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1949/04/06 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 内閣・建設連合委員会 第2号
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1949/04/06 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 内閣・建設連合委員会 第2号

#1
第007回国会 内閣・建設連合委員会 第2号
昭和二十五年四月六日(木曜日)
   午前十一時十七分開会
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  本日の会議に付した事件
○北海道開発法案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより、内閣、建設両委員会の連合委員会を開会いたします。
 北海道開発法案につきまして、前回に引続きまして御質疑がありますれば御発言願います。
#3
○赤木正雄君 この前の連合委員会で私が、現在これは内閣の諮問になつておるかどうか知りませんが、北海道開発審議会と、それから国土開発審議会と、この両方が異なつております。その審議会の運営状況はどうなつているかこれをお尋ねしたのですが、それに対する状態を承わりまたい。
#4
○国務大臣(増田甲子七君) 赤木さんの御指摘のごとく、現在北海道開発審議会と総合国土開発審議会とが、いずれも閣議決定を基礎として昨年の四月から設けられたのです。両方とも、この方面における学識経験者を以て構成されているのでありまして、約二十名ぐらいの委員の方々に、月に三、四回ぐらい御参集願いまして、鋭意総合国土開発計画、並びに北海道総合開発計画の樹立に御努力下すつております。その間しばしば政府に対しても答申がございまして、今回提案いたしました北海道開発法案も又北海道総合開発審議会の鋭意熱心に研究された結果答申された、その答申を基礎として立案いたした次第でございます。又総合国土開発審議会においても各種の有益なる答申をされておりまして、これを基礎として今度は法律を基礎とする内閣に総合国土開発審議会を設けたい。両者車の両輪のごとく相関関係に立つておるものと思います。即ち北海道開発法案と来たるべき総合国土開発法案とは唇歯輔車の関係に立つ、相関関係に立つておる法案である、こう考えておる次第でございます、尚その総合国土開発につきましては赤木さんもよく御承知のごとく、只今各府県にその県の総合開発計画がございまして、これを集大成いたしまして、ラフ・ピクチヤになるかも知れませんが、全国の総合国土開発に関するホール・ピクチヤをこの四月末日くらいまでに得たいと思つて総合国土開発審議会においても、鋭意熱心に努力勉励をして頂いておる次第でございます。以上簡單でございますが御報告を申し上げます。
#5
○赤木正雄君 今官房長官のお話の二つの審議会が鋭意審議されていることは分りましたが、この二つの審議会を二つにしないで仮に一つにした時にはどういう不利益があるのでしようか。
#6
○国務大臣(増田甲子七君) 二つの審議会を、只今閣議決定を基礎としたあの二つの審議会を一つにしたらどうかという御質問と一応解釈してお答え申上げます。北海道開発法案を提案する際にも、特に提案理由として御説明申上げました通り、北海道の開発については、もとよりこの四つの島の総合国土開発が終戰後においては特に必要でございますことは、赤木さんの熟知されていらつしやる通りでございます。併しながら北海道は多少特殊性があるのでありまして、即ち資源、或いは水産資源或いは鉱産資源或いは農産資源すべての方面において開発されていない状況は内地の他の三つの島とは比較にならない状況でありまして、特別の角度から特別の眼を以て御覧になることが必要であると考えております。そこでもとより内地の他の三つの島の開発と密接不離の調和をとり、相関関係において絶えず認識を置かなくてはなりませんが、やはり他の四十五都府県と同樣な立場で北海道を開発したのでは、北海道の開発はなかなかテンポが従来の経験に徴しても遅いのではないか、やはり明治二十七年以前のような特殊な立場を終戰後においては特に北海道は持つに至つた。どつちかと申しますと、海外発展というような、明治二十七年以後におきましては北海道は忘れられた、デザートされたような感じがありまして明治二十七年以前に比べまして開発のスピード、テンポが遅かつたのではないか、日本が本当に平和的民主的に発展するためにも北海道に特に重点を置いて、開発する必要がある。そうすれば、私共もまあそう完璧な調査とは考えておりません、粗雑な調査によりましても北海道は少くとも今の倍、多ければ二千万人と言う人もありますが、そこは私共信じておりません。或いはデンマークのごとく、スカンジナヴィア半島のごとく開発したならばという人もありまするが、私はそこまでは考えませんが、とにかく面積その他から比較いたしまして一千万の人口は必ず受入れ得ると考えておりますし、又北海道民諸君も百万や二百万では共存共栄の実を挙げ難い、普通の府県を取上げて申すのはどうかと思いますが、その府県に開拓民が入つて来るのは余り喜ばないような向も内地三島にはあるかのごとき嫌いもありまするが、北海道は人口百万や百五十万では共存共栄の実を挙げ難い、受入れることによつてますます共存共栄の実を挙げ得る。内地都府県民の北海道に来られることを、歓迎いたしております。非常に温い心持で受入れようとしております。この点は私の乏しい経験を以て見ましても、北海道は内地の開拓関係その他とは多少違うのではないかという感じも持つております。そういう意味合から一千万の人口も受入れ得る。即ちそういう意味合から見ましても半植民地的な存在であり、北海道の方々はそういう私共が半植民地だという名前で呼んでも決して怒つたりいたしません。むしろ温かくない都府県民を受入れて、そうして八千万の共存共栄の実を挙げたい。こういう我々から見ますと敬服すべき考えを持つて呉れております。そういう意味合からも北海道は特殊性がございますから、特に特別の審議会を作り、特別の役所を作つて急速なる北海道の資源開発を行い、そうして内地都府県民のためになり、八千万の共存共栄の実を挙げたいこういうわけでございます。
#7
○赤木正雄君 北海道を一日も早く開発する、これは今長官のおつしやつた通りに誠にその通りでございます。併し国全体を北海道と言わず、四国と言わず、九州、本州全部を含めて国全体を一つの総合国土開発、そういう法案で一定の期限をつけまして、その間において今庁官の言われたような観点からして、北海道は北海道、こういうふうにしたり、或いは九州の宮崎県はこいうふうに持つて来る、その方がより合理的であるので、むしろ国全体の国土総合開発、これを先にお作りになるのが順序である、こういうふうに思いますが如何でしよう。
#8
○国務大臣(増田甲子七君) お説は一応御尤もございます。私共も国土総合開発計画を立てまして、その一環として北海道を置く。併しながら一環ではあるけれども、北海道にはウエイトを置かなければいかん。こういうふうな意味合で考えております。特にウエイトを置かなければならないという考えから北海道開発法なり、北海道開発庁を設置せんとするものでありまして、もとより総合国土開発計画の一環をなさなくてはならん、こう考えております。ただ専門職員があり、専門の庁員がいてやらないと、やはり四十六都道府県の一つの部分というような仕事をやられますというと、北海道の特殊性に応ずる急速なる開発はできんのではないか。そこで特別の役所を置くことを考えました。併しながら将来の問題といたしまして、仮に安本等が改組されまして、国家全体については赤木さんもこれは同感下さると思いますが、企画庁といつたようなものはどうしても要ると思います。そのときには企画庁と併存して北海道開発庁がなければならないというところまでは考えておりません。とにかく今のところは大事であるし、急速に発足しないことにはこうあるべき、あああるべきと言つてもなかなか内地全体の総合国土開発計画の方が多少何と言いますか、まだホール・ピクチヤはできないのではないかと思うのでありますから、そこで北海道は或る程度非常に厖大ではありますけれども、三島の一つの島とも勿論匹敵いたしまするし、厖大ではありまするが、一つの道ではありまするし割合に企画計画等も急速に立て得るし、それから一つの官庁がどしどしやり得る。結局小口から始めるといつたような、意味合もある次第でありまして、御指摘のごとき宮崎県の開発であるとか或いは岩手県の開発であるとかそういつたことが国土開発計画全体の一環として樹立されまして、そこに何か特別の公社を作つて開発するというようなことがあることをもとより期待はいたしております。それから将来の問題といたしましては、私が今申しました通り、企画庁の一環になるべきだと思いますが、取敢えず発足いたしまして急速に開発いたしたい、こういう趣旨に外ならない次第であります。
#9
○赤木正雄君 この際成るべく経費の節減、そういうことをこの内閣はお考えになつている、そうあるべきことなんですが、併しこういうものを置けば勢い費用も要りますし、又人員問題も起つて来ますが、その意味からも成る程先のお話の通りに、北海道はウエイトを置きまするにしても、やはり国土全体の計画をなして、その国土全体の計画の際に、更に北海道にウエイトを置く、こういうふうに行くならば経費の節約の面にもよりよいと思いますが、どうでしよう。
#10
○国務大臣(増田甲子七君) 北海道につきましては、この法案を赤木さん御覽になつてもお分りの通り、今度提案したいと思います総合国土開発関係の審議会、並びにこれに附置されるべき事務局関係の法律案とはやや性質が違つておりまして、北海道について総合開発計画を立てますと、これが執行は政府諸機関においてなさなければならないことになつております。ところが他の三島における開発計画につきましては、レコメンデイションを政府がいたしておるのであります。その勧告はもとより尊重さるべきであります。併し必ず全的に尊重される、これを実行に移すかどうかはまだ強要するというところまでは、法律案は考えていないのでありまして、いずれ御審議の際に御検討を願つて、皆様の自由なる御選択によつて法案の性格は決まりますけれども、まだまだ内地全体の開発庁を作つて、そうして例えば建設省が総合国土開発省になるといつたようなところまでは考えておりません。北海道開発法案を作るに際しましては、実はむしろ今の計画を樹立して各省をして実行せしめるというのではまだ弱い。それで北海道に総督的なものを置いて、中央或いは札幌あたりに置いて、そうして一元的にやつたらどうかという説もあつたくらいでありますし、事業を結局直接TVAのように営むことは、各省の事務当局の間においても意見の扞格もあり、各省の事務当局の微妙な経緯等は、練達なる又経験の深い赤木さんの御存じの通りでありまして、先ず先ず事業を実行することは止めておこう、併しながら計画だけはここで立てまして、立てた計画だけは各省を以て実行せしめて、多少総合国土開発関係よりはやや力のある役所を想定いたしておる次第であります。
#11
○町村敬貴君 私は北海道に長くいる者ですからこの問題について少し申上げたいと思うのですが、只今長官のお話のように、北海道の開発が明治二十七年くらいまでは非常な勢で進んだ。勿論まあ私の考えでは、先ず明治の間は相当な勢で北海道は進んだように思われるのですが、その後に至つてどうも北海道の進み方が非常に鈍くなつて来た。又いろいろな意味から行きましても、中央の方でも北海道を割に認識しないし、又北海道の人間も又割合に中央の御厄介になるということの感じが非常に鈍い。まあいろいろな関係があつたのですが後には非常に北海道の発達が鈍くなつてしまつた。ところがそこに又この満洲というものが発展されて以来というものは、北海道は殆んど顧みられんという形になつてしまつた。甚だしきはこの満洲が始まつて以来は、一年に一戸のつまり移民さえ来なくなつたというようなことさえ私共は見ておりました。併しながら北海道というものは、どうして満洲がああいう短時間にああいう長足の進歩をしたか、それで北海道が昨年八十年の記念式典を挙げるのに、過去を顧みまして八十年間に非常な遅い進歩を見せて、さつぱりその計画の半分も達していないというのが、先ず今度の八十年式典の結果であつたように私には思われるのですが、併し今日本の実情から考えまして急速な移民をするということも不可能でありますし、どうしてもやはり残されておるものは、只今官房長官がおつしやいましたように、北海道よりまあないということだろうと思いますが、この北海道の開発を本当にやるということになりまするというと、やはりこれはただ一地方庁の行き方ではこれはできない点が沢山あります。丁度米国がTVAをやつて、そうしてその行き方によつてその州の開発をするというのは、先ずこれは国が或る程度そこに乘り出して、やるべきものは国がやつてしまつて、それから後に移民を入れるとか、いろいろなものが自分でつまり自発的にやり得るようなところまでは、これは国がやつてしまわなければいかん。到底小さな農家がそこへ入つてもどうにもなりません。ところが今北海道の開発の状態を見ますと個人的にやり得るようなものは殆んどつまり今までには開発し盡してあります。それが丁度北海道が約百六十万町歩の耕作地を、耕作可能地を持つておるのでありますが、一時は殆んど百万町歩に近いところまで伸びて行つたのでありますが、ここ二十年前あたりから段々減りまして、今では七十何万町歩というところへ落ちてしまつた。それがまだ減つて行く傾向にあります。それですからこれはやはり既耕地でさえ減つて行くくらいなところにあるのになかなか今後の残されておるところの七、八十万町歩というようなものが、これは到底今のところでは見込がありません。これはどうしてもやはり国がやるべき一つの大きな建設を行なつて、そうしてつまり計画と実施をいたしまして、それから実際の農民を入れるとか、移民をさせるというようなことが順序であると思うのでありますが従来の北海道庁のああいう行き方であつては、到底こういうものには頼ることができなかつたのであります。そこで私は今度こういう北海道開発法案というものができました以上には、どうか過去において全くやり得なかつたというようなものに特に重点を置いてこの開発庁がこれを実施するようにいたしまして行くならば、私はこの開発庁というものは非常に北海道のためには大きな今後の途を拓くものだろうと、こういうふうに確信しておるものでありますが、ただ私としましては、若し只今長官がおつしやつたように、計画は北海道開発庁がやる、併し実施は、いろいろな仕事の実施は各省がやる。ここにおいて私が一つ非常に心配することは、例えば農林省、建設省の問題でありまするが、一例を挙げまするというと、北海道の泥炭地の開発というような問題が大きく残されております。恐らくは北海道の泥炭地は四十万町歩という全く不毛の土地になつて、この八十年間を寢ております。ああいうものをやりますときには、最初はこれはもう殆んど建設省の仕事になると私は思うのであります。これは農林省の方の仕事にも勿論最後にはなるのでありますが、最初はこれは建設省が一つのそういうような計画をやるのでなければ、それから後にそれが徐々に農林省に移つて行く、こういうふうに各省がその実態に即して横の連絡を完全にとつて行くのならば、私は非常にいいと思いますけれども今までの調子を見ますると、ややもするとお互いに繩張り範囲を侵すことを非常にあれされまして、遂に本問題に入らずに終るようなことがよくあると思います。今回の北海道のこの場面も、小さいようなことは、これは北海道庁がやつて行くようなことにはそう触れずに、実際に過去においてやり得なかつた、北海道を本当に開発する上においてやり得なかつたというような点に、各省が完全に横の連絡をとつて、これをやつて行くというようなことになりますならば、例えば漁業にいたしましても、今までは北海道はこの北洋漁業を持つておりましたために、函館がただ一つの大きな漁港であつてやり得たのでありますがこのつまり北洋漁業を失つた北海道としましては、どうしても今度は沿岸漁業によつて行くより仕方がない。そうしますと相当に沢山の小さい漁港を必要とするのであります。その北海道にはその漁港が非常に少い。こういうような面からいたしまして、北海道の魚類を殖やすということは、結局日本全体の栄養上に非常な大きな問題があるのでありまするから、いろいろな点におきまして北海道の残されておるところのあれが、非常に大きいのでありますから、私はこの北海道開発法案によつて、これを最も有効に実施するということを切望するものでございます。
#12
○国務大臣(増田甲子七君) 北海道の開発の功労者であり、又この方面に関する高度の学識経験を有していらつしやる町村さんの御高見を大変有益に拜聽いたしました。政府においても御趣旨に沿いますよう鋭意努力いたすつもりでございます。
#13
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。只今委員諸君の御意向も大体分りましたから、連合委員会はこれを以て終了いたします。
 それでは連合委員会はこれを以て散会いたします。
   午前十一時四十三分散会
 出席者は左の通り。
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
           門屋 盛一君
   委員
           梅津 錦一君
           淺岡 信夫君
           竹下 豐次君
           町村 敬貴君
  建設委員
   委員長     中川 幸平君
   理事
           仲子  隆君
           赤木 正雄君
           島田 千壽君
           大隅 憲二君
           佐々木鹿藏君
           北條 秀一君
  国務大臣
   内閣官房長官  増田甲子七君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   総理府事務官兼
   法務府事務官
   (地方自治庁連
   絡行政部長、法
   制意見総務室主
   幹)      高辻 正己君
ソース: 国立国会図書館
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