くにさくロゴ
1980/11/11 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第4号
姉妹サイト
 
1980/11/11 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第4号

#1
第093回国会 逓信委員会 第4号
昭和五十五年十一月十一日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     赤桐  操君     小谷  守君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                小谷  守君
                八百板 正君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   渡辺 紘三君
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政大臣官房経
       理部長      澤田 茂生君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省人事局長  岡野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便法等の一部を改正する法律案(第九十二回
 国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○太田淳夫君 それでは、いま議題となっております郵便法等の改正案につきまして質問さしていただきます。
 御承知のとおり、経済企画庁から国民生活白書というのが発表されたわけです。これは「変わる社会と暮らしの対応」というサブタイトルがつけられておるわけですが、これも政府主導型には違いありませんけれども、その冒頭に、「物価の上昇傾向の影響等から五十五年にはいって家計の実質所得はマイナスに転じ」、こういう指摘をしているわけです。そしてさらに、「これまでのような物価の上昇傾向が続くならば、最近の実質消費や住宅建設の不振にみられるように日常生活が圧迫され、消費需要の減退が経済全体の不振を招き、それがまた家計の消費に響く」、こういうように高度経済成長が終わりまして急激に国民生活を取り巻く環境というのが冷え込んでいる、そういう変化を強調しているわけです。そういう時期にこういった公共料金値上げ、特に国民の生活に非常に直接的に関係している郵便の料金値上げということは私たち許せないと思うんですが、その点について大臣の所見をまず最初にお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(山内一郎君) いまいろいろ国民生活について重大な問題がございますけれども、私は物価の安定ということが一番重要なものの一つというふうに考えているわけでございます。したがって、政府におきましても六・四%の一般消費者物価の上昇率に抑えるべくいろいろ施策を講じているわけでございますが、実績を見てまいりますと、九月が八・七%、十月は全体が出ておりませんけれども東京都が六・八%、大分改善をされましてその目標に向かって着々と進行中であるわけでございます。したがって、それに対して公共料金というものも一切上げなければ非常にプラスになるわけでございますが、六・四%の算定の中には郵便料金はやむを得ないので、御提案申し上げております料金の値上げについては、数字を申し上げましても、単なる計算でございますけれども十月一日から上げまして〇・〇四%を六・四%の中に織り込んであるわけでございまして、非常にわれわれもいろいろ努力をしてまいりましたが、赤字が二千百億円になりましたのでこの程度は何とかしてお許しをいただきたい、こういうことで御提案を申し上げているわけでございます。
#5
○太田淳夫君 今回の郵便料金の値上げに関しましていろいろと問題点があるわけですが、何と申しましても法定制緩和の措置をとられたということは非常に問題だと思うんです。私どもとしましては、これは憲法やあるいは財政法第三条に違反をする重大な問題である、こうとらえておりますが、この特例措置がとられる理由について御説明願いたいと思います。
#6
○国務大臣(山内一郎君) 従来、御承知のとおり料金をずばりと決める法律に内容がなっているわけでございます。そこで、憲法それから財政法第三条の問題、こういう点につきましては、国の独占に属する事業、ちょっといろいろ飛ばして読みますけれども、それの事業料金については、法律に基づいて定めなければならない、こういう規定があるわけでございます。したがって、今回御提案をいたしておりますのもこれに基づいているということをわれわれは考えているわけでございますが、それには郵政審議会、これでたびたびいろいろな問題を提起され、なおもう一つ公共企業体等基本問題会議、これにおいてもいろいろ御提案があるわけでございます。
 その御提案というのは、「現在、第一種及び第二種郵便物の料金は、法律で定められている。郵便事業の健全な経営を図るためには、役務の提供に必要とされる費用が料金によって適時適切に確保されなければならない。」、適時適切にひとつ確保するようにしなければいけない、これが御提案の重点だというふうに私は考えているわけでございます。それには「郵便物の料金額を法律で定める現行の料金決定方法の下では、弾力的な料金改定が困難であり、一時にかつ大幅な改定となることが避けられない。」、いろいろ値上げの御提案をいたしましても適時にならなくて一度にまた上げなければいけない、こういうような点を指摘を受けているわけでございます。この郵政審議会の指摘によりまして、原則的にはこの料金は法律でずばり決めるべきであるけれども、特例としていろんな四つの条件を置きましてその範囲内でひとつ郵政省でやらさしていただきたい、こういうことで財政法には私は違反をしない、こういうふうに解釈をいたしているわけでございます。
#7
○太田淳夫君 いまいろいろとお述べになったわけですが、後ほどまた料金決定の方法につきましては御質問させていただきますけれども、この法定制緩和によって適時適切な値上げが果たして収支改善につながるかどうか、こういうことも私たちも非常に疑問に思うわけです。しかも、これは憲法第八十四条の租税法律主義、あるいは財政法第三条の「国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」、大臣、いま御発言を聞いておりますと法律に基づいてと、「又は国会の議決」という点はこれは除いちゃっているわけではないかと思うんです。ですから、そういう点で私どもとしましてはまた後ほどもいろいろと御質問さしていただきますが、あくまでも国のこれは事業でございますので、「国会の議決」というこの条文というのはあくまでも外すべきじゃない、このように思うわけです。ですから、いま大臣の仰せになったことは財政法第三条の規定を空洞化していくのじゃないか、こういうことで私たちは絶対にこれを認めるわけにはいかない、こういうふうに思っているわけです。その点いかがでございますか。もう一度。
#8
○国務大臣(山内一郎君) いまの一種と二種の料金が法律で決められているわけでございます。これは国会の議決の方に私は入らないと思います。法律に基づいて法律の中に料金を決めるようになっておりますので、国会の議決というよりは法律に基づいて定められている、そちらの方の範疇に入ると思っております。
#9
○太田淳夫君 その点がちょっと私たちどうしても納得できないことなんですね。
 次に進みながらこの問題をまた論議したいと思いますけれども、衆議院のいろんな論議の中でも、郵務局長はこの特例措置と郵便の独占性の関係についていろいろ御答弁されておりますが、この特例措置とその独占性の関係について郵政当局としてはどのようにお考えになっておりますか。
#10
○政府委員(魚津茂晴君) 料金決定の特例措置に関連いたしまして、独占の程度でございますとか国民生活上の必要性の程度という観念を私たち申し上げておりますのは、要するに、この二つの観点から見ることによりまして郵便事業料金について国民が事実上その支払いを強制される結果となる度合いはどの程度だろうかという観点からこの二つの観念を申し上げているわけです。そして、その二つの観念でこの法律に基づいて決めるという場合の決め方というものをどういう立法政策で処していくべきかということから申し上げたわけでございまして、簡単に申し上げまして、この独占の程度というのは、もちろん現在の郵便法の第五条では他人の信書というものの送達は独占ということで明確に規定をされておりますので、他人の信書の送達というものは文字どおりいまも独占というものが維持され継続されているわけでございますが、ただこの独占の程度というものの中に、いささか解釈論という論議になるかもしれませんが、昨今の郵便の利用と社会の動きというものを見ますと自己の信書の送達というものにつきましては案外広がっているわけでございます。大きな会社あるいは地方公共団体が信書に相当するものを自分たちの力によって、つまり郵便の組織を通じないで送達をしているという限度では若干その独占の程度というものが従来と変わって低下しつつあるという点が一つ言えようかと思います。
 それから当該事業が提供する給付を利用することの国民生活上の必要性の程度というような点については、郵便の家計支出の中に占めているシェアでございますとかウエート、それと関連いたしまして、通信手段そのものといたしまして郵便のほかに多様化するメディアというものが次第に発達してむしろそこに重点がかかってきているというような観点から、この面においても国民生活上の必要性の程度というものが、たとえば先ほど大臣の御答弁にもございましたように、その結果として消費者物価に占める郵便料金の値上げによるウエートの問題あるいは家計全体に占める郵便料としての支出の割合というものが低下をしているのじゃないんだろうか、こういうことから、冒頭申し上げましたように、事業料金について国民が事実上その支払いを強制される結果となる度合いというものが少なくなっているのじゃないかということから法律の基づき方というものを考えさしていただきまして、御提案をさせていただいている内容を私たちがとったとしても財政法の三条だとかさらにその基本になるところの憲法という観点から見てももとるものではない、こういうふうに考えている次第でございます。
#11
○太田淳夫君 いま国民生活上の必要性の程度についてまでいろいろ御答弁をいただいたわけですし、あるいは独占性の問題についても非常に郵政省の見方としては低下をしているということでございます。
 郵便法の第二条によりますと、「郵便は、国の行う事業であつて、郵政大臣が、これを管理する。」ということになっておりますし、特に郵便の信書の送達というのは国の独占事業である。これは国鉄などは競合する私鉄がございますので、その点では質的に違うということはこれは明らかだと思うんです。また、いろいろといま大企業なりいろんな例を挙げられてみえましたけれども、確かに他の通信手段によっていろんな意思の伝達の方法というのは多様化されてはきておりますけれども、個人が文書に託していろいろと意思を伝えるということは郵便物しかございませんし、これはあくまでも郵政省の独占的な事業です。
 家計に占めるいろいろな割合について国民生活に対する影響度云々とおっしゃいますけれども、しかし私ども家庭の主婦の方やあるいはいろんな方にお会いしても、郵便葉書を例にとってみても前回は十円から二十円になった、今度は二十円から四十円だ、これは単純に考えても倍でございますので、その点で大変なこれは値上がりがするんだということですね。またそれが回り回って――そのもの自体では〇・〇四%かもしれません。それがしかしいろんな面で波及をして、心理的な問題あるいは実質的便乗値上げ、いろんな影響を及ぼして非常に生活しにくいというそういう実感、それは数字にあらわされぬものがあるのじゃないかと思うんです。
 この間の本会議でも私申し上げましたけれども、手紙をいろいろ書いて、あるいは葉書をいろいろ書いていろいろと自分の意思を伝えたりなんかするということは、それだけじゃなくていろんな面で、文化、教育的な面でも非常にこれは大きな役割りを果たしていくのじゃないかと思いますし、そういう点からいまの御答弁だけですと、そんな影響ないから上げていくのだというような安易な考えではこれはいけない問題じゃないか、このように思うんですが、その点いかがでしょうか。
#12
○政府委員(魚津茂晴君) この郵便の料金の改正というのは、直接的な効果あるいは心理的な効果あるいは波及的な効果というような点が私たち考えられると思うわけです。
 それで、この直接的な効果といたしまして、私ども何回となく答弁をさせていただいているわけでございますが、それは十月一日から御提案を申し上げているような内容で御承認になったとしても年度平均で約〇・〇四%でございます。しかしながら、その直接的な効果がそういう率からして仮に少ないとしても、いま先生がおっしゃったようにいろいろな波及効果ないし心理的な効果ということがあるのじゃないだろうかというような点について私どもはどう考えているかという点について若干申し上げたいと思うわけでございます。
 間接的な効果というものは、結論として申し上げますと、いろいろそういう御意見を私たち承りまたその辺に耳を傾けているわけでございますが、十分計算できる方法というのはいまだ見当たらないというふうに私たちは考えるわけでございます。たとえば郵便は多種多様な企業で広く利用されておりまして、また、いうところの需給要因だとか、節約だとか、あるいは代替効果だとか、あるいはタイムラグというようないろいろの波及効果を考える要因としてはわかるわけでございますが、それを数量化してその波及効果というのはこういう数値になるということは私どもちょっと計算ができないのじゃないだろうかというふうに考えているわけです。
 それから心理的な影響ということでございますが、これも先ほども申し上げたわけでございますが、郵便料金が家計に占める割合というのが小遣い、つき合い費というような中から支出されるものを含めても〇・一五%である、また消費者物価指数への影響というのは〇・〇四%というようなことで、国民生活に与える影響は心理的な影響も含めて比較的小さいものじゃないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#13
○太田淳夫君 ですから、国民生活への影響の度合いは比較的小さいという郵政当局のお考えのようですね。これは衆議院でも同僚議員から質問さしていただいておりますけれども、四十六年の三月に郵便法の一部改正をする法律案の提案説明をされましたね、井出国務大臣ですか。その中で、「その二は、封書、はがきなどの第一種及び第二種郵便物は、国がその送達を独占しているものであり、」、こうおっしゃっておりますし、「また、郵便物の大部分を占め、国民生活に密着したものでありますから、その料金はこれまでどおり法律で定めることとし、」、このように考え方を示されておるわけです。四十六年から五十五年で十年間ですからそれぞれあなた方もいろんな理由はつけられると思いますけれども、この考え方をいま郵政当局は変えようとしているわけです。この点はどういうふうに変化されたのか、どのようにそれを検討されてどのようなことに基づいていま変えようとされているのか、理由をお聞きしたいと思うんです。
#14
○政府委員(魚津茂晴君) 四十六年の郵便法の改正というものは御案内のところでございますけれども、当時三種、四種、それから特殊扱いの料金というものが具体的な料金を法律で定めていたわけでございます。それを改正するということで国会に提案をいたしまして、その提案についての趣旨説明と申しましょうか、その審議をめぐる国会の議論としていま先生がおっしゃった内容のものが出ているのだろう、かように思うわけでございますが、当時といたしまして、とにかく一種、二種というものは提案はしていないわけでございます。特例措置と申しますか、省令に委任をするということについては提案はしていないわけでございます。していないという立場に立ちまして三種等の料金を省令委任をするという前提で考えてみますと、三種等の郵便物と比較をしてという当時の改正法の内容からいたしまして私どもそのように理解をしているわけでございまして、特にこの一種、二種というものがいろいろ説明はされているわけでございますが、その説明をされていることが一種、二種ができないという意味で説明をしているわけじゃなくて、いろいろ郵政省の立場と申しますか、政府の立場というものがその法改正の趣旨との関連で御理解をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#15
○太田淳夫君 その点はなかなか理解できないわけですけれども、財政法第三条の趣旨というのは財政民主主義の立場ですね。こういう国家の事業についての料金の決定については国民の代表である国会の議決を必要とするものであるという、これは非常に厳格にやはり考えなきゃならないのじゃないかと私たち思うわけです。郵政当局のいままでのいろいろな御説明を聞いておりますと、第一種郵便物及び第二種郵便物自体のその独占の程度というものあるいは国民生活上の必要性の程度、そういうものが実際もう変化してきている、ですから、ここで一定の厳格な要件をつけた上で行うことが第三条に照らし許される、こういう御説明を再三繰り返しておっしゃっているわけですけれども、これは私たちは拡大解釈じゃないか、このように思うわけです。国の行う事業については、これはあくまでも国会における審議あるいは議決というものが行わるべきだというのが第三条の精神じゃないかと思うんです。
 この特例に関する法律を見ましても、これはまさしく製造たばこ、あるいは郵便、電信、電話料金、あるいは第三点は国有鉄道ということではっきりと、このことは国会の議決を経なくても、これを決定し、これを改定することができる、これはこれを除いたものということで除外されているわけです。ですから、郵政当局の言われますように、一定の要件をつければそういういろんな独占性の低くなったものあるいは必要性の低いものについては法定制緩和できるという、そういう論法は私たちは財政民主主義のこの法の精神を踏みにじるものである、このように思います。
 また、私たちこうして国会でいろいろと論議されるわけでございますけれども、こういう重大な問題は、ですからいままで法律によって定めそして国会の議決を経てきた。そういう重大なものは、必要性が多い少ないという問題――これは重大な質ですね、質の問題、私たちが守っていかなければならない問題です。それがそういう必要性の多少という量の問題によって変えられてくる、これは重大なことじゃないかと思うんです。国会の立場から言ってもそういったことは認められない、このように私たちは思うわけですが、その点いかがですか。
#16
○政府委員(魚津茂晴君) 御提案を申し上げております料金決定の特例措置というものにつきまして憲法とか財政法三条という観点でもとるものでないということは先ほど来御答弁をさせていただいているわけでございますが、特に私ここで先生に強調させていただきたいと思いますのは、厳格な条件を付してというその条件を付してそのことを国会にお諮りいたしまして、お許しを得たならばそのことによって一種、二種の料金を決定さしていただくということもございますので、これは乱暴な意見かもしれませんが、いままで郵便法の中で具体的に一種、二種の料金を決めていたのを国会の御審議とかかわりなく――そんなことできるわけじゃございませんけれども、話といたしまして、そういったようなことにでもするのだとすればそればいろいろ問題があると思いますが、独占の程度それから国民生活上の必要性の程度というものを考えて、それに見合ったかっこうで厳格な条件を付して、その条件を国会に御提案を申し上げてただいま審議を願っているわけでございまして、その審議というものを通じまして私たちがやるのだということもひとつ御理解を願いたい、こういうふうに思う次第でございます。
#17
○太田淳夫君 ですから、何も法定制緩和をここで持ち出さなくたっていいのじゃないかということなんです。結論的に申し上げれば。国会の審議を受けながらやっていくのですから、いままでだってそうなんでしょう、いままで国会の審議を受けながらやってきたんですから、何もここで法定制緩和を持ち出す必要ないじゃないかということを私たちは言っているわけです。ですから、この財政法第三条の特例に関する法律で次の三つを除くのだということを先ほども挙げましたけれども、一つは、製造煙草、二つは郵便、電信、電話、郵便貯金、為替、振替に関する料金、三つ目は、国有鉄道における旅客及び貨物の運賃の基本賃率、これは除くということですね。専売公社のたばこや国鉄運賃につきましてはこれは法定制緩和になった。私たちはこれは当然反対でございました。国鉄や専売公社と郵政省では立場に非常に大きな差があるのじゃないかと思うんです。いまはこの特例に関する法律の中で除外されてきた一つのうち残っているのは郵政省だけだ。ですから郵政省も、国鉄あるいは専売公社と同じようにこの特例法の除外ですか、これを免れることができるのだと考えるのは余りにも安易過ぎるのじゃないかと思うんです。郵政省はどういう観点から見たって国そのものでありますし国の事業です。ですから、国鉄あるいは専売公社がそういうことが許されたとしても郵政省としてはこれは厳格にこの点だけは守っていかなきゃならないのじゃないか。第一点はそう思うわけですが、その点どうですか。もう一度答弁してもらいたいと思います。
#18
○政府委員(魚津茂晴君) 私、率直に申し上げまして、財政法第三条の特例に関する法律という観点から、国の経営する企業あるいは公社形態というものとの関係で国がやってはならないが公社はある程度許容し得るというような議論としては私はくみし得ないと思うわけでございます。要するに、先ほど来申し上げておりますように、独占の程度だとか国民生活の必要性の度合いという観点からこの法の三条による基づき方を立法論として考える。今日、郵政省は国の企業ではございますけれども、先生御案内のように、たとえば労働関係一つ見ましても、その中でいろいろ要請される当事者能力の問題あるいは経営の弾力性というような観点からいたしますと、かなり共通した法規というものに立って、国の経営するあるいは公社の経営する、その経営形態の相違というものからこの三条の特例の法律あるいは三条というものの読み方というものが区別されなくちゃならぬのだということはいかがなものか。現に電信、電話の場合、日本電信電話公社の経営でやっているわけでございますが、それはその立場で現在具体的に法律で料金を定めているものも公社であっても片方であるというあれこれ考えてみますると、国だからできない、公社だったらある程度条件をつけて許容し得るという理論というものはいかがなものか、こういうふうに私、率直に考えている次第でございます。
#19
○太田淳夫君 次の観点に進ませてもらいますけれども、今回の法定を緩和するという理由の中に、皆さん方からいただいた資料にもございますが、累積赤字が五十四年度末で二千百二十四億円、これが生じてきた、赤字がこれだけ生じたのだから法定緩和をしたいというのが一つの大きな理由なんですね。
#20
○政府委員(魚津茂晴君) 法律の基づき方というものを決める際の考えなくちゃならない点は先ほど来申し上げている点でございますが、じゃ赤字というものがこの特例措置というものとの関係でどのような意味を持つかといいますと、それはきっかけになる、契機になるというふうに理解をしておりまして、法律の基づき方という本質とのかかわりでは直接関係がないというふうに考えている次第でございます。ですから、たとえば先ほど昭和四十六年の法改正で三種等の料金について法律で具体的に決めたものを省令にしたというときに一種、二種というものをやらなかったというのは、そのとき財政的な事情というようなことからして特にいまのような特例措置という御提案をする必要がなかった。しかしながら今日の赤字の実態、そしてその料金が改正されないままで推移すると将来にどのような影響を及ぼすかというような点を考えてみますと、この際にこういった形で特例措置の決定という仕組みをお許し願いたい、こういうことでございます。
#21
○太田淳夫君 それは郵政審議会の答申にも出ているものです。それに基づいて皆さん方はおやりになろうということですね。ですから、私の聞いたのは法律に基づいて云々でなくて、どうしても国民の立場を見ましても、値上げをなかなかしにくい、これからますます赤字が累積されてくるかもしれないけれども値上げはそう安易にできないだろう、たとえば小包料金なんというのは十月一日にぽんと省令で決めて上げている、しかし第一種、第二種が法律でいろいろ国会で審議されるとなると、これはおくれてきたりいろいろな面で譲歩しなければならない、そのたびに赤字がまた増加されてくるのじゃないか、そういうところでこの法定制緩和をして大臣の意向一つでもって郵便料金の値上げも簡単にできるようにしておかなければならないのじゃないか、これは国民の立場からそういうふうに見る人が多いわけですよ。そうでしょう。いかがですか。
#22
○政府委員(魚津茂晴君) 先ほど大臣の御答弁にもございましたとおり、今度の料金決定の特例措置というものの背景には、郵政審議会の答申でございますとかあるいは公共企業体等基本問題会議の答申も一つの背景としてあったことは事実でございます。その中に、「適時適切に確保されなければならない。」とか、あるいは「料金の適時適切な改定が可能となるよう、その弾力化を図るべきである。」ということが書かれていることは御案内のとおりでございますが、私どもといたしましては、今日の財政事情の中でどのようにして財政の再建を図って健全な郵便事業を国民の信託にこたえて行うかという際に、厳格な条件を付して郵政審議会に諮った上で省令で決めるということは、適時適切な対応と申しますか、料金改定、財政再建という道につながるというふうに思っていることは事実でございます。
#23
○太田淳夫君 それでは、その特例措置の条件については審議会から具体的にこれは指摘されているんでしょうか。その経緯についてひとつ説明してください。
#24
○政府委員(魚津茂晴君) 審議会の答申でございますとか公共企業体等基本問題会議の答申の中には料金決定の特例措置という方向を提言はされておりますが、そのための厳格な条件というのがどのような形でなくちゃならないとか、どういう条件を付さなくちゃならぬということは直接答申の中では触れられておりません。
#25
○太田淳夫君 次に、五十四年八月、去年の八月に政府としては新経済社会七カ年計画というものを定めております。その中で、「厳正な公共料金政策」ということを述べているわけです。厳正な公共料金政策をとることにしており、特に、「現在大幅な赤字を抱えている企業体については、早急に再建計画を確立して、企業体の徹底した経営合理化を進めることを基本としつつ、企業体、利用者、行政それぞれの役割を明らかにし、国民の理解を求めながら企業再建に努める。」、こういうふうにその中には政府の方針としてこれは書かれております。お聞きしたいことは、そういう再建計画というものがあるのかどうか、そのことをちょっとお聞きしたいと思うんですが。
#26
○政府委員(魚津茂晴君) 省として決定をしております再建計画あるいは閣議で承認をされた再建計画といったものはございません。
#27
○太田淳夫君 せんだっての委員会で、同僚の赤桐委員の質問にいろいろと局長が御答弁をされておりましたね。あれはどこのあれなんですか。
#28
○政府委員(魚津茂晴君) いま申し上げたように、省として公式に決定したものではないわけでございますが、料金決定の特例措置というものは当分の間であることは御存じのとおりでございます。累積欠損金が解消されるまでの間ということになっているわけでございまして、そのためには、当然私どもといたしまして、いろいろ再建計画というものを立てるための前提条件については不確定な要素、特に郵政事業の大きな特色として労働集約性、そのことから、これも先生のお耳に何回も入っている言葉だと思うわけでございますが、人件費でございますとか人件費的な経費が九割を超えるというような事業でございまして、そういったものが、じゃ一体今後どのようなコストアップになるだろうかというような点になりますとはなはだ予測しがたいわけでございます。予測しがたいわけでございますが、いまのような特例措置を御提案している私どものせめてものなすべきことといたしまして、非常に不確定な要素はいろいろとあるわけでございますが、現在手元に持っている有効に活用し得るデータを使って試算をしてみますとこういうことになりますという意味のものは私ども一持っているわけでございまして、その上に立って先生がおっしゃったような先回の赤桐先生の御質問に対して答えている、こういう次第でございます。
#29
○太田淳夫君 そうすると、再建計画はない。
 これは国の方針としてはっきり決めているわけです。七カ年計画の中で「企業体、利用者、行政それぞれの役割を明らかにし、」ということで。あの国鉄でさえも、いまいろいろとそういう財政再建、大変な赤字を抱えながら、再建計画をつくりながら、いろいろな批判を浴びながらでも経営努力を一生懸命やっていこうとしているわけです。特に郵政省、郵便の事業にしましてもそれは大変なことはわかります。人件費が九割も占めるというようなこともこの前もお聞きしておりますので大変なことはわかります。それをどのように展開していくか。しかし計画がなければ事業というのは進められないと、先回の委員会でもはっきりこれは指摘されておりますね。ですから、実際にあなたの担当されている郵務局の中でそういう再建計画というのを立てつつあるのかないのか、その点いかがですか。
#30
○政府委員(魚津茂晴君) 再建計画がないと私し上げておりますのは、省として正式にオーソライズしたあるいは閣議のレベルでオーソライズしたという意味での再建計画はないと申し上げているわけでございまして、私ども郵便事業を預かる者といたしまして、いわゆる再建計画という形式的な意味でのものが仮にないにしても、中長期の展望をどのように持って、そしてその上に立って郵便事業を再建するかというような構想というのは当然持っているわけでございます。
 要するに、財政再建ということはつまるところ収入をふやすということでございまして、一方また経費をできるだけ抑制するということに尽きようかと思うわけでございますが、そういった意味での収入をふやすあるいは経費を抑制するというために将来何をなすべきか、現在どのように取り組むべきかというような点については、私ども国会でもいろいろと御説明をさせていただいているわけでございますが、そういう意味での実質的な再建計画はあるというふうに御理解を願いたい、こういうふうに思う次第でございます。
#31
