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1980/11/18 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 運輸委員会 第7号
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1980/11/18 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 運輸委員会 第7号

#1
第093回国会 運輸委員会 第7号
昭和五十五年十一月十八日(火曜日)
   午前十時五十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                大木  浩君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                青木 薪次君
                瀬谷 英行君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                田  英夫君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       運輸省鉄道監督
       局長       山地  進君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      吉武 秀夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      藤田 義人君
       日本国有鉄道常
       務理事      加賀山朝雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      吉井  浩君
       日本国有鉄道常
       務理事      半谷 哲夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      繩田 國武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案(第九
 十二回国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送
 付)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○青木薪次君 先般の運輸委員会におきまして、私たちはこの法案が通った場合でありましてもやっぱり政令がひっかかる。政令がこの法案の命なんですから、そういう意味で、政令を早くひとつ案を提起してもらいたいという話を理事会でも議論をしていただいたようでありまするけれども、大臣の答弁によりますと、来年一月までにつくって、その前に理事会あたりへ非公式な提案をして議論をしてもらおうというようなお話を聞いたわけでありますけれども、私はやっぱりそれは当然な話であると、こう思うのでありますけれども、その点について、大臣いかが考えていらっしゃるでしょうか。
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の趣旨を承りますと、政令がまとまるときに運輸委員会の理事会に提示するというお話でございますが、私はかねてからこの国会で答弁いたしておりますことは、政令が決定いたしましたらこの委員会に提示いたしますと、こう申し上げておるのでございまして、御質問の中身とちょっと違うような感じがいたしますが、まことに恐れ入りますけれどももう一度、そこは大事なところでございますので。
#5
○青木薪次君 私は先ほど申し上げましたように、大臣もこの問題については非常に考えていらっしゃる。そして全国の地方住民のことを考えればやっぱり一つの線、一線一線丹念に検討をしていかないと、一律に法律が通ったら政令でもってぴしゃっと締めつけてしまうというようなことはこれはできないだろうということになりますと、その政令の基準案というものについては、これは最大公約数的なものであったにいたしましても、やっぱりいわゆる地方のいろんな人の意見でもって決まるわけじゃないのでありますから、最終的には。したがって、運輸委員会というものが国会審議の中で非常に中心的に、この問題について運輸省以外にはやっぱり知っておくべきである、国民代表として。そういう意味で、事前にひとつ政令案を提起するということがあっていいし、理事会でもそのことについては、先般の広田質問の結果に基づいて議論をしていただいたときに私も傍聴しておったんですけれども、そのようなことが議論をされたと、こういうように考えているわけであります。
#6
○国務大臣(塩川正十郎君) 理事会で御議論されましたことは私も正確に聞いておりませんが、そういう御議論があったということにつきましては、私も、中身はともかくといたしまして、御議論が何かされておったということをお聞きいたしております。しかしと申してえらい恐縮ですが、私といたしましては政令はもう政府の責任で決めさしていただきたい。その政令を決めるに当たりましては、もちろん当委員会で議論されましたいろんな案件あるいは提案というものを、これを十分に参考にさしていただいて政令の制定にわれわれ臨むべきでございますし、それは当然でございますが、しかし政令はあくまでも政府の責任で決定さしていただきたい。そして政令が決定いたしまして発表いたしますときには、その事前にでも当委員会に提示をする。こういうことを私は申し上げておるのでございまして、その点はひとつ御理解いただきたいと思うのです。
#7
○青木薪次君 わかりました。そこで、なるべく期間を幾らかおいてもらうようにしていただきたい。私のきょうのいまからの質問はそういう関係と非常に密接な関係がございますので、そういうようにひとつお願いいたしたいと思うのであります。
 政令案の取りまとめは、大臣、利害が絡んでものすごく難航すると思うのです。国鉄総裁も実は政令をつくり上げることは全く大変だということを新聞発表で見たわけでございますが、大臣もこのことについては頭を痛めていらっしゃると思うのであります。いままで当委員会で審議されてまいりました基準案に基づいて政令をつくって、また再建法の問題についても基準案を貫くということが今日の段階で言い切れますかどうですか、その点についてお伺いいたしたいと思うのです。
#8
○国務大臣(塩川正十郎君) 当委員会にも提示いたしました政令案の骨子となりますわれわれが作成いたしました選定基準でございますが、これはあくまでも堅持してまいりたい、この原則は貫いていきたいと思っております。
#9
○青木薪次君 大臣の所属される与党・自民党が廃止反対を叫んでいくということもあり得るのですよ。現に私どもは北海道へも九州へも行っておりますが、まさに自民党の代議士が先頭に立って地域住民と話し合って断固反対、守る、維持するということを言っているのでありますけれども、こういう与党の国会議員が言ってきた場合においては、野党もそうですけれども、なかなか大臣も進退ここにきわまるような場合が出ると思うのでありますけれども、その場合でもいま言った基準案を守り通すということについて言い切れますか。
#10
○国務大臣(塩川正十郎君) これはもう法案を提出いたしました当時から地方線対策といたしまして一応政府内でも合意をしておる基準でございますしいたしますので、原則的な基準はこれは政府全体としても堅持していく方針であります。
#11
○青木薪次君 地方ローカル線に対して一日一キロ二千人未満、すなわち特定地方交通線の旅客数の、いわゆるこれらの維持する路線は、今後において六十年までに廃止させるということになりますとなかなか大変でありますけれども、維持路線とよく言われておりますけれども、こういうものについてもう一度説明していただきたいと思います。
#12
○政府委員(山地進君) いまの維持路線とおっしゃいましたのは、恐らく私どもの政令の基準で申しますと八千人以下というのが地方交通線でございます。それから、輸送密度が四千人以下のものが特定地方交通線、例外はございますけれども。そういたしますと、地方交通線という八千人以下の線の中から特定地方交通線を除いたものが維持路線というふうになろうかと思います。
#13
○青木薪次君 新聞報道によれば、赤字ローカル線廃止を含む国鉄再建法案が成立する見通しに立ったということで、与党の自民党は今週中にも加藤武徳元自治大臣参議院議員を座長にして、交通、建設、商工、財政、地方行政の政調五部会合同による地方交通線プロジェクトチームを発足させる、こういう構想があるというように新聞できのうは大々的に報道されているわけでありますが、こういう構想はあるにはあるんですか。
#14
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も党員でございますが、まだその相談は私自身も受けておりませんし、いずれにいたしましてもそれは党の、自由民主党の政調会の中で研究し勉強される会ではないかと私は思うておりまして、ちょうど向かい側に自民党がおられますのでひとつ。私にはまだその相談は来ておりません。
#15
○青木薪次君 いや、私は実は聞いてきたんですけれども、あるそうです。
 このプロジェクトチームにおいて廃止基準や助成措置などを含む政府案の骨格づくりに着手するということを聞いているんでありますけれども、これはなかなか大変なことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はもう再三再四申し上げておるのでございますけれども、国鉄という企業はこれはまさに非常に公共性の強い企業でございますし、しかも全国にわたりまして公平に路線が敷設をされておりますから、そういう一部の特定地方交通線を対象にして廃止、転換等の話をいたします場合に、まず第一に、一番大事なことは、地域によって不公平があってはならぬと思うのであります。
 それと同時に、その不公平をもたらすがために一党一派に偏するあるいは特定の政治勢力に支配されるということがあったならば、これはもう特定地方交通線の対策全体が崩れてしまうということを心配いたしておりますし、またそういうことがあったといたしますと、国鉄の将来の経営につきまして大変な障害となってくることも考えなきゃなりませんしいたしますので、私たちはいろいろな政党からおっしゃる意見は参考にさせていただきます。これはもう政党のおっしゃることでございますから、われわれも貴重な意見として参考にはさせていただきますが、しかし、それによって政令の案文が左右されるとかいうような、そういうことはないということを再三申し上げておりますが、この方針にはいまも変わりはございませんので、御了承願います。
#17
○青木薪次君 座長の加藤元自治大臣は、二年間の協議の期間があるけれどもまとまらなければ見切り発車もやむを得ないのだ、こういうように言われたということを私も新聞社の方にもいろいろ聞いてみたのですけれども、そのような発言をされておったということを聞いたわけであります。そうすると、なかなかこの辺が、この法律案は権力的であるとか押しつけだとか圧制的であるとかということをいろいろ言われているこれらのことについて、大臣は次にいろんな対抗路線の問題についても、すぐさまつくる計画というものがあるんだとか、あるいはまたこのように営業成績もこういう理由で上がるのだからとかいろんな理由があった場合においては、二年間で廃止するということはあり得ないだろう、そういうように思っているという発言をされているときに、やはり私は幾ら与党であっても、責任者が見切り発車論をやられたのでは、これはたまったものじゃない。
 私たち社会党も、きのう全国の代表者百人集まりました。与党がそういうものをつくったらわれわれもひとつプロジェクトチームをつくりたいと思うと、与党だけでもって独走させるわけにはいかぬ、こういう話を実はしたわけであります。しかし、国民の足をしっかり守り地方の発展を期すというたてまえに立った場合に、適正な方針、しかも整合性のある方針というものをわれわれが決めた場合においては、たとえ野党であっても耳を傾ける、自民党と同じように将来耳を傾けるというような意思があるかどうか、大臣にお伺いいたしたいと思います。
#18
○国務大臣(塩川正十郎君) そのような御意見はこの委員会でもずいぶんと開陳されてきておりますし、また将来におきましてそれぞれの政党で勉強をされ、その成果としてわれわれにいろいろと助言なりあるいは御示唆がございました場合に、私たちもそれは謙虚な気持ちで受けとめていきたいと、こう思うております。
 しかし、ここで私が申し上げたいと思いますことは、それぞれ政党の立場というものもございましょうし、また運輸省は一つの基本方針を立てまして、今日までローカル線対策というものをやってきておりますので、この対策につきましては、運輸、国鉄一体としていままでとってきた方針でございますので、その方針が大きく崩れていくようなものでございます場合には、これはなかなかわれわれといたしましても、その対策を率直に受け入れていくということができないような場合もあり得ると思うておりまして、これはいかなる御意見であっても共通した話でございますので、その点はお含みおきをいただきたいと思うんです。
 しかし、この委員会等で私たちがいろいろと聞かしていただきました御意見というものは、できるだけ今後の運用で生かしていくように配慮いたしたいという気持ちはもう十分持っておりますので、それはつけ加えさせていただきます。
#19
○青木薪次君 そうしますと、衆議院二百八十六名といったような安定過半数を持った大政党の自民党の意見であれ、われわれ野党の意見であれ、差別することは別にないと、こういうことを確認していいですね。
#20
○国務大臣(塩川正十郎君) その政党間におきます御意見について、われわれは別に差別だとか区別だとか、そんなことは考えておりません。
#21
○青木薪次君 国鉄総裁にお伺いいたしたいと思います。
 あなたは、全国知事会の説明会において、バス転換路線選定に関して関係知事の意見申し入れ権といいますか、八条四項に基づいて行われた知事の意見はこれは尊重するということを発言をいたしているわけでありますが、具体的にどの程度まで考慮するのですか。
#22
○説明員(高木文雄君) 私はこの問題に関して、知事会に出向きまして御説明をいたしましたり、お願いをいたしましたりしたことはございません。ただ、今後協議会を進めていきます場合に、当然その地域の行政責任者である知事さんの御意見を、いろんな形でいろいろな機会に伺うことは当然のことでございまして、現在までのところはまだ法律が御審議中でございますので、余り知事さんのところへ出向いてお願いするということはしておりません。また、意見交換するということはいままでのところはしておりませんけれども、法律ができて、そしてまたさらに政令が決まって問題がはっきりしてまいりました場合には、長い間これまで国鉄を御利用いただいたわけでもございますし、その路線とは別にたくさんの路線が県、市町村の中で今後ともお世話になるわけでございますから、そういう意味でも知事さんの御意見を伺っていろいろ具体案の取りまとめに当たってまいりたいという気持ちは持っておりますので、知事会では申したことはありませんけれどもしそういう気持ちを持っているということは事実でございます。
#23
○青木薪次君 大臣にお伺いいたしたいと思うんでありますが、自民党ばかりでなくて、廃止が予定される関係自治体や沿線住民から反対や陳情攻勢が全く日とともにいま熾烈化してきております。自民党ではこういう動きの中で、運輸省を中心とした事務レベルだけの検討作業ではもう限界があるということから、具体的な廃止線名は自民党の先ほど申し上げましたプロジェクトチームで政令案の作成に関与いたしまして、特に廃止の線名を具体化させるのが最大のねらいだというように言われているわけであります。私は大変な問題がここにはひそんでいると思うんでありますけれども、運輸省を初めとする関係の各省庁並びに国鉄あるいはまたすべての人たちの意見というものがいろいろ、いろんな形で寄せられてくると思うんでありますけれども、こういうような政治判断をするというようなことがあるということについて、これは大変な問題だというように考えているわけでございます。
 この点は、そういう政治判断を政党の分野で、運輸省を抜きにするといっては語弊があるわけでありますけれども、別のところでそういうものが具体的な作業まで進められていくなんということについては、これはあり得ないし、あってはならないというように思うんでありますけれども、この点についての大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#24
○国務大臣(塩川正十郎君) いま問題となっておりますこの記事を読んでみますと、中には、その対策が大変なんだからそれを党内で勉強するんだと、こういうふうにもとれるのがございますし、また、「自民党では事務レベルによる検討作業には限界がある――と判断〃政治介入〃を決めたものである。」と、これは新聞記事として書いておるんでございますが、どうも私はこの全体から受ける印象から見ましたら、対象線のその協議会ができたりなんかして、それ以降の問題等が重点に考えられておるような印象もこのなにから受けるのでございまして、私の方には正式に自由民主党からこの件につきまして現在は申し入れも何にもございませんので、私はいま何ともこれ申し上げられない段階でございます。
#25
○青木薪次君 そういう事態があったときに、別の分野で、運輸省以外に、あるいは運輸省を中心とする関係省庁以外に、そういうような政治判断をして在続しろとかどうしろとかというようなことについて、これは言うべき筋合いのものではないということを大臣は確認するかどうかということを聞いているんです。
#26
○国務大臣(塩川正十郎君) もうそれは当然でございまして、政令の作成はわれわれ政府にひとつお任せいただきたいということを申し上げておるわけであります。
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
#27
○青木薪次君 そうしませんと、それはこちら側の方に座っている野党だって捨てた数じゃないんですから、やっぱり私どもの方ではこうしろということになったらこれは収拾つかなくなってしまいますからね。大臣、その点はやっぱり毅然たる態度というものは持ってもらわないと困る、こう思います。人間的にも信頼する大臣ですから、その点は職を賭してもこの問題については、ひとついい意見には従うけれども、横紙破りのような、あそこの岐阜の羽島駅をつくったようなああいう意見は、この際、絶対に排除してもらわぬと国民が承知しませんから、その点はひとつ確認をいたしておきたいと思います。
#28
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのとおり、厳正にして偏ることのない政令を作成いたします。
#29
○青木薪次君 それから自民党国鉄基本問題調査会長の細田代議士が――ここに山陰中央新報という十四日付の新聞があるのでありますが、こういう質問をしたんですね。「地元は、廃止基準の緩和などを求めて強力な運動を展開するだろうが、とくに、二年間の期限を切った、いわゆる〃見切り発車条項〃の削除を求めているようで」あるが、この点についてはどうかと、こう聞いたところが細田さんは、「見切り発車ということではない。二年間の協議で結論が出ないときは、国鉄が運輸大臣に鉄道を廃止してバス化することを申請できるということだ。大臣が認可すれば線路がはがされるが、それには政府・与党がよろしいといわなければならない。各路線で事情は違うし、そう簡単ではない。」こういう発言を、細田さんという人は力があるんですね、大臣も経験されたし。したがってこういう細田さんのような人でさえもこういう発言をしているわけです。ですからこういう点についていろいろな意見があちらこちらで出てくると思うんでありますけれども、大臣、くどいようですけれども、政府・与党が了解しなければ運輸省何にもできないんだということでは、これは問題がやっぱり別だと思いますから、もう一度くどいようですけれども御所見をお伺いいたしたいと思います。
#30
○国務大臣(塩川正十郎君) 前言を繰り返すようで恐縮でございますけれども、政府は、政令は政府つまり運輸省、国鉄、これの再建のために絶対必要な基準を設けまして法案審議をお願いしておることでございますので、政治決定は国会でしていただき、その法案が作成されましたり成立いたしました段階においては、これはもう政府の責任において政令も作成いたしまして、政党間あるいは当委員会等におきまして開陳されました意見は参考にはさしていただきますけれども、それによって支配を受けるあるいはまた方針を変更するというようなことは絶対ございませんので、御承知いただきたいと存じます。
#31
○青木薪次君 そこで、地方交通線の選定基準によりますると、都市間旅客輸送の路線を幹線鉄道網とするということになっているんでありますけれども、国鉄のもう一つの使命であるところの大都市圏の旅客輸送を行っている路線については触れていないんです。この点についてはたとえば名古屋に行きますと、武豊から大府という武豊線というのがあるんです。それから、東海道本線から分離いたしまして茅ケ崎から八王子ですか、ここに相模線というのがあるんです。いずれも四千人から八千人ぐらいの乗降客を持っているのでありますけれども、これらのことについてはどう考えておりますか。幹線ではないんですか、お伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(山地進君) 現在当委員会にお配りした基準案では、御説のとおり幹線網を形成するということにはなっておりません。それは一つには幹線網ということの中に都市間を結ぶというのが幹線でございまして、幹線という定義といいますか、従来からの私どもの持っている感じといいますか、そういうものから考えて、幹線というのはやはり全国を太い線で結ぶネットワークと、それから大都市圏というのは言ってみれば地域交通といいますか、そういう感じでございますので、地方交通線というふうに、また地方交通線というのは少ないということが付随していたものですから、大都市圏と地方交通というのは地域交通という点では共通なわけでございまして、それを私どもがいろいろ政策の適用に当たりまして、大都市圏というものと大都市圏以外の地域交通という意味では地方交通線というのは密度が少ないという観念で非常に結び合ってきているということでございまして、したがいまして、今回のこの法律の作成に当たって幹線という観念からは除いて考えておるわけでございまして、結果的には大都市圏の輸送というのは輸送密度が高いという意味で地方交通線にはならないというのが大部分であると、かように考えております。
#33
○青木薪次君 輸送密度についてはいままでいろいろと言われていたんでありますけれども、いいときも悪いときもあるわけですね。大体何年度の数値を使うのか、この点をお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(山地進君) この点につきましては、いまの基準案をお読みいただきますと、第一の三というところに「貨物の輸送密度」と書いてございまして、「運輸大臣が定める方法により算定した当該区間における一日営業キロ一キロメートル当たりの輸送量をいう。」と、ここに書くのが何と言いますか法文のスタイルとしていいかどうかというのは問題があろうかと思うんですが、実は法形式としてどこに書くかということは別にいたしまして、輸送密度というのが政令の中で出てくる一番最初のところなものでございますから、ここに輸送密度というのは運輸大臣が政令を決めるに当たりまして、あるいは政令の中に書くのがいいのかもしれませんが、そういったものについては運輸大臣が別途決めるという考え方を一応持っているわけです。
 そこで、私どもが輸送密度というものについてどう考えてやっていくかというと、先生おっしゃいましたように、過去から見るといろいろ変動しているんじゃないか。そこで、単に一年だけでやりますと、その年が異常な年であったかもしれないということが起こりますので、現在私ども考えておりますのは、過去三年の実績の平均をとったらいかがであろうか、かように考えております。この過去を非常に長くしますと減ったりふえたりしているというようなことが非常に不明確になってきてしまうということでございますので、三年ということぐらいが適当であろうかと考えております。したがいまして、現在申し上げれば五十二年から五十四年の三年の実績ということで原則として輸送密度を計算したらいかがかと、かように考えておるわけでございます。
#35
○青木薪次君 地域の開発計画によって将来輸送量がふえるということが考えられる。たとえば、私の住んでいる近所に清水港線というのがありまして、これは臨海鉄道的なものでありますが、貨物が主体なんです。ところが、旅客列車を朝晩と二往復運行しているんです。それは混合列車なんです。貨物へ客車をくっつけて学生と通勤者を運んでいるのです。その先端には東洋一の海洋科学博物館とか、文化ランドとか、人体科学博物館、それからもう少し離れたところに三保松原とか白砂青松すばらしいところがあり、近く飛行場の建設計画まで実はあるわけです。こういうところが旅客列車を対象なものですから、全くもって非常に営業係数は六五〇ぐらいということになっています。これは営業線でありまして専用鉄道じゃないんですけれども、先端の方のある特定の地域を若干買収すれば、決して第三セクターでやらなくたって国鉄でやれる。しかも蒸気機関車あたりを通してやれば観光客はさっと来るんではないかというように考えておりますし、近くに久能山もあるし、久能のイチゴもあるし日本平もあるし、全く観光資源としては有数な地域なんですけれども、これを現在赤字だから廃止する、これでは一体何たることかといって職員の士気にも非常に影響しているんです。
 ですから、こういうものはひとつ日本国有鉄道六条の改正もしたわけであるし、少しぐらい先端をちょっと買えばこれは堂々と国鉄独自で運営できるというようなところがあるわけでありますけれども、こういうもので、スクラップのことばかり考えてビルドのことなんか全然考えないというところにこの法律の実は退嬰的なところがあるというように私たちは考えているんですけれども、その点についてどういうようにお考えになっていますか。
#36
○説明員(高木文雄君) 具体的な問題につきましては今後とも議論をしなくちゃいけない。要するに、私どもも勉強しなければいけませんし、地域の方々の御意見も聞かなきゃならないわけでございます。ただ、清水港線につきましては前々から私の方で場合によっては廃止をさしていただきたい、あるいは清水というところは大変力のあるところでございますから、地元で中心になって運営していただけないものかということを申し上げたことはございます。現状を見ますとどうもあの地域については鉄道だけで物事を考えるのはいかがかと、むしろ鉄道と他の交通機関、具体的に言えばバスでございますけれども、その両方をうまく組み合わせることによって十分やっていかれるのではないかというふうなことも研究したこともございます。類似のケースはほかにもあるわけでございまして、それらが私どもとしては中央協議会での御討議の中で展開されていくことが望ましいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#37
○青木薪次君 総裁、そういうことを言うのだったら、それなら成田新線の奪い合い激化として新聞に出ている、こういうことをなぜやるのですか。あなたはバスのことを考えて両方セットにして考えていくと。先端の土地をちょっと買えばもうお客がどっと出てくるんだろうけれども、その点についてほかの交通機関のことも考えつつやるのだというような考え方はちょっと当たらないと思うんですよ。国鉄はとにかくたまには成長路線も経営さしてもらいたい、京成の方は経営改善の柱にぜひひとつ成田新線もやらせてもらいたい。まああの空港の地下の駅はこれは仕方がないから足して二で割って両方で使ったらどうだと。そして、国鉄は国鉄で東京駅へ乗り入れる、京成は京成でもって上野へ乗り入れるというような御意見も有力な御意見として実はあるわけですから、こういうようなことも考えている国鉄が、たとえば清水港線というと、ほかにバスも通っているからそのことを一緒にして考えないとどうもまずいというようなことを考えるところにスクラップ・アンド・スクラップという今日の、そのことだけが国鉄の経営再建だというように考えられがちなふうに職員もとっているし世間もとっているんです。どうせ国鉄は土地があるからあれを売り食いすればいいんだろうという人さえあるわけですが、ちょっとの土地を買えばこれでもってすばらしい経営の再建ができるというような見通しがある場合においては、その点は土地も逆に取得するというようなことも考えてやるべきではないのか、こういうことを申し上げておるんですが、いかがですか。
#38
○説明員(高木文雄君) 成田の問題は成田の問題としていろいろ事情が違うと思うんですけれども、いまの清水港線が非常にぐあいの悪いことになっておりますのは、学生さんが定期を二枚持っておって、そして朝は国鉄で行かれる、帰りはバスだということになってしまっているものですから、どうもその辺が非常にほかには余り例のない事情になっております。そこで、前々から何かそういう考え方はないだろうかということを、この法律とは全く関係なしにもつと以前の時代から申し上げたことがございます。こういう法律を形式で今後処理することになりましたから、その場合には協議会で御議論いただいてはいかがかということを申し上げたわけでございます。
 成田の問題につきましては、私どもとしましては、今回横須賀線がご存じのように千葉県までつながりまして、千葉県と神奈川県との間の直通運転をやっております関係もありまして、そういうサービスからいってできればやらしていただきたいという気持ちは持っておりますが、これと清水港の場合は大分事情がいろいろ違いますので、その辺は個別個別の問題としてお考え願いたいというふうに考えます。
#39
○青木薪次君 国有鉄道法第六条の改正で、国鉄は飛び地なんかにホテルつくることもできるわけですね。ただできないのは、たとえば土地を新しく買ったりするというようなことについてはいま許されていないわけですよ。しかし、法律の解釈から言えば、ごく一部だけれどもその土地を買えば有力な商売になるというようなときにはやっぱり買うということについてもこれは考慮すべきである、こういうように考えているわけでありますけれども、この点、その線区自体がすばらしく内容が充実する、発展するというような場合においては運輸省、これは少し考えてもいいと思うんですけれども、いかがですか。
#40
○政府委員(山地進君) いまの御質問は、投資の第六条の規定の範囲からいってどの程度できるかということだと思うわけでございますけれども、現在の六条の規定は「土地の高度利用に資する事業」、つまり国鉄がいろいろ持っている土地の利用ということが主体でございまして、土地の取得を目的といいますか、するということまではこの規定からはなかなか読みがたいのではないだろうか、こういうふうに考えております。
#41
○青木薪次君 検討するくらいはいいでしょう。検討するぐらいのことについても言えないですか。
#42
○政府委員(山地進君) いまのこの法律改正の問題と申しますか、あるいは政令の問題も付随的には起こってくるかと思うのでございますけれども、国鉄のいまのような投資条項の考え方の問題になろうかと思うので、国鉄がこういった公共企業体としてどこまで事業というものをやらしたらいいか、これはまさに立法政策の問題であろうかと思いますので、またいろいろ各方面の御意見も承りまして将来検討することもあり得るかとは思いますけれども、現在の状況からはなかなかそこまで検討するというのもむずかしいかなというふうに思っております。
#43
○青木薪次君 時間がありませんから次に移りますけれども、北海道では三十六線中二十七線が廃止されるということで大変な勢いで反対運動が起こっています。
 それから九州の筑豊地区も、私たちは運輸委員会として視察いたしましたけれども、これまた往年の炭鉱地帯というものが今日エネルギー転換に伴って大変すさんでいるし、しかし今日もなお国鉄は命であるというような事態というものがありまして、このことで大変打撃を受けるのは北海道と九州の筑豊地区が一番大きいと思うのでありますが、やはりこれらの関係について特別な基準というものが地域の実情に従ってつくられるのかどうなのか、このことが第一点。
 それから将来輸送需要が変わることも考えられる。そうすると、また新しい基準というものをつくるようなことになるのかどうなのか、その点もお伺いいたしたい。
#44
○政府委員(山地進君) まず特殊地域の特殊な規定という考え方でございますが、先ほど来大臣からも御答弁のございましたように、日本国有鉄道は全国にまたがっているわけでございます。そこで今回の転換というものは国鉄の財政状況のみならず、地域の効率的な輸送ということに着眼いたしまして考えていることでございます。したがいまして、その輸送密度を基準にいたしまして、その効率的な輸送体系の形成の可能性というものを、並行道路とかあるいは積雪とかあるいはラッシュ時とか、そういったことで補正しながら効率的輸送体系への転換の可能性を求めてつくっておりますので、地域の特殊事情といいますか、特殊地域についての対応ということについては非常に困難であろうかと、かように考えております。
 それからもう一つ、今後の政令基準の改正の問題でございますが、これだけの非常に御審議をいただいている問題でございますので、いまの段階から将来の見直しということを考えるのはやはり私どもとしてはむずかしい問題であろうかと思います。今後の見直しということがいろいろの経済事情なりあるいはこういった実行の結果絶無とは申しませんけれども、いまの段階で見直しを前提にこういうことを考えてはいないと、かように考えております。
#45
○青木薪次君 国鉄の共済組合の関係で、山地局長が先般大蔵省が共済組合の問題について検討して、約二年ぐらいの目途をもってやっていると、それまではどうともならないような発言をされたわけですが、現実問題として法に基づくいわゆる共済組合の運営をしている国鉄の関係について、戦前、戦後を通じて約四十万人ぐらいを抱えた、その人が退職して退職金を払い、いま年金を払っている。成熟度が今日百分の六十四で、今度百分の七十二ぐらいになるでしょうか。そうして昭和六十年段階で百分の百十四、百十四人の年金者を百人の職員で抱える、これは大変なことだと思うのでありますが、これもやっぱり人が多過ぎるとか何とか――人が多過ぎればこれはかえって少なくなるわけでありますが、人がこれから三十五万体制に減っていく。逆に年金財政はどんどん悪くなる。今日ほかの共済組合よりも職員は三割ぐらい高く掛金を掛けているんです。これは厚生年金を初めといたしまして国公、地公それから公共企業体、年金制度が八つばかりあるわけでありますけれども、その中で最も国鉄の職員が高い掛金を掛けているわけであります。そしてこの年金の受ける率は同じなんです。ですからこの点については、山地局長の意見もわからないわけじゃありませんけれども、あなたのそういうようにお役所的答弁されると、私の言うように、冷たいじゃないかと言ってこの前反論したわけでありますが、もう一度この点についてはひとつ検討するとか、きょうはひとつぬくもりのある答弁をしてもらいたい、こう思うんです。
#46
○政府委員(山地進君) 先日来私の答弁についていろいろ御教導をいただいてありがとう存じます。
 実はこの前、二年間かかると申しましたのは、国鉄共済の問題について検討するのに二年かかる。そうすると二つ問題が起こるわけです。一つは、その検討が終わるまでの間共済組合に国鉄から負担する金がどんどんふえていくと、この負担がふえていくのは国鉄経営を圧迫するじゃないか。こちらの対策については、利子補給というような予算要求をして国鉄の経営の負担を何らか軽からしめるようなことを考える。それからもう一つの問題は、先生のおっしゃいましたとおり、現在の国鉄の掛金率というのは千分の百四十七でございまして、組合員の負担というのは千分の六十を超えているわけです。短期の掛金と合わせると千分の百を超える。つまり月給の一割は長期の掛金と短期の掛金にとられてしまう。これが、いまおっしゃいましたように、退職者がふえていく。掛金を掛ける人が減って、もらう人がふえていく。ますます共済が悪化する。この二年間の間に一体どうするんだと、こういう問題が起こるわけでございまして、幸か不幸か来年には共済の収支計画策定審議会というのが今後の五年間の共済の掛金率について各界の有力者が集まって保険数理等を利用いたしまして掛金を考えていくわけでございます。
 この収支策定審議会というものが、片方で大蔵省でそういった問題をやっている。片方では、五年間といいますと――普通五年間なんでございますけれども、その掛金率を計算していく、こういうことで並行していく。これが片方で二年なのに片方は五年でいいのかとか、そういった問題が起こってこようかと思うんで、私どもといたしましてはこういった収支策定審議会の御議論の際に先生のような御意見も十分踏まえまして、私どもとしても大変この掛金率が高いということについては問題意識を持っております。これをどういうふうに解決したらいいかということについては十分お諮りをして検討してまいりたい、かように考えております。
#47
○青木薪次君 いまのような答弁をこの前にしてくれたらよかったと思うのでありますが、了解いたしました。
 それから、私のところの静岡県はいま東海大地震でおびえております。大体、東海大地震について関心があるかという設問をしたところが、七〇%以上が非常に心配しているんです。それから町内会単位にいま防災組織をつくりまして、起震車の中に私も実は乗っているんですけれども、起震車で震度六ぐらいでいま訓練をいたしております。そういうようなことでございまして、特に静岡県は先般気象庁長官が説明をされましたように、一八五四年、安政の大地震から数えましてすでにことしは一九八〇年、大体百年ないし百二十年ごとに大地震が来るという周期の中に生きているわけでありますが、ちょうどこの駿河湾――伊豆半島から浜松方面に向けてすっぽりこの辺がいわゆる一番の危険地帯である。前兆現象としては御前崎の辺が大体一年間に数センチ隆起をしている。片っ方が沈んでいる。真ん中辺が沈んでいるというようなこともありまして、これはもうやってくるだろうという悲壮感に満ちて実はやっているわけです。
 そこで私は、先般投資条項のところで、国鉄で一番大変なのは盛り土地区である、トンネルの入り口である、それからこのままいけば静岡県の橋は全部震度六ないし七で落橋してしまうのじゃないかというようなことが実はささやかれているわけであります。余り物騒な話でありますので、目の前にこのような地震が迫ってくるということが指摘されている今日、手をこまねいてぼんやりしているわけにはいかない。東海地震に対する特効薬はないかもしんないけれども、私たちの知恵のある点やあるいはまた私たち自体が相当備えあれば憂いなしということで考えてやっていきたいということを考えて、いま対策を講じているわけでありますが、特に地震は、地盤が地すべりとか、山崩れとかあるいはまたがけ崩れということや、急傾斜地が、あるいはまた地震が来ることによって土地が液状化状態、ヘドロのような状態になっているというようなことが非常に心配されておりますし、それから軟弱地盤が静岡県は特に由比地区を中心といたしまして、新潟県の糸魚川、そして松本を通って、それから赤石山脈を通って静岡県のこの地区に来ているわけであります。
 先般、百八十万立米でしょうか、地すべりが起こりまして、国鉄は東海道本線にふたをしてしまったわけです。しかし、この地域なんかは、特に東海道本線が通っている、新幹線がトンネルで通っている、それから国道一号線が通っている、それから東名高速道が通っている、しかも由比から富士までのバイパスもある。まるでがけの下のようなところにこれだけ大動脈が通っているわけであります。このことについて、大地震が起こったときに、国鉄はどこかで線路が遮断されたら後はもう使えないんだよというようなことで、全然復旧に使えないんだというようなことで、地震対策としては全く考えてない。私はこの間まで災害対策委員長をやっておりましたし、その点から考えてみて、とにかく大地震立法に伴う財政特例法の制定に努力いたしまして、まあ与党の皆さんとも話し合い、政府と話し合って、約五千億、そのうち六割は静岡県、約三千億円は、一般の財源のほかに三千億円で輸送用の通路とか、やれ河川の改修とか、道路の改修、橋の点検とか、のり面の改修とか、急傾斜地対策、防災対策、しまいには病院から学校の対策まで実はやっているんですよ。
 ところが国鉄は一体どうなっているんだと言ったら、ありませんと、こう言うわけ。ありませんと言っても、これはもうそんなわけにいかぬということで、いろいろ調べてみると、移流用で何かことし四十億円で、来年できたら八十億円ぐらい、何とか流用できないだろうかというようなことを考えているということを聞きました。しかし、財政が困難だから、この地震対策に使わぬでもいいということにはならぬ。ひとつその点で私の発言皆さんひとつ聞いておっていただきたいんでありまするけれども、もしあの直下型の震度七の四百ガルなんというやつが来たら、津波が来るわ、国鉄は倒壊するわ、どうしようもない。
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
緊急輸送に使わないというんならそれはそれでしょうがない。しかし、そうだとするならば、どっかの橋が壊れてしまった、のり面が落ちてしまった、由比地区など山崩れで線路を埋めてしまったというようなことになった場合に、私は一週間や十日ぐらい国鉄が通らぬでは済まない。恐らく少なくとも一月や二月は復旧に手間取ると思うんです。この点について国鉄当局は地震対策なんかについて大蔵省や運輸省と話し合うというような努力がちょっと不足しているように私は思うんです。その点について、いま大臣うなずいていらっしゃる。どうですか、この点ですね、ひとつ担当の常務はどう考えますか。
#48
○説明員(半谷哲夫君) ただいま先生御指摘の大規模地震対策というのはなかなか大変であります。現在いろいろ手を打っているところでありますが、一つには構造物の国鉄の設計の方法でありますけれども、相当程度の地震がくるということをあらかじめ想定しております。したがいまして、いまの構造物、これは新幹線にいたしましても在来線にいたしましても同じでありますけれども、大体震度六ぐらいの地震に対しては耐え得るという構造を設計しているわけでございます。ただ、今回大規模地震として想定されますこの強化地域内に起こります震度、これはまあこれを超えるということが十分考えられるわけでございまして、現在そのための対策を主として新幹線に対してとっているわけでございます。
 で、在来東海道線の方は、できましてからの歴史が相当長うございまして、その間に関東大震災のような地震を経験してきております。その都度保守強化をいたしてまいっておりますし、また構造物的に見ましても東海道線そのものはわりあい地平に近いところを走りでいる。しかし、それに比べますと、東海道新幹線の構造物というのは、いわゆる高架橋あるいは盛り土にいたしましても相当高い構築堤の盛り土であるということから比較しますと、構造的に見ましてやはり地震に対しての対策が相当必要になるということでございまして、現在強化地域内に対しまして、特にいま先生お話のありました軟弱地盤、新幹線で言いますと約三十キロぐらい延長あるかと思いますが、そのうちにあります構築堤の盛り土、これが約二十キロと考えておりますけれども、それらに対しまして振動によります液状化、それによって盛り土が崩れるということのないようにという対策、それから橋梁が落ちるというものに対する対策、これを実施しているわけでございます。
 これにつきましては、全体やりますには相当の対策費を要するわけでありますが、これらにつきましてはこの強化対策を決める段階で運輸省ともいろいろ御相談したわけでございますが、現在では私どもの年度の資金の中からこの防災対策費というものを出しまして対策を打っているという状況でございます。
#49
○青木薪次君 時間がありませんから、広田先生の時間を二十分ばかりもらいましたから、十二時十分ごろまでやりますけれどもお願いします。時間がありませんから端的に聞いていきたいと思いますから、答弁をひとつなるべく短くしていただきたいと思いますが、東海地震が起こった、新幹線、それから東海道本線というような関係について、不通期間をどれくらい予測していますか。
#50
○説明員(半谷哲夫君) 非常にむずかしい御質問でありまして、地震による破壊がどの程度になるかによって想定は大分違ってくるわけでありますが、一番何といいますか復旧に困難な状況ということを想定いたしまして、新幹線につきましては六カ月程度のものは出てくるかと、在来線につきましては二カ月あるいはもうちょっとかかるようなこともあり得るかというふうに想定いたしております。
#51
○青木薪次君 私は心配しているんですが、富士地区の浮島地区、それからこの満水という掛川の手前、それは道床が動いておる。それから、太田川の地区、この地区なんかについてはすぐぶくぶくとしてくる。シートパイルをこの前打つという話を聞いたんですけれども、大変な事態だと思うんです。不通期間が短縮の場合、どういう手を打つんですか。
#52
○説明員(半谷哲夫君) 構造物によって対策の打ち方が違うわけでありますが、先ほど申し上げました、いま私どもがやっております耐震強化の対策というものは、一つには、地震時の安全対策という面もありますし、もう一つ目的とするのは、いま御質問にありました、もし仮に橋梁なりあるいは盛り土なりが破壊された場合に、復旧する速度を上げる、開通までの時間を短縮させるという目的も持ってやっているものでございます。
#53
○青木薪次君 東海道線、さっき言った由比地区ですね、非常にながめのいい、東海道五十三次の発端当時から見たってこれ非常にいいんですけれども、非常に大きな松があって、松が揺すられるからあそこ切り取って東海道線通さしていますから、これが逆に土砂崩壊になる。それからさっき言った固いところとやわらかいところがあるもんですからそれが地すべり現象を起こす。こういうようなところが由比の地区なんです。抜本的な対策はとられていますか。
#54
○説明員(半谷哲夫君) この地震対策というのは、私どもの構造物だけで万全を期するということは非常にむずかしい状況が各所にございます。したがいまして、たとえば、線路の上を横断している道路橋あるいは線路の脇にあります道路の構造物との関連、それからいま先生お示しのような斜面等にございますいろいろな立ち木類等のもの、あるいは斜面崩壊の問題、こういったようなものを含めて対策を打つ必要がございまして、これらにつきましては現在それぞれ所管のところと打ち合わせいたしましてその対策を、効果的な対策をとるようにいま進めている段階でございます。
#55
○青木薪次君 地震の起きたときにはパニックが起こるんですね、そのパニックを防止するためにも、あるいはまた孤立した地帯についても緊急輸送が必要なんだけれども、緊急輸送の対策なんかについて考えていますか。
#56
○説明員(半谷哲夫君) これは、実は大規模地震の予知がなされた場合には、私どもといたしましては、現状ではとにかく列車を最寄りの安全な駅に停車させるという方針をとっております。したがいまして、発災するまでの間にはやはり緊急輸送として鉄道を使うということはできないわけでございますが、一たん発災後、この復旧を急ぎまして、開通後はこれを復旧用の資材、人員の輸送に充当するということは十分考えられるわけでございまして、そのための復旧を早めるという対策、先ほど申し上げましたような対策、それから先ほどちょっと申し忘れましたけれども、この地域に対しまして、日本全国技術力の動員をかけるという態勢も現在検討を進めておりまして、主として東海地域でありますから、その以外の地域、たとえば東北あるいは関西以西等からの応援態勢というものも現在考えているわけでございます。
#57
○青木薪次君 私は、現地をよく見ておりますから、ですから、皆さんが机の上でごらんになる以上に私の発言は迫力がある。迫力があるということなんです。たとえばこの由比地区の百八十万立米、これがずっと落ちてきた。この工事を国鉄と建設省と林野庁でやったんです。勉強をいまもまだしているというような中で、私は、東海道本線もあの山を掘ってトンネルとして興津まで通せという提言まで実はしているんです。しかし、駅が海の中へ行ってしまうと困るというようなこともちょっと言っているようでありますけれども、こういうことはいずれにしてもトンネルを補強する、のり面を改良する、橋も直すということをやったら、この点についてはたとえば震度六以上の激震が来た場合どういうような補強の度合いといいますか、一月で直るものは、たとえば一週間とか十日とかいうようなことについてその辺は研究されたことはありますか。
#58
○説明員(半谷哲夫君) 東海地域だけではなくて全国で地震の経験を経ておりまして、その都度何らかの被害を受けているわけでございます。そういう被害の復旧というものから考えますと、大体先ほど申し上げました、私、新幹線六カ月あるいは在来線二カ月というのは非常に大きな打撃を受けた場合のことでございまして、ただいままでの私どもが受けました被害の程度でいきますと、これほど長期間不通にしたというケースはまずないと見ていいと思います。したがいまして、先ほど申し上げた強化対策をやればこのような壊滅的な打撃を受けるということはなくて、もう少し被害を受けても復旧が迅速にできるような態勢がとれるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、いま対策を打っておりますが、対策を打っていけばこの打撃の程度も相当期間短く復旧できるという自信を持っております。
#59
○青木薪次君 大規模地震対策特別措置法に基づくいろんな政令が用意されたわけでありますが、特に港湾関係においては内航海運で脱出を図る。それからもう一つは、緊急輸送路でもってとにかく道路は通れるんだ、それから自動車は、緊急必要以外のものは全部とめてしまうというようなことで道路を確保する。それから避難路を確保する。それから駅はなるべく四十キロぐらいの速度でもって最寄りの駅へ行くか、あるいはまた警戒宣言が発せられて、たとえば一日とか二日という場合においては、これはその警戒宣言の地域以外に脱出をするというようなことなんでありまするけれども、地震はいつ来るかわからないということになりますと、隣の駅へ行ってそしてとまるという場合に、この隣の駅ではやはり何万の人が集中する。そしてそこにまた一つ医療の問題あるいはまた食事の問題、そしてまたいろんな水その他の関係で地方自治体との関係について非常に問題が発生すると思うんでありますけれども、自治体との関係についてはどんな対策をとっておりますか。
#60
○説明員(半谷哲夫君) この大規模地震対策法に基づきまして、いま本社でもこの強化対策というものをつくっておりますが、現地の管理局におきまして、この強化地域内に入ります管理局というのは静岡管理局が中心でございますけれども、そこでもやはり管理局の実態に即応した対策というものをいまつくっております。その中で列車の避難方法あるいは避難した場合の乗客の誘導の方法等につきまして、いま先生のお話のありましたような水あるいは食糧等の対策につきましても、その最寄りの、これは避難する時間の問題もございますけれども、所在の市町村との連携を密にいたしまして万全の対策を立てるようにということで検討を進めているわけでございます。
#61
○青木薪次君 大規模地震で新幹線がとまったら、これは容易ならざる事態になると思うんです。静岡県だけでもっていま現在もうすでに十二本人っているんです。この関係について、運転再開までにどういうような手順でもって行うのか、その点もちょっと聞きたい。
#62
○説明員(半谷哲夫君) まあ一般的な地震が来ましたときの再開の仕方をちょっと御説明した方がいいかと思いますが、いま新幹線の場合に震度四、四十ガル以上八十ガルまででございますが、その震度を感知した場合には五分間一たん停止いたしまして、その後車上巡回、列車を七十キロぐらいの徐行速度で動かしまして、車上で巡回して異常がなければ平常に戻すという対策をとっております。それから八十ガル以上、震度五以上になりますとこれは列車を全部一たん停止いたしまして、地上を徒歩で全部点検をいたしまして開通させるという対策をとっております。これは現在線につきましても大体同じような対策でございます。大規模地震の場合には、これはまた大規模地震についての情報のあり方によってその運転再開というものも決めていかなければいけないんじゃないかと考えております。
#63
○青木薪次君 運転再開までの時間というのはこれは非常に重要なことでありまして、列車運行に携わる皆さんとそれから駅の方で働いている皆さん、それから現に乗務している皆さん、そして線路の点検その他には大変な時間がかかると思うんでありますけれども、その場合に、もしもATCとかCTCが故障したというようなことがあった場合でも何とかなるようになっているんですか。
#64
○説明員(半谷哲夫君) これにつきましても一般の施設のいま対策をとっておりますけれども、それと同じようにこういった信号、通信システムに対しましてもその復旧対策というものを考えているわけでございます。
#65
○青木薪次君 最後に大臣、この問題についてはいずれにしても机の上でいろいろ考えてやっていることなんでありまして、私どもの静岡県は、この間も伊東で群発地震が起こった。あるいはまた二年間に三回ぐらい地震が起こったんですね。こういうようなことについては前兆現象としてこれをとらえていかなくちゃいけないし、特に一番恐ろしいのは、いま私が申し上げましたようにがけ崩れとか、それから道床の決壊とか、橋げたが落ちるとかトンネルが決壊するというようなこと、あるいはまた、活断層が近くにありますとトンネルの穴がよじれてしまうわけですね。こういうようなことが必ず起こるということを考えたときに、私はやっぱり地震が起こったらどこかへ緊急輸送しなきゃならぬけれども、それは鉄道線路は一本だからこれはだめだとか、これは使えないじゃないかとか、いわゆるだんごになってしまうから使えないんじゃないかというようなことで判断できない。道路なんかふくそうしてしまってどうともならなくなるだろう。海岸だって津波でもって悠長に緊急輸送するなんていう事態じゃない。
 いずれにしても、これだけ大動脈の国鉄について対策を講ずる、片方は対策を講じられているけれども片方は予算がないからだめだったんだということじゃ済まされないし、そういう意味で私はこの対策を講ずることは、これは国策中の国策だと考えているわけですよ。ですからその面で必要なところにはやっぱり金を使わなきゃならぬわけでありますから、安全と防災、それから事故をできるだけ未然に防ぐし、事故が起きたらなるべくそれを少ない被害で済まさせる、そうして列車がとまったならなるべく早く復旧させるといったようなことのために、地震投資というものについては、片方は莫大に金があるけれども片方は何にもないという状態を私は解消しなきゃいけない、こう思っているんでありますけれども、最後に大臣の御所見を聞いて質問を終わりたいと思います。
#66
○国務大臣(塩川正十郎君) 地震対策に対する国鉄の取り組み方が、いろいろと技術上の対策は考えられて、また検討もしておるのでございますが、それはやはり予算が伴っておりませんので、仰せのようにまだ十分なものではないと、私もそれは自覚するものであります。
 これも結局は、いろいろな計画はいたしましても、予算措置がとれないというところから来ておることでございますが、しかし、東海地域におきます地震に対する国民の関心も非常に高まってきておりますし、また、いずれのときにかそういうことはあり得るかもわからぬという懸念も相当濃厚に持っておりますしいたしますんで、とにかく投資に余力をつくり出しまして、そういうものに対する対応というものはやはり不断に努めていかなきゃならぬと思うております。
 まあ、いままでやっておりました対策で、これでは十分なものがとれないと思うのでございますが、しかし、持てる力を集中的に発揮するようにすると、先ほど半谷理事からの答弁もございまして、私たちは、国鉄として最大限の努力は今後するものと思うておりますし、またそれについての適当な訓練等も重ねておくべきだと思うております。と同時に、予算措置につきましても今後格段の努力を払ってまいりたいと思うております。
#67
○青木薪次君 以上で終わります。
#68
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩します。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十八分開会
#69
○委員長(黒柳明君) 運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次発言願います。
#70
○広田幸一君 今度の問題になっております特定地方交通線の乗車人員の基準が四千人以下ということで、当面六十年度までに二千人以下にすると、それが対象になったわけですけれども、いろいろその関係地域の人たちの意見として出てきますのは、その二千人というのは動かせないものだろうかと、そういうふうな意見が非常に出ておるわけですが、この二千人を決めた計算の基礎といいますか、そういうようなものについてちょっと詳しく御説明願いたいと思います。
#71
○政府委員(山地進君) この二千人というのは、別に法律上の規定でできてきておりませんで、御承知のとおり、昨年の十二月二十九日の国鉄の再建についてという閣議了解にそれが出てくるわけでございます。その前に、「国鉄再建の基本構想」というのがございまして、これに、別紙Iのところに同じように輸送密度二千人以下の路線について六十年度までに実施すると、かように書いて、これを受けまして閣議了解で二千人と書いてあるわけでございます。
 この二千人というのは、まず、国鉄が六十年度までにやるということからお察しのつきますように、何といいますか、手順、特定地方交通線が決まりましたらどういうものからやっていくかという一つの方針というような考え方があって二千人ということにしたわけでございますが、こういったものを転換する場合に、まず、観念的といいますか、抽象的に申し上げれば、収支の悪いところから逐次やっていくということが一つの手順かと思うわけで、四千人の方が二千人から比べれば収支がいい、そういうことでまず二千人ということを考えたわけでございますが、いま御質問のありましたように、じゃ二千人というのはどんな数字なんだと、どうして二千人というようなことで区切ったのか、これが御質問の本題であろうかと思うわけでございますが、それはまずバスに転換しやすいということ、収支が悪いという観点、悪いところから逐次やっていくという手順の問題のほかに、まずはバスに転換がしやすいところからひとつ転換していくと、こういう考え方も片方ではあるわけでございます。
 たとえば二千人といいますと、一日当たり片道は千人になるわけでございます。で、特定地方交通線というものに例外を設けましたのは、混雑時の一時間当たりが千人ということがございます。したがいまして、一日に片道千人でありますと、それが多少だんごになったり、太いところと細いところとあるわけでございますから、太いところは千人を超える場合があるわけですね、短いある駅区間だけをとりますと。しかし幾ら太くなっても、片道一日千人というところで、あるところが混雑時が千人になるというようなことは、それはあり得ないことだろうと考えて、その千人というような、混雑時の転換のしやすいといいますか、バス転換が可能であるということを考えても、片道千人という考え方が一つあるわけでございます。
 それから、これは若干今度は検証的になるわけでございますけれども、従来私ども御説明しておりますように、地方交通線の収支系数というのは平均四三二ということを申し上げておりますが、その平均の四三二よりも低いところが大部分であるわけでございます、その二千人以下のところというのは。つまり平均的な収支系数よりも悪いところが大部分が二千人である。この二つから二千人ということで、六十年度までにひとつ特定地方交通線の転換を手順として二千人ということで切ったらいいんじゃないかと、こういうことで二千人を決めたということでございます。
#72
○広田幸一君 よくわかりましたが、その二千人を、四千人以下で当面は二千人ということが対象ですが、そういう数字を出した時期というものはいつでしょうか。私が聞いておるのは、何か三年間の乗車人員を、そういうものを基準にして出しておるというように聞いたんですが、違いますか。どういう時期で、どういうものを基準にして出したんですか。
#73
○政府委員(山地進君) 特定地方交通線の輸送密度四千人以下ということがその特定地方交通線全般にわたって適用になりますんで、二千人以下ということも同じ基準で考えなければいけないことだと思います。したがいまして、先ほど来御説明していますように、輸送密度は過去三年、五十二年から五十四年の三年の平均でいくのが一番公平ではないかということを申し上げているわけでございまして、同じものを使って二千人を計算するのがやはり公平ではないだろうか、かように考えております。
#74
○広田幸一君 この基準の例外として三つありまして、いま局長がおっしゃった片道千人ですね、これが緩和条項になるわけですけれども、実は閣議決定でそういうものが一つ出てこういう基準になっておるわけですけれども、この一年間、国鉄の再建をしなければならないという、もう国鉄当局も国民も私は最近非常にそういうふうに理解をしてきておると思うんですね。ですから、四十四年からですか、四次計画もやったけれどもだめだったと、今度は起死回生だと、もう不退転の決意でやると、こういうふうなことが出ておるわけですけれども、私はいままでやった十年なら十年という過去の努力と、今日の国鉄を再建しなければならないという、国鉄側もそうです、労働組合側もそうです、国民も非常に違ってきておると思うんですね。そういう変化というものを私はやっぱり考えるべきではないか。千人というふうに――私も後で申し上げたいと思うんですけれども、私のところの鳥取県の若櫻線というのがあるんですが、そこの若櫻町では人口八千です。この間日曜日に大集会をやりまして、私帰らなかったんですけれども、八百人集まったそうですね。十分の一の人間が集まっておるわけですね。この町なんかは、少しおくれた感はありますけれども、去年の暮れごろから、もう町民に絶対にこの線は残さなきゃならぬということで大変な努力をしておるわけですね。
 一例を申し上げますと、町の職員が出張するときには必ず国鉄に乗りなさいと、しかも駅の周辺は、駅に交渉をして土地を借りて、奥の方から出てくる者はここへ駐車をして、車を置いてそれから乗車すると、こういうふうなもう本当に涙ぐましい努力をして国鉄を守らなきゃならぬという情勢が出ておるわけですね。私は、これから各沿線の地域住民がそういうふうな努力をするならば、一方では、いままで何回も論議されてきましたように、国鉄が公共的な使命を堅持しながら徹底した経営努力をすれば、私はそういう乗車人員というものはもっとふえてくるんではないかと、そういう感じがするわけでして、一千人で固定をして、これから大臣のおっしゃるように法案が通るならば、一月の末には基準を決めてしまって、それから走り出すというのは、少し私は状況の変化というものを見直すべきではないかと真剣に考えるんですよね。そういう点についてどうですかね、大臣。局長でもいいんですが、私の言わんとする真実に答えてもらいたい。
 確かに住民の皆さんは、いままでは、まあそう言ったって大丈夫だろうという安易な気持ちがあった。また国鉄も、大変な赤字だということは言うんだけれども、じゃそういう切実感を個々の住民に言ってきたかというと、私はなかったと思うんですよね。そういうふうな気分がずっと盛り上がってきておりますので、私の言っていることもそう間違っていないんで、この辺でひとつそういう点について見直す必要があるではないか。ただ一千人というふうに限らずに、まあ一千人といっても九百の場合、九百五十人の場合はそれを切ってしまうという、多少の幅はあると思うんですけれども、私はそういうことが住民の皆さんに理解されることによって国鉄がさらに利用されることになるし、もうそれこそいつも申し上げておるようなやっぱり持続性のある安定した国鉄再建ができると、こういうふうに思うんですが、そういう点についてどう思われますか。
#75
○政府委員(山地進君) 大変むずかしい議論だと思います。と申しますのは、こういった政策を推進する場合に、言ってみると、転換をすべき路線、成績のよくない路線というのはどんな基準でやったらいいか、私は輸送密度をやっているわけですけれども、輸送密度というのは、何といいますか、人為的な数字であってはいけない、むしろ客観的に公平なものでとらえるべきじゃないかという議論が片方であるわけです。それで、私が人為的でないと言う意味は、廃止されそうだから、じゃみんなで数字をつくっちゃおうじゃないかというような、これは悪い言葉でございますけれども、いま先生のおっしゃるように、参加意識で、これはわれわれのものだと、守ってやるということは大変結構な話だと思うんです。ところが、一時的であってはいけない話なんですね。そこで、そういったものが恒久的に続くという、その保証という言葉も悪いんですけれども、ことが確実であるというような場合は決して言ってみれば不動な、一時的な臨時的なお客じゃない、これは固定的なものだと考えることはできるわけです。
 ところが、たとえば五十五年とかというようなところでとった場合はそういう努力――努力と言っていいのかわかりませんけれども、参加意識の高いところと弱いところとが出てきてしまうとか、だからそういったことからいえば過去の純粋無垢といいますか、そういうことの何にも入ってない人為的じゃないところでとった方が公平じゃないかという議論。それから先生のおっしゃるように片方では、そうじゃない、意識が変わったんだから、変わった参加意識の高いところでとった方が公平じゃないか。そこらが私どもとしても実は迷うわけでございますが、私どもとしてはそういった状況の変化ということを具体的には現地で私どもはそれほど見ておりませんので、現在のところは五十二年から五十四年の方が公平ではないだろうかと、かように考えておるわけでございます。
#76
○広田幸一君 大臣、そのいま局長がおっしゃった意味はわかるわけですよ。ただ、だから私は代表質問で言いましたのは、もう少し時間を置いて、ここまで変化をしてきたわけですから、国民の意識も変わってきたわけですから、この法案をもう少し延ばして、一年なら一年という期間を切って、住民の意向も聞きながら、そういう中で考えたらどうか。こういうふうに、非常にむずかしいことですよ、しかし、私の言っていることはそう間違いでないと思うんですよ。できるかできないかは別として、なかなか法案の通過も、多数おられるわけですからいけぬようですけれども、私はそういう意識がないと、ただこれから政令で決めてしまって、国鉄が今度は特定交通線を決めて運輸大臣に出すという形では、私はやっぱり時期が来ればまたもとどおりになってしまうような、別の意味のもとどおりになってしまうような感じがするわけですよ。それだけに慎重を期していかなきゃならぬ、こういう意見です。
#77
○国務大臣(塩川正十郎君) いつこれを提出さしてもらうのがいいかということ、これはいろいろと時期につきましては広田先生おっしゃるようにもうしばらく待ってという考え方、これも私は意見だろうと思うております。けれども、この国鉄の再建の問題は四十七年、その前から四十四年からでございますか、再建問題に取り組んでまいりましたし、四十七年以降は地方交通線についてずっと運輸、国鉄で長年にわたって検討をしてまいりました。したがいまして、地方自治体とのいままでのやりとりの経過等も実はあるわけでございまして、私たちは突然として地方交通線問題を持ち出したのではないということはひとつ御承知いただきたいと思うのであります。
 しかも、この特定地方交通線に該当いたしますところは、最近の傾向を見ましても乗客数がやはり低減してきておるところなんです。この中でそれは一、二特異なものはあるかもわかりませんが、全体として見ましたらそういう傾向にあるものでございますから、これはどこで線を引くかということはそれはおっしゃるようにこれはもう多分に主観も入るだろうと思うんですけれども、しかしこれも営業係数等を一つの基準にし、それをながめてまいりましたときに、やっぱり二千人四千人というこういう線が妥当なものだと思うておるわけであります。この二千人と言いましたら先ほども言ってますように片道千人でございますか、大体鉄道に乗っていただく方は十キロもしくは十五キロという距離を乗ってもらうわけですが、十キロといたしましたら一日に百人の乗りおりということになってまいります。そういたしますと、これはもうやっぱりどう考えましても鉄道の特性として維持しなければならぬ路線ではないような感じも私たちは率直に持っておるわけで、他の交通機関との関係もやっぱり考える方が適当ではないかというふうに私たちは思うておりまして、そこで線を引いたというのがいきさつでございます。
#78
○広田幸一君 大臣、私もこの春からそういう対象線になるであろうという線の沿線の皆さんのいろんな意見を聞いてきました。確かに一方的な意見もありました。しかし大半は、まあいろいろありますけれども、やっぱり自分たちの生活路線である、何とかその赤字を解消するために努力しなきゃならぬということで本当に血眼になっておるわけです。それをもう少し二年、三年前からやっておったならば大分変わるというような意見、これは国鉄の、政府の側にも責任があるわけですからね、住民ばかり言ったっていけないと思うんですが。そこで、それは国鉄側の言い分もあると思うんですけれども、たとえば乗車をしやすいようなダイヤを組んでもらいたいとか、いろんな意見があるわけですよ。それをしょっちゅういろんな問題をひっ提げて管理局に陳情されるけれども、それには色よい返事は返ってこない。住民としては、これは赤字線だ、何年か先には切ってしまうんだというふうに本社の方から管理局の方にそういう命令が来ておって、そうしてもう余り対応してくれないという、ひがみかも知りませんけれども、そういうふうに思っておる人たちもたくさんおるわけですからね。
 ですから私は、そういうような、民間と違うわけですから、そこに公共性というものが言われてきてどこに公共性があるかということが論議になっておるわけですけれども、私はそういう歴史的な経過をやっぱり考えてみると、もっと国鉄がこういう点にこたえてくれたならばもっと乗車人員がふえるであろうということは言える面もあると思うんですよ。たとえば若櫻線の例を、私もきょうは余り地元のことを言ったらいけぬと思ったんですけれども、わかりやすいと思ってちょっと申し上げるんですが、これは二十キロで、鳥取まで行きますとこれが三十キロになるんですけれども、七十五分かかるわけですね、これは。通勤の場合は四十五分ぐらいですけれどもね。これにはDCとDLという車両の区分があるわけですけれども、一日往復八往復で、それで重い機関車といいますか、これが二本入っておるわけですけれども、こういうラインをDCにしてもらってスピードを上げてもらって、そういうふうにやってもらったりしたらもっとスピードも早くなるではないかというふうな――七十五分間もかかって行くというようなことは大変なことなんですよ、これは。朝の通勤列車のときは四十何分くらいですけれども、それを乗りやすいようにしてもらいたいというほんに住民の切なる声があるんですよ。
 それには、結局よう調べてみますと車両が全体に少ないということなんです。朝六時何分に出るときに、この山奥にグリーン車がちゃんと、五両か四両ぐらいの中にグリーンの車がてんとあるんです。一人も乗らないんですよ。しかし、それはまた鳥取に帰ってから次の因美線の方に持っていくためにそれをそういう車両の編成にしなきゃならぬと。まあぼくら専門家じゃありませんからね、地元の人たちも何でグリーン車をそんなところに編成しなきゃならぬのか、それも全部赤字に含まれてくるではないかというほんに率直な住民の声もあるんですよ。だから、そこらは何か解消の道がつかないものだろうか。乗りやすいような、赤字を少なくするような努力というものについて国鉄はやってくれないかという真実の声じゃないかと思うんです。これは総裁になりますか。
#79
○説明員(高木文雄君) できれば各地域あるいは路線にふさわしいような車両を走らせることができればいまよりは格段とサービスを向上できるものでございますけれども、率直に申しまして、先般来いろいろお話がございますように、ここ何年来資金不足の傾向にございますので、車両につきましても実は耐用年数を経過した車両を使わざるを得ないことになっております。いまの例では、私は詳しく存じませんけれども、大部分はディーゼルカーが走っているけれども、一部ディーゼル機関車が客車を引っ張っておる。ディーゼル機関車が客車を引っ張ります場合には、ディーゼル機関車の目方が重いために、そしてそういう線区は必ずしも路盤が十分ではございませんのでスピード制限をかけております関係で、ディーゼル機関車の引っ張っております分はスピードが遅い、こういう結果になっておるわけでございまして、でき得れば、ディーゼルカーにだんだんいま切りかえておりますので、ディーゼル機関車をやめてディーゼルカーをふやしていけば御趣旨にだんだん沿うことになるわけでございますけれども、いま申しましたような、やはりだましだまし、耐用年数は過ぎておりましてもそれが動かないわけではありませんし、危険なわけではありませんし、修理に修理を重ねながらだましだましいま使っているということでございます。
 で、いまのようにダイヤを改めれば、あるいは接続の部分を改めればもう少し乗ることができるのでそういうことを考えてほしいという御要請は、今回こういうお騒がせするようになりましてから各方面からいろいろ寄せられておるわけでございますが、私どもとしましては、本来バスと汽車、列車とどっちがよろしいかという場合に、赤字の問題を全く別にして考えましてもエネルギーの問題を考えましてもバスの方が経済的であるということで、その線として四千人という線が出てきたわけでございます。しかし、その四千人という線につきましては、いまのダイヤの問題、接続の問題等がございますのでまだまだ工夫の余地はあるかということで、その中でもまあお客様の少ない二千人というところをとりあえず対象にするということにして基本構想案をつくりまして運輸省にお願いをしたという経緯でございます。
 お言葉ではございますが、いま二千人以下のところでダイヤを改正する、あるいは列車編成を直すということによって四千人になるということはどうもなかなか考えられないわけでございますので、おっしゃる地域の方々のお話はわかるんでございますけれども、さりとてこれを、ダイヤを直すといいますか車両を新しく投入するということによって四千人まで上げられるということはなかなかむずかしいんじゃないかという前提で、いまの二千人のところはやはり私どもの気持ちとしてはこの際バスに切りかえさせていただきたいと。たとえばエネルギー的に見て汽車の方がいいというんであればまた考えようもありますけれども、決して赤字だけではないわけでございまして、エネルギーの方から見ましてもそれから人的資源から見ましても、明らかにバスの方が能率的であるわけでございますから、全国民的立場から言えば、エネルギーを節し人的資源を節しかつ赤字が減るということであることが明らかである線区についてはやはりやめさしていただく、バスに切りかえさせていただく方が好ましいのではないかと考えているわけでございます。
 なお、ダイヤにつきましては、少しずついま車両が新しくなってきております、どんどん古くなるというわけではないので、少しずつ新しくなってきておりますから、大変牛の歩みではございますけれどもサービスはあるいはダイヤは少しずつ便利にすることができると思いますが、なかなかいまの問題になっております特定地交線の地域まで及ぶのには時間がかかるというか、ほとんど不可能に近いというふうに考えておる次第でございます。
#80
○広田幸一君 私も少しずつ勉強しておるのですけれども、何か最近、現にある車ですか、キハ40、キハ20というような一つの車両で全部行けるようなのがあるらしいですね。そういうようなのがピストンで行けば経費も安くつくと思うんですがね。ですから、総裁はいまエネルギーの問題もおっしゃったわけですけれども、私はそのこともわかるし、プラス公共性ということを考えていかなくちゃならぬわけですから、むちゃくちゃに公共性ばっかり言っているわけじゃないんで、そういうふうな車両をそういう特定な線のところに配置されるということになると住民もいいし経費も安くつくというようなことがあるんで、そういう意見もだんだん聞くわけでありますが、その点についていかがですか、簡単にひとつ御答弁願います。
#81
○説明員(高木文雄君) 方向としては、ある車両を全国引き回して、そして何といいますか、いわば古い車両がローカル線にいくと、そういう車両ばかり走っているという状態は決して好ましい状態ではないと思っております。でき得れば線区別にふさわしいものを使った方がよろしいのではないかというふうに考えておりますけれども、その場合でもやはり車両は、一億まではかかりませんけれども、一車両についてどうしても七、八千万円かかりますということを考えますと、なかなかお客さんの少ないところについては新規車両の投入についてもちゅうちょせざるを得ないということでございます。ただ、地方交通線で今後も継続していきます地域につきましてはその地域向けの車両というようなことも考えていくべきだと、順繰り順繰りに古いものを回していくというのは必ずしも好ましいやり方ではないということは考えておりますが、いまの問題になっております特定地方交通線にまでそれを及ぼすということにはなかなか計算上出てこないということなんでございます。
#82
○広田幸一君 大臣に関連をして御質問しますが、塩川大臣と言えば、大変失礼ですけれども、いろんなことを知っておられる大臣だと私は思っておるわけです。
 それで、今度の問題で一番われわれが気にしておりますのは過疎地域の問題です。で、今度過疎法の改正がことしの通常国会でありましたし、定住圏構想というのもモデル地域の指定もあったわけでして、そういう地域で特定地方交通線の現在ある線が廃止される、バスに転換されるというようなことになると地域によっては大変困るところがあるわけですが、こういう過疎対策の問題について、国鉄の今回の再建の問題と関連をしてどうあるべきか。運輸大臣であり国務大臣であるという立場で、これから大臣も、政令を決めるに当たって関係各省庁と連絡をとってやるというわけですから、私は、非常にむずかしい、大臣が苦労されるだろうと思うんですわ。しかし大臣も、国鉄が赤字だから、だから勘弁してくれということだけではその関係閣僚会議というものはうまくいかないと思うんです。やはり全体的に見てどうあるべきかということを考えなきゃならぬと思うんですが、その辺で私は、この過疎対策、過疎の振興それから定住圏構想の将来のあるべき姿、そういう中でこの特定地方交通線はどうしていこうかというようなことをちょっとお話し願いたいと思うんです。
#83
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、この特定地方交通線の転換と並行いたしまして、そういう特に過疎地域のあり方ということにつきましても政府として統一した対策を強力に推進すべきだという意見を持っております。
 きょう実は閣議がございまして、その後鈴木総理と私が話をいたしましたときにも、鈴木総理から、この政令を作成する手順等につきましての話がございましたときに、ただ地方ローカル線という問題だけではなくして、地域振興ということと合わせないとこれはどうにも解決できないね、ということを言っておられましたし、だから、政府一体として取り組むということを確認したわけでございます。
 私は交通のことだけについて申し上げますと、一つは、こんなことも考えたらどうだろうかと思うておることが、アイデアがあるんです。
 それはもう大分以前でございましたけれども、フランスの田舎で見たんですが、逓信バスというのがあるんです、向こうは。もうそのバスで人間も乗っておりゃ荷物も運んでおるし、そしてそれは適当なコースを勝手に行っておるんです。何かそこで料金をどんな基準で決めておるのかもわかりませんけれども、非常に便利なバスなんです。逓信バスというふうに何か通訳が訳してくれたんですが、これ、私も制度とか何かそんなのわかりませんけれども、たとえば北海道なんか一例にとりましたら、牛乳積んでいくときに児童を、学校へ行く子供をばあっと乗して走ったっても構わぬのやないか。で、またトラックのかわりにバスがもう働いておるとか、あるいはトラックのときに人間がちょっと安全に乗れるようなところがあれば、そこで二人でも三人でも乗してやるというようなことがあってもいいんではないかと。それがいまの法律のたてまえから言いますと、人間の乗るのはバスかタクシーでないとだめなんだ、貨物の車には人間乗したらだめだ、あるいは金を取ったらだめだというような、バスには貨物運んだらいかぬとかいうようなそういういろんな制約がつけられてしまって、理想的にでき過ぎておる。これでもって過疎対策の交通を維持せいったって、これは私はむずかしいような感じがするんです。ですから、この際にそういう特定の過疎地域を走る交通機関というものは多目的に使えるような、制度的にもそういうことを検討してみたらどうだろうと。私はまだこれは事務方に命じておるものでも何でもございませんが、そういうことを考えるべきじゃないかなと。
 それからいま私の方の審議室等で研究しておるんでございますが、英国ではコミュニティーバスというのを動かしておるんでございまして、これはボランティアの場合もありゃ、また市町村が負担しておる場合もいろいろございますけれども、これはある一定の要請があればバスは出ていくと。それは定期で子供が学校へ行くときにはばあっとそろって出ていくというようなこと、地域が経営しておる。便利屋のバス、こういうような制度を導入してもいいと思うのでございまして、田舎であっても都会であっても、規則は規則でぴしっとこうやっておるというところに交通の持ち方というものがむずかしい。で、最近バスが、過疎バス対象になりますところの路線が減ってきておるんです。私はこれ心配いたしまして、余りもう路線を整理ささぬようにバス会社に要請せいと言っておるんです。なぜかといいましたら、だんだんと過疎バスも乗るお客さんが減ってきた。それはどうしているかといったら、全部乗用車に転向していくんです。結局バスが二時間に一本、一時間に一本だったらもうマイカーで行っちまえと、こういうことだと。そうすると、バスを利用しているという人は本当にもうおじいさん、おばあさんですね、こういう人になってくる……
#84
○広田幸一君 大臣、その辺で、時間が……
#85
○国務大臣(塩川正十郎君) こういうことでは私はいかぬと、こう思うんです。
#86
○広田幸一君 ちょっと私も設問の仕方があれだったもんですから、もうあと時間が余りないんで……。
 そういう大臣のいろいろ先々をお考えになっておることは私も、内容はよくわかりませんが、そういう構想を持って日本の交通体系はいかにあるべきかということについて真剣に取り組んでもらうということは大変結構なことだと思うんですが、現実問題として、私はもうさっきからも言っておりますように、一月の末には閣僚会議を持ってお決めになるわけでしょう。で、建設省につきましても、建設省の方呼んでおるはずですけれども、ちょっと時間がありませんから。バスに転換をするといっても、これを見ますと、すれ違いのできないところがこれだけでもずいぶんとまだ、これは一般国道の補助区間の分でも七七%、それから県道に至っては五〇%ですから、バスの転換のできるようにするといっても、交差ができないようなところがあるわけですからね、こういう場合は、私は閣僚会議で問題が出ると思うんですがね。
 ですから、それをたとえば二年なら二年先にそういうふうにするとかというようなきちっとした条件をつけないと困ると思うんですよ。そういう点もはっきりしてもらいたいと思いますし、それからさっき言っておりますような定住圏構想の中を走っておる、それも赤字だからといって切るということではなくて、大臣は赤字、赤字、勘弁してくれということでなくて、やっぱり国家的な視野に立ってやってもらいたいということをその閣僚会議の中で強く主張してもらいたい、こういうふうに言っておるわけであります。
 それからついでに、もう一つは、私はこの間国鉄総裁に、約九十線といわれる線をバス転換にした場合には、あなたの答弁ではちょっと最後の方がわかりにくかったんですけれども、約九百億あると。それを転換をすると国鉄バスも赤字だし、そういうものを計算すると、何か七百億円ぐらいになるというようなお話だったように思うんですが、その七百億円という数字と、それから私はこの間も言ったかもしれませんが、九州に行って筑豊地区の対象線が九線あるわけですね。あそこは門司の管理局管内でありまして、五十四年度の赤字が一千億であると。一千億です。そういう数字を私持っておりますけれども、約一千億あるんですね。その中の九線というのは何ぼ赤字がある。三十九億なんですね。これは私、管理局長に数字を聞いたわけでありますから間違いないと思いますが。そうすると全体の二十五分の一ですね、全体の、管理局の中における九の対象線は二十五分の一。
 そういうことをいろいろ考えてみますと、私はもとに返るような話になるんですけれども、赤字だからといって切ってしまうというのは、社会的に見ても政治的に見ても、これは大臣、私は少し不公平なような感じがするわけですわ。不公平なような感じがするわけです。そのことはいままでも言ってきましたけれども。そういう点、さらに私は最近の関係住民の皆さんの執拗な国鉄の特定地方交通線に対する廃止反対の運動の中から、非常に盛り上がった中からそういうことを痛切に感ずるわけでありますが、この点についてひとつ、時間がありませんから簡潔に御答弁願いたい。
#87
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのこと私たちもよくそれはわかってはおるんですけれども、しかし、この廃止の基準としております交通量というものは大体私も理解はしていただけると。ですから、たとえば行き違うことができない、それを関係当局が相談して、それじゃ建設省と県の補助事業でやるということで、それがいつごろにできるということになれば、やっぱりできるまでは鉄道は運行する。だから決定はしておくけれども、決定はいたしますけれども、その実施というものをある程度延ばすと。それはなぜかというと、その道路の整備ということが条件となってきちっと決められておるような場合は私はそういう措置もとっていいんではないかと、こう思うたりいたします。
 しかし、ただ決定もしないで、廃止線の対策を決定もしないでしばらく待て、しばらく待てと、こう言われることは、これはどうしてもそこに何年という年数を切っておかないと、これは解決にならないと思うものでございますから、だから年数を切るということにつきましての御理解はひとつしていただきたいと思います。
#88
○説明員(高木文雄君) 先ほどの数字でございますけれども、九百億というのは二千人以下の線についての現在の赤字でございます。それから、二百億というのはそれをバスに切りかえました後で、バスとしてなお残るであろう赤字でございまして、赤字が減る方が七百億ぐらいで、残る赤字が二百億ぐらいかということでございます。
 それから、門司の鉄道管理局の赤字が千億というのは確かにほぼそういう数字でございますが、門司の鉄道管理局のその千億の大部分は幹線だということは御指摘のとおりでございます。実は門司はもともと大変な産炭地域でございましたから、線路全体が構造的にも石炭輸送に向いているようにできている部分が非常に多いわけでございまして、これから残していきます線につきましてもいろんな意味で運送方あるいは設備等も変えていかなければならないわけでございまして、いまはっきりここで数字を申し上げかねますけれども、門司の中の今後残ります線の赤字というものはいろいろのいわゆる要員を減らしますとか、あるいは設備を改良することによって運行コストを落としますとか、そういうことを通じてこれまた相当思い切っていろんな手を打ちまして赤字を減らす手立てをいたすつもりでおります。
 ローカル線の方は、何度も申しておりますとおり、もはやなかなかもう設備的にあるいは要員的にも手立てがないわけでございますので、そこは幹線の場合とローカル線の場合と違えた対策をとるということにならざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
#89
○広田幸一君 ちょっとこれは大変恐縮ですが、局長にお尋ねするんですが、AB線の問題で第十四条に告示をするというふうになっておりますが、この基準が決められて、それぞれ告示をされるわけでありますが、AB線の場合は、建設をした場合の、開業した場合のデータというようなものも考えて告示をされるというふうに理解をしてよろしいかどうか。
#90
○政府委員(山地進君) いまここに書いてございますように、この八条二項の「政令で定める基準に該当する」こととなると認めて告示をしたもの、つまり八条二項で私どもは四千人未満と、これは特定地方交通線ですよ、並行道路がどうとかいろいろございますけれども、そうしますと、その基準で新しくできるものを考えていくわけです。
 そこで、いまおっしゃいましたように、このAB線にあっては実績がないわけでございますから、今後、開設したら幾らになるかという輸送密度を予測いたしまして、その予測密度といいますか、それが四千人以下、つまり開業したら四千人以下になるであろうというものとして私どもが告示をすると、こういうことになるわけでございます。
#91
○桑名義治君 今回の再建促進特別措置法の第十二条でございますが、「日本国有鉄道は、日本国有鉄道法第四十五条第一項の規定にかかわらず、地方交通線の貸付け又は譲渡を受けて地方鉄道業を営もうとする者に対し、政令で定めるところにより、当該地方交通線を貸し付け、又は譲渡することができる。」と、こういうふうに十二条にはうたっているわけでございます。
 そこで、ここでは「政令で定めるところにより、当該地方交通線を貸し付け、又は譲渡」と、この二本立てになっているわけでございますが、貸し付けの場合と譲渡の場合はどういう条件が違った場合にこの差が出るわけですか。
#92
○政府委員(山地進君) これは地方鉄道を経営するという、つまり第三セクターが多いと思うんでございますが、その第三セクターになる人たちがこれは貸し付けが望ましいと、自分の方の経営のことでございますので、あるいは譲渡が望ましいと、したがって向こうの、貸し付けまたは譲渡を受ける方の御希望がまず第一の条件になろうかと考えております。
#93
○桑名義治君 そうしますと、いままだ政令ができてないわけでございますけれども、予定しているところは、いわゆる受ける方が譲渡の方がいい、あるいは貸し付けの方がいいと、その選択の自由があるということですね。もう一遍確認しておきます。
#94
○政府委員(山地進君) そのとおりでございます。
#95
○桑名義治君 私はこの十二条の問題に対しまして少しお聞きをしておきたいことがあるわけでございますが、八条によってこの特定ローカル線が廃止をされたと、どうしてもその地方としてはバスに転換よりも鉄道がいいということになれば、これは私鉄に移行されるかあるいはまた第三セクターという形にならざるを得ないと思う。東北方面には一部そういう動きがあるやにも聞いているわけであります。
 そこで、最も私は親切であるとするならば車両をどうするか、第三セクターにした場合にはその車両をどうするのか、おたくの方で貸し付けをするのか、譲渡するのか、そこら辺も詰めておかなければなりませんし、あるいはまた修理をする場合には、おたくのいわゆる工場を貸与して特定な安い値段でその車両の修理を受けることができるのかどうか、あるいはまた幹線とのつなぎの駅、これの使用はどうするのか。そういった第三セクターとして営業をする場合に必要な事項について、ある程度の事柄は明快にしておいた方がバスにするか第三セクターにするかといういわゆる判断の基準がむしろ明快になるのではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどのようにお考えになっておられますか。
#96
○政府委員(山地進君) まず、いまの御質問で第三セクターというのが、普通で言いますと、余り鉄道事業におなれになっていない方がおやりになるということから考えますと、できるだけ国鉄も協力をするということが私どももぜひ必要であろうと、かように考えているわけでございます。
 そこで、国鉄としてどういう協力の仕方があるのか、それからその運営がどうなるのか、これはいろいろな個々の線によって違いが起こると思うのでございますけれども、一つは国鉄と相互乗り入れということが起こり得るものかと思うのでございます。これはいわゆる私鉄と国鉄とあるいは都営の地下鉄と私鉄が乗り入れていると同じような意味で、相互に乗り入れた方が非常に便利になる場合が多いわけでございます。その場合には協力というよりももっと協調といいますか、お互いのためになるという意味で、そういう協力関係というのが必然的に起こってくるわけでございます。
 それから、いま先生の御指摘のように、修理とかあるいは保守とかそういうものも、小さな単位でそれを運営するよりも大きな単位で委託といいますか、そういう形でやった方が非常に効率的になるということはまた十分考えられるわけでございまして、これもそういう意味では協力ということと、また国鉄の方の力というものを利用できると、こういうことになろうかと思いまして、いろいろな意味で国鉄が協力をしていくというのをたてまえにしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。ただ、具体的にメニューといいますか、そういうものについては今後さらに私どもとしても前広にお示しするように努力いたしますけれども、主として協議会の二年間の間に、そういったものについてはその場であるいは並行して綿密につくり上げていく、これがいいのではないだろうか、かように考えております。
#97
○桑名義治君 私が申し上げているのは、協議会の場に落ちてそしていろいろな対策を協議する以前に、こういった種々の問題が大綱が明らかになってこそ判断の基準になるのではないかということを申し上げているわけです。したがって、親切ならばそれの方がむしろベターだというふうに考えているわけですよ。とにかく赤字をぶった切って、そして黒字に転換する。国鉄を再建するために切るんだというその姿勢が余りにも表に出てきているものだから、だから皆さんがおっしゃるように協議会の中で話せばいいとかいう論議がぽーんと前に出てくるわけです。で、先ほどから申し上げておりますように、もう当座引き受けるとするならば、どうせこれ採算ベースに乗るか乗らぬかという、そしてどういう形で譲り受けができるのかという、そういう一切合財の経緯も踏まえますよ。そういう一切合財を踏まえた上で、たとえば第三セクターとして引き受けることができるかどうかという基準ができるわけですから、いわゆる判断基準として私は前もって示しておく方がベターではないか、親切ではないか。最もこういうふうに地方のことを思っているんですよというその姿勢が面前に出る必要が私はあると思う。この点大臣どうですか。
#98
○国務大臣(塩川正十郎君) 全く仰せのとおりでございまして、その点につきましてはできるだけ早い時期に第三セクターの、たとえば経営の方法であるとか、あるいは国鉄との関係はこのように持ちたいというようなこと、取りまとめいたすように私どもで努力いたします。これにつきまして、まとまり次第、また当運輸委員会等にも御審議いただけるようにいたしたいと思います。
#99
○桑名義治君 この廃止をされた後のいわゆる路床、この土地は大体それ以後どういうふうに利用しようとお考えになっておられますか。ただ単にやめたからといってこれを道路にするわけにもいかない、あるいはまたそのまま第三セクターとして引き受ける人もいない、ただ廃止しただけなんだと、こういうふうになった場合には全国的に莫大な土地が浮いてくる。遊んできます。こういった跡地の利用というものも同時的にある程度は枠組みを考えておかなければ本当の意味の私は国鉄の再建にはつながらない、こういうふうに思うわけでございますが、この遊休地になる土地の跡地利用についてはどのようにお考えになっておられますか。
#100
○説明員(高木文雄君) この種の土地の面積は確かに相当なものになるわけでございますけれども、どうも非常に幅の狭い長い土地でございますので、過去の例に徴しましても、率直に申しましてなかなか有効利用がしにくいものが多いわけでございます。そこで、私どもがいま想像しておりますところでは、関係の市町村の方々が、線路を外すならばこの土地を自分の方に渡せということになりますれば、これは主として恐らく市町村にお渡しをして市町村がいろいろの使い方をなさることになろうかと思います。しばしばそれを道路にしたらというようなお話もあるんですけれども、実は意外に鉄道の敷地というのは幅が狭いわけでございまして、たとえばそれを舗装してそのまま道路として使うということも適当でございませんで、それこそ行き違いのできないものになってしまいます。
 そこで、私どもとしましては、いまもしこれをやめて、そしてその土地が不要になる場合の使い方ということについては、やはりこれまた協議会の問題になりますけれども、地方の方のお考えをなるべく受け入れて、そしてその御要請に応じた処理にしていきたいと思いますが、率直に申しまして、実はこの跡地がなかなか使い勝手が悪いということも事実でございまして、必ずしもこれが直ちに有効に使われるかどうかということについては、一般的にはなかなか申し上げにくいという実情になっております。
#101
○桑名義治君 この跡地の利用ですね。これはまた草ぼうぼうに生やらかして、そしてその姿を見たときに、また国鉄こんなにずさんな経営しているじゃないかと、これまた批判の一つになりますよ。だから第三セクターなり、あるいはバスの路線、そういうことで廃止になった、これは道路として市町村としても使わない、こういう事態が起こった場合にはどうするか。それはいま総裁が言われましたように、協議会の場でこれをどう利用しようという意思が決定をされた場合にはその土地は有効になるわけですよ。ところが、その土地が協議会の中でもこんなもの要りませんよと、こうなった場合には完全な遊休地になる。だからそこの二段構え、三段構えの有効利用というものを考えないということは、私は少しずさんじゃないか。また、同じことを私は繰り返さざるを得ないわけですが、どうですか。やっぱりないんですか。
#102
○説明員(高木文雄君) 大変お答えしにくいんですけど、量はそう多くございませんけれども、いままでもたとえば貨物線であるとか、そういうもので廃止をしたものがございます。中にはその地域地域でいろんな活用方があるので譲り受けたいということでお渡しした例もございますけれども、なかなかいい使い勝手がなくて、いまもってそのままの状態になっているところが間々あるわけでございまして、私どもといたしましても、そうかといってそれを管理はしなけりゃなりません。何か事故が起こってもいけませんので、管理はしなければいけませんということで、そう数は多くございませんけれども、幾つかの事例で後の管理で難渋をしている例があるわけでございますが、しかし、たとえそうなりましてもその維持費は汽車や電車を走らせるのに比べますれば、もうはるかに少ないものでございますから、できる範囲で一生懸命管理をしていくという以外にないのではないか。受け取り手がなければどうもならぬという、こういう例はあるのでございまして、これは御指摘のように頭の痛い点でございますが、現実問題としてはなかなか厄介な問題になっております。
#103
○桑名義治君 土地は、最近は日本の国におきましては、庶民の目から見れば非常に貴重ないわゆる物件でございます。そういった立場から考えますと、そういうふうに草ぼうぼうで遊ばせるというようなことがあるならば、これまた国鉄が大きな批判を受けなければならない種になる、こういうふうに私は思うわけでございます。
 たとえばまたちょっと観点を変えますけれども、このいわゆる路床について、個人が、虫食いではございますけれども払い下げをしてもらいたいと、こういう申し入れがあった場合には、個々の事例に従って払い下げをするかどうか。現在までのいわゆる国鉄の遊休地については個人にはなかなか払い下げしていない事例の方が多いわけでございます。実際にはできないような状況にあるわけです。したがって、地方公共団体等、公の団体には払い下げができるけれども個人にはしないと、こういう方針をたしか貫いてきているはずでございます。果たしてこういった遊んだ土地ができた、遊休地ができたとしても、依然としてその方針を貫かれる気持ちなのかどうか、その点も確認をしておきたいと思います。
#104
○説明員(高木文雄君) 従来は大体においてかなり低廉な価格で市町村に買い取っていただきました。同時に管理をしていただくということで、その中で市町村からまた関係の近在の方々が個人が買い取るというような形のものが多いわけでございまして、こうしたものを管理をするということも、そこの所在の方であれば、たとえば片手間にでも見ていただけると思うんですけれども、一たんそこで仕事をやめてしまいますと、その辺に、近在にうちの職員がいなくなってしまうものですから、私の方でいわば区切って御希望のところからだけ渡していくということは、残ったところの管理に非常に難渋をいたしますので、いままでもそうしてまいりましたが、さて今後の場合といたしましても、やはり同様の形をとらざるを得ないのではないか。ばらばらにして御希望のあるところからだけだんだん渡していくということになりますと、後の残った部分の管理に非常に手間がかかりますし、またお金もかかりますし、また管理に適切を欠く場合もありますので、何とか市町村の御協力を得て一括してお渡しをするという方式が望ましいのではないかと、お願いできないものかと、そんなふうに考えます。
#105
○桑名義治君 だから、冒頭に私が申し上げておりますように、いままでの事例から言うと国鉄の遊休地というものは、そういうふうに一般公共団体、そういう団体でなきゃ払い下げをしなかった。今回の場合はそういうふうに個々の個人の要求に応ずる用意があるのかどうかということをお聞きしたわけですが、それはできないというお話でございました。そこで今度は、市町村が道路として使用をしたいと、こういった場合には、この土地は無料ですか、それとも有料ですか。
#106
○説明員(加賀山朝雄君) 従来のこれまで国鉄の廃線敷を市町村等に譲りました段階では、道路敷については大体十分の一、一割の値段で譲り渡してきております、原則といたしまして。したがいまして、今後のこれに伴いますものにつきましてはまだ決めておりませんが、従来からの例からいけば大体一割というので譲り渡すというのが一応例でございます。
#107
○桑名義治君 そうしますと、この条文の中であらゆるところで言われておりますけれども、道路に変更してバスを通す場合もあり得るわけですね。そのとき鉄道の場合はこれ譲渡することもできるということは、これは土地も譲渡するんでしょう。道路にする場合には今度は金が要るんですか。一般公共団体が、鉄道が廃止になったんだからこれ道路にして、そしてここにバスを走らせたい、こういう要求をした場合には、鉄道でそのまま引き受ける場合には譲渡する場合があるけれども、道路としてバスを走らせる場合はこの土地を今度は買い取らなきゃならないんですか。少しおかしくないですか。
#108
○説明員(加賀山朝雄君) バスの転換を行います段階には代替道路が通常あるということで考えておりますので、鉄道の場合にはそれそのものを譲り渡すという考え方をいたしましたが、バスの場合には代替道路が大体それに並行、ほぼ近いところにあるということで考えておりますので、道路については特に無償譲渡ということを考えなかったわけでございます。
#109
○桑名義治君 いずれにしましても、あなたたちの考え方はそうだったかもしれないけれども、協議会でそういう話にまとまった場合の話をしているわけです。その場合に、鉄道ならばそっくり譲り渡すけれども、しかしバスの場合は、バスを通す道路をつくる場合には土地は渡しませんぞと。そうすると、ちょっと矛盾がありませんか。
#110
○説明員(加賀山朝雄君) その辺につきまして、いわゆるいろいろな廃線敷があるわけでございまして、この廃線のこれによります場合、あるいは複線化等の場合に線路をつけかえたような線路敷を道路に譲るというようなケースもこれまで幾たびかあったわけでございまして、その辺の整合性をとるために、従来からの慣例でいけば一割であるという考え方を持っているわけでございます。その辺をこの法律の中では、道路につきましては従来の考え方を一応踏襲をするという前提でこの法律を考えたわけでございます。
#111
○桑名義治君 今回のこの法律は、いままでの慣例というものがなかなか適用できない部面が多いわけです。たとえば地方には特別な料金制を設けるとか、これは従来なかったことです。国鉄というのは均一だったわけです。ところが、今回はそういういろいろな新しい事例がたくさん盛り込まれた法律なんです。そして一方的に、ほとんど一方的に、この前からずっと論議されておりますように、この法律というものはいわゆる権力的に廃止をしていこうということですから、そのかわりとして譲り受けたい人には渡しましまう、バスに転換するのはバスに転換しましょう。足を確保するためにこういうふうに無理強いを言いますけれども、しかし絶対的に足は従来どおりに確保しましょうと。鉄道の代替としてこういう案が浮かび上がっているわけですから、したがってこれも特別な事例としてこれ用いていかなければならない、こういうふうに私は思うんですが、大臣、政治的に考えた場合どうですか。
#112
○国務大臣(塩川正十郎君) その点はおっしゃるように御意見、確かにそれはあると思うんですけれども、しかし先ほど総裁も言っておりますように、やっぱり協議会でこれは決定していただくより仕方がないように私は思うんです。
#113
○桑名義治君 地方自治体で道路にしてバスを通すと決定した場合に、国鉄はこれを道路として土地をただで渡しますかどうですかということを聞いているんです。
#114
○国務大臣(塩川正十郎君) しかし、これ大体もう道路があるわけですから、だからそれにさらに道路というのも、私もちょっと事例としては余りこれ適当な事例ではないような感じがするんですが。
#115
○説明員(高木文雄君) 実はこれいろいろなケースが考えられると思うんでございます。どんなケースがあるかということを本当は調べておくべきだと、その上で案を持って審議に臨むべきだという御指摘だろうと思います。しかし、現在までのところは、皆さん大体少なくとも現在の段階では各地域ともまず反対ということでありますので、どうもこれをあとどういうふうに使うかということについての感触を各地域でどんなふうにお持ちかということをなかなかつかめないわけでございまして、やはりそうした点もそういう趣旨から協議会の場を通じて、どういう御希望をお持ちかということを伺って、それに即したことをとるべきではないかと思っております。
 それから、専用道になる場合があるんじゃないかというお話でございますが、恐らくこれ専用道でやることが望ましいという地域の場合には、現にやっております自棚線の場合のように、恐らく国鉄の方で道路敷をそのまま管理をいたしまして、そしてそこに国鉄バスを走らせるというケースが実際には多くなってくるんではないか。専用道をつくりまして、そしてそこにたとえば民間バスを走らすということは、現実にはいま道路というのは大部分の道路がバス会社だけでなくてマイカーも含めてだれでも走れるというのが道路の概念でございまして、特定の人だけが走る道路の概念というのは、一部有料道路なんかでは見られておりますけれども、普通のところではなかなか現実にはそうはならぬのではなかろうか。
 それからもう一つ考えておりますのは、既存の道路がありまして並行して鉄道が走っておりますが、並行して走っている部分とそれから在来の道路を別々に使うんでなしに、横に結びながら有機的に使うというような事態も出てくるんではないかというふうに考えておるんですが、各線区ごとに非常に事情が違いまして、私ども一応は、私は自分では見ておりませんけれども、管理局等を通じて現状を見さしておりますが、それらの判断といたしましても、地方の方々がそれをあとどう使うか、それによってどうやって足をちゃんと確保するか、そっちをまず決めないと跡財産の処理というのはちょっといま頭の中で考えにくいということから、先ほど来の申し上げておりますお答えが非常に不正確、不的確というようなことになっておりますけれども、やはりまずどう使っていただくかということを先に考えて、それからその使い勝手に応じてどう財産を渡すか、それは有償にするか無償にするか、そうした問題が当然に出てくると思うんですけれども、その点は大分いろいろ頭の中では考えましたけれども、どうもやってみましても先方と煮詰めて議論してみないとお答えが出ませんので、いささか、御指摘のように従来のやり方でいけばこうだというような答弁にとどまっておるわけでございます。
 それについて具体的案が出れば、いままでと違う考え方で臨むべしというお考えについては、私どもも具体的事案に応じて、いろいろ制度あるいはルールございますけれども、場所によっては特例的な考え方をとってもよろしいんではないかと、それをひとつ具体的な御提案に応じて考えてまいりたい、こんなふうにいまの段階では考えております。
#116
○桑名義治君 例を引きますと、福岡からいわゆる勝田線というのが出てます。あの勝田線も対象になっているわけですが、実際にあれを考えますと、並行道路あるんです、確かに。ところが猛烈な渋帯なんですね。ところが、いまの路床を道路にした場合には、一つの町村からもうそれこそいまだったら四十分ぐらいかかるのが十五分で行っちゃうんです。だから、これは恐らく廃止になれば道路としての効用が非常に強く出てくるわけなんです。そういうときに、いわゆる経費はどういうふうな負担になるのか、こういうことが表に出ていれば、市町村長だって、仮に有効的に利用しようと思ったら、その方がいいと判断した場合は説得しやすいわけでしょう。そうでしょう。そういうあらゆる配慮をまず構えてそれから話を持ってくるのならわかるわけですよ。もうこれはやめろと、こう決めて、八条に従って協議会をつくって云々と、こうなれば非常に地元に混乱が起こるもとになるわけです。先ほどの問題と同じなんですよ。先に提示することによって初めて対応が非常にたやすくなってくる、こういうことが言えると私は思う。
 したがってこの問題も、前と同じ問題ではございますけれども、前もって私は提示すべきじゃないか。そうすることによって、実際にやめた方がいいという路線だって現実にあるんです。ところがそれでもやっぱりぐるぐる、ぐるぐるなっておるのは、財政的な問題がひっかかったりいろいろな問題があるわけですよ。そういうものを除去してやるということも私は大事なことじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。
#117
○説明員(高木文雄君) 勝田線は大変長い歴史があります。また長いいきさつもございます。その上、よく御存じのように、あそこの周辺には炭鉱跡もあるわけでございまして、あの問題につきましては、単に線路の跡をどうするかという問題以外に、他の私どもの財産があの地域に大分ございますので、いろいろ総合的に御相談していかなければならぬことになるのではないかと思います。また、いま道路というお話でございましたけれども、ちょっと道路にするにはもう少し逆に買い増しをしないと道路幅がとれないという問題もございまして、一例をお挙げになりましたが、まさに私どももああした例をどういうふうにしたらいいのかということは気になっている問題なんですけれども、まだどうも関係市町村長さんととっくりお話しする雰囲気にはなっておりませんので、お話ができるようになりましたらそれらはそれなりに御相談して、地元にとって御迷惑にならぬというか、御希望に沿うべく臨んでまいりたいというふうに考えます。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) 実はその問題は、この法案を提出するときから本当は問題でございまして、これにつきましてはいろいろと考えておりましたが、それがまだ結論が――いや、実際はそうなんでございまして、そこでこれがはっきり、こういうぐあいにできますと、いたしますということがなかなか言いにくい。たとえば広域市町村道路としてお使いになるような場合はこれはもう提供していいんじゃないか。しかし、それが特定の市町村だけに利益をもたらすというふうな場合、で、後はもう知らぬぞというような場合は、これも無償配賦ということはおかしいし、また、いままで国鉄は先ほど言っていますように、払い下げは全部幾ばくかのやっぱりお金を取らなければこれは会計検査院上の問題もございますし、そういうようなことがいろいろあったものだから、これを研究しなけりゃならぬということで今日へ来てしまって、委員会で追われてしまって、なかなかそこまで結論が出てこないというのが実情でございます。ですから、これは必ずきっちりした方針を立てて協議会に提出するように、できるようにわれわれいたしたいと思うております。
#119
○桑名義治君 もうこの問題でやあやあやっていますと一時間過ぎてしまいますので、次に移りたいと思います。
 次は十三条の問題でございますが、地方交通線の運賃の問題です。この条文によりますと、「地方交通線の収支の改善を図るために必要な収入の確保に特に配慮して定めるものとする。」と、こういうふうにうたってあるわけでございますが、果たしてこの規定だけで国鉄の運賃法の運賃決定の原則を変更することができるのかどうか疑問があるわけでございますが、この点はどのようなお考えですか。
#120
○政府委員(山地進君) この十三条のいまお読みいただきましたように「配慮して定めるものとする。」ということは、定めることができると書いてあることと違うという点がまず私どもとしては御理解を賜りたい点でございます。と申しますのは、私どもの現在の解釈からは、運賃法において運賃の四つの原則が第一条にございます。その原則をもちろん踏まえての話でございますけれども、特別運賃は取ることができるというのが第一の原則でございます。そこで、そういう原則があるんだけれども、現在特別運賃というのはどこも取ってないわけでございます。そこで、今回の法律に、十三条ではこれができると書かないで、この地方交通線対策をする場合に国鉄としてはこういったものを配慮して地方の運賃を定める、こういう方針を書いたと、こういうことでございます。
#121
○桑名義治君 その方針を定めるというふうに言われたわけでございますが、実は国有鉄道運賃法の第一条、これを読みますと、「日本国有鉄道の鉄道及び連絡船における旅客運賃及び貨物運賃並びにこれに関連する運賃及び料金は、この法律の定めるところによる。」、で、2として、「前項の運賃及び料金は、左の原則によってこれを定める。」と、こういうことで原則が四つ出ております。まず第一の原則は「公正妥当なものであること。」、それから「原価を償うものであること。」、「産業の発達に資すること。」、「賃金及び物価の安定に寄与すること。」、この四つの項目がいわゆる原則的に挙がっているわけであります。
 そうした場合に、こういうふうに地方のみにいわゆる特別な運賃制度を設けるということは第一番目の「公正妥当なものである」ということに違反するのではないか、趣旨から言いますと。さらに、こういうふうな地方ローカル線でございますので、したがって地域的に考えた場合には、生活の尺度を見た場合にはまあ中よりも下、収入がよくない、そういう地域だというふうに考えられるわけであります。また、今後の開発等も考えておられる地域もございますが、そういったことを考えると、第三の「産業の発達に資すること。」が、逆に運賃の値上げということが産業の発達にブレーキをかけることになる、こういうふうにも考えられるわけでございます。あるいは「賃金及び物価の安定に寄与すること。」、この第四項目にも違反するような趣旨であると、こういうふうに私たちは見ざるを得ないわけでございますが、この四項目についてどのようにお考えでございますか。
#122
○政府委員(山地進君) この四つの原則、これは昭和二十二年にできた原則でございまして、私どももこの原則は、いまでも法律にあるわけでございますので、できるだけこれを遵守しなければいけないのはわかるわけでございますが、二十三年の独占時代の国鉄の状態から、産業の発展に資する、それと物価の安定にも資するということは非常に大前提であったかと思うわけでございます。
 そこで、この第一条の「公正妥当なものである」という点でございますけれども、この「公正妥当」というのが、一体国鉄が国民の税金を受けてやっている場合にどこまでが公正妥当なのかということが一つあろうかと思うわけでございます。それは、全国一律運賃で少なくとも利益を上げているとか、あるいは、国民、一般の国民から何らの補助を受けていない場合、これは内部補助で、大都市あるいは都市間で受けたものについて地方交通線に内部補助すると、こういうことも一つの公正の観念からいってあり得たと思うんです。ところが、現在地方交通線については一千億に上る税金、つまり乗る人からも乗らない人からもそういった補助を受けていると。で、片や、まだ赤字がありますから、それについてはやはり都市間なり大都市からの内部補助も受けている。ここらのところの公正妥当というのがどこなんだろうかというのがまず第一に問題になろうかと思います。そこで、私どもの考えは、特別運賃を導入したのはなぜかということについては、やはりいまでも山手線とかあるいは東海道新幹線からの金というのの内部補助もある。しかしさらにそのほかに一般の国民からの税金というものがあるんだから、したがってその分については特別運賃を取るということは第一の「公正妥当な」ということからは理解できるんじゃないだろうかということが私どもの考えでございます。それから二番目の「原価を償うものであること。」、この点につきましては、これは各線路線ごとに原価を償う、あるいは全線で償うということのいまは間をさまよっているということでございます。
 こういったことから、第一条の四項目については、私どもとしても遵守すべきであろうとは思いますけれども、解釈につきましては、やはり時代の変遷とともに変わってくるのではないだろうか、かように考えているわけでございます。
#123
○桑名義治君 問題がたくさんあるわけです、いまの御答弁の中には。まず第一に、この法律は非常に古い、簡単に言えば。古くても法律です。古い法律だったら守らなくていいんですか。そういう論理が成り立ちますよ、あなたの答弁を聞いておりますと。どうしてもこの法律を通したかったら、じゃあこの法律も変えなきゃならないわけじゃないですか。大原則が崩れた法改正というのはおかしなものですよ、これ。論理的には全然通らない。それが一つ。
 それからね、公平の原則に対する御説明でございますけれどもね、それは、そういうことは詭弁ですよ。利用者の立場からまず考えていただきましょうよ、利用者の立場から。安いところもあれば高いところもある、同じ企業でありながら。しかも、いままでは全国平均的な、いわゆる均一的な運賃であったものが、あなたのところはお客さんが少ないから少しよけい負担しなさい、運賃高くなりますぜと、急にこういうふうにお変えになる。そうなると、いわゆる上がらない方の地方の方――いままでの運賃のままの方と地方の方と比較した場合にこれは公平ですか。使う立場、運賃という使う立場からのこれは公平の原則じゃないんですか。
 だから、そこら辺の説明は全然なさらないで、赤字が出たらやむを得ない、それは税金で穴埋めをしなきゃならない、そこら辺のいわゆるバランスが非常にむずかしいとこです。逃げちゃだめです、答弁は。もう少し問題点を直視した、その中で論議をしてくださいよ。その中で説明をしてくださいよ。そんなことを言ったら地方の人はなおさら怒りますぜ。何でおれたちが国鉄の赤字に対して犠牲にならなきゃならぬのか、それよりもまだ赤字のところたくさんあるじゃないか、幹線の赤字の方が多いんだぞ――先ほどもお話がございましたようにね。門鉄管内においても、いわゆる全体の赤字を見た場合には二十五分の一じゃないのか、そんならほかのところも高くしろと、こうなりますよ。そういうことから考えた場合には、公正妥当なものであるというあなたの説明には私は納得しがたい。
 大臣どうですか。その二点についてお答えください。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) 桑名先生そうおっしゃいますけど、法律の解釈というのもそれはやっぱり、山地局長が言ってますように、その時代の背景というものがあってやっぱり法律の解釈というものもされていくという、これも私は否定できないと思うんです。したがって、この公正の原則というのは、私は、いまあらゆる面で検討されてきておる時代ではないかと思うんです。たとえば、まあ私は具体的には名前を出しませんけれども、たとえばいま全国的な会社がございまして、それが全国同一賃金である。これに対して、都会の勤務者それから地方の勤務者の方は、やっぱりそこは差をつけるべきだという議論はあるんです。それは時代がそうさしてきたんだと私は思うんです。
 そうしますと、この鉄道の料金につきましても、やっぱり極端なことはこれは公共事業でございますからそれは慎むべきでありますけれども、しかし、だれが見ましても、都会でぎゅうぎゅうですし詰めになって送られておる、運搬されておる、そういう実態と、それからまあ、何といいましょうか、比較的楽に乗っておられる方々、これはやっぱりコストの面から見たって違うんですから、そこらは多少負担していただくというのは現実的な解決としてはとらざるを得ないんじゃないかと思う。そうすると、法の中にも第二条の中にございますが、やっぱり原価を償うものという一つの考え方から言いましたら、これもやっぱり考えられることではないか。
 だから、そのときどきにおけるウエートをどこに置くかということによりまして意見の相違も出てくるように思うのでございますが、しかし、先ほども局長の説明にもございましたように、特別運賃は取れる制度はあるんだけれども、これはいままではできるだけ、おっしゃるように国鉄の全国統一という考え方からこれを維持してまいりましたけれども、これからは少しは配慮をするようにという指導をするという意味でこの法律案を出しておることでございますから、その点はひとつおおらかに解釈していただいて、余りこれ条文でぎりぎり言われますと、いろんな議論があると思うのでございますが。
#125
○桑名義治君 法律の論議やっているときにおおらかとは何ですか。それは全く合いませんよ。だから、法律はきちっと守らなきゃならないわけです。しかも第一条というのは、先ほど御説明にありましたように大原則なんです。こう説明されたわけです。その大原則が四つ挙がっている。その四つの中の三つまでが合わないという状況でありながら、一つだけ適合性がある。これを金科玉条に振り上げてこれに合わしてくださいと、これは大臣の答弁としては少しお粗末ではないか、こういうふうに私は思いますよ。なあなあ的な肩たたきでこの問題はおさまる問題ではない。地方では死にもの狂いなんですよ、この問題は。
 それから統一賃金制の問題もいまあなたは不合理性を言われました。それは都会は確かに物価が高い。だから賃金が高くなければそれは生活ができない。最低生活を営むためにはそういう方向は必要でしょう。ところが、地方におきましては多少物価も安い、そしてまた生産性も悪い、能率も悪い、経費もかかる、運ぶときに。したがって、いわゆる賃金も幾らか安い。これは多少わからないことはない。ところが、その論理を逆さまに使いますと、中央の人はいわゆる収入が非常にいい。運賃は安い。地方の人は、あなたの論理から言うと賃金は低い、その上に運賃が高い。これは矛盾しますよ、あなた、例を挙げられましたけれども。実態的に見た場合にあなたの言わんとされていることはわかりますよ。言わんとされていることはわかるけれども、実態的な例としてあなたが挙げられたんなら、これは不適当ですよ、逆になっていますよ、この運賃は。どうですか。
#126
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、高度経済成長時代はできるだけ全国均衡ある発展ということで、その均衡ということは、すべて平等で統一的にということが均衡ある発展だったと思うんですが、そういう意味で賃金も運賃も大体そういうことをやってきたんですが、最近におきます均衡あるというのは、やっぱりそれぞれの特性と個性と、そういう特性を生かしたものの配合ということが均衡になりつつある、一般の傾向としてそうなってきておると私は思うんです。その一つの例として、たとえば賃金一つ見ましてもそのように考え方が変わってきておるんでございますから、だからすべての均衡というものはいわば単純統一ではない、そういう意味で申し上げたようなことです。
#127
○桑名義治君 私は均衡なんて言ってないんです、公平妥当と言うんです。公平の原則なんです、要するに。この立場から申し上げているわけです。そうなりますと、いわゆる今回のこの十三条というのはおかしいと言うんです。こういうふうに賃金の原則をあなたの方で破るとおっしゃるならば、たとえば大都会の中で中央線と京王線というのは八王子まで行くとずいぶん値段が違う。そうすると、それを破るならば、むしろこの第二番目の原価を云々というこれに適合するために少し高いんだ、こういうふうになればこれは一つの理屈かもしれません。だけれども、こういうふうに均一的な運賃制度というものがここで破られるとするならば、競合しているこの路線については、やはり同じように今度は運賃を下げることによってこの競争に打ちかつことができるんです。そういう考え方も成り立ちますけれども、そういう考え方もありますか。どうですか、下げるということ、今度は逆に。一部上げるんなら一部下げるということもできるはずなんです。
#128
○国務大臣(塩川正十郎君) 運賃を下げるという考えはありませんけれども、競争条件に、ある程度それに対抗する意味における、たとえば割引であるとかいうことは当然考えなきゃならぬと思うております。
#129
○桑名義治君 いや、一部でぽんぽん上げるんだから、部分的に上げるんだから、こういう条件がそろえば上げると言うんだから、条件がそろえば下げ得るところもあり得ると。これで完全に運賃体系崩れてしまうわけですよ。この一つの法律をつくったことによって運賃体系が崩れてしまう、そこら辺に一つの大きな問題点もまた浮かび上がってくるわけですから、そこら辺をどういうふうに理解するか。いずれにしましてもこの法律案というものは非常に雑なものである、まだ不完備である、こう私は言わざるを得ないわけであります。そして国鉄の再建のために地方の方々を犠牲にした法律である、こういうふうに断定せざるを得ないのであります。
 で、またこればっかり言っていますと先に進みませんから、同じ十三条の中で、地方交通線について収支の改善に必要な収入の確保に特に配慮して運賃を決定できると、先ほどのように規定をしているわけでございますが、具体的に国鉄は地方交通線についてどの程度の割り増し運賃を採用をしようとされているのか。五割という話をよく聞いておりますけれども、これを五割が一遍にぽんと五割になるのか、段階的になるのか、それはどういうふうな形で六十年度までに五割に持っていくか、そのプロセス並びにこの貨物の料金はやはり同じようにこれに付随して値上げがなされるのかどうか、この点もあわせてお伺いをしておきたいと思います。
#130
○説明員(高木文雄君) この法律が成立いたしました後でこの第十三条をどういうふうに現実に運用するかということにつきましては、まだ私どもで腹案を練っているところでございまして、運輸大臣にも御相談をいたしておりません。しかし、いまおっしゃいますように、運賃法の第一条の物の考え方というのは基本でございまして、十三条があるからといって一条が死んでるわけではないわけでございますので、運賃法の一条と十三条とをどういうふうに読み合わせるか、具体的にどういう運用をするかというのは大変むつかしい問題だと考えております。その場合に一つの目安になりますのは、一体民間の私鉄あるいは私バスといったものの運賃がどういう形をとっているかということが基準になるかと思うんですけれども、地方私鉄の現在の運賃水準は国鉄の運賃水準の大体倍になっております。私鉄の方が国鉄よりも地方私鉄に関する限りは高いわけでございます。やはりそれは私鉄の運賃の立て方が企業別のコストを前提としておるということであろうかと思います。
 さりとてこの十三条は、その地域のコストに応じて、線区ごとのコストに応じて必要な収入の確保というところまではなかなか考えにくいのでありまして、現実に私どもといたしましてはいわばその中間のところが現実的なことではなかろうかと思っておるわけでございまして、そういう意味で、もちろんまだ運輸省、運輸大臣御相談してございませんけれども、私どもとしてはいわゆる基準運賃に対して五割増しぐらいのところが限界といいますか、ほどほどのところではなかろうかと。これ現在は昭和六十年代、六十年度に全体の再建計画を達成するというところからいたしまして、六十年代において、六十年において五割増しぐらいのところが限界ではなかろうかというようなことを、限界というかほどほどのところではなかろうかというふうなことをいま前提にして考えておるわけでございます。
 しかし、それは非常に大きなショックになるわけでございますので、やはり一挙にそういうことはできませんので、経過的にそういう道筋をたどっていくということになろうかと思います。同時に、これは毎年の運賃改定に関連をいたしてまいるわけでございまして、先般小笠原委員からお尋ねがございましたように、一般的な運賃水準の改定の問題があるではないか、それからまた学生さんの割引率の改定の問題があるではないかといったようなことがありますから、それをそれぞれの理屈に応じた改定を重ね合わせますと大変高い率になってくるわけでございまして、それらを組み合わした上での結果としての運賃水準が、もちろん大変地方の方々から言えば御不満ということになりましょうけれども、それにしても、どの程度でがまんしていただけるかということは今後の毎年の運賃の改定案を作成いたしますときに考えていくべき問題であろうかというふうに思っております。
 それから貨物についてどう考えるかというのは、これはなかなかむつかしい問題でございます。
 と申しますのは、現在でも貨物の運賃というのはどうやって決まっているかといいますと、賃率にキロ程を掛けて決まっているわけではないわけでございまして、A点からB点まで貨物を運びます場合に、お客さんの場合と違いまして、どの線路を通って運ぶかということについては私どもの方にお任せいただいておるわけでございまして、旅客の場合はどことどこを、どこを通ってどこへ行くということで切符を購入されるわけでございますけれども、貨物の場合はA点からB点までということで決まりまして、その場合には、御案内のとおりA点からB点までに至る、どの路線を通るかは別にして、一番短い路線で計算するということになっております。現在貨物はどこを通っているかといいますと、いろいろ路線の事情、それから込んでる線とすいてる線があるというようなこともありまして、一番近いところを通っているわけではなくて、いろいろなルートを通って行っております。
 そんな関係で、この貨物について線区別に賃率を変えるという問題は大変むつかしいといいますか、現実的でない問題であろうかと思っておるわけでございまして、現段階では、私は十三条の規定はございますけれども、貨物について十三条を適用することは技術的にといいますか、現実的にといいますか、うまくいかないというふうな考え方でおるのでございまして、現時点では、制度的にはむしろ収入の確保に特に配慮をしなさいということから言えば、貨物についても当然適用あるべきものと思われますけれども、現実の問題としてはなかなか、荷主さんの立場から考えましても、また当方の都合から言いましても、こっちを通るかこっちを通るかで運賃が違うということについて非常に問題がありますので、貨物には適用しにくいというふうに考えております。
#131
○桑名義治君 もう時間がなくなりましたので、もう一問だけでこの問題を一応打ち切りたいと思いますが、割り増し運賃につきましては、これは各線区別とするのか、あるいは全国のこういう地方交通線、いま考えておられる基準に合う路線に対してまとめていわゆる運賃のかさ上げをするのか。それから地方交通運賃と幹線運賃の二本立てにするのかどうか、具体的なプログラムが明らかであるならばこれを御説明を願いたいと思いますし、先ほどもお話を申し上げましたように、貨物の問題についても、この問題はやっぱり同一な問題であろうと思うわけでございますが、この運賃体系をどういう形にするかということはやはり一つの大きな問題になると思うんですが、この問題についてはどのようにお考えになっておられますか。
#132
○説明員(高木文雄君) 第一の点につきましては、この法律の文言からはいずれとも答えは出てこないわけでございましょうけれども、現実の問題としていろいろ余り複雑なシステムはとりがたい。また、いかに原価をにらみながらと申しましても、収支係数が一〇〇〇を超えるようなところもいまあるわけでございますので、それをまた段階的にするということもまたいたずらに複雑になるだけではなかろうかということから、せいぜい幾つかのグループ別というところが現実的ではないかと考えております。幾つかのグループという場合に、その幾つのグループで考えるかということにつきましては、当面、現時点におきましてはせいぜい普通の水準とこの十三条の水準と二段階ぐらいのところからスタートをするのが、まあ実務等のことも考え、それからまた地域の方のお立場を考えましても、その辺が限度ではなかろうかというふうに考えております。
 それから運賃体系の問題というのは大変むずかしい問題でございまして、私どもは、やはりこれだけ赤字になりこれだけ多額の補助金をいただいておる前提においては、もはや納税者の方々の御負担と利用者の方々の御負担のバランスからいきまして、均一運賃というのはこの辺で考え直すべきではなかろうか。さりとて多段階運賃ということもまた非常にむずかしいわけでございまして、どの程度にそれを開いていったらいいかというのは、まあいろいろ外国の事例あるいはいろいろな学識経験者の御意見も伺いますけれども、なかなか妥当な結論というのは出てこないわけでございます。
 また、私の方は経営体は一つである、私鉄さんの方は大手は大手、中小私鉄は中小私鉄で非常に多様である。そしてそれぞれの企業体のコストをにらみながら決められていく。バスについても、企業体の経営状態は大いなる参考資料ではございますけれども、むしろ地帯別に、地域別に決められておるということで、交通手段としての運賃決定原則がいろいろに分かれておるわけでございまして、これまた実情から言いますと、そうかと言って現行の制度が悪いとも言えない。そういうことで、私どもといたしましては、いまのままではいかぬと思っておりますけれども、さりとて私鉄の運賃、バスの運賃、海上運賃その他をにらみ合わせまして、いまかくあるべしというところまでは、いろんな方の御意見は聞いておりますけれどもなかなか出てきておりません。
 そういうことから言いますと、当面のところは均一運賃を基準としてごくわずかのバリエーションを加えたものというぐらいなところではなかろうか、抜本的な運賃体系というものは、いますぐにはなかなか案出が不可能ではなかろうかというふうに考えております。
#133
○桑名義治君 いずれにしましてもこの十三条がある以上は、いままでの運賃体系は完全に壊れてしまったわけです。したがいまして今後の問題としては、やはりこの運賃体系をどういうふうにしていくかということは一つの大きな課題であろうと思います。だからと言っていつまでも十三条で、地域的にこういうふうにもうできたんだから、さあということで、常に法律、法律、法律で場当たり的にいわゆる運賃体系を壊していき、変更していくという態度は決して好ましいことではない、こういうふうに思うわけでございます。早急にそういった問題にも精力的に取り組んでいただくことを要望しておきまして、一応私の質問をきょうは終わりたいと思います。
#134
○小笠原貞子君 審議が進めば進むほど問題が具体的になってきておる、そして矛盾はますますはっきりしてきて、そしておおらかで全く漠然としたものを持ち出して、それで審議しろと。こういう中で審議しろというのは全くもう問題にならないですよ、本当に。まず最初にそれを申し上げたいと思います。
 きょうは私、いろいろまたわずかな時間でお伺いしたいと思いますけれども、この前の大臣の趣旨説明の中で、昨年十二月の閣議了解に従って「国鉄は、地方交通線対策を含む経営の重点化、減量化、業務運営全般の効率化、機構、組織の簡素化等の推進によって昭和六十年度に職員三十五万人体制を実現することを中心とする」と、三十五万人体制をやるというのが一つの大きな柱ですよね。地方線は切っちゃう。三十五万人にして人員削減する。切っていく方ははっきりしているんですよ。それでその反対に、じゃ、どうなるんだということを聞いても非常に漠然としているということなんですね。
 そこで、これに沿って国鉄再建の基本構想案というものを見ますと、ここにいまはっきりこれを受けて、「昭和六十年度において、東北・上越新幹線の開業による要員増を含め、職員「三十五万人体制」を実現する。」云々と国鉄再建基本構想案に出ております。それでは東北、上越新幹線の当然必要となる要員増を含めると実際の削減数、これは一体どれぐらいになりますか。
#135
○説明員(高木文雄君) 東北、上越新幹線の運営のためにどのぐらいの人数をふやさなければならないかということでございますが、これは過去の東海道、山陽新幹線でどのぐらい人手を要したか。それから、新しい設備でございますから、東海道、山陽新幹線には能率的な運営ができるであろう。一方、雪に対して、雪の中を走らなければならないということで非常に設備的にもいろいろ、むしろ東海道、山陽よりも人手を要するのではないかというような部分がございまして、新幹線の開業が決まりました段階で、これはきわめて深刻な労働条件の問題でございますので、労使間で話をして詰めてまいりたいと思っておりますが、大ざっぱに言って、まあ九千人とか八千五百人とか九千五百人とか、何かその辺のところで、在来線からの転換等も含めてそのぐらいの人はどうしても要るのではないかというふうに考えております。
#136
○小笠原貞子君 五十四年度の国鉄職員四十二万四千人ですよね。それにいまおっしゃったようなこの二つの新幹線、八千五百になったり九千になったり、前に伺ったら一万人というような数字も出てくるわけですよ。本当に一つずつみんな違うから困るんですよね。だけど、この間うちから伺っていれば、これは約一万人くらいの要員が必要になるだろうというのを私はいろいろレクを受ける中で伺いました。そうしますと、現在から三十五万人体制、七万四千人の削減ですよね。そして必要とする、計算上わかりやすく約一万人ということを考えますと、実質的には八万四千人というものを削減するということになりますよね。そこで、これだけの要員を切るのですわ、いろんな部門で。そうすると、これ六十年度まで大変な作業ですね。どこの部門でどう切るかというようなことを、いま全くわかりませんじゃ私は済まされないと思う。この膨大な人員削減をどのようにしたいと。まだ決まってないかもしれない。しかし、国鉄としての腹ではどのようにやるのか、そしてどのような業務、そしてどのような作業を対象とするのか、それをちょっと具体的に例を挙げていただきたい。
#137
○説明員(高木文雄君) まあ大ざっぱに言って八万数千人という大量の職員を少なくしながら、いまと同じだけの仕事を、ほぼ同じだけの仕事をやっていくという前提でございます。したがって、これは大変大事業でございまして、そう簡単に決めることもできない。非常に緻密な作業を重ねていかなければならない。同時に、全国の地域でございまして、片方では人が多少余りぎみになるとか、片方では不足ぎみになるとかという現実の要員配置の問題もございます。そこでこの問題は、私どもとしては、これまでもずいぶん、かつては六十万人近い人がおりました。長年の間に減ってきたわけでございますけれども、その過去のいずれの経験にもない骨の折れる仕事だというふうに考えております。
 現実にはもちろん保守の部門であるとか、あるいはまた運転の部門であるとか、営業の部門であるとか、さらにもろもろの管理部門であるとか、そういうところのすべてを通じて縮小といいますか、少ない数で取り組んでいくという以外にないと思っております。現実にはそれぞれ、運転は運転の専門家の間におきまして、保守は保守の専門家の間におきまして、いまその作業をいたしておるわけでございますが、まだそれがまとまっていないわけでして、それをある素案がまとまりました段階で労使間で、しかも細かく各プロジェクトといいますか、部門間でどういうふうなことが可能であるかということを議論をしていくわけでございます。これは、ある意味では全体計画も必要でございますけれども、それよりも五十六年度はどうするか、五十七年度はどうするかというぐあいに年次を置いて立てていくつもりでおります。
 法律の上におきましては経営改善計画をまとめまして提出をするわけでございますが、その第四条二項に「事業量、職員数その他の経営規模に関する事項」ということがございますので、この経営改善計画を御提出いたします際に大体の概数の見当をお示しをし、この三項で毎事業年度、経営改善計画の実施状況について検討を加え、必要があるときはこれを変更するということになっておりますので、まず概略計画を当初に出しまして、その後、年次ごとにその進行状況に応じて変更したものを出していくということになろうかと思います。
 何分これは大変な大作業でございまして、また労使といいますか、従業員にとりましては非常に勤務条件にいろんな意味での大きな変化がございますので、そうした職種別、各現場別にそれを詰めていかなきゃならないということでありまして、われわれも一口に三十五万人と、こう申しますけれども、なかなか容易でないというふうに考えておるわけでございます。
#138
○小笠原貞子君 総裁にお願いしたいと思います。きょうは私は一時間なんです。いま私の質問に対して総裁答弁五分以上かかっているんですよ。だから、端的に私の聞いたことについてこれからはお答えをいただきたいと、そう思います。
 いま国鉄総裁、るるいつでもおっしゃいます、非常に大仕事ですと。大仕事だからこそ、いまからもう相当に準備をしてこれを出していかなければならないというのが常識ですよね。それがまだ何にもできておりません、これからいろいろ大仕事、これから取り組みます――大変不安なんです。
 そこで私の方、具体的に聞きますけれども、それじゃ国鉄の電気保守関係の担当、それに携わっている人数、大体何人いますか。
#139
○説明員(藤田義人君) 職員数は約三万でございます。正確な数字、いま持っておりませんので、失礼します。
#140
○小笠原貞子君 約三万と。私の方で調べましたらまあ二万三千と、約三万というふうで結構だと思います。で、その約二万三千ないしは三万に対してこれをここのところでどれくらい削りたいというふうなこと考えられたことありますか。
#141
○説明員(藤田義人君) 先ほどの総裁の答弁ではございませんが、いろいろとこの内容については技術の革新等を含めまして進めてまいりますが、おおよそ約二割を削減したいということで考えております。
#142
○小笠原貞子君 おおよそ二割と、そうすると三万にすると六千人ということを削りたいと、電気部門でね。それは考えていらっしゃるだけで、もう具体的に出発、組合なんかにも話は行っているんですか。
#143
○説明員(藤田義人君) いままでのいろいろなメニューがございます。また、それを深度化するということと、新しい提案を進めるべく、ただいま本社、本部間で交渉を進めております。
#144
○小笠原貞子君 ここのところでも大変な数の削減をしなければならない。これははっきりわかりましたので、じゃ次に移りたいと思います。
 次、業務委託の問題でございますけれども、まあその業務委託にすることによって国鉄の財政再建の一つの法としたいと、こういうふうにおっしゃっていると思いますので、昭和五十四年度の実績では一般業務と保守作業でおのおのどれくらいの実績になっておりますか。
#145
○説明員(縄田國武君) お答えいたします。
 一般業務では約千百六十億円弱でございます。それから保守作業では千六百億円。
#146
○小笠原貞子君 そうしますと、はっきり言うと一千百五十九億、一千六百三億、保守作業で。これを五十四年度で合計いたしますと、実に二千七百六十二億にも上る膨大な業務委託が行われているわけですね。この業務委託をするということは、経営に役立てたいということから一つの問題が出ていると思うんです。そうすると、業務委託で二千七百六十二億、五十四年度出したと。これの場合、もしも国鉄が直轄で行った場合、金額にしてどれくらい節減に役立ったかお伺いしたいと思います。
#147
○説明員(縄田國武君) 実は業務委託費と直接業務とのコストの比較でございますが、大ざっぱに言いまして約三割減ぐらいの見当かと思いますが、なお詳細なのは、業務内容等に差がございますので、コスト自身は比較しておりません。
#148
○小笠原貞子君 具体的な比較はできてないと、こういうことですね。
#149
○説明員(縄田國武君) さようでございます。
#150
○小笠原貞子君 だから困るんですよね。ここで経営改善のために経費を節約したいと、そして膨大な業務委託をやって、そしてその結果どう経営再建に役立ったかというようなことも具体的にまだ計算もされていない。明らかにできない。いいかげんなものだと私は言わざるを得ないんですよ。まさに具体的にそのためにやった委託業務でしょう。それがもうはっきりできないよと、約何ぼ何ぼというようなことで、これはまさに私はいいかげんだなと、もっとここのところをはっきりさせてもらいたいと、そう思うわけですが、いかがですか。やればできるんですか。
#151
○説明員(縄田國武君) 実は弁解がましくなりますが、たとえば乗車券の発売に例をとりますと、私どもの方は乗車券の発売だけで業務委託を出しています。片や受託業者の方は、航空機とかあるいは旅館の宿泊券とか、そういうものも一緒にやっておりまして、コスト比較がなかなかむずかしいわけでございます。
 そこで、確かに業種別に出してないのはおかしいと思われる節もおありかと思いますが、全体で見まして約三割見当、直営よりも安いんじゃないかという非常にマクロのものしかつかんでいない現状でございますが。
#152
○小笠原貞子君 もうそれ以上出ないと思いますけれどもね、全くずさんですよ。この経営改善をどうしようかというときにずさんだということを言わざるを得ないと思うんです。
 それでは、今後また六十年度までにやっぱりこれ努力していかなきゃならない。委託業務ふやしていかなきゃならない。じゃ六十年度までにどのくらいの部外委託というものを予定して行われるのか、業務別、作業別にその金額と、今後外注範囲をどの程度拡大する、その拡大する内容を明らかにしていただきたいと思います。で、当然部外委託によってどのくらいの経費が節減できるのか試算されて、そういうふうに六十年度までに拡大していこうと考えて、もういろいろとはじいていらっしゃると思いますので、その節減、試算されていると思います、業務別、作業別に金額を明らかにしていただきたい。
#153
○説明員(高木文雄君) それがまさにこの三十五万人の場合にどこの部門をどうやって減らすかということでございまして、同時にこれがいわゆる労使交渉の最も重要な事項の内容になるわけでございますので、ここでお答えすることはお許しいただきたいと思います。
#154
○小笠原貞子君 あのね、確かにむずかしいかもしれない。だけれども、やっぱりどれくらい試算してみたら浮いて、そして今後どれくらいここのところで業務委託で浮かして再建しようかというような内容というのは、この法案の中で非常に重要な部門を占めていると思うんですよ。それで、いまはっきり出せないとおっしゃったけども、私はいまの段階でいいんですよ、もうコンクリートになって六十年度まで毎年なんて、そんなこと言ってません。いまの段階で、たとえばどういうふうに外注の範囲を広げられるか、その内容、それはわかると思う。そして、業務別、作業別にどういうふうにしたいか、金額。大変だ、大変だなんて言っていたらみんな大変なんですよ。だからこんな法律、通さなきゃいいんですよ、大変だと困るんなら。大変だ、大変だと逃げたらだめです。これはぜひきちっと、いまのところでいいです。ここまではわかっています、ここから先わかりませんと、いまの段階でいいですから、その資料をいただきたいと思います。その資料がなかったら、私はこれからまたもっと審議に入りますけれども、審議できません。だから、いまのところでいいです、いまのところで考えていらっしゃるのを資料として御提出いただきたい。委員長、諮っていただきたいと思います。それが出てから私はまた質問を続けて、これ一たん保留にいたします。
#155
○説明員(高木文雄君) おっしゃることはよくわかりますが、この再建というのは何が基本かと言えば、労使が話し合って一番いい道を探していくということだと思います。したがいまして、私どもはいろいろそれは腹案はございますけれども、まず腹案をたたき台にして労使で話し合うことが先決であると思います。いまここで御審議をいただいておりながら、資料を出せないのは非常に残念というか、失礼に当たりますけれども、それにつきましても、まず労使でそうした問題を話し合うというところから入っていかないことにはなかなか労使関係というのはうまくいかないわけでございますので、そういう意味で、お許しをいただきたいと思います。
#156
○小笠原貞子君 失礼もはなはだしいですよ。さっき言ったら、電気の方は約二割、六千人くらいは切りたいというふうなこと出ているんですよね。そうすると出てないはずないんですよ。労使で話し合うのは必要ですよ。十分話し合いをしなさい。だけど、何にもなしで、さあどうしましょうなんて、話し合いじゃないでしょう。国鉄でしょう。国鉄としてこれを考えるんだから、国鉄としての腹をちゃんと出して話し合いをするわけでしょう。そうすると、いまのうちに国鉄さんの腹ができてなかったら、何を土台にして労使と話し合いをするんですか。だから私は、そのためにも、ここのところでいま考えていらっしゃる、さっき電気部門で二割、約六千人の削減を考えたいとおっしゃっているようなものが出るはずだと思う。出ないんだったらこっちも出ないはずでしょう。出ているだけでも、わかっているだけでも出していただきたい。
#157
○説明員(高木文雄君) その二割というような概数はともかくといたしまして、個別にどこの部門でどうかということは、まさに労使問題の中心課題でございますので、中の労使の話でございますから、外向けに申し上げる前に労使で話し合うということについて、私どもの立場をお認めいただきたいと思います。
#158
○小笠原貞子君 お認めいただきたい、はい、とは下がれないんです、私は。だから私は、どの程度なら出せるか、これやっていると時間がなくなりますから、後でまたきちっと出してもらえるように、何らかの方法で委員長、理事会にも諮っていただきたいと思います。私の方も具体的にもう少し詰めて、資料を出していただくように要請をいたします。よろしく委員長お願いいたします。
 五十四年度の監査報告書、この中で見ましても、「部外能力にゆだねる業務については、委託経費の適正化を図りつつ、全体としての経費の節減に資することが重要である。」と、こうはつきり述べられているわけですよ。だから、部外委託をしました、どのくらいの経費が節減できるかということも試算もしていない、今後の方針もまだはっきりできません、だけど三十五万人体制で、人を減らすと。三十五万人体制の方だけはぱさっと出している。どう考えても私は納得できない。だから、何としてもいまの時点でいいから出していただきたいということを重ねて私は委員長にお願いします。委員長、よろしゅうございますね。
#159
○委員長(黒柳明君) 後で検討さしていただきます。
#160
○小笠原貞子君 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 これ、私ある資料として入手いたしました。この資料によりますと、これは、「関係電気部長等会議について 五五・四・三 電気局」、そして、ここに書いてある内容は、「一、日時・場所 昭和五五年四月三日(木)一三・三〇より 於上野二、出席者〔本社〕電気局長、管理課長、藤田調査役、総括他。〔地方〕札幌、盛岡、秋田、仙台、新潟、高崎、東京北、同南、同西、長野、名古屋、大阪、岡山各鉄道管理局電気部長、米子鉄道管理局施設部次長、東京給電管理局次長」。三番目に「議題」としてここに言われていますのは、「(一)保全事業所等について (二)電気業務改善の検討経過について (三)その他」、こうなって、非常に重要な内容の資料を私は入手いたしました。これは皆さん当然御承知だと思います。いかがでございますか。
#161
○説明員(半谷哲夫君) ただいま急な御質問で、本年の四月三日に電気部長会議をやったということは聞いておりますけれども、その内容等についてはいま明らかではございません。四月三日に電気部長会議が行われたということは承知いたしております。
#162
○小笠原貞子君 あったことは知っているよ、中身は知らないよと、そんなものなんですか。それでいいんですか。
#163
○説明員(半谷哲夫君) ただいまのところ、ただいま申し上げたような状況でございます。
#164
○小笠原貞子君 わかっていて、こんな大事な内容が含まれている問題について、なぜもっと具体的に、どういう立場に立ってどういうことを言われたかということ、これ国鉄の電気局でやっているのですよ、主になって。
 いまこの議題となっております「保全事業所等について」、こう書いてあります。議題の第一、これを見ますと、中身こうなんです。「保全事業所等について関係箇所と打合せを行ってきたが、一応別紙一に示す地域割案ができたので今後この線に沿って準備を進めていきたい。」
 二番目が、「第一グループ十二箇所」――これは十二鉄道局ですね、全国。「十二箇所については、別紙二に示すスケジュールで今後準備を進めていきたい。」、非常に具体的に作業の準備が進められるという計画案が出ている。済みません、ちょっと資料、私が言うだけでは御存じないといけないから、大臣、国鉄、そこのところで見ていただきたいのです。非常に重要な内容ですよ。具体的に作業を進める準備をしている。やったことは知っていると、中身、こんな大事なことについて知りませんということでは、これ困るんです。
#165
○説明員(藤田義人君) 先ほど突然の御質問で、私の方で私が全部答えればよろしかったところ、失礼いたしました。先ほど来の先生のお話承知しておりました。実は、先ほど来総裁が申されていますように、いろいろと合理化の内容を検討して各管理局とのいろいろな問題等を調整しなければなりません。また、現在までの体制とこれからの体制、そういうことについても地方事情がございますので、そういう点でよく組合に提示する前のいろいろな案として十分手前どもでもってそういう勉強をしていかなきゃならない、そういうような内容でこの問題についていろいろと、各管理局の責任者である電気部長を集め、その内容について検討してきた。なお、管理局以外にもいろいろと関係するところございますから、管理局以外の責任者も入っているという構成で、内容についてはこれからのいろいろな合理化についてどういうふうに進めるか、そういう本社案に対して各局がどういうふうに考えるか、そういうことをまとめて言っておる内容でございます。
#166
○小笠原貞子君 お手元に差し上げましたけれども、この第一グループの十二カ所、いわゆる全国十二鉄道局について、その仕事を外注にどこにやらせるか。「地域割案」としてすでに業者の割り当て地域というものまで決めているんですよ。勉強の範囲超えていますよね。
 それから続いて言います。では、どういうふうに外注に移行していくのか、そのスケジュールというのが、これまたスケジュール表というのが決定しているんです。この電気部長会議が開かれたことし四月三日の段階では、「会社地域割作業」が月曜会という名前の会議で三月二十日決定され、それに基づいてこの会議が持たれております。スケジュール表もお渡ししましたから、ごらんになっていただきたいと思います。
 五十四年度、五十五年の二月から三月にかけて月曜会、三月二十日に開かれて決定をしました。そして、そういう地域割り作業の「核となる人材の決定 地方意見聴取 当局と業界の意見調整」おたくが勉強しているというんじゃないんですよ、当局と業界の意見を調整して決定するんです。そして、「設立の基本構想作成 核になる人材も入れ拡大月曜会」、こういうのを四月から六月にやるんだと。そして、「保全外注契約方法等の検討」は、当局国鉄と業界との委員会で五十五年の九月までに進めたいと。そして、「諸準備新会社設立」。その新会社設立は、五十五年度十月から「建設法上の資格取得・委員の受入れ 会社設立(核となる人材の発令)」ですよ。そして、「保全事業所設置」、いろいろと準備をする。そして、十月からその仕事を始めまして、そして保全事業所を発足させて、退職者の受け入れをします。「検修工事発注施工」は、五十六年の四月から九月までやりますと。「新しい保全工事発注施工」、これは五十六年十月からやりますと。「関連事項」、「電気業務改善施策による保全体制発足」とね。
 国鉄の中でどういうふうにしていこうということで勉強されたということで、この会議があったという事実はお認めになったけれども、部外委託業者を含めてもうすでにこの資料見ると、全国地域割りちゃんとできています。これにはこの会社、この地域はこの会社、全部地域割り当てが決まっているんです。ここまで具体的に決まっているんです。決して、国鉄内の勉強会だとかそんなごまかしだめです。
 お伺いいたしますが、これほど具体的に決まって、そして外には国会にも何らその内容も明らかにされない、一体これどういうことなんですか。この資料にある会社地域割り作業を三月二十日に決定した月曜会なるものは一体どういう構成になっているんですか。国鉄の経営に対してどのような発言権と公に認められた組織なのか。その月曜会なるものの性格をはっきりさせてください。
#167
○説明員(藤田義人君) ここで先ほど来先生が申されておりますのは、電気局としていろいろと勉強している過程で、こういうような作業行程をつくってやっておるわけでございまして、この月曜会なるものは電気局内の課長及び調査役等の関係者でもって構成していると、いわゆるそういう勉強グループでございます。国鉄全体の中のいろんな関係者が集まってということじゃなくて、電気のグループの中の会議でございます。
#168
○小笠原貞子君 いや、それは電気の問題で外注するんだから、電気の人が入るのはあたりまえですよ。だけれども、事は国鉄の電気局のメンバーが入っているんでしょう。それで、そこで勉強しているだけではなくて、その勉強の域を逸脱しているじゃないですか。地域別に分けて、この地域にはこの会社、この地域はこの会社、ここに仕事をさせますということまで勉強会と言えるんですか。
#169
○説明員(藤田義人君) 国鉄の仕事は、いわゆる自動車産業のようにメーカーがつくり、それを利用者が利用しまして、故障があったときにはリペア工場に入れて修繕し、それでまたその自動車を乗るというような作業の流れ、いわゆる物の流れではございませんで、一日に百九十万キロからの列車が走っております。そういう中で先ほど来の職員をいかに転換しながら、なおかつ合理化をしながら、なおかつ百九十万キロの列車を守っていくかといういわゆるそこに不連続を許さないいろいろな問題がございます。それだけに専門的に十分勉強し、なおかついま申しましたように、列車が走っている中でそれをメンテナンスする。これにはいわゆる事がありますれば多くは一千名以上、また一千名近くの旅客が乗っております列車に影響する場合がございます。そういうことでございますから、慎重の上に慎重を重ね、いろいろと部内の専門的な会議、なおかつ、OBのいろいろな知識等も参考にし、また地域のいろいろな事情等も十分に参酌していかなければ百九十万キロの列車は守れません。
 そういうことで、慎重な上に慎重ということでこのスケジュールが書いてあるわけで、このとおり進むためには、いろいろと先ほど来総裁が申されておりますように、組合との協力関係も十分やっていかなければなりませんし、技術的に十分これでできるんだということを理解していかなければなりません。
 そこには技術と人という問題でこの百九十万キロというものの輸送を守っていかなければなりませんから、それだけに非常に慎重の上に慎重な態度でもってこのスケジュールを進めている、そういうことでございまして、この表の中にいわゆる月曜会とかいろいろとございますけれども、その段階の中でいま申しましたようなことが行われているというふうに御理解願いたいと思います。
#170
○小笠原貞子君 国鉄総裁にお伺いしたいと思う。
 さっきは国鉄内部での勉強会だと、こうおっしゃった。そして、いまは国鉄内部のものではなくて、国鉄のOBも含めてと、こうおっしゃっている。私の方も調べてみました。これは国鉄の中の人だけではありません。これは先ほど述べたどこの地域はどこの会社に請け負わせようという、そういう電気関係の国鉄と深い関係のある五つの会社の幹部と国鉄の幹部とが集まっている、これが月曜会であると、こう聞いているんです。そして、勉強会という中でいま言ったような地域十二局分けて、そしてここではどの会社にやる、ここではどの会社にやらせる、そういうような場所と業者まで決めるというようなことまでやっている。国鉄総裁、聞いてわかっていらしたんですか。御存じだったんですか。これいいことですか、悪いことですか。大臣もついでに答えてください。
#171
○説明員(高木文雄君) 電気については余り詳しく存じませんけれども、大別して物をつくる場合と保守する場合では、いい悪いは別にして、体制が大変変わっております。
 つくる場合には、たとえば線路にいたしましても、幾つかのメーカーのどれかに競争あるいは随契等で注文を出すという形になりますが、保守の場合にはどうしても地域を決めなければならない。大阪の地区ではどのぐらい電気保守の仕事があるから、それを外部の会社に頼むとしますと、それを九州の会社に頼むとか北海道の会社に頼むとかできないものですから、いい悪い別にして、どうしても大阪地域の電気保守の仕事あるいは線路保守の仕事は、何という会社にこのぐらいの量のものを毎年頼むということにならざるを得ないわけでございまして、たとえば全国で五社なら五社つくって、その五社で競争でやれといいましても、専門家が異動するポストその他のことがございます。
 それから、特に電気の場合は、私詳しく知りませんけれども、路盤の場合でありますと、同じ線路でございましてもやっぱり路盤のいいところ悪いところありまして、その路盤の癖といいますか個性といいますか、そういうものを知っていなければ保守ができないわけでございます。そういうことで保守は本来外注になじみにくいという議論もずいぶん長い間労使間であったわけでございますけれども、最近は地域割りをすることによって、それからその地域の設備あるいは路盤でいえば地質その他の状況を知っている長年苦労してきたOBの腕を持った、技能を持った諸君に責任者になってもらって、そしてその会社で頼むという以外にどうもないようでございまして、そういう意味では保守会社に若干の独占性が生まれてきますけれども、それ以外にどうも保守業務の委託の仕方というのはないように思われます。
 いま言われましたように非常に御疑問をお持ちだと思いますけれども、私はどうも保守のやり方としては、外注するのであればそういう会社方式、分担方式にならざるを得ないんではないか。そこで何キロ分担するということになればおおよそ何人ぐらいの人が要るということで、前もって会社にその話をしまして、会社もその必要要員をあらかじめ確保してやっていく。また技能者の数をどのぐらい入れるか、また電気といいましても広うございますので、重電、軽電、通信その他いろいろございますから、それぞれの専門家をどのぐらい会社の中へ擁して、そして国鉄からの注文に応じてメンテナンスをやっていくかということにならざるを得ないんではないかなと、前々から私も関心を持っておりますが、いま御指摘がありましたけれども、保守についてはそれ以外にどうもなさそうだ、こういう感じを持っております。
#172
○国務大臣(塩川正十郎君) 国鉄の内部で検討したことでございますので、その中身等は私も承知いたしておりません。お尋ねの中に業者とその委託についての話し合いが進んでおるということでございますが、そういうことではなくしてまだ研究段階であろうと私は思うんですが、つきましては、たとえばそれが委託をするというようなことが具体的に日程等に上がってまいりましたときには、国鉄はその研究の成果ということをそれをただ単に契約にスライドしていくというようなことなく、厳正にやっぱり判断していくように努めるべきだと思います。
#173
○小笠原貞子君 国鉄の勉強会からOBも含めて今度は業者も含めてと、いまの答弁の中でずうっと進んできたんですよ。国鉄は、国鉄のOBやそういう専門会社の人を入れなかったら勉強できないんですか。そんな日本の国鉄なんですか。
#174
○説明員(吉井浩君) 入れかわり立ちかわりで答弁に立って申しわけございませんが、私は労務全般の担当ということでその立場からお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま総裁から冒頭申し上げましたように、三十五万体制というものを組みますためには各般の部門にわたりましていろいろな検討が必要でございます。特にこの中身といたしましては、先般来しばしばお話出ておりますように、これから大量退職時代を迎えるということで、その技術力の低下をどのようにして防ぐかというふうな問題もございます。また、三十五万体制の中では職員の能率を向上する、あるいはまた新たな機械を導入するという業務と並行いたしまして部外能力の活用ということも出てまいるわけでございますが、先ほど藤田常務からも申し上げましたように、国鉄の仕事すべて列車運行に密接に結びついております。したがいまして、今後部外能力ということを考えます場合にも、やはり保安度を落とさないということを大前提として考えなければいけないわけでございまして、したがいまして、これからの部外能力、業務委託ということを考えます場合にも、十分にそれらの技能力を持った、技術力を持った相手方というものの存在が不可欠でございますし、これがまだ不十分な場合はこれを育成しつつ部外能力を果たしていくということが必要でございます。
 私も、ただいまの電気局の具体的な勉強について十分に承知しておりませんでしたが、ただ電気のみならず各部門につきまして、先ほど来お話ございますような、これから三十五万体制を志向するためには、それぞれの系統別に、それぞれの部門別にどういう仕事をどういうふうにしていくかということはそれぞれの系統で鋭意勉強中でございまして、電気は電気としてこのような形で電気の将来の三十五万体制に即応する電気の体制、これが全部ではないと思いますけれども、その中の部外能力という部門ではこういうことをこういう形でやっていこうということでございまして、先ほど申しましたように、それをするためには国鉄のみならずそういう仕事を受け入れてしかも保安上に不安を与えない、そういう部外の力は必要であるという意味でOBあるいは従前の技術力を十分持った人たちというものと相談をしてやってまいりたい、そのように考える次第でございます。
#175
○小笠原貞子君 それなりのあなたの考え方はわかりました。
 先ほど国鉄総裁、それぞれの地域に応じていろいろ条件が違う、だから地域に応じていろいろな会社と、こうおっしゃいました。これからずっといきますけれども、これらの会社は地域の情勢の中から、地域というんじゃない、これ全国的な組織、活動部門を持っている会社なんですからね。そこのところ国鉄総裁まだわかっていらっしゃらないと思いますから、そこのところだけ私の方から具体的に指摘いたします。そして、この資料の中にまた補足説明というのが出ているんです。これからまたこれが大きな問題だと思うんです。
 で、この補足説明の中に、いろいろありますが、その中にこう書いてある。「契約は一局一保全事業所等を窓口として行うが、保安工業、日本電業等の専門会社及び地元の協力会社については、元請である保全事業所等とこれらの会社間で明確な協定を結び、正式な協力体制を作る。」、会社の名前まできちっとここに挙げられております。そして、「一局一社体制へ向けての移行措置として、会社間の協力協定に基づく暫定体制を考える。」とスケジュールにもこう入っているわけなんですね。これを明らかに私いまゆっくりお話ししたのでわかっていただけると思いますけれども、この契約関係、移行措置と、きわめて具体的に述べられているんですよ。これは本来国鉄のいろいろな事業にしても競争入札が原則だと私は思うんです。この競争入札の原則を逸脱して入札前に五つの業者に地域割り振りが決められているんです。ここが私は問題だと思うんです。
 そして、それは形はいろいろとおとりになるかもしれないけれども、地域割りで会社を決めてということはこれはもうどこでもやっていますよ。結果的には談合ですよ。談合によって値段はいかようにもなると。そしてこの談合、これがいまいろいろなところで問題になっている。この談合の温床づくりを国鉄みずからの手でやっていらっしゃる。一般業者は入れません。排除されています。こういう点について私は行き過ぎだと思うんです。競争入札の原則から見ても、こういうまさに談合、これの温床を育てていらっしゃるんじゃないですか。どうしてこんなことになっているのか、私は本当に不明朗だと思う。問題何ぼでも出てきます。
#176
○説明員(高木文雄君) いまのまず一つは、電気保守で申しますと、じゃどこか民間にその能力を持った会社があるかというとないわけでございます。なぜないかというと、いままで私どもで直営でやっていましたから民間にそういう需要がなかったわけでございます。まあやや似たものとしてたとえば電力会社の配線とかなんとかの仕事を請け負っておる下請会社があるわけですけれども、それは重電の能力を持っていますけれども通信とか軽電の能力は持っていませんので、そういう会社の人では役に立たないわけでして、いまこういうことで外注に移そうというときには、少なくともスタートのときにはそういう外注会社をこれからむしろわれわれの手でつくっていかなければならないという状態でございます。したがいまして、これをいわゆる一般的常識の一般公開入札でやるということにしますにはきわめて不適当な仕事であると思います。
 それから、談合とおっしゃいますけれども、まあ言葉の使い方でございますが、この歩掛かりをどういうふうに立てるかということは関係の業界の人たちとも話しますけれども、基本的には歩掛りは国鉄の方で立てるわけでございます。
 それから、地域割りをやめてしまえと。幾つかの似たような会社を育成するといいましても、幾つかつくりましてそしてそれを相互間の競争でやれということは、方法としては考えられます。しかし、その従業員の皆さんにしてみれば、きょうは東北で仕事をする、来月は大阪へ行って仕事をするということになりますと、いろいろ生活条件の問題もありますし、そうなればやっぱりどうしても給与は高くならざるを得ない、出張旅費もかかる、いろいろな足場その他のものについてもそれを持って歩かなきゃならないということになりますから、先ほど来申しておりますように、保守事業というのはどうしても地域に密着した形にならざるを得ないわけでございまして、その点は私どもは、談合とおっしゃいますが、そこのところは非常に厳格に見なきゃなりませんけれども、その歩掛りさえフェアにつくっておけばそういう随契方式でやることもまたやむを得ないし、むしろその方が能率的ではないかというふうに考えるわけでございます。これは電気に限らず保守その他につきましてもやはりどうもそういうふうにならざるを得ない性格のものではないかというふうに考えております。
#177
○小笠原貞子君 それじゃ具体的に、端的に言えば競争で入札するのが原則だと、それはお認めになるわけですよね、競争でやるのは原則。しかし、という中でいろいろおっしゃったんです。札鉄局は電設、電設とは日本電設工業ですよ。それから保工、これは保安工業株式会社、札鉄局はこの二つですね。それから盛岡は新生電業です。そしてさっき言った保安工業です。こういうふうに、たとえば札鉄局にしたら電設と保工と二つの会社でこれを受け持たせるというところでこれはもう当然談合ということになっているんですよ。原則としては競争入札が原則だと言われている、日鉄法の中にも。それにもかかわらずいろいろと理由をお述べになって、そして談合の土台をつくっているということは私は言わざるを得ないと思う。盛岡が新生、保工ですよ。それから秋田が電設、保安工業ですね。仙台が保全会社。新潟が新生と保安工業。高崎が千歳電気工業と保安工業です。それから東京三局は保全会社。長野局は東邦。名古屋は保全会社。大阪は保全会社。岡山は電設。米子局は千歳、保工。こういうふうにもうはっきり地域割りをして、そしてその会社を指定して、そして二つなら二つの会社で談合させてできるというところまで問題は進んでいるんです。
 だから、何でこういうことが起こるんだろうと私非常に不思議に思ったんです。やっぱり国鉄いろいろもやもやしたものがありますから、だから私はしっかりした国鉄の再建計画をしてもらいたいのに、こういう資料を入手して調べてみた。なぜこんなことが起こるのか。これらの五つの会社と国鉄とはどういう深いつながりがあるのか。これまで国鉄高級官僚の天下り、この間代表質問で私、やりましたね。そしたら塩川運輸大臣おっしゃいましたね、そういう天下りはございませんなんてね。自信あっておっしゃったんでしょう、おっしゃったからには。議事録にも載っています。どういう関係になっているか、一つずつ私挙げます。
 日本電設工業株式会社、これは、この会社の上層部は国鉄天下りでほとんど占めています。日本電設工業株式会社、名前は言いませんが、名前もちゃんと出ています。いつ入ったかという日にちも私は資料として持っています。会長、社長、専務取締役、それから常務取締役、それから平の取締役など二十一人ですよ、国鉄から天下っているのが。平の職員が行ったんじゃないんですよ。国鉄の上層部ですよ。何をやっていたか、国鉄における最終の地位は何だったか、常務理事、経理局、みんな偉い人ばっかりですよ。まさに国鉄の天下りですわね。
 それから東邦電気工業株式会社、これを見ますと、社長、それから専務取締役、常務取締役、それから平取締役、ここは八人です。上から偉い人八人、全部国鉄の天下り。
 新生電業、これは現在で調べましたからね、会長、社長、専務取締役、常務取締役、平取締役、そのほか挙げれば、時間がありませんが、十二人です、この会社で。
 保安工業株式会社、これは専務取締役、常務取締役それから平取締役など合計八人です。
 千歳電気工業株式会社、これは専務取締役それから取締役など五名ですよね。
 全体で五十四人です。これ全部国鉄さん出身のいわゆるいつも言う高級官僚の天下りですよ。名前も出ていますよ、会社におけるいまの役職も出ていますよ、国鉄におけるときの最終の職名、役職も全部出ていますよ。調べればすぐわかるんだから。国鉄をいつ退職したか、これもちゃんと出ている。こういうまさに国鉄と深い関係がある五つの会社ですよ。この五つの会社に電気関係の外部委託の話を持っていかれている、国鉄さんが。国鉄関係、本当に深いですね、この関係というのは。この五社と国鉄が、月曜会なる集まりです、先ほど言ったのは。すでに談合して地域割りを決定しているんですよ。それから、五社への国鉄からの天下り実態から見ても、天下り企業が国鉄の外部委託を利用して一層大きな利益の対象にもできる。国鉄のその発注先をこれら天下り企業に集中していこうとしているんです。公共企業体としていま問題になっているこういう天下り、国鉄との深い深い関係がある五つの会社、この関係の会社と考えた場合、この間、大臣は天下りはいないとおっしゃった。いますよ、合計五十四人。どうお思いになりますか、大臣。
#178
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は本会議で、質問の趣旨から申してそういう天下りはいないのではないかと申したんでありまして、天下りがいい悪いという問題ではなかったと思うております。
 天下りの場合、人材活用の面からそれが活用されておるということであるならば私は肯定もできると思うのでありますけれども、それがどういう経過で天下っていったかということにつきましては私は定かにしておりません。十分後で調べてみたいと思うておりますが、しかし、天下りしたと言われるその会社と国鉄との関係は、いわばそういう技術的な一連のつながりがあってそこで研究会等も持たれたのではないかと思うのであります。技術というのはやはりそれを行使する、理論も大事でございますが、国鉄の場合等におきましてはその技術を行使することも、ノーハウというやつもこれまた大事なことであろう、そういうところからそういういわば会社との人的なつながり、技術のノーハウの流れというものとがあって研究会を開会するということになったのではないかと推察をしております。
#179
○小笠原貞子君 時間がないので最後の質問にしたいと思います。
 この間私が代表質問で申し上げましたのは、よくお聞きになっていただきたかったんですね、この天下りなどというものをやらないで、そして天下りによっていろいろな疑惑を受け、そしてここで退職金もらって天下って、また退職金もらって、そしてまたひどいのになると、またやめて今度立候補して全国区で出たなんというの国鉄にいっぱいいるんですからね。それもこの前予算委員会で私やりましたよ。もう、いますよね、伊江先生なんかちょっとこう笑っていらっしゃるけれども。そういうことでこういう天下り、こういう癒着をきれいにしなければ本当の国鉄再建と言われても信頼されませんと。だからこういう癒着をなくしなさいと私は言ったんですわ。そしたら天下りはいませんとおっしゃった。しかし現実にこの会社だけで五十四人天下りしています。
 そして私は最後だからお伺いしたいと思います。三十五万人体制の実現と言いながら、経費を節減しなければならないと言いながら、一体外注で経費がどれくらい節減できたかというのもまだわからない。六十年度までにどういうところに外注を広げようということさえもはっきりしない。みんなわからない、わからないずくめですよ。そしてわかったことは、こうやって国鉄と癒着した天下り会社に仕事をあげましょうというまさに不明朗な形がここにつくられているんです。
 私はきょうは質問する予定でなかったんですよ、さっきも理事会でがんがんやったけれども。残っている社会党さん、公明党さん三時間ずつ先にやりなさいなんて私もじゃんじゃんやり合ったんだけれども、それはもうやめます、そこは。おとなしくそこはやめますけれども、だから私はゆっくりこれ調査していただいて質問しようと思ったの。だけれども、急にけさになって質問やれと言うから、私の方も急にこれ取り上げて、そっちとそっちもなかなかちょっとお答えにくい点があったと思いますけれども。知っていらっしゃるとおっしゃった、月曜会。その月曜会というものの先ほど言いました性格、そしてその役割り、そういうものについてもっと具体的に私ははっきりさせて御報告をいただきたい。そして大臣も御存じなかった。総裁もそこまで詳しくは御存じなかったと。調査してください。調査して、そして一局一体制の窓口をつくって、事業所をつくって、ほかを排除してというような、そういうふうな癒着がずっと進まないように私はここのところできちっとさせていただきたいので、月曜会の問題だとか、このいままでやってきた中身について具体的な調査をしていただくこと、そしてその御報告をいただくということをはっきりお願いしたいと思います。
 委員長、お図りいただきたいと思います。
#180
○委員長(黒柳明君) はい、わかりましたです。
#181
○小笠原貞子君 そして最後に、――何か言いたいことあったら言ってください。
#182
○国務大臣(塩川正十郎君) 言いたいこともございますが、質問の時間もまいったようでございますので、このお尋ねの案件につきましては私の方でも調査いたしまして御報告いたします。
#183
○柳澤錬造君 最初に大臣の方にお聞きをするんですが、前回のときに御答弁いただけなかった点で、昭和四十八年に政府が一兆五千億を国鉄に出資をすると決めておきながら、調べてみると三千七百八十億しか出資をしてないんで、なぜやらなかったんですかという点の、まず、そのお答えをいただきたいと思います。
#184
○政府委員(山地進君) 四十八年には、工事費というものを前提にいたしまして一兆五千億の出資というのを計画しておったわけでございますが、実施期間といたしましては四十八年から五十年まで実施いたしまして、その期間におきましては実施の方が多いような出資をしているわけでございます。
 それから、なぜこれを出資というものから次のものに乗り移ったのかということでございますが、五十一年には累積債務のたな上げということが行われたわけでございまして、一体国鉄に対する助成というのはどういう方式がいいのか。出資がございます。それから補助がございます。それから利子補助もございます。それからたな上げもございます。いろんな補助があるわけでございますけれども、五十一年時点におきましては、出資というものに比べてやはりたな上げということの方が再建に非常に役立つと、こういうふうに考えて、以後債務のたな上げということで国鉄の助成策を考えたと、かように考えております。
#185
○柳澤錬造君 この日鉄法の第五条を見ていただきたいんですが、細かいことは除きまして、「資産の価額に相当する額とし、」それを「政府が、全額出資する」と言っているんですね、資本金は。それは昭和二十四年五月三十一日現在。その後、さらに第二項では、「政府は、必要があると認めたときは、予算に定める金額の範囲内において、」いうならば追加出資をしてよろしいということになっている。私が聞きたいのは、この法律に基づいていまのような答弁は成り立たないことだし、それに基づいて昭和四十八年にお決めになったことも、その利子補給をした方がいいか、再建の何かした方がいいか、それは話は別なことなんです。この間も、もう時間切れになっちゃったからあれだけれども、私は、現在の国鉄とするならば、少なくとも資本金二兆五千億ぐらいにしてやっていいんじゃなかったんですか。それをきちんと政府が毎年毎年出資をして資本金をふやしてやっておけば、何にもこんなに借金借金と大騒ぎをしなくてもよかったはずでしょう。なぜそれをおやりにならなかったんですかということを聞いて、それは時間がなかった。きょうはそういう答弁、鉄監局長だめだ、そんな答弁。だから、この法律の第五条、日鉄法から言ったってそれは反したことをやっているんですよというんだ、政府は。きちんと答弁しなさい。
#186
○政府委員(山地進君) これもいま記憶をたどりながら御答弁申し上げているわけでございますけれども、四十八年の出資論というのは、やはり自動車重量税というような関係もございまして、出資ということで四十八年にはそういうことが国鉄の再建に非常に役立つということでスタートしたんだろうと思うわけでございます。その後の出資の状態というものを見ますと、五十年までふえたわけでございます。そこで突如として出資というものが消えて、たな上げと。私はやっぱりいま申し上げましたように、国鉄の再建のためには一体何がいいのかと。先生のおっしゃるように出資ということになりますと、これは恐らく工事費の方に回るわけでございますね。そういたしますと、工事をすると償却をしなければいけないわけです、出資金については。補助金というのは償却が要らないんです。これまたちょっと会計上のむずかしい話になるわけでございますけれども。
 それからもう一つ、出資になりますと資本勘定に入るわけですね。それから利子補助等になりますと損益勘定に入るわけです。そういうことから言って同じような補助をした場合に、国鉄の損益勘定にどう響くか。それから、長い目で見れば利子というものに対する負担というものを軽減するのには何が一番いいのか。いま工事費補助金というのは御承知のとおり工事費に対する利子を補助しておるわけです。出資でやった場合には、いま申し上げましたとおり一兆五千億の出資工事費の中で一兆五千億だけの出資をすると。そうすると、一兆五千億という工事費に対して何が一番適切な助成であるのか。私はその当時のことは存じませんけれども、こういうようなことをお考えになって、そのときから方向転換したんだろうと、かように考えているわけであります。
#187
○柳澤錬造君 それも答弁にならぬわ。大臣、答えてください。
 鉄監局長ね、山地株式会社がどこかの会社に借金というか、融資をしてやるのがいいか、株を買って増資をしてやるのがいいかというときには、いまあなたの言った説が成り立つわけだ。いまどっちがやるのがいいかといったって、それはあなた国民の税金を使うわけなんですよ、政府がといったって、その政府の出す金は。だとするならば、いまのような莫大に三千億も四千億もの金を毎年利子補給なんというやり方で税金を使っておっていいかどうか。もう少し国民の税金の使い方として考えていったらこんなぜいたくな使い方ないわけなんです。それだったらむしろ出資をしてやって、そのかわりこれでもっていろいろなことをやってやりなさいと、工事にも使いなさい、何にも使いなさい。それで国のことだからそれはもう民間と、普通と違って配当なんかする必要はないんですから、ですからそれをあなたが自分の会社でもってどっかの会社のことのときにはそんな出資をしたらまたおまえら配当も大変だろうから貸してやろうや。あるいは利子もただでもいいとかと、これはどうでもなる。その莫大ないままで何兆円と出してきたお金というものはみんな国民の税金なんですよという、そこのところを忘れているんです。
 これ、大臣聞いていて、それも含めてもう一つなにしておいていただきたいのは、日鉄法の五十四条の三、これはもうそんな条文読むのはやめて、いわば経営改善計画をお立てになったはず、五十一年の十一月の法改正で。翌年の四月の十四日に運輸大臣がそれを承認しているんです、その経営改善計画を。どういう計画を立てたかなんということはもういまここでいいですから、言うならばどの程度実行されて、点数をつけたら何点ぐらいの点数がつくようなことをやったんですかということ、そこが知りたいわけなんです。その中ではいわゆる経営上赤字要因となるような貸物の問題、ローカル線の問題、それからあるいは自動車や手小荷物とかいろいろな問題について、そういうものにメスを入れて、その赤字要因になっているところを一つ一つえぐり出していって改善をするんだというところがそいつのねらいであったわけなんだ。その辺がどの程度やれたんでしょうか。皆さん方御自身で点数をつけたら何点つけますか。
#188
○政府委員(山地進君) 結果的には、この経営改善計画に基づいて経営の改善が現在までできておりませんので、結果からだけ判断さしていただくと、大変この計画の成功率は低かったと言わざるを得ない……
#189
○柳澤錬造君 何%。
#190
○政府委員(山地進君) いや、何%というのは大変むずかしいので、御勘弁いただきたいと思います。
 それから、この計画に沿って何をやったのかといいますと、私どもの脳裏に一番先に浮かびますのは、五十三年十月と五十五年十月のダイヤ改正というのがこの計画の最大の成果であったんではないか、かように考えております。
#191
○説明員(高木文雄君) これは私どもの方で立てましたものでございますから、反省の意味で私からもお答えをいたしたいと思います。
 この中でうまくいかなかった点がいろいろございます。たとえばその一つの例は「貨物収支の改善」についてでございまして、「昭和五十五年度にその固有経費で収支均衡することを目標として」とございますけれども、五十三年と五十五年といろいろダイヤ改正いたしましたけれども、残念ながら現時点で固有経費で収支均衡ということには至っておりません。
 それから、荷物の問題に触れておりますが、荷物のところでも「おおむね昭和五十六年度にはもっぱら荷物輸送のみから生じる経費については、荷物収入で賄なう」と、こう言っておりますが、ここまで現在到達いたしておりません。
 その上に書いてございます、もろもろの拠点駅とブロック内中間駅相互間は極力自動車に代行するとか、いろいろ書いてございますけれども、これはいま進行中でございます。
 あと、「乗務員による仕訳」その他をだんだんやめていきますというのも進行中でございますが、肝心の結論のところの「荷物輸送のみから生じる経費については、荷物収入で賄なう」というのは目標を達成しておりません。まあ多少ともここに書かれましたことで、お約束といいますか、そのとき考えましたことでできましたことはもろもろの施策によって昭和五十五年度までの五年間に五万人の要員の合理化が可能だと。
 一方、東北、上越新幹線による開業増その他を含めて三万五千人程度の増員が必要だと。よってもって一万五千人を縮減するとございますが、これは結果的には二万二千五百ということでございまして、差し引き一万五千という数よりは多少人数が減ることができました。ただし、正確にパラレルにはいきませんのは、東北、上越新幹線の開業による要員はまだ全部は用意してないわけでございますので、それを差し引きいたしますと、大体計画のとおりかなうということでございます。
 それから、関連事業のことをいろいろ書いてございますが、関連事業についてはまあまあある程度進んでいるかなという、そういう自己反省でございます。
#192
○柳澤錬造君 大臣は、鉄監局長がいま答弁されたことで御満足をしているんですか、どうでしょうかね。あの程度の答弁で私が聞いていることのお答えになったと思っているんですか。
 いまの五十四条の今度はその四のところにいきますと、「運輸大臣は、日本国有鉄道の経営の健全性を確立するため必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し、経営改善計画の変更その他その経営の改善に関し必要な事項の指示をすることができる。」となっているんです。鉄監局長の御答弁だとあんまり成功率はよくなかった。何%だったと聞いたら、それも言えませんという程度だからきわめて悪かったということよね、これは。いまここで再建法案をやっているんだからそれはそのとおり。だとするならば、少なくても監督官庁、運輸大臣として、そういう計画を立てたところが思うとおり進んでない。それじゃこの辺はよくいったけれども、この辺が悪いじゃないか、これじゃいけませんぞと言って、国鉄に対してそういう勧告なり何なりのものを変更さして改めさせないと。だからいまの、大臣、あなたに言ったってそれはもう前のことだけれども、だからそこがこの前も言うように、この十二年間に大臣が十四人もかわって塩川大臣が十四人目なんですから、どこまで大臣が本気になって国鉄再建に取り組んでおるかと、私が疑問に思うのはそこなんですよ。ですから大臣として改めて――そんな鉄監局長の答弁じゃ答弁にならぬから。
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
#193
○国務大臣(塩川正十郎君) これは採点するとしたら私は厳しい採点になると思うんです。そのことはしかし、国鉄は何の努力もしなかったということだけではないと思うんでございまして、やっぱり客観情勢も悪かったということも私は考えております。しかし、成果が上がらなかったということから点数をはじきますと、これは相当減点の状況であろうと思います。
 そこで、もう一度計画の変更を見直して一々指図をしたらどうだというお話でございますが、このことは、実は予算編成のたびごとにやっておることでもあるわけでございまして、正式に書類をもって指図をしたり、そういうことはしておりませんでしょうけれども、しかし、毎年の予算時にはこの国鉄の営業成績並びにこれから取り組もうとしておる改善計画の実施についていろいろ協議しながら予算をつけておることでございますので、したがって国鉄の責任の一端はやっぱり運輸省にもある、こういうことにも実はなってくると思うのであります。しかしながら、この五十一年の経営改善計画では、やはり時代の進展にそぐわない点があったものでございますから、もう一度根本的にやり直そうというのが今回提出さしてもらっておるいわゆる国鉄再建法案、現在御審議いただいておる法案でございますので、もう新規に出直しして、いわば最後のチャンスをもう一度与えて再建を図ろうと、こういうことから出てまいりました。ですから、いまこの以前の五十一年の再建改善計画そのものに対する成果というものは、これは思わしくないからこそ新しく立法措置をもって再建を講じようということになった次第でございます。
#194
○柳澤錬造君 大臣、運輸省にも責任の一端があるって言いますけれども、私は一端どころではなくてかなりたくさんあると思うんです。それでいま答弁をお聞きをしながら、別に私、文句言うつもりで言ってるんじゃないんだけれど、これだけの大きな国鉄ですから、だれがやったってそんなほめられるような、うまくいくようなものじゃないんです、これだけの大世帯なんだから。しかしながら、もうちょっと運輸省なら運輸省の方もその辺を愛情を持ってといいますか、思いやりを持ってやっぱり考えてあげておったらこんなになにしなくたってよかったんじゃないかということを思うからなんです。それでまずかったから、今度はまた再建法案て言ったって、大臣考えてください、四十四年に再建をつくったわけですよ。十カ年計画の目標を立ててわずか三年でそれをやり直、して、また四十八年につくった。そしたらそれもまたもうなにで、五十一年でって、そして今度はいまここで五十五年、四回目でしょう。そうすると、こんなことばかりやったら、みんな、仮にこれででき上がったって、国鉄の中でも、それこそ運輸省の中でも、鉄監局長自身がそんなものどうせ法律さえ通ってしまえば後はもう野となれ山となれしか思いませんよ。本気になってこれでやらなきゃならぬという気になれないと思う。
 それで、具体的に今度はもう一つ。先ほどから出ておるから、これどちらにお答えいただくか。東北、上越新幹線、当初の予定だと、完成といいますか、開通がいつの目標になっていたんでしょうか。かなりおくれていると思うんです。それで、現実に現在までにもうどれだけ投資をしているのかどうか。相当な金額を投資をして、そうしてがたがたして開通がおくれちゃった。それだけの投資をしたお金が寝ちゃうわけなんですから、その損失というものはどのくらいに見ているんですかということをお聞きしておるんです。
#195
○説明員(縄田國武君) 昭和四十六年に工事実施の計画の認可をちょうだいしましたときは完了年度五十一年度でございました。その後、現在は五十二年の三月に変更の認可をいただきまして、完了年度五十五年度ということになっております。
 それから、二つ目の御質問の、ただいままでの工事費の総額は二兆五千九百七十億でございます。五十四年度までの工事費の決算累計は一兆五千七百七十九億でございます。
 それから、御質問の損失額は幾らになるかという三番目でございますが、確かに開業のおくれた期間だけ私ども収益が上がる時期がおくれましたので、確かに損失が出ないとは申しませんが、ただ、具体的にただいまのところ幾ら損失が出たかということはちょっと算出しがたいものでございますから、できるだけ早く工事完成をいたしたいと努力しておる次第でございます。
#196
○柳澤錬造君 総裁どうなんでしょうかね。ただいままでのところ損失が出ないというお答えなんです。いま私が聞いておりましても、はあと言うて頭の中で目の子で計算しても、ああこれならば損失は五千億超えるなあという感じを受けるんです。だから、そこのところが皆さん方がやっぱり大きな世帯の経営を担当しているからなにだけれども、それは一年ずれたってその間に莫大な金を投資をして、本来ならばもう汽車ポッポ走って、金をかせがないかぬのだけれども走らんで、そのままその金を寝かしとくわけなんだから。それ貯金しておいたのとなにの比較するなんてそんなところまで私は言いませんですね。しかし、どんなに計算してみたって大まかに私がぽっとなにしたって、この開通がおくれたがゆえにこの損失というものは五千億下りませんですよ。
 そうしたらそのことがどうなっていくかというと、いよいよ今度は上越新幹線が、東北新幹線が開通したときに、その五千億か何かそれも結局コストとなって、そして原価計算して、じゃ汽車賃幾らかって決めるときの基礎になるわけなんですよ。だから恐らく皆さん方が、もう東北新幹線だか上越新幹線が開通のときから三千億の赤字だと言って、そういうことをのうのうと言っておられるのもそこにあると思う。予定どおりの日程でもってきちんといって開通して走っておったならば、それはもう当初はそれはどんなことをしたって多少赤字が出るけれども、四、五年すればその赤字が消えて大体収支とんとんでこれは黒字に転化する、そんなものは常識なんです。
 だから、私が皆さん方にこれを、一つの例でいま聞いたのもそうなんですが、その辺のところが、いやおっしゃるとおりで、もういろいろ住民の事情でもってごたごたしているのはわかっているんだから、だれが不手際かとか何かじゃなくて、ああいうかっこうでもって開通がもう四年も五年もいまおくれております。そのためにこれだけの五千億、六千億の損が出ているんです。これは結局のところ国鉄もかぶる。国鉄もかぶるんだけれども、最後は国民の皆さん方のところへ、これ何とかしてくださいと言って頭を下げなくちゃならなくなる性格のものなんです。われわれもそこのところはいろいろ一生懸命努力をします、どうか皆さん方もそういう点について御理解をしていただきたい。これでもって言うならば、あの住民の人たちにも、行ってそういうことを話をして、結果的には皆さん方が税金でこれかぶってもらうんですよ、だからいろいろ御事情もあるだろうけれども線路を敷かしてください。通してください。それで、どうせもう決まってやる以上は、一日も早く汽車が走って、みんなも喜ぶ、そして国鉄も、再建の役に立つようにしていただきたいという、そういう考え方に立っていただきたい。損失もわかりませんなんて、そんなことだったらあなたね、もう常務理事やめなさいよ。申しわけございませんて、そんなことが判断がつかないなら。もう一回答弁してください、最後のところつけ加えて言ってくださいよ。
#197
○説明員(縄田國武君) 単年度の、さっき申し上げました二兆五千九百七十億の総工事費のうち、単年度に投資いたしました工事費の負担いたしました利子、これはもう単年度ごとにわかっております。ただ、損失額という御質問でございましたものですから、得べかりし収益等も計算いたしておりませんものですから、ちょっとわからないとお返事したわけでございますが、たとえば五十二年度でございますが、二千四百億工事経費を見ております。この単年度の利子は四百六十九億になっております。五十三年度は、三千二百二十億を決算しておりますのでその利子が六百五十億、単年度ごとの利子はわかっておりますが、いままでの累計で大ざっぱに言いまして五十四年度までで約二千四、五百億見当になろうと思いますが、ちょっといま足し算しておりませんので。
#198
○柳澤錬造君 それ以上申し上げませんから、それは総裁はもうおわかりだと思うんで、酷なことを申し上げるようだけれども、重役をおやめになった方がいいですよ。マネージメントなさるならば、いま言ったように単年度でこれだけ投資をいたしまして、そいつの利子が幾らですなんてそんな計算がどこから成り立つかということなんで、もうちょっと国鉄が利益が出て、相当ゆとりのある経営をしているときならば、そこのところは、この前も聞いたように自己の損失もわからぬといってやっておったって私はいいと思うんだけれども、これだけ何回やっても再建できないでもって、そして結果的にはそれは国民に迷惑をかけていることなんです。税金を使っているんです。だったら本気になってそこのところをね、死にもの狂いになって、どうやってやるかといって一つ一つ、それこそこの間総裁も言ったけれども、いろいろそういうふうな悪慣行とかそういうものもつぶしていく、何もつぶしていくとやっていかぬ限り再建なんかできるものじゃないんです。私の言ったことおわかりいただいているかどうか。それはいま御答弁いただきませんから、後でよく経営という角度からお考えいただきたいと思うんです。
 次に、地方交通線の関係でお聞きをしていくんですけれども、足尾線、あそこの足尾銅山のところの、これは乗客の利用度からいけば二千人以下のところに入ってくるところなんです。ただ、かなり銅やいろいろ――だからむしろそういうなにだけではなくて、産業用の線というか何かそういう役割りがかなりあるはずなんで、そういう点でもって何とかして残してもらわなければ困るんだと、そういうことを言ってきて、いろいろ事情聞いたらそういう話を聞かされたわけなんですけれども、あの足尾線についてどういうふうないまお考えになっているか、その辺お聞きしたいんです。
#199
○説明員(高木文雄君) 今度の法律の考え方では、旅客の輸送量、それによる国鉄の線区ごとの赤字の程度ということから基準をお出しいただきたいということで、それを受けていま運輸省の方でお考えいただいておりますが、この過程においては、実を申しまして貨物の輸送の問題というのが、何といいますか、十分届いていないということはしばしば御指摘を受けていることでございます。
 ただ、貨物の問題というのは余りにも線区ごとに個性が強過ぎまして、一般的な基準で物事を処理するには不適当ではないかということで、たとえば政令基準として旅客の輸送人員が全体的な、平均的なといいますか、全体的な基準になることによって、各地区の特殊事情もさることながら、標準的な一種の公平が保ち得る基準になり得るだろうということでそうしてきたわけでございますが、貨物については先般来ときどき各地区について御指摘があるように非常に問題が、個性が線区ごとに非常に強い。したがってまた、地区における影響を持つ。いろいろな形で出てくる可能性を持っているわけでございまして、これは現在の段階では、いまの仕組み上当然協議会の中での議題として議論をしなければならぬと思っておりますが、その際に特に貨物の問題が大きい。
 そしてそれが地域全体の、足尾のような場合ですと荒廃にもかかわるような問題になってまいりました場合にどういう対策をとるべきかとか、私どもは貨物輸送について、一体、いまいろいろな硫酸品等の輸送がトラックでは不可能だということを企業側は言っておられるわけですけれども、果たしてそうであるかどうかという問題についてももう少し詰めてみたいと思いますし、もし貨物輸送をどうしても鉄道でやるということであれば、何か一種の会社専用線みたいな方式、そしてそれに対するいろんな形での助成といいますか、補助といいますか、そういうものを前提としながらそういうことができないものかどうか、あるいはまた、先般申しましたように、多少運賃は高くなる場合もありますけれども、現在トラックで輸送しておられる物を逆にわれわれの方の鉄道の方に乗せていただくということになればどういう形になるかというようなあたりを、いい悪いは別にしてたまたま問題の企業が一企業である関係もありまして、企業なり関係県なり関係市町村でそこをどうお考えになるかというあたりで、非常に特殊問題として扱っていかなければならない問題だというふうに考えております。
#200
○柳澤錬造君 次に、これは総裁ごらんになったと思う。これ十一月十五日のサンケイ新聞の夕刊の一体だれが運転手なんだというタイトルで出た記事なんです。これ見ると、「先月二十三日午後二時すぎ、京浜東北線の下り大森−蒲田間。跨線橋上からとらえた驚くべき実態である。」と言って、運転席に七人乗っているんですね。それで、運転手は制服も着てなければ帽子もかぶってない服装でもって腕組みをしているわけです。これ走っている途中から撮った写真なんです。これについて国鉄側として当局がどういう処置をなさったんでしょうか。これだけ新聞にでかでか出たんですから、当然本社から地方局に対しての指示もあっただろうし、地方局から今度は現場に対しての指示とかそういうふうなこともなさったと思うんですが、その辺の点について具体的にどういうふうな処置をし、二度とこういうふうなことのないように、そういう点についてのことをおやりになったかお聞きしたいです。
#201
○説明員(藤田義人君) 先生御指摘のような実態がありまして、このような法案を審議いただいている中で非常に残念にまた申しわけなく思っております。日ごろ職員の執務の厳正につきましてはいろいろと教育また指導しているところでございますが、特に動力車乗務員につきましては、輸送の安全と直接関係する立場でございますだけに、その点についての指導を厳しくいたしております。今回の報道にありますように、乗務員が先生御指摘のような服装、態度、また乗務員以外の職員が六名乗っている、それもまたきちんとした姿勢ではないといいますか、服装、態度がなってないといいますか、そういう点で非常に私の方としましても残念に、またこういうことがあれば事故にもつながるということで早速注意をいたしております。十一月一日に関係の各区にこの指導文書を送り、また近くは各管理局の指導担当者、係長でございますが、集めてこういう実態を厳しく指導するように、いままでもこういうことをいろいろやっておりました。約五万の動力車乗務員のうち大多数が、りっぱな職員が多うございますが、こういうのが一部にあるということは非常に残念に思い、より一層の指導を徹底させたいというふうに考えております。どうも失礼しました。
#202
○柳澤錬造君 いま十一月一日と言われたんで、そうすると新聞に出る前にちゃんとやられたということなんですか。
#203
○説明員(藤田義人君) 十一月一日にもやっております。また、近く指導係長を集めてこの徹底を図る会議をやるようにいたします。なお、ただいま国鉄では十一月一日から二十日までたまたま事故防止の月間を開いておりまして、先般の東中野の事故等も考えまして、いわゆる動力車乗務員についてのいろいろな指導徹底の項目をやっておりますが、その中でもその問題を取り上げていたということです。この事件については、近く管理局の動力車乗務員を指導する指導係長を集めて、この指導の再度徹底を図るということでございます。
#204
○柳澤錬造君 整理をしてお答えしてください。私が聞いているのは、事件の起きたのは先月の二十三日だけれども、この大きな写真で新聞に出たのは今月の十五日。それについてどうしましたかといってお聞きしましたら、もう十一月の一日にと言うから、ああ手際よく新聞に出る前におやりになったのかなあと思って改めていま聞いていると、このことには関係なしに十一月一日からそういうこの規律をよくするというか何というか関係者を集めて指導しているんですということなんで、私がお聞きをしているのは、十一月の十五日の新聞にこれだけ出されちゃったんで、恐らくこれを見て皆さん方も知ったと思うんですよ、運転席に七人も乗ってこういうことをしておったということは。それについて国鉄当局としてどういう処置をなさったんですかと聞いているんです。
#205
○説明員(藤田義人君) 失礼いたしました。十一月一日に――この事故は十月二十三日にございました。ということで、いろいろとこういうニュースを聞きまして、すぐに十一月一日に関係区に指導文書を送って、みだりに運転席に入ってはならないという指導の徹底を図り、なお近々に管理局の係長を集めて指導を徹底するということで、先ほどちょっと混乱したような説明をいたしましたが、以上に訂正させていただきたいと思います。
#206
○柳澤錬造君 まあいいですよ、まだあるから。
 これは今月の十七日の午前八時半ごろ、国電の根岸線の関内駅、あそこでもってアノラックをこちらのホームから向こうのホームに向けてぽんと投げて架線にひっかかっちゃって、結局二十三分電車はとまる、そのほか何本かもおくれて二本はとうとう運休にしてしまったという新聞の報道なんですが、これについてはどのような御処置をなさっておいでですか。
#207
○説明員(藤田義人君) 今度は駅の職員でございますが、非常に残念な事態を起こしまして失礼いたしました。たまたまこの関内駅は、ホームが上り、下り、線路をまたいでございまして、いま先生がおっしゃるようなことで、上りホームの職員が下りホームにいる職員にアノラックを渡すために線路をまたいで投げたというところで、たまたまそのときに下り電車が入ってまいりました。
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
架線にかかったかと思い、またどうなったかと言ったところが、この下り電車が出た後そこにアノラックがないということで、この上りホームの投げた職員がすぐに次の次の駅でございますが山手駅の方に連絡をとってその後の処置をしたということでございます。このような事態は絶対に許される問題ではございません。アノラックは冬季、寒いときに各ホームに二着ずつ置いておくのが定位でございまして、そのようにして共用で使う。ホームが寒うございますから職員がそういうことで共用で使う。たまたまこの場合にはまだ駅長の方からの要請で一着しか置いてありません。ということは、非常に十四日の日が寒く、なおかぜを引いた職員がいたということで一着が備えつけてあった。ふだんでありますと駅長の方からの申請で各ホームに二着ずつということですからこういう事態が起きないわけでございますが、たまたまこのような中でこれが行われたということで、非常に残念に思っております。
 なお、こういうようなことから結果的には運休が八本発生し、なお遅延も若干出ております。遅延をした電車も数本出ております。こういうような事態にかんがみまして、しかるべく処分をしていかなきゃならぬ、またその指導の徹底を図っていくということで対処していくと。で、現在まだその内容について局の方からの実態は伺っておりませんが、当然そういうことで処置をしておるというふうに考えます。指導の徹底をなお一層図りまして、こういう事態がないようにいたしたいということでございます。失礼しました。
#208
○柳澤錬造君 総裁、この前のときも福島保線区で御質問したとき、そういう悪慣行というものがまだまだありますと言って、ただ局がいま一生懸命になってそういうものを見つけ次第なくなすようには努力をしているんですというようなお答えがあったんですが、こうやって、まだ時間があれば私いろいろのところの事例を取り上げて一つ一つお尋ねをしたいんですが、福島保線区の方のも、その後いろいろ現地の方になにしてみましても、正常化されているということ、これ承知いたしております。ただ私がお願いしたい点は、こうやって国会で取り上げたら国鉄の皆さん方もそれっていっていろいろおやりになる、そうして正常化していく。まあ国会で取り上げられても正常化しないんじゃこれは困りますけれども、相当各地でいろいろまだそういうふうなことが残っているということは皆さん方もそれなりにお気づきだと思うんです。
 それで総裁にお願いをしたいんですが、いま二つのこういうふうな、言うならば職場規律のたるみといいますか、そういう事例を挙げて申し上げたんですが、いま一生懸命になって国鉄を再建しなくちゃいけないといって国会で議論もし、それでさっきから言っているように相当な多額な税金を使うわけなんです。だったら、何だかんだ言ったってやっぱり国鉄の中が、総裁以下が先頭に立って、それでみんなが一生懸命になって、ううん国鉄の人たちもあんなに一生懸命やっているじゃないか、それはもうなにしてやるよといって、それは税金を使うこともよろしい、何もよろしい、おれたちの足を確保するためには応援しようじゃないかといって、そういう気持ちが国民の中からわくようなことを私していただきたいと思うんです。そうすりゃこういう再建法案だって、私どもだってもろ手を挙げて賛成したくなるんです。
 それが何回再建法案をつくったって、その法案が通るときには皆さん方がそれなりのりっぱな答弁をなさるけれども、法案が過ぎてしまえばもうもとのもくあみで何にもしない。そうしちゃまた、三年かそこらすればまたどうですこうですということの繰り返しをしてきているんです。それで総裁にここでひとつ御決断をしていただいて、もう最後のチャンスで後に引けないんだと言って、先ほどのその福島保線区のようなああいうふうなやみ協定的なものについては一切もう認めぬ、三カ月でも半年でもいいですから、その期間の中にもう全部おまえたちきちんとそういうものをきれいにして、もしも残っていて後でもってわれわれが発見したらそのときはもうただでは済まなくなるぞと言って総裁名でもってそういうものをお出しになって、そして職場の中もうすべてが正常化に向かって全体に走り出すという、そうしたら私、外から見ている国民の皆さん方も、これは大変なことだ、本当に応援してやらなきゃならぬという気になると思うんです。その辺についての総裁のお考えをお聞きしたいんです。
#209
○説明員(高木文雄君) ただいま御指摘のありました具体的な案件に限らず、実は毎日全国の地方紙を含めて新聞を見ておりますけれども、投書欄その他でかなりいろいろの問題が寄せられておるわけでございます。職場の数も多いし人間も多いということもありますけれども、いずれにしてもどうも余りにも御指摘を受ける事案が多いわけでございまして、個別個別の案件を処理していくことも必要でございますけれども、全体にそういう体質がなかなか直ってこないというのをどうして直していくかということを日夜考えておるわけでございますけれども、どうもやはり、しばしば柳澤委員からも御指摘を受けますように、全体として何となく規律が緩んでおるといいますか、そういう点が否定できないわけでございますし、それから指導につきまして、長年苦労してきた先輩の諸君がどうも最近の若年層に対して姿勢が十分でない、腰が引けているというような点が多いわけでございまして、いろいろな機会をとらえまして、この前も申しましたが、まず、現場長なり助役なり、さらにもう少し次の段階の、毎日若い職員に接する諸君たちに対して、繰り返し繰り返しあるべき姿を教育していくといいますか、仕込んでいくといいますか、そういうことに努めてまいりたいと思います。残念ながら、いついつまでにこういうことになりますというところまではいま申し上げられる段階でございませんですが、基本的にはそういう姿勢をもって臨んでいきたい。
 なお、しばしばお話しございます賞罰の問題ですけれども、これもまだなかなかうまくいってないわけでございまして、そうしたこと全体を――そうかといってゆっくりやるということ許されるものでないわけでございますから、時間をかけてというわけにもまいらないわけでございますから、いままでもやってきたつもりでございますけれども、この際、一層そういう指導徹底をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#210
○柳澤錬造君 いえ、それで、私が総裁にお願いをしてるのは、いますぐといってもそれはとてもそんなもの、これだけ全国的にたくさんの職場があることなんですから、少なくても総裁名で、三カ月でも六カ月でもよろしいですから、その期間に、鉄道管理局長は自分の傘下を、それでその下の職制の第一線は第一線で、それぞれがそういうふうないろいろな悪慣行というものについて一掃せい、それで、この六カ月なら六カ月の間にそういうことをきちんとしておかなかったならば、そのときこそ厳重な処分をするぞと言って、総裁名として出していただいたらどうでしょうか。これらの信賞必罰というものは、私はいつも言うことだけれども、何も処分をして、そして懲罰しろということを言ってるんじゃないんです。みんながきちんとなって、そうして全体が気持ちよく職場の中が働けるようになったらそれでいいことなんですよ。そんな処分なんかして不愉快な思いをして職場の中の秩序を保つなんていうことはいいことじゃないんですよ、これは。私から言わしたら、むしろ管理者のやっぱり能力を問いたいと思う。しかしながら、いまの国鉄のような状態になって、至るところでもってそういう悪慣行が行われ、秩序が乱れてればそうするしかないじゃないですか。
 昔、私が香港に行ったときも、町の中をなにしておってだれもたんつばを吐く者がいないんで、まあいま日本もだんだんそれはたんつばなんか町へ吐く人いないけれども、昔はどこでもやった。で、どうしてだろうかっていってなにしてみたら、どこかであれしたら、書いてあったのが、たんつば吐いたら罰金だと。もう金額忘れましたけれども、ともかく大変な金額なんですね、その罰金。結局、うっかりなにしてお巡りさんなり何なりに見つかったら高い罰金をとられるということから、町中でたんつばを吐くのがいなくなった、私はそういうことだと思うんですよ。
 だから、どうか誤解をしないようにしていただきたい。処分をしたり懲罰を食わせるのが趣旨ではございません。しかし、何といったって、いまの国鉄が再建するについて、前々から言うとおり、いまのような労使関係で再建なんかできるもんじゃないんですから、そういう点でもって、やっぱり労使関係を正常化する、そして職場の中の秩序が保てて、みんなが気持ちよく働けるようにするにはいまはそれするしかないんです、と言うんです。いままで幹部の皆さん方が余りにもルーズできたのがだんだんそういうかっこうでもって悪い弊害ばっかりいま出てきたんですから、今度はもう再建の最後のチャンスでもって、もう後に引けないんだといって、そして総裁先頭になってですよ、それでそういうふうな各地方鉄道管理局長から末端の職制の全部に向かってそういうことについて号令をかけていただきたい、それをあなたにやっていただきたいんですが、やっていただけますかって聞いてるんです。
#211
○説明員(吉井浩君) 総裁お答えの前に、ちょっと一言私から申し上げさしていただきたいと思います。
 御指摘のような悪慣行、まだ後を絶ちませんでまことに申しわけない次第でございます。ただ、私どももやはり数年前と申しますか、こういう悪慣行を全く放置するとか、あるいは全くそれらの情報に疎かったということではないわけでございまして、いつぞやも衆議院でもお答えいたしましたけれども、職場管理、監査というふうなことをいたしまして、できるだけ現場からありのままの実態を局並びに本社に報告するようにということを努めてまいりました。そういう過程の中で、かなりの部分については従来の悪慣行について是正をした、あるいはまた完全に是正をいたし切れませんけれども、是正の機運に向かったという事例もあるわけでございます。
 そういう過程から私ども実際に現場を見てまいりますと、やはり悪慣行の態様、あるいはその根の深さと申しますか、いろいろ千差万別のものがございまして、やはりそれに対しては局なり現場なりに対してそのそれぞれに応じたきめ細かい対策で対処をすると。あるところはこれを励まし、あるところは叱咤し、あるところはこれまでの若干の改善の効果を称賛するというふうないろいろな措置が必要かと思いまして、ただいま先生御指摘のように、総裁陣頭に立ってこの悪慣行の是正にさらに一層取り組まなきゃならぬということは、私どもも労務を担当いたしますものとして特に肝に銘じておりますけれども、その辺の具体的な徹底の仕方につきましては、そういったいろいろなきめ細かな問題が必要であるということで、手段につきましてはひとつ私どもにお任せをいただけないだろうかというふうに思う次第でございます。
#212
○説明員(高木文雄君) 毎国会御注意をいただいて恐縮をしておるわけでございます。私もいろんな形で号令をかけておるんですけれども、その号令のかけ方がまずいのか、なかなかうまく徹定をしない。前にもどこかの線で、走行中の運転席を写真で撮って指摘を受けたという事案も出ました。そこで、どういう方法を、いままでもやっているつもりなんですけれども、その号令がうまく徹底しないということで、いままた何か別のいろんな手段、たとえばいま常務申しましたように、問題職場の監査というようなことも非常に重要でございますけれども、こうした問題は労務問題のところについてはそういう体制がとれるんですが、たとえば今度は服装が悪いとか、あるいは何か運転席に漫画本を持ち込んでいるとか、そういうことになりますと、一人一人の人間の問題になってくるわけでございます。
 これをどういうふうに教育指導するか、まああの手この手を使っていかなければならぬというふうに考えております。しばしば御指摘を受けて、それを思うように改善できませんことをおわびいたしますと同時に、ますます元気を出して鼓舞激励をして、第一線現場管理者諸君の鼓舞激励をして、全体の姿勢を直すように誘動してまいりたいということをお約束いたしたいと存じます。
#213
○柳澤錬造君 ぜひともそういう点でもって総裁にお願いを申し上げておいて、次には、サービス面でもって一つの事例でお聞きをするんですが、乗客が不正乗車をするといま三倍の運賃を取るわけですよね。国鉄側が、事故だろうがストライキだろうが予定どおり運ばなくて、契約どおり運ばないといいますか、そういうときは急行券の払い戻しをするわけでしょう。私は大変片手落ちな、言うならば昔の乗せてやろうというときの国鉄の態度そのままだと思うんですね。こういう事例がたくさんあるんだけれども、いま一つだけ取り上げて私はお聞きするんですが、本当にいま、国民の皆さん方御協力をいただきたい、再建をするんですと言っているときに、依然としてこの考えをお持ち続けになるのか、それともこういう片手落ちの考え方については直そうというお気持ちになるか、そこのところひとつどうでしょうか、お聞きしたいんです。
#214
○説明員(吉武秀夫君) いまお話しのように、たとえばキセルであるとか、あるいは改ざんであるとかそういうふうな場合には、鉄道営業法から来ます規定によりまして三倍いただいておるのでございますが、いわゆる不正というところまでいかなくて、たとえば無札であるとか、そういうふうな場合にも料金をちょうだいするわけですが、この場合には正規の料金と、あるいは途中まで払っておられれば差額ということで、ごく悪質なケース以外は大体普通の運賃をいただいているというのが実態でございます。
 それからストであるとか、あるいは事故であるとか、いろんなケースがありまして、列車の運行がとまるというような場合がありまして、この場合には払い戻しをいたしておりますが、二時間以上おくれた場合の料金の払い戻しというもののほかに、前途に列車がないという場合にはもとの駅に引き返すとかあるいは迂回ルートをとるというような場合には全部の運賃料金を払い戻しと、まあ結局旅行しなかった以前の状態に戻すということでやっておりまして、非常にたくさんのお客様を扱っておりますものですから、その原因別ということもあれなので、旅行がなかった状態に戻すというようなやり方をしておるわけでございます。
#215
○柳澤錬造君 だから、吉武さん、もう昔のおれたちが乗せてやるんだというその考え方が抜け切ってないからだと思うんです。この間のも、あの新幹線の中におった、法事で行くっていって私の隣に乗っておったのがそうなんです。もうどうにもなりませんわって言う。そらまだいいですよ、そらね。法事で新幹線がなにしたって言えばそれはまあそれでも済むけれども、数人の一組おったのなんか、もうあわてふためいて、名古屋でとまってあそこで五時間ストップしたんですけれども、成田から飛行機で外国へ行くって言うんです。それで下りが何ぞあるらしいから、じゃ下りに乗って大阪へ行って、そこから間に合うかしらってやっているくらいでしょう。間に合わなかったらどうなっちゃうだろうかね、そこんとこはそれはわからないことだから。それから結婚式にストライキでもってとうとう参加できなかった。もう前からあるわけですよ。
 いまあなたのお答えというのは、結局それでだめになったら、もとの乗った駅に戻っていただいて、その汽車賃も全部お返しをいたしますというんだけれども、それで償えたと思うんですかってんですよ。結婚式も出られなかったとかやあ何があったとか、ともかくそういう形でもって、それぞれの人たちが自分がやろうとした業務がそれで御破算になっちゃうわけでしょう。会社で言うならば、入札に行くっていったのが入札ができなかったってケースも私は聞かされているわけですよ。じゃあ入札できなかったその会社の損害というものははかり知れるでしょうか。そんな汽車賃はいただきませんでしたでなくて。それで、結局大部分の人たちはしようがないからそのまま乗っていって、そうして二時間過ぎたって言って払い戻しを受けるんだけれども、その二時間だってそうでしょう、昔は、新幹線できたときは東京から大阪まで三時間十分、だから一時間超えたら払い戻しをいたしました。三時間十分で運ぶからあれだけの高い特急料を取っているんであって、それをいま博多へ行ったのをいい理由にして今度は二時間だと。五時間十分を超えて運ぶんならば、それはもうあんたね、特急の高い料金を払う理由がなくなっちゃうわけなんです。
 だから、私がお聞きしたのは、もうちょっとその辺のところをやっぱりお考えを変えて、不正乗車をしたらそら三倍いただきます。そのかわり国鉄の責めによって約束どおり運べなかったら、逆に言うならば、じゃ三倍のお返しをいたしますと。それで初めて乗せる側と、言うならば売る側と買う側の立場が対等になるわけなんですよ。だから、その辺のところが、いまこれをすぐ、そんなことやってなにしたら、じゃ三倍にして戻せなんて、やれなんて私は言うつもりはないんだけれども、皆さん方の姿勢の中に依然として昔のそういうものが残っているんです。
 だから、そういうものを一つずつでも気がついたところを変えていって、そして国民の皆さん方に、われわれはいま大変なことでこれ再建するんだ、御協力を賜りたいというんじゃないでしょうか。自分たちだけで御都合のいいことやって、そして赤字は国がめんどう見るのがあたりまえなんですという、その態度はもう通用しないんですよという、そこのところを私は幹部の皆さん方はわかっていただきたいと思うんですけれども、そういう点でもう一回もう少し本当になるほどといって私どもが納得といいますかね、やっぱり誠意のあるお答えをしてくださいよ。
#216
○説明員(吉武秀夫君) 仰せのごとく画一的ではないかと言われると非常に苦しいわけでございますが、この有責無責、いろいろその原因を調査しましてお返しするとか、あるいは複合したいろいろな原因がありますものですから、この約款で現在のところは一律にやらざるを得ないと思うんですが、ただ、いろいろなサービス面で昔は非常に官僚的ではないかというようなこともあるほど非常に画一的過ぎたかもしれませんが、最近、たとえば車掌のあれによりましてクーラーの効きが悪いとか何とかということで非常に失礼ではないかという場合には、ある程度判断を持たせまして、その場合に料金の一部をお返しするとか、そういうようなことで若干はこうあれしているんですが、基本にありますこの返却というものを原因別にいろいろな複合しているものを即座に調査してやるということはなかなかむずかしいものですから、この点については、お言葉でございますけれども、ちょっといまのところこういうやり方でやらざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。
#217
○説明員(高木文雄君) これは私もちょっと気にしている問題なんですけれども、一体どこでどういうふうな線を引くかというような問題もあるようでございますし、どういう程度の賠償といいますか、たとえば料金だけじゃなくて、運賃をお返しするとか何とかということがいいのか、あるいはまたいまの新幹線の二時間というような問題が一つの問題だと考えるのがいいのか、なかなかむつかしいわけでございまして、私も時折そういう御意見を、時折というよりもかなり広くそういう御意見を寄せられますので、なるほどというか、どうしたらいいかなという一種の迷いのような心境にあるわけでございます。決していままでのが唯一の方法ではないと思うんですけれども、しかし、現実問題実務の問題もありますし、もう少しいろいろ御意見を承りながら勉強をしてまいりたいと思います。
#218
○柳澤錬造君 ですから、総裁ね、いろいろそういうようなことをこの機会にだれかにやらして、全部一回洗わしてみてくださいよ。で、損とか得とかでなしに、もう時代が変わったんだから、今日の時代に対応していろいろ運賃のやり方だの何だのもうそれはたくさんあるんですから、そういうようなものが。そしてやっぱり国民の皆さん方に喜んでいただけるような国鉄になるために、そういうふうなものの改正ということにも取り組んでいただきたいと思います。
 もう時間もなんですから、私は最後に、これは大臣と総裁に、どこまで本気になって国鉄再建にお取り組みをいただけるのかという御決意のほどをお聞きをしたいです。
 そして、一つ事例といいましょうか、これはもう国鉄の中の諸君がおやりになったことだけれども、いわゆるこの四十四年の最初のあの再建計画に取り組んだとき、そのときにあれも十カ年計画でもって立てたわけです。それが四十三年度の実績を基礎にして、じゃ、これから十年先五十三年度はどういう目標に立つのかといって、その細かいのは、もうこれは私から言わなくたって皆さん方の方があれだから、もうすぐおわかりになる。ただ私が感心したのは、この五十三年度にはといって収入の面で言うならば二兆三千百三十二億の収入をという計画を立てて、実績は二兆五千七百二億といって二千五百七十億も実績の方が上回ってるんですね。それでもっと感心したのは、この運輸の収入の方だけね、いま上回ってるのは、これはあのころから見たら助成金なんか多くなっているからだけど。この物を運ぶ方の運輸の収入だけでいけば、計画では二兆二千三百九十億円という計画が立てられて、それが二兆二千五百九十四億といってわずか二百四億の差なんですね。私、大したものだと思うんですよ。あの十年前にこういって十カ年の計画を立てたのが、十年後の五十三年度にそれが二百四億の差、しかもそれが黒でもって実績が出てきているということ、そういう点では大変これをやった関係の皆さん方というものは見通しのいいものをもって計画を立てたと。
 ただ支出の方が、計画では総支出というものが二兆二千八百九十八億という計画を立てておったのが実績が三兆一千二百八十九億といって、八千三百九十一億も赤になっちゃった。特に問題な点は、問題といってその大部分というものは事業費の中に問題があったわけですよ。で、事業費が計画では一兆六千八百七十七億という計画を立てたのが、実績が二兆六千五百十二億、九千六百三十五億という赤になった。ですから、そういう点でもってこの十年前に計画室かどこかその人たちがいろいろ十カ年計画でもって国鉄を再建するのだといって、これは最初のときですからね、そのときにそうやってお立てになった収入の面というものはほとんど計画どおりにいま来たと。ただ支出の方がそういうかっこうで事業費が余りにも一兆円近くも膨大にはみ出してしまった。それだから途中で何回も何回もそういうような再建のことをやられたわけだけれども、ともかくそうしてこの計画のなにでいうならば昭和五十三年度は償却後で二百三十四億の黒にするという計画を立てられたのです。
 ですから、そういう点でもってそれなりのやっぱりいろいろと計算をして計画を立てるについての頭のいい人たちもおられるのだから、そういう人たちのそれを大いに生かして、そうして先ほどから何回も言うようだけれども、もう国鉄にとっての最後の再建のチャンスだという今回のこのチャンスについて、本気になってお取り組みをいただいて、もう二度とこんな再建何とか法案なんというものは出しませんと言い切れるぐらいになっていただきたいし、そういう点について大臣と総裁とお二人から私はその辺についての本当の心からの決意のほどをお聞かせをいただいて終わりたいと思うんです。
#219
○説明員(高木文雄君) ただいまの十年前の計画でございますけれども、たまたま収入はほぼ符合したのですけれども、それは実は貨幣価値が大分変わっておりますので、結果的には符合しましたけれども、その貨幣価値の変化から言って、経費の方が見込みを大いに上回ったということでございまして、もっと全体としてかたい計画を立てておくべきではなかったのかなというふうに思います。
 それはしかし、当時の計画を立てた方々に誤りがあったというよりは、若干高度成長時代のもろもろの計画がうまくいかなかったわけでございまして、その意味では大分経済全体が安定をしてまいりましたから、今回の場合のように経済全体の成長率もまた物価の変動率も安定的でございますので、前回のようなことには、そういう見通しの誤りを起こすことはまずはなかろうと思っておりますけれども、しかし、非常に大きな問題は、やはり三十五万人体制という言葉であらわしておりますが、相当大変な作業を労使ともどもでやってまいりませんと目標が達成できないわけでありまして、このことについて、先般来何度も繰り返して申しますように、私どもといたしましては本当に最後の機会だという気持ちで労使ともどもでがんばってまいりたいと思っておりますので、どうかひとつ皆さんに応援をしていただきたいと思っておる次第でございます。
#220
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、たび重なる国鉄再建の計画の中で、今回提出しておりますのは、国鉄がまさに破局的な状態になってまいりましたこのいわば土壇場における再建計画であると思うております。これが六十年までに経営基盤の健全性を取り返す、すなわち営業純損失で何とか黒になるようにならなければ、これは将来六十年以降におきましてもこういう組織体で国鉄を、鉄道を経営することがむずかしいという結論が出てくるのではないかと思うのであります。すなわちこんな膨大な組織体で全国を統一した経営をする、あるいは組合一つを見ましても、全国にまたがります巨大な組合として活動しなければならぬ。そうして人事一つ見ましても一カ所で停滞して管理責任をとるという期間が短い。どんどんと転勤転勤で移りかわっていく。そういうふうな現在の経営状態で、これで六十年までやって、これで立ち直ってくれば私はやはり大成功であると思いますし、もしどうしても国鉄の経営基盤がこれでできないということだったら、やっぱり制度の面に欠陥があるという結論をつけざるを得ないと思うております。
 そういう意味において、現在におきます再建の最後のチャンスではないかと、私はそう思うておるのでございまして、そこを私は全職員、管理と言わず全職員が認識して立ち直ってもらわなければ、再建に取り組んでもらわなければ、いまの制度のもとでどんなことをやりましても再建は不可能になってくると、こう思う。
 でございますから、まず政府としては、五兆五百九十九億円の債務のたな上げをするんでありますし、また今後においても必要な助成はしていこうという、そうして地方線におきましては住民の方々に大変な御迷惑をかける、けれども国鉄の母体をしっかりするためにはやむを得ないのだという御協力をいただかなければしようがない。そうして国鉄も、それがために早急に具体的な改善計画を出す。これだけのことをいたしまして、それで最後に残りますのは何といたしましてもこれに従事しておる人たちの心意気だろうと私は思うておりますので、それがまとまってまいりましたら必ず再建ははかどっていくものだと思うております。またそうなければならぬと思うてわれわれもともに懸命に努力してまいります。
#221
○田英夫君 いままさに大臣、総裁から御決意の表明がありました。そのことに直接関係をすることからお聞きをしたいと思うんでありますが、私ものっけからこの国鉄再建法案に反対であるという態度を先に決めてそして御質問しようという気はなかったんでありまして、むしろ国鉄を何とかしなければいけないという点にかけては国民の一人として当然考えなければならないと思っています。
 いまの御決意の表明を伺ったわけでありますけれども、いまの御計画によると六十年まで五年間と、こういうことでありますけれども、六十年には国鉄の収支が均衡しなければならないということをまさかお考えになっておるとは思わないんでありますが、まずそのことから伺いたいと思います。
#222
○国務大臣(塩川正十郎君) まさにおっしゃるように、収支の均衡がこれでとれるとは思うておりません。ただ、経営がいまのようにだんだんと赤字がふくらんでいく、これを食いとめて先ほども申しました営業純損失が何とかなくなっていくように、いわば運輸収入と、それから運輸事業に使います経費とが、それが収支相償う、そして少しでも黒字が出てくると、この状態だけには何とかこぎつけたいというのが六十年目標であります。
#223
○田英夫君 そこで、大臣ははしなくも、この計画でやっていってもいよいよだめなら機構そのものに問題があるんじゃないかと、こういうお答えを先ほど柳澤委員の最後の御質問に対して答えておられたわけでありますが、私はそのことを非常に恐れるといいますか、そういう予感がするといいますか、そんな感じなんですね。といいますのは、いまの交通体系の変化の中で鉄道、特に国鉄という性格で果たして健全な経営が独立採算制的なやり方の中でとっていけるのかという基本の問題ですね。
 これはひとつ、学者さんの本からちょっと引用さしていただきますけれども、イギリスの例で、一九七二年にイギリスの運輸大臣がまさにイギリスの国鉄の理事会に対して、自立可能な鉄道網は存在し得るのかという設問をしたという記録があります。それに対して国鉄の側が答えましたのは、伝統的商業的条件では自立可能な鉄道網はないと、こういう答えをしていると、こういう記録があるわけで、イギリスの国鉄は、もうこれは皆さんの方がよく御存じのとおり、すでに一九六三年あたりから、まさに今回やろうとしておられるような鉄道網の縮小ということを当時の国鉄総裁、これはビーチングという人ですかがやって、ビーチング・プランと言われているそうでありますけれども、やられて、最初三年間でやる。それが延々と、ついに十年ぐらいかかって非常に骨格的な鉄道網にまで縮小をしたというその過程の中で、つまり六三年から始めて七六年ぐらいまでかかって縮小していく中の七二年の時点で、縮小しつつある。だから、いまの日本の国鉄よりももうちょっとこうした縮小作業が進んでいる状況の中で、営業的にやっていけるのかという設問に対して、いやそれは無理だと、こういうふうに国鉄側は答えているという記録があるのであります。
 先ほど大臣がお答えになったこととあわせて考えますと、やはり五年間やってみたけれどもこれは容易ではないという結果が出てきてしまって、これは機構に問題があると、そこから、いわゆる国有鉄道というものに疑問を投じてみたり、あるいは機構の大改正というようなことをいろいろ考えざるを得ないというようなことに逢着をするとすれば、いまからやはり外国の例やその他非常に統計的、学問的ないろんなデータを集めて、もっと本当に実態に合う計画というものをつくるべきじゃないかという、私は素人なりの考えでそういう感じがするんでありますけれども、この点はいかがでしょうか。
#224
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は現在の国鉄の中、機構とかあるいは組織、そういう取り巻きます環境を見ました場合に、大きく分けて二つの問題があると思うております。
 それは、一つは国鉄は当事者能力は本当を言えばほとんどないんではないかと、いわば手足を完全にしばられたままで独立採算制をとれと言われておるのが現状ではないかと私は思うんです。したがって、私もできるだけ国鉄の自分の努力で、自分の判断でやっていくようにということでずっと就任以来指導しておるつもりであります、何とかして国鉄は国鉄自体としての判断でできるように。やはりそこに私は制度的にも機構的にも欠陥があると思います。これはいつのときにかやっぱり改めていかざるを得ない。それからもう一つは、これだけの巨大組織になってまいりますと、やはり統制上の問題もあるんではないかと、こう思うのであります。
 いま先生がお話しの英国の問題でございますが、英国も四千キロメートルを縮減しようとして、いま私の聞いておりますのでは二千七百キロを縮減したということを聞いております。目標を四千キロに置いておるように聞いておるのであります。そして、各国ともやはり同じような努力をしておる。そして、委託業務とそれから民営を導入しようとしております。ドイツもいわば不採算線の整理に必死に努力いたしておりますが、これがまだそれほどの成果が上がっておらないように聞いております。また、スペインにおきましても、私はつい先日ですが行きましたのは――第一次石油ショック以降、外国の銀行から金借りておったものですから、銀行から合理化を迫られて、まず貨物の輸送を切り、そして地方線を一部整理したと、そういうぐあいに大変な努力をしておる。
 われわれもやはり時代が確かに国鉄の交通機関に占めますシェアというものが下がってきたことに伴いまして、何とか鉄道としての特性を生かしていきたい、特性の面で生きる道を考えたいと、こう考えて、そのためにもまず母体づくりからということでかかったのが今度の再建案でございまして、この母体がしっかりできなければ、鉄道の特性を生かす将来における展望も何らか方法を変えなければならぬのではないかと、こう思うておるわけです。
#225
○田英夫君 いまイギリスの全体として四千キロというお話がありましたが、そういう意味で、まあ先日来、政令案なるものが非常に問題になっておりますから、しかし運輸省の基本的なお考えは示されているということからして、当然その再建をお考えになる腹づもりの中では何線区、何千キロという地方交通線を整理しなければならぬという腹づもりがおありと思いますが、日本のこの計画の場合のそういう数字をずばり言っていただけませんか。
#226
○政府委員(山地進君) 今回の政令ができてからの数字になるわけでございますけれども、私どもこの計画をつくりましたときには地方交通線、いわゆる八千人以下ということの場合には五千キロというふうに考えております。そのうち二千人未満のところが四千キロということで、特定地方交通線でございますが、考えております。
#227
○田英夫君 そういう数字がすでに明らかになっているわけでありますけれども、つまり四千キロというまさにイギリスと同じ数字に偶然なってきたわけなんですけれども、そういう四千キロが整理されないと、廃止されないと計算上この計画は成り立たないというふうに考えていいんでしょうか。この辺がこれからちょっとお聞きしたい問題、この政令の問題に絡みまして、三つの今度のこの法案の柱の中の地方交通線の問題というところで非常にそこが重要な絡みを持ってくるんじゃないだろうか、こう思います。いかがでしょうか。
#228
○国務大臣(塩川正十郎君) この特定地方交通線というのは、ちょっと説明させていただきますと、四千人以下のところでございますが、その中で廃止をしますのは――まず四千人未満のところ、対象になります総キロ数は七千キロあるんです。七千キロありまして、そのうち二千キロはバス転換が困難で、これはやっぱり地方交通線として維持しなきゃならぬだろうと。そうすると、あと五千キロが廃止の対象になるんですが、それを第一次目標として、二千人以下のところを六十年まで、これ四千キロあるんですが、転換しよう。それから六十年以降、千キロを転換しよう、こういう計画なんです。
 そこで、お尋ねの要点は、四千キロを切らなければ、六十年までに転換しなければ改善計画は達成できないかといえば、私は、これとはすなわち一致しておるものとは、イコールとは実は思うておりません。それは、まず第一番に六十年までにやります四千キロというのを、六十年までに決定はする、この基準によりまして決定はするけれども、やはりそこに若干の準備期間とか何かがございますので、それは少しの時間のずれとかいうのはあるだろうと思いますけれども、要するに、六十年までにはこの四千キロを廃止するという計画の決定だけはぜひともやらなければならぬと思うております。ですから、計画と実施の間には少しのずれはあるだろうと思いますけれども、それをいわば骨格として、改善計画の中の一部としてこれを計画しておるところでございますので、六十年までの経営改善計画というのは、あらゆる努力を集約して、やはり国鉄としてはこれは達成してもらわなけりゃ困ると思うております。
#229
○田英夫君 大変初歩的なことを伺ったわけなんですが、なぜかと言いますと、われわれにお示しくださった政令の運輸省の基準案ですね、こういうものがこの委員会に提示をされている一方で、これは午前中青木委員の質問されたことでありますけれども、自民党の中で、参議院の加藤さんが責任者になって、与党としての政令案をつくるという報道がありました。そうすると、われわれ非常に混乱をするのでありまして、いままさに大臣がお答えになったような方向で御説明をいただいている。しかもそれが六十年までにできるのかできないのかと、これからその心配をお話しするわけでありますが、そういうことを心配をしている一方で、まさに政治の力そのものである自民党のそういう関係者の皆さんが、いろんな部会の方がお集まりになるようでありますが、大臣の方は関係閣僚の会議をやろうと言っていらっしゃる。一方で、与党の方では、関係部会が集まってそういう政令案づくりをおやりになるということになりますと、これは青木さんもおっしゃったようでありますが、まことに不可解なことになるし、いわゆる政治の力がそこに案の定入ってきたなあと思う方があたりまえだろうと思うんですね。その点、重ねてで申しわけありませんが、お答えいただきたいと思います。
#230
○国務大臣(塩川正十郎君) それは現在国の制度が政党政治、そういう制度をしいておりますから、与党と政府との関係というものに対しては、それは国民の目から見れば一体であるということは、これはそう見ておられると思うんですが、しかし、過去におきましても、政府のすべての方針はそうでございましたけれども、政府が意思決定いたしますまでには、それは与党の意向というものを十分にくみ取って政策の決定をしておることは、これは事実でございます。しかし、私は再三申し上げておりますように、法案が提出され、そしてその法案が採決された後における政令におきましては、そういう政治的な配慮を入れますと、後の執行の面で十分に期待をすることができなくなってくるだろう。でございますから、政令はあくまでも骨子を、わかりにくい骨子かもわかりませんが、骨子を提案しておりますその基準、その原則というものを、これは政治決定以降における行政の推進のために必要な事項でございまして、これに対しましては、私は、政治介入の余地はないし、極力それは避けなけりゃいかぬと思うております。
#231
○田英夫君 運輸大臣としては、まさにそういうお答えをなさるお立場だということはよくわかるんでありますが、最近、いわゆる党高政低などという言葉がマスコミの間ではやっているようであります。つまり、党の方が上、高くて、政府が低いと、こういう言葉がはやっているようでありますが、運輸大臣の前でこういうことを申し上げるのはまことに失礼でありますけれども、この動きはその一つのあらわれと言われても仕方がないんじゃないか。いま大臣まさに言われたように、この前から同僚委員の皆さんが、政令を案としてここへ示せということを、繰り返し、参議院でこの審議が始まって以来言ってこられたんでありますが、しかしそれは、政令は行政府でつくるものであると、法律ができてから政令はつくるのだということをまた繰り返して答弁をされた。
 これは私、この前も立法府と行政府との宿命のような関係だと申し上げたんでありますが、ところが、まことに申しわけないけれども、自民党というのは、まさに議員の皆さんの集まりでありますから、立法府なんですよ。その立法府の皆さんが政令案を独自に検討なさるということは、いかに議院内閣制の日本のシステムであっても、これはまことに不可解なんですね。だから、私はむしろいままでの大臣の御答弁を支持するわけじゃありませんけれども、政令というのは、やっぱり行政府がつくるものだということは守り抜かなければいかぬ。
 ただ、私どもの立場からすると、今度の問題はいささか違うのであって、何線何線がひっかかってきますよという話が具体的にわからなければ、まことに審議しにくいので、そのことを要求し続けてきたわけですが、しかし、そこに何のことはない逆側から、与党の方で政令案をおつくりになるということになりますと、一体これはどういうことになるか。大変失礼ながら、それはお互いに議員というものは地域から選出をされているし、衆議院の場合全くそうでありますから、参議院は全国区もありますが、まさに地域というものの利害が絡んだ御意見がそこに出てくるわけですよ。そうなったら、われわれこれだけみんなで一生懸命になって法案を審議して、最後に決をとって、いよいよ法案が法律になったとしても、そこにまさに政治の力が介入するようなおそれのある動きがあるとすれば、私どもこれは審議する意味がなくなってしまうのですね。だからこそ、それならもうこの際、もっとこの政令の部分をできる限り小さくして、法律で規定すべきだというふうに考えざるを得なくなってきてしまう。大臣のお立場よくわかりますが、速記録に残る形で、ここにはっきりと与党の皆さんのいらっしゃる前で、ひとつ政府のお立場を明快にしていただきたいと、こう思うのですが、いかがですか。
#232
○国務大臣(塩川正十郎君) これは私は何遍も繰り返してまいったことでございますが、自由民主党の中で報道されておりますこと、これは政党の活動としておやりになることでございまして、これの決定によって政令が左右されるというようなことは、これはあってはならぬことだと思います。でございますから、政令はあくまでも内閣の責任において決定さしていただく。そして、そういう自由民主党なりあるいは他の政党の御意見は、御意見としては承りますけれども、それに支配される、あるいは重大な影響を受けるということは、これは絶対にないようにいたしますので、私から答弁をさしていただきます。
#233
○田英夫君 この点は、これだけ国民の皆さんが心配をされ、特に廃止になるやも知れずという地域住民の皆さんが非常にわが身のこととして心配をされていることですからね。そこに前回の委員会でも問題になった自民党の政調会長の北海道発言とか、そういう地域の政治の力で、実は政令で決められつつあってもひっくり返るんだというそんなことが出てさましたらね、これは私も冒頭申し上げたように、全体としてやっぱり不必要な部分は廃止せなくちゃいかぬというのはもうあたりまえなんでありますから、そういう部分まで消え去ってしまうと、本当に不必要な部分は廃止されないで、この基準にひっかかっちゃったものだから実は地域の皆さんにとってはまことに不便なことになるけれどもそれは廃止になるなどということがあったら全くこれは困りますからね。そういうことを心配しているわけです。ここは本当に、いま大臣は明快におっしゃったわけでありますが、一方でそういう動きがあることも事実なんで、これはよほどの御決意をもって総理大臣を先頭に政府おやりにならないと。しかも、私どもは依然として大きな疑問を野党みんな持ちながらきょうこうやって質疑をしてるという状況であり、また国鉄の中で働いておられる皆さんも、この問題について釈然としない気持ちを持ちながらという雰囲気の中ですからね。これは非常に私は実はこの問題についてはひっかかります。
 で、時間がありませんからもう一つ先へ進みますが、前回も申し上げたんですが、基本的な問題という、何といいますか、大げさに言えば哲学ですね、交通哲学というような言葉で言ってもいいくらいのそういうものをしっかり持たないと、国民の皆さんの目の前に示していただかないと、今度のこの計画自身ぽんと出てきて、国民の皆さんの間に議論もなしに具体的には自分のところの線が廃止になっちゃうということじゃおかしいんじゃないですかと、こういうことをこの前も申し上げたんでありますが、その基本的な考え方の一つとして、私は改めてまた強調したいのは、その地域の交通というものはその地域の住民の皆さんの意思で決めていくというそういう考え方。つまり、だんごはその地域でつくるんだと、運輸省あるいはそれにまつわって国鉄というものはそのだんごのくしのような役割りを果たすんだという形で交通網というものを全国に広げるといいますかね、それが本来の姿じゃないだろうか、こういう気がいたします。
 さっき足尾線の話がはしなくも出ておりましたけれども、これは一つのそういう産業にまつわる地域の事情があるということになれば、今回の基準にすれば廃止線になるところを残さないかぬのじゃないかという検討の対象になってくる、これは一つの例ですね。あるいはこの基準からすれば廃止になるけれども、その地域の事情としてはもう困るんだという声がみなぎっているわけですね。これをやったら全部廃止できなくなるでしょうけれども、そういうことを一つ一つ地域でやってって、その結果と合わせて、いや国鉄の経営はごうですよと。そこにぶつかり合いがあって、ある年月を経て結論が出るというそういう手順は踏めないものだろうか。今度の案はいいんです。それは案として運輸省の行政的なお立場あるいは国鉄の経営的なお立場からもっとより詳細に、政令で含まれる部分まで一回出していただいて、それはいいんです。
 ところが、残念ながらいまのシステムでいくと、法律というものができ上がってしまって政令が出てきたら、それで進んで行ってしまうんですね。あれよあれよと言っている間に実際には自分たちの乗るものがなくなるというそういうことであっていいだろうか。そこに現実には法律が通ってしまえば政令が出て施行されていくということかもしれませんけれども、そうなるとわれわれに資料でお示しいただいたこのやり方で、知事の意見を聞くとかいろいろありますね、協議会つくるとか。この前も申し上げたように、にもかかわらずそこには知事の意見というだけで地域の住民の意見というものが入ってこない。ここんところを、これはまだ要するに法律の中に盛り込んであるわけでも何でもないんですから、行政のお力でそういう部分を挿入するということは可能なんじゃないんでしょうか。この点はいかがでしょうか。
#234
○国務大臣(塩川正十郎君) この法律が成立し、そして政令ができたらそのまま突っ走ってしまう。それは確かにおっしゃる事態に、あるいは懸念があると思うんですが、しかしこの法律が公布の日を決めなけりゃまずなりません。そして、公布の日からやはりこれを準備いたしまして、それから協議期間が二カ年というものがございます。この二カ年が短いか長いかということ、これにはいろんな議論があろうと思いますが、私たちは過去におきます経験から見まして、二年で大体こういうのはまとめていただかなければという希望は強く盛り込んだ二年ということで決定さしてもらったわけです。
 そこで、御心配になっておりますように、そういう地方線がなくなってしまうという考え方がよくとられておるんです。私はまさに先生が質問されておるように、特定地方線というものは、地方の交通の一環として取り込んでほしいと実は思うておるんです。けれども、これがその取り込み方が、国鉄の責任の上で全部欠を埋めさせて取り込んでいくんだと、このような力はもうすでに国鉄にはなくなりましたと。おっしゃるように、国鉄はいわば都市と都市をつなぐこの役割りはいたしていきますけれども、いわばローカル線として生きていかなきゃならぬ鉄道は、これは地域の交通の中へ取り込んでいただきたい。それに対するもの、これはそれだけでなかなか経営はできないでしょう。地域交通の総合的な体系を維持できないだろう。だからそれにはやっぱり政府があらゆる面から助成なり、あるいはそれらの措置というものに取り組んでいかなきゃならぬと。これをわれわれは相並行して考えていかなきゃならぬと、こういうぐあいに思うておるんです。
#235
○田英夫君 ちょっと私の質問とお答えがずれてるように思うんです。国鉄総裁も一緒にお考えいただきたいのですが、これからね、いまの案でいくと、これはやはり廃止の対象になりますよということになる。そして、それが公示されると知事が意見を言いますね。そういう段階がありましたね、この表で。そういう手続の……
#236
○国務大臣(塩川正十郎君) 国鉄が通知いたしましてから。
#237
○田英夫君 ええ。国鉄が通知して、それで運輸大臣に承認を求めるその段階で知事の意見というものが出てくるというこの段階のことを言ってるわけです。こういう段階で政令ができて、それでそれに照らし合わせていくと、やはり国鉄としては特定地方交通線であるという選定をここに下したと。そうすると、知事が意見を言う、大臣が承認をされると、こういう段階からずうっと進んでいきますね、協議会がここに設置されるというようなことで。その段階で私は申し上げているわけです。そこで、地域の住民の皆さんの意見を、これはどういうふうにやったらいいかというのは私はまた意見を持っておりますけれども、それはそれとしてですよ、取り入れるという部分がないわけですわな、いま。これをいまからでも遅くないから、取り上げたいと思う、あるいはこういう形で取り上げたらどうだろうかという腹案がおありになってもいいじゃないかと。また、この部分のところについては別にまだ修正が可能なんだと私は思うんでありますが、そのことはいかがですかと、こういうことを言ってるわけです。
#238
○国務大臣(塩川正十郎君) それはどうも失礼いたしました。
 特定地方交通線を国鉄が選定いたしまして知事に通知し、知事が意見を申し述べる。この意見をわれわれは意見としてお聞きいたしますが、この意見が一つは政治的な意見であり、あるいは陳情でありという場合には承っておくということであろうと思います。しかしながら、この知事の意見の中で特定地方交通線に国鉄は選定したけれども、その選定の基準から見てこれは実は間違っておりますということが、科学的と申しましょうか、客観的に実際にこれが証明されてきておるような場合があるといたしますならば、そのときにはやはりその知事の意見を聞き、あるいはこの選定の基準とそれが合致しておるかどうかということについて、私から国鉄に諮問するとかなんとかということはあり得るのではないかと思うておりますが、しかしここは重要な地域で観光地域であるからぜひ残してもらいたいというようないわば陳情的政治的判断に基づく知事の意見である場合は、これはただ承っておく程度にしか私としては扱えないと、こういうことでございます。
#239
○田英夫君 いや、何となく感じが私はわかるんですけれども、お答えがちょっとまたずれているんですけどね。
 私の言いたいことをもっとずばり言いますと、実際に利用されるそこの住民の皆さんの意見というものは、ずっとこの表を見ても最後まで反映できないんですよ。それは、私の勝手な解釈で申し上げて恐縮ですけれども、運輸省の皆さんも国鉄の皆さんもそういう皆さんの意見を聞く段階をつくると、特別の何というか、表現が非常にむずかしいですけれども、ある意図を持った人たちがどっと乗り込んできて反対運動的に意見を言われちゃかなわぬというようなことが頭の中にあって、そういう部分をつくっておられないんじゃないかと私は感ずるんですよ。しかし、ある意図を持ってというのはおかしいですけれども、その地域の住民の皆さんの本当の意思をそこに反映をするというやり方は幾らでもある、幾らでもあると思うんです。ですから、この協議会をつくる――協議会というのは公的な機関の、たとえば鉄道管理局長とか陸運局長とか、そういう皆さんの集まりですわね。それらを経てさらに幹事会とかそういう段階でやや地域の校長先生の話を聞くなんていうことがここに書いてあるけれども、もっと一般の皆さんの御意見を聞くことをこの際ここで考えてみましょうということは言えないんですかと、そういう意味です。
#240
○国務大臣(塩川正十郎君) 先生の御質問は、それじゃ協議会に入ってからの話……
#241
○田英夫君 ええ、あの後です。それからずっと後です。
#242
○国務大臣(塩川正十郎君) ああ、そうですが、後で。それは学識経験者というので地域の代表的な方の御意見を聞く、その協議会が住民の意向を聞くために何らかの会合を持たれるとか、あるいは役所で集まってもらって意見を聞かしてくれということをやられる。これはもう自由でございますから、それは、その意味ではここで入っておるつもりなんですけれども、それを明確にしろとおっしゃるならば、これは協議会の運営のことに関することでございまして、私はここの答弁をもちましてそれにかえさしていただいても結構だと思います。
#243
○田英夫君 まあ私どもの感覚でいくとそこが非常に大事なところなんですね。さっき申し上げたように、それぞれの地域、それが市であろうとあるいは県であろうと、あるいはあるエリアという程度のものであろうと、その地域の交通というものは、ここはバスを一日にどのくらい走らしてくれるといいなとみんな思っていることですよ。現にやっぱり西ドイツの場合なんかは、そういう一つの制度ができている。県とそれから鉄道との間で、ここは一日何往復ぐらいの旅客列車を走らせる、その場合に、鉄道側はそれでは損になるというときには、地方自治体がその分は補助するというようなことはもう制度的にできている。もちろん御存じのとおり、西ドイツと日本では地方自治体の制度も違いますし、その辺はいろいろ違いはあるにしても、この感覚なんですよ。そういうものをあわせて、今度のこの改革の中でそういう感覚を持ってお示しくだされば私どもはもっと納得しやすいし、地域の住民の皆さんも納得しやすいんじゃないかということを申し上げているわけなんです。
#244
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、私、知事の意見を聞くというのは二つありまして、最初の方は、先ほど申しましたように政治的配慮の余地はないようにいたしたいと思うておりますが、しかし協議会が設置されました後の中で、知事の意見を聞く、そういう手順というもの、これは運営の面としてわれわれ大いにやっていきたいと思うております。
 そこで、その資料としてお渡ししてありますこの中でも、幹事会で地方交通関係の学識経験者とか学校校長と書いてありますが、こういうようなのもその地域の実態に照らして随時構成をしていただいたらいいと思うんです。しかしその場合でも、私は大事なことは、やはり法的にちゃんと責任のある意見を開陳していただけるような、そういう住民との対話であってほしいと、これは念願でございますが、そう思うておりますが、そういうことであるならば、私は大いにやっぱり住民の意見聞いていただいて、そして本当にそういう協議会の議論を通じて地域交通のあり方というものをお互いが認識をしていただくということが、かえって後の運営にも私はいいことだと思います。これは私ども大いに期待しておるところです。
#245
○田英夫君 せっかく大臣が速記録に残すという形でそういう御意見を言われましたので、このことはぜひひとつ実行に移していただきたい。
 協議会なり幹事会なりですよ、そういう段階でまたおやりになった方が混乱を防ぐ結果になる。これはこのごろよく言われる市民運動ということを恐れる余り、そこを避けて通りますと、逆にむしろ混乱を起こす結果になるということを心配しているわけです。
 で、次の問題ですけれども、もう時間がありませんが、これも桑名委員が触れられた、いわゆる特別運賃の問題ということで、これも今度は私の感覚からいたしますと、これも触れられたんですけれども、こういういわゆるローカル線の特別運賃ということ、これも大臣は非常に消極的におっしゃいましたけれども、しかし、こういうものが制度的に可能ならば、今度のあれに現にあるわけですから、それならば私は大都市圏の交通に対しても特別運賃というものを適用すべきだと、桑名委員が言われたとおり、私も言わざるを得なくなるわけです。ですから、これは前回私が五つのカテゴリーに国鉄を分けて収支決算をなさってはどうですかと。そういう中で本当に国鉄の再建のための数字を把握していかれたら今後ともお役に立つんじゃないかということをイギリスの例を引いて申し上げたのでありますけれども、そこでひとつ、やっぱり大都市圏の交通というのはいわゆる商事的なものじゃなくて公共的なものだと考えるべきだと。つまり、地方ローカル線と大都市圏交通輸送というのはそういうものだと申し上げたのは、そういう伏線もあるわけですよ。
 ここは初めから採算はとれないものだとお考えになるべきで、現状でいくと、新幹線はいいけれども在来幹線はだめだと。むしろこれが赤字の数字から言えば非常に大きいわけですね。貨物も同様に大きいけれども、しかし在来幹線と貨物も含めて、新幹線、在来幹線、貨物は商事的な経営が成り立つという目標を立てるべきだと。しかし、いまはよくても、大都市圏の交通と、そしていまだめな地方ローカル線はこれはあわせて公共的なものにすべきだと申し上げたのは、そういう特別運賃の問題まで含めてそういう扱いをすべきだというふうに思うから申し上げたのですね。この点はやっぱりいけませんか。
#246
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、いけませんという話じゃないんですけれども、まあいわば、いま財政が苦しいときでございますので、都会でちょっともうけさしてもらいたいという気持ちなんです、率直に申しまして。それは私の個人的な感覚といたしましたら、都会の方が割り引きして、そして少しは田舎の方でいただいた方が筋は通るなと思うたりもしますけれども、しかし、都会の方の絶体量が大きいものでございますから、それを、特別運賃を導入して割り引きをということをいたしましたら国鉄の収支に大変なそごを来します。ですから、私は都会における運賃はこれは高いと私も実は認識しておりますけれども、しばらくの間国鉄に目をつむっていただけぬかいなという気持ちなんです。
 桑名さんとの中にありました、要するに桑名さんのおっしゃっている公正の原則というのは、公正と言えばそれは形の上で出てくるのは統一料金ということになるわけですが、しかし、国鉄は全国統一料金をとらなければならぬという決めはないわけでございますので、そういう意味で、この公正というのを少しは寛大に考えていただいて、地域別に少しの色はつけていただけぬだろうかと。そして、国鉄がりっぱに体質改善ができてまいりましたら、都会の方は思い切り割り引きさしていただくようにさしてもらいますから、いましばらくはひとつこれでごしんぼう願いたいということでございます。
#247
○田英夫君 ここで将来――確かにいま非常に苦しいところで、これから本当に再建に取りかかろうというときですから、真剣な話私が申し上げることはいますぐにということが困難であることもわかりますよ。しかし、やはり基本的に五つのカテゴリーに分けたらどうですかと申し上げているのはそういうことなんで、将来にわたってやはりそういうことを考えるという御答弁をされたら、恐らく塩川運輸大臣は歴史に残る言葉を残されたということになると思いますがね。
#248
○国務大臣(塩川正十郎君) 五つのカテゴリーと先生はおっしゃいますが、これは私はちょっとむずかしいような感じがするんです。しかし、その御提案あって、私もそうだなと、この前の委員会のときにお聞きしておって、少なくとも新幹線と他の線とは、これは分離できるように思うんです。しかし、貨物と客車の分離といったって、これは負担区分がまためんどうでなかなか計算が立ちにくいんじゃないかなあという感じもしますし、また大都市圏の交通だなんといったってどこが大都市だという概念論からの論争になってしまいまして、いますぐに間に合わぬ。私は少なくともこれはすぐにでも検討しようと思うておりますのは新幹線の経理と、それから在来線といいましょうか、それとは私は線が違いますから、これはもう区分がはっきりできると思いますんで、それは少なくとも国鉄に一回検討せしめるべきだと思って、取り組んでみたいと思います。
#249
○田英夫君 まあ繰り返して申し上げますけれども、私はやはり基本的に国鉄という性格からして、経営的にいわゆる商事的に考えていい部分と公共的でなければならぬという部分とをまず分けて、その中で分けるとすれば私は素人の考えでそう分けたんでありますからへその中をどうお分けになるかというのは玄人の皆さんがお考えいただいて結構なんでありますけれども、全体を一つにしてそれで国鉄というのは公共サービスだとみんな実は大部分の国民は思っているわけですよ。だからそれにしちゃけしからぬと、こういうことになるんで、そうじゃないと、こういう区分けをして考えていただきたいんだということをむしろ国鉄側、あるいは運輸省側から国民の皆さんにわかってもらうということが大事じゃないかということの方が私の考えの基本でありますから、その点はひとつ御理解をむしろいただきたい。
 そこでもう一つ、ちょっと気になることは、こういう形でいま国鉄再建が進められようとしているときに、いま大都市の話をしましたが、地方で在来線で廃止にはならないと、しかし、いまの状況じゃ不満だと。たとえば福知山線の複線電化というようなことがすでに計画になっている、国鉄で言う計画というのは着工命令が出ているということですか。そういうことであるとすれば、複線電化は計画になっているという、こういうものは一体この状況の中でどうなるんですか。
#250
○説明員(高木文雄君) 具体的なあれでございますが、現在福知山線は相当のお客さんがあるわけでございますので、この場合にはいわゆる地方ローカル線とかそういう概念には入ってまいりません。
#251
○田英夫君 いや、そういうことではなくて、一方でこうやって国鉄再建のために地方ローカル線を廃止していかなけりゃならぬ、代替輸送にかえにゃいかぬという、そういう計画がここに出てきている。こういう案が出てきている。それに触れないそういう在来線ですね、その増強計画というようなものは一時それも延期なり中止をするのか、それとも進めるのかということを聞いているわけです。
#252
○説明員(高木文雄君) 福知山線の問題というのはもともと大阪の、あるいは兵庫県の通勤圏ということになってまいりまして、それでよほど輸送力を増強しなければいけないというところから出てきたわけでございますので、むしろ福知山線の問題というのは、どちらかといえば大都市圏交通という概念の方へ入ってまいりますから、むしろ今後とも増強を続けていきたいというふうに考えておる線でございます。
#253
○国務大臣(塩川正十郎君) 私らは国鉄といま話し合いをやっておりますのは、要するにいま新幹線の建設にうんと金が食われている。これが大体五十八年ごろをめどにいたしまして新幹線投資も終わる。このときにはまた大蔵は投資を削ってくるかもわからぬ。しかし、私たちは現在のペースをけ込むようなことは絶対さしてはいかぬ。そうしますと、新幹線投資分が他の投資に回っていくわけでございますので、これはぜひひとつ在来線、特に先ほどわれわれの言っていました都市圏内あるいは都市間交通という、そういうところの在来線にこれは集中的にやっていきたい、こういう意図でございまして、われわれも国鉄再建のためには絶対それをやらなければ私は互助的な力になってこないと思うております。
#254
○田英夫君 時間が参りましたから、最後に私の小さな希望をひとつ申し上げておきたいと思うんですが、どこへ行きましても国鉄の駅がある、特にローカルの地域に行きますと駅があって、そこに広場があって、そこから駅前広場、繁華街と言えるほどでもないにしても、商店街があるという中で、町はそれなりに栄えたり存在しているわけですね。これが今度、特に廃止になるであろうそういうローカル線のところでは、国鉄の駅というものを中心にしてその地域が、その町があるいは村が存在をして栄えていたという構造になっていると思うわけですよ。ですから、これは国鉄総裁に申し上げても、いま経営の方のお立場からお考えですから、むしろ国務大臣である大臣に日本全体のそういう地域の発展とか文化とかあるいは庶民生活とかいう立場からも、そこらをお考えいただきたい。非常に政令で機械的にずばっときますと、そこの人たちの感情というものがやはりありますから、この駅がなくなっちゃってあそこにぺんぺん草が生えちゃうんだというような感覚というのはまことに感傷的になって、ついそれが理性ではわかっていても感情的にそれに反発をすると、人は乗らなくてもあった方がいいんだということになっちゃうんですよ。そういうことをやはり政治のお立場からお考えになってこの問題は対処していただきたいということを申し上げて終わります。
#255
○委員長(黒柳明君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#256
○委員長(黒柳明君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案につきまして、地方行政委員会及び商工委員会からの連合審査会開会の申し入れがありました。これを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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