くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第093回国会 運輸委員会 第3号
昭和五十五年十月三十日(木曜日)
   午前十時四十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     江藤  智君     大木  浩君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                大木  浩君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       警察庁交通局長  池田 速雄君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省港湾局長  吉村 眞事君
       運輸省鉄道監督
       局長       山地  進君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省航空局長  松本  操君
       気象庁長官    増澤讓太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       警察庁警備局審
       議官       武士  孝君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      吉武 秀夫君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     中村 大造君
       日本航空株式会
       社常務取締役   北 雄一郎君
       日本航空株式会
       社常務取締役   萩原雄二郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (船員保険等に関する件)
 (日本航空株式会社の労務対策に関する件)
 (列車妨害事故に関する件)
 (国鉄の車両の汚物処理問題に関する件)
 (新関西国際空港問題に関する件)
 (航空機のニアミス問題に関する件)
 (小樽運河の保存に関する件)
 (新東京国際空港問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、江藤智君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(黒柳明君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に新東京国際空港公団総裁中村大造君、日本航空株式会社常務取締役北雄一郎君及び同萩原雄二郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○目黒今朝次郎君 きょうは、この前時間がなかったものですから、二、三、当面の問題について御質問したいと思います。
 まず、最初に運輸省にお伺いしますが、これは船員局長ですか、日本船舶雇用促進センター、これは、昭和五十三年ですか、発足して大体二年ぐらいになったわけでありますが、この間にどの程度お世話した船があって、どの程度離職船員も含めてお世話をしたのか、その概況についてお教え願いたい、こう思うんです。
#7
○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、船員雇用促進センターは、五十三年の三月に法律に基づきまして指定されまして、六月から発足いたしました。やっております仕事の内容は、離職船員及び雇用船員を外国船に配乗あっせんする仕事、それからそういう船員を技能訓練する仕事と、大きく分けて二つでございます。
 そういう仕事を五十三年から開始いたしまして、五十三年は中途半端な開始でございましたのでその仕事の内容は余り充実しませんで、外国船二十三隻に対しまして日本人の失業船員及び雇用船員を三百三十二人外国人にあっせんしております。その後徐々にPRも浸透いたしまして、ロンドンとかニューヨークの方に駐在員を派遣いたしました結果浸透いたしまして、五十四年度には百六十隻の外国船に対して千五百三人の失業船員、雇用船員を乗せております。ことしに入りまして、五十五年度は九月末日まででございますけれども、ほぼ去年と同じような実績の百五十隻に対して千五十人の船員を乗っけておりますので、五十五年度は恐らく最終的には二百隻及び二千人ぐらいにいくんじゃなかろうかと想定しております。
#8
○目黒今朝次郎君 この業界紙を見ますと、ことしの七月三十一日現在で、離職船員は二百六十八名、雇用船員が二百五十九名と、こういう数字が――これは業界紙です、組合でなくて船員の業界紙で、「五百二十七名の船員送り込む」と、こういう見出しで出ているんですが、いま局長の数字と大分食い違うんですが、時間がありませんからここでどうこう言ってもしょうがありませんから、年度別、船種別に、船の型別に、外国船と日本船で結構ですから後ほど資料でくれませんか。おたくの資料とこの業界紙を突き合わせてみて、納得いくか、そのとり方がありますから、ひとつお願いしたい。
 それで、この船員雇用センターをつくる際に、私も当時運輸の理事として直接携わったんですが、この雇用条件について、これは全日本海員組合あるいは船通労の皆さんを含めて、この外国船に世話するのはいいのだけれども、従来の船乗りの皆さん方の労働条件を著しく下げて、日本の船員の何といいますかな、低額で外国に押しつけると、そういうことにならないのか。それがまた作用して日本の船乗り、外航、内航含めて労働条件なりいろんな既得権といいますか、そういうものを引き下げる作用をしないのかということを大分心配されまして、失業しておるよりもいいけれども、そういう点を配慮しないと日本の船員全体の労働条件が下がってしまうと。東南アジアに比べれば確かにいい点もありますし、いろんな議論になっているところです。
 それで附帯決議がなされておるわけでありますがね、いろんな労働条件については全日本海員組合なりあるいは船通労の皆さんが外航、内航で協約した労働条件を基本として守るように、お世話をする際には頭に置いてやるんだと、そういう附帯決議になっておるんですが、その附帯決議をどういうふうに生かされておるのか具体的にお答え願いたいと、こう思うんです。
#9
○政府委員(鈴木登君) 船員雇用促進センターの雇用条件の点については、特に賃金の点が中心になるかと思います。船員雇用促進センターの賃金の点につきましては、これはドル払いをしておりますので、そのときどきの通貨情勢の変化によりましてあるいは得するとき、あるいは損するときが出てまいりますけれども、原則的には外航中小船主労務協会とそれから全日本海員組合との間の労働協約の賃金ベースをそのままこの外国船への配乗船員の賃金ベースにしております。
 具体的に数字を申し上げますと、これは職員、部員の五十五年度の総平均の賃金でありますけれども、雇用促進センターの派遣船員に対する支払い賃金は、貨物船、バラ積み船、タンカーの大型、中型ということで別々に分けておりまして、一番低いのが貨物船の二万トンの二十九万九千四百四十一円。一番高いのがタンカーの五万トンクラスでありまして、三十一万九千五百五十四円というふうな金額になっております。
 それに対しまして、先ほど申し上げました海員組合と外航中小船主労務協会との五十五年度の協定賃金の平均が三十一万七千二百二十円ということになっておりますので、これから御推察いただきましてもおわかりになりますとおりに、外航中小船主労務協会ベースの賃金を船員雇用促進センターの方で支払っているということになっております。
#10
○目黒今朝次郎君 船乗りの皆さんは、われわれ国鉄の機関士、運転士と違いましてね、いま多分局長言ったのは、基本賃金といいますか、基本賃金は確かにいま言われたようなところで若干まあ接近していると。しかしそれを基盤にしていろいろな手当があるわけですね、御存じのとおり。その手当の方はなかなか厳しいようだと。まあ船乗りというのは、総額、総手取りで考えますからね、総手取りで考えますから。総額、総手取りで考えると、大体悪い場合は半額、いい場合でも六割か七割、そういう点で、確かに公務員流に言う基本給は、いま言ったとおりある程度接近しているけれども、それを基盤とした船乗り特有のいろいろな手当があるわけですが、その総手取りを考えると、やはり依然として一〇〇対六〇か七〇だというんでは困るではないかと。
 私は余り横文字など自信がないわけでありますが、でも結構いろいろ私のところに――実際おたくに世話になって船に乗っておって、私にちょいちょい、一カ月に二、三通は手紙が来るのです。で、私、あるところに行ってそれを訳文してもらうのですが、現地の船乗りから見ると、隣の方がもらうそれの六割か七割しか総手取りがないと、そういう点でやっぱり苦情を訴えて、いろいろな船内でいざこざのもとになっている。私の友達の斉藤某なんという人は、もう途中で下船しちゃって日本に帰ってきていると。それを聞いてみますと、やっぱり名目はいいけれども中身が違うと。そういう点が非常に苦情としてあるわけであります。
 でありますから、船員雇用センターのできた趣旨、いわゆる船員の雇用を確保するという点では非常に御努力願っているのですけれども、それは敬意を表します。ただ、やっぱり余り慣行化されて、二年、三年になりますと、それが固定化しちゃって、船乗りの相場はこうなんだと、こうなってしまうと、日本海員組合なり船通労に入っている皆さんがだんだんだんだん傾斜配分されて、全体のレベルが下がってしまうと、そういうことになりかねないということを非常に私は心配をしておるわけでありまして、そういう点では、その点についてもう少し手の込んだ配慮なり中身の検討をお願いしたいものだなあ、こう思うのですが、そういう実態については、船員局長耳にしたことありますか。またあるとすれば、やはりその点はこういう方向で、一遍にはむずかしくても、将来への展望としてこういうことで努力して皆さんにこたえたいと、そういう指導方向でもあれば、含めてお答え願いたいと、こう思うのです。
#11
○政府委員(鈴木登君) いま御指摘の点につきましては、私どもの方でも十分注意しておりまして、先ほど申しました賃金ベースの点につきましては、中小労協のベースは基本給に家族手当、読み上げますと切りがないのですが、二十数項目の付加手当があるわけでございますけれども、その付加手当を全部足した平均値と、それから雇用センターベースの平均値を比べましたものですから、余り実質的には差がないと思います。
 それからなお、御指摘の点につきましては、これは年間一度必ず公開しておりまして、五十六年以降は、来年以降はまたこれに対して十数%増の賃金提示をするということになっております。したがいまして、私どもも、御指摘のとおり余り日本船に乗っております船員との差がないように指導しておりますけれども、何せ配乗する相手国が大体先進国が最近多うございますので、そういう点でも余りかっこうの悪いことはできませんし、できるだけ御指摘のとおりの指導はいたしたいと思います。
#12
○目黒今朝次郎君 それは先ほどの問題も含めておたくでつかんでおる代表的な職種別の所得の状況ですね、それなども後ほどもらいまして、私も現におたくの世話になって乗っておる方からの書簡が何通か来ておりますから、それと照合しながら、附帯決議が生かされるようにさらに努力をお願いしておきたいと思います。
 それからもう一つ。これはマルシップで乗った方々が船通労、いわゆる通信士組合の方から船員局長の方に申し入れがあって、ことしの初めですか、一月か二月ごろ組合側に回答した。それが一件、二件、三件、四件、おたくの方で組合の方に提示した。これは新和海運の通信長、一九七九年十一月十一日沈没、死亡。それから、同じく安芸海運というところの方が一九七九年十二月二十八日沈没、死亡。名前は梅沢さん。それから同じく久保海運で、この人は一九七九年十一月遭難、それから東海商船の宮原氏の死亡、こういうのが、これマルシップに乗った方で事故で亡くなった方のおたくの方からの資料で、組合側に教えたそうです。
 それらで共通することは、この死亡された方々は全部、船員保険に加入してないんですね。船員保険に加入してませんから、いわゆる死亡した場合の遺族の補償、生活の保障、何もない。しかし雇った方でも人間的な良心があるとみえて、船員保険には加入させないけれども、プラスアルファのかっこうで、新宿のバス事件で、百万から二百万ぐらい見舞金として出そう、重病、重症者には百万円を限度に出そうと、そういう無差別事故の際の法律はできてないけれどもプラスアルファでめんどうを見よう、お葬式代ぐらいはと、そういうことはおたくの調査で見ますとそれなりにやられておるようであります。それはそれとして私は了解しますが、やっぱり船乗りである以上、船員保険に加入しないで外国船であろうと国内船であろうと乗せておくというのは、これは本来間違っておると。
 きょうは日航の皆さんが来ていますが、日航のパイロットに、おまえさんはプラスアルファでがまんせいということになった場合に、じゃ日航の操縦士が乗るか。これは乗らないと思うんです。私も国鉄二十何年の機関士ですがね、国鉄にはそんな制度がありませんから、これは総裁に言われれば乗らざるを得ません。
 しかし、船員にはきちっと制度があるんですから、これはやっぱり船員保険にきちっと加入させる、そして乗せる。それで、船員保険に加入させない者はおたくの指導力できちっと押さえておく。そして、死亡した方についてはそれに見合う補償をする。当然会社も辛いだろうけれども、遺族にしてみれば大変なことですよ、これは。ほとんど、これは一件も解消されていないというのが現時点の報告です。
 これらについてどういう経緯であったのか、また船員保険に加入しない者についてどうなのか。やはり当面早急にこの問題について船員局としてはどういう指導を行うのか、その件について見解を述べてもらいたい、こう思うんです。
#13
○政府委員(鈴木登君) マルシップの船員保険の加入の問題につきましては、先生御指摘のとおりの問題が実はございまして、ただ非常にお恥ずかしい次第でありますけれども、船員保険の仕事は厚生省の所管になっております。したがいまして、私どもも普段からそういうマルシップの問題について厚生省にそういう問題点を指摘はしております。
 ただ、厚生省の方でも非常に困っておりまして、マルシップの船舶所有者の方の把握がなかなかむずかしゅうございまして、なかなか船員保険料を払ってくれないというふうないろいろの問題があるようです。それで、私どもの方も、マルシップの船舶所有者に貸し渡す方の日本の船主に対して、いろいろと貨し渡し許可をいたしますときに、船員局の方にあるいは現地の海運局の方に呼びましてそういう問題をいろいろと、船員保険に加入するように、あるいは船員法を十二分に守るようにという指導はしておりますけれども、なかなか思ったとおりの指導が行き届かないというのが現状でありまして、非常に申しわけないと思っています。ただ、今後とも御指摘のような点につきましては十二分に行政指導を徹底して、できるだけ一社でも多く船員保険に加入するように指導いたしたいと思います。
 ただ、残念ながら相手が外国に本社のある外国の会社でございますのでなかなかそこまで行き渡らない。ただ、かなり日本の船会社の支配下にあるところは非常にやりやすいんですけれども、全然支配下にないようなところは事実問題として指導が徹底しないという点がございますので、御了承いただきたいと思います。
#14
○目黒今朝次郎君 大臣、いま船員局長が言ったとおりなんですよ。これは私、社会労働委員会でもやりました。そうすると、やっぱり同じような答弁が返ってくるんですよ。これはやっぱり船を監督する運輸大臣として、また内閣全体の、鈴木内閣の閣僚として、いろんな事情があるにしても、日本の船員が船員保険もかけられないままに船に乗せられて、それで事故があって亡くなった、死亡する、その場合に、外国の船乗りはそれなりの、二千万、三千万の補償を受ける。日本の船乗りはたかが二百万や三百万でけりがつけられる。こういうことが一体、公海の原則、船乗りの国際性から言ってあっていいのかどうか。これは日本の内閣として、そういうことはやっぱりまずい、あってはならない、そういう点で、これは国際的な問題として――いま船員局長はそれなりに事務レベルとして努力をしておりますが、やっぱりこの問題は私は国際的な問題として政治的に内閣が責任持って処理すべきだ。
 現にいま運輸省海運局で調べたこの四名の方々がいまだに何らの補償もないんですよ。こういうことも含めて、やっぱり早急に船員保険に入れる。船員保険に加入をしない、あるいはさせない船主についてはそれなりの措置をするということを担当大臣として、それから大きくは鈴木内閣の閣僚として、この船乗りに対する問題についてはいかがでしょうか、ひとつ見解と決意を聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#15
○国務大臣(塩川正十郎君) まず、政府部内におきます検討はできるだけ早く積極的に進めてまいりたいと思います。と同時に、相手国の雇用船主の方との関係もございまして、これにつきましてもあらゆるチャンネルを通じまして検討を重ね、御期待に沿うような方向でわれわれも努力してまいりたいと思います。
#16
○目黒今朝次郎君 大臣の答弁は了解しますが、これはやっぱり外務大臣であるとか農林大臣、厚生大臣も含めていろいろ関係大臣がおることですから、関係大臣を含めて早急にこれに対する対応をぜひ決めてもらう。当面はこの亡くなった方々の救済について船員保険に見合う裏づけをしてもらうように関係の外国の船に早急に交渉してもらう。国全体としては、今後この外国船の問題、マルシップの問題についても船員保険をつける、そういうことをできれば私は法制化も含めて考えてもらいたいと、単に口約束でどうのこうのじゃなくて、やっぱり船員法の改正の問題も含めて、法改正を含めて積極的に考えてもらいたいと、こういうことをお願いして、同時に船員局なり厚生省は、法制化の裏づけの問題について、積極的な法律改定の作業に取り組んでもらいたいということを要望しておくんですが、大臣、これに取り組んでもらえますか。
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) 努力してまいります。
#18
