願いを申し上げます。
 最後に、電波放送行政につきましては、宇宙通信、テレビジョンの音声多重放送など、多様化、高度化する国民の情報需要の動向と国際的動向とに即応するとともに、今後もさらに増大する利用に対処し、適時適切な電波行政を推進してまいる所存であります。
 また、放送大学学園につきましては、文部省とともにその実現に努力してまいりましたが、今国会におきましても、関係法律案を提出いたしましたので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上、簡単に当面の主要問題について申し述べましたが、郵政省所管業務の円滑な運営のため、委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(福間知之君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○大木正吾君 けさほどのテレビにも少し大来さんのことが出ていましたが、最初に、日米の電電調達問題につきましてお伺いいたしますが、三段階方式その他その後も大分アメリカ側に妥協したというような言い方失礼ですけれども、そういう感じがするのでございますが、これ以上内容的な面でアメリカの要求にさらに接近をさせるといいましょうか、妥協していく、こういうお気持ちがあるかないか、これは大臣なり総裁から伺っておきたいんですが。
#10
○国務大臣(山内一郎君) 私が就任をいたしましていろいろな問題にぶつかったのでございますけれども、アメリカとの電電公社の資材調達問題、これも大きな問題の一つであるわけでございます。
 昨年、牛場・ストラウス会談が共同発表いたしまして以来ほとんど進まなかったので何とか私としても打開をしてまいりたい、こういうことで電電公社によく調査研究をしてもらいまして、いわゆる三段階方式を提案して一般公開に譲られるものがあれば譲る、いわゆる中枢部、心臓部というものはこれは一般公開に譲るわけにはいかない、また一般公開になじむべきものではない、こういう見解で大来さんが政府代表になってからあちらのアスキュー氏と数度にわたって交渉をいま続けている段階でございます。したがって、この線は堅持をしながら、大来さんもいろいろ電気の方もお詳しいようでございますのでよくアスキュー氏と詰めてもらいたい、こういうお願いをしております。アメリカの方についても、いわゆる一般公開入札をいわゆる一般公開入札ではなくて弾力的にも考えているのだというような表現も使っているそうでございますが、その実態はまだよくわかっておりません。いまのところはそういう状況でございますので、いま大木先生の言われたようにどんどんどんどん譲っていって何でもいいから妥協しようというような気持ちは全然ございません。最後の中枢部の線については確固たる決意でやっている状況でございます。
#11
○大木正吾君 これは認識の問題でございますが、大臣の御決意を伺って一定の安心感もございますが、あさってですか、アスキューさん来られる模様ですが、恐らく大統領選挙との関係等もございましょうから、その後まで話は持ち越されるんじゃないか、こういう感じもいたします。これはお答えがなくても結構ですけれども、自動車あるいは家電関係、さらにはたばこなど――たばこは別でしょうけれども、相当、八〇年代の基幹産業問題についての日米貿易摩擦という言葉で報道されたり話はされていますけれども、最近の各国の国益といいましょうか、そういったいわば国益主義がわりあいに強まっているということを考えたとき、航空関係、宇宙関係、すべてアメリカあるいは大きなECグループ等に独占されている傾向もございますから、やはり日本の今後の産業の分野ということも含めて、ぜひいま大臣のおっしゃったお気持ちをしっかり押さえておいてもらいたい。やはり一つは、私が前に申し上げたんですが、アメリカの機材が、ことしは雨が多いんですけれども、こういった湿気の強い国にすぐに適合するかどうかということもございましょうし、そういったことが起きますと地震や災害等の際にはこれはすぐに間に合わぬということも出てくるし、故障度合いもふえてきましょうし、いま世界の各国がねらっているのはやっぱり八〇年代の、貿易摩擦もありましょうが、貿易戦争、きな臭いイラン・イラクとは違いますけれども、そういう感じで私たちは物を見ていますから、ぜひおっしゃった御決意を総裁ともどもにお持ちいただきまして、一月からですか、もう大統領選挙をはさみましてもそう日にちはございませんから、大来さんにもお願いしなきゃなりませんけれども、しっかりひとつ当局として対処してもらいたい、このことをお願い申し上げておきます。
 さて、続きまして、最近起きております幾つかの事故なり故障関係の問題についてまとめて伺いますが、一つは海底線のことが切断四回ということでなぞの障害電波ということが出ているわけですけれども、これについて御調査なりされていると思いますけれども、この種のことがこの後も続くのか、あるいは調査結果が、原因等がわかっておられるのか、あるいは対処策をどう考えるか。これは政策局長の方の御担当かと思うんですけれども、政策局長の方に伺っておきます。
 それから続けて、まとまって幾つか出ていますが、この元町電話局ですね、これは電電公社が誇る新鋭の電子交換機の故障でございますから、わりあいに機械が素朴なときには故障も影響も小さい、個人とかエリアの小さい部分で済むんだけれども、新しい機械が新鋭化してくるに従いまして広範なブロックに故障が広がったり被害が大きいわけですから、元町電話局の電子交換機の故障問題についての対処、調査なり対応策、これは電電公社の関係局長の方からのお答えをちょうだいいたしたい。これが二つ目です。
 それから三つ目に、これも電電公社ですが、最近の報道ですと、公衆ファクス問題につきまして、これは郵政省の仕事とのダブりの関係等も記事の一部にありますが、郵政省が許可されましたのは七月八日、その後のどうも進捗度合いが余り芳しくない、こういう報道がございますが、これがやっぱり事実かどうか当局に事務的には確かめてないのでございますけれども、一応関連いたしましてこのことを第三点の問題としてまとめて伺っておきます。
 関係者のお答えをちょうだいしたいんです。
#12
○政府委員(守住有信君) 第一のお尋ねは、日中の海底ケーブルの切断が頻発しておる、それに関連してのお尋ねだと思うわけでありますが、御承知のとおり、わが国と中華人民共和国との間には、日中海底ケーブルというものとインテルサットの太平洋衛星を利用しての衛星通信、両方でやっておるわけでございますが、そのうちの海底ケーブルにつきまして本年に入ってから都合四回障害事故が発生しております。申し上げますと、一月の二十二日、五月の十六日、九月の二十四日、九月の二十九日でございます。
 まず、今般の障害事故の復旧の問題につきましては、中国側の方からの要請がございまして日本側の方で実施するということで、台風がございましたけれども、十月の十七日KDD丸が長崎港を出港して現地に赴きまして修理作業にいま入ったところということでございます。
 また、この事故原因の究明につきましては、現在、専門家にケーブルを引き揚げた場合のケーブルの損傷部の科学的調査というものを依頼するということにいたしております。しかし、このような障害が非常にたび重なって発生しておりますことは、日中間の通信権益と申しますか、そういう日中間の通信交流にも非常に重大な影響を来すという認識を持っておりまして、単に早期復旧の面だけではなくて、その再発防止対策とか事故原因の究明の調査につきましてKDDに指示しておりましたり、私どもも海上保安庁に緊急連絡ルート等につきましての依頼を申し上げておるところでございます。
 なお、現在、上海の方で総合的な今後の事故防止対策という見地から日中間で打ち合わせをするということで、KDDの責任者のほか私どもからも政府職員を一名派遣しておりますし、中国側も上海市の郵電管理部だけでなくて北京の郵電部の方からも二名派遣して、今後の問題につきまして総合的な見地から日中両国でこれの原因の究明と予防策を講じよう、こういうことで打ち合わせに入っておる次第でございます。
 したがいまして、その原因につきましてまだどうだこうだということはなかなか言えないわけでございまして、いろんな可能性を踏まえて日中間でその対策を講じていきたいと考えておる次第でございます。
#13
○説明員(菊地信一郎君) 神戸元町の電話局の事故の内容と、それから今後の対策につきましてお答えいたします。
 十月三日の夕刻でございますが、神戸元町の電話局の電子交換機が不通になりまして、一万九千八百のお客さんが約八時間半にわたりまして通話が不通になったということで、利用者の方々に大変御迷惑をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げます。
 事故の内容につきましてちょっと申し上げますと、電子交換機は装置の本体でありますいわゆるハードウエアというものがございます。それからそれを動かしますプログラム、いわゆるソフトウエアというものがございまして、この二つで運転されておるわけでございますが、今回の障害はたまたまこの両方にちょっと問題があったという、最近にないまれに起こった障害ということでございます。引き金になりましたのはハードウエアの障害であることは間違いないのでございますが、通常、電子交換機はこういう場合には大事な装置の部分は二重化されておりまして、ある装置が障害を起こしますと他の健全な方向へ自動的に切りかえられ、そのまま正常なサービスができる、こういう設計になっております。ところが、今回の場合正常な方に切りかえるためのプログラムそのものに実は申しわけないミスがございまして、そのために予想もつかない個所に障害があったということで、実は長引いてしまったということでございます。
 今後の対策といたしましては、申し上げるまでもございませんが、先生のお話にありましたように、電気通信サービスというものは社会経済活動の中枢神経ともいうべき大事な役割りを担わしていただいている、こういう認識に立っているわけでございまして、従来からシステムの安定化ということに努めてまいったわけでありますが、今回の事故を真剣に受けとめまして、原因の調査もいろいろ進みましてはっきりしておりますので、問題点は何か、打つべき手は何かということにつきましていろんな対策を早急に打ってまいりたい、要するにシステムの信頼性を一層高めてまいりたい、こう思います。また同時に、異常が発生したという場合にはこれを早く回復させるための措置、これも並行して進めてまいりたい、こう思っております。
 以上でございます。
#14
○大木正吾君 答弁が一つ残っていますけれども、公衆ファクス問題について今後の展望なりあるいはどうなるかということ等、これを答えてください。
 それから守住さんにちょっと念を押しておきますが、漁船が引っかけて起きた切断事故ならば、まだこれは偶然と言えるんですが、四回も……。新聞の地図ですと、何かちょっと似た個所が三カ所ございますわね。そうなってくると、外務省等と連携も必要かもしれませんが、意図的にやったということなどが出てきますと、この種のことがこれからもケーブル問題について続く心配ございますから、そういう点、郵政省だけではなしに外務省等とも十分連絡をとられて原因をはっきりさしていただいて、外交ルートなども必要ならばやっぱり通じて、そしてないようにしておかないと、頻繁に起きてもまずいんじゃないか。漁船なんかの問題ですとこれは大体わかるんですが、相当これはケーブルが深く入っていますから漁船が引っかけたということじゃなかろう、こういう感じもするので、その点、念のために申し上げておきたい。
 それから電電の方のは原因がわかったということですから、ぜひそういったことで……。要するに事故が起きますと影響が大きいといいましょうか、加入者に対する数、昔だったら大体そのブロック二、三十軒とかあるいは一軒の家とかで済んだわけでしょうが、局の中の機械装置ですから影響の大きくなることは当然なんですけれども、新しい機械を使えば使うほど事故になった場合には大きいわけですから、幸い本当に原因がわかっているならばあらゆる方法を講じて、そして絶対に再発なりあるいは万が一障害が起きたときこんなに長い時間にわたって結果的に電話の通話が不通になることがないようにしておかなくちゃいけないだろう。電電公社のこれはやっぱり信用問題に大きく関係してきますから、そうした点、十分に御注意願っておきたいと思います。
 ファクシミリ問題については、これは答え――だれか来ていないんですか。余り大したことないから答えなくてもいいということですか。私は電電のサービス全体に絡むから聞いているわけです。八月二十一日の朝日新聞の記事、郵政省が七月八日に許可している問題です。もし、いなければ、まだ時間残っているから後で呼んでひとつお願いいたします。
#15
○説明員(秋草篤二君) はい。
#16
○大木正吾君 問題を残しまして、次の質問に入らしていただきますが、大蔵省、本当は大臣にでも来てもらいたいと思っているんですけれども、財政問題に絡んで大分最近電電公社さん――公社さん御自身ももうかっているという認識なのかという感じもいたしますが、公債関係のこと等いろいろ考えてきますと、問題も相当多いように思うんですけれども、これに絡んで、まず最初に、行管庁、大蔵省等に少し聞いてみたいと思うんですけれども、一つ、電電公社の発足当時の記録、私手元に写して持ってきております。この中に、新谷先生、大先輩の御発言も載っているわけですが、とにかく公社法六十一条にあります納付金制度、これは当初原案にあったものが衆議院で若干緩められ、さらに参議院の方であれしまして、最終的には成立の過程でなくなっているわけです。環境の違いはわかるわけですよ、あの当時は電話が恐らく二百万加入ぐらいしかなかったかもしれませんから。しかし、やっぱり制度として国庫納付金を削って積立金として、その積立金は建設勘定に回したりあるいはそれ以外に使うときについて相当厳しいこれは予算拘束があるわけですね。ですから、大蔵省、行管庁、特に行管庁なんかは三十五年にたしかできたんじゃないかと思うんだけれども、そういった経緯を調べて中曽根さんはああいったことをしゃべったのかどうなのか。電電公社設立当時の経過について、まず大蔵省と行管庁の見解を、だれが来ているか知らぬけれども、ひとつ聞かしてくれませんか、御承知かどうかということを。
#17
○説明員(竹村晟君) いまの御質問に直接お答えする前に、現在の行政管理庁における事務の進行状況について御説明しておきたいと思いますが、先月の十二日に閣議におきまして中曽根行政管理庁長官が、行革に関しまして八項目にわたる基本方針を述べておられます。
 この中で特殊法人につきましては、「経営の実態を見直し、赤字国債の縮減に資するよう、国の歳入増加を図るための所要の措置を推進する。」ということになっております。この方針に基づきまして、行政管理庁といたしましては、現在、電電公社を含めまして全特殊法人を対象に調査を進めておる段階でございます。
 具体的には、財務諸表とか政府からの出資状況あるいは事業の概況、こういったことの資料の整理分析を進めておる段階でございまして、個別のものに問題をしぼってという状況にはございません。
 それで、御質問の納付金に関する取り扱いの経緯でございますけれども、ただいまもありましたように、公社法の六十一条に利益金及び損失の処理について規定があるわけでございますが、私どもといたしましても、政府原案が国会の修正で現在のようになっているということについては承知しております。ただ、どういう詳細な議論を経てこのような修正になったか、その辺についてはまだ十分の勉強をしておりません。
#18
○大木正吾君 あなた、勉強をしていないと言うけれども、調べに入るからにはやっぱりそういったことを、ぼくら忙しい中でも、質問するからにはやっぱり相当程度勉強を、勉強というか何かわからぬが、調べて出てくるわけなんです。だから、そういったことを調べずに、百十一ある特殊法人、いま、あなたの答えの中でもちょっとぼくらがおかしく思うのは、新聞報道は本当かどうかわからぬけれども、一応百十一特殊法人を対象にしてはいるけれども、とりあえず二十一法人についてしぼっているんじゃないの。同時に、その中でもって、三公社の中で電電公社――電電公社は国民のものだからね。それと極端な例が中央競馬会、ギャンブルのセンター。二十一法人にしぼった理由をちょっと答えてください。
#19
○説明員(竹村晟君) 新聞報道に出たことは事実でございますが、われわれの現在の事務の進捗状況を申しますと、特定の法人をしぼりまして、たとえば具体的な措置内容を検討するとか、あるいはどういう法人にしぼって具体的な措置をとるか、こういったものについてまだ整理を済ませておりません。
#20
○大木正吾君 そこのところは内閣委員会の方と整合しながら、いずれ中曽根長官に聞かにゃならぬことになるでしょうから残しまして、電電公社に対する国の出資率、これは大蔵省でも結構ですけれども、それと似たようなというか、特殊法人を主として挙げるんですが、日本航空、これに対する国の出資率、中央競馬会に対する国の出資率、あわせていわば配当を、株式会社などがよくやりますが、配当等についての制度があったり納付金という制度があったりなかったり、要するに資本を出した率、これは国民の税金から出ているんだからね。そこのところと、それから納付金制度があるところとないところ、同時に、民間会社みたいな形でもって配当があるところ、ないところ、そういったことを少し、三つだけ私ちょっと例として抜き出しましたので、説明してくれませんか。
#21
○説明員(伊藤博行君) お答え申し上げます。
 先生お挙げになりました法人で、まず電電公社につきましては政府出資百八十八億、政府の持ち分率は一〇〇%でございます。それから日本航空は六百二十六億円ございますが、そのうちの政府出資は二百五十三億円。それから中央競馬会、これはございません。
 挙げられました法人、以上でございましょうか。
#22
○大木正吾君 三つだよ。あと配当。
#23
○説明員(伊藤博行君) 配当は、電電公社につきましては、いま御案内のように配当規定等ございません。それから中央競馬会につきましては一定の比率での納付金規定はございます。それは二つに分かれてございまして、勝ち馬券から一定割合を引いたものの一〇%と、それから利益金の五〇%という規定になっております。それから日本航空につきましては、これも配当規定はございますが、一定率までは政府に対する配当を劣後の状況に置いております。
#24
○大木正吾君 十条だよ。
#25
○説明員(伊藤博行君) 具体的な率につきましては、ちょっといま資料が手元にないんですが、八%になるまでは劣後になっておるという状況になっておったかと承知しております。
#26
○大木正吾君 その辺の議論は、また二月か三月かにやることがないように望みたいんだけれども、やらざるを得ないということが起きるかもしれませんので、よく調べておいてもらいたい。
 そこで、この種の、要するに特殊法人百十一ありましても、いわば逓信委員会でもって非常に厳密な議論をしまして、そして新谷先生とか、衆議院で橋本先生等が大分苦労されてきた経過もあるわけですし、一字一句国会の審議になる法人と、この委員会では、最近の例ですと宇宙機構の問題、これは郵政大臣が御認可になってできる法人ですからそんなに厳しい議論はしなくてもいいわけですよ。ですから、百十一あるけれども、要するにこういった国会ががんじがらめにしている、予算的にも法律的にもしているところと、そうじゃないところがあるわけです。しかも中にはいまの日本航空みたいに国の出資が電電よりも多いのにかかわらず、配当の率が八%とか、一二か一〇か、いずれこれまた実行したらわかりますけれども、そういったことが何か、これは私やっぱり新聞記事というものはよく玩味しなければならぬと思うけれども、特徴的なことを書くことは新聞のこれは仕事でしようがないんですが、電電と競馬会を一緒にして、国民の金でもってサービスを国民のために一生懸命やっている、しかもがんじがらめ予算のところとギャンブルの総元締めを一緒にして、そしてそれからいわば少し金が余っておれば取り上げることを考えたい、そういったことが私たちにとれば、私も電通のかつての出身だから電電びいきの話をしたくないからはっきり申し上げたいことは、労働組合に関することはきょうは言うつもりはないんですよ。要するに国の制度としてこういったような特徴的なことを挙げてみましたけれども、そういうふうにしたときに、これは大蔵省に主として聞きたいんですけれども、仮に行管庁が中曽根さんの顔を立てるためにがんばって、そして電電公社に手を入れて、国民の金として返すべき債券の償還とかあるいは新しい技術の取りかえとか、そういったことをドロップしてまででもどうしてもやろうというような場合には、電電公社法の改正、いわゆるとあえて言いますが、いわゆる納付金と言おうと何と言おうと、電電公社法の改正ということが必要になるかどうか、そこのところを聞きたいんです。
#27
○説明員(伊藤博行君) 納付金という議論でいろいろお話ございます。私どもの現段階での財政当局といいますか、大蔵省での議論の状況というのを申し上げますと、御案内のように、財政の現状は大変厳しい状況になっております。御案内のとおりの約三分の一を公債に依存する、その半分は赤字公債であるというような状況のもとで財政再建を何としても早くやっていきたい、それを放置したままでは国民経済あるいは国民生活に大変な影響を及ぼすのではなかろうかということで、大蔵省一丸あるいは大蔵省だけではなくて政府各部門にも、含めまして財政再建についての御協力をお願いしておる状況でございます。財政再建をやるということは、言葉では簡単でございますけれども、やはり歳入歳出のあらゆる面にわたっての検討ということがどうしても必要になってまいります。その意味で電電公社に対しても何らかの御協力をお願いできないだろうかということも含めて今後検討していかなければならないのじゃないかというふうな認識でおります。
 ただ、具体的にどういう形がいいのかどうかという点は、現段階まだ成案を得ているわけじゃございませんので、今後の検討課題になろうかと思いますけれども、いま先生お話しのように、仮にの仮定の話でございますが、もしそういったたぐいのものを設けるということになれば、当然何らかの法律改正が要るのではなかろうかというふうに思います。
#28
○大木正吾君 山内大臣の予算委員長のときに私もずいぶん竹下さんとやり合ったから、国の財政のことをあなたから一々説明を聞かぬでもわかるんだけれども、ただ、起きた原因のことについて、いまさら私もここでもって時間がないから言うつもりはありませんけれども、みそもくそも一緒にして――電電のこの法律改正わかりました。それは法律改正必要でしょう。同時に、もしもそういったことをやるならば、結果的に響くところは、やっぱり国民に対する債券の償還というものを延ばして減額するのか、あるいは古い機械というものを新しく切りかえるやつを延ばしていくのか、償却年限を延ばすのかということの方法論しかないはずなんだ。だから、そういう点については、やっぱりみそもくそも一緒にして、何かごっそり、どこか余っているらしいから集めて持っていって埋めればといったって、そんな一時しのぎのことは、あなた方大蔵官僚というのは偉いんだから、頭がいいんだから、もっとシステムとして考えて――民社党の大内君が予算委員会でやったでしょう。私はあの議論に近いんだけれども、何も五十九年に全部の赤字公債というものをなくさなきゃならぬという理屈はない、日本の貯蓄性向の高さから比べていけば。
 同時に、あなたの御認識でもって、いま半分ぐらいが特例公債だとごまかしたことを言っているが、言葉遣いに気をつけなさい、あなた。七十二億の中でもって特例公債は幾らあるの。四十何億が建設国債じゃないの。半分半分じゃないだろう。だから、そういったことを逓信委員会だからといってごまかして話をしては困るんだよ、これははっきりと記録に残るんだから。
 そういう点十分注意してもらいたいし、私言いたいことは、要するに法律改正ということが出てくれば、この委員会では相当内容を吟味した、条項は少なくとも相当に経営形態まで洗った吟味が必要になってくるから、そういうところを十分に注意しながら、主計局なりあるいは主税局、大蔵省全体としても検討しておいてもらいたいわけです。いずれ、これはまた次の通常国会等でもってやることになるかもしれませんが、そのことを申し上げておきたいわけです。
 さて、ちょっと問題は違ってきて申しわけないんですが、いまの二つのことに関連いたしまして、これは守住さんに聞きたいんですが、最近つくられました電気通信政策懇談会でございますけれども、たしか前国会の附帯決議か何かの延長で御実行になった、こういうふうに考えますが、この中でもって幾つか技術面の新しいタイプのこともたくさん書いてございますが、特に伺いたいことは、電電のこの経営形態、これについて、メンバーを見ていきますと相当民間人も多いですからいろんな形の議論が出るかと思うし、懇談会ですから余り――いろんな委員会たくさんありますけれども、私、懇談会というものが一番いいと思っているんです、ユニークに何でもできますから。ですから、この中でもって誘導される郵政省御自身は、電電公社の経営のあり方、第三セクターの中に入っていいと思いますけれども、こういったものについて議論を深めるというお気持ちがあるかどうか、担当局長としての見解を聞いておきたいんですが。
#29
○政府委員(守住有信君) 先生御指摘のように、おかげさまで七月一日から電気通信政策局ができたわけでございますけれども、やはり行政の原点と申しますか、その姿勢につきましても、私ども、官庁あるいは通信事業体だけで物事を議論していくということでなくて、広く各界各層の有識者の方々の御意見というものをいろいろ承りながら行政を進めていかなければならぬ、こう考えておる次第でございまして、その点につきましても、内閣委員会の方で附帯決議が出ておる。それを踏まえまして、また電電公社自身も、例の二大目標が達成しましたけれども、今後に向かった多様化、高度化の電気通信社会の建設と申しますか、そういうものに向かっていろんな課題がある、こう考えておる次第でございます。したがいまして、私どもの課題意識だけでなくて、広く各界の方々の展望を踏まえた課題というものを御議論いただきまして、また、その中で私ども六つぐらいのグループというふうに考えております。
 電気通信の世界は、非常に一方では高度な専門的な方々の御意見も必要でございます。一方では各界の大局観というものも必要でございます。したがいまして、そこに専門委員会というものを下に置きますし、分科会も設けまして、六つの分科会ということでいろいろ議論したものを懇談会の方に上げていって広い角度で御議論をいただく、こういう方式を考えておる次第でございますが、その六つの中の一つとして御指摘の電電公社、KDDの問題も含むわけでございますけれども、その経営の今後のあり方というものも一つの課題として持っておるわけでございますが、その中で特に私どもだけが念頭に置いておりますのは、実は五十七年度で電電公社の資金調達の加入者債券の拡充法が切れてしまうわけでございまして、今後の高度化する電気通信網に対応する公社の中で、そういう資金調達の方途というのが具体的に一つの問題としてここにはっきりしておるわけでございますので、そういう問題も踏まえながら、今後の料金体系のあり方等につきましても大局観に基づく御議論、御提言などもいただきたい、こういう気持ちでおる次第でございます。
#30
○大木正吾君 これは附帯決議をつくられるときに、私、実はこの逓信委員会で理事をやっておりまして、成相先生等とも相談した上での実は附帯決議でございまして、ぜひ大臣にも御認識をちょうだいしたいんですが、やはり私自身が電電公社に入った戦争直前の状態と、あの当時は、極端な例でございますけれども、たとえば市外電話局、元日の新聞に、ずらっときれいなお嬢さんが並んで、ここに山中先生おられるからまずいんだけれども、ずらっと並んでおりまして、そしてそれが正月の何か非常に華やかな雰囲気をつくる新聞の一つの代名詞みたいなものになった時代があったんですが、いまでは全く様相を異にしておりますし、同時に、データ通信等の分野に入っていきますと、非常に民間の情報提供、そういった面での大きな仕事をしているわけです。ですから、そういう面で私は、さっきの特殊法人の中の問題ということのいわば電電のタイプ、それについての検討も必要でしょうし、同時に、仕事の中身が相当変わってきていると思うんですね。同時に、国際競争分野でもって、私はやっぱりどうしても情報産業はコンピューターと通信とを通じながら、いわばわりあいに資源を節約できる産業ですから、福間委員長の所属する会社等とも関係いたしまして、やはり相当新しい角度からの経営のシステムを、NHKがいいとか、あるいは電力はいいとか、あるいはKDDはいいとかって余りいい例はないんですけれども、その辺については来年の夏までの御期限の様子でございますけれども、ぜひ慎重な委員各位の御検討をいただきたいし、守住さん、当時、約束としまして、その中間でも、この委員会を公式の委員会じゃなしに、大臣の御出席などは求めなくてもフリーで各党がひとつディスカッションしようかという話もやったこともあるわけです。ですから、きょう全部言い尽くせませんけれども、討議の過程のメモ等は本委員会等にお出しいただきまして、そして思い切ったいろんな意見を言っていただきまして、そしてどういう形が最も望ましい仕事の内容あるいは将来方向、同時に経営形態、そういったものについての御討議を期待している、当時の附帯決議を私たちがつくったときの経過にかんがみまして、大臣と担当局長にそういったことを含めての御審議、御論議をひとつ期待していることを申し上げておきたいんです。
 さて、私のきょうの質問の主題に入らしていただきますが、実は最近、大蔵省の主計官帰られましたけれども、今度、電電公社に対しまして少し伺っておきたいんですが、まず電電公社の資産、資産と言っていいでしょうか、資産のいわば中身と言いましょうか、あるいは内容と言ってもいいでしょうけれども、私の方から少し問題提起をしてみますが、たとえば五十四年度の例ですと、利用者の拠出部分が六兆一千一百六十八億円、六八・九%、これに特別債券一兆八千八百七十五億円、二一・三%、約九〇%がいわば利用者の拠出と特別債券ですから結局外部資金でしょうね。そういうものになっており、同時に固定資産ですから、要するに電話局の中の交換機あるいは地下のケーブル、電話局の局舎、そういったものを含めて固定資産が何と九〇・九%、八兆七百二億円、こういうふうになっているように資料から拝見するんですが、こういうふうに見て間違いございませんか。
#31
○説明員(岩下健君) お答えいたします。
 先生ただいまおっしゃいましたように、電電公社の固定資産、五十四年度末で申し上げまして八兆七百二億円でございまして、総資産八兆八千七百四十一億円の九〇・九%に相当いたします。
#32
○大木正吾君 問題は、それが民間の、これは個人会社ということはございませんけれども、株式会社等の例もありましょうが、主としていまの八兆八千七百四十一億円、同時に八兆七百二億円、このどちらでもいいんですか、そのいわゆる財産の中身、これは要するに電話債券なりあるいは電話料金、そういったことを含めて、国民のものが大体どのぐらいのウエートを持っておるんですか。
#33
○説明員(岩下健君) 貸借対照表のいわゆる貸方の方を見ますと資本構成がわかるわけでございますが、これから見ますと、まず加入者債券の残高、これが三兆百五十六億円ございます。それから設備料、これは公社発足以来二十七年間の累積額でございますが、これが一兆七千六百三十七億円ございます。それからもう一つは、各年度の収支差額の累積額、同じく二十七年間の累計でございますが、これが一兆三千三百七十五億円ございます。したがいまして、直接にはこの設備料と収支差額の累積額を合わせますと約三兆一千億円、これに債券を加えますと六兆一千億円になりまして、これがいわば利用者拠出にかかわるものと申し上げてよろしいかと思います。この六兆一千億円は先ほどし上げました固定資産八兆七百億円の約八〇%、七六%に相当いたします。
#34
○大木正吾君 いまの貸借対照表の中に出てきますけれども、いわゆる利益剰余金という言葉があるわけです。私、銀行簿記とか商業簿記なども昔子供のときやったことがありますけれども、こういうような用語の使い方というのは余り一般の会社とか銀行等にはないわけですね。こういうふうに書かれて、このまま読んでおりますと、説明抜きでいきますと、いわば累積いたしました利益剰余金が、たとえば五十五年度末の場合には一兆四千五百――もっとふえるかもしれません。一兆四千五百三十何億、こうなるんですね。同時に、五十四年度は、これは数字の上では一応一兆一千七百八十六億になっていますが、その後の収支差額を加えて一兆三千億前後になる、こういう話も伺っていますけれども、こういうような出し方で、この中身は一体何ですか、これは。公社の中でもって、たとえばどこかの、日立さんの株を買ったとか、松下さんの株を買って持っているとか、あるいは国債を買って持っているとか、どこかスイスの銀行に預けているとか、そういうようなことで持っておられるのか。それとも、どこかにこれは固定資産でもって消えているのか、その辺をはっきりしてくれませんか。
#35
○説明員(岩下健君) お答えいたします。
 公社の収支差額は、先生御案内のように、すべて利用者の方にいわば還元をするという形で使っておりまして、具体的には各年度の予算の建設改良投資の財源といたしまして組み込んで、国会の御承認をいただいて使用しておるわけでございまして、民間会社の利益金のように重役の賞与とかあるいは株主への配当といった形でのいわゆる社外流出は全くございません。また仮に予算を上回って収支差額が出ました場合でも同じような趣旨で利用者に何らかの形のお役に立てるような、こういう使い方をしておるわけでございます。したがいまして、貸借対照表上の利益剰余金は、各年度の収支差額を累積して表示したものでございますので、当然、五十四年度で申し上げますと、一兆三千億円に相当しますものは、すべて電話局の交換機あるいはケーブルといった通信設備、固定資産に化体しているわけでございまして、先生お尋ねのような有価証券への投資とか、こういったものは法律的にも許されておりませんし、事実問題としても一切ございません。
#36
○大木正吾君 これは経理局長、将来、こういうような立て方につきましてこのまま残すのですか、それとも幾らかもっと――いまあなたの説明を聞いて最後でわかったんです。要するに交換機とかあるいはケーブルとかなんかにいっている。最初のうちに国民に還元するだけじゃわからないんですよ。これじゃ、料金を下げたんです、夜間料金を下げる計画ありますとか言ったって、一千二百七十二億円ではこれは全然数字合わないんです。だから、もうちょっとこういったものについて、新聞が、四千五百億だ、累積の黒字が一兆三千億だ、こういうふうに書くでしょう。あなた、それについて、二、三年経理局長をやっていればいいんだということだったらいいけれども、電電公社のいわば金庫を預かる人間として、要するにもうかって、どこかに積んであって使えるんだというふうに一般の国民がとったとしたらどうお考えになりますか。このままでいいと思いますか。
#37
○説明員(岩下健君) 先生御指摘のように、確かにこれは私どもの一般の方の理解を得るためのPRの不足といいますか、こういった点も実は今回改めて感じておるわけでございます。実は公社のバランスシートでの利益剰余金というのは名称でございますけれども、公社発足しました折に事業運営をできるだけ企業的なセンスを盛り込んでやる、そういった趣旨からいわゆる企業会計原則にのっとりまして財務諸表の様式、名称その他をなるべく合わせるという努力をしたわけでございます。そういたしますと、私どもの収支差額ないしはその累積額でありますこの金額の表示は、会計原則に言いますところの利益剰余金という名称しか該当するものがないというところで使ったわけでございますが、ただ、御指摘のような公社の収支差額の実態から考えますと、これをもっと一般にもわかりやすい誤解を招かないような、また実態に即したような形の表示方法としてどのようなものにすべきか現在検討しておるところでございます。
#38
○大木正吾君 ぜひそれは再検討していただきたいわけで、専門家の方がわかっても一般の方が全然逆に誤解しておったらこれは大変困りますから、そういうふうに検討をいただきたいわけです。
 そこで、時間もだんだん迫ってきますので伺いますが、少し話をそれから関連させまして、実はこういうふうに一般の方々なり私たちもそう考えざるを得ないんですが、いま日本の電話の総加入数、正確な言葉ではないかもしれませんけれども三千七百万ぐらいある、要するに申し込んでつかないという方々はほとんどなくなっちゃっている、こういうふうに考えますがね。そうすると、出てくる答えというものは、電電公社が発足したときみたいに建設関係の資金とかそういったものはぐんと減っていいんじゃないか、こういうふうにどうしてもぼくら素朴にとりますと素人はとりがちなんです。
 そこで伺いますけれども、これはおたくの予算書の一部を持ってきてみたんですけども、たとえば新しい五十六年度計画の概要から拝見いたしますと、資金計画という形のところを抜き出して見ていきました。収入の方が二兆三千七百九十九億円、支出が二兆三千八百億円ですね。この中身を言いますと、たとえば建設関係の方に向けられる部分が一兆八千二百億円、そして債務償還、要するに債券その他の償還が五千六百億円、こうなっております。これは間違いありませんか、計画の概要ですが。
#39
○説明員(岩下健君) 間違いございません。
#40
○委員長(福間知之君) 大木君、ちょっと待ってください。
 先ほどの高速度ファクシミリの状況説明について西井営業局長がおいでになりました。
#41
○説明員(西井昭君) 先生の御質問は、たしか公衆ファクスのときにどういう認可申請をし、そのときの経緯はどうかということかと思います。
#42
○大木正吾君 余りうまくいっていないだろうという話をした。うまくいっているかどうかということを聞いたんだけれども。
#43
○説明員(西井昭君) ただいまのところ公社から格別のPRもいたしておりません関係で利用数はきわめて少のうございまして、御存じのようにサービス開始をいたしましたのが八月十五日からでございますが、この九月末、約一月半ほどの間で大体百二十通程度ぐらいの利用がございます。
#44
○大木正吾君 いまの問題はその程度にしておきますが、先ほどの続きに入りまして、経理局長からさらに伺いますけれども、この二兆三千七百九十九億円と二兆三千八百億円、一億の違いですから、これは概要ですから余り細かいことは言いませんが、問題は、これの要するに資金調達の方を見ていきますと、内部資金一兆三千七百三億円、そしてこの中の減価償却関係が一兆二千二百九十億円、俗に言ういわゆる収支差額でもうかっていると言われる部分、これが一千四百十三億円、こうなっていますね。ところが、これは内部資金ですから、結果的には加入者の方々の電話料あるいは債券ですか、そういったものによりまして調達される部分と考えていいわけでしょう。その辺のことについて、要するに電電公社がこういった新しい事業計画に対して建設投資あるいは債務償還等するときの内部資金、要するに営業費、人件費、それから借金の利息、そういったものを払って、そして内部の方でもって総トータルして約六割ぐらいのものを投資資金に充てているんだということですね。この辺のことについて、もっとわかりやすく話をちょっと聞かしてくれませんか。
#45
○説明員(岩下健君) 現在、政府に出しております公社の五十六年度概算要求の計数で申し上げますと、事業運営のための一般的な経費、私ども損益勘定支出と呼んでおりますが、こういったものと、それから債務償還あるいは建設投資、こういういわば資本的支出に属するもの、これを両方合わせますと、概計総額では四兆九千九百十一億円、約五兆円になるわけでございます。この五兆円のうち利用者の方の拠出にかかわるといいますか、料金からちょうだいをしておるということも含めましていわゆる内部資金にこれはなるわけでございますが、これが先ほど先生おっしゃいました一兆三千七百四億円、これに加えまして加入者債券、いわゆる新設の場合のお客様の御負担いただきます債券引受額、これが二千六百八十億円、それから設備料として同じく新設の際に御負担いただくもの、これが千四百三十六億円。ですから、いわゆる資金調達面での受益者負担としての約四千億円に加えまして、先ほど申し上げました料金の形でちょうだいいたします一兆三千七百億円ございますので、これを合わせますと約一兆八千億円に相当することになります。
#46
○大木正吾君 そういうこととの兼ね合いで、建設をする方と今度逆に債券を返す方、バランスシートの出ていく関係、それについて建設投資の総額と債務償還の計画の総額、五十六年度概要の続きで結構ですから言ってくれませんか。
#47
○説明員(岩下健君) 経常支出にかかわりますもののほかのいわゆる資本支出が二兆三千八百億円あるわけでございますが、このうち約三割弱に相当いたします五千六百億円が債務償還、つまり現在公社が抱えております長期負債、債券の形でございますが、これの満期あるいは抽せん償還等に充当する債務償還の資金が五千六百億円必要でございます。残る一兆八千二百億円、これが建設投資の財源に回るものでございます。
#48
○大木正吾君 こういう状態で、結局内部資金から相当な額が建設投資に回ったりして、同時に債務償還にも一部いくかもしれませんが、内部、外部の資金の関係ですけれども、いわば内部資金というものは従業員なりあるいは皆さん方の経営努力でもってできている部分ですわね。同時に、もっと根源的に申し上げれば、これは国民の料金負担あるいは外国に例を見ないところのいわゆる電話債券です、私は悪例とか悪法とは申し上げませんけれども。ただ、先進工業国では、岩下さん、電話債券を発行している国どこかございますか。
#49
○説明員(岩下健君) 現在ございません。
#50
○大木正吾君 そういうことはわりあいに国会の中でも知られていない問題だと思うんですよ。だから、私が考えますことは、やっぱりこういったようにしまして、経営努力、従業員の努力等もあった中で相当内部資金が建設投資に向けられており、同時に、要するに外部資金の調達ができるということは電電公社の経営に対する信用がまだまだ幾らか残っているからであって、もし三、四年、さっきの守住さんの話の五十七年とか、先行きどんどん償還していって、値上げ問題がまたあっぷあっぷしてきたときになったら、こういう外部資金調達自身もなかなかむずかしいということにもなる心配もあるんです、経営の問題からしますれば。だから、そういう点でこういったことに対する電電公社側からの議員に対する、私たちに対する説明なり理解ということを積極的にやっぱりしてほしい、こういうことがこの問題に関する私の注文なんです。関連して次の問題に入っていきます。
 さて、問題のいわゆる収支差額という部分です。これについて、この収支差額という言葉自身もまだまだわかりにくいわけで、もっと何か国民に向けて言いやすい言葉がないかと思って考えてみているけれども、なかなかいい言葉がないですね。これについて、黒字とか赤字とか、いわば黒字というような言葉だけで言いますと、もうかっているんなら、こうなってしまうんですがね。その辺のことについて、要するに収支差額、この根源といいますか、あるいは性格といいますか、そういった問題についてどういうふうに経理局長は御認識ですか。
#51
○説明員(岩下健君) 公社の場合のいわゆる収支差額を民間の利益金と対比して考えますと一層はっきりするかと思いますけれども、利用者の方からいただきます料金の一部であることは当然の前提といたしまして、まず第一点としましては、先ほども申し上げましたけれども、株主への配当とかあるいは重役賞与といった形での社外流出は全くないということでございます。
 それから第二点といたしまして、そのまた使途は、建設改良のための投資の財源、一部は債務償還の資金に充当され、しかも、それがその大綱、基本については予算という形であらかじめ組み込まれておりまして、これは国会の御審議をいただいて実行されるという点になろうかと思います。
 と同時に、第三点といたしまして、この収支差額の累積額であるいわゆる利益剰余金にも通ずる問題でございますが、年度末におきまして、これが現金なりあるいは有価証券といった流動性のある資産であるものではなしに、すべて電話局のケーブルなりあるいは交換機といった通信設備になっておる。
 こういう点が民間の利益金と比べた場合の基本的な違いかと承知しております。
#52
○大木正吾君 もうちょっとわかりやすく伺いますけれども、五十三年ですか、つくられた諮問委員会の答申があります。この中に、これまたむずかしい用語なんですが、「公共的必要余剰」という言葉が出てくるんです。それからこれと関連いたしまして、これについても収支差額の算出根拠あるはずですよ。算出根拠があるでしょう。それを私、土台にしながらちょっとはじいてみると、大体五十四年度ぐらいの例ですと、この収支差額一三%ぐらい、最終的には若干ふえていますからもうちょっと上がったかもしれませんけど。これと電気の二一%から二二%、ガスの一五から一六%、こういうものを比較していきますと、ガスや電気の場合、配当等に回す分も入っているはずなんですが、電電は全部が建設なり債券の償還に充てているんだと言いながら、しかも数字的には算出根拠ありながらも下回っているわけですよ。全産業平均でもって一七から一八ですから、パーセンテージは。そういったことをあなた方は承知でもって新聞記者の応対とか大蔵省の折衝とか、そういったことをやっているかどうか。使い道の問題と算出の根拠でもって全産業で見たとき電電公社は決してもうかっているとは言えないはずだ。この収支差額を仮に使えないとしても、帳簿面ではそういった見せかけをするといたしましても、ぼくら、この数字の点も全産業平均との関係でも少し下回っていますからね。そういうことについてもっとわかるように国会なんかでもって話をしたことがありますか。
#53
○説明員(岩下健君) 先生御指摘の公社の財務状況についての一般的な周知の問題、また国民の方々に御理解を得るよう努力するという問題、これはいままでもやってはおりますけれども、なお、今回のような問題が出てまいりますと、その不足を感じ現在反省をしているわけでございますが、現在、公社はいろいろな媒体といいますか、メディアを使いまして公社の財務会計制度の特質なりあるいは財務状況のPRには努めております。たとえば毎年度、これは十ページ足らずのパンフレットでございますが、予算ができた段階でことしはどういう仕事をするか、また決算がまとまった段階で昨年はどんな仕事をしたかといったようなものを十数万部のパンフレットをつくりまして全国の窓口を通じましてお客様に頒布する、あるいは事業報告書をつくって配布する、それからまた、これは当然有料でございますが、新聞のいわゆる全半段、七段を使いました広告を出すとか、こういった形のPRには努力をしているわけでございますが、なお、今後一層先生御指摘の趣旨を踏まえまして一般の御理解を得られるような努力を重ねてまいりたい、かように思っております。
#54
○大木正吾君 別に十三万部つくったからどうのこうの言っているわけじゃないんですよ。要するに、あなた方の説明資料等、いろんな提出資料はむずかし過ぎて、やっぱり電電公社というのは黒字でもうかっているんだなというだけのものにとられがちだから私の方ではあえていま申し上げたけれども、民間の似たような公共事業の場合のことと同時に、全産業平均の場合の収支差額に当たるようなものを比較してみて、数字を挙げて、あなた、いま話をしたわけだ。となると、電電公社、秋草さん以下一生懸命やっておられる。従業員も一生懸命働いておるでしょう。それはぼくら認めますよ。認めるけれども、それじゃ一体全産業平均でもって収支差額の計上との関係でいった場合には、電力とかあるいはガスとか、こういったものと比べて全産業平均で電電公社が上回っている数字になっていないから、残念ながら。それは決してあなた方の努力が足らないとはあえて言わないんです。もうかったなんということの言い方はできないはずです、このことは。同時に、そのもうかったところが仮に少なくて、残ったとしても勝手に使えないということは明らかなんだから。そういったことについてもやっぱりお考えがあるはずですから、私たちは、そういったことは、全産業平均でもって、たとえば公共的必要余剰とか収支差額とか、さっき言ったそういった剰余金のためた分とか、誤解を受けるところについてもっとはっきりわかりやすく説明しておかないと、これは大変な誤解を受けて、あなた方の後任者のときに困るし、われわれの息子のときに困ってしまうということを私言いたいから申し上げているわけです。だから、PR不足とかということもありましょうけど、要するに全産業なりあるいは類似産業と比較したときに、収支差額を株式配当とかあるいはそういった賞与とかあるいは従業員の賃金の引き上げなどに回して民間はやるわけだ、こういったことは公社はできない。できないながらも、しかもその水準なりウエートというものは決して高くないはずだから、そういったことをここではっきり答えてというか、ここで無理に答えなくたっていいけど、事実が間違ってなければ結構ですけど答えてみてください。
#55
○説明員(岩下健君) 全産業の数字、ちょっとここにはございませんが、私どもでも、たとえば個別企業、特に大企業との対比はいたしました。たとえば大きな企業の場合にはいわゆる総資本利益率、分子を当期利益金、分母を総資本にしました総資本利益率が一つの端的な指標でございますが、これから見ますと、電電公社の五十四年度の決算の場合には五・二七%でございます。これに対しまして、たとえば新日鉄、これが五・四七、日立が六・八五、東芝が五・四三、トヨタが一四・四三、KDDは二〇・〇、こんな状況でございます。
 それからまた、先生おっしゃいました公共的必要余剰、諮問委員会での答申にございましたいわゆる必要余剰の算式といいますか、限度額の計算式がございます。これはいわゆる自己資本利益率方式と総資本利益率方式と両方ございまして、それぞれ上限、下限がございますが、仮に四十五年度から五十四年度まで十年間のいわゆる公共的必要余剰、これを諮問委員会の答申によります方式で算定いたしますと、方式により若干違いがございますが、最低で申しましても七千九百十五億円、それから最高の数字をとりますとこれが二兆八十一億円になります。これに対しまして、公社の五十四年度を含めました過去十年間の累計額を見ますと七千二百七十七億円、いずれもこれを下回っておるという数字がございます。こういった意味の検証はしたわけでございます。
#56
○大木正吾君 そういうことがいわゆるあなた言ったPRというものの中でもって――民間の経営のことはわりあいに詳しい方がいるわけですよ。しかし電電公社は何か専門的な、あなた方がわかっていてぼくらわからぬ数字が損益勘定なり貸借対照表にたくさん出てくるものですから、つい突っ込んで聞きたくなるわけだけど、いま話をしたことが妥当ならば、そういったことをまずもっとわかりやすく、たとえば松下さん、委員長にはちょっと悪いですけど、日産さんとかあるいは日立さんとかと比べたときこうなりますよという話の方がよっぽどわかりやすいんです。だから、そういったことをぜひ工夫してもらいたい。
 さて、問題は、そういったことでも収支差額が出てくることは間違いないから、じゃ、それを一体使えるか使えないかの問題です、予算の拘束の問題ですけど。ここにありますけれども、とにもかくにも予算総則ですか、これによって秋草総裁がどんなに一生懸命にがんばって首を覚悟でもって日米調達物品をやったってことしのボーナスが特別によけいにもらえることになっていないんでしょう。当然この収支差額は大臣の許可でもって建設勘定かあるいは債券の償還に充てるんでしょう。そこのところをちょっと詳しくというか、規則の問題、法律まで含めて答えてくださいよ。
#57
○説明員(岩下健君) 公社の予算を国会で御審議をいただく機会にこれは十分御説明をするわけでございますが、収支差額の使途は、改良のための投資の財源あるいは外部資金の一部といたしまして債務償還の原資に回る、これ以外には予算の中にも入っていないわけでございます。また、公社法の四十条にいわゆる弾力規定、弾力条項の定めがございますが、これを受けまして予算総則、五十五年度あるいは五十四年度予算で見ますと、それぞれの二十二条がございますが、収入が予定より上回った場合あるいは経費が予定を下回った場合にはこれを事業経費の増加あるいは資本支出の増加に充てることができる。資本支出の増加は建設勘定の投資あるいは債務償還になるわけでございますが、これをやります場合には郵政大臣の認可を必要といたします。
#58
○大木正吾君 私は組合の出身だから、組合の方がこの場におれば私の質問に対してきわめて不満だというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、本来なら、こういったものについては、全部じゃなくたって半分か三分の一ぐらいはやっぱり従業員の、普通の会社ならば二割ぐらいまでは賞与とか賃金の方に充てるということは常識ですよ、経営するからには。しかし、そういったことすらも一切できないということが、これが予算の拘束の厳しさと、こういうことになるわけですから、だから、そういったことを改めて私は認識を新たにしておかなきゃいけないと思うんです。
 そこで、最後の質問でございますけれども、ここに債券の債務の償還計画ということと、それから収支差額の将来見込みの数字を、ちょっと年次がうまく合わないんですけれども持ってきてみたんです、いまあるやつを。で、公社法六十二条をちょっと読んでくれませんか。その中の何項になるのかな、これは。債権の優先弁済の項があるはずです。読んでください、そのことを。
#59
○説明員(岩下健君) 電電公社法六十二条、これは借入金及び……
#60
○大木正吾君 五項のやつね。
#61
○説明員(岩下健君) 借入金及び電信の債券の規定でございます。
 六十二条の一項は、「公社は、郵政大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは一時借入金をし、又は電信電話債券を発行することができる。但し、公社が国際復興開発銀行と締結する外貨資金の借入契約に基づき当該銀行に引き渡すためにする外貨電信電話債券」、括弧書きはちょっと省きますが、「の発行及び政令で定めるところにより、外貨電信電話債券を失った者からの請求によりその者に交付するためにする外貨電信電話債券の発行については、郵政大臣の認可を受けることを要しない。」。要するに外貨債の特例の場合以外を除きまして大臣の認可が必要だという規定が第一項でございます。
 それから第五項に、「第一項の規定により公社が発行する電信電話債券の債権者は、公社の財産について他の債権者に先だって自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」。
 同じく第六項が、「前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。」。
 以上でございます。
#62
