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#1
第093回国会 運輸委員会 第2号
昭和五十五年十月十六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                青木 薪次君
                瀬谷 英行君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                田  英夫君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省港湾局長  吉村 眞事君
       運輸省鉄道監督
       局長       山地  進君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省航空局長  松本  操君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部保険第二課
       長        松田 篤之君
       資源エネルギー
       庁石油部備蓄課
       長        米村 紀幸君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
       労働省労政局労
       働法規課長    中村  正君
       自治大臣官房地
       域政策課長    藤原 良一君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      加賀山朝雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      半谷 哲夫君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      仁杉  巖君
       日本鉄道建設公
       団理事      藤田 雅弘君
       日本航空株式会
       社常務取締役   北 雄一郎君
       日本航空株式会
       社常務取締役   萩原雄二郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (総合交通政策に関する件)
 (国鉄の経営改善問題等に関する件)
 (新線建設問題に関する件)
 (新幹線の整備計画に関する件)
 (交通の安全性確保及び倉庫の危険物管理問題
 に関する件)
 (青函トンネルの建設問題等に関する件)
 (日本航空株式会社の労務対策に関する件)
 (個人タクシーの免許等に関する件)
 (中東地域における船舶の安全確保及び保険問
 題に関する件)
 (空港整備計画に関する件)
 (新幹線公害訴訟問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁仁杉巖君、同公団理事藤田雅弘君、日本航空株式会社常務取締役北雄一郎君及び同萩原雄二郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 この際、塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川運輸大臣。
#5
○国務大臣(塩川正十郎君) 第九十三回国会に臨みまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 御承知のとおり現在運輸行政に関しては、重要かつ緊急な課題が山積しており、私といたしましては、これらの課題に積極的に取り組むとともに、その解決に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 特に、最重要課題である国鉄再建に関しましては、昨年十二月に策定した国鉄再建対策の実施のための法的措置として、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を提出し、御審議をお願いしているところであります。私は、全力を挙げて国鉄再建を推進してまいる決意でありますので、何とぞよろしく御指導、御協力を賜りたいと存じます。
 また、地域における公共輸送の維持整備等につきましては、地方公共団体と協力しつつ地域交通対策の推進に努めてまいったところでありますが、今後とも施策の計画的実施に留意しながら努力を重ねてまいる所存であります。
 このほか、目下、国の財政は窮迫しておりますが、国民的要請にこたえるため、財政再建の趣旨をわきまえ、投資の効率を配慮して、鉄道、港湾、空港等の運輸関係社会資本の整備充実のために努力いたす所存であります。
 また、陸海空にわたる運輸関係事業の経営の安定化及び船員雇用対策の推進、観光の振興、海上保安、気象業務の充実、国際協力の推進等の諸施策につきましても、国民に満足してもらえるよう心がけて進めてまいりたいと考えております。
 さらに、交通の安全確保及び環境対策、防災対策につきましても、従前にも増して所要の施策を積極的に推進してまいる考えであります。
 最後に、今後の技術の進歩、地域開発の整備等を考えるとき、各種の交通機関のあり方もそれに伴い変化することは必至であります。したがって私は、将来にわたる交通需要を見通し、各種交通機関の整合性及び相互の連係を重視することがきわめて重要であり、今後の総合交通政策について、運輸政策審議会に諮問しているところでありますが、その審議等を踏まえ、八〇年代の新しい運輸行政の展開に努力をいたす所存であります。
 以上、運輸行政の考え方に関し申し述べましたが、これらは委員各位の御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。何とぞ皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして私のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
#6
○委員長(黒柳明君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○江島淳君 運輸行政一般について、主として鉄道関係に関する御質問をいたしたいと思います。
 私は、ただいま質問する側に立っておりますが、実はことしの一月までは鉄道の職員として現場の管理局長をいたしておりました。そのときにいろいろ現場で感じておりましたことを含めましていろいろ御質問いたしたいと思うのであります。
 ただいま、運輸大臣が、総合交通体系のことについていろいろ検討しているというお話がございました。四十六年の経済企画庁で、そのときは総合交通体系と言っておったと思うんでありますが、そのときにいろいろ検討いたされまして、それから大分日にちがたっておりまして、いろいろなエネルギー事情というものが大いに変わっております。それにつきまして鉄道も、昔の独占企業であったものがだんだんほかとの競合輸送機関というものが出てまいりまして、鉄道のシェアが少なくなってきたということで、これをどういうふうな位置づけをするかということが非常に問題ではないかと思うのであります。
 ことにイラン・イラク戦争などが起こりまして、省エネルギー的な見地というのがいままでより以上に重要なファクターになってきたんではないかと思います。
 省エネルギー的なことから申しますと、鉄道と自動車と比べた場合、あるいは飛行機と比べた場合、エネルギー比率から申しますと、自動車と鉄道と比べれば八倍ぐらい、貨物船と比べても何倍増しかと、あるいは旅客に関しましても、これはパスや飛行機に比べますとエネルギーが非常に少なくてできるというふうな大量の輸送の効果があるということにつきまして、その辺のことで、これは今回の提出されておる再建法案とも大いに絡むわけでございますが、鉄道をどういうふうな位置づけをするかということが、まず一番の基本ではないかと思われます。
 いま、その位置づけにつきまして、どういうふうな審議が進んでおるか、あるいはどういうふうなお感じかということを承りたいと思うんでありますが。
#8
○政府委員(石月昭二君) お答え申し上げます。
 先生からただいまお話のございましたように、四十六年に運輸政策審議会におきまして、総合交通体系のあり方について御答申をいただいたわけでございます。それに基づきまして、また関係各省で調整いたしました結果、御承知のように、臨時総合交通問題閣僚協議会の総合交通に関する答申をいただいているわけでございます。私どもその答申が現在においても妥当なものと考えておりますけれども、その後、ただいま先生から御指摘ございましたようなエネルギーの問題、それから交通空間の問題、環境問題というような問題につきまして、大分経済社会情勢というものが変わってまいりましたので、これらの問題を踏まえて見直すべきであるという議論がございまして、ただいま運輸政策審議会に諮問いたしているところでございます。
 鉄道というものを今後どのように位置づけて考えていくかというお話でございますが、私どもは、鉄道というものは自動車の持つ機動性、利便性というような特性に対しまして、輸送量が大量にある場合には、大量、高速、確実な輸送をきわめて低コストで、省エネルギーでやれる特性を持った交通機関であるというぐあいに認識しておるわけでございます。したがいまして、将来の鉄道の位置づけといたしましては、やはり輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただくことが国民経済的にも最も望まれるところであるというぐあいに考えておりますし、またこれから御審議いただきます国鉄再建法案におきましても、鉄道の位置づけというものをそのように考えておると理解しております。
 今後の鉄道のシェアと申しますか、位置づけはそういうようなことでございますが、初めに申し上げましたように、やはり交通機関がどのような形のシェアを持つかということは原則的には各交通機関の特性を踏まえまして利用者が自由な選択をやると、その結果おのずからシェアというものが決められるということがやはり一番合理的なことだろうと思います。しかしながら、先生がいまおっしゃいましたようなエネルギーの制約問題、交通空間の制約問題、環境問題というようないろいろな諸制約条件がございますので、それらの制約条件というものによりましてはそういう基本的原則というものを場合によって変更していかなきゃならぬと、このように考えておりまして、それらの評価、機関特性、利用者の選択、社会的制約条件というような問題をどのように評価し位置づけるかということが今後の運輸政策審議会における課題だと存じている次第でございます。
#9
○江島淳君 よくお話わかるのでありますけれど、少し古いんでありますが、西独でのレーバー・プランというのがございましたですね。まあこれはレーバーという運輸大臣がいろいろな交通の比較をやって、トラックと鉄道と、ドイツにおいてはある程度長距離は貨物が鉄道に行った方が経済的であると、国民経済的にということで、現在ドイツにはオートバーンというりっぱなものがあるにもかかわらず、それでも大量貨物の方は長距離は鉄道の方が効果的であるということで、相当いろいろトラックに課税をしたりして強制的にやったというふうに私は理解しております。
 そしてドイツなどで見ますと、エネルギーの自給率が約五〇%ですか、四六%ぐらい。日本はエネルギーの自給率が一二%というふうに非常に低いわけです。そういうドイツにおいてすら、しかもりっぱなオートバーンが既存しておるにもかかわらず、それほどの効果があるということでやったと。この結果は、仄聞するところによりますと余り成功しなかったというふうに聞いておりますけれども、こういうことも、先ほど利用者の自由選択というお話もございましたけれども、やはり国民経済的に見ますと、ある程度行政的にもそういうことをしないとなかなか……、そして、そういうふうなことができるようにいろいろな設備もする、便利なようにするということが大きな運輸行政の観点じゃないかと思うわけであります。
 私は勉強不足で、レーバー・プランがどこが悪かったのかということちょっと勉強しておりませんけれども、そういう点に関しまして、こういうことに対する方向づけというものはこれからなさる意思がないのかですね、何かやっぱりそういうふうなことをある程度方向づけをする必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#10
○政府委員(石月昭二君) ただいま先生がお話しされましたようなレーバー・プラン等につきましては、先生お話がありましたように、余り成功しなかったと私も理解しております。同じような試みが一九六八年のイギリスの運輸法の改正でなされようとしましたが、これも結果的には法制化されなかったというようなこともございました。確かに利用者選択ということだけで物事は決められるわけではないということは私ども十分理解しておりますが、また逆に利用者がそれについてくるような社会的に見て合理性のある誘導でなければ、これまた結果としてはむだな投資というような形に終わってしまうという危険性もあると考えておる次第でございます。
 しかし、ただいま先生おっしゃいましたような誘導策というものは、いずれにいたしましても、今後運輸政策審議会におきましてどのような形でとるかということについて、たとえばエネルギーの問題につきましては、目標年度といたしております六十五年度までにどの程度のエネルギー量が確保できるのか、それに対してどれだけ交通機関で必要なのか、結果的にどれだけ油種別に見たら不足するのかと、じゃ、それに対応するにはどのようにすべきだというような問題を具体的に詰めていくことになろうかと思います。したがいまして、その結果を見ましてどのような誘導策をとるかということが決まることになろうかと思います。
 それから、やはり総合交通政策のあり方といたしましては、鉄道のみならず自動車、内航海運といった各交通機関の特性がおのおの十分に発揮されるということが目標でございますので、そういう意味におきまして鉄道の特性と自動車の特性、内航海運の特性といったものをそれぞれ組み合わせました輸送政策のあり方、全体として一番省エネルギー的であり、その交通空間の節約になる、また環境問題にも非常によろしいというような政策体系を追求していくことになろうかと思います。
#11
○江島淳君 全体に占める輸送関係のエネルギーなどをいろいろ検討するというお話でございますけれども、まあ去年など運輸省から出しておられる資料なんか見ますと、全エネルギーのうちの輸送の占むる部分は一四%ぐらいであると。余り多くないけれども、将来的にも、ことに輸送部門の自動車関係は、代替エネルギーの石炭だとかあるいは原子力などが余り利用できないから、この一四%というわりあい少ない数字だけれども、相当にやはり切り詰めていかなければいかぬというふうな資料を拝見したことがあるんですけれども、そういうことですから、パーセンテージのいかんにかかわらず、その辺のことは早く手を打っておかなくちゃいけないんじゃないかと思うんですが、その辺がいつも非常に、総論はありますけれども、もう少し具体的に早くやらにゃいかぬじゃないかというように私は感じておるのですが、その辺に関していかがでございますか。
#12
○政府委員(石月昭二君) 御指摘のごとく、交通機関のエネルギー消費量は国内の輸送機関につきましては全体のエネルギー消費の一四%、それから国際輸送機関を含めまして一六%ということでございます。しかし石油の消費量ということについて見ました場合には、これは二六%というような比較的大きなシェアになってまいります。また先生ただいまお話ございましたように、やはり交通機関は移動するものでございますので、ほかの燃料転換ということが非常にむずかしいという問題で、エネルギーの確保ということについてはきわめて細心な注意を払っていかなきゃならぬ問題だと思っております。
 したがいまして、私ども先ほど申し上げましたような形で将来のエネルギーの予測というものを精密にいたしているわけでございますけれども、まあ、これも予測でございますので、ただいまのイラン・イラク戦争のような突発的な問題もございますし、細心の上にも細心の注意を重ねて予測をしなけりゃいかぬと考えております。
 同時に、交通機関のエネルギー使用量というのをいかにして減らすか。それは先生先ほどからお話ございますような、鉄道のようなきわめてエネルギー効率のよろしいところに転換をしていくということが第一番目の要件かと思います。したがいまして、できるだけ公共交通機関の整備、またそれを利用していただきやすいようなサービスの向上というようなものを第一義的な政策として今後とも強化していかなきゃならぬ。
 それから第二番目といたしましては、現在使われております公共交通機関のエネルギー効率をより高めるという形での、たとえばトラックでございましたら、むだな交錯輸送を避けるための共同輸送であるとか、そのための帰り荷のあっせんであるとかいうようなソフトの政策も強化していかなきゃならぬ。さらには将来に備えまして、非常にむずかしい問題ではございますけれども、エネルギー源の転換もしくは現在のエネルギー消費を減らすような新技術の開発というような問題を進めていくというようなハード、ソフトの両面にわたりましたエネルギー政策につきまして、目下真剣に検討しているというのが実情でございます。
#13
○江島淳君 早くそういうことなどを検討していただきたいと思うものでございます。
 それから、いま総合交通政策を検討していただいておると言いますけれども、私が一番、これは全般的に言えることでございますが、この運輸委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、交通と運輸、総合交通といいましても、ここで議論されるのは鉄道、航空あるいは海上というふうなことの議論でありまして、道路が抜けておる。道路の方は建設委員会の方でいろいろまた議論がある。いろいろ会合に出ていましても、総合交通といっても、いまじゃ一番大きいウエートを占めておる道路がいつも外にあって、そして予算その他においても道路は道路財源の確保でもう大変だ。これは絶対に不可欠のものだと言って、いろいろなところで気勢を上げておられるということでありますから、総合交通体系で道路を外した総合交通の検討ということは意味がないんじゃないかという感じがいたしますけれども、現実的にはいろいろな会合に出席しても、わりあいに道路は道路ということで独立をしておるということであります。
 この八〇年というのは、いままでのような非常に景気のいい時代と違って、投資についてもプライオリティーをつけなきゃならぬ時代だどいうふうなことをよく言われておりますけれども、まず道路との総合交通体系で、たとえば投資をするときも、どちらが先行するかというふうなことの議論が一番大切なんじゃないかと思うわけです。
 たとえば、いろいろちまたに聞きますと、東京−名古屋間で、たとえば第二東名高速道路が必要だということが道路関係ではよく言われております。これは主に東名間の貨物が、非常にトラックの輸送がふくそうしておる。それで、もういまの東名道路がパンクするから、第二東名が必要なんだということであります。
 ところが、一方を見ますと、東海道線の方は、貨物はまだまだ余裕があるじゃないかと思うわけです。一方ががらがら、そしてしかもその投資がしてあるということならば、同じ投資をするなら、その第二東名のものの分を東海道の貨物の辺にも注ぎ込んで、そしてお客も便利なように、乗りやすい、あるいは確実に荷物が低コストで運べるように投資するということが本当の総合交通体系じゃないかと思うんでありますが、どうも私が見ておりますと、建設省関係の道路関係の方がどんどん先に進んでいるような関係がある。
 たとえば、いま整備五新幹線のこともいろいろ地方から言われておりますけれども、これに対して国土庁の方でも資料が出ておる。私もいつか拝見したのでありますけれども、そういうふうな資料を見ますと、非常に道路の方がいいというふうな印象を与えるような資料が非公式的にもできておるというふうなことでありますから、そういうものがいろいろなところでばらまかれますと、いまの総合交通体系で、来年に運政審の結論が出るという前に、すでにもう偏ったそういったような意見が非常に進んでおるという感じがするわけであります。したがいまして、本当に国民経済的に、何に投資したら一番正しいのか、国民経済としても、先ほど石月さんが言われたように、そういうふうな最もミニマムになるかということの検討をやる前に、そういうふうな道路は道路、ほかの機関は機関というふうなことがあるというのを非常に憂えるわけであります。
 したがいまして、これはぜひ運輸大臣にも閣議なんかでその辺のことを総合的にみんなで検討するというふうなことを特に強調していただきたいと思うんでありますが、そういう点に関しまして、いかがでございましょうか。
#14
○政府委員(石月昭二君) 先生御指摘のように、現在の交通行政は、運輸省、建設省、警察庁というような各省に所管がまたがっております。したがいまして、総合性に欠けるという問題につきましては、そういう点もあろうかと思います。しかしながら、私どもこれから運輸政策審議会で議論いたします場合には、単に運輸省所管の交通施設だけではございませんで、道路も含めまして、たとえばその道路のコスト、それからエネルギー消費、それから要すれば需要量と道路コストというような関係も含めまして、各交通機関にわたりまして、施設整備のあり方、それから優先性、優劣というようなものについても議論をしていくつもりでございます。そういう意味におきまして、道路の問題もこの際十分に議論していきたいと思っておるわけでございます。
 それから、第二東名のことにつきましては、私も新聞で承知しておるところでございますが、一つには、やはり道路投資の方が進んで、鉄道の整備がおくれるという先生の御指摘かと思いますけれども、この点につきましては、道路の方の財源調達システムというものが非常にうまくできておると申しますか、鉄道の方で、そういう資金の調達システムというものが、非常に調達が困難になっておるというような事情が一つあろうかと思います。この点につきましては、そういう問題も踏まえまして、私ども過去に資金調達のための特会というようなものも要求してまいったわけでございますが、諸般の事情でこれが実現できなかったということは先生御承知のところだと思います。
 また、道路と鉄道の優劣の問題でございますけれども、これにつきましては、やはり鉄道の場合には、端末でどうしても自動車輸送を必要とする、小運送を必要とするというような問題もあり、それから現在の輸送機関選択の場合の荷主の選択基準というものが、トータルコストで物を考える。やはり幹線上の輸送コストだけでなくて、たとえばその端末輸送、さらには保管に要する費用というようなことも踏まえて輸送機関を選択する。したがって、幹線輸送が安くとも、大量に鉄道で輸送される場合には、それを保管する必要がある。
 そういうような場合には、やはり若干高くともトラック輸送を使った方がトータルコストで安いというような、いろいろ荷主サイドの事情というものもあろうかと思いますので、この点につきましては、鉄道の輸送がそういう荷主の需要に対応するような、たとえばコンテナ輸送であるとか、機動性に富み、なおかつ小ロットの輸送が可能であるような輸送であるとか、そういう形で、鉄道の側でサービスの改善その他の努力をしていかなければならないと考えておりますし、そのような努力が現に行われているというように理解しているところでございます。
#15
○国務大臣(塩川正十郎君) いま江島さんのお尋ねになっているのは、総合交通政策の中で鉄道というものをどう位置づけていくのかという、この問題をめぐりましてのいろいろと御質問があったわけでございますが、私は将来にわたる鉄道というものは、必ず、依然として国の基幹交通機関として維持発展していくものだと思うております。
 それは現在でもエネルギー事情が相当複雑、かつ非常に困難な状態になってきておりますが、さらにこれから進んでまいりますと、石油エネルギー使用に対する相当な経済的、社会的な制約というものが加わってくると思う。その場合に、やはり大量輸送としての交通機関、つまり鉄道というものが必ず見直されるときがあると思うております。したがって、どのように位置づけるかということの質問の中で、先ほど総務審議官が申しておりますように、鉄道としての特性というものがあるわけでございますから、これを十分発揮するような方向に投資なりあるいは管理形態というものを持っていくこと自体がこれからの鉄道のあり方にふさわしいものになってくる、こう思うておるのであります。
 したがって、現在国鉄、この国鉄は、いわば病める巨象のような形になっておりますけれども、これの体質を一回改善をいたしまして、非常な体力を回復したときにその特性を発揮し得るような、つまり先ほど説明しておりましたように、大都市間を結ぶいわば基幹鉄道としての旅客であれ貨物であれ、それを受け入れられる体制をとっていくということができるならば、私はこれは省エネルギーの観点から言い、また国民経済の観点から言い、やっぱりそういうことが望まれておると私は思うのであります。そのためにも何としても体質改善、つまり国鉄の再建を図らなきゃならぬと、こう思うている次第です。
#16
○江島淳君 大臣のおっしゃるとおりでありまして、そういうふうにぜひお願いしたいと思うわけでございます。
 特に、私が、ひが目じゃございませんが、いままで感じておったのは、非常に道路関係、建設省関係の方が、先ほどのお話にございましたように財源を持っておるということで強いので、ぜひ閣議においても建設大臣関係に負けないようにその辺の正しい総合交通ができるようにいろいろお願いしたいと思うわけでございます。
 それから、先ほどの総務審議官からの話でも、幹線輸送ではいいけれども、いろいろ末端においてさらに経費がかかるというお話がございましたが、もちろん物流ですからドア・ツー・ドアの一貫した輸送が必要なのでありますから、それができるような鉄道にしなくちゃならぬ。そのためには金も要るということでありまして、そういうことで必要な金をどっちに向けたらいいかということを検討していただかなくちゃならぬと思うわけでありますから、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、これも総合交通政策に関することでございますが、去年の十二月の二十九日に閣議了解事項が出ております。その中で、いろいろ拝見しておりますと、鉄道の再建のために経営改善措置ということだとかございますが、「行財政上の措置」という項がございまして、そこでは、「運輸政策の推進にあたっては、各交通機関の特性を生かした効率的な交通体系の形成を図る観点から、国鉄の有する特性も十分に発揮しうるよう配慮しつつ、具体的施策を講じて行くこととする。」と書いてありますけれども、この「具体的施策」ということに関しては何らそれ以上のコメントがないんですが、たとえばどういうことを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#17
○政府委員(山地進君) いまいろいろ御議論がございましたように、運賃政策の問題が一つございます。それから、基本的な設備投資の問題がございます。それからさらに、トラックの過積み規制等いろいろ競争条件の整備の問題、それらのものを総合的に運輸政策上の配慮と私どもとしては考えているわけでございます。
#18
○江島淳君 それから二番目に、「公的助成等」という項がございます。そして、いろいろ書いてありますが、たとえば今度御審議に係ってくる再建法案などでも、一番大きくなるのがたとえば地交線をどうするかというふうなことだと思いますが、その辺の対策として、先ほども私がしばしば申し上げておりますが、まずやはり道路等の整備をやって、そして地方住民の足が奪われないようにする、そういうことの不安感を除くということがこの地方交通線対策として一番必要なんじゃなかろうか。地方では、私たちがいろいろ見開きしておりますと、非常にその辺の、交通量は少ないけれども、地方の住民にとっては必要な足だということになっておるわけです。
 ですから、それの代替として、これを見ますと、道路の整備もするんだとかいうことがありますけれども、実際に具体的に建設省なんかと、たとえば地交線対策として特別に予算を、これだけの金を見るぞと、これだけの項を設けると、そういうふうなことを具体的に決めないと、なかなか地方に落としても、建設省に行ってもあるいは県に行っても、その辺の道路整備の金は、そんなものありませんと言われるのが落ちじゃないかと思うんですが、その辺のことを具体的にもうちょっと詰めていく必要があるんじゃないかと思いますが、それが実際に建設省とそういうふうなことが進んでおるのかどうかということが一点。