○目黒今朝次郎君 じゃ、これはお願いいたします。
 次に、日航の常務のいろんな都合があるようでありますから、日航の問題について、きょうは社長に来てもらいたいと、こう思っておったわけでありますが、外国に行っていらっしゃるとかいうことなど含めて今回は来ておられませんので、ひとつこれは運輸大臣に前もってお伺いしたいんですがね、この前も言ったとおり、この日航の十億円差別問題というのはずいぶん長い問題でありまして、日航の株式構成についてはこの前申し上げました。予算、決算、事業計画についても、まあ事務的には航空局長、最終的には運輸大臣の認許可の問題であると思うので、そうしますと、国鉄の労使関係などの際には、労使の問題だといってお話がありますが、この日航の問題については、国鉄と違った政府側の発言権なり行政指導というのがあってしかるべきだと思うんです。そういう点から言うと、運輸大臣として、日本航空に不当労働行為があっていいなんという答弁は私はしないと思うんであります。
 しかし、お互いの労使で議論があって、それがまとまらなくて、第三者である都労委にお願いして、これも長い間議論を重ねて、労使の皆様はもちろんのこと、会社側も弁護人を立てていろんな反論もする、組合側も反論する、そういう幾つかの行動を重ねて、第三者の公益委員の先生方が判断したのが私は都労委命令だと、こう思うんですよ。やはり運輸大臣として、その都労委命令を緊急の課題として、都労委命令をたたき台にして労使が歩み寄って、やっぱり労使関係の和解と今後の正常な関係というのは当然持つべきだ、努力すべきだというのが私は当然の筋道だと思うんです。
 そういう問題について、日航の社長なりあるいは労働組合なり――日航にも労働組合二つ三つあるようであります。私も、三つ四つの組合にもう二十何年苦労してきましたから、それはわかります。わかりますけれども、やっぱり運輸大臣として、日航労組だけじゃなくて、関係する組合も呼んで、やはりこの辺でたたき台にして、お互いに和解すべきじゃないか、そういう努力は、運輸大臣として私は当然行われるべきだと、こう思っておるわけでありますが、航空局長も含めてそういうことを具体的になされた経緯があるのか、一番短い、一番近い時期でいつごろ、これは五十五年二月二十八日ですからね、命令が出たのが。いまは十月ですから約八カ月間ありました。この間に、一番最近の時期でそういう指示を日航の労使にお話ししたことがあるかどうか、あるとすればいつ呼んで、中身は、こういう話をした、その際の労使の回答はこうであったということを含めて、運輸大臣にひとつ見解を聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#19
○政府委員(松本操君) 具体的な点について私から最初にお答え申し上げるのがしかるべきかと存じますが、この問題がございましたのは、いま先生おっしゃいましたように二月の下旬でございました。この時点後、一体この問題をどう扱うのかという点について私どもとしても関心を持ったのは当然でございます。
 したがいまして、私自身、日本航空に対しましては、何月何日ということをいま明確に記憶いたしておりませんけれども、日本航空の幹部に対しまして、本件については長い間の議論があったことでもあるし、しかし会社側にいろいろと不満とするところもあるようである。問題は、基本的には労使の問題であるので、私自身が独自の判断をもってとかく言う立場にはないけれども、しかし航空局としても、日本航空の労使の問題が可能な限り円滑になるということについては関心を強く持っておるところから、この問題について、常識的なレベルでなるべく早く解決がつくようにせっかく努力をするようにということは申しました。
 組合の方は、私は直接そういうことは申し上げておりませんが、逆に組合の方から私の方に対して面会の要求があり、多少の紆余曲折はございましたけれども、一応組合の方に対してもいま申し上げましたと同様な趣旨を申し述べた経緯がございます。
 その後、日本航空としては組合とともに中労委にこれを持ち出して、中労委の場において、労使双方において手続に従って議論が行われておると、このように私どもは承知をしておるわけでございます。
#20
○目黒今朝次郎君 それはこの前もう聞いたの。私はむしろ何月何日だれだれを呼んで会ったということが聞きたかったんですが、それはあれしましょう。
 それじゃ、日本航空の方にお伺いしますが、一番最近の時期で、いま航空局長が言った話が一番最短距離ですね、いま十月ですから。いや九月にありました、八月にありましたと。あなたの労務担当の常務理事として一番記憶に新しい時期、それはいつころですか、そしてどなたが航空局長と会ったのか、それをひとつこの際明らかにしてもらいたいと、こう思うんです。
#21
○参考人(北雄一郎君) お答え申し上げます。
 ただいま航空局長が日本航空の幹部を呼んでお話ししたと、こう申されましたが、そのとき私が参ったわけでございまして、ただいま航空局長が言われました時期に、局長からそのような趣旨のお話をしかと承っております。
#22
○目黒今朝次郎君 これ、国会の審議だから、ロッキード事件の調書じゃないけれども、何月何日、朝田社長が会えなくて常務が航空局長に会ったとか、そういうふうに、お互いにノートを持っているんですから、いついつ会いましたというふうに具体的に私は答弁をしてもらいたいと思うんです。まあ要望しておきます。抽象的に言われたって、抽象的なことは、もうこんなの全部わかっているんですから、それを具体化するためにお願いしているんです。
 じゃ、ひとつお伺いしますが、その際に、手続、手続と言われますが、私は中労委の問題で二つ、三つあるんです。一つは、日航の方が中労委に持っていく際に、中労委の担当の公益委員の方から、やはり不当労働行為というのはよくないことだと、しかも個人の生活にかかわる問題であるから、やはりこの際和解をしたらどうか、和解をする意思があれば中労委としてもいわゆる仲の場を取り持ちますよ、和解をしたらいかがですかと、そういう和解勧告があったと聞いておりますが、また私は確認します。この和解勧告をなぜ日航側が拒否をされたのか。そして航空局長は、こういう和解勧告についてその時点でお話があったのかどうか。お話があったとすればどういう方向を示したのか。双方から、この中労委の和解勧告に対する対応の仕方について見解を、この際参考までに聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#23
○参考人(北雄一郎君) 本年の五月でございますが、ただいま先生申されましたように、中労委から、審問に入る前に、審問に入らないで和解をしたらどうかという打診がございました。これに対しまして、日にちまでは恐縮でございますが、いま直ちに存じておりませんが、たしか六月までに考えてこいと、こういうことでございましたので、そのようにいたしたわけでございますが、結果的に残念ながら私どもとしてはそれをお断り申し上げまして、やはり審問をやっていただきたいと、こういうことを申し上げました。自後そのようなことで本日までまいっております。
 なぜしからば審問前の和解というものをお断り申し上げたかということでございますが、私どもといたしましては、繰り返すようでございますけれども、都労委の命令というものが、私どもから見れば事実の認識等において間違いが相当ある、したがってその誤れる認識に基づいた判断というものについてもとうていいただきかねる点が多い。したがって、中労委という段階に当時移っておりましたから、中労委に対しまして証人を立てるとか、それから新たにいろいろ書面で書証を出すというような中で、中労委におかれましては誤りのない事実認識をしていただき、そして、その上で公平、公正な判断をお願いしたいと、こういうことでございましたので、したがいまして、やはり審問という手続によってその立証ということを十分にかつ精緻にしていただいて、ただいま申しましたようなそういう審理をしていただく、このことがどうしても必要であって、それを中労委がなさいます前に、従来の材料だけで和解ということでは困る、こういう考え方からこれをお断りして審問をお願いした、こういう次第であったわけでございます。
#24
○政府委員(松本操君) 六月の中旬であったと記憶しておりますが、日本航空の方から、和解の話が中労委の方からあったこと、しかし、会社側としては都労委の判断についていろいろと申し上げたいこともあって中労委に再び御議論をお願いしていることでもあること、したがって、現在和解をするとすれば、都労委において行われた材料よりほかない、少なくとも中労委に話をお願いしているからにはもう少し中労委で話を聞いてもらいたいと思っております、したがって、和解というお話はあったけれども、まず審問にこぎつけるということについて努力をいたしたい、こういう報告があったことは承知をいたしております。
 私は、和解を受けるべきであるとかないとか、そこまで立ち至って申すべき立場にあるとは存じませんので、そのようなことであるのかということを承知したにとどまっております。
#25
○目黒今朝次郎君 航空局の方は後でまた聞くとして、参考人ね、あなたは労務担当だといいますから、労働組合法第二十七条五項、この本文によって確かに初審命令が不服な場合には中労委に行けるとあります。ただし初審命令の効力は停止できない、そういう公益委員の申し合わせに従っておたくに命令の勧告――実施の勧告ですか、実施の勧告をしていますね。これはどういうふうにお受け取りですか。
#26
○参考人(北雄一郎君) 仰せのように履行の勧告というのをいただきました。これに対しましては、私ども、これを履行いたしますと、その都労委命令そのものにつきまして、先ほど来申しておりますように、とうていこれは会社として承服できないものである、したがいまして、中労委に再審査申し立てをしておって、再審査をお願いしておる、こういう段階にある。そういう中で都労委命令を履行するということになりますと、将来原状回復が困難になる、そういう理由で、遺憾ながら、この履行の勧告をいただきましたけれども、履行し得ないのでありますと、こういうことで御返事を申し上げてございます。
#27
○目黒今朝次郎君 私はそこを朝田社長に聞こうと思ったですが、それはこの前の委員会で、労働省の法規課長の答弁で、都労委の命令とそれから中労委の審理の関連については、履行の義務があると、そういう労働省の見解をきちんとこの前述べたはずです。法律ではそれは履行の義務がある、だから都労委も中労委もやっぱり専門家でありますから、あなたの心配するとおり、これとこれとこれは除外してこれだけはやりなさいよという、関係を除外してこれだけは公益委員の申し合わせとして、当然、中労委あるいは上級審に異議申し立て中であっても初審のこの面は効力があるんですよと、そういうの法的にきちっとなっているんでしょう。
 だから私は、おたくが法に従って上級審である中労委に審問をお願いするということ、それはいいんですよ、それはいいけれども、しかしやっぱり労働委員会の運用について、ここにあります労働委員会の「制度と手続」という解説にあるとおり、やはりその中でも初審命令が有効な部分がきちっと法的に規定されている。その法的に規定されておる面だけはやっぱりあなた方も実行して、組合の方に払って、そして異議のあるところは異議のあるとして法に従ってあなたたちが上申をしてくる。そして上級審の命令が出た際にどうするかという点はまたこれは法に従って手続があるわけでありますから。あなたは、簡単に言えば自分たちの都合のいい点は中労委に上申している、労働委員会の申し合わせに従って、しかもこれは労働者、使用者の代表じゃなくて、公益委員の方々が不当労働行為の段階で取り扱う申し合わせとしてきちんとこれは勧告がされ、労働省もこれを指導しているわけですよ。そっちの、おたくが当然行うべき義務は全然履行しないで、権利だけあなた方がやっている。そこに一方通行ではありませんかということを私は言いたいんですよ。
 おたくの主張する権利についてはいいです、大いにやりましょう、権利。でも当然初級審で都労委の命令で実行しなければならない法的義務があるんです。法的義務については果たしてください。権利だけ主張して義務を果たさないというのはやっぱり――目黒今朝次郎が動労委員長当時ずいぶんたたかれましたね、皆さんから。私はやったつもりでありますが、これは見解の違いでありますが、しかしこの問題は、中労委と都労委の関係については権利は主張して結構、和解はいやだと言うんですからね。でも義務だけはやっぱり果たしてくださいよ。ここについてはどうですか、権利と義務の関係。
#28
○参考人(北雄一郎君) まず都労委命令の中で、会社として履行し得る部分と履行し得ない部分とがあるのかというお尋ねがあったように思うのでございますが、その点につきましては、私どもは都労委命令そのもの全体についてこれは履行し得ない、こういう考え方でございますので、その中で履行し得る部分について履行するというふうな考え方はないわけでございます。
 それから全体の問題でございますが、確かに初審命令につきまして、再審査申し立てがありましてもその効力が失われないということは事実でございますし、私どももよくそれは承知いたしております。ただ、一方、初審命令を履行させる強制力というものはございません。この場合は、これは命令を履行しないことがあってもいたし方ないと、そういう法の趣旨であると、そういうように私どもは理解をしておるわけであります。したがいまして、現在確かに会社は初審命令を履行しておりませんけれども、それは先ほど来申しておりますように、一遍履行しますと原状回復がとうてい困難となるということから履行しないでいるのでありますけれども、それはいわば法の予想する範囲内のことであるというふうに考えておる次第でございます。
#29
○目黒今朝次郎君 これは、労働組合法第二十七条五項、行政不服審査法第三十四条一項、国税通則法第百五条一項、大体この三つの法律の条文は、いま私が述べた形ということを法的に裏づけしておる関係法だと思うんです。あなたの方は、いま、言葉じりをつかまえるわけじゃありませんが、これを初審命令を実行してしまうと、中労委の命令とずれがあると原状回復に非常に困難を来すというのがどうも最後の御意思のようであります。しかしそれは持ちつ持たれつ、労使関係ですから、あなた方がそういう関係をつけるも、差別待遇をされた多くのパイロットなり従業員にしてみれば、その差別待遇されたその期間、三年も五年も十年もじいっと今日まで生活上に影響を与える差別を受けているんでしょう。差別を受けている者の立場からすれば、初審が出たなら実行してもらいたいというのが、これはまた当然だと思うんですよ。
 ですから、あなた方は自分の都合のいいところたけつまみ食いしちゃって――人数か多い少ないということもあるでしょう。しかし、不当労働行為というのは人数の多い少ないに関係ありませんからね、この法律は。だから、私はやっぱりいま申し上げた労働組合法だけでなくて、行政不服審査法あるいは国税通則法、この面からいっても、権利は権利としておたくは主張して結構でありますから、やはり初審命令の差しさわりのない点だけは実行して、一日も早く労使関係を和解に持っていくべきだと、こういうふうに思うんですよ。
 ここは私はむしろ、あなたは常務として実務家でありますから、社長として政治判断をしてどうなのかという日航全体の私は問題にも絡んでくると思うんですが、これはこれ以上あなたに言いませんから、そういう権利と義務の問題で、目黒議員からこういう指摘があったという点を社長に十分に伝えておいてほしい。必要があればまた改めて社長とやりたいと思います。
 運輸大臣、ここまできますと、運輸大臣は日本航空株式会社の法律によって予算、決算、これをやる立場になるんですかね。いま言った初審命令をやるとなりますと、バックペイだけでも最低五億円、日航の広報を見ますとバックペイは五億円といっていますから、これは間違いないと思うんですよ。五億円のバックペイを払う必要がある、都労委の命令がそれを、支払いを指示するとなりますと、五十四年なり五十五年の予算と決算の中で、大株主である政府側がバックペイの五億円を予算上、資金上、どういう見直しなり点検をしたのか。全然問答無用でそんなの関係なかったのか。
 あるいは同じ政府機関で、労働省は、当然払わなければならない、ただ、払わない場合には罰則がないとこの前言いました。罰則がないからほおかぶりせいということが運輸省の言うことなのか。罰則がないけれども、都労委の命令と中労委と労働省の見解と、これを総合してやっぱり日本航空の予算と決算に当面バックペイの問題を計上をするのが当然だと私は見解を持っているわけでありますが、この五十四年度の決算、五十五年度の予算の中に、この日航の不当労働行為、都労委命令の初審を実施する範囲について、予算、決算で触れたのか触れないのか。触れたとすればどうだったのか。触れないとすればどういうわけだったのか。これはひとつ塩川運輸大臣から、もう航空局長は何回も聞きましたから、運輸大臣から、この予算、決算の監督の大臣としてどういう見解なのか、お聞かせ願いたい。特に五億円のバックペイです。
#30
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの五億円の問題でございますが、これは担当いたしております局長から答弁するといたしまして、私は、先ほど来のやりとりをずっと聞いておりまして、まあこういう労働紛争というのは、会社といたしましてもやはり深刻な問題でございまして、だからといって、これは、政府は従来終始一貫いたしまして私企業におきますところの労働紛争には介入しない、これが国民生活に非常に重要な問題が、影響があるという場合は別でございましょうが、現在、日本航空も正常に運営をして、経営をいたしておりますことでございますし、運輸行政全般についてこの労働紛争が大きい影響をもたらしておる状況ではないように思っております。でございますから、労使の間でぜひひとつ円満に、早期に解決してくれることを強く望んでおります。
 しかし、労使双方ともそれぞれ法に準拠して現在その紛争が継続されておるように思うのでありますが、できるだけ早く解決するよう私たちも自分なりででき得る努力はしてまいりたいと思うております。
#31
○目黒今朝次郎君 大臣ね、一般的な答弁ですからそれはわからぬわけじゃありませんが、日本航空株式会社法によって役員人事、事業計画、資金計画、年度予算、事業運営上の重要事項についてはすべて運輸大臣の認可事項になっているわけですね。あなたの言葉じりつかまえると、一番最後がどうもポイントのようである。日本航空の運営がスムーズにいかれておるから、国民生活に重要な影響がないから政府はいまのところ介入することは適切でない、労使に任せると。
 じゃ逆に聞きますが、こういう紛争問題で、あなた方は関係ないといっても、当時のパイロットにしてみればやっぱり深刻な問題ですよ、五年も十年も差別扱いを受けて、同じ運航しておって。そのことが頭にあって家庭紛争になって、そのために判断を誤って二百人、三百人のエアバスとかあれだけの飛行機が墜落してパアになったと。そういう可能性を持っている仕事に携わっておる方々の労使関係であるから私は心配しているんですよ。その問題が発端になって多くの旅客に死傷を与えたというときに言いわけ言っても遅いですよということを、私は自分の経験から先取り先取りで言っているんですよ。
 少なくともこういう公共交通を扱い、しかも、特に新幹線「ひかり」より以上に可能性を持っているこういう事業体については、やはり大臣はもう少し、五億円というバックペイですからね、これは大変なバックペイですよ。もう少し真剣に、深刻に取り扱ってもらいたい。あんたたちがそういう姿勢であり、航空局長は以下同文でいるから依然としてこの問題――私が国会に来たときもこれ言ったんですよ、四十九年か五十年ですか。同じ陸海空の車へんの仲間としてこれは困ったもんだと。それから何年ですか。もう五年ぐらいたっていますかな、私が取り扱ってから。
 ですから、その根源はやっぱりいまの運輸大臣の根性にある、悪い意味の根性。それをいい意味の根性に治してくださいよ。関西空港の問題だけが頭にあって、そんなことばかり頭に入れてないで、金もうけにはならないけれども、やっぱりパイロットがおるからこそ運営が成り立つんでしょう。私はそう思うんですよ。ここに総裁がおるから、副総裁がおるから国鉄も動いておるでしょう。しかし、現実、この時間でも秒単位で走っている新幹線の運転手がおるから国鉄は文句言われながらも動いているんですよ。航空機だってそうでしょう。それは、いろんな皆さんがおりますから私、言いません。やっぱりパイロットの皆さんが一番仕事の中枢じゃないですか。そのパイロットの皆さんの中枢の仕事を、あるいは整備の皆さん、そういう方々が労使関係で頭にいざこざが残っているというのは余りよくない。私の考えが過ちか。
 やはりこの際、一歩突っ込んで、運輸大臣としてこの問題を解決しよう、ぜひそういう気になってもらいたい。私も車へんでありますからずいぶん気がつきます。きのうだかおとといもありました。二七三便の病人が発生したときのいろんな全日空の取り扱い、私も乗務員ですから、これどうなのかと思いました。でも、こんなこときょうは言いません。やはり大事なお客さんを預かっている仕事だと、その労使関係だということをもう少し踏まえて、私は突っ込んだあなたの姿勢をぜひ求めたい、こう思うんですが、いままでどおりですか。どうか、目黒議員の言うことであれば、万が一、何万分の一に過ちが起こったら大変だと。日本航空は幸い政府が四〇%の株を持っているんですから、大株主ですから、何とかこの問題について朝田社長と連携しながら前向きに取り組もうと、そういう意思にぜひなってもらいたい。ならなければ私は日本航空の会社法の改正など絶対反対しますよ。当面の体質を改善しないで、自分の都合のいいところだけやるなんて、それは私はもう体を張って反対します。
 当面の課題は課題として解決するという姿勢を、運輸大臣どうしても持ち得ないですか。私は持ってもらいたいと、こう思うんですが、再度……。
#32
○国務大臣(塩川正十郎君) いま紛争の当事者関係にあります組合の方が、私の聞いておりますところによりますと、仄聞するところによるとパイロットの方はおられないように聞いております。が、しかしそれは別といたしまして、同じ会社の中でそういう紛争がいつまでも続いておるということは望ましくないことは当然でございますし、しかもこの会社が人命を預かる、特に航空という重要な業務に携わっている会社でございますから、私といたしましてもそれはおっしゃるまでもなく重大な関心を持っておりますし、今後の推移につきましても私はさらに一層重大な関心を持って推移を見守っていきたいと思うております。
#33
○目黒今朝次郎君 要請します。
 政府委員の後ろの席の人がパイロットおりませんなんて、そんな告げ口したってしょうがない。あなたは運航と整備の関連というのは素人です。きのう私の乗った飛行機、飛んでおって、ボンベ一つの間違いだって爆発することもあるし、大変なことですよ、少なくとも。そんなパイロットとかなんとか言いなさんな、われわれは専門家ですから。運転と整備というのは表裏一体ですよ。運航と整備は表裏一体です。
 それから日航側にお願いします。私も長い間不当労働行為を経験してまいりました。まあきょうは岩手バスの問題、もうちょっとあれだって言うから私は政府委員の意向を尊重して言いません。その岩手交通の問題だって大臣の努力によって解決しました。感謝します。しかし、その根底はやっぱり第一審ですよ。地労委が解決のたたき台です。上級審に行ったって結局抽象論になっちゃって、一番根っこの、一番最初の地労委段階の判断がすべてと言っていいくらい、九九%不当労働行為の和解のポイントであり、労使が和解する実績がほとんど地労委であります。
 そういう意味で、私は都労委の皆さんが長い間かけて労使の意見を聞いたというのは貴重な和解に持っていくたたき台だと私の経験からそう思うのであります。もう一度都労委の認定について再考してもらいまして、でき得れば、この前聞きましたら一年半かかって中労委で審査するというんですな。これは私は一年半、ちょっと長いような気がします。せめて、弁護士さんもいっぱいいらっしゃるんですから、一週間に二回か三回精力的にやってもらって、少なくとも半年やあるいは一年以内に中労委の結審が得られるように、これはむしろ組合側よりも会社側の取り組みの姿勢がこの長い短いを決めると思いますから、これについても要望しておきますから、社長と十分、答弁は要りませんが、協議方、努力方要請しておきます。
 次に、国鉄の列車妨害の問題についてちょっとお伺いします。
 本当は国鉄の問題でありますから、再建法が来てからゆっくりやりたいなと、こう思っておったわけでありますが、そうもいきませんから、警察庁でも鉄道公安でも結構なんですが、昨年一年間列車妨害と言われるやつがどのくらいあったんでしょうか。数字的にわかればちょっと参考までに教えてもらいたいと、こう思うんです。
#34
○説明員(吉武秀夫君) 妨害事件でございますが、昭和五十四年度は八千三百件でございます。最近は若干減少の傾向がありまして、五十年に比較して千四百件減少しております。置き石であるとか置き物とかあるいは踏み切り障害は若干減少しておりますが、悪質なものとしては踏み切りの障害、線路支障、あるいは転轍機の妨害等によります脱線事故が十六件発生しております。それによる列車の遅延は六千六百二十四件というような実害がございます。
#35
○目黒今朝次郎君 いま吉武常務からあったとおり、大変な件数が出ているわけですね。私は最近の傾向の中でどうしても理解できないのは、私も仙台でありますから松川事件は経験があります。私も乗務員でありまして、亡くなった乗務員も私の友達、亡くなった機関助士もわれわれの後輩、福島でありますから同じ運転の持ち区間でありますから。松川事件の発生当時も、私、技術をやっておりましたから一部始終この体が覚えておるわけであります。
 したがって、松川事件のことを考えますと、最近の、特に私は警察庁にお伺いしますが、昨年の十月十日、成田線で列車乗務員襲撃事件がありましたね。この列車襲撃事件というのは、その後どういうところまでいっているんでしょうか、参考までに話せる範囲で捜査の現況などについてお話し願いたい、こう思うんです。
#36
○説明員(武士孝君) 昨年の十月の事案でございますが、私ども現在鋭意捜査中でございます。十月九日、十日の朝にかけての事案と、十月十日の夜の事案と二つございますが、いずれも現在鋭意捜査を進めているところでございますが、最初の事案につきましては、これまで犯人一人を検挙しておりますが、これを足がかりに、今後事件の解決に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
#37
○目黒今朝次郎君 いまたまたま私、次の質問をしようと思ったら、おたくやっぱりわかっておって、十月十日同じ日の朝六時十七分、列車襲撃事件があった七百メーター近くに、ちょうど松川事件再現と同じような線路妨害事故があったわけですね。犬くぎを抜く、調節板を外す、しかもカーブ。これはたまたま成田保線区の区員が、これは若い方で松川事件のことは全然知らない方ですよ。まあ参考までにAとしておきましょう。この成田保線区のA君の言うのにも、これは目黒さん専門家ですね、やった人は。この犬くぎを抜いておる場所といい、調節板の外しぐあいといい、しかもAとBの線路の継ぎ目のずらしぐあいといい きわめてこれは専門家ですねと、こういう話をいみじくも言っていました。
 私も鉄道隊で四年半行ってまいりましたが、鉄道隊というのは相手の列車を爆破する、脱線転覆させるというのが鉄道隊の任務であります。同時に、脱線転覆させられたわが軍の線路、機関車をどういうふうに早く回復して軍事輸送をやるかというのが鉄道隊の任務でありますから、私も四年半戦地で爆破をしたり脱線させたり転覆させたりやってまいりました。その自分の兵隊の経験なり――あれは目黒がやったのかという人がいるかも知れないが、そんなことは関係ない。やっぱり相当専門的な場所の設定とやり方だということを若い保線区員も言ってます。
 でありますから、私はこれは相当真剣にやってもらわないと大変だ、こう思うと同時に、この六時十七分にこういう事件があって、鉄道公安官を通じておたくに情報が行ったと思うのでありますが、そういう事件があったにもかかわらず、警戒体制をとらないまま夕方二十二時四十四分発煙筒をたいてとめて、機関車を襲撃されて、それで機関士の時計、こういう時計までめちゃくちゃにして、運転のかばんを持っていくと、こういう事件が夕方あったわけですね。朝にこういう事件があったら、一体捜査の常道として警戒態勢に入るのが常道じゃないんですか。
 私は鉄道公安の方にも聞きたいんですよ。これだけの事故があったら、やっぱり成田線おかしいと言って公安官を使って巡回させるのが運転の常道じゃないんですか。それをなぜそういう発動をしなかったのか。発動したけれども合わなかったのか。その辺の因果関係がやっぱり私は問題だなと、どうも臭いような気がすると言うと語弊がありますが、やはり因果関係はなかったのかあったのか。まだ証拠がないから言えないと思うんですが、少なくとも警戒態勢のあり方としてはどこか欠陥が、同じ線路で同じ日に朝と夕方にあったというのは、しかもどっちも悪質。どうも私は普通のことでは解釈できない問題点をはらんでいると、こう思うんですが、私の見方が酷なんでしょうか。どういう警戒態勢をとったか、それを聞かしてもらいたい、こう思うんであります。
#38
○説明員(吉武秀夫君) この十月十日の朝六時十七分の件は、確かにそういう事件がありましたんでございますが、ちょうどこの後十月の二十一日反戦デーということが計画されておりましたものですから、そういったことも含めまして、われわれとしてはかなり警備態勢を増強することにしておったわけです。この十月十日のときには、この燃料輸送にかかわります輸送に対する警備として、公安職員がガードマンを加えまして約二百名弱、百九十名ぐらいの警備態勢で夜の時点、二十二時から朝までは大体四十カ所ぐらいの固定警備ということで、歩いては巡回しておりませんが、固定警備をやっておったわけです。
 それから燃料の列車につきましては、ダイヤに合わせて自動車によりまして巡回警備あるいは先行列車に乗って警備をするということで、列車とそれからその辺の固定警備と両用でやっておったわけなんでありますけれども、ちょうど二十一日の反戦デーというものがありますものですから、これに対して全国から公安職員約三百名が助勤をするとか、あるいはその他加えまして四百五十七名ということでこの警備態勢をやることを計画しておったわけです。
 ところが、十月十日の早朝にこういった事件が発生いたしましたものですから、その昼過ぎからこの列車の警備に対しまして、そのこととは別に自動車によります巡回班を増強をいたしまして、この深夜帯において、固定警備じゃなくて巡回もやるということで、実は線路上の妨害に対して、夜のうちにやられないようにということで巡回をやっておったわけなんですが、実はこのことの裏をかかれたといいますか、警備をやりましておったんですが、五五七〇という襲われたこの列車に対しては、自動車の巡回警備班が道路を先行いたしまして何事もないということで久住の駅に到着して、それで列車が来るのを待っておったと。ところが、その列車が襲われまして、その通報があってしばらくたってこの事件が起こったということがわかりましたので、われわれとしてはこの列車妨害に対してある程度の時間がかかるということを予想して夜の警備をやったわけでありますけれども、ちょっとここのところが穴になりまして襲われたと、こういうことで、全く何もやってないということではなくて、警戒はしておったということでございます。
#39
○目黒今朝次郎君 これは捜査中の問題ということで、ここで発言しても、公開の場でありますから答弁は抽象的になると思うんですが、それは私は現段階でやむを得ないと思うんです。ただ、こういう同じ日に朝と晩と発生したり、それから私のところにきている資料では、同じ線路、同じ線にずっと連鎖反応的に起きているんですよ。
 たとえば一例を挙げれば、北海道の宗谷本線旭川−新旭川間、これは八月二十一、二十二、それから九月三十日、十月の八日、ずっと連続的に発生している。これは鉄道公安官も関係の警察にも通報済みだと、駅の方でもわかっていると、こういう事件があります。それから最近では、これはことしの七月二十日、総武線の新小岩−平井間、これも連続的に事件が三つ、朝の始発から夜まで三件がやられている。
 これはひとつ公安の方にもお願いします、警察にもお願いしますが、いわゆる線区別に見た場合に、こういう発生している個所が集中しているんですね。ですから、統計的に調べてみれば、この線とこの線とに大体集中的に出ているという点が統計的に出てくると思うんです。それをひとつ調べてみて警戒態勢なりしいてもらいたい。
 同時に私は、この報告を見て驚きますのは、置き石ぐらいならいいんですが、三十キロ軌条、五十キロ軌条、あの軌条を一メートルなり二メートルに切断して、その線路の切断したものを線路の上に置くとか、あるいは電化区間でやって短絡させてやるとか、あるいは信号機にゴムテープを張って信号機を見えなくしておくとか、それから大宮公安室が確認しているように、いわゆる機関車、電車用の雷管ですね、備えつけの。雷管をかっぱらっていってその雷管を使用すると。乗務員は雷管がぱっとあれすれば真剣にぱっととまりますね、とまった瞬間にやられると。そういうきわめて専門的な、しかも悪質なものがある。
 幸いにしてもういまは幸か不幸か複線なもんですから、上りの乗務員が見つけて下りの運転手に電話すると。いまは無線機がありますから、おおい、あの線路おかしいぞ、ちょっと徐行運転せい、何列車、何キロおかしいぞと、無線で電話して何キロおかしい。とまってみるとこういうのがあったと。そういう点は無線機と複線というのが幸いにして松川事件のような事件を起こさないで、ほとんど運転手と車掌の予見の発見で事故防止されているという点は不幸中の幸いだと思うんです。不幸中の幸い。しかし、あってはならないことですから。新幹線にも二、三件ありましたね。あってはならないことでありますから、国鉄なり関係当局なり、そういうふうに非常に列車妨害というのが組織的といっては語弊がありますが、専門的に、しかも大きな問題点を抱えている妨害事故だということを改めて認識してもらいまして、乗務員と車掌が安心して乗れるように。また信号機にテープなど張って見えなくするなんというのは、これはもう言語道断ですよ。信号機は乗務員の生命ですから。それについて、これはもう要りません。どうせ質問したって捜査中ということでありますから、答弁は中途半端になりますから。そういう問題があるということを改めて提起をしておいて、対応策に万全のないようにお願いいたします。
 最後に、時間が来ましたから、これは余りいい話でありませんが、総裁、このたれ流し事件というのは、大分総裁にも話をしたことがあるんですが、裁判でいまやられています。これは裁判でありますから言いません。
 ひとつお願いしたいのは、五十五年は十八億円の助成をもらってタンクの設定をやっているんですが、いま特急、急行が千七百本か、このうち千本程度は完成をしたけれども、あと七百本程度の問題についてはまだめどがついてない。したがってこの黄害の問題は、前に社会労働委員会を含めて議論して、一日も早くこのたれ流しの問題は解消すべきだと、そういう点があるんですが、われわれも努力しなければならぬと思っています。したがって、このタンクの設定を含めて、どんな計画でやるかという計画だけを教えてもらって、その計画を実現するための本社、国鉄側の考え方、決意などを聞いて私の質問を終わりたいと思うんですが、その辺をお教え願いたいと、こう思うんです。
#40
○説明員(高木文雄君) この黄害問題については、率直に言って、私はいままで当方のとっております対策がスタートがおくれたという感じをいたしております。
 いま、対策は、主として二つとっておりまして、一つは急行、特急、あるいは地下鉄に乗り入れている車両の多い、そうした車両基地について、タンクに詰まれましたものを抜き取るというための基地の整備を進めているわけでございまして、全体の計画として二十八基地を整備することを計画をいたしております。
 で、いままでに使用するようになりましたのは十五基地あるわけでして、残りの基地についても緊急整備を努力はいたしておりますが、やはり基地のあります場所の関係の方々から見れば、いわば余り歓迎するものでないものですから、地域によりましてまだお話し合いが十分つかないということでありますけれども、いまのところ、話し合いが十分つきましたものについては所要の予算措置を講じて基地の完成に努力をいたしております。多少時間はかかりますが、完全に終わるにはやはり五十八年度ぐらいまでかかるのではないかというふうに思っております。
 ただ、これらの措置をいたしましても、これで全部解決というわけにはまいりません。といいますのは、毎日の列車本数がそれほど多くない地域、たとえば地方のローカル線を扱っている地域といったようなところにつきましては、基地の数も非常に多うございますし、また一日の扱い量も少ないので、いままでやってきた大量処理の方式ではどうも効率が悪いということで、一、二年前から簡易処理方式というのを考えておるわけでありまして、車上処理ということで何かいい方法はないかということを研究してまいりましたが、幸い試作品ができまして、現在、中央線にそれを積んで試験中でございます。
 先ほど申しました基地が全部整備されました場合でも、全体として見ると七割前後しか解決はつきません。そこで、残りの部分については簡易方式で処理することで取り組んでまいりたいと思います。
 確かに、いろいろ線路の保守に当たる従業員の諸君に対していろいろな意味での不愉快な思いをさしておるわけでございますし、それ以上にまた沿線の住民の方々に御迷惑をかけておるわけでございますので、この問題は、技術的に可能な範囲、また地元の方々に御理解を得られる範囲において最大限のスピードで処理に当たりたいというふうに考えております。
#41
○桑名義治君 私は関西空港の問題についてまずお伺いをしておきたいと思います。
 去る九月一日に航空審議会が具体的な建設計画の内容を答申したわけでございますが、その後、最近の動きというものは、塩川運輸大臣の五十七年着工を初めとする積極的な発言や、あるいはまた、関西財界を中心にした関係業界首脳の早期着工への発言が目立ち始めたわけでございます。そういったことで、地元住民並びに地方自治体は非常な困惑の態度を示しているわけでございます。
 で、けさのテレビによりますと、規模を縮小をして建設をするということが決定をしたというような報道がなされているわけでございますが、このような全体の動き並びにきょうテレビのニュースで報道をされておった中身について、少し詳しく御説明を願いたいと思います。
#42
○政府委員(松本操君) いまお話がございましたように、去る九月一日に航空審議会から答申をいただいたわけでございますが、これは第二次の答申とでも申すべきものでございまして、基本的なものは去る四十九年に一たんいただいておるわけでございます。その後、私どもといたしましては、この空港を現実につくっていくのにどのような手順を踏んでどのような金をつぎ込んでいったらよろしいのかというふうな具体的な面につきまして鋭意検討を重ねてまいっておるわけでございます。
 けさのテレビの報道についていかがかと、こういう御質問でございますが、現在までのところ私どもがとっております考え方は、基本的に審議会の答申の線というものは関西空港のあるべき最後の姿という形でお示しいただいたと、こう理解をしておるわけでございます。具体的につくっていくのに当たりましては、一遍にあのような規模のものをつくり上げるということはきわめて困難でございます。したがって、逐次手順を踏みながら建設を進めてまいる。そして仮に滑走路が一本でも使えるようになりました時点におきましては、当然のことながら早期運用ということが望まれるわけでもございますので、その時点で飛行機を飛ばすようにしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 したがって、縮小というふうに一部報道されたように私も聞いたわけでございますけれども、計画そのものを縮小したわけでは毛頭ないわけでございまして、手順といたしまして、まずできるところから手をつけて逐次最終目標に向かって進むと、こういう段取りをとっていこうという基本的な考え方に立って、具体的な面についてはなお現在最後の詰めを行っているというのが現状でございます。
 それから、地元との関係につきましては、いろいろと地元においてお説のあることは私どもも耳にいたしておるわけでございますけれども、何と申しましてもこの空港は日本にとっても大事な空港であるばかりでなく、関西地区にとってもまたきわめて枢要なものであるというふうに理解をいたしておるわけでございます。それでございますので、すでに昭和五十一年には関係の三府県知事に対しまして、この空港の建設に当たってどのような考え方、手順をとるかということをお約束もしておるわけでございます。現在、まだ地元にお示しするに足るだけのまとまったものができ上がっていないという状況でございますけれども、これらがまとまり次第、地元に対してこれを提示をいたしまして、十分御意見を伺い、そしてそこで議論が煮詰まった時点で初めて計画自身がゴーサインが出たことになる、このように私どもは考えているわけでございます。
 したがって、現時点におきましていろいろの御意見は御意見として承っておるわけでございますが、私どもといたしましては、何よりもまず具体的な計画を策定いたしまして、それを地元にお示しするようにすることを急ぐという段階であろうかと、このように考えております。
#43
○桑名義治君 まず手順を示したわけであって縮小ではないと、こういう御答弁でございます。それから、地元のいわゆる反対の運動につきましては、これは具体的な手順なりあるいは方策なりが決定した上で、それを示しながら地元の了解を得たいと、こういうふうに御答弁になったわけでございますが、この関西新空港を建設するに当たりまして最も注意をしておかなければならない問題は、いわゆる成田空港の苦い経験を二度と踏んではならないということだと、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、運輸大臣がとるべき態度というものは、財界や関係業界のお先棒をかつぐよりも、まず大阪府を初めとする地元地方公共団体と地元住民の十分な理解と協力を得て建設の方向へと努力することが最も必要ではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、大阪府議会は空港建設反対の決議を事実上撤回をしているような形になっているわけでございますが、なお地元では反対の決議がなされているようでございます。この反対の決議の市町村はどのくらいあるのか、まずお示しを願いたいと思います。
#44
○政府委員(松本操君) 昭和四十五年から答申の出ました九年にかけまして、いまお話のございました大阪府議会を初め泉州地域の七市三町、これのそれぞれの議会におきまして新空港建設の反対決議が行われたわけでございますが、現在なお決議として生きておりますのは、この中で、大阪府が別途の決議を行い、さらに泉南市が昨年反対決議の白紙撤回をいたしましたので、残っておりますところは五市三町と、こういうことでございます。
#45
○桑名義治君 そこで、今後この地元の市町村やあるいは関係住民とのいわゆる理解と協力を得るための方策として、どういうふうに考えられておられますか、具体的にお示しを願いたいと思います。
#46
○政府委員(松本操君) 先ほどもお答え申し上げましたように、去る五十一年九月関係の三府県知事に対しまして、空港計画の扱いについてお約束をしたわけでございますが、いま私どもとして考えておりますのは、やはり地域の総合的な御意見を承ることができますのは広域行政に携わっております各知事の御意見を伺うというのが一番確かではないかと、こう考えておるわけでございますので、いずれ案がまとまりました時点ではこれら三府県知事、昔からこの関係知事として三府県知事と、こういうことになっておりますので、三府県知事に御説明をいたし、十分な御検討を願うということにいたしたいと考えておるわけでございます。
 その間、関係府県の知事の方からさらに具体的な御要望があれば、あるいはその他の市、あるいは町、こういったところとも、たとえば説明会を開くなりあるいは何なりと、われわれの考えておりますところを十分に御理解を願うための手だてを尽くしていくようにいたしたい、こう考えております。
#47
○桑名義治君 まず関係の知事に説明をしたいという、また理解を得たいというふうに御説明があったわけでございますけれども、成田の場合でもそのような考え方で走って、結局は失敗したわけでございます。それと同時にある程度完全に、完全と思われるほどに煮詰まった上でいわゆる理解を求めるということは、これはもうゴーサインが出たというふうに地元としては理解せざるを得ないわけでございまして、その前にやはりこういう国家的なプロジェクト、しかもいろいろな影響を及ぼすというような大事業でございますので、そこら辺の市町村やあるいは関係住民との対話こそが私はもっとも必要ではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、今度は政府内部の問題を見てみますと、これは早期着工を目指す運輸省と慎重論の大蔵省、それから環境庁との意見の差が目立っているように思われるわけでございます。ここでそういった大蔵省もしくは環境庁のいろいろな発言が新聞紙上をにぎわしておったわけでございますが、五十六年度に建設工事着工を前提とした調査費の計上、これを関西財界首脳に約束した鈴木総理、及び五十七年に着工を約束しております塩川運輸大臣、それから原国土庁長官、河本経企庁長官、こういうふうに関西出身大臣の早期着工を必要とするグループ、それから渡辺大蔵大臣、環境保全の見地から慎重論を主張しておりますところの環境庁長官との意見の調整がまず私は必要ではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、この間の調整はどういうふうになっているわけですか。
#48
○国務大臣(塩川正十郎君) まず桑名さんにお願いいたしたいのは、何かこの空港が財界主導で財界のためにやっておるというような御質問でございますが、決してそういうものではないということの御認識はいただきたい。たまたま話をする場所がそういうところであったことからそういう印象を受けられたのかもわかりませんけれども、これはこの空港は四十六年に運輸省が航空審に諮問いたしましたときには、そのときの将来にわたる航空行政について空港の必要性を問うというところから発足しておるのでございまして、それを受けまして二次にわたります答申が出され、そして関西空港を泉州沖に建設するというところまできたわけでございます。
 したがいまして、われわれはあくまでもこれを国家的なプロジェクトとして取り組んでおるものでございますが、ところがいまお尋ねの政府内における意見の調整ということでございますが、先ほど航空局長から話をいたしましたように、九月一日に答申を受けましたこの基本計画、これに伴いましてどのように実施していくかあるいはまた財政再建のこの国家財政の窮迫しておる中にあって、いかに工費を安くし機能を充実さしていくかということにつきまして、そういう実施手法等につきまして今日まで鋭意煮詰めてまいりました。それが現在成案を得る段階になりました。
 したがいまして、これをこの原案を基礎にいたしまして大蔵当局並びに環境庁、国土庁、建設省あるいは通産、農林各省庁に説明をいたす段階に入ってきたのであります。でき得れば来月にでも各省庁の実務家によりますところの連絡会をぜひ開きたいと思うております。それによって実施計画とそれから工事の手法等につきまして説明をし、各省庁間の協力を得たいと思うております。
 目下財政がこのように窮迫しておる時期でございますので、空港の基本的な計画は変更はいたしておりません。また、完成をいたしました空港につきましては、航空審の答申のとおり完成するようにいたしたいと思うておりますが、しかし、その機能を充実していく順序というものは、建設費をできるだけ安くするということの観点に立ちましていろんな手法を用いまして実施を図っていきたいと、こう思うております。でございますから、埋め立てに使います土砂の量も相当数減ってまいりましたし、また建設費に要する費用も一番機を飛ばすということをその時点をとらまえてみますならば大幅に減少してきておると思うております。
 なお、こういう数字等につきまして細かい詰めは若干の時日を要すると思うんでございますが、そういう状態になった今日、各省庁間の連絡を開始しようという段階にまできたということであります。
#49
○桑名義治君 そこで、いろいろと御説明伺ったわけでございますが、本体工事だけで約二兆四千億と、それに建設に伴ういわゆる関連公共事業を入れますと約五兆円と、今回発表になっております一番機を飛ばすまでに至る工事というものは滑走路一本だと、当座は。こういう事柄が明らかになっておるわけでございますが、いずれにしましてもこれは国家的な大きなプロジェクトでございます。運輸省だけで事業の推進を図るということには余りにも事業としては大き過ぎる。
 そうなりますと、これは内閣に政府側の窓口として関係閣僚協議会あるいはまた党あるいはまた事務体制を整備する必要があるんではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この空港の今後の建設日程等の中で、協議会等の設置を考えられておられますか、どうでしょうか。
#50
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど申しましたように、まだ予算折衝を開始しようという段階でございますから、とりあえずは各省庁の事務レベルによりますところの連絡会のようなものは絶対必要になってこようと思うております。関係閣僚協の問題につきましては、いずれこれが三点、すなわち空港の建設計画、環境評価、周辺整備計画、そういうようなものがそろい、地元に協議をいたしますその前後において考えなければならないことだと思うておりますが、しかし何はともあれ各省庁間におきます意見の合意を見ることが最優先のいま当面取り組むべき作業でございますので、それに全力を挙げていくということでございます。
#51
○桑名義治君 当初の計画というものが、現在もそうだというお話でございますが、また航空審議会が答申した年間二十六万回の離着陸能力のある大規模空港ということで二兆四千億のお金を投じて建設をすると、これはいまのお話では将来計画としては生きておるわけでございます。当座として滑走路は一本ということでございますが、将来計画の中で二十六万回の離着陸という、こうなってくると需要が見込まれなければこれはもう大変ないわゆるロスを生み出すわけでございます。
 そういう意味では、空港経営の正確ないわゆる収支見積もりあるいは開港後の収支見通し、そういうものがなされているものだと私は思うわけでございますが、今回のように、一応縮小した形でつくって、将来計画として当初の計画どおりに建設をしていきたいと、二段構えになっているわけですが、これはやはりそういったものを、需要というもの、あるいは空港経営の収支見積もりというものを想定した上でこういうふうな計画がなされたと思いますが、その数字を挙げていただきたいと思います。
#52
○政府委員(松本操君) もちろん、いま先生仰せられましたように、収支ということを考えませんとこの空港は万里の長城みたいなものになりますので、その点について、何回も私ども内部的な試算は繰り返しております。需要の問題につきましても、いろいろと前提条件がございます。ただ、一般的に申しまして、航空輸送というものは若い産業でございますので、最近いささかのかげりが見えるようではございますけれども、将来的に見れば、まだ相当増加していくゆとりがある、こう理解をしているわけでございます。
 現在具体的な数字をここで申し上げる段階まで詰め切れておるわけではございません。なお検討中の段階でございますが、一般論的に申しまして、需要の増加というものに見合った形で、適切に空港計画が進められるならば、十分に収支賄い得る形で運用できるものであるし、またそのような計画に期するべきであるという考え方で作業を進めている段階でございます。
#53
○桑名義治君 そうしますと、二兆四千億円のいわゆる巨費を投じてつくる最終計画ですね、これは大体いつごろというふうに踏んでいらっしゃるんですか。当初はこの計画だったわけですから、それはいろいろな紆余曲折があって、一応一本ということで縮小の形で今回発表されたわけですが、この計画は大体何年後というふうに踏んでいらっしゃるんですか。
#54
○国務大臣(塩川正十郎君) 飛行場というのは、滑走路一本できますと相当な実は能力がございます。そこで、まず滑走路一本を建設いたしまして、そこの運用状況、そして将来にわたる航空需要等を見通して最終的な基本計画を実現するというふうにいたしたい。
 でございますから、何年にする、二本目をいつまでに、あるいは三本目をいつまでにというような確定的なものは決めておりませんが、ほぼ航空需要に合わせた建設を図るべきだ、こういうことで基本的に考えておるわけであります。
#55
○桑名義治君 そういう御答弁が返ってくるだろうと思っておりましたけれども、縮少したということは、当座この程度でよろしいということは、最初からその程度でよかったんじゃないですか。今回の発表の程度の規模でよかったんじゃないでしょうか。それが、大きい、いわゆる二兆四千億の巨費を投じなければならない、そういう関西空港をつくらなければならないということが、当初そういうふうに計画がなされていたわけですから、したがって、それは大きな見積もり違いであったというふうに一応理解していいんじゃなかろうかと思う。
 それと同時に、これは関連があるわけですが、伊丹空港の存続問題ですね、これはやっぱり飛行場の規模に大きな関連を持つわけです。それと同時に、いわゆる地元の経済という問題に大きな影響を持つわけでございますが、この現在使用しております伊丹空港をどういうふうに今後取り扱おうとなさっておられるのか、決定しておれば伺っておきたいと思います。
#56
○政府委員(松本操君) まず、最初の、大きな見積もり違いではないかという御指摘でございますけれども、冒頭の御答弁で申し上げましたように、審議会としていただきました答申は、一つの最終的な形ということでございます。
 ちなみに、四十九年にいただきました答申におきましては、十六万回というのを当座の目標とする、こういう形でございます。その後、先だって、九月一日の答申をいただきますまでの時点に、いろいろと研究が加えられまして、空港の能力は二十六万回まで可能であろう、こういうことになった経緯があるわけでございます。したがって、もともと十六なり二十六なり、あるいはそういった大きな数字を、当座何かの別途の理由があって詰めたということではございませんので、この空港の形というものがまず示され、それをどのような手立てを尽くしてつくっていくかという点についての私どもの研究の過程として、先ほど来御答弁申し上げたような形をとることが大体方向として決まってきた、こういうふうに御理解いただきたいと思うのでございます。
 それから、伊丹の問題でございますけれども、この点につきましては、もうすでに四十八年でございますが、現在の伊丹空港のありようにつきましては、新空港ができるまでに十分な検討を行い、地元の意見も十分伺って、廃止も含めて今後のありようについて決定をする、こういうことを地元にお約束をしているわけでございます。さらに、去る六月三十日には、公害等中央調整委員会におきます調停条項といたしまして、いまのラインに沿い、かつ具体的にどのようなものを調査し、それをどのような形で開示していくのかというふうな手順も含めて調停が出され、私どももこれを受諾しておる経緯がございます。
 したがいまして、伊丹空港の今後のありようにつきましては、繰り返しになりますけれども、十分な調査研究を行い、地元を含め関係者にその内容を開示し、その意見を十分に承った上で、新空港開港までに私どもの責任において決定をする、この段取りをとっていくという点において全く変わりはございません。したがって、もちろん空港が残るか残らないかというのは、これからの御議論の結果でございます。仮に残らないといたしましても残るといたしましても、現在空港、新しい空港そのものが持ち得る能力というものの限界いっぱいで需要に対応していく、こういう形になるわけでございますので、直接的に現在ございます伊丹空港をどうこうするということが新しい空港計画を左右するというふうな関係にはならないというふうに私どもは考えております。
#57
○桑名義治君 いまの御答弁ならば、地元の意見というものは全く無視されたような形にならざるを得ないと思う。これは極端な物の言い方ですけれども、なぜかといいますと、新空港ができ上がる、これがどれだけの需要に耐え得るかという、そこを判断の基準にして伊丹空港を残すか残さないかということを決定せざるを得ませんという御答弁なんです。そうだったら地元の意見なんて全く入らないことになりますよ。
 ただ、地元の意見は、現在の伊丹空港がある、この伊丹空港があることによっていろいろな経済的な恩恵も受けておりましょうし、あるいは地域の発展にもある意味からは寄与をしております。しかしまた反面、大きな公害を及ぼしているというような反面もある。したがって、そこら辺の意見を最もよく調整をしながら、せっかくつくるのですから、移った方がいいと言うのならば、早くこの新空港をつくった意味が最大限に生かされるような方向に、地元の意見も入れて最大限に生かされるような方向に持っていくことの方がベターであろうと、こういうふうに思うわけですが、その点どうですか。
#58
○政府委員(松本操君) あるいは私の先ほどの御答弁が行き届かなかったのかも存じませんが、現空港の取り扱いにつきましては、その開港時点、つまり新空港の開港時点にこれを撤去することも含めて可及的速やかに検討するものとし、その検討に際しては地元公共団体の意思を十分尊重すると、こういうのが基本的な考え方でございます。したがって、地元の意見を無視するというふうなことでは毛頭ございませんので、現空港をどうするかということについては、むしろ、あえて申しますならば、もっぱら地元の御意見を最大限に尊重して決めていくのである、こういうふうに御理解いただきたいのでございます。
 そこで、私が先ほどの答弁の後段で申し上げましたのは、そういう地元の御意向によって、現空港が残るか残らないかということは、新しい空港に対して、仮に現空港が残れば、それだけ上乗せの供給力というものが出てくることになります。残らなければ新しい空港が一手に引き受けるということになりましょう。こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、現に四十九年の第一次答申におきましても、新空港というものは、現空港がなくなってもいいようにということを考えて新空港の構想を定めるべきである、こういう御答弁の趣旨になっております。
 私どもは、その考え方もまたこれ尊重してきておるわけでございますので、そういう意味で私は、伊丹空港の存廃というのが直接的に新空港計画を左右するものとは考えておりません、こう申し上げたわけでございますので、決して一方的に新空港の計画をつくり、結果をつきつけるような形で現空港をどうこうしようと、こういうふうな意図では毛頭ございませんので、その点につきまして舌足らずの点を補ってお答え申し上げます。
#59
○桑名義治君 伊丹空港の取り扱いについてはわかりましたが、次に、運輸省は今年度じゅうにいわゆる空港建設の実施計画、環境アセスメントの結果、それから地域整備計画、こういう三点について地元に提示するやにも私は現在聞き及んでおるわけでございますが、この三つの計画内容が明らかにされるのは、大体このスケジュールどおりにいくんでしょうかどうでしょうか。
#60
○国務大臣(塩川正十郎君) 空港の実施計画、いま作業をやっておりまして、最後の数字を詰める段取りにかかっておりますし、また技術的検討もいまやっておるところでございまして、これは遅くとも来月上旬には決定いたしたいと思うております。環境評価表につきましても、来月の中旬には作成をいたしたいと思うております。それから、周辺整備計画でございますが、これは本年内かかるんではないかと。でございますから、でき得れば予算編成までに間に合わしたいと思うておりますけれども、ひょっとしたら十二月いっぱいかかるかもわからないと思うております。
#61
○桑名義治君 そうしますと、大体御答弁の中で、実施計画も環境アセスメントの結果もあるいは地域整備計画も、大体本年度じゅうに全部出そろうと。その出そろったところでいわゆる地元に提示をし、そこから協力なりあるいは話し合いが始まると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#62
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりでございまして、その時期を大体来年の一月ごろということを設定し、作業を急いでおるところです。
#63
○桑名義治君 そこで、環境庁は、当初の計画ではございますが、一億台分に相当する大規模ないわゆる埋め立てをやらなければならないと。これは海洋汚染を非常に心配をしておるわけでございますが、この点については環境庁との話し合いがどんどん煮詰まっておりますか。
#64
○政府委員(松本操君) 関西空港の計画につきましては、すでに五十一年度から、私ども約八十億前後の金を投入いたしまして、いまおっしゃいましたような諸般の点について研究を続けてきております。これが、先ほど大臣御答弁申し上げましたように、十一月中に何とか取りまとめができるんではないかと、こう考えておるわけでございますが、環境庁との議論というものは、この取りまとめをしていきます段階においていろいろと環境庁の御意見なども十分承るようにしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 ちなみに、埋め立てに関する土量をダンプ一億台とかいうふうな形で表現された記事を私も見たわけでございますけれども、これはこれだけの量をダンプで運ぶというふうなことはとても考えられるわけではございませんので、たとえばベルトコンベヤーで運ぶとかその他最新の土木技術を駆使し、泥を取るあるいは泥を運ぶ、泥を埋め込む、こういったそれぞれの段階において、いま御指摘のございましたような、環境汚染の問題を可能な限り極小の状態に抑え込む、こういう方法を講じていこうということでいま最終的な仕上げをしておる、こういう段階でございます。
#65
○桑名義治君 いわゆる記事になっておるダンプ一億台分というのは、ダンプ一億台で運ぶということではなくて、量を示しておるわけでありましてね、それだけの大量のいわゆる埋め立てをやった場合に海洋汚染が心配にならないかどうかということであって、泥を運ぶ手法についてはこれはダンプで一億台も走るわけないわけですから、ただ量をわかりやすく言うためにこういうふうに記事に上がっているだけの話で、いずれにしましても大量の土を埋めなければならないわけでございまして、海洋汚染については十二分過ぎるほどの周到な計画の上に立ってこれはやっていただきたいと思います。
 そこで、新空港を建設をするに当たりまして、今回発表になっている分の途中分におきましても約一兆円というような莫大なお金ということが報道をされているわけでございますが、この資金調達のめど、これは具体的にどういうふうに計画をなさっているわけでございますか。
#66
○政府委員(松本操君) 数字は別といたしまして、確かに仰せのように、この計画は相当の金額を要するわけでございますので、したがいまして財政事情等も十分に考えた形でやっていかなければならないと考えておるわけでございます。
 そこで考えまするに、この関西空港というものは、国にとってはもとより、また地元関西にとっても重要な空港である、こう考えておりますので、地元の意向というものが十分反映されるような形で空港が建設され、運営されることが必要であろう。このことにつきましては、四十九年に行われました答申の際にも、その建議の中でそういうことをも勘案し、地元から何がしかの応分の出資を求めるということも考えていいのではないか、このような建議があったわけでございますが、現在まだ具体的にどうするというところまで詰めてあるわけではございません。しかし、いま前段に申し上げましたような趣旨にもかんがみ、また建議のラインもございますので、そういうふうなことを念頭に置きながら今後関係方面と十分に議論を煮詰めていく、その過程で具体的な線を出していきたい、こう考えております。
#67
○桑名義治君 そういう御答弁ではございますがね、いわゆるもういよいよことしいっぱいで三つの調査が提示をされるということになれば、どういう形で運営されるのかという一つの運輸省としての考え方、そういった国としての考え方、そういうアウトラインがやっぱり資金面にもあらわれてこなければ本当の意味の計画にはならない、こういうふうに私は思うわけでございますが、地元公共団体等による負担、それからこういう問題は山積をしておるわけでございますが、大体、本州四国連絡架橋、この公団のように事業主体に対する関係地方公共団体の資金支出を予定をするのか、あるいはまた民間資金等を導入をするのか、事業主体がやっぱりある程度はっきりしていかなければいけないのではないかと、こういうふうに思います。
 また、公団方式にするのか特殊会社方式にするのか、これはやはり地元の方々としては非常に大きな関心事ではなかろうかとも思うわけでございますが、こういったいわゆる資金の調達、あるいはこれが調達については本州四国連絡架橋のように各市町村に応分の負担がなされるのかどうかですね。あるいはまた、先ほどから申し上げましたように、公団方式にするのか特殊会社方式にするのか、どちらの方向を大体運輸省としては予想をされているのか、方向づけだけはもう大体運輸省としては決まってるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#68
○政府委員(松本操君) 御指摘ごもっともではございますけれども、大変むずかしい問題がございまして、いずれにいたしますにもせよ、国の直轄でということは非常に困難であろう、これはもうはっきりしているんではないかという感じがいたします。そういたしますと、いわゆる第三セクターといったようなものでありますとか、あるいは公団方式でございますとか、いろいろございますけれども、一方現時点におきまして行政簡素化というような御議論も非常に強いわけでございます。具体的にどういう形をとるかという点について、私どもの方から一方的にとやかく言うというのもいかがであろうかというのがいまの状況ではなかろうか。したがって、大変答弁があやふやになって恐縮ではございますけれども、今後やはり関係の向きと議論を煮詰めながら、その議論の煮詰まりの中で形が整っていくというふうにせざるを得ないだろう。
 ただその場合、いまもお話の中にございましたように、公団といいましても、たとえば手近なところに成田公団のような例もございます。あるいは私どもの所管する中でも外貿埠頭公団のように一部公共団体の出資の入っているものもございます。いろいろな形があるわけでございます。そういうふうな事例を十分にしんしゃくしながら、先ほど御答弁申し上げましたように、地元の意向というものが十分に反映されるというふうなことをも一つの重点に置いて、議論の中から最も妥当な適切な形のものを選んでいくというふうにお答え申し上げるのがいまの段階での私どもの状況と御理解いただきたいと思います。
#69
○桑名義治君 明らかにされないというようなニュアンスのお話があったわけでございますが、大臣の考え方としてはどの方式が一番ベターだろうというふうにお考えですか。
 それから、本四架橋のように地元の負担金ですね、債券みたいのを買ってるようですが、こういうものを要求なさろうと思っておられますか。それとも、それはもう全く地元には負担をかけないと、こういうようにお思いになっていらっしゃいますか。
#70
○国務大臣(塩川正十郎君) 私のこれは私見でございますけれども、これからの大きい公共事業というものは、やはりその地元の協力を得なければ成功いたしません。これはもう成田の例を見ましてもそうでございますし、でございますから、関西空港は国家的プロジェクトではあるけれども、何とかして地元の参加ができやすいような形にいたしたいと思うております。そして、地元の参加というのは単に私は地方自治体の負担だけではなくして、やはりそれに関連する地域の経済界並びに産業、あるいはあらゆる各層のいわば協力的な意味における参加、そうような道もやっぱり開くべきではないかと思うております。
 私はこういう巨大な施設というものがその運営が国の責任だけではなくして、やはり国民的な参加の方法がいいという考え方を持っておりますので、運営につきましてもそのような国の指導監督のもとで行いますけれども、しかしながら地元の意向もその運営に反映し得る方法を講じていくことがいいのではないかと思うております。
#71
○桑名義治君 いずれにしましても、現在地方自治団体の財政というものは非常に厳しい局面に立たされているわけでございますし、そういう意味からいきますと、地方自治体にそういった応分の負担をさせることはいかがかと、こういう感じもするわけでございます。いずれにしましても、この資金調達という問題は、現在の日本の経済情勢の中では非常にむずかしい問題を含んでいるわけでございますので、十分な検討の上に立って決定をしていただきたいと、こういうように思います。
 次に、ニアミス問題について少しお伺いをしておきたいと思いますが、航空法の七十六条の二に、飛行中その他航空機との衝突または接触のおそれがあったと認められるときは、機長は運輸大臣に報告すべきことを規定しているわけでございます。この規定に基づきまして機長が報告した件数はどうなっているのか、それから過去五年間及びことしに入ってからの件数及び報告内容の概要を明らかにしていただきたいと思います。
#72
○政府委員(松本操君) 昭和五十年度から五十四年度までの五年間についてお答え申し上げます。
 私ども機長報告あるいはニアミスレポートと、こういうふうに俗称しておりますが、これが昭和五十年度に二十三件、五十一年度十五件、五十二年度十三件、五十三年度十七件、五十四年度六件、合計七十四件でございました。本年度に入りましてからは、十月現在で十件のいわゆるニアミスレポートが出ておりますので、八十四件でございます。そのうち、私どもが逐一調査をいたしました結果、実際に空中衝突等のおそれがあったのではないかと、こういうふうに認められたものは八件でございましたが、そのほかごく最近のもの二件につきまして、現在、委細を調査中でございます。
#73
○桑名義治君 機長が報告した件数と、それから運輸省がニアミス件数として公表している件数にかなりの差があるというふうに言われているわけでございますが、これはいかなる事情なのか。あるいはまた、運輸省はニアミスの範囲をきわめて厳格にとり、極力件数を少なくしようとしておられるというふうに言われておりますが、航空法の七十六条の二の「衝突又は接触のおそれがあつた」というこの場合は、具体的にはどういう範囲のものを示すのか、まず御説明願いたいと思います。
#74
○政府委員(松本操君) 「衝突又は接触のおそれがあつた」、本当にそういうことであったのかどうかという具体的な判断につきましては、ほとんど回避操作をする暇がなくてすれ違ったと、こういうふうな場合でございますとか、あるいは気がついたときにはもうすぐそばまで来ていてそのまますれ違ってしまった、こういったような場合につきまして、私どもの方としては先ほど御報告申し上げました八件に含める、つまりニアミス、本当にニアミスのおそれがあったものと、こういうふうに見ておるわけでございます。
 もう少し詳しく申し上げますと、回避操作を行う余裕がなく至近距離ですれ違った、あるいは急激な回避操作で辛うじて衝突を避けることができた、さらには回避操作を行いはしたものの十分に回避し切れないままで至近距離ですれ違った、こういうふうなものをニアミスと判断しているわけでございまして、この判断の仕方は決してわが国独自ということでもないようでございます。特にそのニアミス件数を減らそうというふうな意図的なものではございませんので、努めて客観的にやっているつもりでございます。
#75
○桑名義治君 そこで、ことしに入りまして昨年と比較をしますと、ことしの十月でもう十件ということで、少しまたニアミスの件数が多くなりつつあるのではないかというふうに考えられるわけでございますが、この事件の中では、中身でございますが、管制官の錯誤によるものと思われるものが存在をしているわけでございます。それから管制官の勤務のあり方がまた問題にされているようでございます。管制官にいわゆる過労を強いる状態になかったかどうかと、あるいは勤務体制に問題があったのではないかとか、あるいは最近の交通量の増加と管制官の定数の関係が問題なのではないかとか、いろいろな論議をされているわけでございますが、この点はどのようにお考えになっておられますか。
#76
○政府委員(松本操君) 私どもがニアミスレポートを調査いたしまして、先ほど御返答申し上げましたように、本当に空中衝突のおそれがあったというふうに判定が仮になされなかった場合でも、なぜそういう現象が起こったのかという点については一件一件かなり念入りに調査をしているつもりでございます。
 その中で、いま先生仰せられました中にも含まれるわけでございますが、いわゆるポカミスと、こう私ども中で呼んでおりますが、つい見落としたと、こういうのがあるのは残念ながら事実でございます。したがって、こういったようなものを減少させるための努力というものをいろいろと私どもとして考えて工夫をしてきてやっておるわけでございます。
 まず、人間的な数の問題を申し上げますと、これは五十年に比べまして管制官の数というものは――管制部の管制官の数でございますが、五十年に比べまして五十四年度約二割増しでございます。百二十に増加をしてきております。それと同時に、日本全国を八つのレーダーによってほぼカバーをいたしました。従来はいわゆるマニュアル管制と申しまして、耳だけで管制をしておりましたものを、レーダー管制にほとんど昨年の夏から切りかえました。この間にもちろん取扱機数も大体二五%程度ふえてきておりますけれども、しかしいまのような施設の整備等と相まって、管制官の数としては私は相当の手当てをしてきているのではないかと考えております。
 ただ、いま申し上げましたように、レーダー管制というものが幅広く導入されてまいりましたので、管制官の技能の向上という点については相当配慮しなきゃいけないだろうと。で、この点につきましては、岩沼という仙台の空港の中でございますが、ここに航空保安大学校の分校をつくる、あるいは現場の管制の教官を逐年増強するというふうなことで管制官の練度の向上という点についてはそれなりの配慮をしてまいったつもりではございますけれども、この点についてはなお一層努力する必要があるのではなかろうか。
 次に、管制官の疲労の問題、この点につきましては、たとえば管制部のように二十四時間勤務の管制所におきましては、四直五交代と申しまして、五つのチームをつくりまして一日を四チームでぐるぐる回すと、こういう形をしておりますので、大体一チームが管制をいたします時間は平均して六時間足らずというところでございます。ただ、レーダー管制のような場合に、非常なピークになってまいりますと、レーダーのこのくらいの大きさのスコープの中にかなりの機数が出てまいりますので、そのときの状況等にもよりますけれども、努めて一時間半を過ぎたあたりのところで管制官を交代させるというふうな措置をとりながら、過度の疲労の蓄積がないようにという努力はしてきておるつもりでございます。
 次に問題になりますのは、航空路の設定が適当でない、こういう点がございます。この点につきましては別途の施設の整備が先立つわけでございますけれども、ようやくそれも目標に近くなってまいりましたので、いま三カ年計画で航空路の再編成を一生懸命しております。その主な理由を一つだけ申し上げますと、航空路と航空路が交差いたしますようなところ、これはやはり管制官にとっては、かなり管制上むずかしい点になってまいりますので、なるべくこういう交差点を減らすというふうな考え方で航空路の再編成をやっておる段階でございます。
 それから、一人の管制官がどのくらいの空域を受け持つかということもまた問題になってまいります。この点については、いろいろと科学的な調査も行っております一方、従来の経験則等をも活用いたしまして、折あるごとに管制空域の変更をいたしまして、努めてそういったうっかり忘れたとか、あるいは、いわゆるポカミスというふうなものが起こらないような努力をしておるわけでございますが、しかし、やはり現実に起こっておるのも事実でございますので、今後ともいま申し上げましたようなことのほかにも、適当に取り上げるべきものがあれば積極的に取り上げて、こういった点の改善を図っていきたい、このように考えとおります。
#77
○桑名義治君 そこで、いま御答弁の中にもございましたが、従来のマニュアル管制から、いわゆるレーダー管制に今度は切りかえられた。そういう切りかえられたことに対して、管制官が十分対応できない状況にあったのではないか、こういう事柄も言われているわけでございます。そういった意味から、先ほど御答弁にもございましたが、さらに再教育をしていく、あるいはまた、定時的ないわゆる研修的なものをやっていく必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに思いますし、また、どんなに能力があろうとも、どんなに神経を集中さしておりましょうとも、御答弁にもあったように、ポカというものがあるわけです。このポカをなくするためには、いわゆるダブルチェックシステムというものをつくり上げたらどうかという、こういう案もいろいろなものにあらわれているわけでございますが、こういった点についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#78
○政府委員(松本操君) いわゆるいま先生おっしゃいましたダブルウォッチというのは、適切に行われました場合に相当の効果があるだろうと私どもも考えております。
 そこで、現在繁忙な管制席におきましては、副主任といったような者を配備いたしまして、後ろから見ておりまして、担当の管制官が何かちょっと勘違いをしているんではなかろうか、こういうふうなときに適切にアドバイスをするというふうなことをやっておるわけでございます。ただ現在のところは、このダブルウォッチの適切なあり方というものを、一方で私ども鋭意勉強している段階でございまして、と申しますことは、やはり責任の範囲をそれぞれはっきりさせるというふうなことをするとか、あるいは同じアドバイスをするにいたしましても、どういうふうな方法を使うのかというふうなあたりのところは、やはりきちっと決めて取りかかりませんと、逆に相互依存に頼り過ぎるというふうなこと、あるいはうるさいなあと、こういうふうなことになるのでは逆効果になりますので、そういう点を一方で勉強しつつ、副主任の配備といったような点についてもまた別途に努力をしておるというのが実情でございます。
#79
○桑名義治君 関東、関西の空域というものは非常に複雑になっているわけでございます。そういったことから、先ほどの御答弁にも出てきておりましたが、日本上空の空域の再編成、これをどうしてもやはりある程度やっていかなきゃならないのじゃないかというふうに、これ研究課題の一つとして私は考えるわけでございます。この再編成というものが、いま手をつけておられるような御答弁があったわけでございますが、これが大体いつごろぐらいをめどにして再編成を考えられておられるのか、計画があればお示しを願いたいと思います。
#80
○政府委員(松本操君) 空域の再編成といったような言い方の中に、実は三つの問題があるわけでございます。
 一つは、先ほどちょっと私申し上げました航空路の再編成がございます。これは五十四、五十五、五十六の三カ年間で一応の整備を終わりたいということで、いま鋭意取り組んでおる段階でございます。
 次の第二番目の問題は、各空港におきます飛行機の出発または進入の経路、これを適切に決めていくということでございます。とりわけ最近地方空港が、YS11からジェット機にかわってくる、こういうふうな傾向も出てきておりますので、ジェット機となりますと飛行機の速さも速いということもございまして、この出発、進入の経路というものを見直しまして、適切な方向、適切な形状で出発、進入ができるようにする。これにつきましては、個々の空港で問題のありそうなところから逐一いま手をつけているというのが実情でございます。
 三番目には、これも先ほどお答え申し上げましたが、一人の管制官が目を行き届かせる空域というものをどういう形で切っていくかという問題でございます。これはいつまでにという、別に目標を立てておりません。と申しますのは、今後航空交通の量及び質の変化に対応いたしまして、やはり適時適切に再編成を行っていくということが必要であろうと思うからでございまして、具体的な例でお答えいたしますと、成田空港ができましたその少し前の時点で、関東の空域を五つの空域に分け直すというふうな作業をいたしたわけでございます。これは従来羽田一本であった飛行機の出入りが、羽田と成田に分かれるということを予測してそういう作業を行ったわけでございまして、今後ともそういったような形で、そういった管制官の持ち分としての空域の再検討、再編成というふうなことは引き続き行っていくようにいたしたい、こう考えております。
#81
○桑名義治君 ニアミスの問題は、これは重大な問題でございます。さらに、関西新空港のときにもお話ありましたように、いまからの航空量というものはさらに増加の一途をたどっていくのではないかというふうに思われるわけでございますし、一たん航空事故というのが起これば大変な惨事を引き起こすわけでございますので、この航空の安全のためになお一層の努力を傾けられんことをお願い申し上げたいと思います。
 この問題につきまして、最後に大臣の所見なりあるいは決意を伺って終わりにしたいと思います。
#82
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近ニアミスがふえておる傾向にございますんで、私としましても、人員の配置並びに機材の充実ということを、来年度予算のときに重点項目の中に入れさしておるわけでございます。
 これはやはり機械がやっておりますものの、それを操作し判断しておるのは人間でございまして、私も、過日管制官の懇談会がございまして、行きまして、この神経を集中する時間における孤独という問題が、これがやっぱり非常に重要な問題だと私は認識しております。でございますから、これからも管制官のそういう人間的な環境の整備ということも、これは私は欠かせない条件になってくるように思っておりまして、そういうこと、並びに再教育、そしてでき得る限りの再検討のシステムをつくっていくという、そういうことを総合的に重ねて、ニアミスによるところの不安を一般にお持ちにならないように努めていきたいと、こう思うております。
#83
○小笠原貞子君 大臣の頭の中は、国鉄再建やら財政問題で数字がいっぱいたまっているという状態だろうと思いますけれども、きょうはいいお天気でございますし、いよいよ文化の秋を迎えているわけなので、少し頭を切りかえていただいて、文化的な立場に立っていろいろ大臣の御所見も伺いたいと思います。
 時間もございませんし、見ていただけば一番いいと思いまして、これをいつでも私国会で質問いたしますたんびに持ち出すわけでございますが、小樽運河の問題についてお伺いをさせていただきたいと思うわけです。
 大臣も何年か前に小樽においでになったというお話を伺いました。この小樽運河を守りたいという運動は、組織的にできましたのが昭和四十八年のことでございます。私も、前にも予算委員会などで取り上げましたけれども、この小樽運河と、それからここに並んでおります石造群、これが一体となりまして、この景観が日本の近代史を象徴する三大景観である、素人の私が言っているわけではなくて、東大の村松教授が神戸の異人館、そしてあの長崎のグラバー邸、そしてこの小樽の運河の石造倉庫群、これは非常に近代史を象徴する景観であるというふうに評価されているわけでございます。
 たびたび私も文部大臣、文化庁などにもお話しに行きました。文部大臣も文化庁もこれは貴重な文化財である、したがって、重要伝統的建造物群保存地区として保存していきたいんだ、そういうような御意向は承っておりました。大臣、改めてこの写真をごらんになりまして、どういう御所見を文化的な頭の切りかえの中でお考えになっていらっしゃるか、簡単に一言お伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(塩川正十郎君) 町それぞれに歴史がございますし、またそれぞれの中に生活がしみ込んでおります。できるだけ大事にしていただけることも私は望ましいことだと思っております。
#85
○小笠原貞子君 皆さんそうおっしゃってくださるわけなんです。ところが、現在残念なことに小樽市と北海道の計画は、この歴史的な文化的な建造物、小樽運河と石造群と、これは価値のないものにしてしまおうというような危険な状態になってまいりました。この八月二十九日に道の都市計画審議会は、道民や全国の人々の多くの反対を押し切って、現在の運河の半分を埋め立てて、そして石造群の一部も取り壊す、そして六車線の道路をつくりたいということで強行採決を市議会でやりましたし、またこの都計審でも強行決定をされたわけでございます。
 この小樽運河を守ろうというのは単なる小樽の問題ではございませんで、もう御承知だと思いますけれども、「小樽運河を愛する会」というのが東京にございまして、「小樽運河を守る会」というのが小樽にございます。「小樽運河を考える会」というのが札幌にございまして、そしてまた「小樽夢の街づくり実行委員会」というのやら、また「全国歴史的風土保存連盟」、「全国町並み保存連盟」というように、いろんな団体が一緒になりまして、何としてもこれ、一たんつぶされてしまったら大変だというようなことで運動の広がりも非常に多うございます。いろいろとアンケートをとったり調査をいたしました。埋め立てしてもいいよというのは三百八十九通、そしてこれはもっと検討すべき価値のある問題だというふうに、再検討すべきである、残せというのが、これが約四倍近くですね。しかし、この地元の意思というものが生かされないで強行されようというようなことになっているわけでございます。
 文化庁としても文部省としても、何とかこれを残したいというような立場から御指導もいただき説得もしていただくというような御努力をいただきましたけれども、なかなかこれが効果を上げるというところにはなりません。そして、いよいよ今度の段階では、国の判断が求められるというところの段階になってきたわけでございます。特に、運輸大臣として、きょうまたこの問題を、私、運輸大臣の立場から質問や御意見を伺いたいと思いましたのは、これは埋め立てするにいたしましても港湾計画の変更ということをしなければなりませんし、公有水面の埋め立てという二つの問題が運輸省に係ってきている、運輸大臣の御判断がここで示されなければならないという段階にきたわけでございます。
 これは五十四年の予算委員会で、時の文部大臣内藤誉三郎さんに質問いたしましたときに、大臣、こういうふうにお答えになっていらっしゃるんですね。いろいろおっしゃいましたけれども、一つは「こういうすばらしい文化は、一遍つぶしたらもう二度と出ないんです、日本文化の伝統ですからね。」と、これが第一点です。つぶしたらもうだめになっちゃうということです。
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
それから今度二つ目の点は、私も行ったと。そして、「あの場所を見たけどね、あの運河と倉庫一体ですから、この文化財を失うことは、これは日本の偉大な損失だと思う。」、つまりこれは運河と石造倉庫群、これが一つになっての貴重な文化的な遺産であるということが二つでございますね。そしてまた、建設省に協力をお願いしたいと文部大臣としても思っている、こういうふうにおっしゃいました。何としてもこれだけは残しておきたい、後世に残す誇りがなくなってしまうよ、つぶしたら。こういうふうな立場から、一体のものであるという、保存をしたいということをはっきりおっしゃっていただいたわけでございます。
 それからまた、先ほど申しました「小樽運河を守る会」というのが四十八年結成されまして、そしてそこにいろいろと書いてありますけれども、私は非常に大事だと思いましたのはこういう言葉で表現されているんです。「昭和四十八年末の会結成以来今日まで」いろいろとやってきました云々と書いてありました。そして終わりの方に「神が与えてくれた自然」――この会長さんというのはクリスチャンで私のよく知っている方でございます。「神が与えてくれた自然、人間がつくり出した創造物、そして私たち人間の調和のとれた環境づくりを、この運河地区を拠点として、小樽市全体に広げていきたい。それが本当に人間らしい生活につながるものと、私たちは存じます。」、こういう言葉がありました。
 で、いろいろな団体が残したいと。この年齢層も非常に厚うございまして、若い青年たち、いまもう白けているとかなんとか言われるけれども、その青年たちも非常に小樽のこれを守りたいということで毎年夏にはポートフェスティバルというようなことをやりましたりして、もう本当に一生懸命になって残すということを努力していらっしゃるわけでございます。大臣としても、いろいろと文化的な立場に立っても御理解いただける大臣だと私は思っておりますので、御検討をお願いしたいと思うわけなんです。
 具体的にお伺いしたいと思いますけれども、運河の水面埋め立てに当たって、住民や自治体での民主的な議論ももっと詰めて一致できるようにしたいと思うんでございますけれども、具体的にはどのような手続とそしてどれくらいの期間がかかるかというような点を、これ局長でも結構です、お伺いさせていただきたいと思います。
#86
○政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。
 公有水面の埋め立てにつきましては、免許庁に出願がありましたときにその概要をまず告示をいたします。そして、三週間公衆の縦覧に供する定めになっております。それから続きまして利害関係人がその縦覧期間の満了日までに意見がございます場合は免許庁に対して意見を提出していただくことができることになっております。
 それから、免許庁は、縦覧期間が満了いたしました後期限を切りまして地元の市町村長の意見を聴取いたします。この期限は、普通は市町村議会の会期の関係がございますので、四カ月程度をとることが普通でございます。で、いま申し上げましたように、この市町村長の意見を述べるときは当該意見について議会の議決を経なければならないことになっております。以上のような手続をいたしまして免許庁が免許をすべきだという判断をいたしましたときは、運輸大臣に対して免許についての認可の申請を行うことになっております。それで、運輸大臣の認可がありますれば免許庁は出願者に対して免許をする、こういうふうな手続になっております。で、この一連の手続をいたしますのに先ほど期限を通常四カ月というふうに申し上げましたが、これは議会が終わってその次の議会にかけるというようなことを考えての期間でございまして、そういうものを足しますとほぼ六カ月ほどかかることになります。ただ、議会が非常にすぐ開会できるような場合はそれより早くなる場合もございますし、いろいろと問題があって議論が紛糾した場合はそれより時間がかかることもかなりございます。
 以上でございます。
#87
○小笠原貞子君 それでは、公有水面埋め立ての計画の基準といったようなものはどのようになっておりますでしょうか。
#88
○政府委員(吉村眞事君) 免許権者が免許をいたします場合の基準でございますが、
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
都道府県知事が免許をする場合には五つほど条件がついてございます。それで、その条件に適合していない限り免許してはいけないということでございまして、その内容は、「国土利用上適正且合理的ナルコト」でございますとか、「埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」とか、「埋立地ノ用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体」「ノ法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト」、この中には港湾計画も含まれております。それから「埋立地ノ用途ニ照シ公共施設ノ配置及規模ガ適正ナルコト」、その次はちょっとあれがございませんが、「出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト」、こういった条件に適していない限り免許をしてはいけないというふうになっておりまして、運輸大臣が認可をいたしますときの審査も大体こういうところが十分に審査されておるかどうかということをチェックをするわけでございます。
#89
○小笠原貞子君 そういたしますと、いまお答えいただきました公有水面埋立法の第四条認可の基準というのがございますよね。その中の、おっしゃったような「国土利用上適正且合理的ナルコト」、ここのところにいろいろと解釈の立場があると思うんです。つまり「国土利用上」、これを文化を保存するという立場に立って国土を守って発展させていくのか、それとも経済効果だけ考えて道路というものに中心を置くかという点が一つの問題になる、そういうふうに思うわけなんです。
 それから、これからの手続については、先ほどいろいろ、告示が三週間とか、それから市長の意見を聞く、議会の議決が必要になって知事に通知をして、そして認可申請されて、そして運輸省で審査期間、通常二、三カ月と。これがずっといった場合ですね。だからこれがまた非常にいろいろと問題になって長くかかる。そうしますと、もう一年近くかかっちゃうんじゃないかというような見通しも出てくるわけです。とにかく一月二月の問題ではない。だから、大臣お伺いしたいんですけれども、これだけの期間がございます。その期間に、私は本当にこれは一つの問題として、みんな一致できる点に到達できるはずだし、そうしなければならない問題だとそう思うわけでございます。だから、その間に本当に地元の意向を反映して、それを受けて大臣としての御判断をいただきたいと思うんです。
 先ほど申し上げましたように、議会ではもう大変な混乱の中で強行採決されました。議会が議決したらそれで住民の意思だというふうにおとりになるんですね。しかし私たちは、住民の本当の意思を尊重するという立場に立って、これだけの期間がございますので、私は大臣にぜひ行っていただきたい。ここにばっかりいて、頭が、もうそろばんはじいて計算機でなんというのは余り体によくございませんし、北海道へ行ってここをしみじみ見ていただきたいということが一点なんです。まずそれを聞きましょう。北海道は近いですから、札幌まで飛行機で行けばすぐなんだから、一度。内藤文部大臣はぜひ行きたいなんと言ったら体だめになっちゃってもう御無理言えなくなりました。大臣お元気そうですし、北の方の文化的なところでちょっと頭を冷やしていらしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#90
○国務大臣(塩川正十郎君) 私もかつては小樽を訪ねたこともございますし、一応その町の景観なりあるいはそういう運河、建物、そういう存在等につきましては認識いたしておるつもりでございます。でございますから、とりたててこれを一度視察をということはいまのところは考えておりません。
#91
○小笠原貞子君 いまのところ、ね。お忙しくて大変でしょうけれども、やっぱりこれからの国会の中で大変になりますから、一度行ってゆっくり頭を文化的に切りかえていただきたいと思いますので、お時間大変でしょうけれどもぜひ行っていただきたいとそう思うわけでございます。
 それで、順調にいって八カ月、長くかかれば一年近くかかるというふうに言われております。ここで大事なのは、文部省としてもこれは残したいと文部大臣が御発言になりました。その後多田議員がことしもやりまして、そのときは谷垣文部大臣も、これは残したいとおっしゃった。文化庁も長官や次長も、お伺いいたしましたら、これは残したいとこうおっしゃっているわけです。つまり、国の立場としては残したいという御意向でございます。しかしそのときに、文部省としても、文化庁としても、いえば権限がないと。説得をしたりいろいろするけれども権限がないのが大変残念なんだというお言葉で返ってくるわけなんでございます。しかし、今度、港湾の計画変更とかそれから水面埋め立てというような問題になります、運輸大臣の立場に立ってこの問題を判断されるときには、大臣の判断で、これは権限があるわけでございますからね、だからそういう立場に立ってどうかこれを残せるように御努力をいただきたいというのが私の願いであり、大臣の決意のほどをお伺いしたいということでございます。
#92
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せの趣旨は私も十分承知いたしますが、しかし御承知のようにこれはいわば小樽市の地元の方々で基本的な方針を決定していただくということがこれが一番大事なことでございますし、また政府としてはできるだけ地方自治体の意思にいろいろと介入するということも好ましくないと思うたりしております。したがいまして、この計画がまだ申請書というようなものが提出されておりませんのでいかんとも申し上げる段階ではございませんが、しかし申請書が出てまいりました段階では、われわれも地元の意見を聞くと同時に、また港湾計画等いろいろな点から、あるいはまた文化財とおっしゃっておるこういう問題もございますだけに、いろいろな点から総合的に判断いたしまして慎重な取り扱いをいたしたいと思うております。
#93
○小笠原貞子君 当然そういうお答えが返ってくると思いましたけれども、やっぱり地元の意思を反映するというところでございますね、先ほど言いましたように、埋め立ててもいいよというのが三百八十九に対して、これは残すべきだ、もっと検討して一致できるようにした方がいいというのが千三百四通、そういたしますと、本当の地元の意見というのは私はこういうところにあるのではないか、強行採決をして議決したから、数で決めたからということが決して地元住民の意思だというような簡単なものではないということを重ねて申し上げなければならないとそう思うわけでございます。
 そういうことも御認識いただいて、大臣として権限もおありになるわけですから、ぜひこういうものを、一たんつぶしてしまったら本当に、内藤大臣おっしゃいましたように再びこれを生き返らせるということもございませんので、そういう点を重ねて申し上げましたので、再度そういう立場で御検討を慎重にいただく、そして前向きに検討するというふうな御姿勢の御決意を伺いたいと思います。
#94
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほども申しましたように、おっしゃる趣旨は十分私たちも心得てまいりますが、しかし地元の意思というのは現在行政的な処理という観点から申しますならば、あえて私はそういうことにこだわっておるわけじゃございませんが、行政処理をする段階におきます地元の意思というものは、やはり地方自治体の意思ということ、これが基本にならざるを得ないように思うのであります。さりとて、監督官庁としてただ経過的な処理だけをするということではなくして、その間にはいろんなでき得る限りの努力をいたしまして、慎重に取り扱いはいたしたいと思うております。
#95
○小笠原貞子君 それじゃ本当に地元の意思を正しく反映できる判断で慎重に御検討いただきたいということを申し上げて、この問題時間がございませんので終わらせていただきたいと思います。
 今度は大変厳しい現実的な問題でございます。
 きょうは大変晴れておりますけれども、裏に行きますときょうも曇り、きょうも荒れたというような状況でございます。いま新潟海運局が対象に挙がって、行革の関連法案が内閣委員会で行われているわけでございます。私の方にも地元からもう何人も何回もいらっしゃいましたし、またいろいろな陳情書をいただきまして、非常にたくさんの団体などからの陳情書でございまして、私もこれは大変だなと思っていろいろ勉強させていただきました。もうすでに運輸省も十分認識されていらっしゃると思いますけれども、やっぱり日本海側ではただ一つの総合的な海事行政を行っている海運局だということでございますね。その海運局の仕事というのも、私、今度初めていろいろ勉強させていただきましたけれども、これは中央にいてというような、できることもあるかもしれません。しかしやっぱりあの裏の日本海側の厳しい気象条件の中で、その日その日によって判断もしなければならない海象、気象というような条件の中で処理していくということになると、これは大変大事な役目を果たしている海運局だなということを考えさせられました。
 特定重要港湾を中心とした重要港湾十局、いま現在置かれておりますけれども、とにかく新潟は日本海側でただ一つであると、しかも対ソ貿易、対中の外国貿易、海に囲まれている日本で最も近いところとの貿易関係というような点から見ましても、私はこの海運局というものが果たしてきた役割りを大臣としてはどういうふうに評価していらっしゃるか、まずそれをお伺いしたいと思います。
#96
○国務大臣(塩川正十郎君) 海運局は国の海事行政推進の地方におけるかなめでございまして、これはもうまさに重要な機関である、私たちはそう認識いたしております。
#97
○小笠原貞子君 そういう御認識、御評価をいただいて、私、本当にありがたいと思いますけれども、実際これ、ここでは考えられないような多岐にわたるそのときに判断を必要とされるような仕事が出てまいりますし、また厳しい裏日本のことでございますし、また常に太平洋側は日が当たります、太陽だけではなくて政治的な日が当たりますが、裏日本に対しては非常に何といいますか、ほっておかれて犠牲にされてというような状態の中に、やっぱりこれはもう現実の問題だと思うわけでございます。
 そういう点から考えてみましても、この新潟の海運局というものがどこを持ち場にどういう仕事をしているかということをいろいろ調べてみますと、新潟と長野を見ているわけですね。私は長野に港なんかないじゃないかなんといって素人の発想で言いましたけれども、その長野にも戦時中に疎開していった、いろいろエンジンだとかネジだとか部品をつくるというような企業がたくさんあると。そして新潟鉄工というのは、あれ有名ですね、北海道から行く漁船、北洋のもみんな新潟鉄工ですわ。あの新潟鉄工の下請というのが三十社からあるというふうに伺いました。こういうふうに考えてみますと、これは私は非常に大きな役目を果たしていると、大臣がいま御評価いただきましたように、そのとおりだと思うわけでございますね。
 この前の地崎運輸大臣がどういう態度をおとりになっていたかということをちょっと調べさしていただきましたが、地崎運輸大臣、三月二十八日の閣議でこう言ってらっしゃるわけですね。運輸省については新潟局を関東海運局の海運監理部とするというようなことについては、これは問題だということをはっきりおっしゃっていらっしゃるわけですね。「海運局は重要な総合海事行政機関である。そのため廃止は問題である。」というふうに運輸大臣の立場としておっしゃっておりました。そして、その後で、従来と同等の機能を持たせると、そして住民への、いろいろな関係している仕事についてのサービスということは低下させないというふうにおっしゃっていらっしゃるわけでございますが、運輸大臣として、先ほど大事な役割りを果たしているという御評価があるとするならば、やはりこれはこれからもますます私は重要な役割りを果たさなければならない場所だと、そう思うんでございますけれども、運輸大臣の立場としてはそういうふうにお考えになっていただけますでしょうか。
#98
○国務大臣(塩川正十郎君) 海運行政を担当し、しかも地方におきます一つのかなめとしてこれが機能いたしておりますこと、これはまさにもう、先ほども申しましたように重要なことでございまして、そのことにはいささかの変わりもございません。
#99
○小笠原貞子君 衆議院で附帯決議も出ております。「行政サービスの低下をきたさないよう配慮し、」と、二つ目には「関係機関に勤務する職員の処遇や勤務条件について適切な配慮を加える」というようなのも附帯決議に出ております。そういう立場からいたしますと、いまはっきりおっしゃいましたように、行政サービスは低下させないと、そして同じ機能を維持してこの役目を果たさせるというのが運輸大臣、塩川大臣としての御意思であるということでございますね。
#100
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりであります。
#101
○小笠原貞子君 じゃ、そういう意味におきまして、ぜひ私はここのところはもう非常に大事なところでございますので、その立場を貫いていただきたいと。ただ数を減らせばいい、経済になればいいという問題ではなくて、いまいろいろおっしゃいました海運局の果たしている役目をしっかりと御認識いただいたし、御評価もいただいたわけで、私も期待を申し上げたいと思うんですけれども、私はそれにもう一つまたお願いしたいんですよ。つまり日本海側というのは非常に長いですよね。その中で新潟だけでしょう。そうしますと、もう日本の長い列島の日本海全部を新潟だけというのは、これは大変だなと思いますよね。だから、そこまで御認識いただいたんなら、もう一踏ん張りがんばっていただいて、よりこの海運局の仕事が充実できるように、そういう充実させるというような姿勢でがんばっていただきたいということを最後に伺わせていただきたいと思います。
#102
○国務大臣(塩川正十郎君) 新潟海運局が海運監理部となりましても、これは従来の新潟海運局として行使しておりました権限、いささかの変わりもございませんし、またこれによって行政のサービス低下、特に先ほどおっしゃいました長野地域、この地域のサービスが低下するというようなことのないように十分な措置をいたしております。
 それから、職員の勤務条件でございますが、これにも従来と同様の措置でございまして、そういうことについての不安を持つようなこともないと私は信じております。
#103
○小笠原貞子君 監理部にしてもそういうことに十分配慮すると、こういうふうにお言葉でおっしゃったんですけれども、そこがちょっと私ひっかかりますのよね。そうしたら、それだけのことをするんなら格下げして監理部なんかにする必要はないじゃないかと。地元の新聞なんか読んでみましたら、「南風の吹いているところの局で北風にさらされている地方の海事行政がキメ細かくやれるわけはない、」と、これはもうだれが考えてもそうだと思うんでございますよ。そうすると、機能も低下させない、サービスも低下させない、いまのままで皆さんの御不満は出さないようにいたしますということになりますと、そうすると、今度は関東海運局に入れちゃって監理部にするというと、どこかにひずみが出てくるわけですよね。だから私は、それはきょうはそこのところでもう時間がありません、詰めませんけれども、重々、先ほどおっしゃったような新潟海運局、裏日本ただ一つ、厳しい中で経済的にも、そして乗組員にしても、航行の安全にしても、貿易にしても、地域の社会的経済的条件に対するいろいろな面から見ても、非常に重大な役目を果たしているんだというところの御評価と認識のもとに、それに伴うような措置を運輸大臣としては強行していただきたい。ほかの人はいいですから、大臣、大臣ですからね、運輸大臣。運輸大臣としてそこのところはひとつこう――いや笑っていたらだめですよ。そうじゃなく怒らなければだめなんです。がんばっていただきたいということを重ねて御要望して、時間なので質問を終わらしていただきます。またいろいろと具体的に次に引き続いていきたいと思いますが、どうぞしっかりとやっていただきたい。御決意のほどよろしくお願いいたします。大丈夫ですね、しっかり大臣、がんばってください。
#104
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど申しましたように、行政サービスの低下を来したり、あるいは職員の勤務条件が不利になるというようなことのないように、そしてまた、権限行使につきましては適時適確、十分に配慮をするよう指導してまいりますし、そういう条件を確保してまいりたいと思うております。
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
#105
○柳澤錬造君 公団総裁わざわざおいでをいただきましたので、きょうは成田空港のことをお聞きをしてまいりたいんです。
 最初に、パイプラインの建設状況がどうなっているのだろうか。もう成田が開港して二年五カ月、その間大きな事故もなくて幸いだと思うんですけれども、当初の約束だと明年の三月末には完成をいたしますということになっていたんですから、その辺がどういうことになるのか、これからお聞きをしてまいります。
#106
○参考人(中村大造君) パイプラインの建設状況でございますけれども、千葉港頭から成田空港に至る約四十七キロのパイプライン工事につきましては、ちょうど一昨年の十月末に御認可をいただきまして、自来準備を進めまして、昨年の五月以来順次着工をいたしております。で、本年の六月をもって全線にわたって着工をいたしまして、現在工事を進めておる状況でございます。
 で、この四十七キロの区間は、大きく分けますと、たとえば京葉道路の側道部分に敷設いたしておりますところのごとくいわゆる直埋設といいますか、直接地中に埋設いたします部分、これが約三十九キロございます。これは現在工事を進めまして、大体全長の約半分程度におきましては配管を終わりまして、埋め戻しを終わっております。
 それからあとの約八キロ、これは千葉市内の花見川並びに京葉道路ののり敷の下を掘るところでございますが、ここは地下約二十メートルから三十メートルの深さのところを立て坑を掘りまして、横に隧道を掘る工事でございます。これは立て坑が合計十本ございまして、そのうち七本の立て坑はすでに掘削を終わっておりまして、あと三本、現在掘削中でございます。この三本も本年じゅうには掘削を終わる予定でございます。掘削を終わりました立て坑部分につきまして、横に隧道を掘っておりますけれども、これはいわゆるシールド工法ということでトンネルを掘っておるわけでございますけれども、これは全体八キロのうち約半分、四キロ足らずにつきまして隧道の掘削を完了いたしております。こういうような状態で現在工事は順調に進んでおるわけでございます。
 ただ、先ほど先生御指摘でございましたように、すべての工事を来年の三月までに完了して暫定輸送を終わるというお約束になっておるわけでございますけれども、まことに申しわけないことでございますけれども、この工事が大変遅れまして、来年の三月にはとうてい完成できないということで、政府を初めといたしまして、皆様方に大変御迷惑をおかけいたしておることは、公団といたしまして、まことに申しわけなく責任を痛感いたしておる次第でございます。
#107
○柳澤錬造君 これはもう大臣も御存じだと思うことだけれども、来年の三月末というのが、いまお話しのようにちょっとぐらいずれるなんというものじゃないわけなんです。だから、そうしてくると当然第一に問題になるのは、あれは五十六年三月末というのは地元との約束で閣議決定なさったはずですね。そうすると、もう一回それを今度は閣議決定のやり直しをして、いつまでにきちんといたしますと決めなくちゃいかぬ、政府の方では。それから今度は地元の方ともその辺について、これは公団サイドがおやりになると思うんだけれども、御相談をしなくちゃいけないし、どちらにしても来年三月以降またあの貨車で輸送を続けなくちゃいけない。ですから、その辺の地元との関係、それから公団総裁の方、それから政府の内部でどんなふうに進めようとするのか、それは大臣の方からお答え聞かしてください。
#108
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど公団総裁が説明申し上げましたように、パイプラインの建設がいろんな悪条件が重なりまして思うように進まず遅延いたしております。それに伴いまして来年三月限りとなっておりました暫定輸送をなおしばらく継続していただかなけりゃならないのでございまして、
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
それがためにはまず工事日程を詰めなければなりませんので、工事が、いつパイプラインが完全に完成し、そしていわば試運転もやって供用開始ができるかという、この工事日程をいま詰めておるところでございまして、これに基づきまして、いま地元に対しまして、特に各自治体に対しまして、暫定輸送の延長方をお願いしておるところでございますが、地元との間にいろいろと折衝はいたしておりますが、まだ地元といたしましては完全な御同意を得ておらない状況であります。これを至急に暫定輸送の継続を認めていただくことを得て、その承認を得て閣議決定に持っていきたいと、こう思っております。
#109
○参考人(中村大造君) 公団といたしましては、七月の二十八日に公団総裁から運輸大臣にパイプライン工事がおくれるということにつきまして御報告を申し上げた次第でございます。それ以来、公団といたしましては、茨城県並びに千葉県、それから沿線十二の市町がございますけれども、自治体の長並びに議会に対しまして繰り返しパイプラインの工事がおくれたことについてのおわびと、それから暫定輸送がどうしても延長をお願いせざるを得ないということについてのお願いをいたしておるところでございます。
 それから、パイプラインの工事につきましても、どうしてもこれは予定どおり完成させなければなりませんので、特に千葉市内につきましては、沿線の自治会長をお回りするなどして工事の協力をお願いいたしておるところでございます。
#110
○柳澤錬造君 それ以上パイプラインのことは言いませんから。ただ、かなり長引くことなんだし、いま地元とも協議をなさっているというんですから、誠心誠意取り組んでください。それで来年の三月間際になって、もうどうにもこうにもいかなくなってからがむしゃらに押しつけるようなことではなくて、十分まだ時間があるんですから、そういう点で地元の人たちの言うことも聞いて、協議をして話がまとまって、延長するならするというかっこうで進めていただきたいと思うんです。公団総裁もおかわりになったんだから前のようなこともないと思うんで。
 それでこれは大臣にも聞いておいてほしいんだけれども、いろいろがちゃがちゃあったことは事実。しかしあの成田でも、飛行場をつくらにゃいかぬだ何だといって一生懸命になって協力をしたり、助けると言っちゃなんだけれども、一緒になってやってきた、そういう人たちがたくさんおるわけですよ。特に、飛行機を飛ばす方の航空同盟なんかにすれば、これは本当に言って開港した直後なんてものは、搭乗員だけ日航の専用バスで運んで、もしもそれが、あの当時は過激派にでもばかんとやられたらなんといって心配をしながらやっておりましたくらいなんですから、そういう人たちのことを考えていただいて、そういう中の一つのテナントの人たち、あそこへ入っている、どちらかというと、あの人たちも空港をつくるときに協力をした人たちで、それでそのかわり、じゃといってあそこへテナントになって入っているんだけれども、それがまだ依然として警備が厳しいでしょう、あのとおり、二年半ぐらいになるけれども。だから、本当に飛行機に乗る人たち、おりた人たちはあそこを通るけれども、いわゆる見送りだとか出迎えだとか、そういう人たちが行かないから、言うならば予定しただけのお客さんが来ないわけです。みんないまひいひい言っているわけですね。
 ですから、その人たちのことをこれは公団に考えていただかなければいかぬことだと私は思うんだけれども、お考えがいただけるかどうだろうか。いままでもいろいろやっておられることも私もわかっているんだけれども、その程度じゃとてもじゃないけれどももう持ちこたえそうもないので、もうちょっと何か考えてやれませんか。
#111
○参考人(中村大造君) 空港の中で店をお開きになっておられるたとえば飲食業とか物品販売とか、いろいろございますけれども、その中でいわゆる地元の方、土地提供者とか建設協力者、こういう方々のお店が全体の約半分ぐらいを占めておるわけでございます。その中で特にこの五階にございます見学施設で店を開いておられる方々は、確かに私どもその営業成績を御報告いただきました限りでは非常にお苦しいところもあるというふうに承知いたしております。これは先生御指摘のように、見学者の数が絶対的に当初の予定に比べて少ないと。いまでも大体一日平均二千人ちょっとでございまして余りふえる傾向もございません。ですから、まず何よりも開かれた空港となって見学者がどんどん入っていただくということが先決問題でございますけれども、公団といたしましてはそれまでの間どのようにしたらいいかということでいろいろ考えて手は打っておるわけでございます。
 たとえばそういう方々に対する構内営業料、賃貸料、それから管理費とか、そういう費用を御負担いただく場合に、いま相当な割引をいたしております。たとえば五階の見学施設に例をとりますと、飲食店に例をとりましても、一般のお店に比べますと賃貸料につきましては約九割引きぐらいになっておりますし、それから管理費とか、そういうものにつきましても約八割引きということで大変な割引をいたしまして、それによって少しでもそういう方々の経営の支えになるようにということでいたしておるわけでございます。
 そういう方々とも公団は定期的に会合を開きまして、いろいろな御要望を聞きまして、具体的にわれわれとしてできることについては手を打っていくということをいたしておりまして、つい最近も私がそういう業界の方の代表の方とお会いしていろいろ御相談をしたわけでございまして、今後も引き続いて具体的なそういうことでお手伝いできることはやってまいりたいというふうに考えております。
#112
○柳澤錬造君 これは大臣もそばでお聞きになっておっていただいて、最後にお答えをいただけりゃいいんだから。
 総裁ね、いま苦しんでいるお店出している人たちというのは、まあ言えばお百姓やっていたわけでしょう。土地を提供して、そのかわり私たちも協力します、お店持たしてくださいということで入ったわけだから、いわゆる大資本のなにで進出しているのと違うわけですよね。爆発されたときもだからそれなりに時の運輸大臣にお願いをしてかなりの補償をしてもらったわけだけれども、私の方で聞いているのは、五階に多いんだってね、テナントのそういう人たちが。それでいま言ったように、見学者が余り来ないんだから、五階の方までわざわざ上がってきてお店へ来るのはほとんどいない。それからレストランなんかにしても駐車場のところにある方のレストラン、過激派がなにすると危ないからといって夜もネオンもつけさせない。ですから夜になるともうお客さんもほとんど来ないで、とてもじゃないけれども商売にもなかなかならぬし、じゃ店じまいするというか、売ってどこかへ行こうかということまで考えるようになっちゃったんです。
 それからこれはお店の方じゃないけれども、あの中のごみ処理をしている、何と言うんですか、ごみ会社というんですか、空港のあの中の。ここなんかも四十人ぐらい働いているんだけれども、その警備のために、結局警察で出入りのところなんか全部チェックしてああいうことをやっているんだけれども、ごみを集めたりなんかする自分たちの警備のためにやっぱりかなりのガードマンを雇ったりなんかして、その費用が年間一千万かかるんだそうです。もうとてもじゃないけれどもこれ以上というものは耐えられないんだと、こう言ってきているわけですよ。
 ですからその辺のところを総裁の方も――皆さん方の方は、何ですか、私に言わしたらあんなおかしな旅客施設使用料なんという、世界に空港幾つあるか知らぬけれども、私はあそこを通って出かけるたびに、銭取るなんて、出国税というのはそれはいろいろ国で取っているところはあるけれども、そこの空港のなにが旅客施設使用料なんていって銭取るなんて私は聞いたことがない。だから公団の方は、あんな五年間も飛行場ができて使えないでがちゃがちゃがちゃがちゃ言って、借金はかさむわ、金利はかさむわと言って、苦し紛れに外国の航空会社の使用料もたくさん取れば、そうやって今度はお客さんからもそれなりのお金を取ってやっているわけでしょう。公団はそれでやれるからいいけれども、あそこへいま入っているテナントの皆さん方というのは、まさかそれだからといって、その品物をそれじゃ二割値上げするかというわけにはいきはせぬわけでしょう、もう大体来ないんだから。
 ですからそういう点から考えたならば、いまの賃貸料の土地代、何と言うんですか、敷地のそういうもののあれは聞いておりますけれども、それでもとてもじゃないけれどもやっていけないような状態になっているんで、もう近々正常になってあそこが動くようになればこれはもう心配ないけれども、まだまだ当分ああいう状態が続くということになるならば、改めてその辺についてお考えをいただきたいと思うんですが、どうです。
#113
○参考人(中村大造君) 先ほども申し上げましたように、そういう方々の団体協議会がございまして、その責任者の方あるいは全体の方ともいろいろ意見交換を率直にいたしておりますので、ただいま御指摘のようなことも含めまして、われわれとしてはどういう方法でお手伝いできるかということは真剣に考えて、少しでもそういう方々のお仕事が成り立っていくようにこれは考えたいと思います。
 ただ、どういう方法をとるかということは、それぞれ事業内容によりまして、一般のお客を相手にして物を売られる商売もありますし、それからわれわれから請け負って、たとえば清掃とかそういうことをおやりいただく仕事もありますし、事業そのものが種々雑多でございますので、その一つ一つについて具体的な方法を考える必要があると思いますので、そういうことも含めまして今後連絡を密にして善処してまいりたいと思います。
#114
○柳澤錬造君 じゃ総裁こうしてくださいよ。私も考えていることがあるけれども、ここで言うよりかも、せっかくそういうふうにおやりになっているんだから月一回やってくださいよ、総裁が出て。そう頻繁にと言ったってお忙しいんだから無理だから、月一回ね、あそこの関係の業者と会合をお持ちになって、それで総裁もそこへ出て、いろいろそういうものを聞かれる。それで公団側としてやってやれることについてはそこまで逐次、じゃそれはこういたしましょう、なにしましょうと言ってすれば片がついていくし、がたがたしないで済みますので、そのことだけ約束しておいてください。
#115
○参考人(中村大造君) 私は何回でもお目にかかるつもりでおりますけれども、ただ皆様方の御都合もあり、御希望もございますので、その点も、実はきのうも代表の方とお会いいたしましていろいろ懇談いたしておりますので、そういう今後の連絡のとり方とか会合の行い方等につきましても皆様方の率直な御希望を聞きまして、できる限りその御希望に沿うように私はいたしたいと思います。
#116
○柳澤錬造君 そういう点でそのお約束は守っていただいて、のど元過ぎればにならないようにしていただきたいと思います。
 で、そういう点から今度はその二期工事の問題。開港して、さっきも言ったようにもう二年五カ月になるんで、それで依然として二期工事も、一回、これは運輸省でもおやりになると言って、またそのうちに何かさたやみになっちゃったわけなんだけれども、いまどういうお考えでいるのか。これは大臣と総裁、両方からお聞きします。
#117
○参考人(中村大造君) 私どもは、もともと成田空港は当初計画の千六十五ヘクタール、この区域について完全な空港をつくるというのがわれわれの使命だと考えております。それの完成予定はいまのところわれわれは昭和五十九年と、こういうことでわれわれはいろいろな計画を立てておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはできるだけ早く二期工事に着工したいと、こういうことを熱望しておるわけでございます。
 ただ、二期工事の着工につきましてはいろいろな手順がございまして、その手順をやっぱり踏み誤ることのないように、われわれとしては慎重に慎重を重ねて、効果的な方法を積み重ねてまいりまして、一日も早く効果的な工事ができるようにいたしたいというふうに考えております。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) まず土地買収につきまして、いままでの成田空港の建設の経緯もございますしいたしますので、できるだけ早い時期に地主の方々と接触いたしたいと思うておりますが、これはまだ十分な、いわばあうんの気運ができておらないというような状況でございます。とはいえ、何とか自治体を通じてでも交渉に入りたいと思っておりまして、買収に要する資金等の手当てはすでに用意はいたしておるのでございますけれども、そういう話し合いをまとめていく段階にはまだ至っておらないということでございまして、これもまた急いで実現さしていきたいと思うております。
#119
○柳澤錬造君 それ以上申し上げても答弁なさる方もむずかしかろうと思いますので、ただお願いをしておきますけれども、あそこのA地区の中のあのいわゆる防音工事のそれなんかもまだ全部済んでいない。で、もちろんそれは、あそこに住んでいる方から希望が出てきたならば、それは全室防音工事をやる形になっているのだから、希望が来なけりゃやりようがございませんということを聞けば、それまでかということになるのだけれども、もうかなりたっているんですからね。それで、あれだけの騒ぎの中でもって、全室全部防音工事をやるんだということで話がついてきたんで、で、いまになってもそういうことをやらないでいいということはどういうことかということも私あると思うのですよ。ですからその辺の点を、総裁もおかわりになったんですから、いろいろな面で地元とよくお話をしたり、そしてこの協調体制がとられるようにしていただきたいと思うのです。
 そういう意味に立ちましても、私、ときどきあそこへ行っちゃ思うんだけれども、せめてあれだけの、今度だんだん大きくなっていくんだし、空港としても必要だと思うんだけれども、病院ぐらいおつくりになって、そうして、まあいまのところは大災害も起きないからいいけれども、飛行機の災害なんというのはもう大変なことなんですからね。そういうときに、すぐ、近くの病院に収容して手当てができるような、そういう病院の施設を持つ。で、もちろん一般の人もそういう病院が利用ができるような、そういうことなんか考えておやりになる。それらがまた地元といろいろの関係でもって、空港の皆さん方が仕事がうまくいく道じゃないかと思うのです。
 ですからその辺のことも、きょうは要望だけ申し上げておきまして、あえて御答弁求めませんけれども、ともかくその二期工事も早くやれるようにやっていただきたいし、特にこれは大臣の方にお願いをしておきます。そうでないと、せっかくあそこまで協力してきた人たちなんかが、おれたちがこれだけやっているのに政府は何だと、そういうことになっちゃうわけなんですから。ですからそういう点でもって、どうか大臣の方も、公団の方も、一生懸命になって、そうしてその地元の人たちとよくお話をして、それで二期工事も進む、それからパイプラインの工事の方も早く進む、そうして完璧な、せっかくあそこへつくられたんですから、国際空港、日本の、世界の空の窓口として、玄関口として役割りの果たせるようにしていただきたい、そういうことだけ申し上げて、何か御答弁があればお聞きしますけれども、私の方は終わります。
#120
○国務大臣(塩川正十郎君) 極力努力を重ねてまいります。
#121
○委員長(黒柳明君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト