くにさくロゴ
1980/11/13 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第5号
姉妹サイト
 
1980/11/13 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 逓信委員会 第5号

#1
第093回国会 逓信委員会 第5号
昭和五十五年十一月十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                坂倉 藤吾君
                太田 淳夫君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   渡辺 紘三君
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政大臣官房経
       理部長      澤田 茂生君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省人事局長  岡野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便法等の一部を改正する法律案(第九十二回
 国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○中村鋭一君 ことしの消費者物価の政府の見通し六・四%ということでございますけれども、よほど努力しないとこの目標を達成することは困難である。これは、ほかの委員の先生方もそのことについてはこれまで何度もお尋ねだと思いますけれども、特に郵便料金も公共料金でございますからこれがやはり他の消費者物価に影響する、ひいては六・四%を上回る物価の値上がりを誘発する大きな要因になる、こう思うのですけれども、その点についての大臣の御判断をお願い申し上げます。
#4
○国務大臣(山内一郎君) ことしの消費者物価の上昇率六・四%の目標をいま立てて政府としてやっているわけでございます。そこで、統計を調べてまいりますと、九月は八・七%、十月は大分改善をされまして六・八%、これは東京都の区部だけの数字でございますが、改善をされておりますので、この状態が続けば六・四%は達成できる、こういう見通しでございます。
 そこで、今回郵便料金の値上げをお願いいたしておりますけれども、これは十月から上がったとして、六・四%のうち〇・〇四%は、数字だけの問題でございますけれども、それが織り込み済みでございますので、そういう点から考えて六・四は達成できる、こういう見通しでございます。
#5
○中村鋭一君 いま御答弁いただいた数字は〇・O四%ですね。これは郵便料金の家計支出の中に占める平均的な支出の割合でございますね。
 昭和五十四年度における引受郵便物数でございますが、これは発表によりますと、百五十三億通余りと発表されておりますけれども、これを個人差し出しと、それから企業、事業所、会社等の差し出しに区別した場合には、どういう割合になりましょうか。
#6
○政府委員(魚津茂晴君) 企業が差し出すものがおおよそ八割、それから個人が差し出すものがおおよそ二割、こういうことに相なっておる次第でございます。
#7
○中村鋭一君 そうしますと、いま御答弁いただいたものによりますと、個人二割、企業、事業所八割ということですよね。私、心配するのは、企業における郵便料金、通信費のふえる部分がほかの商品価格に転嫁されていくおそれがある。結果としてそれが消費者物価に影響しはしないか、何しろ八割でございますから。郵便料金値上げの間接的な影響の場合、八割を事業所が使っている、それが消費者物価に相当影響を与えるのじゃないか。それを心配するのですけれども、それについての御見解をお伺いいたします。
#8
○政府委員(魚津茂晴君) 間接的な影響ということでございますが、郵便は、ただいまも申し上げましたように、企業等で差し出すものがウェートとしてはずっと多いわけでございます。そういった企業が差し出すものの郵便料金の値上げによる影響ということになりますと、企業自身多種多様の性格を持っている企業であるというようなことでありますとか、需給要因――需給要因と申しますのは、企業が仮に郵便料金の改定分を全部製品価格に転嫁をしましても、その製品はその価格で売れるとは限らず、製品価格は最終的には需要と供給の関係で定まるというような需給要因でございますとか、それから節約――経費の節減により郵便料金の改定分を製品価格に転嫁しないという姿勢の企業もあるかと思いますが、そういう節約という要因、さらに代替効果、郵便の利用を他の同様の機能を果たす通信手段の利用に切りかえ郵便料金の改定分を製品価格に転嫁しないというようなところも出ようかと思います。それからタイムラグというような要因も私たち考えられると思うのでございますが、このタイムラグと私が申し上げておりますのは、波及的な影響は相当の期間にわたって出てくると思われますので、とらえる時点によりその度合いが異なるというような、以上申し上げた需給要因、節約、代替効果、タイムラグというようなことが非常に関連してくるわけでございまして、一概に私たち間接的な効果というものが多いということを論ずることはちょっとできない。また事実、いま申し上げたような要因を公認されたかっこうで計算することがまだ確立されていないというようなこととも相まちまして、一概に論ずることはできないけれども、間接的な効果を考えても、そう私たちは大きな、あるいは物価を安定したかっこうでやるのだという国の政策の撹乱要因といいますか、波乱要因になるとは考えていないところでございます。
#9
○中村鋭一君 いまお話はるる承りましたけれども、そういったことを客観的に類推し得るデータというものはございますか。
#10
○政府委員(魚津茂晴君) いま申し上げましたように、客観的なかっこうでお示しできるデータは持ち合わせておりませんし、国の機関としても持ち合わせていないというふうに伺っているところでございます。
#11
○中村鋭一君 今後、そういうことについての客観的なデータはとにかく重大な問題でございますので、なお一層、鋭意努力して収集してくださるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、今回の郵便法改正案の内容についてお伺いいたしますけれども、特にこの改正案の中のいわゆる法定制緩和でございますが、これをやりますと、今後またイージーに値上げが行われるのじゃないか。現に国鉄が毎年のように値上げしているわけですよね。ですから、本当に困ったことだと思うんですけれども、この法定制緩和について大臣の御見解をお示し願いたいと思います。
#12
○国務大臣(山内一郎君) 今回御提案しております法律改正をお認めいただけば簡単にいつでも値上げをするのじゃないか、こういうような御指摘でございますけれども、これはやたらに値上げをいたしましても、値上げができても数量が減ってくる。五十一年の実績においても値上げをしたときには減りまして、やっと回復いたしましたところでございますので、やはり値上げの率の最高限度も決められておりますけれども、そういう点を勘案しながら適時適切という郵政審議会の御答申に従ってこれをやってまいりたいと考えているわけでございまして、毎年やるというようなことはいまのところ全然考えておりません。
#13
○中村鋭一君 先日の法律案の提案理由の説明の中で、「第二は、第一種郵便物等の料金の決定についての特例についてであります。郵便の料金決定方法のあり方につきましては、かねて郵政審議会等から、現行の料金決定方法については、弾力的に対処できる方向での改善が必要であるとの趣旨の御提言をいただいていたところでありますが、その後慎重に検討いたしてまいりました結果、郵便事業財政の現状にかんがみ、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の範囲及び条件のもとで、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は、郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で定めることができるものとする等の規定を設けることといたしたいとするものであります。」、いまの法定制緩和というのはこのくだりでございますか。
#14
○国務大臣(山内一郎君) そのとおりでございます。
#15
○中村鋭一君 「一定の範囲及び条件のもと」とは、どういう範囲、どういう条件を想定しておられますか。
#16
○政府委員(魚津茂晴君) 「一定の範囲及び条件」ということは、私たちなりに厳しい条件ということで受けとめまして、四つの条件ということで自己規制というような意味で御提案をさしていただいているわけでございます。
 一つは、料金決定を弾力的に行い得る期間、この期間というのは、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでという一定の限度を設けております。
 二つ目といたしまして、料金の改定は、郵便事業の単年度の損益計算において欠損が生じた場合、あるいは欠損が生ずることが確実であると認められる場合を含めましてでございますが、そういった場合にのみ行い得る。
 三番目といたしまして、料金の改定率は、物価等変動率という合理的、客観的な基準を超えないよう行うことにしております。
 四番目といたしまして、料金を省令で定める場合には郵政審議会に諮問した上行うこととしており、手続面の制約が課せられている。
 以上申し上げた四つの条件、これを厳しい条件ということで申し上げているわけでございますが、これはとりもなおさず「一定の範囲及び条件」ということに相なるわけでございます。
#17
○中村鋭一君 いまの三つ目の条件でございますが、恐れ入ります、もう一度教えていただけますか。
#18
○政府委員(魚津茂晴君) 料金の改定率は、物価等変動率という合理的、客観的基準を超えないように行うことにしております。
 物価等変動率というのは、詳しくまたお話しすれば別でございますが、簡単に申し上げまして、消費者物価、それから卸売物価、そして賃金の上昇率、こういったようなものから合理的、客観的にあれをしまして、たとえばこの試算表というのを私たち持っているわけでございます、先生も御案内かと思いますが。卸売物価と消費者物価が毎年五%ずつ上がる、そして賃金が六・七%上がるというふうに仮定をしまして三年間料金を上げないという場合に、料金を上げようとしますと物価等変動率は二〇・八%、こういう数字が出るわけでございます。ですから、この試算表でも二〇・八%の枠の中でそれを上限とした料金の改定というものを予定して試算表をつくった次第でございます。
#19
○中村鋭一君 私、いまの御説明では合理的かつ客観的という意味がよく理解できないんですよ。何をもって合理的とおっしゃるのか、何をもって客観的とおっしゃるのか、その客観ということの定義でございますけれども、郵政省の客観的という言葉についての定義をお伺いいたします。
#20
○政府委員(魚津茂晴君) いま申し上げました卸売物価あるいは消費者物価、賃金というものの資料というものは客観的に決まっているということがございます。そして、その三つの要素が郵便事業の費用の増大ということに最も、事業の体質、事業の性格からいたしましてその費用を考える際の合理的なものであるというふうに申し上げたわけでございまして、もっと申し上げますと、卸売物価指数というのは、郵政省が勝手に卸売物価指数というものを計算してということでなくて、日本銀行の調査によるもの、消費者物価については総理府調査によるもの、さらに賃金指数については労働省の調査によるもの、これはそれぞれ法的な根拠があって申し上げているわけでございます。
 それからこの合理的ということをさらに申し上げますと、郵便事業に係る経費というのは卸売物価指数と消費者物価指数、賃金指数というものを同列にウエートを持たせる必要は私はないと思うわけです。人件費等の経費を含めまして人件費が九割であるという労働集約型の事業でございますので、このウエートのかけ方、これは卸売物価の関係では全体を一といたしますと〇・〇二七というかっこうで加重平均をしていくわけでございます。それから消費者物価については〇・〇九一、賃金の変動というのは〇・八八二、こういうこの事業の実態、性格を踏まえた客観的、合理的と、こういうふうに私考えましたので、先ほどそういった表現を使わしていただいた次第でございます。
#21
○中村鋭一君 厳しいとおっしゃいましたね。ひとつ合理的かつ客観的で本当に厳しい条件を付与して審議会にお諮りいただくよう要望をしておきます。
 で、いまも審議会と申し上げたんですけれども、そういうことになりますと郵政審議会の役割りが非常に重要になってまいりますけれども、現在、郵政審議会の委員の方はどのような方法で任命をしていらっしゃるんですか。
#22
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会の委員の任命につきましては、郵政事業、郵便、貯金、保険、各事業についての重要な事項を御審議いただくという審議会の性格からいたしまして、広く国民各層の声が反映できるよう、できるだけ各界各層から代表的な方々に加わっていただくという見地から、郵政大臣が慎重に検討をいたしまして任命をしているところでございます。
#23
○中村鋭一君 各界各層から郵政大臣が慎重にとおっしゃいました。現在の郵政審議会の構成のメンバー、それからできれば肩書きもあわせてお教え願えますか。
#24
○政府委員(奥田量三君) 郵政審議会の委員は、本日現在で三十六名いらっしゃいます。これはすべて一々お名前を申し上げるのがよろしいか……
#25
○中村鋭一君 全部の紹介は結構でございますから、各界各層というのはどういう各界であるかをお示し願います。
#26
○政府委員(奥田量三君) 申すまでもなく、お一人の委員がいろんな分野のお仕事をなさっておる、あるいはいろんな角度からその方のお仕事を位置づけるということもあろうかと思いまして、厳密な分類はなかなかむずかしいと思いますが、ひとまず、私どもなりに仮に一応の分類を試みてみますならば、まず言論、評論界で主として活躍しておられると見られる方々が七名でございます。それからいわゆる学界の方が八名、それから経済界の御出身の方が五名、それから行政経験者とみなされる方が七名、それから労働界あるいはいわゆる消費者の立場を代表される方そのほかを含めましてその他の分野が九名というふうに一応の分類が試みられるのではなかろうかと思っております。
#27
○中村鋭一君 その中の労働界それからその他は九名とおっしゃいましたね。その中に、いわゆる常識的に言う市民の方ですね、消費者といいますか、そういう方は何人ぐらい入っておられますか。
#28
○政府委員(奥田量三君) ただいま申し上げました中には、いわゆる婦人団体の関係をしておられる方が一名、それから生活協同組合関係のお仕事をしておられる方が一名、そのほか労働運動の経験者が三名というふうな方々がいらっしゃいます。
#29
○中村鋭一君 消費者団体等から何人か出ていらっしゃるんですが、どうでしょうね、非常に大事な審議会でございますから、いろいろ方法を考えて、市民代表という形でたとえばこれを公募するとか、あるいは無作為の抽出によりまして、たとえば選挙の立会人のようにお願いに上がるというようなことはお考えになったことはございませんか。
#30
○政府委員(奥田量三君) これは恐らく郵政審議会に限らないかと思いますが、政府関係のこのような審議会のこれまでのやり方として、ただいまお触れになったようなやり方についてはこれまで検討いたしたことはございません。
#31
○中村鋭一君 やはり私は、こういった特に法定制を緩和して審議会に諮問をしてそして葉書やなんかを値上げできるような、そういう重大な使命を持った国民生活にかかわりのある審議会ですから、それはインテリも結構ですよ、お役人も結構ですよ、ですけれども、やはり広範な国民大衆の生活に直結した気持ちを代弁できる方を審議会に入れるような手段を、それは御専門でございますから御研究願って――そういった人かいま伺ったら一人か二人でしょう。そうでしたね。何人ですか、そういった消費者団体等から出ておられる方は。
#32
○政府委員(奥田量三君) ただいま申し上げました消費者団体あるいは婦人団体ということで直接お仕事をなさっておられる方はお二人でございますが、そのほかに、たとえば言論、評論界というふうにさきに仮に分類を試みました中で、いわば婦人の立場あるいは家庭生活の立場というようなお仕事をしておられる方も若干名おられることは事実でございます。
#33
○中村鋭一君 しかし、直接には二人でしょう。四十人近い委員の方がおられて、本当に葉書の値上げや郵便物の値上げがこたえる代表が二人しか入っていないというのはけしからぬと思いますよ。ですから、これはそういう方向で広範なやっぱり国民大衆の声が審議会に反映するような方法、手段等を講じていただきたいと思うんですが、大臣、それについての御見解をお聞かせ願います。
#34
○国務大臣(山内一郎君) 今度、法律が改正されますと、郵政審議会の役割りも一層私は重大になってくると思うわけでございます。したがって、いろいろ御審議の中でも御意見がございましたので、一層そういう点を注意して、審議会の構成等について、ほかの審議会等も検討しながら、新しくどういう体制が一番いいかということをやっていきたいと思っております。
#35
○中村鋭一君 郵便料金を値上げするというようなことを考える場合に、いま私は一般市民の代表も大切だと申し上げましたけれども、一方、非常にそのことについてスキルフルなエキスパートも大切だと思うんですね。たとえば郵政省の職員の方の中で、皆さん方のようなお偉い方ではなくて、良識あるまじめな労働者の代表がこの審議会に加わるということについてはいかがでございましょうか。
#36
○政府委員(奥田量三君) 現在、政府関係の各種のこのような審議会はたくさんあろうかと思いますが、現在、その役所、その省庁の職員というふうな立場の人間が審議会に加わるというケースはきわめてまれであろうと思いますし、また、数年来政府の方針によりまして、その省庁の現職の公務員の審議会参加はむしろ抑制するというような方向の問題もございます。ただいま先生御指摘の問題については、その辺の関連等もあろうかと思いますので、直ちにいまどのようにということは申し上げかねる次第でございまして、慎重に検討させていただきたいと存じます。
#37
○中村鋭一君 慎重に検討ということは、非常に慣例のアイテムとしてよく皆さんお使いになりますけれども、私は、やはりたとえばこの郵政審議会の中に郵政省の中の民主的な健全な労働組合員の方、こういう方を、労働組合員でなくてもまじめな職員の方、本当に郵政サービスのために努力している方をお加えになるということは、いま抑制の方向だとおっしゃいましたけれども、抑制の方向じゃなくてむしろ積極的に私は推進するという方向で、慎重にではなくて積極的に果敢にひとつ御検討をお願いしておきたいと思います。
 今回の郵便料金の改定に当たって、郵便の種類ごとに値上げの幅が違いますよね。その理由はどこにございますか。
#38
○政府委員(魚津茂晴君) 先生御案内かと存じますが、郵便料金の決め方という基本的な定めというのは、郵便法の一条と三条に示されているわけでございます。ちょっと読ませていただきたいと存じます。
 郵便法の一条では、「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」、これが一条の条文でございます。それから三条で、「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」。
 いま読ませていただきましたこの一条と三条は、私たちは一般的にはこういうふうに理解をしております。一条は、郵政事業の公共性ということからできるだけ、ここに書いてございますように安い料金で設定をするという基本理念を明らかにしたものであると思います。しかしながら、一方、郵便事業は、御案内のところでございましょうけれども独立採算制という制度になっておりますので、収支が相償うような料金を決定する、しかもその収支の相償うやり方といたしまして、郵便物の種類ごとにそのコストとその収入というものをペイするということでなくて郵便物全体として収支が相償う、総合原価主義というふうに私たち言っておりますが、そういうことをまず念頭に置きまして郵便物の種類別の損益状況――一種は黒である、三種は赤である、あるいは小包が赤である、そういう種類別の損益の状況を考えさしていただきます。
 それから種類設定の趣旨。一種と二種あるいは三種、四種、それぞれ郵便物の種類として分けてあるのは、それなりの理由なり歴史的沿革があるわけでございます、それぞれの郵便物の種類というものが。一つの政策課題といったものもそこに含まれているかと思いますが、そういったような点を考慮する。
 さらに、同種のサービスの料金。同種のサービスの料金というのは、たとえば小包の場合でございますと、国鉄の小荷物運賃、あるいは最近は民間の宅配業者といいますか、小型物件の運送業者が非常に多くなっております。そういったようなところの料金が一体どうなっているか。
 こういうような点をあれこれ考えまして決めるというようなことで、たとえば今回は、一種の場合ですと五十円から六十円、それから葉書の場合ですと二十円から過渡的な料金として三十円というものを設けまして四月からは四十円、値上げ率が先生の御指摘なさるように違っているわけでございますが、いま申し上げたような趣旨をあれこれ考えまして、値上げの案を考えさしていただいた次第でございます。
#39
○中村鋭一君 封書と葉書の料金格差ですけれども、従来、十円・五円、十五円・七円、二十円・十円、五十円・二十円と大体二対一ぐらいの格差で推移しておりますよね。今回格差が縮まりましたが、その理由は何ですか。
#40
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、郵便料金の過去のいきさつと申しますか、歴史を振り返ってみますと、明治六年に郵便葉書というのができたわけでございます。そのときから、若干の例外はございますけれども、葉書と手紙の料金比は一対二である、こういうことが長い歴史のうちの圧倒的な料金についての差であったわけでございます。よく言いますけれども、郵便葉書というのは一銭五厘というような時代が非常に長い時代あったわけですが、そのときは手紙が三銭でございました。そういったようなことで二対一という、歴史的な沿革としては日本の郵便料金というものがそういった事実であったわけでございますが、先回の郵便料金を決定する際、結果といたしまして五十円と二十円という現在の料金に相なっているわけでございます。
 これは歴史的な二対一ということからすると非常に例外的な料金の決め方であったと思います。これもいろいろな政策的な配慮というものを考えながらやるという最初の点からするとうなずけると思いますが、要するに、石油ショックということから物価の高騰、公共料金も軒並みに相当上がってきたという中に、言葉としては正確かどうかわかりませんが、私なりの言葉を使わしていただきますと、葉書というものはいわゆるシビルミニマムというような感覚でできるだけ抑制というような時の政府の方針というものがありまして、二十円に対して五十円というような結果に相なったわけでございます。
 ところが、そういった結果どういう現象が起きたかといいますと、非常に一種の手紙から二種の葉書に相当郵便の流れというのが変わってまいりました。その結果、郵便物数の伸びに対して収入というものが伴わないというような現象が起きてまいりました。昨年あたりも、五十四年で郵便物数は六・八%前年に対して伸びたわけでございますが、それに対する収入は五・二%しか伸びていない。これはかつてはなかった傾向なんでございます。大体物数に即応した収入というものの伸びがあったわけでございますが、そういったようなことから郵便事業の収支相償う体制のためには、そこにはやっぱり今度は考えさしていただきたいという点があることと、それからやはり郵便料金というのは原価が幾らかかっているかというような点も考えなくちゃならない大きな点であると私は考えているわけでございますが、その原価からいたしますと、一種の手紙に対して葉書というのは大体七割相当ということに相なっているわけでございます。そういったような過去のいきさつ、とりわけ五十一年の料金決定の際の、言ってみればある一つの政策課題は達成したかと思いますが、郵便料金の決め方からすると一種のいびつ現象が起きているというようなことも考えまして、今回は二十円に対して四十円にさしていただくというようなことで決めさしていただきました。
 それからもう一つ加えますと、外国では手紙と葉書というのは主要国を見ましても一緒であるという国も多いわけでございます。それに差がありましても七割から八割というような外国法制、外国の料金決定の現状というような点も念頭に置かさしていただいた次第でございます。
#41
○中村鋭一君 いま外国とおっしゃいましたが、アメリカはどうですか。封書と葉書は大体料金は幾らで、差はどれぐらいですか。
#42
○政府委員(魚津茂晴君) アメリカは、封書が十五セント、大体邦貨に換算いたしますと三十二円、それから葉書は十セント、二十二円という料金に相なっているわけでございます。
#43
○中村鋭一君 いま外国がそうだからとおっしゃいましたけれども、そんなことは理由にならないと思いますよ。ヨーロッパは余り封書と葉書は差がないかもしれませんけれども、やっぱりアメリカは葉書の方が大分安いわけですから、外国は封書と葉書が違わないから日本も同じように値上げするんだというふうにとられかねまじき答弁はおやめになった方がいいと思いますよ、現にアメリカの例があるわけでございますから。
 それからいまの答弁を伺っていますと、郵便需要の中で葉書が非常にふえてきた、そこへ持ってきて葉書がそういうふうに占める割合がふえた、赤字を解消するためにはその封書と葉書のコストも余り違わないのだから、葉書と封書のコストが違わないところへ葉書の需要量が非常に増大をしてきたから赤字を解消するには葉書を思い切って値上げすればそれで赤字が解消する、赤字解消の決め手に二十円から四十円というふうに採用されたというふうにも理解できなくもないと思うんですが、その点いかがでございますか。
#44
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、手紙と葉書の料金を決める際に、どのような要素、どのような事実というものに着目して決めるかという際に、いろいろ申し上げた中の一つとして申し上げたことは事実でございますが、今度の四十円と六十円というのは歴史的な沿革の上に立ったという考え方、原価計算、外国法制、それを決め手にしているわけじゃございませんので、私ももう一度釈明をさしていただきたいと思いますが、そういったあれこれの点を考えまして、葉書はやはり五十円に対して二十円は、その割合というのはいかにも安いということは、われわれ今度の料金改正の際の案をつくりましたときに念頭にあった点であることは事実でございます。
#45
○中村鋭一君 いかにも安いと、それはそうあなた方が思われているだけで国民はそうは思わないわけですから、それは指摘しておきたいと思います。
 だから、そういうふうに、葉書の需要量がふえた、それから葉書そのもののコストと封書のコストが余り違わない、もう一遍言いますけど、だから葉書を一〇〇%値上げするんだというふうに誤解を、まあ誤解とも私は思いませんけれども、そういうふうにとられるような値上げはやはりぐあいが悪いということを指摘しておきたいと思うんです。
 参考までに郵便種類ごとのコストと料金収入をお伺いしたいんですが。簡単で結構でございますから。
#46
○政府委員(澤田茂生君) 昭和五十四年度の主な種類別の原価とそれから収入について申し上げます。
 第一種定形でございますが、原価は約四十一円、収入が約五十一円、それから二種は原価が約二十八円、収入が約二十円、三種でございますが、低料は原価が四十三円、収入が約十五円、低料以外でございますが、原価が五十三円、収入が約三十三円、書籍小包が原価は約二百三十一円、収入が約百六十七円、それから普通一般小包でございますが、原価が約八百八円、収入が約四百七十六円、こういうことでございます。
 この原価の計算に当たりましては、石油危機に端を発しております累積欠損金、これをどうするかというものを含んだ原価になっておりませんので、累積欠損金の解消についてはこれに何らかの措置をしながら料金は決めなければならない、こういうことになっております。
#47
○中村鋭一君 いまの答弁によりますと、ほとんどの種類で料金を原価が上回っておりますね。特に三種郵便それから福祉料金なんかにつきましては一般会計からの負担を考えるべきだというような意見もあるようですけれども、これについてどのようにお考えでございますか。
#48
○政府委員(澤田茂生君) 三種あるいは四種の郵便物の料金でございますけれども、これは沿革的にも政策上低額の料金ということで来ておるわけであります。しかし、郵便法におきましてはこういった低料金のものも含めまして郵便料金が全体として収支が相償う、こういうような方法で料金決定、事業運営を行うというたてまえになっているわけでございまして、今後とも政策料金のあり方につきましては、郵政審議会の中でも御答申をいただいているわけでございますが、全体の郵便料金の中で吸収し得る範囲、その範囲内で行うべきものと考えておりまして、郵便事業の独立採算制は今後とも堅持すべきものというふうに考えております。
 なお、一般会計の繰り入れということについてでございますが、郵便の約八割というものが企業が差し出す業務用通信ということを考えますと、こういう利用の実態から見まして、一般会計、税金からこれに補てんをするということになりますと負担の公平を失するというふうなことにもなり、適当ではないというふうに考えております。
#49