○太田淳夫君 じゃ、それでは一歩譲っても、郵務局の中では構想はある、しかしそれはまだ省としてオーソライズされていない。それは大臣を中心としてやはりしっかりとしたそういう計画を練られて、権威づけられたものをまず値上げの審議のときには国会に提出をして、それに基づいていろいろな審議をされるべきじゃないかと思うんです。
 私どもここにいただいておりますのは計算見込み、収入がこれだけふえますよ、値上げすればこうなりますよというのだけいただいております。こんなものは再建計画でも何でもないし、あなた方の構想でも何でもない、それは説明はされているかもしれませんけれども。もしもそういうものがあるなら、やはり国鉄の再建計画のようにきちんと国会に提出をすべきじゃないか、このように思うわけです。その点いかがですか。それでなければなかなか国民の理解なんて得られませんね。
#32
○政府委員(魚津茂晴君) 先生もお手元にお持ちだと思うわけでございますが、私どもは郵務局としていろいろの中長期の展望をいたしまして、そのために何をなすべきかという構想、実質的な意味での計画を持っているということは先ほど申し上げたわけでございますが、それを数量化して表現すると計算見込みということでお手持ちのものになるわけでございまして、たとえば収益という点を見ましても物数というものが増加をしていく、あるいは費用という点もこれをごらんになると御理解願えると思うわけでございますが、この推移そのものから見ますと全然そういったものは表面に出ていないわけでございますが、いろいろ事務の効率化あるいは合理化というような私たちが持っているその構想とリンクした数字でございまして、決してただ数字の羅列であるということでなくて私どものなすべきこととして受けとめているものを織り込んだ数字である、こういうふうに御理解を願いたいと思う次第でございます。
#33
○太田淳夫君 言わんとするところはわかりますけれども、これだけ出されたって、数字に強い人もおれば弱い人もおるんですから、これはなかなか皆さん方が意図するようなことまで読み取れませんよ。そういうのはやはりきちんと、先ほど申し上げましたように、郵務局だけの構想じゃなくて省内できちっとオーソライズしたものをやはりこういう法案の審議のときには提出すべきじゃないかということを申し上げているんです。この点いかがですか。もう一度。
#34
○政府委員(魚津茂晴君) 私、先生のおっしゃるとおりだということは基本的には思っております。そういうものを出して、今後こうなるのだ、またこうしていくのだということをお示ししながら御審議を賜るということは私はとるべき私たちの目標だと思います。
 ただ、繰り返して申し上げているわけでございますが、いろいろとこの数字そのものの中に、私たちの主体的な努力という面でなくて客観的な諸情勢というものについては非常にまだ不確定な点がございます。たとえば消費者物価でございますとか卸売物価、こういったようなものが一体どうなるかということが郵政事業にとってもかなり重要な影響を持つものでございます。まして人件費という点になりますとなおさらのことでございます。そういったものを客観的なものとして打ち出すというためには余りにも流動的であるというような中から私たち計画というようなものについていささか問題があるということで試算と申しますか計算見込み、私、衆議院の段階で申し上げた言葉を使いますと、言ってみれば私たちの意欲を込めたデッサンであるというようなことも言わしていただいたわけでございますが、そういう兼ね合いから正式なものとしまして提出することをはばかったといいますか、ちゅうちょした、こういうふうに私たちの心境を御理解していただきたいというふうに思う次第でございます。
#35
○太田淳夫君 いろいろと苦労されている心境もよくわかるわけですけれども、やはり大事な郵便行政というものを任されている立場ですからいろいろとそれは再建計画についても練っていると思いますが、大臣にもぜひとも、この法案通るかどうかそれはまだわかりませんけれども、省内でいろいろと審議され、いろいろと議論されていると思いますが、できるだけ早くそういった再建計画についてやはりきちんと権威づけられたものを国会にも提出されるようにお願いをしておきたいと思うんですが、その点どうでしょうか。
#36
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ法律案を御審議していただくにつきまして、特例の措置の中に当分の間累積赤字が解消するまでお願いを申し上げたい、こういうことでございますけれども、当分というのはいつまでだというのは本当に法文上あいまいな言葉でございますので、郵務局に、今後いままでやった合理化、機械化というものをどんどんもっと広げていって、それによって経営の合理化を図りながら、人件費はこれは毎年高騰していくものでございますから、そういういろんな点を勘案してしっかりした計画をつくりなさいということは言ってあります。
 しかし、ただつくる前提が、やはり公的な資料といいますか、たとえば経済七カ年計画に使われている数字等は利用できますけれども、それじゃ七年のその先はどうなるのか、われわれはこう考えておりますと言ったって、そんなことはないだろうと言われるともう議論の余地がないわけでございまして、そういう多少あいまいな点がございますけれども、郵務局としてはおおむね九年で一応累積赤字は解消するという試算はつくってあるわけでございます。いま御指摘がございましたように、もっとさらに公的な数字が固まってまいりましたらそれに基づいてしっかりした再建計画をつくってまいりたいと考えております。
#37
○太田淳夫君 それでは、皆さんからいただいた「料金決定方法の特例の概要」というのがございます。このことでちょっと二、三お尋ねしたいと思うんですが、この料金決定方法の特例では厳格な要件のもとで省令を定めるというふうになっております。
 最初の(1)「その期間は、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでという一定の限度を設ける」、こうなっておりますね。いま大臣から当分の間というのは非常にあいまいであるということでお話もありましたけれども、何かお話を聞いていますと、この「一定の限度」というのは九年間の試算の中に込められているということもいまお話があったように承っておりますが、具体的にどういうことを考えてみえるんですか。
#38
○政府委員(魚津茂晴君) 当分の間というのは、私どもの計算見込みあるいは試算というものからいたしますと、昭和六十三年度におきましては累積欠損金がなくなりまして五百五十億の黒字に相なるわけでございます。したがいまして、この六十三年度にこの試算どおり黒になるということになりますと現在の料金決定の特例措置というその特例措置による料金改定ができなくなる、こういうふうに私ども考え、またそれを目指してやっている次第でございます。
#39
○太田淳夫君 昭和六十三年にこの累積欠損金が解消されて五百五十億円の累積利益が出る、そのときには自動的に法定制緩和というのは消えていくわけですね、そうしますと。どうですか。
#40
○政府委員(魚津茂晴君) 現在御提案しておりますところの特例措置というものによる料金の決定はできなくなる、こういうふうに御理解を願いたいと思っております。
#41
○太田淳夫君 そうしますと、試算表ですと六十四年には三百億円ぐらい残っているはずである。その年は単年度で見ると赤字である。六十五年になりますと、そうするとこの累積赤字がまた怪しくなる可能性もありますね。そのときにはどうするんですか。そのときには自動的にまた法定制緩和の今度やった部分が自動的にまた起こってくるのか、あるいはそのときはまたきちんと国会の審議を経るのか、その点どうでしょう。
#42
○政府委員(魚津茂晴君) 仮に、六十三年度以降単年度が赤になり累積欠損金も発生する、そういった場合にどのような料金決定をするか、これはその時点において国会にお諮りして決めるということに相なるわけでございます。決して現在の特例措置が復活をするということは私たち御提案申し上げている法案の中には存在し得ないわけでございます。
#43
○太田淳夫君 ただ心配されることは、いろんな社会的な状況の変化によって予定された六十三年の五百五十億円というのは解消されなければそのまま続いていくということは確かですね。
#44
○政府委員(魚津茂晴君) 六十三年にプラス五百五十億じゃなくてマイナス幾ら、そして単年度でも、ごらんになっている表では六百億の黒字ということになっているわけでございますが、この事情が単年度においてそして累積欠損金において不幸にして赤であるということになりますと現在お願いしております特例措置による料金の決定というものが引き続いて行われる、こういうことになるわけでございます。
#45
○太田淳夫君 それでは、次の(3)の料金改定率の問題をちょっとお聞きしたいんですけれども、これは「料金の改定率は、物価等変動率という合理的、客観的基準を超えないように行うこととしている」ということですね。これは具体的にどういうことですか。
#46
○政府委員(魚津茂晴君) 厳しい条件ということをいろいろ申し上げているわけでございますが、その条件の中に料金の改定の上限というものが決められているということでございます。その決められているのはどういう決め方、その辺の仕組みがどういうふうになっているかということでございますが、物価等変動率というものがございまして、その物価等変動率を上限として総合改定率というものが決められる、物価等変動率を超えた料金の改正ができない、こういう意味での厳しい条件が付されている、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#47
○太田淳夫君 説明してください。
#48
○政府委員(魚津茂晴君) じゃ、この物価等変動率はどのように算定をするのだ、それから総合改定率というのはどういうふうにして計算をするのだということでございますが、ちょっと長くなるわけでございますが、簡潔に心がけながら御説明をいたしたい、こういうふうに思います。
 物価等変動率、つまり上限のメルクマールという言い方ができようかと思いますが、それはどういうふうにして算定をするのだということでございますが、まず基本的な考え方として、物価等変動率は郵便事業の経費の変動に影響を与える一般の物価、賃金の変動分を客観的に算定するための率でございまして、したがいまして物価等変動率は一般の物価、賃金の変動そのものを示すものではなくて、一般の物価、賃金の変動が郵便事業の経費にどの程度の影響を与えるかを示す客観的な指標であると考えている次第でございます。基本的な性格といたしまして。
 そこで、算定方法といたしまして、具体的に申し上げますと、まず前回の料金改定が行われた年度から料金改定をしようとする年度までの経過年数を勘案いたしまして、この間における卸売物価指数、消費者物価指数及び賃金指数の上昇率をこれらの指数が適合する郵便事業の経費の構成割合により加重平均することによって求められるということでございますが、ちょっと具体的な例示をさせていただきたいと思います。
 先回の料金改正は五十一年と申しますか、年度で言いますと五十年度に行われたわけでございます。その五十年度を一〇〇として卸売物価指数を計算してみますと、五十五年はまだわからぬわけでございますが、五十四年度では一一一・九という指数が出ます。それから消費者物価指数は、五十年度を一〇〇といたしますと五十四年度では一二七という指数になるわけであります。賃金指数は同様に一三七・九という数字になります。これはそれぞれ法律上の根拠のあるところで調査をした公的な数字というふうに御理解を願いたいと思いますが、卸売物価指数は日本銀行調査、それから消費者物価指数は総理府調査、それから賃金指数は労働省調査という、公的に承認された数字を使っております。
 この一一一・九、一二七・〇、一三七・九という指数というものをそのまま使うのじゃなくて、今度は郵便事業に係る経費の構成割合というものから卸売物価の変動に強く影響されると認められる郵政事業の経費の割合が一体どうだろうかということを求めるわけでございます。これが〇・〇二七という数字になるわけです。それから消費者物価の変動に強く影響されると認められる経費の割合というのは郵政事業の場合に〇・〇九一、これは五十四年度決算を例にとって申し上げているわけでございます。それから賃金の変動に強く影響されると認められる経費の割合というのは〇・八八二、これを全部足しますと合計して一・〇、こういうことになるわけです。
 したがいまして、この一一一・九ですとか一三七・九をストレートに使うのじゃなくて、郵政事業の経費の重みというものに換算をするわけでございます。人件費が九割相当というからにはこの賃金指数の持つ影響が高くなる、こういう仕組みに相なるわけでございます。そうしますと卸売物価指数というのが百分の百十一・九になるわけでございます。それに〇・〇二七を掛けるわけです。それから消費者物価指数というのは百分の百二十七ということでございまして、それに〇・〇九一を掛けます。それから賃金指数が一三七・九でございますから、百分の百三十七・九に〇・八八二を掛けます。そういったものをそれぞれ加えまして、今度は五十五年のいま実施するということになりますと四分の五乗するという作業をするわけでございます。そうしますと一・四七一という数字が出るわけでございます。この一・四七一が物価等変動率四七・一%、こういうことに相なるわけでございまして、結局、いま仮に五十一年に料金改正をしまして、ただいま御提案をしているのをこの特例措置によったとすれば四七・一%まで法律上の上限として上げ得る、こういうことに相なるわけでございます。
 一方、総合改定率、これは現在私ども御提案をしている一種、二種の料金、それから三種等の料金、それから小包の料金、それから特種扱いの料金ございますが、小包料金はすでに十月一日に実施したものとして計算をする、それから三種等の料金、省令料金になっているものを郵政審議会が財政再建のための答申という中で御提言されたものを仮にそのまま実施するというように計算をいたしますと総合改定率が三二%になる、こういうことに相なるわけでございまして、この中からうかがえますのは、上限としては四七・一%上げ得るけれども、今回の料金の改正案、それが法律によるもの、省令によるもの、いろいろございますけれども、いま御説明いたしましたように三二%である、こういうふうに御理解を願いたい、こう思う次第でございます。
#49
○太田淳夫君 郵政事業の場合はほとんど賃金指数と見てもいいような状態だと思いますが、皆さん方が出されました資料の「郵便事業損益計算見込」、これで五十九年の改定率が二〇・八%となっておりますが、その根拠はどういうことですか。五十九年の改定率が二〇・八%になっておりますね。
#50
○政府委員(魚津茂晴君) これは私先ほど来御説明いたしておりますように、賃金は六・七%上がります。それから消費者物価あるいは卸売物価指数――卸売物価が新経済社会七カ年計画によりますと五%でございます。ということで、ただいま御説明しました物価等変動率は三年間で計算をいたしますと、ここに出ておりますように二〇・八%に相なるわけでございます。したがいまして、ここの試算では物価等変動率、五十五年に改正をいたしまして五十九年に改正をするということになると二〇・・八%の物価等変動率が出るわけです。そこでこれも不確定要素でございますが、二〇・八%の物価等変動率だからそれだけ目いっぱい改正をするかどうかという点ももちろんいまから断定はできないわけでございまして、ここで仮に物価等変動率が二〇・八%になって総合改定率をそれに合わせて二〇・八%上げたとすればという試算でございます。
#51
○太田淳夫君 次に、(4)の「料金を省令で定める場合には、郵政審議会に諮問した上行うこととしており、手続面の制約が課せられている」、こういうことがございます。そうしますと、この特例の措置によりまして郵政審議会の役割りというのは非常にこれは重くなってくるわけです。国会にかわって郵便料金全体の改定を審議することになるということですから、その任務と責任とが一層これは重大になってくるわけです。
 そこで、昭和四十六年の、先ほどもいろいろございましたが、第三種郵便物等の料金の省令委任の際も、この参議院逓信委員会においては同審議会の機能強化についての附帯決議がつけられた経緯がございますが、その後どのように機能強化されておりましょうか、その点をお聞きしたいと思います。
#52
○政府委員(奥田量三君) 昭和四十六年の郵便法改正の際、郵政審議会の機能強化について附帯決議が付せられまして、その後郵政審議会の委員の構成、人選等に配意をいたしまして、広く言論界あるいはいわゆる郵便の利用者、消費者の方々の代表あるいは労働界の意見を反映できるような方、そういうふうな方々の任命について意を用いてきたところでございます。
#53
○太田淳夫君 郵政審議会のいろんな役割りですけれども、ここにもちょっと書いてありますけれども、郵便事業とか郵便貯金事業とか郵便為替事業及び郵便振替事業あるいは簡易生命保険事業及び郵便年金事業、電波及び放送の規律に関する事務以外の電気通信に関する事務等があるということで非常に多方面にわたっておりますので、それぞれの委員の方々で十分これは対応できるのでしょうか。機能として働くでしょうかどうか。その点はどうでしょうか。
#54
○政府委員(奥田量三君) ただいまも申し上げましたとおり、郵政審議会の委員につきましては、その任務の重要性にかんがみ、広く国民の意見が反映されるよう極力各界の有識者を網羅した構成となるよう配意をしてきたところでございます。また審議会の審議に当たりましても、案件に応じまして数多くの回数を重ねての御審議がある、あるいはそのために特別の委員会を設けて審議をされることもあるというふうな形で慎重に意を尽くした審議がなされてきているというふうに考えているところでございますが、今後、御指摘のように審議会の役割りはますます重要性を増してくるであろうことにかんがみまして、今後とも一層委員の人選には慎重を期し、より広く各界の意見が審議に反映されるよう努めるとともに、また各種の審議会の実情等をも検討いたしまして、審議会の機能がより一層発揮できるように配意をしてまいりたいと考えているところでございます。
#55
○太田淳夫君 そこで、先回も同僚議員からも意見が述べられておりましたが、郵政審議会の審議の内容というものは国民の前に公表されるべきじゃないかと思うんです。国会にかわるものでございますし、完全にかわるものではないかもしれませんけれども。少なくとも国会には議事録というのがございますが、それと同じように、国民の皆さん方が、審議会でどういうことがそれぞれ審議されているのか、どういうような委員の方々の発言があるのか、やはりこれはきちんとわかるようにする必要があるのじゃないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#56
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会の審議が公開で行われました場合は、その模様と申しますか、記録については必要に応じて閲覧に供することができるわけでございますが、場合によりまして、主として審議会内部で各委員の忌憚のない意見の発表を促すという意味からかと存じますが、委員会において非公開で審議をなさる場合があるわけでございます。そういった場合につきましては、審議そのものが非公開でなされたということからいたしまして議事録、記録等についての公開はなされていないというのが実情でございます。
#57
○太田淳夫君 よく国鉄等の審議会とのいろいろの差が言われるわけです。郵政省のこの審議会は、これは設置法でつくられた審議会ですね。間違いありませんね。
#58
○政府委員(奥田量三君) 仰せのとおりでございます。
#59
○太田淳夫君 委員の方々には、こんなことを言っては何でございますけれども、報酬というのがやはりあるわけでしょう。その点はどういうふうになっておりますか。
#60
○政府委員(奥田量三君) 審議会の出席の日数と申しますか、回数に応じまして一定額の手当が給せられることになっております。
#61
○太田淳夫君 これは大事な問題をこれから論議していただく場所になりますので、しかも設置法で定められた審議会でございますし、責任が非常に重くなります。国鉄等の審議会に比べると、非常にいわゆる報酬等その他の点について差があるというふうに聞いておりますが、その点いかがですか。
#62
○政府委員(奥田量三君) ただいま御指摘になりました運輸審議会の委員につきましては、七名中運輸省事務次官が法律によってメンバーになることになっておりますが、それ以外の六名の委員につきましてはこれは常勤の委員でございまして、そういう常勤という形に見合った給与が支給をされているというふうに承知をしております。ただいま手元に資料を持っておりません。そのほかの審議会等についてあるいは似たようなケースが若干あろうかと存じますけれども、各種の審議会全体の中ではそのような常勤の委員の制度というのは少ないと申しますか、むしろ例外に近い形であろうというふうに承知いたしております。
#63
○太田淳夫君 郵政省の場合、問題が専門的になる場合が多いものですから、そういう専門家の意見によってその審議会の意見の大勢が決せられてしまうようなことも考えられるかもしれませんが、それは数が多いからいいというものじゃないとも思うんです。しかし、いろいろと同僚議員のお話の中にもあったように、若い人を入れたらどうだとか、あるいは婦人の代表、消費者の代表という御意見もございますけれども、そういうことを勘案されて、責任が重くなるのだったらやはり人数はある程度しぼりながら、しかも各界の意見が聴取できるようなスタイルにすることも必要でしょうし、責任が重いならそれなりのやはり常設の審議会等に昇格などして、これは随時、郵政事業そのもののいろんな問題点あるわけですから、審議を十分加えられるようにすべきじゃないかという意見もあるわけですが、その点どうでしょうか。
#64
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会、現在、委員数三十八名以内ということで運用をされておりまして、この委員の定数からいたしまして、たびたびお答え申し上げておりますように、かなり広い分野、各界の御意見を拝聴できるような仕組みになっているというふうに私ども評価をいたしておりますが、先般来諸先生方のいろんな御意見もございます。つきましては、各種審議会の実情等も検討いたしまして、審議会の機能発揮がより一層確保できるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
#65
○太田淳夫君 次に、第九十四条関係です。
 この特例期間中の省令で一種、二種のほか三種、四種、小包または特殊扱いの料金を改定する場合には、その年度におけるすべての料金の総合改定率が物価等変動率を超えないようにする、これが出ていますね。たとえば一例を挙げますと、国鉄貨物運賃の改定に伴って小包郵便物の料金だけが改定された場合、これはたとえばですが、次の郵便料金改定に当たっての物価等変動率の算定にはこれは改定された以後の経過年数しか働かない、このように解釈してよろしいでしょうか。
#66
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございます。
#67
○太田淳夫君 そうなりますと、この料金法定制の緩和ですけれども、これは社会経済情勢の変化、それに適切に対処するための弾力的な料金改正を目的とする、こういうことでこの料金法定制の緩和がいまされようとしているわけです。実際の運用に当たっては郵便料金の全面的な改定を三年ごとにやりますよと出ていますが、それ以外には、いまおっしゃったような国鉄料金が上がったから小包料金だけを変えましょうということは非常にむずかしいんじゃないですか。ですから、そうなりますと、社会情勢の変化に対応するために弾力的な料金改定を目的としていると言っても、これは非常にむずかしいのじゃないかと思うんです。その点はどうですか。
#68
○政府委員(魚津茂晴君) 私たち、立法論と申しますか、どういう内容で国会に御提案をしようかという議論をしましたときに、一種、二種の料金決定の特例措置というようなことからいたしますと三種等の料金あるいは特殊扱いの料金あるいは小包料金というようなものを別個のものにしたらどうだという御意見といいますか、内部的な意見としては出たことは事実でございます。しかしながら、やはり郵便料金というものがそれぞれの方に影響することは事実でございますので、すべてのものをひっくるめて先ほど申し上げた条件によって決定をするという結論になった次第でございまして、事小包料金というような問題につきまして、国鉄の小荷物が上がったあるいは民間の宅送便の料金が手直しされるといった場合に、小包料金が上がればその限度で物価変動率の計算が変わってくるわけですから確かにそういう面はございます。ございますけれども、料金決定の特例措置として国民の皆様方にできるだけ恣意的なことをやらない厳しい条件という立場ではこれはやっぱり割り切ってこういうふうにした方がよろしいのじゃないかというような経過の中で、いま御指摘になったような特例措置というものの改正案を御提案さしていただいた次第でございます。
#69
○太田淳夫君 ですから、何も法定制緩和なんてしなくたって――結局は全面的な改定以外できないんでしょう。社会的ないろんな変化に対応して、国鉄運賃が上がったから小包料金を上げましょうというわけにいかないわけでしょう、皆さん方がいまはっきりとおっしゃったように。だから弾力的な料金決定なんということは、目指していると言ってもできないんでしょう。三年に一回あるいは四年に一回はいままでだってやってきたんでしょう、国会の審議を経ながら。違いますか。
#70
○政府委員(魚津茂晴君) 一つの法律論として見ますと、たとえば小包が非常に赤字であるというような場合に、総合改定率の枠の中で小包を今度経営上どうしても重点的に再建をする、料金の改正をお願いするというようなときに、重点主義というような場合にはむしろいいという場合もこの制度の中からはあり得るわけでございます。ただ、そのときに総合改定率というものを小包を中心にしてやればそれだけ上げ幅が大きくなる可能性がございますけれども、その結果一、二種に影響が出てくるということは事実でございまして、この辺はそのときどきの情勢をそれこそ弾力的といいますか機能的に判断をいたしましてこの特例措置を運用してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#71
○太田淳夫君 とは言っても、国鉄みたいに毎年上げるわけにいかないでしょう、郵便料金は。そうでしょう。三年ないし四年に一度ということになるんでしょう、それは当然。ですから、決していま局長がおっしゃっているような弾力的な料金改定にはならないんでしょう。そう言っているわけですよ。三年か四年置きにやるんだったらいままでと一緒なんですから、これは。何も料金法定制を緩和していつでも値上げできるようにしましょうと言ったってなかなかできないんだから、これはいままでどおり料金法定制緩和を外して国会の審議をちゃんと受けるようにしていきなさいということを私は言っているわけです。どうでしょうか。
#72
○政府委員(魚津茂晴君) この物価等変動率は仮に一年ごとに発動いたしまして改正をするということになりますと、先ほどお示しをしたと申しますか、先生お手持ちのその試算によりますと一年で六・五%に相なります。ですから、この六・五%というものをやはり場合によって、私たちの試算はそういったことじゃなくて三年に一回というかっこうで見込みといいますか試算を立てておりますけれども、六・七%の人件費、消費者物価あるいは卸売物価、こういったものを五%として計算をすると一年で六・五%という余地があることは事実でございます。ただ実際問題といたしまして、六・五%の値上げというものが本当にプラスになるのかどうかというような辺はございますけれども、そういったような可能性を持ちながら適時適切な料金の改定をさしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#73
○太田淳夫君 次に進みます。時間ありませんので。それは、またこの次にいろいろと論議するときがあると思いますから。
 ちょっとお尋ねしたいんですが、四つの問題からはちょっと離れまして、第一種郵便物の原価ですけれども、これは皆さん方からいただきました資料によりますと昭和五十四年度四十一円二十二銭、これは原価の上昇率を昭和五十五年度六%と見込んで計算していきますと四十三円六十九銭、同じように五十六年度も原価上昇率六%と見込みましても四十六円となるわけです。収入の平均が大体五十一円と資料によりますとなっておりますが、そうしますと一通当たり差し引き五円の黒字になるわけです。ですから、第一種料金については五十円から六十円に値上げする必要がないのじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#74
○政府委員(澤田茂生君) 五十四年度の第一種定形についての原価でございますが、一通当たりで見ますと原価は四十一円二十二銭、収入は五十一円二十二銭、こういう形でございまして、ただし、これは私どもの原価の計算の方法でございますけれども、先ほど来お話に出ております二千百億からの累積赤字、こういったものを解消するというものを見込んだ原価にはなっておりません。ただ五十四年度ということから見ますと、ただいま申し上げたような数字でございます。
#75
○政府委員(魚津茂晴君) 原価の関係は経理部長がただいま答弁をさしていただいたわけでございますが、そういった原価から見まして現実の料金というものが上回ったものをいただくようにするのはどうだろうかということでございますが、これは御案内のとおりでございますが、現在の郵便料金の決め方というのは、一条ではできるだけ安いということを考えながら決定をする、いま一つは収支相償を志向して郵便物全体として相償うという二つの料金決定の原則と申しましょうか、理念というものがあるわけでございます。郵便法の第一条と第三条がそれでございますけれども、そこで結局、先生御案内のように、一方では原価をはるかに割った、たとえば三種でございますとか、四種でございますとか、あるいは小包でございますとか、そういったものもございます。そういったことからしますと、何によって収支相償を図るかということは当然種類別の料金決定の際に考えなくちゃならぬわけでございまして、そういう観点からいたしまして、封書は利用及び収入に占める割合が高く、これを基幹として事業を運営していく必要があるため従来どおり事業を支える柱として料金を設定する、つまり片方で赤の出ているものを第一種の料金によってカバーする、全体として収支相償を図る、こういうことからただいま現行の五十円から原価を上回ってはおりますけれども六十円ということで御提案をさしていただいている次第でございます。
