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#1
第093回国会 運輸委員会、地方行政委員会、商工委員会連合審査会 第1号
昭和五十五年十一月二十一日(金曜日)
   午後一時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   運輸委員会
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                大木  浩君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                穐山  篤君
                瀬谷 英行君
                広田 幸一君
                柳澤 錬造君
   地方行政委員会
    委員長         亀長 友義君
    理 事
                金井 元彦君
                熊谷  弘君
                佐藤 三吾君
                伊藤 郁男君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                名尾 良孝君
                原 文兵衛君
                丸谷 金保君
                和泉 照雄君
                大川 清幸君
                神谷信之助君
                美濃部亮吉君
   商工委員会
    理 事
                土屋 義彦君
                前田 勲男君
                吉田 正雄君
                市川 正一君
    委 員
                岩本 政光君
                川原新次郎君
                楠  正俊君
                松尾 官平君
                阿具根 登君
                小柳  勇君
                対馬 孝且君
                馬場  富君
                井上  計君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       自 治 大 臣  石破 二朗君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     大西 昭一君
       通商産業省立地
       公害局長     松村 克之君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    福川 伸次君
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸省鉄道監督
       局長       山地  進君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       自治大臣官房審
       議官       大嶋  孝君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      吉武 秀夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      加賀山朝雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      吉井  浩君
       日本国有鉄道常
       務理事      半谷 哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案(第九
 十二回国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
   〔運輸委員長黒柳明君委員長席に着く〕
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会、地方行政委員会、商工委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしましたとおりでございますので、御了承のほどをお願いいたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○対馬孝且君 まず、運輸大臣に冒頭ひとつお伺いをします。
 私は特に産業、経済の観点に立って今回の再建法の見直しについてひとつ運輸大臣の基本的な態度をまず冒頭お伺いしたいと思います。
 何といっても今回の再建法の一番中心になっているのは、赤字ローカル線を廃止をする、これが最大の住民のいま課題でございまして、したがって、この問題について、いまもちろん法案を審議をされ、きょうこの連合審査を迎えたわけでありますが、何といっても、それは産業、経済、地域経済に与える影響というのは非常に大きい。これをしかも見切り発車をするという、こういう暴挙の法案になっておるわけですが、現状の段階で相当各地方段階からもそれぞれの陳情や意見等も賜って、大臣も御承知のとおりでありますが、この段階で特殊事情にある地域のローカル線廃止について見直す考え方はないかと、このことをまず基本的にひとつ。
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) 特殊な地域のローカル線について見直しをする必要がないかというお尋ねでございますが、いま御提案申しております法律に基づきまして政令をつくらなければならぬのでございますが、その政令の骨子となりますものにつきましては、貨物に、あるいは旅客につきまして一つの基準を設けておるのでございまして、この基準にさらに特例措置を講じるということはわれわれいま考えておりません。この基準を中心といたしまして、これを原則に政令を制定いたしたいと思っております。
#5
○対馬孝且君 それじゃ北海道開発庁にお伺いします。
 私は十一月十一日の商工委員会におきまして、特に北海道の産業、地域経済、北海道の場合は三十六線区のうち二十七線区は切り捨てられる、こういう結果になりますから、したがって、この中で開発庁は私に対して、まず一つは本道の交通体系のかなめである国鉄ネットワークを維持する、地域生活、経済、文化の中心である支庁所在地の連絡線を確保したい、それから第三としましては、地域開発、産業活動に必要な路線は確保しなければならないと考えている、こういう基本的な態度を私に示しました。このことについて開発庁として御確認できるかどうか、ひとつはっきり再確認しておきたいと思います。
#6
○政府委員(大西昭一君) お答え申し上げます。
 過日商工委員会で先生にお答えいたしましたように、そういう北海道総合開発を進める上で、いまの三点以外にもいろいろあろうかと思いますが、それを含めまして十分地元の意見を聞きながら、北海道総合開発に支障を来さないような方向で今後関係機関と十分協議を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#7
○対馬孝且君 運輸大臣、開発庁はいまお聞きのとおりであります。もうはっきり、長官はきょう来ておりませんが、いかなることがあってもこの地域産業経済に影響を与えるこの線はひとつ存置をするためにこれから十分開発行政を守っていきたいと、そのためにも残しますと、こういう線でひとつこれから運輸省と臨んでまいりたいと、こう言っておるわけです。そう言っている中でいまあなたが見直す必要がないと、こう言ったらこれはどうなるんですか。北海道総合開発、私は開発審議委員ですけれども、これは私個人が確認しておるんじゃない。この間の八月に開催をされた北海道開発審議会でこれは決定をされている。こういうことについて、それじゃ北海道開発計画はどうなってもよろしいということでこれは切り捨てるということですか。いまのは開発庁と食い違う。
#8
○国務大臣(塩川正十郎君) 北海道開発審議会あるいは他の地域におきます地域振興に関する協会とか整備委員会とかいろいろと公的な機関がございまして、そちらの方からもこれからいろいろと正式に申し入れがあるであろうと思うのであります。その申し入れを受けまして、われわれは要するに最終的にどうして輸送の確保なりあるいは交通の手段を、その足の確保をするかということをやっぱり協議しなければならぬと、これは当然でございます。私たちがいまお願いいたしておりますのは、いわば国鉄の責任の分担を特定地方交通線については免除していただきたいということを願っておるわけでございまして、そこらのすり合わせにつきましては十分に相談いたしたいと思うております。
#9
○対馬孝且君 これはこの前も申し上げておりますが、私は地元へ帰って、これはほとんどこれきょうも私のところへ日高沿線を含む代表も来ておりますが、地元の代議士は、自民党さんの代議士さんは、とにかく法案さえ通してもらえばこの線は残しますと、こう言っているというわけだ。これではあなた、政令というものではないでしょう、これ。少なくとも地域経済あるいは産業、文化、そういうものに与える影響があるとするならば、法律としてこれを残さなければならないんじゃないですか。この点どうなんですか。
#10
○国務大臣(塩川正十郎君) 各政党並びに政治家のそれぞれの方々が、いろいろと政治的な期待を持って、あるいはその配慮から発言があることも私は聞いておりますが、それは現在政治的決定していただくこと、つまり法案の審議をしていただく過程においていろんな御意見が出てくることは、私は政治家としておっしゃることは当然だろうと思うのでございますが、しかしこれを行政の水準でこの法案の趣旨を徹底し、実施していくといたしますと、あくまでも公正中立でなければなりません。それにはやはりいま提示しております基準というものを、これを明確にして、これをいわば正確に実施していくことが、私は国鉄再建への一番の信頼を得る道だと思うております。
#11
○対馬孝且君 それではちょっと具体的にひとつお伺いしましょう。
 これは十一日の日にデータを出しました。これでいきますと、たとえば石炭産業の例を私一つ挙げたいのでありますが、これは夕張線、留萌線、幌内線、歌志内線という、いま対象になっている上砂川線を対象にして私出しているんですが、これでいくとありますよ。これは最近北海道の赤字路線廃止特別委員会、道庁でこれ中心にして出した資料です。これでいきますと、もしトラック輸送に切りかえるとするならば、一番端的に申し上げますと、一分三十三秒で十トントラックを一台ずつ走らさなければならない。最大長いところで何分かといいますと、四分に一台トラックを走らさなければならない。いまでさえ過密ダイヤでもって、日本一交通の汚名を着ている北海道で、しかもこれから冬期間に向かう、こういう異常な状態ということが一体どう認識をされているのか。それ具体的にいま時間がないから私個々に申し上げませんが、夕張線、留萌線、幌内線、歌志内線、これは苫小牧、東室蘭、あるいは苫東基地、火力電力ありますから、留萌港にもつながっておりますから、これをずっと見ていきますと、貨車からトラックに輸送を切りかえた場合には一・七一倍のコストがアップされるんですよ。こうなったら、いまでさえあなた、この間も、――通産大臣が後で来ますから申し上げますが、石炭産業は見直すと言っていながら、北炭夕張新炭鉱というのは、家族を含めて約一万二千人の者がいま運命をどうするか。再建できるかできないかという角にかかっている。これは一体どういうことなんですか。
 こういう状態について、それじゃ一体産業を守るという観点に立つとするならば、地域経済に打撃を与えないとするならば、このことは認めているわけですからこういうのは当然守ってしかるべきじゃないですか。この点はひとつ率直にお伺いしますよ。通産大臣は、こういうことについては地域の事情を踏まえて当然これは対処しなければならない問題であると、こういう基本姿勢を明らかにされています。これはきょう後ほど来ましたらもう一回確認しますが、運輸大臣としてどう考えるか。
#12
○政府委員(山地進君) まず貨物全般の考え方から申し上げたいと思うわけでございますが、今回の国鉄再建法案におきましては、国鉄の鉄道特性を生かすという意味から、大量定形の貨物輸送というものに重点化を図っていくというのが全体的な構想でございます。その場合に、鉄道特性の発揮しがたい貨物輸送の分野というものにつきましては、貨物集約等のことを、先生御承知のとおり従来進めてきているわけでございまして、これらの貨物の集約ということ、あるいは旅客と違いまして貨物については、いま先生のおっしゃるように、産業の見地からこれをどういうふうにやったらいいかということで、荷主の方と国鉄との間で合理的な輸送ということについてお話し合いができるというふうに私ども考えているわけでございます。
 ちなみに、北海道におきます貨物の全輸送に占めます国鉄のウエートというのは、農業、林業、水産業、それぞれかなり低いウエートになっております。石炭業は、先生のおっしゃるように三〇%若干超えるような比率になっております。それから、全体的に申し上げますと、北海道の全輸送キロの中で、特定地方交通線に当たる輸送トンキロというものを調べてみますと、北海道の全国鉄の輸送量というのは約四十億トンキロになっておるわけでございますが、それに対しまして特定地方交通線の――思われるものでございます。まだ特定地方交通線決まっておるわけではございませんが、それの占めるウエートというのは二・三億トンキロ、約五・八%ぐらいになっておるわけでございまして、個々の線についてはいろんな御事情もあろうかと思いますけれども、相当多数の量が幹線で運ばれている。あるいは国鉄の幹線も入れてウエートが低いわけでございますから、非常に多くの物がトラック等のほかの輸送で行われているという実情にございますので、一般的に申し上げれば、鉄道からほかの合理的な輸送機関に移るということは可能であろうと考えておるわけでございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、旅客と違いまして荷主がおられるわけでございますので、その公共的な使命があるわけでございますので、国鉄がその輸送の責任から解放させていただいた後につきましては、第三セクターという考え方もあろうかと思います。
 それからなお、先生がおっしゃいましたコストアップの点でございますけれども、従来の私どものデータによりますと、トラック輸送の方が鉄道輸送よりも少なくとも値段が安い輸送の対価を請求していたようになっております。
#13
○対馬孝且君 これはいま御答弁がありましたけどね、それは局長ね、これは道議会ですよ。これ北海道道議会の赤字路線特別委員会で出した資料ですよ。間違ってもらったら困るよ。もう少し具体的に言いますか、それじゃあ。幌内の場合、貨物でいった場合には、ここに出ておりますように、千五百八十円だと、トン輸送費が。トラックだった場合に二千九百十三円で、一・八四倍とこれなっているじゃないですか。これ否定されるんですか。これはあなた、忘れもしない北海道の道議会の赤字ローカル線対策特別委員会で出した資料ですよ。どうですか、これ。ごまかしたってだめだよ。
#14
○説明員(加賀山朝雄君) トラックと鉄道との運賃の問題でございますが、まあ道議会の方でどういう資料をお使いになられたのか私ども存じ上げませんが、私の方で調べたところによりますと、たとえば先生いま御指摘の幌内の場合、貨車で送りますと運賃そのものは千五百円でございますけれども、さらに着地におきます港ですと入れかえ料であるとか、そういうものが入るわけでございまして、こういうものを入れますと、私どもの調べでは、幌内から苫小牧まで貨車で送った場合は二千二百七十六円という数字が私どもでは出ております。さらに、トラックで現在ゼネラルサービスという会社がやっておりますが、これが港送りの場合には大体千八百八十五円というような数字でやっておりますので、このケース、私どもの調べではトラックの方が安いというようなデータが上がっておりますので、その辺どうももとがわかりませんので、私どもの調べではそういうふうになっておるということでございます。
#15
○対馬孝且君 そういうふうにごまかしたらだめだよ。これあなた、公的な道議会で出しているんだよ、道議会で。そんなごまかし言うなよ。ぼくは石炭屋だから現実はわかっている。それじゃあ具体的にお伺いするが、仮にあなた方の言うとおりこれをもし線を消したとして、幌内の山元から道東までトラック輸送する場合に、十三億も金かかるんだよ、これ拡張するために。それから、苫小牧でもし受け入れたとしたら、受け入れ基地つくるのに三億かかるんだよ、これ。トン当たり何ぼにつくんだ、それじゃあ。そういうでたらめ言うもんでないよ。こういう実態を踏まえてだね、しかもこういう実態認識の中で、北海道の現状として、これは知事自身だって答えているじゃないですか。北海道堂垣内知事が、こういう産業の実態を踏まえて、地域経済を踏まえて、この線はいかなることがあっても残さなければならないと、これは道議会で答弁しているじゃないですか。ここにありますよ、会議録。お読みなさいこれ、後からやりますから。
 こういう認識を踏まえて私の言いたいのは、そういう状態はこれだけではないんだよ。先ほどあなたがそういう答弁をしてますけどね、これは北見の商工会議所の事務局長が言っているんだ。どういうことを言っているかというと、こういうことを言っている。いまダイヤが、貨物をトラックから切りかえていっても輸送量が少ないと、荷積みが少ないんだとこういう言い方だけれども、ダイヤが回ってこないからこれは対応できませんとこう言っているんですよ、農産物の場合でも。これは現に北見の商工会議所の事務局長が言っているんだ。どういうことを言っているか読みますから。
 これは、あくまでもダイヤ改定のたびに、あながち需要者のニーズにこたえるようなダイヤの改定がなされていないと。公式の場でこれは言っているんだよ。使用するにしても、その輸送が非常に不便になってくるという問題があります。こういうことでやむを得ずトラック輸送にかえた面がこれは一部にございますと。特に一つのデータですが、北見は網走管内の拠点都市でありまして、農産物の輸送、石油、木材、セメント等もここが一つの基地にいまなっている。その農産物の輸送、青果物センターの輸送状況、どういうトラック輸送の状況になっているかということをデータで数字を挙げている。五十三年度の場合は四六%、貨物依存度が。ところが五十四年度は六一・三八%となっているんだ。これはこう現実に答えているんです。これは北海道商工会議所もあなたのところの国鉄の管理局も認めているんですよ、これ。こういう実態をただ無視をしてごまかしのことを言ったってだめだよ、これは。あなた、うそだと思ったら、これは北海道商工会議所の公的な地方線廃止協議会の場で陳述した発言ですから。こういう問題について、それじゃどういうふうにお考えになっているんだというんだ。全然あなた当たってないんじゃないか、私の言っていること。それ、うそだというなら否定しなさい、あなたの方で。
#16
○説明員(加賀山朝雄君) 地域地域によりまして列車輸送ダイヤというものがどういう形であるかということは、いろいろな輸送の態様があるわけでございまして、国鉄といたしましてはできるだけ、貨物輸送というものは小単位で送りますことは大変不経済でございますから、できるだけ集約的な形に送っていくという態様をとっているわけでございます。その結果、まあ最近におきましてはかなり道路に、自動車の方に荷物が移っていくというような傾向の中で、どうしてもいま先生御指摘のような地域におきます貨物列車というのは本数がきわめて少ないわけでございまして、その結果非常に不便であるというようなお声が出てきている点があるかと思いますけれども、やはりそれをそれじゃきめ細かい貨物輸送を小単位でやるということになりますと、これはますますコスト高にもなりますし、また非効率な輸送になっていくという形で、現在いろいろ現地の実情に応じました形でダイヤを設定をしてきているという形でございます。それにはやはり、どういたしましても昔のようにすべてが鉄道に依存されていた時代ではございませんで、自動車にかなり依存をしているという態様の中で、現在の貨物の輸送態様というものはいま申し上げたような形になっている。
 それから、私どもといたしましては、五十三年あるいは五十五年の十月にやりましたダイヤ改正におきましても、やはり貨物のコスト赤字というものが国鉄の赤字の中で大変大きな部分を占めているわけでございまして、その意味からも能率的な輸送をいかにしてやるか、その中で荷主さんのいろいろなサービスに対応できるような形にどうしたらいいかという形できているわけでございまして、いま御指摘のような点はなかなか現地の実情からいって一〇〇%荷主の御希望におこたえできない点があるということはやむを得ない状態ではないかと考えております。
#17
○対馬孝且君 いまお答えいただきましたが、これは先ほども私が、時間がないから具体的に言わないんだけれども、石炭輸送の問題にしたって、先ほど言ったように、これは一・七一倍高騰するというのが道議会の石炭特別委員会の場で公表され、これは道庁側も確認しているんですよ。これが一点。
 もう一つは、いま言った北見の商工会議所における発言の、農産物、セメント、あるいは油、木材、こういう関係についても依存度が逆に高まってきている。こういう認識をいま私やりとりしてきたわけですが、そこで総裁にちょっとお伺いしたいんですが、こういう現状の北海道の実情、あるいは北海道以外の地域の実情、こういう問題について、私は少なくとも国鉄として、住民の足を守るだけではなくて、私は地域経済、産業の壊滅的な打撃を受ける、たとえば石炭産業の例を時間がないから挙げているんだが、ほかにもたくさんありますけれども、そういう問題については私はこの法の第八条の四項にありますように、ただ知事の一これは後で大臣にも聞きますけれども、知事の意見を聴取するという姿勢だけではなくて、むしろこういうものに対してどう対応していくのか、これが一番いま住民が求める声なんだよ。これは毎日のように陳情団が上がってきている。あなた方の方でいけば、法案さえ通してもらえば後は何とかしますと、こういうごまかしの答弁になっている。そういうごまかしはやめた方がいいんだ、ぼくらに言わしたら。私が言いたいのは、いまやりとりしたけれども、こういう実態、ぼくは実態を挙げているんだ。この実態論を踏まえて、総裁としてどういうふうにこれからの地域の実情に対応していくのか。どうあるべきなのか。このことをひとつ総裁に聞きたいと思います。
#18
○説明員(高木文雄君) 地方交通線の問題が国鉄経営にとりまして大変圧迫材料になっているという御指摘を受けまして十年以上の時間を経過いたしております。その間、私どもといたしましては、私どもなりに各地域の皆様と御相談をしながら、何とか合理的な方法はないであろうかということを御相談いたしたわけでございますが、まあ全国的に見まして、やはり鉄道もあった方がいいということで、今日までローカル線についての能率的合理化、能率的な運営というものへの切りかえがなかなか進まなかったわけでございまして、今回の法案でお願いいたしております最も重要なポイントの一つは、いろんな意味で、旅客につきましても、貨物につきましても、いわば足を確保するということが絶対条件だというふうに考えられており、それを発見するためにお互いに御相談申し上げて、その方法を見つけ出すために協議会という制度をつくっていただくことをお願いをいたしまして、今回の法案でもそういう形になっておるわけでございます。
 したがいまして、協議会においてあらゆる面からお互いに意見をたたき合わして、そしてどうすれば地域の交通を確保し得るかということを、それぞれデータを出し合って議論をしていただくというふうに考えているわけでございまして、必ずや私は何かいい方法があると。現実にいま考えられております線区におきましては鉄道とバス、あるいは鉄道とトラックの併用になっておるわけでございますが、その中におきましてどういうふうにしてトータルとして能率的なシステムをつくるべきかということは、御専門の方々、荷主の方方、お客さん、皆さんでお寄りいただいて、いろいろと実態をお聞かせいただいて、そして皆さんで御相談願うということにすれば、いま御心配いただいたようなことにはならないで移行ができるのではないかというふうに考えております。私どもも長年御利用いただいたわけでございますし、荷主さん、お客さんとして長年使っていただいたわけでございますので、そう簡単に私どもの方が、経営上うまくいかないからもうこれで逃げ出しますというわけではないわけでございまして、御一緒にいろいろ最後まで御相談はした上で、いい方法を見つけた上で転換を図らしていただきたい、こう考えております。
#19
○対馬孝且君 それじゃ通産大臣が見えましたので、ちょっとお伺いします。
 十一日の商工委員会で、私は石炭産業のデータを挙げまして、なお、それから以後、これは北海道道議会の赤字路線特別委員会の石炭特別委員会で出した資料です。これは道庁も確認しています。これによっても一・七倍、トラックの輸送に切りかえることによってコストがアップされる。それだけでなくて、もし仮に切りかえるとしても、先ほど言った施設、道路幅の拡張問題、港の受け入れに対する施設、こういうコストが実はかさむ。これではもう、いま大臣にも大変御迷惑をかけているわけですが、いまや北炭の再建をめぐって重大な岐路に立たされています。こういう時期だけに、ひとつ何とか産炭地路線は守ってもらいたい。これが切実なこの前申し上げた訴えでございます。私は先ほども北海道開発庁に確認しましたが、この前申し上げましたように、新北海道総合開発計画の柱に、何といっても石炭、農産物、海産物、木材というのは四大柱になっていると、こういう基本を踏まえて、この際北海道開発発展のために、ひとつ壊滅的な打撃を受けるこの石炭産業のためにもこれを守ってもらいたいと、このことを大臣にお願いしました。このことについてひとつ大臣のもう一回御所見をお伺いしたい。
#20
○国務大臣(田中六助君) 最も望ましい交通網体系の整備ということを考えますときに、やはりその地方の実情に沿ったやり方、考え方をやらなきゃならないと思いますし、したがって、産炭地は産炭地なりにその地方の実情というものを加味して、私は、交通網体系というものは考えなくちゃいかぬというふうに思っておる考えは少しも変わっておりません。
#21
○対馬孝且君 運輸大臣、いま通産大臣にお答えを願ったとおりであります。総裁も、いまお聞きになったとおりであります。それで私が言いたいのは、こういう北海道の、あるいはほかの過疎地帯、全国でも相当あるわけで、九州あるいはそれぞれの地域にございますけれども、私がいま申し上げたいのは、非常に北海道の場合は、大臣も知っているとおり、二百十二市町村のうち十月末現在で二百四の市町村が反対決議しているでしょう。大臣、これ御承知でしょう、このことは。しかし、知事も、これは北海道全道民を挙げてこの際ぜひ北海道の総合開発のためにひとつ残してもらいたいと、これは会議録にちゃんと載っている、知事の答弁が。そういうことを踏まえた場合に、いま、開発庁もお答え願っているように、通産大臣もお答え願ったように、私が言いたいのは、少なくともそれぞれの十四支庁がある、それからそれこそ線別でもいい、もうすでにこれは法によって協議会できるわけだから。そこで私は、第三セクターなりあるいは貨物やあるいはバスによって取りかえることができるかどうか、その検討はいいというんだ、ぼくは。しかし、どうしてもだめだと、これを残さなければ。いま大臣もお答えになったように、いま石炭産業は見直しと言っているけれども、いまつぶしてかかっている。つぶれた炭鉱がいまでき上がるんだから、これ守ってもらわなきゃならぬということで、いま夕張が壊滅的打撃を受けるということで通産大臣に御苦労願っている。そういうときにこれをやられたら、これあなた、石炭産業見直すどころか石炭産業ぶっつぶすためにこの再建法を出すということになるんじゃないですか。
 私が言いたいのは、そのときにそれぞれの十四支庁なり線別の協議会でいろいろやったが、結果的にはこれを残してもらいたいと、こういう答えが出されたときは、これは当然知事を経て異議の申し立てをされると思うんでありますが、その場合は運輸大臣としてはこれを尊重すると、こういう態度をやっぱり堅持してもらいたい。その点、ひとつ総裁と大臣、両方にお伺いします。
#22
○説明員(高木文雄君) いまもお答えいたしましたとおり、従来はどうも国鉄自身が関係市町村とお話をいたしましたけれども、私どものできることというのは限界がございます。今回の場合にはもう少し広く道路行政なりあるいはトラック輸送の行政なり、さらには地方自治行政のそれぞれの御担当の方々と御一緒に集まっていただいて協議をするわけでございますから、私は必ずや何らかのいい方法を見つけ得るというふうに考えておるわけでございまして、決してそのことによってその地域全体の振興に重大な差しさわりがあるとか、あるいはいろんな意味において足を確保できなくなるということもあえてして、レールをやめてしまうというような考え方は持っていないわけでございますので、その点はどうかひとつ御理解をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど通産大臣がお答えになりましたように、その地域の実情なりあるいはまた代替輸送機関の状況なりあるいはその地域におきます経済の発展の方向等を勘案いたしまして、要するに輸送手段の確保ということが大事でございますので、それは当然運輸省としてやらなければならぬと思うのでございます。それと国鉄の責任でやるということとはおのずからまた別に考えていただかなきゃならぬことでございまして、私たち、おっしゃるように輸送の責任については十分にわれわれもその対策をとっていくということを申し上げておるわけであります。
#24
○対馬孝且君 そこが問題なんです。だから、輸送という言葉であなたは、みんな地方自治体の首長、市町村をごまかしているのはそこなんだよ。あなたが来て、陳情しようと言えば、運輸大臣はよく話わかってくれたと、法律さえ通してもらえばわがところを残してくれると言っていると。その輸送手段ということでごまかしている。
 私の言っているのは、国鉄としてこれをやっぱり維持をしなければ、北海道の経済あるいは産業文化が破滅をすると、地域経済が打撃を受けると、壊滅的打撃になると、このことを言っているのであって、だから私がいまお伺いしているのは、知事からそういう協議会を通して、いろいろな階層が、もちろんこれは地域住民の代表、労働者の代表、また同時に、これ産業の代表、こういうものを全部入れてもらって、その協議会で十分議論は尽くしたが、しかしどうしてもやっぱり第三セクター――まあ時間がないから、これは後で同僚議員から出るからぼくは省きますけれども、第三セクターと言ったって現実に市町村だって言っているじゃないですか。五年後までめんどう見ると言ったって、五年後の先、どうやってわれわれに出せるんだと、金びた一文出せませんよと。いま産炭地は一割八分自治だよ、現実に。こんなところで金出せるわけないじゃないか、はっきり申し上げて。自治大臣もいるけれども。
 それじゃ第二特別交付金でもつくって国から金おろすのかとぼくは言いたいんだよ。そんなことできっこないでしょう、現実の問題として。だから言っているのであって、そういうふうに協議会で十分議論をし尽くしたが、結果としてこれはやっぱり知事もこれだけは残さなきゃならないと、当然残すべきであると、こういうことになった場合は、これは運輸大臣としてやっぱりこれは尊重すると、こういう態度を私は堅持すべきじゃないか、そういう考え方をお持ちじゃないかと、また持ってしかるべきじゃないかと。それをしゃにむにとにかく見切り発車するのだということを言うから、これじゃ暴挙だと言わざるを得ないのですよ、私の言うには。その点は、だから何も十分協議会で議論をし尽くして、あんたも言っているじゃないですか、これ全国知事会で、十分に知事の意見を尊重しますとあなた自身も言ったじゃないですか。それであるならば、やっぱり意見の尊重をしていくということは、そういう産業経済、地域経済に与える影響がどうしてもあるとするならば、これはやっぱり国鉄の路線で守ると、このことをはっきりしてもらわぬと、その輸送手段でもってなんて、そういうごまかしを言ったらだめなんだよ。国鉄路線でやっぱり守っていくということをはっきり示してもらいたい、そういう考え方を持ってもらいたいと、こういうことなんだ。
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちも十分、それは荷物でございますから、貨物のことでございますから、これは経済的に話をすればよくできる話だと思うのであります。
 ところで、先生も一緒に考えていただきたいのは、それではいままでほとんど一〇〇%鉄道に依頼しておったこの石炭輸送が、なぜ今日四十数%のシェアに落ち、五十何%というものがトラック輸送になってきたか。そこをやはり炭鉱側とも十分に話をしなきゃならぬと。そうしてその輸送の体系をここに組み込んでいこうという場合には、それは貨物のことでございますから、相対契約で、要するに国鉄とその荷主の間で話ができるということであるならば、それはそれなりの方法は国鉄でやるのか、あるいはそれだけ鉄道の利用によって炭鉱が利益が保障されるというのだったら、炭鉱自身がやっぱり鉄道をどう考えるかということにもあると私は思うのでございまして、でございますから、いわば石炭につきましては、先ほどもお答えいたしておりますように、輸送手段をどうしてとるかということが大事であって、これは絶対国鉄でやるんだ、いや国鉄ではだめなんだと、私はそういう議論はまだいまいたしておらないところであります。
#26
○対馬孝且君 だからね、その輸送手段については、トラックで切りかえるということが、トラックではもうコストアップになり、輸送が麻痺状態になると、こういう答えが出ているんだと私は言っているんですよ。あなたこれから検討すると言うけれども、検討結構だよ、結構だが、北海道の道議会でさえ、これがはっきりもはやコストアップと輸送手段をさっき言ったでしょう、私が。最低でも一分三十三秒で十トン車一台走らさなきゃならぬ、長くて四分に一台走らしたらいま北海道の交通は麻痺しますよ。こういう問題から考えた場合に、少なくともこういう状態についてはやっぱり特殊事情として判断をしなければならない。またどうしてもこれだけは残しておいてもらわなきゃならぬ。これは私が言っているんじゃない、知事が言っているんだよ。そういうことなんだ。当然のことだと思うんですよ。
 私はそういうことについて、その輸送手段というような抽象論じゃなくて、やっぱり基本は国鉄で守るということをしてもらいたいということ、しかも知事の意見というものは尊重すると、この二点をひとつ大臣、この段階に来てからそんなことを言ったってだめなんだから、それは全国知事会でもあなた、尊重していると、こう言っているんだから、それは尊重するという構えでやっぱり取り組むなら取り組むということをきちっと答弁してくださいよ。
#27
○国務大臣(塩川正十郎君) 当然私たち心積極的に取り組まなきゃならぬのでありますが、先ほども申しておりますように、これからの輸送の問題、これはやっぱり荷主との間に――私は旅客の場合と、荷物の場合と、貨物の場合とはおのずからその対応も違ってくると思うのであります。仰せのように鉄道を廃止したとするならば、いろんなケースをおっしゃってましたが、そういう数字が出るのかもそれはしりませんけれども、今日石炭がどんどんとトラックで運ばれておるということもあるわけでございまして、そこでこれからそういう荷物は鉄道にかえてくれると、もうトラックじゃなくて鉄道にかえてくれる、これは相談の方法だと私は思うんです。だからそういうことを相談した上で決めさしてもらいたい、こういうことを言っておるんです。
#28
○対馬孝且君 時間があれですから――それは石炭会社がトラックに好んでかえているんじゃないんだよ、大臣。あんたは現地に行ってないからわからないんだよ。ダイヤが、貨車が回ってこないからやむなくトラック輸送に切りかえておるんですよ、実態は。そんなごまかし言ったって、私は石炭屋なんだから、わかっておるんだから、現実にそれじゃ苫小牧北電一号火力に、何月何日までにたとえば十万トンの石炭を持ってきてもらいたい、こうなった場合に、それじゃ北電の契約、約束日に持っていかなかったらこれどうなるんですか、貨物ダイヤ回してくれと言ったって回ってこないんだよ。やむなく、コストは高いけれどもやむにやまれず北電にこれ納めなきゃならない、そういう現状だっていうことを踏まえてもらえば、いま大臣も言っておるんだから、全部一〇〇%国鉄の貨物移動しますよ、これ。石炭業界みんな言っているんだから。そうしてもらいたいと言っているんだ。ダイヤを回してもらいたい、貨車を回してもらいたい、こう言っているんですからね。そういうことを踏まえて、産業を守る、地域経済を守る、農産物を守る、あるいは木材輸送を守るという観点で、ひとつ大臣、もう一回真剣にこれを見直して、検討をし直して、取り直してもらいたいと、こういうことで、どうですか、その点。
#29
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃる御趣旨は、私もよく体しまして、検討はいたしてまいりたいと思います。
#30
○対馬孝且君 それじゃ終わります。
#31
○丸谷金保君 冒頭に、いま対馬議員の質問を聞いていて、また御答弁を聞いていて、感じたことが一つございます。
 きょう聞いた話なんですが、55・10で尼崎の貨車の乗り入れができなくなりました。そのため、北海道でいままではバレイショ何百台とこの尼崎の市場に送っていたのが、今度は尼崎の方の市場の関係者から、十三キロほど車で横積みして、経費もかかるし大変だからこれからひとつトラック輸送に切りかえてくれという要望が出ております。これ、どう考えますか。相当な量です。バレイショですからね。
#32
○説明員(高木文雄君) まことに申しわけございません。私もその事情は聞いておりません。ただ、基本的には、最近北海道と本州との間の貨物輸送量が少し減ってまいりました。一昨年から特にバレイショにつきまして保冷コンテナを使うことによって増送をさしていただきたいということで、北海道の農業協同組合等とお話し合いをいたしました。ここ一、二年バレイショの輸送がふえてきております。私ども大変いいお客さんだと考えておるわけでございまして、いま具体的ないまの話は聞いておりませんので、至急検討いたしますが、基本的にはそういう長距離のもの、特にバレイショのようなものについては私どもとして運べるようなことを考えたいと思いますが、いま恐らく受け入れの方の問題だと思いますので、その辺調べた上でまたしかるべく御回答を申し上げたいと存じます。
#33
○丸谷金保君 これは調べなくてもわかっているんです。受け入れる方で引き込み線なくなったからトラックにかえてくれと言われれば、やはり売る方は弱いですからお客さんの言うこと聞かざるを得ない、こういう形で貨物輸送が減っているという一つの事例として大臣ひとつ受けとめておいていただきたい。
 その根本的な問題は、先ほどから対馬議員が言ったように、貨車の回りが悪いというのが大きな原因だったんです。御承知のように、大体北海道からは重たくて値段の安いものが出ます。原料にしても昔からそうですが、おおよそ三倍入るのと出るのと目方は違うと、こう言われておるんです。これはいまの時代になってもやはり同じだと思います。そうしますと三台に二台は空で回してもらわなかったら積めないんです。それをいろんなそろばんをはじく中でなかなか回らないから空では回したくないというようなことです。で、さらでだも逃げるお客さんを追っていろいろ研究して逃がしていると、こういう実情はしっかりひとつ受けとめておいてもらって御質問に入らしていただきたいと思います。
 最初に総括的なことで、これはもういままでもずいぶん論議されたことだと思います。思いますが、どうしても聞いておかなければならないのは、国鉄というのは公営企業、で、私たちは、自治省から教えられた公営企業というのは、本来公営企業というのは幾らでももうけてもいいというものじゃないと、できるだけもうけを少なくしてバランスをとっていくために、そして公共福祉のためにあるんだと、何でももうければいいというものは私企業に任せればいいんだ、こういうふうに教えられてきました。水道にしても運送にしてもそういうものだったと思うんです。したがってそういう観点から、いまこの再建法案を提出する段階において、国鉄は一体私企業並みの独立採算制という企業性を追求するのか、公益性を追求するのかという二者択一の段階になった場合にはどちらをおとりになるつもりか、運輸大臣のひとつ御所見を承っておきたいと思います。
#34
○国務大臣(塩川正十郎君) 日本国有鉄道公社として、これはあくまでも政府にかわる事業を代行しておる機関でございます。でございますから、公共性ということも大事でございますし、また同時に、これなぜ公社にしたかと言いますと、やはり負担の公平、国民から見ての負担の公平ということがやっぱり原則であった。そのことは、やはりあくまでも経済性も尊重しなきゃならぬということでございまして、右か左かと割り切って答えられる問題ではないと。要するに公共性を、これを実施していくために、やはり独立採算と申しましょうか、経済性も重んじてやっていかなきゃならぬと、そうでなければ、維持、発展できないものであると、両方とも満足していく方法を考えざるを得ないと、こう思います。
#35
○丸谷金保君 いまの御答弁ですと、どちらにもつかないことになります。その真ん中あたりだろうと。国鉄運賃法の一条の中で、そのことはやはりわからないような形で出ております。第一点としまして公正妥当であること、それから二点は、原価を償うものであること、ここら辺は企業性ですわね。しかし、産業の発達に資することと、賃金及び物価の安定に寄与すること、この三、四はどちらかというと公共性なんです。そうすると、この両方を追求していくということになると、なかなか企業の採算性ということだけではいかないわけです。当然そこには国の責任において処置すべきものというのが大きなウエートになってくる。ところが、戦後そういう点で国の手当てというのは非常に浅かったんじゃないのだろうかと。
 たとえば、自治大臣にお伺いしますが、地方自治体が病院やっております。これもまあ公共的なもので、独立会計ではあるけれど、公共的な事業です。しかし、たてまえとしての独立採算制は要求されております。しかし、軒並み自治体病院というのは赤字です。そのとき、自治省はこの赤字債の処理について、一般会計、いわゆる税金ですね、税金で持った場合にはその二分の一程度を措置してくれるというふうな指導をして、病院の赤字債の解消を指導しておりますね、いかがですか。
#36
○政府委員(土屋佳照君) 自治体の経営いたしております病院につきましては、その公共性を重んじて自治体がその地域に設けてやっておるわけでございますが、ただいま御指摘のございましたように、私どもとしては採算がうまくとれることを念願しておりますけれども、赤字を生じてきたために、現在、所要の財政措置を講じて一般会計から出した部分の特定部分について特別交付税で見ておるということをいたしております。
#37
○丸谷金保君 運輸大臣、国が地方に対しては、公益性のある公共事業についてはそういう指導をしているわけです。御存じだと思うんですが。そうすれば、原則として独立採算というか、企業性も加味しながら、しかし運賃法の一条でさえも半分は公共性ということをうたってるんですから、当然半分くらいは国が税金でめんどう見なければならない性質のものでないんでしょうか、どうでしょう。地方には国はそういう指導をしているんですよ、赤字が出た場合に。
#38
○説明員(高木文雄君) 私どもいま、私どもの一つの基準として、幹線という概念と地方交通線という概念とに分けておるわけでございますが、地方交通線の現状は、大ざっぱに申しまして四千億の経費で千億の収入ということになっております。で、三千億の赤字になっておるわけでございますが、その三千億のうち、約千億余りの金額を現在一般会計からちょうだいをいたしておるわけでございまして、ちょうどいま、病院についてお話がございましたが、まあ病院の場合は一般会計が持たれた場合にそれを特別交付税で見るというルールがあるんだとおっしゃいましたけれども、私の方も現在、地方交通線の赤字につきましては千億ほどいただいております。
 ただ、現状、このいただいております金は最近急激にふやしていただいたわけでございますが、現状におきまして、たとえば五十五年度におきましてはお客さんからいただく金よりも国の方からいただく金の方が大きくなっておりまして、なおかつ二千億ほど赤字が残るわけでございますが、その赤字は幹線部分の黒字で埋めるといいますか、あるいはまあ赤字のまま後年度に残してるといいますか、そういう形になってるわけでございまして、現在、地方交通線につきまして決して一般会計で見てもらってないというわけではありませんので、その点だけ御説明をさしていただきます。
#39
○丸谷金保君 答弁は簡潔にお願いしたいと思いますが、出している割合なんです。まあ、これはもう皆さんに申し上げるのは釈迦に説法ですが、確かに出ております。しかし現在、諸外国に比べますと、これはもうパーセントから言って問題にならない数字ですね。それはもう御存じだろうと思うんです。まあ明らかにするために申しますと、イギリスが最近の数字で五二%、運賃収入に対して。それから西ドイツが五五%、フランスが五六%、日本が二八%、これは国鉄本社の計画主幹の山田さんという方の著書の中に出てくるんです。しかも、西ドイツの大蔵省で聞いたところ、国鉄はもう国の所有だと。日本がこの赤字のたな上げその他について借入金で処置しているということについては、ドイツの大蔵省は信じられないと、こう言ってるんですね。
 で、いま総裁の言われたように、確かに国からの助成は最近ふえてきました。しかし、それでもまだまだ全体三千億までいってないんですから、諸外国の地方交通線を残すシステムについていうと問題にならないくらい少ないと。たまたま本年度は赤字の繰り越しの分のいわゆるたな上げとか、そういう形でパーセントがそういうふうな話になっておりますけれど、それは平年度ではそんなことでないでしょう。平年度いまおっしゃったように日本も半分以上だということではございませんわね。簡単にひとつ。
#40
○政府委員(山地進君) 諸外国の例でございますけれども、まあ世界でこの旅客輸送、貨物輸送でこれだけ発展してる国はないわけでございます。いま、ことしは六千八百億の助成をいたしておりまして、そのうちの三千五百億ぐらいはことしの要求でございますとたな上げによる利子が入っておるわけで、これは三千五百億ずうっと続くわけでございます。
#41
○丸谷金保君 まあ、そういう問題、日本政府の国鉄再建に対する取り組み方というのがきわめてイージーな考え方なんで、その点一応指摘をしておいて、次に進ませていただきたいと思います。
 先月、社会党は北海道の地方ローカル線を党として調査いたしました。釧路、それから留萌地方。その中で、非常にこれは不合理だなと思うようなこと、幾つかあります。いま対馬議員からも指摘がありましたが、私も同様な問題についてひとつ、二、三指摘をしてみたいと思うのでありますが、北海道の六二三列車、川湯発七時二分、これが標茶に七時五十九分に着きます。で、釧路に八時五十二分、これは「おおぞら4号」特急が九時に出ますから、これにつなぐための時間帯で、やむを得ないんです。しかし、ところがですね、標茶で今度は中標津方面に行く四三二三という列車が七時四十九分に発車してしまうんです。十分後に入ってくるまで始発の駅で待ってないんです。待てない理由というのは、側線に入れるとそのために信号の旗を振ったりいろんな人も要るし、人件費もかかるからと、こういうことだろうと思うんですよ、多分、答弁としては。しかし、もう一工夫私は企業ならすると思います。どうしてこんなことができないんでしょう。この点ひとつ。
#42
○説明員(高木文雄君) 私も実は余りつまびらかに知らなかったわけでございますけれども、最近調べてみますと、いずれにしましてもこういう地区については非常にお客さんが少ないものでございますから、標茶を中心にして、上りといいますか下りといいますか、どちらに重点を置いて接続をスム−ズにするかということで、両方をよくすればもちろんよろしいわけでございますが、お客さんの数も少ないし、列車も余り走らせられませんので、どちらを重点に置くかということについて悩みがあったようでございまして、現地からの報告によりますと、むしろ標茶と釧路方の乗り継ぎを便利にしてほしいという地元の方の御要請があって釧路と標茶の間を便利にしたと。結果的に標茶と川湯との間が不便になったと。そこでお客さんの数はといいますと、やはり釧路−標茶間のお客さんの数が非常に多いということであり、標茶−川湯間のお客さんは数が少ないということであったので、お客さんの多い方の乗り継ぎを便利にした結果、お客さんの少ない方の線のあれが不便になりましたと、こういう報告を受けております。
 これは、接続の問題というのは非常にむずかしい問題ですが、やはりお客さんの多い方により便利にということにならざるを得なかったのかなと、私はいまそういう感じを持っております。
#43
○丸谷金保君 どうも質問の要旨よくわからないようなんで、総裁、私の聞いているのはそういうことでないんです。川湯、標茶で乗りかえしないんです。列車はそのまま川湯、標茶、釧路へ行くんですから、どちらのお客を大事にするかということにならぬ、同じ線の上なんですから。川湯始発、標茶通って釧路へ行くんです。いいですか。だからこのことについては、何もいま御答弁いただいたようなことはあたりまえのことなんで、別にそういう乗りかえをしたり、どっちのお客さんが多いからという分かれていく話じゃないんです。だから、むしろ標茶から中標津の方に出る線がこう出ているわけです。ジャンクションですから。これが十分前に出るんです。川湯から標茶を通って釧路へ行く汽車が走りますわね。これ出るのが、途中にポーッというのが見えるぐらいのところまで来ているうちにこっちの汽車が出ちゃうんです。これは十分なんですよ。これは一工夫あっていいんじゃないかと。それはお客さんも少ないかもしれませんけれど、観光時期になると相当――それで三時間も後待つんです。標茶の駅で。するともうぶつぶつばっかりです。こういうところは。これは決して、いまの総裁の答弁とは全然違うことを私聞いているので、そちらの方で言っていただいた方が……。
#44
○説明員(吉武秀夫君) この改正は五月にやったわけなんでございますが、その時点で先生おっしゃるように根室標津に行く列車に対しては両方とも接続しておりました。しかし、ここは地元の方から、札幌から狩勝という列車で釧路に来まして、釧路から網走の方に行くお客さんが約十人ありまして、このお客さんが五十分も待つということに対して非常に不満だという声が前からございまして、そのことを救済するためにダイヤ書きますとここはどうしても三十分ぐらい繰り上げざるを得ない。ところで、川湯の方から来ますお客さんが一人か二人かいらっしゃるので、それもどうするかということをさんざん現地の方でも考えたようでございますが、何しろ地元の方ではぜひ五十分も待つのは困るということでこのダイヤ改正を行ったということで、現在のところは地元の方ではこの方がよろしいという感じで受けとめておられるというふうにわれわれは聞いております。
#45
○丸谷金保君 どうも、東京で北海道の話ですから適当に答弁すればいいと思うか知らぬですが、私は現地へ行って来たんですよ。いいですか。そんなことでないんです。川湯の方から来る汽車が入るときに、そこのレールにその汽車がいたら邪魔になって標茶の駅に入れないから先に立たせるんだと地元では言っているんですよ、技術的には。あなたの言っていることが本当だったら、それじゃ地元が、十分待って乗りかえの客乗せて――ずっと中標津から奥の方は、尾岱沼とか観光地ですから、周遊券で来るお客さんが夏になるとたくさんいるんです。これらのことも考えて、観光地としては、乗り継ぎ便利のいいようにしてくれというふうな要求があればできるんですか、これ。地元からそういう希望だなんて、そういうことを言っちゃいかぬね。実際はそうでないでしょう。
#46
○説明員(吉武秀夫君) 少ないダイヤでいろいろなことを考えるわけでございますので、全部聞けるというわけではございませんが、非常に強い要望の場合にはダイヤ改正のときにいろいろ考えてやるということで、私そういうふうなあれを聞きましたので、先生がおっしゃるようなことももう一回現地の方に確かめてみます。
#47
○丸谷金保君 それから、通学通勤の便ということはできるだけ確保するということでございました、再三のいままでの答弁聞いておりましても。ところがい同じこの時期ですね、中標津を朝五時三十分に立つ通学列車がなくなったんです。当時は通学者いないということでこれを一本、号ごとで廃止しています。しかし、実際にはやはり別海という町から根室へ通っている通学生が五、六人おったんです。これはみんな下宿しているんですよ。こういうのに対する配慮というのをもう少しやってもらわなければ非常に困るんです。これはそういうことですから。同じように増毛、留萌へ行きますと、これは留萌なんか大変です。増毛との間の線がなくなれば。ものすごい通学者です。朝一番に乗って、ずっと一緒に汽車の中で学生とも話しました。汽車通学できなくなれば、うちではとてもじゃないけれども深川に下宿させたり留萌に下宿させるということはできないと。そうかといって、非常に雪の多いところですし、バスなんかしょっちゅうとまります。学校やめるよりないなんという人何人かいました。こういうふうな地域の実情については、いままで再三、通学その他は十分考慮するとおっしゃっておるんですけれど、いわゆる国鉄の公共性の立場から、大臣いかが取り計らう所存ですか。
#48
○国務大臣(塩川正十郎君) 私もそういう実情はたくさんお聞きいたしております。いままで国鉄は、そういう地域でも一日に何本か列車を走らし、そしてその任務にたえてまいりましたが、現在の国鉄の財政状況から申しますと、十二兆円を超える負債を持ち、六兆円を超える累積赤字を抱いておりまして、今回のこの法案で五兆五百九十九億円でございますかの肩がわりを政府にお願いしなきゃならぬ。こういう財政状況になってまいりますと、そういう学童、児童の輸送というものは、これは政府とそれから地方自治体が一体となって、どのようにして確保するかということを相談に乗っていただきたい、こういうことをいまこの法案で問うておるということでございます。
#49
○丸谷金保君 問題は、今度は地方の輸送を総合的にどう確保するかというところに移っていくわけですが、その前に、さらにそういった幾つかの実態をもう少しひとつ認識をしていただいておきたい。
 過般、地行の委員会で自治大臣から、地域の意思、これは最終的には長の決定ということが一番大きなウエートを占めるんだということについて例示しながらお答えをいただいております。いま、先ほどと同じ北海道の町村長ですね、ほとんど挙げて第三セクターには反対だし、それからとにかくバスでは実際上不可能だと、こういう要求が出てきております。
 たとえば池北線というのがあります。池田から北見へ行く、百四十キロ。これなどバスなんかに変えられる仕掛けのものじゃないんです。たとえばその中で訓子府という町の実情が陳情書についてまいっておりますが、ここから出かける通勤者、この数というのが、通勤と通学と合わせますと四百八十名くらい、北見まで行くんです。これバスで、しかもこれはラッシュ時だけに大量輸送しなきゃならない。バスだと八台は要りますわね、通学バス。朝と晩にバス八台、運転手つけて待機させるというふうなことを、これはもう普通の営業バスができる仕掛けのものじゃありません。そうすると、どうしても地方自治体その他が第三セクターというふうな形で考えるか。それにしてもこれが各町村で各町村ごとに高等学校あるわけでありませんし、一連の生活線として、大量輸送でどっと乗り、どっとおりるというふうな形で走らしている鉄道線です。これを廃止して他の方法ということを私たち現地の実情を知る者としては、何としても不可能だと思うんですが、どうなんですか、これらについては。
#50
○説明員(加賀山朝雄君) ただいま先生御指摘のように、池北線というのは百四十キロ、大変長い線でございますが、この池北線の輸送人員というのは大体定期客あるいは普通客入れますと五千人ぐらいが乗っておる線でございますが、これを通して乗るというお客がほとんどおりませんで、ほとんど平均しまして二十人足らずであるというような状態である。したがって、大体二十キロから三十キロぐらい平均の足になっております。一般論で申しまして、バスでそういうラッシュができるかという御指摘でございますけれども、私ども過去に、戦前に鉄道外しておりましたものを戦後鉄道の専用バス道路にしてやっている白棚線というような線がございますが、こういうところの様子を、実態を見ますと、やはり朝集中的に通学輸送をやり、しかも昼間に鉄道時代よりも頻繁なフリクエンシーを増してサービスをしていると。したがって、下校時においては鉄道のときよりもむしろバスの頻度が多いというような形の輸送もやっておりまして、これは地域の実態に応じて道路事情なり何なりに応じて判断しなければならないと思いますが、私どもとしては池北線程度の輸送量というものはバスでやることも十分可能性はあり得るという考え方をとっております。
#51
○丸谷金保君 バスでもとてもペイするようなわけにはいかないと思うんです。ところが国鉄さんは、従来国鉄バスの赤字路線というのはどんどん切りましたよね。今度は幾ら赤字になっても、そういう場合には必ずやるんですか、どうなんです。
#52
○説明員(加賀山朝雄君) この法律の中にも代替輸送の必要については運輸大臣が指示をするという条項もございますし、私どもといたしましては、公共の足は必ず確保するという前提で考えておるわけでございまして、したがいまして、代替したバスを将来やめるというようなことは考えてないわけでございます。
#53
○丸谷金保君 それじゃいままで公共の足を確保するといっていながら赤字だといってやめたバス路線、どうしてくれるんです。不公平じゃないですか、それじゃ。
#54
○説明員(加賀山朝雄君) ただいままで国鉄のバスでいろいろ整理をしてまいりましたのは、いろいろ民間と競合しているような線あるいはもう非常に極端に輸送の少ないという路線でございまして、代替をしていくというような鉄道の路線というのは、やはりかなりの輸送量、バスといたしましてはかなりの輸送量のある線であるとわれわれは考えておるわけでございます。
#55
○丸谷金保君 そうするとかなりの輸送力がなくなったら、鉄道なくなった、駅なくなった、もうこんなところに住んでいられないという気分になって、ばたばたと出てしまうというふうなことになったら、残った人たち最後まで一人になるまで見ますか。問題はそこなんですよ、過疎地としては。大臣笑い事でないんです。何百という過疎地振興の法律出していますでしょう。それなのに国がそういうところに対して手厚い思いやりがないからどんどんどんどん過疎が進んでいるじゃないですか。どうなんです。地方の自治体はそれを捨てられないんです。東京の頭だけで考えてもらったら、今度のこの国鉄再建法案というものはとんでもないことになるんですよ。どうなんです。約束できますか。いままでは切っているんですよ、そちらの方で法律がいままでなかったからと言うけれども、法律をつくっても変えられるでしょうあなたたち、幾らでも基準は。しかも今度政令でやるんだなんて言っているんですから、基準を。国会の場に諮らないでできるような仕組み考えているんでしょう、それは後で問題にしますけれども。どうなんです。
#56
○説明員(高木文雄君) 今回の特定地方交通線を廃止する場合の輸送の確保の最終的な担保としては、法律上、十一条で運輸大臣から御指示があって、そして国鉄がバスで輸送するということになっているわけでございます。そこでいまお尋ねがございました過去においてバスをやめた例があるではないかということにつきましては、確かにそういう事例もあるかと思います。しかし、いま担当常務も申しましたように、そこはそういうお答えがあったとするとおしかりを受けるかもしれませんけれども、やはりある程度のお客さんがあるという場合を考えざるを得ないわけでございまして、もし過去において相当量のお客さんがあったのにやめたという事例があるとすれば、われわれとしても反省しなきゃならぬというふうに考えます。
#57
○丸谷金保君 事例があるから私質問しているんで、ちょっとここで申し上げますがね、北海道の池田町でいま町営のバス路線二十七キロ、三路線走らせております。これは要するに採算が合わなくなったと、まだ利用者ずいぶんあったんですよ。通学もあったし、それから特に冬になると、裁縫に農村の人が町に通うというふうなことで相当な需要もあったんです。しかし、国鉄はこれ赤字ということで廃止しました。で、やむなく町がこの路線を引き受けて自治体で経営しているんです。たとえばつい最近の例を言いますと、年間の収入が約一千万程度です。それから支出は二千万くらいです。で、一千万程度赤字になります。これはいま自治省が約これの六割、五十二年に六百万、五十三年六百万、五十四年は五百八十三万というふうに国の方からこれは地方自治体が現在の方法でバスをやっている場合には援助があります。しかし、今度国鉄が自前でバスを走らせた場合には援助ないですわね、鉄道の線路のかわりに、これは。その場合には国からあれですか。
#58
○説明員(高木文雄君) 実は、従来そういう点で非常にアンバランスでございまして、私どもは補助をいただけなかったわけでございます。したがいまして、やはりどうしてもついついそういうもののバス路線をやめましてということだったんですが、それは余りおかしいじゃないかということでお願いをいたしまして、ごく二年前か三年前から私どもの方も、過疎バスと言われる地方公共団体について、あるいは民間バスについて、運輸省から補助を出しておられるのと同じ線区についてはお金をいただけるようになりました。したがって、今後はいろいろ対応の仕方もあろうかと思っておるわけでございます。
#59
○丸谷金保君 どうもちょっと、私の方の聞き方が悪いのか総裁の方の答弁の仕方が上手なのか、すれ違うんです。私の申し上げていますのは、国鉄がそのまま国鉄バスをまた赤字になるのを覚悟で始めた場合に、国が制度的にそれに補助金を出すのかということなんです。五年間の時限立法というようなこともありますけれども、そういうのとは違うんです。制度としてそういうことが確立しているかということです。あるいはまたこの法律の中で確立するのかということです。
#60
○政府委員(山地進君) 現在私どもの予算で考えておりますのは、五年間は国鉄バスが特定地方交通線にかわって運営する場合には全額国から補助するということを考えております。
#61
○丸谷金保君 それはあなたが答弁していますよね、全額国で出すと。新聞にも出ていました。そのことを言っているんでしょう。私の聞いているのはそのことじゃないんです。それはもうわかっているんですよ。新聞ここに持ってきています。切り抜きも。しかしそれは五年の後どうなるんです、それから。いいですか。駅がなくなったりすることで住民の感情が沈滞してばたばたと過疎が進むというときになって、利用者が少なくなってきたときにでも、それはあくまで将来ともに国鉄の責任で運びますと言うのか。で、言うんなら国は不公平じゃないかと。いままで廃止したところはどうしてくれるということです。バス路線でも。国鉄の経営したこと同じなんですから。いいですか。だからどっちにしても不合理じゃないかと思うんです。どうです。どっちの答弁でもいいです。やってください。
#62
○政府委員(山地進君) 過去のことについて私も余りつまびらかにはいたしませんけれども、過去の恐らく国鉄のバス路線の廃止については、現地においていろいろとお話し合いの結果バス路線を廃止したのではないかと思うわけでございます。
 それから五年後の話でございますけれども、五年たちました後は、従来からの国鉄バスに対する過疎バス補助ということで半分の補助をいたすということになると思います。
#63
○丸谷金保君 大臣、いま話を聞いていますと、特に自治大臣聞いてください。結局最後は地方にみんなしわ寄せになるような話です。自治体に。あとはまた相談してというふうなことですね。その場合に地方自治体の長は投げられないんですよ。いままでの国鉄バスその他の廃止になったときでも、自治体では引き受けてやらざるを得ないんです。赤字になっても。で、やりますとほかもやらなきゃならないんです。
 そこで第三セクターの問題になってくるんですが、第三セクター、第三セクターとこう言っていますけれども、全国でどこか一カ所こういうことをやりますと、あの市長や町長がやれたのにうちの市長や町長どうしてやれないという話に変わるんです。これはかつての過疎バスがそうだったんです。私は過疎バスの第一号、私の町が第一号なんです。私は切符切りまでやりましたよ。正月は女の子を切符切りさせられない、町長や助役や収入役が一日ずつ出て切符切りやろうやと。そうすると、それはふだんは余り乗らなくてもそういうときにどっと乗るんです。正月とかそういうときは。そしてふだんは乗らなくても、ああ役場はおれたちの地域を見捨ててないんだということで農作業に励む力がわくというんですよ、そのからの車が走っているのを見ただけでも。私は政治や行政というのはそういうものだと思うんですよ、原価ただの税金をいただいているんですから。そして私のところはやりました。そうすると近隣の町村もやらざるを得なくなって、私は大変うらまれたんですよ、えらい金のかかることやってくれたと。そうすると、たちまちのうちに全国に過疎バスというのが定着したんです。国もほうっておけないから、基準財政需要額にも入れるわけにもいかないしということで、特交要因だとかいろんなことで見ておりますわね。見ざるを得ない。最初はなかったんですよ。そうすると、同じことが第三セクターも起こりかねないんです。
 そうすると自治省、そんなのめんどう見れますか、さなきだにいまの交付税だとかそういうのが少ない中で、特交要因とかなんとかということで、膨大な第三セクターというものができ上がってきて。それは設備は貸してくれるとかいろんな法律はありますよ、ありますけれども、経常経費その他こういうものの赤字は莫大になると思います、私もバスをやった経験からいって。なぜなら、朝と晩しか人はよけい乗らないんです。真ん中は遊びになるんですよ。そういう場合に、全国で何万台というバスも必要になるし、第三セクターで汽車を動かすにしたっていまよりもっとひどい赤字になることはもう目に見えています。そういう場合に、一体第三セクター、第三セクターというようなことで、いやそれは無理に押しつけるんじゃない、地方自治体がどうしてもやりたいと言えばやらせるんだというようなことにはならないんです。この点について、自治省としては腹を決めてかかって閣議了解事項として第三セクターを入れているんですか、どんと来いと言って。閣議は了解しているんですよ、おたくたちの申し合わせは別だけれども。運輸省と自治省の申し合わせは別です。非常にニュアンスが違いますけれども。
#64
○国務大臣(石破二朗君) お答えいたします。正確な御答弁は後刻担当の局長からお答え申し上げることにいたしまして、今回の特定地方交通線の廃止に関しまする私の基本的な考え方を申し上げてよければ申し上げたいと思います。
 自治省はこの特定地方交通線廃止については、当時私はおりませんけれども、恐らくまあいやいやながらやむを得ず賛成したんだろうと思うんです、いやいやながら。と申しますのは、現在の国鉄は御承知のとおり労使の懸命の努力にもかかわりませず年々膨大な赤字を生じております。このままで放置しますれば国の財政の基本を揺るがしかねないような重大な事態に至っております。と申しまして、現在高木総裁、高木さんをおいて私はほかのこれ以上の経営者はないと思いますけれども、五年ばかりにわたり懸命の努力を払っていらっしゃいます。で、これ以上どうも国鉄さんに現状の鉄道経営をお願いするのも無理であろうと考えて、いやいやながら承知したんだろうと思うんです。しかしながら、御承知のとおり、運輸省の設置法を読んでみますと、運輸省は陸運について責任を持っていらっしゃるはずであります。国鉄は陸運について責任は持っていない。法律上は明確になっていないようであります。国有鉄道法を読んでみましても。
 しかし、運輸大臣は陸運について責任を持っていらっしゃいます。ただ、これは程度がありまして、もう一人の人を何百里も運ぶ責任があるかということになりますと、これはおのずから常識の判断に任す以外にないと思いますけれども、そうなっております。したがって、これ以上国鉄さんにあれこれめんどうを頼んでも無理だろうと、だからこれだけ国鉄さんの肩の荷を軽くしてあげますから、その他の路線の経営に全力を挙げて、これ以上国民に迷惑をかけぬようにしてくださいと。しかし、といって今回切り捨てられる輸送について運輸大臣の責任は私は免れるものじゃないと。幸いに二年間という期間もあります。二年間に、またその前にでありますけれども、私、政令制定の段階で自治大臣の同意を求められることと思いますけれども、同意を求めるに当たりましては都道府県知事の了解を必ず得た上でないと同意はすまいと、かように決心いたしております。都道府県知事はもちろん管内の市町村長の御意見を尊重になって態度を決められるものと思っております。あれこれ具体的に申し上げたいこともありますけれども、基本的な考え方だけ申し上げ御理解をいただきたいと思います。
#65
○丸谷金保君 大変重要な発言だと思いますので再度確認をしたいと思います。
 地方の知事が承知しなければ私は承知しませんと、そして知事は恐らく地域の市町村長が承知をしないものは承知しないだろうと、そうすれば、二年間たったら見切り発車するっていうものは当然これ修正しなきゃならないんじゃないですか、どうですか、自治大臣がそう考えているとすれば。それから閣議了解は五十四年十二月二十九日「日本国有鉄道の再建について」ということで、この中に「輸送密度二千人未満の路線についてバス輸送又は第三セクター、民間事業者等による鉄道輸送への転換を行うこととする。」とありますからね、いいですか、それどうだったかなんて、前の大臣がやったことでも、これだけ重要な問題ですからやっぱりちゃんと受けとめておいていただきたい。閣議ではこういうことになっているんです。
 それから、運輸大臣どうなんです。いまの自治大臣の言われたことについて。
#66
○国務大臣(石破二朗君) 先ほどの御答弁を補足さしていただきます。
 第三セクターを私は否定はいたしておりません。運輸大臣と私との間の統一見解として運輸委員会において申し上げましたとおり否定はいたしておりませんが、慎重に対処していただきたいと考えております。
#67
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど自治大臣申されましたこれからの政令を作成する段階において、あるいはまたこれが実施される段階でいろいろと地方自治体の意見をお聞きになる、これは私は当然のことだと思うておりますし、また自治大臣としてやはり地方の発展、民生の向上ということ等、そういうことから見まして当然であろうと思うております。でございますから、私たちもこれの実施等につきましても、今後政令の作成はもちろんでございますが、自治省とも十分に相談をしてやっていくべきだと、こう思うております。
#68
○丸谷金保君 その政令なんですが、大臣は年度内に決定するということを言っておりますわね。いやこれ出てるんだもの、ちゃんと。「国鉄赤字線廃止の政令年度内に閣議決定」、十月二十八日、このとき記者会見して言ってますでしょう。実際にこれできるんですか。一方では高木総裁は政令づくり難航だと言ってるんですよ。これ言ってますわね、十月二十六日。これは恐らく総裁のこういう新聞発表に対して大臣が打ち消してやったんだと思うんです。これは。二十六日の方が先ですから、おたくが二十八日ですから、あわててこれは大変だということでやったんだと思うんですが、そこら辺の感触の違いはこのときどうだったんですか。
#69
○国務大臣(塩川正十郎君) 政令の作成に国鉄の意見は当然われわれも聞かなきゃなりませんが、国鉄は当事者ではございません。でございますから、私が申しておりますように、できるだけ早くということは申して、それで新聞記者の方から大体のめどはいつごろかといえば、まあ通常国会の予算審議の開始される前後、それを一つのめどに政令の制定を急ぎたいと、こういうことを言ったのでございます。
#70
○丸谷金保君 政令の問題は、これは非常に重要な問題で、さらに同僚議員から改めてまたあろうかと思います。
 それで、角度を変えて、いま自治大臣から高木総裁に対して大変おほめの言葉もありました。その高木総裁はこう言ってるんですよ。これだけ自治大臣が信頼している高木総裁は、法案に対する社会党の修正案は、国鉄の将来の経営を考える上で示唆に富む内容だと。これは経営のベテランであり、信望厚い高木総裁としてこれはどういうところをこういうふうにおっしゃったんですか。
#71
○説明員(高木文雄君) 新聞のお集まりで、記者ということじゃなくて、編集とか論説とかという方のお集まりでございます。そういうところでいろいろ意見を、法案審議の過程なりあるいは経過なりというようなことの裏話というようなことを中心にした話を聞かせろという会がございました。非常に国会で慎重に御審議いただいて、たしか衆議院で通過したかしないか、そのころでございますが、非常に慎重な審議が行われておりますよと、そしてまた社会党からも修正案が出ておりますよ、で、その修正案というのも非常にいろいろ長い間、いままでの社会党のお考え方を盛り込まれたものでありますよと、決してそう簡単に審議が形式的に行われたんでなしに、きわめて意味のある議論がそこで展開されました、その一つとして社会党の案というようなものについても非常に熱心な御議論がございましたというようなことを申したわけでございます。
#72
○丸谷金保君 総裁、どうも大変ありがとうございます。実はいま社会党の修正案を当委員会で論議をしてもらうということの話が最後の詰めの段階に来ているようです。なかなか与党の同意を得られなくて、提案ができるかどうかというふうなことがある際ですから、総裁のそういう御意見は今後の国会運営の上で大変役に立つお話を承ったと思って深く感謝をいたします。
 それからもう一つ総裁に質問いたしますが、経営のベテランだということですけれども、総裁が国鉄総裁になられてから一体幾らぐらい赤字がふえました、あなたの責任の。
#73
○説明員(高木文雄君) この点は私も非常に歯がゆく思っております。国鉄の赤字というのは、第一次オイルショック後四十八年、九年から急激にふえまして、私が責任を持ちます前の年についに九千億という赤字になりました。で、その後今日までのところ決して単年度九千億という赤字が減らないという情けない状態が続いております。しかし、その間数年前の間に毎年千億も二千億も赤字がどんどんどんどんふえていったわけでございますが、やっとかっとその赤字が少なくともふえることだけとまったというのがせいぜいのところでございまして、決して胸を張れるような状態ではないわけでございます。
#74
○丸谷金保君 金額でお聞きいたしたかったんですが、経営のベテランだから、自分になってから幾らとすぱっとこうお出しできるかと思って聞いたんですが、もう一度ひとつ、私の責任でこれだけふえましたというのを。
#75
○説明員(高木文雄君) 私の参ります前の五十年度が九千百四十七億円と、お引き受けいたしました最初の年が九千百四十一億円で、三百六十五日がんばって六億しかよくならなかったということを記者会見で申したことがございます。五十二年が八千三百三十九億、五十三年が八千八百六十七億、五十四年が八千二百十八億でございまして、四年半かかって千億しか減ってないという現状でございますし、実を申しますと現進行年度はもろもろの物価、特に燃料費の値上がり等によってまた悪い方に動いておる状態でございまして、決してうまくいってないと、十分思うようにいかないということで苦慮いたしております。
#76
○丸谷金保君 総裁はオイルショックその他というふうに赤字の原因をすりかえておりますが、実は昭和三十三年、当時、石田禮助氏が監査委員会の委員長やっておるときに、もうすでに、このような調子で審議会がどんどんと新線をふやしていけば、将来は大きな赤字を国鉄は抱え込むことになるということで大変心配した談話を発表しているんです。ところが、その石田氏が総裁になりますと――国鉄のその総裁になったんです――一番新線ふやしているんですよ、石田総裁のときに。これはそういうことの批判をした印刷物も幾つか出ております。実際に当たってみると、やはりどうもそのようです。
 これは結局その結論はどうかというと、先ほどいみじくも運輸大臣が言ったように、意見は聞くけれども、決めるのは国鉄でなくて政令ね、政府なんだと、こうおっしゃいましたよね。当事者能力ないわけですよ、国鉄に。だから、私は国鉄だけを赤字の問題で責めるのは酷だと思っているんです。調べれば調べるほど、いまの運輸大臣の言ったようなことなんですから、意見は聞くけれども聞きおくんで、決めるのはこっちだと。そうすると、どんなふうにしても政令の段階で国鉄のつくったいまの再建の基準でも何でも、いや経営上からこうやらなきゃならぬといかに言っても、それは政治が絡んできてどうなるかわからない。ですから、いままでもう何回も再建閣議決定、閣議了解事項なんというようなことで、第一次、第二次、第三次、第四次と、再建計画何遍立てても、いままでちっともよくなってないんですよ。
 経営のベテランの高木総裁はひとつ正直に言ってください。この法律通して、これで国鉄の赤字、あなた解消できると思いますか。いいですか、幹線の赤字が昭和五十二年度で五千七百十一億、いま問題にしている地方線の赤字が二千三百六十四億なんです。収支係数は違いますよ、しかし金額にすればむしろ幹線の方がどんどんふえてきているんです。しかもこれからは、新幹線どんどんふやしていますでしょう、平行して走っている従来の在来線の客やなんか落ちるに決まっているんですよ。こういう中であなたは、一体この法律でもって地方をずたずたにすることだけで問題解決すると思いますか。
#77
○説明員(高木文雄君) 今回の法律の考え方は、昨年の七月に私どもが取りまとめました国鉄再建についての基本構想案というものを下敷きにしておつくりいただいておるわけでございますが、この基本構想案でも実は再建ができるとは申し上げてないわけでございまして、非常に大きな問題として年金の問題というのが今後ますます私どもの経営を圧迫することになります。また、この基本構想案は一応の計画年度を六十年度に置いておりますが、六十年度までには東北、上越の新幹線が開業いたしますけれども、この新幹線はその性格上、開業当初におきましては相当な赤字を生むことになるわけでございまして、まだそのほかにもございますが、主なる点としては年金の問題と東北、上越新幹線の問題についての赤字要素というものが今後ともわれわれの経営を圧迫することになる。ただ、それを除きました部分について、現在の規模での経営につきましては、これはどうにか単年度で収支均衡できるようになるんではないかと、収支均衡といいますか、本当の意味の収支均衡ではありませんが、相当額の補助金をいただいた上で償うようになるんではないかという考え方でございます。
 そして、それのためには、いま赤字線のことをお触れでございますけれども、やはり幹線をどうするかということが重要な問題でございまして、幹線につきましては現在収支係数が一三二というような数字でございますので、大体いまの経費の二割を節することによって収支係数が償ってくるというふうに考えておりまして、御指摘のように大変この地方交通線問題が大きなウエートで議論をされております。それは当然のことでございますけれども、収支、経営の改善という面からいきましたら、御指摘のように幹線が問題でございまして、幹線につきましてはわれわれの手によってコストの削減といいますか、減量経営をすることによって何とか収支係数を一〇〇に持っていきたいというふうに考えております。
 そういう意味で再建に取り組むつもりでございまして、まだそういう点では年金の問題等問題が残っておると、いま経営しているものについてはどうにか償うようになるかなという感じでございます。
#78
○丸谷金保君 大臣、いまの答弁聞いていてわかるように、六十年までに赤字解消できないんですよね。ちゃんと伏線敷いているんです。国鉄の発表しているあれ見ますと、東北とそれから上越の新幹線、これに出る赤字というものを別にしてということを書いていますよね、もう最初から。だから、六十年までに再建はできないんだということを国鉄言っているんです。もうこれはぼくは悲鳴にも似た、何と言うか国鉄当局の叫びだと思います。こんなに政治路線をいろんな形でおっつけられて、国鉄にだけけしからぬ、けしからぬ、労使けしからぬと言っていたって、とてもじゃないがかなわぬよということがこの文章に出ているわけですよ。
 そして、いみじくも大臣言われたように、政令その他については政府が決めるんです。だから、この赤字の一番大きな原因をつくったのは、責任は政府だと。外国のように毎年毎年きちっとして整理していくような財政援助をしないで、しかも鉄建公団その他でどんどんつくらせたやつは借入金にして国鉄におっつけているんです。国鉄は基本構想の中でこう言っています。「工事規模については、借入金依存による投資に伴う資本費の増加が経営の圧迫要因となっている現状からすれば、極力これを圧縮する必要がある。」と。いまの計画新線どうするんです。これはもう国鉄の問題じゃないんですよね。大臣どうするんですか、計画線、AB線、工事はできたけれども動いてない。
#79
○国務大臣(塩川正十郎君) AB線につきましては、それが地元を中心といたしまして第三セクター等で経営のめどが立つ場合には、それの工事を続行すると、こういうことであります。
#80
○丸谷金保君 第三セクターで経営のめど――先ほどから私言っているように、そんなことはとてもじゃないけれども。それに財政援助できるなら国鉄に財政援助したってできるでしょう、もっと。何でそれを第三セクターと言わなきゃならぬです。政府・自民党が無制限に新線計画をして、しりをどんどんおっつけた。そして、そのしりぬぐいだけを国鉄けしからぬ、国鉄の労使けしからぬというふうなことで言うのは、私は大臣、間違いだと思うんです。これはもう本当に将来の国の大事な動脈である国鉄の問題です。しかも、この法律の中によりますと、資産再評価で得た資本蓄積金も取り崩すというようなことがあるんですよね。これは本来国民の国鉄ですよ。株式会社で言えば減額決算です。これをこの法律の中で平気でやるわけです。もう非常に矛盾だらけな、もっともっと慎重に審議しなければならない法律を――何年もかかったうみがたくさんあります――そう簡単に通して、そうしてそれで一体本当にできると大臣お思いですか、再建が。
 第三セクターなんてそう簡単なものでないです。これはもう市町村長泣かされますよ。それはたまにはあるでしょう、どこかやるところ。そうしたら、それはどうしてもそういうことで押っつけられてくるんです。いや、地方がどうしてもわれわれにやらせてくれと言うんならそれもいいでしょうなんていうふうな仕組みでないんです。地方は。まず第三セクターなんという考えはひとつこの際思い切ってやめてもらうということをぜひお願いしたいと思うんです。自治大臣だっていやいやと言っているんですよ、いま。それはもう本当に知事さんやっていたからよくわかると思うんです。地方の事情、自治大臣は。自治省としても、ぼくはいまの地方自治体にそういうものを押っつけて、いまの人員、能力、国鉄の地方線を引き受けて一部事務組合つくってやったって、それはできる仕掛けのものでないんです。そういうできないことわかっているところに、そこへ移すからいいなんていうふうな無責任なことでは、本当に国民のための国鉄として再生できるかどうかということになると、私はできない。もうすでに国鉄はできないということを言外に言っているわけですよ。どうなんです。大臣、ひとつもう少しじっくり時間をかけてこの法案を審議していくというふうなことになりませんか。それこそ、それは本当に国の未来にわたる大変な問題だと思うんです。自治大臣と運輸大臣のひとつ御所見を承りたいと思います。
#81
○国務大臣(石破二朗君) 第三セクターにつきましては、慎重に対処していただきたいと地方自治体に切に要望するつもりであります。
#82
○国務大臣(塩川正十郎君) 国鉄の現在の状況になりましたのは、そもそも産業構造の変化だとかあるいは国土の発展状況、そういうところが、構造的にきたものが私は大きい原因だと思うのでございます。で、AB線の建設も、何も政府が積極的にこれを取り組んだものでもなければあるいは自由民主党の要望によってやったというよりも、そういうことよりも、やはりその地域の方が何とかここへ鉄道敷いてもらいたいという切望、いわば地域住民の要望によってそれがかかってきたのであります。これが、今日の状態になりますと、国鉄のこの財政状況ではなかなか引き受けていくわけにはいかないような状況になってまいりました。それは特定地方交通線においても同じなんであります。
 でございますから、これからの交通のあり方というものは、鉄道は鉄道の特性を生かし、そしてその地域において地域の交通というものはこれは政府あるいは地方自治体一丸となって取り組んでいくべき問題であろうと。時代は、私は、この国鉄再建が論ぜられた昭和四十二年ごろから見ましても相当時代の変化というものが厳しいものもございますし、そういう移り変わり、そしてこれからの将来を見通して地域交通のあり方という中で、運輸省も責任ございますからそれに対処していきたいと。その一環としてたとえば第三セクターのようなという表現でやっておることでございますしいたしますので、御了解いただきたいと思うのです。
#83
○丸谷金保君 そうすると、この法律事項の中にある地方交通線の問題では、第三セクターでなくて、第三セクターのようなというふうにこれは文言を読んでいいんですか。
#84
○国務大臣(塩川正十郎君) 第三セクターもございますし、地方鉄道もございますし、地方バスがやるということもございますし、いろんな対応性はあると思います。
#85
○丸谷金保君 もうわずかなんで、実は地方の要望と、これはいみじくも石田さんが昭和三十三年に言っている言葉でこういうのがあります。「むかし交通機関のない地方では、鉄道開通を文明社会への第一歩とあこがれていた。今でも残っている地元民のこの心理をつかむためには〃バスでは不十分。不便であろうと不利益であろうと鉄道だ〃というのが政治家の感覚だ。」、こういうんです。だから、それは大臣、地方が一生懸命つけてくれと言ったからやったことだというふうなすりかえだかでこの何十年間のそうした不採算路線をどんどんつくっていって、つくって開通式やったきり汽車も走らない路線さえあるじゃないですか。ぼくは、これは国鉄当局はそういうことに対して各時代ともに抵抗したと思いますよ。ずいぶんこぼし話聞きました。やっぱりそこら辺は政治家としては、これは国鉄の赤字をつくった一番大きな原因は政治にもあるんだということを素直にお互い認め合っていかなきゃいけないと思うんです。それでないと解決しませんよ。それが一つ。
 それからもう一つ、実は地方線の問題について、これイギリスの例があるんです。こういうことは国鉄さんなり運輸省の方は十分知ってて、われわれのところにこういういいのがありますよという資料は渡してくれないんだろうと思います。たとえば、イギリスは一九六八年の運輸法で「不採算ローカル線の廃止方針を大きく転換し、社会的に必要なサービスについては、政府が補助金を支出して運営させることとなった。その結果、一九七〇年の補助金は六二〇〇万ポンドに達しているが、」というふうなことで、「ここで注目されるのは「社会的必要性」という概念であるが、これは「公共性」と同義語であり、路線存廃の基準を単に企業の損益収支に求めるのではなく、社会的な費用――便益比較におき、鉄道サービスを提供する社会的な便益、利用者、地域社会の受ける利便が、鉄道を廃止して自動車におきかえたときの便益よりも大きい場合、その鉄道路線は社会的に必要であると解される。このような基準による検討の結果を利用者会議」、いいですか、利用者会議で検討して報告をし、「最終的には運輸大臣が存廃を決定する」、これは利用者に決めさせているんです。そして、単に採算の問題でなくて、社会的にその地域に必要かどうかというところで公共性で決めていく。
 ところが、残念ながら今回の特別措置法案にはそういう視点というのが欠けているんではないか、いろんな会議をすると言いますが、最終的に二年間で見切り発車をするということになるとやっぱり問答無用ということになるんです。いやでもそれまでにまとめなきゃならないところへ、袋小路に追い込むようなことにしておいて、大臣、どうかこの二年の見切り発車、これはひとつ十分無理をしないように最後に温かい国民に対する御答弁をお願いしたいと思います。
#86
○国務大臣(塩川正十郎君) できるだけ二年の間に煮詰めていただくというのが原則でございますが、二年たったから、期限が来たからぷすっと切ってしまう、そういうことではなく、実りがある討論が続いておる、検討が続いておるということでありますならば、それは私の判断においてその継続をせしめることもできるでありましょう。
 しかし、そこにただ単に議論のすれ違いで、並行線で、何らか解決の方法がないというような場合には、やはり二年という期限でこれを処理しなければならぬと思うております。
#87
○丸谷金保君 時間がありませんのでこれで最後にいたしますが、前段の答弁と後の答弁とは二律背反だと思うんです。後でこれは記録を精査してから、いずれまた申し上げます。
#88
○和泉照雄君 いままで運輸委員会でいろいろと論議をされた点、そういうことで重複をしておるかもしれませんけれども、私は、地方自治体が一番関心を払って、また重大な関係のある問題に限りまして質問を展開をいたしてまいりたい、このように思います。
 国鉄の財政再建については、昭和四十四年度以来数回にわたって再建計画が策定をされ実施されてきたのでございますけれども、いずれも目的を達することができなくて破綻をいたしております。このように過去における再建計画が破綻した原因は、わが国の経済、社会情勢の変革に伴う輸送機構の変化に対応した国鉄の合理化、投資、運賃改定のあり方等が不適当であったと言えると思います。そしてその結果どうなったかといいますと、他の輸送機関との競争に立ちおくれることになり、輸送機関別分野におけるシェアの低下、客離れ等が顕著となって、昭和五十四年度末には繰越欠損金が六兆五百六十八億円、長期債務残高が十兆一千五百億円という破局的な財政破綻に陥ってしまっております。この破綻に陥った原因は国鉄のみの責任とは言い切れない面はあるにしても、今回政府が提案をしておる本法案は、ただ国鉄の短期的な採算性の観点を重視した再建案でありまして、国鉄の公共性を忘れた措置と言わざるを得ない、このように私は思うのでございます。
 そこで、自民党の総務会の決議にもいろいろとうたってありますけれども、この中で問題になりますのは、「今回の再建計画が最後の再建の機会であり、これを達成し得ない場合、残る方策は、民営への全面的移管以外にはあり得ないことを十分認識し、不退転の決意をもってその完遂を期すること。」、このように相当強い口調で述べられておりますけれども、いままでいろいろと論議の中でやはり相当矛盾点もあるということからして、このような決意というものを強行されるおつもりなのか、まずその点をお伺いをしておきたい、このように思います。
#89
○国務大臣(塩川正十郎君) このたびの国鉄の再建対策は、いわば国鉄の経営基盤の健全性を取り戻すと、この法にも書いてございますが、それが目標でございます。そのための措置といたしまして、国鉄自身の努力として経営改善計画を提出するということであり、また国としては地方交通線特に特定地方交通線の国鉄における負担というものを免除し、他の交通機関に切りかえていく、そして第三番目には、現在五兆何百億円の債務を国が肩がわりする、この三つが今度の再建案の柱になっております。で、これだけの措置をいたしまして昭和六十年までに経営の健全性を取り戻すということ、これはどうしても達成しなきゃならぬ目標でございまして、そのためにはわれわれも非常な決意で臨んでおるということでございます。
#90
○和泉照雄君 再度お尋ねをいたしますけれども、先ほどの論議の中でも自治大臣と運輸大臣の間にはいろいろと聞いておってもすれ違うようなところもございましたが、自治大臣の方では、地方自治体の方ではこの法案は相当迷惑なといいますか、いやいやながら納得をせざるを得なかったという点もあるやに、そういうような答弁もあったようでございますが、そういう点からしますと、やはり不退転な気持ちで強行されるということは相当に民主政治の逆行ではないか、こういうようなことも考えられるのでございますけれども、やはり柔軟性をある程度持ってやっていくという、そういう基本的な態度はないのかどうか。
#91
○国務大臣(塩川正十郎君) これは内閣が提出しておる法律案でございますから、閣議で決定いたしまして提案いたしておる次第でございます。自治大臣がいやいやとおっしゃったのはそれはいわば立場上のお話ではないかと、政策に関してではないと思うております。
#92
○和泉照雄君 次にお尋ねをいたしますのは、法案の第二条に規定しております。先ほども問題になりましたが、経営の再建の目標として「六十年度までにその経営の健全性を確保するための基盤を確立し、」と、このようにありますが、その意味と、その後の収支均衡の見通しについてお伺いをしたいわけでございます。
 そこで、運輸省の鉄道監督局の再建促進特別措置法の参考資料によりますと、昭和六十年の試算によっても、先ほど話題になりましたが、五百億の黒字が計上されておるようでございますけれども、この試算には東北、上越新幹線の開業に伴う経費や退職金、年金等の特定分以外は、借入金等は除外をしておる、こういうことでございますので、これを入れますと実質赤字が生まれてくるということになりますと、やはり六十年度は経営の基盤の確立というこのうたい文句とはそごするんじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
#93
○政府委員(山地進君) 御指摘のとおり、この法律案には「経営の健全性を確保するための基盤を確立し、」ということが書いてございまして、その後に、可及的速やかに収支均衡を図ると。したがいまして、その言葉の書いてあるとおりに、六十年度には収支は均衡しないということになっているわけでございます。
 それはなぜかと申しますと、国鉄は現在九千億の赤字を出しておるわけでございますが、その中にはいろいろの要因があるわけでございます。その中で、いま先生の御指摘になりましたように、国鉄の職員の年齢構成の非常な高齢化といいますか、逆キノコになっておるわけでございまして、したがって、そのような企業体におきましては、退職金というものが平年度を超えるというようなことが一つございます。
 それからもう一つは、国鉄の共済年金というものが他の共済年金あるいは厚生年金から比べまして負担が非常にふえてきていると。これも普通の企業であったらばもっと少ないような状態になっているわけでございます。そういったような異常部分ということを除いて、国鉄の経営の健全性ということを判断しなければいけないと思うわけでございます。
 それからもう一つ、これも御指摘になりました東北、上越というものについて、これはいまから開業するわけでございますけれども、開業当初というものの資本費のコスト、償却とかあるいは利子というようなコストというものは、当初はそれを入れますと東北、上越も赤字になるわけでございますけれども、われわれの試算によりますと、十年ぐらいの先を見通せば、国鉄の中で東北、上越だけ別に勘定するとこれは収支償うようになる。これもしたがって臨時的な要因であるというようなことになるわけでございまして、したがって私どもは、いま先生の御指摘の年金と退職金の異常部分、それから東北、上越というものを除いて六十年度にどうなるだろうかということで計算したのがさきの御指摘の基本構想案の数字でございます。この数字というのは、その六千億というものを除きますと五百億の黒になる、こういうことになるわけでございます。
 これは私どもとして国鉄の経営の基盤が健全化したということになる、つまり、そういった異常部分を除いていけばもっとよくなっていくということになりますので、したがって、その経営の基盤の健全性を確保するというのを六十年度の目標に置き、以後、そういった年金対策というものを十分考慮しながら今後の収支均衡を図ると。従来は、短期決戦で二年で収支均衡を図るというような計画もございました、あるいは十年で図るということもございました。いろいろな計画があったわけでございますけれども、今回の計画につきましてはかなり私どもとしては現実的に考えている、かようなふうに御理解を賜りたいと思います。
#94
○和泉照雄君 異常な部分を除去して、そして、健全というようなことで自己満足で納得をされるというようなことでありますけれども、この異常な部分が将来赤字が解消できる東北、上越新幹線と年金の問題、これは大体何年度ぐらいで見込んでいらっしゃるんですか。そうでなければ、それを切り離してということになりますとちょっと納得しがたいと思うんですよ。
   〔委員長退席、運輸委員会理事桑名義治君着席〕
#95
○政府委員(山地進君) 退職金の問題は、いまのようなキノコ型というものが六十年代の前半には平常化していく、そういたしますと、いま私どもが退職金の異常と言っておりますのは、平均的な三十五年で退職したら済むであろうたとえば一万二千人というような数字が普通の退職である、そうするといま二万人が退職しますと八千人というものは異常な退職である、八千人の退職金について借入金を借りて埋めたとすれば、当然国鉄の経営を圧迫するのはその金利だろう、そうすると、その金利について国が利子補給をしてあげれば国鉄の経営を圧迫しない、こういう考え方で、現在は異常部分について国鉄の経営を圧迫しないような処置がとられているわけです。その八千人が今度は逆にだんだん退職者が少なくなってまいりまして一万二千人を切るような状態になりますと、その部分については利子補給をしないのみならず、そういった借入金について返済部分が出てくるわけです。一万二千が平年度化されているとすれば、六千人しか退職しなければ六千人分の金を返せる余裕が出てくる。こういったようなことで、六十年度の前半に退職金の問題は解決するのじゃないか。
 一番むずかしいのは年金でございまして、年金については現在大蔵省に研究会をつくりまして、国鉄共済年金というものを一体どうすればいいか、統合するとかいろいろな考え方があるわけでございまして、これは国鉄の努力のみではできませんので、厚生年金とかあるいはほかのいろいろな年金の問題が複雑に絡む問題でございますので、これを根本的に解決したいと考えておるわけでございます。
 新幹線は、先ほど申し上げましたとおり、十年くらい先を見通せば赤字が消える。これも別の会計に考えていただければ、それも借入金でいって後では返せるというふうな考え方が成り立つように私どもは考えております。
#96
○和泉照雄君 次にお尋ねをしたいのは、この法案は地方交通線の問題で地方自治体の人たちから、大変に強権的で非民主的であるというようなことで陳情が殺到しておるわけでございますが、昭和四十三年の九月四日に国鉄諮問委員会の意見書の中でも、当時、単に輸送量、収支等の観点からのみではなくて、関係地域社会及び住民の生活、経済等諸般の観点から決定される必要がある、こういう提案がされておることは御承知のとおりでございますが、特に問題になりますのは、地方交通線対策協議会を認定をして組織して、そして代替輸送手段の確保について協議をして、これが開始後二年したらもう見切り発車をするという点が非常な問題であるようであります。
 そこでお尋ねをするわけでございますが、地方交通線は地域住民の日常生活の利便を確保し、地域産業経済の振興にとって不可欠な手段でございますけれども、輸送機関の責任分野といいますか、国鉄、地方自治体、運輸省、個々の責任分野はどういうふうになっておるのか、はっきり明確にお示しを願いたいと思います。
#97
○国務大臣(塩川正十郎君) 事陸運に関します限り、やはり運輸省が最終的な責任があると思うております。そこで、特定地方交通線、これの協議が二年以内にまとまらない場合、その場合は運輸大臣は国鉄に代替バス輸送を指示してそれによって足の確保を図らなければならないということをいたすつもりであります。
#98
○和泉照雄君 次にお尋ねをしたいことは、いわゆる三全総におけるわが国の将来人口は約三千万ぐらい増加するという見通しを立てておるようでございますが、地域の均衡ある発展を図って定住圏構想の実現のためにも国鉄の果たす役目は非常に大きい、だからその役割りを見直すべきであるという提言もなされておるようでございますが、あなた方が外そうとしておる地方交通線の地域はほとんど定住圏構想の、私のところは鹿児島でございますが、山野線とか宮之城線というところはモデル地域になっておるわけですよ。あるいはまた、過疎地域の振興地域にもなっておるところが外されようとしておる。あるいは、自治省の提案をしておるところの広域市町村圏の中でも、この鉄道の外されるということはゆめ考えない状態で構想計画が練られておるわけであります。そうなりますと、根底から覆るということになりますが、そういう整合性といいますか、そういうことはどういうふうに考えておられるのか。破綻を来すと思うのですが、横の連絡をしっかりとるということからもこういうような暴挙は私はできないのじゃないか、こういうように思うんですが、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(塩川正十郎君) 定住圏構想なりあるいは広域市町村行政、その中で地域の交通という考え方、これをぜひ導入していただかなければならぬということで、われわれからかねてから申し入れておるところでございます。したがいまして、定住圏構想を考えられるときに交通というものを抜きにして考えられませんし、その場合にその交通は国鉄だけの責任かと申しましたら、そうではなくして、国鉄の責任もございましょうがまた地方自治体あるいは国の責任でもあろう。そこらはそれなりの対応策について十分と協議をいたしたいと思うております。
#100
○和泉照雄君 では、次にお尋ねをしますが、五十四年度における助成前の欠損及び収入に対して、六十年度における、現状のまま推移した場合の欠損と、本法案を実施をされた場合の、それぞれの助成前と欠損、収入との比較についてはどのようになるのか、お伺いをしたいと思います。
 関連をしまして、六十年までに四千キロバスの転換等に要する交付金等の増加を考えた場合の政策上の効果についてもお答え願いたいと思います。
#101
○説明員(加賀山朝雄君) 五十四年度の地方交通線の決算いかんということでございますが、今回の法律に基づきます地方交通線の範囲というものは政令の確定を待たなければ範囲が確定いたしませんので、その数字というものは現段階ではつかんでおりませんが、国鉄は五十一年度に諮問委員会からの答申を受けまして、現在約九千二百キロを地方交通線グループとしていわゆる区分経理を実施しております。これの欠損は、五十四年度におきまして助成を抜きますと約三千百億の欠損を出しておりまして、これに対しまして七百七十九億の助成をいただいているというのが五十四年度の数字でございます。したがいまして、今回の対策によります新しい区分によります数字を推定するということはきわめてむずかしい段階でございまして、現在、六十年度の収支の中におきまして具体的にどのような数字になるかということは正確には申し上げかねる状態でございます。ただ、大体九千キロ前後という想定を、地方交通線の現在範囲であるという推定に立ちますならば、現在の区分によります地方交通線、これが収入、経費ともに今後いわゆる物価スライド的な形で上昇してまいるという想定をいたしますと、六十年度におきましてはこの損失は現在から約五割程度ふえていく形になるのではないかという大まかな推定が成り立つと考えております。
 それから、二番目の御質問でございましたいわゆる転換交付金の政策的効果いかんというお話でございますが、御承知のように転換交付金は現在キロ三千万円ということが一応考えられておりますけれども、仮に四千キロ程度が転換対象になるといたしますならば、六十年度までに約千二百億円がその転換交付金の財源になるわけでございます。これに対しまして、先ほど申し上げましたように全体の地方交通線の赤字は先ほど申し上げた約三千億でございますけれども、このうち約四千キロ程度のいわゆる廃止候補に挙がっているような線の損失というのは五十四年度で大体九百億ぐらい、これが少しずつふえていくという前提に考えますならば、五年間では約五千億ぐらいの損失が出てまいるわけでございますから、そういうものが解消されるならばこの転換交付金というものは、そういう意味におきましては相対的にはかなりの効果を持つものであろうというふうな感じを持っております。
#102
○和泉照雄君 協議会等で、この特定地方線の問題で知事の意見を吸い上げる場合ですね、この知事の意見の取り扱いといいますか、ただ形式的なのか、真剣にそれを受けとめて善処しようという対応をされるおつもりなのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#103
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃる知事の意見というのは、第八条の第四項、この知事の意見でございますか、この意見でございますね。この意見につきましては知事さんから、実は国鉄が基準に合わして選定いたしましたその営業線から漏れるというやつがいわゆる特定地方交通線。で、この特定地方交通線の指定の選定が誤りである、あるいはこれの選定基準に照らしてこの路線は具体的に調査の結果こうであったと、再審願いたいというような意見でございましたら、これは私は客観性もあり、また、科学的なデータによる申し入れであるという場合にはこれは聞くべきであろうと思いますが、しかし、よくございますような、これは観光地でございまして、ぜひ残してもらいたいとか、あるいは将来発展する可能性があるからという陳情に類するもの、あるいはまた、政治的な配慮からなされる意見というものに対しましては、これは知事さんの意見を聞きおくという程度にいたしたいと思うております。
#104
○和泉照雄君 じゃ協議会における会議の中では、転換後の輸送手段の選定に知事の意見を聞くというふうなことに限定をしておるようでありますけれどもそれよりはいま大臣がおっしゃった前の項のそういうことも含めて、やはり国鉄路線の存続を含めて事前に知事の意見を聞くというような制度にすべきではないかと、私はこのように思うんですが、認定をしてそういうようなことに限定をしてただ意見を聞くということは非常な非民主的な感じを受けるわけでございます。特にまた協議会における協議不調の場合見切り発車をするという、そういうようなことに非常な強圧を覚えておるわけでございますが、こういうような見切り発車をするという制度をおとりになった理由について明確にお示しを願いたいと思います。
#105
○国務大臣(塩川正十郎君) 特定地方交通線の転換問題につきましては、実は昭和四十四年以来ずっと政策として国鉄並びに運輸省が堅持してきておる政策でございます。従来、その経過を見てまいりますと、協議を続けていきましても、その地元におきます御意見というのはどうしても国鉄存置、これが圧倒的に、感情的にもまた経済的な社会的な背景から見てもそれは当然申されることだと、私は思うております。でございますから、その御意見だけではなかなか決しがたい。今日、国鉄がこの破局的な財政状態になってまいりましたときには、やはり国鉄の責任と申しましょうか、国鉄が経営上特に鉄道の特性をすでに失ってしまい、代替バス等の方が経営的に、経費的に見ても安くつくというような、いわばこれを国民経済のサイドから見ましても、それが有利であろうと判断される基準を設けまして、その基準によって転換をするということをせざるを得なくなってきたということでございます。しかし私は、この協議会が持たれる、そして地域の交通のあり方について知事さんの御意見がいろいろと述べられると思うのですが、その御意見にはわれわれ大いに建設的な御意見出てくることを期待いたしておりますし、それに対しましては運輸省としても、全力を挙げてそれに取り組んでいかなきゃならぬ。
 ただここで、私も前からの質問にお答えすべきであったかと思うのでございますが、この特定地方交通線の対策というものは、ただ単に運輸省だけでできるものじゃないと思うております。また国鉄だけでできるもんじゃない。どうしてもやはり政府全体が、つまり自治省も大蔵省も建設省もあるいは国土庁も、そういうようなものが総合的に力が結集して、政府が一丸となった中で地域交通を守るというそういう考え方で臨まなければならぬと思うておるのでございます。したがって、いま私たちがお願いいたしておりますのが、鉄道がもうそれではいかに努力してもバスよりは安くならないというようなそういう路線については、国鉄としての責任は免除してもらいたいということをお願いしておると、こういう趣旨でございますので、したがって、その地域におきます足の確保、代替交通機関なりあるいは地元で経営されるといった場合、その場合にはこれは政府も積極的に応援して足の確保に努めていくということは当然のことでございます。
#106
○和泉照雄君 転換後、先ほども問題になっておりますが、第三セクターの設立についてはこれは地方公聴会等の意見を待つまでもなくて可能性は非常に低い。特に自治省関係でも財政負担ということから非常に渋っておるようでございますが、運輸省当局はこの案を出すについては、やはり地方自治体が十分対応ができるという自信を持ってお出しになったものかどうか、そこらあたりの事情をちょっと御説明を願いたいと思います。
#107
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在の状況の中にありましては、第三セクターをつくって経営しようという地方自治体は私は少ないであろうと思います。それはやはり赤字が当然起こってくるであろう、その赤字が少ないと見込まれる場合、しかもこの地域の鉄道を何とかして維持したいという切なる願い、それをバランスにかけて、やはり少しの赤字だったら負担してでも地域の開発とあわせてやっていこうという場合は自治体は積極的に参加してくれると思うんですが、そういうようなものは不幸にして私はわりと少ないと思うております。
 しからば、これはなぜ第三セクターに運輸省として期待するかといいますと、現在では少ないだろうけれども、これが国と地方とが相集まりまして、特定の第三セクターあるいは過疎バスに対する財源的な裏づけを何とか持っていくとするならば、その場合はやはり地方自治体の第三セクターに対する考え方も変わってくるのではないかと思うております。したがって、私は先ほど申しましたように今後の措置につきまして、つまり特定地方交通線の今後の措置につきましては、国が一体となって、そういう地方自治体が第三セクターを経営していくについての環境づくりというものをやっていかなきゃならぬと思うております。その環境づくりが、こういうぐあいにいたしますということがまだ十分決まっておらない段階でこの法案が出てきたということでございますが、私たちはこれを政令を作成する段階におきまして、できるだけそういう環境づくりも並行して考えて、できるだけ早い時期に御相談に応ずるような体制をつくりたい、こう思うております。
#108
○和泉照雄君 最後に、今回の地方交通線対策のこの法案は、総合交通体系における国鉄の位置づけ、役割り、これを実施する政策不在のまま、当面の収支均衡の回復を図るために、特に過疎地域における住民生活に密着したシビルミニマムをも奪い去ろうとしております。結果としては国鉄の赤字を地方が負担することは、これは明白であります。また、地方交通線対策について、運輸省と関係省庁の調整も必ずしも円滑に進められているとは考えられません。いま大臣がいろいろとおっしゃいましたけれども、円滑にいっておるとは考えられないわけでございます。この際、国は助成措置の抜本的改善を図ることによって地方交通線の維持に努めるべきであると思いますけれども、御見解をお聞かせ願って終わりたいと思います。
#109
○国務大臣(塩川正十郎君) 政府の国鉄に対する助成をもっと上積みして特定地方交通線を維持しろという御意見でございますけれども、御承知のように、現在国の財政は非常な窮迫した状況にございます。この中にありましても、なおかつこの再建法案によりまして国が五兆五百九十九億円の国鉄の実質赤字を肩がわりしようとしておるのでございまして、そこにさらに上積みして、いわば鉄道の採算線を超える輸送機関としてのこの特定地方交通線を維持していこうという余裕はなくなってきておると私たちは判断しておりまして、でございますから、この特定地方交通線は、いわゆる経済的に見合った輸送機関にかえていくべきが至当の政治かと思うております。
#110
○馬場富君 今回の法案に対しまして、最初にローカル線の廃止が石炭産業へ及ぼす影響について質問いたします。
 わが国における石炭の生産高は五十四年度実績で千七百七十六万トンでありますが、そのうち北海道産出の石炭は一千八十万トンと、生産高の六〇・九%を占めております。また、生産された石炭が炭鉱から国鉄によって運び出されておる輸送状況は北海道、九州、常磐の平均で五十四年度の生産の一千七百七十六万トンのうち五百六十六万トン、全体の三一・九%に上っておるわけであります。中でも北海道炭は千八十万トン生産のうちの五百五十二万トン、約半分を国鉄輸送によって行っておるというのが実情でございますが、今回の国鉄再建法案によって北海道は夕張線、留萌線、歌志内線、幌内線の四線が廃止の対象になっておるように聞いておりますが、この四線を利用して石炭を輸送している炭鉱は九炭鉱で、その生産量の六七・三%を国鉄輸送にゆだねております。そこで、この四線が廃止された場合の石炭への影響力について通産省の見解と、あわせまして配置転換についての運輸省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#111
○政府委員(福川伸次君) 赤字ローカル線の廃止が石炭企業にどういうような影響を及ぼすかというお尋ねでございます。
 九州地区に関しましては、石炭企業のみをとってみますとかなりの稼行中の炭鉱が臨海地帯でございますので余り影響はございませんが、いま委員御指摘のとおり、北海道地区におきましてはなお現在石炭輸送がかなりの部分、鉄道に依存しておるということでございます。ただいま、そのローカル線が廃止されたことによってトラック輸送に切りかわるという際のコストがどういうふうに相なるかというお尋ねでございますが、その場合には、一つは代替輸送手段との輸送賃がどのような関係に相なるのか、あるいはまた、石炭企業がトラック輸送に切りかえますことによってみずからの中での負担しなければならない設備投資がどういうことに相なるかというような問題を総合的に考えなければならないわけでございますが、そのような事情を考えます場合に、たとえば輸送距離あるいは既存の道路事情がどういうふうになっておるのか、あるいは仕向け地の事情等によってどういうふうになっておるかというようなことで、かなり差が出てまいりますし、また取引条件によっても、その辺の企業への影響というのは出てまいるわけでございます。
 で、現在、石炭の価格の決定は標準炭価制度というものを採用いたしておりまして、石炭の原価、あるいは輸入いたします石油、あるいは輸入石炭、その他経済上の諸事情を考慮いたしまして標準炭価を決めてまいりますけれども、その場合には需要者あるいは供給者が話し合いによりましてその価格のあり方を決めてまいるという形をとっております。その中に輸送費も、諸事情の変化ということで勘案をされることに相なってまいりますが、いま申し上げましたように、それがどのような形で石炭企業の負担になるのか、あるいは需要者の負担に相なっていくかと申しますのは、いま申し上げましたようなコスト事情の代替エネルギー、代替輸送手段とのコストの比較、あるいはいま申し上げましたような価格の需要者との変化といったようなことがいろいろ大きく出てまいります。いずれにいたしましても、石炭企業への影響というのは今回ローカル線の廃止によりましていろいろな事情によってかなり異なってまいるものと思います。
#112
○国務大臣(塩川正十郎君) 石炭輸送が全国的に見ましたら鉄道から他の機関に移ってきておることは御承知いただけると思うんですが、とはいえ、やはり中には特殊な地域もございます。こういう問題につきましては、私も先ほど答弁したのでございますが、荷主つまり鉱山、炭鉱との間で今後どのように利用していくのか、鉄道をどう利用するのかということを国鉄側と、あるいは鉱山側と十分に煮詰めた上で、貨物のことでございますから、これは計画が立つわけでございますので、その上で対処すべきものだと思うております。
#113
○馬場富君 いまの質問の中で、通産が御説明になった、国鉄運賃の値上がりの場合は、石炭については値上がり分はユーザーに負担させるというのが原則になっておるわけですが、その説明をいましていただいたわけでございますが、今回の場合、やはり地方交通線の五割増しの特別割り増し運賃制度とあわせて、特定地方線の廃止あるいは転換によるコストアップ等も考えられてくるわけですね。これについてはどのように考えられておるかという点と、それからコストの点については、聞くところによりますと、日本石炭協会の北海道支部の試算では、鉄道輸送をトラック輸送に切りかえた場合に、平均してトン当たり三百十八円割り高になるというようなことも言われておりますが、この二点について通産側の答弁をいただきたいと思います。
#114
○政府委員(福川伸次君) 委員の御指摘のとおりに、現在石炭鉱業合理化臨時措置法に基づきます基準炭価の設定につきましては、その輸送費もこの炭価の中に勘案をすることになっております。すなわち、石炭の生産費、石炭の輸入価格、それから石炭以外の燃料の価格、その他の経済諸事情を勘案をするということになっております。しかしながら、この標準炭価の決定は石炭の引き取り問題と絡んでまいりますので、需要業界と供給業界とのある程度の話し合いを経ました上で、石炭鉱業審議会の議を経まして決定をいたしていくということになるわけでございます。したがいまして、今回のローカル線の廃止に伴いましての切りかえが仮に行われました場合には、そのコストアップが生ずるというような場合には、これは当然経済の事情の変化に該当することになるわけでございまして、これはいま申し上げましたようなプロセスの中でその部分が勘案をされて炭価が設定されていくということになるわけでございます。
 それから、いま委員から石炭協会の北海道支部の試算で貨車輸送からトラック輸送に移行するということについてのコスト上昇分の試算についての御指摘がございました。一応私どもが承知いたしております限りでは、日本石炭協会の北海道支部は当面運賃だけの比較をいたしたようでございまして、そのほか実際それぞれ運搬いたします場合には、貨車を仕向け地でおろします場合の貨車の押し出し料でありますとか、あるいはまたトラック取り扱い料等の諸掛かりがあの試算には入っておりませんが、これはかなりいろいろ地域によってその辺の事情が変わってまいるわけでございます。したがいまして、あの試算が必ずしもすべての実情を反映しているかどうかということにつきましては、それぞれのケースに応じましてなお検討を要する点を残しておるかと思っております。
#115
○馬場富君 再度そこを念を押しますが、国鉄運賃の上昇についてはいまの答弁で理解できますが、これがやはり廃止によって転換するという場合に、やはりトラック輸送とかそういうことになると思いますが、そういう国鉄運賃の値上がりではなくて、他の機関によってのこういう値上がり等についてもやはりユーザー負担でよいと、こう理解してよろしゅうございますか。
#116
○政府委員(福川伸次君) 先ほど御説明申し上げましたように、これは石炭の基準炭価の設定に際しましては、そういった諸事情を勘案をすることになっております。勘案をすることになっておるわけでございますが、そこは先ほど申しましたように、引き取り問題とも絡んで需要業界と供給業界とのある程度の話し合い、理解を得た上で、さらに石炭鉱業審議会にお諮りをしてそれを決定するということになるわけでございます。したがって、そのコストアップが適正であり、双方で納得が得られますならば、この標準炭価、基準炭価の設定の際の交渉の中に織り込まれていくということになると考えております。
#117
○馬場富君 その説明では、そういう両者の理解というものがなければこれはなかなかむずかしい問題だと、こう思います。そういう点で、今回のこの問題に当たりまして、やはり北海道の石炭九社が、トン当たり七百二十円の赤字を五十四年度だけでも出しておる。この総額は百十六億円にも達しておるという大きい数字になっておるわけですね。
 そういう点で、これが産地負担というようなことにも考えがきた場合に、やはりこれは大きい一つは問題になってくるし、経営が一つはストップするというような事態も起こりかねない。大きく鉄道に依存しておる社ほど大きいじゃないか。こういう点で、政府の長期エネルギーの需給暫定見通しの中での国内炭の二千万トンの生産に対しての一つは危機も考えられるんじゃないか。こういう点、大臣のひとつ見解をお聞かせいただきたいと思います。
#118
○政府委員(福川伸次君) 委員御指摘のとおり、五十四年度を例にとりますと、トン当たり七百二十円の経常損益を出しておるわけでございまして、石炭企業の経営が大変苦しいということは委員の御指摘のとおりでございまして、私どもも石炭鉱業の合理化、再建には最大の努力を傾けねばならないと思っておるわけでございます。
 いま石炭の赤字がふえて、二千万トン体制というのが維持できないのではないかという御指摘がございました。で、今後の地方交通線の選定に当たりまして、私どもとしても地域の実情に応じて望ましい交通体系、輸送需要あるいは代替輸送手段等々を勘案した望ましい交通体系のあり方ということから検討がなされるべきであろうと思います。
 私どももローカル線の廃止によりまして石炭企業が甚大な影響をこうむって、国内石炭の長期安定生産体制が危殆に瀕するということのないような道を見つけ出していただかねばならないと思っておるわけでございます。
#119
○馬場富君 次に、ローカル線が廃止された場合のいろいろな陳情が私どもに来ておりますが、その中で一つは歌志内市の状況なんかを見てみますと、貨車輸送からトラック輸送に切りかえた場合に、諸設備の上昇あるいは輸送経費のコスト高によって経営危機を招くことはもう当然だというふうに皆算出しておるわけです。そういう点で、たとえば空知炭礦あたりだと、従業員が千四百人いる、家族を含めて約五千人、これは全市の人口の約半数を占めてくる。関連企業等の問題を考えてみると、やはり市の一つは破壊的な状況までこれは大きい打撃を受けてくる。
 こういう点、いままで昭和三十八年から今日まで九百億円に上る大きな予算をかけて行ってまいりました産炭地域振興対策は何の意味もなくなってくるんではないか。これはまあこれを崩す結果にもなりかねない、こういうように私どもはこれを見ておるわけですが、こういう点について、通産大臣とあわせて、こういう石炭産業の経営危機、あわせて交通公害等も一つは考えられるこのローカル線の廃止について、運輸大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(田中六助君) 産炭地におけるローカル線の存廃の問題でございますけれども、私どもはやはり地域の情勢に応じた処置をしていかなければならないと思っております。
 それから、具体的にはトラック輸送あるいは鉄道輸送というような具体的な問題でございますけれども、この問題はそれぞれのコストを十分検討しなければ解明しない問題で、すぐ私どもはどちらがいいというような答えは通産大臣としては出せない段階ではないかというように考えます。
#121
○国務大臣(塩川正十郎君) 石炭輸送の確保ということは、これは私たちも当然努力をしなけりゃならぬことでございます。私も先ほど申しましたように、その鉱山の産出量、それから今後の計画、そしてその輸送経路をどうするかということ等、これが十分協議が整うならば、要するに国鉄のその路線といたしましてある程度採算点が明確になるというようなことでありますならば、それはそれなりの協力の仕方があろうと思うておるのでございまして、いまトラックに切りかえなければならぬのか、鉄道で確保しろというその議論の煮詰まりはまだない段階におきまして、私が申し上げられるのは輸送に全面的に協力すると、こういうことでございます。
#122
○馬場富君 通産大臣に重ねて、産炭地振興対策というのを実は通産がやってきたわけですけれども、そういう点でやはりこういう経営危機を招くようなひとつはローカル線の廃止、これによってやはりそういうものを招くとしたら、これは通産行政として重大な問題だと、こういうふうに思うわけですが、どうでしょうか。
#123
○国務大臣(田中六助君) 望ましい状態と申しますと、やはり交通輸送体系というものは産炭地の実情を十分考えた上で対処してもらいたいというふうに考えます。
#124
○馬場富君 時間がありませんので、次に中部地区の越美南線の廃止についてお尋ねいたしますが、この線が今回の対象になっておりますけれども、これはどうでしょうか。
#125
○説明員(加賀山朝雄君) まだその政令によります選定基準が最終的に決まっておりません段階で、どの線が具体的に対象になるかということはまだ申し上げることができかねる段階でございます。ただ、越美南線の輸送状況を見ますと、確かにここの線区の輸送密度というものは五十四年度の実績によりますと千三百人ぐらいの輸送量のところでございますので、当然そういう段階で考慮の対象に入ってくる線であろうというふうには考えております。
#126
○馬場富君 この線はいま数字で説明されたように旅客は横ばいなり、あるいは貨物線は廃止になっておりますが、その原因はどんなところにあるか、どのような結局掌握をしておりますか。
#127
○説明員(加賀山朝雄君) 具体的にこの線の原因が那辺にあるかということにつきましては、大変的確にはお答えしかねるところでございます。ただ、一般的に申しまして、こういうようなローカルの地方におきましては、最近非常に並行道路が完備をしてまいっております。越美南線におきましても国道の整備というものはかなり進んできておりまして、したがいまして、いわゆる自動車を使われる方というものは大変ふえてきているわけでございます。またいわゆる全体的な過疎の進行というような問題も恐らく絡んでいるんだろうと思いますが、全体的に見ましてやはり鉄道よりも自動車へのシフトというものがここ十年来いろんな形で進んできたということが輸送量が減ってきている最大の原因であろうと考えております。
#128
○馬場富君 いまの説明された以外にも、現地の状況を見ますとほかにも原因が考えられるわけです。それはたとえばいまの越美南線の深戸−相生間においては、今年の梅雨期以降大規模な土砂崩れが発生して現在に至っても復旧工事が進められておるという現状です。約半年を過ぎてもまだ開通してないと、こういうような状況で深戸−郡上八幡間はバスで連絡をしておるというような状況で、この間はやはり半年以上も切られたというような状況になってきておるわけです。こういうような一つは問題点等もあるわけですし、それからまた、ダイヤ改正ごとに本数がだんだん少なくなってくると、たとえば美濃太田の終車は午後八時三十分ごろでなくなってしまうと、そういう点等について高山本線との連絡もだんだん悪くなってかえって利用価値がだんだんなくなってきておると、そういう点での問題点もあるわけですし、またこの線では、二十六駅あってその中の二十一駅までが無人駅だ。乗る人が少ないというけれども、これらを総合してみても、これではかえって悪くしておるというようなのが実情ではないかと、そういう点で、やはりこれは廃止する以前にも一つはそういう点についての問題点があると思うが、この点どのようにお考えですか。
#129
○説明員(半谷哲夫君) ただいま先生からお話ありましたように、ただいま越美南線美濃相生−深戸間で不通になっております。これはことしの五月に第一回の土砂崩壊がございました。これは雨によるものであります。続いて六月二日に約五千立米という崩壊がありまして、鉄道線路を支えておりますけた三連が流される、長良川に落ちるというような大事故になりまして、これに対しまして直ちに復旧対策に入ったわけでありますが、線路のすぐ上に、わりあい険しい地形のところでありますが、線路が一番川側でありまして、その上に県道があります。その県道を含めてこの土砂崩壊に埋まったわけでございまして、県道のさらに上の斜面が滑っているということで、この県道を開通させるということがまず先決でございまして、これが開通しないと私どもの方の復旧の方法も立たぬということでございまして、これについては県、町等と国鉄と打ち合わせしまして、昨日までで斜面の危険な個所のこの土砂の取り除き、約四万立米ですけれども、これを終わりまして、昨日から国鉄側の復旧工事に入っております。
 したがいまして、大分おくれて申しわけないんでありますが、これから鋭意復旧工事を進めまして、来年三月中には開通させるという見込みでございます。非常に長期にわたりますが、地形あるいは災害の状況がそのような状況でございまして、県、町と一緒になってこの復旧に当たったわけでございまして、国鉄もこれに誠心誠意当たっているつもりでございます。
#130
○説明員(吉武秀夫君) 接続が非常にダイヤ改正のたびに悪くなっておるんではないかというお尋ねでございましたが、いまのところここ二、三年間はダイヤ改正は行っておりませんので、その点では変わっておりませんが、いまの不通区間の関係で代行輸送があると、それから車両だとかあるいは乗務員の関係で全体として一部区間が不通になっておるところがあるという意味では御不便をおかけしております。
#131
○馬場富君 この越美南線は、北線と合わせまして東海と北陸を最短距離で結ぶ幹線として大正十一年来大きな期待がかけられて、全線開通ということで現在二十八キロの最短距離まで来ておるわけです。そして、五十三年度十月には計画線から工事線に昇格して調査費までついておるわけでございますが、これにつきまして、特にこの線は岐阜県、福井県両県の地域住民には大切な足でもございますし、また二県五市十町村によりまして国鉄越美線全通促進期成同盟会というものが結成されて、全線の開通を一つは力強く押しておるのが地域の状況でございますが、これについて国鉄当局並びに運輸省もこれを断念するかどうかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#132
○政府委員(山地進君) いま御指摘のとおり南線と北線を結ぶものとして越美線というAB線があるわけでございますが、AB線一般につきましては、今回の特定地方交通線の扱いとの整合性をもって現在計画線については工事をとめているわけでございますが、いま先生のお話のように、これを結べば利用客もある程度はふえるということだろうとは思いますが、この越美線につきましても、やはり開業すれば特定地方交通線に当たる線であろうかと考えております。いま御指摘のように、この線につきまして利用客の期待が持てるということであれば、第三セクター化について現地の方でいろいろ御協議いただければ、この工事についてはまた第三セクターが確実にできるという場合には工事を再開すると、かような手続になっております。
#133
○馬場富君 いま北海道とあわせまして越美線、ともにいまの説明によればこの再建の対象地域でございますけれども、やはりこの地方線の廃止がひとつは地域社会にも大きい影響を与えてくると、こういう点で最後に運輸大臣に、国有鉄道法の公共の福祉を目的とする国鉄の存続のあり方から言って、地方線の廃止ということは、またこういう点についてその精神からかなり逸脱してくる方向性、ただ採算というだけの点に焦点がしぼられた一つは解決策ではないかと、こういう点で、これはやはりもっともっとこの再建案については交通の適正化ということを、地域に応じた適正化ということを考えて、これを中心に時間をかけて検討してこれは決定をしていくべきだと私どもは思うわけですが、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#134
○国務大臣(塩川正十郎君) 越美線南北につきましては、最近、両県の首脳者の方々で、この未工事の間、約三十キロ近くあると聞いておりますが、その工事をしてくれるならば、これを一括して運営する方法を考えたいというような御意見があるということも聞いております。で、先ほども申しておりますように、その地域の交通のあり方というものは、やはりその地域の方々がその地元の振興策なりあるいはこれによる広域的な社会活動のあり方、そういうものをあわせて検討されていくと思うておりまして、それはわれわれもそういう積極的な提案を待って検討をいたしたいと思うておるのであります。
#135
○馬場富君 それにつきましてもう一点、いま越美南線が特定線になっておりますけれども、やはりあれに並行して同じような状況のもとに高山線がございますが、やはり高山線は七千人を突破しておるという状況も聞いておりますけれども、そういう点で、これの開通ということはやはり一つは大きい増加の原因になるということと、地域についての大きい力にもなると、こういう点で、やはりこの点についてはひとつ再考をいただくことを大臣にお願いしたいんですが、よろしゅうございますか。
#136
○国務大臣(塩川正十郎君) 特定路線について、これを特別の扱いをしろということは、私たちの立場といたしましてはいたしかねるところでございますが、しかし、地元でそういう協議が相調い、地元を中心とした経営の方策が打ち出されてまいりましたならば、これはわれわれとしても積極的に支持し、またそれの方向で解決を図っていきたいと思うております。
#137
○市川正一君 本法案の審議の上で最大の問題は、地方交通線あるいはまた特定地方交通線をどのような基準で選定するかについていまもって政府の統一した見解が示されていないことであります。
 そこで、まず自治大臣に伺いたいんでありますが、自治省はこれまでも、地域の実情とか将来の発展可能性、そういったものを十分加味して政令を決めていただきたい、これは衆議院運輸委員会での藤原地域政策課長の答弁でありますが、石破自治大臣も当然この立場に変わりはないと思いますが、まず確認いたしたい。
#138
○国務大臣(石破二朗君) 担当課長がそう御答弁申し上げておりますことも承知いたしておりまするし、私もこれと別段変わった意見も持っておりませんけれども、自治省の主張を最後まで貫くことはなかなかむずかしいんではなかろうかと、かように考えております。
#139
○市川正一君 そこまで聞いておりません。
 それでは、自治大臣は、現在の運輸省案がいま言った地域の実情や将来の発展可能性が十分に加味されたものと、こう理解されておられるのか。また、大臣御自身が先般の参院本会議で、地域の住民だけが犠牲にならないで済みますようにと述べられておりますが、そういうものにも相なっているのかどうか、この点をまず伺いたい。
#140
○国務大臣(石破二朗君) 賢明な国鉄なり運輸省当局であります。地域の実情等を十分考慮された上で基準をおつくりになるものと考えております。
#141
○市川正一君 人ごとじゃなしに、先ほど来塩川運輸大臣などがいろいろ原則を述べておられる。それについて、よそさんがどうじゃなしに、自治大臣は十分そういう自治省の立場が加味されているとお考えなのかどうか、それを聞いています。
#142
○国務大臣(石破二朗君) 運輸省の政令案なるものを私は承知いたしておりませんので、これをどう考えておるかということを申し上げるわけにはまいりませんけれども、恐らく地域の実情に合うような基準をおつくりになるであろうと期待いたしております。
#143
○市川正一君 ちょっとそばの人がよくアドバイスしてほしいんですがね、私、言っているのはこういうことですよ。運輸省案が言っている幹線鉄道網を形成する営業線の基準とは、こう塩川大臣言っているんですよ。都道府県庁所在地等の主要都市を連絡する線、つまり、これまでの国会答弁によりますと、人口十万人以上の主要都市を連絡する線、こう言っているんです。また、旅客の一日当たりの輸送量が一定量以上、つまり、これまでの国会答弁では四千人以上というきわめて画一的な基準を示しているんです。したがって、こういうものが、自治大臣が、また自治省が従来言ってこられたいわば考え方と照らし合わせるならば地域の実情等が反映されているとお考えなのかどうか、それを伺っているんです。
#144
○説明員(大嶋孝君) それなりに地域の実情が加味されておると思います。しかしながら、さらにもっと将来の問題等々詰めるべき問題があるだろうということで、私ども、事務的な段階で検討しておる状態でございます。
#145
○市川正一君 いいかげんなこと言いなさんな。いままでの主張と今度のそういう運輸省側の見解というのは全然違うじゃないですか。
 大臣に重ねて伺いたい。ここに私、一つの陳情書を持ってまいりました。大臣は鳥取県の御出身で知事までやってこられた。だから地方線の実情や特殊性、必要性はよく御存じです。ここにあるのは鳥取県の若桜線、これのいわば切実な陳情書です。そうして住民大会もやっております。ここにはこの廃止反対のために、この法案を阻止するためにがんばっていこうという大会決議が入っておるんです。その中に、国鉄若桜線継続運行対策協議会顧問参議院議員石破二朗と、こうあるじゃないですか。あなたですよ。あなたが阻止するために一緒にやるというこの陳情書に一緒に御署名なんです。この立場と、いま人ごとみたいにおっしゃることとは一体どういうつろくが合うんですか。私は、運輸省のこの選定基準案については、この立場に立つ限り大臣は同意できないということを明言さるべきだと思いますが、この点はっきり伺いたい。
#146
○国務大臣(石破二朗君) お答えいたします。
 お示しの書類は、たしか昨年の……
#147
○市川正一君 五十五年十月、ことしの十月。
#148
○国務大臣(石破二朗君) たしか昨年ごろと思いますけれども、そういう団体を組織する、あるいは住民大会等もおやりになったかと思いますけれども、顧問のような――顧問ということは正確に覚えておりません。――になってくれないかというようなお話はあったと記憶いたしておりまするが、はからずも鈴木内閣の自治大臣に任命されましたので、その際に内閣の方針としまして、営利企業はもとより名誉職的なあれこれの役職もできるだけ遠慮した方がよろしいという御指示と申しますか、申し合わせがありましたので、そういうものはお断わりをするようにということを命じ、その措置をとっておるつもりでありますが、お示しのとおり、ことしの十月にどうこうということが私の名前で出ておるとしまするならば、私の意に反するものでありますので訂正の措置をとるつもりであります。
#149
○市川正一君 この住民大会はことしの八月三日です。そうして陳情にお越しになったのはことしの十月です。そうしますと、石破大臣は、参議院議員石破二朗氏は、こういう住民の切実な要求に対していわば耳を傾けないと、こういう立場だということなんですね。じゃ、ここで確認しましょう。そういうことですね、名前はおりると。
#150
○国務大臣(石破二朗君) もとより有権者あっての私の今日の地位であります。有権者の御意思は最大限に尊重し、これが実現に努力しまするけれども、どうにもならぬことはどうにもなりませんからといって、御容赦願わにゃならぬ場合もあると思います。
#151
○市川正一君 どうにかなるとかどうにもならぬとかいう話じゃないんですよ。一体こういう住民の正当な要求に対して、あなたは政治家としてどういう立場をとるのかという、そういう選択の問題ですよ。
 それで、前へ進みますが、先ほどあなたがおらぬときに、塩川運輸大臣は、例のいやいや論争やっていたんですよ、お留守の間に。自治大臣は立場上いやいやであってということをぬけぬけと言っておられたんですが、これもいやいやなのか、それは後で聞きますが、私は第三セクターの問題について重ねて伺います。
 去る六日に、運輸省及び自治省の統一見解なるものが提出されております。これによりますと、「地方公共団体が第三セクターに参加することについては、その財政負担を慎重に検討した上対処しなければならない。」と、こうなっております。この問題について石破大臣は、先日の参院本会議でも、「第三セクターを設置しますれば、国が経営しても赤字が出る路線でありますし、下手をしますと、第二の国鉄、ミニ国鉄になると、こう答弁されておる。記憶なさっているでしょう。また自治省は、これも藤原地域政策課長の答弁でありますが、「第三セクターに仮に地方公共団体が加わりましても、そういう状況ですので、地方財政としては特別な財政措置を講ずることは非常にむずかしい」とも答弁されております。そうしますと、慎重に検討した結果、地方財政の現状から見ると第三セクターへの参加は困難であると、こういう結論にならざるを得ないというのがいまの実情だと思うんですが、この点いかがでしょう。
#152
○国務大臣(石破二朗君) そのとおりと思います。
#153
○市川正一君 そうだとすると、私はこの統一見解についてはこれはごまかしだと。そうだというふうに自治大臣おっしゃった。ところが、自治省と運輸省の統一見解はそういうことを明記されていない。これまた両省の不統一ですよ。この点はっきりしていただきたい。
#154
○国務大臣(塩川正十郎君) 統一見解におきましても、なかなか困難という言葉は使っておりませんが、読みますと、「ただ、特定地方交通線の第三セクターによる鉄道輸送への転換については、現状から見て、第三セクターにより経営する場合でも赤字が生ずるおそれがあるので、地方公共団体が第三セクターに参加することについては、その財政負担を慎重に検討した上対処しなければならない。」と、こういうことでございまして、地方自治体としては、第三セクターに入るということは、これはなかなか慎重な問題であるということにはわれわれ相違ないと思うております。
#155
○市川正一君 私が質問したのは、先ほどの議事録をお調べいただいてもいいんですが、第三セクターへの参加が困難であるという問いかけです。それに対してそうだとおっしゃったんです。ですから、慎重にやらなければならないというんじゃない。結論として困難であるという見解を私求めたら、そうだと肯定されたから、おかしいじゃないかと、こう言っているわけです。
#156
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在の制度のもとにおきましては、私も答弁いたしておりますように、よほど赤字のウエートとそれから地域の開発、住民の福祉というものとバランスをとって、そこで踏み切られるものだと私は思うんです。でございますから、将来の問題として、第三セクターに対する国の全面的な対処処置というものが当然これに付属してそういう環境づくりをしなければなかなかむずかしい問題であろうということは、私も答弁申し上げておりますし、これは先ほど石破自治大臣のおっしゃっているのとは私は符合するものであると思うております。
#157
○市川正一君 結局幻みたいなもんですな。この点はいずれにしても引き続き運輸委員会において追及をしていただくことにして、私、きょうは連合審査なので問題を少し進めたいと思うんですが、通産大臣にお伺いいたします。
 もしこういう運輸省案がこのまま実施される場合には、地場産業を初めとして地域経済に与える影響は甚大であります。したがって、各地方自治体ぐるみの反対運動が展開されているのもまた当然であります。
 ここにも、もう一つ私、陳情書を持ってまいりました。これは岐阜県吉城郡の神岡町並びに上宝村挙げての陳情書でありますが、この神岡線というのは特別豪雪地帯であります。その指定も受けて、積雪量が約二メートルを超え、一月一日から三月十四日までの間は路線バスも直通運転を閉鎖するというところであります。加えて現在ここに三井金属の神岡鉱業所がございますが、毎月約八千トンの濃硫酸が国鉄で運ばれておりますが、国鉄が廃止になりますと、これがトラック輸送に転換される。この場合の交通事故等による危険性ははかり知れないものがあります。さらにこの地域は昨年特定不況地域に指定を受けたところであります。
 そこで伺いますが、こうした状況にあるたとえばこの神岡線の廃止は、地域経済にとってきわめて重大な問題であると考えますが、通産行政の見地から、大臣いかがお考えでしょうか、見解を承りたい。
#158
○国務大臣(田中六助君) 私どもといたしましては、地場産業の育成、したがってその地方の雇用との関係、そういう観点からもその地方に即した線で地方交通網の選択基準というものを決めていかなければならないというような気持ちでございます。
#159
○市川正一君 もう一歩立ち入った御答弁を期待したいんですが、これはもう一つの例です。それと関連して伺いたい。
 これは滋賀県の信楽線であります。ここは有名な信楽焼の産地でありますけれども、伝統的工芸品にやはり通産省から指定を受けています。この信楽線は昭和二十二年に沿線の山を裸にしてまでまくら木二万三千本を町が供出して再開に協力したんです。いわば地域住民の汗とあぶらでつくり上げた結晶の路線であります。いまも町を挙げて信楽線利用促進協議会というのをつくって国鉄利用に実に涙ぐましい協力をいたしております。かつ産業の上でも焼き物の燃料の油、その輸送をこの信楽線に頼っているのであります。田中通産大臣も北九州、産炭地の御出身です。こういう地場産業、地域産業の上で国鉄が果たす役割りというのはよく御承知です。としますと、塩川運輸大臣は、一々地域の実情を考慮していたらローカル線廃止できないと、これはきょうではありませんが御答弁なさった。きょうも運輸省案は政令の原則として貫きたい、こうお答えになっている。地域経済などへの影響を考えますと、通産大臣としてこういう運輸省の考え方に全く同意されるのかどうか、一考の余地はないのかどうか、この点を重ねてお伺いしたいんであります。
#160
○国務大臣(田中六助君) 先ほども申し上げましたように、地場産業の育成、雇用の拡大、地方の時代ということでございますし、神岡線あるいは信楽線、そういうような線も住民との結びつきが非常に伝統もあって、やはり地方のそういうものを勘案していかなければならないというふうに考えます。したがってこういう観点から、私どもといたしましては運輸大臣ともあるいは運輸省事務当局とも、事務当局同士が十分相談の上、選択の線を決めていかなければならないというふうに思っております。
#161
○市川正一君 事務当局でなしに、私は通産大臣が乗り出してこういうやっぱり地場産業、地域産業を守る立場からひとつ大いにその力説、主張をやっていただきたい、こういうことを希望いたします。大臣にはお引き取りいただいて結構でございます。
 次に、国鉄総裁に伺いたいんでありますが、総裁はこれまで法案審議の中で、国鉄再建は労働組合の協力がなければならないと、こう言明してこられました。また、昭和四十二年の十二月十五日に国鉄と国労が締結した「近代化、機械化及び合理化等に伴う事前協議に関する協定」で、近代化、合理化計画についての事前協議制を決めております。したがって、たとえば外部委託をする場合といえども、労働組合側の同意なしには強行しないということになると思いますが、この点についてまず総裁の確認をいただきたいんであります。
#162
○説明員(高木文雄君) 今回の法律の中できわめて重要な部分は、私どもが能率のいい経営ができるかどうかということでございますけれども、能率がいい経営というのにつきましては、当然現に働く職場にいる諸君の理解と協力がなければならないわけでございます。従来もそういう点については相当心してまいったつもりでございますけれども、今回の仕事は大変従来とは増して大きな仕事でございますので、この問題についてはあくまで労使間でいろいろ話し合いをして、その理解のもとに進めていかなければならぬことは当然のことであるというふうに考えております。いまお示しの線は私どももそのつもりでおるところでございます。
#163
○市川正一君 理解ということは合意、同意ということと承ってよろしゅうございますね、労使間の。
 そこで私は、そういう立場から具体的に荷物の取り扱い業務の外部委託問題について伺いたいのでありますが、ここに持ってまいりましたのは、東京の北、南、西の三鉄道管理局がまとめた昭和五十五年度の近代化合理化計画の文書であります。これによりますと、管内三十一の駅での手小荷物取り扱い業務を外部業者に委託する計画となっております。そして「近代化合理化事案実施行程表」、つまりスケジュール表を見ますと、これでありますが、荷物取扱業務の委託は十一月末に組合側に提示し、そして三月末に交渉妥結予定となっておりますが、この点間違いございませんか。
#164
○説明員(吉井浩君) ただいまの荷物の合理化事案につきましては一応地方事案ということで東京の三局と対応する労働組合との間の話ということでございますので、私ども直接に関与はいたしておりませんけれども、そのような計画を年初に立て、そのような行程で進みたいという気持ちを持っておることは承知いたしております。
#165
○市川正一君 そうしますと、まだ労働組合には具体的な提案はされていないわけですね、現時点では。
#166
○説明員(吉井浩君) 近々に提案する予定というふうに聞いております。
#167
○市川正一君 ところが、この国鉄の荷物取扱業務を受託している会社に北関東鉄道荷物株式会社というのがあります。この会社は昭和四十六年に設立された。そして社長の秋山丈夫氏は元国鉄経理局の財産課長で、いわゆる国鉄の天下り企業の一つであります。この会社が出したことし十一月一日付の文書がここにあります。これによりますと、「国鉄の手小荷物取扱業務の委託を受け、北関東の主要な各駅で営業してまいりましたが、昭和五十六年四月から新たに東京都内の主要荷物基地の業務受託が決り、会社の事業が大きく飛躍することとなりました。」と、こう明記しております。そして別の文書ではもっとはっきり、もともとこの会社は最近まで北関東荷物というふうに言っておりました、御承知のように。これが都内の主要荷物基地の業務委託を受けるため社名を北関東荷物から北関東鉄道荷物とわざわざ社名変更している。そして新たな業務受託のため新入社員の募集までしております。勤務個所は国鉄隅田川駅と、こうも書いております。
 このようなことは国鉄との間で委託契約が締結されているのか、あるいは締結が確実だという保証を国鉄が与えない限りできないことであります。これは先ほど総裁も確認された事前協議協定、これを無視し、また、団体交渉権をも否認するそういう不当なものと言わざるを得ぬと思うのでありますが、総裁の責任ある見解を承りたい。
#168
○説明員(吉井浩君) ちょっと総裁の前に前段としてお答えをいたしたいと思いますが、ただいま先生お示しの文書につきましては、私どももその現物を見たわけではございませんが、話はただいま承りました。
 それで、実はこれは団体交渉、もちろん確定いたしましてから実際の業務委託ということになるわけでございます。これも従来の例もございまして、実は鶏と卵の話になるわけでございますが、やはり国鉄当局として提案を申し上げる以上、提案が団体交渉でまとまったという場面で実は受注先がないということでは責任のある提案ができかねるわけでございまして、したがって、提案に先だってこれが実際に交渉の内容としてまとまった場合にはどういう受けざらがあるであろうか、こういう検討はやはりいたさねば実際の団体交渉の事務というものは進みません。そういうことで恐らく関係の鉄道局から内々の検討を依頼したものであろうというふうに思います。
 それから、ただいまの先生の一体相手として確定したのかということでございますが、これまたもちろん契約を結んだとか、そういうことではございませんけれども、先生も御承知のように、国鉄の業務、入り組んだ構内における荷扱いの作業でございますから、やはり全く経験のない会社に新しく参入していただくということは大変困難でもございますし、また実際にそれを希望する業主というものもございません。したがいまして、やはりこれまで経験を持っておるところに勢い依存せざるを得ない、こういう実情にはあるわけでございまして、そういったところを勘案いたしまして、恐らく北関東鉄道荷物会社でございますか、そういうところが前広に要員の手配云々ということをいたしたのだと思いますけれども、これは率直に申し上げまして、もしも交渉が長引けばその分は会社がリスクを負うということに相なるわけでございますから、先ほど申し上げましたように、われわれはやはり提案をいたします以上、その提案が円滑に労使の十分な話し合いで実現されることを期待するわけでございますし、やはり先ほどおっしゃいました年度末というのは職員の需給なり、あるいはまた新たな職場に職員をつけるという意味でも非常に適当な時期でございますので、やはりその時期を目指して万端の準備をいたしたいということでございます。
#169
○市川正一君 総裁に伺いたいが、そういうやり方が常道なんですか、既成事実をどんどん進めていく。そしてここに、見てくださいよ。――「五十六年四月から新たに東京都内の主要荷物基地の業務受託が決り、」と、こうなっているんですよ。そういうような労働組合等にも提示もしてない、労働組合とも話し合っていない、そういうものを決まったという形でどんどんどんどん進めていくことが通常のやり方だということを言っているのに、こういうようなことをほっといていいんですか。
#170
○説明員(高木文雄君) 当然労使間で話し合いが決まりませんと、そういう移りかわりはできないわけでございます。しかし、一方において今度は受け入れ体制をつくっておきませんと、これまた国鉄というところは一日も仕事を休めないところでございますから、受け入れ体制は受け入れ体制で同時並行的にやっていくと、これはまた当然のことではないかと思うわけでございまして、もちろん結果として労使交渉でまとまらなければそれはそういうふうに進まないということになろうかと思います。
#171
○市川正一君 国鉄国鉄と言うけれども、私も国鉄マンの一人ですよ、御存じだと思いますが。だからこういうことをやっていいというようなことないじゃないですか。ちゃんと労使慣行に基づいて既成事実をどんどん進めていって、だからもう四月からこうなっていると、私はこの北関東鉄道荷物株式会社が、これがどうのこうのということを言っているわけじゃないですよ。こういうことをやれるというのは、国鉄が何にも言わぬのに勝手にやるはずはないんですよ。国鉄がやらしているんですよ。この問題についてはやはりけじめをはっきりしていただきたいということを重ねて要求します。
#172
○説明員(高木文雄君) もちろんけじめをきちっとしなきゃいけないわけでございまして、そのけじめというのは、そういう労働条件その他労働者の生活にとって非常に重要な問題についてはあくまで基本的に労使間で話をして決めるということでございまして、そのことは一向踏み外していないつもりでございます。
#173
○市川正一君 元へ戻しておいてください。労働組合の方にまだ提示してないものをどんどん既成事実を進めるのはまずいと、もう一遍くぎを刺しておきます。時間がありませんからね。
#174
○説明員(高木文雄君) やはり両方並行的にいかざるを得ないということだけは御理解をいただきたいと思います。
#175
○市川正一君 それは労使慣行に反するものだ。
 そこで伺いますが、そういう荷物の取扱業務の外部委託、これで人員がどれだけ削減されるのか。また荷物取扱業務の外部委託で経費はどれだけ削減できるのか。そういう試算をお示し願いたい。
#176
○説明員(吉井浩君) 当面の問題でございます東京三局の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、ただいま近々に労働組合に提案をするという段階でございますので、それに先立って何名減にするということを申し上げることはひとつ差し控えさしていただきたいと思います。
 それから、先ほど申し上げましたように、荷物の合理化、部外外注を含むわけでございます。これにつきましては地方の事案として鋭意これまでも進めてまいりましたし、今後とも地方それぞれが地方の実情に照らし、また職員の需給に応じて進めてまいるということでございまして、これは先般も六十年度までの三十五万体制につきまして御質問を他の先生からいただきましたが、目下その具体的な作業をいろいろ各部門部門で進めておりまして、その集計がまだ完成していない、作業そのものは現在進行中の段階ということでございますので、ただいま御質問の総体の人員ということにつきましてもただいまここでお答えする用意がない次第でございます。
 それから、これによってどの程度の経費節減ができるのかというお尋ねでございます。これまたそれぞれの駅によりまして個々に進めてまいったわけでございますし、これからも進めてまいるわけでございます。やはり状況千差万別でございまして、その駅の状況、あるいは部外委託をいたします業者がほかにどういう仕事と関連してやっていくかというふうなことによりましてかなりの開きがございまして、一律に何ほどの経費節減ということを申し上げるのははなはだ困難でございます。せっかくのお尋ねでございますので、きわめて大づかみな、これはある程度勘もまじえてということで大変恐縮でございますが、大体二、三割程度の経費の節減という効果は生まれるものというふうに期待をいたしております。
#177
○市川正一君 いまは試算中だというお答えですが、かなり作業進んでいるんじゃないですか、総裁。私が入手した資料によっても、三十五万人体制に向けて各業務機関別に合理化件名と削減目標を試算しておられる。たとえば、運転関係では二万六千人、営業関係では同じく二万六千人、施設関係では七千四百人等々、合計六万八千九百人、これに地方線廃止や自然減などを加えると七万四千人になる。こう見込んでおられる。
 そこで伺いますが、わが党小笠原委員も運輸委員会の場で、六十年度の収支見込み、また業務別、作業別合理化計画などの資料を要求しておりますが、提出されない。作業中だ。では本臨時国会のこの会期中にこれは提出されるのかどうか。これは審議と重大な関連を持ちますから、その点、最後に明確にしていただきたい。
#178
○説明員(高木文雄君) まず第一に、ただいまお示しの数字は私どもは承知をいたしておらないものでございます。いろいろな数字が各担当の間で作業の段階として出ているかと思いますけれども、それは当然まず最初に労使間で話し合いをして詰めていくことによって国鉄の案になり得るわけでございまして、いまのところ、まだ国鉄の案としてはそういう数字をきちっと詰めたものがありませんので、いまお示しのような提出のことについてはお約束はできない、数字を持っておりませんのでお約束をいたしかねるわけでございます。
 それから、いつどういうふうにしてその数字が固まっていくかということでございますが、これはいま労使ともども非常に苦慮いたしておるところでございまして、われわれはわれわれで経営側として数字をつくりつつあるわけでございますが、大変大きな大変な仕事になるわけでございますから、これをどういう段階で組合側との話し合いに入るかということについては、私の方の都合もありますけれども、各組合にもいろいろ都合がございますので、これを仮に法律が通りました場合には、その法律の条文に従いまして経営改善計画を出さなきゃならない、そこには職員の数にも触れざるを得ないということでございますので、なるべく早くそういう労使間の話し合いに入りたいわけでございますが、それぞれ両方ともいろいろお立場がありまして、まだいつ何月何日からというところまではきておらない現状でございます。
#179
○市川正一君 まことに無責任きわまる。先ほど経費削減は二、三割、こういうアバウトな数字を……
#180
○委員長代理(桑名義治君) 時間が過ぎておりますので簡単にお願いします。
#181
○市川正一君 これで終わります。――というようなことで、しかも一方では、さっきも言いましたように天下り企業にはすでに下請発注をし、新規採用まで進められておる。結局、私はこの国鉄再建法なるものは国鉄破壊法だということを断ぜざるを得ない、そういうことを申し述べて私の質問を終わります。
#182
○伊藤郁男君 最初に、運輸大臣並びに国鉄総裁にお伺いをしておきたいと思います。
 再建法の骨子、もちろん十分に理解をするところでありますけれども、これを実際に実効あらしめるためには、これはもう閣議了解で明らかに、運輸大臣の提案説明の中でも明らかにされておりますけれども、労使が相協力して一致して当たらなければとても無理だ、こういうことはもう天下周知のところであると思うんですが、そういう考え方で進められるのか、基本的な考え方をまず大臣と総裁からお伺いをしておきたい。
#183
○説明員(高木文雄君) 一番大切なことは、職員の諸君が国鉄の経営の実態というものについて十分理解をし、そして一種の愛社精神といいますか、そういう気持ちで仕事をしてもらえるような雰囲気をつくり上げることだと思っております。
 七万四千人というお話が先ほど市川委員からも出ましたけれども、なかなかこれ容易なことでないわけでございますので、そのことを進めるにつきましても、労使の間で心の通いをつくり上げるということがまず大事なことではないかというふうに思っておるわけでございまして、その意味ではお尋ねの気持ちで取り組んでまいりたいと思います。
#184
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん国鉄も企業体として活動しておるのでございますから、当然それに従事する管理者といえ職員といえ、一致団結いたしまして、そして新しい気持ちでこの再建対策に取り組んでもらいたいと思うております。それがためには、何といたしましてもいま国鉄の労使双方における関係を正常化することでございますし、最近におきまして55・10の実施に見られますがごとく、最近非常に正常化してまいった兆しが出ておりますので、私はこの空気をずっと育てていってもらいたい、そして、一人一人につきましては、やはりその能率を上げていただく、そのことがやはり国鉄の再建への一番の近道であるように思うのでございまして、そういう観点から見まして、この再建法案が成立いたしましたことを転機にいたしまして、国鉄全体が燃えるような気持ちで再建へ取り組んでくれることを強く期待するものであります。
#185
○伊藤郁男君 心から期待をするあるいは心の通い合えるような体制をつくりたい、こういうことを言われておりますけれども、言葉から言えば、そのとおり、そうなれば一番いいわけでありますけれども、しかし国鉄の中には、御承知のように五つの労働組合があり、考え方も基本方針も全部違う、こういう組合があるわけでありますけれども、その可能性が一体あるのかどうか。
#186
○説明員(高木文雄君) 一面においてはただいま大臣がお触れになりましたように、この十月一日からのダイヤ改正の場合には、各組合ともいろいろな事情もありましたけれども、比較的平穏裏にこうした改正に入っていったわけでございまして、そういうことでいま大臣から労使関係が好転していく兆しがあるというお言葉で表現されたわけでございますけれども、また他面におきましては、実はいまこうやって重要な法律を御審議の最中でありますのに、一部の組合は近々ストを構えるというようなことを宣言をいたしておるわけでございまして、これはどうも非常に常識に外れるではないかということで説得等に当たっておりますけれども、いろいろの事情もございましょうけれども、何といいますか、全体としてそういうことにもいかないということで、先日来われわれの方と一部の組合との間でつばぜり合いといいますか、話し合い、つばぜり合いを繰り返しておるところでございまして、そういう結果にならないように非常に強く希望しておりますけれども、長年の余り好ましからざる慣例的なものがありますので、いまの段階で責任をもってこれそういうことにならないように私の力でいたしますというところまではちょっとお約束できない、困った状態にいま陥っております。
#187
○伊藤郁男君 総裁も言われましたように国労、動労はこのまま二十五日、再建法の成立紛砕ということでストライキをやる、こういうことを明らかに決定をしているわけです。
 そこで、御苦労のほどはわかります。説得を続けておる、こういうことでございますけれども、現実に両組合が組織決定をやってストライキをやる、こういう構えを明確に出しておるわけでありまして、そこでお伺いをしておきます。このストを一体違法なものと考えておられるのかどうか、運輸大臣いかがでしょう。
#188
○説明員(高木文雄君) 言うまでもなく現行法上公企体にはスト権を禁止されておるわけでございますから、現行法から照らして明らかに法律違反だということは疑いもない事実だと思います。
#189
○伊藤郁男君 そこで、法律違反であることは明らかだ、こういうことを断定をされるならば、このストライキに対して厳正な態度で臨むのが当然のあり方だと私は考える。法治国家でありますから、法律を守る、秩序を守ることによってこの法治国家が維持されるわけでありまして、この違法、無法を許せば、やっぱり民主主義は崩壊してしまう。したがって、このストライキに対してより特段の努力をしていただきたい。運輸大臣のお考えをお伺いしたい。運輸大臣。
#190
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう不幸な事態にならないように私といたしましても強い警告を発したいと思うております。
#191
○伊藤郁男君 そこではさらにもう一歩進めましてお伺いをするわけでありますが、現実に二十五日にストライキが行われて国鉄が損害を受けた場合、ストライキが行われればもちろん損害があるわけです。今度のストライキはもちろん地方線などを中心にしてやられる、こういう計画のようでありますけれども、国鉄が損害を受けた場合に損害賠償の訴えを起こすつもりがあるかどうか、これもお伺いをしておきたい。
#192
○説明員(高木文雄君) 仮定の問題で大変お答えしにくいわけでございますが、ストによって損害があったという場合には賠償請求をするのが本来の筋道だと思います。しかしこれはいろいろな事情もあり、過去の歴史もあり、御存じのように、あれ、昭和五十年でございましたかまでは請求をしたことがなかったわけで、訴訟上の技術の問題もありますし、いろんな問題がありまして、賠償請求しなかったわけでございますが、五十年の段階では、新しくそういう体制をとったということでございまして、いまその訴訟を繰り返しているところでございますけれども、法律的には非常に多くの問題があるわけでございますので、いま私どもの気持ちとしましては、その五十年時点でのストの問題についての損害賠償の請求に、裁判上のことに精力を集中をいたしておるわけでございまして、その後起こりましたストにつきましては、注意力分散になってもいけませんので、請求をしてないという状況でございます。
 今後の問題につきましては、事案の内容その他にもよりますので、ここでどっちともお答えをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#193
○伊藤郁男君 ここに一つの資料があるわけでありますが、これは鉄道労働組合が作成をした資料であります。五十年から五十五年のこの六年間におきまして、スト件数が、五十年は九件、五十一年は六件、五十二年は八件、五十三年は十一件、五十四年は五件、五十五年は、四月十六日分を含めて一件、そこで、客車あるいは貨車を含めてこの間に運休をされた本数は実に六十五万六千百五十三本に達するわけであります。これは、損害額の計算にはいろいろの方法があると思いますけれども、この間に六十五万六千百五十三本が運休をし、千百一億円が減収になっている、こういう数字があるわけであります。先ほど高木総裁は、就任以来四年半かけてようやく一千億損失を減らした、こういうわけでありますけれども、それと同じような額が、ストライキによって損害額として明らかにされているわけです。この点どう思いますか。
#194
○説明員(高木文雄君) ただいまの数字は、ちょっと私どもの数字と、ほぼ同じでございます。ただそれは、いまもお触れになりましたように、減収額でございまして、損害額ではないわけでございます。収入額と減収額の関係は非常に複雑でございまして、そのゆえにこそ裁判所でもいまいろんな争いになっているわけでございます。しかしいずれにしましても、かなりの額にはなると思います。そういう意味で、私どもは、違法であるということのほかに、収入減をもたらすものであるということにおいて、そしてさらに、収入減の結果として損失をもたらすものであるということにおいて非常に重大な関心は持っておりますけれども、先ほど来申しておりますようなことで、ある一点の案件に集中していま訴訟で争っておると、こういう事情でございます。
#195
○伊藤郁男君 関連して確認をしておきますが、その訴訟を取り下げる意思はありますか、ありませんか。
#196
○説明員(高木文雄君) これはもう各会期ごとに国会でお尋ねがあり、お答えしているとおりでございます。
#197
○伊藤郁男君 これは決算委員会で、わが党の柄谷議員がこの問題で質問をされております。そのときには、現在のところは取り下げる意思はないんだと、こういう答弁になっております。運輸大臣の答弁だと思うんですが、果たしてそうなのか。
#198
○説明員(高木文雄君) その時点はいつであったか、ちょっといま記憶をいたしておりませんが、今日ただいまの時点において取り下げる意思はないわけでございます。
#199
○伊藤郁男君 ということは、現時点において取り下げる意思はないけれども、今後情勢の変化があった場合には取り下げることもあり得るという意味合いも込めておるのかどうか、確認をしておきます。
#200
○説明員(高木文雄君) 現在の時点においてそう考えておるわけでございまして、世の中しょっちゅう変わりますから、それは、その先のことはどうかと言われましても、今日はちょっとお答えできません。
#201
○伊藤郁男君 これは重大な発言だと思うのです。すでに情勢は変化しております。これはどういう変化かといいますと、国労、最近になりまして、当局が損害賠償を取り下げるならば、三十五万体制に協力していくというような柔軟な方針を打ち出したと聞いておる。事実、現にその方針の中で、当局は三十五万体制を強く求めている。国労は損害賠償の取り下げを要求している。この両者の要求をともに満たすことができれば、労使の妥協は成立すると、こう書いてある。だから情勢は変化している。だから、いま総裁の言われますように、情勢が変化するならば、この問題も考える余地があるというようにいま私は受け取ったわけでありますが、その点はどうなんでしょうか。
#202
○説明員(高木文雄君) 三十五万人体制という、非常に大きな仕事をしなければならぬという問題が一つございます。それから、過去において損害賠償で争っておるという事実が一つございます。しかし、それは本来無関係なことでございますので、いま一部の新聞で報ぜられておりますような、そういう取引とか何とかということにはなり得ない問題だというふうにわれわれは考えております。
#203
○伊藤郁男君 国鉄当局がこれまで労使関係正常化のためにとして行ってきたいろいろさまざまなことがあります。しかしそれは、労使関係の正常化のためということではなくて、当面の問題に妥協に妥協を重ねてきた。たとえば駅や電車等にビラが張られている。落書きがある。これも放置している。違法ストに対する処分の延期をやる。いやがらせを含む職場暴力を放置している。それから違法スト参加者の抜てき昇格、免職者を再採用している。恐らく運輸委員会でもこれらの問題が討論をされたと思うのですね。こういうようなことが労使の正常化につながる、とんでもない話。したがって、こういうような取引が行われている陰で、まじめに働いている職員が踏み台にされているということを十分に認識をされてほしい、こういうふうに思う。時間がありませんから、この論争はこれで終わります。
 そこで、次にお伺いをしておきます。
 国鉄には指定業者というものがあるわけでありますけれども、指定業者というものはどのくらいの数に上っておりますか、実情を明らかにしていただきたい。
#204
○説明員(吉井浩君) 先生お尋ねの指定業者の意味はちょっと私、とっさでのみ込めないわけでございますが、国鉄の契約の内容といたしまして、日本国有鉄道法に基づきます契約につきましては、一般原則は、公開競争入札ということになっております。しかしながら運転保安上きわめて精度を要求されるもの、あるいは契約の不履行によって国鉄の業務に重大な損失を受けるものというふうに政令その他で定めのあるものにつきましては、随意契約もしくは指名競争入札という方式が認められておりまして、あるいは先生お尋ねの指定業者というのが、随契もしくは指定業者という範囲に含まれているものでありますか、ちょっとその辺が私、御質問がよくのみ込めませんので、まことに申しわけないわけでございますが、随契もしくは競争入札という指名業者の総体の数は私、よくつかんでおりませんけれども、これにつきましては十分な資格審査をいたしますので、それほど莫大な数字ではないということだけお答えを申し上げます。
#205
○伊藤郁男君 それでは、一つの事例がありまして、私の調査によれば、東京都の八重洲一丁目八番九号に、ユニオン交通産業株式会社という会社、これは、厳重な審査の上国鉄と取引を行う指定業者となっているのかどうか、事実をだけ……。
#206
○説明員(吉井浩君) ユニオン交通が取引をいたしております相手は、これは国有鉄道で直接ではございませんで、国鉄の共済組合、これの福祉活動の一環として物資部というものを経営いたしておりますが、その物資部にユニオン交通が五十三年の十二月でございましたか、それ以降、清涼飲料水の販売、あるいは清涼飲料水の自動販売機というものの設置という契約を結んで相手になっております。
 これは先ほど申し上げました日本国有鉄道法に基づく契約とは全く違う性格のものでございまして、物資部の場合は、ただいま申し上げました職員の福祉のため、低廉良質な商品を確保するという目的でございますので、運転、保安その他とは全くかかわりのないことでございます。したがいまして、物資部につきましては、一般のストアでございますとか、物品販売業と同じような経済原則というものを優先に行っておるわけでございまして、したがいまして、物資部と取引をする場合には、あらゆる業者の参加、相手となることを認めておる。これが規程の原則でございます。原則と申しますか、規程そのものはそのようになっております。したがいまして、鉄道における一般競争入札、これも特定の会社を排除するということはございません。特に欠格のある会社以外はすべて相手方にしておりますが、それと同じような次元で物資部の場合には個々の業者と契約をいたしておる。したがいまして、お尋ねのユニオン交通というものは、先ほど私が申し上げました厳密な審査を経たという内容には該当いたさないわけでございます。
#207
○伊藤郁男君 その国鉄共済組合の代表者はだれですか。
#208
○説明員(吉井浩君) 共済組合の運営は、御承知のように、国鉄からの負担金とそれから組合からの掛金で運営をされておりますが、代表者は日本国有鉄道総裁でございます。
#209
○伊藤郁男君 関係がないないと言いましても、国鉄共済組合の代表者は高木総裁、事務局長は職員局長が兼務している。最終責任は高木総裁にある。これはもう当然ですね。
 そこで、ここの会社の役員、代表者が牧野文夫さんという方、取締役が細井宗一さんという方、あるいは勝亦清美さんという方がなる。監査役として人見美喜男さんという方がなる。みんなこれ、国鉄の関係者とOB。そういうようにこの資料の中にありますが、その牧野さんとか、細井さんとか、勝亦さんとか、人見さんという方は、どういう経歴の方ですか、ちょっとお伺いをしたい。
#210
○説明員(吉井浩君) いまお挙げになりましたお名前のうち、牧野さんにつきましては私余り詳しい経歴を存じ上げておりません。あとの三人の方は、それぞれ現職もしくは比較的最近に退職されました国鉄労働組合の役員の方でございます。
#211
○伊藤郁男君 牧野さんという方は国鉄労働組合の青年部長もやられた方です。これ知らないというわけはないと思うのですね。細井宗一さんは、もう労働運動やっている方はだれでも御存じの方です。国労の中央執行委員二十八年もやられて、ことしの三月退職をされた大変な方です。勝亦さんも国労の東京地本の副委員長をやる。そうして人見さんは、現に国労の中央執行委員であって、福祉担当だった。こういうことになる。全部国労の方々ですね。こういう方々と、こういう会社とどのような取引の実績があるのか、わかりましたらお答えをいただきたい。
#212
○説明員(吉井浩君) 先ほども申し上げましたように、物資部の場合には、これはいわば経済原則ということに従いまして相手方を選定いたしております。したがいまして、この場合に、この会社と契約することが物資部の経営上、また職員の福祉の上に有益であるかどうかということは問題になろうかと思いますが、担当いたしました物資部におきましては、自動販売機の設置の場合でございますが、この会社はKK日本自販機という会社、これは自動販売機の国内のシェアの約三〇%を掌握しておられる会社のようでありますが、そことの代理店契約というものをこのユニオン交通はお持ちでありまして、そして市価よりも一割低廉に清涼飲料水を供給する。また、それの設置につきまして売り上げの八%をマージンとして物資部に納める、こういう条件の提示がございました。この種の業種としては、他の見積もりにおきましてもこのような条件で提供するところはないということでございまして、したがいまして、先ほど申し上げましたような随契、物資部の契約の場合には、一般の業者といいますか、会社を相手にいたしまして、特にこの条項が欠格に当たるという判定は、法的にもなかなかいたしがたいということであろうと存じます。
 契約額といたしましては、五十四年度に約三千五百万円というふうな契約額をいたしております。
#213
○伊藤郁男君 私は、組合の役員をやめてからどんな仕事をやったって別におかしくはないし、どういう会社を設立しようがこれはおかしくない。あるいはもとの地位と顔を利用して商売する、これはもうどうってことないと思うんです。
 しかし、問題は公営企業ですからね、公営企業がこういう形のものと取引をして、特別な配慮みたいなものの考慮が動いたとすればこれは問題がある、こういうように私は思っているわけでありまして、この問題について、そういうことの問題について、これはここだけじゃないと思うんですよ。全国にかなりあるんじゃないですか。そういうことで私は取り上げてみて、一体この問題について当局はどのように考えておられるのか、このことを聞きたかったわけであります。
#214
○説明員(吉井浩君) 繰り返し申し上げますように、物資部の契約ということはあくまでも経済原則に従ってやろうということでございまして、提示されました内容がきわめて他に比べて有利であるということで選定をいたしましたので、そのために特別な配慮ということを先生いま仰せでありましたが、それ以外の経済外的な特別な配慮というものを加えたことは全くないというふうに存じております。したがいまして、ほかにこれよりも有利な条件で同じような仕事を提供する方が出てまいれば、これは当然考え直さなきゃいかぬということであろうと思います。
#215
○伊藤郁男君 この問題は、ある一部では労使の癒着、こういうことも言われているわけでありますから、十分に御検討をいただきたい。
 最後に、一つだけ運輸大臣に確認をしておきたいと思います。
 実は第三セクターの問題に関連をするわけですが、私が地方行政委員会の質問の中で、自治大臣に対しまして、地方団体が住民のいろいろな要望があってやむを得ないから、赤字覚悟でも第三セクターでいくんだと、こういうことを決めた場合にはどうかと、こういう質問をしたわけです。そのときに自治大臣は、赤字覚悟でやるならばどうぞおやりください、しかし国は、当然赤字が出るんですけれども、その赤字を補てんをするようなことはしません、どうぞ勝手におやりくださいというような御答弁があったわけでありますが、運輸大臣も同じ考え方で臨まれておるのか、その点をお伺いします。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) いま問題となっておりますこの特定地方交通線もしくはAB線で、開設をいたしまして特定地方交通線に相当する路線、この路線を第三セクターによって経営をしていただく場合には、そのよって来る赤字の半分額は国が五年間補助をするということになっております。
#217
○伊藤郁男君 時間が参りましたので、ここでさまざまの問題を質問をしたいわけですが、これで終わりたいと思います。
#218
○森田重郎君 私は、この国鉄再建法案に賛成をさせていただきます立場から二、三の問題につきまして、特に国鉄総裁と運輸大臣にお尋ねを申し上げたい、御意見をお伺いしたいと、かように思うわけでございます。
 実は、はっきり申し上げまして、私この国鉄再建法案をいろいろと読ましていただきました。同時にまた、参考資料等もいろいろな角度から拝見をさせていただいたわけでございますが、一口に申し上げまして、どうも国鉄さんは私どもは古いと、こういう感覚が非常に強いわけでございます。古いということが是であるか非であるか、そういう問題は別といたしまして、いずれにしましても長い歴史の中で今日のわが国の近代社会に大きく貢献されたその国鉄さんの役割り、使命というものに対しましては、これは深甚なる敬意を表したい、かように思いますが、反面、考えてみますと、ある意味ではこれはあながち経営の技法であるとかテクニックの問題であるとか、そういう問題は別としましても、どことなく古いという感じが実はしてならない。
 たとえば、この法案をちょっと拝見いたしますと、たとえばの話でございますが、この十五条の鉄道敷設法ですね、これは大正十一年にできているんですね、大正十一年。私は大正十一年生まれでございますが、ちょうど五十八年前、恐らくは大臣も十一年生まれじゃないかと思うんでございますが、もちろんこの間にいろいろとその時代時代に即応するような形での法改正はなされておると思うんです。それから、この鉄道営業法に至っては、これは明治三十三年ですね、日露戦争の前ということになるわけですね。まさにこういうような一面を見ただけでもいささか国鉄さんは古い、こういうことをあえて申し上げたい。といいますのは、その裏を返せば、この辺でやはり大きくこれからの明るいそして近代化された国鉄に脱皮していただきたい、かような意味からこういうことをあえて申し上げておるわけでございます。
 したがいまして、今後の国鉄再建につきましては相当果敢な英断、英知、勇気を持ってあえて臨んでいただきたいと、かように思うわけでございますが、実はこの法案が仮に衆参両院の議を経まして成立したとしても、私自身は若干今後の国鉄再建そのものについて危惧する面がないではない、こういう気持ちも実は赤裸々な気持ちとしてあるわけでございますが、仮にもしこの法案が通ったということであるならば、国鉄再建が果たして可能であるかどうか、この点をあえて総裁並びに大臣に御所見を賜りたい。二たび三たびまたまた挫折ということがあるかないか、この辺をしかとした御心情を披瀝していただきたい、かように思います。
#219
○説明員(高木文雄君) 先ほど他の委員のお尋ねにもお答えを申し上げたわけでございますけれども、今度の法案というのは、昨年の七月に私どもが立案をいたしました再建についての基本構想案というものを下敷きにして組み立てられております。
 そこで、私どもの基本構想案は、六十年までに現在運営しております国鉄の経営の基盤を確立するところまではぜひやりたいという考えでございますけれども、それには一つのいわば条件がありまして、年金の問題とか退職金の問題とかあるいは東北、上越新幹線の経営による損失の問題とかいうことについては、これはまた追っかけて別途考えていただきたいということが前提になっているわけでございまして、そのこと一つをとらえましても、これだけで全部が解決というわけにはなかなかいかない。体質を強化して、これから自立し得るように取り組む体質をつくってやろうということでございますので、私どももそういうふうな前提でこの法案を受けとめております。
 それから、古いという話につきましては、ある意味では私ども大変ありがたいわけでございまして、長い間国民の皆さんからいろんな意味でかわいがっていただいて今日まできておりますし、いま議題になっておりますローカル線の問題等につきましても、非常に大勢の方々の反対の議論の中には国鉄に対する愛着といったようなものがまつわっておるわけでございますけれども、しかしそれは私どもの内部におきましても、その古さというものがあることは一つの問題でございますし、また国民の皆さんからそういうことで愛着を受けておりますことはありがたいんではございますけれども、やはりある意味では新しい時代への即応という点については問題があるわけでございまして、この点は私どもも内部はもちろんでございますけれども、利用者、国民の皆さんに時間をかけて御理解をしていただきたいと、新しい時代の国鉄はいかにあるべきかということについてさらに御理解をいただきたいというふうにお願いをする次第でございます。
#220
○国務大臣(塩川正十郎君) 民間の企業で、しかも非常に厳しいビジネスをやってこられた森田さんにしましたら、確かに国鉄の経営というのは古いようにお感じになる。それは時代の変遷に適時適切になかなか対応していけない。これはやはり公共事業でございますし、公共的性格が非常に強い、そういうところからその行動そのものをすべて法律、規則で縛って、国民に公平にそして妥当な運営をしていかなければならぬというところになかなか国鉄自身が当事者としての能力を発揮しにくいところがございますし、そういうことが積み重なってまいりまして今日にきておるわけでございますが、だからといって日々これ新たに改正の道は講じておりますけれども、民間のようにはいかないということは私も痛感いたしておりまして、おっしゃるように確かに古いところもまだ残っておることは事実でございます。
 それで、今度のこの改正につきましても、ただ古い家の中をかんなで削るだけではだめなんだと、柱を取りかえるまでやらなきゃならぬのだという御提案をいただいたこともございまして、私もこれは非常にいい提案だと思うております。しかし、古いは古いながらも、そこにはいままでの伝統もございますし、またそれを生き返らすことによって新しい大きい力にもなる。そこでとりあえずかんなで削り、窓枠もきれいに一回改めてみて、その上で六十年までにしっかりした家に中から建てかえていく、突っ張り棒をしなきゃならぬところはしていこう、こういうことを六十年までにやったならば、この家がさらにりっぱなものによみがえってくるようになるであろうという期待を込めてわれわれはこの再建案に取り組んだ次第でございまして、仰せのようなところは私たちも非常に感銘するところがございます。
#221
○森田重郎君 古い新しいというような話になりましたけれども、ちなみに申し上げますと、地方鉄道法もこれは大正八年でございますわね。ずいぶんいろいろと法改正もございましたけれども、その辺が言うなれば国鉄の基本法的な一つの柱になってきている。そういうような意味から私はあえて申し上げたわけでございますが、ちょっと視点を変えまして、昨年度の単年度五十四年度で八千二百億の赤字でございましょうか、それから累積欠損が三兆五千億、特別勘定を含めますと六兆一千億ですか、こういう実は膨大な赤字を抱えておられる国鉄さんが、先ほど来何回か委員の方々から御質疑がございましたけれども、六十年度に三十五万人体制ということが果たして可能であるのかどうかというような点について実は他の諸先生からも御質問がございましたけれども、同じような質問になろうかと思うんですが、もう一度お伺いしたいんでございます。
 ちなみにこれを私鉄さんの、仮に大手の近鉄さんあたりに比較対比いたしますと、五十五年の三月現在で、近畿日本鉄道さんの全社員の方々が一万二千五百二十九人とかというふうな資料を拝見したわけなんですが、言うなればこの近鉄さんのちょうど六倍ぐらいの方を削減をする、せざるを得ない。もちろんいろいろ配置転換、そういった面についての御配慮はあろうかと思いますが、果たしてそういうことが現実の問題として可能であろうかどうかというようなことを非常に危惧するわけでございますが、その点につきまして、総裁並びに大臣のもう一度御答弁をちょうだいしたい、かように思います。
#222
○説明員(高木文雄君) 三十五万人という数はどういう意味を持つ数かと申しますと、たとえば、運転はいま何人の職員でやっているけれどもこれを何人でやるようにしようとか、営業はこうしようとか、保守はこうしようとかいうことで積み上げてきたものではないのでございまして、六十年代に収入がどうなるか、これも大変、予測でございますが、消費者物価程度に毎年運賃を改定させていただくということを前提として考えました収入総額と、三十五万人の職員諸君で仕事をやっていきます場合の人件費総額とを比較いたしますと、大体収入を一〇〇と見まして人件費が五〇ぐらいになるんではないかと考えております。なぜそれを目標にしたかといいますと、現在大手の私鉄さんがりっぱな経営をおやりになって配当もしておられるという状態のもとで、人件費と収入の割合がどんなふうな関係になっているかというと、四五%ないし四六%ぐらいになっておるわけでございますし、昭和三十九年まで私どもが黒字でありました時代の収入と人件費の関係はどうなっているかといいますと、たまたまやはり五〇%ぐらいになっております。
 そこで、鉄道業は製造業と違いまして、非常に労働集約型産業でございまして、したがって経営をどうやっていくかという場合の基本はやはり人件比率ということに着目するのが一つの考え方ではなかろうかということからはじき出してきたものが三十五万という考え方でございます。したがいまして、これを一体どこでどういうふうにしていわゆる軽量化を図っていくかということについては大変むずかしい問題であるわけでございます。いまその作業をやっている最中でございますが、作業の過程を通じましてもなかなか容易でないということはいま御指摘のあったとおりでございますけれども、しかし、そうしないことには健康な状態になれない、経営体質として健康なものになり得ないということから、ある意味では非常に乱暴な立て方かもしれませんけれども、やはり立て直しには目標を置く必要がございますので、まだほかの要素もありますけれども、いまのようなことを最初の発想法として置いたわけでございますので、お示しのようになかなかこれは大変だと、しかし大変でありますけれども、そこまで持っていかないと経営体質として五体健全なものになりませんので、それを歯を食いしばってそういうことを目標にがんばってまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
#223
○国務大臣(塩川正十郎君) 提出いたしております法律第四条によります「経営改善計画」、これは国鉄が運輸省に提出する計画でございますが、この計画書に必ず三十五万人体制が達成するよう強く要望いたしますし、また指導してまいりたいと思うております。
#224
○森田重郎君 まだ三十秒ほどあるようでございますが、実は私もかつて二、三の私鉄の経営に参画したこともございましたし、同時にまたローカル私鉄の責任者等を経験した、そういうこともございまして、言うなれば赤字ローカル線ではずいぶん泣いた者の一人でございます。恐らくは、最近新しい資料は持ち合わせてはおりませんけれども、不採算路線を抱えたローカルの私鉄というような会社におきましては、総経費の恐らく八〇%ぐらいが人件費であるというような会社もおありかと思うんです。そういう意味から考えますと、何らかの形でバスに転換するとかというような努力をずいぶん重ねたわけでございますけれども、なかなかこれがうまくいかない。私鉄の例をとるまでもなく、国鉄さんも同じような経緯、経過をたどる、よってまたまたここに出された法案そのものがほごになることのないようにということを実はお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#225
○美濃部亮吉君 私は最終の質問者でございますが、わずか十五分でございますからもう少々ごしんぼうを願います。
 国鉄再建法案は、国鉄が赤字を出して累積七兆円に近くなろうという状況を脱して健全な財政状態となって再び活気のある国鉄を取り戻す、その基本的な計画を法律化したものであろうと思います。その当然の結果でございましょうけれども、この法律を貫いている哲学と申しましょうか、基本的な考え方と申しましょうか、理念と申しましょうか、そういうものが二つあるように思います。
 第一は、当然のことながら赤字がどうして出てきたのか、その原因を追求しようと、そして、それがわからなければ当然対策というものも立たないわけでございます。それからもう一つの理念と申しましょうか、それは国鉄が基幹的な交通機関であるという自負を持っていることだと思うんです。
 それでありますから、この国鉄の再建計画というものがやはり全交通政策の上から、あるいはもう少し大きく全国民経済の観点から見られなければならないと、そういう考え方であると思います。そうして、私は、この二つの考え方が根底になっているということに全面的に賛成をするものでございますが、しかしながら実際にそうなっているかどうかということは別問題で、私は、その点において十分ではないのではないか、あるいは額面どおりにいっていないのではないかという懸念を持つものでございます。
 まずその原因についてでございますが、その赤字の原因は二つに分けられて、一つは経営技術的ないろいろな問題というものでございまして、この点においては相当丁寧に列挙されております。しかしながら、もっと大事なのは構造的なものであって、それは法律の中にもそう書かれてございます。この構造的なもの、つまり経済社会の変化から出てきた赤字、これは非常に重要であるとともに、その対策が非常にむずかしいと思います。しかしながらこの対策ができなければ、経営技術的で一時的に赤字が解消されても構造的なものは残りますから、一時はいいかもしれないけれども、またもう一度赤字が出てくるということはむしろ必至だと言えると思うんです。
 しかしながら、この構造的なものに対する追及がほとんど全くなされていないと、その点が非常に遺憾であると思います。それで、見ようによっては赤字線を廃止するということがこの構造的な赤字対策であるというふうにも考えられますけれども、これはそうではなくて、もう少し複雑になってはおりますけれども、国鉄が収支が償わないと思った地方鉄道は、結局は廃止することができるということになっておりまして、これはむしろ構造的なものに対する対策というよりも、経営技術的な対策であるというふうに考えざるを得ないのであります。
 それから次の、つまり国鉄が基本的な幹線であるということから、その整備計画が国民経済的なあるいは国民全般に対する影響を十分に考えなければならないという点においては、私は遺憾ながら赤字線の廃止というものが、何と申しましょうか、国鉄の自由意思によって、もちろん協議会というふうなものがございます。しかしながら、協議が調わなければ二年後には見切り発車ができるということになっておりますから十分なことはでき得ないのではないであろうか。そうして、たくさんの御質問がありましたように、このことから経済的なあるいは地域的なあるいは地域住民に対するいろいろな悪い影響が出ざるを得ないというふうに思うのであります。
 きのうの朝日新聞に法政大学の力石さんが提案をされております。それは軽油税、これが、私は存じませんけれどもイギリス、ドイツなどよりも非常に安いそうですが、この軽油税を課することによってトラックの輸送数を減らしてそれを国鉄に傾斜させるということ。そのことによって国鉄の赤字を解消するのがいいのではないか。
 それから、私が考えたことでございますけれども、トラックの排出ガスの二酸化窒素の規制というものは全くございません。これをやはり厳重に規制することによってトラックの貨物輸送を制限をするということも可能であろうと思います。
 あるいは、先ほどどなたかの御質問にも出てきたように、国鉄は赤字が出るのが私は当然であると。それは私の経験で、都内のバスが赤字が出るのはこれはどうしても仕方がない。それから都立の病院が赤字が出るというのも仕方がない。これは親方日の丸ではございませんけれども、国がめんどうを見なければならない赤字である。それがつまり市民の幸せのためなんだから、民主主義的政治である以上は当然なすべきことではないだろうか。そういうふうな考え方からして、相当思い切った補助金を出すということもやはり一つの構造的な対策であろうというふうに思います。
 国鉄さんも、新幹線ばかりに力を入れて赤字の鉄道をないがしろにするというふうなことはなさらずに、数年前に警察庁が出しました「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」というスローガンをよくもう一度考えていただきたいということをお願いして私の質問を終わりますが、どうぞ大臣と国鉄総裁の御意見を伺わしていただきたいと思います。
#226
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、この原因探求につきまして、構造的な改革というものは私はやはりおくれておるように思うのであります。
 国鉄が今日これほどの膨大な赤字になって、そしてまた激しい経済の変遷についていけなかったその一つの原因は対自動車関係ではなかろうかと思うております。そこで、自動車に対する対策というものは、われわれはトラックとバスというものに重点を置いておりましたが、どうしても自家用による乗用車並びにトラックというもの、これを政策の対象に入れていかなければならぬと思うております。現在運輸省で総合交通政策をやっております中で、何としてもこの対策に打つべきものがないだろうかということを考えておるのでございます。
 それからもう一つは、燃料と申しましょうかエネルギーがこれからますます高騰してくる、そういたしますと、鉄道というもののエネルギー効率というものは高いのでございますから、いずれのときにか鉄道にリバイバルが起こってくるであろう、それまでは自動車というものが相当な社会的な犠牲を払わなければならぬのだという制度を何とかして私たちもそれに努めていきたい。それが国鉄に対する対構造的な一つの有力なる対策になるのではないか、こう思うておるのであります。それと同時に、国鉄自身の構造の中の改革も必要でございまして、それは鉄道がやはり鉄道の特性を生かすということで、それには、昨年の十二月閣議決定いたしましたときに、鉄道は結局都市間を結ぶ輸送機関として、そして大都市圏内における他の輸送機関が掌握できない地域を輸送担当する機関として、また定形の大量貨物を輸送する機関としてと。そういう特性を構えまして、それに対する国鉄の使命を新しく負荷し、それに対する設備投資というものを積極的に行っていくべきだ。それはいつの時点からできるかといいましたら、いま、仰せのように新幹線に余りにも膨大な投資を続けてきたと思うておりますが、五十八年ごろになりましてこの投資が一段落してまいります。国鉄に対する投資は、国の財政が厳しいとはいえ、依然として私たちはこの現在ペースもしくはそれを敷衍した。ペースで続けていきたい。そういたしますと、新幹線投資分がそういう鉄道の特性を生かす部門に対して新しい投資が可能なのではないか、それによって国鉄の体質なりまた構造的な改革、こういうものを進めていきたい、こう思うておるのでございます。
 それから、仰せの中にございました公害関係の問題も含みましてわれわれのところでいま考えておりまして、政令をいろいろ考えます段階においてこれを運輸省から政府に持ち込みたいと思うております一つに、地域の交通というものはどうしても人口と交通機関とのコストの関係から赤字が生じてくるのはやむを得ないと私も思いますが、この赤字を何とか補てんするのに、いままではこの赤字は国鉄自身の責任においてやってきたのでございますが、今回はそれは免責してもらいたい。けれども、やっぱり地方で鉄道は動かさなければならぬ。そういうものに対する補てんは何か別途の財源をもって考えていかざるを得ないのではないか。その財源の出所というものはやはり自動車関係、自動車自身とは申しませんが、それにまつわる関係からそういう新しい財源をつくり、それによって地域交通を守っていくための一つの支えにしていかなければ、この問題は総合的に解決し前進しないように思うておりまして、それにつきまして努力してまいりたいと思うております。
#227
○説明員(高木文雄君) 総合的な交通体系の問題につきましていろいろ御示唆があるお尋ねでございましたが、私どもも鉄道の仕事をやっておりまして、いまお触れになりましたようなことについて、日ごろから、もう少し何かの対策をとっていただけたならばという気持ちを持っており、運輸省にもそういうことをお願いをいたしておる次第でございます。しかし、それにいたしましても、何回かのオイルショックその他を通じて、日本の人件費水準というものが各国に比べますとかなり高いものになりました。私どものように、製造業と違って非常に労働集約型産業の場合には、そうしたものを新しい賃金水準の時代に合わして立て直していかなきゃならぬのではないかと、オイルショック後、日本の経済はかなり各方面とも御努力されまして、オイルショックをうまく抜けてきたわけでございますが、その面については、私どもの努力がいささか足りなかったんではないか、いうことでいろいろ総合交通体系といいますか、対策といいますか、そういうものをお願いすると同時に、みずからはみずからでできるだけのことに取り組んでまいりたいというのが現在の私の考え方でございます。
#228
○美濃部亮吉君 大臣及び総裁の構想を早く生かしてそれを法制化していただきたいということを切にお願いをいたします。
#229
○委員長代理(桑名義治君) 他に御発言もなければ、本連合審査はこれにて終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長代理(桑名義治君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後五時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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