○中村鋭一君 私は委員の一人として、この一般会計からの繰り入れについては、よほどこれは慎重にお考えになった方がいいと思います。ですから、いまの御答弁のとおりに、ひとつ、それこそ慎重に対処をしていただきたいと思うんです。
 さきの予算修正の節に、この三種郵便物の料金の圧縮について四党合意というものがあったと伺っておりますが、これについて、大臣、御見解ございましたらちょっとお話し願いたいんですが。
#50
○国務大臣(山内一郎君) 予算修正の際に第三種の料金が話題に上ったようでございます。そこではっきり合意されたという文章もございませんけれども、自民党側からは、ひとつ検討してみましょう、こういう話があったようでございます。
 それからこの御審議に当たりまして、今回の料金の値上げのうち第三種についていろいろ御意見がたくさん出たのでございます。そういう点を勘案して、郵政審議会では一応十五円を三十五円にするのが妥当ではないか、こういうことを一応御決定を願っておりますけれども、この国会の審議等のありましたことを審議会の場において申し上げまして再検討をしていただきたい、いまこういうふうに考えております。
#51
○中村鋭一君 できるだけ大幅に圧縮する方向でひとつせっかく御努力をお願いしておきたいと思います。
 今度の法律案で切手それから収入印紙の交換制度を新たに設けることが挙げられておりますけれども、その理由ですね。ここの「第三」、「新たに郵便切手について手数料を徴してこれを他の郵便切手等と交換することができることとすること、」とございますけれども、この理由はどこにあるんですか。
#52
○政府委員(魚津茂晴君) 現在、書き損じたり印刷を誤ったりした官製葉書及び郵便書簡については交換の制度が設けられているわけでございます。これは書き損じた葉書等を全くむだにしなければならないのは利用者にとってお気の毒でございますので、御請求によりまして原則として同一の規格及び様式のものと交換する、これが現在の制度でございます。ところが、最近、たとえば、事実そういうコンプレーンがあるわけでございますけれども、高額の切手を何枚買ったけれどもその後不要になったというようなことで、手紙を出す場合の五十円切手と交換していただけないかというような御要望というのは、いろいろ私たちが国民の御要望に耳を傾けるというような際に案外多いわけでございます。
 そこで、この今回の御提案をしておりますところの中に、国民の皆様方の御要望に沿った改正も、いろいろこのほかにもございますけれども、その一つとしてこれを取り上げてみたいということで、新たに切手と収入印紙というようなものを交換を行うことにいたしまして、そのような国民の御要望にこたえようという趣旨でございます。
#53
○中村鋭一君 これは交換手数料をやめて無料にできませんか。
#54
○政府委員(魚津茂晴君) 国民の御要望にこたえるということでやったいわばよき改正ということであれば、思い切って無料というようなことも私たち内部的にはいろいろ議論もしたわけでございます。議論もしたわけでございますが、切手を交換するに際しましてはやはりこれに伴う経費がかかるわけです。具体的には、交換によりまして処分することとなる郵便切手や葉書の調製費、あるいは交換に伴う事務に要する経費、こういうような経費を考えてみますとどうしてもやはりその経費を補う手数料としてのあれはやっぱりいただきたいということで、現在葉書等の制度として認めているところの交換におきましても、御案内のところかと思いますが、三円ちょうだいいたしているところでございまして、無料というのは御勘弁願いたい、こういうふうに思う次第でございます。
#55
○中村鋭一君 それは赤字をなくすための郵便法の改正ですからわかりますけど、いま三円とおっしゃいましたね。それだったら、たとえば今度の郵便法を改めるに当たって、こういったことをおやりになる、そしてこれは無料でございますと言えば、消費者の皆さんに対するその一つの私は心理的なメリットというものを考えますと、幾らかちょうだいしたいというよりも、現に郵政省内でも無料にすることについて議論があったということですから、私は思い切って無料にした方がよかったのじゃないかと思います。
 それから少し、今度の改正案についての字句についてお伺いいたしますが、たとえば「第二十三条第一項中「あらわす」を「表す」に、「開封とする」を「開封とし、省令の定めるところにより差し出される」に改める。」、それから「第二十七条の三中「左の条件を具備する」」云々とありまして、「「ついた」を「付いた」に、」、それから「「条件を具備するものの料金については」に、「こえない」を「超えない」に改め、同条各号を削る。」とございますけれど、このひらがなを一々漢字に変えた改正案を提出されたのはどういう理由でございますか。
#56
○政府委員(魚津茂晴君) これは法制用語というのは、御承知のとおり時代とともにいろいろ変わってきているわけでございます。漢字をひらがなにするとか、あるいはまた逆にいって一定の漢字、当用漢字なんかの範囲なんかもその時代とともに変わってきているというようなことで、こういった点、私ども法制局とも御相談をいたしまして、法制局自体が今日の法律の用語というようなもの、あるいはまたその用語及びその表現の方法、そういったようなものを統一的にやるというようなことから、その辺の御意向を私たちも承りまして手直しをさしていただいたということで、特段私たちとしては実質的な意味というものは感じていないところでございます。
#57
○中村鋭一君 特段実質的な意味を感じておられないなら、これは新たにつくられた法律じゃないんです、現行の法律をこのように字を改めるというわけでございますね。それであれば、何もひらがなで用の足りているものを漢字に変える、特に「こえない」を超越の「超」の字を使う、これは無意味な私は改悪、字句いじりだと思いますよ。ですから、たとえば新聞なんかでも中学生が見てわかりやすい新聞、マスコミの人はいつもそういうことを念頭に置いて新聞なんかつくっているわけです。私、法律も、やはり国民がその法律を読んで理解できるならば理解できた方がいいと思いますね。法律が非常にむずかしい用語を使って、むずかしい字を使って国民の理解を超越したところにいけばいくほど、法治国家においては一部のテクノクラートにそういった法律というものが操られる結果になる。それは民主主義の望ましい方向と逆行することだと思いますから、単に言葉の問題だ、字の使い方だとおっしゃいますけど、漢字をひらがなに改めたのじゃなくて、ひらがなを漢字に改めているわけでしょう。これは現在のたとえば国語教育の方向からしても好ましくないことなんですね。ですから、特段の意味はないとおっしゃいますけれども、この改正案ができたときに皆さんがそういうわかりやすい法律ということを念頭に置いておられるならば、こういうふうにわざわざ条項を設けてひらがなを漢字に改めるというようなことはなさらないはずなんですね。そういうことはしないでおこうと法制局の方にはおっしゃるはずなんですが、そのことについての御見解を伺います。
#58
○政府委員(魚津茂晴君) 私、先ほど申し上げましたように、この辺は法制局マターと申しますか、法制局で立法の経過の中で統一的に今日どういうような言葉はかたかなで、あるいはこういうのはかつてはかたかなであったかもしれぬけれども、国語に対する国民の考え方といいますか、漢字に対する当用漢字なんかの幅が広がってくるとか縮まるとかというような、時代とともに変化がございますですね、そういったものとの関係でやっている。それから漢字とかなというだけじゃなくて、典型的に言って、たとえば二十六条の「法令に基き」というのは、現行では送りがなとしては「基づき」の「づ」が除かれております。ところが、最近の「基づき」というのは「づ」を入れるというようなことで、これは内閣として改正をする際に今日的な目で見直していこうという中から出た趣旨であるということで御理解をお願いしたいと思うのでございます。
#59
○中村鋭一君 法制局マターということでございますから、何も私は郵政省の方にけしからぬと言っているのじゃなくて、そういうわかりやすい法律ということを常に念頭に置いていただきたいということを指摘して、その一例としてこういった字句についても申し上げたんですから、その点御理解をお願いいたします。
 郵便ですが、考えてみると、本当に長い間国民とともにあったわけです。ところが、最近電話を使いますよね。それからテレビ、ファクシミリ、こういったものが普及してきて、民間企業の小型の物品輸送等の手段も発展してまいりまして、本当に大きく変わっているんですけれども、現実にこういった多様な情報伝達手段の発展によっていわゆる手紙、葉書を中心とする郵便事業がどういう影響を受けているのか、またその影響について郵政当局はどのように評価をしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#60
○政府委員(魚津茂晴君) まず、郵便の利用という観点で通信手段の多様化というものがどのような影響、その中からどのような将来展望を持つだろうかということでございますが、これは長期的に見ますと、私ども着実にいままで増加をしてまいりましたし、今後も着実に増加をしていくもの、もちろん学者の諸先生の中では、郵便の将来というものに発展的な未来ということを想定し、そういう絵をかかれる先生もおいででございます。しかし一方、悲観的な未来、衰退的な未来というようなことを警告される先生もおいででございますけれども、私どもといたしますと、長期的に見ますと、着実に増加をしてまいりましたし今後も着実に増加するというようなことで、国民の基本的な通信手段として社会経済の発展に寄与しまた今後とも寄与していくもの、まずそういうふうに基本的に認識をしているわけでございます。
 ただ、近年通信手段が著しく発展、多様化をしてまいりましたことは周知の事実でございますが、郵便とかかわりのある分野におきましても、たとえば電話を初め電気通信手段が著しい発達を遂げているわけでございます。このような状況の中で通信手段の中における郵便の相対的な役割りは変化してきているものの、郵便は、すぐれた特性といいますか、他の通信メディアの持っていない、現物性とか記録性ということを私たち申し上げているわけでございますが、そういう現物性、記録性の面においてすぐれた特性を持つことから、その重要性は変わっていないし、また今後とも変わらないものというふうに考えているところでございます。
#61
○中村鋭一君 じっくり討論をさしていただこうと思いますけれども、いわゆる若者の手紙離れというんですか、余り最近字を書かなくなった、われわれ年配の者に比べて。そういうふうにお考えですか。
#62
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、そのように趨勢としてはあると思います。
#63
○中村鋭一君 赤字解消のために値上げをなさる、それも郵政省としては大切なことなんでしょうけれども、需要を引き起こす、ひいては若い方たち、中学生や高校生、大学生、こういった人たちに用を電話で済まして事足りるとするのじゃなくて、テレビばかり見ているのじゃなくて、字を書く楽しさ、手紙を出す楽しさ、それから心のこもった手紙をもらったときのうれしさ、これは私、電話やテレビでは追っつかない心と心の通い合いがあると思うんですけれども、そういった点でいわゆる手紙離れ、字を書くことから離れつつある青少年に、皆さんもっと手紙を書こうじゃないですか、葉書を出そうじゃないですかというようなPR、これは需要喚起策の一環として郵政省はこれまでにどのようなことをおやりでございますか。それからまた、これからどのような展開をなさるおつもりですか。
#64
○政府委員(魚津茂晴君) 手紙を書くということの必要性あるいは重要性あるいはまた楽しさというようなものの観点で、私ども単にそれによって郵便物をふやして増収を図る、これももちろん私ども当然そういう観点で施策を進めるということはありますが、もっとやはり文化的な使命といたしまして、私は手紙離れといいますか、手紙を書かないというようなことの趨勢というものを先ほど答弁で認めているわけでございますが、やはりいまの時代というのは、私なりに申しますと見る聞く文化である、それに対してやっぱり読むといいますか読み書きの文化、こういったことはやっぱり日本の将来というものから必要なんじゃないかというような文化的な使命感というものを郵政省なりに、はなはだ僭越な言い方になるようでございますが、そういったような角度からもぜひ進めさしていただきたいというふうな基本的な認識を持っておるわけでございます。
 そういう観点で、私どもまず毎月二十三日、「ふみの日」というような日を設定いたしまして、単にそれは一過性の行事というようなことじゃなくて、「ふみの日」というものの位置づけを、さっき言いましたような観点から影響力が残るようなかっこうでいろいろ行事なり施策を講じてきているわけでございます。
 抽象的に申し上げてもあれでございますので、具体的にじゃどういうことをやってきたかという点について若干触れさしていただきたいと思いますが、人生の行事――入学とか成人だとか結婚、あるいは季節のあいさつ――年賀状とか暑中見舞い、それから各種の記念日――こどもの日、母の日、敬老の日というような行事に関しての利用促進、それから折に触れて郵便の差し出し勧奨を図るというようなことを絶えずわれわれ考えてキャンペーンの推進をやってまいりました。
 それから青少年の手紙離れというような観点で郵便友の会の育成というような点にも力を入れてるわけでございます。それから全国規模の各種のコンクールをやっております。たとえば手紙作文コンクールということで小学校の低学年、高学年、中学生、これは十万点ぐらいことし応募作品がございました。そういうような各種のコンクール。それから年賀状の差し出す時期も迫ったというようなことで、いまごろになりますと全日本年賀状の版画コンクールというようなものも実施をいたしまして、これらを通じて手紙の価値の見直しあるいは手紙に親しむ機会づくりということに努力をしてきておりますし、今後さらにこの辺に力を入れてまいりたい。このほか、催し等に合わせた臨時出張所の開設だとか、切手教室あるいは切手展というようなものも開催をいたしまして郵趣の普及ということにも努めているところでございます。
 先ほど申しましたように、基本的には文化的な使命というようなことも感じながら、一方では増収というような郵政省の今日的な課題あわせまして、「ふみの日」を中心としたキャンペーン活動、青少年に手紙を書く習慣づくりというものを郵政省の立場で、また場合によっては関係省庁と連携をとりながら進めてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#65
○中村鋭一君 全く同感でございます。私が期待していたとおりの御答弁をいただいてありがとうございます。
 大臣、郵政省の予算の中で、いまおっしゃったようなキャンペーン、これをさらに発展さして、文化の一翼を担う郵政省、みんなから親しまれ愛される郵政省ということのために、こういった宣伝予算を多くおとりになるお考えはございませんか。
#66
○国務大臣(山内一郎君) 情報化社会でございますけれども、手紙のよさというものは私は依然として残っていると思います。それを掘り起こすのも郵政省の仕事でございますし、それが国民、特に青少年の間にそういう気持ちを持たせることは私は非常に重要だと思っているわけでございます。したがって、そういう予算につきましても来年ひとつがんばってまいりたいと考えております。
#67
○中村鋭一君 これはひとつ大いにがんばっていただいて、やはり郵政省は本当に国民に対してこれだけのサービスをしているんだという、字を書く楽しさというものを郵政省が先頭に立って国民に教えていただくように、赤字を解消することばっかり考えないで、そういった文化的な使命もやっぱり果たしていただくと同時に、需要を喚起する方法ももっともっと多様にやっていっていただきたい、こう思います。
 その需要喚起の一環として今回コマーシャルつきの葉書をお出しになるわけでございますね。その点についてちょっとお尋ねをしたいんですけれども、これは現在、計画としてはどういう規模で、どの程度おやりになるおつもりでございますか。
#68
○政府委員(魚津茂晴君) 今度御提案している中に、広告郵便物というようなことで御提案をさしていただいているわけでございますが、ねらいといたしましては、私ども広告葉書を発行いたしまして、葉書をお求めになるお客様に料金を還元したいというところが本当のねらいでございます。広告料の収入ということから郵政省は少しでも収入を確保したいというねらいは持っておりません。四十円に葉書がなるという場合に、最終的にその広告葉書というものによってお求めになる方に何円差し引くことができるか、まだ決定はいたしてはおりませんが、いずれにしてもそこに主眼を置いたものでございます。
 そういったことで、利用者の利便といいますか、お客様への利便ということでございますが、構想といたしまして私ども持っておりますのは、まず何といっても、広告葉書というのはスポンサーがいるかどうか、その辺が基本になるわけでございます。それからまた、広告葉書のスポンサーがおいでになっても、事実、お客さまが広告つきの葉書といったようなものをお買い求めになるかどうか、そういう需要可能性といいますか、その辺の調査をした上で、その調査をもとにしまして構想を具体的な計画に進めてまいりたい、ちょうどいまその時期というところでございます。しかしながら、そういう需要可能性というものを探る際の私たちの方でこういうことを考えているがいかがですかという意味での内容のことを若干申し上げてみたいと思います。
 実施時期は、まずこの御提案について御承認をいただいた時期ということでございますから、昭和五十六年度からやらせていただきたい。
 対象とする官製葉書の種類は、通常葉書とお年玉つき年賀葉書、この二つを考えております。
 それから販売の区域といたしましては、全国を販売区域とするものと都道府県を販売区域とするもの、二種類を考えたいと思っております。全国的なコマーシャルの葉書、それから都道府県単位のコマーシャルということで二種類のものを考えたいと思っております。
 それから販売の局所といたしましては、郵便局、それから簡易郵便局、切手売りさばき所、こういったところすべてに行き渡るようにしたい、こういうふうに思います。
 それから販売の種類としましては、当面、全国区域のものを二種類、都道府県区域のものを二種類の合計四種類。広告葉書というのは、スポンサーがたくさんつきまして、一時に十種類とか二十種類売るのかという点もわれわれの議論の対象になるわけでございますが、一時期に全国を対象にした広告葉書というものを十種類も二十種類も置くというのは広告主の御意向という点から見ても問題がございますし、私どもの事務の取り扱いという点からいっても問題がございますので、これも構想でございますが、一年を最も長い時期としまして二種類ずつというかっこうで、したがってほかに御希望がありますと、その一年終わってその広告葉書を売りさばくというのをやめるまでお待ち願うというような考え方でいるわけでございます。
 それから広告一件当たりの葉書の枚数は、全国版の広告葉書という点につきましては大体一千万から一千五百万枚程度というふうに考えているわけでございます。それから都道府県版という点になりますと十万ないし五十万程度のものを数量的には考えております。
 それから広告料の額及び利用者に対する割引額、これがまた非常に問題になるわけでございますが、広告主からもらう料金レベルといたしましては、私たち十円程度を現在考えてやっているわけでございます。
#69
○中村鋭一君 一枚についてですか。
#70
○政府委員(魚津茂晴君) そうです。
 そして、その十円程度をいただきまして五円を大体――十円というその前提の額がございますけれども、十円ということになりますと五円を葉書の料金の割引に使う、そして残りの五円は事務費あるいは調製費というかっこうにいたしたい、こういうことでスポンサーにもいろいろ私たちアプローチをしております。そして、いろいろの調査を通じまして国民の皆様方にそういうものの受け入れる余地があるかどうか、こういった点をいま鋭意調査しているという現状でございます。
#71
○中村鋭一君 大臣、郵政省がスポンサーを探して葉書にコマーシャルを印刷してそれを売り出す、いわばこれを考えてみれば国がコマーシャルをやることになりますね。それも国のコマーシャルじゃなくて、一般の会社の。そういうことについては、大臣はどうお考えでございますか。
#72
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ研究をいたしまして、いわゆる料金だけで賄っていくというのはやはり限界があると思います。だから、料金を高くするばかりが能でありませんので、何とかして量もふやしていかないといけない。量と料金と両方兼ね合って収入がふえるものでございますから、そこの一つの考え方として、何とか安くして量をふやしていくにはこういう方法しかないというところに突き当たったわけでございます。そこで、御提案を申し上げまして、国会でひとついろいろ御審議をいただいて、よければひとつやらさしていただきたい、こう考えているわけでございます。
#73
○中村鋭一君 私は、これは大いにおやりになったらいいと思うんですよ。そんなかた苦しく、国がスポンサーをとって商売しちゃいけないという、そういう時代でもないと思いますから、ですから、これは郵政省に限らず、ほかの省庁でもそういう機会があればおやりになればいいと思うんです。別に引っ込み思案じゃなく、スポンサーから十円ちょうだいして、五円は郵政省、五円はユーザーに還元する、半分ずつ。そんなこと言わないで、二十円でも三十円でも、これは経済の原則でございますから、スポンサーが宣伝価値があると思えば幾らだってコマーシャル代出すわけですから。そうでしょう。
 最近、民放のテレビだって、一時間物のテレビを提供するのに二億から三億かかっているんですよ、スポンサーは。そうでしょう。一時間のドラマを提供するのに二億、三億出すスポンサーが現に日本には何百社あるわけですから、ですから、十円なんてみみっちいこと言わないで、おやりになるからにはもっともっと多額のスポンサー料にして、ユーザーに還元するなんということも言わないで、郵政省としては少しでも赤字を減らし需要を喚起するために、大々的にスポンサーを集めて本当にいいコマーシャルを国民に提供するんだと真っ向からおっしゃったって私いいと思いますので、せっかくそれはひとつ努力をしていただきたいと思います。
 現在予定しておられる対象のスポンサーですね、これは何千という業種があるわけですけれども、やはり郵政省がおやりになるからにはだれだっていいというわけにはいかないと思いますよ。どういうスポンサーを想定しておられますか。
#74
○政府委員(魚津茂晴君) まだ具体的に、こういう企業とかこういうスポンサーは困るというようなことは詰めてはいないわけでございますが、ただ、どういうスポンサーというものがいけないかということじゃなくて、どういう内容のコマーシャルは困るというようなことにつきましてはかなり詰めたものをいま持っているわけでございます。そういったような観点で、私ども需要可能性の調査と申し上げたわけでございますが、大体全国で、株式の上場の会社で広告費を使っているモースト五百といいますか、その程度の会社に本省が直接あるいはまた郵政局を通じまして意向調査を進めているわけでございます。
#75
○中村鋭一君 私の要望といたしましては、当然だとは思いますけれども、公序良俗に反するようなコマーシャル、これは絶対にそういうスポンサーはおとりにならないようにお願いしておきたい。さらに、そのコマーシャルによって少しでも文化的に高まるようなコマーシャルをしていただければ大変ありがたいと思いますので、いまモースト五百とおっしゃいましたから、それは御研究でございましょうからこれ以上言及はいたしませんけれども、お願いをしておきたいと思います。
 この間、大阪の読売新聞ですけれども、十一月七日付の読売新聞の社会面のトップ記事でございます。
 「郵政局〃買い占め〃奨励 年賀はがき 庶民は行列 大口は宅配 管内二八〇〇局に通達 近畿「幹部も予約とれ」」、こういう見出しでございます。
 ここに、通達のコピーが新聞に出ております。ちょっと読ましていただきます。
  組織的な販売活動、
  普通局の場合、「郵便コンサルタントチーム」を結成している局は同チームが主体となって、また、未結成の局にあっては既述の「年賀販売促進班」が、そして、特定局の場合は部会がそれぞれ組織的に販売活動を行うこと。
  たとえば、大口利用者等へは発売案内状を郵送するだけではなく戸別訪問をすることも必要であり、業者の各種会合等の会場には局幹部が出席して販売活動するなど適切と認められる販売対策は積極的に実行すること。
 要するに、大口客から予約をとれ、そのためには局長みずから走り回って注文取りに行け、大口注文客にはどんどん家まで持って差し上げなさいというサービスについて、読売新聞は「庶民は行列大口は宅配」という形で社会面のトップに扱っておりますけれども、この記事は承知しておられますか。
#76
○政府委員(魚津茂晴君) 承知をしております。
#77
○中村鋭一君 その事実はあったわけですね。
#78
○政府委員(魚津茂晴君) 私どもこの新聞の記事は承知をしているわけですが、事実を調査してみますと若干違う点もあるような気がしてならないわけでございます。
 と申しますのは、現在、先ほどの先生の御質問にもあった点なんですが、郵便というのはやっぱり出される郵便を受動的に受けとめるというのじゃなくて、出していただくといいますか、そういう意味では郵便もセールスであるという面も必要であるという、意識革命と申しますか、新しい営業感覚が必要であるということは日常私たち会議等を通じまして徹底をしているところでございます。
 そういう意味で、個人の通信の勧奨という点についてはさっき御答弁したわけでございますが、大口利用者というものの郵便需要の拡大ということで、組織的な勧奨策ということで、コンサルタント的活動ということで、全国の大きな局に約一万二千人くらいの郵便のコンサルタントというような者を事実上指名しまして、日常大口利用者あたりに郵便の利用に当たって御相談に応ずる、あるいはまたいろいろ御助言をする、こういうことが定着をしているわけでございます。
 その定着をしている中から、やはり年賀葉書の販売に当たりまして、たとえば夏ごろが時期的には考えられるわけでございますが、その時期になりますと、おたくはことしはどれくらい年賀葉書が必要でしょうか、あるいはお買いになる予定でございましょうかというようなことも当然お話としては、いま申し上げたような販売活動、コンサルタントが行って話をするということは私はあり得ると思います。
 そういったことがまた一つの販売計画ということにもつながってくるわけで、その辺の中から個別的なケースの中に、それが予約となって、そしてその予約に応ずるということでこちらからたくさん買っていただくお客様に持っていくというようなことがレアケースとして私はあったのかなというような感じがするわけでございますが、その背景と申しますか、そういう誤解を招くようなことは、一面積極的な販売活動というものとの関連で、その辺大勢としては御理解を願いたい、こういうふうに思っているわけでございます。
 ただ事実、その予約を承りまして、そしてそれを郵便局が今度はどうぞということで、お買い求めになるところまで持っていくということは私は行き過ぎだというふうに思いますので、その辺はこの新聞の報道を機会に、私どもの反省であると同時に、当該郵政局の近畿郵政局にも本省のいま申し上げたような意味での注意を喚起したところでございます。
#79
○中村鋭一君 お願いをしておきたいのは、こういった大口客の注文をとる、その便宜を図る、それは積極的な需要喚起策の一環としてセールスに回られる、それは私は結構だと思うんですけれど、一方で、郵便局へ消費者の一般の方、小口の方が行かれて、行列はするわ、目の前で売り切れたわというような事実がありますと、こういうことを知ったらいい気持ちはしないでしょう。何だ、大口のあれだとか政治家とか、そういう人には郵政省は便宜を図って幾らでも家まで配達に来て何千枚でも売るのに、われわれ何時間も行列をして目の前で売り切れた、そんなべらぼうなことがあるか。これは国民感情ですから、そういう点はやはり公平なサービスが年賀葉書等でも行き渡るように、各郵政局、職員の方に、ひとつそれは周知徹底をお願いしたいと思います。
 それからこのことによって実際にちょっと困ったことが事実起こっているわけなんです。それは昨年の例ですけれども、大阪で年賀葉書を百貨店等が買い占めをいたしました。それに、こちらに一枚持ってきておりますけれども、「あけましておめでとうございます」、こういう印刷をして、五枚一組二百五十円で売り出しているわけなんですね。そうしますと、そういった大口の需要家に対して積極的にサービスをなさる。その中には大手の文房具屋さんとか百貨店等があります。スーパー等があります。そういう方はたくさん買い占めて、そしてこういうふうにちょっと簡単な印刷をして、それを、五枚二百五十円ということは、一枚五十円で売り出しているわけです。大阪のデパートは商売しているわけですよね。だから、一枚五十円ですからたしか五枚二百五十円だったと思いますけれども、一枚につき三十円付加価値をつけて売っているわけでしょう。ことしもそういうおそれなしとしない。買い占めて、加工をして四倍ぐらいの値をつけて売るということですね。これは郵政省が、場合によればそういったべらぼうな高い葉書を売るための手伝いをしているということにもなりかねないわけでございますから、その点についての見解といいますか、お考えを聞かしていただきたいと思います。
#80