○大木正吾君 大臣、ここでお聞きしておきたいんですけれども、さっき守住さんがおっしゃった五十七年度のこともございます。同時に、収支差額と債務償還の状態をちょっと対比していきますと、収支差額は結局、五十六年、これはあくまでも概要計画でしょうけれども、一千四百十三億程度しか計上されていませんね。一方では五十六年の債務の償還については五千一百二億円という数字が出ています。同時に、いま読んでいただいた六十二条の第五項、第六項、この辺のことで私たち非常に頭が痛いんですけれども、特例公債だから早く赤字を埋めなくちゃいけない。国だって、大体国の六割を占める建設国債を返さなくてもいいという理屈はないでしょう、自分の子供や孫が返済すればいいという理屈はあるかもしれませんけれども。しかし公社の場合といえども、これはこういったふうにして民法、商法と絡んで優先弁済の項がはっきり出ているわけです。そうすると、電話債券が危ないぞなんということの金融状況なりあるいは証券市況等が出てきたときに、返せ返せとどんどん始まってもこれも困るわけだけれども、私たちはやっぱり一般認識として国債の償還をしなくていい、建設国債だからしなくていいということは、いまいつの間にか建設国債が特例に入ってしまって特例ばかり頭にきているから建設国債のことを余り議論しないけれども、やっぱり国が受けている債務ということにこれは間違いないわけだ。同時に、電電公社の場合でもそのことは同じです。ですから、私が心配しますことは、こういったことに絡んで、大臣、ことし、来年ぐらいはどうやらとんとん――ことしは少しプラスかもしれません。収支差額出るかもしれません。再来年は危ない。そして債券の発行についてもまた法改正を、延長かどうかやらなくちゃいけない、料金値上げがまた起こるかもしれないというときに、大蔵省帰っちゃったけれども、大蔵省は収支差額を見ながら金をよこせ、こう言ってきているわけです。一応行管庁の方残っていてよくわかったと思うけれども、そういったことについて大臣と総裁は、今後電電のこの種の大蔵省との関係に対する扱いについてどういうお考えとどういう決意をお持ちですか、最後に聞かしてください。
#63
○国務大臣(山内一郎君) たしか九月十二日の閣議でございますけれども、行政管理庁の長官から発言がありまして、特殊法人の「経営の実態を見直し、赤字国債の縮減に資するよう、国の歳入増加を図るための所要の措置を推進する。」という協力要請があったのでございます。そこで、そのときは特殊法人の名前は全然出なかったわけでございます。しかし、いろいろ調べてみますと、これは電電公社は該当するのではなかろうか、こういうことで、その後行政管理庁から正式なこれに関する提示は一切ございません。したがって、こちらがいま発言するということはどうかと思いますけれども、そのとき私がいろいろ電電公社から聞いたことは、いま大木委員から非常に丁寧に御発言をいただいて、まず収支差額というのは何かということを一生懸命聞いてみたんです。経理会計上勘定が三つありまして、損益と資本と建設とあるんだと。これ全部合計してみればどこにも余った金一銭もないんですね。これは国会の承認を得て実施すべきものであって、そういうことを御決定願うので、損益勘定だけの差額を見て余っているなんということは言えないのじゃないか、こういうような私は気がいたしているわけでございます。したがって、いま御提案のございましたそういう点の周知徹底、一般の方にわかるようにやることは、さらにいま御発言を聞いて非常に重要なことである、こういうふうに考えたわけでございます。それに対して行政管理庁からどういうあれが出てくるかわかりませんけれども、その間はそういう点で徹底をさしていきたいと考えておるわけでございます。
#64
○大木正吾君 総裁から、最後に。
#65
○説明員(秋草篤二君) 大木委員からるるこの問題の本質的な問題を質問の形として御説明を伺いまして、非常に感銘深く承りました。私としては、この問題はまだ大蔵省から正式には何も言っては来ないわけですが、ただ、先般の衆議院の逓信委員会で、きょうの主計官がやはりそういう電電公社に対してひとつ頼みたいというような総括的な気持ちだけは初めて公の席上で表明したということは一つの意見だと私は思っております。きょうも主計官は総論的なことを申されて、具体的な案はまだ何もできていないのだということをおっしゃいましたけれども、しかし大蔵省は何か電電にひとつ協力を望みたいという発言は先ほどもあったというふうに思っております。この点はなかなか公社にとりましては重大なる問題でございます。先ほど来、先生の御説明というか御質問の過程で非常に私もまた決意を新たにしたことでございますが、その中で収支差額ということは、いま大臣もおっしゃいましたように、私、つい先般大臣のところへ行っていろいろ話をしておるときに、大臣みずからこの収支差額という勘定科目を何かほかの方法で改めたらどうかという先生と同じことを私におっしゃられまして、私も早急にひとつ考えてみるということは申し上げました。
 いずれにしましても、私たちは、公社の財政というものは御案内のように、資本金というものはゼロとは言いませんけれども百八十八億、これは〇・八%、まあないと言ってもいいわけでございます。財産はすべて借金と加入者からいただいたお金、それでできているということで、政府の財政的な援助というものは毎年数百億円の財投をちょうだいしておりますけれども、これもパーセンテージにするとわずかでございまして、三千億円ぐらいでございまして、これもしかし利息も払い、償還もちゃんとしておるわけでございますから、民間のように増資とかそういうことはできないのでございます。借金をしても企業が健全であれば借金は継続できますし外債も応じてくれます。これは一にかかってどの程度の財務比率というか、あるいは企業の将来性があるか、この二点を債権者というか投資家は見ておるのでございまして、その意味では、現在私どもは、内外ともの債権者というか投資家も非常に健全な財政であるということで、借金だけの財政でやっていけると言うこともできるのだと思っております。これがやがて非常に自己資本比率が少なくなりますと、なかなか、国鉄のようになってはならぬと思いますけれども、やはりここのポイントだけは堅持していきたいということを私は信念として持っております。
#66
○大木正吾君 最後に、簡潔に申し上げて、これは要請としておきますが、大臣のその点の決意はよくわかりました。
 そこで、結局、特殊法人百十一ありますけれども、ずっと見ていきますと、私たち社会党なりの立場からしましても利害関係がすべてがないと言うことはできませんけれども、私はむしろやっぱりもっと特殊法人自身について相当数必要ないものもある、こう考えておりますし、同時に、行政改革あるいは税の不公平問題その他、やっぱり経済のいわば景気動向、税収、そういった整合性、そういったものを見ながら、やっぱりオイルショック当時の、あの後における三年間の大変な冷え切った景気動向を直すんですから、そういった面でないと、何か一時しのぎで、何でもかんでも一緒にしてとりあえず傷口をふさげばいいんだというだけの考え方では、やはり長期的に国の全体の財政についても、経営なり公共事業についてうまくいきませんから、特に大臣の閣議等における御努力を私の方からもこれは特段に要請いたしまして終わらしていただきます。
#67
○大森昭君 山内郵政大臣から所信の表明がありましたから、これに沿いまして、時間も限られておりますが、問題点をちょっと御質問したいと思うのであります。
 まず、緊急の課題として郵便法の改正をいま衆議院で議論されているということでよろしくということでありますが、いずれ参議院に参りましたら慎重審議をしたいと思いますが、ただ、ここに「仲裁裁定の早期実施を図るためにも、」と、こういうふうになっておるのでありますが、どうもこの点について私ども納得いたしません。
 そこで、まずお伺いいたしますが、今回、電電公社などいわゆる二公社四現業が仲裁の完全実施を決めたにもかかわらず、いま大臣が言われたように、郵便法と仲裁裁定を絡めてということで議決案件として国会に提出した理由について御説明していただきたいと思います。
#68
○政府委員(岡野裕君) 先生お話ございましたように、去る七月の十五日でございましたか、閣議の席上におきましてことしの仲裁裁定の取り扱い、了解をいただいているところなんでございますが、その節、仰せのとおり二公社四現業はそのまま実施をいたしたい、しかしながら国鉄と郵政はこれは議決案件ということで国会に御付議を申し上げようということになった次第でございます。
 仲裁裁定の実施につきましては、私どもも早期に実施をいたしたいという気持ちは非常に強いわけでございますが、また同時に、公労法の定めるところによりましても、この仲裁裁定が出ました場合には両当事者は服従をしなければならない、あるいはまた政府といたしましてもできる限りの実現の努力をいたさねばならない、こんなふうになっておりますので、そのような角度から寄り寄り検討をしてまいったところでございますが、いかんせん、現在置かれておりますところの郵政事業の財政の面、この面からいたしますと非常に厳しい状況下にありますことは先生御存じのとおりでございます。
 そんな中で財源措置を講ずることがきわめて困難というようなことで、公労法の十六条の二項に、このような場合には国会に付議をせよという定めがございますので、それに基づきまして議決案件として国会に御付議をということに相なった次第でございます。
 よろしくお願いをいたします。
#69
○大森昭君 財政が苦しいということでありますが、この仲裁裁定を実施するためには、経費といいますか、どういうぐあいになるわけですか。
#70
○政府委員(岡野裕君) この六月十日に出されました現在問題の仲裁裁定でございますが、この中身は、先生も御存じのとおり、公労法の適用職員の基準内賃金を昭和五十五年四月一日以降一人当たり三・〇八%、これにプラスしますに二千二百八十円、この原資をもって引き上げるようにというような趣旨、内容のものでございました。これを手前どもの部内に換算をいたしますと、引き上げ額は実質的には七千四百四十二円となりまして、四・四四%、率はこのようになるわけでございます。というようなことで算定をいたしますと、これは全体、公労法適用外職員も含めますと総額で五百二十億円という資金を必要とする、こんなふうに相なっているところでございます。
#71
○大森昭君 五百二十億かかるというお話でありますが、私の調べでは五百二十億のうち、実際には予算の成立が二百四十億ありますし、なお、この五百二十億のすべてをいわゆる郵便事業で持つんじゃなくて、郵政事業は委託業務をやっておりますから、したがいまして郵貯会計、簡保会計、電電公社の関係から繰り入れをして仲裁を賄うということになりますと、当初予算のいわゆる計上されております二百四十億、これを差し引きますと、それからまた他会計からの繰り入れを持ってまいりますと、実際に不足をする額というのは百三十七億なんであります。そうしますと、郵政特別会計いろんな仕組みがありますが、しかし予備費を見ましても二百億程度はあるし、そしてまた、あなたは十六条の二項の問題で財政負担上というお話がありますが、問題は、公労法の中にも最大限努力をしてという項目が仲裁については明記されているわけであります。そういうことになりますと、いまの郵政特会の中で百三十七億程度、大変厳しいわけでありますが、やりくりをして実施ができないわけはないんじゃないかというふうに私は理解をいたしますけれども、五百二十億かかるというだけでは少し答弁が不満足じゃありませんか。
#72
○政府委員(澤田茂生君) ただいま人事局長の方から郵便事業財政が大変厳しいということについての御答弁を申し上げたわけでございますが、現在置かれております郵便事業財政、五十五年度では増収を八百三十二億郵便料金改定によりましてこれを賄っていきたい、こういうふうに考えております。それでもなお二千百億からの累積欠損金が生ずるという大変厳しい状況にあるわけでございます。先生お尋ねの百三十七億、これは予備費二百億をもってすれば充当できるではないかという御質問でございますが、歳出に見合う歳入というものが確保されておりますれば、先生仰せのように、予備費につきましてもその二百億というのがただ枠だけではなくして中身の収入というものが入っておれば歳出をするということが可能になるわけでございますけれども、本年度予算では、ただいま申しましたように八百三十二億というものを料金改定によりましてこれを確保するという前提に立って予算が組み立てられておりまして、この八百三十二億というものの収入見込みというものが立たない現状におきましては、予備費二百億円というものも含めまして歳出権というものが認められておるけれども、その執行というものの財源の見通しが立っていないというのが現状でございます。そういう意味におきまして予算上可能であるとは断定できないということで公労法十六条の措置、国会での御判断をお願いしたという次第でございます。
#73
○大森昭君 仲裁裁定は今回が初めてじゃないんです。過去何回か仲裁裁定は出ているのでありまして、そういう状態の中から見ますと、少し私は郵便法と絡めながら政争の具に供しているような感じが非常に強いのであります。大臣はまた所信表明の中で、郵政事業というのは三十一万の職員を擁してとにかく人手に依存する度合いが大きいんだ、したがって業務の円滑を図るためには、とにかく明るい活力のある職場をつくらなきゃいかぬという所信表明をされております。大臣に申し上げても、新任早々でありますから少し的が外れているかもわかりませんが、いずれにいたしましても、いま職場の状態というのは、一口で言いますと、労働組合への敵視政策といいますか、大変労使間が不安定な中でまさに職場の荒廃はその極に達しています。そういう中で、やや最近労使の関係を安定しようじゃないかということが労使関係の関係者の努力で前進をしているようでありますが、しかし、そういうさなかにまた今日物価が八%上がって、上がる賃金が六・四%で、四月から実施するやつをいまだに実施されないということになりますと、大臣が言われていますように、「安定した労使関係の確立にもさらに努力してまいる所存であります。」というのは、逓信委員会で御発言がありますが、私はどうも空虚に聞こえます。
 そういう意味で、政府の方針でありますから、これ以上議論しても郵政大臣独自としてはなかなか答弁ができないと思うのでありますが、いずれにいたしましても、仲裁裁定というのはとにかく労使の関係では経営者側は最大の努力を尽くして実施をするということが従来の慣行でもありますし、たてまえでもあるし、そうあらねばならないわけでありますから、どうかひとつ、そういう意味合いで郵便法と絡めてなんという問題じゃなくて、労使の関係の安定化のためにも、そしてまた働く人たちの今日の生活の窮状を一刻も早く解決するためにも、郵政大臣が残された期間ひとつ――郵便法はいつ通るかわかりません、正直申し上げまして。どうかひとつ郵政大臣の誠意のあるところを御答弁いただきまして、次に移りたいと思います。
#74
○国務大臣(山内一郎君) 郵便事業は労使の協調が一番重要である、こういうことを私は就任以来痛感しているところでございます。
 そこで、七月二十九日の閣議におきまして仲裁裁定の話が出まして、私は特に発言をしたのでございますが、仲裁裁定を完全実施するには配分交渉に大分時間がかかります、二カ月以上かかるのじゃないですかということを聞いておりましたから、早目にひとつ配分交渉に入らしてください、大蔵省で何とか言っておきますと言っておりましたけれども、ともかく配分交渉に入るということをそのときに決めたわけでございます。したがって、その後労使の間でいろいろ話し合いをしていただいて十月の十三日に大綱が妥結をされ、十七日には各職種の俸給表がまとまったというふうに聞いているわけでございます。
 そこで、いよいよ支払いの段階になるわけでございますが、これは事務的の問題でございますので事務当局に財源がないのかということをいろいろ検討させまして、いまのような、ただいまのところはそういう結果しか出ておりませんけれども、郵便法の値上げを通していただければ一挙に解決する問題でございますが、いまの御発言もございますのでもっと事務的には研究させますけれども、いまの段階では以上のような状況でございます。私としては一日も早く解決をしたいという気持ちには変わりございません。
#75
○大森昭君 国民的な課題とそれから職員の賃金の問題と絡めているなんという次元の低い問題は、ひとつ今後はやめていただきたいと思うのであります。これは答弁要りませんが、どうかひとつ速やかなる解決をお願いしておきます。
 次に、保険の問題でありますが、高齢化社会へ移行するということで郵政事業もという所信表明でありますが、郵便年金の問題について、これは何回も逓信委員会で議論をしておりまして、まさに時代の対応におくれているじゃないかという議論の中で郵政省も何とかしなきゃいかぬということで実は新しい年金の創設を打ち出したようでありますが、どうも私どもの理解では、この問題がどういうかっこうで推移しているか十分判明いたしませんので、個人年金の問題について現在どのような経過になっているか、簡単にひとつ説明していただきたいと思います。
#76
○政府委員(小山森也君) 先生御指摘のように、郵便年金につきましては郵政省で大正十五年以来実施いたしておるわけでございますが、五十三年四月以後、先生から御指摘がありましたように、この郵便年金制度を再検討すべきではないかという御意見が非常に多かったこと、また郵政省自身も、この郵便年金が年々契約の状態が減っておりまして、郵政省が郵便年金をやるべきであるということで法律で命じられている、そういった点から問題がある、こういうふうに理解いたしまして、具体的にどうすべきかということにつきまして、外国の実情の調査、それから学識者への研究の依頼等を行ってきたわけでございます。その結果、昨年、現行の郵便年金を時代の要請に合うように改善充実すべきであるという具体的案、構想を出しまして発表したところでございます。
 これにつきましては、昨年末、郵政省の重要課題といたしまして政府部内で実行に至るための論議をしたところでございますけれども、政府部内において改善の実施につきまして基本的には合意に達したのでございますけれども、一部の点で意見の相違がございまして五十五年度実施を見送ったという経緯がございます。昭和五十六年度予算におきましても、昨年度に引き続きまして重要施策事項として挙げておりますので、ぜひとも五十六年度には実施に至るよう全力を挙げて努力してまいりたいと思っております。
#77
○大森昭君 そうすると、政府内部ではおおむね意見が一致をして来年度から個人年金発足ということで理解していいんですか。
#78
○政府委員(小山森也君) 一部に意見の相違がございますので、それを調整の上早急に実施に至るよう意見を調整するように、こういうふうに理解いたしております。
#79
○大森昭君 そうなりますと、最近、私ども新聞だとか雑誌で見ている範囲なんでありますが、どうもいろんな問題があって、やや昨年、大蔵大臣、郵政大臣、内閣官房長官、三者で合意ができたような形になったというふうに理解をしておったんですが、まだ一般的にはこの問題は白紙に戻って争われておるように理解をするのでありますが、いまのお話だと若干詰めが残っているようでありますが、おおむね明年から実施ができるというように解釈しているのでありますが、郵政大臣、それでいいんですか。
#80
○国務大臣(山内一郎君) 高齢化社会を迎えまして、年金もいろいろございますけれども、御自分の力で努力をされてひとつやっていこうという方に対して新しい年金として、要するに年金を受ける年になってから毎年定額でなくて大体物価増に見合うような年金をつくるべきであるということは、私、大臣就任のときに前大臣から引き継ぎを受けまして、こういうことをやっております、こういうことを聞いて、これは非常にいいことであるというので、何とかして来年度から実施をしたいものであるという強い決意を抱いているわけでございます。ただ、いま局長から話をしましたように、多少まだ詰めが残っておりますので、至急に詰めまして、ぜひ来年度から実施をしたい、こう強い決意を持っているものでございます。
#81
○大森昭君 いろんな問題点は私もわからないわけじゃないし、民間の同業同種の問題もありますから、したがって、民間の置かれている状態を圧迫するということは注意を払わなければいけないわけでありますが、しかし問題は、大正十五年からやられているんだというお話がありましたけれども、まさに郵政省がもっと前から手をつけておかなければならないやつがおくれおくれになっているわけであります。ですから、むしろこれは国民的な課題としての問題でありますから、郵政大臣、前の大臣から引き継いだなんて言わずに、どうかひとつ大臣就任で決意を新たにして、国民的な利益を図るという問題で、全体として民間の問題も調和をさせて発展を図るような決意でやっていただきたいと思います。
#82
○国務大臣(山内一郎君) 御趣旨の線に沿って最大の努力をしてまいりたいと思います。
#83
○大森昭君 時間がありませんから、次に、貯金の問題でありますが、最近、郵便貯金に対する風当たりが非常に強くなってきておりますが、いろいろ見てみますと、これはグリーンカードの制度をめぐる大蔵、郵政の意見の食い違いなんかもあるようでありますが、この問題というのは決着はついたんですか。
#84
○政府委員(鴨光一郎君) グリーンカード制度と申しますのは、少額貯蓄等利用者カードと言われるものでございます。この問題につきましては、利子の配当所得の総合課税への移行に伴う措置といたしまして、この春、所得税法改正案が前通常国会におきまして成立をいたしたものでございます。
 それで、これまで民間金融機関等から、その所得税法の改正の中で実現をいたしましたグリーンカード制度における郵便貯金の取り扱いが民間預金に比べて不公平であるということで種々要望が出されておりました。先般来いろいろな論議がされてきたわけでございますが、郵政省といたしましても、国営事業である郵便貯金の適正な運営を図る必要があるということで、実際面でできる限りの措置を講ずるということで大蔵省と協議を進めました結果、九月の二十六日に合意に達したものでございます。これで決着がついたものというふうに考えております。
#85
○大森昭君 いずれにいたしましても、いま少し貯金が伸びたと言いますが、これはここ一、二年見れば、私どもも心配しておったのでありますが、必ずしも増加目標に達していないというのがここ一、二年の経過であって、最近少しよくなったからというのでいろんなことが言われておりますが、今年度の状況はいいということでありますが、簡単でいいんですが、月別に増加状況ということについて説明していただきたいと思います。
#86
○政府委員(鴨光一郎君) 簡単に御説明いたします。
 本年度に入りましてからの増加状況ですが、月別に四月が七千八百七十四億円、五月が千百五十三億円、六月が四千二百二十七億円でございます。それから七月が九千二百八十八億円、八月が六千四百七十一億円、九月が五千四十一億円でございます。
#87
○大森昭君 いま言われるような貯金が少し伸びたというのは、公定歩合が大変高くなりまして、預金の利率というのはこれ以上上がらないんじゃないか、したがっていまのうちに定額をやっておいた方が有利じゃないかという意味合いなどによって郵貯が伸びているというふうに理解をいたしますが、そういう見方でよろしいですか。
#88
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほどお話ございましたように、昭和五十三年度、五十四年度の二カ年は連続いたしまして現金純増が前年実績を下回るという状況にあったわけでございます。本年度の郵便貯金の増加状況は先ほど申し上げましたような数字に相なっておりますが、これは先ほど申しましたように、七月に入りましてよくなってきたというのは、一つには定額貯金の増加、そのもとになります夏季のボーナスがよかったという点もございますけれども、先生御指摘のように、預金者に金利の天井感ということが生じましたために、長期に預入が可能な定額貯金の有利性が広く認識をされたことによるものではないか、このように考えております。
#89
○大森昭君 にもかかわらず、いわゆる銀行筋といいますか、いわゆる民間企業の方から大分郵貯の伸びについての批判を浴びせられているわけでありますが、競争でありますからいろんなことを言われるのはあたりまえでありますが、しかし、ここ少し問題があるのは、最近に至りましては、郵貯会計というのは巨額な赤字を抱えておる、第二の国鉄になるんじゃないかというようなところまで論争が発展をしていきますと、郵便貯金を預かる郵政省、とりわけ預金をしております国民に不安と動揺を与えるわけでありますので、少し郵政省として現在の郵貯の財政の状況だとかあるいは郵便貯金の役割りなどについてはアピールする必要があるんじゃないかと思うのでありますが、現在の郵貯財政の現状はどのようになっているんですか。
#90
○政府委員(鴨光一郎君) 現状につきましては、郵便貯金特別会計が現在累積赤字になっておりますけれども、これは四十八年度以降におきまして金融引き締め政策がとられまして郵便貯金の利率が引き上げられたわけでございますが、そのときに預託利率の引き上げ幅が郵便貯金の利率の引き上げ幅に及ばなかったためにいわゆる両者の利差が縮小いたしまして、そのために四十九年度から五十三年度まで毎年度赤字が生じたわけでございます。しかし五十年の十二月から預託利率面での改善が図られまして、いま申しました利差がさらに拡大をいたしましたために、五十四年度の決算におきましては単年度九百十七億円の利益が生じました。これによりまして五十四年度までの累積赤字は千九百三十五億円となっております。今後の見通しを申し上げますと、五十四年度以後利差がまた縮小というふうなことで予断を許さない面もございますけれども、現状のままで推移をいたしますと、累積赤字も数年後には解消されるというふうに見込んでいるところでございます。
#91
○大森昭君 そしてまた、最近の論争の中では、まさに貯金事業に携わる職員が脱税を勧める悪徳公務員みたいな言い方までされているわけでありますが、郵政省に働く職員の中にはまじめな人が多くて、また、きわめて貯金の奨励部門というのは簡単に集まるものじゃないのでありますから、汗水たらしてやっているわけであります。したがって、そういう意味からいきますと、どうも最近の論争の中で、貯金関係職員の名誉に関する問題が出てきてみたり、あるいは郵政貯金労働者の士気に大いに影響するような言論も出ておりますので、この際、郵政大臣がそういう状態についてどのようなひとつ御所見を持っているかをお聞かせいただきたいと思います。
#92
○国務大臣(山内一郎君) 最近、郵便貯金がふえてまいっておりますが、これは外務員あるいは郵便局の窓口の係員、こういう方々の非常な努力の蓄積であると私は考えているわけであります。ところが、いまお話のございましたように、脱税を誘うような言い方をする外務員があるということを聞きまして、私は心外にたえないのでございます。私は、外務員についてそういう人は一人もいない、こう考えているものでございます。しかし、いろいろございますので、名寄せも手作業から五十三年から五十八年までオンラインを着々と進行中でございます。したがって、一部はもうすでに稼働しております。こういうことを徹底して限度額の管理ということをさらにやりまして、外務員の方、そういう方は一人もいないと思いますが、さらにいろいろと注意をしていただいて、そういううわさはうわさであるというふうに私は徹底的に自粛をしてやってまいりたいと考えておるわけでございます。
#93
○大森昭君 また、これは参議院の決算委員会に私は出ておらなかったのでありますが、新聞報道によりますと、渡辺大蔵大臣は、郵貯の奨励手当の制度を撤廃を含めて検討したいということを答弁されたやに聞いておるのであります。さっきの電電公社の問題もそうでありますが、どうも大蔵大臣は勝手なことをいろいろ言っておるようでありますが、しかし事は重大なんでありまして、郵政大臣と大蔵大臣は上下の関係にあるわけではないのでありまして、郵政事業はまさに郵政大臣が所管をしているのであります。しかし大蔵大臣が言うことは自由じゃないかということなら、それで事は済むのでありますが、そういうわけにはまいらないのでありまして、大蔵大臣が答弁する際には郵政省にかかわることは事前にやはり連絡をすることになっているのかどうか。私も閣僚になったことないからわかりませんが、どうも少し言いたい放題のことであっては、働く人たちの意欲というのはこれは問題になりますね。とりわけこの手当というのは労使間の団交事項で、協約で締結されているわけでありますから、こういうことについて、どうも郵政省は腰が弱いという言い方は言葉がちょっと適当じゃないかもわかりませんが、事業を預かる大臣としては、一体こういう発言があった際に大蔵大臣にどういう処置をされているのか、ちょっと御答弁いただきたいと思うのですが。
#94
○国務大臣(山内一郎君) 正式の委員会の場で大蔵大臣が発言したという私は記憶ございませんけれども、御質問の中にそういうことをやったらどうだというような御発言ございましたので、私は、これは従来からやっているいい制度でありますし、これをやめる意思は全然ございません、こういうように強く申し上げたような次第でございます。
#95
○大森昭君 いずれにいたしましても、少しよくなればいろいろたたかれますし、悪いときはしりをたたかれますし、とにかく従業員の皆さん方は汗水たらして一生懸命働いているわけでありますから、よくなったらどう、悪くなったらどうなんという、さっきの大木さんの電電公社の話にもかかわるのでありますが、基本にかかわる部分というのはやはりきちっとしていただかなければならないし、とりわけ大変厳しい金融機関の競争の中にあるわけでありますが、私は持論といたしまして、ただ、郵便貯金を集めてそれを運用部資金にやってということだけで一体郵政事業というのは成り立つのかどうなのか、そしてまた、それが国民のニーズに対応できるのかどうなのかということを考えております。
 せんだって郵政省の郵便貯金に関する調査研究会の報告書なども見さしていただきましたけれども、いわゆるパーソナルファイナンスの問題として少し貯金事業全体を見直したらいいんじゃないかというようなことが強調されておりますが、貯金事業の将来展望を含めて郵政省はこの問題についてどういう考え方を持っておりますか。
#96
○政府委員(鴨光一郎君) 郵政省といたしましては、明治からの伝統を持っております貯金と為替、振替といった送金・決済サービスをあまねくこれまで提供してきておるわけでございます。こういったサービスを現代の社会にふさわしくオンライン化をしていくということが利用者のニーズにこたえるということで当然のことであるというふうに考えているところでございます。
 今後とも国民の生活意識というものの高度化、多様化に応じました個人に対するサービスの改善に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 御指摘ございました郵便貯金に関する調査研究会の報告書につきましても、郵便貯金がパーソナルファイナンス分野で最もふさわしい存在として積極的に役割りを果たすべきであるという御指摘をいただいております。今後、これを貴重な御意見として尊重してまいりたいというふうに考えております。
#97
○大森昭君 役所の仕事というのは、それがいいところなのかもわからないのでありますが、どうも私は事業の運営について、郵便貯金、保険、何でもそうなんでありますが、少し長期的な計画を立てるということの中で事業の運営をスピーディーにしておきませんと、情報化社会の中で世の中というのはどんどん進んでいるんです。余り進めない方がいいのかどうかわかりませんが、少し事業の運営についてテンポがおくれているんじゃないかと、悪口になって申しわけないんですが、感じるのです。
 同時に、私は、たとえば、いまちょうど学生が就職戦線でいろいろやっておるわけですが、たとえば郵政省の職員の採用試験なんかを見ましても、とにかく学科試験をやりまして、コンピューターに入れまして、何が何点、何が何点という、そういう点数がある一定のところまで達しないと合格しない。もちろん頭の悪い者を余り合格さしたって郵政事業は困るわけでありますが。しかし問題は、ある県のところを言うと私も全国区ですからちょっと問題がありますが、仮に東北の田舎の人が東京へ来て受ける。東京の地元の人が東京で受ける。仮に点数が五点違った。しかし東京の人を採用すれば、東京の居住地の中で仕事をしてもらうということになれば、親御さんのそばだとかあるいはうちから通勤ができれば、そういう人をやっぱり採用するということもどうなのか。たとえば田舎の方から、遠くから出てきますと寮も設備しなくちゃいかぬ、それからお嫁さんをもらうときにはまたその田舎に帰さなきゃいかぬとか複雑な問題がたくさん出てきます。ですから、従来雇用難時代のとき、あるいは今日のようにきわめて公務員を志望する過当競争の時代、いろんなことがありますが、少しこういう採用の問題なんかも、ただ、受験票をもらって試験を受けて、点数をコンピューターにやってやるということだけで果たしていいのかどうなのか。あるいは試験の問題も、何か最近見てみますと、二回も三回もやっていますね、試験を。そうすることは、結局、一たん入ってもやめていく人が多いのか、あるいはあらかじめ採用予定者を想定している仕方がまずいのか、どうもよくわからないんです、最近この試験の問題なんかを見まして。
 そこで、郵政大臣、さっき言いますように、人手に依存する率が高いんだというわけですから、まず、一番初めの出発点は、人を採用するときの問題の制度について根本的に洗い直さなきゃいかぬし、それから入った人たちを今度はどういうふうに業務に意欲的に仕事をしていただくかどうか。さっき長期計画をやったらどうかという話をしたんですが、本省なんかを見てましても、いろんなことがあったんでしょうけれども、局長が一年ぐらいでかわる。とりわけ大臣も本当に一年やらない方もいるというようなことになってきますと、これだけりっぱな所信表明を出されて、大臣も三カ月の間に意欲を燃やすと言っても何か継続性がないのですね、正直言って。そうなってきますと、私は郵便法の中でもまた十分議論したいと思いますが、財政再建だという前に本気に、郵政事業の中でむだが本当にないのかあるのか、あるいはもう少し今日の社会情勢の中で振り返って検討しなければならない問題があるんじゃないかというようなことが真剣にやっぱり問題提起されませんと、なかなか郵便法、正直申し上げまして、金が足りないから職員の給料も払えないから国会で承認してもらいたいというわけにいきません。
 きょうは時間がありませんからこれ以上のことは言いませんが、ひとつ人事局長、従来やっていたやつを、人事局長就任されましてまだ短いのでありますけれども、やはりもう一回振り返ってすべて見直す。貯金局長も保険局長もいままでやってきたことについて、引き続き継続じゃなくて、すべてやってきたものをもう一回見直すというところにやっぱり新任局長だとか郵政省の偉い人たちの任務の最大の私は義務があると思いますので、どうかひとつ、きょうは大木先生のちょっと質問が長かったから私の時間が少なくなりましたけれども、また郵便法の際に一生懸命皆さん方と議論したいと思いますが、どうかひとつ、きょうは郵政大臣の初めの所信表明でありますから、私も大臣の所信を聞きまして感じたことを申し上げまして質問を終わりたいと思います。
#98
○委員長(福間知之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十七分開会
#99
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#100
○太田淳夫君 それでは、引き続きまして質問さしていただきますが、午前中の同僚議員と多少重複するところがあろうかと思いますが、郵政当局の基本的な考え方をお聞きしておきたいと思います。
 一番最初に、これも新聞報道なんですけれども、最近、公定歩合の再引き下げの問題がいろいろ報道されております。行われる可能性がやや大きくなってきているように感ずるわけですが、ここに報道されておりますのは政府首脳の話でございますが、次に利下げをする、公定歩合を下げる場合には郵政省にも協力してもらわなければならない、そういうことについて郵政省にもこの意向を非公式に伝えているということが報道されておるわけです。非公式にというのはどの程度かちょっとわかりませんけれども、大臣に耳打ちがあったかどうか、その点もはっきりしないわけでございますが、この公定歩合の引き下げという問題が景気回復その他の問題と関連して、いま一つの大きなポイントになってきておりますが、郵便貯金の金利の引き下げもそれに連動して行うのかどうか、その点のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
#101
○国務大臣(山内一郎君) 公定歩合引き下げにつきましては最近の新聞にときどき出ておりますけれども、これにつれて郵便貯金の利子の話につきましては大蔵省から何らの話もございません。しかし、そういう場合には郵便貯金法に「貯金の利率」という条文がございますので、「国民大衆の利用に供される制度である」、こういうことに留意をして貯金の増強に資するように十分な考慮を払ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#102
○太田淳夫君 それでは次に、電電公社の例の資材調達開放問題について二、三お聞きしておきたいと思うんですが、せんだって十月には大来・アスキュー会談が行われました。そこで合意を得られずに大統領選後にその解決が繰り延べられた、このように報道されておるわけでございますが、この二十三日からまたアスキュー氏との会談が始まるわけですが、そこには当然この電電問題も含まれると思うんですが、その点いかがでしょうか。
#103
○政府委員(守住有信君) 御指摘のように、アスキューUSTRの代表が中国に行かれまして、二十三日、二十四日と訪日されるということは外務省から聞いておるわけでございます。しかし非常に時間が短いということも聞いておりますし、また、われわれの方の長い間の、三段階方式と俗称しておりますけど、そういう主張を踏まえてのことでございますので、まだ外務当局から詳しいことは聞いておりませんけれども、そこでどうこうということにはならないのじゃないか、こういうような感じで受けとめておる次第でございます。
#104
○太田淳夫君 いま三段階方式の調達の手続案ということでお話がありましたけれども、米国側のこの反応についてちょっとお聞かせ願いたいと思うんですが。
#105
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま日本側がいわゆる三段階方式というものを提案しているところでございまして、先生御承知のとおりでありますが、事務レベルの会合が前後七回持たれておりまして、最近、特に八月、十月とわりあいに密に接触をしておるわけでございますが、その会合の中におきまして電電側の主張しております三段階方式について非常に詳しく説明をしております。私たちの感触では、アメリカ側もやはりこの電気通信設備の調達というものは、従来からアメリカが主張しておりましたいわゆるガットコードによります競争入札方式による調達というのは大変無理があるのではないかというようなことがわかってきたというような感触を私たちは持っておるわけであります。したがいまして、現在提案しておりますものにつきまして、細かい中身の字句上の詰めも含めまして説明を加えております。相手側のそういう点に対応しているところから考えますと、理解が深まってきているのではないか、このように私たちは考えております。
#106
○太田淳夫君 私どもも、直接のあれではございませんが、いろんな報道によりますと、この三段階方式による資材調達方法のうちで競争入札の対象額、これは当初六億ドルが予定されておりましたが、その後大幅に上積みされて、その範囲の一部に電気通信機器も含まれているというような報道を聞いておるわけでありますけれども、これが本当だとしますと、通信機器本体までも譲歩しかねない懸念があるわけですが、政府は、従来から主張しているように通信機器本体を競争入札の対象にしない、こういう方針には変わりないと思うんですが、先ほど大臣も相当強い決意を述べてみえましたが、その点再確認しておきたいと思います。
#107
○国務大臣(山内一郎君) 通信機器の本体につきましては一般公開入札になじまないというのはアメリカも大分理解してきたようでございます。したがって、私の方も、前からのとおりでございますが、この点については一般公開入札はできない、こういうふうにさらに続けてまいるつもりでございます。
#108
○太田淳夫君 これも電電公社の方にちょっとお尋ねしますけれども、電電公社とIBMは去る九月の二十日に資材の長期購入契約と特許のクロスライセンスを結ぶことで基本的に合意した、こういうふうに報道されておるんですが、その概要と公社のメリットについてお尋ねしたいと思います。
#109
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま新聞報道にございましたIBMと電電公社の機器の購入と技術交換契約、特許契約の件でございますが、最初のIBMのコンピューター周辺機器の購入につきましては、これは実際に装置名はデータエントリー装置という装置でございますが、この装置は、私どもの電話の料金を計算いたします料金局で、従来電話の交換証とかあるいは電報などの料金計算をするためにさん孔テープをつくっておりまして、そのさん孔テープを電子計算機に投入するというような方法をとっておったのでありますけれども、最近の新しい技術といたしまして、さん孔テープではなくてフレキシブルディスクという新しいディスクを使用したデータの挿入方法が改良されてきてございます。したがいまして、私どものこの料金局におきましても、そういった古いタイプの更改時期になっておりまして、新しいフレキシブルディスクを使用しましたデータ宅内装置を買おう、こういうようなことになってございます。この装置につきましては、特に電電公社が開発しているものでもございませんし、一般の市販にも似たようなものがございますので、市販品の技術を使った方がいい、こういうふうに考えまして、こういったものを製造しております国内メーカーと、さらに外国ではIBMが一番すぐれた技術を持っておりまして、国内メーカーとIBMに引き合いを出したところでございます。製品の性能とかあるいは機能、さらに市場実績等総合的に評価いたしまして、IBMの五二八〇データエントリー装置というものがございますが、これが一番適しているのではないか、こういうふうに判断をいたしまして公社で技術討論を行いまして、若干の変更を加えまして購入をする方向で現在話が進んでいるところでございます。
 周辺装置の購入につきましては以上のとおりでありますが、IBMとの技術の交換契約、特許契約につきましては、IBM社の担当副社長がことしの六月中旬ごろでございますけれども電電公社に参りまして、そのときに、IBMは日本の各社、大手通信メーカーと特許契約を結んでおりまして、電電公社についても同様に特許契約を結ばないかというような話がございまして、その打診があった程度でございまして、現在まだ合意しているとかそういうことではございません。一応公社の中でも検討を進めているという段階でございます。
 こういった一連のものが、電電公社としましては特に海外でいい技術があればやはり公社の中に取り入れていくという姿勢の一端と御理解いただければよろしいかと思うのですが、この段階にこれを出しましたことが、特に現在の電電公社の調達問題を何とか打開するとか、あるいはねらってやったというものではございませんので、たまたまその周辺機器につきましても必要な時期に来たということと、技術交換契約におきましても、そういった日本の他のメーカーさんで特許の更改時期に来たときにIBMから電電公社に対しても話があった、こういうふうな時期がたまたま一致したところでございます。
#110
○太田淳夫君 次は、それでは電電公社の資材調達開放問題に関連しまして、行政管理庁は六月三十日に郵政大臣に対しまして、資材の調達、管理を中心とした日本電信電話公社監督行政監察結果に基づく勧告、こういうものを行っているわけです。この点についてちょっと御質問したいんですが、まず、一般に公共機関の資材調達というのは、契約の公正性と経済性を確保するため競争契約にするのが原則だろうと思いますが、電電公社では購入資材のほとんどが随意契約になっているんですが、その理由はなぜか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#111
○政府委員(守住有信君) 御指摘のとおり、私どもの方に六月三十日、行政管理庁の方から電電資材問題についての勧告がなされております。その中でいろいろな点があるわけでございますが、まず、その前に、いまお尋ねの電電公社の資材調達が、一般に国の機関の場合は競争入札あるいは指名競争入札、こういう形が多いのだけれども電電の場合はどうしてそれが少ないかという点のお尋ねでございましたので申し上げます。
 詳しくは、また公社の方から専門的にお答え申し上げたいと思いますけれども、やはり電電公社の公衆電気通信の設備というのは、全国的な一つの一貫した組織と申しますか、電話網と申しますか、そういう組織になっておりまして、これが一体として有機的に機能しなければならないという面から、すべてこれは特注品ということでございまして、中に一部市販品的なものあるいは公社が定めた技術基準に適合さえすれば一般の競争的な入札でも可能だという部分もございますけれども、その基本とする電気通信本体と申しますか、あるいは中枢部分等は非常にこれが特注品であって、その接続というものが容易でなければなりませんし、かつまた、その保守体制その他いろんな面でこれは競争契約になじみにくいという性質があるわけでございます。この点につきましては、この勧告の中でもそれを十分認め、かつ評価しておるわけでございまして、その他のと申しますか、その周辺部分と申しますか、そういうものにつきましてこの勧告は、競争契約の拡大などによる公正性、経済性の確保だとか、あるいはまた実務面での配給輸送業務の部外委託などによる資材管理の効率化、適正化という点について触れておるものでございます。
#112
○説明員(秋草篤二君) ただいまの御質問に対しまして、私からも一言御答弁申し上げます。
 いま守住局長からの御答弁のように、先般六月の行政管理庁の勧告は私はよかった、結構な勧告であったというふうに理解して感謝しております。
 大まかに言って、資材調達の公正化ということと、あと現場の資材管理の個々の物品の扱いについて二項目ありますが、最初の問題につきましては、いま守住さんのおっしゃったように私どもの九五%ぐらいがいま随意契約でやっておりますが、もう少し機会あるごとに競争契約の範囲をふやすということはしょっちゅう努力しておりまして、資材の品質も、それからJIS規格もいろいろと十年、二十年の間には非常に進歩してまいりましたから、競争契約にできるものは競争契約に少しでもするという努力をしますということ、しかし電気通信自体の機材につきましては、いまガットコードで懸命に議論しておりますように、その点は行管の方も十分わかっていただきまして、それは何も現状のままでいい、しかし、それに類する鋳鉄管とかそういうようなものは少しでも、一%でも二%でも競争契約の範囲をふやせということでございます。また、そういう努力をしようと思っています。
 それからもう一つは、現場の物品の在庫などがむだがあるとか、あるいは資材調達の事務などにおいて抜かりがあるとかという個々のいろいろなエラーを摘出、指摘されまして、これはもう全く改善するということに尽きるのでございますが、こういうことが今度の行管の勧告に対する私の所見でございます。
#113
○太田淳夫君 行管の勧告も電電公社の資材調達に関しまして理解を示しているわけでございますし、また、いま総裁からもお話があったわけでございますが、この中にやはりこういうことが書いてありますね。「郵政省は、公社に対し、資材の新規開発段階において業者選定の公正性等の確保を図るため、次の改善措置を講ずるよう指導する必要がある。1 資材の新規開発に当たって業者を選定する基準及び調査、検討すべき事項を事務規定に明定すること。2 業者の選定理由等を明確に記録に残すこと。3 電気通信に関し、高度な技術とノウハウの面で最新のものを有する業者などに対して、資材の新規開発への参加の機会をより広く認めるよう措置すること。」、このように指摘をされているわけです。この点どのように御改善されましょうか。
#114
○説明員(山口開生君) ただいま先生、三項目にわたりまして御指摘でございますが、第一の「資材の新規開発に当たって業者を選定する基準及び調査、検討すべき事項を事務規定に明定すること。」、こういうことに対しましては、この行管の御指摘あるいは調査に当たりまして、電電公社といたしましては内部的に整理はしておったのでございますけれども、第三者的な判断になりますと必ずしもこういった基準等が余りにも内部的過ぎて少し明確化を欠くということの御指摘のようでございまして、私どもは、特に先ほど申し上げましたように、国際調達にも絡みまして、やはり今後新規開発の業者選定に対する基準というのはもう少し明確にしておきたい、こういうふうに考えております。
 また、第二の「選定理由等を明確に記録に残すこと。」ということでございますが、これも記録に当然残さなければならないと思っております。
 第三番目の「高度な技術とノウハウの面で最新のものを有する業者などに対して、資材の新規開発への参加の機会をより広く認めるよう措置すること。」、これも同様でございまして、従来から業者選定に対して閉鎖的という態度は特にとってはいなかったわけでございますけれども、先ほど郵政省からの御説明にもありましたように、やはり電電公社の設備というものは、どちらかといいますと特注品になってございまして、幅広くメーカーさんに参加をしてもらって皆さんから購入をしていくということが、あるいはまた一般競争契約にするということが困難なものでございますが、そういったものでございますけれども、今後のいろいろの新技術の開発等考えますと、やはり内外を問わず高度な技術を持ったメーカーさんには新規開発の時点から参加を求める、このようにしたいというふうに考えまして、先ほど申しましたように、アメリカに対しましてもそのような提案をしておりますし、国内にもそのような姿勢でまいりたいと思っております。
#115
○太田淳夫君 勧告では、競争契約方式によって調達される資材についても、やはり競争効果の一層の確保を図るために「事務用物品の調達に当たっては、一般競争契約の導入について検討すること。」とか、「指名競争契約による場合においては、指名業者数の増加を図ること。」とか、そういうことを勧告しているわけです。この点はどのように検討されておりますか。
#116
○説明員(山口開生君) いま御指摘の点につきましては、特に事務用品の調達については、政府調達絡みでこれはガットのコードのもとで調達をしたい、このように考えておりますし、さらに事務用品以外のものにつきましても、先ほど総裁が申し上げましたように、市販にある、たとえば電柱だとか、あるいは鋼管類とか車両とか、そういったものにつきましても、これは公開入札で調達をしてまいりたい、このように考えております。
#117
○太田淳夫君 最後に、郵政大臣に。
 この行政管理庁の勧告というのは、公社の資材調達について努めて競争契約の拡大を図るとともに、随意契約方式により調達することが必要な資材についてもその業者選定の妥当性を明確にし、広く製造業者に新規参加の機会を認めるように、あるいは資材調達の公正性及び経済性を確保することを要請して、その上で郵政省がこれら改善措置を講ずるよう指導する必要がある、こう言っているわけですが、郵政大臣としてどのように公社を指導されますか。
#118
○国務大臣(山内一郎君) 行政管理庁の勧告はごもっともだと思います。しかし、なかなか高度な技術を要するとか、いろいろ一緒に開発をしながらやっていかなければいけない重要なこれからの通信設備の開発等もございまして、それらの問題はちょっと一挙にはそこまでいかないと思いますけれども、通常のものは行政管理庁の勧告のごとく一般に広げまして調達をしてまいりたいと考えているわけでございます。
#119
○太田淳夫君 次は、納付金の問題なんですが、これは午前中も同僚議員から詳しくいろんな指摘がございました。行管も見えているわけですけれども、これは行管の今後の行政改革に関する基本的な考え方ということで、中曽根長官が閣議報告された中の検討課題としてこれは述べられているわけですが、行政管理庁としては先ほどではまだほとんど具体的な勉強はしていないということでしたけれども、どのように検討を行っていますか。
#120
○説明員(竹村晟君) 先ほども御答弁申し上げた点でございますけれども、現在のところ全特殊法人を対象にいたしまして調査に入っております。
 具体的には、財務諸表でありますとか政府からの出資金あるいは補助金の状況、さらにはその特殊法人の事業の概況、こういったものにつきまして資料の整理、分析をしております。
 それで、その分析の仕方でありますけれども、幾つかの問題点を持っておりまして、一つは会計経理基準のあり方、それからもう一つは経営の効率化、合理化の問題、もう一つは利益剰余金の処分等の問題、それから民間能力の活用の問題、こういった点に一つの問題点を持ちまして現在資料の整備を行っておるところでございます。
#121
○太田淳夫君 これは電電公社の電話の利益の点につきまして、先ほどもお話がありましたが、五十四年度に四千五百二十九億円もの利益剰余金を計上し、あるいは累積剰余金も一兆三千億円に達しているんですね。電電公社からの納付金がねらいだという報道もあるわけですけれども、先ほど電電公社の総裁からはいろんな御意見がございました。郵政大臣と、あわせて総裁からこの納付金問題についてのお考えをお聞きしたいと思います。
#122
○国務大臣(山内一郎君) 九月十二日の閣議において行政管理庁長官から、特殊法人について経営の実態を見直して国の歳入増加を図るための所要の措置を推進したい、こういう協力要請がございまして、私も電電公社にいろいろ聞いたのでございますが、収支の差額というのは何であろうかということでございます。経理会計上勘定が三つございまして、損益勘定、資本勘定、それから建設勘定と三つになっておるわけでございますが、非常にわかりやすいような、わかりにくい、というふうに分類してございます。そこで、損益勘定の収支の差額は資本勘定ではそれを取り入れまして、さらに建設勘定ではいろんな設備を増強していく、あるいは債券の償還をやっていく、こういうことで一年間の予算というものはそれを全部含めて一銭も残らぬようになっているんです。それを国会の承認を得て電電公社が実施をしている、こういう状況でございます。
 そこで、まだ行政管理庁長官の方からどういうことかという提案はございません。したがって、そういう点を十分に把握をして、提言がございましたら郵政省の考え方を決めていきたいと思います。
#123
○太田淳夫君 これはいろんな声もあるわけですね。一つ挙げますと、貴公社は基本的には利益の一部を国庫に納入している専売公社や日本開発銀行などと同じ政府関係機関であり、公社も当然利益の一部を国庫に納入すべきじゃないか、こういう意見もありますし、また政府が財政再建のために国民にサービス低下や増税などの負担増を願おうとしている時期に黒字の政府関係機関が何の負担もしないのはおかしいじゃないかという意見もありますし、あるいは五十四年度に四千五百億円以上の利益剰余金を上げながら政府関係機関として法人税も支払わずに電信電話事業を独占している公社のあり方には問題がある、こういうようないろんな意見もあるわけです。その中にはこれはためにする議論もあろうかと思いますけれども、これに対して電電公社はどのようにお考えでしょうか。
#124
○説明員(岩下健君) お答えいたします。
 たとえば他の法人、いわゆる特殊法人で納付の例があるといった問題でございますが、なるほど御指摘のように、たとえばいわゆる各種の金庫あるいは公庫、公団には納付金規定のあるものが大分ございます。専売公社しかりでございます。ただ、こういった専売公社を初めといたしまして、いわゆる他の特殊法人と電電の事業運営のあり方なりあるいはまた発足の経緯等から照らしまして、大分基本的に違っておる点があるわけでございます。
 まず一つは、たとえば専売公社の場合で言いますと、専売という制度は、言ってみれば国の財政収入を確保するためのものということが一つの目的かと思います。それからまた、他のいわゆる金庫、公庫あるいは開発銀行といったようなところは諸政策金融機関的な性格がございますし、また他の公団にいたしましても、いわゆる行政サービスを行うための一種の代行機関といったような性格があろうかと思います。これに対しまして電電公社の場合には、事業の内容が電気通信サービスという公益サービスを提供するための一つの企業として二十七年前に発足をしたわけでございまして、事業の中身そのものがその辺他の特殊法人と違っておるのではないかという点が一点ございます。
 と同時に、また財政とのかかわりを考えましても、午前中の委員会でもお答え申し上げましたように、公社の資金調達のソースといたしましては、料金の形でいただきます利用者の方の御負担、それからいわゆる引受債券あるいは設備料といった形のいわゆる受益者負担にかかわるものが非常に多うございます。またそのほか、いわゆる公社の信用といいますか、の形で市中から募集しております、ちょうだいしております特別電信電話債券、こういった形の資金調達が大宗をなしておりまして、財政の方にもお世話になっておりますけれども、金額的には以上申し上げましたものに比べますと大分比率としては少のうございますので、この辺、財政資金ないしは一般会計を財源といたします他の特殊法人と事業の性格と並びまして資金の調達の方法においても違いがあるというふうに理解をしておるわけでございます。
#125
○委員長(福間知之君) 電電公社関係の皆さん、御苦労さまでございました。結構でございます。
#126
○太田淳夫君 それでは、せんだって海底ケーブルの切断事故が相次いで起こったわけでございますが、それに加えて九月二十五日には東京−北京間の衛星通信回線までが障害電波のため三十一分間途絶する、そういう異常事態が起こっているわけですが、この原因について説明していただきたいと思います。
#127
○政府委員(守住有信君) 日中海底ケーブルにつきましては、日中国交正常化以前の五十一年でございましたか敷設して、順調に運行されておったわけでございますけれども、その後五十三年に一度切断事故が出たわけでございます。この改修につきましてはすべて日中折半ということでございまして、第一回目改修費三億円かかっておるわけでございますが、その後ことしに入りまして四回そういう切断事故が発生したわけでございまして、私どもといたしまして、従来はその維持、運用の主体であるKDDに任せておりましたけれども、このように本年になりまして何回も起こるということでは、やはり日中両国の通信の権益をお互いに守っていくという姿勢からも、政府ベースとしてこれに取り組んでいかなければならない、こういう問題意識を持ちまして、さらに具体的には国内におきましては外務省へも詳細の事実を連絡いたしますとともに、やはりこの原因が全くわかりませんものですから、この原因とか予防の意味も含めまして、海上保安庁にも、切断した場合即座にどこの中継器とどこの中継器の間で切断したということが即刻わかるわけでございますので、海上保安庁との連絡ルートもお願いをしてつくったわけでございますが、さらに中国側とも同じような姿勢で取り組んでいきたいということで、現在上海の方で、向こうの方は北京の方の郵電部の方々と上海の保守、運用に当たっておる責任者の方々、私の方からとKDDの方から双方人を出しまして、当面の修復の問題と同時に、事業体は事業体としての自衛措置の問題、あるいは国は国としての今後の対応、こういうものについて中国側と意見交換をいたしまして、両国でこの問題に積極的に取り組んでいこう、こういうやり方をいまやり出したところでございます。したがいまして、この原因が漁船ではないかとか、そのほかかとか、いろんなことが世上言われておりますけれども、現在の時点では全く不明であり、またケーブルを引き揚げまして、その科学的分析等もやりながら、お互いに原因の究明に当たっていこう、こういう状況にあるわけでございます。
#128
○委員長(福間知之君) 行管の竹村監察審議官、御苦労さまでした。
#129
○太田淳夫君 後段の障害電波の件はどうですか。
#130
○政府委員(守住有信君) 日中間におきましては、もう一つインテルサットの太平洋衛星をお互いに利用しておるわけでございますが、この間、ちょっと日にちは忘れましたけれども、三十一分間にわたって実は初めて衛星の方の四ギガ帯の方の通信回線が障害を受けたわけでございます。したがいまして、これにつきましては、インテルサットのセンターの事務局がございますので、ここへも報告いたしますとともに、中国にも連絡して、お互いに原因の究明に当たろうということでやっておりましたところ、実は上海の方に地球局があるわけでございますが、その上海の地球局の、いわゆるインド洋のインテルサットと太平洋のインテルサットとの切りかえの工事をやっておりまして、そのときに過って太平洋のインテルサットの衛星の方に北京側と上海側と両方から波を出してしまったというのがあの事件の事実でございました。
#131
○太田淳夫君 郵政大臣は八月に中国を訪問されまして、今後電気通信分野での技術交流を促進することで中国側と意見が一致したということが報道されておりますが、その具体的な内容とわが国の対応策についてお聞かせください。
#132
○国務大臣(山内一郎君) 先般、あちらの郵電部長――日本の郵政大臣に当たります――に招待を受けて一週間ほど行ってまいりましたが、いろいろ話し合いましたことは、技術の交流をしてもらいたい、要するに日本ですぐれておる技術があればひとつ指導してもらいたい、こういうような話が中心になっておるわけでございます。したがって、あちらの電話局も見てまいりましたけれども、いわゆるクロスバーを盛んに研究し実施の段階に移している段階でございますけれども、あるいは電線の問題、そういう点でもまだまだのところございますので、先般、電電公社から技術指導官に行ってもらいまして、いまちょうど向こうでいろいろ話し合ってる最中でございます。したがって、そういうことをやることによって日中の交流を深め、さらに電気通信の技術の向上のために、お手伝いというのは何でございますが、お互いに話し合いをしていきたい、こういうふうに考えております。
#133
○太田淳夫君 それでは、次に移りますけれども、最近ペイテレビといいますか、何かそういう言葉で言われるそうですけれども、監理局長、どういうことですか、ペイテレビというのは。
#134
○政府委員(田中眞三郎君) 御説明申し上げます。
 ペイテレビと申しますのは放送電波を使うわけでございますが、送りの方で特殊な装置、エンコーダーと申しておりますが、暗号化いたしまして送り出すわけでございます。したがいまして、一般のテレビ受信機そのままでは受信できないように送り出す。したがいまして、これを受信しようとする者は、契約を結んだ上ででございますけれども、解読装置といいますか、デコーダーというようなものを貸与を受けましてそれを自分の手持ちのテレビにつける、そうして受信するということで、事業者の方の収入はこの解読装置の利用料というものを充てようというようなものでございます。
#135
○太田淳夫君 最近、テレビ局のこの仕組みの免許申請が提出されたと言われていますが、その事実はございますか。
#136
○政府委員(田中眞三郎君) このほど「にっかつ」と申しますか、会社名は日本有料テレビ株式会社と言っておりますけれども、有料テレビの申請を十月十四日に郵政省は受理いたしております。
 その免許申請の内容でございますが、UHF帯の電波を使用して、電力は五キロワット、東京都一円及びその近郊を対象といたしまして放送を行おうとしている。
 番組の内容でございますが、広告を行わないことを除きましては他の一般の放送事業者と同じでございますけれども、ただ、利用者がある程度契約者に特定いたしますので、利用者の意向を重視したような番組編成を予定しているようでございます。
 なお、デコーダーの利用料は、申請書によりますと、一件につき月願三千五百円というような明記がございます。
#137
○太田淳夫君 それで、いまいろいろと郵政省としてはその対応策を検討されているということでございますか。
#138
○政府委員(田中眞三郎君) いま申し上げましたように、このような有料テレビというのは、既存の民放と申しますか、一般放送事業者の広告収入は取らないということで、その辺の競合は避けておるわけでございます。
 それからただいまも申し上げましたように、番組も多少いままでの民放とは違ったものになるというようなことで、いわゆる放送の多様化にはつながるという意味では非常に関心を持っているわけでございますけれども、その反面、こうしたものをわが国の放送制度に取り入れるかどうかにつきましては、わが国におきましては放送事業というものは広く公共の福祉のために行わなければならないという公共的使命を強く意識している次第でございまして、このような直接、別料金というものを支払うという人だけに対しまして放送番組を提供するような放送形態というものを認めることが妥当かどうかという基本的な問題があろうかと思います。
 そのほか、事業として成立するということが必要でございますので、需要の予測される特定の地域に限りましてサービス対象とせざるを得ぬだろう、そうしたテレビに限られた周波数というものを割り当てるということが他の重要無線等との関連でいかがなものかというような点、あるいは先ほども申しましたように、これを受けるためには放送事業者と契約しまして一般の受信機のほかに特殊な解読装置を備える必要があるわけでございますけれども、そうしたようなものをつけた者のみが享受できる放送を認めるといたしますと、放送の公正かつ能率的な普及というものに役立つと言えるだろうかどうだろうか、あるいはNHKの受信料徴収への影響はどうだろうか、いま申し上げましたようないろんな問題点がございますので、今後、国民の需要動向というものを勘案しながら慎重に検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#139
○太田淳夫君 いま、いろいろと御説明があり、問題点もあるようですけれども、アメリカで大分これが実施されてきておるということで日本でもその事業化をということだったんじゃないかと思うんです。映画界などでは、国民の情報需要の高度化という要請にも沿うことになるし、あるいはまた既存の放送事業への刺激剤にもなるということで非常な意欲を見せているようでございますし、今後、放送衛星とかあるいは多重放送の活用施策の一つとしてだんだんとこういうことを考えられていく方向になるのじゃないかと思うんですが、いまどうなんですか、受理されたんですか、それとも完全に拒否されたんですか、その点はどうですか。次のいろんな活用施策の一つとしてのことも含めて御答弁を願いたいと思います。
#140
○政府委員(田中眞三郎君) 十月十四日に受理いたしました。それで、先ほども申しましたように、従来のものとは違いますけれども、いろんな点で魅力があるといいますか、先生もおっしゃいましたように、放送の多様化につながるというようなことで、国民大衆の需要というものを考えながら鋭意検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#141
○太田淳夫君 次は、テレビの受信障害対策の点でございますが、郵政省は、昨年からテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議の報告書をもとにして受信障害の制度的解消を図るための法案づくりを進めている、このように聞いているわけですが、関係する省庁がございますし、とりわけ建設省との調整に難航している、こういうふうに思うわけですが、その実情はいかがでございましょうか。
#142
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいましたテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議の報告書というものは、五十四年八月にいただいてございます。その報告書の中に「受信障害解消制度(案)」という骨子が載っておりますが、それによりますと、建築主等の原因者が受信障害解消施設を設置する必要がある、あるいは一定期間解消施設の維持管理を行うことなど、受信障害解消のための費用の大部分を建築主等の原因者が負担する必要が認められるというような記述がございます。そうしたものに対しまして、建設省の側でございますけれども、建築主というものは土地利用権等の正当な財産権の行使をしておるのである、したがって受信障害を建築主だけの責任とするということには反対であるというような御意見もいただいておるわけでございます。
 そこで、郵政省といたしましては、放送事業者は一応その責任を果たしている、受けられる状態の電波を届けておる、それにもかかわらず第三者の人為的な原因によりまして受信障害が生ずるという実態がございますので、基本的には原因者負担の原則が妥当なものというふうに考えておるわけでございます。したがって、対立しておるわけでございますけれども、近年、受信障害が非常に複雑になってまいりましたし、かつ大規模化してまいっております。そうしたときに、受信者負担の原則だけで困難な事例も多々出てきておるというようなことで、このような受信障害の解消についての関係者の責務と負担につきましては、今後なお関係者間で十分調整を図ってまいる必要があろうというふうに承知しておるわけでございます。
#143
○太田淳夫君 それでは、来年度の予算要求の中で都市受信障害紛争処理委員制度ですか、この新設を計画しているようですが、それはどういうような構想のものでしょうか。
#144
○政府委員(田中眞三郎君) 先ほども申しましたように、受信障害が複雑かつ大規模になってきたということで当事者間の協議だけでは解決の困難な事例が非常にふえてきておるという実態でございますので、従来、高層建築物による受信障害解消についての指導要領というようなものもつくりまして解決に当たってきたわけでございますけれども、なかなか容易に解決には届かないというようなことで、国におきまして紛争処理制度を設けて、公正な第三者の仲介を得まして受信障害紛争の迅速な解決を促進する必要があるということでございます。
 それで、先ほども出ました五十四年八月のテレビジョン放送の受信障害に関する調査研究会議の報告書にもございますように制度的解消を図る必要があるということで、こうした提言を郵政省としましては踏まえまして、紛争処理委員設置の方向で努力しておるわけでございます。
 なお、今年度におきましては、こうしたものの基盤整備といたしまして受信障害認定基準の策定に努めておるというのが現状でございます。
#145
○太田淳夫君 いまお話しのとおり、テレビの受信障害をめぐって多くのトラブルが発生しております。この四月にも中野区からは電波監理局長のところに要請書も来ておりますね。こういった紛争処理機関の必要性というのはこれは当然重要になってくるわけですが、これは法律的な裏づけがあるわけでございますか。
#146
○政府委員(田中眞三郎君) その辺がなかなかむずかしいところでございまして、いま何とか皆さんに御了解を得るような成案を得たいということですり合わせ等もしておるというのが実情でございます。
#147
○太田淳夫君 いろんな被害を受けている皆さん方は、早く立法、行政措置をしていただきたいということでやっておりますし、やはりこういった法律の裏づけのない機関の存在、これはいろいろと調停の努力をされたとしましても、その裁定に拘束力を持たないとなりますと、その実効というのはなかなか期せられないと思うんです。そういった点で、この紛争処理機関の調停機能を早く発揮させるためにも、いまいろいろと言われておりますような基準というものを早く整備することが必要じゃないかと私は思います。ですから、その点の対策を速やかに進めていただきたい、こう思うわけです。最後に、大臣、一言お願いします。
#148
○国務大臣(山内一郎君) いま電波障害の点は、高層ビル建築につれまして非常に各所で問題になっております。問題点は二つあると思いますが、どうやれば電波障害がないと同じように受信できるか、それからもう一点は、その経費をだれが持つか、この二つの点が重要だと思います。
 そこで、技術的な解消の点は大分進んでいるようでございますけれども、経費の点には厄介な問題がございますので、先ほど局長から説明したと思いますが、委員会でいろいろと御協議を願って新しい方向を見つけてまいりたいと考えております。
#149
○太田淳夫君 早急にお願いしたいと思います。
 次に、放送衛星の問題について質問したいと思いますが、実用通信衛星と実用放送衛星ですか、これはいつ打ち上げをされる予定ですか。
#150
○政府委員(田中眞三郎君) 実用通信衛星につきましては五十七年度、実用の放送衛星につきましては五十八年度の打ち上げを宇宙開発委員会の方でお認め願っておるわけでございます。
#151
○太田淳夫君 いよいよ実用衛星に入るわけでございますけれども、放送衛星あるいは通信衛星にしましても、たとえば放送衛星にしますと、難視解消という国民的な期待が込められておるわけですから、その打ち上げの成功を願うわけですけれども、この実験用放送衛星、これはどういうような状態でございますか。故障を起こしたんですね。
#152
○政府委員(田中眞三郎君) 実験用の中型放送衛星「ゆり」でございますが、これは五十三年の四月八日に打ち上げられたわけでございます。そうしまして同年の七月二十日から各種の実験を実施してまいったわけでございますが、本年六月には、テレビジョン電波の送信を行う装置でございますトランスポンダーというものを載っけておりますが、これが機能を停止した、二年二カ月で。その間基本実験はほぼ完了したということで所期の目的はほぼ達成したわけでございますけれども、なお応用実験というものにかかりたいということで、準備の段階で残念ながら画が出てこなくなったという状態でございます。なお、画を出す機能以外につきましては、たとえば衛星の研究のためにはいろんなことが必要でございますけれども、管理、運用の試験等はなお継続しておるということでございますが、画が出てこなかったというのは先生御指摘のとおりでございます。
#153
○太田淳夫君 二年間ぐらいで機能を失ってしまったということでございますけれども、そういう状況のもとで実用衛星の打ち上げを計画どおり推進して大丈夫かという不安を抱くわけですけれども、このBSの故障原因の探求及びその対応策あるいは寿命の向上あるいは性能の改善、そういうことが要望されるわけですが、その点どうでしょうか。
#154
○政府委員(田中眞三郎君) ただいま、ふぐあいはトランスポンダーについて生じましたということを申し上げましたけれども、実は宇宙開発事業団の方にちょうど故障しましたのと同じ予備衛星が地上に保管中でございます。これを利用いたしましてシミュレーション試験を行いまして、ふぐあいの原因究明を行っております。そして今後の対策について鋭意検討を進めているというところでございますが、ほぼ見通しはついておるわけでございます。これを宇宙開発委員会第四部会といたしましても御検討いただきまして、ふぐあいの原因及び対策については今月末に結論が得られるという目途のもとで調査、審議を進めているというふうに伺っておる次第でございます。
 今後、宇宙開発事業団といたしましては、宇宙開発委員会第四部会の先ほど申しました結論を踏まえまして、衛星の開発に際しまして必要な対策を十分講ずる、そうすることによりまして、より信頼性の高い衛星を開発するという万全の体制をもって臨みたいということで、したがいまして、私どもといたしましては実用放送衛星の打ち上げにつきましては予定どおり進められるものというふうに考えておる次第でございます。
#155
○太田淳夫君 私どもも、これは成功してもらいたいと思うんですけれども、本年八月の郵政省が公表されましたBS実験の中間報告書ですね。これから見ますと、BSから送られる画像や音声の受信評価は、晴天時にはよいが降雨時による減衰が大きい、また受信アンテナは積雪によりその機能が劣化する、こういうふうに言われているわけですが、NHKにしましても放送衛星の実用化によってテレビの辺地難視を解消されるものと強く期待している向きもありますが、こういうような対策、機能の減衰あるいは劣化に対する対策をどのように考えておられますか。
#156
○政府委員(田中眞三郎君) 実験用放送衛星「ゆり」によります実験結果でございますが、日本本土の大部分の地域では直径一メートルグラスのアンテナで十分受信可能である、評価四程度で可能であるということでございます。御存じのように、スタジオの中等で最良の受信状態を五と申しておりますが、五、四、三、二、一と分けまして、評価四程度で受信可能であるということでございます。
 それから小笠原、与那国島、日本の周辺と申しますか、放送衛星から出してきますアンテナビームの周辺地区に当たるところでございますけれども、そうした離島でも直径四・五メートルグラスの共同受信アンテナで受ければ十分評価四程度の受信が可能であるということでございます。
 ただいま先生の申されました大雨のときにどうかというようなことでございますけれども、それらにつきましても、土佐の南の非常に夏、雨の強いところ等々におきましても実験を重ねておりまして、まず実用には差し支えないものというふうに考えておる次第でございます。
#157
○太田淳夫君 次は、実験用通信衛星「あやめ」、これは打ち上げに失敗しているわけですね。どうですか。
#158
○政府委員(田中眞三郎君) 「あやめ二号」は実は実験用静止通信衛星と申しておりますが、五十五年の二月二十二日、種子島の宇宙センターからNIロケットによりまして打ち上げたわけでございます。ロケットは順調に飛しょうしまして、衛星とロケットの分離も正常に行われた。ただ、そういうところで衛星はトランスファー軌道というものに投入されたわけでございますが、その直後、衛星軌道に投入するために衛星に組み込まれております推進装置、アポジモーターというふうに申しておりますけれども、これに点火いたしましたところ、約八秒後に電波が途絶し、残念ながら失敗したということでございます。
 この「あやめ二号」の失敗の原因でございますけれども、宇宙開発委員会におきます検討結果によりますと、アポジモーターの異常燃焼によるものだ、推進薬の何らかの欠陥によるものであるというようなことになっておる次第でございます。
 宇宙開発委員会といたしましては、その対策といたしまして、いま申しましたアポジモーターの非破壊検査方法の改善、破壊しないで外から検査する方法の改善あるいは信頼性を判定する基準の確立等の措置をとることが必要であるというように指摘をいただいております。宇宙開発事業団といたしましては、この「あやめ」の失敗を貴重な教訓として指摘された対策を講ずるとともに、信頼性及び品質の保証につきまして十分に確認しながら開発を進めるということで、開発に伴うリスクというものを最小限にとどめるよう努力しながら今後の宇宙開発計画の実施に万全を期したいというところで努力している次第でございます。
#159
○太田淳夫君 努力はわかるんですけれども、最先端の技術でございますし、この宇宙開発にはリスクは当然つきものだと思いますが、この人工衛星の打ち上げの失敗ということは直ちに利用機関に大きな経済的な打撃を与えることにもなりかねませんし、したがって、その救済手段を講ずることが必要だろうと思うわけです。郵政省が六月の十七日に出されました宇宙開発計画の見直し要望、この中にも人工衛星の打ち上げ失敗により生ずる人工衛星の利用者機関の損害については政府として適切な救済措置を講ずるよう検討するとございますが、BS−2の打ち上げまで期間が迫っておりますけれども、大臣としてはこの救済措置について対応策をそれまでにきちっと間に合うようにおつけになるような決意はございますか。
#160
○政府委員(田中眞三郎君) わが国におきます宇宙開発でございますが、先進諸外国の技術の導入を図りながら、国策としまして早期に自主技術確立を図ろうという考え方でございます。このわが国初の実用放送衛星となりますBS−2でございますが、これはいま申し上げましたような国策によります自主技術の開発に資しますと同時に、NHKの強いニーズに基づきまして実利用にも供するという、開発と実用のいわば相乗り衛星という形で開発を進めているものでございます。そうしたために、国とNHKが相協力して計画推進をするということで、衛星の製作、打ち上げの所要経費をそれぞれ分担するというような形になっておるわけでございますが、御高承のとおりでございます。
 しかし、ただいま先生も御指摘ございましたように、宇宙開発には万全を期して進めたといたしましても、失敗という結果を招く危険性が全くないとは言え切れないものがあると考えられているところがつらいところでございます。したがいまして、万一、衛星の打ち上げに失敗した場合には、経費を分担しておりますNHKとしては当然大きな経済的損害をこうむることになるわけでございますが、この場合、国としても何らかの措置を講ずることを検討すべきである、そうすることによりまして、結果としてわが国の宇宙開発におきます自主技術の確立を促進するのが得策であるということで、先生いま御披露いただきましたように、郵政省といたしましては宇宙開発委員会に対して検討方を要望いたしたわけでございます。
 宇宙開発委員会の方では、人工衛星の打ち上げ失敗により生ずる人工衛星の利用者機関の損害に対する対応策は、わが国の宇宙開発を円滑に推進していくに当たって検討を要する問題であるので、今後、総合的観点から十分検討する必要があるというような考え方でございます。郵政省といたしましても、今後、宇宙開発委員会において検討されていることになっておりますので、その際にはNHKの危険負担に対しまして適切な措置が講ぜられるように努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#161
○太田淳夫君 最後に、もう時間がなくなりましたので、まとめて個人年金だけ一言お尋ねしておきますが、先ほども大臣は、この実現を決意をされているということでお話がございました。これにつきましては、大蔵省とかあるいは公的年金を所管する厚生省ともいろんな整合性を図ることも必要じゃないかと思いますし、また、先ほどもお話がありましたが、民間の金融業界、これが民間の活力を奪うようなことになりかねないんじゃないかということでいろいろ反対をしておりますが、そういった点について、対策もいろいろ講ぜられながらこれから実現を図られるのじゃないかと思いますが、大臣に確認の意味で再度お聞きしたいと思います。
#162
○国務大臣(山内一郎君) 非常にいい年金だと思いますので、実現に最大の努力をしてまいりたいと思いますけれども、局長の説明が先ほどございましたように、まだ煮詰まらない点が少しあるのでございまして、これを極力早く詰めて実現に持っていきたいと思っております。
#163
○太田淳夫君 終わります。
#164
○山中郁子君 初めに、盗聴器問題についてお伺いいたします。
 去る六月に、わが党の幹部であります戎谷副委員長並びに高原常任幹部会委員宅に取りつけられました盗聴器問題ですけれども、さきの十四日の予算委員会におきまして、憲法論争に関連いたしまして憲法が保障する基本的人権などの面から、これらの事態について鈴木総理大臣の見解を伺いましたところ、総理は、大変重大な問題であるので厳正に捜査をしたい、このように答弁をされました。御承知のところだと思います。
 そこで、私は、所管の大臣であります郵政大臣にこの点について改めて初めに確認をするものですけれども、明らかに基本的人権、とりわけ具体的には憲法第二十一条、通信の秘密、そしてまた公衆電気通信法、有線電気通信法、その他等々の法律に対する違反事件であり、重大な問題であるというように考えておりますが、郵政大臣の見解をお伺いいたします。
#165
○国務大臣(山内一郎君) 御説のとおり、通信の秘密というのは憲法でも保障されておりますし、郵政省の所管をいたします公衆電気通信法、有線電気通信法にもこれは明確に規定をされておりますので、非常に基本的な重大な問題と認識をいたしております。
#166
○山中郁子君 法務省にいままでの捜査状況を簡単に御報告いただきたいと思います。
#167
○説明員(川崎謙輔君) 御指摘の事件につきましては、六月三十日、最高検察庁が告訴、告発を受理いたしまして、翌七月一日、これを東京地方検察庁に移送いたしまして、現在、東京地方検察庁において鋭意捜査中でございます。
#168
○山中郁子君 私は、いまここに実物を持ってきてございますけれども、公社関係の方はもちろんよく御承知のところですけれども、これが電話の場合に取りつけられている保安器です。そしてここにヒューズ管がありますけれども、これがヒューズ管。ここに入るわけですね。この中に盗聴器が取りつけられていたわけです。それで、今回わが党の幹部のお宅に取りつけられましたヒューズ管と市販をされているいわゆる盗聴器というのは明らかに一見して違います。
 で、委員長、お許しをいただきまして、ちょっとこれを関係者に確認をしてもらいたいと思うんですが、よろしゅうございますか。――いま現物が明らかに市販されている盗聴器と違うということは、大臣並びに総裁、関係者の方々が確認をなさいました。私は、この点についても大変重要な問題だと思いますが、どういう点が違うのかと申し上げますと、この構造自体が今回の盗聴器は大変精巧にできている、市販のものに比べて。材質で申し上げますと、片方は、市販のものはべ−クライトを使っておりますけれども、ポリエステルでできている。また、発信方法が同軸型であるにもかかわらず、市販のものはコイル型になっている。そして周波数が市販のものは百メガヘルツ、こちらのわが党の幹部の家に取りつけられていた盗聴器は八百九十六メガヘルツです。その性能の違いもおわかりになると思います。それから刻印がついているんです。民間のものには、市販のものにはついていません。どういう刻印がついているかといいますと、製造年、それからメーカーのマークがついている。
 これらの点が違うということは、ごらんいただいたことも含めておわかりいただけると思いますけれども、これは素人が考えてみましても、特別な専門的な技術が必要、大変精巧なものになっています。私は、これは単なる私人による犯罪とはとうてい考えられません。これまで、わが党がここ二十数年間、わが党の党大会の会場ないしは宮本委員長の自宅などにも取りつけられましたこうした盗聴器の実例などから考えますと、私はこれは公安関係の権力による犯罪であるということは十分考えられるわけですし、またそれを考えていかないといけないと思いますけれども、その方面も含めた捜査を行っているのかどうか、お尋ねをいたします。
#169
○説明員(川崎謙輔君) 東京地検におきましては、あらゆる角度から捜査を続けてまいるものと考えております。
#170
○山中郁子君 私が申し上げました、公安関係による権力による犯罪の疑いは十分にあるということも含めて捜査をなさっているということで理解してよろしゅうございますか。
#171
○説明員(川崎謙輔君) 先ほども申し上げましたとおり、あらゆる角度から捜査を継続しておるということでございます。
#172
○山中郁子君 私がここに持っておりますのは戎谷副委員長の家で発見された盗聴器でございます。私どもは、証拠物件といたしまして高原幹部会委員宅で発見されました盗聴器を提出してあります。それはそれぞれレントゲンの撮影によりましてもほぼ同じものだということが判断できます。先ほど私はメーカーの刻印がついていると申しましたけれども、このヒューズ管には、私たちの調査によれば白山製作所というヒューズメーカー、このものに非常に酷似をしている。メーカーの表示というのは、ここに白山製作所のパンフレットがありまして、ここにhという、白山のhですね、このマーク、これが会社のマークなんです。これがこのヒューズ管に刻印されているんです。私は、これらのものから外観上も製造元がどこなのかということはそれなりの判断ができると思っておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか。これは公社の見解も伺っておきたいと思います。
#173
○説明員(川崎謙輔君) 現在の捜査の状況につきましては、何分現に捜査中の事件でございますので詳細な説明は差し控えさせていただきたいと思いますが、ただいま御指摘の点なども踏まえまして東京地方検察庁では捜査するものと考えております。
#174
○説明員(菊地信一郎君) ただいまのお話につきましては、捜査当局に調査を御依頼しているところでございます。
#175
○山中郁子君 私は、前にこの問題について総裁にもお目にかかりましてお話をいたしました。その際、公社としても被害者であるということを強調されました。そのとおりだと思います。実際問題として、公社のヒューズ管に取りつけられていたもので、そのヒューズ管によってメーカーが推定できる、ある程度判断できるという材料がある以上、公社としては当然のことながら公社の自主的な解明としてそうしたことについて努力をすべきだと思っておりますけれども、総裁、いかがでしょうか。
#176
○説明員(秋草篤二君) この事件直後、私ども、白山製作所に対してそういうことに対して何か関連する、思い当たるようなことでもあったかということも関係者が問い合わせたことがございますけれども、一切そういうことは記憶がないということを聞いたことを記憶しております。
#177
○山中郁子君 私は、当然のことですけれども、姿勢として、これらの問題も含めて本当にやる気があるならば積極的に捜査も推進すべきですし、調査も進めるべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 ところで、八月六日に地検が高原宅の実地検分をおやりになったわけですけれども、それから二カ月半たちますけれども受信可能範囲の測定などの盗聴器の性能検査がまだ行われていません。受信可能範囲がわかれば、現在犯人がもちろんそこにいるとも思いませんけれども、いないとしても、受信場所の範囲が特定できるわけで、調査を急ぐ必要があると私どもは思っておりますけれども、いままでどうしておやりになっていないのか、また、いつこの調査をおやりになるのか、お伺いいたします。
#178
○説明員(川崎謙輔君) 先ほども申し上げましたように、何分現に捜査中の事件でございまして、捜査の具体的内容について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、この事件につきましては東京地検におきましてこれまで現場の実況見分あるいは証拠品の鑑定、さらには関係者からの事情聴取等、現在までのところ鋭意尽くすべき捜査を尽くしているというふうに聞いております。
#179
○山中郁子君 受信可能範囲の測定を実際におやりになっていないんですよ。これはもちろん当事者の立ち会いがなければできないわけですから。それをなぜやっていらっしゃらないのか。鋭意やっていらっしゃると言うけれども、二カ月半もたってやってなくて、受信可能範囲がわかれば当然どの範囲に犯人がいたかということだってわかりますでしょう。そこが理解に苦しみますけれども、どうなんですか。
#180
○説明員(川崎謙輔君) 捜査当局におきましては、今後とも必要な捜査を継続していくものとわれわれは信じておるわけでございます。
#181
○山中郁子君 じゃ、何で受信可能範囲の測定をやらないんですか、二カ月半たって。すぐやるということならそれでよろしいですけれども。
#182
○委員長(福間知之君) どうですか、川崎公安課長。
#183
○説明員(川崎謙輔君) 捜査当局においては必要なものであるならば今後行っていくであろうということでございます。
#184
○山中郁子君 じゃ、重ねて伺いますけれども、受信可能範囲の測定をやっていないんですよ。そして必要なものならやるだろうとおっしゃるなら、受信可能範囲の測定は必要ないという見解になるんですか。
#185
○説明員(川崎謙輔君) それは現在捜査を担当しております東京地検の判断にゆだねたい、このようなことでございます。
#186
○山中郁子君 法務省としてそういうことは当然必要だ、これは異議のないところですね。
#187
○説明員(川崎謙輔君) 御指摘のとおり、法務省は具体的事件に関しまして検察庁を指揮する立場にはないわけでございまして、われわれは東京地検の捜査の推移を見守っていきたい、このように考えておる次第でございます。
#188
○山中郁子君 法務省として、いまの私が指摘した問題も含めてそうした捜査を鋭意進める、これは鈴木総理大臣がお約束なすったことですから、その点についてはよろしいですね。
#189
○説明員(川崎謙輔君) 先ほども申し上げましたとおり、法務省は検察を指揮する立場にございませんので、東京地検の捜査を信頼して見守ってまいりたい、このようなことでございます。
#190
○山中郁子君 郵政大臣、先ほど私は、総理大臣もこう言われた、郵政大臣としてのそのことに対する判断もお伺いしました。郵政大臣としては、所管の大臣として当然、総理が厳正に捜査をしなければならぬ、しますとおっしゃったことについて御異議はないわけですね。具体的なことはいいですよ。私が指摘をしたことの問題点は何かということはおわかりになると思いますから、要するにそういうことも含めて、所管大臣として、政府としてこの重大な憲法違反の犯罪を厳正に捜査をする、しかも速やかに、そういうことの態度は確認をさせていただきたいと思います。
#191
○国務大臣(山内一郎君) 郵政省といたしましては、先ほど申し上げましたように、所管の電報電話局長から警察署長に告発がしてございます。それ以上にどうも郵政省がやるのは権限外だと思いますので、警察当局の捜査ということに期待しているんでございます。
#192
○山中郁子君 私が確認したいのは、鈴木総理大臣が重大な問題なので厳正に捜査をするとお約束なすったわけです。それは、閣僚の一人であり、しかも所管大臣としての郵政大臣としてもその点についてはもちろん同じ立場でいらっしゃいますね、ということです。
#193
○国務大臣(山内一郎君) 私、閣僚の一人でして、総理大臣が上におられまして、たくさんの閣僚が下におりますので、それぞれの所管で総理を助けて総理の方針に従っていく、私の範囲は先ほど申し上げたとおりでございます。
#194
○山中郁子君 郵政大臣の所管の範囲はもちろん当然のこと知っています。この問題はその所管の中で起こっている問題なんです。私が先ほど指摘をしたことに対してもいまだにこれらのことがされていないというのは、口で厳正に捜査しなきゃいけないと総理大臣が言って、皆さん方も重大な問題だとおっしゃっても、どこまでそれをやる気があるのかということについて重大な疑問を感ぜざるを得ないということを申し上げておきます。法務省としての任務を果たす上で、私が指摘した点について十分頭に置いてください。
 それで、関連いたしまして、市販盗聴器の問題なんですけれども、これは郵政省、法務省それぞれにお伺いをしたいわけですけれども、電話盗聴用のヒューズ管型の盗聴器、これですね。いまお示しいたしました特別なものと、それから市販のものとの違いも確認をいただきましたけれども、市販をされている電話盗聴用のヒューズ管型盗聴器、これが野放しになっているという現状は、当然のことながら有線電気通信法に触れると思います。これは私いま一つカタログを持ってきているんですけれども、コニーエレクトロニクスサービスという会社のカタログです。この中にいろんな盗聴器があるんですけれども、ヒューズ管型の盗聴器がちゃんとあるんですね。この中に入っているんです。そして「リモコン付の小型FMラジオ付テレコを併用すれば鬼に金棒!」なんというキャッチフレーズをつけてこれを売り出している。野放しになっています。これはやはり基本的人権を侵す、また有線電気通信法、公衆電気通信法その他等々に違反する事例としてこのままでいいとは思えませんけれども、どういうように考えていらっしゃるか、お尋ねをいたします。
#195
○政府委員(守住有信君) 本件に限りませず、新聞紙上等に私立探偵の事件等いろいろ出まして、先生御指摘のように、一種の特殊な無線発信機だと思いますけれども、それが製造販売されておるということを私どもも関心を持って見ておるわけでございますが、ただし、これは有線電気通信法等から見ますと、その異物が公衆網等に取りつけられた場合にこれは有線法違反だということでございまして、特異な無線発信機ではございますが、その製造販売の直接の管理規制というものに私どもとしてはタッチしておりませんので、そういう異物が取りつけられる可能性が非常に強くなっておるという認識から、公社等に対しましても、何も本事件に限りませずに、一般的に通信の秘密を侵す、あるいはまた有線電気通信法違反の可能性が強くなってくるという時代でございますので、電話の加入者等から雑音その他何か異常があった場合は直ちに報話局の方からその加入者の方へお尋ねをするとか、あるいは保守、点検の場合にその保安器を中心に点検をしてもらうとか、そういうことについて公社当局にも現在指導しておるところでございます。
#196
○山中郁子君 法務省。
#197
○説明員(川崎謙輔君) 同様でございます。
#198
○山中郁子君 そうしますと、いままでも折に触れておっしゃっておられるのですけれども、いまの御答弁の中でも類推もできるんですが、民法上のプライバシーの保護ということだけで、その他についてはどうもどうしようもないという側面があるというわけですね。これは明らかに、いま私が示しましたように電話に取りつけるものなんです。そういうものとしてつくられて販売されているわけです。これらの問題については、今後こういう現状が放置されているままでいいと私は思えない、問題があると思っておりますけれども、郵政大臣、その点はいかがですか。
#199
○国務大臣(山内一郎君) どうも郵政省の所管事項かどうか、私よくわかりません。
#200
○山中郁子君 電波法も関係するんですか。
#201
○国務大臣(山内一郎君) だから、先ほど局長が説明したように、こちらの通信に取りつけて何かした場合には関係ございますから、それは取り締まるようにやりますけれども、販売についてはどうも郵政省の所管か、ちょっとわかりかねます。
#202
○山中郁子君 私は、そういういろいろな役所の関係とかということからだけでなくて、それぞれの人々が、国民のプライバシーの権利がこういう陰湿な形で侵される。しかも、たまたまそれは見つかれば犯罪だということで摘発もするし、なくすようにするけれども、見つからないのがいっぱい考えられるわけです。これはやはりどういう所轄範囲であるかという形式的なことでなくて、研究すべき課題ではないかと思っておりますけれども、その点はいかがですか。
#203
○国務大臣(山内一郎君) 先ほどと同じような答えになるかもしれませんけれども、やはりそういう問題の販売については、政府が全体となっていろいろ検討する必要があると思います。
#204
○山中郁子君 具体的に、そうしたら郵政大臣ないし電電公社という範囲で考えても、法務省も関係いたしますけれども、こうした犯罪行為を防ぐ、防止するというための具体的な措置がやはりどうしても必要になってきて、その具体的な措置の強化というものが求められるわけですけれども、この問題以降に限りませんが、とりわけ、さらにまた重大な問題として起こった以降の公社としてのこの防止のための施策、お考えをお伺いいたします。
#205
○説明員(長田武彦君) お答えいたします。
 異物の取りつけ等につきましては、公社といたしましては、工事あるいは障害修理というようなことで、日常のそういう作業の中で特に異物が設置されているかどうかという点を点検するのと、そのような手段をとる違法行為が行われないように十分日常の保守作業の中で注意を払ってまいりました。今回のこういう事件もございまして、今後ともさらに従来にも増してこういうような点検の強化ということを現場にも指示をいたしまして強化をしているところでございます。しかしながら、現在、約三千八百万ほどの加入者がございまして、これが各家々の電話の引き込みというものは、これは大体架空といいますが、要するに屋外にさらされている設備を経由して引っぱっておる、こういうかっこうになっておりまして、これらのものすべてにつきまして全くこういうものの皆無を期すというのは非常に至難なことではございます。しかし今後ともこういう点検という趣旨に立ちまして、大いに強化を図っておるところでございます。
#206
○山中郁子君 五十三年の五月に、「通信サービスに影響を与える異物の取付に対する処理について」ということで、保全局長、監査局長名で通達を出されています、関連する問題として。ぜひとも、この通達が出ているからということだけでなくて、今回の新たなやはり重大な事件が発生しているわけですから、改めて公社として各電話局長にそうした点がはっきりと伝わりもするし、またそうした成果が上がるような通達を出すなりの指示を強めていただいてしかるべきだと思っておりますが、総裁の見解とお約束をいただきたいと思います。
#207
○説明員(秋草篤二君) 盗聴器の問題は、週刊誌等にもいろいろしょっちゅう広告に出ておりますが、私たちはむしろこの問題を早く何か立法措置でもしていただきたいという、特にいま山中先生から、私どもの保安器につく、市販で盗聴器を売っているというような話を聞きまして、犯罪的な盗聴は、先般の先生方の盗聴事件じゃなくて、過去においても五年間で十二、三件あったように私記憶しておりますが、初めてそのときに電話にもいろんな盗聴があったんだなということを知りました。いま先生からカタログまで出て売っていると言われて初めて愕然としたのでございます。そういうことは、法的には何かつくることはとがめない、売ることもとがめない、使ったときにとがめるのだといういまの制度だと思いますが、少なくとも保安器のようなものを堂々と市販して……
#208
○山中郁子君 保安器じゃないですよ、この中に入れるヒューズ。
#209
○説明員(秋草篤二君) はい、わかりました。ヒューズを売っているというようなことは、私はゆゆしき問題だと思いまして、早く何かの立法措置をして、少なくともヒューズぐらいは見つけたら処罰できるような法律にしていただかないと、どれを電電公社で三千七百万という方々にあるヒューズ管を念入りにパトロールするということは大変なことでございます。大変な労力と大変な金がかかります。それによって何百万人に一人か何人に一人ぐらいの事故があったということになれば、もっとやっぱり根本的にそういう点の法律的な措置を早く私は考えていただきたいというのが私の真情であります。
#210
○山中郁子君 さきに指摘しましたように、市販のものと明らかに違うという、そこにまたさらに重大な問題が今回の事件についてはあるわけです。私どもは、先ほど二十九件に及ぶものがわが党の直接的な摘発ないしは告発によっても明らかになっていると申し上げましたけれども、たとえばこれが一連の同じ組織に係るものであるということが推定されるたくさんの現物による論証ができます。
 今回のこの盗聴器は、たとえば一九七六年、わが党の島根県委員会で発見された盗聴器、これとも共通するものです、内容的に。それらの点で重大な内容を持っていると思いますので、あいまいな消極的な、さらには隠蔽するようなそういう姿勢でなくて、毅然とした態度で捜査を進めていただかなければならないと思っております。
 関連いたしまして、一九六五年の、当時書記長でありました現宮本委員長の自宅に取りつけられました盗聴器の事件についてなんですけれども、これは犯人不明のまま捜査打ち切りになったというふうに説明されております。この盗聴器の性能などについても国会でかねてから要求もしてきたところなんですけれども、その後提示もございませんので、打ち切りになれば証拠品として提出をされておりますその盗聴器自体は何らかの形で還付されるべきものだと思いますので、私どももそれとも比較をしたいと思いますので、それがどこにあるのか、どこに保管されているのか、そして還付されているなら、公社の方に還付されているとすればそれも見せていただきたいということをお願いをして、お約束をしていただきたいと思います。
#211
○説明員(川崎謙輔君) ただいま御指摘のありました昭和四十年に発生いたしました盗聴事件につきましては、警察が鋭意捜査いたしましたが犯人の特定を見るに至らなかったものでございます。
 この事件は、その後犯人不明ということで検察庁に事件が送致され、その後時効完成ということで不起訴処分になっております。恐らく当時の証拠品はこの不起訴処分の段階でそれぞれ提出者に返還されておるものと思います。
#212
○山中郁子君 提出者は公社になるはずですので、公社の方でお調べいただいた上で結構ですけれども、それが還付されていると思いますので、見せていただきたい。お約束をお願いいたします。
#213
○説明員(長田武彦君) 調べた上でお答えをすべきことだと思いますが、現在私が持っております知識では還付を受けておりません。
#214
○山中郁子君 おりませんか。
#215
○説明員(長田武彦君) はい。ただし、ちょっとこれはまだ私の知っている範囲でございますので、さらに詳細調べてみます。
#216
○山中郁子君 それでは、還付されているかいないかも含めて私の質問に対して、法務省か電電公社になるかわかりませんけれども、その実物がどこにあるか、そのことについての要求を了としていただいたものと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは次に、労務政策及び管理者教育の問題点について、同じく電電公社にお尋ねいたします。
 これは、いままで私自身も、それからまたわが党の議員による幾つかの質問をたび重ねてまいりました。つまり反共差別攻撃ないしは管理者教育、そういう問題です。その都度、総裁を初めとして公社の方々は、そういうことはあってはならないことだ、あるまじきことだ、憲法違反の、公社としてはそういう考えはないということを何回もおっしゃいます。ところが、これが後を絶たないという現状があります。きょうは大変限られた時間でございますから、私は通信研究所の問題についてだけ具体的な事例としては限ってお話をいたします。
 御承知だと思いますけれども、この二年の間に一九七八年十月の衆議院逓信委員会では藤原議員が宇治電報電話局のレクリエーション問題についての差別、一九七八年十一月には同じく衆議院の逓信委員会で藤原議員が京都市外局の差別と人権侵害について、同じく七九年三月の衆議院決算委員会では安藤議員が名古屋市外電話局での自治体選挙に立候補することに絡む差別、攻撃、妨害、それから七九年三月には私が参議院の予算委員会で東京中電の思想差別、それぞれ、いまちょっとごく最近の事例だけでも列挙いたしましたように取り上げてまいりました。まず、これは私は何回もその都度言っているわけなんですけれども、公社の労務政策の基本として憲法を初めとする労使関係の法令その他を遵守するつもりがあるのかと聞けば、あなた方は当然だとおっしゃるのだけれども、それであるにもかかわらず、次々とこうした差別問題が起こってきているということがありますので、改めて基本的な見解をお伺いをしておきます。総裁から承りたい。
#217
○説明員(秋草篤二君) 私ども三十二万余の従業員に対しましていつも強く申し上げていますとおり、思想、信条に対して区別、差別するということを絶対にしてはならないということを強く申し渡して指導しております。
#218
○委員長(福間知之君) 法務省、御苦労さまでした。
#219
○山中郁子君 具体的に通研におきます管理者教育の中での問題点を指摘するわけですけれども、管理者教育というのは公社として基本的な考え方を持っておやりになっていらっしゃると思います。それはどうなっているんですか。本社の考え方、基本的な公社のものによってすべてのところで管理者教育が行われているのか、あるいはそれぞれ勝手に通研なら通研の本部長の考え方ないしはそこの労務担当の考え方によって管理者教育が独自に行われている、そういう仕組みになっているのかどうか、どんなものでしょうか。
#220
○説明員(澤田道夫君) お答えいたします。
 公社の管理者訓練でございますけれども、管理者、特に管理段階と申しましても、本社から電話局まで、また電話局をとりましても部長から課長まで、いろいろ段階があるわけでございます。公社全般といたしましては、やはり基本的には担当の業務につきまして専門的な知識、技能を付与する、これが一つでございまして、それとともに管理者として職員を指導し、組織を管理するために必要な能力、識見を高めるということだと考えております。
 その実施の段階はどうかという御質問かと思いますけれども、これは広く全社的に、かつ、ある一定の研修期間を要するもの、かつ何年か継続するものにつきましては、これは本社あるいは通信局が計画いたしまして、それぞれの計画として実施いたします。また短期間、またある部局に限られた管理者の訓練ということになりますと、その訓練ニーズに近いところ、たとえば現場機関も管理者訓練を行いますし、通信部も行うということでございます。
#221
○山中郁子君 内容は、公社の職員訓練規程というのがありますね。そうした公社でもって定めたものに基づいて行われるということで理解をしてよろしいのか。もし、そういうものと全く違う、勝手に内容的にものをやった場合にはその責任はどうなるのか、お尋ねいたします。
#222
○説明員(澤田道夫君) 先ほど申しましたようなことで、本社が長期間一元的に実施いたしますものについては、管理者教育というのは先生も御承知のように大変むずかしゅうございまして、画一的な訓練あるいは画一的な教材というものの用意がそれこそ容易ではございません。したがいまして、既定の統一的な教材、カリキュラムというものは他の訓練には数多く用意してございますが、管理者訓練につきましてはいろいろ主催し実施する段階で創意等をこらしまして、教材あるいはまた訓練内容を決めていくというふうなのが現在の実勢でございます。
#223
○山中郁子君 じゃ、その管理者教育が多少それぞれの自主性なり何なりがあったとしても、その中に反共差別教育が入る、ないしはそれが中心になるというようなことはあり得ないということですか。
#224
○説明員(澤田道夫君) もちろん思想差別的な教育を行うということは毛頭考えておりません。あり得ないことと思います。
#225
○山中郁子君 具体的にお尋ねいたしますけれども、一九七九年三月六日から八日にかけまして東京都市センターホテルで行われました通研三研究所の新任課長補佐を対象とした管理者研修これは管理者特別研修というふうに言っているんですけれども、特別研修と一般の管理者研修と二本立てになっているのかどうかも含めてこの内容をお示しください。どういうことをやったのか、だれがやったのか。
#226
○説明員(澤田道夫君) まず、前後逆になるかもしれませんが、特別という言葉の有無、これは訓練を実施いたします者のある種の気持ち等があらわれている意味ではないかと思いますが、特別と特別でないものをわれわれが制度的に区分するということはもちろんないわけでございます。
 それからいまおっしゃいました通研の課長補佐の研修でございますが、踏み入ったことを、ちょっと御質問とずれた御答弁になるかもしれませんが、講師につきましてはいずれも部内の管理者のうち適任な者を当てております。それから受講者は、この訓練の表題にございますように通研に室長補佐として新しく着任した者、これを対象としておるわけでございます。研修内容でございますけれども、われわれ、この通研で行います研修内容について一々つまびらかにはしておりませんが、服務管理、安全管理あるいは補佐の役割りといったもの、それと通研幹部の講和等が行われたというふうに理解しております。
#227
○山中郁子君 私の調査によりますと、そんなこととは全然違う研修をやっているんです。幾つかを、よくわかっていただけますから申し上げますと、補佐の役割りとして第一日目に講義をしていまして、その中に、組合対策、反主流派対策、反主流派の組合でも具体的にまずい点は余りなかった。しかし長い目で見ればいまの組合の方がよい。予算が取れる。特定者に対しては特別に阻止せざるを得ない。特定者というのは共産党員とあなた方が思う、そういう人々を思想的にランクづけをしているんです。また、特定者は学会に参加させない。電気通信学会です。聴講もさせないのが基本方針である。特定者に研究成果を出させてはならない。成果が出ると任用差別の問題が起こる、影響も出る。業務上必要を認めないということで出席させない。特定者が年休をとっても出席するという場合、管理者がついていって勝手な発言をさせないようにする。テーマ変更については研究成果が出る前に変更するのが基本だ。成果は出させない。成果が出ても認めない。特定者は研究者として認めない、成果も認めない、これが大前提だ。特定者は能力がないことを証明するデータをつくれ。そしたらだれかが質問しているんですね。特定者が改心した場合の取り扱いはどうするのか。きわめてクールに扱え。これまでそういう例はほとんどない。研究室長の甘やかし、甘い評価ばかりだ、人間的同情心は一切不要である。
 また通研における労働情勢ということで話をしていまして、最近の組合役選の結果と見方。反主流派の得票は七六年六百票、七七年五百五十票、七八年三百五十票、これ以下には減らせない。こういうことをやっているんですよ。あなた方のおっしゃることと全然違うの。総裁、どうですか、これ。まだたくさんあります。
#228
○説明員(秋草篤二君) 私、いま初めて聞きましたが、それはだれがそういうことを講師になって言ったか、何か記録はございますか。私は非常に意外だと思っております。もしそういうことがあれば、直ちに調査しまして厳重に注意しなきゃいけないと思いますが、本当にわれわれには想像できないようなことを平気で多数の前で講義をしているというのは、だれがそういう講義をしたか、指導したかというのは非常に疑問に思っております。
#229
○山中郁子君 その他の幾つかの事例を申し上げます。
 分会選で反主流派の票がいつも三分の一ぐらいあるのはまずい、これは通研が行った管理者研修の中ですよ。いろんなのがあるんです。管理者訓練で出し合うと一〇%ぐらいなのに何で三分の一出るのか、ここが問題だ。部内、部外の特定者を全員に徹底させるため顔写真と名前を書き出して結線させた。線で名前と顔を結んでそれを明らかにさせたというわけですね。それからあるところでは、特定者の七人には説得しようと思うな。信念を曲げさせようとしても不可能なのだから隔離するしかない。徹底的に成果を上げたところでは徹底的に隔離をしていく、こういうことを言っております。また、これまでも研究業績が上がらないよう条件づくりをしてきたが、再度管理が甘いと強く言われている。Aという人が横須賀通研の人に共産党の支持を訴える手紙を出したが、これはどう対処するのか。ないしはC、Bの人が、Bはその部屋全体への影響はさしてないから従来どおりでいい、だけどCはいまの仕事を三年ぐらい続けて成果が出そうだ、出そうなので最近別なところに仕事を変えた。経済的条件その他で他の人と同じなのになぜ寮に入れないのか、こう言われた場合には、この問題は厚生課の問題だからそっちへ行けと言え。また高齢者をやめさせるムードづくりをしろ。あるところでこれがうまくいった例がある。それは干すのではなくて、むずかしい仕事をやらせて毎月報告を出させて、おまえはできない、だめだという、そういうふうに追い込んでいけ。そして若手研究者の管理としてABCDEまでランクをつけて、そしてBは特定者、Dは共産党の支持者、Cは中立者、そういうふうにして全部そのように管理者が教育の中でやらせて、そして管理者の中からはどうしてそんなランクまでつけなきゃいけないのか疑問に思うと、そういう突き上げもあったというようなことさえ管理者教育の中で行われているんです。
 いま総裁が、そんなことは考えられない、だれがやったか言ってください、こうおっしゃいました。私は、総裁が心にもないことを、いまさらそんなことは考えられないとおっしゃっているとは言いません。言いませんけれども、本当に通研の実態をちょっとその身になって見ればわかることなんです。
 私は、先ほどそれでは提起をいたしました、都市センターホテルで行われました指摘をした研修会について、どなたがおいでになって、私が指摘したのはそこに出た方がしゃべっているわけですから、どなたがおいでになって、その方たちがそれぞれどういうテーマに基づいてどういう研修の講義をしたのかということを報告をいただきたいと思います。そして、そのほかに、この五年間に限ってで結構ですけれども、膨大になり過ぎるといけないから、五年間に限って結構ですけれども、通研が行った管理者教育、特別研修も含めて、どこでどういう人を対象にどういう内容でやったかということを報告をいただきたいと思います。お約束をください。その問題に引き続きまして、私の方からはさらにだれがどういうことを言っているかということについても、先ほど総裁はおっしゃいましたけれども、それについてはさらに進めて引き続き提起すべき時期があれば提起をいたします。
#230
○説明員(秋草篤二君) 早速、私いま初めて先生からお聞きした話でございますので、調査しまして御趣旨の点はお答え申し上げます。
#231
○山中郁子君 管理者研修の中での憲法違反の思想差別ということと同時に、私が取り上げましたこの中につきましても労働組合の選挙に対するあからさまな露骨な介入が行われています。実際問題として、これは通研のあるところでの実物ですけれども、「通研支部大会代議員選挙結果」として全部こういうふうに通研側がつくって、そして名前を出して、これは主流派である、反主流派である、党員である、全部こういうリストをつくっているんですね。それで管理者が票読みをやるわけです。そして票読みをやったら一〇%ぐらいしか反主流派の票がないはずなのに三分の一出た、これは大問題だ、こうやって研修会でやっているんですよね。
 これは、いままでだって私は何回も言ってきたんです。先ほど申し上げました指摘の中だっていろんなところで取り上げてきたんです。どうしてこういうことを公社はやめられないんですか。私は、本当にその点についてきちんとした姿勢と、それから実際に通研でそういうことが行われない保証をしていただかなければこれはもう重大な問題だと思っています。私は総裁の誠意を疑うものではありません。総裁がうそを言っているとは言いません。言いませんけれども、だったら、なおさらのこと現実にこういうことが行われていることは一刻も早くやめなきゃいけない。本当に口でおっしゃるように、この国会であなた方が答弁なさるようにそれはとんでもないことだということなら、直ちに通研へ行って実態を調べていただきたい。職員の人たちにもよく聞いてもらいたい。きょうも通研の方たくさん見えていますけれども、あの人たちにもみんな一緒に直接聞いてもらいたい。そして実際にそういうことによってどんな任用差別が生まれ、どんな研究妨害が行われているか、私も一緒に伺います、通研へ行って。そういう誠意のある事態の解明と解決のための行動をしていただきたい。そのことを私は総裁にぜひともお約束いただきたいと思います。いかがでしょうか。
#232
○説明員(秋草篤二君) 先ほど前段におっしゃられた話は公社自体の管理者教育の問題でございますが、組合活動のような問題につきましては管理者がかれこれ言うべき問題ではありません。しかしながら、組合の中でもいろいろな派閥もありますし、闘争もあります。
#233
○山中郁子君 管理者がやっているんです。
#234
○説明員(秋草篤二君) だから、それが事実とすれば、これは大いに戒心しなければならぬことだと思いますが、この事実もいま初めて私知りましたから十分調査いたしますが、前段の問題はまた公社自体で考えなくちゃならぬ問題だと思っております。
 後の方の問題は、組合の活動自体の問題でございまして、これまた管理者が関与することは労働法にも違反しますし、十分配慮しておるつもりでございますが、これもまた調査しまして、後でまた御報告申し上げます。
#235
○山中郁子君 公社総裁自身がしかるべき責任のある立場で通研へ行って実際を見てほしいし、聞いてもほしいし、通研の職員とも直接話をしてほしい、私も一緒に伺いますと申し上げているんです。ぜひそのことを、誠意ある答弁として私が理解をできるためにお約束いただきたいと思います。
#236
○説明員(秋草篤二君) 承知いたしました。
#237
○山中郁子君 こうした研修がどういうふうに行われているかといいますと、たとえば一つの事例があります。「ご案内」となっていまして、どこで何日から、何日の何時から何日の何時までやります。場所はどこです。そして地図がついている。これが「ご案内」です。そしてマル秘として研修日程がついています。これがマル秘なんですよ。何で研修日程がマル秘なのか私も理解できませんけれどもね。それからさらに、活字にも字にもしないで、口頭説明で個人の予定者は予定表には、一切黒板にこういうものを書いてはいけない。何日に管理者研修があるから私はそこへ行くということを書いてはいけない。出張伝票は切らない。深夜手当を二回つけるということでそのお金にするというんですね。不正経理ですよね。そういうふうにして、それで実際に、だから職場ではだれかが管理者研修に行ったらしい、どこへいらしたんですかと言うと、こうやって黙っているというんですね。何でそんなふうにして、ないしょで後ろ暗いことをする。しているんだからそういうふうにやるんだと思うんですけれども。そういう研修があるということは、一体どういうことなんでしょう。公社が何か本当に後ら暗いことを管理者に教えるために特別研修をやっているんですね。それしか言わざるを得ないですよ。私、後でカラ出張の問題もちょっと聞きますけれども、あれだけの大問題になって、例の不正経理が大問題になっているのに、研修に事かりてこういうことをやっているというのは一体何ですか、これ。何でそういう研修の仕方をしなければいけないんですか。
#238
○説明員(小澤春雄君) 十分実態を調査いたしまして、不正経理などがありましたら、もちろん、そういうことは絶対にやってはいけないというふうに強い指導をいたします。
#239
○山中郁子君 先ほど研修の内容について御報告願うようにお約束いただきましたから、具体的なその出張のさせ方とか、あるいはお金の出し方なんかについてもあわせて調査いただくということですので、御報告をいただきたいと思います。そのことも含めて教科書は何を使っているのかというようなことについても私はあわせて調査の上御報告をいただきたいと思います。
 私どもの調査によりますと、入手したものだけでも、たとえば管理者研修で使った教科書、「特別研修会テキスト」、「日共・民青及び容共派を撃破するに必要なメガネ」なんて、こういうテーマですね。そして、こういう教科書があるんです。民主的な組合のあり方――さっきおっしゃっていたけれども、服務管理だとか何だとかいうことを管理者研修するというのに、何で民主的な組合のあり方だとか、共産党が入り込むと会社と労組はどうなるか、今日の企業と民主的な労使の関係について共産主義者はどのような誤った考えをしているか、こんな教科書が何で要るんですか。教科書もどういうものを使ったということを、あわせて調査の中で御報告をいただきたい。よろしいですか。
#240
○説明員(小澤春雄君) 承知いたしました。
#241
○山中郁子君 こういう状態が通研にどういう情景をもたらしているかということを、私が総裁に実際に行って見てほしいと言うのはそういうことなんです。
 ここに「日本の科学者」という雑誌があります。ここに「電気通信研究所の場合」として田代耕治さんという方が書いていらっしゃいます。この中にも引用されているんですけれども、通研では一九六五年から七八年まで十一人の人が自殺ないしは自殺と思われる異常死を遂げているという事態が起こっています。
 それからこれは「通研新聞」ですけれども、七九年二月一日、去年の二月一日ですね、高原さんという新しい本部長が就任されました。そのときのごあいさつで彼がこう言っているんです。「最後に、研究所の管理についてお願いがあります。それは通研のなかから火災、事故、ノイローゼを追放することであります。」。何でこの三悪追放の中に通研ではノイローゼが入るのか、火災、事故と並んで。この十二、三年の間に十一人の自殺者が出ている、ないしは自殺者と推定される異常死が起こっている。まさに、いま私が幾つかの申し上げました事態は本当に異常な事態ですよね。研究所でしょう。研究して成果を上げるために電気通信研究所があるんですよ。それをいかに成果を上げさせないか、そういうことに一生懸命苦労して管理者研修をやって、そしてそれにお金も使っている。電電公社として私はあるまじきことだと思うんです。そういう荒廃がこうした事態を生み出しているんです。私は、この点については本当になまはんかなことでなくて、公社としてきちんと取り組んで、決意を持ってこういう問題を一掃するためにやっていただかなきやならぬと思います。
 そうは言っても、私は、それは通研が総裁やその他の幹部の人たちと全く無縁にそうした労政策をとったり反共管理者教育をやっているなんて、お人よしに伺うことはもちろんありません。これが電電公社の体質の中の大きな問題だということは、私自身も長年の経験からよくわかっております。
 いずれにいたしましても、そういう荒廃がいま、本来研究して成果を上げて日本の電気通信、エレクトロニクスの発展に大きな貢献をすべき、また貢献しているとあなた方が自負していらっしゃる電気通信研究所で起こっているということについて私は重要視するから申し上げているわけでございます。
 最後に、お約束をいただきたいのですけれども、科学技術の発展に大きな影響を持っているんですね、通研の仕事は。それだけに、反共思想教育、組合介入、研究者の干し上げ、思想調査を内容とする管理者特別研修、これらを一切今後やめる。組合員の思想調査、いまの問題ですけれども思想調査もやめる。それから仕事を干したり研究成果の発表を制限したり妨害したり、思想、信条を理由とした差別、こういう差別を一切やめると同時に、その差別によってもたらされた不公平な現状、任用その他、もう目に余るものがあります。こういうものを早急に回復すべきである。この点についても私はたくさんの歴然たるデータを持っております。きょうは時間の関係でそちらには触れられませんけれども、この回復についてもお約束をしていただかなければなりません。今後の公社としての、いまの私の要求に対するお約束と回復についての約束をあわせていただきたいと思います。
#242
○説明員(小澤春雄君) 思想、信条の自由という基本的な問題でございますので、これを踏まえまして、いま先生の言っておられましたようなあらゆる問題について真剣に検討いたしまして対処いたします。
#243
○山中郁子君 通研の問題だけでないと申し上げますのは、そのほかにもたくさんあります。いままで、すでに北陸通信局で行われたと思われる管理者教育の反共内容についても国会で指摘もしてきたところです。いま私は手元に、これは東京電気通信局の経営調査室で出しました「課題研修報告及び職場問題に基づく討議の要約」というものもございます。随所にいま申し上げましたような内容のものが出てまいります。通研だけではありません。これが公社の体質の一つになっていると私が申し上げましたのはそういうことです。その点は十分御認識をいただきたいと思います。これらの問題につきましては、また次の機会にさらに全面的に解明もし、公社の見解も伺うことにいたします。
 最後に、この六月に明るみに出まして、新聞報道などでも大きな事件として伝えられました近畿電気通信局におきますカラ出張不正経理問題についてただしておきたいと思います。
 この問題につきましては、会計検査院において鋭意検査を進めているというように聞いておりますけれども、まず、検査の進捗状況をお伺いいたします。
#244
○説明員(中村清君) 事態の概要について申し上げますと、近畿電気通信局の組織は二十一部二課一室から成っておりますけれども、そのうち職員部、それから第一営業部、第二営業部、それから第一業務管理部、第二業務管理部の計五部におきまして職員の出張の事実がないのに出張することとして架空の旅行命令書等を作成し、これにより不正に旅費の支給を受けました。これを別途に資金としてプールし使用していたものでございます。
 その件数、金額は、昭和五十三年度、五十四年度、両年度を含めまして、職員部で六百五十件、一億九百四十四万円、第一営業部で二百六十五件、七百五十四万円、第二営業部で五百三十八件、三千三十万円、第一業務管理部で九百四件、六千二百六十二万円、それから第二業務管理部で七百三十九件、五千八百六万円でございます。この五部を合計いたしますと三千九十六件、二億六千七百九十七万円になっております。
 この別途に経理された旅費の使途につきましては、現在内容を精査し、検討を行っている途中でございますが、態様といたしましては、部内外関係者との会食に使用したもの、慶弔費として使用したもの、贈答品の購入に使用したもの、部内親睦会、運動部等への補助として使用したもの、宿泊代として使用したもの、その他雑費に使用したものに大別されることになる、こういうふうに考えております。
#245
○山中郁子君 一つは、会計検査院に、この全容の調査が完結して発表されるのはいつごろになるのかということを伺います。
 それから時間が参りましたので、公社の方にその姿勢、責任を国会においても明らかにしていただきたいと思いますけれども、そもそもが鉄建公団の不正経理の問題から起こりまして、その直後に内閣官房長官より綱紀粛正に関する趣旨の通達が出されました。しかし、その間に近畿電気通信局においてこの二億七千万に達する莫大な不正経理が行われた、その使途についても重大な問題があります。ということは、一体これはどういうことなのか。この綱紀粛正の通達が出される、出されないにかかわらず、公社としての責任はもちろんありますけれども、その趣旨がどういうように具体化されて、そして自己点検がされたのかということはぜひとも明らかにしていただきたいところでありますし、また、この重大な問題についで、私は、公社の体質といたしまして決して近畿電気通信局だけに限るとは思えないということもあります。いずれにいたしましても、総裁としての反省の弁もきちんとお伺いいたしたいし、今後こういう問題についての、なくしていくためのどれだけの保証ある手だてを尽くされていらっしゃるのか、あわせてお伺いいたします。最初に、検査院から一言。
#246
○説明員(中村清君) 現在、本件につきましては内容を検討中でございますが、もし本件について発表しなければならないような事態になったとしましたらば、その場合には五十四年度の決算検査報告に掲記する、こういう形になりますけれども、いま申し上げたように現在検討中でございますので、その点については最終的な意見は差し控えさせていただきたいと思います。
#247
○説明員(秋草篤二君) この事件を私が聞きましたのは二月の下旬のような記憶でございますが、私はそれ以前、各地に行きましても、記者会見でも、鉄建公団でいろいろと騒がれているときにも、電電公社に限りましてはカラ出張なんというものは絶対ありませんということを率先して私は言明した記憶がございます。また決算委員会でも、沓脱先生にもそういうことを私は胸を張って言った覚えがございます。したがいまして、本当に愕然としまして、なぜ電電公社にこんなばかなことをするやからがおるのかということで、怒りが先に立って仕方がなかったというのが私の真情でございます。
 直ちに私は本社の監査局に、それから検査院にも応援を頼みまして徹底的にこの内容を調べるということと、同時に処分を早くしなければいけないということで、多分処分が終わったのが六月の十七日か十八日だったと記憶しておりますが、その間処分するまで本当に重い気持ちで過ごしました。もちろん郵政大臣にも関係者にも深くおわびいたしまして、百二十四名、全部管理者クラスでございますが、処分をしまして、私自身もわずかでございますけれども処分の形をとりまして、もう何の言いわけもできませんし、ただただ一言の釈明の余地もございません。本当に遺憾の意を表する次第でございます。直ちにこの対策につきましても、二度と再びこういうことのないように小澤総務理事を委員長とする事務の点検委員会を設けまして原因を徹底的に追及する。
 それから対策をどうするかということでございますが、これは対策といっても、あたりまえの正常の経理事務をやればいいわけでございますが、いまだにこういう悪い弊風が残っていたということを非常に――その対策につきましても、八月末までに結論を出せということで一応結論を出しまして、静かに検査院のごさたいうか御指示を待っているところでございます。何とも申しわけございませんでした。
#248
○中村鋭一君 初めての質問でございますので、重複したり舌足らずな点もあると思いますが、お許しをお願いいたします。
 初めに、電話のことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、キャッチホンというのがございますね、通話中の電話に割り込めるシステムですけれども。このサービスを電電公社が提供なさいましたのは何年何月ごろからでございますか。
#249
○説明員(稲見保君) 最初の販売開始が昭和四十五年度でございまして、ちょうど十年でございます。
#250
○中村鋭一君 大変便利なシステムだと思いますけれども、先ごろこれが欠陥がありまして、AとBが電話をしておりますときにCが割り込む、そのときにAとCが通話できる、それがキャッチホンのシステムだと思うんですけれども、ちょっとお待ちくださいと言って、最初に通話をしておりましたAとBが、そのBさんが待っている間に通話料金が積算されたという事故があったと思いますけれども、その事実ございますか。
#251
○説明員(稲見保君) 御案内のとおり、キャッチホンの場合は、キャッチホンの利用契約を結んでいる方がたとえばBさんと通話中におきまして、もし利用契約がない場合は、Cさんから通話がありましてもそれはビジトーンでCさんの方に返りまして、Aさん自身には別の呼びが入っておるということはわからないわけですけれども、キャッチホンを利用しておりますとそういう場合に、あるいはCさんかもしれない要するに他人のもう一つの通話が来たなということが識別できるわけです。その場合に、早くBさんとの話を済ませて、一遍電話を切ってCさんの方へ出るということも可能でございますが……
#252
○中村鋭一君 いや、そういう欠陥であるという事実があったかどうかをお尋ねしているんです。
#253
○説明員(稲見保君) それで、そういう使い方ではなくて、Bさんの方をフックボタンをポンと押しまして、そのままちょっと保留しておきましてCさんの方へ出る。それでCさんと応対を一応しまして、手短にそっちの方を切ってBの方に戻るのか、そのあたりは具体的な状況に応じて関係者が判断することですけれども、仮にCさんの方へある時間応対を続けるとその間はBさんの方が保留されている、こういうことでございますと、これは何と申しますか、最初にAさんがBさんに向かってかけた電話の方が……
#254
○中村鋭一君 恐れ入ります、簡略に。私は、要するにキャッチホンの事故があったかどうかをお尋ねしているんです。
#255
○説明員(稲見保君) 先生御質問の、Cと応対中Bの方にも料金がかかるのかという点については、料金はかかりますが、それは普通の機能でございます。それで、最近話題になっておりますのは、そうではなくて、Bさんがたとえば途中で先に切った。Aからかけられておったんだけれども、たとえばこれは別の電話が入ったようだからおりようということで自分の方で先に受話器をおかけになった。一方、Aさんは引き続いてCさんの方と話を続けている、ずっと継続して。そういう場合には、いろんな組み合わせの状況がありますけれども、おっしゃるように、Aさんが予測している以上に相手のBさんの電話機が保留されてしまったり、それからその見合いで料金が登算されるということはございます。
#256
○中村鋭一君 それについて、苦情に対して公社としては対処しておられますか。苦情は大分ありましたですか。
#257
○説明員(稲見保君) ごく最近の話題になりましてからの問い合わせなどが、私ども把握しておる限りでは、この十六日、十七日で、たしか全国で四百件程度はあったと思います。
#258
○中村鋭一君 そういった四百件程度の苦情に対して納得のいく説明、あるいはそういう欠陥に対して敏速に対応はなさいましたか。
#259
○説明員(稲見保君) 実はこのシステムにおきましてまれに起こる問題の可能性につきまして、私どもの社内における十分な認識、それから当然のことながらそれに随伴しまして現場側の認識というものも欠けておったという点がございますので、最初の問題の問い合わせ等がありましたときに、直ちに迅速的確に十分な応対、説明ができたかということになりますと不十分でございます。
 これにつきまして、私どもの方も早急に問題を整理いたしまして、お客様にどういう説明をすれば機能をよく理解いただけるか。それから起こり得る問題点につきましてどういう注意を守っていただければそれが一応カバーできるか。それからもう一つベースとして、いろんな工事を進めておりますが、これがもうすでに済んだところは問題ないわけでございます。まだ済んでいないところにつきましては、いつごろまでに大体問題が解消するか、その間はこういう御注意をくださいといったようなことにつきまして、指導要領といったようなものをいま急遽作成中でございまして、早急に十分な対応ができるように措置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#260
○中村鋭一君 私の得ております情報では、新聞等でそのことが明らかになるまで電電公社はこのキャッチホンに欠陥があるのを知りながらあえてそれを隠していた、隠していたといいますか、知らそうとしなかったというふうに理解しておりますけれども、いまの御説明でそういったガイドブックなんかもおつくりのようでございますから、それは一刻も早くユーザーに対してそういう迷惑のかからぬようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、この十月の三日に神戸で八時間半にわたって通話が途絶するという事故がございました。およそ二万本の電話でございます。この原因をわかりやすく、かつ簡潔に教えていただきたいと思います。
#261
○説明員(菊地信一郎君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたように、十月の三日の夕刻でございますが、神戸元町の電話局の電子交換機が障害になりまして、一万九千八百のお客さんに長時間にわたりまして御迷惑をおかけいたしましたことを冒頭おわび申し上げます。
 事故の内容でございますが、電子交換機は、装置本体でありますいわゆるハードウエアと申しておりますが、これらの部分と、このハードウエアを動かすプログラム、いわゆるソフトウエア、この二つによりまして構成、運用されておるわけでございます。今回の障害は、まことにたまたまなんでございますが、このハードウエアとソフトウエアの両方に実は事故があったということで、非常にまれなケースが発生したということでございます。引き金になりましたのはハードウエアであった、こう思っております。通常は、このハードウエアが障害になったような場合には、電子交換機は重要な部分は装置が二重化されておりまして、障害になっている部分を切り離して健全な方へそれを移すというような形でサービスが継続して提供できるように設計されておるわけでございます。今回問題になりましたのは、その障害装置を切り離し正常へ振り向けるためのソフトウエア自体にちょっと問題があったということで、実は予想もつかないところに原因があったということで長時間にわたってしまった、こういうことでございます。
 以上です。
#262
○中村鋭一君 ちょっととか、予想もつかないとか、こういった最新の電子機器を扱っておられるお仕事でございますから、国民に対する説明に、ちょっととか、少しとか、予想もつかないというようなことは、私、言いわけにはならないと思います。先ほどのキャッチホンもそうですけれども、今回の電話の事故にしても、われわれの理解を超えたところで、最新のコンピューター機器を駆使して仕事をしていらっしゃるわけですね。特に郵政省の関係のお仕事はそういうのが多いと思うんですけれども、だから一部のいわゆる技術者といいますか、テクノクラートの皆さんが、その方だけわかっていて、市民はそういうものの便利さを享受しているわけですね。だから、そういう点についてやはり市民がわかりやすいPRというものをいつもしてもらわなきゃいけませんし、それだけ複雑な機器なんですから、これは何としてもやっぱりフェールセーフというんですか、そういう事故が起きてから、われわれとしては万全の体制をとっていたんだけれども予想もつかなかったというようなことを言いわけにしなくてもいいように、今後大いに、真に郵政サービスとは何かということを考えでやっていっていただきたいと思います。
 時間がありませんので、この問題についてはこれぐらいにいたしますけれども、次は、テレビの問題についてお尋ねいたします。
 十七日に、電波監理審議会に、郵政省が民放テレビ局など放送事業者の利用拡大方法についての意見概要を報告していらっしゃいますね。この中で民放の方から出ております音声多量をこのように使いたいというようなものについて、二、三例を挙げて御説明をお願い申し上げます。
#263
○政府委員(田中眞三郎君) 御説明申し上げます。
 御存じのように、テレビの音声多重につきましては、いままでのところ翻訳による二カ国語放送とステレオ放送というものに限定いたしまして免許した経緯があるわけでございますけれども、その後、受像機等につきましてはかなり伸びましたわけですが、いまひとつ魅力に乏しいというような御意見もございまして、最近補完利用の範囲内でございますが、いま少しく皆さんの御意見を聞いてみたいということで、関係のテレビ会社あるいはラジオ会社に直接または文書で御意見をお伺いしたところでございます。一言で申しまして、テレビ会社の方は、比較的積極的に拡充すべきだという意見、ないしは拡充に基本的には賛成というような御意見が多かったというふうに言えるかと思いますけれども、ラジオ単営社につきましては必ずしもそうではなかった。これは人によりまして受け取り方いろいろあろうかと思いますが、一応のところ、そういうような中間報告を電波監理審議会に出したというところでございます。これをどうするかにつきましては、いま少しく検討を重ねまして、次回の審議会の方に郵政省の方針としての御諮問の予備説明をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
#264
○中村鋭一君 この利用拡大について、具体的に、私たとえばスポーツ中継についてはこのように音声多重方式を活用したいというような意見はございましたですか。
#265
○政府委員(田中眞三郎君) お答えいたします。
 かねてからそういう御意見がございまして、たとえば一塁側と三塁側の声を交互に聞かせるとか、あるいはそういうようなことによりまして番組を多彩なものにいたしたいという御意見があることは伺っております。
#266
○委員長(福間知之君) ちょっと待ってください。
 秋草総裁ほか電電公社の関係の方、御苦労さまでございました。御退席いただいて結構でございます。
#267
○中村鋭一君 音声多重ですね、そのほかにも、たとえば歌舞伎の中継があればもう一方の方でその歴史的背景を説明するとか、こういったような利用方法もあるようでございますけれど、具体的にいつごろからこれが実現する見通しでございますか。
#268
○政府委員(田中眞三郎君) 先ほども申しましたように、この次の審議会にできれば意見をまとめまして、できる限り早急にその辺の基本的な考え方を電波監理審議会の方に御諮問申し上げて、拡大の方向で対処いたしたいというふうに考えております。
#269
○中村鋭一君 正月ぐらいにはどうでしょう、視聴者の皆さん、そういった多面的な音声多重放送を楽しむことができましょうか。
#270
○政府委員(田中眞三郎君) 端的に申しまして、その辺をめどにしまして検討いたしておるところでございます。
#271
○中村鋭一君 テレビ大阪に予備免許がおりましたですね。このテレビ大阪の会社の概況について教えていただけますか。
#272
○政府委員(田中眞三郎君) 去る十月の十七日に、テレビ大阪株式会社、大阪テレビジョン放送局に予備免許を付したわけでございますが、発起人代表は佐々木誠二さんとおっしゃる方でございます。資本金は、授権資本が四十億円、払い込み資本が十億円というようなことで、主な株主は大阪の優良企業及び財界人というようなことになっております。
#273
○中村鋭一君 マスコミ関係、新聞社等は入っておりませんか。
#274
○政府委員(田中眞三郎君) 出資者としては入っておりますけれども、役員予定者の中には含まれておりません。
#275
○中村鋭一君 本放送の開始はいつごろをめどにしていらっしゃいますか。
#276
○政府委員(田中眞三郎君) 会社の設立がまず第一でございますが、大体、従来の他社の例を勘案いたしますと、来年の年度末ぐらいには電波が出るのではないかというふうに期待いたしております。
#277
○中村鋭一君 郵政大臣にお尋ねいたしますけれども、このAM、FM、それからUHF、VHF、この電波ですけれども、その番組内容というものについて郵政大臣はどのように考えていらっしゃいますか。これは個人的見解でも結構ですけれども、最近のテレビ、ラジオの番組はどうも余り娯楽番組やスポーツ番組ばかりやっておもしろくないと思っているのか、それとも非常に結構だと思っているのか、その点について、もし御見解があれば教えていただきたいと思います。
#278
○国務大臣(山内一郎君) 放送法で決められておりまして、郵政大臣は発言したらいけないそうでございますので御了承いただきたいと思います。
#279
○中村鋭一君 個人的見解としても……。
#280
○国務大臣(山内一郎君) それはちょっとまた、いろいろ問題起きまして、近ごろ個人的見解でいろいろにぎわしておりますので遠慮させていただきたいと思います。
#281
○中村鋭一君 結構でございます。
#282
○政府委員(田中眞三郎君) ちょっと補足申し上げますと、放送法の第三条に、御存じのように、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」というような規定がございまして、先生おっしゃいます件につきましては、放送事業者自体が放送番組審議機関というようなものを自主的にお持ちいただきまして、その中で御検討、御意見をいただくというようなことになっておると理解いたしております。
#283
○中村鋭一君 NHKの受信料義務化の法案、放送法の改正案でございますが、これは前回の国会に提案されたんですね。提案されたとすれば、その具体的な内容を簡略に教えいただきたいんです。
#284
○政府委員(田中眞三郎君) 御説明申し上げます。
 まず、第九十一通常国会に提出いたしましたわけでございますけれども、NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者はNHKに対し受信料を支払わなければならないことを明確にいたしますとともに、その設置の日等をNHKに通知しなければならない、いわゆる支払い義務及び通知義務を課そうとしたわけでございます。そのほか、延滞金等の徴収あるいは受信料規程等を含めたものを御提案申し上げた次第でございます。
#285
○中村鋭一君 私の手元にある資料では、九十一国会に提出された放送法改正案は、NHKの放送を受信できる受信設備の設置により受信料支払い義務が生ずるものとし――これ現行法では、受信設備の設置者に受信契約の締結を義務づけ、その契約によって支払い義務が生ずるものとしている。それを、受信設備を設置すれば支払い義務が生じる、その設置者はNHKに設置の日等を通知しなければならない。これでよろしゅうございますか。こういう法案の内容でございましたか。
#286
○政府委員(田中眞三郎君) そういうことでございます。
#287
○中村鋭一君 そうしますと、これまでの受信設備の設置者に受信契約を結ばなければいけないというのと、改正案でございますね、受信できる受信設備の設置により支払い義務が生ずる、この違いはどこにあるんですか。
#288
○政府委員(田中眞三郎君) 法的には違いがない。ただ、明確にいたしたいということと、いわゆる受信料を正確に契約をして払っていただいている方との不公平の是正という考え方でございます。法的な意味においては変わりはないというふうに理解いたしております。
#289
○中村鋭一君 法的に変わりがなくって、しかし、その本音は要するに受信料をちゃんときっちり取りたい。いわゆる不良な契約者を追放して受信料が的確に入るようにしたい。そのためにもNHKは受信料の支払いを怠った者から年率一四・五%の延滞金を徴収できるものとするほか云々とありますし、そういうふうな割り増し金等もあって罰則規定も設けられているようでございますけれど、要するにNHKの受信料をテレビセットのある人からは一個残らず正確に徴収したい、それが放送法改正案の目的であったわけですか。
#290
○政府委員(田中眞三郎君) お答えいたします。
 特定な受信を、NHKの受信を目的としないもの及びラジオについては免除するわけでございますけれども、いまの現在の規定では契約ということになっておりますので、非常に性格がただ聞きましたときに不明確である、それを明確に言いあらわすことによりましてNHKの財政の基礎を確立いたしたいという趣旨でございます。
#291
○中村鋭一君 いまの説明ではよくわからないんですけど、要するに法的には変わらないとおっしゃっているわけでしょう。そして現行法でも設置者に受信契約の締結を義務づけているわけですから、それを要するにテレビセットを買った瞬間にあなた受信料を絶対にNHKに払わなきゃいけないですよということを法的にオーソライズしようということですから、これは要するに何としてもNHKは受信料を徴収したい。その不公平ということをおっしゃいますけれども、現実には受信料をちゃんと取りたいということだと思うんですけれども、この臨時国会あるいは次の通常国会に郵政省としては再びこの放送法改正案、端的に言いますと受信料を取るためのNHK受信料義務づけ法案のこの改正案をお出しになる意思はございますか。
#292
○政府委員(田中眞三郎君) 先ほど御説明いたしましたように、九十一通常国会に提出いたしましたのは、NHKの契約締結の拒否等によります受信料の不払いが増加の傾向にあったという実態を考えまして、受信料制度の趣旨を一層明確化したいとともに、受信者の公平に資するということで改正案を提出いたしたところでございます。しかし御存じのように、今年の五月に受信料の値上げを行っております。その後の収納状況につきましてただいま関心を持ってどういうふうに動くかということを注目いたしておるところでございますけれども、その辺につきまして勘案しながら、提案することを含めまして引き続き検討を続けてまいりたいというのが私どもの考え方でございます。
#293
○中村鋭一君 このNHKの受信料の義務づけについては、これはやっぱり国民の見る権利、場合によれば見ない権利も保障するという点で、そういう受信料を法律で義務づける、払わない人には罰金を取る、けしからぬ話だと思いますから、この点についても、もし検討するのだったら放送法全般について検討なさるべきであって、金を取るか取らないかというようなことだけを主目的にして法律改正は軽々にやるべきではないと思います。そのことを申し上げておきたいと思います。
 次に、FMの免許のことについてお伺いいたしますけれども、FM東京の社長さんは何とおっしゃる方でございますか。
#294
○政府委員(田中眞三郎君) 大野勝三さんでございます。
#295
○中村鋭一君 大野さんのFM東京の社長に御就任前の経歴をごく簡単に。
#296
○政府委員(田中眞三郎君) 大野勝三さんの経歴でございますが、昭和三年四月に逓信省採用になっております。十九年四月 海運局次長、二十年七月 東京逓信局長、二十一年八月 逓信省総務局長、二十四年六月 郵政事務次官、二十九年九月 依願免官、二十九年十月 郵政互助会会長、三十一年八月 KDD――国際電信電話株式会社専務取締役、三十七年五月 KDD副社長、三十九年五月 社長、四十三年五月 KDD相談役というふうになっております。
#297
○中村鋭一君 FM東京の現社長は、郵政事務次官を経験され、かつKDDの専務取締役であったわけですね。間違いございませんね。
#298
○政府委員(田中眞三郎君) 間違いございません。
#299
○中村鋭一君 FM東京の昨年度の、概略で結構ですから、収支をお教え願えますか。
#300
○政府委員(田中眞三郎君) 総収入が七十二億四千七百万円、総費用が五十五億三千百万円、当期の純利益が八億四千二百万というふうに理解しております。
#301
○中村鋭一君 従業員の数は何人ですか。
#302
○政府委員(田中眞三郎君) 職員の数は百二十三名でございます。
#303
○中村鋭一君 そうしますと、ざっと割りまして、従業員一人当たりの営業収益は幾らぐらいになりますか。
#304
○政府委員(田中眞三郎君) 一人当たりの収益高は五千九百万円というふうになろうかと思います。
#305
○中村鋭一君 FM東京の番組の内容ですね、主としてどういう番組をしているのか教えていただけますか。
#306
○政府委員(田中眞三郎君) ステレオが七〇%以上かと思います。その他ニュース、報道等であろうかと思います。
#307
○中村鋭一君 郵政事務次官を経験された方が社長をしていらっしゃるFM東京、一人当たり数千万円の利益を生み出していて、しかも東京において独占的な企業をしているわけですね。いま伺いますと、ステレオが七〇%とおっしゃいました。現実にはレコードをかけて、そうしてDJがスタジオに入ってしゃべって、そういう番組を生産するための費用というのはほとんどかからないわけです。こんなにぼろい商売はないわけです。ぼろい商売で、しかも東京に一局、大阪に一局、こういう現状でございますけれども、昭和四十四年から四十五年にかけて東京、大阪、名古屋、福岡にFMが置局されましたですね。その後、五十三年に札幌、仙台、静岡、広島、ことしの六月に金沢、松山、長崎にチャンネルの割り当てがございましたけれども、その中の一つをとりまして、札幌の現在のFMの申請状況、何件ぐらい出ておりますか。
#308
○政府委員(田中眞三郎君) 二百四十件出ております。
#309
○中村鋭一君 その二百四十件の中で、もし差し支えなければ教えていただきたいんですけれども、北海道新聞は申請を出しておりますか。
#310
○政府委員(田中眞三郎君) 出しております。
#311
○中村鋭一君 北海道新聞もしくはその系列と思われる会社の申請は何件ぐらいでしょうか。
#312
○政府委員(田中眞三郎君) 北海道の場合、ただいま申し上げましたように、二百四十件の申請があるわけでございまして、いろいろ私どもも審査上実態の把握には努力いたしておるわけでございますけれども、その申請者がどういう関係にあるかということにつきましては、特に外部には明らかにされないというようなこともございまして、どの系列に属するかと判断することは非常に困難だというのが実情でございます。
#313
○中村鋭一君 でも、少なくともその二百数十の申請が全く別個に切り離されたそれぞれの申請であるというふうには理解はしておられないんじゃないですか。中には相当多く連携プレーをとりながら申請をしている者もあるというふうに御理解していらっしゃるんじゃないですか。
#314
○政府委員(田中眞三郎君) 私がどう解釈しているかということでなくて、最近、雑誌で読みましたもので申し上げますと、そんなに多くはない、数系列と申しますか、非常にきわめて少ない数のグループに分けられるであろうというような記事を読んだことがございます。
#315
○中村鋭一君 たとえば北海道札幌について言えば二百数十の申請があって、それが数系列にくくられてしまう。現実にはこれはやっぱりダミーを使ってですよ。だって、FMはもうかるものですから、東京を見てもわかるように一人当たり数千万円の利益を上げているんですからね。ですから、それは申請する方もたくさん私のところに免許を与えてもらいたいと言ってこられると思いますけれども、しかし、だからといって郵政省がいつまでもほうっておいていいとは思いません。FM放送の免許の権利といいますか、免許権者といいますか、それは郵政省でございますか。
#316
○政府委員(田中眞三郎君) さよう承知いたしております。
#317
○中村鋭一君 少なくとも国民は、AMよりもFMの方が音質ははるかにいいんですし、しかも、ほとんど、先ほどおっしゃったようにステレオ放送ですからすばらしい音楽を楽しめるわけですよ。だから、そのためにも、しかも五十三年の末に全国的に一県一置局といいますか、そういう御方針を発表になり、現にことしに入ってもこれだけチャンネル割り当てをしていらっしゃるんですね。にもかかわらず、現実に免許がおりてないわけです。FM放送は開局してないわけです。どうして今日までそのような状況が続いてきたのか、どうしてもっと郵政省は積極的にFMの免許について取り組まなかったのか、その理由についてお尋ねいたします。
#318
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。
 いま先生御指摘のいわゆるダミー申請というものがあるのではないのかということでございますけれども、どういうものをダミー申請とするかは、先ほども申し上げましたようにむずかしい問題でございますけれども、仮に本気で放送局を開設する気はないにもかかわらず、他人からの働きかけによりまして放送局の免許申請を行うというような場合があるとしますればまことに困るわけでございまして、その後の地元調整もむずかしくなりますし、免許事務処理に当たっても非常に困難になるというようなことで、結局はFM局の早期開局を望んでおります地元の要望にも沿えないということになりますので、郵政省といたしましても、こうした性格の申請は厳に自粛していただきたいというふうに考えている次第でございます。
#319
○中村鋭一君 そういう申請を厳に自粛してもらいたいということじゃなくて、今日まで国民に良質のサービスを提供すべき郵政省がFMの問題についてもなおざりにして、そういった問題は申請の側においてあるにしても、郵政省はやっぱり国民に約束した以上は一刻も早くFMの免許を与えるべきだと思いますね。
 東京と大阪にFMの免許を与える意思はありますか。
#320
○政府委員(田中眞三郎君) 五十三年の時点で原則として県域を主体としまして早急に全国的な普及を図るということで四局の免許を行ったわけでございます。その後、先生御指摘のように七つの電波を開放いたしておるわけですけれども、残念ながら一局もまだ電波を出すまでには至っていないということでございます。なぜそんなに出されるのかという理由を考えるといたしますと、やはりFM放送というものが地域文化への貢献度が非常にある、また企業としての収益性もあるということで皆さんの御関心が深い。また申請に当たりまして特段に申請者の資格審査というようなものがない。言いかえますと、申請書を作成いたしますればだれでも申請できるというような手続になっておるというようなことが今日の事態を招いたことかと思いますけれども、多局化につきましては、現在開放されております地域の一本化調整というものも私どもなりに努力いたしておるつもりで、その辺の動きと並行しながら多局化については考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#321
○中村鋭一君 少なくともチャンネルプランを割り当てたこの七局については、一刻も早く市民の皆さんがFM放送を楽しめるようにしていただきたいと思うんですが、郵政大臣、この時期を明示していただくわけにはいきますまいか、少なくともこことここには何年何月までに免許をおろしたいと。
#322
○国務大臣(山内一郎君) 私、大臣に就任いたしまして、UHFとFMの周波数は割り当てがしてある、こういうことを聞いたわけです。これは国民の皆さん方に大いに早く活用していただきたい。こういうことで割り当てがもう済んでいたわけでございますが、やはり利用していただく上には経営の問題ですね。経営は、先ほどおっしゃったように、東京のやつは大変いいのじゃないかというようなお話もございますけれども、必ず地方で私はいいとは思いません。したがって、経営の問題、それから申請者の数も、これは締め切りも何にもないんですね。いつまででも受けつけているというような情勢でございますので、私は、波を出す時期と経営の問題と、それからどういう方が地方でおやりになるかといういろいろお話があるでしょうから、そういう点がまとまったところでこれから出す方がいいんじゃないかというふうに考えております。しかし、いままで出した波でございますので、いま極力これをまとめるように努力をいたしておりますが、とてもいつまでというようなところまでいっておりません。その辺は、どうもこちらとしてもさらに一生懸命やってまいりたいと考えております。
#323
○中村鋭一君 せっかく御努力くださいまして、本当になるたけ早くFM放送を皆さんが楽しめるようにしていただきたい。そのためには、本当に真剣に当たっていただきたい。たくさん申請が出ているし、いろいろ経営基盤の問題もあるから慎重に慎重に、こう決まり文句でその場を逃れるんじゃなくて、真剣にお願いしたいと思います。
 先日、新聞を見ておりましたら、ちょっと郵便貯金のことをお伺いしたいんですけれども、政府首脳は十七日の夜に、「来月初めにも実施が予想されている公定歩合の引き下げに連動して、郵便貯金の金利も引き下げざるをえない、との考えを明らかにした。」、こういう記事が出たんですけれども、もしそういうことになった場合、郵政省としては郵便貯金の金利の引き下げには断固として抵抗をなさいますか。
#324
○国務大臣(山内一郎君) 公定歩合引き下げのニュースは、私もたびたび新聞で見ております。ただ、郵便貯金の金利の問題については大蔵省その他から全然連絡も何もございません。したがって、われわれとしては、郵便貯金法の第十二条で「貯金の利率」という条文があるわけでございます。そこで、郵便貯金は「あまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」、こういうことが書いてあるわけでございますので、そういう場合になりましても、十分にひとつ考慮を払ってやってまいりたいと考えております。
#325
○委員長(福間知之君) 中村君、時間が来ておりますから、念のため。
#326
○中村鋭一君 はい。あと一つだけお願いいたします。
 郵便貯金の金利は、もし公定歩合引き下げのようなことになりましたら、ひとつ郵政省としてもがんばって、これはやっぱり庶民のための貯金でございますから、郵便貯金の金利の引き下げということは承服しかねると、せっかくひとつ大臣、御努力をお願いしておきたいと思います。
 個人年金構想ですけれども、時間がございませんので、ごく簡略に御説明をお願い申し上げます。
#327
○政府委員(小山森也君) 高齢化社会の到来というのが、すでに現実の問題としていろいろな統計等で出ているわけでございます。無論こういった社会に対しましては、公的年金というものがまず充実されることは、これは行政の課題として当然だと思うのでございますけれども、ただ、公的年金の性格といたしまして、どうしても一つの種類の年金の中では画一性になるわけでございます。たとえば給付を人によって差をつけるというようなこともできない。と同時に、これはまたもう一つこれを負担する側の問題もあろうかと思います。それに対しまして、やはり各人の欲望といいますか、生活に対する欲求というのはいろいろな人によって差がある。こういうことになりますと、やはり高齢化社会というものを楽しい社会とし、事実上のゆとりのある社会につくり上げることは、もう一つ公的年金のほかに、国の行政機能の一つといたしまして、そういった各人の自立努力を誘導するような機能が果たされなければならないのではないか。その一つに、やはり国営事業でやるべきであろう、こういう基本的な考えがあるわけでございますが、これは実は公的年金というものが充実されるすでに前でありますところの大正十五年以来同じような考えで郵便年金というのを郵政省でやっているわけでございます。しかしながら、この郵便年金は当時の非常に経済成長というものが緩慢な時代に考えられたものでございますので、いまのように経済の力というものが非常な動きを示すというときには、なかなか郵便年金制度が従来のままでは現実に適応しにくいというところがございまして、一時期二百万件の契約があったものが現在八万件になっているという状況でございます。したがいまして、郵便年金を所管する郵政省といたしましては、こういった法に命じられているところの私どもの責務にこれでは問題があるのではないかというところから、この郵便年金を現状に適するように改善充実していこう、こういうことでございまして、外国事情とか、いろいろな学識経験者等の意見を伺いまして、昨年新しい案といいますか、構想を発表したというところがこの個人年金の充実に関する郵政省の基本的な考え方でございます。
#328
○中村鋭一君 時間が参りましたので、最後に、郵政大臣にお伺いいたします。
 郵便年金は、たとえば生命保険業界等からも民業圧迫というような声もあるわけで、それもお伺いしたかったんですけれども、私はこれについてはぜひ推進をしていただきたい、こう考えております。そういった民業圧迫等については十二分な配慮は当然していただかなければいけないですけれども、よく郵政省が努力をしてPRをなされば、これは国民にとっていい話なんですから、大蔵省といえども生命保険業界といえども反対のできる筋合いのものじゃないわけですから、そういうわけで最後に郵政大臣の決意をひとつお伺いして終わります。
#329
○国務大臣(山内一郎君) 最大の努力をして来年度から実現いたしますように重大な決意をやっておりますが、さらにそれを続けてまいりたいと思います。
#330
○委員長(福間知之君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
#331
○委員長(福間知之君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 先般、当委員会が行いました郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#332
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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