 それと、たとえば今度の地交線などは非常に北海道は多いということで、北海道関係の皆さんからの要望事項が非常にあります。たとえば北海道では北海道開発庁がございまして、年間に七千億という巨大な投資がしてあって、北海道開発のために国が投資しておるということからしますと、先ほどのいろいろな総合交通政策とすれば、その七千億のうちからも、鉄道の整備だとかあるいは鉄道を維持していくための金ということなどが当然あって、それが国家的な見地じゃないかと思うんですけれども、そういう点に関して恐らく実際的にはなかなかタブー視されておって進んでおらないのじゃないかと思うんですが、そういうことに関してどういうふうになっているのか、そういう具体的なことをもうちょっと詰めていただかないといけないのじゃないかという感じがするんでありますが、それに対していかがでございましょうか。
 たとえばいろいろな自治省とか建設省との話し合いを具体的に詰めていきませんと、ここには非常にきれいなことが書いてありますけれども、本当にどれだけのものが実っておるかと。たとえばけさテレビで見ておりましたら、山地局長がきのうの衆議院の運輸委員会でいろいろ言われたことに対して、もうすでにあれは大蔵省の方で反発しておるとかいうふうなことのコメントをきのうのテレビでも言っておりましたけれども、そういうふうなことをもう少し具体的に詰めていかないと、この辺、実際に進んでいくのが非常にむずかしいのじゃないかと思いますが、それに対して。
#19
○政府委員(山地進君) まず最初の地方交通線対策で、関連道路の整備等で建設省等他省といろいろ相談をしながらやっていかなきゃいけないのじゃないか、そういうことについてどうだというお尋ねでございます。この閣議了解そのものは御承知のとおり閣議で決定したものでございまして、その中に、「国鉄地方交通線の転換に伴い、関連道路の整備を図る等所要の措置を講ずる」というのが建設省も含めた各省の合意事項でございます。ただし、建設省と、おっしゃるように具体的に個々の地方交通線の問題を議論するときには、さらに細かいお話し合いということがぜひ必要になるわけでございまして、かねてから、この法案を出す前から道路局の方とはいろいろと事あるごとにお話をして、私どもの方の国鉄の窮状をお助けいただくようにひとつ御配慮いただきたいという観点から話を進めているわけでございます。
 それから二番目に、北海道の問題を全般的に考えるべきであろうというお話でございまして、北海道開発それから交通等の整備に関しまして、北海道開発計画等で北海道開発庁がお進めいただいているわけでございますが、この地方交通線対策の実施に当たりまして、北海道のローカル線問題というのがほかの地域から比べて非常に大きな問題であるということは私どもも十分認識しているわけでございまして、これをどういうふうな形で政令等で処理していくのか。地方交通線対策を進めるに当たりましては、廃止、転換の基準等は政令で定めることに私ども考えておるわけでございますが、政令をつくる段階においてこれまた閣議で決定するわけでございますので、関係各省と十分協議しながらその点について実施をして図っていきたい、かように考えております。
#20
○江島淳君 それは御苦心のほどはわかるんですが、要は、やっぱり具体的にこれだけの金が地交線対策として道路側にもとってあるのだよというふうなことがないと、個々に、建設省にしてもこれはむずかしいと思うのですよ。ですから、やっぱり私は、建設省でもそういうことにすればおわかりになるのじゃないかと思うので、特段の御努力で、そういうふうな具体的にこれは地交線対策用のアイテムなんだというふうなことはできるようにしていただくことが一番緊要じゃないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思うわけであります。
 それから、やはりいまのこの閣議了解事項のところに関連してなんですが、「国鉄の経営改善措置」というところの四項のところで、「工事規模」というのがありますね。そして、「工事規模については、極力これを圧縮することとし、当面、現状程度の規模に抑制する。」というふうに書いてあります。しかし、私は先ほどからも総合交通体系のことでいろいろ議論しておるわけですけれども、この再建のために、むだな投資はもちろん必要じゃありませんけれども、次の、十年先の交通はどうなるかというときのための投資も、こういうふうなことによって非常に抑制されるのじゃないか。これはやはりいまの時点ではいいかもしらぬけれども、十年先の投資、そのときでもやはり国民の本当の健全な足である鉄道であるための投資ということが非常に抑制されるんじゃないかと思うわけであります。私が言うまでもなく、過去と現在と未来、これを常に考えて行うのが本当の再建じゃないかと思いますから、その点で余り現在にとらわれ過ぎて、過去のこととか、あるいは未来のための投資ということが抑えられるんじゃないかと思います。
 それで、先ほどから、建設省の方は道路財源があるということでありますけれども、私が一番感じておりましたのは、いままでは空港にしてもあるいは港にしても、あるいは道路にしても、皆それぞれ特会があってそして財源がある。ところが鉄道だけが昔の非常に独占的な輸送機関であったことのそのままで、そういう財源がない。そして利子のついたお金を借りなくちゃいけない。その利子が非常に積もり積もっておるというのが国鉄の経営を圧迫しておる大きな原因じゃないかと思うんです。
 ですから、やはりそういうためにはほかの競争機関とイコールフッティングまで持っていってやる。インフラ論議になりますけれども。そうしてイコールフッティングにしておいて、ここまではほかの競争機関と同じである、これから先は国鉄はほかと競争しなさい、そして競争して、さらに負けるならこれは国鉄の職員の幹部を含めた経営努力が足りないんだということでいいと思うんですけれども、現実的にはそうじゃなくて、国鉄にはそういう利子のついた金だけしかないということであると思うんです。
 そういう意味において、先ほどもちょっとお話ございましたが、去年まで出しておられた陸上特会ですね、それが、何かそういうふうなものがないと、現実的に非常に国鉄の将来のためにも投資面においても無理がくるんじゃなかろうかという感じがいたします。ことしはそういうことは出しておられないようですけれども、陸上特会というものを今後どういうふうに考えておられるのか。これからもそういうイコールフッティングな論議をするためにもそういうものは必要じゃないかと私は思うんですが、それに対していかがでございましようか。
#21
○政府委員(石月昭二君) 陸上公共輸送整備特別会計というものを運輸省といたしまして昭和五十四年度予算、五十五年度予算の策定に際しまして要求をいたしましたけれども、諸般の情勢でこれができなかったということは事実でございます。私どもといたしましては、先ほどから先生の御指摘がございますような、最近のエネルギーとか環境とか交通空間とかというような制約条件がますます強まっております現実を考慮いたしますと、陸上公共輸送の維持、整備を強化する、それで国民の皆さんに豊かなモビリティーを与え、豊かな社会生活を確保するということはますます緊急性を増しているというぐあいに考えておるわけでございます。
 しかし、現実に自家用自動車輸送というものが非常に進展いたしまして、現実の都市におきましても地域におきましても相当な交通のシェアを占めているというのもまた事実でございます。しかし、また、自家用自動車がそれだけ進展したことによりまして、都市におきましては道路の混雑とかそれから環境問題とか公害問題とかというようなものをいろいろ惹起しておる。地方におきましても自家用自動車が非常に便利に使われておりますが、一方そのために自家用自動車を利用できない老人とか主婦とか子供というような方々が非常にお困りになっておるという点もございます。
 したがいまして、都市におきましても大量公共交通輸送機関というものを整備する、地方におきましても必要な公共輸送機関を維持、確保するということのためにもぜひ安定した財源が必要である。そういう観点から、今後とも安定した財源の確保というものにつきましては前向きに取り組んでいきたいと思っておるわけでございますが、以上のような問題を含めまして、長期的に総合的に将来の情勢を展望いたしまして、たとえば自家用自動車と公共交通輸送機関との分担関係をどのように考えたらいいのかというような問題を含めて運輸政策審議会にただいま諮問いたしておるところでございます。その結果を待ちまして、さらに今後の対策を強化していきたいというぐあいに考えている次第でございます。
 それから、先ほど先生からお話がございましたイコールフッティング的な問題というものも含めて考えるべきではないかという御指摘でございますけれども、確かに四十六年度の総合交通体系に関する答申の場合におきましては、やはりそういうイコールフッティング的な考えから国鉄が非常に不利な立場に置かれているんじゃないか。そのために国鉄というものが交通市場におきましてだんだんシェアを失っている結果を招いているという御議論が盛んにございまして、いろいろ勉強したわけでございますけれども、非常にむずかしい問題で、いわゆるハード論、施設の資金調達というものについてどれだけ利用者負担で行われているかという問題、それからいろいろな公共的な負担、たとえば制度的な負担、たとえば国鉄が政策等級というようなものを貨物の運賃においては取り入れている。その結果、農産物とか国民生活に必要な物資を安くするような制度をとらなきゃならぬとかというような、いろいろな制約条件がございまして、それから公共割引の問題とか、これらの問題、ソフトのイコールフッティング論、この両面があろうかと思います。
 まずソフトのイコールフッティングにつきましては徐々にこの点が改善されている。御承知のように、先回の運賃改定におきまして、貨物運賃は一律運賃になりまして等級制は全部廃止されましたし、その他公共負担についても今後のあり方等について目下関係省庁で検討されている状況でございます。そういう形でソフト面はだんだんよくなってきた。
 ハード面はどうかと申しますと、最近国鉄の経営が悪化いたしまして累積赤字が六兆円にも及ぶことは先生御承知のとおりでございますが、国鉄の赤字というものは、そういう国鉄の背負ったいろいろな歴史的な経緯もございますので、あながちその企業の経営の面からだけで論じられない面もございますけれども、現在の利用者負担、総投資額の中の利用者負担というようなものを計算いたしたものを、試算でございますけれども、たとえば五十五年度で見てみますと、国鉄の場合には六五・七%が利用者負担という形になっております。これに対しまして航空は五十五年度では九九・五%が利用者負担になっております。ほとんど利用者負担で航空の施設は賄われている。それから道路は七五・九%という形になっております。それから港湾が一二・五%という形で利用者負担が比較的少ないという数字になっておりまして、利用者負担が国鉄は非常に多いという形には現状では必ずしも言えない状態になっていることを御報告申し上げます。
#22
○江島淳君 そういういまの一連のことに関しまして、たとえばいまの財源的なことでも、先日の報道によりますと、たとえば鉄道が駅をつくる場合に、地元にいろいろ協力をお願いしたということが、これが違法であるとか、いろいろそういうふうな議論がございます。私たちの感じでは、通勤するためにはできるだけたくさん駅をつくった方が皆さんのために便利である。しかし、そのためには非常にお金がかかるということからすれば、当然受益者負担で皆さん方が便利なさるところからそういうふうなお金を出し合っていただいて、そうして皆さん方に喜んでいただけるような駅をつくるということはいいと思うわけでありますが、いろいろやはり自治省その他の見解等がありまして、これがむずかしいというのが現実じゃないかと思うのです。
 ただ、大多数の地元の方たちもそういうことを望んでおられるとすれば、その辺のことも積極的にもう少し、いろいろ開発利益の還元とか、駅ができたためにその土地の値段も相当上がると思いますから、そういうことに対する税金を、固定資産税を賦課するとか、そういうことなどもできるだけ積極的に前向きでやっていただきたいと思います。いろいろむずかしいと思うのですが、その辺のことをぜひよろしくお願いしたいと思うのです。
#23
○政府委員(石月昭二君) ただいま先生お話ございました利用者負担の問題でございますけれども、四十六年の総合交通体系の答申におきましても、先生御指摘のように、一つは社会的費用と申しますか、公害とかそういうようなものの費用につきまして、発生者の負担というような形で、社会的費用を完全にコストの中に織り込むというような形の上で競争を考えなければならぬという問題、いま一つは開発利益の還元、たとえば鉄道が引かれますと、それによりまして沿線の地価が非常に上がり、なおかつそこを利用して通われる通勤者が非常に便利になる。まさにその意味では国民生活に利益するところ非常に大きいわけでございますけれども、こういう開発利益の還元ということにつきましては、今後とも積極的に推進していかなきゃならぬ。
 しかし、その点につきまして、残念ながらいままでのところ、開発利益の還元というものが必ずしも十分に行われていない。その結果、鉄道というものは大きな利益を国民経済全体に与えながら、その鉄道経営にとりましては何らプラスにならないというような面が確かにあろうかと思いますので、この点につきましては、今後とも研究していくつもりでございます。
#24
○江島淳君 次に、国鉄もこれからいまの話で増収を図っていかなきゃいかぬと思うのでありますが、時間がだんだんなくなりましたので、一つだけお尋ねしたいんですが、線路の方ではいろいろまだ御批判はあると思いますが、相当努力を私たち現場におるときはしておったつもりでありますが、一つだけ運輸省にお聞きしたい。
 たとえば国鉄バスというのがございまして、その国鉄バスは国鉄の中でも非常に赤字で、特に赤字のひどいということの位置づけをされておるところでありますけれども、現場におりますと、やはり貸し切り営業と申しますか、国鉄バスはもうちょっと貸し切り営業をやらしていただきたいというふうなことでも、民営鉄道のバスとの競合でなかなか現実的にそれがむずかしい。山口線のSL運転を行った際に、津和野から萩の間にバスを地元では国鉄が走らせろというふうな話がございましたが、現実的にはなかなかこれが、非公式的に現地で折衝いたしますとむずかしいというふうなこともございましたが、もう少しこの国鉄バスを貸し切り営業的にも使う、そういうふうなことがみんなの意欲を盛り立てる上にも必要じゃないかと思うんですが、そういう点に関してはいかがでございましょうか。
#25
○政府委員(飯島篤君) 国鉄の貸し切りバスの新免を認めるという問題につきましては、事業の性格にかんがみまして、従来は民営バス事業者との関係を考えながら、原則として国鉄の乗り合いバス路線の沿線の住民の利便のために、既存業者だけでは貸し切り事業に対して十分対応できない場合にのみ必要な範囲で認めてきているものでございます。したがいまして、原則といたしまして乗り合い事業の補充ということを目的にいたしまして乗り合い事業用の予備車の一部を充当するということで承認をしてきていることは御案内のとおりでございます。そのほかに、随時承認というようなものも行っておるわけでございまして、現在五十八カ所、百五十三両、こういう状態になってございます。
 いま先生が御指摘の、もう少し拡大できないかというお話でございますが、民営の方も、乗り合いバス事業はいろいろな要因で大変厳しい経営環境にございまして、乗り合い事業の赤字を貸し切りでカバーしているという会社も多うございます。また、貸し切り事業自体が若干最近は過当競争ぎみでございます。したがいまして、せっかくのお話でございますけれども、そう一遍に貸し切り事業に国鉄のバスの進出をお認めするわけにはいかないというのが実情でございますが、せんだっても国鉄の自動車局に来てもらいまして、現在の実情並びに要望等をお伺いしたところでございまして、個々に御要望がある向きについては個別に事情を検討して対応してまいりたいというように考えております。
#26
○江島淳君 おっしゃるとおりで、私は何もむちゃくちゃにということじゃありませんので、先ほどの大臣のお話にありましたように、病める国鉄ということですから、やはりいままでとある程度の発想の転換をしていただいて、そして、たとえばことしの夏の甲子園大会に相当輸送をするときも、国鉄バスは何にもやっておらぬじゃないかと、それは営業精神がたるんでおるというような話を私はよくよそから聞きましたものですから、そういうようなときにもやはり目玉商品としても特段の御配慮をお願いしたいというわけでございます。
 それから、最後に国鉄の方にお聞きしたいんですが、これから再建法案ができてくると、国鉄が非常に、私たちが思いますのにみんな一生懸命努力しておる。にもかかわらずいろいろ報道される面、あるいは世論として国鉄に対する風当たりが非常に厳しいということが私たちは残念でならなかったわけであります。これはやはり一般のみなさん方が、国鉄の職員の営業態度と申しますか駅での態度、あるいはいろいろな面においてまだまだ十分にそれだけの危機というものを認識しておらぬじゃないかということを残念ながら皆さん思っておられるということでありまして、私が思いますのは、いろいろな公共負担と、あるいは不当にいままでの、昔のことで競争に耐えられないようないろいろな諸施策というものはできるだけ国の方でめんどうを見ていただかなくちゃいかぬと。しかし、自分たちでできるものは、どちらが鶏の卵か鶏かわかりませんが、まず職員どもが、国鉄の職員も目の色が変わってきたということを一般の国民に思っていただくということがこれからの国鉄再建への一つの大きな姿勢じゃないかと思うわけでございます。
 そういう意味におきまして、ことしの五十五年十月でダイヤ改正があったと、そして労使の話し合いによって一万人の合理化が決まったということに関しましては、これはこれからの三十五万人体制への大きな第一歩というふうに私は評価していいんじゃないかと思いますが、そういうことを含めまして、今後の再建に対する国鉄の職員の姿勢と申しますか、これに対しまして総裁からお話を伺えたらと思うわけでございます。
#27
○説明員(高木文雄君) この再建の中心となるべきものは、やはり私ども自身の職場の取り組みを積極的に進めることにあるという腹構えでおります。
 そこで問題は、私どもの職場の空気といたしまして、他の民間職場と比べましていささか経営の実態というものが職員の一人一人に十分理解されておらぬ。運転の担当の者は自分の責任の運転の仕事を一生懸命やる。保守の者は保守の仕事をやる。しかし、そういう精神はかなり徹底していると思いますけれども、それが経営全体にどうつながっているのかということについての認識が十分でないように思います。そこで、私はいま現場現場を通じて、私どもの方の経営の実態というものをどの職場にある者も正面から見詰めていくという姿勢を広げていかなければならないのでありますが、これを具体的にどういうふうにしてわれわれ経営本部が考えておりますことを一人一人の職員に理解をしてもらうかということに努力をいたしておるところですが、まだ十分成果が上がっておりません。今回のダイヤ改正が比較的順調に進みましたのは多少そういうことの理解が現場現場に届き始めたかなというふうには思いますけれども、まだ不十分であると思っております。
 それからもう一点は、全般としてお客様に接触する場におけるいわゆるサービスが不十分だということでありまして、これはわれわれ自身がもう一遍考え直す必要があるので、現場におきます教育でありますとか、あるいはサービスというものの持つ意味というようなものをこれまた職員の一人一人にどのようにしてのみ込ましていくかと。よく言われますように、お客様に、乗せてやるぞというような空気がどうしてもあると、乗っていただくという精神に欠くるものがあると言われておりますが、それはまさにそういう空気が否定できないわけでございまして、これをどのようにしていくかということをいままでもやってきたつもりでありますけれども、どうもうまくいっておりませんので、もう一遍考え直したい。
 ごく一週間ほど前に全国の局長を集めて最近の問題を議論いたしました際にも、ぜひフロントサービスの向上ということについてそれぞれの現場ごとに考えてもらいたいということを強く申しております。そういうことを通じて、私どもとしては御指摘の点を一刻も早く盛り上げることが、今日非常に困った状態にある国鉄というものについて、国民の皆さんの御理解を少しでも深めていく大変重要なポイントだというふうに受けとめて、努力をいたしておるつもりでございます。
#28
○江島淳君 国鉄職員の目の色が変わってきたと国民の皆さん方から言われる日がぜひ早く来るように心から希望いたしまして、私の質問を終わります。
#29
○広田幸一君 私は最初に、十月一日から今回はかなり大幅なダイヤ改正が行われておるわけですが、私の見ますところ、国鉄が現在の赤字を解消するために非常に努力をされておるということは当然のことながら私も評価をするわけです。ただ、そのためにいわゆる減量経営といいますか、そういうことに余り傾斜し過ぎておるではないかというふうな感じがするわけです。
 確かに民間企業は減量経営をやっておりますけれども、国鉄の場合はいわゆる国有鉄道でありまして、やっぱり減量経営をする中にも一つの筋が、公共性という筋が一本通っていないと私はいけないと思うんです。この路線はもっと積極的にやればどんどん収益が上がると、だからそれに力点を置くと。しかし、こちらの線は幾ら力点を置いても、もう赤字になってしまってなかなか黒字にならない。そういうふうな一つの考え方があっていわゆる公共性が失われておるではないかと、こういうふうに思うわけですが、今回のダイヤ改正に当たって、国民に国鉄を利用してもらう、そういう前提に立って、どういうところに視点を置いてダイヤ改正をおやりになったかという点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#30
○説明員(高木文雄君) 今回のダイヤ改正では主として東京から西の方といいますか、そちらの地域において旅客につきましては改正を行ったわけでございます。というのは、東京から東北にかけての地域は、現在、東北新幹線なり新潟新幹線の開業時期を控えておりますので、その開業時期を待ちましてその機会にダイヤ改正を行いたいということでございまして、主として西の方を中心にして行われたわけでございます。その場合に、従来は貨物が少し輸送力と輸送量の間に乖離があるということで、貨物の何といいますか、列車体系を改めるということが五十三年の十月のときのダイヤ改正の中心でございましたが、非常に残念ながら、旅客につきましても五十年をピークとしてお客さんがだんだん減りぎみでございまして、輸送力と輸送量に乖離が出てまいりました。特に中国地区、九州地区についてそれが顕著になってまいりました。そこで、これらの地区につきましてはかなりの程度列車を減らすということをいたしたわけでございます。
 私どもとしましては、その場合にお客さんの方の迷惑ということも十分頭に置いてやってくれているものと思っておりますけれども、やはり一部ではその後大変不便になったという声も聞いておるわけでございまして、この点については従来も気をつけてやっているはずではございますが、今後ともよく気をつけてやっていくようにしたいと思っております。
 それから、今回のダイヤ改正の中でかなり大きなポイントになっておりますのは、関東地区、東京地区における通勤のサービスの改善でございまして、約十四、五年前からこの関東地区の通勤体制の整備に取り組んできておったわけでございますが、時たまたま非常に環境問題というようなことについての住民の方々の関心が高まりましたために、われわれの鉄道を敷かしていただくことについて大変反対といいますか、同意を得られないという時期がかなり続きましたために、もうすでに十五年ぐらい前から計画して、七、八年前にはできていなければならなかったものがまだまだできておりませんでした。それが今回ようやく御理解を得まして、かなり新しい線路を敷くことができましたものですから、関東地区においては増発をするということが可能になってまいったわけでございまして、総体的には御指摘のようにお客様の少ない地域についてはやはりだんだんと減量を図っていくと、しかしお客様の多い地区についてはむしろ増強を図っていくということの基本はおっしゃるとおりやっているつもりでございます。
 ただ、具体的な場合について若干のフリクションを起こしているということは承知をいたしておりますので、今後それらの点についてはなお一層地域との関連ということに重点を置いて取り組むように指導してまいりたいと考えております。
#31
○広田幸一君 いま総裁もお認めになりましたように、確かに問題のところもあるということでございまして、まあ始めてからまだ二十日間ぐらいしかたっておりませんから、その結果について、国鉄の方としてもいろいろと経過を集約をされて改善をすべきところは改善をされると、こういうふうに思っておるわけですけれども、いま国鉄再建法案が問題になっておりまして、私もこの四月ごろからその対象線の幾つかを見てまいりました。そこで共通的に出ました住民の皆さんの率直な意見は、われわれもこの赤字路線を何とかして協力をして解消しなきゃならない、そういう切なる住民の皆さんの気持ちがありますね。
 ただ、ダイヤの中で、利用しようと思ってもなかなか利用できないというそういう意見が非常に強いわけです。それで今度は、ひがみではありませんけれども、結局伸ばすところには国鉄は力を入れるけれども、もうだめだというところは初めから意図的にそういうダイヤ改正についての取り組みはやってないじゃないかというような意見もあるわけでして、こういう点についてはそれが本当に妥当か妥当でないかということは国鉄としてもいろいろ集約をしておられると思うのですが、私はそういうことを考えますがゆえに、今度のダイヤ改正について、そういう住民の皆さんの意見というものがどの程度反映されたであろうかと、こういうふうに思ってこの問題を質問したわけですが、いずれまた委員会で国鉄再建法案等の問題をめぐって論議があると思いますから、そのときにまた具体的な例を挙げて論及したいと思いますので、きょうはほかに一つ特に聞きたいことがありますので、この問題はこの辺で終わります。
 そこで、私は新線建設の現状と今後の方針ですね、これをお聞きしたいと思うんですが、まず最初にいわゆるAB線――地方開発線と地方幹線、このAB線の工事の現状がどうなっておるかということを大まかにひとつ御報告願いたいと思います。
 時間がありませんから要点だけよろしくお願いします。
#32
○政府委員(山地進君) 大体いま工事中の路線というのが四十線近くございます。それにつきまして今後どういうふうに進めていくかということにつきましては、今回の国鉄再建法案で、在来線をバス等に転換するということも整合性をあわせて、ことしの予算では百五十億の予算を計上して、これについては国鉄再建法案と矛盾しない形で運用したいと、かように考えております。昨年度は四百億の予算でございました。
#33
○広田幸一君 そこで、運輸省としては、今度の法案にも出ておるわけですが、結局第三セクターで引き受けてくれるところがある、そういう線はこれから国鉄はさらに工事を継続をして完了しますと、こういうことになっておるわけですね。問題は、第三セクターが受けるということについていささかわれわれは問題があると思っておるわけです。
 この間新聞にも出ておりましたけれども、福島県と栃木県の間を走るであろう野岩線について、両県が引き受けます、そういうふうなことを決めて確認書を運輸省に出して、運輸省としてはその内容を現在検討しておると、こういうことでありますが、第三セクター言いましても、私は現実にはやっぱり県とか市町村、そういう自治体が核になると思うんですね。そういうところは引き受けましても、特にこういうところはやっぱり山間部の過疎地域が多いと思うんですがね。そういうものを抱えてうまくやっていけるだろうかと、これから五年、六年やっていけなかった場合はまた国鉄に、政府に返すと、そういうふうな安易な考え方に、やっぱり引いてもらいたいわけですからそういうふうな気持ちになる場合もある。ですから、ここ四、五年やっておいて、後のことは何とかなるだろうという安易な気持ちがありゃせぬだろうかと、こういうふうに思うわけでありますが、そういう場合の確認書を出しておって、じゃこれはいいとか悪いとかいう判定を下す基準というものはあるのかないのか、その内容を少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。
#34
○政府委員(山地進君) いまの野岩線の確認書というのが、先生の御承知のとおり初めて出てきたわけでございます。私どもの第三セクターという考え方は、従来の国鉄だけではできないというからそれをギブアップするという意味だけではございませんで、一つは鉄道経営を、国鉄がなぜ赤字になるかということについては、もう少し諸事業とあわせてトータルな事業としてつかまえてやったらどうだろうかという積極的な考え方もあるわけです。