○政府委員(魚津茂晴君) 私も昨年そういった事実があることを新聞等で拝見し、その後事実を確かめてみたわけでございますが、これは事実ということで申し上げておきますと、一枚七十円で売っているようでございます。五枚で三百五十円でございますから七十円ということで、二十円で七十円の葉書ということになるわけで、これはまず法律的にどうかといいますと、印刷ということでそこに加工しているわけでございまして、郵便法上の葉書の販売ということにはならないわけでございます。したがいまして、法律的にこれは郵便法違反だとか、うちの方で取り締まれるかどうかということになりますと、現在の法律全体を見ましても、これは放任された行為といいますか、私どもが取り締まれないものであるというふうに見ております。
 ただ、そこで考えてみるに、そういったことが大口利用者への、先ほど先生御指摘の、予約をとって、そういったところにわざわざ持っていって、そしてそれが七十円の葉書になるというようなお手伝いをしているということになると、われわれとしては大変これは後ろめたいことをしているというようなことにもなりますので、一層こういうようなことは、法律としては違法であるということは言えないと思うわけでございますが、社会的に見ていろいろ批判のあるものにつながるというようなことの意味からいっても、先ほどおっしゃった予約、配達というようなことのないように、本当に国民の皆様方に公平に行きわたるような面で販売活動をやらなくちゃならぬという反省を最近しているところでございます。
#81
○中村鋭一君 ひとつ、よろしくお願いいたします。
 私、どうも計算が苦手なものですから、三百五十円で七十円ですね。失礼いたしました。
 ですから、そういった商売の手伝いにならぬためにも、そして公平なサービスのためにも、年賀葉書なんかは特に国民の関心の高いものですから、ひとつ公平なサービスを徹底してくださるようにお願いをしておきたいと思います。
 それで、ことしも七十円、百円でそういうように印刷してまたこんな葉書を売るようなことがあれば、私は、郵政省としても法律的には言えなくたって余りそれは好もしいことではありませんということをデパートなんかへ申し入れをされることは差し支えないんじゃないかと思いますよ、その程度のことは。それをおやりになったらどうですか、もしそういうことがあれば。それはできませんか。
#82
○政府委員(魚津茂晴君) ただいまの御提案といいますか、われわれへの助言というものをいま一度私たちで検討して対処してまいりたいと存じます。
#83
○中村鋭一君 百尺竿頭一歩を進めまして、いまのアイデアを逆手にとりまして、今度、郵政省自身がたとえば吉野の良質な和紙を使ったいろいろな葉書をつくる。それは料額印面のないものでもいいです。われわれ一般に、郵政省のお出しになる年賀葉書ももちろん使いますけれども、それ以外に文房具屋さんに行きまして葉書を買ってまいりまして、自分でおめでとうと書いて出しますよね。だから、高いのになりますと一枚七十円も百円もする和紙の葉書がありますね。そういうものを郵政省が独自に開発されて売り出して、それで少しお金をもうけるというのはどうですか。
#84
○政府委員(魚津茂晴君) 料額印面のついた文字どおり官製葉書に絵葉書という構想は御提案を申し上げている改正の内容になっているわけでございます。それは料額印面より広告葉書は料金を落としたかっこうでお分けする、そして官製葉書に絵を刷り込んだもの、こういったものは高くいただくというようなことで御審議をお願いしているわけでございますが、料額印面のつかないところに要するに絵葉書を郵政省で印刷をするという点については、すでにグリーティングカードだとか非常にカラフルな絵葉書というのは出回っておりますので、果たして郵政省がそれをやっても収入増につながるかどうか。それからもう一つは、やはり考えてみなければならぬところは、文字どおり料額印面のついていない絵葉書を郵政省が出すということになると民業の圧迫というようなことで必ず反対の声が組織的なかっこうで起きてくることが予測されるわけでございます。
 そういったような点をあれこれ考えまして、アイデアとしてはわれわれとしては当然重要なことであるということで、官製の絵葉書ということで御提案を申し上げまして御審議をお願いしているわけでございますが、料額印面のつかないものは、私たちそういう点を考えまして消極的にならざるを得ないというのが今日の本当の気持ちでございます。
#85
○中村鋭一君 ひとつ発想を大いに転換されて、大臣以下郵政職員の皆さん、冒頭に申し上げましたように、愛される、親しまれる郵政省であるためにも、皆さんの中からはじけるようなアイデアがどんどん出るようなそういう省であってもらいたいと思いますし、いいアイデアであればどんどんそれを採用して文化の一助、需要喚起、それがひいては赤字の解消につながっていくことでございますから、大胆にそういうアイデアといいますか、そういうものは採用して活発な郵政省になっていただきたいと思います。
 小包のことをお伺いいたしますが、十月一日から郵便小包料金三四%値上げが行われたんですが、その後需要動向に変化はございましたでしょうか。
#86
○政府委員(魚津茂晴君) 十月一日に他の郵便料金に先行して小包料金を改正さしていただいたわけでございますが、その後、われわれ非常に関心を持っておりますのは、値上げによって小包の利用にどのような影響が出てきているのかということでございまして、現在、成り行きを注視しているわけでございますが、全国的にいま持っております資料といたしましては、いささか古いわけでございますか、十月の十五日までの間にどういうような変化があったかということで、主要局六十六局を毎日追跡調査をしているわけでございますが、それによりますと二六%程度の前年に比べて減少が出てきている。ただ、この二六%の減少ということでございますが、一方、十月一日から小包料金の値上げが予定されるということがわかりましてから、いうところの駆け込み差し出しというのが九月の下旬の一週間に相当あったわけでございます。八〇・二%、前年に比べまして九月の二十四日から三十日までの七日間、この間に八割強の増があったということで、そういった一方の数字を見るとすれば、いましばらく見なければ正確な料金値上げによる物数への影響というのはつかめないのじゃないかと思います。しかしながら、いずれにしても早くつかんで、その中から数字の教えるものというものを十分われわれとしてはくみ取ってまいりたいというふうに考えております。
#87
○中村鋭一君 もう教えていると思うんですよ。たとえば郵便小包のスピード、その包装、包み方ですね、それからたとえば大きさとか重量とか、それと比較しての料金とか、そういうものが絡み合って、どうももう一つ郵便小包に人気が出ない、こう思うんですけれども。だから、それを裏返しに考えれば、小包をもっともっとふやすことができると思うんですけれども、その需要増を図る方策というのはいま具体的に何かお持ちですか。
#88
○政府委員(魚津茂晴君) 民間の小型物件の運送というものが非常に伸びてきているということは、われわれとしては注視しているところでございます。しかし、その原因というのは一体何だろうかというような点といたしまして、送達速度が小包に比べて早いということがまず言えようかと思います。
 それからいわゆる集荷サービス、家まで取りに来てくれるというような点がまた考えられます。
 それから小包の重量制限は現在六キロ、速達小包に至りますと四キロであったので今度の法律改正案ということで六キロにするという提案をいまお願いしているわけでございますが、そういった重量制限というのは、民間の場合に大手のやつを見ますと大体二十キロまで許容するというような点が、郵便小包のあれに比べまして強みといいますか、よさということで利用を誘うということになっているかと思います。料金という点については私、小包が高いというふうには考えていないわけでございます。特に小包というのは二キロまでで大体七割程度になっているわけでございまして、その小包の主体である二キロ以下の物件ということになりますと、民間のそれに比べて郵便の小包がはるかに安いというような実態で、料金としては私は必ずしも民間が強いのだ、民間がメリットがあるのだというふうには考えていないわけで、以上のような速度、それから集荷サービス、それから重量制限の問題、この辺が違いじゃないかと思いまして、私どもその辺の民間の持つ強さというものを郵便における小包制度に取り入れることができるかできないかという点、昨今真剣に取り組んでいるわけでございます。
 ただ、集荷サービスというような点は、一つの例をとりますと、民間がやっているからうちもやるというようなことになりますと、それによる人件費の問題がまた出てくるわけでございます。配達の労働力ということが非常に問題になると同時に、今度は集荷の労働力というものが加わってまいりますと料金が高くなるというような点、それからそれに伴う労働力そのものをふやさなくちゃならぬというようなこと。それから郵便局は何といっても全国に簡易郵便局を含めまして二万二千ぐらいの窓口機関があるわけでございます。民間の場合の集荷サービスというようなものをやるというためには店舗そのものが余りないわけでございまして、その辺の企業の基礎的な条件にも違いがあるものでございますので、集荷サービスというものをやって高くなれば郵便局に持ってくるというようなことになってしまって余分な投資をすることになるのじゃないかというようなことから必ずしも私積極的に、強みであるということは承知しておりますが、それを直ちにうちの方に取り入れていくということについては、いましばらくあれこれ勉強していかなくちゃならぬのじゃないだろうかということで、いろいろ考えました結果、今度の御提案をしているところの小包の問題につきましては、今後引き続き重要な問題であるわけですが、結論として出しましたのは、速達小包の四キロを六キロ、そして容積についてももう少し実態をわれわれ考えまして緩やかにするということで御提案をさしていただいたところでございます。
#89
○中村鋭一君 その四キロを六キロというような点についても、考え方はいろいろあるわけですから、四キロを一気に十キロにしたっていいと思うんですよ。ですから、やっぱり好む好まざるにかかわらず、地方に行きますと本当に郵便小包しか輸送の手段がない方がおられるわけでしょう。そういった人たちに、ああ、これ民間の佐川急便だったらなあというような文句を言われないように、そういう困難があるからじり貧のままほうっておいていいというものでもないわけですから、いま結論としておっしゃいました、たとえば四キロを六キロなら、四キロを十キロにするとか、そういう前向きに積極的にやっていただく。人件費がかかるとおっしゃいますけれども、それはやっぱりサービスの量としてではなく質を向上さしていただければ、現実にやっぱり窓口で消費者と接する郵政マンの方が本当に誠意を持って愛想よく応対をなさればきっと皆さんも納得をしてくださる面もあると思いますから、そういった事務的な面だけではなくって、これは後ほどまたお尋ねしますけれども、郵政職員のサービス、物の考え方等にもひとつ大いに積極的に皆さんに御努力をいただいて、そういった小包も民間に負けぬようにしていただきたいと思います。
 で、さっきもおっしゃいましたけれども、民業圧迫というお話がありますけれども、現に郵政省は、郵便貯金にいたしましても、郵便年金にいたしましても、民業圧迫だという非難に対しては、真っ向から皆さん、とんでもありません、国民に対するサービスとしてわれわれは郵便年金をやり郵便貯金をセールスしているんだとおっしゃっているわけでございますから、郵便小包のサービスを物すごく積極的におやりになったって、それが別に民業圧迫というようなことは絶対ないわけですから、そういう点は気になさらずに積極的にやっていただくように要望をしておきたいと思います。
 郵政省は、電子郵便というものを開発して、それを実験に移すという構想をお持ちのようでございますけれども、これはどういうものなんですか。
#90
○政府委員(魚津茂晴君) 電子郵便というのは、世界の各国でも国内の郵便というかっこうでの電子郵便、あるいは国際的な郵便ということでの国際的な電子郵便ということでいま盛んに研究をしているという情勢がございます、世界的に言いましても。それから郵便の国連機関の専門機関である万国郵便連合、UPUと称しておるわけでございますが、このUPUが昨年リオで大会議を持ちましたときも、お互いに電子郵便というものを研究し情報を交換しようじゃないかというような決議がされているというような趨勢でございます。私ども昭和五十年八月に郵政省内に電子郵便研究会を設けまして、いま申し上げているような諸外国の事情を十分勘案しながら調査研究を重ねてきたところでございます。現在、これらの経緯を踏まえまして、五十六年に実験システムを設置することを目途に鋭意具体案を策定中でございますが、これによる実験サービスの内容は大体次のようなことを考えているわけでございます。
 東京中央郵便局、それから大阪中央郵便局、名古屋中央郵便局に高速ファクシミリの送受信装置を設置いたします。それで電子郵便はいま述べた三局の窓口で引き受けまして、それをファクシミリで送って、それで速達扱いで配達をする、こういうのが骨子でございます。配達の地域は、東京の二十三区、大阪市内及び名古屋市内というようなことで、来年の三月を目途に現在研究を進めている、こういう実情でございます。
#91
○中村鋭一君 それは具体的にはどうなんですか。たとえば私が電子郵便を出そうと思えば、いまおっしゃった三局のどこかの局へ行くわけですか。その窓口で書くんですか。書いて出すんですか。それがファックスで瞬時に送られるわけですな。
#92
○政府委員(魚津茂晴君) そうです。
#93
○中村鋭一君 少し具体的に、私がたとえばいま電子郵便を出そうと思っていれば、どういうふうにしてどう送られるのか。
#94
○政府委員(魚津茂晴君) 現在、私たちが持っている計画によりますと、高速ファクシミリ送受信というのは、G3というものでA4判の原稿を一分で送信する高速機でございます。ですから、決められた用紙に書いてきていただきまして、もちろんそれは窓口でも書くということでよろしいわけですが、それを出していただきますと、一分間で東京から大阪に、あるいは名古屋にということで送りまして、それを今度は速達並みに、東京から大阪の場合に大阪中央郵便局に着いた後は速達並みの扱いで自動車の伝送便に乗っけ、そして配達は速達という扱いにしてお届けするということでございます。
#95
○中村鋭一君 私も原稿を書いて、それをたとえば野球場で原稿を書きますと、それはファックスで本社へ送っているわけなんです。それは新聞社で使っておりますファックスは全く書いたとおりがそのままぽんと向こうへ出るようになっておりますが、いまのこの電子郵便もそうなんですね。本人の筆跡そのままが一分で送られるわけですね。
#96
○政府委員(魚津茂晴君) そういうことでございます。
#97
○中村鋭一君 そうしますと、その文章がそのまま先方へ行って、それを封に入れる作業はその受け取った側の職員の方がなさるわけですね。
#98
○政府委員(魚津茂晴君) 現在のところはマニュアルの作業ということでございます。ただ一つの私たち問題点として、いろいろまだ法的な問題もかなりあるかもしれない、あるいは料金をどうするかというような問題、いろいろまだ解決しなくちゃならぬ点があることは承知しておりますが、そういった解決のまたよすがとする意味でも、実験をぜひやった中からその具体的な問題に取り組みたいと思っておりますが、いま申し上げている送った後封筒に入れるという点は手作業ということになるわけでございますが、しかしながら、私たちこの辺は何としてでも郵便システムに適合した自動封入封緘機というような、自動的に封入して封緘するという機械はどうしても必要だなということで、その辺も電子郵便の課題として研究開発にいま精を出しているというのが現状でございます。
#99
○中村鋭一君 それはぜひ開発してくださいな。そうでないと、出す方にすれば急ぐから出すわけですけれども、内容がやはりプライバシーに関係することが多いと思いますよ、非常に重要な内容だから急いで出すわけでしょうから。そういった場合に、やはりマニュアルで封筒にお入れになりますとどうしたって文章を読みますから、これはやっぱりプライバシー等の関係から余り好ましいことではありませんし、それはやっぱりぐあいが悪い。だから、自動封緘機というのですか、それをぜひ完成されて、それができてから電子郵便を現実のものとなさる。むしろそれを連動させてやっていただく。受け取ってマニュアルで配達するという間は電子郵便はむしろおやりにならない方が私は賢明じゃないかと思うんですね。
 いま機械の話が出ましたから、ちょっと機械化、合理化のことをお尋ねしようと思うんですが、昨年末の郵政審議会の答申で、郵便料金の値上げの条件といたしまして事業運営の効率化、合理化等の推進についてなお一層努力することを要請しておりますけれども、これについて郵政省はどのようにお考えでございますか。
#100
○政府委員(魚津茂晴君) 基本的といいますか、総論的に最初に申し上げさしていただくわけでございますが、いま先生の仰せのとおり、昨年の郵便の財政再建について郵政審議会から御答申をいただいた中でも、財政的な安定、財政再建を図るためには収入という面もあるけれども、いま一つは経費を抑制するということが必要であるという観点から郵便業務の合理化、効率化を積極的に進めなくちゃならないという御答申をいただいているわけでございます。
 別に私は、それは御答申があって初めて承知をしたというものじゃなくて、これは社会の趨勢、社会の要請でもあるわけでございます。また自分自身たちの当然の課題として従来からやってきているわけでございますが、そういうことでまず機械化というものをできるだけやろうということで、現在、郵便の屋内作業でございますが、内勤の段階では大局にはかなりの機械が配備されております。
 その最たるものは自動読み取り区分機――番号を自動的に読み取る区分機ということでございます。それからポストから集めてきたものを取りそろえて郵便の種類あるいは特殊扱いかどうかというような選別をするという作業があります。そして選別したものを取りそろえをするという作業も現在自動選別取りそろえ押印機というようなことで機械化しております。そういうようなことを初めとして、書留にはいろいろ記録が必要でございますが、その記録も機械化をいたしまして省力化をしているわけでございます。それから郵袋と申しますか、郵便をおさめている袋がございますが、ああいったものを、ベルトコンベヤーというものの高性能なものを取り入れるというような機械化もやっております。そういう観点で機械化という点を大きな合理化、効率化の柱にしております。
 それから東京、大阪にすでにできておるわけでございますが、小包とか大型の郵便物、その場合、東京にだけしかもちろんございませんが、大型の郵便物は。こういったものを集中的に処理するということからいわゆるスケールメリットといいますか、そういう観点での小包集中処理局、それから定形外という大型の通常郵便物の集中処理局というようなことから合理化というものを図っております。このような点は大阪の場合には小包集中処理局ということで梅田の近くにございますけれども、そういうものをつくってまいりました。今後、名古屋、それから横浜というところにも同趣旨で同様のものをつくってまいりたいということがございます。
 それから本務者だけに頼るということじゃなくて、主婦の労働力あるいは外部の能力を活用するということで請負というかっこうで進めている分野のものもございます。団地配達でございますとか小包の配達というようなこと。それから職場の中で、問題は外勤の作業なんですが、集配環境の整備ということで、新住居表示の促進ということからの能率化を図るというようなこと、あるいは集合受け箱をお願いして、また法的にもある程度手直しをしまして、戸別配達というものから一定の条件のところの集合受け箱への移行というような点も進めて、とにかく郵政審議会の答申を待って、なおさらそれを受けとめた姿勢ではありますけれども、従来からも続けてまいりましたし、今後とも大きな柱として進めていかなくちゃならぬ点だ、こういうふうに思っている次第でございます。
#101
○中村鋭一君 十二時に一たん休憩いたしますので、ここで一つだけ伺っておきますけれども、いまの自動読み取り区分機、これは私の資料によりますと、全国に百十台ぐらいあるそうですね。大型が二万五千から二万七千パーアワー、小型で一万七千パーアワーの処理能力があるということなんですけれども、これは余りにも能力がよ過ぎて、この機械を置いておく局によっては一時間かそこらで一日分全部やってしまって、職員の方はこの機械があるために仕事がなくなるということはないんですか。
#102
○政府委員(魚津茂晴君) この機械を入れて、その機械が一日じゅう二十四時間フル稼働しているというわけでないことは事実としてございます。しかしながら、先生がただいま仰せられたように、非常に高性能のものでございます。パーアワーということで二万四千、それから小型のものが一万七千という仰せのとおりでございますけれども、これは大型の場合には五・九人相当の能力、それから小型は二・九人ということでわれわれ計算をして措置をしているわけでございますけれども、これを入れるためには、したがいまして機械が二十四時間フル稼働じゃないにしても、そのメリットが生かされる局というようなことから、その辺の数量的な観点も十分考えておりまして、大型の場合には引き受けが一局で十万通以上ある、それから小型のものでございますが、これは三万通以上。その三万通とか十万通というのは、その局限りになければ、そういった機械を入れた局がよその隣接する局のを引き受けて、そういう区分をする作業を機械を入れた局に集中をしてやっている、こういう実情でございます。
#103
○中村鋭一君 せっかく合理化のためにこういう機械を導入されて、それに対して人員の配置がプロパーでなければ、これ何をしていることかわかりませんので、その点もあわせて要望をしておきたいと思います。その点につきましては、また一時から伺わしていただきます。
#104
○委員長(福間知之君) 午前の審査はこの程度にとどめます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#105
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#106
○中村鋭一君 休憩前に、郵便番号の自動読み取り区分機がすでに百台以上も導入されていて非常に高性能である、したがって、その機械を適所に置いて労働量と見合う機械の使い方をしていただきたいということをお願いしたんですけれども、それと関連して、各郵便局に分散しております業務量をそういった高性能の機械のあるところへ合理的に集中する必要がある、こう思うんですけれども、その点はいかがでございますか。
#107
○政府委員(魚津茂晴君) 先生仰せのとおりでございまして、自動読み取り区分機を配備すると、もちろん大局ではその局限りの業務量というもので区分機を使用するということになるわけでございますが、やっぱり区分機を入れる機会にその周辺の作業を集中するということは当然私ども考えてやっているわけでございまして、仰せのとおりだ、こういうふうに思います。
#108
○中村鋭一君 次に、先ほどちょっと局長お触れになりましたけれども、外部委託の問題についてお尋ねをいたします。
 五十二年の行管の勧告の中に外部委託の推進がうたわれているんですけれども、さっき、ちょっとお触れになりましたけれども、具体的にどのように実行に移されているか、今後どのようにそれを展開していくのか、お伺いいたします。
#109
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便の作業というものを部門別に分けますと輸送部門というのがございます。そういった輸送部門という点については、鉄道については大部分を国鉄に委託をする。それから自動車につきましては、現在全国で八十一社ございますが、そういった郵便の専用の自動車会社に委託をします。それから航空の輸送というような点につきましては、日本航空ほか四社に委託するということで、輸送部門の作業は国がみずから行うというよりもほとんどが外部に委託をしているのが実態でございます。
 また、集配部門でございますけれども、小包郵便物でございますとか山間地等における郵便物の配達は外部委託をしている。もちろん小包の配達は全局でやっているというわけじゃございませんけれども、現在、大体百局程度小包の配達を外部委託しているという実態がございます。
 こういうようなことで、行管の勧告を受けまして、従来からもやってまいりましたし、今後ともいろいろの点を検討いたしまして、外部委託にゆだねる方がすべての点でよろしいというような条件を具備しているところには積極的に進めてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#110
○中村鋭一君 外部委託の方がいいというところには積極的に進めるということですけれども、これを全部郵政部内で対処できれば、私はそれはなるほど行管の勧告はそうかもしれませんけれども、それもまた一つの考え方じゃないか、こう思うんですけれども、逆に外部委託にしなければならない、郵政部内で全部対処できないという理由はどこにあるんですか。
#111
○政府委員(魚津茂晴君) たとえば輸送部門はほとんど外部に委託をしているというふうに申し上げたわけでございますが、輸送部門を郵政省みずからが行うというようなことになりますと、専門的な技術を必要とすることが非常に多うございます。あるいは車両の購入、更改等を弾力的、機動的に行うためには、やはり郵政省みずからが行うよりも、そういった外部に委託をした方がよろしいというようなこともございます。
 それからたとえば集配部門で、山地等における集配部門の請負ということに触れたわけでございますが、これが全国でおおよそ千五百人くらい委託をしているわけでございます。そういったようなところは、たとえば事務量というものが一人の職員を配置するだけの量がないというようなところにはやはり請負というかっこうで、事務量に応じたかっこうの契約ということが経済性という点からいっても望ましいというような点がございます。
 それから小包の請負というものを全国で百局程度やっているというふうに申し上げましたが、これも、現在定員の抑制といいますか、定員をできるだけふやさないという政府の方針そのものもございます。
 それからコストとしての比較でございますが、やはり請負における単価と本務者におけるコストというものの違い、そして小包の郵便物がどんどんふえていくというようなところには、やはりその外部の能力を活用するということがコストの抑制という点に役立つということが事実多いわけでございます。そういうような点を、具体的な局に応じまして、具体的な作業に応じまして、本務者によってやるものあるいは外部の力をおかりするものというふうに分けてやっているわけでございます。
#112
○中村鋭一君 時間がありませんので、その外部委託の問題につきましては、本務者と外部委託の方と仲よくしていただく。外部委託の方のたとえば労働意欲が、われわれは下請なのかというような感じで、どうも不熱心とまではいかぬまでも、与えられた作業量をただ単に消化するというのじゃなくて、やっぱり外部委託の方もわれわれは最も適切な郵便のサービスを郵政省の職員と一体となってやっているのだというふうな気分でやっていただけるように努力をお願いしておきたいと思いますが、この外部委託について郵政省の労働組合はどのように言っておりますか。
#113
○政府委員(魚津茂晴君) 組合の外部委託に対する基本的な立場というものは、やはり郵政事業というもの、とりわけ郵便事業というものは職員自身の力によってやるべきだという考え方というのが伝統的に強うございます。それはいろんな観点から考えられているわけでございますが、やはり雇用の確保という組合としての基本的な要求というものと深くかかわり合っていると思いますが、そこで、私ども外部委託をする場合に、事実上組合の方に計画を示しまして理解と協力を得るに必要な労使のコミュニケーションを図りつつやっている、こういう実態でございます。
#114
○中村鋭一君 ひとつなるたけ、まじめな一生懸命努力している職員の皆さんの意見を十分吸い上げて、こういう問題についても対処していただきたいと思います。
 次に、大都市圏の郵便処理システムについて伺いたいんですが、現在、郵便の引き受け、東京、大阪、名古屋といった大都市で差し出されるものが圧倒的に多い、こう思うんですけれども、その割合、どの程度になっておりますか。数字だけで結構でございますから、東京、大阪、名古屋、この三つの都市について御報告をお願いいたします。
#115
○政府委員(魚津茂晴君) 東京都区内で引き受けされる郵便物数は全体のおおよそ二八・一%、それから大阪市では八%、この大阪市というのは八%でございますが、大阪府ということになりますと一〇・五%、それから名古屋市、これが三%でございますが、名古屋の周辺のものも名古屋ととらえて愛知県というふうに見てまいりますと四・六%、こういう数字でございます。
#116
○中村鋭一君 東京、大阪、名古屋、都市圏を合算いたしますと四四、五%になるわけですね。この広い日本で東京、名古屋、大阪で半分近い郵便の引き受けをしているわけですよね。そういう現実があるわけです。ですから、大都市の郵便物をどう処理するかということはサービスの向上とそれから合理化ということと密接に絡み合ってくる問題だと思うんですけど、中心になりますたとえば大阪を例にとりますと、大阪中央郵便局は狭いんですよ。それは実際働いておられる職員の皆さんの切実な声として、さっきから御答弁がありましたように、読み取り区分機とかいろんな新しい機械を導入されていますよね。そうすると種類が分かれてきますわね。そういう点でたとえば大阪中央郵便局は手狭である、狭隘である、そういう点でこれを抜本的に、たとえば大阪中央郵便局をそういった近代化に呼応したものにつくり直すという意思はございませんか。
#117
