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1949/02/10 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第2号
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1949/02/10 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第2号

#1
第007回国会 予算委員会 第2号
昭和二十五年二月十日(金曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十五年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田佐一君) お待たせをいたしました。只今から会議を開きます。
 昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算、昭和二十五年度政府関係機関予算につきまして大蔵大臣の説明を求めたいと思います。
#3
○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十五年度予算の大綱につきましては、去る一月二十三日本会議において説明いたしましたが、予算委員会の御審議をお願いいたすにつきまして改めて御説明申上げます。昭和二十五年度予算は、昨年八月六日、予算の編成方針の閣議決定をいたしまして以来、鋭意予算の編成に努力し、先般関係方面の手続を完了いたしまして、国会に提出する運びと相成つた次第であります。予算編成の方針につきましては、去る一月二十三日の本会議において御説明申上げましたので、予算の内容について申上げます。
 先ず一般会計について申上げます。一般会計の歳入歳出予算総額は、歳入歳出とも六千六百十四億六百余万円と相成つておりまして、これを前年度予算額、歳入七千四百十三億千三百余万円、歳出七千四百十億四千六百余万円に比較いたしますと、歳入において七百九十九億七百余万円、歳出におきまして七百九十六億四千余万円をおのおの減少いたしております。
 先ず歳出の主なる事項について申上げますれば、終戦処理関係経費として、終戦処理費千九十億六千百余万円、賠償施設処理費七億六千八百余万円、特殊財産処理費九億九千余万円、解除物件処理費一億七千五百万円、計千百九億九千五百余万円であります。公共事業費として、六・三制校舎建設費四十五億円、災害復旧費四百七十億円、その他四百七十五億三千三百余万円、計九百九十億三千三百余万円であります。政府出資及び投資関係経費として、造幣庁特別会計へ繰入七億六千八百余万円、貴金属特別会計へ繰入二十四億八千四百余万円、開拓者資金融通特別会計へ繰入十三億六千五百余万円、輸出信用保険特別会計へ繰入五億円、公団出資金九千五百万円、国民金融公庫出資金十二億円、住宅金融公庫出資金五十億円、計百十四億千三百余万円、地方財政平衡交付金千五十億円、生活保護費及び児童保護費百五十四億三千八百余万円、失業対策費として、失業保険費四十六億六千四百余万円、失業対策事業費補助四十億円、計八十六億六千四百余万円、同胞引揚費五十九億四千九百余万円、農地改革費三十億六千余万円、食糧供出関係費三十六億八千二百余万円、農業保険費四十七億余万円、政府関係機関等損失補填金として、大蔵省預金部特別会計へ繰入三億二千三百余万円、配炭公団損失補填金四十三億五千七百万円、船舶運営会補助一億八千百余万円、商船管理委員会補助四十二億五百余万円、閉鎖機関損失補償金十三億四千三百余万円、計百四億千余万円、価格調整関係経費として、鉄綱価格調整補給金二百五十九億円、肥料価格調整補給金百七十六億五千万円、ソーダ価格調整補給金八億円、輸入食糧価格調整補給金四百五十六億五千万円、計九百億円、国債費八百四十七億余万円等が主なる経費と相成つております。
 次に歳入について申上げます。租税及び印紙収入において四千四百四十六億円を計上いたしておりまして、前年度予算に比較しまして七百十三億七千万円を減少いたしております。その減少いたしております内訳は、所得税において五百十一億二千八百万円、法人税において百十四億五千八百万円、物品税において四十億三千百万円、通行税において三十三億八百万円、織物消費税、取引高税及び清涼飲料税の廃止のため四百五十六億八千六百万円、印紙収入において二十一億円、その他において二十億五千六百万円、合計一千百九十七億六千七百万円を減少いたしまして、酒税において二百七十七億六千八百万円、富裕税の創設のため二十億二千五百万円、再評価税の創設のため百五十九億三千八百万円、揮発油税において十四億六千六百万円、関税及び噸税において十二億円、合計四百八十三億九千七百万円を増加いたしまして、差引、前に申述べました通り減少いたしておるのであります。官業益金として、たばこ専売益金千二百億円、しよう腦専売益金二千四百余万円、アルコール専売益金十億余万円、計千二百十億二千四百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比較して十五億六千百余万円を増加しております。
 その他の歳入の主なるものを申上げますると、復興金融金庫納付金百八十七億九千五百万円、公団納付金三十一億四千八百余万円、価格差益納付金五十五億一千四百余万円、特別収入六十二億一千七百余万円、前年度剰余金受入二百六億五千百余万円を計上いたしております。
 以上一般会計予算の重要なる事項、金額について申上げました。
 次に特別会計予算について申上げます。特別会計予算は、外国為替特別会計外二十九の特別会計に関するものでありまして、本年度より従来の地方配付税配付金特別会計及び薪炭需給調節特別会計の二特別会計を廃止し、米国対日援助物資等の処理のため、従来の貿易特別会計から分離しまして新たに米国対日援助物資等処理特別会計を設置することといたしました。以上三十の特別会計の歳入歳出総額は、歳入一兆七千四百億七千二百余万円、歳出一兆六千九百七十六億七百余万円でありまして、前年度に比較いたしまして、歳入において五千九百四十八億二千二百余万円、歳出において六千四十二億三千八百余万円を減少いたしておりますが、この減少いたしましたのは、前に申上げました二特別会計の廃止と国債整理基金特別会計において短期証券及び借入金の借換が減少いたしました等によるものであります。
 次に政府関係機関の予算について申上げます。政府関係機関の予算は、日本専売公社、日本国有鉄道、公団、復興金融金庫、国民金融公庫、船舶運営会、持株会社整理委員会、閉鎖機関整理委員会、証券処理調整協議会と本年度新たに設置することといたしました住宅金融公庫及び商船管理委員会とに関するものであります。以上の政府関係機関の収入支出総額は、収入一兆四千百十億七千百余万円、支出一兆二千九百十億二千七百余万円でありまして、前年度に比較いたしまして、収入において四千九十億八百余万円、支出において四千九十九億七千二百余万円を減少いたしておりますが、この減少いたしましたのは、酒類配給公団及び石油配給公団が廃止せられましたことと、価格調整公団、飼料配給公団、食料品配給公団、鉱工品貿易公団、纖維貿易公団、船舶公団、配炭公団及び船舶運営会がそれぞれ本年度中に清算を完了する予定に相成つておりますこと等によるものであります。
 以上を以て昭和二十五年度予算の説明といたします。尚詳細につきましては、政府委員をして説明いたさせます。何とぞ御審議をお願いいたします。
#4
○委員長(山田佐一君) 次に河野主計局長の説明を承わりたいと思います。
#5
○政府委員(河野一之君) 昭和二十五年度の財政経済の骨子につきましては、先般大蔵大臣より財政演説がありましたし、又明年度の予算の大網につきましては只今御説明があつたのでございますが、私から多少敷衍して申上げたいと思うのであります。
 経費の推算或いは収入の見積り等につきましては、先般お手許に昭和二十五年度予算の説明という印刷物を差上げてありまするので、それを御覧頂けば大体御了承願えるのでありますが、それに書いてありますところの主な点をピツク・アツプして、又明年度予算の編成に当つての経済的の背景というようなものを申上げて置いた方がよいのではないかと思います。経済的な背景の問題といたしましては、先ず物価と賃金、この問題を明二十五年度の予算についてどういうふうに考えておるかというのでありますが、いずれも物価及び賃金は大体横ばいで行つて、現在の物価水準は変動しないという建前でございます。本年の一月から御承知の通り陸上運賃が八割上りましたし、それから海上貨物運賃が九割三分上りましたが、それに伴いまして減税、取引高税の撤廃或いは物品税の整理というようなこと、そういつた関係でそれが或る程度吸収される。それから米価の問題につきましても、米価につきましては今年の一月から九・八八%上つたわけでありますが、今年産の食糧につきましては、本年春麦については一六四ぐらいのパリテイになる。それから本年の秋産米につきましては一六八程度になるということで予算を積算しておるのでございます。それから個々の物資につきましては価格統制が外され、価格調整補給金が削減せられます関係上、相当個々の物資については上るものもあるわけでございますが、これは操業度の向上或いは企業努力というようなことで吸収されまして、全般的には物価水準は動かない。それから賃金でありますが、賃金も大体移動はないという考え方をいたしております。