 たとえば路線によっていろんな特性があると思いますけれども、観光事業と一緒にやったらどうだとか、それから人員の点でもいろんな事業と兼業みたいな形で何とかできないだろうか。たとえばよく駅の切符を、もういま無人化しているからそういう人はいないわけですけれども、無人化になったら切符を全然買ってくれないじゃないか。そういう場合、そこのたばこ屋のおばさんあたりが売ってくれてれば買える場合もあるかもしれません。そういった意味で非常に地元の協力と、それからそういった全体的な事業の一環として何とかできないだろうかということを期待して第三セクターという考え方を持っているわけでございます。
 ところで、野岩線についていま出ておりますのは、千二百五十人ぐらいの輸送密度でございます。ですから、ほかの路線から比べて非常にすぐれているとかいうようなところではないわけでございます。川治温泉という温泉がある、あるいは日光のそばである。東武線からつながるというのはこれは非常に特殊事情だと私も思うわけでございますがこの野岩線の第三セクターは東武、それから福島の方のバス会社、地元の市町村、金融機関というようなものが出資者になりまして、約三億でございますけれども、それから三十六人ぐらいの職員というようなことで、非常にコンパクトな経営をすると。それから気動車というんでございますが、列車等は中古品を買うとか、そういったいろんな意味の省力化とか合理化といいますか、そういうものを節約を非常にうまくやりまして経営をするということで、資金計画、それから経営の計画というものが出てきておるわけでございます。それで七、八年たてば赤字が解消する、その累積赤字も含めまして解消するという現在の計画になっております。
 それが本当にそうなるのかどうかということについては、先生の御指摘のとおり安易な計画であるかどうかということについては、私どもとしては厳正に見なけりゃいけない。企業でございますから永続性のないようなことで建設をするということになりまするといけませんので、これを厳正に見なきゃいけないと思っておりますが、計画の概要としては非常に実現性の高い、かつ地元が相当協力するという形で出てきているというのが私どもの感じでございました。
#35
○広田幸一君 局長のお話を聞いておりますと、まことにいい話で、あの辺の開発、特に観光開発とか、そういうものを並べていきますと一つのいい絵がかけるんですけれども、私も現地知りませんから、ここで現地を知らないでいいとか悪いとかということは言えませんけれども、一般論として今日地方自治体の財政というものは非常に厳しいと思うんですよね。あなたがおっしゃるようなそういう将来性があるならば国鉄がやったらいいじゃないか。そういうことになるんじゃないでしょうか。私はそういうところに、とにかく国鉄はもうやらないと、一つのおどしですよ、悪く言えば。そして地元としてはここまで来たんだから何とかこの国鉄を完成をさして、地域住民の皆さんの便宜を図りたいという一心だろうと思うんですね。
 ですから、そういうところに、安易な第三セクターに頼ろうとする、依存しようとするところに私は国鉄の――わかりますよ、赤字ということは。しかしながら、公共性があるわけですから、そういう面の構えはどういうふうになるのか。
 私ちょっと大臣にお尋ねしたいんですが、こういう問題については、これからあなたも本当に取り組んでいかなきゃならない非常に大きな責任があるわけですけれども、閣僚の一人として考えましても、今日の地方自治体の財政というものは非常に厳しいと思うんですね。そういうところにいまお話を申し上げたようなことで、県、市町村、結局は住民の負担になるようなことを押しつけていいのかどうなのか、私は押しつける、結果的にはそうなると思うんですよ。その点についてどうお考えになりますか。
 この間鈴木総理大臣の所信表明があり、代表質問に対する答弁、それから予算委員会における答弁等私たち聞いておりまして、とにかく政治の恩恵を平等に潤うようにするということを終始お話しになっておるわけですから、やっぱりそういう格差ができるような状態を、しかも国鉄がやるということについては私は問題があると思うんですが、大臣、私の言っておることはどのように受けとめられますか。
#36
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の内容は私も非常に同調いたすものでございます。
 思うにこの国鉄は明治の初期、そして鉄道省という役所で運営してまいりました。そのときには鉄道の延長施設というものが、いわば国策の点と、それから一つは住民の福祉を重点に置かれてきた。その当時は国鉄はいわば輸送機関におきましては独占的な形態でやってまいりましたし、でございますから、その当時の運賃というものは、当時の物価と比較いたしましたならば相当高額なものをとっておったことは事実でございまして、これは先生お調べになったらおわかりいただけると思う。
 ところが戦後になりまして、国鉄は道路の発達なりあるいは空港の整備というもの等が相進んでまいりまして、国鉄全体を見ましたならば、実は大変なライバルがあったということでございまして、そのライバルが今日に来たら大きくなってしまって、国鉄はそれがためにその競争にやっぱり公共性という名のもとにおいて競争ができなかった。で、現在国鉄の状況を見ましたら、人事管理にいたしましても、鉄道の敷設にいたしましても、なかなか鉄道、国鉄自身の考えだけでは決定できないようになってきておると思います。そのように公共性ということが、いわゆる競争力を制限してきたということもこれまた事実であったと思うんです。そうすると、国鉄全体としてはいまや大変な窮状に陥ってきている。
 ところで、いままでは確かに国鉄が地域の交通機関でもありました。しかしながら、今日においては、地域の交通というものが非常に多様化してきております。そうでございますから、その住民の方々がどんな交通に頼るかということは、それはやっぱり住民の意思というものが相当働いてくるであろう。そこで、私は、今日まで地方自治体は、交通に関しましては、地域の交通でございますが、いわば第三者的な立場で陳情なり意見を言うというようなことが中心でございましたけれども、これからの地域の交通というものを考える場合に、地方自治体、つまり住民の方々、この方がどういうふうに地方の交通をあるべきかということを考えるべきときだと私は思っておるんです。それなくしてやっぱり地域の交通の整合性もとれていけないし、またそれの有効な利用ということもできないと思っております。
 ところで、この国鉄の再建法案を提出さしていただきましたこのときに当たりまして、国鉄が今日まで、現在もそうでございます、将来においてもそうですけれども、いわば公共機関としてやってきたけれども、これだけ大きい負債を背負うことになって、企業としての実体をなさなくなってきた場合に、その場合には少しは減量さしていただいて国鉄の体質を一回変えさしてもらいたい。そして鉄道本来の使命に邁進さしてもらいたい。そのためには地域の交通に今日まで寄与してまいりましたこの線を、どのように地域で利用していただくかということをもう一回考えてもらえぬだろうか。といって輸送の責任は、あるいは交通の責任は逃れるものではございません。しかし、これはやっぱり地方自治体なり政府の責任であって、あくまでも国鉄の責任において地域の交通を維持していけということは、これは現在の国鉄の力ではなかなかできないんではないか。
 そこで、先ほどお尋ねございました野岩線のこういう問題がこれから各地に起こってくると思うんです。これらは必ず地域の協議を経て、そしてどうあるべきかということを決めていくものだと思うんです。その意味におきましても、私はいま、まあいわば地域ですね、地域の陸上公共機関のこの整備というものを一つの大きい概念としてひとつ成立さしていくべきではないか。そのためにはいろんな資金の問題も起こってくるでしょう。先ほど江島さんの質問の中にもありましたが……
#37
○広田幸一君 大臣、時間があれですから、大体要点でいいです。
#38
○国務大臣(塩川正十郎君) 財源の問題も私は当然、そして各役所の整合性ということも当然やっていかなきゃならぬ。そういう意味において地域を中心とした陸上公共機関の整備の、そういう考え方をここに植えつけていくべきだと、それによって前進していくべきだと、こう思います。
#39
○広田幸一君 大臣、私も大臣のおっしゃるように、これからの多様化した、特に地域における交通体系というものを総合的に考えていかなきゃならぬ、それはわかるわけですよ。ですから、この間通達で出ておりますね、これは財源的な裏づけがないわけですけれども、これからやっていこうとしているわけでしょう。各自治体が地方における交通体系をどういうふうにするか。国鉄もバスもそういう一切のものを総合していま大臣がおっしゃったように、その府県においてはこういうものがいいと。そういうものをこれから委員会をつくってやるんだという通達が出ておるわけですからね。それならば、こういうものを閣議でもっと検討して、そしていまの第三セクターのような問題をもう少し先に延ばしてそれからやったらどうかというふうに私は思っているわけですよね。
 そうすると局長、まあこれからなかなかむずかしいと思うんですけれども、野岩線の場合もそう簡単にはいかないと思うんですよ。大体これは自治省と関係があると思うんですがね、自治省もやっぱり地方自治体の財政を最近は厳しく言っておりますね。そういう関係があるわけですが、自治省との関係はどうなっておるのか、簡単にひとつ御答弁願いたい。
#40
○政府委員(山地進君) この法律におきましては、先生の御承知のとおり地方公共団体に何らかの負担をさせるということが制度的にはなっておりません。国が半分は助成しようという、半分助成するということは書いてございませんが、国は第三セクターについて運営費を補助します。私どもの政府内で考えておりますのは、半分国が補助をしましょう、あとの半分をどうするんですかということについては何にも決まってないわけでございます。地元の方がその助成をするなり、維持するなりということについてお考えいただきたい。その中に公共団体が入る場合があるかもしれません。出資についてもちろん地方公共団体が出す場合、いまの野岩線でもそう考えております。その費用については私どもの法律では何にも決めてないことでございまして、これを自治省としてどうお考えになり、どう指導されていくかということについては、個々の自治省とその当該公共団体の関係であろうと私どもは考えております。
#41
○広田幸一君 これは今度提案されておる法案の、ちょっとまだどうなるかわからぬわけですから、少し先取りしたようなかっこうになっておるわけですけれども、いま局長は、二分の一補助するとおっしゃるけれども、いま私どもが聞いておるのは五年間でしょう。ですから、六年以降赤字になった場合はどうするかという問題を先々考えるわけですね、そういうことですね。ですから、そのことを私はさらに将来を含めて心配しておるわけです。
 そこで、自治省の方おいでになっておると思うんですが、自治省はいまの問題についてどういうふうにこの見解をお持ちでございますか。
#42
○説明員(藤原良一君) この問題につきましては、いずれの線も経営が容易でないと思いますし、また将来大きな地方の財政負担問題が生ずるおそれもございますので、慎重の上にも慎重に対処すべきであろうと思い、地方公共団体の方にもそのように申し上げておるところでございます。
#43
○広田幸一君 もうすでにそういうもの出ておるんですか、そういう場合にはこうだということは出ておるんですか。ちょっと最後を聞き取れなかったので。
#44
○説明員(藤原良一君) 会議等を通じまして、慎重に対処するように申し上げておるところでございます。
#45
○広田幸一君 慎重に対処せいということは、地元がいいことだというふうにして決めた場合は、それに対して自治省がどうとも言う、そういう介入をすることはできるものか、できないか、制度的にはどうなるのか、その辺ですね。また後で泣きついたって知らぬぞと、こういうふうなことになるのか。その辺をひとつ明確に。
#46
○説明員(藤原良一君) 将来財政負担が生じた場合、自治省といたしましては交付税等の特別の財源措置を講ずることはできないと申し上げております。ただ最終的にはやはり地方公共団体が自主的に御判断して決められるべき問題ではあるというふうに考えております。
#47
○広田幸一君 これもいずれまたいろいろと論及する時期があろうと思いますが、私はいまのAB線の第三セクター方式によるのはやっぱり了解することができません。
 そこで、次に入りたいと思いますが、次は、さっき江島さんの質問の中にもちょっと出ておりましたが、新幹線のいわゆる整備五線ですね、これはすでにもう調査をほとんど終わって着工するかどうか、あとは財源問題だというふうに私たちは聞いておるわけでありますが、これも財源をこうしてもう切り詰められておる時期でありまして、仮に一億にしても二億にしても、むだなものは早くなくする、そうしてけりをつけて新しく出発するということが私は望ましいと思うんですが、どういうふうになっておりますか。
#48
○政府委員(山地進君) 五十四年度には、環境影響評価のために五十億の調査費を鉄建公団並びに国鉄につけております。
 それから、五十五年度予算におきましては、工事着工のための調査といたしまして同額をつけております。環境影響評価についてはほぼ完了しておりますし、工事着工のための調査といたしましては、地質の悪いところ、あるいは軟弱土盤、あるいは都市部との交差部とか、あるいは経済的なものというようなことで調査を現在進めておるわけでございます。おっしゃるように、財源問題というのが今後非常に大きな問題であるというふうに考えております。
#49
○広田幸一君 それで、財源問題ですけれども、いつごろに決着がつくんですか。
#50
○政府委員(山地進君) 財源問題につきましては、私どもとして各方面といろいろ御相談をし、知恵を拝借しているわけでございますが、やはりこのような種のものは、予算の政府原案が決まる時点というのが一つの区切りであるというふうに考えております。
#51
○広田幸一君 恐縮です、いまちょっと局長おっしゃったのを、もう一遍言ってくれませんか。
#52
○政府委員(山地進君) この種のものを決定するのは、政府の予算原案が決まるときに同時に決めていくというのが通例でございます。
#53
○広田幸一君 これはどうも政治的な絡みがあるように私ども思うわけです。ですから、鉄監局長にどうだああだ言ったって、私は、あなたの判断には――もう質問するのはちょっと無理だと思うんですが、大臣にちょっとお尋ねしますけれども、政府としては、この新線整備五線について財源をどうするかということで、総理府に整備新幹線財源打合会というのがございまして、構成メンバーは、大蔵省、経済企画庁、国土庁、自治省、総理府、運輸省、こういうふうになっておるようでありますが、どういうふうになっておるのか。これは大臣が御承知なのか、局長の方が御答弁になるのか。ここなんかどうなっておるのか。また、自民党の方としては、国鉄問題調査会の何か新幹線の委員会というようなものもあって、ここでもいろいろやっておられるようであります。
 ついでに申し上げますが、運輸省が依頼をした運輸経済研究センターのこの資料によりますと、まずこれは、五十五年度の四月現在のお金として五兆二千三百億円の金が要ると言っておるわけですね。この資料によりますと、これに必要な五兆円の金を全部国が補助をしてくれた場合にはどうなるかという、こういうのが出ておるわけですね。その場合でも、年間三千億円の赤字が出ると、こう出ておるわけです。運輸省が権威あるところとしてこの運輸経済研究センターに依頼しておるわけです。その出た数字がこうなっておるわけですね。この財源としては、目的税とか国債を発行するとか、建設国債ですね、そういうものをもって充てなければとてもむずかしいだろうということが書いてあるわけですわ。
 まあ、一般的に見まして、これを見る限りにおいては私はノーという数字が出ると思うんですよ、ノーという数字が。そういう感じがするわけですよね。しかも、さっきから申し上げておりますように、赤字の国鉄をいかにしてここで再建をするかということで、国鉄も一生懸命にやっておるわけでしょう。こういうものをまた引き受けなきゃならぬわけですよ、国鉄としてはね。しかも、これから論議になると思いますけれども、いわゆる九十線という赤字路線、これを切っていくということでしょう。さっきもお話がありましたように、北海道なんか、私この間行ってみましたが、あれを切られるともう五〇%は国鉄の輸送機関がなくなってしまって、北海道の開発はどうなるかというような問題を私は生に聞いてきたんですがね。
 そういうような、国鉄に課せられた非常に大きな重荷を担っておるときに、五兆円という金を背負わせるような、こんなことをやるのは、こんなことにもたもたしておるというのは、私は国家的にちょっと判断に苦しむんですが、大臣として、この新線の着工問題について、わかりました、この辺で決着をしますと、する場合にはこういう方針でやりますというようなことはもう出なければならないと思うんですが、大臣いかがでございますか。
#54
○国務大臣(塩川正十郎君) 整備五線の建設につきましては、これは国民的要請が強かったものでございますから、その整備五線について財源の見通しがつけばやるという決定になっております。
 ところで、総理府において設置されておりますその委員会等にもまだ私たちもお呼びにあずかったこともございません。最近はどうも財源の審議は停滞しておるように思うんでございますが、ついては各機関でそれぞれ熱心にその財源問題を研究しておられることもございますしいたしますんで、その辺の内容等につきましては鉄監局長から説明させます。
#55
○政府委員(山地進君) 整備五線財源打合会ということでございますが、いまおっしゃったのは。総理府の審議室が中心になりまして、こういった交通体系全体について御関係のある国土庁、それから大蔵省、自治省、それから私どもとが集まっていろいろ議論をしているということでございまして、従来から、いまお示しになりました運輸省の方の調査もございますし、それから国土庁の方の調査もございます。今後こういった問題について、非常にむずかしい問題でございますけれども、やはり最後は事務的に詰めなきゃいけないということでございますので、まあ党の方でもいろいろお考えになっているようでございますから、そういうものと相呼応しながら、この問題をどういうふうに進めたらいいかということで検討している次第でございます。
#56
○広田幸一君 局長としても非常に答弁のしにくい問題のようですが、いずれにしても国鉄再建法案というものがいま出て、きのうから衆議院で論議されておるわけでして、参議院に来るかどうかわかりませんが、とにかくいま国鉄の再建を図らなきゃならないという重大な時期に来ておると思うんですね。私たちそのことはわかるわけです。しかし、一方においてはこういうことが、政治的な絡みでもたもたしておるような状態を国民は一体どう見るだろうか。やるならやる、やらないならやらない、やる場合にはこうするとか、私はこういう報告書を見ますと、とてもやれるような状態ではない。局長にイエスかノーかと言ったら、私はノーと言われると思うんですよ。そういう質問しませんが、常識的に見ても、それは私が聞いたところでもノーという数字が出ておるんですから。しかし、それは政治的な絡みがあるわけですから。国鉄再建問題もやっぱり政治的な絡みもあるわけですからね。われわれも協力するところは協力しなきゃならぬと思っておるわけです。
 これ以上言ってもいい答弁はできぬと思いますが、とにかくいずれにしてもこの問題はいろんな国鉄再建と絡んだ問題でございますから、早急に結論を出していただくと。私たちは意見として言えば、いまの時点でこのようなものは泣いて馬謖を切るといいますか、やめるべきである。切る、凍結というかな、当分の間やるべきではないと、こういうふうに思います。
 それから、今度は話をちょっと百八十度転換をしまして、これは鉄建公団の総裁にお尋ねをすべきかと思うんですが、いままで論議をしてきましたように、AB線それからCD線についても、国鉄、運輸省の方針としては、第三セクターが受けてくれるものはやるということなんですが、なかなかそういうところはこれから余り、出てくるかどうかわかりませんし、決着はどういうふうにつくかわかりませんが、いずれにしても、大勢としては工事を中止する、凍結をするということになると思いますし、それから鉄建公団が工事を進めておりますところの上越新幹線は、大宮の辺で少しもたもたしておるようでありますが、それでもあと一、二年もすれば完成するであろう、それから青函トンネルも五十八年ごろには終わるだろうと、こういうふうに聞いておるわけであります。
 そうなってきますと、そういう仕事に従事しておる鉄建公団の職員というのは約三千数百おるように聞いておるわけであります。これは全体、役員の方も含めてかもしれませんが、そういう人たちがこれから五十七年、八年先になった場合にどこに行くのかという問題があるわけですね。私たちが聞いておりますのは鉄建公団の技術職員というのは世界的にも非常に技術の発達したといいますか、優秀な技術者のいわゆる技術集団であると、こういうふうに聞いておるわけでありまして、この人たちの技術を将来のこれからのいろいろな面における日本の経済の発展のために役立たせるべきであると、こういうふうに思っておるわけですが、こういう人たちが、もうあと二年したならばどこに行くかという問題が私は出てきておると思うのですが、この点について、最高の責任者でありますところの総裁としてどういうふうにお取り組みになっておりますか、少し詳しく、希望とか意見もあろうと思うんですが、お答え願いたいと思います。
#57
○参考人(仁杉巖君) 先生御承知のとおり鉄道公団は、昨年の暮れに、昭和五十八年度に「他との統合等を図る」という決定がされております。いまお尋ねの総裁としての立場から申し上げますと、一つの公団あるいは企業体と申しますか、そういうものが、三年先と申しますか、そういう時期にどういうふうになるかよくわからないというようなことに立ち至りますと、現在三千三百程度の役職員がおりますが、その職員はもちろん、あるいはその家族にとりましても非常に不安になるということがございます。そしてまた職員そのもの、いま先生の御指摘にございましたように、大変総裁として申し上げるのは口幅ったいかもしれませんが、一生懸命でいい仕事をしている集団でございますが、その職員たちの士気をどういうふうに維持していくかということにつきましては非常に私ども困却をしているというようなことが実情でございます。
 事実私ども幹部が現地へ参りまして、あるいは本社の職員等といろいろ対話をいたしますと、やはり一番先に職員から出ますのは、五十八年度以降どういうふうになるでしょうか、総裁はどう考えているかというような話が出てまいるわけでございます。
 もう一つ私が非常に心配しておりますのは、こういう状況のままで時間が経過をいたしてまいりますと、公団には相当優秀な技術者、事務者、事務関係者がたくさんおるわけでございますが、そういう人たちの将来の展望の中から民間に転出していこうという、あるいは他に転出しようかというような傾向が出ないとも限らないということでございまして、現在公団が持っております優秀な技術集団としての能力がだんだん低下をするのではないかというような心配をしております。
 それで、こういう考え方がございますので、私は運輸省初め各方面にもいろいろ、五十八年度に政府決定のとおり他との統合、変貌をするということは間違いないと思いますけれども、それまでの間にだんだん仕事が少なくなってくるということによって職員の不安ないしは転出というようなことの事態の起こらないように何とか新しいプロジェクトにも参加をさしていただきたいということをお願いをしております。幸い皆様方のある程度御理解を得られまして、いろいろと御配慮をいただいておりますので、現時点におきましては職員一同も非常に張り切り、また他に転出するというような傾向も全然現在のところまだ見られていないということで、現時点におきましては皆一生懸命で業務に精励をし、上越新幹線あるいは青函トンネルあるいはAB線、CD線その他いろいろな仕事について一生懸命に精励をしているということでございます。
 今後の問題につきましては私の立場からなかなか申し上げにくいのでございますが、運輸省初め各方面からいろいろと御意見を承っておりますし、また御指導も得ておりますが、総裁といたしましては何とかこの鉄道公団の優秀な技術集団が、その力を保持したかっこうで、昭和五十八年度におきまして国益に役立つようなそういうような方向がとれるということをいたしたいということでいろいろ努力を重ねているというのが現状でございます。
#58
○広田幸一君 運輸省にお尋ねしますが、これは昨年の十二月二十八日の閣議決定で、「昭和五十五年度以降の行政改革計画(その一)の実施」ということで出ておりまして、特殊法人の整理合理化、その中に「日本鉄道建設公団については、上越新幹線及び青函トンネルの本体工事が完了した時点(昭和五十八年度)において、他との統合等を図る。」と、「統合等を図る」というふうになっておるんでありますがね、これは閣議決定でありますから大臣も御承知になっておるわけでありますね、運輸省としても御承知になっておるわけですが、大体廃止するとかどこかと統合するとかあるいは縮小するとかいうのが一般の場合だと思うんですが、ここに「統合等」と書いてありますのは、やっぱりいま私が言い、総裁の方からもお話があったようないろんないきさつがあって、ここではっきり言えないという事情があって私は「統合等」というこういう表現になっておると思うんであります。
 しかしこれは行政管理庁がそれぞれ調査をして、その資料に基づいて関係各省でいろいろと結論を出されたと思うんですが、運輸省としては、この問題について総裁の方から一つの考え方と要望が出たわけでありますが、運輸省としてどのようにお考えになっておられますか。
#59
○政府委員(山地進君) いま仁杉総裁が言われたとおり、私どもも鉄建公団は優秀な技術集団であるということはよく認識しておる次第でございまして、いまのお話にありましたように「統合等を図る」ということにつきましては、いろいろと今後検討の余地がある、選択の余地もあるというふうに考え、各方面とも御相談をして最善の道を選びたいと、かように考えております。
#60
○広田幸一君 総裁も、昨年不幸にしてあのような事態があってあなたも御苦労で総裁になっておられるわけですけれども、この問題は大きな問題ですからね、総裁のような偉い人はどこかに行くところがあるかもしれませんけれども、当時三十九年、私はいろいろ聞いてみますと、あのときはこういうものをつくるべきではなかったというようにわが党等は反対したようでありますが、それはそれとして現実にこういう事態が出ておるわけでありますから、ひとつ今後の問題として、もう二年、三年と言えばすぐたつわけですから、そういう皆さんのその技術が将来生かされるような方向で連絡をとって、ひとつ十分な努力をしていただくように特に希望しておきたいと思います。
 それから、東北新幹線はこれは国鉄がおやりになっておるわけでありますけれども、東北新幹線の場合も、やっぱり大なり小なりこの鉄建公団とは若干違います、内部的に違うと思うんですが、東北新幹線も五十八年ごろにそういう事態が起きてくる可能性があるかと思うんですが、この点についてもやっぱり同じようなことを心配するわけでありますが、この点について国鉄側の御見解をお聞かせいただきたい。
#61
○説明員(高木文雄君) 現在東北新幹線にはかなり多数の職員を振り向けております。そこの職員は非常に気の毒なんですけれども、ほかの地域から一定期間派遣をされておるという職員がかなり大ぜいいるわけでございまして、これが終わりましても私どもとしてはいささか現在、在来線の方のもろもろの改良等の工事が資金的に不足のためにおくれておりますので、東北新幹線が完了いたしました場合には、ぜひいまの資金量を在来線の方の整備拡充に振り向けさしていただきたいと思っておりますから、事業量としては東北新幹線完成後におきましても極度に減るということは予定をいたしておりませんので、私ども職員のいろんな意味での不安定ということは、この工事が終わりましても起こらないものというふうに考えておるわけでございます。
#62
○広田幸一君 終わります。
#63
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
   〔理事桑名義治君委員長席に着く〕
#64
○理事(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○目黒今朝次郎君 大臣にちょっとお伺いしますが、私も三年ぶりぐらいで運輸委員会に帰ってまいりましたので、国鉄再建論争あるいは羽田論争、いろいろあるわけですが、少し形式的になるかもしれませんが、前の石田運輸大臣、あるいは田村運輸大臣とか、福永運輸大臣、こういう各大臣と、国鉄論争とか総合交通政策で、この委員会で十分私も議論した数々の記録があるわけでありますが、そういうことについては、大臣としてはいままでの国会における委員会の答弁というものについてはこれを尊重し、確認して行う、こういうことについて、冒頭でありますから大臣の見解を聞いておきたいと、こう思うんです。
#66
○国務大臣(塩川正十郎君) これはもう政府の施策というものは継続性を持っております。当然私といたしましても、前、元大臣がとられました政策並びに発言に対しましては、あくまでも責任があるものと思うております。
#67
○目黒今朝次郎君 ありがとうございます。
 国鉄に関する問題等についてはいま衆議院でやられておりますから、その際に十分また論議するとして、きょうは当面の懸案事項について数多く見解を聞きたいと思いますから、私も簡単に質問しますから、答弁の方も簡単に結論だけお願いしたいと思います。
 まず第一点、安全にかかわる問題二、三お伺いいたします。
 一つは、北陸トンネル事故の問題については、発生当時私もこの問題を取り上げて当時の運輸大臣、国鉄総裁と大分やったわけでありますが、抜てき二号昇給というのは国鉄職員としては大変なおほめの措置だと思っておったわけであります。ところが、一九七四年の十二月の二十七日、これが裁判にかけられまして、以来六年間、大分法廷で争われてまいりました。で、一応結審になりまして、十一月の二十四、五日と言われておりますが、判決が出ると報道されております。
 それで、国鉄総裁にお伺いしますが、北陸トンネル事故の辻機関士の問題については、職員として尽くすべき点は全力を尽くしてやったんだ。したがって、自分の生命をかけてやったその措置について、二号俸の抜てき措置をしたんだと。そういう立場で、起訴されても国鉄側としては辻機関士を守ると、こういう精神で戦っていくと、取り組んでいくと、こういうことを表明されておるわけであります。今日結審になって禁固二カ月という求刑がされておるわけでありますが、今日の時点でもそういう気持ちが変わりがないかどうか見解を聞きたいと、こう思います。
#68
○説明員(高木文雄君) お説のとおりでございまして、私どもも辻運転手のことについては、あくまでりっぱな行動であったということを考えておりますので、そういうことを前提として今後対処してまいりたいと思っております。
#69
○目黒今朝次郎君 ありがとうございます。
 結審で判決でありますから予断を許しませんが、これは私は全国の動力車乗務員は言うに及ばず、車掌さんあるいは運転保安にかかわる関係職員が非常に注目をして見ておる判決であります。したがって、もし有罪判決があったという場合でも、いま総裁の決意表明に従ってさらにこれを守るための措置をしてもらう。同時に辻機関士の身分保障については、いままでどおり身分を保障して対応していくと、そういうお考えであるかどうか基本的にお伺いいたします。
#70
○説明員(高木文雄君) 仰せのとおりに考えております。
#71
○目黒今朝次郎君 ありがとうございます。
 それで、青函トンネルにも関係するわけでありますが、長大トンネルにおける火災事故、この問題については、北陸トンネル事故が起きたのをきっかけに国鉄側がいろんな試験をやったり、あるいはいろんな改良をやったり、そういうことで北陸トンネル事故が長大トンネルの火災防止及び火災時における運転取扱心得のまあいい意味で出発点になったと、このように私は理解をしていろいろな試験にも立ち会ったわけでありますが、こういう理解については間違いないかどうか、再度今後の問題がありますので確認したいと思います。
#72
○説明員(高木文雄君) ただいまもお触れになりましたように、北海道の試験線であのような大規模な試験をいたしましたし、またマニュアルの変更等も行うということもいたしました。またその他いろいろな面において火災事故に対しての勉強は、まあ災いを転じて福となすと申しますか、あの事故を契機として相当研究が進んだわけでございまして、その意味で非常に犠牲は大きゅうございましたが、それなりの対処も相当進んだというふうに考えております。
#73
○目黒今朝次郎君 その努力を期待いたします。
 次に、私は北海道に十月七、八日と十月の十二、十三日、ローカル線の調査で行ったわけですが、当時北海道の深川発滝川行きという中央バス、堀川運転手という方が乗っておったんですが、この方が運転中もうろうとして停車位置を誤って脱線転覆したと、これは自動車ですよ。それで滝川警察署に現行犯でつかまりましていろいろ調べられたようであります。
 その中で本人が供述しているのは、ちょいちょいもうろうとなる、医者からは低血圧だと言われる。それでも乗務しなさいと言われているから私はハンドルを持っておるんですと。たまたまそういう状態でハンドルを持ったら、きょうこういうバスの事故を起こしてしまいましたと。そして二十何人の年寄りがけがを、幸いに死傷事故はなかったんですが、私は、これは小さい事故であるようですが、やっぱりバスの運転手の運行管理、お客さんの生命、財産を扱うという点から見ると、黙視できない問題をはらんでおると思う。国鉄の場合も同じであります。
 自動車局長にお伺いいたします。バスのこういう運転手の健康管理、点呼を受ける際にちょっとおかしいという場合に、一体どういう措置をするのが最も運行管理者としては正しいのか、あるいはどういう点で運転手とかそういう方に徹底をしているのかどうか。これは国鉄には国鉄の規則がありますから、私は言いません。ただ、一般のバス運行管理の際に非常にずさんな面があるからこういう事故が起きるのじゃないか。私はこの事故を見て、きのう政府委員にも言ったんですが、あなた方としてバスの運行管理、運転手の問題についてどういう指導をしておるのか。この問題については、私は運行管理者並びに中央バスの体制をきちっと監査をしてこの委員会に報告してもらいたい、こう思うんです。
#74
○政府委員(飯島篤君) いま先生御指摘の運転者の健康状態に起因します事故の防止につきましては、昭和五十年の八月に三つの項目について通達を出して指導いたしております。
 第一番目に運転者の日常の健康状態の的確な把握、第二に運転者の定期健康診断及び特別健康診断の実施、第三に運転者の運転適正の把握等でございます。またこのことは運行管理者の研修におきましても徹底するようにいたしておるところでございます。先生御指摘のとおり、今般乗合バスの転落事故が発生いたしましたことはまことに遺憾と存じております。
 なお、この事故にかんがみまして、事故警報を直ちに出しまして再発防止の徹底を期しておるところでございます。
 なお、若干補足を整備部長からさせますので、よろしくお願いします。
#75
○説明員(宇野則義君) ただいま自動車局長から御説明がございましたけれども、自動車関係の運行管理、安全の確保につきましては、規則に規定をされておるところでございますけれども、特にバスあるいはトラックを含めましてでございますが、一つは運行管理者が運転手を指導する際に、毎日の点呼、朝の点呼の際に、健康状態の確認、それから運転者からの申し出ということをさしておるわけでございます。さらには運行管理者の研修ということをやっておりますけれども、この運行管理者の研修を行う際に、乗務員の健康管理あるいは疲労の防止というような項目等につきまして、研修の際に陸運局からそういう指示をし指導をしておるところでございます。
 以上でございます。
#76
○目黒今朝次郎君 私はそんなことわかっているの。ただそれを可能にする実際上運行管理者が、あなたはきょう健康どうですかと、ゆうべ夫婦げんかしましたかと、彼女とのデートがうまくいきましたかと、いろいろ聞いて、明快な気持ちでハンドルを握るということを本当に点検しているかどうか。点検していれば、ぐあい悪いと言ったのにきょうは人がいないからハンドル持てと言われたと、ところが、途中でもうろうとなっちゃったと、こういう事態が発生するわけないでしょう。結局、実際に点呼やっているのかどうか。仮に体が調子が悪いと言っても、きょうは代替乗務員いないから無理して乗ってくれやと、その無理して乗ってくれやというのがたまたまぶつかるとこういう事故になるんじゃないですか。そうすると、その予備員の運用とか配置というものを十分やっているかどうかと。言葉の上ではそう言っても、運用の予備員がなければ実際上ぐあい悪いままハンドルを握るか、あるいはバスの運行を中止するか、どっちかの二者択一になるでしょう。そういう予備員も十分配置しているんですか、運行管理として。
#77
○説明員(宇野則義君) ただいま当該事故を起こしました運転手につきましては、十月の十三日から二十六日まで精密診断ということで病院の方に入って診断をいたしておるわけでございますが、当日の実施状況を確認いたしましたところでは、健康状態については異状の申し出はなかったというふうに報告を受けております。なお、この運転手につきましては、この十年間無事故で過ごしてきておりまして、特に異状は認められないというふうに現在の段階で報告を受けているところでございます。
 なお、こういう実際にやっておるかどうかということにつきまして、一般論になりますけれども、私どもの方で指導監督をする際、監査等を実施しておりますけれども、そういう際に、実際の実施状況あるいは実施結果というものを確認するようにいたしております。
#78
○目黒今朝次郎君 あんたたちはすぐそういう答弁で逃げられるけれども、現にいま滝川という警察の留置所にぶち込まれて、あなた、警察からびりびり締められている運転手の立場になれば、あなたはこの半年間健康に異状はなかったと言うし、本人は低血圧でもう申告しましたと警察で供述するし、その点は食い違いますから。ただ運転手が事故を起こした場合に、すべての責任は当該運転手の不注意だというかっこうに押しつける行政指導は、これは私は乗務員の一人として承服できませんよ。だから、これはもう一回本人から調査をして、本当にいまあなたが言ったことと、この堀川運転手の問題について食い違いがあるかどうか。実際に調書をとって私の方に報告方願いたい。私はそれを見た上で、警察から私は聞いているんですから、もう一回私が本人に会って、あなたの言ったことを十分私が検証します。検証してからまた論議しましょう。お願いします。
 それからもう一つは、これは愛知県の丸金昭和運輸というの、これは港湾局ですか。これもまた私は現地に行って、選挙であちこち回った関係がありますから、それで聞くんですが、これも私はぶざまなことだと思うんですがね。この倉庫業の問題については、一般倉庫、危険物倉庫、野積み倉庫、貯蔵倉庫と、こういうふうに分かれておって、危険物の問題については毎月毎月在庫品と状況について報告するようになっているらしいですね。
 ところがこの会社は、五年間危険物の報告は一回もしない。それから、これを監督しておる東海海運局の倉庫課担当職員の意見を聞いてみたら、別に報告するように指示はしてなかった。ところが新川倉庫課長から言わせると、報告は聞いておったけれども、やむを得ずどんぶり勘定しておったと、こういう供述。それから戸田運航部長ですか、これは。戸田運航部長は全然知らなかったと、今後厳重注意しますと。この三人のおたくの係官が全部まちまちの供述をしているんですよ、私が確認したら。これは一体五年間報告をしなかったやつも悪いけれども、それを監督する課職員、課長、部長、三人が全部まちまちの陳述だというのは一体これどういうことなんですか、五年間。こんなぶざまなことが火災事故を起こしているでしよう。この点については私はもうもってのほかだと思うんですがね。ですから、私は時間がないから結論から言います。
 こんな五年間も報告しない丸金昭和運輸、これは免許停止しなさいよ、罰として。それから、この三名の部長以下課長、係官、これは職務怠慢だね、職務怠慢で公務員法に従ってしかるべくきちっと措置をしてもらいたい。そういうことをやることが、合理化だ合理化だと言っていることについても、あなたたちは行政面できちっとすることですよ。以上。
#79
○政府委員(吉村眞事君) この倉庫が省令で決まっております形式どおりに報告をしなかったということはおっしゃるとおりでございまして、これは大変遺憾なことに存じております。この関係を含めまして、今回の事故の事実関係を調査をいたしました上で、この会社に対する取り扱いを決めてまいりたいと存じております。
 それから、職員の不一致と申しますか、三人三様でございましたこと、まことに申しわけございません。
#80
○目黒今朝次郎君 五年間も報告しないということは、そういうことが他にもあるかもしれませんから、特に危険物関係は大変ですから、これは一斉点検しなさいよ、全国一斉点検、特に危険物を重点に。そういうもぐりがあるかどうか。もぐりのやつはどんとやっぱり営業停止させるべきでしょう。そうしないからもぐりが横行するんで、これは再度確認します。
 それから、この三人については私は確認しているんだから、おたくの方で確認をして、倉庫課の担当職員、新川課長、戸田運航部長、三人三様、私、有力筋から全部確認したんですから、みんな違うんですから、これは。この最高責任者はやっぱり海運局長ですか、こんなぶざまなことをしておくのは。中央では港湾局長だね、これは。これは私はうやむやにしてもらっちゃ困る。こういうのをきちっとおたくで調べた上でどういう措置をするか、これまた委員会に報告してもらいたい。約束できますか。
#81
○政府委員(吉村眞事君) 調査をいたしまして御報告申し上げます。
#82
○目黒今朝次郎君 じゃあ要請しておきます。
 それから、この青函トンネルの関係、先ほどいろいろありましたから、もう時間の節約上、前段を省略いたしまして、十月六日の共同通信、北海道新聞、これによりますと、十月四日、国鉄総裁と運輸大臣と鉄建公団、この三人が相寄りまして、十月四日に、在来線を通すということについて合意に達したと、そういう新聞記事があったんですが、これの真偽についてまず確認します。
#83
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのような事実は全然ございません。
#84
○目黒今朝次郎君 え。
#85
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう事実は全然ございません。
#86
○目黒今朝次郎君 そうすると、共同通信とか北海道新聞に出た記事は、まあどこからか新聞屋さんが持ってきたネタであって、そういう事実はないと、在来線を通すということを意思統一をしたあれはないということですか。再度すいません。
#87
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう三者が集まりまして意思決定したことの事実はございません。
#88
○目黒今朝次郎君 青函トンネルの活用方についてというテーマで、三人が別々に検討した結果、偶然に在来線を通そうと、こういう意見の一致した事実もありませんか。
#89
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在、運輸省におきましては青函トンネルの利用につきまして検討委員会は持っております。そこでいろいろ検討はいたしておりますが、まだそれは審議の途中でございまして、何ら運輸省といたしましてその利用方法について決定するという段階には至っておりません。
#90
○目黒今朝次郎君 じゃあ確認いたします。
 青函トンネルに在来線を通すことも含めて三者間でまだ決定をしてないと、検討の段階であるということでいいですな。――これは北海道新聞の方おりましたらきちっとしてくださいよ、共同通信もね、こういうことですから。
 それからもう一つお伺いします。
 前の地崎運輸大臣が一月五日、北海道に渡って、青函トンネルの問題と青函連絡船の問題で発言して物議を醸しました。その内容は、時間がいたましいから言いません。物議を醸して、一月十一日、札幌陸運局長を通じて現地の方に回答した四つの項目、もう時間がありませんから言いません。一、二、三、四、この四つの項目については現大臣としても変わりはありませんか。
#91
○政府委員(山地進君) その当時申し上げたことは変わっておりません。
#92
○目黒今朝次郎君 では、それら四つの項目については変わりがない、これは確認いたします。
 そうしますと、国鉄側にお伺いしますが、この青函トンネルと青函連絡船の対応の関係で、本社に課長クラスのプロジェクトをつくって対応しているということと、青函トンネルが開通しても連絡船は残す、連絡船の業務は残すということについて、国鉄労使間で話し合われたことについてこの場で確認して結構ですか。
#93
○説明員(加賀山朝雄君) 労使間で正式な確認をしたということは私は聞いておりませんが、いろいろな検討をしていることは事実でございます。
#94
○目黒今朝次郎君 その点が、後の方あいまいですが、後でまた聞きます。
 とにかく、私はこの青函トンネルの問題については、率直に言って国鉄総裁がどれほどの行政責任があるのか、私もいろいろ調べたがわかりません。私、わかりません、率直に言って。この直函連絡は、結論的に私は運輸省の責任とこの運輸省の決定に従って鉄建公団が工事を始めたと、その辺まではわかるんでありますが、運行開始後の国鉄の責任という点は非常にあいまいなまま今日になっておると思うんであります。ですから、国鉄再建法の論争の際にまたやりたいと思っておりますが、青函トンネルの現時点における国鉄の責任と運輸省の責任と鉄建公団の責任と、一体どういうことなのか、総括的に運輸大臣に私は教えてもらいたい。そうしないとわれわれの対応の仕方が非常に混沌としてしまうと、こうなりますので、最終的な青函トンネルの現時点における行政責任は一体だれが負うのかという点を、だれなんですか、教えてください。
#95
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほども言っていますように、運輸省の中に利用検討委員会を設置いたしまして、まさにおっしゃる問題も含めて実は検討いたしておるわけでございまして、この経過から申しまして青函トンネルを主として国鉄が利用するという形態でトンネル工事をしてまいったところでございますし、ところが、あの建設費用として約五千億円近く投入いたしてこなければなりませんが、それの借料等につきましても、これはいまの国鉄にまるまる払えと言ってみたってなかなか実際はむずかしい問題だと私は思うておりますし、そうすると、その費用の負担並びに利用料の問題、こういうふうなものもあわせて検討しなきゃならぬと思いまして、先ほど申しました委員会を設置いたしまして検討しておる最中でございます。
#96
○目黒今朝次郎君 まあ検討しておることは否定いたしませんが、青函トンネルのトンネルそのものの行政責任は一体だれが持ってやっているんですか。国鉄総裁にも一半の責任あるんですか。鉄建公団にも責任あるんですか。やっぱりこのボタンを押したのは政府であり、政府の窓口である運輸省なんでしょう。だから、運輸省が当面はすべての責任を持って行政を進めると。運輸省の方針に従って、鉄建公団これいつまでかかると。それから国鉄側はこれ通すためにどういう意向を持っているかということで意見を持ってきてくれと。在来線を通すのか新幹線通るまで待つのか、その点は国鉄側営業関係どうなんだということで、行政の責任はあくまでも運輸大臣なんでしょう、これは。どうなんですか。
#97
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃる点はまさにそのとおりでございます。でございますから、利用につきましても、その利用する関係の機関等とも相談し、やはり運輸省において最終的に責任を受け持って決めなきゃならぬと、そこで検討委員会を設けて勉強しておると、そういう経過でございます。
#98
○目黒今朝次郎君 わかりました。それでは行政の責任は当面運輸大臣だということで確認します。
 そうしますと、在来線を通すのか、新幹線を通すのか、あるいは車を通すのか、タクシー、バス、トラックを通すのか、まだ決まってないわけですね、いま検討段階ですから。
 それで、私は要望します。これはやっぱり私は本四架橋――本州と四国、本四架橋に関する問題は、ずうっとかかわり合いを持ってきた人間として、この青函トンネルにかかわる青森、函館、それから船舶関係、関連産業、そういう方全体を含めますと、私は本四架橋の問題と同じように、内容によってはそれ以上の複雑多岐な多くの問題点が絡んでおると、こう理解するんであります。でありますから、私はこの問題について、北海道でも陳情受けてまいりました。青森でも同じくであります。いまの新幹線のルートを通すのか、在来線を木古内から入ってきて通すのか、いろんな案がこの新聞に出ておりましたが、新聞のことは否定されましたからこれは言いません。新聞のことを肯定されれば私は聞こうと思っていたんですが、まだ決まってませんということですから、新聞のことは追及いたしません。
 そういうもろもろの、どういう方法でどういう線を引くのか、どういう運行方をするのか、トンネルと連絡船のコントロールはどうするのか、輸送の分野はどうするのか、それによってずいぶん函館と青森を中心とした地域住民の経済の考え方は変わってくるわけですね。重大な影響をする。ですから結論として、本四架橋にかかわる運輸省、建設省、労働省、大蔵省などが加わって、政府側は政府でプロジェクトをつくって、対応する方はプロジェクトをつくりますね。で、両方でいま話していますね。これは運輸省も何回かやりました。そういうものをこの青函トンネルにかかわる問題として政府側で積極的につくってもらいたい。そうして大型プロジェクトをつくって多方面にわたって対応する措置をつくってもらいたい。また向こうの地方の方でもそれに対応する措置をつくるという点で、本四架橋に準ずるような対応の仕方を早急に運輸大臣の責任でつくってもらいたい。そして各方面の意見を聞く、そういう体制をぜひとってもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#99
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように本四架橋におきまして、いろいろな各省庁間の連絡協議会をいまつくっております。私の方もこの青函トンネルの利用と、そしてその負担という問題を検討し、それを結論を得ました場合に当然関係各省庁の責任者とも協議もやはりしなければならぬと、こう思うております。
#100
○目黒今朝次郎君 大臣、言葉じりをつかまえて申しわけありませんが、固まってしまってから各省と連絡とるといっても、われわれの経験から言うと、一回決めたものはやっぱり縦割り行政の官僚の常識でそれを手直しをするということにはなかなか抵抗があるんですよ。だから、素案の素案の段階、出発点の段階からやっぱりそういうものをつくって地元の意見を聞く、関係者の意見を聞く。そして聞きながらまとめていく。そういうつくり上げの体制といいますか、つくり上げ方といいますか、あなた方がぼこっと、課長とか部長クラスが決めてしまったら、これはやっぱり自分の点数にかかわるから、修正すると大臣からマイナス三点もらうとなると、これは絶対直しませんよ。だからつくり上げる段階でやっぱり皆さんの意見を聞いていく。私はそのために前段で――これは当時の石田博英運輸大臣が、上から押しつけの時代は終わった、やっぱり現場から積み上げていく時代だ、それが運輸行政の基本と言っておるのですから、あなたはさっき運輸行政として守っていきますと言ったのだから、それは守ってくださいよ。いかがですか。
#101
○国務大臣(塩川正十郎君) 目黒先生そうおっしゃいましたけれども、私も先生の言っていることと同じことを委員会の中でやらしておるんですよ。ですから、それは私のところの運輸省だけでそういうことはなかなか決められませんし、けれども、責任は運輸省が持って決めるということでございまして、ですから、当然それを決めるまでには各省の意見、これは聞いておりますから、それはもう仰せのとおり私は同じことを言っておられると実は思うておるぐらいなんです。
#102
○目黒今朝次郎君 じゃあその各省の意見の中に地方住民の意見も含めてやってもらうということをこれは早急に対応方を要請しておきます。
 それから、一つ要望ですが、北海道にわれわれが行ったときに、新聞記事のことで相当現地が混乱しております。十月四日、三者が集まって在来線を通すと。新聞の中ですと千八百億の予算を計上して、そのうち約三百億の予算が今回通れば直ちに運輸審議会に諮問をして工事を開始するというまで懇切丁寧に新聞は報道しておるんですよ。だから、大臣、その新聞記事を確認してもらって、それは誤りである、まだそこまで決まっていないということを行政の責任においてやってもらいたいし、国鉄側も、これは青函管理局に大分言ってきましたから、われわれがこれは先走りしちゃって申しわけないけれども、青函管理局を含めてそういうことはまだ決まっておらぬということをきちっと現地の管理局に指示をしてもらいたい。これは両方にお願いしておきます。
#103
○政府委員(山地進君) 十月四日の新聞ということにつきましては、私どもはよく存じておりませんでしたので、十月四日のように三者でお話をしたことはございませんと、大臣は申し上げておるわけでございますが、実は青函トンネルというのは基本計画は在来線を通す。昔の鉄道敷設法の予定線に入っている線でございまして、本来が在来線を通す線であると。その基本計画をつくるときに新幹線のことも配慮してくれということを指示し、その後新幹線の基本計画ができたときにこのトンネルを新幹線も通すということになったわけでございます。したがって、もともと青函トンネルというのは在来線が何といいますか本来でございまして、それを新幹線が後で通るというような形でございます。
 それから、その木古内というようなところに取りつけるということにつきましては、五十八年にトンネルができたときどう利用するかということで、私どもの方も新幹線の計画がおくれておりますから、在来線でどういうふうにこれを使ったらいいだろうかということを現在検討しておりまして、その検討の一部として木古内というところへつなぐというようなことを現在大蔵省の方と予算要求をしているわけでございまして、予算要求ということではまだ決まっていないということでございますが、運輸省といたしましては、木古内と中小国というところに在来線を出して、そこから青森、函館の方に在来線をつなぐということが現実的ではないかというふうに考えているわけでございます。
#104
○目黒今朝次郎君 あなたね、時間のむだ。おれこれで三十分損したよ。十月六日の新聞によれば、十月四日の会合で大体あなたが言ったことについて合意に達したということがありますが間違いありませんかと言ったら、そんなことしておりませんとあなたは言ったじゃありませんか。議事録もう一回読みなさいよ、こんなでたらめなこと。私は何ぼ東北人だってその点は忘れませんよ。十月六日の共同通信、北海道新聞によれば、十月四日に三者が集まってしかじかと、ありませんと言ったじゃありませんか、あなた。いまになって何だそんなこと。どっちが本当だ。前の私に対する答弁が本当か、いまの鉄監局長のとどっちが本当なんだ。そんな二重答弁、時間十分間損した、どっちが本当だ。片方は検討中と言うし、おまえさんは予算要求やっていると言うし、どっちなんだ。
#105
○政府委員(山地進君) いまの大臣のお話で、四日の日に会ったことはそういう事実はないということでございます。それから予算要求をしているということだけを申し上げましたけれども、そういうことが決まっていないというふうに御理解いただいて結構でございます。
#106
○目黒今朝次郎君 あのね、予算要求の話まであって決まってないって、あなた、官僚答弁で逃げるのですか。話し合ったら話し合ったでいいんですよ。ただ私の持ち時間が一時間だから十分間損したと言っているだけであって、どっちが本当なの。
 結局、大臣は検討中だと言っているし、プロジェクトをつくって。予算を決めて要求するということは、五十八年に向かって青森から端っこへ行ってトンネルくぐって木古内に出て戻ってくると、それの電化をやるとか複線化とか路盤整備とか、それに千八百億かかって、とりあえず来年は二百億と、それを来年の予算要求でやるというんでしょう。予算要求やるということは決まったということじゃないですか。違いますか。大臣は決まってない、どっちの方が本当なんだ。
#107
○政府委員(山地進君) 予算要求しているということは決まってないと、決まっているわけではないということでございます。
#108
○目黒今朝次郎君 千八百億の予算を将来見込んで、とりあえずその出発点として二百億を要求するんでしょう。そうすると千八百億の予算を具体化するために二百億を要求するんでしょう。これ決まってないんですかな。私はもうやっぱり在来線を通すということに意思決定をしたからその整備費に千八百億、とりあえず来年は二百億、だから運輸審議会にかけて、運輸審議会にかけるということはやっぱりそういうことを実行するということでしょう。運輸省が運輸審議会にかけることは。そうすると、あなたの腹づもりとしては決まったということでやるから仕事が始まるんじゃないですか。決まってないのこれ、どうもその点私わからないね、これは。
#109
○政府委員(山地進君) どうも説明が悪くて申しわけございません。
 私どものこういうものを進めるときは鉄道建設審議会というところにかけて、そこで御了解を得なければ実施に移せませんし、また予算の裏づけがなければそれも実施に移せないということでございますが、先ほど来在来線として決まったかということの意味を私どもとしてはそういう計画があるのかと、あるいはそういう方針で臨んでいるのかというような御質問かと思いまして、念のため私どもとしてはそういう計画を一つの案として進めているということを申し上げたので、正確に決まっているのかと言われますと、決まってないと言わざるを得ないと思います。
#110
○目黒今朝次郎君 あのね、子供の議論じゃないんだからね、子供の議論じゃないですから、あなた方が線路を直すためにどういう手続をやるというのは、私も国鉄で四十年飯食っているのだから、そんな、国会で説教聞かぬでもわかっているのですよ。ただ、三者が集まって在来線を通そうと意思確認をして、そのためにこういう整理をする、ここは複線にする、ここは電化をする、そのためにお金はこれぐらいかかると、だからそれを決定して、とりあえず、じゃ来年は運輸審議会にかけてそれで二百億もらって、そして計画的にやって五十八年に完了しようと、そういうことが大体決まったんでしょう、あなた方の考えとしては。運輸省の方針としてはそう決まったんでしょう。
#111
○政府委員(山地進君) いつごろ鉄道建設審議会を開くかというようなことは決まっておりません。
#112
○瀬谷英行君 関連。
 どうもね、余り形式にこだわらないでもらいたい。それじゃ、形式的、公式的には決まってないけれども、内容的には、目黒委員が指摘した新聞の記事を含めて、内容的にはそのようなものであると、こういうふうに理解してよろしいのかどうか、その点をはっきりさしてもらいたい。
#113
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、運輸省の希望としてそれは持っておるんです。
 ところでですね、これはただ単に運輸省だけでこうであるからということで、先ほど目黒先生からお話ございましたように、上から押しつけていってしまって、それで通るものかどうかということなんです。ですから、運輸省の希望としてはそれは持っておる。だけど、これを利用するのは鉄道だけではなくして、ほかのところも利用してもらいたい。これはもう貴重な国民的財産でございますから、できるだけ幅広く利用してもらいたい、そういうこと。そしてまた、やっぱりそれに地元も対応してもらわなきゃいかぬということで、地元の、特に北海道庁の意見も聞かなきゃならぬ、青森県の意見も聞かなきゃならぬ、こういうこともございますしいたしますから、利用検討委員会というものをつくりまして、そこでそういうようなものを煮詰めた上で、一つの検討委員会としての結論を出し、それをもとにして関係閣僚と相談いたしたいと、こういうプロセスで進めたいと、こういうことを言っておるわけでございます。
 でございますから、もともと運輸省としてはそういう考え方を持っております。けれども、それを決定する段階にまだ来てないということを先ほど来申し上げておるのでございまして、その点は御理解していただきたいと思います。
#114
○目黒今朝次郎君 もっとわかりやすい言葉で言えば、事務局案として、運輸省が中心になって鉄建公団、国鉄の意見も若干聞きながら、運輸省における事務局案の一種のたたき台としてこういうものを引いてみたと。いまから青森県側あるいは函館側、北海道、それから沿線住民の皆さん、それから他の交通機関、幅広く利用したいという大臣の言葉だから、他の交通機関、そういう関係者の、さっき言ったプロジェクト的なものも含めて皆さんの意見を聞いて、最終的に固まったならば運輸審議会に相談をして、そしてやる所存であると。当面の段階は事務局の素材案といいますか、そういうふうに理解すればいいんですかな。いまからプロジェクトで固めていくと。どっちに線を引くか、どっちに線を引くかという問題についても青森県側、北海道側の意見もありますから、そういうものを十分聞きながら詰めていくと、そのためのたたき台と、こういうふうに理解していいですな。
#115
○政府委員(山地進君) そのとおり御理解いただきたいと思います。
#116
○目黒今朝次郎君 そう言えばいいんです。現地側は意見はいろいろあります、いっぱい。もう時間がありませんから言いませんが、本四架橋と同じようなプロジェクト方式を活用して、後に禍根を残さないようにやってもらいたいということだけ要望しておきます。
 次に航空局にちょっとお伺いします。
 航空局にはいろいろ希望があるんですが、もう時間がありませんから一つだけ言います。
 日本航空の不当労働行為の問題について、これは衆議院の九十一国会の運輸委員会の三月七日、この委員会でわが党の田畑議員が質問をして、航空局長がこの問題については長い間の懸案であるから早期に解決するように努力したいと、そういう答弁がなされているんですが、これは確認していいですか。
#117
○政府委員(松本操君) いま私議事録持っておりませんが、いまお読み上げになったような趣旨の答弁を申し上げたかと存じます。
#118
○目黒今朝次郎君 ところがですね、もう現在になっても、あなたの答弁したことが、誠意をもって解決に早期に努力するということがなかなか前へ進んでないんですよ。それで、前に進んでないという理由は、あなたから日本航空を診断してみて、どこに問題があって前に進まないと思ってるんですかな、ちょっとお伺いします。
#119
○政府委員(松本操君) 私といたしましては、一貫してこの問題が常識的なラインで、かつ早急に解決されるということを強く希望しておるわけでございます。
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
そのことにつきましては、私自身も日本航空社長等に対しその趣旨は伝えてあるわけでございます。これが先生いま仰せられますように、一見進捗していないようでございますが、私が承知しております限りでは、審問の前段階の調査が来週早々には終わる、引き続き審問に入るであろう、このように聞いておるわけでございます。私としては、その審問のやりよう等についてもいろいろ工夫等もございましょう。私がかねて申し上げておりますようなラインでこの審問がスムーズに進むというふうなことを強く期待しておる、こういう状況でございます。
#120
○目黒今朝次郎君 日本航空の広報資料によりますとね、これは大蔵大臣の持ち株が五千六十三万株。圧倒的多数を政府が持ってるんです、大蔵大臣の名目で。あとはかの有名な小佐野さんとか何とか銀行、かんとか銀行ありますけれども、これは微々たるもので、大蔵大臣が圧倒的発言権を持っているんです、これは。大蔵大臣が発言権を持っているということは、政府が発言権を持ってるということですよ。
 その政府が発言権持ってる日本航空が、労働運動で一番あさましい――ここに総裁がおるから言うわけじゃありませんが、私も順法闘争を大分行ったけれども、本音は国鉄側のマル生攻撃ですよ。私が好きで順法やったわけじゃないですよ。それを乗り越えて、結局国鉄は運輸大臣の良識で国鉄のマル生は解決しているんですよ、わずか二年もかからないで。これは延々どこまでかかるんですかね、ぬかるみ道。イラクの戦争じゃあるまいし。私は、これはやっぱり運輸大臣なり航空局が、自分の出資しておる日本航空が労働運動で一番恥ずべき不当労働行為をこんなにやってるというのは、やはりやる気がないと言ってもしようがないんじゃないですか。やる気が、解決する意思がないと言われてもあなたは、私はしようがないと思うんですよ。
 これ見なさい、これ。これは全国の中労委、地労委が不当労働行為として認定した、悪い意味で上からの順番ですよ。日本航空は上から三番目ですよ、上から三番目。しかも、毎年毎年発生している、毎年毎年。これが国が出資している会社ですか。国鉄がこんなことをやったらたたかれますよ、国鉄がこんなことをやったら。それでなくても午前中の質問で、国鉄けしからぬと、私の目をじいっと見ながら、国鉄けしからぬというたびにおれの顔をじいっと見て発言しているんです、自民党さん。それはもう憎まれ役にならざるを得ませんがね。(「反省します」と呼ぶ者あり)やっぱり日本航空も反省してもらわないとね。これはしようがないですよ、これは。
 航空会社来てますか、日航。
#121
○参考人(北雄一郎君) はい。
#122
○目黒今朝次郎君 これはあんたたちはどう思っているの、これ。どこが解決できない原点なの。あれだったら私が中に入ってすぐ解決してやるよ、こんなもの。不当労働行為なんというのは。簡単なものだ、こんなこと。なぜ解決できないの、何年も何年も、この問題。その見解を聞かせてください。
#123
○参考人(北雄一郎君) 私どもといたしましても労使紛争の存在はもとより好ましいことであるとは思っておりません。労使紛争が発生した場合には、当然筋道を立てた早期解決ということを図るべきであることは、これは言うまでもないことというふうに承知をしております。また、本件につきましても当然その例外ではないということで対処しておるわけでございます。
 本件につきまして、先ほど航空局長からお話がございましたように、実はことしの二月に都労委命令をいただいたのでありますが、その内容につきまして、私どもといたしまして、たとえば労使関係についての見解でありますとか、あるいは会社の人事、賃金制度あるいはその運用についての御認識でありますとか、そういった面につきまして、私どもから見れば多くの認識の誤りあるいは判断の誤りと申すべきものがございまして、もしこれを受けますと、その結果招来されるところの会社内の人事序列への深刻な影響が考えられるのでありまして、したがいまして、会社といたしましては、遺憾ながらこの都労委命令を不服として中労委の場へ再審査の申し立てをせざるを得なかったのでございます。しかし、局長のお話にもございましたように、再審査の場におきましては、いわゆるいかなる立証方法をとっていくかという、審問の筋道立てといいますか、そういったこと、調査と言われておりますが、この調査も……
#124
○目黒今朝次郎君 簡単にやってくれ、わかっているから。
#125
○参考人(北雄一郎君) はい。来週早々には両当事者、それから中労委が納得いたしまして、一つの合意点に達すると考えております。したがいまして、近日中には実質的な審問に移る、こういうふうに考えております。したがいまして、私どもその審問の場において、円滑にそれが進みますように協力することによりまして、誠意を持ってそういう意味での早期解決に努めてまいりたい、かように考えております。
#126
○目黒今朝次郎君 労働省来てますか、法規課長。この都労委の不当労働行為の認定と、いま中労委に再審やってますと言ってますね、都労委で認定された問題について不服であって中労委に申し入れたとしても、都労委が認定したことは効力が発生するわけですね。中労委で審議された場合に、さらにそれにかかわる問題については再修正はあり得るという弾力条項がありますが、やっぱり都労委の認定については命令を受けた方々は不満であったとしても、これを履行する当面の義務がある、法律的には義務があると、こう私は長い間扱った関係から、理論的にも実践的にも、そういう因果関係については私はそういう信念を持っているわけでありますが、書類もありますから、書類に一々、いま時間がかかりますから、労働省の担当官にその関係をちょっと説明さしてください。
#127
○説明員(中村正君) 先生よく御存じのとおりでございまして、労働組合法の二十七条のある項目に、効力を失わないと書いてございます。ただ、これまた先生よく御存じのことと存じますけれども、効力を失わない、したがってそれを守ることについて一体どういう法律の効果があるかということでございますが、これは罰則がついていないということになっております。そういう意味での効力を失わないというたてまえになっております。
#128
○目黒今朝次郎君 日航の参考人、法律の番人がいま言ったとおりですから、あなた方は私が国鉄側とマル生問題をやった経験から考えますと、やっぱりわかったところはわかったと言って相談して支払う、争うことは争う、そのけじめをつけないから、あなたたちはずるずるいっていると思うんですよ。だから、あなた方がどんなに不満があった、あるいは争っても、東京都の都労委というところが、第三者機関が全部あなた方の言い分を、労使の言い分を聞いて、長い間時間をかけて、一定の命令、結論を出したんですよ。その結論、命令はやっぱり実施しなさいよ。その上で不満があったら、不満は中労委で争えばいいじゃないですか。
 何かあなたたちは、何のためにそんなに組合にこだわっているのか。それは日本航空労働組合という千人か二千人のパイロットは要らないから、ぎりぎりしぼって、早く退職でもしてくださいと、アメリカや外国にいっぱいパイロットがいるからくやしかったらやめていけと、そんな田舎の嫁いびりをやっているんじゃないでしょうね。労働組合というのはそんなものじゃないですよ。そんなことを日本航空がやれると思ったら大間違いですよ、四〇%も政府の金をもらっておって。不当労働行為は解消するという基本姿勢に徹してくださいよ、徹して。どうですか、その点は。あなたで答えられぬなら、きょうは答えなくてもいい。この次は朝田社長を呼んでやるから。
 国民の税金を使っておって、最も不名誉な不当労働行為を公然とやって、五年も十年もかかっておるなんてもってのほかですよ。空港へ行けば、ずいぶん横断幕が張られているけれども、いま羽田へ行けば、だらっと横断幕が張ってあるでしょう、いまでも。わかるでしょう。オペレーションセンターの脇に。行ったことない、取締役。あなたの航空会社の空港のオペレーションセンターの前にでかい横断幕が張られていますよ、私は毎回というくらい飛行機利用さしてもらっていますから。取締役、それも知らないのでは、あなたは労働問題論ずる価値なし。あんたは答弁要らない。これは朝田社長からじかに聞く。要らない、要らない。私は要りません。それで朝田社長をじかに呼んで聞きます、次回の委員会で。
 大臣お伺いしますがね、こういう日航の労使関係、経営関係の中におって、何か新聞に報ずるところによりますと、今度は国に配当を払う日本航空株式会社法の改正をやるとかと新聞に出ておったのですがね。これはまたさきの青函トンネルと違ってある程度いっているのですか、うまく。この点はどうなっているんですか。
#129
○国務大臣(塩川正十郎君) 日航法改正をしたいという申し入れは会社の方からも希望として出てきておりますし、また、運輸省におきましても日本航空株式会社法を改正したいという意図は持っております。しかしながら、まだ内容等十分に煮詰まっておりません。たとえば検討しております項目の中で、社債発行要件等重要な問題がございますしいたしますので、そういう問題等をなお精密に検討いたしまして、適当な結論を出したいと思うております。
#130
○目黒今朝次郎君 大臣ね、これ私の一つの提案なんですが、私もこの不当労働行為やってから三年か四年目でしょう、この問題扱ってから。それから、スチュワーデスの腰痛問題もありますしね。日本航空はそういう幾つも課題を抱えておるわけでありますが、同じ空港内におる東亜国内航空、全日空、それから外国のいろんな会社がありますね。そういうところを見ると、この日本航空ぐらい深刻な問題じゃないですよ。問題ないとは言いません。問題ないとは言いませんが、そこまで深刻な状態ないんですよ。
 ですから、これは政府出資が大幅ですからね、四〇%も。一回われわれ専門家の運輸委員会で小委員でも挙げて、日本航空の経営状態、労使関係、そういうものをやっぱりわれわれ委員会として一回洗う必要がある、問題点をもう一回調べる必要がある。組合の言うことが悪いのか経営者が悪いのかあるいはわれわれ運輸委員が悪いのか、そういうことを含めてもう一回、やっぱり国民の税金を出資しておるのですから、それをあずかっている運輸委員会ですから、やはり日本航空の経営全般についてわれわれがわれわれの責任で一回、監査というと語弊がありますが、調査をして、適正であるかどうかということを一回私は調べさしてもらいたいと、また調べる必要があると思うんですが、大臣いかがですか。
 ここでは私は答え要りません。きょうは、こう言われたって――余り答えを聞くと、できませんなんて言われると困りますから、慎重に会を終わったら考えまして、朝田社長ともよく連絡をして、目黒委員からこうした提案があったと、さてどうしようということを相談してもらって、やはり国民の負託にこたえる日本航空になるためにはどうあるべきかという視点から次の委員会にひとつ結論を御報告願いたい、こう思うんですが、検討して報告することについてお考えを聞かしてもらいたい、こう思うのです。
#131
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの委員会において審議するという御希望を申しておられましたが、これは委員会の問題でございますので、委員長並びに理事の諸先生方で御検討いただいて決定していただければと、こう思います。
 なお、日本航空としても、先ほども北常務取締役が言っておりますように、労使の紛争というものは決して望ましいものではない。できるだけ早期に解決したいと。ついては、いま中央労働委員会にかかっておってその手続が進行されておる中で、やはり会社側としても極力努力して早期解決に努めたい、こう言っておりますので、私といたしましてもぜひそのように早く解決してもらいたいということを強く希望しております。
#132
○目黒今朝次郎君 提案は後で委員長に伺って理事会で相談しますが、いま大臣が言ったことも同じこと、もう私、時間がありませんから、何月何日何月何日と言うとこんなにあるんですよ、いま大臣答弁と同じことが、航空局長も含めて、朝田社長も含めて。だからそんなこと何ぼ言ったって解決したことにならない。中労委にいったって、いまこんなこと言ってて、私試算したらいまから中労委一年半かかるんですよ、この審問だけで。一年半もかかる審問、それは妥協したことだけれども、当初は二年半、きのう中労委から言われて一年半だって。私は一年半だって長いとこう言っているんですよ、こんなものは。そういうことがありますから、とにかくいま大臣の言ったことをよく朝田社長にも伝えて、再び問題にならないように私は解決するまで追及しますから、この問題は。そういうことをきちっと朝田社長に言って、次回はぜひ社長自身に来てもらいたいということを要望しておきます。
 それから時間がなくなりましたが、最後に三多摩の問題でちょっと自動車局長、この三多摩の個人タクシーの問題については、時間がありませんから、私経過を申し上げます。あなたの東京陸運局でいろいろ話があって私のところにも来ました。私は余り細かいことわからないから現地の皆さんと関係者とよく相談をして、可能な限り合意をしてからやってもらいたいと言ったんですが、これは七月の末ですか告示して、十一月から受け付け開始、こんなふうになっていますね。ところが地方の皆さんから聞くと、十分に話し合いのないまま発足をされたと、こう言うんですよ。
 私もある程度肩書きかじっていますから、東京陸運局の統計表をもらいまして、多摩地区の皆さんの言っていることについてどうなんだろうかと調べてみたら、一つはやっぱり多摩地区のタクシーの運転手は格差がありますね、これは認めるかどうか知りませんが、私の調査では五十二年から五十三年をとると、一日一車収入が東京都内の特別区は三万三千円、三多摩の方は三万円、これを皮切りにずっと計算しますと、やっぱり年間二十万から五、六十万の格差があるという点は統計上出てまいりました。
 じゃ、タクシーの免許を許可する需要と供給関係はどうなのかと、こう見てみますと、東京陸運局の資料を見ますと、どうも需要と供給の関係で、個人タクシーを許可しなければならないという数字がどうしても出てこないんですよ、私は。むしろどんどんどんどん個人タクシーの数も減っています。これは三多摩が申請をしたといわれる五十三年四月、特別区の方の個人タクシーは一万九千七百五十六台、現在は一万九千六百二十五台、百何台減ってますよ。それから法人の方の台数も減っている。事業所も減っている。多摩の方を見てみますと、ずっと車の需要は結局年々出たり入ったり出たり入ったりということで、二千五百九十台を行ったり来たりしているんですね、行ったり来たりしている。これ、実車率を見ても決して上がってないんですよ、むしろ下がっている。
 そういういろんなデータから見ますと、私は三多摩の皆さんが労使を含めて三多摩のタクシーの改善をやろうと、こういうことを申し合わせて、やっぱり特別区並みの賃金は特別区並みの営収を上げることだ、そういうことを合い言葉にしてずうっと労使が努力している、この努力する背景がこの数字からなるほどなと私思うんですよ。この数字でいく限りは、私は個人タクシーの許可について一方的とは言いませんが、ある程度話もしたんでしょうけれども、強引にとは言いませんが、個人タクシーを許可しなければならないという客観的な情勢が私はこのデータからはうなずけないんですよ。もちろん増車の請求が来てますな、十社だか。増車の請求についてもことしの七月二十二日五台だけ許可したと、こういう連絡を受けているんですが、この五台を許可した理由も釈然としない。
 ですから結論は、もっと私に十分な説明をしてもらって、そして関係者が納得するまで、告示はしたけれども、十一月からの受け付けについては当分延期をしてもらいたい。そしてハイタクの需要と供給と個人タクシー、そういうものは、本当に交通体系の中で十分になるほどなと客観的にも主観的にも了解できる条件があった際には、私は個人タクシーの許可をしたりあるいは増車をすることについては反対するものではありません。これは反対しません。ですから、おたくの下部機関である東京陸運局が発表している数字のデータにおいて、私が検討した限りにおいては、私が自動車局長だったら許可する要件がないと、私はこう思うんです。
 この件についてどういう考えを持っていますか。私は結論は、条件が整備されてない、したがって告示はしたけれども十一月の受け付けは当分の間延期をして、もう少し慎重に検討してほしいと、こういうことです、結論は。
#133
○政府委員(飯島篤君) いま先生がるる数字を挙げてお話しいただきましたけれども、まあどこと比較するかという問題にもなるかと思います。東京陸運局とその他の陸運局では大分実情が違っておりまして、東京陸運局ではおおむね人口三十万以上の都市で流し及びつじ待ち営業の率が一定の程度以上である、それから駅の開放が行われているというようなことを参考にして個人タクシーが成り立つであろうという見込みのある地区を選んで検討しているわけでございます。そして、いま先生からるるお話がありました需給の各種のデータをもとに判断をするわけでございます。
 南多摩地区につきましては、これはもう長い間の問題でございまして、東京陸運局の判断では、最近増車、新免の要請が大分強くなってきておるし、格差の問題につきましてもかなり実績は悪くないという判断をしたわけでございます。したがいまして、せっかくのお話でございますが、説明はまた改めて先生に十分いたさせていただくつもりでございますが、延期をするのはいかがなものかと考えております。
 ただ、実施に当たりましては結果的に大幅増車にならないよう十分配慮をしてまいりたいと考えております。
#134
○目黒今朝次郎君 需要と供給のバランスをとるというのが新免許とか個人タクシーの大原則でしょう。需要と供給のバランスをとるというこのデータ、これおたくで出したデータ、にせものですか、これ。実車率はずっと下がって一番新しい五十五年八月では五一・四、七月は五二・四、六月は五一・八、それから去年の十月は五二・五、実車率がずうっと下がっているんですよ、実車率が。これは多摩地区ですよ。よその地区言っていません、私は。多摩地区の実車率が下がっている。一日当たり走行というのはどんどん減っている。営収が減っているんです。これは需要と供給の関係は供給オーバーで需要がないからこういうデータになっているんでしょう。
 私も技術屋の端くれだからね、われわれ技術屋上がりで国鉄の機関車の配置計画を考える際に、こんな数字で配置計画をやったら直ちに総裁から罷免ですよ。おまえ首だ、こんな計画じゃパーだと言われるよ。陸運局だって同じじゃないですか、機関車と自動車の違いだけであって。私なども配置計画をやった経験者ですからね。こんなデータであなた新免許可したら何になるの。過当競争をやるだけでしょう。タクシーの過当競争を促進するのが自動車局の仕事ですか。調整するのが自動車局の仕事でしょう。こんな逆行をやめなさいよ。この逆行の理論が客観的にも主観的にも私を納得させるんなら私はよしましょう。私は納得しませんから、これは。だから絶対的に私は十一月の受け付けには抵抗します。反対します。言葉は要りません。私は反対します。くやしかったら私に納得するだけの資料を示してください。これはもう一回再検討願いたい。
 それから最後にもう一つ。船舶の関係で大臣ね、イラン・イラクの関係で船が行っていますね、日本の船が。この船員さんについて、やっぱりこんなことは余りいいことじゃありませんが、われわれの昔の言葉から言えば、戦時加算とか危険手当とか、こういう言葉がよく言われているんですが、日本海員組合の労働協約を見ますと、やっぱりそういう制度があるんですね。ところが、ある会社はそれを準用していますが、ある会社は準用してない。で、危険にさらされながらイラン・イラクの火中にある、こういう方がいっぱいいらっしゃると聞いています。ここに資料がありますけれども、時間がありませんから言いません。後ほどこれは、どの地区のどの船とどの地区のどの船は適用している。どの地区のどの船はどこの会社であるけれども全然まだやってない。しかしまだ現地におられる。そういうネタを全部あなたにあげますから。
 私は、戦地におる船は帰してもらいたい、船が帰せないならば人間だけでも帰してもらいたい、そういうことを要望しますが、やはり最悪の場合に、いろいろな都合で戦地におる方については危険手当あるいは戦時加算、そういうものについて、会社側が必ずやるように、やらせるように、大臣の責任で私は行政的な措置をしてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#135
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在もその努力はいたしておりますし、これからもそういう適用をしておらない会社に対しましてはこちらの方からも申し入れいたすつもりでございます。
 なお、船員の安全救出のためには、それぞれ外務省を通じまして強力に当事国に対しまして申し出いたしておりますし、また現に一部はクウェートを通じて帰国いたしておりますし、また一方イランの側におきましても、一部は帰国してまいりましたが、しかし向こうの政府におきましても安全は責任を持って確保するということを外務省に言っておるようでございますので、いずれにいたしましても外務省と一体となりまして船員の安全確保に努力してまいる覚悟でございます。
#136
○目黒今朝次郎君 外務省の方にも言っておりますし、船員協会の方にも申し入れておりますから、大臣の特段の努力をお願いいたしまして、苦労していらっしゃる皆さんに報いるように、少なくとも生命の心配などのないような措置を講じてもらうことをこれは特にお願いしておきます。
 きょうはもう時間がありませんので、列車妨害事故問題とか、列車のたれ流し問題とか、マルシップの問題とか、それから船員雇用促進センターの問題、関係者をお呼びして申しわけなかったんですが、時間の都合、私が悪いのか向こうが悪いのか知りませんが、両方が悪いのかもしれませんが、次回に譲って、きょうは先生に悪うございますから、ここでおわびしながら、終わります。よろしくお願いします。
#137
○桑名義治君 中東地域における日本船の航行問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 イラン・イラク戦争に伴う日本船舶の安全性及び石油問題でございますが、現在シャト・アル・アラブ川等で航行停止を余儀なくされております日本船の数、船員数、今日までの被害状況についてお知らせ願いたいと思います。
#138
○政府委員(永井浩君) お答え申し上げます。
 十月十五日現在、シャト・アル・アラブ川の中には、日本籍船が四隻、それから日本の船会社が用船いたしております外国籍船が二隻、合計六隻がございます。当該船舶内には日本人の船員が二十九人、外国人の船員が五十八人おります。なおこのほかに、これまでに紛争開始後日本へ帰国いたしました日本人船員四十七名、外国人船員十三名がございます。
 それから船舶の被害状況でございますが、いずれもシャト・アル・アラブ川を遡行中に銃撃を受けた船が二隻、それからシャト・アル・アラブ川以外にウムカスルという港がイラクのこの川より西の方にございますが、そこで被害を受けた船が一隻でございます。
 具体的に申し上げますとシャト・アル・アラブ川をバスラに向けて航行中の大洋商船所属の「かめりあ」という船が、九月二十二日の十時、これは現地時間でございますが、航行中に銃撃を受けた。このためにガラスの破片で乗組員が一名軽いけがをいたしております。それから同じく東京マリン所属の「シルバー・クレーン」という船が、九月二十二日に、やはり川筋を航行中に十数発の銃撃を受けております。これは人身に被害ございません。それから先ほど申し上げましたイラクのウムカスル港にございます日本郵船の「箱崎丸」、これは九月二十九日に港湾施設にロケット弾が命中いたしまして、それの破片で窓ガラス等が壊れたということでございますが、この三隻が被害を受けた。ただしいずれも航行に支障のない程度でございます。
#139
○桑名義治君 そこで、ペルシャ湾地域における日本船タンカーのいわゆる航行安全確保に対して、いままで政府はどのような処置をとられ、そして今後どういう処置をとろうとしておられるのか、まずお知らせ願いたいと思います。
#140
○政府委員(永井浩君) イラン・イラクの紛争が起こりましたので、私どもとしてはペルシャ湾地区あるいはホルムズ海峡あるいはイラン・イラク各港に停泊しております日本船の安全対策をとるべく必要な情報を現地から収集いたしますと同時に、こちらからいろいろな情報を逐次関係者に流しているということで船舶の安全行動に必要な情報を提供しております。特に海上保安庁の水路通報によりまして、航行の警報を過去に本件に関しまして十件発出いたしております。そのほかに船舶関係の安全につきまして、外交ルートを通じましてイラク、イラン両政府あるいは港湾当局等に船員の安全あるいは船舶の安全についてそれぞれ依頼をいたしております。
#141
○桑名義治君 いまの御報告によりますと、船員の数にしますと日本人が二十九名、外国人が五十八名、それから帰国した日本人が四十七名、それから外国人が十三名と、こういう御報告を受けたわけでございますが、日本人の二十九名、外国人の五十八名がなぜ現地に残っているのか、そしてこういった方々に対する安全性というものを確保でき得るのかどうか、この点をどういうふうにお考えですか。
#142
○政府委員(永井浩君) 現地の紛争状況を一番把握いたしておりますのは当該乗組員でございます。そういった意味で船舶の安全あるいは積み荷の安全を確保することはもちろん必要でございますが、何よりも乗組員等の人命の安全を第一にするということで、船社はそれぞれ各船に対しまして人命の安全を第一に判断して行動するように、その行動につきましては現地の船長の判断に任せる。こういう指示をいたしておりまして、これにつきましては運輸省としても指示し、指導しているところでございます。
 なお、船と船会社とは毎日連絡をとって情勢あるいは情報の交換をいたしておる状況でございます。
#143
○桑名義治君 最近の新聞を見ましても、この紛争というものが縮小されているというような感じは全然持てないわけでございます。
 で、全海員組合は紛争地域で停船を余儀なくされている船舶からの退船を認めてほしいと船主側の方に要望しているわけでございますが、この件については運輸省としてはどういうふうにお考えですか。また積極的にそういった方向へと努力するという決意はございませんか。
#144
○政府委員(永井浩君) ただいま申し上げましたように、紛争の状況、特にこの地域は戦線が非常に移動しておりますので、むしろ現地の船長なり乗組員の判断が一番重要であろう、このように考えておりまして、人命の安全を第一ということで、必要があればすぐ退去するという措置がとれるように本社の方から指示いたしておりますし、また、一部船員が帰国したケースもございますが、この地区にはいわゆる領事館、総領事館ございませんが、特にバクダードから大使館の職員一名を派遣していただきまして、これら必要な救出、帰国に対していつでも措置がとれるようなというような状況に置いております。
#145
○桑名義治君 だから、先ほどから申し上げておりますように、四十七名の日本人の方はお帰りになった。ところが二十九名の方がまだ現地に残られている。私たちが、こういった遠く離れた地域からわずかな情報の中で知り得た範囲ではございますけれども、海員組合の方々が船員の皆さん方全員帰してほしいという要望を船主の方に申し入れしていると、こういうことを考えますと、一日も早く、やはりこれは人命に関する事柄でございますので、政府もより一層積極的な態度で臨んでいかなきゃいけない、こういうふうに私は判断するわけでございますが、運輸大臣、どうですか。
#146
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのとおりでございます。
 先ほど永井局長が言っておりますように、こちらといたしましては、船会社にできるだけ早く撤収するような指導もいたしておりますし、現に帰ってきておる事実もございます。しかしながら、一部にはやはりそういう昔からの船乗りといいましょうか、責任感というものを持っておられて、それがやっぱり残留を希望しておられるという人もあると私は思います。けれども、人命がやっぱり大事でございますしいたしますので、なお、さらに詰めて、そういう船会社に対しましてできるだけ早く撤収さすようなこともいたしたい。それと同時に、帰国するに際しまして、一部の国におきましてはなかなか帰国の命令がおりないようなところもございますが、こういうようなことに対しましてはできるだけ外交チャンネルで働きかけをしていくと、こう思うております。
#147
○桑名義治君 エネルギー庁来られてますか。――一言だけでございますが、イラク原油は五十四年度でわが国の全輸入量の約六%、千七百万キロリットルを占めておるわけでございますが、イラク原油の船積み停止によりまして、わが国の石油需給情勢というものは非常に逼迫しておる、こういうように考えられるわけですが、なお一年間全面供給停止になっても、備蓄分の三十日分の取り崩しで一応補うことができると、こういうふうに報道されておるわけでございますが、この実情はどうですか。
#148
○説明員(米村紀幸君) 結論的には先生のおっしゃるとおりでございます。
 若干補足させていただきますと、紛争前に世界の需給状況と申しますのは、すでに消費水準がかなり低い、それから先進国備蓄もかなりあるということで、余裕がある状態でございました。それから産油国の生産能力に余裕がございまして、最近ではサウジあたりの増産も伝えられております。わが国におきましても、本年は需給は緩和基調でございまして、八月末現在で百十日ほどの備蓄水準に達しております。先生おっしゃいましたように、イランはいま入っておりませんが、イラクの依存度が八ないし九%でございますので、三十日分の備蓄取り崩しで一年間は対応できるという勘定になります。
 したがいまして、今後かなりイラクからの供給が長期にわたって仮に停止されたといたしましても、冷静な対応によりまして需給バランスを確保できるというふうに考えております。
#149
○桑名義治君 そこで、この紛争に伴いまして一番問題になっておりますのがいわゆる戦争保険の内容、それから割り増し保険料率の急変、これが船主に対して非常に大きな負担になっているわけであります。
 そこで、船舶戦争保険につきまして、船主協会はいわゆる損保業界の保険引き受け停止の禁止、それから割り増し保険料の頭打ち制度の導入、それから無事故の場合の保険料の五〇%割り戻し、それからイラン、イラク以外の国に対する割り増し保険料の低減化等につきまして、いわゆる緊急要望を行っているわけでございますが、これに対して政府はどのようにお考えでございますか。
#150
○説明員(松田篤之君) 先生御指摘のように、十月六日付で日本船主協会の方から日本船舶保険連盟の長崎さんあてに、先生御指摘のような御要望がございました。現在、保険連盟においては鳩首この回答について協議をしているということでございまして、回答期限が十五日になっておりますので、若干おくれているようでございますが、ここ二、三日のうちには正式な回答を申し上げられると思います。
 その回答の検討の状況でございますけれども、私どもは直接の内容にまで聞き及んでおりませんけれども、元来、船主側と保険を受ける保険会社との間におきましては、他の保険には見られない協議関係と申しますか、料率その他につきましてすべて協議をして決めるという形が昔からとられておりますので、恐らく両方協調をして両業界の発展のために真剣な討議をせられた結果、答えが出されるものと思っております。
#151
○桑名義治君 実際にイランに航行する船は戦前までは〇・一二五%だった。ところが戦争が始まりますと約四倍の〇・五%、それと同時にイラクの場合は〇・〇三七五%だったのが〇・五%ということで十三倍、あるいはまた三日間で三%というような率になっているということになれば、たとえば三十億円の場合はこの三日間で一億円払わなければならない。これはとてもじゃないけれども、戦争が長引けば大変なことになってしまう。それだけの保険料率で保険料を払いながら、しかも引き受け停止というようなこういう状況に追い込まれたときには非常に困る事態になるわけでございます。
 これはもちろん損保業界はロンドンの保険業界に一部再保険している等のために、保険料率の変更というものはロンドンの保険業界の決定に追随しているというのが実情であろうというふうに考えられるわけでございますが、保険料率変更の適正化に対し、この際、真剣に取り組んでいく必要があるんじゃないか、こういうふうに思っているわけでございますが、この点はどのようにお考えですか。
#152
○説明員(松田篤之君) 先生御指摘のように、いまおっしゃいました数字は、前半の〇・一二五が〇・五というところはいわゆる船荷、積み荷の方の保険でございまして、後におっしゃいました三日間で二・七%余りというのが船体の保険の率でございますけれども、いずれもロンドンの再保険の市場におきますレートから若干低いものということで、その改定を基準に改定がなされた率でございます。
 これは船舶の保険自体が、日本の場合でございますと、日本で引き受けたものの多いものでは八割ぐらいまで、少ないものでも二割か三割というものを再保険の市場に出して危険を分散するということになっているわけでございまして、逆に申し上げますと、世界各国の危険というものも日本の保険会社は受け持っているわけでございまして、どこの船が沈んでもいわば世界の保険会社が一部負担をしてリスクの平準化を図るという趣旨で再保険の保険のし合いと申しますか、リスクの平準化のためにそういうシステムになっているわけでございます。
 したがいまして、保険の料率をわが国独自で低いものにするということはなかなか世界的なリスクをお互いに分け持つという意味からもむずかしゅうございますけれども、御要望にございますような、小さい船主さんが、会社の存立も危うくするような負担をしなければならないという事態にもなっておりますので、御要望にございますような件につきましては、業界の方では真剣に検討し、たとえばでございますけれども、全部戦争が終わって、平準化して終わってみたときに、本当に危険が全くなくて保険会社のまるもうけになるというような場合においてはその検討をしろとか、そういった形での具体的な要請に基づいて検討がなされていると、こういうふうに聞いております。
#153
○桑名義治君 いまあなたにいろいろと御説明願ったわけでございますが、大蔵省としてはこういったいわゆる日本船主協会のこの要望事項についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか、実際問題として。
#154
○説明員(松田篤之君) 四項目ございますが、いずれも保険の本質に触れるような大変むずかしい問題であろうと思います。
 いま一つの例を申し上げましたけれども、その御要望の中身自体、保険が民間の保険業界においてお互いにリスクを分散していく仕組みになっている中で、日本の会社だけが、この際そこにとどまらざるを得ないという人たちに対して大きく値引きをするというようなことはなかなかむずかしいんじゃないか、基本的にはそのように考えております。ただ、現在の問題といたしましては、その当該シャト・アル・アラブ川地域といったところには新しく船が入るような状況に全くございませんので、本問題につきましては、現在、先ほど運輸省の方からお答えがございました日本の船六隻――四隻の日本籍の船と二隻の便宜置籍船だと思いますけれども、そういう船についての扱いをどういうふうにしたらいいかという問題として、具体的な検討がなされるのではないかと思っております。
#155
○桑名義治君 この問題は船主にとっては非常に大きな問題でもございますし、せっかく努力を続けていただきたいと思います。
 そこで、こういった問題で、この紛争問題で今後のタンカー市況がどのように動いていくかという将来の見通しについてはどのようにお考えですか。
#156
○政府委員(永井浩君) 紛争が起こりました前と後につきましてタンカー市況がどう変わったかということにつきまして、現在は若干いわゆる軟化の状態にございますが、その原因がこのイラク・イラン紛争のためであるのかどうか、いまのところ定かではございません。こういった油の問題で非常に将来を見通すことが困難でございますが、そう、きょうあすのうちに大きな変動があるとはいまのところ考えておりません。
 ちなみにワールドスケールというタンカーの市況の表示で申し上げますと、紛争直前のワールドスケールが、八月でございますが二六ないし三五でございました。現在が二八ないし三七。その間に若干変動ございますが、やや軟化ぎみと。八月が非常に落ち込んでいまして、その前に、たとえばことしの一月ごろが四三ないし五二という市況でございましたので、八月が軟化ぎみで九月に入りましてやや持ち直したところでございますが、現在はさらにまた八月の水準に下がっている、こういう状況でございます。
#157
○桑名義治君 時間がございませんので、問題たくさん持っておりますので次へ進ませていただきますが、次は外貿埠頭公団廃止についてお尋ねをしておきたいと思います。
 京浜、阪神両外貿埠頭公団についてはかねてから統廃合が論議をされてきたわけでございます。政府は、行政改革の一環といたしまして昭和五十二年の十二月二十三日、それから五十四年の十二月二十八日、二度にわたりまして両公団の廃止を内容とするいわゆる閣議決定が行われているわけであります。さきの閣議決定では、昭和五十六年末をもって両公団を廃止することになっているわけでございますが、時期的にも早急に処理しなければならないと思いますが、港湾管理者と利用者である海運会社との意見調整がまだできていない、こういうふうに聞いているわけでございますが、現状はどういうふうになっておりますか。御説明を願いたいと思います。
#158
○政府委員(吉村眞事君) 先生おっしゃいましたとおり、閣議決定を受けましてその取り扱いを現在検討いたしております。
 昨年の十一月に、港湾審議会にこの一環の問題について諮問をいたしまして、現在御審議をいただいておる最中でございます。その御審議をいただいております中で、港湾審議会の部会におきまして関係者の懇談会を設置していただいております。その懇談会で、港湾管理者並びに利用者からいろいろ意見の開陳がございまして、その意見はかなり食い違っておりまして、まだ一致点を見るに至っておりません。現在私ども両者の意見を煮詰めながらその調整を図っておりますし、港湾審議会におきましても、なるべく早い機会にその結論を出していただくように御審議をいただいておるところでございますので、その港湾審議会の御答申を待ちまして決定をいたしたいと思っております。
#159
○桑名義治君 そこで、そういうふうに審議会にかけているあるいは運輸省でも検討している、この話はわかるわけですが、いわゆる港湾管理者である地方自治体からは移管要望が強いにかかわらず、話し合いが進んでいない原因はどこにあるのか、またいわゆる海運会社が地方自治体への移管に反対している理由はどこにあるのか、お互いにそういうふうに片っ方は早く移管しろと言う、片っ方はおれたちに移管させろと言う、この食い違いの論点はどこが最大のネックになっているわけですか。
#160
○政府委員(吉村眞事君) 利用者であります船社等の公団廃止に対しまして持っております意見といいますか、港湾管理者に移管することに対する反対の理由として挙げておりますのは、利用者の気持ちとしては、基本的に公団の存在意義は失われていないと思っておる。したがって、いまの時点で公団を廃止するのは反対だというのが第一点でございます。それから、もし政府の行政改革等の方針によって公団廃止が避けられないのであれば、行政改革の趣旨にかんがみてみれば、港湾管理者に移管するより民営移管の方が適当ではないのかというのが第二点の反対理由でございます。第三点は、民営移管がいろんな事情から困難な場合には、埠頭借り受け者の意見が将来とも反映できるように、現在借り受けている者がこの埠頭の運営に参画ができるようにしてほしい、港湾管理者の意見だけが独走するような形では困るというのが三つの反対理由でございます。
#161
○桑名義治君 そこで、九月の中旬、運輸省は両公団の廃止にかかわりまして、東京都それから横浜市、大阪市、神戸市、この四つに地方公社をつくる案を提示したというふうに聞いております。これでは、いま反対の理由の一つとして、いわゆる行政改革の一環として考えた場合には、これはちょっとおかしい姿ではないかと、こういうふうに考えられるわけであります。
 要するに、運輸省の管轄下に入れば、何のためにこういうふうな形にしたのかという意味がなくなってしまう、そういうふうにも考えられるわけでございます。で、当初の方針どおりに一応いくべきではなかろうかというふうに考えられるわけでございますけれども、運輸省としてはそういう両方の、お互いの反対の中で、先ほど申しましたように、九月の中旬に運輸省は両公団の廃止にかかわって地方公社をつくるという案が第三案として出てきている。どの道を運輸省としてはとろうとお考えになっていらっしゃるのか、ここら辺はどうですか、大臣。
#162
○国務大臣(塩川正十郎君) 桑名先生おっしゃっておる中に、食い違いがちょっとあるように思うのです。運輸省の方から地方公社をつくってそれを受けざらにしようという、そういうことを私の方からは言ったこともございませんし、運輸省はまだそこまでの結論に立ち至っておりません。先ほど吉村局長が話しておりますように、問題はもう非常に簡単になってまいりまして、要するに港湾管理者の立場からいきますと、港湾管理一元化のためにぜひ自治体に払い下げてもらいたい、移管してもらいたい、こういうことです。
 船社の方は、要するにあの埠頭のために特殊なそれに合う船をつくっておりますし、コンテナ船をつくっておりますし、そしてまた埠頭に陸上装置をしております。大変な投資もしてきた。ですから、これが地方自治体の意向のままで契約が解除――これはまあ十年ありますけれども、解除だとか、あるいは借料の値上げがどんどんやられるというようなふうになってきたら非常な不安だということ。そこを、いわば管理に対して云々言うんではないけれども、運営についてわれわれの意見も聞いてほしいと。そしてそれがある程度制約されるというか、その意見が決定に参加できるようにしてもらいたい、これがまあ言い分なんです。
 ですから、この二つの言い分を合わせたところで港湾審議会の方で結論がつけてもらえるだろうと思うております。運輸省の中でも、港湾局は管理者の立場は立場だし、海運局は船社の方のやっぱり意見を反映しますし、そういう事態が現に起こっております。だからといって、先ほど言いました地方公社の案をもってこれでという考えにはまだ至っておりませんので、申し上げたいと思います。
#163
○桑名義治君 そうしますと、五十六年度末の廃止を前提にするならば、これは次の通常国会に廃止法案を出さなきゃならぬ。その調整の目途があるかどうか、これはどうですか。
#164
○国務大臣(塩川正十郎君) できるだけ早く結論を港湾審議会で出していただきたいと思いますし、また予定どおりやっぱり法案の提出も急がなきゃなりませんので、そうぐずぐずもしてられないんじゃないかと思うておりまして、いずれはしかるべく決定いたしたいと思うております。
#165
○桑名義治君 そういう事情は、先ほどからの説明あるいは大臣の説明でよくわかったわけです。いわゆる船主側、あるいはまた地方自治体の方、お互いに意見が分かれている。それと同時にまた、海運局と港湾局ですか、これまたお互いに省内でも意見が違う。で、審議会に一応諮問している。いろいろ事情がこんがらかっているような状況の中にあるわけですが、大臣はそうぐずぐずしてもおれないと、こういう御返事でございますが、私の質問は、五十六年度の廃止を前提にすれば次の通常国会に法案を提出しなければなりませんが、それはできますかとお聞きしておるわけです。
#166
○国務大臣(塩川正十郎君) 行政改革の趣旨に沿いまして、そのようにいたしたいと努めておるところであります。
#167
○桑名義治君 じゃあ次の問題に移りたいと思いますが、本年度が最終年度となっております第三次空港整備五カ年計画について、その事業の進捗状況をまず伺っておきたいと思います。
#168
○政府委員(松本操君) 第三次の空港整備五カ年計画は、五十一年度の閣議決定で、いまおっしゃいましたように本年度が最終年度になっておるわけでございますが、それに対する全体の進捗度は、総額九千二百億に対しまして八千三百三十七億、これは本年度の予算成立分までを含めてでございます。ちなみに、九六%、丸めて九六%の達成率というのが全体の数字でございますが、しかし、とりわけ環境対策のようなものにつきましては一一二%、あるいは一般空港整備におきましては一〇六%というふうな形で、部分的には計画を設定いたしましたときに割り振った額をかなり超えたというふうなものもございます。
#169
○桑名義治君 そこで、運輸省は去る八月末に、五十六年度を初年度とする第四次空港整備五カ年計画の原案を公表されているわけでございますが、総事業費が三兆三百三十億円で、成田空港の第二次工事着手、関西新空港の建設着手、羽田空港の沖合い展開、地方空港のジェット化促進、こういった事柄が織り込まれているわけであります。そこで、この計画が最終的に固まるまでの今後のスケジュールはどういうふうになっていますか。
#170
○政府委員(松本操君) いま仰せのございました四次空整計画は、目下財政当局との間で詰めを開始した段階でございます。いずれそこら辺の詰めが上がりました後におきまして、従前の例によりますと年を越えてわりあい早い時期であろうかと思います。第四次空整計画として成り立つといたしますならば、年を越えてわりあい早い時期に恐らく閣議了解という形で外枠が固まってくるという段階が一回あるのではないだろうか。ないだろうかというふうな言い方をいたしますのは、従前やってまいりました計画によって多少あんばいの違うのがございます。決まった形と必ずしも言い切れないようでございますからそう申し上げているわけでございます。
 で、やがてその後しばらくたってから、外枠だけでございませんで、多少中の大きな柱とでも申しましょうか、そういう面についての金額の割り振りというところまでブレークダウンしたような形のものが最終的に閣議決定される。これはちょっといまの私の立場といたしまして、来年の秋か、あるいはそれ以降になるのか、予測しがたい状況でございます。
#171
○桑名義治君 そこで、これは私の地元のことになるわけでございますが、北九州空港というのがございます。この空港は国が管理する第二種空港でございますけれども、ジェット空港化が困難なために、現在はYS11が大阪まで一日に二往復就航しているにすぎません。しかし、この地域というものは百万都市北九州市とその周辺合わせて約二百万人の人口を擁して、潜在的な航空旅客は非常に大きいものがあるわけでございますけれども、現在の北九州空港にかわる新空港の建設がぜひ必要である。これは地元の大きな要望でございますけれども、航空局は、この北九州空港の将来の航空旅客需要についてどのようにお考えになっておられますか。
#172
○政府委員(松本操君) いま質問の中で触れられましたように、現在はYS空港でございますので、その状態をもとにして将来の需要予測をするというのはなかなかむずかしいのでございますが、仮に一切の制約がすべて解決されたという前提を置きまして、きわめて大胆な仮定でございますけれども、後背地域の人口、産業活動等をベースに一般の方法論によってその算定をしてみますと、昭和六十年度で二百二、三十万人ぐらいであろうかと。ただし、現状が六万人ちょっとでございますので、この推定はかなり大胆な推定であるというふうには御理解いただきたいと思います。
#173
○桑名義治君 現在の北九州空港にかわる新空港の建設につきましては、周辺に築城、それから宇部、小月、こういった空港があるわけでございますが、これらの近隣空港とのいわゆる空域調整というものが最大の課題になっているわけでございます。本年度、航空局におきましてはこの問題についての検討を進めていると、こういうふうに聞いておるわけでございますが、この空域調整につきましてどのような見通しを持っておられるのか、お知らせ願いたいと思います。
#174
○政府委員(松本操君) 新空港の正確な位置がどこであるかということがまだ必ずしも定まっておるわけではございませんけれども、おおむねこのあたりというところは、いま御質問の中にもございましたように四つの空港に取り巻かれておりますので、空域問題というのはかなりむずかしいであろうと。そこで、今年度から空域についての実態調査を開始したいということで、何がしかの予算も用意はしておるわけでございますが、現在まだ実施に移す段階まで至っておりません。事前の準備の段階でございます。
 したがって、私どもの腹づもりといたしましては、年度内に一度はある程度突っ込んだ空域に関連する調査をしてみたい。その結果をまた精緻に分析をいたしまして、問題点を見つけて次の手を打っていくようにしたい、こう考えております。
#175
○桑名義治君 そこで、地元の期成会が八月末に行った陳情の際に、塩川運輸大臣から、新北九州空港は運輸原案に実施設計調査費として入っていると、こういう回答を得て地元は喜んでおるわけでございますが、運輸省としては原案の現段階では、新北九州空港の建設着工、開港の時期についてはどのようにお考えになっておられますか。
#176
○政府委員(松本操君) 確かに先ほどお話に出ました三兆何がしという私どもの原案の中には含めて考えておるわけでございますが、昨今のような財政事情等を考えてみますと、これが無傷でそのまま成り立つという議論もかなり楽観に過ぎはしないだろうかというふうなことも一方にございますし、いま直前の御質問にもございましたように、空域の問題あるいは正確な空港の位置あるいはその空港に対するアクセス、こういう点についての詰めがまだ相当技術的な面、経済的な面を含めて残っておるように思いますので、いまの段階でこの新しい空港の開港の時期までを見通すというのはかなり予測が入り過ぎる。したがって、御質問ではございますけれども、この席でいつごろということを考えておりますというお答えまでは御容赦いただきたいと存じます。
#177
○桑名義治君 塩川運輸大臣の陳情者に対する御答弁で、北九州空港は運輸原案に実施設計調査として入っている、こういうふうな回答を得て大変に喜んでおるわけでございますが、この点について塩川運輸大臣の格段のまた努力もひとつよろしくお願いを申し上げたいと思いますが、どうでしょうか。
#178
○国務大臣(塩川正十郎君) 先日、自治体並びに商工会議所の方々が、あるいは各種団体の代表団の方が大ぜいお越しになりました。私は第四次空整の中に北九州市の新しい空港のための予算が計上されておる、つきましては、これは実施する前に、着工に至るまでに空域調整の問題もあるし、アクセスの問題もあるしいたしますから、ここらについては相当時間かかるかもわかりません。しかし、非常に強い要望、長年の要望でございますし、予算要求はいたしておりますから、できるだけがんばって一刻も早く成案を得るようにしたい、こういうぐあいに申し上げました。現在もそのつもりで努力してまいりたいと思うております。
#179
○桑名義治君 次は、タクシー運賃値上げの問題についてお尋ねしておきたいと思います。
 全国の法人タクシー各社から運賃の値上げ申請が相次いでいるわけでございますが、現在の申請状況はどういうふうになっておりますか。
#180
○政府委員(飯島篤君) 従前、タクシーの運賃値上げはほぼ二年ローテーションで実施をしておりまして、全国の状況ではほとんど昨年改定をいたしております。今年に若干繰り越しがございまして、その分も一応は終わっております。
 いま先生御質問の件につきましては、特に東京その他六大都市の問題かと存じますので、その状況について御説明させていただきますと、東京地区におきまして十月二日から法人事業者の申請が行われまして、十五日現在では東京の法人タクシー業者の九八%に当たる二百五十三社から申請が出されております。なお、個人タクシーとその他の五大都市の事業者からの申請は、いまのところ出されておりません。
#181
○桑名義治君 そこで、タクシー業者は値上げ理由として、昨年度来の燃料価格の大幅な高騰のほかに人件費の増加、こういうふうな問題を挙げているわけでございますけれども、タクシー業界のいわゆる経営内容はどういうふうになっているのか、あるいは最近の燃料費値上がりの事情及びこれはどの程度経営圧迫の要因になっているというふうに見られておられますか。現実に、いろいろな資料によりますと、一時高騰したいわゆるプロパンガスにしましてもあるいはガソリンにしましても、少しダウン気味である、あるいはまたプロパンガスについては、大変に需要が、いわゆる品がだぶついている、こういうような記事があちらこちらに載っているわけでございますが、運輸省としてはこの点はどういうふうにお考えになっておられますか。
#182
○政府委員(飯島篤君) タクシーの主要燃料でございますLPGの価格につきましては、東京地区の平均で見ますと、昨年の九月の運賃を改定いたしましたときには一リッター六十二円程度でございましたが、本年三月から四月にかけまして八十二円から八十七円の最高価格を示しました。先生いま御指摘のとおり、以後多少の落ちつきを取り戻しております。八月の実績では七二年から七七年と改定時に比し一六%から二五%の値上がりを見ております。
 それで、その他人件費の状況でございますが、これは大体人件費を査定する場合には、過去のデータに基づいて一定の想定をして経済企画庁と合意した伸び率を見込むわけでございますが、今年度の春闘の状況が若干それを上回っているのは事実でございます。
 それで、タクシーの経営状況でございますが、五十四年度の収支状況は一応大部分が収支率一〇〇%を越えております。ただ、四月以降のいま申し上げた春闘あるいは運賃査定時に比較して、いま若干下がってはいるというものの、LPGの価格の高騰等がございまして、中小のタクシー業者ではかなり経営を圧迫しているのも事実ではないかというふうに考えております。
#183
○桑名義治君 最近はこのタクシーの運賃値上げについていろいろな記事が出ているわけです。その中で値上げ申請はいまが一番いいときだ、いわゆるイラン紛争にひっかけて、この時期をそれこそ一度石油ショックのときに、皇国の興廃この一戦にありじゃございませんけれども、Z旗を揚げて、とにかく石油値上げをせいということで、石油値上げのときに問題になったことがございます。それに類似したような空気が現在タクシー業界の中にある、こういうふうな記事があちらこちらに出ているわけですね、実際にコメントとったらしき記事もずいぶん出ているわけでございます。
 そういったことを考えますと、先ほどから御答弁にもありますように大体二年のローテーションで値上げが認められてきた。考えますと昨年の九月一日に値上げが実施されているわけであります。今回の申請時期は前回からまだ一年余りである、これはいままでのローテーションから見ましても申請は時期尚早ではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、運輸省としては値上げ申請の時期や申請理由などをどう受けとめているのか、あるいは繰り上げ値上げを認めざるを得ないとの判断に立っているのかどうか、この点はどうでしょうか。
#184
○政府委員(飯島篤君) 先生御指摘のとおり大体二年ローテーションを理想として運賃の改定を進めるのがいいのではないかというふうに従来から考えておるのでございますが、例外はないわけではございませんで、四十九年には一月に上げまして九月にまた再度上げた。これは石油ショックの後の狂乱物価の時期でございます。それから昨年の改定も実は二年以上約五カ月ぐらい経過してから逆に今度は上げておるということで、この場合は逆におくれたということでございます。それで業界の方としては、いまるる申し上げましたようにLPGの価格の高騰、特に先行き不安という理由、それから最近の人件費等の予想以上の上がり方等で経営が悪化したとして特別事情であるということで申請を出してきておるわけでございます。
 私どもといたしましては、従来この東京のタクシー運賃につきましては、他の五大都市の申請及び個人タクシーの申請が全部出そろった段階で検討しておるのがいままでの作業のあれでございまして、したがいまして、果たしてそういう全部がそろうのはいつか、まだちょっと見通しがわからないのでありますが、出そろった段階で、物価に与える影響あるいは国民生活に与える影響等を考慮して慎重に判断をしたいというふうに考えております。
#185
○桑名義治君 実際に、先ほどからの御説明にありますように、法人からは申請はあったけれども個人タクシーからは申請がないと。法人は赤字であるけれども個人タクシーは赤字ではないと。こういうこともある程度は耳に聞こえるわけです。それから、値上げするたびごとにタクシーの運転手さんにいろいろと私聞いてみるんですが、このことによって待遇の改善なんかほとんどあり得ない。まあ強いてよくなったといえば、走行距離が短くて従前どおりの水揚げが揚げられる、これが強いて言えば利点じゃなかろうかと。それも、いわゆる値上げがあった場合には即座にお客の数が非常に激減すると、こういうふうに言っているわけでございます。これはもう私はだれもが聞いている言葉ではなかろうかと、だれもがまた言っている言葉ではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございます。
 あるいはまた、こういった法人のタクシー業者の中ではLPガスの会社も一緒にやっていると、それが約八〇%ぐらいあるんだと、それで二重にタクシー業界はもうかっている。その反面に、土地の開発やあるいはゴルフ場の経営等が非常に困難になっているために、その赤字の補てんをするという意味でこのタクシーの値上げを申請しているんだと、こういうようなさまざまな意見がちまたには流れているわけです。そういういろいろな実情を考えた場合に、現在の段階でタクシー料金の値上げをすることはこれは余り好ましいことではないと、こういうふうに判断をするわけでございます。
 そこで、申請受理後のいわゆるスケジュールでございますけれども、一部御説明願ったわけですが、申請を認可するとしたらいつごろになりそうか、また認可に際し、タクシー利便の向上とサービスの改善、今後これとどういうふうに取り組んでいくのか。前回の値上げ認可に当たって運輸省は小型タクシーの普及を業界に要望をしております。その後の小型タクシーの普及状況はどういうふうになっておりますか。この皆さん方の行政指導というものが現実に行われているのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
#186
○政府委員(飯島篤君) 今後の申請書の受理あるいは査定、認可のスケジュールいかんというお話でございますが、現在の段階では何とも申し上げられないのが実情でございます。何しろ申請が、一体五大都市、そして個人タクシーがいつごろそろうのか、目下私の方ではいろいろな意見があるようで的確につかんでいないというのが現時点での実情でございます。したがいまして、その申請が出てそのデータを拝見しないとこちらとしても何とも言いようがないというところでございます。
 それから、サービスの改善につきましては、先生いま御指摘のとおり、毎回、値上げに際しましては何点かのサービス改善を指示いたしているところでございます。過去においては、ユーザー登録制度の拡充とか無線タクシーサービスの充実、あるいは乗り場の増設、あるいは運転者教育、街頭指導の充実、モニター制度の活用、苦情処理体制の整備等々を指示し、ある程度実施されてきておるところでございます。
 一番関心を呼んでおりますいま先生御指摘の小型タクシーの普及の問題でございますが、これにつきましては五十四年の八月二十四日、物価問題に関する関係閣僚の会議におきまして、いまの幾つかの指導項目に合わせて小型タクシーの普及の検討ということが取り上げられたわけでございます。
 私どもといたしましては、本件につきまして業界において検討方を指示をいたしておるところでございますが、現在の各都市の導入の状況を申し上げますと、大阪地区が計画では全体の車両数の八%、千二百両を計画しまして、五十五年の九月現在で三十社、三百十四両、神戸地区におきましては計画では全体の五%、二百九十両、二十一社、三十四両が九月末導入されております。それから、東京につきましては、計画は当面保有車両数の一%、二百二十両で、九月末の導入状況は五十社、六十四両ということになっております。
 それで、小型タクシーにつきましては、省エネルギーという観点と運賃が安いということから利用者にも評判がいいということで京都などは相当入っておりますが、いま申し上げたような各都市で導入を検討しろというふうに指導いたしておるのでございますが、いろいろな問題が実は出てきております。一つは運転者側から、疲労が増加する、また水揚げが減少する、それから現在の小型の運賃が、中型と小型の差がコストでは二、三%しか違わないというのが試算で出てくるわけですが、現行の運賃では一〇%程度開いてしまっておりますので経営状況が悪化するというようなこと等がありまして、今後そういう制度面も含めて検討いたしませんとなかなか思うような普及は図られないのではないかとも考えられる次第であります。この次の値上げに当たってはその導入方あるいは制度の問題等についてよく検討をいたしたいと考えております。
#187
○桑名義治君 大変に長々とありがとうございました。
 いずれにしましても、値上げを申請して値上げの許可をおろす場合にもいろいろな条件が付与されるわけでございますが、その条件のいわゆる改善ということが非常に遅いのですね、いつも。小型の問題にしましても、実際に閣議決定してこういうことになったという説明があったわけですが、非常に数の面から見ますとおくれているわけでしょう。こういうものをうやむやにしちゃいけないと思うのですよ。やっぱりあくまでも利用者の立場に立ってもう少し積極的な施策が必要であろうと、こういうふうに思うわけでございます。いずれにしましても、こういったタクシーの値上げ問題というものは国民の生活の上にやっぱり大きく影響を及ぼしていくわけでございますので、これは十二分に留意をした上で検討を願いたいと、こういうふうに思います。
 次に新幹線の公害訴訟判決についてるるお伺いする予定でございましたが、時間がなくなりましたので、一括してずっと申し上げますので御答弁を願いたいと思います。
 去る九月十一日に、名古屋地裁におきまして新幹線公害訴訟に対する一審判決が行われて、騒音、振動差しとめ請求は受忍限度内として棄却、過去の損害賠償請求は受忍限度を超えるものとして慰謝料等五億三千万円の支払いを命ずるとともに、将来の損害賠償請求を却下しております。
 最初に、この一審判決に対する政府の見解についてまず大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
 次に、国鉄側の控訴理由についてこれは説明を願いたいと思います。
 次は、国鉄の騒音、振動障害防止対策の実績、効果と今後の進め方、新幹線鉄道環境基準、これは住宅地域は七十ホン以下、商工業地域は七十五ホン以下、及び達成目標期間の実現の見込みについて説明を願いたいと思います。
 まだいろいろございますけれども、時間が大分経過しておりますので、この三点について所見を伺っておきたいと思います。
#188
○説明員(高木文雄君) 名古屋の判決についての私どもの評価でございますけれども、新幹線の公共性というものを認めていただきまして差しとめの請求が棄却されたという点では私ども大変評価をいたしておるんでございますけれども、損害賠償の責任につきましては、実はその根拠として線路の選定に誤りがあると、あるいはまた新幹線の計画、建設の過程において配慮を欠いて、まあ言ってみれば欠陥のある施設だという判定がありまして、それを前提として国鉄の不法行為を肯定しているものとなっております。
 私どもとしましては、建設当時にはその当時の社会的環境がありましたし、その後もできるだけ何とか防音、防振工事等を通じて障害防止対策をとってきたわけでございますので、おまえのところの施設は欠陥だよということを言われました場合に、わかりましたと言うわけにもいかないわけでございまして、私どもとしては当時の事情から言えば、そのときとしては一生懸命やったものであり、いまから見ると十分でない点はまた現段階で追っかけて対策をとっているつもりでございますので、おまえのところの施設は欠陥だと言われてしまうとどうも黙っているわけにいかぬといいますか、なお上級審の判断を仰がざるを得ないということになったわけでございまして、私どもの評価並びに控訴をいたしました気持ちというものは以上申し上げたようなところでございます。
 なお、対策をどういうふうに進めているか、これからどうやっていくつもりかという部分につきましては、担当常務から答弁をいたさせます。
#189
○説明員(半谷哲夫君) 騒音振動対策の状況あるいは効果、今後の見込みの点でございますが、騒音対策は現在二種類やっているわけであります。
 一つは、最も基本的であります音源対策、発生源対策と言っておりますが、音を出す地点において音なり振動なりを小さくするという対策でございます。これは東京−新大阪問がまず最初にでき上がったわけでございますけれども、現在営業しております東京−博多間についていろいろ対策を打ってきております。
 その発生源対策として現在までにやりましたこと、一つは防音壁でございます。これは線路のわきに防音の壁、二メーターないし二メーター五百ぐらいの高さの壁を設けておりますが、これが東京−新大阪間で延長約五百キロメートルぐらいになっております。大体いま対策を打つべきところは打ったと考えております。
 それからもう一つ、これは裁判の中でも触れられているんでありますが、その当時つくった橋、橋梁でございますが、その中で鉄げた、鉄でできましたけたがやはり音が一番高いわけでございます。これに対しましては、その鉄げたを覆うように、音が外部に出ないように防音工を施すということでやってまいりました個所数が百八十二カ所でございます。
 発生源対策として最も効果があった対策というのはこの二つでございますが、さらにこのほかにレールを重量化するということで当初のレールを取りかえまして、現在、従来よりもさらに重い、断面の大きなレールに取りかえつつございます。これも近々終了する予定であります。
 それからさらに、バラストの下に――レール、まくら木があります、それを支えている砕石バラストが入っておりますけれども、その下にマットを敷きまして振動あるいは騒音をやわらげるという対策も現在とりつつあるところであります。
 以上が発生源対策でありますが、さらに以上のような対策をとりましてもなお環境基準に至らないという地域に対しましては、現在、家屋防音工ないしは防振工という対策をとらしていただいております。
 現在、音で申し上げますと八十ホン以上の地域にあります家屋、住居でございますが、それから振動で申し上げますと七十デシベルを超えるような地域にあります家屋につきまして、状況の非常によくないところにつきましては移転ということも建物の所有者とお話し合いをいたしまして、移転を希望される場合には移転の補償を行っておりますし、また移転をしないで防音工をという御希望のおうちに対しましては二重窓等の防音工を実施してきております。その対策戸数が、八十ホン以上の地域にあります対象となります戸数、これが一万五千戸と数えられるんでありますが、現在までに約一万二千五百戸実施してまいりまして、残りにつきましても大体本年度中に対策が打てるという状況でございます。
 また、振動に対しましても振動対策の技術開発に多少時間を要しましたために、いままでは移転を主として対策としてやってまいりましたけれども、最近開発いたしました振動対策というものを、防振工というものをいま実施に移している状況でございます。
 それから現在の状況でございますが、先ほど申し上げました高架橋区間等で防音壁等を実施いたした地域では大体八十ホン程度、それから鉄げたはやや高くなるんでございますが、防音工を施しました結果、大体まあ八十五ホン平均というような現在数値になっているかと思います。
 それからなお、今後の環境基準を達成するということでございますが、最終的には七十ホン、七十五ホンという基準を示されているわけでございまして、現在は八十ホン対策をとにかく進めてまいりましたけれども、これに続きまして、その後の対策も進めていきたいということでこれに対処している状況でございます。
#190
○小笠原貞子君 青函トンネル問題についてお伺いしたいと思います。
 青函トンネルの問題につきましては、私たちなりにいろいろな見解もございますけれども、まあ世紀の大事業と言われ、そして途中いろいろな事故があったにもかかわらず、もう進捗されている。その御努力というものは大変なものであったろうということは重々私ども承知をしております。私は北海道の出身でございますが、北海道のみならず日本、そして広く言えば世界的にも注目されているというこの青函トンネルについては大きな関心が寄せられている。
 先ほどのお話を伺っておりまして、整理をいたしますと、今後何か突発的な大事故がない限りは、いまの調子でいけば五十八年度に完成するであろうと、そしてそれは在来線を通したいと、そして五十九年には開業したいというのが運輸省としての御見解だというふうに私理解いたしましたが、それでよろしゅうございますね。
#191
○政府委員(山地進君) 先ほど目黒先生にお答えしたとおりでございます。
#192
○小笠原貞子君 大変さっきは混乱いたしまして、楽しく聞かせていただきましたので整理をいたしまして、いまの確認をさせていただいた次第でございます。
 そういたしますと、五十九年在来線を通すということで、運輸省としていろいろとこれについて目標を立てて御事業もなさるということになります。そうなりますと、一つはルートの決定の見直しをしなければならないのではないか。現在運輸省として考えられております接続ルートの問題ですね。それから鉄道建設審議会、これはいつごろ、先ほどはちょっとわからないとおっしゃっておりましたけれども、まあ大体いつごろをめどにして開かれ御検討なさるかという点についてお伺いしたいと思います。
#193
○政府委員(山地進君) 私どもの方で現在こういうルートがあるかなということでございますけれども、青函のトンネルの出口から在来線にどういうふうに取りつけたらいいか。すぐ出たところで取りつけることと、真ん中辺に取りつけることと、あるいは青森、函館寄りで取りつける、いろんな考え方があるわけでございます。それぞれ一長一短あるわけでございますが、私どものいまの考えでは、中小国というところと木古内というところに在来線を取りつけるということが、もしこのトンネルを在来線で利用する場合には一番経済的ではないだろうかというふうなことを考えているわけでございます。
 これをやりますと、先生のおっしゃるように、津軽線あるいは松前線を一部使わないようなかっこうで通り抜けるわけでございますので、鉄道建設審議会に、起点、終点というところが中小国、木古内と、いま決められている場所から見ますと大分離れておりますので、鉄道建設審議会にお諮りをして、これを決めなければならない。この時期につきましては、片方では、政府の予算というものにどういうふうに入れていくかということもございますので、政府内の議論というものと並行して鉄道建設審議会を開いていただくのがいいかなというふうに現在は考えております。
#194
○小笠原貞子君 それで、その時期のお見通しは。
#195
○政府委員(山地進君) 時期は、政府原案を詰める段階で、その前に鉄道建設審議会の御意見を承るという意味では、前に開いて承るということもいいと……
#196
○小笠原貞子君 順序としてはそうですね。それがいつごろかというところのお見通しはどうなんですか。
#197
○政府委員(山地進君) やはり政府原案の詰まり方によりますので、この辺は先生御承知のとおり、役所の予算というのはいつ決まるかというのも非常にむずかしい問題でございますので、まあ年末というのが一応のお答えかと思います。
#198
○小笠原貞子君 そういたしますと、そのための建設費というようなものがございますので、その取りつけ線の建設というような問題を含めて、いま予算を請求をなさっていらっしゃいますが、その予算の内訳、建設費の内訳という問題ちょっとお伺いさせてください。
#199
○政府委員(山地進君) 現在、毎年つけております青函トンネルは五百億つけてございますが、これは本体の工事費でございますが、ことしの私どもの要求といたしましては二百億上積みしてございまして、この二百億で取りつけ工事というものを開始するという考え方でございます。
#200
○小笠原貞子君 それで、取りつけをいたしますと、トンネルの中は電化でなければなりませんね。そういたしますと、トンネル出て、そして取りつけ線もこれ電化にしなければならないという問題になりますが、その電化の問題について、私どもは当然これは電化で函館までいかなければいろいろの作業がむずかしいというふうに考えられるわけでございますけれども、その電化の問題はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#201
○政府委員(山地進君) 現在、この利用についてどういうふうに使うかということを検討中でございます。
 まだ五十八年までの問、いろいろと御意見もあろうかと思いますので、それらの御意見を承りながら、電化も含めて検討しなければいけないわけでございますが、現在は、とにかく取りつけ口をつけて、路線を引くということに御承認をいただいて着手するということが先決問題でございまして、その段階を過ぎた後、電化の問題というのがまた検討されるということになろうかと思います。
#202
○小笠原貞子君 順序としては、まず取りつけ線をどうするかということが先になると思いますけれども、それが済んでからその問題というふうに画一的に分けるというわけにはなかなかむずかしいと思うんですよ。やっぱり何度も何度も開かれるというような審議会でもなし、運輸省としても見解をお持ちであろうと思うわけでございますね。
 そうすると、取りつけ線を木古内、それから中小国というふうになりますと、そこのところから今度函館まで、そこのところで電化をそこまでやるのか。それと、もしトンネルの中が電化で、出た段階で電化しないというと、これは大変なことになりますよね、このディーゼルと、機関車取りかえと。ということになりますと、考えていないなんというのはうそだと思うんですよ。いろいろ御苦労なさっていらっしゃるんだから、もう大変な御苦労の中でいろいろ御検討いただいていると思うんですけれども、大臣としてもその辺のところは、これはもう当然電化しなければならないし、途中でというわけにもいかないというふうに私ども素人でも考えられるわけなので、やはり出まして木古内から函館までは電化というふうにつながっていくというふうなことは運輸省としても御希望なすっていらっしゃるし、なるべくそういうふうにしたいというふうにお考えになっていらっしゃると御推察申し上げますけれども、その辺のところはいかがでございますか。
 余り防波堤を張らないで率直にお伺いしたいと思うのでございます。
#203
○政府委員(山地進君) 率直に申し上げまして、いま電化も含めて検討しているというのが本当の段階でございます。
#204
○小笠原貞子君 それじゃ、電化も含めて御検討いただいていると、そしてそれはやっぱり途中というんじゃなくて、函館まで行かなければならないということでよろしゅうございますね。そういうふうにいきましょう、もう時間がありませんし、よろしくお願いをいたします。そういたしますと、そこで確認されましてありがとうございました。
 次に、今度トンネルが開業いたします、五十九年から。在来線で、そして函館まで電化というふうにして、そして開業いたしますと、青函連絡船がどうなるかと、これはうらはらの問題ですから、これも考えなければならない問題だと思うわけですね。もし廃止ということになるならば、これは働いている者、また私もたびたび調査に行きました、この間の運輸委員会でも調査に参りましたが、地元経済にも重大な影響が出てくると、商工会議所の会頭さん初めいろいろお目にかかりましてそういう問題をお伺いしてまいりましたけれども、そういう問題についてお考えをいただいていると当然思うわけでございますが、そうでしょうね。
#205
○説明員(加賀山朝雄君) ただいま鉄監局長の方からルートの問題お答え申し上げましたが、青函トンネルの使い方というのは大変これはむずかしい問題でございます。特にこのトンネルが将来新幹線も通れるというような条件のもとに掘られておりまして、また整備五線というような計画も実態的に出ているわけでございます。そうなりますと、技術的にいろんな問題が出てまいります。
 と申しますのは、在来線と新幹線と共用するということになりますと、ゲージの問題が、まず狭軌と標準軌の問題がございますし、また電圧も、片方は二万ボルト、片方は二万五千ボルトというような差もございます。また、信号方式もこれは全然、片方はATCであり、片方はそうではないというような形、あるいは車両構造その他非常にもろもろの案件が大変違っておりまして、それを将来を見通してどういう形で入れるのが一番いいかということになりますと、いろいろな新技術の開発も要りますし、またいろいろな信号関係の信頼性の問題等もはっきり見通しを立てなければなりませんし、また輸送方式そのものもいろんな形でどういうふうにするのが一番ベストであるかというようなことを考えますと、大変むずかしい問題が山積しておりますので、そういった問題につきましていま現在鋭意検討を進めている段階でございます。
 そういう形で、どういう形でやるかということにつきましてはいまの段階では申し上げかねると、したがってそのうちどの部分がトンネルを通り、どの部分が残るかというような形になりますと、いまの段階ではまだはっきりした見通しを立てがたいというのが実情でございます。
#206
○小笠原貞子君 私の質問したのはそういうことを聞いてないんですよ。もうそれはいいんです、大変むずかしいというのはわかったんだから。私が言ったのは、地元に対する経済的な影響とかもろもろの影響が出てきていると、働く者を含めて。だから、それについても当然御配慮をいただけるというふうにならなければならないと思いますが、それは当然のことだと私は思いますがいかがでございますかと聞いたわけでございまして、あなたの方は専門家だから、また要らないことを言っている。聞いてないことまで言っている。
#207
○政府委員(山地進君) 連絡船の取り扱いということが一つの話題といいますか問題だと思うわけでございますが、この連絡船の問題については、貨物を全部あそこを通すわけにもいかないだろうと、危険物があったり貨車がうまいのがないとか、いろんな問題がございますので、そういったもの、それから先生のおっしゃったような地場産業に与える影響とかあるんで、そういったいろいろな御意見を踏まえて、連絡船の問題ということを解決しなきゃいけないと、かように考えております。
#208
○小笠原貞子君 それで、いよいよ大臣の問題に入ってまいります。
 八月二十二日、大臣、青函トンネル視察をなされたとき、記者会見して、旅客対象の連絡船は要らないとおっしゃったということが出ました。前にも地崎さんが発言されましたね。地元の運輸大臣が出てきて地崎さんああいう発言したからわあっとやられて、地崎さん引っ込めちゃったけれども、まあ塩川先生の方は関西の方でいらっしゃるから、別に票には関係ないから勇気を持っておっしゃったのかもしれませんけれども、そういう発言をされたということで大変地元もショックを受けているわけなんです。
 非常に短絡的な発表で記事として流されたという点もあろうかと思いますけれども、この発言について大臣、いまどういうふうに率直にお考えになっていらっしゃるか伺いたいと思います。
#209
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は八月の下旬に視察をいたしまして、そのとき地元の方々とも懇談をいたしました。そして九月の下旬であったかと思いますが、改めて函館の代表の方々が運輸省へお越しになりまして、このときも懇談いたしました。
 その二つの機会を通じまして言っておりますことは、こうして長年の懸案であった青函トンネルがやっと開通する段階に来たんで、特に旅客船はもうこれによって交通の手段をとるということにしてもらいたいと。いままで長い歴史のある青函連絡船、これに対するノスタルジアもあるでありましょうけれども、しかし洞爺丸の事故等からも見、あるいはまたスピードの面から見、いろいろな面から見て、鉄道でつなぐべきだという意見が今日のこのトンネルになったんだから、旅客はトンネルでやらしてもらいたいと。ただし、貨物につきましてはこれはいろいろ問題がありますと。貨物がトンネルの急勾配を降りる問題もあるし、それから危険物の貨物もあるし。だから貨物につきましてはやはり定期船を開設しておかなければならぬのではないかと。
 そこで、旅客船に対するそういう郷愁があるとするならば、現在もある、私らもありますから、できれば貨物船の中に旅客も収容できるような装置を持った貨物船というようなものをつくるのも一案ではないだろうか。ですから、連絡船については、まあひとつ貨物を中心として、お客さんも乗れるようなものを考えてもらうということでごしんぼう願いたい、こういうことを言ったわけであります。
#210
○小笠原貞子君 じゃ、もう旅客が対象の連絡船は要らないという、そういうすぱっとしたことではなくて、貨物とお客さんも乗せて、そして連絡船も有効的に使えるというふうなお考えというふうに承ってよろしいですか。
#211
○国務大臣(塩川正十郎君) 貨物船、これにやっぱり移行すると。しかし、よくありますわな、貨物船の中にちょっと何人か乗れるような……
#212
○小笠原貞子君 何人かなどというとまた問題になりますよ。
#213
○国務大臣(塩川正十郎君) 少し客席のついたようなのありますね。あんなものにしたらどうやろかということを私は提案しておったんですが。
#214
○小笠原貞子君 それじゃ、ちょっと旅客の問題に入りましたから、旅客の問題で伺いたいんでございますが、青函連絡船の五十四年度、五十三年度に比べて、その旅客の利用という人数はどういうふうになっておりますでしょうか。
#215
○説明員(加賀山朝雄君) 五十四年度の実績で申し上げますと、年間の総輸送人員が二百七十二万人という形になっております。これが四十年が大体四百万人でございますので、当時に比べますと大体約七割ぐらいに落ちてきているという段階でございます。一番ピークが、四十八年に約四百八十万人近い数字を出したのがピークでございます。
#216
○小笠原貞子君 確かに私も数字見せていただきまして、前年比から比べますと減になっております。五十四年、二百七十二万ということでございますけれども、またその中で旅客の団体というのをちょっと見せていただきますと、一般の団体、学生さんなんかの団体というようなものは六十七万五千人と。私は、減ったといいましても二百七十二万人が利用しているんだということはやっぱり頭に大臣置いていただきたいと思うんです。そして、その中でも一般とか団体、学生を総計いたしますと六十七万五千人で、旅客の二五%を占めていると、それは決して感傷的なものではなくて、やっぱり学生などにすればいろいろと船に乗ってというような教育的な立場もございましょうし、やっぱりゆっくり船に乗って海を見ながらというようなこともございます。
 そうしますと、もうただ速く行けばいいんだというだけではなくて、やっぱりその連絡船の旅客についても大変だ大変だというのではなくて、今度逆にどうやってこれらの人たちをふやしてそして有効的に使うかということになれば、私たちも、観光船みたいにして、その船に乗って一晩ゆっくり話し合うというようなこともございます。
 そういう意味で、自治体の方だとか、関係住民、商工業者の方々、それから組合の方ともいろいろお話し合いをいたしましたけれども、やっぱりそういうふうな前進的に有効利用をどうするかということも検討していただかなければならないのではないかと思いますので、大臣の先ほどの御発言に私はそのことを要望したいと思うわけでございますので、その御要望をお聞きいただいて御検討もまたお願いしたいと思います。よろしょうございましょうか。
#217
○国務大臣(塩川正十郎君) 御希望は、それは小笠原先生の御希望のようなことがやはり地元の要望でもあると理解いたしております。
 つきましては、私たちもそういうことはできるだけ国鉄の責任でやらなきゃならぬのかどうかというところ、国鉄の責任でそれをやらなきゃならぬのかどうかというところに問題があると思うておるのでございまして、御要望は承っておきますが、どこでだれが、またどのような方法でやるかということ等もいろいろ検討させていただきたいと思います。
#218
○小笠原貞子君 いま御要望申し上げましたことは、国鉄さん何とかしろよというのではなくて、そういう検討をなさるためにも、地元としても各商工業界の方々もわれわれ自身もこういうふうにしたいという、それはもうもちろん国鉄の責任だ、しっかりせいなんという無責任なことではなくって、こういう要望が出されたという点をつけ加えさせていただきたいと思いますので、御検討になられるようにお願いしたいと思います。
 今度、国鉄総裁に、御苦労でございますがお伺いしたいと思いますけれども、先ほどちょっと局長から言われましたけれども、貨物の問題でございますね。その貨物の全体の中でトンネルを利用できるもの、そして利用できないもの、いろいろあろうかと思うんでございますが、その辺の問題点という点について御意見を伺わせていただきたいと思います。
#219
○説明員(高木文雄君) 先ほど常務からも申しましたように、トンネルは間違いなくできるということになってきたわけですけれども、今度そのトンネルの中を具体的にどういうふうにして走らせるかという実は技術的な問題、いまごろそんなことを言っているのかと言われるかもしれませんけれども、現実にいよいよできるので、そこへどうやって線路を置こうかと、三本レールとかいろんなことがあります。それから、架線をどういうふうに張ろうかと、信号システムをどうしようかというのを実はいま衆知を集めて研究をしているところでありますので、それが出てきませんと、今度は経営的にどうするかとかあるいは地元の御意向にどの程度沿うようにするとかいうことがまだちょっと、技術的にどういうやり方があるのかということが出ませんと、選択の幅が決まってきませんので、私どもも実は相当気持ちとしてはいらっいているわけです。
 もう少し早く技術的結論を出してくれと言っているわけですけれども、やはり世界じゅうで初めてのことであるために、また日本で一つの線路の上を広軌と狭軌と両方の車両が走り得る可能性のあるものをつくるというのはやはり新しい技術でございますので、まだそれができ上がってこない。それができました上で私どもの経営判断からいってどうしたらいいかを考え、地元の御意見を伺い、それから特に問題は、それよりも先に東北新幹線が盛岡まで通ずるようになりますと、お客の流動形態がまた変わってくるという問題がありますので、そこらをにらみ合わせた上で私どもの腹を決めたいと思っていますけれども、御相談するにしてもこちらの腹がまだ決まらないという現状でございますので、今日の段階はこうであるということを申し上げられるだけで、実際にその五十九年なり六十年なりどうやってやるんだというところの私どもの考え方はきょうの段階ではひとつ御勘弁をいただきたいと。逃げているわけじゃなくて、材料が集まっていないということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#220
○小笠原貞子君 いろいろ本当に大変な問題だと思います。私もそのことについていろいろ資料もいただきましていろいろ検討させていただきましたが、お伺いするところによると、コンテナの場合は二軸ボギー車と申しますんですか、それで通すことが可能であるというふうなお話を伺いまして、これはまあいいと思うんです。あと危険物の取り扱いでございますね。この危険物の取り扱いというのはやっぱり相当慎重にしていただかなければならないし、二軸ボギー車というものでどれだけ保証されるかといったら、これ貨車の三割ですか、しか二軸ボギー車がないとか、大変少ないとかというようなことも伺いまして、そうすると、やっぱりいろいろ御本職の皆さんで御検討なすっていらっしゃると思いますけれども、やっぱりほかのものは利用できても、やっぱり危険物というようなものになるとこれは相当の準備があって、そして安全性が確立されて、それからでなければ、通るようになったよと言って貨物をそこでずっと通すということはできないということで、いま国鉄総裁にお話しいただきましたように、いまのところではまだちょっと貨物全部これに移行するというようなことは考えられないとおっしゃったことだろうと思います。その辺のところについてもまたいろいろと御検討もいただいて、またの機会に質問させていただきたいと思います。
 もう時間がなくなりましたから、終わりにお伺いしたいんですけれども、運輸大臣、函館で記者会見なさいましたときに、青函トンネルの有効利用について政府部内に検討委員会を設置したいというふうなお話で、先ほどもそのお話がなされておりましたけれども、その設置時期ですね、検討委員会、もうすでに設置できているわけでございますね。そして検討委員会のその関係省庁というのは、先ほどおっしゃいましたのはどこどこでしたっけ。それと検討する内容について先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、もう少し詳しく伺えたら伺いたいと思います。
#221
○国務大臣(塩川正十郎君) 検討委員会は九月の中旬にまず運輸省内に設置いたしまして、これは総務審議官を長といたしまして省内の各部局からの委員でございます。そして省外の専門家も入っております。ここで原案をつくりまして、その原案をもって各省庁のそれぞれの関係部局との連絡会を、協議会をつくりたいと、こう思うております。これは先ほども申しましたように、もう余り時間的な余裕もございませんので、十二月中には何とか結論を出さざるを得ないと思うております。
 それから内容についてでありますけれども、まず鉄道で利用するとするならばどういうふうに鉄道の利用を決めるか、鉄道利用のあり方でございます。そして本坑とそれから作業坑とございますから、この作業坑はどのように、また本坑は鉄道を主体とするんですけれども、先ほど総裁も言っていますように多目的に使えるようにいたしたいと。そしてその作業坑等につきましては、これも多目的に使うために、たとえば通信ケーブルをそこへ敷設するとか、そういう利用の具体的な内容、これを詰める。それからもう一つは費用の負担の問題であります。それからまた、さらにはそのトンネルの管理、これはもう国鉄でやることは当然でございますが、しかし作業坑等もございますし、いたしますので、こういう管理はどこになるのかというような、そういうことを内容として検討しておるわけであります。
#222
○小笠原貞子君 いま作業坑の利用の問題で通信ケーブルというようなこと話に出ましたが、パイプラインとか電力というようなものも当然そこでの有効利用の一つとして利用してほしい、利用させてほしいというような御要望もちょっと伺いましたけれども、やっぱりそういうような御要望出ておりますんですか。
#223
○国務大臣(塩川正十郎君) 当時者からの具体的な申し入れはまだありません。しかし、こちらの方の検討材料として勉強しておることは事実です。
#224
○小笠原貞子君 わかりました。時間ですから、きょうはちゃんと守りまして、あとせっかくいらしてくだすった方、大変申しわけございませんけれども、この次にさせていただきますので御了解いただきたいと思います。ありがとうございました。
#225
○柳澤錬造君 航空局長、関西新空港でお聞きをしていくんですけれども、環境アセスメント、それから地域整備計画の案はいつごろ提示されるんですか、でき上がるんですか。
#226
○政府委員(松本操君) 環境アセスメントにつきましては目下最終的な取りまとめの段階でございまして、しっかりした期日は御勘弁いただきたいのですが、来月なるべく早い時期にはまとめを終わることができるであろうと、こう考えております。
 それから地域計画の大綱の方につきましては、これは私どもだけでもできかねる面がございます。関係省庁とのある程度の詰めた話もしなければなりませんけれども、これはできるだけ早い時期にと申し上げる程度に実はとどめざるを得ない実情でございますが、来年早々には、一月には地元にお話ができるような形にはぜひしたい、こういう考え方でいま取り組んでおる次第でございます。
#227
○柳澤錬造君 それで航空局長、私はこの前大阪の府知事の岸さんにお会いをしたときに、この関西新空港の問題では空港計画案、環境アセスメント、地域整備計画案の三点セットを示していただいて、その上で地元と協議をします。地元と合意しない限りは空港建設はしないということについては航空局長と確約がしてありますということを聞かされたんですが、事実ですか。
#228
○政府委員(松本操君) いわゆる三点セットで地元に話を持ち込んでほしいというのは地元の非常に強い御希望でございます。私どももそれは十分に承知をいたしております。
 それから、地元との合意が成り立たない場合には本件計画についてゴーがかけられないということにつきましては、数年前の時点でございますけれども、航空局長から関係の府県知事にその旨のお約束がしてございます。私もその考え方に対しては忠実にフォローしてまいりたいとこう考えております。
#229
○柳澤錬造君 そこで、今度は大臣の方にお聞きをしていくんですが、この関西新空港の航空審議会で答申が出されたのが九月の一日、それで、九月の一日にいろいろの経過をたどって答申が出されました。まだ三点セットも、いまお聞きのとおりなんで出てこない。その出てこない段階で、運輸省の方でもって何か四千メートルの滑走路を一本にして、年間十六万回で五十七年度には着工して六十五年度開港を目標にスタートをするんだ、こう大臣御発言なさっているんだけれども、この辺はどういうことになるんですか。
#230
○国務大臣(塩川正十郎君) 地元の協力を得るまでに、私の方として、先ほど航空局長の言っております三つの計画書をそろえなきゃなりません。その計画の一つとして空港建設の実施計画というものを当然やらなければなりません。この計画をつくっておる段階でいろいろ出てまいりました発言が、そのように、滑走路一本でとりあえず離発着できる空港を先行さしていくということを言ったのであります。
#231
○柳澤錬造君 大臣、それじゃちょっと舌っ足らずなんで、もうちょっと説明をしていただかなきゃいけないんですけれども、大臣が直接お目通しになっておるかどうかはさておいて、この浮体方式による空港建設期成労組協議会というところから六月の二十八日に、建設工法小委員会の報告に反論すると言って、それで、今日の財政状況を考えても、財政再建のためには官民一体で努力が求められているんだし、そういう現状にかんがみても、この主滑走路二本、補助滑走路一本、合計三本がどうしても必要だなんという、そういうことはないんじゃないか。
 メインが一本に補助が一本で二十五万回の離着陸が可能なんだから、とりあえずそれでやったらどうかという意見が提言されているんです。さらには、海上空港プロジェクト本部からも、これも七月一日に航空審議会の方に言われているのも、いまの状況を考えて、一本の滑走路でも十三万回程度の容量があるではないかと、とりあえずは一本の滑走路でもってスタートをしたらいいじゃないかと。しかも滑走路の長さにしても、何も四千メートル初めからなくても、現在のジャンボならば三千メートルあれば離着陸できる。それで、その飛行機の状況につれて三千五百にし、四千メートルにするということをやっていったらいいことであって、何も初めからそんな大きなものをやる必要はない。
 そういう経済的なことを考えても、言うなればある程度現在の状況の必要に応じた状態でつくって、早いところスタートをして、それで、その需要に応じて、また今度はさらに大きく拡張していくということがやれることなんだしという、そういう提言もしているわけなんです。
 ところが、航空審議会の中では、そういう問題について私に言わしていただくと、一顧だもせずと言ってもいいような状態で、あくまでも埋め立てでもって関西新空港はつくるんですという答申が出されている。そうしてきますと、何でつい数カ月前にあれほど――そんな莫大な金をかけてやれる状態ではないんだから、もう少し現実的にこういうやり方があるじゃないかと幾ら言っても、それに航空局自身も航空審議会も耳を貸さずに九月一日のあの答申を出して、それで答申が出されたらまた一カ月ちょっとで全く、いままで浮体工法でもっていろいろ主張した人の言ったことをむしろそのまま取り入れたような形でいま運輸省がそういう修正をしようと言っている。そうすると、少なくとも航空審議会が出された答申というものは運輸省は無視するわけですから、そういう観点に立ちましても、もう一回航空審議会をお開きになって、それでいろいろいままで出されたそういう意見も含めて再検討なさるのが私は常識だと思うんだけれども、その点はいかがでしょう。
#232
○国務大臣(塩川正十郎君) 私の承知しております限りにおきましては、航空審議会で関西空港を埋め立て方式でやるか浮体工法でやるかということにつきまして、二年の歳月をかけてあらゆる面で検討されたと思うております。もちろんそれはただ単に物体の埋め立てか浮体かということだけではなくして、工法そのものにもあるいは経費の面においても、あるいは将来の管理のあり方についても総合的に検討されたと思うております。したがって、その結果として埋め立て工法という結論が出てきた。これには二年の歳月をかけて検討されてきたのでございまして、仰せのような問題はその審議会の中においてでも十分検討されてきたことではないかと思うております。
 さらに第二点の基本計画について、これは間違いではないかとおっしゃいますけれども、私たち言っておりまするのは、基本計画を尊重し、基本計画に基づくところの空港の建設を、これを最終目標の完成としておるのでございまして、それに至るまでの間にはできるだけ財政的な見地から許される範囲内で建設していこうということを言っておるのでございまして、それをいま計画案として取りまとめにかかっておるところでございます。でございますから、答申にございました、要するにホームベースのような空港を最終的につくるということには何ら変更はございません。
 それから三番目の問題でございますが、改めて航空審議会を開催しろという申し出でございますけれども、先ほども申しましたように、この空港の答申を得るまでに、昭和四十六年初めて諮問されまして、それから四十九年の中間報告があり、最終的に本年九月ということになってまいりましたし、さらにはその間に、先ほども申しました二年にわたる工法の検討もされてきたことでもございますし、その結論というものを、これをやはり運輸省としては審議会からの答申を尊重するという立場は貫くべきだと、こう思うておりますので、改めて航空審議会を開会し、そして工法についての再検討をこれに依頼するということは現在考えておりません。
#233
○柳澤錬造君 大臣まだ事実経過というものについて、これは無理ないと思うんです、毎年大臣おかわりになっちゃうんだから。中身の問題をどうすべきか、こうすべきかといっていま私が取り上げて言おうとはしていないんです。二年にわたって審議会がというんですけれども、ですから問題が問題だけに審議会に参加をさせてくれということの注文もつけておいたんですけれども、それもお断りを食ったんです。御意見は聞きましょうということでもって、何回か意見を聞いていただける場はつくられた。そうしていろいろの審議会が出されてくるそういう問題点についてたくさんの疑問点を感じて、そういう点について指摘をして、これを明らかに解明してほしいと言ったんだけれども、ついに解明がされないまま答申を迎えるようになったわけです。
 それで、最終的な答申をまとめるについては、私は恐らく前代未聞と言ってもいいと思うんだけれども、いろいろの工法とかなんとかそういうものに点数をつけて、採点でもって結果的に埋め立ての方が点数が多かったからといって決められたわけなんです。ですから、いま大臣は、そういう形で二年にわたって審議会がやって答申をいただいたんだから答申を尊重なさると言うんなら、それはそれで、答申を尊重なさると言うならばあくまでも主滑走路二本、補助滑走路一本、三本であの大きな千四百ヘクタールの関西新空港をやらなくちゃいけない。
 いま運輸省がお考えになっているのは、それがそうではなくてその半分ぐらいなんです。そんなもの要らないじゃないか、まずこの程度のものでやったらいいじゃないか、いいじゃないかということを期成労組協議会の諸君や海上空港プロジェクト本部の人たちが口を酸っぱくするほど言い続けてきたんだけれども、それについての答えがなかったんです。なくて、九月一日に答申を出してしまいながら、わずか一カ月ちょっとたったところが、全然答申と違ったようなものをこれからやるんですと言うから、いささかこれじゃ、ペテンという言葉を使っちゃ私は適切でないと思うからやめておきますけれども、一般的な社会常識で言ったらそういうことになるんです。
 ですからその辺のところを、それは大臣は過去の経過など御存じないからそういう御答弁なさるんで、それは事実経過を大臣御存じないからそんなことが平気で言えるんです。もう一回そこのところを航空局長答弁をしてください。
#234
○政府委員(松本操君) いま柳澤先生の御指摘がございましたように、本件の審議の過程で浮体方式による空港建設期成労組協議会の意見の陳述あるいは資料の提出というふうなことが繰り返されたのは事実でございます。その間において埋め立て工法と浮体工法との比較検討という、そういう趣旨に沿った幅の中で、たとえば滑走路とターミナルを一緒にしたらどうなる、分離したらどうなる、三本の滑走路を一遍につくった場合にはどうなる、二本でやる場合にはどんなことになるかと、いろいろな組み合わせについての資料も審議会のテーブルの上には出たわけでございます。
 ただ、私が承知しております限りにおいて申し上げますならば、審議会の御議論というのは、どういう手順でどんな空港をつくっていくのかというところまで立ち至った議論ではなくて、四十九年の答申におきまして、およそ十六万回程度、滑走路の位置、規模はこの程度と、こういう大ざっぱな答申を得たものをさらに踏み砕いて、滑走路の正確な位置はこの辺がよかろうと、あるいはそれ、に対してこういうふうな考え方で空港をつくっていけば公害の問題その他において問題がより少なくなるのではないか。でき上がった形についての御議論、その御議論の中で第一次答申に踏まえられました十六万回というものと、その後の研究の成果としまして、滑走路の本数は変えなくても多少補助滑走路を延ばすこととか、あるいは駐機場の面積をふやしていくということによって空港自体の能力は二十六万回までふやすことができる。だとしたらば、その場合に全体の形はどうなるのかと、こういうふうな御議論を踏まえ最終的な答申をいただいたと、こういうふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
 大臣が御返答申し上げましたように、この答申の中にうたわれております最終的な形というものはあくまで尊重すべきものであり、あの五角形の護岸の中に逐次滑走路ができ上がっていき、エプロンが埋め立てられていくという、こういう形で最終目的に達成していくという具体的な手段、建設の手法といったようなものは、これは実際に作業をする私どもの方の責任において検討すべきものであろうかと、このように考えておる次第でございます。
#235
○柳澤錬造君 大臣、きょうはもう時間がないからこれは十分担当の局長なりにお聞きをいただきたいと思います。
 いまの局長の答申を聞いていると、なおのこと私は、今度は、言葉が適切でないかわからぬけれども、おまえ何だ、じゃあペテンにかけたのかと言って――少なくとも歴代の運輸大臣との間でどういう話をしてきたかという、そういうことも全部お話をしたら、それはもう大臣はびっくりするようないきさつ、経過があるわけなんです。で、問題は、きょうは時間のないところでそれ以上申し上げてもなんですから、かなりおかしな問題になるなというふうなところの認識はお持ちになっていただいて、で、残された時間、これも先ほど公明党の先生の方からありましたので、イラン、イラクの船舶の安全の問題についてお聞きをしておきたいと思います。
 先ほども何だったですか、日本船が四隻、外国籍用船が二隻という答弁なさっておったが、あれはバスラ港ですか、あそこのところだけだと思うんです。それで、ペルシャ湾の中には十月の十四日現在でも三十七隻まだいるんです。ですから、その辺でずっと、ホルムズ海峡のこっちの方は、あの中におっても別にいまのところ危なくないからなんですけれども、しかしながらイランがいつあの海峡封鎖と出てくるかわからないし、あの海峡を封鎖されたら、現在時点で言うならこの三十七隻の日本商船隊の支配下の船が全部くぎづけにさせられるという、そういういま状況だということは御理解いただいて、危ないところにいるのがいまさっき言った六隻だという、そういう御認識を持っておいていただきたいと思うんです。
 それで、いろいろ伊東外務大臣にもこの間予算委員会でも取り上げてお話しもしたりして、十二日にはイラクの政府、十三日にはイランの政府の方にもホルムズ海峡の安全航行確保の申し入れもいたしましたということになっているんですが、問題は、さっきも、何というんですか、現地船長の判断に任せるという、この辺のところなんです、心配なのは。船会社の方からは、その辺は船長に任せるよと言っているんだけれども、そのことによって現地におる船長とすれば、ああ、じゃといってさっと引き揚げちまえばこれは会社にとって大変な損害なわけですよ。それから実際に乗っている船の乗組員の人命尊重ということから考えれば、いつまでもあそこにおるわけにいかないし、といって大変板ばさみになって苦労しているということを私は聞いているんです。
 ですから、現地の船長に権限ゆだねるのはいいけれども、会社とするならばやっぱり損害ということを考えるから、いろいろそういうようなものの圧力と言っちゃいかぬですけれども、船長がお苦しみになるんで、まあ端的に言うならば、運輸省の方から損害とかなんとかそういうことなんか考えないで、まず人命第一で、そうして危なくなったらすぐ引き揚げることをやれというふうなことを会社側の方に勧告でもしていただきたいと思う。会社側からそういうふうなことが現地の方にいけば、またそれぞれの船長もその判断で動きやすいと思うんです。
 それで、これは全然関係のないよそさまの国が戦争をやっておってたまたまそこにおったので被害を受けるんだから、非常にこれむずかしい問題だけれども、そういうものの被害の補償の措置ということなんかについてどういうことを考えるかですね、そういうことなんかもやっぱりいろいろ考えていただかなけりゃいかぬと思うんです。それで、さっきも出てましたけれども、保険課長は審議会があるというので、私よろしいですといって、ですからその後の質問もやめるんだけれども、「かめりあ丸」なんかでも、二万八千重量トンで船時保険で三日間で一億五千万だという。それで何か長期に掛けさせられるらしいんですね。
 それなもんですから、よっぽど大きな会社ならいいけれども、なまはんかな会社だったら三日に一億五千万ずつも保険金を掛けろなんてやられてったんではもうそれじゃあ会社がつぶれちゃうから、まごまごしたら船をそこへ捨てちゃって引き揚げて帰ってきちゃった方がいいようなことにもなりかねないし、といって掛けないで置いといて、それでこの間もユーゴの船が全部まる焼けにやられたようにやられてしまえばそんなことも言ってられないし、ですから、その辺の点が大変ああいうよその戦争の影響を受けているんだけれども、いろいろと向こうの日本人なり何かの人命の問題、それからまたそういう保険とかいろいろそういう問題が起きてのむずかしい状況に置かれているようなことも含めましていろいろ御検討もいただきたいし、そういうことについてお考えがありましたら、またもう一度整理をして聞かしていただきたいと思うんです。
#236
○政府委員(永井浩君) 御指摘のように、バスラ港には六隻の日本船なり日本船社の用船した船があるわけでございます。先ほどもお答え申し上げましたように、船社は人命の安全を第一に船長の判断で行動しろということを指示しておりますし、私どももそのように指導しておるわけでございます。若干いまバスラ港は第一線から遠のいておりまして現在はきわめて平穏でございますが、再び銃撃等のおそれもございますので、その点は連日本社と船との間で情報の交換等を行っております。したがって、御指摘のような会社の判断との板ばさみになって帰国しがたいという状態はまずないと思いますけれども、御指摘もございましたので、再度船主の方には伝えたいと思っております。
 それから損害の件でございますが、非常に保険料が上がったということで、会社側もかなり経済的な影響を受けているのは事実でございます。これを船社が負担し、あるいは荷主が負担するかどうか、いろいろ契約等によって異なるわけでございますが、そういった問題も含めまして、今後どうするか、他産業の関係もございますので慎重に検討したいと思います。
 なお、乗組員に対する特別な手当等につきましては、労使の間でなお内々検討していると、このように聞いております。
#237
○柳澤錬造君 もうちょっとつけ加えて、きょうこの委員会で、いろいろそういう発言があったからということでもって、運輸省として関係の各社に通達していただけますか。それで、さっきから私言っているのもそこなんですが、皆さん方の方は、会社の方からあれして、それでちゃんとこういうように船長に判断を任してあると言っておられるわけだけれども、私どもの方へ連絡が来て何とかしてほしいと言ってきているのは、もう非常にそこでもって船長が苦しんでいるんだそうですよ。ですから、そういうことのないように、もう少し会社の方でもって、会社に損害を与えるか与えないか、ほかのことと違うんだからそんなに気にしないで、もう遠慮しないで、人命尊重、安全第一で、何ならすぐ引き揚げろと、そういうことを言ってやってほしいと言って、もう一度その辺のことを勧告していただけませんか。
#238
○政府委員(永井浩君) 当委員会で御指摘がございましたことを含めまして、人命第一で行動するように船社の方に伝えます。
#239
○柳澤錬造君 終わります。
#240
○委員長(黒柳明君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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