○政府委員(魚津茂晴君) 仰せのとおりでございまして、私ども具体的に、先生大阪中央郵便局ということでお話しなさっておりますのでそれについて申しますと、大阪中央局そのものが現在老朽、狭隘化しつつあるわけでございます。したがって、老朽、狭隘化というものを単に新しい局舎にするということだけでなくて、老朽、狭隘化して局舎改善をする機会に、おっしゃるように大都市の郵便の処理システムというようなものを組み込みまして、ただ従来の古いものを新しいものにかえるということだけでなくて、今後の郵便物の処理のシステムはいかにあるべきかというようなことを十分検討いたしまして、新しい構想を取り入れた大阪中央郵便局をつくりたいということで現在計画を進めている。計画を進めているといったら、じゃ具体的にどこでつくるのだというようなことになりますと、まだどこの場所にというようなことまでは詰め切っていないわけでございますけれども、大阪中央局の将来のあり方という点については仰せのとおりの立場に立って進めている、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
#118
○中村鋭一君 繰り返しますけれども、東京、大阪、名古屋でほぼ五〇%の郵便引受量があるわけですね。いま前向きに取り組んでいるとおっしゃいましたので、ここはさらにやはり幹部の皆さんで御検討願って、そのためのたとえば予算を要するならば国会においても協力するに私やぶさかでないと思います、それが合理化につながる道なんですから。一たん局舎等を改築する、建て直すのに金は要りましても、それが将来の合理化、近代化につながることでございますから、それはぜひ要望をしておきたいと思います。
 次に、サービスについて伺います。
 配達の度数ですけれども、現行、局からの距離なんかで一度地と二度地に分かれているんですが、これをすべて一度配達に改正をいたしまして、そのかわり確実に配達するというそういう意見がありますけれども、いかがですか。
#119
○政府委員(魚津茂晴君) これも仰せのとおりの考え方で、私ども今後のサービス基準のあり方の一つの問題といたしまして、現在、全国では配達の区数からいたしますと四七%程度二度配達をやっているわけでございます。しかしながら、国民のニーズと申しますか、いろんな条件の変化、受け取る側の切実な必要性、それからまた私どもからいたしまして、今日、二回配達はしているわけでございますけれども、午前中に配達するものでおおよそ八割以上、八三%くらい全国的に平均いたしますとその一号便で配達が終わるというような実態からいたしまして、一方、いかにして経費の抑制を図っていくかというようなことから、先生のおっしゃるとおり、私どもも最近そういった気持ちを固めまして計画を持っているわけでございます。
 そういったことで、さしむき、これも当然二度配達しているところを一度にするということは職員の労働条件にもかかわってくるわけでございますので、その面からも組合と十分に話をしながら実験をする。実験をする中から、郵便送達速度や安定性あるいは郵便利用への影響というような点も含めて貴重な資料を得まして、今後のサービス基準として一度をお許し願える、そしてそれなりのメリットが大きいということになりますと、今後は全国的な配達のサービスの基本として進めてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#120
○中村鋭一君 いま、その気持ちを固めているとおっしゃいましたので、これはぜひそうしていただきたいと思います。それは何も一度配達するよりも二度配達する方がいいとか、回数が多いほどいいとかいうものでもないと思うんですよ。おっしゃるとおりだと思います。現実に八割が一度配達でやっているわけですよね。そしたら、合理化とか真のサービスというものを考えましたら、無理して二度配達して、その結果消費者にかえって不満が残るよりも、確実に一度の配達でお配りするという方向で、これはファースター・ベターですから、なるたけ早く実施していただきますようお願いしておきます。
 速達ですけど、早朝、夜間、現在配達をしていらっしゃるんですね。これもいまのニーズあるいは国民の生活態様というものから考えますと、私、朝早くとか夜遅い速達はもう配達しなくてもいいのじゃないかと思うんです。現実に、たとえば東京や大阪のような大都会ですと、会社なんかは六時ごろになったらみんなシャッターおりますよね。しようたってできないわけです。それから一般の民家でも、このごろアルミサッシやなんかでぴしっと門扉を閉ざして配達しようもないようなところも現実にはあるのじゃないかと思いますけれども、その辺のまず実情をちょっとお話し願いたい。
#121
○政府委員(魚津茂晴君) これも先生のおっしゃるとおり、私どもにとってみますと非常にありがたい御提案といいますか、温かい郵便事業の将来のための御提言だというふうにお聞きしまして、非常にうれしい次第でございます。
 そこで、現状でございますけれども、現在の速達のサービスというのは午前七時から午後七時までに郵便局に到着したものは当日配達する、こういうのを現行のサービスの基準にしているわけでございます。しかも、県庁の所在地なんかになりますと、午後七時というのを午後八時というようなことでサービス基準を考えているわけでございますが、そこで、ただいま先生仰せのとおり、その時間にはまだ事務所が開いていない、あるいは事務所が仕事が終わって閉じられている、シャッターがおりてしまっていて配達しようにも配達できないというようなところが非常に多いわけでございます。大体、私どもその辺の実態も、やはりまず事実を調査して事実の中から施策を考えるということでございますので、朝の場合に五%程度配達できないということで持ち戻ってくる、それから夕方あるいは晩の場合には約四〇%程度の郵便物というのは持ち出すけれども配達ができないというような現状にいまの社会が変わってきつつあるわけでございます。
 そこで、現状においては、閉鎖されている事務所あての速達郵便物というのはわかるわけでございますので、あらかじめ了解を得まして持ち出さないというようなことをやっているというところも多うございます。いずれにいたしましても、この辺にもサービス基準を社会の変化に即応して適正なものに手直しをしていくという方針を私ども固めております。そういった速達による労働力というものを、サービス基準を手直しすることによって生み出したものの一部を、現在速達区域になっていない地域が一方多うございます。道をはさんで、ここは速達のサービスエリアである、しかしながらその反対側の方がそのサービスを受けていない、そういうようなところも全国的に多うございますので、生み出したメリットをそういったサービスのアンバランスというものの是正というものにも使ってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#122
○中村鋭一君 私、二、三、先ほどから非常にいい提言だと言っていただいているわけですけれども、やはりこういった国会の審議、特に参議院の審議は与党だから野党だからというものでもないと思うんですよ。ですから、やっぱり真に国民にとっていいサービスを提供でき、部内においては経費を削減し、それでいて職員の皆さんの士気を阻喪しないという三方みんな得をするようなことがあれば、それは勇気を持ってどんどんひとつやっていただきたいと思います。いまの速達の問題にいたしましても一度配達の問題にしてもその一つだと思います。
 さらに、郵便窓口の取扱時間の短縮なんですけれども、これは郵政審議会の答申でも提言されたと思うんですが、現在どのように対処していらっしゃいますか。
#123
○政府委員(魚津茂晴君) この点につきましては、現在、短縮という点について近いうちにぜひいろいろの条件というものを整えながら実施したいというふうには思っておりますが、審議会から御提言もいただいているわけでございますが、それによって具体的に短縮をしたという実態は、先ほどの速達でございますとか配達一号便の問題というよりか、ちょっとまだ計画段階というようなのが現状でございます。
#124
○中村鋭一君 これもこういった速達の配達とか一度配達等々関連して、短縮できるところはどんどん短縮されたらいいと私は思うんですよ。
 きょうの質問の冒頭にもお尋ねしたように、情報伝達手段が非常に多様化しておりますね。特に電波メディアを使った情報伝達手段が、葉書や手紙の配達に比べればもう問題にならぬこれは早いわけですからね。ですから、誤解を恐れず言えば、郵便サービスにおいてはこれまでのように一刻も早くということに対する国民のニーズは別の媒体にいまや移っているわけですから、ですから、そういうものと考え合わせてこの窓口の短縮もぜひ積極的に取り組んでいただいたらいいと思うんです。ただし、そのことによって非常に不当な障害が起こるようでは困るわけですね。たとえば時刻証明を必要とされる方がありますね。それから書留なんかの問題ありますね。時間は短縮するが、時刻証明書が要るあるいは書留を出したいという方に対しては代替的な機械の導入等も一つ考えられる、こう思うんですよね。私、余りそういった機械のことは知りませんけれども、自動セルフサービス機、切手発売機、こういったものを活用していかれれば、たとえ窓口が短縮されてもそれが代替し得る、こう思うんですけれども、その点いかがでございますか。
#125
○政府委員(魚津茂晴君) 窓口取扱時間を短縮するという際の配慮すべき点、まさに先生おっしゃるとおりでございまして、やはりカウンターサービスの時間としては短縮をするけれども、やはり必要が生じた場合にこたえる体制は整えておく必要が一方においてはあると思います。そういう意味で、たとえば郵便の窓口引受用のセルフサービス機、これも東京都内あたりに結構もう入れているわけでございますが、そういったような機械の配備によって短縮する問題を解決をしていくという体制をとりながら窓口取扱時間の短縮問題に対処していく、こういう必要性を当然われわれ考えている次第でございます。
#126
○中村鋭一君 地域の問題ですけど、夜間はいまよりもっともっとルーズな広い地域をおとりになりまして、そういった夜間サービスをする局を現行よりも非常に範囲を広くとりまして、遠いところの方は申しわけないですけれども、御自分がそういった書留をどうしても出したいというような場合には、申しわけないですけど消費者の方にタクシーを使ってでも来ていただく、こういうふうな積極的な考えはありませんか。
#127
○政府委員(魚津茂晴君) この窓口取扱時間を短縮した場合に機械によってカバーされるサービスの部門があるわけですが、一方、機械によってもサービスが代替できないものがございます。それが速達郵便物でございますとか、それから料金後納とする日刊の新聞紙及び官報、それから引受時刻証明郵便物、あるいは外国あての航空郵便物、別配達郵便物、こういったものが機械によって代替できないサービスというような点もございますので、機械を配備しながら短縮する方向と同時に、その辺の必要性にどういうふうにしてこたえるかということが問題としていま一つあるわけでございます。
 これは内部的にはいろいろ考えているわけでございますが、窓口担当者を外しまして、どうせ夜間に宿直をしているという体制もございますので、宿直の方の職務の一つとしてそういったサービスができるように勉強しておいてもらって、その人たちの仕事にするというようなこともあるわけでしょうし、それから大都市なんかの場合ですと、やはり一定の夜間のサービスを専門的に処理できる局を指定しまして便宜を図るとか、いろいろなことを今後考えさしていただこう、こういうふうに思います。
#128
○中村鋭一君 二度配達しているところを一度にする、それから速達の早朝、夜間の取り扱いはやめる、さらにいまよりもはるかに広い地域をとって、その中で一局開いていればいいようにする、こういったことは、合理化という側面から考えて、私、積極的にやっていただいたらいいと思うんですけどね。ただ、それをおやりになった結果、郵政職員の方が仕事が楽になった、前向きにどんどん仕事をしていこうとする気持ちをそのことによって、たとえば機械を導入するとか、そういう合理化によって阻害することがあってはいけないと思うんですが、そういう点については、日常、幹部の皆さんは、郵政職員の郵政マインドとでもいいますか、職務に対する熱意といいますか、そういうことについては、常にそういう意欲をかき立てるように指導をしておいでになりますか。
#129
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、合理化、効率化というもののメリットは、三つの部門に還元すべきものだと基本的には思っております。一つは、国民の皆様方に窓口取扱時間を短縮したあるいは二度を一度にしたということについて御了解を得るからには、そのことによって何らかお返しするものがなくちゃならないというふうに考えるわけでございます。そういう意味で国民に返すべきもの、それから郵政事業の経営と申しますか財政的な安定というかっこうで使うべきもの、そしていま一つは、職員の労働条件というものの向上に役立てる、この三つのことに合理化、効率化のメリットというものを私たち使っていくべきだ、こういうふうに思っております。
 そういう意味で、職員に合理化、効率化というのは、自分たちの首切りにつながるとかあるいは労働条件というものがより過重になって悪化するというようなことでなくて、労働条件の向上に役立てていくという姿勢を示すことによって、またそういった実績を具体的に裏打ちすることによって合理化、効率化への協力姿勢、その中での意欲の向上というような方向に役立てるということが当然必要になってくるわけでございますので、今後とも先生からのお話のようなことを踏まえながら進めさしていただきたい、こういうふうに思っております。
#130
○中村鋭一君 私、ここに資料持っておりますけれども、時間がありませんので省略をいたしますけれども、郵政職員による不祥事というのは比較的多いです。たとえば郵袋の抜き取りでありますとか、現金書留の中の現金を抜き出してちょろまかすとか、そういうことがありますね。それからそういった刑法に触れる犯罪じゃなくても、いわゆるサボタージュ、勤務時間中に喫茶店へ行ってコーヒーを飲んだり、先日も関西のある局で見つかったんですけれども、勤務時間中にばくちをやっているわけですよ、トランプか花札かで。
 そして、それを新聞記者が見て、局長さんのところへ行きまして、いまあっちで勤務時間中に職員がばくちをやっているじゃないか、そう言いましたら局長さんは、郵政職員にそんなギャンブルを勤務時間中にやっている者がいるはずはありません、絶対ありません、こう言下に否定をしたわけですよ。新聞記者の方が、それならばいまやっているんだから、あなた来なさいよ、こう言って局長さんを連れていったら、目の前で職員が現金を置いてギャンブルをやっているじゃないですか。それをカメラマンがパチッと写真を撮って、これでもあなたはやっていないと言うんですか、こう言いましたら、恐れ入りました、こういうことになっているわけでしょう。
 ですから、私は、そういった合理化それから労働条件の向上、大いに結構ですけれども、まじめな職員の皆さんが、そういうふまじめな職員のために郵政職員全体の評価を下げられるというようなことがあっては絶対ならないと思います。そのために幹部の皆さんは、郵政職員がそんなことをやっているはずがありませんというふうなのじゃなくって、常にやっぱり局員と接触を密にして全人格的に接していただかないと、非常に精神的なジャンルに属することですから、一片の通達だとかそういうことでは解決のつかない問題ですから、それを要望しておきたいと思います。
 関連して、定員の適正配置についてお尋ねをさしていただきますけれども、ずうっと長年高度経済成長で来て、いまは安定成長ですけれども、人口が都市集中化いたしますね。都市集中化でも、現実の人口そのものはドーナツ化といいますか、大阪で言いますと、たとえば千里ニュータウンだとか泉北ニュータウンのようないわゆるベッドタウンへ人口が分散しております。ドーナツ化しております。そういった地域の郵政職員の方は業務量が著しく逆に増大している。一方、過疎地においては今度は業務量が減っているというようなことがあるわけですね。そういった実際の作業量と人員の適正な配置ということについて、日ごろどのように対処していらっしゃいますか。
#131
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便事業が国民の信頼にこたえるための条件というのはいろいろあるわけでございますが、その大きな一つの課題というのは、事務量に応じた適正な定員の配置ということが大きな前提条件だと思います。
 ところで、事務量に応じた適正な定員配置という点については、物数の増加というものに対処する場合もございますし、いま先生が仰せの人口移動があるということからの事務量の変動、それに見合う措置ということも必要でございまして、そこで私ども過密、過疎の調整ということを当然従来からやってきておりまして、これをわれわれ定員調整というふうに呼んでおります。その定員調整の実績といたしまして、昭和五十年から五十四年までの五年間には内務で約五百人、外務で約七百人、合計千二百名を実施したところでございます。
 なお、本年度におきましても約四百人の調整措置を実施したいと考えておりまして、今後とも地元関係者の御理解をいただきながら積極的に措置をしていくというふうに考えている次第でございます。
#132
○中村鋭一君 具体的な報告はありましたですか。たとえば、ここは過疎地で作業量が非常に減少しておる、しかし実際の人員は多い、こっちはそういうふうにベッドタウン化してきて作業量がふえているのにちっとも人を回してもらえない、そういう報告は中央の方へしょっちゅう具体的に上がってきておりますか。
#133
○政府委員(魚津茂晴君) 郵政局から本省への報告あるいはいろいろの注文というものの中に、その辺は一番敏感なものの一つなんです、この定員問題という点につきまして。したがって、仰せのような場合には間違いなく郵便局から郵政局に上がり、郵政局から本省に上がるというような情報の点はいささかも不足していないというふうに考えております。
#134
○中村鋭一君 情報は不足していないということですが、さっきも言いましたように、現実には勤務時間内にギャンブルをやって遊んでおるというようなこともあるわけですわね。ですから、私その情報の精度、確かさ、これが大切だと思うんですが、そういう点のチェックはやっていらっしゃいますか。
#135
○政府委員(魚津茂晴君) 情報、特に組織の中の情報というのは、事実を報告する、事実に基づいた意見を出していただくということは、当然のこととしてわれわれ要請をしているわけでございまして、たくさんの中には情報がゆがめられたものになっていて、真実問題があるというようなケースはなかったわけじゃないと思います。また事実、先生がおっしゃるケースの中には、その辺問題のある情報であったというようなこともあるいはあったのだろうと思いますが、私たち、そういった真実の報告ということは絶えず求め、そしてお願いをしているところでございます。
#136
○中村鋭一君 ですから、さっきも何回も言っているでしょう。郵便局長さんが、うちの職員はそんな仕事をさぼってばくちなんかやるはずがないと断定しておられても、現実に新聞記者の目の前でばくちをやっているわけでしょう。とすれば、局長さんおっしゃるように、常に真実で適正な情報が本省に上がってきていると信ずるというふうにおっしゃったと私は思うんですけど、それじゃやっぱりだめですよね。これはパーキンソンの法則じゃないですけれども、そういった郵便局の局長さんなんかはやはり自分の局に人が少ないよりは多い方がいいわけですよ。たとえ作業内容、業務内容が過疎地で減っていってこれだけの人は要らないと思っても、やっぱり上に立つ人というのは一人でも自分の部下というんですかな、うちの郵便局は人が何人おってな、それはもう忙しいんや、こう言いたいものでありますから、本省に、作業量が減りましたから私どもの局からは何人ひとつ適正によそへ配置して減らしてくださるようにお願いしますとは言ってこないと思うんですが、減らしてくださいというような注文はありますか。
#137
○政府委員(魚津茂晴君) その真実を認識するための手段としては、下から上がってくる情報ということのほかに、郵政局だとか、必要によっては本省が今度は調査をする、あるいはまた客観的な人口の移動というものについてはいろんなデータもあるわけでございますから、そういったような点はそれぞれの組織が注視しながら、その動きというものについて必要な措置を講ずる必要があるという場合には、必ずしも情報が上がってなくてもこちらからアクションを起こすということも当然あるわけでございます。そういったことで、両々相まって、その定員調整といいますか、事務量に応じた定員の配置ということに心がけをしている次第でございます。
#138
○中村鋭一君 その両々相まってのこちらからの調査ということは、現実、具体的にはどのようにしていらっしゃいますか。私は部内のことは詳しくはありませんので素人的な質問ですけれども、たとえば郵政FBIのようなものがおられて、隠密裏に各地へ散って現実にその作業量と人員の配置をにらみ合わせて調査をしておられるのか、その具体的なこちらからの調査のやり方、それはどのようにしていらっしゃいますか。
#139
○政府委員(魚津茂晴君) 統計規程というのが内部的にございまして、それによる調査ということもございます。それから物数調査というものも毎月していただいております。そういったような数字をにらみ合わせながら、郵政局として必要のあるものは今度は郵政局から出かけていって調査をするという、いろいろのケースに応じた調査方法をやっているわけでございます。決してFB何とかでございますか、そういったような隠密裏という方法じゃございません。
#140
○中村鋭一君 それはそれにこしたことはないわけです。そんな部内において密告制度を奨励するとか、職員の知らない間に忍び込んで実態を調べるということはやらないにこしたことはありませんけれども、一方的な現場からのレポートだけでは実態の把握をしかねるから、その点に十分御配慮を願いたいということを私は申し上げているわけなんです。
 で、その一つの手段といたしまして、たとえば郵政省の職員の中に非常にまじめな、健全な考え方をしてがんばっている若い労働者の諸君がたくさんいらっしゃるわけですよね。そういう人たちにたとえばアンケートを出す、あるいは抽出をいたしまして面接をいたしまして職場の実態等を把握する、そういうことはおやりになる意思はございませんか。
#141
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいました職場に働きます職員の諸君がどんな考え方を持って仕事をしてくださっているか、あるいはその事業について抱負でありますとか、提言でありますとかというようなものを持っているか等につきましては、まだ制度的に完備をしたものではないわけでございますが、職員の意識の調査といいますものをもう十年ぐらい前から試み的に何度か行っているところでございます。当初は管理職員についてのみその種のものをやってまいっておったわけでございますが、最近は中堅管理者と申しますか、主事、主任層あるいは一部一般職員の諸君のそういいますところの意識調査、これらも一応は試みているところでございますが、その結果かくかくのものができたというところにまではまだ至っておらないわけでございます。
 そのほかに、また事業につきましての工夫でありますとか研究といいますものを吸い上げる制度、これは省の中に職員の提案制度と申しますものがございまして、年に二回、時期を決めましてそういう提言を募集をしているわけでございますが、最近はおかげさまで非常にその種の提言が多くなりまして、先般実施をいたしましたときにも三万七千件という提案が上がってまいりました。先生御案内のとおり郵政職員三十一万人でございますものですから、三万七千件が上がってまいったということは私どもは非常に明るい展望を持って見守っているわけでございますが、中には非常に具体的なかつ研究を踏まえたものもあったりなんぞいたしますものですから、逓信記念日の大臣表彰にこういった皆さんに感謝状を差し上げたいというような意味での勧誘的な措置、これらも講じているところでございます。
#142
○中村鋭一君 働いている皆さんが郵便マンになってよかった、あしたもまた元気に出てきて精いっぱい仕事をしたい、そう思えるような職場、これが大切だ、こう思うんですね。現在どうなんでしょうね。局長さん見ておられまして、郵政省の職員の自分の仕事についての使命感といいますか、それは非常に良好な状況にありますか。
#143
○政府委員(岡野裕君) 朝から郵務局長からもお話を申し上げているところでございますが、また先生から御指摘もあったところでございますが、郵政省三十一万人の職員がいる、非常に労働集約性の高い企業であり、人力依存度の大きいものであるというようなことでありますれば、当然一人一人の職員が勤労意欲に燃えて仕事をしてくださっているか否か、その能力発揮が十分であるか、非常に大きく事業そのものの動向に影響を及ぼすものだ、こんなふうに思っております。
 そういう意味合いでは、やはり人事・任用制度でありますとか、あるいは給与制度でありますとか、あるいは訓練というようなものを通じまして、言いますならば国家公務員法に基づく郵政職員、公務員でございますので、全体の奉仕者としての自覚を持って仕事をしてくれているだろうか、あるいはまた、政府事業に従事をしますところの職員という意味では、事業人といいますか、あるいは砕けたお話をいたしますれば、お客様意識を持って仕事をしてくれているであろうかどうかというような観点から、あるいは職場の訓練、あるいは郵政研修所の訓練等々を活用いたしまして、いまお話をいたしましたような意味での心構え、これを育成すべく努力をしているところでございます。
 しかし、かねてより私どもの部内の人事管理の実態でありますとか、あるいはよりよく職場環境が醸成されているであろうかどうかという点につきましては、厳しい御批判もいただいたりなんぞしているのが実態でございますので、そういう御提言等を踏まえながら、より一歩前に進められるような、そういう努力をこれからも積み重ねてまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。
#144
○中村鋭一君 たとえば郵便局の玄関に政治スローガンを掲げた大きな看板が年来放置されたままになっている。私、具体的にその政治スローガンがどういうものか言いませんよ。言いませんけれども、こういうことは、国民に対するサービスを主務とする郵政マンにとりまして、私やっぱりぐあいが悪いと思うんです。ですから、そういう点は幹部の皆さんも勇気を持って、労働組合の皆さんともよく話し合われて、郵便が何のためにあるのか、郵便局が何のためにあるのか。そうでしょう。政治スローガンを書いて、大きな看板を何年間も玄関へほうりっ放しにしておくということがいいのか悪いのかおわかりになっていると思うんですよ。そういう点についても、ひとつ強力な指導をしていただきたいと思うんです。それについての決意をお伺いします。
#145
○政府委員(岡野裕君) 先ほど先生から大阪の郵便局の職員の勤務時間中における仕事のやりぶり、非常に厳しいおしかりをいただいたわけでございますが、いままた郵便局の庁舎に政治スローガンのポスターがあるというおしかりで、私のところまでなかなか届いておりませんので、まだこの辺につきまして、もう少し情報の収集につきまして努力をいたしてまいらなければならないと肝に銘じたわけでございますが、国家公務員でございますので、政治行為につきましてはこれは厳しい規制がございます。また半面、許された政治行為というものもあるわけでございますので、どこまでが許され、かつ、どこまでが禁止をされているか等につきまして、今後も十分、先ほどお話をいたしましたような諸訓練等を通じまして徹底を期してまいりたい、こんなふうに存じております。
#146
○中村鋭一君 私は、いまどういう政治スローガンであるか、それがどこにあるかは申し上げていないわけでございますから、そのことは議事録にとどめておいていただきたいと思います。
 とにかく人件費が九〇%ですね、一口に言いますと。そういう郵政省としての仕事の特性がありますね。それから本当に市民と直接いつも接触しているわけです、職員の皆さんは。そういう点で私、やっぱり市民の皆さんに御苦労さんと声をかけてもらえるような、そういう接客態度というのですか、そういうものが大切だと思うんですが、具体的に、お客様としゃべるときにはこのようにしなさいよ、郵便を配達したときにはこのように応対をしなさいよというような訓練、指導は講習会等を通じてやっていらっしゃいますか。
#147
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話をいたしましたお客様意識というようなものをおなかの中に入れて、それを具体的に、言葉遣いあるいは身のこなしの中でどういうふうに発揮をしていくか、表現をしていくか、これらはやはり職場訓練でございますとか、あるいは先ほどお話をいたしました研修所訓練の中で、お客様接遇の仕方などというタイトルのもとに相当時間数を費やして私どもは訓練しているつもりではございますが、まだまだなかなか十分その効果が上がっておらないというようなことを身にしみて感じておりまして、今後とも重ねて努力をしてまいるつもりでございます。
#148
○中村鋭一君 年賀葉書、これを人質にとって、われわれの言うことを聞かなかったら年賀葉書はお正月の一日には市民の家へは配達できないぞというような要求をする職員の方があれば、これはやっぱり本末転倒もはなはだしいといいますか、そうでしょう、郵政省の職員だったら国民に対して、だれだって一月の一日に年賀葉書を受け取りたいです、見たいですよ、それを。でしょう。それなのに、こちらの言い分を聞かないのだったら年賀葉書は配達できないぞというようなことを言うとすれば、これはやっぱり断固、それは困るんだ、いけないんだということを言わなきゃいけませんし、一方において、われわれは何よりもサービスを本業とする郵政マンなんだから、年賀葉書は一日に必ずわれわれの力で配り終えようというようないわば良識のある職員がいるならば、その人たちは、本当に御苦労さん、よくやってくれていますね、そこのところははっきりとされる必要があると思うんですが、これまでそういったことに対する対応は郵政省としてちゃんとおやりになっていらっしゃいましたか。