#76
○太田淳夫君 そういうことも国民の立場からするならはなはだ納得できない問題です。
 いま第三種以下の問題もちょっと出ましたけれども、昭和四十六年の郵便法の改正によりまして第三種以下の郵便物の料金決定方法が省令料金制に変更されたんですね。それから見てみますと、第三種の郵便物の料金の値上げの率というのも非常に高くなってきているわけです。この第三種郵便物の料金制度というのは歴史が古いわけです。日本の郵便制度ができてから存在するものですから、やはり国による政策料金的な性格をこれは持っているわけです。本会議でも申し上げましたけれども。ですから、第三種の郵便物の料金の値上げについては、先回もこういう政策的な料金制度の部分については、その赤字の分は一般会計からこれを補てんをすべきじゃないかということを私は申し上げたんですが、その点はどうでしょうか。これはやはり政治的な文化的な施策の点から行われてきているわけですから、その点どのようにお考えになりますか。
#77
○政府委員(澤田茂生君) 第三種、第四種の政策料金の関係でございますけれども、先生御案内のように、第三種、第四種、これは現在郵便法でも低料金という形でいたしておりまして、郵便料金全体として収支が相償うという郵便法の規定にのっとりましてこれを相償うようにいたしているわけであります。政策料金と申しましょうか、福祉的な配慮というようなものにつきましても、本来はそれぞれの国の行政の分野において配慮をしていくということも当然であろうかと思いますけれども、郵便事業というものを行っている事業者の立場からでき得る範囲内においてそういった面についても貢献をしていく、協力をしていく、実行していくということで今日まで政策料金をとっているわけであります。おのずからやはり私は一定の限度があるであろうと思うわけでありまして、その限度と申しますのが、郵政審議会の答申によりますれば直接原価を補償するようなものにというような一つのめどというものも出されているわけでありまして、そういった範囲内の中で御理解をいただける、納得をいただける料金という形でそういったものを配慮を加えていく、しかしトータルとしての郵便料金全体の中で収支相償うというたてまえで行っていくというのが本来的なやり方であろう、こういうふうに考えている次第でございます。
#78
○太田淳夫君 いまの御答弁の中に、こういう政策的にいろいろとやっている部分についてはそれぞれの各省庁でいろいろと考えるべきじゃないかということのちょっと御発言がありましたが、私もそのとおりだと思うんです。前回も国鉄の定期の問題、学生定期ですね、学割りとかそういう問題についても、国鉄としては厚生省なり文部省なりにいろいろと要望を出しておるわけです。これはなかなか関係閣僚の中でまとまらないようでございますけれども、やはり郵便事業としてもそういった点でマイナスがある部分を、先ほどの第一種のように原価をはるかにオーバーしながらそれを値上げして利用者に負担させるという形じゃなくて、やはりそういった部分については郵政省の立場から各省庁に対してこれだけのものは補てんしなさいということは言えるのじゃないかと思うんです。その点どうでしょうか。郵政大臣、おっしゃることございますか。
#79
○国務大臣(山内一郎君) 郵便の採算の問題でございますけれども、基本的には第三条によって郵便の料金についてはこれは独立採算制という精神がこの中に入っているわけでございます。したがって、やり方もいろいろありますけれども、各種の郵便物を全部原価計算しまして大体そのとおり決めるのが一つのやり方でございますけれども、過去の歴史もございますし、ずっと今日まできた歴史、特に三種、四種は社会的要請あるいは社会的意義によってこれは原価をもっと下げなさいという要請が毎回あるわけでございます。今回の御審議にもあるわけであります。そういうことの二点、二つ一緒に考えますと、やはり全体として採算性をとらざるを得ないというたてまえからいくと、われわれが御提案しているような線に落ちつかざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えているわけなんでございます。ある特定なものだけほかのところからカバーしたらどうかというのは、どうも第三条の精神にももとるような気がいたしますし、その点はひとつ御了承をいただきたいと考えております。
#80
○太田淳夫君 これはアメリカの例を見ましても、アメリカでも郵便については独立採算制をとっておるようですけれども、そういう政府が政策的に低料金政策をとった場合にはその赤字を一般会計から補てんしているわけです。日本でも政策的な赤字部分について、何回も申し上げるようですけれども、ほかの利用者、一般大衆に転嫁をするということでなくて一般会計から補てんしたって独立採算制を決してこれは揺るがすものじゃない、こう思うわけです。
 たとえば選挙のときの選挙用葉書についてはどのようになっているんですか。
#81
○政府委員(魚津茂晴君) 公職選挙法に基づく無料葉書の交付ということは、候補者との関係では無料でございますけれども、自治省からそれに見合ったお金は私どもちょうだいをいたしている次第でございます。
#82
○太田淳夫君 そういう例があるわけですから、ですから、もう少し観点を変えて、郵政省としても決して独立採算制をそれによって損なわれているわけじゃないんですから、そういう政策的な料金をとっている場合のところについてはやっぱりきちんとこれは要望を出すべきじゃないかと思うんです。もう一度いかがですか。
#83
○政府委員(澤田茂生君) 郵便事業が独立採算制をとり、またそれになじむ事業であるということにつきましては、大臣の御答弁で御理解をいただいたことだと思うわけでありますけれども、私が先ほどちょっと申し上げましたのは、便郵事業自体としていろいろな政策的な配慮を行っていくということにつきましてもおのずから限度があるであろうということを申し上げましたのは、足らない分は一般会計から補ってということではなくして、郵便事業は郵便事業それなりのやはり一つの限度というものがあるであろう、郵便事業自体がすべての政策というものを、郵便を通じてあるいは文化政策あるいは教育政策、そういったものをやるということでは毛頭ないわけであります。できる限界の中においてやっていくということを申し上げているわけでありまして、それ以上のものをやるということは、ある意味では本来郵便事業と別個の考え方というものをそこに持ち込むかどうかということになろうかと思います。私どもが考えておりますのは、郵便事業を郵便事業として行う、その範囲内で政策的な配慮というものをしていくものはできるだけのことはやっていこう、それには一定の限度があるであろうということで、よそからいただいてそういうものをやるということを申し上げているわけじゃございませんので、その点御理解をいただきたいと思います。
#84
○太田淳夫君 よそからいただいて、そのかわり一般の大衆に転嫁していいということにはならないと思うんです。私、先ほどから申し上げているように。時間もありませんので次に進みますけれども、それはまた後に残る問題だと思います。
 これはせんだって大森委員の方からもちょっと御質問が出ましたけれども、第三種の料金の問題ですが、大きく新聞に報道されているんです。せんだって郵務局長は一切そういうことは郵政省では考えておりませんという御答弁でしたが、これは郵政審議会でもすでにはっきり答申を出しているわけですし、衆議院の逓信委員会の段階でも附帯決議で「社会的影響を考慮すること」となっております。その点まだここでは――郵政省は三十五円というのを二十五円か三十円に抑える方針だということが新聞に報道されているんです。それはこの前否定されておりましたけれども、しかし何らかの意思表示がなければこれだけの報道はされないと思うんですけれども、やはり郵政省としては衆議院における附帯決議というものを尊重されて郵政審議会の値上げ幅からこれは十分に考慮をした値上げの範囲にするということは当然検討済みなんですね。どうでしょうか。
#85
○政府委員(魚津茂晴君) お答え申し上げます。
 その新聞記事の、たとえば何日にこういうことを決定したというその事実はないとまず申し上げたわけでございます。それから仮に今度の三種の料金を考える場合に、現在郵政審議会からいただいている答申の額がございますが、それはこの三種の料金を諮問したことに対する答申という性格のものでなくて、あくまでも郵政審議会から昨年郵便財政を再建する方策いかんという形で答申をいただいたものに参考としてその料金表がつけられているわけです。こういった額を念頭に置きながら料金の改正もやって財政の再建を図ったらよろしいのじゃないですかという答申でございますので、私ども三種の料金を正式に決めるという際には、いま一度私ども案をまとめまして郵政審議会に図るということが要請されるわけでございます。
 そこで、私ども三種の料金というものが、たとえば低料の料金に限定して申しますと、そういう意味での郵政審議会の答申が十五円を三十五円というふうになっていることは先生御承知のとおりでございますが、そういったものをそのままかけるか、あるいはまた国会での御審議の中のいろいろの御意見、それから郵政省等に対する陳情等もございます。そういったあれこれのものを踏まえながら、それにもちろんすでに出ておりますところの衆議院の逓信委員会での附帯決議というものを念頭に置きながら大臣が御判断をされてどういう料金で諮問をするかという経過をたどるわけでございますので、そういった意味からいたしましても、決定をしたとかそういったようなことはないわけでございまして、どういう事情でああいう記事になったのか私ども多少はっきりしない点がある、こういうふうにその辺の事情を御理解を願いたいというふうに思う次第でございます。
#86
○太田淳夫君 これから御決定されるということですが、大臣は、衆議院の附帯決議等もございますし、いろんな社会的な影響等も考慮されて、できるだけ審議会そのものじゃなくて、もう少しいろんな団体からもいろんな関係からも陳情ございますし、第三種の料金値上げについては慎重に配慮をされますことを希望しておくわけです。
#87
○国務大臣(山内一郎君) 第三種の今度決める料金については、一応郵政審議会の御答申をいただいているわけでございます。十五円を三十五円にしたらどうですか、こういう御答申を得ておりますが、先般の衆議院の御審議、附帯決議、それからまだこれは進行中でございますけれども参議院の御審議の意向を踏まえまして、郵政審議会にこういう強い御意向があることをお伝えして再検討していただく、こういうふうに考えております。
#88
○太田淳夫君 時間もありませんので最後の質問に入りますが、いわゆるダイレクトメールの問題でございますが、第一種郵便の八〇%が業務用の通信であり、業務用通信が第一種郵便の黒字を支えている大きな要因である、このように考えられるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#89
○政府委員(澤田茂生君) 郵便の種類別原価というものをながめてみますと、ただいま先生がおっしゃいましたように、第一種郵便物というものの収支差額というものが大変他の赤字を埋めておると申しましょうか、カバーしている分野というものがかなり大きいということは言えると思います。
#90
○太田淳夫君 これは日本ダイレクトメール協会が郵便料金値上げの影響について大口ユーザー千社を対象として実態調査をした。その結果によりますと、郵便料金値上げのあった場合には利用度を縮小する、こういう答えが四一・九%もあったということです。このことから考えますと、料金の値上げがされた場合には第一種郵便料金の黒字を支えているDMの量が大幅に減るということが考えられる、こう思うんですが、その点はどうでしょうか。
#91
○政府委員(魚津茂晴君) 仰せのように、主たる歳入源としてダイレクトメールがある。大体ダイレクトメールというのは普通通常全体の中に約二〇%を占めておるわけでございまして、それの中でまた第一種ということになりますと、先生がおっしゃるとおり黒を生み出す貴重なものであることは事実でございます。そこで、第一種にしても第二種にいたしましても、今度料金改正をいたしますと確かにダイレクトメールというものが対象をしぼるとか、あるいはたとえば一種で出していたダイレクトメールを二種に移すとか、そういう受けとめ方による反応というものがあることは事実でございます。そういったことで財政上のマイナスになるということは私は言えないとは申しません。しかしながら、私ども過去の例からいたしますと、いわゆる料金値上げショックということで一時的に利用減というものがあるわけでございますけれども、三年たちますと大体戻ってくるというようなこともまた過去の事実としては言えるかと思うわけでございます。そういった過去の事実で将来をいつまでも考えるということはできるかどうかもちろん問題がございますけれども、郵便を積極的に利用していただくための私たちの新鮮な思い切った営業感覚もまじえまして利用を勧奨するというような方策を講じながらその辺のマイナスをできるだけ少ないようにしてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#92
○太田淳夫君 郵政省側としましては、こういう業務用郵便がふえるということは私信を圧迫したりあるいは情報過多の洪水になるから好ましくない、こういう考えを持ってみえるのか、それとも郵便事業の増大によって黒字が期待できるから好ましいのか、その点のDMの位置づけについてどのようにお考えになっておりますか。
#93
○政府委員(魚津茂晴君) 一般にダイレクトメールというのは、原価計算で平均値的なものがございますけれども、その平均値的なものをさらに下回った原価であるわけでございます。と申しますのは、一般的に送達距離が短い、それから配達個所というのがわりに集中して出されるというようなことからコストを考えた場合には同じ種類の中でもより安いというのが一般的な場合でございます。したがいまして、私たちはこの郵政の財政を再建するための一つの大きな柱は収入をふやす、もうけるという感覚がぜひとも必要でございますので、そういった観点に立ちましてダイレクトメールというものの利用の増大を願いつつ、そのための施策をいろいろ講じてまいりたい、こういうふうに思います。
#94
○太田淳夫君 そこで、郵便のこういった大口利用者ですね、その利用促進のための料金減額制度とかいろいろ考えながら、やはり需要の増大、郵便物の増大による郵政事業財政の建て直しをやはり考えることが必要ではないかと思うんです。一通の業務用通信というものは普通、返信あるいは請求書の発送というようなことを考えますと大体平均三倍のこれは郵便需要を喚起する、こういうふうに言われているわけです。ですから、これはいろんな御批判もあろうかと思いますけれども、そういう大口利用者に対して大幅な料金減額制度というものを考えていくことも必要ではないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#95
○政府委員(魚津茂晴君) 現在の郵便法の制度の中で大量に差し出す方々への仕組みがどういうふうになっているかを簡単に申しますと、そういう料金の優遇策は講じていないわけでございます。ただ事実問題として、三千通以上差し出されて私たちの方でお願いしている条件に合致した区分けをして出される方には減額制度ということをとっておりますが、これは優遇策というよりもそれだけの手数が私たちの職員の中で省ける、省力化という観点で省力化に見合う制度としての料金減額制でございます。しかしながら、いま先生おっしゃる大量に差し出すということ即一定の割引をするというようなことは外国法制としてはもちろんないわけじゃございません。ないわけじゃないのですが、私どももちろんその辺は外国の制度というものを勉強はしているつもりでございますが、日本においての現在の国民感情からいたしますと、その料金減額、現在私が御説明しました区分けをした結果の料金減額に対しても大口利用者の優遇であるということで厳しい批判もあることは事実でございます。したがいまして、私ども今後一切そういうことは考えないということじゃなくて、現在大量に差し出すということから即割引をする、外国ではバルクメールというような形でいっているわけでございますが、そういった制度についてはいましばらくいろいろなことを考えなければ踏み切れないというのが率直な私たちの現在の考え方でございます。
#96
○太田淳夫君 最後になりましたけれども、いま需要の喚起の問題ですけれども、一つの問題。次は合理化の問題で、よく一日二度配達の地域では一号便が八割を超えておる、あるいは二号便が採算を無視したコスト割れのサービスになっておるということを言われるわけですが、この一日一度の配達をした場合に発信人及び受信人に対しどのような影響があるか、郵政省は調査されたことがございますか。
#97
○政府委員(魚津茂晴君) 現在、全国の郵便を配達する区、単位になっている一定の広がりを持つ区を配達区と称しているわけでございますが、おおよそ二度配達をしている区は四六、七%だったと思います。そして一度が五三%程度というふうに御理解願いたいわけでございますが、私ども事務の効率化、合理化を図るという考え方といたしまして、国民に本当に必要のあるものかどうか、そのコストとの関係で私ども配達の一度化というものが、本当に国民の大多数の方にその二度配達するというコストを考えながらやるということがいいのかどうかという基本的な考え方があるわけでございます。現実に申しましても、現在の郵便の配達の実態を申しますと、一号便で大体八三%程度量的には配達をして二号便が非常に軽い配達便になっているわけでございます。そういうようなこととか、それから国民生活のいろいろな変化というものを考えた場合に、もちろん国民の理解と協力を得るということを前提にしながらでございますけれども、二度配達しているところを一度の配達にしてみるということをやってみたらどうだろうということから、すでに新聞の報道にもあるわけでございますけれども、来年の春までに、一挙にそうたくさんやるということはいま申し上げた観点からそぐわないわけでございますので、二十数局程度全国から選びまして実施と申しますか試行をさしていただく、そして郵便物の速度にどういうような変化、反応があるだろうか、それからそのことによるメリットは一体効率化という観点からどの程度あるだろうか、そしてまた職員というものの反応がどうだろうというあれこれ考えさしていただきまして、もし総合的に考えまして今後の郵便の配達のあり方として、方向として間違っていないというようなことにでもなりますと、今後段階的に二度配達のところを一度に持っていきたいという構想を持っているところでございます。
#98
○太田淳夫君 終わります。
#99
○委員長(福間知之君) 午前の審査はこの程度にとどめます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#100
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#101
○白木義一郎君 まず、質問するに当たって、冒頭に大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
 御承知のとおり、郵政行政は他の省庁と異なった性格を持っているということは申し上げるまでもないと思います。それは郵政省の主たる業務内容が国民の生活により密着したものであり、利用者である国民の消費による収益を中心としてその収支が行われているからであります。したがって、極言をすれば、この郵政行政というのは、郵便を初めとして電信電話、郵便貯金も含めた、赤字を抑え黒字をふやしていくという経営行政であると私は思うのですが、その点、初めに大臣にお考えを伺っておきたいと思います。
#102
○国務大臣(山内一郎君) 御指摘のとおり、経営といいますか、企業性のあることも一面でございますけれども、もう一面は安い料金で提供しなければいけない、高いということではいけないという、やはり両面が私はあると思うわけでございます。したがって、できるだけ安くやるためにひとつ大いにその企業的意欲を燃やしてどうやってやれば経営がうまくいくか、あるいは機械化あるいは能率化によってどうして効率よくやっていくか、こういう面で両面ございまして、御指摘のとおり企業的な考え方を十分に持ってやらないといけない、そういうふうに考えております。
#103
○白木義一郎君 現在、四十九年以来その累積赤字は二千百二十四億円となっておる、今後ますますその赤字は増大し事業財政の状況は悪化の一途をたどることを大変憂慮しておりますが、この点についても提案理由説明に述べられておりますが、このような状況に立ち至った過去の間に一体どういうことが行われたのか、どういう努力が払われてきたのかということをこの際お伺いしておきたいと思います。午前中の審議を伺っておりましても、郵政省としてはこれだけ国民の皆さんの期待にこたえるように過去に努力をしてきたけれどもやむを得ないのだというような親切な御説明を伺えなかったものですから、改めてこの点をお伺いしておきたいと思います。
#104
○政府委員(魚津茂晴君) 私、申し上げたいと思いますのは、健全な事業運営を回復するためにはまず郵便事業の責任において真剣な努力をなすべきであると存ずる次第でございます。そのためには、事業運営の効率化、合理化を推進し、あわせて郵便の需要を拡大して業務収入の確保を図る等の真摯な経営努力がなされるべきでありまして、国民の負担はこれらを前提とした必要最小限度のものでなければならないと考えております。
 このような考え方のもとに、これまでにも事業運営の効率化、合理化につきましては、郵便事業は人力の依存度の非常に高い事業であるため職員の勤労意欲の向上についても特に配慮するとともに、郵便番号自動読み取り区分機の導入を初めとする局内作業の機械化や外務作業の機動化等各般にわたって努力してまいりました。
 また、収入の確保についても、郵便に関するコンサルタント活動、たとえばダイレクトメールの利用勧奨でございますとか郵便利用に関する協力要請等こういった活動を積極的に進めてまいりましたし、先生御案内のところでございますが、毎月二十三日「ふみの日」をつくりましてキャンペーンの推進等各種の施策を推進して郵便の需要の拡大に努めてまいった次第でございます。
 要するに、私たち赤字になってそれを料金の改正にのみ頼る、そういう安易なことでなくて、まず私たち自身は収入をふやす、そして一方経費を抑制するという立場で、いま大要申し上げたような施策を続けてまいってきたところでございます。
#105
○白木義一郎君 いま御説明を伺った点については、消費者である国民はそれを認めざるを得ないことでございますし、また、それは今後もさらに努力を続けていかれると思いますが、改めて先ほどもこれはお話があったんですが、今後のこの赤字解消のための郵政省として具体的な方策、努力を続けられるということは先ほどのお話で伺ったわけですが、内容がいろいろ各方面の法律等に関係があってというようなことで具体的に明らかにされていないわけです。いままでこういうふうにやってきたけれども、さらに具体的にこんな点を何としても郵政省としては努力を続けていきたい、そういう問題がございましたら、赤字解消の郵政省の将来における努力目標、そういったものを具体的にひとつこの際お述べいただくと大変、後の質問にも関係もありますので、具体的にひとつお伺いしたいと思います。
#106
○政府委員(魚津茂晴君) 基本的には先ほど御答弁をさせていただいた考え方、それに立ちまして一層積極的に具体的な施策に取り組んでまいるということに相なるわけでございますが、先生のお話のようにそれでは抽象的じゃないかということで、具体的にちょっと申し上げさしていただきたいというふうに思います。
 まず、機械化というお話を先ほどさせていただいたわけでございますが、先生、郵便局の御視察などの際にあるいは御存じと思いますが、郵便番号、これは四十三年の七月一日から発足をしたわけでございますが、その番号を読み取るという機械を大局に重点的に配備をしてまいりました。郵便番号自動読み取り区分機と称しているわけでございますが、こういったところで現在まで七十三局、百五台配備をいたしました。これは当然人力による区分を機械の自動的な処理にゆだねるわけでございますから省力化というメリットがあることは御説明の要はないと存じます。
 それから郵便番号の自動読み取り区分機というものは、当初配備をしましたときは大局、郵便物数の取扱量の多いところを重点的にやってきたわけでございますが、最近いろいろ性能も向上しコンパクトな機械も開発されまして、中局程度の局に小型の区分機というかっこうでふさわしい機械が開発されましたので、これを今後重点的に配備をしてまいりたい。五カ年計画で大体取扱物数の三万通程度のある局に全局配備をしたいというふうに考えております。それからいままで郵便物を取りそろえて選別をして押印をするということも人間の力でやっていたわけでございますが、これを機械が処理するということで、郵便物の自動選別取りそろえ押印機と称しておるわけでございますが、こういったものも九十四局、百十二台すでに配備しておりますが、さらにこれを拡大して配備をしてまいりたい。
 それから小包の区分装置ということで、小包の取り扱いの多いところ、この最たるものは、あるいは先生御視察になったかと思いますが、小包を専門にやる局をつくりまして、大量に処理することのメリットを生かすということで集中局もつくっているわけですが、そこまでいかない場合には小包の区分装置というようなことも局に設備として整えてまいりました。
 それから書状の自動押印機あるいは書留の複写機というようなもの、一々その性能、役割りという御説明もいささか冗漫になるおそれがありますので、この機械名だけを申し上げさせていただきたいと思います。
 それからさらに、人力を省くということから郵便の窓口引受用のセルフサービス機ということで、郵便局の窓口に行きますと、窓口の職員にサービスをお願いするということじゃなくて、機械が書留の引き受けを自動的にやるというような装置も最近できましたので、こういったものも拡大をしてまいりたい。
 こういうことが主として機械の配備状況ということで御説明をさせていただいた次第でございます。
 次に、集中処理局の設置ということで東京の都内には三つの集中局をつくりました。小包を専門に集中的に扱う、そこに機械を導入して人力をできるだけ抑制するというようなことで東京北部小包集中局、東京南部小包集中局というものをつくってまいりました。一方、定形外というものを、いま申し上げた小包集中処理局と同様な意味、目的をもちまして、これも新設局として発足をさせました。同様に大阪におきましても小包集中局ができたことはあるいは先生御存じだろうというようなふうに思うわけでございますが、そういう集中局を新設する。この集中局の新設ということはすでに終わったということでなくて、近く名古屋、それから横浜を中心としたところの集中処理ということで現在計画を進めているところでございます。
 それから集配作業の機動化ということで、かつては赤い自転車ということであったわけでございますが、今日は大部分が赤い自転車から赤い機動車になって能率を上げております。これも御存じのとおりだと思います。
 それから集配部門としましては、集合受け箱を勧奨いたしましてつけていただくということから、一戸一戸の配達からその集合受け箱に配るということによる能率化、それによるコストの抑制ということも続けてまいりました。
 それから住居表示の問題にいたしましても、新しい住居表示というのは、全国的に見ますと実施率というのはまだ三五%ということで低率になっておりますけれども、この辺は特に今後力を入れまして、いろいろ地方公共団体の財政事情等困難な事情もあることは承知しておりますけれども、そういった点にも力を入れまして、地番の混乱の中での配達作業から秩序のある新住居表示の配達という集配環境を改善するためにも一層力を入れてまいりたいというふうに考えております。
 それから郵便の仕事は郵政職員にだけ頼るということでなくて、郵政職員でなくても郵便の仕事の中には外部の力をおかりするというような面もいろいろあるわけでございまして、たとえば小包の配達を職員の配達から外部能力の活用ということで委託をする、あるいは団地等の配達というようなものにつきましても、主婦労働力を活用してママさん配達というかっこうで、できるだけ本務者の雇用ということでなくて経費の抑制というような形でも意を尽くしてまいった次第でございます。
 いろいろ詳細を申し上げますとあると思いますが、機械化それから集配の環境の整備、集配の外部能力の活用というようなことでできるだけ経費の抑制というものをやってきたこと、さらに今後これを伸ばしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 それからいま一つの収入の確保ということでございますが、まず一番大切なのは、新しい感覚で郵便というものも販売である、郵便というのは単に差し出されたものを受動的に受けとめるのじゃなくて、こちらが積極的に働きかけをして郵便の利用というものをやっていただくというようないろいろの施策というものが大切だろうと思います。そういうようなことから郵政局あたりでまず営業課――郵便に営業課というのは一つの意識革命だと私は思うわけでございますが、そういう営業課をつくって今後全郵政局に及ぼしていきたいというふうに考えておりますが、そういう意識の改革と組織を手直しして体制をつくるということを基本としながら、大口利用者へのいろいろの働きかけ、それから個人の通信の喚起ということでいろいろの行事を私たち見逃すことなく活用いたしまして、郵便がより多く差し出され、郵便をより多く利用していただくような施策を今後とも続けてまいりたいということで、私たちなりに、単に料金の値上げということに頼るという姿勢でなくて経営的な感覚で、先ほど大臣も答弁で申されておりましたけれども、経営的な感覚でもっていろいろの施策、いろいろの手だてを今後ともより一層尽くしてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#107
○白木義一郎君 そうしますと、ちょうど一般の企業が危機感を持って自衛のために企業努力を絶えず繰り返すと同様に、いま伺ったように当局としてはあらゆる努力を払ってこられたように伺いますが、午前中のあなたの答弁の中に何かウルトラC的なものを持っている、だけれども、まだこれはオーソライズされていないのでということで終わってしまったんですが、いま伺ったのは、現在に至るまでの郵政省としての努力を具体的に話していただいたわけですが、さらにここで料金値上げをすると同時にさらに企業努力と同じような努力をしていかなきゃならないのは当然ですが、それについてまだはっきり省内でも詰めていないというようなことがあるのだというようなことをちょっと午前中お聞きしたんですが、あなたのお考えあるいはアイデア等がありましたら伺っておきたいと思います。
#108
○政府委員(魚津茂晴君) 私、午前中にお話を申し上げさしていただきましたのは、省内でオーソライズされていないというものを郵務局としては持っておりますというふうに申し上げたのは、具体的により多くもうけるあるいは経費を節減するという何か手だてをまだ郵務局として温めているけれども省全体のコンセンサスを得ないので発表できないという趣旨で申し上げたわけじゃないわけでございまして、その趣旨は、今後十年間一体郵政省というのはどれくらいもうける計算があるのだ、一方どれぐらいの費用がかかるのだという収支の見積もりという点についてまだオーソライズされたものがございませんというふうに申し上げたのでございますが、せっかくの先生の御質問でございますので……。
 私、先ほど余り長くなるということで申し上げなかったのでございますけれども、先生のおっしゃるウルトラCというたぐいのものじゃもちろんございません。もちろんございませんけれども、私ども考えておりますのは、今後の一層の努力ということのほかに新規商品的なものといたしまして、たとえば電子郵便を開発してみようとか、あるいは広告つきの葉書を今度御提案をさせていただいておりまして、御承認になればそういったようなものも大いに需要の喚起というようなことで生かしてまいりたいというようなことでございますとか、それから機械の問題にいたしましても、区分けをするというのを機械にゆだねたとしても、区分けの基本は打鍵でございます。打鍵なんですけれども、その打鍵の方法による区分けでなくて、音声での区分けというような音声入力装置による区分装置というようなこと。
 それからサービスというものを社会の動きに対応して、そしてまたお客様の御理解と御支持を得られるならば基準を手直ししてみようというようなことで、配達一度化の問題ですとか、あるいは窓口の取扱時間を簡単に言いますと短縮をさせていただきまして、現在たとえば午前八時から午後八時までやっているそういった実態が必ずしも必要じゃないのじゃないかというような声も強まりますと、十二時間の窓口を開いていますとどうしても一つの窓口に対して二人要るわけでございます。それを労働時間に合わせたかっこうで短縮でもすることを社会からお許しを得るというようなことになりますと、一人の配置にしてそのことからの人力の節減ということから経費の抑制に努めてまいりたいという、あれこれまだ持っております。ただ、先生がおっしゃったウルトラCをまだオーソライズされていないのでというようなことは、いま申し上げた答えで御理解を願いたい、かように思う次第でございます。
#109
○白木義一郎君 御承知のとおり、今回の料金改定については相当反対の声が強いわけです。その中であえて値上げをしようというそのさなかに局長の先ほどの発言がありましたので、値上げをしてもらうと同時に実はこういうあれがあるのだというようなことがあるのじゃないかということで非常に期待をしながら伺って、そのウルトラCに近いものを少し国民の前にちらちらさせていただければと思ったのですが、伺いますと、相当努力に努力を重ねた結果値上げをするしかないというような結論に達して今日に至ったように思いますけれども、私、昔国鉄が赤字に苦しんでいて、その国会審議における運輸省並びに国鉄関係者の答弁を思い出したわけですが、このまま推移していきますと利用者であり消費者である国民に見放される心配が大変ある、したがって現在の国鉄の二の舞になるおそれが多分にある、こういうように考えておるんですが、その点はどのようにお考えですか。
#110
○政府委員(澤田茂生君) 郵便事業の財政の現状は、先生も御承知のように五十四年度末で二千百二十四億円という累積欠損金を持っているわけでございまして、これを一日も早く解消いたしたいということでただいま料金改定をお願いしているところでございます。
 私どもの見込みでございますけれども、今回の料金改定をお願いできますれば、五十六年度には約八百億、五十七年度には約四百億円程度の利益を生ずる、こういう見込みでございます。五十七年までの三年間で累積欠損金の半分程度というものは解消していきたい、こういうふうに思っておりますし、また御提案をいたしております料金改定の特例措置、こういうことを今後発動いたしまして、五十七年度以降二回程度の料金改定、こういったことを行えばいま抱えております累積欠損金は今後十年の間で解消することができるというふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても、ただいま郵務局長がるる述べました事業経営の合理化あるいは効率化あるいは経営感覚のもとに増収にいろいろ努める、こういう各種の施策というものを積極的に推進いたしまして、できるだけ早く累積欠損金を解消していく、また私、郵便事業につきましてはそれが可能であろうと思っておりますし、その解消の暁には安定した事業の発展というものに一層の努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#111
○白木義一郎君 大臣にお尋ねしたいんですが、いま申し上げたとおり、私どもは、国鉄の二の舞になるおそれが多分にある、こういうように心配をしているわけです。大臣も十分御承知のとおり、機会あるごとに料金を改定して累積赤字を減らさなくちゃならない、それ以外にないというような考え方をせざるを得ないんですが、そこで、大臣としては初めて郵政大臣に就任されて、初仕事が国民がいやがる値上げをというので非常に察して余りあるものがあると思うんです。しかも、わが参議院出身の大臣が口にこそ出さずに悶々と赤字記録の第一号というような立場になられているということで、国民の側に立っても何とかこれをというような気持ちがあるわけです。
 そこで、先ほど最初に申し上げたように、経営行政という立場からもう少し積極的に大臣に腕をふるっていただけることがありゃしないか。大変極端な例だと言われるかもしれませんが、たとえば渋谷駅の前に、一等地も最上の一等地に郵便局が建っているわけです。そこは一、二階が郵便局として使われ、その上は職員の寄宿舎、こういうようなことで職員の方にしては大変便利なところで住まっているというようなこともありますけれども、この際そういうところも経営という面から考えていく点が残されているのじゃないか。これは法律あるいは他の省庁との関係もしがらみがいっぱいあると思うんですが、何とかというところから考えていきますと、商売人が何とかもうけていかなきゃならぬ、入るをはかり出るを制するということから、そういう点も今後枠を広げるといいますか、それは一例として申し上げたわけですが、そういうことについて大臣にお考えをお伺いしたいと思います。
#112
○国務大臣(山内一郎君) どうも、いまの郵便法とか、それから郵政省設置法あるいは国有財産法、いろいろ入り組んでおりまして、いまのところは先生もおっしゃったように独立採算制であり、収入は料金によって得てそれを公平にできるだけ安くするようにしなさい、こういう法律のたてまえがこうなっているわけでございます。このたてまえをどうやっていくかという問題で、非常に将来のことについて白木先生は一つのいい御提案がございまして、それではやりましょうというところにまだいまのところはいろいろな制約があってできないのでございますが、いろいろとむずかしい問題も含んでおりますので、研究はひとつさしていただきたいと思いますが、それでは研究してすぐやれるというようなことまでなかなかいかないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。御提案は非常にいい御意見でございますので、十分に参考にしてやっていきたいと思っております。
#113
○白木義一郎君 こういった問題は、いま大臣がおっしゃったとおりなかなか右から左というわけにいかないのがお役所仕事だということは十分承知をしておりますが、ただ国民の側とすると、赤字になったら値上げをすればいいんだ、余り芸がなさ過ぎるじゃないか、こういうことでありますので、ひとつ十分討議、検討をしていく必要があるのじゃないかというので一例を申し上げたわけですが、また改めていろいろお尋ね申し上げたいと思います。
 次に、この資料は先日郵政省の方からいただいた資料ですが、単純に考えて、私は、第一種の定形郵便と第二種の葉書では原価は人件費がほとんどだ、こういうことですが、したがって第一種も第二種も原価はほとんど変わらないのじゃないか、こう思っておりましたところが、第一種の定形は原価が四十一円二十二銭、第二種、葉書は二十八円一銭、こういう原価に大きな開きがあるのに、実はこれを見せていただいて驚いたわけですが、この点御説明をしていただきたいと思います。
#114
○政府委員(澤田茂生君) 第一種定形と第二種の原価でございますが、これは、ただいま先生おっしゃられましたような四十一円それから二十八円、こういうことでございまして、この差が大体、第二種は第一種定形の約七割ということになろうかと思うわけでございますが、この差は第一種定形と第二種の処理の能率あるいは輸送経費、こういうものによる違いということでございます。たとえて申しますと、郵便物を区分けするという作業がどうしても要るわけでございますけれども、第二種は葉書でございまして形が一定でございます。それに比べまして第一種の方はさまざまな形があるというようなことで処理能率が低いというようなものがやはりコストの開きというものにかかわってまいります。また、小さい郵便局でございますと、切手の消印をいたします。これは葉書の消印もいたすわけでございますけれども、葉書の方は小さな機械でございますけれども機械で処理をするということでございまして、大変能率が高い。それに比べまして、一種の方はやはり手作業で一通一通消印をしていくということがございます。こういうような処理能率の差というもの、あるいは輸送面というもので見た場合に、第一種定形というのは第二種に比べまして容積が大きいわけでございますし、また重量も多いというようなことでどうしても経費が高くなる、こういうようなことで一種と二種の原価の差というものが出ているということでございます。
#115
○白木義一郎君 私はこの間現場を見せてもらってきて、五十円の封筒とそれから二十円の葉書のいまおっしゃったような作業は同じ機械でどんどんやっているわけです。しかも原価のほとんどが人件費ということであれば、多少目方がどうだとかこうだとかいうことは当然あるにしてもこんなに原価に開きが出るはずがない、こう思って実はお話を申し上げたんですが、もちろんあなたは一生懸命赤字を何とかと計算ばっかりされていて最近の現場は余りごらんにならないだろうと思うので、そういうことになるだろうと思います。
 さらにもう一つ、今度は葉書の方が、原価が二十八円一銭で収入は二十円二十七銭、こういうふうに資料になっておりますが、そこで、素人考えと言われればそれまでですが、なぜ葉書が二十円二十七銭の収入になるのか、こう不審に思ったわけですが、この点ひとつ御説明を願いたいと思います。
#116
○政府委員(澤田茂生君) お答えいたします。
 先ほどの一種と二種の差のことにつきまして、ちょっと補足をさしていただきます。
 先生ごらんいただきましたのは、恐らく大きい郵便局で大きな機械が入っているところだろうと思うわけでございます。そういうところは一種も二種も同じ機械で処理をすることができる機械が入っておりますが、中小の郵便局におきますとそういう機械はなかなか入っていないというところもございますので、その差というものがあるということでございます。
 なお、葉書の収入が、葉書は二十円で売っているのにどうして二十円二十七銭となるのかということでございますけれども、これは原価関係収支におきます収入のとらえ方ということでございまして、葉書を一枚売れば確かに葉書の代金は二十円でございますけれども、そのほか郵便の業務収入全体として原価計算をする場合のもとになる収入というものをとらまえる場合に、この二十円の収入という以外に郵便に関するいろいろな収入がほかにもございます。たとえば料金受取人払いの手数料とか、あるいは書損交換手数料、あるいは私書函の使用料、こういった各種の使用料というようなものもございますし、こういった収入も郵便の収入ということにいたしております。また、そのほか雑収入、たとえて申しますと郵便に関するいろいろな物件の売り払い代金、こういうものも郵便の収入という形でとらえておりまして、これを各種の郵便物の原価収入の方に割り振るという計算をいたしておりますので、そういったことで二十円と違った端数のついた収入というものが一通当たりに分配されているということでございます。
#117
○白木義一郎君 そうしますと、あくまでも葉書は二十円でしかない。なぜこういう収入――収入といいますと、葉書を売ったから二十円二十七銭の収入があったということなんですが、いまの御説明によりますと、不動産の売買だとかあるいは職員の宿舎の収益とか、そういういわゆる雑収入を原価計算のテクニックとしてならして収入と赤字と、何というんですか専門的にはわからないんですけれども、割り振るとこういう端数が出てくる、こういう御説明であったようですが、そういうふうに伺ってよろしいですか。
#118
○政府委員(澤田茂生君) 考え方といたしまして、一つの郵便物の収入、いろいろな収入をすべて入れてそれを種類別に分けると単価二十円というもの以外のものが付加されてくる、こういうことでございます。
#119
○白木義一郎君 そこで、収入の何というんですか、切手代とかなんとかという以外にいま言ったような収入というのはどんなものがありますか。いま申されたのは宿舎の収益だとかそれから不動産を売り払った収入、それ以外にどんなあれがありますか。
#120
○政府委員(澤田茂生君) 雑収入、細かいのはいろいろあろうかと思うのでございますけれども、物件の売り払い等、たとえば赤い自転車の古くなったのとか、あるいは赤いバイク、こういうものも不用になれば売り払うわけでございますが、そういったものの売り払い代金。ただいま先生おっしゃられました物件の貸付料といいますのは宿舎料というようなものもございます。あるいは郵便職員も病院に入っているわけでございますけれども、こういったものが支払うようなもの、こういったものもそれぞれ分計をいたしまして郵便の収入という形にいたします。それをさらにそれぞれの種類の郵便物に分配をする、こういうことを原価計算の過程では行っているということでございます。
#121
○白木義一郎君 この表を見ますと、五十四年度では通常郵便では五十三億の黒、それから小包郵便では四百九十一億の赤、こういう数字になっておりますが、簡単に言えば小包の赤字を一般の大衆の通信である葉書あるいは封書等の売り上げによってカバーしている、こういうふうに思わざるを得ないわけですが、これは何回もお話がありまして、総体としてやむを得ないのだというようなことなんですが、今回国鉄は合理化のために赤字路線をぶった切るというようなことが言われておりますが、そこまで考えなくていいのかどうなのかという心配をしているわけです。これは将来の問題にもなりはしないかと思うんです。
#122
○政府委員(魚津茂晴君) 現在の郵便の収支を考える場合に、小包の赤字が非常に大きな問題であるということは先生御指摘のとおりでございます。そこで、今後収支を改善するいろいろの方策を考える際に最も赤字を生み出している小包を手離す、郵便事業から離してしまうというような考え方というのは、もちろん議論としてはないわけじゃございません。しかしながら私ども、国鉄には小荷物があり、それから先生よく御存じのところでございますけれども、民間による小型物件の配達というものが次第にふえてきておりますけれども、何としてもやはり国鉄でございますとか民間のサービスエリアなるものは全国を完全にカバーしていないわけです。恐らくカバーし切ることはないと思います。現状においては市町村で言いますと三三%程度、郵政省のサービス以外のサービスでカバーしておるのはその程度なんです。それから郵便の集配区で言いますと六〇%ちょっと上回った程度でございます。そういう点からいたしますと、赤字が出たから小包のサービスをほかにやってくれるところのないままに小包を手離してしまうということは、まさに郵便事業の持つ公共性ということから私たちとしては決断はできないところでございます。してみると、やはり小包で赤字を仮に出しても、これは今後いろいろ改善に努力するにしましても、そう一挙に黒字になるという処方せんは私たちいま持っているわけじゃございません。ございませんが、赤字を出しても郵便物全体として収支が償うというような郵便料金を御理解していただいて全体としての郵便事業の健全化を図りたい。また、この点はよくお話を申し上げますと御理解はしていただけるのじゃないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#123
○白木義一郎君 大臣や皆さん方の立場に立つと十分理解はできるわけですが、これはあくまで独占事業であるがゆえに理解をせざるを得ないわけですが、これが普通の商売だったら、こっちのあれで赤字だから同じ品物を値上げをすると、よその店が前の値段で売っていたらどうしようもないわけですから、そこに今後の皆さん方の工夫と努力を期待するわけです。
 最後に、大臣にひとつ真剣にお考えを願いたいことがございます。審議会等の問題等についてはまた他日いろいろお伺いしたいと思いますが、そこで第三種の問題ですが、来年は身体障害者の年であるということで、患者や障害者団体が発行している定期刊行物の第三種郵便料金が値上げをされる、こういうことですが、これはひとつはなはだタイミング的にまずいのじゃないか、こう思うわけです。それで時あたかも先日文化の日に灰色高官が勲章をちょうだいしたということでいろいろ論議が起きておりますが、それと並行して郵政大臣は来年は身体障害者の年であるがゆえにお祝いとしてその刊行物は値上げをしてあげましょう、こういうことにならざるを得ないと思うんです。その点ひとつ、赤字解消のための値上げの中にもわが参議院出身の郵政大臣は非常に細かい配慮をして、その点をこのようにということを私は最後に本日は期待をして、大臣の御所見を伺うわけです。
#124
○国務大臣(山内一郎君) 第三種全体についてはたびたび御答弁したとおりでございますので、郵政審議会によく再検討をお願いしますが、いま御指摘のございました身障者の問題につきましていまのところ具体的の案は持っておりませんけれども、せっかくの御指摘でございますので、何かいい案ができないかとも思いますので、ひとつ検討さしていただきたいと思うわけでございます。
#125
○白木義一郎君 いい案はございませんけれども、とりあえず身障者の年ということにちなんでこの分だけは据え置きというようなことは大臣の一存でいくのじゃないか。非常に国民は日々いろいろな事件を耳にしながら心を痛めているやさきに新大臣からお祝いの値上げをされたなんということですと大変微妙な影響があると思いますので、ぜひひとつ実施方をお願いして本日の私の質問を終わります。
#126
○山中郁子君 さきの本会議におきましても質問を申し上げ、また要求もいたしましたけれども、今後の郵便料金をめぐる問題につきまして、政府の責任ある赤字解消計画があるのかという点でございます。改めてこの点についての見解をお尋ねいたします。
#127
○政府委員(魚津茂晴君) 私、改めて御質問があって改めて同じ答えをせざるを得ないことははなはだ恐縮なんですが、先ほど来御説明いたしておりますように、赤字の解消を図るめどというのは、今度の料金の決定の特例措置を御提案申し上げているという立場からすると当然持たなくちゃならないわけでございます。持たなくちゃならぬわけでございまして、また事実私たちは持っているわけですが、その持っている試算と申しますか、見込みというものは、省としてあるいは内閣としてオーソライズしたものではございません。なぜ、じゃそのオーソライズというのはできないのかという点でございますけれども、私たちいろいろ試算はしておりますが、その試みるという場合のデータというものが、どうしてもこういう計画でございまして、絶対間違いございませんというためにはいささか問題のある数字を使っていることは承知いたしておりますので、私、お答えといたしましては、郵務局として今後の展望とその展望の上に立ついろんな諸計画というようなものを数量化したものとして先日来国会に提出をさしていただいたものでございます。それ以外に別に温めてる計画というものはないということで御理解、御了承をお願いいたしたい、かように思う次第でございます。
#128
○山中郁子君 いま魚津さんがおっしゃった先日来国会に提出してあるというのは、この「郵便事業損益計算見込(概算)」としてあります表だと理解いたしますが、つまりこれによりますと、五十九年、改定率二〇・八%で値上げをする、六十二年、改定率二〇・八%で値上げをする、この計画ですね。これは確認をさしていただきます。
#129
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございます。
#130
○山中郁子君 そうしますと、いつ、どのようなめどで、どのような皆さん方の計画でこれらの点について政府として責任ある計画を提示なさるおつもりなのか、そのことをお伺いいたします。
#131
○政府委員(魚津茂晴君) 人件費の計算というのは既往の平均値というものを使って六・七%ということで試算をしているわけです。そういった限りでは、今後いつになったら将来間違いなく、たとえば十年後人件費というものがこの程度になるだろうというような数字が果たして出るのかどうか、ただそういう点に留保をつけまして、さらに私たちいろいろ諸情勢を探りながら、研究しながらいまよりかより正確なものが出し得る余地は私はあるのじゃないか。それから物件費等の、つまり消費者物価の問題、卸売物価の問題、これは山中先生もよく御存じのところでございますけれども、新経済社会七カ年計画ということで、それしか私たち頼るものは寡聞にして知らないわけでございます。それが公的な立場で十年後を見通せる計画というものが客観的に妥当な数字という評価の受け得るものとして今後出現するとすれば、それを使ってまたより正確なものに直していくという作業は当然やりたい、かように思っておる次第でございます。
#132
○山中郁子君 もう少し責任が持てるようなものがいつの時点か出せるとは思うという御答弁だと思いましたけれども、どのぐらいでそういうものを出すつもりでいらっしゃるんですか。
#133
○政府委員(魚津茂晴君) これは私たちの主体的な決意とか意欲というものだけではいかんともしがたい、周囲の情勢というものがそういうより正確な資料というものを生み出すような条件が整わなければなかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えておりますので、できるだけ早い機会にもう少しより正確なものをと意欲を評価しながら御了承をお願いいたしたい、かように思う次第でございます。
#134
○山中郁子君 それはとても了承できないものなんですよ、事の筋合いから言って。
 私は大臣にもちょっとぜひ聞いてほしいと思うんですけれども、当分の間こういうことで法定制を外してくれ、端的に言えば政府の自由に値上げをさせてくれ国会審議を経ないで、とおっしゃるわけでしょう。それを理解してくれとおっしゃる。そして片方で、それじゃ当分の間ということで大ざっぱな考え方はどうなのかといって伺えば、これで言えば八年間に三回値上げをする、こういう勘定になりますね。大体十一年目でまた値上げをするというふうになっているようです。これを見ますと。そういう十年にもわたるようなこれからの法定制を緩和するという重大な問題を、片方は御理解いただきたいと言って、片方は不確定要素が非常に多いから責任のある計画は出せないんだ、こうっゃるのは余りにも虫のいい話だと思うんです。
 計画というのは、そもそもすべての問題について政府がいろんな計画を出しますよね。物価の値上げはことしはこの程度に抑える、五年間でどうだとか、いろいろ出します。新経済社会七カ年計画もそうです。それは出した以上は、もちろんそこに実際の問題とのどのような懸隔が生まれようと、それはそれとして政府の責任に帰されるべきものであるということは当然のことだと思うんですね。だから、いま現在、これから向こう十年の間に郵便の料金をめぐる状況がどうなるのか断定できないなんていうのはあたりまえのことであって、だけれども、そういうもとにおいて責任のある計画を立てるというのが政府の仕事であって、いまそういう論法で、だから責任のある計画は出せないんだということをおっしゃるということは、それは私は責任回避以外の何物でもないと思いますが、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(山内一郎君) ごもっともな御指摘でございまして、「当分の間」と書いてある以上は、当分というのは大体いつごろか見当をつけるべきであります。そこで、一応事務当局で試算したものがございますけれども、これに使う数字で大体間違いない公的なものとしては、六十年までの数字につきましては経済七カ年計画がございますので、それに基づいて数字を計算しているわけでございます。六十一年以降はどうなるかといいますと、まだ政府において決定をした公的なものはないんです。だから、郵政省としてはこのぐらいになるでありましょうというので、私は一つの試算であるというふうに申し上げているわけでございます。
 一方、郵便事業の経済的な合理化とか機械化という問題は、これは大体独自の計画としてできますので、その点をはじいておりますけれども、いわゆる物価等あるいは経済成長率の問題というのははっきりいたしておりませんので、その辺は一応の試算でございます。こう申し上げているわけでございます。
#136
○山中郁子君 試算であることはそのとおりだと思うんですね、いずれにしても。そういうものを責任をもって国民の前に提示をして、少なくともあなた方の責任で当分の間というふうに言っているけれども、これはこのぐらいの期間の間にこのぐらいの値上げをするということで累積赤字を解消できると思うから、だからこの際この法定制緩和について了解してくれ、こうならなきゃうそなんです。そういう重みのあるものとしてこれは受け取ってそれじゃよろしいわけですか。あなた方の計画として受け取ってよろしいわけですか。
#137
○政府委員(魚津茂晴君) 先ほど来申し上げているいろいろ問題は持っている資料を使ってはいるものの、それじゃそれ以上正確な予測をするものがあるかといったら、私は結局はないのじゃないだろうかというふうに思っております。そういう限りでは決して試算だから当たるも八卦というようなそういういいかげんなものでなくて、私たちも真剣に考えて、この試算でごらんになっているような計画で累積赤字を解消したいというふうに思っていることは事実でございます。
#138
○山中郁子君 先ほど大臣がおっしゃいました、六十年までは新経済社会七カ年計画で指標が出ている、物価問題などについて。それ以降が出ていないということによれば、六十年までの分については少なくともある程度責任のある計画だと郵政省としては考えている、こういうことですか。
#139
○政府委員(魚津茂晴君) 物件費の算定というのは、繰り返して申し上げているように五%として計算をしておりますが、その根拠というのはそういう公的な計画に基づいているという意味では自信は持てると思います。ただ、もう一つ問題になりますのは人件費でございますが、これは六・七%ということでやっておりますが、しかしながら、今後賃金の上昇というのが、過去のこれは四年間を平均して出した数字でございますが、その四年間で出した数字というものと大差がないかっこうで世の中が推移するかどうかという点については、期待はしておりますけれども、その限度での問題は残っているというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、私どもこの計画というものは問題はあるということは承知しつつも、現在われわれとしてなし得る計算としてはベストに近いものというふうに考えているところでございます。
#140
○山中郁子君 郵務局長にお願いなんですけれども、私は、だから郵政省が責任のある計画として出しているんだというふうに理解してよろしいか、こう伺っているんですけれども、そうですが。あなたのおっしゃること自体は言葉としてわかるけれども、私の質問に対しては、そういうふうに受け取ってよろしいということなのかどうか、はっきりしてください。
#141
○政府委員(魚津茂晴君) 形式的には、これも先ほど来申し上げておりますように、省としてのコンセンサスを得たものでないという意味では問題はあるんですけれども、私どもとしては責任を持った数字である、可能な限りの検討を加えてはじき出した数字であるという意味で、責任は持った数字ということで御理解していただいても結構がと思います。
#142
○山中郁子君 じゃ、なぜ省としてコンセンサスを得ないんですか。私が言っているのは、片方で、この間十年になるのか何年になるのか知らないけれども、当分の間法定制を緩和してくれ、国民の皆さんにそれの御協力をお願いしたいとあなた方はおっしゃっているんだから、だったら責任を持って省としてもコンセンサスを得るようにしたらいいじゃないですか、内容的に。あなた方がそれで責任が持てる最大限の努力をしているのだというものとして自信がおありなら、なぜ郵政省としてこういうものだということで国民の前に責任を持ってきっぱりと歯切れよく提示しないのか。政府として計画はこうでございます。だから当分の間がまんしてくれ、こういう出し方にならなきゃ話が通用しないと言うのよね。どうですか、その点は。
#143
○国務大臣(山内一郎君) 郵政省が決めるといいましても、政府の中の一省でございますから、郵政省で決める以上は、消費者物価上昇率六・四%と同じように政府で決めた数字でないと私は公的に郵政省としても決定できない、こういうように考えておりまして、一応これは試算でございますということを申し上げているわけでございます。
#144
○山中郁子君 そういうふうになってくると、おわかりだと思いますが、片方では責任ある計画は出せない、政府としてのものにはなっていかないのだ、そして片方ではその範囲を超える期間にわたって法定制の緩和をしてほしい、こういうことを国民に求めていらっしゃるわけね。それは片手落ちだと言うの。当然のことだと私思いますよ。いずれにいたしましても、二つのことを私は要求しておきます。
 一つは、ここで郵政省がそれなりの自信を持って現在の条件のもとででき得る限りのものとして試算をいたしましたという中身のこの試算の根拠、これをもう少し解明してはっきりしたものを出していただきたい。具体的な点はおわかりになると思うんです。つまりここでは、「人件費は六・七%、物件費は五・〇%のアップを見込んでいる。」というだけが書いてありますけれども、そのほか計算の仕方いろいろありますでしょう。ありますからこそ、五十五年から五十六年にかけてはこれは一〇・三六、それから五十六年から五十七年にかけては七・九八というふうに、私の計算ではそうなるんですけれども、伸び率が出てくるわけで、こういう具体的な数字になる根拠、この試算とおっしゃる範囲でいいですから、この数字が出ているからには積み上げた数字があるわけですから、それをお示しいただきたいということが一つですけど、いかがでしょうか。
#145
○政府委員(魚津茂晴君) 先生の御要望を受けとめまして、さらにこの積み上げる経過、計算の論拠というものをいましばらく時間をかしていただきますればお示しできる、かように思います。
#146
○山中郁子君 それは、当然この郵便法の審議の間でお示しいただくというふうに思ってよろしゅうございますね、いましばらくとおっしゃったのは。これが終わっちゃってからじゃ困るので。きょうの私の質問している間という意味じゃなくてもいいですよ。
#147
○政府委員(魚津茂晴君) そのように努力をしたいと思います。
#148
○山中郁子君 もう一点。
 この点につきましては、これは郵政大臣からも答弁があったんですけれども、私は重ねてやはりそれは国民に対する無責任な協力要請だと言わざるを得ないと思います。中身については繰り返して申し上げません。政府としての責任ある再建計画というものがあわせて提示されるべきであるということで、重ねてこの点の要求をいたしまして、ただいまの具体的な数字の要求もあわせてこの問題、つまり再建計画というか赤字解消計画、今後の財政上の問題、こういうふうにしたからこれから先八年なり十年なり郵便料金の姿はこうなるんだということが示されるべきである。示されなければ、それはこの郵便法の値上げ問題について本質的な議論が十分できないじゃないかという立場から、この問題についてはここできょうは保留をいたします。
 次の問題ですけれども、まず私は、この郵便法の審議に当たりましてきょう初めて質疑に立つわけですけれども主として法定制緩和の問題について伺いもし、また政府の見解も明らかにしていただきたいと思います。
 まず、現在のこの段階で法定制を緩和したいとおっしゃる理由は何ですか。いままでの私は実は衆議院における質疑なんかも全部読みました。それから本会議での質問に対する答弁も伺いました。いろいろと混乱をしている面もあると思います。あなた方はそれなりに整理をしてあるつもりかもしれないけれども、少なくとも伺った限りでは混乱をしているという向きも感じられますので、整理をしながらはっきりさせていきたいと思ってお伺いをするわけです。理由は何か、言いかえれば動機は何かとお伺いしても結構です。
#149
○政府委員(魚津茂晴君) 理由ないし動機というかっこうで私たちなりに整理して申し上げたいと思いますが、郵便事業財政は、現在多額の累積欠損金を抱えておりまして非常に困難な状況にございます。今回の改正は、郵便事業が今後とも安定した郵便サービスを提供していくため、累積欠損金が解消されるまでの間、法律において厳格な要件を付した上で、ある程度弾力的に料金改定を行い得る制度を採用することにより、健全な事業経営の確保等を図ることとするものでございます。
 なお、これは何回も申し上げるわけで言わずもがなのことかもしれませんが、郵便料金の決定が弾力的に行われることの必要性につきましては、昭和五十二年以来郵政審議会及び公共企業体等基本問題会議からも御提言をいただいているところでございます。
 以上が、いまの時期に特例措置というものを提案した理由あるいは動機ということで御理解を願いたいと存じます。
#150
○山中郁子君 健全な事業経営を図りたいということは、つまり赤字をなくしたい。しかし、いまは赤字がある、だから法定制緩和をしたい。つまり赤字だからということですね。実際問題として赤字だから。いま仮にもし赤字でなければ法定制緩和ということは出てこないわけですね。
#151
○政府委員(魚津茂晴君) 法定制緩和とおっしゃる料金決定の特例措置というものは、きっかけ、契機、文字どおり契機でございますが、契機としては赤字でこのまま推移せんか郵政事業が財政的に危機に瀕する、これをいかにして再建をするかという事情があったという背景で出たものと御理解願いたいと存じます。
#152
○山中郁子君 だから、赤字だからでしょう。黒字だったら出さないんでしょう。
#153
○政府委員(魚津茂晴君) この辺は省内であるいは政府内部で議論をして確答を持っているわけじゃございませんが、私はその御提案はしなかった、こういうふうに思います。
#154
○山中郁子君 その点は大臣もちろんそういう立場ですね。
#155
○国務大臣(山内一郎君) そのとおりでございます。
#156
○山中郁子君 郵政省にお伺いしますけれども、戦後郵便法が制定されましてから郵便法の改正で料金を改定したというのは何回ありましたか。それと赤字になって改定したということと同じだと思いますけれども、その点の確認です。
#157
○政府委員(魚津茂晴君) 戦後は二十年の四月、二十一年の七月、二十二年の四月、二十三年の七月、二十四年の五月、二十六年の十一月、それから昭和三十六年、これは三種以下の料金改正でございますが、そして四十一年七月、四十七年二月、五十一年一月、以上の経過でございます。
#158
○山中郁子君 過去においても赤字で料金改定、法律改正、何回もしたわけですね。
 ごく最近の例をとってみますと四十一年、四十七年、五十一年としているわけです。その前は三種、四種の関係がありますけれども、三十六年と。先ほどもこれは太田委員がおっしゃっておられましたけれども、先ほどかなりな程度に自信も持って出しているものだとおっしゃるこの改定の計画を見ますと、ここで改定する。五十六年になりますね、実際には。それから五十九年、六十二年という、こういう計画になっている、皆さんの試算によれば。そうすると、いままでも赤字で料金改定して、国会へ法律改定をかけてやってきて、そしてこれからも大体同じぐらいな関係ですよね、期間は。じゃ、どうしていまこの時点で赤字だから法定制緩和しなければならないのか。それは何か特別な理由があるんですか、いままでと違う特別な理由が。もう一つ言いかえれば、赤字だからということならばなぜいままでそれがされなかったのか、しないでこられたのか。そこのところはどういう違いがあるんですか。
#159
○政府委員(魚津茂晴君) 山中先生もよく御存じのところでございますが、料金の決定の仕方というのは、過去を振り返ってみますると、昭和三十六年には小包料金を政令にゆだねるかっこうで料金を決める、そして昭和四十年代になりまして四十六年には三種等の料金、特殊扱いの料金、そしてその場合に小包を従来の政令で決めたものを省令で決める、そういうかっこうでやったわけでございまして、それなりにそのときどきの赤字の状態、そしてその赤字というものが将来どのように郵政事業に影響を与えるかといういろいろのことを考えてやってきたわけでございまして、いままで赤字であっても一種、二種の料金については、できるできないというような論議の問題以前に、そのような必要性はなかったというふうに判断をして今日に及んだのだ、こういうふうに私は理解をしているところでございます。
#160
○山中郁子君 じゃ、今回一種、二種について緩和する必要性が生まれたという根拠は何ですか。いままでと違う根拠は何ですか。
#161
○政府委員(魚津茂晴君) それは先ほど申し上げましたように、現在二千百億を超えて、そして今後の財政を見通しをするという場合に危機的な症状になる、危機的な症状になるというその赤字の性格、質あるいは深刻さというものを解消するためにどのような方法がいいだろうかということを文字どおり今度検討いたしまして御提案をしたわけでございます。赤字というのはきっかけというかつこうで私、理解をしているわけでございますが、そのまた決断をするきっかけとしましては、繰り返して答弁を申し上げているわけでございますが、郵政審議会からの御提言あるいは公共企業体等基本問題会議からの御提言ということも、われわれのそういう提案をする際に強い影響があったことは事実でございます。
#162
○山中郁子君 いま法定制を緩和しなければならない理由ということについて私は後ほどまたもう一度この問題を取り上げますけれども、それとあわせて、審議会なんかの答申をおっしゃっているけれども、要するに柔軟性を持たせてとおっしゃいましたね、さっき。そういうことは私は大変心外なんですけれどもね。ということは、いままでも法律の改正ということで提起をされたわけですね。そしてその都度いろいろあって改定されて値上げがされてきたわけでしょう。ここへ来てどうもそれでやっていると弾力性に欠けるということは、弾力性に欠けて経営に差し支えるという発想は、国会審議そのものが弾力性に欠けて健全な経営の遂行に差し支えるという、こういう判断ですね。そういうふうにならざるを得ないでしょう。そこのところを一体郵政省はどういうふうに考えていらっしゃるか。つまり国会審議をするということは弾力性に欠けるやり方であって健全な経営に差し支える、健全な経営を実現していくためには差し支えになるものだ、こういう判断だとなりますね。そういうふうに考えていらっしゃるわけですか。
#163
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、国会の審議というのは弾力的に対応すると申しますか、適時適切な対応という面で困るのだ、あるいはネガティブな立場をとるということで申し上げる気持ちはなくて、要するに、御提言にあったように厳格な条件を付して郵政大臣がといいますか、省令で決める仕組みの方が適時適切というかっこうに合致したやり方である、それだけの判断でございます。
#164
○山中郁子君 同じことなんですよね。国会審議の方が適時適切じゃなくて弾力性に欠けるということでしょう。私は余りそういう中身のない議論はしたくないのですけれども、そこの郵政省の見解をはっきりさしておいていただきたいと思うんですよ。どうなんですか、大臣。弾力性に欠けるから法定制を緩和するのだということは、法定制でやっていれば弾力性に欠けるということなんですよね。法定制というのは何かと言えば国会で審議するということでしょう、法律を変えるのだから。国会審議が弾力性に欠けるという判断だ、郵政省の判断はそうだ、それ以外にとりようがないんですけれどもね。
#165
○国務大臣(山内一郎君) 郵政審議会の答申も適時適切にやりなさい、こういうわけでございます。それで、たとえば、この答申をいただいたのは七月一日から値上げをしなさい、そして経営の合理化をしなさい、こういう御提案がすでに六カ月おくれるわけでございます。その間のプラスになるであろうという数字は相当な数字になるわけです。これは単なる計算でございますが、月に百四十億程度。それから年賀郵便も大分予想より少ない。こういうことで、だから七月に上がっていれば累積赤字は大分減っております。こういうようなことを郵政審議会はおっしゃっていると思うのです。郵政省の判断といってもこれなかなかむずかしい問題でして、国会審議とどっちがどうだと言われるとこれはなかなか返事に困りますので、郵政審議会の御意見はそのとおりで、そっちの方に郵政省も向かって御提案しましたと、こういうことでございます。
#166
○山中郁子君 郵政審議会を隠れみのにされちゃ困るので、もちろん、そういうことにうなづいたからそれで提起されたわけでしょう。
 私、そこでちょっと、その問題に深入りして時間使うつもりはないんですけれども、法律というのはすべて政府は悪しかれと思って出すのじゃないんです。こういうふうにした方が政治を担当していく上で国民の要求に合致すると思って提案なさるわけでしょう、そのことがどうであるかは別として。法律すべてそうです。郵便料金だけじゃないです。それが当然のことながらさまざまな論議を経て、そしてそれぞれの手続を経て、憲法を初めとする法律に基づいて一定の時間がかかるわけです。かかってだめなものはだめ、成立するものは成立する、法律は全部そうです。郵便料金だけがそれの例外だということはないわけで、そういう論法からすれば国会否定になるんです。適時適切に政府は、この法案にしても何にしても、つまり、いまのたとえば健保なら健保にしても、いいと思って提起なさるわけでしょう。だけど、国会で審議しているといろいろいろいろ時間がかかる、適時適切にやるためにはすぐにやった方がいいと。それは国会否定の論理でしょう。
 私は、その適時適切というのが本当に適時適切であるのか、本当に国民のためにいいものなのか、国民が望むものなのか、それを国会が時間をかけてチェックすることによって、その点で初めて議会制民主主義、代議制度の本質、存在する理由が生まれてくるわけであって、何でも政府がよかれと思って考えたことが適時適切にできることが第一だというならば、法律を国会になんかかけないで政府が考えたものをどんどんやる以外になくなっちゃう。私は極端なことを申し上げているわけじゃありません。そういう考え方になるでしょうということなんです。
 弾力性というのは適時適切だというわけでしょう。だったら、当然のことながら国会で必要な審議をしてそれによって時間がかかる、当然かかってあたりまえであって、かけないでもって思ったとおりどんどんやっていけるような、そういう政治をするということが国民のためにいいということになったら、議会制度を根本的に否定することになるわけです。私はどうしても、それはいまおっしゃった適時適切ということ、つまり弾力性に欠けるという問題を法定制緩和ということの根拠になさるということは全く筋道が通らない、強いて言うならばそれは議会制度の否定につながると思いますよ。いかがですか。
#167
○国務大臣(山内一郎君) 財政法第三条において法律に基づいて定めるということになっております。これは、料金は法律に基づいて定めるものであります。今度は、従来と違ってこういう特例を設けてこの法律で定めたいというのがわれわれの提案になるわけなんです。したがって、この法律の御審議をいまいただいているわけでございまして、まあ適時適切という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、国会においていろいろ御審議いただくことは十分にこれからも――こうなったから、じゃ全然御審議されないかといいますと、第三種の料金についてもいろいろ御意見をお聞かせをいただきましたので、その点を十分わきまえながらやっていきます。こういうふうに申し上げておりますので、これからも十分御審議をいただいて、ただ法律の決め方は御提案するような法律でひとつお願いを申し上げたい、こういうことを申し上げているわけでございます。
#168
○山中郁子君 いま問題にしているのは、いままで法定制であった料金を今度は法律を変えることによって法定しないでするようにするということです。料金の額を。法律を変えることによって料金の額は今後法定しないでいけるようにする、こういうことでしょう。だから、その問題について言うならば、いままで法律で決めていた――財政法上の問題はまた後ですぐやりますけれども、いままで法律で一種、二種については少なくとも幾らと決めていたわけです。それを適時適切にやりたいために外すということは、結局、国会の審議をしないで決められるようにする、上げるようにする。そういう根拠法自体は、もちろんここでこの郵便法の改正ということでいま審議しているわけですけれども、いずれにしても、いままで法定していた葉書が幾ら、封書が幾らというそのお金を法律の中で決めるということについては、適時適切にやるために国会の審議を経ないでやりたいということでしょう。だから、国会の審議を否定するものではないとおっしゃるけれども、国会の議が調わなければできないというものではなくて、国会の審議は、仮に私どもが委員会でそういうことを質問するのはそれは自由だとおっしゃるかもしれないけれども、そういうことによって国会の意見としてそれを変えてよろしい、引き上げてよろしいということでなくて自由にできるようにする、ここの大きな違いだ、この点は同じ問題じゃないということを私ははっきり申し上げておきたいと思うんです。
 それで、いま大臣が財政法の問題おっしゃいましたから、その財政法の問題を含む、現在、一種、二種料金が法定制になっているその基盤についてお伺いをしたいと思いますけれども、現在、一種、二種料金法定主義をとっている根拠は何ですか、その理由。
#169
○政府委員(魚津茂晴君) 財政法の第三条は、租税以外の国が国権に基づいて収納する課徴金、国の独占事業の専売価格もしくは事業料金については法律または国会の議決に基づいて定めなければならない旨規定していることはもう周知のことでございます。
 そこで、国が特定の事業を独占的に営んでいる場合には、国民がこれらのサービスを利用することを事実上強制されることになり、国民生活に大きな影響を及ぼす場合があることが考えられます。そこで財政法第三条は、このような点を考慮し、これらの価格、料金等には憲法八十四条の適用はないが、その周辺の問題とも言えることにかんがみて、価格、料金等の決定について何らかの形で国会の意向を反映できるようにすることが憲法第八十三条の財政処理権限の国会議決主義の精神に沿うゆえんであるとの立法政策上の配意に基づき制定されたものでございまして、関連する法律を制定するに当たっての立法上の指針を示したもの、こういうふうに考えております。
 なお、財政法第三条の特例、これは、財政法三条の要請を満たす価格、料金等の法律への基づき方には幾つかの方式が考えられるが、具体的料金等についていかなる基づき方が妥当かは、当該事業の独占の程度、当該事業が提供する給付を利用することの国民生活上の必要性の程度を総合的に勘案して判断さるべきであると考えております。
 今回の改正は、この財政法第三条の規定や考え方に基づいて行おうとするものであり、財政民主主義の理念にもとるものではない。こういうあれこれ考えておりますが、要するに、なぜ現在具体的な料金について一、二種の料金を法律で定めるかということは、立法政策の問題として、第三条あるいは憲法の八十三条、八十四条というものがある時期においてそういうふうにすることがより当時の判断として正しいというふうに考えた上での立法だ、こういうふうに理解をしているところでございます。
#170
○山中郁子君 当時の判断というのはいつのことですか。
#171
○政府委員(魚津茂晴君) 少なくとも一、二種の料金を具体的に法律で定めをしているのは新憲法のもとに新郵便法ができたとき、こういったときにそういった判断というものがされて今日に至っているというふうに理解をしているわけでございます。
#172
○山中郁子君 これは前回の値上げのときの審議でございますけれども、当時村上郵政大臣でしたけれども、このときにいろいろ新聞報道その他がありまして、このときにいわゆる法定制緩和の問題が伝えられたんですね。私はそのことを質問いたしました。そのときに村上郵政大臣は、そういうことは毛頭考えていない、法定制緩和をすることは正しくないと思うということを答弁されているんです。いまあなたは何か昔の話のようにおっしゃるけれども、私が質問したのは。いま現在まだ法定制なんですよ、一種、二種は。だから郵便法の改定、昭和二十二年に改定されて、そうしてその当時の問題はまた後でやりますけれども、いずれにしても現在に至るまで一種、二種については法定で、そして少なくとも前回の郵便値上げのときにその問題について、郵政大臣は法定を緩和するという考え方は間違っているとおっしゃっているんです。だから、いまおっしゃった財政法三条、憲法の八十三条、八十四条、それらの一脈流れている理念というものはいま現在もその理念によって法定されているというように理解をされていらっしゃいますか。
#173
○政府委員(魚津茂晴君) 先回の当時の村上郵政大臣の御発言は私つまびらかにいたさないわけでございますが、少なくとも先回と申し上げるのは五十年から五十一年のその時期だろうと思いますが、そのときにおいては、財政事情等から判断をいたしまして、従来どおりの方針と申しますか、財政法三条の関係からいいますと、法律の基づき方としては具体的な料金を法律で定めるやり方でいいという御判断であったのだろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
#174
○山中郁子君 そうしますと、結局、赤字だから緩和できるのだというふうに逆になるんですね。村上さんは五十年の十二月十一日の委員会です。ここで私が、大臣は法定制を緩和するというような発言をしたと新聞が伝えているけれども、そういうことを考えているのかという質問をいたしましたことに対して、「私は、記憶にないことでございます。いわんや、いまこの郵便法の御審議を願っているこの国会中に、私がそういう発言をしたり、そういう考えを持つということは、これは間違っていると思います。」、こうはっきりおっしゃっているんです。このときは間違っているわけだ、郵政省の考え方としては。一種、二種の法定制を緩和するという考えは。
 いま私が申し上げたのは、いま現在、つまり法定制になっているということの理由は何かということは、財政法三条、憲法八十三条、八十四条、財政民主主義の立場からそれに依拠して法定制がずっと維持されてきたわけでしょう、少なくとも一種、二種については。それは間違いないですね。だとすれば、それはつまりずっと昔の郵便法が制定された当時の議論の話ではなくて、いま現在まで、前回の郵便値上げのときにも大臣がそういうふうに答弁されていらっしゃるわけだから、それはいままで引き続いて来ているわけですから、いま現在に至るまで財政法三条、そして憲法八十三条、八十四条の財政民主主義の理念にのっとって少なくとも一種、二種の法定制は維持されてきた、こういうことで間違いないですね。
#175
○政府委員(魚津茂晴君) 現在の法律ではとにかく一種、二種というのは具体的に法律で定める、改正をする際には改正法案について御審議を願うという仕組みになっているわけでございますが、それは結局財政法の三条による法律に基づく方式、その方式として立法政策としていままではその方が財政法なり憲法というような点から見て変える必要はなくてずっと戦後続いていた、こういうふうに考えているわけでございます。
#176
○山中郁子君 前回の料金値上げの際の赤字は幾らでした、提案されたとき。
#177
○政府委員(澤田茂生君) 約二千五百億の赤字でございました。
#178
○山中郁子君 今回とどういうふうに違いますか。
#179
○政府委員(澤田茂生君) 五十四年度末の累積旅字は二千百二十四億円でございます。
#180
○山中郁子君 じゃ、前回の方が多いですね。
#181
○政府委員(澤田茂生君) 額とすれば前回の方が多うございます。
#182
○山中郁子君 前回よりも少ない赤字です。今回は。それがなぜ前回よりも上回る危機的状況だということになるんですか。
#183
○政府委員(澤田茂生君) 前回はそういう赤字の原因といいますものが石油ショック以来の狂乱物価と申しましょうか、ベースアップも三〇%に及ぶというような大変な時代でございました。それを背景に一挙に赤字がふえた、それを解消するということで料金値上げをお願いしたわけでございます。その後三年間大体収支を見ながら参ったわけでございますけれども、このまま値上げをしないということになりますれば、再三申し上げておりますようにかなりの赤字幅というものがふえてまいりまして、五十八年には累積で申しますと約一千億近くの赤字が出るのではなかろうか、こういうふうに見込んでいるわけでございます。そういう事態をとらえまして私どもといたしましては危機的な財政状態にある、こういうふうに判断をいたしまして料金の改定並びに早期に赤字を解消する。郵政、審議会の御答申にもございましたように、三年間は新たなる赤字を出さない、そうしてできるだけ過去の累積赤字を減らしていくというようなことをベースにいたしまして、早期な赤字解消策というものをあわせて法案に盛り込み、御提案をしているということでございます。
#184
○山中郁子君 理由になっていませんね。
 あなた、さっきから何回も、今回は特別に赤字が大変になって財政危機がひどくなったから、だから法定制緩和するんだと大臣もおっしゃったでしょう。それで、前回のときには郵政大臣は間違いだ、間違っていると言っている、法定制緩和が。それなのに前回の方が赤字が多いんですよ。どういうことですか。
#185
○政府委員(澤田茂生君) 先ほど二千五百億と申しましたけれども、これは五十年度の赤字でございます。提案をいたしましたときの赤字は千二百二十四億円でございます。ちょっと訂正いたします。
#186
○山中郁子君 同じようなものじゃないですか、五十年度の赤字でしょう。
#187
○政府委員(澤田茂生君) 四十九年度で千二百二十四億円でございまして、五十年度は二千五百十四億という累積でございます。
#188
○山中郁子君 累積じゃ同じじゃないですか。
#189
○政府委員(澤田茂生君) 法案を提出いたしましたときの時点でとらえますと現在は二千億を超えておる、前回は千二百億である、こういうことでございます。
#190
○山中郁子君 経理部長、よけいなそんな小手先のことを言わなくていいですよ。あなた方あのとき、値上げをすると言ったときに、結局その時点はそうであっても、五十年度は幾らになります。五十一年度は幾らになります。だから値上げをしてくださいとさんざん言ったじゃないですか。この議事録ひっくり返せば幾らだって出てきます。小手先のこと言わないでください。
 いずれにしても五十年度の累積赤字が二千五百億、そして今回皆さんが提起されているのは二千百幾らかでしたね。であるにもかかわらず、あなたはさっきから、いまだかつてないほどの物すごい財政危機で、これは緩和して弾力性を持たなければ郵便事業がひっくり返っちゃうみたいなことをおっしゃるけれども、何にも理由にならないじゃないですか。この際法定制を緩和する動機にさえならないじゃないですか、いままでのことが正しいとすれば。どういうことですか。
#191
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、赤字というのはもちろん額というものがどれだけあるかということは深刻性を判断する要素であることは事実でございますが、ただ赤字というものから今後の危機的な状況、そしてそのための再建策ということを考える場合に、赤字の額が多い少ないというその額だけからでは私はないと思うのです。どのような理由で、そして今後の展望というのはどうかといういろいろのことを考えてやるわけでございまして、そこで仮に、先生が御指摘なさっておられますように先回の赤字より額が多いあるいは大体同じくらいだと……
#192
○山中郁子君 私が指摘したのじゃない。あなたが言ったんじゃないのよ。いいかげんなこと言わないでよ。
#193
○政府委員(魚津茂晴君) そこで、そのことのために先回の事情と一つ大きな事情の違いというのは、先ほど来から申し上げておりますように、五十二年あるいは昨年郵政審議会からも、赤字のいろいろの問題点を私たちよくお話をしまして、その再建策を伺うというときに、その答えとして特例措置による料金の決定方法をとったらいいのじゃないだろうか、あるいは公共企業体等のそういったところの御提言もあったということが私たちとしては、これも先ほど申し上げたように、そういった立法措置を講ずるという際のきっかけになったことは事実でございます。
 それから先回村上大臣が間違っているというようなこと、真意は私必ずしもよくわからないわけでございますが、間違っているということは、当時立法政策としてはとらないという立場で御提案をされているわけでございまして、その立場からすると、そういううわさといいますか、新聞記事が流れるということは私の考えとは違ったものであるというようなふうに私は理解をしているわけでございます。
#194
○山中郁子君 じゃ、伺いますけれども、先ほどあなたは赤字が多くて少なくとも財政が危機的状況になっている、いままでに比べて。だから法定制緩和をするのだ、こうおっしゃいましたね。それは取り消しなさるわけ。
#195
○政府委員(魚津茂晴君) 私は取り消すということは気持ちとしては持っていないわけで、事実を申し上げておるわけでございます。要するに、現在の二千百億を超える額というものが大変な赤字なんでございまして、その赤字を解消するためにはどうしたらいいのか、どうすべきなのかということを立法論も含めて考えているというのが心境でございますので、そのきっかけになったのはやっぱり赤字が存在する、このまま放置すれば大変なことになるということがあったことは事実でございますので、私は間違っているから訂正をするといいますか、取り消しをするという気持ちは持っておりません。
#196
○山中郁子君 それじゃ、はっきり示していただきたいんです。前回と比べて財政がどういうふうに危機的状況になっているのか、それをちゃんと出してください。少なくとも累積赤字についてはいま明らかにしたように五十年は二千五百億、今回二千百億ですね。だから、その一年度違いなら一年度違いで明らかにしてください。どういう財政の危機的状況の違いがあるのか、指標を出してください。
#197
○政府委員(魚津茂晴君) 私は申し上げておりますように、財政の再建を図る前提になる危機というものは、額も一つの重要な要素では。ございますけれども、額が多い少ないというものが決定的な、そしてそれが法律的なあるいはまた政策決定としての決定的な要因ではない。ただ赤字がある。そしてその赤字というものにつきましては、ほっておくと財政の再建というのは大変なことになる、そのことがきっかけになっているということを申し上げておるわけでございます。
#198
○山中郁子君 だから、額だけじゃないなら何なのかということを明らかにしてください。この前のときだってほっておくと大変なことになるといって何回も何回もおっしゃったわけ、郵政省は。だから、そのときとどう違うのか出してください。
#199
○政府委員(澤田茂生君) 前回も確かにほっておくと大変になるというような数字はあるいはお出ししたかと思うわけでありますけれども、今回私どもが大変財政の危機を感じておりますのは、前回四十九年、あのときにある意味では郵政省始まって以来一般会計から借り入れをしてしのぐという事態を経験したわけでありまして、その後五十年には二千五百億ということで、後、料金改定で五十一年、五十二年は黒字基調になったわけでございますけれども、五十三年から二百億、あるいは五十四年もやはり二百数十億という赤字が出てまいりまして再度二千億という累積赤字の大台になって、そしてこのまま放置すれば先ほども申しましたような膨大な累積赤字が出ていくということでございまして、こういう根っこになる累積赤字というものを一刻も早く解消しなければ健全な事業運営というものは図れない。こういうところに、何とか一日も早くこの根っこになっている累積赤字を解消していきたいという点が、前回の体験を踏まえながら何らかの新しい方法を講じていきたいということで、御提案をしているようないろいろな制度というものを盛り込んだ法律改正をお願いをしているということでございます。
#200
○山中郁子君 前回、それじゃこういうものを放置しておくとどういう累積赤字になるということで国会提案したのか、それを出してください。
#201
○政府委員(澤田茂生君) 前回御提出いたしました資料でございますが、累積赤字といたしましては見込みで出しているわけでございますが、四十九年が千三百八十一億、それから五十年が二千三百七十九億、そして五十一年が二千八百八十六億、こういうことで資料を御提出いたしております。
#202
○山中郁子君 それで、私はだから整理してくださいということをお願いいたします。額だけではない危機的状況というのは何ですか、整理してください。こういう状況が五十年のときと違うのだ、新たな状態なんだと。郵務局長出してください。
#203
○政府委員(魚津茂晴君) 私の論旨に多少不明確といいますか、論理的に考えていささか混乱のあった受けとめ方をされるということであれば訂正をいたしますが、私は財政的な危機、先回との比較というよりも今日の財政的な危機をどうしたらいいのかということを立法論を含めて今日検討するに至りました。そのきっかけの一つとして、よく申し上げるのですけれども、郵政審議会でございますとか、公共企業体等の先生方からの御答申もありましたので、今回はそういう立法論をとりながら財政再建をさせていただきたい、こういうふうに申し上げるのが私の真意でございます。
#204
○山中郁子君 あなたは間違っていたと訂正するならもっと素直に訂正しなさいよ。混乱なんか私はしていない。あなた何回もおっしゃっていたけれども、前回と比べて財政的に危機的な状況になってきたからと、ちゃんとはっきりおっしゃった。私は、前回まで法定していたじゃないか、少なくともいま現在法定しているんだから、それとどう違うのかと申し上げたことに対して、あなたは、前回から見ても、いままでから見て財政が危機的状況になったからだと、こうおっしゃった。速記録を確認していただいてもいいですよ。そうじゃなくて立法論だというなら訂正してくださいよ。立法論なんですか、ここで法定制緩和を提起されたのは。
#205
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、前回一、二種を具体的に法律で決めている時代のその財政的な赤字の額が今回より多い少ないというようなことは、私は決定的な意味は持たないということでございます。したがいまして、この現在ある少なくとも二千百億を超える赤字というものをどのようにして確実に、そしてできるだけ早く解消するかということを御答申等で御提言をいただいていることを頭に入れながら、今回は立法論ということを含めて御提案をさしていただく、こういう立場でございます。
#206
○山中郁子君 私は、こういう大事な法案をごまかしや何かでやってほしくないと思うからこそ言っているんです。あなたは確実に先ほど、財政上危機的状況になったからと、言葉はどういう表現を使われたかは私も一々メモしていませんが、少なくともそうおっしゃいました。それは間違いないですね。
#207
○政府委員(魚津茂晴君) 少なくとも現在の財政事情というものに何らの手を加えないで推移すると財政的な危機、これが来ることは必至でございまして、そのとおりでございます。
#208
○山中郁子君 それがいままで法定していた理由との関連でお答えいただいたわけで、少なくともいままでよりも財政の赤字の額の多い少ないは言っていないとおっしゃるならば、百歩譲ってそれはわきに置きましょう。額が多い少ないということは別にしても、財政の危機的状況がいままでよりもひどくなったから、だからいままで法定していたけれども今度は緩和して弾力性を持って運営に当たりたい、こういうことでしょう。間違いないですね。
#209
○政府委員(魚津茂晴君) 御答申の提言という、私たちにとって新しい角度で検討するというきっかけというものがあったことは事実でございます。そういったことを受けとめて真剣に検討した結果、御提案のような形で今後累積欠損金をなくしてまいりたい、こういうふうな判断でございます。
#210
○山中郁子君 答申の問題はいいです。いいですというのは、私はそれはあなたのおっしゃること最初からわかっていますから、いま答申の問題は横に置いてください。それは立法論の問題は横に置いてください。少なくとも財政危機の問題でおっしゃったんだから、そして額の問題じゃないと言うから、財政危機という問題について言うならば、五十年のときの前回の値上げのときと、金額の問題は除くと言うならばほかにどういう危機的状況が前回と比べてあるんですか、それを整理して出してくださいと申し上げているんです。立法論はいいですよ。それはまた伺います。私もまたそれは議論しますけれども、少なくともあなたは、財政上の問題として前回と比べて大変危機的状況になってきている、前回と同じような対応ではまずいから法定制緩和するんだ、こうおっしゃっているんだから。額は前回から比べれば少ない。一年、年度ずれがあるかどうかということはまた明確にしていけばいいですけれども、いずれにしてもそういうことでおっしゃってきたんだから、だったら、それじゃほかにどういうことがあるんですか。
#211
○政府委員(魚津茂晴君) 私、先回の改正をする際の赤字というのと今回の赤字というものの深刻さというものが、これは訂正するような形で受けとめられるかもしれませんが、そういったことはさして意味はない。ただ、それはそれとして、じゃ違いはないのかということになりますと、私どもとすれば、同じ赤字であり額が違わないにしても、赤字がよって来る原因といいますか、そのプロセスというものがいささか違う点があるのじゃないだろうかというふうに考えます。すなわち、先回は、御承知のように四十八年、四十九年のいわゆる狂乱物価で急激に赤字になったという外的ないろんなものがあったと思います。その赤字の性格として。ところが、今回の累積赤字というものが四十九年、五十年の累積赤字がほとんど根雪となっているというところに状況の違いがあるというような点も考えれば当然あるわけでございます。
#212
○山中郁子君 だから、そういうのをちゃんと整理してくださいよ。何かいま一生懸命考えて思いついたのかどうかよく知りませんけれども、だからそういうことを整理してください。どういうふうな財政上の危機が前と違ってあるから、だから前は法定制緩和する必要はなかったし、それは間違いだと郵政大臣さえも言明しているのにもかかわらず、今回はどうしても法定制緩和してほしいのだとおっしゃるその違いですね、違いをちゃんと整理して出してください。
#213
○政府委員(澤田茂生君) ただいま郵務局長からも御説明を申し上げたところでございますが、若干補足をさしていただきますと、先ほども申し上げましたように、前回の赤字と今回の赤字の私どもの受けとめ方といいましょうか、その違いという点についての御指摘でございますが、前回は、先ほども申し上げましたように、四十八、四十九の石油ショック以来の狂乱物価による急激な赤字というものが原因になったということ、そしてそれが、四十九、五十の累積赤字がほとんどある意味では根雪になってずっと続いているという点について大変私どもは危機感を感じている。それはうらはらになるかもしれませんけれども、先ほど先生の御質問にもございましたように、何回かの料金改定というものを戦後もやっております。しかし、それは三年ないし五年の期間と申しましょうか、サイクルと申しましょうか、そういうことで、その間は収支が相償うというような一つの期間がございました。
 しかし、この四十八年、四十九年以来の状況を見てまいりますと必ずしもそれがそういう形になっていない。二千億ぐらいの赤字というものがやはり根雪になっている。これをやはり取り除かなければならないというところに私どもといたしましては今日の郵便事業財政に対する大変な危機感を感じておる。前回と――前回も大変それは赤字でございます。急激な大きな赤字でございますから危機感というものは当然あったわけでございますけれども、その内容においてそういう違いがあるというふうに私どもは認識をいたしておりまして、言うならば、四十八、四十九、あの混乱時期でございました。そして五十年、料金改定というものを検討し実現するまでの間かなりの期間がかかった、そのために解消というものが若干おくれたということも私どもは一つの事実であろうというふうに思っております。
 やはり、そういったいろいろなものを踏まえて、できるだけ早い期間にこの根雪となっている累積赤字を解消しなければ、健全な郵便事業の財政、そして需要に応じた新しいサービス、新しい対応というものを積極的に打ち出していくということもなかなかむずかしいということを配慮いたしまして、お認めをいただけるならば、当分の間、要するにこの根雪となっている累積赤字が解消するまでの間、いろいろな厳しい条件の中において、ある意味では郵政省の判断のもとに、経営努力のもとにこの赤字の解消策というものをお任せいただきたい、国会の御審議等の御意見、そういったものを十分踏まえながら、法定で決められた厳しい制限の中でやっていきたい、やらしていただきたい、こういうことを御提案申し上げているところでございます。
#214
○山中郁子君 何か一生懸命考えて根雪説か何か出していらっしゃるけれども、さっきから何回も申し上げているように、財政の危機的状況が、そういう意味でいままでのあなた方が値上げをしてほしいということで料金改定を求めていらしたときとちっとも変わってないんですよ、本質的に。でしょう。それなのに、あなた最初から赤字だから赤字だからとおっしゃる。赤字だから法定緩和をしてほしい。だから、それじゃいままで法定していたのはどういう理由なのかということを私申し上げているわけで、そうすればそれは財政法三条、憲法八十三条、八十四条の理念だ、こうおっしゃるわけでしょう。そういうものは当然変わったわけじゃないんでしょう、憲法や財政法に対する考え方が。変わったわけでもないにもかかわらず、それから財政危機というものの規模は説得に足りる解明がされないにもかかわらず、ここでなぜ法定緩和をするのかということを私は問題にしているわけなんです。その点についての、私先ほど指標を出せ、具体的な中身、違いを出せというふうに申し上げましたけれども、それをちゃんと資料にして出してください。根雪説もその中の一つなら、あなた方それで根雪説展開してくだすっても結構ですけれども。いろいろいろいろあるとおっしゃっているわけでしょう。いろいろおっしゃっているのが根雪説だけだと余りにもお粗末だと思いますけれども、そういうものがどういうことなのかということを資料として出していただきたい。
 委員長、これをお計らいいただきたいと思います。
#215
○委員長(福間知之君) 理事会で相談をします。
#216
○山中郁子君 それで、その財政法三条の理念に基づいて、それを底流として少なくとも法定制がいま現在堅持されているということは、先ほど郵政省の所見として伺ったところですけれども、財政法三条の意義、そして役割り、こういうものをそれでは郵政省はどういうふうに理解をしていらっしゃいますか。
#217
○政府委員(魚津茂晴君) 財政法三条というのは、国が独占的事業を営んでいる場合には、国民が事実上その利用を強制される点で国民生活に大きな影響を及ぼす場合があるとまず考えるわけでございますが、財政法三条はこのような点を考慮して、これらの事業料金等は憲法第八十四条の適用は私はないと思いますが、その周辺問題とも言えることにかんがみて、このような料金等の決定について何らかの形で国会に意向を反映できるようにすることが憲法第八十三条の定める財政処理権限の国会議決主義の精神に沿うゆえんであるとの立法政策上の配慮に基づき制定されたものである、こういうふうに理解をしております。
#218
○山中郁子君 憲法八十三条、八十四条に基づく、つまり財政民主主義の理念に基づく財政法三条を受けて、つまり財政民主主義ですね、その立場から郵便法において郵便料金を法定してきたということでよろしいわけですか。
#219
○政府委員(魚津茂晴君) 少なくともいままではそういう立法政策の立場に立ってとってきた内容でございます。
#220
○山中郁子君 これは九十二回帝国議会、つまり憲法発布前の戦後の議会において財政法案の審議が行われたところで、当時の大蔵省の主計局長が政府の説明をしているんですけれども、「まず財政法案の内容についてでありますが、その内容は大別いたしますれば、大体四点くらいになるかと考えられます。その第一は、直接または間接日本国憲法の制定に伴って必要となった規定でありまして、」、これは憲法八十三条、八十四条ですね。そして「民主憲法の精神に徹して、租税以外の権力的課徴金、独占的政府事業の料金や価格は、法律または国会の議決に基いてきめることとしたこと、国会、裁判所及び会計検査院のごとき独立の地位を保障されている機関の予算については、編成上特殊の取扱いを定め、行政部の専断に陥ることがないようにしたこと等がこれであります。」と続いているんですけれども、いずれにいたしましても、憲法八十三条、八十四条、財政民主主義の立場から財政法三条が制定されて、そしてそれに基づいて郵便法で郵便料金法定されたということで、あなた方の理解が違っていないとするならば、それは引き続きそういう立場に立って法定制を継続していかなければならないものではないんですか、憲法、財政法の理解が間違っていたというのでなければ。いままでそれの理解によって、それに基づいてやってこられたわけだから。そうでしょう。
#221
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、財政法三条にある法律に基づく法律の基づき方というのは財政法三条の精神というものを逸脱しない、もとらない範囲でいろいろあり得ると思うのです。この法律の基づき方というその基づき方の一つとして、ある時期において具体的にこの法律で料金を規定するというその基づき方、それから今度のような厳格な条件を付した上で料金決定の特例措置を御提案するのも財政法三条なり、それからさらに根源的に言えば憲法に言うところの財政民主主義というものにはいずれももとるものではない。要するに、この財政法三条というものが法律により料金を決めるというようなことであればこれはもちろん許されないと思いますが、基づき方というところにいろいろの基づき方というものが立法政策としてあり得るということが言えるのじゃないだろうか、こういうふうに考える次第でございます。
#222
○山中郁子君 じゃ、あなた方基づくということを盛んにおっしゃるんですけれども、基づくという中身はどういう意味ですか。どういう意味にとっていらっしゃるんですか、財政法三条の基づくということを。
#223
○政府委員(魚津茂晴君) その基づくというのは、この料金を具体的に法律で定めるというのも一つの基づき方でございましょうし、いま御提案をしているような特例措置というかっこうで御提案をしてそして国会の審議を経て実施をする、その法律の改正の内容を実施するというのも基づき方、基づき方にはいろいろあるだろうというふうに考えております。
#224
○山中郁子君 いろいろとおっしゃってまた後で変なことを言われても困るんだけれども、いま二つおっしゃったわね。一つは法律に何か根拠があってそれに基づいてつくる。それからもう一つは例外的にする、つまり何かのものを。いろんな料金がありますでしょう。そのうち何かについては例外的に法律に書かなくてもいい。こういう二つの考え方をいま私おっしゃったと思うんですけれども、その二つと思っていいんですか。いろいろというとほかにもあるんですか。
#225
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、基づき方というのが、すべての法形式といいますか法律の定め方というのは私承知はしておりませんが、少なくとも料金を具体的に決めるやり方、これも三条で言う法律の基づき方であろうし、それから少なくともいま御提案しているのも三条にもとらない基づき方である、こういうふうに考えているわけです。
#226
○山中郁子君 財政民主主義の立場からということで財政法三条も否定なさらないとすれば、問題は、実際の料金が法律の、どういう決め方をするにしても実際の料金額の根拠が何らかの形で法律に依拠しなければならないという趣旨になるでしょう。基づくということを仮に拡大解釈していったとしても、その基本というのは単に法律に郵便料金は郵政省が勝手に決めてよろしいと書いてあるからいいんだということでは財政法三条の理念に反しますね、明らかに。そうじゃなくて、その何らかの根拠、何らかの基準、そういうつまり正当でないことにならないような常識的な、そして正当な料金が決められる何らかの基準が法律にあって、そしてそれに基づくという考え方をしない限りは財政民主主義の立場に立った財政法三条解釈ではないですね。そこのところをはっきりしてほしいんです。
#227
○政府委員(魚津茂晴君) 私は当然この法律の基づき方というのはいろいろあると申し上げましたが、そのいろいろの中に全くこの財政法三条の精神にもとるような表現をとった法律だというものであればこれは問題はあるのじゃないのだろうかと思います。ただ、私がいま申し上げておりますのは、先生も御案内のところでございますけれども、郵政事業の独占の程度でございますとか国民生活の必要性の度合いというものをまず考えて、そして、それとの関連で厳しい条件を付してやる料金決定の特例措置というものは、財政法三条ということからしましてもとる基づき方ではないということに私は考えておるわけでございます。
#228
○山中郁子君 その問題、後でまた関連してしますけれども、この財政法三条の解釈として、いまあなた方はそうおっしゃっているけれども、これは、この財政法制定当時主計官であって、その後東海財務局長などをされた平井平治さんという方が「財政法逐条解説」というものを書いていらして、その中で、「財政の民主化ということは総て、財政処理の権限が国会中心とならねばならないのであるから、従来行政部限りで処理して来たところの各種の事項が国会の議決を必要とすることとなったことである。即ち、従来は歳入のうち租税のみを、法律事項としていたものであるが、第三条で課徴金、独占事業における専売価格即ち煙草、塩、アルコール等の価格及び事業料金、即ち鉄道料金、郵便料金等の決定にも国会の議決を必要としたことである。」、こう解説しているんですね。これは当時立法側の人です。主計官をしていた人で大蔵省の人ですから。こういう理解、この解説、つまり立法のときの趣旨はこういうものであったわけですね。それは当然国会の議決を必要とするというものと考える、それ以外に出てこないんじゃないですか。
#229
○政府委員(魚津茂晴君) 繰り返して答弁をするのは申しわけないんですが、私は、この財政法三条で法律に基づいてということの中から、この基づき方というものは、条理上といいますか、そういう三条の本来持っている趣旨を合致させる範囲の中でいろいろの基づき方というものを許容しているものだというふうに理解しているわけでございます。
#230
○山中郁子君 財政法制定当時のいま私が引用いたしました平井さんの見解は、それじゃこれは違うという御見解ですか。
#231
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、いま耳から入ったあれとしては、必ずしも違うとか違わないとかということの答えは差し控えさしていただきたいわけでございますが、私が繰り返して申し上げておりますのは、法律または国会の議決に基づいて定めるという場合には、法律で全部を定めるという意味ではなく、もし全部法律でその料金を決めなくちゃならぬというような場合は法律によりという言葉を使うことになっている。そういう考え方に立ちまして、基づき方というものは郵便法の中で一種幾ら、二種幾らというようなことを定めなければ三条との関係で許されないということはない、こういうふうに理解しているところでございます。
#232
○山中郁子君 そうすると、全部を決めなくてもいいということは、一部は決めるけれども全部は決めなくてもいい、こういうことになるわけですか。
#233
○政府委員(魚津茂晴君) 料金そのものを全部とか一部というかっこうでなくて、要するに、基づき方としてその事業の持ついろいろの性格というものとそれに見合った条件を付したかっこうで御提案をする法律、それはやっぱり法律に基づくやり方であるということでございます。
#234
○山中郁子君 これは五十一年十一月、郵政省経理局がお出しになった「郵政事業の会計制度――特に郵便事業について」ということで、これは郵政審に対して郵政省の方が資料としてお出しになったものですけれども、ここで法定緩和の問題について資料として出されている中に、東大の名誉教授でいらしたと思いますけれども、杉村章三郎さんの意見もあなた方は採用しているというか資料として、賛成意見や反対意見のうちの一つとして採用されていらっしゃるんですね。そして杉村章三郎さんもこの中でもそのように展開もされていらっしゃるし、国営事業に対する国民支配の原理は国会の議決権を通じて実現せられるべきであり、料金の決定は国営事業の運営についての最大の問題であるということを述べておられるわけです。もちろん反対の意見の方もいらして、いろんなことをあなた方で意見をまとめて郵政審に対して資料としてお出しになっているわけですけれども、杉村さんはそれを「財政法」という著書の中でも、法律学全集の第十巻になりますけれども、展開をしておられます。
 私は、こういう理解が基本的な問題として財政法の理念に基づいて郵政省でのいわゆる郵便料金の法定がされてきたとするならば、こうした見解というものは当然のことながらこの時期に新たに法定を外すことができるという理解にならないと思うんですね。当然のことながら財政民主主義の立場に立って法定制を堅持しつつあなた方がいままでやってきたように、もし赤字だから料金上げたいというなら国会にやはり料金の値上げの法案を提起すべきだ、これが当然のルールじゃないですか。それはこうした学説や学者の人たちの見解だとか、それから制定当時の大蔵省の担当者の解説などでもはっきりしていると思うんですけれども、私は、それはこれから引き続き申し上げますけれども、財政法を制定したとき、あるいは憲法を制定したとき、郵便法を制定したとき、その中でるるやはり政府関係者がそういう観点でこの問題を述べているからこそ私は改めてそのことを申し上げたいと思うんですけれども、その点についていかがですか。
#235
○政府委員(魚津茂晴君) 先生に対して異論を申し上げるようでございますけれども、やはり財政民主主義とかあるいは財政に対する国会のコントロールというものの法形式は一つでなくちゃならないという私は立場はとらないところでございます。やはりそういったいろいろの憲法上あるいは財政法上の理念あるいは基本原則というものを踏まえながら、この法律の基づき方というものは具体的には少なくとも複数以上の立法政策というものがあり得るのじゃないだろうかという判断に立ちまして、私ども御提案をさせてもらっている次第でございます。
#236
○山中郁子君 財政法は憲法との関連で制定されたものであるということは申し上げるまでもないと思います。そして帝国憲法改正案委員会で、制定当時の議会で当時の憲法担当の金森国務大臣がいろんなことを言っていらっしゃるんですけれども、時間に限りがありますからその柱のところだけをちょっと御紹介いたしますけれども、財政法の問題ではこう言っているんですね。「ソコデ今マデ国民が財政ニ付テ多ク知ツテ居ナカツタト云フコトニ着想シ、又此ノ財政ト云フコトガ実ニ民主政治ノ根本トシテ大事デアルト云フコトニ着想ヲ致シマシテ、」、そして財政法の問題を提起したんだということを述べております。
 それから「日本国民ニ対シマシテハ、私ハ十分ノ尊敬スベキ政治的ナ素質ガアルモノト考ヘテ居リマス、然ルニソレガ従来ノ典型的ナ官僚政治、其ノ他ノ基本運用ノ為ニ、伸ピントシテ伸ビ得ナカッタト云フコトガ、大キナル禍ヒヲナシテ居ルト思ヒマス」、こういう考え方で、いろんな災いを官僚政治がもたらすから、だから財政上も国民の権限が国会を通じて実現するように財政法をつくるんだということで財政民主主義の立場を提起しているわけです。
 これが、だから憲法の中における八十三条、八十四条の財政関係の問題として考え方を述べているわけですね。それに基づいて財政法ができて、財政法の三条にそこがうたわれているというこういう経過になっていますから、当然のことながら私は少なくとも法律に基づいてということが、あなた方いままでずっとやっていらして、何か法律に基づいてということは、すべての料金を具体的に決めなくてもいいんだ、何か基準を法律に決めておけばいいんだという考え方をとっておられるけれども、これはこの経過からいってそうではないということが言えると思うんですけれども、その点はどうですか。一種、二種が法定緩和されれば郵便料金の法定されるものはみんななくなるんです。全部なくなる。何にもないんですよ。そういうことじゃないでしょう、財政法三条で言う、そして憲法で言う財政民主主義という立場は。
#237
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、立法論として郵便法の中で具体的な料金を定めた条文がないからといって財政法三条にもとる、あるいはまた憲法の理念というものを無視した立法政策であるということは言えないというふうに考えている次第でございます。
#238
○山中郁子君 いや、あなたの考えていることは何回も伺ったんだけれども、だから、ちょっと理屈だけのやりとりにしてほしくないんですけれども。何のために私が憲法の問題を言い、財政法の問題を言ってきたかというと、こういうことでしょう。つまり財政民主主義という観点から国民の考え方、国民の意見が入らなければ――金森さんはここで、時代的な背景もありますけれども、官僚政治がいままでいろんな災いをもたらしてきたんだ、だから、国民には政治に対する素質があるんだからその国民の声が国会に反映されるようにしなきゃならぬのだということを憲法の制定の趣旨として財政関係に関して言っておられるわけです。それに基づいて財政法ができて、先ほど御紹介したような財政法の解説なども当時書かれているわけでしょう。そういう流れを踏まえて考えていただきたいんですけれどもね。
 そうしたら、郵便法の中で私はいままでいろいろと法定を外してきたことに意見はあります。しかし、ここへ来て一種、二種も外すとなると郵便料金に関しては何にも法定しなくなるんです。そういうことではあり得ないでしょうということを言っている、財政法、憲法の財政民主主義の立場からいって。何にも法定するものがなくなって、そして、ただ文言だけにすがって法律に基づくとなっていればいいんだとこうおっしゃるけれども、その法律に基づく郵便法に料金の規定が何かありますか。何にもないでしょう。今度改正されるのはこういうことで、こういうことでというその条件を書いてあるだけで、もともとの料金の基準というのは何にもないじゃありませんか。一条と三条だけ。それはなるべく安く、そして収支相償というそれだけ、何回もあなた方言うけれども。一条で言うなるべく安くということとそれから収支相償というのは、これは大変な二律背反なんです。
 ここから生み出されるのは、ただ、もうけをしてはいけない、余分な利益を上げてはならぬ、これだけでしょう。何の料金決定の基準でもないんですよ。片方の郵便法に何の料金決定の基準もないままに法律に基づくと言ったって基づきようがないじゃないですか。だとすれば、法律に仮に一種、二種は幾らと決める、そしてそのほかのものについては――一種、二種は一つのそれなりの基準になるんだから、そのほかについては法律に基づくというその言葉を拡大すれば基づきようがあるじゃないかということの理屈でもないわけでしょう。あなた方のは、一種、二種も法定制を外すんだ、それでいて法律に基づく。法律の何に基づくのか。何も根拠がなぐなると私は思うんですよ。
#239
○政府委員(魚津茂晴君) 法律によりこの料金を決めるというようなことの場合には、いま私たちが御提案をしているようなことは許されないと思いますが、法律に基づいてという中には何にもないわけじゃないわけでございまして、料金というものの特例措置というものがいろんな条件というものを課せられている、その課せられている中での特例措置でございます。しかも、その厳しい条件というものを国会にお諮りして、国会の御承認を得て成立したときに初めてやるわけでございまして、いろんな形式的な面からいいましても、実質的な点からいいましても、私は、この法律に基づいてということは少なくとも御提案をしておりますところの内容は財政法等にもとるものではないかというふうに考える次第でございます。
#240
○山中郁子君 だから、私が言っているのは、財政法の理念に基づいて考えていったらもとるではないかということを言っているの。何にも基準がなくて、郵便法上にいわゆる郵便料金はどういう基準で決めるということが何にもなくて、それで法律に基づく、法律に基づくということを言うのは法律でこれこれこういう条件のもとでは政府が自由にやっていいですよということを決めるだけ、それは財政民主主義に反するではないかということを言っているんです。それはおわかりになるでしょう。
 そして、もう一つ私確認してほしいんですけれども、これは「註解 日本国憲法」、一応憲法のあれとしては権威のあるものですけれども、御存じだと思いますが、ここで、この憲法の八十三条、八十四条の関連でこう言っているんです。「本条で法律主義によるべきことを要求されているのは、直接には「租税」である。」、これは具体的には八十四条ですけれどもね。これは租税法律主義のところの問題ですけれども、八十四条です。しかし、「狭義の租税ではなくとも、それと実質を同じくするものにも及ぶものと解さなければならない。問題になるのは、手数料、なかんずく国家独占事業の料金及び専売貨物の価格である。」、「右にあげたごときものについては、人民はその使用従って支払を事実上強制される。財政学的にみれば、これらは一種の消費税である。従つてこれらも法律によって定められなければならないと解される。」、これは見解は違いませんね。これは宮沢先生の「註解 日本国憲法」ですけれども。当然、だから八十四条の租税の中にはいわゆる国家独占事業の料金も入るんだという、これは全部学説一致していますから、それは間違いないところだと思いますけれども、念のためちょっと確認を求めておきます。
#241
○政府委員(魚津茂晴君) 先生の引用なさった憲法のその本は確かに私も読んだことがございます。しかしながら、今日政府の私たち内部でいろいろこういう御提案している内容のものをめぐって当然議論はするわけでございまして、そういった観点からいたしまして、この憲法の八十四条で言う租税というものの中には郵便料金は入らないというふうに私ども理解をしているところでございます。
#242
○山中郁子君 それでは、これは入らないという理解なんですね。これははっきりしているんですね、郵政省の見解として。これはどの学説でもみんな入るんですよね。その租税ということの中に広義な意味で独占事業の料金ということが入る。そして、それが基づく基づかないでまたそれは別な意見があるのは知っていますよ。知っていますけれども、この点についてはどういう場合でも当然入るようになっていますけれども、それは郵政省は入らないというふうに考えるわけですか。そうすると憲法とは関係なくなるわけですね、財政法三条は。
#243
○政府委員(魚津茂晴君) この憲法八十四条で言う租税の中には郵便料金は入らないというのは、郵政省というよりも政府内部の今日の少なくとも見解であるというふうに理解をしております。
#244
○山中郁子君 しかし、その財政法三条、憲法八十四条、八十三条、その流れは財政民主主義の流れだということは踏まえる、こういうことになるわけですか。
#245
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございます。
#246
○山中郁子君 その点についてはまた別な機会に議論をいたしますけれども、少なくとも憲法の理解と、それからそれを引き継ぐ財政法、郵便法の流れには、財政民主主義ということでその流れがあるということで法定すべきものであるということになってきているわけで、それに基づいてあなた方も法定してきたという経過は先ほど確認をいたしましたけれども、間違いのないところだと思います。
 それで問題は、先ほどお話がありました実際に郵便法が制定されたときに、それでは政府は一体どういうふうにこれらの問題について考えていたのかということになるわけなんですけれども、私は、そこでまず、そういう理念に基づいて法定してきたんだから、動機とかきっかけは赤字で何とかこれを解消したいというものではあるけれども、法定制を外すということの根拠は赤字だからということにはならないということになりますね。
#247
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございます。
#248
○山中郁子君 この点が私は大変大きな矛盾だと思うんですけれども、法定制を外したいという理由は赤字だから、こういうわけでしょう。しかし法定制を外すという根拠は赤字だからということではない 一体これは何なのかということになるのね。そのことは、私はもともとが財政法三条にもとるから言いう矛盾した言い方をしなければならなくなるのだと思うんですよ。赤字だからなくしたいんだけれども、赤字だからなくすということはできないということははっきりしているというわけでしょう。そこのところは物すごく矛盾している問題じゃないですか。赤字だからなくすのだというのがあなた方の動機、だけど赤字だからといってなくせないのだということもはっきりしているということになるんですよね。それは大臣、どう考えたって理解できないところじゃないですか。
#249
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ御意見ございますけれども、これは根本的に今回御提案した特例をいつでもこういうふうにやろうという御提案じゃないんです。
#250
○山中郁子君 それは知っています。
#251
○国務大臣(山内一郎君) あるときに、こういうときに、こういう条件のときにはひとつ特例によって郵政審議会の意見を聞いてやりなさい、こういう権限を法律において行政府に任してもらいたい、こういうような法律の内容に相なっているわけでございますので、その点について御審議をいただきたい。いろいろお話を聞いていると、これは恒久法のごとく特例をされるような御意見のように拝聴しますけれども、そういうことではございません。これが解消されたときには、もとどおり――もとどおりといって、もとは残っているわけですから、そこに特例というものが加わって、その条件がなくなれば前のとおりになる、こういうふうに私は解釈しております。
#252
○山中郁子君 私は特例法でないから恒久法のようにして言っているのじゃないんです。議論を聞いていただけばわかりますけれども、財政法三条はそういう特例を認めるような性格のものではないという趣旨のことを私はずっと申し上げているんです。
 引き続き、そのことについて申し上げますけれども、赤字だから要するに法定制を外すというわけではない、これははっきりしているわけね。そうすると、しかし外したい理由は赤字だからなんだという大変ひっくり返った、だれが聞いてもよく理解できない話になってくるわけなんですけれども、私はそこにもともと財政法から逸脱している流れがあるからそうならざるを得ないのだと思うんです。赤字を理由に外すとすれば財政民主主義の基本に反することになるんです。だから、そういう意味から当然赤字だからといって外すということにはならない。だから、そういう限りにおいては外すということは財政法上好ましいことではない、少なくとも。その点は言えるというふうに考えていらっしゃるのかどうか。そこをもう一度伺っておきましょう。
#253
○政府委員(魚津茂晴君) 私は赤字というものは、なぜこの料金決定の特例措置をやるのかという意味で赤字というものはあるわけです。赤字というのは。そのなぜやれるのか、なぜその特例措置という形でできるのかという点については、私は赤字というものを理由として挙げたことはございません。それは別の理由で、つまり法律の基づき方、これをいろいろの条理上制約のあるその中から条件をつけるとか、郵政事業のいろんな特質から別の観点からやれる。なぜやるのかというのは、赤字であるということが一つの動機であることは事実でございます。
#254
○山中郁子君 だから、財政法上私は違反すると思いますけれども、あなた方は違反しないというふうにいろいろおっしゃっている。だけれども、少なくとも好ましいことではない。財政民主主義の立場の流れをずっと追ってきて、だからこそいままでも法定制をとっていたわけだから。だけれども、赤字になったからやむを得ずこれは外して柔軟なというか、やりたいということなんでしょう。だから、財政法上は少なくとも好ましいものではない、こういうことの判断はあるわけですか。
#255
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、財政法から好ましい好ましくないということは、一概にいまの決定の特例措置をとることが好ましくないとは言えないのじゃないか。とにかく法律に基づく方式というのはいろいろあるわけでございまして、そのいろいろあるというものはいろいろな事情から総合的に勘案して判断され評価をされていくもの、こういうふうに考えているわけです。
#256
○山中郁子君 財政法を底流にしながらいままで法定してきたんでしょう。だから、それがいいわけね。それは当然いいわけだ。だけれども、赤字になったからやむを得ず外す、そういう意味では余り好ましくはないけれども赤字だからやむを得ず外すんだ、こういうことなんですねということを伺っているの。
#257
○政府委員(魚津茂晴君) 少なくともこういうことは言えると思います。今度の特例措置というものは、先ほどの大臣のお答えにもございましたように、今度御提案をしているのは、この機会に一種、二種の料金は、永遠にと申しますか、今後ずっとやるわけじゃございませんので、もう説明の要はないと思いますが、厳しい条件をつけてそれを満たす限りにおいてやるという意味では、一つの考え方も出ているといえば出ていると思います。
#258
○山中郁子君 もっとちゃんと率直に答えていただいていいんですけれども、何か持って回ったような答え方をされているけれども、特例で未来永劫変えるのじゃないから、望ましくないと思っているからこそそうしているんだ、こういう意味にしかとれませんけれども、そういうことですか。もうちょっとちゃんと答えてください。私は、財政法上好ましいことではないけれども赤字だから仕方がないからやるんだというふうなことなんですかということを言っている。そうであるはずなんですね、いままでの議論からしてくれば。そこをもうちょっと端的に答えていただきたい。
#259
○政府委員(魚津茂晴君) いままで料金を具体的に法律で決めた、そして今度御提案しているのは一定の時期までであるということの中のその条件のもとでは、私は必要であり、妥当であり、そういう意味では、財政再建という意味では好ましいという意味も当然含まれているわけでございます。
#260
○山中郁子君 私が伺っているのは、財政民主主義の立場から好ましくはないけれども、やむを得ないでするのだということですかということを聞いているの。ちゃんと答えてよ。財政再建じゃないんですよ。
#261
○政府委員(魚津茂晴君) 財政民主主義という観点から間違いなくいまのやつは好ましくないと言えるかどうかということについては、私は言えないと思います。
#262
○山中郁子君 そうすると、いままで法定していたものが何によって法定されていたのかという根拠がすっかりあいまいになるんですね。先ほど来確認しているように、憲法、財政法の財政民主主義の理念に基づいて法定してきたということをあなた方も確認されているんだから、そこで矛盾してくるわけ、おっしゃることが。それをちょっと指摘しておきます。
 それでは、財政法違反ではない、違反でないから法定するのだということに逆になるわけですね。法定できるのだということになるわけですね。法定する動機は赤字だからということだけれども、赤字だからといって法定を外せない、緩和できない。したがって緩和する根拠というのは財政法三条に違反しないからだ、財政法三条の中でできるのだという主張になるわけでしょう。御主張になるわけですね。それで、その主張を整理して言ってください。私はいままでのお話の中では二つだと思っていますけれども、そのことを二つ整理して言ってください。根拠です。
#263
○政府委員(魚津茂晴君) なぜやるのかというのは赤字でございますというのが一つあります。なぜやれるのかという点については、法律に基づくということで、それで法律の基づき方がいろいろあるわけでございますけれども、郵便事業については、これも何回も申し上げている言葉でございますが、独占の程度でございますとか国民生活の必要性の度合いという観点で考えてみて、基づき方として厳しい条件を付してあれば可能である、こういうことでございまして、それで要するに独占性と国民生活上の必要性という観念というものはつまるところ財政上の関連で考えるわけでございますから、私ども郵便事業料金につきまして国民が事実上その支払いを強制される結果となる度合いというものを判断して、その判断の上に立ってこの法律にどのような基づき方というものが可能であるかということを検討した上で御提案をさしていただいた次第でございます。
#264
○山中郁子君 まず、基づくということだから三条でできるんだ、そしてその内容としては、独占の度合いと国民生活の程度ということを関連しておっしゃっていると思うんですけれども、この財政法の制定のときの政府の説明です。これも同じく先ほど申し上げました野田主計局長が政府の説明と同じく答弁をしておられるんですけれども、その中で、「専売事業の価格とか料金、それから政府の営んでおります独占事業の料金等をきめる場合には、いずれも法律か、あるいは議会の議決によらなければならない、こういうことにいたしまして、従来大蔵省、あるいは運輸省等の告示でもつてきめておった専売価格、あるいは国営の独占事業の料金も、今後は議会の議決によることにいたしたのであります。」、こう説明しているんです。「従来大蔵省、あるいは運輸省等の告示でもつてきめておった専売価格、あるいは国営の独占事業の料金も、今後は議会の議決によることにいたしたのであります。」、こうなっているのね。これは当然告示でいままで料金を決めていたけれども、今後はこの財政法を制定したときに独占価格もみんな議会の議決で決めるんだ、そういうことを間違いなく言っていますでしょう。これは二十二年三月二十日の財政法案の委員会です。当時は案件ごとの委員会になっていたわけですね。これは疑いのないところだと思いますけれどもどうですか。
 それからあわせて申し上げておきますけれども、その後二十二日に、基づくということはどうなのかという議論があるんです。やりとりが。いろいろやりとりがあります。質問などが。そのことの答弁の中で、「「基いて」という言葉を、初めは「より」と書いてあったのでありますが、それでは大変だろうというので、「基いて」という言葉に変えた、」、こう説明しているんですね。いままでは法律によりとなると全部法律で決めなきゃならぬ、だからそれでは余りにも大変だから基づいてというふうに決めたというふうにここではまた説明しているんです。そして、それではどういうものを基づいて、どういうものを法律により決めるのかという議論になってきているんです。その経過をずっと読んできますと、あなた方にもこれはぜひ読んでほしいと思うんですけれども、大ざっぱなものではない、本当にやるときにはこういう料金は法律で決めるんだ、こういう料金は基づいて決めるという範疇に入れてもいいんだということをずっと細かく言っているんです。だから、たとえば郵便に関してなら、たとえば五十種類の料金があったとしますね。そうすると、そのうち十種類は、たとえばの話ですよ、十種類は法律により決める、しかし五十種類全部が全部決めるのは大変だから全部決めない場合もあり得るという意味でもって基づいてというふうになっているんだということを政府が説明しているんです。これは間違いないところなんですけれども。だから一種、二種まで法定緩和して全部法律によらなくなるということはあり得ない、この議論からいっても。
#265
○政府委員(魚津茂晴君) 法律によりということでなくて法律に基づいてという中には、先ほど来申し上げているように、いろいろ立法政策というかっこうで決めるべき、また決め得るものだということは繰り返し申し上げていることでございますが、私どもはそういう立場に立って御提案をさしていただいているわけでございます。それから私、先ほどから基づくということは必ずしも料金というものを法律そのものに書かなくてもいいんだ、その場合には、いま先生がおっしゃったその答弁の読み方の問題になるのかもしれませんが、全部法律で決めなければならぬという場合は法律によりという言葉を使うことになっているという当時の、いま先生がまさにおっしゃった昭和二十二年の三月二十二日の、大蔵省の方だと思いますが、野田政府委員がそうおっしゃっているというふうに私は受けとめているわけでございます。
#266
○山中郁子君 じゃ郵便法の方のを申し上げましょうか。これは二十二年の八月一日、郵便法の改定、つまりいまの郵便法の制定に先立って政府が説明しているんです。「国民の権利義務に関しまする事項は、すべてこれを法律に規定いたしまして、命令の規定に譲る場合をできるだけ範囲を狭めまして、かりに命令に譲る場合におきましても、その根拠を法律に必ず明かにするということにいたしたいと考えております。」。あなた方は、その「かりに命令に譲る場合におきましても、その根拠を法律に必ず明かにする」ということだけを取り出してこのことだけを言っている。だけれども、全部をとにかく法律にしたいと言っているんです。「この意味におきまして、郵便に関する料金につきましては、たとえ例外的な場合において適用されるような料金でありましても、一切これを新しい郵便法の中に包含されるように、具体的に数字を上げて法律に明記することにいたしたいという考えで取運んでおります。」。これが郵便法制定のときの財政法を受けた政府の見解なんですよ。だから、全部が全部法定が外れるなんていうことはだれ一人予想していないの、この経過の中を読んでみても。それはわかるでしょう。ここへ来て一種、二種まで法定を外したら全部なくなる。これは例外のものまで全部入れますよということを逆に言っているんです。例外のものを入れるというのは基本のものは当然入れる、そういう前提に立っているわけですよね。それは理解の違うことにはならないでしょう。どうなんですか。
#267
○政府委員(魚津茂晴君) 私、当時そういった発言をされたことはこととして、真剣にあるいはまた私たちのあり方というものを考える際の言葉として受けとめたいわけでございますが、憲法とか財政法というものの趣旨というものを立法論として具体的にどのようなかっこうで表現するかということになりますと、やっぱりそのときのいろんな事情なりいきさつというようなことも考えてみるのが一般的に立法政策としていいのじゃないだろうか。確かに戦後、戦前の郵便法から新憲法に基づくときの新郵便法をつくりましたときに、財政民主主義でございますとかあるいは財政法の趣旨というものの生かし方としてはそういう考え方というものが立法政策の基本になっていたということは事実だろうと思いますが、ただ、そのときに申し述べられたことがそのときとして正しいからといって、いかなる場合にもその余の方法というのを許さないということまで意味しているのかどうかという点については、私いささか疑問を持っている次第でございます。
#268
○山中郁子君 私、それは大変重大だと思いますよ。少なくとも郵便法も財政法も憲法も、いま日本の憲法であり財政法であり郵便法であるんでしょう。それが立法のときの政府の言い方といまと違っていいんだということは、立法のときに言ったことと将来解釈が違っていいんだということになるんですよ。そんなことだったら、いまこうやって審議していることだって、郵政大臣が幾ら厳格に厳格にとおっしゃったって、責任を持ってやりますとおっしゃったって、そういうことは将来になれば世の中の状況が変われば変わっていいんだという理屈になるんじゃないですか。それは私はとんでもない発言だと思いますけれども。
#269
○政府委員(魚津茂晴君) この郵便料金というものを決定する仕組みというものを考えてみますと、たとえば旧憲法下においては通常郵便物という――ちょっと迂回した言い方で恐縮でございますが、申し上げさせていただきたいと思いますが、旧憲法下においては、憲法論という立場では郵便料金というものが法定されなくちゃならないというような要請が憲法上出るかどうか、私は読み方としては疑問があるわけでございますが、そのときにおいては、通常郵便物というものについてはすべてこの料金というものは現実の問題として法定をされておりました。そして小包でございますとか、それから特殊料金については命令で定めるというようなことになっていた場合でも、そこに憲法上要請があるとかないとかということでなくて、やっぱりそのときの受けとめ方、立法の精神、立法論というものは私はいかなる場合もあると思うんです。そういう点からいたしまして、新郵便法の提案趣旨の、当時の政府委員なり大臣の御説明という文言は、私、必ずしも正確には承知しておりませんが、それはそれで当時のあれとして正しいと思いますし、また今日、一種、二種の料金について厳しい条件をつけて特例措置をつくるということも許されることじゃないだろうかというふうに考えるわけでございます。
#270
○山中郁子君 当時、三木さんが逓信大臣でいらっしゃいました。そして、このときに三木さんが郵便法の趣旨説明をされているんです。ここで、「郵便の取扱制度の規定についてでありまして、郵便が国の行う事業とせられ、且つ信書の送達については国の独占するところでありますので、郵便の利用条件の如何は国民に多大の利害関係がありますので、これらは原則としてこれを法律で規定し、手続的な事項その他軽易な事項に限って省令の規定に譲ることとしたことであります。即ち、従来省令の規定に譲られていましたところの小包郵便物の料金、特殊取扱料金その他の特別取扱料金、郵便禁制品その他郵便として差出すことができない物の具体的内容、各種郵便物の要件、特殊取扱の種類及び内容等を法定することといたしました」と言っている。
 だから、いまあなたがおっしゃったように、戦前の帝国憲法のもとでも郵便法は通常郵便物全部法定していたんです。それは御存じでしょう。――失礼しました。当然御存じのはずです。していたんですね。私も調査いたしましたら、それはしているんです。前の、昔の帝国憲法のもとでもこれらはみんな法定していたんですよ。そのときに法定していなかったものも、この新しい憲法、財政法の趣旨に基づいて法定しますということを総理大臣がこの郵便法の趣旨説明で言っているんです。ここからは私は、どう歪曲しても、どういうふうにこじつけても、仮に特例法であったとしても一種、二種まで含めてすべての問題を法定から外すことが可能だということはあり得ないと思います。これは逓信大臣が現行郵便法の趣旨説明のところで明らかに言っていることなんです。郵政大臣、いかがですか。私は、いずれにしてもこうした経過からすべてを法定から、仮に特例措置であっても外すということは一切生まれてくるはずがないと思いますけれども。
#271
○国務大臣(山内一郎君) どうも御意見が違って申しわけないんでございますけれども、われわれもいろいろな観点から検討いたしまして、一種、二種料金決定の考え方はこれは残っているわけなんです。全部取っ払うということになって、ただ、こういう場合には特例で行政に権限を委譲していただけないでしょうか、こういう考え方でございますので、全部根本から根こそぎなくするという問題ではないというふうに解釈をしているわけでございます。
#272
○山中郁子君 だから私は、特例法であったとしてもというふうに申し上げているのは、いまこの経過は申し上げたことでおわかりいただけると思うんです。つまり旧憲法のもとでの旧郵便法では全部通常郵便は法定されていたんです。それはお認めになりますね。
#273
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございまして、私、当時の事情というのはどういう立法政策から来たものかは必ずしもつまびらかにしないわけでございますけれども、これはまともな答えになるかどうかあれですが、私びっくりしたのですが、明治三十三年から昭和十二年の間約四十年間あるわけですが、その間郵便料金というのは全然変わっていないのです。この料金というものは一定の料金で推移しております。そういうような時代的な背景といいますか、郵便料金の安定的なかっこうで郵便というものは動くというような情勢というものもそういう立法政策をとるに無縁ではなかったのじゃないか、これは全く私見と申しますか、憶測といってもよろしいのですけれども。とにかく四十年間も料金というものが動かなかった、改定しなかったというときに料金というものを法律で定めるということ、まして料金決定の特例措置をとる社会的なあるいは郵政事業の持ついろいろな事情からの必要性というものはまずなかったというふうに考えているわけでございます。
#274
○山中郁子君 戦前がどういう根拠でというふうなのは私意見を持っていますけれども、それにはもう深入りはしません。いずれにしても戦前においても法定されていたんですね。されていたんです。それだからこれを法定から外すなんていうのは夢にも考えていないんです。しかし、それだけではなくて、昔法定されてなかったものも新しい憲法の理念に従って法定しますよというのが郵便法制定のときの三木逓信大臣の趣旨説明なんです。政府の見解なんです。これは間違いないでしょう。郵政大臣、どうですか。
#275
○国務大臣(山内一郎君) いまいろいろお述べになりましたけれども、私ちょっとここでいま聞いていてよくまだ理解しかねますけれども、一回勉強させていただきたいと思うのです。十分に読んでそのときの考え方を。私がいま現在考えているのは先ほどから述べているとおりでございまして、財政法第三条には違反しない御提案を申し上げているわけでございます。
#276
○山中郁子君 私は、これらのことについてもお伺いしたいということで事前に申し上げましたので、まだ全部お考えになっていらっしゃらないとすれば、ぜひとも勉強なさるというか、お調べになっていただきたいと思いますが、見解の相違ではないんです。見解の相違ならば見解の相違だという論拠を示していただかなければなりませんけれども、これは議事録としてちゃんと書いてあるんです。この議事録が違っているんだというなら別ですよ。そうじゃなくて、いま申し上げましたように三木さんはちゃんとそういうふうにおっしゃっているんです。三木さんだけではありません。政府の説明が、いままで私がるる申し上げましたようにもっと該当事項はいっぱいありますけれども、時間の関係でそんなたくさん全部申し上げられませんけれども、それらは全部お読みになっていただきたいと思うんです。そうすれば基づくということが、少なくとも百歩譲って皆さん方がおっしゃるように一〇〇%全部決めるものでないという意味でおっしゃるならば、それは何%かは基準は決めなきゃならぬということなんですよ。何かの基準は決める、主なものは。そしてごく例外的なものについてはこれは全部法定するのは大変だから、それは基づくということを入れたんだということで財政法の趣旨説明でも明らかに言っているんです。だからそれを、この柱を、流れを、いま皆さんがおっしゃるように理解を変えるとすれば、それは明らかに郵便法制定当時、財政法制定当時の政府の見解を変えることになるんです。そのことを私は申し上げておくと同時に、大臣も勉強してくださるというお話ですので、との点については引き続き保留をさせていただきます。
 それと、もう一つの問題として独占性の問題、それから国民生活への影響の問題、これは多分紙の裏表の問題としておっしゃっていることだと思いますけれども、その点についてお伺いをいたします。
 その前に、昭和二十三年の財政法三条の特例に関する法律、この問題のときも郵便料金は外れていたということをぜひとも知っておいていただきたいと思います。郵政大臣は、これは盛んに特例だ、特例だとおっしゃいますけれども、このときの経過は当時の異常なインフレのもとで特別措置があったわけですけれども、この特例法の評価についてはもちろん私たちは問題ありとしております。その見解はありますけれども、この特例法の中でもたばこ、郵便、電信、電話、郵便貯金、為替、振替の料金、国鉄運賃の基本賃率、これだけは除いているんですね。異常なインフレのもとの特例措置としても除いているということもあわせて理解をしておいていただきたいと思います。そのことも含めて、ぜひ大臣にも御勉強いただきたいと思います。
 それで、独占性の問題です。明らかに、先ほどから財政法三条に基づいてできるということの根拠に独占性の問題を言われています。そこで初めに私はぜひはっきりしたいんですけれども、いままで郵政省は何かにつけて電話との関係で独占性の問題をおっしゃってこられましたけれども、この点についてもう一度責任ある見解を聞かせてください。
#277
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、電話との関係は独占性というよりも国民生活上の必要性の問題というかっこうでとらえるべきものだ、こういうふうに考えております。
#278
○山中郁子君 じゃ、いままでこの郵便法審議の中で電話との問題を引き合いに出していらっしゃったのはどういう関係で、どういう趣旨で述べておられるんですか。
#279
○政府委員(魚津茂晴君) それは、いま申し上げましたように、財政法三条に言う基づき方という基づく場合の重要な観点というのは、この独占性と国民生活上の必要性ということであると私たち考えているわけでございますが、そういった考えの中で、国民生活上の必要性という観点で郵便事業というものを考える際に電話の普及というものをわれわれとしては取り上げるべきだ、あるいは取り上げざるを得ない、そういうふうなかっこうで電話の話が出たのだろう、こういうふうに思います。
#280
○山中郁子君 取り上げざるを得ないというふうにおっしゃるけれども、だから具体的にどういうつながりがあるんですか。取り上げたのだろうと思いますなんて余り人ごとみたいなことをおっしゃらないでくださいよ、あなた何回もおっしゃっているんだから。つまり独占性との関係で電話はどういう関係になるんですか、この問題を論ずるに当たって。
#281
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、独占性というのは、先生も御案内のとおりでございますが、郵便法の五条では、他人の信書の送達というもの、これは独占ということで郵政省の専掌に係ることでございます。したがいまして、その限りで電話の普及がどうであるかということと独占というものとのかかわりはないというふうに考えるわけでございます。ただ、いろいろの答弁の中にどういう表現があったか、私、詳細記憶はしておりませんが、郵便の独占性というものは変わらないけれども、郵便というもののいろいろの価値評価をする際、あるいは立法政策を考えるときのいろいろの問題点を整理する際に、通信手段というものが多様化してきているというときに、従来は郵便に頼らざるを得ないというようなコミュニケーションというものが電話に取ってかわられるというような面での独占性というものは、法律論というよりもそういう社会的な変化といいますか、社会的な事実というものを指して独占性との関係で電話の話をあるいはしたかもしれない、こういうふうな私の記憶でございます。
#282
○山中郁子君 それでは、この財政法三条に基づいてそれとの関連で法定制緩和を議論する際に、あなた方は電話との関係は理論的にはないということですね。理論的なつながりはないということですね。
#283
○政府委員(魚津茂晴君) 私はそういうふうには申し上げていないわけでございます。この三条の法律への基づき方という際に、この独占性の程度、国民生活上の必要性の程度というものを考えました、こう申し上げまして、国民生活上の必要性というときには電話というものはやっぱり重要なかかわりを持つ問題であるというふうに思う次第でございます。
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
#284
○山中郁子君 いま電話のことをやっているんじゃない、郵便のことをやっているのね。だから、国民生活上の必要性の程度が電話との関係で郵便が減っているということなんですか。そういうことをおっしゃりたいわけなんですか。
#285
○政府委員(魚津茂晴君) 電話という意味では、家庭生活における通信手段はかつてもっぱら郵便が利用されていたわけでございますが、今日では電話などの普及によって多様化してきている、これは郵政審議会の御指摘の文言でございますが、他の通信手段との代替性という問題もある程度考えてよいのではないかと考える次第でございます。実際、住宅用電話の普及、全国自動ダイヤル化の完成、これは先生よく御存じのところでございますが、昭和五十三年度末に全国自動ダイヤル化が完成しました。こういったような事情から電話が国民の日常生活に完全に組み込まれていることは御案内のとおりでございます。
 住宅用電話の普及率は百世帯当たり昭和四十年度には七・九加入であったのが昭和四十五年度には二八・五加入、昭和五十四年度には七〇・八加入となっております。また、郵便料と電報電話料の家計支出を比較すると、昭和四十年には郵便料が電報電話料の約三三%であったのが昭和四十五年度には約一五%、昭和五十四年度には約七%となっております。このように第一種及び第二種郵便物を国民が利用する必要性の度合い、したがってまた国民生活への影響の度合いは比較的小さいと考えますという、その論旨の中に電話の普及というものがいま御説明したようにかかわり合ってわれわれ判断をしているところでございます。
#286
○山中郁子君 もう少しはっきりしてほしいんですけれども、そうすると、郵便は電話によって少なくとも代替されるし、今後とも代替される可能性がある、そういう意味で郵便のウエート、つまり相対的な比重が低まるのだということをおっしゃっているんですか。私ちょっとわかっていただくために言いますけれども、電話がいまおっしゃったような形でふえているのはよく知っています。電話によって新しい通信が喚起されているということはあります。いままでは郵便で書かなかったけれども、電話があるためにちょっと電話をして、そういう新しい通信の需要が喚起されているということはもちろん認めます。認めるというか、当然なんですね、これだけ電話が普及して電話が使われているんですから。しかし郵便がそうした電話によって代替されている、そういうように考えていらっしゃるわけですか。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
#287
○政府委員(魚津茂晴君) 代替されるということは私はあり得ると思います。現に私はあるというふうに見ているわけでございまして、たとえばいままで手紙を書かなければ相手にある意思表示ができないというような時代から、全国の自動改式というものが完成されたときに、手紙にかわって電話でその意思表示を伝達するということは現実的にもあり得ると思います。
#288
○山中郁子君 趨勢としてということを申し上げているんです。というのは、それは個別に、電話がなければ手紙を書くようなケースで電話するということはあるでしょう。あたりまえなことでね。そうじゃなくて、基本的な問題として独占の度合い、それから国民生活の必要性の程度、そういう意味で、そうすると、もしそうだとすれば、電話がふえていけば相対的に郵便は減っていく、こういうふうにならざるを得ませんね、代替されるならば。私は代替されるという性格が基本ではないと思いますけれども、その点はどうなんですか。
#289
○政府委員(魚津茂晴君) 私は郵便の特性としてよく申し上げる言葉でございますが、電気通信の持っていない特性、記録性だとか現物性というような点から代替されない郵便の利用というものがあるということは信じてもおりますし、また私たちはそれにある意味で将来をかけるということは事実でございますけれども、たくさんの郵便の利用構造というものを考えてみた場合に、いろいろと郵便の利用目的というものから電気通信に代替されるものもあり得ることは事実でございます。個人通信というのは一人当たりを見ましても決して減っていないというような点は電話に代替されていないあかしではないだろうかというような議論もあると思いますが、それは統計的に全体の物数を国民一人当たりに割るとこれだけの通数になるというようなことでありまして、そういう数字の増加というものと、一部において部分的に電気通信に代替される通信もあり得るということもまた事実ではないだろうかというふうに考えております。
#290
○山中郁子君 私が申し上げておりますのは、財政法三条との関連で独占の度合い、国民生活上の必要性、そういう観点から電話が普及することによって郵便の質が変わるのかということを申し上げている。変わらないとなるならば、この財政法三条論議の中で、あなた方が言う電話の普及を持ち出す必要は何にもないんです。それは電話がそういうふうに普及しているよというのは、そんな何もこの問題に関係ないわけですから、そこのところをまずはっきりさせたいんです。
#291
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便のほかに通信の手段と申しましょうか、コミュニケーションの方法というのが電話があるという限りにおいて郵便と電話の選択性というものがある分野の通信には私は当然あると思うんです。その限度で、私何回も答弁をさしていただいているわけでございますが、郵便事業の独占性とか国民生活上の必要性というのがなぜ三条に言う法律の基づき方として立法論上大切かということは、つまるところ郵便というものが、国民が事実上使わざるを得ない、払わざるを得ない、郵便というものの方法しか利用せざるを得ない、利用せざるを得ないということは郵便料金を払わざるを得ないということになる場合に、その要件というものは非常に重要な意味を持ってくるわけでございまして、今日郵便を使うということの中に電話によって代替されるものが次第にふえているということを私たち言い出す理由は、この支払いを強制される結果となる度合いというものが郵便料金の場合に電話の発達というものとかなり相関関係があるのだというふうに申し上げるために、そういう観点のお話をしているわけでございます。
#292
○山中郁子君 じゃ、一つ確認いたします。
 独占性が、電話が発達するから全体の通信手段で占める郵便の比重が低まるということで郵便事業の独占性が云々されるということは絶対あり得ませんね。郵便事業はどんなに全体の通信手段の中でウエートが低くなったとしても、それは独占事業であることには何ら一〇〇%変わりはないですね。これは確認しておいてください。信書の送達。
#293
○政府委員(魚津茂晴君) 他人の信書の送達というものは、世の中がどう変わろうと、電気通信がどのような発展を遂げようと、その限りにおいては独占でございます。
#294
○山中郁子君 じゃ、そういう意味では独占事業であるということは財政法三条の観点からいって何ら変わらないものである、つまり独占事業だからということになるわけですね。
 それからもう一つは、いまあなたは電話によって代替されるようになるし現にされていると。その理屈をもっと敷衍すれば、本来なら郵便は電話がなきゃもっともっとふえたであろう、にもかかわらず電話ができたのでふえるべき分がふえないという結果になっているんだ、こういう理屈になると思うんですね。それはどういう根拠によって電話が郵便に代替しているということが言えるんですか。どういう根拠というか、調査というか、データというか。
#295
○政府委員(魚津茂晴君) 私申し上げておりますのは、電話というのは国民生活上の必要性の度合いという観点で申し上げていることは繰り返すまでもないことでございますが、電話等によって数量的にどの程度代替されたか、そういったものは私正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、われわれの経験的にあるいはまた日常の生活というものを考えてみますると、従来であれば郵便というものを利用しただろうというようなときに、郵便というものから電話によって用を済ませるということはお互いに体験していることじゃないだろうかという意味で申し上げているわけでございます。
#296
○山中郁子君 そうすると、日常生活の体験的な感覚的な推定であって特別何らかの調査をした根拠があるわけではない、こういうことになるわけですね。
#297
○政府委員(魚津茂晴君) 通話料と郵便物数という意味でのいま先生にお答えする調査は私持ち合わせておりませんけれども、先ほどもちょっと答弁をさせていただきましたように、郵便料と電報電話料の家計支出の比較というような点から余りにも変化が激しいなと、昭和四十年には郵便というものが電話料の三二・六%もあった、ところが五十四年になると六・八%に落ち込んできているということが、そういう点から郵便と電話の関係というものを物語る一つの数字ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
#298
○山中郁子君 私は、それはずいぶん根拠のない話だと思うんです。というのは、そちらでおわかりになると思いますけれども、戦後ずっと見てみますと、一人当たりの郵便利用状況というのは、二十五年が四十二・三通、三十年が五十四・四通、三十五年が七十四・三通、四十年が九十二・二通、四十五年が百十三・七通、五十年が百二十六・一通、五十四年が百三十一・九通になっているんです。つまり二十五年から見ますと三倍になっているんです。変わらないというだけじゃなくてふえている。三倍にもふえているんです。片方で、あなたが電話によって減ってきているし、だからそういう意味で国民生活上の必要性が低まったという意味のことをおっしゃっているわけでしょう。あり得ないのじゃないですか。三倍にもふえている。
#299
○政府委員(魚津茂晴君) 国民の一人当たりの郵便物数という点については、先生が仰せのとおり増加をしてきているわけでございます。そういった点からなぜ電話によって郵便というものが代替されていると言えるのかということでございますが、これは私事実を申し上げますと、御案内のとおりでございますが、郵便の利用というものは一人当たり幾らということになるとふえているわけでございますが、いわゆる企業用の通信と申しましょうか、業務用の通信というものが約八割出されているわけでございます。そういったそのものがトータルとして幾らということで、国民一人当たりで幾らということになりますと物数としては決して減らないわけでございますが、よく私たち日常耳にするのですが、最近は手紙なんというのはほとんど書いたことない、葉書なんか出したことない、年賀状だけでもひとつ出すためにというようなことで年賀状だけは早く郵便局に買いに行きました、これは一部の人の話かもしれませんが、そういうことがあることは事実だと思います。ですから、先生の仰せの一人当たり幾らということは確かに増加してきているわけでございますが、企業用の通信というものが込みになったかっこうで、しかも企業用の通信がふえているというようなことからの数値であるということもお考え合わせ願いたいわけでございます。
#300
○山中郁子君 それじゃ企業用通信を外した数字はどういうふうになるんですか、お示しください。
#301
○政府委員(魚津茂晴君) 私たちの持っております資料によりますと、昭和四十年には一カ月当たりの差し出し郵便物数というもの、これは家計から支出する郵便料が幾らかというようなことを調査する際にそういった数字が出てくるわけでございますが、これによりますと、一人当たりということでなくて、一世帯で一カ月に三・五通出しているわけでございます。四十五年では同じく三・五通、五十年には三・二通、五十一年には二・三通、五十二年は二・四通、五十三年は二・五通、五十四年は二・四通、これはもちろん年賀葉書の利用は除いてございます。そういったもので一世帯当たりで差し出されている、あるいは利用されている通数というのはこのような程度のものでございます。
#302
○山中郁子君 私は、その問題で一つは、まず事業をも含めて国民一人当たりの通数が三倍にもなっている。これはだから郵便量がふえているわけでしょう。事業所であろうと何であろうと、事業所から私人へもありますから郵便の本質的なものは私人間だけだということじゃないですから、郵便というのはすべてひっくるめて郵便なんだから、それが三倍にふえているということは郵便がふえているということだと思うんです。こんなのだって電話との関係で言うなら、事業所間なんというのは電話の方が早いわけだからそういう意味になりますでしょう。だから、そういう意味では郵便が三倍にふえているということは、これが仮に私人間であろうと何であろうとそういうことを持ち出してこのふえ方を否定する論拠には何にもならない。郵便は基本的にふえている。二十五年から見たら三倍にふえている。これは間違いない事実ですね。そのことは一つはっきりさせておきます。
 それからいまおっしゃったけれども、私は資料をそちらに伺わなきゃいけないんですけれども、これは「ぽすとまん」という雑誌ですね、よく御存じだと思いますけれども。ここで区分けしているんです。区分けしていまして、私人から私人間ということで区分けして分けているんですけれども、これを見ましても、四十八年、五十一年、五十四年となっていますけれども、それぞれ十七通、変わっていないんです。一つも減っていないんです。それで、いま私はこの「ぽすとまん」の五十五年八月号に、「郵便はどのように利用されているか」ということで出ている郵政省のこれは数字ですけれども、四十八年、五十一年、五十四年の数字が出ていますけれども、一七・一、五十一年も一七・一、五十四年は一七・九と変わってないし、強いて言うなら五十四年で少しふえているという勘定になりますね。こういう数字が出ているんです。これが一番あなたが言う、もし仮に事業所の郵便がふえてくるので一人当たりがふえるんだとおっしゃるならば、この私人から私人という数字が一番あなたの言いたい数字なわけでしょう。だけど、これはおたくの方の数字でもこういうふうに実際ふえている。ふえているというか変わらないんですけれども、この点はどうなんですか。私は減っていないと思いますけれども。
#303
○政府委員(魚津茂晴君) いま仰せの数字というのは通数ということでなくて、私人と事業所別の交流状況をパーセンテージで表現している……
#304
○山中郁子君 失礼。そうです。パーセンテージです。
#305
○政府委員(魚津茂晴君) そういうことに相なろうかと思うわけでございますが、要するに、先ほど申し上げましたように、一カ月当たりの一軒の家で出す通数でもほとんど変わりがないということとある意味で符合するという感じもするわけでございますが……
#306
○山中郁子君 減っていないでしょう。
#307
○政府委員(魚津茂晴君) しかしながら、一方、国民生活の必要性という通信総体の必要性といいますか、通信の中における郵便の割合というものは、電話との関係では先ほど来申し上げているようにどんどん減っている。減っていると申しますか、電話料金との関係での比率というものが落ちてきていることは事実でございます。
#308
○山中郁子君 電話料金と郵便料金の比率が落ちているなんというのはあたりまえのことで、それが何で関係ありますかということを私は最初から聞いているんです。電話がこれだけ普及すれば電話がたくさんかけられるんだから、そんなのはあたりまえなんです。それは何にもこの財政法から郵便料金の法定緩和の問題と関係ないじゃないですかと言っているの。そのことをあなたが持ち出しているから、私はそれは関係ないということをいま言っているんですけれども、そんなことは百も承知、電話がふえているということは私もさんざん電話の仕事をしてきたんですから。だから、全体の比率から言えば郵便が減ってくるのは電話がふえればあたりまえなんです。だけれども、そうじやなくて、郵便自体のそれによって独占性は失われていない、一〇〇%独占事業であるのは変わりないとあなた確認された。
 それから今度は、国民生活の必要上それによって何らそのウエートが減るものではない、郵便通数はふえているじゃないですかということを私は言っている。郵便は郵便によって達せられるべき内容で郵便が使われているし、電話は電話によって達せられるべき内容で電話が使われているんだから、だから電話ができたから電話の通数はふえるけれども、それは決して郵便に基本的に大きく言って代替するものではないと私言っている。あなた、代替するという方向だとおっしゃるから、それはどういう根拠があるのかと申し上げたら、それは根拠は何にもないけれども、実際自分の生活感覚から言って代替されるんじゃないか、こういう程度のことしかおっしゃらないから、それじゃ何の論証にもならないでしょうということを申し上げているんです。
#309
○政府委員(魚津茂晴君) まず、企業通信というものがふえて一人当たりの郵便の利用部数というものが結果として上がっているということに対して、これは考え方の問題でございますが、私たちがあえて国民生活上という観念を持ち出したのは、やっぱり家計の中でその支払いを強制される結果となる度合いというのが一つのキーポイントになっている考え方でございます。企業用通信というものが、一概にそういう言い方が言えるかどうかはわかりませんけれども、一つの利潤と申しますか、文字どおりビジネスということで計算の上に立って出される郵便というものと、先ほど来申し上げている家庭といいますか、国民生活上日常の生活あるいは家計の中に占める郵便の重さと、全通信メディアの中における郵便というものの環境の変化というものは、立法政策を考える際にやはりわれわれとしては考えてみなくちゃならないし、また考えてみてもいいのじゃないか、そういうふうに申し上げている次第でございます。
#310
○山中郁子君 それでは、その家計の問題を伺いますけれども、そのほかにありますか。あるならいまのうちに言っておいてください。
#311
○政府委員(魚津茂晴君) そのほかにという趣旨が私ちょっと……
#312
○山中郁子君 いや、家計の。いま私は量の問題を言ったら、量だけじゃなくて家計が眼目だとおっしゃったわけでしょう。今度家計の問題……
#313
○政府委員(魚津茂晴君) 要するに、私が繰り返し申し上げておるように、この法律の基づき方を決める際にわれわれとして重要視している観念は、郵便事業の独占の程度ということとそれから国民生活上の必要性の程度というそのことに限っております。そういった場合の国民生活上の必要性というときに、郵便と電話という関係は直接的には独占の関係で申し上げているわけじゃなくて、国民生活上の必要性という観点でいろいろ申し上げてきているわけでございます。
#314
○山中郁子君 じゃ、その家計の占める度合いというものに入る前に、私はこのことはちょっと決着をつけておきたいんですけれども、郵政省が郵便の将来展望に関する調査会というものに委託して報告書が完成しています。これは御承知ですね。郵便の将来展望、物すごく膨大な作業をして、これは五十三年の三月に出た最終的なものですけれども、そのほかに同じようなものが三冊あるんです。四冊、これでつくっているんです。それは御承知ですね。それは郵政省として将来展望をあれする上でお金もかけてつくったわけでしょう。
#315
○政府委員(魚津茂晴君) 承知しておりますし、また郵便の将来展望という文字どおり長期的な事業の展望のためいろいろと委託をし調査をしたものでございます。
#316
○山中郁子君 もちろんこれは、私ちょっと郵政省にお伺いしましたら、四十九年から五十二年にかけて四カ年にわたって事務委託費と実態調査費と合わせて、最低の経費だと思いますが、二億一千六百万円かけているということを伺いましたけれども、それは間違いのないところですね。
#317
○政府委員(魚津茂晴君) 四年間で二億一千六百万円、間違いございません。
#318
○山中郁子君 そして、この将来展望の中で、こんなとにかく分厚いものが四冊もあるんですから、たくさんいろんなことが書いてあります。それで一貫してこの中の一つのテーマとして電話との関係が調査されているんです。物すごく膨大な調査をしています。計算を。それで結論的にどう言っているかといいますと、「郵便利用と電話利用との関係をみると、電話をよく使うものは郵便もよく利用するというように正の相関関係のあることもわかった。」となっているんです。「この結果は、郵便と電話が排反的な関係よりも相補的な関係が強いことを示している。」。結論ですよ。二億一千六百万円かけて、あなた方が四年間かかって調査をしてもらった結論が、排反関係はなくて電話を使う者は郵便もよく使うという結論を出しているんです。御存じですか。何をやっていたんですか、あなた方は二億一千六百万円もかけて。
#319
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便を使う者は電話を使う、電話を使う者が郵便を使うという相関関係というのは、やはり郵便の利用の内容によってはまさにそのとおりだし、またそういったことを言っているわけでございますが、ただ現実の問題といたしまして、先ほど来申し上げておりますように、日常ほとんど郵便というものをこのごろ書かなくなった、郵便を出さなくなったという社会的な事実が広くあることもまた事実だと思います。これは主として電話利用数の多い人は郵便利用数も多いという中にあるように、企業用通信とかそういったようなものがかなりのウエートを占めた結論というふうに私は記憶しているわけでございます。
#320
○山中郁子君 それは全然間違っていますよ、あなた。いまだに何でそんなことをおっしゃっているの。私、さっき「ぽすとまん」の数字を出しましたでしょう。四十八年で一七・一%、五十四年で一七・九%、変わっていないでしょう、パーセンテージが。変わっていないということは数量は確実にふえているわけですよ、総物数がふえているんだから。そうでしょう。減っていないじゃないですか。あなたは周りで郵便をみんな出さなくなったとおっしゃるけれども、実際問題としてそれはあなたの日常生活の感覚でしょう。じゃ実際にどうなのかと言えば減っていないじゃないの、この数字だけだって。少なくともこの数字だけだって減っていないでしょう。それであなた方がそういう将来展望を予測しなきゃならぬということで二億一千六百万円かけて調査をして、その調査の結論が――部分的なことを言っているのじゃないんですよ。これは結論です。「電話をよく使うものは郵便もよく利用するというように正の相関関係」だ。部分的な問題じゃないんですよ。あなた方はそれだけのお金をかけて、委託をして、このあれは何の参考にもならないと。これは何の参考にもならないけれども、郵務局長のあなたの生活実感、その方が郵政省の判断として先行するということですか。とんでもない話じゃないですか。むだ金を使っているんですか。
#321
○政府委員(魚津茂晴君) この将来の展望調査会というのは、具体的な個々のすぐに役に立つというものよりも、長期展望をする基本的な理論でございますとか、基本的な一つの問題点を調査していただいたわけでございまして、その中には今後の趨勢という中からそういう分析も出てくるということは私承知はしておるのですが、一方、先ほどから申し上げておりますように、国民の生活上の必要性という点についてはやはり全体としてのウエートというものが落ちてきているということは事実じゃないのでしょうか。そのことを私申し上げておるわけです。
#322
○山中郁子君 だから、何で落ちているというのは事実だとおっしゃるんですか。根拠をおっしゃってくださいよ。これだけの膨大な資料で計算して、これは将来のことだけ言っているんじゃないんです。相関関係があるということがわかったと言っているんです。これを否定するあなたの実感というのは何なんですか。根拠を言ってください。
#323
○政府委員(魚津茂晴君) これは先ほど申し上げておりますように、一カ月当たりの差し出し物数というものを推定してみる、それからこの差し出し郵便物数を年間で見てみるというような点からいたしますと、各家庭から差し出される郵便というものは決してふえてはいない、むしろ減ってきているという事実もまたあるわけでございます。
#324
○山中郁子君 どこで減っているんですか。
#325
○政府委員(魚津茂晴君) 最初に申し上げましたように、昭和四十……
#326
○山中郁子君 年賀郵便は入っていないんでしょう。完全な数字じゃないじゃないですか。
#327
○政府委員(魚津茂晴君) この「ぽすとまん」の数字というのは、どういう調査、どういう算出結果から出したのか私不勉強であれなんですけれども、私どもが家計というものに支出する郵便料というものを計算する際にとっている資料では、必ずしもふえていないというよりもむしろ減っているという事実が一方にあるわけでございます。
#328
○山中郁子君 まず、減っているとおっしゃるのは、それはあなた、年賀郵便はさっき入っていないとおっしゃったでしょう。入っていないんでしょう。不完全なものなんでしょう。
 それともう一つ言います。これをあなたは将来問題だから具体的なものの目安にはならぬとおっしゃったんですけれども、あなた方は、それでは郵便の将来展望に関する調査会の結論をそのように参考にし得ないものだというふうに郵政省は理解しているんですか。そのことをはっきりさしてください。これは大臣に私伺いましょう。郵務局長は先ほどから何回もそういうふうにおっしゃっていますけれども、これだけのお金をかけてそういう結論を出しているんですよ。これはぜひ大臣にも私勉強してもらいたいと思いますけれども、それを参考にできないとおっしゃっているんだわ。
#329
○政府委員(魚津茂晴君) 私は参考にできないということは一言も申し上げていないと思います。要するに、長期展望という名が示すように、今日ただいまというものよりも、たとえば二〇〇〇年の時代というものはどういうふうになるだろうかとか、そういう郵便事業の文字どおり将来というものをいろいろ考える際の基礎的な理論というものをそこでお答えしていただいたわけでございまして、当然私たちはそういった結論というものを郵便の将来を考える場合に尊重していくということは当然のことだと思います。
#330
○山中郁子君 将来を展望するに当たって、現在の状況は電話との関係はどうかということを調べているんです。そしてその調べた結果、膨大なさまざまな調査と計算をした結果相関関係がある、電話をよく使う者は郵便もよく利用するということで排反関係はない、これは四冊の報告書の中で毎回毎回書いているんですよ。将来を展望する場合にはこれが正しくて、現実を見る場合にはこれは違うと言うんですか。そんなばかな話はないでしよう。
#331
○政府委員(魚津茂晴君) 私どもいま持ち合わせている資料によりますと、先生の御質問に対して直接お答えになるかどうかあれですが、年間収入の階級別一世帯当たりの郵便料等の支出額状況というような点からいたしますと、電話料をよけい使うところあるいは人は郵便料金も多いというような事実は言えると思います。ただ、その電話料というものの所得別で見ますと、やはり電話料によって郵便というものは減っていくという事実は、繰り返すようでございますが、私はあるというふうに考えております。
#332
○山中郁子君 減っていないでしょうということをだから言っているの、通数からいっても。「ぽすとまん」のこの数字は、あなたどこだか知らないとおっしゃったけれども、これは郵務局の経営企画室が書いている文章です。郵務局の経営企画室、あなたのところでしょう。その数字で四十八年から五十四年まで比率が変わっていないんですよ。これ、ちゃんと暦年の比率を出してください。戦後二十五年からずっと出してください。私人と私人間の問題。全体の数量は三倍になっていることははっきりしているんですから、全部あなた方責任を持って出してください。
 それから先ほど、それではあとは主として眼目は家計に占める比率だ、こうおっしゃいましたね。家計に占める比率を見ていただきたいと思いますけれども、郵便料の年間総支出額に対するパーセンテージ、これはずっとおたくも何回も資料として出されていますけれども、三十八年〇・一四%、三十九年〇・一四%、四十年も〇・一四、四十五年〇・一二、五十年〇・一〇、五十一年〇一四、五十二年〇・一四、五十三年〇・一三、五十四年〇・一五、減っていないじゃないですか。これは郵政省の資料ですよ。
#333
○政府委員(魚津茂晴君) この構成割合というのは、おっしゃるように三十八年が〇・一四であったのが五十四年では〇・一二……
#334
○山中郁子君 〇・一五です。下の注を見ればわかります。
#335
○政府委員(魚津茂晴君) これは三十八年と比較をするという意味では〇・一二。要するに、小遣い、つき合い費というものから支出されるというようなことはその後のあれで、五十四年においては〇・一五というようなことでございまして……
#336
○山中郁子君 前と比較して〇・一五なんです。
#337
○政府委員(魚津茂晴君) 〇・一四に対して五十四年は〇・一二なんです。ただ、〇・一五というのは小遣い、つき合い費から支出されるものがあるので、その分を含めますと郵便料というのが三千百八十九円の絶対額から三千九百五十三円になりまして〇・一五%、こういうふうに……
#338
○山中郁子君 前の数字で合わせれば〇・一五なんですよ。まあいいです。どうぞ。
#339
○政府委員(魚津茂晴君) それで、構成割合というのは事実〇・一四に対して〇・一二か〇・一五かは別としまして、ほとんど変わりはないということは事実でございますが、私どもパーセンテージということだけでなくて、現在の絶対値というものが家計そのものの中にどういう意味を持つかというような点を考えてみますと、とにかく一世帯当たり年間で三千百八十九円でございます。そういうところにわれわれ注目をしているわけでございます。
#340
○山中郁子君 それでは四十年のときの〇・一四と五十四年のいまの〇・一五とお金の額の値打ちが違うんですか、三千幾らであろうと、それが二千幾らであろうと。だからこそ比率で、絶対数で言えばそれは比較すれば違うかしれませんよ、比率で言っているわけだから。違わないでしょう。だからこそ比率を出すのでしょう、比較するために。家計費に占める比率はちっとも変わっていないじゃないですか。あなた先ほど家計に占める比率が、その問題が眼目だとおっしゃいましたでしょう。だから、そのほかにまだ何かあるなら言ってくれと言ったら、そのほかにはないと。そうすれば独占性はなくなった。電話との代替性もあなたたちのこの調査によればない。そして比率についてだってちっとも変化していない。何が残るのですか。何にも残らないじゃないですか。
#341
○政府委員(魚津茂晴君) 私たちは、郵便料が一世帯当たり年間で支出をしている金額三千百八十九円ということを事実としてとらえた場合に多いか少ないか、これはやっぱり常識的に判断できるものじゃないかというふうに考えております。
#342
○山中郁子君 それでは五十三年のときの〇・一三は幾らだったんですか。五十二年のときの〇・一四は幾らだったんですか。全部それを出してくださいよ。そしてそれは昔は多かったんですか。二千円、三千円が多かったんですか。もっといけば千円でしょう。五百円でしょう。そういうものが多かったんですか。ここへ来て三千幾らが急に少なくなったんですか。そんな逃げ口上はやめてくださいと言うの。子供でさえそんなこと承知できませんよ。
 私は、いまこれらの問題について何にもあなた方の言っている論拠がないということを明らかにいたしましたけれども、大臣も勉強なさるとおっしゃいますから、この点についても幾つかの資料を重ねて要求いたしておきましたけれども、それらをあわせて提出をしていただいて、引き続き審議を続けるということで保留をいたします。
#343
○委員長(福間知之君) 本件に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト