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1980/11/06 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第3号
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1980/11/06 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第3号

#1
第093回国会 逓信委員会 第3号
昭和五十五年十一月六日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     赤桐  操君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                岩崎 純三君
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                赤桐  操君
                小谷  守君
                太田 淳夫君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   渡辺 紘三君
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政大臣官房経
       理部長      澤田 茂生君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省人事局長  岡野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便法等の一部を改正する法律案(第九十二回
 国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送付)
○公聴会開会承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山内郵政大臣。
#3
○国務大臣(山内一郎君) 郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における社会経済情勢の動向及び郵便事業の運営の現状にかんがみ、郵便事業の運営に要する財源の確保を図るため、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の改定を行うほか、第一種郵便物等の料金の決定について臨時の特例を設けるとともに、利用者に対するサービスの改善を図る等のため、郵便法その他関係法律について所要の改正を行おうとするものであります。
 まず、郵便法の一部改正の内容について申し上げます。
 第一は、郵便料金の改定についてであります。
 郵便事業財政は、石油危機に端を発した人件費や諸物価の高騰により、昭和四十九年度以来大幅な赤字に転じ、昭和五十一年一月の料金改定によりまして好転いたしましたものの、昭和五十三年度からは再び赤字を生ずることとなり、昭和五十四年度末における累積欠損金は二千百二十四億円になりました。このまま推移すれば赤字はますます増大し、事業財政の状況は悪化の一途をたどることとなります。
 こうした中で、昨年十月郵政審議会に対し、郵便事業財政を改善する方策について諮問いたしましたところ、同審議会から、昭和五十五年度から三年間は新たな赤字が生ずることを防ぐとともに、累積赤字についてもできるだけこれを解消していく措置をとることが必要であるとして、この際郵便料金の改定を行うことはやむを得ないものと判断するとの答申がなされました。
 今回の料金改定案は、この答申に示された料金を骨子とするものでありまして、第一種郵便物(封書)につきましては、定形二十五グラムまで五十円を六十円に、定形外五十グラムまで百円を百二十円に改め、また、第二種郵便物の通常葉書につきましては、二十円を四十円に改めることを主な内容といたしております。
 なお、第一種郵便物のうち、郵便書簡につきましては五十円に据え置くこととし、第二種郵便物の通常葉書につきましては、昭和五十五年度中は三十円とすることといたしております。
 第二は、第一種郵便物等の料金の決定についての特例についてであります。
 郵便の料金決定方法のあり方につきましては、かねて郵便審議会等から、現行の料金決定方法については、弾力的に対処できる方向での改善が必要であるとの趣旨の御提言をいただいたところでありますが、その後慎重に検討いたしてまいりました結果、郵便事業財政の現状にかんがみ、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の範囲及び条件のもとで、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は一郵政大臣が郵便審議会に諮問した上、省令で定めることができるものとする等の規定を設けることといたしたいとするものであります。
 第三は、利用者に対するサービスの改善を図るため、新たに郵便切手について手数料を徴してこれを他の郵便切手等と交換することができることとすること、新たに図画等を印刷した郵便葉書を発行し、一般の郵便葉書の料金額によらない額で売りさばくことができることとすること、速達小包として差し出すことができる郵便物の大きさ及び重量の制限を緩和することについての改正を行うことといたしております。
 以上のほか、郵便に関する料金を滞納した場合の延滞金、延滞利率についての規定を設けること等の内容を織り込んでおります。
 次に、お年玉つき郵便葉書及び寄付金つき郵便葉書等の発売並びに寄付金の処理に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。
 まず、お年玉につきましては、利用者に対するサービス改善を図るため、お年玉として贈る金品の単価の最高限度額を現行三万円から五万円に引き上げることとするとともに、お年玉として贈る金品は、簡易郵便局においても引きかえをすることができることといたしております。
 また、寄付金につきましては、その配分を受けることができる団体に、文化財の保護を行う団体及び青少年の健全な育成のための社会教育を行う団体を加えることといたしております。
 最後に、印紙をもってする歳入金納付に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。
 これは、郵便法の一部改正の中で郵便切手の交換を行うことといたしておりますので、これにあわせまして、同様の趣旨から収入印紙につきましても、他の収入印紙との交換ができるようにしようとするものであります。
 以上、この法律案の提案理由及び主な内容につきまして御説明申し上げましたが、今後とも郵便の送達速度の安定を図ることにより、国民各位の期待にこたえるよう懸命の努力を傾ける所存でございます。
 なお、衆議院におきまして、この法律案は、施行期日に関し、「昭和五十五年十月一日」といたしておりましたものを「公布の日から起算して四十日を経過した日」に修正されております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(福間知之君) 以上で説明の聴取を終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(福間知之君) 次に、公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便法等の一部を改正する法律案の審査のため、公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公聴会開会の日時、問題並びに公述人の数及び選定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(福間知之君) 次に、郵便法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○大森昭君 いま郵政大臣から提案理由の説明がありましたが、主な理由をということでありますから詳細な御提案がなかったわけでありますが、五十一年に値上げをいたしまして今日まで二千百二十四億円の赤字になりました、その理由は「人件費や諸物価の高騰により、」というだけでは、これだけ国民生活に影響する郵便料金の値上げをするには少し説明が不足しているのじゃないかと思いますので、なぜこのように赤字の財政になったのか、主な原因についてもう少し詳しく御説明していただきたいと思います。
#10
○政府委員(魚津茂晴君) お答え申し上げます。
 郵便事業の赤字の原因は、端的に申し上げますと、事業の費用、コストが賃金の上昇等に伴って過去三年平均で約八%ずつ増大しているのに対しまして収益の伸びは約四%、費用の伸びに比べまして約半分程度にとどまっていることでございます。
 これをもう少し詳しく申し上げたいと存じますが、郵便事業は、先生も御案内のとおりでございますが、きわめて労働集約性の高い事業でございまして、本来賃金コストの上昇に弱い体質を持っております。郵政省におきましても、従来から事業運営の効率化、合理化に努めてまいったところでございますが、事業の性質上おのずから限界がございました。一方、賃金コストは依然として上昇傾向にあるため経費の増大は避けられず、事業財政を大きく圧迫する要因となっているものでございます。
 他方、前回の料金改定後の料金の安い種類への移行傾向というのは著しいわけでございまして、収入の伸びは物数の伸びを下回っているわけでございます。かつては、物数の伸びよりも収入の伸びが多かったというのが五十一年の料金改正前の一つの特徴であったわけでございますが、いま申し上げましたように、先回の料金改定後においてはこういった現象が変わってまいりました。たとえば五十四年を例にとりますと、物数の伸びは前年に比べまして六・八%増加をいたしましたけれども、収入はそれよりもずっと低い五%増、こういう実情でございます。
 こうした結果、五十一年度を仮に一〇〇として損益傾向を見ますと、五十四年度には収益が一一三であるのに対しまして費用は一二七、こういうふうに格差が広がってまいりまして、このまま推移すれば今後もこの傾向が続いていくものと考えられる次第でございます。
#11
○大森昭君 人件費が上がっていることは認めますが、ただ、前々回の逓信委員会で仲裁議決の問題でも問題を提起しておきましたけれども、郵政特別会計は貯金、保険あるいは委託業務の関係から金が繰り入れられるので大体百三十億程度郵政特別会計でやりくりをすれば仲裁を議決案件でなくて承認案件でいけるのじゃないかという問題指摘をいたしましたけれども、そういう数字からいきますと、それが百三十億程度ということになりますと、これが仮に五年続きまして、もっと前は賃金の上昇率が高かったときもありますけれども、そうやって計算しますと、この二千百二十四億というのは、どうもいまの局長の答弁からいきますと、主な原因ではあるでしょうけれどもすべてではないような感じがするんですね。というのは、その後でまた、いわゆる物数の伸びに対して収益がいままでと違っているというような要素もいま御答弁ありましたけれども、そういうように変化をしている状況などから見ていきますと、人件費の上がった分を、普通の企業でいけば、いろいろな合理化の面で人件費が上がる分を抑えていくということで企業経営は運営していくわけですけれども、合理化の問題もいまやっているというお話でいきますと、そうすると、確かに人件費ではある部分赤字になる要素もあるわけでありますけれども、そのほかに、郵政省の経営施策としてやはり何か欠けているものがあるがゆえにというふうに私は理解をするのでありますが、どうもそういう御答弁になっておりません。
 それはそれといたしまして、いずれにいたしましても労働コストに集約をされるというお話ですから、端的にお伺いいたしますが、葉書、これは四十円に倍になりますし、定形も五十円が六十円、定形外は百円が百二十円、どこかの算出基準があってこういうふうに値上げの幅も決めたのだろうと思うのでありますが、今日郵政省が取り扱っていますいろんな種類があるわけでありますが、それに対する原価計算についてどういうふうになり、また、なぜこういう値上げ幅を決定したのか、その根拠についてお伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(澤田茂生君) まず、原価のことにつきましてお答えを申し上げたいと思います。
 昭和五十四年度について主要の種類別の一通当たりの原価というものを申し上げてみますと、第一種定形が約四十一円でございます。第二種が約二十八円でございます。第三種低料でございますが、これが約四十三円。それから低料以外、これが約五十三円。書籍小包約二百三十一円。普通一般小包約八百九円。こういうふうになっていまして、五十四年度の現状といいますのはこういうことでございます。
 ただ、原価計算の基礎となっておりますのは単年度の欠損ベースというものをもとにしていたしておりますので、従来、ただいまお話に出ました二千数百億の累積赤字というもの、これを原価の中へ溶け込ましてという計算はいたしておりませんので、料金改定等に当たりましてはそういったものをどう見るかというのは別個の観点から考えなければならない問題である、こういうふうに考えております。
#13
○大森昭君 原価計算の出し方も一通一通引き受けてやっているわけじゃないからなかなか原価計算の仕方もむずかしいのだろうと思うのでありますが、しかし、いずれにしても従来からの郵政省における原価計算基準か何かに基づいてこれを出していると思うんです。そうしますと、ますます私どもは、この値上げについて受益者負担だというふうに本会議でも大臣は答弁されておりましたけれども、そういうぐあいからいきますと反対を強くしなきゃいけないと思うのは、第二種、葉書が二十八円、これが四十円になっちゃうわけです。それから第一種が四十一円、これが五十円から六十円。こういうふうにそう単純に計算されたら困るという御答弁もあるのかもわかりませんが、端的に言いますと、これを見ますと、やはりそうは言うものの原価計算の出し方はいろいろむずかしい点はあるにしても、少し郵便料金の料金決定というのは政策的に行われるというふうに理解せざるを得ないんですけれども、そういうふうに理解していいですか。
#14
○政府委員(魚津茂晴君) ただいま大森先生から、種別の値上げ幅というのが違うじゃないか、その種類別の郵便料金決定についての考え方というのは一体どうなんだというような御質問と受けとめてお答えをさしていただくわけでございますが、まず抽象的に申し上げますと、郵便物の種類別の料金につきましては、先生も御案内のところでございますが、郵便法の第一条には「なるべく安い料金で、」という公共性を強調した上に立った料金の一つの理念が書かれていると思うわけであります。ところが一方、第三条では「適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入」の確保ということで、私ども、この三条は一条の公共性ということに対応いたしまして郵便事業の独立採算制、収支相償の原則をうたった料金の理念をあらわしている条文と受けとめているわけでございますが、この一条と三条のいわば調和に立った考え方を基本といたしまして、郵便物の種類別の損益状況でございますとか種類設定の趣旨等を考慮いたしまして、かつまた同種のサービスの料金、たとえば小包の料金なんかを考える場合には民間の小型物件の運賃がどうなっているかというような同種のサービスの料金なども勘案いたしまして設定をしている次第でございます。
 そこで、いま手紙と葉書の料金についてお尋ねのこともございましたので、いま申し上げたような基本的といいますか、総論的な考え方を具体的に今度手紙を五十円から六十円にいたしたいということで御提案をしておりますし、葉書を二十円から三十円の段階を経まして四十円に改正をさせていただきたいということを御提案しているわけでございますが、この手紙と葉書の料金の決定というものについて若干御説明をさしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
 まず、第一種の封書の料金につきましては、利用及び収入に占める割合が非常に高いわけでございます。利用は全郵便物の中で三五%でございます。一方、収入は三九%。これは五十四年度を例にとって御説明をしたわけでございますが、これを基幹といたしまして事業を運営していく必要があるため、従来どおり事業を支える柱として料金を設定することとしております。
 なお、個人が差し出す信書についての郵政審議会からの御提言の趣旨に沿いまして、新しく郵便書簡の料金につきまして特に配意をいたしまして現行五十円のまま据え置くことといたしております。
 葉書の料金につきましては、封書の半額程度とされてまいりましたが、五十一年度の料金改正によりましてこの差がさらに拡大し、現在の料金の格差となっている次第でございます。しかしながら封書と葉書の取り扱いに要する手数にはそれほどの差はございません。現在、葉書だけの収入ではその費用を賄い得ないものとなっておりまして、全郵便物中に占める葉書のシェアは非常に高くなっております。約五二%という高い数字になっていることと相まちまして事業財政悪化の主な原因となっているというようなことから、また物数の増加に比して収入の増加が伴わない現象が続くという料金政策というものの背景ということとも言えるわけでございます。
 一方、主要な諸外国におきましては、封書と葉書の料金格差はないところもございます。手紙と葉書の料金差というのは全然つけていないところもございます。あるいは料金差をつけているところであってもわずかなものとなっておりまして、郵政審議会からも従来からこの手紙と葉書の料金差の是正方提言を受けているところでございます。したがいまして、これらの事情を勘案いたしまして今回の改正案を提出した次第でございます。
#15
○大森昭君 局長、私の質問は、いまあなたが言うように、一条になるべく安くというのもわかっていますし、三条に適正な収支を確保というのもわかっているんですが、独立採算制のたてまえを強調するがゆえに少し中身の方までいろいろ説明をされているのだろうと思うんですが、とりあえず独立採算制がいいか悪いかというのは次の問題にいたしまして、とにかくいま原価計算を聞きますと、一種が四十一円、二種が二十八円、三種が四十三円。現状はこの原価計算の状態で料金設定しているのじゃないんですから、ですから独立採算制の問題はちょっと頭のすみに置いて、料金決定というのは少なくとも、適正な収入を確保するという条項があるにしても、政策的に料金の決定はされているのじゃないんですか、そういうふうに質問しているわけです。イエスかノーかでお答えしていただけばいいんです。
#16
○政府委員(魚津茂晴君) 私、総論のところでも申し上げたわけですが、郵便料金というのは、もちろん原価も重要な決定のファクターでございますけれども、そのほかに種類設定の趣旨あるいは同種のサービス料金の状況というようなことを勘案して決めているわけでございます。
#17
○大森昭君 ですから、そういうことを私どもは政策料金じゃないかという言葉を使っているんですが、どうしても政策料金だというのを答弁するのがいやらしいからそういう答弁しているのだろうと思うんです。しかしいずれにしても、いろいろなことを勘案しながらと言っても、明らかに三種の問題は――ですから、それだったら原価計算の方針の立て直しをしてもらいたいと思うんですね。少なくともいま国会の場の中で、原価計算、これがいいか悪いかというのはいろいろ議論がありますが、そういう原価計算の仕方は正しくない、こういうふうにした方がいいという議論があったにしても、原価を労働コストの問題で、料金の収入を図らなくちゃいけないというもとから来て、原価のコストが出されて、それで料金の決定がされるということになれば、少し話を聞いておっても、ここに何かのものがなければ、こういう原価計算がされて、なぜそうなるのかということは理解できないんです。
 ところが、いま局長の話は総合的に勘案して、だから、総合的に勘案するというのは私どもの立場からすればそれは政策的に料金を決めたんじゃないですか、こう言っているんです。政策という言葉がどうもいやなんでしょう。総合的にという言葉にかえたいんでしょうけれども、そうなってきますと、私はこれ以上意見の違うところを詰める気はないんですが、私どもは少なくとも公共性を重んじてなるべく安く、同時に公共性の中では、公共性という立場はもちろん政策的な立場でというたてまえで議論を展開しているわけです。
 そうなってきますと、いずれにしても三種、四種の赤字があって、さっき二千何百億かの赤字の中に人件費もありますけれども、そういうものの料金が低廉なるがゆえに赤字がふえているんじゃないかということを言ってもらいたかったんだけれども、それは言わないんですが、そうなってきますと、これを上げろと言っているのじゃないんです、私は。公共的な立場ですから低料金でよかろう、しかし少なくとも政策的な料金をそこに持ってくる限り独立採算制ということでやっているのでは少し無理があるのじゃなかろうかという理論の展開を私実はしているわけでありますから、どうかひとつそういう意味で、いずれにしても料金の決定というのは少し科学的じゃないし、もろもろの要素をというその要素というのは明らかに政策料金でありますから、したがって独立採算制を少し見直して公共性を尊重するという立場で郵政事業の運営を図っていったらどうかというふうに本会議でも主張したわけであります。
 大臣、いずれにいたしましても、いまのお話をずっと聞いておりまして、料金の決定に当たってはいろんな要素を勘案してという意味は公共性を尊重するというふうに私は理解をいたしますので、そういう意味からいくと赤字が出たのはそのことも要素として入っているということを、大臣としてはいまの討論を通じて理解できますか。
#18
○国務大臣(山内一郎君) いま、るるお話ございまして、各種の郵便物の料金をどうやって決めていくか。一つは、私はやはり原価計算ということをやることによって、大体の基準とか目標を一つの基準としてこれもやはり計算しなければいけない。それから郵便事業の考え方、性格といいますか、公共性があったり、それから独立採算制、第一条と第三条がこれは私は郵便法の基本的の考え方と思うわけでございますが、その大きな枠の中で原価計算もやり、どうしてこんなにまちまちになってきたかという問題がやはり考えられるわけでございます。
 そこで、これは従来の経緯ということも一つの大きな要因でございますし、いろいろ差をつけるということは、各種類の強い要請があるとか、あるいは社会的にこういうことが非常に要望されているとか、いろんないま申し上げましたことを全部ひっくるめまして私は料金が決定されるべきものである、こういうふうに考えているわけでございます。
#19
○大森昭君 そこで、私が心配するのは、いま国鉄の再建法案が国会にかかっていますが、どんぶり勘定で値上げして利用者が減らないでという状態が続けばいいんですけれども、余り企業性を追求していきますと、ローカル線の廃止じゃありませんが、山間僻地は新聞を持っていくだけだから採算なんかとれっこないんです。これは明らかなんです。そういうところをぶった切った方がいいなんという、先の話ですからそういうことになるかどうかわかりませんが、やはり国鉄側はだれも考えなかったと思うんです。北海道だって、北海道を開発するために少なくとも鉄道を敷いたんでしょう。幾ら国鉄再建だなんていったって、北海道の鉄道を半分もぶった切るなんということでいま大騒ぎしていますがね。
 ですから、私は、いま郵政事業の場合にはそういう状況じゃなくて値上げをし収支を補いという状態で進んできていますが、まさに二十円から三十円の段階といったって、これは三十円の段階を三年ぐらい置いてくれるのなら段階と言えるのだけれども、局長、余りこれは段階なんて言えないですよ。もう素直に二十円から四十円と言った方がわかりやすいんです。そうなってきますと、こういう形でどんぶり勘定でやっているんだからという大臣のお話もありますが、国民というのはそう郵政省が言うようにどんぶり勘定だからやむを得ないというふうに理解をしません、正直言って。
 そこで、しかしこの議論をいつまで続けておってもしようがないのでありますが、問題は、どうもそういう郵政省の立場からというのですか、論理から推察いたしますと、いずれにしても事業をとにかく独立採算でやっていくんだということが強く言われているわけですけれども、そういうことになれば、少し企業性を強めていくのなら企業性を強めていくように、事業の経営主体についても少なくとも、民間企業は大変御苦労いまいただいているわけでありますけれども、郵政事業というのはそういう点から見ると、片方では公共性を言いながら片方では財政的には企業性というけれども、少し今日までの郵政事業を見ていますと、事業のイメージアップだとかあるいはサービスアップで利用者をふやすとかというような点については欠けているのじゃないかと思いますが、企業性を強調するならば、なるようにその増収を図る方法だとか何かについてはどのようなことがやられてきたのですか。
#20
○政府委員(魚津茂晴君) 企業性というものを公共性との調和の上に立ったかっこうで基本的な理念として進めてきたわけでございますが、そのためにはやはり事業のイメージアップ、サービスアップが必要じゃないかという先生の仰せの言葉でございまして、私たちも全く同様の理解をしているものでございます。
 そこで、事業のイメージアップ、サービスアップを図るために、どういうことを郵政省が日常じみな形であるにしても施策として続けてきているかということについてお答えをさしていただくわけでございますが、日ごろ私どもは、各種の広報誌を出しまして事業の説明を国民の皆様方にして、理解と協力を受ける体制をつくるべく努力しているわけでございます。たとえば「郵便局のしおり」、「ぽすと」誌、「フォト」、「時の動き」、こういうのが私いま申し上げました各種の広報誌でございます。
 それから報道機関への資料の提供とか説明会もやっております。それからテレビ番組。これは郵政省提供といたしまして「わが旅わが心」という番組がございますが、そういったことによるPR。それから映画もつくっております。最近では「日本の郵便」というようなものの作成もそういった観点のものでございます。
 それから時宜に応じた各種の行事。最近国民の皆様方にも御理解をいただいているものでございますが、たとえば「ふみの日」の運動、あるいは逓信記念日、郵便週間、さらに情報化週間、こういったものの各種の行事も開催をいたしております。こういったようなことで、本省、郵政局、郵便局それぞれの段階でいろいろの施策を行いまして、郵便事業の現状に対する理解が得られるように努めているところでございます。
 特に、青少年の郵便及び郵便事業に対する理解と関心を高めるために、全国的に「郵便友の会」活動を支援するのもこういう趣旨でございます。また、郵便協力会を結成いたしまして、その地域の人々との連携を深めるための努力も行っております。
 また、国民に事業の実態について理解を得るために、「目でみる郵便」とか、「一通の手紙、はがきが……」というタイトルの冊子をつくるとか、「郵便を利用される皆さまへ」というようなパンフレット類も作成いたしまして郵便局などを通じて配布するほか、新聞、雑誌への広告掲載などを行っているところでございます。
 そしてまた、郵便局の窓口でございますとか、郵便物の配達時等のお客様との接点における応対も肝要でございますので、毎年六月をポストマンの明るい応対推進月間といたしましてキャンペーンポスターの掲出、接遇に関する冊子、テープ、スライドの配付などを行いまして、職員一人一人に対しまして趣旨の徹底及び訓練にも力を入れているところでございます。
#21
○大森昭君 いろいろ言われますが、きょうこれだけおられますが、いま局長が言われたようなことでなるほどやっているわいというようなことはだれも感じた人いませんよ、いまの答弁を聞いて、正直言って。
 それは後で触れますが、やっぱり物事というのは、形の上ではいろいろやっています。それは「ふみの日」も私も知らないわけじゃありません。郵便局へ行けば何か「二三」とこうやっているから、何だろう、ああ、これは「ふみ」だと思いますが、問題は、心がこもっていないんです。何をやるのにも郵政省というのは、正直言って。形だけはいろんなことをやっているようなかっこうだけれども、魂が入っていなければ何をやったって――看板かけたって、看板だって光った看板もあれば、さっと見とれる看板もあるんです。
 ですから、これはいまここでは議論しませんが、なぜ心が入っていないかという問題について、問題の提起を掘り下げて後でやりますが、いずれにいたしましても、いろんなことを局長はやられているようなお話でありますが、もう少しやっているならやっているらしく、私がこんなことを質問しなくても大体郵便局の周りに行けばだれでもわかっている、それからそういう行事も目についているというようなことでなければ――形の上ではそれは局長がいまずらっと言われたようなことをやっていると思います。しかし、これは後でまた、なぜ心がこもらないかという話についての問題を質問したいと思います。
 そこで、問題を少しかえまして、いずれにいたしましても累積赤字を消すための料金改定が主たる要素なんでしょうけれども、さてそこで、後追いばかりやっていたってしようがないのでありまして、五十六年度の概算要求はまとまったと思うのでありますが、一体郵政省は、五十六年度ではどのような重要施策事項を大蔵省に持っているんですか。
#22
○政府委員(澤田茂生君) お答え申し上げます。
 概算要求を大蔵省に五十六年度ということで出しております。その重要施策事項でございますが、先生御案内のように、郵政事業は郵便、貯金、保険、電気通信、こういう四つの事業を郵便局という窓口を通じてサービスを提供いたしております。こういった場合の概算要求の重要施策でございますけれども、各業務の円滑な運営と利用者に対するサービスの向上という見地からいろいろ施策を挙げておりますけれども、形といたしましては、重要施策事項自体としましては余り変化がないというのが郵政事業特別会計の方の概算要求の一つの形と申しましょうか、一般会計、一般行政と違った面があるということでございます。
 五十六年度の重要施策事項の主な内容について申し上げますと、郵便につきましては安定した郵便業務運行の確保という項目を掲げております。これは申すまでもなく、今日の郵便の逼迫した財政状態、これの解決が最大の課題ではございますけれども、やはりいかなる場合においても安定した郵便業務の運行の確保ということは郵便事業に欠かせないことでございます。こういったことについて例年どおり重点的に取り上げていこうということでございまして、額といたしましては五十七億円というものを要求いたしております。前年度が四十二億円でございましたけれども、そういうことでございます。
 なお、郵便貯金事業につきましては、郵便貯金の増強と利用者サービス……
#23
○大森昭君 郵便だけでいいです。
#24
○政府委員(澤田茂生君) はい。
 郵便事業の重点項目と申しました内容は、項目といたしましては安定した郵便業務運行の確保ということでございますが、いましばらくこの内容等について若干御説明をさしていただきたいと思いますが、このための専用自動車化による集配施設の拡充整備、あるいは郵便受け箱の設置や配達資料の整備による集配作業の改善、あるいは機動車安全運転対策、こういったものでございまして、いずれも目新しいというわけではございませんけれども、引き続きまして施策の整備、施設の充実に努めて円滑な業務運行の定着を図る、こういう考え方からこういう重点項目で大蔵省に概算要求をしたということでございます。
#25
○大森昭君 安定した郵便事業、言葉はそのとおりで安定しなければ困るわけでありますが、しかし、本省の皆さん方は大変偉い方ばかりなんでしょうけれども、いま、たとえば私も東京下町に住んでいますが、団地がどんどんできるわ、都市近郊地なんというのは物すごく一挙にばあっとできますからね。そうでしょう。それで、実際問題としていま安定しているんですか、大体。私は、現在安定していて、機動車だとか、受け箱だとか、専用自動車の整備なんという問題じゃないと思うんです。というのは、さっき局長からもお話がありましたけれども、郵便物数は六・八%ふえているというのでしょう、収入は五%しかふえないけれどもと言ったんですが、そうなってくれば六・八%の物数がふえる。
 とりわけ最近の傾向としては核家族でありますから、大体物数がふえると同時に配達戸数がふえているんです。ですから、都市近郊における人口がふえると同時に配達戸数がふえているということになれば、安定した郵便事業というのは、やはり郵便を配達する従業員をふやす。それが今日の財政再建できわめて困難というのなら、少し総体的に内務なら内務を見直して外務の方にやるという方法もあるでしょうけれども、しかし、その事業自体が労働集約型でありますから、なかなか内勤の方もそういう合理化もむずかしい状況だとすれば、まさに安定した郵便事業をということならば、郵便を配達する人たち、とりわけ、そういう団地などが一遍にできたり、都市近郊、この辺の定員をふやすという考え方がなきゃ安定した郵便事業は成り立たないのだと思うんですが、定員の関係なんかは全然触れられておらないんですが、どうなっているんですか。
#26
○政府委員(岡野裕君) 先生からお話ございましたように、郵政三事業いずれをとりましても人力依存度が非常に大きい、とりわけ郵便事業についてはそういった感を深くするわけでございますが、そういった意味合いで、私どもはまず一般的な業務量に見合った適正な要員、これを確保いたしたいものであるというようなことで、ちょうど概算要求の際に行政管理庁に対しまして要員の要求を、また大蔵省に対しましてそれに見合いますところの予算の要求をしているところでございます。
 先生、あるいは経理部長からお話がありました重点施策といいますものの中に要員要求が入っておらないと言いますのは御指摘のとおりでございますが、要員要求は毎年のことでございます。それからまた新規施策というものでもないと思っておりますし、まず郵政省としましては最大的な力こぶを入れて要員要求を行っているといいますのが実態でございます。
 念のためでございますが、数字をちょっと御披露いたしますと、五十六年度の郵便関係の増員要求は二千三百二十三人でございます。私ども人事局といたしましては、このほかに貯金の七百五十三人あるいは保険の二百十一名、共通その他四百八十二名、合算をいたしまして三千七百六十九人といいます数を行管当局に要求している、こういう実態でございます。
#27
○大森昭君 いずれにいたしましても、原点をしっかり見つめてもらって施策を立てませんと、原点がわからなければ施策は立ちませんよ。と同時に、私は、郵政事業というのは公共性、企業性という両議論がありますが、第一にはやはり公共性です。もちろん企業性を無視すればそれは事業の運営は成り立ちませんから、厳しい企業性を求められることは私も否定をいたしません。しかし、第一に何といっても公共性をやっぱり重んじて事業の運営を図っていくのが筋だと思うのであります。
 そこで、大臣にひとつお伺いしたいのでありますが、大臣は就任して余り間がないのでありますが、郵政省にお入りになりまして各局長からそれぞれ郵政事業のお話なども聞いていると思いますが、私は少なくとも郵政事業を企業的にある程度やらざるを得ないという立場に立てば、少なくとも来年は何をするのか、再来年は何をするのか、十年先はどうなるのかという、事業に対する将来展望といいますか、中期なら中期の計画が必要だと思うのでありますが、大臣は、それぞれの局長さんからお話を聞いて、まさに今日もよくやっているけれども将来もそれなら大丈夫だというようなお話を聞いたことがありますか。
#28
○国務大臣(山内一郎君) そういう各局長から、ざっくばらんに申し上げまして、将来はこうなっているということは具体的にまだ聞いておりません。しかし、こういうような大きな事業をやっていく上には少し先を考えながらかくあるべきじゃないかということは局長たちに話をして、そういう点について十分計画をつくるように、こう言っている段階でございます。まだ、そういう成果については聞いていないというのが現状でございます。
#29
○大森昭君 世の中で、官業経営者、労働者含めまして、よく親方日の丸であの連中はということが言われておりますが、一体、郵政省みずから一般的に言われている親方日の丸という言葉を聞いたときに、どういう感じを持ちますか。どなたでも結構です。
#30
○政府委員(魚津茂晴君) 親方日の丸ということは、一般的には国営独占事業の場合に倒産の危険がないとか競争者がいないというような事情から、ややもすれば経営についての経済性の欠如、効率の低下といった弊害が生ずるおそれがあるものと考えられますが、私たちは、このようなことを指して世間では親方日の丸という公企業に対する批判と自戒を求めるという意味で親方日の丸という言葉を受けとめているわけでございますが、しかしながら、私どもが今後の郵便事業の長期的なそれこそ展望に立っての基本的に考えなくちゃならぬことは、そういう親方日の丸というそしりを受けないで文字どおり企業性と公共性という調和の上に立った施策をどんどん打ち出していくべきだというふうに考えるわけでございます。
 そういったことで、私たち最近特に強調を申し上げたいと思いますのは、従来、郵便というのは出されるものを受動的に受けとめるという形での仕事ぶり、意識というものがあったと思いますが、これからは郵便も一つの販売である、郵便を積極的に拡大する、需要を喚起するという意識を郵便事業の経営に当たってのいま一つの大きな柱としてやっていくべきだという意味で、親方日の丸というそしりを受けない経営の大きな筋の通った考え方で臨んでいくべきだ、こういうふうに思っております。
#31
○大森昭君 そこがやはり親方日の丸なんだよね。やっぱりややもすればなんという問題じゃいまやないんですよ。ややもすればというような状態じゃなくて、まさに厳しい指摘がされているんです。だから、たとえば予算も、郵政事業が企業性を仮に尊重するならば、大体単年度制の予算なんというのはおかしいんです、考えてみれば。そうでしょう。大体一年先はこういう予算要求をしてこうやって、その先はどうなるかわからないような企業なんて大体ないんだ、民間企業へ行ったって。社長さんがどんと控えておって、景気が少し冷え込んだら来年はこういうふうにやらなければいけない、それから支店をここにつくって、来年はこれがうまくいったら再来年はこの方に支店を進出するようにしなければいけないとか考えるから、企業というものはそれぞれその計画に基づいて目標に向かって事業というものは進めていくわけでしょう。
 ですから、もっと私は端的に言えば、ややもすればじゃなくて、本当に国民から官業労働者あるいは官業経営者が親方日の丸と言われているのは一体どういうところに欠陥があるのかということをもう少し厳しく反省してもらいたいと思うんです。私は長期計画の問題を毎回口にして言うのは、確かに単年度予算だからむずかしいんです。それはわかるんです。しかし少なくとも、むずかしいけれども、三年先、四年先はどういう姿にしたいのか、十年先はどういう姿にしたいのか。
 最近の郵便局舎は比較的余裕を持って建ててありますが、一体郵便局舎一つとってもそうなんです。ものの五年か十年たてばもう全く郵便局は狭隘な郵便局なんです。それはなぜかというと、郵便物数が十年先になったらどのぐらいに伸びていくかという将来にわたっての計画がないからそういう状態です。これはもう各地で、皆さん方それぞれ、先生方も各県代表の地方区の先生方ですから見られたらわかると思うんです。全くそういうところも、それはなぜかというと、単年度予算だからなかなか思うようにいかないというのもありますけれども、だから私は、計画を立てながら、大いに議論しながら、試行錯誤を続けながらも計画をまずつくってもらう中で、やはり郵便事業が将来はどう発展していくか発展していかないか、そのとき決めたことは少し情勢分析が甘くて二年たってみたらやっぱり違っていたわいという、そういう絶えず計画を立て反省を行いながら事業の運営がされていないところに、私は正直に申し上げまして親方日の丸と言われるところがあるのだろうと思うんです。企業というのは計画、見通し、これを間違えたら倒産ですよ、実際の話。ところが、赤字が出ても次の値上げしてもらえばそれでいいわいということになれば、これはこんな楽な商売ないというところも親方日の丸なんです。
 どうかひとつ、そういう意味合いで再三この事業のそれぞれの展望について計画を立てることが必要じゃないかということを言っておるわけですから、大臣のお話ではまだ省内で十分聞いていないようでありますけれども、それぞれの計画は多少なりともあるんじゃないですか。
#32
○政府委員(魚津茂晴君) 計画を将来に向けて立てるためには、郵便事業を例にとりますと、じゃ郵便事業そのものが社会経済の中でどのような将来の位置づけ、重要性、そういったことが考えられるのだろうか、あるいは郵便物数というのは一体どうなるのだろうか、そういう郵便の長期展望というものをどのように理解するかということが基本的には一番大切じゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。そういった意味で、郵便事業について将来どういうふうになるのだろうかという展望というものを私たち郵便をお預かりしているものがどのように考えているかという点を若干申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。
 それで、今後の郵便事業をめぐる社会経済環境は厳しいものがあると予想されるわけでございますが、郵便の使命を全うするために今後とも事業運営の効率化、合理化の推進に努める一方、郵便の特質を生かした郵便の需要の喚起につきましてさらに努力をして事業の健全な経営を図っていくということが基本的な私たちの姿勢でございます。
 そこで、郵便の利用は、長期的に見ますと年々着実に増加しておりまして、最近においても安定的に増加をしております。郵便は現物性、記録性などのすぐれた特性から他の通信メディアがどのように発達し多様化しようとも依然として固有の分野を確保し、社会経済の発展に伴いその重要性はなお変わらないものがあると考えております。
 今後の郵便物数の動向につきましては、経済情勢のいかんや郵便料金水準などの不確定要素も多いわけでございまして、これを正確に予測することは困難ではございますが、たとえば先進諸国との比較を見てみますと、取扱物数ではわが国は年間百五十億通であるということで、総体としての郵便物数はアメリカ、ソ連に次いで世界第三位であるにかかわらず、一方、国民一人当たりの利用物数で見ますと、わが国は百二十五通ということで世界第十九位でございます。この点、日本の国力の客観的な評価からいたしますと私は少ないという感じを持っておるものでございますが、そこに、一方また私たちの郵便の将来の発展する可能性があるというふうにも考えておる次第でございます。
 それで、各分野の専門家等によりまして、いろいろ調査研究をお願いし、日常の私たちの接触を通じてその辺いろいろと議論をしているわけでございますが、機械化の推進などにより効率的かつ経済的なサービスが提供され、また郵便の需要喚起について適切な施策が実施されるなど、郵便事業をめぐる環境が順調に推移したいわば発展的未来を想定いたしますと、郵便需要は逐年増加いたしまして、西暦二〇〇〇年ごろには料金は、封書が二百円、葉書が百五十円で、実質的には現在の価格と同一の水準をもって郵便物数は二百三十億に達するというふうな将来展望を私たち持っているわけでございます、一つの側面として。郵便は、わが国の基本的なコミュニケーション手段として依然として大きな役割りを果たしていくものとわれわれ考えているわけでございます。
 一方、また郵便事業にとって適切な施策がとられないなど、郵便に与えるさまざまな要因が不順な経過をたどるいわば衰退的な未来を想定すると、郵便の利用は次第に減少に向かって、西暦二〇〇〇年ごろには料金は、封書が三百五十円、草書が二百円ということで、実質的には現在の郵便料金の二倍の水準というようなものがどうしても必要になってくるだろう。そして、しかも郵便物数は百億通を割って年々減少していく。
 こういうふうに将来を、いろいろの調査研究の結果を私たちおかりしながら、そういったものを使いながら、発展的未来と衰退的未来という両極の郵便の将来像を持っているわけでございます。われわれは郵便事業に携わるものといたしまして、この発展的未来のかなたに到達すべく努力する責務があり、またそのために最善の努力を払っていく、こういう将来の郵便の動向というものを見きわめてぜひともいま申し上げた発展する郵便というものに向かっていろんな施策を一歩一歩とってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#33
○大森昭君 だから、そういう高邁な、皮肉じゃなくて言っているんですが、ずっと長期の展望もいいんですが、たとえばいま国鉄再建でいろいろローカル線廃止の問題、さっきもちょっと言いましたけれども、現実問題として、いま鉄道郵便ローカル線で頼んでやっているわけでしょう。そうすると、ああいう法案が仮に国会を通過したら、直ちに郵便事業というのはどういう形でもってやらなきゃいけないか。まず鉄道郵便の北海道なら北海道における状況は変化しますわね。そうでしょう。それと同じように、あらゆる地域性の中で郵便の送達、配達、いろいろ変化するわけです。だから、そういう意味で具体的な施策をやはりいまや、局長が言うように将来諸外国と比較して物数が伸びるだろうとかというのもいいんですが、いわゆる具体的な施策、とりわけ、そこに働く人たちがいるわけですから、たとえばオンライン一つやるといったって貯金局が廃止されるんじゃないかどうなのかと不安を持つわけでしょう。ですから、そういうものを、局長の話は大分長期なんだけれども、中期的だとかあるいはこの二、三年来の世の中の変化の中でどういう対応をしていくかというものをやっぱり持たないと、これに対応する労働組合もあるわけですから、その人たちにも十分理解をしてもらう、同時にまた、いい意見があったら聞くというやっぱり姿勢がありませんと、事業の運営というのは誤りが起きます。
 たとえば郵便番号の問題一つをとりましても、この郵便番号の配布というのは最近どうやって配布されているのか、調達されているのかよくわかりませんが、たとえば電話番号帳ですか、電話番号帳と郵便番号、これは質的に違う。郵便番号は各局のでこれは大したものじゃない。電話の場合にはこれが厚くて、少なくとも最近非常に電話が普及されていますからあれなんですけれども、しかし大体一回目に発行したと同じようなかっこうで配布されているし、つくられ方もそうでしょう、私に言わせると。だから、仮に郵便番号制度ができて郵便番号簿を配布する。なかなか郵政財政も厳しいということになれば、郵便番号簿を配布するに当たってこの経費はちょんちょんになるぐらいにするような方策を考えれば、どういう形でこれをつくった方がいい、配布した方がいいというようなことも必然的にそこから出てくると思うんです。
 どうも十年前も十五年前も、葉書なんかも私に言わしてもらえば、これはなかなか資材部の調達もむずかしいのかもわかりませんが、これは金額が変われが変わっただけです。何か黄色っぽいやつが角にあって、これちっとも変わっていないですね、暑中葉書なんかというのは年々少し絵なんかも変えてやっているようですけれども。古き伝統を守ることが郵政事業としてはいいのかどうかわからぬけれども、いい伝統は守らなきゃいかぬけれども、どうもあらゆる面を見てもそういうように、局長が将来は変化するであろう、変貌するであろう国民のニーズに合わせなきゃいかぬと言っても、われわれが今日見ている状態でいきますと大体百年前から変わっていないものは変わっていないというような感じがするわけです。ですから、そういう意味からいけば少し郵便番号簿の配達だとか調達だとかいうのは工夫しているんですか。
#34
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便番号簿の調製、配布というものは特に工夫を要しない。要するに社会の中で郵便番号が定着をするというために昨今は、ある地域における過程を例にとりますと、二年に一回ずつ配布させていただいておりますが、
   市の仕方は、やはり郵便物として職員の超過勤務あるいは賃金の手当によって非常勤職員の手によって配布する。これは先生おっしゃるように、私たち絶えず社会経済の動向に即応する施策をとらなくちゃならないという意味で、先ほどの、たとえば国鉄再建計画に即応した私たちの輸送部門のあり方というような点になりますと、その場合には自動車便というものを中心にした輸送システムを考えていくというようなことで対応してまいっているわけでございますが、この郵便番号簿の調製、配布という点は、特に私たち変化をするといいますか手直しをする必要はないということで、先生がある時期の事情も御存じだと思うわけでございますが、そういうやり方で現在も配布させていただいているわけでございます。
#35
○大森昭君 思いつきだけれども、たとえば郵政大臣というのは電電も監督されているわけですよね。だから、あの電話番号帳の中に郵便番号というのは少し組み入れられないだろうか。仮に組み入れられれば、配達はしなくても電話番号帳を電電さんに配布してもらうときに幾らか配達料を少し出してやればいいし、印刷の方は一冊の本を装丁しなくていいとか、仮の話。何も郵政省が単独で郵便番号簿を発行すればどのぐらいの経費がかかってどのぐらいの労力がかかってということになれば、そういうような発想で、たとえば電電さんの電話番号帳でやった場合にはどのぐらい漏れていくのか漏れていかないのかという問題もありますわね、電話のない人はどうするかということもあるでしょうけれども。そういうような検討、工夫がされているか。これは一つの例です。されておって、なかなかそれがうまくいかない、いくという発想があるかどうかというのを、私は何か無能力者扱いで言っているわけじゃないんだけれども、そういう意味じゃなくて、やっぱりさっきから言うように、企業性をと言うのなら言うらしくいろんなことを検討してもらわないと、片方では企業性のことばっかり言ったって、ちっともそれに沿っていないというかっこうでは、これは公共性を主張すりゃ否定される、企業性の中身を追及すりゃ内容が整っていないというのじゃこれは国民は納得しません、こんな郵便料金の値上げなんていうのは、本当の話。まさに郵政省も努力している、それから国会の方もいろんな角度から質疑をしてやむを得ないという状況でなきゃこういうこの種のものというのは、これは国民の皆さん方がそれぞれ負担をするわけですから納得しないんですよ。どうかひとつ、そういう意味合いでもう少しはっきりしてもらって、というのは、その立場に立ってやるのならやっているんだというものを示していただきたいと思うのであります。
 そこで、次の問題に移ります。これは本会議の中でも御指摘をしたのでありますが、最大の問題というのは、料金値上げも反対でありますが、法定制緩和の問題でありますが、私どもの理解では明らかに憲法第八十三条と財政法第三条に違反をするというふうに考えます。審議会では弾力的な運用を料金値上げについてはやった方がいいじゃないかと言うけれども、弾力的ということと、まさに憲法と財政法に違反するということとは問題がすりかわっていますので、大臣の方から明確に、本会議でも答弁いただきましたけれども、御答弁を再度していただきたいと思うんです。
#36
○国務大臣(山内一郎君) 憲法の八十三条、これに基づいて財政法第三条ができていると思うわけでございます。そこで、財政法第三条におきましては、関連するところだけを読んだ方がいいと思うわけでございますが、「国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律」、国会の議決はこれを省略しまして、「すべて法律に基いて定めなければならない。」、これが議論の焦点になると思うわけでございます。
 そこで、「法律に基いて」でございますので、従来はこの法律に基づいて価格まで決定しているわけでございますけれども、法の解釈としては、ずばり価格まで決定するのも一つの法律の書き方でございますけれども、その価格決定をする根拠、そういうものもその法律の中に入れておけば「法律に基いて」と解釈はできる、そういう観点から今回法律の改正案について、いろいろそれの法律について御審議をしていただいているところでございます。
#37
○大森昭君 とてもわれわれの解釈と違うから、適当なというとあれですが、これはきょうは法制局長官も何も呼んでいないのでありますが、政府の提案ですから、これは政府は全体としていま大臣が答弁したような形で意思統一されておるということですか。
#38
○国務大臣(山内一郎君) 法制局と協議の上御提案を申し上げております。
#39
○大森昭君 そうしますと、いままでも実際にはできたのだけれども、いままでは国会で議決をいただいているということで理解していいんですか。
#40
○国務大臣(山内一郎君) 現行法は法律において価格まで御決定をいただいておる、これは御承知のとおりでございます。現行法はそのものずばりの価格の決定まで決めてある法律でございます。
#41
○大森昭君 そうすると、財政法第三条を変更しなければこの法案は冒頭に大臣が御答弁したようなわけにはいかないということで理解していいんですか。
#42
○国務大臣(山内一郎君) 「法律に基いて」というこの解釈の問題、これにはいろいろやり方があります。そのものずばり書くことも「法律に基いて」でありますし、その価格の決め方についてその法文の中に入れてやるやり方もあります。今回御提案申し上げておりますのは後者の方の御提案であります。こういうことです。
#43
○大森昭君 財政法三条はいままでどおりなんでしょう。改正しないんでしょう。いままでどおりでしょう。――そうすると、いままではそういう、いま大臣が言った解釈じゃなくて、いままでは国会で議決していたわけでしょう。そうなんでしょう。急に解釈がいま大臣の言うように変わったわけですね。
#44
○国務大臣(山内一郎君) 法律の解釈が急に変わったわけじゃないんです。
#45
○大森昭君 だって、いままで提案されたことないんだもの。
#46
○国務大臣(山内一郎君) 法律に基づいて定めれば財政法の第三条というものはこれはよろしいということでございますので、そういう意味において今度は価格を決めるやり方について改正して御提案申し上げている、こういうことでございます。
#47
○大森昭君 わかりました。
 そういうようなことで法定制緩和を、条文をつくってそこでできるようにしたい、こういう提案をしているというわけですね。
#48
○国務大臣(山内一郎君) はい。
#49
○大森昭君 そこで、そういうようにしたい、価格まではいかないんだということをしたいと言うけれども、いままでは少なくとも国会で審議をして決めていたわけでしょう。だから、なぜそのような、いま大臣が言われるような考え方に立ったのか。というのは、さっき大臣の提案説明で、審議会から弾力的にやった方がいいという答申をいただいたから今日郵政大臣はそういう提案をした、こういうことなんでしょう。
#50
○国務大臣(山内一郎君) 郵政審議会もそうでございますけれども、公企体等基本問題会議報告、これもございますが、郵政審議会の方の答申について申し上げますと、現在、第一種及び第二種郵便物の料金は法律で定められている。「郵便事業の健全な経営を図るためには、役務の提供に必要とされる費用が、料金によって適時適切に確保されなければならない。」。そのときの情勢によって適時適切に確保されなければならない。郵便物の料金額を法律で定める現行の料金決定方法のもとでは、弾力的な料金改定が困難であり、一時にかつ大幅な改定となることが避けられない。つまり適時にできない場合には赤字が累積してきまして、上げる場合には大幅に上げざるを得ない。こういう御提案がありまして今度の法律を提案しているわけでございますが、これは特例としてお願いしているわけなんです。
 根本的に全然これを変えてしまうという提案ではなくて、特例として郵政審議会の意見も入れまして、基本的に変えるということでなくて、基本はやはり依然として残っておりますが、特例として三つか四つかの条件ございますけれども、その条件のもとにおいてはひとつ弾力的にやらさしていただきたい。もう少し申し上げれば、そういうふうに御審議をいただいて御決定をいただければ、何も国会のいろんな御審議――いずれあると思います。また第三種は省令でございますけれども、こういう委員会で第三種の料金は高いじゃないか、こういういろんな御審議もございますので、そういう点を十分にしんしゃくしながらやっていきたい、こういう意向でございます。
#51
○大森昭君 どうもやっぱりこの議論は、われわれと政府とは少し立場を異にしていますから、いまの大臣の御答弁は納得できませんが、きょうは審議が始まったばかりですから、またいずれ本格的な討議があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、少し私は従来のやり方のまずさがあって少し便宜主義的だと思います。
 いずれにしても郵政審議会の答申があってみたり、あるいはいま公共企業体等基本問題何とかというのがありますけれども、少なくとも公共性の立場から議論をするということになれば、国会というのは国民を代表しているわけでありますから、もちろん数で押し切られることもたびたびあるわけでありますが、しかし意見の最大集約されるところは私は国会だと理解をいたします。そういう意味からいきますと、この法定制緩和はきわめて危険な状態の中で進められていくだろうし、とりわけ何も国鉄と同じような例を出すこともないのでありますが、国鉄のように、とにかく国民の側に立てば、もう国会から、ある程度弾力的に特別な措置だというお話もありますが、枠を外せばどういうかっこうで料金などについても値上げされていくかわからないという不安がちまたの声でありますから、それだけ私は申し述べておきます。
 いま大臣から三種のお話がありましたけれども、新聞報道でありますからよくわかりませんが、何か十五円から三十五円の幅でという話があって、郵政審議会では結局落ちつくところは三十円ぐらいだろうなんという新聞記事がありますが、各種の団体から陳情が来ておりまして、いずれにいたしましても、これまた倍になるような、仮に三十円だとすればの話ですけれども、困るという陳情がいっぱい来ています。そういうことになれば、これはまた郵政審議会でいろいろ議論されるのでありましょうが、大体この辺は、新聞で報道されているような内容が考えられておるんですか。
#52
○政府委員(魚津茂晴君) いま私ども三種の具体的な料金改正案というものは省自体としてはまだ持っていないわけでございます。それは構想、いろいろの御意見というのは承りながら固めつつありますが、いま先生おっしゃったように、この低料の三種の料金が現行が十五円である、それを三十五円だとかあるいは三十円とか、そういった議論というのは、これも先生重々御案内のところでございますが、昨年の郵政審議会で郵便事業の財政の再建を図るために御諮問を申し上げたというときの答申として、財政の再建を図るためには三種の料金のあり方がこう考えてこのような料金にすべきじゃないだろうかという答申の中の御提言であるわけであります。したがいまして、私どもはこれは答申の御提言ということには受けとめておりますが、具体的にどういうふうに決めるかというような点は、この法案審議の際にもいろいろと御意見がございます。あるいはまた陳情等によるいろいろの国民の声も聞いております。そういったことを十分踏まえながら、いずれ郵政審議会にお諮りして、そこで決定させていただくということになっておりますので、新聞で郵政省がこういうふうな三種の料金改正について決定したようだというようなことは、必ずしも私どもの立場から申しますと事実ではないというふうに御理解を願いたいと存じます。
#53
○大森昭君 いずれにいたしましても、ここで議論する問題じゃないのでありますが、第三種、四種というのは私から言うまでもないわけでありますが、いずれにいたしましても、福祉活動をやっているところ、文化団体、多くの団体が機関紙かども発行しておりまして、その役割りというのはまさに郵便事業の持つ日本の文化の向上あるいは民主的な諸活動の根幹をなすものでありますから、どうかひとつ三種、四種の料金の扱いについては慎重にやっていただきたいと思うのであります。とりわけ私は、郵政審議会の問題でいつもお話が出ますけれども、郵政審議会というのは、本当の話、国会の場でありますから名指しはいたしませんが、本当に郵政事業のことについて十分議論をし、あるいはそれぞれの団体だとか地域だとか、そういうものの意見が反映されているか、一回、審議会の議事録などを私どもに参考にいただけると大変幸せなんですが、これはできないんでしょう。
#54
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会の議事につきましては、その都度、審議会の決定によりまして公開もしくは非公開で行われているわけでございます。公開で行われました場合の議事の模様につきましては、お求めに応じて閲覧に応ずるということはもちろんできるわけでございますが、非公開で会議が持たれました場合の議事の模様につきましては、その会議が非公開で持たれたという趣旨からいたしまして公開はされていないというのが実情でございます。
#55
○大森昭君 非公開でやっているものを持ってこいと言ったって無理かもわからぬけれども、しかし、官房長はそう言うけれども、公開でやるときは、反対だとか賛成だとか意見だとかを述べるときには公開なんだよ。それから郵政省が提案するときも公開なんだ。じゃ果たしてその料金値上げした方がいいか悪いのかなんということになると非公開なんだ。だから肝心なところは全部非公開。そういうことで、ですから、ここで無理やり非公開のやつも全部持ってきて見せるべきじゃないかと私は言いませんが、しかし少なくとも、この郵政審議会のメンバー、個々の方、いい人悪い人いろいろ個別に言うのじゃないんです。それぞれの学識経験者で、私はその道のことをなし遂げた人で勲何等かもらった人ばっかりなんだろうと思うんです。しかし少なくとも、こういう方が一つの道に通じたからといって、中には剣道五段で柔道五段の人もいますし、柔道五段で碁の五段の人もいますけれども、あらゆるものに通じるということじゃない。とりわけ、さっきぼくが言ったように、いま若い人たちが恋文を出すというのも出さなくなったとか、いろんなことが言われていますが、しかし一番若い人は何歳ですか、郵政審議会の委員の中で。ごめんなさい、突然に質問したので。
 時間がないからあれしますが、いずれにしても若い人はいない。女性の方は年は関係ない。御婦人は、若かろうが年とっていようが女性でいいのでありますが、しかし女性の中でもやっぱり若い人もいた方がまだ少しは違うのじゃないかと思うんだけれども、これまたいない。そうすると、いま「ふみの日」だとか何とかの日だとさつき局長言うけれども、じゃ、どういう人を対象にそういう郵便を出してもらうという人を施策をして図っているのか。若い人でしょう。ふるさとに便りを出そうじゃないか、中学か高校を卒業されて田舎から出てきて親元に手紙を。まさかあなた、お年寄りにふるさとに手紙を出そうといったって、お年寄りが、息子が田舎にいてお父さん、お母さんが都会にいるわけないんだから。そうすると、施策の方はもっぱら若い人を対象に施策をしながら、そして郵政審議会はきわめて高邁な方ばかりを集めている。そうでしょう。ですから、私は、物事が全部、正直言って、言われるようなことに一貫性があってやっているのなら――それはまさか郵便料金の価格を決定するのに千人も二千人も集めて葉書が幾らがいいか封書が幾らでいいかなんて議論させたってこれは決まる話じゃないから、それはやっぱり比例代表制みたいに、国会と同じでしょう、比例代表制みたいになるんだけれども、この人選についても何回も言っているんだけれども工夫の跡がないんですね。
 それで、私は、これまた公開できないのだろうけれども、一体、本当に一回一回、全員出席しているのかしていないのか。大分お年寄りもいますから、もちろん車代ぐらいは出すのだろうから車で来ればいいんだろうけれども、なかなか交通事情が悪いからそうもいかない事情もあるのかと思うんだけれども、少なくとも選ばれた方というのは必ず出なくちゃいけないんです。ところが、役職から見ると、正直言って、そんなにしょっちゅう出られているのかなという疑問なんかもあるんですよ。委員会の出席なんかというのも、これは公開できないんでしょう。できるんですか。
#56
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会の会合、もちろんしばしば開かれるわけでございますが、その都度の御出席の状況等については、お求めに応じて調べて御説明を申し上げたこともございます。実情として、いま細かい数字を持ち合わせておりませんけれども、現在、郵政審議会の委員は大体三十八名以内ということで構成されております。かなり大きな人数でございますので、会議の都度、毎回全員の御出席というわけにはまいりませんけれども、かなり大ぜいの委員の方が出席しておられるというのがこれまでの実情でございます。
#57
○大森昭君 われわれは反対をいたしているわけでありますが、いずれにしても数でいきますとなかなか心細い状況なんでありますが、この法案が通る通らないは関係なく、いずれにしても審議会の役割りというのは大きいんです。どうかそういう意味合いでは本当に消費者なら消費者、さらには福祉団体なら福祉団体の立場で――もちろん数ですから、別に一人の方が幾ら熱狂しようと絶叫しようと何しようと、それは審議会というのは運営を図らなくちゃいけないわけですからね。だけれども、普通の場合、裁判官の問題なんかここへ持ち出していいか悪いかわからないけれども、少数意見の付記だってあるんだし、しょっちゅう聞いていると、郵政審議会というのはいつも円満に満場一致みたいな報告ばっかりなんだ。たとえばこういう問題でも、ぼくはだれがとは言わなくとも、料金の値上げの問題については何名の方は反対意見がありました、しかし多数で審議会は決まったというのならいいんですけれども。そういう場合だってあるんです。だけど、何か郵政審議会にかければ、何でもこれが郵政事業を運営していくのに一番いいんだなんていったって、大体郵政省が提案してひっくり返ったなんて一回か二回ならあるだろうけれども、大体郵政省が提案したやつ皆通るんでしょう、この審議会という仕掛けは。
#58
○政府委員(奥田量三君) 申しわけございません。これまた一々記憶をいたしておりませんけれども、ケースによりまして、郵政省がこういう形で、こういう内容でというお諮りをしましたことについて一部修正するような御答申をいただいたこともあろうかと、いささか心もとないお答えでございますが、存じます。
#59
○大森昭君 いずれにしても郵政審議会の持つ役割りは大きいわけだし、何回も国会で議論されておるのでありますから、少し新しい角度でひとつ審議会の構成もしていただきませんと、問題は、国会から枠を外して、それにかわるまさに機構が成り立って議論ということになれば、ある意味合いでは国会の中だけでやるのがいいかどうかというのだってそれは問題によってはあると思いますけれども、やはり国会から外すのは、国会ではいろんなうるさい意見がいっぱい出るけれども、変わればとんとんしゃんしゃんでいくわいというふうに受け取られているんです、これは国民全体の立場から見ると。ここに来ています、いろんな団体から私のところに。まさに憲法違反から始まって、こんなことでもって法定制緩和をしたら料金なんというのは適当にやられちゃう、そういうふうに思っている人が大ぜいいるということです、正直言って。だから、そういうのをやはり肝に銘じて郵政省が処置していただきませんと、これは誤ります。料金値上げを幾ら強行したって、やっぱり国民全体の利用者の皆さん方の理解を得なければ、何の施策を立てようと、料金値上げがそのときは通ろうと、それは抜本的な解決になりません。国鉄の二の舞です、そういうことだけであっては。どうかひとつ、そういう意味合いで審議会も慎重な取り扱いをしていただきたいと思うんです。
 次に、午前中少し時間がありますから、人事関係といいますか、この間もちょっと問題提起しておきましたけれども、郵政事業というのは労働集約型だということが何回も言われておりまして、大変優秀な人材を確保することが重要なわけでありますが、一時はなかなか郵便局の職員になる人が少なくて大変困った時代もあるようでありますが、最近は逆に選考するのが大変むずかしいような状況だという話も聞いておりますが、採用試験についてちょっと具体的にお伺いいたしますが、学校を卒業する人たちを、十月から会社訪問だとか、十一月に試験をやっておるところもあるようでありますが、一体、毎年欠員が生じ、あるいは新規に職員がふえる状況の中で職員の採用制度というのはどうなっていますか。
#60
○政府委員(岡野裕君) 郵政省の職員の採用の関係でございますが、これはやはり国家公務員であるところの郵政職員という意味合いにおきまして、国家公務員法あるいはこれに基づきますところの人事院規則、これらに細部的な詳細な定めがございまして、その定めの中で、言いますならばその体系の中で郵政省職員を採用している、こういうのが実態でございます。
 まず、試験制度でございますが、これは、国家公務員試験制度は上級あるいは中級、初級というような試験があるわけでございますが、その合格者の中から、それからいま一つの道は人事院御当局と御相談をしつつ郵政省みずからが実施いたしますところの職員採用試験、これにも甲、乙といいますような範囲があるわけでございますが、そういったものの合格者の中から職員を採用している、こういう実態でございます。
#61
○大森昭君 そういうのはわかっているんだよ、あなたに説明を受けなくても。そういう意味じゃなくて、問題は、いま高齢者退職が三月と六月になっていますね。そうでしょう、高齢者が退職するのは。
#62
○政府委員(岡野裕君) さようでございます。
#63
○大森昭君 ところが、従来は郵便局に入ってくる職員というのは少ないものだから、たとえばある方に、局長さんが山形出身だったら山形へ行って山形の人をお願いして連れてきたり、佐渡の出身の人が課長さんだったら佐渡へ行って連れてきたり、いろいろしていたけれども、いまは、いまあなたが言うように、国家公務員の試験を受けるといったって物すごく多いわけでしょう。郵政省が委任されておる郵政省みずからがやる試験の希望者も多いわけでしょう。そうすると、ここに質的変化が起きているわけだ。そうなってくると、従来から三月、六月で高齢者退職をやっていた。七月にやめるわけだ。そうすると、新規に採用する人たちは、大体三月に学校を卒業して四月から新しい職場につくわけです。ところが、六月の高齢者退職の人というのは七月にやめるわけでしょう。そうすると、その人たちは七月まで遊ばして雇うのか、それとも学校を出た人たちがみんな企業に就職して、就職できなかった人を七月に入れる人というのは採用するのか、いわゆるこういう関連の問題についてで制度の問題じゃないんですよ。いかにして優秀な人材を集めるというようなことについてどういうことをやっているかと私は質問しているわけです。
#64
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいますように、私どもの高齢者の退職の時期、三月と六月、御趣旨のとおりでございますが、その退職者の後、その他一般的な欠員の後補充というような意味合いにおきまして新規の職員を採用している。その新規の職員を採用します場合に、先ほどお話をいたしました試験制度、これの合格者をもって充てるということになっているわけでございますが、現在の一般の郵便局の職員の場合には、内務の職員の場合と外務の職員との場合とでいささか取り扱いを異にしているわけでございます。
 一般的に、まず内務の職員の方からお話をいたしますと、国家公務員の初級職試験AとBとがあるわけでございますが、これは一様に十月に実施しでいるところでございます。この合格者の中から翌年の四月に新規の職員ということで採用を決定し、それぞれの郵便局に配属しているということではございますが、この合格者のみをもっては充て得ない欠員といいますものがその後にも発生してまいる、これが実態でございます。そのために四月期にも同じように初級職試験を実施している管内が非常に多うございます。最初お話をいたしました十月の試験は全国一斉なのでございますが、四月の初級職試験につきましては、たとえて申しますならば、五十四年度の場合は、南関東地区でございますとか、あるいは東海地区、京阪神地区といいますような三つの地域につきましてこの採用試験を行いました。それからこれによってもなおかつまだ補充ができないような欠員が生ずるというような場合がございまして、大体夏が多いわけでございますけれども、郵政省の職員の採用試験、これを実施いたしております管内がございます。たとえて言いますならば、同じく五十四年度でございますと、東京地区、関東地区、中国地区あるいは北海道地区といいますようなものがこの試験を実施した次第でございます。
 以上が内務の職員の採用関係の試験なのでございますが、しからば、その次、外務の職員はどんなふうになっているかという点でございます。
 まず、外務職員につきましては、これは一般に秋でございますが、郵政職員の採用試験乙といいますものを実施しているところでございます。これは内務職員の十月期の初級試験と全く同じように、翌年の四月一日付をもちまして各郵便局に採用し任命行為をいたしておるということでございます。しかしながら、このほかに、郵政職員採用試験乙に限りませんで初級職試験合格者の中から、御本人さんの希望でぜひ外務に勤めたいというような皆さんも少なからずいるところでございますので、こういう皆さんをもって外務職員に充てるという場合もございます。
 それからまた、これはその後の運びぐあいなのでございますが、やはり中間で後補充をいたさねばならないというような意味での職員の採用のために、一般的にはこれも夏が多いわけでございますが、郵政職員採用試験といいますことで、五十四年度につきましては、東京地区、関東地区、東海地区、近畿地区といいますようなところで郵政職員採用試験を実施いたしまして、その中から職員を実際に採用いたしているというようなあり方で、いま良質な職員を確保すべく努力いたしている、これが実態でございます。
#65
○大森昭君 局長の話、ちょっとわからないんだな。内務も外務も十月に試験を受けるというのはわかった。この人たちは学校を卒業した翌年の四月から採用する、これもわかりました。
 ところが、十月に一回試験をやって四月に採用して、普通の官庁だったら、後で欠員が起きても、名簿の中から、その人がどこにも行っていない、あるいは民間会社へ行っても、通知が行ったら来たというので、これは普通の官庁はこれでおさまりがつくわけ。ところが、郵政省の場合には、十月に試験をやって四月に入れても、途中で欠員が生じるから――生じるわけなんだよ、考えてみれば六月に高齢者退職なんという制度を昔からやっているんだから。そうでしょう。だから、欠員が生じるから、今度は新しく就職した人たちだろうが何んだろうが、あるいは浪人の人たちを、これもまた試験はいつやるの。
#66
○政府委員(岡野裕君) これはもう大分以前は
#67
○大森昭君 最近でいいですよ。
#68
○政府委員(岡野裕君) はい。
 欠員の発生に伴ってその都度臨時的な試験をやりましたりというような立て方をいたしておったわけでございますが、十年ほど前からでございましょうか、やはり良質な職員を採用します場合には、新規の、たとえて言いますならば、高等学校卒業生あるいは中学校卒業生、これを郵便局に採用する方が一番いい制度ではあるまいかというようなことで四月一日付をもちまして見越し採用というような制度をとりましたこと、先生も御存じのとおりだと存じます。そういうような意味合いで四月一日付の職員を採用します数が非常に多いわけでございます。四月一日に採用します職員のために秋に先ほどお話をいたしましたような試験をしているわけでございますが、今日一般的な就職事情、雇用状況等があるのでございましょうか、やはり国家公務員初級職試験を、言いますならば大学の試験の準備というようなためにもお受けになられる方でございますとか、あるいは国家公務員試験をお受けになり合格になられたけれども一つは民間さんに行こうというような意味合いの方、こういう方も多かったりなんぞいたしますものですから、今日合格者の中から辞退者といいますものが結構の数出てまいっておるわけでございます。
 最近の数字でお話をいたしますと、五十四年度には初級職の合格者は、郵政職に限るわけでございますが、六千二百四十五名の皆さんが合格されました。しかしながら、実際的に私どもがどうだ郵便局にという声をかけましたときにはそのうち三千四十六名の皆様が辞退である。大学に行かれるのかあるいは民間等に行かれるのか、その辺定かな調べはついておらないわけでございますが、六千二百四十五名中三千四十六名という皆さんが辞退である。
 それから郵政職員の採用試験の場合、これは七百十七名の合格者の中で百十八名の皆様が辞退なさっているというようなことがございますものですから、そういう意味合いで私どもが採用します職員の数、なかなか確保ができない。
 それからいま一つは、四月一日付で採用いたしますのが一番良質な職員を採用できるいい手だてだと思うわけでございますが、やはり年間途中で発生しますところの欠員といいますものを完全に四月一日に採用するということになりますと、これは現下の予算事情でありますとかあるいは要員事情でございますとか、大蔵省御当局あるいは行政管理庁御当局等々の御意向、あるいはまた手前ども独自の予算事情、要員事情等々からいたしまして、四月一日に年間発生しますものの全部をカバーをするというのはいかがなものであろうかというようなもろもろの経験の中から、いまお話をいたしましたような試験制度、それに基づくところの採用制度、これを採用しているわけでございます。
#69
○大森昭君 いま、ぼくだけかな、わからないのは。
 東京なら東京の例でいいですから、局長、各管内いろいろあるから別にして、東京の例でいきましょう。東京の内務の人たちを採用するのには採用の仕方は二通りある。人事院の規則に基づいて採用するのと人事院から郵政省が委託されて試験をするのと二通りある、こういうことでしょう。ここまでは間違いないですか。
#70
○政府委員(岡野裕君) はい、結構でございます。
#71
○大森昭君 ここまでいいですね。
 そこで、人事院の方の試験は十月にやるというわけだ。これも間違いないですね。
#72
○政府委員(岡野裕君) おっしゃるとおりでございます。
#73
○大森昭君 そうすると、郵政省が委託されておる郵政省独自の試験というのは、これはやっぱり十月にやるんですか。これは内務の話をしましょう。
#74
○政府委員(岡野裕君) 東京の場合でも、十月期にやりますところの初級職試験、それから手前どもの、これは十月とはっきり決まっておるわけではございませんが、おおよそ秋に郵政職員の採用試験、これを実施いたしております。
#75
○大森昭君 そういうことを言うからわからなくなっちゃうんですよ、秋だとか。そうじゃなくて、いいですか、学校を卒業するのが来年の三月でしょう。普通はどこの企業でも四月から採用するわけですよ、人間というのは。まず学校卒業者の話だよ。その人たちが普通一般的に国家公務員の試験、人事院の試験を受けますね。そうでしょう。これで受かれば郵政省の試験なんか受ける必要ないんだよ。そうでしょう。ところが、これが落っこっちゃった。だから郵政省が独自で委託されている試験を受けるという人も出てくる。しかし、そうじゃないと。その人事院の方が先やって郵政省の方が後だというならそれはできるけれども、郵政の方の試験が先なら郵政省の試験を受けて受かっておいてまた――必ずしも郵政だけ入りたいという人じゃないからね、公務員志望の人というのは。だから、人事院の方の試験を受けて、両方受けておいてということになるし、この前後はどうなっているのと聞いているんですよ。
#76
○政府委員(岡野裕君) 国家公務員の初級職試験の場合には、一般職の、つまり非現業各省庁等に採用になることを目的として受ける試験と、それから郵政職員になるために受けますところの郵政職といいますところの試験、この二つがおおよそ同時に実施されるわけでございます。
#77
○大森昭君 同時に実施されるなら郵政省の委任されている試験というのはやらなくたっていいじゃないの、同時にやるなら。
#78
○政府委員(岡野裕君) 申しわけございません。先生のお言葉の御趣旨、私理解をしておらないのかとも思いますけれども、やはり一般の非現業の省庁にお入りになられる、つまり郵政省以外の省にお入りになられるという希望の学生さんも、それから郵政省に入りたいという希望の学生さんも同じように四月一日からは採用になるわけでございますので、同じ時期に、採用になるよりも半年前に一般職の国家公務員試験をやり、あるいは郵政職の試験をやるという実態なのでございますが。
#79
○大森昭君 いや、郵政省に入りたいという人もいるけれども、普通は国家公務員になりたいということでもって受けるわけだ。そうでしょう。それで自分は大蔵省に入りたい、あるいは農林水産省に入りたい、郵政省に入りたい、通産省に入りたい、こういう希望を出すのじゃないんですか、合格者というのは、初級職の人は。違うの。
#80
○政府委員(岡野裕君) 一般職の初級職の合格者につきましては、いろいろな省庁を御希望になろうと思っております。しかしながら、郵政職に合格なさいました学生さんにつきましては、これは原則として郵政省職員にしか希望ができないということでございます。
#81
○大森昭君 いや、そこでまず公務員試験で郵政省を希望して受かればそれでよし、しかし受かってもそれで需要が賄えないわけでしょう、郵政省は。だから郵政省は特別な試験をやるのじゃないんですか、郵政省が人事院から委託を受けた郵政職試験だか何だか知らぬけれども。違うの。
#82
○政府委員(岡野裕君) 四月一日に郵便局の内務職の職員を採用します場合には、現在の時点におきまして、その前の年の十月に実施いたしました国家公務員初級職試験の合格者、これをもって賄い得ております。その後欠員等が発生いたしました場合に、まだ国家公務員初級職試験合格者で郵便局にも採用にならないで残っておりますならば、この者を優先的に採用しているわけでございますが、しかしながら四月以降の欠員発生時に国家公務員初級職試験合格者がおらないというような場合には、先ほどお話をいたしましたように、ちょうど四月ごろ郵政省職員の採用試験を行いまして、その合格者の中から欠員を埋めるための職員を採用いたしているということでございます。
#83
○大森昭君 だから、ずっと先に話がそこまで行っちゃうから、まずぼくの聞いているのは、一番初めに、学校を卒業する人たちというのは国家公務員の初級職試験に受かった人でもって四月の欠員の補充は賄えるんですね。
#84
○政府委員(岡野裕君) おっしゃるとおりでございます。
#85
○大森昭君 賄える。
 ところが、見通しが悪いか、あるいは欠員状況をはっきり把握しないために、賄えるなら後から試験をやらなくてもいいんだけれども、そこに狂いが生じるわけでしょう。狂いが生じるから四月にもう一回試験をやるというわけだ。そうすると、まず根本的な原因は、四月に試験をやるのは当然みたいな顔をしているけれども、本来は四月に試験をやらなくても――なかなかむずかしいけれども予測するのは。しかし十月の試験を受けた人でもって四月や五月に欠員が起きるような人というのは賄えるという原則でやっているのじゃないですかと聞いているんですよ、ぼくは。
#86
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話をしましたように、四月一日に年間発生するであろうところの欠員を補充できるような、それだけある程度数の大きい職員を一気に採用いたしておきますのが、これは言いますならば私どもも理想のようなふうに思っております。しかしながら、一気に年間発生しますところの欠員補充ができますような大量の職員を雇用しますといいます場合には、実際に欠員が生まれるまでの間大量の過員が発生するようなことになります。そういたしますと、郵政省の財政事情あるいは全般的な、行政管理庁あるいは大蔵省御当局が考えておりますところの予算、要員の効率的な使用というような面からいたしますと、これはやはりいかがなものであろうかというようなことで、やはり年間発生します欠員を全部埋めれるような職員、大量の数を四月一日付で採用することはちょっとできないというのがいまの実態でございます。
#87
○大森昭君 そんなばかばかしい答弁をするなよ。そんな話はしていないじゃないか。試験制度の話をしているんですよ、私は。
 いいですか。十月に、四月に欠員の起きる状況あるいは五月に起きる状況、七月に起きる状況を想定しておくわけです。ぼくは四月に全部採用しろなんて言っていませんよ。そんな状態じゃないじゃないですか。過員でもって何でそんなに採用できますか。だけれども、十月で受けた人の中で、あなたは四月一日から来てくださいよ、あなたはまだ四月一日では採用できませんが恐らく七月ぐらいなら採用できるかもわかりませんよ、あなたはひょっとすると十月ぐらいまでなら採用できるかわかりません、これは見通しだからなかなかむずかしいけれども、そういうふうに言っておけば、まず十月に試験の受かった人は多少ずれても六月か五月かに――それはそうでしょう、六月に高齢者退職やるんでしょう。高齢者退職やるということは、二千や二千五百ぐらいの人がやめるんだよ、六月には。そうでしょう。そうなれば、ある程度十月に受かった人は多少ずれても民間なんかも受けなくたっていいわけですわ、役所に入れるということになれば。ところが、いまあなたの言っているのは――私は採用しろと言っているのじゃないんだよ。四月でもって一たん打ち切っちゃうわけでしょう。たとえば合格者がいても何でも四月一日に入らない人はみんなこれはパアになっちゃうわけでしょう。違うの。予告しないんだから。
#88
○政府委員(岡野裕君) 前年度の秋に実施いたしました初級職の公務員試験合格者、これは四月一日に大量に採用するわけでございますが、無論先生おっしゃいますように、五月にも六月にも七月にもこれは欠員の発生というものがあり得るわけでございます。したがいまして、十月の試験合格者の中から五月期、六月期、七月期に採用ができます場合には来ていただきたいというお願いはしたりもするわけでございますが、余り先行き定かでないにもかかわらず、多分六月ごろまで待てばどこそこの郵便局で採用できるからそれまで待ってほしいというようなことはやはりある程度危険を私どもも伴うと思いますし、また御本人さんになりますと、同じような秋に民間の試験が合格した、しかしながら郵便局の場合には四月一日じゃなくて五月だ六月だになりそうだということになりますと、先ほどお話をいたしました辞退というような現象がまた出てまいりますものですから、そのためにいま先生がおっしゃいますようなやり方はなかなか実態としてとり得ない。しかしながら本当に五月か六月に採用になっている十月期の合格者といいますものがないわけではございません。
#89
○大森昭君 時間が来ましたから、後でまた午後伺いますが、ただ、そこで一つ考えなくちゃいけないんだけれども、すべて世の中というのはそういうことなんだよ。あなたが言うように、先にやっておくとある程度の危険が伴うというのはあなたが言うとおり。しかし、考えてごらんなさいよ。四月に試験を受けるというのはどういう人が受けるんですか。仮に民間企業に就職が決まって、いいところだったら来ないんだよ。そうでしょう。だから問題は、いま企業でもって罰金を取られたり罰則をつけられたりしてもとにかく優秀なやつは早く採っちゃおうというので十月解禁前にコネつけたりなんかしている。いいですか。それだけ、まずいい職員を採用するということが事業の発展を図る上の、いい資質を求めるということが企業の最大のポイントなわけだ。
 私が言っている提案について、それは危険性もあるかもわからぬし、いろんなことがある。しかし問題は、私はいま郵政事業の中でどんな質のいい人をどんなに早く確保していくかという視点で議論しているわけだから、そんな危険性が高かったら六月の高齢者退職というのは何で決まっているのか、私に言わせれば。六月にやめれば欠員が出ることははっきりしているわけだ。あなたが言うように、六月に採用するということば言えないというのだから、そうすれば明らかに六月にやめる二千五百なら二千五百の人を四月に採用することを確定しているわけだよ、あなたは。そうでしょう。だから、千になるか千二、三百になるか、ある程度の数字は、六月にはやめるのだから、六月にやめる人の、高齢者の退職の問題というのは、休暇を持っている人は一カ月も前から休むのだから、そうすれば退職はどんな人を退職させるかというのは六月にならなきゃわからないのじゃないんだよ。そうでしょう。
 そういうことがありながら四月にもう一回試験をやるという感覚だ。そしてまた優秀な人を採用していこうという工夫が私はされていないと言うのだ。さっき郵務局長がいろんな事業の計画の問題でも言われたけれども、むずかしいことはあるが、むずかしいことをやるために皆さん方にはたくさん高い給料を払ってそれぞれ仕事をしてもらっているんですよ。それは先づけすればむずかしい、危険だ。一人欠員になれば一人募集すれば一番安全だ。三人欠員になれば三人採用するのが一番安全だ。そんなことをやっていたって優秀な人材は集まらないのじゃないかというのが問題の視点だから。午前中は時間が過ぎたからこれで打ち切って、引き続いてやりますが、そこが私のいま質問している問題点であって、四月に試験をやっていますなんということを、十月に試験をやって最大限要員を確保しますけれども、しかし事業所もたくさんあるから四月に多少の人間を採用しなきゃいけないというのならわかるけれども、四月にやるのが当然のような顔をされてやっていたのじゃ、とてもじゃないけれども郵政事業というのは優秀な人材は集まらぬよ。
#90
○委員長(福間知之君) 午前の審査はこの程度にとどめます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#91
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#92
○大森昭君 そこで、全国的な規模でたくさんの従業員がいるから民間のようなわけにもいかないこともよく理解できますが、最初に私採用の問題で問題提起いたしましたのは、以下また質問いたしますけれども、大変労働集約型だといわれ、人的要素の中で事業が進められるといっているわりにどうもその辺に変革がないのじゃないかという意味で、採用することは一番いい人を求めるわけでありますので質問したわけであります。
 そこで、これも私民間なんかを見ますと、最初に面接をいたしまして、それで第二次試験で学科をやるなんというのが、多いか少ないかよくわかりませんが、そういうことを大体民間なんかは多くやられているようでありますが、今日の国家公務員試験あるいは郵政が委託されている試験の方は少し逆で、何かコンピューターで採点しているようでありますが、何か特定な試験をやって第一次試験合格、あとは心身ともに異常があるかないかというのが二次試験でということでやっているようでありますから、そうなってきますと、どうも民間の方々が人を求める場合と役所が人を求める場合と少し逆のように考えるのでありますが、一体、採用に当たりまして具体的にはどういうふうになっているんでしょうか。
#93
○政府委員(岡野裕君) お答えいたします。
 郵政職員の採用試験の場合も、やはり人事院の御指導をいただき、協議をした上でやっておりますものですから、人事院の一般的に行われますところの国家公務員初級職の試験、これと同じような内容になっております。
 その中身といいますのは、一つには筆記試験、それから先生が面接とおっしゃいました人物試験、面接試験といいますようなもの、それから身体検査、おおよそこの三つで試験いたしまして適性ある良質の職員を採ろうということで努力しているところでございます。
#94
○大森昭君 中身、学科の試験というのはどういうものをやるんですか。
#95
○政府委員(岡野裕君) まず、筆記試験の方についてでございますが、これはどの官職につくかという当該官職の職務に必要な能力でありますとか適性でありますとかというようなものを把握するための教養的な試験といいますものと、それから作文の試験、この二つを課しまして本人の適性のあるやなしや、これを判断しているところでございます。
 それから人物試験ないし面接試験、これにつきましては、なかなか学科試験では把握できないその人の人柄、その他能力、適性を判断するということのためにいたしているものでございます。
 それから三つ目の身体検査、これは当該職種に対する身体上の欠陥のありやなしや、適性のいかん等々を判断するために行っているわけでございます。
 おおよそ、やはり筆記試験の合格者につきまして後日日を改めまして人物試験ないしは身体上の試験をやっている、これが実態でございます。
#96
○大森昭君 筆記試験の内容はどういう内容ですかと聞いているんです。
#97
○政府委員(岡野裕君) これは初級職の国家公務員試験あるいは私どもの郵政職員採用試験の甲あたりにつきましては、およそ高等学校卒業程度の学力があるか否かというようなものを中心に学科試験を行い、同時に、先ほどお話をいたしました作文の試験をしているということでございます。
#98
○大森昭君 作文だけなんですか。たとえば英語だとか、数学だとか、そういうのは何もないんですか。作文だけ。
#99
○政府委員(岡野裕君) 作文のほかに、高等学校卒業程度の学力があるか否かという観点から社会、教養一般を含めましての試験科目を課しているところでございます。中身は、数学、国語あるいは社会、理科系といったような分野についてでございます。
#100
○大森昭君 そうすると、まず第一回目、数学だとか、国語だとか、社会だとか、理科系で試験をやって、そして何点以上とった者が合格、こういうことなんでしょう、システムは。
#101
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話をいたしましたように、まず筆記試験を行いまして、その合格者につきまして後日改めて面接試験と身体検査を課しているというような試験の取り運びでございます。
#102
○大森昭君 だから、筆記試験の話をしているんですよ。
 そこで、筆記試験は、数学、国語だとか、社会、理科系と言ったけれども何をやるのだかわからぬ、化学をやるのだか何だかわからぬけれども、これをやるんでしょう、筆記試験というのは。
#103
○政府委員(岡野裕君) おっしゃるとおりの科目について行います。
#104
○大森昭君 そして、この科目をやるのに出題を十問出すのか二十問出すのかわかりませんが、いずれにしても百点満点で仮に六十点なら六十点とらなければこれはペケということになるのか、総体で、仮にたとえば数字が少し悪くても国語が非常によかったというなら第一次試験というのは合格するのかどうなのかと聞いているんですよ。
#105
○政府委員(岡野裕君) ただいまお話をいたしました各学科及び作文の試験を課しまして、これで、言いますならば筆記試験の合格者を選びまして、その者につきまして改めて面接試験と身体検査をやっている。おおよそ一次試験に、その筆記試験にパスいたしました者は実際に最終合格いたします者の二倍前後ぐらいの者を一次合格者として選んでいるところでございます。
#106
○大森昭君 どうも私の質問が悪いのかな。
#107
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話をいたしました数学、国語、社会、理科というような各科目につきまして、それぞれ点数計算いたしまして、総体としまして何点以上合格というような考え方をとっております。
#108
○大森昭君 そうすると、仮に数学が三十点ぐらいでも国語が百点ぐらいなら、総体だから合格するんですか。
#109
○政府委員(岡野裕君) おっしゃるとおりでございます。総体の平均点によりまして合格、不合格を決めております。
#110
○大森昭君 いまのお話ですと、大体高卒程度という話ですね。そうなりますと、十月にさっき試験をやるというお話で、大体四月に欠員を賄う見越し採用ということになると、高卒程度の内容だというと高卒程度の人に入ってもらえばいいということになりますか。
#111
○政府委員(岡野裕君) 国家公務員試験のたてまえなのでございますけれども、高等学校卒業程度の学力のあるや否やをもちまして郵政職の内務職員の合否を決定しているところでございますが、学歴につきまして、高等学校卒業でなければならないあるいはその見込み者でなければならないというような定めはいたしておりませんで、大学卒業生につきましても国家公務員の初級職試験を受けるということに相なっております。
#112
○大森昭君 普通の民間の場合は、大学卒業生を何名採ろう、高校卒業生を何名採ろうというのが大体企業の方針のようであります。ですから、高卒の程度の試験をやって、大学生がみんな来て、みんな成績がいいから大学生みんな採っちゃおうなんていう企業は大体ないんですよ。
 それからこの間も公社の方にちょっとお伺いしまして、公社の試験制度はどうなっていますかというお話をしましたら、公社は大体、高卒の試験をやる場合には高卒の方々に受験してもらって、大学の卒業者も採用するわけでありますが、そういう場面では大学卒業者が受験してもらわぬ方がいいということで、従来高卒の試験のときには大学卒業生だとかいろいろな方も来ましたけれども、なるたけ高卒の試験で合格する場合には高卒程度の人を選んでやっていますということですけれども、これは公社ですから、国家公務員と違うから、郵政省独自としてはそういうことになるのかならないのかよくわかりませんが、いずれにしても私はここで問題提起をしているわけなんです、質問というよりかも。
 実は、高校を卒業して郵政省に入ります。四年たちます。普通、高校を卒業して、来なければ同僚は大学へ行っています。大学へ行って上級職試験にでも入ってくれば別ですが、同じ試験を受けて入ってくるんですね、端的に言いますと。そうでしょう。そうすると、仮に、極端な話で申しわけないんですが、高校を卒業して郵政省に入ろうということで国家公務員試験は受かって入った。ある人は、高校を卒業して郵政の職場に入ろうと思ったけれども試験は落っこっちゃった。落っこっちゃったから郵政省に入るために大学にでも行って勉強しようというような方、あるいは公務員試験に受かったけれども大学へ行こうという人もおるだろうと思いますがね。ところが、職場に入りまして四年間、高校を卒業して一生懸命、郵便事業でも貯金事業でも保険事業でもやって、来る賃金と、大学を卒業していま言う高校程度の試験を受けて入ってきた人の賃金は、これは同じでしょう。
#113
○政府委員(岡野裕君) 実際には、初級職の甲なら甲、AならAといいます試験に合格するわけでございますので、先ほどお話をいたしました高等学校卒業程度の学力があるという判断ができたにとどまるわけでございますが、実際に郵政職員として採用になります場合には、高等学校卒業の場合の新卒者の給料といいますものと、同じように初級職をとったけれども大学卒業ということで入りました場合には、この方々の場合には大学卒の初任給ということでございますものですから、出発点において初任給の格差が出てまいります。その後、高等学校卒業の方が四年勤務をしたといいます場合に大学卒業の方と同じ給与になっているかといいますと、私、細かな数字をここに持ち合わせぬのでございますが、高等学校を卒業して郵便局に採用になり四年経過した者の方が給料は高いのではないか、こんなふうに思っております。
#114
○大森昭君 学歴換算は一〇〇%なんですよ。だから、高校を卒業して初級職試験に受かって入るでしょう。四年間たつでしょう。大学を卒業した方が同じ初級職試験を受かっても、四年間というのは学歴換算は一〇〇%だから、一〇〇%ということは職場にいた賃金と同じ換算をするということだから同じはずなんですよ。局長にそこまで――きょうは給与課の人が来ていないようだけれども、それは同じはずですよ。違うかな。だれか知っている人いないかな、人事局長じゃなくて。
#115
○政府委員(岡野裕君) 申しわけございません。つまびらかな資料を手元に持ち合わせておりませんものですから、改めまして後日御報告に上がりたいと存じます。
#116
○大森昭君 そうなってきますと、同じなものですから職場の中で非常に予盾が起きるわけですね、気持ちの上で。自分は高校卒業して入って四年間やった。大学卒業して入ってきた方の学歴換算が一〇〇%だから同じ賃金。そしてまた、これは先の話になるんですが、いま、すぐこの問題提起じゃないんですが、たとえば今度は役職につきます。主任になる、主事になる、あるいは課長代理になったり、課長になったり、郵便局長になったりしますけれども、そうすると、あの人は大学卒業だから、必ずしもそう一概には言えませんが、早く主任にしてやろうとか、主事にしてやろうとか。
 そうなりますと、もともとその大学生がある一定の試験でもって入ってきて職場の中で同じような状態ならいいんですが、四年前の、もともと考えますと同じ試験なんですね。だから、公社なら公社などは、できるだけそういう職場における多くの予盾を排除するために高校程度の試験だったらなるたけ高校の人たちに入ってもらおうという形に変化しているのだと思うんです。ですから、その辺のところも従来は――そうかといって大学卒業生をぼくは排除するという意味じゃないんです。大学卒業した人も高校程度の試験を受けて入っていただくことも結構なんですけれども、そういう場合に一体職場の環境の中に置かれている状態はどうなのか。あるいは民間なんかは、まさに大学卒、高校卒というものを、採用予定者を人数を決めている。公社もそういうふうに変化をしている。こういう問題、国家公務員の試験で郵政省はやっているわけですからなかなかむずかしいと思いますが、郵政独自で委任されております外務職試験のような場合に、たとえば同じように合格しても大学卒業だからずうっと採用するんじゃなくて、ある程度の比率で高校生を採用する、仮に試験は同一であっても。そういうような工夫なんかができるのかできないのかというようなこともやはりこれは検討の課題じゃないか。いままでと同じようなかっこうでやっていって果たしていいのかどうなのか。
 そしてまた、これは公社の方に聞きましたら、高校程度の試験をやるのに大学生が集中されますと高校生の落ちる率が多いというんですね。もちろんいま大学生でも、悪い大学生とは言いませんが、わりあい勉強しない大学生もいるようですが、しかし総体の比率からしますと、やはり高校試験程度でもって学歴を問わずいらっしゃいということになりますと、大学卒業生の方が成績がいいということです。そうなってきますと高校卒業者が非常に就職の門が狭くなるのでそういうふうに変革したという話もしておりました、実際私よくわかりませんが。だから、どうかひとつそういう意味合いで……。
 これも少し言い過ぎになりますが、ある意味で、どこの大学というと怒られるから言いませんが、郵便局に優秀な大学を卒業して入られた方も聞くんですが、大体正直言いますと余り長持ちしませんね。どこの大学と言うとまた当たりさわりがありますからあれですけれども。
 ですから、やはり仕事の内容、それから高校卒業の程度の試験をやるのならそれにふさわしい人をやっぱり採用するということにしませんと、何でもコンピューターでとにかく点数さえよければいいんだというやり方に通じておりますと、どうも今日の郵政の現場段階における状況から合わないんじゃないかという感じがいたしますので、この辺もひとつ、人事院の試験ですからそう郵政省が勝手にできるかできないかということもあるでしょうけれども、検討課題にしていただきたいと思うんです。
 それからもう一つは、大体地方は、地方の人たちがその試験を、公務員試験も郵政省が委託されている試験も受けるんですが、たとえば東京のような場合全国から集まってくるんですね。ところが、いま局長が言われますように、総合点数ですから、仮に三百五十点以下だったらこの第一次試験には受からない。ところが、ある地方の方が東京でも試験を受けて三百五十点だ。東京の人が東京の試験場でやって仮に三百四十点だと、これは落ちるわけ。そうすると、果たして三百五十点、もちろん三百四十点より三百五十点の方が点数がいいAだけれども、そういうかっこうでやっても地方から来た方というのは寮を世話しなきゃいけない。また、その人は将来Uターンを希望するかもわからぬ。それからとかく地方から来た方というのはその地域を十分理解していない。ですから、やはり原則的には、そうかといって、いまおまえは十点差のことを言うからあれだけれども、五十点差でも六十点差でも東京の人間を採用しろということを言っているのかと言われると私も困るんだけども、やっぱり原則的には、そこのたとえば江戸川の小岩郵便局の人を雇うときは、小岩生まれの小岩育ちのという方が、お父さんもいるし、お母さんもいるし、親戚もいるし、その地域は子供のころから知っているんだからというような発想が私にはあるんだけれども、そういうのはだめですか。
#117
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいましたように、いまの公務員試験初級職郵政職の場合にも、それから私どもの郵政職員採用試験の場合にも同じようなんでございますが、やはり関東甲信越地区とか、あるいは中部地区とか、あるいは近畿地区とか、その管内に所在しますところの郵便官署に勤める職員を採用するのを目的としてその地域の試験を実施しているというのが実態でございまして、たとえば全国一本で職員試験をやるというわけではないわけでございます。
 で、先生、前回のここの御質疑のときにもそのようなお話がございましたものですから、いろいろ帰りまして検討もしているところでございますが、やはり採用試験の受験資格を、言いますならばその地元出身者に限るのであるというような制限を加えますことは、いまの公務員の採用をする立場から必ずしも望ましいものではないのではあるまいか。
 それから先生がおっしゃいます、小岩は小岩とおっしゃいますが、出身地といいますものの解釈が、やれ出生地であるのか、あるいは主たる生育地であるのか、あるいは学校の所在地であるのかというような意味合いで非常にむずかしい考え方をめぐらさなければならないという事務的な面があるわけでございますが、大宗的には国家公務員法の四十六条にも公開平等の原則といいますようなものがうたわれておりまして、なかなか先生がおっしゃるプラスの面もいろいろあるかと思うのでございますが、いまの時点ではちょっと採用がしにくいというような考え方を持っております。
#118
○大森昭君 私は、地方の人を排除せいというのじゃなくて、同じような状態、多少点数が下がっても地元の人の方がいいのじゃないかと言っているだけの話で、たとえば地方から東京に働きたいという人を別に排除しちゃえと言っているのじゃないんですよ。
 というのは、私は端的に言いますが、私も全国区ですから全国を回っていますが、わりあい地方の郵便局の方々というのは落ちついて、しかもその地域でわりあい信望があって、郵便局員の方々というのは一生懸命やっています。東京の人も一生懸命やっているんですが、どうも少し東京の方々は荒っぽいと言うとこれまた怒られますが、何となく落ちつかないのは、やっぱり地方から来ていますと寮生活です。仮にお嫁さんをもらうのでも、おれは何年たったらどこの郷へ帰るのだけどもおまえそれでもつき合ってくれるかとか、結婚してくれるかとか、そうすると嫁さんの範囲も非常に少ないんです。だから東京の若い人というのは独身者がわりあい多いんですよ。
 そうなってきますと、事業を安心して遂行するというのはやっぱり親元から出ていった方が、そう言うと親御さんがいない人というのはろくな者じゃないのかとおしかりを受けますけれも、そういう意味じゃなくて、やはり職場の中である程度安定さして仕事をさせるということを考えた場合に、試験はまるっきりできないやつでも採用しろという意味じゃなくて、ある程度のところでもってその辺をコントロールでき得るならばした方が、落ちついたまた意欲ある生活態度で仕事が遂行できるのじゃないかという意味で言っているのであって、別に片親だからだめだとか、両親がいなきゃだめだとか、そういう意味で言っているのじゃないんですけれども、その辺のところの工夫がされたら――東京の労働者というのは、朝郵便局へ行きますと、コッペパンをかじったり、それから即席焼きそばにお湯をぶっ込んで食べて過激な労働をやっているわけですわな、本当の話。そういうようなことを見て、私はついそういうことで、なるたけできることならば、同一のような条件ならその地域の人たちを採用する方がいいのじゃないかと考えたので問題提起したわけで、その辺のところは十分、一利一短あるし、生まれたところがどこかなんといって余り調べていったらいろいろまた問題が起きるようなこともわからないわけじゃないんですが、そういう工夫をして、いずれにしても採用時に何としてもいい人を採用するという、一定の規則だとか長い伝統もあるわけだけれども工夫をしてもらいたいという意味で実は質問を続けてきました。
 次に、いろいろ役所の中には人事の問題があるわけでありますけれども、職場の中には、これは人間の持つ本来のものなんだろうと思うんですが、信賞必罰というのは非常にいい反面、逆に言いますと、やっぱり人間でありますから飛び抜かれちゃいますとくさるということもあるんですな、世の中。おれも一生懸命十何年もやってきたけれども、五年ぐらい勤務して、やる方は信賞必罰することによって職場全体が働く意欲だとか、いわゆる事業愛を燃やせるということで信賞必罰するんですけれども、逆に、おれがこんなに一生懸命やっているのにおれを主任にもしてくれないわ、もうこれじゃ全くまじめにやったってというのだってあるわけでしょう。そうなってくると、おおよそ人事は公平にしてというのだけれども、主事だとか主任にする一体何か物差しみたいなものがあるんですが。
#119
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいますように、人事というもののいかんによりまして勤労意欲も高まりあるいはその逆の現象も呈する、おっしゃるとおりだろうと思っております。
 それで、現在主事、主任の任用、これも言いますならば国家公務員の任用の一環ということでございますものですから、国家公務員法に定めますところの成績主義の原則、それによりまして人材を公正に任用するというたてまえでございますが、この成績主義の原則、人材公正といいますようなものの中身をいろいろ私判断基準として考えているところでございますが、勤務成績あるいは能力などということも当然評価に入るわけでございますが、同時に、その職場におることによりまして適性というものが大きくふくらんでくるでありますとか、あるいは当該本人の経験年数といいますようなものも全体的に総合加味いたしまして、あるいは主事にし、あるいは主任にするというような基準で運用しているところでございます。
#120
○大森昭君 人事局長の答弁はそういうことなんだけれども、私は、やっぱり人間ですから皆欲がありますからいろいろなことを考えますけれども、おおむね職場の中ではあの方が主任になったら、大体あの人も一生懸命仕事やっているし、勤続も長いし、人望もあるから主任になるのはやむを得ないなということでやはり運営されていきませんと、何であの人が主任になるのか。とりもなおさず、私はこれを言っているのは、たとえば郵便局長さんだとかあるいは課長の管理者になってきますと、ある程度職員に対して指導力もなけりゃいけないし、決断力もなけりゃいけないし、いろいろなものが要求されるけれども、主任というのは大体郵便局に勤めて十五、六年になったら――前に任官制度というのがありましたよね、任官制度というのは最近はなくなりましたけれども。何かやはり主任にする、主事にするというときにある一定の、いま抽象的に局長は言われるけれども、幾ら成績が悪いといったって、しょっちゅうポカ休していたりあるいは休んでいれば給与に差がつくんだから、もともと。そうでしょう。それから処分権もあるんだから、あなた方は。だから、一般的に処分はされていない、あるいは欠格条項にひっかかっていないというのは大体普通の成績だというふうに認定できないんですか。
#121
○政府委員(岡野裕君) 先生がおっしゃいますように、処分を受けたでありますとか、病気休暇が多かったでありますとか、欠勤が多かっただとかいうようなことで本人の勤務評価というものが減点になるというようなことは事実でございますが、同時にまた、先生おっしゃいました主任あたりにつきましては、上司を助けて部下を指導するのであるというような仕事の中身もございますものですから、指導する能力というものがあるか否かというようなものを見て主任に任用しているわけでございますが、その適性があるか、能力があるかという判断の中では、長いことお勤めになられてまあまありっぱな成績でやられてこられたといいます場合には、冒頭お話をしました減点になるというようなものに比べますれば評価は高くなるというようなことで私どもは把握しているところでございます。
#122
○大森昭君 こんな抽象論をやっていたってしょうがないんだけれども、たとえば郵便外務、貯金外務、保険外務、いわゆる主事と言われる人というのは、あなた方がやっているのは他局任用でもって主事にしているわけです。原則的に外務主事も自局任用をしないんです。
 この間もありましたけれども、日本橋から小岩の局へ来るわけです、外務主事が。しかし考えてみてもらいたいんですよ。人事をやるのに外務主事を――たとえば、あの床屋の裏にはふろ屋かあって、ふろ屋の裏にはげた屋があって、げた屋の娘も何か嫁に行って少しおなかが大きいから生まれたら保険しに行こうかとか、あの角を曲がるときにはちょっと道が細くなるから郵便配達するときは少し緩めた方がいいとか、そういうもので私は郵政事業というのは成り立っていると思うんです。ところが、外務の主事さんを、管理者じゃないんですよ、主事をそんなふうに自局でもって任用しないで他局任用するなんということは、これは仕事をよくやらせないために人事をやっているのじゃないんですか。たとえば郵政省から現場へ来る、郵政局から現場へ行く、現場から郵政局へ来る、現場から本省へ来る、これはいいですわ。総合的なやっぱり管理、監督あるいは現場の事情を見る。しかし貯金の主事だとか郵便の主事だとか保険の主事が主事になるときになぜそんなふうに他局でなきゃ任用しないんですか。
#123
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいます郵便、貯金、保険の外務の主事の任用でございますが、なるほどその受け持ち区域に精通をしていることが大きな仕事のプラスになるということはおっしゃるとおりなのでございますが、主事ということになりますと、やはり部下を指導する面、あるいはその全体的な仕事をどういうふうに運んでいくかという計画の面というような面で、企画力あるいは指導、監督能力というようなものがまずありませんならば上司として仕事をしていくことはできないのではないかというようなことで、自局から任用をしないということではございませんで、主事の任用の場合には自局に限らず広く人材を簡抜するというような考え方でいま当たっているところでございます。
 しかし、実際に数字を調べてみますと、ちょっと古い数字でございますが、五十三年の十月から五十四年の九月までの一カ年間、全国の外務主事、これの任用結果を見てみたところでございますが、任用総数が五百八十四名でございますところ、自局の任用は三百四十一名でございまして、他局任用は二百四十三名、パーセントにいたしますと、自局任用が五八・四%、他局任用は四一・六%、数字はこういうふうになっているわけでございますが、実際の任用に当たりましては、そういった具体的な適材適所というような面を十分勘案しまして任用いたしてまいりたい、こんなふうに存じているところでございます。
#124
○大森昭君 局長も都合のいい数字を持ち出すからぼくはかなわないんだけれども、これは全国とあなたは言ったでしょう、全国と。
#125
○政府委員(岡野裕君) さようでございます。
#126
○大森昭君 これは、全国の場合には、たとえば局間が非常に離れているわけですよ。そうすると非常に通勤が不便になるわけ。ところが、仮に東京なら東京をとってください。東京の数字を言ってごらんなさい。東京は原則として他局任用、全部と言っていいぐらい主事はやっているはずですよ。持っていますか、東京のやつ。
#127
○政府委員(岡野裕君) 持ち合わせておりません。
#128
○大森昭君 持っていないでしょう。そういうぐあいの悪いやつは持っていないことになっているんだけれどもね。
 そこで、全国でもそうなんです。全国でも二百四十三名の人が出るわけでしょう。私はある局へ行ったんですよ。これは主事じゃなくて庶務課長さんなんです。庶務課長さんにいろいろ話をしていた。いや私は実は来たばっかりで申しわけないというわけだ。いま主事の話をしましたけれども、一体管理者というのはどのぐらい動くんですか。課長、局長なんて別に言いませんから、どれぐらい動くんですか。
#129
○政府委員(岡野裕君) いま手元に持っております資料でお話をいたしますと、普通局の管理者の異動状況でございますが、本年度の定期人事異動、七月期になるわけでございますが、普通局の副課長以上の管理者、概数でございますが、全体では七千四百名おりますうちで異動をいたした者は三千五十名でございました。パーセントは四一%になっております。
#130
○大森昭君 だから、普通の企業で言えば一年間に七千四百名の人のうちの三千五十名もいわゆるトップと言われる管理者というものが動くわけですよ。まず判こを直すのだって容易でなければ、その局長が赴任して、それで大体うちの職員はどんな人がいて、その地域の中ではどんな地域状態になっているかなんというのは二カ月や三カ月たったってよく地域の状況はわかりませんとか、うちの職員ではどんな人がいるかわからないということになるでしょう。一年間にこんなに人間を動かしているんだもの、がらがら。それも、これがもっとひどいのは、東北なんかを例にとればわかるんだけれども、宮城県出身の人が秋田に行く、秋田の出身の人が宮城に来る、何でこんなことをやらなくちゃいけないのかわからない。それはいわゆる七十名の局長になったら二年なら二年たったら百名の局長にしなきゃいけない、百名の局長になったら二年なりそこらたったら百五十名の局長にしなきゃいけないというからがらがらやっているんです。
 だから、本当に現業なんですよ、郵政事業というのは。とりわけ郵便局というのは地域性でしょう。たとえば、あの局長さんはといえば、名士の名刺交換会には出てきますよ。消防署長がかわれば出てくる。警察署長がかわれば出てくる。それで、地域の中で、さっき郵務局長が言ったのじゃないけれども、郵便をどうやって出してもらうかというとき全く地域に密着したような話を郵務局長はやるけれども、片っ方、人事の面ではがらがら異動さしている。本省だって、本省の次席は必ず郵便局へ出るでしょう。帰ってくるでしょう。係長になるでしょう。係長から課長補佐になるのに必ずまた表へ出すでしょう。郵政職員三十一万、上から下まで、私に言わせたら、みんな七月ごろになればおれはどこへ行くんだ、どうするんだと。
 単身の管理者の数というのは調べたことありますか。
#131
○政府委員(岡野裕君) 単身者の管理職の数は資料として手元に持ち合わせておりません。
#132
○大森昭君 だから、私どもが現場へ行くでしょう。局長さん以下課長さんが来るでしょう。皆さん単身ですかと言ったら、半分ぐらいの人が単身。ひどい局になると、課長この間全部異動しましたけれども、全部単身だというわけですよ。少なくとも管理者というのは、自分の使っているといってはおかしいけれども、一緒にいる部下の人たちのめんどうを見るというわけでしょう。かゆいところにも手を届かせるわけでしょう。その人がまず単身だ。早く帰って洗たくしなくちゃいけない、飯はつくらなくちゃいけない。そうでしょう。テレビを見て、テレビとしゃべるわけにはいかない。青島先生が映っているといったって、しゃべったって向こうは何とも言ってくれないからね、テレビじゃ。そういうかっこうに管理者の人たちを置いといて、それで一年に三千五十名もがらがら異動させて。何ですか、これ。これで労働集約型であるし、わが郵政事業というのは人材を確保して、しかも一生懸命地域の中で郵便局が一般住民と密着をしてやらなきゃいけないということになるんですか。
#133
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいますように、先ほどの数字、七千有余名の中で三千有余名が今度の定期異動でかわったということでございますが、先生の前々からのお言葉もありましたりなんぞいたしましたので、一体それでは管理者の当該ポストについての平均在職年数、月数、これはどんなものであろうかと思って調べてみているところでございますが、今日のところ、二年一カ月といいますのが現業管理者の平均の当該ポストについての在勤年数でございます。
 それで、全般的に考えますならば、職員との関係、人間関係をよくいたしますにつきましても、あるいは国民の皆様の中に地縁性を発揮して十分なサービスをいたします場合にも、これはじっくり腰を落ちつけてといいますものも一つの考え方ではないか、当今、管理者人事につきまして三年人事、三年人事というような言い方で郵政局等を指導をしてきているところでございますが、また片面考えますと、同じポストに長くい過ぎますことのマイナス面といいますようなものも、仕事のなれから発しますところのマンネリ化でありますとか、あるいは士気阻喪などということもないわけではないのではないか。したがいまして、前段のじっくり腰を落ちつけてといいますものと、それからマンネリ化を防止するといいますものとをどういうふうに絡み合わせて調和ある人事をとっていったらいいかというようなことを寄り寄り検討しているところでございますが、いまの現実の姿におきましては二年一カ月が平均の在勤年数である、こういう実態でございます。
#134
○大森昭君 平均二年一カ月でしょう。きょうお並びの局長さんは全部一年だからね。そうすると、三年の人がいたって、割って一年半だ。
 マンネリ化、マンネリ化と言うけれども、税務署の職員が税金集めに行っているのじゃないんですよ、さっきから言うように。だから、議論していても、郵便局とは一体何なのか、大体三年置いて、四年置いてマンネリ化するのだったら管理者の資格ないでしょう、そんな男だったら。もともと管理者に採用するのが間違いだ、三年、四年置いていたらマンネリ化するなんていったら。だから、マンネリ化するとかしないとかという以前の問題としてやっぱり問題をとらえてもらわなきゃ困る。そうでしょう。
 それで、また平均して二年半だなんていったら、考えてごらんなさいよ。宮城の方が秋田へ行くでしょう。日本というのは物すごく発展し発達したようだけれども、正直言いますけれども、長野県も二つに割った方がいいんじゃないかとまだ言っている人がいるんですよ、南信と北信で。茨城だってそうですわ、茨城の先生に怒られますが。南と北じゃ違うんです、全然これ同じ県の中だって。そうでしょう。そういうところに、あなた、局長に行って、二年ぐらいでもって何が地域性が発揮できて、何がそこに働く人たちとお互いの気心がわかる。あなたは主任の問題も主事の問題も優秀な成績であるいは人事は公平にと言うけれども、一体、この人は今度主任にした方がいいというのはだれが決めるんですか。
#135
○政府委員(岡野裕君) これも郵政省の人事任用一般でございますが、郵政大臣の指揮のもとにそれぞれ人事権者が判断をしているところでございます。
#136
○大森昭君 そういう公式なことを言ってもだめなんでね、主任の任用はだれかと聞いたんだから。
 主任の任用は郵便局長なんだよ。そうでしょう、発令権者は。それは、たとえば下谷の局長だとか大きいところは郵政大臣が任命するんだよ。どの場合は人事局長が任命する、郵政局長はどこ、こう決まっているんだから。主任の任命というのは郵便局長だよ。小さい特定局だとかなんかは別にして、普通局の主任の欠員ができたときに主任に任用するのは局長なんだよ。その局長が平均二年一カ月なんだ。どうやって見て――勤務評定でもやっているんですか。勤務評定でもやっていれば、前任の局長は勤務評定はこうした、その前の局長さんは勤務評定はこうやってやった。いまおれが見たときは、あの局長の評価したのが正しい、ああ、あの局長はあんなふうにあの人を見ていたかな、おれはそうは見ないけど。二年一カ月平均の局長が主任の発令するんですよ。こんなものはどう考えたって公平な状態でもって行われているとは思えないじゃないですか。私はそういうところを正直言って心配するんですよ。
 もちろん平均二年一カ月でもって青森の方へ行ったり秋田の方へ行ったりする人も気の毒だ。単身で行ってやっているのも気の毒だけれども、もっと気の毒なのは、だんだんずっと下へいけばみんなかわいそうなんだよ、これははっきり言うと。そうでしょう。前は、本省の次席というのは係長を助けて仕事をしたわけだ。だから、原則的にその係長がかわったときはその次席が係長になったんだ。あたりまえなんだよ、三年も四年も同じ係長と同じ行動をともにしていたんだから。何で一回現場へ出さなくちゃいけないのかと言うと、いや、それは係長になるのに現場をよく見てもらわなきゃ困る。それはそういう人だっていますよ。しかし、これが画一化しているでしょう。郵政省の中で二、三だ、まさに次席からそのポストにつくのは。きょう長田先生もおられますけれども、昔は何とかの守、何とかの守というのがいっぱいいました、長田先生が省にいるときは。それはやっぱり次席でもって一生懸命仕事をした。
 係長と同じような仕事をしているから係長になれるというならいいけれども、みんな次席から表に一回出なきゃ係長になれないといったら、だれが――それもいいんですよ。仮に貯金の人が貯金の支局なら支局へ行って貯金に帰ってくればいいんだ。ところが、貯金の人が保険の方へ行ってみたり保険の人が貯金に――それはそうでしょう。さっき言うように、七十名の局長は百名の局長にしなくちゃいけない、百名の局長は百二十名の局長にしなきゃいけない、本省の課長補佐をやったらどこかの部長にしなくちゃいけない、貯金局だったら貯金局長にしなくちゃいけない。そういう枠組みでやっているのだから、人事を。だから、仮に郵務の人が次席になった。君は係長になって郵便事業をやるために郵便局の郵便課長をやってこい。この人がまた本省なら本省へ係長で帰ってきたときに、郵務の係長でやるというならまだいいんだよ。ところが、この人が資材部へ行ったり監察の方へ行ったり。個々の例を私が言ったって詰まらぬ話かもわからぬけれども、私は、どうも労働集約型だ、人事は大切にしなくちゃいけないと言っても全くはたから見ていてわからないんですよ。ここにやっぱり最大の――事業計画が出ていないという問題もしかり、それから職場における迫力のないのもしかり。
 私は局長に聞きますが、郵便局長だとか課長になったら管理者でしょう。管理者という人はどういうふうにあってほしいと思いますか、あなたは。
#137
○政府委員(岡野裕君) これは、管理者といいますか、一般的に部下を持ち上司として仕事をしなければならない職務の当然共通の中身になるかと思いますが、やはり全般的な企画あるいはそれを推進していく能力、あるいは部下職員を使うということでありますればその人間関係でございますか、というようなものを当然配意をし、全体としまして郵便、貯金、保険のサービスが十全的に執行可能になるような、そういう人格、識見、適正等々を兼ね備えましたもの、これが管理者像ではないか、こんなふうに思っております。
#138
○大森昭君 具体的な問題を私出しませんが、世の中の人というのは、郵便局というのはおかしなところだと言っていますよ。ある局で十二月の三十一日に――、去年は年賀かうまくいきましたよ、みんな。管理者の人が御苦労だったと、十二月の三十一日、早く仕事を切り上げて一杯飲んだというわけだ。ところが、若い人がいっぱいいるからけんかになった。そしたらなぐられた方が警察に行ったというわけだ。それを見ていたある区会議員の人が警察へ行って、郵便局でもってあした正月で、もうきょうは仕事終わって、まあ酒の上のことなんだから警察も穏便にと言ったら、その警察署長が、いや、あなたが仲へ入ってくれるのならいいですよと言ったというわけだ。そしたら、その人が局長のところへ行って、局長さん、私は部外者だから、警察署長には話をしておいたけれども、局長さんも何とか仲へ入ってまとめるようにしてくださいよと言ったというわけだ。ところが、局長が何を言ったかというと、いや、それはお互いにけんかしてお互い同士で警察へ行ったりやっていることだから私は知りませんと言うのだ。そしたら、その区会議員の人が私に、どういうことになっているのですかと。自分の職場の中で起きたことはなるたけかばい合って問題を外へ出さないようにしようというのが普通じゃないですかというわけだ。そうなんですよ。どこだと言うなら教えてもいいです。
 ある局へ行きました。保険の人が、あさってから君は郵便へ行け、君は貯金へ行け。私は人事権というものは最終的に局長が持っているから、最終的に、保険の成績が悪ければ君は貯金に向くのじゃないかと貯金に行かせることも結構、郵便に行かせることも結構、それは仕方がないわ。おれは入ったとき保険をやっているのだから、どんなに成績が悪くたっておれは一生保険だなんて言われたのじゃこれは事業は成り立たないから。しかし、局長が少なくとも朝来て、君はあさってからは郵便やりなさい、あさってから貯金やりなさい、そういうのはないんじゃないですか。やっぱりその人に、君は保険をやっているけれども、どうも保険を募集するのには向かないのじゃないだろうか、貯金なら貯金という仕事をやったらどうか、考えておいてくれよと。一週間ぐらいたった、何も返事が来ない。そしたらまた呼んで、君、この間ぼくが言ったのだけれども、どうかね、ひとつかわって――そうでしょう。
 だから、あなたが言うように、人事権というのはすべて管理者が持っているんだ、それは公平なんだというたてまえでいまの現場を見ていたら間違いが起きますよ。それは間違いが起きる要素ができているんだから、ここに。そうでしょう。七千四百名しかいない管理者を三千五十名もかえているんだもの。よくかえると思う。えらいと思うよ、実際の話。どうやって当てはめていくんだか、まさかサイコロ振っているわけじゃないんだろうけれども、本当にえらいと思うんだよ。一年間に三千五十名動かすといったら、普通の作業だったら大変な作業ですね。ああ、この人をここの局長にした方がいい、この人をこの課長にした方がいいなんて三千五十名もやるんだったら、これは大がかりな仕事ですよ。だから、恐らく半年ぐらいかかっているのじゃないかと思うんだな。だから半年は人事の時代で、これではやっぱり落ちつかないですよ。
 だから私は、もっと端的に言えば七十名の局長でも五年間いてもらってもいいじゃないか、職員とうまくやって仕事もよくなれば。そのかわりこの人は七十名の局長で五年間やってもらったんだから、大変りっぱな人なんだから次は百五十名の局長にしたらいいんだよ。何で七十名から百名、百名から百二十名、百二十名から百五十名に行かなくちゃいけないんですか。だから、あなたがいま言いますように、非常にいい局長さんでうまくいっていた。うまくいっていたけれども、動かさなきゃいけないからうまくいっていても動かす。がちゃがちゃにして何が何だかわからなくてまた行っちゃう。これが実態でしょう、実際に。ぼくの言い方がオーバーかオーバーじゃないかにしたって、三千五十名も一年で動かすんだからそういうふうにならざるを得ないんだよ。
 だから、どうかひとつ役所というのは長い伝統の中で、百名の局長は二級官、百五十名の局長は一級官なんというふうに決まっていて、ある級までくればお車がつくとかお車がつかないとか、俸給表が上がるとか上がらないとかあるけれども、現業官庁なんだから、だから現業官庁なら現業官庁らしくやっぱり労働集約型を特に強調し、特に人件費が上がるんだから郵便料金を上げなきゃいけないというのなら、それ以前の問題を解決してもらわなければ国民は納得できませんよ、本当の話。局長は、おれが人事局長になって急にあんなことを言ってと言われるかもわからぬけれども、しかし、やっぱりポストがかわったらかわったらしいことをやってもらわなきゃいかぬな。岡野人事局長というのは、いままでつまらない歴史、伝統を守ってきたけれども、やっぱり大したものだということで、変わったことをやってくださいよ。
 それと同時に、もう一つは、私はいままで見ていますと、やたらと役職をつけるのが好きなんだよね。郵便局の中には、さっき主事の問題までいったけれども、主事がいて総括班長がいて主任がいて班長がいて、班長をつくったと思ったら今度は副班長がいて。郵便局へ行くと総括責任者、主事、主任、班長、副班長。役付にするのは、それは気持ちはわかるんですよ。そういうふうにした方が給料が上がるということだと思うんだ。だけれども、給料を上げて処遇をしてということにはならないんですよ。なぜかというと、郵便局というのは取り集めをしたり配達をするでしょう。ところが、副班長だとかなんとかという肩書きをもらうと、少なくとも班員を監督しなくちゃいけないから主として官執になるわけです。そうすると、朝出だとか夜の勤務というのは残った兵隊が全部受け持つわけですよ。そうでしょう。大きい郵便局は別です。普通の郵便局というのは主事さんは官執勤務だよ。主任がそうでしょう、主任として仕事をするのに。班長をつくると、班長がまたそうです。そうなってくると特定の人に……。
 いま端的に言いますが、田舎の場合にはまた別ですけれども、都会でもって私どもが幼いころ、私だって幼いころあったんですけれども、大体郵便屋さんが来ます、自転車に乗って。ああ、おじさんだよ。だから郵便屋さんとなったんです。いま集配員を見てごらんなさい。機動車でダッダッダッと回る若い人が多いでしょう。これはある半面で能率を上げているという意味からいけば郵政省はほめられるかもわからぬけれども、とてもじゃないけれども楽な人は楽なんですよ。過酷なところは過酷なんですよ。これじゃやっぱり仕事うまくいきませんよ。みんな一生懸命やるのならみんな一生懸命仕事してもらわなければ、本当の話。
 だから、そういう面からいきますと、どうもこんなことをくどくど言って、また例の話が始まったかぐらいで聞いているのかどうかわからぬけれども、少し振り返ってみて、郵便料金を値上げするなんていうことを安易と私は言いませんが、これだけの料金を値上げするのなら、まさにみずからの培ってきた人間の任用についても活用にしても制度にしても変革をしたんだという問題を出してもらわなければ、何か知らないけれども、サービス、切手を取りかえるのに何だとか、結構な話ですけれども、それも。しかし、そんな問題でこれだけの郵便料金値上げするなんていうのは安易過ぎますよ。
 きょう私、持ち時間がありませんから、これで終わりにしますけれども、いつも文句たらしいことを言っているのじゃなくて、ひとつこういう際に見直しをしてもらって郵政事業の運営を図っていただくことを大臣に特にお願いします。大臣というのは偉いんだから、偉いということの自覚のない人はだめなんだよ。どうかひとつ、いま私の言ったようなことをもう一回省の人に確かめてもらって、あいつの言っていることは本当なのかを。それで少し大臣の方から、なかなか役所の人というのは直すのはむずかしいらしい。余り仕事をしてぽっと出るとたたかれるというのが役所の仕組みらしいのだな、ぼくらよくわからないけれども。だから、なかなか新しいことを発想するということがむずかしいので、大臣の方から気のついたことはどんどんやらしていただくということをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#139
○国務大臣(山内一郎君) 非常にいろんな点について御指摘を受けまして、私も人事の問題がやはり郵便事業を円滑にやっていくかどうか、また効率を上げる点においても最も重要な問題の一つとして考えているわけでございます。そして、主として人事の問題について、採用の問題から人事の配置あるいは転勤等の問題について詳細に御指摘がございまして、その点を十分に拝聴いたしましたので、いろいろとまた局内で話を聞きまして改善の方向に向かって努力をさしていただきたいと思います。
#140
○長谷川信君 まず、料金改定問題について、大臣並びに関係局長にお尋ねをいたしたいと思います。
 今回、郵便料金の値上げを提案されたわけでありますが、私は、公共料金あるいはもともと物価というものは上がるものでありますし、したがって上がること自体が絶対にこれはいけないという議論はいささか私どもいただけないと思うのです。ただ問題は、ほかの公共料金と比べて郵便料金がどのような形であるか、あるいはほかの物価と比べてどういう形になっておるか、あるいはまた諸外国と比べて日本の郵便料金がどのような形になっておるかということがむしろやはり問題でなければならぬというふうな感じがするわけであります。
 私どもいろいろ拝見をいたしました資料によりますと、昭和二十七年から五十五年まで日本の国の郵便料金は三回値上げをいたしております。その幅はそれぞれ若干違っておりますが、アメリカは何回値上げをしたかといいますと、これは日本の年度でございますが、やはり二十七年から五十五年の間に八回値上げをしておる。イギリスに至っては十三回値上げをしておる。西ドイツが六回。フランスが十回。いわば先進諸国の間では日本の郵政省は三回にとどめておるということが一応出ておるわけであります。
 それから国内の物価というか公共料金、ほかのものと比べますと、二十八年から五十五年の間で国鉄の旅客が十回。貨物が九回、それから都営バスが七回、地下鉄が七回、私鉄が八回、タクシー、これは東京でありますが七回、新聞に至っては十二回も値上げをしておる。したがって三回の値上げということは、回数からすれば一応私ども理解のできる程度ではないかと思うんです。ただ、私どもずっと町の中を歩いておりますと、率直にやっぱりこの郵便料金の値上げについてちまたの声が出ておりますが、二十円の葉書を一挙に四十円に上げる、今年度中は三十円ということでありますが、一般のちまたの中では倍はちょっとひどいじゃないかというような声がいろいろ耳の中へ入るんです。
 まず、大臣にお聞きをいたしたいのでありますが、今回の郵便料金改定を提案するに至った郵政財政の現状について、そこまでやっぱりやらなければどうにもおさまらないのか、あるいはやり方によっては若干まだ考え方もあったのかというようなその郵政財政の現状の分析について、まず大臣から御説明、御答弁を賜りたいということであります。
#141
○国務大臣(山内一郎君) 従来からもいろいろ郵便事業の改善あるいは経営の努力、こういうものも続けてやってきているわけでございますけれども、累積の赤字が五十四年度末で二千百二十四億円、こういう巨額な累積の赤字になったわけでございます。したがって、これを放置しておけばますますこの赤字がふえてまいります。したがって、どうしてもこの辺で料金の値上げをしてもらいたい。しかし、するにいたしましても、一挙にこれを解決するということになると大変な値上げになるわけでございます。また、消費者物価というものもことしは六・四%に抑えるという政府の決定があるわけでございまして、そういう点を勘案して、できるだけこの赤字の解消もやりますけれども全部はできません。最小限度の値上げをお願いして、時期も郵政審議会の答申の時期より大分ずれておりますが、そして国民の皆さん方にも御迷惑をかけないような最小限度をひとつお願いを申し上げたい、こういうことで提案をしているわけでございます。
#142
○長谷川信君 全体からすれば私ども理解ができると思うのでありますが、ただ、先ほど申し上げましたように、二十円のものが四十円というとどうもやっぱり響きが激しいような感じを受けております。したがって、今後いろいろまたひとつ参考にそういうことも御承知おきをいただきたいと思うわけであります。
 それからいま大臣がおっしゃいました、累積赤字二千億以上も抱えておりますが、この赤字の主なる理由はどういうところから来ておるかということでございますが、先ほど大森理事からもお話ございますように、人件費の高騰、郵便業務の全体のバランスの中で人件費が九〇%だということ、これは私ども理解ができるんです。なぜそうかといえば、一軒一軒配達するわけでありますから、機械化だとか合理化だとかいってもなかなかそれは簡単にできない。せいぜいやってもナンバーでぱっぱっと区分けする程度が合理化といえば合理化といえるかもわからない。したがって、九〇%の人件費であるのでなかなかこれは大変だということはよく承知いたしておるわけでありますが、もう一つ私は理由があると思うんです。
 それは手紙を書かなくなった。山内郵政大臣、それは印刷したのはいろんなことで出されるかわかりませんが、御自分で直筆で月に何遍葉書をお書きになっておるか、恐らく五枚は書いていらっしゃらないと思うんです。この前まで政務次官をやった私がいま月に二枚ぐらいしか書いておりませんから、本当にもうみんな電話で用を済ますようになった。電話が普及すればするほど郵便業務が落ち込むということは、これはやっぱりそういう因果関係だと思うんです。特にいまの子供なんてアメリカでもヨーロッパでも平気で電話をして手紙を書かないくらいまでいっているのでありますから。
 だから私は、むしろ昔の逓信省時代、あの逓信省の若干の資料を調べるというか見てみますと、昔は逆に郵便でもうかったんです。そして電話で損をして、それが大体パーパーになっておったような、そういう統計が出ておるようであります。いま電電公社でもって約二千数百億もうかっておる、KDDで百二、三十億円ですか、それを合わせますとちょうど郵便の赤字とやや似たくらいになりますので。電話をかければ手紙を書かないし、手紙を書けば電話をかけない。私がいまから七、八年前新潟から電話をしますと、普通通話でもって東京まで六時間かかったんです。「とき」が四時間でありますから電話よりも汽車の方が早かった。そんなに昔じゃない、七、八年前のことであります。
 それがいまダイヤルを回せば日本国じゅう、世界じゅう出るようになったから、いまの郵便業務というものは、さっき郵務局長から十年たったら物すごくよくなりますよという意見もありますし悪くなるという意見もあるという御説明をいただいたのでありますが、私はなかなかこれは簡単に直らぬと思うんです。私のところへ手紙がいろいろたくさん来ますが、大体、マンションの広告だとかあるいは家具の広告だとか、ダイレクトメールみたいなものがまず七割ぐらいで、あと、印刷したいろいろの御案内、何月何日にこういう会議に出てこいとか、そういうようなのがちょっとある。本当にペンというか直筆で書いた葉書、手紙というのはまずこのぐらいいただいてもその中に二通か三通ぐらいしかない。
 そういう事態でございますので、先ほど大森先生からもお話がございますように、この辺でやっぱり根本的な長期の見通しをつけながら――ただ、とても人件費が上がり、いろんなことで赤字が出たので三年に一回ぐらい、いまのこれだと五十一年から五年間上げなかったのでありますが、ここで仮に上げたとすれば七年か八年に二回ということになるんでしょうが、そういう物の発想、考え方が基本になっておるようでありますけれども、大臣が中心になられまして、郵便業務全般についてのまさに私はこの辺で基本的根本問題について検討を開始するというようなことがやはり始まらなければならない時期に来ているのではないかというふうな感じもいたすわけであります。この点、まず郵務局長から御答弁をいただいて、なお大臣から御感想を拝聴いたしたいということでございます。
#143
○政府委員(魚津茂晴君) ただいま長谷川先生から貴重な御意見、御提言をいただいて、私たちは心に銘じましてその方向を今後の施策の向かうべき方向ということにいたしたい、かように思う次第でございます。
 それで、赤字の主な原因ということで私午前中お話をさせていただいたわけでございますが、基本はそこに尽きるわけでございますが、いま一つは、やはり赤字というのは収入をふやすという大きな道、いま一つは経費を抑制するということに基本がかかわってくるわけでございますので、収入をふやすという点につきましては、私どもそれこそ親方日の丸というようなことでなくて、郵便の増収を積極的に進めていくという気構えと、それを裏打ちする具体的な施策を講じてまいりたい。そのために、今回の改正法案として御提案をさせていただいている中にも、従来の感覚からすると至って大胆なといいますか、営業感覚というものを取り入れた施策という評価もいただけるのじゃないかと思いますが、広告葉書というようなものも新しい営業感覚で立ち向かっていくのだという姿勢として私御理解を願いたいと思うわけでございます。ともあれ、郵便を出していただく施策、そしてまたそれにこたえていく業務の正常な運行を当然私どもやっていくということは申すまでもございません。
 それからいま一つは、先生これもすでに御指摘になったとおりでございますが、経費を抑制するという立場に立って従来からも進めてまいりましたけれども、効率化、合理化ということでできるだけ減量経営という立場に立った郵便事業の経営というものを進めてまいる所存でございますし、この機会にお誓いを申し上げる、こういうつもりでございます。
#144
○国務大臣(山内一郎君) 長谷川委員からいろいろお話ございまして、電話というものが非常に発達をしてまいったわけでございます。したがって普通の用件は電話で済ましてしまうという時代になったのでございますけれども、やっぱり手紙を書かないといけないということもあり得るわけでございます。そういうようないわゆる記録に残すとか、あるいは目上の人には手紙を書かないといけないとか、また友達同士も親しい友達は手紙を書くとか、こういうことで記録性とかそういう点からいきまして、やっぱり郵便事業というのはそう簡単にこれはなくなってしまうというものではないというふうに私は考えております。といって、何も将来の展望がないのか、赤字になったら値上げをしていくのか、こういうふうにとられがちでございますけれども、賢明ないろいろな能率を上げる努力をいたしておりますが、やはりいまというような時期は今後のことを考えて、将来どういうことになるのだというようなことを計画を立てる時期に私はなってきていると思います。したがって、局長に指示をいたしまして、将来どういうふうになるか、なかなかむずかしいことでありますけれども、ひとつ計画をつくってみたらどうか、こういうふうに指示をいたしているわけでございます。
#145
○長谷川信君 もう一つ、大臣にお聞きをいたしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、電話が電電公社の技術開発によって伸びたことも間違いございませんが、何しろ回数がふえた。したがって手紙が減ったということになりますが、これは大臣にひとつ感触ということでお聞きをいたしたいと思います。
 電電公社で二千億近い利益を上げているわけでありますが、この間行管の一部の考え方として、それは大蔵省の国庫に繰り入れるべきだというような意見が若干新聞に出ておったのであります。電話を一通かければ手紙が一通減るということなんです、困果関係からすれば。したがって、昔の逓信省の先輩諸君は頭がよかったと思うんです。昔は郵便でもうけて電話の赤字をどんどん補てんしておった。ところが、今度分かれたらそれができなくなったので値上げをしないとどうにもならないということなんですが、こんなことは過去のことを思い出すことでございますが、もしいまその組織であれば何ら値上げは一銭もしないで十分やっていけたと思うんです、電話で二千億もうかって郵便で二千億損してもパーパーになるわけでありますから。
 それはそんなことを言ってもそれはできるものではございませんが、そういう意味で、もし電電の利益を大蔵省というか国庫に入れるような意見が出たとすれば、私はその前にやっぱり郵政の中の郵政勘定として、それは当然やっぱりそういう因果関係があるんだから郵便業務のところにまず補てんをするというふうな考え方が私は物の考え方としては理屈が通るような気もするんです。だから、それは具体的な問題として申し上げているのではなく、もしそういうことで国庫の方に入れるような意見があれば大臣はどのようにお考えになっておるか、その辺ちょっと御説明願いたいと思います。
#146
○国務大臣(山内一郎君) 長谷川委員の御提案でございますけれども、電話がふえてきて手紙の数が減ってきた、こういう因果関係はこれは確かにあると思います。といって、同じ事業の性格からいって、電話がよくなりましたのはいろんな研究をして設備をやって改善をしていくわけでございますし、郵便事業というのは御承知のとおり郵便物を集めてこれを仕分けして配る事業でございます。その因果関係はあるようでございますけれども、これを同じ事業の中に取り入れてやるというのは私はどうかというふうに考えているわけでございます。
 また電話料金は、最近はいわゆる損益勘定からいけば黒字でございますけれども、これは赤字であったときもございます。だから、いまいいから一緒にする、今度また赤字になったら分かれる、こういうこともどうかと思いますので、おのおの各個別にやはり最大の努力をしてまいらないといけない、こういうふうに考えているわけでございます。
    ―――――――――――――
#147
○委員長(福間知之君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま小谷守君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。
    ―――――――――――――
#148
○長谷川信君 ちょっといまのこと新聞にたしか出ていましたですね、電電の利益を大蔵省の方に吸い上げたらどうかというふうな意見が。行管のだれかの意見がたしか出ておったようでありますが、もしそんな意見が出たら大臣はどのようにお考えになりますか。
#149
○国務大臣(山内一郎君) 利益が出ているというふうに私は考えていないわけでございます。いわゆる損益勘定においては電話料とそれからいわゆる一般経費の支出との差は確かにございます。しかし、それが資本勘定に繰り入れられまして、さらに建設勘定に繰り入れまして、いわゆる電電公社の経理というものはその三つの勘定が一本になって経営するものでございますので、それを全部一緒にしますと全然利益はあり得ない、いわゆる損益勘定で出ました黒字というものは設備投資あるいは現在の電話の施設の維持に回す、こういうふうに三つの勘定の合計がそういうふうに相なっておりますので、これは決して金が余ってどこかのところへしまってあるというような性格のものではないということをPRをいたしておきます。
#150
○長谷川信君 次に、郵務局長にお尋ねいたしますが、今回の料金改定でどの程度の増収を見込んでおられますか。
#151
○政府委員(魚津茂晴君) お答え申し上げます。
 昭和五十五年度から五十七年度までの三年間におきまして約五千四百億円の増収があるものと見込んでおります。増収率で二一・四%、こういうふうに見込んでいる次第でございます。
#152
○長谷川信君 それでは、その値上げをもししなければ今後累積赤字がどの程度進むのか、その点ちょっと。
#153
○政府委員(澤田茂生君) お答え申し上げます。
 郵便事業財政は、昭和五十四年度におきまして単年度で二百二十四億円の欠損を生じまして、五千四年度末における累積欠損金が二千百二十四億円、これはただいま大臣の御答弁の中にもあった数字でございまして、きわめて逼迫した状況でございます。
 仮に料金改定をしないでそのまま推移いたしました場合、五十五年度以降赤字はますます増大してまいりまして、単年度で五十五年度が約八百億円、五十六年度が約千四百億円、五十七年度は約二千百億円、五十八年度が約二千八百億円という欠損でございまして、五十八年度末における累積欠損金、この赤字のトータルが単年度収益とほぼ同額の約九千三百億円にも達する、こういうような状況になる見込みでございます。
#154
○長谷川信君 それからこの郵便物のうち、葉書、小包、いろんな種類があるわけでありますが、どれが一番赤字の要因というか、赤字を発生しているというか、たとえば小包、葉書、それから封書、いろんなものがあるわけでありますが、最も赤字になっておるもの、あるいは最も利益の出ておるもの、若干参考までにちょっとお聞かせいただきたい。
#155
○政府委員(澤田茂生君) 昭和五十四年度について申し上げますと、赤字のうち最も大きいもの、これが第二種、葉書でございまして、六百十三億円でございます。続いて大きいのは小包でございまして、四百九十一億円ということでございます。
 黒字の方は、第一種それから特殊取り扱い、通常の書留、速達、こういったものが黒字が出ている部門でございます。
#156
○長谷川信君 この間十月一日に小包料金を上げましたが、若干日数が経過いたしておりますが、取り扱いの推移が値上げしたことによってどの程度ダウンしているか、その辺ちょっと御説明いただきたいと思います。
#157
○政府委員(魚津茂晴君) 十月一日に小包郵便物につきまして料金を改正させていただいたわけでございます。それで、料金改定後一月余りでございますので、全国的な状況を正確にはいまだ把握いたしておりません。しかしながら、私たちといたしましては、料金の改正による郵便物数への影響ということは可能な限り把握をしなくちゃならないことは当然でございますので、私たちさしむきは全国の主要局ということで、六十六局を各郵政局管内ピックアップいたしまして、それによる傾向を把握しているところでございます。それによりますと、十月の一日から十五日までの小包郵便物の引受状況は昨年の同期間に比べまして約二六%程度の減少を示している。ただ二六%の減少ということを、そのまま数字を見るということじゃなくて、十月一日の改正の前に俗に言う駆け込み差し出しということが従来から料金改正時前にあるわけでございまして、その駆け込みの数字も考えてみますと、大体駆け込みの差し出し状況というのは、九月二十四日から三十日までの一週間をとりますと実に八〇・二%増加いたしております。八〇・二%の増加と、ただいま御説明を申し上げました十五日間の二六%の減少というものをどう見るかという点については、いましばらく私たちは推移を見て、また全国的なデータを可能な限り集めまして解析してまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#158
○長谷川信君 二六%の落ち込みだということでございますが、今度二十円を四十円にしたらかなり落ち込みするのじゃないかというふうな感じがするんです。来年三月まで三十円ということでございますが、四十円にしたら、やっぱり町のちまたの中にも今度高くなったから書けないなというふうな話も出ているくらいでありますから、その辺、郵政省としてはどんな見当をつけておられますか。
#159
○政府委員(魚津茂晴君) 私たちは、料金改定によって物数の動向に具体的にどのような影響が出るかということは、過去のデータをもとにして予測するという方法しか実はございません。将来的ないろいろなファクターを考慮しながら考えるということももちろんできないわけじゃないと思いますが、仕事の面の一応データといたしましては、過去の傾向値から類推をしているという手法でございます。昭和三十年この方、物数はどのような増減の動向であったか、そういうようなことから一つの傾向値を求めております。それからいま一つは、過去に料金が一%増加するとそのことによって物数減にどのように具体的に影響があるかというようなことも計算しているわけでございます。
 そういったような手法で見てみますと、五十五年度の見込み物数といたしまして、料金改定が十月一日から――もちろん十月一日という実施は衆議院の段階で修正されているわけでございますが、一応私たちが用意いたしておりますところのそのデーターという意味で、四月から九月までは従来のぺースで二・六%増加する、そうしまして十月から三月までは料金改定の影響によりまして三%程度減少して、年間といたしますと五十四年度に比べまして〇・七%減少するというふうな五十五年度の見込みを立てております。
 また、五十六年度におきましては、四月から九月までは四・一%程度減少するのに対しまして、十月から三月までは料金改定の影響も過去の傾向、データから判断いたしまして次第に少なくなるというふうに見込んでおりまして、〇・四%増加するということから年間では、五十五年度の見込み物数でございますが、その見込み物数に比べまして一・五%減少するものと見込んでおります。
 また、五十七年度におきましては、料金改定の影響もなくなるということから、五十六年度に比べまして三・三%の増加を見込んでいる。
 大体、料金改定後の三年間の見込み物数の考え方、以上説明したとおりでございます。
#160
○長谷川信君 次に、また大臣にお伺いいたしますが、三種、四種の郵便料金について一般会計から負担をしてもよろしいというふうな意見も出ておるくらいでございますが、これはたとえば農産の種子だとか、あるいはきわめて公共性の強いものだとか、福祉関係のものだとか、いろいろいまお考えになっていらっしゃるようでございますが、衆議院の逓信委員会でも大臣が御答弁なさったと思いますが、さっきも郵務局長から目下ややいろいろ前向きで検討しておるというような感じの答弁があったわけでございますが、この点、大臣からできる限り前向きというか、明確と申し上げますか、可能な限りひとつはっきりしたもので御答弁をいただけませんかということであります。
#161
○国務大臣(山内一郎君) 今回のいろいろ値上げ案がございますが、その中でも第三種の料金の値上げをもっと低減してもらいたい、こういう陳情が一番多うございます。また、いろいろこういう委員会の御審議においてもそういう御発言が多数あるわけでございます。一応、郵政審議会に値上げの案というのを御検討いただいているわけでございまして、第三種の基本となるものは十五円が三十五円にすべきである、こういう案をいただいているわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたようないろんな御意見が多数ございますので、次の郵政審議会におきましては、十分ひとつ委員の先生方にその点を申し上げまして再検討してもらおう、こういう考えでいるわけでございます。
#162
○長谷川信君 再検討していただけるということでございますが、これは各党とも恐らく同じ共通した意見というか、考え方でないかと思うんです。どうか十分ひとつ大臣から検討を加えていただいて、私どもの気持ちが通るようにお願いを申し上げ、また御要望を申し上げておきます。
 それから葉書と封書、葉書が四十円、封書が六十円ということでございますが、これは世界のいろんなデータを見ますと、国によっては葉書も封書も同じ金額でやっているところがあるんですね。それから格差がほとんど縮まっているところもかなりある。したがって、今度封書と葉書は二十円の差になったのでございますが、その辺どういうものですかね。コストは、手紙で便せんを二、三枚入れたのと葉書と重さはそんなに違わないと思うんですよ。そういう計算を郵政省でやっていらっしゃるかどうかわかりませんが、どのくらいコストが違うものなんですか、一枚当たりで。
#163
○政府委員(澤田茂生君) 大体封書と葉書のコスト比較でございますけれども、封書のコストの七割程度が葉書、そのぐらいのコストの比率になっているというふうに御理解いただきたいと思います。
#164
○長谷川信君 それは一応了解できます。
 それから最後に、料金改定案のいまの物価に対する響きですね。郵政省からのこの資料によりますと、〇・一二%しか物価に響かないというようないろいろ資料が出ておりますが、何よりも少ないという説明でこれは結構な話だなあと思って見ておったのでありますが、たばこよりも少ないし、電灯よりもガスよりも、すべてのものよりも少ない。もっとも書かないからあるいはそうかもしれませんね、それは本当に書かないんだから。何にも書かなければただだということになりますから。だから、その辺、〇・一二%というのは、このくらいならやむを得ないなあというふうな感じもするんですよ。しますが、その辺もうちょっと詳しくひとつ説明してください。
#165
○政府委員(魚津茂晴君) 消費者物価に与える影響といいますか、消費者物価指数に与える影響これは十月一日から上がるという計算をしますと〇・〇四%、こういうふうに計算しております。したがって、十月一日からの実施というものがすでに見送りになっている事実ははっきりしているわけでございまして、本年度の消費者物価指数に与える影響はそれよりも少なくなる、こういうことでございます。
 また、家計に与える影響でございますけれども、小遣い、つき合い費というものも事実上郵便の料金を支払っているというような実態もございますのですが、そういったものを含めてみましても、五十五年度におきまして一世帯一カ月当たり約百円程度の負担増になる、こういうわれわれ推定をいたしている次第でございます。
#166
○長谷川信君 その点、了解いたします。
 それから次に、弾力化の問題でございますが、先ほどからもいろいろ議論されておりますが、これはほとんど各国ともみんなやっていますね、いまこの弾力化というか法定制弾力化的なものは。これはしかしやりますと、イギリスのように二十七年から五十五年で三十年くらいの間に十三回も上げている、アメリカは八回も上げている、フランスは十回も上げているというふうに、細かく日本もやっぱりそうならざるを得ないと思うんです、弾力化でもって細かい計算でやって機械的に上げれば。そういうことで、この前五十一年に一躍倍にした。国会でいろいろ審議をしておると期間は長いけれども上げるときはばさっと上げる。上げるというか上げたわけでありますが、今度弾力化になりますと、いわば先進国のように、先進国と言っていいのかどうかわからないが、いわば小刻みな値上げの形になると思うのであります。私はそう思います、ほかの国の例から言って。その辺、ここでもしこの法案が通過して値上げを御承認いただいたら何年くらい一体もつのか。それからその後イギリス並みに十三回も一年置きくらいに小刻みにちゃかちゃか上げるのか。その辺、郵政省の考え方をちょっと承っておきたいと思います。
#167
○政府委員(魚津茂晴君) 料金決定の特例措置を御提案しているとおり御承認になったということを前提にいたしまして、今後の郵便の収支見通し、この特例措置は御案内のとおり現在の累積欠損金が解消されるまでの間ということでございまして、一体解消されるまでの間というのはいつなんだ、当分の間といってもわからないというような当然国民の皆様の声があると思います。
 そこで、私ども、まずこの料金決定の特例措置を御承認になったことを前提にしていろいろ計算してみたわけでございます。ただ現在、この計算をするにいたしましても、はっきりとした予測を立てるだけの確定的な資料がそろっているかといいますと、資料は必ずしもそろっておりません。しかしながら、いまあえて活用し得る資料を使用いたしまして、仮に人件費が六・七%、この六・七%という私たちの根拠は、郵政職員の人件費が過去四年間で平均してどれくらい上昇したかという数字を用いたわけでございます。その六・七%。それから物件費は五%程度。これは新経済社会七カ年計画で予定されておりますところの卸売物価上昇率五%及び消費者物価上昇率五%。十年間展望するのに七年しかない資料を使うこと自体にも問題がございます。ございますけれども、最初に申し上げましたように、活用し得る資料ということになると、私ども七カ年計画の中に示されている数字ということでやったわけでございますが、そういった数字を使いまして、そしてまた収入の面は、物数といたしまして昭和三十年度以降の長期的傾向と過去の料金改定時における料金改定前後の物数動向をもとに推計いたしまして収入を計算しました。
 そういう前提条件で申し上げますと、五十七年度以降二回の料金改定を行うとするならば、今後十年間程度で累積欠損金の解消を図ることができるという結果が出ているわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、こういう十年間と不確定な要素を承知しながら、また必ずしもコンセンサスを得られる根拠という形ではございませんけれども、活用し得る資料を使いまして出しましたけれども、早期に累積欠損金を解消いたしまして事業の健全な経営を図るよう努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
 なお、料金決定の特例措置を御承認していただくとすれば、先生先ほど来おっしゃっておりますように、アメリカですとかあるいはイギリス、フランスのように小刻みな回数が傾向として多くなるのじゃないかというようなお話ではございますが、私ども適時適切というような一つの立場で臨んでいくわけでございますけれども、しかしながら、御案内のように物価等変動率というような上げ幅の上限の問題がございます。そうなりますと、三円上げる、四円上げるというようなことでもいかがかと思いまして、私どものいま持っておりますところの条件つきの試算によりますと、十年間で二回程度というふうに思っている次第でございます。
#168
○長谷川信君 十年間で二回というのはしかと記憶いたしておきますから、ひとつ間違いがないようにお願いを申し上げたいと思います。
 局長、ここに国鉄が弾力化になってからのデータがございますが、五十一、五十三、五十四、五十五、毎年上げていますね、国鉄は運賃も貨物も。これは世界の外国の例だけでなく、国内の例からしても弾力化すれば小刻みになるということは、これはやはりそういう趨勢にあると思いますね。私はそう思いますが、いま局長さんから、いやそんなことはないんだ、十年間で二回も上げれば事が済むので心配するなという話でありますから、私ども十分それはメモリーしておきまして、間違いがないようにひとつ要望をいたしておきます。
 それから物価変動率という言葉、いろいろこの中で議論されておりますが、外へ出ますと物価変動率というのはなかなか理解がむずかしいと思うんです。だから、この機会にわかりやすく国民の皆さんに物価変動率とはいかなるものであるかということをちょっと御説明いただきたい。
#169
○政府委員(魚津茂晴君) 物価等変動率という概念といいますか、具体的な計算方法、これは法制的には政令にゆだねられていることでございまして、政令の確定しない間はその限りにおいて確定版ではございませんけれども、考え方ということで御説明さしていただきます。
 なお、この物価等変動率というのは至って技術的な点もございますので、本来ならば黒板でも使わせてもらってという気持ちもするわけでございますが、ここではできるだけ言葉で御趣旨に沿って若干御説明をさしていただきたいと思います。
 まず、物価等変動率というものの基本的な考え方という点についてでございますが、物価等変動率は郵便事業の経費の変動に影響を与える一般の物価、賃金の変動分を客観的に算定するための率でございます。したがって、物価等変動率は一般の物価、賃金の変動そのものを示すものではなくて、一般の物価、賃金の変動が郵便事業の経費にどの程度影響を与えるかを示す客観的な指標である、こういうふうに申し上げることができると思います。
 そこで、算定方法でございますが、物価等変動率の算定は、具体的に申し上げてみますと、まず、前回の料金改定が行われた年度から料金改定をしようとする年度までの経過年数を勘案いたしまして、この間における卸売物価指数、消費者物価指数及び賃金指数の上昇率を、これらの指数が適合する郵便事業の経費の構成割合により加重平均することによって行われる。
 至って百科全書的な説明になりましたが、そこで、こういったようなことで計算を例示的に一つ申し上げさしていただきたいと思いますが、仮に今回の料金改定を、五十一年の一月に料金改正が先回あったわけでございますが、それから物価等変動率を考えて今回その料金決定の特例措置によって上げ得るという制度になっていたと仮定すれば物価等変動率が四七・一%に相なるわけでございます。
#170
○長谷川信君 どうも説明がむずかしくてちょっと理解できませんが、ここでなくて窓の外の一般の国民の皆さんにこれが簡単にわかるような説明の仕方というのはないものですか。私どもも聞かれるんですよ。物価変動率というのはどういう基準になっているのだか聞かれるとなかなか説明ができないので、もっと小学校の四年か五年くらいでわかるような説明の仕方というのはないものですか。
#171
○政府委員(魚津茂晴君) 四七・一%という数字をいま申し上げたわけですが、その四七・一%という数字のはじき方を具体的にちょっと御説明さしていただきたいと存じます。
 各種の指数といたしまして、卸売物価指数、消費者物価指数、賃金指数というものを使うわけでございます。これは公的な客観的な数字ということでそれぞれの官署から発表になるものでございますが、この卸売物価指数というのが先回の料金改定後にどのような変化があったかといいますと、卸売物価指数というのがその間に一一一・九になっているわけでございます。先回の料金改定後今回やるという前提に立った場合に一一一・九になっております。消費者物価指数は一二七になっているわけでございます。そして賃金指数は一三七・九に相なっているわけでございます。
 ところで、これの卸売物価でございますとか、消費者物価でございますとか、賃金というものを、郵便事業としてその影響というのはどの程度の影響があるかということを計算しなくちゃなりません。そういう点からいたしますと、卸売物価の変動に強く影響されると認められる郵便事業の経費の割合は〇・〇二七というふうに計算をするわけでございます。それから消費者物価の変動に強く影響されると認められる経費の割合というのは〇・〇九一ある、郵便事業の経費ということで。それから賃金の変動に強く影響されると認められる経費の割合が〇・八八二でございます。そうしますと、物価等変動率の算出といたしまして、卸売物価指数というものは百分の百十一・九掛ける〇・〇二七、こういう計算をいたします。それから消費者物価指数は先ほど一二七になっているというふうに申し上げましたが、百分の百二十七に、変動に強く影響されると認められる経費の割合は〇・〇九一でございますから、〇・〇九一を掛けるわけでございます。そして最後に、賃金指数というのが一三七・九に相なっていると御説明いたしましたが、百分の百三十七・九掛ける〇・八八二、それぞれのいま申し上げた数字を足すわけでございます。足しましたものに四分の五乗いたしますと一・四七一という数字が出まして、物価等変動率四七・一%こう申し上げても私の説明のつたなさもありまして御理解しにくいと思いますが、大体の仕組みを御理解していただけたかとも思う次第でございます。
#172
○長谷川信君 一応理解をいたしました。
 それで、官房長、それから大臣にちょっとお聞きいたしたいと思いますが、さっきも大森先生からお話ございました郵政審議会、これは私も余り専門的なことはわかりませんが、いわば各省のそういうその種の審議会というのは、要するに役所にないところの活力あるアイデア、あるいは企画、あるいは物の考え方、そういうものを注入するためのものだと私は解釈いたしております。いまの特に郵政業務とかあるいはいろんな公共関係のものがいろいろアイデアが不足しておったり、あるいは企業精神が欠如している面がないとは言えない、そういう面をこの審議会のいろいろな御意見で補正していこうということが審議会のたてまえじゃないかと思うのでありますが、そういう趣旨からすると、私はいまどなたがどういうメンバーでどうなっておるかということはよく承知いたしておりませんが、そういう趣旨に合致しておりますかどうですか、いまの郵政省の審議会というものは。官房長からお答え願って、その後大臣からちょっと。
#173
○政府委員(奥田量三君) 御指摘のとおり、郵政審議会は、単に郵便と限りませず、郵政省所掌の重要な事項について調査審議していただくという重要な役割りを担っているものでございまして、そういう意味からかねて広く国民の意見が反映されるように各界の有識者をなるべく網羅するようにその構成については配意してきているところでございます。もちろん、この構成については見方によっていろいろ御意見、御議論はあろうかと思いますが、現在の審議会の構成の中におきまして、たとえば言論界あるいは労働界あるいは消費者の代表の方あるいは御婦人、そういった形で現在の審議会はかなり広い範囲にわたって各界の意見を拝聴できるような構成になっている、かように考えている次第でございます。
#174
○国務大臣(山内一郎君) 官房長からいま述べたとおりでございますけれども、委員会の御審議でもいろいろと御発言があるわけでございます。それからもう一つは今度は料金の法定制の緩和、こういう問題も取り扱うさらに重要な郵政審議会に相なるわけでございます。したがって、その点十分諸先生方の御意見を取り入れたり、ほかの審議会の調査をやったりいたしまして再検討したい、こう考えておるわけでございます。
#175
○長谷川信君 いま大臣から再検討するというお話でございますが、私も若干そういう感じはするんです。もし本当に民間の活力とアイデアと企業的なものがどんどん注入されておれば若干いま郵政業務は少し変わっておったかもわからない。十年、二十年前と変わってはおりますが、その辺いろいろ議論は分かれるところでございますが、そういうものの活用というものをいま大臣おっしゃいましたように見直して、この審議会の活用を図っていただくということを私は大臣から御答弁いただいて非常にありがたく存じているわけでありますが、特にこの弾力性が適用された場合なおさらこの審議会の任務というものは非常に私は責任が重くなると思う。あるいは責任が重くなると同時に非常に重要な使命というか責務があると思うのでありますが、そういう面でいま大臣が御答弁されましたように、この審議会、申し上げたようなことに合致をするようにひとついろいろ努めていただきたいということで、いま大臣やるとおっしゃっておりましたので了承いたし、また御要望も申し上げておくわけであります。
 次に、この料金の改定、もしこれが通ったとすればやっぱり国民の要望の中の一つに郵便業務といえども合理化すべきであるという意見が出ると思うんです、また現に出ておると思うのでありますが。先ほどお話申し上げましたように、何しろ一軒一軒配達するものだから合理化をやるといったってこれには限度があることは私どもよく承知いたしておりますが、しかし、やり方によってはまだまだいろいろ検討を加える余地があるような感じもいたしておりますし、またできるのではないかと思いますが、それらの点、局長からいろいろ御説明いただきたいと思います。
#176
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便事業の収支を改善するためには、御提案を申し上げている内容について御承認をいただくというお願いと同時に、私たち自身でなすべきことといたしまして合理化、効率化をいたしまして経費の抑制をするということがいま一つ重要なことであることは先生の御指摘のとおりだと思うわけでございます。
 そこで、私たちいままで何をしてきたか、そして今後何をするのだという点について御説明さしていただきたいと存じますが、いままでやりましたのは、まず郵便番号制を採用いたしました。そして郵便番号自動読み取り区分機の導入を初めとする局内作業の機械化を進めてまいりました。一方、大型通常郵便物や小包郵便物を専門的に処理する集中局の建設をいたしました。この集中局の建設という点は諸先生方すでに御案内と思いますが、東京にはたとえば大型通常郵便物の処理をする専門の集中局といたしまして晴海の集中局をつくりました。小包の集中処理局といたしまして東京には南部小包集中局、北部小包集中局、こういったことでございます。それと同時に、大阪におきましても小包集中処理局をつくった次第でございます。そして外務作業における機動化の推進も行ってまいりました。つまり従来自転車で作業をやっていたところに、機動化することによってメリットが期待できる条件のところに機動化の推准も図ってまいりました。
 こういうのが大体いままで進めてきたところでございますが、今後どういうことをやるのだということでございますが、まず局内作業では、郵便番号制を前提とした郵便番号自動読み取り区分機を引き続いて配備していく。特にこの自動読み取り区分機は、どちらかといいますと、いままで大型の区分機ということで多数の郵便物を処理する大局に配備していたわけでございますが、今後はもう少し中規模の局に配備して効率的な作業が可能になるというような区分機を予定いたしております。それから選別取りそろえ押印機等、こういう各種の機械類も導入してまいります。さらにバーコードや音声入力による郵便物処理等――バーコード処理方式とか音声入力装置というのは、これも至って技術的なことでございますが、簡単に申し上げまして、数字なり記号を白黒のバーによって表示して機械処理をするというような処理でございますとか、いままで小包局におきましては打鍵をしていたわけでございますが、打鍵にかえまして、音声で、声で番号を読み上げれば、その声といいますか、声紋といいますか、そういったものによって区分をし得る装置でございますが、そういったようなものを開発してまいりまして、一日も早く実用に供したいというようなことでございます。
 そして、局外の作業、外の作業でございますが、集配作業の機動化の推進を続けると同時に小包の外部委託。大部分の局はいまだに小包は郵政職員みずからが配達をしているわけでございますけれども、いろいろの条件を設定いたしまして、それを充足するようなところには外部能力を活用する、簡単に言いますと請負化するというようなことでございます。
 それから集配作業環境を整備するため集合受け箱の設置をする、さらに住居表示制度の実施促進などを進める、こういうことも考えております。
 それから輸送面。郵便物をあるところからあるところに輸送するという面では鉄道輸送の専用自動車化あるいは協同一貫輸送の推進、輸送容器の改良。輸送容器の改良と申しますのは、たとえばいままでの郵袋というもの、コンテナというようなものの容器を改良するというような点も考えております。
 それから郵便物の処理システムという点につきましては、集中処理局の建設も、たとえば神奈川でございますとか、それから名古屋、そういったところに考えていると同時に、区分機の有効活用のための集中差し立て、この仕組みを推進してまいるつもりでございます。
 最後に、サービスの適正化というようなことも、世論の動向、世論の理解と支持を得ながら進めてまいる必要はございますけれども、そういった中で、配達の一度化の問題ですとか、窓口取扱時間の短縮、こういったような点についても検討を進めて、条件が整っているというふうに判断をし得て、国民の皆様方から御理解を得られるとすれば、この辺についても積極的に進めてまいりたい。
 以上、いろいろ申し上げましたが、いままでとってきたこと、今後やる計画を持っていることを説明さしていただいた次第でございます。
#177
○長谷川信君 それから郵便を一日に二回配達している区域か四〇%ぐらいあるということでありますが、これも私、数をよけい配達するということよりも、たとえ一回であっても迅速にやっていただくということが大事じゃないかというような感じがするんです。私のところの田舎で、結婚式の案内状が来たから、行ったら終わっていたなんということがございまして、怒られてひどい目に遭ったことがある、これは五、六年前の話ですけれども。行政区域の入り組んでいるところで、いろいろ調べたらやっぱりそういうこともなきにしもあらず。だから、一日に二回、三回配達するということよりも、一回でむしろ確実にやっていただいた方がいい場合もあるし、諸外国の例からすると、イギリスが二回やっているくらいで、あとは余り二回やっているところは少ないというふうな話を聞いておりますが、その辺、局長、外国の例もさることながら、郵政省としてのそういうものに対する物の考え方を説明していただきたいと思います。
#178
○政府委員(魚津茂晴君) 従来、伝統的に郵便の市内区と称するものがございます。市内区というのは、郵便局の所在地、それに連檐する地域、こういうのを市内区と言いまして、全国でこの市内区に当たる集配区がおおよそ四七%程度あるわけでございます。一方、それ以外のところを市外区と称しているわけでございまして、その市内区につきましては二度配達をやってまいりました。
 しかしながら、いま先生おっしゃったように、いろいろ世論には御意見が多様的なものがございまして、その辺見きわめていく必要がございますけれども、最近は一度でいいのじゃないだろうか。それは、その受けとめる家庭のいろいろの条件、それから現在の二度配達をいたしておりましても、大体その局によって若干の相違がございますけれども、一号便でおおよそ八三%程度配達をするわけでございます。二号便で配達するのは一七%程度、こういう実態が出ている面もございます。そういったことから、一度でいいからもっと正確に配達をする、そしてまた一度によって減量経営をすることによりまして、そのメリットを郵便事業の体質強化のために使えるとすればというような意見も次第に強くなっていることは事実でございます。
 そこで、郵政省といたしましては、もちろん今後の郵便利用への影響はどうかとか、あるいは利用者の理解と協力を得られるかとか、そういう点はもう少し詰めてみなくちゃなりませんけれども、いま申し上げたような観点から、今年度末と申しますか、来年の三月末を目標にいたしまして、全国で、局数はまだ確定はいたしておりませんが、二十数局程度二度配達していた局を一度にするということの影響、世論の動向を見きわめたい、こういうことで計画を持っているわけでございます。そういった点、組合にもいろいろ労働条件の変更が出てまいりますので、組合の方ともルールに従って話をしながらこの実験をぜひ進めさしていただきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#179
○長谷川信君 次に、新しいサービス方法として電子郵便が実施されているというふうに聞いております、これは日本でなくて外国で。先進国であるわが日本国、この電子郵便について郵政省はどの程度まで作業が進んでおりますか、あるいは研究が進んでおりますか、その点ちょっと。
#180
○政府委員(魚津茂晴君) 電子郵便の先進国の今日の取り組み模様を若干申し上げまして、その後、私たち郵政省としてはどう取り組む気持ちであるかという点をお答えさしていただきたいと存じます。
 まず、電子郵便は、現在アメリカを初め諸外国におきましても積極的に取り組んでおります。また、郵便の世界的な連合としてUPUというのがございますが、このUPU、万国郵便連合でも昨年ブラジルのリオデジャネイロで大会議をやりましたが、そこにおきましても電子郵便について研究することを決議している、こういう情勢でございます。アメリカにおきましても、いろいろと一九七〇年から開始したメールグラムというようなもののほかに、現在新しいシステムの電子郵便を計画中でありますとか、西ドイツにおきましても本年六月から六百局でサービスが開始されたとか、その他イギリス、オーストラリア、フランス、スウェーデン、スイス等におきましてもサービスの試行または計画が予定されているというふうに伺っている次第でございます。
 そういった世界の情勢というものをわれわれが承知をし、そのことを勉強しながら、私たちも積極的にこの電子郵便というものを今後郵便が発展するきっかけにぜひともしたいという意向もございまして、郵政省では昭和五十年の八月に電子郵便研究会を設けまして、いま申し上げた諸外国の事情を十分勘案しながら鋭意検討してまいりましたが、これらの成果を実施に移して検討する段階に至ったと判断いたしまして、昭和五十五年度予算において電子郵便のシステム機能の調査研究費として約一億円を計上しているところでございます。目下、昭和五十六年三月にこの実験のシステムを設置することを目途に鋭意具体策を策定中でございます。
 この実験サービスの内容といたしまして、これもごく大ざっぱに申し上げますと、東京中央局、大阪中央局、名古屋中央局に高速のファクシミリ送受信装置を設置いたしまして、いま述べました三局の窓口で引き受けて、同装置で伝送した後速達扱いで配達するということにいたしております。配達地域は、東京二十三区、大阪市内及び名古屋市内、こういうものを実験のサービスエリアというふうに考えております。料金とか、取り扱いの手続とか、法的な問題もいろいろございますが、そういった点についても、こういう計画をすると同時に並行して研究し論議を尽くしまして、できるだけこの実験から本格的なサービス開始に進みたい、こういう意欲でやっておる次第でございます。
#181
○長谷川信君 次に、サービスの改善の関係でお聞きをいたしたいと思いますが、最近人口の移動がかなりやはり顕著に出ておりまして、いわば地方の時代を迎えつつあるわけであります。したがって急激に膨張する都市は多いのでありますが、それらに必ずしも郵便業務が並行していっておらないような場所がかなり散見されるようであります。したがって、そういうところにいろいろ施設をつくらなければならぬと思うのでありますが、そういう面ではかなりおくれておるような気がするんです。いろいろおくれておる点がございますね。たとえば鉄工団地をつくるとか、卸団地をつくるとか、いろんな地方二十万、三十万都市どんどんやっているでしょう。そうすると、町の中と同じような状況になっておりますが、速達も取り扱わない、あるいは窓口事務もやっていない、非常にいろいろ文句を食らっているわけでありますが、こういう点をやっぱり郵政省はお考いただいて、余り期間を置かないでやっていただきたい。
 この間も何か町のど真ん中だと思ったら、おれのところ速達来ないんだなんか言っていまして、聞いてみたら前は原っぱだったけれども新しい団地ができちゃったというふうなことで、やっぱりそういう変化というものにある程度郵政省も即応してやっていただきたい。やっているとは思いますけれども、ややもするといささかおくれておるところが散見されているようでありますので御注意もいただきたいし、局長からそのような点ちょっと御説明いただきたいと思います。
#182
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便の課題として、いま先生申されたことに関連して言いますと、近郊発展地に即応した郵便サービスを維持するという問題と、いま一つは過疎化の地域は過疎化の地域としての措置をする、こういう対応がぜひ必要だと思っております。
 そこで、いま近郊発展地というような点についての郵便サービスの維持対応策というようなものでのいろいろのお話がございましたが、まず窓口機関なんでございますが、窓口機関と申しますと、端的に申し上げますと、私たち郵政省におきましては、毎年百二十局、無集配の特定局を予算上認めていただきまして、それによって手当てをしている次第でございます。
 ちょっと具体的に申し上げてみますと、大都市及びその近効発展地として人口増加の著しい、とりわけ東京、大阪、神奈川、埼玉、千葉、愛知、兵庫、こういう一都一府五県につきましては、昭和四十五年から昭和五十五年までの過去十年間における人口の増加と郵便等の窓口機関の増置状況を見ますと、人口はこの一都一府五県におきまして一七%の増加となっているわけでございますが、窓口機関、これは約一千局を増置した結果、約二一%の窓口機関の増加ということに相なっている次第でございまして、この点から見ますと、マクロ的に申し上げますと人口の増加を上回ってもおりますし、人口の増加あるいは近郊の発展というものに対応できているというふうに思っているわけでございますが、ただ個別的な地域というものについて見ますと立ちおくれているということがないわけじゃございません。そういったような点は郵政局からのいろいろ声を聞きまして、また直接地域住民の方々の声に耳を傾けまして対応してまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
 それから速達の問題でございますが、速達の問題は、現在全国で約三千五百万世帯ございますが、この速達の地域内の世帯数というのは九一%程度でございます。三千二百万世帯が速達の配達地域内ということで、現在三百万が速達地域外ということに相なっているわけでございます。そこで、私ども五十年度から五十四年度までの間、五年間に約十四万世帯を速達配達地域内に編入してまいりました。さらに今後五十五年、五十六年度にこの速達地域の拡大をするということをお客様へのサービスの観点から重要施策として進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
   〔委員長退席、理事成相善十君着席〕
#183
○長谷川信君 次に、断定的なことも言えないかもわかりませんが、いわば郵便局の窓口のサービスというか対応が不親切であるというふうな、若干やっぱりそういう声が出ていますね、全部が全部ということではもちろんございませんが。私はやっぱりこれからの現業、特に郵便、保険、貯金は、銀行へ仮に預金に行きましても「毎度ありがとうございます。」、「いらっしゃいませ。」と言って、サービス、やっぱり応対が郵便局よりはるかにいいと思うんですね。そういう面で、これは何も金のかかる問題でもないのでありますから、一般の人は局長さんとか課長さんとは用がないので、ほとんど九九・九九%が郵政省との接触は郵便局あるいは貯金、保険の窓口です。この窓口の応対が悪いと、幾ら局長さんが真剣になって、大臣が一生懸命やられても、やっぱり何だ、郵便は横柄じゃないかという声になると思うんですね。だから、この窓口というのはよほど気をつけていただかなければならない。むしろこれが逆によくなると、これはまた非常に本当に評判がよくなるんです。われわれが思っているよりはるかにまた好評になるかもわからない。
 ある市役所の市長が私に言っておりましたが、うちの女の子の職員を一週間くらいデパートに見習いにやらした、それで帰ってきて受付をやらしたら非常に評判がよくなって市民から御好評をいただいたといってある市長が喜んでおりましたが、そこまでやる必要があるかないか、あるいはできるできないは別として、そのくらいのことは、これは金のかかる問題じゃないんですから。本当に一般の国民大衆の接点は窓口です。この窓口さえよければ本当に見直してくれる、あるいは協力もしてくれるし、あるいは貯金だっていま五十七兆円のものが七十兆円ぐらいまでさっと上がるかもわからぬということでありますので、これはちょっと考えたらどうですか、窓口業務のそういう応対の改善というものについて。そんなに金のかかる問題じゃないですよ。郵政省がかしがるほど金がかかることじゃ全くない、ただだから。それは局長、ひとつお考えできますか、どうですか。
   〔理事成相善十君退席、委員長着席〕
#184
○政府委員(魚津茂晴君) 先ほど来からこの郵便事業は企業性という一つの大きな柱がある、その企業性ということから私たちはやっぱり郵便局を利用していただく方々をお客様として受けとめる、お客様意識ということが当然出てくると思います。お客様というふうに利用していただく方々を見るならば、当然親切に接遇をするということが出るわけでございまして、まさに長谷川先生先ほど来おっしゃっていること、私たち全く同感でございまして、そういったいろいろのことを郵便事業が課題として持っておりますけれども、その課題の一つとしてお客様に親切にするということを当然数えなくちゃならぬ、こういうふうに思っております。事実、私ども郵政研修所でございますとか、あるいは職場における訓練あるいは日常における接触というあらゆる機会を通じまして、応対の基本的な心構えでございますとか具体的な方法を指導してきているところでございます。このような問題というのは、何と申しましても日常からのじみちな指導の積み重ねが必要でございまして、さらにこれにはずみをつけるというような施策も必要であろうかと思います。
 そういうようなことで、毎年六月と十月をお客様との応対サービス向上のための推進月間というふうに設定いたしまして、職員のお客様意識の向上を図り、よりよい応対の定着に努めてまいったところでございますが、なお、いろいろとお客様の声の中には、郵便局の窓口は依然として不親切である、銀行等の金融機関に比べると何か暗いとかマナーがどうとかこうとか、そういったような先生御指摘の観点から、個々の局の中にはまだまだ直さなくちゃならぬ点があろうかと思います。そういったようなことを踏まえまして、今後とも一層適切な応対が行われるように、こういった機会にさらに心を新たにして進めさしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#185
○長谷川信君 いまのお答えで結構でありますが、何か心構えということでなく、具体的にひとつこういうことをやろう、ああいうことをやろうというふうなことを検討していただきたいと思うんです。さっき私が申し上げたことが、これは郵政省でそんなことできるかできないかわかりませんが、ある市役所でやったら本当に成功したんですよ。なかなか私は、あの市長は頭がいい、頭というか、やり方がいいと思いますね。受付の女の子をデパートへ一週間ぐらいやって訓練して、それで帰ってきて市役所の受付をやったらたちまち市民の評判がよくなって、ああ、あそこの市役所はいいなあということになった。だから、特に郵政省なんかも本当に、さっき申し上げますように、九九・九九%が窓口の応対で国民との接触の場でありますから、これはやっぱり少し改善する必要があると思うので、いま心構えということでございますが、具体的にいろいろその方法、方途を講じられてひとつ実施していただきたいことを御要望申し上げておきます。
 それからいろいろサービスの方法の中に、葉書に広告を出して金を取ったりサービスもしたりということでございますが、この間新聞を見たら、これはどうも余り当たらないなというふうな書き方も何かちょっと新聞に出ていましたですね、やってみないとわかりませんが。あるいは大当たりになるのかわかりませんが。
 それから「ふみの日」でもって手紙をよけい書くキャンペーンをおやりになっているようでありますが、これもなかなかまだそう徹底はしておりませんね。私も、二十三日に思い出して葉書を書いたなんということはどうもいままでちょっとないので、何か抜本的にもうちょっと新しい、それこそさっきの審議会の話じゃございませんが、民間あるいは企業あるいはいろいろ各種各層の企画、アイデア等を集約して、この「ふみの日」と葉書の広告ぐらいでいまの郵政省の赤字が直るとは私は思わない。もっとやっぱり基本的に根本的な対策を検討しなければということでございますが、これは別に悪いと申し上げているわけじゃございません。これだけではとてもいまの郵便業務の赤字解消、健全の促進ということにかなりやっぱり、それはスローテンポで、さっきお話しのように十年間たてばできるということでございますが、その辺いろいろ私ども若干心配もいたしているわけでございますので、そういう面についても真剣にひとつ検討していただきたいと思いますが、局長の心構えをお聞かせいただきたいと思います。
#186
○政府委員(魚津茂晴君) 先生仰せのとおりでございます。「ふみの日」の行事、これを国民に広く定着するような施策を講じていくとか、あるいは今回の法案で御提案をさしていただいております広告郵便物、これも私は従来の郵便というものの見直しというきっかけとしてそれなりに重要な意味を持っていると思いますので、この施策、行事がより広く定着し実効が上がるように進めてまいることは当然として、しかしながら基本的には、長谷川先生おっしゃったように、もっと日常的なじみな施策、それから一方また新しいサービスというものも絶えず創意工夫して国民の皆様方に提供するというような態勢、こういったことも必要だと思いますので、今後とも先生仰せの趣旨、全く同感でございまして、一歩一歩着実に私たち施策を進めてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#187
○長谷川信君 人事管理関係で人事局長にちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、郵政業務は非常に膨大な業務であり、職員は三十万人もいろいろ従事しているわけでございますが、いまの状態が決して悪いと申し上げるのではございませんが、好ましくはもっと質を向上していただければなおさらよいということであります。そういう面、今回の郵便料金の値上げ等々も踏まえて、もう値上げもして、だからやっぱりそういう面の改善もおさおさ怠ってはならないと思うんです。いまの状態がどこが悪いとかいいとかということじゃありませんが、要するに一般の声を聞くと、もっとよくしてくれという声が相当あると思うんです。また私も聞いております、そういうことも。だからそういう面で、いわばお勤めになっていらしゃる方の質の向上ということもそろそろこの辺で考えなければならない時期に来ているかもわからない。そういうことで、局長どのようにお考えでありますか、ちょっとお聞きします。
#188
○政府委員(岡野裕君) 先生から先ほど窓口職員の応対についてのお話をいただいたわけでございますが、また、先生おっしゃいますように、窓口職員はもとよりのこと、後方にありまして仕事をしますところの郵政職員、非常に人力依存度が大きいという意味合いからしましても、一人一人の職員が十全的にその能力を発揮できるようなそういう職場環境にいたしていかなければならないこと、お説のとおりだと存じております。
 そういうようなことで、郵政省といたしましても、以前から国家公務員としての意識の涵養といいますか、同時にまた、国営企業に従事をする、言いますならば事業人といいますような角度で認識を高めると同時に、その職責を十分営み得るような知識でありますとか技術でありますとかいうようなものもあわせて、もろもろの訓練、研修をしているところでございます。
 部内の研修は、郵務局長からもお話がございましたが、職場にあって知識、技能を授ける、あるいはその応対のマナーをしつけとして身につけていただくといいます職場訓練と、いま一つ郵政研修所といいます訓練専門機関がございまして、そこで行います訓練と二通りになるわけでございますが、後者の郵政研修所の訓練におきましても新任者あるいは新しくそのポストにつきました職員を対象といたしますところの新任者訓練、これにつきましては、新任業務訓練でありますとか、新任主任、新任主事訓練、あるいは新任管理者訓練等々といいますようなものがございます。それからまた、特殊専門的な知識、技能、これを身につけていただこうというような意味合いにおきまして、郵便計画の担当に当たりますような職員につきましての担当者訓練でございますとか、あるいは現任管理者訓練というようなものがございますし、もう少し広く将来大いにその資質を伸ばしていただいた上でこの機能発揮をいただこうというような意味合いにおきましては、郵政大学校の訓練を初めといたしまして、中等部の訓練でありますとか高等部一科、二科の訓練というような訓練体系を一生懸命考えました結果、いまそういったもろもろの訓練の中を通じまして先生おっしゃいますような職員の訓育に当たってまいろう、こんなふうに考えているところでございます。
#189
○長谷川信君 大臣、ちょっとお立ちでございましたが、最後に、お尋ねというか、お聞きをいたしたいと思いますが、郵政業務は大きな規模の仕事でございます。したがって人員も三十万人という、まさにそれこそ大変な規模のものでございます。だから、その三十万人の人、いまの状態が私はいま申し上げましたように決して悪いという意味で申し上げているのでなく、いま国民の要望の中に、できたらもっとよくやっていただけないかという要望が現に相当強いと思うんです。私もこの間までお世話になっておりましたから、ずっと各局回っておりますとやっぱりそういう感じを、若干感ずるような感じもいたしたのであります。したがって、そろそろここでまたいまの料金改正等も踏まえて、いわばお仕事をやっていただく方の質の向上というか、そういう面もある程度これからお考えいただかなければならない時期に来ているやに私は思うのでありますが、責任者である大臣にひとつその辺お考えいただいて、できる限りそういう面も配慮しながら郵政業務の推進にお努めいただきたいと思いますが、大臣の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#190
○国務大臣(山内一郎君) 私、郵政大臣に就任をいたしまして、こんなに郵便局、いわゆる郵政省のいろいろな業務が国民に密着して本当に国民のためにやらなければいけない、こういうことを痛感したようなわけでございます。そのためには国民の信頼を得ることが第一である。きょうは郵便でございますので、ポストに入れれば必ず到着する、貯金の場合は安全であるとか、こういう点でまず職員の皆さん方に信頼が第一である、こういう点を本日まで強調してまいったのでございます。そのほかに、長谷川委員の御指摘もございましたように、窓口における一般の方に対する接触する態度、いろいろ私も、毎日、新聞の投書欄を見ておりますけれども、いいやつもあるのですね。非常によかった、親切にやってもらった。しかし、中にはやはり態度が悪かったとか、いろいろ投書がたくさんございます。出ない日はないぐらいに、事郵便局の窓口の問題が出ているわけでございますので、そういう点は、悪い場合には担当者に対しまして十分にひとつ注意するように、こういうことで、要するに親切、それから信頼、こういう点をモットーにして郵政事業がさらに発展しますように、こういう努力をしてまいりたいと考えております。
#191
○赤桐操君 郵便料金の改正問題をめぐりましていろいろと巷間うわさが出ております。一方におきましては国鉄の再建の問題が出ておりますし、この二つの問題がいまや大変な政治的にも社会的にも大きな焦点になってきておると思うのであります。こうした中でささやかれる言葉は、郵便の方も第二の国鉄になるのではないかということがしばしば言われるような情勢になってきております。大変私どもも遺憾に思っておるところでございます。
 そこで、私は、料金改定問題を当面する通常郵便物の問題だけに焦点をしぼるのではなくて、少しく範囲を広げまして伺ってみたいと思うのであります。
 十月一日から小包料金の改定が行われているわけでございますが、この改定をめぐりましての値上げの状態、先ほど減収の問題等が出ておりましたけれども、それらの問題をめぐりまして、もう一度今後の見通しについて伺っておきたいと思います。
#192
○政府委員(魚津茂晴君) 小包郵便物の料金の値上げを、法案の御承認を前にいたしまして、十月一日からおおよそ三四%余りの値上げ率でもって改正をさせていただいた次第でございます。
 それで、まずこの小包を値上げした原因というものを若干御説明さしていただきたいと思いますが、小包郵便物の料金の先回の改定は昭和四十九年十月一日に行われたものでございまして、その後における物価、賃金の動向や類似の業務である国鉄小荷物運賃の改定状況、こういったものを勘案いたしまして、いま冒頭申し上げた改定をさせていただいた次第でございます。
 そこで、この小包の料金値上げ後の物数の動向という点につきましては、先ほども御説明をさせていただきましたのですが、私どもの全国で抽出いたしました主要な六十六局の郵便物の動向を判断いたしますと、十月の上半期、その期間においては昨年の同期間に比べまして二六・三%減に相なっている次第でございます。ただ、この二六・三%は、これも先ほど申し上げたところで恐縮でございますが、九月の最後の一週間、これを見ますと、一方で八割以上の前年の同期に比べまして増加をしているというようなことをあわせ考えてみますと、現在のところ、この三四%余りの値上げが即二六・三%程度の減になるものであるかどうか、必ずしも判断はできません。しかしながら、従来のいろいろの傾向からいたしますと、やはり料金の改正をいたしますと、物数が一時的に減少するということは事実でございまして、早く全国的な実数をつかみまして、いろいろその数字の中から今後の課題というものを見きわめてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#193
○赤桐操君 本年度の小包収入の状態を見ますると九百三十八億円、一方、支出の状態を見まするというと千四百三十三億円、大変赤字になっておるわけであります。昨年度に比較して四億円程度上回る状態になっておるわけでありますが、この収支の状況について御説明願いたいと思います。
#194
○政府委員(澤田茂生君) 五十五年度についての一応の見込みを私ども立てたものはございますが、それをもとに御説明を申し上げますと、十月一日から小包を料金改定さしていただきましたので、それを織り込んだものを見込みといたしますと、収入といたしましては九百三十八億円、そしてこれに対する原価と申しましょうか、経費といいますのが千四百三十三億円ということで差し引きが四百九十五億円、こういう見込みでございます。
#195
○赤桐操君 郵便の種類別の原価計算について御説明いただきたいと思います。
#196
○政府委員(澤田茂生君) 五十四年度につきまして御説明を申し上げたいと思いますが、通常郵便物総原価が、定形でございますが、千九百五十七億円、それから定形外が四百九十二億円、第二種が二千二百十八億円、三種低料が二百七十五億円、低料以外が二百八十一億円、四種が二十億、それから書留が六百八十三億、書留速達が二百十四億、普通速達が七百十三億ということでございまして、小包につきましては、普通書籍小包でございますが、これが百四十五億円、一般の普通小包が八百五十七億円、書留が六十五億円、書留速達が二十七億円、普通速達が二百三十二億円、こういうことでございます。
#197
○赤桐操君 そこで、通常郵便物と小包郵便物の比較になるんですが、五十四年度の状態を見ると、通常郵便物の方では五十三億円の黒字になっている。それで小包の方では逆に四百九十一億円の赤字になっている。こういう状態だと思うんですね。差し引いて四百三十八億円の赤。こういうように理解するんですが、それでよろしゅうございますか。
#198
○政府委員(澤田茂生君) ただいま先生仰せられた数字のとおりでございます。
#199
○赤桐操君 そうしますと、そこで問題になるのは、郵便事業の基本的な問題になりますが、これはやはり信書の送達が一番大きな使命である、こういうように私は考えております。それで、この信書の送達というものを中心として郵便事業というものが根本に実は運営がなされているとするならば、こうした考え方に立ってみますると、少なくとも小包との関係について疑念が出てくるわけでありますが、この信書の送達についての考え方について明確にひとつ考え方を伺っておきたいと思います。
#200
○政府委員(魚津茂晴君) 先生御指摘のとおり、郵便の収支の状況を具体的に郵便の種類別の収支という点からいたしますと、かなりその収支の状況がアンバランスがあるわけでございます。端的に言って、通常は結構やっているのだけれども小包が大きな赤字を出す、それが郵便財政というものの逼迫せる事情の主な原因ではないかという問題がそこから出るわけでございます。そこで、私ども小包はもう少し赤字の解消というものを図りまして、全体としての郵便の財政と収支というものをよくするということで、いろいろ検討をし、悩んでいるという実態がまずあるわけでございます。
 小包というのは、御承知のように従来から国鉄小荷物の関係と競合しておりました。一方、昭和五十年代に入りまして民間の宅送便等の業者が進出しまして、現在この小包の民間の進出状況をごく私の記憶による概略を申しますと、配達区は全国でおおよそ五万区でございますが、五万区のうち六〇%程度民間の宅配のサービスエリアになっている。全国の市町村でいいますと、おおよそ三二、三%程度がこの民間の宅配のサービスエリアになっているというようなことを私どもは深刻に受けとめているわけでございます。
 そこで、その小包というのは非常に赤字が出るから思い切って、信書の送達というものの点からいっても健全性を損ねる理由だからやめてしまおうかなんというドラスチックな考えもわれわれ論議の中には出すわけでございますけれども、御案内のとおり、民間の宅配というものはいわゆるクリームスキミングというようなことでいいところだけつまみ食いをするというようなことでございまして、全国あまねく地域に小包のサービスをするというのはやはり全国で二万二千の窓口を持っている、そして全国で六千の配達局を持っている郵便に頼らざるを得ないという実態からするとやめるわけにいかぬということで、やめなくてこの健全な小包の経営というものをいかにしたらいいだろうかということをいろいろ模索しているわけでございます。これを料金論という立場からいたしますと先生御案内のとおりでございまして、言わずもがなのことでございますが、小包の料金で赤が出ているという場合であっても、現在の郵便法の料金に対する原則として小包料金を含めて総合原価主義というようなことでやっておりまして、小包を含めた郵便物全体の収支でその健全な収支をねらうべきだというような一方のまた問題もございます。
 そういったようなことから、私どもこの郵便物の動向、そして種類別の料金収入、そして収支というものからいたしますと、小包郵便物をめぐる問題というものが今日の郵便の最大の問題の一つであるというふうに認識をいたしておりまして、民間のサービスの実態、そしてまたそのサービスを郵便事業としてとれるのかとれないのか、そういったような問題を手始めといたしまして、できるだけ早い機会にもう少し健全な小包経営という方策を講じて、信書の送達を含めた郵便全体の収支というものの改善というものについて努力を傾けていく所存でございます。
#201
○赤桐操君 郵便法の第一条にはこの法律の目的が明示されておるんですが、この考え方はどういうように理解されておりますか。
#202
○政府委員(魚津茂晴君) 第一条では、なるべく安い料金、私、条文を読んで申し上げておりませんので表現は正確じゃないかもしれませんが、そういう趣旨のことが書かれております。これはやはり郵便の公共性を明らかにして、その公共性ということから導かれる一つの郵便料金の原則と申しますか、理念であるというふうに第一条というものを理解しているところでございます。
#203
○赤桐操君 ここに、「郵便の役務をなるべく安い料金で、」というように書いてあるんですね。これが第一条の目的の中で明確になっているんですが、この役務の問題なんですけれども、本質的にはやはり信書の送達が本来の使命であって、小包というものは独占ではないんです。信書が独占なんです。したがって、郵便料金の改定問題についても、小包については省の方の立場でおやりになっていただいておるわけです。そういう意味で、この小包料金の問題をめぐって考えられることは、少なくとも本来の信書の送達というものと付帯事業ともいうべき小包との関係、これは法律的に見ていってそういうふうに理解されるのでありますが、これはやはりきちんと整理する必要があるだろうと思うんです。この点についてはどう考えますか。
#204
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便物の種類に、先生仰せのとおり信書の送達、とりわけ他人の信書の送達、文字どおり郵便の独占ということで郵政省が専掌している分野、それから一方、小包のように、これもただいま御説明さしていただいたわけでございますが、国鉄、民間の業者と競合するサービスを提供している分野があることは仰せのとおりでございます。私ども小包の問題というものが信書の送達に経営上悪影響を及ぼすというような観点から切れないかというような議論というのは当然私たちやるわけでございますが、この点につきましては、ただいま回答申し上げたとおり、しかしながら郵政省が小包から撤退するというようなことになりますとすれば、小包の役務が受けられない地域、人々が出ることはまた事実でございまして、そこにやはりまた公共性ということから、苦しいけれども引き続いてやっていかなければならない郵便の一つの使命、これは歴史的な沿革もあると思います。今日、小包業務を始めるか始めないかというような議論に立ちますと、また別の論議があると思いますが、創業以来小包というものの歴史的な一つの必要性、その沿革を持った今日の小包業務を切り離すということは私どもできない。それがまた郵便事業の公共性であるというふうに考えておりまして、そこで、これも繰り返すようでございますが、小包を含めた郵便物全体の収支相償をできるような料金設定をいろいろの郵便の種類に目を配りながらやっていかなきゃならぬ問題じゃないか、こういうふうに思っている次第でございます。
#205
○赤桐操君 私は小包の部門を切り離せという考え方は一つも申し上げていないんですよ。そういう御答弁はいただく必要はないんですが、問題は、信書の送達ということが郵便の役務の本筋であるとするならば、そして現実に小包の配送というものは必ずしも独占ではないわけなんであって、これはいろいろ他に送達の手段が今日求められるわけであります。そういう状況の中で、小包の関係はいま私は信書の送達と同じ立場で考えらるべき筋合いではないだろう、こういうふうに思うんです。
 したがって、本筋の信書の送達の部門を見るというと、これは黒字で結構毎年来ているんです。小包の面が非常にマイナスになってきているわけなんです。そういう面からするというと、言うなれば付帯的な、こういう本来の信書の送達等を中心とした役務の問題よりは離れた小包の問題の中から発生した赤字の問題をこうしたいわゆる信書の送達の面にかぶせていくということになるわけなんであって、これは本来的に考えてみると、いささか郵便法の精神等から考えてみても矛盾するところではないだろうか、こういうふうに私は考えておるんですが、あなたのお考えはいかがですか。
#206
○政府委員(魚津茂晴君) お答え申し上げます。
 お答えと申し上げましても、私先ほど来述べておりますように、料金をどのような原則、どのような理念で設定をするかという点につきましては、先生の御指摘の第一条というもののほかに第三条というものがいま一つあると思うわけでございます。そういったようなことを考えまして、一条と三条の調和のとれたかっこうで、そして小包料金というものが、先生そこまで何も言っているわけじゃないというお話で十分承知しているわけでございますが、小包がそこにやはり郵便の一つの種類としてあるという以上は、それを一緒にしたかっこうで収支の改善ということを苦しいけれども今後とも続けなくちゃならないのじゃないか。同じような答弁になりまして恐縮でございますけれども、そう思う次第でございます。
#207
○赤桐操君 大臣に伺いたいと思うんですが、本来、私は信書の送達というのは他に求める手段はないんですよ、国民の立場からすれば。小包はいろいろの送達の手段がある。本筋である面に対して、その面は黒字で進んでいるわけです。小包の分野が赤字で来ているわけですね。この小包の、本来の送達の手段でない面の方から赤字問題が発生してこれが実は大きくかぶさってきている、こういう事態に現状は置かれているわけです。そうだとすれば、これは私は郵便法の本来の精神から見るならば大変矛盾した問題だと思うんですよ。その点について大臣の所見はどのように持っておられますか、伺っておきたいと思います。
#208
○国務大臣(山内一郎君) 第五条で、「(事業の独占)」が書いてございます。ここにおいては特に信書について述べてあるわけでございますので、この点については赤桐先生の言われるとおりでございます。しかし、ほかの条文、たとえば第十六条「(郵便物の種類)」、これには「通常郵便物及び小包郵便物」、これは並列して同格に書いてございます。また、「第二節 通常郵便物」、「第三節 小包郵便物」、これは同列に書いてございます。したがって信書の送達というのが一番重要なことでございますけれども、現行法の郵便法の精神からいけばこれは全部同じように取り扱わないといけないのじゃないか、こういうふうに私は考えているわけでございます。
 そこで、収入の点についてお触れになりましたけれども、小包は確かに赤字でございます。赤字の原因というのは、宅配事業が非常に発達をいたしまして、そちらの方に需要がとられているという点が一番大きな原因かと思われますけれども、宅配事業は非常にへんぴな田舎の方までは配達をしてくれない。これは営業上配達をしてくれない。しかし郵便事業としては、この法律のたてまえからいっても、そういう地域もやはり公共性がありますので配達せざるを得ない。こういうような、以上申し上げた観点からいきまして、総合してやはり、郵便物の種類によって片っ方の信書の方は黒字、小包は赤字ということに現在なっておりますけれども、私は、法律に従ってそうやらざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えております。
#209
○赤桐操君 現実はそういう形で処理せざるを得ないことは間違いないと思うんですけれども、事の経過をずっと見るというと、通常郵便物の方はどうやら黒字で来ているけれども、赤字の大半の理由は小包だ、こういうことまで考えてみると、この状態をいつまでも続けていくということについて果たして許されるかどうか、こういう問題が出てきてきやしないかと思うんです。したがって、小包対策というものについてもっと本格的な対策をとらないというとこれは大きな問題になりはしないか。
 もっと申し上げるというと、国鉄の場合においてはローカルを切って新幹線を中心とした幹線で再生しようとしている。郵便局の場合には、小包だとかこういう問題については競合者がどんどん出てきている。この面で赤字が出てくる。場合によっては、また三大都市圏等を見れば人口稠密の地域でありますから、こういうところではダイレクトメールやその他についてもまた送達の方法もあると思うんです。こうしたものを含めた総合的な民間の動きが出てくるようなことになれば、これは大都市で収益を上げなきゃならぬ地域で逆に収益が減ってくることになる。ローカルだけを受け持たなきゃならないということになってくる。これは恐らく郵政事情がいま置かれている立場じゃないかと思うんです。
 そういう意味で、この小包の赤字の問題がずっと発展をしていく中では、やがてそういう事態が来るのではないだろうか。こういうことも想定されるわけでありまして、したがって、小包料金をいま上げていく、郵便料金全体にこれをかぶせた中で改正していく、こういう形が何年かに一遍ずつ続けられていくということで、ずっと後追い的な形で進められていくということになれば、これは小包が結果的には通常まで食ってしまうということになるし、小包というものが置かれている現状というものは、宅急便とか航空便とかいろいろあるわけでありまして、そういうものとの競合の立場に置かれている。そういう事実というものとの現実的な対策が持たれないで、ただ後追い的な形を続けていくという状態がこれからも毎年続けられていくということになってくれば、局長は、先ほどの答弁では十年間に二回ぐらいの改正をすればいいと言われたけれども、とてもそれではおさまらないことになるのではないか。十年間で二回ぐらいの改正で済むならば、何も今回の郵便法の改正までする必要はなかったのではないだろうかというふうに私は実はいま考えているんですが、こういうようにお感じになりませんか。
#210
○政府委員(魚津茂晴君) 私自身小包の料金というものは、先生御案内のとおり、郵便法の三十一条に小包料金の決定の基準というものもございまして、その関連を無視した小包料金の決定はできないわけでございますが、ただ私は、現在の郵便収支の通常部門と小包部門それぞれの収支の違いというものをこのままの状態でいつまでも放置しておくという考えであってはならないと思います。私は、この三十一条というような「(料金)」からいたしますと、にわかに郵政省が決断をすれば、あるいは国民に理解と協力を求めれば無制限に小包の料金というものをその種類だけで黒字にするということが料金の政策論としても私は必ずしも可能じゃないという気もするわけでございますが、しかしながら一方、現在のこの通常と小包の収支の状態というものを凍結したかっこうで、それを前提にした郵便の収支の改善策を議論するということもこれは私は間違っているのじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 したがいまして、今後小包の物数を増加するためにはどうしたらいいかという収入の面も考えなくちゃならぬと思います。民間のサービス、たとえば電話をかければ取りに来る、あるいは配達というものをやらないで局どめにするというようなサービスの実態も私は承知しております。そういったものを郵便の小包にとり得るかどうかというようなことも十分検討してみなくちゃならないと思います。それから従来お客様からのかなりの御意見としてあるわけでございますが、小包に信書を入れるというような問題から増加を図るというような議論も私たち実はやっているわけでございます。
 そういうような収入を図るという意味で、一つは小包の増加を図るための施策というものを、民間を勉強しながら、そうして郵便事業の独自性というものの中でそれを吸収し得るのかどうか、そういった点もやると同時に、料金の決定につきましても、去る十月一日の料金を決めました際には、先ほど申し上げましたように三四%余り上げたわけでございますが、ただ軽量の、たとえば二キロ以内程度の小包料金というものと民間あるいは国鉄のその運賃を比較しますとまだ相当差があるわけでございます。そういったようなことから料金につきましてもまだ検討する余地があるのじゃないだろうかというようなことで、私ども全くこれまた根拠が必ずしもないわけでございますけれども、いろいろ私ども論議をする中で、現在の小包を黒にするためには物数としてどれくらいふえればいいかというようなことを計算しますと、約十倍の小包が出ればそれなりのまた独立採算といいますか、小包部門だけでの収支が償うという議論もございます。それから現在の料金というものを一律に、物数の減をあえて割り切りながら、少なくとも三倍程度まで上げればそれなりのまた収支が償うことができるのじゃないか、二倍ないし三倍でございますけれども。そういうようないろいろの議論を今後引き続いてやりながら、先ほど来申し上げているように、通常郵便物と小包郵便物一体のものとしての郵便事業の収支の改善をやらせていただきたいというふうにお答えさしていただきたいのでございます。
#211
○赤桐操君 料金を値上げしない前の状態で見ますると、たとえば宅急便とか国鉄関係と比較してみましてもかなり郵政の方の小包料金の方が安い。それでも実は赤字になってきている。先ほどのお話のように現在の十倍くらいのものがなくては収支償わない、こういうわけなんです。値上げすればもっと離れるんじゃないですか。その点はいかがですか。
#212
○政府委員(魚津茂晴君) その十倍を目指すためには値上げということはよほど慎重にやらなければ――仰せのとおり、また、先ほど来の十月一日に料金改正をした場合の抽出による部分的な数字でございますけれども、値上げをすれば減る傾向、少なくとも直後には減るということは事実でございます。
#213
○赤桐操君 結局問題は、やっぱり小包郵便というものが民間のそういう小包配送に比較して、料金の問題だけではなくて基本的にいろいろ問題があると思うんです。先ほどもお話ありましたが、それが余り改善されないで十年一日のような形で同じシステムでやってきているというところに基本的な赤字の原因が発生しているんじゃないかと思います。郵便局の窓口でそれはいかにサービスをよくしても、どんなにいろいろ応対を明るくやってみても、基本的なそういう政策上の問題で誤りがあれば、これは残念ながら実績は上がらないと思うんです。それはやはり言うなれば経営のトップやあるいはまたこれをリードしていく側に大きな責任を求めなければならないと思うんです。
 そういう意味で考えてみるときに、料金を上げてどうも収支が償うような形になろうか。それで解決できればいいけれども、料金の値上げによって解決できる情勢にはないだろう。ますます離れていくのではないか。主要な一番かせげる地域が宅急便に流れていく、遠いところは航空便に流れていく、こういうことになったのでは郵政省は立つ瀬がないだろう。赤字がますます出てくるだろう。しかし遠隔地においてこれはやはり郵政事業として当然やっていかなきゃならない責務がある。こうなると、赤字をますます背負いながら、これからはまた同じようなことを繰り返しながら進んでいかなきゃならない。こういうように私はいまのままでいくとなると思うんですが、郵務局長、あなたは当事者として、責任者として、郵便事業のトップとして、これをどうあなたは責任を負いますか。これからの将来を考えますか。
#214
○政府委員(魚津茂晴君) 先ほど来申し上げていることの重複になるわけでございますが、小包を郵便から離さないで収支をよくするための課題というのは、私いま最初から申し上げているわけでございますが、郵便事業の抱えている最大の問題の一つであるわけであります。そこに思いをいたしまして、料金の決定に当たってのいろいろの配慮、それからまた一方、現在の小包のサービスの内容という両面から検討しまして、そして先生方からもいろいろ御意見を伺いながら、もちろん世の識者の方からも知恵をおかりしながら、何とかして小包を含めたかっこうで郵便事業の財政再建、赤字の克服をやりたい。至って抽象的なお答えでございますけれども私の気持ちを御理解願いたい、かように思う次第でございます。
#215
○赤桐操君 民間企業なんかでもそれは厳重に大変厳しく問われるところなんですが、気持ちやそういうことだけでは解決できないんですよ。やっぱりトップというのはそれでは済まないと私は思うんです。新しい施策や新しいものを考え出さなきゃいかぬのですよ。それはやはり政策全体としてこれを全国的に普遍化していかなければならないのが私はその役割りだと思うんです。そういう答弁で今日まで、五十年の審議のときにも五十一年の郵便料金値上げのときにもそれと同じ答弁だったんですよ、これは。将来展望は何だと言ったって、相努めますという以外になかった。今回も同じだと思うんです。通常郵便物の値上げを行い、さらに小包の値上げを行い、そしてまた国会ではこれを論議しないで料金改定をするような形をとっていく。そういうことをしてみたところで、私はビジョンや展望のないところにこれからの解決は求めることはできないだろうと思う。一番大きな問題が小包にあるというなら、小包を今後どうすればいいかということ、具体的にどうしてそれが出てこないんですか。抽象的なことであっては経営上その責任を果たすことにはならないと思うんです。これはやはり私は厳しく問われなければならないと思うんです。
 そういうことがたなに上げられてしまって、一時的に料金の値上げで糊塗し、そしてその場をしのいでいくというやり方で郵政省は今日まで来たと思うんです。郵政三事業というのは先人がつくったものであって、これはやはり時代の推移によって変えていかなければならないものです。貯金や保険の方は新しい時代に即応する新しいものを提起していると思う。だから貯金の方も今日五十兆円を超えるという大きな貯蓄高を示すようになってきているし、保険の方も同じように十何兆円かになってきているはずです。これも決して私は偶然ではないと思う。現場では血のにじむような努力をしているけれども、郵便の方は同じ努力をしてもさっぱり成果が上がらない。これは私は政策的に根本的な誤りがあると思うんです。こういう点について、どうもきょうはお答えがいただけない。そういう展望のないままでの郵便の料金の値上げ、こういういま論議が進んでいると思うんです。これは、私は郵政省自体、トップのきわめて厳しく問われなければならない責任だろうと私は思いますが、いかがですか。
#216
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、これも繰り返すようでございますが、現在の小包の赤字に占める割合というものはこれは改善しなければならない。そのために料金の決定する際のいろいろの考え方、私、極端に一つの考え方といたしまして、この料金というものを仮に二倍にするということになりますと、これは一つの仮定の論議でございますが、私たちいまいろいろ議論をしている意味で申し上げますと、倍にするというようなことになりますと確かに物数は落ちてまいります。物数は落ちてまいりますけれども、小包の収支というものは料金決定によって改善する余地というものは私は残されているような気持ちがしているわけでございます。
 それからいまサービスの内容というものについても、民間がいろいろのモデル的な意味でのわれわれに教訓を与えてくれる点も承知しておりまして、そういった点を考えますと、小包の部門が黒字になるということは、私は、保証といいますか、ここで先生にお誓いをするということはできないわけでございますけれども、しかしながら、やっぱりこの三条で総合原価主義というようなものの中には、制度的な趣旨、歴史的な沿革から見まして、ある部門の赤字はやむを得ないというような国民のコンセンサスも得られる面があるのじゃないか、そういう面の一つとして小包の赤字というものが許される限度というものは私はあるのじゃないだろうかというような気がいたすわけでございまして、あれこれ申し上げましたけれども、先生からしますと先回の場合もそうであったというお話ではございますけれども、私は私なりに決意を新たにいたしまして、この小包の収支の改善というような点についても今後積極的にいろいろの施策を考えていくということをお誓いをさしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#217
○赤桐操君 それはこの郵便事業を背負う人のトップの答弁としては受け取れませんよ、そういう無責任な答弁は。遺憾ながらそれはちょうだいできません。
 それから次に、先ほどの長谷川先生の御質問に対する答弁として電子郵便の問題等を初めとした新しい新種のものが述べられておりましたけれども、いわゆる郵便事業のシステム分析の問題をめぐりましてはもうすでに七、八年前から取り組んでこられたと思うんです。そして四十七年から四十九年まで三カ年にわたって電電公社に委託してシステム分析が行われてきている。これには、先ほどのお話によりますというと、来年度ですか、これでは一億円の調査費をつけたい、こう言っておりますが、もうすでにこれより先約四億円くらいの金がついているんじゃないですか。四十七年度に一億、四十八年度に一億五千万、四十九年度に一億五千万、合計して四億もの金を使ってこのシステムの研究がなされてきているはずですが、この点についてはどのような成果があったのか、またどういうように郵政省はこれを生かして今日まで研究してこられたのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
#218
○政府委員(魚津茂晴君) 仰せのように、郵便システムの研究というのは昭和四十七年から四十九年度まで電電公社に委託して行いました一連の研究でございます。郵便処理システムは、一定の送達日数以内に引き受け、差し立て、輸送、配達及びそれぞれの段階での区分という一連の作業を行うシステムであるため、部分的な能率化が必ずしも全体の処理能率の向上につながらない性質がございまして、このことは、とりわけ首都圏というような大きな規模で郵便システムを考える場合には顕著でございます。そのため、郵便処理システムを検討するに当たりましては、郵便業務をシステム的、総合的に検討していくことが必要であると考え、取り集め、区分、輸送、配達などの郵便システムを構成している諸要素につきまして、たとえば一定の物数とそれを処理すべき時間並びにそれに必要な要員数の相互関数を求めるというように定量化をいたしまして、これらをもとに郵便処理システムの最適化の研究を行わしていただいたわけでございます。
 この研究の成果でございますけれども、これまでにも、たとえば処理システムというような性格から横浜地域、近く集中局という構想を持っているわけでございますが、そういった集中局あるいは名古屋地域における集中局、こういった処理システムの設計に当たって基礎データとしてわれわれ活用させていただいてきているところでありまして、今後東京中央郵便局の局舎改善計画も急がなくちゃならない問題としてあるわけでございまして、そういったようなときにこの処理システムの研究の成果を生かしながら、そういったものを踏まえながら計画を進めていく、こういうふうにわれわれ考えている次第でございます。
#219
○赤桐操君 その内容、私もよく詳しくは伺っておりません。いま初めて伺ったわけでありますが、あるいは四十九年には郵便事業の将来展望を調査するための調査会等も設置されておるし、私は今日まで郵便事業全体をめぐるこれからのあり方についての基礎的なものはもうすでにかなりできているのじゃないかと思うんですね。そういうものをもとにして新しいさらに具体的なものを展望として絵を描いていくということは、これはいま申し上げたとおりトップの責任だと思うんです。それを今日まで郵政省自体が精進相努めなかったところに大きな問題があるのではないんですか。民間との競合の激しい部門では郵政省の中でもやはり私は具体的に新しいものをつくって競合をし、あるいはまたそれをリードし、今日大きな成果を上げている部門があるわけですよ、郵政省の中でも。しかし、ひとり郵便だけが今日こうして取り残されているということは、これは私は非常に大きな問題だと思うんです。しかも基礎的なものについては、相当の今日まで費用もかけ時間もかけ、この七、八年にわたって十年近い年月をかげながら、機構全体から郵便局の設置の問題から現場の郵便局のあり方の問題から研究をし、相当の資本を投下してやってきたはずです。しかし、そういう基本的なものが生かされてきていない。そこに私は大きな問題があるように思うんですが、この点はいかがですか。
#220
○政府委員(魚津茂晴君) この郵便システムの研究でございますとか、その後四十九年から郵便の将来展望に関する調査会、引き続いて郵便の将来を明るいものに、より健全なものにするいろいろの模索する場があったことは先生御指摘のとおりでございます。ただ、先生も御案内のところでございますが、システム研究とかそれからいま申し上げました調査会というものは、基本的に言いますと長期的な事業の展望を得るためのものでございまして、当面する事業財政というものをきょうからどのように改善するかというような、そういう意味での特効薬の処方せんを書くというようなものとはいささか違う性格のものでございました。
  そこで、長期的な事業の展望ということで、いろいろの項目がございますけれども、これを今後の不断の研究をする基礎データとしてあるいは基礎理論として使わせていただくことは当然でございますけれども、こういった研究会なりシステム研究というようなことから、今日ただいまの赤字の解消というようなものにダイレクトに結びつくようなものでなかったということから、そういった調査会をつくりましてそれにゆだねて、郵政省は手をこまぬいていたとかあるいは適切な具体策を打ち出せなかったということはいささか私は酷な御指摘じゃないだろうかというふうに考える次第でございます。
#221
○赤桐操君 いまの郵政省の皆さんにしてみると大変こういう批判は酷だと聞かれるそうですけれども、企業の運営というものは酷ですよ大体が、本来的に言って。その酷なるものを克服するだけのものがなければ生き残っていけないのが今日の社会でしょう。現実の問題でしょう。郵政三事業の中で貯金と保険の方はその酷なるものを克服しているんですよ、現実に。だから貯金の方も伸びているし保険も伸びていると思うんです。現場の一職員に至るまで血眼になって闘っておるんですよ、現実に。私も現場のたたき上がりだからよくわかっておるんです、その点は。トップの任務というものは恐らくいまのようなあなた方のお考えになっている程度のものではこれから果たせないでしょう。郵便事業を背負っていくことは不可能じゃないか。私は、大変厳しい言い方になるけれども、現実はそうだと思うんです。そういう意味で遠慮なく物を申し上げるわけだけれども、そういう新しい観点に立って新分野の開拓に精進をすべきじゃないかと思いますが、ここでひとつ山内郵政大臣の所信を伺っておきたいと思います。
#222
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ御指摘がございまして、郵便事業の赤字がどうしても解消していかない、こういうところの基本問題が郵便事業にはあるわけでございます。そこで、郵便事業の将来性ということについて、私はやはり電話が幾ら発達いたしましても郵便需要というものは残っていって、いまの記録を見ましても毎年少しずつはこの数量がふえている、こういう現状であります。
 それをいかに合理的に機械化して安く経営していくか、こういう点の努力がまだ足りないじゃないかという御指摘があるわけでございますが、いろいろ私も現地を見たりいたしまして、たとえば小包についての局内における仕分け作業というのは非常に機械化されております。やはり赤字になる原因というのは私は配達にある。配達をいかに合理化して安くするかという問題が、これはほんの一例でございますけれども、そういう点が問題になろうかと思います。また、郵便物につきましては、集める仕事をもっと計画的というよりも合理的にできないか、それから郵便物を分配する仕事、こういう点でいろいろ問題が非常に私はむずかしいと思うんです。御指摘のとおりございますけれども、むずかしい問題でございますが、何とかして少しずつでも克服をしながら、ひとつこの郵便事業の発達のためにこれから力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#223
○赤桐操君 最後に、ひとつ伺いたいと思うんですが、これから新しい分野の開拓をやり、さらにまた制度の合理的な運営を一段と強めるということになりますと、これは私は郵政労使関係というものは最も大きな決定的な基盤になると思うんです。今日までの郵政省と全逓信労働組合、この労使の関係は遺憾ながら余り私はそういう状態にはないのではないか、こういうふうに考えざるを得ません。
 それで、一体、これからこうした新しい分野の開拓をしながら郵政事業を大きく発展さしていく、そういうことを期するならば、この労使関係に対する信頼関係を少なくとも早期に確立することが必要ではないかと思う。私は、いままでのような郵政省の労働組合に対する姿勢の中からは、そこにお互いの尊敬や信頼関係は生まれないと思うんです。現実に郵便局の現場へ行って実情を見ていただけばよくわかります。これほどいやな雰囲気を持つ労使関係の職場はほかには多くないと思う。私も長い間いろいろ労働運動をやり、労使関係については民間や官公労のこともよく知り抜いているつもりでおるけれども、郵政の現場ほど陰湿なところはありません、率直に申し上げて。労働界の批判の中でも、国労などは華々しくお互いにやってしまうけれども後は全くからっとしておる。国鉄一家意識も相当大きくこれは動いているかもしれませんが、正直言ってそういう雰囲気だ。郵政の場合においてはまことに陰湿だという批判が相当出ている。
 こういうような状況の中で、私は、これからのこうした新しい分野を開拓しながら、電子郵便というものができるかどうか知らないけれども、各国でも取り組んでいるようでありますが、そうしたものを初めとする新しい分野の開拓をしていくということになれば、まず現場における労働条件の変化が求められなければならないと思うんです。あるいはまた郵政事業全体がもっといろいろ進んでいくためには効率的な活用もしていかなければならなくなるでしょう。そういう場合においてお互いの信頼関係がなくては、政策に対するところの、あるいは施策に対する理解というものは得られないでしょう。いまのような状態のままで、これから将来続けるという形の中で果たしてそれが期待できるかどうか、このことについてひとつ伺っておきたいんですが。
#224
○国務大臣(山内一郎君) 私が大臣に就任をいたしましていろいろ重要なことを聞いたのでございますが、そのうちの一つが労使協調していかに郵便事業をやっていくかという問題であったわけでございます。
 そこで、私早速、東京中央郵便局、それから大阪中央郵便局、さらに金沢中央郵便局、その三郵便局に参りまして、現場を視察しながら職員の方を激励してまいってきたわけでございます。そこで感じましたことは、東京と大阪の中央郵便局がいかにも狭い、非常にいろいろなものが混雑、錯綜している中で仕事をおやりになっているのを見まして、これでは余りいい仕事はできないのじゃないかというので早速事務当局に話をしましたところ、一応いま計画はあります、それでは早くその移転の計画、新築の計画を進めなさいということは言ってあるわけでございますが、私は、一番重要なのは職場が働きやすい職場をつくることである、こういう点に心がけましてこれからやりたいと考えているわけでございます。
 また、労働組合の代表の方とも二、三回お会いいたしましていろいろとお話をお聞きしたり、またこちらからもいろいろこういう点はどうであろうか、何か注文はないかということもお聞きいたしているわけでございまして、こういう点に今後一層ひとつ注意して、労使協調によって郵政事業というものをやってまいりたいと考えているわけでございます。
#225
○赤桐操君 最後に、私は申し上げたいと思うんですが、郵政省が本当に労働組合の労働者に協力を得ようとするならば、相手方にやはり誠意あるそういう気持ちを起こさせなければできないと思うんです。そのためには、みずからがその誠意を持たなければできないと思うんですよ。人と人との関係というものはそういうものだと思う。みずからが姿勢を変えないでいて相手にのみ姿勢を変えさせようという考え方、その中から私は労使関係というものは健全に生まれてこないと思う。これは山内郵政大臣が現場でよくお話し合いをしていただけばわかると思うんです。いまの今日の全逓の幹部やそういう諸君たちとお話し合いしていただけば私はよくわかると思うんですね。そういう点が今日までの私は大きな欠点だったと思うんです。民間の経営をやっておる方々の意見を聞きまするというと、郵政関係の労務政策はあれはゼロだな、こういう一言にした批評まで出ているわけですね。私は民間だったら成り立たぬと思うんです、こんなことでは。そういう意味でやはり相手方に誠意を求め、相手方に真実を求めようとするなら、みずからそれを持たなければいかぬですよ。相手を変えようとするなら自分を変えなければ相手は変わるものではないと思う。こういうことについて郵政のトップはひとつ真剣に考えていただきたい。このことを提起して、私の質問を終わりたいと思います。
#226
○委員長(福間知之君) 本件に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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