#149
○政府委員(岡野裕君) 勤労意欲を高め、それぞれの能力を発揮していただくというような職場づくりをいたさなければ、先生おっしゃるような雰囲気にはなってまいらないわけでございますが、それに導くための手だて、手法としてはどんなものがあろうかということでございますが、これは一つには人事、任用でございましょう。あるいはまた給与面での処遇というようなものが中心になろうかと思うわけでございますが、最初の人事、任用の面につきましては、やはり学歴でありますとか、いたずらな年功序列というようなものに頼ることなく、積極的に人材を簡抜して、その職につかせるというようなことが一つでございましょう。
 それから給与関係につきましても、これは言いますならば定期昇給制度というようなものがございますが、この昇給をさせます場合にも、その勤務期間中に減点要素になる、まことに残念なことだけれども、つい処分を受けてしまったでありますとか、非常に欠勤が多かっただとかいうような方につきましては、まことに残念なことではございまするけれども、ある程度の号俸を減じたもので昇給をしていただくとか、あるいは、これから支給のための団体交渉をやっていくわけでございますが、年末には手当というようなものを支給する制度がございますが、その中でもいまの定期昇給制度と同じような運用を試みているところでございます。
 ただ、減点要素ばかりというようなことでは、先生おっしゃいますような勤労意欲が前向きに盛り上がっていくということには結びつきませんものですから、今回、特別昇給制度というものをつくろうではないかということで、関係労働組合との間に樽俎折衝、団体交渉をずっとやってまいりました。いまの時点で、ちょっと残念なことではございますが、話し合いがつきませんでしたものですから、公労委の方に調停案件ということで御審議をいただくことになっているわけでございますが、その種のものが実りましたならば、いま私がお話をいたしましたようなもろもろの制度を活用いたしまして、本当に意欲ある職員が明るく働けるような、そんな職場環境づくりをしてまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。
#150
○中村鋭一君 ひとつ、よろしくお願いいたしますね。本当にこれはよろしくお願いいたします。まじめに働いている者が報われるような職場にしてほしいと思いますよ。お願いしておきますね。
 それから私、これは大臣に聞いていただきたいんですが、いまから私、詩をひとつ読ませていただきます。これは昭和十年の「少年倶楽部」の二月号に載りました「僕は電報配達夫」という詩でございますけれども。
 「ほらよ。」と僕は 渡された
 電報素早く 腰につけ
 ペダルをふんで とび出した
 霜のつめたい 午後十時
 痛くなるほど 頬を切る
 風は木枯らし 冬の風
 かじかむ両手の ハンドルに
 凍りついてる 空の月
 坂をのぼって また下りて
 右へ曲がると 三丁目
 十六番地を たずねたが
 名あての家は みつからぬ
 泣きたくなった 首すじに
 寒さがしくしく しみてくる
 僕はつくづく 配達が
 うらめしくなる いやになる
 それでも勇気を とりもどし
 たずね捜して ようやくに
 手さげランプで 照らし出す
 古い標札 かすれた字
 「電報ですよ。」と 手渡せば
 すぐに開いて  「生まれた。」と
 奥へ叫んで 呼びかける
 奥からおこる 笑い声
 坊やの生まれた よろこびを
 配達したのは この僕だ
 僕だ僕だと 自転車に
 ひらりとび乗る かえり道
 不満もなければ 寒くもない
 お月さまさえ ハンドルの
 上でしずかに はずんでる
 僕は口笛 吹いている
 これが昭和十年の「少年倶楽部」の二月号に載った詩であります。
 私は、郵政省の職員の皆さんがこの少年のような気持ちで仕事に対する自信を持ち、真にわれわれの仕事が国民に対するサービスなんだ、国民の皆さんといつも密着しているんだ、そういう気持ちを持っていただくことが何よりも大切だと思います。それがあれば、赤字の解消のためにそういうマインドがあれば値上げをなさることも終局的にはやむを得ないのじゃないかとも私は思うんです。
 最後に、大臣のそういった郵政マインドといいますか、そういうものについての御見解をお伺いして、私の質問を終わります。
#151
○国務大臣(山内一郎君) 私も、大臣に就任いたしましてからいろいろと郵便局の現場を見たり、現場の人と話をして話を聞いたり、いろいろやってまいりましたけれども、やはり国民の信頼が第一である、ポストに入れたものは必ず到達をするものである、こういうことが私は一番重要である、こういう点。それから窓口におけるお客に対する親切な接待ですね。だから私は二つ、信頼と親切、この点をひとつ十分に気をつけて働いてもらいたいということを郵政省の本省の連中にも言っているわけでございます。
 そういう点で、それには職場も整備をしないといけませんし、私が見た郵便局の中でも、狭くて気持ちよく働けないところもあるのですね。だから、そういう点も直してあげながら、本当に気持ちよく働いていただいて信頼と親切をモットーにしてやっていただきたいものだ、こういうふうに考えております。
#152
○青島幸男君 改正法の質疑に入ります前に、小さい問題を二、三お尋ねしたいと思います。
 いまの中村委員の質問の中でお答えがあったんですけれども、実は私のところへも陳情が来ておりまして、速達の未配達のところと一日五回配達されるところが通り一つ隔てて向かい合っておるのが実に不合理に考えられてしようがない、こういうことですね。この場所はいまここで申し上げませんけれども、後ほどお調べいただいて早速手当てをしてくださいという意味じゃございませんけれども、こういう場所が幾つかあるように伺いました。それに対する手当ての方も十分に御勘案になっていらして、逐次できるところから合理性を持たせてまいりたいという御答弁もありましたので、どこのどこだということは申しませんけれども、確かに最近では都市近辺の宅地などの急増がございまして、いままではまさに配達地区には当たらなかったような、おおむねそこには人口の密度からいってもそれに相当する地区ではない、あるいは距離的にもちょっと隔たりが大き過ぎるしというふうに思われていた場所も、急に宅地化が進んでまたたく間に大ぜいの方が住むようになられるという実情の変化はあるわけですね。それに対応する時間的なずれがそういう不便を生んでいると思うんですけれども、これはいつまでたってもそういう誤差というものは存在すると思います。
 しかし、そのことを放置したりちゅうちょしたりしているということが郵政事業に対する信頼を損なったりすることもありますし、まともにそのことを考えて不合理じゃないかということで正当な手だてで陳情に行ったり、あるいは郵政省にここら辺は不合理だぞということを申し入れをして、お互いに話し合いの上でうまく解決のめどがつけばよろしゅうございますけれども、そうでなく変にゆがんで対決するようなかっこうになりますと、ややこしい問題になる上に、今度はそのこと自体が相互の感情的なトラブルのもとになりまして、つまらないトラブルを延々繰り返すということがまた新聞種になりますと、あっちこっちおれもそうだ、われもそうだという事態になりまして、ついには大臣の御見解まで煩わさなければならないようなことになって、それが労使の間でまた複雑なトラブルのきっかけになるというようなこともありますので、重々お話を伺っていましてわかっているんです、ひとつこの問題、場所柄の問題は後で提示いたしますけれども、ぜひお調べになりまして、そこに合理性がありましたら早速手当てをしていただきたい、このように思いますが、まず局長に御答弁をいただきたいと思います。
#153
○政府委員(魚津茂晴君) 社会の変化あるいはニーズの所在と性格というようなものを見きわめながら郵便事業というものがそれに対応したかっこうで絶えず仕事をやっていくということが信頼関係というものを支える大きな柱だということは私ども重々認識してやってきているわけでございますが、ただいま青島先生からお話のあった点改めて念頭に置きまして仕事をさしていただきたい、こういうふうに思います。
 それで、速達の関係、これも午前中申し上げさしていただいたわけですが、多少今後の具体的な処理をする際の私どもの考え方を若干敷衍さしていただきますと、現在、全国の世帯で速達の配達地域内のところが三千二百万世帯、九一%ございます。したがって九%、三百万世帯というものが配達地域外という実情でございます。ところが、三百万世帯のうちに、先生御案内かとも思うわけでございますが、速達の配達をするエリアというのはどういうところかということは内部的に基準がございます。その基準があるにかかわらず、その基準によれば当然サービス地域になるというところが率直に申し上げますと約六十万世帯あるわけでございます。したがいまして、先生のただいまのお話が速達地域外のところの不合理という点なのか、速達の配達地域内そのものに当たっているのにかかわらずやられていないのか、それにもよるわけでございますが、私どもといたしましては、三百万世帯のうち少なくともここ一両年で六十万世帯でございますが、この六十万世帯の解消だけはぜひやらせていただく、こういう意気込みで進めてまいるつもりでございます。
#154
○青島幸男君 なるべく早い時期にだれが見ても不自然でないというような事態になるようにせっかく御努力いただきたい、このようにお願いをまずしておきます。
 さて、郵便法の改正の問題に入りますけれども、当委員会にも郵政省の方から、今回の値上げによりまして大体向こう何カ年ぐらい先まではこのように推移するであろう、いまの状態で放置しておけば何年後にはどれだけの累積赤字になるのでとてもこれは緊急不測の事態だという試算をお出しになっていらっしゃるのを拝見しております。前回値上げの折にもそのような試算をお出しになって法改正を御提出になったはずですね。しかし、その実態が、省でまず試算された事態とそのとおりにあるいは推移したのか、あるいは全く予測と違った事態に残念ながらなってしまったのかという点に、大方の方々は大変疑問をお持ちになろうと思うんですね。そのこと自体が、いま郵政省でお示しいただいております試算の信憑性を裏づけるかあるいは損なうかということにつながると思うんですね。ですから、かつて五十一年ですか、料金改定がなされた折になされた試算、それがいままでどういうふうに推移してきたか、その歴史的な経過を承りたいと思うんですけれども。
#155
○政府委員(澤田茂生君) お答え申し上げます。
 前回の料金改定に当たりまして、郵政省といたしまして作成いたしました将来見通しというようなものがございました。これは四十九年から五十年、五十一年の三カ年にわたるものでございました。しかし、ただいま先生の御指摘がございましたように、実績とこの計画との間には乖離がございまして、むしろ計画よりも実績の方が事業財政的には好転をしたという面があるわけでございます。
 この主な理由等を若干申し上げたいと思うのでございますが、私どもの事業の大半、九〇%と申し上げているわけでございますが、人件費に係る部分でございまして、この人件費のアップというものが事業財政に大変大きな影響を及ぼすわけでございまして、
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
四十九年には二九・七%というベースアップがございました。これは御承知のようにオイルショックによる物価、そういったものの高騰というものを反映したものでございまして、当時の政府の計画といたしましては、経済社会基本計画というのがございまして、ここで見込んでおりました人件費のアップというのが大体一二%程度であったかと思うのでございますが、そういったものをはるかに超えた二九・七%というようなアップがあったということでございます。それから五十年度につきましては、そういったものを勘案いたしまして、一七・一%という計画を立てたわけでございます。しかし、実態は一四・三%という実績でございました。それから五十一年には一二・三%という見通しを立てたわけでございますが、これは八・八%という実績でございます。九〇%を占める人件費というものがこういうふうに計画と実績の間にかなりの乖離があったというのがある意味では収支の改善という面で大きく貢献をしたということが言えようかと思います。
 なお、人件費的な考え方で申し上げますと、退職手当というようなものをかなり見込んでおります。と申しますのは、三十一万人からの職員を抱えているわけでございますので、毎年の退職者というものもかなりの数に上りまして、その退職金の額というものも計上いたしておりますが、大変経済が落ち込んだという状況でございましたので退職者数というものが予定よりかなり低かったというようなこともございます。こういうようなこと。あるいは大変大きな赤字を抱えるというようなことで節減などにも努めたわけでございます。こういったことによって経費の面におきましては予定よりもかなり削減をすることができたということが一点。
 それから収入の方でございますが、当時の料金改定案自体といたしましては五十年の十月一日に料金改定をお願いするということでございましたが、これが実施されましたのが五十一年の一月ということでございまして、この差というもの、その間における減収ということで五十年度におきまして約八百億の収入不足というものがございました。
 そういうようなことで、四十九−五十一は大体そう大きな狂いはなかったのではなかろうかと思うのでございますが、五十年度におきましてそういうような収入の面においての収入不足、片方、人件費あるいは退職あるいは節約というような面における経費の節減というようなものがございまして、その辺のところの実際の実施とそれから計画というものにギャップが生じたというのが実情でございます。
#156
○青島幸男君 何ですか、お話を伺っておりますと、五十年に改定が行われるはずだったのにわれわれが反対したからおくれてしまった、そのおくれ分の八百億をそのまま持ち越しているのであって、それは反対された方の責任だというような、そういうようにとればとれないこともないというような御発言なんですが、翻って考えてみますと、当初の予測から年度ごとの予測、逐一に至って、これ全部おたくの方の計算は当たってないわけですな、年度ごとに。みずから経費節減に努めてこれだけは上がるだろうということまで予測のうちに刷り込んでないわけですな。ということは、全く当てずっぽうの試算をしておおむねこういうことになるだろうからお願いしますよ、値上げさえしてしまえば後は何とかやりくりがつくさというような考えで試算をなされ、しかもそれを実行してきたというふうに極言する方があってもあえて抗弁しにくい実績あるいは経過だったんじゃないですか。
 ということは、いまあなた方がお出しになっていらっしゃる試算も、それはお互い生きている身ですから、郵政もそうでしょうね、あすをも知れぬ不測の事態が起こるかもしれませんから、そこまではだれも保証の限りではございません。しかし、これにしても先々当てになる話じゃなさそうだぞという疑問も当委員会の中でも多く発せられましたけれども、私も全くその疑問と同じ疑問を抱かざるを得ないという感じがしますが、その点、ひとつ明快に御答弁をいただきたいと思います。
#157
○政府委員(澤田茂生君) 言葉足らずでどうも誤解を招くような御答弁になってしまったことを申しわけなく思うわけでございますが、当てずっぽうで私ども計画を出したということは毛頭ございません。確かに実績と計画というものにはそごがございます。ぴたり合わせるということはなかなかむずかしいということも、私ども計画をつくり、毎年の予算、決算との間の問題もございますけれども、大方のところはそれに合うように努力をするというべきであろうと思いますけれども、弁解がましくなるのでどうもいささかあれだと思うのでございますが、釈明をさせていただきますと、当時の四十九年から五十一年という期間が大変特徴のある期間であったということが言えるのではなかろうかと思うのでございます。
 と申しますのは、先ほど人件費のアップについて申し上げたわけでございますが、二九・七%というような人件費アップというのは、あるいはその前後を通じて例を見なかったというような異常な経済状態でございましたし、この間における政府自体といたしましても、経済計画自体を立て得ないというような異常な経済状態のもとにおける私どもの見込みであったということでございます。そういった面。
 それから経費の節約等につきましては、もちろん私どもとしましては、できるだけのものを節約するということを見込んで予算なり計画を立てるわけでございますが、それにも増してさらに創意工夫をしながら少しでも節約できるものは節約をしていこうという態度でいつも対処いたしているわけでございます。
 そういったものの積み重ねというものがいい面に私どもはそごが出るようにというふうな努力を経営努力の一環として重ねているつもりでございますし、ただいま私どもが将来見込みというものでお出しをしておりますものについても、あるいは当てずっぽうではないかという御批判もいただいているわけでございますけれども、私どもといたしまして、ただいま見込んでおります大きな経済指標といたしまして、人件費等につきましては過去の五十二年から五十五年度までの四カ年の平均ベア率というものを見込んだわけでございますが、大体この間におきましては四十九年度のような異常なアップというようなことではない平均的なものであろうと思います。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
これは六・七%ということで見込んでおります。
 また、消費者物価あるいは卸売物価も新経済社会七カ年計画の五%というものをベースに置きまして算定をいたしているところでございます。
 したがいまして、異常な経済情勢というものが出現いたしますれば、特に人件費がほとんどウェートを占めている私どもの財政でございますので、その面でのはね返りというのは大変大きな影響を受けるわけでございますけれども、安定した経済の推移が見られるならば、そういった計画で私どもは見込みをし、また、それに沿ったような郵便事業の推移というものが見込まれるのではなかろうかと信じているところでございます。
#158
○青島幸男君 それは私も余り過激な経済的な恐慌みたいなことが起こらないことを望んではおりますが、おっしゃられるとおりちょっと異常な動きのあった年ではありましたけれどね。これから行われるであろう企業努力も十分に今度の試算には刷り込まれているというふうに考えてよろしゅうございますか。
#159
○政府委員(澤田茂生君) 私ども、現在考え得る努力、節約等も含めまして従来からいろいろやってきているわけでございます。そういったものを見込んだものとして計算をいたしております。
#160
○青島幸男君 確かに予測せざるファクターによりましていろいろ予定が狂うということも間々あります。しかし、これからどういうことで石油の事情がまた変わるか、石油の輸入にもっぱら負っておるわが国の経済にしてみれば、これはお互いだれしもが予測し得ないことというのはあるわけですから、そのことまで持ち出して責めようとは私思いませんけどね。いままでの実績がどうも計算のとおりにいかなかったということは重々反省の材料としていただきまして、十分説得力のあるものにしていただきたいと思いますし、それからまた、そのそごがあったという事実を明確にお認めになることの方がやっぱり私は正しいと思いますね。これをカラ出張だの、架空経費だの、あるいは帳簿上の操作などによりましてつじつまを合わせてくるというような事態がもしあれば、それはもっと責められてしかるべき問題でしてね。それはだれしも予測を誤ることはあるだろうし、予測できない事態に遭遇することがあるから、それはそれでいいと思います。今後ともそういうことのないように、ひとつお願いをしたいと思うんですけれども。
 話があっちこっちになるようで恐縮ですけども、今度この法案がこういうふうに改正されますと、審議会の機能あるいは権能というものはずいぶん大きく影響を持ってくると思います。その中でちょっと気になりますのは、新郵便料金は「郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で定めることができる」としてありますね、諮問した上で定めると。ほかの幾つかの例文を見ますと、第三者機関が審議し、大臣はその議決に拘束されるとか、あるいはその議決により云々、もしくはその議決を尊重して措置すべきとかいう条文あるいは制約があるわけですね。ことさらにこれだけないのは、相談はしたんだよ、相談したから勝手にやっていいじゃないか、どう結論出されようと、その議決によるとか議決に拘束されるとかということがうたってないということを意地悪く解釈しますと、相談しさえすればどんな結論が出ようと適宜適切に上げていいんだというふうに解釈されるおそれもありゃしないかと思いますが、少なくとも私はそんなふうに感じるんですが、この点はいかがなものでしょうか。
#161
○政府委員(奥田量三君) すべてのケースについてただいま調べておるわけではございませんが、確かに先生御指摘のとおり、行政機関と審議会との関係につきましては、諮問した上で、あるいは議を経て、あるいは意見を聞き、あるいは議により等いろいろな立法例があるわけでございまして、それぞれ立法当時のいろいろなそのときの、何といいますか、立法のケース等による沿革的な問題もあろうかと存じますが、私の承知しておりますところでは、審議会等のたとえば議によりというような表現の規定については行政機関に対する拘束力がかなり強いというふうに一般に解せられておりまして、そのほか、諮問した上で、あるいは意見を聞きというふうな法律の規定につきましては、論理的にだけ申しますれば政府に対する拘束力はそのものとしてはないというふうに解するのが普通のようでございます。
 また、ただいま先生がおっしゃいました審議会等の答申ないし意見を尊重しという定めを持つ法令もございますが、これも各種の審議会等のうち明文で尊重しというふうな規定があるものは、これは数によってどうこうということではございませんが、数としてはどちらかといえば少ない方であろうかというふうに考えております。しかしながら、当然のこととして、法令等に審議会の答申、意見を尊重しという表現があるないにかかわらず、法令によって設置された審議会に諮問し、あるいはその意見を聞いて所管大臣が一つの意思決定をするというについては、審議会の答申等については十分尊重をしなければならないということは明文のあるなしにかかわらず当然のことであろう、かように考えているところでございます。
#162
○青島幸男君 いや、当然そうなさるべきことをなされない事実経過があるから心配する方がおいでになるわけですよ、今度のことにしても。この改正は基本的に法解釈にしても常識から解釈してもちょっとおかしいんじゃないか、この法制緩和という問題は、というようなことが重々論議され尽くされてはいないですな、まだ。むしろ学界なんかではおかしいということの方が大勢を占めているような現状の中で、しかもそれは強行されようとしているわけですよね、私どもに言わせれば。それも一つの見解だとは思いますよね。それなら、それで十分な歯どめがありますと、いつもあなた方はおっしゃるわけですね。十分な歯どめは審議会の答申がそこに歯どめになっておりますからと言うんだったら、もうちょっと明確にすべきじゃなかったのかと思うんですね。
 ですから、そういう悪意があるんではなかろうかという誤解を私が持っても、あながち私があまのじゃくというふうには大方の方は認識しないんじゃないかと思いますよ。何でこれだけ諮問した上でになっているんですか。諮問した上で政令で決める。諮問しさえすればそれでいいというこれは感じですよ。形式的に一応は当たってみる、どういう結論が出ようと。こっちで赤字が決済できなければその分上げていいんだよというふうに解釈されても仕方がないんじゃないですかな、これは。いかがなものでしょう。大臣、どうお読みになりますですかな。
#163
○政府委員(奥田量三君) 今回の改正案に用いておりますところの「郵政審議会に諮問した上、」という法令用語につきましては、現在、省令によって料金を定めることになっております第三種郵便物等の料金についても現行郵便法において同じ表現がなされているところでございまして、今回の改正案においても同じ表現を案として採用をしたという次第でございます。
 なお、尊重云々のことにつきましては、繰り返しになりますけれども、私どもとしてはそういった明文の規定のあるなしにかかわらず、審議会の意見、答申等については極力十分に尊重すべきは当然のことかと考えておりますし、また蛇足ながら各種の審議会のこの種の規定におきましても尊重義務というふうな規定の盛られているものはありましても、数としては比較的少ないケースというふうに承知をしているところでございます。
#164
○青島幸男君 それは審議会のメンバーの構成にだって疑問がある。しかも、その疑問がある審議会に諮問しさえすれば後どうにでもなるというふうな解釈も成り立つようなあいまいさの上に成り立っておるところに疑問がわくわけでして、この点いかがですかと私がいま大臣にお尋ねすれば、それは条文のいかんにかかわらずその方々の御意見も尊重いたしまして十分反映するようにしたい、こう思っておりますとお答えいただけることは十分承知しておりますので、改めてお尋ねはしませんけれども、第一、私どもはこの法案が廃案になることを望んでおりますからして、成立したことを仮定してお尋ねしようとは思いませんが、しかし、こういう条文についても重々御配慮がなされるなり反省がなされるなりすべきだと私は考えますね。それでは、この問題は水かけ論になりますから結構でございます。改めて大臣にお尋ね申し上げいたしません。
 それから話がまた飛んで申しわけないんですが、局長は、今度新しいサービス手段もいろいろ考えているし、ただ一方で値上げを迫るだけで、値は上げてもらったけれども何もしないということではなくて、上げていただいたら上げていただいたなりにサービスの拡充なり何なりに励んで利用者の方に御理解がいただけるようにしたいんだという趣旨の御発言があったように覚えております。どんなサービスを行おうとなさっているか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#165
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、そういった考え方に立ちまして御提案を申し上げた次第でございまして、具体的に申しますと、従来、葉書の交換というものをやっていたわけでございますが、今回、切手と収入印紙の交換を制度上盛り込みまして、そういった御要請にこたえるということがございます。
 それから速達の重量とか容積の制限につきまして緩和をするというようなことも、これは一方からいたしますと、私どもの収入の確保という観点もございますけれども、それが同時にお客様にとりましてはサービスのあれになるのじゃないだろうかという考え方でございます。
 それから広告郵便物、これによりまして葉書の料金を割り引いたかっこうでお買い求め願うという制度も盛り込んだ次第でございます。
 それから郵便法の直接の問題ではございませんが、今回の法案の中には、お年玉つきの年賀葉書の関係法律も一緒の形で御提案をさせていただいているわけでございますが、その面におきましては、お年玉の賞品の単価というものが制約が加えられておりまして、三万円までの賞品というようなことになっている点につきまして五万円にさしていただくというようなことも広い意味でのサービスの改善と申しますか、お客様の御要請、時代の変化に応じた私たちの体制による措置というような評価もしていただきたいというふうに考えます。
 それからこれはすべての一人一人のお客様への問題じゃないかもしれませんが、お年玉の寄付金つきの配分の団体といたしまして、これは当然法律で具体的に団体というものが定められているわけでございますが、その配分し得る団体の中に文化財の保護をする団体でございますとか、あるいは青少年の健全な育成を図るための団体というようなところにも寄付金を配分するというような制度的な改善、これが私どもお客様へのサービスも一方で考えながらというふうに申し上げている具体的な内容でございます。
#166
○青島幸男君 お年玉の限度を上げるとか、上がってくるお金の配分先の枠を広げるとか、それは結構だと思うんです。収入印紙と切手の交換も結構だと思いますが、CMの問題なんですけどね、かつて私が、どうしても値上げせにゃいかぬのなら、前回の値上げのときに、普通の企業だったら、私企業だったら経営者としてのあなた方は失格で、会社はつぶれて、それこそ更生法云々というようなことにでもならなければならないはずの立場だから、大臣は社長だとすればそれは更迭だったり、メーンバンクから何がしかの人が入ってきてかなり大きな発言力でかき回されるんじゃないかということまで申し上げたことあるんです。
 その際に、どうせ増収を図るようなら葉書にCMをつけるぐらいのことまで思い切ってやったらいかがなものでしょうかという例として私が提案した際に、省からは、議事録にありますが、こういう御答弁をいただいておるんですよ。貴重なアイデアではあるが、過去においてそういうのを検討したことがない。官製葉書はたばこなんかと違いまして、それ自体通信文を記載しますからこれはなじまないんじゃないかということですね。それから郵便葉書の利用状況なんか見ても、大口利用者は私製葉書が多いわけだからとか、慶弔文なんかを通信される場合に煩わしいコマーシャルなんかあるとありがたみを欠くとか、いろいろあるわけですよ。貴重な御意見ですが、どうも郵政事業の中でやることにしてはなじまないんじゃないかという御回答をいただいたわけですね。
 このたびはおやりになるわけですね。その背景になっている実情はきわめて似ておるわけですよ。ただ今度は、法制緩和という重大な問題が付与されておりますが、これを抜きにいたしますと、財政的な逼迫している度合いも、それからその他の背景が非常に似ておる時期に、私が提案いたしました件に対してこういうお答えをいただいておりました。現在も似た状況にあるのに、今度は手の裏を返したようにそれもやらしていただこうと思いますというようなことになるというのは、どういう変化があるんですかな、その間に。
#167
○政府委員(魚津茂晴君) 当時、青島先生がCMつきの葉書の御提案をなさったときに、なじまないという答弁を省としてはした記録、私も承知しております。どういう考え方、どういう受けとめ方でなじまないというふうな答弁になったのか、私、憶測と申しますか、推察をする域を脱しないわけでございますが、何せ初めての御提案で、要するに、郵政省の発行するいわゆる官製葉書に広告つきの葉書というようなアイデアの非常にフレッシュなものについていけなかったというような、多少そういう点があったのじゃないだろうかというふうに思いますが、ただ、その後、私、内部的に、国会の審議の中ではそういう言葉で、いわば消極的といいますか、そういう答弁を申し上げたわけでございますが、その後、いろいろ先生の御提案というものがきっかけになりまして検討をしてきて今日に及んだということで、先生の御提案というものが今日の御提案を申し上げている広告葉書の実質的な生みの親というようなこととも言えるわけでございまして、先見的な見方をなさった青島先生に改めて敬意を表するところでございます。
#168
○青島幸男君 実は、やったらどうだというのは例として挙げたまででして、私はそのままやれというふうには申し上げなかったはずだと思うんですよね。といいますのは、お年玉つき葉書だって、私はあれはどういう法的根拠でなされているのかよくわからないんです。
 それから先ほどの中村委員の御質問の中にも、郵政省で出しているお年玉つき葉書の裏面に他の印刷を加えて、しかも定価と違った金額でデパートで販売しておるというケースに非常な疑問をお感じになっていらっしゃったようでしたけれども、私もそれはおかしいと思いますね。一応、たばこなんかの場合は大変な問題になるわけでしょう、あれ。店舗で、決められた料金をダンピングしても上乗せしても、これはたばこ販売業者としての権利を剥脱されるとか、そういう問題ですよね。それを、郵政省で発行した官製――あれは、お年玉の何とかが印刷してあろうとなかろうと官製葉書ですわね。それを違った金額で、多少色をつけるなり染めるなりしても、違った金額でほかの場所で売るということが法制上許されるかどうか。先ほど御答弁の中でも余り好ましくないことだと思うという御認識があったようですし、法制局との意見の突き合わせではおかしいということは出なかったわけですか。常識的に考えると非常に不満が残るんですが、もしそのことで御検討になっていてそういう結論が出ているとすれば、それはしようがないことですけどね。もう一回突き詰めて御検討になった方がいいんじゃないかという気がしますが、いかがなものでしょうね。
#169
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便葉書を売りさばくというそのことは、郵便局の窓口、簡易郵便局の窓口、それから葉書、切手の売りさばき所というところで売りさばく。そのときに、たとえば年賀葉書がどうも売れ行きがよくて非常に買いにくいというような状態のときに、定価と申しますか、二十円という中でたとえば二十五円にして売るというようなことはもちろん法が禁止をしているわけでございますが、先ほど中村先生が具体的に提起をされた問題は、郵政省の葉書を売りさばくという段階はもうすでに終わっているわけです。業者が二十円で買いまして、その後、自分の一つの営業といいますか、もうけということで、必要なコストをかけまして印刷をするということで、売りさばき後の加工というかっこうでとらえてみますると、デパートで売っている、これは法律に違反をするからやめるべきだ、あるいはまた郵政省自身がそれをとらえて告発をするというような問題ではないのじゃないだろうかということで、郵政省としての法的な見解を申し上げさしていただいたわけでございまして、もちろん、そういうような事実があるという点についてどう思うかということから、私は余り好ましいことではない、特にそのことが大口に対する予約と配達と結びつくというようなことにでもなりますと、なおさら私ども、その辺も考えていかなくちゃならないのじゃないかというような気持ちをそういった言葉で表現をさしていただいた次第でございます。
#170
○青島幸男君 それはわかるんですよね。たとえばたばこをレストランなんかで買いますと、百七十円なら百七十円以上は取りませんね、レストランでも。そのレストランが、そのレストランの――あなたの論法で言いますと、レストランの簡単なたばこのケースみたいのをつくりまして、レストランのマークが印刷してある。たばこ屋でたばこを買ったわけですよ、そのレストランの人は。ですから、たばこ販売業者としての、そこまでしかないですな、法的な制約が。そこから離れたら後は判こを押すなりたばこの箱に直接印刷しても結構ですよね、何かを。印刷したんだからとやっぱりそれに上乗せして売ることが可能かという論法になりますが、これはやっぱりたばこの場合はいけないみたいな気がしますけどね。その辺、私もわからないんです。ですから、ここでどうなんだということを申し上げるつもりも、それを何とかしろというつもりもないんですけど、それはやっぱりおかしいような気がどうしてもするんですよね。この問題、離れましょう。それは余り好ましくないことだと私も思いますし、何か気持ちがすっきりしませんね、郵政省で売り出したものに多少色をつけたりして高く売るというのは。
 それはいいんですが、今度、省でお考えになっておるそのサービスの部門の内容としまして、元来は二種郵便物の料金は一本であったわけですね。しかも、それも法定で決められておりましたね。ところが、今度は、伺うところによると、一本でなくするというお話ですね。コマーシャルを入れたものは安くするわけです。そうすると、高くするものもあるわけですか。たとえば絵葉書のようなお話が先ほども中村委員の御質問に出ていましたが、それはたとえば改正後の値段の問題で四十円、従来だったら一本で四十円だったものを六十円なり七十円なりで、もしニーズがあればですよ。暑中見舞いなら暑中見舞いの美しい印刷がなされている、それを買って出す方が、受け取った方もお喜びになるだろうと思って、何十円かの出費は構わない。お求めになる方もおありになるかもしれませんね。ですから、そういう意味合いのものをお出しになろうとしているのか。法律の条文でうたってあることからしますと、何を実際に意味しているのかというのがよくわかりませんので、具体的にこの条文はどういうことをやろうとしておるんです、お願いしようとしておるんですということを明確にしていただきたいと思いますが。
#171
○政府委員(魚津茂晴君) 葉書の料金としては、御提案している内容が御承認していただけるとすれば四月からは四十円。ただ、二種の葉書の料金は四十円であるけれども、広告つきの葉書の場合には、仮にですけれども、五円引いたかっこうでやらせていただきます。それから絵入り官葉と私ども内部では使っておりますが、絵の入った官製の葉書という意味でございますけれども、そういったものについては今度は調製費といいますか、絵入れをするためのコストを加えた額を今度はいただいてお売りする、こういう趣旨でございます。
#172
○青島幸男君 なるほど、わかりました。
 そうすると、たとえば郵便切手というものは、あれはある種の有価証券ですね。それは郵便サービスの対価として求めるわけですね、あれを張って出せば届けてくれるわけですから。ところが、一部の切手はそのままストレートにマニアのコレクションの中に入ってしまうケースがありますね。そうしますと、省はまるもうけと言っては何ですが、サービスをしないでその料金を先取りしてしまうわけですから、そのことも重々承知で実際には行われているわけですね。コレクションにしてはいけませんということは言えないわけですよ。
 ですから、たとえば大変美しい郵政省百年記念葉書というのをつくったとしますね、大変美しいものを。それで、しかもそれが大変記念品として価値が将来生ずるかもしれないというものを百円で売り出したとしますね。そうすると、それは大方はコレクションになってしまうと仮定します。そうすると、業務を全然しないで百円ちょうだいしちゃうわけですから、これはストレートに利益につながりますね。お金を刷っているようなものですよ、言いかえれば。ですから、そういうものを、しかもそれは強制するわけじゃありませんよ。ほかに四十円の葉書もあるわけですから、それはお選びになる方の自由なんですよね。大変美しい葉書だから百円でも百二十円でも欲しいとおっしゃればお買い上げいただくわけですから。その方があて名をお書きになってお出しになろうとなるまいと、それはその方の自由ですわね。そうなりますと、非常に利益の高い商売になるんじゃありませんかな、これは。とても美しい記念切手などを高額に売り出すということで。
 たとえばいまのお話ですと、いままで葉書の金額は一本だったけども、上もあり下もありで使い分けられるようにお願いをしたいという改正案ですね。上限も決めていないし下限も決めてないわけですね、これは。そのとおりでしょうか。
#173
○政府委員(魚津茂晴君) そのとおりでございますという答えなんですが、この辺、正確に条文を一度読まさせていただきたいと思いますが、いうところのCMつきの葉書というのは、この改正法案三十四条一項の一号に定める「対価を得て図画等を記載した郵便葉書 料額印面に表された金額に満たない額で省令で定める額」、それから「対価を得ないで図画等を記載した郵便葉書で省令で定めるもの」、これが絵入り官葉という絵入りのものでございますが、「料額印面に表された金額を超える額でその記載に要する経費を勘案して省令で定める額」、こういうことで、平たく申しますと、最初に申し上げたのは安い額で、それから後に申し上げたのは高い額でと。だから、葉書の料金そのものが四十円であるということは事実でございますが、三十四条の見出しとしまして、「(郵便葉書の売りさばき額の特例)」という見出しをつけているものもそういった趣旨でございます。
#174
○青島幸男君 そのお年玉つきに戻りますけどね、お年玉つきというのが発足したときはやっぱりずいぶん問題になったと思いますね、あれ。お年玉をつけるということで、葉書に。郵政省の業務と余り関係ない話ですね、お年玉の景品をつけようとつけまいと。あれをつけると葉書の売り上げが上がるから営利目的でつけたのだと私は思うんですね、当初は。だったら、ある種の企業努力ですしね。それを広げて考えてまいりますと、お中元つき暑中見舞い葉書というのがあったっていいわけですな。それはあなた方が今度お変えになる上限を三万から五万にしましたね。あの枠を大幅に広げるとしますわ、もっと。たとえば百万円までにしちまって、それでお中元つき暑中見舞い葉書というのを百円の定価で売って、そのかわり当たるものは百万円相当の自動車が当たりますということで出すとしますね。これはちょっとした法改正でできますな。
 伺うところによりますと、二十八億から売れるんだそうですね、お年玉つき葉書というのは。ですから、そこでもし通常の葉書が四十円なら百四十円でそれを売れば、もし需要があればですよ。と軽々しく私が申し上げているのは、実は一千万円の宝くじを買うのに売り場に殺到していろいろ事故が起きましたね。あの事故を避けるために往復葉書でお申し込みくださいという制度ができました。これは郵政省にとってはたなからぼたもちみたいなものかもしれませんが、とにかく往復葉書ですからね、あれは。
 それで、百円か、額面は知りませんが、何しろ一千万近い夢をお買いになる方が往復葉書まで買って出すという労力も惜しまずにお買いになるわけですよ。大変な売れ行きだそうです。ですから、自動車が当たるというお中元つき暑中見舞い葉書というものがもし存在し得たら、ある種需要はあるかもしれませんね。これを四年ぐらいやったら二千億ぐらいの赤字はなくなるんじゃないですか。これの方がよっぽどいいと思いますわね。それはどういうものでしょうかね。
#175
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、いまの答えといたしますると、国民感情と申しますか、郵便が、簡単に言ってしまいますと、先生の御提案というのはいわば宝くじつき葉書と申すようなことになろうかと思うのですが、そういったようなことまで郵政省としてやるというのは、もちろん法律上の改正ということが必要であることは当然でございますが、そのほかに国民の一般的な感情として御賛成を得られるものかについてはちょっと私、首をかしげざるを得ない。ただ、昭和五十五年にはなじまないと言っていた答えを、今日その先生の意を受けてというような答えを後日の人がやることもあり得ると思いますが、私はいまの段階ではそこまでというのが率直な気持ちでございます。
#176
○青島幸男君 一番最初にこのお年玉葉書をどなたがお考えになったか知りませんが、出たときにやっぱり少し品が悪いのじゃないかと、これは。売り上げ増進はいいけれども、これは品が悪いんじゃないかと言われたと思うんですよね、なじまないんじゃないかと。
 ですから、いま私が申し上げている点も、そこまでしなくとも、それは品が悪いんじゃないか少しというのだけれども、法制緩和というようなもっと品の悪いことをあなたたちなさろうとしているわけだから、だからこれの方がもっと品がいいですよ。だって押しつけるわけじゃないんだもの、要望にお答えするということで。しかも、これこそ受益者負担でしょう。関心をお持ちにならない方はお買い上げにならないわけだから。でも、全く関心をお持ちにならない方もその葉書が舞い込んできて調べたら当たっていたということになればこれは至福にあずかるわけですからして、ですから商売のやり方としてお考えになるなら。
 あなたたちがいつもおっしゃっていらっしゃることは、総合独立採算主義で、こんなに電話が普及していて電話に食われている、昔から考えれば電話の方が経費がかかって郵便で補っている部分もあったじゃないか、いまは電話がいいんだから電話で補えばいいじゃないかと。こういうふうに通信手段なんというのが錯綜してまいりまして、あれが存在するこれが存在するという各個に存在する時代ではないですね、もう相互に。そういう時代になったら改めた通信手段に対する通信体系と申しますか、そういう基本的な考えさえ要るんじゃないか。この点は後ほど大臣にまた御見解を承らなきゃならないと思いますがね。
 そういうふうに、ただ郵便業務のことだけ考えて、その中だけで相互に採算が合うようにすればいいじゃないかというような考え方だけに固執していますと、どうしても法的にも常識的にも矛盾な点が出てくる。多数でごり押ししなきゃ解決がつかないようなことになって、それが郵便事業自体あるいは郵政業務自体の信用を損ねるようなことになったら困ると思うわけです。
 ですから、もし本当にあなた方が独立採算制をどうしても貫いていきたい、私企業と同じように競合していきたいとおっしゃるんだったら、そのぐらいのことをおやりになる覚悟がなきゃそれはだめなんじゃないですか。実際、私の試算によりますと、この二千億のおたくの方の赤字はこの宝くじつき葉書で二年で解消しますよ。それから先はもうチョコレートつきバレンタインカードとか、ケーキつきクリスマス・グリーティングカードなんというのをつくればそれはもうすぐ解消しますね。そう思いますが、いかがなものでしょう。
#177
○政府委員(魚津茂晴君) 繰り返すようでございますが、私、青島先生のいまおっしゃっている言葉はただにやにやして聞いているということじゃ決してないわけでございます。とにかく私たちは先生にいわば恩義を感じているわけでございますから、恩義を感じておりますので、その先生から再度五十五年の郵便法の改正案審議の際にまたまた御提案をいただいたということで私たち受けとめまして、もちろん先生のおっしゃっているそのままのものじゃないにしても、その中からまずヒントが得られるかどうかというような点も真剣に受けとめて考えさしていただく。別に宝くじつきの葉書を出すというそのことじゃないけれども、そういった御提言そのものの考え方の基本にあるものを十分受けとめさせていただきたい。後日、何年後かにまたお礼を言うことになるかもしれませんことを申し添えておきます。
#178
○青島幸男君 いや、決意の問題でして、すぐそうしろと言うつもりはありませんし、その辺、逡巡なさっているのも当然だと思うんですよね。でも、実際にお年玉つき郵便葉書というものが存在しているわけですから、その考え方からすればそう逸脱した考えではありませんよということを申し上げているわけですし、ですから、いまのような御答弁もいただけたんだと思いますけれどもね。それはそれでよろしいんです。
 それで、再三私は妙な提案をしたことで感謝されているように御発言いただくんですけども、実はいま、私はこれを撤回しようと思っているんですよ。このCMという問題につきまして、はたと悩んでおるんです、つまらないこと言い出したものだと思って。私、実に悔悟の念禁じ得ないんですけどね、いまこれが法案になって出てきているということについて。ということは、コマーシャルを取るということは、実にじくじたるものがあるんですな。背景にあるものはゆゆしき問題なんですな。広告収入がどのぐらい上がると見積もっていらっしゃるかわかりませんけど、広告料というものは、たとえば新聞、雑誌にいたしますと、ただいたずらに発行部数が多いところが高いんじゃないんですよ。その新聞なり雑誌の持っている権威と申しますか、伝統とか主張とか良識とかというものを、高い権威を持っている新聞は高いんです。それはなぜかと言えば、信頼度が高いからですね。あの新聞に載っている広告だから間違いないだろうということですね。
 そうなりますと、郵政省が出している葉書に載っているんだから、この企業のものは安心だろうということになるわけですよ。だから高い料金も取れるかもしれませんが、しかし、郵政百年を支えてきた先人たちの情熱と努力がいままで郵政の信頼を築いているわけですよ。その郵政の信頼と築いてきた情熱を売り物にしてかせごうとしているわけねいま、逆に言えば。だから、節操を曲げて帯を解こうとしているわけですよ。私は、それは先人が培ってきた郵政百年の信頼というものを、いまになってないがしろにしてしまうような気がしてしようがないんですよ、少しばかりの銭のために。だから、とてもじくじくたる思いどころじゃないんですね、コマーシャルなんか取ったらどうだろうと言い出したということは。これはどういうものでしょうかね。
#179
○政府委員(魚津茂晴君) 先生のじくじたる今日の感情ということを少しでもやわらげ得るかどうかあれなんですが、私ども先生の御提案されたときの中身というのは、広告料収入そのものを郵便収入とする、そのことによって財政再建に役立てたらというような御提言であったというふうに理解をしております。
 ところが、今度私ども広告つき葉書と言っておりますのは、郵政省が直接広告料収入というものは構想としまして見込んでいないわけなんです。つまり、これはあくまで仮定の数字ということでお受けとめになっていただきたいと思いますが、私たち、スポンサーに対して、あるいはまた国民の皆様方がそういうCMつきの葉書というものを御利用していただけるかどうかというためには、具体的にはどれくらいの金額ということをお示ししなければちょっと反応がむずかしいわけでございますので、そういう意味で、広告つきの葉書一枚についてスポンサーから十円程度ということでお願いするという前提に立って話しているわけです。しかも十円いただいても五円を還元するわけです。料金の額は、構想としまして四十円から五円を引くということで、そこで五円を充てるわけです。残りの五円というのは、印刷代だとか、いろいろ調製のための事務コストがございますですね、そういったもので、広告収入そのものを郵政省ががっぽり確保する、ふところに入れるという構想ではないわけでございます。あくまでもお客様の利便を図る。もちろん、そういう利便を図ることによってまた郵便物数の増加も期待するということはございますけれども、直接的には、先生の御提案されたものからちょっと私たち内部的には変えたかっこうで御提案をさしていただいているわけでございます。
#180
○青島幸男君 そうなったら、なおやめた方がいいですな、本当に。どういう企業をとりましても、そういう意味で安全という企業はないですよ。たとえば大大手の家電メーカーの家庭用電気器具のコマーシャルを入れたとしますね。それはやっぱり全国的にカバーしているぐらいの企業でなきやとても受け入れられないでしょうけれどもね。そうすると、たとえばテレビ一台にしても、その金額について独禁法違反だの何だので予算委員会で問題になったりすることがあるわけですよね。ありますね、間々。そうなったときに、郵政、おまえ片棒担いでいるじゃないかという話になるわけですね、その何とかテレビについて。それは実に重大な問題がかぶってくるわけですな。
 ですから、一つは、もし本当にそれだったら、そんなに銭にもならないことのために、郵政百年の伝統の操をほどいて幾らかにする、そんな少しばかりのことにプラスするくらいだったらやめていただきたいと思いますね。しかし、ただ緊急避難的に一回広告取らしてください、そうすれば何年料金値上げは抑えられますというような緊急避難的なことだったら国民の方の御了解をいただけると思いますし、それは私もしょうがないと思いますね。しかし、そうでないんならおやめになった方がいいと思いますよ。「暮しの手帖」なんという雑誌は、一切の広告を取らないことで毅然とした態度を明示しておるわけです。商品テストなんかも多くの方々から信頼を受けているわけですね。それはやっぱり姿勢だし権威ですよ。そういう権威とか信頼とか尊厳というものがやっぱり郵政省になきゃいかぬと思いますね。それはやっぱり大事にしていただきたいと思います。
 もしどうしてもというので、また提案ですけれども、どうしてもコマーシャル収入で幾らかでも足しにしたいということでしたら、政府関係機関のものにしたらどうですか。たとえば来年は身体障害者の年に当たりますとか、そういうのを雑誌にPRしたりなすっているわけですよね、あれはどこの広報部がやるのか知りませんが。あるいは自治省が方々金使って公明選挙の云々というのがありますね。選挙の前にそういう文字が入っているのを出すというのは、国民だれしも文句言わないでしょう。それは自治省がほかの雑誌や新聞に載せる分の金をこっちに入れてくれればいいわけですから。自衛官募集というのも余り好ましいとは思いませんけどもね。しかも、たばこのコマーシャルというわけにもいかないと思うんですよね。青少年にたばこを吸うことを勧めるみたいな結果になりゃしないかと思いますとね。だから、広告を取るにしても、それはおっしゃるように大変むずかしい結果になりますし、それは郵政のいままでやってこられた方々の尊厳にかかわる重大な問題を引き起こしかねないから。これはやっぱりこんな程度でて三十五円に値引きして――それはそうですな一同じ金額だったら、コマーシャルついているのを買わないかもしれないですね。三十五円だから、たとえばクイズに応募するときなんか何でも届きさえすればいい、三十五円でも四十円でも確実に届くということについては郵政、信頼あるわけですから。何枚も出すんだったらずいぶん大きいですよね、五円安くなるということは。それはコマーシャルつきでもがまんしようというケースはあるでしょう。それだったら、もしそのことで郵政が行うんだったら、赤字解消、緊急避難というようなことだったら名目は立ちますけれども、こんなけちなことだったらおやめいただきたいと思いますな。
 実際問題として、ビールのコマーシャルを取っているとしますね。そうすると、ビールの値上げの問題で予算委員会で審議しているときに郵政大臣はいたたまれないと思いますね、私は。そのことが、しかも配達している職員の方々どうお考えになるかわかりませんけども、そんな企業にお手伝いするようなかっこうしてまでやらなきやならないほど郵政は逼迫しているのかとか、それは士気にもずいぶん影響してくるのじゃないかという気がしますね。それだったらなおさらのこと、莫大にもうけるならもうけるで、だれにも恬として恥じない独立採算制堅持の上で、しかも受益者負担の宝くじにした方がいいですよ、それは。いかがなものでしょうかな。
#181
○政府委員(魚津茂晴君) 私は、きょう青島先生からの御質問の中に、かつて先生が御提案されたものを郵政省が取り入れたということについて評価をしていただいて、大いにひとつ成功するようにという御支援の言葉をいただくことを期待していたわけでございますが、きょう、その生みの親とも言うべき先生がもう一度今度は別の観点から考え直してみろという御趣旨のお話でございました。私ども、いろいろそういった議論をしながら御提案をさしていただいたわけでございますが、まだ制度的に固めたわけじゃないという点については何回も申し上げているとおりでございまして、きょうの先生の新たな立場に立ったお話も念頭に置きながら今度の詰めをさせていただく、こういうことにしていただきまして、少なくとも発足だけは祝っていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#182
○青島幸男君 ですから、そういうことを言い出した責任上、私ここで撤回するなんて言っているのは非常に私もつらいんですけどもね。私、いままでるる述べましたように、まさに軽々しく、しかもあなた方がおやりになろうとしていることは、こういう努力もしているんだという弾よけに使われているみたいな気がしてしようがないんですよ。実際にそんなに収益は見込んでないんですよ、あなた方はそのことで。ですから、青島のやつうるさいからこの程度入れといて矛先をかわそうとか、そんなもくろみはとてもおありにならないと思いますけども、少なくとも一般の方々から値上げについて御非難をこうむるときの弾よけにするような意識でおやりになっているというような感じしかしないんですよね。どれだけもくろんでいるかなんて明確でないんですから、だったら、なおのことおやめになった方がいいですよ。ということは、もしそれをやるとなされば、既存の広告代理店をやっていらっしゃる企業ありますわね、そこへ委嘱するのか、広告主探しを。あるいは郵政省の中に営業部みたいなものをつくって企業へ出かけていって、ひとつ広告をお願いします、てなことを言って広告を取りに歩くのか。そういう要員がいるのか。しかも、この金額でやって大体年間十億枚とか何億枚とかも出て、実数どのくらいの上がりになるのだろうということも綿密に計算なすった上で配慮なすった方がいいと思いますし、一方、もう一つの方法ですけども、それはいま一括して勧銀が扱っているんでしょう、宝くじの方は。ですから、勧銀が扱っていて年間どのぐらいの総量の宝くじを出していって、しかも当せん率はどのぐらいだから、経費を考えると利潤がこのぐらい、しかも当せんしたのに取りに来ない人いるそうですね。あれでも年間何億ってあるそうですからね。ですから、そういうすべての計算を当たりまして、実際それに踏み切ったらどのくらい郵政の赤字解消に役立つかということをまじめに御検討になって――、わりあい私は何かいい結果出るような気がするんですけどね。少なくともいままでのような品の悪いやり方よりはいいと思いますよ、いやな方はおやりにならないんだから。でも、大蔵省はちゃんと認めてあれをやっているわけですしね。
 それから神社仏閣建立の際とか、あるいは都市改革、あるいは王制の国にしましても歴史的背景の中では緊急避難的に時の財政を助けるために宝くじ風のものを売り出したというのは歴史的事実を拾いましてもかなりありますよ。ヨーロッパの歴史の中でもありますし、大蔵省も認めてあれやらしているわけですからね。ですから、郵政省もやったからって別にそう品の悪いことじゃないですしね。むしろ一歩一歩民主主義を外堀から埋めていって、適宜適切にできないというのは非常にそごを生じたりして結果よくないと。大体、そごを生じて結果よくないのをとつおいつ繰り返しやっていくのが民主主義の基本なんですよね。ですから、値上げ一つにしてもこれだけ時間かかるわけですよね。でも、時間かけて論議することがやっぱり国民の皆さんに郵政のあり方を理解いただくことだったり、それから郵便というものに対する理解度が深まると同時に感謝もいただけるし、協力もいただけると思うんですよね。それを適宜適切に上げられるようにといって法改正をするということは、あしたから戦争するんだから戦争前に議会なんか開いていられるかという話になるのと同じですからね。こういう話を積み重ねていったら、あしたから戦争だからみんな武器持って集まれみたいなことだって、そこへ直結している話ですよ、これは。皆さん繰り返し御議論になっていらっしゃるけども。
 私は、そのことの民主主義を根底から覆すような品の悪さから考えれば、財政の問題なんてこれはどなたも了解できる問題として通れば一番民主的なやり方だと思いますし、私が挙げたのはただ単に例であって、何もこうすりゃいいじゃないかという、これは三回やれば赤字解消ですよという冗談めいた言い方もしていますけど、頭の悪い私でもこのぐらいの提案をするわけですから、皆さん優秀な官僚組織もお持ちになっていらっしゃるし経験もおありになるんでしょう。ですから、その中から本当に私企業だったらどうしてこの急場を切り抜けるだろう。独占企業だし親方日の丸だから値上げで追っつくんですよね。それをほかと競合している企業だったら、即値上げが増収に結びつくとは考えられないようなこんなことをやるわけないですわな、きっと。何もこの席で立場上いたけだかになって皆さんに説教をたれるなんというつもりは全然ありませんけども、とりあえず私は非常にこのやり方に憤っているということを隠し切れないわけですよ。