従いまして終戦処理費に計上してありますプリヴエイリング・ウエイジ、一般職種別賃金というものも前年と同じ単価で推算しておる次第であります。併し食糧が上りますので、生計費には多少の影響があるのでありますが、これは減税において吸収せられる。物価庁の計算によりますと一万二千五百円の月収で夫婦、子供二人といつたようなところでは、今後における価格改訂において二%程度の生計費の増加を来すのでありますが、間接税の廃止或いは整理等によりまして二・九%程度生計費の減少になる。更に所得税の減税、地方税は多少上りますが、そういつたものを差引きましても三・八%程度の生計費の減少になる。その外いろいろ計画されております油脂、石鹸でありますとか或いは衣料というようなものの放出が予定通り行われますとなると、更に一%程度は生計費の減少になる。そういたしますと、そういつた家庭で全部を通算しますと、五・五%程度は生計費の減少に相成るのではないかというような計算もございます。これは勿論闇の価格とか自由価格の低落ということを念頭に入れないで、算術的な計算でありまするので、そういうことを考慮に入れるならば更に下るだろうというような考え方をいたしております。
 それからその次は統制の問題でありますが、先ず統制については、明年度におきましては大体殆んどすベてのものが年度末までに統制が撤廃になるであろう。食糧でありますとか或いは石油、油でありますとか、そういつた一部のものを除いては大体撤廃になるであろう。価格調整費につきましても九百億を計上いたしておるのでありますが、これは年度内に大体整理せられまして、明年度以降におきましては輸入食糧の分四百五十六億を計上いたしてありますが、その分の系統のみが残るというように考えております。価格調整費につきましては、鉄が二百五十九億円、肥料が百七十六億円、ソーダが八億円といつたような計算になつておるのでありますが、鉄鋼関係は、今年の一月に製鋼用銑鉄三一%、鑄物用の銑鉄九%値上をいたしまして、それから鋼材につきましては三〇%値上をいたしました。このままの価格で大体六月まで行くわけでありますが、七月以降におきましては、銑鉄四二%、鋼材四七%という値上に相成りまして、鋼材に対する補給金は七月以降は大体なくなるのではないか、従つてその頃において鋼材の統制撤廃をするというような考え方をいたしております。それから肥料でありますが、肥料は今年の一月に二〇%値上をいたしまして、三月に三五%、今までの価格に対しまして三五%の値上をいたします。それから八月以降におきまして七五%値上ということになりまして、硫安の生産者価格が二万三千四百円、消費者価格が二万一千七百五十円という程度に相成ると考えております。八月以降におきまして補給金をどういうふうにいたしますか、これは一応二十五年度末まで組んでおりますが、今後において検討せらるベき問題というふうに考えております。勿論食糧価格につきましては今申上げました鉄鋼であるとか、或いは肥料のパリテイに及ぼす影響というものを検討いたしまして、買入価格を予定しておる次第であります。ソーダにつきましては、昨年の九月に四〇%値上をいたしております。今年の九月までは大体維持しまして、それ以後は廃止になるであろうというような考え方をいたしております。併し全面的には未だ決定いたしておりません。
 それから物資の割当調整に関する事務は相当減少するつもりでありまして、一般会計におきまして、今まで一万九千人程の人員を使つておりますが、予算におきましては、これを一万二千人程度に減らしております。経費につきましても、三十七億円のものが十九億円に減つております。それから歳入におきまして、従来物資割当手数料というものを二十億円程とつておつたのですが、これは明年度以降廃止いたします。
 それから公団の問題でありますが、公団につきましては、先程大蔵大臣の御説明に一部あつたのでありますが、食料品配給公団、肥料配給公団及び船舶公団は、本年三月を以ちまして解散いたしまして、四月以降清算に入る予定であります。そうして本年の九月末までに清算を完了する予定であります。それから配炭公団はすでに清算の過程に入つております。酒類公団も大体清算を結了の段階に至つておる次第であります。鉱工品貿易と繊維貿易の両公団は、本年の四月以降残務整理をいたしまして、十二月を以て清算を完了するという予定になつております。結局残りますのは食糧配給公団と油糧配給公団と産業復興公団でありますが、食糧配給公団につきましては、これは勿論存置せねばならんのでありますが、油糧配給公団は、その取扱い品目を相当整理する予定であります。今まで砂糖につきましては食料品配給公団が扱つておりましたが、これを四月から油糧配給公団に移す予定であります。産業復興公団は、建設関係の新規の業務は停止いたします。それから新規の資材買入も九月までといたしまして、それから以後は新規資材の買入をやらないというような考え方をいたしております。
 それからその次は貿易の問題でありますが、明年度の貿易計画でありますが、明年度は輸出が六億三百万ドルというふうに考えております、輸入が九億五千五百万ドルであります。輸出のこれを前年度に比較いたしますと、前年度は、輸出が五億二千万ドル、輸入が十億ドルということに相成つております。但し輸入の九億五千五百万ドルのうち、コンマーシヤル・アカウントに属するものは六億一千九百万ドル、前年度が五億三百万ドルであります。それからガリオア、即ちアメリカの援助関係に属しまするものが三億三千六百万ドル、前年度は四億九千七百万ドルということに相成つております。ガリオア関係が一億六千万ドル減りまして、コンマーシヤルによります輸入が一億ドル増しておる。この一億ドルの輸入を増すために輸出も増大するという計画になつておるのでありまして、いわゆる竹馬経済の一つの脚をここで短くしておるということに相成る次第であります。こういうような貿易計画に基きまして明年度の予算を編成いたしておる次第であります。見返資金もこれを前提にいたして計算いたしておる次第であります。
 それからその次は食糧の問題でありますが、明年度におきまする食糧の輸入は三百四十万トンであります。その外に大豆が三十五万トンございます。食糧関係で三百七十五万トンという輸入に相成ります。前年度の主要食糧の輸入は二百九十万トン、この外に大豆が二十五万トンでありまして、明年度の食糧事情は相当良くなるというふうに見ております。国内産の食糧につきましては、当初予算を編成いたしましたときには、米に換算いたしまして六百二十五万トンであります。輸入食糧を入れまして九百四十五万トン程度に計算いたしておつたのでありますが、その後の事情によりまして、予算の当初の積算と可なり変つて来ております点は、主として「いも」の問題でありますが、甘藷につきましては三億五千万貫、それから馬鈴薯につきましては一億七千万貫を大体買入れることにいたしております。消費者価格に計算につきましては、昨年産米については一五六パリテイ、本年春麦については一六四、本年産米については一六八の三つのパリテイを平均して收支の償うような価格に定めたのでありますが、これが消費者価格で申しますと、九・八八%ということに相成るのであります。現在の買入生産者価格は四千四百三円ということに相成つております。この裸の価格が四千二百五十円、それから俵代百九円、それから等級間格差が四十四円ということで決まつておるわけでありますが、今年の秋の米につきましては、現在の織込価格では四千七百十七円と一六八パリテイの際には相成るのではないかというふうに考えております。超過供出は大体二倍でありまして、現在は八千七百円、一六八パリテイの分におきましては九千三百二十四円という程度に相成ります。当初予算では一一・三%上る予定にいたしておつたのでありますが、当時超過供出を二百五十万石見ておりました。最近の状況にやきましては、この程度はちよつと困難であるというので、約百五十万石程度の超過供出を減らしましたためと、それから食糧事情の改善に伴いまして、小麦であるとか或いは「いも」であるとか、そういつたものの対米価比率を、多小国民の嗜好に応じて落したというような関係で、全体的に消費者価格の増加を落したのと、それからもう一点は、外国から入つて来ます米を、大体一等米程度で計算しておつたのでありますが、品質が最近の状況ではこれより下つておりますので、これを下げたというようなことで、当初一一・三%で計算いたしておりましたものが、九・八八%に下りましても、今度の予算で十分であるというふうに考えております。
 それからこの予算、一般会計、特別会計、政府関係機関を通じまする定員の問題でありまするが、定員は一般会計は四十三万一千人、それから特別会計は四十九万八千人、それから政府関係機関が六十一万七千人ということで、百五十四万七千人程の定員になつております。前年に比較しまして二万人程減つております。但しこの外に進駐軍関係の労務者が二十三万三千人程おりますので、いわゆる政府職員というのは百七十八万人程になるわけであります。人件費は全部併せまして二千二百億程に相成ります。物件費は一兆四千五百億程度であります。いわゆる六三ベースという基本給に相当いたしますものが、一般会計、特別会計、政府職員を通じまして千二百七十億程度、この外に進駐軍関係が二百二十億程ありますので、千四百億程度ということに相成るわけです。これは勿論六三ベースで計算してあるのでありまして、この給与水準を上げるという考え方は現在のところありません。但し六千三百七円と申しましても、昨年におきまして行政整理の関係等におきまして、職員の構成等も相当変つておりますので、現実には六千五百円以上の平均給与水準に相成つております。これは七千八百七十七円というような勧告が出ておるわけですが、これを具体的に当篏めますと、多少数字が違うようでありますが、ベースの数字は多少違うのではないかと思いますが、大体政府関係におきまして、月額二十九億円、それから地方職員もこれに倣いますと二十一億円の増加、合計しまして月額五十億円という増加に相成るわけであります。
 以上の外特別会計につきましても、大臣が大体御説明申上げたのでありますが、会計の数は、今年度三十ということに相成つております。前年は三十一でありますが、薪炭需給調節特別会計と地方配付税配付金特別会計という両方の特別会計を今回廃止いたしまして、新らしく貿易特別会計の中に入つておりました援助勘定を独立いたしまして、米国対日援助物資等処理特別会計というのが出ております。それから外国貿易特別円資金特別会計、これは法務府の所管でありますが、これは名称を変更いたしまして、解散団体財産収入金という特別会計にいたしました。この会計は右翼その他の解散団体の財産を管理いたしまして、その収入支出との剰余を貿易会計に入れることとなつておりましたが、今回一般会計に入れることにいたした次第であります。
 見返資金の関係でありますが、見返資金は明年度千五百八十一億円ということになつておるのでありますが、これは先程申上げました貿易の計画と、現実の見返資金に入つて来ます関係が非常にズレるのでありまして、これはちよつと複雑な計算になるのでありますが、そういつたズレを見た計算に相成つておるわけであります。例えて申しますと、昭和二十四年度で先程四億九千七百万ドルの輸入があるというふうに申上げたのでありますが、その分のうち、現実に入つて見返資金に繰入れるものは四億一千五百万ドル、千四百九十四億円ということに相成るわけでありまして、残りの八千二百万ドルは翌年度に繰越しになる金額二百九十六億円であります。二十五年度はこの分を引継ぎまして、本年度三億三千五百万ドルの輸入のうち、現実に見返資金に入れるというものが二億七千九百万ドル、それが千七億円程ございます。それから前年度の見返資金を今年度に繰越したものが二百三十八億円、それから運用収入三十八億円というようなことで、千五百八十一億円程の計算が出るわけであります。
 それから政府関係機関でありますが、この政府関係機関は、先程申上げたところで大体尽きるのでありますが、ただ新らしく設立されますものといたしまして、住宅金融公庫というのがございます。これは一般会計から五十億出資いたします。それから見返資金から百億を交付いたしまして、百五十億の資金を以て運営いたすのでありますが、大体八万戸程度の住宅の建設ということを予定いたしております。見返資金の運用につきましては、最近非常によくなつたのでありますが、明年度におきましては、公企業、私企業共にその投資金額が殖える、その運用の一端といたしまして、住宅金融公庫への投資があるわけであります。その外の見返資金につきましては、農林関係においても相当な資金が出る予定になつております。
 大体以上を以ちまして、総括的な御説明を申上げた次第でありまして、尚御質問によりまして更にお答え申上げることにいたします。
#6
○委員長(山田佐一君) 次に平田主税局長。
#7
○政府委員(平田敬一郎君) 歳入予算の内容につきまして大要を御説明申上げたいと思います。税制度改正につきましては、目下主な法案はすベて閣議で最終決定を見まして、大体総司令部との間におきましても、国税に関する限りにおきましては、内交渉は済みまして、正式に総司令部のガバーメント・セクシヨンに提出しまして目下審議の促進を図つて頂いております。近くOKが来まして国会に提案できるのじやないかと思つております。
 予算におきましては、すでに概要においても御説明申上げております。税制改正の主なる事項につきましてはすべて確定しております。それに基きましてできるだけ正確な見積りをすることに努めたのでございます。今回は特に御審議の材料といたしまして、大体昭和二十三年度までの税務の統計がほぼ正確なものが集まりましたので、これに関しましてはお手許に別途印刷いたしまして、租税に関する参考計表としましてできる限り確実なものを印刷配付した次第であります。今回の財政の見積りは、主としてこの二十三年度の正確な統計を基にいたしまして、それから各種の所得は、消費の増減状況等を睨み合せまして、できる限り見積りの正確を期した次第であります。そうしまして、その内容につきましても、別途に昭和二十五年度租税及び印紙収入の予算の説明としまして、できる限り詳細に計数を整理いたしまして、お手許にお配りいたしましたので、詳細なことを御説明するのは、時間の関係もございますから省略いたしますが、その中で重要なものと認められる二、三の点につきまして御説明申上げたいと思う次第であります。
 先ず全体としては、税収入の増減関係は、先程大臣がお話した通りでありますから、さような点につきましては申上げません。所得税でございますが、所得税につきましては、今も申上げましたように、二十三年度の課税の実績を基にいたしております。それを基にいたしまして、その後における生産、物価、賃金、雇用等の増減を見込みますと同時に、或る程度納税者の協力並びに徴税能率の増進等の関係も考慮に入れまして、できる限り適正な税額を計算することにいたしたのでございます。即ち先ず勤労所得につきましては、大体昭和二十五年度分といたしましては、二十三年度に比較しまして、雇用と申しますか、納税人員は、改正なかりし場合の納税人員、改正を織込まない場合の単純な二十三年度の税法のままで行つた場合の納税人員におきまして、約三%の減を見込んでおります。これは国民所得の見積りと同樣な方法でございます。所得におきましては、最近の賃金水準を基にいたしまして計算いたしますると、五三%程度の増になるのでございます。それに更に二十三年度から二十五年度と二ケ年間に亘りますので、その間の徴税能率の増加等を考えまして、三%の捕捉の増というのを見込みまして、全体といたしまして、二十三年度に比較しまして、課税所得が五〇・一%増加するものとして計算いたしております。その数字を基にいたしまして、新らしい改正案によりますところの勤労控除は一五%にする、基礎控除は二万五千円にする、扶養控除ほ一万二千円に改める等の改正の事項、各種税法の改正によります扶養親族の控除の範囲を拡張いたしておりまする外、いろいろな改善を図つておるのでございますが、さような点をすべて計算に織込みまして、できる限り正しい税額の算定をいたしたのでございます。そういたしまして算出いたしました二十五年度の源泉徴収にかかりまする勤労所得税の分は、全体として九百五十六億円程度見込んでおる次第でございます。二十四年度の本来の分といたしましては、賦課額で九百三十億ございまするが、若干翌年度に繰越見込みのものがございますから、それを差引きまするのと、それから本年度から翌年度に繰越されるものを加算いたしまして、九百五十六億円を見込んでおる次第でございます。給与所得以外におきましては、預金利子の源泉課税、その他原稿料等の課税等を加えまして、全体として二十六億円程度見込んでおりまして、合計いたしまして九百八十三億円程度の税収入を見込んだわけであります。
 次に申告所得税でございますが、申告所得税につきましても、同様にすべて昭和二十三年度の税務統計に現われましたところの課税人員と課税所得金額とを基にして算出いたしてございます。それに対しましてそれぞれ生産、物価、把握等の増加を見込んだのでございます。その詳細は説明に詳しく書いてございますので、多く申上げる必要はないと思いますが、先ず農業におきましては、この二ケ年の間に七%の生産増加を見込んでおります。これも安本の行き方と同樣でございます。物価の方は一三一%の増を見込んでいます。これは国民所得の計算におきましては、一応給与水準は横ばいという非常に簡単な方法によつておりますが、私の方は若干特別会計で見込んでおります数字を採用いたしまして、マル公以外の分は、最近の価格横ばいといつたようなところで計算いたしまして、三一%の増加を見込んでおるわけでございます。それを総乗積いたしますると四〇%の増になりますが、更に税制の改正その他によりまして三%程度の把握の増を見込んで、大体におきまして四四%の増を見込んでおります。同じく営業所得につきましては、生産の増加を一割六分程度見込んでおるのであります。これは単純な生産増加だけでありますと、実はもう少し殖えるのでございますが、最近滞貨の増等のインペントリーが殖えまして、その分は必ずしも所得にならないという点がございますので、そういう点を若干調整いたしまして低めに見ております。物価につきましては、最近の実効価格を基にして二十三年の平均を把握いたしまして、四割一分の増加を見込んでおります。そういたしましてその総乗積が六割八分になるのでございます。営業の方は、殊に従来から課税漏れその他の議論も国会であるようでありますが、税制の合理化の新らしいいろいろな制度の採用によりまして、やはり適正課税に努めるという意味におきまして、六%の把握増を見込んでおります。そういたしまして、全体として七割四分の課税所得の増加を見ております。
 その他につきましても同様な方法でありまして、結局申告所得税におきましては、全体といたしまして六割二分の課税所得の増を二十三年に比較いたしまして見ております。それに対しまして、あとは先程勤労所得税について申上げましたと同じ方法で、今度の新らしい税制に基きまする各種の控除並びに税率、或いは改正になりました幾多の事項を織込みまして、それぞれできる限り正しい税額を算出いたしたのであります。そのプロセスは、挙げて説明書にございますので、詳しく申上げないのでございますが、納税人員等におきましても相当な減になりますが、税額におきましては、結局本年度の大体見込額といたしましては、農業所得分が二百二十一億、営業の分が千二十九億、全部合せまして千五百三億五千百万円という予算額を計上いたしたのであります。そのうち繰越の分が相当入つておりまして、全体といたしまして四百二十三億円程度、本年度分から来年へ繰越す見込でありますが、その六五%が二十五年度中に入るものと見込みまして、その額を二百七十五億円程度と見込んでおります。従いまして千五百三億円から二百七十億円を差引きました千二百二十七億円という数字が、来年度の本来の所得税の収入見込額であります。これも数字に示しておりまするように、それぞれ来年度の賦課見込額に対しまして、徴収歩合をそれぞれ乗じまして、全体として七四%来年に入るものとして計算いたしております。大体今までの計算の方法とこれは同程度でございます。
 尚御参考までに、昭和二十四年度の補正予算におきましては、前回も御説明申上げたかと思いますが、大体農業所得税は、二十四年度におきまして四百十九億円程度入るものと計算いたしておつたのでございます。営業所得税は千百億円、全部合せまして千七百億円程度を見込んでおつたのでありますが、二十四年度の補正予算は、二十三年度の完全な税務統計ができる前でありましたので、スタートの基礎が若干違つておることを申上げて置きたいと思います。結果におきまして、今申上げたようなことに相成つておるのであります。
 尚その次は法人税でありますが、法人税もやはり大体同様に昭和二十三年度分の税務の統計を基本にいたしまして、その後における生産、物価の増並びに把握の増等をできる限り正確に見積りまして、それによつて計算いたしております。大体八割七分程度の課税所得の増を最後において見込んでおります。それに対しまして改正税法を盛り込んだのであります。超過所得税は四月以後の事業年度分から廃止します。清算所得税も四月以後の解散、合併の分は廃止します。普通所得税は従来通り三五%、但し新たに再評価を行いますので、それによります減価償却の増による利益の減も相当見込んでございます。約四百四億円程度、昭和二十五年度分の法人税は、利益上の再評価によつて、課税利益が償却の増によつて減るという計算をいたしております。その他税法の改正によりまして棚卸資産の評価、貸倒準備金といつたような改正を今予定いたしております。このような事項全部を計算いたしまして、結局において課税所得総額を千四十一億円と見まして、それに税率を適用して計算いたしております。
 特別法人税につきましても同様な方法であります。利益の増加は、若干内輪に見ております。そういたしまして結局全体といたしまして、昭和二十五年度の法人税が何パーセント入るか、それから前からの繰越の分、それぞれ適当のパーセンテージを算定いたしまして法人税を見積つた次第であります。
 尚相続税、富裕税、それからその他につきましても、同様にできる限り正確な見積りをいたしたのでございますが、相続税につきましても、これもやはり同じように、昭和二十三年度における相続税と贈与税の課税実績を基にいたしまして、その後における財産価格の増加並びに税率の増加等を一方におきましては見込みますと同時に、他方におきまして、今回は根本的な改正になるますが、成るべく各改正事項に適用する事項を、それぞれ仔細に検討いたしまして見積りいたした次第でございます。そういたしまして結局昭和二十五年以降の相続税の分が幾らあるかということと、それから本年度からの繰越が相当ございますので、それを両方入れまして合計額三十一億円を見込んだ次第であります。それから富裕税につきましても同様にこれは新らしい税でございますので、富裕税の資料だけは今までないわけでございますが、大体財産税の課税の際の資料がございますので、その資料を基にいたしまして、その後における価格の値上りと、財産税納付による財産の減少等をそれぞれ差引き、或いは加算いたしまして計算いたした次第であります。それによりまして大体本年度申告によつて七六%程度が集まる計算をいたしまして、二十億二千五百万円という歳入を計上いたしたのであります。人員等もなかなか調査が困難でございますが、大体四万人程度を見込んでおります。納税人員は、これは表にはすべて示してあります。
 それから再評価税につきましては、これもやはり最近の法人の張簿価格の調査で分つておりますが、それに対しまする大体の今度の再評価に基きまする倍率を適用いたしまして、それの大体再評価を行いますものは、現在の半分程度、平均して行われるだろうということで一応税額を算定し、それに対しまして更に今回シヤウブ案に対しまして修正を加えまして、その納期につきましても、全体の六%の二分の一は最初の一年に納めさせることにいたしていたのでありますが、これを若干、利益の少い法人につきましては、五ケ年間に延納を認めることにいたしました。それから再評価税も事業年度と合せて納付の時期を決めることにいたしましたので、そういう点からいたしまして約三分の一程度は、来年度以降に延納が認められるという前提にいたしまして計算をいたしております。法人につきましては、さような計算で算定いたしました数字が、全体で百四十五億円程度ございます。尚個人につきましてもこれはなかなか精細な資料が困難でございますが、各種の資料からできる限り正しい一応の再評価額というものを計算し、実際において再評価でやる額は相当内輪目にやるものと考えまして、それぞれ再評価税を計算いたしております。尚同様に、讓渡相続の場合の讓渡所得税に対応するところの六%の讓渡再評価税、これにつきましてもやはり同様な方法で見積りまして、全体としまして、個人分といたしまして十三億八千万円程度見込んでおるわけでございます。両者を合せまして百五十九億円の再評価税を見込んでおります。
 それから尚酒税につきましては、これも詳細に書いてありまするが、原料は米が四十三万三千石、大麦が二十四万一千石、甘藷が一億二千五百万貫、この程度が原料として入手確保できるという前提の下に、各種酒類の生産をそれぞれ予想いたしまして計算いたしております。その内訳も詳細にすべて説明にございますから、説明を省略いたしたいと思いますが、特に御注目願いたいのは、燒酎が大体増加いたしまして、確か昭和二十三年度程度あたりは自由販売の燒酎は極く僅かであつたのが、昭和二十五年度の予算におきましては約七十六万石程度自由販売だけに見込んでおります。配給は十七万石程度でございますから、合せますと九十三万石程度見込んでおりまして、これが増加しましたので酒税の収入の殖えます最も大きな原因になつております。尚ビールも若干数量が殖えますので増収になる見込であります。
 今回の税制の改正は一つは地方税でありますところの酒の消費税を統合したのでございます。それが取引高税が廃止になつて附加価値税が設けられたわけでございます。その辺を一応考慮するという考え方と、尚若干増税するという考え方に立つて計算しておるのでございますが、増収額の大部分はむしろ酒類の増産による増加額でありまして、純粋の増加による分は三十億弱と見ております。尚これは後程適当な機会に正確な数字を申上げたいと思いますが、大体さような見方でございます。
 以下砂糖消費税、揮発油税、物品税、その他につきましては、それぞれ最近の課税実績等を基にいたしまして見積りいたしております。通行税も同様であります。
 尚関税につきましても、若干改正すべく目下法案を総司令部との間に協議中でございまして、その法案が実現しますならば、この程度の収入はできると考えておる次第でございます。
 大体以上で主な事項を申上げた次第でございます。尚細目の点につきましては、将来適当な機会に御説明申上げたいと思います。
#8
○委員長(山田佐一君) 本日の説明はこの程度に止めておきまして、本日は散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山田佐一君) では御異議ないと認めます。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 佐一君
   理事
           内村 清次君
           田村 文吉君
           堀越 儀郎君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           木下 源吾君
           羽生 三七君
           森下 政一君
           西川 昌夫君
           西川甚五郎君
           平岡 市三君
           安達 良助君
           岩木 哲夫君
           小杉 繁安君
           藤森 眞治君
           赤木 正雄君
           飯田精太郎君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           伊達源一郎君
           藤野 繁雄君
           松村眞一郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大蔵事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
ソース: 国立国会図書館
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