 ですから、皆さん方はこの法律さえ通っちまえば後は楽に簡単に値上げできるからいいやというのでもって、このあらしさえ頭下げて通り越さしちまえば楽だというようなかっこうでもし御認識になっていて、国家百年の計を誤らせるような非民主的な決断を行使なさろうとしているということについては、子々孫々の代まで恥じてしかるべきだというふうに私は思うんですけどね。全りと言えば、これ以上しゃべっていますと何を言い出すかわかりませんから、言いたいことを言って恐縮ですけども、私が前回申し上げましたCMを取り入れる件の真意を御理解いただきたいと思いますし、今回CMを取り入れることをやめてもらいたいというお願いも改めて御理解いただけたと思いますし、いままで培ってきた郵政百年の歴史と伝統をカタにして何かやるんだったら、それはそれなりの理解の行き届くような方法にしてもらいたいと思いますしね。
 ですから、前回CMを取り入れたらどうだと軽々しく私が申し上げたことをこの場で改めて撤回さしていただくということで、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#183
○坂倉藤吾君 私は、きょうは久しぶりに里帰りしたようなものでありまして、余り本案に対する審議経過をよく知りませんので、これからお尋ねをする問題がたびたび各委員の方から提起をされていることがあろうと思うんですが、お許しをいただきながらお尋ねをしてまいりたい、こういうふうに思います。
 そこで、まず最初にお聞きをいたしたいのは、今回のこの郵便法改正というのは、五十二年の七月二十日の郵政審議会の答申、これが基本になっているのだろう、こういうふうに思うのですが、その辺は誤りはないんでしょうか。
#184
○政府委員(魚津茂晴君) 御審議をお願いしております法律案は、御案内のとおり、昨年末の郵政審議会の答申の内容を取り入れているほか、社会経済の動向に対応する郵便事業のあり方に関する五十二年の郵政審議会答申の趣旨をも十分に踏まえた上で御提案をさせていただいている次第でございます。
#185
○坂倉藤吾君 そのときの審議会答申からいきますと、結局、独立採算制並びに受益者負担、この原則はきちっと堅持をする立場をとられているわけですね。そういう観点からいきまして、当然これは郵政省の経営努力というか、企業的、事業的な運営というものが要求をされる。こういうことになるわけですし、まさに企業的経営についても審議会自身が答申をしているわけですね。しかし、法案の改正を見ておりますと、これを全体に立場を踏まえて採用しているのではなくて、都合のいいところだけ取り上げたような感じがしてならぬのです。そういう意味も含めて、今日、郵政省が企業的、経営的努力、どういうような施策を持ってきたのか、あるいはこれから持とうとするのか、この辺をひとう明確にしてもらいたいと思います。
#186
○政府委員(魚津茂晴君) これまでの企業努力の実施策を明らかにしろという御趣旨の御質問と受けとめるわけでございますが、独立採算事業である郵便事業におきまして健全な事業運営を回復するためには、まず郵便事業の責任において真剣な経営努力をなすべきである、こういうことが基本的になくちゃならない、こういうふうに思います。
 そのためには、費用をできるだけ抑制する、収入をできるだけ上げる、詰めて言いますとそういったことになるのじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。そういう観点で、まず費用を抑制するというような立場で事業運営の効率化、合理化を推進し、あわせて郵便の需要を拡大して業務収入の確保を図る等の真摯な経営努力がなされるべきでございまして、国民の負担はこれらを前提とした必要最小限度のものでなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
 そういう点で、まず私たち事業運営の効率化、合理化というような点について具体的な施策の前にまた大切なのは、郵便業務は人力依存度の高い事業であるため、職員の勤労意欲の向上ということも非常に強調されなくてはならないということから、各種訓練、研修及び業務打ち合わせ、それから各種表彰、見学出張、こういうような点に特に配意するとともに、先ほど来何回か申し上げさせていただいているわけでございますが、具体的には機械化あるいは外部能力の活用という意味での転力化あるいは集配環境の整備というようなことについていろいろと努力をしてまいりました。
 また、収入の確保というような点につきましても、郵便に関する大口利用者へのいうところのコンサルタント的な活動というようなことでダイレクトメールの利用勧奨でございますとか、郵便利用に関する協力要請というようなもの、あるいは個人通信というような点で「ふみの日」キャンペーンの推進、各種の施策を推進して郵便の需要の拡大に努めてまいった次第でございます。
 いささか抽象的な答えでございますけれども、御質問に応じて、また各論についてということでございますと触れさせていただきたい、こう思う次第でございます。
#187
○坂倉藤吾君 精神的にお答えになったと思うんですね。問題の提起が、こうこうこういうところに気を配っていますよという程度のものでして、施策らしい施策というものはいまの答弁の中には具体的に出てこない。それから勤労意欲の問題が大切だという話、それから効率化、合理化に心がけているという話、いずれにいたしましても、これは部内の協力体制といいますか、そういう立場での話ですね。そうなりますと、企業経営というのは確かに部内を引き締めていく、一致をさしていく、それに当たらせていくということはもちろんこれは大黒柱です。しかし問題は、郵便を利用する方々が具体的に信頼度が高まってきたのかどうか、その辺の対策、施策というものは一体どうなってきたんだろう、ここが私はきわめて重要な問題だと思いますね。
 最近、心配をしているんですが、一時、大変郵政犯罪が多く発生をした。少し鎮静化をしたと思っておったら、また再び犯罪というのがおかしくなってきているのじゃないだろうか。果たして、それで郵政の信頼は高まってきておるのだろうか。こういう観点からながめてみましても、どうも具体的に実効のあるようなものというものは何一つ変わらずに、従来からの惰性のままでしかも部内の引き締めで対処をしようとすることだけに限定をしてきたように思えてならないんです。私はこれでは問題があり過ぎるのじゃないだろうかというふうに思います。
 さらに、たとえば郵便の配達の状況一つながめてみましても、かって、たとえばあて所が、住居表示なら最後の住居表示の番号が欠けておっても、それはなるべく探り出してでも届けようとする意欲というのが現場の労働者を含めて伝統的にあったわけですね。ところが、最近は現場まで行かないで、最後の数字が消えておれば、局内処理であて所不完全、ぱっと返してしまう、あるいは一回行って見当たらなければ返してしまう。そういう意味からいきますと、むしろ現場でのサービスは低下をしまして逆に郵便に対する信頼感というのは少なくなってきている、こういうふうに私は判断をする。
 そうなりますと、努力はしているんだからよくなったのだろうという前提で料金改正だけが、赤字だからということでぽっと出てくる。こういうふうにいまの状態を私は言わざるを得ないんです。その辺は、一体、郵政審の答申に合わせて郵政省はこうこうかくかくしかじか努力をしてまいりましたということがはっきり言えるようにしてもらわなきゃ困ると思うんですが、いかがなものでしょう。
#188
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、事業の財政再建を図るということで御提案をただいましているわけでございますが、そのための大きな目標と申しますか、基本的な課題として郵便の利用の拡大を図る、一方合理化、効率化を進めるというようなことを繰り返し答弁をさせていただいているわけでございますが、それと同時に、やはりもっと大切なのは、その地域社会における郵便事業の信頼感、理解と協力のムードというものが、郵便の需要を高めるにしてもあるいは効率化、合理化を進めるにしても、より重要なことであるということは仰せのとおりでございます。
 私ども最近、先生はずっと国会議員になられてからも郵政事業の歩みというものを注視しておいでであるわけでございますが、特に地域社会に対する理解と協力を求めるというようなことでいろいろと工夫もし、じみちな努力は続けてきているわけでございます。施策として、たとえばそんな抽象的なことばっかりお話ししていても申しわけないわけでございますが、たとえば各種の広報誌なんか見ましても非常に最近は変わってきたと思います。各種広報誌あるいは報道機関へのいろいろの理解を求めるための私たちなりの努力、あるいはテレビ番組なんかでも「わが旅わが心」というようなことで、今度は郵政省自身がスポンサーになって番組を出しているわけでございます。それから映画をつくるとか、それから各種行事というようなものに積極的に郵便局の第一線の方々の努力を促しながら進めてまいってきているわけでございます。ですから、この辺、単に私抽象的に申し上げているのじゃなくて、私たちの課題を進めるための理解と協力を得るための地域社会への働きかけ、あるいはまたそれを通じた郵政事業のイメージアップというような点は、じみではございますけれども進めさしていただいているわけでございます。
 ただ、一方、現実に郵便の配達部門においていろいろと苦情申告なり、あるいはまた犯罪というものが発生しているということは、私どもその事実は――郵便の信頼を確保するための最大の敵はやっぱり犯罪であるというようなことで、これまた本当に重点的にやっているわけでございますけれども、残念ながら今日においても根絶されていないということは申しわけなく思っておりますし、その事実を踏まえながら今後一層やらせていただくということでございます。
 それから配達上のいろいろの苦情というものが確かにございます。私たち、一〇一というかっこうでの苦情申告、そのほかに事実上の電話あるいは投書というようなかっこうでの郵便事業に対する国民の皆様方の不平、不満ということもいまだになくなっていないということも重々承知しているわけでございますが、こういった点も一挙に号令をかける、通達を出すということだけでしかく簡単に問題が解決されないというまた事情もございますので、ひとつ、その辺は私たちの気持ちを御理解していただきまして、今後一層の御支援をお願いする、こういう気持ちでございます。
#189
○坂倉藤吾君 私が仮に理解しましても、国民の皆さんが理解しなけりゃ何にもならぬわけでしてね。だから、あなたの答弁している範囲ではここではわかるんですよ。だから、それが国民の皆さんがわかるようにやっぱり具体的に応じていってもらわなければお話になりませんね。
 たとえばポストの設置一つながめてみましても、幾つか地域の新しい開発とあわせまして諸要求が出てくる。ところが、実際にそれらの諸要求にどの程度応じられているのだろうかということを考えていきますと、そういう具体的な要求実現とはかけ離れたいまの状況なんですよ。それらは全然進んでいません、はっきり申し上げて。かつて前に立てた計画どおりなんですね。余り変化がないんです。ぜひひとつ、その辺はもう一遍再検討しまして――それはじみちな努力は結構なんですよ。じみちな努力ほど時間がたてば光ってこなきゃおかしいんですよ。はでなのは一遍でいい。しかし、じみちな努力は非常に大切なんですが、じみちな努力を続ければ続けるほど、それは黒光りのするような、なるほどと思うようなそういう施策になってこなきゃいかぬだろうと思うんですね。私は、その辺をもう少し掘り下げましてきちっと取り組んでもらいたいと思うんです。具体的にきょうは提案をしませんが。
 次に、業務用の通信あるいはダイレクトメール、これが郵便物の総体の八〇%を超えるようになってきた。こうした状況の中で考えてみましたときに、郵便本来のいわゆる文字によって自分の意思を相手に伝達する信書送達の大変重要性といいますか役割り、これがだんだん薄れてまいりまして、これはたびたび論議をしてきたことですが、たとえば郵便物を取り扱う人も含めまして郵便の使命感について大きな変更があるわけです。同時に、一般社会からながめてみましても、やはり郵便に対する重要度といいますか、そういう意味でのイメージダウンというものは相当あります。したがって、それらのイメージアップさせていく一つの施策というものを、これも先ほど言いましたような形とあわせながら考えなければならぬと思うんです。今回の提案に当たってその辺の姿勢は十分に説明をされておるんでしょうか。
#190
○政府委員(魚津茂晴君) 今日の郵便利用の構造というものを考えてみますると、私人の差し出しがおおよそ二〇%、企業から差し出されるのが八〇%。かつては郵便というのは個人の通信と申しますか、いわば魂の伝達と申しますか、そういうようなことで、その中に一つのポストマンの使命感、生きがいというものもあったことかと思います。
 ところが、今日、八〇%の企業用通信、その中でまたDMと称するもの、これが数量的に申しますと二〇%強なんです。このDMとかあるいは企業用通信の中には、せっかく配達をした――先ほど中村先生が「僕は電報配達夫」という詩を読まれて私感銘をして聞いていたわけですが、配達をしたときに配達を受けた家の中に喜びの声が起きたということからの喜びというものの御紹介があったわけでございますが、そういうような点からすると、非常に私率直に申しまして、ポストマンの使命感というものについてよほど私たち郵政人の誇りといいますか、イメージアップをする努力がなかったならば、おれたちの配達したものが受け取ったとたんに破られてしまうというようなことでは先生の御指摘なさるような事態というものが間違いなく起きてくるというようなふうに私は感じているわけでございます。
 そういう意味で、DMとか企業用通信というものの持つ意味というものについて、もちろん訓練を通じまして教えると同時に、やはり郵政事業というものに勤務しているということの日常的な喜びというものもいろいろの角度から考えられなくちゃならぬということでの努力も私たちしてまいりたい。それから先ほど申し上げましたわけでございますが、地域社会における郵政事業への信頼感というようなものも高めるための努力をしなくちゃならぬというようなこと、あれこれ日常的に続けてきているということを御信頼願いたい、こういうふうに思う次第でございます。
#191
○坂倉藤吾君 具体的に幾つか言いますと、たとえば配達の作業の問題一つ取り上げてみましても、その作業を通じて国民の皆さんがなるほどな、こう感じる面が一番多いわけですね。局の中の作業よりも外の作業なんです、接触をするのは。ところが、具体的に、じゃ、そこでそういうふうに皆さんから信頼が求められるような作業内容を心の底からやれるような職場体制というものがあるのだろうか。余り結合していないのじゃないか。いまあなたはそういうふうなかっこうの理解を求めるような作業の充実度というものはこれは当然だという立場での御答弁ですね。そうなりますと、職場へ帰りますと、早く組み立てをして一日に何通はかせるんだ、このことが中心でして、一通、一通を丁寧に具体的に相手の理解を求めるような立場、信頼をされるような立場でやれるようなゆとりなんというのは現場の段階ではかけ離れた姿になってしまいますね。私は、そういうことを訓練するというのなら、職場の体制自体もそのことが可能になるような形での対応というものをやっぱり変えていってもらわなければならぬだろうと思うんです。
 いま、たとえば職場で働いておる人たちも、郵政の事業についての理解を示しながら何とか自分たちで努力もしていきたい、こう考えましても、いまだに現場段階にいきますと、むしろ労務管理が中心で、いわゆる作業に熱を込めてという話に整理されていません。これは、そういう意味合いではきちっと一遍総点検をしてくださいよ、再度。私は料金値上げなんていう大切なことと同時に、そういうことをもう一遍きちっと整理をし直していきませんと国民がなかなか納得しないだろう。かつて全逓との労使関係が荒れておりましたね、あの当時の状況がいまだに続いているんです、現場段階では。いいですか。じっとがまんしているという姿です。これらの問題はもっときちっと皆さんが現場の実態をつかまえて、そしてそれがどう国民の皆さんに影響していくのかというところまで突っ込んでひとつ点検をしてもらうことを要請しておきたいと思うんです。
 いずれにいたしましても、郵便の事業というもの、それに対して国民の皆さん方の理解あるいは協力、これを得ていかなければならぬわけでございます。得ていくためには、いわゆる事業の内容そのものについてやっぱり正確に知ってもらう、これが第一の課題だろうと思うんです。そういう意味からいきますと、現実に国民の皆さんがどの程度正しく郵政の仕事、郵便の仕事について知ってみえるのだろうか、こういう関係はどういうふうにいま御判断されていますか。
#192
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、先ほど来申し上げていることと同じことを申し上げるようでございますが、郵便事業というものを、財政再建というような当面の課題との関係一つとらえてみましても、私たちの内部でのいろいろな課題があると同時に、外部に対する働きかけ、そういったものがより重要な問題としてあるということは当然承知をしているわけでございまして、いろいろと先ほど来抽象的には申し上げたわけでございますが、広報誌だとか、あるいは報道機関にお願いするとか、あるいはテレビというような媒体を通じたマスメディア的なPRというようなことをやると同時に、一人一人が、窓口サービスに当たるような人が郵便事業のPRマンであるというような意識も強調しながらやってきているわけでございます。
 それで、たとえばいま私ここに持ち合わせているものでございますが、一度ごらんになって評価をしていただきたいといったら言い過ぎかもしれませんが、郵便番号簿というのを二年に一回ずついま大体配布しているわけでございますが、この郵便番号簿の番号が書いてあるところでなくて、前段に書いてある郵便の利用のいろいろの問題、そしてまた郵便についての御理解を深めるための部分というようなものを――番号簿といったら、その部分をごらんにならなくてお持ちの方もおありだと思うのですが、こういった郵便番号そのものに対する、私たちのこの事業というものを国民にまず知ってもらうというような意欲的なものが込められているということも、ひとつ機会があったら見ていただきたいと思うわけでございます。
 それからたとえば財政上の再建というようなことで、「郵便を利用される皆さまへ」というようなこういうパンフレットもつくりまして、オピニオンリーダーの方はもちろんでございますが、いろいろと働きかけをしているわけでございます。それから「目でみる郵便」だとか、あるいは「一通の手紙、はがきが……」、こういうようなパンフレットなんかもつくりまして、とにかく知っていただくということから理解をしていただく、理解をしていただいた中から協力をしていただくというような重要性は十分認識をしておりまして、具体的な施策に取っ組まさしていただいているというふうに御理解を願いたいところでございます。
#193
○坂倉藤吾君 お尋ねしますが、それじゃ速達の区域外、きょう午前中中村先生の方からも出ておったようですが、速達の区域外の問題について。本来は、あれは引き受けの段階でここは区域外ですからと言ってそれは引き受けないようにするのが筋道ですね。ところが、現実には区域外速達というのはどんどん入っておる。料金還付も余りやっていない、請求がありませんから。これらについて一体どんな措置をしていますか。その辺も、速達にすれば、全国に郵便行くのだからどこでも全部行くのじゃないかと皆さんが思っている。この域を出ないんです。そういう問題、一体どこで周知をしているんですか。いま幾つかお示しになりました。しかし、そこには魂が入っているのか入っていないのかと言ったら入ってないですよ。これは郵政のひとりよがりです、はっきり言いますと。もう少し郵便を利用する立場で、郵便のそういう一番隘路の問題は一体どうなのかということを、やっぱりもう少し魂入れてやってもらわなければいかぬのじゃないですか。それで、具体的に郵政省として、たとえば郵便のその種の問題について調査されたことありますか。
#194
○政府委員(魚津茂晴君) 先生仰せの魂の入っていない施策じゃないかということ、私ども、ひとりよがりの施策を並べ立ててもいたし方ないわけでございまして、本当に私たちが具体的にやっている施策が国民の皆様方にどのような効果というものを生んでいるかということを調査したことがあるかというような御趣旨かと思いますが、私ども国民の皆様方に大々的な調査というようなかっこうでは最近はやったことはございませんけれども、たとえば郵便協力会というような方々を通じまして地域の社会の方々がどういうふうに思っておられるのか、あるいは配達なんかの問題をとらえましても、先生御案内と思いますが、書面監査というようなことでいろいろやっているわけでございますが、書面監査というような際に最近の郵便事業について御注文はどうでしょうかというようなかっこうだとか、いろいろと郵便局が置かれている立場に立っての国民の皆様方の接触の場というものがあるわけでございまして、そういった接触の場を通じながら反響と効果がどのように上がっているか。郵便モニターなんかも、そういったことで国民の受けとめ方、国民に私たちの施策の定着の度合いというようなものもはかるよすがにしている、こういうことでございます。
#195
○坂倉藤吾君 少し古いのですが、五十二年に全逓が共同通信社にお願いをしまして、そして一万人意識調査というのをやっているんですが、その結果は皆さんのところにも手に入ってお読みいただいていると思いますが、若干の事項を申し上げますと、たとえば普通郵便へ現金をほうり込んではいけませんよ、これは法に禁止をしているんですからいけませんよ、そういうことを知っていますかという問いに対しては、大体九三%が知っている。ところが、逆に葉書の実は表面の上欄ですね、半分より上のところ、ここへ通信文を書くとこれは第一種にみなされて差額を取られますよ、それを知っていますかというと、そのことを知らない人の方が多い。五六%の人が知らない。それから書き損じた葉書の交換制度、その制度があるかどうかというようなことにつきましても知らない人が三八%。これは五十二年ですから少し古いのでデータ的にどうかと思いますが、現状も余り変わっていないと思います、そういう意味からいきますと。同時に、郵便事業の費用の問題等につきましては、全くこれは郵便も貯金も保険も一緒くたのどんぶり勘定だとほとんどの人が思っているんです。だから、郵便事業に対する経費というものは郵便料で賄っているのですよということを正しく知っている人は半分もいないんです。こういう状況が実態じゃないんでしょうか。
 だから、その辺に対して郵政省が一体どういうふうに理解を正しくしてもらうためにがんばっていくのか、このことがなかったらこれはお話になりませんよ。そういうことが正しく知られて、なおかつ今日のたとえば事業全体の状況からながめて、料金改定についてはこういう事情ですからという話が来なければ理解されないと思います。その辺は一体どういうふうに判断をされていますか。
#196
○政府委員(魚津茂晴君) 先生の御指摘になった、郵便事業の理解といいますか、あるいは制度的な内容一つとらえてみても、私たちが考えているほど承知していないのじゃないかというような御指摘でございますが、これは私たち釈明をするということじゃなくて、そういうようなお言葉を素直に受けとめまして今後の施策ということに生かしていくということで申し上げるというのが私の気持ちでございますが、ただ私、この郵便事業というものが、決して自分たちのことを高く評価するというそういう僭越な言い方じゃないわけでございますが、郵便事業というものに対する信頼というものがある、案外郵便というものに対しての理解といいますか、要するにお任せするというような立場の国民感情というものが一部にしろあるということは事実のようでございます。
 たとえば、さっき私、郵便番号簿というようなことでちょっと申し上げたわけでございますが、この郵便番号簿の中には、先ほど先生がお触れになった速達の配達区域というもの、そういったものをめぐる問題についてはどういう請求をしたら還付をするのだとか、それからいま先生いみじくもおっしゃった葉書の表面に書ける範囲というのはどういうものなんだ、もしそういったものを超えてやるとどういう結果になるのだというようなこともこの番号簿の中で、いま各世帯に漏れなく配るというのがこれが最大のものでございますので、私ども、番号簿というものを通じましていろんな郵便の問題として国民の皆様方に理解をぜひともしていただきたい、承知しておいていただきたいというようなそのものをその都度内容的に検討いたしまして盛り込んでいるというつもりでございます。
 そういったような点からいたしまして、いま先生のおっしゃったようなことは、確かに番号簿の中に書いてあるわけでございますが、一方、いま申し上げた郵便事業というものに対して理解というか信頼というものがある。こういうようなものについてこれはそうだという言い方をするわけじゃございませんけれども、一部に、われわれの努力をしてもそういう受けとめ方をされなくて、要するにお任せいたしますというようなかっこうでの反応というものが国民の中にあることも、私は体験的にあるような気がしてならないわけでございます。しかしながら、ともあれ、私たちのやっている施策というものを絶えずその効果との関係で謙虚に見直しながら、反省をしながら進めなくちゃならぬということは仰せのとおりでございますので、今後一層気をつけて実効の上がるようにやらせていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
#197
○坂倉藤吾君 次に、郵便物の誤配事故あるいは配達にかかわる苦情申告、先ほど少し話が触れられておりましたが、大体どれぐらいあるのでしょうか。それから苦情申告の内容で特徴的なものというのはどういうものでしょうか。
#198
○政府委員(魚津茂晴君) 昭和五十四年度を例にとって御説明をさせていただきますと、全国の郵便局で受け付けた郵便事故の申告は八万七千四百七十七というふうに数えているわけでございます。そのうちほとんどが配達に関する申告でございまして、誤配達に関する申告というものは四千八百十六件ということで約五%ございます。
 それから郵便物の誤配達、誤還付等の防止については、従来から通達を初めといたしまして、各種会議等で機会あるごとに注意を喚起して、配達資料の整備や配達時の確認の励行によりその防止に努めているところでございます。いずれにしましても、苦情の中で圧倒的にウエートとして多いのは配達であって、その配達の中の誤配達ということが量的に一番多いわけでございます。そういったことで、一度配達を試みたものの配達できなかった郵便物や、あて名の一部が間違っているような郵便物については、もう一度配達できないかどうかを担当者がまず調査をし、さらに責任者が検査を行い、一通でも多くの郵便物が配達されるような努力もまた一方しているわけでございます。ともあれ、今後とも誤配達、誤還付等の防止はもちろん、事故郵便物の適正な処理及びあて名の完全記載についてのPRも一方でしながら努力をしてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
#199
○坂倉藤吾君 件数が上がってきておるいま言われました数字というのは、これは郵政省として書類に載った数字だろうと思うんですね。ところが、一〇一扱いをしない誤配あるいは事故、こうしたものがこんな数字どころの騒ぎじゃない。数倍も、もっと多いのじゃないでしょうか。私は、数字が出ておれば念のためにお聞きをいたしますけれども、差出人戻し、いわゆるあて名不完全あるいは転居先不明、あて所に尋ね得ず、いわゆる付せんをやって戻す、これの通数はわかりますか。
#200
○政府委員(魚津茂晴君) ただいま私、持ち合わせていないところでございます。後刻、お求めに応じて御報告をさしていただきたいと思います。
#201
○坂倉藤吾君 私どもの耳に入ってくるのは、一〇一扱いをしましても、記録郵便物の場合はこれは追跡ができますが、ところが、普通郵便の場合はほとんど申告するだけで価値がない。したがって、問題はあるけれども、そんなものしようがないとあきらめている声がきわめて強くあるんです。そういう意味合いで実際、事故として上ってこない、それがもうほとんど大きい。それが一つの問題点になっておるというふうに考えざるを得ぬのです、実態の問題としまして。なぜそんなに事故郵便物が出てくるのだろうか、この解決策は一体どうなんだろうか、そういう意味合いで私はやっぱり職場をながめてみたりいろいろする必要があるのじゃないのだろうか、こういうふうに思います。
 もちろん、あて名が不完全というのは差出人の責任になるでしょう。それはむしろ郵政省としては、あて所の不完全について、あなたのところはしょっちゅうあて所の不完全が多いですよというぐらいのところまで、手の届くところまで本来はサービスをしてあたりまえだろうと思うんですね。これは独占の任務だと思いますよ、競合相手がないわけですから。あそこへ頼めば正確に行く、ここはどうもまずいぞという、競合するところがあれば私は一遍に問題になってぐるところだろうと思う。しかし、独占のゆえにその辺が親切心が足らないで、いわゆる郵便事業に対する不信のままで残っていっているというふうに指摘をせざるを得ません。ぜひその辺も対策を講じてもらいたいと思います。
 とりわけ、そういうふうな誤配等が出てくる一番大きな問題というのは一体何だろうか、職場における問題点としては何だろうか。こういうふうにながめていきますと、これはもう前々からも指摘をしているんですが、たとえば郵便の区分中心につくられております内務の場合でいきますと、いわゆるママさん区分部隊、エプロン部隊、それから団地配達等に集中していますいわゆる団ママと言われるパートの人たち、これが現在もずっとあるわけです。そして、午前も論議に出ておりましたように、小包配達の請負の問題、これはもう本来は本務でその勤務時間中に処理のできるような対応というものがきちっと行われてこなけりゃいかぬ。そういう意味からいきますと、まだまだ職場の中が整備されていないというふうに言わざるを得ぬのですが、その辺の見解はどういうことになりましょうか。
#202
○政府委員(魚津茂晴君) 誤配達だとか、それから誤還付、あるいは苦情となるいろいろのケースの背景という点でございますが、私、理屈でなくて体験的にいろいろのケースを承知している者として言えますのは、やはり訓練というのが十分でないとか、あるいは経験年数が十分でないというような属人的な事情もあるわけでございますが、やっぱり一つの共通したあれとしては、先生のお言葉にもございましたけれども、仕事に対する意欲といいますか、使命感というものの欠如から来る不注意とかあるいは不親切というような仕事に対するマイナスの取っ組み方、そういった精神的なものというのが多分にあると思うのです。そういう意味で、いろいろと日常的に、職場訓練でございますとかあるいは研修所というような訓練を通じまして、よくするための努力というものが必要だろうというふうに考えております。それからたくさんのケースの中には、郵便物数が多過ぎて十分にやれないのだというようなそういう職員からの苦情のあるケースも皆無ではございません。
 そういったようないろいろの点がございますが、いま一つ先生が仰せの、郵便の配達というものを例にとりまして、最近は団地造成というようなことで、ある地域に団地ができたというようなときに、従来の職員を配置しないで団地配達を専門にやっている主婦配達、団ママというような言い方で言っているわけでございますが、そういったことも原因じゃないだろうかというような点も御指摘があったわけでございますが、私は、この団地配達というものは、全国の郵便の配達というものを考えてみますと本務者が中心になっていくということは当然でございますが、やはり地域的ないろんな事情から見まして団地配達に頼らざるを得ない、また団地配達というものがよろしいというふうなところをしぼりまして現在やらせていただいているというふうに認識をしているわけでございます。
 そういった団地配達を担当している主婦というもの、これも職員にもいろいろの職員というものが残念ながらあるように、団地配達のママさんの中にも、問題を発生させたということがどれだけあったかは必ずしも私は承知はしておりませんが、そういったところの不祥事というものが私は皆無ではなかったというふうには一般的には言えようかと思いますが、しかしながら、団地配達というものがこの郵便の配達についての苦情というものを生み出しているというような受けとめ方というのは、私は先生がそういうふうにおっしゃるのだとすれば、ちょっと私はその点は意見が違っているわけでございまして、団地配達を通じましても、郵便の信頼される配達というような点については期待はかけ得るのじゃないか。本務者でない非常勤としての団地配達であっても、条件をいろいろ考えながらそういう仕組みを実施する、そしてまたその点についていろいろの手当てを講じていくというようなことを考えるならば、団地配達というのが郵便の信用というものを落としているとは、私は事実に徴しましてそうは思っていないわけでございます。
#203
○坂倉藤吾君 先ほども郵便事業のいわゆる権威の問題が出ていました。私は、次元が違いますけれども、たとえば新しくできた社会の流れの中で最も効率的にやろうということで団地ママさん、この人たちに配達をお願いしよう、それは一つの手法なんです。手法なんですが、逆に言いますと、その方々の待遇は一体、省としてどうしているんでしょうか、その人たちの待遇は。本務者と比較をしてみたとき、きわめて大きな相違がありますね、非常勤の方々は。そうしますと、たとえば本務者の方々は、それをながめてみまして、郵便の使命感に燃えて訓練をしてそして仕事ができるように、こういうふうな片方では要請をしている、片方ではずぶの素人でもともかくきょう間に合えば結構だという形の人が郵便に従事をしている、これで果たして現場の人たちが、現局で働く人たちが権威性を持て、こういうふうに言われて権威が持てるでしょうか。私はその辺ももっとやっぱり抜本的に考えるべき課題じゃないのか、こういうふうに言わざるを得ません。
 さらに、基本的に私はお尋ねをしていきますけれども、結局、常態的な形でその人たちは置かれているわけですね。そうしますと、特殊な時期的に、たとえば期間を区切ってこの期間だけという場合には私はそれはやむを得ないことだろうと思うんです。郵便の流れですから一時的にそういう場合が出てくるだろう。それを処理するというのなら大いに結構。しかし、常態の問題としまして年がら年じゅうその形のままでよろしいという、こういう姿勢については私は検討すべきだろう、こういうふうに思いますよ。ぜひひとつその辺は再検討してください。それこそ郵政審の中で大きな論議してもらっていいんじゃないですか。いま非常勤措置――定員でしばられてなかなか大蔵省を折衝しても予算定員認めてくれないからということで逃げ込んでおってもらっては困ると思うんですね、いま。五十五年度のいわゆる非常勤関係の予算というのはどうなっていますか。
#204
○政府委員(魚津茂晴君) 五十五年度予算におきまして、先生御存じの年末繁忙、夏期繁忙という特殊な繁忙を除きましての非常勤の延べ雇用人員、これが約三百五万でございます。このうち、先生おっしゃる恒常的なかっこうで雇用している非常勤でございますが、そういったものは定員にかわる性格を持つ非常勤という意味で現在申し上げておりますような団地配達だとか、あるいは大局、典型的には、たとえば晴海の通常集中局なんかに参りますと、一定のピーク時においては定員の配置プラスその定員にかわる常態としてのそこにママさん労働力が入っておるわけでございますが、そういったような人員というものが六十四万人おります。それから欠務の後補充というようなことで、もちろん年休の後補充というのは、大体普通局なんかに参りますと、年休の予備定員というかっこうで定員措置はしているわけでございますけれども、訓練の後補充だとかあるいは病休等の後補充、そういう意味での欠務の後補充が百二十万人、合計、恒常的な意味での非常勤の雇用というのは三百五万のうち百八十四万人に相なろうかと思います。したがいまして、臨時事務の繁忙というのが百二十一万人ということになるわけでございます。
#205
○坂倉藤吾君 細かく区分をしていって、なるべくそんなにむちゃをしていませんよという答弁なんでしょうが、予算をきちっと割っていきますと、大体私の試算からいけば、五十五年度の予算で年末年始――夏期繁忙というのは、御承知のように年賀葉書のようなかっこうの問題は出てきませんでして、したがって学生の雇い入れだとかなんとか、そういうことはほとんどないんです。従来からこれは定員の中ではほとんどやっていこう。確かに季節的な形での一部の応援はありますよ。だから、これは本来常態というふうに考えざるを得ない。そうしますと、年末年始あるいは日曜、祝祭日を除いて年間おおむね二百五十日ぐらいというふうに判断をしましてはじいていきますと、予算的には四百四十万人です。これを二百五十日で割っていきますとおおむね一日一万八千人、これがアルバイトの非常勤の人員じゃありませんか。
 さっき三百五万というような形が出ましたが、ちょっとやっぱりその辺での問題は私のところの方の数え方とあなたのところと違うのはわかるんですよ。わかりますが、おおむねそういうことになってくるだろう。一日に一万八千人からの非常勤が大体常態として使われている。こういう話になってきますと、これはやっぱり基本的にいまの定員配置について仕事の状態もあわせながら抜本的な対策というものを講じていきませんと問題が起こるのじゃないのかというふうに指摘をせざるを得ぬですが、一遍その辺も検討してくれませんか。
#206
○政府委員(魚津茂晴君) ここで数字の多少の違いというのが先生との御質問、答弁というのにさほど重要じゃないと思いますので、私ども計算をしているところによりますと、非常勤のうちで一日当たり恒常的なかっこうでの非常勤というのは約六千人、臨時事務繁忙というかっこうでやっているのは四千人ということで、合計いたしますと、職場に一日当たり――これは年間三百日というかっこうで計算しているわけでございますが、要するに休日、日曜日、そういったものを除くというようなかっこうで合計一万人というような計算をしているわけでございます。これは別に作為的なこともないわけでございまして、一万人。ともあれ、恒常的なかっこうで非常勤というものが職場の中に入り込んでいる、常態として。
 このことについてはいろいろ評価と申しますか、そういう事実についての見方があると思いますが、ただ、先生に私この機会に御理解をお願いいたしたいと思いますのは、いま事務の効率化、合理化というような観点というものを郵便事業財政との関連で非常に強調を私どももしておりますし、また御審議を願っております先生の立場からもその必要性というものは言われているわけでございます。
 そういった観点からいたしますと、定員というものによってすべてやるというのじゃなくて、やはり請負人というかっこうで、あるいはこういう定数的な非常勤というようなかっこうでやれる仕事もやっぱり職場にあるし、また非常勤でもやれるような仕事にしていくという課題というものがやはり私たちの職場にあるのだということを御理解をしていただきまして見守っていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#207
○坂倉藤吾君 その後段の話は私は聞けないんです、それは。簡単な仕事だから人を安く使うという、こういう物の考え方というのは私はけしからぬ話だと思う。これは改めてまた論議しましょう。もし、そんな考え方で郵政省の郵便の仕事をどんどん切り離しをしまして、単純化をしまして、そして安上りの政策にしていこうというのでは、これはもうお話になりません、正直申し上げて。私は常態としてやっぱりそこに作業をする人々、この人をどう確保するのか、しかも、その人たちを、常に郵政が責任を持って訓練ができ、あるいは教育ができ、そして、しかもその人たちの気持ちが一致して国民の皆さんへの理解へと、こういうふうにつないでいくのに一番大切な時期だと思うんですよ。それをどんどん切り離しをしまして、そして、たとえば一日の時間、単純な仕事を四時間なら四時間に限定してそれを三月も四月も、長いものになると半年も、こういう人間を人間扱いをしないような形の作業分断、これは絶対認めるわけにいきませんよ。それはまた改めて論議します。
 そこで、これも法案と直接かかわりありませんが、流れからいって出てくる問題ですから申し上げておきたいんですが、夜間労働。これは単独定員配置局で結構なんてすか、郵便内務事務――外務は夜間はほとんどありませんから郵便の内務事務、ここに働く人々のうちの何%ぐらいが夜間労働に従事しているのか、それはわかっていますか。
#208
○政府委員(魚津茂晴君) 仰せの単独定員配置局でございますが、内務職員は全体で約四万二千名でございます。この四万二千名のうち夜間に勤務する職員は約一万四千四百人でございまして、全体の三四・三%に当たる数字でございます。
#209
○坂倉藤吾君 結局、郵便の内務事務に当たっているのは職員全体の三交代制だ、こう理解できますね。これは大変なことでして、本来、郵便の仕事からいって夜間全然なしという話に私はならぬと思うんです。しかし、物の流れによって人の配置が行われていくというのがこれが正しい姿ですね。そうなりますと、郵便の差し出し時期、いわゆる流す時期というものがきわめてこの状況の中に密接にかかわってくることになりますね。これは試験通信その他で送達速度等をはかっておりまして、どこからどこどこへ出した物は大体これだけで着きますよという公告しているわけですから、その約束は守っていくとしましても、差し出しの時間帯をたとえば大口利用者の皆さん等に協力を求めながら夜間労働に集中をしないようなそういう配慮というのは当然あってしかるべきだろう、私はそう思うんです。これらは余り検討されておりませんね、正直申し上げて。ところが、郵便の事業会計から言えば、当然、郵便内勤で夜間に労働する人は割り増し賃金の関係だとか、人件費的には三分の一がこれが仮にもう少し減ったとしますと、人件費の項の中でもっと有効に使える分野が出てくるはずでありまして、ぜひともそれらもひとつ検討しておいてもらいたいと思います。余り時間がたくさんありませんから次に移っていきますが、ぜひひとつ検討だけ約束をしてください。
 それから次に、郵便料金の法定制の問題に入っていきたいと思うんです。この法定制を、これはたくさん御意見が出たと思いますが、緩和をする目的について、意図といいますか、これをもう一遍、私自身聞かしていただきたいんです。さらに、今回の改定というものが、これは前のいきさつがあって、三種、四種は法定制を緩和しちまっているわけです。したがって一種、二種と、こうなるんですが、この三種、四種の関係は一体どうなっているのか。今日の改定の問題とあわせて、その辺もつけ加えて、ひとつ余り長く時間をとらないで説明してください。
#210
○政府委員(魚津茂晴君) 法定制緩和の理由ということで申し上げますならば、郵便事業財政の現状にかんがみまして、法律において一定の厳格な要件を付した上で第一種及び第二種郵便物の料金を省令で定めることができるようにいたしたい、こういうことで御提案を申し上げている次第でございます。
 それで、仰せのように、三、四種というものは、すでに昭和四十六年度の郵便法の改正の際に法律で定めている内容から省令に委任をするという改正法案を提出いたしまして、御承認を得て、今日俗に言う省令料金というかっこうになっているわけでございます。
 そこで、後段の三、四種と今度の料金の決定の特例措置という関係でございますが、もちろんこの料金の決定の特例措置は、一種、二種というものをその特例措置にかからしめるということで直接三、四種には関係はないわけでございますが、先ほど申し上げました厳しい条件を付した上でという厳しい条件の中に上げ幅というものが政令で定めるところから計算できることになっているわけでございます。その上げ幅の中では、今度の一種、二種というものだけでなくて、三種、四種、それから特殊扱いの料金、小包全部ひっくるめまして、その意味でこの物価等変動率の中での総合改定率というものの中に計算するという仕組みにいたしまして御提案をしているところでございます。
#211
○坂倉藤吾君 結局、簡単に言えば累積赤字が出てきた、その赤字解消をするのに、ひとつ郵政省が審議会と相談をして、余り国会のかたい手続を必要としないで自由にやらしてくれぬか、こういうことですからね。これは今回の法改正の一大柱ですね。ところが、いただいています関係資料によると、この赤字解消の計画なんというのは全く参考資料の中に出てきていません。私が見落としているんですか。どうやったら累積赤字が消えていくのか、どういうふうに取り組もうかというのは、きわめてこれは重要な参考資料なんですが、何かあるんですか。この最後のやつがそうですか。
#212
○政府委員(魚津茂晴君) いま先生仰せの資料は「郵便事業損益計算見込(概算)」と書いてあるものをおっしゃるのでございましょうか。
#213
○坂倉藤吾君 いや、私の質問に対して、どこかにあるのなら言ってくださいよ。どれがその資料なのか、解消計画の。
#214
○政府委員(魚津茂晴君) 先生のお手元にあります調査室の作成の参考資料というものの中には
#215
○坂倉藤吾君 調査室と関係ないですよ。郵政省の出しているやつ。
#216
○政府委員(魚津茂晴君) 入っておりません。
#217
○坂倉藤吾君 私は、改正の目玉にしてあなた方がしがみついているその柱に対して、少なくともそのことを資料としてお出しになるのなら、なぜ十年なら十年、提案の説明のときにも言っていますように、十年なら十年、しかもその間に大体二回ぐらいの料金値上げ、こう言っているわけでしょう。今回は通してもらって、後二回ぐらいやりたいのだ、三年に一回ぐらいずつ、こう言っているわけですから、それが妥当かどうかということを証明する資料ぐらいはあなたの方でつけてあたりまえじゃないか。一番肝心なところですよ。余り指摘をされるとうるさいからつけなかったのじゃないですか。そうだという返事はできないでしょうからあえて言いませんけれども、少なくとも累積赤字を解消していくというこの路線は一体どうなのかということぐらいは明らかにすべきです。これを読めばわかる、それが妥当であるかどうかというのをこの場で審議をしてもらう、こういう姿勢に立つのは当然じゃないでしょうか。
#218
○政府委員(魚津茂晴君) 資料として出さなかったという私どもの判断としては、先生方のお立場からするとそのことを指摘されるわけでございますけれども、当然、今度の料金決定の特例措置というものの要件の中に当分の間というこの法律の問題がありますから、この当分の間というのはどの間であるかという議論になります。その場合には、ただ法律論とすれば累積欠損金が解消されるまでの間ということで尽きるわけでございますが、累積欠損金が解消されるまでの間というものは、じゃ具体的に郵政省としてはいつごろを考えているのだろうというようなそのことについて出すのは、私は当然だという気持ちは持っているわけでございます。ただ、いささか釈明をさせていただきますと……
#219
○坂倉藤吾君 いいよ、もう時間ないから。
#220
○政府委員(魚津茂晴君) はい。
 そういうことで、要するに、公的なかっこうで承認されたものを使って展望というものを明らかにすることがいまの立場ではできないというようなことから、資料としては出さないで、御答弁を通じましていろいろのその辺の事情をお話ししながら、十年間で約二回程度上げさしていただきますと累積欠損金が解消できるでしょうということを御説明している次第でございます。
#221
○坂倉藤吾君 累積赤字というのは、一体だれが出したんですか。これはやっぱり郵政の経営努力がきちっと行われていてやむを得ず出てきたんですよという話をあなた方は胸を張って言えますか。その辺の責任は経営者の方できっちり持って、そのことから始まって、その累積赤字はこういうふうにやっていけば解消していく自信を持っていますというところまではっきりしなきゃおかしいのじゃありませんか。そういう立場から言えば、そのことが、予定しておりましたこういう方針でいけば解消しますよと言っているけれども、世の中の流れですから、途中で変更しなきゃならぬ要素等が出てきた場合には、そのことについての修正はまたするんでしょう。そういうものなんでしょう。そうしますと、いま現実に累積赤字がある、この累積赤字はこういう方向で進んでいけばこの時間にはなくなる予定です、それぐらい当然出してあたりまえですよ。こちらから聞かなきゃあなたの方は説明しないというような態度というのはけしからぬ。このことだけ言うておきます。
 それで、問題は、もし法定制から外して当分の間赤字解消が終わるまで、こうなりますと、先ほども論議がありましたように、郵政審議会の任務というのは国会にかわっての任務を持つことになるんです。国会の立場から言いますと、国会の審議権、承認権、こうしたものをみずから放棄することなんですよ、これは。いいですか。郵政審議会がこの答申の中で言っている。法定制であることははっきりしている。いいですか。今日、法定制であることははっきりしている。それは国会の権威の問題だ、国会の権限の問題だ、こうなっているものにくちばしを入れて、そして国会の権威を侵すような答申をする郵政審議会というのはけしからぬと私は思うんですよ。しかもあなた方は、それを受けて、あえて国会の権威に挑戦しているんですよ。
 一種、二種は明らかに財政法の第三条の独占であることは間違いないんでしょう、一種、二種。これは承認を求めなきゃならぬ形のものになっているんでしょう。これは郵便法の中の、これも参考資料の中にことさらに五条が外れているのは、ぼくはその辺の意図じゃないかと思っているんだ。五条の中で、明らかに郵便の問題については独占であるということを証明しているのじゃありませんか、郵便法の中で。悪く考えれば、あなた方は、作為を持ってその辺については何とか言い抜けをしよう、こういう立場でしか臨んでいないことなんですよ。
 これは明らかに国会の権威に郵政審議会がくちばしを入れるべきでないものにくちばしを入れた答申をしたことから誤っているんです。そういう郵政審議会の形のままでいいんでしょうか。私は問題があると思う。少なくとも国の法律で国会の権限事項だというふうに決められていることなんですから、そのことをもし法定制緩和でこの法案を通すのなら、郵政審議会の委員の任命の問題については、郵政大臣でなくて国会の承認を求めるところまで書きかえるのがあたりまえじゃありませんか。その辺の考え方は一体どうなんですか。よその審議会にしたって、審議会の委員等は国会の任命で承認をしているのはたくさんあるんですよ。
#222
○政府委員(奥田量三君) ただいま御指摘のとおり、今後郵政審議会の役割りがますます重要性を持つことにかんがみまして、委員の人選につきましては一層慎重を期し、郵政審議会の機能がより一層発揮できるように努力いたしますとともに、各種審議会の実情等についても調査いたしまして、審議会の機能発揮について一層の配意をしたいと考えているところでございます。
 そこで、ただいま先生御指摘になりました審議会の委員の任命方法についてでございますが、御指摘のとおり、一部の審議会等にその任命を国会の同意にかからしめているものがございます。これらにつきましては、その審議会の性格から見まして、一種の審査裁決的機能を有するもの、あるいは行政委員会的な機能を有するもの、あるいはその審議会等の委員につきまして全部または一部が常勤とされているもの、これらを主といたしまして国会の同意を要することとされているように理解をしているわけでございます。したがいまして、郵政審議会に直ちにこれと同一の扱い、つまり国会同意人事とすべきかどうかということにつきましてはなお慎重に検討すべき問題が多い、かように考える次第でございます。
#223
○坂倉藤吾君 それは、検討もいまから始めるのじゃなくて、この法案を提案する段階で当然皆さんが審議をしていなければならぬ事項なんですよ、もともと。いいですか。先ほども言いますように、この法律で国会の権限事項だとなっているものを、これを変えるわけでしょう。その辺の検討はなかったというのでは、それこそだらしないじゃありませんか。あなた方の言い方から言えば、私はこうだろうと思うんですよ。もとは変えておりませんよ、累積赤字があるから、だから提案で言っているように当分の間なんだ、当分の間であって原則は変わっていないのだから、その間だけでもひとつ認めてくださいよ、これがあなた方の言い分でしょう。そんな便宜主義というのはこの中で通りますか。全くこれは便宜主義ですよ。
 しかも、大体の見通しからいけば十年間、その間に二回ぐらいの値上げ、それでは三年に一回じゃありませんか。仮にここで時間をかけて審議をしたっていいじゃありませんか。なぜそこまでいらわなければならぬのか。原則は原則としておきながら当分の間で外さなきゃならないのか。私は、答申を受けてなおかつそれを慎重に吟味をしていた郵政省の姿勢としては、絶対にこれいただけませんよ、はっきり申し上げて。これは審議会もけしからぬし、郵政省もけしからぬ。このことだけははっきり申し上げておきたいと思う。
 もうあと余り時間がありませんので次に進んでいきますが、各種郵便料金の原価、これは一々説明してもらっているとそれだけで時間来ちゃうので、原価といまの郵便料金の体系というものがびたっとしているのかどうか。その中に政策料金というのは含んでいるのかどうか。政策料金を含んでいるとすれば、その政策料金は一体何が政策料金なのか。しかも、その政策料金は原価とのかかわりは一体どうなっているのか。しかも、その原価を仮に割って政策料金が決められておるというのなら、その政策料金で原価を割っている部分は一体どこでどう償っておるのか。これは提案の中で、郵便全部一種から四種まで全部総合的、トータル的に総合原価主義でやっています、こう言っているんです。ところが、片方では政策料金として設定をして原価をさらに割っているという問題があるのに、総合原価主義というのは利用者に全部負担を転嫁していることになるのじゃありませんか。利用者ですよ。国民が平等に利用するのなら結構です。そうじゃありませんね、郵便は。年間一通しか出さぬ人もおればうんと利用している人もおれば、幾つかあるのです。その人は一通出せば出したことに対するところの負担は自分でする、あたりまえの話です。多く出した人は多く負担する、あたりまえの話です。しかし、政策的に低くしているのを、その利用者だけに頭割りをしていくようなかっこうというのは一体どうなのか。これはきちっと一遍検討すべきじゃありませんか。
 それから一般会計とのかかわり、そういう意味合いで、ひとつこれだけきちっと説明してください。
#224
○政府委員(澤田茂生君) まず最初に、郵便物の原価の関係でございますが、大別いたしまして、一種は原価収入というものが差額は黒でございます。それから二種、三種、これは赤、それから特殊取り扱い、これが黒、小包赤、こういう状況でございます。
 原価というものを、郵便料金というものとのかかわりということについての御質問でございましたが、原価といいますのは、これは私ども郵便料金設定のための一つの指標として使っていく、同時に経営の分析、こういうような意味合いにも使っているものでございますが、原価は、ただいま申し上げましたように料金の設定の一つの指標でございまして、理想的にはこれに近づくというものが一つの形であろうかと思うわけでございますけれども、適正な料金設定のための基礎資料、しかし料金を設定するに当たりましては各郵便種類ごとの設定の趣旨とか、あるいは個別の料金間の調和、あるいは小包なんかにつきましては特にそういうことが言えるわけでございますけれども、他の類似サービス料金との均衡、あるいは先生お尋ねにございました政策的な配慮を要するものについての考慮、こういったものを総合的に勘案をいたしまして料金を決めるということになっているわけでございまして、政策的な配慮を行うものといいますのは、三種あるいは四種の料金ということにつきまして、これはもう先生すでに十分御存じのことであろうと思いますので内容的には省略をさしていただきますけれども、この政策料金というものについて総合原価主義でやっている、一般の利用者に対してもそれを負担さしているということについては問題があるではないかという御質問があったわけでございますけれども、郵便法に基づきまして私ども郵便業務の運営を行っているわけでございますが、御承知のように郵便法三条におきましてはいわゆる収支相償の原則ということで、料金収入全体で郵便事業の費用を確保するという考えのもとに料金設定あるいは収入の確保を図っているわけでございますけれども、政策料金につきましては、郵便事業を担当する範囲においてできるだけ社会的あるいは文化的な見地から協力できるものについて協力をするという観点で沿革的に行っているわけでございますが、これはやはり一定の限界が私はあろうと思うわけでございまして、これは総体の料金の設定の中で賄い得る範囲にとどめるべきであろうということで、今回の全体の料金の設定もそういう考え方に基づいて決定をいたしているところでございまして、そういったものについて一般会計からの繰り入れを行うべきではないかという御議論もあったわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、政策料金等につきましても、これは全体の郵便料金の中で吸収し得る範囲の中で行う、やはり郵便法で定めております総合原価主義というものはこれは維持すべきであろう、これはある意味では事業の効率的な運営というような面から見ても維持していくべきものであろうというふうに考えておりますし、なお一般会計からの補てんということにつきましては、郵便の約八割が企業の差し出す業務用通信であるというような利用実態から見ましても負担の公平を失するというようなことで適当ではない、こういうふうに考えているところでございます。
#225
○坂倉藤吾君 時間が来ているようでありますから、一点だけにします。
 いまの答弁はずいぶん論議のあるところです。それは次の機会にしたいと思うんですが、ただ、いま話がありました郵政省の収入、いわゆる収支の関係の中で政策料金について決められるところはなるべく社会的要請にこたえてやっていこう、こういう話があるわけです。私は三年前に提起をしまして、去年もまた提起をしました盲人用の録音物、いわゆるカセットテープ、これを個人相互間について年間たとえば回数を限ってでも何とか無料あるいは低料にできないかという課題を提起しているんです。これはきわめて盲人の方々の団体からも強く要請されている問題でありまして、点字の問題と同時に、点字よりも録音テープの方がまだまだ価値がある。これはいまの社会的要請なんです。こういう問題に対して、技術的にあなた方は業者の出すやつと見分けがつかないからだめだという答弁なんです。私はこんなナンセンスな答弁はないとこの前も指摘をしているんです。この辺は一体どうなっていますか。最後に、ひとつ答弁をいただいておきたいというふうに思うんです。
 それからもう一つは、これは次の審議に役立てたいので要求をいたしておきますが、郵政事業特別会計法の第六条の中には「郵政事業に関し必要な原価計算を行うものとする。」、これは行わなければならぬ規定があるんですよ。したがって、各種料金についての先ほどずっと説明ありましたが、原価計算の計算結果、これをひとつ資料で提出をしてもらうことを要求しておきます。
#226
○政府委員(魚津茂晴君) 視覚障害者の録音テープの問題、これは先生ただいまおっしゃったとおり、三年ほど前から強くお求めになっているということは私ども勉強させていただいておりまして承知しているところでございますが、いろいろ三年前から先生から具体的なお考えを伺っておりますので、お立場そして具体的なそういったものを実現するための手だてというものも承知はしつつも、私ども今日に至ってもなおこの点については結論といたしまして従来の答えを変えるというようなものを持ち合わせていないわけでございます。
#227
○政府委員(澤田茂生君) 郵便物の種類別原価につきましては、資料として御提出をいたします。
#228
○委員長(福間知之君) 本件に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト